(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240517BHJP
G03F 7/26 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/26 511
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576424
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 CN2022097391
(87)【国際公開番号】W WO2022257923
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202110653553.7
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523464989
【氏名又は名称】上▲海▼▲微▼起光▲電▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】高 ▲藝▼佼
【テーマコード(参考)】
2H196
2H197
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA01
2H196BA09
2H196EA02
2H196GA09
2H196HA17
2H196HA23
2H196KA03
2H196KA05
2H197AB11
2H197BA11
2H197CA03
2H197CA06
2H197CA09
2H197CA10
2H197CE01
2H197CE10
2H197DB06
2H197HA03
2H197JA12
2H197JA14
2H197JA17
(57)【要約】
本発明は、2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法に係り、該方法は、(1)基板上に1層のポジ型フォトレジストを塗布して乾燥し、さらにポジ型フォトレジストの上に1層のネガ型フォトレジストを塗布して乾燥するステップと、(2)露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスクを用いて、またはフォーカス直描により、2層のフォトレジストを露光し、そして乾燥するステップと、(3)ネガ型フォトレジストをネガ型現像液で現像するステップと、(4)ポジ型フォトレジストをポジ型現像液で制御可能に現像するステップと、(5)材料堆積技術又はエッチング技術により、基板材料上にパターンを形成するステップと、(6)フォトレジストを除去するステップとを含む。本発明の方法は、従来の1回露光のフォトリソグラフィ技術と比較して簡単であり、パターンを輪郭化することにより、従来技術よりも小さい線幅を実現することができ、該方法は、半導体プロセスに広く適用でき、広く研究されて応用される価値がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法であって、
(1)基板上に1層のポジ型フォトレジストをスピンコートして乾燥し、さらにポジ型フォトレジストの上にポジ型フォトレジストに適合する1層のネガ型フォトレジストをスピンコートして乾燥するステップと、
(2)露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスクを用いて、またはフォーカス直描により、2層のフォトレジストを露光し、ネガ型フォトレジストとポジ型フォトレジストにそれぞれ異なる大きさの露光パターンを形成し、そして乾燥するステップと、
(3)ネガ型フォトレジストをネガ型現像液で現像するステップと、
(4)ポジ型フォトレジストをポジ型現像液で制御可能に現像し、ポジ型フォトレジスト上の露光パターンのエッジ部のみを洗い流し、基板材料を露出するステップと、
(5)材料堆積技術又はエッチング技術で、基板材料上にパターンを形成するステップと、
(6)フォトレジストを除去するステップと、
を含むことを特徴とする2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項2】
ステップ(4)を実行することにより、ステンシルパターンを輪郭線型パターンに変換し、
ステップ(5)を実行することにより、輪郭線型パターンを基板材料上に転写する
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項3】
前記スピンコートの過程は、500~8000rpmの回転速度でスピンコートすることを含み、スピンコート後の乾燥温度は30~300℃である
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項4】
前記露光は1回露光の方式を使用している
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項5】
前記露光は複数回露光の方式を使用している
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項6】
前記露光源は紫外光源、深紫外光源、極端紫外光源、イオンビーム、電子線又はX線を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項7】
前記露光源の波長は1~500nmであり、露光後の乾燥温度は30~300℃である
ことを特徴とする請求項1又は6に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項8】
前記ポジ型フォトレジストは、ポジ型紫外フォトレジスト、ポジ型深紫外フォトレジスト、ポジ型極端紫外フォトレジスト、ポジ型電子線フォトレジスト、ポジ型イオンビームフォトレジスト又はポジ型X線フォトレジストを含み、
前記ネガ型フォトレジストは、ネガ型紫外フォトレジスト、ネガ型深紫外フォトレジスト、ネガ型現像深紫外フォトレジスト、ネガ型極端紫外フォトレジスト、ネガ型電子線フォトレジスト、ネガ型イオンビームフォトレジスト又はポジ型X線フォトレジストを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項9】
前記現像液は、使用するフォトレジストに対応する現像液である
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項10】
前記ステンシルパターンの特徴線幅または特徴サイズは2nm~1000μmである
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項11】
前記材料堆積技術は、電気化学堆積、メッキ、CVD堆積、レーザースパッタリング、マグネトロンスパッタリング、熱蒸着、電子ビーム蒸着、または原子堆積を含み、これらに限定されず、
前記エッチング技術はウェットエッチングまたはドライエッチングを含み、前記ウェットエッチングは電気化学的エッチングまたは選択的エッチング液体エッチングを含み、前記ドライエッチングはイオンエッチングまたは化学反応イオンエッチングを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項12】
ステップ(2)では、投影式露光により、露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスクを透過して、2層のフォトレジストを露光する
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項13】
ステップ(2)では、遮蔽式露光により、露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスクを透過して、2層のフォトレジストを露光する
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項14】
ステップ(2)では、反射式露光により、露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスク上で反射することで、2層のフォトレジストを露光する
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項15】
前記フォーカス直描は、紫外光直描、深紫外光直描、極端紫外光直描、イオンビーム直描、電子ビーム直描またはX線直描を含み、これらに限定されない
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項16】
前記基板材料は、半導体、金属、絶縁体、ポリマーまたは複合材料を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【請求項17】
スピンコーティング部、乾燥部、露光部、現像部、堆積エッチング部、及びフォトレジスト除去部を備えるフォトリソグラフィシステムであって、
(1)スピンコーティング部により基板上に1層のポジ型フォトレジストをスピンコートして、乾燥部により乾燥し、さらにスピンコーティング部によりポジ型フォトレジストの上にポジ型フォトレジストに適合する1層のネガ型フォトレジストをスピンコートして、乾燥部により乾燥するステップと、
(2)露光部により、露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスクを用いて、またはフォーカス直描により、2層のフォトレジストを露光し、ネガ型フォトレジストとポジ型フォトレジストにそれぞれ異なる大きさの露光パターンを形成し、そして乾燥部により乾燥するステップと、
(3)現像部によりネガ型フォトレジストをネガ型現像液で現像するステップと、
(4)現像部によりポジ型フォトレジストをポジ型現像液で制御可能に現像し、ポジ型フォトレジスト上の露光パターンのエッジ部のみを洗い流し、基板材料を露出するステップと、
(5)堆積エッチング部により材料堆積技術又はエッチング技術で、基板材料上にパターンを形成するステップと、
(6)フォトレジスト除去部によりフォトレジストを除去するステップと、
を実行するフォトリソグラフィシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のフォトリソグラフィシステムを制御して各ステップを実行するフォトリソグラフィシステム制御方法。
【請求項19】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを備えたコンピュータ装置であって、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する際に請求項18に記載のフォトリソグラフィシステム制御方法を実現することを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項20】
プロセッサによって実行される際に請求項18に記載のフォトリソグラフィシステム制御方法を実現するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体微細構造加工技術の分野に関し、特に2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の急速な発展は、関連する製造プロセスであるフォトリソグラフィ技術の発展に依存しており、フォトリソグラフィ技術はこれまでに達成できる最高精度の加工技術である。フォトリソグラフィ技術は精密な微細加工技術である。従来のフォトリソグラフィ技術は、波長135-4500 Åの紫外光を画像情報担体とし、フォトレジストを中間あるいは画像記録媒体とし、パターンの変換、転写、処理を実現し、最終的に画像情報をウエハ、主にシリコンウエハ、あるいは媒体層に伝達するプロセスである。
【0003】
原理的には、フォトリソグラフィ技術とは、光照射の下で、フォトレジスト(別名Photoresist)を介してマスク上のパターンを基板上に転写する技術である。その主な過程としては、まずマスクを通してフォトレジスト薄膜が付着した基板表面に紫外光を照射し、露光領域のフォトレジストを化学反応させること、次に、現像技術により露光領域または未露光領域のフォトレジストを溶解除去して、マスク上のパターンをフォトレジスト薄膜上に複製すること、最後に、エッチング技術を用いてパターンを基板上に転写することである。このうち、フォトレジストは主にポジ型フォトレジストとネガ型フォトレジストに分けることができる。ポジ型フォトレジストは、露光部が光化学反応して現像液に溶解するが、未露光部は現像液に溶解しないという特性を有する。ネガ型フォトレジストは、露光部は架橋硬化や光化学反応により現像液に不溶であり、未露光部は現像液に可溶であるという特性を有する。
【0004】
フォトリソグラフィは集積回路の最も重要な加工プロセスであり、その役割は、金工作業場の旋盤の役割のようである。チップ製造プロセス全体のうち、ほぼすべてのプロセスの実施には、フォトリソグラフィの技術が欠かせない。フォトリソグラフィはチップ製造の最も重要な技術でもあり、チップ製造コストの35%以上を占めている。
【0005】
フォトリソグラフィ技術は、露光源によって、主に、一般的な光源として紫外光源(UV)、深紫外光源(DUV)、極端紫外光源(EUV)を含む光リソグラフィと、一般的には主にX線、電子ビーム及びイオンビームリソグラフィなどを含む粒子ビームリソグラフィとに分けられる。
【0006】
通常、光リソグラフィでは、UVは1ミクロン程度のパターン解像度しか実現できない。一方、DUVやEUVなどはより高い解像度を実現するものの、業界大手しか手に入れることができない高価な機器を使う必要がある。また、粒子ビームリソグラフィにおいて、電子ビームリソグラフィ、集束イオンビームリソグラフィもある程度解像度を高めることができるが、時間がかかり、何回もサイクルする描画工程が必要であり、作業効率を大幅に低下させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を克服するために、方法が簡単であり、従来技術よりも線幅が小さく、半導体プロセスに広く適用可能であり、広く研究及び応用価値を有する2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法を提供することである。
【0008】
本発明の目的は、以下の技術的方案によって達成することができる:
ポジとネガ型のフォトレジスト、すなわちポジ型フォトレジストとネガ型フォトレジストの光源に対する応答の違いと露光中に得られる露光エネルギーの違いを利用して、互に適合するポジとネガ型のフォトレジストを実際に現像した後のパターンの大きさの違いを利用して、元のパターンの特徴に基づく輪郭線型パターンを得て、輪郭線幅が元のパターンの特徴線幅より小さいことと線密度の倍増を実現して、その後、基板材料或いは堆積材料に対するエッチング工程を結合することによって、パターンを更に目標材料に転写することができる。具体的な方案は以下の通りである:
2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法であって、
(1)基板材料を洗浄し、基板上に1層のポジ型フォトレジストを塗布して乾燥し、さらにポジ型フォトレジストの上に1層のネガ型フォトレジストを塗布して乾燥するステップと、
(2)露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスクを用いて、またはフォーカス直描により、2層のフォトレジストを露光し、露光後、ネガ型フォトレジストとポジ型フォトレジストにそれぞれ異なる大きさの露光パターンを形成し、そして乾燥するステップと、
(3)ネガ型フォトレジストをネガ型現像液で現像するステップと、
(4)ポジ型フォトレジストをポジ型現像液で制御可能に現像し、ポジ型フォトレジスト上の露光パターンのエッジ部のみを洗い流し、基板材料を露出するステップと、
(5)材料堆積技術又はエッチング技術で、基板材料上にパターンを形成するステップと、
(6)フォトレジストを除去するステップと、
を含む2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法。
【0009】
さらに、上記ステップ(4)を実行することにより、ステンシルパターンを輪郭線型パターンに変換し、上記ステップ(5)を実行することにより、輪郭線型パターンを基板材料に転写する。
【0010】
さらに、前記基板材料は、半導体、金属、絶縁体、ポリマーまたは複合材料を含む。例えば、シリコンウエハや表面にシリコン酸化膜を付着させたシリコンウエハである。
【0011】
さらに、シリコンウエハ基板上で2層リソグラフィ後の輪郭線型パターンを堆積材料に転写する方法であって、具体的には以下のステップを含む:
(1)ポジ型フォトレジストをスピンコートする:洗浄後のシリコンウエハをスピンコート装置に置き、真空固定し、ポジ型フォトレジストをスプレーまたは滴下塗布し、フォトレジストのスピンコートを行い、その後乾燥すること、
(2)ネガ型フォトレジストをスピンコートする:冷却後のシリコンウエハをスピンコート装置に置き、真空固定し、ネガ型フォトレジストをスプレーまたは滴下塗布し、ネガ型フォトレジストのスピンコートを行い、その後乾燥すること、
(3)露光:以上のステップを経たシリコンウエハ基板を露光台に密着固定し、露光源の下に置き、光源をオンし、マスクまたは露光源焦点合わせ装置を介して露光操作を行い、フォトレジストペアセットの種類とフォトレジスト層の厚さに基づいて露光時間または露光量を調整し、露光が終了した後、露光されたシリコンウエハを加熱テーブルに移動して乾燥させること、
(4)現像:
ポストベークが終了し、シリコンウエハが室温まで冷却された後、別々に現像を行い、過程としては、フォトリソグラフィ後のシリコンウエハをネガ型フォトレジスト現像液に入れて、シリコンウエハ上の未露光のネガ型フォトレジストを洗浄し、その後、シリコンウエハを取り出して脱イオン水で洗浄し、窒素ガスで乾かし(なお:ポジとネガ型フォトレジストの現像液が同じである場合、脱イオン水洗浄ステップは省略できる)、
さらにシリコンウエハをポジ型フォトレジスト現像液中に置き、露光されたネガ型フォトレジストの下にある露光されていないポジ型フォトレジストを完全に除去しておらず、その後、シリコンウエハを取り出して脱イオン水で洗浄し、窒素ガスで乾かして、ステンシルパターンに基づく輪郭線型パターンを作製する。
(6)材料堆積(金属材料の場合):現像後のシリコンウエハを蒸着装置内に置き、5ナノメートルのチタン薄膜と50ナノメートルの金薄膜をそれぞれ熱蒸着し、5ナノメートルのチタン薄膜を金薄膜の接着層とする。
(7)フォトレジスト除去:キャビティを冷却した後、真空を解除し、メッキ後のシリコンウエハを取り出す。シリコンウエハをアセトンに浸漬し、フォトレジストが全て除去されるまで超音波洗浄し、金属輪郭線型パターンが残る。
【0012】
さらに、表面に厚いシリコン酸化膜が成長したシリコンウエハの表面にシリコン酸化物の輪郭線型パターンを作製することについて、具体的には以下のステップを含む:
(1)ポジ型フォトレジストをスピンコートする:酸化シリコンウエハについて、ポジ型フォトレジストのスピンコートを行い、その後乾燥すること、
(2)ネガ型フォトレジストをスピンコートする:冷却後のシリコンウエハをスピンコート装置に置き、真空固定し、ネガ型フォトレジストのスピンコートを行い、その後乾燥すること、
(3)露光:以上のステップを経たシリコンウエハ基板を露光台に密着固定し、露光源の直下に置き、光源をオンし、マスクまたは露光源焦点合わせ装置を介して露光操作を行い、フォトレジストペアセットの種類とフォトレジスト層の厚さに基づいて露光時間または露光量を調整し、露光が終了した後、露光されたシリコンウエハを加熱テーブルに移動して乾燥させること、
(4)現像:
ポストベークが終了し、シリコンウエハが室温まで冷却された後、別々に現像を行い、過程としては、フォトリソグラフィ後のシリコンウエハをネガ型フォトレジスト現像液に入れて、シリコンウエハ上の未露光のネガ型フォトレジストを洗浄し、その後、シリコンウエハを取り出して脱イオン水で洗浄し、窒素ガスで乾かし(なお:ポジとネガ型フォトレジストの現像液が同じである場合、脱イオン水洗浄ステップを省略できる)、
さらにシリコンウエハをポジ型フォトレジスト現像液中に置き、露光されたネガ型フォトレジストの下にある露光されていないポジ型フォトレジストを完全に除去しておらず、その後、シリコンウエハを取り出して脱イオン水で洗浄し、窒素ガスで乾かして、ステンシルパターンに基づく輪郭線型パターンを作製する。
(5)ドライエッチング:シリコンウエハをイオンエッチング機内に置き、プラズマガスによりシリカマスク層をエッチングすれば、正方形の輪郭線型パターンで、あらかじめ堆積していたシリカ層を除去し、下のシリコンベースを露出させることができる。
(6)フォトレジスト除去:シリコンウエハをアセトンに浸漬し、フォトレジストが全て除去されるまで超音波洗浄し、シリカの正方形輪郭線を作製する。
【0013】
さらに、前記スピンコート過程は、500~8000rpmの回転速度でスピンコートすることを含み、スピンコート後の乾燥温度は30℃~300℃である。
【0014】
さらに、前記スピンコート過程は、2000~8000rpmの回転速度で30~40sスピンコートすることを含み、スピンコート後の乾燥温度は90~100℃、時間は30~90秒である。
【0015】
さらに、前記露光は1回露光の方式を使用している。
【0016】
さらに、前記露光は複数回露光の方式を使用してもよい。すなわち、より短い時間またはより少ない線量の複数回露光に分けて重ねて実現してもよい。さらに、前記露光源は、紫外光源、深紫外光源、極端紫外光源、イオンビーム、電子線、又はX線であってもよい。
【0017】
さらに、前記露光源の波長が1~500nmであり、露光後の乾燥温度が30~300℃である。
【0018】
さらに、前記露光源の波長が350~400nmであり、露光後の乾燥温度が95~105℃である。
【0019】
さらに、前記ポジ型フォトレジストは、ポジ型紫外フォトレジスト、ポジ型深紫外フォトレジスト、ポジ型極端紫外フォトレジスト、ポジ型電子線フォトレジスト、ポジ型イオンビームフォトレジストまたはポジ型X線フォトレジストを含み、MICROPOSIT S1800シリーズフォトレジスト、BCI-3511フォトレジスト、AZシリーズフォトレジスト(例えば、AZ111、AZ1500、AZ3300、AZ4999、AZ6600、AZ8112、AZ3000、AZ1075、AZ700、AZ900)、HNR 500シリーズフォトレジスト、OiRシリーズフォトレジスト、TDMR-AR80 HP 6CP、PR1シリーズフォトレジスト、ma-P 1200シリーズフォトレジスト、SPRシリーズフォトレジスト(例えばSPR 220、SPR 660、SPR3000など)、PMMAシリーズフォトレジストなどを含む。
【0020】
前記ネガ型フォトレジストは、ネガ型紫外フォトレジスト、ネガ型深紫外フォトレジスト、ネガ型現像深紫外フォトレジスト、ネガ型極端紫外フォトレジスト、ネガ型電子線フォトレジスト、ネガ型イオンビームフォトレジスト、又はネガ型X線フォトレジストを含み、NANO SU-8 Seriesシリーズ、HSQ、AZシリーズフォトレジスト(例えば、AZ N4000、AZ N6000)、HNRシリーズフォトレジスト、SCシリーズフォトレジスト、ma-Nシリーズフォトレジスト(例えば、ma-N 400、ma-N 1400)、AZ nLOF 2000 Series(登録商標)、AZ nLOF 5500 Photoresis(登録商標)、NR7-PY Series、NR9-PY Series、JSR WPR Series、NR71 Series NR9 Seriesなどを含み、これらに限定されない。
【0021】
さらに、フォトレジスト現像液は、一般的には、使用するフォトレジストに対応する現像液である。例えば、ポジ型フォトレジスト現像液はTMAH2.38%、MF-26Aであってもよく、ネガ型フォトレジスト現像液はTMAH2.38%、SU-8 developerなどであってもよい。
【0022】
さらに、前記ステンシルパターンの特徴線幅または特徴サイズは2nm-1000μmである。
【0023】
さらに、前記ステンシルパターンの特徴線幅または特徴サイズは2nm-1μmである。
【0024】
さらに、前記材料堆積技術は、電気化学堆積、メッキ、CVD堆積、レーザースパッタリング、マグネトロンスパッタリング、熱蒸着、電子ビーム蒸着、または原子堆積を含み、これらに限定されない。
【0025】
前記エッチング技術は、ウェットエッチングまたはドライエッチングを含み、前記ウェットエッチングは、電気化学的エッチングまたは選択的エッチング液体エッチングを含み、前記ドライエッチングは、イオンエッチングまたは化学反応イオンエッチングを含む。
【0026】
さらに、露光のステップでは、投影式露光により、露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスクを透過して、2層のフォトレジストを露光する。
【0027】
さらに、露光のステップでは、遮蔽式露光により、露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスクを透過して、2層のフォトレジストを露光する。
【0028】
さらに、露光のステップでは、反射式露光により、露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスク上で反射することで、2層のフォトレジストを露光する。
【0029】
さらに、前記フォーカス直描は、紫外光直描、深紫外光直描、極端紫外光直描、イオンビーム直描、電子ビーム直描またはX線直描を含み、これらに限定されない。
【0030】
さらに、前記基板材料は、半導体、金属、絶縁体、ポリマーまたは複合材料を含む。
【0031】
本発明は、さらにフォトリソグラフィシステムを提供し、スピンコーティング部、乾燥部、露光部、現像部、堆積エッチング部、及びフォトレジスト除去部を備え、前記フォトリソグラフィシステムは、
(1)スピンコーティング部により基板上に1層のポジ型フォトレジストをスピンコートして、乾燥部により乾燥し、さらにスピンコーティング部によりポジ型フォトレジストの上にポジ型フォトレジストに適合する1層のネガ型フォトレジストをスピンコートして、乾燥部により乾燥するステップと、
(2)露光部により、露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスクを用いて、またはフォーカス直描により、2層のフォトレジストを露光し、ネガ型フォトレジストとポジ型フォトレジストにそれぞれ異なる大きさの露光パターンを形成し、そして乾燥部により乾燥するステップと、
(3)現像部によりネガ型フォトレジストをネガ型現像液で現像するステップと、
(4)現像部によりポジ型フォトレジストをポジ型現像液で制御可能に現像し、ポジ型フォトレジスト上の露光パターンのエッジ部のみを洗い流し、基板材料を露出するステップと、
(5)堆積エッチング部により材料堆積技術又はエッチング技術で、基板材料上にパターンを形成するステップと、
(6)フォトレジスト除去部によりフォトレジストを除去するステップと、
を実行する。
【0032】
本発明は、さらに上記フォトリソグラフィシステムを制御して各ステップを実行するフォトリソグラフィシステム制御方法を提供する。
【0033】
本発明は、さらにメモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを備えたコンピュータ装置であって、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する際に上記フォトリソグラフィシステム制御方法を実現することを特徴とするコンピュータ装置を提供する。
【0034】
本発明は、さらにプロセッサによって実行される際に上記フォトリソグラフィシステム制御方法を実現するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【0035】
従来技術と比較して、本発明は以下の利点を有する:
(1)本発明は、効率が高く、コストが低く、操作が簡単であるという従来のフォトリソグラフィの特徴を継続しており、サブミクロン解像度のパターン作製における従来のフォトリソグラフィの限界を補う。
(2)本発明は、元のマスクパターンに対する寸法の微細化を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図3】実施例1で作製された金ナノワイヤパターンである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面および具体的実施例と合わせて、本発明を詳しく説明する。本実施例は、本発明の技術的方案を前提として実施され、詳細な実施形態及び具体的な動作手順が示されているが、本発明の保護範囲は以下の実施例に限定されない。
【0038】
<2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法>
本発明は2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法を提供し、該方法は以下のステップを含み:
(1)基板上にポジ型フォトレジストを塗布し、乾燥して、
さらにポジ型フォトレジストの上にネガ型フォトレジストを塗布し、乾燥すること、
ポジ型フォトレジストは、ポジ型紫外フォトレジスト、ポジ型深紫外フォトレジスト、ポジ型極端紫外フォトレジスト、ポジ型電子線フォトレジスト、ポジ型イオンビームフォトレジスト又はポジ型X線フォトレジストを含む。ネガ型フォトレジストは、ネガ型紫外フォトレジスト、ネガ型深紫外フォトレジスト、ネガ型極端紫外フォトレジスト、ネガ型電子線フォトレジスト、ネガ型イオンビームフォトレジスト又はネガ型X線フォトレジストを含む。
【0039】
実際、異なる型番のポジとネガ型のフォトレジストは事前に適合度を確認する必要があり、以下に2つのポジとネガ型のフォトレジストペアセットを提供する:第1グループとしては、ポジ型フォトレジスト型番はSPR 660、ネガ型フォトレジスト型番はSU-82であり、第二グループとしては、ポジ型フォトレジスト型番はAZ 1500、ネガ型フォトレジスト型番はAZ nlof 2020であり、
ポジ型フォトレジスト(例えばSPR 660、AZ 1500)をスピンコートする過程としては、まず800-1000rpmの回転速度で5-10秒間スピンコートし(このステップは省略可能)、そして2000-5000rpmの回転速度で30-40秒間スピンコートし、90-100℃で30-50秒間ベークする。
【0040】
ネガ型フォトレジスト(例えばSU-82、AZ nlof2020)をスピンコートする過程としては、まず800-1000rpmの回転速度で5-10秒間スピンコートし(このステップは省略可能)、そして4000-8000rpmの回転速度で30-40秒間スピンコートし、95-100℃で60-90秒間ベークする。異なる回転速度により、フォトレジスト膜厚の程度が決定される。異なる膜厚に応じて、プリベークの温度、時間、及びその後の露光量、露光時間、現像時間等を調整する。
【0041】
ここで、基板材料は、半導体、金属、絶縁体、ポリマーまたは複合材料を含む。
【0042】
(2)露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスクを用いて、またはフォーカス直描により、2層のフォトレジストを1回露光し、露光後、ネガ型フォトレジストとポジ型フォトレジストにそれぞれ異なる大きさの露光パターンを形成し、そして乾燥する。ここで、露光源は、紫外光源、深紫外光源、極端紫外光源、イオンビーム、電子線又はX線を含む。フォーカス直描は、紫外光直描、深紫外光直描、極端紫外光直描、イオンビーム直描、電子ビーム直描またはX線直描を含む。ステンシルパターンの特徴線幅または特徴サイズは2nm-1000μmである。
【0043】
プリベークされたシリコンウエハをマスクの下に固定した後、紫外光源の下に置き、紫外光源をオンしてフォトリソグラフィを行い、使用するポジ-ネガ型フォトレジストペアセットに応じて露光時間を調整する。前述のペアの例では、SPR 660とSU-82、AZ 1500とAZ nlof2020のフォトレジストペアセットには、波長350-400nmにおける100-200mJ/cm2の露光フラックスが適用している。UV波長の使用と露光フラックスは、下層のポジ型フォトレジスト(SPR 660、AZ 1500など)が十分な露光フラックスを得られることを確保するために、異なる厚さのネガ型フォトレジスト(SU-82、AZ nlof2020など)の紫外線吸収効果を考慮しなければならない。SPR660およびSU-82、AZ1500およびAZ nlof 2020のフォトレジストペアセットは、特定の波長における露光フラックスに対して応答が異なるので、マスクパターンに基づく異なるサイズのパターンを得ることができる。
【0044】
(3)ネガ型フォトレジストをネガ型現像液で現像すること、
(4)ポジ型フォトレジストをポジ型現像液で制御可能に現像し、ポジ型フォトレジスト上の露光パターンのエッジ部のみを洗い流し、基板材料を露出することで、ステンシルパターンを輪郭線型パターンに変換し、
上記のペアの例では、露光終了後、マスクを取り外し、露光済みのシリコンウエハを加熱ステージに移し、95-105℃で40-90秒間ベークする。ポストベークが終了し、それぞれの現像が行われる。その過程としては、フォトリソグラフィ後のシリコンウエハを、対応するネガ型フォトレジスト現像液(例えば、SU-8developer、TMAH-2.38%)中に配置して、シリコンウエハ上の未露光のネガ型フォトレジストを洗浄する。その後シリコンウエハを取り出して水で洗浄し、窒素ガス流で乾かし、次に、対応するポジ型フォトレジスト現像液(例えば、MF-26A、TMAH-2.38%)中にシリコンウエハを配置して、シリコンウエハ上の露出された未露光のポジ型フォトレジストを洗浄し、露出されたネガ型フォトレジストの下の未露光のネガ型フォトレジストを完全に除去しておらず、その後、シリコンウエハを取り出して水で洗浄し、窒素ガス流で乾かす。ステンシルパターンに基づく中抜き線状パターンを作製する。
【0045】
現像液を選択する際に、選択された現像液の主成分が異なる場合には、ネガ型フォトレジストの現像液がポジ型フォトレジストに作用することがなく、現像の段階的な進行が保証され、最高品質のパターンを得ることができる。また、研究の結果、使用するネガ型現像液で同時にポジ型フォトレジストを現像する場合、2ステップの現像時間を重ね合わせることで、未露光のネガ型フォトレジストを除去した後、ポジ型フォトレジストの部分現像を実現し、走査型電子顕微鏡で確認した結果、外郭のパターニングに顕著な影響を及ぼさない。以上のことから、実験前には、ポジ型フォトレジストとネガ型フォトレジスト、及び対応する現像液のクロス実験を行い、最適な現像プロセスを策定する必要がある。
【0046】
(5)材料堆積技術またはエッチング技術により、輪郭線型パターンを基板材料に転写すること。ここで、材料堆積技術としては、電気化学堆積、メッキ、CVD堆積、レーザースパッタリング、マグネトロンスパッタリング、熱蒸着、電子ビーム蒸着、原子蒸着が挙げられる。エッチング技術には、ウェットエッチングまたはドライエッチングが含まれる。前記ウェットエッチングは、電気化学的エッチングまたは選択的エッチング液体エッチングを含み、前記ドライエッチングは、イオンエッチングまたは化学反応イオンエッチングを含む。
【0047】
(6)フォトレジストを除去すること。
【0048】
<フォトリソグラフィシステム>
本発明は、さらにフォトリソグラフィシステムを提供し、スピンコーティング部、乾燥部、露光部、現像部、堆積エッチング部、及びフォトレジスト除去部を備え、前記フォトリソグラフィシステムは前記2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法を実施するものである。具体的には、
(1)スピンコーティング部により基板上に1層のポジ型フォトレジストをスピンコートして、乾燥部により乾燥し、さらにスピンコーティング部によりポジ型フォトレジストの上にポジ型フォトレジストに適合する1層のネガ型フォトレジストをスピンコートして、乾燥部により乾燥するステップと、
(2)露光部により、露光源の下で、ステンシルパターンを有するフォトマスクを用いて、またはフォーカス直描により、2層のフォトレジストを露光し、ネガ型フォトレジストとポジ型フォトレジストにそれぞれ異なる大きさの露光パターンを形成し、そして乾燥部により乾燥するステップと、
(3)現像部によりネガ型フォトレジストをネガ型現像液で現像するステップと、
(4)現像部によりポジ型フォトレジストをポジ型現像液で制御可能に現像し、ポジ型フォトレジスト上の露光パターンのエッジ部のみを洗い流し、基板材料を露出するステップと、
(5)堆積エッチング部により材料堆積技術又はエッチング技術で、基板材料上にパターンを形成するステップと、
(6)フォトレジスト除去部によりフォトレジストを除去するステップと、
を実行する。
【0049】
本発明は、さらに上記フォトリソグラフィシステムを制御して各ステップを実行するフォトリソグラフィシステム制御方法を提供する。
【0050】
本発明は、さらにメモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを備えたコンピュータ装置であって、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する際に上記フォトリソグラフィシステム制御方法を実現することを特徴とするコンピュータ装置を提供する。
【0051】
本発明は、さらにプロセッサによって実行される際に上記フォトリソグラフィシステム制御方法を実現するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【0052】
<実施例>
以下、本発明の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法の具体的な実施形態について詳しく説明する。
【0053】
実施例1
本実施例1では、ポジネガ2層フォトレジストのフォトリソグラフィ技術に基づく金ナノワイヤアレイの作製プロセスは
図1に示すように、具体的には以下のステップを含む:
(1)シリコンウエハの洗浄:
濃硫酸で20-30分間超音波洗浄し、
脱イオン水で20-30分間超音波洗浄し、
エタノールで20-30分間超音波洗浄し、
シリコンウエハ基板を窒素ガスで乾燥し、ドライエッチング装置に配置し、酸素プラズマエッチングにより1-2分間洗浄する。
【0054】
(2)ポジ型フォトレジストをスピンコートする
洗浄後のシリコンウエハをスピンコート装置に配置し、真空固定する。ポジ型フォトレジストSPR660またはAZ1500をビュレットにより2~4滴滴下塗布し、800rpm×5s+2500rpm×30sの条件でフォトレジストのスピンコートを行い、95-100℃で40秒間ベークする。
【0055】
(3)ネガ型フォトレジストをスピンコートする
冷却されたシリコンウエハをスピンコート装置に配置し、真空固定する。ネガ型フォトレジストSU-82またはAZnlof2020をビュレットにより2~4滴滴下塗布し、1000rpm×5s+4000rpm×40sの条件でフォトレジストのスピンコートを行い、100-110℃で60秒間ベークする。
【0056】
(4)紫外線露光
以上のステップを経たシリコンウエハ基板を5μmラインアレイのマスク下に密着固定し、真空にして紫外線光源の直下に置き、光源をオンしてフォトリソグラフィ作業を行う。フォトレジストペアセットの種類とフォトレジスト層の厚さに応じて露光時間を調整する。露光終了後、マスクを取り外し、露光したシリコンウエハを加熱ステージに移動し、100℃で45秒間ベークする。ここで、露光フラックスは、例えば100mJ/cm2であり、必要に応じて変更することができる。
【0057】
(5)現像
ポストベークが終了し、シリコンウエハが室温まで冷却された後、別々に現像を行い、その過程としては:フォトリソグラフィ後のシリコンウエハを対応するネガ型フォトレジスト現像液SU-8 developerまたはTMAH-2.38%中に置き、シリコンウエハ上の未露光のネガ型フォトレジストを洗浄し、その後、シリコンウエハを取り出して脱イオン水で洗浄し、窒素ガス流で乾かし(なお:ポジとネガ型フォトレジストの現像液が同じである場合に、脱イオン水洗浄と窒素ガス乾かしのステップは省略できる)、
さらにシリコンウエハを対応するポジ型フォトレジスト現像液MF-26AまたはTMAH-2.38%中に置き、露光されたネガ型フォトレジストの下にある未露光のポジ型フォトレジストを完全に除去しておらず、その後、シリコンウエハを取り出して水で洗浄し、窒素ガス流で乾かす。ステンシルパターンに基づく輪郭線型パターンを作製する。
【0058】
(6)材料の堆積
現像後のシリコンウエハを蒸着装置内に置き、分子ポンプで10-6Paとなるように真空にして、5ナノメートルのチタン薄膜を1Å/sの速度で、50ナノメートルの金薄膜を0.5Å/sの速度で熱蒸着した。金薄膜の接着層として5nmのチタン薄膜を用いる。
【0059】
(7)フォトレジストの除去
キャビティを冷却した後、真空を解除して、メッキを施した後のシリコンウエハを取り出す。シリコンウエハをアセトンに浸漬し、フォトレジストが全て除去されるまで超音波洗浄し、線幅~200nmの金ナノワイヤパターンを残す。この方法で得られた金属ナノワイヤの走査型電子顕微鏡写真は、
図3に示すように、特性線幅が200nm未満である。
【0060】
実施例2
本実施例2では、ポジネガ2層フォトレジストのフォトリソグラフィ技術に基づいて、100nmの厚さのシリコン酸化膜を表面に成長させたシリコンウエハの表面にシリコン酸化物の輪郭化パターンを作成する過程を
図2に示す。具体的には、以下のステップを含む:
(1)ポジ型フォトレジストをスピンコートする
シリコン酸化物シリコンウエハについて、2500rpmの条件で、ポジ型フォトレジストSPR660またはAZ1500を30~40秒間スピンコートした後、95~100℃で40秒間ベークする。
【0061】
(2)ネガ型フォトレジストをスピンコートする
冷却されたシリコンウエハをスピンコート装置に配置し、真空固定する。4000rpmの条件下で、ネガ型フォトレジストSU-82またはAZnlof2020を30~40秒間スピンコートし、100~110℃で60秒間ベークする。
【0062】
(3)紫外線露光
以上のステップを経たシリコンウエハ基板を5μm正方形パターンのマスク下に密着固定し、真空にして紫外線光源の直下に置き、光源をオンしてフォトリソグラフィ作業を行う。フォトレジストペアセットの種類とフォトレジスト層の厚さに応じて露光時間を調整する。露光終了後、マスクを取り外し、露光したシリコンウエハを加熱ステージに移動し、100℃で45秒間ベークする。ここで、露光フラックスは、例えば100mJ/cm2であり、必要に応じて変更することができる。
【0063】
(4)現像
ポストベークが終了し、シリコンウエハが室温まで冷却された後、別々に現像を行い、その過程としては:フォトリソグラフィ後のシリコンウエハをネガ型フォトレジスト現像液SU-8 developerまたはTMAH-2.38%中に置き、シリコンウエハ上の未露光のネガ型フォトレジストを洗浄し、その後、シリコンウエハを取り出して脱イオン水で洗浄し、窒素ガス流で乾かし(なお:ポジとネガ型フォトレジストの現像液が同じである場合に、脱イオン水洗浄と窒素ガス乾かしのステップは省略できる)、
さらにシリコンウエハをポジ型フォトレジスト現像液MF-26AまたはTMAH-2.38%中に置き、露光されたネガ型フォトレジストの下にある未露光のポジ型フォトレジストを完全に除去しておらず、その後、シリコンウエハを取り出して水で洗浄し、窒素ガス流で乾かす。ステンシルパターンに基づく正方形輪郭線型パターンを作製する。
【0064】
(5)ドライエッチング
シリコンウエハをイオンエッチング機内に置き、プラズマガスによりシリカマスク層をエッチングすることにより、正方形の輪郭線型パターンにおいて、先に堆積したシリカ層を除去し、下側のシリコン下地を露出させることができる。
【0065】
(6)フォトレジストの除去
シリコンウエハをアセトンに浸漬し、フォトレジストが全て除去されるまで超音波洗浄を行い、シリカの正方形輪郭線を作成する。
【0066】
実施例3
露光に関して、実施例1、2では、シリコンウエハ基板をマスクの下に密着固定して真空にし、紫外光源の下に置く露光方式を用いたが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明のポジネガ2層フォトレジストのフォトリソグラフィ技術は、投影露光の方式を使用することもできる。以下、本実施例3では、本発明のポジネガ2層フォトレジストのフォトリソグラフィ技術の主なステップについて、400nm未満の紫外光波長を有する投影型紫外フォトリソグラフィシステムを例に説明する。
【0067】
(1)ポジ型フォトレジストをスピンコートする
洗浄後のシリコンウエハをスピンコート装置に配置し、真空固定する。ポジ型フォトレジストをビュレットにより滴下塗布し、500rpm×5s+4000rpm×40sの条件でフォトレジストのスピンコートを行い、130℃で10秒間ベークする。
【0068】
(2)ネガ型フォトレジストをスピンコートする
冷却されたシリコンウエハをスピンコート装置に配置し、真空固定する。ネガ型フォトレジストをビュレットにより滴下塗布し、500rpm×5s+4000rpm×40sの条件でフォトレジストのスピンコートを行い、90℃で60秒間ベークする。
【0069】
(3)投影型紫外露光
以上のステップを経たシリコンウエハ基板を投影型リソグラフィ装置の試料台上に密着固定し、フォトマスクを透過させて投影型紫外露光を行う。フォトレジストペアセットの種類とフォトレジスト層の厚さに応じて露光時間を調整する。露光終了後、露光済みシリコンウエハを加熱ステージに移動し、110℃で90秒間ベークする。ここで、露光フラックスは、例えば100mJ/cm2であり、必要に応じて変更することができる。
【0070】
(4)現像
ポストベークが終了し、シリコンウエハが室温まで冷却された後、別々に現像を行い、その過程としては:フォトリソグラフィ後のシリコンウエハをネガ型フォトレジスト現像液(TMAH-2.38%)中に置き、シリコンウエハ上の未露光のネガ型フォトレジストを洗浄し、
ポジ型フォトレジスト現像液(TMAH-2.38%)を用いて、露光されたネガ型フォトレジストの下にある未露光のポジ型フォトレジストを部分的に現像して除去し、その後、シリコンウエハを取り出して水で洗浄し、窒素ガス流で乾かす。ステンシルパターンに基づく輪郭線型パターンを作製する。
【0071】
(5)その後にさらに材料堆積またはドライ/ウェットエッチングなどのステップと組み合わせて凸状または凹状の構造を実現することができるが、実施例1のステップ(6)(7)、実施例2のステップ(5)(6)と類似しているので、ここでは繰り返し説明しない。
【0072】
実施例4
露光については、実施例1、2では、シリコンウエハ基板をマスク下に密着固定して真空にし、紫外光源の直下に置く露光方式を用い、実施例3では、投影露光方式を用いた。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明のポジネガ2層フォトレジストのフォトリソグラフィ技術は、電子ビーム直描露光方式を使用することもできる。以下、本実施例4では、電子ビーム直描露光を用いた本発明のポジネガ2層フォトレジストのフォトリソグラフィ技術の主なステップについて説明する。
【0073】
(1)ポジ型フォトレジストをスピンコートする
洗浄後のシリコンウエハをスピンコート装置に配置し、真空固定する。ポジ型電子線フォトレジストPMMAを滴下塗布し、フォトレジストのスピンコートを行い、プリベーク処理を行う。
【0074】
(2)ネガ型フォトレジストをスピンコートする
冷却されたシリコンウエハをスピンコート装置に配置し、真空固定する。ネガ型電子線フォトレジストHSQを滴下塗布し、フォトレジストのスピンコートを行い、プリベーク処理を行う。
【0075】
(3)電子ビーム直描露光
以上のステップを経たシリコンウエハ基板を電子ビーム直描システム内に置き、電子ビーム直描動作を行う。フォトレジストペアセットの種類とフォトレジスト層の厚さに応じて電子ビーム露光量を調整する。電子線直描露光が終了した後、露光されたシリコンウエハを加熱ステージ上に移動させ、ポストベークを行う。ここで、露光フラックスは、例えば500μC/cm2であり、必要に応じて変更することができる。
【0076】
(4)現像
ポストベークが終了し、シリコンウエハが室温まで冷却された後、別々に現像を行い、その過程としては:フォトリソグラフィ後のシリコンウエハを電子線ネガ型フォトレジスト現像液(TMAH現像液)中に置き、シリコンウエハ上の未露光のネガ型フォトレジストを洗浄し、その後、シリコンウエハを取り出して水で洗浄し、窒素ガス流で乾かし、
次にシリコンウエハをポジ型電子線フォトレジスト現像液(MIBK:IPA現像液)中に置き、露光されたネガ型フォトレジストの下にある未露光のポジ型フォトレジストPMMAを部分的に除去し、その後、シリコンウエハを取り出して水で洗浄し、窒素ガス流で乾かす。ステンシルパターンに基づく輪郭線型パターンを作製する。
【0077】
(5)その後にさらに材料堆積またはドライ/ウェットエッチングなどのステップと組み合わせて凸状または凹状の構造を実現することができるが、実施例1のステップ(6)(7)、実施例2のステップ(5)(6)と類似しているので、ここでは繰り返し説明しない。
【0078】
実施例5
露光については、実施例1、2では、シリコンウエハ基板をマスク下に密着固定して真空にし、紫外光源の直下に置く露光方式を用い、実施例3では、投影露光方式を用いた。実施例4では、電子線直描露光の方式を用いた。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明のポジネガ2層フォトレジストのフォトリソグラフィ技術は、紫外直描露光方式を使用することもできる。以下、本実施例5では、紫外直描露光を用いた本発明のポジネガ2層フォトレジストのフォトリソグラフィ技術の主なステップについて説明する。
【0079】
(1)ポジ型フォトレジストをスピンコートする
洗浄後のシリコンウエハをスピンコート装置に配置し、真空固定する。ポジ型フォトレジスト(例えばAZ 1500)をビュレットで滴下塗布し、500rpm×5s+4000rpm×40sの条件でフォトレジストのスピンコートを行い、100℃で10秒間ベークする。
【0080】
(2)ネガ型フォトレジストをスピンコートする
冷却されたシリコンウエハをスピンコート装置に配置し、真空固定する。ネガ型フォトレジスト(例えばAZ nlof2020)をビュレットで滴下塗布し、500rpm×5s+4000rpm×40sの条件でフォトレジストのスピンコートを行い、110℃で60秒間ベークする。
【0081】
(3)紫外直描露光
以上の工程を経たシリコンウエハ基板を露光源の下に密着固定し、紫外直描システムをオンにして直描露光動作を行う。フォトレジストペアセットの種類とフォトレジスト層の厚さに応じて露光時間を調整する。露光終了後、マスクを取り外し、露光したシリコンウエハを加熱ステージに移動し、110℃で60秒間ベークする。ここで、露光フラックスは、例えば100mJ/cm2であり、必要に応じて変更することができる。
【0082】
(4)現像
ポストベークが終了し、シリコンウエハが室温まで冷却された後、別々に現像を行い、その過程としては:フォトリソグラフィ後のシリコンウエハをネガ型フォトレジスト現像液(TMAH-2.38%)中に置き、シリコンウエハ上の未露光のネガ型フォトレジストを洗浄し、
ポジ型フォトレジスト現像液(TMAH-2.38%)を用いて、露光されたネガ型フォトレジストの下にある未露光のポジ型フォトレジストを部分的に現像して除去し、その後、シリコンウエハを取り出して水で洗浄し、窒素ガス流で乾かす。ステンシルパターンに基づく輪郭線型パターンを作製する。
【0083】
(5)その後にさらに材料堆積またはドライ/ウェットエッチングなどのステップと組み合わせて凸状または凹状の構造を実現することができるが、実施例1のステップ(6)(7)、実施例2のステップ(5)(6)と類似しているので、ここでは繰り返し説明しない。
【0084】
以上は、本発明のより良い実施例に過ぎず、本発明を他の形態で限定するものではなく、当業者であれば、上述で開示された技術的内容を利用して均等変化された均等実施例に変更または変形することができる。しかし、本発明の技術方案の内容から逸脱していない場合、本発明の技術的本質に基づいて上述の実施例に対して行われたいかなる簡単な修正、均等な変化及び変形は、依然として本発明の技術方案の保護範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の2層フォトレジストに基づくフォトリソグラフィ方法は、半導体プロセス、チップ製造などの分野に広く応用することができ、広範な研究と応用価値がある。
【国際調査報告】