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2024-521000エーロゾル環境における距離を決定するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】エーロゾル環境における距離を決定するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 12/08 20060101AFI20240521BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240521BHJP
   B05B 13/02 20060101ALI20240521BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
B05B12/08
G06F3/01 560
B05B13/02
B05D3/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563889
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 NL2022050214
(87)【国際公開番号】W WO2022225393
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】21169512.7
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522218493
【氏名又は名称】プロクスコントロール アイピー ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケイユ、ロブ
(72)【発明者】
【氏名】セルイス、レミー ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ニウウェンバーグ、ロニー ヤコーブス サムエル
【テーマコード(参考)】
4D075
4F035
5E555
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AA32
4D075AA38
4D075AA85
4F035AA03
4F035BB05
4F035BB07
4F035CA01
4F035CA05
4F035CD02
4F035CD12
4F035CD18
4F035CD19
5E555AA08
5E555AA63
5E555BC04
5E555CA41
5E555CB74
5E555DA23
5E555DA24
5E555DA27
5E555FA00
(57)【要約】
コーティング流体を表面に塗布するためのスプレーガン(140)と表面との間の距離を決定するために、距離センサ(100)をスプレーガン(140)上に配置することができる。センサーは、スプレーガン (140) と表面との距離に関連する値を提供するが、スプレーガン (140) とエアゾール粒子との距離にも関連する値も提供する。これらのすべての値から、距離許容基準によって受け取った値が表面までの距離に対して有効であるかどうかをチェックすることによって、スプレーガン (140) と表面の間の距離が推定される。距離許容基準は、以前の値に基づいてもよい。集合の中で基準を満たす値、例えば中央値または平均値は、表面までの距離の推定値を提供するために使用される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子データプロセッサにおいて、コーティング流体アプリケータに接続された距離センサと、表面をスプレーコーティング中の表面との間の距離を決定する方法であって、該方法は:
センサから経時的に、センサと検出物体との間の距離を示すデータの値を取得し;
有効な距離値が満たされるための距離許容基準を取得し;
距離許容基準を受信した値へ適用し;
予め決定された時間間隔において受信されたデータの値の集合を決定し;
距離許容基準を満たすデータの値を決定することに基づいて、センサと表面との間の距離を示す少なくとも1つのベース値を決定し;
前記ベース値を電子データ処理装置による出力に使用できるようにする、方法。
【請求項2】
受信した値に適用される前記距離許容基準は、少なくとも1つの先の受信した値に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記距離許容基準は、固定差値である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記距離許容基準は、さらに、前記受信した値と先に受信した値との間の時間間隔に基づく、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記距離許容基準を満たさない受信された値は、前記決定された集合に含まれない、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ベース値は、前記集合内の前記データの値の中央値または平均のうちの少なくとも1つである、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
距離基準は、ベース値を決定するためのデータの値が、決定された集合中の最高値の内の、予め定められた量であるという要件を含む、請求項2に従属する場合の、請求項3から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記予め定められた量は、前記集合内のデータの値の総量に基づく請求項7に記載の方法。
【請求項9】
距離準拠基準を受信することをさらに含み、前記方法は、さらに:
前記ベース値と前記距離準拠基準を比較し、
前記ベース値が前記距離準拠基準に従う場合、電子データプロセッサの出力で第1の信号値を提供し、
前記ベース値が距離準拠基準に従わない場合、電子データプロセッサの出力で第2の信号値を提供する、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
コーティング流体をスプレーするためのスプレーアプリケーターに接続された距離センサと、スプレーコーティング中の表面との間の距離を決定するための方法のための装置であって、該装置は:
センサと物体との間の距離を決定するように配置された前記距離センサと;
配置された電子データプロセッサと;を備え
前記距離センサから、距離センサと検出された物体との間の距離を示すデータの値を経時的に受信し;
所定の時間間隔で受信された受信データの値の集合を決定し;
有効な距離値が満たされるための距離許容基準を取得し;
前記距離許容基準を前記決定された集合の値に適用し;
前記距離許容基準を満たすデータの値に基づいて、前記距離センサと表面との間の距離を示す少なくとも1つのベース値を決定し;
前記ベース値を電子データ処理装置による出力に使用できるようにする、装置。
【請求項11】
前記電子データプロセッサの出力に接続された第1のアクチュエータと第2のアクチュエータとをさらに備え、前記電子データプロセッサはさらに:
前記ベース値と距離準拠基準を比較し;
前記ベース値が前記距離準拠基準に準拠している場合、第1のアクチュエータを作動させるための第1の信号値を電子データプロセッサの出力に提供し;
前記ベース値が距離準拠基準に準拠していない場合、第2のアクチュエータを作動させるための第2の信号値を電子データプロセッサの出力に提供する、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
スプレー方向にスプレーオリフィスからコーティング流体をスプレーするように構成されたコーティング流体用のスプレーアプリケータであって、請求項10または請求項11に記載の装置が接続され、
前記距離センサは、感知方向において距離を感知し
前記装置は、スプレー方向が感知方向と実質的に平行になるように、アプリケータに接続される、スプレーアプリケータ。
【請求項13】
前記感知方向における前記距離センサからの感知線は、前記スプレー方向における前記スプレーオリフィスからのスプレー線に対してオフセットしている、請求項12に記載のスプレーアプリケータ。
【請求項14】
前記スプレーオリフィスは、楕円断面を有するスプレーコーン内で前記コーティング流体を放出するように配置され、前記感知線は、前記楕円断面の長軸からオフセットされている、請求項13に記載のスプレーアプリケータ。
【請求項15】
前記スプレーオリフィスは、楕円断面を有するスプレーコーン内で前記コーティング流体を放出するように配置され、感知線は、前記楕円断面の短軸からオフセットされている、請求項13または14に記載のスプレーアプリケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーガン用のセンサキットに関し、且つセンサキットから受信したデータの処理に関し、より詳細には、小さな浮遊粒子、例えば、液滴又は霧状流体を含む環境内の物体間の距離を決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
スプレー塗装とは、スプレーガンを使用して塗膜を空気を通して表面に吹き付ける技術である。コーティングは、塗料、インク、ワニス、クリアコート、または任意の他のタイプのコーティングであってもよい。スプレーガンは、オペレータによって手持ち式であってもよく、そして、それは、一貫した層厚さを有する薄いコーティングを適用するために、重大な技能を必要とし得る。オペレータが技能を持っているか否かに関わらず、層の最終的な厚さは様々であり、これは、自動車の近接レーダシステムのように、コーティングの耐久性およびコーティングによってカバーされるセンサの信頼性に影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の態様は、電子データプロセッサにおいて、コーティング流体アプリケータに接続された距離センサと、スプレーコーティング中の表面との間の距離を決定する方法を提供する。この方法は、センサから、センサと検出物体との間の距離を示すデータ値を経時的に受信することと、満たすべき有効距離値に対する距離許容基準を取得することと、距離許容基準を、受信した値に適用することとを含む。予め決定された時間間隔において受信された受信データ値の集合が決定され、距離許容基準を満たすデータ値に基づいて、センサと表面との間の距離を示す少なくとも1つのベース値が決定される。ベース値は、電子データプロセッサによって出力可能にされる。
【0004】
コーティング流体の液滴、ダスト粒子、その他、またはそれらの組み合わせのような、空中浮遊粒子のために、距離センサによって提供される距離値は、表面との距離の指標を提供し得るだけでなく、センサと粒子との間の距離を示す特定の値も提供し得る。粒子は、0の距離、およびセンサーとコーティングされる表面との間の距離を有する距離値を生じる。これらの値は、距離センサからの信号の中に存在し、又は、センサと被覆されるべき表面との間の実際の距離を示す値となる。距離許容基準は、後者の値をフィルタリングするために適用される。そのような距離許容基準は、以下に提供されるオプションから明らかであるように、様々な方法で実施され得る。
【0005】
受信値に適用される距離許容基準は、少なくとも1つの前の受信値で決定可能である。距離センサによる少なくともいくつかの距離測定は、センサと表面との間の距離の測定である。そのような測定は、有効な測定値を提供し、その後の値-直接後続または後続の値-が有効な値であるかどうかを決定するための基礎を提供することができる。
【0006】
距離許容基準のための基準を形成する、適用可能な受信値は、集合内に含まれてもよい。そのように、集合は、距離許容値基準を得る前に形成され、値が集合に入ると、距離許容値基準が適用される。その後、有効でない値が集合から削除されることがある。一つの値だけが距離許容基準を得るための以前の受信値として使用される場合、これは集合を決定する前または後に実行されることがある。これらの選択肢は、上又は下に記載されるさらなる選択肢と組み合わせて適用され得る。
【0007】
距離許容基準は、固定差値であってもよい。そのようなものは、固定されているか、または複数の前の値に基づくベース値であり、一方では以前に取得された値であり、他方では値の間の差であり得る。
【0008】
距離許容基準は、さらに、受信した値と前回の受信した値との間の時間間隔に基づいてもよい。コーティング流体を提供するノズルは、好ましくは霧化状態で、塗布手順中に動くことができる。スプレーノズルの場合、最大移動速度がある。これは、スプレー装置の重量、スプレー装置を運ぶロボットの最高速度、人間の解剖学的構造、またはそれらの組み合わせによって決定される。2つの測定値間の差およびそれらの間の時間差に基づいて、センサが接続されるスプレー装置の仮の移動速度が決定されてもよい。時間間隔がわかっている場合-固定サンプリング周波数-では、2つの値の間の最大現実的な差を決定できる。差が多きすぎる場合は、測定値が有効ではないと見なされる。
【0009】
距離許容基準を満たさない受信値は、決定された集合で除外されてもよい。このように、有効でない値は、システムの処理能力やメモリ容量に負荷を与えない。
【0010】
方法は、さらなる所定の時間間隔において受信されたさらなる受信データ値の集合を決定することを含み得、さらなる受信データ値の集合は、受信データ値の集合と重複する。データは、例えば、スライディングウインドウまたは固定ウインドウの上で中央値または平均値または類似のタイプの値として取得することができる。
【0011】
方法は、さらに、電子データプロセッサの出力において、距離許容値基準を満たすデータ値の少なくとも一部をベース値として提供することを含むことができる。有効な値のうち、中央値、平均値又は類似の特性値を記載してもよい。代替として又は付加的に、全て又は少なくとも複数の有効な値が、出力において提供されてもよい。
【0012】
距離基準は、それによってベース値が決定されるデータ値が、決定された集合の中の最高値の予め決定された量であるという要件を含み得る。粒子は、表面とスプレーオリフィスとの間に存在する。したがって、センサによって提供される最高値は、誤差を除き、ノズルと表面との間の距離を示す値である。そして、その間の値は、センサーと粒子との間の距離を示す。
【0013】
距離許容基準は、フィルタリングによって実施されてもよい。そのようなフィルタは、中間フィルタ、平均フィルタ、LULUフィルタ、他の平滑フィルタ、またはそれらの組み合わせであってもよい。そのような距離許容基準は、他の基準と組み合わせることができる。
【0014】
方法は、距離準拠基準を受信することと、ベース値を距離準拠基準と比較することとをさらに含み得る。ベース値が距離準拠基準に準拠する場合、第1の信号値は、電子データプロセッサの出力で提供され、ベース値が距離準拠基準に準拠しない場合、第2の信号値が、電子データプロセッサの出力で提供される。自動スプレーコーティングプロセスと手動スプレーコーティングプロセスの両方の場合、ノズルと表面の距離が重要である。好ましくは、この距離は、特定の間隔内に維持される-これは、距離準拠基準として機能し得る。それに準拠することに基づいて、距離が間隔内にある場合には緑色のライトを、距離が間隔外にある場合には赤色のライトをフィードバックすることができる。代替的または付加的に、フィードバックは、音、触覚フィードバック、他の視覚フィードバック、その他、またはこれらの組み合わせによって提供されてもよい。
【0015】
方法は、電子データプロセッサの出力に第3の信号値を提供することをさらに含むことができ、第3の信号値は、ベース値を示す。ノズルと表面との間の実際の距離に関するデータを受信することをオペレータは好む。自動処理の場合、一般的にこれが好ましい。
【0016】
第2の態様は、コーティング流体をスプレーするためのスプレーアプリケーターに接続された距離センサと、スプレーコーティング中の表面との間の距離を決定する方法のための装置を提供する。装置は、センサと対象物との間の距離を決定するように配置された距離センサと、電子データプロセッサとを備える。電子データプロセッサは、センサから、センサと検出された物体との間の距離を示すデータ値を経時的に受信し、事前決定された時間間隔で受信された受信データ値の集合を決定し、有効距離値を満たすための距離許容基準を求め、前記距離許容基準を前記決定された集合内の値に適用し、前記距離許容基準を満たすデータ値に基づいて、前記センサと前記表面との間の距離を示す少なくとも1つのベース値を決定し、前記ベース値を前記電子データプロセッサによって出力可能にするように構成される。
【0017】
第3の態様は、スプレー方向にスプレーオリフィスからコーティング流体をスプレーするように配置されたコーティング流体用のスプレーアプリケータであって、第2の態様に係る装置を有するアプリケータである。距離センサが感知方向の距離を感知し、装置は、スプレー方向が感知方向と実質的に平行になるようにアプリケータに接続されている。スプレーアプリケータは、装置が接続され、又は装置をそれに接続させるように配置され、人又は機械により、スプレーアプリケータのフィードバック及び制御を強化することができる。
【0018】
スプレーアプリケータでは、距離センサからの感知方向における感知線は、スプレーオリフィスからスプレー方向におけるスプレー線に対してオフセットすることができる。感知線がスプレー線と一致するか、または非常に近くにある場合、距離センサからの信号は、主として、被覆される表面までの距離ではなく、粒子までの距離に関連する値を提供し得る。これらのラインを離すことにより、この問題は緩和される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
種々の態様およびその変形は、図面と併せてさらに詳細に論じられる。
図1】センサーキット、スプレーガン、および表面の例の概略図を示す。
図2】第1のフローチャートを示す。
図3】第2のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、ハウジングとしてセンサキット本体102を備えるセンサキット100の実施形態の概略概要を示す。センサキット本体102は、接続モジュールとしてスプレーガンコネクタ104を備える。スプレーガン140がコネクタ104を介して本体102に接続されている。スプレーガン140は、スプレーガンハウジング141を含む。スプレーガン140は、例えば、高容積低圧力(HVLP)スプレーガンであってもよい。
【0021】
センサキット本体102は、図1において矩形として概略的に示されているが、異なる実施形態において、本体102は異なる形状を有していてもよい。例えば、本体102は、それが接続されるように配置されるスプレーガンハウジング141の形状の周りに成形することができる。また、本体102の形状および/またはセンサキット100の重心は、スプレーガン140に取り付けられたときにスプレーガン140の重心が所望の範囲内に保たれるように適合させることができる。そのように、スプレーガン140の取扱いは、センサキット100を接続することによって、最小限の影響を受け得る。
【0022】
スプレーガン140は、塗料層142を塗装として車体部分144に表面として塗布するために使用することができる。スプレーガン140は、エアゾール塗料148のミストを放出することができるノズル146と、塗料をコーティング材料として受け入れるための入口とを備える。スプレーガン140は、ユーザーがスプレーガン140からの塗料148の特定の速度での放出を制御するように作動することができるトリガーを備えるハンドヘルドスプレーガン140であってよい。
【0023】
トリガーは、ノズルへの塗料または別のコーティング流体を導く導管のスループット領域を制御してもよい。これに代えて、またはこれに加えて、トリガーまたは別のトリガーまたは制御ノブは、スループットオリフィス、例えば、ノズル146または別のオリフィス内の制御ニードルの位置を制御することができる。一実施形態では、制御ニードルを使用して、コーティング流体の流れを正確に制御することができ、トリガーを使用して、ノズルの「オン」状態と「オフ」状態とを切り替えることができる。正確な制御機構に加えて、コーティング流体の流れはまた、コーティング流体が供給される圧力を変化させる制御であってもよい。精密制御設定、コーティング流体圧力、およびトリガー状態のうちの1つ以上は、任意のスプレージョブパラメータとして考慮されてもよい。
【0024】
ユーザは、必要に応じてスプレーガン140を動かし、向きを変えることができ、かくして、車体部分144から遠ざかるか、或る速度及び加速度で車体部分144に近づけることができる。ユーザは、所望のようにスプレーガン140をさらに向きを変えることができ、かくして、異なるアプローチ角度から塗料を塗布できるように、車体部分144に対するノズル146の向きを変えることができる。
【0025】
センサキット本体102内には、距離センサモジュール106によって構成される近接センサとして、1つ以上の飛行時間型センサを備える距離センサモジュール106が設けられる。飛行時間型センサは、それぞれのセンサと車体部分144及び/又は塗料142の間の距離d1、d2及びd3に関するスプレージョブパラメータ値として距離データを得るために配置される。そのように、距離センサモジュール106内の飛行時間センサは、センサキット100がスプレーガン140に接続されるとき、ノズル146も車体部品144及び/又は塗装142の層に面することになるので、ノズル146と同じ方向を向くことが好ましい。
【0026】
図1の右上の図は、ノズル146及びエーロゾル塗料148のミストのスプレーコーンに対する距離センサモジュール106の飛行時間センサの位置を示す。一般的に使用されるスプレーガンは、コーティングとしてのエーロゾル塗料の円錐形のコーン148を提供する。コーンの断面は円形でも楕円形でもよい。スプレーコーン148の周囲には、ミスト状の小滴のコーティング流体が存在し得る。
【0027】
図において、スプレーガン140の視点から楕円形の断面が示されている。さらに、距離センサモジュール106の視野センサの感知方向192が示されており、スプレー方向186も示されているが、この場合にはスプレー方向186は視点から離れている。
【0028】
スプレーコーン148の中心において、垂直軸182および水平軸184と同様に、起点が画定されてもよい。感知方向192-スプレーコーン148の中心線に実質的に平行な距離センサモジュール106内の飛行時間センサからの線は、この実施形態では、垂直軸182だけでなく水平軸184からもオフセットしている。他の実施形態では、感知方向は、水平軸184および垂直軸182のうちの1つ上であってもよい。2つの軸の原点に感知方向192を提供することが同様に想定されてもよい。これは距離センサモジュール106内の飛行時間センサがスプレーガンの心臓部にあることを必要とするであろう。
【0029】
図は、ここでは飛行時間センサから車体部分144に向かう感知方向における感知線として表される感知方向が、ノズル146から車体部分144に向かうスプレー方向のスプー線に対して実質的に平行であり、スプレー方向からオフセットしていることを示している。より詳細には、感知線は、スプレーコーン148の楕円断面の長軸および短軸の少なくとも一方からオフセットしている。長軸からのオフセットは、短軸からのオフセットよりも大きいことが好ましい。
【0030】
近接センサとしての飛行時間センサは、放射された光信号としてレーザビームを放射するように配置された光送信器としてのレーザまたはLEDを含むことができる。飛行時間センサは、レーザビームの反射として反射された光信号を受信するための光受信器を更に含むことができる。近接プロセッサを使用して、放出されたレーザビームと反射されたレーザビームとの関係に基づいて、飛行時間センサと表面144との間のスプレー距離を決定することができる。
【0031】
放出される光信号は、例えば800~1140nm、より詳細には900~1000nm、最も好ましくは940nmの近赤外波長スペクトルを有し得る。このような波の電磁放射は見えない。人間の目には不透明に見えて物質を伝わる場合もあるが、特に900nm~1000nm、及び940nmの電磁放射は透明である。
【0032】
センサキット本体102は、非半透明材料から構成されてもよく、飛行時間センサによって放射される光などは、センサキット本体102によって妨害されてもよい。図1の実施形態において、センサキット本体102は、オプションとして、飛行時間センサによって放射され、反射されて戻る光が通過できる少なくとも部分的に半透明の観察窓108を備える。あるいは、光が通過するべきセンサキット本体102の少なくとも一部は、例えば赤外線スペクトルの波長であってもよい飛行時間センサによって使用される光の波長に対して少なくとも部分的に半透明である材料でできていてもよい。
【0033】
一実施形態では、飛行時間センサは、通常の噴霧距離、20センチメートルから50センチメートルの間で、それらの光が干渉しないような距離で離間される。そのように、距離d1、d2、及びd3の異なる値を得ることができる。
【0034】
図1の実施形態において、センサキット100は、処理ユニットとしてのマイクロコントローラ110を備える。マイクロコントローラ110は、1つ以上の基準パラメータ値を受け取るように配置された、入力モジュールとしてのデータ入力112を備える。受信された基準パラメータ値は、メモリ114上に格納され得る。飛行時間センサ106によって距離データをマイクロコントローラ110のデータ入力112に送ることができ、またオプションとしてメモリ114に記憶することもできる。
【0035】
マイクロコントローラ110は、センサキット本体102の内側に設けられたセンサキット100の実施形態である。センサキット100は、処理ユニットの一部としての別のマイクロコントローラがセンサキット本体102の外側に設けられる実施形態も想定される。この別のマイクロコントローラは、例えば、サーバ、スマートフォン、タブレット、任意の他のコンピュータ装置、またはこれらの任意の組合せのような、1つまたは複数の外部コンピュータ装置によって構成され得る。
【0036】
処理ユニットの少なくとも一部がセンサキット本体102の外部に設けられる場合、データの交換が可能となるように、センサモジュールとマイクロコントローラ110との間に有線接続または無線接続が提供されてもよい。ワイヤレス接続が使用される場合、例えば、NFC、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、またはその他のプロトコルをデータの交換に使用することができる。
【0037】
処理ユニットとしてのマイクロコントローラ110は、さらに、得られたスプレージョブパラメータ値の少なくとも一部を、対応する1つ以上の基準パラメータ値と比較するように配置された比較モジュール116を備える。このように比較モジュール116は、例えばデータ入力112からスプレージョブパラメータ値の少なくとも一部と基準パラメータ値の少なくとも一部とを受け取るように、及び/又はスプレージョブパラメータ値の少なくとも一部と基準パラメータ値の少なくとも一部とをメモリ114から取り出すように配置することができる。
【0038】
比較モジュール116はさらに、比較の結果に基づいて比較データ信号を生成するように構成される。比較データ信号は、出力モジュール118によって受信され得、それは、センサキット100の他の構成要素に比較データ信号を送るために配置され、使用され得る。実施形態において、出力モジュール118は、一般に、プロセッシングユニット、比較モジュール、センサモジュール、またはセンサキット100によって構成されてもよい。
【0039】
データ入力112は、特定のユーザまたはユーザのグループを示すユーザ識別データを受信するように構成されてもよい。例えば、ユーザ識別データは、従業者データ、名前、および/またはユーザのグループの特定のユーザが識別され得る任意の他のデータを含み得る。ユーザ識別データは、メモリ114上に格納されてもよい。ユーザ識別データがメモリ114上に格納されるとき、特定のセンサキット110は、特定のユーザにリンクされ得る。
【0040】
センサキット100と共にスプレーガン140を使用するユーザにフィードバックを提供するために、ユーザフィードバックモジュールとしてのフィードバックコントローラ120がセンサキット100によって構成される。フィードバックコントローラ120は、比較データ信号の少なくとも一部に基づいてユーザフィードバック信号を生成するように構成される。フィードバックコントローラ120は、さらに、出力モジュール118から比較データ信号の少なくとも一部を受信し、および/またはメモリ114から比較データ信号の少なくとも一部を検索するように構成されてもよい。
【0041】
図1の実施形態において、フィードバックコントローラ120は、センサキット本体102の内部に設けられる。フィードバックコントローラ120の少なくとも一部がセンサキット本体102の外側に設けられる実施形態も想定される。このような実施形態では、生成されたフィードバック信号の少なくとも一部は、有線接続または無線接続を介して、スピーカ、ディスプレイ、または光などの外部フィードバック装置に送られてもよい。
【0042】
フィードバックコントローラ120は、図1の実施形態では、アクチュエータとしてのディスプレイ122に接続されており、フィードバック信号に基づいて視覚信号を提供するために配置される。ディスプレイ122は、センサキット本体102内に配置されるように描かれている。実施形態において、ディスプレイ122はまた、異なる位置に配置されてもよく、ディスプレイ122は、例えば、スマートフォン、タブレット、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、スマートウォッチ、スマートグラス、又は任意の他のディスプレイのディスプレイであってもよい。
【0043】
フィードバックコントローラ120はまた、特にフィードバックを提供するためのアクチュエータおよび光源として、少なくとも1つ、好ましくはさらに多くのLED-発光ダイオードを含むLEDモジュール124に接続されてもよい。好ましくは、LEDモジュール124は、赤色光源と緑色光源とを含む。赤色光は、比較モジュール116が、1つ以上のスプレージョブパラメータ値が1つ以上の基準パラメータ値または基準間隔に相対して限界外にあると判断する場合に作動させることができる。1つ以上のスプレージョブパラメータ値が、1つ以上の基準パラメータ値または基準間隔に対する境界内にある場合、緑色光を作動させることができる。
【0044】
スプレーガン140の配向を示す配向データを得るために、センサキット100の実施形態は、絶対配向センサ又は相対配向センサ130であってよい配向センサ130を備えることができる。配向センサ130は、磁力計、加速度計、コンパス、ジャイロスコープ、任意の他のセンサ、又はこれらの任意の組合せを備えることができる。配向センサ130は、センサキットの角度、好ましくは水平面に対する角度を測定するように配置される。好ましくは、配向センサは、ノズル146の噴霧方向に垂直な第1の軸にわたって第1の回転φ、噴霧方向に垂直でかつ第1の軸に垂直な第2の軸にわたって第2の回転θ、および噴霧方向に平行な第3の軸にわたって第3の回転ψを示す3つの信号を提供するように配置される。
【0045】
配向データは、スプレーガン140のロール、ヨー及びピッチを示すデータを含むことができる。ハウジング本体102はスプレーガン140に強固に接続されていることが好ましいので、配向センサ130のロール、ヨー、ピッチは、スプレーガン140のロール、ヨー、ピッチに実質的に対応してもよいし、スプレーガン140のロール、ヨー、ピッチに少なくとも変換されてもよい。配向センサ130の任意の出力パラメータまたはパラメータは、任意の噴霧ジョブパラメータと見なされてもよい。
【0046】
これに加えてまたはこれに代えて、配向センサ130は、基準面に対する配向センサの少なくとも1つの角度を決定するように構成される。基準面は、例えば、水平面、垂直面、またはコーティング142が適用される表面144を表す面であってもよい。
【0047】
スプレーガン140の移動を示す移動データを取得するために、センサキット100の実施形態は、移動センサの一例としての加速度計132を備えることができる。加速度計132は、3方向の加速度を示す3つの信号を供給するように構成されることが好ましい。好ましい実施形態では、第1の加速度は、第1の方向xと、第2の方向yと、第3の方向zとで測定される。より好ましい実施形態では、各方向は、上述のように回転軸に平行である。例えば、第1の方向は、第1の軸に平行であり、第2の方向は、第2の軸に平行であり、第3の方向は、第3の軸に平行であるが、他のオプションも想定され得る。
【0048】
移動データは、1つ以上の方向におけるスプレーガン140の速度及び/又は加速度を示すデータを含むことができる。ハウジング本体102はスプレーガン140に強固に接続されていることが好ましいので、移動センサ132の速度及び/又は加速度は、スプレーガン140の速度及び/又は加速度に実質的に対応することができるか、又は少なくともスプレーガン140の速度及び/又は加速度に変換することができる。スカラーまたはベクトルのいずれかとしての速度および加速度の1つ以上が、任意のスプレージョブパラメータとして考慮されてもよい。
【0049】
オプションとして、図1に示すようなセンサキット100の実施形態は、アクチュエータとしてのスピーカ126、フィードバックコントローラ120に接続された、特にフィードバック信号に基づく音声信号を提供するためのスピーカとして構成される。フィードバック信号に応じて、例えば、オーディオ信号は、ユーザに対する特定のタイプのフィードバックを示すために異なる容積及び/又は周波数を有することができる。
【0050】
更なるオプションとして、図1に示すようなセンサキット100の実施形態は、アクチュエータとしての振動ユニット128、フィードバックコントローラ120に接続されたフィードバック信号に基づいて、特に触覚信号としての振動を提供するための触覚モジュールとを備える。振動は、接続部104を介して、スプレーガン140の使用者によって保持され得るスプレーガン本体141に伝達され得る。したがって、ユーザは、スプレーガン140を保持するとき、振動を感じることができる。
【0051】
さらなるオプションとして、センサキット100の実施形態が想定され、ここで、センサモジュールは、スプレー塗装されるべき表面144の温度を示す温度データを取得するための温度センサを備える。そのような実施形態では、基準パラメータ値は、表面144が有するべき最小温度を含んでもよい。比較モジュールが、表面144の温度が最低温度よりも低いことを示す比較データ信号を提供する場合、ユーザフィードバックモジュールは、表面144の温度が低すぎることをユーザに示すことができる。
【0052】
電気エネルギを必要とするセンサキット100の構成要素に給電するために、センサキット100は、電気エネルギが蓄積され得るバッテリ134を備えることができる。特定の実施形態では、センサキットハウジング102は、例えば、流体がハウジングに入らないようにするため、及び/又は電気部品が塗装ヒュームにさらされるのを防ぐために、実質的に密閉されている。実質的に密閉されていると、バッテリ134を充電するために有線接続を使用すること及び/又は消耗したバッテリを容易に交換することができない場合がある。
【0053】
バッテリ134を充電するための無線充電モジュールとしてのコイル136は、センサキット100によって構成されてもよく、バッテリ134とともにセンサキットハウジング102の内部に配置されてもよい。例えば誘導充電を用いることによって、コイル136を介して電気エネルギーを電池134に供給することができる。この電気エネルギーの移動は無線であるため、ハウジング102内にコネクタを配置する必要はなく、エアゾール内に可燃性コーティング物質を含む可能性のある周囲空気に電気部品を曝さなくてもよい。
【0054】
使用され得る飛行時間センサまたは他の距離センサから受信されたデータを処理する方法の実施形態は、図2に示されるような第1のフローチャート200によって概略的に示され、図1と併せて精緻化されるであろう。本方法はまた、センサキット100の他の実施形態と併せて適用することができ、図1のセンサキット100は、第1のフローチャート200によって示される方法の他の実施形態と併せて使用することができることが理解されよう。フローチャート200の種々の部分を以下に簡単に要約する:
202 起動
204 センサ値を求める
206 前回取得値を取得する
208 基準を決定する
210 得られた値は判定基準に適合しているか。
212 値を中央値集合に含める
214 中央値集合の中央値を決定する
216 集合の最も古い値を破棄する
218 平均集合の中央値を含む
220 平均集合で平均を決定する
222 平均をベース値とする
224 平均集合で最も古い値を破棄する
【0055】
手順は、ターミネータ202で開始し、ステップ204でセンサからセンサ値を取得することによって進む。センサ値は、直接実際の距離値であってもよいが、実際の距離を示す別の値であってもよい。ステップ206で、1つまたは複数の事前に得られた値が、それが格納されている装置によって構成される電子メモリから得られ、値は、好ましくは妥当に得られる値、その中央値、その平均、それに基づく別のプロセス値、またはその組み合わせである。
【0056】
ステップ208では、妥当性基準が決定される。妥当性基準は、予め決定された値または動作としてメモリから検索されてもよい。操作として、基準は、平滑化フィルタまたは中間フィルタのようなフィルタであってもよい。値としては、絶対値または相対値であってもよく、得られた値に対する相対値、以前に得られた値、または1つ以上の以前に得られた値に基づく値、パーセントであってもよい。
【0057】
値はまた、飛行時間センサまたは他の距離センサのサンプリングレートに基づいてもよい。そのように、基準は、スプレーガン140が特定の最大速度のみで移動できることであり得る。もし、前に得られた距離値と、サンプル間の時間周期とに基づいて、スプレーガン140が、あまりにも高い速度で移動したと思われる場合には、その基準は、得られた値が妥当ではないということであり、車体部分144の表面ではなく、コーティング流体の液滴を測定することによって引き起こされる可能性がある。妥当性基準は、装置によって構成される電子メモリに格納されることが好ましい。
【0058】
ステップ210で、得られた値が、ステップ208で得られた、または決定された基準に対して評価される。得られた値が、評価に基づいて、妥当でないと判断される場合、得られた値は、ステップ232で破棄され、プロセスはステップ204に戻る。
【0059】
得られた値が有効であるとみなされる場合、手順はステップ212に進み、有効であるとみなされる値が中央値集合に含まれる。ステップ214で、中央値集合内の値の中央値が決定され、この値が返される。続いて、スライディングウィンドウを作成するために、ステップ216において中央値集合内の最も古い値が破棄される。非スライディングウィンドウを有する実施形態では、値は破棄されず、集合がフルになるまで、および中央値-または平均または他の値-を決定した後、処理された値が戻された後、フル集合は破棄される。
【0060】
ステップ218で、中央値が平均集合に含まれる。ステップ220では、平均集合内の値の平均が求められ、ステップ222で結果として得られる値が、センサと車体部分144の表面との間の距離、およびそのようにして、ノズル146と車体部分144との間の距離を示すベース値として提供される。中央値に基づいて平均を計算することは任意であり、順序は逆であってもよい。続いて、スライディングウィンドウアプローチが使用され、プロセスがステップ204に分岐する場合、集合内の最も古い値はステップ224で破棄される。
【0061】
ベース値は、特にセンサキット100および比較モジュール116によるさらなるデータ処理のために使用される。比較モジュールにおいて、センサモジュール106と表面144との間の距離に対するベース値は、例えば図1に関連して上述したように、距離に対する基準パラメータ値と比較されるスプレージョブパラメータ値として用いられる。
【0062】
使用され得る飛行時間センサまたは他の距離センサから受信されたデータを処理する方法の別の例は、図3に示されているような第1のフローチャート300によって概略的に示されており、図1と関連して詳述される。本方法はまた、センサキット100の他の実施形態と併せて適用することができ、図1のセンサキット100は、第2のフローチャート300によって描かれる方法の他の実施形態と併せて使用することができることが理解されよう。第2のフローチャート300の種々の部分は、以下に簡潔に要約される:

302 手順開始
304 距離値を得る
306 取得値を集合に含める
308 集合フル?
310 基準を得る
312 最高値を決定する
314 値の最高値を選択する
316 中央値を決定する
318 値出力
320 集合破棄
【0063】
この手順は、ターミネータ302で開始し、ステップ304に進み、上述したように、距離値が得られる。ステップ306で、距離値は、装置によって構成される電子メモリに記憶される集合に含まれる。ステップ308で、集合がまだいっぱいでないと判断されると、ステップ304で別の距離値が得られ、ステップ306で集合に含まれる。集合がフルであると決定された場合、手順はステップ308からステップ310に進む。310で、集合に含まれる値が距離センサと車体部分との間の距離に関する有効な値であるか否かを決定するために、装置によって構成される電子メモリから基準が得られる。
【0064】
距離基準は、図2および第2のフローチャートに関連して上述されたように得られてもよい。これに代えて又はこれに加えて、基準は、集合内の最高値10%の中に有効な値が存在することになっていること、又は、集合内の最高値の10%以内の値が有効な値であることとして定義することができる。10%の代わりに、1%、2%、3%、4%、5%、7%、8%、15%などの値、またはその他の相対マージンを使用することもできます。
【0065】
ステップ312で、基準を満たしていると判断された値が選択され、集合内の他の値が破棄または保持されてもよい。ステップ314では、有効と判断された値の中央値が決定される。代替的または付加的に、平均が得られる。別の代替案では、基準評価はスキップされ、集合内のすべての値の中央値が、中央値を有効として選択するための基準として適用される。そのように、集合の中央値、集合内の値の平均値、または別のフィルタリング値の結果、好ましくは、中央値フィルタまたはLULUフィルタのような平滑化フィルタを使用し、出力で使用してもよい。
【0066】
ベース値は、特にセンサキット100および比較モジュール116によるさらなるデータ処理のために使用される。比較モジュールにおいて、センサモジュール106と表面144との間の距離に対するベース値は、例えば図1に関連して上述したように、距離に対する基準パラメータ値と比較されるスプレージョブパラメータ値として用いられる。
【0067】
ステップ318で、固定ウインドウ処理アルゴリズムを使用する場合に集合を破棄する。加えて、または代替として、図2の第1のフローチャート200と関連して論じられるように、移動ウィンドウが、処理のために使用されてもよく、続いて、手順は、ステップ304に分岐する。
【0068】
種々の態様およびオプションは、データを提供する距離センサおよびそのデータの処理に関する。コーティング流体を表面に適用するためのスプレーガン間の距離を決定するために、距離センサをスプレーガン上に配置することができる。センサは、スプレーガンと表面との間の距離に関連する値を提供するが、スプレーガンとエアゾール粒子との間の距離に関連する値も提供する。これらのすべての値から、受け取った値が距離許容基準によって表面までの距離に対して有効であるかどうかをチェックすることによって、スプレーガンと表面の間の距離が推定される。距離許容基準は、以前の値に基づいてもよい。集合の中で基準を満たす値は、例えば中央値または平均を提供することによって、表面までの距離の推定値を提供するために使用される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】