(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理装置の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/44 20060101AFI20240517BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
C23C16/44 J
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575989
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 KR2022008223
(87)【国際公開番号】W WO2022260474
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0076039
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504210651
【氏名又は名称】ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ ウォン タイ
(72)【発明者】
【氏名】バン ヨ ハン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン タイ ヤン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030DA06
4K030DA08
4K030EA03
4K030EA08
4K030EA11
4K030GA01
4K030GA02
4K030KA05
4K030KA45
5F045AA08
5F045BB08
5F045BB14
5F045DP03
5F045EB06
5F045EF05
5F045EH02
5F045EH18
5F045EK07
5F045EM10
(57)【要約】
本発明の実施形態に係る基板処理装置は、チャンバーと、チャンバーの内部に位置し、基板を支持する基板支持台と、基板支持台の上側に配置され、基板支持台の周縁から外側に延設されたエッジフレームと、基板支持台の周りに沿ってチャンバーの側壁と基板支持台の側面との間に位置するように側壁に配設されたガス流動調節部と、を備え、ガス流動調節部は、エッジフレームと重なり合う領域に設けられた流路を備える。
したがって、本発明の実施形態によれば、ガスがチャンバー内のコーナー又はコーナー以外の領域に偏って流れることを防ぐことができる。すなわち、チャンバーの周の方向にガスを一様に振り分けることができる。これにより、チャンバーのコーナー及びコーナー以外の領域において洗浄不良が生じることを防ぐことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーと、
前記チャンバーの内部に位置し、基板を支持する基板支持台と、
前記基板支持台の上側に配置され、前記基板支持台の周縁から外側へと延設されたエッジフレームと、
前記基板支持台の周りに沿って前記チャンバーの側壁と前記基板支持台の側面との間に位置するように、前記側壁に配設されたガス流動調節部と、
を備え、
前記ガス流動調節部は、前記エッジフレームと重なり合う領域に設けられた流路を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記ガス流動調節部は、
前記側壁に接続されたボディと、
前記エッジフレームと向かい合うように前記ボディから上側へと突設された突出部材と、
を備え、
前記流路は、前記エッジフレームと向かい合うように前記ボディに設けられている、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記突出部材は、前記側壁とは反対側に位置するように前記ボディの周縁に設けられている、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記突出部材は、複数本で設けられ、
複数本の前記突出部材は、前記側壁の幅方向に互いに離れるように並置され、
前記流路は、複数本の前記突出部材同士の間の離隔空間である、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記突出部材は、前記側壁の幅方向に延設され、
前記流路は、エッジフレームと向かい合うように前記突出部材の後方に設けられ、前記ボディを上下方向に貫通して設けられている、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記流路は、前記側壁の幅方向に延びた形状である、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記流路は、複数で設けられ、複数の前記流路は、前記突出部材の延在方向に互いに離れるように並置されている、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記ガス流動調節部は、前記側壁の幅方向の周縁を除いた中央領域に配設されている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
チャンバーと、前記チャンバーの内部に位置し、基板を支持する基板支持台と、前記基板支持台の上側に配置され、前記基板支持台の周縁から外側へと延設されたエッジフレームと、下側から前記エッジフレームを支持できるように、前記チャンバーの側壁に配設されたガス流動調節部と、を備える基板処理装置の洗浄方法であって、
前記基板支持台を下降させて前記ガス流動調節部の上に前記エッジフレームを載置するステップと、
前記チャンバーの内部に洗浄ガスを噴射するステップと、
前記エッジフレームと重なり合う領域に位置するように前記ガス流動調節部に設けられた流路に前記洗浄ガスを通過させるステップと、
を含む、基板処理装置の洗浄方法。
【請求項10】
チャンバーと、前記チャンバーに配設されたガス噴射部と、前記ガス噴射部と向かい合う位置において基板を支持するように前記チャンバーの内部に配設された基板支持台と、前記基板支持台の周縁から外側へと延設されたエッジフレーム、及び前記基板支持台の周りに沿って前記チャンバーの側壁と前記基板支持台の側面との間に位置するように、前記側壁に配設されたガス流動調節部を備える基板処理装置の洗浄方法であって、
前記基板支持台の上に支持された基板を前記チャンバーの外に搬出するステップと、
前記ガス噴射部を用いて前記チャンバーの内部に洗浄ガスを噴射するステップと、
前記エッジフレームと重なり合う領域に位置するように前記ガス流動調節部に設けられた流路に前記洗浄ガスを排気するステップと、
を含む、基板処理装置の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び基板処理装置の洗浄方法に関し、より詳細には、チャンバーの内部においてガスが一様に分布して流れるようにする基板処理装置及び基板処理装置の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チャンバーの内部において基板の上に薄膜を蒸着する工程を行うと、チャンバーの内壁などに薄膜又は副産物などが固着され、これは、次回の蒸着工程の際に基板を汚す不純物として働く。
【0003】
したがって、複数回又は一定の回数の蒸着工程が行われた後に、洗浄ガスを噴射してチャンバーの内部を洗浄する。ところが、洗浄ガスがチャンバーの内部において拡散又は移動するに際して、コーナー(角部)の方に移動する量が相対的に少ないか、あるいは、コーナー以外の領域に移動する量が相対的に少ないという問題が生じる。これにより、チャンバー内のコーナー又はコーナー以外の領域に不純物が残留するという洗浄不良が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】大韓民国登録特許第0794661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ガスが一様に振り分けられて流れるようにする基板処理装置及び基板処理装置の洗浄方法を提供する。
【0006】
本発明は、洗浄不良を防ぐことのできる基板処理装置及び基板処理装置の洗浄方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る基板処理装置は、チャンバーと、前記チャンバーの内部に位置し、基板を支持する基板支持台と、前記基板支持台の上側に配置され、前記基板支持台の周縁から外側へと延設されたエッジフレームと、前記基板支持台の周りに沿って前記チャンバーの側壁と前記基板支持台の側面との間に位置するように、前記側壁に配設されたガス流動調節部と、を備え、前記ガス流動調節部は、前記エッジフレームと重なり合う領域に設けられた流路を備えていてもよい。
【0008】
前記ガス流動調節部は、前記側壁に接続されたボディと、前記エッジフレームと向かい合うように前記ボディから上側へと突設された突出部材と、を備え、前記流路は、前記エッジフレームと向かい合うように前記ボディに設けられてもよい。
【0009】
前記突出部材は、前記側壁とは反対側に位置するように前記ボディの周縁に設けられてもよい。
【0010】
前記突出部材は、複数本で設けられ、複数本の前記突出部材は、前記側壁の幅方向に互いに離れるように並置され、前記流路は、複数本の前記突出部材同士の間の離隔空間であってもよい。
【0011】
前記突出部材は、前記側壁の幅方向に延設され、前記流路は、エッジフレームと向かい合うように前記突出部材の後方に設けられ、前記ボディを上下方向に貫通して設けられてもよい。
【0012】
前記流路は、前記側壁の幅方向に延びた形状であってもよい。
【0013】
前記流路は、複数で設けられ、複数の前記流路は、前記突出部材の延在方向に互いに離れるように並置されてもよい。
【0014】
前記ガス流動調節部は、前記側壁の幅方向の周縁を除いた中央領域に配設されてもよい。
【0015】
本発明の実施形態に係る基板処理装置の洗浄方法は、チャンバーと、前記チャンバーの内部に位置し、基板を支持する基板支持台と、前記基板支持台の上側に配置され、前記基板支持台の周縁から外側へと延設されたエッジフレームと、下側から前記エッジフレームを支持できるように、前記チャンバーの側壁に配設されたガス流動調節部と、を備える基板処理装置の洗浄方法であって、前記基板支持台を下降させて前記ガス流動調節部の上に前記エッジフレームを載置するステップと、前記チャンバーの内部に洗浄ガスを噴射するステップと、前記エッジフレームと重なり合う領域に位置するように前記ガス流動調節部に設けられた流路に前記洗浄ガスを通過させるステップと、を含んでいてもよい。
【0016】
本発明の実施形態に係る基板処理装置の洗浄方法は、チャンバーと、前記チャンバーに配設されたガス噴射部と、前記ガス噴射部と向かい合う位置において基板を支持するように前記チャンバーの内部に配設された基板支持台と、前記基板支持台の周縁から外側へと延設されたエッジフレーム、及び前記基板支持台の周りに沿って前記チャンバーの側壁と前記基板支持台の側面との間に位置するように、前記側壁に配設されたガス流動調節部を備える基板処理装置の洗浄方法であって、前記基板支持台の上に支持された基板を前記チャンバーの外に搬出するステップと、前記ガス噴射部を用いて前記チャンバーの内部に洗浄ガスを噴射するステップと、前記エッジフレームと重なり合う領域に位置するように前記ガス流動調節部に設けられた流路に前記洗浄ガスを排気するステップと、を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施形態によれば、ガスがチャンバー内のコーナー又はコーナー以外の領域に偏って流れることを防ぐことができる。すなわち、チャンバーの周の方向にガスを一様に振り分けることができる。これにより、チャンバーのコーナー及びコーナー以外の領域において洗浄不良が生じることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置をエッジフレームの上側から見下ろした平面図である。
【
図4】
図1における「A」部分を拡大して示す図である。
【
図5】
図2における「B」部分を拡大して示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置のガス流動調節部、基板支持台及びエッジフレームを示す斜視図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置のガス流動調節部、基板支持台及びエッジフレームを示す斜視図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置をエッジフレームの上側から見下ろした平面図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置のガス流動調節部、基板支持台及びエッジフレームを示す斜視図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置のガス流動調節部、基板支持台及びエッジフレームを示す斜視図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置において、ガス流動調節部の上にエッジフレームが載置された状態の一部を拡大して示す正面図である。
【
図12】第1の実施形態の変形例に係る基板処理装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。図面は、本発明の実施形態を説明する大きさが誇張されてもよく、図中、同じ符号は、同じ構成要素を指す。
【0020】
図1及び
図2は、本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置をエッジフレームの上側から見下ろした平面図である。
図4は、
図1の「A」部分を拡大して示す図であり、
図5は、
図2の「B」部分を拡大して示す図である。
【0021】
ここで、
図1及び
図4は、エッジフレームがガス流動調節部の上側に離れている状態を示すものであり、
図2及び
図5は、エッジフレームがガス流動調節部の上に載置された状態を示す図である。
【0022】
また、
図1及び
図4は、チャンバーの内部において基板処理工程、例えば、蒸着工程を行うために基板支持台及びエッジフレームを上昇させた状態の例示であってもよく、
図2及び
図5は、チャンバーの内部を洗浄するために基板支持台及びエッジフレームを下降させた状態の例示であってもよい。
【0023】
また、
図3は、説明のしやすさのために、基板支持台の上部に基板及びマスクが支持されていない状態を示すものである。
【0024】
図1から
図3を参照すると、実施形態に係る基板処理装置は、基板Sを処理可能な内部空間を有するチャンバー1000と、チャンバー1000内に装入された基板Sを支持する基板支持台2100を備える支持部2000と、基板支持台2100と向かい合うようにチャンバー1000内に配設されてガスを噴射する噴射部3000と、基板支持台2100の周縁から外側へと延びるように前記基板支持台2100の上部に配設されたエッジフレーム4000と、エッジフレーム4000の下側に位置するようにチャンバー1000の側壁部1110のうち、コーナーCを除いた領域に配設され、ガスが通過可能な流路5140:5140a、5140b、5140c、5140dが設けられたガス流動調節部5000:5000a、5000b、5000c、5000d、及びチャンバー1000の内部のガス及び副産物を排気するようにチャンバー1000に接続された排気部6000を備えていてもよい。
【0025】
また、基板処理装置は、チャンバー1000の外部に位置してプラズマを生じさせるプラズマ発生器8000、及びプラズマ発生器8000と噴射部3000とをつなぐように配設された供給管9000を備えていてもよい。
【0026】
そして、基板処理装置は、エッジフレーム4000の下部に装着されるマスクMをさらに備えていてもよい。
【0027】
チャンバー1000は、基板Sを処理可能な内部空間を有し、前記内部空間を気密に保持する。このようなチャンバー1000は、例えば、内部空間を有する胴体1100及び胴体1100の上側の開口を覆う蓋体1200を備えるように設けられてもよい。
【0028】
以下、チャンバー1000についてより具体的に説明する。このとき、横断面の形状が四角い形状である内部空間を有するチャンバー1000を例にとって説明する。
【0029】
蓋体1200は、4つの角や辺をもつ四角い形状に設けられてもよい。このような蓋体1200は、上述したように、胴体1100の上側の開口を覆う構成要素であるため、チャンバー1000の上壁部と称され得る。
【0030】
胴体1100は、蓋体1200の下側に向かい合うように配置され、4つの角や辺をもつ四角い形状に設けられた下壁部1120、及び下壁部1120の4つの角や辺を取り囲むように前記下壁部1120から上側へと延設された側壁部1110を備えていてもよい。
【0031】
側壁部1110は、上下に隔設された蓋体1200と下壁部1120との間に位置し、前記蓋体1200及び下壁部1120の周の方向に延設される。すなわち、側壁部1110は、内部空間を有し、上側及び下側が開口された空洞状又はチューブ(筒又は管(tube))状のものであってもよく、側壁部1110の下側の開口を覆うように下壁部1120が配設され、側壁部1110の上側の開口を覆うように蓋体1200が配設される。
【0032】
側壁部1110は、四角い形状である蓋体1200及び下壁部1120の周の方向に延設される。このために、側壁部1110は、
図3に示すように、4つの側壁(以下、第1乃至第4の側壁1111a、1111b、1111c、1111dと称する。)を備えるように設けられてもよい。また、時計回り方向に第1の側壁1111a、第2の側壁1111b、第3の側壁1111c及び第4の側壁1111dの順に並べられて、これらが互いに接続された形状が四角い空洞状であってもよい。より具体的に説明すれば、第1及び第3の側壁1111a、1111cは、第1の方向(X軸方向)に延設されて第2の方向(Y軸方向)に隔設され、第2及び第4の側壁1111b、1111dは、第2の方向(Y軸方向)に延設されて第1の方向(X軸方向)に隔設される。このとき、第1の側壁1111aと第3の側壁1111cの第1の方向の長さが同じであり、第2の側壁1111bと第4の側壁1111dの第2の方向の長さが同じであり、第1及び第3の側壁1111a、1111cの第1の方向の長さが第2及び第4の側壁1111b、1111dの第2の方向の長さに比べて長くてもよい。そして、第1及び第3の側壁1111a、1111cのそれぞれの一方の終端同士をつなぐように第2の側壁1111bが接続され、前記第1及び第3の側壁1111a、1111cのそれぞれの他方の終端同士をつなぐように第4の側壁1111dが接続される。
【0033】
このため、第1乃至第4の側壁1111a~1111dを備える側壁部1110は、
図3に示されているように、長方形の内部空間を有する空洞状のものであってもよい。そして、第1及び第3の側壁1111a、1111cは、第2及び第4の側壁1111b、1111dに比べて延伸長が長いため、第1及び第3の側壁1111a、1111cが長辺壁、第2及び第4の側壁1111b、1111dが短辺壁と称され得る。また、第1乃至第4の側壁1111a~1111dは、チャンバー1000を構成する壁であるため、第1乃至第4の壁とも称され得る。
【0034】
このように、第1乃至第4の側壁1111a~1111d同士が接続されて側壁部1110が設けられることにより、前記側壁部1110は、隣設された2つの側壁によるコーナー(Corner)C:C
1、C
2、C
3、C
4を有する。すなわち、側壁部1110は、隣設された2つの側壁が接続された接続部位及び前記接続部位から両方向に所定の距離だけ離れた個所までの領域であるコーナーC:C
1、C
2、C
3、C
4を有するように設けられる。別の言い方をすれば、側壁部1110は、隣設された2つの側壁の周縁に相当するコーナーC:C
1、C
2、C
3、C
4を有する。ここで、各側壁1111a~1111dの周縁とは、
図3を参照すると、側壁1111a~1111dの両方の終端から第1の距離だけ離れている第1の個所P
1までの領域を意味し得る。そして、側壁1111a~1111dの中央周縁でありA
E:A
E1、A
E2、A
E3、A
E4を除いた領域、すなわち周縁両端A
E:A
E1、A
E2、A
E3、A
E4の間の領域は、中央領域A
C:A
C1、A
C2、A
C3、A
C4と称され得る。このとき、中央領域A
Cの延伸長は、各側壁1111a~1111dの全体の長さの80%以上、かつ、95%以下であり、残りが周縁両端A
E:A
E1、A
E2、A
E3、A
E4領域の長さであってもよい。
【0035】
より具体例を挙げて説明すれば、上述したように、側壁部1110が第1乃至第4の側壁1111a~1111dを備え、時計回り方向に第1の側壁1111a、第2の側壁1111b、第3の側壁1111c、第4の側壁1111dがこの順に並べられて互いに接続される場合、側壁部1110は、4つのコーナーC1、C2、C3、C4を備える。すなわち、側壁部1110は、第1の側壁1111aと第2の側壁1111bとによる第1のコーナーC1、第2の側壁1111bと第3の側壁1111cとによる第2のコーナーC2、第3の側壁1111cと第4の側壁1111dとによる第3のコーナーC3、第4の側壁1111dと第1の側壁1111aとによる第4のコーナーC4を備えていてもよい。
【0036】
より具体的には、側壁部1110は、第1の側壁1111aと第2の側壁1111bとの第1の接続部位及び前記第1の接続部位を挟んだ第1の側壁1111aの周縁AE1と第2の側壁1111bの周縁AE2を含む第1のコーナーC1、第2の側壁1111bと第3の側壁1111cとの第2の接続部位及び前記第2の接続部位を挟んだ第2の側壁1111bの周縁AE2と第3の側壁1111cの周縁AE3を含む第2のコーナーC2、第3の側壁1111cと第4の側壁1111dとの第3の接続部位及び前記第3の接続部位を挟んだ第3の側壁1111cの周縁AE3と第4の側壁1111dの周縁AE4を含む第3のコーナーC3、第4の側壁1111dと第1の側壁1111aとの第4の接続部位及び前記第4の接続部位を挟んだ第4の側壁1111dの周縁AE4と第1の側壁1111aの周縁AE1を含む第4のコーナーC4を備えていてもよい。
【0037】
以上においては、チャンバー1000がその横断面の形状が四角い形状であり、側壁部1110が第1乃至第4の側壁1111a~1111dを備えて4つのコーナーC1、~C4を有するものであると説明した。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、チャンバー1000は、その横断面の形状が様々な多角形の形状となるように設けられてもよい。また、側壁部1110が4つ未満又は4つを超える側壁を備えるように設けられて4つ未満又は4つを超えるコーナーCを有するように設けられてもよい。
【0038】
排気部6000は、チャンバー1000の内部を排気する手段であって、基板支持台2100の下側に位置するようにチャンバー1000に接続されてもよい。より具体的には、排気部6000は、チャンバー1000の内部空間と連通し、基板支持台2100の下側に位置するようにチャンバー1000の下壁部1120に接続されてもよい。そして、排気部6000は、チャンバー1000に接続された排気管6100、及びチャンバー1000の外部において排気管6100に接続されたポンプ6200を備えていてもよい。このような排気部6000は、ポンプ6200の動作によりチャンバー1000の内部のガス及び副産物を外部に排気することができ、これにより、チャンバー1000の内部の圧力を調節することができる。
【0039】
また、排気部6000による吸込み力又はポンピング力によりチャンバー1000内のガス及び副産物が排気部6000に向かって移動して排気されるものであるため、排気部6000の動作によりガス及び副産物が移動する流れが形成されると説明可能である。
【0040】
支持部2000は、基板Sが載置される基板支持台2100、及び基板支持台2100の下部に配置されて前記基板支持台2100を昇降動させる駆動器2200を備えていてもよい。
【0041】
基板支持台2100は、噴射部3000の下側において前記噴射部3000と向かい合うように配設されてもよい。このような基板支持台2100は、基板Sに比べて大きく作製されてもよく、基板Sと対応する形状、例えば、四角い形状に設けられてもよい。また、基板支持台2100の内部には、ヒーターが配設されてもよく、ヒーターは、所定の温度で発熱して基板支持台2100及び基板Sを加熱することができる。
【0042】
駆動器2200は、基板支持台2100の少なくとも一領域、例えば、中心部を支持するように配設されてもよい。そして、駆動器2200の動作により、
図1に示すように、基板支持台2100が噴射部3000に近づくように上昇したり、
図2に示すように、前記噴射部3000から遠ざかるように下降したりすることができる。
【0043】
駆動器2200の動作により基板支持台2100が噴射部3000から遠ざかるように下降するに際して、
図2に示すように、基板支持台2100の上に配設されたエッジフレーム4000がガス流動調節部5000の上に載置されるように下降してもよい。また、エッジフレーム4000がガス流動調節部5000の上に載置された状態で、駆動器2200を動作させて基板支持台2100をさらに下降させれば、基板支持台2100とエッジフレーム4000とを引き離すことができる。すなわち、マスクMが装着されたエッジフレーム4000と基板支持台2100とを引き離すことができる。
【0044】
噴射部3000は、基板支持台2100と向かい合うようにチャンバー1000の内部に配設されて、前記基板支持台2100に向かってガスを噴射する。このような噴射部3000は、チャンバー1000の内部において蓋体1200、すなわち、上壁部の下側に隔設されてもよい。このため、チャンバー1000の蓋体1200と噴射部3000との間に所定の空間が設けられるが、前記空間は、供給管9000から流れ込んだガスがチャンバー1000において拡散するようにする機能をすることができる。このとき、噴射部3000の上側に離れて位置している蓋体1200は、バッキングプレート(backing plate)の役割を果たすことができる。
【0045】
噴射部3000は、例えば、ガスが吐出又は噴射される複数の流路が設けられたシャワーヘッドの形状のものであってもよい。そして、噴射部3000は、基板Sの形状に対応する形状、例えば、概ね四角い形状のものであってもよい。
【0046】
プラズマ発生器8000は、ガスの供給を受けて活性化させ、供給管9000を介して活性化したガスをチャンバー1000の内部に供給する。このようなプラズマ発生器8000は、チャンバー1000の外部において供給管9000に接続されるように配設された容器8100と、容器8100の外側を取り囲むように配設されたアンテナ8200、及びRF電源を供給するようにアンテナ8200の一方の端に接続された電源部8300を備えていてもよい。このようなプラズマ発生器8000は、アンテナ8200により包み込まれた容器8100内のガスを活性化させてプラズマを生じさせる。
【0047】
容器8100内に供給されるガスは、基板Sを処理するためのガス、すなわち、基板Sの上に薄膜を蒸着したり、基板S又は薄膜をエッチングしたりするためのガスであってもよい。また、容器8100内に供給されるガスは、チャンバー1000の内部を洗浄(Cleaning)するためのガスであってもよい。このとき、チャンバー1000を洗浄するためのガスは、例えば、NF3を含んでいてもよい。
【0048】
このようなプラズマ発生器8000は、上述したように、チャンバー1000の外部においてガスを活性化させ、プラズマを生じさせた後、チャンバー1000の内部に供給する遠隔プラズマ(remote plasma)発生器である。
【0049】
エッジフレーム4000は、処理しようとする基板の領域が晒されるように、基板支持台2100の幅方向の周縁から前記基板支持台2100の外側へと延びる形状に設けられ、基板支持台2100の上側に配置される。すなわち、エッジフレーム4000は、
図3に示すように、基板Sが載置される基板支持台2100の上部面のうちの周縁を覆い、残りの領域を晒す枠状のものであってもよい。ここで、基板支持台2100の幅方向は、第1の方向(X軸方向)及び第2の方向(Y軸方向)を両方とも意味し得る。
【0050】
エッジフレーム4000は、基板支持台2100の周縁からチャンバー1000の側壁部1110に向かって延設される。このため、エッジフレーム4000の下部面のうちの一部は、基板支持台2100と向かい合い、残りは、基板支持台2100の外に位置する。すなわち、エッジフレーム4000の一部は、基板支持台2100と幅方向の位置が重なり合い、残りは、基板支持台2100の幅方向の外側に位置する。
【0051】
エッジフレーム4000が基板支持台2100の周縁からチャンバー1000の側壁部1110に向かって延設されるに際して、側壁部1110と向かい合う終端が基板支持台2100の側面の外側に位置するように延設される。すなわち、エッジフレーム4000は、その終端が基板支持台2100の側面の外に外れるように設けられる。このため、幅方向を基準として基板支持台2100の側面に比べて、エッジフレーム4000の終端が側壁部1110の方にさらに突出する。これにより、チャンバー1000の側壁部1110とエッジフレーム4000の終端との離隔距離がチャンバー1000の側壁部1110と基板支持台2100の側面との離隔距離に比べて短い。別の言い方をすれば、チャンバー1000の側壁1111a、1111b、1111c、1111dとエッジフレーム4000の側面との間隔が、チャンバー1000の側壁1111a、1111b、1111c、1111dと基板支持台2100側面との間隔に比べて小さい。
【0052】
エッジフレーム4000には、後述するガス流動調節部5000:5000a~5000dの嵌入部材5200が嵌入可能な窪み4100が設けられる。窪み4100は、エッジフレーム4000の下部面からその反対側へと陥凹した形状のものであってもよい。そして、窪み4100の上下方向の長さは、嵌入部材5200に比べて短いか、あるいはそれに等しくてもよい。このような窪み4100は、基板支持台2100が下降してエッジフレーム4000がガス流動調節部5000の上に据え置かれるとき、前記エッジフレーム4000の整列がずれることなく安定的に載置できるようにする。
【0053】
マスクMは、基板Sを選択的に処理するための手段であって、例えば、基板Sを選択的に蒸着可能な手段であってもよい。このようなマスクMは、複数の開口を有する形状のものであってもよい。そして、マスクMは、エッジフレーム4000の下側に位置づけられるが、エッジフレーム4000の下部に装着されてもよい。すなわち、マスクMは、エッジフレーム4000につれて移動可能なように、前記エッジフレーム4000の下部に装着されてもよい。
【0054】
一方、チャンバー1000の内部において複数回又は一定の回数の基板処理工程が行われれば、チャンバー1000の内部を洗浄する。すなわち、チャンバー1000の内壁、基板支持台2100などに蒸着又は固着されている薄膜又は副産物などを取り除く洗浄を行う。以下、説明のしやすさのために、チャンバー1000の内壁、基板支持台2100などに蒸着又は固着されており、取り除く必要がある薄膜又は副産物などをまとめて「不純物」と称する。
【0055】
チャンバー1000の内部を洗浄するために、まず、プラズマ発生器8000の容器8100に洗浄ガス、例えば、NF3を含むガスを供給し、アンテナ8200にRF電源を供給する。このため、容器8100内において洗浄ガスが活性化してプラズマが生じ、活性化した洗浄ガスは、供給管9000を介してチャンバー1000の蓋体1200と噴射部3000との間の空間に供給される。そして、洗浄ガスは、噴射部3000を介してその下側に噴射される。このように、チャンバー1000の内部に洗浄ガスが噴射されれば、薄膜又は副産物などの不純物が前記洗浄ガスと反応してチャンバー1000の内壁、基板支持台2100などから分離された後、排気部6000を介して排出される。このような過程によりチャンバー1000の内部が洗浄される。
【0056】
ところが、このように、噴射部3000を介してチャンバー1000の内部に洗浄ガスを噴射して洗浄を行うとき、コーナーC又はコーナーCの間の領域の洗浄が不良になるという問題が生じる虞がある。より具体的に説明すれば、隣設された2つの側壁が接続されるコーナーCにおいて不純物が一部取り除かれない洗浄不良が生じる虞がある。これをさらに具体的に説明すれば、第1の側壁1111aと第2の側壁1111bとによる第1のコーナーC1、第2の側壁1111bと第3の側壁1111cとによる第2のコーナーC2、第3の側壁1111cと第4の側壁1111dとによる第3のコーナーC3、第4の側壁1111dと第1の側壁1111aとによる第4のコーナーC4において不純物が一部取り除かれない洗浄不良が生じる可能性がある。別の言い方をすれば、第1乃至第4の側壁1111a~1111dのそれぞれにおいて、中央領域AC1、AC2、AC3、AC4に比べて周縁両端AE1、AE2、AE3、AE4の洗浄が足りない洗浄不良が生じる虞がある。
【0057】
これは、噴射部3000から噴射されたガスが側壁部1110に向かって移動又は拡散するに際して、コーナーC1~C4の側へと向かう洗浄ガスの量が少ないか、あるいは、足りない場合に生じる可能性がある。すなわち、各側壁1111a~1111dの周縁AE1、AE2、AE3、AE4に向かって移動するガスの量が中央領域AC1、AC2、AC3、AC4に移動するガスの量に比べて相対的に少なく、その絶対的な量が少ない場合に生じる可能性がある。したがって、側壁部1110のコーナーC1~C4又は各側壁1111a~1111dの周縁AE1、AE2、AE3、AE4に付着した不純物が取り除かれ切れずに残っている、洗浄不良が生じる虞がある。
【0058】
また、別の例を挙げると、コーナーC以外の領域、すなわち、各側壁1111a~1111dにおいて、周縁両端AE:AE1、AE2、AE3、AE4の間の領域である中央領域AC:AC1、AC2、AC3、AC4において不純物が一部取り除かれない洗浄不良が生じる可能性がある。すなわち、第1のコーナーC1と第4のコーナーC4との間の領域である第1の側壁1111aの第1の中央領域Ac1、第1のコーナーC1と第2のコーナーC2との間の領域である第2の側壁1111bの第2の中央領域Ac2、第2のコーナーC2と第3のコーナーC3との間の領域である第3の側壁1111cの第1の中央領域Ac3、及び第3のコーナーC3と第4のコーナーC4との間の領域である第4の側壁1111dの第4の中央領域Ac4において不純物が一部取り除かれない洗浄不良が生じる可能性がある。別の言い方をすれば、第1乃至第4の側壁1111a~1111dのそれぞれにおいて、周縁両端AE1、AE2、AE3、AE4に比べて中央領域AC1、AC2、AC3、AC4の洗浄が足りない洗浄不良が生じる虞がある。
【0059】
このような洗浄不良は、噴射部3000から噴射されたガスが側壁部1110に向かって移動又は拡散するに際して、側壁部1110のコーナーC1、C2、C3、C4以外の領域へと向かう洗浄ガスの量が少ないか、あるいは足りない場合に生じる可能性がある。すなわち、各側壁1111a~1111dの中央領域AC1、AC2、AC3、AC4に向かって移動するガスの量が周縁AE1、AE2、AE3、AE4を移動するガスの量に比べて相対的に少なく、その絶対的な量が少ない場合に生じる可能性がある。したがって、側壁部1110の中央領域AC1、AC2、AC3、AC4に付着した不純物が取り除かれ切れずに残っている洗浄不良が生じる虞がある。
【0060】
したがって、噴射部3000を介してチャンバー1000の内部に噴射されたガスが側壁部1110のコーナーC1~C4及びコーナーC1~C4以外の領域に振り分けられて移動できるようにその流れを誘導するガス流動調節部5000:5000a~5000dを設ける。すなわち、側壁部1110のコーナーC1~C4に移動するガスの量とコーナーC1~C4以外の領域に移動するガスの量との差を縮めて、側壁部1110の周の方向にガスを一様に又は均一に振り分け可能なガス流動調節部5000を設ける。別の言い方をすれば、チャンバー1000の内部に噴射されたガス、例えば、洗浄ガスが側壁部1110のコーナーC1、C2、C3、C4及び各側壁1111a~1111dの中央領域AC1、AC2、AC3、AC4の方に一様に振り分けられて移動できるようにするガス流動調節部5000を設ける。
【0061】
以下、
図1から
図7を参照して、第1の実施形態に係るガス流動調節部について説明する。
【0062】
図6及び
図7は、本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置のガス流動調節部、基板支持台及びエッジフレームを示す斜視図である。ここで、
図6は、エッジフレームがガス流動調節部から引き離されている状態を示すものであり、
図7は、エッジフレームがガス流動調節部の上に載置されている状態を示すものである。また、
図6及び
図7においては、説明のしやすさのために、基板支持台とエッジフレームとの間に位置するマスクを省略して示している。
【0063】
図1から
図3を参照すると、ガス流動調節部5000は、チャンバー1000の側壁1111a~1111dと基板支持台2100の側面との間に位置するように、前記側壁1111a~1111dに配設されてもよい。このようなガス流動調節部5000は、
図3に示すように、側壁部1110を構成する複数の側壁1111a~1111dのそれぞれに配設されるように複数設けられる。すなわち、側壁部1110の第1乃至第4の側壁1111a~1111dのそれぞれに配設できるように4つのガス流動調節部(以下、第1乃至第4のガス流動調節部5000a~5000dと称する。)が設けられてもよい。より具体的に説明すれば、
図3に示すように、第1の側壁1111aに第1のガス流動調節部5000aが、第2の側壁1111bに第2のガス流動調節部5000bが、第3の側壁1111cに第3のガス流動調節部5000cが、そして、第4の側壁1111dに第4のガス流動調節部5000dが配設される。
【0064】
第1乃至第4のガス流動調節部5000a~5000dのそれぞれは、基板支持台2100の外側に延びたエッジフレーム4000と幅方向の位置が重なり合うように延びた形状のものであってもよい。ここで、第1の方向(X軸方向)に延設された第1及び第3のガス流動調節部5000a、5000cの場合、幅方向は第2の方向(Y軸方向)を意味し得る。また、第2の方向(Y軸方向)に延設された第2及び第4のガス流動調節部5000b、5000dの場合、幅方向は第1の方向(X軸方向)を意味し得る。このため、第1及び第3のガス流動調節部5000a、5000cは、エッジフレーム4000と第2の方向(Y軸方向)の位置が一部重なり合うように設けられ、第2及び第4のガス流動調節部5000b、5000dは、エッジフレーム4000と第1の方向(X軸方向)の位置が一部重なり合うように設けられるものであると説明可能である。
【0065】
このような第1乃至第4のガス流動調節部5000a~5000dのそれぞれは、ガスが通過可能な流路5140:5140a、5140b、5140c、5140dを備え、下降するエッジフレーム4000を据置又は支持できるようにチャンバー1000の側壁1111a~1111dから基板支持台2100の方へと延設されたガス流動調節部材5100:5100a~5100dを備える。
【0066】
また、第1乃至第4のガス流動調節部5000a~5000dのそれぞれは、エッジフレーム4000に設けられた窪み4100に嵌入可能なようにガス流動調節部材5100:5100a~5100dから上側へと突設された嵌入部材5200:5200a~5200dをさらに備えていてもよい。
【0067】
第1乃至第4のガス流動調節部材5100a~5100dのそれぞれは、チャンバー1000の側壁1111a~1111dに沿って延設されて各側壁1111a~1111dに配設されたボディ5120:5120a~5120d、及びそれぞれがエッジフレーム4000と向かい合うようにボディ5120:5120a~5120dの上部面から上側へと突設され、ボディ5120:5120a~5120dの延在方向に互いに離れるように並置された複数本の突出部材5130:5130a~5130dを備える。
【0068】
また、第1乃至第4のガス流動調節部材5100a~5100dのそれぞれは、互いに離れるように並んで配置された突出部材5130:5130a~5130dの間の空間であり、ガスが通過可能な流路5140:5140a~5140dを備える。
【0069】
第1乃至第4のボディ5120a~5120dのそれぞれは、
図3に示されているように、第1乃至第4の側壁1111a~1111dの延在方向に延びる。また、第1乃至第4のボディ5120a~5120dのそれぞれは、側壁1111a~1111dから基板支持台2100又はエッジフレーム4000の方へと延設される。このような第1乃至第4のボディ5120a~5120dは、所定の厚さを有する板(plate)状のものであってもよい。
【0070】
以下では、説明のしやすさのために、第1乃至第4のボディが側壁の延在方向に延びた方向を第1の幅方向と定義し、基板支持台又はエッジフレームの方に延びた方向を第2の幅方向と定義する。
【0071】
上述したように、、第1乃至第4のボディ5120a~5120dのそれぞれは、側壁1111a~1111dの延在方向に延設される。すなわち、第1のボディ5120aは、第1の側壁1111aの延在方向(X軸方向)に延びて前記第1の側壁1111aに接続され、第2のボディ5120bは、第2の側壁1111bの延在方向(Y軸方向)に延びて前記第2の側壁1111bに接続され、第3のボディ5120cは、第3の側壁1111cの延在方向(X軸方向)に延びて前記第3の側壁1111cに接続され、第4のボディ5120dは、第4の側壁1111dの延在方向(Y軸方向)に延びて前記第4の側壁1111dに接続される。
【0072】
第1乃至第4のボディ5120a~5120dのそれぞれが第1乃至第4の側壁1111a~1111dの延在方向に延びるに際して、その延伸長は、前記第1乃至第4の側壁1111a~1111dのそれぞれの延伸長に比べて短くなるように形成されてもよい。そして、第1乃至第4のボディ5120a~5120dは、その延在方向の中心が各側壁1111a~1111dの中心と一致するように配置されてもよい。また、第1乃至第4のボディ5120a~5120dのそれぞれは、第1乃至第4の側壁1111a~1111dのそれぞれの中央領域AC1、AC2、AC3、AC4に位置していてもよい。すなわち、第1の側壁1111aの中央領域AC1に第1のボディ5120aが、第2の側壁1111bの中央領域AC2に第2のボディ5120bが、第3の側壁1111cの中央領域AC3に第3のボディ5120cが、そして、第4の側壁1111dの中央領域AC4に第4のボディ5120dが配設される。別の言い方をすれば、第1乃至第4のボディ5120a~5120dのそれぞれは、第1乃至第4の側壁1111a~1111dのそれぞれの周縁AE1、AE2、AE3、AE4を除いた領域に配設されてもよい。さらに別の言い方をすれば、第1乃至第4の側壁1111a~1111dにより画定された側壁部1110のコーナーC1~C4を除いた領域にボディ5120a~5120dが配設されてもよい。
【0073】
第1乃至第4のボディ5120a~5120dのそれぞれは、第1乃至第4の側壁1111a~1111dのそれぞれに接続されるように固設される。第1のボディ5120aを例にとって説明すれば、第1のボディ5120aは、第2の幅方向の両方の終端のうち、基板支持台2100又はエッジフレーム4000に面する先端(以下、一方の端と称する。)とは反対側の終端がチャンバー1000の第1の側壁1111aと接続されるように配設される。別の言い方をすれば、第1のボディ5120aは、その一方の端が基板支持台2100又はエッジフレーム4000の側面を向き、他方の端が第1の側壁1111aに接続されるように設けられる。
【0074】
第2乃至第4のボディ5120b~5120dは、第1のボディ5120aと類似又は同様の方法により設けられる。すなわち、第2乃至第4のボディ5120b~5120dは、それぞれの一方の端が基板支持台2100又はエッジフレーム4000を向き、他方の端が側壁1111b~1111dに接続されるように設けられる。
【0075】
第1乃至第4のボディ5120dのそれぞれは、第2の幅方向にその一部の領域がエッジフレーム4000と重なり合うように設けられる。例えば、第1のボディ5120aは、第2の方向(Y軸方向)にエッジフレーム4000と重なり合うように設けられる。このとき、第1のボディ5120aは、その一方の端が支持できるように前記エッジフレーム4000と重なり合うように設けられる。すなわち、第1のボディ5120aは、第2の幅方向(Y軸方向)の両方の終端のうちの一方の端から他方の端の方へと所定の距離だけ離れている個所までの領域が基板支持台2100の外側に外れているエッジフレーム4000の少なくとも一部とその位置が同じくなるように設けられる。このため、第1のボディ5120aは、一方の端を含む一部の領域がエッジフレーム4000と重なり合うように配置される。別の言い方をすれば、第1のボディ5120aは、一方の端を含む一部の領域が第1の側壁1111aに向かって基板支持台2100の外側に突出したエッジフレーム4000の少なくとも一部と重なり合う。このため、第1のボディ5120aの上部面のうち、一方の端を含む一部の領域がエッジフレーム4000の下部面と重なり合って向かい合うことになり、残りの領域は、エッジフレーム4000の下部面と向かい合うことなく、前記エッジフレーム4000の外側に外れることになる。
【0076】
第2乃至第4のボディ5120b~5120dは、上述した第1のボディ5120aと類似又は同様の方法により設けられる。すなわち、第2乃至第4のボディ5120b~5120dは、基板支持台2100から第2乃至第4の側壁1111b~1111dに向かって突出したエッジフレーム4000の下部面と向かい合い可能なように、前記エッジフレーム4000と重なり合うように設けられる。
【0077】
以下では、説明のしやすさのために、第1乃至第4のボディ5120dのそれぞれにおいてエッジフレーム4000と重なり合う、あるいは重畳する領域を第1の領域5121と称し、残りの領域を第2の領域5122と称する。
【0078】
これを反映して再び説明すれば、第1乃至第4のボディ5120dのそれぞれは、その上部面のうち、第1の領域5121がエッジフレーム4000と重なり合い、前記第1の領域5121以外の残りの領域である第2の領域5122がエッジフレーム4000の外側に位置するように延設される。このため、第1乃至第4のボディ5120dのそれぞれにおいて、第1の領域5121は、エッジフレーム4000の下部面とその位置が重なり合い、あるいは重畳し、第2の領域5122は、チャンバー1000の側壁1111a~1111dとエッジフレーム4000との間の空間に晒される。
【0079】
第1乃至第4の突出部材5130a~5130dは、エッジフレーム4000がガス流動調節部の上に載置又は据置されたとき、ガスが通過可能な通路又は隙間を作るための手段であってもよい。このような第1乃至第4の突出部材5130a~5130dのそれぞれは、エッジフレーム4000を向くように各ボディ5120a~5120dから上側へと突設される。より具体的には、第1乃至第4の突出部材5130a~5130dは、第1乃至第4のボディ5120dの上部面から上側へと突設されてもよい。
【0080】
また、第1乃至第4の突出部材5130a~5130dは、エッジフレーム4000の下部面と向かい合い可能な位置に配置されるように設けられる。第1の突出部材5130aを例にとって説明すれば、第1のボディ5120aの上部面から突出するように第1の突出部材5130aが設けられるに際して、前記第1のボディ5120aの第1の領域5121に配置されるように設ける。ここで、第1のボディ5120aの第1の領域5121は、基板支持台2100の外側に突出したエッジフレーム4000と幅方向の位置とが重なり合う領域であるため、前記第1の領域5121に第1の突出部材5130aを設けることにより、前記第1の突出部材5130aがエッジフレーム4000と向かい合うように設けられることが可能になる。より具体的には、第1の突出部材5130aは、第1のボディ5120aの両方の終端のうち、相対的に一方の端と隣設されてもよい。
【0081】
第1の突出部材5130aは、複数本で設けられ、複数本の第1の突出部材5130aは、
図3、
図6及び
図7に示すように、第1のボディ5120aの第1の幅方向(X軸方向)又は第1の側壁1111aの延在方向(X軸方向)に互いに離れるように並置される。このように、複数本の第1の突出部材5130aが互いに離れるように並置されることにより、隣設された第1の突出部材5130a同士の間に空いた空間が設けられるが、この空いた空間又は離隔空間が、ガスの通過する流路(第1の流路5140a)である。このため、第1のガス流動調節部材5100aは、第1の側壁1111aの延在方向に並置された複数の第1の流路5140aを備え、前記複数の第1の流路5140aは、第1の側壁1111aの延在方向に互いに離れるように並置された複数本の第1の突出部材5130aにより設けられたものであると説明可能である。そして、上述したように、隔設された2つの第1の突出部材5130aの間に設けられる第1の流路5140aは、スリット(slit)状のものであってもよい。
【0082】
第2乃至第4の突出部材5130b~5130dは、第1の突出部材5130aと同様の方法により設けられる。すなわち、第2乃至第4の突出部材5130b~5130dは、第2乃至第4のボディ5120b~5120dのそれぞれの第1の領域5121に配設される。また、第2乃至第4の突出部材5130b~5130dは、第2乃至第4のボディ5120b~5120dのそれぞれの両方の終端のうち、相対的に一方の端と隣設されてもよい。
【0083】
以上においては、第1乃至第4の突出部材5130a~5130dが第1乃至第4のボディ5120dのそれぞれの一方の端と隣設されることを例にとって説明した。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、第1乃至第4の突出部材5130a~5130dのそれぞれは、ボディ5120a~5120dの第1の領域5121のいかなる位置に設けられても構わない。
【0084】
第2乃至第4の突出部材5130b~5130dは、上述した第1の突出部材5130aと同様に複数本で設けられ、互いに離れるように並んで配置される。すなわち、複数本の第2の突出部材5130b、複数本の第3の突出部材5130c、複数本の第4の突出部材5130dは、
図3、
図6及び
図7に示すように、第2乃至第4のボディ5120b~5120dのそれぞれの第2の幅方向又は第2乃至第4の側壁1111b~1111dの延在方向に互いに離れるように並置される。このため、第2の突出部材5130b同士の間、第3の突出部材5130c同士の間、第4の突出部材5130d同士の間のそれぞれにガスの通過可能な流路5140b~5140dが設けられる。したがって、第2乃至第3の流路5140b~5140dは、上述した第1の流路5140aと同一又は類似の形状に設けられることができ、スリット(slit)状のものであってもよい。
【0085】
上述したような第1乃至第4の突出部材5130a~5130dのそれぞれは、
図6及び
図7に示すように、エッジフレーム4000を向く上部面が凸状の曲面状に設けられることが好ましい。このとき、第1乃至第4の突出部材5130a~5130dの上部面が曲面状に設けられるに際して、ボディ5120a~5120dの第2の幅方向に撓む曲げ率を有するように設けられてもよい。
【0086】
また、第1乃至第4の突出部材5130a~5130dのそれぞれは、ボディ5120a~5120dの第2の幅方向に延びたバー(bar)状に設けられてもよい。このため、第1乃至第4の突出部材5130a~5130dのそれぞれは、
図6及び
図7に示されているように、横断面の形状が半円状であるバー(bar)状のものであってもよい。いうまでもなく、第1乃至第4の突出部材5130a~5130dの形状は、上述した例に何ら限定されるものではなく、エッジフレーム4000の下部面が載置可能な限り、多種多様な形状に変形可能である。
【0087】
上記においては、別設された複数本の突出部材がボディ又は側壁の延在方向に互いに離れるように並置されることにより、隣設された突出部材同士の間に流路が設けられると説明した。
【0088】
しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、突出部材がボディの延在方向に延びるように単一本で設けられてもよい。そして、前記突出部材にガスの通過可能な複数本の孔が設けられてもよく、複数本の孔は、突出部材又はボディの延在方向に互いに離れるように並んで配置されてもよい。また、孔は、突出部材又はボディの延在方向と交差又は直交する方向に前記突出部材を貫通して設けられたものであってもよい。別の言い方をすれば、孔は、チャンバーの側壁側から支持台の方へと突出部材を貫通するように設けられたものであってもよい。このように、突出部材に設けられた孔がガス流動調節部の流路である。
【0089】
図示はしないが、第1の突出部材5130aを例にとって説明すれば、第1の突出部材5130aは、第1のボディ5120aの第1の幅方向(X軸方向)又は第1の側壁1111aの延在方向(X軸方向)に延びるように単一で設けられてもよい。そして、第1の突出部材5130aに複数本の孔が設けられるが、孔のそれぞれは、第1の突出部材5130aを第1の側壁1111aから基板支持台2100の方へと貫通するように設けられてもよい。そして、複数本の孔は、第1の突出部材5130aの延在方向に互いに離れるように並置されてもよい。このように、第1の突出部材5130aに設けられた孔が第1の流路5140aである。
【0090】
また、第2乃至第4の突出部材5130b~5130dにも同様の方法により孔が設けられ、この孔が第2乃至第4の流路5140b~5140dとなる。
【0091】
複数本の嵌入部材5200:5200a~5200dのそれぞれは、第1乃至第4のガス流動調節部材5100a~5100dのボディ5120a~5120dの上に配設される。第1の嵌入部材5200aを例にとって説明すれば、第1の嵌入部材5200aは、第1のボディ5120aの上部面からエッジフレーム4000が位置している上側へと突設されてもよい。このとき、第1の嵌入部材5200aは、基板支持台2100から第1の側壁1111aに向かって突出したエッジフレーム4000に設けられた窪み4100と向かい合うように設けられる。すなわち、第1の嵌入部材5200aは、第1のボディ5120aの第1の領域5121において第1の突出部材5130aの後方に位置するように設けられる。ここで、第1の突出部材5130aの後方は、前記第1の突出部材5130aを基準として基板支持台2100の反対側を意味し、前方は、基板支持台2100側を意味する。
【0092】
第2乃至第4の嵌入部材5200b~5200dは、叙上の第1の嵌入部材5200aと同様の方法により設けられてもよい。すなわち、第2乃至第4の嵌入部材5200b~5200dは、第2乃至第4のボディ5120b~5120dのそれぞれの上部面からエッジフレーム4000が位置している上側へと突設されてもよい。また、第2乃至第4の嵌入部材5200b~5200dは、第2乃至第4のボディ5120b~5120dのそれぞれの第1の領域5121において第2乃至第4の突出部材5130b~5130dの後方に位置するように設けられる。
【0093】
このように、第1乃至第4の側壁1111a~1111dのそれぞれにガス流動調節部5000a~5000dを配設することにより、コーナーC1~C4の方へのガスの移動を誘導することができる。別の言い方をすれば、側壁部1110のうち、コーナーC1~C4を除いた領域にガス流動調節部5000a~5000dが配設されることにより、前記ガス流動調節部5000a~5000dが配設されないときに比べて、コーナーC1~C4の方へと移動するガスの量を増やすことができる。
【0094】
これは、各側壁1111a~1111dに配設されたガス流動調節部材5100a~5100dのボディ5120a~5120dがガスの移動を阻止又は遮断する役割を果たすからである。すなわち、第1乃至第4のガス流動調節部材5100a~5100dのボディ5120a~5120dは、側壁1111a~1111dからその反対側へと延設される。そして、ボディ5120a~5120dは、第1の領域5121の幅方向の位置がエッジフレーム4000と重なり合うように設けられる。このため、側壁1111a~1111dとエッジフレーム4000との間にボディ5120a~5120dの第2の領域が配置される。これにより、エッジフレーム4000から側壁1111a~1111dの中央領域に向かって流れるガスは、その下側に位置するボディ5120a~5120dにより下側への移動が阻止可能である。そして、第1乃至第4のボディ5120a~5120dは、側壁部1110のうち、コーナーC1~C4を除いた領域に配設される。このため、側壁部1110のコーナーC1~C4とエッジフレーム4000との間には、ガスの移動を阻止する構成要素がない。したがって、第1乃至第4のボディ5120a~5120dによりその移動が阻止されたガスが、前記第1乃至第4のボディ5120a~5120dが設けられていないコーナーC1~C4の方へと向かうことになる。これにより、側壁部1110のコーナーC1~C4とエッジフレーム4000との間を通過するガスの量が増える。これにより、チャンバー1000の内部に洗浄ガスが噴射される場合、チャンバー1000のコーナーC1~C4の方へと向かう洗浄ガスの量が増えることができ、コーナーC1~C4に付着した不純物を容易に洗浄することができ、このため、コーナーC1~C4の洗浄不良の発生を防ぐことができる。
【0095】
また、第1乃至第4のガス流動調節部材5100a~5100dのそれぞれは、ガスを通過させることが可能な流路5140a~5140dを備える。このため、エッジフレーム4000が下降してその下部面がガス流動調節部材5100a~5100dの突出部材5130a~5130dの上に載置されても、ガスが流路5140a~5140dを介してガス流動調節部材5100a~5100dの下側に移動することができる。
【0096】
より具体的に説明すれば、基板支持台2100によりエッジフレーム4000が下降すれば、前記エッジフレーム4000の下部面がガス流動調節部材5100a~5100dのそれぞれの突出部材5130a~5130dの上に載置される。このとき、突出部材5130a~5130dによりエッジフレーム4000の下部面とボディ5120a~5120dの上部面との間に隙間が生じる。すなわち、ボディ5120a~5120dの上部面のうち、第1の領域5121とエッジフレーム4000下部面との間に隙間が生じる。このため、エッジフレーム4000から側壁1111a~1111dの中央領域AC1、AC2、AC3、AC4に向かって流れるガスは、エッジフレーム4000と側壁1111a~1111dとの間の空間を通過した後、前記エッジフレーム4000とボディ5120a~5120dとの間の隙間に流れ込むことができる。
【0097】
ところが、エッジフレーム4000とボディ5120a~5120dとの間にガスが流れ込む流入口の反対側に突出部材5130a~5130dが設けられ、突出部材5130a~5130dの上部面にエッジフレーム4000が接触している。このため、エッジフレーム4000とボディ5120a~5120dとの間に流れ込んだガスは、突出部材5130a~5130dにより移動が遮断される。このため、エッジフレーム4000とボディ5120a~5120dとの間の隙間にガスが流れ込んでも、ガスが基板支持台2100の方に移動することができず、このため、下側に移動することができない。したがって、エッジフレーム4000から側壁1111a~1111dの中央領域AC1、AC2、AC3、AC4に向かって流れるガスは、その下側に位置するボディ5120a~5120d及び突出部材5130a~5130dにより下側への移動が阻止されることが可能になる。このため、ボディ5120a~5120d及び突出部材5130a~5130dによりその移動が阻止されたガスがコーナーC1~C4の方へと向かうことになる。これにより、側壁1111a~1111dの中央領域AC1、AC2、AC3、AC4に向かって流れるガスが減り、その絶対的な量も少なくなる可能性がある。このような場合、側壁1111a~1111dの中央領域AC1、AC2、AC3、AC4に対する洗浄の不良が生じる虞がある。
【0098】
しかしながら、実施形態に係るガス流動調節部材5100a~5100dは、ガスを通過させることが可能な流路5140a~5140dを備える。すなわち、複数本の突出部材5130a~5130dが互いに離れるように並置されて、隣設された突出部材同士の間にガスが通過可能な流路5140a~5140dが設けられる。
【0099】
したがって、エッジフレーム4000とボディ5120a~5120dとの間に流れ込んだガスは、突出部材5130a~5130d同士の間に設けられた流路5140a~5140dを通過して前記ボディ5120a~5120dの外側に移動することができる。すなわち、エッジフレーム4000とボディ5120a~5120dとの間に流れ込んだガスが流路5140a~5140dを通過してボディ5120a~5120dと基板支持台2100との間の空間に移動することができ、この後、ボディ5120a~5120d及び基板支持台2100の下側に移動することができる。
【0100】
このように、ガス流動調節部材5100a~5100dに流路が確保されることにより、側壁1111a~1111dの中央領域AC1、AC2、AC3、AC4の方にガスが移動できるようにその流れを誘導することができる。このため、ガス流動調節部材5100a~5100dが流路5140a~5140dを備える場合、そうではない場合に比べて、側壁1111a~1111dの中央領域AC1、AC2、AC3、AC4の方へと向かうガスの量が増える。このように、チャンバー1000のコーナーC1~C4以外の領域、すなわち、側壁1111a~1111dの中央領域AC1、AC2、AC3、AC4の方へと向かう洗浄ガスの量が増えることにより、コーナーC1~C4以外の領域に付着した不純物を容易に洗浄することができる。したがって、コーナーC1~C4以外の領域、すなわち、側壁1111a~1111dの中央領域AC1、AC2、AC3、AC4における洗浄不良の発生を防ぐことができる。
【0101】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置をエッジフレームの上側から見下ろした平面図である。
図9及び
図10は、本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置のガス流動調節部、基板支持台及びエッジフレームを示す斜視図である。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置において、ガス流動調節部の上にエッジフレームが載置された状態の一部を拡大して示す正面図である。
【0102】
ここで、
図9は、エッジフレームがガス流動調節部と引き離されている状態を示すものであり、
図10は、エッジフレームがガス流動調節部の上に載置されている状態を示すものである。また、
図9及び
図10においては、説明のしやすさのために、基板支持台とエッジフレームとの間に位置するマスクを省略して示している。
【0103】
上述した第1の実施形態においては、複数本の突出部材5130a~5130dを互いに離れるように並置して、ガスが通過可能な流路5140a~5140dを設けている。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、他の方法により流路を設けてもよい。
【0104】
すなわち、
図8から
図11に示されている第2の実施形態のように、第1乃至第4のガス流動調節部材5100a~5100dのそれぞれは、ボディ5120a~5120dと、ボディ5120a~5120dの第2の幅方向に延設された一つの突出部材5130a~5130d、及び突出部材5130a~5130dの後方においてボディ5120a~5120dを上下方向に貫通するように設けられた流路5140a~5140dを備えていてもよい。
【0105】
このとき、第1乃至第4のガス流動調節部材5100a~5100dのそれぞれの流路、すなわち、第1乃至第4の流路5140a~5140dは、複数で設けられてもよい。そして、複数の第1乃至第4の流路5140a~5140dのそれぞれは、ボディ5120a~5120dの第1の幅方向に並置されてもよい。すなわち、複数の第1の流路5140aは、第1のボディ5120aの第1の幅方向(X軸方向)に並置され、複数の第2の流路5140bは、第2のボディ5120bの第1の幅方向(Y軸方向)に並置され、複数の第3の流路5140cは、第3のボディ5120cの第1の幅方向(X軸方向)に並置され、複数の第4の流路5140dは、第4のボディ5120dの第1の幅方向(Y軸方向)に並置される。また、第1乃至第4の流路5140a~5140dのそれぞれは、
図8から
図10に示すように、スリット(slit)状に設けられてもよい。
【0106】
このようなガス流動調節部材5100a~5100dによれば、エッジフレーム4000とボディ5120a~5120dとの間に流れ込んだガスが、突出部材5130a~5130dの後方に設けられた流路5140a~5140dを通過して前記ボディ5120a~5120dの下側に移動することができる。
【0107】
上述した第2の実施形態においては、第1乃至第4の流路5140a~5140dのそれぞれがボディ5120a~5120dの延在方向に延設されたスリット状であることについて説明した。
【0108】
しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、第1乃至第4の流路5140a~5140dは、孔状のものであってもよい(図示せず)。第1乃至第4の流路5140a~5140dのそれぞれは、ボディ5120a~5120dを上下方向に貫通するように設けられながら、それぞれの孔がボディ5120a~5120dの延在方向に延びていない形状、あるいは、延伸長が短い形状、例えば、円形であってもよい。
【0109】
第1の流路5140aを例にとって説明すれば、第1の突出部材5130aの後方において第1のボディ5120aを上下方向に貫通するように孔が設けられてもよい。このとき、孔は、第1のボディ5120aの延在方向には延びないか、あるいは、延伸長が非常に短い場合があり、例えば、円形状のものであってもよい。そして、孔は複数本で設けられてもよく、複数本の孔は、第1のボディ5120aの延在方向に互いに離れるように並置されてもよい。このように、第1のボディ5120aに設けられた複数本の孔がそれぞれ第1の流路5140aとなる。
【0110】
そして、第2乃至第4の流路5140b~5140dもまた、上述した方法と同様の方法により第2乃至第4のボディ5120b~5120dに孔状に設けられてもよい。
【0111】
また、図示はしないが、第1乃至第4のガス流動調節部5000a~5000dは、叙上の第1の実施形態に係る第1乃至第4の流路5140a、5140b、5140c、5140dと、第2の実施形態に係る第1乃至第4の流路5140a、5140b、5140c、5140dと、をいずれも備えるように設けられてもよい。
【0112】
上述した実施形態においては、チャンバー1000に遠隔プラズマ発生器が接続されることについて説明した。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、基板処理装置は、チャンバー1000の内部においてガスを活性化させてプラズマを生じさせる直接プラズマ装置に変更可能である。すなわち、噴射部3000と基板支持台2100を電極としてRF電源を供給することにより、前記噴射部3000と基板支持台2100との間にプラズマが形成されるようにすることもできる。
【0113】
図12は、第1の実施形態の変形例に係る基板処理装置を示す図である。
【0114】
上述した第1の実施形態においては、基板支持台2100とエッジフレーム4000とが別途の構成要素として設けられる。このため、エッジフレーム4000をガス流動調節部5000の上に据置又は載置した後、基板支持台をさらに下降させれば、前記基板支持台2100とエッジフレーム4000とが引き離される。
【0115】
しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、
図12の変形例のように、基板支持台2100それ自体が実施形態において説明したエッジフレームを備えるように設けられてもよい。すなわち、
図12に示されているように、基板支持台2100は、チャンバー1000の内部において噴射部3000と向かい合うように配置され、上面に基板Sが載置される支持部材2110及び支持部材2110の幅方向の周縁から外側へと延びるように前記支持部材2110の上部に位置するエッジフレーム2120を備えていてもよい。このとき、説明のしやすさのために、基板支持台2100が支持部材2110とエッジフレーム2120とから構成されると説明したが、支持部材2110とエッジフレーム2120とは、一体形に設けられてもよい。
【0116】
ここで、変形例に係る基板支持台2100のエッジフレーム2120は、上述した実施形態に係るエッジフレームと略同じ形状に設けられる。すなわち、変形例に係る基板支持台2100のエッジフレーム2120は、支持部材2110に載置された基板Sが晒されるように、支持部材2110の幅方向の周縁から前記支持部材2110の外側へと延びる形状に設けられ、支持部材2110の上側に配置される。すなわち、エッジフレーム2120は、
図12に示すように、基板Sが載置される支持部材2110の上部面のうちの周縁を覆い、残りの領域を晒す枠状のものであってもよい。
【0117】
エッジフレーム2120は、支持部材2110の周縁からチャンバー1000の側壁部1110に向かって延設される。このため、エッジフレーム2120の一部は、支持部材2110と向かい合い、残りは支持部材2110の外に位置する。すなわち、エッジフレーム2120の一部は、支持部材2110と幅方向の位置が重なり合い、残りは支持部材2110の幅方向の外側に位置する。
【0118】
以下、
図1から
図7を参照して、本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の動作について説明する。このとき、洗浄ガスを噴射してチャンバーの内部を洗浄する動作について説明する。
【0119】
複数回又は一定の回数の蒸着工程が行われれば、チャンバー1000の内部を洗浄する。エッジフレーム4000がガス流動調節部5000上側に離れており、基板支持台2100の上に基板Sが支持されていない状態である場合、まず、駆動器2200を動作させて基板支持台2100及びエッジフレーム4000を下降させる。このとき、
図2及び
図5に示すように、エッジフレーム4000がガス流動調節部5000の上に載置されるように基板支持台2100を下降させる。すなわち、基板支持台2100を下降させて、前記基板支持台2100の外側に突出したエッジフレーム4000の下部面が、
図2及び
図5に示すように、第1乃至第4のガス流動調節部材5100a~5100dの突出部材5130a~5130dの上部と接触するようにする。
【0120】
エッジフレーム4000をガス流動調節部材5100a~5100dの上に載置するに際して、エッジフレーム4000に設けられた窪み4100に嵌入部材5200a~5200dが嵌入されるようにする。このため、エッジフレーム4000とガス流動調節部材5100a~5100dとが位置合わせ可能になる。
【0121】
他の例を挙げると、蒸着工程が終了して基板支持台2100の上に基板Sが載置されている状態であれば、まず、基板支持台2100から基板Sを引き離す。このために、駆動器2200を介して基板支持台2100を下降させて、
図2及び
図5に示すように、エッジフレーム4000をガス流動調節部5000の上に載置する。そして、駆動器2200を介して基板支持台2100をさらに下降させれば、エッジフレーム4000及びマスクMと基板支持台2100が引き離される。この後、基板支持台2100の上に載置されている基板Sをチャンバー1000の外に搬出する。次いで、駆動器2200を介して基板支持台2100をエッジフレーム4000と隣り合う位置まで上昇させる。すなわち、
図2に示すように、基板支持台2100の上部面がエッジフレーム4000の下部に装着されたマスクMと接触できるように基板支持台2100を上昇させる。このとき、例えば、エッジフレーム4000の下部にマスクMが装着されていない場合、基板支持台2100の上部面がエッジフレーム4000の下部面と接触するように上昇させる。
【0122】
エッジフレーム4000が第1乃至第4のガス流動調節部5000a~5000dの上に載置されれば、チャンバー1000の内部に洗浄ガスを噴射する。このために、チャンバー1000の外部に位置している容器8100に洗浄ガスを供給し、アンテナ8200にRF電源を供給する。このため、容器8100の内部において洗浄ガスが活性化してプラズマが生じ、活性化した洗浄ガスは、供給管9000を介してチャンバー1000の蓋体1200と噴射部3000との間に供給される。この洗浄ガスは、噴射部3000に設けられた複数の流路を介して下側に噴射される。
【0123】
噴射部3000を介してその下側、すなわち、基板支持台2100及びエッジフレーム4000に向かって噴射された洗浄ガスは、
図3に示すように、チャンバー1000の側壁部1110に向かって移動する。すなわち、基板支持台2100及びエッジフレーム4000の上部に噴射されたガスは、側壁部1110のコーナーC
1~C
4及びコーナーC
1~C
4以外の領域の方に移動する。より具体的に説明すれば、側壁部1110の第1乃至第4のコーナーC
1~C
4と、第1乃至第4の側壁1111a~1111dのそれぞれの中央領域A
C1、A
C2、A
C3、A
Cの方に移動する。
【0124】
このとき、側壁部1110の第1乃至第4のコーナーC1~C4に移動したガスは、エッジフレーム4000と前記第1乃至第4のコーナーC1~C4との間の空間を介してエッジフレーム4000及び基板支持台2100の下側に移動する。
【0125】
また、第1乃至第4の側壁1111a~1111dの中央領域A
C1、A
C2、A
C3、A
Cの方に移動したガスは、エッジフレーム4000と前記第1乃至第4の側壁1111a~1111dとの間の空間に移動した後、上下に配置されたエッジフレーム4000と第1乃至第4のボディ5120a~5120dとの間の隙間に流れ込む。そして、この流れ込んだガスは、
図5及び
図7の拡大図のように、第1乃至第4のボディ5120a~5120dのそれぞれに設けられた流路5140a~5140dを介して抜け出る。すなわち、第1乃至第4のボディ5120a~5120dのそれぞれの上部に設けられた複数本の突出部材5130a~5130d同士の間の離隔空間である流路5140a~5140dを通過する。この後、流路5140a~5140dを通過したガスは、第1乃至第4のボディ5120a~5120dと基板支持台2100との間の空間を経て下側に移動した後、排気部6000を介して排気される。
【0126】
このように、噴射部3000から噴射されたガスは、複数のガス流動調節部5000a~5000dにより側壁部1110のコーナーC1~C4及び前記コーナーC1~C4以外の領域の方に一様に振り分けられて流れる。別の言い方をすれば、洗浄ガスが側壁部1110のコーナーC1~C4及び前記コーナーC1~C4以外の領域の方に移動するに際して、前記コーナーC1~C4の方に流れるガスの量とコーナーC1~C4以外の領域の方に流れるガスの量の割合が同一又は類似であるか、あるいは、その差が小さくなるようにガスが振り分けられる。
【0127】
そして、噴射部3000を介して洗浄ガスが噴射されれば、チャンバー1000の内壁、基板支持台2100の上に蒸着又は固着されている不純物と反応し、この反応により前記チャンバー1000の内壁、基板支持台2100などから分離された後、排気部を介して排出される。
【0128】
このとき、上述したように、複数のガス流動調節部5000a~5000dにより洗浄ガスが側壁部1110のコーナーC1~C4及び前記コーナーC1~C4以外の領域の方に一様に振り分けられるように流れる。このため、洗浄ガスの不足に伴う洗浄不良の発生を防ぐことができる。すなわち、チャンバー1000の側壁部1110におけるコーナーC1~C4の洗浄が足りないか、あるいは、コーナーC1~C4以外の領域、すなわち、第1乃至第4の側壁1111a~1111dにおける中央領域AC1、AC2、AC3、AC4の洗浄が足りないといった洗浄不良の発生を防ぐことができる。別の言い方をすれば、チャンバー1000の側壁部1110におけるコーナーC1~C4及びコーナーC1~C4以外の領域に洗浄ガスを一様に行き届かせることができる。このため、コーナーC1~C4及びコーナーC1~C4以外の領域に付着した不純物を容易に洗浄することができる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明の実施形態によれば、ガスがチャンバー内コーナー又はコーナー以外の領域に偏って流れることを防ぐことができる。すなわち、チャンバーの周の方向にガスを一様に振り分けることができる。これにより、チャンバーのコーナー及びコーナー以外の領域において洗浄不良が生じることを防ぐことができる。
【国際調査報告】