(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】グリッドサービス参加のための仮想バッテリリソース
(51)【国際特許分類】
H02J 3/32 20060101AFI20240517BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20240517BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20240517BHJP
【FI】
H02J3/32
H02J13/00 311R
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575392
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2022030125
(87)【国際公開番号】W WO2022256184
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523455954
【氏名又は名称】ヌービー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ポイラスン
(72)【発明者】
【氏名】ハムザ レムサデク
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
5L050
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AC09
5G064CB01
5G064CB08
5G064DA05
5G066HB09
5G066JA07
5G066JB03
5L050CC06
(57)【要約】
本開示の特定の態様は、グリッドサービス応用のためにバッテリリソースを仮想化することに関する。特に、これらの態様のいくつかは、固定エネルギー貯蔵システムのエネルギー貯蔵デバイス内の複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスを構成し、前記複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスの2つ以上の仮想エネルギー貯蔵デバイスを用いて2つ以上のグリッドサービスを同時に実施するための方法を提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定エネルギー貯蔵システムのエネルギー貯蔵デバイス内の複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスを構成することと、
前記複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスの2つ以上の仮想エネルギー貯蔵デバイスを用いて2つ以上のグリッドサービスを同時に実施することと、を含む、方法。
【請求項2】
複数のグリッドサービス構成を決定することをさらに含み、
前記複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスの各仮想エネルギー貯蔵デバイスは、前記複数のグリッドサービス構成のうちの1つのグリッドサービス構成と関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のグリッドサービス構成を決定することは、グリッドサービスプロバイダから前記グリッドサービス構成を受信することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記2つ以上のグリッドサービスの各グリッドサービスを、前記2つ以上のグリッドサービスを同時に実施しながら、別個に計測することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記2つ以上のグリッドサービスの各グリッドサービスと関連付けられたグリッドサービスプロバイダから指示を受信することと、
前記受信した指示に応答して、前記2つ以上のグリッドサービスの各グリッドサービスを有効化することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
1つ又は複数の動作特性についてグリッドを監視することと、
前記1つ又は複数の動作特性に応答して、前記2つ以上のグリッドサービスの各グリッドサービスを有効化することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ又は複数の動作特性のうちの1つは、前記グリッドの電圧又は前記グリッドの周波数である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記2つ以上のグリッドサービスは、同じタイプのグリッドサービスであり、
また、前記タイプは、供給ベースのグリッドサービス又は負荷ベースのグリッドサービスのうちの一方である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記2つ以上のグリッドサービスは、異なるタイプのグリッドサービスである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のグリッドサービス構成の各グリッドサービス構成は、
グリッドサービスのタイプ、
グリッドサービスの容量、及び
グリッドサービスの時間間隔を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のグリッドサービス構成は、負荷ベースのグリッドサービスと関連付けられたグリッドサービス構成の第1のサブセット、及び供給ベースのグリッドサービスと関連付けられたグリッドサービス構成の第2のサブセットを備え、
前記エネルギー貯蔵デバイス内の前記複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスは、前記グリッドサービス構成の第1のサブセット又は前記グリッドサービス構成の第2のサブセット内のいずれかのグリッドサービス構成と関連付けられ、両方とは関連付けられない、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
複数のエネルギー貯蔵デバイスは、前記グリッドサービス構成の第1のサブセット又は前記グリッドサービス構成の第2のサブセット内のいずれかのグリッドサービス構成と関連付けられる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
処理システムであって、
コンピュータ実行可能な命令を備えるメモリと、
1つ又は複数のプロセッサであって、前記コンピュータ実行可能な命令を実行して、前記処理システムに、
固定エネルギー貯蔵システムのエネルギー貯蔵デバイス内の複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスを構成することと、
前記複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスの2つ以上の仮想エネルギー貯蔵デバイスを用いて2つ以上のグリッドサービスを同時に実施することと
を行わせるように構成される、1つ又は複数のプロセッサと、を備える、処理システム。
【請求項14】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記処理システムに、複数のグリッドサービス構成を決定させるようにさらに構成され、
前記複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスの各仮想エネルギー貯蔵デバイスは、前記複数のグリッドサービス構成のうちの1つのグリッドサービス構成と関連付けられる、請求項13に記載の処理システム。
【請求項15】
前記複数のグリッドサービス構成を決定するために、前記1つ又は複数のプロセッサは、前記処理システムに、グリッドサービスプロバイダから前記グリッドサービス構成を受信させるようにさらに構成される、請求項14に記載の処理システム。
【請求項16】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記処理システムに、前記2つ以上のグリッドサービスの各グリッドサービスを、前記2つ以上のグリッドサービスを同時に実施しながら、別個に計測させるようにさらに構成される、請求項13に記載の処理システム。
【請求項17】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記処理システムに、
前記2つ以上のグリッドサービスの各グリッドサービスと関連付けられたグリッドサービスプロバイダから指示を受信することと、
前記受信した指示に応答して、前記2つ以上のグリッドサービスの各グリッドサービスを有効化することと
を行わせるようにさらに構成される、請求項13に記載の処理システム。
【請求項18】
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記処理システムに、
1つ又は複数の動作特性についてグリッドを監視することと、
前記1つ又は複数の動作特性に応答して、前記2つ以上のグリッドサービスの各グリッドサービスを有効化することと
を行わせるようにさらに構成される、請求項13に記載の処理システム。
【請求項19】
前記1つ又は複数の動作特性のうちの1つは、前記グリッドの電圧又は前記グリッドの周波数である、請求項18に記載の処理システム。
【請求項20】
前記2つ以上のグリッドサービスは、同じタイプのグリッドサービスであり、
また、前記タイプは、供給ベースのグリッドサービス又は負荷ベースのグリッドサービスのうちの一方である、請求項13に記載の処理システム。
【請求項21】
前記2つ以上のグリッドサービスは、異なるタイプのグリッドサービスである、請求項13に記載の処理システム。
【請求項22】
前記複数のグリッドサービス構成の各グリッドサービス構成は、
グリッドサービスのタイプ、
グリッドサービスの容量、及び
グリッドサービスの時間間隔を備える、請求項14に記載の処理システム。
【請求項23】
前記複数のグリッドサービス構成は、負荷ベースのグリッドサービスと関連付けられたグリッドサービス構成の第1のサブセット、及び供給ベースのグリッドサービスと関連付けられたグリッドサービス構成の第2のサブセットを備え、
前記エネルギー貯蔵デバイス内の前記複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスは、前記グリッドサービス構成の第1のサブセット又は前記グリッドサービス構成の第2のサブセット内のいずれかのグリッドサービス構成と関連付けられ、両方とは関連付けられない、請求項14に記載の処理システム。
【請求項24】
複数のエネルギー貯蔵デバイスは、前記グリッドサービス構成の第1のサブセット又は前記グリッドサービス構成の第2のサブセット内のいずれかのグリッドサービス構成と関連付けられる、請求項23に記載の処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、グリッドサービス応用のためにバッテリリソースを仮想化することに関する。
【背景技術】
【0002】
固定エネルギー貯蔵(FES)システム(例えば、住宅又は企業利用のためのバッテリベースのシステム)の使用が増加している。例えば、住宅及び企業顧客は、特に、使用時間による請求環境において、電気使用の支払いをよりよく管理するためにFESシステムを使用している。このサービスでは、FESは、1日のうちの低料金時間帯にエネルギーを貯蔵し、1日のうちの高料金時間帯にそのエネルギーを配備することができるため、ユーザにとって全体的な電気料金を削減することになる。
【0003】
歴史的に、FESシステムは、主に個々の使用のために配備されてきた。例えば、料金推移、バックアップ電力、及び他のサービスのために、個人は、自宅にFESシステムを追加し、企業は、商業地域にFESシステムを追加している。しかしながら、そのようなFESシステムは、グリッドサービスには広く採用されていない。これは、FESシステムが、特定のサービスのために配備され、FESの容量全体がその特定のサービスに専念する、単一の電源のように動作するためである。例えば、FESシステムがバックアップ電力を提供するために構成される場合、それは、一般的には、潜在的には非常に大きい電力容量を有するにもかかわらず、任意の他のサービスを提供するように構成されない。
【0004】
したがって、FESシステムの機能性を拡張し、そのようなシステムが複数のサービスを同時に提供することができるようにするためのシステム及び方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
特定の実施形態は、固定エネルギー貯蔵システムのエネルギー貯蔵デバイス内の複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスを構成すること、及び前記複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスの2つ以上の仮想エネルギー貯蔵デバイスを用いて2つ以上のグリッドサービスを同時に実施することを含む、FESベースのグリッドサービスを提供するための方法を提供する。
【0006】
別の態様は、コンピュータ実行可能な命令を備えるメモリと、1つ又は複数のプロセッサであって、コンピュータ実行可能な命令を実行し、処理システムに、固定エネルギー貯蔵システムのエネルギー貯蔵デバイス内の複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスを構成すること、及び前記複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスの2つ以上の仮想エネルギー貯蔵デバイスを用いて2つ以上のグリッドサービスを同時に実施することを行わせるように構成される、1つ又は複数のプロセッサとを含む、処理システムを提供する。
【0007】
他の態様は、上述の方法並びに本明細書に記述される方法を実施するように構成される処理システムと、処理システムの1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、処理システムに、上述の方法並びに本明細書に記述される方法を実施させる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、上述の方法並びに本明細書に記述される方法を実施するためのコードを備えるコンピュータ可読記憶媒体において具現化されるコンピュータプログラム製品と、上述の方法並びに本明細書に記述される方法を実施するための手段を含む処理システムとを提供する。
【0008】
以下の説明及び関連図面は、1つ又は複数の実施形態の特定の例証的な特徴を詳細に明記する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図は、1つ又は複数の実施形態の特定の態様を描写するものであり、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではない。
【0010】
【
図1】
図1は、例となるグリッドサービスシステムを描写する図である。
【0011】
【
図2A】
図2A及び
図2Bは、固定エネルギー貯蔵システムの例となる構成を描写する図である。
【
図2B】
図2A及び
図2Bは、固定エネルギー貯蔵システムの例となる構成を描写する図である。
【0012】
【
図3】
図3は、供給ベースのグリッドサービスを提供する固定エネルギー貯蔵システムの例を描写する図である。
【0013】
【
図4】
図4は、負荷ベースのグリッドサービスを提供する固定エネルギー貯蔵システムの別の例を描写する図である。
【0014】
【
図5】
図5は、異なるグリッドサービスを提供するように構成される複数のエネルギー貯蔵デバイスを備える、例となる固定エネルギー貯蔵システムを描写する図である。
【0015】
【
図6】
図6は、異なるグリッドサービスを提供するように構成される複数のエネルギー貯蔵デバイスを備える、別の例となる固定エネルギー貯蔵システムを描写する図である。
【0016】
【
図7】
図7は、仮想エネルギー貯蔵デバイスを使用してグリッドサービスを提供するための例となるフローを描写する図である。
【0017】
【
図8】
図8は、仮想エネルギー貯蔵デバイスを使用してグリッドサービスを実施する例となる方法を描写する図である。
【0018】
【
図9】
図9は、例となる固定エネルギー貯蔵処理システムを描写する図である。
【0019】
理解を促進するため、可能な限り、同一の参照番号が、図面に共通する同一の要素を指定するために使用されている。1つの実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述なしに他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の態様は、グリッドサービス応用のためにバッテリリソースを仮想化するためのシステム及び方法を提供する。
【0021】
グリッドサービス(グリッドレギュレーションサービス、付帯的なサービス、配電グリッドサポート、生成サポート、ビハインド・ザ・メータ最適化、及び炭素最適化を含む)は、電気グリッドの最適動作を維持するための広範囲のサービスを含み得る。グリッドサービスは、例えば、グリッドへの電力のスケジューリング及び伝送、無効電力及び電圧制御、損失補填、負荷追従、周波数制御(例えば、周波数アップ及び周波数ダウン制御)、運転予備力、ピークシェービング、バレーフィリング、容量確保、デマンドレスポンス、及びグリッドをサポートする他のグリッドサービスを含み得る。
【0022】
グリッドサービスプロバイダは、概して、個々のリソースの容量(例えば、エネルギー貯蔵デバイス容量)、電力フロー能力(例えば、充電及び放電率)、予期される利用可能な時間、グリッド接続の特性、及び同種のものなど、グリッドサービスプロバイダの制御下にあるグリッド接続されたリソースの特性に基づいて、グリッドサービスに入札する。しかしながら、グリッドサービスに対して入札を行うとき、グリッドサービスプロバイダは、凝集したプール内のリソースの可用性及び容量に関する不確実性によって制約される。
【0023】
本明細書に説明されるのは、グリッドサービスに参加するために、固定バッテリ設備などの固定エネルギーシステム(FES)を利用するためのシステム及び方法である。特に、単一のFESに単一サービスを提供させる従来の慣例とは異なり、本明細書に説明されるシステム及び方法は、単一のシステムが、複数のグリッドサービスを含む複数のサービスを同時に実施することができるように、FESシステムを仮想化することを提供する。この仮想化は、単一のより大きいFESシステムが多くのより小さいFESシステムのサービスを実施することを可能にする。有益には、FESシステムが大きいほど、より空間及び費用効率は高く、また、多くのより個別的なより小さいFESシステムの調整と比較して、あまり複雑ではなくなり得る。
【0024】
例えば、5つの200kWhシステムのように実施するように構成される単一の1MWh FESシステムは、様々な理由から、5つの実際の200kWhシステムよりも安価であり得る。第一に、制御システムが、5つの200kWh FESシステムにわたって複製される必要がなく、代わりに、単一の1MWh FESシステムに集約され得る。第二に、パッケージング及び設置費用は、5つの200kWh FESシステムに対して単一の1MWh FESシステムを有することにより低減される。第三に、規模の経済が、より大きい電力容量ではより低コストを提供し得る。明らかなことに、ここで、1MWh FESシステム及び5つの200kWh FESシステムは、単に一例であり、多くの他の構成、サイズなどが可能である。
【0025】
多くのより小さいFESシステムのように実施するためのより大きい個々のFESシステムの仮想化は、他の便益も提供する。例えば、より大きい個々のFESシステムの仮想化は、静的である必要はない。むしろ、より大きい個々のFESシステムの容量の分割は、動的であり、市場機会に応答し得る。故に、例となる1MWh FESシステムは、より大きい容量がグリッドサービスの市場において必要とされる第1の時間間隔の間は、2つの500kWh仮想FESシステムへと動的に分割され得、同じ1MWh FESシステムが、より小さい容量がグリッドサービスのために必要とされる第2の時間間隔の間は、10個の100kWh仮想FESシステムへと動的に分割され得る。さらには、より大きい1MWh FESシステムを動的な数のより小さい仮想FESシステムへと分割する能力は、動的な数のグリッドサービスが単一のFESシステムによって提供されることを可能にする。言い換えると、任意のサイズ(最大でシステムの総容量)の仮想FESシステムを動的に作成する能力は、グリッドサービスの極めて効率的な供給を可能にする。これは、例えば、1MWh FESシステムが、500kWhグリッドサービスを提供するときにその容量の半分が未使用のままである、グリッドサービスのためのFESシステムを利用するための従来の方法とは対照的である。
【0026】
FESベースのグリッドレギュレーションサービスを提供するための例となるシステム
図1は、FESベースのグリッドサービスために構成される、例となるグリッドサービスシステム100を描写する。
【0027】
電力生産者102は、グリッド電力を提供するための、発電所などの1つ又は複数のユーティリティレベル電力生産者であり得る。単一のエンティティとして示されるが、電力生産者102は、異なるタイプの発電所(例えば、石炭、ガス、原子力、水力、風力、太陽熱、地熱、及びその他)など、複数の発電エンティティを表すものであり得る。電力生産者102は、あらゆる規模のグリッドを含む、グリッド106に電力を提供する。
【0028】
グリッド運用者108は、グリッド106を調整、制御、及び監視する1つ又は複数の地域送電機関(RTO)、送電系統運用者(TSO)、配電系統運用者(DSO)、及び/又は独立系統運用者(ISO)(例えば、マイクログリッド運用者)を表すものである。
【0029】
グリッド運用者108は、電力生産者102によって、又はグリッド運用者108によって提供され得るものを超越してグリッド106のためのグリッドサービスを提供するために、グリッドサービスプロバイダ(例えば、104)のための経済的誘因を提供し得る。例えば、電力生産者102は、様々な異なる発電能力を使用して経時的に電力生産を変化させることはできる一方で、電力生産者102は、グリッド106のための負荷ベースのサービス又は他の迅速なレギュレーションサービスを提供することはできない場合がある。
【0030】
グリッド運用者108はまた、グリッドサービスプロバイダ104からのステータス情報を要求するだけでなく、グリッドサービスプロバイダ104にグリッドステータス情報を提供し得る。
【0031】
グリッドサービスプロバイダ104は、その制御下にあるグリッドリソースに基づいてグリッド106のためのグリッドサービスをグリッド運用者108に提供するための機会に対して価格提示又は“入札”し得る。例えば、グリッドサービスプロバイダ104は、それが、この例ではFESシステム110、112、及び114などの制御可能なグリッド接続されたリソースを介して、電気負荷及び/又は供給をグリッド106に提供することができる時間間隔に対して入札し得る。概して、110、112、及び114などのFESシステムは、単一方向(例えば、電力を吸収すること、又は電力を提供することのみできる)、又は双方向(例えば、電力を吸収及び提供することができる)であり得る。グリッド運用者108がグリッドサービスプロバイダ104の入札を受け入れ、以て、グリッドサービス契約をする場合、グリッド運用者108は、続いて、契約期間ごとにグリッドサービスを提供することを開始するために、(例えば、2つを接続するデータネットワークを介して)電子指示をグリッドサービスプロバイダ104に送信し得る。
【0032】
グリッドサービスプロバイダ104は、次いで、その制御内の様々なリソース内外へのエネルギーの流れを制御することによって、グリッドサービスを提供することを開始し得る。
図1に描写される例において、グリッドサービスプロバイダ104は、FESシステム110、112、及び114を制御する。
【0033】
FESシステム110、112、及び114は、共同設置される必要はなく、実際は、相当な距離に分布され得るということに留意されたい。凝集したFESリソースプールは、何百又は何千あるいはそれ以上の接続されたリソースを含み得、グリッドサービスを提供する能力は、FESリソースの総数が増加するにつれて強化され得る。
【0034】
FESシステム110、112、及び114は、グリッド106に直接接続されるものとして描写されるが、これらのシステムは、これらのシステム内外への電力フローを制御し、グリッドサービスプロバイダ104から電力制御コマンドを受信する、一体設備を有し得る。
【0035】
いくつかの実装形態において、FESシステム110、112、及び114は、FES制御システムにすべて電気的に接続される複数のエネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリ、バッテリパック、コンデンサ、及び他のタイプのエネルギーストレージ)を含み得る。このやり方では、共同設置されたエネルギー貯蔵デバイスが、冗長制御設備の必要性なしにFESシステムにモジュール式に追加され得る。
【0036】
図1に描写されるように、グリッドサービスプロバイダ104は、示されたデータフロー線に沿って、制御信号、コマンド、命令、又は他のデータメッセージをFESシステム110、112、及び114に送信し得る。例えば、グリッドサービスプロバイダ104は、様々なグリッドサービスを実装するために様々なFESリソース内外への電力の流れを制御するように構成される制御メッセージを送信し得る。
【0037】
グリッドサービスプロバイダ104は、同様に、示されたデータフロー線に沿って様々なFESリソースからデータを受信し得る。例えば、グリッドサービスプロバイダ104は、FESリソースに関するステータス情報(例えば、充電の状態、総容量、接続のタイプ、温度などの環境データ、充電及び放電能力、仮想リソースの現在の構成、並びに同種のもの)を受信し得る。
【0038】
とりわけ、
図1は、グリッドサービスを提供するためのシステム100の一例を描写するにすぎず、多くの他のものが可能である。例えば、異なる数のFESリソース、又は他のタイプのエネルギー貯蔵リソースが、異なる方式で提供及び整理され得る。さらに、
図1内の例と比較して異なる配置のデータ及び電力フローが提供され得る。本明細書に説明される方法は、システム100のように構成されるシステムだけでなく他の構成でも機能する。
【0039】
例となる固定エネルギー貯蔵システム
図2A及び
図2Bは、固定エネルギー貯蔵(FES)システム200の例となる構成を描写する。
【0040】
特に、
図2Aは、例えば、グリッドサービスプロバイダデータ(グリッドサービスを開始又は停止するための指示、実施されるべきグリッドサービスに関する詳細、及び同種のものなど)を受信するように、並びに、現在のグリッド動作パラメータ(例えば、負荷、需要、供給、電圧、周波数など)及び予想グリッド動作パラメータなど、グリッドデータを受信するように構成される制御器202を備えるFESシステム200を描写する。とりわけ、これらは、制御器202が外部システム及びデータソースから受信し得るデータの2つの例にすぎないが、多くの他のものが可能である。例えば、制御器202はまた、他のFESシステム(描写されない)、グローバルFESシステム制御器などの他の制御システム、及び同種のものからデータを受信し得る。
【0041】
制御器202は、例えば、制御器202によって受信されるグリッドサービスプロバイダデータ及び/又はグリッドデータに基づいて、エネルギー貯蔵デバイス204の動作を制御するように構成される。例えば、制御器202は、エネルギー貯蔵デバイス204に、グリッドから電力を受信させ、及びしたがって、需要ベースのグリッドサービスを実施するために負荷のような働きをさせるか、又はグリッドに電力を供給させ、及びしたがって、供給ベースのグリッドサービスを実施させるように構成され得る。
【0042】
エネルギー貯蔵デバイス204は、概して、1つ若しくは複数のバッテリ、バッテリパック、1つ若しくは複数のコンデンサ、電気エネルギーのために運動エネルギーを交換するように構成される運動エネルギー貯蔵デバイス、電気エネルギーのために熱エネルギーを交換するように構成される熱エネルギー貯蔵デバイス、電気エネルギーのために化学エネルギーを交換するように構成される化学エネルギー貯蔵デバイス、又は任意の他の電気エネルギー貯蔵デバイス若しくは上述のエネルギー貯蔵デバイスの組み合わせなど、任意のタイプのエネルギー貯蔵デバイスアーキテクチャであり得る。
【0043】
FESシステム200は、供給側グリッドサービスのためのグリッドに提供され、負荷ベースのグリッドサービスのためのグリッドから取り除かれるエネルギーのための電気計測機能を実施するように構成される、メータ206をさらに含む。例えば、メータ206は、グリッドサービスのためのエネルギー貯蔵デバイス204へ、又はそこから提供される累計電力量、電力流量、電力フロー時間、電圧、周波数、及び様々な他の側面を測定するように構成され得る。メータ206は、
図2A及び
図2B内では別個に描写されるが、メータ206は、他の実施形態において、制御器202の一部として実装され得るということに留意されたい。例えば、制御器202は、エネルギー貯蔵デバイス204からグリッドへの流れを計測するために提供される1つ又は複数のメータへのデータ接続を含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、制御器202は、メータ206からデータを受信し、グリッドサービスの履行を示すためにそのデータをグリッド運用者(例えば、
図1の108)に提供し得る。
【0045】
制御器202及びエネルギー貯蔵デバイス204は、
図2A及び
図2B内では共同設置されるものとして描写されるが、こうである必要はない。例えば、204などのエネルギー貯蔵デバイスは、屋外密閉内に設置され得る一方、制御システムは、建物内など、他の場所に位置し得る。制御器202は、制御器202がエネルギー貯蔵デバイス204と共同設置されるか、エネルギー貯蔵デバイス204から離れているかにかかわらず、エネルギー貯蔵デバイス204の動作を制御するために、エネルギー貯蔵デバイス204とデータ通信状態にある必要があるだけである。
【0046】
図2Bは、エネルギー貯蔵デバイス204内に含まれる複数の仮想エネルギー貯蔵デバイス204A-Cで構成されるFESシステム200を描写する。有益には、制御器202は、根本的な物理的実装が変更されることなく、エネルギー貯蔵デバイス204を論理的に2つ以上の仮想エネルギー貯蔵デバイスへと分割し得る。その後、仮想エネルギー貯蔵デバイス204A-Cの各々は、グリッドサービスを個別に実施するように構成され得る。
【0047】
各仮想エネルギー貯蔵デバイスは、負荷及び/又は供給を提供するための総容量(例えば、100kWh)、エネルギー流量(例えば、充電及び放電率)、電圧能力、周波数能力、応答時間(例えば、特定の速度のエネルギー流を達成するための時間量)、アベイラビリティ時間(例えば、1日のうちの特定の時間の間、又は特定の日、及び同種のもの)、並びにその他など、様々な特性によって規定され得る。とりわけ、単一のFESシステム(例えば、200)内の様々な仮想エネルギー貯蔵デバイスは、同じ特性を有する必要はなく、それらの特性は、エネルギー貯蔵デバイス204の根本的な能力と一致する必要があるだけである。
【0048】
エネルギー貯蔵デバイス204の仮想化は、単一のエネルギー貯蔵デバイスが複数の同時グリッドサービスを実施することを可能にするだけでなく、エネルギー貯蔵デバイス204が、単一の物理貯蔵システムであるにもかかわらず、マルチテナントシステムのように実施することを可能にする。故に、例えば、FESシステム200の所有者は、様々な仮想エネルギー貯蔵デバイス(例えば、204A-C)を、異なる時間に異なるユーザに供給し、柔軟な動的な方式で仮想エネルギー貯蔵デバイスの境界を再構成し得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、仮想エネルギー貯蔵(例えば、204A~C)デバイスは、マルチバッテリエネルギー貯蔵デバイス内の1つ又は複数のバッテリなど、エネルギー貯蔵デバイス204の1つ又は複数の物理的側面と関連付けられ得る。しかしながら、こうである必要はなく、一般的には、仮想エネルギー貯蔵デバイス(例えば、204A~C)は、エネルギー貯蔵デバイスの物理的実装にかかわりなく、根本的なエネルギー貯蔵デバイス(例えば、204)の総容量に基づいて論理的に規定され得る。
【0050】
仮想エネルギー貯蔵デバイスによる、例となるグリッドレギュレーション
図3は、供給ベースのグリッドサービスを提供する固定エネルギー貯蔵(FES)システム300の例を描写する。
【0051】
この例において、制御器302は、
図1内のグリッドサービスプロバイダ104などのFESシステム300の運用者によって契約されたグリッドサービスに関連し得るグリッドサービス構成312A-Cを格納する。グリッドサービス構成は、概して、例えば、実施されるべきグリッドサービスのタイプ(例えば、負荷又は供給ベースのグリッドサービス)、グリッドサービスが実施されることになる時間間隔(例えば、開始及び終了時間を有する単一又は反復的な時間間隔)、グリッドサービスの容量、グリッドサービスの応答時間(例えば、設定された応答時間内に何らかの量のエネルギー負荷又は供給を提供する)、グリッドサービスが提供されることになるグリッド接続、並びに同種のものを含み得る。
【0052】
場合によっては、グリッドサービス構成の各々は、マルチテナント実装内などの、FESシステム300の異なる“ユーザ”に関連し得る。
【0053】
制御器302は、概して、グリッドサービスプロバイダから受信される命令若しくは指示に基づいて、及び/又はグリッドデータ310の一部として受信されるグリッドの動作特性に基づいて、並びにグリッドサービス構成(例えば、312A~C)に基づいて、様々なグリッドサービスを活性化又は有効化し得る。
【0054】
さらに、この例において、仮想エネルギー貯蔵デバイス304A~Cは各々、グリッドサービス構成312A~Cのうちの1つにサービス提供するように構成されている。特に、仮想エネルギー貯蔵デバイス304Aは、最大200KWの供給をグリッド308に提供するように構成され、仮想エネルギー貯蔵デバイス304Bは、最大150KWの供給をグリッド308に提供するように構成され、仮想エネルギー貯蔵デバイス304Cは、最大300KWの供給をグリッド308に提供するように構成される。故に、3つすべての仮想エネルギー貯蔵デバイス304A-Cがそれらのグリッドサービスを提供しているとき、エネルギー貯蔵デバイス304は、複数のサブシステムから電力を凝集することができる、物理又は仮想(例えば、ソフトウェア)などの電力結合器311を介して、650KWの供給をグリッド308に提供する。
【0055】
ここでは、エネルギー貯蔵デバイス304は、仮想エネルギー貯蔵デバイス304A-Cに割り当てられる少なくとも650KWの供給容量を有するが、さらなる仮想エネルギー貯蔵デバイスのための追加の容量も有し得る。このやり方では、複数のグリッドサービスは、単一のエネルギー貯蔵デバイス304を使用して同時に提供され得、このことは、エネルギー貯蔵デバイス304のかなりの容量を未使用のままにする、エネルギー貯蔵デバイス304を任意の単一のグリッドサービスに割り当てることと比較して、有益である。
【0056】
グリッドサービス構成が仮想エネルギー貯蔵デバイスを同時に実装又は有効化しない限り、エネルギー貯蔵デバイスの総容量を超える複数の仮想エネルギー貯蔵デバイス(例えば、複数のグリッドサービス構成に関連する)を実装することが可能であるということに留意されたい。例えば、エネルギー貯蔵デバイス304が1000KWの供給容量を有すると仮定する。2つの仮想エネルギー貯蔵デバイスは、各々750KWの供給容量を伴って構成され得るが、制御器302は、2つの仮想エネルギー貯蔵デバイスを一度に有効化することはできない。むしろ、それらは、エネルギー貯蔵デバイス304の容量を超えることを回避するために、異なる時に有効化され得る。概して、制御器302は、エネルギー貯蔵デバイス304の物理的能力を超える同時グリッドサービスを可能にすることができない。
【0057】
この例において、各仮想エネルギー貯蔵デバイス304A~Cは、それぞれサブメータ306A~Cと関連付けられる。各サブメータ306A~Cは、仮想エネルギー貯蔵デバイス304A~C内外への電力の流れを測定し得るか、又はこれを別途記録し得る。サブメータ306A~Cは、エネルギー貯蔵デバイス304の一部として実装される必要はないが、明白性のためにこの方式で描写されるということに留意されたい。他の実施形態において、制御器302は、様々な実施形態において仮想化され得る仮想エネルギー貯蔵デバイス特有のサブメータを実装及び監視し得る。
【0058】
図4は、負荷ベースのグリッドサービスを提供する固定エネルギー貯蔵(FES)システム400の別の例を描写する。
【0059】
図3と同様に、ここでは、制御器402は、FESシステム300によって実施されるように構成されるグリッドサービスに関連するグリッドサービス構成412A~Cを格納する。
【0060】
ここでは、グリッドサービス構成412A~Cは、概して、負荷ベースのグリッドサービスを規定し、仮想エネルギー貯蔵デバイス404A-Cは各々、グリッドサービス構成412A~Cのうちの1つにサービス提供するように構成されている。特に、仮想エネルギー貯蔵デバイス404Aは、最大150KWの負荷をグリッド408に提供するように構成され、仮想エネルギー貯蔵デバイス404Bは、最大150KWの負荷をグリッド408に提供するように構成され、仮想エネルギー貯蔵デバイス404Cは、最大500KWの負荷をグリッド408に提供するように構成される。故に、3つすべての仮想エネルギー貯蔵デバイス404A~Cがそれらのグリッドサービスを提供しているとき、エネルギー貯蔵デバイス404は、電力をグリッドから複数のサブシステムへ分けることができる、物理又は仮想(例えば、ソフトウェア)などの電力分配器411を介して、800KWの負荷をグリッド408に提供する。
【0061】
図3の例にあるように、ここでは、各仮想エネルギー貯蔵デバイス404A~Cは、仮想エネルギー貯蔵デバイス404A~C内外への電力の流れを測定するか、別途記録するように構成されるサブメータ406A~Cと関連付けられる。
【0062】
図5は、異なるグリッドサービスを提供するように構成される複数のエネルギー貯蔵デバイスを備える、例となる固定エネルギー貯蔵(FES)システム500を描写する。
【0063】
描写された例において、制御器502は、エネルギー貯蔵デバイス504及び505を
図2B~
図4に関して以前に説明されるものと同じ様式で制御するように構成されるが、
図5は、複数のエネルギー貯蔵デバイスが一度に制御可能であるときの追加能力を描写する。
【0064】
例えば、所与のエネルギー貯蔵デバイスは、1つ又は複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスに基づいて供給ベースのグリッドサービス及び負荷ベースのグリッドサービスの両方を実施するように構成され得るが、それは概して、負荷などの1つのサービスを提供する1つの仮想エネルギー貯蔵デバイスの行為が、供給などの反対のサービスを提供する別の仮想エネルギー貯蔵デバイスのすべて又は一部を効果的に相殺し得ることから、両方のタイプのサービスを同時に提供することはできない。
【0065】
しかしながら、複数のエネルギー貯蔵デバイス(例えば、504及び505)が制御器(例えば、502)の制御下にある場合、複数のグリッドサービスは、エネルギー貯蔵デバイスの間でタイプによって整理され得る。例えば、
図5の例において、エネルギー貯蔵デバイス504は、仮想エネルギー貯蔵デバイス504A及び504Bを使用して供給ベースのグリッドサービスを取り扱うように制御器502によって構成される(例えば、
図3に関して説明されるものと同じ様式で)。エネルギー貯蔵デバイス505は、仮想エネルギー貯蔵デバイス505A及び5O5Bを使用して需要ベースのグリッドサービスを取り扱うように制御器502によって構成される。グリッドサービス構成は
図5に描写されないが、FES500によって実施されるグリッドサービスは、上に説明されるような構成に同様に基づき得る。
【0066】
いくつかの実施形態において、制御器502は、複数のグリッドサービス構成を受信し、それらを、サービスタイプ(例えば、負荷ベースのサービス又は供給ベースのサービス)に基づいてエネルギー貯蔵デバイス(例えば、504及び505)に動的に割り当て得る。上記のように、1つのエネルギー貯蔵デバイス上に反対のタイプのグリッドサービスを構成することが可能であるが、反対のタイプは同時に動作することはできない。
図5の実施形態において、制御器502は、異なるタイプのサービスを異なるエネルギー貯蔵デバイスに割り当てることによって、反対のタイプの同時グリッドサービスを有効にし得る。
【0067】
いくつかの実施形態において、制御器502は、様々なグリッドサービスのための様々な仮想エネルギー貯蔵デバイスをどこに構成するべきかを決定することにおいて、様々なエネルギー貯蔵デバイスの総容量を考慮し得る。例えば、エネルギー貯蔵デバイス504が500KWの容量を有し、エネルギー貯蔵デバイス505が1000KWの容量を有し、制御器502が、350KWの供給及び750KWの負荷のためのグリッドサービス構成を有する場合、負荷ベースの構成510Bは、1000KWの容量を有するエネルギー貯蔵デバイス上で構成され、供給ベースの構成510Aは、500KWの容量を有するエネルギー貯蔵デバイス上で構成される。
【0068】
エネルギー貯蔵デバイス504及び505の各々は、エネルギー貯蔵デバイス内外へのエネルギーの流れを計測するように上記のように構成されるメータ506A及び506Bにそれぞれ接続される。
図5には描写されないが、メータ506A及び506Bは、上に説明されるように、各仮想エネルギー貯蔵デバイスのための仮想サブメータを実装し得る。
【0069】
さらに、この例において、エネルギー貯蔵デバイス504及び505は、別個のグリッド508A及び508Bに接続される。いくつかの実施形態において、これらの別個のグリッドは、例えば、家又は建物などのローカルエリアグリッドへの接続、並びに電源又はユーティリティ電力グリッドなどの広域グリッドへの接続であり得る。他の実施形態において、これらの別個のグリッドは、代わりに、ローカルエリアであるにしろ広域であるにしろ、同じグリッドへの2つの異なる接続であり得る。
【0070】
概して、
図5に描写されるエネルギー貯蔵デバイス、仮想エネルギー貯蔵デバイス、グリッド接続、及び制御器の数は、例証の目的のためにすぎず、より多い又はより少ない数の各態様を伴う他の構成が可能である。例えば、エネルギー貯蔵デバイス504及び505は、他の実施形態において、協働する別個の制御器によって制御され得る。
【0071】
図6は、様々なグリッドサービスのためのエネルギー貯蔵デバイス504及び505の逆構成を有する固定エネルギー貯蔵(FES)システム500の別の構成を描写する。例えば、エネルギー貯蔵デバイス504が500KWの容量を有し、エネルギー貯蔵デバイス505が1000KWの容量を有し、制御器502が、350KWの負荷及び750KWの供給のためのグリッドサービス構成を有する場合、供給ベースの構成510Aは、1000KWの容量を有するエネルギー貯蔵デバイス上で構成され、負荷ベースの構成510Bは、500KWの容量を有するエネルギー貯蔵デバイス上で構成される。言い換えると、エネルギー貯蔵デバイス504及び505は、共有可能であり、固定エネルギー貯蔵(FES)システム500内で動的な割り当て及び任務を有し得る。
【0072】
仮想エネルギー貯蔵デバイスを用いてグリッドサービスを提供するための例となるフロー図
図7は、本明細書に説明されるような仮想エネルギー貯蔵デバイスを使用してグリッドサービスを提供するための例となるフロー700を描写する。
【0073】
フロー700は、グリッドサービスプロバイダ710がグリッド運用者708とのグリッドサービス契約に入札するステップ720で開始する。グリッドサービスは、本明細書内に概して説明されるような負荷又は供給ベースのグリッドサービスであり得る。
【0074】
次いで、フロー700は、例えば、グリッドサービスプロバイダ710とグリッド運用者708との契約が、グリッドサービスに対して結ばれるステップ722へと進む。契約は、概して、グリッドサービスのタイプ(例えば、供給又は負荷)、サービスが供給される(又は供給が利用可能になる)ことになる時間、総供給又は負荷容量などのグリッドサービスのエネルギー特性、応答速度、電圧、周波数、及び同種のものを含み得る。
【0075】
次いで、フロー700は、グリッド運用者708がグリッドサービス(グリッドサービスA)のためのグリッドサービス指示をグリッドサービスプロバイダ710に提供するステップ724へと進む。グリッドサービス指示は、契約したグリッドサービスAを有効化する必要があることをグリッドサービスプロバイダ710に示す何らかの種類の信号、データ、電子メッセージ、又は同種のものであり得る。
【0076】
次いで、フロー700は、グリッドサービスプロバイダ710がグリッドサービスAのためのサービス構成をFESシステム制御器702(例えば、
図2、
図3、
図4、
図5、及び
図6に関してそれぞれ説明される202、302、402、及び502)に提供するステップ726へと進む。
【0077】
次いで、フロー700は、FESシステム制御器702がエネルギー貯蔵デバイス(ESD)704に電力制御コマンドを提供するステップ728へと進む。電力制御コマンドは、例えば、グリッドに負荷を供給すること(例えば、エネルギー貯蔵デバイス704のバッテリを充電することによって)、又はグリッドに供給を提供すること(例えば、エネルギー貯蔵デバイス704のバッテリを放電することによって)であり得る。
【0078】
次いで、フロー700は、エネルギー貯蔵デバイス704の仮想エネルギー貯蔵デバイス704AがグリッドサービスAを提供するステップ730へと進み、次いで732においてエネルギー貯蔵デバイス704が同じグリッドサービスAをグリッド706に提供する。グリッド706は、グリッドサービスを、仮想エネルギー貯蔵デバイス704Aから来るものとしてではなく、むしろエネルギー貯蔵デバイス704から来るものとして“見る”ということに留意されたい。故に、仮想エネルギー貯蔵デバイス704Aとエネルギー貯蔵デバイス704との間のフロー730は、単に、概念を実証しているだけである。
【0079】
次いで、フロー700は、グリッド運用者708が別のグリッドサービス(グリッドサービスB)のための別のグリッドサービス指示をグリッドサービスプロバイダ710に提供するステップ734へと進む。この例において、グリッドサービスBは、グリッドサービスプロバイダ710とグリッド運用者708との間ですでに契約されている。
【0080】
次いで、フロー700は、グリッドサービスプロバイダ710がグリッドサービスBのためのサービス構成をFESシステム制御器702に提供するステップ736へと進む。
【0081】
次いで、フロー700は、グリッドサービスA及びグリッドサービスBのための構成が同時に動作することができることを確実にするために制御器702が正味容量決定を実施するステップ738へと進む。例えば、正味容量決定は、グリッドサービスA及びBを同時に提供することが、エネルギー貯蔵デバイス704の設計制約又は物理制約を超えないことを確実にし得る。
【0082】
グリッドサービスA及びBがエネルギー貯蔵デバイス704によって同時に提供され得ることを決定すると、次いで、フロー700は、FESシステム制御器702が電力制御コマンドをエネルギー貯蔵デバイス704に提供するステップ740へと進む。
【0083】
次いで、フロー700は、エネルギー貯蔵デバイス704の仮想エネルギー貯蔵デバイス704BがグリッドサービスBを提供するステップ742へと進み、次いで744においてエネルギー貯蔵デバイス704がグリッドサービスA及びグリッドサービスBを同時にグリッド706に提供する。ここでも、グリッド706は、グリッドサービスを、仮想エネルギー貯蔵デバイス704A及び704Bから来るものとしてではなく、むしろエネルギー貯蔵デバイス704から来るものとして“見る”。
【0084】
ステップの特定の順序、グリッドサービス及び仮想エネルギー貯蔵デバイスの数及びタイプ、データフロー及びメッセージのタイプ、並びに
図7の他の態様は、1つの可能な例にすぎず、多くの他のものが、本明細書に説明される様々な実施形態と一致して可能であるということに留意されたい。
【0085】
例えば、場合によっては、グリッドサービス構成は、
図7の例にあるようにグリッドサービス指示を受信した後ではなく、グリッドサービスのための契約を結んだ時点で制御器702に提供され得る。別の例として、ステップ724及び734にあるようにグリッドサービス指示を受信するのではなく、グリッドサービスプロバイダ710は、グリッド電圧及び/又は周波数などのグリッドの動作特性を監視し、グリッド運用者708からの指示を必要とせずに独立してグリッドサービスで応答し得る。さらに別の例として、ステップ738における正味容量決定は、制御器がそのようなチェックを、時間が重複し得るグリッドサービスを構成する際に実施する場合は必要ではないことがある。
【0086】
仮想エネルギー貯蔵デバイスを使用してグリッドサービスを実施する例となる方法
図8は、本明細書に説明されるような仮想エネルギー貯蔵デバイスを使用してグリッドサービスを実施するための例となる方法800を描写する。
【0087】
方法800は、グリッドサービス構成を決定するステップ802で開始する。上記のように、グリッドサービス構成は、概して、実施されるべきグリッドサービスのタイプ(例えば、負荷又は供給ベースのグリッドサービス)、グリッドサービスが実施されることになる時間間隔(例えば、開始及び終了時間を有する単一又は反復的な時間間隔)、グリッドサービスの容量、グリッドサービスの応答時間(例えば、設定された応答時間内に何らかの量のエネルギー負荷又は供給を提供する)、グリッドサービスが提供されることになるグリッド接続、並びに同種のものなど、グリッドサービスプロバイダによって実施されるべきグリッドサービスの特性を規定し得る。
【0088】
方法800は、
図3~
図6に関して上に説明されるものなど、グリッドサービス構成に基づいて固定エネルギー貯蔵システムのエネルギー貯蔵デバイス内の仮想エネルギー貯蔵デバイスを構成するステップ804へと進む。
【0089】
次いで、方法800は、仮想エネルギー貯蔵デバイスを用いてグリッドサービス構成に従ってグリッドサービスを実施するステップ806へと進む。いくつかの実施形態において、グリッドサービスの実施を開始することは、グリッドサービスの実施を開始するようにグリッド運用者から指示を受信することに基づき得る。他の実施形態において、グリッドサービスの実施を開始することは、グリッドの電圧又は周波数を監視することなどによって、グリッドの動作特性を監視することに基づき得る。
【0090】
ステップ806は、
図3~
図7に関して上に説明されるように、グリッドサービス構成に従って単一のグリッドサービスを実施することを指すが、方法700は、複数のグリッドサービス構成に基づいて複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスを構成すること、及び複数のグリッドサービスを同時に実施することをさらに含み得るということに留意されたい。上記のように、仮想エネルギー貯蔵デバイスの便益は、根本的な物理的エネルギー貯蔵デバイスの数にかかわらず複数の同時グリッドサービスを実施するために、単一のエネルギー貯蔵デバイス、又は複数のエネルギー貯蔵デバイスを備える単一の固定エネルギー貯蔵システムの容量を利用する能力である。
【0091】
次いで、方法800は、グリッドサービスを実施しながらグリッドサービスを計測するステップ808へと進む。上記のように、計測は、概して、開始時間、終了時間、時間間隔、受信又は送達される電力の量、受信又は送達される電力の電圧、受信又は送達される電力の周波数、グリッド接続であって、そこから電力が受信された、又はそこに電力が送信された、グリッド接続、グリッドサービスを実施した電気貯蔵デバイス(複数可)、グリッドサービスを実施した仮想電気貯蔵デバイス(複数可)、グリッドサービスを実施した固定エネルギー貯蔵システム、グリッドサービスを実施している間の料金プラン又は料金表、及びその他など、実施されているグリッドサービスの時間的及び動作的側面を捕捉することを含み得る。
【0092】
いくつかの実施形態において、計測データは、グリッドサービス契約がグリッドサービスプロバイダによって履行されたという証明として、グリッド運用者に提供され得る。
【0093】
例となる固定エネルギー貯蔵処理システム
図9は、
図7及び
図8に関するものを含め、本明細書に説明されるプロセス及び方法を実施するように構成される例となる固定エネルギー貯蔵(FES)処理システム900を描写する。FES処理システム900は、本明細書に説明されるように、グリッドサービスを提供するためにグリッドサービスプロバイダによって使用され得る。
【0094】
FES処理システム900は、例えば、バス908を介して、メモリ910内のデータにアクセスするように構成されるプロセッサ902を含む。この例では簡略性のために単一のメモリ810として示されるが、メモリ910は、プロセッサ902がアクセスすることができる複数のメモリを表すものであり得る。
【0095】
プロセッサ902は、I/Oデバイス及び関連インターフェース904と、並びにネットワークインターフェース906を介してネットワーク990と、データを交換するようにさらに構成される。ネットワーク990は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、インターネット、プライベートネットワーク、及び同種のものなど、有線及びワイヤレスネットワークを含む任意の種類のデータ通信ネットワークを表すものである。
【0096】
プロセッサ902は、この例では、グリッドサービス構成コンポーネント912、仮想エネルギー貯蔵デバイス(ESD)構成コンポーネント914、グリッドサービスコンポーネント916、計測コンポーネント918、決定コンポーネント820、通信コンポーネント922、及び監視コンポーネント924と関連付けられた機能を実施するためのコンピュータ実行可能な命令を実行するようにさらに構成される。例えば、プロセッサ902は、
図2B~
図8に関して上に説明される機能及び方法を実施するために、これらのコンポーネントと関連付けられた非一時的なコンピュータ実行可能な命令を実行するように構成される。
【0097】
グリッドサービス構成コンポーネント912は、概して、
図3~
図4に関して上に説明されるものなど、グリッドサービス構成を生成するように構成され得る。
【0098】
仮想ESD構成コンポーネント914は、概して、
図2B~
図6に関して上に説明されるものなど、仮想エネルギー貯蔵デバイス構成を構成し得る。
【0099】
グリッドサービスコンポーネント916は、概して、例えば、仮想エネルギー貯蔵デバイス構成928及びグリッドサービス構成926に基づいて、仮想エネルギー貯蔵デバイスを使用してグリッドサービスを実施するように構成され得る。
【0100】
計測コンポーネント918は、概して、上に説明されるものなど、実施されているグリッドサービスの特性を計測するように構成され得る。
【0101】
決定コンポーネント920は、概して、上に説明されるものなど、グリッドサービスを実施するための様々な決定を実施するように構成され得る。
【0102】
通信コンポーネント922は、概して、グリッド運用者及びグリッドサービスプロバイダとデータを交換することなど、データを送信及び受信するために構成され得る。
【0103】
監視コンポーネント924は、概して、FESシステム900の動作特性を監視するように、並びに本明細書に説明されるものなど、1つ又は複数のグリッド接続942の動作特性を監視するように構成され得る。
【0104】
プロセッサ902は、グリッドサービス構成926、仮想ESD構成928、計測データ930、グリッドデータ932、契約データ934、及び監視データ944など、様々なコンポーネントと関連付けられたデータにアクセスするようにさらに構成される。とりわけ、上述のコンポーネント及びデータタイプは、単に一例であり、他のものが、本明細書に説明される様々な実施形態と一致して可能である。
【0105】
プロセッサ902は、この例では単一のプロセッサとして描写されるが、プロセッサ902は、いくつかの例においては、一緒に動作する異なるタイプのプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)及びグラフィック処理装置(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のタイプのプロセッサ)を含む、1つ又は複数のプロセッサを表すものであることが意図される。さらに、いくつかの例において、FES処理システム900は、プロセッサ、メモリ、及びストレージなどの様々な物理的なリソースが仮想化されるクラウドコンピューティング実装内など、複数のデバイスにわたって実装され得る。
【0106】
FES処理システム900は、
図1に関して上に説明されるものなど、グリッドサービスプロバイダ及びグリッド運用者とインターフェースをとること、グリッドサービスプロバイダ及びグリッド運用者からデータを受信すること、並びにグリッドサービスプロバイダ及びグリッド運用者にデータを送信することによって、グリッドサービスを実施し得る。
【0107】
FES処理システム800はまた、本明細書に説明されるものなど、1つ又は複数のエネルギー貯蔵デバイス936を含む。エネルギー貯蔵デバイス936は、例えば、1つ又は複数のバッテリ、バッテリパック、1つ又は複数のコンデンサ、電気エネルギーのために運動エネルギーを交換するように構成される運動エネルギー貯蔵デバイス、電気エネルギーのために熱エネルギーを交換するように構成される熱エネルギー貯蔵デバイス、電気エネルギーのために化学エネルギーを交換するように構成される化学エネルギー貯蔵デバイス、又は任意の他の電気エネルギー貯蔵デバイス若しくは上述のエネルギー貯蔵デバイスの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態において、監視コンポーネント924は、温度、エネルギー容量、充電及び放電率、充電及び放電サイクル、並びに他の特性など、エネルギー貯蔵デバイス936の様々な動作又は性能特性を監視するように構成され得る。
【0108】
FES処理システム800はまた、電力フローの量、電力フローの方向、電圧、周波数、時間、及び同種のものを含む、FESシステム900の様々な電気的側面を測定するように構成され得る1つ又は複数のメータ940を含む。メータ940は、概して、計測データ930をメモリ910に格納し得る。いくつかの実施形態において、メータ940は、グリッド運用者などの別のエンティティによって動作されるメータを含め、ローカル及びリモートメータを含み得る。そのようなリモートメータは、ネットワーク990を介してFESシステム900とインターフェースをとり、計測データ930を提供し得る。
【0109】
FES処理システム900はまた、
図5又は
図6に関して説明されるものなど、1つ又は複数のグリッド接続942を含む。
【0110】
FES処理システム900は、単に1つの実施形態であり、他の実施形態は、より多くの若しくはより少ない態様、又は本明細書に説明される様々な実施形態と一致する異なるやり方で配置及び/若しくは構成される態様を含み得るということに留意されたい。
【0111】
例となる条項
実装例は、以下の番号付きの条項内に説明される。
【0112】
条項1:固定エネルギー貯蔵システムのエネルギー貯蔵デバイス内の複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスを構成すること、及び複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスの2つ以上の仮想エネルギー貯蔵デバイスを用いて2つ以上のグリッドサービスを同時に実施することを含む、方法。
【0113】
条項2:複数のグリッドサービス構成を決定することをさらに含み、複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスの各仮想エネルギー貯蔵デバイスは、複数のグリッドサービス構成のうちの1つのグリッドサービス構成と関連付けられる、条項1に記載の方法。
【0114】
条項3:複数のグリッドサービス構成を決定することは、グリッドサービスプロバイダからグリッドサービス構成を受信することを含む、条項2に記載の方法。
【0115】
条項4:2つ以上のグリッドサービスの各グリッドサービスを、2つ以上のグリッドサービスを同時に実施しながら、別個に計測することをさらに含む、条項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【0116】
条項5:2つ以上のグリッドサービスの各グリッドサービスと関連付けられたグリッドサービスプロバイダから指示を受信することと、受信した指示に応答して、2つ以上のグリッドサービスの各グリッドサービスを有効化することとをさらに含む、条項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【0117】
条項6:1つ又は複数の動作特性についてグリッドを監視することと、1つ又は複数の動作特性に応答して、2つ以上のグリッドサービスの各グリッドサービスを有効化することとをさらに含む、条項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【0118】
条項7:1つ又は複数の動作特性のうちの1つは、グリッドの電圧又はグリッドの周波数である、条項6に記載の方法。
【0119】
条項8:2つ以上のグリッドサービスは、同じタイプのグリッドサービスであり、また、該タイプは、供給ベースのグリッドサービス又は負荷ベースのグリッドサービスのうちの一方である、条項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【0120】
条項9:2つ以上のグリッドサービスは、異なるタイプのグリッドサービスである、条項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【0121】
条項10:複数のグリッドサービス構成の各グリッドサービス構成は、グリッドサービスのタイプ、グリッドサービスの容量、及びグリッドサービスの時間間隔を備える、条項2~9のいずれか一項に記載の方法。
【0122】
条項11:複数のグリッドサービス構成は、負荷ベースのグリッドサービスと関連付けられたグリッドサービス構成の第1のサブセット、及び供給ベースのグリッドサービスと関連付けられたグリッドサービス構成の第2のサブセットを備え、エネルギー貯蔵デバイス内の複数の仮想エネルギー貯蔵デバイスは、グリッドサービス構成の第1のサブセット又はグリッドサービス構成の第2のサブセット内のいずれかのグリッドサービス構成と関連付けられ、両方とは関連付けられない、条項2~10のいずれか一項に記載の方法。
【0123】
条項12:複数のエネルギー貯蔵デバイスは、グリッドサービス構成の第1のサブセット又はグリッドサービス構成の第2のサブセット内のいずれかのグリッドサービス構成と関連付けられる、条項11に記載の方法。
【0124】
条項13:コンピュータ実行可能な命令を備えるメモリと、コンピュータ実行可能な命令を実行し、条項1~12のいずれか一項に記載の方法を処理システムに実施させるように構成される1つ又は複数のプロセッサとを備える、処理システム。
【0125】
条項14:条項1~12のいずれか一項に記載の方法を実施するための手段を備える、処理システム。
【0126】
条項15:処理システムの1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、条項1~12のいずれか一項に記載の方法を処理システムに実施させるコンピュータ実行可能な命令を備える、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0127】
条項16:条項1~12のいずれか一項に記載の方法を実施するためのコードを備えるコンピュータ可読媒体において具現化されるコンピュータプログラム製品。
【0128】
他の考慮事項
先の説明は、当業者が本明細書に説明される様々な実施形態を実践することを可能にするために提供される。本明細書内で論じられる例は、クレーム内に明記される範囲、可用性、又は実施形態の限定ではない。これらの実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明白であり、本明細書に規定される一般原則は、他の実施形態にも適用され得る。例えば、変更は、本開示の範囲から逸脱することなく、論じられた要素の機能及び配置においてなされ得る。様々な例は、適切な場合、様々な手順又は構成要素を省略、置換、又は追加し得る。例えば、説明される方法は、説明されるものとは異なる順序で実施され得、様々なステップが追加、省略、又は結合され得る。また、いくつかの例に関して説明される特徴は、いくつかの他の例において、組み合わされ得る。例えば、本明細書に明記される任意の数の態様を使用して、装置が実装され得るか、又は方法が実践され得る。加えて、本開示の範囲は、本明細書に明記される本開示の様々な態様に加えて、又はそれ以外の、他の構造、機能性、又は構造及び機能性を使用して実践されるそのような装置又は方法を網羅することが意図される。本明細書に開示される本開示の任意の態様は、クレームの1つ又は複数の要素によって具現化され得るということを理解されたい。
【0129】
本明細書で使用される場合、“例示的な”という言葉は、“例、事例、又は例証としての役割を果たすこと」を意味する。“例示的”として本明細書に説明される任意の態様は、他の態様よりも好ましい、又は有利であると必ずしも解釈されないものとする。
【0130】
本明細書で使用される場合、項目のリスト“のうちの少なくとも1つ”に言及する表現は、単一の選択肢を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。例として、“a、b、又はcのうちの少なくとも1つ”は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、及びa-b-c、並びに複数の同じ要素の任意の組み合わせ(例えば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、及びc-c-c、又は任意の他の順序のa、b、及びc)を網羅することが意図される。
【0131】
本明細書で使用される場合、“決定する”という用語は、幅広い行為を包含する。例えば、“決定”は、計算する、コンピューティングする、処理する、導出する、調査する、検索する(例えば、テーブル、データベース、又は別のデータ構造内を検索する)、確認する、及び同様のことを含み得る。また、“決定する”は、受信する(例えば、情報を受信する)、アクセスする(例えば、メモリ内のデータにアクセスする)、及び同様のことを含み得る。また、“決定する”は、解決する、選択する、選ぶ、確立する、及び同様のことを含み得る。
【0132】
本明細書に開示される方法は、方法を達成するための1つ又は複数のステップ又は行為を含む。方法ステップ及び/又は行為は、クレームの範囲から逸脱することなく、互いと入れ替えられ得る。言い換えると、ステップ又は行為の特定の順序が指定されない限り、特定のステップ及び/又は行為の順序及び/又は使用は、クレームの範囲から逸脱することなく、修正され得る。さらに、上に説明される方法の様々な動作は、対応する機能を実施することができる任意の好適な手段によって実施され得る。この手段は、限定されるものではないが、回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はプロセッサを含む、様々なハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネント及び/又はモジュールを含み得る。概して、図面に例証される動作が存在する場合、それらの動作は、同様の番号付けを伴う対応する同等のミーンズ・プラス・ファンクション構成要素を有し得る。
【0133】
以下のクレームは、本明細書に示される実施形態に限定されることは意図されず、クレームの文言と一致する全範囲を付与されるものとする。クレーム内では、単数形の要素への言及は、“唯一1つ”を意味することは、そのように具体的に記載のない限りは意図されず、むしろ“1つ又は複数”を意味することが意図される。別途具体的な記載のない限り、“いくつか”という用語は、1つ又は複数を指す。要素が、“~のための手段”という表現を使用して明示的に記述されるか、又は方法クレームの場合は、要素が、“~のためのステップ”という表現を使用して記述されない限り、35 U.S.C.§112(f)の規定の下で解釈されるクレーム要素は存在しない。当業者に知られている、又は後に知られることになる本開示全体を通して説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的及び機能的等価物は、その内容を参照により本明細書に明示的に援用され、クレームによって包含されることが意図される。さらには、本明細書における開示は、そのような開示がクレーム内に明示的に記述されているかどうかにかかわらず、一般向けを意図したものではない。
【国際調査報告】