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特表2024-520867自律システム間のマルチキャスト転送方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】自律システム間のマルチキャスト転送方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/16 20220101AFI20240517BHJP
   H04L 45/44 20220101ALI20240517BHJP
【FI】
H04L45/16
H04L45/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577322
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 CN2021137664
(87)【国際公開番号】W WO2023108381
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518056748
【氏名又は名称】新華三技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】NEW H3C TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【弁理士】
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】邱 元香
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030HA08
5K030HC01
5K030HD05
5K030JA11
5K030LB05
(57)【要約】
本発明は、自律システム間のマルチキャスト転送方法および装置を提供する。本発明の実施形態では、ASの1つのASBR上に階層的なBIER、すなわち、第1のBIERドメイン内のBFERおよび第2のBIERドメイン内のBFIRを配置することにより、当該ASBRが第1のBIERドメインからのマルチキャストパケットを変換して第2のBIERドメイン内で転送する。これにより、異なるBIERドメインにおけるBFR IDの競合によるAS間のマルチキャスト転送の問題が解決される。さらに、本実施形態では、ASのASBRを変更またはアップグレードするだけで、AS間のマルチキャスト転送を実現することができ、既存のマルチキャストサービスや他のデバイスへの影響がなく、拡張が容易である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律システム(AS)間のマルチキャスト転送方法であって、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のビットインデックス明示的レプリケーション(BIER)ドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER)および第2のBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BFIR)の両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、
マルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立するステップであって、前記マルチキャスト受信者は、前記第2のAS内の第2のエッジノードに接続され、前記第2のエッジノードは、前記第2のBIERドメイン内のBFERとして機能し、前記マルチキャスト参加パケットは、ターゲットマルチキャストグループに参加するために使用され、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループであり、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能する、ステップと、
前記マルチキャスト参加パケットに付加される前記第2のエッジノードのビット転送ルータ識別子(BFR ID)を第1のBFR IDに変更し、マルチキャスト参加パケットを前記第1のエッジノードに送信し続けるステップであって、前記第1のBFR IDは、前記ネットワークデバイスが前記第1のBIERドメイン内のBFERとして配置されたときに付与されるBFR IDである、ステップと、を含む、
ことを特徴とする自律システム間のマルチキャスト転送方法。
【請求項2】
マルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立する前に、
前記マルチキャスト送信元から送信されたマルチキャスト送信元情報を受信するステップと、
前記第2のBIERドメインにおいて前記マルチキャスト送信元情報を転送するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マルチキャスト送信元から送信されたマルチキャスト送信元情報を受信するステップは、第1のボーダーゲートウェイプロトコル(BGP)ルートを介して前記マルチキャスト送信元から送信されたマルチキャスト送信元情報を受信するステップであって、前記第1のBGPルートは、前記ネットワークデバイスと前記第1のエッジノードとの間のBGPルートである、ステップを含み、および/または、
前記第2のBIERドメインにおいて前記マルチキャスト送信元情報を転送するステップは、第2のBGPルートを介して前記第2のBIERドメインにおいて前記マルチキャスト送信元情報を転送するステップであって、前記第2のBGPルートは、前記ネットワークデバイスと前記第2のBIERドメイン内の少なくとも1つのエッジノードとの間のBGPルートを含む、ステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記BIERマルチキャスト転送情報は、前記ターゲットマルチキャストグループに対応し、少なくとも、前記第2のエッジノードのBFR IDと、前記第2のエッジノードに到達するためのネクストホップネイバーと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
自律システム(AS)間のマルチキャスト転送方法であって、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のビットインデックス明示的レプリケーション(BIER)ドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER)および第2のBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BFIR)の両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、
前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための、ターゲットマルチキャストグループに属する第1のマルチキャストパケットを受信するステップであって、前記第1のマルチキャストパケットは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元から発信され、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能し、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記マルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループである、ステップと、
前記ターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報に基づいて、本来前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップであって、前記BIERマルチキャスト転送情報は、前記第2のBIERドメイン内の各エッジノードに接続されるマルチキャスト受信者が前記ターゲットマルチキャストグループに参加するときに発信するマルチキャスト参加パケットに基づいて確立される、ステップと、
前記第2のBIERドメインにおいて前記第2のマルチキャストパケットを転送するステップと、を含む、
ことを特徴とする自律システム間のマルチキャスト転送方法。
【請求項6】
前記ターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報に基づいて、本来前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップは、
前記第1のマルチキャストパケットから元のマルチキャストパケットを復元するステップと、
前記元のマルチキャストパケットに付加されるターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報が確立されたと判定された場合、前記BIERマルチキャスト転送情報に基づいて、前記元のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のマルチキャストパケットには、前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のカプセル化情報が付加されており、
前記第1のマルチキャストパケットから元のマルチキャストパケットを復元するステップは、
前記第1のマルチキャストパケットに付加される前記第1のカプセル化情報をデカプセル化して、前記元のマルチキャストパケットを得るステップを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記BIERマルチキャスト転送情報に基づいて、前記元のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップは、
前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のカプセル化情報を前記元のマルチキャストパケットの外部にカプセル化して、第2のマルチキャストパケットを得るステップを含み、
前記第2のマルチキャストパケットには少なくとも、ビット列(BitString)が付加されており、前記ビット列内の指定ビットは、所定値に設定され、前記指定ビットは、前記第2のBIERドメイン内の、マルチキャスト受信者に接続されるエッジノードに対応し、前記所定値は、前記第2のマルチキャストパケットを前記指定ビットに対応するエッジノードに転送する必要があることを示すために使用される、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
自律システム(AS)間のマルチキャスト転送装置であって、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のビットインデックス明示的レプリケーション(BIER)ドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER)および第2のBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BFIR)の両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、
マルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立するための転送情報確立ユニットであって、前記マルチキャスト受信者は、前記第2のAS内の第2のエッジノードに接続され、前記第2のエッジノードは、前記第2のBIERドメイン内のBFERとして機能し、前記マルチキャスト参加パケットは、ターゲットマルチキャストグループに参加するために使用され、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループであり、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能する、転送情報確立ユニットと、
前記マルチキャスト参加パケットに付加される前記第2のエッジノードのビット転送ルータ識別子(BFR ID)を第1のBFR IDに変更し、マルチキャスト参加パケットを前記第1のエッジノードに送信し続けるための第1のパケット転送ユニットであって、前記第1のBFR IDは、前記ネットワークデバイスが前記第1のBIERドメイン内のBFERとして配置されたときに付与されるBFR IDである、第1のパケット転送ユニットと、を含む、
ことを特徴とする自律システム間のマルチキャスト転送装置。
【請求項10】
自律システム(AS)間のマルチキャスト転送装置であって、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のビットインデックス明示的レプリケーション(BIER)ドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER)および第2のBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BFIR)の両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、
前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための、ターゲットマルチキャストグループに属する第1のマルチキャストパケットを受信するためのマルチキャストパケット受信ユニットであって、前記第1のマルチキャストパケットは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元から送出され、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能し、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記マルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループである、マルチキャストパケット受信ユニットと、
前記ターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報に基づいて、本来前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するためのマルチキャストパケット変換ユニットであって、前記BIERマルチキャスト転送情報は、前記第2のBIERドメイン内の各エッジノードに接続されるマルチキャスト受信者が前記ターゲットマルチキャストグループに参加するときに発信するマルチキャスト参加パケットに基づいて確立される、マルチキャストパケット変換ユニットと、
前記第2のBIERドメインにおいて前記第2のマルチキャストパケットを転送するための第2のパケット転送ユニットと、を含む、
ことを特徴とする自律システム間のマルチキャスト転送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク通信技術の分野に関し、特に、自律システム(AS:Autonomous System)間のマルチキャスト転送方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AS間でビットインデックス明示的レプリケーション(BIER:Bit Indexed Explicit Replication)を配置する場合、同じAS内のマルチキャスト転送は、対応するオペレータの自律ドメイン(BIERドメインと略称される)内での転送に制限される。
【0003】
マルチキャストサービスの継続的な発展に伴い、現在、AS間のマルチキャスト転送のニーズが常に存在する。前述したように、各ASには対応するBIERドメインが配置されており、ここでの「AS間」は「BIERドメイン間」と呼ぶことができる。しかし、異なるAS内のエッジデバイスのビット転送ルータ(BFR:Bit Forwarding Router)の識別子(ID)が事前に設定されているため、AS間でマルチキャスト転送を行う際に、異なるAS内の異なるデバイスに対して同じBFR IDが付与されることが多く、つまり、AS間でマルチキャスト転送を行う際に、BFR IDの競合という問題がある。このBFR IDの衝突は、AS間のマルチキャスト転送に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、異なるBIERドメインにおけるBFR IDの競合によるAS間のマルチキャスト転送の問題を解決するために、自律システム間のマルチキャスト転送方法を提供する。
【0005】
本発明の実施形態は、自律システム(AS)間のマルチキャスト転送方法を提供し、当該方法は、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のビットインデックス明示的レプリケーション(BIER)ドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER)および第2のBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BFIR)の両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、当該方法は、
マルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立するステップであって、前記マルチキャスト受信者は、前記第2のAS内の第2のエッジノードに接続され、前記第2のエッジノードは、前記第2のBIERドメイン内のBFERとして機能し、前記マルチキャスト参加パケットは、ターゲットマルチキャストグループに参加するために使用され、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループであり、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能する、ステップと、
前記マルチキャスト参加パケットに付加される前記第2のエッジノードのビット転送ルータ識別子(BFR ID)を第1のBFR IDに変更し、マルチキャスト参加パケットを前記第1のエッジノードに送信し続けるステップであって、前記第1のBFR IDは、前記ネットワークデバイスが前記第1のBIERドメイン内のBFERとして配置されたときに付与されるBFR IDである、ステップと、を含む。
【0006】
本発明の実施形態はさらに、自律システム(AS)間のマルチキャスト転送方法を提供し、当該方法は、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のビットインデックス明示的レプリケーション(BIER)ドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER)および第2のBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BFIR)の両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、当該方法は、
前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための、ターゲットマルチキャストグループに属する第1のマルチキャストパケットを受信するステップであって、前記第1のマルチキャストパケットは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元から送出され、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能し、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記マルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループである、ステップと、
前記ターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報に基づいて、本来前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップであって、前記BIERマルチキャスト転送情報は、前記第2のBIERドメイン内の各エッジノードに接続されるマルチキャスト受信者が前記ターゲットマルチキャストグループに参加するときに発信するマルチキャスト参加パケットに基づいて確立される、ステップと、
前記第2のBIERドメインにおいて前記第2のマルチキャストパケットを転送するステップと、を含む。
【0007】
本発明の実施形態はさらに、自律システム(AS)間のマルチキャスト転送装置を提供し、当該装置は、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のビットインデックス明示的レプリケーション(BIER)ドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER)および第2のBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BFIR)の両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、当該装置は、
マルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立するための転送情報確立ユニットであって、前記マルチキャスト受信者は、前記第2のAS内の第2のエッジノードに接続され、前記第2のエッジノードは、前記第2のBIERドメイン内のBFERとして機能し、前記マルチキャスト参加パケットは、ターゲットマルチキャストグループに参加するために使用され、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループであり、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能する、転送情報確立ユニットと、
前記マルチキャスト参加パケットに付加される前記第2のエッジノードのビット転送ルータ識別子(BFR ID)を第1のBFR IDに変更し、マルチキャスト参加パケットを前記第1のエッジノードに送信し続けるための第1のパケット転送ユニットであって、前記第1のBFR IDは、前記ネットワークデバイスが前記第1のBIERドメイン内のBFERとして配置されたときに付与されるBFR IDである、第1のパケット転送ユニットと、を含む。
【0008】
本発明の実施形態はさらに、自律システム(AS)間のマルチキャスト転送装置を提供し、当該装置は、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のビットインデックス明示的レプリケーション(BIER)ドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER)および第2のBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BFIR)の両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、当該装置は、
前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための、ターゲットマルチキャストグループに属する第1のマルチキャストパケットを受信するためのマルチキャストパケット受信ユニットであって、前記第1のマルチキャストパケットは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元から送出され、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能し、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記マルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループである、マルチキャストパケット受信ユニットと、
前記ターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報に基づいて、本来前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するためのマルチキャストパケット変換ユニットであって、前記BIERマルチキャスト転送情報は、前記第2のBIERドメイン内の各エッジノードに接続されるマルチキャスト受信者が前記ターゲットマルチキャストグループに参加するときに発信するマルチキャスト参加パケットに基づいて確立される、マルチキャストパケット変換ユニットと、
前記第2のBIERドメインにおいて前記第2のマルチキャストパケットを転送するための第2のパケット転送ユニットと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
以上の技術案からわかるように、本発明では、ASの1つのASBR上に階層的なBIER、すなわち、第1のBIERドメイン内のBFERおよび第2のBIERドメイン内のBFIRを配置することにより、当該ASBRが第1のBIERドメインからのマルチキャストパケットを変換して第2のBIERドメイン内で転送する。これにより、異なるBIERドメインにおけるBFR IDの競合によるAS間のマルチキャスト転送の問題が解決される。
【0010】
さらに、本実施形態では、ASのASBRを変更またはアップグレードするだけで、AS間のマルチキャスト転送を実現することができ、既存のマルチキャストサービスや他のデバイスへの影響がなく、拡張が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
ここで説明される添付図面は、明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本発明に適合する実施例を示し、本明細書と併せて本発明の原理を説明する。
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るネットワークの構成を示す概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施形態に係るアプリケーションネットワークを示す概略図である。
図4】本発明の実施形態に係る別の方法のフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係るマルチキャストパケットの転送を示す概略図である。
図6】本発明の実施形態に係るIPv6基本ヘッダの構造を示す概略図である。
図7】本発明の実施形態に係る装置の構成図である。
図8】本発明の実施形態に係る別の装置の構成図である。
図9】本発明の実施形態に係る電子デバイスの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書では、添付図面に示す実施例について詳細に説明する。以下の説明が添付図面に言及している場合、異なる図面における同様の数字は、特に断らない限り、同じまたは類似の要素を指す。以下の実施例に記載される実施形態は、本発明と一致するすべての実施形態を表すものではない。むしろ、それらは、添付の特許請求の範囲に詳述されているように、本発明のいくつかの態様と一致する装置および方法の例に過ぎない。
【0014】
本発明において使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の実施形態および添付の特許請求の範囲において使用される単数形の「1つ」、「前記」および「当該」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数形も含むことも意図される。
【0015】
当業者が本発明の実施形態により提供される技術案をよりよく理解し、本発明の実施形態の上述の目的、特徴および利点をより理解しやすくするために、以下、添付図面を合わせて本発明の実施形態における技術案をさらに詳細に説明する。
【0016】
本発明の実施形態では、自律システム(AS)間のマルチキャスト転送を実現するために、BIER階層的転送フレームワークが構築される。BIER2階層転送フレームワークを例にとると、BIER2階層転送フレームワークは、少なくとも1つの自律システム境界ルータ(ASBR:Autonomous System Border Router)を、あるASが属するBIERドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER:Bit Forwarding Egress Router)および別のASが属するBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BIER:Bit Forwarding Ingress Router)の両方として配置する。BIER2階層転送フレームワークに対応して、上述のASBRをBIER階層的転送デバイスとしてもよい。図1に示すように、ASBR2_1は、BIER階層的転送デバイスとして、AS1が属するBIERドメイン内のBFERおよびAS2が属するBIERドメイン内のBFIRの両方として配置される。AS2に接続されるマルチキャスト受信者(Receiver)がAS1に接続されるマルチキャスト送信元(Source)のマルチキャストパケットを受信する必要がある場合、上述の配置に基づいて、ASBR2_1は、マルチキャスト送信元から発信されたマルチキャストパケットをAS2に接続されるマルチキャスト受信者に転送する。以下、図2を参照して、本発明の実施形態に係る方法について説明する。
【0017】
図2は、本発明の実施形態に係る方法のフローチャートである。当該方法は、ネットワークデバイスに適用される。ここでのネットワークデバイスは、第1のBIERドメイン内のBFERおよび第2のBIERドメイン内のBFIRの両方として配置される。なお、ここでの第1のBIERドメインおよび第2のBIERドメインは、単に説明を容易にするための命名であり、限定するものではない。
【0018】
オプションで、本実施形態では、第1のBIERドメインおよび第2のBIERドメインは、異なるASが属するBIERドメインである。例えば、第1のBIERドメインは、第1のASに属するBIERドメインであり、第2のBIERドメインは、第2のASに属するBIERドメインである。本実施形態では、ネットワークデバイスは第2のAS内にある。
【0019】
図2に示すように、当該方法は以下のステップ201~202を含み得る。
【0020】
ステップ201において、マルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立する。
【0021】
本実施形態では、マルチキャスト受信者は、第2のAS内の1つのエッジノード(第2のエッジノードと記す)に接続される。ここで、第2のエッジノードは、第2のBIERドメイン内のBFERとして機能する。
【0022】
本実施形態では、マルチキャスト参加パケットは、ターゲットマルチキャストグループに参加するために使用される。ここで、ターゲットマルチキャストグループは、第1のAS内の1つのエッジノード(第1のエッジノードと記す)に接続されるマルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループである。本実施形態において、第1のエッジノードは、第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能する。
【0023】
オプションで、本実施形態では、第2のBIERドメイン内の任意のエッジノードに接続されるマルチキャスト受信者が上記ターゲットマルチキャストグループに参加したい場合、マルチキャスト参加パケットを送信する。そして、第2のBIERドメイン内の当該マルチキャスト受信者に接続されるエッジノードは、マルチキャスト参加パケットを受信し、マルチキャストパケットを転送し続け、最終的に、当該マルチキャスト参加パケットは、第2のBIERドメインにおいて上記ネットワークデバイスに転送される。ネットワークデバイスは、マルチキャスト参加パケットを受信すると、受信したマルチキャスト参加パケットに基づいて、第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立する。すなわち、ステップ201における、ネットワークデバイスは、マルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立することが実現される。
【0024】
オプションで、本実施形態では、BIERマルチキャスト転送情報は、上記ターゲットマルチキャストグループに対応し、少なくとも、第2のBIERドメイン内の上記のマルチキャスト受信者に接続される第2のエッジノードに付与されるBFR IDと、当該第2のエッジノードに到達するためのネクストホップネイバーとを含み得る。以下、図3を参照してBIERマルチキャスト転送情報を確立する方法について説明するので、ここでは説明を省略する。
【0025】
ステップ202において、マルチキャスト参加パケットに付加される第2のエッジノードのBFR IDを第1のBFR IDに変更し、マルチキャスト参加パケットを第1のエッジノードに送信し続ける。第1のBFR IDは、ネットワークデバイスが第1のBIERドメイン内のBFERとして配置されたときに付与されるBFR IDである。
【0026】
本実施形態では、上記のネットワークデバイスは、学習した本デバイスからマルチキャスト送信元へのルート情報に基づいて、第1のBIERドメイン内のBFERとして、マルチキャスト参加パケットを当該ルート情報のネクストホップに送信する。ステップ202で説明したように、このとき、当該マルチキャスト参加パケットには、第2のBIERドメイン内の第2のエッジノードのBFR IDが付加されず、当該BFR IDが上記第1のBFR IDに置き換えられる。もちろん、本実施形態では、マルチキャスト参加パケットには、上記のマルチキャスト送信元SおよびマルチキャストグループGが引き続き付加されている。最終的に、第1のBIERドメイン内の第1のエッジノードは、マルチキャスト参加パケットを受信する。
【0027】
オプションで、本実施形態では、第1のエッジノードは、上記ネットワークデバイスから送信されたマルチキャスト参加パケットを受信すると、(マルチキャスト送信元S、マルチキャストグループG)と上記第1のBFR IDとの間の関係を確立する。その後、第1のエッジノードは、マルチキャスト送信元Sから送信された、マルチキャストグループGに属するマルチキャストパケットを受信すると、上記確立された(マルチキャスト送信元S、マルチキャストグループG)と第1のBFR IDとの間に関係に基づいて、マルチキャストパケットを上記ネットワークデバイスに送信する。具体的には、図4または図5に示すマルチキャストパケットの転送を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0028】
ここまで、図2に示すプロセスの説明が完了する。
【0029】
図2に示すプロセスから分かるように、本実施形態では、ASの1つのASBR上に階層的なBIER、すなわち、第1のBIERドメイン内のBFERおよび第2のBIERドメイン内のBFIRを配置し、当該ASBRにより、第2のAS内のエッジノードに接続されるマルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立することにより、第1のBIERドメインからのマルチキャストパケットを変換して第2のBIERドメイン内で転送することができ、異なるBIERドメインにおけるBFR IDの競合によるAS間のマルチキャスト転送の問題が解決される。
【0030】
さらに、本実施形態では、ASのASBRを変更またはアップグレードするだけで、AS間のマルチキャスト転送を実現することができ、既存のマルチキャストサービスや他のデバイスへの影響がなく、拡張が容易である。
【0031】
以下、ネットワークを参照して、図2に示すプロセスについて説明する。
【0032】
図3は、本発明の実施形態に係るアプリケーションネットワークを示す概略図である。図3に示すネットワークでは、AS2内のデバイスCは、BIERドメイン301_1内のBFERおよびBIERドメイン302_1内のBFIRの両方として配置される。デバイスCは、BIERドメイン301_1内のBFERとして機能するときに付与されるBFR IDが10であり、BIERドメイン302_1内のBFIRとして機能するときに付与されるBFR IDが6である。BIERドメイン302_1内のBFERとして機能するデバイスDとHに付与されるBFR IDは、それぞれ3と2である。BIERドメイン301_1内のBFIRとして機能するデバイスAは、マルチキャスト送信元Sに接続される。マルチキャスト送信元Sが属するターゲットマルチキャストグループはマルチキャストグループGである。BIERドメイン302_1内のBFERとして機能するデバイスDはマルチキャスト受信者に接続される。
【0033】
以下、図3に示すネットワークに基づいて、図2に示すプロセスを例に説明する。
【0034】
図3に示すように、デバイスAは、BIERドメイン301_1内のマルチキャスト送信元に接続されるBFIRとして、ボーダーゲートウェイプロトコル(BGP:Border Gateway Protocol)に基づいて、デバイスCとの間でBGPルートを確立することができる。その後、デバイスAは、マルチキャスト送信元から送信されたマルチキャスト送信元情報を受信すると、確立されたデバイスCとの間のBGPルートを介して当該マルチキャスト送信元情報を転送する。ここで、マルチキャスト送信元情報は、マルチキャストプロトコルで定義されたマルチキャスト送信元を通知するためのパケットであってもよく、それには、マルチキャスト送信元SとマルチキャストグループGが付加されてもよい。
【0035】
デバイスCは、上記マルチキャスト送信元情報を受信し、BIERドメイン302_1内のBFIRとして、BGPルートを介して上記マルチキャスト送信元情報を、BIERドメイン302_1内のすべてのBFERデバイス、例えば、図3に示すデバイスDとデバイスHに転送する。オプションで、本実施形態では、デバイスCは、上記マルチキャスト送信元情報を受信した後、さらに、上記マルチキャスト送信元情報を記録し、デバイスCからマルチキャスト送信元(ここで、ルート情報のネクストホップはデバイスAである)へのルート情報を学習する。
【0036】
デバイスDは、BIERドメイン302_1内のBFERデバイスとして、上記マルチキャスト送信元情報を受信した後、さらに、上記マルチキャスト送信元情報を記録し、デバイスDからマルチキャスト送信元(ここで、ルート情報のネクストホップはデバイスCである)へのルート情報を学習する。デバイスHも同様である。最終的に、BIERドメイン302内のすべてのエッジノード、例えば、デバイスD、デバイスHおよびデバイスGは、マルチキャスト送信元情報を受信する。
【0037】
その後、デバイスDにローカルに接続される1つのマルチキャスト受信者が上記マルチキャストグループGに参加する必要があると仮定すると、マルチキャスト参加パケット、例えば(*,G)参加パケットをデバイスDに送信する。
【0038】
デバイスDは、マルチキャスト受信者から送信された、上記マルチキャストグループGに参加するためのマルチキャスト参加パケットを受信すると、記録された上記マルチキャスト送信元情報に基づいて、マルチキャストグループGに対応する(S,G)マルチキャストエントリを生成する。
【0039】
デバイスDは、上記学習したデバイスDからマルチキャスト送信元へのルート情報に基づいて、当該ルート情報のネクストホップ、すなわちデバイスCにマルチキャスト参加パケットを送信し続ける。このとき送信されるマルチキャスト参加パケットには、上記マルチキャスト送信元S、マルチキャストグループG、およびデバイスDのBFR IDが付加されてもよい。
【0040】
デバイスCは、デバイスDが上記マルチキャスト参加パケットを送信するネクストホップとして機能するため、デバイスDがマルチキャスト参加パケットを送信した後、デバイスCは、デバイスDから送信されたマルチキャスト参加パケットを受信する。デバイスCは、デバイスDから送信されたマルチキャスト参加パケットを受信すると、(マルチキャスト送信元S、マルチキャストグループG)と、BIERドメイン302_1内のBFERとして機能するデバイスDに付与されるBFR IDとの間の関係を確立する。
【0041】
本実施形態では、デバイスCは、上記学習したデバイスCからマルチキャスト送信元へのルート情報に基づいて、ネクストホップ、すなわち、BIERドメイン301_1内のBFIRとしてのデバイスAを決定する。その後、デバイスCは、マルチキャスト参加パケットに付加されるBIERドメイン302_1内のBFERとして機能するデバイスDに付与されるBFR IDを、BIERドメイン301_1内のBFERとして機能するデバイスCに付与されるBFR IDに変更し、次に、BIERドメイン301_1内のBFERとして、ネクストホップ、すなわちBIERドメイン301_1内のBFIRとして機能するデバイスAにマルチキャスト参加パケットを送信する。このとき、当該マルチキャスト参加パケットには、上記マルチキャスト送信元S、マルチキャストグループG、およびBIERドメイン301_1内のBFERとして機能するデバイスCに付与されるBFR IDが付加されてもよい。
【0042】
デバイスAは、デバイスCから送信されたマルチキャスト参加パケットを受信すると、(マルチキャスト送信元S、マルチキャストグループG)と、BIERドメイン301_1内のBFERとして機能するデバイスCに付与されるBFR IDとの間の関係を確立する。
【0043】
以上、デバイスDにローカルに接続される1つのマルチキャスト受信者が上記マルチキャストグループGに参加する必要がある場合のマルチキャスト参加パケットの送信について簡単に説明した。
【0044】
なお、本実施形態において、BIERドメイン302_1内の複数の異なるエッジノード(BFERとも呼ばれる)に接続されるすべてのマルチキャスト受信者が上記マルチキャストグループGに参加する必要があると仮定すると、デバイスCの上記の関係を確立する方法に従って、最終的に、BIERドメイン302_1において(マルチキャスト送信元S、マルチキャストグループG)に対応するビット列(Bitstring)、および各BFERに到達するBIER転送テーブルを確立することが実現できる。このとき、当該(マルチキャスト送信元S、マルチキャストグループG)に対応するビット列および各BFERに到達するBIER転送テーブルは、BIERマルチキャスト転送情報と総称され得る。
【0045】
本実施形態では、上記Bitstring内の指定ビットは、所定値に設定される。指定ビットは、BIERドメイン302_1内の、マルチキャスト受信者に接続されるBFER、例えばデバイスDに対応する。所定値は、マルチキャストパケットを指定ビットに対応するBFERに転送する必要があることを示すために使用される。デバイスDを例にとると、上述したように、デバイスDは、BIERドメイン302_1内のBFERとして機能するときに付与されるBFR IDが3である場合、Bitstringの3番目のビットは、1などの所定値に設定され、当該所定値は、マルチキャストパケットをBFR IDが3のデバイスDに転送する必要があることを示すために使用される。各BFERに到達するBIER転送テーブルについては、少なくとも出口(egress)インタフェース、およびネクストホップネイバーが付加される。オプションで、本実施形態では、BIERドメイン302_1におけるマルチキャスト転送を指示するために、上記のビット列およびBIER転送テーブルは、BIERマルチキャスト転送情報と総称され得、BIERドメイン302_1においてマルチキャスト転送を行うことを示すために使用される。
【0046】
もちろん、BIERドメイン302_1内のデバイスDに接続されるマルチキャスト受信者のみがマルチキャストグループGに参加する必要がある場合、このときのBIERマルチキャスト転送情報には、デバイスDに到達する転送テーブルと、Bitstringとが含まれる。しかし、当該Bitstring内の3番目のビットは、1などの所定値に設定され、マルチキャストパケットをBFR IDが3のデバイスDに転送する必要があることを示すために使用される。当該Bitstring内の他のビットは、0などの初期値に設定されてもよく、マルチキャストパケットを当該ビットに対応するBFERに転送しないことを示すために使用される。上記のBIERマルチキャスト転送情報は、少なくとも、BIERドメイン302_1内の、マルチキャスト受信者に接続されるBFER(エッジノードとも呼ばれる)に付与されるBFR ID(Bitstringで示される)と、BFER(エッジノードとも呼ばれる)に到達するためのネクストホップネイバー(転送で示される)とを含む。
【0047】
同様に、デバイスAについては、BIERドメイン302_1内の複数の異なるエッジノード(BFERとも呼ばれる)に接続されるすべてのマルチキャスト受信者が上記マルチキャストグループGに参加する必要があると仮定すると、デバイスAの上記の関係を確立する方法に従って、最終的に、デバイスAは、(マルチキャスト送信元S、マルチキャストグループG)に対応するビット列(Bitstring)、および各BFERに到達するBIER転送テーブルとを確立する。Bitstringについては、その原理は上述の通りであり、例えば、デバイスCは、BIERドメイン301_1内のBFERとして機能するときに付与されるBFR IDが10である場合、Bitstringの10番目のビットが、所定値に設定され、マルチキャストパケットをBFR IDが10のデバイスCに転送することを示すために使用される。BIER転送テーブルについては、少なくとも出口インタフェース、およびネクストホップネイバーが付加される。デバイスCによって確立されたBIERマルチキャスト転送情報と比較して、デバイスAによって確立された(マルチキャスト送信元S、マルチキャストグループG)に対応するビット列および各BFERに到達するBIER転送テーブルは、第1レベルのBIER転送トポロジと呼ぶことができ、デバイスCによって確立されたBIERマルチキャスト転送情報は、第2レベルのBIER転送トポロジと呼ぶことができる。
【0048】
以上、本発明の実施形態に係る図2に示すプロセスについて例示的に説明した。以下、BIERマルチキャスト転送情報に基づいてマルチキャストパケットの転送を行う方法について説明する。
【0049】
図4は、本発明の実施形態に係る別の方法のフローチャートである。当該方法は、上記ネットワークデバイスに適用される。前述のように、ネットワークデバイスは、第1のBIERドメイン内のBFERおよび第2のBIERドメイン内のBFIRの両方として配置される。第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインである。ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にある。
【0050】
図4に示すように、当該方法は以下のステップ401~403を含み得る。
【0051】
ステップ401において、第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための、ターゲットマルチキャストグループに属する第1のマルチキャストパケットを受信する。
【0052】
本実施形態では、第1のマルチキャストパケットは、第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元から送出され、第1のエッジノードは、第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能し、ターゲットマルチキャストグループは、上記マルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループである。
【0053】
ステップ402において、ターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報に基づいて、本来第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のマルチキャストパケットを、第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換する。
【0054】
本実施形態では、BIERマルチキャスト転送情報は、上述のように、第2のBIERドメイン内の各エッジノードに接続されるマルチキャスト受信者がターゲットマルチキャストグループに参加するときに発信するマルチキャスト参加パケットに基づいて確立される。
【0055】
オプションで、ステップ402において、ターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報に基づいて、本来第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のマルチキャストパケットを、第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップは、
第1のマルチキャストパケットから元のマルチキャストパケットを復元するステップと、
前記元のマルチキャストパケットに付加されるターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報が確立されたと判定された場合、BIERマルチキャスト転送情報に基づいて、元のマルチキャストパケットを、第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップと、を含む。
【0056】
本実施形態では、当該第1のマルチキャストパケットは、第1のBIERドメイン内のBFERとして機能する上記ネットワークデバイスによって受信されたマルチキャストパケットである。第1のマルチキャストパケットには、第1のBIERドメインにおいて転送を行うための第1のカプセル化情報が付加される。第1のマルチキャストパケットに付加される第1のカプセル化情報については、詳細は以下に例を挙げて説明するので、ここでは繰り返さない。
【0057】
これに基づいて、第1のマルチキャストパケットから元のマルチキャストパケットを復元する上記ステップは、第1のマルチキャストパケットに付加される第1のBIERドメインにおいて転送を行うための第1のカプセル化情報をデカプセル化して、元のマルチキャストパケットを得るステップを含み得る。
【0058】
さらに、本実施形態では、BIERマルチキャスト転送情報に基づいて、元のマルチキャストパケットを第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換する実現方法はいくつかあり、例えば、上記BIERマルチキャスト転送情報に基づいて、第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のカプセル化情報を元のマルチキャストパケットにカプセル化して、第2のマルチキャストパケットを得る。第2のカプセル化情報については、以下に例を挙げて説明するので、ここでは繰り返さない。
【0059】
ステップ403において、第2のBIERドメインにおいて第2のマルチキャストパケットを転送する。
【0060】
オプションで、本実施形態では、上記第2のカプセル化情報には、少なくとも、ビット列が付加される。ビット列内の指定ビットは、所定値に設定される。指定ビットは、第2のBIERドメイン内の、マルチキャスト受信者に接続されるエッジノードに対応し、所定値は、第2のマルチキャストパケットを前記指定ビットに対応するエッジノードに転送する必要があることを示すために使用される。最終的に、上記のステップ401~403により、AS1からのマルチキャストパケットをAS2においてマルチキャスト転送を行うことが実現される。
【0061】
図4に示すプロセスから分かるように、本実施形態では、ASの1つのASBR上に階層的なBIER、すなわち、第1のBIERドメイン内のBFERおよび第2のBIERドメイン内のBFIRを配置し、当該ASBRにより、第2のAS内のエッジノードに接続されるマルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立することにより、第1のBIERドメインからのマルチキャストパケットを変換して第2のBIERドメイン内で転送することができ、異なるBIERドメインにおけるBFR IDの競合によるAS間のマルチキャスト転送の問題が解決される。
【0062】
さらに、本実施形態では、ASのASBRを変更またはアップグレードするだけで、AS間のマルチキャスト転送を実現することができ、既存のマルチキャストサービスや他のデバイスへの影響がなく、拡張が容易である。
【0063】
以下、図5を参照して、上記図4に示すプロセスについて説明する。
【0064】
図3に示すネットワークを例にとると、図5に示すように、デバイスAは、BIERドメイン301_1内のマルチキャスト送信元に接続されるBFIRとして、マルチキャスト送信元から送信された、マルチキャストグループGに属する元のマルチキャストパケット(パケット501と記す)を受信する。
【0065】
デバイスAは、上記のファーストレベルBIER転送トポロジに従って、パケット501に対して外部IPv6カプセル化(Encapsulation)を実行する。説明を簡単にするために、カプセル化されたパケット501をパケット502と表記してもよい。
【0066】
オプションで、本実施形態では、外部IPv6カプセル化は、IPv6基本ヘッダ(basic header)と、IPv6拡張ヘッダ(Extension Headers)とを含む。図6は、IPv6基本ヘッダの構造を示す概略図である。図6に示すように、IPv6基本ヘッダは、少なくとも送信元IPv6アドレスと、宛先IPv6アドレスとを含む。ここで、送信元IPv6アドレスは、デバイスAのアドレスであり、宛先IPv6アドレスは、ネクストホップBFRネイバー、例えばデバイスEのアドレスである。
【0067】
IPv6拡張ヘッダは、少なくとも宛先オプションヘッダ(DOH:Destination Option Header)を含み得る。ここで、BIERパケットヘッダはDOHのオプションである。本実施形態では、BIERパケットヘッダは、上記のBIERドメイン301_1において確立された(マルチキャスト送信元S、マルチキャストグループG)に対応するBitstringを付加するために使用される。Bitstring内の10番目のビットは、所定値に設定され、マルチキャストパケットをBFR IDが10のデバイスCに転送することを示すために使用される。
【0068】
デバイスAはパケット502を転送する。デバイスE、デバイスBは中間デバイスとして、BIERパケットヘッダ内のBitstringおよびBIER転送テーブルに基づいて、パケット502をデバイスCに転送する。オプションで、一例では、デバイスEは、パケット502を受信すると、パケット502の宛先IPv6アドレスをネクストホップ、すなわちデバイスBのIPアドレスに変更し、その後、既存のパケット転送方法に従ってパケット502を転送し続ける。同様に、デバイスBは、パケット502を受信すると、パケット502の宛先IPv6アドレスをネクストホップ、すなわちデバイスCのIPアドレスに変更し、その後、既存のパケット転送方法に従ってパケット502を転送し続ける。
【0069】
デバイスCは、パケット502を受信する。このとき、パケット502に付加される外部IPv6カプセル化は、上記第1のカプセル化情報である。
【0070】
デバイスCは、パケット502内のBitstringに基づいて、本デバイスがBFERであると判断された場合、パケット502をデカプセル化して、上記元のマルチキャストパケット、すなわち、パケット501を復元する。オプションで、本実施形態では、デバイスCは、パケット502内のBitstringと、確立されたBIERドメイン301_1においてマルチキャスト転送を行うためのBIER転送テーブル内の転送ビットマスク(FBM:Forwarding BitMask)とをAND演算を行い、演算結果を得てもよい。BIER転送テーブルから、当該演算結果のネクストホップネイバー(NBR:Neighbor)としてのFBMを見つける。当該NBRがデバイスCである場合、本デバイスがパケット502のBFERであると決定される。ここで、BIER転送テーブルは、既存のBIER転送テーブルの確立方法に従って確立することができ、ここでは説明を省略する。
【0071】
その後、デバイスCは、パケット501に付加されるマルチキャストグループGに基づいて、当該マルチキャストグループGに対応する上記のセカンドレベルBIER転送トポロジを決定する。デバイスCは、上記のセカンドレベルBIER転送トポロジに基づいて、パケット501に対して外部IPv6カプセル化を実行する。説明を簡単にするために、カプセル化されたパケット501をパケット503と表記してもよい。このとき、パケット503に付加される外部IPv6カプセル化は、上記第2のカプセル化情報である。
【0072】
同様に、本実施形態では、外部IPv6カプセル化は、IPv6基本ヘッダと、IPv6拡張ヘッダとを含む。IPv6基本ヘッダは、少なくとも送信元IPv6アドレスと、宛先IPv6アドレスとを含む。ここで、送信元IPv6アドレスは、デバイスCのアドレスであり、宛先IPv6アドレスは、ネクストホップBFRネイバー、例えばデバイスFのアドレスである。IPv6拡張ヘッダについては、少なくともDOHを含み得る。ここで、BIERパケットヘッダはDOHのオプションである。本実施形態では、BIERパケットヘッダは、上記のBIERドメイン302_1において確立された(マルチキャスト送信元S、マルチキャストグループG)に対応するBitstringを付加するために使用される。Bitstringの2番目のビットは、所定値に設定され、マルチキャストパケットをBFR IDが2のデバイスDに転送することを示すために使用される。
【0073】
デバイスCは、パケット503を転送する。デバイスCは、BIERドメイン302_1においてパケット503を転送する前に、まず、BIERドメイン301_1からのパケット502をデカプセル化して元のマルチキャストパケット、すなわちパケット501を復元し、次に、上記のBIERドメイン302_1内のセカンドレベルBIER転送トポロジに基づいて、パケット501に対して外部IPv6カプセル化を実行して、パケット503を得ることが分かる。このように、BIERドメイン301_1とBIERドメイン302_1においてBFR IDの競合が発生しても、デバイスCはBIERドメイン302_1においてパケット503を転送する前に、BIERドメイン301_1からのパケット502をカプセル化して元のマルチキャストパケット、すなわちパケット501を復元しているので、BIERドメイン302_1におけるパケット503の転送には明らかに影響しない。
【0074】
デバイスFは、中間デバイスとして、BIERパケットヘッダ内のBitstringおよびBIER転送テーブルに基づいて、パケット503をデバイスDに転送する。オプションで、一例では、デバイスFは、パケット503を受信すると、パケット503の宛先IPv6アドレスをネクストホップ、すなわちデバイスDのIPアドレスに変更し、その後、既存のパケット転送方法に従ってパケット503を転送し続ける。
【0075】
デバイスDは、パケット503を受信し、パケット503内のBitstringに基づいて、本デバイスがBFERであると判断された場合、パケット503をデカプセル化して、上記元のマルチキャストパケット、すなわち、パケット501を復元する。
【0076】
デバイスDは、パケット501をマルチキャスト受信者に送信する。最終的に、BIERドメイン間のマルチキャストパケットの転送が実現される。
【0077】
以上の説明から分かるように、本実施形態では、ASの1つのASBR上に異なるBIERドメインの異なるアイデンティティ、例えばBIERドメイン301_1内のBFERおよびBIERドメイン302_1内のBFIRを配置し、当該ASBRにより、BIERドメイン301_1内のBFERとして、BIERドメイン301_1のマルチキャストパケットを受信して、BIERドメイン302_1において転送可能なマルチキャストパケットに変換し、BIERドメイン302_1内のBFIRとして、BIERドメイン302_1において当該変換されたマルチキャストパケットを転送することにより、異なるBIERドメインにおけるBFR IDの競合によるAS間のマルチキャスト転送の問題が解決される。
【0078】
以上、本発明の実施形態に係る方法について説明した。以下、本発明の実施形態に係る装置について説明する。
【0079】
図7は、本発明の実施形態に係る装置の構成図である。当該装置は、図2に示すプロセスに対応する。当該装置は、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のBIERドメイン内のBFERおよび第2のBIERドメイン内のBFIRの両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、当該装置は、
マルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立するための転送情報確立ユニットであって、前記マルチキャスト受信者は、前記第2のAS内の第2のエッジノードに接続され、前記第2のエッジノードは、前記第2のBIERドメイン内のBFERとして機能し、前記マルチキャスト参加パケットは、ターゲットマルチキャストグループに参加するために使用され、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループであり、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能する、転送情報確立ユニットと、
前記マルチキャスト参加パケットに付加される前記第2のエッジノードのビット転送ルータ識別子(BFR ID)を第1のBFR IDに変更し、マルチキャスト参加パケットを前記第1のエッジノードに送信し続けるための第1のパケット転送ユニットであって、前記第1のBFR IDは、前記ネットワークデバイスが前記第1のBIERドメイン内のBFERとして配置されたときに付与されるBFR IDである、第1のパケット転送ユニットと、を含む。
【0080】
オプションで、本実施形態において、転送情報確立ユニットは、さらに、前記マルチキャスト送信元から送信されたマルチキャスト送信元情報を受信し、前記第2のBIERドメインにおいて前記マルチキャスト送信元情報を転送するために使用される。
【0081】
オプションで、前記マルチキャスト送信元から送信されたマルチキャスト送信元情報を受信するステップは、第1のBGPルートを介して前記マルチキャスト送信元から送信されたマルチキャスト送信元情報を受信するステップであって、前記第1のBGPルートは、前記ネットワークデバイスと前記第1のエッジノードとの間のBGPルートである、ステップを含み、および/または、
前記第2のBIERドメインにおいて前記マルチキャスト送信元情報を転送するステップは、第2のBGPルートを介して前記第2のBIERドメインにおいて前記マルチキャスト送信元情報を転送するステップであって、前記第2のBGPルートは、前記ネットワークデバイスと前記第2のBIERドメイン内の少なくとも1つのエッジノードとの間のBGPルートを含む、ステップを含む。
【0082】
オプションで、前記BIERマルチキャスト転送情報は、前記ターゲットマルチキャストグループに対応し、少なくとも、前記第2のエッジノードのBFR IDと、前記第2のエッジノードに到達するためのネクストホップネイバーと、を含む。
【0083】
ここまで、図7に示す装置の構成の説明が完了する。
【0084】
本発明の実施形態はさらに、別の装置を提供する。図8は、本発明の実施形態に係る別の装置の構成図である。当該装置は、図4に示すプロセスに対応する。当該装置は、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のBIERドメイン内のBFERおよび第2のBIERドメイン内のBFIRの両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、当該装置は、
前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための、ターゲットマルチキャストグループに属する第1のマルチキャストパケットを受信するためのマルチキャストパケット受信ユニットであって、前記第1のマルチキャストパケットは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元から送出され、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能し、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記マルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループである、マルチキャストパケット受信ユニットと、
前記ターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報に基づいて、本来前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するためのマルチキャストパケット変換ユニットであって、前記BIERマルチキャスト転送情報は、前記第2のBIERドメイン内の各エッジノードに接続されるマルチキャスト受信者が前記ターゲットマルチキャストグループに参加するときに発信するマルチキャスト参加パケットに基づいて確立される、マルチキャストパケット変換ユニットと、
前記第2のBIERドメインにおいて前記第2のマルチキャストパケットを転送するための第2のパケット転送ユニットと、を含む。
【0085】
オプションで、前記ターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報に基づいて、本来前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップは、
前記第1のマルチキャストパケットから元のマルチキャストパケットを復元するステップと、
前記元のマルチキャストパケットに付加されるターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報が確立されたと判定された場合、前記BIERマルチキャスト転送情報に基づいて、前記元のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップと、を含む。
【0086】
オプションで、前記第1のマルチキャストパケットには、前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のカプセル化情報が付加されており、
前記第1のマルチキャストパケットから元のマルチキャストパケットを復元するステップは、
前記第1のマルチキャストパケットに付加される前記第1のカプセル化情報をデカプセル化して、前記元のマルチキャストパケットを得るステップを含む。
【0087】
オプションで、前記BIERマルチキャスト転送情報に基づいて、前記元のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップは、
前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のカプセル化情報を前記元のマルチキャストパケットの外部にカプセル化して、第2のマルチキャストパケットを得るステップを含み、
前記第2のマルチキャストパケットには少なくとも、ビット列(BitString)が付加されており、前記ビット列内の指定ビットは、所定値に設定され、前記指定ビットは、前記第2のBIERドメイン内の、マルチキャスト受信者に接続されるエッジノードに対応し、前記所定値は、前記第2のマルチキャストパケットを前記指定ビットに対応するエッジノードに転送する必要があることを示すために使用される。
【0088】
ここまで、図8に示す装置の構成の説明が完了する。
【0089】
本発明の実施形態はさらに図7または図8に示す装置のハードウェア構造を提供する。図9は、本発明の実施形態に係る電子デバイスの構成図である。図9に示すように、当該ハードウェア構造は、プロセッサと、機械可読記憶媒体とを含み得、機械可読記憶媒体には前記プロセッサによって実行可能な機械実行可能命令が記憶されており、前記プロセッサは、本発明の上記実施形態に開示された方法を実施するように機械実行可能命令を実行するために用いられる。
【0090】
上述の方法と同様の思想に基づき、本発明の実施形態はさらに、コンピュータ命令が記憶されている機械可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータ命令がプロセッサによって実行されると、本発明の上記実施形態に開示された方法を実施することができる。
【0091】
例示的に、上記機械可読記憶媒体は、任意の電子的、磁性的、光学的または他の物理的記憶装置であってもよく、実行可能な命令、データなどの情報を含むか、または記憶することができる。例えば、機械可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM:Radom Access Memory)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、ストレージドライブ(ハードドライブなど)、ソリッドステートドライブ、任意の記憶ディスク(光ディスク、DVDなど)、または類似の記憶媒体や、これらの組み合わせであってもよい。
【0092】
上記実施例で説明したシステム、装置、モジュールまたはユニットは、具体的には、コンピュータチップ、エンティティ、または何らかの機能を有する製品によって実現されてもよい。典型的な実現デバイスはコンピュータであり、コンピュータの具体的な形態はパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、付加電話、カメラ付き電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、メディアプレーヤ、ナビゲーションデバイス、電子メール送受信デバイス、ゲーム機、タブレット、ウェアラブルデバイス、またはこれらのデバイスの任意のいくつかの組み合わせであってもよい。
【0093】
なお、説明の便宜上、上記の装置を説明するときに機能によって様々なユニットに分けてそれぞれ説明する。もちろん、本発明を実施する際に、各ユニットの機能を同一または複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアで実現することも可能である。
【0094】
当業者であれば分かるように、本発明の実施形態が、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。したがって、本発明は、ハードウェアだけからなる実施例、ソフトウェアだけからなる実施例、またはソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例なる形態を用いてもよい。さらに、本発明の実施形態は、コンピュータで使用可能なプログラムコードを含む1つまたは複数のコンピュータで使用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、これらに限定されない)において実施されるコンピュータプログラム製品の形態であってもよい。
【0095】
本発明は、本発明の実施形態に係る方法、デバイス(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明される。フローチャートおよび/またはブロック図における各フローおよび/またはブロック、並びにフローチャートおよび/またはブロック図におけるフローおよび/またはブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実現されてもよいことが理解されるべきである。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを生成するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、または他のプログラム可能なデータ処理デバイスのプロセッサに提供されてもよく、それにより、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理デバイスのプロセッサによって実行される命令により、フローチャートの1つまたは複数のフローおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定される機能を実現するための装置が生成される。
【0096】
また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブル可能なデータ処理デバイスに特定の方法で動作するように指示することができるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、その結果、当該コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、フローチャートの1つまたは複数のフローおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定される機能を実現するための命令装置を含む製品が生成される。
【0097】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理デバイスにロードされてもよく、それにより、一連の動作ステップがコンピュータまたは他のプログラム可能なデバイス上で実行されることで、コンピュータにより実施される処理が生成され、それによりコンピュータまたは他のプログラム可能なデバイス上で実行される命令はフローチャートの1つまたは複数のフローおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定される機能を実現するためのステップを提供する。
【0098】
以上は、本発明の実施形態に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者にとって、本発明は様々な変更および変化が可能である。本発明の精神と原理の範囲内で行われたいかなる修正、同等な置換、改善などは、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれるものとするべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律システム(AS)間のマルチキャスト転送方法であって、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のビットインデックス明示的レプリケーション(BIER)ドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER)および第2のBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BFIR)の両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、
マルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立するステップであって、前記マルチキャスト受信者は、前記第2のAS内の第2のエッジノードに接続され、前記第2のエッジノードは、前記第2のBIERドメイン内のBFERとして機能し、前記マルチキャスト参加パケットは、ターゲットマルチキャストグループに参加するために使用され、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループであり、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能する、ステップと、
前記マルチキャスト参加パケットに付加される前記第2のエッジノードのビット転送ルータ識別子(BFR ID)を第1のBFR IDに変更し、マルチキャスト参加パケットを前記第1のエッジノードに送信し続けるステップであって、前記第1のBFR IDは、前記ネットワークデバイスが前記第1のBIERドメイン内のBFERとして配置されたときに付与されるBFR IDである、ステップと、を含む、
ことを特徴とする自律システム間のマルチキャスト転送方法。
【請求項2】
マルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立する前に、
前記マルチキャスト送信元から送信されたマルチキャスト送信元情報を受信するステップと、
前記第2のBIERドメインにおいて前記マルチキャスト送信元情報を転送するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マルチキャスト送信元から送信されたマルチキャスト送信元情報を受信するステップは、第1のボーダーゲートウェイプロトコル(BGP)ルートを介して前記マルチキャスト送信元から送信されたマルチキャスト送信元情報を受信するステップであって、前記第1のBGPルートは、前記ネットワークデバイスと前記第1のエッジノードとの間のBGPルートである、ステップを含み、および/または、
前記第2のBIERドメインにおいて前記マルチキャスト送信元情報を転送するステップは、第2のBGPルートを介して前記第2のBIERドメインにおいて前記マルチキャスト送信元情報を転送するステップであって、前記第2のBGPルートは、前記ネットワークデバイスと前記第2のBIERドメイン内の少なくとも1つのエッジノードとの間のBGPルートを含む、ステップを含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記BIERマルチキャスト転送情報は、前記ターゲットマルチキャストグループに対応し、少なくとも、前記第2のエッジノードのBFR IDと、前記第2のエッジノードに到達するためのネクストホップネイバーと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
自律システム(AS)間のマルチキャスト転送方法であって、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のビットインデックス明示的レプリケーション(BIER)ドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER)および第2のBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BFIR)の両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、
前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための、ターゲットマルチキャストグループに属する第1のマルチキャストパケットを受信するステップであって、前記第1のマルチキャストパケットは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元から発信され、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能し、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記マルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループである、ステップと、
前記ターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報に基づいて、本来前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップであって、前記BIERマルチキャスト転送情報は、前記第2のBIERドメイン内の各エッジノードに接続されるマルチキャスト受信者が前記ターゲットマルチキャストグループに参加するときに発信するマルチキャスト参加パケットに基づいて確立される、ステップと、
前記第2のBIERドメインにおいて前記第2のマルチキャストパケットを転送するステップと、を含む、
ことを特徴とする自律システム間のマルチキャスト転送方法。
【請求項6】
前記ターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報に基づいて、本来前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップは、
前記第1のマルチキャストパケットから元のマルチキャストパケットを復元するステップと、
前記元のマルチキャストパケットに付加されるターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報が確立されたと判定された場合、前記BIERマルチキャスト転送情報に基づいて、前記元のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のマルチキャストパケットには、前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のカプセル化情報が付加されており、
前記第1のマルチキャストパケットから元のマルチキャストパケットを復元するステップは、
前記第1のマルチキャストパケットに付加される前記第1のカプセル化情報をデカプセル化して、前記元のマルチキャストパケットを得るステップを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記BIERマルチキャスト転送情報に基づいて、前記元のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するステップは、
前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のカプセル化情報を前記元のマルチキャストパケットの外部にカプセル化して、第2のマルチキャストパケットを得るステップを含み、
前記第2のマルチキャストパケットには少なくとも、ビット列(BitString)が付加されており、前記ビット列内の指定ビットは、所定値に設定され、前記指定ビットは、前記第2のBIERドメイン内の、マルチキャスト受信者に接続されるエッジノードに対応し、前記所定値は、前記第2のマルチキャストパケットを前記指定ビットに対応するエッジノードに転送する必要があることを示すために使用される、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
自律システム(AS)間のマルチキャスト転送装置であって、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のビットインデックス明示的レプリケーション(BIER)ドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER)および第2のBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BFIR)の両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、
マルチキャスト受信者から発信されたマルチキャスト参加パケットに基づいて、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うためのBIERマルチキャスト転送情報を確立するための転送情報確立ユニットであって、前記マルチキャスト受信者は、前記第2のAS内の第2のエッジノードに接続され、前記第2のエッジノードは、前記第2のBIERドメイン内のBFERとして機能し、前記マルチキャスト参加パケットは、ターゲットマルチキャストグループに参加するために使用され、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループであり、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能する、転送情報確立ユニットと、
前記マルチキャスト参加パケットに付加される前記第2のエッジノードのビット転送ルータ識別子(BFR ID)を第1のBFR IDに変更し、マルチキャスト参加パケットを前記第1のエッジノードに送信し続けるための第1のパケット転送ユニットであって、前記第1のBFR IDは、前記ネットワークデバイスが前記第1のBIERドメイン内のBFERとして配置されたときに付与されるBFR IDである、第1のパケット転送ユニットと、を含む、
ことを特徴とする自律システム間のマルチキャスト転送装置。
【請求項10】
自律システム(AS)間のマルチキャスト転送装置であって、ネットワークデバイスに適用され、前記ネットワークデバイスは、第1のビットインデックス明示的レプリケーション(BIER)ドメイン内のビット転送出口ルータ(BFER)および第2のBIERドメイン内のビット転送入口ルータ(BFIR)の両方として配置され、前記第1のBIERドメインは、第1のASが属するBIERドメインであり、前記第2のBIERドメインは、第2のASが属するBIERドメインであり、前記ネットワークデバイスは、前記第2のAS内にあり、
前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための、ターゲットマルチキャストグループに属する第1のマルチキャストパケットを受信するためのマルチキャストパケット受信ユニットであって、前記第1のマルチキャストパケットは、前記第1のAS内の第1のエッジノードに接続されるマルチキャスト送信元から送出され、前記第1のエッジノードは、前記第1のBIERドメイン内のBFIRとして機能し、前記ターゲットマルチキャストグループは、前記マルチキャスト送信元が属するマルチキャストグループである、マルチキャストパケット受信ユニットと、
前記ターゲットマルチキャストグループに対応するBIERマルチキャスト転送情報に基づいて、本来前記第1のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第1のマルチキャストパケットを、前記第2のBIERドメインにおいてマルチキャスト転送を行うための第2のマルチキャストパケットに変換するためのマルチキャストパケット変換ユニットであって、前記BIERマルチキャスト転送情報は、前記第2のBIERドメイン内の各エッジノードに接続されるマルチキャスト受信者が前記ターゲットマルチキャストグループに参加するときに発信するマルチキャスト参加パケットに基づいて確立される、マルチキャストパケット変換ユニットと、
前記第2のBIERドメインにおいて前記第2のマルチキャストパケットを転送するための第2のパケット転送ユニットと、を含む、
ことを特徴とする自律システム間のマルチキャスト転送装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【国際調査報告】