(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-27
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
H01H 19/03 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
H01H19/03
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569912
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 FR2022050897
(87)【国際公開番号】W WO2022238657
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597154988
【氏名又は名称】アペム
【氏名又は名称原語表記】APEM
【住所又は居所原語表記】55 AVENUE EDOUARD HERRIOT, 82300 CAUSSADE, FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】シャルリー、シモン
【テーマコード(参考)】
5G219
【Fターム(参考)】
5G219FU04
5G219FU14
5G219HT01
5G219HU13
5G219KS10
(57)【要約】
本発明は、プリント回路(30)を備えた本体(20)と、本体(20)に対して、回転の軸線50周りに回動可能な可動式アクチュエータ(1)と、アクチュエータ(1)の2つのそれぞれの支持面(14)上に支持される2つの端部ストランド(71)を備えたトーションばね(7)であってアクチュエータ(1)を休止位置へ向かって回転するよう推し進めるように設計されたトーションばね(7)と、アクチュエータ(1)に対して一体的に固定された少なくとも1つの磁石(6)と、プリント回路(30)上に磁石(6)と向かい合って配置され磁石(6)の角度位置を検出すると共に検出された角度位置に応じた電気信号を作り出すように設計された磁場センサ(32)とを具備した操作装置に関する。その装置は、本体(20)に対して一体的に固定された2つの端部ストッパ(8)を具備し、各端部ストッパ(8)と本体(20)との間にそれぞれの弾性要素(9)が配置され、各端部ストッパ(8)が、トーションばね(7)のそれぞれの端部ストランド(71)に当たる支持面を備えていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
・ プリント回路(30)を備えた本体(20)と、
・ 前記本体(20)に対して、回転の軸線50周りに回動可能なアクチュエータ(1)と、
・ 前記アクチュエータ(1)の2つのそれぞれの支持面(14)上に支持される2つの端部ストランド(71)を備えたトーションばね(7)であって、前記アクチュエータ(1)を休止位置へ向かって回転方向に推し進めるように構成されたトーションばね(7)と、
・ 前記アクチュエータ(1)に対して一体的に固定された、少なくとも1つの磁石(6)と、
・ 前記プリント回路(30)上に前記磁石(6)と向かい合って配置され、前記磁石(6)の角度位置を検出すると共に検出された前記角度位置に応じた電気信号を作り出すのに適している磁場センサ(32)と、
を具備した操作装置において、
前記本体(20)に対して一体的に固定された2つのストッパ(8)を具備し、各ストッパ(8)と前記本体(20)との間にそれぞれの弾性要素(9)が配置され、各ストッパ(8)が、前記トーションばね(7)のそれぞれの端部ストランド(71)に接する支持面を備えている、ことを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記弾性要素(9)は圧縮ばねである、請求項1記載の操作装置。
【請求項3】
各ストッパ(8)が、それぞれの前記支持面を備えた頭部(81)と、前記頭部(81)から伸びるピン(84)とを具備しており、各圧縮ばねが前記ピン(84)の周囲に配置されている、請求項2記載の操作装置。
【請求項4】
前記ストッパ(8)における前記支持面のそれぞれと、前記アクチュエータ(1)における前記支持面(14)のそれぞれとが、前記トーションばね(7)におけるそれぞれの端部ストランド(71)の同じ側に配置されている、前記請求項のうちいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項5】
前記弾性要素(9)は圧迫された状態にある、前記請求項のうちいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項6】
前記ストッパ(8)は、樹脂(25)への浸漬によって前記本体(20)に対して一体的に固定されている、前記請求項のうちいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項7】
前記軸線(50)周りの前記アクチュエータ(1)の回転を制限する2つの第2ストッパ(15)を具備し、前記第2ストッパ(15)は前記アクチュエータ(1)に対して一体的に固定されている、前記請求項のうちいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項8】
前記軸線(50)周りの回転を制限する前記第2ストッパ(15)は、自らの移動の終わりの所で、前記本体(20)内に配置された接触面(16)と接触する、前記請求項に記載の操作装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の操作装置のための製造方法であって、
・ 前記アクチュエータ(1)と前記トーションばね(7)とを供給する段階と、
・ 前記アクチュエータ(1)の前記回転の軸線(50)周りに前記トーションばね(7)を配置する段階であって、前記トーションばね(7)の前記端部ストランド(71)が前記アクチュエータ(1)の前記支持面(14)上に支持される段階と、
・ 前記本体(20)を供給する段階であって、前記本体(20)が、前記弾性要素(9)によって前記アクチュエータ(1)の方へ推し進められる前記2つのストッパ(8)を備えている段階と、
・ 前記アクチュエータ(1)と前記トーションばね(7)とを前記本体(20)内へと挿入する段階であって、前記トーションばね(7)の前記端部ストランド(71)が、前記ストッパ(8)上に支持されると共に、前記弾性要素(9)を圧縮する段階と、
・ 前記本体(20)に対して前記ストッパ(8)を不動化する段階と、
を備えた製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サムホイール・コントローラなどの操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サムホイール操作装置は、操作グリップや、操作スティックや、精確な操作を必要とする様々な機械の如何なる他の操作用途にも搭載されるように企図されている。
【0003】
この型式の操作装置は、固定本体を備え、その本体上に、軸線回りの回動方向に可動なアクチュエータが取り付けられている。精確な操作装置のためには、角運動を例えば2方向で25°に制限するよう、機械的なストッパによって移動が制限されるのが一般的である。
【0004】
可動式アクチュエータは、本体内に配置されたセンサ(例えば、ホール効果センサ)によってその動きを検出される検出可能な要素(例えば、磁石)をも備えている。当該センサは、アクチュエータの移動角度の大きさに比例した電気信号を生じさせる。
【0005】
操作装置には、休止位置へ復帰するための手段が設けられるのが一般的であり、その手段はトーションばね(ねじりコイルばね)であり得る。当該ばねの両枝部が、可動式アクチュエータのロータ上に配置された一対の接触面、および本体の下方部分上に固定された一対のストッパに接して支持されるように構成されている。下方部分とは、回転の軸線と、本体のセンサを包含する部分との間に含まれる部分を意味するものである。アクチュエータをその軸線周りに回動させるためにアクチュエータに力を及ぼしたとき、移動方向側の各ストッパに対してトーションばねが圧迫される。アクチュエータ上への力が途絶えるやいなや、トーションばねが拡張し、アクチュエータがその休止位置へ復帰する。
【0006】
しかしながら、この型式の構成ではしばしば、休止位置の付近に残留した機械的な間隙が存在する。
【0007】
図1Aおよび
図1Bは、トーションばね7の両枝部と、各支持面との間における、この型式の間隙の外観を示している。
図1Aを参照すると、当該間隙41は、トーションばね7と、本体内に配置された各ストッパ8との間に発生し得る。さもなければ、
図1Bを参照すると、当該間隙42は、トーションばね7と、アクチュエータ1のロータ13内に備えられる各接触面14との間に発生し得る。
【0008】
当該残留間隙は、各部品の製造公差に応じて多少なりとも大きくなり得る。連結の静的な不確定性のために、それは依然として避けられないものである。当該間隙は(2°から5°に及ぶ角度値に相当する)0.4から1mmの間に含まれる動きを許容するが、それはセンサによって検出することができないものである。この型式の残留間隙は、かくして装置の精度をかなり制限してしまうのである。
【発明の概要】
【0009】
操作装置の(特に、休止位置の付近での)精度に関する改善が期待されるべきものである。それに加えて、装置の密封に関しての改善も期待される。
【0010】
本発明の1つの目的は、残留した機械的な間隙を伴うことなく中央へ復帰する軸線上での傾きが可能な操作装置を設計することである。この目的のために本発明は、
- プリント回路を備えた本体と、
- 本体に対して、回転の軸線周りに回動可能なアクチュエータと、
- アクチュエータの2つのそれぞれの支持面上に支持される2つの端部ストランド(線材)を備えたトーションばねであって、アクチュエータを休止位置へ向かって回転方向に推し進めるように構成されたトーションばねと、
- アクチュエータに対して一体的に固定された、少なくとも1つの磁石と、
- プリント回路上に磁石と向かい合って配置され、磁石の角度位置を検出すると共に検出された当該角度位置に応じた電気信号を作り出すのに適している磁場センサと、
を具備した操作装置において、
本体に対して一体的に固定された2つのストッパを具備し、各ストッパと本体との間にそれぞれの弾性要素が配置され、各ストッパが、当該トーションばねのそれぞれの端部ストランドに接する支持面を備えていることを特徴とする操作装置を提案するものである。
【0011】
弾性要素は圧縮ばねであることが有利である。
【0012】
各ストッパが、それぞれの支持面を備えた頭部と、頭部から伸びるピンとを具備しており、各圧縮ばねが当該ピンの周囲に配置されている。
【0013】
ストッパにおける支持面のそれぞれと、アクチュエータにおける支持面のそれぞれとが、トーションばねにおけるそれぞれの端部ストランドの同じ側に配置されている。
【0014】
当該弾性要素は圧迫された状態にある。
【0015】
当該ストッパは、樹脂への浸漬によって本体に対して一体的に固定されている。
【0016】
一定の諸実施形態において、当該操作装置は、軸線周りのアクチュエータの回転を制限する2つの第2ストッパを具備し、当該第2ストッパはアクチュエータに対して一体的に固定されている。
【0017】
軸線周りの回転を制限する第2ストッパは、自らの移動の終わりの所で、本体内に配置された接触面と接触する。
【0018】
本発明はまた、上述したような操作装置の製造方法であって、
・ アクチュエータとトーションばねとを供給する段階と、
・ アクチュエータの回転の軸線周りに当該トーションばねを配置する段階であって、トーションばねの端部ストランドがアクチュエータの支持面上に支持される段階と、
・ 本体を供給する段階であって、本体が、弾性要素によってアクチュエータの方へ推し進められる2つのストッパを備えている段階と、
・ アクチュエータとトーションばねとを本体内へと挿入する段階であって、トーションばねの端部ストランドが、ストッパ上に支持されると共に、弾性要素を圧縮する段階と、
・ 本体に対してストッパを不動化する段階と、
を備えた製造方法に関するものである。
【0019】
弾性要素を圧縮しながらの組立てによって、如何なる残留した機械的な間隙をも埋め合わせることが可能となる。それは、トーションばねの各ストランドの、各ストッパおよび各接触面との同時な、しっかりした接触を確保することによるものである。かくして操作装置の精度が、特に中立位置の付近で最適化されるのである。
【0020】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して、以下の詳細な説明によって明らかにされることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】既知の型式の操作装置において2箇所に発生し得る残留間隙を示す図。
【
図1B】既知の型式の操作装置において2箇所に発生し得る残留間隙を示す図。
【
図5A】本発明による操作装置の各組立て段階であって、操作装置の本体内に備えられた各ストッパ上に配置される各弾性要素を圧縮しながら、磁石を包含する可動式アクチュエータのロータと、トーションばねとが本体内へと挿入される組立て段階を示す図。
【
図5B】本発明による操作装置の各組立て段階であって、操作装置の本体内に備えられた各ストッパ上に配置される各弾性要素を圧縮しながら、磁石を包含する可動式アクチュエータのロータと、トーションばねとが本体内へと挿入される組立て段階を示す図。
【
図5C】本発明による操作装置の各組立て段階であって、操作装置の本体内に備えられた各ストッパ上に配置される各弾性要素を圧縮しながら、磁石を包含する可動式アクチュエータのロータと、トーションばねとが本体内へと挿入される組立て段階を示す図。
【
図5D】本発明による操作装置の各組立て段階であって、操作装置の本体内に備えられた各ストッパ上に配置される各弾性要素を圧縮しながら、磁石を包含する可動式アクチュエータのロータと、トーションばねとが本体内へと挿入される組立て段階を示す図。
【
図6】膜の組付けと、ハウジングを液体に対して密封する樹脂の配置とを示す、装置の断面図。
【
図7】各開口および各接触面の配置を示す、本体およびロータの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明による操作装置は、固定本体20と、本体20に対して回転の軸線50周りに回動可能なアクチュエータ1と、アクチュエータ1の位置を検出する手段とを備えている。
図2は、この型式の(組み立て済みの)操作装置の模式図である。
【0023】
明瞭性や簡素化の目的のために、
図2に示すような上下の向きが用いられることとなり、アクチュエータ1が操作装置の「上部」に位置した状態で本体20が鉛直方向に配置されている。かくして、用語「低」、「高」、「上」、「下」、「上方」、「下方」、並びに「水平」および「鉛直」が説明に役立つこととなるが、本発明を限定するものではない。
【0024】
そして、縦軸線Lと横軸線Tとが「水平」面を定め、中立軸線Nが「鉛直」となっている。
【0025】
図3A、
図3B、および
図4を参照すると、固定本体20は、アクチュエータ1の下方部分を構成するロータ13や操作装置の他の構成要素を収容するよう、その内部が中空になっている。当該本体20は、本質的に平行六面体の筐体の形態で現れるのが一般的である。本体20は、下部22(これは、本質的に矩形であるのが有利である)と、当該下部22の下に配置されるハウジング23とを備えている。当該ハウジング23は、(その機能が後述されることとなる)センサ32を支えるプリント回路30を含んでいる。プリント回路30には、ケーブル類を接続することができる。下部22は、上下に貫通する2つの開口86をも備えている。それらの開口86は(実例かつ非限定的な例として)横軸線Tに平行な下部22の両側面に沿って配置された2つの円筒状の穴の形態で現れることができる。
【0026】
開口86同士は
図7に示すように非対称に配置され、縦軸線Lと中立軸線Nとによって形成される平面に対する開口86同士の偏位が、当該平面に対するトーションばね7のストランド71同士の偏位に対応している。開口86は、下部22の幅の狭い方の両側面に沿って配置されるのが有利である。
【0027】
2つの第1ストッパ8が、本体20の内部に配置され、当該本体20に対して一体的に固定されている。当該第1ストッパ8はそれぞれ、各自の支持面82を備えた頭部81と、頭部81から伸びる各自のピン84とを備えている。それぞれのピン84は、下部22に備えられた開口86のうちの一方を貫通している。各第1ストッパ8は、ストッパ8それぞれのピン84の周囲に配置された弾性要素9を備えている。当該弾性要素9は、圧縮ばねであることが有利である。弾性要素9のそれぞれが、各第1ストッパ8における各自の頭部81と、本体20の下部22との間で圧迫された状態にある。
図3Aおよび
図3Bに示す組立て状態においては、各ストッパ8が本体20に対して固定され、弾性要素9によって加えられる推進力が当該ストッパの移動を生じさせないが、以下で詳細に説明することとなるように、アクチュエータの戻りばねと各ストッパ8との間に間隙のない組立てを獲得するための操作器の組立て中には、各弾性要素9が格別な利点を有しているのである。
【0028】
本体20は、縦軸線Lに平行な2つの鉛直面上に対称に配置された2つの開口51をも備えていてる。当該鉛直面は、本体20の長い方の両側面であることが有利である。各開口51は、縦軸線Lに沿った表面の中央部に配置されている。開口51は、可動式要素の回転の軸線50に沿って軸5を受け入れる円筒状の穴であることが有利である。軸5は、円柱形状であって、開口51内で当該軸5を保持することを可能とするアタッチメントを含むことができるのが好ましい。軸5は、開口51の所で本体20に固定される。軸5は、回転中の摩擦と、回転の軸線周りの機械的な間隙とを制限する円筒形スペーサを含んでいることが有利である。
【0029】
本体20は、本体を上部の所で閉鎖するように構成された膜24をも備えている。当該膜24は、アクチュエータ1の一部が通り抜けられるようにできる開口を含んでいる。当該膜24は、本体20の鉛直方向の各壁体とアクチュエータ1との間に液密シールを形成することができる。膜24は、エラストマーから成ることが有利である。膜は、ねじによって組み付けられる2つの面同士の間で締め付けることによって、アクチュエータ1および本体20に対して取り付けられるのが好ましい。
【0030】
本体20は、その下方側に樹脂25の被覆を備えることができる。その被覆は、各第1ストッパ8を本体20に対して不動化するように構成されている。樹脂25の被覆は、プリント回路30、ハウジング23、および本体20の下部22に及ぶ液密シールを形成することができる。
【0031】
本体20は、パネルや機械などの支持体に対して、据付け用パネル26およびクレードル(架台)27を用いて、ねじ28を締めることによって取り付けることができる。
【0032】
可動式アクチュエータ1は、カバー11と、レバー12と、本質的に円筒状のロータ13とを備えている。
【0033】
カバー11は、使用者によって操作されるように企図されている。当該カバー11は、操作装置が使用されることとなる機器の美観的な要求に従って設計されることができ、或いはロゴやピクトグラムなどの情報を備えている。そのカバー11はまた、操作装置の使用中に使用者の指が滑るのを防止することを可能とするグリップ面や、装置に与えることが望まれる人間工学や美観に応じた如何なる他の適切な表面をも備えることができる。
【0034】
レバー12は、カバー11をロータ13と連結している。当該レバー12は、長く伸びた形状を有し、カバー11の操作時に生じる回動運動がロータ13へ伝達されるのを可能とする。
【0035】
ロータ13は、本体20内に配置され、アクチュエータ1の回転の軸線50に沿った円柱状の穴55を備えている。回転の軸線50に沿って当該穴55を通り抜けるように軸5が配置され、この軸線50周りでのロータ13の回動を可能としている。
【0036】
ロータ13は、円筒状の穴55の周囲に浮彫り状になった環状部分52を備えている。当該環状部分52は、トーションばね7を受けることができるようになっている。当該トーションばね7が環状部分52を取り囲むように配置されることで、当該トーションばね7の輪状部分がロータ13の円筒状の穴55と心合わせされる。枢軸5は、回転の軸線50に沿ってトーションばね7の輪状部分、環状部分52、および穴55を通り抜けるように取り付けられる。
【0037】
トーションばね7は、2つの端部ストランド71を備えている。それらの端部ストランド71は、2つのそれぞれの支持面14上に支持されている。それらの支持面14は、トーションばね7の各ストランドの下でロータ13の下方部分上に配置され、当該ストランド71に対して固定されている。各端部ストランド71は、本体20内に配置されたそれぞれの第1ストッパ8の支持面82と接触してもいる。トーションばね7は、弾性要素9の圧縮力よりも大きい圧縮力を有している。
【0038】
任意に、ロータ13の上方部分に2つの第2ストッパ15を配置することができる。それらの第2ストッパ15は、本体20内に配置される一対の接触面16と向かい合う2つの接触面を有している。
【0039】
アクチュエータのロータ13は、当該ロータ13に一体的に固定された磁石6をも備えていてる。磁石6は、プリント回路30における磁場センサ32に面したロータ13の下部に配置されているのが有利である。
【0040】
アクチュエータ1が中立位置にあるとき、レバー12は中立軸線Nと平行で、カバー11は上方を向いている。この位置においては、トーションばね7が最小限の圧迫を受けている。磁石6は、その最低位置にあって、磁場センサ32に最も近くなっている。該当する場合、2つの第2ストッパ15は、第1ストッパ8とは接触していない。
【0041】
アクチュエータ1が傾いた位置にあるとき、レバー12は、中立軸線Nと縦軸線Lとによって定められる平面内において、軸線Nに対して角度を成している。傾きは、負の方向か正の方向に生じることができる。トーションばね7は、中立位置におけるよりも強い圧迫を受けて、アクチュエータ1を中立位置へ向かう回動方向に推し進めようとする。磁石6は、その中立位置から、レバー12の傾きとは反対の方向に偏位させられる。該当する場合、中立位置に対して相対的に、2つの第2ストッパ15の一方は、当該第2ストッパに面して配置された第1ストッパ8の頭部81に近付けられ、他方の第2ストッパ15は、対応する第1ストッパ8の頭部81から遠ざけられる。
【0042】
アクチュエータ1の傾きが最大限のとき、該当する場合には、レバー12の傾けられた側に配置される第2ストッパ15が、本体20の同じ側に配置された面16上で支えられ、かくして軸線50周りのアクチュエータ1の回動を制限する。レバー12と中立軸線Nとの間の角度は、実例かつ非限定的な例として、最大限の傾きの位置で25°ないし30°に達し得る。
【0043】
使用者がアクチュエータ1の可動部分を操作し始めると、当該アクチュエータ1は、中立位置から傾いた位置の方へと移動する。すると磁石6が、レバー12の傾きとは反対の方向へ移動する。磁場センサ32が、磁石6の角度位置を検出し、検出した当該角度位置に応じた電気信号を作り出す。使用者は、それから同じ方向や反対の方向への操作を行うことができ、センサが再び磁石6の角度位置を検出する。使用者は(同様のやり方で検出されることとなる)操作を続行したり、任意の位置でアクチュエータ1を解放したりすることができる。
【0044】
使用者が傾いた位置にあるアクチュエータ1を解放したときには、トーションばね7がアクチュエータ1をその中立位置の方へ推し進める。磁場センサ32が、磁石6の中立位置への復帰を検出し、それに対応した電気信号を作り出す。
【0045】
磁場センサ32は、磁石6の移動を検出するセンサとすることができる。或いは、磁場センサは、磁石6の位置を検出するセンサとすることができる。磁場センサ32は、ホール効果センサであることが有利である。
【0046】
ここで、操作装置の各組立て段階を説明することとする。
【0047】
第1段階が
図5Aに示されている。始めに本体20(これは、プリント回路30およびセンサ32を備えることができる)で、各第1ストッパ8のピン84が、下部22に備えられた各開口86内へと挿入される。すると、弾性要素9を含む各ピンが、頭部81と開口86との間に配置される。この段階の間、弾性要素9は如何なる圧迫も受けることがない。それと同時に、トーションばね7が、アクチュエータ1のロータ13上で浮彫り状になった環状部分52上に取り付けられ、各ストランド71が支持面14としっかり接触する。
【0048】
第2段階では、
図5Bを参照すると、アクチュエータ1のロータ13(磁石6およびトーションばね7を含む)が、穴55を開口51と心合わせすることによって本体20内へと挿入される。トーションばね7の各ストランド71の端部が、各第1ストッパ8のピン84上に配置されたそれぞれの弾性要素9を圧縮することによって、当該ストッパ8上に支持される。各第1ストッパ8は、下部22の各開口86内でスライドする。弾性要素9の圧縮力はトーションばね7の圧縮力よりも小さく、この段階ではトーションばね7が変形を被ることはない。
【0049】
第3段階では、
図5Cを参照すると、回転の軸線50に沿って軸5が、開口51および円筒状の穴55内へと挿入される。弾性要素9が圧迫されることで、ロータ13における2つのそれぞれの側のストッパ8上と、アクチュエータ1における2つのそれぞれの側の支持面14上とに対称な圧迫が生じる状態で、トーションばね7を配置することが可能となる。弾性要素9によって及ぼされる推進力により、トーションばね7の各ストランド71と各ストッパ8との間には間隙が存在し得ないのである。この構成は、スイッチ内の如何なる残留した機械的な間隙をも防止する効果を有している。
【0050】
センサ32を含むプリント回路30は、前記段階それぞれの前や後に本体内へと挿入することができる。
【0051】
第4段階では、
図5Dを参照すると、各ストッパ8が、弾性要素9の推進力によって課される位置で、本体20に対して不動化される。それにより、各ストッパとトーションばねの各ストランド71との間の如何なる間隙をも防止することが可能となる。不動化は(純粋に実例として、限定を伴うことなく)本体の下部内へと樹脂25を流し込むことによって、本体の下部の樹脂への浸漬によって、接着によって、または溶接によって行うことができる。樹脂以外の手段によって不動化が行われる場合には、不動化後に樹脂の被覆を施すことができる。この場合、センサを含むプリント回路30は、各ストッパの不動化後、(該当する場合には)樹脂の被覆を施す前に、本体内へと挿入することができる。
【0052】
樹脂25の被覆を施すことは、下部22の所で筐体を液密にする効果も有している。
【0053】
前記の各組立て段階の後では、当該装置は、特に可動要素の中立位置の付近で、残留した機械的な間隙を含んではいないのである。
【0054】
本体20の内部に配置される様々な構成要素の組付け後、膜24が本体20に取り付けられる。レバー12とカバー11とが、アクチュエータ1のロータ13上に配置される。
【0055】
それから操作装置を、パネルや機械などの支持体上に取り付けることができるが、それは、据付け用パネル26、随意の取付けスペーサ、およびクレードル27を用いて、ねじ28を締めることによるものである。膜24の一部分が、本体20と据付け用パネル26との間に配置される。ねじ28を締めることは、据付け用パネル26に対して本体20を締め付けることで、膜24の当該部分を圧縮して、当該装置を上方側で液密にする効果を有している。
【国際調査報告】