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特表2024-520976粉砕シリコンを自動的にパッケージングするための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】粉砕シリコンを自動的にパッケージングするための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B65B 25/00 20060101AFI20240521BHJP
   B65B 5/04 20060101ALI20240521BHJP
   B65B 1/26 20060101ALI20240521BHJP
   B65B 51/10 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
B65B25/00 Z
B65B5/04
B65B1/26
B65B51/10 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557711
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 EP2021085469
(87)【国際公開番号】W WO2023110055
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390008969
【氏名又は名称】ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns-Seidel-Platz 4, D-81737 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラツァルス,ベルナー
(72)【発明者】
【氏名】ギャラニヨン,ユリアン
【テーマコード(参考)】
3E003
3E094
3E118
【Fターム(参考)】
3E003AA05
3E003BA06
3E003BC02
3E003BD01
3E094AA12
3E094BA11
3E094BA20
3E094CA03
3E094CA06
3E094DA06
3E094EA01
3E094EA12
3E094FA14
3E094FA17
3E094FA19
3E094HA03
3E094HA08
3E118AA07
3E118AB08
3E118AB20
3E118BA04
3E118BA06
3E118BA10
3E118BB08
3E118BB09
3E118CA03
3E118CA08
3E118CA13
3E118EA03
3E118EA06
(57)【要約】
本発明は、粉砕シリコン(チャンクシリコン)の自動包装の方法に関し、
a)第1の成形容器内に内側バッグを設けるステップと、
b)内側バッグの開口部を展張して、充填ユニットの第1の充填漏斗のリップの上方に開口部を配置するステップと、
c)粉砕シリコンを内側バッグに充填し、粉砕シリコンが充填漏斗を通って内側バッグに入るステップと、
d)内側バッグを溶着ユニットで溶着するステップであって、内側バッグの開口部は、2つの対向する内側バッグ側を内側に折り曲げることにより、折り合わせにより形成された2つの内側バッグ縁部が互いに対向して平行となり、チャネルを備えた折目を形成し、折目に外側から適用された真空溶着機が、チャネルを介して内側バッグから空気を吸い出して内側バッグを溶着するように折り合わせられるステップと、
e)内側バッグを外側バッグに移動するステップであって、外側バッグが第2の成形容器内に設けられ、外側バッグの開口が展張されて、内側バッグが外側バッグ内へ移動されるステップと、
f)外側バッグを溶着するステップと、
を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕シリコンの自動包装方法であって、
a)第1の成形容器内に内側バッグを設けるステップと、
b)内側バッグの開口部を展張して、充填ユニットの第1の充填漏斗のリップの上方に開口部を配置するステップと、
c)粉砕シリコンを内側バッグに充填し、粉砕シリコンが充填漏斗を通って内側バッグに入るステップと、
d)内側バッグを溶着ユニットで溶着するステップであって、内側バッグの開口部は、2つの対向する内側バッグ側を内側に折り曲げることにより、折り合わせにより形成された2つの内側バッグ縁部が互いに対向して平行となり、チャネルを有する折目を形成し、折目に外側から適用された真空溶着機が、チャネルを介して内側バッグから空気を吸い出して内側バッグを溶着するように折り合わせられるステップと、
e)内側バッグを外側バッグへ移動するステップであって、外側バッグが第2の成形容器内に設けられ、外側バッグの開口部が展張され、内側バッグが外側バッグ内に移動されるステップと、
f)外側バッグを溶着するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
外側バッグの矩形の基部領域の2つの縁部長さは、それぞれ、内側バッグの矩形の基部領域の2つの辺部長さよりも3%~35%、好ましくは4%~30%、より好ましくは5%~20%長いことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
開口部は、バッグ内に浸漬するフィンガを広げることによって、ステップb)および/またはe)で展張されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
内側バッグおよび/または外側バッグは、開口部が展張される前に成形されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
成形は、真空グリップによって内側バッグおよび/または外側バッグを引き離すことを含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
折畳の後であって、ステップd)における溶着の前に、折目の部分が除去されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
チャネルは、1~20mm、好ましくは1.5~10mm、より好ましくは2~5mmの幅を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップe)において内側バッグを外側バッグ内に移動するために、内側バッグは、その形状を維持するために搬送スリーブによって取り囲まれることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップe)における内側バッグの外側バッグ内への移動のために、外側バッグの展張された開口部は、第2の充填漏斗のリップの上を通ることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
内側バッグがステップe)で移動された後、内側バッグの折目が反転されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
外側バッグの溶着は、ステップd)と同様に行われることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ステップg)として、外側バッグを輸送容器内に移動することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
特に請求項1~12の少なくとも一項に記載の方法を実行するための、シリコンの自動包装のためのシステムであって、
内側バッグ用の少なくとも1つの成形容器と、
外側バッグ用の少なくとも1つの成形容器と、
成形容器を移動させるための少なくとも1つの搬送ユニットと、
内側バッグの開口部および/または外側バッグの開口部を展張するための少なくとも1つの装置と、
粉砕シリコンを内側バッグに充填するための少なくとも1つの充填ユニットと、
少なくとも1つの溶着ユニットであって、チャネルを有する折目を形成するように開口を内側に折り畳む手段と、内側バッグまたは任意選択で外側バッグに外側から載置される真空溶着機と、を備える、内側バッグおよび任意選択的に外側バッグを溶着するための溶着ユニットと、
内側バッグを移動させるための少なくとも1つのグリッパアームと、
任意選択的に、外側バッグを溶着するための少なくとも1つのさらなる溶着ユニットと、
を備えるシステム。
【請求項14】
内側バッグの形状を維持するために内側バッグを囲むことができる搬送スリーブを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
折目を部分的に除去するための切断装置を備える、請求項13または14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉砕シリコンの自動包装のための方法およびプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
多結晶シリコン(ポリシリコン)は、典型的には、シーメンス法(化学気相堆積法)によって製造される。ポリシリコンは、例えばチョクラルスキー法によって製造することができる単結晶シリコンの製造における出発材料である。さらに、ポリシリコンは、例えばブロック鋳造プロセスによる多結晶シリコンの製造に必要とされる。両方のプロセスについて、シーメンスプロセス後にロッド形態であるポリシリコンは、チャンクに粉砕されなければならない。
【0003】
汚染は結晶構造中の転位欠陥(一次元欠陥)および積層欠陥(二次元欠陥)をもたらす可能性があるため、粉砕シリコンは輸送のために低汚染で包装されるべきである。典型的には、充填後に密封されるプラスチック製の平坦なフィルムバッグまたは二重フィルムバッグで包装が行われる。効率的なさらなる輸送のために、バッグは、外装包装における多種多様な数の物品、通常は段ボール箱に配置される。次いで、これらを通常のパレット上に積み重ね、容器に移動することができる。
【0004】
粉砕ポリシリコン(チャンクポリシリコン)は、一般に、エッジが鋭く、自由に流動しないバルク材料であり、個々のチャンクは、チャンクサイズに応じて最大750gの重量を有してもよい。したがって、包装時に、プラスチックバッグの充填の過程で引き裂きが生じないことが特に保証されるべきである。二重フィルムバッグは引き裂きのリスクを低減することができる。
【0005】
充填プロセスによって引き起こされる引き裂きと同様に、プラスチックバッグの封止は、さらなる汚染源となり得る。典型的には、プラスチックバッグは、よりコンパクトなバッグサイズを確保するために、封止前に少なくとも部分的に排気される。この目的のために、通常、吸引プローブがバッグに導入され、空気が吸引され、吸引プローブが引き出された直後にバッグが溶着される。一般に、外部からバッグに導入される任意の材料は不純物を含有する可能性があるため、吸引プローブを使用した溶着は潜在的な汚染源である。
【0006】
ケイ素は、通常、少なくとも部分的に自動化された方法で包装される。典型的には、完全な自動化は、高純度の要求を考慮して経済的に実行可能であるとは思われないため、包装プロセスの構成要素ステップは依然として手動で実行される。
【0007】
国際公開第2016/188893号は、ポリシリコンを包装する方法を記載しており、包装される粉砕ポリシリコンは、洗浄ステップも事前に行われるプロセスディッシュ内に供給される。ポリシリコンを平坦なプラスチックバッグ内に移動するために、プロセスディッシュおよびプラスチックバッグは充填ユニットに固定され、充填ユニットの回転によってポリシリコンはプラスチックバッグ内に滑り落ちる。
【0008】
欧州特許出願公開第3199472号明細書は、ポリエチレン(PE)製の直立フィルムバッグにポリシリコンを充填することを記載しており、バッグはフレーム内に設けられている。フレームは、充填時のバッグの膨らみを防止するためのものである。バッグは、充填後に外側PEバッグ内に任意選択的に移動され、両バッグ内のPEの化学的特性は、それらが互いに可能な限り良好にスライドできるように一致する。ここでの欠点は、直立バッグが外側バッグ内に移動されると膨らみ、したがって、外側バッグの寸法が直立バッグの寸法よりもはるかに大きいことである。
【0009】
欧州特許出願公開第2030905号明細書は、ポリシリコンで充填するためのプラスチック製の第1の直立バッグを記載している。この第1の直立バッグは、筒状のフィルムから折り畳まれて、折目付きの矩形状の起立面を形成する。充填後、第1の直立バッグは、同じ種類のより大きな第2の直立バッグに挿入され、第1の直立バッグの折目は、第2の直立バッグの折目と比較して90°回転して静止する。ここでも、第1の直立バッグの一般的に不利な膨らみがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2016/188893号
【特許文献2】欧州特許出願公開第3199472号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2030905号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この問題は、本発明の目的、すなわち、チャンクシリコンの純度に対する要求を満たし、経済的利点も提供するチャンクシリコンの完全に自動化された包装方法を提供するという目的を生じた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、粉砕シリコン(シリコンチャンク)の自動包装の方法によって達成され、この方法は、
a)第1の成形容器内に内側バッグを設けるステップと、
b)内側バッグの開口部を展張して、充填ユニットの第1の充填漏斗のリップの上方に開口を配置するステップと、
c)粉砕シリコンを内側バッグに充填し、粉砕シリコンが充填漏斗を通って内側バッグに入るステップと、
d)内側バッグを溶着ユニットで溶着するステップであって、内側バッグの開口部は、2つの対向する内側バッグ側を内側に折り曲げることにより、折り合わせにより形成された2つの内側バッグ縁部が互いに対向して平行となって、チャネルを備えた折目を形成し、折目に外側から適用された真空溶着機が、チャネルを通して内側バッグから空気を吸い出して内側バッグを溶着するように折り合わせられるステップと、
e)内側バッグを外側バッグへ移動するステップであって、外側バッグが第2の成形容器内に設けられ、外側バッグの開口部が展張され、内側バッグが外側バッグ内に移動されるステップと、
f)外側バッグを溶着するステップと、
を備える。
【0013】
内側バッグおよび/または外側バッグは、好ましくは直立バッグである。通常、直立バッグの特徴は、充填前および/または充填後に直立することである。内側バッグおよび/または外側バッグは、好ましくは矩形、特に正方形の起立面を有する。
【0014】
外側バッグの矩形状の起立面または基部領域の2辺の長さは、内側バッグの矩形状の起立面または基部領域の2辺の長さよりも3%~35%、好ましくは4%~30%、より好ましくは5%~20%長い。
【0015】
例えば、シリコン5kgの重量用に意図された直立内側バッグは、充填状態で、10~20cmの範囲内の長さa、10~20cmの範囲内の幅b、および10~50cmの範囲内の高さhを有してもよく、ここで、aおよびbは、バッグの起立面の辺の長さに対応する。
【0016】
典型的な5kgの直立内側バッグは、15cmの辺の長さa、bを有する正方形の起立面を有してもよい。対応する典型的な直立外側バッグは、17cmの辺の長さa、bを有する正方形の起立面を有してもよい。これにより、外側バッグの起立面が27%大きくなる。
【0017】
好ましくは、内側バッグおよび/または外側バッグは、ポリマーフィルムからなる。ポリマーは、PE(例えば、LDPE(低密度)、LLDPE(線状低密度)、HDPE(高密度))、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)またはポリプロピレン(PP)であってもよい。より好ましくは、内側バッグおよび外側バッグはLDPEからなる。また、複合フィルムは、二層または多層の複合フィルムであってもよい。ポリマーフィルムまたは複合フィルムの厚みは、通常10~600μm、好ましくは50~450μm、より好ましくは100~330μmの範囲内である。内側バッグおよび外側バッグは、フィルムの厚さに関して異なっていてもよい。外側バッグは、内側バッグよりも耐久性の高い材料から構成されることが好適となり得る。
【0018】
好ましくは、内側バッグおよび/または外側バッグは、それらが第1または第2の成形容器内に設けられる前に、高清浄度管状フィルム、中央に折り畳まれたフィルムまたはガセット付き管状フィルムから直接自動的に予備成形される。この目的のために、適切な長さのフィルム部分が切断され、かつ一端で溶着されてバッグの基部を形成する。その後、バッグを真空グリップで開き、入ってくる成形チューブによって成形し、次いで成形容器に移動することができる。
【0019】
第1および/または第2の成形容器は、好ましくは、内側バッグまたは外側バッグと同じ基部領域を有する。バッグの提供を容易にするために、成形容器の基部領域は、対応するバッグの基部領域よりも任意選択的に最大10%大きい。第1の成形容器の高さは、好ましくは、少なくとも内側バッグの充填高さに対応する。このようにして、充填時に変形しないことを確実にすることができる。第2の成形容器についても同様であることが好ましい。成形容器は、好ましくは、帯電防止材料、特にプラスチック、例えばポリプロピレンからなる。アルミニウムなどの金属からの製造も同様に可能である。それらは、汚染を回避するためにシリコンのコーティングを任意に有してもよい。
【0020】
第1の成形容器は、好ましくは搬送装置上にあるか、または搬送装置に接続されている。搬送装置は、例えば、コンベヤベルト、レールシステム、またはロボットアームであってもよい。搬送装置は、包装ステーション間で成形容器を移動させることができる(例えば、充填ユニット、溶着ユニット)。
【0021】
内側バッグの開口部は、好ましくは、充填ユニットの第1の充填漏斗のリップの上方に搬送装置によって位置決めされる。しかしながら、充填ユニットを内側バッグの開口に向かって移動させる場合もあり得る。
【0022】
リップは、接触せずに内側バッグの開口に進入することが好ましい。典型的な侵入深さは、1~5cmであってよい。リップと内側バッグとの距離は、0.5~10mmが好ましく、1~5mmがより好ましい。
【0023】
開口へのリップの進入を可能にするための開口部の展張は、好ましくは、内側バッグに進入する展張フィンガによって行われる。展張フィンガは、充填ユニットの一部であってもよい。しかしながら、輸送容器と共に移動することができる、展張のための別個の装置も存在し得る。これは、特に、矩形の開口部を開く4つの展張フィンガを備える。
【0024】
開口部は、通常、内側バッグを設けた後に完全には広がらないため、展張が必要である。
【0025】
状況によっては、内側バッグが展張される前に成形されることがさらに好ましい場合がある。これは、好ましくは、設ける間に、例えば、ある種のスパイクまたはバッグ成形チューブをバッグに導入することによって行われる。
【0026】
しかしながら、より好ましくは、成形は、真空グリップによって内側バッグを引き離すことを備える。真空グリップは、外側から置かれる真空ストリップまたは真空カップであってもよい。この変形例の利点は、汚染のリスクの低減にある。
【0027】
内側バッグは、国際公開第2016/188893号による方法によって充填することができる。この場合、プロセスディッシュに設けられた粉砕シリコンは、充填ユニットの回転によって内側バッグ内へ滑り落ちる。
【0028】
内側バッグには、1チャンクサイズクラスのチャンクシリコンが充填されていることが好ましい。特に、それはチャンクポリシリコン、すなわち粉砕ポリシリコンである。内側バッグは、原則として、チャンクサイズクラスのうちの2つ以上からのシリコンチャンクで満たされてもよい。特に、サイズクラス0~4のチャンクシリコンが分配される。
【0029】
チャンクサイズクラス0~4(CS0~CS4)は、チャンクの粒度によって定義され、粒度は、シリコンチャンクの表面上の2点間の最長距離として定義される。チャンクサイズクラスは、以下のような粒度範囲を有する画分から構成される:
CS0:0.1~9mm
CS1:1~18mm
CS2:5~50mm
CS3:20~65mm
CS4:35~150mm。
【0030】
シリコンチャンクは、メッシュふるいによって分級されることができ、正方形メッシュのエッジ長はCSの上限に対応する。CSは、好ましくは、指定されたサイズ範囲内のチャンクの少なくとも90重量%を具備する。
【0031】
好ましくは、充填された内側バッグを有する成形容器は、溶着のために溶着ユニットに送られる。
【0032】
最大のコンパクトさの包装サイズを得るために、溶着前にフィルムバッグから空気を少なくとも部分的に吸引することは、シリコンの包装における標準的な慣行である。完全な真空の適用は、引き裂きのリスクを高めるため、あまり一般的ではない。空気は、通常、吸引プローブで吸い出されてバッグに導入され、次いで、溶着の直前に除去される。導入として既に述べたように、シリコンの包装では、たとえ短時間であっても、バッグへの外部材料の導入を非常に実質的に回避すべきである。
【0033】
ここで、バッグの2つの対向する内面の特定の折り畳みによって形成されたチャネルは、吸引のための空気チャネルとして機能することができ、したがって吸引プローブの必要性をなくすことが分かった。溶着のために一緒に折り畳まれた折目およびチャネルを有する内側バッグが図4に示されている。
【0034】
折り畳みを容易にするために、4つの成形フィンガが開口部に入り、開口部は、真空グリップによって事前に張力下で引張開放または開放される。
【0035】
バッグの平行な対向する内縁は、好ましくは2つの成形バーによって形成される。これらの成形バーは、バッグの外側から互いに向かって均一に移動することができる。そうすることで、それらは、バッグの2つの対向する内面を内側に折り曲げ、バッグの対向する内縁、したがってチャネルを形成することができる。次いで、真空溶着機を結果として生じる折目に向かって移動させることができる。
【0036】
真空溶着機は、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレンなどの非金属材料で被覆され得る加熱溶着ワイヤをそれぞれ含む2つの成形ジョーを備える。2つの成形ジョーはそれぞれ、折目の一方の側に適用される。好ましくは、成形顎部を溶着ワイヤで囲むシールリップは、適用後に真空チャンバを形成し、それにより、チャネルを通して空気を吸い出すことができる。代替的に、成形ジョーと共に折目を吸引のために真空チャンバに移動することもできる。
【0037】
好ましい実施形態では、折目の部分が溶着前に除去される。これは、溶着ユニットの一部であり得る自動切断装置を用いて行うことができる。このようにして、真空の適用を単純化することができる。また、包装サイズおよび重量を低下させることができる。原則として、溶着後に除去することもできる。
【0038】
チャネルは、好ましくは1~15mm、より好ましくは1.5~10mm、特に2~5mmの幅を有する。チャネルの幅は、内側バッグの基部領域を形成する長辺長さの0.5~5%、特に1~3%であることが好ましい。
【0039】
内側バッグが溶着された後、外側バッグに移動される。外側バッグは、好ましくは、内側バッグの溶着中に第2の成形容器内に既に設けられている。第2の成形容器も好ましくは搬送装置上にあり、第1の成形容器に関する説明を参照することができる。
【0040】
外側バッグの展張および任意の必要な形状に関しても、上記の説明を参照することができる。
【0041】
第2の成形容器は、溶着ユニットの下に配置されることが好ましい。次いで、内側バッグはグリッパアームを用いて第1の成形容器から取り出され、外側バッグに移動されることができる。あるいは、内側バッグはまた、第1の成形容器が下方に移動され、次いで横向きに移動される間に、グリッパアームによって保持されてもよい。移動は、内側バッグを外側バッグ内に下降させることによって、または外側バッグを上昇させることによって実施することができる。
【0042】
内側バッグの外側バッグへの移動を容易にするために、外側バッグの展張した開口部は、第2の充填漏斗のリップの上を通ることができる。リップとその浸漬深さとの間の距離については、上記の詳細を参照することができる。ここで、第2の充填漏斗は、一般に一種のフレームとして機能し、それによって内側バッグを外側バッグ内に下降させることができる。これにより、膨らんだ内側バッグが外側バッグの展張した開口部に引っ掛かることを防止できる。
【0043】
好ましい実施形態では、内側バッグを外側バッグへ移動するために、内側バッグは、その形状を維持するために(膨らみを防止するために)搬送スリーブによって取り囲まれる。搬送スリーブは、好ましくは、第1の成形容器と同じ明確な寸法を有する。説明のために、搬送スリーブは、基部のない第1の成形容器として説明することができる。
【0044】
好ましくは、搬送スリーブは、内側バッグが溶着された後、第1の成形容器の明確な寸法と搬送スリーブの明確な寸法とが基本的に一致するように、内側バッグの上方に位置決めされる。次いで、グリッパアームによって、内側バッグを搬送スリーブ内に移動される(持ち上げられる)ことができる。続いて、2つは、外側バッグの展張した開口部上、または任意選択的に第2の充填漏斗上を一緒に移動することができ、内側バッグが下降される。より好ましくは、この目的のために、内側バッグ、任意選択的に第2の充填漏斗と共に搬送スリーブ、および外側バッグと共に第2の成形容器は、垂直線の上に重なっている。
【0045】
搬送スリーブを使用することにより、内側バッグおよび外側バッグの寸法を互いに正確に一致させることが可能になる。これまでのところ、外側バッグのサイズは、変形した(膨らんだ)内側バッグも抵抗なく滑り落ちることができるように選択されている。この公差はもはや必要とされず、材料の大幅な節約につながる。
【0046】
好ましくは、内側バッグが外側バッグ内に移動された後、内側バッグの直立方向折目が折り畳まれる。より好ましくは、折目は、内側バッグと外側バッグとの間にクランプされる。これは、例えば、自動的に移動可能なプローブによって実行することができる。
【0047】
外側バッグの溶着は、内側バッグの溶着と同様に行うことが好ましい。この目的のために、スループットを高めるためにさらなる溶着ユニットを設けてもよい。
【0048】
場合により、さらなるステップg)として、溶着された外側バッグを輸送容器に移動するステップが続く。輸送容器は、好ましくは、溶着された外側バッグのうちの6つのための空間がある段ボール箱である。ここで粉砕シリコンの重量は、特に5kg(5kgバッグ)である。
【0049】
完全に自動化された包装方法全体は、好ましくは、手動チェックを省くことができるように、カメラで監視される。
【0050】
本発明のさらなる態様は、特に記載された方法を実行するための、粉砕シリコンの自動包装のためのシステムに関する。プラントは、以下の構成要素、
・内側バッグ用の少なくとも1つの第1の成形容器と、
・外側バッグ用の少なくとも1つの第2の成形容器と、
・2つの成形容器を移動させるための少なくとも1つの搬送ユニットと、
・内側バッグの開口部および/または外側バッグの開口部を展張するための少なくとも1つの装置と、
・粉砕シリコンを内側バッグに充填するための少なくとも1つの充填ユニットと、
・少なくとも1つの溶着ユニットであって、チャネルを有する折目を形成するように開口を内側に折り畳む手段と、内側バッグまたは任意選択で外側バッグに外側から載置される真空溶着機と、を具備する、内側バッグおよび任意選択的に外側バッグを溶着するための溶着ユニットと、
・内側バッグを移動させるための、少なくとも1つのグリッパアームと、
・任意選択的に、外側バッグを溶着するための、少なくとも1つのさらなる溶着ユニットと、
を備える。
【0051】
システムはまた、好ましくは、内側バッグの形状を維持するために内側バッグを囲むことができる搬送スリーブを備える。
【0052】
さらなる実施形態では、システム、特に溶着ユニットは、折目を少なくとも部分的に除去するための切断装置を備えてもよい。折目は、内側バッグおよび外側バッグの折目であってもよい。
【0053】
開口を内側に折り曲げる手段は、特に、折り込みのための上述の成形バーであってもよい。
【0054】
個々の構成要素および存在する任意のさらなる構成要素の説明に関して、方法の上記の説明を参照することができる。
【0055】
本発明は、図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】成形容器内の内側バッグを示す。
図2A】展張開口部を有する内側バッグを示す。
図2B】展張開口部を有する内側バッグを示す。
図3】充填漏斗付き内側バッグを示す。
図4A】内側バッグの内側への折り畳みを示す。
図4B】内側バッグの内側への折り畳みを示す。
図4C】内側バッグの内側への折り畳みを示す。
図5A】内側バッグの溶着を示す。
図5B】内側バッグの溶着を示す。
図6】溶着された内側バッグを示す。
図7A】搬送スリーブの使用を示す。
図7B】搬送スリーブの使用を示す。
図8】溶着された外側バッグを示す。
【符号の説明】
【0057】
10 直立内側バッグ
12 開口部
13 内側バッグの折目
14A バッグ側
14B バッグ側
15A バッグの内縁
15B バッグの内縁
16 チャネル
17 折目の上端
20 第1の成形容器
22 第1の成形容器の基部領域
23 第2の成形容器の基部領域
24 第2の成形容器
30 展張フィンガ
32 充填漏斗
33 リップ
40 成形バー
42 成形フィンガ
50 溶着ユニット
51 成形ジョー
52 上側シールリップ
53 下側シールリップ
54 真空チャンバ
56 切断装置
58 加熱ワイヤ
59 溶着ワイヤ
60 搬送ボックス
61 移動を示す矢印
70 直立外側バッグ
72 開口部
73 外側バッグの折目
80 シリコンチャンク
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、開口12を有し、ポリプロピレン製の第1の成形容器20内に配置されたLDPE製の直立内側バッグ10を示す(方法ステップa))。直立内側バッグ10は、第1の成形容器20の同様に正方形の内部基部領域22に対応する正方形の基部領域を有する。直立内側バッグ10は、本方法の開始直前にガゼット加工された管状フィルムから製造されている。出発材料の折り畳みのために、対向するバッグ側面14A、14Bはそれぞれわずかな角度である。
【0059】
図2Aは、直立内側バッグ10を示しており、これを引き伸ばすために、4つの展張フィンガ30がその開口部12に挿入されている。展張フィンガ30は充填ユニットの一部であり、明確にするために図示されていない。展張フィンガ30を開いた後の展張した開口部12を図2Bに示す(方法ステップb))。
【0060】
図3は、その開口部12が展張フィンガ30によって拡開された直立内側バッグ10を示し、充填漏斗32のリップ33は、直立内側バッグ10に触れることなく浸漬する(方法ステップb))。充填漏斗32は、展張フィンガ30と同様に、図示されていない充填ユニットの一部である。
【0061】
図4Aは、粉砕シリコンを充填した後の直立内側バッグ10を示す。開口12の折り畳みおよび閉鎖のために、4つの成形フィンガ42がバッグ10に入る。これらの成形フィンガ42は、充填後に開口12が過度に閉じた場合に必要とされてもよい。2つの成形バー40は、バッグの両側14A、14Bに接近している。成形バー40および成形フィンガ42は、図示されていない溶着ユニットの一部である。
【0062】
図4Bでは、成形バー40が一緒に移動し、バッグの側面14A、14Bが折り畳まれている。その結果、バッグの平行な対向する内縁15A、15B(図4C参照)および折目13が形成されている。バッグの内縁15A、15Bは、折目を通って延びるチャネル16を形成し、チャネル16の幅は、2つの成形バー40間の距離にほぼ対応する。成形フィンガ42は、それらの間隔によって折目13の形成を容易にすることができる。
【0063】
図4Cは、成形バー40および成形フィンガ42が取り外された後の直立内側バッグ10を示す。接触していないバッグの内縁15A、15Bによって成形されたチャネル16は、説明のために点線で示されている。
【0064】
図5Aは、図4Cによる直立内側バッグ10を、溶着ユニット50を伴う側面図で示す。これは、折目13に左右に接近する2つの成形ジョー51を備える。各成形ジョー51は、溶着ユニット50が折目13上に配置されたときに、真空チャンバ54を形成することができる上部シールリップ52および下部シールリップ53を備える。溶着ユニット50は、折目13の部分を除去するための切断装置56を備える。除去は、成形ジョー51が取り付けられた後に真空チャンバ54が折目13上に形成することができ、チャネル16を介して直立内側バッグ10から空気を吸い出すことができるようにするために必要である(図4C参照)。溶着ユニット50が上端17(図示せず)で始まるときに、折目13の部分を除去することを省くことができる。
【0065】
図5Bは、溶着直後のバッグ10を示す。切断装置56は、折目13の部分を除去している。加熱ワイヤ58は、溶着シーム59を有する折目13をもたらしている。
【0066】
溶着された直立内側バッグ10が図6に示されている。ここでは、第1の成形容器20を図示していない。バッグは、典型的には、正方形の基部領域を有する5kgのバッグである。a、bの典型的な値は150mmである。
【0067】
図7Aは、第1の成形容器20内の溶着された直立内側バッグ10を、接近する搬送スリーブ60と共に示す。搬送スリーブ60は、第1の成形容器20と同じ明確な寸法を有し、第1の成形容器20上に配置されてもよい。直立内側バッグ10は、例えば、搬送スリーブ60(図示せず)を通して折目13を把持するグリッパアームによって、持ち上げることによって搬送スリーブ60内に導入されてもよい。直立内側バッグ10の上昇および搬送スリーブ60の下降は、移動矢印61によって示されている。
【0068】
図7Bでは、搬送スリーブ60は、溶着された直立内側バッグ10および直立外側バッグ70が内部に配置された第2の成形容器24と共に示されている。直立外側バッグ70の開口部72は、展張フィンガ30によって広げられる。直立外側バッグ70は、第2の成形容器24の正方形の内部基部領域23に対応する正方形の基部領域を有する。基部領域23は、基部領域22よりも約13%大きい。搬送スリーブ60、直立外側バッグ70の展張した開口部72、および第2の成形容器24は、互いに重なって垂直線に配置される。例えば、直立内側バッグ10は、結果として直立内側バッグ10が膨らむことなく、例えばグリッパアーム(図示せず)によって直立外側バッグ70内に下降されてもよい。
【0069】
図8は、直立内側バッグ10が内部に存在し、シリコンチャンク80で充填された直立外側バッグ70の部分を示す。直立内側バッグ10の折目13および直立外側バッグ70の折目73は、共に折り込まれている。5kgのバッグの典型的な高さは、220~240mmである。その結果、外装包装において最適な包装サイズを実現することができる。
【0070】
内側バッグおよび外側バッグにそれぞれ1つの成形容器を使用することにより、充填中および充填後の膨らみが最小限に抑えられるため、非常に小さい包装サイズを達成することが可能である。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
【国際調査報告】