(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-27
(54)【発明の名称】CA6系中体積密度耐火材、製造方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
C04B 35/101 20060101AFI20240520BHJP
C04B 35/645 20060101ALI20240520BHJP
B22D 41/02 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
C04B35/101
C04B35/645
B22D41/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569902
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 CN2022091972
(87)【国際公開番号】W WO2022237776
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】202110506467.3
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523425832
【氏名又は名称】▲ず▼博郎豊高温材料有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZIBO LANGFENG HIGH TEMPERATURE MATERIALS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Niecun, Luocun Town, Zichuan District, Zibo, Shandong 255138, China
(71)【出願人】
【識別番号】516265780
【氏名又は名称】北京科技大学
(71)【出願人】
【識別番号】523425821
【氏名又は名称】▲ず▼博市魯中耐火材料有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZIBO CITY LUZHONG REFRACTORIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Niecun, Luocun Town, Zichuan District, Zibo, Shandong 255138, China
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】陳俊紅
(72)【発明者】
【氏名】封吉聖
(72)【発明者】
【氏名】賈元平
(72)【発明者】
【氏名】李斌
(72)【発明者】
【氏名】朱波
(72)【発明者】
【氏名】李広奇
(72)【発明者】
【氏名】郭玉涛
(57)【要約】
本発明は、CA6系中体積密度断熱耐火材、製造方法及びその使用を開示している。本発明に係るCA6系中体積密度断熱耐火材では、前記断熱耐火材の相は、CA6と、C2M2A14、CM2A8、マグネシアアルミナスピネル、及びコランダムから選択される1つまたは複数の相とを含み、前記耐火材は高純度、良好な高温安定性、均一な組織構造、安定した性能、低い熱伝導率、及び良好な耐溶融金属侵食性と耐スラグ侵食性を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CA6系中体積密度断熱耐火材であって、前記断熱耐火材の相が、CA6と、C2M2A14、CM2A8、マグネシアアルミナスピネル、及びコランダムから選択される1つまたは複数の相とを含む、断熱耐火材。
【請求項2】
前記断熱耐火材に占める質量百分率として、CA6、C2M2A14、CM2A8、マグネシアアルミナスピネル、及びコランダムの合計含有量が90%以上であり、好ましくは94.8~100%である、請求項1に記載の断熱耐火材。
【請求項3】
前記断熱耐火材の相に占める質量百分率として、CA6相が26.7~100%であり、好ましくは、29.0~100%であり、好ましくは31.5~100%であり、好ましくは31.5~99.5%であり、より好ましくは38.7~99.5%であり、
C2M2A14相が0~72%であり、好ましくは0~60%であり、
CM2A8相が0~72%であり、好ましくは0~60%であり、より好ましくは0~59.5%であり、
マグネシアアルミナスピネル相が0~10%、0~8.0%、0~4.60%、0~4.0%であり、好ましくは0であり、
コランダム相が0~30%であり、好ましくは0~18%であり、より好ましくは0~16.5%であり、さらに好ましくは0~15%であり、最も好ましくは0~12%である、請求項1または2に記載の断熱耐火材。
【請求項4】
前記断熱耐火材の化学組成が、Al
2O
3、CaO、及びMgOを含み、前記断熱耐火材に占める質量百分率として、前記Al
2O
3が86.65~94.10%であり、好ましくは87.60~94.10%、86.65~92.80%であり、より好ましくは88.07~94.10%、87.50~92.60%であり、
前記CaOが5.80~8.40%であり、好ましくは6.10~8.40%、6.89~8.40%であり、
前記MgOが0~6.05%であり、好ましくはが0~5.53%、0~5.43%、0~5.04%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
【請求項5】
前記断熱耐火材の体積密度が2.40~2.90g/cm
3であり、好ましくは2.40~2.82g/cm
3である、請求項1~4のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
【請求項6】
前記断熱耐火材の基質部分の相が、CA6と、コランダム、マグネシアアルミナスピネル、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数の相とを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
【請求項7】
前記断熱耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、CA6相が67.4~100%であり、好ましくは72.5~100%、78.2~100%、78.8~100%であり、
コランダム相が0~30%であり、好ましくは0~20%、0~25%であり、
マグネシアアルミナスピネル相が0~10%、0~8.0%、0~6.7%、0~5.22%であり、好ましくは0であり、
C2M2A14相が0~30%であり、好ましくは0~25%、0~20%、0~18.8%であり、
CM2A8相が0~30%であり、好ましくは0~25%、0~20%、0~18.8%である、請求項6に記載の断熱耐火材。
【請求項8】
前記断熱耐火材の基質部分の化学組成が、Al
2O
3、CaO、及びMgOを含み、前記断熱耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記Al
2O
3が89.03~94.10%であり、好ましくは89.03~93.65%、90.30~93.20%、89.03~93.28%であり、
前記CaOが5.80~8.40%であり、好ましくは6.25~8.40%、6.60~8.40%であり、
前記MgOが0~2.52%であり、好ましくは0~2.10%、0~1.68%である、請求項6または7に記載の断熱耐火材。
【請求項9】
前記断熱耐火材は、顆粒材料と微粉末とを混合して混合材料を得、前記混合材料をホットプレス焼結して前記断熱耐火材を得るステップ
を含む方法によって製造される、請求項1~8のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
【請求項10】
前記微粉末は、CaO含有微粉末、Al
2O
3含有微粉末、及びMgO含有微粉末から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記CaO含有微粉末は、生石灰、石灰石、水酸化カルシウム、CaO・Al
2O
3、CaO・2Al
2O
3、12CaO・7Al
2O
3、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記Al
2O
3含有微粉末は、活性α-Al
2O
3微粉末、γ-Al
2O
3微粉末、ρ-Al
2O
3微粉末、水酸化アルミニウム微粉末、工業用アルミナ微粉末、白色コランダム微粉末、亜白色コランダム微粉末、緻密コランダム微粉末、焼結コランダム微粉末、及び板状コランダム微粉末から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記MgO含有微粉末は、マグネサイト、軽焼マグネシア、ブルーサイト、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、高純度マグネシア、及び電融マグネシアから選択される1つまたは複数である、請求項9に記載の断熱耐火材。
【請求項11】
前記顆粒材料が、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、好ましくはCA6である、請求項9または10に記載の断熱耐火材。
【請求項12】
前記顆粒材料と前記微粉末との質量比が0~60:40~100である、請求項9~11のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
【請求項13】
前記ホットプレス焼結は、前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形してから高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形し、低温で仮焼結した後にホットプレス焼結することである、請求項9~12のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
【請求項14】
ホットプレス焼結の温度は1550~1750℃であり、好ましくは、ホットプレス強度は0.5~10MPaである、請求項9~13のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
【請求項15】
顆粒材料と微粉末とを混合して混合材料を得、前記混合材料をホットプレス焼結して耐火材を得るステップ
を含む、断熱耐火材の製造方法。
【請求項16】
前記微粉末は、CaO含有微粉末、Al
2O
3含有微粉末、及びMgO含有微粉末から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記CaO含有微粉末は、生石灰、石灰石、水酸化カルシウム、CaO・Al
2O
3、CaO・2Al
2O
3、12CaO・7Al
2O
3、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記Al
2O
3含有微粉末は、活性α-Al
2O
3微粉末、γ-Al
2O
3微粉末、ρ-Al
2O
3微粉末、水酸化アルミニウム微粉末、工業用アルミナ微粉末、白色コランダム微粉末、亜白色コランダム微粉末、焼結コランダム微粉末、及び板状コランダム微粉末から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記MgO含有微粉末は、マグネサイト、軽焼マグネシア、ブルーサイト、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、高純度マグネシア、及び電融マグネシアから選択される1つまたは複数である、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記顆粒材料が、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、好ましくはCA6である、請求項15または16に記載の製造方法。
【請求項18】
前記顆粒材料と前記微粉末との質量比が0~60:40~100である、請求項15~17のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項19】
前記ホットプレス焼結は、前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形してから高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形し、低温で仮焼結した後にホットプレス焼結することである、請求項15~18のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項20】
ホットプレス焼結の温度は1550~1750℃であり、好ましくは、ホットプレス強度は0.5~10MPaである、請求項15~19のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項21】
請求項1~14のいずれか一項に記載の断熱耐火材、または請求項15~20のいずれか一項に記載の製造方法により製造された断熱耐火材を含む、溶鋼精錬用取鍋の永久ライニング。
【請求項22】
請求項1~4のいずれか一項に記載の断熱耐火材、または請求項15~20のいずれか一項に記載の製造方法により製造された断熱耐火材を含む、アルミニウム溶湯用取鍋の断熱ライニングまたは作業ライニング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、耐火材の技術分野に関し、特に、CA6系中体積密度耐火材、その製造方法及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
溶鋼精錬取鍋にとって、取鍋ライニング耐火材の完全性、安全性、鋼漏れ防止及び一定の保温性は非常に重要であり、永久ライニング耐火材はその中で非常に重要な役割を果たす。
【0003】
現在、取鍋ライニングは通常、作業ライニング、永久ライニング、断熱ライニングの三層構造で設計されている。作業ライニングは高温の溶融物と接触するため、良好な高温性能と、溶鋼及びスラグ浸食に対する優れた耐性が必要である。永久ライニングは、安全性と断熱保温効果の両方を備えていなければならず、作業ライニングが失われた場合の溶融スラグ及び溶鋼の高温と侵食に耐えて安全性の第一条件を満たす必要があるだけではなく、熱の外部への伝達を防止または弱め、断熱保温ライニングに伝わる温度を下げ、断熱保温機能を実現する必要もある。
【0004】
現在の取鍋の永久ライニングには、既存の適用材料は、一般的に中重質の高アルミナキャスタブル、またはアルミニウム-マグネシウムキャスタブル、または通常の低セメント高アルミナキャスタブル、またはムライト軽量骨材を一部添加した高アルミナキャスタブルなどである。軽量骨材は耐スラグ侵食性が劣るため、安全性の観点から永久ライニング骨材として軽量ムライトを使用する取鍋は比較的少ない。
【0005】
永久ライニングの施工はほとんどが現場で行われる。取鍋に断熱ライニングを施工した後、取鍋内に中子型を固定し、現場で水をキャスタブルに加えて撹拌した後、流し込んで振動させることで、キャスタブルは中子型と断熱ライニングの間に流動によって充填され、セメントなどの水和成分の水和によって強度のある全体を形成する。
【0006】
キャスタブルは骨材と微粉末の集合体であり、骨材は粒径0.088mmを超える粒状材料であり、微粉末は粒径0.088mm未満の粉末材料である。粒状材料の焼結活性は非常に弱く、基本的には焼結しないが、微粉末の焼結活性は比較的高く、キャスタブルの完全性は主に微粉末の焼結によってもたらされる。微粉末には、主原料粉末の他に、アルミン酸塩セメントやMgOなどの水和結合効果を有する成分、シリカ微粉末や活性アルミナ微粉末などの流動性を高める成分、及び焼結を促進する添加剤、分散性を促進する分散剤などが含まれている。したがって、骨材と比較して、基質部分はキャスタブルの高温性能において最も弱い部分であるが、耐火物キャスタブルの製造コンセプトと性能要件の原因で、これを変えるのが困難である。
【0007】
現在永久ライニングに使用されている低セメント高アルミナキャスタブルは、一般にボーキサイト、純アルミン酸塩セメント、及びシリカ微粉末を原料として製造されており、体積密度は一般に2.95~3.15g/cm3である。ボーキサイトは一般に二級または三級ボーキサイトであり、不純物成分が高く、高温で形成される液相の含有量が高く、同時に材料の高温変形が比較的大きいため、この材料の使用中に、組織構造の緻密化のプロセスが起こり、その結果、材料の熱伝導率が高まり、放熱が大きくなる。同時に、高温での材料の液相が多いため、耐溶鋼侵食性及び耐スラグ侵食性は弱い。作業ライニングが溶損され消えると、上記材料だけでは溶鋼の侵食に耐えることが難しく、鋼漏れが発生しやすくなる。また、このタイプの材料は繰り返し使用すると構造が緩み、強度が低下する。
【0008】
アルミニウムマグネシウムキャスタブルは、一般にボーキサイト、マグネシア粉末、シリコン微粉末などを原料として製造され、体積密度は一般に3.0~3.15g/cm3である。この材料に使用される原料はすべて天然原料であり、不純物成分が多く、高温で形成される液相含有量が多いとともに、材料の高温変形が比較的大きいため、この材料の使用中にも、組織構造の緻密化のプロセスが起こり、その結果、材料の熱伝導率が高まり、放熱が大きくなる。同時に、高温での材料の液相が多いため、耐溶鋼侵食性及び耐スラグ侵食性は弱い。作業ライニングが溶損され消えると、上記材料だけでは溶鋼の侵食に耐えることが難しく、鋼漏れが発生しやすくなる。
【0009】
このような既存の応用材料や技術は数十年にわたって使用されてきたが、安全性や省エネ、保温性の要件を満たすことができず、大きな改善はなかった。これは主に原材料が変わっていないことが原因であり、原料の特性によるものである。ボーキサイトの微細構造は主に棒状及び柱状のコランダムとムライトで構成されており、液相はコランダムとムライトの結晶の間の隙間を埋めている。この構造は、組織構造の変形と緻密化を引き起こすだけではなく、相互連結された柱状結晶がより高い熱伝導率をもたらし、これが現在適用されている材料の最も重要な欠陥である。
【0010】
ボーキサイトの微細構造と比較して、ヘキサアルミン酸カルシウムの構造は永久ライニングの原料としてより適している。したがって、既存の応用技術材料に加えて、永久ライニングに使用される材料には、CA6含有材料など、いくつかの公開特許に記載されているものも含まれている。
【0011】
ヘキサアルミン酸カルシウム(CaO・6Al2O3、略称CA6)の化学組成はCaOとAl2O3であり、融点は1875℃であり、理論密度は3.79g/cm3であり、耐火性能に優れている。ヘキサアルミン酸カルシウムの結晶構造は、C軸方向にラメラ構造が積み重なったマグネトプランバイト構造であり、C軸方向の熱伝導率が低いと同時に、ラメラ構造間の隙間により熱伝導率も小さくなるため、原料のヘキサアルミン酸カルシウムの熱伝導率は非常に小さい。CMA(CaO・2MgO・8Al2O3と2CaO・2MgO・14Al2O3の統一略称)は、CA6とMgO・Al2O3構造のC軸スタッキングに基づいており、その構造はCA6と類似しており、ラメラ構造を形成しやすく、熱伝導率が小さい。CMAとCA6の構造及び性能が類似していることを考慮して、以下の説明ではCA6のみを代わりに使用する。
【0012】
このラメラ構造は熱伝達性能を低下させる一方、ヘキサアルミン酸カルシウム材料の焼結を困難にする。現在、実験室で調製されるヘキサアルミン酸カルシウム材料の体積密度は一般に2.20~2.70g/cm3であり、高温領域での適用は困難である。まさにこのラメラ構造のため、焼結性は非常に悪く、これが、体積密度が3.0g/cm3を超えるCA6系原料を調製することが難しい主な理由である。また、ヘキサアルミン酸カルシウム耐火材の製造過程において、成分間の反応に伴う体積膨張効果は、ヘキサアルミン酸カルシウム材料の焼結及び緻密化の過程にも影響を与える。
【0013】
現在、ヘキサアルミン酸カルシウムの緻密化を達成するために、SiO2やTiO2などの添加剤を使用するのが多いが、高温で液相が出現し、その緻密化と焼結が促進されている。例えば、陳肇友らは、ヘキサアルミン酸カルシウム材料及びアルミニウム工業炉へのその応用(非特許文献1)において、Bonite(ヘキサアルミン酸カルシウムの商品名)の物理的及び化学的特性について説明し、その化学組成のSiO2が0.9%であることに言及した。また、「緻密ヘキサアルミン酸カルシウム耐火クリンカーの調製方法」(特許文献1)及び「緻密ヘキサアルミン酸カルシウム耐火クリンカー及びその調製方法」(特許文献2)はそれぞれ、焼結剤としてTiO2及びMnOを使用しているが、この方法ではミラー層内の原子のスタッキングを制御することで緻密化を達成することはできず、液相を利用して粒子間の距離を縮めるだけであり、ヘキサアルミン酸カルシウムの結晶粒子間に液相が充填されて熱を伝えるため、この方法ではヘキサアルミン酸カルシウムの緻密度は向上できるものの、ヘキサアルミン酸カルシウムの構造は制御できず、熱伝導率が高い。
【0014】
今までの特許出願に開示されているCA6材料は、大きく3つのカテゴリに分類できる。(1)体積密度が2.0g/cm3未満のCA6系材料は、熱伝導率が低く、断熱性能が良いものの、スラグや溶鋼の侵食などに耐える必要がある取鍋の永久ライニングには適していない;(2)CA6と他の成分の複合材料をベースとする材料は、第2相の形成により強度を高めるが、材料全体の緻密度が低く、永久ライニングなどに使用することが困難である;(3)焼結促進添加剤を導入せずに調製された高純度CA6材料(Al2O3+CaO含有量が97.0%以上)の体積密度はほとんど2.5g/cm3未満であり、強度が非常に低いため、使用要件を満たすことができない;(4)主にCA6をベースに、焼結助剤を添加することで焼結緻密化を実現する。CA6自体のラメラ構造のため、CA6材料は焼結しにくく、焼結緻密化は基本的にSiO2、TiO2などを添加することによって促進される;(5)CA6材料のほとんどは、多く(20%以上)のコランダムまたは活性アルミナ微粉末を添加し、コランダムまたは活性アルミナ微粉末を焼結することで複合材料の強度を実現する。
【0015】
取鍋永久ライニング材について、既存の工業化技術または既存の特許技術に存在する問題点や欠陥は次のとおりである。
(1)耐鋼スラグ侵食性が劣る
天然ボーキサイトをベースとしたキャスタブルは、不純物含有量が高く、高温液相が多いため、溶鋼やスラグの侵食に耐えることが難しい。そのため、作業ライニングが消えると、現在の永久ライニング材料や技術では安全性を確保することが困難である。永久ライニングに安全ライニングの概念が与えられているが、その要求を満たすことは困難である。
(2)高温での収縮と緻密化により、材料の組織構造が変化し、材料の熱伝導率がさらに高まる。
ボーキサイトベースの永久ライニングキャスタブルは、そのボーキサイト原料がすべて天然原料であり、不純物が多く、高温での液相の量が高い。さらに、このタイプのキャスタブルはシリコン微粉末による流動性改善に基づいた系であり、シリコン微粉末の添加量が多いと、高温での液相の量が倍に増加することになる。このように、当該キャスタブルは高温で使用されるとある程度の収縮と緻密化のプロセスが起こり、使用するにつれて材料はさらに緻密化し、熱伝導率がさらに高まる。
(3)材料の熱伝導率が高い
現在の中重質高アルミナキャスタブルとしては、通常の高アルミナキャスタブル、アルミマグネシウムキャスタブルであろうと、低セメント高アルミナキャスタブルであろうと、その骨材や微粉末はほぼ焼結ボーキサイトである。中重質ムライトキャスタブルは、骨材の一部としてムライト軽量原料を使用しているが、微粉末は依然として焼結ボーキサイトであり、高緻密度及び高熱伝導率を有するうえ、これらの材料の体積密度は、ほとんどが2.6g/cm3以上であり、3.15g/cm3に達する場合もある。これらの中重質の材料は緻密度が非常に高いため、熱伝導率を大幅に下げることはできない。
(4)材料の収縮により、作業ライニングの耐火材が外側に膨張し、レンガ間の押し出し力が弱まり、一体性が低下し、鋼漏れが発生しやすくなる。
天然原料ボーキサイトをベースとしたキャスタブルは、不純物含有量が高く、高温液相の量が多く、長期使用による焼結収縮により、作業ライニング外周の支持力が弱くなり、外側への膨張により、作業ライニングにクラックやレンガの破損が生じ、鋼漏れの事故が発生しやすくなる。
(5)CA6系材料は焼結を達成するために添加剤に依存しており、液相の量が多く、高温性能が低下し、熱伝導率が高い。
CA6の独特のラメラ構造が焼結を困難にするため、取鍋の永久ライニングとして使用できる既存のCA6系耐火材のほとんどは、液相を生成して焼結を促進するために添加剤に依存している。この方法はCA6の焼結を促進することができるが、液相が多くなると高温性能が低下し、液相が結晶粒間に充填されて熱伝達の橋渡しとなり、熱伝導率が大幅に高まる。
(6)CA6系材料の焼結が難しいことは、より多くのコランダム相を導入することによって補われ、その結果、熱伝導率が大幅に高まる。
CA6材料の焼結性と耐食性を改善するために、通常、既存の公開特許により多くの活性アルミナ微粉末、コランダム粉末などが添加されている。これにより焼結性と完全性が向上するが、熱伝導率も倍に増加し、断熱性能が低下する。
(7)高純度CA6材は体積密度や強度が比較的低く、永久ライニング材に適用することが困難である。
CA6材料は焼結が難しいため、焼成後の高純度CA6製品の密度は一般に2.0~2.5g/cm3であり、組織構造が不均一で強度が非常に低い。これは、高圧を受ける取鍋の永久ライニング材料としては使用不可能である。
(8)材料の高温収縮が大きく、網目状のクラックや大きなクラックが頻繁に発生し、取鍋製錬の安全性に重大な影響を与える。
材料の高温液相が多く、組織構造のクリープが大きいと、材料が収縮して体積が小さくなり、永久ライニング材に網目状のクラックや大きなクラックが多発する。このようなクラックは非常に危険であり、製鋼所にとっても大きな懸念事項である。作業ライニングが溶損したり、作業ライニング間に溶鋼が侵入したりすると、永久ライニングのクラックから溶鋼が流出しやすくなり、重大な鋼漏出事故を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】中国特許出願公開第CN110171980A号公報
【特許文献2】中国特許出願公開第CN105585314A号公報
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】陳肇友ら、ヘキサアルミン酸カルシウム材料及びアルミニウム工業炉へのその応用[J].耐火材料、2011,45(2):122~125.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、製鋼所で現在使用されている既存の材料も、開示された特許技術も、真の意味での安全性と保温性を実現することはできない。高温の液相が多く存在し、液相の作用下で変形と緻密化プロセスが発生し、その結果、使用中に熱伝導率が増加し続けると同時に液相が多く、耐溶鋼侵食性や耐スラグ侵食性が悪くなり、作業ライニング材が失われるとスラグの侵食に耐えることが困難になり、保護や安全の役割を果たすことが難しい。純度が高く、焼結が緻密でなく、構造が不均一であるため、取鍋の作業ライニングの膨張圧力に抵抗することが難しく、その結果、永久ライニング材が圧縮され、作業ライニング材が全体として外側に膨張して一体性が低下し、鋼材の漏出などの事故が発生してしまう。
【0019】
上記の問題と欠陥を解決することの難しさは次のとおりである。
(1)キャスタブルの製造方法により、その弱点を変えるのが困難である。
特に不定形耐火物キャスタブルとしては、焼成せずにそのまま使用することができる。常温及び低温での強度はセメントの水和結合により生じ、800~900℃で結晶水や結合水が消失した後、主に材料自体の緻密なスタッキングとシリコン微粉末の添加などにより強度が維持され、再度温度が上昇すると、シリコン微粉末やその他の低融点相の添加により強度が維持される。
同時に、耐火材は骨材と微粉の集合体である。骨材粒子の表面は焼結や反応に対して比較的不活性であるため焼結しにくく、耐火材の強度は主に基質微粉末の焼結によってもたらされるため、耐火材の基質微粉末は、より微細で比表面積が大きいことが要求される一方、焼結促進に必要な異成分のほとんどが基質微粉末に添加されており、これによって、耐火材の組成分布も不均一になる。基質微粉末はもともと骨材に比べて高温性能が劣っており、焼結助剤の添加によりさらに高温性能が低下する。一部の応用分野では、焼結助剤が必要であり、特に取鍋永久ライニングなどのキャスタブルの場合、高温焼結を行わずに直接適用され、使用時の高温でのみ焼結が実現できるため、多くの焼結助剤が必要である。これは耐火材の開発コンセプトによって決まるものであり、改善することが困難である。高純度の原料を主原料とすると、調製した材料が焼結しにくくなり、一体化することができなくなる。
また、流動性や施工性を確保するために、キャスタブルには減水剤やマイクロパウダーなどの添加剤も添加する必要があり、また、原料は基本的に天然原料であるため、アルミニウム・マグネシウムキャスタブルや、高アルミナキャスタブルなどの永久ライニング材は、その弱点を変えるのが難しい。
(2)現在、永久ライニングキャスタブル内には高温の液相が多く存在しており、使用中に組織構造がさらに緻密化する。
天然原料は不純物含有量が高く、高温では液相が多く、この天然原料をベースとした耐火材は、高温使用下での変形が大きく、組織構造が不安定であり、緻密化して熱伝導率が増加する場合がある。これは、天然原料をベースとした耐火材としては変えられないことである。
(3)高温の液相の量が多く、耐食性、耐溶鋼・スラグ侵食性が低い。
キャスタブルは焼成耐火材とは異なり、施工性、焼結性、成形強度を満足させるために基質微粉末を使用する必要がある。そのため、基質微粉末には、焼結を促進する助剤、流動性を高める減水剤や界面活性剤、常温強度や中温強度を形成する水和原料などが添加されている。これにより、キャスタブルの基質組成は非常に複雑であり、高温性能は必ず大幅に低下するが、これは変えられないことである。
(4)既存特許における高純度原料CA6をベースとしたキャスタブルも、アルミニウム・マグネシウムキャスタブルや高アルミナキャスタブルなどの問題を抱えている。
ボーキサイト系のキャスタブルと比較すると、CA6の性能はボーキサイトよりもはるかに優れているが、次の点から高温性能はまだ劣っている。1、CA6キャスタブルは中高温でも自ら強度を形成する必要がある。永久ライニングとしての完全性を満たすためには、中低温焼結も必要であり、これには低温で液相に焼結できる成分の導入が必要である;2、CA6キャスタブルには、微粉末、減水剤、及び流動を促進するための微粉末などの添加も必要である;3、低温では焼結が促進され、高温では多量の液相が生成するため、高温下の耐スラグ侵食性の低下、組織の緻密化、熱伝導率の増加など一連の問題が発生する。
(5)既存特許出願のCA6キャスタブルでは、組織構造の劣化と過剰な高温液相を避けるために、アルミナ、コランダム等を添加するしかなく、その結果、熱伝導率が増加する。
キャスタブルの製造方法や特性により、基質が弱点となり、この弱点がキャスタブル全体の性能の低下につながる。したがって、CA6系キャスタブルの不足を軽減するには、活性アルミナ微粉末とコランダム粉末を大量に導入して、基質の高温性能を高め、その構造安定性を強化するしかないが、これはまた熱伝導率の増加などの一連の問題をもたらす。
【0020】
キャスタブルの場合、基質の流動性が良い、硬化が適切である、焼結が容易である、高温での液相のが少ない、耐食性が高い、性能劣化がないなどの特徴を基質上に実現する必要があり、これらは常に調和し難い矛盾であり、現在に至っても解決することは難しい。
【0021】
上記の問題や欠点を解決する意義は、次のとおりである。永久ライニング材の浄化を実現し、永久ライニング材の耐スラグ侵食性や耐溶鋼侵食性を強化し、製錬取鍋の安全性を確保し、鋼漏れなどの重大事故を防止することができる。材料の構造安定性と高温完全性を増強し、永久ライニング材料に低くて比較的安定した熱伝導率を与え、外部への熱伝達を防ぎ、溶鋼の加熱温度を下げ、転炉の出湯温度と炭素・酸素堆積を低下させ、耐火材の消費量を削減し、合金の量を削減し、有意な経済的利益及び社会経済的利益をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するために、本発明は、CA6系中体積密度耐火材、その製造方法及びその使用を提供するものである。
【0023】
本発明は、微粉末または粒状材料と微粉末を混合し、ホットプレス焼結法を採用して、CA6ベースの中体積密度耐火材を製造し、得られた耐火材は、高純度、良好な高温安定性、均一な構造及び安定した性能を有する。
【0024】
本発明の具体的な技術案は次のとおりである。
1、CA6系中体積密度断熱耐火材であって、前記断熱耐火材の相が、CA6と、C2M2A14、CM2A8、マグネシアアルミナスピネル、及びコランダムから選択される1つまたは複数の相とを含む、断熱耐火材。
2、前記断熱耐火材に占める質量百分率として、CA6、C2M2A14、CM2A8、マグネシアアルミナスピネル、及びコランダムの合計含有量が90%以上であり、好ましくは94.8~99.5%である、項1に記載の断熱耐火材。
3、前記断熱耐火材の相に占める質量百分率として、CA6相が26.7~100%であり、好ましくは31.5~99.5%であり、より好ましくは38.7~99.5%であり、
C2M2A14相が0~72%であり、好ましくは0~60%であり、
CM2A8相が0~72%であり、好ましくは0~59.5%であり、
マグネシアアルミナスピネル相が0~10%、0~4.60%であり、好ましくは0であり、
コランダム相が0~30%であり、好ましくは0~18%であり、より好ましくは0~16.5%である、項1または2に記載の断熱耐火材。
3、前記断熱耐火材の相に占める質量百分率として、CA6相が26.7~100%であり、好ましくは、29.0~100%であり、好ましくは31.5~100%であり、好ましくは31.5~99.5%であり、より好ましくは38.7~99.5%であり、
C2M2A14相が0~72%であり、好ましくは0~60%であり、
CM2A8相が0~72%であり、好ましくは0~60%であり、より好ましくは0~59.5%であり、
マグネシアアルミナスピネル相が0~10%、0~8.0%、0~4.60%、0~4.0%であり、好ましくは0であり、
コランダム相が0~30%であり、好ましくは0~18%であり、より好ましくは0~16.5%であり、さらに好ましくは0~15%であり、最も好ましくは0~12%である、項1または2に記載の断熱耐火材。
4、前記断熱耐火材の化学組成が、Al2O3、CaO、及びMgOを含み、前記断熱耐火材に占める質量百分率として、前記Al2O3が86.65~94.10%であり、好ましくは87.60~94.10%、86.65~92.80%であり、より好ましくは88.07~94.10%、87.50~92.60%であり、
前記CaOが5.80~8.40%であり、好ましくは6.10~8.40%、6.89~8.40%であり、
前記MgOが0~6.05%であり、好ましくはが0~5.53%、0~5.43%、0~5.04%である、項1~3のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
5、前記断熱耐火材の体積密度が2.40~2.90g/cm3であり、好ましくは2.40~2.82g/cm3である、項1~4のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
6、前記断熱耐火材の基質部分の相が、CA6と、コランダム、マグネシアアルミナスピネル、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数の相とを含む、項1~5のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
7、前記断熱耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、CA6相が67.4~100%であり、好ましくは72.5~100%、78.2~100%、78.8~100%であり、
コランダム相が0~30%であり、好ましくは0~20%、0~25%であり、
マグネシアアルミナスピネル相が0~10%、0~8.0%、0~6.7%、0~5.22%であり、好ましくは0であり、
C2M2A14相が0~30%であり、好ましくは0~25%、0~20%、0~18.8%であり、
CM2A8相が0~30%であり、好ましくは0~25%、0~20%、0~18.8%である、項6に記載の断熱耐火材。
8、前記断熱耐火材の基質部分の化学組成が、Al2O3、CaO、及びMgOを含み、前記断熱耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記Al2O3が89.03~94.10%であり、好ましくは89.03~93.65%、90.30~93.20%、89.03~93.28%であり、
前記CaOが5.80~8.40%であり、好ましくは6.25~8.40%、6.60~8.40%であり、
前記MgOが0~2.52%であり、好ましくは0~2.10%、0~1.68%である、項6または7に記載の断熱耐火材。
9、前記断熱耐火材は、顆粒材料と微粉末とを混合して混合材料を得、前記混合材料をホットプレス焼結して前記断熱耐火材を得るステップ
を含む方法によって製造される、項1~8のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
10、前記微粉末は、CaO含有微粉末、Al2O3含有微粉末、及びMgO含有微粉末から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記CaO含有微粉末は、生石灰、石灰石、水酸化カルシウム、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、12CaO・7Al2O3、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記Al2O3含有微粉末は、活性α-Al2O3微粉末、γ-Al2O3微粉末、ρ-Al2O3微粉末、水酸化アルミニウム微粉末、工業用アルミナ微粉末、白色コランダム微粉末、亜白色コランダム微粉末、緻密コランダム微粉末、焼結コランダム微粉末、及び板状コランダム微粉末から選択される1つまたは複数の微粉末であり、
好ましくは、前記MgO含有微粉末は、マグネサイト、軽焼マグネシア、ブルーサイト、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、高純度マグネシア、及び電融マグネシアから選択される1つまたは複数の微粉末である、項9に記載の断熱耐火材。
11、前記顆粒材料が、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、好ましくはCA6である、項9または10に記載の断熱耐火材。
12、前記顆粒材料と前記微粉末との質量比が0~60:40~100である、項9~11のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
13、前記ホットプレス焼結は、前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形してから高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形し、低温で仮焼結した後にホットプレス焼結することである、項9~12のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
14、ホットプレス焼結の温度は1550~1750℃であり、好ましくは、ホットプレス強度は0.5~10MPaである、項9~13のいずれか一項に記載の断熱耐火材。
15、顆粒材料と微粉末とを混合して混合材料を得、前記混合材料をホットプレス焼結して断熱耐火材を得るステップ
を含む、断熱耐火材の製造方法。
16、前記微粉末は、CaO含有微粉末、Al2O3含有微粉末、及びMgO含有微粉末から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記CaO含有微粉末は、生石灰、石灰石、水酸化カルシウム、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、12CaO・7Al2O3、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記Al2O3含有微粉末は、活性α-Al2O3微粉末、γ-Al2O3微粉末、ρ-Al2O3微粉末、水酸化アルミニウム微粉末、工業用アルミナ微粉末、白色コランダム微粉末、亜白色コランダム微粉末、焼結コランダム微粉末、及び板状コランダム微粉末から選択される1つまたは複数の微粉末であり、
好ましくは、前記MgO含有微粉末は、マグネサイト、軽焼マグネシア、ブルーサイト、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、高純度マグネシア、及び電融マグネシアから選択される1つまたは複数の微粉末である、項15に記載の製造方法。
17、前記顆粒材料が、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、好ましくはCA6である、項15または16に記載の製造方法。
18、前記顆粒材料と前記微粉末との質量比が0~60:40~100である、項15~17のいずれか一項に記載の製造方法。
19、前記ホットプレス焼結は、前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形してから高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形し、低温で仮焼結した後にホットプレス焼結することである、項15~18のいずれか一項に記載の製造方法。
20、ホットプレス焼結の温度は1550~1750℃であり、好ましくは、ホットプレス強度は0.5~10MPaである、項15~19のいずれか一項に記載の製造方法。
21、項1~14のいずれか一項に記載の断熱耐火材、または項15~20のいずれか一項に記載の製造方法により製造された断熱耐火材を含む、溶鋼精錬用取鍋の永久ライニング。
22、項1~14のいずれか一項に記載の断熱耐火材、または項15~20のいずれか一項に記載の製造方法により製造された断熱耐火材を含む、アルミニウム溶湯用取鍋の断熱ライニングまたは作業ライニング。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、高純度CA6系材料の良好な焼結、高い材料強度、良好な断熱性能と強度性能、スラグ及び溶鋼侵食に対する良好な耐性を実現し、取鍋の永久ライニングやアルミニウム溶湯などの作業ライニング、及び断熱ライニング、一部の工業用窯の耐火材ライニングなどに非常に適しており、優れた断熱性、保温性、安全性を備え、有意な経済的及び社会的利益をもたらす。具体的な効果は次のように詳しく説明する。
(1)本発明の材料は純度が高く、製錬材料への汚染がない。
対応する取鍋永久ライニング材料及びアルミニウム溶湯取鍋材料などと比較して、本発明の材料は純度が高く、高温安定性が良好であり、Al2O3+CaO+MgOの合計含有量が96.5%以上である。
本発明の材料は高純度であるが、鋼鉄、アルミニウム合金、及びその他の合金を製錬する過程で溶液中に不純物が混入することがなく、合金等の純度や性能に影響を与えることがない。
(2)材料の組織構造が安定しており、性能が安定している
高純度の原料系としては材料の焼結が比較的困難であるため、現在の耐火材では、添加剤の導入や化学合成反応、または低融点液相の生成により焼結を促進するのが基本となっている。これにより、材料構造が不均一になる。一部の領域はより高い融点と良好な結晶化を備えた高純度の系であり、また一部の領域は複雑な成分、より低い融点、及び低い高温特性を備えた液相領域である。この構造の不均一性は、高温でのクリープやスリップ、材料特性の劣化、熱伝導率やその他の特性の増加につながる。
しかしながら、本発明の材料は、低融点液相を生成して焼結を促進させるものではないため、低融点液相がなく、微細構造のクリープやスリップもなく、性能が安定している。また、従来の材料とは違って、さまざまな使用段階における材料の性能低下はない。
(3)耐溶融金属侵食性や耐スラグ侵食性がよい
材料系は高純度系であり、材料の構造は低融点液相に基づいて焼結を促進していないため、材料構造は均一であり、スラグの侵食に抵抗する面で弱点がない。したがって、本発明の材料は溶融金属及びスラグに対する全体的な侵食耐性が非常に良好であり、永久ライニングの安全特性を保証することができる。
(4)熱伝導率が低い
CA6のラメラ構造により、CA6ベースの材料の熱伝導率は低くなる。これは、断熱性が必要な永久ライニングにとって重要である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の実施例1で得られた断熱耐火材と比較例1で得られたCA6キャスタブルを1500℃で処理した後の概略図である。ここで、
図Aは実施例1で得られた断熱耐火材の1500℃処理後の概略図であり、
図Bは比較例1で得られたCA6キャスタブルの1500℃処理後の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例1に記載の断熱耐火材を1500℃でスラグにより侵食した後の概略断面図である。
【
図3】
図3は、比較例1で得られたCA6キャスタブルを1500℃でスラグにより侵食した後の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の特定の実施形態を示しているが、本発明は様々な形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるべきではないことを理解されたい。むしろ、これらの実施形態は、本発明をより完全に理解し、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるために提供されている。
【0028】
なお、本明細書及び特許請求の範囲では、特定の構成要素を指すために特定の用語が使用されていることに留意されたい。当業者は、同じ構成要素を指すのに異なる用語を使用する場合があることを理解するであろう。本明細書及び請求の範囲では、構成要素を区別する方法として名詞の違いを使用するのではなく、構成要素の機能上の違いを区別の基準として使用する。例えば、明細書及び請求の範囲全体で言及される「含有する」または「含む」は開放的な用語であるため、「含むがそれらに限定されない」と解釈されるべきである。本明細書における以下の記載は、本発明を実施するための好ましい実施形態であるが、これらの記載は本明細書の一般原理を目的とするものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の保護範囲は、添付の請求の範囲によって定められるべきである。
【0029】
本発明は、CA6系中体積密度断熱耐火材を提供し、前記断熱耐火材の相が、CA6と、C2M2A14、CM2A8、マグネシアアルミナスピネル、及びコランダムから選択される1つまたは複数の相とを含む。
【0030】
物質の相とは、物質中の特定の物理的及び化学的性質を有する相である。
【0031】
ここで、C2M2A14とは、2CaO・2MgO・14Al2O3のことである。
【0032】
CM2A8とは、CaO・2MgO・8Al2O3のことである。
【0033】
前記断熱耐火材の相は、XRDによって測定される。例えば、測定される材料を325メッシュ以下に研磨した後、X線回折計によってスキャンする。回折データを分析し、標準PDF(Powder Diffraction File)カードと照合することにより、関連する相を取得し、回折データの全スペクトルをフィッティングすることにより、関連する相の含有量を取得する。
【0034】
本発明の好ましい特定の実施形態では、断熱耐火材に占める質量百分率として、CA6、C2M2A14、CM2A8、コランダム、及びマグネシアアルミナスピネルの合計含有量が90%以上であり、好ましくは94.8~99.5%である。
【0035】
例えば、断熱耐火材に占める質量百分率として、CA6、C2M2A14、CM2A8、マグネシアアルミナスピネル、及びコランダムの合計含有量は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、96.2%、96.55%、96.6%、96.8%、97.1%、97.5%、97.7%、97.8%、97.9%、98%、98.05%、98.95%、99.15%、100%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0036】
本発明の好ましい特定の実施形態では、断熱耐火材の相に占める質量百分率として、CA6相が26.7~100%であり、好ましくは、29.0~100%であり、好ましくは31.5~100%であり、好ましくは31.5~99.5%であり、より好ましくは38.7~99.5%であり、
C2M2A14相が0~72%であり、好ましくは0~60%であり、
CM2A8相が0~72%であり、好ましくは0~60%であり、より好ましくは0~59.5%であり、
マグネシアアルミナスピネル相が0~10%、0~8.0%、0~4.60%、0~4.0%であり、好ましくは0であり、
コランダム相が0~30%であり、好ましくは0~18%であり、より好ましくは0~16.5%であり、さらに好ましくは0~15%であり、最も好ましくは0~12%である。
【0037】
例えば、断熱耐火材に占める質量百分率として、CA6相は、26.7%、28%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97.8%、99.5%、100%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0038】
C2M2A14相は、0、5%、10%、15%、20%、24.5%、25%、30%、35%、35.2%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、71%、72%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0039】
CM2A8相は、0、5%、10%、15%、20%、24%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、71%、72%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0040】
コランダム相は、0、5%、10%、12%、15%、18%、20%、25%、30%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0041】
マグネシアアルミナスピネルは、0、1%、2%、3%、4%、4.60%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0042】
本発明の好ましい特定の実施形態では、前記断熱耐火材の化学組成が、Al2O3、CaO、及びMgOを含み、前記断熱耐火材に占める質量百分率として、
前記Al2O3が86.65~94.10%であり、好ましくは87.60~94.10%、86.65~92.80%であり、より好ましくは88.07~94.10%、87.50~92.60%であり、
前記CaOが5.80~8.40%であり、好ましくは6.10~8.40%、6.89~8.40%であり、
前記MgOが0~6.05%であり、好ましくは0~5.53%、0~5.43%、0~5.04%である。
【0043】
前記断熱耐火材に占める質量百分率として、前記Al2O3は例えば、86.65%、87.60%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、94.10%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよく、
前記CaOは、5.80%、6.0%、7.0%、8.0%、8.40%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよく、
前記MgOは、0、1.0%、2.0%、3.0%、4.0%、5.0%、5.60%、6.05%、またはそれらの間の任意の範囲であってよい。
【0044】
断熱耐火材の化学組成は、GB/T21114-2007に従って蛍光分析、すなわちXRFによって測定される。
【0045】
本発明の好ましい特定の実施形態では、前記断熱耐火材の体積密度は、2.40~2.90g/cm3であり、好ましくは2.40~2.82g/cm3である。
【0046】
例えば、前記断熱耐火材の体積密度は、2.40g/cm3、2.50g/cm3、2.55g/cm3、2.60g/cm3、2.70g/cm3、2.80g/cm3、2.90g/cm3、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0047】
前記断熱耐火材の体積密度は、GB/T2997-2000に従って測定される。
【0048】
本発明の好ましい特定の実施形態では、前記断熱耐火材の基質部分の相は、CA6と、コランダム、マグネシアアルミナスピネル、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数の相とを含む。
【0049】
ここで、前記断熱耐火材の基質部分とは、断熱耐火材の粒子を含まない部分を指す。
【0050】
前記断熱耐火材の基質部分の相は、XRDによる微小部回折により測定される。
【0051】
操作方法としては、例えば、異なる試料を7つ選択し、その中から7つのサンプルを切り出す方法などが考えられる。各サンプルに対して微小部回折を行い、スペクトルに対してフルスペクトルフィッティングを実行して各相の含有量を決定する。偏差の大きい2つのデータを除き、残りの5つのサンプルの相含有量の平均値を求め、これを前記断熱耐火材の基質の相含有量とする。正確な分析と小さな偏差を確保するには、サンプルの準備とスキャン中に選択した基質領域を最大化する必要がある。
【0052】
本発明の好ましい特定の実施形態では、前記断熱性耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、CA6相が67.4~100%であり、好ましくは72.5~100%、78.2~100%、78.8~100%であり、
コランダム相が0~30%であり、好ましくは0~20%、0~25%であり、
マグネシアアルミナスピネル相が0~10%、0~8.0%、0~6.7%、0~5.22%であり、好ましくは0であり、
C2M2A14相が0~30%であり、好ましくは0~25%、0~20%、0~18.8%であり、
CM2A8相が0~30%であり、好ましくは0~25%、0~20%、0~18.8%である。
【0053】
例えば、前記断熱性耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、CA6相は、67.4%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98.5%、100%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよく、
コランダム相は、0、5%、10%、15%、20%、25%、30%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよく、
マグネシアアルミナスピネル相は、0、1%、2%、3%、4%、4.85%、5.22%、6%、7%、8%、9%、10%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよく、
C2M2A14相は、0、5%、10%、15%、20%、25%、30%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよく、
CM2A8相は、0、5%、10%、15%、20%、25%、28.4%、30%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0054】
本発明の好ましい特定の実施形態では、前記断熱性耐火材の基質の化学組成が、Al2O3、CaO、及びMgOを含み、前記断熱性耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記Al2O3が89.03~94.10%であり、好ましくは89.03~93.65%、90.30~93.20%、89.03~93.28%であり、
前記CaOが5.80~8.40%であり、好ましくは6.25~8.40%、6.60~8.40%であり、
前記MgOが0~2.52%であり、好ましくは0~2.10%、0~1.68%である。
【0055】
例えば、前記断熱性耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記Al2O3は、89.03%、90.55%、91.00%、91.10%、91.20%、91.30%、91.40%、91.50%、91.60%、91.70%、91.80%、91.90%、92.00%、92.10%、92.20%、92.30%、92.40%、92.50%、92.60%、92.70%、92.80%、92.90%、93.00%、93.10%、93.20%、93.30%、93.40%、93.50%、93.60%、93.70%、93.80%、93.90%、94.00%、94.10%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい;
前記CaOは、5.80%、5.85%、5.90%、6.00%、6.10%、6.20%、6.30%、6.40%、6.50%、6.60%、6.70%、6.80%、6.90%、7.00%、7.10%、7.20、7.30%、7.40%、7.50%、7.60%、7.70%、7.80%、7.90%、8.00%、8.10%、8.20%、8.30%、8.40%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい;
前記MgOは、0、1.00%、1.10%、1.20%、1.30%、1.40%、1.48%、1.50%、1.60%、1.70%、1.80%、1.90%、2.00%、2.10%、2.20%、2.30%、2.52%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0056】
前記断熱耐火材の基質の化学組成は、電子顕微鏡下でサンプルの基質部分の元素分析、すなわちEDS分析を行うことによって測定される。
【0057】
好ましくは、この方法は、次のステップを含む。10個の異なる試料を選択し、それらから12以上のサンプルを切り出し、表面を研磨する。研磨した各サンプルを電子顕微鏡下に置き、基質部分を選択し、元素収集に適したサイズの長方形領域を選択し、元素含有量を酸化物に換算して化学組成含有量を計算する。偏差の大きい2つのデータを除き、10サンプルのAl2O3、CaO、MgOの含有量の平均値を求め、これが前記断熱耐火材の化学組成となる。正確な化学組成と小さな偏差を確保するには、元素を収集するときに選択した長方形の領域を最大化する必要がある。
【0058】
本発明の好ましい特定の実施形態では、前記断熱耐火材は、
顆粒材料と微粉末とを混合して混合材料を得、前記混合材料をホットプレス焼結して耐火材を得るステップ
を含む方法によって製造される。
【0059】
前記顆粒材料とは、180メッシュ角穴ふるい(新郷市衆拓機械設備有限公司)でふるい分けできない部分、すなわち、180メッシュの上の部分を指す。顆粒材料の粒径は180メッシュ~8mmである。
【0060】
前記微粉末とは、180メッシュ角穴のふるいを通過した部分、すなわち、180メッシュの角穴のふるいの下の部分を指し、その粒径は180メッシュ以下である。
【0061】
前記ホットプレス焼結とは、加えられた圧力と温度の共同作用の下で材料の焼結を達成する方法を指す。
【0062】
本発明の好ましい特定の実施形態では、前記微粉末は、CaO含有微粉末、Al2O3含有微粉末、及びMgO含有微粉末から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記CaO含有微粉末は、生石灰、石灰石、水酸化カルシウム、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3(CA2)、12CaO・7Al2O3(C12A7)、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記Al2O3含有微粉末は、活性α-Al2O3粉末、γ-Al2O3粉末、ρ-Al2O3粉末、水酸化アルミニウム、工業用アルミナ、白色コランダム粉末、亜白色コランダム粉末、緻密コランダム粉末、焼結コランダム粉末、及び板状コランダム粉末から選択される1つまたは複数の微粉末であり、
好ましくは、前記MgO含有微粉末は、マグネサイト、軽焼マグネシア、ブルーサイト、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、高純度マグネシア、及び電融マグネシアから選択される1つまたは複数の微粉末である。
【0063】
ここで、CaO含有微粉末とは、化学組成中にCaO成分を含む微粉末、またはCaO、Al2O3を含む微粉末、またはCaO、MgO、Al2O3を含む微粉末を意味する。
【0064】
Al2O3含有微粉末とは、化学組成が主にAl2O3であるアルミナ系微粉末を意味する。
【0065】
MgO含有微粉末とは、化学組成が主にMgOまたはMg(OH)2である微粉末をいう。
【0066】
前記生石灰は、焼石灰とも呼ばれ、酸化カルシウムを主成分とするものであり、通常、炭酸カルシウムを主成分とする自然岩を高温で焼成し、二酸化炭素と酸化カルシウム(化学式:CaO、すなわち、生石灰、別名大理石)に分解して製造される。
【0067】
活性α-Al2O3粉末とは、工業用アルミナまたは水酸化アルミニウムなどを原料として1250~1450℃で処理して得られる、α-Al2O3を主成分とする高活性なアルミナ粉末をいう。
【0068】
γ-Al2O3粉末とは、水酸化アルミニウムを原料として高温処理されて得られる比表面積が大きく、吸着性がよいアルミナ粉末である。
【0069】
ρ-Al2O3粉末とは、水酸化アルミニウムを原料とし、600~900℃の急速高温処理により得られる、一定の水和結合性を有するアルミナ粉末である。
【0070】
工業用アルミナとは、水酸化アルミニウムを原料として900~1250℃で焼成して得られるアルミナ系原料である。
【0071】
白色コランダム粉末は、工業用アルミナを原料として電気溶融して製造した酸化アルミニウム(Al2O3)含有量97.5%以上のアルミナ原料であり、微量の酸化鉄、酸化ケイ素等の成分を含有し、白色である。
【0072】
亜白色コランダム粉末とは、ボーキサイトを原料として製造され、化学組成や物性が白色コランダムに近いため、亜白色コランダムと呼ばれる。この製品は、白色コランダムの硬さと褐色コランダムの靭性を併せ持つ、理想な高級耐火物及び研磨材である。
【0073】
焼結コランダム粉末とは、アルミナを原料としてペレットまたは素体に粉砕し、1750~1900℃の高温で焼結してなる耐火性クリンカーを指し、体積密度が高く、気孔率が低く、高温での耐熱衝撃性及び耐スラグ浸食性に優れている。
【0074】
板状コランダム粉末は、粗くてよく発達したα-Al2O3結晶構造を有し、Al2O3含有量が97%以上であり、板状の結晶構造を有し、気孔が小さく閉気孔が多い。
【0075】
軽焼マグネシアとは、マグネサイト(主成分は炭酸マグネシウム)を原料として、800~1000℃で焼成して得られる、高活性でペリクレース相を有するマグネシア系原料である。
【0076】
ブルーサイトは、Mg(OH)2を主成分とする原料である。
【0077】
高純度マグネシアとは、軽焼マグネシアを原料とし、ブリケット化し、高温で焼成した、MgO含有量96.5%以上の焼結マグネシア原料である。
【0078】
電融マグネシアとは、軽焼マグネシアまたはマグネサイトを原料としてアーク溶解により製造された、MgO含有量96.5%以上の緻密なマグネシア原料である。
【0079】
本発明の好ましい特定の実施形態では、生石灰、石灰石、水酸化カルシウム、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、12CaO・7Al2O3のうちの1つまたは複数のCaO含有微粉末(これらのCaO含有微粉末を単独使用するとCA6またはCMAなどの相を形成できない)を基質中のCaO成分源の原料として使用して、製品基質の相及び化学組成を満たすことができない場合、前記微粉末には、Al2O3含有微粉末またはAl2O3微粉末とMgO含有微粉末も含まれ、具体的な状況は、製品の相と化学組成によって決められる。
MgO含有微粉末を使用する場合(これらのMgO含有微粉末を単独使用するとCA6またはCMAなどの相を形成できない)、これらのMgO含有微粉末を単独使用すると製品基質の相及び化学組成を満たすことができない場合、前記微粉末には、Al2O3含有微粉末またはAl2O3微粉末とCaO含有微粉末も含まれ、具体的な状況は、製品の相と化学組成によって決められる。
Al2O3含有微粉末を使用する場合、これらのAl2O3含有微粉末を単独使用すると製品基質の相及び化学組成を満たすことができない場合、前記微粉末には、CaO含有微粉末もしくはMgO含有微粉末、またはCaO含有微粉末とMgO含有微粉末とも含まれ、具体的な状況は、製品の相と化学組成によって決められる。
【0080】
本発明の好ましい特定の実施形態では、前記顆粒材料は、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、好ましくはCA6である。
【0081】
本発明の好ましい特定の実施形態では、前記顆粒材料と前記微粉末との質量比が0~60:40~100である。
【0082】
例えば、前記顆粒材料と前記微粉末との質量比(すなわち、前記顆粒材料/前記微粉末)は、0、1/99、2/98、3/97、4/96、5/95、6/94、7/93、8/92、9/91、10/90、11/89、12/88、13/87、14/86、15/85、16/84、17/83、18/82、19/81、20/80、21/79、22/78、23/77、24/76、25/75、26/74、27/73、28/72、29/71、30/70、31/69、32/68、33/67、34/66、35/65、36/64、37/63、38/62、39/61、40/60、41/59、42/58、43/57、44/56、45/55、46/54、47/53、48/52、49/51、50/50、51/49、52/48、53/47、54/46、55/45、56/44、57/43、58/42、59/41、60/40、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0083】
本発明の好ましい特定の実施形態では、前記ホットプレス焼結は、前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形してから高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形し、低温で仮焼結した後にホットプレス焼結することである。
【0084】
例えば、前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結することとは、混合した材料を高温装置の型に入れて加熱し、最高温度まで温度が上昇したら、加圧して焼結すること、または、混合材料を高温装置の型に入れて一定温度まで加熱すると加圧し、その後最高温度に達し圧力が最高値に達するまでに徐々に昇温すると同時に加圧力を上げていき、材料に対するホットプレス焼結を完成すること、または、混合材料を高温装置の型に入れて、温度が最高温度に達し圧力が最高値に達するまでに昇温しながら混合材料に加えた圧力を徐々に上げ、材料に対するホットプレス焼結を完成することである。
【0085】
前記混合材料を常温で成形した後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結することとは、混合材料を常温でプレスして素体とするか、または常温で素体にプレハブし、乾燥させた後にホットプレス焼結することである。ホットプレス焼結の方法は上記と同様である。
【0086】
前記混合材料を常温で成形し、低温で仮焼結した後にホットプレス焼結することとは、混合材料を低温でプレス成形するか、またはプレハブし、1350~1500℃で仮焼結した後に高温装置の型に入れてホットプレス焼結することを指す。
【0087】
前記高温装置は、本分野において一般的に使用される高温装置であり、例えば、高温装置は、ホットプレス炉である。
【0088】
本発明の好ましい特定の実施形態では、ホットプレス焼結の温度が1550~1750℃であり、好ましくは、ホットプレス強度は0.5~10MPaである。例えば、温度は1550℃、1600℃、1650℃、1700℃、1750℃、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0089】
ホットプレス強度は例えば、0.5MPa、1MPa、1.5MPa、2MPa、2.5MPa、3MPa、3.5MPa、4MPa、4.5MPa、5MPa、5.5MPa、6MPa、6.5MPa、7MPa、7.5MPa、8MPa、8.5MPa、9MPa、9.5MPa、10MPa、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0090】
本発明は、顆粒材料と微粉末とを混合して混合材料を得、前記混合材料をホットプレス焼結して耐火材を得るステップ
を含む、断熱耐火材の製造方法を提供する。
【0091】
本発明の好ましい特定の実施形態では、前記顆粒材料と前記微粉末との質量比が0~60:40~100である。
【0092】
本発明の好ましい特定の実施形態では、前記ホットプレス焼結は、前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形してから高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形し、低温で仮焼結した後にホットプレス焼結することである。
【0093】
本発明の好ましい特定の実施形態では、温度が1550~1750℃であり、好ましくは、ホットプレス強度は0.5~10MPaである。
【0094】
本発明で得られるCA6系中体積密度の断熱耐火材は、高純度CA6系材料の良好な焼結、高い材料強度を実現し、材料の微細構造が均一であり、断熱性能と強度性能が比較的均一であり、スラグ及び溶鋼侵食に対する耐性が良好であり、取鍋の永久ライニングやアルミニウム溶湯などの作業ライニング及び断熱ライニング、一部の工業用窯の耐火材ライニングなどに非常に適しており、優れた断熱性、保温性、安全性を備え、有意な経済的及び社会的利益をもたらす。
【0095】
本発明は、上記の断熱耐火材、または上記の製造方法により製造された断熱耐火材を含む、溶鋼精錬用取鍋の永久ライニングを提供する。
【0096】
本発明は、上記の断熱耐火材、または上記の製造方法により製造された断熱耐火材を含む、アルミニウム溶湯用取鍋の断熱ライニングまたは作業ライニングを提供する。
【実施例】
【0097】
本発明は、試験に使用した材料及び試験方法を一般的及び/または具体的に説明する。以下の実施例において、特に断りのない限り、%は重量%、すなわち重量百分率を表す。使用した原料や機器については製造元を明示していない場合、いずれも市販の従来の原料製品である。ここで、表1は、実施例で使用した原材料の品質を示す。
【0098】
【0099】
実施例1
(1)CA6顆粒材料(最大粒子は5mm)500gとCA6微粉末500gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を高温装置の型に入れて直接にホットプレス焼結し、最高温度1630℃まで温度が上昇したら、この温度でホットプレス強度が5MPaである圧力を加えて、中体積密度耐火材を得た。
得られた耐火材の相をXRDで分析した。すなわち、測定される材料を325メッシュ以下に粉砕し、次いでX線回折装置(Bruker:D8ADVANCE)によって走査した。回折データを分析し、標準PDFカードと照合することにより、関連する相を取得した後、回折データをフルスペクトルフィッティングすることにより、関連する相の含有量を得た。その結果、得られた相は主にCA6であり、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は99.5%であった。
前記耐火材の化学組成は、GB/T21114-2007に従って蛍光分析、すなわちXRFによって分析されたところ、前記耐火材に占める質量百分率として、その化学組成は、91.04%のAl2O3と、8.40%のCaOとを含んでいた。
前記耐火材中の基質部分の相分析は、XRDによる微小部回折によって測定された。すなわち、12の異なる耐火材を選択し、その中から12のサンプルを切り出した。各サンプルから、比較的均一な色と構造を持つ基質領域を選択して微小部回折を行い、回折パターンに対してフルスペクトルフィッティングを実行して各相の含有量を決定した。偏差の大きい2つのデータを除き、残りの10のサンプルの相含有量の平均値を求め、これを前記耐火材の基質の相含有量とした。前記耐火材の基質部分の相は主にCA6を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は99.2%であった。
前記耐火材の基質部分の化学組成は、EDS方法によって測定された。すなわち、12の異なる耐火材を選択し、それらから12のサンプルを切り出し、表面を研磨した。研磨した各サンプルを電子顕微鏡下に置き、基質部分のうち、比較的均一な組織構造を持つ領域を選択し、この領域内で元素収集に適したサイズの長方形の収集領域を選択して元素を収集した。収集した元素含有量を酸化物に換算して化学組成含有量を計算した。偏差の大きい2つのデータを除き、10サンプルのAl2O3、CaO、MgOの含有量の平均値を求め、これを前記耐火材の基質の化学組成とした。前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、得られた前記耐火材の基質部分の化学組成は、91.20%のAl2O3と、8.40%のCaOとを含んでいた。
CA6系中体積密度耐火材を、GB/T2997-2000に従って測定したところ、得られた体積密度は2.54g/cm3であった。
規格YB/T 4130-2005によって測定した結果、実施例1で得られた耐火材の350℃における熱伝導率は0.61w/m.kであった。
製造した材料をルツボに製造し、製鋼スラグをルツボに入れ、1500℃まで昇温し、3時間保温した後、冷却したサンプルを中央に沿って切断し、サンプルの鋼スラグによって侵食された厚さを測定したところ、3.12mmであった。
【0100】
実施例2
(1)CA6顆粒材料(最大粒子径は3mm)400g、CA6微粉末280g、γ-Al2O3粉末188g、板状コランダム粉末122g、及びCa(OH)2微粉末23gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形し、1500℃で軽焼処理した後、高温装置の型に入れ、温度が1550℃まで上昇したら徐々に圧力を加え、最高温度が1720℃まで上昇し、最大ホットプレス強度が1MPaとなり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は86.50%であり、前記コランダム相の含有量は12%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、92.60%のAl2O3と、6.72%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は78.8%であり、前記コランダム相の含有量は20%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、93.28%のAl2O3と、6.60%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.02w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは2.87mmであった。
【0101】
実施例3
(1)CA6顆粒材料(最大粒子径は3mm)500g、CA6微粉末400g、及びC2M2A14粉末100gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を高温装置の型に入れて直接にホットプレス焼結し、最高温度1630℃まで温度が上昇したら、この温度でホットプレス強度が3MPaである圧力を加えて、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とC2M2A14を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は89.12%であり、前記C2M2A14相の含有量は9.4%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、91.03%のAl2O3と、0.43%のMgOと、8.02%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とC2M2A14を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は78.2%であり、前記C2M2A14相の含有量は18.8%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、90.8%のAl2O3と、0.8%のMgOと、8.0%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は0.95w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは3.66mmであった。
【0102】
実施例4
(1)CA6顆粒材料(最大粒子径3mm)500g、CA6微粉末400g、工業用アルミナ粉末85.8g、高純度マグネシア粉末8.6g、及び水酸化カルシウム粉末7.8gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を高温装置の型に入れて直接にホットプレス焼結し、最高温度1650℃まで温度が上昇したら、この温度でホットプレス強度が8MPaである圧力を加えて、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とCM2A8を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は89.04%であり、前記CM2A8相の含有量は9.4%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、90.34%のAl2O3と、0.78%のMgOと、7.86%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とCM2A8を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は78.2%であり、前記CM2A8相の含有量は18.8%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、90.3%のAl2O3と、1.68%のMgOと、7.81%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.53g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は0.96w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは3.70mmであった。
【0103】
実施例5
(1)CA6顆粒材料(最大粒子径は3mm)200g、C2M2A14骨材200g(最大粒子径は3mm)、CA6微粉末540g、生石灰粉末4.3g、電融マグネシア3.05g、及び白色コランダム微粉末54gを均一に撹拌して混合材料を得た。
(2)前記混合材料をプレス成形した後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、常温から昇温しながら徐々に圧力を加え、最高温度1710℃まで温度が上昇し、最大ホットプレス強度が2MPaとなり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とC2M2A14を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は71.30%であり、前記C2M2A14相の含有量は23.5%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、88.67%のAl2O3と、1.03%のMgOと、7.64%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とC2M2A14を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は87.2%であり、前記C2M2A14相の含有量は8.3%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、89.03%のAl2O3と、0.35%のMgOと、7.95%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は0.84w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは3.46mmであった。
【0104】
実施例6
(1)CM2A8顆粒材料(最大粒子径は3mm)600g、CA6微粉末220g、緻密コランダム微粉末176g、及びCaCO3微粉末15.63gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を高温装置の型に入れて直接にホットプレス焼結し、最高温度が1700℃に上昇したら、この温度でホットプレス強度が4.5MPaである圧力を加えて、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6、コランダム、及びCM2A8を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は31.5%であり、前記コランダム相の含有量が7.78%であり、前記CM2A8相の含有量は58.4%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、87.92%のAl2O3と、4.82%のMgOと、6.10%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は78.8%であり、前記コランダム相の含有量は20%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、93.28%のAl2O3と、6.60%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.32w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは3.72mmであった。
【0105】
実施例7
(1)CA6微粉末835g、板状コランダム微粉末60g、及びρ-Al2O3微粉末110gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料に水を加えて予備成形し、乾燥した後、高温装置の型に入れて昇温し、最高温度1650℃まで温度が上昇したら、この温度でホットプレス強度が6MPaである圧力を加えて、CA6系中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は82.0%であり、前記コランダム相の含有量は16.5%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、91.6%のAl2O3と、6.92%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は82.0%であり、前記コランダム相の含有量は16.5%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、91.6%のAl2O3と、6.92%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.52g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は0.9w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは4.48mmであった。
【0106】
実施例8
(1)CA6微粉末800g、板状コランダム微粉末100g、及びρ-Al2O3微粉末105gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料に水を加えて予備成形し、乾燥した後、高温装置の型に入れて昇温し、最高温度1600℃まで温度が上昇したら、この温度でホットプレス強度が8MPaである圧力を加えて、CA6系中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は78.6%であり、前記コランダム相の含有量は20%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、92.4%のAl2O3と、6.52%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は78.6%であり、前記コランダム相の含有量は20%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、92.4%のAl2O3と、6.52%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.52g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は0.92w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは4.34mmであった。
【0107】
実施例9
(1)C2M2A14顆粒材料(最大粒子径は5mm)600g、CA6微粉末85.7g、水酸化アルミニウム微粉末308g、CaO微粉末18.8g、及びCM2A8微粉末100gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形し、1450℃で軽焼処理した後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、最高温度1600℃まで温度が上昇したら、この温度でホットプレス強度が3.8MPaである圧力を加え、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6、C2M2A14、及びCM2A8を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は29.0%であり、前記C2M2A14相の含有量は60%であり、前記CM2A8相の含有量は8.41%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、87.7%のAl2O3と、3.74%のMgOと、6.68%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とCM2A8を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は72.5%であり、前記CM2A8相の含有量は25.0%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、89.03%のAl2O3と、2.10%のMgOと、7.02%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.42w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは4.21mmであった。
【0108】
実施例10
(1)CM2A8骨材600g(最大粒子径は5mm)、CA6微粉末200g、C2M2A14粉末100g、工業用アルミナ粉末95g、及びCaO粉末8.7gを均一に撹拌して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を高温装置の型に入れて直接にホットプレス焼結し、最高温度1690℃まで温度が上昇したら、この温度でホットプレス強度が3.4MPaである圧力を加えて、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6、C2M2A14、及びCM2A8を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は29%であり、前記C2M2A14相の含有量は9.07%であり、前記CM2A8相の含有量は60%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、86.65%のAl2O3と、5.53%のMgOと、6.22%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とC2M2A14を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は72.5%であり、前記C2M2A14相の含有量は25.0%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、89.06%のAl2O3と、1.20%のMgOと、7.64%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.48w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは4.28mmであった。
【0109】
実施例11
(1)CM2A8顆粒材料(最大粒子径は3mm)600g、CA6微粉末200g、水酸化アルミニウム微粉末280.2g、及び水酸化カルシウム微粉末22.2gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形した後、高温装置の型に入れ、常温から昇温しながら徐々に圧力を加え、最高温度1700℃まで温度が上昇し、最大ホットプレス強度が2MPaとなり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とCM2A8を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は38.7%であり、前記CM2A8相の含有量は59.5%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、88.07%のAl2O3と、5.04%のMgOと、6.89%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は98.7%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、90.5%のAl2O3と、8.40%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.65g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.12w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは3.67mmであった。
【0110】
実施例12
(1)C2M2A14顆粒材料(最大粒子径は3mm)600gと、CA6微粉末400gとを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、温度が1400℃に上昇したら徐々に圧力を加え、最高温度1720℃まで温度が上昇し、最大ホットプレス強度が10MPaとなり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とC2M2A14を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は38.7%であり、前記C2M2A14相の含有量は60%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、89.32%のAl2O3と、2.74%のMgOと、7.41%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は100%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、90.8%のAl2O3と、8.40%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.82g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.55w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは3.08mmであった。
【0111】
実施例13
(1)CA6微粉末600g、板状コランダム微粉末247.8g、ρ-Al2O3微粉末155g、及びCaO微粉末8.7gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料に水を加えて予備成形し、乾燥した後、高温装置の型に入れて昇温し、最高温度1550℃まで温度が上昇したら、この温度でホットプレス強度が10MPaである圧力を加えて、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は67.4%であり、前記コランダム相の含有量は30%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、94.10%のAl2O3と、5.80%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は67.4%であり、前記コランダム相の含有量は30%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、94.10%のAl2O3と、5.80%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.02w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは4.55mmであった。
【0112】
実施例14
(1)CM2A8顆粒材料(最大粒子径は3mm)600g、CA6微粉末320g、及びCM2A8微粉末80gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形し後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、最高温度1670℃まで温度が上昇したら、この温度で圧力を加え、ホットプレス強度が0.5MPaとなり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6、とCM2A8を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は31.5%であり、前記CM2A8相の含有量は67.1%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、87.60%のAl2O3と、5.62%のMgOと、6.43%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とCM2A8を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、CA6相の含有量は78.2%であり、CM2A8相の含有量は19.2%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、90.30%のAl2O3と、1.68%のMgOと、7.82%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.63g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.29w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは4.06mmであった。
【0113】
実施例15
(1)CA6微粉末947.4g、電融マグネシア微粉末15g、及び活性α-Al2O3微粉末38gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形し、1350℃で軽焼処理した後、高温装置の型に入れ、温度が1500℃に上昇したら圧力を加え、最高温度が1580℃に、最大ホットプレス強度が5MPaになり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とC2M2A14を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は67.4%であり、前記C2M2A14相の含有量は30%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、89.32%のAl2O3と、1.38%のMgOと、7.81%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.48g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.00w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは5.60mmであった。
【0114】
実施例16
(1)CM2A8顆粒材料(最大粒子径は8mm)600g、CA6微粉末80g、水酸化アルミニウム微粉末281g、石灰微粉末17.5g、及びCM2A8微粉末120gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形し、1400℃で軽焼処理した後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、温度が1500℃に上昇したら圧力を加え、温度が上昇するにつれて徐々に圧力を上げ、最高温度1750℃まで温度が上昇したら、最大ホットプレス強度が0.5MPaになり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とCM2A8を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は26.7%であり、前記CM2A8相の含有量は72%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、86.65%のAl2O3と、6.05%のMgOと、6.22%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とCM2A8を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は68%であり、前記コランダム相の含有量は30%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、89.03%のAl2O3と、2.52%のMgOと、7.60%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.90g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.71w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは2.94mmであった。
【0115】
実施例17
(1)C2M2A14顆粒材料(最大粒子径は1mm)100g、CA6微粉末630g、生石灰微粉末18.7g、高純度マグネシア粉末13.4g、白色コランダム微粉末180g、及び活性α-Al2O3粉末58gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)混合材料を常温でプレス成形し、1450℃で軽焼処理した後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、温度が1500℃に上昇したら圧力を加え、最高温度1620℃まで温度が上昇したら、最大ホットプレス強度が8MPaになり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6、C2M2A14、及びMgO・Al2O3を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は84.2%であり、前記C2M2A14相の含有量は9.28%であり、前記MgO・Al2O3相の含有量は4.60%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、89.14%のAl2O3と、1.71%のMgOと、7.65%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とMgO・Al2O3を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は93.5%であり、前記MgO・Al2O3相の含有量は5.22%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、90.07%のAl2O3と、1.32%のMgOと、7.67%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.57g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.15w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは5.04mmであった。
【0116】
実施例18
(1)CA6微粉末700g、板状コランダム微粉末150g、及びρ-Al2O3微粉末155gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料に水を加えて予備成形し、乾燥した後、高温装置の型に入れて昇温し、最高温度1550℃まで温度が上昇したら、この温度でホットプレス強度が10MPaである圧力を加えて、CA6系中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は66.4%であり、前記コランダム相の含有量は30%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、94.10%のAl2O3と、5.80%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.52g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.02w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは4.55mmであった。
【0117】
実施例19
(1)C2M2A14顆粒材料(最大粒子径は10mm)600g、CA6微粉末280g、及びC2M2A14微粉末120gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、常温から昇温しながら徐々に圧力を加え、最高温度1610℃まで温度が上昇し、最大ホットプレス強度が6MPaとなり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とC2M2A14を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は26.7%であり、前記C2M2A14相の含有量は72%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、88.87%のAl2O3と、3.36%のMgOと、7.16%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とC2M2A14を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は68.1%であり、前記C2M2A14相の含有量は30%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、90.46%のAl2O3と、1.31%のMgOと、7.82%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.60g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.21w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは4.9mmであった。
【0118】
実施例20
(1)CA6顆粒材料(最大粒子径は3mm)400g、CA6微粉末280g、γ-Al2O3粉末184g、板状コランダム粉末120g、及びCa(OH)2微粉末22.2gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形し、1500℃で軽焼処理した後、高温装置の型に入れ、温度が1550℃まで上昇したら徐々に圧力を加え、最高温度が1750℃まで上昇し、最大ホットプレス強度が6MPaとなり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は85.50%であり、前記コランダム相の含有量は11.8%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、92.03%のAl2O3と、7.18%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は77.2%であり、前記コランダム相の含有量は20%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、93.2%のAl2O3と、6.61%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.90g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.67w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは2.73mmであった。
【0119】
実施例21
(1)C2M2A14顆粒材料(最大粒子径は1mm)100g、CA6微粉末324g、生石灰微粉末53g、高純度マグネシア粉末28.5g、白色コランダム微粉末400g、及び活性α-Al2O3粉末108gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形し、1450℃で軽焼処理した後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、温度が1500℃に上昇したら圧力を加え、最高温度1550℃まで温度が上昇したら、最大ホットプレス強度が1MPaになり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6、C2M2A14、及びMgO・Al2O3を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は70.7%であり、前記C2M2A14相の含有量は9.28%であり、前記MgO・Al2O3相の含有量は10.0%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、88.5%のAl2O3と、3.02%のMgOと、7.21%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とMgO・Al2O3を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は78.6%であり、前記MgO・Al2O3相の含有量は11.2%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、89.3%のAl2O3と、2.95%のMgOと、7.20%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.85g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.96w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは4.83mmであった。
【0120】
実施例22
(1)C2M2A14顆粒材料(最大粒子径3mm)600g、CA6微粉末220g、工業用アルミナ粉末165.8g、高純度マグネシア粉末6.9g、及び水酸化カルシウム粉末18gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形し、1450℃で軽焼処理した後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、常温から昇温しながら徐々に圧力を加え、最高温度1730℃まで温度が上昇し、最大ホットプレス強度が1.5MPaとなり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6、C2M2A14、及びCM2A8を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は31.5%であり、前記C2M2A14相の含有量は60%であり、前記CM2A8相の含有量は7.48%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、88.08%のAl2O3と、3.41%のMgOと、7.15%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とCM2A8を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は78.8%であり、前記CM2A8相の含有量は20%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、89.03%のAl2O3と、1.68%のMgOと、7.74%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.23w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは3.82mmであった。
【0121】
実施例23
(1)CM2A8顆粒材料(最大粒子径は3mm)600g、CA6微粉末220g、C2M2A14微粉末80g、活性アルミナ微粉末94g、及びCaO微粉末8.75gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)混合材料を常温でプレス成形した後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、最高温度1740℃まで温度が上昇したら、この温度で圧力を加え、ホットプレス強度が0.5MPaとなり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6、C2M2A14、及びCM2A8を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は31.5%であり、前記C2M2A14相の含有量は8%であり、前記CM2A8相の含有量は60%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、87.50%のAl2O3と、5.43%のMgOと、6.08%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、耐火材の基質部分の相はCA6とC2M2A14を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は78.8%であり、前記C2M2A14相の含有量は20%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、90.60%のAl2O3と、0.98%のMgOと、7.76%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.30w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは3.84mmであった。
【0122】
実施例24
(1)CA6骨材(最大粒子径は3mm)400g、CA6微粉末450g、工業用アルミナ微粉末238.40g、電融マグネシア微粉末11.8g、CaO粉末8.7gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形した後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、最高温度1570℃まで温度が上昇したら、この温度で圧力を加え、ホットプレス強度が8MPaとなり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6、コランダム、及びMgAl2O4を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は82.8%であり、前記コランダム相の含有量は9.72%であり、前記MgAl2O4相の含有量は4.0%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、89.31%のAl2O3と、1.14%のMgOと、6.92%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6、コランダム、及びMgAl2O4を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は73.8%であり、前記コランダム相の含有量は16.3%であり、前記MgAl2O4相の含有量は6.7%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、90.28%のAl2O3と、1.91%のMgOと、6.25%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.34w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは3.86mmであった。
【0123】
実施例25
(1)CA6顆粒材料(最大粒子径は3mm)400g、12CaO・7Al2O3微粉末80g、活性α-Al2O3微粉末384g、及び白色コランダム粉末154gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形し、1480℃で軽焼処理した後、高温装置の型に入れ、温度が1600℃に上昇したら徐々に圧力を加え、最高温度1670℃まで温度が上昇し、最大ホットプレス強度が5.5MPaになり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は82.7%であり、前記コランダム相の含有量は15%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、92.80%のAl2O3と、6.52%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は72.5%であり、前記コランダム相の含有量は25%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、93.65%のAl2O3と、6.25%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.37w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは3.74mmであった。
【0124】
実施例26
(1)CM2A8顆粒材料(最大粒子径は3mm)600g、CA6微粉末200g、板状コランダム微粉末144.5g、ρ-Al2O3微粉末52.5g、及びCaO微粉末8.7gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形した後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、最高温度1680℃まで温度が上昇したら、この温度で圧力を加え、ホットプレス強度が4.8MPaになり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6、コランダム、及びCM2A8を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は29.0%であり、前記コランダム相の含有量は9.15%であり、前記CM2A8相の含有量は57.5%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、88.91%のAl2O3と、4.92%のMgOと、5.80%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は73.1%であり、前記コランダム相の含有量は25.0%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、93.65%のAl2O3と、6.25%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.53w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは3.98mmであった。
【0125】
実施例27
(1)CA6骨材(最大粒子径は1mm)100g、CA6微粉末630g、焼結コランダム粉末(97.8)92g、γ-Al2O3微粉末162g、及び石灰石微粉末42gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形した後、高温装置の型に入れ、温度が1450℃に上昇したら徐々に圧力を加え、最高温度1580℃まで温度が上昇し、最大ホットプレス強度が7MPaとなり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は100%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、91.2%のAl2O3と、8.40%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は100%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、91.1%のAl2O3と、8.40%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は0.56w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは4.66mmであった。
【0126】
実施例28
(1)活性アルミナ微粉末940g、軽焼マグネシア粉末24.4g、及びCa(OH)2 80.9gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形し、1350℃で軽焼処理した後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、最高温度1560℃まで温度が上昇したら、この温度でホットプレス強度が9MPaである圧力を加え、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6、コランダム、及びMgAl2O4を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は61.7%であり、前記コランダム相の含有量は20.3%であり、前記MgAl2O4相の含有量は8%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、90.04%のAl2O3と、2.25%のMgOと、5.80%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.55g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は0.95w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは4.72mmであった。
【0127】
実施例29
(1)CA6顆粒材料(最大粒子径は5mm)500gと、CA6微粉末500gとを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、温度が1620℃に上昇したら圧力を加え、最大ホットプレス強度が3MPaになり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は99.5%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、91.51%のAl2O3と、8.40%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は100%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、91.52%のAl2O3と、8.40%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.40g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は0.46w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは3.95mmであった。
【0128】
実施例30
(1)CA6顆粒材料(最大粒子径は5mm)500gと、CA6微粉末500gとを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、温度が1500℃に上昇したら圧力を加え、温度が上昇するにつれて徐々に圧力を上げ、最高温度1700℃まで温度が上昇したら、最大ホットプレス強度が4MPaになり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は100%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、91.51%のAl2O3と、8.39%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6を含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は100%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、91.54%のAl2O3と、8.39%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.82g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.75w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは2.41mmであった。
【0129】
実施例31
(1)CA6顆粒材料(最大粒子径は5mm)500gと、CA6微粉末500gとを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、温度が1500℃に上昇したら圧力を加え、温度が上昇するにつれて徐々に圧力を上げ、最高温度1750℃まで温度が上昇したら、最大ホットプレス強度が2.5MPaになり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は99.5%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、91.51%のAl2O3と、8.39%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で基質部分の相を分析したところ、前記耐火材の基質部分の相はCA6とコランダムを含み、前記耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は99.5%であった。
実施例1と同じ方法で基質部分の化学組成を分析したところ、前記耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記耐火材の基質の化学組成は、91.51%のAl2O3と、8.40%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.90g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.87w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは1.85mmであった。
【0130】
実施例32
(1)CA6微粉末430g、電融マグネシア粉末29g、生石灰粉末41.3g、及び白色コランダム微粉末518.5gを均一に混合して混合材料を得た。
(2)前記混合材料を常温でプレス成形し、1450℃で軽焼処理した後、高温装置の型に入れてホットプレス焼結し、温度が1500℃まで上昇したら徐々に圧力を加え、最高温度1550℃まで温度が上昇し、最大ホットプレス強度が1MPaとなり、中体積密度耐火材を得た。
実施例1と同じ方法で相を分析したところ、前記中体積密度耐火材の相はCA6とMgO・Al2O3を含み、前記耐火材の相に占める質量百分率として、前記CA6相の含有量は86.7%であり、前記MgO・Al2O3相の含有量は10.0%であった。
実施例1と同じ方法で化学組成を分析したところ、前記耐火材に占める質量百分率として、得られた中体積密度耐火材の化学組成は、95.72%のAl2O3と、2.81%のMgOと、7.36%のCaOとを含んでいた。
実施例1と同じ方法で体積密度を分析したところ、前記中体積密度耐火材の体積密度は2.85g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は1.57w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは4.78mmであった。
【0131】
比較例1
比較例1と実施例1との違いは、比較例1では従来の製造方法、すなわち中国特許出願CN107500747Aの実施例1の方法を採用して耐火材を得たことである。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の化学組成は、Al2O3とCaOを含み、前記耐火材に占める質量百分率として、Al2O3は92.03%であり、CaOは7.12%であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の相は主にCA6、コランダム、CA2、及びCAであり、耐火材の相に占める質量百分率として、CA6は68.75%であり、コランダムは24.16%であり、CA2は2.32%であり、CAは2.51%であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の体積密度は3.02g/cm3であった。
実施例1と同じ方法で分析したところ、得られた耐火材の350℃における熱伝導率は2.27w/m.kであった。
実施例1と同じ方法で測定したところ、前記耐火材の侵食厚さは11mmであった。
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
実験例1
実施例1で得られた耐火材と比較例1で得られたCA6キャスタブル材料とを比較した。
ここで、処理方法は以下の通りである。実施例1で得られたCA6耐火材と比較例1で得られたCA6キャスタブル材料を高温炉に入れて1550℃まで昇温し、3時間保温処理した。処理後の外観を
図1に示す。
図1に示すとおり、2つのサンプルの焼結収縮が非常に小さく、表面が非常にきれいである。
図2と
図3は、それぞれ、実施例1と比較例1のサンプルの1500℃×3時間の製鋼スラグ浸食を経た後の様子を示す概略図であり、ここで、1500℃×3時間の耐製鋼スラグ浸食のステップは以下のとおりである。耐火材を使用してルツボを作り、製鋼スラグをルツボに入れ、1500℃まで昇温し、3時間保温した後冷却した。冷却されたサンプルを中央に沿って切断し、スラグの侵食厚さと腐食を測定した。
図2及び
図3に示すとおり、比較例1のCA6キャスタブルサンプルには、製鋼スラグが深く浸透しており、サンプルルツボを貫通してルツボの外面まで製鋼スラグが浸透している。これは、キャスタブルの耐スラグ浸食性及び耐浸透性が低いことを示している。このサンプルを取鍋の永久ライニングに使用すると、作業ライニングが消失したときに取鍋から鋼材が漏れるか、取鍋が赤くなる。これに対して、実施例1は、体積密度がわずか2.55g/cm
3であったにもかかわらず、優れた耐溶融スラグ浸透性及び浸食性を有している。これは、実施例1の耐溶融スラグ浸透性が非常によいことを示している。
【0138】
上記は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を他の形態に限定することを意図したものではなく、当業者であれば、上記に開示された技術内容を使用して、同等の変更を加えた同等の実施例に変更または修正することができる。ただし、本発明の技術案の内容から逸脱することなく、本発明の技術的本質に従って上記の実施形態に行われたあらゆる単純な修正、同等の変更及び修正は、依然として本発明の技術案の保護範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CA6系中体積密度断熱耐火材であって、前記断熱耐火材の相が、CA6と、C2M2A14、CM2A8、マグネシアアルミナスピネル、及びコランダムから選択される1つまたは複数の相とを含む、断熱耐火材。
【請求項2】
前記断熱耐火材に占める質量百分率として、CA6、C2M2A14、CM2A8、マグネシアアルミナスピネル、及びコランダムの合計含有量が90%以上であり、好ましくは94.8~100%であり、
好ましくは、前記断熱耐火材の相に占める質量百分率として、CA6相が26.7~100%であり、好ましくは、29.0~100%であり、好ましくは31.5~100%であり、好ましくは31.5~99.5%であり、より好ましくは38.7~99.5%であり、
C2M2A14相が0~72%であり、好ましくは0~60%であり、
CM2A8相が0~72%であり、好ましくは0~60%であり、より好ましくは0~59.5%であり、
マグネシアアルミナスピネル相が0~10%、0~8.0%、0~4.60%、0~4.0%であり、好ましくは0であり、
コランダム相が0~30%であり、好ましくは0~18%であり、より好ましくは0~16.5%であり、さらに好ましくは0~15%であり、最も好ましくは0~12%である、
請求項1に記載の断熱耐火材。
【請求項3】
前記断熱耐火材の化学組成が、Al
2O
3、CaO、及びMgOを含み、前記断熱耐火材に占める質量百分率として、前記Al
2O
3が86.65~94.10%であり、好ましくは87.60~94.10%、86.65~92.80%であり、より好ましくは88.07~94.10%、87.50~92.60%であり、
前記CaOが5.80~8.40%であり、好ましくは6.10~8.40%、6.89~8.40%であり、
前記MgOが0~6.05%であり、好ましくはが0~5.53%、0~5.43%、0~5.04%である、請求項1に記載の断熱耐火材。
【請求項4】
前記断熱耐火材の体積密度が2.40~2.90g/cm
3であり、好ましくは2.40~2.82g/cm
3である、請求項1に記載の断熱耐火材。
【請求項5】
前記断熱耐火材の基質部分の相が、CA6と、コランダム、マグネシアアルミナスピネル、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数の相とを含み、
好ましくは、前記断熱耐火材の基質部分の相に占める質量百分率として、CA6相が67.4~100%であり、好ましくは72.5~100%、78.2~100%、78.8~100%であり、
コランダム相が0~30%であり、好ましくは0~20%、0~25%であり、
マグネシアアルミナスピネル相が0~10%、0~8.0%、0~6.7%、0~5.22%であり、好ましくは0であり、
C2M2A14相が0~30%であり、好ましくは0~25%、0~20%、0~18.8%であり、
CM2A8相が0~30%であり、好ましくは0~25%、0~20%、0~18.8%である、請求項1に記載の断熱耐火材。
【請求項6】
前記断熱耐火材の基質部分の化学組成が、Al
2O
3、CaO、及びMgOを含み、前記断熱耐火材の基質部分に占める質量百分率として、前記Al
2O
3が89.03~94.10%であり、好ましくは89.03~93.65%、90.30~93.20%、89.03~93.28%であり、
前記CaOが5.80~8.40%であり、好ましくは6.25~8.40%、6.60~8.40%であり、
前記MgOが0~2.52%であり、好ましくは0~2.10%、0~1.68%である、請求項5に記載の断熱耐火材。
【請求項7】
前記断熱耐火材は、顆粒材料と微粉末とを混合して混合材料を得、前記混合材料をホットプレス焼結して前記断熱耐火材を得るステップ
を含む方法によって製造される、請求項1に記載の断熱耐火材。
【請求項8】
前記微粉末は、CaO含有微粉末、Al
2O
3含有微粉末、及びMgO含有微粉末から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記CaO含有微粉末は、生石灰、石灰石、水酸化カルシウム、CaO・Al
2O
3、CaO・2Al
2O
3、12CaO・7Al
2O
3、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記Al
2O
3含有微粉末は、活性α-Al
2O
3微粉末、γ-Al
2O
3微粉末、ρ-Al
2O
3微粉末、水酸化アルミニウム微粉末、工業用アルミナ微粉末、白色コランダム微粉末、亜白色コランダム微粉末、緻密コランダム微粉末、焼結コランダム微粉末、及び板状コランダム微粉末から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記MgO含有微粉末は、マグネサイト、軽焼マグネシア、ブルーサイト、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、高純度マグネシア、及び電融マグネシアから選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記顆粒材料が、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、好ましくはCA6であり、
好ましくは、前記顆粒材料と前記微粉末との質量比が0~60:40~100である、請求項7に記載の断熱耐火材。
【請求項9】
前記ホットプレス焼結は、前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形してから高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形し、低温で仮焼結した後にホットプレス焼結することであり、
好ましくは、ホットプレス焼結の温度は1550~1750℃であり、好ましくは、ホットプレス強度は0.5~10MPaである、
請求項7に記載の断熱耐火材。
【請求項10】
顆粒材料と微粉末とを混合して混合材料を得、前記混合材料をホットプレス焼結して耐火材を得るステップ
を含む、断熱耐火材の製造方法。
【請求項11】
前記微粉末は、CaO含有微粉末、Al
2O
3含有微粉末、及びMgO含有微粉末から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記CaO含有微粉末は、生石灰、石灰石、水酸化カルシウム、CaO・Al
2O
3、CaO・2Al
2O
3、12CaO・7Al
2O
3、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記Al
2O
3含有微粉末は、活性α-Al
2O
3微粉末、γ-Al
2O
3微粉末、ρ-Al
2O
3微粉末、水酸化アルミニウム微粉末、工業用アルミナ微粉末、白色コランダム微粉末、亜白色コランダム微粉末、緻密コランダム微粉末、焼結コランダム微粉末、及び板状コランダム微粉末から選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記MgO含有微粉末は、マグネサイト、軽焼マグネシア、ブルーサイト、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、高純度マグネシア、及び電融マグネシアから選択される1つまたは複数であり、
好ましくは、前記顆粒材料が、CA6、C2M2A14、及びCM2A8から選択される1つまたは複数であり、好ましくはCA6である、
請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記顆粒材料と前記微粉末との質量比が0~60:40~100である、請求項10に記載の製造方法。
【請求項13】
前記ホットプレス焼結は、前記混合材料を高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形してから高温装置の型に入れてホットプレス焼結する、または、前記混合材料を常温で成形し、低温で仮焼結した後にホットプレス焼結することであり、
好ましくは、ホットプレス焼結の温度は1550~1750℃であり、好ましくは、ホットプレス強度は0.5~10MPaである、
請求項10に記載の製造方法。
【請求項14】
請求項1に記載の断熱耐火材、または請求項10に記載の製造方法により製造された断熱耐火材を含む、溶鋼精錬用取鍋の永久ライニング。
【請求項15】
請求項1に記載の断熱耐火材、または請求項10に記載の製造方法により製造された断熱耐火材を含む、アルミニウム溶湯用取鍋の断熱ライニングまたは作業ライニング。
【国際調査報告】