(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ヘルメット及び使用方法
(51)【国際特許分類】
A42B 3/04 20060101AFI20240517BHJP
A42B 3/28 20060101ALN20240517BHJP
【FI】
A42B3/04
A42B3/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574859
(86)(22)【出願日】2022-05-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 CN2022096092
(87)【国際公開番号】W WO2022253199
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110611741.3
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523454968
【氏名又は名称】米 建軍
【氏名又は名称原語表記】MI Jianjun
【住所又は居所原語表記】East Room 3 Floor 8 Building Yuehujiayuan Wenhuadonglu Qingdao, Shandong 266600 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】米 建軍
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107BA04
3B107BA07
3B107BA08
3B107CA03
3B107DA04
3B107DA21
3B107EA00
(57)【要約】
本発明は導流翼を有するヘルメット及び使用方法を開示し、従来のヘルメットの重量を軽減して頭部の圧力負荷を増加する問題を解決し、及びヘルメット周囲の流体をどのように利用してより多くの機能を提供するか、使用中にヘルメットでどのように方向を案内するか等の問題を解決する。本発明は、以下の技術的解決手段によって上記目的を実現する、ヘルメットであって、ヘルメット本体及び導流翼を含み、ヘルメット本体の外部に導流翼が設けられ、導流翼は、ヘルメットの使用過程において、導流翼の弦線に沿って垂直上向きの揚力を発生させるような形状及び/又は位置に設置され、上記導流翼は対称翼形又は揚力翼形であり、上記導流翼は折り畳み可能又は/及び取り外し可能であり、上記導流翼は水平又は垂直に設置され、上記ヘルメットはヘルメット本体及びヘルメット本体に接続された導流カバーを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメットであって、ヘルメット本体及び導流翼を含み、
前記ヘルメット本体の外部に前記導流翼が設けられ、前記導流翼は、前記ヘルメットの使用過程において、前記導流翼の弦線に沿って垂直上向きの揚力を発生させるような形状及び/又は位置に設置される、ことを特徴とするヘルメット。
【請求項2】
前記導流翼は対称翼形又は揚力翼形である、ことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
【請求項3】
前記導流翼は、折り畳み可能及び/又は取り外し可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
【請求項4】
前記導流翼は、水平又は垂直に設置される、ことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
【請求項5】
前記ヘルメットは前記ヘルメット本体及び前記ヘルメット本体に接続された導流カバーを含み、前記導流翼は前記ヘルメット本体及び/又は前記導流カバーに設置される、ことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
【請求項6】
更に固定盤(10)が設けられ、前記固定盤(10)は前記ヘルメットに固定され、前記固定盤(10)に少なくとも1つの凹溝(11)が設けられ、複数本の前記凹溝(11)の一端は開口し且つ前記固定盤(10)の軸線に沿って周方向に分布され、前記凹溝(11)の開口方向は前記ヘルメットの使用進行方向に向き、前記導流翼(2)の左端は前記凹溝(11)に嵌入可能である、ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のヘルメット。
【請求項7】
前記導流翼(2)の前記凹溝(11)に嵌入された部分と前記凹溝(11)との嵌合は締まり嵌め、ほぞ継ぎ構造、及び係止構造のうちの少なくとも1つによって互いに固定される、ことを特徴とする請求項6に記載のヘルメット。
【請求項8】
更に収納ユニットを含み、前記収納ユニットは固定ブロック(4)を含み、前記固定ブロック(4)は前記ヘルメットに固定され、前記固定ブロック(4)に軸孔が設けられ、前記導流翼(2)の左端に接続板(9)が設けられ、前記接続板(9)に軸孔が設けられ、前記導流翼(2)の左端はストッパブロック(8)と固定軸(5)に接続され、前記固定軸(5)にトーションスプリング(6)が嵌設され、前記トーションスプリング(6)の一端は前記ヘルメットに接続され、前記トーションスプリング(6)の他端は前記導流翼(2)に接続され、前記固定軸(5)は前記固定ブロック(4)の軸孔及び前記接続板(9)の軸孔を貫通し、前記導流翼(2)を前記ヘルメットに対し回転して折り畳ませることが可能なように接続される、ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のヘルメット。
【請求項9】
初期状態は、前記導流翼(2)が左右方向に沿って配設され、前記トーションスプリング(6)が前記導流翼(2)に作用し、前記導流翼(2)の前記ストッパブロック(8)の左端を前記固定ブロック(4)の右端に接触させ、前記導流翼(2)が使用過程において左上方へ回転することを制限し、右下方への外力の作用で、前記トーションスプリング(6)の力に抗し、前記導流翼(2)を右下方へ回転させ、前記ヘルメットの表面に接近し、前記ヘルメットの占有スペースを低減することができる、ことを特徴とする請求項8に記載のヘルメット。
【請求項10】
ヘルメットの使用方法であって、
人体は自転車又はオートバイに乗車し、前記ヘルメットを装着し、直線走行する場合、前記人体は前記ヘルメットにおける導流翼と対向気流との作用を利用して揚力を発生させ、前記ヘルメットの前記人体への圧力を軽減し、カーブ走行する場合、前記人体は能動的に前記ヘルメットをカーブ方向の内側に傾斜させ、前記ヘルメットの前記導流翼と対向気流との作用で傾斜内向きの揚力を発生させ、この揚力は、前記ヘルメットの前記人体への圧力を低減する上向きの力、及び遠心力を低減するカーブ内側への引張力に分解させることができ、従って、より安全で迅速なカーブを提供し、或いは、前記人体が飛行中に前記ヘルメットを装着する場合、前記人体の顔が下向きで、前記ヘルメットの頂部が前向きで、前記ヘルメットのフェイスガードが下向きで、前記導流翼が前記ヘルメットに対する垂直方向に沿って設置され、即ち、前記ヘルメットの頂部が前向きで、前記ヘルメットのフェイスガードが下向きである場合、前記導流翼は水平状態であり、前記ヘルメットにおける前記導流翼と対向気流との作用を利用し揚力を発生させ、前記ヘルメットの人体頸部への圧力を軽減し、飛行の上昇又は下降を補助し、カーブ飛行する場合、前記人体は能動的に前記ヘルメットをカーブ方向内側に傾斜させ、前記ヘルメットの前記導流翼と対向気流との作用で傾斜内向きの揚力を発生させ、この揚力は、前記ヘルメットの前記人体への圧力を低減する上向きの力、及び遠心力を低減するカーブ内側への引張力に分解させることができ、従って、飛行のためのより安全で迅速なカーブを提供する、ことを特徴とするヘルメットの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘルメット分野に関し、具体的には導流翼を有するヘルメット及び使用方法である。
【背景技術】
【0002】
自転車ヘルメット、オートバイヘルメット及び飛行ヘルメット等を含む従来のヘルメットは、人体頭部に対する保護作用を有し、科学技術の進歩に伴い、ヘルメットに多くの装置、例えばカメラ、VR眼鏡、ナビゲーション装置、通信装置等を追加設置することができ、ヘルメットの機能を大幅に豊かにしたが、装置の増加に伴い、ヘルメットの重量も増加し続け、人体の頭部・頸部に圧力を与え、長時間使用すると人体に疲労及び傷害を与える。ヘルメットの重量を軽減するために炭素繊維複合材料等の技術的手段を採用しているが、コストが高く且つ最小使用量に達し、安全性の前提の下で重量を低減する余地がない。そしてヘルメットの使用過程において、例えば、オートバイに乗る間、動力式三角翼を使用して飛行する間、ヘルメットの周囲の流体の動きが激しく、ヘルメットの形状設定がヘルメットの使用機能及び安全性に大きく影響し、従来技術では需要を満たすことができない。従って、ヘルメットの人体の頭頸部への圧力を軽減し、より多くの応用分野及び機能を実現するヘルメットを設計する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来のヘルメットの重量を軽減して頭部の圧力負荷を増加する問題を解決し、及びヘルメットの周囲の流体をどのように利用してより多くの機能を提供するか、使用中にヘルメットでどのように方向を案内するか等の問題を解決する、導流翼を有するヘルメット及び使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下の技術的解決手段によって上記目的を実現する。ヘルメットであって、ヘルメット本体及び導流翼を含み、ヘルメット本体の外部に導流翼が設けられ、導流翼は、ヘルメットの使用過程において、導流翼の弦線に沿って垂直上向きの揚力を発生させるような形状及び/又は位置に設置される。人体の頭部にヘルメットが装着される場合、上記ヘルメットの各部位の名称は人体の頭部位置の名称と一致し、例えばヘルメットの頭頂に近い位置はヘルメットの頂部であり、顔に近い位置はヘルメットの前部であり、首に近い位置はヘルメットの底部であり、後頭部に近い位置はヘルメットの後部である。
【0005】
上記導流翼は、対称翼形又は揚力翼形である。
【0006】
上記導流翼は、折り畳み可能及び/又は取り外し可能である。
【0007】
上記導流翼は、水平又は垂直に設置される。
【0008】
上記ヘルメットは、ヘルメット本体及びヘルメット本体に接続された導流カバーを含み、上記導流翼はヘルメット本体及び/又は導流カバーに設置される。
【0009】
上記何れか1つに記載のヘルメットにおいて、更に固定盤が設けられ、上記固定盤はヘルメットに固定され、固定盤に少なくとも1つの凹溝が設けられ、複数本の凹溝の一端は開口し且つ固定盤の軸線に沿って周方向に分布され、上記凹溝の開口方向はヘルメットの使用進行方向に向き、上記導流翼の左端は凹溝に嵌入可能である。
【0010】
上記ヘルメットにおいて、上記導流翼の凹溝に嵌入された部分と凹溝との嵌合は締まり嵌め、ほぞ継ぎ構造及び係止構造のうちの少なくとも1つによって互いに固定される。
【0011】
上記何れか1つに記載のヘルメットにおいて、更に収納ユニットを含み、上記収納ユニットは固定ブロックを含み、上記固定ブロックはヘルメットに固定され、上記固定ブロックに軸孔が設けられ、上記導流翼の左端に接続板が設けられ、接続板に軸孔が設けられ、上記導流翼の左端はストッパブロックと固定軸に接続され、上記固定軸にトーションスプリングが嵌設され、上記トーションスプリングの一端はヘルメットに接続され、トーションスプリングの他端は導流翼に接続され、上記固定軸は固定ブロックの軸孔及び接続板の軸孔を貫通し、導流翼をヘルメットに対し回転して折り畳ませることが可能なように接続する。
【0012】
上記記載のヘルメットにおいて、上記収納ユニットの初期状態は、導流翼が左右方向に沿って配設され、トーションスプリングが導流翼に作用し、導流翼のストッパブロックの左端を固定ブロックの右端に接触させ、導流翼を伸展状態にし、且つ導流翼が使用過程において左上方へ回転することを制限し、右下方への外力の作用で、トーションスプリングの力に抗し、導流翼を右下方へ回転させ、ヘルメットの表面に接近し、ヘルメットの占有スペースを低減することができ、収納が容易となる。
【0013】
ヘルメットの使用方法であって、人体は自転車又はオートバイに乗車し、上記ヘルメットを装着し、直線走行する場合、人体は上記ヘルメットにおける導流翼と対向気流との作用を利用して揚力を発生させ、ヘルメットの人体への圧力を軽減する。カーブ走行する場合、人体は能動的にヘルメットをカーブ方向の内側に傾斜させ、ヘルメットの導流翼と対向気流との作用で傾斜内向きの揚力を発生させ、この揚力は、ヘルメットの人体への圧力を低減する上向きの力、及び遠心力を低減するカーブ内側への引張力に分解させることができ、従って、より安全で迅速なカーブを提供する。或いは、人体が飛行中に上記ヘルメットを装着する場合、人体の顔が下向きで、ヘルメットの頂部が前向きで、ヘルメットのフェイスガードが下向きで、導流翼がヘルメットに対する垂直方向に沿って設置される。即ち、ヘルメットの頂部が前向きで、ヘルメットのフェイスガードが下向きである場合、導流翼は水平状態である。上記ヘルメットにおける導流翼と対向気流との作用を利用し揚力を発生させ、ヘルメットの人体頸部への圧力を軽減し、飛行の上昇又は下降を補助し、カーブ飛行する場合、人体は能動的にヘルメットをカーブ方向内側に傾斜させ、導流翼とヘルメット頂部の対向気流との作用で傾斜内向きの揚力を発生させ、この揚力は、ヘルメットの人体への圧力を低減する上向きの力、及び遠心力を低減するカーブ内側への引張力に分解させることができ、従って、飛行のための安全で迅速なカーブを提供する。
【0014】
好ましい導流翼はヘルメットの両側に設置され、導流翼は、ヘルメットの使用過程においてヘルメットを上方に持ち上げる揚力を有するように設置され、ここで、揚力は少なくとも重力に抗する力を含み、ヘルメットの使用過程において、ヘルメットを傾ける等してヘルメットの位置又は方向の変化が発生すると、上記導流翼も一緒に位置又は方向が変化するため、発生する揚力の方向は変化するが、その中に重力の逆方向の力があり、即ち、ヘルメットの頂部又はヘルメットの後部への揚力を発生させる。
【0015】
本発明の技術的解決手段は空気中での使用に適用するだけでなく、仕事や娯楽などの水中での作業にも適用できる。本発明の導流翼が設けられたヘルメットを装着することにより、水は流体として空気と同じ流体特徴を有するため、同様の作用及び効果を得ることができる。
【0016】
本発明に係る導流翼の水平又は垂直設置は、完全な水平又は垂直を含むが、これらに限定されず、本発明の装置が本発明の機能を有することを保証する前提で、導流翼が水平又は垂直に対して一定の角度を有することを許容する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果は以下のとおりである、本発明に記載のヘルメットの導流翼の設置方法及び装置によれば、流体力学原理を利用してヘルメットの導流翼が使用過程において揚力を発生させ、ヘルメットの人体の頭頸部に対する重力圧力を低減させ、人体の疲労を軽減させ、同時に人体がヘルメット及び導流翼の傾斜を人体が主導的に牽引して傾斜の力を発生させて横方向の引張力を実現し、制御及び安全な使用を助けるとともに、本発明の使用は重量を軽減することによりサイクリング等の運動の抵抗を低減させ、人力とエネルギーを節約する作用と効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の導流翼が水平に設置される正面図である。
【
図2】本発明の導流翼が水平に設置される概略側面図である。
【
図3】本発明の導流翼が導流カバーに水平に設置される概略図である。
【
図4】本発明の導流翼が垂直に設置される正面図である。
【
図5】本発明の導流翼が垂直に設置される概略側面図である。
【
図6】本発明の導流翼が導流カバーに垂直に設置される概略図である。
【
図7】本発明の導流翼とヘルメットとの概略接続図である。
【
図8】本発明の導流翼とヘルメットとの収納可能な概略接続図である。
【
図9】本発明の他の導流翼とヘルメットとの収納可能な概略接続図である。
【
図10】本発明のヘルメット使用中の概略応力解析図である。
【
図11】本発明のヘルメット導流翼の概略断面図である。
【
図12】飛行中の使用における本発明のヘルメットの概略図である。 図中において、1はヘルメット本体、2は導流翼、3は導流カバー、4は固定ブロック、5は固定軸、6はトーションスプリング、7は階段、8は位置制限板、9は接続板、10は固定盤、11は係止溝、21は回転軸孔、22は第2係止溝、23はナット、24は弾性ガスケット、25はスクリュー、26は第2固定座、27は第2係止溝付である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、具体的な実施例を参照しながら本発明を更に説明する。
図1は本発明の導流翼が水平に設置される正面図であり、
図2は本発明の導流翼が水平に設置される概略側面図であり、図中において、1はヘルメット本体であり、2は導流翼であり、導流翼2はヘルメット本体1の2つの側面に水平に固定される。
【0020】
図3は本発明の導流翼が導流カバーに水平に設置される概略図であり、ヘルメットはヘルメットの後部に導流カバー3が設置されてヘルメットの風抵抗を低減することができ、一実施例として、導流翼2を導流カバー3に水平に設置することができる。
【0021】
図4は本発明の導流翼が垂直に設置される正面図であり、
図5は本発明の導流翼が垂直に設置される側面概略図であり、図中において、1はヘルメット本体であり、2は導流翼であり、導流翼2はヘルメット本体1の2つの側面に垂直に固定される。
【0022】
図6は本発明の導流翼が導流カバーに垂直に設置される概略図であり、ヘルメットはヘルメットの後部に導流カバー3が設置されてヘルメットの風抵抗を低減することができ、一実施例として、導流翼2を導流カバー3に垂直に設置することができる。
【0023】
実施例
図1~6において、導流翼2は少なくともヘルメット本体1の左右にそれぞれ1つ設置されてもよく、複数の導流翼2、例えば互いに平行な2層の導流翼が設置されてもよく、導流翼2は、ヘルメット本体1が前方に移動して流体が通過する時に、揚力を発生させ、ヘルメット本体1に伝達する。
【0024】
図7は本発明の導流翼とヘルメットとの概略接続図であり、固定盤10が設けられ、上記固定盤10はヘルメットに固定され、固定盤10に少なくとも1つの係止溝11が設けられ、図面には水平及び垂直の2つの係止溝11を示す。複数本の係止溝11は、一端が開口し且つ固定盤10の軸線に沿って周方向に分布される。上記係止溝11の開口方向はヘルメットの使用進行方向に向き、上記導流翼2の左端は係止溝11に嵌入することができ、上記導流翼2の係止溝11に嵌入された部分と係止溝11との嵌合は締まり嵌め、ほぞ継ぎ構造及び係止構造のうちの少なくとも1つによって互いに固定されている。導流翼2に同様の係止溝が設置され、固定盤11に嵌合部分が設置され、両者は互いに嵌入して固定されてもよいことが理解できる。
【0025】
理解されるように、上記係止溝11の開口位置は上向きに一定の角度に傾斜させることができ、導流翼2が係止溝11に固定された後、導流翼2が水平に対して1つの迎角を形成させ、特に導流翼の形状が対称型である場合、水平面に対する1つの迎角を設置し、使用過程において、頭部の運動によって導流翼2に到来流体に対する1つの迎角を与え、導流翼2の揚力を向上させることができ、本図における導流翼2は使用しない時に取り外すことができ、収納しやすい。
【0026】
図8は本発明の導流翼とヘルメットとの収納可能な概略接続図であり、収納ユニットを含み、上記収納ユニットは固定ブロック4を含み、上記固定ブロック4はヘルメットに固定され、上記固定ブロック4に軸孔と段差7が設けられ、上記導流翼2の左端に接続板9が設けられ、接続板9に軸孔が設けられ、上記導流翼2の左端はストッパブロック8と固定軸5に接続され、上記固定軸5にトーションスプリング6が嵌設され、上記トーションスプリング6の一端はヘルメットに接続され、トーションスプリング6の他端は導流翼2に接続され、上記固定軸5は固定ブロック4の軸孔及び接続板9の軸孔を貫通し、導流翼2をヘルメットに対して回転して折り畳ませることが可能なように接続される。上記収納ユニットの初期状態は、導流翼2が左右方向に沿って配設され、トーションスプリング6が導流翼2に作用し、導流翼2のストッパブロック8の左端を固定ブロック4の右端の段差7に接触させ、導流翼2を伸展状態にし、且つ導流翼2が使用過程において左上方へ回転することを制限し、右下方への外力の作用で、トーションスプリング6の力に抗し、導流翼2を右下方へ回転させ、ヘルメットの表面に接近させ、ヘルメットの占有スペースを低減することができ、収納が容易となる。例えばヘルメット袋又はケース内に収納し、外力作用が消え、例えばヘルメットを収納袋又はケース内から取り出すと、導流翼2はトーションスプリング6の弾性力によって自動的に伸び開き、限定された位置まで開き、使用することができる。
【0027】
図9は本発明の他の導流翼とヘルメットとの収納可能な概略接続図であり、図中において、21は回転軸孔、22は第2係止溝、23はナット、24は弾性ガスケット、25はスクリュー、26は第2固定座、27は第2係止溝付、2は導流翼であり、導流翼2の左端に回転軸孔21が設けられ、回転軸孔21の端面に第2係止溝22が設けられ、第2固定座26はヘルメットに接続され、第2固定座に軸孔が設けられ、2つの第2固定座26の対向する内面に第2係止溝付27が設けられ、第2係止溝付27は第2係止溝22と互いに係合し、25はスクリューであり、スクリュー25は第2固定座26の軸孔及び導流翼2上の回転軸孔21を貫通した後、弾性ガスケット24を貫通し、ナット23でロックし、導流翼2の回転軸孔21の端面の第2係止溝22と第2固定座26上の第2係止溝付27とを互いに係止して、導流翼2を異なる角度位置に規制し、スクリュー25とナット23に弾性ガスケット24を加えることができ、弾性ガスケット24は第2固定座26の外側、ナット23の内側に設置され、導流翼2は未使用時にヘルメット本体1に近づくように折り畳むことができる。
【0028】
図10は本発明のヘルメット使用中の概略応力解析図であり、
図11は本発明のヘルメット導流翼の概略断面図である。上記ヘルメットには導流翼2が接続されている。
図11は本発明に係るヘルメットの導流翼の対称型及び揚力型の概略断面図であり、図中において、上の導流翼は対称型の断面であり、中間及び下の導流翼は揚力型の断面であり、途中の破線は導流翼の弦線であり、対称型はシート状であってもよく、揚力型も様々な構造を有し、本図の実施例はその原理を説明するためのものに過ぎないと理解できる。対称型の導流翼2はヘルメット本体1に設置されて一定の迎角を有して揚力を発生させる必要があり、揚力型の導流翼2は迎角を有しても有しなくてもよく、それ自体の非対称構造によって揚力を発生させることができ、空気又は水等の流体がヘルメット導流翼2の前方から後方に流れる場合、本発明に記載の導流翼2はその弦線に垂直な揚力を発生させることができ、導流翼2は木材、金属、プラスチック及び/又は複合材料で製造することができ、中空構造に製造することもできる。
図10において、人体がヘルメットを傾斜して使用する場合、空気又は水等の流体が導流翼2の前方から後方に流れる場合、本発明に記載の導流翼2は揚力を発生させることができ、ヘルメット本体1の傾斜で、揚力の方向も傾斜しているため、導流翼は導流翼弦線に垂直な揚力Zを発生させ、水平方向のX軸方向に沿う力、及び垂直方向のY軸方向に沿う力に分解させることができる。X軸方向に沿う力は、旋回による遠心力(即ち求心力)に抵抗するために用いられ、Y軸方向に沿う力は、ヘルメットの重力による人体への圧力に抵抗して軽減するために用いられ、且つこのような設置によって、乗車や飛行の前進や旋回において人体が恩恵を受けることができる。
図12は、飛行中の使用における本発明のヘルメットの概略図であり、本図は人体が飛行過程において本発明のヘルメットを使用する状態を更に明確に説明するために用いられ、翼装飛行、三角翼飛行、パラグライダー飛行等の類似活動において、正常に飛行する時に人体は水平状態にあり、人体の頭部は前にあり、体は後にあり、図中の矢印は、ヘルメットの頂部からの風の方向であり、本図において、1はヘルメット本体であり、2は導流翼であり、3は導流カバーであり、本図における導流カバー3は対称なシート状に設置され、導流カバー3は人体頭部のねじりにより作用を変更し、それは導流翼2と共に旋回補助の作用を有する。
【0029】
本発明に記載の凹溝はストライプ状であってもよく、他の形状で類似する機能を有する凹凸構造であってもよく、例えば円形凹部と円形突起は互いに嵌合してもよく、位置を限定する役割を果たす。
【0030】
本発明に係る導流翼の水平又は垂直設置は、完全な水平又は垂直を含むが、これらに限定されず、本発明の装置が本発明の機能を有することを保証する前提で、導流翼と水平又は垂直とは一定の角度を有することを許容し、特に導流翼の断面が対称翼型である場合、必要な揚力を得るために、導流翼は水平又は垂直と1つの角度を有する必要がある。
【0031】
従って、本発明の上記実施例は本発明を限定するものではなく説明するためのものに過ぎず、従来技術に基づいて様々な変更及び組み合わせて使用することができ、何れも本発明の保護範囲にある。
【国際調査報告】