(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6876 20180101AFI20240521BHJP
C12Q 1/6813 20180101ALI20240521BHJP
G01N 33/483 20060101ALI20240521BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
C12Q1/6876 Z
C12Q1/6813 Z
G01N33/483 C
G01N33/53 D
G01N33/53 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560188
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 US2022021826
(87)【国際公開番号】W WO2022250774
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】508032284
【氏名又は名称】カリフォルニア インスティチュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】ローン ツァイ
(72)【発明者】
【氏名】チーフア エン
(72)【発明者】
【氏名】リンコーン オムベレッツ
【テーマコード(参考)】
2G045
4B063
【Fターム(参考)】
2G045AA40
2G045CB01
2G045DA13
2G045DA14
2G045DA36
2G045DA60
2G045DA80
2G045FB02
2G045FB03
2G045FB12
4B063QA01
4B063QA13
4B063QA18
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QQ67
4B063QQ70
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4B063QQ96
4B063QR08
4B063QR20
4B063QR48
4B063QR66
4B063QS34
4B063QS36
4B063QX02
(57)【要約】
本明細書で開示されるのは、シグナル増幅のための指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅のための組成物である。本明細書でさらに開示されるのは、シグナル増幅のための指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅のためのキットである。本明細書でさらに開示されるのは、シグナル増幅のための指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅のための方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅のため、複数のプローブを含む組成物であって、前記組成物は、
(i) それぞれが1つ以上の標的に結合可能な1つ以上の一次プローブであり、1つ以上の二次プローブ結合部位、および、随意的に、1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む、該一次プローブと、
(ii) それぞれが前記一次プローブと結合可能である1つ以上の二次プローブであり、1つ以上の三次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む、該二次プローブと、
(iii) 随意的に、それぞれが前記二次プローブに結合可能である1つ以上の三次プローブであり、1つ以上の四次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む、該三次プローブと、
(iv) 随意的に、それぞれが前記三次プローブと結合可能である1つ以上の四次プローブであり、1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む、該四次プローブと、
(v) 1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブ上の読み出しプローブ結合部位に結合でき、かつ、検出可能である1つ以上の読み出しプローブと、及び、
(vi) プローブがハイブリダイズするとき、後に、1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブを安定化することができる1つ以上の分子と、
を備える、組成物。
【請求項2】
指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅のための、複数のプローブを含むキットであって、該キットは、少なくとも
(i) 1つ以上の標的に結合可能な1つ以上の一次プローブであり、それぞれが1つ以上の二次プローブ結合部位、および、随意的に、1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む、該一次プローブと、
(ii) それぞれが前記一次プローブと結合可能である1つ以上の二次プローブであり、1つ以上の三次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む、該二次プローブと、
(iii) 随意的に、それぞれが前記二次プローブに結合可能である1つ以上の三次プローブであり、1つ以上の四次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む、該三次プローブと、
(iv) 随意的に、それぞれが前記三次プローブと結合可能である1つ以上の四次プローブであり、1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む、該四次プローブと、
(v) 1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブ上の読み出しプローブ結合部位に結合でき、かつ、検出可能である1つ以上の読み出しプローブと、及び、
(vi) プローブがハイブリダイズするとき、後に、1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブを安定化させることができる1つ以上の分子と、
を備える、キット。
【請求項3】
指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅のための方法であって、以下のステップ、すなわち、
(i) 試料を1つ以上の標的に結合する1つ以上の一次プローブと接触させ、各一次プローブが標的にハイブリダイズするステップと、
(ii) 1つ以上の二次プローブを前記一次プローブにハイブリダイズさせるステップであり、各二次プローブは1つ以上の三次プローブ結合部位または1つ以上の読み出し結合部位を含むものである、該1つ以上の二次プローブをハイブリダイズさせるステップと、
(iii) 随意的に、1つ以上の三次プローブを少なくとも1つの二次プローブにハイブリダイズさせるステップであり、各三次プローブは1つ以上の四次プローブ結合部位または1つ以上の読み出し結合部位を含むものである、該1つ以上の三次プローブをハイブリダイズさせるステップと、
(iv) 随意的に、1つ以上の四次プローブを少なくとも1つの三次プローブにハイブリダイズさせるステップであり、各四次プローブは1つ以上の読み出し結合部位を含むものである、該1つ以上の四次プローブをハイブリダイズさせるステップと、また、
(v) ステップ(i)~(iv)の間または後に、1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブを安定化させるステップと、
(vi) 1つ以上の読み出しプローブ結合部位に検出可能な読み出しプローブをハイブリダイズするステップと、
(vii) ステップ(vi)後に細胞をイメージングし、前記一次プローブの前記核酸に対する相互作用を検出するステップと、並びに、
(viii) 随意的に、毎回、検出可能に標識化された新しい複数の読み出しプローブを用いて、前記接触およびイメージングのステップを繰り返すステップであり、1つの標的に対する少なくとも1つの読み出しプローブは、それらの検出可能な部分において、同一の標的に対する少なくとも1つの他の読み出しプローブと異なり、これにより試料中の標的はバーコードによって記述され、また、それらのバーコードの違いによって試料中の別の標的と区別できるようになる、該接触およびイメージングのステップを繰り返すステップと、
を備える、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、ステップ(i)~(vii)のいずれかは、個々に、またはそれらの任意の組み合わせで繰り返す、方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法であって、前記一次プローブを安定化するステップを備える、方法。
【請求項6】
請求項3に記載の方法であって、前記二次プローブを安定化するステップを備える、方法。
【請求項7】
請求項3に記載の方法であって、前記三次プローブを安定化するステップを備える、方法。
【請求項8】
請求項3に記載の方法であって、前記四次プローブを安定化するステップを備える、方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、
各二次、三次、または四次プローブは、少なくとも2つの増幅器フラグメントを含む、組成物、キット、または方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記二次、二次および三次、二次および三次および四次、二次および四次、三次、三次および四次、または四次プローブは少なくとも2つの増幅器フラグメントを含む、組成物、キット、または方法。
【請求項11】
請求項9および10に記載の組成物、キット、または方法において、前記二次プローブの増幅器フラグメントは、少なくとも、
(a) 第1増幅器フラグメントであり、前記第1増幅器フラグメントが前記一次プローブに対する相補性の領域を含み、また、前記相補性の領域は前記一次プローブにハイブリダイズする、該第1増幅器フラグメントと、及び、
(b) 第2増幅器フラグメントであり、前記第2増幅器フラグメントが前記一次プローブに対する相補性の領域を含み、また、前記相補性の領域は前記一次プローブにハイブリダイズする、該第2増幅器フラグメントと、
を含む、組成物、キット、または方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記三次プローブの増幅器フラグメントは少なくとも、
(a) 第1増幅器フラグメントであり、前記第1増幅器フラグメントが、二次プローブまたは前記二次プローブの前記第1もしくは第2増幅器フラグメントに対する相補性の領域を含み、また、前記相補性の領域は前記二次プローブまたは二次プローブの前記第1もしくは第2増幅器フラグメントにハイブリダイズする、該第1増幅器フラグメントと、及び、
(b) 第2増幅器フラグメントであり、前記第2増幅器フラグメントが、前記二次プローブまたは二次プローブの前記第1もしくは第2増幅器フラグメントに対する相補性の領域を含み、また、前記相補性の領域は前記二次プローブまたは二次プローブの前記第1もしくは第2増幅器フラグメントにハイブリダイズする、該第2増幅器フラグメントと、
を含む、組成物、キット、または方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記四次プローブの増幅器フラグメントは、少なくとも、
(a) 第1増幅器フラグメントであり、前記第1増幅器フラグメントが、三次プローブまたは前記三次プローブの前記第1もしくは第2増幅器フラグメントに対する相補性の領域を含み、また、前記相補性の領域は前記三次プローブまたは三次プローブの前記第1もしくは第2増幅器フラグメントにハイブリダイズする、該第1増幅器フラグメントと、及び、
(b) 第2増幅器フラグメントであり、前記第2増幅器フラグメントが、前記三次プローブまたは前記三次プローブの前記第1もしくは第2増幅器フラグメントに対する相補性の領域を含み、また、前記相補性の領域は前記三次プローブまたは三次プローブの前記第1もしくは第2増幅器フラグメントにハイブリダイズする、該第2増幅器フラグメントと、
を含む、組成物、キット、または方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、
リガーゼは、任意の二次、三次、または四次増幅器フラグメントの前記第1または第2フラグメントをライゲーションする、組成物、キット、または方法。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、
スプリント配列は、前記第1増幅器フラグメント、前記第2増幅器フラグメント、または前記二次、三次、もしくは四次増幅器フラグメントの両方の増幅器フラグメントにハイブリダイズし、また、
スプリント配列は少なくとも2つのスプリント配列フラグメントを含む、組成物、キット、または方法。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記スプリント配列フラグメントはライゲーションされている、組成物、キット、または方法。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、読み出しプローブは、前記二次、三次、または四次プローブの前記第1または第2増幅器フラグメントのどちらかにハイブリダイズする、組成物、キット、または方法。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、読み出しプローブはスプリント配列フラグメントにハイブリダイズする、組成物、キット、または方法。
【請求項19】
請求項3に記載の方法において、安定化は、酵素ライゲーション、化学ライゲーション、オリゴスプリントプローブの有無に関わらずUV架橋、スプリントプローブのハイブリダイゼーション、マトリックスを介した架橋、および化学架橋、ならびに、それらの任意の組み合わせより成る群から選択される、方法。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、標的は、転写産物、RNA、DNA遺伝子座、染色体、DNA、タンパク質、脂質、糖鎖、細胞標的、オルガネラ、およびそれらの任意の組み合わせから選択される、組成物、キット、または方法。
【請求項21】
請求項20に記載の標的において、前記標的は1つ以上のオリゴヌクレオチド配列に結合している、標的。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記一次、二次、三次、または四次プローブはシス-ライゲーションによって安定化する、組成物、キット、または方法。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記一次、二次、三次、または四次プローブは、酵素によるシス-ライゲーションによって安定化する、組成物、キット、または方法。
【請求項24】
請求項23に記載の酵素において、前記酵素はDNAまたはRNAリガーゼ、もしくは、DNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼ、および/あるいは、上記の任意の組み合わせである、酵素。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記一次、二次、三次、または四次プローブは、プローブが接触もしくはハイブリダイズしている間にシス-ライゲーションによって安定化する、組成物、キット、または方法。
【請求項26】
請求項1~25のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、各一次プローブは、標的核酸配列に相補的な核酸配列を含む、組成物、キット、または方法。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記配列相補性は、少なくとも、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である、組成物、キット、または方法。
【請求項28】
請求項1~27のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記一次、二次、三次、または四次プローブは、アクリルアミド架橋によってシス-ライゲーションされる、組成物、キット、または方法。
【請求項29】
請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記一次、二次、三次、または四次プローブは、前記プローブ上の反応性基によってシス-ライゲーションされ、前記反応性基は、アルケン、アルキン、アジド、アミド、アミン、ニトロン、ホスフェート、テトラジン、およびテトラゾールから選択される反応性対である、組成物、キット、または方法。
【請求項30】
請求項1~29のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、1つ以上の前記読み出しプローブは、検出可能な部分を有するオリゴヌクレオチドまたは抗体を含む、組成物、キット、または方法。
【請求項31】
請求項1~30のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記読み出しプローブは、同一の配列を有するオリゴヌクレオチドを含む、組成物、キット、または方法。
【請求項32】
請求項1~31のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記読み出しプローブは、異なる配列を有するオリゴヌクレオチドを含む、組成物、キット、または方法。
【請求項33】
請求項1~32のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記読み出しプローブは、少なくとも5ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む、組成物、キット、または方法。
【請求項34】
請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法であって、少なくとも2つの異なる検出可能な部分を備える、組成物、キット、または方法。
【請求項35】
請求項1~34のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法において、前記検出可能な部分は異なる、組成物、キット、または方法。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか一項に記載の組成物またはキットにおいて、前記組成物またはキットは、さらに、2つ以上の標的と結合可能な2つ以上の一次プローブを備える、組成物またはキット。
【請求項37】
請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物またはキットにおいて、前記組成物またはキットは、さらに、1つ以上の一次プローブと結合可能な2つ以上の二次プローブを備え、該各二次プローブは、2つ以上の三次プローブ結合部位または2つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む、組成物またはキット。
【請求項38】
請求項1~37のいずれか一項に記載の組成物またはキットにおいて、前記組成物またはキットは、さらに、それぞれが2つ以上の三次プローブ結合部位と結合可能な2つ以上の三次プローブを備え、かつ、各三次プローブは、1つ以上の読み出し結合部位を含む、組成物またはキット。
【請求項39】
請求項1~38のいずれか一項に記載の組成物またはキットにおいて、前記組成物またはキットは、さらに、1つ以上の読み出し結合部位の少なくとも1つと結合することができ、かつ、検出することができる、2つ以上の読み出しプローブを備える、組成物またはキット。
【請求項40】
請求項2に記載のキットであって、さらに、DNAリガーゼを備える、キット。
【請求項41】
請求項1~40のいずれか一項に記載の方法であって、試料を、1つ以上の標的と結合する1つ以上の一次プローブと接触させるステップであり、前記1つ以上の一次プローブは前記標的とハイブリダイズするものである、ステップを備える、方法。
【請求項42】
請求項1~41のいずれか一項に記載の方法であって、二次プローブを前記一次プローブにハイブリダイズするステップであり、前記二次プローブは2つ以上の三次プローブ結合部位または2つ以上の読み出し結合部位を含むものである、該二次プローブをハイブリダイズするステップを備える、方法。
【請求項43】
請求項1~42のいずれか一項に記載の方法であって、三次プローブを少なくとも2つの二次プローブにハイブリダイズするステップであり、各三次プローブは2つ以上の読み出し結合部位を含むものである、該三次プローブをハイブリダイズするステップを備える、方法。
【請求項44】
請求項1~43のいずれか一項に記載の方法であって、検出可能な読み出しプローブを2つ以上の読み出し結合部位にハイブリダイズするステップを備える、方法。
【請求項45】
請求項3に記載の方法であって、さらに、毎回検出可能に標識化された新しい複数の読み出しプローブを使用して、接触およびイメージングステップを繰り返すステップであり、1つの標的のための少なくとも1つの読み出しプローブにおける各新しい複数個は、前の複数個における同一標的のための少なくとも1つの読み出しプローブとは異なり、それらは少なくとも検出可能な部分で異なる、該接触およびイメージングステップを繰り返すステップを備える、方法。
【請求項46】
請求項1~45のいずれか一項に記載の方法において、前記一次プローブはライゲーションまたは架橋されている、方法。
【請求項47】
請求項1~46のいずれか一項に記載の方法において、前記一次、二次、または三次プローブはシス型またはトランス型で、ライゲーションまたは架橋されている、方法。
【請求項48】
請求項1~47のいずれか一項に記載の方法において、各一次、二次、または三次プローブはシス-ライゲーションされている、方法。
【請求項49】
請求項1~48のいずれか一項に記載の方法において、前記試料を各ステップ後に洗浄する、方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法において、前記試料を、非特異的ハイブリダイゼーション反応を除去する緩衝液で洗浄する、方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法において、前記洗浄緩衝液はストリンジェントである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は2021年5月24日出願の米国仮出願第63/192,554号に対する優先権を主張する。上記で参照した出願の内容は、参照によって全体が組み込まれるものとする。
【0002】
[連邦政府後援研究についての声明]
本発明は、アメリカ国立衛生研究所から授与された助成金番号HD075605の下、政府支援を受けて行われた。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
【0003】
本開示は、生物学的試料をプロファイルするための多重化イメージング(多重画像処理)に適用可能な、アンプリコン(単位複製配列)のスケーラブルなシグナル増幅のための方法、組成物、キットを提供する。
【背景技術】
【0004】
細胞の転写プロファイリングは、多くの目的で有用である。単一細胞内の複数のmRNAを解明する顕微鏡イメージングは、転写物の存在量および局在に関する情報を提供することができ、これは、細胞識別の分子的基礎を理解し、疾患の治療法を開発する上で重要である。生物学的試料のトランスクリプトーム・プロファイリングのような分子プロファイリングは、様々な目的で有用である。例えば、遺伝子の発現レベルを評価することで、ガンなどの異常な成長状態を検出および特定することができる。
【0005】
qPCRおよびマイクロアレイのような技術は有用であるが、単一分子の感度に達していない。一方、次世代シークエンシング(塩基配列の決定)は、定量化に偏りおよび不正確さが生じる可能性のある、試料の増幅およびmRNAの逆転写を伴う。さらに、試料の調製およびシークエンシングは時間がかかる上に高額である。mRNA転写の定量にイメージングが用いられてきたにもかかわらず、それは数百の遺伝子に限られている。何千もの遺伝子、あるいはトランスクリプトーム全体が定量化できれば、多くの科学的疑問が理解しやすくなる。
【0006】
必要とされているのは、イメージングに基づくトランスクリプトーム・プロファイリングを、時間効率のよい方法で、高精度に、1分子感度で実施するための、より優れた方法およびシステムである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
以下の参考文献は、その全体が組み込まれる。
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【非特許文献2】Bauer, R. J., Zhelkovsky, A., Bilotti, K., Crowell, L. E., Evans, T. C., Jr, McReynolds, L. A., & Lohman, G. J. S. (2017). Comparative analysis of the end-joining activity of several DNA ligases. PloS One, 12(12), e0190062.
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【非特許文献16】Nichols, N. M., Tabor, S., & McReynolds, L. A. (2008). RNA ligases. Current Protocols in Molecular Biology / Edited by Frederick M. Ausubel ... [et Al.], Chapter 3. https://doi.org/10.1002/0471142727.mb0315s84
【非特許文献17】Nowak-Karnowska, J., Zielinska, K., Milecki, J., & Skalski, B. (2021). Thermally reversible and irreversible interstrand photocrosslinking of 5-chloro-2′-deoxy-4-thiouridine modified DNA oligonucleotides. Organic & Biomolecular Chemistry, 19(6), 1292-1295.
【非特許文献18】Pellestor, F., & Paulasova, P. (2004). The peptide nucleic acids (PNAs), powerful tools for molecular genetics and cytogenetics. European Journal of Human Genetics: EJHG, 12(9), 694-700.
【非特許文献19】Shah, S., Lubeck, E., Schwarzkopf, M., He, T.-F., Greenbaum, A., Sohn, C. H., Lignell, A., Choi, H. M. T., Gradinaru, V., Pierce, N. A., & Cai, L. (2016). Single-molecule RNA detection at depth by hybridization chain reaction and tissue hydrogel embedding and clearing. Development , 143(15), 2862.
【非特許文献20】Shah, S., Lubeck, E., Zhou, W., and Cai, L. (2016). In Situ Transcription Profiling of Single Cells Reveals Spatial Organization of Cells in the Mouse Hippocampus. Neuron, 92(2), 342-357.
【非特許文献21】Shah, S., Takei, Y., Zhou, W., Lubeck, E., Yun, J., Eng, C.-H. L., Koulena, N., Cronin, C., Karp, C., Liaw, E. J., Amin, M., & Cai, L. (2018). Dynamics and Spatial Genomics of the Nascent Transcriptome by Intron seqFISH. Cell, 174(2), 363-376.e16.
【非特許文献22】Shuman, S. (2009). DNA Ligases: Progress and Prospects. The Journal of Biological Chemistry, 284(26), 17365.
【非特許文献23】Tillberg, P. W., Chen, F., Piatkevich, K. D., Zhao, Y., Yu, C.-C. (jay), English, B. P., Gao, L., Martorell, A., Suk, H.-J., Yoshida, F., DeGennaro, E. M., Roossien, D. H., Gong, G., Seneviratne, U., Tannenbaum, S. R., Desimone, R., Cai, D., & Boyden, E. S. (2016). Protein-retention expansion microscopy of cells and tissues labeled using standard fluorescent proteins and antibodies. Nature Biotechnology, 34(9), 987-992.
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は正確かつ決定論的なシグナル増幅である、指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅(LANTERN:linked amplification tethered with exponential radiance)の、方法、組成物およびキットを提供する。LANTERNは、生体試料のプロファイリングを行う多重化イメージングに適用できるアンプリコンのスケーラブルなシグナル増幅を可能にする。本開示は、同じものの作製および使用、ならびに関連分野における問題に対する他の解決策に加えて、組成物およびキットを説明する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
いくつかの実施形態において、複数のプローブを含む、指数関数的な放射輝度と結びつく増幅のための組成物が提供され、該組成物は、1つ以上の標的と結合することができる1つ以上の一次プローブを含み、ここで、各一次プローブは、1つ以上の二次プローブ結合部位および随意的に1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、組成物は、各々が一次プローブと結合可能な1つ以上の二次プローブを含み、ここで各二次プローブは、1つ以上の三次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、組成物は、随意的に、各々が二次プローブに結合可能な1つ以上の三次プローブを含み、各三次プローブは、1つ以上の四次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、組成物は、随意的に、各々が三次プローブに結合可能な1つ以上の四次プローブを含み、各四次プローブは、1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、組成物は、1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブ上の結合部位に結合可能であり、かつ、検出可能な1つ以上の読み出しプローブを含む。特定の実施形態において、組成物は、プローブがハイブリダイズするとき、またはした後、もしくはプローブがハイブリダイズした後に、1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブを安定化することができる1つ以上の分子を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅のためのキットが提供され、該キットは複数のプローブを含み、組成物はすなわち、各一次プローブが、1つ以上の二次プローブ結合部位および随意的に1つ以上の読み出しプローブ結合部位を備えることを、含む。特定の実施形態において、キットは、各々が一次プローブと結合可能な1つ以上の二次プローブを含み、ここで各二次プローブは、1つ以上の三次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、キットは随意的に、各々が二次プローブに結合可能な1つ以上の三次プローブを含み、ここで各三次プローブは、1つ以上の四次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、キットは、随意的に、各々が三次プローブに結合可能な1つ以上の四次プローブを含み、ここで各四次プローブは、1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、キットは、1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブ上の結合部位に結合可能であり、かつ、検出可能な1つ以上の読み出しプローブを含む。特定の実施形態において、キットは、プローブがハイブリダイズするとき、またはした後、もしくはプローブがハイブリダイズした後に、1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブを安定化することができる1つ以上の分子を含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、ライゲーション増幅蛍光in situハイブリダイゼーションを備える指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅の方法が提供され、該方法は、試料を1つ以上の標的に結合する1つ以上の一次プローブと接触させるステップを含む。特定の実施形態において、本方法は、1つ以上の二次プローブを一次プローブにハイブリダイズするステップを含み、ここで各二次プローブは、1つ以上の三次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、本方法は随意的に、1つ以上の三次プローブを少なくとも1つの二次プローブにハイブリダイズするステップを含み、そしてここで、各三次プローブは、1つ以上の四次プローブまたは1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。いくつかの実施形態において、本方法は随意的に、1つ以上の四次プローブを少なくとも1つの三次プローブにハイブリダイズするステップを含み、ここで、各四次プローブは、1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、ステップ(i)-(iv)の間、後に、1つ以上の一次、二次、三次、または四次のプローブを安定化するステップを含む。特定の実施形態において、本方法は、1つ以上の読み出しプローブ結合部位に検出可能な読み出しプローブをハイブリダイズするステップを含む。特定の実施形態において、本方法は、一次プローブの核酸に対する相互作用が検出されるように、ステップ(vi)の後に細胞をイメージングするステップを含む。特定の実施形態において、本方法は随意的に、毎回検出可能に標識化された新しい複数の読み出しプローブを使用して、接触およびイメージングステップを繰り返すステップを含み、ここで、1つの標的に対する少なくとも1つの読み出しプローブは、その検出可能な部分の同じ標的に対する少なくとも1つの他の読み出しプローブと異なり、そのため、試料中の標的はバーコードによって記述され、それらのバーコード内の違いによって試料中のもう1つの標的から区別することができる。いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかが個々に、またはそれらの任意の組み合わせで繰り返される。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法は、多重化イメージングに適用できる効率的でスケーラブルなシグナル増幅法で使用するためのプローブを生成するために使用される。特定の実施形態において、本方法は、RNAおよびDNAの逐次蛍光in situハイブリダイゼーション(seqFISH:sequential Fluorescence In Situ Hybridization)において使用するプローブを生成するために使用される。特定の実施形態において、本方法は、免疫蛍光研究において使用するプローブを生成するために使用される。
【0013】
ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR:hybridization chain reaction)のような他の方法では一度に数アンプリコンの増幅しかできず、1つの試料から数十または数百の種をイメージングする場合に非常に時間がかかるのとは対照的に、一次、二次、三次、四次、および読み出しプローブに関する本明細書に開示する方法は、他の化学修飾よりも合成が著しく単純かつ低コストであり、既存の酵素プローブ合成プロトコルと容易に互換性がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】左:LANTERNスキームの概要で、例として2つの異なる標的配列を示す。異なる色はそれぞれ別の標的(「A」および「B」として示される)を増幅するのに使用される直交した配列、および、直交した読み出しプローブ結合部位(「C」として示される)を表す。1ラウンドの増幅が示されており、直接一次プローブを読み出す場合と比較して、2*2*4=16倍の増幅に相当する。右:上:NIH3T3細胞において、マゼンタおよびシアンという異なる色の2つのプローブセットを用いたEef2に対する広視野RNA FISH。(A)従来のsmFISH、露光時間100ms。(B)6ラウンド分のLANTERN、露光時間1ms。下:NIH3T3細胞のEef2に対する共焦点RNA LANTERN(6ラウンド)。(C)第1のハイブリダイゼーション(D)再ハイブリダイゼーション♯12で、約10時間のリアルタイムに対応し、ホルムアミド剥離および再ハイブリダイゼーションの繰り返しに対する増幅されたシグナルが安定であることを示す。特に断りのない限り、全画像は63倍の油浸対物レンズで撮影した。
【
図2】左:60のLANTERN増幅器のプールテストにおける一対の共局在ヒートマップ。2D共局在は、2番目の画像における局所極大を囲む3ピクセルのボックス内の、1つの画像における局所極大において最大投影画像で検索することにより推定した。隣接する増幅器(例えば1と2、3と4)に対応する非対角の正方形は高い共局在性を示すが、これは、増幅器の対がこの実験のために同じ遺伝子を標的としていたからである。中央:同一遺伝子においてsmFISH(横軸)およびLANTERN(縦軸)によって検出されたドット数の相関を示す散布図。各遺伝子には2つの増幅器が割り当てられた。右:同じ遺伝子について、第1の増幅器で検出されたドット数(横軸)と第2の増幅器で検出されたドット数(縦軸)の相関を示す散布図。
【
図3】NIH3T3細胞におけるEif4g1のRNA FISHの広視野画像で、2つの直交する増幅配列間の共局在(AとB)、および、同じ遺伝子における従来のsmFISH(C)を示す。露光時間は40ms(AとB)および400ms(C)。(D)は3つのチャンネルを同時に示す。DAPI核染色を灰色で示されている。
【
図4】NIH3T3細胞(シアン)におけるテロメアDNA FISHの共焦点画像。左:増幅していないテロメアDNA FISH、露光時間500ms。右:LANTERN増幅したテロメアDNA FISH、露光時間500ms。画像は同一のコントラストで示されている。DAPI核染色は灰色で示されている。
【
図5】LANTERN増幅前(AとC)および増幅後(BとD)にDNA標識抗体で染色したNIH3T3細胞の広視野画像。AおよびBは抗ラミンBおよびDNA結合二次抗体で染色し、核のラミナ染色を示す。露光時間200ms(A)および10ms(B)。CおよびDは抗TIMM44抗体およびDNA結合二次抗体で染色し、ミトコンドリア染色を示した。露光時間200ms(C)および20ms(D)。
【
図6】A~C:ヒト乳癌生検試料におけるEef2のRNA FISHの共焦点画像。(A)クリアリング前の、高バックグラウンド、露光1sを示す。(B)クリアリング後の、減少したバックグラウンド、露光1sを示す。(C)クリアリングおよびLANTERN増幅後で、より明るく鮮明なドットを示す。露光100ms。(D~E)成体マウス脳切片におけるEef2のRNA FISHの共焦点画像。D:smFISHシグナル(シアン)、露光4s。(E)クリアリングおよびLANTERN増幅後の異なる脳塞翁(シアン)、露光50ms。(F~G)全マウントニワトリ胚におけるNotch1(シアンとマゼンタ)およびLfng(緑)イントロンのRNA FISHの共焦点画像。(F)増幅されていないシグナルで、この閾値ではほとんど見えず、露光1s。(G)LANTERN後のシグナルで、露光1s。同じ種の試料はすべて同じコントラストレベルで表示され、核のDAPI染色は下のパネルでは灰色である。
【
図7】蛍光シグナルを増幅し、高度に共局在化する代表的な増幅器。
【
図8】LANTERNは非常に特殊である。ほとんどの増幅されたシグナルは、正しく結ばれたパドロックプローブに由来する。画像は同じコントラストで表示され、非増幅蛍光スポットと比較して、LANTERNからのより高い強度の蛍光スポットを示している。
【
図9】LANTERNは、アルツハイマー病ヒト脳切片内の自家蛍光およびリポフスチンを克服した。(A)遺伝子Eef2のLANTERN増幅蛍光スポットは、リポフスチン強度カウントを閾値処理しても保持され、これは増幅された蛍光スポットはより一層明るいこと示している。(B)増幅されていない、1分子FISH蛍光スポットと比較すると、閾値処理は転写スポットを除去するが、リポフスチンはまだ強く残っている。画像は同じコントラストで表示され、LANTERN増幅後のシグナルの明るさを示している。
【
図10】LANTERNは、灌流し、一晩パラホルムアルデヒド固定したマウスの脳組織切片の蛍光シグナルを増幅する。トップパネルのコントラストは、ボトムパネルと同じコントラストを持つミドルパネルよりも10倍低い。これは、同じ単一細胞内の蛍光シグナルが、LANTERNを6サイクル行うと増幅されることを示す。
【
図11】高度に多重化されたseqFISH+実験におけるLANTERNの定量的評価。(A)トップパネル:全蛍光チャンネルの露光時間が5sのLANTERN前のseqFISH+実験における「擬似カラー」ハイブリダイゼーションの一例。ボトムパネル:647nmチャンネルで200ms露光、561nmチャンネルで300ms露光、および488nmチャンネルで400ms露光したLANTERN増幅画像。同じ蛍光チャンネルの画像は同じコントラストで表示される。(B)各蛍光チャンネルにおけるLANTERN増幅倍数。647nm、561nm、488nmの蛍光チャネルは、smFISHと比較して、LANTERNの10サイクル後にそれぞれ76.03倍、59.49倍、59.82倍の増幅を示した。(C)3,000遺伝子をLANTERNでプロファイリングしたseqFISH+実験とバルクRNA‐seq測定の比較。この実験では、45対のユニークなLANTERN増幅器が使用されている。結果は、RNA‐seq測定に対して良好なピアソンの相関係数を示している。
【
図12】LANTERNの代替スキーム。(A)一対の分割増幅器は、この場合はパドロック一次プローブに、他の場合は逆パドロック一次プローブにハイブリダイズするために使用できる。次に酵素リガーゼを用いて分割増幅器をライゲーションするが、正しく結合していない分割増幅器はライゲーションされず、高濃度ホルムアミド洗浄で洗い流される。次に、分割三次増幅器の対が、ライゲーションされた二次増幅器にハイブリダイズされ、酵素ライゲーションおよび荒いホルムアミド洗浄に続く。このサイクルは、分割増幅器ハイブリダイゼーション、酵素ライゲーション、および荒いホルムアミド洗浄を繰り返し、所望の増幅倍率が得られるまで繰り返される。最後に、増幅されたスキャフォールドは、蛍光色素を結合させた読み出しオリゴヌクレオチドで検出することができる。(B)スプリント配列を介してライゲーション酵素でさらにライゲーションされ、正しく結合した増幅器を安定化することができる追加的な配列を含む、分割増幅器の随意的なデザイン。(C)647nm蛍光チャンネルにおいて分割増幅器で検出した、Eef2転写産物の増幅試料。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明は、当業者が開示された主題を製造および使用し、ならびに、応用の文脈に組み込むことを可能にするために提示される。様々な用途における様々な用途と同様に、様々な改変は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、幅広い実施形態に適用することができる。したがって、本開示は、提示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された原理および新しい特徴と矛盾しない最も広い範囲が与えられるべきである。
【0016】
[定義]
特に断りのない限り、用語は当業者による従来の用法に従って理解されるものとする。
【0017】
本明細書で使用される場合、数値に関する「おおよそ(approximately)」または「約(about)」という用語は、一般に、特に断りがない限り、または文脈から明らかな場合を除き、数値のいずれかの方向(より大きい、またはより小さい)において5%、10%、15%、または20%の範囲内に入る数値を含むものとみなされる(ただしそのような数値が、取りうる値の0%未満または100%を超える場合を除く)。
【0018】
本明細書で使用される「LANTERN」という用語は、指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅(linked amplification tethered with exponential radiance)を意味する頭字語である。
【0019】
「オリゴヌクレオチド」という用語は、核酸塩基、修飾核酸塩基、糖、修飾糖、リン酸橋、または修飾橋の任意の組み合わせを含む、ヌクレオチドモノマーのポリマーまたはオリゴマーを指す。オリゴヌクレオチドは様々な長さを有することができる。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、長さが約2~約1000ヌクレオチドの範囲をとることができる。様々な関連する実施形態において、一本鎖、二本鎖、および三本鎖のオリゴヌクレオチドは、長さが約4~約10ヌクレオチド、約10~約50ヌクレオチド、約20~約50ヌクレオチド、約15~約30ヌクレオチド、約20~約30ヌクレオチドの範囲を取ることができる。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、約9~約39ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも4ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも5ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも7ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも9ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも11ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも12ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも15ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも20ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも25ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも30ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも18ヌクレオチド長の相補鎖の二重鎖である。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも21ヌクレオチド長の相補鎖の二重鎖である。
【0020】
本明細書で使用する場合、「プローブ(probe)」または「プローブ(probes)」という用語は、分子標的に直接的または間接的に結合することができる、合成または天然に存在する任意の分子を指す(例えば、mRNA試料、DNA分子、タンパク質分子、RNAおよびDNAアイソフォーム分子、単一ヌクレオチド多型分子など)。例えば、プローブは、核酸分子、オリゴヌクレオチド、タンパク質(例えば、抗体または抗原結合配列)、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、タンパク質プローブを1つ以上の核酸分子と結合させ、キメラプローブとすることができる。本明細書に開示されているように、いくつかの実施形態では、プローブ自体が検出可能なシグナルを生成することができる。いくつかの実施形態では、プローブは、中間分子を介して直接的または間接的に、検出可能なシグナルを生成することができるシグナル部分(例えば、色素またはフルオロフォア)と結合している。
【0021】
本明細書では、「結合部位(binding site)」という用語は、他の分子がプローブと結合することのできるプローブの部位を指す。特定の実施形態では、プローブの結合部位は非共有結合的相互作用を介して別の分子と結合する。
【0022】
本明細書で使用される場合、「試料(sample)」という用語は、本明細書に記載されるように、目的の供給源から得られた、または由来した生物学的試料を指す。いくつかの実施形態において、目的の供給源は、動物またはヒトなどの生物を含む。いくつかの実施形態において、生物学的試料は、生物学的組織または液体を含む。いくつかの実施形態において、生物学的試料は以下、すなわち、骨髄、血液、血球、腹水、組織または微細針生検試料、細胞含有体液、遊離浮遊核酸、喀痰、唾液、尿、脳脊髄液、腹膜液、胸水、排泄物、リンパ液、婦人科液、皮膚ぬぐい液、膣ぬぐい液、口腔ぬぐい液、鼻ぬぐい液、乳管洗浄細胞診または気管支肺胞洗浄などの洗浄液または灌流、吸引液、擦り傷、骨髄標本、組織生検標本、手術標本、排泄物、その他の体液、分泌物、および/または排泄物、および/またはそれらの細胞など、である、またはこれらを含む。いくつかの実施形態において、生物学的試料は、個体から得られた細胞であるか、または該細胞を含む。いくつかの実施形態において、試料は、任意の適切な手段により、目的の供給源から直接得られた「一次試料(primary sample)」である。例えば、いくつかの実施形態において、一次生物学的試料は、生検(例えば、微細針吸引または組織生検)、手術、体液(例えば、血液、リンパ液、排泄物など)の採取などにより成る群から選択された方法によって得られる。いくつかの実施形態では、文脈から明らかになるように、「試料(sample)」という用語は、一次試料を処理(例えば、1つ以上の成分を除去すること、および/または1つ以上の薬剤を添加すること)することによって得られる調製物を指す。例えば、半透膜を使ったろ過。このような「処理された試料(processed sample)」は例えば、試料から抽出された核酸もしくはタンパク質、または一次試料をmRNAの増幅もしくは逆転写、特定の成分の単離および/もしくは精製などの技術にさらすことによって得られた核酸もしくはタンパク質から構成され得る。一部の実施形態では、「試料(sample)」という用語は、DNA、RNA、転写産物、または染色体などの核酸を指す。いくつかの実施形態では、「試料(sample)」という用語は、細胞から抽出された核酸を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、「実質的に/ほぼ(substantially)」という用語は、関心のある特性または性質の全体的またはそれに近い程度を示すという定性的な状態を指す。生物学分野の通常の技術者であれば、生物学的および化学的な現象が完成に至ること、および/または、完全性まで進行すること、あるいは絶対的な結果を達成または回避することはほとんどない、もしくは極めてまれであることを理解するであろう。したがって、「実質的に/ほぼ」という用語は、多くの生物学的および/または化学的現象に内在する完全性の潜在的欠如を捉えるために本明細書で使用される。
【0024】
本明細書に開示されているように、「標識(label)」という用語は一般に、細胞内の分子標的内の特定の標的部位を認識し、それに結合することができる分子を指す。例えば、標識は細胞内の分子標的に結合できるオリゴヌクレオチドを含むことができる。オリゴヌクレオチドは、分子標的に対して親和性を有する部分に連結することができる。オリゴヌクレオチドは、分子標的に共有結合的に連結可能な第1の部分に連結することができる。特定の実施形態では、分子標的は、標識と共有結合的な連結を形成することができる第2の部分を含む。特定の実施形態では、標識は、分子標的を含むまたは含んだ細胞の同定を提供できる核酸配列を含む。特定の実施形態では、複数の細胞が標識され、複数の細胞の各細胞は、他の標識された細胞に対して固有の標識を有する。
【0025】
本明細書に開示されるように、「バーコード(barcode)」という用語は、一般に、本明細書に記載される方法によって産生される標識のヌクレオチド配列を指す。バーコード配列は通常、分子標的を含む単一細胞を同定するのに十分な長さを有し、かつ、一意的である。
【0026】
本明細書で開示されるように、「連鎖した(linked)」という用語は、2つの分子間の共有結合または非共有結合性相互作用を指す。特に、非共有結合性相互作用の一種はハイブリダイゼーションである。
【0027】
本明細書に開示されるように、「シス-ライゲーションした(cis-ligated)」という用語は、一般に、同じオリゴヌクレオチド上の5’‐3’のオリゴヌクレオチドのライゲーションを指す。特定の実施形態において、「シス-ライゲーションした」とは、オリゴヌクレオチドの末端を一緒にライゲーションすることを指す。特定の実施形態において、「シス-ライゲーションした」とは、オリゴヌクレオチドの一方の末端が、オリゴヌクレオチドの他方の末端より前の任意の場所でヌクレオチドにライゲーションすることを指す。
【0028】
本明細書に開示されるように、「トランス-ライゲーションした(trans-ligated)」という用語は、一般に、異なるオリゴヌクレオチド上の5’‐3’のオリゴヌクレオチドのライゲーションを指す。特定の実施形態において、「トランス-ライゲーションした」とは、あるオリゴヌクレオチドの末端と別のヌクレオチドの末端を一緒にライゲーションすることを指す。特定の実施形態において、「トランス-ライゲーションした」とは、オリゴヌクレオチドの一方の末端が、異なるオリゴヌクレオチド上の任意のヌクレオチドのヌクレオチドにライゲーションされることを指す。
【0029】
本明細書で開示するように、「スプリントプローブ(splint probe)」または「スプリント(splint)」または「スプリント配列(splint sequence)」という用語は、相補的なプローブにハイブリダイズまたは結合する別のプローブに相補的なプローブを指し、プローブは互いに共有結合的に連結していない。特定の実施形態において、用語「スプリントプローブ」は、Lohman氏らの定義および技術を使用する。クロレラウイルスDNAリガーゼによるDNA‐RNAハイブリッドヘリックスにおける効率的なDNAライゲーション。非特許文献Nucleic Acid Research, 2014, vol.42 No.3 1831-1844は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0030】
[実施形態]
本開示は、複数のプローブを含む、指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅の組成物に関する実施形態を説明する。
【0031】
本開示は、複数のプローブを含む、指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅のキットに関する実施形態を説明する。
【0032】
本開示は、複数のプローブを含む、指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅の方法に関する実施形態を説明する。
【0033】
本開示は、RNAおよびDNAのseqFISHならびに免疫蛍光などの多重化イメージングに適用できる効率的かつスケーラブルなシグナル増幅法を説明する(
図1、
図3~5)。いくつかの実施形態では、数十または数百の直交アンプリコンの増幅を一度に行うことができる。
【0034】
ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)のような他の方法では、一度に数アンプリコンの増幅しかできず、1つの試料から数十または数百の種をイメージングする場合に非常に時間がかかるのとは対照的に、一次、二次、三次、四次、および読み出しプローブは、他の化学修飾よりも合成が著しく単純かつ低コストであり、既存の酵素プローブ合成プロトコルと容易に互換性がある。
【0035】
いくつかの実施形態において、複数のプローブを含む連鎖増幅蛍光その場ハイブリダイゼーション用の組成物が提供され、該組成物は、1つ以上の標的に結合可能な1つ以上の一次プローブであって、各一次プローブは、1つ以上の二次プローブ結合部位および随意的に1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む、一次プローブを含む。特定の実施形態において、組成物は、各々が一次プローブと結合可能な1つ以上の二次プローブを含み、各二次プローブは、1つ以上の三次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、組成物は、随意的に、各々が二次プローブに結合可能な1つ以上の三次プローブを含み、各三次プローブは、1つ以上の四次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、組成物は、随意的に、各々が三次プローブに結合可能な1つ以上の四次プローブを含み、各四次プローブは、1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、組成物は、1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブ上の結合部位に結合可能、および、検出可能な1つ以上の読み出しプローブを含む。特定の実施形態において、組成物は、プローブがハイブリダイズするとき、またはした後、もしくはプローブがハイブリダイズした後に、1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブを安定化することができる1つ以上の分子を含む。
【0036】
いくつかの実施形態において、複数のプローブを含む指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅のためのキットが提供され、該組成物は以下を含み、ここで、各一次プローブは、1つ以上の二次プローブ結合部位および随意的に1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、組成物は、各々が一次プローブと結合可能な1つ以上の二次プローブを含み、各二次プローブは、1つ以上の三次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、組成物は、随意的に、各々が二次プローブに結合可能な1つ以上の三次プローブを含み、各三次プローブは、1つ以上の四次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、組成物は、1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブ上の結合部位に結合可能、および、検出可能な1つ以上の読み出しプローブを含む。特定の実施形態において、キットは、プローブがハイブリダイズするとき、またはした後、もしくはプローブがハイブリダイズした後に、1つ以上の一次、二次、三次、または四次プローブを安定化することができる1つ以上の分子を含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅のための方法を含む指数関数的な放射輝度と結びつく連鎖増幅のための方法が提供され、該方法は、1つ以上の標的に結合する1つ以上の一次プローブと試料を接触させ、各一次プローブが標的にハイブリダイズするステップを含む。特定の実施形態において、本方法は、1つ以上の二次プローブを一次プローブにハイブリダイズさせるステップを含み、各二次プローブは、1つ以上の三次プローブ結合部位または1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態において、本方法は、随意的に、1つ以上の三次プローブを少なくとも1つの二次プローブにハイブリダイズさせるステップを含み、そしてここで、各三次プローブは、1つ以上の四次プローブまたは1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、随意的に、1つ以上の四次プローブを少なくとも1つの三次プローブにハイブリダイズさせるステップを含み、ここで、各四次プローブは、1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、ステップ(i)-(iv)の間、または後に、1つ以上の一次、二次、三次、または四次のプローブを安定化するステップを含む。特定の実施形態において、本方法は、1つ以上の読み出しプローブ結合部位に検出可能な読み出しプローブをハイブリダイズさせるステップを含む。本方法は、一次プローブの核酸に対する相互作用が検出されるように、細胞をイメージングするステップを含む。本方法は随意的に、接触およびイメージングのステップを繰り返し、その都度新たな複数の検出可能に標識化された読み出しプローブを用いて行われ、ここで、1つの標的に対する少なくとも1つの読み出しプローブは、その検出可能な部分の同じ標的に対する少なくとも1つの他の読み出しプローブと異なる。いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかが個々に、またはそれらの任意の組み合わせで繰り返される。
【0038】
[試料]
いくつかの実施形態において、本方法は試料を分析するステップを含み、該試料は細菌細胞、古細菌細胞、真核細胞、またはそれらの組み合わせからなる。特定の実施形態では、試料は組織、細胞、または細胞からの抽出物を含む。特定の実施形態において、試料は生体フィルムを含む。特定の実施形態において、試料は患者から得られた細胞を含む。
【0039】
[標的]
いくつかの実施形態において、標的は、転写産物、RNA、DNA遺伝子座、染色体、DNA、タンパク質、脂質、糖鎖、細胞標的、オルガネラ、およびそれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、転写産物、RNA、DNA遺伝子座、染色体、DNA、タンパク質、脂質、糖鎖、細胞標的、オルガネラ、およびそれらの任意の組み合わせはオリゴヌクレオチドに結合される。
【0040】
[一次、二次、三次、および四次プローブ]
いくつかの実施形態において、一次、二次、三次、または四次プローブは、少なくとも1つの読み出しプローブ結合部位を含む。特定の実施形態では、先の実施形態のいずれかにおいて、一次、二次、三次、または四次プローブは、少なくとも2つの読み出しプローブ結合部位を含む。いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかにおいて、一次、二次、三次、または四次プローブは、少なくとも3つの読み出しプローブ結合部位を含む。いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかにおいて、一次、二次、三次、または四次プローブは、少なくとも4つの読み出しプローブ結合部位を含む。いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかにおいて、一次、二次、三次、または四次プローブは、少なくとも5つの読み出しプローブ結合部位を含む。いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかにおいて、一次、二次、三次、または四次プローブは、少なくとも6つの読み出しプローブ結合部位を含む。いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかにおいて、一次、二次、三次、または四次プローブは、少なくとも7つの読み出しプローブ結合部位を含む。いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかにおいて、一次、二次、三次、または四次プローブは、少なくとも8つの読み出しプローブ結合部位を含む。いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかにおいて、一次、二次、三次、または四次プローブは、少なくとも9つの読み出しプローブ結合部位を含む。いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかにおいて、一次、二次、三次、または四次プローブは、少なくとも10つの読み出しプローブ結合部位を含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、標的核酸配列に相補的な核酸配列を含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、標的核酸配列に相補的な配列は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。いくつかの実施形態において、配列相補性は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。
【0043】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも5ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも6ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも7ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも8ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも9ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも10ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも11ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも12ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも13ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも14ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも15ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも16ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも17ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも18ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも19ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも20ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、少なくとも21ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次プローブは、30、50、100、200、250、500、750、または1000ヌクレオチド長未満のオリゴヌクレオチドを含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも5ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも6ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも7ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも8ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも9ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも10ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも11ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも12ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも13ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも14ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも15ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも16ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも17ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも18ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも19ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも20ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、少なくとも21ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の二次プローブは、30、50、100、200、250、500、750、または1000ヌクレオチド長未満のオリゴヌクレオチドを含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも5ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも6ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも7ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも8ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも9ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも10ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも11ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも12ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも13ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも14ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも15ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも16ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも17ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも18ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも19ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも20ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、少なくとも21ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の三次プローブは、30、50、100、200、250、500、750、または1000ヌクレオチド長未満のオリゴヌクレオチドを含む。
【0046】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも5ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも6ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも7ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも8ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも9ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも10ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも11ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも12ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも13ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも14ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも15ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも16ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも17ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも18ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも19ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも20ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、少なくとも21ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の四次プローブは、30、50、100、200、250、500、750、または1000ヌクレオチド長未満のオリゴヌクレオチドを含む。
【0047】
いくつかの実施形態において、二次プローブは一次プローブ上の二次プローブ結合部位を補完する。いくつかの実施形態において、三次プローブは二次プローブ上の二次プローブ結合部位を補完する。いくつかの実施形態において、四次プローブは三次プローブ上の三次プローブ結合部位を補完する。いくつかの実施形態において、プローブ相補体は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列相補性を含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、一次、二次、三次、および四次のプローブ結合部位の長さは、5~100ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、一次、二次、三次、および四次のプローブ結合部位の長さは、5~10ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、一次、二次、三次、および四次のプローブ結合部位の長さは、5~20ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、一次、二次、三次、および四次のプローブ結合部位の長さは、5~30ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、一次、二次、三次、および四次のプローブ結合部位の長さは、5~40ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、一次、二次、三次、および四次のプローブ結合部位の長さは、5~50ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、一次、二次、三次、および四次のプローブ結合部位の長さは、5~60ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、一次、二次、三次、および四次のプローブ結合部位の長さは、5~70ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、一次、二次、三次、および四次のプローブ結合部位の長さは、5~80ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、一次、二次、三次、および四次のプローブ結合部位の長さは、5~90ヌクレオチドの範囲である。
【0049】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の組成物またはキットは、2つ以上の標的に結合可能な2つ以上の一次プローブを含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の組成物またはキットは、一次プローブと結合可能な2つ以上の二次プローブを含み、各二次プローブは、2つ以上の三次プローブ結合部位または2つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の組成物またはキットは、2つ以上の三次プローブを含み、各該三次プローブは、2つ以上の三次プローブ結合部位に結合可能であり、各三次プローブは、1つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のキットは、DNAリガーゼを含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の方法は、試料を1つ以上の標的に結合する2つ以上の一次プローブと接触させることを含み、ここで、2つ以上の一次プローブは標的にハイブリダイズする。
【0054】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の方法は、二次プローブを、ライゲーションされた一次プローブにハイブリダイズするステップを含み、ここで、二次プローブは、2つ以上の三次プローブ結合部位または2つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。
【0055】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の方法は、三次プローブを少なくとも2つの二次プローブにハイブリダイズすることを含み、そしてここで、各三次プローブは、2つ以上の読み出しプローブ結合部位を含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、任意の先の請求項の方法は、2つ以上の読み出しプローブ結合部位に検出可能な読み出しプローブをハイブリダイズさせることを含む。
【0057】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の方法は、さらに、接触およびイメージングのステップを繰り返すステップを含み、その都度新たな複数の検出可能に標識化された読み出しプローブを用いて行われ、それぞれの新たな複数の該プローブは、1つの標的に対する少なくとも1つの読み出しプローブが、前の複数の同じ標的に対する少なくとも1つの読み出しプローブと異なり、それらの検出可能な部位において少なくとも異なる。
【0058】
[増幅器フラグメント]
いくつかの実施形態において、各二次、各三次、および/または各四次プローブは、少なくとも2つの増幅器フラグメントを含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、二次、二次および三次、二次、三次および四次、二次および四次、三次、三次および四次、または四次プローブは、少なくとも2つの増幅器フラグメントを含む。
【0060】
特定の実施形態において、二次プローブの増幅器フラグメントは、少なくとも第1増幅器フラグメントを含み、ここで第1増幅器フラグメントは、一次プローブに対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、一次プローブとハイブリダイズする。特定の実施形態において、二次プローブの増幅器フラグメントは、少なくとも第2増幅器フラグメントを含み、ここで第2増幅器フラグメントは、一次プローブに対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、一次プローブとハイブリダイズする。
【0061】
いくつかの実施形態において、三次プローブの増幅器フラグメントは、少なくとも第1増幅器フラグメントを含み、ここで第1増幅器フラグメントは、二次プローブまたは二次プローブの第1もしくは第2増幅器フラグメントに対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、二次プローブまたは二次プローブの第1もしくは第2増幅器フラグメントとハイブリダイズする。特定の実施形態において、三次プローブの増幅器フラグメントは、少なくとも第2増幅器フラグメントを含み、ここで第2増幅器フラグメントは、二次プローブまたは二次プローブの第1もしくは第2増幅器フラグメントに対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、二次プローブまたは二次プローブの第1もしくは第2増幅器フラグメントとハイブリダイズする。
【0062】
いくつかの実施形態において、四次プローブの増幅器フラグメントは、少なくとも第1増幅器フラグメントを含み、ここで第1増幅器フラグメントは、三次プローブまたは三次プローブの第1もしくは第2増幅器フラグメントに対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、三次プローブまたは三次プローブの第1もしくは第2増幅器フラグメントとハイブリダイズする。特定の実施形態において、四次プローブの増幅器フラグメントは、第2増幅器フラグメントを含み、ここで第2増幅器フラグメントは、三次プローブまたは三次プローブの第1もしくは第2増幅器フラグメントに対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、三次プローブまたは三次プローブの第1もしくは第2増幅器フラグメントとハイブリダイズする。
【0063】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の組成物、キット、または方法は、リガーゼが、任意の二次、三次、または四次の増幅器フラグメントの第1または第2フラグメントをライゲーションすることを含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも5ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも6ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも7ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも8ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも9ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも10ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも11ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも12ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも13ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも14ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも15ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも16ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも17ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも18ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも19ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも20ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、少なくとも21ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の増幅器フラグメントは、30、50、100、200、250、500、750、または1000ヌクレオチド長未満のオリゴヌクレオチドを含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも5ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも6ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも7ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも8ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも9ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも10ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも11ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも12ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも13ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも14ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも15ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも16ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも17ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも18ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも19ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも20ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、少なくとも21ヌクレオチド長の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性の領域は、30、50、100、200、250、500、750、または1000ヌクレオチド長未満の先の実施形態のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの領域を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の相補性領域は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である配列相補性を含む。
【0067】
[スプリント配列]
いくつかの実施形態において、任意の実施形態における組成物、キット、または方法は、スプリント配列を含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも5ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも6ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも7ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも8ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも9ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも10ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも11ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも12ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも13ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも14ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも15ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも16ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも17ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも18ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも19ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも20ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、少なくとも21ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の各スプリント配列は、30、50、100、200、250、500、750、または1000ヌクレオチド長未満のオリゴヌクレオチドを含む。
【0069】
いくつかの実施形態において、スプリント配列は、二次、三次、または四次増幅器フラグメントの第1増幅器フラグメント、第2増幅器フラグメント、または両方の増幅器フラグメントにハイブリダイズする。
【0070】
特定の実施形態において、スプリント配列は、少なくとも2つのスプリント配列フラグメントを含む。
【0071】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも5ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも6ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも7ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも8ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも9ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも10ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも10ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも11ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも12ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも13ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも14ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも15ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも16ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも17ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも18ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも19ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも20ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、少なくとも21ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のスプリント配列フラグメントは、30、50、100、200、250、500、750、または1000ヌクレオチド長未満のオリゴヌクレオチドを含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、スプリント配列フラグメントはライゲーションされる。
【0073】
[プローブの安定化]
いくつかの実施形態において、本方法は、一次、二次、三次、または四次プローブを安定化するステップを備える。いくつかの実施形態において、本方法は、一次プローブを安定化するステップを備える。いくつかの実施形態において、本方法は、二次プローブを安定化するステップを備える。いくつかの実施形態において、本方法は、三次プローブを安定化するステップを備える。いくつかの実施形態において、本方法は、四次プローブを安定化するステップを備える。
【0074】
いくつかの実施形態において、プローブは、酵素ライゲーション、化学ライゲーション、オリゴスプリントプローブの有無に関わらずUV架橋、スプリントプローブのハイブリダイゼーション、マトリックスを介した架橋、および化学架橋、またはそれらの任意の組み合わせから選択される方法によって安定化される。特定の実施形態において、酵素ライゲーションに使用される酵素は、T4リガーゼ、T7リガーゼ、クイックリガーゼ、T3リガーゼ、およびアンプリガーゼから選択される。特定の実施形態において、化学的ライゲーションは、アミン-リン酸塩、ジアミン、およびチオールライゲーションから選択される。特定の実施形態において、マトリックスを介した架橋は、ポリアクリルアミドまたはアガロースから作られたヒドロゲルを含む。特定の実施形態において、安定化のための化学架橋は、パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、およびDSP(ジチオビススクシンイミジルプロピオン酸:dithiobis succinimidyl propionate)などの可逆性架橋剤から選択される。特定の実施形態において、スプリントプローブは、ロックド核酸(LNA:locked nucleic acid)またはペプチド核酸(PNA:peptide nucleic acid)を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次プローブは、オリゴヌクレオチドプローブ、LNAまたはPNA、もしくはタンパク質、分子複合体、または低化学分子などの1つ以上の付加的な分子を通してシス-ライゲーションする。
【0076】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次プローブは、中間分子を介して直接的または間接的にUVシス‐ライゲーションする。
【0077】
いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次プローブは、直接または中間分子を介して、細胞または試料マトリックスとシス‐ライゲーションする。特定の実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次プローブは、パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、または可逆性架橋剤を含む化学架橋剤を用いてシス-ライゲーションする。特定の実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次プローブは、天然組織マトリックス、組織マトリックス、または外因性マトリックスを含むマトリックスを用いてシス‐ライゲーションする。特定の実施形態において、外因性マトリックスはヒドロゲルを含む。
【0078】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次プローブは、その後のプローブハイブリダイゼーションの前に安定化される。特定の実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次のプローブは、ストリッピングステップの前に安定化される。
【0079】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次プローブは、リガーゼを使用してライゲーションする。特定の実施形態では、プローブはシスまたはトランスのいずれかにライゲーションする。いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次プローブはシス‐ライゲーションする。いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次プローブはトランス-ライゲーションする。
【0080】
いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次プローブは、アクリルアミド重合によってシス-ライゲーションする。
【0081】
いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次プローブは、クリックケミストリーによってシス-ライゲーションする。
【0082】
いくつかの実施形態では、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、三次、または四次プローブは、反応性基によってシス-ライゲーションし、ここで反応性基は、アルケン、アルキン、アジド、アミド、アミン、ニトロン、ホスフェート、テトラジン、およびテトラゾールから選択された反応性対を形成する。
【0083】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の方法は、ライゲーションまたは架橋結合した一次プローブを使用する。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の方法は、シスまたはトランスのいずれかにライゲーションまたは架橋した一次プローブを使用する。
【0084】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、または三次プローブは、ライゲーションまたは架橋結合している。
【0085】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の一次、二次、または三次プローブは、シス-ライゲーションしている。
【0086】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の酵素は、DNAもしくはRNAリガーゼ、またはDNAポリメラーゼもしくはRNAポリメラーゼ、およびまたは上記の任意の組み合わせを含む。
【0087】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のキットは、DNAリガーゼを含む。
【0088】
[フルオロフォア]
いくつかの実施形態において、任意の実施形態の組成物、キット、または方法は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載のいずれか1つの組成物、キット、または方法は、少なくとも2つの異なる検出可能な部分を含む。特定の実施形態では、検出可能な部位は同じである。
【0089】
いくつかの実施形態において、検出可能な部分は、当業者によって適切であるとみなされる任意のフルオロフォア(蛍光色素分子)である。
【0090】
いくつかの実施形態において、検出可能な部分には、フルオレセイン、ローダミン、Alexa Fluors、DyLight Fluors、ATTO Dyes、またはそれらの類似物もしくは誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、検出可能な部分としては、フルオレセインおよびフルオレセインの化学的誘導体、エオシン、カルボキシフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアン酸塩(FITC:Fluorescein isothiocyanate)、フルオレセインアミダイト(FAM:Fluorescein amidite)、エリスロシン、ローズベンガル、緑膿菌から分泌されるフルオレセイン、メチレンブルー、レーザー色素、ローダミン色素(例えば、ローダミン、ローダミン6G、ローダミンB、ローダミン123、オーラミンO、スルフォローダミン101、スルフォローダミンB、テキサスレッド)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
いくつかの実施形態において、検出可能な部分には以下、すなわち、ATTO色素、アクリジン色素(例えば、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー)、Alexa Fluor、7‐アミノアクチノマイシンD、8‐アニリノナフタレン‐1‐スルホン酸塩、オーラミンローダミン染色、ベンザントロン、5,12‐ビス(フェニルエチニル)ナフタセン、9,10‐ビス(フェニルエチニル)アントラセン、ブラックライトペイント、ブレインボウ、カルセイン、カルボキシフルオレセイン、カルボキシフルオレセインジアセテートサクシニミジルエステル、カルボキシフルオレセインサクシニミジルエステル、1‐クロロ‐9,10‐ビス(フェニルエチニル)アントラセン、2‐クロロ‐9,10‐ビス(フェニルエチニル)アントラセン、2‐クロロ‐9,10-ジフェニルアントラセン、クマリン、シアニン色素(例えば、Cy3およびCy5のようなシアニン、DiOC6、SYBR Green I)、DAPI、ダーククエンチャー、DyLight Fluor、Fluo-4、FluoProbes、フルオロン色素(例えば、カルセイン、カルボキシフルオレセイン、カルボキシフルオレセインジアセテートサクシニミジルエステル、カルボキシフルオレセインサクシニミジルエステル、エオシン、エオシンB、エオシンY、エリスロシン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアン酸塩、フルオレセインアミダイト、インディアン‐イエロー、メルブロミン)、Fluoro-Jade染色、Fura-2、Fura-2-アセトキシメチルエステル;緑色蛍光タンパク質、ヘキスト染色、インディアン‐イエロー、Indo-1、ルシファーイエロー、ルシフェリン、メロシアニン、蛍光増白剤、オキサジン色素(例えば、クレシルバイオレット、ナイルブルー、ナイルレッド)、ペリレン、フェナントリジン色素(臭化エチジウム、ヨウ化プロピジウム)、フロキシン、フィコビリン、フィコエリトリン、フィコエリスロビリン、ピラニン、ローダミン、ローダミン123、ローダミン6G、リボグリーン、RoGFP、ルブレン、SYBRグリーンI、(E)-スチルベン、(Z)-スチルベン、スルフォローダミン101、スルフォローダミンB、Synapto-pHluorin、テトラフェニルブタジエン、テトラナトリウムトリス(バトフェナントロリンジスルホン酸塩)ルテニウム(II)、Texas Red、TSQ、Umbelliferone、または黄色蛍光タンパク質、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
いくつかの実施形態において、検出可能な部分には、Alexa Fluorファミリーの蛍光色素(Molecular Probes、オレゴン州)が挙げられるが、これらに限定されない。Alexa Fluor色素は、蛍光顕微鏡および細胞生物学における細胞および組織の標識として広く使用されている。Alexa Fluorシリーズの励起および発光スペクトルは、可視スペクトルをカバーし、赤外にまで拡がる。ファミリーの個々のメンバーは、その励起極大(nm単位)に従って大まかに番号が付けられている。特定のAlexa Fluor色素は、クマリン、ローダミン、キサンテン(フルオレセインなど)、および、シアニン色素のスルホン化によって合成される。ある実施形態では、スルホン化によってAlexa Fluor色素は負に帯電し、親水性になる。いくつかの実施形態では、Alexa Fluor色素は、同等の励起および発光を持つ一般的な色素(例えばフルオレセイン、ローダミン)、ならびにある程度新しいシアニン系よりも安定で、明るく、pH感受性が低い。例示的なAlexa Fluor色素としては、Alexa-350、Alexa-405、Alexa-430、Alexa-488、Alexa-500、Alexa-514、Alexa-532、Alexa-546、Alexa-555、Alexa-568、Alexa-594、Alexa-610、Alexa-633、Alexa-647、Alexa-660、Alexa-680、Alexa-700、またはAlexa-750が挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
いくつかの実施形態において、検出可能な部分は、1つ以上のDyLight Fluorファミリーの蛍光色素(DyomicsおよびThermo Fisher Scientific)を含む。例示的なDyLight Fluorファミリー色素としては、DyLight-350、DyLight-405、DyLight-488、DyLight-549、DyLight-594、DyLight-633、DyLight-649、DyLight-680、DyLight-750、またはDyLight-800が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
いくつかの実施形態では、検出可能な部分はナノ材料を含む。いくつかの実施形態では、フルオロフォアはナノ粒子である。いくつかの実施形態では、検出可能な部分は量子ドットである、または量子ドットを含む。いくつかの実施形態では、フルオロフォアは量子ドットである。いくつかの実施形態では、検出可能な部分は量子ドットを含む。いくつかの実施形態では、検出可能な部分は金のナノ粒子である、または金のナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、検出可能な部分は、金のナノ粒子である。いくつかの実施形態では、検出可能な部分は金のナノ粒子を含む。
【0095】
[読み出しプローブ]
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の1つ以上の読み出しプローブは、検出可能な部分を有するオリゴヌクレオチドまたは抗体を含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の1つ以上の読み出しプローブは、同じ配列を有するオリゴヌクレオチドを含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の1つ以上の読み出しプローブは、異なる配列を有するオリゴヌクレオチドを含む。
【0098】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の1つ以上の読み出しプローブは、少なくとも17ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも5ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも10ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも11ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも12ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも13ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも14ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも15ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも16ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも17ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも18ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも19ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも20ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、少なくとも21ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の読み出しプローブは、30、50、100、200、250、500、750、または1000ヌクレオチド長未満のオリゴヌクレオチドを含む。
【0100】
いくつか実施形態において、読み出しプローブは、一次プローブ上の読み出しプローブ結合部位を補完する。いくつかの実施形態において、読み出しプローブは、二次プローブ上の読み出しプローブ結合部位を補完する。いくつかの実施形態において、読み出しプローブは、三次プローブ上の読み出しプローブ結合部位を補完する。いくつかの実施形態において、読み出しプローブは、四次プローブ上の読み出しプローブ結合部位を補完する。いくつかの実施形態において、読み出しプローブはスプリント配列フラグメントと相補的である。いくつかの実施形態において、プローブ相補体は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列相補性を含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、読み出しプローブ結合部位の長さは、5~100ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、読み出しプローブ結合部位の長さは、5~10ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、読み出しプローブ結合部位の長さは、5~20ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、読み出しプローブ結合部位の長さは、5~30ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、読み出しプローブ結合部位の長さは、5~40ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、読み出しプローブ結合部位の長さは、5~50ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、読み出しプローブ結合部位の長さは、5~60ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、読み出しプローブ結合部位の長さは、5~70ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、読み出しプローブ結合部位の長さは、5~80ヌクレオチドの範囲である。いくつかの実施形態において、読み出しプローブ結合部位の長さは、5~90ヌクレオチドの範囲である。
【0102】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の組成物またはキットは、1つ以上の読み出しプローブ結合部位の少なくとも1つに結合可能であり、かつ、検出可能な2つ以上の読み出しプローブを含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の組成物またはキットは、1つ以上の読み出しプローブ結合部位の少なくとも1つに結合可能であり、かつ、検出可能な2つ以上の読み出しプローブを含む。
【0104】
[試料のイメージング]
いくつかの実施形態において、本方法は、プローブまたはバーコードをイメージングするステップを備える。いくつかの実施形態において、本方法は、標的プローブまたはバーコードをイメージングするステップを備える。当業者であれば理解できるように、イメージングステップには異なる技術を用いることができる。
【0105】
いくつかの実施形態において、イメージング方法は、エピ蛍光顕微鏡法、共焦点顕微鏡法、異なる種類の超解像顕微鏡法(PALM/STORM、SSIM/GSD/STED)、および光シート顕微鏡法(SPIM等)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
いくつかの実施形態において、例示的な超解像技術を含むイメージング方法には以下、すなわち、I5Mおよび4Pi顕微鏡法、誘導放出抑制顕微鏡法(STEDM:Stimulated Emission Depletion microscopy)、基底状態抑制顕微鏡法(GSDM:Ground State Depletion microscopy)、空間構造化照明顕微鏡法(SSIM:Structured Illumination microscopy)、光活性化局在性顕微鏡法(PALM:Photo-Activated Localization Microscopy)、可逆的飽和性光学線形蛍光遷移(RESOLFT:Reversible Saturable Optically Linear Fluorescent Transition)、全反射蛍光顕微鏡(TIRFM:Total Internal Reflection Fluorescence Microscope)、Fluorescence-PALM(FPALM)、確率的光学再構築顕微鏡(STORM:Stochastical Optical Reconstruction Microscopy)、1ナノメートル精度での蛍光イメージング(FIONA:Fluorescence Imaging with One-Nanometer Accuracy)、およびこれらの組み合わせ、が挙げられるが、これらに限定されない。例としては以下が挙げられるすなわち、非特許文献Chi, 2009 “Super-resolution microscopy: breaking the limits,” Nature Methods 6(1): 15-18、非特許文献Blow 2008 “New ways to see a smaller world,” Nature 456:825-828、非特許文献Hell, et al, 2007, “Far-Field Optical Nanoscopy,” Science 316: 1153、非特許文献R. Heintzmann and G. Ficz, 2006, “Breaking the resolution limit in light microscopy,” Briefings in Functional Genomics and Proteomics 5(4):289-301、非特許文献 Garini et al., 2005, “From micro to nano: recent advances in high-resolution microscopy,” Current Opinion in Biotechnology 16:3-12、および、非特許文Bewersdorf et al, 2006, “Comparison of I5M and 4Pi-microscopy,” 222(2): 105-1 17;ならびに非特許文献Wells, 2004, “Man the Nanoscopes,” JCB 164(3):337-340。
【0107】
いくつかの実施形態において、電子顕微鏡(EM:electron microscopes)がイメージングに使用されている。
【0108】
いくつかの実施形態において、イメージングステップは標的を検出する。いくつかの実施形態において、イメージングステップは、標的を局在化する。いくつかの実施形態において、イメージングステップは、標的の3次元空間情報を提供する。いくつかの実施形態において、イメージングステップは、標的を定量化する。複数の接触およびイメージングステップを用いることで、提供される方法は、驚くほど高いスループットで、多数の標的の空間的および/または定量的な情報を提供することができる。例えば、検出可能なF種類の異なるラベルを使用する場合、N回の接触およびイメージングステップを経て、最大FN個のターゲットの空間的および/または定量的な情報を得ることができる。
【0109】
イメージングのための特定の技術は当技術分野で知られている。例えば、2014年4月30日に出願され、「MULTIPLEX LABELING OF MOLECULES BY SEQUENTIAL HYBRIDIZATION BARCODING」と題された国際PCT特許出願第PCT/US2014/036258号を参照されたく、その全内容は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0110】
いくつかの実施形態において、本方法は、細胞のサイズおよび形状、マーカー、免疫蛍光測定、またはそれらの任意の組み合わせを分析するステップを含む。
【0111】
[プローブの除去]
いくつかの実施形態において、先の実施形態のいずれかに記載の方法は、各ステップの後に試料を洗浄するステップを備える。特定の実施形態では、試料は非特異的ハイブリダイゼーション反応を除去する緩衝液で洗浄される。特定の実施形態において、ホルムアミドが洗浄ステップで使用される。特定の実施形態において、洗浄緩衝液はストリンジェントである。特定の実施形態において、洗浄緩衝液は、10%ホルムアミド、2xSSC、および0.1%トリトンX-100sを含む。
【0112】
いくつかの実施形態において、本方法は、1つ以上のイメージングステップ後に、1つ以上のプローブを除去するステップを備える。いくつかの実施形態において、プローブを除去するステップは、複数の読み出しプローブを、プローブを消化する酵素と接触させるステップを含む。いくつかの実施形態において、除去するステップは、複数のプローブをDNaseと接触させること、複数のプローブをRNaseと接触させること、光漂白、鎖置換、ホルムアミド洗浄、熱変性、化学変性、切断、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、除去するステップは、光漂白してプローブを除去することを含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、本方法は、さらに、1つ以上のイメージングステップ後に読み出しプローブを除去するステップを含むことを備える。いくつかの実施形態において、本方法は、除去するステップは、複数の読み出しプローブを、読み出しプローブを消化する酵素と接触させるステップを備える。いくつかの実施形態において、本方法は、剥離試薬、洗浄緩衝液、光漂白、化学的漂白、およびそれらの任意の組合せを使用して、読み出しプローブを除去するステップを備える。いくつかの実施形態において、本方法は、複数の標的読み出しプローブをDNaseと接触させること、複数の標的プローブをRNaseと接触させること、光漂白、鎖置換、ホルムアミド洗浄、熱変性、またはそれらの組合せを備える。いくつかの実施形態において、標的読み出しプローブは光漂白によって除去される。
【0114】
いくつかの実施形態において、本方法は、試料を透明化するステップを備える。いくつかの実施形態において、試料はCLARITYによって透明化される。いくつかの実施形態では、試料はハイドロゲル包埋後によって透明化される。
【0115】
プローブを除去するための特定の技術は当技術分野で知られている。例えば、2014年4月30日に出願され、「MULTIPLEX LABELING OF MOLECULES BY SEQUENTIAL HYBRIDIZATION BARCODING」と題された国際PCT特許出願第PCT/US2014/036258号を参照されたく、その全内容は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0116】
以下の非限定的な方法は、本明細書に開示される本発明の実施形態をさらに説明するために提供される。以下の実施例に開示された技術は、本発明のいくつかの実施形態の実施において良好に機能することが見出されたアプローチを表すものであり、したがって、その実施態様の例を構成するものと考えられることが、当業者には理解されよう。しかしながら、当業者であれば、本開示に照らして、本発明の要旨および範囲から逸脱することなく、開示されている特定の実施形態に多くの変更を加えても、同様または類似の結果を得ることができることを理解すべきである。
【0117】
[方法]
[プローブ設計および合成]
遺伝子または抗体バーコードに特異的な一次プローブは、FISH技術で一般的なように、目的のRNAまたはDNA配列を標的とするように設計されている。一般的には、25~35ヌクレオチドの相補領域が使用される。RNA FISHでは、各転写物に対してこれらの10~30ヌクレオチドが設計される。
【0118】
直接読み出しプローブ部位の代わりに、一次プローブは、増幅パドロックプローブの第1ラウンドにおける1~4部位(以下、‘A’配列と称する)、およびライゲーション用のスプリントをハイブリダイズさせるのに使用できる5‘および3’共通配列を有する。
【0119】
5’-リン酸化増幅プローブの3つのプールが合成される。第1のプール(二次プローブ)は一次プローブ上の「A」配列に結合し、「B」配列の多重反復を表示する。第2のプール(三次プローブ)は「B」配列に配列し、「A」配列の多重反復を示す。第3のプール(読み出しプローブ)は、「A」配列または「B」配列に結合し、蛍光結合した読み出しプローブの結合部位を表示する。
【0120】
[増幅プロトコル]
随意的に、8%SDSまたはTriton X‐100をRTで30分間、あるいはエタノールまたはメタノールを-20℃で1~24時間など、試料の予透明化を行ってもよい。
【0121】
一次プローブまたは抗体は、例えば標準的なハイブリダイゼーションまたは標準的な免疫蛍光ブロッキング緩衝液中で、smFISHにおいて通常の試料と培養する。
【0122】
一次プローブが5’-リン酸化されている場合、それらはリガーゼによってライゲーションされる。
【0123】
一次プローブが5’アクリダイト基を持つ場合、試料はポリアクリルアミドゲルに埋め込まれる。重合後、例えば1%SDS/50mM Tris HCl/2mM CaCl2中で、プロテイナーゼKを用いて、37℃で1~24時間、サンプルの消化/透明化を行う。
【0124】
試料は、ハイブリダイゼーション、洗浄、安定化、および、二次ならびに三次プローブとの連結および洗浄が繰り返され、その後、読み出しオリゴで読み出される。
【0125】
増幅された試料は、随意的に後固定することもできる。このステップにより、ホルムアミド剥離および再ハイブリダイゼーションからなる多くのイメージングラウンドでの、増幅の安定性が確保される可能性がある。
【0126】
[イメージング]
化学的に結合させた蛍光プローブを、適切な緩衝液(例えば、10%エチレンカーボネート、4xSSC、10%6.5~10kDaデキストラン硫酸塩に5~40分間、続いて10%ホルムアミド、2xSSC、0.1%トリトンX‐100のような低刺激な洗浄、その後DAPIのような核染色)中、RT‐37℃で各読み出しアダプター上のユニークな10‐17ヌクレオチド配列に直接、またはショートブリッジを用いてハイブリダイズさせる。
【0127】
通常のsmFISHと同様に、イメージングは、4xSSC、25mM Tris HCl、グルコースオキシダーゼ、カタラーゼ、トロロックスを含む抗漂白緩衝液系で、最適なフィルターセットおよびレーザー照射を用いて行われる。CMOSカメラを搭載した共焦点顕微鏡または広視野顕微鏡では、一般的に50~500mWのレーザー出力および20~100倍の間の対物レンズが使用される。重要なのは、増幅によって、Zスライスあたりの露光時間を大幅に短縮、回転ディスク共焦点顕微鏡では10msまで短縮できることで、これは背景シグナルを大幅に低減できる。あるいは、広視野セットアップは組織試料のsmFISHを画像化するのに使用することができ、これは、一般的には共焦点イメージングを必要とする。
【0128】
蛍光読み出しプローブは、5~10ヌクレオチドトーホールドを用いた鎖置換を伴う、または伴わない60%以下のホルムアミド洗浄によってストリッピングされる。鎖置換は、より高GC含量の読み出し配列からの蛍光シグナルを完全に消滅させるのに役立つ可能性がある。
【実施例】
【0129】
(実施例1)
本明細書で開示される方法は、DNA一次プローブまたはDNA結合抗体を用いて、その場またはインビトロ(体外)で目的の核酸またはタンパク質を標的にするもので、それらは環状一本鎖DNA(ssDNA)にライゲーションされる、または、ポリアクリルアミドゲルに架橋し、二次プローブ結合部位を含むことができる。
【0130】
一例として、一次結合部位(
図1)はssDNA一次プローブとハイブリダイズされるが、該プローブはより高い親和性のためにロックド核酸(LNA)または他の修飾オリゴヌクレオチドを含むことができる。
【0131】
一次プローブの5’末端は、DNAリガーゼによる共有結合での環状化を可能にするリン酸塩、または、ポリアクリルアミド架橋へのフリーラジカル重合を可能にするアクリルアミドによって修飾される。このライゲーション/重合ステップは、その後のハイブリダイゼーションおよび洗浄の繰り返しの間、標的にしたヌクレオチドへの一次プローブ結合を安定化する。
【0132】
酵素を使ってプローブをライゲーションすることには、クリックケミストリーを用いてライゲーションするプローブを設計するよりもいくつかの利点がある。酵素ライゲーショでは、ライゲーションするためにプローブの両端が隣り合っていなければならないため、より良い特異性が得られる。対照的に、クリックケミストリーはしばしば、隣接していないプローブの末端をライゲーションする。酵素ライゲーションを使用することは、増幅が非常に特異的であることを確実にする。さらに、酵素の使用は、実験用のオリゴヌクレオチドを安価に大量生産することを可能にする。クリックケミストリーを利用した個々のプローブは、1プローブあたりおよそ1000ドルで購入されることが多い。
【0133】
次に、5’-リン酸化修飾を施したパドロック型の二次プローブを、一次プローブ内の1つまたは複数の二次結合部位にハイブリダイズし、その後、DNAリガーゼでライゲーションする。これらの二次プローブは、2つ以上の三次プローブ結合部位を含む。二次プローブのハイブリダイゼーションおよびライゲーションの後、5’-リン酸化修飾を施したパドロック型の三次プローブは二次プローブ内の2つ以上の三次結合部位にハイブリダイゼーションされ、DNAリガーゼでライゲーションされる。これらの三次プローブは、2つ以上の二次プローブ結合部位を含んでいる。
【0134】
重要なのは、上記のステップは繰り返すことができるということである。なぜなら、二次および三次プローブは2つ以上の二次または三次プローブ結合部位を持っているため、ステップの繰り返しにより、二次および三次プローブの指数関数的な増幅が可能となる。例えば、各々が2つのプローブ結合部位を有する二次および三次プローブが、ハイブリダイゼーションおよびライゲーションを2回行うと、1つの二次プローブ結合部位を2
4=16個の二次プローブ結合部位に増幅することができる。二次プローブおよび三次プローブのハイブリダイゼーションおよびライゲーションの追加ステップにより、読み出しプローブ結合部位の数を理論的には数千倍に増やすことができ、実際には数百倍が達成された(
図1および
図6E)。
【0135】
所望の繰り返し回数の後、5’末端がリン酸化修飾されたパドロック型のプローブは、複数の読み出しプローブ結合部位を含み、同様にハイブリダイズおよびライゲーションされる。読み出し結合部位はその後、フルオロフォアに結合した17-ntまたはそれより短い読み出しプローブによって可視化され、一次プローブから直接得られるシグナルに比べて指数関数的に増幅されたシグナルが得られる。読み出しプローブからの蛍光シグナルは、一次プローブおよびパドロック構造に影響を与えることなく、60%以下のホルムアミド溶液を使用することで剥離することができる(
図1)。
【0136】
二次、三次、および読み出しプローブ配列の直交セットを準備することにより、細胞、組織、全組織標本試料、または抽出されたインビトロ試料の両方で、目的の多くの核酸またはタンパク質種に対してシグナル増幅を行うことができる(
図2)。多くの標的に対するこの増幅プロセスは一度にまとめて達成することができるが、これは、配列が直交しており互いにクロスハイブリダイズしないためである(
図2)。マルチプレキシング増幅は、個々の標的を1つずつ順次に画像化するnonbarcoded seqFISH、または個々の標的に割り当てられた色または擬似色が複数ラウンドのバーコードハイブリダイゼーションで変化するbarcoded seqFISHのいずれかで実施することができる。例えば、20の擬似カラーを各4回(20
4=160,000)バーコーディングすることにより、20,000以上の遺伝子を検出することができる。
【0137】
私たちは、LANTERNによって検出されたドットと従来のsmFISHとの間、および2つの異なるLANTERN増幅器の間で、良好な一致を見いだした(
図2、中央および右、ならびに
図3)。RNA FISHに加えて、LANTERNはゲノムDNA FISHシグナル(
図4)およびDNA結合した抗体からのタンパク質シグナル(
図5)の増幅にも使用できる。さらに、我々は、マウスの脳、ヒト乳がん生検、および全組織標本ニワトリ胚など、複数の組織および細胞において、LANTERNをRNA FISHシグナルの増幅に応用した(
図6)。LANTERNは、ポリアクリルアミドハイドロゲル包埋プロトコルと高い互換性があり、試料の包埋および透明化の前または後に実施することができる。
【0138】
本方法には、既存の増幅法と比べて以下のような利点がある。LANTERNで増幅されたシグナルは、一次、二次、三次プローブが物理的に絡み合っているため、読み出しプローブのハイブリダイゼーションおよびストリッピングを何度も繰り返しても安定して可視化できる(
図1B)。対照的に、分岐DNA増幅法などの他の増幅法からのシグナルは、読み出しプローブのハイブリダイゼーションおよびストリッピングを数回繰り返すと減少する可能性がある。
【0139】
増幅のレベルは、本質的に確率的なローリングサークル増幅法(RCA:rolling circle amplification)およびハイブリダイゼーション連鎖反応法(HCR:hybridization chain reaction)のような方法とは異なり、繰り返し数およびプローブ上の連続ラウンドの結合部位の数によって決定される。
【0140】
おそらくdsDNAナノ構造の硬い性質によるが、増幅されたシグナルは数ラウンドにわたって非常に安定している(
図1)。画像アライメントによって不完全なステージの動きを補正した後、高度に増幅されたRNA FISHドットの中心を、12回の再イブリダイゼーションにわたって、つまり実時間で約10時間にわたって、XおよびY方向に平均二乗平均平方根精度~3nmのガウス・フィッティングを用いて位置決めできることがわかった。
【国際調査報告】