(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】アミン強化清浄材
(51)【国際特許分類】
C10M 177/00 20060101AFI20240517BHJP
C10M 159/24 20060101ALI20240517BHJP
C10M 159/22 20060101ALI20240517BHJP
C10M 159/20 20060101ALI20240517BHJP
C10M 137/12 20060101ALN20240517BHJP
C10M 133/06 20060101ALN20240517BHJP
C10M 133/08 20060101ALN20240517BHJP
C10M 133/12 20060101ALN20240517BHJP
C10M 133/16 20060101ALN20240517BHJP
C10M 133/20 20060101ALN20240517BHJP
C10M 133/40 20060101ALN20240517BHJP
C10N 10/04 20060101ALN20240517BHJP
C10N 70/00 20060101ALN20240517BHJP
C10N 40/25 20060101ALN20240517BHJP
【FI】
C10M177/00
C10M159/24
C10M159/22
C10M159/20
C10M137/12
C10M133/06
C10M133/08
C10M133/12
C10M133/16
C10M133/20
C10M133/40
C10N10:04
C10N70:00
C10N40:25
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575867
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 IB2022055364
(87)【国際公開番号】W WO2022259193
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598037547
【氏名又は名称】シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テキ、ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ペアノ、アンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】デクウペレ、マチュー
(72)【発明者】
【氏名】ギブス、アンドリュー アール.
(72)【発明者】
【氏名】クレイウエグト、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ムヒア、サムエル
(72)【発明者】
【氏名】ル デオーレ、クリストフ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】イフル、アレガヘグン エス.
【テーマコード(参考)】
4H104
【Fターム(参考)】
4H104AA06R
4H104AA13R
4H104BA02A
4H104BA07A
4H104BA08A
4H104BB05R
4H104BE02R
4H104BE04A
4H104BE07A
4H104BE11R
4H104BE13R
4H104BE27R
4H104BG06R
4H104BH11R
4H104DA02A
4H104DA06A
4H104DB06C
4H104DB07C
4H104FA02
4H104JA01
4H104PA41
(57)【要約】
低灰分清浄材を調製するためのプロセスについて記述する。このプロセスは、ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材を含む界面活性剤組成物を、無灰分窒素含有化合物と混合して、ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材の塩基価を強化することを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低灰分清浄材を調製するためのプロセスであって、
ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩またはホスホン酸塩清浄材を含む界面活性剤組成物を無灰分窒素含有化合物と混合し、前記ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩またはホスホン酸塩清浄材の塩基価を強化することを含む、前記プロセス。
【請求項2】
前記混合が二酸化炭素または炭酸エチレンの存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記混合が、前記ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材を中和する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩またはホスホン酸塩清浄材が、前記混合前または前記混合中に金属塩基によって中和される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記金属塩基がCa(OH)
2またはMgOである、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記窒素含有化合物が、アルキル化アミン、ヒドロカルビルアミン、エチレンアミン、芳香族アミン、エタノールアミン、尿素、ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、ベンジルアミン、ピペラジン、アルキルピペラジン、ジアルキルピペラジン、フェノキシアミン、ベンズアミド、フェニルアミン、フタルイミドまたはアミノ酸である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記窒素含有化合物が、C9ジフェニルアミン、2-エチルヘキシル(獣脂)メチルアミン、エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、エチレンジアミン、N-メチルエタノールアミン、1,1-ジメチルエチレンジアミン、2-メトキシエチルアミン、ジエタノールアミン、N-メチルプロピレンジアミン、テトラメチル尿素、N-フェニルフェニレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、トリエタノールアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、2-フェノキシエチルアミン、C20-C24アルキル-2-フェノキシアミン、2-(2-アミノエトキシ)ナフタレン、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ベンズアミド、フェニルプロピルアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)フタルイミド、N-(2-アミノエチル)フタルイミド、N-(3-ヒドロキシプロピル)フタルイミド、N-(3-アミノプロピル)フタルイミド、N-(2-(メチルアミノ)エチル)フタルイミド、N-(3-(メチルアミノ)プロピル)フタルイミド、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)フタルイミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)フタルイミド、またはグリシンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記界面活性剤が、アルキルヒドロキシ安息香酸、アルキル芳香族スルホン酸、またはアルケニル芳香族スルホン酸の塩である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記混合が、金属炭酸塩の形成前または形成後に行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
低灰分清浄材を調製するためのプロセスであって、
ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩またはホスホン酸塩清浄材と、アミンまたはアミン誘導体とを混合することを含み、前記アミンまたはアミン誘導体は、前記ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩またはホスホン酸塩清浄材の過塩基化または塩基価を強化するために添加される、前記プロセス。
【請求項11】
前記混合が二酸化炭素の存在下で行われる、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記混合が、前記ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材を中和する、請求項10に記載のプロセス。
【請求項13】
前記ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩またはホスホン酸塩清浄材が、前記混合前または前記混合中に金属塩基によって中和される、請求項10に記載のプロセス。
【請求項14】
前記金属塩基がCa(OH)
2またはMgOである、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記アミンまたはアミン誘導体が、アルキル化アミン、ヒドロカルビルアミン、エチレンアミン、芳香族アミン、エタノールアミン、尿素、ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、ベンジルアミン、ピペラジン、アルキルピペラジン、ジアルキルピペラジン、フェノキシアミン、ベンズアミド、フェニルアミン、フタルイミドまたはアミノ酸である、請求項10に記載のプロセス。
【請求項16】
前記アミンまたはアミン誘導体が、C9ジフェニルアミン、2-エチルヘキシル(獣脂)メチルアミン、エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、エチレンジアミン、N-メチルエタノールアミン、1,1-ジメチルエチレンジアミン、2-メトキシエチルアミン、ジエタノールアミン、N-メチルプロピレンジアミン、テトラメチル尿素、N-フェニルフェニレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、トリエタノールアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、2-フェノキシエチルアミン、C20-C24アルキル-2-フェノキシアミン、2-(2-アミノエトキシ)ナフタレン、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ベンズアミド、フェニルプロピルアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)フタルイミド、N-(2-アミノエチル)フタルイミド、N-(3-ヒドロキシプロピル)フタルイミド、N-(3-アミノプロピル)フタルイミド、N-(2-(メチルアミノ)エチル)フタルイミド、N-(3-(メチルアミノ)プロピル)フタルイミド、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)フタルイミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)フタルイミド、またはグリシンである、請求項10に記載のプロセス。
【請求項17】
前記界面活性剤が、アルキルヒドロキシ安息香酸、アルキル芳香族スルホン酸、またはアルケニル芳香族スルホン酸の塩である、請求項10に記載のプロセス。
【請求項18】
前記混合が、金属炭酸塩の形成前または形成後に行われる、請求項10に記載のプロセス。
【請求項19】
主要量の潤滑粘度の油材;及び、
ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材と、アミンまたはアミン誘導体とを混合することを含むプロセスから製造される少量の低灰分清浄材
を含む潤滑油組成物であって、
前記アミンまたはアミン誘導体が、前記ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材の過塩基化または塩基価を強化するために添加される、前記潤滑油組成物。
【請求項20】
前記混合が二酸化炭素の存在下で行われる、請求項19に記載の潤滑油組成物。
【請求項21】
前記混合が、前記ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材を中和する、請求項19に記載の潤滑油組成物。
【請求項22】
前記ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩またはホスホン酸塩清浄材が、前記混合前または前記混合中に金属塩基によって中和される、請求項19に記載の潤滑油組成物。
【請求項23】
前記金属塩基がCa(OH)
2またはMgOである、請求項19に記載の潤滑油組成物。
【請求項24】
前記アミンまたはアミン誘導体が、アルキル化アミン、ヒドロカルビルアミン、エチレンアミン、芳香族アミン、エタノールアミン、尿素、ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、ベンジルアミン、ピペラジン、アルキルピペラジン、ジアルキルピペラジン、フェノキシアミン、ベンズアミド、フェニルアミン、フタルイミドまたはアミノ酸である、請求項19に記載の潤滑油組成物。
【請求項25】
前記アミン又はアミン誘導体が、C9ジフェニルアミン、2-エチルヘキシル(獣脂)メチルアミン、エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、エチレンジアミン、N-メチルエタノールアミン、1,1-ジメチルエチレンジアミン、2-メトキシエチルアミン、ジエタノールアミン、N-メチルプロピレンジアミン、テトラメチル尿素、N-フェニルフェニレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、トリエタノールアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、2-フェノキシエチルアミン、C20-C24アルキル-2-フェノキシアミン、2-(2-アミノエトキシ)ナフタレン、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ベンズアミド、フェニルプロピルアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)フタルイミド、N-(2-アミノエチル)フタルイミド、N-(3-ヒドロキシプロピル)フタルイミド、N-(3-アミノプロピル)フタルイミド、N-(2-(メチルアミノ)エチル)フタルイミド、N-(3-(メチルアミノ)プロピル)フタルイミド、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)フタルイミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)フタルイミド、またはグリシンである、請求項19に記載の潤滑油組成物。
【請求項26】
前記界面活性剤が、アルキルヒドロキシ安息香酸、アルキル芳香族スルホン酸、またはアルケニル芳香族スルホン酸の塩である、請求項19に記載の潤滑油組成物。
【請求項27】
前記混合が、金属炭酸塩の形成前または形成後に行われる、請求項19に記載の潤滑油組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、清浄材添加剤組成物に関する。より詳細には、本開示は、アミン強化清浄材組成物及びそれを含む潤滑油組成物について記載する。
【背景技術】
【0002】
金属清浄材添加剤は、付着物の形成を防止すること、及び燃費を向上させることなどの重要な利点を提供するために、自動車用潤滑油にしばしば使用される。
【0003】
特に、清浄材を過塩基化することで、エンジン環境中で発生する腐食性酸を中和する金属塩基リザーブを提供することができる。カルシウム系清浄材の場合、清浄材がどの程度過塩基化されているかは、存在する炭酸カルシウム(CaCO3)の水準に依存する。
【0004】
過塩基化されたカルシウム系金属清浄材は、界面活性剤の外殻と炭酸カルシウムの核を有する油溶性粒子である。過塩基化の程度は、全塩基価(TBN)で示される。一般に、TBNが高いほど、潤滑油の交換が必要になるまでの過酷な条件下での運転期間が長くなる。
【0005】
これらの種の清浄材の一つの欠点は、金属が存在すると硫酸灰分が発生し、排ガス処理触媒を汚染する可能性があることである。炭酸カルシウムはTBNに寄与するが、硫酸灰分の生成にもつながり得る。この問題に対する一つの取り組み方は、添加剤パッケージの金属含有量を制限することである。
【発明の概要】
【0006】
一つの態様では、低灰分清浄材を調製するためのプロセスであって、ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材を含む界面活性剤組成物を無灰分窒素含有化合物と混合して、ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材の塩基価を強化することを含む前記プロセスが提供される。
【0007】
別の態様では、低灰分清浄材を調製するためのプロセスであって、ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材と、アミンまたはアミン誘導体とを混合することを含み、ここで、アミンまたはアミン誘導体は、ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材の塩基価を過塩基化または強化するために添加される前記プロセスが提供される。
【0008】
さらに別の態様では、主要量の潤滑粘度の油材;及びヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材と、アミンまたはアミン誘導体とを混合することを含むプロセスから製造される少量の低灰分清浄材を含み、ここで、アミンまたはアミン誘導体は、ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩、またはホスホン酸塩清浄材の塩基価を過塩基化または強化するために添加される潤滑油組成物が提供される。
【0009】
詳細な記述
本明細書において、以下の語句及び表現は、使用される場合及び使用される時、以下の意味を有する。
【0010】
用語「アルキル」またはそれに関連する用語は、直鎖状、分枝状、環状、または環状、直鎖状及び/または分枝状の組み合わせであり得る飽和炭化水素基を指す。用語「アルケニル」またはそれに関連する用語は、直鎖状、分枝状、環状、または環状、直鎖状及び/または分枝状の組み合わせであり得る不飽和炭化水素基を指す。
【0011】
炭化水素ベースの配合物(特に潤滑油)において、用語「灰分」またはそれに関連する用語は、炭化水素を焼成した後に残る金属化合物を指す。この灰分は主に、特定の添加剤に使用される化学物質ならびに固形物に由来する。用語「硫酸灰分」は、清浄材によく見られる金属の燃焼生成物を指す。潤滑油の特性として、硫酸灰分は金属含有量(通常はZn、Ca及びMg)の指標となる。
【0012】
用語「無灰分」またはそれに関連する用語は、灰分を発生しない、または灰分の発生を制限する配合物もしくは添加物を指す。無灰分添加剤は一般的に、金属(ホウ素を含む)、ケイ素、ハロゲンを含まないか、または典型的な機器の検出限界以下の濃度でこれらの元素を含む。
【0013】
「少量」またはそれに関連する用語は、記載された添加剤に関して、および組成物の総重量に関して、添加剤の有効成分として換算して表される、組成物の50wt%未満を意味する。
【0014】
「主要量」またはそれに関連する用語は、組成物の総重量に基づいて50wt%を超える量を意味する。
【0015】
用語「石灰分」は水酸化カルシウムを指し、消石灰分または水和石灰分とも呼ばれる。
【0016】
用語「全塩基価」または「TBN」は、ASTM規格番号D2896または同等の手順による、腐食性の酸を中和し続ける組成物の能力を示す、油材サンプルのアルカリ性の水準を指す。試験は電気伝導度の変化を測定し、結果はmgKOH/g(製品1グラムを中和するのに必要な当量のKOHミリグラム数)で表される。従って、TBNが高いということは、製品の過塩基化が強く、その結果、酸を中和するための塩基備蓄量が多いことを反映している。
【0017】
本発明は、エンジン運転条件下で潤滑油中の添加剤として使用した場合に、従来の過塩基化された清浄材と比較して、塩基価(BN)当たりの硫酸灰分の生成量が少なくなる低灰分清浄材について記載する。本発明の低灰分清浄材は、1)界面活性剤、及び2)窒素含有化合物を含む。アミンまたはアミン誘導体などの窒素含有化合物は、清浄材を過塩基化し、TBNを強化するために使用される。一つの態様において、本発明は、窒素含有化合物がアミンまたはアミン誘導体である、アミン強化清浄材に関する。別の態様では、窒素含有化合物は無灰分である。
【0018】
本発明の低灰分清浄材は、一般に、エンジン運転中に酸を中和するために金属塩(例えば、CaCO3)に大きく依存する従来の清浄材と比較して、金属塩の含有量が少ない。その結果、本発明の清浄材は硫酸灰分の発生が少ない。窒素含有化合物は全塩基価に寄与するが、硫酸灰分の生成には寄与しない。
【0019】
本発明に適合する特に有用な界面活性剤には、ヒドロキシ安息香酸塩、スルホン酸塩及びホスホン酸塩などの金属清浄材がある。適合する金属清浄材のいくつかの非限定的な例としては、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸塩、ホウ素化スルホン酸塩、多ヒドロキシアルキルまたはアルケニル芳香族化合物の硫化または非硫化金属塩、アルキルまたはアルケニルヒドロキシ安息香酸の金属塩、アルキルまたはアルケニルヒドロキシ芳香族スルホン酸塩、硫化または非硫化アルキルまたはアルケニルナフテン酸塩、アルカン酸の金属塩、アルキルまたはアルケニル多酸の金属塩、ならびにそれらの化学的及び物理的混合物が挙げられる。好適な金属清浄材の他の非限定的な例としては、サリチル酸塩、チオホスホン酸塩などが挙げられる。好適な金属の非限定的な例としては、アルカリ金属、アルカリ金属及び遷移金属が挙げられる。いくつかの実施形態では、金属はCa、Mg、Ba、K、Na、Liなどである。
【0020】
本発明に適合する特に有用な窒素含有化合物としては、カルバミン酸塩、尿素、アミド及びイミドなどの、アミン及びアミン誘導体が挙げられる。窒素含有化合物は、ヘテロ原子(例えば、アルコール)、飽和基、芳香族基などを含んでいてもよい。
【0021】
アミンまたはアミン誘導体の例としては、アルキル化アミン(例えば、2-エチルヘキシル(獣脂)メチルアミン、エチルヘキシルアミン、オクチルアミン)、ヒドロカルビルアミン、エチレンジアミン、N-メチルエタノールアミン、1,1-ジメチルエチレンジアミン、2-メトキシエチルアミン、エタノールアミン(例えば、ジエタノールアミン)、N-メチルプロピレンジアミン、ピペラジン(例えばドデシルピエラジン)、尿素、テトラメチル尿素、ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、ベンジルアミン、N-フェニルフェニレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、トリエタノールアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(「N4アミン」)、フェノキシアミン(例えば、2-フェノキシエチルアミン、C20-C24アルキル-2-フェノキシエチルアミン)、2-(2-アミノエトキシ)ナフタレン、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ベンズアミド、フェニルアミン(例えば、3-フェニルプロピルアミン)、ベンズアミド、アミノ酸及びフタルイミドが挙げられる。
【0022】
より具体的には、好適なフタルイミドは、N-(2-ヒドロキシエチル)フタルイミド、N-(2-アミノエチル)フタルイミド、N-(3-ヒドロキシプロピル)フタルイミド、N-(3-アミノプロピル)フタルイミド、N-(2-(メチルアミノ)エチル)フタルイミド、N-(3-(メチルアミノ)プロピル)フタルイミド、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)フタルイミド、及びN-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)フタルイミドを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、本発明の低灰分清浄材は、アミン及びカルバミン酸塩などの窒素含有化合物の混合物を含む場合がある。
【0024】
清浄材の合成
本発明の低灰分清浄材は、任意の適合する方法により合成し得る。しかし、1つの利点は、本発明の低灰分清浄材の製造は、通常以下のような従来の清浄材製造プロセスと適合することである。例えば、従来の過塩基化されたアルキルヒドロキシ安息香酸カルシウム清浄材の製造は、多くの場合、アルキルフェノールを金属塩基と反応させることから始まる。次に、生成物をカルボキシル化(すなわちCO2による処理)し、酸性化する。得られた酸生成物は石灰分で中和され、過塩基化され得る。これらの段階の一部(例えば、二番目の中和及び過塩基化)は、同時に進めることができる。このプロセスのより詳細な説明はUS8,030,258に見出すことができ、それは参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
本発明の清浄材は、任意の適合する方法を用いて合成され得る。一つの態様では、本発明の清浄材の合成は、本発明の低灰分清浄材が金属塩基(例えば、炭酸カルシウム)の代わりに窒素含有化合物(例えば、アミンまたはアミン誘導体)で強化される点で、従来の清浄材の合成とは異なる。
【0026】
一つの例示的な例では、過塩基化されたアミン強化アルカリ土類金属アルキルアリールスルホン酸塩を調製するためのプロセスは、(a)アルキルトルエン/ベンゼンスルホン酸をアルカリ土類金属塩基(例えば、MgO)で中和して、アルカリ土類金属アルキルトルエン/ベンゼンスルホン酸塩を形成すること;(b)ステップ(a)からのアルカリ土類金属アルキルトルエン/ベンゼンスルホン酸塩及びアルカリ土類金属塩基を、約1~4個の炭素原子を有する少なくとも1種のカルボン酸と接触させて、アルカリ土類金属アルキルアリールスルホン酸塩と少なくとも1種のアルカリ土類金属カルボン酸塩との混合物を形成すること、及び(c)ステップ(b)からのアルカリ土類金属アルキルアリールスルホン酸塩を、ステップ(b)からの少なくとも1種のアルカリ土類金属カルボン酸塩の存在下で、アミンまたはアミン誘導体、及び少なくとも1種の酸性過塩基化材料で過塩基化することを含む。アルカリ土類金属アルキルアリールスルホン酸塩の製造についてのより詳細な説明はUS6,479,440に見出すことができ、それは参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
例示的な例として、過塩基化されたアミン強化アルカリ土類金属アルキルアリールスルホン酸塩を調製するためのプロセスは、(a)アルキルトルエン/ベンゼンスルホン酸をアルカリ土類金属塩基(例えば、CaOまたはCa(OH)2)で中和して、アルカリ土類金属アルキルトルエン/ベンゼンスルホン酸塩を形成すること、及び(b)ステップ(a)からのアルカリ土類金属アルキルアリールスルホン酸塩をアミンまたはアミン誘導体で過塩基化することを含む。アルカリ土類金属アルキルアリールスルホン酸塩の製造に関するより詳細な説明は、U.S.Pat.No.8,076,272に見出すことができ、それは参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
例示的な例として、過塩基化されたアミン強化アルカリ土類金属アルキルヒドロキシ安息香酸塩を調製するためのプロセスは、(a)アルキルフェノールをアルカリ金属塩基と反応させて、アルカリ金属アルキルフェネートを生成すること;(b)ステップ(a)で得られたアルカリ金属アルキルフェネートを、出発アルキルフェノールの少なくとも50モル%がアルカリ金属アルキルヒドロキシ安息香酸塩に変換されるように、二酸化炭素でカルボキシル化すること;(c)ステップ(b)で得られたアルカリ金属アルキルヒドロキシ安息香酸塩を強酸の水溶液で酸性化して、アルキルヒドロキシ安息香酸を生成すること;(d)ステップ(c)からのアルキルヒドロキシ安息香酸を、モル過剰のアルカリ土類金属塩基及び芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、モノアルコール、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種の溶媒で中和して、アルカリ土類金属アルキルヒドロキシ安息香酸塩を形成すること;(e)ステップ(d)からのアルカリ土類金属アルキルヒドロキシ安息香酸塩及びアルカリ土類金属塩基を、溶媒の存在下、約1~4個の炭素原子を有する少なくとも1種のカルボン酸(すなわち、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、モノアルコール、またはそれらの混合物)と接触させて、アルカリ土類金属アルキルヒドロキシ安息香酸塩と少なくとも1種のアルカリ土類金属カルボン酸塩との混合物を形成すること;及び(f)ステップ(e)からのアルカリ土類金属アルキルヒドロキシ安息香酸塩を、ステップ(e)からの少なくとも1種のアルカリ土類金属カルボン酸塩及び溶媒(すなわち、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、モノアルコール、またはそれらの混合物)の存在下、アミンまたはアミン誘導体、及び少なくとも1種の酸性過塩基化材料で過塩基化することを含む。
【0029】
別の実施形態では、アミンは過塩基化ステップ前の中和中に添加され得る。
【0030】
清浄材(例えば、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルヒドロキシ安息香酸塩など)の合成経路における1つ以上のステップの特定の順序は、そうすることが本発明と適合性があり、本発明に従っている限り、所望に応じて順序を入れ替えたり、組み合わせたり、わずかに変更したりしてよいことが理解される。例示のために、アルキルヒドロキシ安息香酸、アルキル芳香族スルホン酸、及びアルケニル芳香族スルホン酸を含む清浄材の合成について、以下の実施形態を提供する。これらの変更は、本発明に適合する他の清浄材合成経路にも適用される場合がある。
【0031】
例えば、アルキルヒドロキシ安息香酸塩清浄材合成経路では、アルキルヒドロキシ安息香酸は石灰分スラリー(すなわち、Ca(OH)2)によって中和されてよい。任意に、アミンは、中和ステップの間、石灰スラリー中に存在してよい。石灰スラリー及びアミンまたはアミン誘導体は、両者が共にCO2と反応しながら反応器に投入され得る。
【0032】
ある実施形態によれば、アミン処理は、アルキルヒドロキシ安息香酸が石灰分スラリーによって中和された後、過剰の石灰分がCO2と反応して金属炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム)を形成した後に行うことができる。
【0033】
ある実施形態によれば、アミン処理は、アルキルヒドロキシ安息香酸が石灰分スラリーによって中和された後、石灰分スラリーがCO2と反応する前に行うことができる。
【0034】
ある実施形態によれば、アミンは、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分スラリーで中和した後に反応器に仕込むことができる。アミンまたはアミン誘導体は、さらに処理することなく、中和された界面活性剤によって分散される場合がある。
【0035】
ある実施形態によれば、アルキルヒドロキシ安息香酸は、それを中和するのに必要な量に対して過剰なアミンによって中和され得る。過剰のアミンはCO2と反応してカルバミン酸塩を形成することができる。
【0036】
ある実施形態によれば、アルキルヒドロキシ安息香酸は、それを中和するのに必要な量に対して過剰なアミンによって中和され得る。
【0037】
ある実施形態によれば、アルキルヒドロキシ安息香酸は石灰分スラリーで中和されることができ、その後アミンは炭酸エチレンで処理される。いくつかの実施形態では、石灰分の他に、または石灰分に加えて、金属塩基が使用される場合がある。好適な金属塩基には、アルカリ金属塩基及びアルカリ土類金属塩基が含まれる。好適な金属塩基の例としては、MgOなどが挙げられる。
【0038】
ある実施形態によれば、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸塩清浄材合成経路において、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸は、石灰分スラリー(すなわち、Ca(OH)2)によって中和されてよい。任意に、アミンは、中和ステップの間、石灰分スラリー中に存在していてよい。石灰スラリー及びアミンまたはアミン誘導体は、両者が共にCO2と反応しながら反応器に投入され得る。
【0039】
ある実施形態によれば、アミン処理は、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸が石灰分スラリーによって中和された後で、過剰の石灰分がCO2と反応して金属炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム)を形成した後に行うことができる。
【0040】
ある実施形態によれば、アミン処理は、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸が石灰分スラリーによって中和された後で、石灰分スラリーがCO2と反応する前に行うことができる。
【0041】
ある実施形態によれば、アミンは、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸が石灰分スラリーで中和された後に反応器に仕込むことができる。アミンまたはアミン誘導体は、さらに処理することなく、中和された界面活性剤によって分散される場合がある。
【0042】
ある実施形態によれば、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸は、それを中和するのに必要な量に対して過剰なアミンによって中和され得る。過剰のアミンはCO2と反応してカルバミン酸塩を形成することができる。
【0043】
ある実施形態によれば、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸は、それを中和するのに必要な量に対して過剰なアミンによって中和され得る。
【0044】
ある実施形態によれば、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸は石灰分スラリーで中和されることができ、その後アミンは炭酸エチレンで処理される。いくつかの実施形態では、石灰分の他に、または石灰分に加えて、金属塩基が使用される場合がある。好適な金属塩基としては、アルカリ金属塩基及びアルカリ土類金属塩基が挙げられる。好適な金属塩基の例としては、MgOなどが挙げられる。
【0045】
アミン処理の生成物には、カルバミン酸アンモニウム及び炭酸カルシウムが含まれる。後者は、従来の清浄材の製造や合成に比べ、生産量が減少する。
【0046】
本発明に適合する任意のアミンまたはアミン誘導体試薬が使用できる。これらのアミンとしては、例えば、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、及びそれらの誘導体が挙げられる。アミンは、ヘテロ原子(例えば、アルコール)、飽和基、芳香族基などを含んでいてもよい。
【0047】
適合する第一級アミンまたはアミン誘導体としては、例えば、グリシン、2-エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、2-メトキシエチルアミン、2-フェノキシエチルアミン、2-(2-アミノエトキシ)ナフタレン、3-フェニルプロピルアミン、ベンズアミドなどが挙げられる。
【0048】
適合する第二級アミンまたはアミン誘導体としては、例えば、エチレンジアミン、ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、トリエチレンテトラアミン、N-フェニルフェニレンジアミン、N-エチルブチルアミン、イソプロピルメチルアミン、N-エチルヘキシルアミン、N-メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、フタルイミドなどが挙げられる。
【0049】
適合する第三級アミンまたはアミン誘導体としては、例えば、トリエタノールアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアルキルピペラジン、2-エチルヘキシル(獣脂)メチルアミン、テトラメチル尿素などが挙げられる。
【0050】
一部のアミンまたはアミン誘導体は、独立して第一級、第二級または第三級アミンである複数のアミンまたはアミン誘導体を有する場合がある。例としては、1,1-ジメチルエチレンジアミン、N-メチルプロピレンジアミン、1-ドデシルピペラジン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(「N4アミン」)、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ベンズアミドなどが挙げられる。
【0051】
アミン処理段階では、1種類以上の溶媒を使用する。好適な溶剤としては、キシレン、トルエン、メタノールなどが挙げられる。
【0052】
アミン強化アルカリ土類金属アルキルヒドロキシ安息香酸塩、またはアルキルアリールスルホン酸塩のアルキル基またはアルケニル基は、C10-40アルキル基、好ましくはC12-C30、C14-C18、C18-30、C20-28もしくはC20-24アルキル基、またはそれらの混合物を有するアルキル置換基から誘導することができる。
【0053】
一つの実施形態では、アルキル置換基は、1分子当たり14~28個の炭素原子を有するα-オレフィンから誘導される残基である。一つの実施形態では、アルキル置換基は、1分子当たり14~18個の炭素原子を有するα-オレフィンから誘導される残基である。一つの実施形態では、アルキル置換基は、1分子当たり20~28個の炭素原子を有するα-オレフィンから誘導される残基である。一つの実施形態では、アルキル置換基は、1分子当たり20~24個の炭素原子を有するα-オレフィンから誘導される残基である。一つの実施形態では、アルキル置換基は、プロピレン、ブチレン、またはそれらの混合物から選択されるモノマーのC12-C40オリゴマーを含むオレフィンから誘導される残基である。そのようなオレフィンの例としては、プロピレン四量体、ブチレン三量体、イソブチレンオリゴマーなどが挙げられる。
【0054】
オレフィンは、直鎖状、異性化直鎖状、分岐状または部分的に分岐した直鎖状であってよい。オレフィンは、直鎖状オレフィンの混合物、異性化直鎖状オレフィンの混合物、分岐状オレフィンの混合物、部分的に分岐した直鎖状オレフィンの混合物、または前述のいずれかの混合物であってもよい。α-オレフィンは、通常のα-オレフィン、異性化した通常のα-オレフィン、またはそれらの混合物であってよい。
【0055】
アルキル置換基が異性化α-オレフィンに由来する残基である一つの実施形態では、α-オレフィンは0.1~0.4(例えば、0.1~0.3、または0.1~0.2)の異性化水準(I)を有し得る。異性化水準(I)は、
1H NMR分光法によって決定することができ、メチレン骨格基(-CH2-)(化学シフト1.01-1.38ppm)に結合したメチル基(-CH3)(化学シフト0.30-1.01ppm)の相対量を表し、次式によって定義される:
【数1】
式中、mは0.30±0.03~1.01±0.03ppmの化学シフトを持つメチル基の
1H NMR積分値であり、nは1.01±0.03~1.38±0.10ppmの化学シフトを持つメチレン基の
1H NMR積分値である。
【0056】
本開示のアミン強化アルカリ土類金属アルキルヒドロキシ安息香酸塩は、活性物質基準で90~600mgKOH/gの、例えば90~500mgKOH/g、90~450mgKOH/g、または90~400mgKOH/g、90~350mgKOH/g、90~300mgKOH/g、150~590mgKOH/g、150~500mgKOH/g、150~450mgKOH/g、150~400mgKOH/g、150~350mgKOH/g、150~300mgKOH/g、200~590mgKOH/g、200~500mgKOH/g、200~450mgKOH/g、200~400mgKOH/g、または200~350mgKOH/gなどのTBNを有する。
【0057】
本開示のアミン強化アルカリ土類金属アルキルアリールスルホン酸塩は、活性物質基準で20~700mgKOH/gの、例えば20~650mgKOH/g、20~600mgKOH/g、20~550mgKOH/g、20~500mgKOH/g、150~700mgKOH/g、150~650mgKOH/g、150~600mgKOH/g、150~550mgKOH/g、150~500mgKOH/g、200~700mgKOH/g、250~700mgKOH/g、300~700mgKOH/g、200~600mgKOH/g、250~550mgKOH/g、300~500mgKOH/g、または350~450mgKOH/gなどのTBNを有する。
【0058】
別の実施形態では、アミン強化アルカリ土類金属清浄材は、当該技術分野においてしばしば複合またはハイブリッド清浄材として知られている、2種以上の界面活性剤を含む。例えば、アミン強化過塩基化アルカリ土類金属清浄材は、界面活性剤系にアルキルヒドロキシ安息香酸塩及びアルキルアリールスルホン酸塩の両方を含む。
【0059】
潤滑油組成物
本開示の清浄材組成物は、潤滑油中で使用される場合がある。このように採用される場合、清浄材は通常、潤滑油組成物の総重量に基づいて、0.05wt%~10wt%(0.1~5wt%、0.2~4wt%、0.5~3wt%、1~2wt%などを含むが、これらに限定されない)の範囲の濃度で潤滑油組成物中に存在する。潤滑油組成物中に他の清浄材が存在する場合は、より少ない量の本発明の清浄材が使用される場合がある。
【0060】
基油として使用される油材は、所望の最終用途及び完成品油材に含まれる添加剤に応じて選択またはブレンドされ、所望の等級のエンジンオイル、例えば、Society of Automotive Engineers(SAE)の粘度等級0W、0W-8、0W-16、0W-20、0W-30、0W-40、0W-50、0W-60、5W、5W-20、5W-30、5W-40、5W-50、5W-60、10W、10W-20、10W-30、10W-40、10W-50、15W、15W-20、15W-30、または15W-40を有する潤滑油組成物を与える。
【0061】
潤滑粘度の油材(時として「基材」または「基油」と称される)は、潤滑油の主要な液体成分であり、これに添加剤及び場合によっては他の油材を配合して、例えば最終的な潤滑油(または潤滑油組成物)を製造する。基油は、濃縮物を製造するためにも、ならびにそこから潤滑油組成物を製造するためにも有用であり、天然(植物性、動物性または鉱物性)及び合成潤滑油、ならびにそれらの混合物から選択され得る。
【0062】
本開示における基材及び基油の定義は、American Petroleum Institute(API)Publication 1509 Annex E(“API Base Oil Interchangeability Guidelines for Passenger Car Motor Oils and Diesel Engine Oils、”December 2016)に記載されているものと同じである。グループIの基材は、90%未満の飽和分及び/または0.03%超の硫黄を含み、表E-1に規定された試験方法による粘度指数が80以上120未満である。グループIIの基材は、90%以上の飽和分と0.03%以下の硫黄を含み、表E-1に規定された試験方法による粘度指数が80以上120未満である。グループIIIの基材は、90%以上の飽和分と0.03%以下の硫黄を含み、表E-1に規定された試験方法による粘度指数が120以上である。グループIVの基材は、ポリα-オレフィン(PAO)である。グループVの基材は、グループI、II、III、またはIVに含まれない他のすべての基材を含む。
【0063】
天然油は、動物油、植物油(例えばひまし油及びラード油)、及び鉱物油を含む。良好な熱酸化安定性を有する動物油や植物油を使用することができる。天然油の中では鉱物油が好ましい。鉱物油は、例えば、パラフィン系か、ナフテン系か、パラフィン系とナフテン系との混合系かなど、それらの粗製品源に応じて大きく異なる。石炭や頁岩に由来する油材も有用である。天然油もまた、それらの製造や精製に使われる方法、例えば蒸留の範囲、及び直留かもしくは分解か、加水精製か、または溶媒抽出かに応じて異なる。
【0064】
合成油は炭化水素油を含む。炭化水素油は、重合及び相互重合オレフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレン-イソブチレン共重合体、エチレン-オレフィン共重合体、及びエチレン-α-オレフィン共重合体)などの油材を含む。ポリα-オレフィン(PAO)油基材が、一般的に使用される合成炭化水素油材である。一例として、C8-C14オレフィン、例えばC8、C10、C12、C14オレフィン、またはそれらの混合物から誘導されるPAOが利用される場合がある。
【0065】
基油として使用するための他の有用な流体には、高性能特性を提供するために処理された(好ましくは触媒的に)、または合成された非従来型(non-conventional)、または異色の(unconventional)基材が含まれる。
【0066】
非従来型または異色の基材/基油には、1種以上のガス液化(Gas-to-Liquids)(GTL)材料に由来する基材(複数可)の1種以上の混合物、ならびに天然ワックスまたはワックス状原料由来の異性体/イソ脱ろう体基材(複数可)、スラックワックスなどの鉱物油及び/または非鉱物油のワックス状原料、天然ワックス、及びガスオイルなどのワックス状基材、ワックス状燃料水素添加分解装置の底留分、ワックス状ラフィネート、水素添加分解物、熱分解物、またはその他の鉱物、鉱物油、または石炭液化物もしくはシェールオイルから得られるワックス状材料のような非石油由来ワックス状材料さえも、及びそのような基材の混合物が含まれる。
【0067】
本開示の潤滑油組成物において使用するための基油は、APIグループI、グループII、グループIII、グループIV、及びグループVの油材、ならびにそれらの混合物に対応する様々な油材のいずれかであり、好ましくはAPIグループII、グループIII、グループIV、及びグループVの油材、ならびにそれらの混合物であり、より好ましくは、その卓越した揮発性、安定性、粘度及び清浄性の特徴により、グループIIIからグループVの基油である。
【0068】
典型的には、基油は100℃において、2.5~20mm2/s(例えば、3~12mm2/s、4~10mm2/s、または4.5~8mm2/s)の範囲の動粘度(ASTM D445)を有する。
【0069】
本発明の潤滑油組成物には、補助機能を付与するための従来の潤滑油添加剤も含有する場合があり、これらの添加剤が分散または溶解した潤滑油組成物の完成品を与える。例えば、潤滑油組成物は、酸化防止剤、無灰分散剤、摩耗防止剤、清浄材、防錆剤、曇り除去剤、解乳化剤、摩擦調整剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、粘度調整剤、消泡剤、共溶剤、パッケージ相溶化剤、腐食防止剤、染料、極圧剤など、及びこれらの混合物を配合することができる。様々な添加剤が知られており、市販されている。これらの添加剤またはその類似化合物は、通常の配合手順により、本発明の潤滑油組成物の調製に使用することができる。
【0070】
前述の各添加剤は、使用される場合、潤滑剤に所望の特性を付与するために機能的に有効な量で使用される。したがって、例えば、添加剤が無灰分散剤である場合、この無灰分散剤の機能的に有効な量は、潤滑油に所望の分散特性を付与するのに十分な量である。一般に、これらの各添加剤の濃度は、使用される場合、特に指定がない限り、約0.001~約20wt%、例えば約0.01~約10wt%の範囲であり得る。
【0071】
以下の例示的な実施例は、非限定的なものであることを意図している。
【実施例】
【0072】
実施例では、アルキルヒドロキシ安息香酸塩またはスルホン酸塩組成物から合成した低灰分清浄材を提供する。反応は、加熱及び冷却機能を備え、300~350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2ミリメートル)、蒸留塔及び窒素ガス下の凝縮器を備えた、5リットルの四つ口ガラス反応器中で行った。
【0073】
実施例1
エチレンジアミン
実施例1では、エチレンジアミンを石灰分スラリーと同時に導入してアルキルヒドロキシ安息香酸を中和し、CO2と反応させた。
【0074】
ビーカーにメタノール175.8グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム175.8グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0075】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリー、及び76.1gのエチレンジアミンを仕込んだ。混合物を数分間撹拌した。次いで、1820.4gのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。得られた混合物を40℃で15分間撹拌した。反応器を15分で30℃まで冷却した。56.9gのCO2を、0.95g/分で60分かけて導入した。その後、55.5gのCO2を、0.95g/分で58分かけて導入した。CO2との反応中、反応器温度は30℃から40℃に上昇した。
【0076】
その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、さらに93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去された。この蒸留ステップの最後に、613.4gの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられた。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を30ミリメートルHgの真空下で約45分間170℃に加熱し、30ミリメートルHgの真空下で170℃に60分間保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0077】
実施例2
ジフェニルアミン
実施例2では、ジフェニルアミンを石灰分スラリーと同時に導入してアルキルヒドロキシ安息香酸を中和し、CO2と反応させた。
【0078】
ビーカーにメタノール150グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム150グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0079】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリー、及び200gのジフェニルアミンを仕込んだ。混合物を数分間撹拌した。次いで、1820.4グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃で15分間撹拌した。撹拌した混合物を15分で30℃まで冷却した。次に、48.5グラムのCO2を、0.95g/分で51分かけて導入した。温度は30℃から35℃に上昇した。次に、52グラムのCO2を、0.95g/分で55分かけて導入した。温度は35℃から40℃に上昇した。
【0080】
その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去された。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。
【0081】
液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0082】
実施例3
ジフェニルアミン
実施例3では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後にジフェニルアミンを導入し、CO2と反応させた。
【0083】
ビーカーにメタノール150グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム150グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0084】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、1820.4グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃で15分間撹拌した。次に、200グラムのジフェニルアミンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を15分で30℃まで冷却した。次に、48.5グラムのCO2を、0.95g/分で51分かけて導入した。温度は30℃から35℃に上昇した。次に、52グラムのCO2を、0.95g/分で55分かけて導入した。温度は35℃から40℃に上昇した。
【0085】
その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去された。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。
【0086】
液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0087】
実施例4
エタノールアミン
実施例4では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後にエタノールアミンを導入し、CO2と反応させた。
【0088】
ビーカーにメタノール130グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム130グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0089】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、1820.4グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃で15分間撹拌した。次に、70グラムのエタノールアミンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を15分で30℃まで冷却した。次に、25グラムのCO2を、0.95g/分で26分かけて導入した。温度は30℃から34℃に上昇した。次に、51.3グラムのCO2を、0.95g/分で54分かけて導入した。温度は34℃から40℃に上昇した。
【0090】
その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去された。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。
【0091】
液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0092】
実施例5
N-フェニルフェニレンジアミン
実施例5では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、N-フェニルフェニレンジアミンを導入し、CO2と反応させた。
【0093】
ビーカーにメタノール85グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム85グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0094】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、1820.4グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃で15分間撹拌した。次に、200グラムのN-フェニルフェニレンジアミンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を15分間で30℃まで冷却した。次に、16.4グラムのCO2を、0.95g/分で17分かけて導入した。温度は30℃から32℃に上昇した。次に、47.8グラムのCO2を、0.95g/分で55分かけて導入した。温度は32℃から40℃に上昇した。
【0095】
その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去された。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。
【0096】
液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0097】
実施例6
トリエチレンテトラアミン
実施例6では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、トリエチレンテトラアミンを導入し、CO2と反応させた。
【0098】
ビーカーにメタノール65グラム、キシレン溶媒115.7グラム、及び水酸化カルシウム65グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0099】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、1820.4グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃で15分間撹拌した。次に、50グラムのトリエチレンテトラミンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を20分で30℃まで冷却した。その後、15グラムのCO2を、0.95g/分で16分かけて導入した。温度は30℃から35℃に上昇した。
【0100】
ビーカーにメタノール60グラム、キシレン溶媒106.8グラム、及び水酸化カルシウム60グラムを仕込み、数分間撹拌して石灰分スラリーを得た。この石灰分スラリーを反応器に仕込んだ。次に、24.1グラムのCO2を、0.95g/分で25分かけて導入した。温度は35℃から40℃に上昇した。その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することにより、キシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0101】
実施例7
1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
実施例7では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを導入し、CO2と反応させた。
【0102】
ビーカーにメタノール65グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム65グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0103】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、1820.4グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、190グラムの1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を15分で30℃まで冷却した。その後、74.5グラムのCO2を、0.95g/分で導入した(79分)。温度は30℃から40℃に上昇した。その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0104】
実施例8
1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
実施例8では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを導入し、炭酸エチレンと反応させた。
【0105】
ビーカーにメタノール65グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム65グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0106】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、1820.4グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、200グラムの1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を20分間で45℃に加熱した。その後、314グラムの炭酸エチレンを30分で導入した。温度は45から50℃に上昇した。その後、反応器を50℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0107】
実施例9
1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
実施例9では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを導入した。
【0108】
ビーカーにメタノール65グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム65グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0109】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、1820.4グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルフェノール)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、190グラムの1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を40℃で15分間保持した。その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0110】
実施例10
1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
実施例10では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを導入した。
【0111】
ビーカーにメタノール65グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム65グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0112】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、2007.5グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20-24、23%分岐アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、190グラムの1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を40℃で30分間保持した。その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0113】
実施例11
1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
実施例11では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを導入し、CO2と反応させた。
【0114】
ビーカーにメタノール62グラム、キシレン溶媒115.7グラム、及び水酸化カルシウム62グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
[001]
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、2007.5グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20-24、23%分岐アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、170グラムの1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を15分で30℃に冷却した。その後、66.7グラムのCO2を、0.95g/分で70分かけて導入した。温度は30℃から37℃に上昇した。
【0115】
ビーカーにメタノール38グラム、キシレン溶媒106.8グラム、及び水酸化カルシウム38グラムを仕込み、数分間撹拌して石灰分スラリーを得た。この石灰分スラリーを反応器に仕込んだ。その後、12.2グラムのCO2を、0.95g/分で13分かけて導入した。温度は37℃から40℃に上昇した。その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0116】
実施例12
トリエチレンテトラアミン
実施例12では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、トリエチレンテトラアミンを導入し、炭酸エチレンと反応させた。
【0117】
ビーカーにメタノール65グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム65グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0118】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次に、1820.4グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルヒドロキシ酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、110グラムのトリエチレンテトラアミンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を20分で45℃に加熱した。次に、132.5グラムの炭酸エチレンを導入し、混合物を30分間撹拌し、50℃に加熱した。その後、反応器を50℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。次に、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0119】
実施例13
C9アルキル化ジフェニルアミン
実施例13では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、C9アルキル化ジフェニルアミンを導入し、CO2と反応させた。
【0120】
ビーカーにメタノール65グラム、キシレン溶媒115.7グラム、及び水酸化カルシウム65グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0121】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、1820.4グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、570グラムのC9アルキル化ジフェニルアミンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を20分で30℃まで冷却した。その後、67.5グラムのCO2を、0.95g/分で71分かけて導入した。温度は30℃から36℃に上昇した。ビーカーにメタノール110.8グラム、キシレン溶媒106.8グラム、及び水酸化カルシウム110.8グラムを仕込み、数分間撹拌して石灰分スラリーを得た。この石灰分スラリーを反応器に仕込んだ。次に、56.4グラムのCO2を、0.95g/分で59分かけて導入した。温度は36℃から40℃に上昇した。その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、600グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0122】
実施例14
C9アルキル化ジフェニルアミン
実施例14では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、C9アルキル化ジフェニルアミンを導入し、CO2と反応させた。
【0123】
ビーカーにメタノール62グラム、キシレン溶媒115.7グラム、及び水酸化カルシウム62グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0124】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、2007.5グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20~24、23%分枝)を導入した。混合物を15分間、40℃の温度で撹拌した。次に、570グラムのC9アルキル化ジフェニルアミンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を20分で30℃まで冷却した。次に、67.5グラムのCO2を、0.95g/分で71分かけて導入した。温度は30℃から36℃に上昇した。ビーカーにメタノール113.8グラム、キシレン溶媒106.8グラム、及び水酸化カルシウム113.8グラムを仕込み、数分間撹拌して石灰分スラリーを得た。この石灰分スラリーを反応器に仕込んだ。次に、56.4グラムのCO2を、0.95g/分で59分かけて導入した。温度は36℃から40℃に上昇した。その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、500グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0125】
実施例15
C9アルキル化ジフェニルアミン
実施例15では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、C9アルキル化ジフェニルアミンを導入した。
【0126】
ビーカーにメタノール62グラム、キシレン溶媒115.7グラム、及び水酸化カルシウム62グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0127】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、2007.5グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20~24、23%分枝)を導入した。混合物を15分間、40℃の温度で撹拌した。次に、1100グラムのC9アルキル化ジフェニルアミンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を15分で30℃まで冷却した。ビーカーにメタノール113.8グラム、キシレン溶媒106.8グラム、及び水酸化カルシウム113.8グラムを仕込み、数分間撹拌して石灰分スラリーを得た。この石灰分スラリーを反応器に仕込んだ。その後、56.4グラムのCO2を、0.95g/分で59分かけて導入した。温度は30℃から40℃に上昇した。その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、500グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0128】
実施例16
ベンジルアミン
実施例16では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、ベンジルアミンを導入し、CO2と反応させた。
【0129】
ビーカーにメタノール65グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム65グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0130】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、1820.4グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、400グラムのベンジルアミンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を20分で30℃まで冷却した。次に、164.3グラムのCO2を、0.95g/分で173分かけて導入した。温度は30℃から40℃に上昇した。その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。次に、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0131】
実施例17
尿素
実施例17では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、尿素を導入し、CO2と反応させた。
【0132】
ビーカーにメタノール65グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム65グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0133】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、1820.4グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C14-16-18アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、85グラムの尿素をガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を15分で30℃まで冷却した。次に、62.3グラムのCO2を、0.95g/分で67分かけて導入した。温度は30℃から40℃に上昇した。その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0134】
実施例18
ジメチルピペラジン
実施例18では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、ジメチルピペラジンを導入し、CO2と反応させた。
【0135】
ビーカーにメタノール100グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム100グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0136】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、2007.5グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20-24、23%異性化アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、150グラムのジメチルピペラジンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を40℃で15分間保持し、20分で30℃まで冷却した。その後、11.6グラムのCO2を、0.95g/分で13分かけて導入した。温度は30℃から36℃に上昇した。次に、57.8グラムのCO2を、0.95g/分で61分かけて導入した。温度は36℃から60℃に上昇した。その後、反応器を60℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0137】
実施例19
ジメチルピペラジン
実施例19では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、ジメチルピペラジンを導入した。
【0138】
ビーカーにメタノール62グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム62グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0139】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、2007.5グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20-24、23%異性化アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、150グラムのジメチルピペラジンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を40℃で15分間保持し、30分で50℃に加熱した。その後、反応器を50℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、425グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0140】
実施例20
N-エチルブチルアミン
実施例20では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、N-エチルブチルアミンを導入し、CO2と反応させた。
【0141】
ビーカーにメタノール100グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム100グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0142】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、2007.5グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20-24、23%異性化アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、200グラムのN-エチルブチルアミンをガラス反応器に導入し、20分で30℃まで冷却した。次に、11.6グラムのCO2を、0.95g/分で12分かけて導入した。温度は30℃から34℃に上昇した。その後、87グラムのCO2を、0.95g/分で92分かけて導入した。温度は34℃から60℃に上昇した。その後、反応器を60℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0143】
実施例21
N-エチルブチルアミン
実施例21では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、N-エチルブチルアミンを導入し、炭酸エチレンと反応させた。
【0144】
ビーカーにメタノール100グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム100グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0145】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、2007.5グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20-24、23%異性化アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、200グラムのN-エチルブチルアミンをガラス反応器に導入し、混合物を40℃で15分間保持した。次に、433.9グラムの炭酸エチレンを、30分かけて導入した。温度は40℃から50℃に上昇した。その後、混合物を50℃で15分間保持した。その後、反応器を50℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0146】
実施例22
N-エチルブチルアミン
実施例22では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、N-エチルブチルアミンを導入した。
【0147】
ビーカーにメタノール65グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム65グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0148】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、2007.5グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20-24、23%異性化アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、290グラムのN-エチルブチルアミンをガラス反応器に導入し、混合物を40℃で15分間保持した。温度を40℃から50℃まで、30分かけて上昇させた。その後、反応器を50℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0149】
実施例23
イソプロピルメチルアミン
実施例23では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、イソプロピルメチルアミンを導入した。
【0150】
ビーカーにメタノール62グラム、キシレン溶媒222.5グラム、及び水酸化カルシウム62グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0151】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、2007.5グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20-24、23%異性化アルキルヒドロキシ安息香酸)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、250グラムのイソプロピルメチルアミンをガラス反応器に導入し、混合物を40℃で15分間保持した。温度を40℃から50℃に30分かけて上昇させた。その後、反応器を50℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、613.4グラムの140N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0152】
実施例24
C9アルキル化ジフェニルアミン
実施例24では、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸を石灰分で中和した後、C9アルキル化ジフェニルアミンを導入し、CO2と反応させた。
【0153】
ビーカーにメタノール21グラム、キシレン溶媒147.5グラム、及び水酸化カルシウム21グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0154】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、313.4グラムのアルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸(C20-24アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸)を、30℃まで15分かけて導入した。その後、混合物を30℃で15分間保持した。次に、570グラムのC9アルキル化ジフェニルアミンをガラス反応器に導入し、攪拌した混合物を30℃で40分間保持した。その後、67.5グラムのCO2を、1.0g/分で68分かけて導入した。温度は30℃から36℃に上昇した。ビーカーにメタノール90グラム、キシレン溶媒200グラム、及び水酸化カルシウム90グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。ガラス反応器に、先にビーカーで作成した石灰分スラリーを仕込んだ。その後、48.8グラムのCO2を、1.0g/分で49分かけて導入した。温度は36℃から40℃に上昇した。その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、400グラムの600N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を204℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で10分間204℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0155】
実施例25
C9アルキル化ジフェニルアミン
実施例25では、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸を石灰分で中和した後、C9アルキル化ジフェニルアミンを導入した。
【0156】
ビーカーにメタノール211グラム、キシレン溶媒347.5グラム、及び水酸化カルシウム211グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0157】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、311.2グラムのアルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸(C20-24アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸)を、30℃まで15分かけて導入した。その後、混合物を30℃で15分間保持した。次に、800グラムのC9アルキル化ジフェニルアミンをガラス反応器に導入し、攪拌した混合物を30℃で40分間保持した。その後、92.8グラムのCO2を、1.0g/分で93分かけて導入した。温度は30℃から40℃に上昇した。
【0158】
その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、390グラムの600N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を204℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で10分間204℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0159】
実施例26
1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
実施例26では、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸を石灰分で中和した後、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを導入した。
【0160】
ビーカーにメタノール21グラム、キシレン溶媒247.5グラム、及び水酸化カルシウム21グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0161】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、305.8グラムのアルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸(C20-24アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸)を、30℃まで15分かけて導入した。その後、混合物の温度を30℃から40℃まで20分かけて上昇させた。その後、160グラムの1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を40℃で20分間保持した。
【0162】
その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、400グラムの600N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を204℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で10分間204℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0163】
実施例27
アルキル化ジフェニルアミン
実施例27では、C9アルキル化ジフェニルアミンを、炭酸カルシウムの生成後で、アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸を石灰分で中和した後に導入した。
【0164】
ビーカーにメタノール211グラム、キシレン溶媒347.5グラム、及び水酸化カルシウム211グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0165】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、311.2グラムのアルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸(C20-24アルキルまたはアルケニル芳香族スルホン酸)を、32℃まで15分かけて導入した。その後、混合物を25℃まで冷却した。次いで、92.8グラムのCO2を、1.0g/分で93分かけて導入した。温度は25℃から32℃に上昇した。
【0166】
その後、800グラムのC9アルキル化ジフェニルアミンを、ガラス製反応器に15分かけて導入し、反応器を30℃まで冷却した。
【0167】
その後、94.7グラムのCO2を、1.0g/分で95分かけて導入した。温度は30℃から41℃に上昇した。
【0168】
その後、反応器を41℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。この蒸留ステップの最後に、390グラムの600N潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を204℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で10分間204℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0169】
実施例28
2-フェノキシエチルアミン
実施例28では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、2-フェノキシエチルアミンを導入した。
【0170】
ビーカーにメタノール12.7グラム、キシレン54.7グラム、及び水酸化カルシウム19.3グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0171】
加熱機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス散布管、クライゼン管及び凝縮器を備えた1Lのガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次に、200グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20-24、23%異性化アルキルヒドロキシ安息香酸)を、15分かけて滴下導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、23.9グラムの2-フェノキシエチルアミンをガラス反応器に導入し、混合物を15分間40℃に保持した。この保持時間の間に、30.7グラムのメタノール、121.3グラムのキシレン、及び46.4グラムの水酸化カルシウムの混合物をビーカー中で撹拌し、第二の石灰分スラリーを得た。次の156分間で、29.2グラムのCO2のうち、1.7グラムを40℃で11分かけて、14.5グラムを40℃から53℃で76分かけて、そして最後に13.0グラムを53℃から58℃で69分かけてガラス散布管を通して反応器に供給しながら、このスラリーをぜん動ポンプでガラス反応器に滴下した。
【0172】
その後、反応器を58℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去された。この蒸留ステップの最後に、69.2グラムの100R潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、10000RPMで動作する実験室用遠心分離機にかけられた。液体部分を1L反応器に戻し、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0173】
実施例29
C20-24アルキル化2-フェノキシエチルアミン
実施例29では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した後、C20-24アルキル化フェノキシエチルアミンを導入した。
【0174】
ビーカーにメタノール12.7グラム、キシレン54.7グラム、及び水酸化カルシウム19.3グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0175】
加熱機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス散布管、クライゼン管及び凝縮器を備えた1Lのガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次に、200グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20-24、23%異性化アルキルヒドロキシ安息香酸)を、15分かけて滴下導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、74.9グラムのC20-24アルキル化2-フェノキシエチルアミンをガラス反応器に導入し、混合物を15分間40℃に保持した。この保持時間の間に、30.7グラムのメタノール、121.3グラムのキシレン及び46.4グラムの水酸化カルシウムの混合物をビーカー中で撹拌し、第二の石灰分スラリーを得た。次の156分間で、29.2グラムのCO2のうち、1.7グラムを40℃で11分かけて、14.5グラムを40℃から53℃で76分かけて、そして最後に13.0グラムを53℃から58℃で69分かけてガラス散布管を通して反応器に供給しながら、このスラリーをぜん動ポンプでガラス反応器に滴下した。
【0176】
その後、反応器を58℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去された。この蒸留ステップの最後に、69.2グラムの100R潤滑油を反応器に仕込んだ。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、10000RPMで動作する実験室用遠心分離機にかけられた。液体部分を1L反応器に戻し、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0177】
実施例30
C9アルキル化ジフェニルアミン及びグリシン
実施例30では、アルキルヒドロキシ安息香酸を石灰分で中和した。次いで、安息香酸の中和後、16グラムのグリシンを反応器に導入した。その後、C9アルキル化ジフェニルアミンを導入した。
【0178】
ビーカーにメタノール70グラム、キシレン溶媒130.6グラム、及び水酸化カルシウム70グラムを仕込んだ。混合物を数分間撹拌し、石灰分スラリーを得た。
【0179】
加熱及び冷却機能を備え、350rpmで回転するステンレス製機械式攪拌機、攪拌翼の真上に位置するCO2添加用ガス導入管(内径2mm)、蒸留塔及び凝縮器を備えたガラス製反応器に、前記石灰分スラリーを仕込んだ。次いで、2007.5グラムのアルキルヒドロキシ安息香酸(C20~24、23%まで分枝)を導入した。混合物を40℃の温度で15分間撹拌した。次に、16グラムのグリシンを導入した。反応器を43℃に15分間保持した。その後、835グラムのC9アルキル化ジフェニルアミンをガラス反応器に導入し、撹拌した混合物を15分間で30℃まで冷却した。ビーカーにメタノール113.8グラム、キシレン溶媒106.8グラム、及び水酸化カルシウム113.8グラムを仕込み、数分間撹拌して石灰分スラリーを得た。この石灰分スラリーを反応器に仕込んだ。その後、56.4グラムのCO2を、0.95g/分で59分かけて導入した。温度は30℃から40℃に上昇した。その後、反応器を40℃から65℃まで15分で加熱し、次いで65℃から93℃まで60分で加熱し、次いで93℃から128℃まで30分で加熱することにより、最初の蒸留ステップを大気圧下で開始した。この段階でメタノール、水、及び一部のメタキシレンが蒸去される。その後、生成物は、不溶性の固体生成物を分離するために、35000Gで動作する実験室用遠心分離機にかけられる。液体部分を4リットルの丸底反応器に仕込み、生成物を170℃に加熱し、生成物を30ミリメートルHgの真空下で60分間170℃に保持することによりキシレンを留去した。真空を空気で破り、周辺温度まで冷却した。
【0180】
比較例A及びB
比較例Aは、アミン処理なしのサリチル酸カルシウム(TBN175)である。
【0181】
比較例Bは、アミン処理なしのサリチル酸カルシウム(TBN421)である。
【0182】
表1から2は開示された実施例をまとめたものである。
【0183】
表3は、配合エンジンオイル(15W-40等級)における比較例Aならびに実施例3、9及び13の気密性試験結果をまとめたものである。適切な試験を確実にするため、サンプルは同一のTBN水準及び同一のSOAP含有量(有機酸金属塩含有量の測定値)を包含するように配合した。
【表1】
【0184】
HTCBT ASTM D6594
ASTM D6594 HTCBT試験は、ディーゼルエンジン潤滑油の試験に使用され、それらが様々な金属、特にカムフォロアやベアリングによく使用される鉛と銅の合金を腐食する傾向を判定する。銅、鉛、スズ及びリン青銅の4つの金属試料を、測定済み量のエンジンオイルに浸す。高温(170℃)にしたオイルを一定時間(168時間)、空気とともに吹き付ける(5l/h)。試験終了後、銅の試験片と応力がかかったオイルを検査し、それぞれ腐食と腐食生成物を検出する。新しいオイル及び応力がかかったオイル中の銅、鉛及びスズの濃度と、それぞれの金属濃度の変化を報告する。合格とするには、鉛濃度が120ppm、銅濃度が20ppmを超えてはならない。
【表2】
【表3】
【0185】
簡潔にするため、本明細書では特定の範囲のみを明示的に開示する。しかし、任意の下限値からの範囲を任意の上限値と組み合わせて、明示的に記述されていない範囲を列挙する場合があり、同様に、任意の下限値からの範囲を他の任意の下限値と組み合わせて、明示的に記述されていない範囲を列挙する場合があり、同様に、任意の上限値からの範囲を他の任意の上限値と組み合わせて、明示的に記述されていない範囲を列挙する場合がある。さらに、範囲内には、明示的に列挙されていなくても、その端点間のすべての点または個々の値が含まれる。したがって、すべての点または個々の値は、他の点または個々の値、あるいは他の下限値または上限値と組み合わされて、それ自体の下限値または上限値として機能し、明示的に記述されていない範囲を列挙する場合がある。
【0186】
同様に、「を含む(comprising)」という用語は、「を含む(including)」という用語と同義であると見なされる。同様に、組成物、要素、または要素群の前に移行句「を含む(comprising)」がある場合は常に、組成物、要素、または要素群の記述の前に移行句「を本質的に含む」、「を含む(consisting of)」、「を含む群から選択される」、または「である」がある同じ組成物または要素群も想定していると理解され、逆もまた同様である。
【0187】
本明細書で使用される「a」及び「the」という用語は、単数形だけでなく複数形も包含すると理解される。
【0188】
様々な用語が上記で定義されている。請求項で使用される用語が上記で定義されていない範囲では、少なくとも1つの印刷刊行物または発行済み特許に反映されているように、関連技術分野の専門家がその用語に与えている最も広い定義が与えられるべきである。さらに、本出願において引用されたすべての特許、試験方法、およびその他の文書は、かかる開示が本出願と矛盾しない限りにおいて、またかかる組み込みが許可されているすべての法域において、参照により完全に組み込まれるものとする。
【0189】
以上の本開示の説明は、本開示を例示し説明するものである。さらに、本開示は、好ましい実施形態のみを示し、説明するが、上述したように、本開示は、他の様々な組み合わせ、修正、および環境において使用可能であり、本明細書で表現される概念の範囲内で、上記の教示および/または関連技術の技術もしくは知識に見合った変更もしくは修正が可能であることを理解されたい。上記は、本開示の実施形態に向けられたものであるが、本開示の他のさらなる実施形態は、その基本的範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は、以下に続く特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】