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特表2024-520870ADCカメラ精密調整方法、装置、機器及びコンピュータ記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ADCカメラ精密調整方法、装置、機器及びコンピュータ記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/06 20060101AFI20240517BHJP
   C30B 15/26 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
C30B29/06 502Z
C30B15/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577424
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 CN2022120556
(87)【国際公開番号】W WO2023046017
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111124306.4
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522248559
【氏名又は名称】西安奕斯偉材料科技股▲ふん▼有限公司
【住所又は居所原語表記】Room 1-3-029, No.1888 South Xifeng Rd., Hi-Tech Zone Xi’an, Shaanxi 710100, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】宋 少傑
(72)【発明者】
【氏名】宋 振亮
【テーマコード(参考)】
4G077
【Fターム(参考)】
4G077AA02
4G077BA04
4G077CF10
4G077HA12
4G077PF02
4G077PF08
4G077PF09
(57)【要約】
ADCカメラ精密調整方法、装置、機器及びコンピュータ記憶媒体であって、前記方法は、現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化をそれぞれ比較することで、溶融物の固液界面からの自動直径制御(ADC)カメラの高さの変化値を取得することと、前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得することと、前記ADCカメラの水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化をそれぞれ比較することで、溶融物の固液界面からの自動直径制御(ADC)カメラの高さの変化値を取得することと、
前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得することと、
前記ADCカメラの水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動することと
を含み、
前記水平変位量が第一水平変位量又は第二水平変位量である、ADCカメラ精密調整方法。
【請求項2】
前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化には、
前記現在の単結晶シリコン棒及び前記前回の単結晶シリコン棒の引き抜き時における保温蓋板の単結晶炉内での高さの変化、熱シールドの長さの変化及び溶融物の液位間隔の変化が含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上述の現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化をそれぞれ比較することで、溶融物の固液界面からのADCカメラの高さの変化値を取得することは、
前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化を比較することで、前記保温蓋板の高さの変化値Δh、前記熱シールドの長さの変化値Δh及び前記溶融物の液位間隔の変化値Δhをそれぞれ取得することと、
前記現在の単結晶シリコン棒の引き抜き時に、前記保温蓋板の高さの変化値Δh、前記熱シールドの長さの変化値Δh及び前記溶融物の液位間隔の変化値Δhに従って、前記溶融物の固液界面からのADCカメラの高さの変化値をΔH=Δh+Δh+Δhとして取得することとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上述の前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得することは、
前記高さの変化値と前記ADCカメラの第一水平変位量との間の幾何学的関係に従って、前記高さの変化値ΔHと前記ADCカメラの第一水平変位量ΔXとの間の第一対応関係をΔX=ΔH×tanθとして得ることであって、そのうち、θが前記ADCカメラと前記現在の単結晶シリコン棒壁との間の鉛直方向上の角度を表すことと、
前記第一対応関係及び前記高さの変化値ΔHに従って、前記ADCカメラの第一水平変位量ΔXを取得することと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
上述の前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得することは、
前記ADCカメラが水平方向に角度Δθだけ回転した後、前記高さの変化値と前記ADCカメラの第二水平変位量との間の幾何学的関係、前記高さの変化値ΔHと前記ADCカメラの第二水平変位量ΔXとの間の第二対応関係をΔX=ΔH×tan(θ+Δθ)として得ることと、
前記第二対応関係及び前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの第二水平変位量を取得することと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
上述の前記ADCカメラの水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動することは、
前記ADCカメラの第一水平変位量又は第二水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動することを含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化をそれぞれ比較することで、溶融物の固液界面からの自動直径制御(ADC)カメラの高さの変化値を取得するように構成される第一取得部分と、
前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得するように構成される第二取得部分であって、そのうち、前記水平変位量が第一水平変位量又は第二水平変位量である第二取得部分と、
前記ADCカメラの水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動するように構成される移動部分と
を含む、ADCカメラ精密調整装置。
【請求項8】
各々がバスシステムを介して結合された、通信インターフェース、メモリ及びプロセッサを含み、
前記通信インターフェースは、他の外部ネットワークエレメントとの間の情報送受信過程中に信号の受信及び送信のためのものであり、
前記メモリは、前記プロセッサ上で動作可能なコンピュータプログラムを記憶するためのものであり、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムの動作時に、請求項1~6の何れか一項に記載のADCカメラ精密調整方法のステップを実行するためのものである、ADCカメラ精密調整機器。
【請求項9】
ADCカメラを精密調整するプログラムを記憶したコンピュータ記憶媒体であって、前記ADCカメラを精密調整するプログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、請求項1~6の何れか一項に記載のADCカメラ精密調整方法のステップが実現される、コンピュータ記憶媒体。
【請求項10】
不揮発性の記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、請求項1~6の何れか一項に記載のADCカメラ精密調整方法のステップが実現されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行される、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年09月24日に中国で出願された中国特許出願第202111124306.4号の優先権を主張し、その内容の全ては、参照により本願に組み込まれる。
本開示の実施例は、半導体の技術分野に関し、特に、ADCカメラ精密調整方法、装置、機器及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子グレードの単結晶シリコン棒は、半導体材料として、通常、集積回路や他の電子部品の製造に使用される。現在、単結晶シリコン棒の一般的な成長方法は、CZ法とも呼ばれるチョクラルスキー(Czochralski)法であり、即ち、単結晶炉内において、坩堝に収容されたシリコン溶融物内に種結晶を浸し、種結晶及び坩堝を回転させながら種結晶を引き上げて、種結晶の末端で種付け、コーン、肩変え、直胴及びテイル等のプロセス操作を順次に行うことにより、単結晶シリコン棒を得ることである。現在、異なる用途を満たす電子グレードのウェーハを得るために、作業者は、異なるホットゾーン及びプロセス条件を使用して、異なる単結晶シリコン棒を作製する必要がある。
【0003】
直胴段階は、結晶成長過程において極めて重要なプロセス過程であり、単結晶シリコン棒の品質を保証する鍵でもあり、直胴段階の初期で、迅速且つ効果的に単結晶シリコン棒の必要な成長直径に達することは、非常に必要である。しかしながら、単結晶シリコン棒の異なる需要により、通常、単結晶炉のホットゾーンパーツについては、ある程度の調整が必要となる。ホットゾーンパーツの調整は、単結晶シリコン棒の成長直径の保証を目的とするものであるため、ホットゾーンパーツの調整に伴って、自動直径制御(Automatic Diameter Control、ADC)カメラについても、それに応じた調整が必要となる。従来の技術案では、ADCカメラの調整位置を直胴段階に入る直前又は入った後に実際のスケールによる測定で得るのは一般的であるが、この場合、ADCカメラの調整には、一定の遅延性があるだけでなく、設定された位置になるまでADCカメラを調整して単結晶シリコン棒の成長直径を監視するためには、繰り返して調整する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本開示の実施例は、ホットゾーンパーツが調整された後にADCカメラの調整位置を精確且つタイムリーに確定して、単結晶シリコン棒を直胴段階の初期から迅速且つ安定して直胴段階に入らせることで、直胴段階の初期における単結晶シリコン棒の品質を高めることが可能なADCカメラ精密調整方法、装置、機器及びコンピュータ記憶媒体を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例に係る技術案は、次のように実現されている。
【0006】
第一局面において、本開示の実施例には、
現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化をそれぞれ比較することで、溶融物の固液界面からの自動直径制御(ADC)カメラの高さの変化値を取得することと、
前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得することと、
前記ADCカメラの水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動することと
を含み、
前記水平変位量が第一水平変位量又は第二水平変位量である、ADCカメラ精密調整方法が提供されている。
【0007】
第二局面において、本開示の実施例には、
現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化をそれぞれ比較することで、溶融物の固液界面からの自動直径制御(ADC)カメラの高さの変化値を取得するように構成される第一取得部分と、
前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得するように構成される第二取得部分であって、そのうち、前記水平変位量が第一水平変位量又は第二水平変位量である第二取得部分と、
前記ADCカメラの水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動するように構成される移動部分と
を含む、ADCカメラ精密調整装置が提供されている。
【0008】
第三局面において、本開示の実施例には、各々がバスシステムを介して結合された、通信インターフェース、メモリ及びプロセッサを含み、
前記通信インターフェースは、他の外部ネットワークエレメントとの間の情報送受信過程中に信号の受信及び送信のためのものであり、
前記メモリは、前記プロセッサ上で動作可能なコンピュータプログラムを記憶するためのものであり、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムの動作時に、第一局面に記載のADCカメラ精密調整方法のステップを実行するためのものである、ADCカメラ精密調整機器が提供されている。
【0009】
第四局面において、本開示の実施例には、ADCカメラを精密調整するプログラムを記憶したコンピュータ記憶媒体であって、前記ADCカメラを精密調整するプログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、第一局面に記載のADCカメラ精密調整方法のステップが実現される、コンピュータ記憶媒体が提供されている。
【0010】
第五局面において、本開示の実施例には、不揮発性の記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、第一局面に記載のADCカメラ精密調整方法のステップが実現されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行される、コンピュータプログラム製品が提供されている。
【発明の効果】
【0011】
本開示の実施例は、ADCカメラ精密調整方法、装置、機器及びコンピュータ記憶媒体を提供しており、当該方法によれば、現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化を比較することで、溶融物の固液界面からのADCカメラの高さの変化値を取得した上で、高さの変化値とADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、高さの変化値に従って、ADCカメラの水平変位量を取得し、最後に前記ADCカメラを目標位置まで水平移動することにより、ホットゾーンパーツが調整された後にADCカメラの調整位置が精確且つタイムリーに確定され易くなるため、単結晶シリコン棒が直胴段階の初期から迅速且つ安定して直胴段階に入るようになり、その結果、直胴段階の初期における単結晶シリコン棒の品質が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施例による単結晶炉の構造模式図である。
図2】本開示の実施例による単結晶炉のホットゾーンパーツの位置変化の模式図である。
図3】本開示の実施例によるADCカメラ精密調整方法のフロー模式図である。
図4】本開示の実施例による溶融物液面からのADCカメラの高さの変化値とADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係の模式図である。
図5】本開示の実施例によるADCカメラの回転角度Δθの模式図である。
図6】本開示の実施例によるADCカメラが目標位置まで水平移動した模式図である。
図7】本開示の実施例によるADCカメラ精密調整装置の構成模式図である。
図8】本開示の実施例によるADCカメラ精密調整機器のハードウェア構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例における技術案を明白且つ完全に説明する。
【0014】
図1を参照して、同図には、本開示の実施例に係る技術案を実現可能な単結晶炉1が示されており、当該単結晶炉1は、炉体10を含んでもよく、炉体10内には、加熱装置及び引き上げ装置が設けられており、加熱装置は、黒鉛坩堝20、石英坩堝30及びヒータ40等を含み、そのうち、石英坩堝30は、例えばポリシリコンのようなシリコン原料を盛るためのものである。シリコン原料は、石英坩堝30内で加熱されて溶融物MSになるように溶かされ、黒鉛坩堝20は、石英坩堝30の外側に包まれ、加熱過程中に石英坩堝30を支持するためのものであり、ヒータ40は、黒鉛坩堝20の外側に設けられている。石英坩堝30の上方には、熱シールド50が設けられ、熱シールド50が保温蓋板60上に吊り下げられており、そのうち、熱シールド50は、下向きに延在して単結晶シリコン棒の成長領域を取り囲む逆テーパー形の屏状物を有し、成長した単結晶シリコン棒へのヒータ40及び高温の溶融物MSからの直接熱放射を遮断して、単結晶シリコン棒の温度を低下させることができる。それと同時に、熱シールド50は、下向きに吹く保護ガスを集中的に成長界面付近に直接噴射させ、単結晶シリコン棒の放熱を更に強化することができる。坩堝軸70は、黒鉛坩堝20の底部に設けられ、坩堝軸70の底部には、坩堝軸70により石英坩堝30を回転させることができるように、坩堝軸駆動装置(不図示)が設けられている。
【0015】
説明すべきなのは、図1に示す結晶引上げ炉1の構造は、詳しく限定したものではなく、本開示の実施例に係る技術案が明確に説明されるように、CZ法を実施して単結晶シリコン棒を作製するために必要な他の部材が省略されて示されていない。図1に示す結晶引上げ炉1に基づき、炉体10の上方には、ADCカメラ2による単結晶シリコン棒の成長直径の監視のために、観測窓80が開設されていてもよい。
【0016】
上記単結晶炉1を利用して単結晶シリコン棒を作製する際、異なる需要の単結晶シリコン棒に対しては、ホットゾーンパーツを調整する必要があり、例えば、図2に示すように、前回の単結晶シリコン棒の引き抜き時に単結晶炉1内のホットゾーンパーツは、図2における実線位置に示すようになる一方で、需要が異なる現在の単結晶シリコン棒にとって、その単結晶炉1内のホットゾーンパーツは、図2における破線位置に示すようになる。理解できることとして、前回の単結晶シリコン棒及び現在の単結晶シリコン棒にとって、単結晶炉1内のホットゾーンパーツの調整は、異なる需要を満たした上で、引き抜かれる単結晶シリコン棒の成長直径を一致させることを目的ものである。そして、理解できることとして、現在の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツが調整されて変化すると、図2に示すように、溶融物MSの固液界面の高さ位置も変化し、つまり、溶融物MSの固液界面からのADCカメラの高さが変化したので、現在の単結晶シリコン棒の成長直径と前回の単結晶シリコン棒の成長直径とが一致することを保証するためには、ADCカメラ2の位置も調整する必要があり、例えば、図2のようにADCカメラ2を実線位置から破線位置まで水平移動する。しかし、従来の技術案では、現在の単結晶シリコン棒が直胴成長段階に入る直前又は直胴成長段階に入った後に実際のスケールによりADCカメラ2の移動変位を測定することになり、理解できることに、実際のスケールによる測定には、一定の遅延性があるとともに、測定データに従ってADCカメラ2を繰り返して調整する必要があるため、単結晶シリコン棒の成長直径の制御精度に影響を与えてしまう。
【0017】
そこで、上記で述べた内容に基づき、図3を参照して、同図には、本開示の実施例によるADCカメラ精密調整方法が示されており、当該方法は、具体的に、
現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化をそれぞれ比較することで、溶融物の固液界面からのADCカメラの高さの変化値を取得するステップS301と、
前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得するステップであって、そのうち、前記水平変位量が第一水平変位量又は第二水平変位量であるステップS302と、
前記ADCカメラの水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動するS303と
を含む。
【0018】
図3に示す技術案によれば、現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化を比較することで、溶融物の固液界面からのADCカメラの高さの変化値を取得した上で、高さの変化値とADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、高さの変化値に従って、ADCカメラの水平変位量を取得し、最後に前記ADCカメラを目標位置まで水平移動することにより、ホットゾーンパーツが調整された後にADCカメラの調整位置が精確且つタイムリーに確定され易くなるため、単結晶シリコン棒が直胴段階の初期から迅速且つ安定して直胴段階に入るようになり、その結果、直胴段階の初期における単結晶シリコン棒の品質が高められる。
【0019】
図3に示す技術案について、いくつかの例では、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化には、
前記現在の単結晶シリコン棒及び前記前回の単結晶シリコン棒の引き抜き時における保温蓋板の単結晶炉内での高さの変化、熱シールドの長さの変化及び溶融物の液位間隔の変化が含まれる。
【0020】
図3に示す技術案について、いくつかの例では、上述の現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化をそれぞれ比較することで、溶融物の固液界面からのADCカメラの高さの変化値を取得することは、
前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化を比較することで、前記保温蓋板の高さの変化値Δh、前記熱シールドの長さの変化値Δh及び前記溶融物の液位間隔の変化値Δhをそれぞれ取得することと、
前記現在の単結晶シリコン棒の引き抜き時に、前記保温蓋板の高さの変化値Δh、前記熱シールドの長さの変化値Δh及び前記溶融物の液位間隔の変化値Δhに従って、前記溶融物の固液界面からのADCカメラの高さの変化値をΔH=Δh+Δh+Δhとして取得することとを含む。
【0021】
理解できることに、図2に示すように、現在の単結晶シリコン棒の実際の引き抜き過程では、現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒との間に製品需要の違いがあるため、単結晶炉1内のホットゾーンパーツについても、それに応じた調整が必要となり、この場合、溶融物MSの固液界面の高さ位置が変化することになり、更に溶融物の固液界面からのADCカメラ2の高さもそれに伴って変化する。具体的に、支持部材の高さの変化による保温蓋板60の位置の変化をΔhとする場合、理解できることに、単結晶炉1内では、保温蓋板60の高さ位置が変化すると、熱シールド50の高さ位置も保温蓋板60の変化に伴って変化するため、保温蓋板60の高さの変化値Δhも、熱シールド50の高さの変化値を表す。一方、実際の引き抜き過程では、異なる単結晶シリコン棒の引き抜きについて、単結晶シリコン棒の成長直径を保証するために、熱シールド50の長さも調整され、本開示の実施例において、熱シールド50の長さの変化値がΔhとして設定され、それと同時に、ホットゾーンパーツの調整過程では、溶融物の液位間隔も変化することになり、本開示の実施例において、溶融物の液位間隔の変化値がΔhとして設定される。したがって、理解できることに、現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、これらのホットゾーンパーツの変化値を利用して、計算により溶融物MSの固液界面からのADCカメラ2の高さの変化値をΔH=Δh+Δh+Δhとして得ることができる。勿論、理解できることに、実際の結晶引上げ過程では、単結晶炉1内における上記で説明したホットゾーンパーツ以外の他のホットゾーンパーツの調整によっても、溶融物MSの固液界面の高さが変化するように影響され、更に溶融物MSの固液界面からのADCカメラ2の高さがそれに伴って変化する。したがって、説明すべきなのは、本開示の実施過程において、溶融物MSの固液界面からのADCカメラ2の高さの変化値には、上記で説明したホットゾーンパーツ以外の他のホットゾーンパーツの変化値が含まれてもよく、つまり、ΔH=Δh+Δh+Δh+……となる。
【0022】
なお、説明すべきなのは、本開示の実施例において、溶融物MSの固液界面が鉛直の上向きに移動する時の変位を正の変位、ADCカメラ2が水平の右向きに移動する時の変位を正の変位として規定するのに対して、溶融物MSの固液界面が鉛直の下向きに移動する時の変位を負の変位、ADCカメラ2が水平の左向きに移動する時の変位を負の変位として規定する。
【0023】
選択的に、図3に示す技術案について、いくつかの例では、上述の前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得することは、
前記高さの変化値と前記ADCカメラの第一水平変位量との間の幾何学的関係に従って、前記高さの変化値ΔHと前記ADCカメラの第一水平変位量ΔXとの間の第一対応関係をΔX=ΔH×tanθとして得ることであって、そのうち、θが前記ADCカメラと前記現在の単結晶シリコン棒壁との間の鉛直方向上の角度を表すことと、
前記第一対応関係及び前記高さの変化値ΔHに従って、前記ADCカメラの第一水平変位量ΔXを取得することと
を含む。
【0024】
理解できることに、溶融物MSの固液界面からのADCカメラ2の高さ位置が変化した場合、ADCカメラ2が監視する単結晶シリコン棒の成長直径を変化しないように保つためには、ADCカメラ2の水平位置を調整して、ADCカメラ2で監視される単結晶シリコン棒の成長直径が一致するように保たれることを保証する必要がある。これに基づき、図4は、図2における黒丸領域の部分拡大図であり、図4における幾何学的関係から分かるように、ADCカメラ2の第一水平変位量ΔXと前記高さの変化値ΔHとの間の第一対応関係は、ΔX=ΔH×tanθとなる。したがって、ADCカメラ2の水平移動による水平変位量ΔXによって、ΔHの変化による単結晶シリコン棒の成長直径への影響を調節することが可能であり、この際、ADCカメラ2と単結晶シリコン棒壁との間の角度はθである。
【0025】
図3に示す技術案について、いくつかの例では、上述の前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得することは、
前記ADCカメラが水平方向に角度Δθだけ回転した後、前記高さの変化値と前記ADCカメラの第二水平変位量との間の幾何学的関係、前記高さの変化値ΔHと前記ADCカメラの第二水平変位量ΔXとの間の第二対応関係をΔX=ΔH×tan(θ+Δθ)として得ることと、
前記第二対応関係及び前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの第二水平変位量を取得することと
を含む。
【0026】
説明すべきなのは、前述したADCカメラ2の水平変位ΔXが大き過ぎると、ADCカメラ2の監視視線が観測窓80の縁や熱シールド50によって遮られてしまう。そこで、このような事態の発生を回避するためには、この際、ADCカメラの水平移動による変位ΔXでは、ADCカメラ2の作動条件を満たせなくなり、その上で、監視要件を満たすためには、ADCカメラ2を再度移動する必要がある。
【0027】
上記のような事態の発生を回避するためには、本開示の実施例の具体的な実施過程において、ADCカメラ2を水平方向に回転させた角度Δθによって、ADCカメラの第二水平変位量を確定してもよい。まず、図5に示すように、ADCカメラ2が水平方向に一定の角度Δθだけ回転し、次に、図5に示す幾何学的関係及びΔHに従って、計算によりADCカメラ2の第二水平変位量がΔX=ΔH×tan(θ+Δθ)として得られる。上記方法によれば、ADCカメラ2の調整位置を精確に得ることができ、直胴段階の初期でADCカメラ2が繰り返して調整されることによる監視精度への影響を回避する。
【0028】
説明すべきなのは、ADCカメラ2のレンズ中心位置には、十字カーソルが設けられているため、ADCカメラ2の水平移動による水平変位量ΔXだけでは、ADCカメラ2の監視視線が遮られてしまうことは、事前に発見することができる。したがって、ADCカメラ2の角度Δθの調整は、直胴段階の前の作業のみとなり、ADCカメラ2の水平移動とともに完成可能であるため、ADCカメラ2を繰り返して調整する必要がない。
【0029】
図3に示す技術案について、いくつかの例では、図6に示すように、上述の前記ADCカメラの水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動することは、
前記ADCカメラの第一水平変位量又は第二水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動することを含む。
【0030】
前述した技術案と同じ構想に基づき、以下、表1により、ADCカメラ2の水平変位量の計算値と試験値との対比結果を具体的に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
前述した技術案と同じ発明構想に基づき、図7を参照して、同図には、本開示の実施例によるADCカメラ精密調整装置70が示されており、前記装置70は、
現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化をそれぞれ比較することで、溶融物の固液界面からのADCカメラの高さの変化値を取得するように構成される第一取得部分701と、
前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得するように構成される第二取得部分であって、そのうち、前記水平変位量が第一水平変位量又は第二水平変位量である第二取得部分702と、
前記ADCカメラの水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動するように構成される移動部分703と
を含む。
【0033】
いくつかの例では、前記第一取得部分701は、
前記現在の単結晶シリコン棒及び前記前回の単結晶シリコン棒の引き抜き時における保温蓋板の単結晶炉内での高さの変化、熱シールドの長さの変化及び溶融物の液位間隔の変化を取得するように構成される。
【0034】
いくつかの例では、前記第一取得部分701は、
前記現在の単結晶シリコン棒と前記前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化を比較することで、前記保温蓋板の高さの変化値Δh、前記熱シールドの長さの変化値Δh及び前記溶融物の液位間隔の変化値Δhをそれぞれ取得し、
前記現在の単結晶シリコン棒の引き抜き時に、前記保温蓋板の高さの変化値Δh、前記熱シールドの長さの変化値Δh及び前記溶融物の液位間隔の変化値Δhに従って、前記溶融物の固液界面からのADCカメラの高さの変化値をΔH=Δh+Δh+Δhとして取得するように更に構成される。
【0035】
いくつかの例では、前記第二取得部分702は、
前記高さの変化値と前記ADCカメラの第一水平変位量との間の幾何学的関係に従って、前記高さの変化値ΔHと前記ADCカメラの第一水平変位量ΔXとの間の第一対応関係をΔX=ΔH×tanθとして得て、そのうち、θが前記ADCカメラと前記現在の単結晶シリコン棒壁との間の鉛直方向上の角度を表し、
前記第一対応関係及び前記高さの変化値ΔHに従って、前記ADCカメラの第一水平変位量ΔXを取得するように構成される。
【0036】
いくつかの例では、前記第二取得部分702は、
前記ADCカメラが水平方向に角度Δθだけ回転した後、前記高さの変化値と前記ADCカメラの第二水平変位量との間の幾何学的関係、前記高さの変化値ΔHと前記ADCカメラの第二水平変位量ΔXとの間の第二対応関係をΔX=ΔH×tan(θ+Δθ)として得て、
前記第二対応関係及び前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの第二水平変位量を取得するように構成される。
【0037】
いくつかの例では、前記移動部分703は、
前記ADCカメラの第一水平変位量又は第二水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動するように構成される。
【0038】
理解できることに、本実施例において、「部分」とは、一部の回路、一部のプロセッサ、一部のプログラムやソフトウェア等であってもよく、勿論、ユニットであってもよいし、モジュールや非モジュール化したものであってもよい。
【0039】
また、本実施例における各構成部分は、1つの処理ユニットに統合されてもよいし、各ユニットが物理的に別個のものとして存在してもよいし、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。前記統合されたユニットは、ハードウェアの形で実現されてもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形で実現されてもよい。
【0040】
前記統合されたユニットは、ソフトウェア機能モジュールの形で実現され、独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づき、本開示の技術案の本質的部分、又は関連技術に対する貢献をもたらす部分、或いは当該技術案の全部又は一部は、ソフトウェア製品の形で具現化可能である。当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本実施例に記載の方法における全部又は一部のステップを、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器等であり得る)又はプロセッサ(processor)に実行させるためのいくつかの命令を含む。前述した記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、ポータブルハードディスク、読取専用メモリ(Read Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクなどのプログラムコードを記憶可能なあらゆる媒体を含む。
【0041】
そこで、本実施例は、ADCカメラを精密調整するプログラムを記憶したコンピュータ記憶媒体であって、前記ADCカメラを精密調整するプログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、上記技術案に記載のADCカメラ精密調整方法のステップが実現される、コンピュータ記憶媒体を提供している。
【0042】
上記のADCカメラ精密調整装置70及びコンピュータ記憶媒体によれば、図8を参照して、同図には、本開示の実施例による上記のADCカメラ精密調整装置70を実装可能なコンピューティング機器80の具体的なハードウェア構造が示されており、当該コンピューティング機器80は、無線装置、携帯電話又はセルラー電話(いわゆるスマートフォンを含む)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ビデオゲームコンソール(ビデオディスプレイ、モバイルビデオゲーム装置、モバイルビデオ会議ユニットを含む)、ラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、テレビセットトップボックス、タブレットコンピューティング装置、電子ブックリーダ、固定又はモバイルメディアプレーヤ等であってもよい。当該コンピューティング機器80は、各々がバスシステム804を介して結合された通信インターフェース801、メモリ802及びプロセッサ803を含む。理解できるように、バスシステム804は、これらのコンポーネント間の接続通信を実現するためのものである。バスシステム804は、データバスに加え、電源バス、制御バス及び状態信号バスを含む。しかし、説明を明確にするために、図8では、各種のバスを全てバスシステム804として示している。そのうち、
前記通信インターフェース801は、他の外部ネットワークエレメントとの間の情報送受信過程中に信号の受信及び送信のためのものであり、
前記メモリ802は、前記プロセッサ上で動作可能なコンピュータプログラムを記憶するためのものであり、
前記プロセッサ803は、前記コンピュータプログラムの動作時に、上記技術案に記載のADCカメラ精密調整方法のステップを実行するためのものである。
【0043】
理解できることに、本開示の実施例におけるメモリ802は、揮発性メモリ又は非揮発性メモリであってもよく、又は、揮発性及び非揮発性メモリの両方を含んでもよい。そのうち、非揮発性メモリは、読取専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、プログラマブル読取専用メモリ(Programmable ROM、PROM)、消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(Erasable PROM、EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(Electrically EPROM、EEPROM)又はフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)であってもよく、外部高速キャッシュとして用いられる。例示的に説明すると、例えば静的ランダムアクセスメモリ(Static RAM、SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(Dynamic RAM、DRAM)、同期動的ランダムアクセスメモリ(Synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレート同期動的ランダムアクセスメモリ(Double Data Rate SDRAM、DDRSDRAM)、拡張同期動的ランダムアクセスメモリ(Enhanced SDRAM、ESDRAM)、同期接続動的ランダムアクセスメモリ(Synchlink DRAM、SLDRAM)及びダイレクトメモリバスランダムアクセスメモリ(Direct Rambus RAM、DRRAM)のような様々なRAMが利用可能であるが、これらに限定されない。本明細書に記載のシステム及び方法におけるメモリ802は、これら及び任意の他の適合タイプのメモリを含むが、限定されるものではない。
【0044】
プロセッサ803は、信号の処理能力を有する集積回路チップであり得る。実現の際、上記方法の各ステップは、プロセッサ803内のハードウェアである集積論理回路又はソフトウェア形式の命令によって完成可能である。上記のプロセッサ803は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネント等であってもよい。本開示の実施例に開示の各方法、ステップ及びロジックブロック図を実現又は実行可能である。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサや、任意の常用的なプロセッサ等であってもよい。本開示の実施例に開示の方法のステップとの連携は、直接具現化として、ハードウェアデコーダプロセッサによる実行で完成されてもよいし、又は、デコーダプロセッサ内のハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせによる実行で完成されてもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読取専用メモリ、プログラマブル読取専用メモリ又は電気的に消去可能なプログラマブルメモリ、レジスタ等の本分野の成熟した記憶媒体に位置してもよい。当該記憶媒体は、メモリ802にあり、プロセッサ803は、メモリ802内の情報を読み取り、そのハードウェアと連携して上記方法のステップを完成させる。
【0045】
理解できることに、本明細書に記載のこれらの実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、又はその組み合わせによって実現可能である。ハードウェアによる実現について、処理ユニットは、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits、ASIC)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing、DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSP Device、DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device、PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本願に記載の機能を実行するための他の電子ユニット又はその組み合わせの中に実現可能である。
【0046】
ソフトウェアによる実現について、本明細書に記載の機能を実行するモジュール(例えばプロシージャ、関数等)によって、本明細書に記載の技術を実現することが可能である。ソフトウェアコードは、メモリに記憶されてプロセッサによって実行されることが可能である。メモリは、プロセッサの内部、又は、プロセッサの外部で実現可能である。
【0047】
具体的に、プロセッサ803は、前記コンピュータプログラムの動作時に、前述した技術案に記載のADCカメラ精密調整方法のステップを実行するように構成されるが、ここで繰り返して述べない。
【0048】
説明すべきなのは、本開示の実施例に記載の各技術案は、矛盾しない限り、任意に組み合わせ可能である。
【0049】
上述したのは、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲は、これに限定されない。当業者であれば、本開示に記載の技術的範囲内で、変形や置換を容易に想到できるが、これらの変形や置換は、全て本開示の保護範囲内とされるべきである。したがって、本開示の保護範囲は、添付された特許請求の範囲に準じるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
図3に示す技術案について、いくつかの例では、上述の前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得することは、
前記ADCカメラが水平方向に角度Δθだけ回転した後、前記高さの変化値と前記ADCカメラの第二水平変位量との間の幾何学的関係、前記高さの変化値ΔHと前記ADCカメラの第二水平変位量ΔXとの間の第二対応関係をΔX=ΔH×tan(θ+Δθ)として得ることと、
前記第二対応関係及び前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの第二水平変位量を取得することと
を含む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
いくつかの例では、前記第二取得部分702は、
前記ADCカメラが水平方向に角度Δθだけ回転した後、前記高さの変化値と前記ADCカメラの第二水平変位量との間の幾何学的関係、前記高さの変化値ΔHと前記ADCカメラの第二水平変位量ΔXとの間の第二対応関係をΔX=ΔH×tan(θ+Δθ)として得て、
前記第二対応関係及び前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの第二水平変位量を取得するように構成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化をそれぞれ比較することで、溶融物の固液界面からの自動直径制御(ADC)カメラの高さの変化値を取得することと、
前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得することと、
前記ADCカメラの水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動することと
を含み、
前記水平変位量が第一水平変位量又は第二水平変位量である、ADCカメラ精密調整方法。
【請求項2】
前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化には、
前記現在の単結晶シリコン棒及び前記前回の単結晶シリコン棒の引き抜き時における保温蓋板の単結晶炉内での高さの変化、熱シールドの長さの変化及び溶融物の液位間隔の変化が含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上述の現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化をそれぞれ比較することで、溶融物の固液界面からのADCカメラの高さの変化値を取得することは、
前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化を比較することで、前記保温蓋板の高さの変化値Δh、前記熱シールドの長さの変化値Δh及び前記溶融物の液位間隔の変化値Δhをそれぞれ取得することと、
前記現在の単結晶シリコン棒の引き抜き時に、前記保温蓋板の高さの変化値Δh、前記熱シールドの長さの変化値Δh及び前記溶融物の液位間隔の変化値Δhに従って、前記溶融物の固液界面からのADCカメラの高さの変化値をΔH=Δh+Δh+Δhとして取得することとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上述の前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得することは、
前記高さの変化値と前記ADCカメラの第一水平変位量との間の幾何学的関係に従って、前記高さの変化値ΔHと前記ADCカメラの第一水平変位量ΔXとの間の第一対応関係をΔX=ΔH×tanθとして得ることであって、そのうち、θが前記ADCカメラと前記現在の単結晶シリコン棒壁との間の鉛直方向上の角度を表すことと、
前記第一対応関係及び前記高さの変化値ΔHに従って、前記ADCカメラの第一水平変位量ΔXを取得することと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
上述の前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得することは、
前記ADCカメラが水平方向に角度Δθだけ回転した後、前記高さの変化値と前記ADCカメラの第二水平変位量との間の幾何学的関係、前記高さの変化値ΔHと前記ADCカメラの第二水平変位量ΔXとの間の第二対応関係をΔX=ΔH×tan(θ+Δθ)として得ることと、
前記第二対応関係及び前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの第二水平変位量を取得することと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
上述の前記ADCカメラの水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動することは、
前記ADCカメラの第一水平変位量又は第二水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動することを含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
現在の単結晶シリコン棒を引き抜く前に、前記現在の単結晶シリコン棒と前回の単結晶シリコン棒に対応するホットゾーンパーツの変化をそれぞれ比較することで、溶融物の固液界面からの自動直径制御(ADC)カメラの高さの変化値を取得するように構成される第一取得部分と、
前記高さの変化値と前記ADCカメラの水平変位量との間の幾何学的関係に基づき、前記高さの変化値に従って、前記ADCカメラの水平変位量を取得するように構成される第二取得部分であって、そのうち、前記水平変位量が第一水平変位量又は第二水平変位量である第二取得部分と、
前記ADCカメラの水平変位量に従って、前記ADCカメラを目標位置まで水平移動するように構成される移動部分と
を含む、ADCカメラ精密調整装置。
【請求項8】
各々がバスシステムを介して結合された、通信インターフェース、メモリ及びプロセッサを含み、
前記通信インターフェースは、他の外部ネットワークエレメントとの間の情報送受信過程中に信号の受信及び送信のためのものであり、
前記メモリは、前記プロセッサ上で動作可能なコンピュータプログラムを記憶するためのものであり、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムの動作時に、請求項1に記載のADCカメラ精密調整方法のステップを実行するためのものである、ADCカメラ精密調整機器。
【請求項9】
ADCカメラを精密調整するプログラムを記憶したコンピュータ記憶媒体であって、前記ADCカメラを精密調整するプログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、請求項1に記載のADCカメラ精密調整方法のステップが実現される、コンピュータ記憶媒体。
【請求項10】
不揮発性の記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、請求項1に記載のADCカメラ精密調整方法のステップが実現されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行される、コンピュータプログラム。
【国際調査報告】