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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-27
(54)【発明の名称】癌の治療のための組合せ
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/06 20060101AFI20240520BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240520BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240520BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240520BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20240520BHJP
   A61K 31/63 20060101ALI20240520BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20240520BHJP
   A61K 31/706 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61K31/506
A61K31/63
A61K31/497
A61K31/706
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569788
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 US2022029002
(87)【国際公開番号】W WO2022241122
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/187,753
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】318007502
【氏名又は名称】シンダックス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】500039463
【氏名又は名称】ボード オブ リージェンツ,ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム
【氏名又は名称原語表記】BOARD OF REGENTS,THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
【住所又は居所原語表記】210 West 7th Street Austin,Texas 78701 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】マックグリーンハン、ジェラルド エム
(72)【発明者】
【氏名】オルデントリッチ、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】カーター、ビング
(72)【発明者】
【氏名】アンドレフ、マイケル
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA20
4C084AA24
4C084MA02
4C084MA52
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC201
4C084ZC202
4C084ZC751
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC50
4C086CB02
4C086DA20
4C086EA16
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示は、癌の治療のためのメニン阻害剤及びCYP3A阻害剤の組合せ、任意選択でさらに低メチル化剤及び/又はFLT3阻害剤と組み合わせたものを対象とする。詳細には、メニン阻害剤とベネトクラクスとの組合せは、急性骨髄性白血病等のHOX遺伝子シグネチャを有する癌の治療において相乗的である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HOX遺伝子シグネチャを有する癌の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記対象に治療有効量のメニン阻害剤と治療有効量のBcl-2阻害剤の相乗的組合せを投与することを含む方法。
【請求項2】
前記メニン阻害剤及び前記Bcl-2阻害剤は、同時に又は順次に経口投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記治療有効量のメニン阻害剤と治療有効量のBcl-2阻害剤の相乗的組合せは、骨髄中の白血病CD34CD38/CD34CD38幹/前駆細胞を相乗的に減少させ、バルク白血病細胞を相乗的に減少させ、抗アポトーシスBcl-2タンパク質を相乗的に減少させ、メニン阻害剤又はBcl-2阻害剤単独と比較して有効性を向上させ、前記対象の生存期間を相乗的に延長させる、又はこれらの組合せを実現させる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記治療有効量のメニン阻害剤と治療有効量のBcl-2阻害剤の相乗的組合せは、前記対象の生存期間を相乗的に延長させ、
前記対象は、異常な細胞質局在を伴うヌクレオホスミン1変異(NPM1c)、FLT3内部タンデム重複(FLT3-ITD)及び/又はFLT3チロシンキナーゼドメイン変異(TKD)から選択される1つ又は複数のAML変異を伴う急性骨髄性白血病に罹患している、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記治療有効量のメニン阻害剤、前記治療有効量のBcl-2阻害剤、又はその両方が、単剤投与の場合の治療有効量に比べて減量されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記メニン阻害剤は、5-フルオロ-N,N-ジイソプロピル-2-((4-(7-((トランス-4-(メチルスルホンアミド)シクロヘキシル)メチル)-2,7-ジアザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)ベンズアミド、N-エチル-2-((4-(7-((トランス-4-(エチルスルホンアミド)シクロヘキシル)メチル)-2,7-ジアザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-5-フルオロ-N-イソプロピルベンズアミド、JNJ-75276617、KO-539、DS-1594、DSP-5336、これらの薬学的に許容される塩、又はこれらの組合せである、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記メニン阻害剤は、5-フルオロ-N,N-ジイソプロピル-2-((4-(7-((トランス-4-(メチルスルホンアミド)シクロヘキシル)メチル)-2,7-ジアザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)ベンズアミド、N-エチル-2-((4-(7-((トランス-4-(エチルスルホンアミド)シクロヘキシル)メチル)-2,7-ジアザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-5-フルオロ-N-イソプロピルベンズアミドであり、1日1回又は2回、一日用量200mg~600mgで投与される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記Bcl-2阻害剤は、ベネトクラクス、ナビトクラクス、オバトクラクス、サバトクラクス、マリトクラクス、S64315、オブリメルセン、又はこれらの組合せである、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記Bcl-2阻害剤は、第1週目は一日用量20mg、第2週目は一日用量50mg、第3週目は一日用量100mg、第4週目は一日用量200mg、第5週目以降は一日用量400mgで投与されるベネトクラクスである、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
CYP3A阻害剤を投与することをさらに含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
FLT3阻害剤を投与することをさらに含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記FLT3阻害剤は、ミドスタウリン、ソラフェニブ、スニチニブ、レスタウルチニブ、タンドゥチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、クレノラニブ、又はこれらの組合せである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
低メチル化剤を投与することをさらに含む、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記低メチル化剤は、アザシチジン、デシタビン、グアデシタビン、又はこれらの組合せである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
FLT3阻害剤と低メチル化剤の両方を投与することをさらに含む、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
追加の化学療法剤を投与することをさらに含む、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記追加の化学療法剤は、シタラビン、5-フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、カペシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、メトトレキサート、ペメトレキセド、フォトトレキサート、又はこれらの組合せを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記対象は以前にベネトクラクスで癌の治療を受けたことがあり、そのベネトクラクスでの治療で癌が進行した、請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記対象は以前にベネトクラクスで治療を受けたことがあり、ベネトクラクスに対する耐性を発症した、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記癌は、血液悪性腫瘍である、請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記血液悪性腫瘍は、リンパ腫、白血病又は多発性骨髄腫である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記血液悪性腫瘍は、白血病である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記白血病は、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、又は慢性リンパ性白血病である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記白血病は、急性骨髄性白血病である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記白血病は、混合血統白血病(MLL)再構成を特徴とする、請求項22から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記白血病は、ヌクレオホスミン(NPM1)変異を特徴とする、請求項22から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記白血病は、さらにFLT3変異を特徴とする、請求項22から26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記HOX遺伝子シグネチャを有する癌は、乳癌、多発性骨髄腫、卵巣癌、腎癌、結腸癌、大腸癌、前立腺癌、胃癌、非小細胞肺がん、膠芽腫、子宮頸癌、軟骨肉腫、骨肉腫、又は神経芽腫である、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
治療有効量のメニン阻害剤と治療有効量のBcl-2阻害剤を含む治療用組合せ。
【請求項30】
CYP3A阻害剤、FLT3阻害剤、低メチル化剤、又はこれらの組合せをさらに含む、請求項29に記載の治療用組合せ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年5月12日出願の米国特許仮出願第63/187,753号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤を含む組合せで癌を治療する方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
ヌクレオホスミン(NPM1)は、主に核小体に局在する多機能タンパク質をコードする遺伝子であり、成人の急性骨髄性白血病(AML)で変異が最もよくみられる遺伝子である(約30%)。NPM1の変異は、異常な細胞質局在(NPM1c)を引き起こす。NPM1変異AMLにおける混合血統白血病(MLL1)とメニンとの相互作用は、MLL再構成(MLL1-r)とメニンとの相互作用と、HOX遺伝子シグネチャ及び依存性が共通する。メニンの阻害がNPM1cとMLL-r AMLの両方で抗白血病活性を有することは実証されている。AMLにおけるNPM1変異は、FLT3-ITD及びFLT3チロシンキナーゼドメイン(TKD)変異等の他の変異を有する患者に頻繁に発生する。メニンとFLT3の共阻害がMLL-r/FLT3変異AML及びNPM1c/FLT3変異AMLにおいて抗白血病活性を増強することは実証されている。
【0004】
AML細胞及びAML幹/前駆細胞の生存に不可欠な因子であるB細胞リンパ腫2(Bcl-2)を標的とすることは、AML患者のための有望な治療選択肢として浮上している。しかし、Bcl-2阻害剤ベネトクラクスと低メチル化剤の組合せの大幅な改善にもかかわらず、ほとんどの患者は耐性を発症し最終的には再発する。本開示はこれらの満たされていない臨床ニーズに対処するものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの態様において、本開示は、HOX遺伝子シグネチャを有する癌の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記対象にメニン阻害剤とBcl-2阻害剤の相乗的組合せを投与することを含む方法を対象とする。いくつかの態様において、本開示は、HOX遺伝子シグネチャを有する癌の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記対象に治療有効量のメニン阻害剤と治療有効量のBcl-2阻害剤の相乗的組合せを投与することを含む方法を対象とする。前記方法は任意選択で、CYP3A阻害剤、FLT3阻害剤、低メチル化剤、又はこれらの組合せをさらに投与することを含む。
【0006】
いくつかの態様において、本開示は、メニン阻害剤とBcl-2阻害剤を含む治療用組合せを対象とする。前記組合せは任意選択で、CYP3A阻害剤、FLT3阻害剤、低メチル化剤、又はこれらの組合せを含む。
【0007】
いくつかの態様において、本開示は、治療有効量のメニン阻害剤と治療有効量のBcl-2阻害剤を含む治療用組合せを対象とする。前記組合せは任意選択で、CYP3A阻害剤、FLT3阻害剤、低メチル化剤、又はこれらの組合せを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】マウスモデルと実験治療スキームを示す図である。
図1B】フローサイトメトリーにより測定された2週間の時点の末梢血中のhuCD45の割合を示す図である。
図1C】フローサイトメトリーにより測定された4週間の時点の末梢血中のhuCD45の割合を示す図である。
図1D】フローサイトメトリーにより測定された治療終了時の骨髄(BM)におけるhuCD45の割合を示す図である。
図1E】フローサイトメトリーにより測定された治療終了時の脾臓におけるhuCD45の割合を示す図である
図1F】治療終了時の脾臓の重量とサイズを示す図である。
図1G】生存曲線を示す図である。
図1H】治療終了時の各治療群のBMと脾臓のH&E染色を示す図である(倍率40倍)。メニン阻害剤であるSNDX(SNDX-50469)は化合物(I)であり、VENはベネトクラクスである。
図2A】さまざまな治療群のHuCD45細胞を示す図である。
図2B】白血病細胞及び白血病幹/前駆細胞のクラスターを示す図である。
図2C】各治療群の生存可能な白血病細胞及び白血病幹/前駆細胞の割合を示す図である。
図2D】さまざまな治療群のhuCD45細胞におけるタンパク質発現を示す図である。
図2E】各治療群のHuCD11bCD45細胞の割合を示す図である。
図2F-1】各治療群のCD34CD38白血病幹/前駆細胞のタンパク質レベルを示す図である。細胞は治療終了時にマウスのBMから採集し、タンパク質レベルはCyTOF解析により測定した。SNDXは化合物(I)であり、VENはベネトクラクスである。
図2F-2】各治療群のCD34CD38白血病幹/前駆細胞のタンパク質レベルを示す図である。細胞は治療終了時にマウスのBMから細胞を採集し、タンパク質レベルはCyTOF解析により測定した。SNDXは化合物(I)であり、VENはベネトクラクスである。
図3】2週間の治療後のマウス血漿中の化合物(I)のレベルを示す図である。SNDXは化合物(I)であり、VENはベネトクラクスである。
図4】マウスの重量を示す図である。SNDXは化合物(I)であり、VENはベネトクラクスである。
図5】飛行時間型(CyTOF)解析によるサイトメトリーに使用される金属タグ付き抗体を示す図である。
図6A】メニン、Bcl-2及びFLT3の複合阻害が強力な抗白血病活性を有し、NPM1c/FLT3-ITD/TKD PDXモデルの生存期間を延長させることを示す図であり、実験スキームを示す図である。
図6B】メニン、Bcl-2及びFLT3の複合阻害が強力な抗白血病活性を有し、NPM1c/FLT3-ITD/TKD PDXモデルの生存期間を延長させることを示す図であり、フローサイトメトリーにより測定された2週間の時点の末梢血中のHuCD45細胞の割合を示す図である。
図6C】メニン、Bcl-2及びFLT3の複合阻害が強力な抗白血病活性を有し、NPM1c/FLT3-ITD/TKD PDXモデルの生存期間を延長させることを示す図であり、フローサイトメトリーにより測定された4週間の時点の末梢血中のHuCD45細胞の割合を示す図である。
図6D】メニン、Bcl-2及びFLT3の複合阻害が強力な抗白血病活性を有し、NPM1c/FLT3-ITD/TKD PDXモデルの生存期間を延長させることを示す図であり、フローサイトメトリーにより測定された治療終了時の脾臓におけるHuCD45細胞の割合を示す図である。治療終了時に採取された脾臓も示す。
図6E】メニン、Bcl-2及びFLT3の複合阻害が強力な抗白血病活性を有し、NPM1c/FLT3-ITD/TKD PDXモデルの生存期間を延長させることを示す図であり、フローサイトメトリーにより測定された治療終了時のBMにおけるHuCD45細胞の割合を示す図である。
図6F】メニン、Bcl-2及びFLT3の複合阻害が強力な抗白血病活性を有し、NPM1c/FLT3-ITD/TKD PDXモデルの生存期間を延長させることを示す図であり、治療タイプ別の生存期間を示す図である。マウスの生存期間はカプランマイヤー法を使用して推定し、生存データはログランク検定を使用して解析した。
図6G】メニン、Bcl-2及びFLT3の複合阻害が強力な抗白血病活性を有し、NPM1c/FLT3-ITD/TKD PDXモデルの生存期間を延長させることを示す図であり、HuCD45の免疫組織化学的染色を示す図である。左は、PDX担持NSGマウス(陽性対照)のBM細胞とPDX非担持NSGマウス(陰性対照)のBM細胞のHuCD45の免疫組織化学的染色である。右は、4剤の組合せで治療されたマウスの肺、肝臓及び心臓組織のHuCD45の免疫組織化学的染色である(図6Eに*印)。群間の差異は、スチューデントのt検定を使用して決定した。P値≦0.05を統計的に有意であるとみなした。*はP≦0.05、**はP≦0.01、***はP≦0.001、****はP≦0.0001、dは日、wkは週、PBは末梢血、SNDXはSNDX-50469、Gilはギルテリチニブ、VENはベネトクラクス、5-AZAは5-アザシチジンである。
図7A】メニン、FLT3及び/又はBcl-2阻害は、白血病細胞及び幹/前駆細胞を標的とし、BMにおけるHOX標的及びBcl-2タンパク質レベルを調節することを示す図であり、白血病細胞及び白血病幹/前駆細胞のクラスターを示す図である。PhenoGraphを使用して、細胞表面マーカーの発現に基づいて細胞集団をクラスター化した。シスプラチンの少ない生存可能な単一細胞をFlowJoソフトウェア(バージョン10.7、FlowJo LLC)でゲートし、後でCytofkitで解析を行うために、フローサイトメトリー標準(FCS)データとしてエクスポートした。PhenoGraphで同定され埋め込まれた「Cytofkit_analyzedFCS」ファイルの細胞集団をFlowJoでゲートし、マーカー発現を定量化した。所望の細胞集団における各タンパク質発現のArcSinh変換カウントをヒートマップで視覚化した。
図7B】メニン、FLT3及び/又はBcl-2阻害は、白血病細胞及び幹/前駆細胞を標的とし、BMにおけるHOX標的及びBcl-2タンパク質レベルを調節することを示す図であり、各治療群における生存可能な白血病細胞及び白血病幹/前駆細胞の割合を示す図である。
図7C】メニン、FLT3及び/又はBcl-2阻害は、白血病細胞及び幹/前駆細胞を標的とし、BMにおけるHOX標的及びBcl-2タンパク質レベルを調節することを示す図であり、治療群のHuCD45細胞を示す図である。
図7D】メニン、FLT3及び/又はBcl-2阻害は、白血病細胞及び幹/前駆細胞を標的とし、BMにおけるHOX標的及びBcl-2タンパク質レベルを調節することを示す図であり、治療群のhuCD45細胞におけるタンパク質発現を示す図である。CONは対照、SNDXはSNDX-50469、Gilはギルテリチニブ、VENはベネトクラクスである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書では、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤を含み、任意選択でさらにFLT3阻害剤、低メチル化剤又はその組合せを含む治療用組合せ及び組成物が提示される。さらに、癌、詳細にはHOX遺伝子シグネチャを有する癌の治療のために上記組合せ及び組成物を投与する方法が提示される。
【0010】
一態様において、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤を含む治療用組合せ及び組成物はさらに低メチル化剤を含む。本明細書に示すように、低メチル化剤5-アザシチジンをメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤に追加すると生存期間が延長され、この組合せにより当該技術分野で認められたマウスモデルにおいて白血病が排除された可能性がある。
【0011】
さらなる一態様において、ギルテリチニブ等のFLT3阻害剤を上記組合せ及び組成物にさらに追加すると、当該技術分野で認められたAMLのマウスモデルの生存期間がさらに延長された。
【0012】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、特許請求される主題が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。以下の詳細な説明は単に例示及び説明のためのものであり、いかなる特許請求される主題をも制限するものではないことを理解されたい。本出願において、単数形を使用するときは、特に明記されていない限り、複数形を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈から特に明示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。本出願において、「又は」の使用は、特に記載がない限り、「及び/又は」を意味する。
【0013】
さらに、用語「含んでいる(including)」並びに他の形、例えば「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含まれる(included)」の使用は限定的なものではない。
【0014】
本明細書に使用されるセクションの見出しは構成上のものであり、記載される主題を限定すると解釈されるべきではない。特許、特許出願、記事、書籍、マニュアル及び論文が挙げられるがこれらに限定されない本出願に引用されるすべての文献又は文献の一部分は、いかなる目的においても、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0015】
治療用組合せ
一態様において、本明細書では、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤を含み、任意選択でさらにFLT3阻害剤、低メチル化剤、又はこれらの組合せを含む治療用組合せ及び組成物が提示される。メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤、FLT3阻害剤及び低メチル化剤は、1つ又は複数の医薬組成物中に存在してもよい。
【0016】
メニン阻害剤は、5-フルオロ-N,N-ジイソプロピル-2-((4-(7-((トランス-4-(メチルスルホンアミド)シクロヘキシル)メチル)-2,7-ジアザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)ベンズアミド、N-エチル-2-((4-(7-((トランス-4-(エチルスルホンアミド)シクロヘキシル)メチル)-2,7-ジアザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-5-フルオロ-N-イソプロピルベンズアミド、JNJ-75276617、KO-539、DS-1594b、DSP-5336、これらの薬学的に許容される塩、又はこれらの組合せを含む。
【0017】
メニン阻害剤の一例は、5-フルオロ-N,N-ジイソプロピル-2-((4-(7-(((1r,4r)-4-(メチルスルホンアミド)シクロヘキシル)メチル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)ベンズアミド(化合物I;SNDX-50469)、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、幾何異性体若しくは互変異性体である。メニン阻害剤の他の例は、N-エチル-2-((4-(7-(((1r,4r)-4-(エチルスルホンアミド)シクロヘキシル)メチル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-5-フルオロ-N-イソプロピルベンズアミド(化合物II;SNDX-5613)、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、幾何異性体若しくは互変異性体である。いくつかの実施形態において、化合物(I)又は化合物(II)のメニン阻害剤は、立体異性体、幾何異性体及び/又は互変異性体である。いくつかの実施形態において、本明細書に提示される治療用組合せで使用されるメニン阻害剤は、化合物(I)及び化合物(II)
【0018】
【化1】
【0019】
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、幾何異性体若しくは互変異性体から選択される。
【0020】
いくつかの実施形態において、化合物(I)又は化合物(II)の薬学的に許容される塩はビスメタンスルホン酸塩である。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される塩は二塩酸塩である。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される塩はセスキフマル酸塩である。
【0021】
いくつかの実施形態において、化合物(I)又は化合物(II)のメニン阻害剤は、強力なCYP3A4阻害剤を使用しない場合は276mg/日、強力なCYP3A4阻害剤を使用する場合は163mg/日の用量で投与してもよい。化合物(I)又は化合物(II)のメニン阻害剤は、1日1回又は2回投与してもよい。
【0022】
当該技術分野で公知のメニン阻害剤のさらなる例として、JNJ-75276617、KO-539、BMF-219、DSP-5336、ISC-30、抗体A300-105A(Bethyl Laboratories社から市販されている)、MI-0202、MI-503、MI-463、MI-136、ML-227及びDS-1594が挙げられる。メニン阻害剤は、メニン阻害剤の開示のために参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第11,220,517号、第10,174,041号、第10,752,639号及び第11,236,106号;米国特許出願公開第2021/0115018号、第2019/0307750号及び第2016/0339035号;PCT出願公開WO2017/112768、WO2017/214367、WO2018/053267、WO2020/069027及びWO2021/207335に記載されている。
【0023】
多種多様な薬学的に許容される塩は、メニン阻害剤から形成されてもよく、メニン阻害剤を有機酸、例えば、脂肪族モノカルボン酸類、脂肪族ジカルボン酸類、フェニル置換アルカン酸類、ヒドロキシアルカン酸類、アルカン二酸類(alkanedioic acids)、芳香族酸類、脂肪族スルホン酸類、芳香族スルホン酸類、アミノ酸類等と反応させることによって形成される酸付加塩類、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等;及びメニン阻害剤を無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸等と反応させることによって形成される酸付加塩類が挙げられる。
【0024】
メニン阻害剤との関連において「薬学的に許容される塩」という用語は、メニン阻害剤の塩を意味し、投与を受ける哺乳動物に有意な刺激を引き起こさず、化合物の生物学的活性及び特性を実質的に抑止しないものである。
【0025】
また、化合物(I)及び化合物(II)の溶媒和物も本明細書に含まれる。溶媒和物は、溶媒の化学量論量又は非化学量論量のいずれかを含有し、薬学的に許容される溶媒、例えば、水、エタノール、メタノール、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、ヘプタン、トルエン、アニソール、アセトニトリル等を用いた生成物形成又は単離のプロセスの中で形成される。溶媒が水の場合は水和物が形成され、溶媒がアルコールの場合はアルコラートが形成される。
【0026】
さらに他の実施形態において、メニン阻害剤又はその薬学的に許容される塩は、非晶相、結晶形態、粉砕形態及びナノ粒子形態が挙げられるが、これらに限定されない様々な形態で調製される。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤又はその薬学的に許容される塩は、非晶質である。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤又はその薬学的に許容される塩は、非晶質及び無水である。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤又はその薬学的に許容される塩は、結晶質である。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤又はその薬学的に許容される塩は、結晶質及び無水である。
【0027】
本明細書に記載される相乗的組合せは、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤を含む。Bcl-2阻害剤の例としては、ベネトクラクス、ナビトクラクス、オバトクラクス、サバトクラクス(subatoclax)、マリトクラクス(maritoclax)、S64315、オブリメルセン、又は抗アポトーシスBcl-2ファミリータンパク質を標的とする他の薬剤、及びこれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤はベネトクラクスである。
【0028】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤とBcl-2阻害剤の組合せは、癌、詳細にはHOX遺伝子シグネチャを有する癌に対して相乗的に作用する。例えば、メニン阻害剤とBcl-2阻害剤の組合せは、メニン阻害剤単独又はBcl-2阻害剤単独のいずれよりも、対象の血液、脾臓及び/又は骨髄中の白血病細胞の数を大幅に減少させうる。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤又はBcl-2阻害剤は単独では、対象の血液、脾臓及び/又は骨髄中の白血病細胞の量を実質的に減少させないが、メニン阻害剤とBcl-2阻害剤の組合せは、対象の血液、脾臓及び/又は骨髄中の白血病細胞の数を実質的に減少させる。臨床エンドポイント(例えば、血液中の白血病細胞の数又はタンパク質の発現)の変化(例えば、増加又は減少)の文脈における「実質的」とは、臨床的に関連性のある又は統計的に有意な変化(例えば、少なくとも5%の変化)を意味する。組織(例えば、血液、脾臓又は骨髄)中の白血病細胞の数は、例えば、フローサイトメトリーを用いてその組織中のヒトCD45細胞の数を測定することによって決定してもよい。いくつかの実施形態において、対象は、本明細書に記載の方法に従って治療されるヒト対象である。いくつかの実施形態において、対象は、1つ又は複数のAML変異(例えば、NPM1c、FLT3-ITD及び/又はFLT3-TKD)を有する。
【0029】
メニン阻害剤とBcl-2阻害剤の組合せはまた、癌、特にHOX遺伝子シグネチャを有する癌(例えば、癌に1つ又は複数のAML変異、NPM1c、FLT3-ITD及び/又はFLT3-TKDがある)を有する対象の生存期間を相乗的に延長しうる。例えば、メニン阻害剤とBcl-2阻害剤の組合せは、メニン阻害剤単独又はBcl-2阻害剤単独のいずれよりも、癌患者(例えば、NPM1c、FLT3-ITD及び/又はFLT3-TKD)の生存期間を延長しうる。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤又はBcl-2阻害剤は単独では、1つ又は複数のAML変異(例えば、NPM1c、FLT3-ITD及び/又はFLT3-TKD)を有する対象の生存を実質的に延長しないが、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤の組合せは、1つ又は複数のAML変異(例えば、NPM1c、FLT3-ITD及び/又はFLT3-TKD)を有する対象の生存期間を実質的に延長する。
【0030】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤の組合せは、対象(例えば、対象のCD34CD38細胞)におけるアポトーシス促進性タンパク質(例えば、Bim)の発現を相乗的に増加させる。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤の組合せは、対象(例えば、対象のCD34CD38細胞)における抗アポトーシスタンパク質(例えば、Bcl-2及び/又はBcl-xL)の発現を相乗的に減少させる。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤の組合せは、対象(例えば、ヒトCD45細胞)におけるBcl-2阻害剤(例えば、Bcl-2A1)による治療に対する耐性に関連するタンパク質の発現を相乗的に減少させる。タンパク質の発現は、例えば、フローサイトメトリー、免疫組織化学又はウェスタンブロッティングを含む当該技術分野において知られている又は本明細書に記載されている任意の適切な方法を用いて測定してもよい。タンパク質発現を分析できる適切なサンプルとしては、血液、骨髄及び脾臓が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、対象は、本明細書に記載の方法に従って治療されるヒト対象である。いくつかの実施形態において、対象は、1つ又は複数のAML変異(例えば、NPM1c。FLT3-ITD及び/又はTKDの有無にかかわらない)を有する癌に罹患している。いくつかの実施形態において、アポトーシス促進性タンパク質の相乗的増加、抗アポトーシスタンパク質の相乗的減少、及び/又はBcl-2阻害剤による治療に対する耐性に関連するタンパク質の相乗的減少が、CD34CD38対象において測定される。いくつかの実施形態において、アポトーシス促進性タンパク質の相乗的増加、抗アポトーシスタンパク質の相乗的減少、及び/又はBcl-2阻害剤による治療に対する耐性に関連するタンパク質の相乗的減少は、対象におけるCD34CD38細胞と比較して、CD34CD38細胞においてより顕著である。
【0031】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤の組合せは、メニン阻害剤の治療効果の効力又は持続時間のいずれかを増強、増加又は延長する。
【0032】
一態様において、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤の組合せはさらに、低メチル化剤を含む。低メチル化剤の例としては、アザシチジン、デシタビン、グアデシタビン及びこれらの組合せが挙げられる。低メチル化剤は、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤と同時に又は順次に投与することができる。
【0033】
一態様において、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤の組合せはさらに、FLT3阻害剤を含む。他の一態様において、メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤及び低メチル化剤の組合せはさらに、FLT3阻害剤を含む。FLT3阻害剤の例としては、ミドスタウリン、ソラフェニブ、スニチニブ、レスタウルチニブ、タンドゥチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、クレノラニブ及びこれらの組合せが挙げられる。
【0034】
FLT3阻害剤は、メニン阻害剤及びBCL-2阻害剤と同時に又は順次に投与することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、本明細書に提示される治療用組合せで治療される対象はさらに、シトクロムP450 3A(CYP3A)阻害剤、例えば、CYP3A4阻害剤を投与される。シトクロムP450酵素は、さまざまな基質を修飾する。修飾には、ヒドロキシル化、エポキシ化、芳香族酸化、ヘテロ原子酸化、N-脱アルキル化、O-脱アルキル化、アルデヒド酸化及び脱水素が含まれる。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤及びCYP3A4阻害剤の組合せは、癌を治療するために相乗的に作用する。
【0036】
特定の理論に縛られることを望むものではないが、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)は、メニン阻害剤及び/又はBcl-2阻害剤の代謝を遅らせると考えられる。したがって、いくつかの実施形態において、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)の投与は、メニン阻害剤及び/又はBcl-2阻害剤の血漿レベルを上昇させる。いくつかの実施形態において、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)の投与は、メニン阻害剤及び/又はBcl-2阻害剤の経口バイオアベイラビリティを高める。いくつかの実施形態において、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)の投与は、メニン阻害剤及び/又はBcl-2阻害剤のCmaxを増加させる。いくつかの実施形態において、CYP3A4阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)の投与は、メニン阻害剤及び/又はBcl-2阻害剤のAUCを増加させる。いくつかの実施形態において、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)の投与は、メニン阻害剤及び/又はBcl-2阻害剤のT1/2を増加させる。
【0037】
いくつかの実施形態において、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)の投与は、さまざまな疾患を治療するためのメニン阻害剤及び/又はBcl-2阻害剤の有効性を増強する。いくつかの実施形態において、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)の投与は、メニン阻害剤の治療効果及び/又はBcl-2阻害剤の治療効果の有効性又は持続時間を増強、増加及び/又は延長する。
【0038】
いくつかの実施形態において、CYP3A阻害剤はCYP3A4阻害剤である。いくつかの実施形態において、CYP3A阻害剤はCYP3A5阻害剤である。いくつかの実施形態において、CYP3A阻害剤はCYP3A7阻害剤である。
【0039】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤とBcl-2阻害剤を含む治療用組合せは、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)と組み合わせると、用量を低減しても治療効果がある。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤とBcl-2阻害剤を含む治療用組合せは、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)と組み合わせるとより有効性が高い。
【0040】
いくつかの実施形態において、CYP3A4阻害剤は、抗不整脈薬、抗ヒスタミン薬、アゾール系抗真菌薬、ベンゾジアゼピン系薬、カルシウムチャネル遮断薬、HIV抗ウイルス薬、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、マクロライド系抗生物質、消化管運動促進薬、プロテアーゼ阻害剤、又はこれらの任意の組合せである。いくつかの実施形態において、CYP3A4阻害剤は、アルプラゾラム;アミオダロン;アムロジピン;アプレピタント;アリピプラゾール;アステミゾール;アトルバスタチン;ボセプレビル;ブスピロン;クロラムフェニコール;クロルフェニラミン;シメチジン;シプロフロキサシン;シサプリド;クラリスロマイシン;コビシスタット(GS-9350);コビシスタット(GS-9350)の類似体又は誘導体;シクロスポリン;デラビルジン;ジアゼパム→3-OH;ジエチル-ジチオカルバメート;ジルチアゼム;エリスロマイシン;フェロジピン;フルコナゾール;フルボキサミン;ゲストデン;グリベック;グレープフルーツ果汁;ハロペリドール;イマチニブ;インジナビル;イトラコナゾール;ケトコナゾール;ロバスタチン;メサドン;ミベフラジル;ミダゾラム;ミフェプリストン;ネファゾドン;ネルフィナビル;ニフェジピン;ニソルジピン;ニトレンジピン;ノルフロキサシン;ノルフルオキセチン;ピモジド;キニーネ;キニジン→3-OH;リトナビル;サキナビル;シルデナフィル;シンバスタチン;スターフルーツ;タクロリムス(FK506);タモキシフェン;テラプレビル;テリスロマイシン;トラゾドン;トリアゾラム;トロレアンドマイシン;ベラパミル;テラプレビル;ビンクリスチン;ボリコナゾール;又はこれらの任意の組合せである。いくつかの実施形態において、CYP3A4阻害剤は、コビシスタット(GS-9350)、又はコビシスタット(GS-9350)の類似体若しくは誘導体である。いくつかの実施形態において、CYP3A4阻害剤はケトコナゾールである。いくつかの実施形態において、CYP3A4阻害剤はリトナビルである。
【0041】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は化合物(I)であり、CYP3A4阻害剤はアゾール系抗真菌薬である。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は化合物(II)であり、CYP3A4阻害剤はアゾール系抗真菌薬である。
【0042】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は化合物(I)であり、CYP3A4阻害剤はポサコナゾールである。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は化合物(II)であり、CYP3A4阻害剤はポサコナゾールである。
【0043】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は、CYP3A4誘発剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態において、CYP3A4誘発剤は、アバシミブ、フェニトイン、カルバマゼピン、リファンピン、エンザルタミド、及びセントジョーンズワートのうちの1つ又は複数を含むが、これに限定されない。
【0044】
用量と投与
本明細書に提示される治療用組合せのメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤は、同じ組成物で投与してもよく、又は別々の組成物で投与してもよい。
【0045】
メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤は、同時に又は順次に投与してもよい。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤は、時間的に近接して投与される。
【0046】
メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤は、同じ頻度で投与してもよく、又は異なる頻度で投与してもよい。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤の最初の投与とBcl-2阻害剤の最初の投与は、時間的に近接して行われる。
【0047】
いくつかの実施形態において、「時間的に近接して」は、一方の治療剤と他方の治療剤との間(例えば、メニン阻害剤とBcl-2阻害剤との間)に相乗効果があるように、一方の治療剤の投与を他方の治療剤の投与の前又は後のある時間内に行うことを意味する。「時間的に近接して」は、これらの治療剤が投与される対象の年齢、性別、体重、遺伝的背景、医学的状態、病歴及び治療歴;治療又は改善しようとする疾患又は状態;達成すべき治療結果;治療剤の投与量、投薬頻度及び投薬期間;治療剤の薬物動態学及び薬力学;並びに治療剤が投与される経路が挙げられるがこれに限定されない様々な要因により異なりうる。いくつかの実施形態において、「時間的に近接して」は、15分以内、30分以内、1時間以内、2時間以内、4時間以内、6時間以内、8時間以内、12時間以内、18時間以内、24時間以内、36時間以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、1週間以内、2週間以内、3週間以内、4週間以内、6週間以内、又は8週間以内を意味する。いくつかの実施形態において、一方の治療剤の多回投与を、他方の治療剤の単回投与に時間的に近接して実施してもよい。いくつかの実施形態において、時間的近接は、処置サイクル中又は投薬レジメン内で変更されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は、毎日、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、又は毎週投与される。一部の実施形態では、Bcl-2阻害剤は、毎日、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎又は毎週投与される。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は、1日あたり1回を超える回数、例えば、4時間毎、6時間毎又は12時間毎に投与される。
【0049】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤は、同時発生的に投与される。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤は、同時に、本質的に同時に、又は同じ治療プロトコール内に投与される。
【0050】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤の1日投与量は、約150mg~約200mg、約200mg~約250mg、約250mg~約300mg、約300mg~約350mg、約350mg~約400mg、約400mg~約450mg、約450mg~約500mg、約500mg~約550mg、約550mg~約600mg、約600mg~約650mg、又は約650mg~約700mgである。
【0051】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤の1日投与量は、約226mg、452mg、113mg、326mg又は552mgである。
【0052】
いくつかの実施形態において、一日用量に等しくなるように、1日1回の用量で与えられる、1日2回の用量で与えられる、1日3回の用量で与えられる、1日4回の用量で与えられる。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は12時間ごとに与えられる。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は113mgの単位用量で投与される。いくつかの実施形態において、単位用量は1日1回与えられる、1日2回与えられる、1日3回与えられる、1日4回与えられる。いくつかの実施形態において、1日あたり1単位用量が与えられる、1日あたり2単位用量が与えられる、1日あたり3単位用量が与えられる、1日あたり4単位用量が与えられる。いくつかの実施形態において、1日につき2単位用量が2回与えられる。
【0053】
いくつかの実施形態において、投与されるメニン阻害剤の量は、約150、約160、約170、約180、約190、約200、約200、約210、約220、約230、約240、約250、約260、約270、約280、約290、約300、約310、約320、約330、約340、約350、約360、約370、約380、約390、約400、約410、約420、約430、約440、約450、約460、約470、約480、約490、約500、約510、約520、約530、約540、約550、約560、約570、約580、約590、約600、約610、約620、約630、約640、約650、約660、約670、約680、約690又は約700mg/日である。いくつかの実施形態において、一日投与量は多回投与に分けられ、1日1回与えられる、1日2回与えられる、1日3回与えられる、1日4回与えられる。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は、1日1回、1日2回、1日3回投与される。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は、1日1回投与される。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は、1日2回投与される。
【0054】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は、50mg QD、113mg QD、113mg q12h、163mg q12h、226mg q12h、276mg q12h、339mg q12h、452mg q12h、又は565mg q12hで投与される。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は、化合物(I)であり、50mg QD、113mg QD、113mg q12h、163mg q12h、226mg q12h、276mg q12h、339mg q12h、452mg q12h、又は565mg q12hで投与される。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は、化合物(II)の化合物であり、50mg QD、113mg QD、113mg q12h、163mg q12h、226mg q12h、276mg q12h、339mg q12h、452mg q12h、又は565mg q12hで投与される。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は、化合物(II)を含む医薬製剤であり、50mg QD、113mg QD、113mg q12h、163mg q12h、226mg q12h、276mg q212h、339mg q12h、452mg q12h、又は565mg q12hで投与される。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は、化合物(II)を含むカプセル剤であり、50mg QD、113mg QD、113mg q12h、163mg q12h、226mg q12h、276mg q12h、339mg q12h、452mg q12h、又は565mg q12hで投与される。いくつかの特定の実施形態において、メニン阻害剤は、113mgの用量で12時間ごと(q12h)に投与される。いくつかの特定の実施形態において、メニン阻害剤は、163mgの用量で12時間ごと(q12h)に投与される。いくつかの特定の実施形態において、メニン阻害剤は、276mgの用量で12時間ごと(q12h)に投与される。
【0055】
いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約10mg~約20mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約20mg~約30mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約30mg~約40mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約40mg~約50mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約50mg~約60mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約60mg~約70mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約70mg~約80mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約80mg~約90mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約90mg~約100mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約100mg~約150mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約150mg~約200mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約200mg~約250mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約250mg~約300mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約300mg~約350mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約350mg~約400mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約400mg~約450mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約450mg~約500mgである。
【0056】
いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約20mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約50mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約100mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約200mgである。いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は約400mgである。
【0057】
いくつかの実施形態において、Bcl-2阻害剤の一日用量は、第1週目は20mg、第2週目は50mg、第3週目は100mg、第4週目は200mg、及び第5週目以降は400mgである。
【0058】
いくつかの実施形態において、本明細書に提示される治療用組合せで治療される対象は、さらにCYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)が投与される。CYP3A4阻害剤は、任意の適切な一日用量で、本明細書に開示される組成物、剤形及び方法で使用されることが企図される。例えば、CYP3A4阻害剤の一日用量は、CYP3A4阻害剤の強度により異なる。弱いCYP3A4阻害剤(例えば、シメチジン)であれば、中程度のCYP3A4阻害剤(例えば、エリスロマイシン、グレープフルーツ果汁、ベラパミル、ジルチアゼム)より多くの一日用量が必要となり、中程度のCYP3A4阻害剤であれば、強いCYP3A4阻害剤(例えば、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ネファゾドン)より多くの一日用量が必要となる。
【0059】
メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤及びCYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)は、同じ組成物で、別々の組成物で、同時に、順次に、時間的に近接して、同じ頻度で、又は異なる頻度で投与してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤とBcl-2阻害剤とを含む治療用組合せと組み合わせて投与されるCYP3A4阻害剤の一日用量は、50mg/日から1000mg/日までであり、1000mg/日を含む。いくつかの実施形態において、各用量は、1日1回与えられる、1日2回与えられる、1日3回与えられる、1日4回与えられる。いくつかの実施形態において、CYP3A4の投与量は、特定のCYP3A4阻害剤によって決まる。いくつかの実施形態において、各CYP3A4阻害剤の1日投与量は、他の適応症に承認された添付文書に従って投与される。いくつかの実施形態において、投与されるCYP3A4阻害剤の量は、約40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690又は700mg/日である。いくつかの実施形態において、一日用量は分けられ、1日1回、1日2回、1日3回、又は1日4回投与される。
【0061】
いくつかの実施形態において、本明細書に提示される治療用組合せで治療される対象に、さらにFLT3阻害剤が投与される。FLT3阻害剤は、任意の適切な一日用量で、本明細書に開示される組成物、剤形及び方法で使用されることが企図される。
【0062】
メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)及びFLT3阻害剤は、同じ組成物で投与してもよく、又は別々の組成物で投与してもよい。
【0063】
メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)及びFLT3阻害剤は、同時に又は順次に投与してもよい。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)及びFLT3阻害剤は、時間的に近接して投与される。
【0064】
メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)及びFLT3阻害剤は、同じ頻度で投与してもよく、又は、異なる頻度で投与してもよい。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤の最初の投与、Bcl-2阻害剤の最初の投与、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)の最初の投与、及び、FLT3阻害剤の最初の投与は、時間的に近接して行われる。
【0065】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤及び任意選択でCYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)を含む治療用組合せと組み合わせて投与されるFLT3阻害剤又は低メチル化剤の一日用量は、50mg/日から1000mg/日までであり、1000mg/日を含む。いくつかの実施形態において、各用量は、1日1回与えられる、1日2回与えられる、1日3回与えられる、1日4回与えられる。いくつかの実施形態において、FLT3阻害剤の投与量は、特定のFLT3阻害剤よって決まる。いくつかの実施形態において、低メチル化剤の投与量は、特定の低メチル化剤によって決まる。いくつかの実施形態において、各FLT3阻害剤の1日投与量は、他の適応症に承認された添付文書に従って投与される。いくつかの実施形態において、投与されるFLT3阻害剤の量は、約40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390又は400mg/日である。いくつかの実施形態において、FLT3阻害剤及び/又は低メチル化剤は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回投与される。
【0066】
いくつかの実施形態において、メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)及び/又は低メチル化剤及び/又はFLT3阻害剤は、1日1回、共投与される(例えば、単一剤形又は別々の剤形で)。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は1日2回投与され、Bcl-2阻害剤、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)及び/又は低メチル化剤及び/又はFLT3阻害剤は、1日4回共投与される(例えば、単一剤形又は別々の剤形で)。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は1日2回投与され、Bcl-2阻害剤、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)及び/又は低メチル化剤及び/又はFLT3阻害剤は、1日2回投与される(例えば、単一剤形又は別々の剤形で)。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)及び/又は低メチル化剤及び/又はFLT3阻害剤は、維持療法である。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤は維持療法である。
【0067】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、予防的、治療的又は維持的治療のために投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は治療用途で投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、例えば寛解期の患者に維持療法として投与される。
【0068】
患者の状態が改善しない場合は、化合物を連続的に与えてもよく、あるいは、投与中の薬物の用量を一定期間、増加してもよい。薬物を増加する期間の長さは、2日から1年の間とすることができ、例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日又は365日が挙げられる。用量の増加は、10%~200%であってもよく、例として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、105%、110%、115%、120%、125%、130%、135%、140%、145%、150%、155%、160%、165%、170%、175%、180%、185%、190%、195%又は200%が挙げられる。
【0069】
患者の状態が改善しない場合は、投与量若しくは投与頻度又はその両方を、症状に応じて、疾患、障害又は状態の改善が達成されるレベルに増加することができる。
【0070】
患者の状態が改善している場合は、投与中の薬物の用量を一時的に低減してもよく、又はある一定期間、一時的に中止してもよい(すなわち「休薬日」)。休薬日の長さは、2日から1年の間とすることができ、例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日又は365日が挙げられる。休薬日の期間の用量の低減は、10%~100%であってもよく、例として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%が挙げられる。
【0071】
患者の状態が改善した後は、必要であれば維持用量が投与される。その後、投与の量若しくは頻度又はその両方を、症状に応じて、改善された疾患、障害又は状態が保持されるレベルに低減することができる。しかしながら、患者は、症状が再発すれば長期的に断続的な治療を必要とすることがある。
【0072】
所与の薬剤の上述の量に対応する量は、特定の化合物、疾患の重症度、治療を必要とする対象又は宿主の個別の条件(例えば、体重)等の要因により異なるが、いずれにしても、その症例を取り巻く個別の事情、例えば投与中の特定の薬剤、投与経路及び治療を受ける対象又は宿主に従い、当業者に公知の方法により日常的に決定することができる。しかし、一般的には、大人のヒトの治療に採用される用量は、典型的には1日あたり0.02~5000mg又は1日あたり約1~1500mgからとなろう。望ましい用量を表すには、単回用量として表すか、それとも、同時に(若しくは短い時間をあけて)又は適切な間隔をあけて投与される分割用量、例えば1日あたり2、3、4回若しくはそれ以上の回数のサブ用量として表すと利便性が高いかもしれない。
【0073】
前述の範囲は一例にすぎず、個別の治療レジメンに関する変数の数は多く、推奨値から大きく逸脱することも珍しくない。投与量は、使用される化合物の活性、治療する疾患若しくは状態、投与様式、個別の対象ごとの要件、治療中の疾患若しくは状態の重症度、及び医師の判断が挙げられるがこれらに限定されない多数の変数に応じて変更してもよい。
【0074】
本明細書に記載される治療レジメンの毒性及び治療有効性は、細胞培養又は実験動物における標準的な薬学的手順により決定することができ、LD50(集団の50%が死亡する用量)及びED50(集団の50%に治療上有効な用量)の決定が挙げられるが、これに限定されない。毒性と治療効果との用量比は治療指数であり、LD50とED50との比として表すことができる。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイ及び動物研究から得たデータを、ヒトに用いる投与量範囲の策定に使用することができる。化合物の投与量は、ED50を含むが毒性が最小限である循環濃度の範囲内にあることが好ましい。投与量は、採用される剤形及び利用される投与経路に応じてこの範囲内で変動してもよい。
【0075】
医薬組成物
一実施形態において、本明細書に提示されるのは、メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤、任意選択でFLT3阻害剤、任意選択で低メチル化剤、及び任意選択で薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。一実施形態において、本明細書に提示されるのは、メニン阻害剤及びCYP3A4阻害剤、並びに任意選択で薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。他の実施形態において、本明細書に提示されるのは、メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)、任意選択でFLT3阻害剤、任意選択で低メチル化剤、及び任意選択で薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。本出願の医薬組成物は、1つ又は複数の薬学的に許容される担体と共に配合される本出願の治療有効量の化合物(例えば、メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤、及び/又はCYP3A4阻害剤、及び/又はFLT3阻害剤、及び/又は低メチル化剤)を含む。
【0076】
本明細書に記載される治療用組合せの各化合物を、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤との関連において遊離の形態で又は薬学的に許容される塩の形態で含む医薬組成物は、混合、造粒又はコーティング方法による従来の方法で製造してもよい。
【0077】
本明細書に記載される医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に適する単位剤形であってもよい。単位剤形では、配合は適正な量の1つ又は複数の化合物を含有する単位用量に分けられる。単位投与量は、配合の個別量を含有する包装形態であってもよい。例えば、包装された錠剤又はカプセル剤、及びバイアル又はアンプルに入れられた散剤が挙げられるがこれらに限定されない。水性懸濁組成物は、単回用量用の再密閉不可能な容器に包装することができる。
【0078】
あるいは、多回用量用の再密閉不可能な容器を使用することができ、この場合は、組成物に防腐剤を含むのが一般的である。例えば、非経口注射用配合は、防腐剤を添加して、例えばアンプル等の単位剤形としてもよく、又は、多回用量用容器に入れてもよい。
【0079】
本出願の治療用組合せは、医薬組成物として、任意の従来の経路により、特に経腸的に、例えば経口で、例えば錠剤若しくはカプセル剤の形態で、又は非経口で、例えば注射液剤若しくは懸濁剤の形態で、又は局所的に、例えばローション剤、ゲル剤、軟膏剤若しくはクリーム剤の形態で、又は経鼻若しくは坐剤の形態で投与してもよい。
【0080】
例えば、経口組成物は、活性成分を、a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/若しくはグリシン;b)滑沢剤、例えば、シリカ、滑石、ステアリン酸、これらのマグネシウム若しくはカルシウム塩及び/若しくはポリエチレングリコール;錠剤にはまた、c)結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/若しくはポリビニルビロリドン;所望により、d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸若しくはこれらのナトリウム塩、若しくは発泡性混合物;並びに/又は、e)吸収剤、着色料、風味料及び甘味料と共に含む錠剤又はゼラチンカプセル剤であってもよい。注射用組成物は、水性等張液剤又は懸濁剤とすることができ、坐剤は、脂肪乳剤又は懸濁剤から調製できる。組成物は滅菌してもよく、並びに/又は、アジュバント、例えば、防腐剤、安定剤、湿潤剤若しくは乳化剤、溶液促進剤、浸透圧を調節する塩及び/若しくは緩衝液を含有してもよい。また、組成物は他の治療上有益な物質を含有してもよい。
【0081】
本出願の医薬組成物は、ヒト及び他の動物に経口、直腸内、非経口、嚢内、膣内、腹腔内、局所的(散剤、軟膏剤若しくは点滴による)、頬側に、又は口腔若しくは鼻腔噴霧により投与してもよい。
【0082】
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される担体」は、任意のタイプの非毒性で不活性な固体、半固体又は液体の充填剤、希釈剤、カプセル化材料又は製剤補助剤を意味する。薬学的に許容される担体として機能しうる材料の例として、イオン交換体;酸化アルミニウム;ステアリン酸アルミニウム;レクチン;血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン;緩衝物質、例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸又はソルビン酸カリウム;飽和植物脂肪酸、水、塩又は電解質の部分グリセリド混合物、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート類、ワックス類、ポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、羊毛脂、糖類、例えば、ラクトース、グルコース及びスクロース;デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、カカオ脂及び坐剤ワックス類、油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油;グリコール類、例えば、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール;エステル類、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱物質無含有水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール及びリン酸緩衝溶液、並びに他の非毒性で適合性のある滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムが挙げられるがこれらに限定されない。同様に、着色剤、遊離剤、コーティング剤、甘味、風味及び芳香剤、防腐剤、並びに酸化防止剤が配合を行う者(formulator)の判断により組成物中に存在してもよい。
【0083】
経口投与用の液体剤形としては、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤を挙げることができる。活性化合物に加えて、液体剤形は、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール類及びソルビタン脂肪酸エステル類、並びにこれらの混合物を含有してもよい。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化及び懸濁化剤、甘味、風味及び芳香剤を含むこともできる。
【0084】
注射剤、例えば、滅菌注射用水性又は油性懸濁剤は、適切な分散又は湿潤剤、及び懸濁剤を使用して従来技術に従って製剤してもよい。滅菌注射剤はまた、例えば1,3-ブタンジオールの液剤等、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒の滅菌注射用液剤、懸濁液又は乳剤であってもよい。採用してもよい許容されるビヒクル及び溶媒には、水、リンゲル液、U.S.P.及び等張塩化ナトリウム溶液がある。また、滅菌の固定油が溶媒又は懸濁媒体として慣用的に採用される。この目的のために、合成モノ-又はジグリセリド類を含む刺激の少ない固定油を採用することができる。また、オレイン酸等の脂肪酸類が注射剤の調製に使用される。
【0085】
時に、薬物の効果を延ばすため、皮下又は筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くすることが望ましい場合がある。これは、水溶性に劣る結晶質又は非晶質材料の液体懸濁剤の使用により達成されうる。薬物の吸収速度は、溶解速度によって決まり、溶解速度は結晶のサイズ及び結晶形態によって決まる。あるいは、非経口投与された薬物形態の吸収遅延は、薬物を油のビヒクルに溶解又は懸濁することにより達成される。
【0086】
本明細書にさらに開示されるのは、いくつかの実施形態において、メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤及び/又はCYP3A4阻害剤を含む剤形である。いくつかの実施形態において、剤形は組合せ剤形である。いくつかの実施形態において、剤形は固体経口剤形である。いくつかの実施形態において、剤形は、錠剤、丸剤又はカプセル剤である。いくつかの実施形態において、剤形は、制御放出剤形、遅延放出剤形、徐放性剤形、パルス放出剤形、多粒子剤形、又は即時放出型と放出制御型の混合製剤である。いくつかの実施形態において、剤形は、制御放出コーティングを含む。いくつかの実施形態において、剤形は、メニン阻害剤の放出を制御する第1の制御放出コーティング、及びCYP3A4阻害剤の放出を制御する第2の制御放出コーティングを含む。
【0087】
活性化合物は、上述した1つ又は複数の賦形剤を用いたマイクロカプセル化された形態であってもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤の固体剤形は、コーティング及びシェルから、例えば、腸溶性コーティング、放出制御コーティング及び医薬製剤技術において公知のその他のコーティングから調製できる。そのような固体剤形において、活性化合物を少なくとも1つの不活性希釈剤、例えば、スクロース、ラクトース又はデンプンと混合してもよい。そのような剤形はまた、通常実施されているように、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えばステアリン酸マグネシウム及び微晶質セルロース等の錠剤化滑沢剤及び他の錠剤化助剤を含んでもよい。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合において、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。
【0088】
治療の方法
別の一態様において、本明細書に提示されるのは、対象における癌を治療する方法であり、その方法は、本明細書に記載の治療用組合せを投与することを含む。
【0089】
本明細書で使用されるとき、「対象」という用語は、ヒト及びヒト以外の動物、並びに、細胞株、細胞培養、組織及び器官を含む。いくつかの実施形態において、対象は哺乳動物である。哺乳動物は、ヒト又はヒト以外の適切な哺乳動物、例えば、霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジ又はブタとすることができる。対象は、鳥又は家禽とすることもできる。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。
【0090】
本明細書で使用されるとき、「それを必要とする対象」という用語は、疾患を有する又は疾患を発症するリスクが高い対象を意味する。それを必要とする対象は、これまでに本明細書に開示される疾患又は障害を有すると以前に診断又は確認されたことがあるものであることができる。それを必要とする対象は、本明細書に開示される疾患又は障害に罹患しているものであることもできる。あるいは、それを必要とする対象は、集団全体と比較して、そのような疾患又は障害を発症するリスクが高いもの(すなわち、集団全体と比較して、そのような障害を発症する素因を有する対象)であることができる。それを必要とする対象は、本明細書に開示される難治性又は治療抵抗性の疾患又は障害(すなわち、本明細書に開示される疾患又は障害で、治療に反応しない又はまだ反応していないもの)を有するものであることができる。対象が治療開始時に治療抵抗性を有する場合もあれば、治療中に治療抵抗性を有し始める場合もある。いくつかの実施形態において、それを必要とする対象は、本明細書に開示される疾患又は障害に対する、既に知られている有効な治療をすべて受け、治療不成功となったものである。いくつかの実施形態において、それを必要とする対象は、以前に少なくとも1つの治療を受けたものである。
【0091】
本明細書で使用されるとき、「治療すること(treating)」又は「治療する(treat)」という用語は、疾患、状態又は障害と闘うことを目的とする患者の管理とケアを意味し、疾患、状態若しくは障害の症状若しくは合併症を軽減するため又は疾患、状態若しくは障害を排除するために、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩、多形体若しくは溶媒和物を投与することを含む。「治療する」という用語はまた、インビトロでの細胞又は動物モデルの治療を含むことができる。「治療している」又は「治療(treat)」に言及するときは、ある状態の確立された症状の軽減を含むと理解されるべきである。
【0092】
本明細書で使用されるとき、「予防すること(preventing)」、「予防する(prevent)」又は「~から保護する(protecting against)」という用語は、そのような病気、状態又は障害の症状又は合併症の発病を低減又は排除することを意味する。
【0093】
本明細書で使用されるとき、「治療有効量」という用語は、確認された疾患若しくは状態を治療、改善若しくは予防する、又は、検出可能な治療効果若しくは抑制効果を示す医薬品の量を意味する。効果は、当該技術分野において公知の任意のアッセイ法により検出することができる。対象に対する正確な有効量は、対象の体重、サイズ及び健康状態、状態の性質と程度、投与のために選択された治療薬又は治療薬の組合せにより異なる。所与の状況に対する治療有効量は、臨床医の技能及び判断の範囲内での日常的な実験により決定することができる。
【0094】
どの化合物についても、治療有効量は、例えば新生物細胞の細胞培養アッセイ、又は、通常はラット、マウス、ウサギ、イヌ若しくはブタの動物モデルのいずれかでまずは推定できることが理解されるべきである。動物モデルは、適切な濃度範囲及び投与経路を決定するためにも使用しうる。そして、そのような情報を使用して、ヒトへの投与に有用な用量及び経路を決定することができる。治療/予防効果及び毒性は、細胞培養又は実験動物における標準的な薬学的手順、例えば、ED50(集団の50%に治療上有効な用量)及びLD50(集団の50%が死亡する用量)によって決定してもよい。有毒効果と治療効果の用量比は治療指標であり、LD50/ED50の比で表すことができる。治療指標の大きい医薬組成物が好ましい。投与量は、採用される剤形、患者の感受性及び投与経路により、この範囲内で異なりうる。
【0095】
投与量と投与は、十分なレベルの活性剤を付与する、又は、所望の効果を維持するよう調整される。考慮しうる要因には、病状の重症度、対象の全般的な健康状態、対象の年齢、体重及び性別、食事、投与の時間と頻度、薬物の組合せ、反応感受性、並びに治療に対する耐性/反応が含まれる。長時間作用型医薬組成物は、特定の製剤の半減期及びクリアランス率に応じて、3~4日毎、毎週、又は2週間に1回投与してもよい。
【0096】
それを必要とする対象においてHOX遺伝子シグネチャを有する癌を治療する方法は、治療有効量のメニン阻害剤及び治療有効量のBcl-2阻害剤、並びに任意選択で治療有効量の低メチル化剤及び/又はFLT3阻害剤の相乗的な組合せを対象に投与することを含む。本明細書で使用されるとき、HOX遺伝子シグネチャは、癌の発生、発症、進行、又はこれらの組合せに影響を及ぼすHOX遺伝子発現の変化によって発現が変化-駆動される遺伝子のセットである。HOX遺伝子シグネチャは、当該技術分野においてよく知られている。いくつかの実施形態において、組合せは、メニン阻害剤、Bcl-2阻害剤、CYP3A阻害剤(例えば、CYP3A4阻害剤)、並びに任意選択で治療有効量の低メチル化剤及び/又はFLT3阻害剤を含む。メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤、並びに任意選択でCYP3A4阻害剤の組合せは、治療有効量の低メチル化剤、治療有効量のFLT3インヒビター、又はこれらの組合せをさらに含む。2つ、3つ、4つ又は5つの薬剤の組合せは、同時に又は順次に、及び、同一又は異なる投与様式、例えば、経口、非経口等によって投与することができる。
【0097】
ホメオボックス(HOX)転写因子は、転写因子の保存されたファミリーである。HOX遺伝子の突然変異や活性化は、癌のリスクの増加、癌の発症及び/又は進行に影響を与えることがある。HOX遺伝子の変化は、血管新生、オートファジー、分化、アポトーシス、増殖、浸潤、転移及び代謝に関与する。HOX遺伝子シグネチャを有する癌には、乳癌、多発性骨髄腫、卵巣癌、腎癌、結腸癌、大腸癌、前立腺癌、胃癌、非小細胞肺癌、膠芽腫、子宮頸癌、軟骨肉腫、骨肉腫、神経芽腫、白血病等の血液悪性腫瘍等がある。
【0098】
血液悪性腫瘍という用語には、リンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫)、白血病(例えば、AML)及び多発性骨髄腫が含まれる。白血病には、AML、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)が含まれる。本明細書に記載される組合せ及び組成物は、血液悪性腫瘍の治療に特に有用である。
【0099】
本明細書に記載の組合せにより治療可能な白血病及びリンパ腫の例として、MLL再編成若しくはMLL遺伝子の再編成に関連する白血病、急性白血病、慢性白血病、緩徐進行性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ性白血病、骨髄性白血病(myeloid leukemia)、骨髄性白血病(myelogenous leukemia)、小児白血病、ALL(急性リンパ芽球性白血病又は急性リンパ性白血病とも呼ばれる)、AML(急性骨髄性白血病又は急性骨髄芽球性白血病とも呼ばれる)、急性顆粒球性白血病、急性非リンパ球性白血病、CLL(慢性リンパ芽球性白血病とも呼ばれる)、CML(慢性骨髄球性白血病とも呼ばれる)、治療関連白血病、MDS、骨髄増殖性疾患(MPD)(例えば、原発性骨髄線維症(PMF))、骨髄増殖性新生物(MPN)、形質細胞新生物、多発性骨髄腫、脊髄形成異常症、皮膚T細胞リンパ腫、ヌクレオホスミン(NPM1)AML、リンパ系新生物、AIDS関連リンパ腫、胸腺腫、胸腺癌、菌状息肉症、アリベール・バザン症候群、菌状肉芽腫、セザリー症候群、有毛細胞白血病、T細胞前リンパ球性白血病(T-PLL)、大顆粒リンパ球性白血病、髄膜白血病、白血病性軟膜炎(leukemic leptomeningitis)、白血病性髄膜炎、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症、又は、複数の遺伝子融合、再構成若しくは突然変異によって引き起こされる悪性腫瘍が挙げられる(Issam, G.C. et al. Therapeutic implications of menin inhibitors in acute leukemias, Leukemia 2021, 35, pp. 2482-2495)。いくつかの実施形態において、AMLは、抽象的な(abstract)ヌクレオフォスミン(NPM1)変異型AML(すなわち、NPM1mut急性骨髄球性白血病)である。
【0100】
いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載される組合せは、MLL再編成に関連する白血病、MLL再編成に関連する急性リンパ球性白血病、MLL再編成に関連する急性リンパ芽球性白血病、MLL再編成に関連する急性リンパ性白血病、MLL再編成に関連する急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)、MLL再編成に関連する急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia)、又はMLL再編成に関連する急性骨髄芽球性白血病を治療するために使用される。本明細書で使用されるとき、「MLL再編成」は、MLL遺伝子の再編成を意味する。
【0101】
急性白血病は、一般に、造血幹/前駆細胞の後天性突然変異によって生じる。染色体異常は、多くの場合、白血病における別個の突然変異の特質である。これらの染色体異常の多くは特定の転座が原因であり、この転座が融合遺伝子の形成をもたらし、それが腫瘍形成及び腫瘍の発生の駆動力となる。具体的な例として、MLL1遺伝子がある。MLL1遺伝子座(11q23)での転座により、MLL-r急性白血病の特徴である発癌性遺伝子融合が形成されることがある。MILL1タンパク質は発生の主要な調節因子であり、ショウジョウバエトリソラックスの哺乳類相同体である。これは、HOX遺伝子発現の重要なエピジェネティック調節因子である。MLL1遺伝子座での転座は、様々な転座パートナーから誘導される可変C末端にMILL1のN末端を融合するキメラタンパク質を生成する。現在、90を超える様々な融合タンパク質が知られている。これらの融合体の発現により、HOX及び他の発生遺伝子の過剰発現という特徴を有する異常な転写プログラムが可能となる。この転写プログラムは分化を抑制し、増殖を増強して、MLL-r急性白血病をもたらす。MLL1遺伝子座(11q23)に関する転座は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を使用して日常的に診断される。起源の前駆細胞に応じて、MLL-rは、表現型として、ALL、AML又は混合表現型急性白血病(MPAL)として現れることがある。これらの転座はまれであり、MLL-rの年間発生率は、米国、欧州、日本で合計約4000件である。すべての白血病のうちで約10%がMLL1転座を有する。
【0102】
本発明の組合せはさらに、MLL/KMT2A遺伝子再編成を有する白血病患者の治療にも有用である。
【0103】
MLL-r患者の再発リスクは、従来の化学療法及び幹細胞移植の後では高く、全体的な5年生存率はわずか約35%である。現在利用可能となっているMLL-r白血病を特異的に標的にする療法は存在しない。CYP3A4阻害剤と組み合わせたメニン阻害剤(例えば、化合物I又は化合物II)は、MLL-r急性白血病に対する新規の標的治療を提供することができる。
【0104】
MLL1融合タンパク質とメニンの相互作用は、MLL-r急性白血病の主要な駆動力である。MLL1融合体及びMLL-r融合体は共に、クロマチン関連タンパク質メニンの大きな特徴である高親和性部位に結合する。MLL1融合体のメニンへの結合は、MLL1のN末端に見られるアミノ酸残基9~13(FPARP)により媒介される。メニンへの結合は、これらの融合体をクロマチンに局在化させ、融合体はその位置で、HOXA遺伝子座及びMEIS1遺伝子の上方制御を含む白血病転写プログラムを可能にする。この転写プログラムが維持されるには、融合タンパク質とメニンとの相互作用が必要である。
【0105】
化合物(I)及び化合物(II)のメニン阻害剤は、メニンのMLL1結合ポケットに高い親和性で結合し、MLL-r融合体を有する一連の細胞に活性を示す。化合物(I)及び化合物(II)のメニン阻害剤は、白血病誘発活性に必要なメニンとMLL1融合タンパク質との相互作用を破壊し、それにより重要な癌遺伝子の発現を障害して、成長を停止させて細胞増殖を阻害する。メニン-MLL相互作用に対する小分子阻害剤が報告されている。これらの阻害剤は、MLL-r細胞株に対して抗増殖活性を実証し、MLL-r白血病のマウスモデルに単一薬剤の生存利益を示した。
【0106】
同様に、メニン阻害剤(例えば、化合物(I)又は化合物(II))とCYP3A4阻害剤との組合せは、有効性を高め、複数の白血病異種移植片モデルにおいて堅牢な活性を実証し、経口投薬後、非臨床モデルに非常に大きな生存利益をもたらした。全体として、これらのデータは、メニン-MLL相互作用への薬理学的阻害が、MLL-r急性白血病の治療における標的戦略となる可能性を示している。
【0107】
一態様において、白血病は変異したヌクレオホスミン1(NPM1)である。
【0108】
いくつかの実施態様において、本発明の組合せは、NPM1変異白血病、例えば、AMLの治療を対象とする。NPM1遺伝子は、主に核小体に局在する多機能タンパク質をコードしており、成人AMLで最も一般的に変異する遺伝子である(症例の約30%)。変異(NPM1c)は、異常な細胞質局在を引き起こす。興味深いことに、NPM1c AMLにおけるMLL1とメニンの相互作用は、MLL-rとメニンの相互作用と、HOX遺伝子シグネチャ及び依存関係において共通する。実際に、メニンの阻害は、NPM1cとMLL-r AMLの両方で抗白血病活性を示した。AMLにおけるNPM1変異は、FLT3等の他の変異を有する患者において頻発する。NPM1cは、FLT3-ITD及びチロシンキナーゼドメイン(TKD)変異と協働してAMLの発症を促進する。メニンとFLT3の共阻害は、MLL-r/FLT3及びNPM1c/FLT3変異AMLにおける抗白血病活性の増強を実証した。
【0109】
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象におけるNMP1 AMLの治療であって、メニン阻害剤及びCYP3A4阻害剤を投与することを含む治療を対象とする。いくつかのさらなる実施形態において、本発明は、それを必要とする対象におけるNMP1 AMLの治療であって、メニン阻害剤を含む医薬組成物及びCYP3A4阻害剤を含む医薬組成物を投与することを含む治療を対象とする。いくつかのさらなる実施形態において、それを必要とする対象におけるNMP1 AMLの治療であって、メニン阻害剤(例えば、化合物(I)又は化合物(II))を含む医薬組成物及びアゾール系抗真菌剤CYP3A4阻害剤を含む医薬組成物を投与することを含む治療を対象とする。
【0110】
さらなる一態様では、MLL-rを有する又は有さない、及びNPM1変異を有する又は有さない癌は、FLT3変異を有することがある。FLT3の変異は、新たに診断されたAML患者の約3分の1で診断される。FLT3内部タンデム重複は、再発の増加及び全生存期間の不良に関連する。
【0111】
AMLの重要な生存因子であるBcl-2を標的とすることは、AML患者にとって有望な治療選択肢として浮上している。しかし、Bcl-2阻害剤ベネトクラクスと低メチル化剤を組み合わせることによりCR/CRiが大幅に増加したにもかかわらず、ほとんどの患者は耐性を発症し、最終的には再発する。Bcl-2は万能な抗アポトーシスタンパク質であり、その阻害によりアポトーシスの閾値が低下するため、ベネトクラクスは併用療法の主流となっている。
【0112】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法に従って治療される対象は、以前にBcl-2阻害剤を用いた治療を受けたことがある。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法に従って治療される対象は、以前にBcl-2阻害剤を用いた治療を受けたことがあり、Bcl-2阻害剤に対する耐性を発症したことがある。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法に従って治療される対象は、以前にBcl-2阻害剤を用いた癌の治療を受けたことがあり、以前のBcl-2阻害剤を用いた治療で癌が進行した。
【0113】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法に従って治療される対象は、以前にベネトクラクスを用いた治療を受けたことがある。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法に従って治療される対象は、以前にベネトクラクスを用いた治療を受けたことがあり、ベネトクラクスに対する耐性を発症したことがある。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法に従って治療される対象は、以前にベネトクラクスを用いた癌の治療を受けたことがあり、以前のベネトクラクスを用いた治療により癌が進行した。
【0114】
本明細書に記載の治療方法の有効性は、当該技術分野において知られている又は本明細書に記載されている任意の適切な方法を使用して評価してもよい。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療方法の有効性は、フローサイトメトリーを使用して対象の血液、脾臓又は骨髄中の白血病細胞(例えば、ヒトCD45細胞)の数を測定することにより評価される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療方法の有効性は、対象の脾臓のサイズを測定することによって評価される。ベネトクラクス/低メチル化剤を用いた治療を受けた多くの患者は、最終的には、ベネトクラクスによる治療に対する耐性が進行又は発症する。しかし、本発明者らは、ベネトクラクスに対する耐性を獲得したMV4-11細胞(MLL-r及びFLT3-ITDを有する)が、化合物I等のメニン阻害剤に対して感受性を有することを発見した。
【0115】
いくつかの実施形態において、本開示の組合せは、強力な抗白血病活性及び有意な生存期間の延長を示したが、ベネトクラクス単独では、効果は最小限であった。いくつかの実施形態において、メニン阻害はCD34CD38細胞を優先的に標的とした。いくつかの実施形態において、メニンとBcl-2の複合阻害により、バルク細胞及びCD34CD38/CD34CD38幹/前駆細胞が有効に排除された。いくつかの実施形態において、組合せの投与により、CD11b骨髄細胞集団が増加した。いくつかの実施形態において、メニン阻害剤とベネトクラクスの組合せの投与により、CD11b骨髄細胞集団が相乗的に増加した。一態様において、治療有効量のメニン阻害剤と治療有効量のBcl-2阻害剤の組合せは、骨髄中の白血病CD34CD38/CD34CD38幹/前駆細胞を相乗的に減少させた。
【0116】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療方法の有効性は、対象における(例えば、対象のCD34CD38細胞における)プロアポトーシスタンパク質(例えば、Bim)の発現を測定することにより決定される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療方法の有効性は、対象における(例えば、対象のCD34CD38細胞における)抗アポトーシスタンパク質(例えば、Bcl-2及び/又はBcl-2xL)の発現を測定することにより決定される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療方法の有効性は、対象における(例えば、対象のヒトCD45細胞における)Bcl-2阻害剤(例えば、Bcl-2A1)による治療に対する耐性に関連するタンパク質の発現を測定することにより決定される。タンパク質の発現は、例えば、フローサイトメトリー、免疫組織化学又はウェスタンブロッティングを含む当該技術分野において知られている又は本明細書に記載されている任意の適切な方法を用いて測定してもよい。タンパク質発現を分析できる適切なサンプルとしては、血液、骨髄及び脾臓が挙げられるがこれらに限定されない。
【0117】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療方法の有効性は、治療後の適切な時点(例えば、1か月、2か月、3か月、6か月、9か月、12か月、18か月、2年、3年、4年、5年、10年又は15年)での対象の全生存期間及び/又は無増悪生存期間を測定することにより評価される。
【0118】
癌を治療すると、腫瘍のサイズが縮小する可能性がある。腫瘍サイズの縮小は、「腫瘍退縮」とも呼ばれる。治療後、腫瘍サイズは、治療前のサイズと比較して、5%、10%、20%、30%、40%、50%又は75%以上縮小することが好ましい。腫瘍のサイズは、任意の再現性のある測定手段により測定してもよい。腫瘍のサイズは、腫瘍の直径として測定してもよい。
【0119】
本明細書に記載の方法に従って癌を治療すると、腫瘍体積が減少する可能性がある。治療後、腫瘍体積は、5%、10%、20%、30%、40%、50%又は75%以上縮小することが好ましい。腫瘍体積は、任意の再現性のある測定手段により測定してもよい。
【0120】
本明細書に記載の方法に従って癌を治療すると、腫瘍の数が減少する可能性がある。治療後、腫瘍数は、5%、10%、20%、30%、40%、50%又は75%以上縮小することが好ましい。腫瘍の数は、任意の再現性のある測定手段により測定してもよい。腫瘍の数は、肉眼又はある特定の倍率で見える腫瘍を数えることによって測定してもよい。特定の倍率は、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍又は50倍であることが好ましい。
【0121】
本明細書に記載の方法に従って癌を治療すると、原発腫瘍部位から離れた他の組織又は器官における転移性病変の数が減少する可能性がある。治療後、転移性病変の数は、5%、10%、20%、30%、40%、50%又は75%縮小することが好ましい。転移性病変の数は、任意の再現性のある測定手段により測定してもよい。転移性病変の数は、肉眼又はある特定の倍率で見える転移性病変を数えることによって測定してもよい。特定の倍率は、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍又は50倍であることが好ましい。
【0122】
本明細書に記載の方法に従って癌を治療すると、キャリアのみを投与された集団と比較して、治療を受けた対象の集団の平均生存時間が増加する可能性がある。平均生存時間は、30日を超えて、より好ましくは60日を超えて、より好ましくは90日を超えて、最も好ましくは120日を超えて増加することが好ましい。集団の平均生存時間の増加は、任意の再現性のある手段により測定してもよい。集団の平均生存時間の増加は、例えば、ある集団について、活性化合物による治療開始後の生存期間の平均長さを計算することにより測定してもよい。集団の平均生存時間の増加はまた、例えば、ある集団について、活性化合物による治療の第1ラウンドの完了後の生存期間の平均長さを計算することにより測定してもよい。
【0123】
本明細書に記載の方法に従って癌を治療すると、未治療の対象の集団と比較して、治療を受けた対象の集団の平均生存時間が増加する可能性がある。平均生存時間は、30日を超えて、より好ましくは60日を超えて、より好ましくは90日を超えて、最も好ましくは120日を超えて増加することが好ましい。集団の平均生存時間の増加は、任意の再現性のある手段により測定してもよい。集団の平均生存時間の増加は、例えば、ある集団について、活性化合物による治療開始後の生存期間の平均長さを計算することにより測定してもよい。集団の平均生存時間の増加はまた、例えば、ある集団について、活性化合物による治療の第1ラウンドの完了後の生存期間の平の長さを計算することにより測定してもよい。
【0124】
本明細書に記載の方法に従って癌を治療すると、本発明の化合物ではない薬物、又はその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体若しくは誘導体による単独療法を受けている集団と比較して、治療された対象の集団の平均生存時間が増加する可能性がある。平均生存時間は、30日を超えて、より好ましくは60日を超えて、より好ましくは90日を超えて、最も好ましくは120日を超えて増加することが好ましい。集団の平均生存時間の増加は、任意の再現性のある手段により測定してもよい。集団の平均生存時間の増加は、例えば、ある集団について、活性化合物による治療開始後の生存期間の平均長さを計算することにより測定してもよい。集団の平均生存時間の増加はまた、例えば、ある集団について、活性化合物による治療の第1ラウンドの完了後の生存期間の平均長さを計算することにより測定してもよい。
【0125】
本明細書に記載の方法に従って癌を治療すると、キャリアのみを投与された集団と比較して、治療を受けた対象の集団の死亡率が減少する可能性がある。癌を治療すると、未治療の集団と比較して、治療を受けた対象の集団の死亡率が減少する可能性がある。本明細書に記載の方法に従って癌を治療すると、本発明の化合物ではない薬物、又はその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体若しくは誘導体による単独療法を受けている集団と比較して、治療された対象の集団の死亡率が減少する可能性がある。死亡率は、2%を超えて、より好ましくは5%を超えて、より好ましくは10%を超えて、最も好ましくは25%を超えて減少することが好ましい。治療を受けた対象の集団の死亡率の減少は、任意の再現性のある手段により測定してもよい。集団の死亡率の減少は、例えば、ある集団について、活性化合物による治療開始後の単位時間あたりの平均疾患関連死亡数を計算することにより測定してもよい。集団の死亡率の減少はまた、例えば、ある集団について、活性化合物による治療の第1ラウンドの完了後の単位時間あたりの平均疾患関連死亡数を計算することにより測定してもよい。
【0126】
本明細書に記載の方法に従って癌を治療すると、腫瘍増殖速度が減少する可能性がある。治療後、腫瘍増殖率は、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%又は75%減少することが好ましい。腫瘍増殖率は、任意の再現性のある手段により測定してもよい。腫瘍増殖率は、単位時間あたりの腫瘍径の変化により測定することができる。
【0127】
本明細書に記載の方法に従って癌を治療すると、腫瘍再増殖が減少する可能性がある。治療後、腫瘍再増殖は、5%、10%、20%、30%、40%、50%又は75%未満であることが好ましい。腫瘍再増殖は、任意の再現性のある測定手段により測定してもよい。腫瘍の再増殖は、例えば、治療後に腫瘍が縮小した後の腫瘍の直径の増加を測定することにより測定される。腫瘍再増殖の減少は、治療の停止後に腫瘍が再び発生しないということによって示される。
【0128】
本明細書に記載の方法に従って癌又は細胞増殖性障害を治療すると、細胞死を生じさせる可能性があり、細胞死により、集団の細胞数が少なくとも10%減少することが好ましい。より好ましくは、細胞死は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%又は75%の減少を意味する。集団中の細胞数は、任意の再現性のある手段により測定してもよい。集団の細胞数は、蛍光活性化細胞選別(FACS)、免疫蛍光顕微鏡法及び光学顕微鏡法により測定できる。細胞死を測定する方法は、Li et al., Proc Natl Acad Sci USA.100(5): 2674-8, 2003に示されるとおりである。一態様において、細胞死はアポトーシスによって起こる。
【0129】
本明細書に提示される治療用組合せは、疾患又は癌の治療において相乗効果をもたらす可能性がある。「相乗効果」とは、治療用組合せの薬剤の組合せ(例えば、メニン阻害剤とBcl-2阻害剤)の有効性が、それらの薬剤の単独投与の場合の効果の合計よりも大きい場合と定義される。相乗効果はまた、それらの薬剤のうちいずれかを単剤として投与することによっては達成できない効果としてもよい。相乗効果は、対象の腫瘍サイズを縮小すること、腫瘍増殖を阻害すること又は生存期間を延長させることによる癌の治療効果を含んでもよいがこれに限定されない。相乗効果はまた、癌細胞の生存能力の低下、癌細胞死の誘導、及び癌細胞の増殖の阻害又は遅延を含んでもよい。
【0130】
本明細書に提示されるように、本明細書に提示の治療用組合せによる治療は、相乗的な抗増殖応答、白血病細胞におけるアポトーシスの相乗的誘導、白血病細胞の分化の相乗的誘導、及び生存期間の相乗的延長をもたらす。
【0131】
組合せ療法
本明細書に提示されるように、「組合せ療法」はまた、本明細書に記載の治療用組合せを、他の生物学的に活性な成分及び非薬物療法(例えば、手術又は放射線治療)とさらに組み合わせて投与することも包含する。組合せ療法が非薬物治療をさらに含む場合、非薬物治療は、治療用組合せと非薬物治療との組合せの共作用から有益な効果が達成される限り、任意の適切な時期に実施してもよい。例えば、適切な場合には、治療用組合せの投与から非薬物治療を一時的に、おそらく数日又は数週間、除外したとしても依然として有益な効果が達成される。
【0132】
他の一態様では、本発明の治療用組合せは、放射線療法と組み合わせて投与してもよい。放射線療法は、多剤療法の一部である本発明の組成物及び本明細書に記載される他の化学療法剤と組み合わせて投与することもできる。
【0133】
特定の場合には、本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択で、CYP3A4阻害剤、低メチル化剤、FLT3阻害剤又はこれらの組合せ)を含む治療用組合せを追加治療剤と組み合わせて投与することが適切である。
【0134】
追加治療剤は、治療中の状態に対する各追加治療剤の特定の有用性によって選択してもよい。一般に、追加治療剤は、本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択で、CYP3A4阻害剤、低メチル化剤、FLT3阻害剤若しくはこれらの組合せ)と同じ医薬組成物によって同時に又は同じ経路で投与する必要はない。いくつかの実施形態において、追加治療剤の最初の投与は確立したプロトコールに従って行い、その後、観察された効果に基づいて、投与量、投与様式及び投与時間がさらに修正される。
【0135】
いくつかの実施形態において、追加治療剤は、疾患の性質、患者の状態及び使用する化合物の実際の選択に応じて、同時発生的に(例えば、同時に、本質的に同時に、若しくは同じ治療プロトコール内で)又は順次に投与される。いくつかの特定の実施形態において、治療プロトコールにおける投与の順序の決定及び各治療剤の投与の反復回数は、治療中の疾患及び患者の状態の評価に基づく。
【0136】
追加治療剤の用量は、追加治療剤、治療中の疾患又は状態等によって異なる。
【0137】
いくつかの実施形態において、追加治療剤は、化学療法剤、ステロイド、免疫療法剤、標的療法、又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態において、追加治療剤は、CD79A阻害剤、CD79B阻害剤、CD19阻害剤、Lyn阻害剤、Syk阻害剤、PI3K阻害剤、Blnk阻害剤、PLCy阻害剤、PKCP阻害剤、又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態において、追加治療剤は、抗体、B細胞受容体シグナル伝達阻害剤、PI3K阻害剤、IAP阻害剤、mTOR阻害剤、放射線免疫療法剤、DNA損傷剤、プロテオソーム阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、プロテインキナーゼ阻害剤、ヘッジホッグ阻害剤、Hsp90阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、Jak1/2阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、PKC阻害剤、PARP阻害剤、又はこれらの組合せである。
【0138】
いくつかの実施形態において、追加治療剤は、クロラムブシル、イホスファミド、ドキソルビシン、メサラジン、サリドマイド、レナリドミド、テムシロリムス、エベロリムス、フルダラビン、フォスタマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、オファツムマブ、リツキシマブ、デキサメタゾン、プレドニゾン、CAL-101、イブリツモマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、ペントスタチン、エンドスタチン、又はこれらの組合せである。
【0139】
いくつかの実施態様において、追加治療剤は、シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン、並びに任意選択でリツキシマブである。いくつかの実施形態において、追加治療剤は、ベンダムスチン及びリツキシマブである。いくつかの実施形態において、追加治療剤は、フルダラビン、シクロホスファミド及びリツキシマブである。いくつかの実施形態において、追加治療剤は、シクロホスファミド、ビンクリスチン及びプレドニゾン、並びに任意選択でリツキシマブである。いくつかの実施形態において、追加治療剤は、エトポシド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、プレドニゾロン及び任意選択でリツキシマブである。いくつかの実施形態において、追加治療剤は、デキサメタゾン及びレナリドミドである。
【0140】
本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択でCYP3A4阻害剤、FLT3阻害剤又はその両方)を含む治療用組合せと一緒に投与してもよい追加治療剤として、ナイトロジェンマスタード、例えば、ベンダムスチン、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、プレドニムスチン、トロホスファミド;アルキルスルホン酸、例えば、ブスルファン、マンノスルファン、トレオスルファン;エチレンイミン、例えば、カルボコン、チオテパ、トリアジコン;ニトロソウレア、例えば、カルムスチン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン;エポキシド、例えば、エトグルシド;他のアルキル化剤、例えば、ダカルバジン、ミトブロニトール、ピポブロマン、テモゾロミド;葉酸類似体、例えば、メトトレキサート、ペメトレキセド、プララトレキサート、ラルチトレキセド;プリン類似体、例えば、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ネララビン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えば、アザシチジン、カペシタビン、カルモフール、シタラビン、デシタビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、テガフール;ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン;ポドフィロトキシン誘導体、例えば、エトポシド、テニポシド;コルヒチン誘導体、例えば、デメコルシン;タキサン、例えば、ドセタキセル、パクリタキセル、パクリタキセルポリグルメクス;他の植物アルカロイド又は天然物、例えばトラベクテジン;アクチノマイシン、例えば、ダクチノマイシン;アントラサイクリン、例えば、アクラルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピラルビシン、バルルビシン、ゾルビシン;他の細胞障害性抗生物質、例えば、ブレオマイシン、イクサベピロン、マイトマイシン、プリカマイシン;白金化合物、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン;メチルヒドラジン、例えば、プロカルバジン;増感剤、例えば、アミノレブリン酸、エファプロキシラル、アミノレブリン酸メチル、ポルフィマーナトリウム、テモポルフィン;プロテインキナーゼ阻害剤、例えば、ダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス;他の抗悪性腫瘍剤、例えば、アリトレチノイン、アルトレタミン、アムサクリン(amzacrine)、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、ベキサロテン、ボルテゾミブ、セレコキシブ、デニロイキン・ディフティトックス、エストラムスチン、ヒドロキシカルバミド、イリノテカン、ロニダミン、マソプロコール、ミルテホシン、ミトグアゾン、ミトタン、オブリメルセン、ペグアスパルガーゼ、ペントスタチン、ロミデプシン、シチマジーンセラデノベック、チアゾフリン、トポテカン、トレチノイン、ボリノスタット;エストロゲン、例えば、ジエチルスチルベノール(diethylstilbenol)、エチニルエスホテムスチンロール、リン酸ポリエストラジオール;プロゲストーゲン、例えば、ゲストノロン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール;ゴナドトロピン放出ホルモン類似体、例えば、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロレリン、トリプトレリン;抗エストロゲン薬、例えば、フルベストラント、タモキシフェン、トレミフェン;抗アンドロゲン剤、例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド;酵素阻害剤、例えば、アミノグルテチホテムスチンール、エキセメスタン、フォルメスタン、レトロゾール、ボロゾール;他のホルモン拮抗薬、例えば、アバレリックス、デガレリクス;免疫賦活剤、例えば、ヒスタミミルテホシンファムルチド、ピドチモド、プレリキサホル、ロキニメックス、チモペンチン;免疫抑制剤、例えば、エベロリムス、グスペリムス、レフルノミド、ミコフェノール酸、シロリムス;カルシニューリン阻害剤、例えば、シクロスポリン、タクロリムス;他の免疫抑制剤、例えば、アザチオプリン、レナリドミド、メトトレキサート、サリドマイド;及び、放射性医薬品、例えばイオベングアンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0141】
本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択でCYP3A4阻害剤、FLT3阻害剤又はその両方)を含む治療用組合せと一緒に投与してもよいさらなる治療剤として、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、成長因子等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0142】
本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択でCYP3A4阻害剤、FLT3阻害剤又はその両方)を含む治療用組合せと一緒に投与してもよい追加治療剤として、免疫賦活剤、例えば、アンセスチム、フィルグラスチム、レノグラスチム、モルグラモスチム、ペグフィルグラスチム、サルグラモスチム;インターフェロン、例えば、天然型インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンアルファ-n1、天然型インターフェロンベータ、インターフェロンベータ-1a、インターフェロンベータ-1b、インターフェロンガンマ、ペグインターフェロンアルファ-2a、ペグインターフェロンアルファ-2b;インターロイキン、例えば、アルデスロイキン、オプレルベキン;他の免疫賦活剤、例えば、BCGワクチン、グラチラマー酢酸塩、ヒスタミン二塩酸塩、イムノシアニン、レンチナン、メラノーマワクチン、ミファムルチド、ペガデマーゼ、ピドチモド、プレリキサホル、ポリI:C、ポリICLC、ロキニメックス、タソネルミン、チモペンチン;免疫抑制剤、例えば、アバタセプト、アベチムス、アレファセプト、抗リンパ球免疫グロブリン(ウマ)、抗胸腺細胞免疫グロブリン(ウサギ)、エクリズマブ、エファリズマブ、エベロリムス、グスペリムス、レフルノミド、ムロモナブ-CD3、ミコフェノール酸、ナタリズマブ、シロリムス;TNFアルファ阻害剤、例えば、アダリムマブ、アフェリモマブ、セルトリズマブペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ;インターロイキン阻害剤、例えば、アナキンラ、バシリキシマブ、カナキヌマブ、ダクリズマブ、メポリズマブ、リロナセプト、トシリズマブ、ウステキヌマブ;カルシニューリン阻害剤、例えば、シクロスポリン、タクロリムス;他の免疫抑制剤、例えば、アザチオプリン、レナリドミド、メトトレキサート、サリドマイドが挙げられるがこれらに限定されない。
【0143】
本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択でCYP3A4阻害剤、FLT3阻害剤又はその両方)を含む治療用組合せと一緒に投与してもよいさらなる治療剤として、アダリムマブ、アレムツズマブ、バシリキシマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、セルトリズマブペゴル、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ゲムツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、インフリキシマブ、ムロモナブ-CD3、ナタリズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ(Trastuzumabor)、又はこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。
【0144】
本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択でCYP3A4阻害剤、FLT3阻害剤又はその両方)を含む治療用組合せと一緒に投与してもよい追加治療剤として、モノクローナル抗体、例えば、アレムツズマブ、ベバシズマブ、カツマキソマブ、セツキシマブ、エドレコロマブ、ゲムツズマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ;免疫抑制剤、例えば,エクリズマブ、エファリズマブ、ムロモナブ-CD3、ナタリズマブ;TNFアルファ阻害剤、例えば、アダリムマブ、アフェリモマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、インフリキシマブ、インターロイキン阻害剤、バシリキシマブ、カナキヌマブ、ダクリズマブ、メポリズマブ、トシリズマブ、ウステキヌマブ、放射性医薬品、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブ;他のモノクローナル抗体、例えば、アバゴボマブ、アデカツムマブ、アレムツズマブ、抗CD30モノクローナル抗体Xmab2513、抗METモノクローナル抗体MetMab、アポリズマブ、アポマブ(apomab)、アルシツモマブ、バシリキシマブ、二重特異性抗体2B1、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブベドチン、カプロマブペンデチド、シズツムマブ、クラウジキシマブ(claudiximab)、コナツムマブ、ダセツズマブ、デノスマブ、エクリズマブ、エプラツズマブ、エプラツズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、フィギツムマブ、フレソリムマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、グレンバツムマブ、イブリツモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、リンツズマブ、ルカツムマブ、マパツズマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、モノクローナル抗体CC49、ネシツムマブ、ニモツズマブ、オファツムマブ、オレゴボマブ、ペルツズマブ、ラマクリマブ(ramacurimab)、ラニビズマブ、シプリズマブ、ソネプシズマブ(sonepcizumab)、タネズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ベルツズマブ、ビジリズマブ、ボロシキシマブ、ザルツムマブが挙げられるがこれらに限定されない。
【0145】
本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択でCYP3A4阻害剤、FLT3阻害剤又はその両方)を含む治療用組合せと一緒に投与してもよいさらなる治療剤として、腫瘍微小環境、例えば、細胞シグナル伝達ネットワーク(例えば、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)シグナル伝達経路、B細胞受容体及びIgE受容体からのシグナル伝達)に影響を及ぼす薬剤が挙げられるがこれに限定されない。いくつかの実施形態において、第2の薬剤は、PI3Kシグナル伝達阻害剤又はsycキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態において、syk阻害剤はR788である。別の実施形態において、第2の薬剤は、PKCy阻害剤、例えば,エンザスタウリンである。
【0146】
腫瘍微小環境に影響を及ぼす薬剤の例としては、PI3Kシグナル伝達阻害剤;sycキナーゼ阻害剤;プロテインキナーゼ阻害剤、例えば、ダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス;他の血管新生阻害剤、例えば、GT-111、JI-101、R1530;他のキナーゼ阻害剤、例えば、AC220、AC480、ACE-041、AMG900、AP24534、Arry-614、AT7519、AT9283、AV-951、アキシチニブ、AZD1152、AZD7762、AZD8055、AZD8931、バフェチニブ、BAY73-4506、BGJ398、BGT226、BI 811283、BI6727、BIBF 1120、BIBW2992、BMS-690154、BMS-777607、BMS-863233、BSK-461364、CAL-101、CEP-11981、CYC116、DCC-2036、ディナシクリブ、ドビチニブ乳酸塩(dovitinib lactate)、E7050、EMD 1214063、ENMD-2076、フォスタマチニブ二ナトリウム(fostamatinib disodium)、GSK2256098、GSK690693、INCB18424、INNO-406、JNJ-26483327、JX-594、KX2-391、リニファニブ、LY2603618、MGCD265、MK-0457、MK1496、MLN8054、MLN8237、MP470、NMS-1116354、NMS-1286937、ON01919.Na、OSI-027、OSI-930、PF-00562271、PF-02341066、PF-03814735、PF-04217903、PF-04554878、PF-04691502、PF-3758309、PHA-739358、PLC3397、プロゲニポエチン(progenipoietin)、R547、R763、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、R05185426、SAR103168、SCH727965、SGI-1176、SGX523、SNS-314、TAK-593、TAK-901、TKI258、TLN-232、TTP607、XL147、XL228、XL281R05126766、XL418、XL765が挙げられる。
【0147】
本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択でCYP3A4阻害剤、FLT3阻害剤又はその両方)を含む治療用組合せと組み合わせて使用するための治療剤のさらなる例として、マイトジェン活性化プロテインキナーゼシグナル伝達の阻害剤、例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY-142886、SB239063、SP600125、BAY43-9006、ウォルトマニン又はLY294002;Syk阻害剤:mTOR阻害剤:及び抗体(例えば、リツキサン)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0148】
本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択でCYP3A4阻害剤、FLT3阻害剤又はその両方)を含む治療用組合せとの組合せで採用してもよい他の薬剤として、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール(acodazole hydrochloride);アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン(ambomycin);酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシレート(bisnafide dimesylate);ビセレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー(carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフムゴル(cedefmgol);クロラムブシル;シロレマイシン(cirolemycin);クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロロキシフェンクエン酸塩(droloxifene citrate);プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;塩酸エソルビジン(esorubicin hydrochloride);エストラムスチン;エストラムスチンリン酸エステルナトリウム(estramustine phosphate sodium);エタニダゾール;エトポシド;エトポシドリン酸塩;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;フルダラビンリン酸エステル;フルオロウラシル;フルオロシタビン(flurocitabine);フォスキドン(fosquidone);フォストリエシンナトリウム(fostriecin sodium);ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イイモホシン(iimofosine);インターロイキンII(組換えインターロイキンII又はrlL2を含む)、インターフェロンアルファ-2a;インターフェロンアルファ-2b;インターフェロンアルファ-nl;インターフェロンアルファ-n3;インターフェロンベータ-1a;インターフェロンガンマ-1b;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン(losoxantrone hydrochloride);マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;ミトスペル(mitosper);ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール(nocodazoie);ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペグアスパルガーゼ;ペリオマイシン(peliomycin);ペンタムスチン;ペプロマイシン硫酸塩;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩(piroxantrone hydrochloride);プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール(safmgol hydrochloride);セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム(sparfosate sodium);スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;テロキサントロン塩酸塩(teloxantrone hydrochloride);テモポルフム(temoporfm);テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;トレミフェンクエン酸塩;酢酸トレストロン(trestolone acetate);リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフム(verteporfm);硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン(vinepidine sulfate);硫酸ビングリシネート(vinglycinate sulfate);硫酸ビンロイロシン(vinleurosine sulfate);酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン(vinrosidine sulfate);硫酸ビンゾリジン(vinzolidine sulfate);ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0149】
本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択でCYP3A4阻害剤、FLT3阻害剤又はその両方)を含む治療用組合せと一緒に投与してもよいさらなる治療剤として、20-epi-l、25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール(adecypenol);アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TK拮抗薬;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;拮抗薬D;拮抗薬G;アンタレリクス;抗背側化形態形成タンパク質-1(anti-dorsalizing morphogenetic protein-1);抗アンドロゲン薬、前立腺癌;抗エストロゲン薬;抗新生物薬(antineoplaston);アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシナート(aphidicolin glycinate);アポトーシス遺伝子修飾因子;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アクシナスタチン(axinastatin)1;アクシナスタチン2;アクシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABL拮抗薬;ベンゾクロリン類;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータアレチン(beta-alethine);ベータクラマイシン(betaclamycin)B;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナフィド;ビストラテンA;ビセレシン;ブレフラート(breflate);ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリア痘(canarypox)IL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン類(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;キュラシンA;シクロペンタアントラキノン;シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド(dexifosfamide);デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドクス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;9-ジオキサマイシ(dioxamycin);ジフェニルスピロマスチン(diphenyl spiromustine);ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲン作用薬;エストロゲン拮抗薬;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin hydrochloride);ホルフェニメクス;フォルメスタン;フォストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫賦活ペプチド;インスリン受容体阻害剤;インターフェロン作用薬;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;4-イポメアノール;イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン-Nトリアセテート(lamellarin-N triacetate);ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;レンチナン硫酸塩(lentinan sulfate);レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血病アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体(linear polyamine analogue);親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解ペプチドマイタンシン(lytic peptides maitansine);マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二重鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン(mitotoxin)線維芽細胞成長因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;ヒト絨ホテムスチンロピン;モノホスホリルリピドA+マイコバクテリウム(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多発性腫瘍抑制因子1ベースの療法(multiple tumor suppressor 1-based therapy);マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリウム細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン(napavin);ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;酸化窒素修飾因子;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;06-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘発剤;オルマプラチン;オサテロン(osaterone);オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペグアスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビスアクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAベースの免疫修飾因子;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン(polyoxyethylerie)共役体;raf拮抗薬;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン(retelliptine demethylated);レニウムRe186エチドロン酸(rhenium Re 186 etidronate);リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル(ruboxyl);サフムゴル(safmgol);サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1模倣体;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達修飾因子;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム(sodium borocaptate);フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン(sonermin);スパルフォス酸(sparfosic acid);スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;過活動性血管作動性腸管ペプチド拮抗薬;スラジスタ(suradista);スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルロピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフム(temoporfm);テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン(thaliblastine);チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣体;チマルファシン;チモポイエチン受容体作用薬;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チロホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;泌尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体拮抗薬;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法;ベラレソール;ベラミン(veramine);ベルジン(verdin);ベルテポルフム(verteporfm);ビノレルビン;ビンクサルチン(vinxaltine);ビタキシン(vitaxin);ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;及びジノスタチンスチマラマーが挙げられるがこれらに限定されない。
【0150】
本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択でCYP3A4阻害剤、FLT3阻害剤又はその両方)を含む治療用組合せと一緒に投与してもよい他の治療剤として、他のCYP3A4阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、天然生成物又はホルモン、例えば、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン(mechloroethamine)、シクロホスファミド、クロラムブシル等)、アルキルスルホン酸(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン等)、又はトリアゼン(ダカルバジン等)が挙げられるがこれらに限定されない。代謝拮抗剤の例には、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、又はピリミジン類似体(例えば、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0151】
アルキル化剤の例には、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン等)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、アルキルスルホン酸(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン等)、又はトリアゼン(ダカルバジン等)が挙げられるがこれらに限定されない。代謝拮抗剤の例には、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、又はピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン(floxouridine)、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0152】
本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択でCYP3A4阻害剤、FLT3阻害剤又はその両方)を含む治療用組合せと一緒に投与してもよい追加治療剤として、エルブロゾール(R-55104としても知られる)、ドラスタチン10(DLS-10及びNSC-376128としても知られる)、イセチオン酸ミボブリン(CI-980としても知られる)、ビンクリスチン、NSC-639829、ディスコデルモリド(NVP-XX-A-296としても知られる)、ABT-751(Abbott、E-7010としても知られる)、アルトヒルチン(例えば、アルトヒルチンA及びアルトヒルチンC)、スポンジスタチン(例えば、スポンジスタチン1、スポンジスタチン2、スポンジスタチン3、スポンジスタチン4、スポンジスタチン5、スポンジスタチン6、スポンジスタチン7、スポンジスタチン8、及びスポンジスタチン9)、塩酸セマドチン(LU-103793及びNSC-D-669356としても知られる)、エポチロン(例えば、エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(デスオキシエポチロン(desoxyepothilone)A又はdEpoAとしても知られる)、エポチロンD(KOS-862、dEpoB、及びデスオキシエポチロンBとしても知られる)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N-オキシド、エポチロンA N-オキシド、16-アザ-エポチロンB、21-アミノエポチロン(aminoepothilone)B(BMS-310705としても知られる)、21-ヒドロキシエポチロン(hydroxyepothilone)D(デスオキシエポチロンF及びdEpoFとしても知られる)、26-フルオロエポチロン(fluoroepothilone)、アウリスタチンPE(NSC-654663としても知られる)、ソブリドチン(TZT-102としても知られる)、LS-4559-P(Pharmacia、LS-4577としても知られる)、LS-4578(Pharmacia、LS-477-Pとしても知られる)、LS-4477(Pharmacia)、LS-4559(Pharmacia)、RPR-112378(Aventis)、硫酸ビンクリスチン、DZ-3358(Daiichi)、FR-182877(Fujisawa、WS-9885Bとしても知られる)、GS-164(Takeda)、GS-198(Takeda)、KAR-2(Hungarian Academy of Sciences)、BSF-223651(BASF、ILX-651及びLU-223651としても知られる)、SAH-49960(Lilly/Novartis)、SDZ-268970(Lilly/Novartis)、AM-97(Armad/Kyowa Hakko)、AM-132(Armad)、AM-138(Armad/Kyowa Hakko)、IDN-5005(Indena)、クリプトフィシン52(LY-355703としても知られる)、AC-7739(Ajinomoto、AVE-8063A及びCS-39.HCIとしても知られる)、AC-7700(Ajinomoto、AVE-8062、AVE-8062A、CS-39-L-Ser.HCI、及びRPR-258062Aとしても知られる)、ビチレブアミド(Vitilevuamide)、ツブリシンA、カナデンソール(Canadensol)、センタウレイジン(NSC-106969としても知られる)、T-138067(Tularik、T-67、TL-138067及びTI-138067としても知られる)、COBRA-1(Parker Hughes Institute、DDE-261及びWHI-261としても知られる)、H10(Kansas State University)、H16(Kansas State University)、オンコシジン(Oncocidin)A1(BTO-956及びDIMEとしても知られる)、DDE-313(Parker Hughes Institute)、フィジアノリド(Fijianolide)B、ラウリマライド、SPA-2(Parker Hughes Institute)、SPA-1(Parker Hughes Institute、SPIKET-Pとしても知られる)、3-IAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、MF-569としても知られる)、ナルコシン(Narcosine)(NSC-5366としても知られる)、ナスカピン(Nascapine)、D-24851(Asta Medica)、A-105972(Abbott)、ヘミアステリン、3-BAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、MF-191としても知られる)、TMPN(Arizona State University)、バナドセンアセチルアセトナート(Vanadocene acetylacetonate)、T-138026(Tularik)、モンサトロール(Monsatrol)、イナノシン(lnanocine)(NSC-698666としても知られる)、3-1AABE(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine)、A-204197(Abbott)、T-607(Tuiarik、T-900607としても知られる)、RPR-115781(Aventis)、エロイテロビン(Eleutherobin)(例えば、デスメチルエロイテロビン(Desmethyleleutherobin)、デスアセチルエロイテロビン(Desaetyleleutherobin)、イソエロイテロビン(lsoeleutherobin)A、及びZ-エロイテロビン)、カリベオシド(Caribaeoside)、カリベオリン(Caribaeolin)、ハリコンドリンB、D-64131(Asta Medica)、D-68144(Asta Medica)、ジアゾナミドA、A-293620(Abbott)、NPI-2350(Nereus)、タッカロノリド(Taccalonolide)A、TUB-245(Aventis)、A-259754(Abbott)、ジオゾスタチン(Diozostatin)、(-)-フェニルアヒスチン(Phenylahistin)(NSCL-96F037としても知られる)、D-68838(Asta Medica)、D-68836(Asta Medica)、ミオセベリンB、D-43411(Zentaris、D-81862としても知られる)、A-289099(Abbott)、A-318315(Abbott)、HTI-286(SPA-110としても知られる、トリフルオロ酢酸塩)(Wyeth)、D-82317(Zentaris)、D-82318(Zentaris)、SC-12983(NCI)、レスベラスタチンリン酸ナトリウム(Resverastatin phosphate sodium、BPR-OY-007(National Health Research Institutes)、並びにSSR-250411(Sanofi)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0153】
本明細書に提示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤(並びに、任意選択でCYP3A4阻害剤、FLT3阻害剤又はその両方)を含む治療用組合せは、免疫抑制薬(例えば、タクロリムス、シクロスポリン、ラパマイシン、メトトレキサート、シクロホスファミド、アザチオプリン、メルカプトプリン、ミコフェノール酸若しくはFTY720)、グルココルチコイド(例えば、プレドニゾン、酢酸コルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、アルドステロン)、非ステロイド性抗炎症薬(例えば、サリチル酸塩類、アリールアルカン酸類、2-アリールプロピオン酸類、N-アリールアントラニル酸類、オキシカム類、コキシブ類若しくはスルホンアニリド類)、Cox-2特異的阻害剤(例えば、バルデコキシブ、セレコキシブ若しくはロフェコキシブ)、レフルノミド、金チオグルコース、金チオマレート、オーロフム(aurofm)、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキニン、ミノサイクリン、TNF-a結合タンパク質(例えば、インフリキシマブ、エタネルセプト、若しくはアダリムマブ)、アバタセプト、アナキンラ、インターフェロン-β、インターフェロン-γ、インターロイキン-2、アレルギーワクチン、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、ベータ作用薬テオフィリン、及び/又は抗コリン薬と組み合わせて使用してもよい。
【0154】
キット及び製造品
本明細書に記載される治療使用方法における使用のため、本明細書では、キット及び製造品についても記載する。キットは、1つ又は複数の容器、例えばバイアル、チューブ等を収容するために区画化されている担体、包装又は容器を含み、1つ又は複数の容器のそれぞれは、本明細書に記載の方法において使用される個別の要素の1つを含む。適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ及び試験管が挙げられる。一実施形態において、容器は様々な材料、例えばガラス又はプラスチックから形成される。
【0155】
本明細書に提示される製造品は、包装材料を含む。医薬包装材料の例としては、ブリスターパック、ボトル、チューブ、バッグ、容器、ボトル、並びに、投与及び治療の選択された製剤及び意図する様式に適する任意の包装材料が挙げられるがこれらに限定されない。
【0156】
例えば、上記の1つ又は複数の容器は、本明細書に開示されるメニン阻害剤及びBcl-2阻害剤、並びに任意選択で、CYP3A4阻害剤、低メチル化剤、FLT3阻害剤、又はこれらの組合せを含む。メニン阻害剤及びBcl-2阻害剤、CYP3A4阻害剤、低メチル化剤及び/又はFLT3阻害剤は、1つ、2つ、3つ又は4つの容器に入れて提供されてもよい。キットには任意選択で、本明細書に記載の方法における使用に関する識別のための記載若しくは識別ラベル又は取扱説明書が含まれる。
【0157】
通常、キットには、内容物を列挙するラベル及び/又は使用説明書、並びに使用説明書が記載された添付文書を含む。通常、取扱説明書一式も含まれる。
【0158】
いくつかの実施形態において、ラベルは、容器上に付され又は容器に付随する。いくつかの実施形態において、ラベルを形成する文字、数字又はその他の文字が容器それ自体に付着、成形又はエッチングされる場合、ラベルは容器上に付されており、ラベルが容器をも保持する入れ物又は担体内に、例えば添付文書として入れられている場合、ラベルは容器に付随する。いくつかの実施形態において、ラベルは、内容物が特定の治療用途に使用すべきことを示すために使用される。ラベルはまた、例えば本明細書に記載の方法における内容物の使用法も示す。
【0159】
いくつかの特定の実施形態において、医薬組成物(例えば、本明細書に提示される医薬組成物)は、本明細書に提示される化合物を含有する1つ又は複数の単位剤形を収容するパック又はディスペンサーデバイスに入れられている。パックは、例えばブリスターパック等、金属又はプラスチック箔を含む。いくつかの実施形態において、パック又はディスペンサーデバイスは、投与のための取扱説明書を伴う。いくつかの実施形態において、パック又はディスペンサーは、医薬品の製造、使用又は販売を規制する政府機関により定められた形態での容器に不随する通知書も伴い、この通知書は、ヒトへの投与又は獣医学的な投与のためのその薬物の形態を政府機関が承認したことを反映するものである。このような通知は、例えば、処方薬についての米国食品医薬品局により承認された表示、又は承認された製品添付文書である。いくつかの実施形態において、適合する医薬担体中に配合された本明細書に提示の化合物を含む組成物もまた、調製され、適切な容器に入れられ、及び適応する状態(indicated condition)の治療のラベルが貼られる。
【実施例
【0160】
このセクションの実施例は、説明のみを目的としており、限定的であることを意図するものではない。
【0161】
実施例1 メニン阻害剤(化合物(I);SNDX-50469)とベネトクラクスとの組合せ
メニン-MLL1阻害剤化合物(I)、化合物(II)の等効力の代替物、及びベネトクラクスの組合せの抗白血病活性、及び潜在的な相乗効果とメカニズムをNPM1c/FLT3-ITD/TKD患者由来の異種移植片(PDX)モデルのインビボで調査した。
【0162】
マウス実験は、動物実験委員会により承認されたプロトコルに従って実施した。マウスの生存期間はカプランマイヤー法を用いて推定し、生存データはログランク検定を用いて解析した。群間の差異は、スチューデントのt検定を使用して決定し、P値≦0.05を統計的に有意であるとみなした。PDX(DFAM-16835)はPRoXeリポジトリから得た。生着したNSGマウスを、0.05%若しくは0.1%化合物(I)(SNDX)を仕込んだ飼料、ベネトクラクス(VEN)、又は0.1%化合物(I)+ベネトクラクスで治療した(図1A)。2週間の時点で、0.05%若しくは0.1%のどちらかの化合物(I)(P<0.0001)、又はベネトクラクス(P=0.0012)が循環芽球を有意に減少させたことが、ヒトCD45(huCD45)細胞のフローサイトメトリー測定によって評価された。この点では、用量が多いほど、より有効であり(P=0.05)、上記組合せは0.1%化合物(I)又はベネトクラクス(P<0.0001)よりも有意に有効であった(図1B)。4週間の時点では、化合物(I)、及び化合物(I)とベネトクラクスとの組合せは、循環白血病細胞を有意に減少させ(P<0.0001)、ベネトクラクス単独では効果がなかった(図1C)。
【0163】
フローサイトメトリー解析により、治療終了時に、0.05%(P=0.05)又は0.1%(P=0.02)の化合物(I)は、部分的にBM白血病細胞を減少させたことが明らかになった。用量が多いほど有効性が高い傾向があったが、統計的有意性は認められなかった。ベネトクラクスは、単独では活性を示さなかったが、0.1%化合物Iと組み合わせると、BM白血病負荷を著しく減少させた(P=0.0035対0.1%化合物I)(図1D)。ベネトクラクス単独では脾臓での活性にも欠けていたが、化合物I単独、又は化合物Iとベネトクラクスとの組合せは、0.1%化合物Iで治療したマウス1匹が高い芽球の割合と脾臓肥大を示した以外は、脾臓のhuCD45細胞(図1E)、及び、脾臓の重量又はサイズ(図1F)を大幅に減少させた。この同じマウスは、比較的高いBMのhuCD45細胞の割合も示した(図1D)。結果はH&E染色と一致していた(図1H)。
【0164】
図1A図1Hに示すように、メニン阻害により、NPM1c/FLT3-ITD/TKD PDXモデルにおいて、抗白血病活性と、Bcl-2阻害によってさらに増強されたマウスの生存期間の延長とが実証された。このように、0.05%又は0.1%の化合物(I)はマウスの生存期間を有意に延長し(対照群の61日と比較して、中央値でそれぞれ125日と131日;P=0.0001)、用量がより多くなればベネフィットが増加することがわかった(P=0.008)。ベネトクラクス単独では、生存期間の延長は対照群と比較して最小限であった(中央値69日、P=0.026)。しかし、0.1%化合物(I)+ベネトクラクスで治療されたマウスは、未治療のマウス(P=0.0003)又はベネトクラクスで治療されたマウス(P=0.0008)と比較して、生存期間が2倍以上(中央値143日)となり、0.1%化合物(I)で治療されたマウス(P=0.0005)の生存期間をさらに超える生存期間となった。
【0165】
治療終了時に、白血病芽球及び表現型で定義された白血病幹細胞/前駆細胞に対する治療効果を、BM白血病細胞のタンパク質発現と併せて、当該技術分野において公知の方法によるCyTOF解析によって評価した。CyTOFパネルを図5に示す。
【0166】
図2A図2Eに示すように、治療終了時のBM細胞のCyTOF解析により、メニン及びBcl-2阻害は白血病細胞及び幹/前駆細胞を標的とし、Bcl-2タンパク質レベルを修飾した。細胞集団を、細胞表面マーカーに基づいてPhenoGraphでクラスター化した。シスプラチンの少ない生存可能な単一細胞をFlowJo(ソフトウェアバージョン10.7、FlowJo LLC)でゲートし、その後のCytofkitでの解析のために、フローサイトメトリー標準(FCS)データとしてエクスポートした。PhenoGraphで同定され、「Cytofkit_analyzedFCS」ファイルに埋め込まれた細胞集団をFlowJoでゲートし、マーカー発現を定量化した。所望の細胞集団における各タンパク質発現のArcSinh変換カウントをヒートマップで視覚化した。huCD45細胞の解析により、化合物Iは細胞組成を変化させ、ベネトクラクスは白血病細胞に対して最小限の効果しかなかったが、その組合せでは、白血病細胞が有効に排除されたことが示された(図2A)。細胞表面マーカー発現に基づくPhenoGraphクラスタリングにより、huCD45細胞はCD34CD38、CD34CD38CD123、CD34CD38CD123Tim3、CD34CD38、CD34CD38CD123、及びCD34CD38CD123Tim3集団に分類された(図2B)。化合物(I)は0.05%で、そして0.1%ではさらにバルク白血病細胞を部分的に抑制し、CD34CD38/CD34CD38CD123/CD34CD38CD123Tim3細胞を有効に標的とした。化合物(I)は、0.1%でのみ、CD34CD38/CD34CD38CD123細胞を減少させることができたが、CD34CD38CD123Tim3細胞を減少させることはできなかった。ベネトクラクスはバルク白血病に対しては活性を示さず、CD34CD38/CD34CD38CD123/CD34CD38CD123Tim3細胞では部分的に活性を示したが、CD34CD38/CD34CD38CD123/CD34CD38CD123Tim3集団では活性を示した。0.1%の化合物(I)とベネトクラクスの組合せは、白血病幹細胞/前駆細胞を含むすべての細胞タイプを排除するのに最も有効であった(図2C)。白血病細胞のタンパク質解析(図2D)により、化合物(I)は、そして上記組合せではさらにBcl-2及びBcl-xLを減少させ、Bimを増加させることが実証された。さらに、上記組合せは、Bcl-2阻害の抵抗因子であるBcl-2A1を減少させた。CD34CD38細胞及びCD34CD38細胞のタンパク質解析(図2F)により、化合物(I)が複数のアポトーシス促進タンパク質を増加させたことが明らかになった。化合物(I)は、CD34CD38においてBcl-2を減少させたが、CD34CD38細胞においてはさして減少させなかった。このことは、化合物(I)が、CD34CD38ではなくCD34CD38細胞集団において有効性を有することを部分的に説明するかもしれない。CD34CD38及びCD34CD38細胞数は、上記組合せで治療された群で非常に低かった。
【0167】
NPM1c/FLT3変異AMLにおけるメニン阻害はFLT3を標的とするといういくつかの報告に反して、p-FLT3は化合物(I)で治療された細胞、特に上記組合せで治療された群で増加した。メニン阻害剤による短期間の治療後の細胞株では、インビトロでFLT3発現の減少が観察されたが、これらの結果は、1か月間治療したマウスのインビボで得られたものであり、生き残った細胞の単一細胞プロテオミクスを反映する。p-FLT3の増加はBM環境因子により引き起こされたか、又は生き残った細胞の抵抗メカニズムであった可能性がある。pFAKとCD44のレベルが高いことは、間質相互作用が活性化して生存期間を増強させたことを示しているかもしれない。さらに、化合物(I)で治療されたマウスのBM細胞では、huCD11bレベルの増加(図2D)及びhuCD11b集団が観察された(図2E)。
【0168】
適切に薬物が摂取されていることを確認するため、化合物(I)を仕込んだ飼料を与えられたマウスから血液サンプルを採取し、血漿中の薬物レベルを測定した(n=5)。化合物(I)用量依存性の血漿レベルが観察されたが、これはベネトクラクスでの治療による影響を受けなかった(図3)。しかし、上記組合せでの治療は体重減少を引き起こし、これにより、併用治療の有効性が過小評価される可能性があるかもしれない。治療終了後、マウスの体重は増加し始めた(図4)。
【0169】
まとめると、上述のデータは、メニン阻害が強力な抗白血病活性を示し、マウスの生存期間を有意に延長することを実証しており、生存期間は、NPM1c/FLT3-ITD/YKD AML PDXモデルにおいてベネトクラクスと組み合わせることでさらに増強された。メニン阻害はCD34CD38細胞を優先的に標的としたが、ベネトクラクスはCD34CD38細胞を標的とした。メニンとBcl-2の複合阻害のみが、バルク細胞及びCD34CD38/CD34CD38幹/前駆細胞を有効に排除した。メカニズムとしては、メニン阻害により複数の抗アポトーシスBcl-2タンパク質が減少し、それに付随して、Bcl-2阻害剤であるベネトクラクスの活性を増強したと考えられるアポトーシス促進性Bcl-2タンパク質が増加した。治療を延長すると、この組合せのベネフィットがさらに増強されることが実証されるかどうかは不明である。本研究は、治療標的としてのメニンをさらに検証し、NPM1/FLT3変異AMLにおいてメニン阻害がベネトクラクスと相乗効果を発揮することを実証しており、さらなる臨床評価が必要となる。特定の理論に縛られることを望むものではないが、治療終了時のpFLT3の高い活性、及び報告されているメニンとFLT3阻害の相乗作用を考慮すると、3剤併用はFLT3変異型AMLにおけるメニン阻害の活性をさらに増強するかもしれない。
【0170】
NPM1c/FLT3-ITD/TKD患者由来の異種移植片(PDX)モデルのインビボでメニン-MLL1阻害剤化合物(I)とベネトクラクスの組合せの抗白血病活性、及び潜在的な相乗効果とメカニズムの調査を実施した。
【0171】
PDX細胞移植NSGマウスを、0.05若しくは0.1%の化合物(I)を仕込んだ飼料、ベネトクラクス(50mg/kg)、又は0.1%の化合物(I)+ベネトクラクスで1か月間治療した。マウス末梢血中のヒトCD45細胞のフローサイトメトリー測定により、生着と疾患の進行を評価した。生存期間を観察した。さまざまな白血病細胞集団とそれらのタンパク質発現レベルに対する治療効果を、CyTOFマスサイトメトリーにより測定した。
【0172】
メニン阻害は強力な抗白血病活性を示し、マウスの生存期間を有意に延長した。このことは、ベネトクラクスと組み合わせることによりさらに増強されたが、ベネトクラクス単独では、効果は最小限であった。この組合せは、マウスの生存期間を延長するのに最も有効であった(0.1%化合物(I)+ベネトクラクスでは143日、P=0.0003;0.1%又は0.5%化合物(I)ではそれぞれ131日と125日、共にP=0.0001;ベネトクラクスでは69日、P=0.025;対照は61日)。治療終了時に骨髄細胞が採取され、CyTOF解析により、メニン阻害がCD34CD38細胞を優先的に標的とし、一方、ベネトクラクスはCD34CD38細胞を標的としたことが実証された。メニンとBcl-2の複合阻害のみがバルク細胞とCD34CD38/CD34CD38幹/前駆細胞を有効に排除した。メニン阻害によりCD11b骨髄細胞集団も増加した。メカニズムとしては、メニン阻害により、Bcl-2やBcl-xLを含む複数の抗アポトーシスBcl-2タンパク質が減少し、それに付随して、ベネトクラクスによるBcl-2阻害の活性を増強したと考えられるBax等のアポトーシス促進性Bcl-2タンパク質が増加した。しかし、治療終了時に、生き残った白血病細胞におけるp-FLT3の増加が、特に上記組合せで治療された群で観察された。特定の理論に縛られることを望むものではないが、これは白血病細胞の再増殖に寄与するかもしれない。NPM1/FLT3媒介AMLにおける、化合物(I)とベネトクラクスの相乗的な阻害が実証された。
【0173】
実施例2:NPM1/FLT3変異AMLにおけるメニン、Bcl-2及びFLT3阻害と低メチル化剤の組合せの抗白血病活性
実施例1は、メニン阻害剤SNDX-50469(化合物(I))がBCL-2阻害剤であるベネトクラクスと相乗作用したが、生き残った白血病細胞は、治療終了時にはFLT3シグナル伝達が増加していたことを示す。特定の理論に縛られることを望むものではないが、このp-FLT3の増加によりMCL-1が増加し、白血病の増殖に寄与したと考えられる。同じPDXモデルを使用して、ギルテリチニブによるFLT3阻害がメニンとBcl-2を共標的とする有効性を増強できるかどうかを調査した。
【0174】
実施例1で使用したものと同じPDXモデル(NPM1c/FLT3-ITD/TKD、DFAM-16835)を使用した。循環ヒトCD45(huCD45)陽性率が2.6%に達した時、PDX担持NSGマウスをSNDX-50469(飼料中0.1%)、ギルテリチニブ(35mg/kg)、SNDX-50469/ギルテリチニブ、ベネトクラクス(50mg/kg)/ギルテリチニブ、SNDX-50469+ギルテリチニブ/ベネトクラクス、又はSNDX-50469/ギルテリチニブ/ベネトクラクス/5-アザシチジン(2.5mg/kg)で治療した(図6A)。3剤の組合せ(治療8日目に1匹のマウスが死亡)及び4剤の組合せ(治療7日目に2匹のマウスが死亡)で治療されたマウスの体重が急速に減少した(毒性を示す)ため(その後の分析では除外)、これら2つの群において、治療10日目からギルテリチニブの用量を35mg/kgから25mg/kgに、ベネトクラクスの用量を50mg/kgから35mg/kgに減量した。ベネトクラクスとギルテリチニブの用量を減らすことで、さらなる体重減少は予防された(データは示さず)。
【0175】
疾患の進行及び治療反応を、治療終了時又は瀕死時に採集された末梢血又は組織中のhuCD45細胞のフローサイトメトリー測定及び/又は免疫組織化学的染色によって評価した。BM白血病細胞集団における白血病芽球及び表現型で定義された白血病幹細胞/前駆細胞及びタンパク質に対する治療の効果を評価するために、前述した抗体パネルであるがHOX9、MEIS1及びPBX3も含む抗体パネルを用いて、治療後のCyTOF単一細胞プロテオミクスを実施した。
【0176】
2週間の時点で、すべての治療は、未治療の対照と比較して、循環huCD45+細胞を有意に減少させ、ギルテリチニブ及びギルテリチニブ/ベネトクラクスはSNDX-50469活性を大幅に増強した(図6B)。4週間の時点で、すべての治療は、対照と比較して、循環芽球が有意に減少し、治療群間に有意差は認められなかった(図6C)。治療後の評価では、すべての治療群で対照群よりも脾臓白血病負荷が有意に低いことが示され;SNDX-50469、SNDX-50469/ギルテリチニブ、及びSNDX-50469/ギルテリチニブ/ベネトクラクスは、ギルテリチニブよりも有意に活性が高く、SNDX-50469/ギルテリチニブ/ベネトクラクスは、SNDX-50469及びSNDX-50469/ギルテリチニブよりも有効性は高かったが、統計的有意性には到達しなかった(図6D)。これらの結果は、脾臓のサイズの減少と一致していた。また、すべての治療群は、対照群よりもBM白血病負荷が有意に低かった。治療群のうち、ギルテリチニブは最も有効性が低く、ギルテリチニブよりも有意に活性が高かったSNDX-50469の活性を増強しなかった。SNDX-50469/ギルテリチニブ/ベネトクラクス群におけるBM白血病細胞の割合は、他のすべての治療群のBM白血病細胞の割合よりも有意に低かった(図6E)。
【0177】
すべての治療で、対照群(中央値62日)と比較して、生存期間が有意に延長された(図6G)。SNDX-50469(128日)はギルテリチニブよりも有意に有効性が高かった(90.5日;P=0.0001)。対照マウスとSNDX-50469で治療されたマウスの生存期間は、我々の以前の研究と同様であった。SNDX-50469/ギルテリチニブ(119日)は、SNDX-50469単独と比較して生存期間をさらに改善することはなかったが、これはおそらく、2つの薬剤がFLT3シグナル伝達に重複する効果を有するためである。ギルテリチニブ/ベネトクラクス群(121日)とSNDX-50469群の生存期間に有意差はなかった。しかし、ギルテリチニブとベネトクラクスの用量を減らしても、SNDX-50469/ギルテリチニブ/ベネトクラクスの組合せは、SNDX-50469、ギルテリチニブ、SNDX-50469/ギルテリチニブ、又はベネトクラクス/ギルテリチニブが延長したよりも有意に長く生存期間を延長し、これはHMAにより、さらに改善された。3剤又は4剤の組合せで達成された生存期間は、SNDX-50469/ベネトクラクスで達成された生存期間よりもはるかに長く、両群で数匹のマウスがまだ1年以上生存している。
【0178】
ベネトクラクス単独では、耐性/再発AMLにおける臨床活性が限られており、高齢のAML患者は、ベネトクラクスと低メチル化剤の組合せに対する反応率が高い。そこで、我々はまた、SNDX-50469/ギルテリチニブ/ベネトクラクス+5-アザシチジンでもマウスの治療を行った。4剤の組合せで治療したマウスの生存期間中央値は、3剤の組合せで治療したマウスよりも長かった(図6F、両群で複数のマウスがまだ1年以上生存している)。4剤の組合せで治療された1匹のマウスは、258日間生存し(図6Eの*)、BM(0.06%)と脾臓(0.15%)の白血病負荷が最小限で、肺、肝臓、心臓にhuCD45細胞が認められなかった(図6G)ことから、疾患の治癒が示唆された。3剤組合せ群及び4剤組合せ群のマウス数匹は、正常なNSGマウスの平均寿命に近い期間生存した。
【0179】
CyTOF解析では、白血病細胞を細胞表面マーカーの発現に従ってクラスター化した(図7A)。治療群における生存可能な白血病芽球及び幹/前駆細胞生の割合、及び各群の代表的なマウスの細胞集団をそれぞれ図7B及び図7Cに示す。先に報告したように、SNDX-50469は、ギルテリチニブに対してより感受性が高かったCD34CD38、CD34CD38CD123又はCD34CD38CD123Tim3集団よりも、CD34CD38CD123Tim3細胞を除くCD34CD38及びCD34CD38CD123集団に対して、より活性が高かった。SNDX-50469/ギルテリチニブの組合せは、各薬剤単独と比較して活性の増強を示さず、3剤の組合せは白血病芽球及び白血病幹/前駆細胞を大幅に減少させた。
【0180】
タンパク質発現データを図7Dに示す。SNDX-50469がMolm13細胞のRNAレベルに及ぼす影響を示す研究と一致して、CyTOF解析により、インビボでは、SNDX-50469とSNDX-50469/ギルテリチニブは共にMEIS1及びPBX3タンパク質レベルを大幅に低下させるが、HOXA9への効果は少なかったことが明らかになった。HOXA9/ギルテリチニブ/ベネトクラクスもHOXA9を減少させ、SNDX-50469単独よりも大きくMEIS1とPBX3を減少させて、Bcl-2、Bcl-2A1及びBCL-XLを抑制した。これは、3剤の組合せの有効性と一貫していた。予想通り、SNDX-50469はCD11bを増加させた。
【0181】
私たちの研究結果は、NPM1c/FLT3-ITD/TKD AML PDXモデルにおいて、単剤又は2剤での治療より用量を減らしたとしても、メニン、Bcl-2及びFLT3の複合阻害は、AML細胞及び幹前駆細胞に対して強い活性を有し、HOX下流標的及び抗アポトーシスBcl-2タンパク質を減少させ、これがより大きな生存ベネフィットをもたらしたことを実証した。
【0182】
3剤組合せの群では、残存白血病細胞はpFLT3/MCL-1が増加したが、FLT3レベルは低下した。pFLT3/MCL-1が4剤組合せ群で阻害されたかどうかは判別されなかった。それにもかかわらず、3剤の組合せに5-アザシチジンを追加することで、生存期間が有意に延長された。私たちのデータは、NPM1/FLT3変異AMLにおける、メニン、Bcl-2及びFLT3に低メチル化剤を加えた複合阻害の臨床評価を強力に裏付けている。
【0183】
本明細書に示されているように、SNDX-50469/ギルテリチニブ/ベネトクラクスの組合せは、白血病細胞及びAML幹/前駆細胞に対して優れた活性を有し、有意に生存期間を延長し(図6F;1年以上経過後もまだ生存期間を追跡中である)、SNDX-50469/ベネトクラクスの組合せで達成されたよりもはるかに長い生存期間が得られた(図1G)。CyTOF解析により、Bcl-2に加えて、SNDX-50469はインビボでMEIS1及びPBX3タンパク質を減少させること、及び、3剤の組合せがこれらのタンパク質をさらに減少させることが明らかになった。低メチル化剤5-アザシチジンを3剤の組合せに追加すると、生存期間がさらに延長され(図6F;1年以上経過後もまだ生存期間を追跡中である)、この組合せは、一部のマウスで白血病を排除した可能性がある。データは、NPM1/FLT3変異AMLにおけるメニン、Bcl-2及びFLT3に低メチル化剤を加えた複合阻害の臨床評価を裏付けている。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F-1】
図2F-2】
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7A
図7B
図7C
図7D
【国際調査報告】