(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】音響出力装置及びウェアラブル機器
(51)【国際特許分類】
H04R 1/28 20060101AFI20240521BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20240521BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20240521BHJP
G10K 11/24 20060101ALI20240521BHJP
H04R 25/00 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H04R1/28 310B
H04R1/10 101Z
H04R1/00 317
G10K11/24
H04R1/10 104Z
H04R25/00 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541586
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 CN2022090663
(87)【国際公開番号】W WO2023206531
(87)【国際公開日】2023-11-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】朱 光▲遠▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 磊
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ 心
【テーマコード(参考)】
5D005
5D017
【Fターム(参考)】
5D005BA06
5D017AB13
(57)【要約】
本願の実施例に係る音響出力装置は、オーディオ信号に基づいて振動を発生させるように構成された第1の圧電素子と、前記音響出力装置を、ユーザの耳の付近におけるユーザの耳道を塞がない位置に固定するように構成され、端部が前記第1の圧電素子の一端に接続された固定構造と、耳掛け及び出力アセンブリを含む振動伝達部材であって、前記耳掛けは、一端が前記第1の圧電素子の前記固定構造から離れた端部に接続され、他端が前記出力アセンブリに接続され、前記出力アセンブリは、前記耳掛けによって前記第1の圧電素子の振動を受け取って音声を出力し、前記音声の周波数応答曲線は、少なくとも2つの共振ピークを有する振動伝達部材と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響出力装置であって、
オーディオ信号に基づいて振動を発生させるように構成された第1の圧電素子と、
前記音響出力装置を、ユーザの耳の付近におけるユーザの耳道を塞がない位置に固定するように構成され、端部が前記第1の圧電素子の一端に接続された固定構造と、
耳掛け及び出力アセンブリを含む振動伝達部材であって、前記耳掛けは、一端が前記第1の圧電素子の前記固定構造から離れた端部に接続され、他端が前記出力アセンブリに接続され、前記出力アセンブリは、前記耳掛けによって前記第1の圧電素子の振動を受け取って音声を出力し、前記音声の周波数応答曲線は、少なくとも2つの共振ピークを有する、振動伝達部材と、
を含む、音響出力装置。
【請求項2】
前記出力アセンブリは、ユーザの顔領域に接触する接触面を含み、前記耳掛けの端部は、前記出力アセンブリの1つの側面に接続され、かつ第1の接続面を有し、前記耳掛けの前記第1の接続面への投影は、耳掛け投影曲線であり、前記第1の接続面の中心点を通って耳掛け投影曲線と接して第1の直線を形成し、前記接触面と前記第1の直線との夾角の範囲は、0°~50°である、請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項3】
前記耳掛けは、前記第1の圧電素子に接続され、かつ第2の接続面を有し、前記耳掛けと前記第1の圧電素子との接続点は、前記第2の接続面に位置し、前記耳掛けと前記第1の圧電素子との接続点と、前記耳掛けと前記出力アセンブリとの接続点とを結ぶ線は、第2の直線として定義され、前記第1の圧電素子の第2の接続面への投影と前記第2の直線との夾角の範囲は、-20°~20°である、請求項2に記載の音響出力装置。
【請求項4】
ユーザが前記音響出力装置を装着する場合、前記出力アセンブリの接触面は、前記ユーザの耳の付近の顔領域に貼り合わせられる、請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項5】
前記固定構造は、弾性を有し、ユーザが前記音響出力装置を装着する場合、前記固定構造は、ユーザの頭の後側に引っ掛けられるように設置される、請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つの共振ピークは、対応する共振周波数が5Hz~30Hzの範囲内にある第1の共振ピークを含む、請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項7】
前記出力アセンブリは、前記出力アセンブリの内部に位置する音響ユニットを含み、前記出力アセンブリの側壁に放音孔が含まれ、前記音響ユニットから発せられた音声は、前記放音孔によって外部に伝達される、請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項8】
前記オーディオ信号を高周波帯域成分と低周波帯域成分に分割するように構成された周波数分割モジュールと、
前記周波数分割モジュールに結合され、前記高周波帯域成分に基づいて高周波出力信号を生成するように構成された高周波信号処理モジュールと、
前記周波数分割モジュールに結合され、前記低周波帯域成分に基づいて低周波出力信号を生成するように構成された低周波信号処理モジュールと、
を含む、請求項7に記載の音響出力装置。
【請求項9】
前記高周波帯域成分と前記低周波帯域成分の周波数分割点は、200Hz~600Hzの範囲内又は1000Hz~3000Hzの範囲内にある、請求項8に記載の音響出力装置。
【請求項10】
前記周波数分割点に最も近接する2つの共振ピークに対応する共振周波数は、それぞれf
1と
【数1】
であり、両者の相対関係は、
【数2】
ある、請求項9に記載の音響出力装置。
【請求項11】
前記固定構造に接続され、前記固定構造の変形に伴って電圧を発生させるように構成された第2の圧電素子と、
前記電圧を受け取り、前記電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して前記第2の圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、前記固定構造の形状を調整するプロセッサと、
を含む、請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項12】
前記第2の圧電素子は、前記固定構造の前記出力アセンブリから最も離れた位置に位置する、請求項11に記載の音響出力装置。
【請求項13】
前記第2の圧電素子は、前記固定構造の変形に伴って電圧を発生させる第1の副圧電素子と、第2の副圧電素子とを含み、
前記プロセッサは、前記電圧を受け取り、前記電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して前記第2の副圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、前記固定構造の形状を調整する、請求項11に記載の音響出力装置。
【請求項14】
形状が調整された固定構造は、前記出力アセンブリを前記ユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供し、前記クランプ力は、0.1N~0.8Nの範囲内にある、請求項11又は13に記載の音響出力装置。
【請求項15】
前記第1の副圧電素子は、前記固定構造の前記出力アセンブリから最も離れた位置に位置し、前記第2の副圧電素子は、前記第1の副圧電素子と耳掛けとの間の前記固定構造に位置する、請求項13に記載の音響出力装置。
【請求項16】
ウェアラブル機器であって、
前記ウェアラブル機器をユーザの頭に固定するように構成された固定構造と、
前記固定構造に接続され、前記固定構造の変形に伴って電圧を発生させるように構成された圧電素子と、
前記電圧を受け取り、前記電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して前記圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、前記固定構造の形状を調整するように構成されたプロセッサと、
を含む、ウェアラブル機器。
【請求項17】
前記圧電素子は、前記固定構造の変形に伴って電圧を発生させる第1の副圧電素子と、第2の副圧電素子とを含み、
前記プロセッサは、前記電圧を受け取り、前記電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して前記第2の副圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、前記固定構造の形状を調整する、請求項16に記載のウェアラブル機器。
【請求項18】
形状が調整された固定構造は、前記ウェアラブル機器を前記ユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供し、前記クランプ力は、0.1N~0.8Nの範囲内にある、請求項16又は17に記載のウェアラブル機器。
【請求項19】
オーディオ信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記固定構造の端部に接続された第1の圧電素子と、
耳掛け及び出力アセンブリを含む振動伝達部材であって、前記耳掛けは、一端が前記第1の圧電素子の前記固定構造から離れた端部に接続され、他端が前記出力アセンブリに接続され、前記固定構造は、前記出力アセンブリを、ユーザの耳の付近におけるユーザの耳道を塞がない位置に固定し、前記出力アセンブリは、前記耳掛けによって前記第1の圧電素子の振動を受け取って音声を出力し、前記音声の周波数応答曲線は、少なくとも2つの共振ピークを含む振動伝達部材と、
を含む、請求項16に記載のウェアラブル機器。
【請求項20】
前記出力アセンブリは、ユーザの顔領域に接触する接触面を含み、前記耳掛けの端部は、前記出力アセンブリの1つの側面に接続され、かつ第1の接続面を有し、前記耳掛けの前記第1の接続面への投影は、耳掛け投影曲線であり、前記第1の接続面の中心点を通って耳掛け投影曲線と接して第1の直線を形成し、前記接触面と前記第1の直線との夾角の範囲は、0°~50°である、請求項19に記載のウェアラブル機器。
【請求項21】
前記耳掛けは、前記第1の圧電素子に接続され、第2の接続面を有し、前記耳掛けと前記第1の圧電素子との接続点は、前記第2の接続面に位置し、前記耳掛けと前記第1の圧電素子との接続点と、前記耳掛けと前記出力アセンブリとの接続点とを結ぶ線は、第2の直線として定義され、前記第1の圧電素子の第2の接続面への投影と前記第2の直線との夾角の範囲は、-20°~20°である、請求項20に記載のウェアラブル機器。
【請求項22】
ユーザが前記ウェアラブル機器を装着する場合、前記出力アセンブリの接触面は、前記ユーザの耳の付近の顔領域に貼り合わせられる、請求項21に記載のウェアラブル機器。
【請求項23】
前記固定構造は、弾性を有し、ユーザが前記ウェアラブル機器を装着する場合、前記固定構造は、ユーザの頭の後側に引っ掛けられるように設置される、請求項19に記載のウェアラブル機器。
【請求項24】
前記少なくとも2つの共振ピークは、対応する共振周波数が5Hz~30Hzの範囲内にある第1の共振ピークを含む、請求項19に記載のウェアラブル機器。
【請求項25】
前記出力アセンブリは、前記出力アセンブリの内部に位置する音響ユニットを含み、前記出力アセンブリの側壁に放音孔が含まれ、前記音響ユニットから発せられた音声は、前記放音孔によって外部に伝達される、請求項19に記載のウェアラブル機器。
【請求項26】
前記オーディオ信号を高周波帯域成分と低周波帯域成分に分割するように構成された周波数分割モジュールと、
前記周波数分割モジュールに結合され、前記高周波帯域成分に基づいて高周波出力信号を生成するように構成された高周波信号処理モジュールと、
前記周波数分割モジュールに結合され、前記低周波帯域成分に基づいて低周波出力信号を生成するように構成された低周波信号処理モジュールと、
を含む、請求項25に記載のウェアラブル機器。
【請求項27】
前記高周波帯域成分と前記低周波帯域成分の周波数分割点は、200Hz~600Hzの範囲内又は1000Hz~3000Hzの範囲内にある、請求項26に記載のウェアラブル機器。
【請求項28】
前記周波数分割点に近接する2つの共振ピークに対応する共振周波数は、それぞれf
1と
【数3】
であり、両者の相対関係は、
【数4】
である、請求27に記載のウェアラブル機器。
【請求項29】
前記固定構造の端部に接続されたスピーカーを含み、前記固定構造は、前記スピーカーを、ユーザの耳の付近におけるユーザの耳道を塞がない位置に固定し、ユーザが前記ウェアラブル機器を装着する場合、前記固定構造は、ユーザの頭の後側に引っ掛けられるように設置される、請求項16に記載のウェアラブル機器。
【請求項30】
前記固定構造の端部に接続された空気伝導スピーカーを含み、前記固定構造により、前記空気伝導スピーカーは、ユーザの耳を覆い、ユーザが前記ウェアラブル機器を装着する場合、前記固定構造は、ユーザの頭頂に引っ掛けられるように設置される、請求項16に記載のウェアラブル機器。
【請求項31】
前記固定構造の端部に接続された可視部材を含み、前記固定構造は、前記可視部材をユーザの目に固定し、ユーザが前記ウェアラブル機器を装着する場合、前記固定構造は、ユーザの耳に引っ掛けられるように設置される、請求項16に記載のウェアラブル機器。
【請求項32】
前記可視部材は、レンズ又は光学ディスプレイである、請求項31に記載のウェアラブル機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、音響の分野に関し、特に音響出力装置及びウェアラブル機器に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電セラミックス駆動型の音響出力装置は、圧電セラミックス材料の逆圧電効果により振動して外部に音波を放出する。従来の動電型音響出力装置に比べて、圧電セラミックス駆動型の音響出力装置は、電気機械変換効率が高く、エネルギー消費が低く、体積が小さく、集積度が高い等の利点を有する。従来の電磁型音響出力装置に比べて、圧電セラミックス駆動型の音響出力装置は、低周波での応答が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記課題を解決するために、本明細書は、低周波での応答が良く、目標周波数範囲内の振動モードが少ない音響出力装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書の一実施例に係る音響出力装置は、オーディオ信号に基づいて振動を発生させるように構成された第1の圧電素子と、前記音響出力装置を、ユーザの耳の付近におけるユーザの耳道を塞がない位置に固定するように構成され、端部が前記第1の圧電素子の一端に接続された固定構造と、耳掛け及び出力アセンブリを含む振動伝達部材であって、前記耳掛けは、一端が前記第1の圧電素子の前記固定構造から離れた端部に接続され、他端が前記出力アセンブリに接続され、前記出力アセンブリは、前記耳掛けによって前記第1の圧電素子の振動を受け取って音声を出力し、前記音声の周波数応答曲線は、少なくとも2つの共振ピークを有する振動伝達部材と、を含む。
【0005】
いくつかの実施例では、前記出力アセンブリは、ユーザの顔領域に接触する接触面を含み、前記耳掛けの端部は、前記出力アセンブリの1つの側面に接続され、かつ第1の接続面を有し、前記耳掛けの前記第1の接続面への投影は、耳掛け投影曲線であり、前記第1の接続面の中心点を通って耳掛け投影曲線と接して第1の直線を形成し、前記接触面と前記第1の直線との夾角の範囲は、0°~50°である。
【0006】
いくつかの実施例では、前記耳掛けは、前記第1の圧電素子に接続され、かつ第2の接続面を有し、前記耳掛けと前記第1の圧電素子との接続点は、前記第2の接続面に位置し、前記耳掛けと前記第1の圧電素子との接続点と、前記耳掛けと前記出力アセンブリとの接続点とを結ぶ線は、第2の直線として定義され、前記第1の圧電素子の第2の接続面への投影と前記第2の直線との夾角の範囲は、-20°~20°である。
【0007】
いくつかの実施例では、ユーザが前記音響出力装置を装着する場合、前記出力アセンブリの接触面は、前記ユーザの耳の付近の顔領域に貼り合わせられる。
【0008】
いくつかの実施例では、前記固定構造は、弾性を有し、ユーザが前記音響出力装置を装着する場合、前記固定構造は、ユーザの頭の後側に引っ掛けられるように設置される。
【0009】
いくつかの実施例では、前記少なくとも2つの共振ピークは、対応する共振周波数が5Hz~30Hzの範囲内にある第1の共振ピークを含む。
【0010】
いくつかの実施例では、前記出力アセンブリは、前記出力アセンブリの内部に位置する音響ユニットを含み、前記出力アセンブリの側壁に放音孔が含まれ、前記音響ユニットから発せられた音声は、前記放音孔によって外部に伝達される。
【0011】
いくつかの実施例では、音響出力装置は、前記オーディオ信号を高周波帯域成分と低周波帯域成分に分割するように構成された周波数分割モジュールと、前記周波数分割モジュールに結合され、前記高周波帯域成分に基づいて高周波出力信号を生成するように構成された高周波信号処理モジュールと、前記周波数分割モジュールに結合され、前記低周波帯域成分に基づいて低周波出力信号を生成するように構成された低周波信号処理モジュールとを含む。
【0012】
いくつかの実施例では、前記高周波帯域成分と前記低周波帯域成分の周波数分割点は、200Hz~600Hzの範囲内又は1000Hz~3000Hzの範囲内にある。
【0013】
いくつかの実施例では、前記周波数分割点に最も近接する2つの共振ピークに対応する共振周波数は、それぞれf
1と
【数1】
であり、両者の相対関係は、
【数2】
である。
【0014】
いくつかの実施例では、音響出力装置は、前記固定構造に接続され、前記固定構造の変形に伴って電圧を発生させるように構成された第2の圧電素子と、前記電圧を受け取り、前記電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して前記第2の圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、前記固定構造の形状を調整するプロセッサとを含む。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第2の圧電素子は、前記固定構造の前記出力アセンブリから最も離れた位置に位置する。
【0016】
いくつかの実施例では、前記第2の圧電素子は、前記固定構造の変形に伴って電圧を発生させる第1の副圧電素子と、第2の副圧電素子とを含み、前記プロセッサは、前記電圧を受け取り、前記電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して前記第2の副圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、前記固定構造の形状を調整する。
【0017】
いくつかの実施例では、形状が調整された固定構造は、前記出力アセンブリを前記ユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供し、前記クランプ力は、0.1N~0.8Nの範囲内にある。
【0018】
いくつかの実施例では、前記第1の副圧電素子は、前記固定構造の前記出力アセンブリから最も離れた位置に位置し、前記第2の副圧電素子は、前記第1の副圧電素子と耳掛けとの間の前記固定構造に位置する。
【0019】
本明細書の一実施例に係るウェアラブル機器は、前記ウェアラブル機器をユーザの頭に固定するように構成された固定構造と、前記固定構造に接続され、前記固定構造の変形に伴って電圧を発生させるように構成された圧電素子と、前記電圧を受け取り、前記電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して前記圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、前記固定構造の形状を調整するように構成されたプロセッサとを含む。
【0020】
いくつかの実施例では、前記圧電素子は、前記固定構造の変形に伴って電圧を発生させる第1の副圧電素子と、第2の副圧電素子とを含み、前記プロセッサは、前記電圧を受け取り、前記電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して前記第2の副圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、前記固定構造の形状を調整する。
【0021】
いくつかの実施例では、形状が調整された固定構造は、前記ウェアラブル機器を前記ユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供し、前記クランプ力は、0.1N~0.8Nの範囲内にある。
【0022】
いくつかの実施例では、ウェアラブル機器は、オーディオ信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記固定構造の端部に接続された第1の圧電素子と、耳掛け及び出力アセンブリを含む振動伝達部材であって、前記耳掛けは、一端が前記第1の圧電素子の前記固定構造から離れた端部に接続され、他端が前記出力アセンブリに接続され、前記固定構造は、前記出力アセンブリを、ユーザの耳の付近におけるユーザの耳道を塞がない位置に固定し、前記出力アセンブリは、前記耳掛けによって前記第1の圧電素子の振動を受け取って音声を出力し、前記音声の周波数応答曲線は、少なくとも2つの共振ピークを含む振動伝達部材と、を含む。
【0023】
いくつかの実施例では、前記出力アセンブリは、ユーザの顔領域に接触する接触面を含み、前記耳掛けの端部は、前記出力アセンブリの1つの側面に接続され、かつ第1の接続面を有し、前記耳掛けの前記第1の接続面への投影は、耳掛け投影曲線であり、前記第1の接続面の中心点を通って耳掛け投影曲線と接して第1の直線を形成し、前記接触面と前記第1の直線との夾角の範囲は、0°~50°である。
【0024】
いくつかの実施例では、前記耳掛けは、前記第1の圧電素子に接続され、かつ第2の接続面を有し、前記耳掛けと前記第1の圧電素子との接続点は、前記第2の接続面に位置し、前記耳掛けと前記第1の圧電素子との接続点と、前記耳掛けと前記出力アセンブリとの接続点とを結ぶ線は、第2の直線として定義され、前記第1の圧電素子の第2の接続面への投影と前記第2の直線との夾角の範囲は、-20°~20°である。
【0025】
いくつかの実施例では、ユーザが前記ウェアラブル機器を装着する場合、前記出力アセンブリの接触面は、前記ユーザの耳の付近の顔領域に貼り合わせられる。
【0026】
いくつかの実施例では、前記固定構造は、弾性を有し、ユーザが前記ウェアラブル機器を装着する場合、前記固定構造は、ユーザの頭の後側に引っ掛けられるように設置される。
【0027】
いくつかの実施例では、前記少なくとも2つの共振ピークは、対応する共振周波数が5Hz~30Hzの範囲内にある第1の共振ピークを含む。
【0028】
いくつかの実施例では、前記出力アセンブリは、前記出力アセンブリの内部に位置する音響ユニットを含み、前記出力アセンブリの側壁に放音孔が含まれ、前記音響ユニットから発せられた音声は、前記放音孔によって外部に伝達される。
【0029】
いくつかの実施例では、ウェアラブル機器は、前記オーディオ信号を高周波帯域成分と低周波帯域成分に分割するように構成された周波数分割モジュールと、前記周波数分割モジュールに結合され、前記高周波帯域成分に基づいて高周波出力信号を生成するように構成された高周波信号処理モジュールと、前記周波数分割モジュールに結合され、前記低周波帯域成分に基づいて低周波出力信号を生成するように構成された低周波信号処理モジュールとを含む。
【0030】
いくつかの実施例では、前記高周波帯域成分と前記低周波帯域成分の周波数分割点は、200Hz~600Hzの範囲内又は1000Hz~3000Hzの範囲内にある。
【0031】
いくつかの実施例では、前記周波数分割点に近接する2つの共振ピークに対応する共振周波数は、それぞれf
1と
【数3】
であり、両者の相対関係は、
【数4】
である。
【0032】
いくつかの実施例では、ウェアラブル機器は、前記固定構造の端部に接続されたスピーカーを含み、前記固定構造は、前記スピーカーを、ユーザの耳の付近におけるユーザの耳道を塞がない位置に固定し、ユーザが前記ウェアラブル機器を装着する場合、前記固定構造は、ユーザの頭の後側に引っ掛けられるように設置される。
【0033】
いくつかの実施例では、ウェアラブル機器は、前記固定構造の端部に接続された空気伝導スピーカーを含み、前記固定構造により、前記空気伝導スピーカーは、ユーザの耳を覆い、ユーザが前記ウェアラブル機器を装着する場合、前記固定構造は、ユーザの頭頂に引っ掛けられるように設置される。
【0034】
いくつかの実施例では、ウェアラブル機器は、前記固定構造の端部に接続された可視部材を含み、前記固定構造は、前記可視部材をユーザの目に固定し、ユーザが前記ウェアラブル機器を装着する場合、前記固定構造は、ユーザの耳に引っ掛けられるように設置される。
【0035】
いくつかの実施例では、前記可視部材は、レンズ又は光学ディスプレイである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置のブロック図である。
【
図2】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置の概略構成図である。
【
図3】本明細書のいくつかの実施例に係る出力アセンブリの周波数応答曲線図である。
【
図4】本明細書のいくつかの実施例に係る音響出力装置の部分概略構成図である。
【
図5】本明細書のいくつかの実施例に係る、耳掛けの出力アセンブリに接続された第1の接続面における音響出力装置の部分構造の投影図である。
【
図6】本明細書のいくつかの実施例に係る、異なる第1の角度パラメータでの出力アセンブリの周波数応答曲線図である。
【
図7A】本明細書のいくつかの実施例に係る、耳掛けの第1の圧電素子に接続された第2の接続面の概略図である。
【
図7B】本明細書のいくつかの実施例に係る、耳掛けの第1の圧電素子に接続された第2の接続面における音響出力装置の部分構造の投影図である。
【
図8】本明細書のいくつかの実施例に係る、異なる第2の角度パラメータでの出力アセンブリの周波数応答曲線図である。
【
図9】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なウェアラブル機器のブロック図である。
【
図10】本明細書のいくつかの実施例に係る、単一の圧電素子により固定構造の変形を制御するフローチャートである。
【
図11】本明細書のいくつかの実施例に係る、複数の圧電素子により固定構造の変形を制御するフローチャートである。
【
図12】本明細書のいくつかの実施例に係る、圧電素子が異なる位置で出力した電圧の曲線図である。
【
図13】本明細書のいくつかの実施例に係る、圧電素子が異なる位置で調整したクランプ力の曲線図である。
【
図14】本明細書のいくつかの実施例に係る、圧電素子が出力した電圧の曲線図である。
【
図15】本明細書のいくつかの実施例に係る、圧電素子が調整したクランプ力の曲線図である。
【
図16】本明細書のいくつかの実施例に係る後掛け式イヤホンの概略構成図である。
【
図17】本明細書のいくつかの実施例に係るヘッドホンの概略構成図である。
【
図18】本明細書のいくつかの実施例に係るメガネの概略構成図である。
【
図19】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な仮想現実機器/拡張現実機器の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本願の例又は実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似するシナリオに適用することができる。言語環境から明らかではないか又は別に説明しない限り、図中の同じ符号は同じ構造又は操作を表す。
【0038】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」は、レベルの異なる様々なアセンブリ、素子、部材、部分又は組立体を区別する方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0039】
本願及び特許請求の範囲で使用されるように、文脈を通して明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」等の用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は機器は、他のステップ又は要素も含む可能性がある。
【0040】
本明細書の実施例は、音響出力装置を説明する。いくつかの実施例では、音響出力装置は、音響出力装置を、ユーザの耳の付近におけるユーザの耳道を塞がない位置に固定するように構成されてもよい固定構造を含んでもよい。いくつかの実施例では、音響出力装置は、オーディオ信号に基づいて振動を発生させるように構成されてもよく、一端が固定構造の端部に接続された第1の圧電素子を含んでもよい。いくつかの実施例では、音響出力装置は、耳掛け及び出力アセンブリを含んでもよい振動伝達部材を含んでもよく、耳掛けは、一端が第1の圧電素子の固定構造から離れた端部に接続され、他端が出力アセンブリに接続され、出力アセンブリは、耳掛けにより前記第1の圧電素子の振動を受け取って出力アセンブリに音声を出力させ、該音声の周波数応答曲線は、少なくとも2つの共振ピークを有する。いくつかの実施例では、少なくとも2つの共振ピークは、対応する共振周波数が5Hz~30Hzの範囲内にある第1の共振ピークを含んでもよい。本明細書の実施例に係る音響出力装置は、その固定構造によりユーザの頭を取り囲むように固定され、振動伝達部材は、第1の圧電素子の振動を受け取り、耳掛け及び出力アセンブリのパラメータ情報を調整することにより、音響出力装置は、低周波数(例えば、2000Hz以下)の範囲内で高い感度を有する。いくつかの実施例では、音響出力装置は、オーディオ機能を有する電子機器(例えば、イヤホン、メガネ、スマートヘルメット等)に適用されてもよい。
【0041】
本明細書の実施例は、ウェアラブル機器をさらに説明する。いくつかの実施例では、ウェアラブル機器は、ユーザの身体に固定されてもよい固定構造を含んでもよい。いくつかの実施例では、ウェアラブル機器は、固定構造に接続されてもよく、ユーザが固定構造によってウェアラブル機器を装着する場合、固定構造の変形に伴って電圧を発生させる圧電素子を含んでもよい。ウェアラブル機器のプロセッサは、圧電素子の電圧を受け取り、電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して圧電素子に作用し、圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、固定構造の形状を調整することにより、固定構造とユーザの身体との間のクランプ力の調整を実現することができる。本明細書の実施例に係るウェアラブル機器は、プロセッサにより圧電素子を制御して、固定構造とユーザの身体との間のクランプ力の調整を実現することにより、ユーザがウェアラブル機器を装着する場合の体験を向上させることができる。いくつかの実施例では、ウェアラブル機器は、スピーカー、補聴器、メガネ、仮想現実機器、拡張現実機器、スマートウォッチ等のうちの少なくとも1つとして実施されてもよい。
【0042】
図1は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置のブロック図である。
図1に示すように、音響出力装置100は、固定構造110、第1の圧電素子120及び振動伝達部材130を含んでもよく、固定構造110の端部は、第1の圧電素子120の一端に接続され、第1の圧電素子120の固定構造110から離れた端部は、振動伝達部材130に接続される。ユーザが音響出力装置を装着する場合、固定構造110は、振動伝達部材130を、ユーザの耳の付近におけるユーザの耳道を塞がない位置に固定することができる。
【0043】
固定構造110は、ユーザの頭に固定される構造であってもよい。いくつかの実施例では、固定構造110は、ユーザの頭を取り囲むことにより固定を実現することができる。例えば、固定構造110は、ユーザの頭の後側、前頭又は頭頂等の頭領域を取り囲む帯状、長尺状構造等又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施例では、固定構造110は、ユーザの頭の後側、前頭又は頭頂等の頭領域に適合するように、人体の頭領域に適合する湾曲構造を有してもよい。いくつかの実施例では、固定構造110は、弾性を有する構造であってもよく、固定構造110の材質は、ポリカーボネート、ポリアミド、シリコーンゴム、ゴム等を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例では、固定構造110は、ユーザの頭の後側輪郭に適合する湾曲構造である後掛け式構造(
図2に示す固定構造210を参照)であってもよい。いくつかの実施例では、固定構造110は、ユーザの耳介に適合する構造であってもよく、ユーザの耳介に引っ掛けられてもよく、クランプされてもよい。例えば、固定構造110は、ユーザの耳介にクランプされることにより固定を実現することができる。具体的には、固定構造110は、ユーザの耳介にクランプされてもよいクランプ部材を有してもよい。さらに例えば、固定構造110は、ユーザの耳介に引っ掛けられることにより固定を実現することができる。具体的には、固定構造110は、ユーザの耳介に引っ掛けることができるように、耳介に適合する湾曲構造を有してもよい。固定構造に関するより多くの説明は、
図2及びその関連説明等の本明細書の他の箇所を参照することができる。
【0044】
第1の圧電素子120は、オーディオ信号を機械的振動に変換するデバイスであってもよい。第1の圧電素子120の逆圧電効果により、電気信号が第1の圧電素子120に作用する場合、第1の圧電素子120は、機械的振動を発生させる。いくつかの実施例では、第1の圧電素子120は、圧電材料で製造されてもよく、例示的な圧電材料は、圧電セラミックス、圧電結晶(例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛等)、圧電ポリマー(例えば、ポリフッ化ビニリデン)等又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の圧電素子120は、シート状、ブロック状、柱状、環状構造等又はそれらの任意の組み合わせ等の任意の形状であってもよい。第1の圧電素子に関するより多くの説明は、
図2及びその関連説明等の本明細書の他の箇所を参照することができる。
【0045】
振動伝達部材130は、第1の圧電素子120からの機械的振動を音声信号に変換する部材であってもよい。いくつかの実施例では、振動伝達部材130は、第1の圧電素子120の振動に応答して振動を発生させて、音声を発生させることができる。いくつかの実施例では、振動伝達部材130は、耳掛け131及び出力アセンブリ132を含んでもよく、耳掛け131は、一端が第1の圧電素子120の固定構造110から離れた端部に接続され、他端が出力アセンブリ132に接続される。出力アセンブリ132は、耳掛け131により第1の圧電素子120の振動を受け取り、ユーザが音響出力装置100を装着する場合、出力アセンブリ132の少なくとも一部は、ユーザの顔領域に貼り合わせられ、出力アセンブリ132が受け取った振動をユーザの筋肉、骨、血液等によってユーザの聴覚神経に直接的に伝達することで、音声信号に対応する音声情報が聞かれる。いくつかの実施例では、出力アセンブリ132の少なくとも一部は、出力アセンブリ132の1つの側面であってもよい。いくつかの実施例では、出力アセンブリ132の少なくとも一部は、出力アセンブリ132の1つの側面に設置された突起構造であってもよい。いくつかの実施例では、出力アセンブリ132は、耳掛け131により第1の圧電素子120の振動を受け取って音声を出力し、該音声の周波数応答曲線は、少なくとも2つの共振ピークを含む。耳掛け131及び出力アセンブリ132により形成された振動伝達部材130は、共振システムと見なされてもよく、耳掛け131は、共振システムに弾性を提供し、出力アセンブリ132は、共振システムに重量を提供し、耳掛け131及び出力アセンブリ132が低周波帯域において音響出力装置100に第1の共振ピークを提供できるため、音響出力装置100は、低周波帯域において高い周波数応答を有する。例えば、いくつかの実施例では、第1の共振ピークに対応する共振周波数範囲は、5Hz~30Hzである。いくつかの実施例では、耳掛け131の弾性係数又は出力アセンブリ132の質量を調整することにより、音響出力装置100の低周波帯域における共振周波数を調整することができる。第1の共振ピークに対応する共振周波数が十分に低いことで、第1の共振ピークの後の周波数帯域の周波数応答も高くなり、それにより、音響出力装置100は、低周波帯域(例えば、20Hz~1000Hz)においても高い周波数応答を有する。
【0046】
耳掛け131は、ユーザの耳に適合する構造を指してもよい。例えば、耳掛けは、耳介の上方に引っ掛けられた湾曲構造であってもよい。いくつかの実施例では、耳掛け131は、湾曲部を有してもよく(
図2に示す耳掛け231を参照)、人間の耳に適合する湾曲部は、ユーザの耳介の上方に引っ掛けられてもよい。いくつかの実施例では、耳掛け131は、弾性材料で製造されてもよく、例示的な弾性材料は、プラスチック、発泡スポンジ、ゴム、ラテックス、シリコーンゴム、スポンジ、金属、合金材料等又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。耳掛けに関するより多くの説明は、
図2及びその関連説明等の本明細書の他の箇所を参照することができる。
【0047】
出力アセンブリ132は、質量を有する部材であってもよい。いくつかの実施例では、出力アセンブリ132は、ユーザの顔領域に接触してもよい。いくつかの実施例では、出力アセンブリ132は、ユーザの顔領域に接触する接触面を含んでもよい。いくつかの実施例では、出力アセンブリ132は、円柱体、直方体、円錐、円錐台、球体等の規則的な構造又は不規則な構造体等の任意の形状であってもよい。いくつかの実施例では、出力アセンブリ132の材質は、プラスチック、木質、金属等の一定の剛性を有する任意の材質を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例では、質量素子120の材質は、音響出力装置100のオーディオ帯域の拡大に役立つ負剛性材料、立方剛性材料等の様々なメタマテリアルをさらに含んでもよい。耳掛け131及び出力アセンブリ132で構成された振動伝達部材130により、音響出力装置100は、低周波範囲で共振ピークを有し、音響出力装置100の低周波応答を向上させることができる。いくつかの実施例では、出力アセンブリは、音響ユニットをさらに含んでもよく、出力アセンブリの内部にキャビティを有し、音響ユニットは、該キャビティ内に位置し、オーディオ信号に基づいて音声を出力して、出力アセンブリ自体の振動により発生した音声を補完することができる。出力アセンブリに関するより多くの説明は、
図2及びその関連説明等の本明細書の他の箇所を参照することができる。
【0048】
図2は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置の概略構成図である。
図2に示すように、音響出力装置は、出力アセンブリ232、耳掛け231、第1の圧電素子220及び固定構造210を含んでもよく、固定構造210の端部は、第1の圧電素子220によって耳掛け231に接続され、耳掛け231の第1の圧電素子220から離れた端部は、出力アセンブリ232に接続される。ユーザが音響出力装置を装着する場合、固定構造210は、出力アセンブリ232を、ユーザの耳の付近におけるユーザの耳道を塞がない位置に固定する。
【0049】
いくつかの実施例では、ユーザが音響出力装置を装着する場合、固定構造210は、ユーザの頭の後側に引っ掛けられるように設置される。いくつかの実施例では、固定構造210は、ユーザの頭の後側に適合するように湾曲形状に形成された後掛け式構造であってもよい。いくつかの実施例では、異なるユーザの頭の形状に適応するために、固定構造210は、弾性構造であってもよく、その長さ、形状が調整可能な構造であってもよく、例えば、固定構造は、スナップフィットによりその長さを調整してもよい。いくつかの実施例では、固定構造210は、弾性ワイヤと、弾性ワイヤを被覆する弾性被覆体とを含んでもよい。さらに、固定構造210が装着快適性及び構造の剛性を両立させるために、弾性ワイヤの材質は、ばね鋼、チタン合金、チタンーニッケル合金、クロムモリブデン鋼等であってもよいが、これらに限定されず、弾性被覆体の材質は、ポリカーボネート、ポリアミド、シリコーンゴム、ゴム等であってもよいが、これらに限定されない。
【0050】
いくつかの実施例では、固定構造210の両端は、それぞれ第1の圧電素子220、耳掛け231及び出力アセンブリ232を順次接続し、固定構造210は、ユーザの頭の後側を取り囲み、固定構造210の両端における耳掛け231は、ユーザの耳介に引っ掛けられ、出力アセンブリ232は、ユーザの耳の付近(例えば、耳介の前側、後側、上側又は下側の頭領域)に分布してもよい。いくつかの実施例では、第1の圧電素子220は、固定端及び自由端を含んでもよい。固定端は、第1の圧電素子220における、他の部分に固定又は支持作用を提供する端部である。例えば、振動過程において、固定端の振動強度は、第1の圧電素子220の他の部分(例えば、自由端)に対してよりも小さい。単なる一例として、固定端は、第1の圧電素子220における、振動加速度又は加速度レベルが振動加速度閾値又は加速度レベル閾値よりも小さい位置であってもよい。いくつかの実施例では、固定端は、固定構造210の端部に接続されてもよく、固定構造210の端部は、固定構造210の端面及び/又は固定構造210の端面に近接する固定構造210の任意の箇所と考えられる。本明細書に記載の接続は、ボルト接続、リベット接合、締り嵌め、係止、接着、射出成形、溶接、磁気吸着等又はそれらの任意の組み合わせの接続方式を含んでもよい。ここでの自由端は、第1の圧電素子220における、出力アセンブリ232に接続されるとともにそれを振動させるように駆動して音声を発生させる端部であり、固定端に対してより自由に振動することができる。いくつかの実施例では、第1の圧電素子220の自由端は、耳掛け231に接続される。
【0051】
いくつかの実施例では、耳掛け231は、湾曲部を有してもよく、人間の耳に適合する湾曲部は、ユーザの耳介の上方に引っ掛けられてもよい。耳掛け231が第1の圧電素子220の振動をよく受け取って伝達することができることを保証するために、いくつかの実施例では、耳掛け231は、弾性ワイヤと、弾性ワイヤを被覆する弾性被覆体とを含んでもよい。さらに、弾性ワイヤの材質は、ばね鋼、チタン合金、チタンーニッケル合金、クロムモリブデン鋼等であってもよいが、これらに限定されず、弾性被覆体の材質は、ポリカーボネート、ポリアミド、シリコーンゴム、ゴム等であってもよいが、これらに限定されない。
【0052】
いくつかの実施例では、出力アセンブリ232は、直方体、円柱体、円錐台状、楕円体状、半球体状、台形状等の規則的又は不規則な構造体であってもよい。いくつかの実施例では、出力アセンブリ232は、ユーザの顔領域に接触する接触面を含んでもよく、ユーザが音響出力装置を装着する場合、ユーザが出力アセンブリ232から出力された音声情報を受信できるように、出力アセンブリ232の接触面は、ユーザの耳の付近の顔領域に貼り合わせられる。いくつかの実施例では、出力アセンブリ232におけるユーザの顔領域に接触する接触面は、出力アセンブリ232の1つの側壁であってもよい。例えば、出力アセンブリ232が円柱体である場合、接触面は、円柱体の底面である。いくつかの実施例では、出力アセンブリ232は、その外壁に位置する1つ以上の突起構造をさらに含んでもよく、この場合、接触面は、突起構造の出力アセンブリ232から離れた端部であってもよい。
【0053】
なお、第1の圧電素子220は、固定構造210に少なくとも部分的に貼り付けられてもよい。例えば、第1の圧電素子220の一部の構造は、固定構造210の側壁に貼り合わせられ、第1の圧電素子220の他の一部の構造は、固定構造210の端部に対して突出し、耳掛け231の端部又は側壁に接続される。また例えば、第1の圧電素子220の全ての構造は、固定構造210に貼り付けられてもよく、第1の圧電素子220は、オーディオ信号に基づいて振動を発生させ、かつ固定構造210を振動させるように駆動し、固定構造210の振動は、耳掛け231によって出力アセンブリ232に伝達することができる。
【0054】
ユーザが音響出力装置を装着する場合、音響出力装置の出力アセンブリは、ユーザの顔に貼り合わせられ、振動過程においてユーザの皮膚の影響を受け、この場合、ユーザの皮膚が減衰構造と見なされてもよいため、音響出力装置の「負荷」状態に対応する周波数応答曲線と音響出力装置の「無負荷」状態での周波数応答曲線とは、低周波帯域において差異があり、具体的には
図3及びその関連説明を参照する。
図3は、本明細書のいくつかの実施例に係る出力アセンブリの周波数応答曲線図である。
図3に示すように、音響出力装置がユーザの頭に装着されない場合、対応する出力アセンブリの周波数応答曲線(
図3に示す「無負荷」に対応する周波数応答曲線)は、低周波帯域(例えば、5Hz~30Hz)において第1の共振ピーク31を有し、音響出力装置が低周波帯域において高い感度を有することを示す。さらに、音響出力装置がユーザの頭に装着される場合、音響出力装置の出力アセンブリは、ユーザの顔に貼り合わせられ、振動過程においてユーザの皮膚の影響を受け、ユーザの皮膚が減衰構造と見なされてもよく、皮膚の減衰効果のため、ユーザが音響出力装置を装着する場合、出力アセンブリの周波数応答曲線(
図3に示す「皮膚の負荷を考慮」に対応する周波数応答曲線)は、低周波帯域(例えば、5Hz~500Hz)において滑らかであり、音響出力装置が実際に使用される場合に低周波帯域において良好な音質を有することがわかる。
【0055】
いくつかの実施例では、出力アセンブリ232は、耳掛け231によって第1の圧電素子220の振動を受け取り、5Hz~50000Hzの周波数範囲内に少なくとも2つの共振ピークを有し、少なくとも2つの共振ピークは、第1の共振ピーク31を含む。いくつかの実施例では、第1の共振ピーク31に対応する共振周波数は、5Hz~30Hzの範囲内にあってもよく、例えば、第1の共振ピーク31に対応する共振周波数は、7Hz~20Hzの範囲内にあってもよく、また例えば、第1の共振ピーク31に対応する共振周波数は、6Hz~10Hzの範囲内にあってもよい。
【0056】
いくつかの実施例では、出力アセンブリ232の質量又は耳掛け231の弾性係数を調整することにより、音響出力装置の第1の共振ピークを特定の周波数帯域(例えば、5Hz~30Hz)の範囲内にすることができる。いくつかの実施例では、第1の共振ピークに対応する共振周波数を制御するために、出力アセンブリの質量を目標質量範囲内に設定してもよい。いくつかの実施例では、目標質量範囲は、10g以下である。いくつかの実施例では、目標質量範囲は、0.01g~10gであってもよい。いくつかの実施例では、目標質量範囲は、0.2g~6gであってもよい。いくつかの実施例では、目標質量範囲は、1g~5gであってもよい。いくつかの実施例では、第1の共振ピークの共振周波数を制御するために、耳掛けの弾性係数を目標弾性係数範囲内に設定してもよい。いくつかの実施例では、目標弾性係数範囲は、9N/m~6×106N/mであってもよい。いくつかの実施例では、目標弾性係数範囲は、100N/m~6×106N/mであってもよい。いくつかの実施例では、目標弾性係数範囲は、100N/m~1×106N/mであってもよい。いくつかの実施例では、音響出力装置が5Hz~30Hzの周波数範囲内に第1の共振ピークを有するように耳掛けの弾性係数と出力アセンブリの質量との比を調整することにより、音響出力装置の低周波応答を増強することができる。いくつかの実施例では、弾性係数と質量との比の範囲を目標比範囲内に設定してもよい。いくつかの実施例では、目標比範囲は、4.9×106~3.2×1011であってもよい。いくつかの実施例では、目標比範囲は、4.5×106~3×1011であってもよい。いくつかの実施例では、目標比範囲は、4×106~4×1010であってもよい。いくつかの実施例では、目標比範囲は、1×106~1×109であってもよい。なお、第1の共振ピークは、上記周波数範囲(例えば、5Hz~30Hz)内になくてもよく、例えば、第1の共振ピークに対応する共振周波数は、15Hz、20Hz以上であってもよく、第1の共振ピークに対応する共振周波数は、音響出力装置の応用シナリオに応じて調整されてもよい。
【0057】
いくつかの実施例では、出力アセンブリの周波数応答曲線の少なくとも2つの共振ピークは、第2の共振ピーク32をさらに含み、第1の共振ピーク31に対応する共振周波数は、第2の共振ピーク32に対応する共振周波数よりも小さい。第2の共振ピークは、第1の圧電素子自体のパラメータ情報(例えば、圧電層の材料、圧電層及び/又はベース層の厚さ、長さ、幅等)に関連する。ここで、音響出力装置は、第1の圧電素子自体の特性(例えば、第1の圧電素子の固有振動数)を利用して、高周波帯域(例えば、1000Hz~40000Hz)においても高い感度を有する。このようにして、本明細書の実施例に係る音響出力装置は、低周波帯域(例えば、20Hz~1000Hz)及び高周波帯域(例えば、1000Hz~40000Hz)においていずれも高い感度を有する。
【0058】
ユーザが音響出力装置を装着する場合、出力アセンブリ232がユーザの耳の付近に位置すると共に、ユーザの装着時の体験を保証することができるために、耳掛け231は通常、湾曲構造であり、このようにして、出力アセンブリ232に対応する周波数応答曲線には、第1の共振ピーク31以外の他の共振ピーク、例えば、
図3に示す「無負荷」で示される周波数応答曲線における第1の共振ピーク31と第2の共振ピーク32との間の共振ピークが現れる。加えて、第1の圧電素子自体の共振のため、出力アセンブリ232の周波数応答曲線に共振ピーク又は共振ボトムが現れ、共振ボトムは、音響出力装置の高周波帯域における音質に影響を与える。
【0059】
耳掛け及び圧電素子自体の特性のため、周波数応答曲線が平坦でなく、例えば、共振ピーク又は共振ボトムが多すぎることを低減して、音響出力装置の音質を向上させるために、いくつかの実施例では、出力アセンブリ232は、音響ユニット(
図2に示されない)を含んでもよい。例えば、出力アセンブリ232の内部にキャビティを有し、音響ユニットは、出力アセンブリ232の内部のキャビティ内に位置してもよい。音響ユニットは、音響出力装置のオーディオ信号に基づいて音声を発生させて、特定の周波数帯域範囲において、出力アセンブリ自体の振動により発生した音声を補完することができる。例えば、出力アセンブリ232は、第1の圧電素子220の振動に応答して、低周波帯域(例えば、20Hz~600Hzの範囲内)において音声を出力し、音響ユニットは、補完して高周波(例えば、600Hzよりも大きい)の音声を出力することで、音響出力装置の全周波数帯域範囲における音質効果を向上させる。また例えば、音響ユニットはさらに、低周波帯域(例えば、20Hz~600Hzの範囲内)の音声を補完して、出力アセンブリ232の低周波帯域での音響出力効果を補償してもよい。いくつかの実施例では、音響ユニットは、空気伝導スピーカーであってもよく、出力アセンブリ232の側壁に放音孔が含まれ、音響ユニットから発せられた音声は、放音孔によって外部に伝達される。いくつかの実施例では、音響ユニットは、骨伝導スピーカーであってもよく、骨伝導スピーカーにおいて発生した振動は、出力アセンブリ232の側壁によって外部に伝達されてもよく、骨伝導スピーカーは、低周波帯域において高い周波数応答を有し、音響出力装置の低周波帯域における音響出力効果をよく補償することができる。
【0060】
いくつかの実施例では、音響出力装置は、オーディオ信号を高周波帯域成分と低周波帯域成分に分割するように構成されてもよい周波数分割モジュールを含んでもよい。いくつかの実施例では、音響出力装置は、高周波信号処理モジュール及び低周波信号処理モジュールをさらに含んでもよく、高周波信号処理モジュールは、周波数分割モジュールに結合され、高周波帯域成分に基づいて高周波出力信号を生成するように構成されてもよく、低周波信号処理モジュールは、周波数分割モジュールに結合され、低周波帯域成分に基づいて低周波出力信号を生成するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、第1の圧電素子220は、低周波信号に応答して振動を発生させてもよく、即ち、出力アセンブリ232は、耳掛け231によって第1の圧電素子220の振動を受け取って振動を発生させることで低周波音声を出力し、音響ユニットは、高周波出力信号に基づいて高周波音声を出力することにより、音響出力装置が全周波数帯域において高い音質効果を有することを保証する。いくつかの実施例では、第1の圧電素子220は、高周波信号に応答して振動を発生させてもよく、即ち、出力アセンブリ232は、耳掛け231によって第1の圧電素子220の振動を受け取って振動を発生させることで高周波音声を出力し、音響ユニットは、低周波出力信号に基づいて低周波音声を出力することにより、音響出力装置が全周波数帯域において高い音質効果を有することを保証する。いくつかの実施例では、周波数分割モジュールがオーディオ信号を分割する周波数分割点は、200Hz~600Hzの範囲内にあってもよい。例えば、周波数分割点は300Hzであってもよく、この場合、300Hzよりも小さいオーディオ信号は低周波帯域成分であり、300Hzよりも大きいオーディオ信号は高周波帯域成分である。いくつかの実施例では、周波数分割モジュールがオーディオ信号を分割する周波数分割点は、1000Hz~3000Hzの範囲内にあってもよい。例えば、周波数分割点は1000Hzであってもよく、この場合、1000Hzよりも小さいオーディオ信号は低周波帯域成分であり、1000Hzよりも大きいオーディオ信号は高周波帯域成分である。なお、周波数分割点は、上記範囲に限定されず、応用シナリオに応じて適応的に調整されてもよく、例えば、周波数分割点の範囲は、100Hz~500Hz、600Hz~1000Hz、3000Hz~5000Hz等であってもよい。音響出力装置が低周波帯域及び高周波帯域においていずれも高い音響出力効果を有するために、出力アセンブリ232及び音響ユニットの周波数応答曲線における対応する共振ピークに基づいて選択することができ、いくつかの実施例では、出力アセンブリ232の周波数応答曲線において、周波数分割点に最も近接する2つの共振ピークを有し、周波数分割点に近接する2つの共振ピークに対応する共振周波数は、それぞれf
1と
【数5】
であり、両者の相対関係は以下のとおりである。
【数6】
【0061】
いくつかの実施例では、周波数分割点の試験方法は、以下のとおりである。まず、高周波信号は、第1の圧電素子220に作用して、出力アセンブリ232は、耳掛け231によって第1の圧電素子220の振動を受け取って振動を発生させることで高周波音声を出力し、出力アセンブリ232自体の振動の高周波応答曲線を取得する。次に、低周波信号は、出力アセンブリ232における音響ユニットに作用して、音響ユニットに対応する低周波応答曲線を取得し、周波数分割点の範囲は、低周波応答曲線が明らかに下がるが、高周波応答曲線が明らかに上がる周波数帯域の範囲内にある。いくつかの実施例では、周波数分割点に近接する2つの共振ピークに対応する共振周波数f
1と
【数7】
は、それぞれ異なる周波数応答曲線に対応する。例えば、高周波応答曲線は、共振周波数
【数8】
において共振ピークを有するが、低周波応答曲線は、共振周波数f
1において共振ピークを有する。
【0062】
なお、
図2に示す音響出力装置の構造は、例示的な説明に過ぎず、それを限定するものではない。いくつかの実施例では、
図2に示す固定構造210の一端のみは、第1の圧電素子220、耳掛け231及び出力アセンブリ232を順次接続し、固定構造210の他端は、第1の圧電素子220、耳掛け231及び出力アセンブリ232が設置されることなく、ユーザの頭領域(例えば、頭の後側領域)に直接的に固定されるか又はユーザの耳介に引っ掛けられるものであってもよい。
【0063】
音響出力装置の音響出力効果をさらに向上させるために、いくつかの実施例では、出力アセンブリ、耳掛け及び第1の圧電素子の間の相対位置を調整してもよく、出力アセンブリと耳掛けとの間の相対位置は、第1の角度パラメータにより特徴付けられ、耳掛けと第1の圧電素子との間の相対位置は、第2の角度パラメータにより特徴付けられる。第1の角度パラメータ及び第2の角度パラメータに関する具体的な説明については、
図4~
図8及びそれらの関連説明を参照することができる。
【0064】
図4は、本明細書のいくつかの実施例に係る音響出力装置の部分概略構成図である。ここで、出力アセンブリ432を直方体構造として例示的に説明し、
図4に示すように、出力アセンブリ432は、ユーザの顔領域に接触する接触面4321を含み、第1の圧電素子420は、耳掛け431の一端に接続され、耳掛け431の他端の端部は、出力アセンブリ432の側面に接続され、かつ第1の接続面Aを有し、第1の接続面Aは、耳掛け431の端部の端面(例えば、
図4に示すxw及びyw座標軸により形成された面)と見なされてもよい。第1の接続面Aにおける耳掛け431のa方向(第1接続面Aに垂直な方向)に沿った投影は、
図5に示すとおりであってもよく、
図5は、本明細書のいくつかの実施例に係る、耳掛けの出力アセンブリに接続された第1の接続面における音響出力装置の部分構造の投影図である。
図4及び
図5に示すように、耳掛け431の第1の接続面Aへの投影は、耳掛け投影曲線であり、第1の接続面Aの中心点41を通って耳掛け投影曲線と接して第1の直線42を形成し、出力アセンブリ432における接触面4321と第1の直線42との夾角θ
mは、第1の角度パラメータと見なされてもよい。なお、第1の接続面Aの中心点41は、耳掛け431の出力アセンブリ432に接続された端部の幾何学的中心点を指してもよい。耳掛け431の端部の寸法(例えば、長さ、幅又は半径)が非常に小さい場合、耳掛け431の端部は、第1の接続面Aの中心点と近似的に見なされてもよい。
【0065】
図6は、本明細書のいくつかの実施例に係る、異なる第1の角度パラメータでの出力アセンブリに対応する周波数応答曲線図である。
図6に示すように、第1の角度パラメータに対応する角度θ
mが-20°から20°に増加する場合、角度θ
mの増加に伴って、出力アセンブリに対応する周波数応答曲線における第1の共振ピーク61の後の特定の周波数帯域(例えば、8Hz~40Hzの範囲内)での曲線はますます平坦になり、θ
mが50°に増加する場合、出力アセンブリに対応する周波数応答曲線における第1の共振ピーク61の後の特定の周波数帯域での周波数応答曲線は明らかな共振ボトムを有するが、角度θ
mが-20°である場合の周波数応答曲線よりも平坦である。音響出力装置の周波数応答曲線を低周波帯域において平坦にして、音響出力装置の音質を向上させるために、いくつかの実施例では、夾角θ
mは、0°~50°の範囲内にあってもよい。好ましくは、夾角θ
mは、0°~40°の範囲内にあってもよい。さらに好ましくは、夾角θ
mは、10°~30°の範囲内にあってもよい。より一層好ましくは、夾角θ
mは、15°~25°の範囲内にあってもよい。
【0066】
図7Aは、本明細書のいくつかの実施例に係る、耳掛けの第1の圧電素子に接続された接続端面の概略図である。
図7Bは、本明細書のいくつかの実施例に係る、耳掛けの第1の圧電素子に接続された接続端面における音響出力装置の部分構造の投影図である。
図7Aに示すように、耳掛け731の一端は、出力アセンブリ732に接続され、第1の圧電素子720は、耳掛け731の他端に接続され、かつ第2の接続面Bを有し、第1の圧電素子720と耳掛け731との接続点72は、第2の接続面B(
図7Aにおけるxw及びyw座標軸により形成された面)に位置する。
図7Bに示すように、接続点71と接続点72とを結ぶ線は、第2の直線73として定義され、第2の直線73と第2の接続面Bとの間の夾角θ
dは、第2の角度パラメータと見なされてもよい。なお、第2の接続面Bは、耳掛け731の第1の圧電素子720に接続された端面と近似的に見なされてもよい。
【0067】
図8は、本明細書のいくつかの実施例に係る、異なる第2の角度パラメータでの出力アセンブリに対応する周波数応答曲線図である。
図8に示すように、夾角θ
dが-20°から0°に増加する場合、出力アセンブリに対応する周波数応答曲線における第1の共振ピーク81の後の特定の周波数帯域(例えば、8Hz~100Hzの範囲内)の曲線は、徐々に平坦になり、夾角θ
dが20°に増加し続ける場合、出力アセンブリに対応する周波数応答曲線における第1の共振ピーク81の後の特定の周波数帯域での曲線は、夾角θ
dが-20°である場合の曲線よりも平坦であるが、第2の角度パラメータが0°である場合の曲線よりも曲がる。音響出力装置の周波数応答曲線を低周波帯域において平坦にして、音響出力装置の音質を向上させるために、いくつかの実施例では、夾角θ
dは、-20°~20°の範囲内にあってもよい。好ましくは、夾角θ
dは、-10°~20°の範囲内にあってもよい。より好ましくは、夾角θ
dは、0°~10°の範囲内にあってもよい。より一層好ましくは、夾角θ
dは、0°~5°の範囲内にあってもよい。なお、上記θ
dの角度の正負の値は、第2の接続面が第2の直線73の異なる方向にあることを指し、例えば、
図7Bに示す第2の接続面Bと第2の直線73との夾角(+θ
d)が正の値であり、
図7Bに示す第2の接続面B′と第2の直線73との夾角(-θ
d)が負の値である。いくつかの実施例では、第1の圧電素子720又は耳掛け731の構造又は位置を調整することにより、第2の角度パラメータθ
dを調整してもよい。
【0068】
いくつかの実施例では、音響出力装置は、固定構造に接続され、固定構造の変形に伴って電圧を発生させるように構成されてもよい第2の圧電素子を含んでもよい。第2の圧電素子は、電圧とその変形量とが正の相関を有するデバイスであってもよい。例えば、第2の圧電素子の変形量が大きいほど、発生する電圧が大きくなる。即ち、いくつかの実施例では、第2の圧電素子は、固定構造の表面に貼り付けられ、固定構造の延在方向に沿って設置されてもよい。例えば、固定構造が、弾性ワイヤと、弾性ワイヤを被覆する弾性被覆体とを含んでもよい場合、第2の圧電素子は、弾性ワイヤに貼り付けられ、弾性被覆体により被覆されてもよい。また例えば、第2の圧電素子は、弾性被覆体の表面に貼り付けられてもよい。いくつかの実施例では、固定構造の形状を調整することで、固定構造とユーザの身体との間のクランプ力の調整を実現するように、第2の圧電素子は、固定構造の駆動で変形した後に電圧を発生させてもよく、駆動電圧を受け取った後に変形してもよい。いくつかの実施例では、第2の圧電素子は、変形に基づいて電圧を発生させる圧電材料で製造されてもよく、例示的な圧電材料は、圧電セラミックス、圧電結晶、圧電ポリマー(例えば、ポリフッ化ビニリデン)等又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、第2の圧電素子は、シート状、ブロック状、柱状、環状構造等又はそれらの任意の組み合わせ等の任意の形状であってもよい。いくつかの実施例では、音響出力装置は、固定構造の複数の箇所の形状の調整を実現するように、複数の第2の圧電素子を含んでもよい。
【0069】
いくつかの実施例では、第2の圧電素子の機能は、1つの圧電素子により実現されてもよい。例えば、単一の第2の圧電素子は、固定構造の変形に伴って電圧を発生させてもよく、駆動電圧に基づいて変形して固定構造の形状を調整してもよい。いくつかの実施例では、第2の圧電素子が単一の圧電素子である場合、第2の圧電素子の固定構造の変形に対する感知の程度を向上させるために、第2の圧電素子は、固定構造の出力アセンブリから最も離れた位置に位置してもよい。例えば、固定構造が
図2に示す後掛け式構造である場合、第2の圧電素子は、固定構造のユーザの頭の後側に近接する位置に位置してもよい。いくつかの実施例では、単一の第2の圧電素子は、固定構造の変形に伴って電圧を発生させてもよく、音響出力装置のプロセッサは、該電圧を受け取り、電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して第2の圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、固定構造の形状を調整し、それにより、第2の圧電素子により形状が調整された固定構造は、出力アセンブリをユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供する。音響出力装置を装着するユーザの快適性を保証するために、いくつかの実施例では、クランプ力は、0.1N~0.8Nの範囲内にある。いくつかの実施例では、クランプ力は、0.2N~0.6Nの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例では、クランプ力は、0.3N~0.5Nの範囲内にあってもよい。
【0070】
いくつかの実施例では、第2の圧電素子の機能は、複数の圧電素子により実現されてもよい。いくつかの実施例では、第2の圧電素子は、固定構造の変形に伴って電圧を発生させてもよい第1の副圧電素子と、第2の副圧電素子とを含んでもよく、音響出力装置のプロセッサは、該電圧を受け取り、上記電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して第2の副圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、固定構造の形状を調整し、それにより、形状が調整された固定構造は、出力アセンブリをユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供する。いくつかの実施例では、第1の副圧電素子の固定構造に対する感知の程度を向上させるために、第1の副圧電素子は、固定構造の出力アセンブリから最も離れた位置に位置してもよい。例えば、第1の副圧電素子は、固定構造のユーザの頭の後側に近接する位置に位置してもよい。いくつかの実施例では、固定構造の形状を大きく調整するために、第2の副圧電素子は、固定構造における第1の副圧電素子と耳掛けとの間の位置に位置する。いくつかの実施例では、固定構造の複数の箇所の形状を調整するために、第2の圧電素子は、1つの第2の副圧電素子及び複数の第2の副圧電素子を含んでもよく、第1の副圧電素子は、固定構造の出力アセンブリから最も離れた位置に位置する。複数の第2の副圧電素子は、第1の副圧電素子に対して対称に設置されてもよい。
【0071】
プロセッサは、第2の圧電素子とインタラクティブすることができる。いくつかの実施例では、ユーザが音響出力装置を装着すると、第2の圧電素子は、固定構造の変形に伴って変形して電圧を発生させ、プロセッサは、第2の圧電素子において発生した電圧を受け取り、受け取った電圧が所定の電圧範囲内にあるか否かを判断する。電圧が所定の電圧範囲内にある場合、第2の圧電素子の変形量が所定の変形範囲内にあることを示し、即ち、固定構造とユーザの身体との間のクランプ力が適切であることを示し、ユーザ又はユーザが位置する応用シナリオにとって、この時のクランプ力が緩すぎたり、きつすぎたりしない。電圧が所定の電圧範囲内にない場合、この時のクランプ力がユーザにとって緩すぎたりきつすぎたりすることを示し、プロセッサは、制御信号を出力して第2の圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、固定構造の形状を調整し、それにより、形状が調整された固定構造は、出力アセンブリをユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供することにより、音響出力装置を装着するユーザの快適性を向上させる。第2の圧電素子及びプロセッサによる固定構造の形状の調整に関する具体的な内容については、
図9~
図19及びそれらの関連説明を参照することができる。
【0072】
図9は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なウェアラブル機器のブロック図である。
図9に示すように、ウェアラブル機器900は、固定構造910、圧電素子920及びプロセッサ930を含んでもよい。
【0073】
ウェアラブル機器900は、ユーザが装着可能な機器を指す。いくつかの実施例では、ウェアラブル機器900は、ユーザの頭、手等の身体部位に装着されてもよい。いくつかの実施例では、ウェアラブル機器900は、メガネ、スマートブレスレット、イヤホン、補聴器、スマートヘルメット、スマートウォッチ、スマート衣類、スマートバックパック、スマートアクセサリ等又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、ウェアラブル機器900は、機能型の近視用メガネ、老眼鏡、サイクリング用グラス又はサングラス等であってもよく、イヤホン機能を有するオーディオメガネ等のインテリジェントメガネであってもよい。いくつかの実施例では、ウェアラブル機器900は、ヘルメット、拡張現実(Augmented Reality、AR)機器又は仮想現実(Virtual Reality、VR)機器等のヘッドマウント機器であってもよい。いくつかの実施例では、拡張現実機器又は仮想現実機器は、仮想現実ヘルメット、仮想現実メガネ、拡張現実ヘルメット、拡張現実メガネ等又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、仮想現実機器及び/又は拡張現実機器は、Google Glass(登録商標)、Oculus Rift、Hololens(登録商標)、Gear VR(登録商標)等を含んでもよい。
【0074】
固定構造910は、ユーザの身体に固定される構造であってもよい。いくつかの実施例では、固定構造910は、ユーザの身体部位に固定されてもよく、例示的な身体部位は、頭、手、脚、腰、背中等を含む。いくつかの実施例では、ウェアラブル機器900がユーザに装着される場合、固定構造910は、ユーザの身体部位に接触して変形する。固定構造910の構造は、ウェアラブル機器900のタイプに関連し、種類の異なるウェアラブル機器900は、異なる固定構造910を有する。例えば、ウェアラブル機器900が後掛け式イヤホンである場合、固定構造910は、ユーザの頭の後側に適合するように、湾曲形状に形成された後掛け式構造であってもよい。例えば、ウェアラブル機器900がヘッドホンである場合、固定構造910は、ユーザの頭頂に適合するように、湾曲形状に形成されたヘッドマウント構造であってもよい。また例えば、ウェアラブル機器900が骨伝導イヤホン又は補聴器である場合、固定構造910は、耳掛け構造であってもよく、ユーザの耳介の上方に引っ掛けられる耳掛け構造は、人間の耳に適合する湾曲部を有する。さらに例えば、ウェアラブル機器900が拡張現実メガネ又は仮想現実メガネである場合、固定構造910は、メガネフレーム構造であってもよく、メガネフレーム構造は、パッド及び両側のテンプルを有し、ユーザの顔及び耳に装着されてもよい。さらに例えば、ウェアラブル機器900がスマートブレスレットである場合、固定構造910は、帯状構造であってもよく、ユーザの腕に装着される。後掛け式イヤホンを例として、固定構造910は、後掛け式構造であってもよく、ユーザの頭を取り囲むことにより固定を実現し、後掛け式イヤホンをユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供できる。固定構造に関するより多くの説明については、
図16~
図19及びそれらの関連説明等の本明細書の他の箇所を参照することができる。
【0075】
圧電素子920は、電圧とその変形量とが一定の関係を有するデバイスであってもよい。具体的には、固定構造910の形状を調整することで、固定構造910とユーザの身体との間のクランプ力の調整を実現するように、圧電素子920の正/逆圧電効果を利用して、圧電素子920は、固定構造の駆動で変形した後に電圧を発生させてもよく、駆動電圧を受け取った後に変形してもよい。いくつかの実施例では、圧電素子920は、固定構造910の延在方向に沿って設置されてもよい。いくつかの実施例では、圧電素子920は、変形に基づいて電圧を発生させる圧電材料で製造されてもよく、例示的な圧電材料は、圧電セラミックス、圧電結晶、圧電ポリマー(例えば、ポリフッ化ビニリデン)等又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、圧電素子920は、シート状、ブロック状、柱状、環状構造等又はそれらの任意の組み合わせ等の任意の形状であってもよい。いくつかの実施例では、圧電素子920は、シート状構造であってもよい。いくつかの実施例では、ウェアラブル機器900は、固定構造とユーザの身体との間の複数の箇所のクランプ力の調整を実現するように、複数の圧電素子920を含んでもよい。
【0076】
いくつかの実施例では、圧電素子920は、変形に基づいて電圧を発生させる圧電層を含んでもよい。圧電層の逆圧電効果により、変形圧力が圧電層に作用する場合、圧電層は、それに応じて電圧を発生させる。具体的には、圧電層は、圧電材料で製造されてもよい。いくつかの実施例では、圧電素子920は、圧電層及びベース層を含んでもよく、圧電層及びベース層は、圧電素子920の長手方向に沿って延在し、圧電素子920の厚さ方向に重ねて設置される。ベース層の材料は、金属及び合金、ガラス繊維、炭素繊維等又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例では、圧電素子920は、2層の圧電層及びベース層を含んでもよく、2層の圧電層は、それぞれ貼り付け等の物理的な方式により、ベース層の上面と下面に固定される。圧電素子に関するより多くの説明については、
図16~
図19及びそれらの関連説明等の本明細書の他の箇所を参照することができる。
【0077】
圧電素子920の機能は、1つの圧電素子により実現されてもよい。圧電素子920は、固定構造910の駆動で変形して電圧を発生させ、発生した電圧が所定の電圧範囲内にあるようにプロセッサ930の制御信号に応答して、固定構造910の形状を調整することで、固定構造910とユーザの身体との間のクランプ力の調整を実現することができる。いくつかの実施例では、ウェアラブル機器は、固定構造の複数の箇所の形状の調整を実現するように、複数の圧電素子を含んでもよい。
【0078】
圧電素子920の機能は、複数の圧電素子により実現されてもよい。いくつかの実施例では、圧電素子920は、固定構造910の駆動で変形して電圧を発生させてもよい第1の副圧電素子と、第2の副圧電素子とを含んでもよく、プロセッサ930は、該電圧を受け取り、電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して制御信号を出力して、第2の副圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、固定構造910の形状を調整することで、固定構造910とユーザの身体との間のクランプ力の調整を実現し、該クランプ力を適切な範囲(例えば、0.1N~0.8N)に調整することができる。いくつかの実施例では、音響出力装置は、固定構造の複数の箇所の形状の調整を実現するように、複数の第2の副圧電素子を含んでもよい。
【0079】
プロセッサ930は、圧電素子920とインタラクティブすることができる。例えば、プロセッサ930は、圧電素子920から取得されたデータ及び/又は情報を処理してもよく、又は例えば、プロセッサ930は、圧電素子920にデータ及び/又は情報を送信してもよい。いくつかの実施例では、プロセッサ930は、圧電素子920において発生した電圧を受け取ってもよく、プロセッサ930は、上記電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して圧電素子920に作用する駆動電圧を発生させて、固定構造の形状を調整し、それにより、形状が調整された固定構造は、出力アセンブリをユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供することにより、音響出力装置を装着するユーザの快適性を向上させる。いくつかの実施例では、プロセッサ930は、ローカル又はリモートプロセッサであってもよい。いくつかの実施例では、プロセッサ930は、クラウドプラットフォームで実現されてもよい。例えば、クラウドプラットフォームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散クラウド、インタークラウド、マルチクラウド等又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、プロセッサ930は、1つ以上のプロセッサ(例えば、シングルチッププロセッサ又はマルチチッププロセッサ)を含んでもよい。いくつかの実施例では、プロセッサ930は、独立した機器であってもよい。いくつかの実施例では、プロセッサ930は、端末機器(例えば、仮想現実メガネ)又はユーザ機器(例えば、携帯電話、タブレット、ノートパソコン等)の一部であってもよい。例えば、プロセッサ930は、端末機器又はユーザ機器に統合されてもよい。
【0080】
圧電素子の機能は、単一の圧電素子により実現されてもよい。単一の圧電素子により固定構造の変形を制御する過程は、
図10に示すとおりであり、
図10は、本明細書のいくつかの実施例に係る、単一の圧電素子により固定構造の変形を制御するフローチャートである。
図10に示すように、フロー1000は、ステップ1010及びステップ1020を含む。
【0081】
ステップ1010において、圧電素子は、固定構造の変形に伴って電圧を発生させる。
【0082】
いくつかの実施例では、ユーザがウェアラブル機器を装着すると、固定構造は、ユーザの身体に適応するために変形し、固定構造に固定された圧電素子が駆動されて変形する。圧電素子の圧電層は、圧電効果を有し、力が圧電素子に作用してそれを変形させる場合、圧電素子は、それに応じて電圧を発生させる。いくつかの実施例では、変形後の圧電素子において発生する電圧は、その変形量と対応関係を有する。例えば、圧電素子の変形量が大きいほど、発生する電圧が大きくなる。いくつかの実施例では、圧電素子は、プロセッサによるクランプ力の判断を容易にするために、固定構造の変形に基づいて0~100mVの範囲内の電圧信号を生成してもよい。圧電素子及び固定構造に関する説明については、
図9及び
図16等の関連説明等の本明細書の他の箇所を参照することができる。
【0083】
ステップ1020において、プロセッサは、圧電素子の電圧を受け取り、電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、固定構造の形状を調整する。プロセッサに関する説明については、
図9等の関連説明等の本明細書の他の箇所を参照することができる。
【0084】
いくつかの実施例では、プロセッサが、電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答する前に、電圧が所定の電圧範囲内にあるか否かを判断するステップをさらに含んでもよい。所定の電圧範囲は、固定構造が変形して適切なクランプ力(例えば、0.1N~0.8N)を提供する場合の圧電素子の出力電圧の範囲であってもよい。いくつかの実施例では、所定の電圧範囲は、ユーザが自身の装着感に基づいて入力したものであってもよく、プロセッサ内の記憶ユニットに予め記憶されたデータであってもよい。所定の電圧範囲は、ウェアラブル機器のタイプ、装着位置及びユーザグループに応じて適応的に調整されてもよい。
【0085】
具体的には、電圧が所定の電圧範囲内にある場合、固定構造とユーザの身体との間のクランプ力が適切であることを示し、ユーザ又はユーザが位置する応用シナリオにとって、この時のクランプ力が緩すぎたり、きつすぎたりしない。電圧が所定の電圧範囲内にある場合、プロセッサは、制御信号を出力しない。
【0086】
電圧が所定の電圧範囲内にない場合、プロセッサは、制御信号を出力して圧電素子に作用する駆動電圧を発生させ、駆動電圧は、圧電素子を変形させるように駆動する電圧であり、プロセッサ制御回路又は電子素子により発生されてもよく、圧電素子に作用することができ、圧電素子は、自体の逆圧電効果により、駆動電圧を受け取った後、自体の変形を調整し、続いて固定構造を駆動して変形を調整して、固定構造の形状を調整することができる。
【0087】
いくつかの実施例では、圧電素子は、駆動電圧を受け取った後に変形を調整し、圧電素子に接続された固定構造はそれに伴って変形を調整し、固定構造の形状の調整を実現する。いくつかの実施例では、固定構造の形状の調整により、出力アセンブリをユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供することができる。ウェアラブル機器を装着するユーザの快適性を保証するために、いくつかの実施例では、クランプ力は、0.1N~0.8Nの範囲内にある。いくつかの実施例では、クランプ力は、0.2N~0.6Nの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例では、クランプ力は、0.3N~0.5Nの範囲内にあってもよい。
【0088】
具体的には、電圧が所定の電圧範囲内にない場合、この時の固定構造のユーザに対するクランプ力が緩すぎたりきつすぎたりすることを示し、プロセッサは、圧電素子に制御信号を出力し、制御信号は、圧電素子に作用し、圧電素子は、駆動電圧に応答してその変形(例えば、変形量の大きさ又は変形方向)を変える。いくつかの実施例では、圧電素子は、駆動電圧に応答してその変形量を増減させる。いくつかの実施例では、圧電素子は、駆動電圧に応答してユーザの身体に近接する方向又は身体から離れた方向に沿って変形し、圧電素子がユーザの身体に近接する方向に沿って変形する場合、圧電素子は付加的なクランプ力を提供し、固定構造とユーザの身体との間のクランプ力が大きくなり、圧電素子がユーザの身体から離れた方向に沿って変形する場合、固定構造とユーザの身体との間のクランプ力が小さくなる。
【0089】
なお、上記フロー1000に関する説明は、例示的かつ説明的なものに過ぎず、本願の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本願の指導下で、フロー1000に対して様々な修正及び変更を行うことができる。しかしながら、これらの修正及び変更は、依然として本願の範囲内にある。例えば、ステップ1020を複数のステップに分ける。
【0090】
いくつかの実施例では、圧電素子の機能は、複数の圧電素子により実現されてもよい。複数の圧電素子により固定構造の変形を制御する過程は、
図11に示すとおりであり、
図11は、本明細書のいくつかの実施例に係る、複数の圧電素子により固定構造の変形を制御するフローチャートである。
図11に示すように、フロー1100は、ステップ1110及びステップ1120を含む。
【0091】
ステップ1110において、第1の副圧電素子は、固定構造の変形に伴って電圧を発生させる。ステップ1110に記載の第1の副圧電素子は、ステップ1010に記載の圧電素子と同様の機能を実現することができ、ステップ1110に関する具体的な説明については、
図10におけるステップ1010に関する内容を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0092】
ステップ1120において、プロセッサは、第1の副圧電素子の電圧を受け取り、電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して第2の副圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、固定構造の形状を調整する。
【0093】
いくつかの実施例では、プロセッサが、電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答する前に、電圧が所定の電圧範囲内にあるか否かを判断するステップをさらに含んでもよい。電圧が所定の電圧範囲内にある場合、プロセッサは、制御信号を出力しない。
【0094】
電圧が所定の電圧範囲内にない場合、プロセッサは、制御信号を出力して第2の副圧電素子に作用する駆動電圧を発生させ、自体の逆圧電効果により、第2の副圧電素子は、駆動電圧を受け取った後に変形を調整し、第2の副圧電素子に接続された固定構造はそれに伴って変形を調整し、固定構造の形状の調整を実現する。いくつかの実施例では、固定構造の形状の調整により、出力アセンブリをユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供することができる。具体的には、第1の副圧電素子は、その発生した電圧に基づいて固定構造の変形を検出することができ、第2の副圧電素子は、駆動電圧に応答して固定構造の形状を調整することができ、上記駆動電圧は、プロセッサから送信された制御信号に基づいて発生される。
【0095】
なお、上記フロー1100に関する説明は、例示的かつ説明的なものに過ぎず、本願の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本願の指導下で、フロー1100に対して様々な修正及び変更を行うことができる。しかしながら、これらの修正及び変更は、依然として本願の範囲内にある。例えば、ステップ1120を複数のステップに分ける。
【0096】
いくつかの実施例では、圧電素子の固定構造の変形に対する感度を向上させるために、圧電素子は、固定構造の最も大きな変形応力を有する位置に位置してもよい。
図12は、本願のいくつかの実施例に係る、圧電素子が固定構造の異なる位置で出力した電圧の曲線図である。
図12において、ptは、圧電素子と固定構造の最も大きな変形応力を有する位置との間の距離を表す。ここでの固定構造は、
図2又は
図16に示す後掛け式構造であり、固定構造が後掛け式構造である場合、最も大きな変形応力を有する位置は、後掛け式構造の中点である。
図12に示すように、曲線121、122、123、124は、それぞれ圧電素子と固定構造の最も大きな変形応力を有する位置との間の距離が0mm、5mm、10mm、15mmである場合に圧電素子が出力した電圧の曲線を特徴付ける。
図12から分かるように、圧電素子が固定構造の最も大きな変形応力を有する位置に近いほど、圧電素子又は第1の副圧電素子が出力する電圧が大きくなる。いくつかの実施例では、圧電素子又は第1の副圧電素子が出力する電圧を大きくして、プロセッサに要求される入力要件を満たすために、圧電素子は、固定構造の最も大きな変形応力を有する位置に設置されてもよい。例えば、固定構造が後掛け式構造である場合、圧電素子は、後掛け式構造の中心位置又は後掛け式構造の中心位置に近接する箇所に位置してもよい。また例えば、固定構造がヘッドホンである場合、圧電素子は、ヘッドマウント構造の中心位置又はヘッドマウント構造の中心位置に近接する箇所に位置してもよい。さらに例えば、固定構造がテンプルである場合、圧電素子は、テンプルのユーザの耳に近接する位置に位置してもよい。
【0097】
図13は、本願のいくつかの実施例に係る、圧電素子が固定構造の異なる位置に位置する場合のクランプ力の曲線図である。
図13において、pdは、圧電素子と固定構造の端部(例えば、後掛け式構造の端部)との間の距離を表す。
図13に示すように、曲線131、133、135、137は、それぞれ圧電素子と固定構造の端部との間の距離が15mm、10mm、5mm、0mmである場合、順方向駆動電圧(プロセッサから送信された制御信号に基づいて、圧電素子が順方向駆動電圧に応答し、順方向駆動電圧により、固定構造のユーザに対するクランプ力が大きくなる)に応じて、一定時間帯において圧電素子又は第2の副圧電素子が調整したクランプ力の曲線を特徴付け、曲線132、134、136、138は、それぞれ圧電素子と固定構造の端部との間の距離が15mm、10mm、5mm、0mmである場合、順方向駆動電圧に等しい逆方向駆動電圧(プロセッサから送信された制御信号に基づいて、圧電素子又は第2の副圧電素子が逆方向駆動電圧に応答し、逆方向駆動電圧により、固定構造のユーザに対するクランプ力が小さくなる)に応じて、一定時間帯において圧電素子が調整したクランプ力の曲線を特徴付ける。
図13から分かるように、圧電素子が固定構造の端部から離れるほど、即ち、圧電素子が固定構造の最も大きな変形応力を有する位置に近いほど、固定構造のクランプ力に対する調整範囲が大きくなる。加えて、圧電素子が固定構造の端部から離れるほど、等しく反対の駆動電圧に応じて、固定構造のクランプ力に対する調整範囲が大きくなる。いくつかの実施例では、圧電素子が固定構造のクランプ力を大きく調整できるために、圧電素子は、固定構造の大きな変形応力を有する位置に設置されてもよく、例えば、圧電素子は、固定構造の両端からの距離が同じである中間領域に位置してもよい。いくつかの実施例では、圧電素子が電圧を発生させる第1の副圧電素子と、固定構造の形状を調整する第2の副圧電素子とを含む場合、第2の副圧電素子が固定構造の第1の副圧電素子から離れた側に位置するか又は第2の副圧電素子が第1の副圧電素子に近接することにより、第2の副圧電素子が固定構造の形状を調整する能力を向上させることができる。
【0098】
いくつかの実施例では、圧電素子の固定構造の変形に対する感度と固定構造の形状を調整する能力を向上させるために、圧電素子は、圧電ユニモルフ素子であってもよい。
図14は、本願のいくつかの実施例に係る、圧電素子が出力した電圧の曲線図である。
図14に示すように、曲線141は、単一の圧電素子が励振力で出力した電圧の曲線を特徴付け、曲線142と143は、それぞれ固定構造に接続された圧電ユニモルフ素子と圧電バイモルフ素子における第1の副圧電素子が同じ上記励振力で出力した電圧の曲線を特徴付け、ここで、圧電ユニモルフ素子及び第1の副圧電素子と固定構造(後掛け式構造)の端部との間の距離はいずれも5mmである。曲線144と145は、それぞれ固定構造に接続された圧電ユニモルフ素子と圧電バイモルフ素子における第1の副圧電素子が同じ上記励振力で出力した電圧の曲線を特徴付け、ここで、圧電ユニモルフ素子及び第1の副圧電素子と固定構造の端部との間の距離はいずれも0mmである。
図14から分かるように、圧電素子及び第1の副圧電素子が固定構造の端部に近いほど、圧電素子又は第1の副圧電素子が出力した電圧が小さくなる。加えて、圧電ユニモルフ素子は、圧電バイモルフ素子における第1の副圧電素子に比べて、より大きな電圧を出力する。いくつかの実施例では、圧電素子がより大きな電圧を出力して、プロセッサに要求される入力要件を満たすため、圧電素子は、圧電ユニモルフ素子であってもよい。
【0099】
図15は、圧電バイモルフ素子における第2の副圧電素子及び圧電ユニモルフ素子が調整したクランプ力の曲線図である。
図15に示すように、曲線151は、単一の圧電素子が駆動電圧で調整したクランプ力の曲線を特徴付け、曲線152と153は、それぞれ固定構造に接続された圧電ユニモルフ素子と圧電バイモルフ素子における第2の副圧電素子が同じ上記駆動電圧で調整したクランプ力の曲線を特徴付け、ここで、圧電ユニモルフ素子及び第2の副圧電素子と固定構造の端部(後掛け式構造の端部)との距離はいずれも5mmであり、曲線154と155は、それぞれ固定構造に接続された圧電ユニモルフ素子と圧電バイモルフ素子における第2の副圧電素子が同じ上記駆動電圧で調整したクランプ力の曲線を特徴付け、ここで、圧電ユニモルフ素子及び第2の副圧電素子と固定構造の端部との間の距離はいずれも0mmである。
図15から分かるように、圧電ユニモルフ素子及び第2の副圧電素子が固定構造の端部に近いほど、圧電ユニモルフ素子又は第2の副圧電素子が調整したクランプ力が小さくなる。加えて、圧電ユニモルフ素子は、圧電バイモルフ素子における第2の副圧電素子に比べて、より大きなクランプ力を調整する。いくつかの実施例では、圧電素子が固定構造のクランプ力を大きく調整できるように、圧電素子は、圧電ユニモルフ素子であってもよい。
【0100】
図16は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な後掛け式イヤホンの概略構成図である。
図16に示すように、ウェアラブル機器は、後掛け式イヤホンであってもよい。いくつかの実施例では、ウェアラブル機器は、固定構造1610、機能素子1620及び圧電素子1630を含んでもよく、固定構造1610は、ユーザの頭の後側に適合するように湾曲形状に形成される。いくつかの実施例では、固定構造1610は、弾性ワイヤと、弾性ワイヤを被覆する弾性被覆体とを含んでもよい。固定構造1610の両端には、それぞれ機能素子1620が接続され、圧電素子1630は、固定構造1610に位置する。本明細書に記載の接続は、ボルト接続、リベット接合、締り嵌め、係止、接着、射出成形、溶接、磁気吸着等又はそれらの任意の組み合わせの接続方式を含んでもよい。
【0101】
いくつかの実施例では、機能素子1620は、骨伝導スピーカー又は空気伝導スピーカーであってもよい。いくつかの実施例では、ユーザがウェアラブル機器を装着する場合、固定構造1610は、ユーザの頭の後側に引っ掛けられるように設置され、固定構造1610により、機能素子1620は、ユーザの両耳に近接するように設置され、例えば、機能素子1620は、ユーザの耳介の前側の顔領域に位置する。いくつかの実施例では、機能素子1620は、ユーザの耳の付近におけるユーザの耳道を塞がない位置に固定される。例えば、機能素子1620が骨伝導スピーカー又は補聴器である場合、骨伝導スピーカー又は補聴器において発生した骨伝導音波は、ユーザの骨、血液、筋肉等によってユーザの聴覚神経に伝達されてもよい。いくつかの実施例では、異なるユーザの頭の後側の形状又は異なる応用シナリオでのユーザの装着の締め付け感に対する異なる要件に適応するために、固定構造1610は、弾性を有してもよく、異なるユーザがウェアラブル機器を装着する場合、固定構造1610は、それに応じて変形量が異なってもよい。いくつかの実施例では、固定構造1610の機能素子1620に近接する箇所には、いずれも湾曲部1611(耳掛けとも呼ばれる)が設置されてもよく、上記湾曲部1611は、人間の耳に適合する形状に形成され、ユーザが音響出力装置を装着する場合、湾曲部1611は、耳に引っ掛けられてもよい。
【0102】
いくつかの実施例では、圧電素子1630の固定構造1610の変形量に対する感度を向上させるために、圧電素子1630は、固定構造1610の延在方向に沿った中間領域に位置してもよく、即ち、圧電素子1630は、固定構造1610の機能素子1620から最も離れた位置に位置する。ユーザが
図16に示すウェアラブル機器を装着する場合、圧電素子1630は、固定構造1610のユーザの頭の後側に近接する位置に位置してもよく、固定構造1610は、該位置における変形量が大きい。いくつかの実施例では、圧電素子1630は、複数の圧電素子を含んでもよく、複数の圧電素子のうちの1つは、固定構造1610の変形に伴って電圧を発生させてもよく、残りの圧電素子は、駆動電圧に基づいて変形して、固定構造1610の形状を調整してもよい。例えば、圧電素子1630は、第1の圧電素子及び第2の圧電素子を含んでもよく、第1の圧電素子は、固定構造1610の変形量を感知し制御するように、固定構造1610の中心点に近接する位置に位置してもよく、第2の圧電素子は、固定構造1610の第1の圧電素子から一定の距離(例えば、2cm)離れた位置に位置してもよい。また例えば、圧電素子1630は、第1の圧電素子、第2の圧電素子及び第3の圧電素子を含んでもよく、第1の圧電素子は、固定構造1610の中心点に近接する位置に位置してもよく、第2の圧電素子及び第3の圧電素子は、固定構造1610の形状を制御するように、固定構造1610の中心線に関して対称に設置されてもよい。いくつかの実施例では、固定構造1610の湾曲部1611にも1つ以上の圧電素子が設置されてもよい。例えば、固定構造1610には、固定構造の変形に伴って電圧を発生させる圧電素子が設置され、湾曲部1611に設置された圧電素子は、機能素子1620のユーザの顔領域に対するクランプ力を調整してもよい。
【0103】
いくつかの実施例では、固定構造1610の内部にプロセッサが設置されてもよく、ユーザがウェアラブル機器を装着すると、圧電素子1630は、固定構造1610の駆動で変形し、プロセッサにその変形量と対応関係を有する電圧値を送信し、プロセッサは、受信した電圧が所定の電圧範囲内にあるか否かを判断する。電圧が所定の電圧範囲内にある場合、固定構造1610とユーザの頭との間のクランプ力が適切であることを示し、ユーザ又はユーザが位置する応用シナリオにとって、この時のクランプ力が緩すぎたり、きつすぎたりしない。電圧が所定の電圧範囲内にない場合、この時のクランプ力がユーザにとって緩すぎたりきつすぎたりすることを示し、プロセッサは、圧電素子1630に制御信号を出力して圧電素子1630に作用する駆動電圧を発生させて、固定構造1610の形状を調整することにより、固定構造1610は、ユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供する。いくつかの実施例では、圧電素子1630は、駆動電圧に応答してその変形(例えば、変形量の大きさ又は変形方向)を調整する。いくつかの実施例では、圧電素子1630は、駆動電圧に応答してその変形量を増加させる。いくつかの実施例では、圧電素子1630は、駆動電圧に応答してユーザの身体に近接する方向又は身体から離れた方向に沿って変形し、圧電素子1630がユーザの身体に近接する方向に沿って変形する場合、圧電素子1630は付加的なクランプ力を提供し、固定構造1610とユーザの身体との間のクランプ力が大きくなり、圧電素子1630がユーザの身体から離れた方向に沿って変形する場合、固定構造1610とユーザの身体との間のクランプ力が小さくなる。
【0104】
なお、
図16に示す機能素子1620及び湾曲部1611は、
図1における振動伝達部材130(例えば、出力アセンブリ132及び耳掛け131)であってもよく、機能素子1620が振動伝達部材130であるという内容については、
図2及びその関連説明を参照することができる。加えて、
図16に示す機能素子1620もスピーカーに限定されず、補聴器であってもよい。
【0105】
図17は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なヘッドホンの概略構成図である。
図17に示すように、ウェアラブル機器は、ヘッドホンであってもよい。
図17に示すように、ウェアラブル機器は、固定構造1710、機能素子1720及び圧電素子1730を含んでもよく、固定構造1710は、ユーザの頭頂領域に適応して設置されたヘッドマウント構造であってもよく、固定構造1710の両端にそれぞれ機能素子1720が接続され、固定構造1710に圧電素子1730が設置される。いくつかの実施例では、機能素子1720は、空気伝導スピーカーであってもよい。いくつかの実施例では、ユーザがウェアラブル機器を装着する場合、固定構造1710は、ユーザの頭頂に引っ掛けられるように設置され、機能素子1720は、固定構造1710の作用でユーザの耳を覆うように設置される。
【0106】
いくつかの実施例では、圧電素子1730の数は、1つ以上であってもよい。例えば、圧電素子1730の数が1つである場合、圧電素子1730は、固定構造1710の中間領域に位置してもよく、即ち、圧電素子1730は、固定構造1710の機能素子1720から最も離れた位置に位置する。ユーザが該ウェアラブル機器を装着する場合、固定構造1710の中心点におけるユーザの頭頂に近接する位置について、該位置での変形量が大きい。いくつかの実施例では、圧電素子1730の数は、2つ、3つ、さらに複数であってもよく、その具体的な設定方式については、
図16及びその関連説明を参照することができる。
【0107】
図18は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なメガネの概略構成図である。
図18に示すように、ウェアラブル機器は、メガネであってもよい。ウェアラブル機器は、固定構造1810、機能素子1820及び圧電素子1830を含んでもよい。固定構造1810は、1組のテンプルであり、機能素子1820は、レンズであってもよく、レンズは、固定構造1810の端部に接続され、圧電素子1830は、固定構造1810に位置する。ユーザがウェアラブル機器を装着する場合、固定構造1810は、ユーザの耳に引っ掛けられるように設置される。
【0108】
固定構造1810がテンプル構造である場合、テンプルの一端は、レンズに接続され、ユーザがメガネを装着する場合、該端部の付近の位置に発生する変形量が大きく、また、テンプル構造の該端部から離れた位置に発生する変形量が大きく、いくつかの実施例では、圧電素子1830は、固定構造1810の変形に対する感度を保証するために、固定構造1810のレンズに近接する位置に位置してもよく、固定構造1810のレンズから離れた位置に位置してもよい。いくつかの実施例では、圧電素子1830は、テンプルの長手方向に沿った中間位置に位置してもよい。いくつかの実施例では、機能素子1820は、リム構造を含んでもよく、レンズは、リム構造に接続され、リム構造は、接続ロッド(図示せず)によってテンプルに接続されてもよく、ユーザがメガネを装着する場合、該接続ロッドが受けた応力は大きく、いくつかの実施例では、圧電素子1830は、該接続ロッドに位置してもよい。いくつかの実施例では、ウェアラブル機器の固定構造1810には、1つ以上の圧電素子1830が設置されてもよい。例えば、圧電素子の数が1つである場合、圧電素子は、1つのテンプルに位置してもよい。また例えば、圧電素子の数が2つである場合、圧電素子は、それぞれ2つのテンプルに位置してもよく、同じテンプルに位置してもよい。いくつかの実施例では、圧電素子1830が固定構造1810の変形を大きく感じることができるように、圧電素子1830は、固定構造1810の延在方向に沿って配置されてもよい。ウェアラブル機器のプロセッサは、複数の圧電素子1830と同時にインタラクティブして、ユーザの頭と固定構造との間のクランプ力の調整を実現することができ、クランプ力を監視し調整する具体的な方式については、
図16における、プロセッサが圧電素子により固定構造の変形を監視し制御する内容を参照することができる。
【0109】
いくつかの実施例では、ウェアラブル機器は、オーディオ機能を有するメガネであってもよく、固定構造1810には、スピーカー又は補聴器等が設置されてもよい。具体的には、ユーザがウェアラブル機器を装着する場合、機能素子1820は、ユーザの顔に位置し、固定構造1810は、機能素子1820の一側から耳へ付着し、ユーザの耳に支持され、固定構造1810に設置されたスピーカー又は補聴器は、ユーザの両耳に近接するように設置される。いくつかの実施例では、スピーカー又は補聴器の取り付けを容易にするために、固定構造1810の両側のテンプルには、それぞれ凹構造が設置され、スピーカー又は補聴器は、凹構造に設置される。
【0110】
図19は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なウェアラブル機器の概略構成図である。
図19に示すように、ウェアラブル機器は、仮想現実機器又は拡張現実機器であってもよく、ウェアラブル機器は、固定構造1910、機能素子1920及び圧電素子1930を含んでもよく、固定構造1910は、後掛け式構造であり、固定構造1910の両端は、機能素子1920に接続され、機能素子1920は、固定構造1910の端部に固定された光学ディスプレイであってもよい。光学ディスプレイは、画像及び色を表示するデバイスである。いくつかの実施例では、固定構造1910は、機能素子1920をユーザの目に固定し、ユーザがウェアラブル機器を装着する場合、固定構造1910は、ユーザの頭を取り囲むように固定される。
【0111】
いくつかの実施例では、圧電素子1930の固定構造1910の変形量に対する感度を向上させるために、圧電素子1930は、固定構造1910(例えば、後掛け式構造)の中間領域に位置してもよく、即ち、圧電素子1930は、固定構造1910の機能素子1920から最も離れた位置に位置する。ユーザが
図19に示すウェアラブル機器を装着する場合、圧電素子1930は、固定構造1910のユーザの頭の後側に近接する位置に位置してもよく、固定構造1910は、該位置での変形量が大きい。いくつかの実施例では、圧電素子1930の数は、1つ以上であってもよく、圧電素子の固定構造1910における設置方式については、
図16及びその関連説明を参照することができる。
【0112】
いくつかの実施例では、固定構造1910の内部にプロセッサが設置されてもよく、プロセッサは、ウェアラブル機器とは独立して設置されてもよい。具体的には、圧電素子1930は、固定構造1910の変形を検出し、固定構造1910の変形量に基づいてプロセッサに電圧値を送信することができ、プロセッサは、電圧値に基づいて圧電素子に制御信号を送信し、クランプ力を監視し制御する具体的な方式については、
図16における、プロセッサが圧電素子により固定構造の変形を監視し制御する内容を参照することができる。
【0113】
いくつかの実施例では、ウェアラブル機器は、オーディオ機能を有する仮想現実機器又は拡張現実機器であってもよく、固定構造1910には、スピーカー又は補聴器等が設置されてもよい。いくつかの実施例では、固定構造1910に設置されたスピーカー又は補聴器は、ユーザの耳に近接するように設置される。いくつかの実施例では、スピーカー又は補聴器の取り付けを容易にするために、固定構造1910には、凹構造が耳に近接するように設置され、スピーカー又は補聴器は、凹構造に設置される。いくつかの実施例では、固定構造1910の両耳に近接する位置には、それぞれ凹構造が設置され、2つのスピーカー又は補聴器は、それぞれ両側の凹構造に設置される。
【0114】
なお、
図16~
図19に示すウェアラブル機器は、例示的な説明に過ぎず、それを限定するものではない。例えば、ウェアラブル機器は、スマートウォッチ、ヘルメット等の機器であってもよい。これに対応して、圧電素子は、スマートウォッチのバンド、ヘルメットの内壁に位置してもよい。いくつかの実施例では、圧電素子は、ユーザがウェアラブル機器を装着する場合に適切なクランプ力を有するように、固定構造の形状のみを調整してもよい。例えば、ユーザは、ウェアラブル機器のオペレーティングシステム又はそれに接続された電子機器(例えば、携帯電話、タブレット等)によって制御命令を入力することができ、プロセッサは、制御命令に基づいて圧電素子の変形量を制御して、固定構造の形状を調整する。
【0115】
以上は基本概念を説明したが、当業者にとって、上記詳細な開示は、例として提示されているものに過ぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図されているため、依然として本願の例示的な実施例の精神及び範囲内にある。
【0116】
さらに、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」、「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2回以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0117】
また、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願に記載の処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単に説明のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、逆に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にあるすべての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることを理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェア機器により実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、従来のサーバ又はモバイル機器に説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0118】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本願の開示を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈すべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例のすべての特徴より少ない場合がある。
【0119】
いくつかの実施例では、成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例では修飾語「約」、「ほぼ」又は「概ね」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「概ね」は、上記数字が±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例では、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例では、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用するべきである。本願のいくつかの実施例では、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体的な実施例において、このような数値は、可能な限り正確に設定される。
【0120】
本願において参照されているすべての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書等の他の資料は、本願の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本願に関連する)本願の請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本願に組み込まれる。なお、本願の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本願に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本願における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0121】
最後に、本願に記載の実施例は、単に本願の実施例の原理を説明するものであることを理解されたい。他の変形例も本願の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例として、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0122】
31 第1の共振ピーク
41 中心点
42 第1の直線
61 第1の共振ピーク
71 接続点
72 接続点
73 第2の直線
81 第1の共振ピーク
100 音響出力装置
110 固定構造
120 第1の圧電素子
130 振動伝達部材
131 耳掛け
132 出力アセンブリ
210 固定構造
220 第1の圧電素子
231 耳掛け
232 出力アセンブリ
420 第1の圧電素子
431 耳掛け
432 出力アセンブリ
720 第1の圧電素子
731 耳掛け
732 出力アセンブリ
900 ウェアラブル機器
910 固定構造
920 圧電素子
930 プロセッサ
1610 固定構造
1620 機能素子
1630 圧電素子
1710 固定構造
1720 機能素子
1730 圧電素子
1810 固定構造
1820 機能素子
1830 圧電素子
1910 固定構造
1920 機能素子
1930 圧電素子
4321 接触面
【手続補正書】
【提出日】2023-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響出力装置であって、
オーディオ信号に基づいて振動を発生させるように構成された第1の圧電素子と、
前記音響出力装置を、ユーザの耳の付近におけるユーザの耳道を塞がない位置に固定するように構成され、端部が前記第1の圧電素子の一端に接続された固定構造と、
耳掛け及び出力アセンブリを含む振動伝達部材であって、前記耳掛けは、一端が前記第1の圧電素子の前記固定構造から離れた端部に接続され、他端が前記出力アセンブリに接続され、前記出力アセンブリは、前記耳掛けによって前記第1の圧電素子の振動を受け取って音声を出力し、前記音声の周波数応答曲線は、少なくとも2つの共振ピークを有する、振動伝達部材と、
を含む、音響出力装置。
【請求項2】
前記出力アセンブリは、ユーザの顔領域に接触する接触面を含み、前記耳掛けの端部は、前記出力アセンブリの1つの側面に接続され、かつ第1の接続面を有し、前記耳掛けの前記第1の接続面への投影は、耳掛け投影曲線であり、前記第1の接続面の中心点を通って耳掛け投影曲線と接して第1の直線を形成し、前記接触面と前記第1の直線との夾角の範囲は、0°~50°である、請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項3】
前記耳掛けは、前記第1の圧電素子に接続され、かつ第2の接続面を有し、前記耳掛けと前記第1の圧電素子との接続点は、前記第2の接続面に位置し、前記耳掛けと前記第1の圧電素子との接続点と、前記耳掛けと前記出力アセンブリとの接続点とを結ぶ線は、第2の直線として定義され、前記第1の圧電素子の第2の接続面への投影と前記第2の直線との夾角の範囲は、-20°~20°である、請求項2に記載の音響出力装置。
【請求項4】
ユーザが前記音響出力装置を装着する場合、前記出力アセンブリの接触面は、前記ユーザの耳の付近の顔領域に貼り合わせられる、請求項
2に記載の音響出力装置。
【請求項5】
前記固定構造は、弾性を有し、ユーザが前記音響出力装置を装着する場合、前記固定構造は、ユーザの頭の後側に引っ掛けられるように設置される、請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つの共振ピークは、対応する共振周波数が5Hz~30Hzの範囲内にある第1の共振ピークを含む、請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項7】
前記出力アセンブリは、前記出力アセンブリの内部に位置する音響ユニットを含み、前記出力アセンブリの側壁に放音孔が含まれ、前記音響ユニットから発せられた音声は、前記放音孔によって外部に伝達される、請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項8】
前記オーディオ信号を高周波帯域成分と低周波帯域成分に分割するように構成された周波数分割モジュールと、
前記周波数分割モジュールに結合され、前記高周波帯域成分に基づいて高周波出力信号を生成するように構成された高周波信号処理モジュールと、
前記周波数分割モジュールに結合され、前記低周波帯域成分に基づいて低周波出力信号を生成するように構成された低周波信号処理モジュールと、
を含む、請求項7に記載の音響出力装置。
【請求項9】
前記高周波帯域成分と前記低周波帯域成分の周波数分割点は、200Hz~600Hzの範囲内又は1000Hz~3000Hzの範囲内にある、請求項8に記載の音響出力装置。
【請求項10】
前記周波数分割点に最も近接する2つの共振ピークに対応する共振周波数は、それぞれf
1と
【数1】
であり、両者の相対関係は、
【数2】
である、請求項9に記載の音響出力装置。
【請求項11】
前記固定構造に接続され、前記固定構造の変形に伴って電圧を発生させるように構成された第2の圧電素子と、
前記電圧を受け取り、前記電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して前記第2の圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、前記固定構造の形状を調整するプロセッサと、
を含む、請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項12】
前記第2の圧電素子は、前記固定構造の前記出力アセンブリから最も離れた位置に位置する、請求項11に記載の音響出力装置。
【請求項13】
前記第2の圧電素子は、前記固定構造の変形に伴って電圧を発生させる第1の副圧電素子と、第2の副圧電素子とを含み、
前記プロセッサは、前記電圧を受け取り、前記電圧が所定の電圧範囲内にないことに応答して、制御信号を出力して前記第2の副圧電素子に作用する駆動電圧を発生させて、前記固定構造の形状を調整する、請求項11に記載の音響出力装置。
【請求項14】
形状が調整された固定構造は、前記出力アセンブリを前記ユーザの耳の付近に貼り合わせるためのクランプ力を提供し、前記クランプ力は、0.1N~0.8Nの範囲内にある、請求項11又は13に記載の音響出力装置。
【請求項15】
前記第1の副圧電素子は、前記固定構造の前記出力アセンブリから最も離れた位置に位置し、前記第2の副圧電素子は、前記第1の副圧電素子と耳掛けとの間の前記固定構造に位置する、請求項13に記載の音響出力装置。
【国際調査報告】