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特表2024-520910サイドドロー還流重質炭化水素除去システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-27
(54)【発明の名称】サイドドロー還流重質炭化水素除去システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F25J 3/02 20060101AFI20240520BHJP
   C10L 3/10 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
F25J3/02 B
C10L3/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569846
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 US2022029194
(87)【国際公開番号】W WO2022241216
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/188,846
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518414306
【氏名又は名称】チャート・エナジー・アンド・ケミカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】デュコート,ジュニア,ダグラス・エイ
(72)【発明者】
【氏名】グシャナス,ティモシー・ピー
(72)【発明者】
【氏名】グランビル,マーク・アール
(72)【発明者】
【氏名】ビッパーラ,ラビクマール
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,ピーター・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイルマン,ブレント・エイ
【テーマコード(参考)】
4D047
【Fターム(参考)】
4D047AA10
4D047AB08
4D047BA07
4D047CA04
4D047CA16
4D047CA19
4D047DA04
4D047DA12
(57)【要約】
重質物除去熱交換器は、供給ガス流の少なくとも一部を冷却する。スクラビング区分は、冷却された主供給ガス流を受容する。ストリッピング区分は、スクラビング区分から流体流を受容する。ストリッピングガス供給膨張デバイスは、供給ガス流の一部を受容し、ストリッピング区分と流体連通している。サイドドロー蒸気ラインは、ストリッピング区分の蒸気出口から蒸気流を受容し、重質物除去熱交換器の還流冷却経路と流体連通している。還流分離デバイスは、重質物除去熱交換器から流体を受容し、液体出口および蒸気出口を有する。液体出口は、スクラビング区分と流体連通している。戻り蒸気膨張デバイスは、スクラビング区分から蒸気流を受容し、冷却された蒸気流を重質物除去熱交換器の戻り蒸気流加温経路に方向付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給ガス流から重質炭化水素成分を除去するためのシステムであって、
a.主供給流冷却経路、還流冷却経路、および戻り蒸気流加温経路を有する重質物除去熱交換器と、
b.冷却された主供給流を生成するために、前記供給ガス流の少なくとも一部を受容および冷却するように構成された前記重質物除去熱交換器の前記主供給流冷却経路と、
c.主供給入口、液体出口、戻り蒸気出口、および還流入口を含むスクラビング区分であって、前記主供給入口は、前記冷却された主供給流を受容するように構成された、スクラビング区分と、
d.第1の流体入口、第2の流体入口、液体出口、および蒸気出口を有するストリッピング区分であって、前記第1の流体入口は、前記スクラビング区分の前記液体出口から流体流を受容するように構成された、ストリッピング区分と、
e.前記供給ガス流の一部を受容するように構成された入口を有するストリッピングガス供給膨張デバイスであって、前記ストリッピングガス供給膨張デバイスは、前記ストリッピング区分の前記第2の流体入口と流体連通する出口を有する、ストリッピングガス供給膨張デバイスと、
f.前記ストリッピング区分の前記蒸気出口から蒸気流を受容するように構成されたサイドドロー蒸気ラインであって、前記サイドドロー蒸気ラインは、前記重質物除去熱交換器の前記還流冷却経路と流体連通している、サイドドロー蒸気ラインと、
g.前記重質物除去熱交換器の前記還流冷却流経路から流体を受容するように構成された還流分離デバイスであって、前記還流分離デバイスは、液体出口および蒸気出口を含み、前記還流分離デバイスの前記液体出口は、前記スクラビング区分の前記還流入口と流体連通している、還流分離デバイスと、
h.前記スクラビング区分の前記戻り蒸気出口から蒸気流を受容するように構成された入口と、冷却された蒸気流を前記重質物除去熱交換器の前記戻り蒸気流加温経路に方向付けるように構成された出口とを有する戻り蒸気膨張デバイスと、
i.前記戻り蒸気膨張デバイスから出た流体が前記重質物除去熱交換器の前記戻り蒸気流加温経路を通って流れる前または後のいずれかで、前記還流分離デバイス蒸気出口を通過する流体が、前記戻り蒸気膨張デバイスを出た流体と合流するように構成された前記還流分離デバイス蒸気出口と
を備える、システム。
【請求項2】
前記重質物除去熱交換器が、前記スクラバ区分の前記液体出口から液体流を受容し、流体流を加温し、前記ストリッピング区分の前記第1の流体入口に戻すように構成されたスクラバ液体再加熱経路を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記スクラバ区分の前記液体出口から流体流を受容し、前記ストリッピング区分の前記第1の流体入口に流体流を戻すように構成されたスクラバ液体膨張デバイスをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記還流分離デバイスの前記液体出口から液体流を受容し、受容された前記液体流を前記スクラビング区分の前記還流入口に方向付けるように構成された還流ポンプをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ポンプからポンピングされた液体流を受容し、液体流を前記スクラビング区分の前記還流入口に方向付け、膨張させるように構成された還流液体膨張デバイスをさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記還流分離デバイスの前記蒸気出口から蒸気を受容するように構成された入口を有する還流蒸気膨張デバイスをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記重質物除去熱交換器が、前記戻り蒸気加温経路から分離しており、別個である還流蒸気加温経路を含み、前記還流蒸気加温経路が、前記還流分離デバイス蒸気出口から流体を受容するように構成された入口を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記重質物除去熱交換器の前記戻り蒸気流加温経路が、前記還流蒸気膨張デバイスの前記出口から流体を受容するように構成された、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記戻り蒸気膨張デバイスが、弁、ジュールトムソン弁またはタービンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
膨張された供給ガス流を生成するために、前記供給ガス流を受容して膨張させるように構成された供給ガス膨張デバイスをさらに備えており、前記重質物除去熱交換器の前記主供給流冷却経路が、前記冷却された主供給流を生成するために、前記膨張された供給ガス流の少なくとも一部を受容して冷却するように構成され、前記供給ガス膨張デバイスが、弁、ジュールトムソン弁、またはタービンである、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記重質物除去熱交換器が、補助還流冷却経路をさらに含み、前記還流分離デバイスが、高温還流ドラムおよび低温還流ドラムを含み、前記高温還流ドラムが、前記重質物除去熱交換器の前記還流冷却流経路から流体を受容するように構成された高温還流ドラム入口と、前記ストリッピング区分と流体連通する高温還流ドラム液体出口と、前記重質物除去熱交換器の前記補助還流冷却経路に流体を方向付けるように構成された高温還流ドラム蒸気出口とを有し、前記低温還流ドラムが、前記重質物除去熱交換器の前記補助還流冷却経路から流体を受容するように構成された低温還流ドラム入口と、前記スクラビング区分の前記還流入口と流体連通している低温還流ドラム液体出口とを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記重質物除去熱交換器が、前記供給ガス流の一部を受容して冷却するように構成された分割供給還流冷却経路をさらに含み、前記重質物除去熱交換器の前記分割供給還流冷却経路から流体を受容するように構成された入口を有する分割供給還流膨張デバイスをさらに備えており、前記分割供給還流膨張デバイスが、前記スクラビング区分と流体連通している出口をさらに有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記分割供給還流膨張デバイスの前記出口から流体流を受容し加温し前記スクラビング区分へ方向付けるように構成された還流熱交換器をさらに備えており、前記還流熱交換器が、前記重質物除去熱交換器の前記還流冷却経路から流体流を受容して冷却し、結果的に得られる冷却流を前記還流分離デバイスへ方向付けるようにさらに構成された、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記重質物除去熱交換器が、入口および出口を有する供給分離部底部再加熱経路を含み、前記システムが、
j.前記重質物除去熱交換器の前記主供給流冷却経路から前記冷却された主供給流を受容するように構成された供給分離デバイスであって、前記供給分離デバイスが、蒸気出口および液体出口を有する、供給分離デバイスと、
k.前記供給分離デバイスの前記蒸気出口から蒸気を受容し、流体を前記スクラビング区分に方向付けるように構成された分離供給蒸気膨張デバイスと、
l.前記供給分離デバイスの前記液体出口、前記熱交換器の前記供給分離部底部再加熱経路、および前記ストリッピング区分と流体連通している供給分離部底部膨張デバイスと
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記供給分離部底部膨張デバイスが、前記供給分離デバイスの前記液体出口から液体を受容し、前記熱交換器の前記供給分離部底部再加熱経路の前記入口へ流体を方向付けるように構成された、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記供給分離部底部膨張デバイスが、前記熱交換器の前記供給分離部底部再加熱経路から流体を受容し、流体を前記ストリッピング区分へ方向付けるように構成された、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記還流分離デバイスの前記液体出口と流体連通している入口を有する分割還流ラインをさらに備えており、前記分割還流ラインが、前記ストリッピング区分と流体連通している出口を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記スクラビング区分の前記戻りガス出口が、前記還流分離デバイスへ流体を方向付けるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
膨張された供給ガス流を生成するように、前記供給ガス流を受容して膨張させるように構成された供給ガス膨張デバイスをさらに備えており、膨張された供給ガス流の少なくとも一部が、前記重質物除去熱交換器の前記主供給流冷却経路へ方向付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記供給ガス膨張デバイスに入る前に前記供給ガス流を受容して冷却するように構成された供給ガス熱交換器をさらに備えており、前記供給ガス熱交換器が、前記膨張された供給ガス流の一部を受容して加温し、前記ストリッピングガス供給膨張デバイスの前記入口へ流体を方向付けるようにさらに構成された、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
j.前記ストリッピング区分の前記蒸気出口から流体流を受容するように構成された入口を有する還流圧縮機
をさらに備えており、
前記還流分離デバイスが、高温還流ドラムおよび低温還流ドラムを含み、前記高温還流ドラムが、前記還流圧縮機の前記出口と流体連通している高温還流ドラム入口、前記ストリッピング区分と流体連通している高温還流ドラム液体出口、および前記重質物除去熱交換器の前記還流冷却経路へ流体を方向付けるように構成された高温還流ドラム蒸気出口を有し、前記低温還流ドラムが、前記重質物除去熱交換器の前記還流冷却経路から流体を受容するように構成された低温還流ドラム入口、および前記スクラビング区分の前記還流入口と流体連通している低温還流ドラム液体出口を有する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記スクラブ区分および前記ストリッピング区分が、重質物除去カラムにおいて結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記重質物除去熱交換器の前記戻り蒸気流加温経路から流体を受容するように構成された入口と、出口とを有する供給ガス圧縮機をさらに備えており、前記還流蒸気出口が、前記供給ガス圧縮機の前記入口と流体連通している、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
膨張された供給ガス流を生成するように、前記供給ガス流を受容して膨張させるように構成された供給ガス膨張デバイスをさらに備えており、膨張された供給ガス流の少なくとも一部が、前記重質物除去熱交換器の前記主供給流冷却経路へ方向付けられ、前記供給ガス膨張デバイスが、前記供給ガス圧縮機に動力を供給するように構成された供給ガスタービンである、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記戻り蒸気膨張デバイスが、前記供給ガス圧縮機に動力を供給するように構成された戻り蒸気タービンを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記供給ガス圧縮機の前記出口が、流体を液化プロセスへ方向付けるように構成された、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記供給ガス圧縮機から流体を受容し、前記液化プロセスへ流体を方向付けるように構成された昇圧圧縮機をさらに備える、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記ストリッピング区分が、第3の流体入口を含み、前記重質物除去熱交換器が、前記スクラバ区分の前記液体出口に由来する流体流を受容し、流体流を加温し、前記ストリッピング区分の前記第1の流体入口および前記第3の流体入口に戻すように構成されたスクラバ液体再加熱経路を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記ストリッピング区分が、パッキングを間に有する上部分、中間部分、および底部分を含み、前記第1の流体入口が前記中間部分に配置され、前記第2の流体入口が前記底部分に配置され、前記第3の流体入口が前記上部分に配置される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
j.前記ストリッピングガス供給膨張デバイスの前記出口と流体連通している入口と、前記ストリッピング区分の前記第2の流体入口と流体連通している出口とを有するストリッピング区分熱交換器であって、前記ストリッピング区分熱交換器が、前記スクラビング区分の前記液体出口および前記ストリッピング区分の前記第1の流体入口とさらに流体連通している、ストリッピング区分熱交換器と、
k.前記ストリッピングガス供給膨張デバイスの前記入口から分流された流れの一部を受容するように構成されたスクラブ膨張デバイスであって、前記スクラブ膨張デバイスが、前記スクラビング区分と流体連通している出口を有する、スクラブ膨張デバイスと
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
前記ストリッピング区分の前記蒸気出口から蒸気流を受容し、前記重質物除去熱交換器の前記還流冷却経路へ流体流を方向付けるように構成されたサイドドロー膨張デバイスをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記重質物除去熱交換器が、入口および出口を有する供給分離部蒸気冷却経路を含み、前記システムが、
j.前記重質物除去熱交換器の前記主供給流冷却経路から前記冷却された主供給流を受容するように構成された入口を有する供給分離デバイスであって、前記供給分離デバイスが、蒸気出口および液体出口を有する、供給分離デバイスと、
k.前記供給分離デバイスの前記蒸気出口、前記重質物除去熱交換器の前記供給分離部蒸気冷却経路、および前記スクラビング区分と流体連通している分離供給蒸気膨張デバイスと、
l.前記供給分離デバイスの前記液体出口から液体を受容し、膨張された底部の流れを生成して、前記ストリッピング区分へ方向付けるように構成された分離部底部膨張デバイスと
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項33】
前記ストリッピング区分が、上部パッキング区分、底部パッキング区分、および中間部パッキング区分を含み、前記膨張された底部の流れが、前記中間部パッキング区分と前記底部パッキング区分との間の前記ストリッピング区分に入る、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記重質物除去熱交換器が、前記供給分離デバイスの前記入口と流体連通している出口と、前記還流分離デバイスの前記液体出口と流体連通している入口とを有する還流再循環加温経路を含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記重質物除去熱交換器が、前記スクラバ区分の前記液体出口から液体流を受容し、前記ストリッピング区分の前記上部パッキング区分の上方の流体流の第1の部分と、前記上部パッキング区分と前記中間部パッキング区分との間の前記流体流の第2の部分とを加温して戻すように構成されたスクラバ液体再加熱経路を含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
前記重質物除去熱交換器が、前記スクラバ区分の前記液体出口から液体流を受容し、前記上部パッキング区分の上方の流体流を加温して戻すように構成されたスクラバ液体再加熱経路を含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項37】
前記還流分離デバイスの前記液体出口が、前記上部パッキング区分の上方の前記ストリッピング区分とさらに流体連通している、請求項33に記載のシステム。
【請求項38】
前記重質物除去熱交換器が、前記スクラバ区分の前記液体出口から液体流を受容し、前記ストリッピング区分の前記上部パッキング区分と前記底部パッキング区分との間の流体流を加温して戻すように構成されたスクラバ液体再加熱経路を含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項39】
前記重質物除去熱交換器が、供給分離デバイス再加熱経路を含み、前記システムが、
j.前記重質物除去熱交換器の前記主供給流冷却経路から前記冷却された主供給流を受容するように構成された入口を有する供給分離デバイスであって、前記供給分離デバイスが、蒸気出口および液体出口を有し、前記蒸気出口が、前記スクラビング区分と流体連通している、供給分離デバイス
をさらに備えており、
k.前記供給分離デバイス再加熱経路が、前記供給分離デバイスの前記液体出口と流体連通している入口と、前記ストリッピング区分へ流体を方向付けるように構成された出口とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項40】
j.前記ストリッピング区分の前記蒸気出口から流体流を受容するように構成された入口を有する還流圧縮機であって、
前記還流分離デバイスが、高温還流ドラムおよび低温還流ドラムを含み、前記高温還流ドラムが、前記還流圧縮機の前記出口と流体連通している高温還流ドラム入口、前記ストリッピング区分と流体連通している高温還流ドラム液体出口、および前記重質物除去熱交換器の前記還流冷却経路へ流体を方向付けるように構成された高温還流ドラム蒸気出口を有し、前記低温還流ドラムが、前記重質物除去熱交換器の前記還流冷却経路から流体を受容するように構成された低温還流ドラム入口、および前記スクラビング区分の前記還流入口と流体連通している低温還流ドラム液体出口を有する、還流圧縮機と、
k.膨張された供給ガス流を生成するように、前記供給ガス流を受容して膨張させるように構成された供給ガス膨張デバイスであって、膨張された供給ガス流の少なくとも一部が、前記重質物除去熱交換器の前記主供給流冷却経路へ方向付けられ、前記供給ガス膨張デバイスが、前記還流圧縮機に動力を供給するように構成された供給ガスタービンである、供給ガス膨張デバイスと
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項41】
前記重質物除去熱交換器が、補助還流冷却経路をさらに含み、前記還流分離デバイスが、高温還流ドラムおよび低温還流ドラムを含み、前記高温還流ドラムが、前記重質物除去熱交換器の前記還流冷却流経路から流体を受容するように構成された高温還流ドラム入口と、前記ストリッピング区分と流体連通する高温還流ドラム液体出口と、前記重質物除去熱交換器の前記補助還流冷却経路に流体を方向付けるように構成された高温還流ドラム蒸気出口とを有し、前記低温還流ドラムが、前記重質物除去熱交換器の前記補助還流冷却経路から流体を受容するように構成された低温還流ドラム入口と、前記スクラビング区分の前記還流入口と流体連通している低温還流ドラム液体出口と、低温還流ドラム蒸気出口とを有し、前記システムが、前記重質物除去熱交換器の前記戻り蒸気流加温経路から流体を受容するように構成された入口と、出口とを有する供給ガス圧縮機をさらに備え、前記低温還流ドラム蒸気出口が、前記供給ガス圧縮機の前記入口と流体連通している、請求項1に記載のシステム。
【請求項42】
前記ストリッピング区分が、第3の流体入口を含み、前記重質物除去熱交換器が、前記スクラバ区分の前記液体出口に由来する流体流の第1の部分を受容し、前記流体流の前記第1の部分を加温して前記ストリッピング区分の前記第1の入口へ戻すように構成されたスクラバ液体再加熱経路を含み、前記システムが、前記スクラバ区分の前記液体出口に由来する前記流体流の第2の部分を前記ストリッピング区分の前記第3の流体入口へ方向付けるように構成された経路をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項43】
前記重質物除去熱交換器が、前記スクラバ区分の前記液体出口から液体流を受容し、流体流を加温し、前記ストリッピング区分の前記第1の流体入口に戻すように構成されたスクラバ液体再加熱経路を含み、前記重質物除去熱交換器が、補助還流冷却経路をさらに含み、前記還流分離デバイスが、高温還流ドラムおよび低温還流ドラムを含み、前記高温還流ドラムが、前記重質物除去熱交換器の前記還流冷却流経路から流体を受容するように構成された高温還流ドラム入口と、前記ストリッピング区分と流体連通する高温還流ドラム液体出口と、前記重質物除去熱交換器の前記補助還流冷却経路に流体を方向付けるように構成された高温還流ドラム蒸気出口とを有し、前記低温還流ドラムが、前記重質物除去熱交換器の前記補助還流冷却経路から流体を受容するように構成された低温還流ドラム入口と、前記スクラビング区分の前記還流入口と流体連通している低温還流ドラム液体出口とを有し、前記ストリッピング区分が、2つのパッキング層を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項44】
供給ガス流から重質炭化水素成分を除去するための方法であって、
a.前記供給ガス流を膨張された前記供給ガス流の大部分を含む主供給流と、ストリッピングガス供給流とに分割するステップと、
b.重質物除去熱交換器において前記主供給流を冷却するステップと、
c.冷却された前記主供給流をスクラビング区分へ方向付けるステップと、
d.冷却された前記主供給流を前記スクラビング区分において主流蒸気部分と主流液体部分とに分離するステップと、
e.前記ストリッピングガス供給流を膨張させるステップと、
f.膨張された前記ストリッピングガス供給流をストリッピング区分へ方向付けるステップと、
g.前記ストリッピングガス供給流を、前記ストリッピング区分においてストリッピング蒸気部分とストリッピング液体部分とに分離するステップと、
h.前記主流液体部分として由来する流れを膨張させて、主流体流を生成するステップと、
i.前記主流体流を前記ストリッピング区分へ方向付けるステップと、
j.前記ストリッピング蒸気部分を冷却して、還流混合相流を生成するステップと、
k.前記還流混合相流を還流蒸気部分と還流液体部分とに分離するステップと、
l.前記還流液体部分を、前記スクラビング区分へ方向付けるステップと、
m.前記主流蒸気部分を膨張させるステップと、
n.前記重質物除去熱交換器において、膨張された前記主流蒸気部分を加温して、前記主供給流を冷却するステップと、
o.前記還流蒸気部分を膨張させるステップと、
p.前記重質物除去熱交換器において、膨張された前記還流蒸気部分を加温して、前記主供給流を冷却するステップと
を含む、方法。
【請求項45】
ステップaの前に前記供給ガス流を膨張させるステップをさらに含み、ステップaが、膨張された前記供給ガス流を分割することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
q.加温された前記膨張された主流蒸気部分と、加温された前記膨張された還流蒸気部分とを圧縮するステップ
をさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
ステップaの前の前記膨張が供給タービンにおいて実行され、ステップqの前記圧縮が供給ガス圧縮機において実行され、前記供給ガス圧縮機が前記供給タービンによって動力を供給される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記重質物除去熱交換器において前記主混合相流を加温して、前記主供給流を冷却するステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
q.加温された前記膨張された主流蒸気部分と、加温された前記膨張された還流蒸気部分とを圧縮するステップ
をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
ステップqの前記圧縮が、発電機に接続されたモータおよびタービンからの動力を使用する、請求項49に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
[0001]本出願は、2021年5月14日に出願された米国仮出願第63/188,846号の利益を主張するものであり、その内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
[0002]本発明は、一般に、ガスを処理するためのシステムおよび方法に関し、より詳しくは、供給ガスから重質炭化水素成分を除去するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]天然ガス流または他のメタンを主成分とするガス流は、輸送および使用の容易さのために液化されることが多い。結果的に得られる液化天然ガス製品および重質炭化水素を含有する副産物液体(液化天然ガス)において、より高いメタン純度を実現するために、より重質な炭化水素(プロパンよりも重質な炭化水素)を除去するように、そのような供給ガス流を処理することが望ましい場合が多い。そのような純化された液化天然ガス製品は、LNG動力車両において、よりクリーンに燃焼し、したがって、結果として空気汚染が少なくなる。加えて、液化前に供給流を純化することは、重質炭化水素成分の存在に起因して発生する液化熱交換器の凍結を防ぐ。エタン、プロパン、ブタンおよびより重質な炭化水素などの、重質炭化水素を多く含有する副産物の液流は、いくつかの有益な産業的用途を有する。そのような処理によって、純化が必要なガス量に対するエネルギー消費を最小限にすることがさらに望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]以下で説明され、特許請求される方法、デバイス、およびシステムとは別個に、または共に具現化され得る、本主題のいくつかの態様が存在する。これらの態様は、単独で、または本明細書で説明する主題の他の態様と組み合わせて、用いられることができ、それらの態様を共に説明することは、それらの態様の個別の使用、またはそのような態様を個別に特許請求すること、もしくは本明細書に添付された特許請求の範囲に記載されるものとは異なる組合せで特許請求することを排除することを意図しない。
【0005】
[0005]一態様では、供給ガス流から重質炭化水素成分を除去するためのシステムは、主供給流冷却経路、還流冷却経路、および戻り蒸気流加温経路を有する重質物除去熱交換器を含む。重質物除去熱交換器の主供給流冷却経路は、冷却された主供給流を生成するために、供給ガス流の少なくとも一部を受容および冷却するように構成されている。スクラビング区分は、主供給入口、液体出口、戻り蒸気出口、および還流入口を含み、主供給入口は冷却された主供給流を受容するように構成されている。ストリッピング区分は、第1の流体入口、第2の流体入口、液体出口、および蒸気出口を有し、第1の流体入口は、スクラビング区分の液体出口から流体流を受容するように構成されている。ストリッピングガス供給膨張デバイスは、膨張された供給ガス流の一部を受容するように構成された入口を有し、ストリッピングガス供給膨張デバイスは、ストリッピング区分の第2の流体入口と流体連通する出口を有する。サイドドロー蒸気ラインは、ストリッピング区分の蒸気出口から蒸気流を受容するように構成され、サイドドロー蒸気ラインは、重質物除去熱交換器の還流冷却経路と流体連通している。還流分離デバイスは、重質物除去熱交換器の還流冷却流経路から流体を受容するように構成され、還流分離デバイスは、液体出口および蒸気出口を含み、還流分離デバイスの液体出口は、スクラビング区分の還流入口と流体連通している。戻り蒸気膨張デバイスは、スクラビング区分の戻り蒸気出口から蒸気流を受容するように構成された入口と、冷却された蒸気流を重質物除去熱交換器の戻り蒸気流加温経路に方向付けるように構成された出口とを有する。供給ガス圧縮機は、重質物除去熱交換器の戻り蒸気流加温経路から流体を受容するように構成された入口と、出口とを有する。還流分離デバイス蒸気出口はまた、供給ガス圧縮機の入口と流体連通している。
【0006】
[0006]別の態様では、供給ガス流から重質炭化水素成分を除去するためのプロセスは、供給ガス流を膨張させるステップと、膨張された供給ガス流を、膨張された供給ガス流の大部分を含む主供給流と、ストリッピングガス供給流とに分割するステップと、重質物除去熱交換器において主供給流を冷却するステップと、冷却された主供給流をスクラビング区分へ方向付けるステップと、冷却された主供給流をスクラビング区分において主流蒸気部分と主流液体部分とに分離するステップと、ストリッピングガス供給流を膨張させるステップと、膨張されたストリッピングガス供給流をストリッピング区分へ方向付けるステップと、ストリッピングガス供給流を、ストリッピング区分においてストリッピング蒸気部分とストリッピング液体部分とに分離するステップと、主流液体部分を膨張させて、主混合相流を生成するステップと、主混合相流をストリッピング区分へ方向付けるステップと、ストリッピング蒸気部分を冷却して還流混合相流を生成するステップと、還流混合相流を還流蒸気部分と還流液体部分とに分離するステップと、還流液体部分を、スクラビング区分へ方向付けるステップと、主流蒸気部分を膨張させるステップと、重質物除去熱交換器において、膨張された主流蒸気部分を加温して、主供給流を冷却するステップと、還流蒸気部分を膨張させるステップと、重質物除去熱交換器において、膨張された還流蒸気部分を加温して、主供給流を冷却するステップと、加温された膨張された主流蒸気部分と、加温された膨張された還流蒸気部分とを圧縮するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】[0007]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第1の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図2】[0008]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第2の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図3】[0009]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第3の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図4】[0010]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第4の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図5】[0011]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第5の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図6】[0012]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第6の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図7】[0013]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第7の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図8】[0014]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第8の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図9】[0015]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第9の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図10】[0016]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第10の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図11】[0017]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第11の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図12】[0018]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第12の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図13】[0019]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第13の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図14】[0020]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第14の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図15】[0021]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第15の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図16】[0022]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第16の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図17】[0023]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第17の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図18】[0024]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第18の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図19】[0025]本開示の重質炭化水素除去システムおよび方法の第19の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0026]本開示による重質炭化水素除去システムの実施形態が、図1図19に示される。液化される前の天然ガス供給流から重質炭化水素成分を除去することに関して、実施形態が図示され以下で説明されるが、本開示の技術は、代替の種類の下流処理前に代替ガス供給流から他の成分を除去するために使用され得ることを留意されたい。
【0009】
[0027]以下に提示される説明において、ラインもしくは経路、および流れは、両方が、図に記載された同じ参照番号によって言及される場合があることも留意されたい。
【0010】
[0028]図1を参照すると、本開示のシステムの第1の実施形態は、全体として20で示される。炭化水素供給ガス流22(天然ガス流など)が供給ガス膨張機タービン23に入り、結果的に得られた膨張ガス流が、主供給流24と、ストリッピングガス供給流26とに分割される。
【0011】
[0029]供給ガス流22の大部分を含有する主供給流24は、重質物除去熱交換器28を通過し、冷却されて、部分的に濃縮される。次いで、結果的に得られた混合相流32は、全体的に36で示される重質物除去カラムのスクラビング区分34に送られ、そこで液体が主供給蒸気から分離される。供給ガス重質炭化水素/凍結成分の大部分を含有する、結果的に得られた液体流38は、任意選択の膨張デバイス42(ジュールトムソンまたはJT弁など)に向けられ、結果的に得られた混合相流44は、カラムストリッピング区分46の上部まで移動する。本明細書で使用される場合「膨張デバイス」という用語は、JT弁、回転膨張機、タービン、オリフィス板、および本発明が属する分野で知られている他の膨張デバイスを含むが、それらに限定されない。流れ44は、カラムストリッピング区分46に入ると、蒸気部分と液体部分とに分離される。
【0012】
[0030]ストリッピングガス供給流26は、膨張デバイス48(ジュールトムソンまたはJT弁など)まで移動し、結果的に得られた混合相流52は、カラムストリッピング区分46の下部分まで移動する。流れ52の蒸気部分は、ストリッピングカラム区分46に入ると、液体部分から分離され、上昇して、ストリッピング区分内部を通って降りてきた流れ44からの液体に対して加熱動作を提供し、それにより、その液体中のより軽質な成分の一部を再度気化する。流れ52の液体部分は、流れ44の残りの液体部分と同様に、液化天然ガス(NGL)復水流54の一部としてストリッピング区分46を出る。復水流54は、供給ガス流22に存在した重質炭化水素/凍結成分の大部分を含有する。
【0013】
[0031]蒸気サイドドロー流56は、重質物除去カラムのストリッピング区分46を出て、冷却され、重質物除去交換器28で部分的に濃縮される。結果的に得られた混合相流58は、重質物除去還流ドラム62などの分離デバイスまで移動し、蒸気部分と液体部分とに分離される。分離デバイス62からの液体流64は、任意選択の制御弁71を通過後に、還流70としてポンプ66(任意選択)を介して重質物除去カラムスクラビング区分34の上部に送られる。
【0014】
[0032]分離デバイス62からの蒸気流68は、膨張デバイス72(JT弁など)を介して送られ、膨張デバイス72において冷却されて、冷却流74を形成し、その一部(または全部)が重質物除去交換器28を通過して加温され、それにより、交換器における他の流れに対して冷却を提供する。その結果、蒸気流76が提供される。
【0015】
[0033]重質物除去カラムスクラビング区分における主供給流32の蒸気部分は、トレイ、ランダムパッキング、または構造化パッキングであり得るカラムスクラビング区分内部構造内の還流70によって提供される還流による質量移動を経験する。これは、主供給流32の蒸気部分から凍結成分/重質炭化水素を除去する。スクラブ処理済みの戻り蒸気流82は、カラム36の上部から出た後、冷却を得るために膨張デバイス84(JT弁など)を介して送られる。次いで、冷却された戻り蒸気流86は、重質物除去交換器28まで送られ、重質物除去交換器28において1つまたは複数の経路で加温され、それにより、流れ74とともに、交換器内の他の流れを冷却する。加温および流れ76との結合後、戻り蒸気流88は、供給ガス圧縮機92によって圧縮され、液化プロセスへ送られ、それによって液化された流れ(液化天然ガス/LNGなど)が生成される。
【0016】
[0034]供給ガス圧縮機92は、供給ガス膨張機タービン23によって動力を供給されることが好ましいが、昇圧圧縮機94(ガス膨張機タービン23によって動力を供給され得るか否かにかかわらず)も任意選択で設けられてもよい。冷却前に供給ガス流22を膨張させることによって、より大きな動力がタービン23によって生じ、その結果、圧縮機92(および任意の昇圧圧縮機)を動作させるために、より大きな動力が利用可能となる。これは、システムの正味の動力使用量を減少させ、したがっていくつかの用途ではシステム効率を高める。さらに、冷却前に供給ガス流22を膨張させることは、いくつかの用途では、炭素鋼が供給ガスタービン23を構築するために使用され得るため、(より低温の流体温度で膨張させるために必要とされるステンレス鋼とは対照的に)機器費用を下げる。
【0017】
[0035]例に過ぎないが、本明細書で説明するシステムは、共同所有されている、Gushanasらの米国特許第9,411,877号、Ducoteらの米国特許第10,480,851号、またはDucoteらの米国特許第10,663,221号に記載されている液化プロセスおよびシステムに対して、純化されたガスを提供し得、これらの各々の内容は、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0018】
[0036]代替実施形態では、流れ74および86は、図2に示されるように、熱交換器28に導入される前に結合され得ることに留意されたい。さらに、カラム36のスクラビング区分とストリッピング区分とを分離する容器先端部95(図1)は、任意選択で除去されてもよく、それによってそれらの機能が単一のカラム内で結合され、トラップトレイ(trap-out tray)または他のデバイスが液体を捕捉するために使用される。他の代替実施形態では、スクラビング区分およびストリッピング区分は、全体的に分離した別個のカラムとして設けられ得る。
【0019】
[0037]図1の実施形態の利点は、動力の抽出および供給ガス流の冷却の両方を行う膨張機23を含む。加えて、サイドドロー還流は、ベンゼン・トルエン・エチルベンゼン・キシレン(BTEX)の捕捉を含む重質炭化水素の高度回収を実現する。
【0020】
[0038]図2で全体として100で示される本開示のシステムの第2の実施形態では、図1のシステムに対して再沸器サービスが追加されており、それによってJT弁などの任意選択の再沸器膨張デバイス115で膨張および冷却された後のスクラビング区分104からの液体流102は、重質物除去交換器107において加温され、それを冷却する。代替実施形態では、流れ102の一部は、膨張デバイス115の通過前または後のいずれかでストリッピング区分に直接移動する。膨張デバイス117はまた、蒸気サイドドロー流119に追加されて、重質物除去交換器107への移動前に、ストリッピング区分からの蒸気を冷却する。加えて、交換器からの任意選択の流れ108および112は、ストリッピングガス流114および再沸器戻り流116の温度をそれぞれ最適化するために使用され得る。さらに、サイドドロー還流のストリッピング区分124への注入を実現するために、ライン118が、任意選択で提供され得る(制御弁122の有無にかかわらず)。代替実施形態では、枝路83が、スクラブ処理済み戻り蒸気流82の一部を分離デバイス(還流ドラム)62に方向付けてもよい。図2のシステムの残りの構成要素は、図1に示される構成要素と概して同じであり、同じ機能を提供し得る。
【0021】
[0039]全体として150で示される、本開示のシステムの第3の実施形態では、図3において、JT弁などの膨張デバイス152が、図1および図2のシステムの供給ガス膨張機タービン24と置き換えられている。図3のシステム150はまた、重質物除去カラム158から戻り蒸気流156を受容する図1および図2のシステム20および100のJT弁84を、戻り蒸気膨張機タービン154に置き換えている。この戻り蒸気膨張機タービン154は、供給ガス圧縮機162に動力を供給することが好ましい。図2のシステムの残りの構成要素は、図1に示される構成要素と概して同じであり、同じ機能を提供し得る。本開示のシステムの代替バージョンでは、図3に示すように、スクラバ液体流の一部163は、重質物除去熱交換器167のスクラバ液体再加熱経路を通り、スクラバ液体流の残りの部分165は、ストリッピング区分へ直接向かう。
【0022】
[0040]図4において全体として180で示される本開示のシステムの第4の実施形態では、カスケード接続のサイドドロー還流構成が図2のシステムに追加されている。より具体的には、蒸気サイドドロー流182は、重質物除去カラムのストリッピング区分182を出て、冷却され、および重質物除去交換器184で部分的に濃縮される。結果的に得られた混合相流186は、高温還流ドラム188などの第1の還流分離デバイスまで移動し、蒸気部分と液体部分とに分離される。高温還流ドラム188からの液体流192は、任意選択の膨張デバイス198を通過後に還流196として、ポンプ194(任意選択)を介して重質物除去カラムのストリッピング区分182の上部に送られる。
【0023】
[0041]続けて図4を参照すると、高温還流ドラム188からの蒸気流202は、重質物除去交換器184へ移動し、冷却および部分的な濃縮がなされる。結果的に得られた混合相流204は、低温還流ドラム206などの第2の還流分離デバイスまで移動し、蒸気部分と液体部分とに分離される。分離デバイス206からの液体流208は、任意選択の制御弁218を通過後に還流216として、ポンプ212(任意選択)を介して重質物除去カラムスクラビング区分214の上部に送られる。蒸気流222は、低温還流ドラム206の上部から出て、膨張デバイス226通過後に、戻り蒸気流224と合流する。スクラビング区分214のための単一のパッキング区分が図4に示されているが、任意選択で、設計上の考慮事項に基づいて、スクラビング区分が2つの(またはそれ以上の)パッキング区分を伴って設けられてもよい。
【0024】
[0042]図4のシステムの残りの構成要素は、図1および図2に示される構成要素と概して同じであり、同じ機能を提供し得る。
【0025】
[0043]図4のカスケード接続の還流構成は、いくつかの用途では、還流に存在する重質炭化水素成分のレベルを下げる(図1図3のシステムと比較した場合)。
【0026】
[0044]図5において全体として250で示される本開示のシステムの第5の実施形態では、分割供給還流構成が図2のシステム100に追加されている。より具体的には、システム250は、供給ガス膨張機256の前に炭化水素供給ガス流254の枝路を含む。供給ガス流の小部分がその枝路で分割し、分割供給還流ガス流としてライン252を通って流れ、重質物除去交換器258で冷却され、少なくとも部分的に濃縮されて、混合相流262を形成する。次いで、この流れは、JT弁などの分割供給還流膨張デバイス264によって膨張され、結果的に得られた冷却流266は、還流として重質物除去カラムのスクラビング区分268に方向付けされて、カラム主供給からの重質炭化水素の除去を助ける。そのようなシステムは、いくつかの高圧供給ガス用途のための効率改善を実現する。スクラブ区分は、単一または二重パッキングがなされることができ、流れ266は、パッキングの上方または2つのパッキング区分の中間点におけるスクラブ区分に入り得る。
【0027】
[0045]代替実施形態では、図5の膨張デバイス264が省略され得る。さらなる代替実施形態では、サイドドロー還流のストリッピング区分276への注入を実現するために、ライン272が、任意選択で提供され得る(制御弁274の有無にかかわらず)。
【0028】
[0046]図5のシステムの残りの構成要素は、図1および図2に示される構成要素と概して同じであり、同じ機能を提供し得る。
【0029】
[0047]図6において全体として300で示される本開示のシステムの第6の実施形態では、還流熱交換器302が図5のシステムに追加されて、還流ドラム308の前のカラムのストリッピング区分306からの蒸気サイドドロー304に追加冷却を提供する。補助還流熱交換器302における冷却は、冷却(重質物除去熱交換器312による)および膨張(膨張デバイス314)された分割供給還流316によって提供される。図6のシステムの残りの構成要素は、図1図5に示される構成要素と概して同じであり、同じ機能を提供し得る。
【0030】
[0048]追加熱交換器302は、より低温の還流を可能にし、いくつかの用途では、重質炭化水素のより効率的な除去を実現する。なお、熱交換器312および302は、代替実施形態において単一の熱交換器に組み合わされ得ることに留意されたい。
【0031】
[0049]図7において全体として318で示される本開示のシステムの第7の実施形態では、図4のカスケード接続のサイドドロー還流構成が図5のシステムに追加され得る。その結果、図7のシステム318は、高温還流ドラム317などの第1の還流分離デバイスを含み、第1の還流分離デバイスは、混合相流315(サイドドロー蒸気流313の冷却の結果得られる)を受容し、液体部分と蒸気部分とに分離する。蒸気部分311は冷却され、結果的に得られた混合相流309は、低温還流ドラム319などの第2の還流分離デバイスに提供され、蒸気部分と液体部分とに分離され、それらの蒸気部分と液体部分は、図4を参照して説明されたようにさらに処理される。
【0032】
[0050]図8において全体として320で示される本開示のシステムの第8の実施形態では、供給分離デバイス322が図2のシステムに追加されている。前の実施形態のように、供給ガス流324は供給ガス膨張機326によって膨張された後、重質物除去熱交換器328によって冷却される。結果的に得られた混合相流332は、供給分離デバイス322に方向付けされ、蒸気部分と液体部分とに分離される。液体部分は、液体流334として供給分離デバイス322を出て、分離供給液体膨張デバイス336(JT弁など)による膨張後に、重質物除去熱交換器において加温され、そこで冷蔵が提供される。結果的に得られた混合相流338は、任意選択の冷却されたJT弁などの分離供給液体膨張デバイス340を通過し得、重質物除去カラムのストリッピング区分342に方向付けされ、ストリッピング区分342で蒸気部分と液体部分とに分離される。
【0033】
[0051]供給分離デバイス322からの蒸気流344は、JT弁などの(任意選択の)分離供給蒸気膨張デバイス346を通って方向付けられ、分離供給蒸気膨張デバイス346で冷却および部分的濃縮がなされ、それによって混合相流348が形成される。次いで、混合相流348は、重質物除去カラムのスクラビング区分352に方向付けされ、スクラビング区分352で蒸気部分および液体部分に分離される。そのようなシステムは、いくつかの用途のために中程度の圧力で効率の改善を実現し、供給ガスがより多い用途にとっても有益であり得る。
【0034】
[0052]図7のシステムの残りの構成要素は、図1および図2に示される構成要素と概して同じであり、同じ機能を提供し得る。
【0035】
[0053]図8のシステム320は、混合相流338からストリッピング区分342への任意選択の枝路354を含み得る。枝路354は、任意選択でJT弁などの膨張デバイス356を含み得る。そのような構成は、湿潤基準を満たすために、ストリッピング区分の上部で追加のフローが必要な場合に望ましい。そのような実施形態では、ストリッピング区分342は、内部トレイなどの2層を有して、ストリッピング区分においてより高い追加注入位置を可能にする。
【0036】
[0054]図8の実施形態は、いくつかの用途で、中程度の供給圧力において、および/または、供給ガス流324が多い場合に、効率の改善を実現する。
【0037】
[0055]図9において全体として380で示される本開示のシステムの第9の実施形態では、分割供給還流構成が図8のシステム320に追加されている。より具体的には、システム380は、供給ガス膨張機384の前に炭化水素供給ガス流382の枝路を含む。供給ガス流の小部分がその枝路で分割し、分割供給還流ガス流としてライン386を通って流れ、重質物除去交換器388で冷却され、少なくとも部分的に濃縮されて、混合相流392を形成する。次いで、この流れは、JT弁などの膨張デバイス394によって膨張され、結果的に得られた冷却流396は、還流として重質物除去カラムのスクラビング区分398に方向付けされて、カラム主供給からの重質炭化水素の除去を助ける。代替実施形態では、膨張デバイス394が省略され得る。さらなる実施形態では、枝路395が重質物除去熱交換器388から通じているライン397に追加され得、それによってライン397における混合相流の一部は、ライン399に伝達され得、さらに重質物除去カラムのストリッピング区分393に入る。
【0038】
[0056]図10において全体として400で示される本開示のシステムの第10の実施形態では、低温還流が重質物除去カラムのストリッピング区分402に提供される。より具体的には、図2および図5のシステムについて上述したように、分割還流ライン404は、還流ポンプ408の後に設けられ得(制御弁406の有無にかかわらず)、サイドドロー還流のストリッピング区分402への注入を実現する。サイドドロー還流のそのような分割は、いくつかの用途で重質炭化水素の除去におけるさらなる効率性を提供する。分割還流はまた、BTEXを低減し、還流における還流BTEX濃度の制御を強化し、したがっていくつかの用途で、重質物除去カラムの上部から出るクリーンなガスにおけるBTEXを低減する。その結果、システム400は、供給ガス流において高いBTEXレベルを有する用途に適する。
【0039】
[0057]加えて、図10に示すように、システム400は、重質物除去熱交換器416から通じる再沸器ライン414からストリッピング区分402への任意選択の枝路412を含み得る。そのような構成は、湿潤基準を満たすために、ストリッピング区分の上部で追加のフローが必要な場合に望ましい。そのような実施形態では、ストリッピング区分402は、内部トレイなどの2層を有して、ストリッピング区分においてより高い追加注入位置を可能にする。
【0040】
[0058]432において図11のシステム430によって示されるように、図7の供給分離デバイス(図7の322)は、図9のシステムに追加され得る。図11のシステムはまた、図10の400のシステムが重質物除去カラムのスクラビング区分422から重質物除去熱交換器416へ通じる液体ライン420に存在する膨張デバイス418を省略するように変形され得ることを示す。図11のシステム430において、JT弁434、436、438および442などの膨張デバイスは、重質物除去カラムのスクラビング区分454に通じるライン444、446、448および452それぞれに追加されており、スクラビング区分は、複数の注入場所を収容するように内部トレイなどの複数の層を含む。
【0041】
[0059]図12のシステム500によって示されるように、図10のシステムは、JT弁502などのサイドドロー膨張デバイスを、ストリッピング区分506から出るサイドドロー蒸気ライン504に追加するように変形され得る。さらに、図2に関して上述したように、枝路507は、スクラブ処理済み戻り蒸気流508の一部を重質物除去カラム509から膨張デバイス514の前の分離デバイス(還流ドラム)512に方向付け得る。代替実施形態では、膨張デバイス514および対応するライン部分516は省略されてもよく、それによってスクラブ処理済み戻り蒸気流508の全てが還流ドラム512に方向付けされる。次いで、還流ドラムからの蒸気流518は、JT弁524などの膨張デバイスを通過して冷却された後に重質物除去熱交換器522を通って、その内部で加温されるように方向付けられる。
【0042】
[0060]図13~15の実施形態では、より厳しい液化天然ガス(NGL)仕様のための制御の改善を実現するために、いくつかの用途では、ストリッピングガス温度の最適化が得られる。
【0043】
[0061]図13において全体として550で示されているシステムでは、供給ガス熱交換器552は供給ガス流554を受容する。冷却された供給ガス流556は供給ガス熱交換器から出て、供給ガス膨張機タービン558内で膨張および冷却される。タービンを出た流れは、供給ガス流の大部分を含む主流562と、ストリッピングガス流564とを形成するように分割される。ストリッピングガス流564は、供給ガス熱交換器552を通って移動し、加温され、それによって供給ガス流554を冷却するために冷蔵が設けられる。加温されたストリッピングガス流566は供給ガス熱交換器552から出て、JT弁568などの任意選択の膨張デバイスで膨張され、ストリッピング区分572に方向付けられる。そのような構成は、NGL復水流574のためのいくつかの仕様を満たすために、いくつかの用途では、ストリッピングガスの温度を最適化する。例えば、より高温のストリッピングガスは、NGL復水流574に存在するメタンのレベルを下げる。ストリッピングガス流を加温するための代替のオプションは、流体以外の加熱媒体と、ろう付けアルミニウム熱交換器、プレート式熱交換器、および多管式熱交換器を含む異なるタイプの熱交換器の使用を含む。
【0044】
[0062]図14においてシステム600によって示されるように、図5の分割供給還流構成は、図13のシステム550に追加され得る。より具体的には、システム600は、供給ガス膨張機606の前に供給ガス熱交換器604の下流の冷却された炭化水素供給ガス流602の枝路を含む。図5の実施形態にあるように、供給ガス流の小部分がその枝路で分割し、分割供給還流ガス流としてライン608を通って流れ、重質物除去交換器612で冷却され、少なくとも部分的に濃縮されて、混合相流614を形成する。次いで、この流れは、JT弁などの任意選択の膨張デバイス616によって膨張され、結果的に得られた冷却流は、還流として重質物除去カラムのスクラビング区分618に方向付けされる。
【0045】
[0063]加えて、図2図5および図10のシステムの低温還流622は、図14のシステム600に任意選択で追加され得る。
【0046】
[0064]図15のシステム650によって示されるように、還流熱交換器652を含む図6の分割供給還流およびサイドドロー還流熱交換構成は、図13および図14のシステムでも用いられる供給ガス熱交換器654と組み合わされ得る。
【0047】
[0065]ヒートポンプを含む本開示の全体として700で示されるシステムの一実施形態は、図16に示される。システム700において、炭化水素供給ガス流702(天然ガス流など)が供給ガス膨張機タービン704に入り、結果的に生じた膨張ガス流が主供給流706と、ストリッピングガス供給流708とに分割される。
【0048】
[0066]供給ガス流702の大部分を含有する主供給流706は、重質物除去熱交換器712を通過し、冷却されて、部分的に濃縮される。結果的に得られた混合相流714は、次いで、全体的に718で示される重質物除去カラムのスクラビング区分716に送られ、そこで液体が主供給蒸気から分離される。重質炭化水素を含有するNGL復水流720は、ストリッピング区分736の底部から出る。供給ガス重質炭化水素/凍結成分の大部分を含有する、結果的に得られた液体流722は、任意選択の膨張デバイス724(ジュールトムソンまたはJT弁など)に方向付けられ、結果的に得られた混合相流726は、重質物除去熱交換器712において加温され、次いでストリッピング区分熱交換器728に移動してさらに加温され、カラム718のストリッピング区分736に方向付けられる。ストリッピング区分熱交換器728はまた、ストリッピングガス供給膨張デバイス734を通過した後の流れ732を受容し、それによって、ストリッピングガス708の少なくとも一部がカラム718のストリッピング区分736への導入前に加温される。ストリッピングガス708の残りの部分は、JT弁738などのスクラブ膨張デバイスによって膨張され、スクラビング区分716へ送られる混合相流714と合流する。
【0049】
[0067]サイドドロー蒸気流742は、カラム718のストリッピング区分736を出て、JT弁744などのサイドドロー膨張デバイスによって冷却され、結果的に得られた流れがヒートポンプ圧縮機746に移動する。圧縮機746を出た圧縮ガスは、還流圧縮機給気冷却器748で冷却され、次いで、ストリッピング区分熱交換器728で冷却され、それによって混合相流752が形成される。混合相流752は、高温還流ドラム754などの第1の還流分離デバイスまで移動し、蒸気部分と液体部分とに分離される。高温還流ドラム754からの液体流756は、任意選択のJT弁758などの膨張デバイスを通過後に還流757として重質物除去カラムのストリッピング区分736の上部分に送られる。
【0050】
[0068]続けて図16を参照すると、高温還流ドラム754からの蒸気流762は、重質物除去交換器712へ移動し、冷却および少なくとも部分的な濃縮がなされる。結果的に得られた流れ764は、JT弁766などの任意選択の膨張デバイスを通って低温還流ドラム768などの第2の還流分離デバイスまで移動し、蒸気部分と液体部分とに分離される。高温還流ドラム754からの蒸気流762の一部は、分割されて、JT弁772などの膨張デバイスを通って移動し、結果的に得られた混合相流が、低温還流ドラム768へ移動中のJT弁766からの混合相流と合流する。低温還流ドラム768からの液体流774は、任意選択の制御弁776を通過後に還流778として重質物除去カラムスクラビング区分716の上部分に送られる。蒸気流782は、低温還流ドラム768の上部から出て、JT弁784などの任意選択の膨張デバイスを通過後にスクラブ処理済み戻り蒸気流と合流して流れ783を形成する。
【0051】
[0069]スクラブ処理済み戻り蒸気流は、カラム718の上部から出た後、冷却を得るためにJT弁786などの膨張デバイスにわたって送られる。次いで、冷却された戻り蒸気流はJT弁784(上述)からの流れと合流し、結果的に得られた流れ783は、重質物除去交換器712へ送られ、重質物除去交換器712で加温され、それにより熱交換器内の他の流れを冷却する。加温後、戻り蒸気流788は、供給ガス圧縮機792によって圧縮され、流れ794として液化へ送られ、それによって液化された流れ(液化天然ガスまたはLNGなど)が生成される。
【0052】
[0070]供給ガス圧縮機792は、供給ガス膨張機タービン704によって動力を供給されることが好ましい。還流圧縮機746はまた、供給ガス膨張機タービン704によって、または代替的に専用モータ796を用いて動力を供給されてもよい。
【0053】
[0071]図17を参照すると、本開示のシステムの第17の実施形態は、全体として800で示される。炭化水素供給ガス流802(天然ガス流など)は、分割されて、ストリッピングガス供給流804および主供給流806を形成する。上記の実施形態では、ストリッピングガス供給流804は膨張デバイス808で膨張され、混合相流809としてストリッピング区分810に方向付けられる。ストリッピング区分810は、上部パッキング区分811、追加中間パッキング区分813、および下部パッキング区分815を含み得、流れ809は、下部パッキング区分815の下方のストリッピング区分に入る。一例に過ぎないが、パッキング区分は、ベッド上に均一に液体を再分配するための分配トレイを各パッキングベッド間に有するランダムパッキングのベッドを含み得る。これらのベッドは、トレイ、さらには構造化パッキングでもよい。
【0054】
[0072]主供給流806は、膨張デバイス812で膨張され、結果的に得られた流れは重質物除去熱交換器814に方向付けられる。結果的に得られた混合相流820は、供給分離デバイス822に方向付けされ、蒸気部分と液体部分とに分離される。液体部分は、液体流824として供給分離デバイス822を出て、分離供給液体膨張デバイス826による膨張後に、混合相流828として重質物除去カラムのストリッピング区分810に方向付けられる。混合相流828は、追加中間パッキング区分813の下方のストリッピング区分に入り得る。還流ドラムからの追加の中質の炭化水素(以下で説明する還流再循環流)によって、追加中間パッキング区分は、凍結成分の分離の改善を実現する。追加中間パッキング区分813は、必須ではない。
【0055】
[0073]膨張デバイス830による膨張後に供給分離デバイス822の上部から出る蒸気流823は、重質物除去熱交換器814において冷却される。結果的に得られた混合相流832は、重質物除去カラムのスクラビング区分834に方向付けられる。流れが熱交換器814に入る前に蒸気流823の圧力を低減することによって、熱交換器814の経路BおよびA2の温度プロファイルは、より良好に合致し、より良好な効率性を実現する。これはまた、供給熱交換器と還流熱交換器とを結合して単一のユニットとすることを可能にする。また、A2の熱交換器経路における固体の形成確率の低減を助ける。
【0056】
[0074]図3の実施形態にあるように、図17のシステム800は、重質物除去カラム814から戻り蒸気流838を受容する戻り蒸気膨張機タービン836を使用する。この戻り蒸気膨張機タービン836は、供給ガス圧縮機842に動力を供給することが好ましい。加えて、図10のシステムにあるように、システム800は、重質物除去熱交換器814から通じる再沸器ライン841からストリッピング区分への任意選択の枝路839を含み得る。そのような構成は、湿潤基準を満たすために、ストリッピング区分の上部で追加のフローが必要な場合に望ましい。
【0057】
[0075]還流再循環ライン844は、制御弁846を含み、還流ポンプ848から出る液体還流の一部を受容する。ライン844における還流再循環流は、重質物除去熱交換器814における還流再循環加温経路Eまで移動し、還流再循環加温経路Eで加温され、気化される。結果的に得られた流れ852は主供給流806と合流する。加えて、任意選択の第2の還流再循環ライン853は、還流ポンプ848から出た液体還流の一部をストリッピング区分の上部に方向付け得る。図17の還流処理システムの残りの態様は、図2および図3と同じである。
【0058】
[0076]流れ844および852は、プロパン、ブタンなどの中質の炭化水素成分をプロセスの前半に提供する。これらの中質の炭化水素は十分な量を提供される必要があるため、ベンゼンおよびプロセスに入る他の類似成分などのより重質量の凍結成分の凝華温度よりも高い温度で液相を形成する。流れ844を重質物除去熱交換器を通して戻すことは、熱交換器の加熱曲線と冷却曲線のバランスをとることを助け、それによってプロセスの効率を改善する。供給ガス流806と混合する前に流れ852を気化することによって、混合プロセスは改善され、供給流内への不均衡分配に関する懸念がない。
【0059】
[0077]図17のシステムにおいて、入口供給ガス806は、膨張デバイス821から出る二相流825が供給分離容器822のプロセス条件において存在する温度まで冷却される。供給分離容器822は液相824を析出し、液相824は、還流ドラムからの多くの再循環中質の炭化水素、ならびにより重質な凍結成分の大部分を含有する。上述したように、液体流824は、高分子量炭化水素および凍結成分を析出するために、カラムのストリッピング区分814に送られる。
【0060】
[0078]代替実施形態では、還流再循環ライン844における流れは、流れを加温することなく、熱交換器814の前に供給ガス流806と混合され得るが、最適ではない場合がある。代替実施形態では、ライン844における再循環流はまた、重質物熱交換器を通して再循環流を加温することなく、重質物除去熱交換器814の経路A1の出口において混合することができる。これはまた、混合不良の危険性があり、液体/蒸気の流動様式の分配不良に起因して供給分離容器822における分離不良を生成し得るため、最適ではない場合がある。
【0061】
[0079]パッキングの追加区分が、カラムのストリッピング区分に追加される。
【0062】
[0080]再沸器862は、より重質な凍結成分の量とともに、再循環される必要がある中質の炭化水素の量と、ストリッピング区分810を出る液体流864中のNGL液を生成する要求とに応じて任意選択のアイテムとして追加されることができる。
【0063】
[0081]図17のシステムは、希薄天然ガス流(少量のプロパン、ブタン、ペンタン、およびより重質な成分)のために最良に設計されているが、ベンゼンまたはその他など、入ってきた流れにおいて凍結汚染物質を有する。流れが非常に低濃度の中質の炭化水素を有する場合、凍結成分を許容レベルまで除去することは難しい場合がある。この凍結成分は、気相で留まり、液相に引き込まれ得る前に気相から固体に直接凝華(凍結)する傾向がある。これが発生するのは、凍結成分の凝華温度より低い温度で液相を形成するのみである限定量の中質の炭化水素が存在するためである。
【0064】
[0082]図18において全体として900で示される、本開示のシステムの代替実施形態では、膨張デバイス910は、重質物除去熱交換器914から重質物除去カラムのスクラビング区分916へ通じるライン912に追加されている。一例に過ぎないが、膨張デバイス910は、弁(JT弁など)またはタービンでもよい。膨張デバイス910がタービンの場合、圧縮機に動力を供給するために使用され得る。いくつかの用途では、膨張デバイス910は、重質物除去カラムが、改善された分離のための最適圧力で動作することを可能にする。加えて、液化機からの混合冷凍剤などの冷凍剤918の流れは、重質物除去熱交換器914の経路922まで移動し、そこで冷却される。この冷却流は、単なる一例ではJT弁であり得る膨張デバイス924によって膨張される。結果的に得られた流れは、補助冷凍経路926を通って流れ、重質物除去熱交換器914において追加の冷却を提供する。図18のシステムの残りの構成要素は、図2に示される構成要素と概して同じであり、同じ機能を提供し得る。
【0065】
[0083]全体として950で示された図19のシステムでは、重質物除去熱交換器956からの流れ954を受容するために、分離デバイス952が図18のシステムに追加されている。流れ954は、供給流962が重質物除去熱交換器956の経路を部分的に通過した後に生成される。分離デバイス952からの蒸気流964は、膨張デバイス966へ、次いで、重質物除去カラムのスクラビング区分968へ移動する前の、さらなる冷却のために熱交換器956の別の経路まで戻って移動する。分離デバイス952からの液体流972は、膨張デバイス974を通って、その後、重質物除去カラムのスクラビング区分976へ方向付けられる。膨張デバイス974は、一例に過ぎないが、JT弁でもよい。
【0066】
[0084]本発明の好適な実施形態が示され、説明されたが、当業者には、本発明の趣旨から逸脱せずに変更および変形がなされ得ることが明らかであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
図1
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図6
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【国際調査報告】