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特表2024-520829ソーラモジュール上を歩行するための歩行装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ソーラモジュール上を歩行するための歩行装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 1/36 20060101AFI20240517BHJP
   F16F 7/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
F16F1/36 K
F16F7/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576008
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 DE2022000051
(87)【国際公開番号】W WO2022258090
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202021002037.3
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202022000069.3
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202022000863.5
(32)【優先日】2022-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523461520
【氏名又は名称】マイヤー・アンドレアス
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】エーバーライン・ヘルベルト
【テーマコード(参考)】
3J059
3J066
【Fターム(参考)】
3J059BA63
3J059BB01
3J059BC04
3J059BC06
3J059BD01
3J059GA50
3J066AA22
3J066BA01
3J066BB01
3J066BC03
3J066BD05
3J066BE01
3J066BE05
(57)【要約】
本発明は、減衰装置(9)が下方で接続する、支持装置(2)と、支持装置(2)の上に設けられた足収容部(12)と、支持装置(2)と足収容部(12)との間に配置された、足収容部(12)の運動及びロックを可能にする、バランス装置(11)と、を備える、ソーラモジュール(21)上を歩行するための2つの歩行装置(1、1’)のうちのそれぞれ1つに関する。第1の解決手段は、少なくとも支持装置(2)の下面(3)及び/又は減衰装置(9)の下面(10)は、空間的に湾曲して下向きに撓んでいることを提案する。第2の解決手段は、支持装置(2)は、少なくとも第1の部分(5)と第2の部分(6)とを有し、第1の部分(5)は、第2の部分(6)上に配置されていて、さらに、少なくとも第2の部分(6)は、弾性復元性を有して構成されていて、第1の部分(5)の輪郭は、第2の部分(6)の輪郭よりも小さいことを提案する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラモジュール上に踏み入れるように設計された減衰装置(9)が下方で接続する、支持装置(2)と、
前記支持装置(2)の上に設けられた足収容部(12)と、
前記支持装置(2)と前記足収容部(12)との間に配置された、前記足収容部(12)の運動及びロックを可能にする、バランス装置(11)と、
を備える、ソーラモジュール(21)上を歩行するための歩行装置(1)において、
前記支持装置(2)の下面(3)又は前記減衰装置(9)の下面(10)は、空間的に湾曲した面領域(14)を有し、前記面領域(14)は、下向きに曲げられている又は下向きに成形されている、又は
前記支持装置(2)の下面(3)と、前記減衰装置(9)の下面(10)とは、それぞれ空間的に湾曲した面領域(14)を有し、前記前記支持装置(2)の下面(3)の面領域(14)と前記減衰装置(9)の下面(10)の面領域(14)との両方は、下向きに曲げられている又は下向きに成形されている
ことを特徴とする、歩行装置(1)。
【請求項2】
減衰装置(9)が下方で接続する、支持装置(2)と、
前記支持装置(2)の上に設けられた足収容部(12)と、
前記支持装置(2)と前記足収容部(12)との間に配置された、前記足収容部(12)の運動及びロックを可能にする、バランス装置(11)と、
を備える、ソーラモジュール(21)上を歩行するための歩行装置(1’)において、
前記支持装置(2)は、第1の部分(5)と第2の部分(6)とを有し、前記第1の部分(5)は、前記第2の部分(6)上に配置されていて、さらに、少なくとも第2の部分(6)は、弾性復元性を有して構成されていて、前記第1の部分(5)の輪郭は、前記第2の部分(6)の輪郭よりも小さいことを特徴とする、歩行装置(1’)。
【請求項3】
空間的に湾曲した各前記面領域(14)は、回転対称に、略円蓋状に若しくは回転楕円体状に、又は非回転対称に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の歩行装置。
【請求項4】
完全な前記支持装置(2)は、空間的に湾曲して下向きに曲げられている又は下向きに成形されていることを特徴とする、請求項1に記載の歩行装置。
【請求項5】
前記支持装置(2)の空間的に湾曲した前記面領域(14)は、前記バランス装置(11)が取り付けられた平らな水平の面部分によって中断されていることを特徴とする、請求項1に記載の歩行装置。
【請求項6】
前記減衰装置(9)は、前記第2の部分(6)の下面に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の歩行装置。
【請求項7】
前記第1の部分(6)によって中央の領域(7)が形成されていて、前記中央の領域(7)の上に前記バランス装置(11)が配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の歩行装置。
【請求項8】
前記第1の部分(5)と前記第2の部分(6)とが、互いに内外に接合されていることを特徴とする、請求項2に記載の歩行装置。
【請求項9】
前記第2の部分(6)は、弾性的なばね板又はプラスチックから製作されていることを特徴とする、請求項2に記載の歩行装置。
【請求項10】
前記支持装置(2)内に複数の空間域(16)が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の歩行装置。
【請求項11】
前記減衰装置(9)は、複数の空間域(16)を有し、前記空間域(16)のそれぞれの空間範囲は、フォーム材料から形成された前記減衰装置(9)の個々の細孔の空間範囲よりも大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の歩行装置。
【請求項12】
前記空間域(16)の空間範囲は、それぞれ同じ大きさに又はそれぞれ異なる大きさに選択されていて、前記空間域(16)は、貫通部(18)及び/又は凹部及び/又は中空室によって形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の歩行装置。
【請求項13】
前記減衰装置(9)は、空間域(16)を有するとともに互いに上下に位置する少なくとも2つのフォーム材料板(15、15a等)によって形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の歩行装置。
【請求項14】
互いに上下に位置する少なくとも2つの前記フォーム材料板(15、15a等)の前記空間域(16)は、互いにずらして配置されていることを特徴とする、請求項13に記載の歩行装置。
【請求項15】
貫通部(18)及び/又は凹部として構成された前記空間域(16)は、垂直に配置されていることを特徴とする、請求項14に記載の歩行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラモジュール上に踏み入れるように設計された減衰装置が下方で接続する支持装置と、支持装置の上に設けられた足収容部と、支持装置と足収容部との間に配置された、足収容部の運動及びロックを可能にするバランス装置と、を備える、ソーラモジュール上を歩くための2つの歩行装置のうちの1つにそれぞれ関する。
【背景技術】
【0002】
最も近い先行技術に含まれる歩行装置は、文献仏国特許出願公開第2584277号明細書、独国実用新案第202012000072号明細書、独国実用新案第202015001998号明細書及び国際公開第2020/160721号に記載されている。最後に掲示した特許出願による歩行装置は、実際に試験されている。これらの歩行装置には、比較的厚い減衰装置が備え付けられているにもかかわらず、ソーラモジュール上を歩行した後で、ソーラモジュールのガラス状の板に不都合なヘアクラックが確認された。
【0003】
文献独国実用新案第20202000120533号明細書も、別の従来技術に含まれる。この文献で提案された解決手段は、支持装置と足収容部とに結合された補償装置の特別な構成に関連する。しかし、ソーラモジュール上を歩行するときにソーラモジュールのガラス状の板にヘアクラックが形成されることをどのようにして回避できるかという解決手段は、前掲の文献には認められない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2584277号明細書
【特許文献2】独国実用新案第202012000072号明細書
【特許文献3】独国実用新案第202015001998号明細書
【特許文献4】国際公開第2020/160721号
【特許文献5】独国実用新案第20202000120533号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、本明細書で認められる形態の2つの歩行装置を改良して、ソーラモジュール上を歩行するときにソーラモジュールにおけるヘアクラックの形成が回避されるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の第1の解決手段は、請求項1の特徴部に記載されている。
【0007】
この課題の第2の解決手段は、請求項2の特徴部によって提案される。
【0008】
ソーラモジュール上を歩行するとき、ソーラモジュールの、縁で囲まれたガラス状の板は、下向きに撓む。最大許容撓みは、約12mmである。ソーラモジュールは、歩行時に変化する荷重に曝される全方向で緊締される支持体に相当する。荷重の変化と、これにより生じる様々な大きさの曲げモーメントとから生じるいわゆるモーメント曲線は、ソーラモジュールの4つの縁領域を除いて、略放物線状に延びる。
【0009】
ここでは、提案された2つの解決手段が、有利な形で設定される。そこで第1の解決手段では、少なくとも減衰装置の、ガラス状の板の表面上に載置するように設定された下面及び/又は少なくとも支持装置の下面が、空間的に湾曲して下向きに曲がるように構成されていて、ソーラモジュール上を歩行するときソーラモジュールの下向きに撓んだ面領域に近似するように適合されている。これにより、特に曲げ弾性的な減衰装置によって、提案された歩行装置がソーラモジュール上に最大限大きな面積にわたって載置することが達成される。これにより、単位面積当たりの面荷重が、著しく低減される。荷重が掛けられたソーラモジュールの空間的な湾曲経過に十分に適合させるために、特に支持装置の下面及び/又は減衰装置の下面の円蓋状又は放物面状の構成が適している。
【0010】
提案された第2の解決手段も有利であることが判明している。というのも、ここでは支持装置に全方向の縁領域が形成されていて、縁領域は、弾性復元性に形成されているからである。したがって、支持装置の容易に撓曲可能な縁領域は、荷重が掛けられると、大きな面積にわたって、撓んだソーラモジュールの湾曲経過に適合し、十分な程度にソーラモジュール上に載置できるので、ソーラモジュールに作用する、単位面積当たりの面圧も同様に以前から知られている歩行装置に起因する直線状に生じる面圧よりも著しく小さい。
【0011】
従来技術に含まれる全ての歩行装置では、歩行装置の支持装置及び減衰装置は、平らな板として構成されていて、この場合、支持装置は、非可撓性に構成されている。ソーラモジュール上を歩くとソーラモジュールのガラス状の板が下向きに撓むので、そのように曲がったガラス状の板は、浅いシェルに相当する。そこで従来公知の歩行装置を用いてソーラモジュール上に立つと、ソーラモジュールの撓みが生じることに起因して、矩形の非可撓性の支持装置とこれと同様に矩形の減衰装置とを有する歩行装置は、撓んだソーラモジュール上で4つの角領域でしか支持されない。したがって、面積の小さな4つの支持領域どころか線状の4つの支持領域しか生じず、その結果、これらの角領域又は支持領域において、必然的に単位面積当たり高い面圧値が生じる。これらの高い面圧値は、最終的にソーラモジュールの脆いガラス状の板にヘアクラックの生成をもたらす。ここで提案される歩行装置では、支持は、角領域だけにわたってではなく、最大限大きな面積にわたってかつ空間的に曲がって行われるので、生じる単位面積当たりの面圧値がより小さくなり、これにより、ソーラモジュールにおける不都合なヘアクラックの形成が回避される。
【0012】
フォーム材料からなる減衰装置が、貫通部、凹部又は中空室等のフォーム材料のない空間域を有して構成されていると、本発明の更なる利点が生じる。歩行装置に適したフォーム材料は、耐水性でなければならず、したがって、吸水特性を有してはならない。しかし、これらの条件において、より大きな硬さ及び剛性を有し、実際に、理想的な減衰作用を得るのに十分な非可撓性を有するフォーム材料の形成が可能となっている。減衰装置にフォーム材料のない空間域を加工することによって、同時に十分な安定性を得ながら最適な可撓性を達成できる。したがって、減衰装置は、単一の厚いフォーム材料板から形成されてよく、また少なくとも2つのより薄いフォーム材料板から形成されてもよく、フォーム材料板には、同様にフォーム材料のない空間域が設けられていて、この場合、減衰装置の前述の好都合な特性を得るには、フォーム材料のない空間域の大きさ、すなわち空間範囲が重要である。可能な限り小さい重量を有する歩行装置を構成することが目標とされているので、空間域は、軽量化に寄与する。支持装置に、重量の理由から、そのような空間域を設けてもよい。
【0013】
本発明を、実施例に基づいて詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の歩行装置を側面図で示す。
図2】同一の歩行装置を正面図で示す。
図3】歩行装置によって荷重を掛けられたソーラモジュールを示す。
図4】撓んだソーラモジュールと歩行装置の下面とを幾何学的に表示する。
図5】第2の歩行装置を側面図で示す。
図6】第2歩行装置の支持装置を示す。
図7】第2歩行装置の支持装置を示す。
図8】支持装置の別の形態を示す。
図9】支持装置の別の形態を示す。
図10】減衰装置の断面と共に歩行装置を側面図で示す。
図11図10に示された減衰装置を上から見て示す。
図12】空間域を有する、2つのフォーム材料板からなる減衰装置を断面図で示す。
図13】ずらされた空間域を有するように構成された別の減衰装置を平面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ソーラモジュールの撓みは、その大きさについて比較的小さく、縮尺通りに表示することは極めて困難である。したがって、以下の図面では、認識可能な湾曲及び撓みは、誇張して大きく表されている。同様に、矢印によって記された個々の力は、単なる例としてみなされるべきである。
【0016】
図1は、ソーラモジュール21上の歩行に特定された、水平面24上にある第1の歩行装置1を示す。歩行装置1は、無重力で荷重を掛けないものとされるので、歩行装置1の減衰装置9は、荷重を掛けないものとして表されている。歩行装置1は、支持装置2を有し、支持装置2に、減衰装置9が下方で接続する。支持装置2の上方には、足収容部12が設けられていて、足収容部12は、プレートと、例えばプレートに配置された靴とによって形成されている。支持装置2と足収容部12との間に、足収容部12の可動性を決定するバランス装置11が存在する。ロックを解除した後、公知の形で、足収容部12は、バランス装置11を用いて、水平軸を中心に単に上下に揺動することができ、また玉継手状の接続部によって全方向に運動することもでき、これに続いて使用するために再びロックしてよい。支持装置2及び減衰装置9が下向きに撓んでいるので、減衰装置9は、その下面10でもって、部分的にしか平面24上に載置していないことが、記入された真っ直ぐな平面24に基づいて看取される。
【0017】
図2は、同じ歩行装置1を側面図で示す。ここでも、記入された平面24によって、支持装置2及び減衰装置9が下向きに撓んでいることが看取される。したがって、図1による撓みを考慮すると、支持装置2及び減衰装置9の、空間的に湾曲した、下向きに曲げられた変形が存在する。図1及び図2による実施例は、簡単な製造方式を可能にする。この場合、支持装置2は、加圧装置を用いることによって空間的に湾曲して下向きに撓んだ平らな板に基づいて形成される。他方、減衰装置9は、平らな可撓性のフォーム材料板から形成されている。フォーム材料板は、その上面で、そこでは空間的に湾曲して存在する支持装置2の下面3に接着されるので、減衰装置9の下面10も、同様に空間的に湾曲した、下向きに曲がった形状を有する。それにもかかわらず、支持装置3及び減衰装置9は、型に起因する成形部品として構成されてもよく、支持装置及び減衰装置の下面3、10は、空間的に湾曲して下向きに成形されている。したがって、言及した全ての例示例の下面3、9は、空間的に湾曲した、下向きに曲げられた又は下向きに成形された面領域14を有し、この場合、各面領域14は、好適には球面状に、すなわち回転対称又は回転楕円体状に構成されてよい。容易に製作可能である円蓋状の面領域14又は他の回転対称の面領域14、例えばある種の放物面が理想的である。他方、空間的に湾曲した面領域14は、非回転対称に選択されてもよく、この場合、例えば、面領域14の、少なくとも2つの空間的に湾曲した、下向きに撓んだ部分が、空間的に湾曲していない少なくとも1つの面部分によって中断されている。本例は、空間的に湾曲した、下向きに曲げられた又は成形された面領域14が様々に構成して提供できることを示すべきものである。減衰装置9の下面10だけが空間的に湾曲して下向きに曲げられている又は成形されていると、ソーラモジュール上に踏み入れるときにまずは減衰装置9の中央に延在する比較的厚い領域に荷重が掛けられ、その後、減衰装置9の縁領域が、次第に力伝達に関与する。その際、以下に図3に示されたのと同じ力の像が生じる。
【0018】
バランス装置11を十分な程度に支持装置2に載置して、これに取付けできるように、例えば板によって構成された支持装置2が空間的に湾曲している状態で、中央に、支持装置2の空間的な領域14を中断する平らな水平の面部分が設けることができる。本例では、図示されていないこの面部分は、平らな円形面に相当する。というのも、ここで例示されたバランス装置11が、円筒の輪郭を有するからである。面領域14は、この場合、一部でしか空間的に湾曲せず、部分的にしか下向きに撓まないように構成されている。
【0019】
図3は、中央で歩行装置1によって均一に荷重を掛けられたソーラモジュール21を概略的に示す。いわゆる理想的な荷重状態を占めている。ソーラモジュール21のガラス状の板22は、その大部分で空間的な放物線の経過に従って下向きに撓んでいる。ガラス状の板22とは、電気を得るために設けられたガラス体ユニットを意味する。矢印Fは、ソーラモジュール21上に載っている歩行装置1による荷重の大きさを表す。減衰装置9の曲げ弾性は、本例では、減衰装置9内ではどこでも同じ大きさに選択されている。支持装置2の下面3の湾曲経過、すなわち湾曲した面領域14は、ガラス状の板22の放物線状の湾曲経過に厳密には追従していない。支持装置2の下面3は、ガラス状の板22の空間的な湾曲経過よりも空間的に強く湾曲している。これにより、荷重が掛けられた状態では、支持装置2とガラス状の板22との間の、中央で測定される間隔aは、同様に測定された、支持装置2の縁領域4における間隔bよりも小さい。本例では、減衰装置9の、選択された曲げ弾性に基づいて、重力Fの伝達は、減衰装置9の輪郭面全体にわたって行われる。記入された力の像(矢印)によって、単位面積当たりの個々の力が、中央へ向けて次第に増加し、縁領域4へ向けて低下し、そこでゼロにさえなり得ることが看取される。この力の低下は、支持装置2の下面3とガラス状の板22の表面との間の間隔が、支持装置2の周回する縁領域4に近づくほど大きくなり、この場合、この領域に至るほど、減衰装置9の圧縮がより小さくなることに起因する。したがって、減衰装置9の曲げ弾性は、歩行装置1を装着している人の重量による荷重の伝達に、減衰装置9の輪郭面全体が関与するように選択されるべきである。この最適な状態によって、単位面積当たりの低くて不都合ではない個々の力を生じさせることができる。下向きに撓んでいるガラス状の板22の4つの縁域23は、ソーラモジュール21の枠に近づくにつれ、次第に横方向の経過に移行し、そこで、ソーラモジュール21の枠に取り付けられる。したがって、周回する移行領域が形成されていて、移行領域では、ガラス状の板22の表面が、荷重が掛けられているとき、水平の状態から放物線状の経過へ移行する。試験では、まさにこの周回する移行領域が荷重の影響を極めて受けやすく、ここではガラス状の板22におけるヘアクラックが特に発生し得ることが証明されている。しかし、歩行装置1による面荷重が支持装置2の縁に向かって低下するので、前述したソーラモジュール22の移行領域は、有利には掛けられる荷重がより小さくなるので、ここでもヘアクラックが形成されるおそれがない。図面に基づいて、歩行装置1を概念的に左右へ動かすことによって、この状態を容易に想像できる。
【0020】
図4は、減衰装置9の下面10の湾曲経過と、撓んだソーラモジュール21の略放物線状の経過とを、概略的に示して、表している。減衰装置の下面10は、本例では、円蓋部として構成されている一方、ソーラモジュール21のガラス状の板22は、大部分で放物線状の断面を有する円蓋部として存在する。中央へ向けて、漸次、減衰装置9の下面10の湾曲経過は、ガラス状の板2の放物線状の経過により近づく。純粋に幾何学的な観点から考慮すると、このように構成された歩行装置1は、1点でのみガラス状の板22上に載置する。歩行装置1によって荷重が掛けられると、容易に想像できるように、減衰装置9はより強く圧縮されるので、荷重が増大するにつれ、歩行装置1の減衰装置9とガラス状の板22との間の、上から見て円形の接触面20がより大きくなる。既に述べたように、人によって重量が加えられるとき、上述の接触面20が、減衰装置9の輪郭面全体によって形成されることが目標とされている。減衰装置9の下面10に、付加的に、少なくとも1つの滑落防止手段13が備え付けられてもよいので、少なくとも1つの滑落防止手段13は、減衰装置9の下面10を形成し、同様に空間的に湾曲して下向きに撓んでいる。この場合、滑落防止手段13は、減衰装置9の構成要素であって、減衰装置9の下面10を形成する。
【0021】
図5は、ソーラモジュール21上に位置する歩行装置1’の第2の実施形態を示す。好適には板状の支持装置2が設けられていて、支持装置2の下面3には、減衰装置9が位置する。歩行装置1’は、その減衰装置9でもって、ソーラモジュール21上に載置している。支持装置2上にバランス装置11が配置されている。バランス装置11は、足収容部12を支持する。バランス装置11によって、足収容部12は、既に説明したように、様々な角度配置で位置固定できる。支持装置2は、少なくとも2つの部分から構成されている。
【0022】
図6は、歩行装置1’の支持装置2の好適な一形態を示す。支持装置2は、第1の部分5と第2の部分6とを有し、この場合、第2の部分6の下面に減衰装置9が位置する(図5参照)。第1の部分5は、第2の部分6の上に装着されていて、例えば接着又はねじ止め又はリベット止めによって、第2の部分6に位置固定して結合されている。
【0023】
図7は、図6に示された支持装置2を平面図で示す。第1の部分5は、センタリングして第2の部分6の上に装着されている。第1部分5の輪郭は、第2部分6の輪郭よりも小さい。第1の部分5は、歩行装置1’の中央の領域7を形成する。第1の部分5の輪郭が第2の部分6の輪郭よりも小さいので、第2の部分6によって、中央の領域7を全方向で包囲する縁領域4が形成されている。少なくとも第1の部分5は、また選択的に第2の部分6も、ソーラモジュール21上を歩くとき、支持装置2の少なくとも縁領域4がわずかに上向きに曲がることによってソーラモジュール21のガラス状の板22の、荷重の作用下で生じる空間的な湾曲経過に適合するように、弾性復元性を有して構成されている。負荷が解消されると、少なくともの第2の部分6は、再び元の姿勢を占める。このような弾性復元特性は、ばね鋼又は適切な公知のプラスチックの使用によって得られる。ばね鋼を使用する場合、第2の部分6を薄いばね鋼板から構成すると合目的的であり、これにより、そうして有利には歩行装置1’の構造高さとその重量とが低減される。
【0024】
図8及び図9は、支持装置2の2つの実施例を示す。これらの例では、第1の部分5と第2の部分6とは、断面図から看取されるように、形状結合及び力結合式に、すなわち位置固定して互いに接合されている。ここでも、第1の部分5は、中央の領域7を形成する一方、第2の部分5は、縁領域4を形成できる。
【0025】
図10に示された歩行装置1又は1’では、減衰装置9は、公知の形でフォーム材料板15によって形成されていて、フォーム材料板15は、本発明による形では、例えば鉛直に配置された貫通部18として構成されたフォーム材料のない複数の空間域16によって中断されている。貫通部18の断面は、任意に選択してよい。円形の断面が好適である。空間域16は、図8及び図9において述べたのと同様に支持装置2の少なくとも第2の部分6及び/又は第1の部分5に設けられてもよい。これにより、支持装置2でも軽量化が得られる。
【0026】
図11は、図10において述べた減衰装置9を平面図で示す。図面には、貫通部18として構成された複数の空間域16が示されている。貫通部18は、本例では同じ大きさに選択されていているが、このことは、円筒形の貫通部18の直径がそれぞれ異なる大きさに構成されもよいことを排除しない。
【0027】
図12は、上下に位置する2つのフォーム材料板15、15aを有する減衰装置9を断面図で示す。両方のフォーム材料板15、15a内に、貫通部18として構成された空間域16が位置し、空間域16の鉛直の軸線17は、それぞれ合同して配置されている。図面には、支持装置2と滑落防止手段13とが更に示されていて、支持装置2と滑落防止手段13との間に、2つのフォーム材料板15、15aによって形成された減衰装置9が位置する。減衰装置9を形成するために、3つ以上のフォーム材料板15、15a等を上下に位置するように設けてもよい。個々の空間域16の空間範囲、すなわち大きさ又は直径は、フォーム材料板15、15a等の間でそれぞれ異なる大きさに選択されてよい。
【0028】
図13は、2つのフォーム材料板15、15aにおける円筒形の貫通部18として形成された空間域16の軸方向にずらした配置を平面図で示す。空間域16の配置及び大きさは、上側のフォーム材料15内に位置する空間域16の円筒形の輪郭19が、下側に位置するフォーム材料15a内に位置する空間域16の円筒形の輪郭19と交差するように、選択されている。この配置は、比較的柔軟に作用し、しかも引き続き安定した減衰装置9を形成できる。空間域16は、水が溜まることがない、上下逆に配置された凹部として構成されてもよい。さらに、空間域16は、減衰装置9内に位置する中空室として構成されてもよい。軸がずらされた配置又はずらされていない配置で、空間域16のどの組合せを選択するかは、歩行装置1,1’の製造者に委ねられたままである。さらに、個々の空間域16の空間範囲をどのような大きさに設定するかは、製造者に委ねられたままである。空間域16は、同一の大きさに選択しても、様々な大きさを組み合わせて選択してもよい。貫通部18又は凹部として構成された空間域16は、例えば適切な公知の切削工具を用いてフォーム材料板15、15a等に切削加工してもよい。空間域16についてどの断面形状及び配置を選択すべきかについては、フォーム材料板15、15a等のそれぞれの強度に依存する。空間域16のそれぞれの空間範囲又は大きさ又は空間容積は、フォーム材料板15、15a等、ひいては減衰装置9の個々の細孔の空間範囲よりもあらゆる場合に常により大きい。減衰装置9は、既に説明したように、市販の少なくとも1つのフォーム材料板15から製作されてよい。しかも、空間領域16を有して又は有さずに構成された減衰装置9を、型を基にして形成されるプラスチックフォーム部材として製造することも可能であり、この場合、例えば下面10だけが空間的に湾曲して下向きに撓んでいる。これと同じことが支持装置2にも適用可能である。
図1
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【国際調査報告】