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▶ スナイプ メディカル リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】腫瘍アブレーション器具及び技術
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240521BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20240521BHJP
   A61B 5/0538 20210101ALI20240521BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B18/12
A61B5/0538
A61B10/00 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561062
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 IB2022054313
(87)【国際公開番号】W WO2022248957
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/191,992
(32)【優先日】2021-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
2.PEBAX
(71)【出願人】
【識別番号】523375582
【氏名又は名称】スナイプ メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】タフ,ユバル
(72)【発明者】
【氏名】オムリ,ベン
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA06
4C127BB05
4C127GG16
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK13
4C160KK20
4C160KK30
4C160KK36
4C160KK38
4C160KK63
4C160MM08
4C160MM32
4C160NN09
(57)【要約】
【課題】腫瘍の境界を決定する。
【解決手段】対象者の組織内で、境界を有する腫瘍(15)にアブレーションを行うための方法は、腫瘍アブレーション機器(102)の遠位領域(200)を組織中へ前進させることであって、遠位領域には電極(2、4)が装着されていることを含む。その後、組織の生体インピーダンスが、機器の遠位領域を使用して感知される。感知した生体インピーダンスに応答して、電極は、腫瘍の境界内に位置決めされる。電極が、境界内に留まっている間に、電気穿孔パルスが、電極を使用して腫瘍に印加される。他の実施形態も説明されている。
【選択図】図6C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の体内の腫瘍にアブレーションを行うための装置であって、前記装置は、遠位領域を有する機器を含み、前記機器は:
前記遠位領域に生体インピーダンス感知電極;
前記腫瘍の組織にアブレーションを行い、且つ前記生体インピーダンス感知電極に対して前記遠位領域に位置的に固定されるように適合された治療用アプリケータ;及び
前記生体インピーダンス感知電極が取り付けられるシャフトであって:
前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍内に配置される第1の位置、及び
前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍の外側に配置され、且つ前記治療用アプリケータが前記腫瘍内に配置される第2の位置
へ前進可能である、シャフト
を含む、装置。
【請求項2】
前記シャフトの前記第1の位置では、前記治療用アプリケータは、前記腫瘍の外側に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記遠位領域は組織穿刺チップを規定する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記遠位領域は前記腫瘍内で湾曲可能である、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記機器は第1の機器であり、及び前記装置は、さらに、少なくとももう1つの追加的な機器を含み、各追加的な機器は、治療用アプリケータ及び生体インピーダンス感知電極を含む遠位領域を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記治療用アプリケータは、前記生体インピーダンス感知電極から近位側に、前記シャフトに取り付けられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記治療用アプリケータは、前記生体インピーダンス感知電極に対して遠位側に、前記シャフトに取り付けられる、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記シャフトは可撓性である、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記シャフトは硬質である、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記治療用アプリケータは電気穿孔電極を含み、
前記シャフトは第1のシャフトであり、前記電気穿孔電極は前記第1のシャフトに配置され、
前記機器は、さらに、第2のシャフトを含み、及び
前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトは、前記第1のシャフトが前記第2のシャフトに対して軸方向に摺動自在であることによって、互いに対して可逆的に可動である、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のシャフトは内側シャフトであり、
前記第2のシャフトは、前記内側シャフトの上側で摺動可能である外側シャフトであり、及び
前記機器は、前記電気穿孔電極の上側で前記外側シャフトを摺動させることによって前記電気穿孔電極の有効長が調整可能であるように、構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記生体インピーダンス感知電極は、前記電気穿孔電極から遠位側に、前記第1のシャフトに配置される、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記機器は、さらに、前記第2のシャフトに配置された、他の1つの生体インピーダンス感知電極を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記腫瘍は、対象者の肺に配置された腫瘍であり、及び
前記装置は、前記生体インピーダンス感知電極によって実施される感知によって、前記肺腫瘍の境界を決定するように構成される、請求項1~13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、前記肺まで経気管支で前進可能である気管支鏡を含み、前記シャフトは、前記気管支鏡を経由して前記腫瘍まで送達可能である、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、さらに、遠隔電極を含み、及び前記装置は、前記遠隔電極と前記生体インピーダンス感知電極との間の生体インピーダンスを感知するように構成される、請求項1~15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記遠隔電極は皮膚電極である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記治療用アプリケータは:
電気穿孔電極を含み、及び
前記電気穿孔電極を使用して前記腫瘍に電気穿孔パルスを印加するように適合される、請求項1~17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記装置は、さらに、遠隔電極を含み、及び前記装置は、前記遠隔電極と前記電気穿孔電極との間に前記電気穿孔パルスを印加するように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記装置は、前記電気穿孔電極と前記生体インピーダンス感知電極との間の生体インピーダンスを感知することによって、前記腫瘍において生体インピーダンスを感知するように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記電気穿孔電極は第1の電気穿孔電極であり、
前記治療用アプリケータは、さらに、第2の電気穿孔電極を含み、及び
前記装置は、前記第1の電気穿孔電極と前記第2の電気穿孔電極との間に前記電気穿孔パルスを印加するように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記第1及び第2の電気穿孔電極は前記遠位領域に装着され、前記遠位領域は、前記第1の電気穿孔電極と前記第2の電気穿孔電極との間の軸方向距離を変えるように、可逆的に長くすることが可能である、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記遠位領域は:入れ子式アセンブリを含み、その入れ子式アセンブリは、
前記第1の電気穿孔電極が配置された遠位部分、及び
前記第2の電気穿孔電極が配置された近位部分であって、前記遠位領域は、前記遠位部分及び前記近位部分を互いに対して軸方向に摺動させることによって、可逆的に長くすることが可能である、近位部分
を有する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記生体インピーダンス感知電極は、前記第1の電気穿孔電極に対して遠位側に、前記遠位部分に配置される、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記機器は、さらに、前記第2の電気穿孔電極から近位側に、前記近位部分に配置された第2の生体インピーダンス感知電極を含む、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記シャフトは第1のシャフトであり、前記第1の電気穿孔電極は前記第1のシャフトに配置され、
前記機器は、さらに、第2のシャフトを含み、前記第2の電気穿孔電極は前記第2のシャフトに配置され、及び
前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトは、前記第1のシャフトが前記第2のシャフト内を通って摺動可能であることによって、互いに対して可逆的に可動である、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記遠位領域において、前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトは互いに対して分岐している、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトのそれぞれは、独立した腫瘍アクセス部位から前記腫瘍にアクセスするように適合される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記第2のシャフトはサイドポートを規定し、そこから、前記第1のシャフトが前進可能である、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のシャフトは、前記第2のシャフトに対して湾曲可能である、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第1のシャフトは、前記第2のシャフトの遠位端部から前進可能である、請求項26に記載の装置。
【請求項32】
前記装置は、前記生体インピーダンス感知電極から信号を受信し且つ応答して前記生体インピーダンス感知電極に隣接する組織の生体インピーダンスを示す出力を提供するように適合された制御装置を含む、請求項1~31のいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
前記制御装置は、前記対象者の呼吸周期の少なくとも一部分にわたる前記信号の変化を特定するように適合され、前記出力は、前記呼吸周期の少なくとも前記一部分にわたる、前記生体インピーダンス感知電極に隣接する前記組織の生体インピーダンスの変化を示す、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記制御装置は、前記信号に応答して、前記腫瘍に対する前記生体インピーダンス感知電極の位置を示す情報を出力するように構成される、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記機器は、前記シャフトに沿って延在する導体を介して前記生体インピーダンス感知電極に電気的に接続された端子を含み、及び
前記制御装置は、前記端子に前記制御装置を電気的に接続することによって、前記生体インピーダンス感知電極に電気的に接続可能である、請求項32に記載の装置。
【請求項36】
前記治療用アプリケータは、前記腫瘍に電気穿孔パルスを印加するように構成され、及び
前記制御装置は、前記治療用アプリケータに電気的に接続可能であり且つ前記電気穿孔パルスを印加するために前記治療用アプリケータを駆動するように適合された発電機を含む、請求項32に記載の装置。
【請求項37】
前記治療用アプリケータは、前記生体インピーダンス感知電極に対して、10mm以下の距離で位置的に固定される、請求項1~36のいずれか1項に記載の装置。
【請求項38】
前記治療用アプリケータは、前記生体インピーダンス感知電極に対して、5mm以下の距離で位置的に固定される、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
対象者の肺にある腫瘍にアブレーションを行うための装置であって、前記装置は:
シャフト;
前記シャフトの遠位領域に取り付けられた生体インピーダンス感知電極;及び
前記生体インピーダンス感知電極から固定距離で前記シャフトの前記遠位領域に取り付けられた電気穿孔電極であって、前記シャフトの前記遠位領域は、前記肺内のある位置まで前進可能であり、そこでは:
前記電気穿孔電極が前記腫瘍の境界内に配置され、及び
前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍の前記境界の外側に配置される、電気穿孔電極
を含む、機器
を含む、装置。
【請求項40】
前記装置は、前記生体インピーダンス感知電極によって実施される感知によって、前記肺腫瘍の前記境界を決定するように構成される、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記装置は、前記肺まで経気管支で前進可能である気管支鏡を含み、前記シャフトは、前記気管支鏡を経由して前記腫瘍まで送達可能である、請求項39又は40のいずれか1項に記載の装置。
【請求項42】
前記遠位領域は組織穿刺チップを規定する、請求項39~41のいずれか1項に記載の装置。
【請求項43】
前記遠位領域は前記腫瘍内で湾曲可能である、請求項39~42のいずれか1項に記載の装置。
【請求項44】
前記電気穿孔電極は、前記生体インピーダンス感知電極から近位側に、前記シャフトに取り付けられる、請求項39~43のいずれか1項に記載の装置。
【請求項45】
前記電気穿孔電極は、前記生体インピーダンス感知電極に対して遠位側に、前記シャフトに取り付けられる、請求項39~44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
前記シャフトは可撓性である、請求項39~45のいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
前記シャフトは硬質である、請求項39~46のいずれか1項に記載の装置。
【請求項48】
前記装置は、さらに、遠隔電極を含み、及び前記装置は、前記遠隔電極と前記生体インピーダンス感知電極との間の生体インピーダンスを感知するように構成される、請求項39~47のいずれか1項に記載の装置。
【請求項49】
前記遠隔電極は皮膚電極である、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記電気穿孔電極は、前記腫瘍に電気穿孔パルスを印加するように適合される、請求項39~49のいずれか1項に記載の装置。
【請求項51】
前記装置は、さらに、遠隔電極を含み、及び前記装置は、前記電気穿孔電極と前記遠隔電極との間に前記電気穿孔パルスを印加するように構成される、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記装置は、前記電気穿孔電極と前記生体インピーダンス感知電極との間の生体インピーダンスを感知することによって、前記腫瘍において生体インピーダンスを感知するように構成される、請求項50に記載の装置。
【請求項53】
前記電気穿孔電極は第1の電気穿孔電極であり、
前記機器は、さらに、第2の電気穿孔電極を含み、及び
前記装置は、前記第1の電気穿孔電極と前記第2の電気穿孔電極との間に前記電気穿孔パルスを印加するように構成される、請求項50に記載の装置。
【請求項54】
前記シャフトは第1のシャフトであり、前記第1の電気穿孔電極は前記第1のシャフトに配置され、
前記機器は、さらに、第2のシャフトを含み、前記第2の電気穿孔電極は前記第2のシャフトに配置され、及び
前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトは、前記第1のシャフトが前記第2のシャフト内を通って摺動可能であることによって、互いに対して可逆的に可動である、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記機器の遠位領域において、前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトは互いに対して分岐している、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトのそれぞれは、独立した腫瘍アクセス部位から前記腫瘍にアクセスするように適合される、請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記生体インピーダンス感知電極は、前記第1の電気穿孔電極に対して遠位側に、前記第1のシャフトに配置される、請求項54に記載の装置。
【請求項58】
前記機器は、さらに、前記第2の電気穿孔電極から近位側に、前記第2のシャフトに配置された第2の生体インピーダンス感知電極を含む、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記第2のシャフトはサイドポートを規定し、そこから、前記第1のシャフトが前進可能である、請求項54に記載の装置。
【請求項60】
前記第1のシャフトは、前記第2のシャフトに対して湾曲可能である、請求項59に記載の装置。
【請求項61】
前記第1のシャフトは、前記第2のシャフトの遠位端部から前進可能である、請求項54に記載の装置。
【請求項62】
前記装置は、前記生体インピーダンス感知電極から信号を受信し且つ応答して前記生体インピーダンス感知電極に隣接する組織の生体インピーダンスを示す出力を提供するように適合された制御装置を含む、請求項39~61のいずれか1項に記載の装置。
【請求項63】
前記制御装置は、前記対象者の呼吸周期の少なくとも一部分にわたる前記信号の変化を特定するように適合され、前記出力は、前記呼吸周期の少なくとも前記一部分にわたる、前記生体インピーダンス感知電極に隣接する前記組織の生体インピーダンスの変化を示す、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記制御装置は、前記信号に応答して、前記腫瘍に対する前記生体インピーダンス感知電極の位置を示す出力を提供するように構成される、請求項62に記載の装置。
【請求項65】
前記機器は、前記シャフトに沿って延在する導体を介して前記生体インピーダンス感知電極に電気的に接続された端子を含み、及び
前記制御装置は、前記端子に前記制御装置を電気的に接続することによって、前記生体インピーダンス感知電極に電気的に接続可能である、請求項62に記載の装置。
【請求項66】
前記制御装置は、前記信号を発生させるために電流を提供するように適合される、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記電気穿孔電極は、前記腫瘍に電気穿孔パルスを印加するように構成され、及び
前記制御装置は、前記電気穿孔電極に電気的に接続可能であり且つ前記電気穿孔パルスを印加するために前記電気穿孔電極を駆動するように適合された発電機を含む、請求項62に記載の装置。
【請求項68】
前記固定距離は10mm以下である、請求項39~67のいずれか1項に記載の装置。
【請求項69】
前記固定距離は5mm以下である、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記シャフトは第1のシャフトであり、及び前記装置は、さらに、少なくとも第2のシャフトを含み、前記第2のシャフトは、電気穿孔電極及び生体インピーダンス感知電極を含む遠位領域を有する、請求項39~69のいずれか1項に記載の装置。
【請求項71】
前記機器は第1の機器であり、前記第1のシャフトは前記第1の機器のシャフトであり、及び
前記装置は、さらに、第2の機器を含み、前記第2のシャフトは前記第2の機器のシャフトである、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
対象者の組織にある腫瘍にアブレーションを行うための方法であって、前記腫瘍は境界を有し、前記方法は:
腫瘍アブレーション機器の遠位領域を前記組織中へ前進させることであって、前記遠位領域には電極が装着されていること;
前記機器の前記遠位領域を使用して、前記組織の生体インピーダンスを感知すること;及び
前記感知した生体インピーダンスに応答して、前記腫瘍の前記境界内に前記電極を位置決めすること;及び
前記電極が前記境界内に留まっている間に、前記電極を使用して、前記腫瘍に電気穿孔パルスを印加すること
を含む、方法。
【請求項73】
前記組織の生体インピーダンスを感知することは、前記対象者の呼吸周期の少なくとも一部分にわたる、前記組織の前記生体インピーダンスの変化を感知すること、及び
前記生体インピーダンスの前記感知した変化に応答して、前記腫瘍の前記境界内に前記電極を位置決めすることを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記電極は、前記機器の第1のシャフトに配置され、
前記機器は、さらに、第2のシャフトを含み、及び
前記方法は、さらに、前記腫瘍の前記境界内に前記電極を位置決めすることに続いて、前記第2のシャフトに対して前記第1のシャフトを軸方向に摺動させることを含む、請求項72又は73に記載の方法。
【請求項75】
前記第1のシャフトは内側シャフトであり、
前記第2のシャフトは、前記内側シャフトの上側で摺動可能である外側シャフトであり、及び
前記第2のシャフトに対して前記第1のシャフトを軸方向に摺動させることは、前記電極の有効長を調整するように、前記内側シャフトに装着された前記電極の上側で前記外側シャフトを軸方向に摺動させることを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記電極は電気穿孔電極であり、
前記遠位領域は、さらに、生体インピーダンス感知電極を含み、
前記機器の前記遠位領域を使用して前記生体インピーダンスを感知することは、前記生体インピーダンス感知電極を使用して前記生体インピーダンスを感知することを含み、及び
前記腫瘍の前記境界内に前記電気穿孔電極を位置決めすることは、前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍を出るまで、前記腫瘍内を通って前記機器の前記遠位領域を動かすことを含む、請求項72~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記生体インピーダンス感知電極を使用して前記生体インピーダンスを感知することは、前記生体インピーダンス感知電極が制御装置に電気的に接続されている間に、前記生体インピーダンス感知電極を使用して前記生体インピーダンスを感知することを含み、前記制御装置は、前記腫瘍から前記生体インピーダンス感知電極が前記出る際に、前記生体インピーダンス感知電極によって検出された生体インピーダンスの変化に応答して、アラートを提供するように構成され、及び
前記腫瘍の前記境界内に前記電極を位置決めすることは、前記アラートに応答して、前記境界内に前記電極を位置決めすることを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記生体インピーダンス感知電極は、前記電気穿孔電極に対して遠位側に配置され、及び前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍を出るまで、前記腫瘍内を通って前記機器の前記遠位領域を動かすことは、前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍の遠位境界を出るまで、前記腫瘍内を通って遠位側に前記機器の前記遠位領域を動かすことを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記生体インピーダンス感知電極は、前記電極に対して近位側に配置され、及び前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍を出るまで、前記腫瘍内を通って前記機器の前記遠位領域を動かすことは、前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍の近位境界を出るまで、前記腫瘍内を通って近位側に前記機器の前記遠位領域を動かすことを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項80】
前記電極は、前記遠位領域の第1の部分に装着された第1の電極であり、
前記遠位領域は、さらに、前記遠位領域の第2の部分に装着された第2の電極を含み、
前記第1の部分及び前記第2の部分は、第1の電極が前記第2の電極に対して可動であるように、操作可能であり、及び
前記電極を使用して前記腫瘍に前記電気穿孔パルスを印加することは、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記電気穿孔パルスを印加することを含む、請求項72~79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記第1の部分は、第1のシャフトの遠位部であり、
前記第2の部分は、第2のシャフトの遠位部であり、及び
前記腫瘍の前記境界内に前記電極を位置決めすることは、前記第2のシャフト内を通して前記第1のシャフトを摺動させることによって、前記腫瘍の前記境界内に前記電極を位置決めすることを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記組織の生体インピーダンスを感知することは、前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記組織の生体インピーダンスを感知することを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
前記方法は、前記電気穿孔パルスを印加することに続いて:
前記腫瘍内で前記電極を再位置決めすること、及び
前記電極を使用して前記腫瘍に他の1つの電気穿孔パルスを印加すること
を含む、請求項72~82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記方法は、さらに、前記腫瘍内に前記電極を再位置決めすることに続いて、及び前記他の1つの電気穿孔パルスを印加することの前に、前記機器の前記遠位領域を使用して、前記組織の生体インピーダンスを感知することを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
腫瘍に使用するための装置であって、前記装置は:
第1の部分であって:
第1の生体インピーダンス感知電極;
前記第1の生体インピーダンス感知電極に対して定位置に装着された第1の電気穿孔電極
を含む第1の部分と;
第2の部分であって:
第2の生体インピーダンス感知電極;及び
前記第2の生体インピーダンス感知電極に対して定位置に装着された第2の電気穿孔電極
を含む第2の部分と
を含む遠位領域を有する、腫瘍アブレーション機器を含み、
前記遠位領域は、前記第1の部分と前記第2の部分との間で軸方向距離を変化させるように操作可能である、装置。
【請求項86】
前記第1の部分は、前記機器の第1のシャフトの遠位領域の第1の部分であり、及び前記第2の部分は、前記機器の第2のシャフトの遠位領域の第2の部分である、請求項85に記載の装置。
【請求項87】
前記遠位領域において、前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトは互いに対して分岐している、請求項86に記載の装置。
【請求項88】
前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトのそれぞれは、独立した腫瘍アクセス部位から前記腫瘍にアクセスするように適合される、請求項87に記載の装置。
【請求項89】
前記遠位領域は、前記第1のシャフトが前記第2のシャフト内を通って摺動可能であることによって、前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記軸方向距離を変化させるように操作可能である、請求項86に記載の装置。
【請求項90】
前記第1のシャフトは、前記第2のシャフトの遠位端部から前進可能である、請求項89に記載の装置。
【請求項91】
前記第1の生体インピーダンス感知電極は、前記第1の電気穿孔電極に対して遠位側に、前記第1のシャフトに配置される、請求項86に記載の装置。
【請求項92】
前記第2の生体インピーダンス感知電極は、前記第2の電気穿孔電極から近位側に、前記第2のシャフトに配置される、請求項86に記載の装置。
【請求項93】
前記第1の生体インピーダンス感知電極は、前記第1の電気穿孔電極から近位側に、前記第1のシャフトに配置される、請求項86に記載の装置。
【請求項94】
前記第2のシャフトはサイドポートを規定し、そこから、前記第1のシャフトが前進可能である、請求項86に記載の装置。
【請求項95】
前記第1のシャフトは、前記第2のシャフトに対して湾曲可能である、請求項94に記載の装置。
【請求項96】
対象者の肺にある腫瘍にアブレーションを行うための装置であって、前記装置は:
シャフト;
前記シャフトの遠位領域に取り付けられた生体インピーダンス感知電極;及び
前記生体インピーダンス感知電極から公知の距離で前記シャフトの前記遠位領域に取り付けられた電気穿孔電極であって、前記シャフトの前記遠位領域は、前記肺内のある位置まで前進可能であり、ここでは:
前記電気穿孔電極が前記腫瘍の境界内に配置され、及び
前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍の前記境界の外側に配置される、電気穿孔電極
を含む機器を含む、装置。
【請求項97】
腫瘍にアブレーションを行うための装置であって:
シャフト;
前記シャフトの遠位領域に配置された第1の生体インピーダンス感知電極;
前記シャフトの前記遠位領域に配置された第2の生体インピーダンス感知電極;及び
前記第1の生体インピーダンス感知電極と第2の生体インピーダンス感知電極との間で軸方向に前記シャフトに配置された電気穿孔電極
を含む機器を含む、装置。
【請求項98】
腫瘍にアブレーションを行うための方法であって:
前記腫瘍中へ腫瘍アブレーション機器の遠位領域を前進させることであって、前記遠位領域には電気穿孔電極が装着されており、前記電気穿孔電極の横には、近位生体インピーダンス感知電極及び遠位生体インピーダンス感知電極が配置されること、
前記遠位生体インピーダンス感知電極によって容易にされる、生体インピーダンスを感知することによって、前記腫瘍の遠位境界を決定すること;
前記遠位境界を決定することに応答して、及び前記電気穿孔電極が前記遠位境界内に配置されている間に、前記腫瘍に第1の電気穿孔パルスを印加するために前記電気穿孔電極を駆動すること;
前記近位生体インピーダンス感知電極によって容易にされる、生体インピーダンスを感知することによって、前記腫瘍の近位境界を決定すること;及び
前記近位境界を決定することに応答して、及び前記電気穿孔電極が前記近位境界内に配置されている間に、前記腫瘍に第2の電気穿孔パルスを印加するために前記電気穿孔電極を駆動すること
を含む、方法。
【請求項99】
前記腫瘍に前記第1の電気穿孔パルスを印加するために前記電気穿孔電極を駆動することは、前記腫瘍に前記第2の電気穿孔パルスを印加する前に、前記腫瘍に前記第1の電気穿孔パルスを印加するために前記電気穿孔電極を駆動することを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記腫瘍に前記第1の電気穿孔パルスを印加するために前記電気穿孔電極を駆動することは、前記腫瘍に前記第2の電気穿孔パルスを印加することに続いて、前記腫瘍に前記第1の電気穿孔パルスを印加するために前記電気穿孔電極を駆動することを含む、請求項98又は99に記載の方法。
【請求項101】
前記方法は、さらに、前記機器の前記遠位領域が前記腫瘍中を前進させられるときに、前記腫瘍に複数の電気穿孔パルスを印加することを含む、請求項98~100のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
対象者の肺で使用するための方法であって:
前記肺内での組織の生体インピーダンスの振動を示す情報を受信すること;及び
応答して、前記組織が腫瘍組織であるかどうかを決定すること
を含む、方法。
【請求項103】
前記組織が腫瘍組織であるかどうかを決定することは:
前記振動の大きさが閾値の大きさを下回っているかどうかを決定すること、及び
前記大きさが前記閾値を下回っていると決定することに応答して、前記組織が腫瘍組織であると決定すること
を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記組織が腫瘍組織であるかどうかを決定することは:
前記振動の大きさが閾値の大きさを上回っているかどうかを決定すること、及び
前記大きさが前記閾値を上回っていると決定することに応答して、前記組織が腫瘍組織ではないと決定すること
を含む、請求項102又は103に記載の方法。
【請求項105】
前記組織が腫瘍組織であるかどうかを決定することは、さらに、前記振動の周波数が前記対象者の呼吸周期の振動の周波数と一致するかどうかを決定することを含む、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
対象者の肺で使用するための方法であって:
前記肺内の組織の生体インピーダンスを示す情報を受信すること;及び
応答して、前記組織が癌性であるかどうかを決定すること
を含む、方法。
【請求項107】
対象者の体内で腫瘍に使用するための装置であって、前記装置は、遠位領域を有する腫瘍アブレーション機器を含み、その機器は:
電気穿孔電極が装着された内側シャフト;及び
前記電気穿孔電極の有効長の調整を容易にするように、前記内側シャフトの上側で軸方向に摺動自在である外側シャフトであって、その調整は、
前記内側シャフトの上側での前記外側シャフトの遠位側への前進は、前記電気穿孔電極を漸進的に覆うことによって、前記電気穿孔電極の有効長を漸進的に短くし、及び
前記内側シャフトの上側での前記外側シャフトの近位側への引き出しは、前記電気穿孔電極を漸進的に露出させることによって、前記電気穿孔電極の有効長を漸進的に長くするようにする、外側シャフト
を含む、装置。
【請求項108】
前記外側シャフトは電気絶縁体から形成される、請求項107に記載の装置。
【請求項109】
前記電気穿孔電極は、前記腫瘍に電気穿孔パルスを印加するように構成され、及び
前記装置は、さらに、前記電気穿孔電極に電気的に接続可能であり且つ前記電気穿孔パルスを印加するために前記電気穿孔電極を駆動するように適合された発電機を含む制御装置を含む、請求項107又は108に記載の装置。
【請求項110】
前記機器は、前記遠位領域に装着された生体インピーダンス感知電極を含む、請求項107~109のいずれか1項に記載の装置。
【請求項111】
前記生体インピーダンス感知電極は第1の生体インピーダンス感知電極であり、
前記第1の生体インピーダンス感知電極は、前記電気穿孔電極に対して遠位側に、前記内側シャフトに装着され、及び
第2の生体インピーダンス感知電極が前記外側シャフトに装着される、請求項110に記載の装置。
【請求項112】
前記装置は、前記生体インピーダンス感知電極から信号を受信し且つ応答して前記生体インピーダンス感知電極に隣接する組織の生体インピーダンスを示す出力を提供するように適合された制御装置を含む、請求項110に記載の装置。
【請求項113】
前記制御装置は、前記対象者の呼吸周期の少なくとも一部分にわたる前記信号の変化を特定するように適合され、前記出力は、前記呼吸周期の少なくとも前記一部分にわたる、前記生体インピーダンス感知電極に隣接する前記組織の生体インピーダンスの変化を示す、請求項112に記載の装置。
【請求項114】
前記制御装置は、前記信号に応答して、前記腫瘍に対する前記生体インピーダンス感知電極の位置を示す情報を出力するように構成される、請求項112に記載の装置。
【請求項115】
前記機器は、導体を介して前記生体インピーダンス感知電極に電気的に接続された端子を含み、及び
前記制御装置は、前記端子に前記制御装置を電気的に接続することによって、前記生体インピーダンス感知電極に電気的に接続可能である、請求項112に記載の装置。
【請求項116】
腫瘍にアブレーションを行うための方法であって:
前記腫瘍中へ腫瘍アブレーション機器の遠位領域を前進させることであって、前記機器は:
電気穿孔電極が装着された内側シャフト、及び
前記内側シャフトの上側で摺動するように適合された外側シャフト
を含むこと;
前記腫瘍内に前記電気穿孔電極の遠位端部を位置決めすること;
前記内側シャフトの上側で前記外側シャフトを摺動させることによって、前記電気穿孔電極の有効長を調整すること;及び
前記腫瘍に電気穿孔パルスを印加するために前記電気穿孔電極を駆動すること
を含む、方法。
【請求項117】
前記内側シャフトの上側で前記外側シャフトを摺動させることによって、前記電気穿孔電極の前記有効長を調整することは、前記電気穿孔電極が前記腫瘍の長さの所望の割合に広がるまで、前記電気穿孔電極の前記有効長を調整することを含む、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記電気穿孔電極が前記腫瘍の所望の長さに広がるまで前記電気穿孔電極の前記有効長を調整することは、前記電気穿孔電極が前記腫瘍の全長に広がるまで前記電気穿孔電極の前記有効長を調整することを含む、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記遠位領域は、さらに、生体インピーダンス感知電極を含み、及び
前記電気穿孔電極の前記有効長を調整することは、前記生体インピーダンス感知電極によって実施される感知によって案内されて、前記有効長を調整することを含む、請求項116~118のいずれか1項に記載の方法。
【請求項120】
前記生体インピーダンス感知電極によって実施される感知によって案内されて、前記有効長を調整することは、前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍を出るまで、前記腫瘍内を通って前記機器の前記遠位領域を動かすことを含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記生体インピーダンス感知電極が制御装置に電気的に接続されており、及び前記生体インピーダンス感知電極によって実施される感知によって案内されて、前記有効長を調整することは、前記制御装置が、前記腫瘍から前記生体インピーダンス感知電極が前記出る際に前記生体インピーダンス感知電極によって検出される生体インピーダンスの変化に応答して、アラートを提供するまで、前記有効長を調整することを含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記生体インピーダンス感知電極は、前記電気穿孔電極に対して遠位側に、前記内側シャフトに配置され、及び前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍を出るまで、前記腫瘍内を通って前記機器の前記遠位領域を動かすことは、前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍の遠位境界を出るまで、前記内側シャフトを遠位側に、前記腫瘍中を通って動かすことを含む、請求項120に記載の方法。
【請求項123】
前記生体インピーダンス感知電極は第1の生体インピーダンス感知電極であり、及び
前記遠位領域は、さらに、前記外側シャフトに配置された第2の生体インピーダンス感知電極を含み、及び
前記生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍を出るまで、前記腫瘍内を通って前記機器の前記遠位領域を動かすことは、前記第2の生体インピーダンス感知電極が前記腫瘍の近位境界を出るまで、前記外側シャフトを近位側に、前記腫瘍中を通って動かすことを含む、請求項120に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月22日出願のTaffへの米国仮特許出願第63/191,992号(題「Adjustable electrode configurations for tumor ablation」)の優先権を主張し、それを参照により本願明細書に援用する。
【0002】
発明の分野
本出願は、医療機器、特に、腫瘍アブレーションのための機器の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
高強度及び短期間の電場パルスが、不可逆電気穿孔法(IRE:irreversible electroporation)と呼ばれるプロセスにおいて組織アブレーションを引き起こし得る。IREは、当業界では、体内の様々な箇所における、通常経皮的に挿入される、腫瘍の治療に関連して説明されてきた。
【0004】
J. Ricke et al.(The ALICE Trial, Cardiovasc Intervent Radiol (2015) 38:401-408)は、肺腫瘍の経皮的な治療に対するIREの使用を説明している。この著者らは、この技術の有効性を示しておらず、腫瘍と周囲組織との間の電気特性の変化が、電極の不正確な位置決めと共に、標的組織の内側での不適切な電場分布の原因となったという結論に至った。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本開示は、腫瘍の境界内に治療用アプリケータを位置決めするために、電気インピーダンスを使用して腫瘍の境界を決定するための方法及びシステムに関する。例えば、治療用アプリケータは、治療電極、例えば電気穿孔電極を含み得る。腫瘍の境界内に治療電極を位置決めして、例えば、周囲組織ではなく、腫瘍組織に治療を集中させることが好都合とし得る。腫瘍全体を治療するために-例えば腫瘍の境界の近くの腫瘍細胞が未治療のまま残ってしまうことを回避するために、腫瘍の境界の近くに治療電極を位置決めすることがさらに好都合とし得る。
【0006】
いくつかの応用に関し、腫瘍自体とその周囲組織との間の組織特性の違いのおかげで、生体インピーダンスを感知することによって、腫瘍の境界を決定することが可能とし得る。例えば、健康な肺組織は、一般に、高生体インピーダンスを有する(例えば実質及びその肺胞の空気で満たされた構造のおかげで)が、肺腫瘍は、一般に、実質的により低い生体インピーダンスを有する。それゆえ、腫瘍の近くに及び/又はその内部に位置決めされた生体インピーダンス感知電極は、腫瘍-特に肺腫瘍の境界に関する情報を提供することができるとし得る。さらに、腫瘍とその周囲組織との間の生体インピーダンスのこの違いは、腫瘍の首尾よい電気穿孔を可能にし得る一方で、周囲組織に対する付随的損傷を最小限にする。例えば、周囲組織と比べて腫瘍の比較的高い伝導度によって、周囲組織中にではなく、腫瘍の至る所での電気穿孔パルスの伝導を促し得る。
【0007】
いくつかの応用に関し、機器の遠位領域において電気穿孔電極を有する機器が、患者の体内へ前進させられる。腫瘍が肺腫瘍である応用では、機器は、経気管支を使用して患者の体内へ、例えば患者の鼻又は口を経由して、気管を下方に、及び患者の気道中へと前進させられ得る。いくつかの応用に関し、前進は経皮的に(例えば経管的に又は経胸腔的に)実施される。
【0008】
いくつかの応用に関し、機器は、その遠位領域に1つ以上の生体インピーダンス感知電極を含む。ひとたび遠位領域が腫瘍に位置決めされたら、腫瘍の境界は、生体インピーダンス感知電極を使用して決定され得る。いくつかの応用に関し、例えば上記で説明したように、腫瘍とその周囲組織との間の組織特性の違いのおかげで、機器(例えば、その体外の制御装置)は、腫瘍に対して生体インピーダンス感知電極を動かす(又はその動きを容易にする)こと、及び異なる位置において生体インピーダンスを感知することによって、腫瘍の境界を決定できる(又はその決定を容易にできる)。例えば、生体インピーダンス感知電極は、腫瘍中へ及び/又はそこから前進させられ得るため、内側と外側との間の移行(すなわち境界)の正確な位置が特定され得る。特定された境界に基づいて、治療用アプリケータ(例えば電気穿孔電極)が、腫瘍内に(例えば境界の近くに)正確に位置決めされ、且つ治療を行う、例えば電気穿孔パルスを腫瘍に印加するために使用され得る。いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極が適所に-例えば境界に、そのすぐ内側に、又はそのすぐ外側に留まっている間に、治療は行われる。いくつかの応用に関し、治療は、生体インピーダンス感知電極を動かした後に行われる。いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極はまた、治療用アプリケータ-例えば、電気穿孔パルスが間で印加される電気穿孔電極として機能する。
【0009】
いくつかの応用に関し、治療用アプリケータは、ひとたび腫瘍の境界が決定されたら、治療用アプリケータが腫瘍の境界のすぐ内部に位置決めされるように、生体インピーダンス感知電極に対して定位置にある及び/又は公知の位置を有する。いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極を使用して腫瘍の境界を決定することによって、治療用アプリケータを腫瘍内に自動的に位置決めする。例えば、機器は、腫瘍の境界に又はそのすぐ外側に生体インピーダンス感知電極を位置決めすることによって、対応する電気穿孔電極を境界のすぐ内側に自動的に位置決めし得るように、構造され得る。いくつかの応用に関し、ひとたび腫瘍の境界が決定されたら、執刀医が、治療用アプリケータと生体インピーダンス感知電極との間の公知の相対位置を使用して、治療用アプリケータを腫瘍中へ及び/又は腫瘍内へ動かすことができる。
【0010】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極は、腫瘍の境界を検出し且つ例えばこれ以上の前進は必要とされていない(又は望まれていない)ことを示すアラートを提供するために、使用され得る。
【0011】
いくつかの応用に関し、治療用アプリケータ(例えば電気穿孔電極)は、生体インピーダンス感知電極間に軸方向に位置決めされ、生体インピーダンス感知電極が腫瘍の境界にある(例えばそのすぐ外側にある)と特定することによって、電気穿孔電極が境界のすぐ内部にあることを自動的に実証するようにする。
【0012】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極は、病変部又は増殖部が癌性腫瘍であるかどうかを決定するために使用され得る-例えば診断を容易にするために。例えば、癌性腫瘍の生体インピーダンスは、非癌性病変部又は増殖部の生体インピーダンスとは異なるかもしれない。
【0013】
いくつかの応用に関し、患者の呼吸周期にわたって1つ又は複数の生体インピーダンス感知電極で測定された生体インピーダンスを監視することによって、1つ又は複数の生体インピーダンス感知電極(それゆえ、1つ又は複数の電気穿孔電極)が腫瘍内に位置決めされているかどうかを決定することが可能とし得る。例えば、肺の実質の生体インピーダンス値は、呼吸周期の最中に変化し得る(例えば振動する)(例えばインピーダンスは、呼気中は低下し、且つ吸入中は増加する)が、腫瘍は、呼吸周期の初めから終わりまで、より一貫性のある生体インピーダンス値を有し得る。いくつかの応用に関し、閾値の大きさを上回る振動の大きさの信号を受信することは、生体インピーダンス感知電極が配置されている組織が、腫瘍組織ではなく、肺組織(例えば肺の実質)であることを示す。
【0014】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極によって腫瘍において感知される振動の周波数は、患者の呼吸周期の周波数と比較されて、感知した振動が、呼吸周期を反映しており、及び他の要因(例えば患者のパルス)からは生じないことを保証する。それゆえ、これは、さらに、特定の組織が腫瘍であるかどうか、及び/又は腫瘍に対する1つ又は複数の生体インピーダンス感知電極の位置に関する確認を執刀医に与え得る。
【0015】
それゆえ、いくつかの応用によれば、(i)対象者の肺にある組織の生体インピーダンスを示す情報(任意選択的に、生体インピーダンスの振動、例えば振動の大きさ及び/又は周波数を示す情報)を受信すること、及び(ii)応答して、組織が腫瘍及び/又は癌性であるかどうかを決定する(例えば診断する)ことを含む方法が提供される。
【0016】
概して、本開示のいくつかの実施形態は、互いに対して可動である少なくとも2つの電極から構成された装置を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、電極は、単一のモノポーラ電極として機能するように、外部接地パッドと電気的に及び/又は機械的に接続され得る。いくつかの実施形態では、単一のモノポーラ電極は、1つ以上の生体インピーダンス感知電極を備えていてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電極(すなわち内側電極)は、第2の電極(外側電極)を通過するように構成される。いくつかの実施形態では、電極は、電気穿孔(可逆及び不可逆)を誘発するために必要な高電圧を印加するように構成されたエネルギー源に接続される。
【0019】
いくつかの実施形態では、装置は、肺又は気道に位置する腫瘍を治療するために、気管支鏡検査処置によって送達されるように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、電極は、湾曲しているか又は撓み可能である。
【0021】
いくつかの実施形態では、機器はまた、腫瘍の内側への正確な位置決めを可能にするために、電極の1つ以上の近くに又はそこに装着されたセンサーを含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、センサーは、電極の形をしており、且つセンサーと治療電極との間のインピーダンス値を測定する。
【0023】
いくつかの実施形態では、腫瘍中へ外側電極を導入することに続いて、内側電極も、外側電極中を通って腫瘍中へ挿入される。その後、内側電極と外側電極との間に電圧が印加される。電圧は、電極の付近で電気穿孔(可逆又は不可逆のいずれか)を引き起こす。そのため、電極は、腫瘍の追加的なセグメントを網羅するように、調整され得る。いくつかの実施形態では、内側電極は、外側電極を挿入する前に、腫瘍中へ挿入されてもよく、及び外側電極は、内側電極にかぶせて腫瘍中へ挿入されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、外側電極に対して近位側に装着されたセンサーが、外側電極が腫瘍に入ったことを検証するために使用される。
【0025】
いくつかの実施形態では、内側電極に対して遠位側に装着されたセンサーが、内側電極が腫瘍の遠位縁に到達したことを検証するために使用される。
【0026】
いくつかの実施形態では、腫瘍の追加的なセグメントを網羅することは、内側電極を動かすことによって成し遂げられる。
【0027】
いくつかの実施形態では、腫瘍の追加的なセグメントを網羅することは、湾曲した又は撓み可能な電極を使用して成し遂げられる。
【0028】
それゆえ、いくつかの応用によれば、腫瘍にアブレーションを行うための装置が提供され、装置は、遠位領域を有する機器を含む。
【0029】
いくつかの応用に関し、機器は、遠位領域に生体インピーダンス感知電極と、腫瘍の組織にアブレーションを行い且つ生体インピーダンス感知電極に対して遠位領域に位置的に固定されるように適合された治療用アプリケータとを含む。
【0030】
いくつかの応用に関し、機器は、生体インピーダンス感知電極が取り付けられるシャフトを含み、シャフトは:
生体インピーダンス感知電極が腫瘍内に配置される第1の位置へ、及び
生体インピーダンス感知電極が腫瘍の外側に配置され、且つ治療用アプリケータが腫瘍内に配置される第2の位置へ
前進可能である。
【0031】
いくつかの応用に関し、シャフトの第1の位置では、治療用アプリケータは、腫瘍の外側に配置される。
【0032】
いくつかの応用に関し、遠位領域は組織穿刺チップを規定する。
【0033】
いくつかの応用に関し、遠位領域は腫瘍内で湾曲可能である。
【0034】
いくつかの応用に関し、機器は第1の機器であり、及び装置は、さらに、少なくとももう1つの追加的な機器を含み、各追加的な機器は、治療用アプリケータ及び生体インピーダンス感知電極を含む遠位領域を有する。
【0035】
いくつかの応用に関し、治療用アプリケータは、生体インピーダンス感知電極から近位側に、シャフトに取り付けられる。
【0036】
いくつかの応用に関し、治療用アプリケータは、生体インピーダンス感知電極に対して遠位側に、シャフトに取り付けられる。
【0037】
いくつかの応用に関し、シャフトは可撓性である。
【0038】
いくつかの応用に関し、シャフトは硬質である。
【0039】
いくつかの応用に関し:
治療用アプリケータは電気穿孔電極を含み、
シャフトは第1のシャフトであり、電気穿孔電極は第1のシャフトに配置され、
機器は、さらに、第2のシャフトを含み、及び
第1のシャフト及び第2のシャフトは、第1のシャフトが第2のシャフトに対して軸方向に摺動自在であることによって、互いに対して可逆的に可動である。
【0040】
いくつかの応用に関し:
第1のシャフトは内側シャフトであり、
第2のシャフトは、内側シャフトの上側で摺動可能である外側シャフトであり、及び
機器は、電気穿孔電極の有効長が、電気穿孔電極の上側で外側シャフトを摺動させることによって、調整可能であるように、構成される。
【0041】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極は、電気穿孔電極から遠位側に、第1のシャフトに配置される。
【0042】
いくつかの応用に関し、機器は、さらに、第2のシャフトに配置された、他の1つの生体インピーダンス感知電極を含む。
【0043】
いくつかの応用に関し:
腫瘍は、対象者の肺に配置された腫瘍であり、及び
装置は、生体インピーダンス感知電極によって実施される感知によって、肺腫瘍の境界を決定するように構成される。
【0044】
いくつかの応用に関し、装置は、気管支鏡を含み、肺まで経気管支で前進可能であり、シャフトは、気管支鏡を経由して腫瘍まで送達可能である。
【0045】
いくつかの応用に関し、装置は、さらに、遠隔電極を含み、及び装置は、遠隔電極と生体インピーダンス感知電極との間の生体インピーダンスを感知するように構成される。
【0046】
いくつかの応用に関し、遠隔電極は皮膚電極である。
【0047】
いくつかの応用に関し、治療用アプリケータは:
電気穿孔電極を含み、及び
電極を使用して、腫瘍に電気穿孔パルスを印加するように適合される。
【0048】
いくつかの応用に関し、装置は、さらに、遠隔電極を含み、及び装置は、遠隔電極と電気穿孔電極との間に電気穿孔パルスを印加するように構成される。
【0049】
いくつかの応用に関し、装置は、電気穿孔電極と生体インピーダンス感知電極との間の生体インピーダンスを感知することによって、腫瘍において生体インピーダンスを感知するように構成される。
【0050】
いくつかの応用に関し:
電気穿孔電極は第1の電極であり、
治療用アプリケータは、さらに、第2の電気穿孔電極を含み、及び
装置は、第1の電極と第2の電極との間に電気穿孔パルスを印加するように構成される。
【0051】
いくつかの応用に関し、第1及び第2の電気穿孔電極は遠位領域に装着され、遠位領域は、第1の電極と第2の電極との間の軸方向距離を変化させるように、可逆的に長くすることが可能である。
【0052】
いくつかの応用に関し、遠位領域は:
第1の電気穿孔電極が配置された遠位部分、及び
第2の電気穿孔電極が配置された近位部分
を有する入れ子式アセンブリを含み、
遠位領域は、遠位部分及び近位部分を互いに対して軸方向に摺動させることによって、可逆的に長くすることが可能である。
【0053】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極は、第1の電気穿孔電極に対して遠位側に、遠位部分に配置される。
【0054】
いくつかの応用に関し、機器は、さらに、第2の電気穿孔電極から近位側に、近位部分に配置された第2の生体インピーダンス感知電極を含む。
【0055】
いくつかの応用に関し:
シャフトは第1のシャフトであり、第1の電気穿孔電極は第1のシャフトに配置され、
機器は、さらに、第2のシャフトを含み、第2の電気穿孔電極は第2のシャフトに配置され、及び
第1のシャフト及び第2のシャフトは、第1のシャフトが第2のシャフト内を通って摺動可能であることによって、互いに対して可逆的に可動である。
【0056】
いくつかの応用に関し、遠位領域において、第1のシャフト及び第2のシャフトは互いに対して分岐している。
【0057】
いくつかの応用に関し、第1のシャフト及び第2のシャフトのそれぞれは、独立した腫瘍アクセス部位から腫瘍にアクセスするように適合される。
【0058】
いくつかの応用に関し、第2のシャフトはサイドポートを規定し、そこから、第1のシャフトが前進可能である。
【0059】
いくつかの応用に関し、第1のシャフトは、第2のシャフトに対して湾曲可能である。
【0060】
いくつかの応用に関し、第1のシャフトは、第2のシャフトの遠位端部から前進可能である。
【0061】
いくつかの応用に関し、装置は制御装置を含み、制御装置は、生体インピーダンス感知電極から信号を受信し、且つ応答して、生体インピーダンス感知電極に隣接する組織の生体インピーダンスを示す出力を提供するように適合される。
【0062】
いくつかの応用に関し、制御装置は、患者の呼吸周期の少なくとも一部分にわたる信号の変化を特定するように適合され、出力は、呼吸周期の少なくとも一部分にわたる、生体インピーダンス感知電極に隣接する組織の生体インピーダンスの変化を示す。
【0063】
いくつかの応用に関し、制御装置は、信号に応答して、腫瘍に対する生体インピーダンス感知電極の位置を示す情報を出力するように構成される。
【0064】
いくつかの応用に関し:
機器は、シャフトに沿って延在する導体を介して生体インピーダンス感知電極に電気的に接続された端子を含み、及び
制御装置は、端子に制御装置を電気的に接続することによって、生体インピーダンス感知電極に電気的に接続可能である。
【0065】
いくつかの応用に関し:
治療用アプリケータは、腫瘍に電気穿孔パルスを印加するように構成され、及び
制御装置は、治療用アプリケータに電気的に接続可能であり且つ電気穿孔パルスを印加するために治療用アプリケータを駆動するように適合された発電機を含む。
【0066】
いくつかの応用に関し、治療用アプリケータは、生体インピーダンス感知電極に対して、10mm以下の距離で、位置的に固定されている。
【0067】
いくつかの応用に関し、治療用アプリケータは、生体インピーダンス感知電極に対して、5mm以下の距離で、位置的に固定される。
【0068】
さらに、いくつかの応用によれば、対象者の肺にある腫瘍にアブレーションを行うための装置が提供される。
【0069】
いくつかの応用に関し、装置は:
シャフト;
シャフトの遠位領域に取り付けられた生体インピーダンス感知電極;及び
生体インピーダンス感知電極から固定距離で、シャフトの遠位領域に取り付けられた電気穿孔電極
を含む機器を含む。
【0070】
いくつかの応用に関し、シャフトの遠位領域は、肺内の位置へ前進可能であり、そこでは:
電気穿孔電極が腫瘍の境界内に配置され、及び
生体インピーダンス感知電極が腫瘍の境界の外側に配置される。
【0071】
いくつかの応用に関し、装置は、生体インピーダンス感知電極によって実施される感知によって、肺腫瘍の境界を決定するように構成される。
【0072】
いくつかの応用に関し、装置は、気管支鏡を含み、肺まで経気管支で前進可能であり、シャフトは、気管支鏡を経由して腫瘍まで送達可能である。
【0073】
いくつかの応用に関し、遠位領域は組織穿刺チップを規定する。
【0074】
いくつかの応用に関し、遠位領域は腫瘍内で湾曲可能である。
【0075】
いくつかの応用に関し、電気穿孔電極は、生体インピーダンス感知電極から近位側に、シャフトに取り付けられる。
【0076】
いくつかの応用に関し、電気穿孔電極は、生体インピーダンス感知電極に対して遠位側に、シャフトに取り付けられる。
【0077】
いくつかの応用に関し、シャフトは可撓性である。
【0078】
いくつかの応用に関し、シャフトは硬質である。
【0079】
いくつかの応用に関し、装置は、さらに、遠隔電極を含み、及び装置は、遠隔電極と生体インピーダンス感知電極との間の生体インピーダンスを感知するように構成される。
【0080】
いくつかの応用に関し、遠隔電極は皮膚電極である。
【0081】
いくつかの応用に関し、電気穿孔電極は、腫瘍に電気穿孔パルスを印加するように適合される。
【0082】
いくつかの応用に関し、装置は、さらに、遠隔電極を含み、及び装置は、電気穿孔電極と遠隔電極との間に電気穿孔パルスを印加するように構成される。
【0083】
いくつかの応用に関し、装置は、電気穿孔電極と生体インピーダンス感知電極との間の生体インピーダンスを感知することによって、腫瘍において生体インピーダンスを感知するように構成される。
【0084】
いくつかの応用に関し:
電気穿孔電極は第1の電気穿孔電極であり、
機器は、さらに、第2の電気穿孔電極を含み、及び
装置は、第1の電気穿孔電極と第2の電気穿孔電極との間に電気穿孔パルスを印加するように構成される。
【0085】
いくつかの応用に関し:
シャフトは第1のシャフトであり、第1の電気穿孔電極は第1のシャフトに配置され、
機器は、さらに、第2のシャフトを含み、第2の電気穿孔電極は第2のシャフトに配置され、及び
第1のシャフト及び第2のシャフトは、第1のシャフトが第2のシャフト内を通って摺動可能であることによって、互いに対して可逆的に可動である。
【0086】
いくつかの応用に関し、機器の遠位領域において、第1のシャフト及び第2のシャフトは互いに対して分岐している。
【0087】
いくつかの応用に関し、第1のシャフト及び第2のシャフトのそれぞれは、独立した腫瘍アクセス部位から腫瘍にアクセスするように適合される。
【0088】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極は、第1の電気穿孔電極に対して遠位側に、第1のシャフトに配置される。
【0089】
いくつかの応用に関し、機器は、さらに、第2の電気穿孔電極から近位側に、第2のシャフトに配置された第2の生体インピーダンス感知電極を含む。
【0090】
いくつかの応用に関し、第2のシャフトはサイドポートを規定し、そこから、第1のシャフトが前進可能である。
【0091】
いくつかの応用に関し、第1のシャフトは、第2のシャフトに対して湾曲可能である。
【0092】
いくつかの応用に関し、第1のシャフトは、第2のシャフトの遠位端部から前進可能である。
【0093】
いくつかの応用に関し、装置は制御装置を含み、制御装置は、生体インピーダンス感知電極から信号を受信し、且つ応答して、生体インピーダンス感知電極に隣接する組織の生体インピーダンスを示す出力を提供するように適合される。
【0094】
いくつかの応用に関し、制御装置は、患者の呼吸周期の少なくとも一部分にわたって信号の変化を特定するように適合され、出力は、呼吸周期の少なくとも一部分にわたる、生体インピーダンス感知電極に隣接する組織の生体インピーダンスの変化を示す。
【0095】
いくつかの応用に関し、制御装置は、信号に応答して、腫瘍に対する生体インピーダンス感知電極の位置を示す出力を提供するように構成される。
【0096】
いくつかの応用に関し:
機器は、シャフトに沿って延在する導体を介して生体インピーダンス感知電極に電気的に接続された端子を含み、及び
制御装置は、端子に制御装置を電気的に接続することによって、生体インピーダンス感知電極に電気的に接続可能である。
【0097】
いくつかの応用に関し、制御装置は、信号を発生させるために電流を提供するように適合される。
【0098】
いくつかの応用に関し:
電気穿孔電極は、腫瘍に電気穿孔パルスを印加するように構成され、及び
制御装置は、電気穿孔電極に電気的に接続可能であり且つ電気穿孔パルスを印加するために電気穿孔電極を駆動するように適合された発電機を含む。
【0099】
いくつかの応用に関し、固定距離は10mm以下である。
【0100】
いくつかの応用に関し、固定距離は5mm以下である。
【0101】
いくつかの応用に関し、シャフトは第1のシャフトであり、及び装置は、さらに、少なくとも第2のシャフトを含み、第2のシャフトは、電気穿孔電極及び生体インピーダンス感知電極を含む遠位領域を有する。
【0102】
いくつかの応用に関し:
機器は第1の機器であり、第1のシャフトは第1の機器のシャフトであり、及び
装置は、さらに、第2の機器を含み、第2のシャフトは第2の機器のシャフトである。
【0103】
さらに、いくつかの応用によれば、対象者の組織内にある腫瘍にアブレーションを行うための方法が提供され、腫瘍は境界を有し、方法は:
腫瘍アブレーション機器(tumor-ablating device)の遠位領域を組織中へ前進させることであって、遠位領域には電極が装着されていること;
機器の遠位領域を使用して、組織の生体インピーダンスを感知すること
を含む。
【0104】
いくつかの応用に関し、電極は、感知した生体インピーダンスに応答して、腫瘍の境界内に位置決めされる。
【0105】
いくつかの応用に関し、電極が境界内に留まっている間に、電気穿孔パルスが、電極を使用して、腫瘍に印加される。
【0106】
いくつかの応用に関し:
組織の生体インピーダンスを感知することは、対象者の呼吸周期の少なくとも一部分にわたって、組織の生体インピーダンスの変化を感知すること、及び
生体インピーダンスの感知した変化に応答して、腫瘍の境界内に電極を位置決めすること
を含む。
【0107】
いくつかの応用に関し:
電極は、機器の第1のシャフトに配置され、
機器は、さらに、第2のシャフトを含み、及び
方法は、さらに、腫瘍の境界内に電極を位置決めすることに続いて、第2のシャフトに対して第1のシャフトを軸方向に摺動させることを含む。
【0108】
いくつかの応用に関し:
第1のシャフトは内側シャフトであり、
第2のシャフトは、内側シャフトの上側で摺動可能である外側シャフトであり、及び
第2のシャフトに対して第1のシャフトを軸方向に摺動させることは、電極の有効長を調整するように、内側シャフトの上側で外側シャフトを軸方向に摺動させることを含む。
【0109】
いくつかの応用に関し:
電極は電気穿孔電極であり、
遠位領域は、さらに、生体インピーダンス感知電極を含み、
機器の遠位領域を使用して生体インピーダンスを感知することは、生体インピーダンス感知電極を使用して生体インピーダンスを感知することを含み、及び
腫瘍の境界内に電気穿孔電極を位置決めすることは、生体インピーダンス感知電極が腫瘍を出るまで、腫瘍内を通って機器の遠位領域を動かすことを含む。
【0110】
いくつかの応用に関し:
生体インピーダンス感知電極を使用して生体インピーダンスを感知することは、生体インピーダンス感知電極が制御装置に電気的に接続されている間に、生体インピーダンス感知電極を使用して生体インピーダンスを感知することであって、制御装置は、腫瘍から生体インピーダンス感知電極が出る際に、生体インピーダンス感知電極によって検出された生体インピーダンスの変化に応答して、アラートを提供するように構成されることを含み、及び
腫瘍の境界内に電極を位置決めすることは、アラートに応答して、境界内に電極を位置決めすることを含む。
【0111】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極は、電気穿孔電極に対して遠位側に配置され、及び生体インピーダンス感知電極が腫瘍を出るまで、腫瘍内を通って機器の遠位領域を動かすことは、生体インピーダンス感知電極が腫瘍の遠位境界を出るまで、腫瘍内を通って遠位側に機器の遠位領域を動かすことを含む。
【0112】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極は、電極に対して近位側に配置され、及び生体インピーダンス感知電極が腫瘍を出るまで、腫瘍内を通って機器の遠位領域を動かすことは、生体インピーダンス感知電極が腫瘍の近位境界を出るまで、腫瘍内を通って近位側に機器の遠位領域を動かすことを含む。
【0113】
いくつかの応用に関し:
電極は、遠位領域の第1の部分に装着された第1の電極であり、
遠位領域は、さらに、遠位領域の第2の部分に装着された第2の電極を含み、
第1の部分及び第2の部分は、第1の電極が第2の電極に対して可動であるように、操作可能であり、及び
電極を使用して腫瘍に電気穿孔パルスを印加することは、第1の電極と第2の電極との間に電気穿孔パルスを印加することを含む。
【0114】
いくつかの応用に関し:
第1の部分は、第1のシャフトの遠位部であり、
第2の部分は、第2のシャフトの遠位部であり、及び
腫瘍の境界内に電極を位置決めすることは、第2のシャフト内を通して第1のシャフトを摺動させることによって、腫瘍の境界内に電極を位置決めすることを含む。
【0115】
いくつかの応用に関し、組織の生体インピーダンスを感知することは、第1の部分と第2の部分との間の組織の生体インピーダンスを感知することを含む。
【0116】
いくつかの応用に関し、方法は、電気穿孔パルスを印加することに続いて:
腫瘍内に電極を再位置決めすること、及び
電極を使用して腫瘍に他の1つの電気穿孔パルスを印加すること
を含む。
【0117】
いくつかの応用に関し、方法は、さらに、腫瘍内に電極を再位置決めすることに続いて、及び他の1つの電気穿孔パルスを印加することの前に、機器の遠位領域を使用して、組織の生体インピーダンスを感知することを含む。
【0118】
さらに、いくつかの応用によれば、腫瘍に使用するための装置が提供され、装置は、第1の部分を含む遠位領域を有する腫瘍アブレーション機器を含み、第1の部分は:
第1の生体インピーダンス感知電極;
第1の生体インピーダンス感知電極に対して定位置に装着された第1の電気穿孔電極
を含む。
【0119】
いくつかの応用に関し、遠位領域は、さらに、第2の部分を含み、第2の部分は:
第2の生体インピーダンス感知電極;及び
第2の生体インピーダンス感知電極に対して定位置に装着された第2の電気穿孔電極
を含む。
【0120】
いくつかの応用に関し、遠位領域は、第1の部分と第2の部分との間で軸方向距離を変化させるように操作可能である。
【0121】
いくつかの応用に関し、第1の部分は、機器の第1のシャフトの遠位領域の第1の部分であり、及び第2の部分は、機器の第2のシャフトの遠位領域の第2の部分である。
【0122】
いくつかの応用に関し、遠位領域において、第1のシャフト及び第2のシャフトは互いに対して分岐している。
【0123】
いくつかの応用に関し、第1のシャフト及び第2のシャフトのそれぞれは、独立した腫瘍アクセス部位から腫瘍にアクセスするように適合される。
【0124】
いくつかの応用に関し、遠位領域は、第1のシャフトが第2のシャフト内を通って摺動可能であることによって、第1の部分と第2の部分との間の軸方向距離を変化させるように操作可能である。
【0125】
いくつかの応用に関し、第1のシャフトは、第2のシャフトの遠位端部から前進可能である。
【0126】
いくつかの応用に関し、第1の生体インピーダンス感知電極は、第1の電気穿孔電極に対して遠位側に、第1のシャフトに配置される。
【0127】
いくつかの応用に関し、第2の生体インピーダンス感知電極は、第2の電気穿孔電極から近位側に、第2のシャフトに配置される。
【0128】
いくつかの応用に関し、第1の生体インピーダンス感知電極は、第1の電気穿孔電極から近位側に、第1のシャフトに配置される。
【0129】
いくつかの応用に関し、第2のシャフトはサイドポートを規定し、そこから、第1のシャフトが前進可能である。
【0130】
いくつかの応用に関し、第1のシャフトは、第2のシャフトに対して湾曲可能である。
【0131】
さらに、いくつかの応用によれば、対象者の肺にある腫瘍にアブレーションを行うための装置が提供され、装置は:
シャフト;
シャフトの遠位領域に取り付けられた生体インピーダンス感知電極;及び
生体インピーダンス感知電極から公知の距離でシャフトの遠位領域に取り付けられた電気穿孔電極
を含む機器を含む。
【0132】
いくつかの応用に関し、シャフトの遠位領域は、肺内のある位置へと前進可能であり、ここでは:
電気穿孔電極が腫瘍の境界内に配置され、及び
生体インピーダンス感知電極が腫瘍の境界の外側に配置される。
【0133】
さらに、いくつかの応用によれば、腫瘍にアブレーションを行うための装置が提供され、装置は:
シャフト;
シャフトの遠位領域に配置された第1の生体インピーダンス感知電極;
シャフトの遠位領域に配置された第2の生体インピーダンス感知電極;及び
第1の生体インピーダンス感知電極と第2の生体インピーダンス感知電極との間で軸方向にシャフトに配置された電気穿孔電極
を含む機器を含む。
【0134】
さらに、いくつかの応用によれば、腫瘍にアブレーションを行うための方法が提供され、方法は:
腫瘍中へ腫瘍アブレーション機器の遠位領域を前進させることであって、遠位領域には電気穿孔電極が装着されており、電気穿孔電極の横には、近位生体インピーダンス感知電極及び遠位生体インピーダンス感知電極が配置されること
を含む。
【0135】
いくつかの応用に関し、方法は、さらに、遠位生体インピーダンス感知電極によって容易にされる、生体インピーダンスを感知することによって、腫瘍の遠位境界を決定することを含む。
【0136】
いくつかの応用に関し、方法は、さらに、遠位境界を決定することに応答して、及び電気穿孔電極が遠位境界内に配置されている間に、腫瘍に第1の電気穿孔パルスを印加するために電気穿孔電極を駆動することを含む。
【0137】
いくつかの応用に関し、方法は、さらに、近位生体インピーダンス感知電極によって容易にされる、生体インピーダンスを感知することによって、腫瘍の近位境界を決定することを含む。
【0138】
いくつかの応用に関し、方法は、さらに、近位境界を決定することに応答して、及び電気穿孔電極が近位境界内に配置されている間に、腫瘍に第2の電気穿孔パルスを印加するために電気穿孔電極を駆動することを含む。
【0139】
いくつかの応用に関し、腫瘍に第1の電気穿孔パルスを印加するために電気穿孔電極を駆動することは、腫瘍に第2の電気穿孔パルスを印加する前に、腫瘍に第1の電気穿孔パルスを印加するために電気穿孔電極を駆動することを含む。
【0140】
いくつかの応用に関し、腫瘍に第1の電気穿孔パルスを印加するために電気穿孔電極を駆動することは、腫瘍に第2の電気穿孔パルスを印加することに続いて、腫瘍に第1の電気穿孔パルスを印加するために電気穿孔電極を駆動することを含む。
【0141】
いくつかの応用に関し、方法は、さらに、機器の遠位領域が腫瘍中を前進させられるとき、腫瘍に複数の電気穿孔パルスを印加することを含む。
【0142】
さらに、いくつかの応用によれば、対象者の肺で使用するための方法が提供され、方法は、肺内での組織の生体インピーダンスの振動を示す情報を受信することを含む。
【0143】
いくつかの応用に関し、方法は、さらに、応答して、組織が腫瘍組織であるかどうかを決定することを含む。
【0144】
いくつかの応用に関し、組織が腫瘍組織であるかどうかを決定することは:
振動の大きさが閾値の大きさを下回っているかどうかを決定すること、及び
大きさが閾値を下回っていると決定することに応答して、組織が腫瘍組織であると決定することを含む。
【0145】
いくつかの応用に関し、組織が腫瘍組織であるかどうかを決定することは:
振動の大きさが閾値の大きさを上回っているかどうかを決定すること、及び
大きさが閾値を上回っていると決定することに応答して、組織が腫瘍組織ではないと決定することを含む。
【0146】
いくつかの応用に関し、組織が腫瘍組織であるかどうかを決定することは、さらに、振動の周波数が呼吸周期の一部分の振動の周波数に一致するかどうかを決定することを含む。
【0147】
さらに、いくつかの応用によれば、対象者の肺で使用するための方法が提供され、方法は、肺内の組織の生体インピーダンスを示す情報を受信することを含む。
【0148】
いくつかの応用に関し、方法は、さらに、応答して、組織が癌性であるかどうかを決定することを含む。
【0149】
さらに、いくつかの応用によれば、腫瘍に使用するための装置が提供され、装置は、遠位領域を有する腫瘍アブレーション機器を含み、機器は:
電気穿孔電極が装着された内側シャフト;及び
電気穿孔電極の有効長の調整を容易にするように、内側シャフトの上側で軸方向に摺動自在である外側シャフト
を含み:
その調整は、内側シャフトにわたる外側シャフトの遠位側への前進が、電気穿孔電極を漸進的に覆うことによって、電気穿孔電極の有効長を漸進的に短くし、及び
内側シャフトにわたる外側シャフトの近位側への引き出しが、電気穿孔電極を漸進的に露出させることによって、電気穿孔電極の有効長を漸進的に長くするようにする。
【0150】
いくつかの応用に関し、外側シャフトは電気絶縁体から形成される。
【0151】
いくつかの応用に関し:
電気穿孔電極は、腫瘍に電気穿孔パルスを印加するように構成され、及び
装置は、さらに、電気穿孔電極に電気的に接続可能であり且つ電気穿孔パルスを印加するために治療用アプリケータを駆動するように適合された発電機を含む制御装置を含む。
【0152】
いくつかの応用に関し、機器は、遠位領域に装着された生体インピーダンス感知電極を含む。
【0153】
いくつかの応用に関し:
生体インピーダンス感知電極は第1の生体インピーダンス感知電極であり、
第1の生体インピーダンス感知電極は、電気穿孔電極に対して遠位側に、内側シャフトに装着され、及び
第2の生体インピーダンス感知電極は、外側シャフトに装着される。
【0154】
いくつかの応用に関し、装置は制御装置を含み、制御装置は、生体インピーダンス感知電極から信号を受信し、且つ応答して、生体インピーダンス感知電極に隣接する組織の生体インピーダンスを示す出力を提供するように適合される。
【0155】
いくつかの応用に関し、制御装置は、患者の呼吸周期の少なくとも一部分にわたる信号の変化を特定するように適合され、出力は、呼吸周期の少なくとも一部分にわたる、生体インピーダンス感知電極に隣接する組織の生体インピーダンスの変化を示す。
【0156】
いくつかの応用に関し、制御装置は、信号に応答して、腫瘍に対する生体インピーダンス感知電極の位置を示す情報を出力するように構成される。
【0157】
いくつかの応用に関し:
機器は、シャフトに沿って延在する導体によって生体インピーダンス感知電極に電気的に接続された端子を含み、及び
制御装置は、端子に制御装置を電気的に接続することによって、生体インピーダンス感知電極に電気的に接続可能である。
【0158】
さらに、いくつかの応用によれば、腫瘍にアブレーションを行うための方法が提供され、方法は:
腫瘍中へ腫瘍アブレーション機器の遠位領域を前進させることであって、機器は:
電気穿孔電極が装着された内側シャフト、及び
内側シャフトの上側で摺動するように適合された外側シャフト
を含むこと
を含む。
【0159】
いくつかの応用に関し、方法は、さらに、腫瘍内に電気穿孔電極の遠位端部を位置決めすることを含む。
【0160】
いくつかの応用に関し、方法は、さらに、内側シャフトの上側で外側シャフトを摺動させることによって、電気穿孔電極の有効長を調整することを含む。
【0161】
いくつかの応用に関し、方法は、さらに、腫瘍に電気穿孔パルスを印加するために電気穿孔電極を駆動することを含む。
【0162】
いくつかの応用に関し、内側シャフトの上側で外側シャフトを摺動させることによって、電気穿孔電極の有効長を調整することは、電気穿孔電極が腫瘍の所望の長さに広がるまで電気穿孔電極の有効長を調整することを含む。
【0163】
いくつかの応用に関し、電気穿孔電極が腫瘍の所望の長さに広がるまで電気穿孔電極の有効長を調整することは、電気穿孔電極が腫瘍の全長に広がるまで電気穿孔電極の有効長を調整することを含む。
【0164】
いくつかの応用に関し:
遠位領域は、さらに、生体インピーダンス感知電極を含み、及び
電気穿孔電極の有効長を調整することは、生体インピーダンス感知電極によって実施される感知によって案内されて、有効長を調整することを含む。
【0165】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極によって実施される感知によって案内されて、有効長を調整することは、生体インピーダンス感知電極が腫瘍を出るまで、腫瘍内を通って機器の遠位領域を動かすことを含む。
【0166】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極によって実施される感知によって案内されて、有効長を調整することは、生体インピーダンス感知電極が制御装置に電気的に接続されている間に、生体インピーダンス感知電極によって実施される感知によって案内されて、有効長を調整することを含み、制御装置は、腫瘍から生体インピーダンス感知電極が出る際に、生体インピーダンス感知電極によって検出された生体インピーダンスの変化に応答して、アラートを提供するように構成される。
【0167】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極は、電気穿孔電極に対して遠位側に、内側シャフトに配置され、及び生体インピーダンス感知電極が腫瘍を出るまで、腫瘍内を通って機器の遠位領域を動かすことは、生体インピーダンス感知電極が腫瘍の遠位境界を出るまで、内側シャフトを遠位側に腫瘍中を通って動かすことを含む。
【0168】
いくつかの応用に関し:
生体インピーダンス感知電極は第1の生体インピーダンス感知電極であり、及び
遠位領域は、さらに、外側シャフトに配置された第2の生体インピーダンス感知電極を含み、及び
生体インピーダンス感知電極が腫瘍を出るまで、腫瘍内を通って機器の遠位領域を動かすことは、第2の生体インピーダンス感知電極が腫瘍の近位境界を出るまで、腫瘍中を通して外側シャフトを近位側に動かすことを含む。
【0169】
本発明は、図面と併せて、その応用の以下の詳細な説明からより十分に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0170】
図面の簡単な説明
図1】本開示のいくつかの実施形態による、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、シャフトの断面図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図6A】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、腫瘍にアブレーションを行うための技術における、あるステップの概略図である。
図6B】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、腫瘍にアブレーションを行うための技術における、あるステップの概略図である。
図6C】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、腫瘍にアブレーションを行うための技術における、あるステップの概略図である。
図6D】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、腫瘍にアブレーションを行うための技術における、あるステップの概略図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態による、複数の遠位領域を含む、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図8】本開示のいくつかの実施形態による、複数の遠位領域を含む、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図9A】本開示のいくつかの実施形態による、複数の遠位領域を含む、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図9B】本開示のいくつかの実施形態による、複数の遠位領域を含む、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図10】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図11A】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図11B】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図11C】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図12】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図13A】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図13B】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
図13C】本開示のいくつかの実施形態による、生体インピーダンス感知によって案内される、電気穿孔アブレーション用の機器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0171】
詳細な説明
腫瘍の境界内に治療用アプリケータを位置決めするために、電気インピーダンスを使用して腫瘍の境界を決定するための方法及びシステムが提供される。例えば、治療用アプリケータは、治療電極、例えば電気穿孔電極を含み得る。腫瘍の境界内に治療電極を位置決めして、例えば、周囲組織ではなく、腫瘍組織に治療を集中させることが好都合とし得る。腫瘍全体を治療するために-例えば腫瘍の境界近くの腫瘍細胞が未治療のまま残ってしまうことを回避するために、腫瘍の境界の近くに治療電極を位置決めすることがさらに好都合とし得る。
【0172】
いくつかの応用に関し、腫瘍自体とその周囲組織との間の組織特性の違いのおかげで、生体インピーダンスを感知することによって、腫瘍の境界を決定することが可能とし得る。例えば、健康な肺組織は、一般に、高い生体インピーダンスを有する(例えば実質及びその肺胞の空気で満たされた構造のおかげで)が、肺腫瘍は、一般に、実質的により低い生体インピーダンスを有する。それゆえ、腫瘍の近くに及び/又はその内部に位置決めされた生体インピーダンス感知電極は、腫瘍-特に肺腫瘍の境界に関する情報を提供できる可能性がある。さらに、腫瘍とその周囲組織との間の生体インピーダンスのこの差は、周囲組織に対する付随的損傷を最小限にしながら、腫瘍の首尾よい電気穿孔を可能にし得る。例えば、周囲組織と比べて、比較的高い腫瘍の伝導度は、周囲組織中にではなく、腫瘍の至る所での電気穿孔パルスの伝導を促し得る。
【0173】
ここで、いくつかの応用による腫瘍の電気穿孔アブレーション用のシステム1000の概略図である図1を参照して説明する。システム1000は、機器(例えば装置)101を含み、及びさらに、制御装置1010を含み得る。制御装置1010は、発電機(又は電源)7を含み得る。
【0174】
図1に示すように、機器101は、少なくとも1つのシャフト(例えばチューブ、カテーテル、ロッド、及び/又は気管支鏡)、例えばシャフト1を含み得、及び遠位領域100を有する。遠位領域100の少なくとも一部は、腫瘍中へ前進させられるように適合される。いくつかの応用に関し、遠位領域100は、体管腔に入り込み、そこを通ってそれらが案内されることによって、腫瘍にアクセスし得る。いくつかの応用に関し、図6A~Dに示すように、機器101は、患者の体内へ、例えば患者の肺50中へ前進させられる。腫瘍が肺腫瘍である応用に関し、装置は、患者の体内へ、経気管支で(例えば気管支鏡を経由して)-例えば患者の鼻又は口を経由して、患者の気管を下方に、気道(例えば気管支)中へと前進させられ得る。いくつかのそのような応用に関し、その後、遠位領域100は、気道に入り込み(例えば遠位領域の組織穿刺チップ16を使用して)、且つ腫瘍に隣接する実質に入り得る。いくつかのそのような応用に関し、シャフト1は可撓性とし得る。いくつかの応用に関し、前進は、経皮的に(例えば経管的に又は経胸腔的に)行われる。いくつかのそのような応用に関し、シャフト1は硬質とし得る。
【0175】
第1の電気穿孔電極4が遠位領域100に配置され(例えば電極は、機器のシャフトに取り付けられ得る)、腫瘍中へ遠位領域を前進させることによって、電極4も腫瘍中へ前進させるようにする。いくつかの実施形態に関し、第2の電気穿孔電極2がまた遠位領域100に配置され得る-例えば、これも、腫瘍内に位置決めされて、腫瘍を電気穿孔するために、第1の電極と第2の電極との間に電気穿孔パルスが印加され得るようにする。いくつかの応用に関し、電極2及び4は、機器101の治療用アプリケータの構成要素である(例えば共同で規定し得る)とみなされ得る。
【0176】
遠位領域100は、電極2と4との間の軸方向距離Lを変えるように、可逆的に長くすることが可能である。いくつかの応用に関し、遠位領域100は、入れ子式アセンブリを含み得る-例えば、互いに対して軸方向に摺動自在である遠位部分14及び近位部分12を有する。いくつかのそのような応用に関し、シャフト1は外側シャフトであり、その中を通って、機器101の内側シャフト3が軸方向に摺動自在である。いくつかのそのような応用に関し、第1の電極4は、遠位領域の遠位部分14に配置され、及び第2の電極2は、遠位領域の近位部分12に配置される。遠位部分14は、シャフト3の遠位部によって規定され得る。近位部分12は、シャフト1の遠位部によって規定され得る。
【0177】
いくつかのそのような応用に関し、シャフト1及び3は同軸である。上記で説明したように、腫瘍全体を首尾よく電気穿孔するために、腫瘍内で、腫瘍のそれぞれの(例えば反対側にある)境界の近くに(例えばそこに)電極2及び4を位置決めすることが好都合とし得る。そのような応用に関し、腫瘍内での電極2及び4のそのような位置決めは、電極間の距離Lを調整するために、伸ばす及び/又は短くする(例えば入れ子式に)ことによって、容易にされ得る。
【0178】
制御装置1010(例えばその発電機7)は、電極2及び4を駆動して、それらの間に電気穿孔パルスを印加するように適合される。機器101の近位領域150において、機器は、端子5及び6を含み得、それらを介して、電極2及び4それぞれが、制御装置1010(例えば発電機7)に電気的に接続され得る。例えば、制御装置から延在するワイヤが端子に接続され得る-例えば使用前に。電極2及び4は、対応する1つ又は複数のシャフトに沿って延在する導体(例えばワイヤ)を介して端子5及び6にそれぞれ電気的に接続され得る。例えば、1つの導体は、電極4から、シャフト3に沿って(例えばそのルーメンを経由して、及び/又はその側壁内を)近位端子6まで延在し得、及び/又は別の導体は、電極2から、シャフト1に沿って(例えばそのルーメンを経由して、及び/又はその側壁内を)近位端子5まで延在し得る。ワイヤは、互いに電気的に絶縁され得る。
【0179】
ここで、いくつかの応用による、腫瘍15の電気穿孔アブレーション用のシステム2000の概略図である図2及び図6A~Dを参照して説明する。システム2000は、機器(例えば装置)102を含み、及びさらに、制御装置2010を含み得る。制御装置2010は、発電機(又は電源)7aを含み得る。機器101と同様に、機器102は、少なくとも1つのシャフト1(例えば可撓性チューブ、カテーテル、ロッド、及び/又は気管支鏡)を含み得、及び腫瘍15中へ前進させられるように適合された遠位領域200を有する。また機器101と同様に、第1の電気穿孔電極4及び第2の電気穿孔電極2は遠位領域200に配置され、電気穿孔パルスを印加し、腫瘍にアブレーションを行う。いくつかの応用に関し、遠位領域200は、例えば入れ子式アセンブリを含む遠位領域200によって(例えばシャフト1及び3の入れ子式配置構成によって)、又は任意の他の手段によって、電極2と4との間の軸方向距離を変えるように、可逆的に長くすることが可能である。いくつかの応用に関し、システム2000は、システム1000の変形例であるとみなされ得、例えば機器102は、機器101の変形例であるとみなされ得る。
【0180】
機器102は、上述の機器101と同様であるが、また、その遠位領域200に、1つ以上の生体インピーダンス感知電極、例えば第1の生体インピーダンス感知電極8及び第2の生体インピーダンス感知電極9を含み得る。いくつかの応用に関し、これらの生体インピーダンス感知電極は、電気穿孔電極2及び4とは異なる個別電極であり、且つ電気穿孔電極とは無関係に、制御装置2010に電気的に接続され得る。
【0181】
本明細書で説明する生体インピーダンス感知電極のそれぞれを単一の電極であると説明し且つ言及したが、これらの生体インピーダンス感知電極のいずれかは、実際、協働し得る1組の電極を表し得る-例えば生体インピーダンスセンサーとして機能するように(例えば、さらに、制御装置2010と協働する)。すなわち、いくつかの応用に関し、本明細書で説明する生体インピーダンス感知電極のいずれかは、2つ以上(例えば複数)の電極で構成され得る。いくつかのそのような応用に関し、そのような生体インピーダンス感知電極(複数の個々の電極を含む)は、単独で、又は制御装置2010との組み合わせのいずれかで、生体インピーダンスセンサーであるとみなされ得る。
【0182】
電極2及び4を駆動してそれら電極の間に電気穿孔パルスを印加するように適合されているのと同様に(例えば発電機7aを介して)、下記で説明するように、制御装置2010は、腫瘍に対する電極2及び4の位置を決定するために、生体インピーダンス感知電極8及び9から信号を受信するように適合され得る。機器102の近位領域250において、機器は、端子5及び6を含み得、それらを介して、電極2及び4はそれぞれ、制御装置2010(例えば発電機7)に電気的に接続され得る-例えば機器101に関して説明したように。さらに、機器102は、一般には、さらに、端子10及び11を含み、それらを介して、電極8及び9はそれぞれ、制御装置に電気的に接続され得る。例えば、図示の通り、制御装置から延在するワイヤは、端子に接続され得る。ワイヤは、互いに電気的に絶縁され得る。
【0183】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知は、(例えば2つの電極間にある)組織に電流を加え且つ結果として生じる電流を測定する1つ又は複数の生体インピーダンス感知電極によって、実施され得る。いくつかの応用に関し、制御装置2010は、例えば生体インピーダンス感知を実施するために使用される電流を提供することによって、生体インピーダンス感知を駆動するように適合される。いくつかの応用に関し、発電機7aは、例えば端子10及び11を介してこの電流を提供するために使用される。
【0184】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知は、定電位モードで実施される。いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知は、定電流モードで実施される。いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知を実施するために使用される電流は、低電圧(例えば少なくとも0.5V及び/又は5V以下)の電流である。いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知を実施するために使用される電流は、正弦波形を有する。いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知を実施するために使用される電流は、少なくとも10Hz及び/又は1MHz以下の周波数を有する。いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知を実施するために使用される電流は、少なくとも1マイクロアンペア及び/又は15ミリアンペア以下の振幅を有する。
【0185】
ひとたび遠位領域200が腫瘍15まで前進させられたら、腫瘍の境界は、生体インピーダンス感知電極8及び9を使用して決定され得る。例えば上記で説明したように、例えば、腫瘍とその周囲組織との間の組織特性の違いのおかげで、機器(例えばその制御装置2010)は、腫瘍に対して生体インピーダンス感知電極8及び9を動かし(又はその動きを容易にし)且つ異なる位置において生体インピーダンスを感知することによって、腫瘍の境界を決定し得る(又はその決定を容易にし得る)。例えば、図6A~Dに概略的に示すように、生体インピーダンス感知電極は、腫瘍中へ及び/又は腫瘍から前進させられ得るため、内側と外側との間の移行(すなわち境界)の正確な位置が特定され得る-例えば生体インピーダンス感知電極8及び9のそれぞれが腫瘍の内側に配置されているか又は外側に配置されているかを決定することによって。
【0186】
いくつかの応用に関し、この決定は、生体インピーダンス感知電極8と9との間の生体インピーダンスを感知することによって、達成される(例えば生体インピーダンス感知電極は、バイポーラ式に使用される)。いくつかの応用に関し、遠隔電極40、例えば皮膚電極又は接地パッドが使用される。例えば、生体インピーダンス感知電極8が腫瘍15の内側にあるか又は外側にあるかの決定は、生体インピーダンス感知電極8と遠隔電極40との間の生体インピーダンスを感知することによって、容易にされ(又は行われ)得、及び同様の決定が、生体インピーダンス感知電極9に対して行われ得(例えば生体インピーダンス感知電極8及び9のそれぞれは、モノポーラ式に使用される)、制御装置2010が、生体インピーダンス感知電極のそれぞれの位置を、他方とは無関係に、検証し得る。いくつかの応用に関し、バイポーラ及びユニポーラ感知の組み合わせが実施される。いくつかの応用に関し、電極8又は電極9は、皮膚電極又は接地パッドによって置き換えられてもよい。
【0187】
いくつかの応用に関し、各生体インピーダンス感知電極とそのそれぞれの電気穿孔電極との間の生体インピーダンスが、決定され得る。例えば、生体インピーダンス感知電極8と電気穿孔電極2との間の生体インピーダンスは、電気穿孔電極2が腫瘍の境界内にあるかどうかを決定するために検出され得る。それに加えて又はその代わりに、生体インピーダンス感知素子9と電気穿孔電極4との間の生体インピーダンスは、電気穿孔電極4が腫瘍の境界内にあるかどうかを決定するために検出され得る。
【0188】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知は、生体インピーダンス感知電極、電気穿孔電極、及び/又は遠隔電極の組み合わせ間で、実施され、例えば、生体インピーダンス感知を実施するために、電極2、4、8、9、及び40のうちの2つ、3つ以上(例えば4つ)を使用する。いくつかの応用に関し、2つ以上の感知電極が、電気穿孔電極の近位側及び/又は遠位側で使用され得る。例えば、電極2の近位側に位置決めされた一対の生体インピーダンス感知電極があっても、及び/又は電極2の遠位側に位置決めされた一対の生体インピーダンス感知電極があってもよく、且つ生体インピーダンスは、近位側の対の電極間及び/又は遠位側の対の電極間で感知されてもよい。同様に、電極4の近位側に位置決めされた一対の生体インピーダンス感知電極があっても、及び/又は電極4の遠位側に位置決めされた一対の生体インピーダンス感知電があってもよく、且つ生体インピーダンスは、近位側の対の電極間及び/又は遠位側の対の電極間で感知されてもよい。いくつかの実施形態では、生体インピーダンスは、最遠位生体インピーダンス感知電極と最近位生体インピーダンス感知電極との間で測定される。
【0189】
いくつかの応用に関し、遠隔電極(例えば遠隔電極40又は同様のもの、例えば皮膚電極)が、腫瘍へ電気穿孔パルスを送るのを容易にするために使用され得る-例えば遠隔電極がリターン電極として機能する状態で。例えば、パルスは、電極4、電極2を介して送られるか、又は両電極4及び2は、単一の電極として機能するように協働する。例えば、電極2又は電極4は、皮膚電極又は接地パッドで置き換えられてもよい。これは、「モノポーラ」形態であるとみなされ得るが、電極2と4との間のパルスの印加は、「バイポーラ」形態であるとみなされ得る。いくつかの応用に関し、単一の腫瘍が、モノポーラパルス及びバイポーラパルスの双方の組み合わせによって、治療され得る。
【0190】
いくつかの応用に関し、制御装置2010は、1つ又は複数の生体インピーダンス感知電極によって実施された生体インピーダンス感知に応答して、出力、例えばスクリーンを介して可視出力、及び/又は可聴出力及び/又は触知若しくは触覚出力を提供するように適合される。例えば、腫瘍の境界の表現(例えば、腫瘍の境界を示すマップ)は、制御装置によって出力され得、執刀医が境界内に1つ又は複数の電気穿孔電極を位置決めできるようにする。いくつかの応用に関し、出力は、個別であり、例えば生体インピーダンス感知電極(及び/又は電気穿孔電極)が配置されると決定される組織型を表すテキスト出力である。
【0191】
機器102は、その治療用アプリケータ(例えば電極2及び4)の位置がその生体インピーダンス感知電極8及び9に対して定位置及び/又は公知の位置にあるように、構成されて、腫瘍の境界のすぐ外側への電極8及び9の位置決めによって、腫瘍の境界のすぐ内部に治療用アプリケータを自動的に位置決めする(又はその位置決めを容易にする)。例えば、図2、及び図6A~Dに示すように、電気穿孔電極2及び4が生体インピーダンス感知電極8と9との間に軸方向に位置決めされる配置構成のおかげで、生体インピーダンス感知電極が腫瘍15の境界にある(例えばそのすぐ外側にある)ことを確証することによって、電気穿孔電極2及び4が境界のすぐ内部-腫瘍の境界の例えば5mm以下(例えば4mm以下、例えば3mm以下、例えば2mm以下)及び/又は少なくとも0.5mm(例えば少なくとも1mm、例えば少なくとも2mm、例えば少なくとも3mm)内、例えば境界の0.5~5mm内にあることを自動的に実証し得る。いくつかの応用に関し、腫瘍15の境界のすぐ外側に電極8及び9を位置決めするのではなく、それら電極が境界のすぐ内側に位置決めされるように、同様の技術が使用され得る。
【0192】
いくつかの応用に関し、及び図示の通り、遠位領域200は、入れ子式アセンブリを含み得る-例えば、互いに対して軸方向に摺動自在である遠位部分24(シャフト3の遠位部とし得る)及び近位部分22(シャフト1の遠位部とし得る)を有する。いくつかの応用に関し、シャフト1及び3は同軸である。いくつかのそのような応用に関し、電気穿孔電極4は、遠位部分24に配置され、生体インピーダンス感知電極9は、遠位部分に、電気穿孔電極4からすぐ遠位側に-例えば0.5mm超(例えば1mm超)及び/又は10mm未満(例えば5mm未満)遠位側に-配置されて、腫瘍の境界を少し越えたところへの生体インピーダンス感知電極9の位置決めによって、電気穿孔電極4を境界のすぐ内部に位置決めするようにする。すなわち、電極4は、電極9とは境界の反対側に位置決めされるようになり、境界は電極間にある。それゆえ、生体インピーダンス感知電極9は、遠位境界を検出し且つアラート(例えば可視、可聴、触知及び/又は触覚アラート)を提供するために制御装置2010によって使用され得、例えば、これ以上の遠位側への前進が必要とされない(又は望まれない)ことを示す。同様に、第2の電極2は、近位部分22に配置され、生体インピーダンス感知電極8は、近位部分に、電気穿孔電極2からすぐ近位側に-例えば0.5mm超(例えば1mm超)及び/又は5mm未満(例えば10mm未満)近位側に-配置されて、腫瘍の境界の直前への(例えばそれから近位側への)生体インピーダンス感知電極8の位置決めによって、電気穿孔電極2を境界のすぐ内部に位置決めするようにする。
【0193】
図6A~Dは、電気穿孔電極2及び4を腫瘍15の反対側の境界に位置決めするために執刀医によって実施され得る一連のステップを表し得る。これらのステップは、一般に、下記で説明するように、腫瘍15に対する電気穿孔電極2及び4の位置を示す生体インピーダンス感知電極8及び9によって容易にされる。図6A~Dは、主に、処置のステップのシーケンスを厳密に定義するのではなく、システム2000の能力を示すことを意図していることに留意されたい。
【0194】
遠位領域200は、初めに、腫瘍15中へ前進させられて、生体インピーダンス感知電極9及び電気穿孔電極4が腫瘍に入るようにする(図6A)。電極9が腫瘍内に配置されることは、生体インピーダンス感知によって特定可能である。
【0195】
遠位領域200は、生体インピーダンス感知電極9が腫瘍-例えば腫瘍の遠位境界を出るまで、腫瘍15中を前進させられ続ける(図6B)。例えば、制御装置2010は、電極が腫瘍15から出る際に電極9によって検出された生体インピーダンスの変化に応答して、執刀医にアラートを提供し得る。上記で説明したように、腫瘍の境界のすぐ外側への生体インピーダンス感知電極9のこの位置決めによって、境界のすぐ内部へ電気穿孔電極4を位置決めする。図示の特定の例では、遠位領域200は、腫瘍15中へ前進させられる一方で、電極4と2との間の距離(すなわち上述の距離L)は、腫瘍の遠位境界のすぐ内側への電極4の位置決めによって電気穿孔電極2及び生体インピーダンス感知電極8の双方を腫瘍内に位置決めするように、十分に短い(図6B)。しかしながら、これは、機器102の特定の応用及び特定の腫瘍の寸法次第であることが理解される。
【0196】
図6Cは、遠位領域200の長さを軸方向に延ばす(例えば、遠位領域の近位部分22を遠位部分24から入れ子式に引き出す)ことによって、電極2及び8が近位側に動かされて、電極2を腫瘍の近位境界のすぐ内部に位置決めすることを示す。遠位電極9に関して説明したことと同様に、制御装置2010は、電極が腫瘍15から出る際に電極8によって検出された生体インピーダンスの変化に応答して、執刀医にアラートを提供し得る。上記で説明したように、腫瘍の境界のすぐ外側への生体インピーダンス感知電極8のこの位置決めによって、電気穿孔電極2を境界のすぐ内部に位置決めする。
【0197】
この位置では、次に、図6Dに電場線によって表されるように、電気穿孔パルスが腫瘍に印加される。
【0198】
いくつかの応用に関し、制御装置2010は、生体インピーダンス感知に応答して、発電機7aによって印加される電気穿孔パルスを調整するように適合される。例えば、制御装置2010は、生体インピーダンス感知電極8及び9を使用して腫瘍のインピーダンスの変化を監視することによって、治療の進行を監視するように適合され得る。いくつかの応用に関し、この監視は、アブレーションプロセスの間中ずっと反復して及び/又は連続的に実施される。
【0199】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知は、さらに、結果を最適にするために、アブレーションプロセスの最中及び/又はその後に実施される。
【0200】
いくつかの応用に関し、1つ又は複数の生体インピーダンス感知電極が、境界のすぐ外側に配置されている間ではなく、腫瘍の境界のすぐ内部にある間に、電気穿孔パルスは印加される。
【0201】
いくつかの応用に関し、腫瘍の範囲を十分に網羅することを保証するために、腫瘍15への初期電気穿孔パルスの印加に続いて、電極2及び4は、腫瘍内で動かされてもよく、及び第2の電気穿孔パルスが印加されてもよい。例えば、電極4は、例えば遠位部分24を近位側に引くことにより遠位領域200を入れ子式に短くすることによって、電極2の方へ向かって引き戻されてもよい。その代わりに又はそれに加えて、電極2は、例えば近位領域22を遠位側に押すことによって、電極4の方へ向かって前方へ押されてもよい。いくつかの実施形態では、初期電気穿孔パルス印加後、両電極は、取り除かれ、且つ異なる角度で又は異なる入口点から再挿入され得る。いくつかの実施形態では、一方の電極は適所に残され得、及び他方の電極は異なる角度で挿入される。
【0202】
いくつかの実施形態では、それぞれ電気穿孔電極を有する複数のシャフト(例えば複数のシャフト3の例)が、シャフト1を通過させられ得る(例えば同時に)。いくつかの応用に関し、各シャフト3は、そこに装着された生体インピーダンス感知電極を有して、例えば図2及び図6A~Dに関して上記で説明したように、腫瘍の境界に対するそのそれぞれの電気穿孔電極に関する情報を提供する。いくつかの応用に関し、これらのシャフト3のそれぞれは、範囲の全面的な網羅を保証するために、腫瘍内で異なる角度に方向付けられる。
【0203】
ここで、いくつかの応用による、機器103の概略図を示す図3を参照して説明し得る。機器103は、機器101及び/又は機器102の変形例であるとみなされ得、例えば、機器103は、システム、例えばシステム2000の一部とし得、及び/又は制御装置、例えば制御装置2010と互換性があるとし得る。上述の機器と同様に、機器103は、腫瘍中へ前進させられるように適合された遠位領域300を有する。遠位領域300は、近位部分32及び遠位部分34を規定し、遠位部分は、近位部分に対して入れ子式に伸ばすことが可能である。上述の機器と同様に、第1の電気穿孔電極4は遠位部分に配置され、及び第2の電気穿孔電極2は近位部分に配置される。上述の機器102を参照して説明したように、生体インピーダンス感知電極は、遠位部分及び近位部分のそれぞれに、それぞれ配置され得る。
【0204】
図3に示したように、遠位部分34は、近位部分32に対して湾曲しており(又は能動的に曲げることができる)、電極4は、腫瘍内で、電極2に対してある角度の向きにされ得る。これは、好都合にも、電極2及び4を腫瘍の反対側の又は好適に離間された境界に位置決めすることを可能にし得、腫瘍の完全な根絶を可能にする。
【0205】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による腫瘍アブレーション用の機器104の概略図である図5を参照して説明する。機器104は、機器101及び/又は機器102及び/又は103の変形例であるとみなされ得、腫瘍中へ前進させられるように適合された遠位領域400を有する。遠位領域400は、近位部分422及び遠位部分424を規定し、遠位部分は、近位部分に対して入れ子式に伸ばすことが可能である。上述の機器と同様に、第1の電気穿孔電極404は遠位部分に配置され、及び第2の電気穿孔電極402は近位部分に配置される。生体インピーダンス感知電極は、上述の機器102を参照して説明したように、遠位部分及び近位部分のそれぞれに、それぞれ配置され得る。また、上述の機器と同様に、機器104は、シャフト401を含み、その中を、シャフト403が通過可能であり、遠位領域400において、シャフト403が遠位部分424を形成し、及びシャフト401が近位部分422を形成するようにする。
【0206】
機器104は、上述の機器と同様とし得るが、シャフト401は、サイドポートを規定し得、そこを、シャフト403が通過させられ得、電極404が腫瘍の選択した境界に位置決めされ得るようにする。中空シャフト401の遠位端部は、閉鎖されていても又は開放されていてもよい。いくつかの実施形態では、シャフト401は、2つ以上のサイドポートを含み、そこを、複数のシャフト403が通過させられ得るか、又は同じシャフト403が選択式に通過させられ得るかのいずれかであり、電極404が、腫瘍の様々な境界に位置決めされ得るようにする。これは、好都合にも、腫瘍の反対側の又は好適に離間した境界での電極402及び404の位置決めを可能にし得、腫瘍の完全な根絶を可能にする。
【0207】
ここで、いくつかの応用による、腫瘍内への2つ以上の遠位領域(例えば2つ以上の治療用アプリケータ)の配置を容易にする機器の概略図である、図7図8、及び図9A~Bを参照して説明する。
【0208】
いくつかの応用に関し、2つ以上の遠位領域を有する機器が、腫瘍中へ前進させられ、機器の各遠位領域には、少なくとも1つの治療用アプリケータ及び/又は電気穿孔電極が配置されている。いくつかの応用に関し、各遠位領域にはまた、生体インピーダンス感知電極が配置され、例えばその遠位領域にある電気穿孔電極が、腫瘍内だが、腫瘍の境界に、位置しているかどうかを決定する。2つ以上の遠位領域を有することによって、好都合にも、腫瘍の様々な境界に電気穿孔電極を位置決めすることを可能にし得、腫瘍の範囲の全面的な網羅を保証する。例えば、図7~9Bは、電気穿孔電極を位置決めするために2つ以上の遠位領域を有するような機器として理解され得る。
【0209】
図7は、腫瘍15中へ前進させられる複数の機器102を含むシステム7000を示し、各機器には、少なくとも1つの電気穿孔電極が配置される。機器102のそれぞれは、図2及び図6A~Dを参照して説明するように、機器102の変形例である、又はそれと実質的に同一であるとみなされ得る。
【0210】
図8は、機器108を含むシステム8000を示す。システム8000は、そうでなければ、図示の通り、機器108が2つの別個の遠位領域に分岐し得ることを除いて、システム7000と同一とし得る。これは、異なるアクセス又は入口点を経由する腫瘍のアクセスを可能にし得、電極は、好都合にも、腫瘍の様々な反対側の境界に配置され得る。
【0211】
図9Aは、シース(例えば気管支鏡)17を有する機器109を示し、そこから、1つ以上のシャフト(例えば操縦可能なカテーテル)18が、それぞれ電気穿孔電極20が配置されている遠位領域19を、様々なアクセス点又は特定の角度若しくは関心事から腫瘍15中へと方向付けるように前進させられ得る。各操縦可能なカテーテル18は、異なる気道(例えば気管支)から腫瘍中へ前進させられ得、腫瘍の反対側の及び又は離間した境界が、各電極20によってアクセスされるようにする。いくつかの応用に関し、電気穿孔電極20間の生体インピーダンス感知がさらに実施されて、腫瘍の境界に電極を位置決めする。
【0212】
いくつかの応用に関し、図9Bに示すように、そうでなければ機器109と同一の機器109’は、生体インピーダンス感知電極26が各遠位領域19に配置され、電気穿孔パルスを印加する前のそれぞれの各電気穿孔電極20の位置に関する情報を提供する。例えば、各生体インピーダンス感知電極26は、その遠位領域19に配置される電気穿孔電極20に対して近位側に位置決めされ得、生体インピーダンス感知電極26が腫瘍15のすぐ外側に配置されていることを特定することによって、電極20が腫瘍の境界のすぐ内部にあることの確証を与える-例えば上記で説明したように、必要な変更を加えて。
【0213】
ここで、いくつかの応用による、機器105の概略図である図10及び図11A~Cを参照して説明する。機器105は、上述した機器のいずれかの変形例であるとみなされ得、且つシステム、例えばシステム2000の一部とし得、及び/又は制御装置、例えば制御装置2010と互換性があり得る。上述の機器と同様に、機器105は、腫瘍中へ前進させられるように適合された遠位領域500を有する。上述の機器とは異なり、機器105は、単一の電気穿孔電極21を含み得、これは、一般に、遠位生体インピーダンス感知電極28及び近位生体インピーダンス感知電極29が側に配置される。遠隔電極(例えば遠隔電極40又は同様のもの、例えば皮膚電極)が、腫瘍への電気穿孔パルスの送りを容易にするために使用され得る-例えば遠隔電極がリターン電極として機能する状態で。
【0214】
いくつかの応用に関し、電気穿孔電極21の側に生体インピーダンス感知電極28及び29が配置されることによって、腫瘍の遠位及び/又は近位境界を検出し、且つ例えば、これ以上の遠位側又は近位側への前進が必要とされない(又は望まれない)ことを示すためにアラートを提供するために、制御装置によって生体インピーダンス感知電極を使用することを可能にする。
【0215】
図11A~Cによって示されるように、遠位領域500は、生体インピーダンス感知電極29が腫瘍-例えば腫瘍の遠位境界を出るまで、腫瘍15中へ前進させられ得る(図11A)。例えば、制御装置が、電極が腫瘍15から出る際に電極29によって検出された生体インピーダンスの変化に応答して、執刀医にアラートを提供し得る。図6A~Dに関連して上記で説明したように、腫瘍の境界のすぐ外側への生体インピーダンス感知電極29のこの位置決めによって、境界のすぐ内部に電気穿孔電極21を位置決めする。電気穿孔電極21は境界に位置決めされるが、電気穿孔パルスは腫瘍に印加されて、腫瘍の少なくとも周囲部分にアブレーションを行い得る。
【0216】
図11Bは、腫瘍の途中まで動かされた遠位領域500を示す(例えば遠位領域を近位側に引き出すことによって)。遠位領域が腫瘍を通って動いている最中、腫瘍を完全に根絶するために、さらなる電気穿孔パルスが印加され得る。
【0217】
生体インピーダンス感知電極28は、腫瘍の境界を検出するために、及びひとたび電気穿孔電極が腫瘍の反対側の境界(例えば近位境界)に到達したら(図11C)、執刀医にアラートを出すために、使用され得る。これは、腫瘍の電気穿孔が完了したことを知らせ得る。
【0218】
ここで、いくつかの応用による機器106を示す図12を参照して説明する。機器106は、機器105の変形例であるとみなされ得、且つシステム、例えばシステム2000の一部とし得、及び/又は制御装置、例えば制御装置2010と互換性があり得る。機器105と同様に、機器106は、腫瘍中へ前進させられるように適合された遠位領域600を有する。しかしながら、図12に示すように、機器106は、複数(例えば2つ)の電気穿孔電極21を含み、いくつかの実施形態では、電気穿孔パルスが電気穿孔電極間にバイポーラモードで印加され得るようにする。
【0219】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極28及び29は、遠位領域600の遠位端部及び近位端部に位置決めされ、上記で説明したように、腫瘍の境界を特定する。いくつかの応用に関し、追加的な生体インピーダンス感知電極30が、電気穿孔電極21間に位置決めされる。生体インピーダンスは、電極28、29、30、及び遠隔電極、例えば電極40のいずれかの組み合わせ間で感知され得る。
【0220】
ここで、いくつかの応用による、機器113の概略図である図13A~Cを参照して説明する。
【0221】
機器113は、上述した機器のいずれかの変形例であるとみなされ得、且つシステム、例えばシステム2000の一部とし得、及び/又は制御装置、例えば制御装置2010と互換性があり得る。上述の機器と同様に、機器113は、腫瘍中へ前進させられるように適合された遠位領域700を有する。機器113は、遠位領域に電気穿孔電極44を含む-例えば、単一の電気穿孔電極のみを含み得る。機器113は、電気穿孔電極44の有効長の調整を容易にするように構成される-例えば腫瘍の寸法に従って。遠隔電極(例えば遠隔電極40又は同様のもの、例えば皮膚電極又は接地パッド)が、腫瘍へ電気穿孔パルスを送るのを容易にするために使用され得る-例えば遠隔電極がリターン電極として機能する状態で。
【0222】
いくつかのそのような応用に関し、遠位領域700は、入れ子式アセンブリを含む-例えば、互いに対して軸方向に摺動自在である遠位部分724及び近位部分722を有する。いくつかのそのような応用に関し、機器113は、外側シャフト701と、シャフト701の遠位端部中へ及び/又はそこから摺動するように適合される内側シャフト703とを含む。シャフト701及び703は同軸とし得る。いくつかのそのような応用に関し、及び上記で機器101及び102を参照して説明したように、シャフト703の遠位領域は遠位部分724として機能し、及びシャフト701の遠位領域は近位部分722として機能する。
【0223】
いくつかの応用に関し、シャフト701は、電気穿孔電極の一部分を組織から絶縁することによって、電気穿孔電極44の有効長(すなわち、組織内で露出される電気穿孔電極の長さ)を制御する。そのような応用に関し、シャフト701(又は少なくとも近位部分722として機能するシャフトの部分)は、一般に電気的に絶縁している-例えば、電気絶縁体である材料から形成されるか、又はそれでコーティングされている。例えば、いくつかの応用に関し、電気穿孔電極44は、シャフト703に配置されて、シャフト703に対してシャフト701を近位側に引き出すことによって、電気穿孔電極をもっと露出させることにより、電気穿孔電極の有効長を長くし、且つシャフト703の上側でシャフト701を遠位側に前進させることによって、電気穿孔電極をもっと覆い、それゆえ絶縁することにより、電気穿孔電極の有効長を短くする。
【0224】
いくつかの応用に関し、第1の生体インピーダンス感知電極8が、近位部分722上の、例えばシャフト701の遠位端部に配置され、及び第2の生体インピーダンス感知電極9が、遠位部分724上の、例えば電極44の遠位側に配置される。そのような応用に関し、電気穿孔電極44の側に生体インピーダンス感知電極がそのように配置されることによって、腫瘍の遠位及び/又は近位境界を検出し、例えば、それにより、遠位領域700の適切な長さ、それにより電極44の適切な有効長を特定するために、制御装置によって生体インピーダンス感知電極を使用することを可能にする-例えば、適切な長さを達成したらアラートを提供することによって。いくつかの応用に関し、及び図示の通り、機器113は、適切な長さにおいて、電気穿孔電極44が腫瘍の長さのほとんど(すなわち腫瘍の遠位境界と腫瘍の近位境界との間の距離のほとんど)-例えば腫瘍の実質的に全長に広がるように構成される。
【0225】
図13A~Cによって示すように、遠位領域700は、生体インピーダンス感知電極9が腫瘍-例えば腫瘍の遠位境界(図13A)を出るまで、腫瘍15中へ前進させられ得る。例えば、制御装置が、電極が腫瘍15を出る際に電極9によって検出された生体インピーダンスの変化に応答して、執刀医にアラートを提供し得る。図6A~Dに関連して上記で説明したものと同様に、腫瘍の境界のすぐ外側への生体インピーダンス感知電極9のこの位置決めによって、境界のすぐ内部に電気穿孔電極44の遠位端部を位置決めする。この状態では、電気穿孔電極44は、まだ所望の有効長を有していなくてもよい。それゆえ、その後、近位部分722が、遠位部分724から近位側に引き出され(例えばシャフト701をシャフト703に沿って近位側に摺動させることによって)、それにより、腫瘍内で電気穿孔電極44をもっと露出させる(図13B)。図示の例では、近位部分722は、生体インピーダンス感知電極8が腫瘍を出るまで引き出され、及び電気穿孔電極44は、所望の有効長を有する-例えば腫瘍の実質的に全長に広がる(図13C)。この状態において、その後、電気穿孔電極44は、電気穿孔パルスを腫瘍に印加するために、駆動され得る(例えば発電機7a又は同様のものによって)。
【0226】
いくつかの応用に関し、機器113は、電気穿孔電極44の有効長が少なくとも1mm及び/又は50mm以下となることを可能にするように、調整可能である。
【0227】
ここで、いくつかの応用による、シャフト1を通る概略的な断面図である図4を参照して説明する。
【0228】
いくつかの実施形態では、中空シャフト1は、編組シャフトの形に構築され得、ここで、外側ジャケット212、及び内側ライナー214が、生体適合性ポリマー(例えばPebax、シリコーン、ポリウレタン、ポリエチレン、及び/又はTeflon)である。編組13は、好ましくは、金属性である(例えばタングステン又はステンレス鋼ワイヤが使用され得る)。編組ワイヤの1本以上が、電極2及び/又は電極8をそれらそれぞれの端子に電気的に接続する導体として機能し得る。中空シャフト1の内径は、一般に、少なくとも0.25mm、例えば少なくとも0.35mmである。外径は、一般に、5mm未満、例えば2mm未満である。可撓性構造、例えば編組を使用することは、複雑な解剖学的構造を通した機器の送達を可能にするため、好都合である。この例は、肺腫瘍を治療するための機器の気管支鏡内挿入とし得る。
【0229】
いくつかの実施形態では、中空シャフト1は、追加的な層の編組及びポリマーチューブで構築される。好都合なことに、追加的な層は、生体インピーダンス感知電極8からの信号を送るために使用され得る。例えば、編組13は、電極2用の導体として機能し得る一方で、追加的な層の編組は、電極8用の導体として機能し得る。
【0230】
いくつかの実施形態では、編組は、互いに電気的に絶縁される複数本のワイヤで置き換えられてもよい。
【0231】
いくつかの実施形態では、編組のいずれかは、ハイポチューブで置き換えられてもよい。ハイポチューブは、可撓性を高めるためにレーザ切断され得る。他の実施形態では、編組のいずれかは、コイル又はワイヤで置き換えられてもよい。
【0232】
いくつかの実施形態では、シャフト3は、必要な変更を加えて、中空シャフト1と同様の方法で構築され得る。
【0233】
いくつかの実施形態では、シャフト3は、遠位開口部を有し得る内側ルーメンを含むように構成され得る。他の実施形態では、遠位端部は、閉鎖されていてもよい-例えば図示の通り。シャフト3の外径は、一般に2mm未満、例えば1mm未満である。
【0234】
いくつかの実施形態では、シャフト3は、絶縁チューブから構築され得、及び導電性ワイヤを使用して近位端子から電極へ送られる電気信号は、それを通過させられる。いくつかの実施形態では、シャフトは、絶縁層又は複数の絶縁層で部分的に覆われた1つの金属性チューブ又は複数の金属性チューブから構築され得る。
【0235】
いくつかの実施形態では、生体インピーダンス感知電極からの信号は、電気穿孔電極への1つ又は複数のパルスの駆動に関して説明したものと同様の方法で送られる。例えば、電気穿孔電極及びそれらのワイヤリングから絶縁された追加的な層の編組、コイル又はチューブが、含まれてもよい。
【0236】
再度図1~13Cを参照して説明する。いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知に使用されるものと同じ電極が、電気穿孔にも使用される-例えばそのような応用に関し、図1に示す電極2及び4はまた、腫瘍に対する電極の位置決めに関する情報を制御装置に提供するために、腫瘍で感知した生体インピーダンスに関する情報を制御装置1010に提供するために使用され得る。
【0237】
本出願を通して電気穿孔電極について言及したが、いくつかの応用に関し、別のタイプの治療用アプリケータが使用されてもよいことが理解される。考えられる治療用アプリケータの非限定的なリストは、RF電極、放射線(例えばマイクロ波、レーザ)アプリケータ、高密度焦点式超音波トランスデューサ(high-intensity focused ultrasound transducer)、又は薬物(例えば化学療法薬剤)用ディスペンサー、腐食剤(例えばエタノール)、低温流体、又は放射線源を含む。いくつかの応用に関し、そのような別の治療用アプリケータが、電気穿孔電極の代わりに使用される。いくつかの応用に関し、そのような別の治療は、電気穿孔電極と組み合わせて使用される-例えば相乗効果をもたらすために。いくつかのそのような応用に関し、そのような追加的な治療のための治療用アプリケータは、機器の外側シャフトに結合される及び/又はその中を通って前進させられる。他のそのような応用に関し、そのような追加的な治療のための治療用アプリケータは、機器の内側シャフトに結合される及び/又はその中を通って前進させられる。
【0238】
いくつかの実施形態では、電気穿孔及び/又は生体インピーダンス感知電極は、生体適合性金属(例えば白金、イリジウム、金、タングステン、ステンレス鋼、チタン)から構築され得る。
【0239】
いくつかの実施形態では、電気穿孔及び/又は生体インピーダンス感知電極は、コイル、編組、メッシュ、リング又はレーザ切断されたチューブの形をしていてもよい。
【0240】
いくつかの実施形態では、生体インピーダンス感知素子のいずれかは、リング、ワイヤ、印刷回路の形をしていてもよい。
【0241】
いくつかの実施形態では、各電気穿孔電極の長さは、少なくとも1mm(例えば少なくとも2mm)及び/又は50mm以下(例えば20mm以下、例えば10mm以下)とし得る。
【0242】
いくつかの実施形態では、各生体インピーダンス感知電極の長さは、少なくとも1mm(例えば少なくとも2mm)及び/又は50mm以下(例えば20mm以下、例えば10mm以下、例えば5mm以下)とし得る。
【0243】
いくつかの実施形態では、異なる電気穿孔電極は、最適な電解分布を達成するために、異なる形状又はサイズを有する。例えば、一方は他方よりも長いかもしれない。
【0244】
いくつかの実施形態では、電極4の直径は、少なくとも0.25mm(例えば少なくとも0.35mm)及び/又は2mm以下(例えば1mm以下)とし得る。
【0245】
いくつかの実施形態では、電極2の直径は、少なくとも0.35mm(例えば少なくとも0.5mm)及び/又は4mm以下(例えば2mm以下)とし得る。
【0246】
内側電極4の近位端部と外側電極2の遠位端部との間の距離と定義される距離Lは、標的組織の範囲の網羅及び最適なエネルギー分布を可能にするために、調整可能とし得る。いくつかの実施形態では、装置は、Lの最大値が少なくとも5mm、例えば少なくとも20mmであるように、構成される。
【0247】
いくつかの実施形態では、発電機7は、電気穿孔に必要とされる高電圧パルスを印加するように構成される。例えば、各パルスの継続時間は、少なくとも0.1マイクロ秒(例えば少なくとも0.5マイクロ秒、例えば少なくとも1マイクロ秒、例えば少なくとも2マイクロ秒)及び/又は1秒以下-例えば1ミリ秒以下、例えば0.5ミリ秒以下、例えば100マイクロ秒以下、例えば10マイクロ秒以下、例えば2マイクロ秒以下(例えば0.1~100マイクロ秒)とし得る。パルスは、少なくとも0.1マイクロ秒(例えば少なくとも1マイクロ秒)及び/又は1ミリ秒以下、例えば0.5ミリ秒以下、例えば100マイクロ秒以下、例えば10マイクロ秒以下、例えば2マイクロ秒以下(例えば0.1~10マイクロ秒)だけ時間的に間隔をあけられ得る。
【0248】
各パルスの電流の周波数は、1~5MHz、例えば1~3MHz、例えば1~2.5MHzとし得る。使用される電流の電圧は、可逆又は不可逆電気穿孔法のいずれかを誘発するのに十分とし得る。いくつかの応用に関し、各パルスの電圧は、少なくとも200V(例えば少なくとも500V、例えば少なくとも2000V)及び/又は1000V以下(例えば500V以下)-例えば200~500Vである。いくつかの実施形態では、電圧の極性は、正の極性と負の極性とが交互になっても(例えばバイポーラモード)、又はその代わりに、電圧は、極性が交互にならなくてもよい(例えばモノポーラモード)。
【0249】
いくつかの応用に関し、パルスは、間に休み期間のある複数のパルス列で印加され得る(そこでは、パルスは、以下説明した特性及び間隔を有し得る)。いくつかの応用に関し、各列は、少なくとも100パルス(例えば少なくとも1,000パルス)及び/又は100万パルス以下(例えば100,000パルス以下、例えば10,000パルス以下、例えば1,000パルス以下)からなる。いくつかの応用に関し、少なくとも100ミリ秒(例えば少なくとも500ミリ秒、例えば少なくとも1秒)及び/又は1分未満(例えば10秒未満、例えば5秒未満)の休み期間がパルス列間に設けられる。
【0250】
或いは、発電機は、RFアブレーションのためにRFエネルギーを加えるために-例えば300~600kHzの交流電流を使用して、機器の電極の1つ以上を駆動するために使用され得る。
【0251】
いくつかの実施形態では、マイクロ波アンテナが電気穿孔電極の代わりに使用され得、及び発電機7はマイクロ波発生器とし得る。
【0252】
いくつかの実施形態では、電極は、経皮的に(例えば経管的に)送られるように構成される。近位端子と電極との間の長さであると説明された、そのような経皮的な機器の有効長は、例えば少なくとも10cm及び/又は50cm以下、例えば15cm~50cmとし得る。
【0253】
いくつかの実施形態では、電極は、気管支鏡内を通って送達されるように構成される。近位端子と電極との間の長さであると説明される、機器の有効長は、例えば少なくとも40cm、例えば60cm~150cmとし得る。気管支内アクセスには、潜在的な安全性リスク(例えば気胸)を低下させるという利点がある。
【0254】
いくつかの実施形態では、電極は、シース又はカテーテル内を通って送達されるように構成される。そのような実施形態では、近位端子と電極との間の長さであると説明される機器の有効長は、例えば少なくとも40cm、例えば60cm~180cmとし得る。
【0255】
いくつかの実施形態では、生体インピーダンス感知電極は、さらに、アブレーションプロセス中に発生した電場を評価する(evaluate)ために使用され得る。これは、アブレーション用に電気穿孔を使用するときの特定用途とし得る。測定された電場及びインピーダンスの値は、アブレーション領域を評価する(assess)か又はそれに応じて印加される電圧を調整するために使用され得る。
【0256】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するシャフトのいずれかは、標的部位(例えば腫瘍)に生検を行うために使用され得る-例えば生体インピーダンス感知によって案内される。例えば、本明細書で説明するシャフトの1つ以上は、生検具、例えば生検針に結合され得る、それを案内するように構成され得る、及び/又はそれを含み得る。
【0257】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知は、診断手順の一部として実施される。いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極は、病変部又は増殖部が癌性腫瘍であるかどうかを決定するために使用され得る-例えば診断を容易にするために。例えば、癌性腫瘍の生体インピーダンスは、非癌性病変部又は増殖部の生体インピーダンスとは異なり得る。
【0258】
いくつかの応用に関し、機器は、腫瘍が癌性であるかどうかを決定するために生体インピーダンス感知を使用することに加えて、生検を実施するために使用され得る。
【0259】
いくつかの応用に関し、患者の呼吸周期にわたって1つ又は複数の生体インピーダンス感知電極で測定された生体インピーダンスを監視することによって、1つ又は複数の生体インピーダンス感知電極(それゆえ、1つ又は複数の電気穿孔電極)が腫瘍内に位置決めされているかどうかを決定することが可能とし得る。例えば、肺の実質の生体インピーダンス値は、呼吸周期の最中、変化し得る(例えば振動し得る)(例えばインピーダンスは、呼気中は低下し、且つ吸入中は増加する)が、腫瘍は、呼吸周期の初めから終わりまで、より一貫性のある生体インピーダンス値を有し得る。いくつかの応用に関し、閾値の大きさを上回る振動の大きさの信号を受信することは、生体インピーダンス感知電極が配置されている組織が、腫瘍組織ではなく、肺組織(例えば肺の実質)であることを示す。
【0260】
いくつかの応用に関し、生体インピーダンス感知電極によって腫瘍において感知される振動の周波数は、患者の呼吸周期の周波数と比較されて、感知した振動が、呼吸周期を反映しており、及び他の要因(例えば患者のパルス)からは生じないことを保証する。それゆえ、これは、さらに、特定の組織が腫瘍であるかどうか、及び/又は腫瘍に対する1つ又は複数の生体インピーダンス感知電極の位置に関する確認を執刀医に与え得る。
【0261】
それゆえ、いくつかの応用によれば:
対象者の肺にある組織の生体インピーダンスを示す情報を受信すること(任意選択的に、生体インピーダンスの振動、例えば振動の大きさ及び/又は周波数を示す情報を含む);及び
応答して、組織が腫瘍及び/又は癌性であるかどうかを決定する(例えば診断する)こと
を含む方法が提供される。
【0262】
腫瘍アブレーションは、機器の1つの使用法の例として与えられるが、上述のいずれかは、薬物の取り込みを高めるため又は他の標的組織若しくは部位にアブレーションを行うために、電場を誘発させるためにも使用され得る。
【0263】
いくつかの応用に関し、本明細書で説明する皮膚電極のいずれかは、接地パッドで置き換えられてもよいことに留意されたい。
【0264】
本明細書で説明する電極(例えば生体インピーダンス感知電極及び電気穿孔電極)は、それらそれぞれのシャフトに外接するリング又はチューブとして示され、本開示の範囲は、他の形状及び配置構成を含むことに留意されたい。
【0265】
当業者には、本開示は、特に上記で図示及び説明したものに限定されないことが認識されるであろう。むしろ、本開示の実施形態の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせ及びサブコンビネーションの双方、並びに当業者が上記の説明を読むと思いつくであろう、従来技術にはないそれらの変形例及び修正例を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13A
図13B
図13C
【国際調査報告】