(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】医療用デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/29 20060101AFI20240521BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20240521BHJP
B23K 26/34 20140101ALI20240521BHJP
B23H 9/00 20060101ALI20240521BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240521BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20240521BHJP
B22F 10/66 20210101ALI20240521BHJP
B22F 10/62 20210101ALI20240521BHJP
【FI】
A61B17/29
B23K26/21 Z
B23K26/34
B23H9/00 Z
B33Y80/00
B22F10/28
B22F10/66
B22F10/62
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565522
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 US2022026259
(87)【国際公開番号】W WO2022232081
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ライアン、リアム
(72)【発明者】
【氏名】イングリッシュ、ジェームズ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ハノン、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】オルーク、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミリギアン、マーク デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】スカッティ、ジェームズ ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3C059
4C160
4E168
4K018
【Fターム(参考)】
3C059AA01
3C059AB05
4C160GG23
4C160NN09
4E168BA35
4E168BA81
4K018AA06
4K018AA07
4K018AA33
4K018BA03
4K018BA04
4K018BA17
4K018BD10
4K018FA06
4K018FA14
4K018HA10
4K018KA70
(57)【要約】
医療用デバイスは、操作部材と、ハブと、エンドエフェクタとを含む。操作部材は、作動部分を含む。ハブは、操作部材の作動部分を受け入れるチャネルを含む。操作部材の作動部分はチャネル内で移動する。エンドエフェクタは、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能である。操作部材の遠位延在により、エンドエフェクタを開放形態に遷移させ、操作部材の近位後退により、エンドエフェクタを閉鎖形態に遷移させる。医療用デバイスは、付加製造プロセスによって形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動部分を含む操作部材と、
前記操作部材の前記作動部分を受け入れるチャネルを含むハブであって、前記操作部材の前記作動部分が前記チャネル内に移動する前記ハブと、
閉鎖形態と開放形態との間で移動可能であるエンドエフェクタとを備える医療用デバイスであって、
前記操作部材の遠位延在により、前記エンドエフェクタを開放形態に遷移し、
前記操作部材の近位延在により、前記エンドエフェクタを閉鎖形態に遷移し、
前記医療用デバイスが、付加製造プロセスによって形成される
前記医療用デバイス。
【請求項2】
前記エンドエフェクタが、第1のアームと、第2のアームとを含み、前記第1のアーム及び前記第2のアームの各々が、前記作動部分と相互作用するように前記ハブ内に延在する制御部分を含む、請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項3】
前記第1のアーム及び前記第2のアームの前記制御部分がそれぞれ、延在面と、前記延在面からオフセットされた後退面とを含む、請求項2に記載の医療用デバイス。
【請求項4】
前記ハブが、複数のくぼみを含み、前記制御部分が、前記ハブ内に前記制御部分を枢動可能に保持するように前記複数のくぼみ内に複数の延在部を含む、請求項2又は3に記載の医療用デバイス。
【請求項5】
前記作動部分の遠位部分が、互いからオフセットされる2つのプロングを含み、各プロングが、延在面と、後退面と、傾斜面と、開口部とを含む、請求項3又は4に記載の医療用デバイス。
【請求項6】
前記作動部分の遠位延在により、1つのプロングの前記延在面を前記第1のアーム及び前記第2のアームのうちの一方の前記延在面に接触させて、前記第1のアーム及び前記第2のアームのうちの一方を前記開放形態に遷移させ、前記作動部分の近位後退により、前記1つのプロングの前記後退面を前記第1のアーム及び前記第2のアームのうちの他方の前記後退面に接触させて、前記第1のアーム及び前記第2のアームのうちの他方を前記閉鎖形態に遷移させる、請求項5に記載の医療用デバイス。
【請求項7】
前記第1のアーム及び前記第2のアームの前記後退面が、前記開放形態において、複数のプロング内の複数の開口部内に配置される、請求項5又は6に記載の医療用デバイス。
【請求項8】
前記操作部材が、リング部分を含み、前記ハブが、前記リング部分に当接して前記操作部材の近位移動及び遠位移動を制限するように構成される近位停止面及び遠位停止面を有する拡大チャネル部分を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項9】
前記操作部材が、前記医療用デバイスを駆動要素に連結するように構成されるねじ付き連結部分を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項10】
前記医療用デバイスが金属で形成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項11】
前記付加製造プロセスは、構築プラットフォーム上に材料の連続層を堆積することと、前記医療用デバイスを形成するように複数の層の一部分を選択的に焼結することとを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項12】
選択的な焼結が、レーザ光源を用いて実行される、請求項11に記載の医療用デバイス。
【請求項13】
前記付加製造プロセスが、1つ以上の支持構造体を形成することと、ワイヤ放電加工プロセスを使用して前記1つ以上の支持構造体を前記医療用デバイスから分離することとを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項14】
前記医療用デバイスが、前記1つ以上の支持構造体の分離後に、1つ以上の後処理手順を受ける、請求項13に記載の医療用デバイス。
【請求項15】
前記医療用デバイスが、約1cmの長さである、請求項1~14のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な態様は、一般に、体内の組織又は他の物質を操作又は治療するための医療用デバイス及び方法に関する。特に、本開示の態様は、開放形態と閉鎖形態との間で移動可能なエンドエフェクタを含むデバイスを製造及び/又は使用するための医療用デバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病理学的疾患の存在を決定するために、組織サンプル又は他の物質がよく検査される。内視鏡用生検鉗子は、分析のために人体からサンプルを採取するために、内視鏡と共に使用され得る。多くの場合、標準的な鉗子ジョーを使用してアクセスすることが困難な位置(例えば、曲がりくねった胆管経路を介してのみアクセス可能な領域からの組織)において体内の深部からサンプルを取得しなければならない。さらに、送達デバイス(例えば、内視鏡)又はサンプル部位は、組織にアクセスするために使用され得る鉗子のサイズを制限し得る。加えて、鉗子(及び他のエンドエフェクタ)は、多くの場合、複雑なプロセスによって組み立てられる必要がある、複数の小さな個別の別々に製造された部品又は構成要素を含むため、鉗子ジョーの製造及び/又は組み立ては、費用がかかる、及び/又は時間集約的手順であり得る。これらの懸念は、医療処置の期間、費用、及びリスクを増加させ得る。本開示のデバイス及び方法は、上記で記載される欠陥のうちのいくつかを是正し得るか、又は当該技術分野の他の態様に対処し得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の例は、特に、1つ以上の医療処置のためのエンドエフェクタを製造又は使用するためのデバイス及び方法に関する。本明細書で開示される例の各々は、他の開示される例のいずれかに関連して記載される特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0004】
一実施例では、医療用デバイスは、操作部材と、ハブと、エンドエフェクタとを含んでもよい。操作部材は、作動部分を含んでもよい。ハブは、操作部材の作動部分を受け入れるチャネルを含むことができる。操作部材の作動部分は、チャネル内で移動することができる。エンドエフェクタは、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能であってもよい。操作部材の遠位延在は、エンドエフェクタを開放形態に遷移させてもよく、操作部材の近位後退は、エンドエフェクタを閉鎖形態に遷移させてもよい。医療用デバイスは、付加製造プロセスによって形成されてもよい。
【0005】
医療用デバイスは、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。エンドエフェクタは、第1のアームと第2のアームとを含んでもよく、第1のアーム及び第2のアームの各々は、作動部分と相互作用するようにハブ内に延在する制御部分を含んでもよい。第1及び第2のアームの制御部分はそれぞれ、延在面と、延在面からオフセットされた後退面とを含んでもよい。ハブはくぼみを含んでもよく、制御部分は、ハブ内に制御部分を枢動可能に保持するために、くぼみ内に延在部を含んでもよい。作動部分の遠位部分は、互いからオフセットされた2つのプロングを含んでもよく、各プロングは、延在面、後退面、傾斜面、及び開口部を含んでもよい。作動部分の遠位延在により、1つのプロングの延在面を第1及び第2のアームのうちの一方の延在面に接触させて、第1及び第2のアームのうちの一方を開放形態に遷移させてもよい。作動部分の近位後退により、一方のプロングの後退面を第1及び第2のアームの他方の後退面に接触させてもよく、第1及び第2のアームの他方を閉鎖形態に遷移させてもよい。第1及び第2のアームの後退面は、開放形態において、複数のプロング内の複数の開口部内に配置されてもよい。操作部材はリング部分を含むことができ、ハブは、操作部材の近位及び遠位移動を制限するためにリング部分に当接するように構成された近位及び遠位停止面を有する拡大チャネル部分を含むことができる。
【0006】
操作部材は、医療用デバイスを駆動要素に連結するように構成されたねじ付き連結部分を含むことができる。医療用デバイスは、金属で形成されてもよい。付加製造プロセスは、構築プラットフォーム上に材料の連続層を堆積させることと、複数の層の一部分を選択的に焼結して医療用デバイスを形成することとを含み得る。選択的焼結は、レーザ光源を用いて行われてもよい。付加製造プロセスは、1つ以上の支持構造体を形成することと、ワイヤ放電加工プロセスを使用して、1つ以上の支持構造体を医療用デバイスから分離することとを含んでもよい。医療用デバイスは、1つ以上の支持構造体の分離後に、1つ以上の後処理手順を受けてもよい。医療用デバイスは、約1cmの長さであってもよい。
【0007】
別の態様では、医療用デバイスは、操作部材と、ハブと、第1のアームと、第2のアームとを含んでもよい。操作部材は、作動部分を含んでもよい。作動部分の遠位部分は、互いからオフセットされた2つのプロングを含んでもよく、各プロングは、延在面及び後退面を含んでもよい。ハブは、操作部材の作動部分を受け入れるチャネルを含んでもよく、操作部材の作動部分は、チャネル内で移動してもよい。第1のアーム及び第2のアームは、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能であってもよい。第1のアーム及び第2のアームの各々は、操作部材の作動部分と相互作用するようにハブ内に延在する制御部分を含んでもよい。第1及び第2のアームの制御部分はそれぞれ、延在面と、延在面からオフセットされた後退面とを含んでもよい。作動部分の遠位延在により、1つのプロングの延在面を第1及び第2のアームのうちの一方の延在面に接触させてもよく、第1及び第2のアームのうちの一方を開放形態に遷移させてもよい。作動部分の近位後退により、一方のプロングの後退面を第1及び第2のアームの他方の後退面に接触させてもよく、第1及び第2のアームの他方を閉鎖形態に遷移させてもよい。
【0008】
医療用デバイスは、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。2つのプロングの各々は、後退面の近位に配置される開口部を含んでもよく、第1及び第2のアームの後退面は、開放形態において複数のプロング内の複数の開口部内に配置されてもよい。操作部材は、リング部分と、医療用デバイスを駆動要素に連結するように構成された連結部分とを含むことができる。ハブは、操作部材の近位及び遠位移動を制限するためにリング部分に当接するように構成された近位及び遠位停止面を有する拡大チャネル部分を含むことができる。医療用デバイスは、付加製造プロセスによって金属材料から形成されてもよい。
【0009】
さらに別の態様では、医療用デバイスを操作する方法は、医療用デバイスを治療部位に送達することを含んでもよい。医療用デバイスは、操作部材と、ハブと、第1のアームと、第2のアームとを含んでもよい。操作部材は、作動部分を含んでもよい。作動部分の遠位部分は、互いからオフセットされた2つのプロングを含んでもよく、各プロングは、延在面及び後退面を含んでもよい。ハブは、操作部材の作動部分を受け入れるチャネルを含むことができる。操作部材の作動部分は、チャネル内で移動することができる。第1のアーム及び第2のアームは、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能であってもよい。第1のアーム及び第2のアームの各々は、作動部分と相互作用するようにハブ内に延在する制御部分を含んでもよい。第1及び第2のアームの制御部分はそれぞれ、延在面と、延在面からオフセットされた後退面とを含んでもよい。本方法はまた、第1のアーム及び第2のアームを開放形態に遷移させることを含んでもよい。第1のアーム及び第2のアームを開放形態に遷移させることは、1つのプロングの延在面が第1及び第2のアームのうちの一方の延在面に接触し、第1及び第2のアームのうちの一方を開放形態に遷移させるように、操作部材を遠位に延在させることを含んでもよい。本方法はさらに、第1のアーム及び第2のアームを閉鎖形態に遷移させることを含んでもよい。第1のアーム及び第2のアームを閉鎖形態に移行させることは、一方のプロングの後退面が第1及び第2のアームのうちの他方の後退面に接触し、第1及び第2のアームのうちの他方を閉鎖形態に遷移させるように、操作部材を近位に後退させることを含んでもよい。
【0010】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は両方とも、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な態様を示し、説明とともに本開示の原理を説明する役割を果たす。
【
図1】本開示の態様による、例示的な医療用デバイスの斜視図を示す。
【
図2A】本開示の態様による、異なる構成における
図1の医療用デバイスの側面図を示す。
【
図2B】本開示の態様による、異なる構成における
図1の医療用デバイスの側面図を示す。
【
図3】本開示の態様による、製造の中間段階における
図1の医療用デバイスの側面図を示す。
【
図4A】本開示の態様による、医療用デバイスの一部分が透明である、
図1の医療用デバイスの異なる図を示す。
【
図4B】本開示の態様による、医療用デバイスの一部分が透明である、
図1の医療用デバイスの異なる図を示す。
【
図4C】本開示の態様による、医療用デバイスの一部分が透明である、
図1の医療用デバイスの異なる図を示す。
【
図5A】本開示の態様による、医療用デバイスの一部分が透明の状態である、使用の異なる段階における
図1の医療用デバイスの一部の側面図を示す。
【
図5B】本開示の態様による、医療用デバイスの一部分が透明の状態である、使用の異なる段階における
図1の医療用デバイスの一部の側面図を示す。
【
図5C】本開示の態様による、医療用デバイスの一部分が透明の状態である、使用の異なる段階における
図1の医療用デバイスの一部の側面図を示す。
【
図5D】本開示の態様による、医療用デバイスの一部分が透明の状態である、使用の異なる段階における
図1の医療用デバイスの一部の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
用語「近位」及び「遠位」は、本明細書では、例示的な医療用システム及び例示的な医療用デバイスの構成要素の相対位置を示すために使用される。本明細書で使用される場合、「近位」は、身体の外部に比較的近い位置、又は医療用システム又は医療用デバイスを使用する医療専門家により近い位置を示す。対照的に、「遠位」は、医療用システム又は医療用デバイスを使用する医療専門家から比較的遠く離れた位置、又は身体の内部により近い位置を示す。本明細書で使用される場合、用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、又はそれらの他の変形は、要素のリストを備えるシステム、デバイス、又は方法が、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない、又はそれらに固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含を対象とすることが意図される。別段の定めがない限り、用語「例示的」は、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。本明細書で使用される場合、用語「約」、「実質的に」、及び「およそ」は、述べられた値の+/-10%以内の値の範囲を示す。
【0013】
本開示の例は、医療処置の有効性、効率、及び/又は安全性を促進及び/又は改善するためのデバイス及び方法を含む。本開示の実施形態は、大腸(結腸)、小腸、盲腸、食道、胃、胃腸管の任意の他の部分、腎臓又は尿路の他の部分、心臓、肺、及び/又は任意の他の適切な患者の解剖学的構造の様々な医療処置及び/又は治療部分を行うためのデバイス及び方法に関し得る。本明細書に記載される様々な実施形態は、単回使用すなわち使い捨て医療用デバイスを含む。本開示のいくつかの態様は、内視鏡、関節鏡、気管支鏡、尿管鏡、結腸鏡、又は他の種類の処置を行う際に使用されてもよい。例えば、開示された態様は、十二指腸内視鏡、気管支鏡、尿管鏡、結腸鏡、カテーテル、診断又は治療ツール又はデバイス、又は他の種類の医療用デバイスと共に使用され得る。本明細書で議論される1つ以上の要素は、金属、プラスチックであり得るか、又は形状記憶金属(例えば、ニチノール)、形状記憶ポリマー、ポリマー、もしくは生体適合性物質の任意の組み合わせを含み得る。
【0014】
ここで、上述され、添付の図面に示される本開示の例を詳細に参照する。可能な限り、同一又は同様の部分を示すために、図面全体を通して同一の参照番号が使用される。本明細書で議論される医療用デバイスの1つ以上の態様は、本明細書で議論される他の医療用デバイスの1つ以上の態様と組み合わせられ、及び/又はそれらと共に使用されてもよいことに留意されたい。
【0015】
図1は、開放形態における例示的な医療用デバイス10の斜視図を示す。医療用デバイス10は、エンドエフェクタ、例えば、遠位端における鉗子12と、近位端における操作部材14と、鉗子12と操作部材14とを連結するハブ16とを含む。鉗子12は、第1のアーム18Aと第2のアーム18Bとを含む。操作部材14は、連結部分20と作動部分22とを含む。操作部材14の移動(例えば、医療用デバイス10の長手方向の軸線Aに沿って遠位又は近位に)により、閉鎖形態(
図2A)と開放形態(
図2B)との間で鉗子12のアーム18A及びアーム18Bを遷移させる。本明細書で議論される例では、医療用デバイス10は、3次元印刷又は付加製造プロセスによって形成される。
【0016】
鉗子12のアーム18A及びアーム18Bは、複数の歯24A及び24Bを含んでもよく、これらの歯は、アーム18A及びアーム18Bの各々の内面上の複数の延在部及びくぼみ(山谷)によって形成される。アーム18A及びアーム18Bはまた、例えば、アーム18A及びアーム18Bの各々の近位端及び/又は遠位端に、歯のない部分を含み得る。さらに、アーム18A及びアーム18Bはそれぞれ、ハブ16内に延在する近位制御部分26A及び近位制御部分26Bを含む。例えば、ハブ16は複数の遠位開口部28を含み、制御部分26A及び制御部分26Bは、それぞれの遠位開口部28を通って延在する。以下に議論するように、制御部分26A及び制御部分26Bは、作動部分22と相互作用して、アーム18A及びアーム18Bの開放及び閉鎖を制御することができる。これらの態様では、アーム18A及びアーム18Bは、実質的に同一であるが、鏡像であってもよい。さらに、図示されていないが、いくつかの態様では、アーム18A及びアーム18Bのうちの1つ以上は、1つ以上の排水孔を含むことができる。1つ以上の排水孔は、歯24A及び24Bのうちの1つ以上を通って、例えば、アーム18A及びアーム18Bの内面からアーム18A及びアーム18Bの外面まで延在してもよい。1つ以上の排水孔は、流体が鉗子12から排水されるか、さもなくば、流出することを可能にするのに役立ち得る。これらの態様では、1つ以上の排水孔は、医療用デバイス10の形成中、例えば、3次元印刷又は付加製造プロセス中に形成されてもよい。
【0017】
操作部材14は、駆動要素(例えば、駆動ワイヤ)を医療用デバイス10に連結するように構成されてもよい。例えば、示すように、連結部分20は、例えば、駆動要素を操作部材14に連結するためのねじ切りを含み得る。しかし、本開示はそのように限定されず、連結部分20は、他の又は追加の連結機構、例えば、圧入又はスナップフィット連結を形成するための開口部を含んでもよい。また、図示しないが、連結部分20は、はんだ付けや溶接等により駆動要素に連結されてもよい。さらに、図示されていないが、シース又はチューブがハブ16に連結されてもよい(例えば、ハブ16の近位部分に連結されてもよい)。例えば、シースは、接着剤によってハブ16に連結されてもよい。この態様では、ハブ16の外面の1つ以上の部分は、シースのハブ16への接着に役立ち得る格子構造及び/又は粗面を含むことができる。このようにして、駆動要素は、例えば、ハブ16に対する操作部材14の移動を制御するために、近位ハンドルを介してシースに対して(例えば、シースのルーメン内で)移動可能であってもよい。
【0018】
作動部分22は、実質的に円筒形であってもよく、連結部分20の遠位に延在する。作動部分22は、ハブ16内の近位開口部(図示無し)を通って延在してもよく、アーム18A及びアーム18Bの位置を制御するためにハブ16に対して(近位及び/又は遠位に)移動可能であってもよい。例えば、作動部分22の遠位部分は、アーム18A及びアーム18Bの制御部分26A及び制御部分26Bと相互作用して、アーム18A及びアーム18Bの開放及び/又は閉鎖を制御し得る。さらに、作動部分22は、1つ以上の表示30を含むことができ、これは、例えば、治療部位に配置された視覚化デバイス(例えば、カメラ)を介して、ユーザがハブ16に対する作動部分22の位置を視覚化するのに役立ち得る。作動部分22上の表示(複数可)30の位置は、
図2A及び2Bに示すように、鉗子12の構成を示し得る。いくつかの態様では、表示(複数可)30は、放射線不透過性であってもよく、ひいては、患者の外部でX線又は他の視覚化デバイスを介して視覚化されてもよい。
【0019】
上述したように、ハブ16は鉗子12及び操作部材14の一部を包囲している。ハブ16は、アーム18A及びアーム18Bの制御部分26A及び制御部分26Bを受け入れるための複数の遠位開口部28を含む。さらに、図示されていないが、ハブ16は、作動部分22の一部を受け入れるための近位開口部を含む。近位開口部及び複数の遠位開口部28は、ハブ16内で接続されて、ハブ16内にチャネル32(
図4A及び4B)を形成する。チャネル32の1つ以上の部分は、略円筒形であってもよい。作動部分22は、チャネル32の一部分内で移動可能であり、制御部分26A及び制御部分26Bは、チャネル32の遠位部分内に枢動可能に把持又は保持され得る。
【0020】
図2Aは、閉鎖形態の医療用デバイス10を示し、
図2Bは、開放形態の医療用デバイス10を示す。
図2Aでは、操作部材14、ひいては、作動部分22は、ハブ16に対して近位に後退した位置にある。従って、鉗子12のアーム18A及びアーム18Bは、閉鎖形態にあり、例えば、アーム18Aの歯24Aは、アーム18Bの歯24Bと接触又は近接している。
図2Bでは、操作部材14、ひいては、作動部分22は、ハブ16に対して遠位に延在した位置にあり、例えば、作動部分22の大部分がハブ16内に延在している。従って、鉗子12のアーム18A及びアーム18Bは、開放形態にあり、例えば、アーム18Aの歯24Aは、アーム18Bの歯24Bから空間を隔てて離れている。図示されていないが、医療用デバイス10は、1つ以上のばねすなわち付勢要素(例えば、ハブ16の内部又は近位ハンドル(図示無し)内)を含んでもよく、これは、医療用デバイス10を閉鎖形態に向かって又は開放形態に向かって付勢してもよい。
【0021】
図3に示すように、医療用デバイス10は、3次元印刷又は付加製造プロセスによって形成されてもよい。例えば、材料の複数の層(例えば、約5ミクロン~約50ミクロンの厚さ、例えば、約25ミクロンの厚さの層)は、構築プラットフォーム(図示無し)上に堆積されてもよく、複数の層の一部分は、医療用デバイス10を形成するために選択的に焼結されてもよい。複数層の一部分は、レーザ光源を使用して焼結されてもよい。材料の複数の層は、医療用デバイス10の3次元モデル(例えば、3D CADモデル)及びスライシングソフトウェアを使用して決定されてもよい。この態様では、粉末(例えば、金属粉末)の複数の層は、構築プラットフォームに連続的に塗布されてもよく、各層の一部分は、粉末を固化するために(例えば、レーザ光源を用いて)溶融されてもよく、任意選択的に、層の一部分を下の層に固着させることができる。レーザ光源は、特定の層ごとに部品形状を規定する1つ以上の位置において、構築プラットフォーム上でのみ発射する。さらに、レーザ光源は、部品形状を規定しない層の他の部分(複数可)、例えば、その層内に空洞を形成する層の一部分(複数可)を溶融するために発射しない。部品形状を規定しない層の一部分(複数可)は、粉末として残る。粉末は、後処理中に部品から除去されてもよい。
【0022】
さらに、1つ以上の犠牲構造体すなわち支持構造体34は、形成プロセス中に医療用デバイス10の一部分を支持するのに役立つように構築され得る。例えば、
図3に示すように、1つ以上の犠牲構造体すなわち支持構造体34を含む医療用デバイス10は、構築プラットフォーム上に垂直に構築されてもよい。1つ以上の支持構造体34の位置及び/又はサイズは、スライシングソフトウェアによって決定及び実装されてもよい。例えば、支持構造体34は、鉗子12のアーム18A及びアーム18Bを支持するのに役立つように形成され得る。次に、支持構造体34は、形成プロセスの後に、例えば、ワイヤ放電加工プロセスによって、鉗子12から分離され得る。図示されていないが、追加の支持構造体が、形成プロセス中に操作部材14、ハブ16などの連結部分20及び作動部分22を支持してもよく、形成後に除去されてもよい。1つ以上の支持構造体34の分離はまた、複数の構成要素が互いに対して移動可能であるように、複数の構成要素を(例えば、アーム18A及びアーム18Bをハブ16から)分離するのに役立ち得る。
【0023】
医療用デバイス10は、生体適合性金属材料(例えば、ステンレス鋼、チタンなど)から形成され得る。この態様では、金属粉末の複数の層を構築プラットフォーム上に堆積させ、選択的に焼結させて医療用デバイス10の複数の層を形成することができる。1つ以上の支持構造体34は、同じ金属材料で形成されてもよく、又は別の材料で形成されてもよい。さらに、1つ以上の表面処理又は後処理技術又は手順(例えば、電解研磨、化学エッチングなど)が、例えば、支持構造体(複数可)34から分離した後の医療用デバイス10の表面を滑らかにするために、医療用デバイス10上で行われてもよい。従って、一旦医療用デバイス10が形成されると、支持構造体34が医療用デバイス10から除去され、かつ任意の後処理手順が行われた後に、医療用デバイス10は、駆動要素、シース、ハンドル等への接続を除いて、使用の準備ができており、追加の組み立てを必要としなくてもよい。従って、組み立てを必要とする複数の小さな個別の別々に製造された部品を有する典型的なエンドエフェクタとは異なり、医療用デバイス10は、医療用デバイス10を複数の制御要素(例えば、駆動ワイヤ及びシース)に取り付ける以外の組み立てを必要としない。
【0024】
さらに、3次元印刷又は付加製造プロセスによって形成される医療用デバイス10に基づいて、医療用デバイス10は、鉗子を含む典型的な医療用デバイス又はエンドエフェクタよりも小さくなり得る。例えば、上述したように、医療用デバイス10の一部分が、医療用デバイス10の他の部分に接続されるか、さもなくば、連結される必要はない。この態様では、医療用デバイス10が、約7cm以下の長さ、例えば、約5cmの長さ、約3cmの長さ、約2cmの長さ、又は約1cmの長さ(例えば、約11mmの長さ)であってもよい。医療用デバイス10は、約10mm以下の幅、例えば、約5mmの幅、約2~3mmの幅、又は約2.4mmの幅であってもよい。加えて、開放形態では、鉗子12のアーム18A及びアーム18Bは、約6mm~12mmの幅、例えば、約9mmの幅である開口部(例えば、アーム18Aの遠位端とアーム18Bの遠位端との間)を形成してもよい。
【0025】
図4A~4Cは、ハブ16が透明であるように示された医療用デバイス10の異なる図である。
図4Aは、医療用デバイス10の側面図であり、鉗子12のアーム18A及びアーム18Bを示す。
図4Bは、例えば、医療用デバイス10がその長手方向の軸線A(
図1)に沿って約90度回転された状態の医療用デバイス10の平面図であり、アーム18Bがアーム18Aによって遮られたときの鉗子12のアーム18Aを示す。
図4Cは、
図4Bの一部の拡大図である。
【0026】
図4A~4Cに示すように、アーム18A及びアーム18Bはそれぞれ、ハブ16内に配置された制御部分26A及び制御部分26Bを含む。制御部分26A及び制御部分26Bは、長手方向の軸線Aに垂直な方向に医療用デバイス10の中心からオフセットされる(例えば、
図4A及び
図5A~5Dにおいて、水平方向にオフセットされる、及び/又はページ内にオフセットされる)。例えば、
図4A及び
図5A~5Dに示すように、制御部分26Bは、制御部分26Aの一部の上方及び左にある。制御部分26A及び制御部分2Bは、アーム18A及びアーム18Bを閉鎖形態と開放形態との間で遷移させるように(作動部分22からの作用を介して)枢動可能である。上述したように、作動部分22はハブ16内に延在している。作動部分22は、アーム18A及びアーム18Bを閉鎖形態と開放形態との間で遷移させるように制御部分26A及び制御部分26Bに接触して移動させるように構成された遠位端40を含む。遠位端40及び制御部分26A及び制御部分26Bは、
図4Cに示すように、チャネル32の遠位部分42において相互作用する。
【0027】
さらに、作動部分22は、半径方向延在部すなわちリング部分44を含み、ハブ16は、近位停止面46Aと遠位停止面46Bとを有する拡大チャネル46を含む。リング部分44は、拡大チャネル46内に配置され、近位停止面46A及び遠位停止面46Bは、ハブ16に対する作動部分22の、ひいては、操作部材14の近位及び遠位の移動を制限する。
【0028】
図4B及び4Cに示すように、医療用デバイス10はまた、包含された円錐形ヒンジ設計を含んでもよい。例えば、ハブ16は、各々が略円錐形状で半径方向外向きに延在する2つのくぼみ48A及びくぼみ48Bを含んでもよい。アーム18A及びアーム18Bの制御部分26A及び制御部分26Bは、延在部50A及び延在部50Bを含んでもよく、これらもまた、略円錐形状を有してもよい。例えば、
図4Bは、遠位開口部28Aを通って延在する制御部分26Aを示す。延在部50A及び延在部50Bは、アーム18A及びアーム18Bの制御部分26A及び制御部分26Bがハブ16内に保持されるように、かつアーム18A及びアーム18Bが閉鎖形態と開放形態との間で枢動することができるように、くぼみ48A及びくぼみ48B内に受け入れられて移動可能であってもよい。
【0029】
さらに、作動部分22の遠位端40は、2つのプロング52A及びプロング52Bを含む。プロング52A及びプロング52Bは、作動部分22とともに移動可能であり、制御部分26A及び制御部分26Bと相互作用して、アーム18A及びアーム18Bを閉鎖形態と開放形態との間で遷移させる。
【0030】
図5A~5Dは、ハブ16内でのアーム18A及びアーム18Bと作動部分22との相互作用のさらなる詳細を示す。
図5Aは、閉鎖形態から開放形態への遷移を示す。例えば、医療用デバイス10は、治療部位に送達されてもよく、作動部分22及びプロング52A及びプロング52Bは、遠位に延在され(垂直矢印によって示すように)、これが、制御部分26A及び制御部分26Bを枢動させ、アーム18A及びアーム18Bを分離及び開放する。作動部分22は、連結部分20に連結された駆動要素の作用を介して遠位に延在され得る。この態様では、制御部分26A及び制御部分26Bはそれぞれ、延在面54A及び延在面54Bと、後退面56A及び後退面56Bとを含む。延在面54Aは、後退面56Aから長手方向の軸線Aに垂直な方向にオフセットされてもよい(例えば、横方向にオフセットされ、
図5A~5Dのページから出る方向にオフセットされる)。この態様では、
図5A~5Dに示すように、延在面54Aは後退面56Aの上方にあってもよい。同様に、延在面54Bは、後退面56Bから長手方向の軸線Aに垂直な方向にオフセットされてもよい(例えば、横方向にオフセットされ、
図5A~5Dのページから出る方向にオフセットされる)。この態様では、
図5A~5Dに示すように、延在面54Bは後退面56Bの下方にあってもよい。
【0031】
プロング52A及びプロング52Bは、長手方向の軸線Aに垂直な方向に互いからオフセットされる(例えば、横方向にオフセットされ、
図5A~5Dのページから出る方向にオフセットされる)。この態様では、
図5A~5Dの側面図に示すように、プロング52Bはプロング52Aの上方にある。プロング52A及びプロング52Bはそれぞれ、延在面58、後退面60、及び傾斜面62を含む。図は、プロング52Bの延在面58、後退面60、及び傾斜面62のみを示す。プロング52Bの延在面58は、長手方向の軸線A(
図1)に対して垂直であってもよく、プロング52Bの延在面58は、アーム18Bを開放形態に向かって枢動させるように、制御部分26Bの延在面54Bに接触し、それに沿って重なってもよい。図示されていないが、プロング52Aの延在面はまた、長手方向の軸線Aに対して垂直であってもよく、アーム18Aを開放形態に向かって枢動させるように、制御部分26Aの延在面に接触し、それに沿って重なってもよい。アーム18A及びアーム18Bと同様に、プロング52Bは、プロング52Aの鏡像であってもよく、又は逆の配置を有してもよい。
【0032】
図5Bは、開放形態の医療用デバイス10を示す。示すように、リング部分44は、遠位停止面46Bに当接するか、又はそれに近接してもよく、アーム18A及びアーム18Bは、分離される。さらに、延在面58からある角度で近位に延在する傾斜面62は、延在面54Bの全体又は相当する部分に沿って、アーム18Bの制御部分26Bの延在面54Bと接触してもよい。図示されていないが、プロング52Aの延在面は、アーム18Aの制御部分26Aの延在面と接触していてもよい。さらに、アーム18Aの後退面56Aは、プロング52Bの開口部64内(例えば、後退面60の近位)に配置されてもよい。示すように、後退面60は、延在面58の近位に配置され、制御部分26Aの後退面56Aに対応する(例えば、合致及び/又は当接する)ように構成される角度で延在する。さらに、図示されていないが、アーム18Bの後退面56Bは、プロング52Aの開口部内に配置され得る。
【0033】
図5Cは、例えば、治療部位において組織又は他の物質を捕捉するか、さもなくば、治療するための、開放形態から閉鎖形態への遷移を示す。例えば、作動部分22及びプロング52A及びプロング52Bは、近位に後退させられ(垂直矢印によって示すように)、これは、アーム18A及びアーム18Bを閉じるように制御部分26A及び制御部分26Bを枢動させる。作動部分22は、連結部分20に連結された駆動要素の作用を介して近位に後退させられ得る。この態様では、プロング52Bの後退面60は、制御部分26Aの後退面56Aに接触し、アーム18Aを閉鎖形態に向かって枢動させる。同様に、図示されていないが、プロング52Aの後退面は、制御部分26Bの後退面に接触し、アーム18Bを閉鎖形態に向かって枢動させる。
【0034】
図5Dは、閉鎖形態を示す。この態様では、作動部分22及びプロング52A及びプロング52Bは近位に後退させられる。さらに、閉鎖形態では、プロング52Bの延在面58は、制御部分26Bの延在面54Bに当接するか、又はそれに近接し得る。プロング52Aの延在面は、制御部分26Aの延在面54Aに当接又は近接していてもよい。
【0035】
図5A~5Dに示すステップは、例えば、組織又は他の物質を捕捉するか、さもなくば、操作するために、医療処置の間、必要なだけ何度も実行されてもよい。このようにして、1つのプロングの延在により、鉗子12の第1のアームを閉鎖形態から開放形態に遷移させてもよく、1つのプロングの後退により、鉗子12の第2のアームを開放形態から閉鎖形態に遷移させてもよい。
【0036】
エンドエフェクタは鉗子12として記載されているが、本開示はそのように限定されない。例えば、本開示の様々な態様は、枢動要素、拡張要素、平行移動要素、及び/又は開放可能要素を含む、他のエンドエフェクタを形成及び/又は使用するために使用されてもよい。例えば、エンドエフェクタは、把持器、鋏、クリップ、ステープラ、針、ナイフ等であってもよい。
【0037】
本明細書で議論される様々な態様は、医療処置の期間、コスト、及び/又はリスクを低減するのに役立ち得る。例えば、3次元印刷及び/又は付加製造は、鉗子又は他の医療用デバイスを形成するために必要な構成要素の数を低減するのに役立ち得る。構成要素の数を低減することによって、より効率的な組み立て、材料又は製品構造の費用の低減、部品数及び/又は部品番号の低減、破損及び/又は誤動作の可能性の低減、サイズ及び/又は形状の公差の緩和(例えば、組み立てられた構成要素による公差の積み重ねがない)等を可能にする。さらに、複数の医療用デバイス10は、同じ構築プラットフォーム上で製造されてもよく、製造及び組立時間、コストなどを低減する。
【0038】
加えて、3次元印刷又は付加製造は、医療用デバイス10が、従来的に組み立てられた医療用デバイスよりも小さいサイズであること、及び/又はより複雑な設計を有することを可能にする。結果として、医療用デバイス10は、患者内の小さい及び/又は入り組んだ場所又は管腔に、又はそれを介して、操作可能及び/又は送達可能であり得る。医療用デバイス10は、駆動要素を介して操作されてもよく、駆動要素の遠位移動により、医療用デバイス10を開放形態(
図2B)に遷移させ、駆動要素の近位移動により、医療用デバイス10を閉鎖形態(
図2A)に遷移させる。医療用デバイス10はまた、例えば、より大きい従来の医療用デバイスよりも、より小さい位置(例えば、組織のより小さい部分)を標的とすることが可能であり得る。
【0039】
従って、本明細書で議論される様々な態様は、治療の有効性及び/又は処置、例えば、治療部位を治療するための処置からの回復を改善するのに役立ち得る。本明細書で議論される様々な態様は、処置の期間を低減及び/又は最小限にすることに役立ってもよく、及び/又は処置における医療用デバイスの送達、再配置、又は使用中の、組織又は他の物質との想定外な接触のリスクを低減することに役立ってもよい。
【0040】
本開示の原理は、様々な適用例のための例示的な態様を参照して本明細書に記載されるが、本開示がそれに限定されないことを理解されたい。当業者及び本明細書で提供される教示へのアクセスを有する者は、追加の修正、適用、態様、及び均等物の置換が全て本明細書で記載される態様の範囲内に入ることを認識するであろう。従って、本開示は、前述の説明によって限定されるものと見なされるべきではない。
【国際調査報告】