(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-27
(54)【発明の名称】メディア再生システムにおけるオーディオ暗号化
(51)【国際特許分類】
H04N 21/4405 20110101AFI20240520BHJP
G10K 15/02 20060101ALI20240520BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20240520BHJP
H04R 3/12 20060101ALI20240520BHJP
H04N 21/436 20110101ALI20240520BHJP
【FI】
H04N21/4405
G10K15/02
H04R3/00 310
H04R3/12 Z
H04N21/436
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570009
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 US2022028563
(87)【国際公開番号】W WO2022240854
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】506030756
【氏名又は名称】ソノズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ウォン
(72)【発明者】
【氏名】リン,テッド
(72)【発明者】
【氏名】ピータース,ジェフリー エム
(72)【発明者】
【氏名】アードマン,デレク ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】シェルドン,マイケル
【テーマコード(参考)】
5C164
5D208
5D220
【Fターム(参考)】
5C164FA17
5C164MA07S
5C164PA01
5C164UB03P
5C164UB04S
5C164UB71P
5D208BA04
5D220AA11
(57)【要約】
第1再生デバイスの一例は、(i)クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツを取得し、オーディオコンテンツが第1の暗号化方式に従って暗号化され、(ii)クラウドベースのライセンスサービスと通信して、オーディオコンテンツを解読するための情報を取得し、(iii)取得された情報を使用してオーディオコンテンツを解読し、(iv)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化し、(v)再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために第1再生デバイスとグループ化される少なくとも第2再生デバイスに送信し、(vi)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの再生と同期してオーディオコンテンツを再生するべく構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1再生デバイスのための方法であって、
クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツを取得するステップであって、前記オーディオコンテンツが、第1の暗号化方式にしたがって暗号化されるステップと、
前記オーディオコンテンツを解読するための情報を取得するためにクラウドベースのライセンスサービスと通信するステップと、
前記オーディオコンテンツを解読するために前記取得された情報を使用するステップと、
前記解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化するステップと、
前記再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために前記第1再生デバイスとグループ化される少なくとも第2再生デバイスへ送信するステップと、
前記第2再生デバイスによる前記オーディオコンテンツの再生と同期して前記オーディオコンテンツを再生するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2再生デバイスから、前記再暗号化されたオーディオコンテンツを解読するための情報を求める要求を受信するステップと、
前記要求に基づいて、前記再暗号化されたオーディオコンテンツを解読するための情報を前記第2再生デバイスに送信するステップと、
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
暗号鍵のセットを生成するステップであって、各暗号鍵が前記再暗号化されたオーディオコンテンツの所定数のオーディオフレームに対応し、前記再暗号化されたオーディオコンテンツが複数のオーディオフレームを含む、ステップと、
前記暗号鍵のセットを前記第2再生デバイスに送信するステップと、
を更に含む、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化する前記ステップは、
前記解読されたオーディオコンテンツの前記所定数のオーディオフレームを、前記暗号鍵のセットにおける第1の暗号鍵を使用して再暗号化するステップと、
前記第1の暗号鍵を使用して前記所定数のオーディオフレームを再暗号化した後、
前記第1の暗号鍵の使用を中断するステップと、
前記暗号鍵のセット内の次の暗号鍵を使用して前記解読されたオーディオコンテンツの次のオーディオフレームの再暗号化を開始するステップと、
を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも前記第1の暗号鍵の使用を中断した後、前記暗号鍵のセットから少なくとも前記第1の暗号鍵を破棄するステップと、
少なくとも1つの新たな暗号鍵を生成するステップと、
前記少なくとも1つの新たな暗号鍵を前記暗号鍵のセットに追加するステップと、
前記少なくとも1つの新たな暗号鍵を前記第2再生デバイスに送信するステップと、
を更に含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記再暗号化されたオーディオコンテンツは、オーディオデータ部分と、前記第1再生デバイスと同期して前記オーディオコンテンツを再生するための再生タイミング情報を含むヘッダ部分と、を備える複数のオーディオフレームを備え、
前記解読されたオーディオコンテンツを再暗号化する前記ステップは、前記複数のオーディオフレームにおける各オーディオフレームの前記オーディオデータ部分を再暗号化するステップを含む、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記解読されたオーディオコンテンツを前記第2の暗号化方式に従って再暗号化する前に、前記オーディオコンテンツの複数のチャネルのすべてが前記第2再生デバイスへ送信されるべきであると決定するステップ、
を更に含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドの表示を受信するステップと、
前記第2の暗号化方式に従って前記再生コマンドを示すデータパケットを暗号化するステップと、
前記暗号化された再生コマンドを示す前記データパケットを前記第2再生デバイスに送信するステップと、
を更に含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の暗号化方式が非対称暗号化方式であり、前記第2の暗号化方式が対称暗号化方式である、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の暗号化方式に従って暗号化されるデータパケットを前記第2再生デバイスから受信するステップと、
前記第2再生デバイスからのデータパケットを解読するステップと、
前記解読されたデータパケットに基づいて、前記オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドの表示を決定するステップと、
前記オーディオコンテンツの再生を制御するための前記コマンドを実行するステップと、
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスに請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行させるプログラム命令を格納する、
非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
第1再生デバイスにおいて、
少なくとも1つのプロセッサと、
非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、
前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令であって、前記第1再生デバイスが請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するべく構成されるように前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令と、
を備える、第1再生デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、(i)2021年5月10日に出願され、「Dynamic Modification for Content Quality Enhancement」と題する米国仮出願第63/186,796号明細書、(ii)2021年8月30日に出願され、「Audio Encryption in a Media Playback System」と題する米国仮出願第63/238,571号明細書、(iii)2021年9月30日に出願され、「Content Quality Enhancement for Heterogeneous Playback Groups」と題する米国仮出願第63/250,558号明細書、および(iv)2022年4月14日に出願され、「Dynamic Transcoding for Enhancing Audio Playback」と題する米国仮出願第63/330,865号明細書に対する優先権を主張し、これらのそれぞれの仮出願の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
この開示は、コンシューマ製品に関するものであり、特に、メディア再生に向けられた方法、システム、製品、機能、サービス、および他の要素に関するものや、それらのいくつかの態様に関する。
【背景技術】
【0003】
2002年に、SONOS,Inc.が新たなタイプの再生システムの開発を開始するまで、アウトラウド設定でデジタルオーディオにアクセスして聴くためのオプションは限られていた。Sonosは、2003年に最初の特許出願の1つである「複数のネットワークデバイス間のオーディオ再生を同期する方法(Method for Synchronizing Audio Playback between Multiple Networked Devices)」と題する特許出願を行い、2005年に初のメディア再生システムの販売を開始した。ソノスワイヤレスホームサウンドシステムによって、人々は1つまたは複数のネットワーク再生デバイスを介して多くのソースから音楽を体験できるようになっている。コントローラ(例えば、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、音声入力装置)にインストールされたソフトウェアコントロールアプリケーションを通じて、ネットワーク再生デバイスを備えたいずれの部屋においても、人々は所望の音楽を再生することができる。メディアコンテンツ(例えば、歌、ポッドキャスト、ビデオサウンド)は、再生デバイスにストリーミングされ、再生デバイスを備えた各部屋で、対応する異なるメディアコンテンツを再生できるようになっている。また、同じメディアコンテンツを同期再生するために複数の部屋をグループ化すること、および/またはすべての部屋において同じメディアコンテンツを同期して聴くこともできる。
【0004】
デジタルメディアへの関心が益々高まっていることを考えると、聴取体験を更に向上させるために消費者がアクセス可能な技術を開発する必要性が依然として存在する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】開示された技術の態様に従って構成されたメディア再生システムを有する環境の部分断面図である。
【
図1B】
図1Aのメディア再生システムと1つ以上のネットワークの概略図である。
【
図1C】例示的な再生デバイスのブロック図である。
【
図1D】例示的な再生デバイスのブロック図である。
【
図1E】例示的な再生デバイスのブロック図である。
【
図1F】例示的なネットワークマイクロフォンデバイスのブロック図である。
【
図1G】例示的な再生デバイスのブロック図である。
【
図1H】例示的な制御デバイスの部分概略図である。
【
図1I】
図1Hの例示的な制御デバイスの例示的なユーザインタフェースの概略図である。
【
図1J】対応する例示的なメディア再生システムゾーンの概略図である。
【
図1K】対応する例示的なメディア再生システムゾーンの概略図である。
【
図1L】対応する例示的なメディア再生システムゾーンの概略図である。
【
図1M】対応する例示的なメディア再生システムゾーンの概略図である。
【
図1N】例示的なメディア再生システムエリアの概略図である。
【
図2】例示的な再生デバイスのための例示的なヘッドセットアセンブリの図である。
【
図3】例示的な再生デバイスハウジングの等角図である。
【
図4】グループサイズによって編成された同期グループにおける検出されたドロップアウトイベントを示すグラフである。
【
図5】開示された技術の一実施形態にしたがって動作する例示的な同期グループの図である。
【
図6】開示された技術の一実施形態に係るネットワーク接続品質に基づくオーディオコンテンツの適応強化のための例示的な動作を示すフロー図である。
【
図7】開示された技術の別の実施形態に係る再生グループサイズに基づくオーディオコンテンツの適応強化のための例示的な動作を示すフロー図である。
【
図8】開示された技術の更に別の実施形態に係る閾値品質基準に基づくオーディオコンテンツの適応強化のための例示的な動作を示すフロー図である。
【
図9】開示された技術の更に別の実施形態に係るオーディオコンテンツをトランスコードすることを伴うオーディオコンテンツの適応強化のための例示的な動作を示すフロー図である。
【
図10】開示された技術の更に別の実施形態に係る再生デバイス能力に基づくオーディオコンテンツの適応強化のための例示的な動作を示すフロー図である。
【
図11】開示された技術の更に別の実施形態に係るメディア再生システムの再生デバイス間でオーディオ暗号化を実施するための例示的な動作を示すフロー図である。
【
図12】開示された技術の一実施形態に係る二層オーディオ暗号化方式の一例を示す概略図である。
【
図13A】開示された技術の一実施形態に係る暗号鍵のセットの一例を示す概略図である。
【
図13B】開示された技術の一実施形態に係る第2の暗号化方式に従って再暗号化される例示的なオーディオフレームを示す概略図である。
【0006】
本明細書で開示されている技術の特徴、態様、および利点は、以下に記載されているように、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面を参照するとより理解され得る。図面は、いくつかの例示的な実施形態を例示することを目的としているが、当業者であれば、本明細書に開示された技術が、図面に示された配置および手段に限定されるものではないことは理解される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
I.概要
メディア再生体験に従事するとき、ユーザは、メディアデバイスがシームレスかつ連続的な方法でメディアコンテンツ(例えば、クラウドサーバからのストリーム)を提供することを期待する。場合によっては、メディアデバイスとクラウドサーバとの間のネットワーク接続品質の変化は、メディアデバイスが再生するためのバッファされたメディアコンテンツを使い果たしたときにメディア再生の突然の停止および開始を引き起こす可能性があり、これは、理想的なユーザ体験を下回る可能性がある。例えば、ポータブルユーザデバイス(例えば、スマートフォン)は、メディアコンテンツをストリーミングしている間、リモートメディアコンテンツサーバ(例えば、ビデオストリーミングサービス)との変動する接続を有することができる。その結果、接続が弱い(例えば、トンネルを走行しているときに)特定の時間において、ユーザデバイスとリモート・メディア・コンテンツ・サーバとの間のネットワーク接続の品質は、高品質メディアコンテンツの途切れないストリーミングをサポートするには不十分であり得る。
【0008】
ユーザはまた、メディアデバイスが可能な限り高品質のメディアコンテンツを提供することを期待している。複数の再生デバイスが同期再生のためにグループ化される場合、グループ化された再生デバイスによって再生されるメディアコンテンツの品質は、再生デバイスの個々の能力によって影響を受ける可能性がある。例えば、高解像度オーディオフォーマットは、標準解像度オーディオフォーマットと比較してオーディオの忠実度およびダイナミックレンジを向上させ、したがって、高解像度オーディオコンテンツの再生は、より望ましい満足のいくユーザ体験をもたらす。しかし、高解像度オーディオを再生するには、特定の再生デバイス(例えば、古い再生デバイス、ポータブル再生デバイスなど)では利用できない高度な再生機能(例えば、処理能力の向上、DRM能力、バッテリ寿命の延長)が必要になる場合がある。結果として、あまり洗練されていない能力を有する再生デバイスが、高解像度オーディオコンテンツの同期再生のためのより洗練された能力を有する再生デバイスとグループ化されると、あまり能力のない再生デバイスは、オーディオコンテンツを再生することができない可能性があり、その結果、少なくとも、あまり能力のないデバイス(および、おそらくは、グループ内の他の再生デバイスも)が、同期グループ再生に関与しないことになり、それによって、望ましくない、満足のいかないユーザ体験をもたらす可能性がある。
【0009】
このような課題に対処するために、SONOS,Inc.は、再生デバイス上でのオーディオコンテンツ再生の信頼性を知的に高めるための新たな技術を継続的に開発している。例えば、SONOS,Inc.は、オーディオコンテンツを再生する再生デバイスの能力および/または再生デバイスとコンテンツソースとの間のネットワーク接続の品質に基づいて、オーディオコンテンツの条件付き拡張をサポートする技術を開発した。このような機能は、とりわけ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Conditional Content Enhancement」と題する米国特許第10,873,820号明細書に開示されている。
【0010】
従来の適応型ストリーミング技術が現代のネットワーク(例えば、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)のような典型的な家庭用ネットワーク)における高精細度(HD)オーディオストリーミングによって提示される課題に十分に対処しないことをSONOS,Inc.は認識している。より高いインターネット接続速度に向かう傾向(例えば、ダウンロード速度が1,000メガビット毎秒(Mbps)を超える家庭用のファイバインターネットの可用性の向上、ダウンロード速度が600Mbpsを超える5G対応のスマートフォンの可用性)が高まるにつれて、ストリーミングデバイスとクラウドサーバとの間の接続品質は、再生の信頼性に影響を与える唯一の要因である頻度が低くなっている。新たな(および増大する)問題領域は、ローカルネットワーク帯域幅(例えば、広域ネットワーク帯域幅のみの代わりに)の制限を含む。家庭の状況では、家庭のローカルネットワーク機器(例えば、アクセスポイント、ルータなど)を通過して、ネットワークに接続されたますます増加するデバイス(例えば、モノのインターネット(IoT)デバイス、タブレット、スマートフォン、ソフトウェア更新用の自動車など)に対応するトラフィック量が増加している。
【0011】
そのような帯域幅要件は、ローカルネットワーク内での同期再生のためにグループ化されたより高品質のオーディオストリーム(例えば、HDオーディオ)および/または複数の再生デバイスの再生を含むシナリオにおいて悪化する。複数のグループ化されたプレーヤを有するそのような場合、所与のオーディオコンテンツは、ローカルネットワーキング機器を複数回通過する必要があり得る。例えば、2つの他の再生デバイスとの同期グループ内の第1再生デバイス(例えば、グループコーディネータ)は、(ルータを介して)クラウドサーバからオーディオコンテンツを受信し、そのオーディオコンテンツを(ルータを介して)2つの他の再生デバイスのそれぞれに送信することができる。この例では、そのオーディオコンテンツは、ルータを介して3回送信されてもよい。すなわち、(1)クラウドサーバから第1再生デバイスへ、(2)第1再生デバイスから第2再生デバイスへ、および(3)第1再生デバイスから第3再生デバイスへ送信されてもよい。そのようなローカルネットワークトラフィックからの輻輳は、1つ以上の再生デバイスへのオーディオパケットの到着の遅延(すなわち、オーディオパケットが再生デバイスによって再生されるようにスケジュールされた時間後に再生デバイスに到着すること)をもたらす可能性があり、これにより、1つ以上の再生デバイスが同期グループからドロップされ、それにより、ユーザ聴取体験の減少に寄与する可能性がある。
【0012】
更に、従来、ネットワークメディア再生システムにおいて再生デバイス間で伝送されるオーディオコンテンツは、一般に暗号化されていない。代わりに、コンテンツ自体が暗号化されるのではなく、デバイス間の通信チャネルに関連付けられたセキュリティプロトコルに依存する。例えば、グループコーディネータ再生デバイスは、暗号化されていないオーディオコンテンツを、Wi-Fi保護アクセス(WPA)セキュリティを使用する安全なWLAN接続を介してメディア再生システムの1つ以上の他のグループメンバー再生デバイスへ送信することができる。
【0013】
安全な通信プロトコルを使用して暗号化されていないオーディオコンテンツを送信するこの手法は、オーディオコンテンツが送信されるときにオーディオコンテンツを侵害する試みからいくらかのセキュリティを提供するが、いくつかの欠点がある。例えば、メディア再生システム内のグループコーディネータにアクセスできる個人は、グループコーディネータから別のコンピューティングデバイスに暗号化されていないオーディオを直接ダウンロードすることを可能にするマルウェアをグループコーディネータにインストールしようと試みる可能性がある。更に、メディア再生システムが使用しているWLANにアクセスする個人は、オーディオコンテンツのコピーを取得するために、グループコーディネータからグループメンバーへ送信されているパケットをスニフすることができる。
【0014】
それにもかかわらず、比較的低品質(例えば、標準的な定義)のストリーミングオーディオコンテンツの場合、デジタル音楽の権利者は、上記のより低いレベルのセキュリティを受け入れることが多い。その理論的根拠は、他の形態のメディア(例えば、CD)で利用可能であるよりも低品質のバージョンのオーディオコンテンツを侵害するために個人が前述したステップを実行する動機が少ないことである。しかしながら、高解像度(HD)および超高解像度(UHD)オーディオコンテンツは、ストリーミングメディアプロバイダからますます利用可能になってきており、他の形態のメディアで利用可能な品質に近い(またはそれよりも良い)オーディオ品質を有する。したがって、個人がオーディオを侵害するより大きなインセンティブが存在し、デジタル音楽の権利者は、そのようなオーディオコンテンツに対してより高いレベルのセキュリティをますます要求している。
【0015】
この目的のために、HD品質のコンテンツを提供する多くのメディアコンテンツストリーミングサービスは、デジタル音楽権利者の懸念に対処するためにオーディオコンテンツ自体を暗号化するデジタル著作権管理(DRM)保護機構(例えば、Widevine暗号化技術)を実装し始めている。このようなアプローチの下では、暗号化されたオーディオコンテンツが、メディア・コンテンツ・サービスから再生デバイスへ送信(例えば、HTTP上の動的適応型ストリーミング(DASH)を介して)されて再生される。そして、再生デバイスは、ライセンスサーバから取得した情報(例えば、鍵(複数可)、証明書(複数可)など)を用いてオーディオコンテンツを解読し、解読したオーディオコンテンツを再生する。更に、これらのタイプの暗号化方式を利用するには、一般に、要求元デバイス自体からの信頼性も最小限にする必要があり、これは一般に、安全なブート環境を提供することによって満たされる。
【0016】
しかしながら、これらのタイプの暗号化メカニズムは、一般に、単一のエンドポイント用に設計されている。言い換えれば、それらは、暗号化されたオーディオコンテンツを要求する再生デバイス(例えば、スマートフォン、コンピュータ、ネットワーク化されたホームオーディオデバイスなど)がコンテンツを再生する唯一のデバイスであり、再生デバイスがオーディオコンテンツの解読をサポートするのに十分な計算リソースを有するという前提に基づいている。この前提は、単独再生に関与する単一の再生デバイスに当てはまるが、これは、ライセンスサーバと通信する複数のエンドポイントを必要とするため、グループコーディネータによってメディア再生システム内の更なる再生デバイス間で配信されるオーディオコンテンツの同期再生に直接スケールするものではない。メディアサーバ(例えば、グループコーディネータとして動作するデバイス)に暗号化されたオーディオコンテンツを要求する再生デバイスは、通常、ライセンスサーバからオーディオコンテンツを解読するための情報を取得することを許可された唯一のデバイスである。更に、デジタル権利者は、前述したセキュリティ上の懸念のために、グループコーディネータがHDオーディオコンテンツをその解読フォーマットで配布することを許可しない場合がある。
【0017】
SONOS,Inc.は、以前の技術革新を踏まえて、再生の信頼性を向上させ、再生のためのより高品質のオーディオコンテンツをサポートするための新たな技術を開発した。1つの態様では、本明細書に開示される技術は、以下を含む様々な要因に基づいて、ネットワーク化されたメディア再生システム内の再生デバイス間でストリーミングされるオーディオの品質の動的な変更に関する。(1)ネットワーク特性(例えば、ローカルネットワーク特性)、(2)再生デバイス特性(例えば、コンテンツをレンダリングする再生デバイスの能力など)、および(3)同期オーディオ再生のためにグループ化される再生デバイスのグループの特性(例えば、グループ内の再生デバイスの数)。結果として、オーディオストリームの品質は、ヘテロジニアスな再生グループ構成(異なる再生能力を有する再生デバイスを備える同期再生グループ)を含む多種多様な動作条件におけるオーディオの信頼できる再生を保証するために、これらの(および他の)要因に基づいて動的に修正されることができる。別の態様では、本明細書で開示される技術は、ネットワークメディア再生システム内の再生デバイス間で送信されるオーディオコンテンツを暗号化することに関する。
【0018】
本明細書で開示される例示的な技術は、(i)オーディオコンテンツを再生することができる1つ以上の再生デバイスの能力、(ii)オーディオコンテンツの同期再生のためにグループ化される再生デバイスの数、または(ii)1つ以上の再生デバイスが通信するように構成されるローカル無線エリアネットワークのネットワーク品質に基づいて、オーディオ体験を適応的に向上させることを含む。本明細書で開示される例示的な技術は、(i)再生デバイス特性、(ii)再生グループ特性、または(iii)ネットワーク特性のうちの1つ以上など、オーディオ再生に影響を及ぼし得る識別された特性に基づいて、オーディオコンテンツの第1のバージョンをオーディオコンテンツの1つ以上の更なるバージョンにトランスコードすることを更に含む。更に、本明細書に開示される例示的な技術は、ネットワークメディア再生システム内の再生デバイス間で配信されるオーディオコンテンツのための更なる暗号化層を実装することを含む。
【0019】
例えば、1つ以上の再生デバイスは、ローカルメディア再生ネットワーク内の所与のオーディオコンテンツの同期再生のためにグループ化されてもよい。再生デバイスのうちの所与の1つは、「グループコーディネータ」として機能してもよく、他の再生デバイスは、「グループメンバー」として機能してもよい。グループコーディネータは、再生デバイス特性、再生グループ特性、および/または、ネットワーク特性に関する1つ以上の特性を評価してもよい。評価に基づいて、グループコーディネータは、再生グループの第1の他の再生デバイスおよび第2の他の再生デバイスがそれぞれ異なるデバイス特性および/またはネットワーク特性を有すると決定してもよい。グループコーディネータは、再生グループの第1の他の再生デバイスおよび第2の他の再生デバイスのそれぞれに、それらのそれぞれの特性に基づいて所与のオーディオコンテンツの所与のバージョンを同期して再生させてもよい。いくつかの実装形態では、グループコーディネータは、音楽サービスから暗号化されたオーディオコンテンツを取得し、ライセンスサーバと通信してオーディオコンテンツを解読してもよい。次いで、グループコーディネータは、第2のローカル暗号化方式(例えば、ChaChaPoly、AES-128暗号化など)に従ってオーディオコンテンツを再暗号化し、再暗号化されたオーディオを、第1および第2の他の再生デバイスなどのグループメンバーへ、グループメンバーが再暗号化されたオーディオコンテンツを解読できるようにする安全に送信された鍵と共に、同期再生のために送信してもよい。
【0020】
したがって、一態様において、本明細書には、少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを備える第1再生デバイスが開示され、プログラム命令は、第1再生デバイスが、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンおよび第2のバージョンを識別し、(ii)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質および第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質を識別し、第2再生デバイスおよび第3再生デバイスが、オーディオコンテンツの再生のための第1再生デバイスとの同期グループのメンバーであり、(iii)第1の接続品質が閾値基準を満たすとともに第2の接続品質が閾値基準を満たさないと決定し、(iv)オーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンの一方を再生し、(v)第1の接続品質が閾値基準を満たすとともに第2の接続品質が閾値基準を満たさないという決定に基づいて、(1)第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生させ、(2)第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(vi)第3再生デバイスがオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生している間に、第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出し、(vii)第2の接続品質の検出された変化に基づいて、第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生へと移行させるべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である。
【0021】
別の態様では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が本明細書に開示される。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンおよび第2のバージョンを識別し、(ii)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質および第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質を識別し、第2再生デバイスおよび第3再生デバイスが、オーディオコンテンツの再生のための第1再生デバイスとの同期グループのメンバーであり、(iii)第1の接続品質が閾値基準を満たすとともに第2の接続品質が閾値基準を満たさないと決定し、(iv)オーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンの一方を再生し、(v)第1の接続品質が閾値基準を満たすとともに第2の接続品質が閾値基準を満たさないという決定に基づいて、(1)第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生させ、(2)第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(vi)第3再生デバイスがオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生している間に、第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出し、(vii)第2の接続品質の検出された変化に基づいて、第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生へと移行させるべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である。
【0022】
更なる他の態様において、本明細書には、第1再生デバイスによって実行される方法が開示され、方法は、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンおよび第2のバージョンを識別するステップと、(ii)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質および第3再生デバイスと前記ネットワークデバイスとの間の第2の接続品質を識別するステップであって、第2再生デバイスおよび第3再生デバイスが、オーディオコンテンツの再生のための第1再生デバイスとの同期グループのメンバーである、ステップと、(iii)第1の接続品質が閾値基準を満たし、第2の接続品質が少なくとも1つの閾値基準を満たさないと決定するステップと、(iv)オーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの1つを再生するステップと、(v)第1の接続品質が閾値基準を満たし、第2の接続品質が閾値基準を満たさないと決定することに基づいて、(1)第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生させ、(2)第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(vi)第3再生デバイスがオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生している間に、第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出し、(vii)第2の接続品質の検出された変化に基づいて、第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生へと移行させるステップとを含む。
【0023】
更なる他の態様において、本明細書には、少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを備える第1再生デバイスが開示され、プログラム命令は、第1再生デバイスが、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンおよび第2のバージョンを識別し、(ii)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続品質を識別し、第2再生デバイスが、オーディオコンテンツの再生のための第1再生デバイスとの同期グループのメンバーであり、(iii)接続品質が閾値基準を満たしていないと決定し、(iv)オーディオコンテンツの第1のバージョンを再生し、(v)接続品質が閾値基準を満たしていないという決定に基づいて、第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期して、オーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(vi)第2再生デバイスがオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生している間に、第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続の接続品質の変化を検出し、(vii)接続品質の検出された変化に基づいて、第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生へと移行させるべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である。
【0024】
更にまた、他の態様において、本明細書には、少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを含む第1再生デバイスが開示され、プログラム命令は、第1再生デバイスが、(i)第1再生デバイスと第2再生デバイスとを備える同期グループの一部として動作し、(ii)第1の符号化フォーマットに従って符号化されるオーディオコンテンツの第1のバージョンを取得し、(iii)オーディオコンテンツの第1のバージョンが第2再生デバイスによる再生に適していないと決定し、(iv)決定に基づいて、(1)オーディオコンテンツの第1のバージョンを復号し、(2)第2の符号化フォーマットに従ってオーディオコンテンツの第2のバージョンを再符号化し、(v)オーディオコンテンツの第2のバージョンを再生のために第2再生デバイスに送信し、(vi)第2再生デバイスにオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(vii)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である。
【0025】
更に、他の態様では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が本明細書に開示される。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)第1再生デバイスと第2再生デバイスとを備える同期グループの一部として動作し、(ii)第1の符号化フォーマットに従って符号化されるオーディオコンテンツの第1のバージョンを取得し、(iii)オーディオコンテンツの第1のバージョンが第2再生デバイスによる再生に適していないと決定し、(iv)決定に基づいて、(1)オーディオコンテンツの第1のバージョンを復号し、(2)第2の符号化フォーマットに従ってオーディオコンテンツの第2のバージョンを再符号化し、(v)オーディオコンテンツの第2のバージョンを再生のために第2再生デバイスに送信し、(vi)第2再生デバイスにオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(vii)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するようにするプログラム命令でプロビジョニングされる。
【0026】
更にまた、他の態様では、第1再生デバイスによって実行される方法が開示され、該方法は、(i)第1再生デバイスと第2再生デバイスとを備える同期グループの一部として動作するステップと、(ii)第1の符号化フォーマットに従って符号化されるオーディオコンテンツの第1のバージョンを取得するステップと、(iii)オーディオコンテンツの第1のバージョンが第2再生デバイスによる再生に適していないと決定するステップと、(iv)決定に基づいて、(1)オーディオコンテンツの第1のバージョンを復号し、(2)第2の符号化フォーマットに従ってオーディオコンテンツの第2のバージョンを再符号化するステップと、(v)オーディオコンテンツの第2のバージョンを再生のために第2再生デバイスに送信するステップと、(vi)第2再生デバイスにオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させるステップと、(vii)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するステップとを含む。
【0027】
更にまた、他の態様において、本明細書には、少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを備える第1再生デバイスが開示され、プログラム命令は、第1再生デバイスが、(i)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得された所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生し、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが、第1再生デバイスの第1の再生能力に対応し、(ii)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間に、第2再生デバイスがオーディオコンテンツの同期再生のための同期グループの一部として第1再生デバイスに参加するためのコマンドの表示を受信し、(iii)第2再生デバイスの第2の再生能力の決定に基づいて、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得し、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンが第2の再生能力に対応し、(iv)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行し、(v)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを同期して再生するように第2再生デバイスとコーディネート(協調)するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である。
【0028】
更に、他の態様では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が本明細書に開示される。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得された所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生し、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが、第1再生デバイスの第1の再生能力に対応し、(ii)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間に、第2再生デバイスがオーディオコンテンツの同期再生のための同期グループの一部として第1再生デバイスに参加するためのコマンドの表示を受信し、(iii)第2再生デバイスの第2の再生能力の決定に基づいて、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得し、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンが第2の再生能力に対応し、(iv)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行し、(v)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを同期して再生するように第2再生デバイスとコーディネートするようにするプログラム命令でプロビジョニングされる。
【0029】
更にまた、他の態様において、本明細書には、第1再生デバイスによって実行される方法が開示され、該方法は、(i)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得された所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するステップであって、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが、第1再生デバイスの第1の再生能力に対応する、ステップと、(ii)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間に、第2再生デバイスがオーディオコンテンツの同期再生のための同期グループの一部として第1再生デバイスに参加するためのコマンドの表示を受信するステップと、(iii)第2再生デバイスの第2の再生能力の決定に基づいて、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得するステップであって、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンが第2の再生能力に対応する、ステップと、(iv)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行するステップと、(v)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを同期して再生するように第2再生デバイスとコーディネートするステップとを含む。
【0030】
他の態様において、本明細書には、少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを備える第1再生デバイスが開示され、プログラム命令は、第1再生デバイスが、(i)クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツを取得し、オーディオコンテンツが、第1の暗号化方式にしたがって暗号化され、(ii)クラウドベースのライセンスサービスと通信して、オーディオコンテンツを解読するための情報を取得し、(iii)取得された情報を使用してオーディオコンテンツを解読し、(iv)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化し、(v)再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために第1再生デバイスとグループ化される少なくとも第2再生デバイスへ送信し、(vi)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの再生と同期してオーディオコンテンツを再生するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である。
【0031】
更に、他の態様において、本明細書には非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が開示され、該非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツを取得し、オーディオコンテンツが、第1の暗号化方式にしたがって暗号化され、(ii)クラウドベースのライセンスサービスと通信して、オーディオコンテンツを解読するための情報を取得し、(iii)取得された情報を使用してオーディオコンテンツを解読し、(iv)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化し、(v)再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために第1再生デバイスとグループ化される少なくとも第2再生デバイスへ送信し、(vi)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの再生と同期してオーディオコンテンツを再生するようにするプログラム命令でプロビジョニングされる。
【0032】
更にまた、他の態様において、本明細書には、第1再生デバイスによって実行される方法が開示され、該方法は、(i)クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツを取得するステップであって、オーディオコンテンツが、第1の暗号化方式にしたがって暗号化されるステップと、(ii)クラウドベースのライセンスサービスと通信して、オーディオコンテンツを解読するための情報を取得するステップと、(iii)取得された情報を使用してオーディオコンテンツを解読するステップと、(iv)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化するステップと、(v)再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために第1再生デバイスとグループ化される少なくとも第2再生デバイスへ送信するステップと、(vi)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの再生と同期してオーディオコンテンツを再生するステップとを含む。
【0033】
当業者であれば分かるように、本開示は多数の他の実施形態を含む。当業者であれば分かるように、本開示は多数の他の例を含む。本明細書に記載されるいくつかの例は、「ユーザ(user)」および/または他のエンティティのような所定のアクターによって実行される機能を指してもよいが、これは説明のためだけのものであることが理解されるべきである。特許請求の範囲は、特許請求の範囲自体の用語によって明示的に要求されない限り、そのような例示的なアクターによるアクションを要求するように解釈されるべきではない。
【0034】
本明細書に記載されるいくつかの例は、「ユーザ(user)」、「リスナー(listener)」、および/または他のエンティティのような所定のアクターによって実行される機能を参照してもよいが、これは説明のためだけのものであることが理解されるべきである。特許請求の範囲は、特許請求の範囲自体の用語によって明示的に要求されない限り、そのような例示的なアクターによるアクションを要求するように解釈されるべきではない。
【0035】
II.適切な動作環境
a.適切なメディア再生システム
図1Aおよび
図1Bは、本明細書に開示される1つ以上の実施形態が実装され得るメディア再生システム(「MPS」)100の例示的な構成を示す。最初に
図1Aを参照すると、環境101(例えば、家)に分布したMPS100の部分破断図が示されている。図示のMPS100は、複数の部屋および空間を有する例示的な家庭環境に関連付けられている。MPS100は、(個々に再生デバイス110a~oとして識別される)1つ以上の再生デバイス110と、(個々にNMD120a~cとして識別される)1つ以上のネットワークマイクロフォンデバイス(「NMD」)120と、(個々に制御デバイス130aおよび130bとして識別される)1つ以上の制御デバイス130とを備える。
【0036】
本明細書で使用されるように、「再生デバイス」という用語は、概して、メディア再生システムのデータを受信し、処理し、出力するように構成されたネットワークデバイスを指すことができる。例えば、再生デバイスは、オーディオコンテンツを受信し、処理するように構成されたネットワークデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、再生デバイスは、1つまたは複数のアンプによって給電される1つまたは複数のトランスデューサまたはスピーカを含む。しかしながら、他の実施形態では、再生デバイスは、スピーカおよびアンプのいずれか一方(またはどちらでもない)を含む。例えば、再生デバイスは、対応するワイヤまたはケーブルを介して再生デバイスの外部にある1つまたは複数のスピーカを駆動するように構成された1つまたは複数のアンプを含むことができる。
【0037】
さらに、本明細書で使用されるように、NMD(すなわち、「ネットワークマイクロフォンデバイス」)という用語は、概して、オーディオ検出のために構成されたネットワークデバイスを指すことができる。いくつかの実施形態では、NMDは、主にオーディオ検出のために構成されたスタンドアロンデバイスである。他の実施形態では、NMDは再生デバイスに組み込まれている(またはその逆である)。
【0038】
「制御デバイス」という用語は、概して、ユーザのアクセス、制御および/またはMPS100の構成を容易にするために関連する機能を実行するように構成されたネットワークデバイスを指すことができる。
【0039】
再生デバイス110の各々は、1つまたは複数のメディアソース(例えば、1つまたは複数のリモートサーバ、1つまたは複数のローカルデバイス)からオーディオ信号またはデータを受信し、受信したオーディオ信号またはデータを音として再生するように構成されている。1つまたは複数のNMD120は、スポークンワードコマンド(spoken word command)を受信するように構成され、1つまたは複数の制御デバイス130は、ユーザ入力を受信するように構成されている。受信されたスポークンワードコマンドおよび/またはユーザ入力に応答して、MPS100は、再生デバイス110の1つまたは複数を介してオーディオを再生することができる。特定の実施形態では、再生デバイス110は、トリガに応答してメディアコンテンツの再生を開始するように構成されている。例えば、再生デバイス110の1つまたは複数は、関連するトリガ条件(例えば、キッチン内のユーザの存在、コーヒーマシンの操作の検出)が検出されたときに、朝のプレイリストを再生するように構成され得る。いくつかの実施形態では、例えば、MPS100は、第2再生デバイス(例えば、再生デバイス110b)と同期して、第1再生デバイス(例えば、再生デバイス110a)からのオーディオを再生するように構成される。本開示の様々な実施形態に従って構成されるMPS100の再生デバイス110、NMD120、および/または制御デバイス130の間の相互作用は、
図1B~
図1Nに関して以下でより詳細に説明される。
【0040】
図1Aの例示された実施形態では、環境101は、(左上から時計回りに)マスターバスルーム101a、マスターベッドルーム101b、セカンドベッドルーム101c、ファミリールームまたはデン101d、オフィス101e、リビングルーム101f、ダイニングルーム101g、キッチン101h、および屋外パティオ101iを含む、複数の部屋、空間、および/または再生ゾーンを有する家庭で構成されている。特定の実施形態および例は、家庭環境の文脈で以下に記載されているが、本明細書に記載された技術は、他のタイプの環境で実施されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、MPS100は、1つまたは複数の商業的な設備(例えば、レストラン、モール、空港、ホテル、小売店または他の店舗)、1つまたは複数の車両(例えば、スポーツユーティリティ車両、バス、自動車、船、ボート、飛行機)、複数の環境(例えば、家庭環境と車両環境の組み合わせ)、および/またはマルチゾーンオーディオが望ましいかもしれない別の適切な環境で実施することができる。
【0041】
MPS100は、1つまたは複数の再生ゾーンを構成することができ、そのうちのいくつかは、環境101内の部屋に対応していてもよい。MPS100は、1つ以上の再生ゾーンで確立されていてもよく、その後、更なるゾーンが追加されてもよく、または削除されて、例えば
図1Aに示す構成を形成してもよい。各ゾーンは、オフィス101e、マスターバスルーム101a、マスターベッドルーム101b、セカンドベッドルーム101c、キッチン101h、ダイニングルーム101g、リビングルーム101f、および/またはパティオ101iのような、異なる部屋または空間に応じた名前を与えられてもよい。いくつかの態様では、単一の再生ゾーンは、複数の部屋またはスペースを含んでいてもよい。特定の態様において、単一の部屋または空間は、複数の再生ゾーンを含んでいてもよい。
【0042】
図1Aの例示された実施形態では、マスターバスルーム101a、セカンドベッドルーム101c、オフィス101e、リビングルーム101f、ダイニングルーム101g、キッチン101h、および屋外パティオ101iは、それぞれ1つの再生デバイス110を含み、マスターベッドルーム101bおよびデン101dは、複数の再生デバイス110を含む。マスターベッドルーム101bにおいて、再生デバイス110lおよび110mは、例えば、複数の再生デバイス110の個々のものとして、結合された再生ゾーンとして、統合再生デバイスとして、および/またはそれらの任意の組み合わせとして、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されていてもよい。同様に、デン101dにおいて、再生デバイス110h-jは、例えば、複数の再生デバイス110の個々のものとして、1つ以上の結合再生デバイスとして、および/または1つ以上の統合再生デバイスとして、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されてもよい。
【0043】
図1Bを参照すると、家庭環境は、1つ以上のスマート照明デバイス108(
図1B)、スマートサーモスタット140(
図1B)、およびローカルコンピューティングデバイス105(
図1A)などのローカルネットワークデバイスを含む、更なるおよび/または他のコンピューティングデバイスを含むことができる。ドアベル、カメラ、煙警報器、テレビ、ゲーム機、ガレージ扉開閉装置などのローカルネットワークデバイス(図示せず)の他の多数の例も可能である。以下に説明する実施形態では、様々な再生デバイス110のうちの1つ以上は、ポータブル再生デバイスとして構成されてもよく、他のものは、固定再生デバイスとして構成されてもよい。例えば、ヘッドフォン110o(
図1B)は、ポータブル再生デバイスであり、一方、ブックケース上の再生デバイス110eは、固定デバイスであってもよい。別の例として、パティオ101i上の再生デバイス110cは、バッテリ駆動デバイスであってもよく、バッテリ駆動デバイスは、バッテリ駆動デバイスが壁コンセントなどに差し込まれていないときに、環境101内および環境101外の様々な領域に搬送されることを可能にし得る。
【0044】
更に
図1Bを参照すると、MPS100の様々な再生デバイス、ネットワークマイクロフォンデバイス、およびコントローラデバイス、および/または他のネットワークデバイスは、ネットワークルータ109を含み得るローカルネットワーク160を介して、ポイントツーポイント接続を介して、および/または有線および/または無線であり得る他の接続を介して互いに結合され得る。例えば、「左」デバイスとして指定され得るデン101d(
図1A)内の再生デバイス110jは、同じくデン101d内にあり、「右」デバイスとして指定され得る再生デバイス110kとのポイントツーポイント接続を有し得る。関連する実施形態では、左再生デバイス110jは、ポイントツーポイント接続および/またはローカルネットワーク160を介した他の接続を介して、「フロント」デバイスとして指定され得る再生デバイス110hなどの他のネットワークデバイスと通信することができる。
【0045】
ローカルネットワーク160は、例えば、限られたエリア(例えば、住宅、オフィスビル、車、個人のワークスペースなど)内の1つ以上のデバイスを相互に接続するネットワークであってもよい。ローカルネットワーク160は、例えば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)(例えば、Wi-Fiネットワーク、Z-Waveネットワークなど)および/または1つ以上のパーソナルエリアネットワーク(PAN)(例えば、Bluetooothネットワーク、無線USBネットワーク、ZigBeeネットワーク、IRDAネットワーク、および/または他の適切な無線通信プロトコルネットワーク)および/または有線ネットワーク(例えば、イーサネット、ユニバーサルシリアルバス(USB)、および/または別の適切な有線通信を含むネットワーク)などの1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN)を含むことができる。当業者には理解されるように、本明細書で使用する場合、「Wi-Fi」は、例えば、2.4ギガヘルツ(GHz)、5GHz、6GHz、および/または別の適切な周波数で送信される、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11a、802.11b、802.11g、802.12、802.11ac、802.11ac、802.11ad、802.11af、802.11ah、802.11ai、802.11aj、802.11aq、802.11ax、802.11ay、802.15などを含むいくつかの異なる通信プロトコルを指すことができる。
【0046】
MPS100は、ローカルネットワーク160からメディアコンテンツを受信するように構成される。受信されたメディアコンテンツは、例えば、ユニフォーム・リソース・アイデンティファイヤ(URI)および/またはユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)を含むことができる。例えば、いくつかの例では、MPS100は、受信したメディアコンテンツに対応するURIまたはURLからデータをストリーミング、ダウンロード、または取得することができる。
【0047】
図1Bに更に示すように、MPS100は、広域ネットワーク(「WAN」)107を介して1つ以上のリモートコンピューティングデバイス106に結合することができる。いくつかの実施形態では、各リモートコンピューティングデバイス106は、1つ以上のクラウドサーバの形態をとることができる。リモートコンピューティングデバイス106は、様々な方法で環境101内のコンピューティングデバイスと対話するように構成することができる。例えば、リモートコンピューティングデバイス106は、環境101(
図1A)におけるオーディオなどのメディアコンテンツのストリーミングおよび/または再生の制御を容易にするように構成することができる。
【0048】
いくつかの実装形態では、様々な再生デバイス110、NMD120、および/または、制御デバイス130は、音声アシスタントサービス(「VAS」)に関連付けられた少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスおよび/またはメディア・コンテンツ・サービス(「MCS」)に関連付けられた少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信可能に結合されてもよい。例えば、
図1Bの図示の例では、リモートコンピューティングデバイス106aは、VAS190に関連付けられ、リモートコンピューティングデバイス106bは、MCS192に関連付けられる。明確にするために、単一のVAS190および単一のMCS192のみが
図1Bの例に示されているが、MPS100は、任意の数の異なるVASおよび/またはMCSに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、様々な再生デバイス110、NMD120、および/または制御デバイス130は、受信した音声入力に関連するデータを、(i)受信した音声入力データを処理し、(ii)対応するコマンドをMPS100に送信するように構成されたVASに送信してもよい。いくつかの態様では、例えば、コンピューティングデバイス106aは、VASの1つ以上のモジュールおよび/またはサーバを備えてもよい。いくつかの実装形態では、VASは、SONOS(登録商標)、AMAZON(登録商標)、グーグル(登録商標)APPLE(登録商標)、MICROSOFT(登録商標)、NUANCE(登録商標)、または他の音声アシスタントプロバイダのうちの1つ以上によって動作されてもよい。いくつかの実装形態では、MCSは、SPOTIFY、PANDORA、AMAZON MUSIC、YOUTUBE(登録商標) MUSIC、APPLE MUSIC、GOOGLE PLAYまたは他のメディア・コンテンツ・サービスのうちの1つ以上によって動作してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、ローカルネットワーク160は、MPS100が個々のデバイス間でメッセージを送信するために、および/またはMCSとの間でメディアコンテンツを送信するために使用する専用通信ネットワークを備える。特定の実施形態では、ローカルネットワーク160は、MPS100内のデバイスのみにアクセス可能であるように構成され、それによって他の家庭用デバイスとの干渉および競合を低減する。しかしながら、他の実施形態では、ローカルネットワーク160は、既存の家庭用通信ネットワーク(例えば、家庭用Wi-Fiネットワーク)を含む。いくつかの実施形態では、MPS100は、ローカルネットワーク160なしで実装され、MPS100を備える様々なデバイスは、例えば、1つ以上の直接接続、PAN、電気通信ネットワーク(例えば、LTEネットワークまたは5Gネットワークなど)、および/または他の適切な通信リンクを介して、互いに通信することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、オーディオコンテンツソースは、MPS100から定期的に追加または削除されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、MPS100は、1つまたは複数のメディアコンテンツソースがMPS100から更新され、追加され、および/または削除されたときに、メディアアイテムの索引付けを実行する。MPS100は、様々な再生デバイスにアクセス可能な一部またはすべてのフォルダおよび/またはディレクトリ内の識別可能なメディアアイテムをスキャンし、見つかった識別可能な各メディアアイテムについてメタデータ(例えば、タイトル、アーティスト、アルバム、トラックの長さ)および他の関連情報(例えば、URI、URL)を含むメディアコンテンツデータベースを生成または更新することができる。いくつかの実施形態では、例えば、メディアコンテンツデータベースは、様々な再生デバイス、ネットワークマイクロフォンデバイス、および/またはMPS100の制御デバイスのうちの1つまたは複数に格納される。
【0051】
図1Bに更に示すように、リモートコンピューティングデバイス106は、とりわけ、メディア再生機能の遠隔促進、デバイスおよびシステムステータス情報の管理、MPS100のデバイスと1つまたは複数のVASおよび/またはMCSとの間の通信の指示などの特定の動作を実行するように構成されたリモートコンピューティングデバイス106cを更に含む。一例では、リモートコンピューティングデバイス106cは、1つ以上のSONOS無線HiFiシステムのためのクラウドサーバを提供する。
【0052】
様々な実施態様において、再生デバイス110のうちの1つ以上は、ユーザからの音声発話を含むサウンドを検出するように構成された車載(例えば、統合)ネットワークマイクロフォンデバイスの形態をとるか、またはこれを含んでもよい。例えば、再生デバイス110c~110h、および110kは、それぞれ、対応するNMD120c~120h、および120kを含むか、または備えている。NMDを含む、または備える再生デバイスは、本明細書では、本明細書で別段の指示がない限り、再生デバイスまたはNMDと互換的に呼ばれ得る。場合によっては、NMD120のうちの1つ以上は、スタンドアロンデバイスであってもよい。例えば、NMD120l(
図1A)は、スタンドアロンデバイスであってもよい。スタンドアロンNMDは、スピーカまたは関連する電子機器などの再生デバイスに通常含まれるコンポーネントおよび/または機能を省略することができる。例えば、そのような場合、スタンドアロンのNMDは、オーディオ出力を生成しなくてもよく、または限定されたオーディオ出力(例えば、比較的低品質のオーディオ出力)を生成してもよい。
【0053】
MPS100の様々な再生およびネットワークマイクロフォンデバイス110および120はそれぞれ、固有の名前に関連付けられてもよく、固有の名前は、これらのデバイスのうちの1つ以上のセットアップ中などに、ユーザによってそれぞれのデバイスに割り当てられてもよい。例えば、
図1Bの図示の例に示されるように、ユーザは、再生デバイス110eが物理的にブックケースに位置しているため、再生デバイス110eに「ブックケース」という名前を割り当てることができる。同様に、NMD120lは、キッチン101h(
図1A)のアイランドのカウンタートップに物理的に位置しているため、「アイランド」という名前を割り当てることができる。いくつかの再生デバイスにはゾーンまたは部屋に応じた名前が割り当てられてもよく、例えば、再生デバイス110g、110d、および110fなどはそれぞれ「ベッドルーム」、「ダイニングルーム」、および「オフィス」と名付けられる。更に、特定の再生デバイスは、機能的に記述的な名称を有してもよい。例えば、再生デバイス110kおよび110hは、これらの2つのデバイスがデン101d(
図1A)のゾーンにおけるメディア再生中に特定のオーディオチャネルを提供するように構成されていることから、名称「右」および「フロント(前)」をそれぞれ割り当てられる。パティオ101i内の再生デバイス110cは、バッテリ駆動であり、および/または環境101の異なる領域に容易に移動可能であるため、「ポータブル」と命名されてもよい。他の命名規則も可能である。
【0054】
前述したように、NMDは、自身が再生するオーディオ出力、環境101内の他のデバイスによって再生されるオーディオ出力、および/またはNMDの近くにいる人が話す音声と混合された背景ノイズを含むサウンドを含む、その環境からのサウンドを検出および処理することができる。例えば、音が環境内のNMDによって検出されると、NMDは検出された音を処理して、音がNMD向けの音声入力、および最終的には特定のVASを含む発話を含むかどうかを決定することができる。例えば、NMDは、音声が特定のVASに関連するウェイクワード(本明細書では起動ワードとも呼ばれる)を含むかどうかを識別することができる。
【0055】
図1Bの図示の例では、NMD120は、ローカルネットワーク160および/またはルータ109を介してVAS190と対話するように構成される。VAS190との対話は、例えば、NMDが検出された音において潜在的ウェイクワードを識別したときに開始されてもよい。この識別により、起動ワードイベントが発生し、これにより、NMDは、検出音データのVAS190への送信を開始する。いくつかの実装形態では、MPS100の様々なローカルネットワークデバイス105、110、120、130(
図1A)および/またはリモートコンピューティングデバイス106cは、選択されたVASに関連するリモートコンピューティングデバイスと様々なフィードバック、情報、命令、および/または関連データを交換することができる。そのような交換は、音声入力を含む送信されたメッセージに関連しているか、または独立している場合がある。いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングデバイスおよびMPS100は、本明細書に記載の通信経路を介して、および/または、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2019年11月13日に発行された「Voice Control of a Media Playback System」と題する米国特許第10,499,146号に記載のメタデータ交換チャネルを使用して、データを交換することができる。
【0056】
音データのストリームを受信すると、VAS190は、NMDからのストリームデータに音声入力があるかどうかを決定することができ、そうである場合、VAS190はまた、音声入力の基礎となる意図を決定することができる。次に、VAS190は、ウェイクワードイベントを引き起こしたNMDに応答を直接送信することを含むことができる応答をMPS100に返信することができる。応答は、典型的には、決定されたVAS190が音声入力に存在したという意図に基づく。一例として、「ビートルズのHey Judeを再生して」という発話を伴う音声入力をVAS190が受信したことに応答して、VAS190は、音声入力の根底にある意図が再生を開始することであると決定し、更に、音声入力の意図が特定の曲「Hey Jude」を再生することであると決定してもよい。これらの決定の後、VAS190は、コンテンツ(すなわち、ビートルズによる「Hey Jude」という曲)を検索するためにコマンドを特定のMCS192に送信することができ、そのMCS192は、このコンテンツをNIPS100に直接またはVAS190を介して間接的に提供する(例えば、ストリーム)。いくつかの実施では、VAS190は、MPS100自体にMCS192からコンテンツを取り出させるコマンドをNIPS100へ送信し得る。
【0057】
特定の実施形態では、NMDは、互いに近接して位置する2つ以上のNMDによって検出された音声において音声入力が識別されたときに、互いの間のアービトレーションを容易にすることができる。例えば、環境101(
図1A)内のNMD搭載再生デバイス110eは、NMD搭載リビングルーム再生デバイス120bに比較的近接しており、両方のデバイス110eおよび120bは、少なくとも時々同じ音を検出することがある。そのような場合、これは、どのデバイスが最終的に検出音データをリモートVASに提供することに関与するかについてのアービトレーションを必要とし得る。NMD間のアービトレーションの例は、例えば、先に参照した米国特許第10,499,146号に見出すことができる。
【0058】
特定の実施形態では、NMDは、NMDを含まなくてもよい指定されたまたはデフォルトの再生デバイスに割り当てられるか、または関連付けられてもよい。例えば、キッチン101h(
図1A)内のアイランドNMD120lは、アイランドNMD120lに比較的近接しているダイニングルーム再生デバイス110dに割り当てられてもよい。実際には、NMDは、NMDから音声入力を受信してオーディオを再生することに応答して、割り当てられた再生デバイスにオーディオを再生するように指示してもよく、NMDは、ユーザが特定の曲、アルバム、プレイリストなどを再生するためのコマンドを発話したことに応答して、オーディオをVASに送信してもよい。NMDおよび再生デバイスを指定デバイスまたはデフォルトデバイスとして割り当てることに関する更なる詳細は、例えば、先に参照した米国特許第10,499,146号に見出すことができる。
【0059】
例示的なMPS100の様々なコンポーネント、および様々なコンポーネントがどのように対話してユーザにメディア体験を提供することができるかに関する更なる態様は、以下のセクションに見出すことができる。本明細書における議論は、一般に、例示的なMPS100を参照し得るが、本明細書に記載された技術は、とりわけ、前述した家庭環境内の用途に限定されない。例えば、本明細書に記載の技術は、再生デバイス110、ネットワークマイクロフォンデバイス120、および/または制御デバイス130のいずれかをより多くまたはより少なく含む他の家庭環境構成において有用であり得る。例えば、本明細書の技術は、単一の再生デバイス110および/または単一のNMD120を有する環境内で利用することができる。そのような場合のいくつかの例では、ローカルネットワーク160(
図1B)を排除することができ、単一の再生デバイス110および/または単一のNMD120は、リモートコンピューティングデバイス106a~cと直接通信することができる。いくつかの実施形態では、電気通信ネットワーク(例えば、LTEネットワーク、5Gネットワークなど)は、ローカルネットワーク160から独立した様々な再生デバイス110、ネットワークマイクロフォンデバイス120、および/または制御デバイス130と通信してもよい。
【0060】
b.適切な再生デバイス
図1Cは、入力/出力111を備える再生デバイス110aのブロック図である。入力/出力111は、アナログI/O111a(例えば、アナログ信号を伝送するように構成された1つまたは複数のワイヤ、ケーブル、および/または他の適切な通信リンク)および/またはデジタルI/O111b(例えば、デジタル信号を伝送するように構成された1つまたは複数のワイヤ、ケーブル、または他の適切な通信リンク)を含むことができる。いくつかの実施形態では、アナログI/O111aは、例えば、自動検出3.5mmオーディオラインイン接続を構成するオーディオラインイン入力接続である。いくつかの実施形態では、デジタルI/O111bは、Sony/Philips Digital Interface Format(S/PDIF)通信インタフェース、および/またはケーブル、および/または東芝リンク(TOSLINK)ケーブルを備える。いくつかの実施形態では、デジタルI/O111bは、High-Definition Multimedia Interface(HDMI(登録商標))インタフェースおよび/またはケーブルを備える。いくつかの実施形態では、デジタルI/O111bは、例えば、無線周波数(RF)、赤外線、Wi-Fi、Bluetoooth、または他の適切な通信プロトコルを備える1つ以上の無線通信リンクを含む。特定の実施形態では、アナログI/O111aおよびデジタルI/O111bは、必ずしもケーブルを含まなくてもよく、アナログ信号およびデジタル信号を伝送するケーブルのコネクタのそれぞれを受け入れるように構成されたインタフェース(例えば、ポート、プラグ、ジャック)を含む。
【0061】
再生デバイス110aは、例えば、入力/出力111(例えば、ケーブル、ワイヤ、PAN、Bluetooth接続、アドホック有線または無線通信ネットワーク、および/または別の適切な通信リンク)を介して、ローカルオーディオソース150からメディアコンテンツ(例えば、音楽および/または他の音を含むオーディオコンテンツ)を受信することができる。ローカルオーディオソース150は、例えば、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ)または別の適切なオーディオコンポーネント(例えば、テレビ、デスクトップコンピュータ、増幅器、フォノグラフ、DVDプレーヤ、Blu-ray(登録商標)プレーヤ、ゲームコンソール、デジタルメディアファイルを記憶するメモリ)を含むことができる。いくつかの態様において、ローカルオーディオソース150は、スマートフォン、コンピュータ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、および/またはメディアファイルを格納するように構成された別の適切なデバイス上のローカルミュージックライブラリを含む。特定の実施形態では、再生デバイス110、NMD120、および/または制御デバイス130のうちの1つまたは複数が、ローカルオーディオソース150を備える。しかし、他の実施形態では、メディア再生システムは、ローカルオーディオソース150を完全に省略する。いくつかの実施形態では、再生デバイス110aは、入力/出力111を含まず、ローカルネットワーク160を介してすべてのオーディオコンテンツを受信する。
【0062】
再生デバイス110aは、電子機器112と、ユーザインタフェース113(例えば、1つまたは複数のボタン、ノブ、ダイヤル、タッチセンシティブ面、ディスプレイ、タッチスクリーン)と、1つまたは複数のトランスデューサ114、(以下、「トランスデューサ114」と称する)(例えば、ドライバ)と、をさらに備える。電子機器112は、入力/出力111、ローカルネットワーク160を介した1つ以上のコンピューティングデバイス106a~106c(
図1B)を介して、オーディオソース(例えば、ローカルオーディオソース150)からオーディオを受信し、受信したオーディオを増幅し、増幅されたオーディオを1つ以上のトランスデューサ114を介して再生のために出力するように構成されている。いくつかの実施形態では、再生デバイス110aは、オプションとして、1つ以上のマイクロフォン(例えば、単一のマイクロフォン、複数のマイクロフォン、マイクロフォンアレイ)(以下、「マイクロフォン」と称する)を含む。特定の実施形態では、例えば、任意選択のマイクロフォンのうちの1つ以上を有する再生デバイス110aは、ユーザから音声入力を受信し、受信した音声入力に基づいてそれに対応して1つ以上の動作を実行するように構成されたNMDとして動作することができ、これについては、
図1Fおよび
図1Gに関連して以下で更に詳細に説明する。
【0063】
図1Cの例示された実施形態では、電子機器112は、1つ以上のプロセッサ112a(以下、「プロセッサ112a」と称する)、メモリ112b、ソフトウェアコンポーネント112c、ネットワークインタフェース112d、1つ以上のオーディオ処理コンポーネント112g、1つ以上のオーディオアンプ112h(以下、「アンプ112h」と称する)、および電源コンポーネント112i(例えば、1つ以上の電源、電源ケーブル、電源コンセント、バッテリ、誘導コイル、Power-over Ethernet(POE)インタフェース、および/または他の適切な電力源)を備える。
【0064】
いくつかの実施形態では、電子機器112は、任意に、1つまたは複数の他のコンポーネント112j(例えば、1つまたは複数のセンサ、ビデオディスプレイ、タッチスクリーン、バッテリ充電ベース)を含む。いくつかの実施形態では、再生デバイス110aおよび電子機器112は、1つ以上のマイクロフォンと動作可能に接続された1つ以上の音声処理コンポーネント、および
図1Fおよび
図1Gを参照して以下で説明される他のコンポーネントを更に含んでもよい。
【0065】
プロセッサ112aは、データを処理するように構成されたクロック駆動型コンピューティングコンポーネントを備えることができ、メモリ112bは、様々な動作および/または機能を実行するための命令を記憶するように構成されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、有形の、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、ソフトウェアコンポーネント112cの1つまたは複数がロードされたデータストレージ)を含むことができる。プロセッサ112aは、1つまたは複数の動作を実行するために、メモリ112bに格納された命令を実行するように構成されている。動作は、例えば、再生デバイス110aに、オーディオソース(例えば、コンピューティングデバイス106a~106c(
図1B)の1つ以上)、および/または再生デバイス110の別の1つからオーディオデータを検索させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、動作は、再生デバイス110aを、再生デバイス110aの別の1つ、および/または別のデバイス(例えば、NMD120の1つ)にオーディオデータを送信させることをさらに含む。特定の実施形態では、再生デバイス110aが、マルチチャンネルオーディオ環境(例えば、ステレオペア、結合ゾーン)を可能にするために、再生デバイス110aに1つまたは複数の再生デバイス110の別のデバイスとペアリングさせる動作をさらに含む。
【0066】
プロセッサ112aは、再生デバイス110aがオーディオコンテンツの再生を1つまたは複数の再生デバイス110の別のものと同期させる動作を実行するようにさらに構成することができる。当業者であれば理解するであろうが、複数の再生デバイスにおけるオーディオコンテンツの同期再生中、リスナーは、好ましくは、再生デバイス110aによるオーディオコンテンツの再生と、1つまたは複数の他の再生デバイス110によるオーディオコンテンツの再生との間の時間遅延差を知覚することができないであろう。再生デバイスおよび/またはゾーン間のオーディオ再生同期に関する更なる詳細は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「System and method fwor synchronizing operations among a plurality of independently clocked digital data processing devices(複数の独立してクロック制御されるデジタルデータ処理デバイス間で動作を同期させるためのシステムおよび方法)」と題する米国特許第8,234,395号明細書に見出すことができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、メモリ112bは、再生デバイス110aがメンバーである1つまたは複数のゾーンおよび/またはゾーングループ、再生デバイス110aにアクセス可能なオーディオソース、および/または再生デバイス110a(および/または1つ複数の再生デバイスの別のもの)が関連付けられる再生キューなど、再生デバイス110aに関連付けられたデータを格納するようにさらに構成される。格納されたデータは、定期的に更新され、再生デバイス110aの状態を記述するために使用される1つまたは複数の状態変数を含むことができる。メモリ112bはまた、MPS100の1つまたは複数の他のデバイス(例えば、再生デバイス110、NMD120、制御デバイス130)の状態に関連付けられたデータを含むことができる。いくつかの態様では、例えば、状態データは、MPS100のデバイスの少なくとも一部の間で所定の時間間隔(例えば、5秒ごと、10秒ごと、60秒ごと)で共有され、1つまたは複数のデバイスがMPS100に関連付けられた最新のデータを有するようになっている。
【0068】
ネットワークインタフェース112dは、再生デバイス110aと、データネットワーク上の1つまたは複数の他のデバイスとの間のデータ伝送を容易にするように構成されている。ネットワークインタフェース112dは、メディアコンテンツ(例えば、オーディオコンテンツ、ビデオコンテンツ、テキスト、写真)およびインターネットプロトコル(IP)ベースのソースアドレスおよび/またはIPベースのデスティネーションアドレス有するデジタルパケットデータを含む他の信号(例えば、非一時的な信号)に対応するデータを送受信するように構成されている。ネットワークインタフェース112dは、電子機器112が再生デバイス110aに向けられたデータを適切に受信して処理するように、デジタルパケットデータを解析することができる。
【0069】
図1Cの例示された実施形態では、ネットワークインタフェース112dは、1つ以上の無線インタフェース112e(以下、「無線インタフェース112e」と称する)を備える。無線インタフェース112e(例えば、1つ以上のアンテナを備える適当なインタフェース)は、適切な無線通信プロトコル(例えば、Wi-Fi、Bluetoooth、LTE)に従って、ローカルネットワーク160(
図1B)に通信可能に結合されている1つ以上の他のデバイス(例えば、他の再生デバイス110、NMD120、および/または制御デバイス130のうちの1つ以上)と無線通信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース112dは、任意に、適切な有線通信プロトコルに従って他のデバイスと有線接続で通信するように構成された有線インタフェース112f(例えば、イーサネット(登録商標)、USB-A、USB-C、および/またはサンダーボルトケーブルなどのネットワークケーブルを受信するように構成されたインタフェースまたはレセプタクル)を含む。特定の実施形態では、ネットワークインタフェース112dは、有線インタフェース112fを含み、無線インタフェース112eを除く。いくつかの実施形態では、電子機器112は、ネットワークインタフェース112dを完全に除外し、別の通信経路(例えば、入力/出力111)を介して、メディアコンテンツおよび/または他のデータを送受信する。
【0070】
オーディオ処理コンポーネント112gは、電子機器112によって受信されたメディアコンテンツを含むデータを処理および/またはフィルタリングして(例えば、入力/出力111および/またはネットワークインタフェース112dを介して)、出力オーディオ信号を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、オーディオ処理コンポーネント112gは、例えば、1つまたは複数のデジタル/アナログ変換器(DAC)、オーディオ前処理コンポーネント、オーディオエンハンスメントコンポーネント、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または他の適切なオーディオ処理コンポーネント、モジュール、回路などを含む。特定の実施形態では、オーディオ処理コンポーネント112gの1つまたは複数は、プロセッサ112aの1つまたは複数のサブコンポーネントを含むことができる。いくつかの実施形態では、電子機器112は、オーディオ処理コンポーネント112gを省略する。いくつかの態様では、例えば、プロセッサ112aは、出力オーディオ信号を生成するためのオーディオ処理動作を実行するために、メモリ112bに格納された命令を実行する。
【0071】
アンプ112hは、オーディオ処理コンポーネント112gおよび/またはプロセッサ112aによって生成されたオーディオ出力信号を受信して増幅するように構成されている。アンプ112hは、1つまたは複数のトランスデューサ114を駆動するのに十分なレベルまでオーディオ信号を増幅するように構成された電子デバイスおよび/またはコンポーネントを含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、アンプ112hは、1つまたは複数のスイッチングまたはD級パワーアンプを含む。しかしながら、他の実施形態では、アンプは、1つまたは複数の他のタイプのパワーアンプ(例えば、リニアゲインパワーアンプ、A級アンプ、B級アンプ、AB級アンプ、C級アンプ、D級アンプ、E級アンプ、F級アンプ、G級アンプおよび/またはH級アンプ、および/または別の適切なタイプのパワーアンプ)を含む。特定の実施形態では、アンプ112hは、前述のタイプのパワーアンプのうちの2つ以上の適切な組み合わせを含む。さらに、いくつかの実施形態では、個々のアンプ112hは、個々のトランスデューサ114に対応する。しかしながら、他の実施形態では、電子機器112は、増幅されたオーディオ信号を複数のトランスデューサ114に出力するように構成された単一のアンプ112hを含む。いくつかの他の実施形態では、電子機器112は、アンプ112hを省略する。
【0072】
いくつかの実装形態では、再生デバイス110aの電源コンポーネント112iは、外部電源への物理的接続なしに再生デバイス110aに電力を供給するように構成された内部電源(例えば、1つ以上のバッテリ)を更に含むことができる。内部電源を備える場合、再生デバイス110aは、外部電源から独立して動作してもよい。いくつかのそのような実装形態では、外部電源インタフェースは、内部電源の充電を容易にするように構成されてもよい。前述したように、内部電源を備える再生デバイスは、本明細書では「ポータブル再生デバイス」と呼ばれることがある。一方、外部電源を使用して動作する再生デバイスは、本明細書では「固定再生デバイス」と呼ばれることがあるが、そのようなデバイスは実際には家庭または他の環境の周りを移動することができる。
【0073】
ユーザインタフェース113は、制御デバイス130(
図1A)のうちの1つ以上によって促進されるユーザ対話とは無関係に、またはそれと併せてユーザ対話を促進することができる。様々な実施形態では、ユーザインタフェース113は、ユーザが入力を直接提供するために、とりわけ、タッチセンシティブスクリーンおよび/または表面上に提供される1つ以上の物理ボタンを含み、および/またはグラフィカルインタフェースをサポートする。ユーザインタフェース113は、視覚および/またはオーディオフィードバックをユーザに提供するために、1つ以上のライトコンポーネント(例えば、LED)およびスピーカを更に含んでもよい。
【0074】
トランスデューサ114(例えば、1つまたは複数のスピーカおよび/またはスピーカドライバ)は、アンプ112hから増幅されたオーディオ信号を受信し、増幅されたオーディオ信号をサウンド(例えば、約20ヘルツ(Hz)と約20キロヘルツ(kHz)の間の周波数を有する可聴音波)としてレンダリングまたは出力する。いくつかの実施形態では、トランスデューサ114は、単一のトランスデューサを備えることができる。しかしながら、他の実施形態では、トランスデューサ114は、複数のオーディオトランスデューサを備える。いくつかの実施形態では、トランスデューサ114は、2つ以上のタイプのトランスデューサを備える。例えば、トランスデューサ114は、1つまたは複数の低周波トランスデューサ(例えば、サブウーファ、ウーファ)、中周波トランスデューサ(例えば、ミッドレンジトランスデューサ、ミッドウーファ)、および1つまたは複数の高周波トランスデューサ(例えば、1つまたは複数のツイータ)を含むことができる。本明細書で使用されるように、「低周波」は、概して約500Hz未満の可聴周波数を指すことができ、「中周波」は、概して約500Hzと約2kHzとの間の可聴周波数を指すことができ、「高周波」は、概して約2kHzを超える可聴周波数を指すことができる。しかしながら、特定の実施形態では、トランスデューサ114の1つまたは複数は、前述の周波数範囲に準拠しないトランスデューサを備える。例えば、トランスデューサ114の1つは、約200Hzから約5kHzの間の周波数でサウンドを出力するように構成されたミッドウーファトランスデューサを備えていてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、再生デバイス110aは、再生デバイスを外部スピーカに接続するためのスピーカインタフェースを含んでもよい。他の実施形態では、再生デバイス110aは、再生デバイスを外部オーディオアンプまたはオーディオビジュアルレシーバに接続するためのオーディオインタフェースを含んでもよい。
【0076】
例示として、SONOS,Inc.は、現在、例えば、「SONOS ONE」、「PLAY:1」、「PLAY:3」、「PLAY:5」、「PLAYBAR」、「PLAYBASE」、「CONNECT:AMP」、「CONNECT」、「SUB」、「ARC」、「MOVE」、および「ROAM」を含む特定の再生デバイスを販売用に提供している(または提供してきた)。これに加えてまたは代えて、本明細書に開示される例示的な実施形態の再生デバイスを実装するために、他の適切な再生デバイスが使用されてもよい。更に、当業者であれば分かるように、再生デバイスは、本明細書に記載の例またはSONOS製品提供物に限定されない。いくつかの実施形態では、例えば、再生デバイス110のうちの1つ以上は、パーソナル・モバイル・メディア再生デバイス用のドッキングステーションと対話するように構成されたドッキングステーションおよび/またはインタフェースを備えてもよい。特定の実施形態では、再生デバイスは、テレビ、照明器具、または屋内もしくは屋外で使用するための他の何らかのデバイスなどの別のデバイスまたはコンポーネントと一体であってもよい。いくつかの実施形態では、再生デバイスは、ユーザインタフェースおよび/または1つ以上のトランスデューサを省略することができる。例えば、
図1Dは、ユーザインタフェース113またはトランスデューサ114を有さない入力/出力111および電子機器112を備える再生デバイス110pのブロック図である。
【0077】
図1Eは、再生デバイス110i(例えば、サブウーファ)(
図1A)と音響的に結合した再生デバイス110a(
図1C)を備える結合再生デバイス110qのブロック図である。図示された実施形態では、再生デバイス110aおよび110iは、別個のエンクロージャに収容された再生デバイス110の別個のものである。しかし、いくつかの実施形態では、結合再生デバイス110qは、再生デバイス110aおよび110iの両方を収容する単一のエンクロージャを備える。結合再生デバイス110qは、結合されていない再生デバイス(例えば、
図1Cの再生デバイス110a)および/またはペアリングされたまたは結合された再生デバイス(例えば、
図1Bの再生デバイス110lおよび110m)とは異なって音を処理し、再生するように構成することができる。いくつかの実施形態では、例えば、再生デバイス110aは、低周波、中周波、および高周波のオーディオコンテンツをレンダリングするように構成されたフルレンジ再生デバイスであり、再生デバイス110iは、低周波のオーディオコンテンツをレンダリングするように構成されたサブウーファである。いくつかの態様では、再生デバイス110aは、第1再生デバイスと結合したときに、特定のオーディオコンテンツの中周波成分および高周波数成分のみをレンダリングするように構成され、再生デバイス110iは、特定のオーディオコンテンツの低周波成分をレンダリングするように構成されている。いくつかの実施形態では、結合再生デバイス110qは、追加の再生デバイスおよび/または別の結合再生デバイスを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、再生デバイス110のうちの1つ以上は、有線および/または無線ヘッドフォンデバイス(例えば、オーバーイヤー型ヘッドフォン、オンイヤー型ヘッドフォン、インイヤー型イヤホンなど)の形態をとってもよい。例えば、
図2は、再生デバイス110のうちの1つのそのような実装のための例示的なヘッドセットアセンブリ200(「ヘッドセット200」)を示す。図示のように、ヘッドセット200は、第1のイヤカップ204aを第2のイヤカップ204bに結合するヘッドバンド202を含む。イヤカップ204aおよび204bのそれぞれは、再生デバイス110内の電子コンポーネントの任意の部分、例えば、1つ以上のスピーカを収容してもよい。更に、イヤカップ204aおよび204bのうちの一方または両方は、オーディオ再生、音量レベル、および他の機能を制御するためのユーザインタフェースを含むことができる。ユーザインタフェースは、物理的ボタン208、スライダ(図示せず)、ノブ(図示せず)、および/またはタッチ制御面(図示せず)などの様々な制御要素のいずれかを含むことができる。
図2に示すように、ヘッドセット200は、イヤカップ204aおよび204bにそれぞれ結合されたイヤクッション206aおよび206bを更に含んでもよい。イヤクッション206aおよび206bは、ユーザの快適性を改善し、および/または周囲からの音響的隔離(例えば、パッシブノイズ低減(PNR))を提供するために、ユーザの頭部とイヤカップ204aおよび204bとの間にそれぞれソフトバリアを提供し得る。
【0079】
以下により詳細に説明するように、再生デバイスの電子コンポーネントは、1つ以上の通信リンクを介した無線通信を容易にするための1つ以上のネットワークインタフェースコンポーネント(
図2には図示せず)を含むことができる。例えば、再生デバイスは、第1の通信リンク201a(例えば、Bluetooothリンク)を介して制御デバイス130aなどの制御デバイス130のうちの1つと通信してもよく、および/または第2の通信リンク201b(例えば、Wi-Fiまたはセルラーリンク)を介して1つ以上の他のコンピューティングデバイス210(例えば、ネットワークルータおよび/またはリモートサーバ)と通信してもよい。他の可能性として、再生デバイスは、制御デバイス130aとの第1の通信リンク201aおよび制御デバイス130aと1つ以上の他のコンピューティングデバイス210との間の第3の通信リンク201c(例えば、Wi-Fiまたはセルラーリンク)などの複数の通信リンクを介して通信してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、制御デバイス130aは、再生デバイスと1つ以上の他のコンピューティングデバイス210との間の媒介として機能することができる。
【0080】
場合によっては、ヘッドフォンデバイスは、ヒアラブルデバイスの形態をとってもよい。ヒアラブルデバイスは、メディアコンテンツの再生(例えば、PANを介してユーザデバイスからメディアコンテンツをストリーミングすること、WLANおよび/またはセルラーネットワーク接続を介してストリーミング音楽サービスプロバイダからメディアコンテンツをストリーミングすることなど)もサポートしながら、聴覚強化機能を提供するように構成されたヘッドフォンデバイス(イヤレベルデバイスを含む)を含んでもよい。場合によっては、ヒアラブルデバイスは、外部環境(例えば、すべての音、人間の声などの選択音など)から検出された少なくともいくつかの音の増幅バージョンを再生するように構成されたインイヤーヘッドフォンデバイスとして実装されてもよい
【0081】
再生デバイス110のうちの1つ以上は、ヘッドフォンデバイスとは別個の個別の他のウェアラブルデバイスの形態をとってもよいことが理解されるべきである。ウェアラブルデバイスは、ユーザの一部(例えば、頭部、首、胴体、腕、手首、指、脚、足首など)の周りに着用されるように構成されたデバイスを含むことができる。例えば、再生デバイス110は、フレームフロント(例えば、1つ以上のレンズを保持するように構成される)と、フレームフロントに回転可能に結合された第1のテンプルと、フレームフロントに回転可能に結合された第2のテンプルとを含む一対の眼鏡の形態をとってもよい。この例では、眼鏡は、第1のテンプルおよび第2のテンプルの少なくとも一方に統合され、対象の耳に向かって音を投射するように構成された1つ以上のトランスデューサを備えてもよい。
【0082】
c.適切なネットワークマイクロフォンデバイス(NMD)
図1Fは、NMD120a(
図1Aおよび
図1B)のブロック図である。NMD120aは、1つ以上の音声処理コンポーネント124と、プロセッサ112a、メモリ112b、およびマイクロフォン115を含む再生デバイス110a(
図1C)に関して説明した複数のコンポーネントと、を含む。NMD120aは、任意選択的に、ユーザインタフェース113および/またはトランスデューサ114などの再生デバイス110a(
図1C)にも含まれる他のコンポーネントを備える。いくつかの実施形態では、NMD120aは、メディア再生デバイス(例えば、再生デバイス110の1つ以上)として構成され、例えば、オーディオ処理コンポーネント112g(
図1C)、トランスデューサ114、および/または他の再生デバイスコンポーネントの1つ以上を更に含む。特定の実施形態では、NMD120aは、例えば、サーモスタット、アラームパネル、火災検知器および/または煙検知器などのモノのインターネット(IoT)デバイスを備える。いくつかの実施形態では、NMD120aは、マイクロフォン115、音声処理コンポーネント124、および
図1Cに関して前述した電子機器112のコンポーネントの一部のみを備える。いくつかの態様では、例えば、NMD120aは、電子機器112の1つ以上の他のコンポーネントを省略しながら、プロセッサ112aおよびメモリ112b(
図1C)を含む。いくつかの実施形態では、NMD120aは、追加のコンポーネント(例えば、1つまたは複数のセンサ、カメラ、温度計、気圧計、湿度計)を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、NMDを再生デバイスに統合することができる。
図1Gは、NMD120dを備える再生デバイス110rのブロック図である。再生デバイス110rは、再生デバイス110aのコンポーネントのいずれかまたはすべてを備えることができ、マイクロフォン115および音声処理コンポーネント124(
図1F)を更に含むことができる。マイクロフォン115は、再生デバイス110rの環境内の音(すなわち、音波)を検出するように構成され、この音は音声処理コンポーネント124に提供され得る。より具体的には、各マイクロフォン115は、音声を検出し、検出された音声を表すデジタルまたはアナログ信号に音声を変換するように構成され、これにより、以下でより詳細に説明するように、検出された音声に基づいて音声処理コンポーネントに様々な機能を実行させることができる。いくつかの実装形態では、マイクロフォン115は、マイクロフォンのアレイ(例えば、6つのマイクロフォンのアレイ)として配置されてもよい。いくつかの実装形態では、再生デバイス110rは、6つ未満のマイクロフォンまたは6つを超えるマイクロフォンを含んでもよい。再生デバイス110rは、統合制御デバイス130cを有していてもよい。制御デバイス130cは、例えば、別個の制御デバイスなしでユーザ入力(例えば、タッチ入力、音声入力)を受信するように構成されたユーザインタフェースを含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、再生デバイス110rは、別の制御デバイス(例えば、
図1Bの制御デバイス130a)からコマンドを受信する。
【0084】
動作中、音声処理コンポーネント124は、一般に、マイクロフォン115を介して受信された音を検出および処理し、検出された音における潜在的な音声入力を識別し、検出された音データを抽出して、VAS190(
図1B)などのVASが検出された音データにおいて識別された音声入力を処理できるようにするべく構成される。音声処理コンポーネント124は、他の例示的な音声処理コンポーネントの中でも、1つ以上のアナログデジタル変換器、音響エコーキャンセラ(「AEC」)、空間プロセッサ(例えば、1つ以上のマルチチャネルウィーナフィルタ、1つ以上の他のフィルタ、および/または1つ以上のビームフォーマコンポーネント)、1つ以上のバッファ(例えば、1つ以上の循環バッファ)、1つ以上の起動ワードエンジン、1つ以上の音声抽出器、および/または、1つ以上の音声処理コンポーネント(例えば、家庭に関連付けられた特定のユーザまたはユーザの特定のセットの音声を認識するように構成されたコンポーネント)を含んでもよい。例示的な実施態様では、音声処理コンポーネント124は、1つ以上のDSPまたはDSPの1つ以上のモジュールを含むか、そうでなければその形態をとることができる。この点において、特定の音声処理コンポーネント124は、特定の機能を達成するように修正または調整され得る特定のパラメータ(例えば、利得および/またはスペクトルパラメータ)を用いて構成され得る。いくつかの実装形態では、音声処理コンポーネント124のうちの1つ以上は、プロセッサ112aのサブコンポーネントであってもよい。
【0085】
いくつかの実装形態では、音声処理コンポーネント124は、MPS100のユーザアカウントに関連付けられ得るユーザの音声プロファイルを検出し、記憶することができる。例えば、音声プロファイルは、コマンド情報またはデータテーブルのセットに格納された変数として格納され、および/またはそれらと比較されてもよい。音声プロファイルは、先に参照した米国特許第10,499,146号に記載されているような、ユーザの音声の周波数のトーンの態様および/またはユーザの音声の他の固有の態様を含むことができる。
【0086】
図1Fを再び参照すると、マイクロフォン115は、環境(例えば、
図1Aの環境101)および/またはNMD120aが配置されている部屋から音を取得し、捕捉し、および/または受信するように構成されている。受信したサウンドは、例えば、発声、NMD120aおよび/または別の再生デバイスによるオーディオ再生、背景音、環境音等を含むことができる。マイクロフォン115は、受信したサウンドを電気信号に変換してマイクロフォンデータを生成する。NMD120aは、MPS100内の1つ以上の再生デバイス110のオーディオ特性を較正するために、マイクロフォンデータを使用する(または、マイクロフォンデータを別のデバイスに送信する)ことができる。別の例として、MPS100の再生デバイス110、NMD120、および/または制御デバイス130のうちの1つ以上は、他のデバイスのマイクロフォン115によって検出可能であってもよく、かつ送信デバイスの近接性および/またはアイデンティティ、メディア再生システムコマンドなどの情報を伝達してもよいオーディオトーン(例えば、超音波トーン、超音波下トーン)を送信してもよい。更に別の例として、音声処理コンポーネント124は、マイクロフォンデータを受信して解析し、マイクロフォンデータに音声入力が存在するかどうかを判定してもよい。音声入力は、例えば、ユーザ要求を含む発声に続く起動ワード(activation word)を含むことができる。当業者であれば理解できるように、起動ワードは、ユーザの音声入力を意味する単語または他の音声キューである。例えば、AMAZON(登録商標)VASに問い合わせをする際に、ユーザは「アレクサ(Alexa)」という起動ワードを話す場合がある。他の例としては、GOOGLE(登録商標)VASを呼び出すための「オーケー、グーグル(OK,Google)」や、APPLE(登録商標)VASを呼び出すための「ヘイ、シリ(Hey,Siri)」などがある。
【0087】
起動ワードを検出した後、音声処理コンポーネント124は、音声入力に付随するユーザ要求のためにマイクロフォンデータをモニタする。ユーザ要求は、例えば、サーモスタット(例えば、NEST(登録商標)サーモスタット)、照明装置(例えば、PHILIPS HUE(登録商標)照明装置)、またはメディア再生デバイス(例えば、Sonos(登録商標)再生デバイス)などのサードパーティデバイスを制御するためのコマンドを含んでもよい。例えば、ユーザは、家庭(例えば、
図1Aの環境101)内の温度を設定するために、「アレクサ(Alexa)」という起動ワードを話し、続いて「サーモスタットを68度に設定して」と話してもよい。ユーザは、家庭のリビングルーム領域の照明装置をオンにするために、同じ起動ワードを話し、続いて「リビングルームをオンにして」と話してもよい。ユーザは、同様に、起動ワードを話し、続いて特定の曲、アルバム、または音楽のプレイリストを家庭内の再生デバイスで再生するための要求を話してもよい。
【0088】
d.適切な制御デバイス
図1Hは、制御デバイス130a(
図1Aおよび
図1B)の一例の部分的な概略図である。本明細書で使用されるように、「制御デバイス」という用語は、「コントローラ」、「コントローラデバイス」または「制御システム」と互換的に使用することができる。他の特徴の中で、制御デバイス130aは、MPS100に関連するユーザ入力を受信し、それに応答して、MPS100内の1つ以上のデバイスに、ユーザ入力に対応する作用または動作を実行させるように構成されている。図示された実施形態では、制御デバイス130aは、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアがインストールされているスマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Androidフォン)を備える。いくつかの実施形態では、制御デバイス130aは、例えば、タブレット(例えば、iPad(登録商標))、コンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ)、および/または他の適切なデバイス(例えば、テレビ、自動車オーディオヘッドユニット、IoTデバイス)を備える。特定の実施形態では、制御デバイス130aは、MPS100のための専用コントローラを備える。他の実施形態では、
図1Gに関して前述したように、制御デバイス130aは、MPS100内の別のデバイス(例えば、再生デバイス110、NMD120、および/またはネットワークを介して通信するように構成された他の適切なデバイスのうちの1つ以上)に組み込まれる。
【0089】
制御デバイス130aは、電子機器132と、ユーザインタフェース133と、1つまたは複数のスピーカ134と、1つまたは複数のマイクロフォン135と、を含む。電子機器132は、1つ以上のプロセッサ132a(以下、「プロセッサ132a」と称する)と、メモリ132bと、ソフトウェアコンポーネント132cと、ネットワークインタフェース132dと、を備える。プロセッサ132aは、ユーザによるMPS100へのアクセス、制御、および構成を容易にすることに関連する機能を実行するように構成することができる。メモリ132bは、それらの機能を実行するためにプロセッサ132aによって実行可能な1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントをロードすることができるデータストレージを含むことができる。ソフトウェアコンポーネント132cは、メディア再生システム100の制御を容易にするように構成されたアプリケーションおよび/または他の実行可能なソフトウェアを含むことができる。メモリ132bは、例えば、ソフトウェアコンポーネント132c、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェア、および/またはMPS100およびユーザに関連する他のデータを格納するように構成することができる。
【0090】
ネットワークインタフェース132dは、制御デバイス130aとMPS100内の1つまたは複数の他のデバイス、および/または1つまたは複数のリモートデバイスとの間のネットワーク通信を容易にするように構成されている。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース132dは、1つまたは複数の適切な通信業界標準(例えば、赤外線、無線、IEEE 802.3を含む有線標準、IEEE 802.11a、802.11b、802.11g、802.12、802.11ac、802.15、4G、LTEを含む無線標準)に従って動作するように構成されている。ネットワークインタフェース132dは、例えば、再生デバイス110、NMD120、制御デバイス130の他のもの、
図1Bのコンピューティングデバイス106の1つ、1つ以上の他のメディア再生システムを備えるデバイスなどに対してデータを送信および/または受信するように構成することができる。送信および/または受信されたデータは、例えば、再生デバイスの制御コマンド、状態変数、再生ゾーンおよび/またはゾーングループの構成を含むことができる。例えば、ユーザインタフェース133で受信したユーザ入力に基づいて、ネットワークインタフェース132dは、制御デバイス130aから再生デバイス110の1つまたは複数に再生デバイス制御コマンド(例えば、音量制御、オーディオ再生制御、オーディオコンテンツ選択)を送信することができる。ネットワークインタフェース132dはまた、例えば、ゾーンへの1つ以上の再生デバイス110の追加/削除、ゾーングループへの1つ以上のゾーンの追加/削除、結合プレーヤまたは統合プレーヤの形成、結合プレーヤまたは統合プレーヤから1つ以上の再生デバイスを分離することなどの構成変更を送信および/または受信することができる。ゾーンおよびグループの更なる説明は、
図1J~
図1Nに関して以下に見出すことができる。
【0091】
ユーザインタフェース133は、ユーザ入力を受信するように構成されており、MPS100の制御を容易にすることができる。ユーザインタフェース133は、メディアコンテンツアート133a(例えば、アルバムアート、歌詞、ビデオ)、再生状態インジケータ133b(例えば、経過時間および/または残り時間インジケータ)、メディアコンテンツ情報領域133c、再生制御領域133d、およびゾーンインジケータ133eを含む。メディアコンテンツ情報領域133cは、現在再生中のメディアコンテンツおよび/またはキューまたはプレイリスト内のメディアコンテンツに関する関連情報(例えば、タイトル、アーティスト、アルバム、ジャンル、リリース年)の表示を含むことができる。再生制御領域133dは、選択された再生ゾーンまたはゾーングループ内の1つまたは複数の再生デバイスに、例えば、再生または一時停止、早送り、巻き戻し、次へスキップ、前へスキップ、シャッフルモードの開始/終了、リピートモードの開始/終了、クロスフェードモードの開始/終了などの再生動作を実行させるための選択可能な(例えば、タッチ入力を介して、および/またはカーソルまたは別の適切なセレクタを介して)アイコンを含むことができる。再生制御領域133dはまた、イコライゼーション設定、再生音量、および/または他の好適な再生動作を変更するための選択可能なアイコンを含んでもよい。図示された実施形態では、ユーザインタフェース133は、スマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Androidフォン)のタッチスクリーンインタフェース上に提示されるディスプレイを備える。しかしながら、いくつかの実施形態では、メディア再生システムへの同等の制御アクセスを提供するために、様々なフォーマット、スタイル、およびインタラクティブなシーケンスのユーザインタフェースが、代替的に、1つまたは複数のネットワークデバイス上に実装されてもよい。
図1Iは、ユーザインタフェース133の2つの追加の例示的なユーザインタフェースディスプレイ133fおよび133gを示す。他の例もまた可能である。
【0092】
1つまたは複数のスピーカ134(例えば、1つまたは複数のトランスデューサ)は、制御デバイス130aのユーザにサウンドを出力するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のスピーカは、低周波、中周波、および/または高周波数を対応して出力するように構成された個々のトランスデューサを備える。いくつかの態様では、例えば、制御デバイス130aは、再生デバイス(例えば、再生デバイス110の1つ)として構成される。同様に、いくつかの実施形態では、制御デバイス130aは、1つまたは複数のマイクロフォン135を介して音声コマンドおよび他のサウンドを受信するNMD(例えば、NMD120の1つ)として構成される。
【0093】
1つまたは複数のマイクロフォン135は、例えば、1つまたは複数のコンデンサマイクロフォン、エレクトレットコンデンサマイクロフォン、ダイナミックマイクロフォン、および/または他の適切なタイプのマイクロフォンまたはトランスデューサを含むことができる。いくつかの実施形態では、2つ以上のマイクロフォン135は、オーディオソース(例えば、音声、可聴音)の位置情報を捕捉するように配置され、および/またはバックグラウンドノイズのフィルタリングを容易にするように構成されている。さらに、特定の実施形態では、制御デバイス130aは、再生デバイスおよびNMDとして動作するように構成されている。しかしながら、他の実施形態では、制御デバイス130aは、1つまたは複数のスピーカ134および/または1つまたは複数のマイクロフォン135を省略する。例えば、制御デバイス130aは、スピーカまたはマイクを伴うことなく、電子機器132の一部およびユーザインタフェース133(例えば、タッチスクリーン)を備えるデバイス(例えば、サーモスタット、IoTデバイス、ネットワークデバイスなど)を備えていてもよい。
【0094】
e.適切な再生デバイス構成
図1J、
図1K、
図1L、
図1M、および
図1Nは、ゾーンおよびゾーングループ内の再生デバイスの構成例を示す。最初に
図1Nを参照すると、一例では、単一の再生デバイスがゾーンに属してもよい。例えば、セカンドベッドルーム101c(
図1A)の再生デバイス110gは、ゾーンCに属していてもよい。以下に説明するいくつかの実装形態では、複数の再生デバイスを「結合」して「結合ペア」を形成してもよく、これらは一緒になって単一のゾーンを形成してもよい。例えば、再生デバイス110l(例えば、左再生デバイス)は、ゾーンBを形成するように再生デバイス110m(例えば、右再生デバイス)に結合させることができる。以下により詳細に説明するように、結合された再生デバイスは、異なる再生責任(例えば、チャネルの責任)を有してもよい。他の実施態様では、複数の再生デバイスをマージして単一のゾーンを形成してもよい。一例として、再生デバイス110aは、再生デバイス110nおよびNMD120cに結合されてゾーンAを形成することができる。別の例として、再生デバイス110h(例えば、フロント再生デバイス)は、単一のゾーンDを形成するように再生デバイス110i(例えば、サブウーファ)および再生デバイス110jおよび110k(例えば、それぞれ左右のサラウンドスピーカ)とマージされてもよい。更に他の実装では、1つ以上の再生ゾーンをマージしてゾーングループ(本明細書ではマージグループとも呼ばれる)を形成することができる。一例として、再生ゾーンゾーンAおよびゾーンBは、ゾーングループ108aを形成するようにマージされることができる。別の例として、再生ゾーンのゾーンGおよびゾーンHは、ゾーングループ108bを形成するようにマージされ得る。マージされた再生ゾーン、すなわち、ゾーンGおよびゾーンHは、異なる再生責任を特に割り当てられなくてもよい。すなわち、マージされた再生ゾーンゾーンのゾーンGおよびゾーンHは、同期してオーディオコンテンツを再生することとは別に、それぞれがマージされず、独立したゾーンとして動作している場合と同様にオーディオコンテンツを再生してもよい。
【0095】
MPS100内の各ゾーンは、単一のユーザインタフェース(UI)エンティティとして制御のために表わされてもよい。例えば、ゾーンAは、マスターバスルームと呼ばれる単一のエンティティとして表わされ得る。ゾーンBは、マスターベッドルームと呼ばれる単一のエンティティとして表わされ得る。ゾーンCは、セカンドベッドルームと呼ばれる単一のエンティティとして表わされ得る。
【0096】
いくつかの実施では、前述したように、結合される再生デバイスは、特定のオーディオチャネルに対する責任など、異なる再生責任を有することができる。例えば、
図1Jに示されるように、再生デバイス110lおよび110mは、オーディオコンテンツのステレオ効果を生成または強化するように結合されてもよい。この例では、再生デバイス110lは、左チャネルのオーディオコンポーネントを再生するように構成されてもよく、一方、再生デバイス110kは、右チャネルのオーディオコンポーネントを再生するように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、そのようなステレオの結合は「ペアリング」と呼ばれることがある。
【0097】
さらに、結合された再生デバイスは、追加のおよび/または異なるそれぞれのスピーカドライバを有してもよい。
図1Kに示されるように、フロントと名付けられた再生デバイス110hは、サブと呼ばれる再生デバイス110iと結合されてもよい。フロントデバイス110hは、中~高周波数の範囲をレンダリングするように構成することができ、サブデバイス110iは、低周波数をレンダリングするように構成することができる。しかしながら、結合されていない場合、フロントデバイス110hは、全範囲の周波数をレンダリングするように構成することができる。別の例として、
図1Lは、左再生デバイス110jおよび右再生デバイス110kとそれぞれ更に結合されたフロントデバイス110hおよびサブデバイス110iを示す。いくつかの実装形態では、右デバイス110jおよび左デバイス110kは、ホームシアターシステムのサラウンドまたは「サテライト」チャネルを形成するように構成することができる。結合された再生デバイス110h、110i、110j、および110kは、単一のゾーンD(
図1N)を形成することができる。
【0098】
他の実装形態では、マージされる再生デバイスは、再生責任を割り当てられていなくてもよく、それぞれの再生デバイスが可能なオーディオコンテンツの全範囲をそれぞれレンダリングすることができる。それにもかかわらず、マージされたデバイスは、単一のUIエンティティ(すなわち、上述したように、ゾーン)として表されてもよい。例えば、マスターバスルームの再生デバイス110aおよび110nは、ゾーンAの単一のUIエンティティを有する。一実施形態では、再生デバイス110aおよび110nはそれぞれ、それぞれの再生デバイス110aおよび110nが同期して可能なオーディオコンテンツの全範囲を出力することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、NMDは、ゾーンを形成するように1つ以上の他のデバイスと結合または融合されてもよい。一例として、NMD120cは、再生デバイス110aおよび110nとマージされてゾーンAを形成してもよい。例えば、NMD120bは、ともにリビングルームと呼ばれるゾーンFを形成する再生デバイス110eと結合されてもよい。他の実施形態では、スタンドアロンのネットワークマイクロフォンデバイスは、それ自体がゾーン内にあってもよい。しかしながら、他の実施形態では、スタンドアロンのネットワークマイクロフォンデバイスは、ゾーンに関連付けられていなくてもよい。ネットワークマイクロフォンデバイスと再生デバイスとを指定のデバイスまたはデフォルトデバイスとして関連付けることに関する更なる詳細は、例えば、先に参照した米国特許第10,499,146号に見出すことができる。
【0100】
前述したように、いくつかの実装形態では、個々のデバイス、結合されたデバイス、および/または併合されたデバイスのゾーンをグループ化してゾーングループを形成してもよい。例えば、
図1Nを参照すると、ゾーンAはゾーンBとグループ化されて2つのゾーンを含むゾーングループ108aを形成してもよく、ゾーンGはゾーンHとグループ化されてゾーングループ108bを形成してもよい。しかしながら、他のゾーングループ化も可能である。別の例として、ゾーンAは、1つ以上の他のゾーンC~Iとグループ化されてもよい。ゾーンA~Iは、多数の方法でグループ化およびグループ解除されてもよい。例えば、ゾーンA~Iの3つ、4つ、5つ、またはそれより多く(例えば、すべて)がいつでもグループ化されてもよい。グループ化されると、個々のおよび/または結合された再生デバイスのゾーンは、先に参照された米国特許第8,234,395号明細書に記載されているように、互いに同期してオーディオを再生してもよい。再生デバイスは、オーディオコンテンツを同期して再生する新たなまたは異なるグループを形成するために、動的にグループ化およびグループ化解除されてもよい。
【0101】
様々な実施において、環境内のゾーングループは、グループ内のゾーンの名前またはーングループ内のゾーンの名前の組み合わせに従って命名してもよい。例えば、ゾーングループ108bには、
図1Nに示すように、「ダイニング+キッチン」などの名前を割り当てることができる。他の実施態様では、ゾーングループは、ユーザによって選択された固有の名前を与えられてもよい。
【0102】
特定のデータは、再生ゾーン、再生デバイス、および/または、それに関連付けられたゾーングループの状態を記述するために定期的に更新されて使用される1つ以上の状態変数として再生デバイスのメモリ(例えば、
図1Cのメモリ112b)に記憶されてもよい。メモリはまた、メディアシステムの他のデバイスの状態と関連付けられ、デバイスのうちの1つまたは複数がシステムと関連付けられた最新データを有するように、デバイス間で時々共有されるデータを含んでもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、メモリは、状態に関連する様々な変数型のインスタンスを記憶することができる。変数インスタンスは、タイプに対応する識別子(例えば、タグ)と共に格納され得る。例えば、特定の識別子は、ゾーンの再生デバイスを識別するための第1タイプ「a1」、ゾーン内で結合される得る再生デバイスを識別するための第2タイプ「b1」、および、ゾーンが属し得るゾーングループを識別するための第3タイプ「c1」であってもよい。関連する例として、セカンドベッドルーム101cに関連付けられた識別子は、(i)再生デバイス110gがゾーンCの唯一の再生デバイスであること、および(ii)ゾーンCがゾーングループ内にないことを示してもよい。デン101dに関連付けられた識別子は、デン101dが他のゾーンとグループ化されていないが、結合された再生デバイス110h~110kを含むことを示してもよい。ダイニングルーム101gに関連付けられた識別子は、ダイニングルーム101gがダイニング+キッチンゾーングループ108bの一部であり、デバイス110dおよび110b(キッチン101h)がグループ化されている(
図1M、
図1N)ことを示してもよい。キッチン101hに関連付けられた識別子は、キッチン101hがダイニング+キッチンゾーングループ108bの一部であることによって、同じまたは類似の情報を示してもよい。他の例示的なゾーン変数および識別子を以下に説明する。
【0104】
更に別の例では、MPS100は、
図1Nに示すように、エリアに関連付けられた識別子など、ゾーンおよびゾーングループの他の関連付けを表す変数または識別子を含んでもよい。エリアは、ゾーングループのクラスタおよび/またはゾーングループ内にないゾーンを含み得る。例えば、
図1Nは、ゾーンA~Dを含む上部エリア109aと、ゾーンE~Iを含む下部エリア109bとを示す。一態様では、エリアは、ゾーングループのクラスタ、および/または1つ以上のゾーンを共有するゾーンおよび/または別のクラスタのゾーングループを呼び出すために使用され得る。別の態様では、これは、別のゾーングループとゾーンを共有しないゾーングループとは異なる。エリアを実装するための技術の更なる例は、例えば、2017年8月21日に出願されて2020年7月14日に発行された、「Room Association Based on Name」と題する米国特許第10,712,997号、および2007年9月11日に出願されて2013年7月9日に発行された、「Controlling and manipulating groupings in a multi-zone media system」と題する米国特許第8,483,853号に見出すことができる。これらの出願の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、MPS100は、エリアを実装しなくてもよく、その場合、システムは、エリアに関連付けられた変数を記憶しなくてもよい。
【0105】
図3は、ハウジング330の上部334に制御領域332の形態のユーザインタフェースを含む再生デバイス110の例示的なハウジング330を示す。制御領域332は、オーディオ再生、音量レベル、および他の機能を制御するためのボタン336a、336b、および336cを含む。制御領域332はまた、再生デバイス110の1つ以上のマイクロフォン(
図3では見えない)をオン状態またはオフ状態のいずれかに切り替えるためのボタン336dを含む。制御領域332は、再生デバイス110の環境においてマイクロフォンが音を受信するハウジング330の上部334に形成された開口によって少なくとも部分的に囲まれている。マイクロフォンは、再生デバイス110に対する1つ以上の方向からの音を検出するように、上部334またはハウジング330の他の領域に沿ったおよび/またはそれらの内部の様々な位置に配置されてもよい。
【0106】
f.オーディオコンテンツ
オーディオコンテンツは、現在知られているまたは後に開発される任意のタイプのオーディオコンテンツであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、オーディオコンテンツは、(i)ストリーミングメディアサービス、例えばSpotify、Pandora、または他のストリーミングメディアサービスから取得された音楽または他のオーディオをストリーミングすること、(ii)ユーザのラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット、ホームサーバ、または現在知られているもしくは後に開発される他のコンピューティングデバイスに記憶された音楽ライブラリなどのローカル音楽ライブラリから音楽または他のオーディオをストリーミングすること、(iii)ビデオコンテンツに関連するオーディオコンテンツ、例えば、テレビ、セットトップボックス、デジタル・ビデオ・レコーダー、デジタル・ビデオ・ディスク・プレーヤ、ストリーミング・ビデオ・サービス、または、現在知られているか、または、今後開発されるオーディオ・ビジュアル・メディア・コンテンツのその他任意のソースのいずれかから受信されるテレビ番組または映画に関連するオーディオ、(iv)Amazon Alexa、Google Assistant、または現在知られているもしくは今後開発される他のVASサービスなどの音声アシスタントサービス(VAS)からのテキスト読み上げまたは他の可聴コンテンツ、(v)Nest、Ring、または現在知られているもしくは後に開発される他のドアベルまたはドアホンシステムなどのドアベルまたはドアホンシステムからのオーディオコンテンツ、および/または(vi)電話、テレビ電話、ビデオ/テレビ会議システム、またはユーザがオーディオおよび/またはビデオを介して互いに通信することを可能にするように構成された他のアプリケーションからのオーディオコンテンツのうちの1つ以上を含む。
【0107】
動作中、「ソース」再生デバイスは、再生デバイス上のインタフェース、例えば、ソース再生デバイスのネットワークインタフェース、「ラインイン」アナログインタフェース、デジタルオーディオインタフェース、または、現在知られている若しくは今後開発されるデジタル形式またはアナログ形式のオーディオコンテンツを受信するのに適した任意の他のインタフェースのうちの1つを介してオーディオソースから前述のタイプのオーディオコンテンツのいずれかを取得する。
【0108】
オーディオソースは、前述のオーディオコンテンツのいずれかを再生デバイスに生成、提供、または他の様態で利用可能にする任意のシステム、デバイス、またはアプリケーションである。例えば、いくつかの実施形態では、オーディオソースは、ストリーミングメディア(オーディオ、ビデオ)サービス、デジタルメディアサーバまたは他のコンピューティングシステム、VASサービス、テレビ、ケーブルセットトップボックス、ストリーミングメディアプレーヤ(例えば、AppleTV、Roku、ゲーム機)、CD/DVDプレーヤ、ドアベル、インターホン、電話、タブレット、またはデジタルオーディオコンテンツの任意の他のソースのうちの任意の1つ以上を含む。
【0109】
再生および/または他の再生デバイスへの配信のためにオーディオソースからオーディオコンテンツを受信または取得する再生デバイスは、本明細書では、「ソース」再生デバイス、「マスタ」再生デバイス、「グループコーディネータ」再生デバイス、または単に「グループコーディネータ」と呼ばれることがある。「ソース」再生デバイスの1つの機能は、再生および/または他の再生デバイスへの配信のために受信されたオーディオコンテンツを処理することである。いくつかの実施形態では、ソース再生デバイスは、オーディオコンテンツを再生するように構成されているすべての再生デバイスに処理されたオーディオコンテンツを送信する。他の実施形態では、ソース再生デバイスは、処理されたオーディオコンテンツをマルチキャストネットワークアドレスに送信し、オーディオコンテンツを再生するように構成された他のすべての再生デバイスは、そのマルチキャストアドレスを介してオーディオコンテンツを受信する。更に他の実施形態では、ソース再生デバイスは、代替的に、処理されたオーディオコンテンツを、オーディオコンテンツを再生するように構成された他のそれぞれの再生デバイスのそれぞれのユニキャストネットワークアドレスに送信し、オーディオコンテンツを再生するように構成された他のそれぞれの再生デバイスは、そのそれぞれのユニキャストアドレスを介してオーディオコンテンツを受信する。
【0110】
III.コンテンツ品質向上のための例示的な技術
前述したように、従来のアダプティブストリーミング技術は、最新のネットワーク(例えば、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)のような典型的な家庭用ネットワーク)における高解像度(HD)オーディオストリーミングによって提示される課題に十分に対処していない。より高いインターネット接続速度に向かう傾向(例えば、ダウンロード速度が1,000メガビット毎秒(Mbps)を超える家庭用のファイバインターネットの可用性の向上、ダウンロード速度が600Mbpsを超える5G対応のスマートフォンの可用性)が高まるにつれて、ストリーミングデバイスとクラウドサーバとの間の接続品質は、再生の信頼性に影響を与える唯一の要因である頻度が低くなっている。新たな(および増大する)問題領域は、ローカルネットワーク帯域幅(例えば、広域ネットワーク帯域幅のみの代わりに)の制限を含む。家庭の状況では、ネットワークに接続されているますます増加するデバイス(例えば、モノのインターネット(IoT)デバイス、タブレット、スマートフォン、ソフトウェア更新用の自動車など)に対応するために、家庭のローカルネットワーク機器(例えば、アクセスポイント、ルータなど)を通過するトラフィック量が増加している。
【0111】
そのような帯域幅要件は、ローカルネットワーク内での同期再生のためにグループ化されたより高品質のオーディオストリーム(例えば、HDオーディオ)および/または複数の再生デバイスの再生を含むシナリオにおいて悪化する。複数のグループ化されたプレーヤを有するそのような場合、前述したように、所与のオーディオコンテンツは、ローカルネットワーキング機器を複数回通過する必要があり得る。例示のために、
図4は、グループサイズによって編成された、ローカルネットワーク上で動作する同期グループについての検出されたドロップアウトイベントの例示的なグラフ400を示す。同期グループ内の再生デバイスの数が増加するにつれて、オーディオコンテンツがローカルネットワーク機器を介して同期グループの各再生デバイスに送信されるにつれて、帯域幅使用量が急増し、ローカルネットワークトラフィックがより輻輳する。その結果、ドロップアウトイベントの可能性が増大し、これは望ましくない。例示的なグラフ400に示すように、同期グループのサイズが3つの再生デバイスを超えると、ドロップアウト率が著しく増加する。特に、ドロップアウト率は、3つの再生デバイスのグループサイズでの1時間当たりのドロップアウト約30から、4つの再生デバイスのグループサイズでの1時間当たりのドロップアウト約180まで増加する。ドロップアウト率は、グループサイズが大きくなるにつれて増加し続け、ドロップアウトの頻度は、3つを超える再生デバイスとの同期グループにおいて、1~3つの再生デバイスとの同期グループと比較して実質的に高い。
【0112】
SONOS,Inc.は、以前の技術革新を踏まえて、再生の信頼性を向上させ、再生のためのより高品質のオーディオコンテンツをサポートするための新たな技術を開発し続けている。本明細書で開示される技術は、以下を含む様々な要因に基づくオーディオストリームの品質の動的変更に関する。(1)ネットワーク特性(例えば、ローカルネットワーク特性)、(2)再生デバイス特性(例えば、コンテンツをレンダリングするための再生デバイスのそれぞれの能力)、および(3)同期オーディオ再生のためにグループ化される再生デバイスのグループの特性(例えば、グループ内のプレーヤの数)。結果として、オーディオストリームの品質は、これらの(および他の)要因に基づいて動的に変更されて、多種多様な動作条件におけるオーディオの信頼できる再生を保証することができる。
【0113】
高品質のオーディオ体験を提供するために、再生グループの各再生デバイスが、再生に利用可能な所与のオーディオコンテンツの最高品質バージョンを再生することが望ましい場合がある。しかしながら、再生グループの再生デバイスは異なる能力を有し得るため、グループ内のすべての再生デバイスが最高品質バージョンを再生できるとは限らない。異なる能力は、以下で更に詳細に説明するように、他の可能性の中でも、1つ以上の個々のデバイス特性、1つ以上のネットワーク接続特性、または1つ以上のグループ特性に関連してもよい。再生デバイスの能力を超えるバージョンのオーディオコンテンツを再生しようとすると、同期再生、ドロップアウト、または他のオーディオ遅延の経過および/またはネットワークの混乱をもたらす可能性があり、それによってオーディオ体験が低下し、ユーザのフラストレーションをもたらす。場合によっては、以下で更に詳細に説明するように、所与のグループメンバーの能力は、再生の過程で変動する可能性がある。そのような場合、所与のグループメンバーは、再生中断の可能性を低減し、または再生体験を向上させるために、所与のオーディオコンテンツの1つのバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの別のバージョンへと移行することができる。
【0114】
前述したように、本明細書では、オーディオコンテンツを拡張オーディオ再生に動的に適合させるための様々な技術が開示される。本明細書に記載の実施形態は、(i)オーディオコンテンツの同期再生のためにグループ化される少なくとも2つの再生デバイスが通信するように構成されるローカル無線エリアネットワークの1つ以上のネットワーク特性、(ii)同期グループ内の各再生デバイスのそれぞれの再生能力を含む、オーディオコンテンツを再生することができる1つ以上の再生デバイスの1つ以上のデバイス特性、および/または(iii)オーディオコンテンツの同期再生のためにグループ化される少なくとも2つの再生デバイスを備える再生グループの1つ以上のグループ特性に基づくオーディオ再生の適応的強化を含むことができる。これに関連して、本明細書で説明するようにオーディオコンテンツ再生の信頼性を高めることは、再生中断の可能性を低減するために、いくつかの状況において所与のオーディオコンテンツの低品質バージョンの再生を含むことができることが理解され得る。更に、本明細書に記載の実施形態は、再生グループ内の1つ以上の再生デバイスによる再生のためのオーディオコンテンツを、上記で特定されたものを含むがこれに限定されない1つ以上の特性に基づいてトランスコードすることを含んでもよい。更に、本明細書に記載の実施形態は、上記に特定されたものを含むがこれに限定されない1つ以上の特性に基づいて再生グループ内に再生デバイスのサブグループを作成することを含んでもよい。更に、本明細書に記載の実施形態は、上記で特定されたものを含むがこれに限定されない1つ以上の特性に基づいて、グループコーディネータとして機能する特定の再生デバイスを選択することを含んでもよい。更に、本明細書に記載された実施形態は、上記に特定されたものを含むがこれに限定されない、1つ以上の特性に基づいてオーディオコンテンツを解読および再暗号化することを含むことができる。
【0115】
いくつかの実装形態では、再生機能に基づいて再生のためにオーディオコンテンツの単一のバージョンを識別してもよく、すべてのグループメンバーが同期してオーディオコンテンツの同じバージョンを再生してもよい。他の実施態様では、グループメンバーのそれぞれの再生能力に基づいてオーディオコンテンツの2つ以上のバージョンを識別してもよく、各グループメンバー再生デバイスは、そのグループメンバーのそれぞれの能力に基づいてオーディオコンテンツの所与のバージョンを再生してもよい。結果として、グループ化された再生のために選択されたオーディオストリームの品質は、同期再生のためにグループ化された1つ以上の再生デバイスが異なるおよび/または変動する再生能力を有する条件を含む、多種多様な動作条件においてオーディオ再生の信頼性を高めるように動的に適合され得る。次いで、各グループメンバー再生デバイスは、グループメンバーのそれぞれの能力に基づいて所与のバージョンを再生してもよい。これに関して、所与のバージョンは、グループメンバーが所与の時間に再生することができる所与のオーディオコンテンツの最高品質バージョンであってもよい。このようにして、各グループメンバーは、同期再生中の任意の所与の時間にそのそれぞれの能力に従って所与のオーディオコンテンツの最高品質バージョンを再生することができる。以下で更に説明するように、他の実装も可能である。
【0116】
a.再生グループの例
オーディオコンテンツの同期再生のためにグループ化される少なくとも2つの再生デバイスを備える再生グループにおいて、少なくとも1つの再生デバイスは、グループコーディネータとして機能してもよく、グループの他の再生デバイスは、グループメンバーとして機能してもよい。再生グループは、ローカルメディア再生システムの一部であってもよく、グループコーディネータおよびグループメンバーのそれぞれは、1つ以上のローカルネットワークデバイス(例えば、WIFIルータ)によって提供されるローカルデータネットワーク(例えば、無線ローカルエリアネットワーク)を介してコーディネートするおよび/または通信するように構成される。
【0117】
図5は、ローカルメディア再生システム500の例示的な構成を示しており、ローカルメディア再生システムは、
図1A~
図1Bに示すMPS100に類似していてもよい。
図5に示されるローカルMPS500において、再生デバイス510、512、および514のそれぞれは、再生デバイス510、512、および514がオーディオコンテンツの同期再生のためにグループ化され、無線ローカルエリアネットワーク501を介してコーディネートするおよび/または通信するべく構成されるように、再生グループ504(本明細書では「同期グループ」とも称される)の一部であってもよい。ローカルネットワーク501は、
図1Bのルータ109に類似し得る無線ルータ503などのローカルネットワークデバイスによって提供され得る。再生デバイス510は、グループコーディネータとして機能してもよく、また、再生デバイス512および514は、グループメンバーとして機能してもよい。以下の例では、再生デバイス510は、一般に、グループコーディネータと称されるが、再生デバイス512もしくは514のいずれか、または
図5に示されていないMPS500の任意の他の再生デバイスが、他の実施形態では、グループコーディネータとして機能してもよいことを理解されたい。更に、MPS500の同期グループは、同期再生のためにグループコーディネータ510とグループ化された2つの更なるグループメンバー512および514のみを示しているが、任意の数の再生デバイスがグループに含まれてもよいことを理解されたい。
【0118】
グループコーディネータとして、再生デバイス510は、一般に、再生グループのグループメンバーによる再生のためのオーディオコンテンツを識別することと、識別されたオーディオコンテンツおよび再生タイミング情報を1つ以上のグループメンバーへ送信することと、1つ以上のグループメンバーのデバイス特性を監視することと、ネットワークデバイスおよび1つ以上のグループメンバーに関連付けられたネットワーク特性を監視することと、グループ特性を監視することと、1つ以上の特性の変化に基づいて再生のためのオーディオコンテンツを動的に変更することと、グループ化された再生セッションの経過全体にわたって特性を収集および/または記憶することと、複数のメディア再生システムから複数の再生デバイスから特性データを受信するように構成されたリモートコンピューティングデバイスに収集および/または記憶された特性を提供することとを含むがこれらに限定されない様々なタスクを担当することができる。MPS500のデバイスの様々な動作およびデバイス間の相互作用については、以下でより詳細に説明する。
【0119】
b.オーディオコンテンツの識別
再生のために識別されるオーディオコンテンツは、一般に、とりわけ、音楽トラック、スポークンワードコンテンツ(例えば、ポットキャスト、ソーシャルオーディオストリーム、スポーツ放送など)、生成オーディオおよび/またはビデオコンテンツに付随するオーディオコンテンツの形態をとってもよい。再生デバイスは、一般に、他の例の中でもとりわけ、オーディオおよびビデオストリーミングサービス、コンテンツライブラリ、およびローカルデバイス記憶装置などの多数のメディアコンテンツソースにアクセスしてもよい。再生デバイスに利用可能なソースの多くは、特定のアーティストによる特定の曲の複数のバージョン、または映画などのビデオコンテンツに付随するオーディオトラックの複数のバージョンなど、同じオーディオコンテンツの複数のバージョンを提供してもよい。所与のオーディオコンテンツの異なるバージョンのオーディオ特性は、ビットレート、サンプルレート、ビット深度、および/または出力チャネルの数などを含んで異なり得る。例えば、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンは、第1のビット深度、サンプルレート、および/またはオーディオ出力チャネルの数を有してもよく、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンは、第2のビット深度、サンプルレート、および/またはオーディオ出力チャネルの数を有してもよい。
【0120】
一般に、1つ以上のそのようなオーディオ特性の値は、所与のオーディオコンテンツの品質のレベルを示してもよい。例えば、3,000キロビット毎秒(kbps)のビットレート、96kHz~352.8kHzのサンプルレート、および24ビットのビット深度を含むオーディオ特性は、一般に、比較的高品質のオーディオコンテンツを示してもよい。1,000kbps~320kbpsまたは160kbpsの範囲のビットレート、44.1kHzのサンプルレート、および16ビットのビット深度を含むオーディオ特性は、一般に、比較的中品質または低品質のオーディオコンテンツを示してもよい。一例として、再生デバイスは、オーディオコンテンツの高品質バージョンを含む第1のバージョンと、オーディオコンテンツの中品質バージョンを含む第2のバージョンとを識別してもよい。別の例として、再生デバイスは、オーディオコンテンツの中品質バージョンを含む第1のバージョンと、オーディオコンテンツの低品質バージョンを含む第2のバージョンとを識別してもよい。更に別の例として、再生デバイスは、第1の中品質バージョンが第2の中品質バージョンよりも高品質である2つの中品質バージョンを識別してもよい。他の例もまた可能である。
【0121】
オーディオコンテンツの複数のバージョンは、単一のメディアコンテンツソースから、または2つ以上のメディアコンテンツソースから利用可能であってもよい。例えば、オーディオコンテンツの第1のバージョンは、第1のメディアコンテンツソースから利用可能であってもよく、オーディオコンテンツの第2のバージョンは、第1のメディアコンテンツソースまたは第2のメディアコンテンツソースから利用可能であってもよい。更に、オーディオコンテンツの第3のバージョンは、第1または第2のソースの一方または両方から、または第3のメディアコンテンツソースから利用可能であってもよい。
【0122】
前述したように、グループコーディネータとして、再生デバイス510は、再生グループ504による再生のためのオーディオコンテンツの識別を担当してもよい。実際には、再生のためのオーディオコンテンツを識別するプロセスは、再生グループ504の他のグループメンバー(例えば、再生デバイス512および514)と同期してオーディオコンテンツを再生するためのコマンドを(MPS500の再生デバイス510の1つ以上のマイクロフォンを介して)検出することによって、または、(再生デバイス510と通信するように構成されるMPS500のコントローラデバイスを介して)受信することによってトリガされてもよい。オーディオコンテンツを再生するためのコマンドを検出または受信することに基づいて、再生デバイス510は、グループコーディネータとして、オーディオコンテンツの1つ以上のバージョンを識別してもよい。
【0123】
例えば、グループ再生デバイス510は、前述したように、オーディオコンテンツの第1のバージョンおよび第2のバージョンを識別することができる。再生デバイス510によって識別されるオーディオコンテンツの第1のおよび第2のバージョンはそれぞれ、再生デバイス510および/または再生グループの1つ以上のグループメンバー再生デバイスによって再生され得るオーディオコンテンツの形態をとってもよい。再生デバイス510は、クラウドベースのソース、メディア再生システムのローカルデバイス、またはメディア再生システムの制御デバイス(例えば、
図1Aの制御デバイス130のうちの1つ)を含む、再生デバイス510にコンテンツを提供することができる、現在知られているまたは後に開発されるメディアコンテンツの任意のソースであってもよい、1つ以上のメディアコンテンツソースからオーディオコンテンツの第1のおよび第2のバージョンを受信してもよい。一例として、メディアコンテンツソースは、インターネットを介してオーディオコンテンツを含むメディアを提供するインターネットベースのストリーミングソースとすることができるリモートMCS 502aを備えることができ、その例は、Sonos HD Radio、Spotify、Apple Music、またはYouTube Musicなどのサービスプロバイダを含むことができる。別の例として、メディアコンテンツソースは、ローカルMCS502bを備えてもよく、ローカルMCSは、オーディオコンテンツを再生グループ504の1つ以上の再生デバイスに直接提供するネットワーク接続されたソースであってもよい。例えば、MCS502bは、再生グループ504の1つ以上の再生デバイスへの有線接続を有しかつ有線接続を介してオーディオコンテンツを提供するように構成されたテレビ、メディアプレーヤ、またはメディア再生システムの他のコンピューティングデバイスなどのラインイン/ラインアウト・コンテンツ・ソースであってもよい。他の例もまた可能である。
【0124】
再生デバイス510によって識別されるオーディオコンテンツの第1のおよび第2のバージョンは、様々な形態をとってもよい。一例として、オーディオコンテンツの第1および第2のバージョンのそれぞれは、音楽トラックの形態をとってもよい。別の例として、オーディオコンテンツの第1および第2のバージョンのそれぞれは、オーディオブックの形態をとってもよい。更に別の例として、オーディオコンテンツの第1および第2のバージョンのそれぞれは、ポットキャストの形態をとることができる。更に、オーディオコンテンツの第1および第2のバージョンのそれぞれは、ビデオコンテンツに付随するオーディオコンテンツの形態をとることができる。例えば、図示されていないが、メディア再生システム500は、ホームシアターシステム(
図1Lに関連して先に論じたホームシアター構成と同様)と統合されてもよく、グループコーディネータによって識別されるオーディオコンテンツの第1のおよび第2のバージョンのそれぞれは、メディア再生システム500内のテレビで再生されている映画、テレビ番組、音楽ビデオ、または他のビデオコンテンツに対応するオーディオトラックのバージョンであってもよい。同様に、制御デバイス130aなどの制御デバイスは、メディア再生システム500の同期グループによって再生されているオーディオコンテンツと同期してビデオコンテンツを再生し得るディスプレイを含んでもよい。そのような場合、オーディオコンテンツの第1および第2のバージョンは、ビデオコンテンツの発信元と同じソース(例えば、ケーブルボックス、衛星チューナ、DVDプレーヤ、Blu-rayプレーヤ、ゲームコンソール、またはビデオストリームに対応するオーディオも送信するインターネットベースのビデオストリーミングサービスなどのローカル接続デバイスなど)から受信され得る。多数の他の可能性が存在する。
【0125】
再生デバイス510は、様々な方法でオーディオコンテンツの第1のおよび第2のバージョンを識別してもよい。一可能性として、再生デバイス510は、所与のソースからオーディオコンテンツを再生するためのコマンドの一部として、ユニフォーム・リソース・アイデンティファイヤ(URI)、ユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)、またはオーディオコンテンツの第1のおよび/または第2のバージョンへの何らかの他のポインタを受信してもよい。別の可能性として、オーディオコンテンツの第1のおよび/または第2のバージョンは、MPS500と通信するように構成されたコンピューティングデバイスによって再生デバイス510に(例えば、送信される)「プッシュ」されてもよく、再生デバイス510は、伝送されたオーディオコンテンツに加えて受信されたメタデータに基づいてオーディオコンテンツの第1のおよび/または第2のバージョンを識別してもよい。オーディオコンテンツの第1のバージョンおよび/または第2のバージョンを識別するメタデータが利用可能でないいくつかの実装形態では、再生デバイス510は、オーディオコンテンツの第1のバージョンおよび/または第2のバージョンをサンプリングし、オーディオ認識アルゴリズムを使用してオーディオコンテンツを識別して、実際に再生されるべきオーディオコンテンツのバージョンであるかどうかを決定してもよい。
【0126】
一般に、再生デバイス510は、グループコーディネータとして、オーディオコンテンツの異なるバージョンを識別するときに品質を優先してもよい。したがって、グループコーディネータは、一般に、利用可能なオーディオコンテンツの最高利用可能品質バージョンを識別しようと試みてもよい。例えば、メディアストリーミングサービスなどのMCSが、高品質バージョンおよび低品質バージョンを含むオーディオコンテンツの2つ以上のバージョンを提供する場合、グループコーディネータは、高品質バージョンを第1のバージョンとして識別し、低品質バージョンを第2のバージョンとして識別してもよい。
【0127】
c.特性評価
再生デバイス510は、グループコーディネータとして、自身を含む各グループメンバーによって再生されるべきオーディオコンテンツのバージョンを決定してもよい。この決定を行うために、再生デバイス510は、ネットワーク特性、グループメンバー再生デバイス特性、および/または、再生グループ特性などのオーディオ再生に影響を及ぼし得る1つ以上の特性を識別してもよい。この識別は、オーディオコンテンツの第1のおよび第2のバージョンを識別する前および/または後に行われてもよく、どのグループメンバーがオーディオコンテンツのどのバージョンを再生すべきかに関して再生デバイス510によって行われた決定を知らせるために使用されてもよい。
【0128】
グループコーディネータによって識別され得る特性の1つのタイプは、ネットワーク特性であり得る。再生デバイス510は、再生デバイス510自体を含む同期グループ内の各再生デバイスの1つ以上のネットワーク特性を識別してもよい。一般に、ネットワーク特性は、グループコーディネータ、他のグループメンバー、またはグループメンバーがローカルエリアネットワーク(例えば、WLAN501)を介して通信するように構成されているネットワークデバイス(例えば、WIFIルータ503)のうちの1つ以上に関連付けられた特性であってもよい。例えば、ネットワーク特性は、所与のグループメンバー(グループコーディネータを含む)とネットワークデバイスとの間の接続の品質であってもよい。
【0129】
再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続の品質は、様々な方法で識別してもよい。1つの可能性として、再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続の品質は、再生デバイスによる帯域幅の消費の評価に基づいて識別されてもよい。別の可能性として、再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続の品質は、再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続に関連付けられた現在のレイテンシの評価に基づいて識別されてもよい。いくつかの実装形態では、グループコーディネータは、各グループメンバーのネットワークデバイスとのそれぞれの接続についてそれぞれの品質を識別するために、各グループメンバーに1つ以上のテストパケットを送出してもよい。接続品質は、例えば、所与の再生デバイスの再生能力、または同期再生のためにグループ化された再生デバイスの総数を含む様々な要因によって影響を受ける可能性がある。そのような要因は、以下で更に詳細に説明される。
【0130】
いくつかの実装形態では、グループコーディネータは、オーディオコンテンツのグループ再生中に様々な間隔(例えば、規則的な間隔で、または散発的に)でネットワーク特性を監視してもよい。例えば、グループコーディネータは、各グループメンバーに通知(例えば、コマンドまたは要求)を送信して、各グループメンバーのそれぞれの接続品質の表示を返してもよい。他の実施態様では、各グループメンバーは、そのそれぞれの接続品質の表示をグループコーディネータに独立して送信してもよい。グループメンバーは、グループコーディネータと同期してオーディオコンテンツを再生するためのコマンドを検出または受信することに基づいて表示を送信してもよい。これに加えてまたは代えて、グループメンバーは、それらが同期再生のためにグループ化されたことの検出に基づいて表示を送信してもよい。更に、グループメンバーは、これに加えてまたは代えて、グループ化された再生全体にわたって周期的に表示を送信してもよい。更に、1つ以上のグループメンバーは、これに加えてまたは代えて、オーディオ特性の変化を検出したときに表示を送信してもよい。他の例もまた可能である。
【0131】
前述した方法において、グループメンバーの接続品質は、同期グループ再生の過程を通して監視されてもよい。グループコーディネータは、任意の所与の時点における1つ以上のネットワーク接続品質に関する情報を利用して、再生グループの所与のメンバーによって再生されるべきオーディオコンテンツの適切なバージョンを決定してもよい。
【0132】
グループコーディネータによって識別され得るオーディオ再生に影響を及ぼし得る別のタイプの特性は、再生デバイス特性である。グループコーディネータは、各グループメンバーの1つ以上のデバイス特性を識別してもよい。グループコーディネータは、前述したように、ネットワーク特性の評価の前、後、またはそれと併せて、様々な時点でデバイス特性の評価を実行してもよい。場合によっては、再生デバイス特性が1つ以上のネットワーク特性に影響を及ぼし得るため、1つ以上のネットワーク特性の識別は、1つ以上の再生デバイス特性の評価を含んでもよく、またはそれに基づいてもよい。
【0133】
再生デバイス特性は、様々な形態をとってもよい。1つの可能性として、再生デバイス特性は、オーディオコンテンツを再生および/または再生するための再生デバイスの再生能力に関する情報を含んでもよい。グループメンバーの再生能力情報は、再生グループによって再生されるべきオーディオコンテンツの1つ以上のバージョンを決定するために集合的に使用されてもよい。再生デバイスの再生能力情報は、様々な形態をとってもよい。
【0134】
一態様において、再生能力情報は、再生デバイスが再生することができるビットレート、サンプルレート、および/またはビット深度に関する情報を示してもよい。例えば、所与の再生デバイスの再生能力情報は、所与の再生デバイスが、所与の最大ビットレート、所与の最大サンプルレート、および/または所与の最大ビット深度でオーディオコンテンツをストリーミングおよび/または再生することができることを示してもよい。別の態様では、再生能力情報は、再生デバイスがサポートすることができる1つ以上のオーディオ・ファイル・フォーマットに関する情報を示してもよい。これに関して、いくつかの音声ファイルフォーマットおよび/またはコーデックは、データ損失およびオーディオコンテンツの劣化をもたらす圧縮を利用し、一般に、比較的低品質のオーディオコンテンツに対応する。一方、他のファイルフォーマット(例えば、Dolby Atmos)および/またはコーデック(例えば、Dolby Digital Plus、Free Lossless Audio Codec(FLAC)、Apple Lossless Audio Code(ALAC)など)は、データ損失が少なく、可逆圧縮を利用し、または非圧縮であり、一般に比較的高品質のオーディオコンテンツに対応する。再生デバイスの再生能力情報は、再生デバイスが所与の最大数のオーディオチャネルおよび/または所与のオーディオ・ファイル・フォーマットのセットをサポートすることができることを示してもよい。例えば、所与の再生デバイスがより高品質のコーデックを扱うことができる場合、所与の再生デバイスによる再生のために、より高品質のコーデックに従って符号化され得る所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが識別され得る。一方、所与の再生デバイスがより高品質のコーデックを扱うことができない場合、より低品質のコーデックに従って符号化することができる所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生のために識別してもよい。
【0135】
場合によっては、グループコーディネータによって取得されたオーディオコンテンツのバージョンが1つ以上のグループメンバーに適していない(例えば、適切なバージョンが検索に利用できなかった)場合、グループコーディネータは、以下で更に詳細に説明するように、1つ以上のグループメンバーのそれぞれの再生能力に基づいてオーディオコンテンツの1つ以上の追加バージョンをトランスコードしてもよい。
【0136】
更に別の態様では、再生能力情報は、例えば、再生デバイスの処理能力の表示、再生デバイスの電力仕様(例えば、再生デバイスが電池式であるかまたは電池式でない場合)の表示、および/または再生デバイスの充電仕様(例えば、再生デバイスの現在の充電レベル、再生デバイスの充電容量など)の表示を含むことができる再生デバイスのコンピューティング能力を示してもよい。
【0137】
更に、別の態様では、再生能力情報は、再生デバイスが暗号化されたオーディオコンテンツを扱うことができるかどうかを示してもよい。前述したように、再生デバイスは、一般に、再生のために要求されるオーディオコンテンツの高品質バージョンを提供することが望ましい。高品質メディアコンテンツに対するこの広範な要求を満たすために、HDおよびUHDオーディオコンテンツは、ストリーミングメディアプロバイダからますます利用可能になってきている。しかしながら、そのようなHDおよびUHDオーディオコンテンツは、他の形態のメディア(例えば、CD-ROM)において利用可能なオーディオコンテンツの品質よりも優れていることが多いオーディオ品質を有するので、そのようなオーディオコンテンツは、多くの場合、メディア著作権侵害を標的としており、これにより、著作権侵害の試みから保護するためのセキュリティ対策を強化することがデジタル音楽著作権者から要求されている。それに応答して、高品質(例えば、HD、UHDなど)メディアコンテンツを提供する多くのメディアコンテンツストリーミングサービスは、メディア・コンテンツ・サービスによって提供されるオーディオコンテンツを暗号化するためのデジタル著作権管理(DRM)保護機構(例えば、Widevine暗号化技術など)を実装し始めている。その後、再生デバイスによってメディア・コンテンツ・サービスからオーディオコンテンツが要求されると、オーディオコンテンツは、要求元の再生デバイスへ暗号化フォーマットで送信される(例えば、動的適応型HTTPストリーミング(DASH)などを介して)。そして、再生デバイスは、解読されたオーディオコンテンツを再生するためにライセンスサーバから取得された解読情報(例えば、鍵(複数可)、証明書(複数可)など)を使用してオーディオコンテンツを解読することができる。オーディオコンテンツを提供するためにこれらのタイプの暗号化方式を利用するには、通常、要求元の再生デバイスが、安全なブート環境を提供することができること、および/または特定レベルのコンピューティングリソースを有することなどの特定の基準を満たす必要がある。したがって、再生デバイスが、暗号化されたオーディオコンテンツを扱うことができる(例えば、解読)か否かに関する情報を使用して、再生デバイスが再生することができる所与のオーディオコンテンツの適切なバージョンの識別を容易にすることができる。例えば、所与の再生デバイスが暗号化されたオーディオコンテンツを解読することができる場合、所与の再生デバイスによる再生のために、より高品質のオーディオコンテンツに一般的に対応し得る所与のオーディオコンテンツのDRM暗号化バージョンを識別することができる。一方、所与の再生デバイスが暗号化されたオーディオコンテンツを解読することができない場合、比較的低品質のオーディオコンテンツに対応し得る所与のオーディオコンテンツの非暗号化バージョンが再生のために識別され得る。オーディオコンテンツを解読および再暗号化するための技術は、以下で更に詳細に説明される。
【0138】
再生能力情報は、他のタイプの情報も含み得る。
【0139】
グループコーディネータが再生グループのグループメンバーのそれぞれについての再生能力情報を決定することができる方法は、様々な形態をとることができる。
【0140】
1つの可能性として、グループコーディネータは、各グループメンバーにメッセージ(例えば、コマンドまたは要求)を送信してそのそれぞれの再生能力の表示を返すことによって、各グループメンバーのそれぞれの再生能力を決定してもよい。次に、各グループメンバーは、デバイスの再生能力に関する他の情報の中でも、グループメンバーの解読能力、グループメンバーの解読能力、グループメンバーの処理能力、および/またはグループメンバーの課金能力などの前述の態様のうちの1つ以上を含むことができる再生能力の表示をグループコーディネータに送信してもよい。
【0141】
別の可能性として、各グループメンバーは、グループコーディネータによってそうするように促されることなく、そのそれぞれの再生能力の表示をグループコーディネータに送信してもよい。グループメンバーは、様々な時点でそのそれぞれの再生能力の表示を送信することができる。一例として、グループメンバーは、グループコーディネータを含む再生グループに参加するときに表示を送信してもよい(例えば、制御デバイス(例えば、ユーザデバイス)またはグループコーディネータなどのネットワークデバイスからコマンドを受信したことに応答して、グループコーディネータと同期してオーディオコンテンツの再生を開始する)。別の例として、グループメンバーは、グループコーディネータとの同期再生のためにグループ化されている間、そのそれぞれの再生能力の表示を周期的に送信してもよい。これに関連して、グループメンバーは、再生グループに参加するときにその再生能力の初期表示を送信し、その後、1つ以上の更なる表示のそれぞれが送信されたときのグループメンバーの再生能力を示す1つ以上の更なる表示を周期的に送信してもよい。グループメンバーがその再生能力の表示を周期的に送信することができる時間は、いくつかの非限定的な例として、所定の時間間隔(例えば、2分ごと、5分ごとなど)、またはオーディオコンテンツ境界が検出されるたびに(例えば、各オーディオトラックの端部またはその近くなど)を含んでもよい。更に別の例として、グループメンバーは、そのそれぞれの再生能力の変化を検出したときに表示を送信してもよい。例えば、グループメンバーは、自身が低減されたネットワーク接続および/または低減されたバッテリ電力を経験していることを検出してもよく、その更新された再生能力の表示をグループコーディネータへ送信してもよい。その後、グループメンバーのネットワーク接続性および/またはバッテリ電力が改善されると、その更新された再生能力の表示をグループコーディネータに送信してもよい。
【0142】
このようにして、グループメンバーの再生能力は、再生能力の変動に適応するために、同期グループ再生の過程を通して監視されてもよい。次いで、グループコーディネータは、1つ以上のグループメンバーの再生能力に関する更新された情報を利用して、以下で更に詳しく論じるように、任意のグループメンバーによる再生がオーディオコンテンツの異なるバージョンに移行すべきかどうかを決定してもよい。
【0143】
更に別の可能性として、グループコーディネータは、1つ以上の他のデバイスからグループメンバーに関する情報を検索することによって、グループメンバーのそれぞれの再生能力を決定してもよい。一例として、1つ以上の他のデバイスは、ローカルメディア再生システムと通信可能に結合され、各再生デバイスのそれぞれの再生能力に関する情報を含む、ローカルメディア再生システムの各再生デバイスに関する情報を受信および記憶するように構成されたネットワークデバイスであってもよい。ネットワークデバイスは、例えば、複数のメディア再生システムの再生デバイスに関する再生デバイス情報を収集するように構成されたリモートコンピューティングデバイス(例えば、
図1Bに示すコンピューティングデバイス106cのうちの1つ)であってもよく、そのうちの1つは、グループコーディネータ510とグループメンバー512および514とを備えるローカルメディア再生システム500であってもよい。リモートコンピューティングデバイスは、様々な方法でグループメンバー512および514のそれぞれについての再生デバイス情報を収集してもよい。一例として、リモートコンピューティングデバイスは、各グループメンバーが最初にセットアップされて再生のために構成されるときに再生デバイス情報を収集してもよい。別の例として、リモートコンピューティングデバイスは、特定の間隔(例えば、1日に1回、再生デバイスがオーディオコンテンツを再生するためのコマンドを受信するたびに、再生デバイスがグループ構成を変更するたびに、など)で定期的に各再生デバイスから再生デバイス情報を収集してもよい。グループコーディネータは、リモートコンピューティングデバイスに問い合わせることによって、グループメンバーのそれぞれの再生能力に関する情報を検索してもよい。それに応答して、リモートコンピューティングデバイスは、前述したように、リモートコンピューティングデバイスによって記憶された(例えば、グループメンバーから以前に収集された情報)またはそうでなければリモートコンピューティングデバイスによってアクセス可能な(例えば、グループメンバーからの情報の要求に基づいて)再生デバイス情報に基づいて、グループメンバーの再生能力に関する情報を提供してもよい。リモートコンピューティングデバイスがグループメンバーについて収集された利用可能な情報を有する場合、リモートコンピューティングデバイスは、グループコーディネータにグループメンバーの最新の再生能力情報を提供してもよい。場合によっては、リモートコンピューティングデバイスがグループメンバーに関する最近の(または任意の)情報を有していない可能性がある。そのような場合、リモートコンピューティングデバイスは、最初にグループメンバーから現在の再生能力情報を要求し、次いで、その再生能力情報をグループコーディネータに提供してもよい。或いは、リモートコンピューティングデバイスは、グループコーディネータに、グループメンバーの再生能力情報を提供できないことを通知してもよく、この場合、グループコーディネータは、グループメンバーに直接問い合わせてもよい。ネットワークデバイスはまた、いくつかの非限定的な例として、ローカルメディア再生システム500内の制御デバイスまたは他の再生デバイスを含む様々な他の形態をとってもよいことが理解されるべきである。いくつかの例においては、例えば、ルータ503などのローカルネットワーク501内のネットワークデバイスが、再生グループ504内の再生デバイスのうちの1つ以上の再生能力に関する情報を提供してもよい。
【0144】
別の例として、グループコーディネータは、メディア・コンテンツ・サービス502a(
図1Bに示すコンピューティングデバイス106bのうちの1つに類似していてもよい)と関連付けられたリモートコンピューティングデバイスからグループメンバーに関する情報を検索することによって、グループメンバーのそれぞれの再生能力を決定してもよい。リモートコンピューティングデバイスは、異なるメディア再生システムにわたる様々なカテゴリの再生デバイスについての一般的な再生能力情報にアクセスしてもよく、MCS502aから利用可能なメディアコンテンツのタイプに関して個々のグループメンバーの能力を決定するためにこの情報を使用してもよい。再生デバイスは、とりわけ、製造元/モデル情報、オペレーティングシステム情報、および/またはシリアル番号などの様々な方法で、リモートコンピューティングデバイスによって分類してもよい。したがって、リモートコンピューティングデバイスは、グループコーディネータによって提供される各グループメンバーに関する識別情報(例えば、モデルおよびシリアル番号など)に基づいて、各グループメンバーのそれぞれの再生能力を決定し、決定されたそれぞれの再生能力の表示をグループコーディネータへ送信してもよい。他の例もまた可能である。
【0145】
上記に加えて、グループコーディネータは、それ自体の再生能力に関する情報を記憶してもよい。したがって、グループコーディネータが、再生グループに参加するか、または同期グループ再生のために1つ以上の他の再生デバイスと新たな再生グループを形成するためのコマンドを受信した場合、グループコーディネータは、それ自体の再生能力の表示を他のデバイス(例えば、グループコーディネータとして機能する別の再生デバイス、リモートコンピューティングデバイスなど)に提供してもよく、および/または前述したように互いに他の再生デバイスのそれぞれの再生能力を決定してもよい。
【0146】
別の可能性として、再生デバイス特性は、再生デバイスに関するデバイス情報を含んでもよく、再生デバイスに関する製造および他のハードウェアベースの情報を示すシリアル番号、モデルタイプ、製造日、および/または、とりわけ、ソフトウェアおよび/またはファームウェアバージョンなどの、ある時点で更新されている可能性があるソフトウェアベースの情報を含んでもよい。再生デバイスのそのようなデバイス情報は、再生デバイスの再生能力に対応するかまたは再生デバイスの再生能力を示してもよい。例えば、そのようなデバイス情報は、再生デバイスが扱うことができるオーディオコンテンツの品質レベルを示してもよい。別の例として、そのようなデバイス情報は、再生デバイスが、比較的高品質のオーディオコンテンツ(例えば、UHDコンテンツ)および/またはより広い範囲のオーディオフォーマットを扱うことができるより洗練されたハードウェアおよびソフトウェアを有するより新たなモデルのデバイスであること、または、再生デバイスが、比較的低品質のオーディオコンテンツ(例えば、HDコンテンツ)を扱うことしかできないあまり洗練されていないハードウェアおよびソフトウェアを有するより古いモデルのデバイスであることを示してもよい。この評価に基づいて、再生デバイス510は、再生グループの所与の再生デバイスによって再生されるべきオーディオコンテンツの適切なバージョンを決定してもよい。
【0147】
グループコーディネータは、様々な時点で再生デバイス特性を評価してもよい。いくつかの実装形態では、再生デバイス510は、グループコーディネータとして、再生グループが形成されるときに一人以上のグループメンバーの再生デバイス特性を評価することができる。例えば、再生デバイス510は、MPS500のコントローラデバイス(
図1Aおよび
図1Hの130aのコントローラデバイスと同様である。)によって表示されるユーザインタフェース(
図1Hのユーザインタフェース133と同様)を介して、一人以上の他のグループメンバーとのグループ化された再生のためにユーザによって選択されてもよい。そして、再生デバイス510は、他のグループメンバーごとに少なくとも1つのデバイス特性を識別してもよい。この識別情報に基づいて、再生デバイス510は、他のグループメンバーのうちの2つ以上が異なる装置特性を有すると決定してもよい。例えば、一例として、再生デバイス512などの第1の他のグループメンバーは、再生デバイス514などの第2の他のグループメンバーよりも洗練されていない再生能力を有する古いモデルデバイスであってもよい。別の例として、再生デバイス512などのあるグループメンバーは、ポータブルなバッテリ駆動再生デバイスであってもよく、したがって、固定再生デバイスであってもよい再生デバイス514などの第2の他のグループメンバーよりも安定性の低いネットワーク接続および/または低減された電力容量を有してもよい。例えば、ポータブル再生デバイス512がルータ503に対して移動すると、ローカルネットワーク501へのその接続が影響を受ける可能性があり、再生デバイス512は、再生グループと同期して高品質のオーディオコンテンツを確実に再生することができない可能性があり、および/または、ネットワーク性能に悪影響を及ぼす可能性がある帯域幅の減少を経験する可能性がある。他の例もまた可能である。
【0148】
そのような場合、再生デバイス510は、所望の同期グループが異なる再生能力を有する再生デバイスを含むことをユーザに知らせる通知をコントローラデバイス130aに表示させてもよく、その結果、ユーザはより低品質の聴取体験を体験することができる。いくつかの実装形態では、コントローラデバイス130aは、再生デバイス510によって促されることなく通知を独立して表示してもよい。例えば、コントローラデバイス130aは、グループメンバー510、512および514のそれぞれに関する構成情報、再生デバイス特性、または他のデータにアクセスしてもよい。異なる能力を有する再生デバイスがグループ化された再生のために選択されたと決定すると、コントローラデバイス130aは、前述したように通知を表示してもよい。再生中のコンテンツ品質に関する情報の表示に関する更なる情報は、2021年11月15日に出願された「User Interface for Managing Content Quality and Related Characteristics of a Media Playback System」 と題する米国仮出願第63/279,492号に記載されている。
【0149】
グループコーディネータによって識別され得るオーディオ再生に影響を及ぼし得る更に別のタイプの特性は、再生グループ特性である。再生デバイス510は、グループコーディネータとして、再生グループの1つ以上の特性を識別してもよい。再生デバイス510は、前述したように、ネットワーク特性および/またはデバイス特性の評価と併せて、そのような再生グループ特性の評価を実行してもよい。場合によっては、グループ特性が1つ以上のネットワーク特性に影響を及ぼし得るため、1つ以上のネットワーク特性の評価は、グループ特性の評価を含み得る。
【0150】
再生グループ特性は様々な形態を取り得る。1つの可能性として、再生グループ特性は、同期再生のためにグループ化される再生デバイスの総数を含んでもよい。同期再生のためにグループ化される再生デバイスの数は、ローカルネットワークの全体的な帯域幅、レイテンシ、輻輳、および/または、他の性能測定基準に影響を与えることがあり、したがって、同期再生のためにグループ化される再生デバイスのうちの1つ以上(例えば、再生デバイス510、512、514)とローカルネットワークデバイス(例えば、WIFIルータ503)との間の接続の品質に影響を与えるとともに、全体的なネットワーク性能にも影響を与えることがある。特に、同期再生のためにグループ化される再生デバイスの数は、利用可能な帯域幅の消費およびネットワークトラフィックの増加に起因して、ネットワーク性能品質と逆相関され得る。
【0151】
例えば、所与の時間にストリーミングされたオーディオの同期再生のためにグループ化されるデバイスの数が増加するにつれて、デバイスの数が増加すると更なる帯域幅を消費するため、ローカルネットワークがより輻輳する可能性があり、その結果、ネットワーク性能が低下する可能性がある。例えば、1つ以上のデータパケット(例えば、所与の再生デバイスによって再生されるべきオーディオコンテンツの1つ以上のパケット)が、その宛先(例えば、1つ以上のデータパケットを再生すべき宛先再生デバイス)に適時に到達できない場合がある。その結果、宛先再生デバイスは、ドロップアウトイベントを経験し、再生グループと同期してオーディオコンテンツを確実に再生することができず、ユーザ体験の低下をもたらす可能性がある。ローカルネットワークを介した高品質オーディオコンテンツ(すなわち、より大きな帯域幅を必要とするオーディオコンテンツ)の送信は、ネットワーク帯域幅の負担を更に増大させることができる。
【0152】
したがって、グループコーディネータ再生デバイスは、デバイスの閾値数を超えたかどうかを決定するために、同期再生のために現在グループ化されているデバイスの総数を評価してもよい。閾値数は、ネットワーク帯域幅、ネットワークレイテンシ、および/またはネットワーク全体に悪影響を及ぼすことなく、高品質オーディオコンテンツを確実に送信および/またはストリーミングすることができるデバイスの数に対応してもよい。閾値数は、様々な方法で決定してもよい。
【0153】
一例として、閾値数は、再生グループおよび/またはネットワークデバイスの1つ以上のグループメンバーに関連付けられた過去の再生データの解析と、以前のオーディオ再生セッションの経過中に1つ以上のグループメンバーおよび/またはネットワークデバイスに関連付けられた1つ以上のネットワーク特性の状態とに基づいて決定されていてもよい所定の数であってもよい。過去の再生データは、グループコーディネータまたは別のグループメンバーによって、メディア再生システムに関連付けられたリモートコンピューティングデバイス(例えば、
図1Bに示すクラウドベースのコンピューティングデバイス106c)に提供されていてもよい。例えば、再生デバイス510は、グループコーディネータとして、グループ化された再生中にネットワーク特性に関するデータをリモートコンピューティングデバイスに定期的に提供してもよい。次いで、リモートコンピューティングデバイスは、ネットワークデバイスおよび/またはローカルネットワークの履歴再生データおよびネットワーク特性に基づいて、ネットワーク性能が低下するリスクを著しく増大させることなく高品質オーディオコンテンツをストリーミングすることができる再生デバイスの最大数を決定してもよい。例えば、リモートコンピューティングデバイスは、帯域幅の減少、レイテンシの増加、および/またはスループットの低下などのネットワーク性能に悪影響を及ぼす重大なリスクを経験することなく、高品質オーディオコンテンツの同期再生のために最大3つの再生デバイスをグループ化することができると決定してもよい。そのような例では、閾値数を3として定義してもよく、これは、再生グループ504が任意の所与の時間に3つを超えるグループメンバーを含む場合、再生グループ504が高品質オーディオコンテンツを確実に再生することができない比較的高いリスクを冒す可能性があることを示す。リモートコンピューティングデバイスは、決定された閾値番号を、そのローカルメモリに閾値番号を記憶することができる、グループコーディネータ再生デバイス510などのメディア再生システム500の1つ以上の再生デバイスに提供してもよい。
【0154】
その後、再生グループのグループメンバーの総数が閾値数を超えたことをグループコーディネータが検出した場合(例えば、第4のグループメンバーが同期グループに参加する場合)、グループコーディネータは、一貫した信頼性のある再生の可能性を高めるために、異なるバージョンのオーディオコンテンツが再生されるべきであると決定してもよい。例えば、第4再生デバイスが同期グループ504に参加し、それにより、信頼できる再生のための閾値数を超えたことを検出すると、再生デバイス510は、高品質のオーディオコンテンツを再生するグループメンバーのそれぞれの能力または現在のネットワーク特性にかかわらず、同期グループ504の各グループメンバー(例えば、再生デバイス510、512、514、および第4再生デバイス)がオーディオコンテンツの低品質バージョン(例えば、低ビットレート、低ビット深度など)を再生すべきであると決定してもよい。これに関連して、オーディオコンテンツの以前に識別されたバージョンのいずれかがグループメンバーの数に基づいて高すぎる品質を含む場合、再生デバイス510は、同期グループによる再生のために以前に識別されたバージョンよりも低品質のバージョンであり得るオーディオコンテンツの代替バージョンを識別してもよい。
【0155】
別の可能性として、再生グループ特性は、同期再生のためにグループ化される再生デバイスのグループ化構成に関する情報の形態をとってもよい。例えば、
図1J~
図1Mに関して前述したように、再生デバイスは、同期再生(例えば、ステレオペア、ホームシアター/サラウンドサウンドなど)のために様々な方法で構成されてもよく、異なる構成は、1つ以上のグループメンバーの異なる再生責任および/または再生能力に対応してもよい。例えば、オーディオコンテンツ(例えば、2.0)の第1のマルチチャネルバージョンは、ステレオペア構成(
図1Jに示す)に適していてもよく、オーディオコンテンツ(例えば、5.1、6.1、7.2など)の第2のマルチチャネルバージョンは、サラウンドサウンド構成(
図1K、
図1Lに示す)に適していてもよい。したがって、グループコーディネータは、グループ構成情報を含む再生グループ特性に基づいてオーディオコンテンツの異なるバージョンを識別してもよい。
【0156】
場合によっては、メディア再生システムの1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、1つ以上の再生デバイス、1つ以上の制御デバイス、1つ以上のネットワークデバイス、クラウドサーバなどの1つ以上のリモートコンピューティングデバイスなど)は、再生のためのオーディオコンテンツの「最良の」推奨品質レベルを決定するために、収集された再生性能データに予測解析を適用してもよい。予測解析は様々な形態をとってもよい。1つの可能性として、予測解析は、他の可能性の中でも、決定木、ニューラルネットワーク(例えば、人工ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、全結合ニューラルネットワーク、部分結合ニューラルネットワークなど)、回帰モデル、分類モデル、および/またはクラスタリングを含むがこれらに限定されない1つ以上の機械学習技術を使用して訓練された機械学習モデルを利用してもよい。
【0157】
収集された再生性能データは、様々な方法で収集された履歴データであってもよい。1つの可能性として、収集された再生性能データは、再生に影響を及ぼし得る特性を評価することに関連して前述したように、再生デバイス(例えば、グループコーディネータ再生デバイス)、制御デバイス、またはメディア再生システムと通信するように構成されたリモートコンピューティングデバイスなどのメディア再生システムの1つ以上のデバイスによって収集されてもよい。収集された再生性能データは、他の方法でも収集されてもよい。場合によっては、再生性能データを収集するように構成されたデバイスは、機械学習モデルを構築および/または訓練するように構成された同じデバイスであってもよい。他の例では、機械学習モデルを構築、訓練、および/または実行する機能は、2つ以上のデバイスによって実行されてもよい。収集された再生性能データは、いくつかの例として、再生データ(例えば、再生されたコンテンツに関するデータなど)、ネットワーク性能データ(例えば、ネットワーク特性に関するデータなど)、再生デバイスデータ(再生デバイスおよびそれぞれの再生性能などに関するデータ)、再生グループデータ(例えば、再生グループサイズに関するデータなど)、または、メディア再生システムデータ(例えば、メディア再生システムに関するデータなど)を含んでもよい。
【0158】
一般に、機械学習モデルは、(i)ネットワーク特性(例えば、ネットワーク接続品質、ネットワークレイテンシ、ネットワーク帯域幅など)、再生デバイス特性(例えば、再生能力情報、デバイス情報など)、再生グループ特性(例えば、再生グループサイズに関する情報、再生グループ構成に関する情報など)などを含み得る、再生に影響を及ぼし得る本明細書に記載の1つ以上の特性を入力として受信し、(ii)再生されるべきオーディオコンテンツの推奨品質レベルを出力するように機能してもよい。出力は、確実に再生され得るオーディオコンテンツの最高品質レベルであり得る。
【0159】
場合によっては、利用される予測解析は、特定のユーザ、家庭、および/または企業に関連付けられ得る特定の動作環境内の特定のデバイスセットに合わせて調整してもよい。例えば、収集された再生性能データのセットは、特定の家庭内の3つ以上の再生デバイスによる同期再生のために高品質オーディオコンテンツが選択されたときに、オーディオドロップアウトイベントの発生が著しく増加することを示してもよい。そのような例では、予測解析は、中品質のオーディオコンテンツがその特定の家庭内の3つ以上の再生デバイスによる信頼できる同期再生に最も適しているという推奨を出力する(例えば、再生グループサイズ、およびおそらくは特定の家庭のネットワーク特性も含む入力に基づいて)ように訓練された機械学習モデルを利用してもよい。
【0160】
d.閾値基準
前述したように、1つ以上のネットワーク特性、グループメンバー再生デバイス特性、および/または、再生グループ特性を特定した後、再生デバイス510は、グループコーディネータとして、特定された特性が閾値基準のセットにおける少なくとも1つの基準を満たすか否かを決定してもよい。閾値基準のセットは、前述の特性のそれぞれを含む様々な特性のための少なくとも1つの閾値基準を含んでもよい。各閾値基準は、オーディオコンテンツを確実に再生し、オーディオコンテンツの特定レベルの品質(例えば、高品質オーディオコンテンツ)のストリーミングおよび/または送信中のネットワーク性能への中断を最小限に抑えるために必要とされ得るそれぞれの基準の最小値を表してもよい。
【0161】
例えば、再生デバイス510は、前述したネットワーク特性の評価において、(i)ルータ503と再生デバイス510との間、(ii)ルータ503と再生デバイス512などの第1の他のグループメンバー再生デバイスとの間、および、(iii)ルータ503と再生デバイス514などの第2の他のグループメンバー再生デバイスとの間のそれぞれの接続品質を識別してもよい。そして、再生デバイス510は、各それぞれの接続品質が閾値基準のセット内の少なくとも1つの基準を満たすか否かを決定してもよい。
【0162】
閾値基準のセットは、再生デバイスがネットワーク性能に悪影響を与えることなく接続を介してオーディオコンテンツを確実に再生および/またはストリーミングすることを可能にするために再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続が満たさなければならない最低レベルの品質に対応する接続品質閾値基準を含んでもよい。接続品質閾値基準は、他の例の中でも、帯域幅閾値、レイテンシ閾値、スループット閾値、および/または無線信号強度閾値のうちの1つ以上を含み得る。これに関連して、接続品質閾値基準は、各再生デバイスがアクセスできる所定の基準のセットであってもよい。一例として、基準は、安定したネットワーク性能を維持する方法で平均品質のオーディオコンテンツをストリーミングするための標準値に基づいてもよい。別の例として、基準は、再生デバイスまたは別のグループメンバーによって実行される初期帯域幅および/またはレイテンシテストに基づいてもよい。更に別の例として、閾値基準は、メディア再生システムの再生履歴データに基づいてもよい。更に別の例として、閾値基準のいくつかの態様は、ローカルネットワークデバイスとの再生デバイスのそれぞれの接続品質に基づいてもよい。
【0163】
閾値基準のセットは、他の特性も含み得る。1つの可能性として、閾値基準のセットは、再生デバイス特性を含んでもよい。例えば、そのような閾値基準は、閾値モデルまたは閾値製造年を含んでもよい。そのような閾値基準は、グループ化された再生のための再生デバイスの再生能力に関連してもよい。一例として、再生デバイスの特定の古いモデルは、高品質のオーディオコンテンツをストリーミングすることができない場合がある。別の例として、再生デバイスの特定の古いモデルは、オーディオコンテンツの無線ストリーミングおよび/または再生グループと同期してオーディオコンテンツを再生するために必要な構成要素または能力を有していなくてもよい。閾値デバイス特性基準は、シームレスで比較的高い忠実度の再生体験を提供(および維持)するように、各グループメンバー再生デバイスが同期再生に関与するための最小要件を有することを保証するのに役立ち得る。
【0164】
別の可能性として、閾値基準のセットは、再生グループ特性を含んでもよい。例えば、そのような閾値基準は、前述したように、ネットワーク性能に影響を与えることなく高品質のオーディオコンテンツをストリーミングすることができるグループメンバーの閾値数を含んでもよい。
【0165】
識別された特性が少なくとも1つの閾値基準を満たすかどうかを決定することに基づいて、グループコーディネータは、各グループメンバーによってオーディオコンテンツの以前に識別されたバージョンのうちのどれが再生されるべきかを決定してもよい。例えば、再生デバイス510は、自身のネットワーク接続品質が閾値ネットワーク接続品質基準を満たすと決定してもよい。更に、再生デバイス510は、再生デバイス512の第1のネットワーク接続品質が閾値ネットワーク接続品質基準を満たすと決定してもよい。更にまた、再生デバイス510は、再生デバイス514の第2のネットワーク接続品質が閾値ネットワーク接続品質基準を満たさないと決定してもよい。
【0166】
それぞれの識別された特性が少なくとも閾値基準を満たす各グループメンバーについて、グループコーディネータは、グループメンバーにオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生させてもよい。例えば、再生デバイス510および再生デバイス512のそれぞれのネットワーク接続品質が閾値ネットワーク接続品質基準を満たすとの決定に基づいて、再生デバイス510は、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンを再生し、(ii)再生デバイス512に、再生デバイス510と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生させてもよい。
【0167】
識別された特性が少なくとも閾値基準を満たさない各グループメンバーについて、グループコーディネータは、グループメンバーにオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させてもよい。例えば、再生デバイス514のネットワーク接続品質が閾値ネットワーク接続品質基準を満たさないとの決定に基づいて、再生デバイス510は、再生デバイス514および再生デバイス510によるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生デバイス512に再生させてもよい。オーディオコンテンツの第2のバージョンは、第1のバージョンよりも低品質のバージョンであってもよい。例えば、第2のバージョンは、第1のバージョンよりも低いビットレート、より低いサンプルレート、より低いビット深度、および/またはより低いオーディオチャネル出力を有するバージョンを含むことができる。その結果、再生デバイス514のネットワーク接続品質が閾値基準を満たさないため(接続が高品質オーディオコンテンツのストリーミングをサポートできない可能性が高いことを示す)、オーディオコンテンツの低品質バージョンを再生することにより、再生デバイス514は、ネットワーク性能および全体的なユーザ聴取体験に悪影響を与えることなく、同期グループ化再生に参加することができる。
【0168】
場合によっては、再生デバイス510のネットワーク接続品質が閾値基準を満たさなくてもよく、代わりに、再生デバイス510は、再生デバイス514と同期して第2のバージョンのオーディオコンテンツを再生し、再生デバイス512および再生デバイス510による第2のバージョンの再生と同期して第1のバージョンを再生デバイス514に再生させてもよい。
【0169】
いくつかの実装形態では、グループコーディネータは、前述したように、ネットワーク特性、グループメンバー再生デバイス特性、および/または再生グループ特性を含む、オーディオ再生に影響を及ぼし得る1つ以上の特性を評価した後にオーディオコンテンツを識別してもよい。例えば、グループコーディネータは、各グループメンバーのそれぞれの再生能力を決定し、その決定に基づいて、再生のためのオーディオコンテンツの1つ以上のバージョンを識別してもよい。
【0170】
いくつかの例では、グループコーディネータが、再生グループが「ヘテロジニアス」再生能力を含む、すなわち、再生グループの2つ以上のメンバーが異なる再生能力を有すると決定した場合、オーディオコンテンツの単一バージョンが、すべてのグループメンバーによる同期再生のために識別されてもよい。これは、本明細書では「最低共通分母」アプローチと呼ばれ、同期再生のために識別されるオーディオコンテンツの単一バージョンは、すべてのグループメンバーに共通の最も洗練された再生能力に基づく。したがって、この手法の下では、識別されるオーディオコンテンツのバージョンは、最も洗練されていないグループメンバーが再生することができる最高品質バージョンに対応してもよい。一例で説明すると、グループコーディネータ510は、(i)グループコーディネータ510が再生可能な最高品質のオーディオコンテンツが、DRM暗号化された、Dolby Digital Plus符号化された、UHDオーディオコンテンツであること、(ii)グループメンバー512が再生可能な最高品質のオーディオコンテンツが、DRM暗号化された、Dolby Digital Plus符号化された、UHDオーディオコンテンツであること、および(iii)グループメンバー514が再生可能な最高品質のオーディオコンテンツが、DRM暗号化されていない、従来のマルチチャネルサラウンドサウンド(例えば、非Dolby Atmos符号化コンテンツ)、HDオーディオコンテンツであること、を決定してもよい。したがって、最低共通分母アプローチの下では、再生のために最終的に識別されるバージョンは、すべてのグループメンバーに共通の最も洗練された再生互換性に対応してもよく、この例では、グループメンバー514によって再生可能なオーディオコンテンツの非DRM暗号化の従来のマルチチャネルHDバージョンとしてもよい。
【0171】
場合によっては、特定のグループメンバーの再生能力の1つ以上の態様は、より高品質のオーディオコンテンツを再生するそのグループメンバーの能力にもかかわらず、より低品質のバージョンのオーディオコンテンツの識別を保証してもよい。例えば、グループコーディネータ510は、グループコーディネータ510並びにグループメンバー512および514のそれぞれが、DRM暗号化され、Dolby Digital Plus符号化され、UHDオーディオコンテンツを再生することができると決定してもよい。しかしながら、グループメンバー514のそれぞれの再生能力は、グループメンバー514が、(i)バッテリ動作(例えば、ポータブル)再生デバイスであり、(ii)外部電源に接続されておらず、かつ(iii)バッテリ残量が全バッテリ電力の閾値レベル(例えば、50%)未満であることを示してもよい。したがって、グループメンバー514のバッテリ寿命を延ばし、同期再生への中断を減らすために、グループコーディネータ510は、同期再生のための低品質バージョンのオーディオコンテンツを識別してもよく、その結果、グループメンバー514は、高品質のオーディオコンテンツを再生する場合に消費するよりも遅い速度で電力を消費することができる。いくつかの実装形態では、これらの状況で識別されるオーディオコンテンツの低品質バージョンは、オーディオコンテンツの第1のバージョンであってもよく、グループコーディネータは、グループメンバー514の再生能力が向上するか、そうでなければ変化する場合に使用されることになるオーディオコンテンツの第2の高品質バージョンを更に識別してもよい。したがって、グループコーディネータは、最初にオーディオコンテンツの第1のバージョンをグループメンバー512および514に提供し、グループメンバー512および514と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生してもよい。その後、同期再生の過程でグループメンバー514の再生能力が向上した場合(例えば、充電装置に差し込まれる)、グループコーディネータは、オーディオコンテンツの第2のバージョンをグループメンバー512および514に提供し、グループメンバー512および514と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生に移行してもよい。オーディオコンテンツの第1のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第2のバージョンへの移行については、以下で更に詳細に説明する。
【0172】
特に、以下でより詳細に説明するように、グループメンバー再生デバイスの再生能力を含む、オーディオ再生に影響を及ぼし得る特性の評価は、とりわけ、同期再生のためにデバイスがグループ化されている間(例えば、時限間隔(例えば、2分毎)で、オーディオ境界が検出されたとき(例えば、オーディオトラックの終わり、新たなオーディオトラックの始まりなど)、グループ特性の変化が検出されたとき(例えば、デバイスがグループを離れる、デバイスがグループに参加するなど)、またはネットワーク特性の変化が検出されたときなど)、定期的になど、様々な時点で実行してもよい。このようにして、再生は、高い忠実度を維持し、ユーザの聴取体験を満足させるために、再生品質の変化のユーザ知覚可能性を低減しながら、オーディオコンテンツの異なるバージョン間のシームレスな移行を可能にする方法で、同期グループの1つ以上のメンバーの変動する能力を考慮するように動的に適合され得る。
【0173】
e.オーディオコンテンツの取得
グループメンバーの再生能力が決定され、オーディオコンテンツの1つ以上のバージョンが識別された後、オーディオコンテンツの1つ以上のバージョンを再生のために取得してもよい。オーディオコンテンツの1つ以上のバージョンを取得することは、様々な形態をとってもよい。
【0174】
いくつかの例では、オーディオコンテンツのバージョンは、1つ以上のメディア・コンテンツ・サービスからグループコーディネータによって取得されてもよい。グループコーディネータは、前述したように各グループメンバーのそれぞれの再生能力を決定することによって開始してもよい。それぞれの再生能力に基づいて、グループコーディネータはメディア・コンテンツ・サービスからオーディオコンテンツの所与のバージョンを要求してもよい。いくつかの実装形態では、グループコーディネータは、メディア・コンテンツ・サービスから、オーディオコンテンツの所与のバージョンを受信してもよく、次いで、グループコーディネータは、同期再生のために、再生タイミング情報と共に、各グループメンバーに配信してもよい。或いは、いくつかの実装形態では、グループコーディネータは、メディア・コンテンツ・サービスから、オーディオコンテンツの所与のバージョンを検索するためのポインタ(例えば、URIまたはURLなど)を受信してもよい。次いで、グループコーディネータは、ポインタを使用してオーディオコンテンツの所与のバージョンを検索し、オーディオコンテンツの所与のバージョンを再生タイミング情報と共に、同期再生のために各グループメンバーに配信してもよい。或いは、いくつかの実装形態では、グループコーディネータは、メディア・コンテンツ・サービスから、オーディオコンテンツのそれぞれのバージョンに対応する複数のポインタを含むマニフェスト(またはマニフェストへのポインタ)を受信してもよい。次いで、グループコーディネータは、オーディオコンテンツの所与のバージョンに対応するポインタを決定し、ポインタを使用してオーディオコンテンツの所与のバージョンを検索し、オーディオコンテンツの所与のバージョンを再生タイミング情報と共に、同期再生のために各グループメンバーに配信してもよい。他の例もまた可能である。
【0175】
グループコーディネータが再生グループによって再生されるべきオーディオコンテンツの2つ以上のバージョンを識別する実装形態では、グループコーディネータは、メディア・コンテンツ・サービスからオーディオコンテンツの各識別されたバージョンを要求してもよい。次いで、メディア・コンテンツ・サービスは、前述したように、オーディオコンテンツの各バージョン、オーディオコンテンツの各バージョンのそれぞれのポインタ、またはグループコーディネータへのポインタのマニフェストを返してもよい。そのような実装形態では、グループコーディネータは、2つ以上のメディア・コンテンツ・サービスからオーディオコンテンツのバージョンを要求してもよい。例えば、グループコーディネータは、第1のメディア・コンテンツ・サービスからのオーディオコンテンツの第1のバージョンと、第2のメディアサービスからのオーディオコンテンツの第2のバージョンとを要求してもよい。
【0176】
いくつかの例では、オーディオコンテンツのバージョンは、グループコーディネータによって提供される再生能力情報に基づいてメディア・コンテンツ・サービスによって取得されてもよい。グループコーディネータは、前述のように各グループメンバーのそれぞれの再生能力を決定し、次いで、決定された再生能力をメディア・コンテンツ・サービスへ送信することによって開始してもよい。次いで、メディア・コンテンツ・サービスは、グループコーディネータによって提供された再生能力情報に基づいてオーディオコンテンツの1つ以上のバージョンを識別し、識別されたオーディオコンテンツのバージョンをグループコーディネータへ提供してもよい。グループコーディネータは、前述したようにオーディオコンテンツのバージョンを受信してもよい。
【0177】
いくつかの例では、オーディオコンテンツのバージョンは、再生グループのローカルメディア再生システムおよび1つ以上のメディア・コンテンツ・サービスと通信するように構成されたリモートコンピューティングデバイスによって取得されてもよい。例えば、リモートコンピューティングデバイスが再生能力情報を含む再生デバイス情報を収集するように構成されている実装形態では、リモートコンピューティングデバイスは、1つ以上のメディア・コンテンツ・サービスから、再生グループのそれぞれの再生能力に基づいてオーディオコンテンツの1つ以上のバージョンを取得してもよい。次いで、リモートコンピューティングデバイスは、取得したバージョンをグループコーディネータに提供してもよい。次に、グループコーディネータは、同期再生のために、再生タイミング情報と共に、取得されたバージョンをグループメンバーに配信してもよい。
【0178】
f.オーディオコンテンツの送信
グループメンバーにオーディオコンテンツの所与のバージョンを再生させることは、様々な形態をとってもよい。1つの可能性として、グループコーディネータは、1つ以上のメディアコンテンツソースからオーディオコンテンツの異なるバージョンを識別するときに、1つ以上のメディアコンテンツソースからオーディオコンテンツの異なるバージョンを検索してもよい。一例として、グループコーディネータは、検索されたオーディオコンテンツのバージョンをダウンロードし、ローカルメモリに一時的に記憶してもよい。上記のように各グループメンバーがどのバージョンを再生すべきかを決定した後で、グループコーディネータは、各グループメンバーへ、それぞれのグループメンバーが再生すべきオーディオコンテンツの決定されたバージョンを、1つ以上のデータパケットを介して送信してもよい。例えば、
図5を参照すると、再生デバイス510は、(i)グループメンバー512への1つ以上のデータパケット506aを備えるオーディオコンテンツ505aの第1のストリームを介してオーディオコンテンツの第1のバージョンを、かつ(ii)グループメンバー514への1つ以上のデータパケット506bを備えるオーディオコンテンツ505bの第2のストリームを介してオーディオコンテンツの第2のバージョンを、同時に、または実質的に同時に送信してもよい。
【0179】
オーディオコンテンツ505aおよび505bの各ストリームは、それぞれの再生タイミング情報507aおよび507bを更に含んでもよい。再生タイミング情報507aおよび507bは、それぞれのグループメンバー512および514に、1つ以上のそれぞれのデータパケット506aおよび506bのそれぞれが消費されるべきタイミングおよび/または順序(例えば、出力)、すなわち、オーディオコンテンツの同期再生を達成するためにデータパケットがそれぞれのグループメンバーによって再生されるべき時間および/または順序を示す提示タイムスタンプを含んでもよい。これに関連して、オーディオコンテンツの異なるバージョンを検索した後、グループコーディネータは、オーディオコンテンツの各バージョンについて、1つ以上のグループメンバーへの送信のためのデータパケットの対応するセットを生成してもよい。データパケットのセットは、オーディオコンテンツの所与の部分について、オーディオコンテンツの各バージョンについて、対応するデータパケットのペアを含んでもよい。グループコーディネータは、データパケットの各ペアについて、対応するプレゼンテーションタイムスタンプを更に生成してもよい。このようにして、グループメンバーによって受信されたオーディオコンテンツのバージョンにかかわらず、各グループメンバーは、再生グループの他のグループメンバーと同期して(各受信データパケットのプレゼンテーションタイムスタンプに基づいて)そのそれぞれのバージョンを再生してもよい。いくつかの実施形態では、オーディオコンテンツ505aおよび505bのストリームは、それぞれのクロックタイミング情報508aおよび508bを更に含んでもよい。場合によっては、再生デバイス510は、再生タイミング情報507aおよび/または507bの一方または両方と、クロックタイミング情報508aおよび/または508bの一方または両方とを使用して、本明細書で説明するように、グループメンバー512および514の一方または両方と同期してオーディオコンテンツを再生してもよい。同期再生に関する更なる情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年10月22日に出願された「Techniques For Enabling Interoperability between Media Playback Systems(メディア再生システム間の相互運用性を可能にする技術)」と題する米国特許出願第17/508,028号に見出すことができる。
【0180】
別の可能性として、グループコーディネータは、各グループメンバーへ、所与のメディアコンテンツソースからオーディオコンテンツの所与のバージョンを独立して検索するためのポインタ(例えば、URIまたはURL)を含む通知を送信してもよい。通知は、各グループメンバーが他のグループメンバーと同期してオーディオコンテンツのそのそれぞれのバージョンを再生するためのタイミング情報を更に含んでもよい。他の例もまた可能である。
【0181】
g.特性変化の検出
グループメンバーがオーディオコンテンツを同期して再生している間、グループコーディネータは、1つ以上のグループメンバーの以前に識別された特性の変化を検出してもよい。検出された変更に基づいて、グループコーディネータは、1つ以上のグループメンバーに、オーディオコンテンツの1つのバージョンの再生からオーディオコンテンツの異なるバージョンの再生への移行を行わせてもよい。
【0182】
グループコーディネータは、様々なタイプの特性の変化を検出してもよい。1つの可能性として、グループコーディネータは、1つ以上のネットワーク特性の変化を検出してもよい。一例として、グループコーディネータは、ネットワーク特性におけるアップグレードを検出してもよい。例えば、再生デバイス510は、グループコーディネータとして、再生デバイス514とネットワークデバイスとの間の第2の接続の品質が、第2の接続の品質が閾値ネットワーク接続品質基準を満たすように改善されたことを検出してもよく、これは、再生デバイス514が、ネットワークまたは再生性能に悪影響を与えることなく、より高品質のオーディオコンテンツをストリーミングすることができることを示す。したがって、再生デバイス510は、再生デバイス514および再生デバイス510と同期して、再生デバイス512に、オーディオコンテンツの第2のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生へと移行させてもよい。別の例として、グループコーディネータは、ネットワーク特性におけるダウングレードを検出してもよい。例えば、再生デバイス510は、再生デバイス512がもはやネットワークまたは再生性能に悪影響を与えることなくオーディオコンテンツの第1のバージョンをストリーミングすることができないことを示す、第1の接続の品質が閾値ネットワーク接続品質基準をもはや満たさないように再生デバイス512とネットワークデバイスとの間の第1の接続の品質が低下したことを検出してもよい。したがって、再生デバイス510は、再生デバイス512によるオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生および再生デバイス514によるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期して、再生デバイス510に、オーディオコンテンツの第1のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生への移行を行わせてもよい。
【0183】
別の可能性として、グループコーディネータは、1つ以上の再生デバイス特性の変化を検出してもよい。例えば、グループコーディネータは、最初に、特定のグループメンバーがより高品質のオーディオコンテンツに対応する第1の符号化方式を扱うことができると決定してもよい。しかしながら、グループコーディネータは、第2の時点で、特定のグループメンバーが現在パフォーマンス低下状態にあると決定してもよい(例えば、処理能力の低下、バッテリの低下など)。その結果、グループコーディネータは、少なくともグループメンバーの再生能力が向上するまで、グループメンバーが一時的に第1の符号化方式を扱うことができないと決定してもよく、したがって、より低品質のオーディオコンテンツに対応する第2の符号化方式を有する対応するオーディオコンテンツを識別してもよい。
【0184】
グループコーディネータは、再生グループ特性を含む他の特性の変化も検出してもよい。多くの他の例もまた可能である。
【0185】
グループコーディネータは、様々な方法で特性の変化を検出してもよい。1つの可能性として、グループコーディネータは、前述のように1つ以上の特性を監視した結果として変化を検出してもよい。例えば、前述したように、グループコーディネータは、再生グループの他のグループメンバーへテストパケットを定期的に送信してもよく、および/または、1つ以上の特性の状態に関する情報を他のグループメンバーから要求してもよい。別の可能性として、グループコーディネータは、1つ以上のグループメンバーから、グループメンバーのそれぞれの特性が変化したという表示を受信してもよい。変更に基づいて、グループコーディネータは、グループ再生を適合させてもよい。一例で説明すると、初期時間T1において、グループコーディネータは、グループコーディネータ並びに第1のグループメンバーおよび第2のグループメンバーのそれぞれが、各再生デバイスがオーディオコンテンツの比較的高品質の第1のバージョンを再生することを可能にするそれぞれの再生能力を有すると決定していてもよい。そして、グループコーディネータは、同期再生のための初期時間T1における再生グループのそれぞれの再生能力に対応するオーディオコンテンツの第1のバージョンを取得してもよい。その後、グループコーディネータ並びに第1のグループメンバーおよび第2のグループメンバーが同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間、グループコーディネータは、先に論じたように、各グループメンバーのそれぞれの再生能力の表示を定期的に受信することによって(およびおそらくは、それ自体の再生能力の内部表示も生成することによって)、グループメンバーの再生能力を監視し続けていてもよい。第2の時間T2において決定された再生能力情報に基づいて、グループコーディネータは、1つ以上のグループメンバーがもはやオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生することができないように、1つ以上のグループメンバーの再生能力が変化したと決定してもよい。例えば、時間T2において、所与のグループメンバーは、そのそれぞれの再生能力に悪影響を及ぼすネットワーク接続性の低下またはバッテリ電力の低下(例えば、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、および/または10%未満のバッテリ残量)を経験している可能性がある。したがって、グループコーディネータは、所与のグループメンバーによる再生のためにオーディオコンテンツの第2の比較的低品質のバージョンを取得すべきであると決定してもよい。他の例もまた可能である。
【0186】
別の可能性として、グループコーディネータは、グループコーディネータを含む再生グループのサイズが変化したときに特性の変化を検出してもよい(例えば、グループメンバーがグループを離れるとき、または新たなグループメンバーがグループに参加するとき)。例えば、グループコーディネータは、新たなグループメンバーがグループコーディネータを含む再生グループに参加するときに再生能力の変化を検出してもよい。前述したように、グループコーディネータは、グループメンバーがグループコーディネータと共に再生グループに参加するときに(おそらくグループコーディネータからの要求に応答して)グループメンバーのそれぞれの再生能力の表示を受信してもよく、或いはグループコーディネータと同期してオーディオコンテンツを再生するためのコマンドを受信してもよい。グループメンバーのそれぞれの再生能力の表示に基づいて、グループコーディネータは、グループメンバーの再生能力がグループコーディネータ(および任意の他のグループメンバー)の再生能力とは異なると決定してもよく、したがって、グループメンバーは、再生グループによって現在再生されているオーディオコンテンツの第1のバージョンを扱うことができない。グループメンバーは、グループメンバーの解読および/または復号能力、処理能力、および/またはバッテリ状態など、前述したものを含む様々な理由のいずれか1つのために第1のバージョンを処理することができない場合がある。したがって、グループコーディネータは、第1のバージョンとは異なるオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得すべきであると決定してもよい。
【0187】
いくつかの実装形態では、新たなグループメンバーがオーディオコンテンツの第1のバージョンを扱うことができないと決定すると、グループコーディネータは、新たなグループメンバーが現在再生されているオーディオコンテンツのバージョンを扱うことができず、その結果、同期再生が影響を受ける可能性があることを示す表示をユーザに表示させてもよい。表示は様々な形態をとってもよい。いくつかの例では、表示は、グループコーディネータまたは1つ以上の他のグループメンバーのオンデバイスユーザインタフェース(例えば、
図1Cのユーザインタフェース113)を介して表示される視覚的表示の形態をとってもよい。例えば、視覚的表示は、1つ以上のグループメンバーのLEDディスプレイを介して所与の色を表示することを含んでもよい。視覚的表示は、更に、短いチャイムまたは警報などの音声表示を伴ってもよい。いくつかの例では、オンデバイスUI表示に加えて、またはその代わりに、表示は、コントローラデバイス(例えば、
図1Hのコントローラデバイス130aのユーザインタフェース133)のユーザインタフェースを介してユーザに表示される通知の形態をとってもよい。他の例もまた可能である。
【0188】
いくつかの例では、上記の表示は、新たなグループメンバーの能力が変更を必要とする可能性がある(例えば、グルーピングコマンドを受信した後で)とグループコーディネータが判断した後、変更を行う前にユーザに提供されてもよい。したがって、ユーザは、現在の再生条件を維持することを優先してコマンドをキャンセルするオプションを提示されてもよい。
【0189】
いくつかの実装形態では、グループコーディネータは、1つ以上の特性の変化を予測し、予測された変化を見越してグループ再生をそれに応じて適合させてもよい。グループコーディネータは、様々な方法で変化を予測してもよい。1つの可能性として、グループコーディネータは、過去の再生データ、過去のゾーン形成データ、および/または過去のグループ形成データに基づいて変更を予測してもよい。例えば、グループコーディネータは、過去の再生データおよび過去のグループ形成データに基づいて、所与の時刻にグループコーディネータが所与のオーディオコンテンツの再生のために他の再生デバイスとの所与の同期グループに入ることを決定してもよい。所与の同期グループは、あまり洗練されていない再生能力を有する古いモデルである少なくとも1つの再生デバイスを備えてもよく、および/または多数の再生デバイスを備えてもよい。例えば、ユーザは、午後6時~午後7時に夕食を作りながら所与のプレイリストを聞くことができ、より没入型のオーディオ体験を作り出すためにユーザのキッチンおよびリビングルーム領域内のいくつかの再生デバイスをグループ化してもよく、それらの再生デバイスのうちの1つは、他の再生デバイスよりも比較的洗練されていない再生能力を有する古いモデルの再生デバイス、バッテリ駆動再生デバイスなどであってもよい。したがって、所与の時刻が近づくにつれて、グループコーディネータは、ネットワークトラフィックの増加を予測してもよく、したがって、例えば、1つ以上のグループメンバーに所与のオーディオコンテンツの低品質バージョンを再生させることによって、グループ化された再生を、より信頼性の高い同期再生に適応させてもよい。
【0190】
別の可能性として、グループコーディネータは、1つ以上の他のグループメンバーの位置に基づいて1つ以上のネットワーク特性の変化を予測してもよい。例えば、所与の再生デバイスは、中央に位置するローカルネットワークデバイスから物理的に遠く離れた(例えば、地下室、ガレージなど)メディア再生システムの領域に位置してもよく、所与の再生デバイスとネットワークデバイスとの間のネットワーク接続が概して弱くなる。したがって、所与の再生デバイスがグループ化された再生のために選択されるときはいつでも、再生グループのグループコーディネータは、所与の再生デバイスが低減された帯域幅を有することができると予測してもよい。したがって、グループコーディネータは、例えば、少なくとも所与の再生デバイスに所与のオーディオコンテンツの低品質バージョンを再生させることによって、グループ再生をそれに応じて適合させてもよい。グループコーディネータは、他の方法でも変化を予測してもよい。
【0191】
いくつかの実装形態では、1つ以上の特性の変化を検出または予測すると、グループコーディネータは、変化の表示をユーザに表示させてもよい。表示は様々な形態をとってもよい。1つの可能性として、表示は、グループコーディネータまたは1つ以上の他のグループメンバーのオンプロダクトユーザインタフェース(例えば、
図1Cのユーザインタフェース113)を介して表示される視覚的表示の形態をとってもよい。例えば、視覚的表示は、1つ以上のグループメンバーのLEDディスプレイを介して所与の色を表示することを含んでもよい。視覚的表示は、更に、短いチャイムまたは警報などの音声表示を伴ってもよい。別の可能性として、製品上のUI表示に加えて、または製品上のUI表示の代わりに、表示は、コントローラデバイスのユーザインタフェース(例えば、
図1Hのコントローラデバイス130aのユーザインタフェース133)を介してユーザに表示される通知の形態をとってもよい。他の例もまた可能である。
【0192】
1つ以上のグループメンバーの再生能力の変化は、他の方法で、または他の時点で同様に検出されてもよい。
【0193】
1つ以上の特性の変化を検出することに基づいて、グループコーディネータは、オーディオコンテンツの1つ以上の異なるバージョンが取得されるべきであると決定してもよい。次いで、グループコーディネータは、再生グループによる再生のためのオーディオコンテンツの異なるバージョンの取得に進んでもよい。例えば、グループコーディネータは、オーディオコンテンツの第2のバージョンが取得されるべきであると決定してもよい。グループコーディネータがオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得すべきであると決定した後で、グループコーディネータは、メディアコンテンツソースから第2のバージョンの取得に進んでもよい。グループコーディネータは、メディアコンテンツソースからオーディオコンテンツの第2のバージョンを要求することによって、メディアコンテンツソースに提供された再生能力情報に基づいて第2のバージョン(または第2のバージョンへのポインタ)を受信することによって、またはメディアコンテンツソースから第2のバージョンを受信するためにリモートコンピューティングデバイスと通信することによってなど、前述した様々な方法のいずれか1つで第2のバージョンを取得してもよい。
【0194】
好適には、グループコーディネータは、オーディオの第2のバージョンを検索し、第1のバージョンの再生から第2のバージョンへの移行のユーザの知覚を低減するように各グループメンバーに第2のバージョンを提供することができる。グループコーディネータは、様々な方法でそのような「シームレスな移行」効果を達成することができる。
【0195】
いくつかの例では、グループコーディネータは、オーディオコンテンツの第1のバージョンを同期して再生するために他のグループメンバーと依然として調整している間に、オーディオコンテンツの第2のバージョンの検索を開始してもよい。この間、オーディオコンテンツの第1のバージョンは、他のグループメンバーへの送信前にグループコーディネータの第1のバッファに記憶されてもよい。同時に、グループコーディネータは、第2のバッファへのオーディオコンテンツの第2のバージョンの格納を開始してもよく、バッファされたオーディオコンテンツの第1のバージョン内のオーディオ境界(例えば、サンプル境界)およびバッファされたオーディオコンテンツの第2のバージョン内の対応するオーディオ境界を更に識別してもよい。第1のバッファ内で境界に達すると、グループコーディネータは、バッファリングされたオーディオコンテンツの第2のバージョン内の対応する境界から始まって、第1のバッファからオーディオコンテンツの第1のバージョンを送信することから、第2のバッファからオーディオコンテンツの第2のバージョンを送信することに移行してもよい。
【0196】
境界は、様々な方法で識別してもよい。例えば、境界は、オーディオコンテンツの異なるバージョン間の移行がユーザによって知覚される可能性が低いオーディオコンテンツの部分に対応してもよい。一例として、オーディオコンテンツがプレイリストである場合、境界は、現在再生中のトラックの終わり、またはおそらく現在再生中のトラックのコーラスの始まりであってもよい。別の例として、オーディオコンテンツが、表示デバイス(例えば、テレビ、スマートフォン、タブレットなど)に表示されているビデオコンテンツに対応するサウンドトラックである場合、境界は、現在再生中のシーンの終了に対応するサウンドトラックの一部であってもよい。他の例もまた可能である。
【0197】
前述のようにオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得した後、グループコーディネータは、再生タイミング情報と共に第2のバージョンを各グループメンバーへ送信してもよい。再生タイミング情報は、第2のバージョンの再生を開始するタイミングに関する情報を含んでもよい(例えば、上記のような境界において)。境界に達すると、グループコーディネータおよび各グループメンバーは、オーディオコンテンツの第1のバージョンの再生を停止し、オーディオコンテンツの第2のバージョンの再生を開始してもよい。
【0198】
前述した方法において、グループコーディネータは、再生能力を含む1つ以上のグループメンバーの特性に関する情報を利用して、任意の所与の時間に再生グループによって再生されるべきオーディオコンテンツの適切なバージョンを決定してもよい。更に、前述の例は、オーディオコンテンツの第1のバージョンおよび第2のバージョンに関して説明されているが、任意の数のバージョンがグループコーディネータによって取得されてもよいことを理解すべきである。
【0199】
h.サブグループの作成
再生に影響を及ぼし得る特性を評価することに基づいて、グループコーディネータは、1つ以上のグループメンバーを同期グループの1つ以上のサブグループにグループ化してもよい。グループコーディネータは、様々な方法でそのようなサブグループを作成してもよい。
【0200】
いくつかの実装形態では、グループコーディネータは、同様の特性に基づいて1つ以上のグループメンバーを同期グループの1つ以上のサブグループにグループ化し、各サブグループ内の再生デバイスにオーディオコンテンツの所与のバージョンを再生させてもよい。一例として、グループコーディネータは、1つ以上のグループメンバーのそれぞれのネットワークおよび/またはデバイス特性に基づいてサブグループを作成してもよい。例えば、1つ以上のグループメンバーはそれぞれ、より新たなモデルであってもよく、かつ/またはネットワークデバイスへの有線接続を有してもよく、したがって、無線ネットワークの負荷を加えることなく高品質のコンテンツを再生することが比較的可能である。したがって、グループコーディネータは、より新たなモデルおよび/または有線グループメンバーを、グループコーディネータがグループ化された再生のために識別するオーディオコンテンツの最高品質バージョンを受信する第1のサブグループに配置してもよい。逆に、1つ以上の他のグループメンバーは、それぞれ、古いモデルおよび/またはポータブル再生デバイスであってもよく、したがって、高品質のコンテンツを再生するための比較的信頼性の低い能力を有する。したがって、グループコーディネータは、古いモデルおよび/またはポータブルグループメンバーを、グループコーディネータがグループ再生のために識別する低品質バージョンのオーディオコンテンツを受信する第2のサブグループに配置してもよい。他の例もまた可能である。
【0201】
いくつかの例においては、再生グループが前述したようにヘテロジニアスプレイバック機能を含むとグループコーディネータが決定した場合、オーディオコンテンツの2つ以上のバージョンが異なる再生機能に基づいて識別されてもよい。これに関連して、グループコーディネータは、共通の再生能力に基づいて1つ以上のグループメンバーをサブグループにグループ化してもよく、その後、同期再生のためのオーディオコンテンツのそれぞれのバージョンを各サブグループについて識別してもよい。
【0202】
一例として、グループメンバーは、解読能力に基づいてサブグループにグループ化されてもよい。例えば、1つ以上のグループメンバーは、オーディオコンテンツを解読することができてもよく、したがって第1のサブグループにグループ化してもよく、1つ以上の他のグループメンバーは、オーディオコンテンツを解読できなくてもよく、したがって第2のサブグループにグループ化してもよい。次いで、グループコーディネータは、第1のサブグループに(例えば、以下で更に説明するように、オーディオコンテンツを解読および再暗号化することによって)提供するための暗号化された高品質バージョンであるオーディオコンテンツの第1のバージョンと、第2のサブグループに提供するための暗号化されていない低品質バージョンであるオーディオコンテンツの第2のバージョンとを識別してもよい。次いで、グループコーディネータは、各サブグループのグループメンバーに、他のサブグループと同期してオーディオコンテンツのそれぞれのバージョンを再生させてもよい。
【0203】
別の例として、グループコーディネータは、復号能力に基づいていくつかのグループメンバーをサブグループにグループ化してもよい。例えば、オーディオコンテンツを復号することができるグループメンバーは、グループメンバーが復号することができる符号化方式のタイプに基づいて1つ以上のサブグループにグループ化されてもよい。例えば、第1のグループメンバーは、高品質の可逆オーディオコンテンツに対応する第1の符号化方式を復号することができてもよく、第2のグループメンバーは、オーディオコンテンツの比較的低品質の(例えば、より損失性である)フォーマットである第2の符号化方式のみを復号することができてもよい。したがって、グループコーディネータは、オーディオコンテンツの2つのバージョン、すなわち、第1のグループメンバーへの提供のために第1の符号化方式に従って符号化された第1のバージョンと、第2のグループメンバーへの提供のために第2の符号化方式に従って符号化された第2のバージョンとを識別してもよい。いくつかの例では、符号化されたオーディオコンテンツの異なるバージョンは、必ずしもオーディオコンテンツの異なる品質バージョンを備えなくてもよい。例えば、オーディオコンテンツの第1のバージョンは、オーディオコンテンツの第2のバージョンとほぼ同じオーディオ品質を有していてもよい。各グループメンバーに提供されるそれぞれのバージョンにかかわらず、グループコーディネータは、各グループメンバーにそのそれぞれのバージョンを同期して再生させてもよい。
【0204】
グループコーディネータが再生グループの唯一のメンバーである場合(例えば、グループコーディネータは、いかなる他の再生デバイスともグループ化されない)、グループコーディネータは、自身の再生能力のみに基づいてオーディオコンテンツのバージョンを識別してもよい。
【0205】
i.予測グルーピング
いくつかの実装形態では、グループコーディネータは、所与の同期グループ構成を評価し、所与のグループが所与の品質のオーディオコンテンツを確実に再生する確率を予測してもよい。そのような評価は、メディア再生システムの履歴グループ化、ネットワーク、および/または再生データに基づいてもよい。1つの可能性として、メディア再生システムの各再生デバイスは、再生デバイスに関するグループ化された再生およびグループ化された再生中のネットワーク特性を含むその再生デバイスの再生履歴に関連するデータを定期的に収集してリモートコンピューティングデバイスに送信してもよい。メディア再生システムの各再生デバイスからそのようなデータを受信することに基づいて、リモートコンピューティングデバイスは、再生デバイスの所与のグループ化に基づいてネットワークおよび/または再生性能を予測する確率モデルを維持してもよい。
【0206】
その後、グループコーディネータは、所与のグループ構成に対応する確率をコンピューティングデバイスに要求してもよく、これは確率値の形態で提供され得る。いくつかの実装形態では、グループコーディネータは、異なるグループ構成がより高い確率を生成し得ると決定し、そのグループ構成を代替として推奨し得る。グループコーディネータは、前述したように、予測確率および/または代替のグループ構成の表示を、グループコーディネータおよび/またはコントローラデバイスのユーザインタフェースに表示させてもよい。
【0207】
j.オーディオコンテンツのトランスコード
場合によっては、同期グループによる再生のためのオーディオコンテンツを識別するとき、再生デバイス510は、グループコーディネータとして、所与のオーディオコンテンツのただ1つのバージョンまたは比較的少数のバージョンが利用可能であると決定してもよい。前述したように、同期グループの異なる再生デバイスは、ネットワーク、再生デバイス、および/または同期グループ特性に基づいて、異なるおよび/または変動する再生能力を有してもよい。したがって、グループコーディネータによって識別されたオーディオコンテンツのバージョンは、同期グループの1つ以上のグループメンバー再生デバイスによる再生に適していない可能性がある。そのような場合、グループコーディネータは、所与のオーディオコンテンツのバージョンの識別を取得し、次いで、識別されたバージョンを使用して、同期グループの各グループメンバーによる再生に適したバージョンをトランスコードすることができる。一般に、オーディオコンテンツの識別されたバージョンをトランスコードすることは、(i)第1のフォーマットから識別されたバージョンを復号すること(例えば、減圧)と、(ii)それぞれのグループメンバー特性に基づく1つ以上の他のフォーマットに従って復号されたバージョンを再符号化すること(例えば、圧縮)とを含んでもよい。
【0208】
本明細書に開示されたトランスコーディング技術は、ホームシアター構成を含むシナリオにおいて特に有用であり得る。ホームシアター構成は、典型的には、グループコーディネータとして機能する「プライマリ」再生デバイス(例えば、サウンドバー、スピーカのないホームシアターハブなど)、およびグループメンバーとして機能する「セカンダリ」再生デバイス(「衛星」再生デバイスとも呼ばれる)を含む複数の再生デバイスを含んでもよく、これらは、少なくともホームシアター構成にグループ化されたときに、すべてのオーディオ周波数を再生することができるフルレンジ再生デバイス、並びに特定のオーディオ周波数のみを再生することができる限定レンジ再生デバイス(例えば、サブウーファ再生デバイス)を含んでもよい。ホームシアター構成は、(i)比較的大きい再生グループサイズ(例えば、再生中に潜在的に参加する更なるメンバーを有する3~7個のグループメンバー)、(ii)グループメンバー再生能力の比較的増大した多様性、および(iii)ストリーミングビデオコンテンツとの更なる同期のために、他の再生構成よりも再生中断の影響を受けやすい可能性がある。
【0209】
別の可能性として、ホームシアター構成を有する再生グループのグループコーディネータは、ホームシアター構成における特定のチャネル(例えば、サラウンドチャネルおよびサブウーファーチャネル)が他のチャネル(例えば、前方チャネル)よりも聴取感度が低いという事実を利用してもよく、その結果、より高品質のオーディオコンテンツとより低品質のオーディオコンテンツとの間の差がより目立たなくなる。したがって、グループコーディネータは、所与のホームシアターのオーディオコンテンツを、これらのチャネルを出力するグループメンバーへとストリーミングされ得る比較的低品質で低帯域幅のバージョンへとトランスコードしてもよい。このようにして、グループコーディネータは、そうでなければこれらの衛星に高品質バージョンを送信するために使用されたはずのネットワーク帯域幅を保存してもよい。
【0210】
グループコーディネータは、所与のオーディオコンテンツの適切なバージョンが様々な方法で利用できないと決定してもよい。例えば、グループコーディネータは、メディアコンテンツソースが所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンのみを提供すると決定してもよい。一例として、グループコーディネータは、リモートMCS502aから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを識別してもよく、リモートMCS502aは、所与のオーディオコンテンツのただ1つのバージョンを提供するストリーミングメディアサービスであってもよい。別の例として、グループコーディネータは、ローカルMCS502bから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを識別してもよく、ローカルMCS502bは、ローカルネットワーク501に接続され、対応するメディアコンテンツ(例えば、ビデオコンテンツ)を表示しながら有線入力(
図1Cのローカルオーディオソース150と同様)を介してグループコーディネータにオーディオコンテンツを直接提供するように構成されたメディアプレーヤ(例えば、スマートTV、DVD/Blu-rayプレーヤなど)であってもよい。例えば、オーディオコンテンツの第1のバージョンは、MPS500のスマートテレビを含むMCS502bによって再生されている映画に対応するオーディオコンテンツであってもよい。
【0211】
グループコーディネータは、所与のオーディオコンテンツの識別された第1のバージョンが1つ以上のグループメンバーによる再生に適していないと決定してもよい。これに関して、前述したように、この決定は、ネットワーク、再生デバイス、および/または同期グループ特性の評価に基づいて行われてもよい。例えば、1つ以上のグループメンバーは、他の可能性の中でも、古いモデルの再生デバイス、バッテリ駆動の再生デバイスであってもよく、かつ/または前述のネットワーク特性閾値基準を満たさなくてもよい。第1のバージョンが少なくとも1つのグループメンバーによる再生に適していないという決定に基づいて、グループコーディネータは、第1のバージョンを1つ以上の他のバージョンにトランスコードさせてもよい。
【0212】
オーディオコンテンツのトランスコーディングは、様々な形態をとってもよい。一例として、オーディオコンテンツは、より高い品質レベルからより低い品質レベルにトランスコードされてもよい。例えば、オーディオコンテンツの識別された第1のバージョンは、第1のフォーマット(例えば、可逆圧縮または非圧縮コーデック)に従って符号化されてもよく、第1のバージョンは、より高品質のオーディオコンテンツ(例えば、192kHz/24ビット)に対応するサンプルレートおよびビット深度を含む。第1のバージョンは、1つ以上のグループメンバー(例えば、古いモデルの再生デバイス)が確実に再生することができるものよりも高品質のものであってもよく、グループコーディネータは、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが、1つ以上のグループメンバーによって再生された場合、ドロップアウトまたは再生中断の可能性の増加につながる可能性があると判断してもよく、その結果、あまり理想的でないユーザ体験をもたらす可能性がある。したがって、グループコーディネータは、代わりに、オーディオコンテンツの識別された第1のバージョンを復号し、続いて、再生のための1つ以上のグループメンバーへの送信のために、より低品質のオーディオコンテンツ(例えば、96kHz/16ビット)に対応するサンプルレートおよびビット深度を含む異なるフォーマット(例えば、非可逆圧縮コーデック)に従って、オーディオコンテンツを再符号化してもよい。逆に、別の例として、オーディオコンテンツの識別された第1のバージョンは、低品質レベルから高品質レベルにトランスコードされてもよい。グループコーディネータによって識別され得る異なるオーディオコンテンツ品質レベルに関する更なる情報は、上記で参照された米国仮出願第63/279,492号に見出すことができる。
【0213】
いくつかの実装形態では、メディアコンテンツソースから受信したオーディオコンテンツをトランスコードすることに加えて、グループコーディネータは、トランスコードされた再暗号化されたオーディオコンテンツを1つ以上のグループメンバーへ送信する前に、特定の暗号化方式に従ってオーディオコンテンツを解読し、次いで再暗号化してもよい。
【0214】
また、オーディオコンテンツのトランスコードは、様々な装置で行われるようにしてもよい。1つの可能性として、これまでの議論に沿って、グループコーディネータは、オーディオコンテンツの第1のバージョンを識別し、前述したネットワーク、再生デバイス、および/または同期グループ特性を評価してもよい。次いで、評価に基づいて、グループコーディネータは、オーディオコンテンツの第1のバージョンを第2のバージョンにトランスコードし、トランスコードされたオーディオコンテンツの第2のバージョンを含むデータパケットを、第1のバージョンの再生に適さないグループメンバーへ送信してもよい。グループコーディネータはまた、トランスコードされた第2のバージョンが他のグループメンバーによる第1および/または第2のバージョンの再生と同期して再生され得るように、それぞれの再生タイミング情報およびクロックタイミング情報を送信してもよい。
【0215】
別の可能性として、グループコーディネータは、オーディオコンテンツの第1のバージョンを識別し、前述したようにネットワーク、再生デバイス、および/または同期グループ特性を評価してもよい。次いで、評価に基づいて、グループコーディネータは、評価に基づいてオーディオコンテンツの第1のバージョンをトランスコードするように異なる再生デバイスに指示してもよい。これに関連して、グループコーディネータは、アイドル再生デバイスまたは同期グループのメンバーではない再生デバイスにトランスコーディングを実行するように指示してもよい。
【0216】
図5のMPS500を参照して例を説明するために、グループコーディネータ再生デバイス510は、再生グループ504の再生デバイス512または514以外の再生デバイス(図示せず)にトランスコードを実行するように指示してもよい。再生デバイス510は、オーディオコンテンツの第1のバージョンを他の再生デバイスへ、おそらくは、第1のバージョンが変換されるべきフォーマット/品質レベルに関する評価結果および/または情報とともに送信してもよい。その後、他の再生デバイスは、トランスコードの実行に進み、オーディオコンテンツのトランスコードされたバージョンを再生デバイス510に送り返してもよい。次いで、グループコーディネータ510は、トランスコードされたバージョンを、それぞれの再生タイミングおよびクロックタイミング情報と共に、再生デバイス512および/または514へ送信してもよい。いくつかの実装形態では、グループコーディネータ510は、オーディオコンテンツの第1のバージョンの送信と共に、どのグループメンバーがトランスコードされたバージョンを受信すべきかに関する情報を含んでもよく、他の再生デバイスは、トランスコードを実行し、次いで、トランスコードされたバージョンを再生デバイス512および/または514に直接、おそらくはそれぞれの再生タイミングおよびクロックタイミング情報と共に送信してもよい。他の例もまた可能である。
【0217】
好適には、オーディオコンテンツのトランスコーディングの責任を(完全にまたは部分的に)異なるデバイスに委任することによって、グループコーディネータは、その計算リソースを他のタスクに向け、かつ/またはリソースを保存することができる(例えば、グループコーディネータがバッテリ駆動再生デバイスである場合、トランスコーディングプロセスを委譲することは、バッテリ容量を維持するのに役立ち得る)。
【0218】
更に、オーディオコンテンツの第1のバージョンがトランスコードされるべきであるという決定は、様々な時点で実行されてもよい。1つの可能性として、グループコーディネータは、同期再生を開始するためのコマンドを検出または受信した後、かつオーディオコンテンツの第1のバージョンの同期再生が開始される前に、決定を行ってもよい。例えば、ネットワーク、再生デバイス、および/または、同期グループ特性の評価に基づいて、グループコーディネータは、第1のバージョンが所与のグループメンバーによる再生に適していないと決定してもよい。第1のバージョンがオーディオコンテンツの唯一の利用可能なバージョンであることを発見した後、グループコーディネータは、第1のバージョンが所与のグループメンバーによる再生のためにトランスコードされるべきであると決定してもよい。
【0219】
別の可能性として、グループコーディネータは、オーディオコンテンツの第1のバージョンの同期再生が開始された後に決定を行ってもよい(例えば、同期グループ504がオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間)。例えば、グループコーディネータは、1つ以上のネットワーク、再生デバイス、および/または同期グループ特性が変化した(例えば、上記のような変化の監視および/または予測に基づいて)と決定してもよく、再生デバイス512または514の一方または両方による第1のバージョンの継続的な再生は、再生ドロップをもたらし得るネットワークレイテンシおよび/または帯域幅制約の可能性を増大させてもよい。したがって、グループコーディネータは、第1のバージョンが再生デバイス512および/または514による再生により適したバージョンにトランスコードされるべきであると決定してもよい。
【0220】
同期再生が開始された後にオーディオコンテンツの第1のバージョンのトランスコードが必要であるという決定をグループコーディネータが行う場合、グループコーディネータは、グループメンバーへ送信される再生タイミングおよびクロックタイミング情報において、第1のバージョンの再生から第2のバージョンの再生への移行を可能な限りシームレスにし、ユーザによって知覚される再生変更を低減するために、第1のバージョンの再生を停止し、第2のバージョンの再生を開始すべき特定のオーディオ境界の表示を含んでもよい。オーディオ境界は、例えば、他の可能性の中でも、特定のオーディオフレーム、新たなオーディオトラックの始まり、または対応するビデオコンテンツのダイアログにおける一時停止であってもよい。
【0221】
好適には、本明細書で開示されるトランスコーディング技術は、グループコーディネータが、(i)アドホックベースで、かつ(ii)異なるバージョンのオーディオコンテンツを取得するためにコンテンツソースと繰り返し通信する必要なしに、同期オーディオ再生を動的に適応および強化することができるように、ネットワーク、再生デバイス、および/または同期グループ特性の変化に迅速かつ自律的に反応することを可能にし、それにより、そうでなければ一貫したシームレスな再生体験のユーザ知覚を維持しながら、オーディオコンテンツの異なるバージョンを識別するために割り当てられる全体的な時間およびネットワークリソースを削減する。
【0222】
開示されたトランスコーディング技法は、MCSから所与のオーディオコンテンツの1つのバージョンのみが利用可能であるというグループコーディネータによる決定の後に達成されるものとして上記の例で説明されているが、開示された教示から逸脱することなく、MCSからの所与のオーディオコンテンツの異なるバージョンの利用可能性にかかわらず、トランスコーディング技法はいつでも実行され得ることを理解すべきである。例えば、グループコーディネータ再生デバイス510は、同期グループ504による再生のために、所与のオーディオコンテンツの第1のおよび第2のバージョンを最初に識別してもよい。そして、再生デバイス510は、(i)第1のバージョンを再生し、(ii)再生コーディネータ510と同期して再生デバイス512に第1のバージョンを再生させ、(iii)再生デバイス514および512による第1のバージョンの再生と同期して再生デバイス510に第2のバージョンを再生させてもよい。再生グループ504がオーディオコンテンツを再生している間、再生デバイス510は、再生デバイス512のネットワーク特性が変化したことを検出してもよい(例えば、再生デバイス512は、ネットワークレイテンシを経験している)。この変化に基づいて、再生デバイス510は、第1のバージョンが再生デバイス512による再生にもはや適していないと決定してもよい。再生デバイス510は、第2のバージョンも再生デバイス512による再生に適していないと更に決定してもよい。したがって、再生デバイス510は、(i)再生デバイス512による第1のバージョンの再生および(ii)再生デバイス512による第2のバージョンの再生と同期して、再生デバイス514が第1のバージョンの再生から第3のバージョンの再生に移行するように、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンをオーディオコンテンツの第3のバージョンにトランスコードし、その後、第3のバージョンを再生デバイス510に送信してもよい。他の例もまた可能である。
【0223】
k.再生能力に基づくグループコーディネータの選択
前述したようなオーディオ再生に影響を及ぼし得る1つ以上の特性の評価は、オーディオコンテンツを識別することに加えて、様々な他の動作に使用してもよい。例えば、再生グループのグループメンバーのそれぞれの再生能力に関する情報は、再生グループのためのグループコーディネータを選択するために使用されてもよい。
【0224】
いくつかの例では、それぞれの再生機能を使用して、同期再生のために新たにグループ化された2つ以上の再生デバイスを含む再生グループのグループコーディネータを決定してもよい。例えば、第1再生デバイスおよび第2再生デバイスは、オーディオコンテンツの同期再生のための再生グループを形成するためのコマンドを受信してもよい。前述したように、再生グループは、とりわけ、同期再生のためにオーディオコンテンツを取得して各グループメンバーに提供することを担当する少なくとも1つの指定されたグループコーディネータを有してもよく、これは通常、グループメンバーよりも比較的多くの再生能力(例えば、解読、復号、処理、メモリ、および記憶能力など)を必要とする。第1または第2再生デバイスのいずれがグループコーディネータとして機能すべきかを決定するために、第1および第2再生デバイスのそれぞれの再生能力が比較されてもよい。そのような比較は、様々な形態をとってもよい。
【0225】
一例として、再生デバイスは、それぞれの再生能力自体の比較を実行することができる。例えば、第1および第2再生デバイスのそれぞれは、そのそれぞれの再生能力の第1の表示を他の再生デバイスに送信し、他の再生デバイスのそれぞれの再生能力をそれ自体の再生能力と比較し、第1または第2再生デバイスのうちの所与の1つがより洗練された再生能力を有すると決定し、決定の第2の表示を他の再生デバイスに送信してもよい。第2の表示を受信すると、より高度な再生能力を有すると決定された再生デバイスは、その後、再生グループのグループコーディネータとして機能し始めてもよい。
【0226】
別の例として、ネットワークデバイスは、それぞれの再生能力の比較を実行することができる。ネットワークデバイスは、例えば、ローカルメディア再生システムの別の再生デバイス、ローカルメディア再生システムの制御デバイス、ローカルネットワーク上の別のデバイス(例えば、ルータ、1つ以上のIoTデバイスなど)、および/またはローカルメディア再生システムと通信するように構成されたリモートコンピューティングデバイスであってもよい。例えば、ネットワークデバイスは、第1および第2再生デバイスのそれぞれから、そのそれぞれの再生能力の表示を要求し、各それぞれの再生能力を比較し、第1または第2再生デバイスのうちの所与の1つがより洗練された再生能力を有すると決定し、その決定の表示を第1および第2再生デバイスに送信してもよい。より高度な再生能力を有すると決定された再生デバイスは、その後、再生グループのグループコーディネータとして機能し始めることができる。比較は、他の方法でも実行され得る。
【0227】
いくつかの例では、再生デバイスの再生能力は等しくてもよく、またはほぼ等しくてもよく、したがって、いずれの再生デバイスも他の再生デバイスよりも高性能であると決定されない。そのような場合、再生デバイスのうちの所与の1つは、他の基準に基づいて選択されてもよく、またはランダムに選択されてもよい。
【0228】
いくつかの例においては、既存の再生グループのための新たなグループコーディネータを決定するためにそれぞれの再生能力が使用されてもよい。例えば、第3再生デバイスは、第1および第2再生デバイスを備える再生グループに参加することができ、第1再生デバイスは、現在、グループコーディネータとして指定されている。前述したように、第3再生デバイスは、再生グループに参加するときに、その現在の再生能力の表示を第1再生デバイス(例えば、グループコーディネータ)に送信することができる。次いで、第1再生デバイスは、第1および第3再生デバイスのそれぞれの再生能力の比較を実行することができる。比較に基づいて、第1再生デバイスが第3再生デバイスよりも高度な再生能力を有すると決定した場合、第1再生デバイスは、再生グループのグループコーディネータとしての役割を果たし続けてもよい。しかしながら、第1再生デバイスが第3再生デバイスよりも洗練されていない再生能力を有すると決定した場合、第1再生デバイスは、グループコーディネータとしての役割を果たすことを中断し、第1再生デバイスの代わりに再生グループのグループコーディネータとしての役割を果たし始めるべきであることを第3再生デバイスに通知してもよい。
【0229】
このようにして、グループコーディネータの指定は、グループコーディネータの責任がそのようにするのに最適な再生デバイスによって処理されていることを保証するために、定期的に評価されてもよい。
【0230】
l.例示的な実施形態
図6~
図11は、例えば、
図1のメディア再生システム100、1つ以上の再生デバイス110、1つ以上のネットワークマイクロフォンデバイス120、および/または1つ以上の制御デバイス130、または例えば、
図5のメディア再生システム500並びに1つ以上の再生デバイス510、512、および514を含む動作環境内で実施することができる適応型ビットレートストリーミング技術を使用してオーディオコンテンツのグループ化された再生を強化するための前述の例示的な実施形態のフローチャートを示す。例示的なプロセス600、700、800、900、1000、および1100は、ブロック602~616、702~706、802~814、902~912、1002~1010、および1102~1112のうちの1つ以上によって示されるような1つ以上の動作、機能、または作用を含むことができる。ブロック602~616、702~706、802~814、902~912、1002~1010、および1102~1112は順次に示されているが、これらのブロックはまた、並列に、および/または本明細書に記載された順序とは異なる順序で実行されてもよい。また、様々なブロックを更に少ない数のブロックへの組み合わせ、付加的なブロックへの分割、および/または、望ましい実施に基づいて除去してもよい。
【0231】
更に、例示的なプロセス600、700、800、900、1000、1100、並びに本明細書に開示された任意の他のプロセスおよび方法について、各フローチャートは、本実施形態の1つの可能な実装形態の機能および動作を示す。これに関して、各ブロックは、プロセスにおける特定の論理機能またはステップを実施するためにプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含む、モジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部を表してもよい。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含む記憶デバイスなどの任意のタイプのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えばレジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、および、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような短時間データを記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体などの非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含んでもよい。また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)のような二次または永続的長期記憶装置などの非一時的媒体を含んでもよい。また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体または有形記憶デバイスと見なされてもよい。加えて、例示的なプロセス600、700、800、900、1000、および1100(並びに本明細書に開示される任意の他のプロセスおよび方法)については、
図6~
図11に示される各ブロックは、プロセスにおいて特定の論理機能を実行するように配線された回路を表してもよい。
【0232】
図6を参照すると、同期再生のためのオーディオコンテンツを識別するための例示的なプロセス600のフロー図が示されている。例示的なプロセス600において、第1再生デバイスは、オーディオコンテンツの同期されたグループ再生のためにメディア再生システムの第2再生デバイスおよび第3再生デバイスとグループ化されてもよい。メディア再生システムは、例えば、
図5のMPS500であってもよい。第1再生デバイスは、例えば、再生デバイス510であってもよく、第2再生デバイスは、例えば、再生デバイス512であってもよく、第3再生デバイスは、例えば、
図5の再生デバイス514であってもよい。第1再生デバイス510は、再生デバイス510~514を備える同期グループのグループコーディネータとして機能してもよい。これに関連して、第1再生デバイスは、前述したように、ネットワーク特性、再生デバイス特性、および再生グループ特性を監視して評価すること、グループ化された再生のためのオーディオコンテンツの1つ以上のバージョンを識別すること、および/または、1つ以上のグループメンバー再生デバイスにオーディオコンテンツの所与のバージョンを再生させることを担当してもよい。
【0233】
図6の例示的なプロセス600は、例えば、第1再生デバイスが、第2のおよび第3再生デバイスと同期してオーディオコンテンツを再生するためのコマンドを検出(例えば、1つ以上のマイクロフォンを介して)または受信(例えば、コントローラデバイスを介して)することによって開始されてもよい。第2および第3再生デバイスと同期してオーディオコンテンツを再生するためのコマンドを検出または受信した後、第1再生デバイスは、オーディオコンテンツの少なくとも2つのバージョンの識別に進んでもよい。ブロック602において、第1再生デバイスは、前述したように、再生グループによって再生されるべきオーディオコンテンツの第1のバージョンおよび第2のバージョンを識別してもよい。第1および第2のバージョンは、単一のメディアコンテンツソースからのものであってもよいし、2つの異なるメディアコンテンツソースからのものであってもよい。更に、第1のバージョンは、第2のバージョンよりも高品質のバージョンのオーディオコンテンツを含んでもよい。
【0234】
オーディオコンテンツの第1および第2のバージョンを識別した後、第1再生デバイスは、各再生デバイスの少なくとも1つのネットワーク特性の識別に進んでもよい。ブロック604において、第1再生デバイスは、(1)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質と、(2)第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質とを識別してもよい。前述したように、ネットワークデバイスは、第1、第2、および、第3再生デバイスとネットワークデバイスとが通信するように構成されるローカルデータネットワーク(例えば、WLAN501)へのアクセスを提供するメディア再生システムのローカルネットワークデバイス(例えば、
図5のルータ503)であってもよい。第1再生デバイスは、前述したように第1および第2の接続品質を識別してもよい。
【0235】
その後、第1再生デバイスは、各接続品質が閾値基準を満たすか否かを決定することに進んでもよい。ブロック606において、第1再生デバイスは、(1)第1の接続品質が閾値ネットワーク接続品質基準を満たすこと、および、(2)第2の接続品質が閾値ネットワーク接続品質基準を満たさないことを決定してもよい。第1再生デバイスは、この決定を前述したように行ってもよい。例えば、第1の接続品質は、高品質オーディオコンテンツをストリーミングするのに十分な帯域幅を有してもよく、第2の接続品質は、高品質オーディオコンテンツをストリーミングするのに十分な帯域幅を有しなくてもよい。
【0236】
第1再生デバイスはまた、それ自体の接続品質が閾値基準を満たすか否かを決定してもよい。その決定に基づいて、第1再生デバイスは、ブロック608において、オーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのいずれかを再生してもよい。ブロック610において、第1の接続品質が閾値基準を満たすという決定に基づいて、第1再生デバイスは、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のまたは第2のバージョンの再生と同期して、第2再生デバイスにオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生させてもよい。第1再生デバイスは、前述したように、第2再生デバイスに第1のバージョンを再生させてもよい。例えば、第1再生デバイスは、第2再生デバイスへ、オーディオコンテンツの第1のバージョンを備えるデータパケットのストリームを送信してもよい。
【0237】
ブロック612において、第2の接続品質が閾値基準を満たしていないという決定に基づいて、第1再生デバイスは、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のまたは第2のバージョンの再生および第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期して、第3再生デバイスにオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させてもよい。第1再生デバイスは、前述したように、第3再生デバイスに第2のバージョンを再生させてもよい。例えば、第1再生デバイスは、第3再生デバイスへ、オーディオコンテンツの第2のバージョンを備えるデータパケットのストリームを送信してもよい。第1再生デバイスは、ブロック610および612の機能を同時にまたは任意の順序で実行してもよいことが理解されるべきである。
【0238】
ブロック614において、第1再生デバイスは、第2の接続品質の変化を検出してもよい。例えば、第1再生デバイスは、第2の接続品質が改善されたことを検出してもよく、第3再生デバイスは、現在、オーディオコンテンツのより高品質のバージョンを再生してもよい。したがって、ブロック616において、第1再生デバイスは、第3再生デバイスに、オーディオコンテンツの第2のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生へ移行させてもよい。
【0239】
図7は、第1再生デバイスが少なくとも第2再生デバイスと同期して第1のバージョンのオーディオコンテンツを再生している間に、同期してグループ化された再生中に実施され得る同期再生のためのオーディオコンテンツを識別するための別の例示的なプロセス700のフロー図を示している。これに関して、オーディオコンテンツの第1のバージョンは、第1再生デバイスによって以前に識別された第2のバージョンよりも高品質のオーディオコンテンツを含んでもよい。
【0240】
ブロック702において、第1再生デバイスは、更なる再生デバイスが再生グループに参加したことを検出してもよい。第1再生デバイスは、更なる再生デバイスの検出に基づいて1つ以上の特性を評価してもよい。そのような評価は、前述したように再生グループ特性を識別することを含んでもよい。ブロック704において、第1再生デバイスは、同期再生のために現在グループ化されている再生デバイスの総数が、ネットワークまたは再生性能を低下させる確率を増加させることなくオーディオコンテンツの第1のバージョンを同期再生することができる再生デバイス(例えば、この例では2つの再生デバイス)の閾値数を超えると決定してもよい。したがって、ブロック706において、第1再生デバイスは、(1)第1および少なくとも第2再生デバイスに、第1のバージョンのオーディオコンテンツの再生から、第1のバージョンよりも低品質のオーディオコンテンツを含むことができる第2のバージョンのオーディオコンテンツの同期再生へと移行させてもよく、(2)更なる再生デバイスに、第1および少なくとも第2再生デバイスと同期して第2のバージョンのオーディオコンテンツを再生させてもよい。
【0241】
場合によっては、例示的なプロセス700は、ブロック616における機能を実行した後に、
図6の例示的なプロセス600の第1再生デバイスによって実施されてもよい。例えば、第1、第2、および、第3再生デバイスが同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間に、第1再生デバイスは、第4再生デバイスが再生グループに参加したことを検出してもよい。そして、第1再生デバイスは、ネットワークまたは再生性能(例えば、パケット損失、オーディオ遅延など)が低下する確率を増加させることなく高品質のオーディオコンテンツを同期して再生することができる再生デバイス(例えば、この例では3つの再生デバイス)の閾値数を超えたと決定してもよい。したがって、第1再生デバイスは、(1)第1、第2、および第3再生デバイスのそれぞれに、オーディオコンテンツの第1のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第2のバージョン(すなわち、低品質バージョン)の再生へと移行させてもよく、(2)第4のデバイスに、第1、第2、および第3再生デバイスと同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させてもよい。
【0242】
図8は、オーディオコンテンツの同期再生のために第2再生デバイスとグループ化される第1再生デバイスによって実施され得る、同期再生のためのオーディオコンテンツを識別するための更に別の例示的なプロセス800のフロー図を示す。ブロック802において、第1再生デバイスは、オーディオコンテンツの第1のおよび第2のバージョンを識別してもよい。オーディオコンテンツの第1のバージョンは、第2のバージョンよりも高品質のバージョンであってもよい。
【0243】
次いで、第1再生デバイスは、第2再生デバイスに関連付けられたネットワーク特性を評価してもよい。ブロック804において、第1再生デバイスは、第2再生デバイスとネットワークデバイス(例えば、無線ルータ)との間の接続の接続品質を識別してもよい。ブロック806において、第1再生デバイスは、第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続の接続品質が閾値基準を満たさないと決定してもよい。
【0244】
更に、第1再生デバイスは、ネットワークデバイスとのそれ自体の接続の品質が閾値基準を満たしていると決定してもよい。したがって、ブロック808において、第1再生デバイスは、オーディオコンテンツの第1のバージョンを再生してもよい。ブロック810において、第2再生デバイスの接続品質が閾値基準を満たしていないというブロック806における決定に基づいて、第1再生デバイスは、第1再生デバイスによる第1のバージョンの再生と同期して第2再生デバイスにオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させてもよい。
【0245】
第1再生デバイスが第2のバージョンの第2再生デバイスの再生と同期して第1のバージョンを再生している間、第1再生デバイスは、ブロック812において、第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続の接続品質が変化したことを検出してもよい。特に、第1再生デバイスは、接続品質が改善されたと決定してもよい。したがって、ブロック814において、第1再生デバイスは、第2再生デバイスに、第1再生デバイスと同期して、オーディオコンテンツの第2のバージョンの再生から第1のバージョンの再生へと移行させてもよい。
【0246】
図9は、再生デバイスによって実施され得る同期再生のためのオーディオコンテンツをトランスコードするための例示的なプロセス900のフロー図を示している。例示的なプロセスは、ブロック902において開始してもよく、第1再生デバイスは、第1再生デバイスおよび第2再生デバイスを含む同期グループの一部として動作してもよい。第1再生デバイスは、所与のオーディオコンテンツの同期再生のために第2再生デバイスと共に同期グループを形成するまたは同期グループに参加するためのコマンドを検出または受信(例えば、コントローラデバイスを介して)することに基づいて、同期グループの一部として動作し始めてもよい。第1再生デバイスは、同期グループのグループコーディネータとして機能してもよく、したがって、同期グループによる再生のためのオーディオコンテンツを識別する役割を果たしてもよい。
【0247】
ブロック904において、第1再生デバイスは、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを取得してもよい。オーディオコンテンツの第1のバージョンは、第1の符号化フォーマットに従って符号化されてもよく、例えば、所与のオーディオコンテンツの比較的高品質のバージョンを備えてもよい。
【0248】
ブロック906において、第1再生デバイスは、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが第2再生デバイスによる再生に適していないと決定してもよい。第1再生デバイスは、1つ以上のネットワーク、再生デバイス、および/または、再生グループ特性を評価することを含む前述の様々な方法のいずれかでこの決定を行ってもよい。一例として、第1再生デバイスは、第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続品質が閾値接続品質を満たさないと決定してもよい。別の例として、第1再生デバイスは、第2再生デバイスがバッテリ駆動再生デバイスを備え、第2再生デバイスの電力容量が閾値電力容量を満たさないと決定してもよい。他の例もまた可能である。
【0249】
ブロック908において、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが第2再生デバイスによる再生に適していないという決定に基づいて、第1再生デバイスは、オーディオコンテンツの第1のバージョンを、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンを復号し、かつ(ii)復号されたバージョンを第2の符号化フォーマットに従って再符号化することによって先に開示されたように、オーディオコンテンツの第2のバージョンにトランスコードしてもよい。例えば、オーディオコンテンツのトランスコードされた第2のバージョンは、所与のオーディオコンテンツの比較的低品質のバージョンを含んでもよい。
【0250】
ブロック910において、第1再生デバイスは、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを第2再生デバイスへ送信してもよい。
図5に関して前述したように、第1再生デバイスは、(i)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを含むデータパケットと、(ii)再生タイミング情報と、(iii)クロックタイミング情報とを含むオーディオストリームを第2再生デバイスに送信してもよい。ブロック912において、第1再生デバイスは、第2再生デバイスに、再生タイミングおよびクロックタイミング情報に基づいて、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させてもよい。ブロック914において、第1再生デバイスは、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの第2再生デバイスによる再生と同期して、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生してもよい。
【0251】
その後、第1再生デバイスがネットワーク、再生デバイス、および/または、再生グループ特性(例えば、第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続品質の改善、新たなグループメンバーの追加など)における更なる変化を検出した場合、第1再生デバイスは、同期グループの必要性に基づいて、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを1つ以上の更なるバージョンにトランスコードしてもよい。別の可能性として、適切な条件が存在する場合、第1再生デバイスは、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンのトランスコードを中断し、代わりに、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを同期再生のために第2再生デバイスに送信してもよい。
【0252】
図10は、同期再生グループ内の再生デバイスのそれぞれの再生能力に基づいてオーディオコンテンツのグループ化された再生を強化するための例示的なプロセス1000のフローチャートを示す。
【0253】
例示的なプロセス1000は、ブロック1002において開始することができ、第1再生デバイスは、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生することができる。所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンは、第1再生デバイスのそれぞれの再生能力に対応する第1の再生能力に基づいて、前述したようにクラウドベースのメディアサービスから取得されていてもよい。いくつかの例では、第1再生デバイスは、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの個々の再生のために構成されてもよい。他の例では、第1再生デバイスは、オーディオコンテンツの第1のバージョンの同期再生のために1つ以上の他のグループメンバー再生デバイスとコーディネートするためのグループコーディネータとして構成されてもよい。
【0254】
ブロック1004において、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間に、第1再生デバイスは、所与のオーディオコンテンツの同期再生のために第2再生デバイスを第1再生デバイスとグループ化するためのコマンドの表示を受信してもよい。前述したように、第2再生デバイスは、既に存在する同期グループに追加される更なるグループメンバーを構成してもよく、または、第2再生デバイスは、第1再生デバイスと新たな同期グループを形成してもよい。いずれの状況においても、第1再生デバイスは、前述した様々な特性および基準のうちの1つ以上にしたがって、同期グループのグループコーディネータとして機能する(例えば、継続してサービスを提供するか、またはサービスを提供するように指定される)ことを決定してもよい。前述したように、第1再生デバイスは、グループコーディネータとしてのその能力において、第2再生デバイスのそれぞれの再生能力に対応する第2の再生能力を決定してもよい。第2再生デバイスの第2の再生能力は、第1再生デバイスの第1の再生能力よりも洗練されていなくてもよい。更に、第1再生デバイスは、第2の再生能力に基づいて、第2再生デバイスが所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生することができないと決定してもよい。例えば、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンは、第2再生デバイスの能力を超える比較的高いビットレートを有していてもよい。
【0255】
ブロック1006において、第1再生デバイスは、第2再生デバイスの第2の再生能力に対応する所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得してもよい。この点に関して、オーディオコンテンツの第2のバージョンは、オーディオコンテンツの第1のバージョンよりも低品質のバージョンであってもよい。例えば、上記の例を続けると、第1再生デバイスは、より低いビットレートを有する所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得してもよい。第2のバージョンは、第1のメディアコンテンツソースまたは第2のメディアコンテンツソースのいずれかから取得してもよい。
【0256】
ブロック1008において、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得した後、第1再生デバイスは、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行してもよく、これは、決定されたオーディオ境界において所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生を停止し、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生を開始することを含んでもよい。更に、第1再生デバイスが他の既にグループ化された再生デバイスのためのグループコーディネータとしても機能している場合、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンへの移行はまた、前述したように、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョン(例えば、第1のバッファから)を他のグループメンバーへ送信することから、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョン(例えば、第2のバッファから)を他のグループメンバーへ送信することへの移行を含んでもよい。
【0257】
ブロック1010において、第1再生デバイスは、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを同期して再生するように第2再生デバイス(および任意の他のグループメンバー)とコーディネートしてもよく、これは、
図5に関して前述したように再生タイミングおよび/またはクロック情報を送信することを含んでもよい。
【0258】
前述した方法において、および
図11~
図13Bを参照して以下に説明するように、オーディオコンテンツのグループ化された再生は、任意の所与の時間におけるオーディオコンテンツの可能な限り最高の品質の再生を容易にし、したがって改善されたユーザ聴取体験を提供するために、異なるおよび/または変動するネットワーク特性、デバイス特性(再生能力を含む)、および/またはグループ特性に適応するように監視および適合されてもよい。
【0259】
IV.メディア再生システム内のオーディオ暗号化のための例示的な技法
前述したように、メディアサービスから取得されたDRM保護オーディオコンテンツを解読するグループコーディネータとして動作する再生デバイスは、特定のデジタル権利者のセキュリティ要件に違反することなく、解読されたオーディオコンテンツをメディア再生システム内の他の再生デバイスに配信することができない場合がある。したがって、オーディオコンテンツを第2の暗号化層で再暗号化するための本明細書で説明される技術は、グループコーディネータが、同期再生のためにメディア再生システム内の他の再生デバイスに暗号化されたオーディオコンテンツを送信することを可能にしてもよく、それにより、オーディオコンテンツの伝送中にオーディオコンテンツの暗号化を必要とし得るデジタル権利者の要求を満たしてもよい。
【0260】
図11は、メディア再生システムの再生デバイス間のオーディオ暗号化を実施するための例示的な動作のフローチャート1100を示している。
図11のブロック1102~1112に示される例示的な動作は、前述され
図1A~
図5に示される例示的な再生デバイスのいずれかによって実行されてもよい。更に、
図11のフローチャート1100は、第1再生デバイス1201によって実装される多層オーディオ暗号化方式の可能な一実装形態を示す
図12に関連して説明される。
【0261】
最初の問題として、フローチャート1100および
図12に示す図は、第1再生デバイス1201が暗号化されたオーディオコンテンツを受信し、その後、受信したオーディオコンテンツを解読することができることを想定している。例えば、オーディオコンテンツを配信するメディアサービスは、暗号化されたコンテンツを要求する任意の再生デバイスがセキュアブート環境などの特定のセキュリティ規格を満たすことを要求してもよい。更に、第1再生デバイス1201は、解読を実行するために一定量の利用可能な計算リソース(例えば、処理能力、利用可能なメモリなど)を必要としてもよい。この点に関して、いくつかの再生デバイス(例えば、いくつかの比較的古いモデルの再生デバイス)は、セキュアブート要件を満たさないため、または十分な計算リソースを有していないため、暗号化されたオーディオコンテンツを扱うことができない場合がある。
【0262】
したがって、所与の再生デバイスは、再生することができるオーディオコンテンツの「最良の」品質を決定し、その品質までのオーディオコンテンツのバージョンのみを要求することができる。例えば、再生デバイスが、暗号化されたUHDバージョンがメディアサービスから利用可能であるが、再生デバイスがそのバージョンを再生することができない曲を再生するためのコマンドを受信した場合、再生デバイスは、メディアサービスからの曲の低品質の非暗号化バージョンを要求してもよい。
【0263】
一方、再生デバイスが暗号化されたオーディオコンテンツを扱うことができるが、そのようなバージョンが利用可能でない場合、再生デバイスは、利用可能なオーディオコンテンツの最高品質の非暗号化バージョンを取得してもよい。これらの状況では、再生デバイスは、本明細書で説明したローカル暗号化技術を省いてもよい。
【0264】
図11を参照すると、ブロック1102から始めて、再生デバイスは、第1の暗号化方式にしたがって暗号化された音楽サービスからオーディオコンテンツを取得してもよい。前述したように、再生デバイスは、
図12に示す第1再生デバイス1201であってもよい。更に、メディアサービスは、クラウドベースのメディアサービス1204としてもよく、クラウドベースのメディアサービスは、前述し
図1Bおよび
図5にそれぞれ示すメディア・コンテンツ・サービス192または502aと同様または同じであってもよい。例えば、第1再生デバイス1201には、暗号化された高品質のDRM保護オーディオコンテンツ(例えば、HDまたはUHDコンテンツ)を含み得るクラウドベースのメディアサービス1204からのストリーミングオーディオコンテンツにアクセスするための認証情報(例えば、ログイン認証情報、アクセストークン、鍵など)が提供されてもよい。したがって、
図12に破線で概略的に示すように、第1再生デバイス1201によって取得されたオーディオコンテンツは、第1の暗号化方式1206に従って暗号化されてもよい。第1の暗号化方式1206は、とりわけ、Widevine DRM、PlayReady DRM、FairPlay DRMなどの様々な形態をとってもよい。
【0265】
ブロック1104において、第1再生デバイス1201は、オーディオコンテンツを解読するための情報を取得するためにライセンスサービスと通信してもよい。オーディオコンテンツを解読するための情報は、1つ以上の解読鍵を含んでもよい。ライセンスサービスは、
図12に示すように、クラウドベースのライセンスサービス1205であってもよい。場合によっては、第1の暗号化方式1206は、クラウドベースのライセンスサービス1205が第3の者によって提供されるように構成されてもよい。他の例では、クラウドベースのライセンスサービス1205は、クラウドベースのメディアサービス1204のコンポーネントであってもよい。他の例もまた可能である。
【0266】
ブロック1106において、第1再生デバイス1201は、取得した情報を用いてオーディオコンテンツを解読してもよい。その後、第1再生デバイス1201は、単独でコンテンツを再生していた場合、解読されたオーディオコンテンツを再生することができてもよい。しかしながら、第1再生デバイス1201は、
図12に第2再生デバイス1202および第3再生デバイス1203として例として示される同期再生のための1つ以上の更なる再生デバイスとグループ化されてもよい。これに関連して、第1の、第2の、および第3再生デバイスは、
図1Aおよび
図1Bに示される例示的なメディア再生システム100などのメディア再生システムまたは
図5に示すメディア再生システム500の一部を形成してもよい。前述したように、第1再生デバイス1201は、グループメンバーと称されることがある第2のおよび第3再生デバイスとのオーディオコンテンツの同期再生のためのグループコーディネータとして機能することができる。例えば、第1再生デバイス1201は、各グループメンバーによるオーディオコンテンツの同期再生を容易にする再生タイミング情報と共に、オーディオコンテンツをグループメンバーに(例えば、一連のオーディオフレームとして)送信してもよい。したがって、オーディオコンテンツが第1再生デバイス1201および他のグループメンバーによって同期して再生され得る前に、オーディオコンテンツは、デジタル権利者のセキュリティ要件を満たすように他のグループメンバーへ送信される必要がある。
【0267】
したがって、ブロック1108において、再生デバイス1201は、
図12に一点鎖線で概略的に示されている第2の暗号化方式1207に従って、解読されたオーディオコンテンツを再暗号化してもよい。第2の暗号化方式1207は、他の可能性の中でも、ChaCha 20 Poly 1305またはAES-GCMなどの様々な形態をとってもよい。
【0268】
その後、ブロック1110において、再生デバイス1201は、再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために第1再生デバイス1201とグループ化される少なくとも1つの再生デバイスへ送信してもよい。
図12の例に示すように、再生デバイス1201は、再暗号化されたオーディオコンテンツを第2再生デバイス1202および第3再生デバイス1203の両方に送信する。
【0269】
第2の暗号化方式1207にしたがってオーディオコンテンツを再暗号化する一部として、第1再生デバイス1201は、グループメンバーが再暗号化されたオーディオコンテンツを解読できるように、グループメンバーが利用できるようにされる暗号鍵のセットを生成してもよい(例えば、漸進的に生成する)。例えば、暗号鍵は、第1再生デバイス1201と所与のグループメンバーデバイスとの間の相互SSL接続を介してのみアクセス可能なHTTPエンドポイントを使用して利用可能にされてもよい。このようにして、暗号鍵は、メディア再生システムのWLAN上のネットワークトラフィックを傍受しようとしている可能性がある第3の者デバイスにはアクセスできない。
【0270】
いくつかの実装形態では、第1再生デバイス1201は、各それぞれのグループメンバーとの相互SSL接続を確立し、再暗号化されたオーディオコンテンツに関連して暗号鍵を自動的に送信してもよい。別の可能性として、第2再生デバイス1202は、再暗号化されたオーディオコンテンツを受信しかつオーディオコンテンツの解読が必要であると決定した後に暗号鍵を要求してもよい。したがって、第1再生デバイス1201は、再暗号化されたオーディオコンテンツを解読するための情報を求める要求を第2再生デバイス1202から受信してもよい。この要求に基づいて、第1再生デバイス1201は、第2再生デバイス1202との相互SSL接続を確立し、第2再生デバイス1202に1つ以上の暗号鍵を送信するか、そうでなければ利用可能にしてもよい。
【0271】
第2再生デバイス1202および第3再生デバイス1203が必要な暗号鍵を受信すると、それらはそれぞれ、第1再生デバイス1201から受信した再暗号化されたオーディオコンテンツを解読してもよい。その後、ブロック1112において、第1再生デバイス1201は、第2再生デバイス1202および第3再生デバイス1203によるオーディオコンテンツの再生と同期してオーディオコンテンツを再生してもよい。
【0272】
第1再生デバイス1201は、様々な異なる鍵管理ポリシーのいずれかに従って暗号鍵を生成および回転させてもよい。一可能性として、複数のオーディオフレームを含み得るオーディオコンテンツの再暗号化に関連して、第1再生デバイス1201は、再暗号化されたオーディオコンテンツの所定数のオーディオフレーム(例えば、1000万フレーム)にそれぞれ対応する暗号鍵を生成してもよい。例えば、第1再生デバイス1201は、ブロック1108において第2の暗号化方式1207にしたがってオーディオコンテンツを再暗号化するときに暗号鍵の初期セット(例えば、5つの鍵、10個の鍵など)を生成してもよい。
【0273】
図13Aは、第1の暗号鍵1301aと、後続の暗号鍵1301b、1301c、1301d、および1301eとを含む暗号鍵1301の例示的なセットを示す概略図を示す。第1の暗号鍵1301aを用いて所定数のフレームを暗号化した後、第1再生デバイス1201は、第1の暗号鍵1301aの使用を中断し、所定数のフレームに再び達するまで、第2の暗号鍵1301bを用いて解読されたオーディオコンテンツの次のフレームの再暗号化を開始してもよく、以下同様である。
【0274】
別の可能性として、第1再生デバイス1201は、各鍵がオーディオコンテンツの特定の再生時間(例えば、5分など)に使用されるように、時間ベースのポリシーに従って暗号鍵のセットを利用してもよい。更に別の可能性として、第1再生デバイス1201は、各暗号鍵が単一のオーディオトラックに対応するように、所与のプレイリストまたは再生キューにおいてオーディオトラック間の境界に達するまで各暗号鍵を利用してもよい。多数の他のポリシーも可能である。
【0275】
第1再生デバイス1201が第2の暗号化方式1207にしたがってオーディオコンテンツを再暗号化するために所与の暗号鍵の使用を中断した後、第1再生デバイス1201は、暗号鍵をセットから破棄し、新たな鍵を生成してもよい。例えば、第1再生デバイス1201は、第1の暗号鍵が破棄されたときに第六の暗号鍵1301fを生成して鍵のセット1301に追加してもよい。新たな鍵は、第2のおよび第3再生デバイスへ送信されてもよく、或いは、これらのデバイスは、再暗号化されたオーディオコンテンツを解読するために第1の暗号鍵1301aを使用し終えた後に新たな鍵を要求してもよい。いくつかの実施形態では、第2および第3再生デバイスは、より高い優先度(例えば、再生制御コマンド)を有する他のメッセージが送信および/または受信される必要がある場合、それぞれの鍵のリストを非同期的にリフレッシュしてもよい。
【0276】
いくつかの実装形態では、第1再生デバイス1201は、第1再生デバイス1201が第2の暗号鍵1301bを用いてオーディオコンテンツを再暗号化するように移行したときに直ちに第1の暗号鍵1301aを破棄しなくてもよい。例えば、第1再生デバイス1201が第1の暗号鍵1301aの使用を中断した後であるが、同期グループが第1の暗号鍵1301aを用いて暗号化された対応するオーディオコンテンツを再生する前に、新たな再生デバイスがグループに参加する状況が存在してもよい。したがって、第1再生デバイス1201が第2の暗号鍵1301bを用いてオーディオコンテンツの再暗号化を開始したとしても、新たなグループメンバーは依然として第1の暗号鍵1301aへのアクセスを必要とし得る。これらの種類の状況を考慮するために、第1再生デバイス1201は、以前に使用された暗号鍵を破棄される前に一定期間保持してもよい。
【0277】
新たな鍵は、他の様々なポリシーに従って生成されてもよい。例えば、第1再生デバイス1201は、前の鍵が破棄されるたびに新たな鍵を生成するのではなく、対応する数の鍵が破棄されるたびに、5個のセット等のセットにおいて新たな鍵を生成してもよい。暗号鍵がオーディオトラック境界と位置合わせされる実施形態では、第1再生デバイス1201は、現在の鍵が使用されなければならない最小数のフレームを課してもよく、それにより、いくつかのトラックをスキップするユーザは、生成された鍵のリスト全体をあまりにも速く使い尽くさない。
【0278】
図13Bを参照すると、概略図は、第2の暗号化方式1207に従って再暗号化されるオーディオフレーム1302の一例を示す。
図13Bに示すように、第1再生デバイス1201は、オーディオフレーム1302のすべての態様を暗号化しなくてもよい。例えば、再暗号化されたオーディオコンテンツの各フレームは、オーディオデータ部分1303およびヘッダ部分1304を含んでもよい。オーディオデータ部分1303は、オーディオコンテンツを解読するために必要とされ得る関連するメタデータを含む、再暗号化されたオーディオコンテンツを含んでもよい。例えば、各オーディオフレーム1302のオーディオデータ部分1303は、他のデータの中でも、鍵識別子(例えば、使用された暗号鍵のハッシュ)、新たなオーディオフレームごとにインクリメントされ、暗号の初期化値として機能するカウンタ、および暗号文(すなわち、再暗号化されたコンテンツ)を含んでもよい。一方、ヘッダ部分1304は、第1再生デバイス1201と同期してオーディオコンテンツを再生するための再生タイミング情報など、暗号化する必要のない他のデータを含んでもよい。
【0279】
各オーディオフレーム1302が
図12に示される第2のまたは第3再生デバイスなどのグループメンバーによって受信されると、グループメンバーは、カウンタおよび鍵識別子に基づく正しい暗号鍵を使用して暗号文を解読する。グループメンバーが未知の鍵識別子で(例えば、スキップトラックコマンドの後に、またはグループメンバーが暗号化されたオーディオコンテンツを最初に受信し始めるときに)暗号化されたフレームを受信する状況では、グループメンバーは、オーディオコンテンツを解読して再生することができる前に、グループコーディネータから正しい暗号鍵を検索する必要があると決定してもよい。
【0280】
いくつかの実装形態では、第1再生デバイス1201はまた、オーディオコンテンツの同期再生中にグループメンバーへ送信する他のタイプのデータを暗号化するために第2の暗号化方式1207を使用してもよい。例えば、第1再生デバイス1201は、再生/一時停止/スキップコマンドまたは音量制御コマンドなどのオーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンド(例えば、第1再生デバイス1201のマイクロフォンを介して受信される音声コマンド)の表示を受信してもよい。第1再生デバイス1201は、第2の暗号化方式1207に従って再生コマンドを示すデータパケットを暗号化し、暗号化されたデータパケットを第2再生デバイス1202に送信してもよい。
【0281】
同様に、第1再生デバイス1201はまた、第2の暗号化方式1207に従って暗号化された1つ以上のグループメンバーからデータを受信してもよい。例えば、第1再生デバイス1201は、第2の暗号化方式1207にしたがって暗号化されたデータパケットを第2再生デバイス1202から受信してもよい。第1再生デバイス1201は、データパケットを解読し、解読されたデータパケットに基づいて、オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドの表示を決定してもよい。例えば、第2再生デバイス1202は、静電容量センサを介して音量制御入力を受信してもよく、またはマイクロフォンを介して音声コマンドを検出してもよく、これらの両方は、すべてのグループメンバー間の調整のために第1再生デバイス1201に送信されてもよい。したがって、第1再生デバイス1201は、オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドを実行してもよい。
【0282】
これに関連して、第1再生デバイス1201および他のグループメンバーによって利用される第2の暗号化方式1207は、対称暗号化方式であってもよい。一般に非対称方式であるクラウドベースのメディアサービス1204によって使用される第1の暗号化方式1206とは異なり、第2の暗号化方式1207の暗号鍵は、暗号化および解読の両方のために所定の再生デバイスによって使用されてもよい。これは、デバイス間の双方向の暗号化された通信を可能にすることができ、これは状況によっては有用であり得る。
【0283】
対称暗号化方式は、他の利点も提供し得る。例えば、対称方式は、第1再生デバイス1201がグループから外されるか、またはグループコーディネータとして動作し続けることができなくなった場合に、グループコーディネータの責任の比較的シームレスな委譲を可能にしてもよい。例えば、第2再生デバイス1202は、第2の暗号化方式1207の下で解読に使用する現在のカウンタおよび鍵識別子を独立して追跡してもよい。その際、第2再生デバイス1202は、同じ暗号化方式に従って新たなオーディオフレームを暗号化することによって第1再生デバイス1201が見送ったグループコーディネータとして引き継ぐことができてもよい。例えば、第2再生デバイス1202が、クラウドベースのメディアサービス1204および他のグループメンバーがバッファされたオーディオフレームを使い果たす前に、暗号化されたオーディオコンテンツをクラウドベースのメディアサービスから取得する責任を引き受けることができると仮定すると、第2再生デバイス1202は、オーディオコンテンツの解読および再暗号化を開始し、再生を中断することなく他のグループメンバーにオーディオコンテンツを送信してもよい。好適には、他のグループメンバーは、第1再生デバイス1201から以前に取得された暗号鍵のセットを使用し続けてもよい。
【0284】
メディア再生システム内の他の再生デバイスに再送信されるオーディオコンテンツの暗号化を維持する必要性に関する上記の説明にもかかわらず、暗号化されたオーディオコンテンツがメディアサービスから取得されるが、グループコーディネータによって再暗号化される必要がない状況があり得る。例えば、ホームシアター構成などのメディア再生システムにおけるいくつかのグループ構成は、オーディオコンテンツに含まれ得るオーディオチャネルのサブセットを再生するようにのみ割り当てられた再生デバイスを含んでもよい。したがって、グループコーディネータは、解読後に、オーディオコンテンツのフルバージョンを復号し、次いで、異なる再生デバイスへ送信される別個のチャネルへと変換してもよい。これらの状況では、たとえ個人がメディア再生システムのWLANを介して送信されたオーディオコンテンツの別個のチャネルを傍受したとしても、別個のストリームを元の完全なバージョンのオーディオコンテンツに再アセンブルすることは困難であり得る。したがって、デジタル著作権者は、このようにグループコーディネータによって変更されるDRM保護コンテンツに対して同じレベルのセキュリティを必要としない場合がある。
【0285】
したがって、第1再生デバイス1201は、解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式1207にしたがって再暗号化するためのプリカーサとして、オーディオコンテンツのすべてのチャネルが第2再生デバイス1202へ送信されるべきかどうかを決定してもよい。第2再生デバイス1202がオーディオコンテンツの全チャネルよりも少ないチャネルを受信する場合、第1再生デバイス1201は、第2再生デバイス1202へ送信されるオーディオコンテンツの再暗号化を取り止めてもよい。しかしながら、第1再生デバイス1201が、第2再生デバイス1202がオーディオコンテンツのすべてのチャネルを受信すると決定した場合(例えば、オリジナルの解読されたオーディオコンテンツ)、第1再生デバイス1201は、前述したように第2の暗号化方式1207にしたがってオーディオコンテンツを再暗号化してもよい。
【0286】
V.結論
上記の説明は、数ある中で、他のコンポーネントの中で、ハードウェア上で実行されるファームウェアおよび/またはソフトウェアを含む、様々な例示的なシステム、方法、装置、および製造品を開示している。そのような例は単なる例示であり、限定的なものと考えるべきではないことが理解される。例えば、ファームウェア、ハードウェア、および/またはソフトウェアの態様またはコンポーネントのいずれかまたはすべてが、ハードウェアのみで、ソフトウェアのみで、ファームウェアのみで、またはハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの任意の組み合わせで具現化され得ることが意図されている。したがって、提供される例は、そのようなシステム、方法、装置、および/または製造品を実装するための唯一の方法ではない。
【0287】
さらに、本明細書において「実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載された特定の機能、構造、または特徴が、本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所で現れているこの用語は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すものではなく、また、別個の実施形態または代替的な実施形態が他の実施形態と相互に排他的であるものでもない。そのように、本明細書に記載された実施形態は、当業者であれば明示的にも暗黙的にも理解されるように、他の実施形態と組み合わせることができる。
【0288】
更に、本明細書で説明される例は、IoTデバイスを備える任意のモノのインターネット(IoT)システムなどのメディア再生システムとは別個のシステムで使用されてもよい。IoTデバイスは、例えば、ネットワーク(例えば、インターネットなどのWAN)を介して受信された情報に基づいて1つ以上の特定のタスク(例えば、コーヒーを作ること、食品を再加熱すること、ドアをロックすること、別のデバイスに電力を供給すること、音楽を再生すること)を実行するように設計されたデバイスであり得る。例示的なIoTデバイスには、スマートサーモスタット、スマートドアベル、スマートロック(例えば、スマートドアロック)、スマートアウトレット、スマートライト、スマート真空、スマートカメラ、スマートテレビ、スマートキッチンアプライアンス(例えば、スマートオーブン、スマートコーヒーメーカー、スマート電子レンジ、およびスマート冷蔵庫)、スマートホーム固定具(例えば、スマート蛇口、スマートシャワーヘッド、スマートブラインド、およびスマートトイレ)、およびスマートスピーカー(上記のネットワークアクセス可能および/または音声対応再生デバイスを含む)が含まれる。これらのIoTシステムはまた、1つ以上のクラウドサーバ(例えば、WANを介してIoTデバイスと通信する)および/または1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、LANおよび/またはPANを介してIoTデバイスと通信する)などの1つ以上のネットワークを介してIoTデバイスと通信する1つ以上のデバイスを備えてもよい。したがって、本明細書に記載の例は、メディア再生システムに限定されない。
【0289】
本明細書における特定の構成要素、装置、および/またはシステムへの情報の送信への言及は、特定の構成要素、装置、および/またはシステムに間接的または直接的に情報(例えば、メッセージ、要求、応答)を送信することを含むと理解されるべきであることを理解されたい。したがって、特定の構成要素、装置、および/またはシステムに送信される情報は、その宛先に到達する前に、任意の数の中間構成要素、装置、および/またはシステムを通過してもよい。例えば、制御デバイスは、最初に情報をコンピューティングシステムに送信し、次に情報を再生デバイスに送信することによって、情報を再生デバイスに送信してもよい。更に、中間構成要素、デバイス、および/またはシステムによって情報に修正を加えてもよい。例えば、中間構成要素、装置、および/またはシステムは、情報の一部を修正し、情報を再フォーマットし、および/または更なる情報を組み込んでもよい。
【0290】
同様に、本明細書における特定の構成要素、装置、および/またはシステムから情報を受信することへの言及は、特定の構成要素、装置、および/またはシステムから間接的または直接的に情報(例えば、メッセージ、要求、応答)を受信することを含むと理解されるべきである。したがって、特定の構成要素、装置、および/またはシステムから受信される情報は、受信される前に任意の数の中間構成要素、装置、および/またはシステムを通過してもよい。例えば、制御デバイスは、再生デバイスから発信されたクラウドサーバから情報を受信することによって間接的に再生デバイスから情報を受信してもよい。更に、中間構成要素、デバイス、および/またはシステムによって情報に修正を加えてもよい。例えば、中間構成要素、装置、および/またはシステムは、情報の一部を修正し、情報を再フォーマットし、および/または更なる情報を組み込んでもよい。
【0291】
本明細書は、ネットワークに接続されたデータ処理デバイスの動作に直接または間接的に類似した例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、および他の記号的表現の観点から広く提示されている。これらのプロセス記述および表現は、当業者が、他の当業者にその作業の実体を最も効果的に伝えるために典型的に使用される。多くの特定の詳細は、本開示の完全な理解を提供するために記載されている。しかしながら、本開示の特定の実施形態は、特定の具体的な詳細なしに実施することができることは、当業者に理解されるであろう。他の実施例では、実施形態の態様を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の方法、手順、コンポーネント、および回路が詳細に記載されていない。したがって、本開示の範囲は、前記の実施形態の説明よりもむしろ、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0292】
添付の特許請求の範囲のいずれかが、純粋にソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装をカバーするために読み取られる場合、少なくとも1つの例における要素のうちの少なくとも1つは、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを格納するメモリ、DVD、CD、ブルーレイなどのような有形の非一時的な媒体を含むことを本明細書では明示的に定義される。
【0293】
a.例示的な特徴
(特徴1)少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを備える第1再生デバイスであって、プログラム命令は、第1再生デバイスが、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンおよび第2のバージョンを識別し、(ii)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質および第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質を識別し、第2再生デバイスおよび第3再生デバイスが、オーディオコンテンツの再生のための第1再生デバイスとの同期グループのメンバーであり、(iii)第1の接続品質が閾値基準を満たすとともに第2の接続品質が閾値基準を満たさないと決定し、(iv)オーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンの一方を再生し、(v)第1の接続品質が閾値基準を満たすとともに第2の接続品質が閾値基準を満たさないという決定に基づいて、(1)第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生させ、(2)第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(vi)第3再生デバイスがオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生している間に、第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出し、(vii)第2の接続品質の検出された変化に基づいて、第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生へと移行させるべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である、第1再生デバイス。
【0294】
(特徴2)第1再生デバイス、第2再生デバイス、および第3再生デバイスは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を介してネットワークデバイスと通信するように構成される、特徴1の第1再生デバイス。
【0295】
(特徴3)第1再生デバイスが第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスがネットワークレイテンシの変化またはネットワーク帯域幅の変化のうちの少なくとも一方を検出するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴1の第1再生デバイス。
【0296】
(特徴4)第1再生デバイスが第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の改善を検出するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含み、オーディオコンテンツの第1のバージョンは、オーディオコンテンツの第2のバージョンよりも高いビットレートを含む、特徴1の第1再生デバイス。
【0297】
(特徴5)第1再生デバイスが、(i)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質の変化を検出し、(ii)検出された変化に基づいて、第1の接続品質がもはや閾値基準を満たさないと決定し、(iii)決定に基づいて、(1)オーディオコンテンツの第3のバージョンを識別し、(2)第2再生デバイスに、第1再生デバイスおよび第3再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第3のバージョンの再生へと移行させ、(iv)第3再生デバイスと同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生を継続するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に備える、特徴1の第1再生デバイス。
【0298】
(特徴6)第1再生デバイスが第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質の変化を検出するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが第1の接続品質の低下を検出するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含み、オーディオコンテンツの第3のバージョンは、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンよりも低く、かつ(ii)オーディオコンテンツの第2のバージョンよりも高いビットレートを含む、特徴5の第1再生デバイス。
【0299】
(特徴7)第1再生デバイスが第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質および第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質を識別するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、オーディオコンテンツの再生のための第1再生デバイスとの同期グループのメンバーである第2再生デバイスおよび第3再生デバイスのそれぞれに関して第1再生デバイスがオーディオコンテンツを生成するためのそれぞれの能力を識別するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含み、第2再生デバイスのそれぞれの能力は、(i)第1再生デバイスのそれぞれの能力と一致し、かつ(ii)第3再生デバイスのそれぞれの能力とは異なる、特徴1の第1再生デバイス。
【0300】
(特徴8)第1再生デバイスがオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方を再生するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスがオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含み、再生デバイスは、第1再生デバイスが、(i)少なくとも1つの更なる再生デバイスが同期グループに参加したことを決定し、(ii)同期グループ内の全再生デバイスの数が閾値量を超えると決定し、(iii)同期グループ内の全再生デバイスの数が閾値量を超えるという決定に基づいて、(1)第2再生デバイスおよび第3再生デバイスに、オーディオコンテンツの第1のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行させ、オーディオコンテンツの第2のバージョンが、オーディオコンテンツの第1のバージョンよりも低いビットレートを含み、(2)少なくとも1つの更なる再生デバイスに、第2および第3再生デバイスと同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(3)オーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から、第2、第3、および少なくとも1つの更なる再生デバイスと同期したオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へ移行するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴1の第1再生デバイス。
【0301】
(特徴9)(i)第1再生デバイスが、第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生させるべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが再生のためにオーディオコンテンツの第1のバージョンを第2再生デバイスに送信するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含み、(ii)第1再生デバイスが、第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させるべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが再生のためにオーディオコンテンツの第2のバージョンを第3再生デバイスに送信するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含む、特徴1の第1再生デバイス。
【0302】
(特徴10)第1再生デバイスが第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが第2の接続品質が変化したという表示を第3再生デバイスから受信するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴1の第1再生デバイス。
【0303】
(特徴11)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンおよび第2のバージョンを識別し、(ii)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質および第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質を識別し、第2再生デバイスおよび第3再生デバイスが、オーディオコンテンツの再生のための第1再生デバイスとの同期グループのメンバーであり、(iii)第1の接続品質が閾値基準を満たすとともに第2の接続品質が閾値基準を満たさないと決定し、(iv)オーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンの一方を再生し、(v)第1の接続品質が閾値基準を満たすとともに第2の接続品質が閾値基準を満たさないという決定に基づいて、(1)第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生させ、(2)第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(vi)第3再生デバイスがオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生している間に、第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出し、(vii)第2の接続品質の検出された変化に基づいて、第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生へと移行させるようにするプログラム命令でプロビジョニングされる非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0304】
(特徴12)第1再生デバイス、第2再生デバイス、および第3再生デバイスは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を介してネットワークデバイスと通信するように構成される、特徴11の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0305】
(特徴13)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスが第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出するようにするプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスがネットワークレイテンシの変化またはネットワーク帯域幅の変化のうちの少なくとも一方を検出するようにするプログラム命令を含む、特徴11の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0306】
(特徴14)第1再生デバイスが第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の改善を検出するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含み、オーディオコンテンツの第1のバージョンは、オーディオコンテンツの第2のバージョンよりも高いビットレートを含む、特徴11の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0307】
(特徴15)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の前記第1の接続品質の変化を検出し、(ii)検出された変化に基づいて、第1の接続品質がもはや閾値基準を満たさないと決定し、(iii)決定に基づいて、(1)オーディオコンテンツの第3のバージョンを識別し、(2)第2再生デバイスに、第1再生デバイスおよび第3再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第3のバージョンの再生へと移行させ、(iv)第3再生デバイスと同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生を継続するようにするプログラム命令でもプロビジョニングされる、特徴11の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0308】
(特徴16)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスが第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質の変化を検出するようにするプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスが第1の接続品質の低下を検出するようにするプログラム命令を含み、オーディオコンテンツの第3のバージョンは、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンよりも低く、かつ(ii)オーディオコンテンツの第2のバージョンよりも高いビットレートを含む、特徴15の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0309】
(特徴17)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスが第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質および第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質を識別するようにするプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときにオーディオコンテンツの再生のための第1再生デバイスとの同期グループのメンバーである第2再生デバイスおよび第3再生デバイスのそれぞれに関して第1再生デバイスがオーディオコンテンツを生成するためのそれぞれの能力を識別するようにするプログラム命令を更に含み、第2再生デバイスのそれぞれの能力は、(i)第1再生デバイスのそれぞれの能力と一致し、かつ(ii)第3再生デバイスのそれぞれの能力とは異なる、特徴11の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0310】
(特徴18)(1)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスがオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方を再生するようにするプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスがオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するようにするプログラム命令を含み、および(2)非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)少なくとも1つの更なる再生デバイスが同期グループに参加したことを決定し、(ii)同期グループ内の全再生デバイスの数が閾値量を超えると決定し、(iii)同期グループ内の全再生デバイスの数が閾値量を超えるという決定に基づいて、(1)第2再生デバイスおよび第3再生デバイスに、オーディオコンテンツの第1のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行させ、オーディオコンテンツの第2のバージョンが、オーディオコンテンツの第1のバージョンよりも低いビットレートを含み、(2)少なくとも1つの更なる再生デバイスに、第2および第3再生デバイスと同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(3)オーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から、第2、第3、および少なくとも1つの更なる再生デバイスと同期したオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へ移行するようにするプログラム命令でもプロビジョニングされる、特徴11の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0311】
(特徴19)少なくとも一方のプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスが第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出するようにするプログラム命令は、少なくとも一方のプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスが第2の接続品質が変化したという表示を第3再生デバイスから受信するようにするプログラム命令を含む、特徴11の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0312】
(特徴20)第1再生デバイスによって実行される方法であって、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンおよび第2のバージョンを識別するステップと、(ii)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質および第3再生デバイスと前記ネットワークデバイスとの間の第2の接続品質を識別するステップであって、第2再生デバイスおよび第3再生デバイスが、オーディオコンテンツの再生のための第1再生デバイスとの同期グループのメンバーである、ステップと、(iii)第1の接続品質が閾値基準を満たし、第2の接続品質が閾値基準を満たさないと決定するステップと、(iv)オーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの1つを再生するステップと、(v)第1の接続品質が閾値基準を満たし、第2の接続品質が閾値基準を満たさないと決定することに基づいて、(1)第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生させ、(2)第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(vi)第3再生デバイスがオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生している間に、第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出し、(vii)第2の接続品質の検出された変化に基づいて、第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのうちの一方の再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生へと移行させるステップとを含む方法。
【0313】
(特徴21)少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを備える第1再生デバイスであって、プログラム命令は、第1再生デバイスが、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンおよび第2のバージョンを識別し、(ii)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続品質を識別し、第2再生デバイスが、オーディオコンテンツの再生のための第1再生デバイスとの同期グループのメンバーであり、(iii)接続品質が閾値基準を満たしていないと決定し、(iv)オーディオコンテンツの第1のバージョンを再生し、(v)接続品質が閾値基準を満たしていないという決定に基づいて、第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期して、オーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(vi)第2再生デバイスがオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生している間に、第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続の接続品質の変化を検出し、(vi)接続品質の検出された変化に基づいて、第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生へと移行させるべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である第1再生デバイス。
【0314】
(特徴22)少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを備える第1再生デバイスであって、プログラム命令は、第1再生デバイスが、(1)第1再生デバイスおよび第2再生デバイスを備える同期グループの一部として動作し、(2)第1の符号化フォーマットに従って符号化されるオーディオコンテンツの第1のバージョンを取得し、(3)オーディオコンテンツの第1のバージョンが第2再生デバイスによる再生に適していないと決定し、(4)決定に基づいて、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンを復号し、(ii)第2の符号化フォーマットに従ってオーディオコンテンツの第2のバージョンを再符号化し、(5)オーディオコンテンツの第2のバージョンを再生のために第2再生デバイスに送信し、(6)オーディオコンテンツの第2のバージョンを第2再生デバイスに再生させ、(7)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である第1再生デバイス。
【0315】
(特徴23)オーディオコンテンツの第1のバージョンは、オーディオコンテンツの第2のバージョンのそれぞれのビットレートよりも高いビットレートを含む、特徴22の第1再生デバイス。
【0316】
(特徴24)オーディオコンテンツの前記第1のバージョンが第2再生デバイスによる再生に適していないと決定するべく再生デバイスが構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが(1)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続品質を識別し、および(2)接続品質が閾値接続品質を満たしていないと決定するべき構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴22の第1再生デバイス。
【0317】
(特徴25)第1再生デバイスおよび第2再生デバイスは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を介してネットワークデバイスと通信するように構成される、特徴24の第1再生デバイス。
【0318】
(特徴26)第1再生デバイスが、(1)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続品質の変化を決定し、変化に基づいて接続品質が閾値接続品質を満たし、(2)決定に基づいて、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンを第2再生デバイスに送信し、(ii)第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生へと移行させるべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含む、特徴24の第1再生デバイス。
【0319】
(特徴27)第1再生デバイスが第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続品質の変化を決定するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが(i)ネットワークレイテンシまたは(ii)ネットワーク帯域幅の一方または両方の改善を決定するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含み、オーディオコンテンツの第1のバージョンは、オーディオコンテンツの第2のバージョンのそれぞれのビットレートよりも高いビットレートを含む、特徴26の第1再生デバイス。
【0320】
(特徴28)再生デバイスが、(1)同期グループの第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第3の接続品質の変化を決定し、変化に基づいて第3の接続品質が前記閾値接続品質を満たさず、(2)決定に基づいて、(i)オーディオコンテンツの第3のバージョンを第3の符号化フォーマットに従って再符号化し、(ii)オーディオコンテンツの第3のバージョンを第3再生デバイスへ送信し、(iii)第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生および第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのいずれかの再生からオーディオコンテンツの第3のバージョンの再生へと移行させるべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含む、特徴24の第1再生デバイス。
【0321】
(特徴29)第1再生デバイスが第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第3の接続品質の変化を決定するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが(i)ネットワークレイテンシまたは(ii)ネットワーク帯域幅の一方または両方の低減を決定するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含み、第3のバージョンは、第2のバージョンのそれぞれのビットレートよりも高いが第1のバージョンのそれぞれのビットレートよりも低いビットレートを含む、特徴28の第1再生デバイス。
【0322】
(特徴30)オーディオコンテンツの第1のバージョンが同期グループの第2再生デバイスによる再生に適していないと決定するべく再生デバイスが構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、オーディオコンテンツの第1のバージョンにおけるオーディオチャネルの数が第2再生デバイスによる再生に適していないと決定するべく第1再生デバイスが構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴22の第1再生デバイス。
【0323】
(特徴31)再生デバイスがオーディオコンテンツの第1のバージョンを取得するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、再生デバイスがオーディオラインイン入力接続を介してコンピューティングデバイスからオーディオコンテンツの第1のバージョンを取得するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴22に記載の第1再生デバイス。
【0324】
(特徴32)再生デバイスがオーディオコンテンツの第1のバージョンを取得するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、再生デバイスがメディアストリーミングサービスからオーディオコンテンツの第1のバージョンを取得するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴22の第1再生デバイス。
【0325】
(特徴33)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、再生デバイスが、(1)第1再生デバイスおよび第2再生デバイスを備える同期グループの一部として動作し、(2)第1の符号化フォーマットに従って符号化されるオーディオコンテンツの第1のバージョンを取得し、(3)オーディオコンテンツの第1のバージョンが第2再生デバイスによる再生に適していないと決定し、(4)決定に基づいて、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンを復号し、(ii)第2の符号化フォーマットに従ってオーディオコンテンツの第2のバージョンを再符号化し、(5)オーディオコンテンツの第2のバージョンを再生のために第2再生デバイスに送信し、(6)オーディオコンテンツの第2のバージョンを第2再生デバイスに再生させ、(7)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するようにするプログラム命令でプロビジョニングされる非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0326】
(特徴34)オーディオコンテンツの第1のバージョンは、オーディオコンテンツの第2のバージョンのそれぞれのビットレートよりも高いビットレートを含む、特徴33の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0327】
(特徴35)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときにオーディオコンテンツの第1のバージョンが第2再生デバイスによる再生に適していないと再生デバイスが決定するようにするプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに再生デバイスが(1)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続品質を識別し、および(2)接続品質が閾値接続品質を満たしていないと決定するようにするプログラム命令を含む、特徴33の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0328】
(特徴36)第1再生デバイスおよび第2再生デバイスは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を介してネットワークデバイスと通信するように構成される、特徴35の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0329】
(特徴37)非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、再生デバイスが、(1)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の接続品質の変化を決定し、変化に基づいて接続品質が閾値接続品質を満たし、(2)決定に基づいて、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンを第2再生デバイスに送信し、(ii)第2再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生へと移行させるようにするプログラム命令でもプロビジョニングされる、特徴35の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0330】
(特徴38)非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、再生デバイスが、(1)同期グループの第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第3の接続品質の変化を決定し、変化に基づいて第3の接続品質が前記閾値接続品質を満たさず、(2)決定に基づいて、(i)オーディオコンテンツの第3のバージョンを第3の符号化フォーマットに従って再符号化し、(ii)オーディオコンテンツの第3のバージョンを第3再生デバイスへ送信し、(iii)第3再生デバイスに、第1再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生および第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンまたは第2のバージョンのいずれかの再生からオーディオコンテンツの第3のバージョンの再生へと移行させるようにするプログラム命令でもプロビジョニングされる、特徴35の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0331】
(特徴39)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときにオーディオコンテンツの第1のバージョンが同期グループの第2再生デバイスによる再生に適していないと再生デバイスが決定するようにするプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときにオーディオコンテンツの第1のバージョンにおけるオーディオチャネルの数が第2再生デバイスによる再生に適していないと再生デバイスが決定するようにするプログラム命令を含む、特徴33の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0332】
(特徴40)再生デバイスによって実行される方法であって、(1)第1再生デバイスおよび第2再生デバイスを備える同期グループの一部として動作するステップと、(2)第1の符号化フォーマットに従って符号化されるオーディオコンテンツの第1のバージョンを取得するステップと、(3)オーディオコンテンツの第1のバージョンが第2再生デバイスによる再生に適していないと決定するステップと、(4)決定に基づいて、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンを復号し、(ii)第2の符号化フォーマットに従ってオーディオコンテンツの第2のバージョンを再符号化し、(5)オーディオコンテンツの第2のバージョンを再生のために第2再生デバイスに送信し、(6)オーディオコンテンツの第2のバージョンを第2再生デバイスに再生させ、(7)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するステップと、を含む方法。
【0333】
(特徴41)オーディオコンテンツの第1のバージョンは、オーディオコンテンツの第2のバージョンのそれぞれのビットレートよりも高いビットレートを含む、特徴40の方法。
【0334】
(特徴42)少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを備える第1再生デバイスであって、プログラム命令は、第1再生デバイスが、(i)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得された所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生し、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが、第1再生デバイスの第1の再生能力に対応し、(ii)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間に、第2再生デバイスがオーディオコンテンツの同期再生のための同期グループの一部として第1再生デバイスに参加するためのコマンドの表示を受信し、(iii)第2再生デバイスの第2の再生能力の決定に基づいて、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得し、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンが第2の再生能力に対応し、(iv)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行し、(v)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを同期して再生するように第2再生デバイスとコーディネートするべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である、第1再生デバイス。
【0335】
(特徴43)第1再生デバイスが、第2再生デバイスの第2の再生能力の決定に基づいて、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得する前に、第2再生デバイスの第2の再生能力を決定するべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴42の第1再生デバイス。
【0336】
(特徴44)第1再生デバイスが第2再生デバイスの第2の再生能力を決定するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第1再生デバイスが第2再生デバイスから第2再生デバイスの第2の再生能力の表示を受信するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴43の第1再生デバイス。
【0337】
(特徴45)第1再生デバイスが第2再生デバイスの第2の再生能力を決定するべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第1再生デバイスが、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスと通信するように構成されたリモートコンピューティングデバイスを介して、第2再生デバイスの第2の再生能力の表示を受信するべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴43の第1再生デバイス。
【0338】
(特徴46)第1再生デバイスが第2再生デバイスの再生能力を決定するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第1再生デバイスが、第1の再生能力と第2の再生能力との比較に基づいて、第1再生デバイスが同期グループのためのグループコーディネータとしての役割を果たすべきであると決定するべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含む、特徴43の第1再生デバイス。
【0339】
(特徴47)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが暗号化されたオーディオコンテンツであり、第1再生デバイスが第2再生デバイスの第2の再生能力を決定するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第2再生デバイスが暗号化されたオーディオコンテンツを解読することができないと決定するべく第1再生デバイスが構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴42の第1再生デバイス。
【0340】
(特徴48)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンは、(i)所与のオーディオコンテンツの低品質バージョンであり、かつ(ii)暗号化されていない、特徴47の第1再生デバイス。
【0341】
(特徴49)第1再生デバイスが所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを同期して再生するように第2再生デバイスとコーディネートするべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第1再生デバイスが(i)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンおよび(ii)再生タイミング情報を第2再生デバイスに送信するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含む、特徴42の第1再生デバイス。
【0342】
(特徴50)第1再生デバイスがクラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得された所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスと通信するように構成されるリモートコンピューティングデバイスから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを受信するべく第1再生デバイスが構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含む、特徴42の第1再生デバイス。
【0343】
(特徴51)(1)第1再生デバイスがクラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得される所与のオーディオコンテンツの前記第1のバージョンを再生するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第1再生デバイスが、(i)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを要求し、(ii)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを検索するための第1のURIを受信し、(iii)第1のURIを使用して、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを検索し、(2)第1再生デバイスがクラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第1再生デバイスが、(i)所与のオーディオコンテンツを第2のバージョンに要求し、(ii)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを検索するための第2のURIを受信し、(iii)第2のURIを使用して、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを検索するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含む、特徴42の第1再生デバイス。
【0344】
(特徴52)(1)前記第1再生デバイスがクラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得される所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第1再生デバイスが、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを要求し、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツのそれぞれの複数のバージョンを検索するための複数のURIを含むマニフェストを受信し、マニフェストが、(i)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを検索するための第1のURIと、(ii)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを検索するための第2のURIとを含み、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを検索するために第1のURIを使用するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含み、(2)第1再生デバイスがクラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第1再生デバイスがクラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを検索するために第2のURIを使用するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴42の第1再生デバイス。
【0345】
(特徴53)第1再生デバイスが所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第1再生デバイスが所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンにおける所与のオーディオトラック境界に到達した後に所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴42の第1再生デバイス。
【0346】
(特徴54)第1再生デバイスが所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第1再生デバイスが、(i)第1のユニフォーム・リソース・アイデンティファイヤ(「URI」)を用いて、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを第1のバッファにダウンロードし、(ii)第1のバッファから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間に、第2のURIを用いて所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを第2のバッファにダウンロードし始め、第1のバッファから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生することから、第2のバッファから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生することへと移行するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴42の第1再生デバイス。
【0347】
(特徴55)第1再生デバイスが、第2再生デバイスが同期グループの一部として第1再生デバイスに参加するためのコマンドの表示を受信する前に、(i)第3再生デバイスが同期グループの一部として第1再生デバイスに参加するためのコマンドの表示を受信し、(ii)第3再生デバイスの第3の再生能力を決定し、(iii)第3再生デバイスの第3の再生能力に基づいて、第1再生デバイスが同期グループのグループコーディネータとしての役割を果たすべきであると決定し、(iv)第1再生デバイスと同期して所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するように第3再生デバイスとコーディネートするべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴42の第1再生デバイス。
【0348】
(特徴56)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得された所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生し、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが、第1再生デバイスの第1の再生能力に対応し、(ii)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間に、第2再生デバイスがオーディオコンテンツの同期再生のための同期グループの一部として第1再生デバイスに参加するためのコマンドの表示を受信し、(iii)第2再生デバイスの第2の再生能力の決定に基づいて、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得し、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンが第2の再生能力に対応し、(iv)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行し、(v)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを同期して再生するように第2再生デバイスとコーディネートするようにするプログラム命令でプロビジョニングされる非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0349】
(特徴57)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、第2再生デバイスの第2の再生能力の決定に基づいて、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得する前に、第2再生デバイスの第2の再生能力を決定するようにするプログラム命令でもプロビジョニングされる、特徴56の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0350】
(特徴58)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスが第2再生デバイスの第2の再生能力を決定するようにする非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスが第2再生デバイスから第2再生デバイスの第2の再生能力の表示を受信するようにするプログラム命令を含む、特徴57の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0351】
(特徴59)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスが第2再生デバイスの第2の再生能力を決定するようにする非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスがクラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスと通信するように構成されるリモートコンピューティングデバイスを介して、第2再生デバイスの第2の再生能力の表示を受信するようにするプログラム命令を含む、特徴57の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0352】
(特徴60)第1再生デバイスによって実行される方法であって、(i)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得された所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するステップであって、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが、第1再生デバイスの第1の再生能力に対応する、ステップと、(ii)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間に、第2再生デバイスがオーディオコンテンツの同期再生のための同期グループの一部として第1再生デバイスに参加するためのコマンドの表示を受信するステップと、(iii)第2再生デバイスの第2の再生能力の決定に基づいて、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得するステップであって、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンが第2の再生能力に対応する、ステップと、(iv)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行するステップと、(v)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを同期して再生するように第2再生デバイスとコーディネートするステップとを含む方法。
【0353】
(特徴61)第2再生デバイスの第2の再生能力の決定に基づいて、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得する前に、第2再生デバイスの第2の再生能力を決定するステップを更に含む、特徴60の方法。
【0354】
(特徴62)少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを備える第1再生デバイスであって、プログラム命令は、第1再生デバイスが、(i)クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツを取得し、オーディオコンテンツが、第1の暗号化方式にしたがって暗号化され、(ii)クラウドベースのライセンスサービスと通信して、オーディオコンテンツを解読するための情報を取得し、(iii)取得された情報を使用してオーディオコンテンツを解読し、(iv)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化し、(v)再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために第1再生デバイスとグループ化される少なくとも第2再生デバイスへ送信し、(vi)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの再生と同期してオーディオコンテンツを再生するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である第1再生デバイス。
【0355】
(特徴63)第1再生デバイスが、(i)第2再生デバイスから、再暗号化されたオーディオコンテンツを解読するための情報を求める要求を受信し、(ii)要求に基づいて、再暗号化されたオーディオコンテンツを解読するための情報を第2再生デバイスへ送信するべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴62の第1再生デバイス。
【0356】
(特徴64)再暗号化されたオーディオコンテンツが複数のオーディオフレームを備え、第1再生デバイスは、第1再生デバイスが、(i)暗号鍵のセットを生成し、各暗号鍵が再暗号化されたオーディオコンテンツの所定数のオーディオフレームに対応し、(ii)暗号鍵のセットを第2再生デバイスに送信するべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴62の第1再生デバイス。
【0357】
(特徴65)第1再生デバイスが第2の暗号化方式に従って解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが、(1)暗号鍵のセット内の第1の暗号鍵を使用して解読されたオーディオコンテンツの所定数のオーディオフレームを再暗号化し、(2)第1の暗号鍵を用いて所定数のオーディオフレームを再暗号化した後に、(i)第1の暗号鍵の使用を中断し、(ii)暗号鍵のセットにおける次の暗号鍵を用いて解読されたオーディオコンテンツの次のオーディオフレームの再暗号化を開始するべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なプログラム命令を含む、特徴64の第1再生デバイス。
【0358】
(特徴66)第1再生デバイスが、(i)少なくとも第1の暗号鍵の使用を中断した後に、暗号鍵のセットから少なくとも第1の暗号鍵を破棄し、(ii)少なくとも1つの新たな暗号鍵を生成し、(iii)少なくとも1つの新たな暗号鍵を暗号鍵のセットに追加し、(iv)少なくとも1つの新たな暗号鍵を第2再生デバイスへ送信するべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴65の第1再生デバイス。
【0359】
(特徴67)(1)再暗号化されたオーディオコンテンツが複数のオーディオフレームを備え、再暗号化されたオーディオコンテンツの各フレームは、(i)オーディオデータ部分と、(ii)第1再生デバイスと同期してオーディオコンテンツを再生するための再生タイミング情報を含むヘッダ部分とを備える、および(2)第1再生デバイスが解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが複数のオーディオフレーム内の各オーディオフレームのオーディオデータ部分を再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴62の第1再生デバイス。
【0360】
(特徴68)オーディオコンテンツが複数のオーディオチャネルを備え、第1再生デバイスは、第1再生デバイスが、(i)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化する前に、オーディオコンテンツのすべてのチャネルが第2再生デバイスへ送信されるべきであると決定するべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含み、(ii)第1再生デバイスが解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、オーディオコンテンツのすべてのオーディオチャネルが前記第2再生デバイスへ送信されるべきであるという決定に基づいて第1再生デバイスが解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴62の第1再生デバイス。
【0361】
(特徴69)第1再生デバイスが、(i)オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドの表示を受信し、(ii)再生コマンドを示すデータパケットを第2の暗号化方式に従って暗号化し、(iii)暗号化された再生コマンドを示すデータパケットを第2再生デバイスへ送信するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴62の第1再生デバイス。
【0362】
(特徴70)第1の暗号化方式が非対称暗号化方式であり、第2の暗号化方式が対称暗号化方式である、特徴62の第1再生デバイス。
【0363】
(特徴71)第1再生デバイスが、(i)第2の暗号化方式にしたがって暗号化されるデータパケットを第2再生デバイスから受信し、(ii)第2再生デバイスからのデータパケットを解読し、(iii)解読されたデータパケットに基づいて、オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドの表示を決定し、オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドを実行するべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴62の第1再生デバイス。
【0364】
(特徴72)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツを取得し、オーディオコンテンツが、第1の暗号化方式にしたがって暗号化され、(ii)クラウドベースのライセンスサービスと通信して、オーディオコンテンツを解読するための情報を取得し、(iii)取得された情報を使用してオーディオコンテンツを解読し、(iv)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化し、(v)再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために第1再生デバイスとグループ化される少なくとも第2再生デバイスへ送信し、(vi)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの再生と同期してオーディオコンテンツを再生するようにするプログラム命令でプロビジョニングされる非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0365】
(特徴73)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)第2再生デバイスから、再暗号化されたオーディオコンテンツを解読するための情報を求める要求を受信し、(ii)要求に基づいて、再暗号化されたオーディオコンテンツを解読するための情報を第2再生デバイスへ送信するようにするプログラム命令でもプロビジョニングされる、特徴72の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0366】
(特徴74)再暗号化されたオーディオコンテンツが複数のオーディオフレームを備え、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)暗号鍵のセットを生成し、各暗号鍵が再暗号化されたオーディオコンテンツの所定数のオーディオフレームに対応し、(ii)暗号鍵のセットを第2再生デバイスに送信するようにするプログラム命令でもプロビジョニングされる、特徴72の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0367】
(特徴75)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに第1再生デバイスが解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化するようにするプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(1)暗号鍵のセット内の第1の暗号鍵を使用して解読されたオーディオコンテンツの所定数のオーディオフレームを再暗号化し、(2)第1の暗号鍵を用いて所定数のオーディオフレームを再暗号化した後に、(i)第1の暗号鍵の使用を中断し、(ii)暗号鍵のセットにおける次の暗号鍵を用いて解読されたオーディオコンテンツの次のオーディオフレームの再暗号化を開始するべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なプログラム命令を含む、特徴74の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0368】
(特徴76)非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)少なくとも第1の暗号鍵の使用を中断した後に、暗号鍵のセットから少なくとも第1の暗号鍵を破棄し、(ii)少なくとも1つの新たな暗号鍵を生成し、(iii)少なくとも1つの新たな暗号鍵を暗号鍵のセットに追加し、(iv)少なくとも1つの新たな暗号鍵を第2再生デバイスへ送信するようにするプログラム命令でもプロビジョニングされる、特徴75の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0369】
(特徴77)(1)再暗号化されたオーディオコンテンツが複数のオーディオフレームを備え、再暗号化されたオーディオコンテンツの各フレームは、(i)オーディオデータ部分と、(ii)第1再生デバイスと同期してオーディオコンテンツを再生するための再生タイミング情報を含むヘッダ部分とを備える、および(2)第1再生デバイスが解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが複数のオーディオフレーム内の各オーディオフレームのオーディオデータ部分を再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴72の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0370】
(特徴78)オーディオコンテンツが複数のオーディオチャネルを備え、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化する前に、オーディオコンテンツのすべてのチャネルが第2再生デバイスへ送信されるべきであると決定するようにするプログラム命令でもプロビジョニングされ、(ii)第1再生デバイスが解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、オーディオコンテンツのすべてのオーディオチャネルが前記第2再生デバイスへ送信されるべきであるという決定に基づいて第1再生デバイスが解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴72の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0371】
(特徴79)第1の暗号化方式が非対称暗号化方式であり、第2の暗号化方式が対称暗号化方式である、特徴72の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0372】
(特徴80)非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(i)第2の暗号化方式にしたがって暗号化されるデータパケットを第2再生デバイスから受信し、(ii)第2再生デバイスからのデータパケットを解読し、(iii)解読されたデータパケットに基づいて、オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドの表示を決定し、オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドを実行するようにするプログラム命令でもプロビジョニングされる、特徴72の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0373】
(特徴81)第1再生デバイスによって実行される方法であって、(i)クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツを取得するステップであって、オーディオコンテンツが、第1の暗号化方式にしたがって暗号化されるステップと、(ii)クラウドベースのライセンスサービスと通信して、オーディオコンテンツを解読するための情報を取得するステップと、(iii)取得された情報を使用してオーディオコンテンツを解読するステップと、(i)v解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化するステップと、(v)再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために第1再生デバイスとグループ化される少なくとも第2再生デバイスへ送信するステップと、(vi)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの再生と同期してオーディオコンテンツを再生するステップとを含む方法。
【0374】
(特徴82)少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを備える第1再生デバイスであって、プログラム命令は、第1再生デバイスが、(1)クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツを取得し、オーディオコンテンツが第1の暗号化方式に従って暗号化され、(2)クラウドベースのライセンスサービスと通信して、オーディオコンテンツを解読するための情報を取得し、(3)取得された情報を使用してオーディオコンテンツを解読し、(4)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化し、(5)再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために第1再生デバイスとグループ化される少なくとも第2再生デバイスに送信し、(6)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの再生と同期してオーディオコンテンツを再生するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である第1再生デバイス。
【0375】
(特徴83)オーディオコンテンツは、第1の符号化フォーマットに従って符号化されるオーディオコンテンツの第1のバージョンを備え、第1再生デバイスは、第1再生デバイスが、(1)第2再生デバイスと同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間に、第3再生デバイスが同期グループに参加するためのコマンドの表示を受信し、(2)オーディオコンテンツの第1のバージョンが第3再生デバイスによる再生に適していないと決定し、(3)決定に基づいて、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンを復号し、(ii)第2の符号化フォーマットに従ってオーディオコンテンツの第2のバージョンを再符号化し、(4)オーディオコンテンツの第2のバージョンを再生のために第3再生デバイスへ送信し、(5)第3再生デバイスに、第1再生デバイスおよび第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第3のバージョンを再生させるべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴82の第1再生デバイス。
【0376】
(特徴84)オーディオコンテンツの第1のバージョンは、オーディオコンテンツの第2のバージョンのそれぞれのビットレートよりも高いビットレートを含み、オーディオコンテンツの第1のバージョンが第3再生デバイスによる再生に適していないと決定するべく第1再生デバイスが構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが、(1)第3再生デバイスと、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を介して第1、第2、および、第3再生デバイスと通信するように構成されるネットワークデバイスとの間の接続品質を識別し、(2)接続品質が閾値接続品質を満たしていないと決定するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴83の第1再生デバイス。
【0377】
(特徴85)オーディオコンテンツは、(i)第1再生デバイスの第1の再生能力および(ii)第2再生デバイスの第2の再生能力に対応するオーディオコンテンツの第1のバージョンを備え、第1再生デバイスおよび第2再生デバイスは同期グループの一部であり、第1再生デバイスは、第1再生デバイスが、(1)第2再生デバイスと同期してオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間に、第3再生デバイスが同期グループに参加するためのコマンドの表示を受信し、(2)第3再生デバイスの第3の再生能力の決定に基づいて、クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得し、オーディオコンテンツの第2のバージョンが第3の再生能力に対応し、(3)オーディオコンテンツの第1のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行し、(4)第2再生デバイスに、オーディオコンテンツの第1のバージョンの再生からオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行させ、(5)第3再生デバイスに、第1および第2再生デバイスと同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させるべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴82の第1再生デバイス。
【0378】
(特徴86)オーディオコンテンツの第2のバージョンは、(i)オーディオコンテンツの第1のバージョンよりも低品質のバージョンであり、かつ(ii)暗号化されておらず、第1再生デバイスが第3再生デバイスの第3の再生能力を決定するべく構成されるように少なくとも1のプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第1の再生能力と第3の再生能力との比較に基づいて第1再生デバイスが同期グループのためのグループコーディネータとして機能すべきであると決定するべく第1再生デバイスが構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴85の第1再生デバイス。
【0379】
(特徴87)第1再生デバイスが第3再生デバイスの第3の再生能力を決定するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令は、第3再生デバイスが暗号化されたオーディオコンテンツを解読することができないと決定するべく第1再生デバイスが構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含む、特徴86の第1再生デバイス。
【0380】
(特徴88)オーディオコンテンツがオーディオコンテンツの第1のバージョンを含み、第1再生デバイスは、第1再生デバイスが、(1)オーディオコンテンツの第2のバージョンを識別し、(2)(i)第2再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第1の接続品質および(ii)第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質を識別し、第2再生デバイスおよび第3再生デバイスが、オーディオコンテンツの再生のための第1再生デバイスとの同期グループのメンバーであり、(3)第1の接続品質が閾値基準を満たし、第2の接続品質が閾値基準を満たさないと決定し、(4)第2の接続品質が閾値基準を満たさないという決定に基づいて、第3再生デバイスに、第1再生デバイスおよび第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生と同期してオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生させ、(5)第3再生デバイスがオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生している間に、第3再生デバイスとネットワークデバイスとの間の第2の接続品質の変化を検出し、(6)検出された第2の接続品質の変化に基づいて、第1および第2再生デバイスと同期して再生するためにオーディオコンテンツの再暗号化された第1のバージョンを第3再生デバイスに送信するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴82の第1再生デバイス。
【0381】
(特徴89)第1再生デバイスが、(1)第2再生デバイスから、再暗号化されたオーディオコンテンツを解読するための情報を求める要求を受信し、(2)要求に基づいて、再暗号化されたオーディオコンテンツを解読するための情報を第2再生デバイスに送信するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴82、83、85または88の第1再生デバイス。
【0382】
(特徴90)再暗号化されたオーディオコンテンツが複数のオーディオフレームを備え、第1再生デバイスは、第1再生デバイスが、(1)暗号鍵のセットを生成し、各暗号鍵が再暗号化されたオーディオコンテンツの所定数のオーディオフレームに対応し、(2)暗号鍵のセットを第2再生デバイスに送信するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴82、83、85または88の第1再生デバイス。
【0383】
(特徴91)第1再生デバイスが第2の暗号化方式に従って解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが、(1)暗号鍵のセット内の第1の暗号鍵を使用して解読されたオーディオコンテンツの所定数のオーディオフレームを再暗号化し、(2)第1の暗号鍵を用いて所定数のオーディオフレームを再暗号化した後に、(i)第1の暗号鍵の使用を中断し、(ii)暗号鍵のセットにおける次の暗号鍵を用いて解読されたオーディオコンテンツの次のオーディオフレームの再暗号化を開始するべく構成されるように、少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なプログラム命令を含む、特徴90の第1再生デバイス。
【0384】
(特徴92)第1再生デバイスが、(1)少なくとも第1の暗号鍵の使用を中断した後に、暗号鍵のセットから少なくとも第1の暗号鍵を破棄し、(2)少なくとも1つの新たな暗号鍵を生成し、(3)少なくとも1つの新たな暗号鍵を暗号鍵のセットに追加し、(4)少なくとも1つの新たな暗号鍵を第2再生デバイスに送信するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴91の第1再生デバイス。
【0385】
(特徴93)再暗号化されたオーディオコンテンツが複数のオーディオフレームを備え、再暗号化されたオーディオコンテンツの各フレームは、(i)オーディオデータ部分と、(ii)第1再生デバイスと同期してオーディオコンテンツを再生するための再生タイミング情報を含むヘッダ部分とを備える、および第1再生デバイスが解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、第1再生デバイスが複数のオーディオフレーム内の各オーディオフレームのオーディオデータ部分を再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴82、83、85または88の第1再生デバイス。
【0386】
(特徴94)オーディオコンテンツが複数のオーディオチャネルを備え、第1再生デバイスは、第1再生デバイスが、(1)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化する前に、オーディオコンテンツのすべてのチャネルが第2再生デバイスへ送信されるべきであると決定するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含み、および(2)第1再生デバイスが解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令は、オーディオコンテンツのすべてのオーディオチャネルが第2再生デバイスへ送信されるべきであるという決定に基づいて第1再生デバイスが解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む、特徴82、83、85または88の第1再生デバイス。
【0387】
(特徴95)第1再生デバイスが、(1)オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドの表示を受信し、(2)再生コマンドを示すデータパケットを第2の暗号化方式に従って暗号化し、(3)暗号化された再生コマンドを示すデータパケットを第2再生デバイスへ送信するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴82、83、85または88の第1再生デバイス。
【0388】
(特徴96)第1の暗号化方式が非対称暗号化方式であり、第2の暗号化方式が対称暗号化方式である、特徴82、83、85または88の第1再生デバイス。
【0389】
(特徴97)第1再生デバイスが、(1)第2の暗号化方式に従って暗号化されるデータパケットを第2再生デバイスから受信し、(2)第2再生デバイスからのデータパケットを解読し、(3)解読されたデータパケットに基づいて、オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドの表示を決定し、(4)オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドを実行するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令を更に含む、特徴82、83、85または88の第1再生デバイス。
【0390】
(特徴98)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスが、(1)クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツを取得し、オーディオコンテンツが第1の暗号化方式に従って暗号化され、(2)クラウドベースのライセンスサービスと通信して、オーディオコンテンツを解読するための情報を取得し、(3)取得された情報を使用してオーディオコンテンツを解読し、(4)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化し、(5)再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために第1再生デバイスとグループ化される少なくとも第2再生デバイスに送信し、(6)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの再生と同期してオーディオコンテンツを再生するようにするプログラム命令でプロビジョニングされる非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0391】
(特徴98)第1再生デバイスによって実行される方法であって、(1)クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツを取得するステップであって、オーディオコンテンツが第1の暗号化方式に従って暗号化され、(2)クラウドベースのライセンスサービスと通信して、オーディオコンテンツを解読するための情報を取得するステップと、(3)取得された情報を使用してオーディオコンテンツを解読するステップと、(4)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化するステップと、(5)再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために第1再生デバイスとグループ化される少なくとも第2再生デバイスに送信するステップと、(6)第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの再生と同期してオーディオコンテンツを再生するステップとを含む方法。
【0392】
(特徴99)第1再生デバイスによって実行される方法であって、(i)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得された所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するステップであって、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが、第1再生デバイスの第1の再生能力に対応する、ステップと、(ii)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生している間に、第2再生デバイスがオーディオコンテンツの同期再生のための同期グループの一部として第1再生デバイスに参加するためのコマンドの表示を受信するステップと、(iii)第2再生デバイスの第2の再生能力の決定に基づいて、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得するステップであって、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンが第2の再生能力に対応する、ステップと、(iv)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行するステップと、(v)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを同期して再生するように第2再生デバイスとコーディネートするステップとを含む方法。
【0393】
(特徴100)第2再生デバイスの第2の再生能力の決定に基づいて、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得する前に、第2再生デバイスの第2の再生能力を決定するステップを更に含む、特徴99の方法。
【0394】
(特徴101)第2再生デバイスの第2の再生能力を決定するステップは、(i)第2再生デバイスから、第2再生デバイスの第2の再生能力を示す表示を受信するステップ、(ii)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスと通信するように構成されるリモートコンピューティングデバイスを介して、第2再生デバイスの第2の再生能力の表示を受信するステップ、および(iii)第1の再生能力と第2の再生能力との間の比較に基づいて、第1再生デバイスが同期グループのためのグループコーディネータとしての役割を果たすべきであると決定するステップ、のうちの少なくとも1つを含む、特徴100の方法。
【0395】
(特徴102)(i)第2再生デバイスの第2の再生能力を決定するステップは、第2再生デバイスが暗号化されたオーディオコンテンツを解読することができないと決定するステップを含み、(ii)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンが暗号化されたオーディオであり、(iii)オーディオコンテンツの第2のバージョンが暗号化されない、特徴99~101の方法。
【0396】
(特徴103)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンが所与のオーディオコンテンツの低品質バージョンである、特徴102の方法。
【0397】
(特徴104)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを同期して再生するように第2再生デバイスとコーディネートするステップは、所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンおよび再生タイミング情報を前記第2再生デバイスへ送信するステップを含む、特徴99~103の方法。
【0398】
(特徴105)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得される所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するステップは、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスと通信するように構成されるリモートコンピューティングデバイスから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを受信するステップを含む、特徴99~104の方法。
【0399】
(特徴106)(i)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得される所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するステップは、(1)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを要求するステップと、(2)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを検索するための第1のURIを受信するステップと、(3)第1のURIを使用して、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを検索するステップとを含み、(ii)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得するステップは、(1)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを要求するステップと、(2)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを検索するための第2のURIを受信するステップと、(3)第2のURIを使用して、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを検索するステップとを含む、特徴99~105の方法。
【0400】
(特徴107)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから取得される所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するステップは、(1)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを要求するステップと、(2)クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツのそれぞれの複数のバージョンを検索するための複数のURIを含むマニフェストを受信するステップであって、マニフェストが、(i)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを検索するための第1のURIと、(ii)所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを検索するための第2のURIとを含む、ステップと、(3)第1のURIを使用して、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを検索するステップとを含み、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを取得するステップは、クラウドベースのメディア・コンテンツ・サービスから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを検索するために第2のURIを使用するステップを含む、特徴99~106の方法。
【0401】
(特徴108)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行するステップは、所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンにおける所与のオーディオトラック境界に到達した後に実行される、特徴99~107の方法。
【0402】
(特徴109)所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンの再生から所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンの再生へと移行するステップは、(1)(i)第1のユニフォーム・リソース・アイデンティファイヤ(「URI」)を使用して第1のバッファに所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンをダウンロードし、(ii)第1のバッファから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生する間に、第2のURIを使用して第2のバッファへの所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンのダウンロードを開始するステップと、(2)第1のバッファから所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生することから、第2のバッファから所与のオーディオコンテンツの第2のバージョンを再生することへと移行するステップとを含む、特徴99~108の方法。
【0403】
(特徴110)第2再生デバイスが同期グループの一部として第1再生デバイスに参加するためのコマンドの表示を受信する前に、(i)第3再生デバイスが同期グループの一部として第1再生デバイスに参加するためのコマンドの表示を受信するステップと、(ii)第3再生デバイスの第3の再生能力に基づいて、第1再生デバイスが同期グループのグループコーディネータとしての役割を果たすべきであると決定するステップと、(iii)第1再生デバイスと同期して所与のオーディオコンテンツの第1のバージョンを再生するように第3再生デバイスとコーディネートするステップとを更に含む、特徴99~109の方法。
【0404】
(特徴111)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスに特徴99~110のいずれかの方法を実行させるプログラム命令でプロビジョニングされる、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0405】
(特徴112)少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを備える第1再生デバイスであって、プログラム命令は、第1再生デバイスが特徴99~110のうちのいずれかの方法を実行するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である、第1再生デバイス。
【0406】
(特徴113)第1再生デバイスによって実行される方法であって、クラウドベースのメディアサービスからオーディオコンテンツを取得するステップであって、オーディオコンテンツが、第1の暗号化方式にしたがって暗号化されるステップと、クラウドベースのライセンスサービスと通信して、オーディオコンテンツを解読するための情報を取得するステップと、取得された情報を使用してオーディオコンテンツを解読するステップと、解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化するステップと、再暗号化されたオーディオコンテンツを、同期オーディオ再生のために第1再生デバイスとグループ化される少なくとも第2再生デバイスへ送信するステップと、第2再生デバイスによるオーディオコンテンツの再生と同期してオーディオコンテンツを再生するステップとを含む方法。
【0407】
(特徴114)第2再生デバイスから、再暗号化されたオーディオコンテンツを解読するための情報を求める要求を受信するステップと、要求に基づいて、再暗号化されたオーディオコンテンツを解読するための情報を第2再生デバイスに送信するステップとを更に含む、特徴113の方法。
【0408】
(特徴115)暗号鍵のセットを生成するステップであって、各暗号鍵が再暗号化されたオーディオコンテンツの所定数のオーディオフレームに対応し、再暗号化されたオーディオコンテンツが複数のオーディオフレームを含む、ステップと、暗号鍵のセットを第2再生デバイスに送信するステップとを更に含む、特徴113または114の方法。
【0409】
(特徴116)第2の暗号化方式に従って解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するステップは、解読されたオーディオコンテンツの所定数のオーディオフレームを、暗号鍵のセットにおける第1の暗号鍵を使用して再暗号化するステップと、第1の暗号鍵を使用して所定数のオーディオフレームを再暗号化した後、第1の暗号鍵の使用を中断するステップと、暗号鍵のセット内の次の暗号鍵を使用して解読されたオーディオコンテンツの次のオーディオフレームの再暗号化を開始するステップとを含む、特徴115の方法。
【0410】
(特徴117)少なくとも第1の暗号鍵の使用を中断した後、暗号鍵のセットから少なくとも第1の暗号鍵を破棄するステップと、少なくとも1つの新たな暗号鍵を生成するステップと、少なくとも1つの新たな暗号鍵を暗号鍵のセットに追加するステップと、少なくとも1つの新たな暗号鍵を第2再生デバイスに送信するステップとを更に含む、特徴116の方法。
【0411】
(特徴118)再暗号化されたオーディオコンテンツは、オーディオデータ部分と、第1再生デバイスと同期してオーディオコンテンツを再生するための再生タイミング情報を含むヘッダ部分とを備える複数のオーディオフレームを備え、解読されたオーディオコンテンツを再暗号化するステップは、複数のオーディオフレームにおける各オーディオフレームのオーディオデータ部分を再暗号化するステップを含む、特徴113~117のいずれかの方法。
【0412】
(特徴119)解読されたオーディオコンテンツを第2の暗号化方式に従って再暗号化する前に、オーディオコンテンツの複数のチャネルのすべてが第2再生デバイスへ送信されるべきであると決定するステップを更に含む、特徴113~118のいずれかの方法。
【0413】
(特徴120)オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドの表示を受信するステップと、第2の暗号化方式に従って再生コマンドを示すデータパケットを暗号化するステップと、暗号化された再生コマンドを示す前記データパケットを第2再生デバイスに送信するステップとを更に含む、特徴113~119のいずれかの方法。
【0414】
(特徴121)第1の暗号化方式が非対称暗号化方式であり、第2の暗号化方式が対称暗号化方式である、特徴113~120のいずれかの方法。
【0415】
(特徴122)第2の暗号化方式に従って暗号化されるデータパケットを第2再生デバイスから受信するステップと、第2再生デバイスからのデータパケットを解読するステップと、解読されたデータパケットに基づいて、オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドの表示を決定するステップと、オーディオコンテンツの再生を制御するためのコマンドを実行するステップとを更に含む、特徴113の方法。
【0416】
(特徴123)少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1再生デバイスに特徴113~122のいずれかの方法を実行させるプログラム命令でプロビジョニングされる、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0417】
(特徴124)少なくとも1つのプロセッサと、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令とを備える第1再生デバイスであって、プログラム命令は、第1再生デバイスが特徴113~122のいずれかの方法を実行するべく構成されるように少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である、第1再生デバイス。
【国際調査報告】