(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-27
(54)【発明の名称】知能移動ロボットに用いられるスケジューリングシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240520BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
B65G1/137 G
B65G1/00 501C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571401
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 CN2022082264
(87)【国際公開番号】W WO2022242295
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202110559826.1
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519232057
【氏名又は名称】霊動科技(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】LINGDONG TECHNOLOGY (BEIJING) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】C4, Beijing Shangde Intelligent Manufacturing Industrial Park,No.10 Jiancaicheg East Road, Xisanqi, Haidian District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】呂 俊龍
(72)【発明者】
【氏名】潘 金鳳
(72)【発明者】
【氏名】暴 印行
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022LL07
3F022MM12
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3F522GG05
3F522GG32
3F522GG39
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3F522LL31
3F522LL34
(57)【要約】
本発明は、知能移動ロボットのスケジューリングシステムを提供する。スケジューリングシステム(10)は、プロセッサ(100)を含む。前記プロセッサ(100)は、作業台(102)の少なくとも1つの作業エリアの画像を取り込み、少なくとも1つの知能移動ロボット(104)からのクエリリクエストを受信し、前記クエリリクエストに応答して、取り込まれた画像を分析して、少なくとも1つの作業エリアの各作業エリアの現在の状態を識別するようになり、クエリリクエストと識別された各作業エリアの現在の状態とに基づいて、少なくとも1つの作業エリアから、少なくとも1つの知的移動ロボット(104)に適合した対応する作業エリアを選択し、且つ知能移動ロボット(104)に、対応するスケジューリング命令を送信して、知能移動ロボット(104)に、選択された対応する作業エリアに移動するように命令するようになることに配置される。本発明のスケジューリングシステムを利用して、知能移動ロボットが適時に適切な作業エリアに移動するようにスケジュールすることができ、待ち時間を節約し、渋滞を回避し、スケジューリング効率を向上させることができ、且つ作業台の関連操作を管理することができる。本発明は、スケジューリング方法及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業台の状態に応じて知能移動ロボットを管理することに用いられるスケジューリングシステムにおいて、前記スケジューリングシステムは、プロセッサを含み、前記プロセッサは、
画像取得装置から前記作業台の少なくとも1つの作業エリアの画像を取り込み、
少なくとも1つの知能移動ロボットからのクエリリクエストを受信し、
前記クエリリクエストに応答して、取り込まれた画像を分析して、少なくとも1つの作業エリアの各作業エリアの現在の状態を識別し、
前記クエリリクエストと識別された各作業エリアの現在の状態とに基づいて、少なくとも1つの前記作業エリアから、少なくとも1つの前記知的移動ロボットに適合した対応する作業エリアを選択し、且つ少なくとも1つの前記知能移動ロボットに、対応するスケジューリング命令を送信して、少なくとも1つの前記知能移動ロボットに、選択された対応する作業エリアに移動するように命令するように配置される
ことを特徴とする、スケジューリングシステム。
【請求項2】
取り込まれた画像を分析して、少なくとも1つの作業エリアの各作業エリアの現在の状態を識別することは、
取り込まれた画像の現在のフレームを分析して、前記画像の中の各作業エリアの対応する番号を識別し、且つ対応する番号が付けられた各作業エリアの状態が荷物なし状態であるか荷物あり状態であるかを判断することを、さらに含む
ことを特徴とする、請求項1に記載のスケジューリングシステム。
【請求項3】
前記荷物なし状態は、更に空荷スペース状態や空ブラケットあり状態を含む
ことを特徴とする、請求項2に記載のスケジューリングシステム。
【請求項4】
前記クエリリクエストと識別された各作業エリアの現在の状態とに基づいて、少なくとも1つの前記作業エリアから、少なくとも1つの前記知的移動ロボットに適合した対応する作業エリアを選択することは、
少なくとも1つの前記知能移動ロボットのクエリリクエストに基づいて、少なくとも1つの前記知能移動ロボットの現在のタスクを決定して、少なくとも1つの前記知能移動ロボットの現在のタスク及び識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、少なくとも1つの前記作業エリアから、少なくとも1つの前記知能移動ロボットの現在のタスクに適合する適切な作業エリアを選択することをさらに含む
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれかの一項に記載のスケジューリングシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
知能移動ロボットの現在のタスクが荷物を配達することであると判断した場合には、スケジューリング命令が、空荷スペース状態にある作業エリアに移動するように前記知能移動ロボットに指示することに用いられ、かつ/又は
知能移動ロボットの現在のタスクが空ブラケットを取り出すと判断した場合には、スケジューリング命令が、空ブラケットあり状態にある作業エリアに移動するように前記知能移動ロボットに指示することに用いられることに、さらに配置される
ことを特徴とする、請求項4に記載のスケジューリングシステム。
【請求項6】
前記スケジューリングシステムは、画像取得装置を含み、前記画像取得装置は、前記作業台の上方に位置決められ、且つ前記作業台の少なくとも1つの作業エリアの画像をリアルタイムで取り込むように配置される
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれかの一項に記載のスケジューリングシステム。
【請求項7】
前記スケジューリングシステムは、少なくとも一つの知能移動ロボットを含み、少なくとも一つの前記知能移動ロボットは、
知能移動ロボットの現在のタスクが荷物を配達することである場合には、前記知能移動ロボットが、前記作業台から所定の距離にあるときに、前記クエリリクエストを送信して、かつ/又は
知能移動ロボットの現在のタスクが空ブラケットを取り出すことである場合には、前記知能移動ロボットが前記クエリリクエストを送信するように配置される
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれかの一項に記載のスケジューリングシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
知能移動ロボットの現在のタスクが荷物を配達することである場合には、識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、現在、空荷スペース状態にある作業エリアが存在しない時、前記プロセッサが前記知能移動ロボットに所定の位置で待機するように指示し、且つ定期的に作業台の画像を分析して、少なくとも1つの作業エリアの状態を監視するようになり、空荷スペース状態にある作業エリアが存在することを発見する時に、前記知能移動ロボットに、空荷スペース状態にある作業エリアに行くように指示して、かつ/又は
知能移動ロボットの現在のタスクが空ブラケットを取り出すことである場合には、識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、現在、空ブラケットあり状態にある作業エリアが存在しない時に、前記プロセッサが、空ブラケットの保管エリアに行って、空ブラケットを取り出すように前記知能移動ロボットに指示するように、さらに配置される
ことを特徴とする、請求項4に記載のスケジューリングシステム。
【請求項9】
作業台の状態に応じて知能移動ロボットを管理することに用いられるスケジューリング方法は、コンピュータプログラムを実行することによって、以下の操作、すなわち、
画像取得装置から前記作業台の少なくとも1つの作業エリアの画像を取り込み、
少なくとも1つの知能移動ロボットからのクエリリクエストを受信し、
前記クエリリクエストに応答し、取り込まれた画像を分析して、少なくとも1つの前記作業エリアの各作業エリアの現在の状態を識別するようになり、
前記クエリリクエストと識別された各作業エリアの現在の状態とに基づいて、少なくとも1つの前記作業エリアから、少なくとも1つの前記知的移動ロボットに適合した対応する作業エリアを選択し、且つ少なくとも1つの前記知能移動ロボットに、対応するスケジューリング命令を送信して、少なくとも1つの前記知能移動ロボットに、選択された対応する作業エリアに移動するように命令することを行う
ことを特徴とする、スケジューリング方法。
【請求項10】
取り込まれた画像を分析して、少なくとも1つの前記作業エリアの各作業エリアの現在の状態を識別するようになることは、
取り込まれた画像の現在のフレームを分析して、前記画像の中の各作業エリアの対応する番号を識別し、且つ対応する番号が付けられた各作業エリアの状態が荷物なし状態であるか荷物あり状態であるかを判断するようになることを、さらに含む
ことを特徴とする、請求項9に記載のスケジューリング方法。
【請求項11】
前記荷物なし状態は、更に空荷スペース状態や空ブラケットあり状態を含む
ことを特徴とする、請求項10に記載のスケジューリング方法。
【請求項12】
前記クエリリクエストと識別された各作業エリアの現在の状態とに基づいて、少なくとも1つの前記作業エリアから、少なくとも1つの前記知的移動ロボットに適合した対応する作業エリアを選択することは、
少なくとも1つの前記知能移動ロボットのクエリリクエストに基づいて、少なくとも1つの前記知能移動ロボットの現在のタスクを決定して、少なくとも1つの前記知能移動ロボットの現在のタスク及び識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、少なくとも1つの前記作業エリアから、少なくとも1つの前記知能移動ロボットの現在のタスクに適合する適切な作業エリアを選択することを、さらに含む
ことを特徴とする、請求項9~11のいずれかの一項に記載のスケジューリング方法。
【請求項13】
前記スケジューリング方法は、
知能移動ロボットの現在のタスクが荷物を配達することであると判断した場合には、スケジューリング命令が、空荷スペース状態にある作業エリアに移動するように前記知能移動ロボットに指示することに用いられ、かつ/又は
知能移動ロボットの現在のタスクが空ブラケットを取り出すと判断した場合には、スケジューリング命令が、空ブラケットあり状態にある作業エリアに移動するように前記知能移動ロボットに指示することに用いられることを、さらに含む
ことを特徴とする、請求項12に記載のスケジューリング方法。
【請求項14】
少なくとも一つの前記知能移動ロボットは、
知能移動ロボットの現在のタスクが荷物を配達することである場合には、前記知能移動ロボットが、前記作業台から所定の距離にあるときに、前記クエリリクエストを送信して、かつ/又は
知能移動ロボットの現在のタスクが空ブラケットを取り出すことである場合には、前記知能移動ロボットが前記クエリリクエストを送信することに配置される
ことを特徴とする、請求項9~11のいずれかの一項に記載のスケジューリング方法。
【請求項15】
前記スケジューリング方法は、
知能移動ロボットの現在のタスクが荷物を配達することである場合には、識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、現在、空荷スペース状態にある作業エリアが存在しない時、前記知能移動ロボットに所定の位置で待機するように指示し、且つ定期的に作業台の画像を分析して、少なくとも1つの作業エリアの状態を監視するようになり、空荷スペース状態にある作業エリアが存在することを発見する時に、前記知能移動ロボットに、空荷スペース状態にある作業エリアに行くように指示して、かつ/又は
知能移動ロボットの現在のタスクが空ブラケットを取り出すことである場合には、識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、現在、空ブラケットあり状態にある作業エリアが存在しない時に、空ブラケットの保管エリアに行って、空ブラケットを取り出すように前記知能移動ロボットに指示することを、さらに含む
ことを特徴とする、請求項12に記載のスケジューリング方法。
【請求項16】
コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項9~15のいずれかの一項に記載のスケジューリング方法が実行される
ことを特徴とする非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知能移動ロボットの分野に関し、特に知能移動ロボットに用いられるスケジューリングシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
知能移動ロボットは、自律移動ロボット(Autonomous Mobil Robot,「AMR」と略称)とも呼ばれる。例えば、自律搬送車や自動運転機能を備えたさまざまなその他のスマートデバイスは、さまざまなシナリオに導入され、労働力を代替して、荷物の運搬やその他の補助機能を実行するようになる。例えば、知能移動ロボットは、倉庫で荷物を保管場所から梱包テーブルまで輸送した後、梱包テーブルで荷物を降ろすことができる。降ろされた荷物は梱包テーブルで梱包され、その後出荷される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、倉庫では通常、複数の知能移動ロボットが配達や降ろしの作業を行って、空のブラケットを待つために行列ができたり、長時間待たされたりすることがある。従って、知能移動ロボットに対して、合理的なスケジューリングを行う改善された方案を提供する必要がある。
【0004】
本発明の目的は、上記の問題を解決、または少なくとも改善できる方案を提供することである。これにより、知能移動ロボットのスケジューリング効率を向上させるだけでなく、従来の製造産業及び物流産業における荷物の梱包及び流通の効率も向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一方面は、スケジューリングシステムを提供する。スケジューリングシステムは、作業台の状態に応じて知能移動ロボットを管理することに用いられる。前記スケジューリングシステムは、プロセッサを含む。前記プロセッサは、画像取得装置から前記作業台の少なくとも1つの作業エリアの画像を取り込み、少なくとも1つの知能移動ロボットからのクエリリクエストを受信し、前記クエリリクエストに応答して、取り込まれた画像を分析して、少なくとも1つの作業エリアの各作業エリアの現在の状態を識別するようになり、前記クエリリクエストと識別された各作業エリアの現在の状態とに基づいて、少なくとも1つの前記作業エリアから、少なくとも1つの前記知的移動ロボットに適合した対応する作業エリアを選択し、且つ少なくとも1つの前記知能移動ロボットに、対応するスケジューリング命令を送信して、少なくとも1つの前記知能移動ロボットに、選択された対応する作業エリアに移動するように命令するようになることに配置される。
【0006】
一つの実施形態において、取り込まれた画像を分析して、少なくとも1つの作業エリアの各作業エリアの現在の状態を識別するようになることは、取り込まれた画像の現在のフレームを分析して、前記画像の中の各作業エリアの対応する番号を識別し、且つ対応する番号が付けられた各作業エリアの状態が荷物なし状態であるか荷物あり状態であるかを判断するようになることを、さらに含む。
【0007】
一つの実施形態において、前記荷物なし状態は、更に空荷スペース状態や空ブラケットあり状態を含む。
【0008】
一つの実施形態において、前記クエリリクエストと識別された各作業エリアの現在の状態とに基づいて、少なくとも1つの前記作業エリアから、少なくとも1つの前記知的移動ロボットに適合した対応する作業エリアを選択することは、少なくとも1つの前記知能移動ロボットのクエリリクエストに基づいて、少なくとも1つの前記知能移動ロボットの現在のタスクを決定して、少なくとも1つの前記知能移動ロボットの現在のタスク及び識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、少なくとも1つの前記作業エリアから、少なくとも1つの前記知能移動ロボットの現在のタスクに適合する適切な作業エリアを選択することを、さらに含む。
【0009】
一つの実施形態において、前記プロセッサは、知能移動ロボットの現在のタスクが荷物を配達することであると判断した場合には、スケジューリング命令が、空荷スペース状態にある作業エリアに移動するように前記知能移動ロボットに指示することに用いられ、かつ/又は知能移動ロボットの現在のタスクが空ブラケットを取り出すと判断した場合には、スケジューリング命令が、空ブラケットあり状態にある作業エリアに移動するように前記知能移動ロボットに指示することに用いられることに、さらに配置される。
【0010】
一つの実施形態において、前記スケジューリングシステムは、画像取得装置を含み、前記画像取得装置は、前記作業台の上方に位置決められ、且つ前記作業台の少なくとも1つの作業エリアの画像をリアルタイムで取り込むように配置される。
【0011】
一つの実施形態において、前記スケジューリングシステムは、少なくとも一つの知能移動ロボットを含み、少なくとも一つの前記知能移動ロボットは、知能移動ロボットの現在のタスクが荷物を配達することである場合には、前記知能移動ロボットが、前記作業台から所定の距離にあるときに、前記クエリリクエストを送信して、かつ/又は知能移動ロボットの現在のタスクが空ブラケットを取り出すことである場合には、前記知能移動ロボットが前記クエリリクエストを送信することに配置される。
【0012】
一つの実施形態において、前記プロセッサは、知能移動ロボットの現在のタスクが荷物を配達することである場合、識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、現在、空荷スペース状態にある作業エリアが存在しない時、前記プロセッサが前記知能移動ロボットに所定の位置で待機するように指示し、且つ定期的に作業台の画像を分析して、少なくとも1つの作業エリアの状態を監視するようにし、空荷スペース状態にある作業エリアが存在することを発見すると、前記知能移動ロボットに、空荷スペース状態にある作業エリアに行くように指示して、かつ/又は知能移動ロボットの現在のタスクが空ブラケットを取り出すことである場合には、識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、現在、空ブラケットあり状態にある作業エリアが存在しない時に、前記プロセッサが、空ブラケットの保管エリアに行って、空ブラケットを取り出すように前記知能移動ロボットに指示するように、配置される。
【0013】
本発明の第二方面は、スケジューリング方法を提供する。前記スケジューリング方法は、作業台の状態に応じて知能移動ロボットを管理することに用いられる。前記スケジューリング方法は、コンピュータプログラムを実行することによって、以下の操作、すなわち、画像取得装置から前記作業台の少なくとも1つの作業エリアの画像を取り込み、少なくとも1つの知能移動ロボットからのクエリリクエストを受信し、前記クエリリクエストに応答し、取り込まれた画像を分析して、少なくとも1つの前記作業エリアの各作業エリアの現在の状態を識別するようになり、前記クエリリクエストと識別された各作業エリアの現在の状態とに基づいて、少なくとも1つの前記作業エリアから、少なくとも1つの前記知的移動ロボットに適合した対応する作業エリアを選択し、且つ少なくとも1つの前記知能移動ロボットに、対応するスケジューリング命令を送信して、少なくとも1つの前記知能移動ロボットに、選択された対応する作業エリアに移動するように命令することを行う。
【0014】
一つの実施形態において、取り込まれた画像を分析して、少なくとも1つの前記作業エリアの各作業エリアの現在の状態を識別するようになることは、取り込まれた画像の現在のフレームを分析して、前記画像の中の各作業エリアの対応する番号を識別し、且つ対応する番号が付けられた各作業エリアの状態が荷物なし状態であるか荷物あり状態であるかを判断するようになることを、さらに含む。
【0015】
一つの実施形態において、前記荷物なし状態は、更に空荷スペース状態や空ブラケットあり状態を含む。
【0016】
一つの実施形態において、前記クエリリクエストと識別された各作業エリアの現在の状態とに基づいて、少なくとも1つの前記作業エリアから、少なくとも1つの前記知的移動ロボットに適合した対応する作業エリアを選択することは、少なくとも1つの前記知能移動ロボットのクエリリクエストに基づいて、少なくとも1つの前記知能移動ロボットの現在のタスクを決定して、少なくとも1つの前記知能移動ロボットの現在のタスク及び識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、少なくとも1つの前記作業エリアから、少なくとも1つの前記知能移動ロボットの現在のタスクに適合する適切な作業エリアを選択することを、さらに含む。
【0017】
一つの実施形態において、前記スケジューリング方法は、知能移動ロボットの現在のタスクが荷物を配達することであると判断した場合には、スケジューリング命令が、空荷スペース状態にある作業エリアに移動するように前記知能移動ロボットに指示することに用いられ、及び/又は知能移動ロボットの現在のタスクが空ブラケットを取り出すと判断した場合には、スケジューリング命令が、空ブラケットあり状態にある作業エリアに移動するように前記知能移動ロボットに指示することに用いられることを、さらに含む。
【0018】
一つの実施形態において、少なくとも一つの前記知能移動ロボットは、知能移動ロボットの現在のタスクが荷物を配達することである場合には、前記知能移動ロボットが、前記作業台から所定の距離にあるときに、前記クエリリクエストを送信して、かつ/又は知能移動ロボットの現在のタスクが空ブラケットを取り出すことである場合には、前記知能移動ロボットが前記クエリリクエストを送信することに配置される。
【0019】
一つの実施形態において、前記スケジューリング方法は、知能移動ロボットの現在のタスクが荷物を配達することである場合には、識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、現在、空荷スペース状態にある作業エリアが存在しない時、前記知能移動ロボットに所定の位置で待機するように指示し、且つ定期的に作業台の画像を分析して、少なくとも1つの作業エリアの状態を監視するようになり、空荷スペース状態にある作業エリアが存在することを発見する時に、前記知能移動ロボットに、空荷スペース状態にある作業エリアに行くように指示して、かつ/又は知能移動ロボットの現在のタスクが空ブラケットを取り出すことである場合には、識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、現在、空ブラケットあり状態にある作業エリアが存在しない時に、空ブラケットの保管エリアに行って、空ブラケットを取り出すように前記知能移動ロボットに指示することを、さらに含む。
【0020】
本発明の第三方面は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記のスケジューリング方法が実行される。
【0021】
本発明の実施形態によって提供されるスケジューリングシステムは、作業台のリアルタイムの状態に応じて、知能移動ロボットの運転を柔軟に管理することができる。例えば、倉庫内では通常、複数の知能移動ロボットがが配送又は荷降ろしのタスクを同時に実行して、一部の知能移動ロボットが荷物を取り出すタスクを実行する前に、空ブラケットを取り出す必要がある場合もある。梱包テーブルには通常、複数の荷降ろし位置が設置され、スケジューリングシステムが各荷降ろし位置の荷物状況を把握していないと、スケジューリングが間に合わないことを引き起こす。それによって、知能移動ロボットの待ち時間が長くなり、又は知能移動ロボットの渋滞等が発生するので、知能移動ロボットの運転効率の低下につながる。
【0022】
本発明のスケジューリングシステムのプロセッサは、作業台の各作業領域の画像をリアルタイムで取り込むことができ、知能移動ロボットからのクエリリクエストを受信すると、クエリリクエストに応答して、取り込まれた画像の現在のフレームを分析して、画像の中の各作業エリアの状態を識別するようになり、例えば、各作業エリアの状態が荷物なし状態(空荷スペース状態又は空ブラケットあり状態)であるか荷物あり状態であるかを判断する。その後、クエリリクエストを送信する知能移動ロボットに適合する作業エリアを選択し、該知能移動ロボットに対応するスケジューリング命令を送信して、選択された作業エリアに移動させる。従って、本発明のスケジューリングシステム及び方法は、知能移動ロボットが適時に適切な作業エリアに移動するようにスケジュールすることができるだけでなく、待ち時間を節約し、渋滞を回避し、スケジューリング効率を向上させることができ、作業台の周辺に位置する知能移動ロボットは、効率的に運転するようになる。さらに、作業台の関連操作を管理して、作業台の処理効率を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下、添付の図面を参照して、本発明のいくつかの具体的な実施形態を、限定ではなく例示として詳細に説明する。
【
図1A】本発明の一つの実施形態から提供される、スケジューリングシステムの例示的な概略図を示す。
【
図1B】本発明の一つの実施形態から提供される、スケジューリングシステムの別の例示的な概略図を示す。
【
図2A】本発明の一つの実施形態から提供される、作業台の作業エリアの例示的な概略図を示す。
【
図2B】本発明の一つの実施形態から提供される、積載ブラケットを有する知能移動ロボットの例示的な簡略化された概略図を示す。
【
図2C】本発明の一つの実施形態から提供される、積載ブラケットを有しない知能移動ロボットの例示的な簡略化された概略図を示す。
【
図3】本発明の一つの実施形態から提供される、知能移動ロボットを管理するためのスケジューリング方法の概略フローチャートを示す。
【
図4】本発明の一つの実施形態から提供される、知能移動ロボットのタスクが配達であるときに、知能移動ロボットを管理するスケジューリング方法の概略フローチャートを示す。
【
図5】本発明の一つの実施形態から提供される、知能移動ロボットのタスクが空ブラケットを取り出すことであるときに、知能移動ロボットを管理するスケジューリング方法の概略フローチャートを示す。 理解を容易にするために、可能な限り、図面全体における同じ部品は、同じ番号が使用される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の上記及び他の特徴と利点をより明確にするために、以下に添付の図面を参照して本発明をさらに説明する。以下の説明では、本発明を完全に理解するために、多くの具体的な詳細が記載される。本明細書に示される特定の実施形態は、当業者への説明を目的としたものであり、単なる例示であり、限定的なものではないことを、理解するべきである。また、図面の各部品の寸法や比率は例示であるものだけであり、実際の製品とは異なる。
【0025】
本明細書の実施形態は、知能移動ロボットに用いられるスケジューリングシステム及び方法に関する。本明細書で使用される「知能移動ロボット」は、例えば、知能/自律ナビゲーション移動ロボット、慣性誘導ロボット、遠隔制御移動ロボット、自動運転車、及びレーザーターゲティング、ビジョンシステム又はロードマップによって誘導されるロボットなどのいずれかの種類の自動運転機能を有するスマートデバイスを含むことを、理解するべきである。
【0026】
図1Aは、本発明の一つの実施形態から提供する、作業台の状態に応じて知能移動ロボットを管理するスケジューリングシステムの例示的な概略
図10を示す。スケジューリングシステム10は、少なくともプロセッサ100を含む。プロセッサ100は、ネットワーク101を介して、作業台102の上方に位置決められた画像取得装置103と通信に接続され、及び施設(例えば、倉庫)内の知能移動ロボット104と通信に接続される。選択できることは、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、4G、5G、Bluetooth
TM、WiFi、ZigBee
TM又は他の無線通信プロトコルを介して画像取得装置103及び/又は知能移動ロボット104と通信する。画像取得装置103は、単眼カメラ、双眼カメラ、及び/又はステレオカメラを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、画像取得装置103は、作業台102の上方に位置決められ、且つ作業台の少なくとも1つの作業エリアの画像をリアルタイムで取り込むように配置される。
【0027】
一つの実施形態では、知能移動ロボット104の数量は、少なくとも1つであり、例えば、1つ、2つ、3つ又はそれ以上である。スケジューリングシステムのプロセッサ100は、ネットワーク101を介して少なくとも1つの知能移動ロボット104からのクエリリクエストを受信し、且つクエリリクエストに応答して、画像取得装置103から取り込まれた作業台102の画像の現在のフレームをリアルタイムで分析して、作業台102の各作業エリアの現在の状態を識別するようになる。スケジューリングシステムのプロセッサ100は、クエリリクエストと識別された作業台102の各作業エリアの現在の状態とに基づいて、少なくとも1つの作業エリアから、少なくとも1つの知能移動ロボットに適した対応する作業エリアを選択し、ネットワーク101を介して、少なくとも1つの知能移動ロボット104に対応するスケジューリング命令を送信して、選択された対応する作業エリアに移動するように少なくとも1つの知能移動ロボット104に指示する。スケジューリングシステムのプロセッサ100は、少なくとも1つの知能移動ロボット104と対話して信号を伝えて、且つ知能移動ロボット104がプロセッサの命令に従って運転、待機、及び他の様々な操作を実行できる。
【0028】
図1Bは、本発明の一つの実施形態から提供される、作業台の状態に応じて知能移動ロボットを管理するスケジューリングシステムの別の例示的な概略
図10を示す。プロセッサ100に加えて、スケジューリングシステム10は、画像取得装置103、記憶装置105及び知能移動ロボット104の中の任意の1つ又は複数を含むこともできる。
【0029】
一つの実施形態では、画像取得装置103は、作業台102の上方に位置決められ、且つ該作業台の少なくとも1つの作業エリア(以下の
図2Aに示すように)の画像をリアルタイムで取り込むように配置される。記憶装置105は、スケジューリングシステムのプロセッサ100が受信した各種情報と生成されたスケジューリング命令を記憶することに用いられる。
【0030】
別の実施形態では、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、少なくとも1つの知能移動ロボット104からのクエリリクエストを受信した後、クエリリクエストに応答して画像取得装置103から作業台102の画像をリアルタイムで取り込み、その後、取り込まれた画像の現在のフレームを分析して、画像の中の少なくとも1つの作業エリアの対応する番号を識別し、且つ対応する番号が付けられた各作業エリアの状態が荷物なし状態であるか荷物あり状態であるかを判断するようになる。具体的には、荷物なし状態は、更に空荷スペース状態(荷物もブラケットも無い)や空ブラケットあり状態(荷物は無いが、空ブラケットがある)を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、少なくとも1つの知能移動ロボット104のクエリリクエストに基づいて、少なくとも1つの知能移動ロボット104の現在のタスクを決定する。その後、少なくとも1つの知能移動ロボット104の現在のタスク及び識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、少なくとも1つの作業エリアから、少なくとも1つの知能移動ロボットの現在のタスクに適合する適切な作業エリアを選択する。一つの知能移動ロボットの現在のタスクに適合する複数の適切な作業エリアがある場合には、作業エリアと知能移動ロボットとの間の距離によって、より近い一つの作業エリアを知能移動ロボットに選択することもできる。
【0032】
いくつかの実施形態では、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、少なくとも1つの知能移動ロボット104と対話して、知能移動ロボット104にさまざまな操作タスクを実行するように命令する。例えば、少なくとも1つの知能移動ロボット104に、選択された空荷スペース状態がマークされた作業エリアに行って、荷物を配達したり、選択された空ブラケットあり状態がマークされた作業エリアに行って、空ブラケットを取り出したりするように、指示する。
【0033】
図2Aは、本発明の一つの実施形態から提供される、対応する番号が付けられる作業エリアの例示的な概略図を示す。
図2Aに示すように、作業台102は作業エリア230を含み、作業台及び作業エリアは、例えば倉庫内の梱包テーブル又は他の作業台である。一つの実施形態では、梱包テーブルはコンベヤベルト201であってもよく、作業エリアは、例えば、コンベヤベルトの片側及び/又は両側の荷降ろしエリアであってもよい。画像取得装置103によって取り込まれた画像のうち、作業台に関する画像には、
図2Aに示すようなコンベヤベルト及びすべての作業エリアの画像が含まれる。
【0034】
別の実施形態では、作業エリアにおける各作業エリアは、それと対応する番号が付けられる。例えば、作業エリアは、0からN(1以上の自然数)までの番号が付けられ、合計がN+1個の作業エリアを有する。一つの実施形態では、様々な方法で地面マーキングを識別することによって、作業エリアの番号を取得することができる。例えば、地面マーキングは、作業エリアを表す機械可読特徴を含み、又は複数の地面マーキング自体(例えば、規則的に配置された複数の線)が地図を形成して、地面マーキングが地図に位置する座標位置を識別することによって、各作業エリアの番号を容易に決定するようになる。地面マーキングが機械可読特徴を含む場合には、機械可読特徴はプロセッサ及び知能移動ロボット104によって識別されることができる。機械可読特徴は、数字、字母、コード、バーコード、記号、又はそれらの組み合わせを含み、これらに制限されない。
【0035】
従来の倉庫では管理を容易にするために、作業台と作業台の作業エリアをランドマークラインで明確に区切る。例えば、ベルトコンベア201の範囲をランドマークラインで区切ることができ、及び各作業エリアをランドマークラインで区切ることもできる。本発明は、これらの従来のランドマークラインを利用して、スケジューリングシステムのプロセッサが対応する作業エリアを識別することを容易にすることができ、さらに各作業エリアの状態に応じて、知能移動ロボットを管理、スケジューリングする。
【0036】
別の実施形態では、地面マーキングに依存せずに、作業エリアの番号を識別してもよく、プロセッサが作業エリアの画像を処理するときに、電子地図及び/又はグリッド処理方法を組み合わせて、作業エリアの番号を定義して、定義された番号が付けられる作業エリアの対応する位置を知能移動ロボットに送信する。
【0037】
図2Bは、本発明の一つの実施形態から提供される、知能移動ロボット104に適合する積載ブラケット1043を有する知能移動ロボット104の例示的な簡略化された概略図を示す。
図2Cは、本発明の一つの実施形態から提供される、積載ブラケットを有しない知能移動ロボット104の例示的な簡略化された概略図を示す。一つの実施形態では、
図2Cに示すように、知能移動ロボット104は、少なくとも移動ベース1041を含む。別の実施形態では、
図2Bに示すように、知能移動ロボット104は、荷物を積載するためのブラケット1043をさらに含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、荷物は、知能移動ロボット104の移動ベース1041の上表面に直接的に置かれる。あるいは、荷物は、知能移動ロボット104に適合するブラケット1043に直接的に置かれてもよい。移動ベース1041は、リフトまたはドラッグ方法によってブラケット1043と接続され、且つブラケット1043と一緒に移動し、それによってブラケット1043に置かれた荷物を輸送する。この場合、知能移動ロボット104の移動ベース1041の上表面に荷物を直接的に積み重ねる場合に比べて、ブラケット1043がもっと大きい荷物積載能力を持ち、且つ知能移動ロボット104は、荷物を積載することを待つ必要がなくなり、ブラケット1043と直接的に接続した後、離れてもよい。
図2Bに示されるような知能移動ロボット104が、
図2Aに示されるような作業台102に荷物を配送する場合には、荷物が降ろされた後、空ブラケット1043が対応する作業エリア(例えば、荷降ろし位置)に残される場合があり、この作業エリアは荷物のない状態にあり、より具体的には空ブラケットあり状態にある。あるいは、
図2Cに示されるような知能移動ロボット104が、
図2Aに示されるような作業台102に荷物を配送する場合には、荷物が降ろされた後、対応する作業エリアは、荷物なし状態にあり、より具体的には、空荷スペース状態にある(即ち、荷物もブラケットも無い状態)
【0039】
いくつかの実施形態では、ブラケット1043は、平板、トレイ、バスケット、箱又は任意の他の種類の容器又は車輪付きカートであってもよく、これらに限定されず、荷物の収容、運搬及び/又は輸送ができればいい。異なるタイプのブラケット1043は、異なるタイプの知能移動ロボット104に適合することができる。さらに、同じタイプのブラケット1043は、複数の異なるタイプの知能移動ロボット104に適用することができ、単一タイプの知能移動ロボット104に適用することもできる。
【0040】
図3は、本発明の一つの実施形態から提供される、知能移動ロボットを管理するためのスケジューリング方法300の概略フローチャートを示す。
【0041】
スケジューリング方法300は、ステップS301~S304を含む。
【0042】
具体的には、ステップS301において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、画像取得装置103を介して作業台102の少なくとも1つの作業エリアの画像をリアルタイムで取り込む。
【0043】
ステップS302において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、BluetoothTM、WiFi、ZigBeeTM又は他の無線通信プロトコルを介して、少なくとも1つの知能移動ロボット104からのクエリリクエストを受信する。一つの実施形態では、クエリリクエストは、例えば、荷物の受け取り、荷物の配送、又は空ブラケットの受け取りのために、少なくとも1つの作業エリアへ行くことができるかどうかに関する要求である。
【0044】
ステップS303において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、クエリリクエストに応答し、取り込まれた画像を分析して、少なくとも1つの作業エリアの各作業エリアの現在の状態を識別するようになる。いくつかの実施形態では、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、取り込まれた画像の現在のフレームをさらに分析して、画像の各作業エリアの対応する番号を識別し、且つ対応する番号が付けられた各作業エリアの状態が、荷物なし状態、空荷スペース状態又は空ブラケットあり状態のいずれであるかを判断するようになる。
【0045】
ステップS304において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、クエリリクエストと識別された各作業エリアの現在の状態とに基づいて、少なくとも1つの作業エリアから、少なくとも1つの知的移動ロボットに適合した対応する作業エリアを選択し、且つ少なくとも1つの知能移動ロボット104に、対応するスケジューリング命令を送信して、少なくとも1つの知能移動ロボット104に、選択された対応する作業エリアに移動するように命令するようになる。
【0046】
いくつかの実施形態では、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、知能移動ロボット104のクエリリクエストによって、少なくとも1つの知能移動ロボット104の現在のタスクを決定して、少なくとも1つの知能移動ロボット104の現在のタスク及び識別された各作業エリアの現在の状態に基づいて、少なくとも1つの作業エリアから少なくとも1つの知的移動ロボットの現在のタスクに適合する適切な作業エリアを選択し、その後、少なくとも1つの知的移動ロボットに、対応するスケジューリング命令を送信して、少なくとも1つの知能移動ロボット104に、選択された作業エリアに移動するように指示するようになる。例えば、配送タスクを有する知的移動ロボット104に、荷物を配送するために空荷スペース状態にある選択された作業エリアに行くように指示して、または、空ブラケットを取り出すタスクを有する知的移動ロボット104に、空ブラケットなどを取り出すために、空ブラケット状態にある選択された作業クエリアに移動するように指示する。
【0047】
図4は、本発明の一つの実施形態から提供される、知能移動ロボット104のタスクが配達であるときに、知能移動ロボット104を管理するスケジューリング方法400の概略フローチャートを示す。
【0048】
一つの実施形態では、
図4に示すように、スケジューリング方法400はステップS401~S407を含む。
【0049】
ステップS401において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、少なくとも1つの知能移動ロボット104からのクエリリクエストを受信する。
【0050】
ステップS402において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、クエリリクエストに応答して、作業台102の作業エリアの少なくとも1つの画像を取得し、取り込まれた作業エリアの画像を分析して、各作業エリアの現在の状態を識別するようになる。一つの実施形態では、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、取り込まれた画像の現在のフレームをさらに分析して、画像の少なくとも1つの作業エリアの対応する番号を識別するようになる。
【0051】
ステップS403において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、知能移動ロボット104のクエリリクエストによって、知能移動ロボット104の現在のタスクが荷物を配達することであると判断した場合には、現在、空荷スペース状態にある作業エリアが存在するかどうかを判断する。
【0052】
ステップS403の判定結果が肯定的である場合、つまり空荷スペース状態にある作業エリアが存在する場合、上記のスケジューリング方法はステップS404に進む。
【0053】
ステップS404において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、識別された空荷スペース状態にある作業エリアに対応する番号に基づいて、この番号が付けられた作業エリアに移動するように知能移動ロボット104に命令する。一つの実施形態では、知能移動ロボット104は、地面マーキング又は電子地図によって、その番号が付けられた作業エリアの位置を識別することができる。
【0054】
一つの実施形態では、知能移動ロボット104の現在のタスクが荷物を配達することである場合には、知能移動ロボット104は、作業台から所定の距離にあるときに、スケジューリングシステムのプロセッサ100にクエリリクエストを送信する。その中で、知能移動ロボット104は、1つ又は複数のセンサ及び/又はカメラ装置を含む。知能移動ロボットは、1つ又は複数のセンサ及び/又はカメラ装置を利用して、近くに荷物があるかどうか、荷物の種類、及び/又は近くの荷物からの距離を検出することができる。例えば、1つ以上のセンサが移動ベース1041に設けられてもよい。センサには、例えば、近接センサ、ソナーセンサ、超音波センサ、赤外線センサ、レーダーセンサ、LiDAR、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0055】
ステップS403の判定結果が否定的である場合、つまり、空荷スペース状態にある作業エリアが存在しない場合、上記のスケジューリング方法はステップS405に進む。
【0056】
ステップS405において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、知能移動ロボット104に所定の位置で待機し定期的に作業台の画像を分析して少なくとも1つの作業エリアの状態を監視するように指示する。
【0057】
ステップS406において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、空荷スペース状態にある作業エリアが存在することを発見し、次いで、ステップS407において、知能移動ロボット104に、発見された空荷スペース状態にある作業エリアに行くように命令する。
【0058】
図5は、本発明の一つの実施形態から提供される、知能移動ロボット104のタスクが空ブラケットを取り出すことであるときに、知能移動ロボット104を管理するスケジューリング方法500の概略フローチャートを示す。
【0059】
一つの実施形態では、
図5に示すように、スケジューリング方法500はステップS501~S505を含む。
【0060】
ステップS501において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、少なくとも1つの知能移動ロボット104からのクエリリクエストを受信する。
【0061】
ステップS502において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、クエリリクエストに応答して、作業台102の少なくとも1つの作業エリアの画像を取り込み、取り込まれた画像を分析して、各作業エリアの現在の状態を識別する。一つの実施形態では、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、取り込まれた画像の現在のフレームをさらに分析して、画像の少なくとも1つの作業エリアの対応する番号を識別する。
【0062】
ステップS503において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、少なくとも1つの知能移動ロボット104のクエリリクエストに基づいて、少なくとも1つの知能移動ロボット104の現在のタスクが空ブラケットを取り出すことであると判断した場合には、現在、空ブラケットありの状態にある作業エリアが存在するかどうかを判断する。
【0063】
ステップS503の判定結果が肯定的である場合、つまり、空ブラケットありの状態にある作業エリアが存在する場合、上記のスケジューリング方法はステップS504に進む。ステップS504において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、選択された空ブラケットあり状態にある作業エリアに対応する番号に基づいて、知能移動ロボットに送信し、その番号が付けられた空ブラケットあり状態にある作業エリアに移動するように知能移動ロボット104に指示する。
【0064】
ステップS503の判定結果が否定的である場合、つまり、空ブラケットありの状態にある作業エリアが存在しない場合、上記のスケジューリング方法はステップS505に進む。ステップS505において、スケジューリングシステムのプロセッサ100は、倉庫内の空ブラケットの保管エリア(図示せず)に行って、空ブラケットを取り出すように知能移動ロボット104に命令する。
【0065】
一つの実施形態では、作業台102の少なくとも1つの作業エリアに存在する空ブラケットを取り出す優先順位は、空ブラケットの保管エリアの空ブラケットを取り出す優先順位より高い。例えば、スケジューリングシステムのプロセッサ100が、空ブラケットを取り出すことに関連するクエリリクエストのタスクをスケジュールして、クエリリクエストに応答して取り込まれた作業台102の少なくとも1つの作業エリアの画像から、空ブラケットあり状態にある作業エリアが存在することが識別される場合には、空ブラケットあり状態にある作業エリアに空ブラケットを取りに優先的に行き、空ラケットの保管エリアに空ブラケットを取り出しに行くということはない。
【0066】
本発明のもう一つの方面では、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶される。コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、本発明のスケジューリング方法のステップが実行される。一つの実施形態では、コンピュータプログラムは、ネットワークを介して通信された複数のコンピュータデバイス又はプロセッサに分布され、コンピュータプログラムは、1つ又は複数のコンピュータデバイス又はプロセッサによって分散方式で記憶され、アクセスされ、実行されるようになる。単一の方法ステップ/操作、又は2つ以上の方法ステップ/操作は、単一のコンピュータデバイス又はプロセッサ或いは2つ以上のコンピュータデバイス又はプロセッサによって実行することができる。1つ又は複数の方法ステップ/操作は、1つ又は複数のコンピュータデバイス又はプロセッサによって実行することができ、かつ、1つ又は複数の他の方法ステップ/操作は、1つ又は複数の他のコンピュータデバイス又はプロセッサによって実行することができる。1つ以上のコンピュータデバイス又はプロセッサは、単一の方法ステップ/操作を実行することも、2つ以上の方法ステップ/操作を実行することもできる。
【0067】
当業者は、本発明による知能移動ロボットの作業台の作業エリアの管理に用いられるスケジューリング方法のステップの全部又は一部が、コンピュータプログラムを介して、コンピュータデバイス又はプロセッサなどの関連ハードウェアに命令することによって完了できること、を理解することができる。コンピュータプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。コンピュータプログラムが実行されると、本発明の知能移動ロボットの作業台の作業エリアの管理に用いられるスケジューリング方法のステップが実行される。本明細書におけるメモリ、ストレージ、データベース、又は他の媒体への言及には、必要に応じて、不揮発性メモリ及び/又は揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気プログラマブルROM(EPROM)、電気消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気テープ、フロッピーディスク(登録商標)、光磁気データ記憶装置、光データ記憶装置、ハードドライブ、ソリッドステートドライブなどを含む。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、外部キャッシュメモリなどを含む。
【0068】
本明細書において、「一つの実施形態」、「別の実施形態」、「いくつかの実施形態」などに言及するときは、その実施形態に関して説明される具体的な特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の異なる場所に出現するこれらの単語は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。さらに、いずれかの実施形態に関して、具体的な特徴又は構造が説明される場合、当業者であれば、すべての実施形態における他の実施形態で、そのような特徴又は構造を実現できることが、理解される。
【0069】
上述した技術的特徴は任意に組み合わせることができる。これらの技術的特徴のすべての可能な組み合わせが記載されているわけではないが、これらの技術的特徴のあらゆる組み合わせは、そのような組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に含まれるとみなされるべきである。
【0070】
本発明を実施形態に関連して説明してきたが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び変形が可能であることが、理解するべきである。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の保護範囲に従うべきである。
【符号の説明】
【0071】
10 スケジューリングシステム
100 プロセッサ
101 ネットワーク
102 作業台
103 画像取得装置
104 知能移動ロボット
105 記憶装置
201 コンベヤベルト
230 作業エリア
1041 移動ベース
1043 ブラケット
300、400、500 スケジューリング方法
【国際調査報告】