(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】外部の視線検出による光漏れの低減
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563878
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 US2022072535
(87)【国際公開番号】W WO2022251831
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ,スティーブン・ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ペイン,ジャストン
(72)【発明者】
【氏名】ショーンバーグ,マイケル
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA52
5E555BA02
5E555BE17
5E555CB65
5E555DA09
5E555DC11
5E555EA19
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
透明ディスプレイ上にコンテンツを表示する技術は、世界側に、すなわち、透明ディスプレイのユーザーから離れた方を向く、透明ディスプレイのうちのユーザー側の反対側に対して存在する個人を検出することを含む。たとえば、スマートグラスに接続された回路は、透明ディスプレイの世界側の近傍における個人の存在を検出する。それに応答して、その回路は、個人の画像を生成させ、その画像に基づいて、1組の基準を満たす状態にあるか否かとして個人を分類する。いくつかの実装形態において、その組の基準は、個人がドキュメントを見ることができるような向きにあることを含む。個人が基準を満たすことに応答して、回路は、個人の視界からドキュメントを隠蔽する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明ディスプレイのユーザー側で拡張現実(AR)システムの一部としてユーザーが閲覧するために、前記透明ディスプレイ上にコンテンツを表示することと、
前記透明ディスプレイのうちの前記ユーザー側の反対側にある前記透明ディスプレイの世界側に対して、ある状態の個人を検出することと、
前記個人が前記透明ディスプレイの前記世界側で前記コンテンツを閲覧できるかどうかを示す1組の基準を、前記個人の前記状態が、満たすかどうかを判定することと、
前記検出された個人が前記1組の基準を満たすという状態に応答して、前記コンテンツを前記個人から隠蔽するように、前記表示されたコンテンツに隠蔽動作を行うことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記個人の前記状態は、前記透明ディスプレイの前記世界側に対する位置を含み、前記1組の基準は、前記位置が前記透明ディスプレイの外側の特定の領域にあるかどうかを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記個人の前記状態は、前記透明ディスプレイの軸に対する向きを含み、前記1組の基準は、前記向きが特定の角度範囲内にあることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記個人の前記状態は、前記個人の眼の視線角度を含み、前記1組の基準は、前記個人の前記眼の前記視線角度が特定の角度範囲内にあることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記個人の前記状態が前記1組の基準を満たすかどうかを判定することは、
前記個人の画像を表す画像データを生成することと、
前記透明ディスプレイの前記世界側に対する前記個人の前記状態を表すパラメーターの値を作成するように、前記画像データに作用することと、
前記パラメーターの前記値が既定の範囲内にあるかどうかを判定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記画像データに作用することは、
前記個人が前記コンテンツを閲覧できることを示すものか、または前記個人が前記コンテンツを閲覧できないことを示すものの一方として前記画像データを分類するように構成された分類エンジンに、前記画像データを入力すること
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記分類エンジンを訓練することをさらに含み、前記訓練することは、
訓練画像データを取得することであって、前記訓練画像データは、(i)複数の画像であって、前記複数の画像のそれぞれが、サンプル個人群のサンプル個人の画像を含み、前記画像内の前記サンプル個人は、前記透明ディスプレイの前記世界側の位置を有する、複数の画像と、(ii)前記個人が前記コンテンツを閲覧できることを示すもの、または前記個人が前記コンテンツを閲覧できないことを示すものの一方である、複数の二項分類値とを表す、訓練画像データを取得することと、
前記分類エンジンを作成するように前記訓練画像データに基づいて損失関数を最適化することと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記分類エンジンを訓練することをさらに含み、前記訓練することは、
訓練画像データを取得することであって、前記訓練画像データは、(i)複数の画像であって、前記複数の画像のそれぞれが、サンプル個人群のサンプル個人の画像を含み、前記画像内の前記サンプル個人は、前記透明ディスプレイの軸に対する向きを有する、複数の画像と、(ii)前記個人が前記コンテンツを閲覧できることを示すもの、または前記個人が前記コンテンツを閲覧できないことを示すものの一方である、複数の二項分類値とを表す、訓練画像データを取得することと、
前記分類エンジンを作成するように前記訓練画像データに基づいて損失関数を最適化することと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記分類エンジンを訓練することをさらに含み、前記訓練することは、
訓練画像データを取得することであって、前記訓練画像データは、(i)複数の画像であって、前記複数の画像のそれぞれが、サンプル個人群のサンプル個人の画像を含み、前記画像内の前記サンプル個人の眼は、前記透明ディスプレイの軸に対する視線角度を有する、複数の画像と、(ii)前記個人が前記コンテンツを閲覧できることを示すもの、または前記個人が前記コンテンツを閲覧できないことを示すものの一方である、複数の二項分類値とを表す、訓練画像データを取得することと、
前記分類エンジンを作成するように前記訓練画像データに基づいて損失関数を最適化することと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記コンテンツは、前記透明ディスプレイの前記ユーザー側の第1の領域に表示されており、
前記表示されたコンテンツに前記隠蔽動作を行うことは、
前記コンテンツを前記第1の領域から削除することと、
前記透明ディスプレイの前記ユーザー側の第2の領域に前記コンテンツを表示することであって、前記個人が前記状態にあるときは、前記コンテンツが前記透明ディスプレイの前記ユーザー側の前記第2の領域に表示されるときに、前記個人は前記1組の基準を満たさない、表示することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
非推移的ストレージ媒体を備えるコンピュータープログラム製品であって、前記コンピュータープログラム製品は、処理回路によって実行されるときに、前記処理回路に方法を実行させるコードを含み、前記方法は、
透明ディスプレイのユーザー側で拡張現実(AR)システムの一部としてユーザーが閲覧するために、前記透明ディスプレイ上にコンテンツを表示することと、
前記透明ディスプレイのうちの前記ユーザー側の反対側にある前記透明ディスプレイの世界側に対して、ある状態の個人を検出することと、
前記個人が前記透明ディスプレイの前記世界側で前記コンテンツを閲覧できるかどうかを示す1組の基準を、前記個人の前記状態が満たすかどうかを判定することと、
前記検出された個人が前記1組の基準を満たすという状態に応答して、前記コンテンツを前記個人から隠蔽するように、前記表示されたコンテンツに隠蔽動作を行うことと
を含む、コンピュータープログラム製品。
【請求項12】
前記コンテンツは、前記透明ディスプレイの前記ユーザー側に投影され、それと同時に、前記透明ディスプレイは、前記世界側からの光が前記ディスプレイの前記ユーザー側を照らすことを可能にする、請求項11に記載のコンピュータープログラム製品。
【請求項13】
前記透明ディスプレイの前記世界側に対して前記個人を検出することは、
前記透明ディスプレイの世界側の近傍における前記個人の存在のインジケーションを表すインジケーションデータを受信すること
を含む、請求項11に記載のコンピュータープログラム製品。
【請求項14】
前記インジケーションデータは、可聴信号を表す可聴データを含む、請求項13に記載のコンピュータープログラム製品。
【請求項15】
前記コンテンツは第1のコンテンツであり、前記第1のコンテンツは、前記透明ディスプレイの前記ユーザー側の第1の領域に表示されており、
前記インジケーションデータを受信することは、
第2のコンテンツを作成するように前記インジケーションデータをレンダリングすることであって、前記第2のコンテンツは、前記透明ディスプレイの前記ユーザー側の第2の領域に表示される、レンダリングすること
を含む、請求項13に記載のコンピュータープログラム製品。
【請求項16】
前記コンテンツは第1のコンテンツであり、前記第1のコンテンツは、前記透明ディスプレイの前記ユーザー側で第1の色で表示されており、
前記インジケーションデータを受信することは、
第2のコンテンツを作成するように前記インジケーションデータをレンダリングすることであって、前記第2のコンテンツは、前記透明ディスプレイの前記ユーザー側で第2の色で表示される、レンダリングすること
を含む、請求項13に記載のコンピュータープログラム製品。
【請求項17】
前記インジケーションデータは、前記個人がカメラを有し、前記カメラのレンズが前記透明ディスプレイに向けられていることを示す、請求項13に記載のコンピュータープログラム製品。
【請求項18】
前記インジケーションデータは、前記個人が前記透明ディスプレイに向かって自身の頭を動かしたことを示す、請求項13に記載のコンピュータープログラム製品。
【請求項19】
電子装置であって、前記電子装置は、
メモリーと、
前記メモリーに結合された制御回路を備え、前記制御回路は、
透明ディスプレイのユーザー側で拡張現実(AR)システムの一部としてユーザーが閲覧するために、前記透明ディスプレイ上にコンテンツを表示し、
前記透明ディスプレイのうちの前記ユーザー側の反対側である前記透明ディスプレイの世界側に対して、ある状態の個人を検出し、
前記個人が前記透明ディスプレイの前記世界側で前記コンテンツを閲覧できるかどうかを示す1組の基準を、前記個人の前記状態が満たすかどうかを判定し、
前記検出された個人が前記1組の基準を満たすという状態に応答して、前記コンテンツを前記個人から隠蔽するように、前記表示されたコンテンツに隠蔽動作を行う
ように構成されている、電子装置。
【請求項20】
前記制御回路はさらに、前記透明ディスプレイの前記世界側の近傍における対象物の画像を表す画像データを生成するように構成されており、
前記個人の前記状態が前記1組の基準を満たすかどうかを判定するように構成された前記制御回路はさらに、
前記個人が前記コンテンツを閲覧できることを示すものか、または前記個人が前記コンテンツを閲覧できないことを示すものの一方として、前記画像データを分類するように構成された分類エンジンに前記画像データを入力する
ように構成されている、請求項19に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年5月24日出願の米国特許出願第17/303,197号の継続出願であり、その利益を主張するものであり、その開示の全体を本願に引用して援用する。
【0002】
技術分野
本明細書は、透明ディスプレイからの漏れが他の個人によって見られる可能性がある、拡張現実システムにおける透明ディスプレイ上の、ユーザーが閲覧する機密性の高いコンテンツに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
一部の拡張現実(AR)システムでは、ユーザーにコンテンツを表示するためにスマートグラスが用いられている。スマートグラスとは、ユーザーが自身の周りで見ているものと一緒にまたはそれに対して情報を付加するウェアラブルコンピューティングデバイスである。スマートグラスの視界に現れることも現れないこともある外部環境は世界側の視界として示される。
【0004】
スマートグラスは、標準的な眼鏡のレンズの代わりに、少なくとも部分的に透明なディスプレイを含むことができる。一部のスマートグラスのディスプレイは少なくとも部分的に透明である場合があるため、AR効果を有効にするためには、ディスプレイシステムを定義する光学スタックの一部としてパーシャルミラーが用いられることがある。
【発明の概要】
【0005】
概要
一般的な一態様において、本方法は、透明ディスプレイのユーザー側で拡張現実(AR)システムの一部としてユーザーが閲覧するために、透明ディスプレイ上にコンテンツを表示することを含む。本方法は、透明ディスプレイのうちのユーザー側の反対側にある透明ディスプレイの世界側に対して、ある状態の個人を検出することを含むこともできる。本方法はさらに、個人が透明ディスプレイの世界側でコンテンツを閲覧できるかどうかを示す1組の基準を、その個人の状態が満たすかどうかを判定することを含むことができる。本方法はさらに、検出された個人がその組の基準を満たすことに応答して、コンテンツを個人から隠蔽するように、表示されたコンテンツに隠蔽動作を行うことを含むことができる。
【0006】
別の一般的な態様において、コンピュータープログラム製品は、非推移的ストレージ媒体を備え、コンピューティングデバイスの処理回路によって実行されるときに、処理回路に方法を実行させるコードを含む。本方法は、透明ディスプレイのユーザー側で拡張現実(AR)システムの一部としてユーザーが閲覧するために、透明ディスプレイ上にコンテンツを表示することを含む。本方法は、透明ディスプレイのうちのユーザー側の反対側にある透明ディスプレイの世界側に対して、ある状態の個人を検出することを含むこともできる。本方法はさらに、個人が透明ディスプレイの世界側でコンテンツを閲覧できるかどうかを示す1組の基準を、その個人の状態が満たすかどうかを判定することを含むことができる。本方法はさらに、検出された個人がその組の基準を満たすことに応答して、コンテンツを個人から隠蔽するように、表示されたコンテンツに隠蔽動作を行うことを含むことができる。
【0007】
別の一般的な態様において、電子装置は、メモリーと、メモリーに結合された制御回路とを含む。制御回路は、透明ディスプレイのユーザー側で拡張現実(AR)システムの一部としてユーザーが閲覧するために、透明ディスプレイ上にコンテンツを表示し、透明ディスプレイのうちのユーザー側の反対側である透明ディスプレイの世界側に対して、ある状態の個人を検出し、個人が透明ディスプレイの世界側でコンテンツを閲覧できるかどうかを示す1組の基準を、その個人の状態が満たすかどうかを判定し、検出された個人がその組の基準を満たすという状態に応答して、コンテンツを個人から隠蔽するように、表示されたコンテンツに隠蔽動作を行うように構成されている。
【0008】
1つまたは複数の実装形態の詳細が添付の図面および以下の明細書に記載されている。他の特徴は、明細書および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】拡張現実(AR)システムで使用される例示的なスマートグラスを示す図である。
【
図1B】スマートグラスの透明ディスプレイに表示された例示的なコンテンツを示す図である。
【
図1C】本明細書に記載する技術的な解決策を実装するための例示的な電子環境を示す図である。
【
図2A】スマートグラスのカメラの例示的な視野(FOV)を示す図である。
【
図2B】ARシステムの世界側の個人がスマートグラスの透明ディスプレイ上に表示されたコンテンツを見ることができない、例示的なシナリオを示す図である。
【
図2C】ARシステムの世界側の個人がスマートグラスの透明ディスプレイ上に表示されたコンテンツを見ることができる、例示的なシナリオを示す図である。
【
図3A】ARシステムの世界側の個人がスマートグラスの回路によって検出される、例示的なシナリオを示す図である。
【
図3B】ARシステムの世界側において個人が検出されたという通知を示す図である。
【
図3C】検出された個人がコンテンツを見ることができる可能性があるという判定による、スマートグラスの透明ディスプレイ上に表示されたコンテンツの隠蔽を示す図である。
【
図4】技術的解決策に従ってARシステムの世界側にいる個人からコンテンツを隠蔽するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図5】本明細書に記載する回路と共に使用できる、コンピューターデバイスおよびモバイルコンピューターデバイスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
ディスプレイにコンテンツが投影されるため、従来のスマートグラスの光学スタックは、世界側に、すなわち外部環境に、光を投影することがある。それらのコンテンツの一部は、スマートグラスの透明ディスプレイの世界側の近傍における様々な位置および様々な視線角度で個人によって見られる可能性がある。従来のスマートグラスに関する技術的課題は、従来のスマートグラスでは、ユーザーのスマートグラス上に表示されたコンテンツを個人が見ることを可能にする場合があることである。このように見ることが可能になると、特にコンテンツがユーザー個人を特定可能な情報(PII)を含む場合に、深刻なセキュリティー上のリスクにつながる場合がある。
【0011】
先に記載した技術的課題を解決する従来の手法とは異なり、先に記載した技術的課題に対する技術的解決策は、世界側に、すなわち、透明ディスプレイのユーザーから離れた方を向く、透明ディスプレイのうちのユーザー側の反対側に対して存在する個人を検出することを含む。たとえば、ARシステムのユーザーは、ウェアラブルスマートグラスの透明ディスプレイ上に表示されたドキュメントを閲覧することができる。そのドキュメントは、透明ディスプレイの世界側の近傍にある対象物と併せてみることができる。一方で、スマートグラスに接続された回路が、透明ディスプレイの世界側の近傍における個人の存在を検出する。それに応答して、回路は、個人の画像を生成させ、その画像に基づいて、状態が1組の基準を満たすか否か、たとえば、透明ディスプレイの世界側に対して、個人が透明ディスプレイを通してドキュメントを見ることができる位置にいるかまたはできない位置にいるとして個人を分類する。いくつかの実装形態において、その組の基準は、個人がドキュメントを見ることができるような向きにあることを含む。個人が基準を満たすことに応答して、回路は、個人の視界からドキュメントを隠蔽する。
【0012】
先に記載した技術的解決策の技術的利点は、検出された個人がその組の基準を満たす場合にその個人から個人的コンテンツを隠蔽することによって、その技術的解決策がユーザーのプライバシーをより良好に保護することである。たとえば、先に記載した回路は、コンテンツをディスプレイから単純に削除することができる。あるいは、回路は、個人には視認できないと考えられるディスプレイの別の領域にそのコンテンツを動かすことができるか、または単純にそのコンテンツを不明瞭化されたコンテンツに置き換えることができる。さらに、その技術的解決策はニアリアルタイムで働くことができ、そのため、検出された個人が透明ディスプレイの世界側の近傍で動き、その組の基準を満たさなくなると、ディスプレイ上にコンテンツを復元することができる。
【0013】
いくつかの実装形態において、個人がその組の基準を満たすかどうかを判定することは、その個人の画像を表す画像データを生成することと、透明ディスプレイの世界側に対する個人の位置および/または向きを表すパラメーターの値を作成するように、画像データに作用することと、パラメーターの値が既定の範囲内にあるかどうかを判定することとを含む。
【0014】
いくつかの実装形態において、個人の状態は、透明ディスプレイの世界側に対する位置を含み、その組の基準は、その位置が透明ディスプレイの外側の特定の領域にあるかどうかを含む。いくつかの実装形態において、個人の状態は、透明ディスプレイの軸に対する向きを含み、その組の基準は、その向きが特定の角度範囲内にあることを含む。いくつかの実装形態において、個人の状態は、個人の眼の視線角度を含み、その組の基準は、個人の眼の視線角度が特定の角度範囲内にあることを含む。
【0015】
いくつかの実装形態において、画像データに作用することは、個人がコンテンツを閲覧できることを示すものか、または個人がコンテンツを閲覧できないことを示すものの一方として画像データを分類するように構成された分類エンジンに、画像データを入力することを含む。
【0016】
いくつかの実装形態において、本方法はさらに、分類エンジンを訓練することをさらに含み、訓練することは、訓練画像データを取得することであって、訓練画像データは、(i)複数の画像であって、複数の画像のそれぞれが、サンプル個人群のサンプル個人の画像を含み、画像内のサンプル個人は、透明ディスプレイの世界側の位置を有する、複数の画像と、(ii)個人がコンテンツを閲覧できることを示すもの、または個人がコンテンツを閲覧できないことを示すものの一方である、複数の二項分類値とを表す、訓練画像データを取得することと、分類エンジンを作成するように訓練画像データに基づいて損失関数を最適化することとを含む。
【0017】
いくつかの実装形態において、本方法はさらに、分類エンジンを訓練することをさらに含み、訓練することは、訓練画像データを取得することであって、訓練画像データは、(i)複数の画像であって、複数の画像のそれぞれが、サンプル個人群のサンプル個人の画像を含み、画像内のサンプル個人は、透明ディスプレイの軸に対する向きを有する、複数の画像と、(ii)個人がコンテンツを閲覧できることを示すもの、または個人がコンテンツを閲覧できないことを示すものの一方である、複数の二項分類値とを表す、訓練画像データを取得することと、分類エンジンを作成するように訓練画像データに基づいて損失関数を最適化することとを含む。
【0018】
いくつかの実装形態において、本方法はさらに、分類エンジンを訓練することをさらに含み、訓練することは、訓練画像データを取得することであって、訓練画像データは、(i)複数の画像であって、複数の画像のそれぞれが、サンプル個人群のサンプル個人の画像を含み、画像内のサンプル個人の眼は、透明ディスプレイの軸に対する視線角度を有する、複数の画像と、(ii)個人がコンテンツを閲覧できることを示すもの、または個人がコンテンツを閲覧できないことを示すものの一方である、複数の二項分類値とを表す、訓練画像データを取得することと、分類エンジンを作成するように訓練画像データに基づいて損失関数を最適化することとを含む。
【0019】
いくつかの実装形態において、コンテンツは、透明ディスプレイの第1の領域に表示されている。このような実装形態において、表示されたコンテンツに隠蔽動作を行うことは、コンテンツを第1の領域から削除することと、透明ディスプレイの第2の領域にそのコンテンツを表示することであって、個人がその位置にあるときは、コンテンツが透明ディスプレイの第2の領域に表示されるときに個人がその組の基準を満たさない、表示することとを含む。
【0020】
いくつかの実装形態において、コンテンツは、透明ディスプレイのユーザー側に投影されており、それと同時に、透明ディスプレイは、ディスプレイのユーザー側を世界側からの光が照らすことを可能にする。
【0021】
いくつかの実装形態において、透明ディスプレイの世界側に対して個人を検出することは、透明ディスプレイの世界側の近傍における個人の存在のインジケーションを表すインジケーションデータを受信することを含む。いくつかの実装形態において、インジケーションデータは、可聴信号を表す可聴データを含む。いくつかの実装形態において、コンテンツは第1のコンテンツであり、第1のコンテンツは、透明ディスプレイの第1の領域に表示されている。いくつかの実装形態において、インジケーションデータを受信することは、第2のコンテンツを作成するようにインジケーションデータをレンダリングすることであって、第2のコンテンツは、透明ディスプレイの第2の領域に表示される、レンダリングすることを含む。いくつかの実装形態において、インジケーションデータを受信することは、第2のコンテンツを作成するようにインジケーションデータをレンダリングすることであって、第2のコンテンツは、透明ディスプレイに第2の色で表示される、レンダリングすることを含む。いくつかの実装形態において、インジケーションデータは、個人がカメラを有し、カメラのレンズが透明ディスプレイに向けられていることを示す。いくつかの実装形態において、インジケーションデータは、個人が透明ディスプレイに向かって自身の頭を動かしたことを示す。
【0022】
図1Aは、拡張現実(AR)システムでヘッドとして使用される例示的なスマートグラス110を示す図である。
図1Aは、スマートグラス110の透明ディスプレイ112の世界側112(a)を示す。スマートグラス110は、ARシステム内のヘッドマウントディスプレイ(HMD)として使用できる。スマートグラス110はフレーム111を含み、フレーム111には透明ディスプレイ112が結合されている。いくつかの実装形態において、フレーム111にはオーディオ出力デバイス113が結合されている。いくつかの実装形態において、タッチサーフェス114によって、スマートグラス110のユーザー制御、入力などが可能である。スマートグラス110の動作を容易にするために、スマートグラス110は、様々な感知システムデバイスを含む感知システム116と、様々な制御システムデバイスを含む制御システム117とを含むことができる。制御システム117は、制御システム117のコンポーネントに動作可能なように結合されたプロセッサー119と、外部デバイスおよび/またはネットワークとの通信を提供する通信モジュール115とを含むことができる。スマートグラス110は、画像センサー118(すなわち、カメラ118)、深度センサー、光センサー、および他のそのような感知デバイスを含むこともできる。いくつかの実装形態において、画像センサー118、またはカメラ118は、静止画および/または動画、パターン、特徴、光などを取り込むことができる。
【0023】
いくつかの実装形態において、スマートグラス110の代わりに透明ディスプレイを含む任意の種類のHMDを用いてよく、そのHMDの形態が必ずしもウェアラブルグラスまたはウェアラブルゴーグルであるとは限らないことが留意される。たとえば、このようなHMDの一つは、ARコンテンツを表示し世界側環境の閲覧を可能にするように構成された、ビューファインダーを有するカメラの形態をとってよい。
【0024】
図1Bは、スマートグラス110の透明ディスプレイ112のユーザー側112(b)に表示された例示的なコンテンツ105を示す図である。
図1Bに示すように、コンテンツは、透明ディスプレイ112のユーザー側112(b)の領域106に現れる。透明ディスプレイ112から光が漏れるせいで、コントラストがはるかに低くなるとはいえ、コンテンツ105は透明ディスプレイ112の世界側112(a)にも視認できることが留意される。
【0025】
図1Bは、検出された個人が1組の基準を満たすかどうか、すなわち、個人がコンテンツ105を見ることができるか?の判定を行うために用いられるコンピューティング回路120も示す。コンピューティング回路120は、
図1Cに関して詳細に記載されている。しかし、いくつかの実装形態において、コンピューティング回路は、スマートグラス110の外部に位置する。たとえば、コンピューティング回路120は、スマートグラスに接続されたスマートフォンに位置してよい。
【0026】
図1Cは、先に記載されている改良された技術を実装できる、例示的な電子環境100を示す図である。
図1Cに示すように、例示的な電子環境100はコンピューティング回路220を含む。
【0027】
コンピューティング回路120は、ネットワークインターフェース122、1つまたは複数の処理ユニット124、およびメモリー126を含む。ネットワークインターフェース122は、たとえば、ネットワークから受信される電子信号および/または光信号を変換して、コンピューティング回路120によって使用する電子的な形態にする、アダプターを含む。1組の処理ユニット124は、1つまたは複数の処理チップおよび/または処理アセンブリーを含む。メモリー126は、揮発性メモリー(たとえば、RAM)と、1つまたは複数のROM、ディスクドライブ、ソリッドステートドライブなどの不揮発性メモリーとの両方を含む。1組の処理ユニット124およびメモリー126は一緒にコントロール回路を形成し、そのコントロール回路は、本明細書に記載するような様々な方法および機能を実行するように構成および配置されている。
【0028】
いくつかの実施形態において、コンピューティング回路120のコンポーネントの1つまたは複数は、メモリー126に格納された命令を処理するように構成されたプロセッサー(たとえば、処理ユニット124)を含むことができる。
図1Cに示すようなこのような命令の例には、個人検出マネージャー130、分類マネージャー140、および隠蔽マネージャー250が含まれる。さらに、
図1Cに示すように、メモリー126は様々なデータを格納するように構成されており、そのことをそのようなデータを使用するそれぞれのマネージャーに関して説明する。
【0029】
個人検出マネージャー130は、透明ディスプレイの世界側で人間の個人を検出する検出動作を行うように構成されている。いくつかの実装形態において、個人の検出は、たとえばARシステムのスマートグラス用の透明ディスプレイと関連するカメラ、たとえば
図1Aのカメラ118の視野(FOV)内にその個人がいるときに行われて、個人検出データ132が作成される。たとえば、カメラは、そのFOV内の世界側環境の画像を継続的にまたは定期的に作成することができる。個人検出マネージャー130は、いくつかの実装形態において、FOVを走査し、返ってくる走査ビームの反射を受信することによって、そのFOV内の対象物を検出するように構成されている。いくつかの実装形態において、個人検出マネージャー130は、検出された対象物が人間の個人であるかどうかを判定するためにコンピュータービジョンアルゴリズムを採用するように構成されている。
【0030】
いくつかの実装形態において、個人検出マネージャー130は、透明ディスプレイのカメラのFOV(すなわち、透明ディスプレイのFOV)において個人を検出したことに応答してインジケーション(すなわち、インジケーションデータ)を生成するように構成されている。いくつかの実装形態において、インジケーションは視覚的である。いくつかの実装形態において、視覚インジケーションは、LEDからの光の形態をとる。いくつかの実装形態において、視覚インジケーションは、表示されたコンテンツの色の変化の形態をとる。いくつかの実装形態において、視覚インジケーションは、透明ディスプレイに表示される付加的なコンテンツの形態をとる。いくつかの実装形態において、インジケーションは、透明ディスプレイ、たとえば
図1Aのオーディオ出力デバイス113と関連する、スピーカーから再生される可聴信号を含む。
【0031】
いくつかの実装形態において、インジケーションを生成することに加えて、個人検出マネージャー130は、透明ディスプレイの世界側における、検出された個人を含むシーンを表す画像データを生成するように構成されている。いくつかの実装形態において、そのシーンは個人の近傍の形態をとり、そのようなシーンは、たとえば、FOVおよびカメラに対する、検出された個人の位置および向きを示す。いくつかの実装形態において、そのシーンは、検出された個人のクローズアップショットの形態をとり、そのようなシーンは、たとえば、視線方向を示す。
【0032】
いくつかの実装形態において、個人検出マネージャー130は、FOV内における、検出された個人の頭の動きを検出するように構成されている。ディスプレイに向かう頭の動きは、透明ディスプレイの世界側からコンテンツを閲覧しようとする試みを示す場合がある。その検出は、いくつかの実装形態において、カメラからのビデオ画像の連続したフレームを比較することを含む。
【0033】
個人検出データ132は、透明ディスプレイの世界側の近傍における、個人の検出結果を表す。たとえば、個人検出データ132は、視覚、聴覚、およびそれ以外のインジケーションを提供することに関係するデータを含む。
図1Cに示すように、個人検出データ132は画像データ134も含む。
【0034】
いくつかの実装形態において、画像データ134は、FOVおよび周囲環境における透明ディスプレイの世界側の近傍の画像を表す。いくつかの実装形態において画像データ134は、透明ディスプレイの世界側の近傍における個人の検出があるときにのみメモリーに格納される。いくつかの実装形態において、画像データ134は、透明ディスプレイと関連するカメラのFOVにおける個人の画像を表し、このような画像は、FOVおよびカメラに対する個人の位置および向きについての情報を提供する。ただし、いくつかの実装形態において、画像データ134は、個人のクローズアップ写真を表し、そのようなクローズアップ写真は、視線方向についての情報を提供する。
【0035】
いくつかの実装形態において、画像データ134は、ある期間にわたって撮ったビデオのフレームを表すビデオデータを含む。このようなビデオデータは、透明ディスプレイの世界側の近傍にいる間の個人のモーションを判定するのに有用な場合がある。たとえば、このようなビデオデータを用いると、個人検出マネージャー130は、フレームを比較して、検出された個人が自身の頭を動かしたかどうかを検証することができる。このように、最初のうちは個人が透明ディスプレイ上のコンテンツを見るような位置または向きになかったとしても、その個人が自身の視線角度を調節することでコンテンツを閲覧しようとする場合がある。
【0036】
分類マネージャー140は、検出された個人が1組の基準を満たすかどうかを判定し、したがって分類データ144を作成するように構成されており、その組の基準は、その個人が透明ディスプレイ上のコンテンツを世界側から見ることができるかどうかを示す。
【0037】
いくつかの実装形態において、分類マネージャー140は、画像データ134をニューラルネットワークに、たとえば既定数の層を有する畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に入力して、分類データ144を作成するように構成されている。このようなニューラルネットワークは、画像データ124によって表される画像における検出された個人が1組の基準を満たすかどうかという分類結果を作成するように構成されている。いくつかの実装形態において、分類結果は、検出された個人が透明ディスプレイの領域内のコンテンツを閲覧できるかどうかを示す。このような実装形態において、分類マネージャーは、訓練マネージャー141および予測マネージャー142を含む。
【0038】
訓練マネージャー141は、訓練データ145に基づいて、分類エンジン、すなわちニューラルネットワークを生成するように構成されている。たとえば、いくつかの実装形態において、訓練データ145は、透明ディスプレイの世界側の近傍における個人の画像と、個人が透明ディスプレイ上のコンテンツを見ることができるか否かを示す対応するインジケーターとを表す。次いで、訓練マネージャー141は、ニューラルネットワークの隠れ層内のノードの重みを調節して、既定の損失関数を最適化する。いくつかの実装形態において、損失関数は顔の大きさを距離と関係付けて、ディスプレイによって生成される世界側の感知可能な視界空間に対する傍観者の位置を分類エンジンが推定できるようにする。いくつかの実装形態において、分類エンジンは、カメラの視界空間と、ディスプレイの世界側の感知可能な視界空間との間のキャリブレーションを学習する。さらなる詳細は
図3A~
図3Cに関して示す。分類データ144には、訓練マネージャー141によって調節される重み、およびニューラルネットワークのアーキテクチャーを表す他のデータが含まれる。
【0039】
予測マネージャー142は、画像データ134によって表される画像を、透明ディスプレイ上のコンテンツを閲覧できる個人を含むか否かに分類するように構成されている。
図1Cに示すように、分類データ144は、予測マネージャー142から出力される予測データ146を含み、予測データ146は、画像データ134に対応する予測結果を表す。
【0040】
いくつかの実装形態において、分類マネージャー140は、ルックアップテーブルに基づいて分類データを作成するように構成されている。たとえば、ルックアップテーブルは、いくつかの実装形態において、透明ディスプレイの世界側および透明ディスプレイのユーザー側の近傍における領域、向きの角度、視線角度などの識別子を表すフィールドを有する。その場合に、分類マネージャー140は、画像データ134に基づいてそれらのフィールドの値を抜き出すように構成されている。次いで、予測データ146は、その組の基準が満たされたかどうかをルックアップテーブルが示すかどうかを示す。
【0041】
隠蔽マネージャー150は、基準を満たす、すなわち、透明ディスプレイの世界側の近傍にいる間に透明ディスプレイ上のコンテンツを閲覧できるものとして分類された個人から、コンテンツを隠蔽するように構成されている。いくつかの実装形態において、隠蔽マネージャー150は、個人がその組の基準を満たすものとして分類されたことに応答して、コンテンツを透明ディスプレイから削除する。いくつかの実装形態において、隠蔽マネージャー150は、個人がその組の基準を満たすものとして分類されたことに応答して、その個人によってコンテンツが見られることがない点まで、コンテンツのコントラストを低下させる。
【0042】
いくつかの実装形態において、隠蔽マネージャー150は、個人がその組の基準を満たすものとして分類されたことに応答して、ディスプレイのうちの個人によって見られないと判定される領域にコンテンツを動かす。その場合は、いくつかの実装形態において、それが、コンテンツを表示してよい透明ディスプレイを画定する。たとえば、透明ディスプレイの第1の領域に表示されたコンテンツが個人によって閲覧できる場合は、隠蔽マネージャーは、個人がコンテンツを見ることができないと判定された第2の領域にコンテンツを動かすことができる。いくつかの実装形態において、判定はルックアップテーブルを介して行われる。いくつかの実装形態において、判定は先に説明したような分類エンジンを介して行われる。
【0043】
図2Aは、スマートグラス210のカメラ212の視野(FOV)214を含む、例示的な世界側環境200の上面図を示す図であり、スマートグラス210は軸218を有する。
図2Aに示すように、世界側環境200は、スマートグラス210の世界側の近傍にある。FOV214は、
図2Aにおいて、上から見たときに三角形の領域として表されている。いくつかの実装形態において、FOV214は、世界側環境200のうちの、たとえば、円弧、放物線アーチなどの曲線によって範囲が定められる、三角形以外の形状を有する領域をカバーする。いくつかの実装形態において、コンピューティング回路120はFOV214についての情報を格納し、その情報には世界側環境200内におけるFOV214の形状および範囲を含む。いくつかの実装形態において、コンピューティング回路120は、カメラパラメーターならびにユーザーの身体および頭の向きに基づいて、FOV214の形状および範囲を判定する。
【0044】
透明ディスプレイ210からの光漏れを画定する領域216の境界を示す線もやはり
図2Aに示されている。透明ディスプレイ210上に表示されるどのコンテンツも領域216内に投影される。個人の位置、向き、および眼の視線角度によっては、個人は領域216内のコンテンツを見ることができる。
【0045】
図2Bは、スマートグラス210のカメラ212のFOV214を含む、例示的な世界側環境200の上面図を示す図である。
図2Bに示すように、世界側環境200には、個人222、個人226、および個人232という3人の個人がいる。
図2Bにおいて、個人222、226、および232はそれぞれ、スマートグラス210上のコンテンツを閲覧することができない。たとえば、個人222は、そのFOV224がスマートグラス210に向かって方向付けられていても、スマートグラス210の透明ディスプレイ上の任意の領域を見るために適した軸218に対する入射角にはないため、スマートグラス210上のコンテンツを閲覧できないものとして個人222を分類することができる。個人226は、FOV214の縁部におり、そのFOV228がスマートグラス210から離れた方に方向付けられており、透明ディスプレイ上のどのコンテンツも閲覧できない。個人232は、FOVにおらず、したがって、カメラ212によって検出することができない。
【0046】
図2Cは、ARシステムの世界側の個人が、スマートグラスの透明ディスプレイ上に表示されたコンテンツを見ることができる、例示的なシナリオを示す図である。
図2Cに示すように、世界側環境200には、個人242および個人246という2人の個人がいる。個人242は、透明ディスプレイのある領域、つまり左部分のコンテンツを閲覧できるものとして分類される。というのは、個人242は、軸218に対してその方向にある視線から生じるFOV244を有するからである。個人246も、透明ディスプレイの左部分上のコンテンツを閲覧できるものとして分類される。というのは、個人246のFOV248によって、透明ディスプレイのその部分からの像を個人246が見ることが可能になるからである。
【0047】
図3Aは、スマートグラス110の世界側の近傍にいる個人302がスマートグラス110の回路120によって検出されるという、例示的なシナリオを示す図である。
図3Aに示すように、スマートグラス110の透明ディスプレイのユーザー側の領域106にはコンテンツ105がある。
【0048】
図3Bは、スマートグラス110の世界側の近傍において個人302が検出されたという通知310を示す図である。
図3Bに示すように、通知310は、透明ディスプレイの異なる領域における視覚的な通知である。いくつかの実装形態において、その代わりに、通知310は、スマートグラス110に搭載されたLEDからの光に位置する。いくつかの実装形態において、その代わりに、通知310は、スマートグラス110のスピーカーから出される可聴信号の形態をとる。
【0049】
図3Cは、検出された個人304がコンテンツ105を見ることができるという判定による、スマートグラス110の透明ディスプレイ上に表示されたコンテンツの隠蔽320を示す図である。
図3Cに示すように、隠蔽320は、スマートグラス110の透明ディスプレイからコンテンツ105を削除するという形態をとる。いくつかの実装形態において、隠蔽320は、透明ディスプレイの異なる領域へのコンテンツ105の移動の形態をとり、その異なる領域は、個人304が新たな位置ではコンテンツ105を見ることができなくなるように選択される。
【0050】
図4は、ARシステムの世界側にいる個人からコンテンツを隠蔽する例示的な方法400を示すフローチャートである。方法400は、
図1Cに関して記載されている、コンピューティング回路120のメモリー126に常駐し1組の処理ユニット124によって動作する、ソフトウェア構造体によって行うことができるか、またはコンピューティング回路120のメモリーに常駐するソフトウェア構造体によって行うことができる。
【0051】
402で、コンピューティング回路120は、透明ディスプレイのユーザー側(たとえば、ユーザー側112(b))で拡張現実(AR)システムの一部としてユーザーが閲覧するために、透明ディスプレイ(たとえば、スマートグラス110の透明ディスプレイ112)上にコンテンツ(たとえば、コンテンツ105)を表示する。
【0052】
404で、個人検出マネージャー130は、透明ディスプレイの世界側(たとえば、世界側112(b))に対して個人を検出し、その透明ディスプレイの世界側は、透明ディスプレイのうちのユーザー側の反対側にあり、その個人はある状態にある。
【0053】
406で、個人検出マネージャー130は、個人の状態が1組の基準を満たすかどうかを判定し、その組の基準は、個人が透明ディスプレイの世界側でコンテンツを閲覧できるかどうかを示す。
【0054】
いくつかの実装形態において、その組の基準は、透明ディスプレイの軸に対する個人の向きが特定の角度範囲内にあることを含む。いくつかの実装形態において、透明ディスプレイの軸は、透明ディスプレイに垂直の向きにある。いくつかの実装形態において、軸は、透明ディスプレイの世界側に向かって方向付けられている。
【0055】
いくつかの実装形態において、その組の基準は、個人の眼の視線角度が特定の角度範囲内にあることを含む。
【0056】
いくつかの実装形態において、分類マネージャー140は、その組の基準を満たすか否かで個人を分類する。事実上、分類は、個人がコンテンツを閲覧できるかまたはできないかである。
【0057】
408で、検出された個人がその組の基準を満たすことに応答して、いくつかの実装形態において、
図3Cに示すように、隠蔽マネージャー150は、表示されるコンテンツに隠蔽動作を行ってコンテンツを個人から隠蔽する。
【0058】
図5は、ここで記載した技術と共に使用できる、汎用コンピューターデバイス500および汎用モバイルコンピューターデバイス550の一例を示す。
【0059】
図5に示すように、コンピューティングデバイス500は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバー、ブレードサーバー、メインフレーム、および他の適切なコンピューターなど、様々な形態のデジタルコンピューターを表すものである。コンピューティングデバイス550は、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、および他の同様のコンピューティングデバイスなど、様々な形態のモバイルデバイスを表すものである。ここに示すコンポーネント、それらの接続および関係、ならびにそれらの機能は、単なる例示を意図しており、本書で説明するおよび/または特許請求する本発明の実装形態を限定する意図はない。
【0060】
コンピューティングデバイス500は、プロセッサー502と、メモリー504と、ストレージデバイス506と、メモリー504および高速拡張ポート510に接続している高速インターフェース508と、低速バス514およびストレージデバイス506に接続している低速インターフェース512とを含む。コンポーネント502、504、506、508、510、および512はそれぞれ、様々なバスを用いて相互接続されており、共通のマザーボード上にまたは必要に応じて他の手法で搭載することができる。プロセッサー502は、メモリー504またはストレージデバイス506に格納された命令を含む、コンピューティングデバイス500内で実行される命令を処理して、高速インターフェース508に結合されたディスプレイ516などの外部入力/出力デバイスにGUIのためのグラフィカル情報を表示することができる。他の実装形態において、複数のプロセッサーおよび/または複数のバスは、必要に応じて複数のメモリーおよび各種メモリーと共に使用してよい。また、各デバイスが(たとえば、サーバーバンク、ブレードサーバーのグループ、またはマルチプロセッサーシステムとして)必要な動作の一部を提供する状態で、複数のコンピューティングデバイス500を接続することができる。
【0061】
メモリー504は、コンピューティングデバイス500内に情報を格納する。一実装形態において、メモリー504は、1つまたは複数の揮発性メモリーユニットである。別の実装形態において、メモリー504は、1つまたは複数の不揮発性メモリーユニットである。メモリー504は、磁気ディスクまたは光ディスクなど、別の形態のコンピューター可読媒体でもよい。
【0062】
ストレージデバイス506は、コンピューティングデバイス500のためのマスストレージを提供することができる。一実装形態において、ストレージデバイス506は、ストレージエリアネットワークまたは他の構成におけるデバイスを含む、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、またはテープデバイス、フラッシュメモリーもしくは他の同様のソリッドステートメモリーデバイス、またはデバイスのアレイなどの、コンピューター可読媒体でよいかまたはコンピューター可読媒体を含むことができる。コンピュータープログラム製品は、情報担体において明確に実施できる。コンピュータープログラム製品は、実行されるときに先に記載したような1つまたは複数の方法を実行する命令を含むことができる。情報担体は、メモリー504、ストレージデバイス506、またはプロセッサー502上のメモリーなど、コンピューター可読媒体または機械可読媒体である。
【0063】
高速コントローラー508はコンピューティングデバイス500のための帯域幅集約型動作を管理し、低速コントローラー512は帯域幅集約型ではない動作を管理する。このような機能の割り当ては単なる例示である。一実装形態において、高速コントローラー508は、メモリー504に、ディスプレイ516に(たとえば、グラフィックスプロセッサーまたはアクセラレーターを介して)、および様々な拡張カード(図示せず)を受容できる高速拡張ポート510に結合されている。本実装形態において、低速コントローラー512は、ストレージデバイス506および低速拡張ポート514に結合されている。様々な通信ポート(たとえば、USB、Bluetooth、イーサネット、ワイヤレスイーサネット)を含むことができる低速拡張ポートは、たとえばネットワークアダプターを介して、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナー、またはスイッチもしくはルーターなどのネットワーキングデバイスなど、1つまたは複数の入力/出力デバイスに結合されていてよい。
【0064】
コンピューティングデバイス500は、図に示すようにいくつかの異なる形態で実装することができる。たとえば、標準的なサーバー520として、またはそのようなサーバーのグループにおいて複数回実装することができる。ラックサーバーシステム524の一部として実装することもできる。さらに、ラップトップコンピューター522などのパーソナルコンピューターに実装することができる。あるいは、コンピューティングデバイス500からのコンポーネントは、デバイス550などのモバイルデバイス内の他のコンポーネント(図示せず)と組み合わせることができる。このようなデバイスはそれぞれ、コンピューティングデバイス500、550のうちの1つまたは複数を含んでよく、システム全体は、互いに通信する複数のコンピューティングデバイス500、550から構成することができる。
【0065】
コンピューティングデバイス550は、他にもコンポーネントはあるが、プロセッサー552、メモリー564、ディスプレイ554などの入力/出力デバイス、通信インターフェース566、およびトランシーバー568を含む。デバイス550は、付加的なストレージを提供するために、マイクロドライブまたは他のデバイスなどのストレージデバイスを備えることもできる。コンポーネント550、552、564、554、566、および568はそれぞれ、様々なバスを用いて相互接続されており、それらのコンポーネントのいくつかは、共通のマザーボード上にまたは必要に応じて他の手法で搭載することができる。
【0066】
プロセッサー552は、メモリー564に格納された命令を含む命令をコンピューティングデバイス450内で実行することができる。プロセッサーは、別々の複数のアナログおよびデジタルのプロセッサーを含むチップのチップセットとして実装されてよい。プロセッサーは、ユーザーインターフェースの制御、デバイス550によって動作されるアプリケーション、およびデバイス550によるワイヤレス通信など、たとえば、デバイス550の他のコンポーネントの調整を行うことができる。
【0067】
プロセッサー552は、ディスプレイ554に結合された制御インターフェース558およびディスプレイインターフェース556を通して、ユーザーと通信することができる。ディスプレイ554は、たとえば、TFT LCD(薄膜トランジスター液晶ディスプレイ)もしくはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、または他の適切なディスプレイ技術でよい。ディスプレイインターフェース556は、グラフィカル情報および他の情報をユーザーに提示するようにディスプレイ554を駆動する適切な回路を備えることができる。制御インターフェース558は、ユーザーからのコマンドを受信し、それらを変換してプロセッサー552に送信することができる。さらに、他のデバイスとのデバイス550の近距離通信を可能にするようにプロセッサー552と通信する外部インターフェース562が設けられてよい。外部インターフェース562は、たとえば、いくつかの実装形態においてワイヤード通信を提供するか、または他の実装形態においてワイヤレス通信を提供でき、複数のインターフェースを使用することもできる。
【0068】
メモリー564は、コンピューティングデバイス550内に情報を格納する。メモリー564は、1つもしくは複数のコンピューター可読媒体、1つもしくは複数の揮発性メモリー、または1つもしくは複数の不揮発性メモリーのうちの1つまたは複数として実装することができる。拡張メモリー574を設けてもよく、拡張メモリー574は、たとえばSIMM(シングルインラインメモリーモジュール)カードインターフェースを含むことができる拡張インターフェース572を通してデバイス550に接続することができる。このような拡張メモリー574は、デバイス550のための追加的なストレージ空間を提供することができるか、またはデバイス550のためのアプリケーションもしくは他の情報を格納することもできる。詳細には、拡張メモリー574は、上記で説明したプロセスを実行または補足する命令を含むことができ、セキュアな情報を含むこともできる。このように、たとえば、拡張メモリー574は、デバイス550のためのセキュリティーモジュールとして設けられてよく、デバイス550のセキュアな使用を可能にする命令を用いてプログラムされてよい。さらに、ハッキング不可能な手法でSIMMカードに識別情報を配置するなど、SIMMカードを介して、セキュアなアプリケーションを付加的な情報と共に提供することができる。
【0069】
メモリーは、以下で論じるように、たとえば、フラッシュメモリーおよび/またはNVRAMメモリーを含むことができる。一実装形態において、コンピュータープログラム製品は、情報担体において明確に実施できる。コンピュータープログラム製品は、実行されるときに上記で説明したような1つまたは複数の方法を実行する命令を含む。情報担体は、たとえばトランシーバー568または外部インターフェース562を通して受信できる、メモリー564、拡張メモリー574、またはプロセッサー552上のメモリーなど、コンピューター可読媒体または機械可読媒体である。
【0070】
デバイス550は、通信インターフェース566を通してワイヤレスで通信することができ、これは必要な場合はデジタル信号処理回路を含むことができる。通信インターフェース566は、とりわけ、GSM音声通話、SMS、EMS、またはMMSメッセージング、CDMA、TDMA、PDC、WCDMA(登録商標)、CDMA2000、またはGPRSなどの様々なモードまたはプロトコルの下で通信を提供することができる。このような通信は、たとえば、無線周波数トランシーバー568を通して行うことができる。さらに、短距離通信は、Bluetooth、WiFi、または他のこのようなトランシーバー(図示せず)などを用いて行うことができる。さらに、GPS(全地球測位システム)レシーバーモジュール570は、付加的なナビゲーション関連およびロケーション関連のワイヤレスデータをデバイス550に提供でき、これは、必要に応じて、デバイス550上で動作するアプリケーションによって使用することができる。
【0071】
デバイス550は、オーディオコーデック560を用いて可聴通信することもでき、オーディオコーデック560は、ユーザーからの発話情報を受信し、それを使用可能なデジタル情報に変換することができる。オーディオコーデック560は、同様に、たとえばデバイス550のハンドセット内のスピーカーなどを通して、ユーザーに可聴音を生成することができる。このような音には、音声通話からの音が含まれてよく、録音された音(たとえば、ボイスメッセージ、音楽ファイルなど)が含まれてよく、デバイス550上で動作するアプリケーションによって生成される音も含まれてよい。
【0072】
コンピューティングデバイス550は、図に示すように、いくつかの異なる形態で実装することができる。たとえば、携帯電話580として実装することができる。スマートフォン582、携帯情報端末、または他の同様のモバイルデバイスの一部として実装することもできる。
【0073】
ここに記載するシステムおよび技術の様々な実装形態は、デジタル電子回路、集積回路、特別設計のASIC(特定用途向け集積回路)、コンピューターハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実現することができる。それらの様々な実装形態は、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサーを含むプログラム可能なシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つまたは複数のコンピュータープログラムにおける実装形態を含むことができ、そのプロセッサーは、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信し、それらにデータおよび命令を伝送するために専用または汎用で結合することができる。
【0074】
それらのコンピュータープログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られている)は、プログラム可能なプロセッサーのための機械命令を含み、高レベルの手続き型および/もしくはオブジェクト指向のプログラミング言語で、ならびに/またはアセンブリー言語/機械言語で実装することができる。本明細書で用いるように、「機械可読媒体」、「コンピューター可読媒体」という用語は、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体を含む、プログラム可能なプロセッサーに機械命令および/またはデータを提供するために用いられる任意のコンピュータープログラム製品、装置および/またはデバイス(たとえば、磁気ディスク、光ディスク、メモリー、プログラム可能論理回路(PLD))を指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラム可能なプロセッサーに提供するために用いられる任意の信号を指す。
【0075】
ユーザーとの対話を提供するために、ここに記載するシステムおよび技術は、ユーザーに情報を表示するためのディスプレイデバイス(たとえば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニター)と、ユーザーがそれによってコンピューターに入力を提供できるキーボードおよびポインティングデバイス(たとえば、マウスまたはトラックボール)とを有するコンピューターに実装することができる。他の種類のデバイスを用いて、ユーザーとの対話を提供することもできる。たとえば、ユーザーに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(たとえば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)とすることができ、ユーザーからの入力は、音響、音声、または触覚の入力を含む任意の形態で受信することができる。
【0076】
ここに記載するシステムおよび技術は、バックエンドコンポーネント(たとえば、データサーバーとして)を含むか、もしくはミドルウェアコンポーネント(たとえば、アプリケーションサーバー)を含むか、もしくは、フロントエンドコンポーネント(たとえば、ここに記載するシステムおよび技術の実装形態とユーザーがそれを通して対話できる、グラフィカルユーザーインターフェースまたはウェブブラウザーを有するクライアントコンピューター)を含むコンピューティングシステムにおいて、またはこのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、もしくはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせにおいて実装することができる。システムのコンポーネントは、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信(たとえば、通信ネットワーク)によって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、およびインターネットが含まれる。
【0077】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバーを含むことができる。クライアントおよびサーバーは、一般に互いから遠隔であり、典型的には通信ネットワークを通して対話する。クライアントとサーバーとの関係は、それぞれのコンピューターで動作し、互いにクライアントとサーバーとの関係を有する、コンピュータープログラムによって生じる。
【0078】
図2に戻ると、いくつかの実装形態において、メモリー226は、ランダムアクセスメモリー、ディスクドライブメモリー、フラッシュメモリーなど、任意のタイプのメモリーとすることができる。いくつかの実装形態において、メモリー226は、コンピューティング回路220のコンポーネントと関連付けられた2つ以上のメモリーコンポーネント(たとえば、2つ以上のRAMコンポーネントまたはディスクドライブメモリー)として実装することができる。いくつかの実装形態において、メモリー226はデータベースメモリーとすることができる。いくつかの実装形態において、メモリー226は、非ローカルメモリーとすることができるか、またはそれを含むことができる。たとえば、メモリー226は、複数のデバイス(図示せず)によって共有されるメモリーとすることができるか、またはそれを含むことができる。いくつかの実装形態において、メモリー226は、ネットワーク内のサーバーデバイス(図示せず)と関連付けることができ、コンピューティング回路220のコンポーネントにサーブするように構成することができる。
【0079】
圧縮コンピューター120のコンポーネント(たとえば、モジュール、処理ユニット224)は、1つまたは複数のタイプのハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、オペレーティングシステム、ランタイムライブラリーなどを含むことができる1つまたは複数のプラットフォーム(たとえば、1つまたは複数の同様のまたは異なるプラットフォーム)に基づいて動作するように構成することができる。いくつかの実装形態において、コンピューティング回路220のコンポーネントは、クラスター型デバイス(たとえば、サーバーファーム)内で動作するように構成することができる。このような実装形態において、コンピューティング回路220のコンポーネントの機能および処理は、そのクラスター型デバイスのいくつかのデバイスに分散することができる。
【0080】
コンピューティング回路220のコンポーネントは、属性を処理するように構成された任意のタイプのハードウェアおよび/またはソフトウェアとすることができるか、またはそれらを含むことができる。いくつかの実装形態において、
図2のコンピューティング回路220のコンポーネントに示されているコンポーネントのうちの1つまたは複数の部分は、ハードウェアベースのモジュール(たとえば、デジタル信号プロセッサー(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、メモリー)、ファームウェアモジュール、および/またはソフトウェアベースのモジュール(たとえば、コンピューターコードのモジュール、コンピューターで実行できるコンピューター可読命令のセット)とすることができるか、またはそれらを含むことができる。たとえば、いくつかの実装形態において、コンピューティング回路220のコンポーネントの1つまたは複数の部分は、少なくとも1つのプロセッサー(図示せず)によって実行するように構成されたソフトウェアモジュールとすることができるか、またはそれを含むことができる。いくつかの実装形態において、コンポーネントの機能は、
図3に示すものとは異なるモジュールおよび/または異なるコンポーネントに含めることができる。
【0081】
図示していないが、いくつかの実装形態において、コンピューティング回路220のコンポーネント(またはその一部)は、たとえば、データセンター(たとえば、クラウドコンピューティング環境)、コンピューターシステム、1つまたは複数のサーバー/ホストデバイス内などで、動作するように構成することができる。いくつかの実装形態において、コンピューティング回路220のコンポーネント(またはその一部)は、ネットワーク内で動作するように構成することができる。このように、コンピューティング回路220のコンポーネント(またはその一部)は、1つもしくは複数のデバイスおよび/または1つもしくは複数のサーバーデバイスを含むことができる、様々なタイプのネットワーク環境内で機能するように構成することができる。たとえば、ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)などとすることができるか、またはそれらを含むことができる。ネットワークは、たとえば、ゲートウェイデバイス、ブリッジ、スイッチなどを用いて実装される、ワイヤレスネットワークおよび/またはワイヤレスネットワークとすることができるか、またはそれらを含むことができる。ネットワークは、1つまたは複数のセグメントを含むことができ、かつ/またはインターネットプロトコル(IP)および/もしくはプロプライエタリプロトコルなどの様々なプロトコルに基づく部分を有することができる。ネットワークは、インターネットの少なくとも一部分を含むことができる。
【0082】
いくつかの実施形態において、コンピューター120のコンポーネントの1つまたは複数は、メモリーに格納された命令を処理するように構成されたプロセッサーとすることができるか、またはそれらを含むことができる。たとえば、EM放射マネージャー230(および/またはその一部分)、前景抽出マネージャー240(および/またはその一部分)、および機械学習マネージャー250(および/またはその一部分)は、1つまたは複数の機能を実装するためにプロセスに関連する命令を実行するように構成されたプロセッサーとメモリーとの組み合わせとすることができる。
【0083】
実施形態をいくつか説明してきた。しかし、本明細書の精神および範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができることが理解されよう。
【0084】
ある要素が別の要素の上にある、それに接続される、電気接続される、結合される、または電気結合されると表現されるときは、そのある要素は直接的にその別の要素の上にあるか、接続されるかまたは結合されてもよく、1つまたは複数の介在要素が存在してもよいことも理解される。それとは異なり、ある要素が直接的に別の要素の上にある、直接的にそれに接続される、または直接的に結合されると表現されるときは、介在要素は存在しない。直接的にその上にある、直接的にそれに接続される、または直接的に結合されるという用語は、詳細な説明を通して使用されていない場合もあるが、直接的にその上にある、直接的にそれに接続される、または直接的に結合されるように示されている要素は、そのように表現できる。本願の請求項は、明細書に記載されているかまたは図に示されている例示的な関係を列挙するために補正される可能性がある。
【0085】
記載されている実装形態の一定の特徴を本明細書に記載された通りに示してきたが、ここで多数の修正例、代替例、変更例、および等価物が当業者には明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲が、本実装形態の範囲内にあるそのような修正例および変更例をすべて包含するものであることを理解されたい。それらは限定ではなく単なる例示として提示されており、形態および細部に様々な変更を行うことができることを理解されたい。本明細書に記載されている装置および/または方法のいずれかの部分は、互いに排他的な組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせてよい。本明細書に記載する実装形態は、記載されている様々な実装形態の機能、コンポーネント、および/または特徴の、様々な組み合わせおよび/または下位組み合わせを含むことができる。
【0086】
さらに、図に示した論理の流れは、望ましい結果を達成するために、示されている特定の順序、または連続した順序である必要はない。さらに、他のステップが提供されてよく、または記載した流れからステップが省略されてよく、記載されたシステムに他のコンポーネントが追加されても削除されてもよい。したがって、他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内にある。
【国際調査報告】