(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】保管システム及び保管コンテナ
(51)【国際特許分類】
B65D 6/24 20060101AFI20240521BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20240521BHJP
B65D 6/18 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
B65D6/24 A
B65G1/04 551
B65D6/18 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565937
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2022061612
(87)【国際公開番号】W WO2022229453
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】オービュッソン、アラステア
(72)【発明者】
【氏名】マクラーニー、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】パークス、イアン
(72)【発明者】
【氏名】ホルト、デイビッド
【テーマコード(参考)】
3E061
3F022
【Fターム(参考)】
3E061AB04
3E061CA09
3E061CA12
3E061CA25
3F022AA15
3F022EE09
3F022FF01
3F022JJ07
3F022JJ11
(57)【要約】
トラックシステムと保管コンテナのスタックとを備える保管及び取り出しシステムにおいて、1つ以上のアイテムを保管するための保管コンテナ(828)であって、トラックシステムは、複数のグリッド空間を備え、スタックは、トラックシステムの下に位置しており、各スタックは、単一のグリッド空間を占有する。保管コンテナは、金属コンテナ本体(829)であって、単一の単体として形成され、トレイを画定するためのコンテナ底壁(814)並びに上向きに直立する基部側壁部分及び基部端壁部分(841)を有する基部(830)と、箱のような構造内に1つ以上のアイテムを受け入れるための開放端を有する箱のような構造を形成するために、それぞれの基部側壁部分及び基部端壁部分(841)から上向きに延在し、それらに接続される上部側壁部分及び上部端壁部分(832,836)を有する別個の上部と、を備える金属コンテナ本体(829)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックシステムと保管コンテナの複数のスタックとを備える保管及び取り出しシステムにおいて、1つ以上のアイテムを保管するための保管コンテナ(828)であって、
前記トラックシステムは、複数のグリッド空間又はグリッドセルを備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内で前記平行なレール又はトラックの第1のセットに対して横方向に走る平行なレール又はトラックの第2のセットとを備え、
前記複数のスタックは、前記トラックシステムの下に位置しており、
保管コンテナの前記複数のスタックの各スタックは、単一のグリッド空間又はグリッドセルを占有し、前記保管コンテナは、金属コンテナ本体(829)であって、単一の単体として形成され、トレイを画定するためのコンテナ底壁(814)並びに上向きに直立する基部側壁部分及び基部端壁部分(841)を有する基部(830)と、箱のような構造内に前記1つ以上のアイテムを受け入れるための開放端を有する前記箱のような構造を形成するために、前記基部のそれぞれの前記基部側壁部分及び前記基部端壁部分(841)から上向きに延在し、それらに接続される上部側壁部分及び上部端壁部分(832,836)を有する別個の上部と、を備える金属コンテナ本体(829)を備える、保管コンテナ。
【請求項2】
前記金属コンテナ本体の前記基部(830)は、深絞り板金ブランクから形成されている、請求項1に記載の保管コンテナ。
【請求項3】
前記金属コンテナ本体は、前記箱のような構造の前記開放端の周縁の少なくとも一部分の周りに延在するリム部分(834,798)を備え、前記リム部分は、積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスとの係合のための1つ以上の開口部又は窪み(838,811)を備える、請求項1又は2に記載の保管コンテナ。
【請求項4】
前記リム部分(834,798)は、スタック中の上方の隣接する保管コンテナの前記コンテナ底壁を支持するための、前記上部側壁部分及び前記上部端壁部分(836,795)から内向き又は外向きに向けられた突出リップ(849,816)を備える、請求項3に記載の保管コンテナ。
【請求項5】
前記リム部分(834,798,799)は、前記上部側壁部分及び/又は前記上部端壁部分(836,794,795)に別個に接続されている、請求項3又は4に記載の保管コンテナ。
【請求項6】
前記上部側壁部分及び/又は前記上部端壁部分(832,836)は、リブ又はビーク(835)を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【請求項7】
前記金属コンテナ本体の各コーナーは、複数の重なり合う層を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【請求項8】
前記上部側壁部分(794)は、前記上部端壁部分(795)に別個に固定されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【請求項9】
前記上部側壁部分(794)及び/又は前記上部端壁部分(795)は各々、前記上部側壁部分を前記上部端壁部分に固定して接続するための少なくとも1つのフランジ(806,807)を備える、請求項8に記載の保管コンテナ。
【請求項10】
各フランジ(806,807)は、隣接するフランジの上に置かれるか、又は下に置かれるかのうちのいずれかが行われるように構成されている、請求項9に記載の保管コンテナ。
【請求項11】
前記上部側壁部分及び/又は前記上部端壁部分(794,795)の前記フランジ(806,807)は、機械的クリンチング加工によって共に締結されている、請求項9又は10に記載の保管コンテナ。
【請求項12】
前記上部側壁部分のうちの少なくとも1つは、スナップ嵌め接合部及び/又はトグルラッチ(760)によって前記上部端壁部分のうちの少なくとも1つに解放可能に接続されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【請求項13】
前記保管コンテナは、前記積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスの位置合わせ用のガイド(796)を前記保管コンテナの各コーナーに更に備える、請求項9~11のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【請求項14】
前記ガイド(796)は、前記上部側壁部分及び/又は前記上部端壁部分の前記フランジ(807)中の細長い垂直窪みによって形成されている、請求項13に記載の保管コンテナ。
【請求項15】
前記保管コンテナの前記金属コンテナ本体は、スタック中の隣接する保管コンテナの前記コンテナ底壁を支持するための止め部(128)であって、前記保管コンテナの口部中に内向きに突出し、前記保管コンテナの対角線上の対向するコーナーに位置する複数の止め部(128)を備え、前記複数の止め部は、前記スタック中の上方の隣接する保管コンテナの前記コンテナ底壁によって前記保管コンテナ中の1つ以上のアイテムを汚すことを防止するために、前記コンテナ底壁の上方に離間している、請求項1~14のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【請求項16】
前記基部(820)は、前記コンテナ底壁内にエンボス加工された1つ以上のパターンを備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【請求項17】
前記保管コンテナは、食品グレードの材料から形成されたライナ(1420,1422)を備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【請求項18】
前記ライナは、食品グレードのプラスチック材料及び/又はセルロースベースの材料を備える、請求項17に記載の保管コンテナ。
【請求項19】
前記セルロースベースの材料は、ろう材料でコーティング又は含浸されている、請求項18に記載の保管コンテナ。
【請求項20】
前記セルロースベースの材料は、紙又は厚紙である、請求項19に記載の保管コンテナ。
【請求項21】
前記ライナは、折り曲げられた紙又は厚紙ブランクから形成されている、請求項20に記載の保管コンテナ。
【請求項22】
前記ライナは、使い捨てである、請求項17~21のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【請求項23】
前記ライナは、浅い基部又はトレイである、請求項17~22のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【請求項24】
前記ライナは、防漏コンテナである、請求項17~23のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【請求項25】
前記防漏コンテナは、一体型の熱成形されたコンテナである、請求項24に記載の保管コンテナ。
【請求項26】
請求項1に記載の保管コンテナを組み立てるためのキットであって、前記キットは、
i)単一の単体として形成され、トレイを画定するためのコンテナ底壁並びに上向きに直立する基部側壁部分及び基部端壁部分(841)を有する基部(830)と、
ii)上部側壁部分(832)及び上部端壁部分(836)を備える別個の上部と
を備える、キット。
【請求項27】
前記キットは、
iii)前記上部側壁部分(794)及び/又は前記上部端壁部分(836,795)に別個に接続可能な2つ以上のリム部分(837,798,799)を更に備える、請求項26に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリッドフレームワーク構造中に積み重ねられた保管コンテナを取り扱うための、グリッドフレームワーク構造上に位置するトラック上で動作する積み荷取り扱いデバイスを備える保管システムと、そのような保管システム中で使用するための保管コンテナとの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
商業的及び産業的活動の中には、多数の異なる製品の保管及び取り出しを可能にするシステムを必要とするものがある。複数の製品ラインにおいてアイテムを保管及び取り出すための1つの既知のタイプのシステムは、保管コンテナ(容器又はトートとしても知られる)を互いの上にスタックで配置することを伴い、スタックは、列を成して配置される。保管コンテナは、スタックから取り出され、積み荷取り扱いデバイスによって上方からアクセスされ、列間の通路の必要性を排除し、それによって、多数のコンテナが所与の空間中に保管されることを可能にする。
【0003】
WO2015/185628Aは、保管コンテナのスタックがグリッドフレームワーク構造内に配置される保管及びフルフィルメントシステムを説明している。コンテナは、グリッドフレームワーク構造の最上部に位置するトラック上で動作する積み荷取り扱いデバイスによってアクセスされる。
【0004】
そのような保管システム中の保管コンテナは、典型的には、熱可塑性材料で作られ、例えば射出成形又はブロー成形によって形成され得る。熱可塑性材料の例は、ポリプロピレン、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE))、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、及びポリカーボネートを含む。
【0005】
上記で説明した保管システム中で熱可塑性保管コンテナを使用することに伴う問題は、それらが非常に可燃性であり、有毒ヒュームを放出する可能性があることであり、保管システムが数百又は数千の保管コンテナを収容し得ることを考えると、保管コンテナは、火災の場合に重大なリスクをもたらす。
【0006】
本願は、2021年4月29日に出願されたGB出願第2106170.0号、及び2022年2月11日に出願されたGB出願第2201849.3号の優先権を主張し、それらの内容は、参照によって本明細書に援用される。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、保管コンテナを金属から作製することによって、上記の問題を軽減した。プラスチック材料と比較して、保管コンテナの作製に金属を使用することは、保管コンテナが、火災の場合に、崩壊する前に遙かにより高い温度に耐え、有毒ヒュームをほとんど又は全く放出しないことを可能にする。加えて、保管コンテナの材料のより多くが容易にリサイクル可能であり、本発明の保管コンテナをより環境に優しくする。保管コンテナの作製に金属を使用することはまた、保管コンテナが保管及び取り出しシステム中で互いの上に積み重ねられることを可能にする頑丈な構造を提供する。本発明は、トラックシステムと保管コンテナの複数のスタックとを備える保管及び取り出しシステムにおいて、1つ以上のアイテムを保管するための保管コンテナを提供し、トラックシステムは、複数のグリッド空間又はグリッドセルを備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内で平行なレール又はトラックの第1のセットに対して横方向に走る平行なレール又はトラックの第2のセットとを備え、複数のスタックは、トラックシステムの下に位置しており、保管コンテナの複数のスタックの各スタックは、金属コンテナ本体であって、単一のグリッド空間又はグリッドセルを占有する。保管コンテナは、単一の単体として形成され、トレイを画定するためのコンテナ底壁並びに上向きに直立する基部側壁部分及び基部端壁部分を有する基部と、箱のような構造内に1つ以上のアイテムを受け入れるための開放端を有する箱のような構造を形成するために、基部のそれぞれの基部側壁部分及び基部端壁部分から上向きに延在し、それらに接続される上部側壁部分及び上部端壁部分を有する別個の上部と、を備える金属コンテナ本体を備える。
【0008】
本発明によると、保管コンテナの複数のスタックが提供され、保管コンテナの複数のスタックの各保管コンテナは、コンテナ底壁並びに上向きに直立対向する側壁及び端壁を備える金属コンテナ本体を備える。金属保管コンテナの複数のスタックの各スタックは、トラックシステムの下方に位置し、単一のグリッド空間又はグリッドセルを占有する。金属コンテナ本体は、金属コンテナ本体が保管コンテナであるという意味で保管コンテナの一体部分を形成することができるか、又は金属コンテナ本体が保管コンテナの一部、例えば金属ライニングを形成するという意味で保管コンテナの別個の部分であることができる。
【0009】
典型的には、当該技術分野における保管コンテナは、単一の単体としてプラスチック材料から形成され、典型的な保管及び取り出しシステム中で数千の保管コンテナが必要とされることを考慮すると、保管コンテナは、保管コンテナを運搬するときにかなりの嵩張りを呈し、それは、最終的には、かなりの運搬コストをもたらす。保管コンテナを耐火性にし、より低コストで容易に運搬可能にすることは、産業における課題を呈する。本発明は、複数の保管コンテナの各々の金属本体が、単一の単体として形成された基部と、箱のような構造を形成するために基部に接続された別個の上部とを有する、金属コンテナ本体を提供することによってこの問題を軽減した。金属コンテナを分解するために、上部は、基部から分離され得る。これは、保管コンテナのより容易なパッキングを可能にし、分解されたときに、金属コンテナは、それらが組み立てられた状態にあるときよりも小さな体積を占める。特に、基部は、トレイを画定するコンテナ底壁並びに上向きに直立する基部側壁部分及び基部端壁部分のその構造によって積み重ね可能である。従って、金属コンテナが分解されたときに、金属コンテナ本体の少なくとも一部分を積み重ねることができる。
【0010】
トラックシステム上で動作する、コンテナ受け入れ空間を備える1つ以上のロボット積み荷取り扱いデバイスは、保管コンテナを持ち上げ且つ下げることが可能であり、そのため、グリッドセルを占有する保管コンテナの複数のスタックのうちの少なくとも1つのスタックの上方に位置付けられると、持ち上げ機構は、少なくとも1つの保管コンテナを、保管コンテナの複数のスタックのうちの少なくとも1つのスタックからコンテナ受け入れ空間中に持ち上げるように構成される。任意選択で、持ち上げ機構は、使用時に、保管コンテナを解放可能に把持し、保管コンテナを金属保管コンテナの複数のスタックのうちの少なくとも1つのスタックからコンテナ受け入れ空間中に持ち上げるように構成されたグラバーデバイスを備える。グラバーデバイスが保管コンテナを解放可能に把持することを可能にするために、任意選択で、グラバーデバイスは、保管コンテナの開放端を囲む周縁リムと係合可能な少なくとも2つのグリッパ要素を備える。好ましくは、リムは、1つ以上の開口部又は窪みを備え、そのため、1つ以上のグリッパ要素の各々は、保管コンテナのリムの1つ以上の開口部又は窪み中に受け入れ可能である。好ましくは、リム部分とも称される周縁リムは、箱のような構造の開放端の周縁の少なくとも一部分の周りに延在し、リム部分は、積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスとの係合のための1つ以上の開口部又は窪みを備える。リム部分は、上部側壁部分及び/又は上部端壁部分の上縁上に位置付けられ得る。1つ以上のグリッパ要素を保管コンテナに取り付けることを可能にすることに加えて、リム部分はまた、保管コンテナの構造的剛性を増大させる。任意選択で、リム部分は、上部側壁部分及び/又は上部端壁部分に別個に接続される。これは、金属コンテナがモジュール式に組み立てられることを可能にし、また、リム部分が上部側壁部分及び/又は上部端壁部分の残りの部分とは異なる材料で形成されて、任意選択でより大きな重量節約を提供することを可能にする。
【0011】
「上部側壁部分(upper sidewall parts)」、「上部側壁部分(upper sidewall portions)」、及び「上部側壁」という用語は、本特許出願全体を通して交換可能に使用される。同様に、「上部端壁部分(upper end wall parts)」、「上部端壁部分(upper end wall portions)」、及び「上部端壁」という用語は、本特許出願を通して交換可能に使用される。「下部側壁部分」、「上向きに直立する基部側壁部分」、及び「基部側壁部分」という用語は、本特許出願を通して交換可能に使用される。同様に、「下部端壁部分」、「上方に直立する基部端壁部分」、及び「基部端壁部分」という用語は、本特許出願を通して交換可能に使用される。
【0012】
基部の単一の単体は、主に食料品アイテムである、保管コンテナ中に保管された1つ以上のアイテムからの汁が、スタック中の隣接する保管コンテナ中に保管された1つ以上のアイテムを汚染することを防止するように、防漏トレイを提供する。
【0013】
複数の保管コンテナが互いの上に積み重ねられることを可能にするために、任意選択で、リム部分は、スタック中の上方の隣接する保管コンテナのコンテナ底壁を支持するための、上部側壁部分及び/又は上部端壁部分から内向き及び/又は外向きに向けられた突出リップを備える。保管コンテナの複数のスタックの各保管コンテナは、従って、積み重ね可能である。内向き及び/又は外向きに向けられた突出リップは、スタック中の上方の垂直に隣接する保管コンテナのコンテナ底壁が、下方の保管コンテナの中身が垂直に隣接する保管コンテナのコンテナ底壁によって押しつぶされるか、又は損傷を受けるか、又は汚されるという問題を伴わずに、突出リップ上に載置されることを可能にする。突出リップが保管コンテナの側壁及び端壁から内向きに突出するか外向きに突出するかに応じて、突出リップは、保管コンテナのリム上に支持される保管コンテナのすぐ上方の隣接する保管コンテナのコンテナ底壁のための支持面を提供する。
【0014】
保管コンテナの上部は、基部とは別個であり、そのため、対向する上部側壁及び/又は上部端壁のうちの少なくとも1つは、金属コンテナ本体の少なくとも一部分がより容易にパッキング可能となるように分離可能である。対向する上部側壁及び/又は上部端壁の分離は、限定されないが、互いに物理的に分離されている対向する上部側壁及び上部端壁の少なくとも1つの縁部又は端部を含む。これは、コンテナ底壁から物理的に分離されている対向する上部側壁及び/又は上部端壁を含む。対向する上部側壁及び/又は上部端壁の分離可能な性質はまた、壁のどの1つが損傷した場合でも、保管コンテナの異なる部分が交換可能となることを可能にする。これは、壁のうちのいずれかが損傷した場合に保管コンテナ全体を交換する必要性のコストを節約するだけでなく、保管コンテナのどの部分も予備部分と交換することができるので、環境にも優しい。任意選択で、上部側壁部分は、端壁部分に別個に固定される。
【0015】
同様に、スタック中の下方の保管コンテナの中身を汚さずに、保管コンテナのうちの1つ以上が互いの上に積み重ねられることを可能にするために、保管コンテナの金属コンテナ本体は、スタック中の隣接する保管コンテナのコンテナ底壁を支持するための止め部であって、保管コンテナの口部中に突出し、保管コンテナの対角線上の対向するコーナーに位置する複数の止め部を備え得、複数の止め部は、スタック中の上方の隣接する保管コンテナのコンテナ底壁によって保管コンテナ中の1つ以上のアイテムを汚すことを防止するために、コンテナ底壁の上方に離間される。例えば、保管コンテナは、保管コンテナの対角線上の対向するコーナーに2つ以上の止め部を備え得る。2つ以上の止め部は、保管コンテナの口部中に内向きに突出し、スタック中の隣接する保管コンテナのコンテナ底壁を支持するように成形される。2つ以上の止め部は、保管コンテナのすぐ上方の隣接する保管コンテナが保管コンテナの中身を押しつぶすか、又は汚すことを防止するために、コンテナ底壁の上方に、及び金属コンテナ本体の対角線上の対向するコーナーで離間され得る。典型的には、満載の保管コンテナは、最大35kgの重量である。30kgは、ストック又はアイテムの重量を表し、5kgは、保管コンテナの典型的な重量である。20個の満載の保管コンテナを備えるスタックの場合、スタック中の保管コンテナが耐えなければならないであろう荷重は、700kg(6,867ニュートン)であろう。スタック中の隣接する保管コンテナの支持を増大させるために、保管コンテナの全ての4つのコーナーが止め部を備え得る。止め部は、金属コンテナ本体中に一体的に形成することができ、例えば、保管コンテナの対角線上に対向するコーナーに凹みを形成することができる。
【0016】
保管及び取り出しシステムのいくつかの実装形態では、グリッドフレームワーク構造がスタック中に多数の保管コンテナを備えるトラックシステム上を走行する非常に多数のロボット積み荷取り扱いデバイスが存在し得る。保管及び取り出しシステム内で使用されるかなりの数の保管コンテナは、保管及び取り出しシステムの中心又はその近くでの空気循環を妨げる可能性がある。加えて、保管及び取り出しシステム内に保管されている間に、保管コンテナ及びそれらの中身を冷却することが有利であり得る。これは、保管コンテナの中身に起因し得、及び/又は保管コンテナの中身が過熱することを防止するためであり得る。この問題を軽減するために、任意選択で、上向きに直立する対向する側壁及び/又は端壁のうちの少なくとも1つは、複数の通気開口部を備える。上向きに直立する対向する側壁及び/又は端壁のうちの少なくとも1つ中の1つ以上の通気開口部は、スタック中に保持されたときに、冷気が保管コンテナ内を循環することを可能にする。例えば、冷気が保管コンテナの複数のスタックを循環される冷却ゾーンでは、保管コンテナの中身を冷却状態に保つために、上向きに直立する対向する側壁及び/又は端壁のうちの少なくとも1つ内の1つ以上の通気孔が、保管コンテナ内で冷気を循環させる。加えて、金属の高い熱伝導性は、熱が保管コンテナの側壁及び端壁を通って容易に伝達されることを可能にする。これは、保管コンテナ内の内部空間を保管コンテナの外部の温度と同じ温度に保つのに役立つ。このことから、断熱プラスチック材料から成る保管コンテナと比較して、保管コンテナの側壁及び端壁の比較的高い熱伝導率に起因して、保管コンテナのスタックの外部のいかなる冷却も、保管コンテナの内部空間に迅速に伝導される。しかしながら、上向きに直立する対向する側壁及び/又は端壁中に1つ以上の通気孔が存在することは任意選択である。中実の上向きに直立する側壁及び端壁を有することは、保管及び取り出しシステム中の保管コンテナの1つ以上のスタック間の火災の拡散を防止するという利点を有する。
【0017】
理想的には、保管コンテナの重量は、保管コンテナの中身の重量の小さな割合を占めるべきである。典型的には、当該技術分野における保管コンテナの重量は、約5kgである。これは、持ち上げモータを備える持ち上げ機構が保管コンテナの重量によって負荷を掛けられることを防止するためであり、また、より大きな重量の中身が保管コンテナ中に保管されることを可能にする。典型的には、持ち上げモータは、所定の重量を持ち上げるようにサイズ決定され、その所定の重量を超えると、持ち上げモータは、保管コンテナの重量を持ち上げるのに苦労するであろう。保管コンテナの重量を比較的低く保つために、任意選択で、金属コンテナ本体の少なくとも一部分が、容易に運搬可能であり、使用のために立てることができるという意味で折り畳み可能であるように、金属コンテナ本体の少なくとも一部分が、折り曲げられた板金ブランクから形成される。金属コンテナ本体の少なくとも一部分の折り畳み可能な性質はまた、複数の保管コンテナがパッキングされ、例えば、供給業者又は別の保管及び取り出しシステムから運搬可能であり、使用のために立てられることを可能にする。保管コンテナが板金ブランクから立てられることを可能にするために、任意選択で、上向きに直立する側壁のうちの少なくとも1つが、リビングヒンジによって上向きに直立する端壁のうちの少なくとも1つに枢動可能に接続される。
【0018】
代替として、側壁及び端壁は、別個に共に組み立てられて、開放された最上部又は口部を有する箱のような構造を有する保管コンテナの壁を形成することができる。側壁及び端壁のうちの少なくとも1つを別個に共に組み立てるために、上部側壁部分のうちの少なくとも1つは、上部端壁部分のうちの少なくとも1つに接続される。上部側壁部分のうちの少なくとも1つを上部端壁部分のうちの少なくとも1つに固定して接続するために、任意選択で、上部側壁部分のうちの少なくとも1つ及び/又は上部端壁部分のうちの少なくとも1つは、上部側壁部分のうちの少なくとも1つを上部端壁部分のうちの少なくとも1つに固定して接続するための少なくとも1つのフランジを備える。各フランジは、隣接するフランジの上に置かれるか、又は下に置かれるかのうちのいずれかが行われるように構成され得る。上部側壁部分のうちの少なくとも1つのフランジは、接着剤の使用によって、又は溶接若しくはリベット留めによって、上部端壁部分のうちの少なくとも1つのフランジに固定して接続され得る。特に、上部側壁部分及び/又は上部端壁部分のフランジは、機械的クリンチング加工によって共に締結され得る。代替として、少なくとも1つの上部側壁部分を、スナップ嵌め接合部又はインターロック接合部によって少なくとも1つの上部端壁部分に解放可能に接続することができる。例えば、スナップ嵌め接合部は、カンチレバー接合部に基づくことができる。同様に、インターロック接合部は、トグルラッチであり得る。
【0019】
任意選択で、金属コンテナ本体の各コーナーは、複数の重なり合う層を備える。複数の重なり合う層は、特に、金属コンテナ本体を備える保管コンテナが保管コンテナのスタック中に配置されるときに、上に配置される1つ以上の保管コンテナからの荷重に耐えるために金属コンテナ本体のコーナーを補強する。このことから、重なり合う層から金属保管コンテナのコーナーを通る剛性が存在する。各コーナーに2つ、3つ、又は4つの重なり合う層が存在し得る。
【0020】
任意選択で、保管コンテナは、積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスの位置合わせ用のガイドを保管コンテナの各コーナーに更に備える。ガイドは、グラバーデバイスと金属コンテナのリム部分中の開口部又は窪みとのより容易な位置合わせを可能にする。ガイドは、上部側壁部分及び/又は端壁部分のフランジ中の細長い垂直窪みによって形成され得る。保管コンテナを握持するために、グラバーデバイスは、保管コンテナの4つのコーナーに形成された対応する開口部又は窪みと嵌合する、グラバーデバイスの各コーナーの近く又は各コーナーにおけるガイドピンを使用する。
【0021】
任意選択で、金属コンテナ本体の少なくとも一部分は、深絞り板金ブランクから形成され、それにおいて、板金ブランクは、パンチの機械的作用によって成形ダイ中に絞り込まれる。
【0022】
代替として、金属コンテナ本体の一部分のみが、深絞り板金ブランクから形成される。これは、金属コンテナ本体の残りの部分が上記で議論したように折り畳み可能となることを可能にし、容易な運搬を可能にする。上向きに直立する対向する側壁のうちの少なくとも1つは、上部側壁部分及び下部側壁部分を備え、及び/又は上向きに直立する対向する端壁のうちの少なくとも1つは、上部端壁部分及び下部端壁部分を備える。好ましくは、深絞り板金ブランクは、金属コンテナ本体の浅い部分を形成し、そのため、金属コンテナ本体の浅い部分の上方に直立する対向する側壁及び端壁が、金属コンテナ本体の対向する下部側壁部分及び下部端壁部分を形成する。任意選択で、上部側壁部分のうちの少なくとも1つは、金属コンテナ本体のそれぞれの下部側壁部分に枢動可能に取り付けられ、及び/又は上部端壁部分のうちの少なくとも1つは、金属コンテナ本体のそれぞれの下部端壁部分に枢動可能に取り付けられる。深絞り金属ブランクの対向する側壁及び端壁は、金属コンテナ本体の下部側壁部分及び下部端壁部分をそれぞれ形成する。下部側壁部分及び下部端壁部分の高さは、上部側壁部分及び上部端壁部分の高さと共に、金属コンテナ本体の対向する側壁及び端壁の全高を表す。このことから、金属コンテナの側壁は、下部側壁部分と上部側壁部分との組み合わせであり得る。同様に、金属コンテナ本体の端壁は、下部端壁部分と上部端壁部分との組み合わせであり得る。
【0023】
任意選択で、上部側壁部分のうちの少なくとも1つは、金属コンテナ本体のそれぞれの下部側壁部分に取り外し可能に取り付けられ、及び/又は上部端壁部分のうちの少なくとも1つは、金属コンテナ本体のそれぞれの下部端壁部分に取り外し可能に取り付けられる。例えば、深絞り板金ブランクの壁は、金属コンテナ本体の上向きに直立する対向する側壁及び端壁を深絞り板金ブランク内に収容することによって、上向きに直立する対向する側壁及び端壁を支持するために使用することができる。
【0024】
上向きに直立する対向する側壁及び/又は上向きに直立する対向する端壁のうちのどの1つも、スタック中の1つ以上の隣接する保管コンテナの重量を受けて折り畳まれることを防止するために、任意選択で、金属コンテナ本体は、金属コンテナ本体の上向きに直立する対向する側壁のうちの少なくとも1つ及び/又は上向きに直立する対向する端壁のうちの少なくとも1つを支持するように構成された1つ以上の壁補強材を備える。例えば、1つ以上の側壁補強材及び/又は端壁補強材は、直立する対向する側壁及び/又は直立する対向する端壁のうちのどの1つを補強するためのインサートとしても機能することができ、従って、保管コンテナの構造的完全性を改善して、その上方の隣接する保管コンテナのスタックの重量に抵抗することができる。保管コンテナの直立する対向する側壁及び/又は直立する対向する端壁に必要な構造的完全性を提供するために、好ましくは、1つ以上の側壁補強材及び/又は端壁補強材は、鋳造、例えばダイカストされる。
【0025】
代替として、コンテナ底壁、上向きに直立する対向する側壁、及び/又は上向きに直立する対向する端壁、及び/又は上壁部分のうちのどの1つも鋳造される。例えば、コンテナ底壁、上方に直立する対向する側壁及び/若しくは端壁、並びに/又は上部側壁及び/若しくは上部端壁は、金属コンテナ本体を形成するために共に組み立てられるパネル中に鋳造することができる。
【0026】
代替として、コンテナ底壁並びに/又は上向きに直立する対向する側壁及び/若しくは上向きに直立する対向する端壁のうちのどの1つも、少なくとも中空部分と、中空部分中に配設された充填材料とを備える。これは、金属コンテナ本体の壁の特性、例えば音響特性及び/又は耐火特性を改善するための二次材料を使用するという利点を有する。任意選択で、充填材料は、断熱材料及び/又は耐火材料である。
【0027】
保管コンテナ中に保管される1つ以上のアイテムが食料品又は食品アイテムであるとき、食料品アイテムが金属保管コンテナからの汚染から保護されることが必須である。食料品アイテムの汚染を防止するために、金属コンテナ本体は、内面及び外面を備え、好ましくは、内面は、ポリマーコーティングを備える。ポリマーコーティングは、保管コンテナ中に保管された食料品アイテムを金属コンテナ本体のいかなる潜在的な腐食からも保護する。ポリマーコーティング又はライニングは、金属コンテナ本体とその中に保管された食品アイテムとの間の任意の相互作用を最小限に抑えるだけでなく、世界的な食品保管規制を満たす。ポリマーコーティングはまた、保管コンテナの内面に気密コーティングを提供して、こぼれの結果としての保管コンテナからのいかなる漏れも防止する。ポリマーコーティングの例は、限定されないが、樹脂ベースのコーティング、アクリルベースのコーティング及び/又はビニルベースのコーティング又はそれらの組み合わせを含む。
【0028】
金属コンテナ本体のコンテナ底壁並びに/又は対向する側壁及び/若しくは対向する端壁のうちのどの1つも補強するために、好ましくは、コンテナ底壁並びに/又は対向する側壁及び/若しくは対向する端壁の少なくとも一部分が、1つ以上のリブによって補強される。1つ以上のリブの各々は、金属コンテナ本体の壁を補強するように、金属コンテナ本体の壁の表面から外向き及び/又は内向きのうちのいずれかで突出することができる。1つ以上のリブを、金属コンテナ本体のコンテナ底壁並びに/又は対向する側壁及び/若しくは端壁が波形になるように、コンテナ底壁並びに/又は対向する側壁及び/若しくは端壁に一体化させることができる。代替として、上部側壁部分及び/又は上部端壁部分は、上部側壁部分及び/又は上部端壁部分の移動を最小限に抑えるためのリブ又はビークを備える。好ましくは、基部は、基部の剛性を増大させるためにコンテナ底壁内にエンボス加工された1つ以上のパターンを備える。
【0029】
本発明は、保管及び取り出しシステム中に積み重ねられるように構築された折り畳み可能な積み重ね可能なコンテナを更に提供し得、本保管及び取り出しシステムは、複数のグリッド空間又はグリッドセルを備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内で平行なレール又はトラックの第1のセットに対して横方向に走る平行なレール又はトラックの第2のセットとを備えるトラックシステムを備え、折り畳み可能な積み重ね可能なコンテナは、コンテナ底壁並びに上向きに直立する対向する側壁及び端壁と、折り畳み可能な積み重ね可能なコンテナのうちの1つ以上を互いの上に積み重ねることができるように、保管コンテナの口部に内向き及び/又は外向きに向けられた突出リップを備えるリムとを備える金属コンテナ本体を備え、金属コンテナ本体の少なくとも一部分は、折り曲げ可能な板金の単体ブランクから形成される。本発明の目的のために、折り曲げ可能な板金ブランクは、0.5mm~2mmの範囲、好ましくは0.5mm~1mmの範囲、例えば0.55mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、又は0.9mmの厚さを有し得る。折り曲げ可能な板金の単体ブランクから金属コンテナ本体の少なくとも一部分を形成することは、当該技術分野における既存の成形されたプラスチック保管コンテナと比較して、保管コンテナが運搬のための嵩張るアイテムとして現れないため、保管コンテナの金属コンテナ本体が容易に運搬可能となることを可能にする。このことから、より多くの数の金属コンテナ本体を密にパッキングし、本発明の保管及び取り出しシステムを収容するフルフィルメントセンターに運搬することができ、そこで、コンテナは、保管及び取り出しシステム中で使用するために立てることができる。
【0030】
折り畳み可能な積み重ね可能なコンテナを提供するために、本発明は、保管及び取り出しシステム中に積み重ねられるように構築された折り畳み可能な積み重ね可能なコンテナを更に提供し得、本保管及び取り出しシステムは、複数のグリッド空間又はグリッドセルを備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内で平行なレール又はトラックの第1のセットに対して横方向に走る平行なレール又はトラックの第2のセットとを備えるトラックシステムを備え、折り畳み可能な積み重ね可能なコンテナは、コンテナ底壁並びに上向きに直立する対向する側壁及び端壁と、折り畳み可能な積み重ね可能なコンテナのうちの1つ以上を互いの上に積み重ねることができるように、保管コンテナの口部に内向き及び/又は外向きに向けられた突出リップを備えるリムとを備える金属コンテナ本体を備え、金属コンテナ本体の少なくとも一部分は、鋳造される。鋳造は、壁(コンテナ底壁、対向する側壁、及び/又は端壁)が堅牢にされることを可能にし、スタック中の垂直に隣接する保管コンテナの重量に耐えるための頑丈な金属コンテナ本体を提供する。任意選択で、金属コンテナ本体は、ダイカスト又はインベストメント鋳造であり得る。金属コンテナ本体は、アルミニウム又は鋼から鋳造することができる。
【0031】
好ましくは、保管コンテナは、食品グレードの材料から形成されたライナを備え得る。保管コンテナの金属コンテナ本体は、不燃性であり、従って、任意のタイプの食品グレードの材料が保管コンテナのライナのために使用されることを可能にする。保管コンテナのライナは、従って、不燃性であることに限定されない。任意選択で、ライナは、食品グレードのプラスチック材料及び/又はセルロースベースの材料を備える。セルロース材料を水分及び/又は油に対して耐性にするために、任意選択で、セルロースは、ワックス材料でコーティング又は含浸される。任意選択で、セルロース材料は、紙又は厚紙である。紙又は厚紙のライナを提供する1つの方法は、折り曲げられた紙又は厚紙のブランクからライナを形成することである。ライナは紙又は厚紙を備えるので、任意選択で、ライナは、使い捨てである。ライナは、保管コンテナの箱のような構造の内面の少なくとも一部分に覆いを提供する浅い基部又はトレイであり得る。代替として、ライナは、箱のような構造の内面全体を通して延在することができる。食品アイテムからの汁が保管コンテナから漏れて、スタック中の下方の保管コンテナ中の食品アイテムを汚染することを防止するために、好ましくは、ライナは、防漏コンテナである。任意選択で、防漏コンテナは、例えば、ブロー成形又は深絞り成形加工による一体型の熱成形されたコンテナである。
【0032】
本発明は、保管コンテナを組み立てるためのキットを更に提供し、本キットは、
i)単一の単体として形成され、トレイを画定するためのコンテナ底壁並びに上向きに直立する基部側壁部分及び基部端壁部分を有する基部と、
ii)上部側壁部分及び上部端壁部分を備える別個の上部と
を備える。
【0033】
保管コンテナは、別個の上部と基部とを備えるので、これは、有利には、部品のキットとして供給することができ、例えば、トグルラッチ、スナップ嵌め接合部、等を利用すること、及び/又は上部を基部にスポット溶接することによって共に組み立てることができる。キットの保管コンテナは、上記で説明した特徴のうちのいずれをも備え得る。キットは、上部側壁部分及び/又は端壁部分に別個に接続可能な2つ以上のリム部分を更に備え得る。
【0034】
本発明の更なる特徴及び態様は、図面を参照して行われる例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の例証的な実施形態による自動保管及び取り出しシステムの例示である。
【
図2】
図1のフレームワーク構造内に配置された容器のスタックを示す上面図の概略図である。
【
図3】グリッドフレームワーク構造上で動作する既知の積み荷取り扱いデバイスのシステムの概略図である。
【
図4】積み荷取り扱いデバイスの本体内のコンテナ受け入れ空間を示す、積み荷取り扱いデバイスの概略透視図である。
【
図5(a)】
図4の積み荷取り扱いデバイスの概略斜視切欠図であり、積み荷取り扱いデバイスのコンテナ受け入れ空間を収容するコンテナを示す。
【
図5(b)】
図4の積み荷取り扱いデバイスの概略斜視切欠図であり、積み荷取り扱いデバイスのコンテナ受け入れ空間を示す。
【
図6】保管コンテナの上方に位置付けられたグラバーデバイスの概略斜視図である。
【
図7(a)】保管コンテナ上に据え付けられたグラバーデバイスの概略斜視図である。
【
図7(b)】保管コンテナと係合しているグラバーデバイスの概略斜視図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態による、深絞り加工によって形成された保管コンテナの概略斜視図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態による、深絞り加工によって形成された保管コンテナの概略斜視図である。
【
図10(a)】深絞り加工によって形成された保管コンテナの概略斜視図であり、保管コンテナの組み立て構成要素の分解図を示す。
【
図10(b)】深絞り加工によって形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第3の実施形態による組み立てられた保管コンテナを示す。
【
図11(a)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、保管コンテナの組み立て構成要素の分解図を示す。
【
図11(b)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第4の実施形態による組み立てられた保管コンテナを示す。
【
図12】本発明の第5の実施形態による、深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略図である。
【
図13(a)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、保管コンテナの組み立て前の図を示す。
【
図13(b)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第6の実施形態による組み立てられた保管コンテナを示す。
【
図14(a)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、保管コンテナの組み立て前の図を示す。
【
図14(b)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第7の実施形態による組み立てられた保管コンテナを示す。
【
図14(c)】解放可能なトグルラッチによる上壁部分の接続を示す、組み立てられた保管コンテナの概略斜視図である。
【
図14(d)】
図14(c)に示す金属コンテナ本体の上壁部分を共に接続するための解放可能なトグルラッチの斜視図である。
【
図14(e)】スタック中の、
図14(b)及び
図14(d)に示す金属保管コンテナの別個の部分の斜視図である。
【
図15(a)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、保管コンテナの組み立て前の図を示す。
【
図15(b)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第8の実施形態による組み立てられた保管コンテナを示す。
【
図15(c)】本発明の第8の実施形態による保管コンテナの上部側壁の概略斜視図である。
【
図15(d)】本発明の第8の実施形態による保管コンテナの上部端壁の概略斜視図である。
【
図15(e)】本発明の第8の実施形態による保管コンテナの上部のコーナーの概略斜視図である。
【
図16】本発明の第9の実施形態を示す、深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図である。
【
図17(a)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第10の実施形態による保管コンテナの組み立てられた図を示す。
【
図17(b)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第10の実施形態による保管コンテナの組み立て前の図を示す。
【
図17(c)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第10の実施形態による保管コンテナのリム部分を示す。
【
図17(d)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第10の実施形態による保管コンテナの上部のコーナーの概略斜視図を示す。
【
図17(e)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第10の実施形態による保管コンテナの上部と基部との間の接合部分の概略斜視図を示す。
【
図18】
図17に類似しており、且つ深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第11の実施形態による保管コンテナの組み立てられた図を示す。
【
図19(a)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、保管コンテナの組み立て前の図を示す。
【
図19(b)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第12の実施形態による組み立てられた保管コンテナを示す。
【
図20(a)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、保管コンテナの組み立て前の図を示す。
【
図20(b)】深絞り加工によって部分的に形成された保管コンテナの概略斜視図であり、本発明の第13の実施形態による組み立てられた保管コンテナを示す。
【
図22(a)】折り曲げ可能な板金のブランクの概略斜視図である。
【
図22(b)】本発明の第14の実施形態によるブランクから立てられた金属コンテナ本体の概略斜視図である。
【
図23(a)】折り曲げ可能な板金の単体のブランクの概略斜視図である。
【
図23(b)】本発明の第15の実施形態による単一ブランクから立てられた金属コンテナ本体の概略斜視図である。
【
図24】本発明の第16の実施形態による鋳造された保管コンテナの概略図である。
【
図25】本発明の第17の実施形態による、中空壁を備える保管コンテナの概略斜視図である。
【
図26】不燃性エンクロージャと部分ライナとを形成する耐火性本体を備える保管コンテナの概略図である。
【
図27】
図26に示す耐火性本体の部分ライナの概略図である。
【
図28】不燃性エンクロージャと全高ライナとを形成する耐火性本体を備える保管コンテナの概略図である。
【
図29】
図28に示す耐火性本体の全高ライナの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1及び2に示すように、容器又はトートとしても知られる保管コンテナ10は、スタック12を形成するために互いの上に積み重ねられる。スタック12は、倉庫又は製造環境におけるグリッドフレームワーク構造14中に配置される。グリッドフレームワークは、複数の保管列又はグリッド列で構成される。グリッドフレームワーク構造中の各グリッドは、コンテナのスタックを保管するための少なくとも1つのグリッド列を有する。
図1は、グリッドフレームワーク構造14の概略斜視図であり、
図2は、フレームワーク構造14内に配置されたコンテナ10の単一のスタック12を示す上面図である。各コンテナ又は容器10は、典型的には、複数の製品アイテム(図示せず)を保持し、コンテナ10内の製品アイテムは、同一であり得るか、又は用途に応じて異なる製品タイプであり得る。各コンテナ10は、例えば、食料品アイテム(即ち、食品アイテム)を保管するために使用され得る。更に、容器10は、複数の異なる在庫アイテムを収容するように物理的に細分され得る。
【0037】
以下の説明では、容器10は、在庫アイテムの保管を意図された保管コンテナを示すために使用され、その一方で、配送コンテナDTは、顧客によって出された顧客注文を履行するために充填された又は充填されることを意図されたコンテナを示すために使用されるであろう。この専門用語は、本文書内での参照及び説明を容易にするために使用されることを認識されたい。しかしながら、容器10とコンテナDTとは、同じ形状及び構成であり得ることに留意されたい。更に、配送コンテナDTは、保管システム又はその任意の部分内の容器10中に保管され得る。
【0038】
グリッドフレームワーク構造14は、水平部材18、20を支持する複数の直立部材又は直立柱16を備える。平行な水平グリッド部材の第1のセット18は、平行な水平グリッド部材の第2のセット20に対して垂直に配置されて、直立部材16によって支持された複数の水平グリッド構造を形成する。部材16、18、20は、典型的には、金属から製造され、典型的には、共に溶接若しくはボルト留めされるか、又は両方の組み合わせである。コンテナ10は、グリッドフレームワーク構造14の部材16、18、20の間に積み重ねられ、そのため、フレームワーク構造14は、コンテナ10のスタック12の水平移動を防ぎ、コンテナ10の垂直移動を案内する。
【0039】
グリッドフレームワーク構造14の最上レベルは、スタック12の最上部にわたってグリッドパターンで配置されたレール22を含む。加えて
図3を参照すると、レール22は、複数の積み荷取り扱いデバイス30を支持する。平行なレール22の第1のセット22aは、グリッドフレームワーク構造14の最上部にわたる第1の方向(例えばX方向)へのロボット積み荷取り扱いデバイス30の移動を案内し、第1のセット22aに対して垂直に配置された平行なレール22の第2のセット22bは、第1の方向に対して垂直な第2の方向(例えばY方向)への積み荷取り扱いデバイス30の移動を案内する。このようにして、レール22は、水平なX-Y平面において2次元で横方向にロボット積み荷取り扱いデバイス30の移動を可能にし、そのため、積み荷取り扱いデバイス30を、どのスタック12の上方の位置にも移動させることができる。
【0040】
各積み荷取り扱いデバイス30は、スタック12の上方で、グリッドフレーム構造14のトラック又はレール22上をX及びY方向に移動するように配置された車両32を備える(
図4を参照)。
図4及び5は、本発明の実施形態による、PCT特許公開第WO2015/019055号(Ocado Innovation Limited)及び国際特許出願第WO2015/140216号(Ocado Innovation Limited)に説明された積み荷取り扱いデバイス30を示し、それらの内容は、参照によって本明細書に援用される。積み荷取り扱いデバイス30は、トートとしても知られる保管コンテナ又は容器10を上方から持ち上げるためのウインチ又はクレーン機構35を備える持ち上げ機構33(
図4を参照)を装備された車両本体32を備える。クレーン機構35は、スプール又はリール上に巻き付けられたウィンチケーブル38と、グラバーデバイス39とを備える。典型的には、持ち上げデバイスは、垂直方向に延在し、保管コンテナ10への解放可能な接続のために、グラバーデバイス39の4つのコーナーの近くに又は4つのコーナーに接続された持ち上げテザー38のセットを備える(グラバーデバイスの4つのコーナーの各々の近くに1つのテザー)。グラバーデバイス39は、保管コンテナ10の最上部を把持して、
図1及び2に示すタイプの保管システム中のコンテナのスタックから保管コンテナ10を持ち上げるように構成される。典型的には、グラバーデバイス39は、持ち上げフレームとして構成される。グラバーデバイスの更なる詳細は、以下で議論する。
【0041】
車両本体32は、上部及び下部を備える(
図5(a及びb)を参照)。下部は、車輪の2つのセット34、36を取り付けられ、それらは、保管システムのフレームワーク構造の最上部におけるレール上を走行する。車両本体32の上部は、積み荷取り扱いデバイスの嵩張る構成要素の大部分を収容し得る。典型的には、車両本体の上部は、車輪及び持ち上げ機構の両方を駆動するための駆動機構を、駆動機構及び持ち上げ機構に電力を供給するための車載再充電可能電源と共に収容する。
【0042】
車両本体32の下部は、それぞれレールに沿ってx方向及びy方向への車両の移動を可能にするように駆動される車輪組み立て体を備える。車両32の前部の一対の車輪34及び車両32の後部の一対の車輪34から成る車輪の第1のセット34は、レール22の第1のセット22aの2つの隣接するレールと係合するように配置される。同様に、車両32の各側の一対の車輪36から成る車輪の第2のセット36は、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールと係合するように配置される。車輪の一方又は両方のセットを垂直に移動させて、車輪の各セットをそれぞれのレールから離して持ち上げることができ、それによって、車両が所望の方向に移動することを可能にする。車輪の第1のセット34がトラック又はレールの第1のセット22aと係合され、車輪の第2のセット36がトラック又はレール22から離れて持ち上げられると、車輪34は、車両32中に収容された駆動機構(図示せず)によって駆動されて、積み荷取り扱いデバイス30をX方向に移動させることができる。積み荷取り扱いデバイス30をY方向に移動させるために、車輪の第1のセット34がトラック又はレール22から離れて持ち上げられ、車輪の第2のセット36が下降され、トラック又はレールの第2のセット22bと係合される。次いで、駆動機構を使用して、車輪の第2のセット36を駆動して、Y方向への移動を達成することができる。車輪の一方又は両方のセットを垂直に移動させて、車輪の各セットをそれぞれのレールから離して持ち上げることができ、それによって、車両がトラックシステム上で所望の方向に移動することを可能にする。
【0043】
車輪は、下部において、コンテナ受け入れ凹部40として知られる空洞又は凹部の周縁の周りに配置される。凹部40は、
図5(a及びb)に示すように、保管コンテナ又は容器10がクレーン機構によって持ち上げられたときに保管コンテナ又は容器10を収容するようにサイズ決定される。凹部中にあるとき、コンテナは、下のレールから離れて持ち上げられ、そのため、積み荷取り扱いデバイスは、異なる場所に横方向に移動することができる。目標の場所、例えば別のスタック、保管システム中のアクセスポイント又はベルトコンベアに到達すると、容器又は保管コンテナを、コンテナ受け入れ空間から下降させ、グラバーデバイス39から解放することができる。このようにして、
図3に示すように、集中制御ユーティリティ(図示せず)の制御下で、1つ以上のロボット積み荷取り扱いデバイス30が、フレーム構造14上のスタック12の上面の方々を移動することができる。各ロボット積み荷取り扱いデバイス30は、スタック12から1つ以上の容器10を持ち上げて、その中に保管された必要とされるアイテムにアクセスするための持ち上げ機構38を設けられる。
【0044】
車両32の本体は、容器10を収容するための空洞40の形態のコンテナ受け入れ空間を備えることができる(
図5を参照)。空洞40は、容器又は保管コンテナ10を保持することが可能なサイズである。垂直方向に延在する持ち上げテザー38のセットを備える持ち上げ機構は、保管コンテナへの解放可能な接続のために、別名グラバーデバイスとしても知られる持ち上げフレーム(図示せず)の4つのコーナーに接続される(グラバーデバイスの4つのコーナーの各々の近くに1つのテザー)。グラバーデバイスは、保管コンテナの最上部を解放可能に把持して、
図1及び3に示すタイプの保管システム中のコンテナのスタックから保管コンテナを持ち上げるように構成される。持ち上げ機構は、容器10をスタック12から車両32の本体内の空洞40内に持ち上げる。容器10がウインチ手段によって持ち上げられるときに容器10を収容するためのコンテナ受け入れ空間40は、
図4に示す車両本体32内に配置されるが、本発明は、コンテナ受け入れ空間40が車両本体32内に位置する場合に限定されない。本発明はまた、積み荷取り扱いデバイスの車両本体がWO2019/238702(Autostore Technology AS)に説明されているようなカンチレバー構造を有する場合のように、コンテナ受け入れ空間がカンチレバーの下方に位置する場合にも適用可能である。本発明の目的のために、「車両本体」という用語は、任意選択で、グラバーデバイスがカンチレバーの下方に位置するようにカンチレバーを覆うものと解釈される。しかしながら、本発明の説明を容易にするために、コンテナを受け入れるためのコンテナ受け入れ空間は、車両本体内の空洞又は凹部内に配置される。コンテナ受け入れ空間は、複数の製品が、どの時点においてもグリッド及びスタック中の複数の場所からアクセスされることを可能にする。
【0045】
ロボット積み荷取り扱いデバイス30は、その中に在庫アイテム(図示せず)を収容する容器10を取り出し、容器10をピッキングステーション(図示せず)に運搬し、そこで必要とされる在庫アイテム28が容器10から取り出され、配送コンテナDTを備える容器10中に配置される。配送コンテナDTは、容器10内に嵌合し得ることに留意することが重要である。容器10は、在庫アイテムを備え得るか、又は配送コンテナDTを備え得る。更に、配送コンテナDTは、少なくとも1つのバッグを備え得、在庫アイテムは、ピッキングステーション(図示せず)においてバッグ中に直接ピッキングされる。
【0046】
空の容器10、又は配送コンテナDTを備える容器、又は配送コンテナDT及びバッグを備える容器は、全てスタック12内に保管され得る。全ての容器10は、実質的に同じ外形及び構成を有することを認識されたい。
【0047】
図3は、上記で説明したような典型的な保管及び取り出しシステムを示し、本システムは、スタック12の上方のグリッド上で作動する複数の積み荷取り扱いデバイス30を有する。
図1及び3は、保管システム内のスタック12中の容器10を示す。任意の所与の保管システム中に多数の保管コンテナ又は容器10が存在し得、多くの異なるアイテムがスタック12中の容器10中に保管され得、各容器10は単一のスタック12内に異なるカテゴリの在庫アイテムを収容し得ることを認識されたい。
【0048】
上記で説明した1つの保管及び取り出しシステムでは、更に、参照によって本明細書に援用される英国特許出願第GB1410441.8号(Ocado Innovation Limited)では、保管及び取り出しシステムは、顧客の注文がその中に収容された配送コンテナDTを更に備え得るか、又は、ピッキングを待っている在庫アイテムがその中に収容された容器10を更に備え得る、一連の容器10を備える。これらの異なる容器10及びそれらの組み合わせは、保管システム中に収容され、上記で説明したようにロボット積み荷取り扱いデバイス30によってアクセスされ得る。
【0049】
図6は、
図1~3の保管及び取り出しシステム内で使用するための、容器10の一形態の上方に位置付けられたグラバーデバイスを示す。保管コンテナ又は容器10は、開放された最上部43、コンテナ底壁44、並びに対向する側壁46(a及びb)、及び端壁48(a及びb)を有する実質的に箱型の構造を備える。
図6に示す特定の例では、容器10は、対向する側壁46(a及びb)の長さが対向する端壁48(a及びb)の長さよりも長くなるように、実質的に矩形の形状のコンテナ底壁44を有する。容器の対向する側壁46(a及びb)及び端壁48(a及びb)は、保管コンテナの側壁及び端壁を補強するための1つ以上のリブを備える。複数の容器10は、自立スタック12に積み重ねられ得、複数のスタック12は、上記で説明したようにグリッドフレームワーク構造14内に配設され得る。
図1~3を参照して説明したタイプの保管設備では、多数の容器10、場合によっては数十万の容器10が存在し得ることを認識されたい。典型的には、各容器10は、スタック中の複数の容器10の荷重に耐えることが可能でなければならない。容器スタックの荷重は、20個の満載の容器の最大荷重によって支えられる。満載の容器の重量は約35kgであり、そのうち5kgは容器単独の重量を表す。例えば、20個の容器10のスタックは、700kg又は6,867Nの荷重を表すであろう。対向する側壁及び端壁上の1つ以上のリブは、側壁及び端壁を強化して、スタック中のそのような荷重下で側壁及び端壁が座屈することを防止する。
【0050】
スタック中で保持されたときに空気が容器10内を流れることを可能にするために、容器10の側壁46(a及びb)及び/又は端壁48(a及びb)は、1つ以上のスロット又は開口部又は通気孔50を備える。側壁46(a及びb)及び/又は端壁48(a及びb)中のスロット又は開口部50は、保管及び取り出しシステム内及び保管及び取り出しシステムを循環する空気が、容器10内を流れることを可能にする。これは、食料品アイテムなどのアイテムを冷却温度に保つために、冷蔵又は空調ユニットからの冷気がグリッドフレームワーク構造の少なくとも一部分を循環する、保管及び取り出しシステムの冷却ゾーン中に容器10が位置する場合に特に重要である。国際特許公開第WO2016/193419号(Ocado Innovation Limited)に説明されているような冷却システムは、空気が保管システム内を流れ、容器10及び容器10のスタック12を通ることを必要とする。この国際特許出願に説明するシステムは、参照によって本明細書に援用され、温度制御されたガスを生成するための1つ以上のヒータ及び/又は1つ以上のチラーと、温度制御されたガスを保管システムを通して循環させるための1つ以上のファンと、温度制御されたガスを受け入れるためのプレナムとを備える保管システムを開示する。例えば、果物や野菜など、冷却を必要とするアイテムの保管を可能にするために、保管及び取り出しシステムの一部分がより低い温度まで冷却されることを必要とする場合、システムを通る空気流が保管されるアイテムを冷却することがより重要である。本明細書の実施形態は、保管システムを冷却することに関して説明するが、説明するのと同じ方法を使用して、保管システム中に保管されるアイテムが同様の様式で加熱され得ることを認識されたい。更に、上記の説明は空気流に言及しているが、必要に応じてシステムを加熱又は冷却するために任意の適切なガスが循環され得ることを認識されたい。
【0051】
空気が容器内を循環することを可能にすることに加えて、容器10中のスロット50は、容器10の構造的完全性を維持しつつ、それにもかかわらず容器10の重量を低減しながら、同じ量の保管容積が利用されることを可能にする。有利には、コンテナDT又は容器10中にアパーチャ50を設けることは、各コンテナDT又は容器のコストも低減する。数十万のコンテナ及び容器を備える保管及び取り出しシステム1では、これは、著しい節約を意味することができる。
図6に示すコンテナ10の図では、コンテナ又は容器の2つの側面は、開口部又は孔50を備える。1つ以上の持ち手52が、保管コンテナが操作者によって手でピックアップされることを可能にするために、容器10の端壁48(a及びb)中に一体的に形成される。側壁46(a及びb)及び/又は端壁48(a及びb)の開口部又は通気孔50は、防漏基部を提供するように、保管コンテナ10の底壁44の上方の所定の高さに位置し、それによって、保管コンテナの中身から偶発的に漏出した流体の漏出がスタック中の隣接する保管コンテナの中身を汚染することを防止する。
【0052】
図6には、ロボット積み荷取り扱いデバイスの持ち上げ機構33の一部を形成し、容器10の上方に位置付けられたグラバーデバイス39も示す。コンテナをコンテナ受け入れ空間中に持ち上げるために使用される持ち上げ機構33は、任意の適切な形態を取ることができ、ウインチ又はクレーン機構を備える(
図4を参照)。クレーン機構は、スプール又はリール上に巻き付けられたウィンチケーブル38と、グラバーデバイス39とを備える。グラバーデバイス39は、コンテナ10の最上部を把持して、
図1及び2に示すタイプの保管システム中のコンテナのスタックからコンテナ10を持ち上げるように構成される。典型的には、グラバーデバイス39は、フレーム54として構成され、4つの持ち上げテザー38が、グラバーデバイス39の各コーナーに固定される(
図5bを参照)。最大の安定性及び荷重容量のために、一般に4つの持ち上げテザー38が、グラバーデバイス39を巻き上げるために使用され、1つのテザーが、グラバーデバイス39のコーナーの近くに又はコーナーの各々に配設されるが、異なる配置、例えば、より少ないテザーを有する配置を、所望される場合に使用することができる。テザーの各々の一端、例えば第1の端部は、積み荷取り扱いデバイス中のスプール上に巻き付けられ、他端、例えば第2の端部は、典型的にはグラバーデバイスの各コーナーにおいて、適切なブラケット(図示せず)によってグラバーデバイス39に固定される。グラバーデバイスに取り付けられるテザーの数は、コンテナ10をピックアップするときの動作中にグラバーデバイスを水平に維持する能力と、最大40kgの重量になり得るコンテナを持ち上げるときにテザーに加えられる張力に、伸長又は伸張することなく耐える、即ち、所定の加えられた引張応力下で非伸長性である能力とに依存する。必要な物理的特性(ヤング率)を有するために、テザーは、一般にテープの形態であるが、コンテナを巻き上げるのに必要な物理的特性を有する他のテザーが、スタックから容器を巻き上げることが許容可能である。
【0053】
図6に示す特定の実施形態では、グラバーデバイスのフレーム54は、4つのコーナーセクション56、最上部側及び底部側を有する。コンテナ10を握持するために、グラバーデバイス39は、コンテナ10の4つのコーナーに形成された対応する切り欠き又は穴60と嵌合する、グラバーデバイス39の各コーナーの近く又は各コーナーにおける4つの位置決めピン又はガイドピン58と、容器10のリム64と係合するためにグラバーデバイス39の底部側に配置された4つのグリッパ要素62とを備える(
図7aを参照)。位置決めピン58は、グリッパ要素62をコンテナのリム64中の対応する穴60と適切に位置合わせするのに役立つ。
図7aに示す特定の実施形態では、グリッパ要素62の各々は、コンテナのリム64中の対応する穴60中に受け入れ可能となるように折り畳み可能な一対の翼部66と、コンテナ10上にロックするように少なくとも1つの寸法においてコンテナ10のリム64中の穴60よりも大きいサイズを有する開放拡大構成とを備える(
図7bを参照)。翼部は、駆動ギア(図示せず)によって開放構成に駆動される。より具体的には、翼部のうちの少なくとも1つの頭部は、駆動ギアと噛み合う複数の歯を備え、そのため、グリッパ要素62が作動されると、駆動ギアの回転が、一対の翼部を、折り畳まれた構成(
図7a)から開放拡大構成(
図7b)に回転させる。
【0054】
折り畳まれた構成又は閉鎖構成にあるとき、グリッパ要素62は、
図7aに示すように、コンテナ10のリム64中の対応する穴60中に受け入れ可能となるようにサイズ決定される。一対の翼部の各々の足部は、止め部68(
図6を参照)、例えばボスを備え、そのため、コンテナ10のリム64中の対応する穴60中に受け入れられると、止め部68は、拡大開放構成にあるときにリム64の下側と係合して、グラバーデバイス39が積み荷取り扱いデバイスのコンテナ受け入れ空間に向かって上向きに巻き上げられるときにコンテナ上にロックされる。
図7bは、ロボット積み荷取り扱いデバイスのコンテナ受け入れ空間中に容器10を持ち上げるための拡大構成におけるグリッパ要素の構成を示す。
【0055】
グリッパ要素62は、グラバーデバイス39が、グラバーデバイスの下側に据え付けられた1つ以上の深度センサ(図示せず)によって測定されるように、コンテナのリムの上方の所定の高さにあるときに、コンテナ10中のリム64中の穴60中に受け入れられる。この深さで、グリッパ要素62は、グラバーデバイス39の下側に据え付けられた深度センサ(図示せず)のうちの1つ以上からの信号に応答して容器10を握持するように作動される。
【0056】
典型的には、容器10は、大部分が熱可塑性材料から成り、射出成形又はブロー成形のうちのいずれかを行われる。保管コンテナの成形に一般的に使用される既知の熱可塑性材料は、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン又はポリエチレン(例えば高密度ポリエチレン(HDPE))、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)及びポリカーボネート(それらのコポリマーを含む)を備える。しかしながら、そのようなプラスチック材料に伴う問題は、それらが可燃性であり、有毒ヒュームを放出することである。保管及び取り出しシステム内で火災が発生すると、容器10の材料の可燃性及び発熱性が、保管及び取り出しシステム全体を通して火災が拡散し、生命に危険が及ぶことをもたらすであろう。容器10が可燃性であるだけでなく、燃えている熱可塑性材料から放出される燃焼ヒュームには高い毒性があり、既知の発がん性物質であるベンゼンを備える。燃えている破片の結果としての微粒子の吸入は、呼吸器系への刺激を引き起こし得る。結果として、火災の急速な拡散を防止するために、スプリンクラー及び煙/熱検出ユニットなどの極端な火災予防方法及びシステムが、保管及び取り出しシステム中に組み込まれる。容器10が火災の拡散において主要な役割を果たす火災の急速な拡散を防止するための努力が成されてきたが、依然として、保管及び取り出しシステム全体を通して火災が拡散するという問題が存在する。
【0057】
本発明は、コンテナ底壁、並びに対向する側壁、及び対向する端壁を備える金属コンテナ本体を備える保管コンテナを提供することによって、上記の問題を軽減した。
図8~25を参照して以下で議論する異なるタイプの保管コンテナの例では、金属コンテナ本体が保管コンテナであるという意味で、保管コンテナの全体が金属コンテナ本体から形成される。しかしながら、本発明の保管コンテナは、金属コンテナ本体から完全に形成されることに限定されず、保管コンテナの少なくとも一部分は、他の材料、例えば、プラスチック材料を備えることができる。例えば、金属コンテナ本体は、保管コンテナの金属ライニングを形成することができる。金属コンテナ本体を備える保管コンテナは、配送コンテナDTもまた、コンテナ底壁、並びに対向する側壁、及び対向する端壁を備える本発明の金属コンテナ本体を備えることができるという意味で、配送コンテナにも適用可能である。
【0058】
図8~25を参照して以下で説明する保管コンテナは、金属コンテナ本体から形成された保管コンテナに関する。説明を容易にするために、以下の例における金属コンテナ本体は、保管コンテナと呼ぶことができる。本発明の金属コンテナ本体は、例えば、実質的に矩形のコンテナ底壁、並びに対向する側壁、及び端壁を有する、グリッドフレームワーク構造中にアイテムを保管するための現在存在する保管コンテナと同様の形状を有することができる。金属保管コンテナは、
図3を参照して上記で説明した保管及び取り出しシステム中の従来のプラスチック保管コンテナの中で使用することができる。金属保管コンテナの耐炎性挙動は、グリッドフレームワーク構造中に耐炎性障壁を形成するために使用することができる。例えば、金属保管コンテナの複数のスタックは、プラスチック保管コンテナの複数のスタックを囲む1つ以上の耐炎性障壁を形成するように配置することができる。金属保管コンテナを備える1つ以上の耐炎性障壁は、グリッドフレームワーク構造内に任意の炎を封じ込めるために使用することができる。
【0059】
本発明による金属コンテナ本体を備える保管コンテナを作製するための数多くの方法が存在する。自動保管及び取り出しシステムで使用するために、保管コンテナの重要な特徴は、8kg未満、好ましくは6kg未満、より好ましくは5kg未満の重量を有する軽量性である。金属コンテナ本体を備える保管コンテナは、スタック中に配置されたときにそれらに加えられる荷重に耐えるのに十分な構造的剛性も有すべきである。グリッドフレームワーク構造は、20個もの保管コンテナの高さの保管コンテナのスタックを保持することができる。保管コンテナの各々が35kgまでの重量を有することができることを考慮すると、これは、合計で700kgの重量になる。以下は、本発明による金属本体を備える異なる保管コンテナの本発明による異なる例である。金属コンテナ本体を備える保管コンテナが食料品アイテムの保管のために使用される場合、食品アイテムの漏れが保管コンテナから漏出し、スタック中の隣接する保管コンテナ中に保管された他の食品アイテムを汚染することを防止するために、保管コンテナが防漏性であることが重要である。流体は保管コンテナの基部に溜まる傾向があるので、金属コンテナ本体の基部は防漏性にされ、金属コンテナ本体の側壁及び/又は端壁中の任意の通気孔は、通気孔を通る流体の漏出を防止するためにコンテナ底壁の上方の所定の高さに位置する。
【0060】
図8は、本発明の第1の実施形態による金属コンテナ本体112を備える保管コンテナ110の例であり、ここで、保管コンテナ110は、コンテナ底壁115、並びに対向する側壁116(a及びb)、及び対向する端壁118(a及びb)を備える板金ブランクの深絞りプレス加工から形成される。板金ブランクは、パンチの機械的作用によって、保管コンテナの形状に類似した成形ダイ中に機械的に絞り込まれる。他の金属形成加工に優る深絞り加工の利点は、防漏保管コンテナを作る能力である。保管コンテナ110は、0.5mm~2.0mmの範囲の厚さを有するステンレス鋼板金から作製することができ、例えば、厚さは、0.55mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、及び1mmであり得る。しかしながら、限定されないが、アルミニウムを含む他の金属を金属コンテナ本体の作製に使用することができる。保管コンテナの壁に必要な構造的剛性を提供するために、好ましくは、板金ブランクの厚さは、約2mmである。
図8に示す保管コンテナ110は、保管コンテナが単一の又は単体の板金ブランクを使用して完全深絞り加工から形成される例である。上記で議論した保管コンテナと同様に、保管コンテナ110の対向する側壁116(a及びb)及び端壁118(a及びb)は、保管コンテナ110内の空気の流れを可能にするために、1つ以上のスロット又は開口部又は通気孔120を備える。1つ以上のスロット120を、深絞り加工より前に板金ブランク中に切り込むことができるか、又は代替として、1つ以上のスロットを、深絞り加工の後に、保管コンテナの対向する側壁及び/又は端壁中に切り抜くことができるか、若しくは打ち抜くことができる。同様に、1つ以上のリブ122を、保管コンテナ110の側壁116(a及びb)及び端壁118(a及びb)中に打ち抜いて、保管コンテナの壁を補強し、それによって、形成された保管コンテナの構造的完全性又は頑丈さを改善することができる。当該技術分野における保管コンテナと同様に、1つ以上の持ち手124が、保管コンテナの側壁及び/又は端壁中に形成される。リフト機構のグラバーデバイスが保管コンテナのリムと係合し、保管コンテナをロボット積み荷取り扱いデバイスのコンテナ受け入れ空間中に持ち上げることを可能にするために、リムの少なくとも一部分は、グラバーデバイスがリムと係合することを可能にするためのリップ又はフランジ126を形成される。リップ又はフランジ126を作成するために、対向する側壁及び/又は対向する端壁の上縁は、内向き及び/又は外向きに向けられるか又は屈曲される。本発明の第1の実施形態の特定の例では、金属コンテナ本体の対向する端壁の上縁におけるリムは、グラバーデバイス、特にグリッパ要素が保管コンテナのリムと係合するためのフランジ又はリップ126を形成するために外向きに向けられる。リップ又はフランジ126は、1つ以上の開口部内にグリッパ要素を受け入れるための1つ以上の開口部(図示せず)を有することができる。
【0061】
本発明の第1の実施形態の保管コンテナが保管及び取り出しシステム中で互いの上に積み重ねられることを可能にするために、保管コンテナは、保管コンテナ110のコーナーに1つ以上の止め部128を備える。スタック中の上方に隣接する保管コンテナのコンテナ底壁は、下方の保管コンテナの1つ以上の止め部に当接するか、又はそれによって支持され、それによって、隣接する保管コンテナのコンテナ底壁がスタック中の下方の保管コンテナの中身を汚すか又は押しつぶすことを防止する。
図8に示す本発明の特定の実施形態では、止め部128は、コーナーから金属コンテナ本体112の内部空間中に内向きに延在する1つ以上の凹みによって形成される。
【0062】
図8に示す本発明の第1の実施形態における深絞り保管コンテナに、スタック中に配置されたときに荷重に耐えるための更なる構造的支持を提供するために、1つ以上のコーナー支柱230を、保管コンテナ220のコーナーの外側又は内側のうちのいずれかに据え付けることができる。
図9に示す本発明の第2の例証的な実施形態では、コーナー支柱230が、保管コンテナ220のコーナーの各々の外側に据え付けられる。保管コンテナのコーナーにおけるコーナー支柱230の各々は、保管コンテナ220の全高又は深さに沿って延在し、そのため、コーナー支柱230は、スタック中の上方の隣接する保管コンテナの全重量に耐え、金属コンテナ本体212が、保管コンテナ内にアイテムを収容する機能を単に提供する。言い換えれば、コーナー支柱230は、スタック中の隣接する保管コンテナのための載置面を提供する。必要な構造的剛性を提供するために、コーナー支柱は、金属から鋳造、好ましくはダイカストされる。コーナー支柱の厚さが、板金ブランクから作製される金属コンテナ本体の壁よりも大きいことを考慮すると、プラスチック材料などの他の軽量材料を、コーナー支柱の作製に使用することができる。結果として、保管コンテナの材料は、金属コンテナ本体を形成する金属と、金属コンテナ本体のコーナーにおけるプラスチックコーナー支柱との組み合わせであり得る。プラスチックコーナー支柱を使用することは、保管コンテナの全重量を低く、例えば6kg未満、好ましくは5kg未満に保つするのに役立つ。
【0063】
図10(a及びb)に示す本発明の第3の例証的な実施形態では、保管コンテナ310の深絞り金属コンテナ本体312の対向する側壁316(a及びb)及び/又は対向する端壁318(a及びb)のうちの1つ以上は、1つ以上のインサート又は壁補強材332によって補強することができる。
図10に示すように、壁インサート332は、金属コンテナ本体312の対向する端壁318(a及びb)の各々に対して配置され、コンテナ底壁315から金属コンテナ本体312の上縁のリム334まで延在する。スタック中の隣接する保管コンテナの積み重ねを容易にするための支持面を提供するために、壁インサート332の上縁は、金属コンテナ本体のリムにリップ326を形成するために外向きに向けられる。外向きに向けられたリップ326は、グラバーデバイスが金属コンテナ本体のリムと係合し、保管コンテナをそのスタックから持ち上げることを可能にするための1つ以上の開口部336を備える。壁補強材又はインサート332は、スタック中の隣接する保管コンテナの重量に耐えるために必要な構造的完全性を保管コンテナ310の壁に提供するために、プレート中に鋳造、好ましくはダイカストすることができる。壁補強材332を鋳造するために、好ましくは、金属、例えば、鋼又はアルミニウムが使用されるが、壁補強材を作製するために、プラスチックなどの他の構造的一体材料を使用することができる。壁補強材332は、任意選択で、保管コンテナの積み重ねを容易にするために、保管コンテナ310のリム又は口部に近接して1つ以上の凹部338を備えることができ、即ち、壁補強材中の1つ以上の凹部338は、スタック中の上方の隣接する保管コンテナのコンテナ底壁と協働する支持面を提供するように構成された1つ以上の止め部を提供する。壁補強材332の下縁は、金属コンテナ本体312のコンテナ底壁315に対して当接するか、又はコンテナ底壁315中のスロット中に受け入れられる1つ以上のタブ340を備えるかのうちのいずれかを行うことができる。金属コンテナ本体312の壁、即ち、対向する側壁316(a及びb)及び対向する端壁318(a及びb)は、金属コンテナ本体312がテーパ状になるように、コンテナ底壁315から外向きに傾斜している。テーパ状の本体は、複数の保管コンテナを互いの中にきちんと積み重ね、それによってより少ない保管空間を占有することができるように、金属コンテナ本体が別の金属コンテナ本体の内側に嵌合することを可能にする。使用時には、壁補強材332は、1つ以上の保管コンテナが互いの上に支持されることを可能にするように、金属コンテナ本体312の側壁316(a及びb)及び/又は端壁318(a及びb)のうちの1つ以上に対して挿入することができる。移送中、壁補強材332は、複数の金属コンテナ本体312が共にきちんと積み重ねられることを可能にするように、別個に保管することができる。
【0064】
本発明の第1、第2、及び第3の実施形態の金属コンテナ本体は、完全深絞り板金ブランクから形成される。言い換えれば、金属コンテナ本体の全体を、単体の板金ブランクから深絞りすることができる。形成された深絞り構造は、金属コンテナ本体を形成するために、あるサイズに鋳肌仕上げ又は切削することができる。鋳肌仕上げの例は、限定されないが、深絞り構造の縁部の切削及び/又はやすり仕上げを含む。完全深絞り加工は、運搬されるときに保管コンテナが保管空間の比較的大きな部分を占めるので、嵩張る製品であるという問題を抱えている。典型的な保管システム中で数千の保管コンテナが必要とされることを考慮すると、嵩張る製品を運搬し保管することは、費用が掛かり、不経済である。使用のために運搬又は保管されるときに嵩張る製品を呈さない、金属コンテナ本体を備える保管コンテナが、このことから必要とされる。
図8~10(a及びb))を参照して議論したような完全深絞り加工によって保管コンテナの金属本体を形成することと比較して、
図11(a及びb))~16に示すような金属コンテナ本体は、深絞り加工と、折り曲げ可能な側壁を備える1つ以上のブランクを立てることとの組み合わせを備える2段階形成加工によって作製することができる。
図11(a及びb)~20に示す例証的な実施形態では、金属コンテナ本体は、別名基部としても知られる下部と、上部とを備える。下部及び基部という用語は、本特許出願において交換可能に使用される。下部は、浅い基部又はトレイを形成する、コンテナ底壁並びに対向する側壁及び端壁を備える深絞り基部を備える。下部を形成するための深絞り加工は、金属コンテナ本体の基部が防漏となることを可能にする。金属コンテナ本体の上部は、上部を、折り曲げられた板金ブランクから立てることができるか、又は共に枢動可能に接続されたプレート中に鋳造することができるという意味で、折り畳み可能である。板金ブランクは、金属コンテナ本体の側壁及び端壁を画定するように板金ブランクを折り曲げることを助けるための1つ以上の折り線を備えることができる。2段階形成加工によって金属コンテナ本体を形成する利点は、運搬のための上部及び下部を備える金属コンテナ本体の保管が、保管空間を効率的に利用することである。例えば、複数の基部を、運搬のために共に積み重ねることができる。同様に、複数の板金ブランク又はプレートを、一緒に平坦にパッキングし、次いで使用時に立てることができる。
【0065】
図11(a及びb)は、本発明の第4の実施形態による、2段階形成加工によって形成された金属コンテナ本体412の例証的な実施形態である。
図11(a)は、2つの部分、即ち下部444及び上部442から形成された金属コンテナ410を示し、
図11(b)は、本発明の例証的な実施形態による金属コンテナ本体412の箱のような構造を形成するように一緒にされた別個の部分444、442を示し、即ち、下部444は、基部を形成し、上部442は、金属コンテナ本体の上部を形成する。下部444は、板金ブランクを深絞りする又は打ち抜くことによって形成されて、コンテナ底壁415、並びに上向きに直立する対向する基部側壁446(a及びb)、及び基部端壁448(a及びb)を備える浅い基部又はトレイ444を形成する。上部442は、金属コンテナ本体412の対向する上部側壁452(a及びb)及び端壁454(a及びb)を形成するように折り曲げられた2つの別個の板金ブランク450(a及びb)から形成される。第1の板金ブランク450aは、金属コンテナ本体の1つの上部端壁454aと、金属コンテナ本体の一対の対向する上部側壁の一部分とを形成するように折り曲げられる。第2の板金ブランク450bは、金属コンテナ本体の他方の上部端壁454bと、金属本体の一対の対向する上部側壁の一部分とを形成するように折り曲げられる。対向する上部側壁部分は、リビングヒンジ460又は他の適切な枢動可能な接続によって、第1及び第2の板金ブランク450(a及びb)のそれらのそれぞれの上部端壁454(a及びb)に枢動可能に取り付けられる。第1及び第2の板金ブランク450(a及びb)は、金属コンテナ本体の上部側壁及び上部端壁を形成するためにそれぞれの板金ブランクを折り曲げることを助けるための1つ以上の折り線を備える。結果として、第1及び第2の板金ブランクは、
図11(b)に示すように立てられて組み立てられるか又は一緒にされたときに、それぞれの第1の板金ブランク450a及び第2の板金ブランク450bからの対向する上部側壁部分の各々が実質的に平行な垂直平面内にあるように、2つのそれぞれのC字形の折り目を形成するように折り曲げられる。言い換えれば、C字形の折り目は、金属コンテナ本体の上部を形成する管のような構造を形成するように一緒にされる。管のような構造は、下部又は基部形状部分444まで供給され、そこで、金属コンテナ本体412の下部444の浅い基部内に挿入されて、
図11(b)に示すような開放端又は口部を有する箱のような構造を形成する。共に組み立てられると、金属コンテナ本体412の対向する側壁416(a及びb)は、上部側壁部分及び下部側壁部分を備える。同様に、金属コンテナ本体412の対向する端壁418(a及びb)は、上部端壁部分及び下部端壁部分を備える。金属コンテナ本体の浅い部分の対向する側壁446(a及びb)及び端壁448(a及びb)は、金属コンテナ本体の下部側壁部分及び下部端壁部分をそれぞれ形成する。金属コンテナ本体412の上部の対向する側壁及び端壁は、金属本体の上部側壁部分及び上部端壁部分を形成する。深絞りされた浅い基部とC字形の折り目との組み合わせは、金属コンテナ本体の少なくとも一部分が運搬を容易にするために折り畳み可能とされることが可能である。板金ブランクを備える金属コンテナ本体の折り畳み可能な部分はまた、金属コンテナ本体の内部空間内の流体、例えば空気の循環を助けるための、板金ブランク中に打ち抜かれた複数の通気孔462を含むことができる。下部及び/又は上部を形成するための板金ブランクの厚さは、0.5mm~1mmの範囲の厚さであり得、ステンレス鋼から成ることができるが、アルミニウムなどの他の金属を、金属コンテナ本体の作製において使用することができる。下部の対向する側壁及び端壁は、浅い基部444の壁446(a及びb)、448(a及びb)が僅かにテーパ状になるように、コンテナ底壁415から外向きに傾斜することができる。これは、
図21に示すように、複数の浅い基部又はトレイ444が共に都合良く積み重ねられることを可能にする。
【0066】
図11(a及びb)にはまた、離間され、垂直に隣接する保管コンテナが互いの上に積み重ねられることを可能にするように構成された、金属コンテナ本体412のコーナーにおける1つ以上の止め部464が示されている。コーナーにおける止め部464は、スタック中の上方の隣接する保管コンテナのコンテナ底壁が下方の保管コンテナの中身を押しつぶすことを防止するように、コンテナ底壁415の上方に離間される。
図11(a及びb)に示す特定の実施形態では、1つ以上の止め部464は、金属コンテナ本体のコーナーに窪みを打ち抜くことによって形成されるが、止め部を形成するための他の手段が、本発明において適用可能である。金属コンテナ本体のリムにおける対向する壁のうちの少なくとも1つの最上縁は、積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスが、スタックから金属コンテナ本体を備える保管コンテナに解放可能に係合してそれをピッキングするためのリップ466を形成するために外向きに向けられる。
【0067】
図11(a及びb)に示すように、C字形の折り目を浅い基部中に挿入することによって、金属コンテナ本体の上部が下部の浅い基部によって支持される代わりに、
図12に示す本発明の第5の例証的な実施形態では、上部側壁部分570(a及びb)及び上部端壁部分572(a及びb)は、例えばリベット留め又は溶接によって、箱のような構造を形成するために、浅い基部のそれぞれの下部側壁部分(又は上向きに直立する基部側壁)546(a及びb)及び下部端壁部分(又は上向き直立する端壁部分)548(a及びb)に固定して接続することができる。同様に、C字形の折り目の端部は、金属コンテナ本体の上部を形成するために共に固定して接続され、金属コンテナ本体の上部は、次に、金属コンテナ本体512の下部に固定して接続される。具体的には、C字形の折り目の端部は、一端を他端の上に重ねることによって共に接続される。端部は、例えば、端部を共に溶接若しくはリベット留めすることによって、又は接着剤を使用することによって、共に固定して接続される。
【0068】
図11(a及びb)及び12に示す金属コンテナ本体の実施形態の代替は、
図13(a及びb)に示す実施形態であり、ここで、金属コンテナ本体612の上部の側壁670(a及びb)及び上部の端壁672(a及びb)は、1つ以上の保持具674、676によって共に保持される。
図11(a及びb)及び
図12に示す他の実施形態と同様に、金属コンテナ本体の上部は、上部が折り曲げられた板金ブランクから立てられるという意味で折り畳み可能である。2つの板金ブランク650(a及びb)を示しており、ここにおいて、2つの板金ブランク650(a及びb)の各々は、金属コンテナ本体612のそれぞれの側壁及び端壁の長さに沿って延在する長さを有する側壁670(a及びb)及び端壁672(a及びb)を画定するように折り曲げ可能である。言い換えれば、2つの板金ブランク650(a及びb)の各々は、実質的にL字形の構造を画定するように折り曲げ可能である。2つのL字形の構造は、下部の浅い基部に据え付けられるように構成された管状構造を作成するように一緒にされる。1つ以上の保持具676が、折り曲げられた板金ブランク650(a及びb)を浅い基部の壁646(a及びb)、648(a及びb)内に共に固定するために使用される。
図13(a)に示す特定の実施形態では、1つ以上の保持具は、折り曲げられた板金ブランクを共に固定するための、金属コンテナ本体の対向する端部におけるC字形のチャネル管676を備える。
図13(b)に示すように、金属コンテナ本体の組み立て中に、折り曲げられた板金ブランク650(a及びb)は、C字形のチャネル管676内に受け入れられる。金属コンテナ本体612に更なる強度を提供するために、1つ以上の保持具は、金属コンテナ本体612のリムを画定するために、折り曲げられた板金ブランク650(a及びb)の上縁に据え付けられるように構成された別個のリム部分674を備える。別個のリム部分は、折り曲げられた板金ブランクを共に固定することと、金属コンテナ本体のリムと係合するために、積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスのための係合表面を提供することとの二重の目的を提供する。1つ以上の保持具674、676は、金属コンテナ本体の強度を増大させるように鋳造することができる。上部は、共に枢動可能に接続された折り曲げ可能な板金ブランクから形成されるのではなく、鋳造された金属プレートであり得る。
【0069】
図11(a及びb)、
図12、及び
図13(a及びb)に示す実施形態では、上部側壁部分は、例えばリビングヒンジによって、それらのそれぞれの端壁部分に枢動可能に接続される。そのそれぞれの端壁部分に枢動可能に接続された側壁部分を備える板金ブランクを有する代わりに、金属コンテナ本体712の対向する側壁770(a及びb)及び端壁772(a及びb)は、共に組み立てられる別個の部分として形成することができる。
図14(a及びb)の本発明の第7の例証的な実施形態では、上部の壁770(a及びb)、772(a及びb)は、例えば打ち抜きによって別個の部分として形成され、その後、上部側壁部分及び上部端壁部分を形成するために共に固定して接続される。上部の分離した壁部分の接続は、スナップ嵌め接合部によって行うことができる。上部の別個の部分はまた、下部の対向する下部側壁部分746(a及びb)及び下部端壁部分748(a及びb)に固定して接続される。
図14(a)に示すような折り畳まれた状態又は分解された状態では、上部の別個の部分は、下部の浅い基部744内に折り畳まれた状態で都合良く配置することができ、従って、保管コンテナは、運搬のためのより少ない保管空間を占有する。別個の上部側壁770(a及びb)及び端壁772(a及びb)部分は、板金ブランクから打ち抜くことができ、典型的には0.5mm~1mmの範囲の厚さを有する。
図11(a及びb)~13に示す本発明の他の実施形態と同様に、下部は、深絞り加工によって形成されるか、又は板金ブランクから打ち抜かれる。使用時に、上部の別個の側壁部分770(a及びb)及び端壁部分772(a及びb)は、例えばスナップ嵌め接合部によって下部に接続されて、
図14(b)に示すような箱のような構造を作成することができる。浅い基部の上縁は、上部側壁部分及び上部端壁部分の対応する係合部分とスナップ嵌めする係合部分750を備える。
図14(a及びb)に示す特定の実施形態では、係合部分は、金属コンテナ本体の下部及び上部の側壁部分及び端壁部分内に一体的に形成される。上部の上縁は、積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスと係合するための1つ以上のアパーチャ又は開口部を金属コンテナ本体のリムに有するリップ766を形成するために内向きに向けられる。使用時には、側壁部分770(a及びb)及び端壁部分772(a及びb)を備える別個の壁は、金属コンテナ本体の対向する側壁の各々が下部側壁部分及び上部側壁部分を備えるように、浅い基部744の壁に個々に固定することができる。同様に、金属コンテナ本体の対向する端壁の各々は、下部端壁部分及び上部端壁部分を備える。
【0070】
図14(c)に示す本発明の第7の実施形態のまた更なる例証的な修正形態では、別個の上部側壁部分771(a及びb)及び上部端壁部分773(a及びb)は、浅い基部744からの金属コンテナ本体711の迅速な組み立て及び分解を可能にするように、解放可能なラッチ機構によって共に解放可能に接続することができる。上部の別個の部分はまた、下部744の対向する下部側壁部分747(a及びb)及び下部端壁部分749(a及びb)に固定して接続される。
図14(c)に示し、
図14(d)により明確に示す特定の実施形態では、上部側壁部分771(a及びb)及び上部端壁部分773(a及びb)は、上部側壁部分及び上部端壁部分のそれぞれの遠位端又は対向する端部におけるトグルラッチ760とフックとの協働によって共に解放可能に接続される。
図14(c)に示すように、上部側壁部分771(a及びb)の対向する端部は、上部端壁部分773(a及びb)の対向する端部におけるフックと協働するように構成された1つ以上のトグルラッチ760を備える。2つのトグルラッチ760を、上部側壁部分771(a及びb)の対向する端部に離間して示している。金属コンテナ本体の組み立ては、上部側壁部分及び上部端壁部分の端部を共に提供し、トグルラッチによってそれらを共に固定して接続することを伴う。本発明は、上部側壁部分の対向する端部における2つのトグルラッチに限定されず、任意の数のトグルラッチを、上部側壁部分の対向する端部中に組み込むことができる。同様に、トグルラッチは、必ずしも上部側壁部分の対向する端部にある必要はなく、上部端壁部分の対向する端部にあり得る。解放可能なラッチの利点は、金属コンテナ本体711の迅速な組み立て及び分解を可能にすることである。個々の壁部分771(a及びb)、773(a及びb)は、金属プレートとして、板金ブランクから形成、例えば、打ち抜き又は鋳造することができる。
【0071】
図14(a~d)に示す金属コンテナ本体の異なる例では、金属コンテナ本体の別個の壁部分は、保管又は移送のために積み重ねることができる。
図14(e)に示す特定の実施形態では、複数の金属コンテナ本体の別個の部分は、都合良く積み重ねることができ(780)、そのため、組み立てられた状態にあるそれらと比較して、より少ない保管空間を占める。加えて、使用時に共に組み立てられる別個の部分を有することは、別個の部分のうちのどの1つが損傷した場合でも、それらを容易に交換又は変更することを可能にし、即ち、金属コンテナ本体の予備部分を提供することを可能にする。
【0072】
図15(a~e)に示す金属コンテナ本体のまた更なる適応形態では、金属コンテナ本体790は、別個の対向する側壁及び端壁と組み合わせた深絞り加工を備える2段階形成加工によって形成される。
図14(a~e)に示す実施形態と同様に、金属コンテナ本体の上部の壁は、例えば打ち抜きによって別個の部分として形成され、その後、上部側壁部分794及び上部端壁部分795を形成するために共に固定して接続される。
図14(a~e)に示す本発明の他の実施形態と同様に、別個の対向する側壁794及び対向する端壁795は、共に組み立てられたときに金属コンテナ本体790のねじれを軽減するように補強される。
図13(a及びb)に示す実施形態と同様に、1つ以上の別個のリム部分798、799が、金属コンテナ本体790のリムを画定するために、上部側壁部分及び上部端壁部分794、795の上縁に据え付けられる。しかしながら、
図13(a及びb)に示す実施形態とは異なり、別個のリム部分798、799が、上部側壁部分794及び上部端壁部分795の各々に据え付けられる。リム部分798、799は、積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスと係合するための1つ以上の開口部又はアパーチャ810、811を備える。リム部分798、799の輪郭は、上部側壁部分794及び/又は上部端壁部分795と協働して、細長い中空部分802、805を形成する。細長い中空部分802、805は、リム部分中の1つ以上の開口部又はアパーチャ810、811の下に位置し、細長い中空部分は、リム部分798、799の全長にわたって延在し、グラバーデバイスのグリッパ要素を収容することが可能となるように配置される。詳細には、
図15(c及びd)に示すように、金属コンテナ本体790の上部側壁部分794及び上部端壁部分795は、金属ブランクの単一の外皮又は薄板から形成され、任意選択で、板金ブランクを打ち抜くことによって形成することができる。リム部分798、799は、同様に、単一の外板又は板金ブランクから形成することができる。リム部分798、799の上縁は、積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスと係合するための1つ以上のアパーチャ又は開口部810、811を有するリップ815、816を形成するために内向きに向けられる。リム部分798、799の細長い中空部分802、805は、リップ815、816の下に位置する。
図15(c及びd)に示すように、1つ以上の窪み又は屈曲部803、804が、上部側壁部分794及び/又は上部端壁部分795の上縁中に形成され、それらは、リム部分が上部側壁794及び/又は上部端壁部分795に据え付けられたときに、リム部分798、799中の1つ以上のアパーチャ又は開口部810、811と協働するように位置付けられて、
図5及び6に示すようなグラバーデバイスのグリッパ要素を受け入れるための空洞を画定する。更に、窪み又は屈曲部803、804は、上部側壁部分794及び/又は上部端壁部分795の上縁中に形成された一対の突出部800、801の間に位置付けられる。具体的には、上部側壁部分794及び/又は上部端壁部分795の上縁の窪み又は屈曲部803、804及び一対の突出部800、801は、
図15(b)に示すように、リム部分798、799の細長い中空部分802、805内に嵌合するように設計される。更に、リム部分798、799は、それらが上部側壁794及び/又は上部端壁部分795の外部上にクリップされるか又はスナップ嵌めされるように構成される。
図15(c及びd)に示すように、金属コンテナ本体790の各コーナーに隣接して位置付けられた上部側壁部分794及び/又は上部端壁部分795の上縁中に2つの窪み又は屈曲部803、804と、2対の突出部800、801とが存在する。同様に、
図15(c及びd)に示すリム部分798、799上には、2つのアパーチャ又は開口部810、811が位置付けられ、これらは、金属コンテナ790の各コーナーに隣接して位置付けられ、上部側壁部分794及び/又は上部端壁部分795中の2つの窪み又は屈曲部803、804と垂直に位置合わせされる。この配置は、上部側壁部分794及び/又は上部端壁部分795の長さにわたって、特にグリッパデバイスと相互作用するエリアの周りで、リム部分798、799と上部側壁部分794及び/又は上部端壁部分795との間に良好な接続が存在することを確実にする。金属コンテナ本体の箱のような構造の構造的完全性を改善し、上部側壁部分と上部端壁部分とが共に固定されることを可能にするために、1つ以上のフランジ806、807が、上部側壁部分794及び上部端壁部分795の対向する端部に形成される。上部端壁部分795のフランジ807は、箱のような構造を形成するように金属コンテナ本体の下部791と一緒にされたときに、上部側壁部分794の隣接するフランジ806の上に置かれるように構成される。例えば、上部端壁部分795のフランジ807は、上部側壁部分794からの隣接するフランジ806の上に置かれるように構成される。これは、
図15(e)に示す。隣接する上部側壁部分又は上部端壁部分のフランジの各々は、金属コンテナ本体のコーナーを横切って延在して、コーナーを補強する。当該技術分野で知られている様々な締結具は、上部側壁794及び端壁部分795を、それらのそれぞれのフランジを使用して金属コンテナ本体のコーナーにおいて共に固定するために使用することができる。これらは、限定されないが、溶接、例えばスポット溶接、リベット留め、及び/又は接着剤の使用を含む。本発明の特定の実施形態では、上部側壁部分794及び上部端壁部分795のフランジ806、807は、機械的クリンチングと呼ばれる加工によって共に固定又は接続される。クリンチングは、リベット留めと同様であるが、別個のリベットを必要とせず、特殊なパンチ及びダイを使用して板金を塑性変形させて、板金層間に物理的なインターロックを作成することを伴う。箱のような構造の構造的完全性を更に改善するために、上部端壁部分795上に据え付けられたリム部分798はまた、上部端壁部分795の各フランジ807の上に置かれるリムフランジ812を各コーナーに備える。
【0073】
グラバーデバイスのグリッパ要素が保管コンテナのリム部分中のアパーチャ又は開口部810、811と適切に位置合わせされることを可能にするために、金属コンテナ本体は、グラバーデバイスのガイドピン又は位置決めピンを収容するための、上縁から箱のような構造の高さに少なくとも部分的に沿って垂直に延在するガイド796を金属コンテナ本体790の箱のような構造のコーナーの各々に備える。
図6を参照して上記で議論したように、ガイド796は、グリッパ要素62を保管コンテナのリム部分798、799の開口部810、811と適切に位置合わせするように、グラバーデバイスのガイドピン又は位置決めピンと協働するように成形される。金属コンテナ本体のコーナーにあるガイド796は、上部側壁部分及び/又は上部端壁部分794、795のフランジ807中の細長い垂直窪みによって形成される。細長い垂直窪み796は、上部側壁部分794及び/又は上部端壁部分795の板金中の1つ以上の屈曲部によって形成することができる。本発明の特定の実施形態では、細長い垂直窪み796は、
図15(d)に示すように、上部端壁部分795のフランジ807中に形成される。対応する細長い窪み813が、上部端壁部分795に据え付けられたリム部分798中に形成され、それらは、
図15(d)に示すように、上部端壁部分795のフランジ807中に形成された細長い垂直窪み796と協働するように成形される。上部端壁部分795のフランジ807中の細長い垂直窪み796は、
図15(e)に示すように、上部側壁部分794と上部端壁部分795とが一緒にされたときに、金属コンテナ本体790の箱のような構造のコーナーにおいて上部側壁部分794のフランジ806の上に置かれるように構成される。上部側壁部分794及び上部端壁部分795の上に置かれるフランジ806、807は、リム部分798のフランジ812上の上に置かれる細長い垂直窪み813と共に、金属コンテナ本体790のコーナーに3つの重なり合う層を提供する。これは次に、特に、金属コンテナ本体を備える保管コンテナが保管コンテナのスタック中に配置されるときに、上に配置される1つ以上の保管コンテナからの荷重に耐えるために金属コンテナ本体790のコーナーを補強する。このことから、
図15(e)に示す3つの部分のコーナー構造から、金属保管コンテナ790のコーナーを通した剛性が存在する。金属コンテナ本体のコーナー部分におけるリム部分の縁部797は、上部側壁部分のフランジ806の周りを包むように輪郭形成され、そのため、上部側壁部分へのリム部分の接続を改善する。
【0074】
図16に示す金属コンテナの第9の実施形態では、金属コンテナ本体818は、深絞り基部820、及び上部側壁部分822、及び上部端壁部分824を備える。各上部側壁部分822及び上部端壁部分824上には、リム部分823、825が据え付けられる。深絞り基部820は、基部の剛性を増大させ、搬送システム中の下にあるローラに対する把持を増大させるために、コンテナ底壁内にエンボス加工されたパターンを備える。
図16では、エンボス加工された表面は、六角形のパターンを備えるが、
図17(b)に示すような正方形のパターンなど、あらゆる種類のパターンが使用され得る。
図15に示す金属コンテナ本体とは対照的に、本実施形態では、上部端壁部分824上に据え付けられたリム部分825のフランジ821は、金属コンテナ本体818のコーナーの最上部から深絞り基部820まで垂直に延在する。
図16に示すように、これは、リム部分825のフランジ821と上部端壁部分824のフランジ827の両方が、金属コンテナ本体818のコーナーの垂直全長に沿った増大した剛性を提供することを意味する。
図16はまた、金属コンテナが、上部側壁部分822の各々上に切り欠き819を備えることを示す。切り欠き819は、リム部分823によって囲まれて補強されて、増大した剛性を提供し、リム部分823は、切り欠き819の両側で下に延在し、そのため、リム部分823は、切り欠き819の高さよりも高い垂直高さを有する。上部側壁部分822の各々中に切り欠き819を有することによって、金属コンテナ本体818は、配送トートを保持するために使用することができる。
【0075】
図16に示す金属コンテナはまた、深絞り基部820のコーナー中に差し込まれるコーナーピース又は足部826を備える。コーナーピース826は、配送トートが、配送トート機械に適した高さで金属コンテナ本体818内に位置することを可能にする。
【0076】
4つのリム部分を備える
図15及び16に示す金属保管コンテナとは対照的に、
図17に示す金属保管コンテナ828は、2つのリム部分834を備え、これらは、上部端壁部分836の各々上に据え付けられる。リム部分834は、
図17(c)により詳細に示し、細長い中央部分837と、細長い中央部分の両側における2つの窪み838とを備える。2つの窪み838は、グリッパデバイスが金属保管コンテナ828と係合することを可能にする。リム部分834は、突出リップ849中に延在し、そのため、リム部分834が上部端壁部分836上に据え付けられたときに、突出リップ849が、スタック中の上方の隣接する保管コンテナの基部830のコンテナ底壁を支持するのに役立つ。そのような隣接する保管コンテナはまた、上部端壁部分の上縁において最上縁折り返し部831によって支持され、それについては、簡単に議論する。リム部分834は、
図17(c)では1つの構成要素として示すが、同様に、細長い中央部分837の中央で接合され、共にスポット溶接された2つの構成要素として形成され得る。
【0077】
リム部分834は、上部端壁部分836の上縁において最上縁折り返し部831上に嵌合するように構成される。最上縁折り返し部831は、幅が約20mmであり、リム部分834の細長い中央部分837と係合し、グリッパデバイスがリム部分834の窪み838を通して金属保管コンテナ828と係合するためのアクセスを可能にするように構成される。リム部分834は、スポット溶接を使用して最上縁折り返し部831上に嵌合され固定される。スポット溶接はまた、金属保管コンテナの他の部分を共に固定するために使用され、例えば、
図17(a)に示すように、上部端壁部分836は、3つのスポット溶接部833によって基部830に取り付けられ、上部側壁部分832は、4つのスポット溶接部によって基部830に取り付けられるが、上部側壁部分及び/又は上部端壁部分は、任意の数のスポット溶接部、例えば、1つの側面につき2、5、6、7、8、又は9つのスポット溶接部によって接続され得る。具体的には、上部端壁部分836及び上部側壁部分832は、基部の上方に直立する基部側壁部分及び基部端壁部分に取り付けられる。
【0078】
上部側壁部分832及び上部端壁部分836は、金属を成形することから形成されたリブ又はビーク835を備える。リブ又はビーク835は、上部側壁部分832及び上部端壁部分836の基部の近くに位置する。リブ又はビーク835は、上部側壁部分832及び上部端壁部分836の剛性を増大させる。
図17(a)に示すように、リブ又はビーク835は、上部側壁部分832及び上部端壁部分835の長さに沿って対称的に配置される。リブ又はビーク835は、箱のような構造に組み立てられたときに、上部側壁部分832及び上部端壁部分836の移動を最小限に抑える。
図17(a)に示すように、上部端壁部分836上には3つのリブ又はビーク835が位置付けられ、上部側壁部分832上には7つのリブ又はビークが位置付けられる。上部側壁部分832及び上部端壁部分836中には任意の数のリブ又はビークが存在し得、例えば、各上部側壁部分832及び/又は上部端壁部分836上に4、5、6、8又は9つのリブ又はピークが存在し得る。
【0079】
金属コンテナ本体828の各上部側壁部分832及び上部端壁部分836は、各コーナーにフランジ840a、840bを備える。
図17(d)に示すように、上部側壁部分832及び上部端壁部分836が箱のような構造828を形成するように基部830内に位置付けられたとき、各フランジ840a、840bは、別の隣接するフランジの上又は下に重なる。
図17(d)は、具体的には、上部端壁部分836のフランジ840aの内側に位置付けされた上部側壁部分832のフランジ840bを示す。一方のフランジが他方のフランジの上に置かれるこの構造は、コーナーを補強して、より大きな垂直の構造的剛性を提供する。
図15(e)に示すコーナーとは対照的に、本実施形態におけるコーナーは、3つではなく2つのピースを備える。これは、
図15に示す実施形態に勝るコスト上の利点を提供する。上部側壁部分832及び上部端壁部分836は、
図17(e)に示すように、上部側壁832又は上部端壁836を基部側壁又は基部端壁841の内側に配置し、2つのそれぞれの壁を共にスポット溶接することによって、基部830に接続される。
【0080】
加えて、金属保管コンテナ828は、上部側壁又は端壁部分の1つ以上のフランジ中に孔を備える。
図17(a)に示すように、孔839が、上部端壁部分836のフランジ840aの各々中に位置する。代替として又は加えて、1つ以上の孔が、上部側壁部分832のフランジ840bの各々中にも位置し得る。1つ以上の孔839は、必要に応じて、金属保管コンテナ828を同じ場所中に正確に繰り返し位置付けることができるように、位置付けツールとして使用することができる。
【0081】
本実施形態は、例えば、配送トートマシン中のコンテナの位置及び位置合わせを識別するのに役立つように、金属保管コンテナの外部上に位置するバーコード(図示せず)を使用する。これは、
図16の実施形態で使用されるようなコーナーピース又は足部を使用することの代替形態である。
【0082】
図18に示す金属保管コンテナ842の第11の実施形態は、
図17の実施形態と同様である。しかしながら、
図18に示す実施形態は、各上部側壁部分845上に位置付けられた凹部843を更に備える。凹部843は、C字形であり、位置合わせツールを凹部843中に差し込むことができ、従って、例えば、配送トートマシン中での金属保管コンテナの正確な位置合わせを確実にするようにサイズ決定及び成形される。
図16に示す実施形態と同様に、第11の実施形態の金属保管コンテナ842はまた、上部側壁部分845の各々中に切り欠き847を備える。上部側壁部分845の各々中に切り欠き847を有することによって、金属コンテナ本体842は、配送トートを保持するために使用することができる。
【0083】
図14~18は、基部とは別個の上部側壁部分及び上部端壁部分有する金属保管コンテナの異なる実施形態を示す。代替として、金属コンテナ本体860の上部側壁部分870(a及びb)及び上部端壁部分872(a及びb)は、
図19(a及びb)の本発明の例証的な第12の実施形態に示すように、ヒンジ880、例えばリビングヒンジによって、浅い基部又はトレイ844の対応する下部側壁部分846(a及びb)及び下部端壁部分848(a及びb)に枢動可能に取り付けることができる。使用時には、上部側壁部分870(a及びb)及び上部端壁部分872(a及びb)は、上部側壁部分870(a及びb)及び上部端壁部分872(a及びb)の隣接する端部が箱のような構造を形成するように接合されるように、
図19(b)に示すように、それらのそれぞれの枢動可能な接続部880を中心として回転される。上部側壁部分870(a及びb)の隣接する端部と上部端壁部分872(a及びb)の隣接する端部との間の接合部は、スナップ嵌め接合部、溶接、リベット留め、又は接着剤の使用にさえより得る。上記で議論した本発明の他の実施形態と同様に、金属コンテナ本体のリムにおける側壁及び端壁の上縁は、グラバーデバイスと解放可能に係合するためのリップ又はフランジ866を形成するために内向きに向けられる。
【0084】
代替として、
図20(a及びb)の本発明の第13の例証的な実施形態に示すように、上部側壁部分970(a及びb)及び上部端壁部分972(a及びb)の対向する端部は、1つ以上のコーナー支柱930によって金属コンテナ本体912のコーナーにおいて共に接合することができる。鋳造することができるコーナー支柱930は、グリッドフレームワーク構造中で他の保管コンテナと積み重ねられたときに座屈しないように、金属コンテナ本体912の壁に構造的完全性を提供する。
図20(b)に示すような組み立てられた状態では、金属コンテナ本体912の側壁は、下部側壁部分946(a及びb)及び上部側壁部分970(a及びb)を備える。同様に、金属コンテナ本体912の端壁は、下部端壁部分948(a及びb)及び上部端壁部分972(a及びb)を備える。
【0085】
図14(a及びb)~
図20に示す本発明の他の実施形態と同様に、浅い基部の基部側壁部分及び基部端壁部分は、
図21に示すように、運搬を容易にするために複数の金属コンテナ本体を互いの上に積み重ねることができるように、コンテナ底壁から外向きに傾斜している。
図19及び20に示す第12及び第13の実施形態では、浅い基部のそれらのそれぞれの下部側壁部分及び下部端壁部分に枢動可能に取り付けられた上部側壁部分及び上部端壁部分を有することは、金属コンテナ本体の部品のうちのいずれもが移送中に失われることを防止し、使用時に金属コンテナを容易に組み立てることを可能にする。
【0086】
深絞り基部及び1つ以上の折り曲げられた板金ブランクから金属コンテナ本体を形成することとは対照的に、金属コンテナ本体の基部及び上部は、
図22及び23に示す本発明の第14及び第15の例証的な実施形態に示すように、1つ以上のパターン化された板金ブランクから形成することができる。食料品アイテムの保管のために、1つ以上のフランジを板金ブランクの縁部において屈曲又は折り曲げることができ、そのため、立てられると、フランジは、側壁及び端壁を共に直立位置に保持し、そして金属コンテナ本体から流体が漏出することを防止するために、金属コンテナ本体の隣接する側壁と端壁との間の接合部を密封するのに役立つ。金属コンテナ本体の隣接する壁(側壁及び端壁)の間の接合部にフランジを設けることの代替として、又はそれと組み合わせて、金属コンテナ本体内の内部空間は、保管コンテナの中身から漏出するいかなる漏れも封じ込めるために、ポリマーライナ又は内側コンテナを備えることができる。
【0087】
図22(a及びb)に示す本発明の第14の例証的な実施形態では、金属コンテナ本体1012は、金属コンテナ本体1012のコンテナ底壁1015、側壁1016(a及びb)、及び端壁1018(a及びb)を形成するように立てられる2つの板金ブランク1050(a及びb)から形成される。1つ以上の板金ブランク1050(a及びb)から金属コンテナ本体1012を立てることは、運搬及び保管を容易にするために金属コンテナ本体を平坦にパッキングすることができるという利点を有する。
図22(a)に示す特定の実施形態では、金属コンテナ本体1012は、金属コンテナ本体1012のコンテナ底壁1015及び対向する側壁1016(a及びb)を形成する主要セクション1050aと、金属コンテナ本体1012の端壁1018(a及びb)を形成する別個の端部プレート1050bとから形成される。板金ブランクの主要セクション1050aは、主要セクション1050aの長手方向に対して垂直に走る、破線として示す折り線1052を備える。使用時に、板金ブランクの主要セクション1050aは、対向する開放端を有する金属コンテナ本体1012のコンテナ底壁1015及び対向する側壁1016(a及びb)を作成するように折り線1052に沿って折り曲げられ、即ち、対向する側壁がコンテナ底壁に対して実質的に直角になるように折り曲げられる。
図22(b)に示すように、端部プレート1050bが、次いで、箱のような構造を形成するように対向する開放端を覆うために使用される。主要セクション1050a及び/又は端部プレート1050bの縁部又は遠位端は、端部プレート1050bを板金ブランクの折り曲げられた主要セクション1050aに固定するための、即ち端部プレート1050bを側壁1016(a及びb)に固定するためのフランジ1054を作成するように折り曲げることができる。
図22に示す本発明の特定の実施形態では、板金ブランクの主要セクションの対向する縁部は、フランジ1054を形成するように延長される。端部プレート1050bを板金ブランク1050aのフランジ1054に固定することは、溶接、接着剤の使用、又は他の固定手段によって行うことができる。
図22(b)に示す特定の実施形態では、端部プレート1050bは、リベット留めによって板金ブランク1050aのフランジ1054に固定して取り付けられる。上記で説明した本発明の他の実施形態と同様に、主要セクション1050a及び/又は端部プレート1050bは、1つ以上の通気孔1020を備えることができ、それらの通気孔は、通気孔1020及び/又は持ち手を作成するために、それらのそれぞれの板金ブランク1050a又は端部プレート1050b中に打ち抜くことができる。板金ブランクの主要セクション及び端部プレートの少なくとも1つの縁部又は端部は、
図22(b)に示すように、組み立てられた箱のような構造の周縁の周りのリムにリップ1064を作成するために内向き又は外向きに向けることができる。本発明の他の実施形態と同様に、リムにおけるリップ1064は、スタックから保管コンテナを持ち上げるときに、積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスが金属コンテナ本体と係合することを可能にする。
【0088】
代替として、金属コンテナ本体1112は、単一の部品から、より具体的には、
図23(a及びb)に示す第15の例証的な実施形態にあるように、単一の板金ブランク1150から形成することができる。
図23(a)に示すように、板金ブランク1150は、コンテナ底壁1115を形成する中央セクションと、例えばリビングヒンジによって中央セクション1115に取り付けられた対向する側壁1116(a及びb)及び端壁1118(a及びb)セクションとを備える。金属コンテナ本体を立てることは、
図23(b)に示すような箱のような構造を形成するように、対向する側壁1116(a及びb)及び端壁1118(a及びb)セクションをコンテナ底壁セクション1115に対して実質的に直角に折り曲げることを備える。板金ブランク1150は、対向する側壁及び端壁セクションを折り曲げることを助けるための折り線1152を備えることができる。側壁及び/又は端壁及び/又はコンテナ底壁部分の縁部は、金属コンテナ本体の壁を共に接合するためのフランジを作成し、防漏コンテナ本体を提供するように折り曲げることができる。代替として、金属コンテナ本体内の内部空間は、保管コンテナからのいかなる漏れも封じ込めるために、ポリマーライナ又は内側コンテナを備えることができる。1つ以上の保持具が、対向する側壁及び端壁を直立位置に保持するために使用することができる。同様に、対向する側壁及び端壁の上縁又は端部は、箱のような構造のリムにリップ1164を形成するように、例えば内向き又は外向きに向けることができる。リムは、グラバーデバイスが金属コンテナ本体と係合することを可能にするための1つ以上の開口部1160を備える。金属コンテナ本体の他の実施形態と同様に、1つ以上の通気孔1120を、例えば、打ち抜き又は他の手段によって板金ブランク中に切り抜いて、空気が金属コンテナ本体内を循環することを可能にすることができる。
【0089】
図8~23を参照して説明した、例えば、深絞り加工又は板金ブランクの折り曲げによって、金属コンテナ本体を作製するために板金ブランクを利用する実施形態の全てでは、板金ブランクは、ラミネート構造のポリマーライニングでコーティングすることができる。これは、保管コンテナの中身が食品アイテムを備える場合に、食品アイテムが金属コンテナ本体に曝されることによる汚染を防止するために特に重要である。加えて、板金ブランクは、立てられた金属コンテナ本体の構造的完全性を改善するために、板金ブランク中に1つ以上のリブを形成することによって、例えば打ち抜きによって波形にすることができる。
【0090】
本発明の別の例証的な実施形態では、コンテナ底壁1215、対向する側壁1216(a及びb)、及び端壁1218(a及びb)を備える金属コンテナ本体1212は、単一の単体として鋳造することができる。例えば、金属コンテナは、ダイカストすることができるか、又は代替として、インベストメント鋳造加工によって鋳造することができる。
図24に示す本発明の第16の例証的な実施形態では、金属コンテナ本体1212は、単一の単体としてダイカストされる。上記で議論した他の実施形態と同様に、折り畳み可能な保管コンテナを提供しないが、金属コンテナ本体を単一の単体として鋳造することは、単一の部品において改善された強度を提供して、スタック中に配置されたときに金属コンテナ本体の壁の座屈を防止する。金属コンテナ本体は、約1~1.5mmの壁厚を有するアルミニウムから鋳造することができる。しかしながら、他の軽量金属を、金属コンテナ本体を鋳造するために使用することができる。金属コンテナ本体を鋳造することの別の利点は、保管コンテナからの流体の漏出を防止するための防漏コンテナを提供することである。通気孔1220は、金属コンテナ本体を鋳造するときにその場で形成することができるか、又は代替として、通気孔は、鋳造された後で金属コンテナ本体の壁中に機械加工することができる。通気孔1220は、いかなるこぼれも捕捉するための防漏基部を提供するように、コンテナ底壁の上方の所定の高さに位置することができる。任意選択で、1つ以上のリブ1222を、スタック中にあるときの荷重に耐えるように金属コンテナ本体の構造的完全性を改善するために、金属コンテナ本体1212の壁(側壁及び端壁)中に鋳造することができる。
【0091】
上記で説明した本発明の異なる実施形態では、金属コンテナ本体の壁は、中実材料から成るという意味で一般に中実であり、金属コンテナ本体の内面が食品に対して安全であることを確実にするために、コーティングを備えることができるか、又はラミネートすることができる。1つ以上の壁補強材及び/又はインサート及び/又はコーナー支柱を,保管コンテナの構造的完全性を改善するために、金属コンテナ本体中に組み込むことができる。本発明のまた更なる例証的な実施形態では、金属コンテナ本体の壁は、二次充填材料を組み込むために中空にすることができる。
図25に示す本発明の第17の例証的な実施形態では、対向する側壁1316(a及びb)及び端壁1318(a及びb)、及び任意選択でコンテナ底壁1315は、中空である。金属コンテナ本体の壁内の中空空間は、金属コンテナ本体1312の特性を改善するために充填材料で充填することができる。例えば、充填材料は、保管コンテナに防音音響特性を提供するポリマー発泡体であり得る。任意選択で、充填材料は、耐火性であり得る。軽量で耐火性の典型的な耐火性材料は、限定されないが、バーミキュライトを含む。充填材料はまた、スタック中に保持されるときに荷重に耐えるように保管コンテナの構造的特性を改善することができる。
図25には示していないが、1つ以上のリブを、保管コンテナの構造的完全性を改善するために、保管コンテナの壁中に形成することができる。隣接する側壁と端壁との間の接合部は、溶接、接着剤の使用、又はリベット、単にさねはぎ接合部によって共に固定することができる。コンテナ底壁、側壁、及び端壁は、運搬を容易にするために使用時に共に組み立てられる別個の部分であり得る。
【0092】
保管コンテナの中身が食料品アイテムである場合、食料品アイテムは、食品安全基準に適合するコンテナ中に保管されることが必須である。食品安全基準に適合するであろう金属コンテナ本体の作製に使用することができる金属のタイプは限られている。これらは、304ステンレス鋼などの様々なステンレス鋼材料を含む。しかしながら、ステンレス鋼から金属コンテナ本体を作製することは、金属が、より低級な鋼又はアルミニウムなどの他のタイプの金属よりも低密度であり、一般に高価であるという問題を抱えている。結果として、金属コンテナ本体の壁は、産業における同様の重量のその対応するプラスチック変形形態と比較して比較的薄いであろう。火災の影響を受けやすい保管コンテナのエリアは、保管コンテナの外面である。金属コンテナ本体は耐火性であるので、金属コンテナ本体は、保管コンテナの内部空間中への火の進入を防止又は制限するように、不燃性エンクロージャを形成する耐火性本体として機能することができる。金属コンテナ本体は、不燃性エンクロージャとして機能し、食料品アイテムの保管のための食品安全基準に適合することができるので、耐火性本体は、食品グレードの材料から形成されるライナを備えることができる。食品グレードの材料の例は、限定されないが、様々な食品グレードのプラスチック材料、紙又は厚紙などのセルロースベースの材料を含む。ライナを耐湿性にするために、紙又は厚紙のライナを、食品安全ワックスで含浸させるか、又はコーティングすることができる。耐火性本体の内面の少なくとも一部分は、ライナ1420の高さが、
図26及び27に示すように金属コンテナ本体1412の全高に部分的に延在するか、又は
図28及び29に示すように金属コンテナ本体1412の全高ライナ1422に部分的に延在するという意味で、食品安全又はグレードの材料から形成されたライナ1420、1422を備える。食料品アイテムの保管に適合するライナ1420、1422の使用は、耐火性本体に異なる材料が使用されることを可能にする。上記で説明した特定の実施形態では、耐火性本体1412は、金属を備えることができるか、又は様々なセラミック材料及び様々な耐火性プラスチック材料、例えば耐火性添加剤を備えるプラスチック材料を含む他の耐火性材料を、耐火性本体の作製に使用することができる。この耐火性本体は、より低密度の材料を備えることができるが、現在のプラスチックベースの保管コンテナと同じ構造的完全性及び耐荷重能力を有することができる。結果として、耐火性本体の壁をより厚くすることができ、そのため、保管コンテナの壁に、スタック中の複数の保管コンテナの重量を支持するのに十分な耐荷重能力を与えることができる。
【0093】
図26に示す本発明の特定の実施形態では、耐火性本体は、底壁1415、並びに上向きに直立する対向する側壁1416a、1416b、及び端壁1418a、1418bを備える金属コンテナ本体1412を備える。金属コンテナ本体1412は、ライナ1420で部分的に裏打ちされている。
図27に示す本発明の特定の実施形態では、ライナ1420は、金属コンテナ本体1412中のインサートとして形成されたトレイ又は浅い基部である。トレイ1420は、食品グレードの材料から形成され、肉などの食料品アイテムからの汁の漏れを防止するために防漏性である。防漏ライナを形成する様々な例が存在する。これらは、限定されないが、単体型のライナのブロー成形、熱成形を含み、ここで、ライナは、食品グレードのプラスチック材料を備える。ライナが紙又は厚紙などのセルロースベースの材料を備える場合、ライナは、ワックス材料で含浸又はコーティングされた折り曲げ可能な薄板ブランクから形成することができる。ライナの高さは、金属コンテナ本体の全高に延在する必要はなく、金属コンテナ本体の全高に部分的に延在することができる。
図27に示す例では、トレイ1420の高さは、金属コンテナ本体1412の高さの半分に延在する。これは、保管コンテナ中に保管された食料品アイテムが、保管コンテナの底壁にのみ、対向する側壁及び端壁に部分的に沿って接触する場合、及び/又は食料品アイテムの汁が漏れて近くの保管コンテナ中の他の食料品アイテムを汚染することを防止することだけが必要とされる場合に、許容可能であると考えられる。しかしながら、これは、ライナが金属コンテナ本体の全高に延在し得ると言っているわけではない。
図28及び29は、ライナ1422が金属コンテナ本体1412の全高に延在する例を示す。ここでも、ライナ1422は、
図28に示すように、金属コンテナ本体の内側に配置されるインサートとして機能する。
【0094】
紙又は厚紙に基づくライナを有することは、ライナが使い捨てになることを可能にし、異なるタイプの食料品アイテムが金属コンテナ本体中に保管されることを可能にし、保管コンテナの内面を継続的に洗浄する必要性を制限する。保管コンテナが金属コンテナ本体、特に低級鋼を備える場合、保管コンテナを洗浄するために水を使用することは、金属コンテナ本体を腐食又は錆びさせ、金属コンテナ本体を食料品アイテムの保管に使用できなくする傾向を有する。食品グレードの材料から成るライナを使用することは、金属コンテナ本体を洗浄する必要性を取り除き、それによって金属コンテナ本体の寿命を延ばす。本発明の好ましい実施形態を上記で詳細に説明したが、上記で説明した異なる特徴、及び異なる実施形態に関連して説明した特徴の異なる組み合わせを包含する保管コンテナの様々な修正形態が、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内で適用可能であることを理解されたい。
【0095】
本発明の更なる特徴は、以下の番号付けされた条項を参照して説明し得る。
【0096】
条項1:トラックシステムと保管コンテナの複数のスタックとを備える保管及び取り出しシステムにおいて、1つ以上のアイテムを保管するための保管コンテナ(828)であって、トラックシステムは、複数のグリッド空間又はグリッドセルを備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内で平行なレール又はトラックの第1のセットに対して横方向に走る平行なレール又はトラックの第2のセットとを備え、複数のスタックは、トラックシステムの下に位置しており、保管コンテナの複数のスタックの各スタックは、単一のグリッド空間又はグリッドセルを占有し、第1の難燃性の保管コンテナは、コンテナ底壁と、箱のような構造内に1つ以上のアイテムを受け入れるための開放端を有する箱のような構造中に配置された上向きに直立する対向する側壁及び端壁とを備える、保管コンテナにおいて、
保管コンテナは、不燃性エンクロージャを形成する耐火性コンテナ本体を備え、耐火性コンテナ本体の内面の少なくとも一部分は、食品グレードの材料から形成されたライナを備えることを特徴とする、保管コンテナ。
【0097】
条項2:耐火性コンテナ本体は、セラミックコンテナ本体である、条項1に記載の保管コンテナ。
【0098】
条項3:耐火性コンテナ本体は、プラスチックコンテナ本体である、条項1に記載の保管コンテナ。
【0099】
条項4:上向きに直立する対向する側壁及び/又は端壁のうちの少なくとも1つは、分離可能である、条項1~3のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【0100】
条項5:ライナは、食品グレードのプラスチック材料及び/又はセルロースベースの材料を備える、条項1~4のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【0101】
条項6:セルロースベースの材料は、ろう材料でコーティング又は含浸されている、条項5に記載の保管コンテナ。
【0102】
条項7:セルロースベースの材料は、紙又は厚紙である、条項6に記載の保管コンテナ。
【0103】
条項8:ライナは、折り曲げられた紙又は厚紙ブランクから形成されている、条項7に記載の保管コンテナ。
【0104】
条項9:ライナは、使い捨てである、条項1~8のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【0105】
条項10:ライナは、浅い基部又はトレイである、条項1~9のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【0106】
条項11:ライナは、防漏コンテナである、条項1~10のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
【0107】
条項12:防漏コンテナは、一体型の熱成形されたコンテナである、条項11に記載の保管コンテナ。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックシステムと保管コンテナの複数のスタックとを備える保管及び取り出しシステムにおいて、1つ以上のアイテムを保管するための保管コンテナ(828)であって、
前記トラックシステムは、複数のグリッド空間又はグリッドセルを備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内で前記平行なレール又はトラックの第1のセットに対して横方向に走る平行なレール又はトラックの第2のセットとを備え、
前記複数のスタックは、前記トラックシステムの下に位置しており、
保管コンテナの前記複数のスタックの各スタックは、単一のグリッド空間又はグリッドセルを占有し、前記保管コンテナは、金属コンテナ本体(829)であって、単一の単体として形成され、トレイを画定するためのコンテナ底壁(814)並びに上向きに直立する基部側壁部分及び基部端壁部分(841)を有する基部(830)と、箱のような構造内に前記1つ以上のアイテムを受け入れるための開放端を有する前記箱のような構造を形成するために、前記基部のそれぞれの前記基部側壁部分及び前記基部端壁部分(841)から上向きに延在し、それらに接続される上部側壁部分及び上部端壁部分(832,836)を有する別個の上部と、を備える金属コンテナ本体(829)を備える、保管コンテナ。
【請求項2】
前記金属コンテナ本体の前記基部(830)は、深絞り板金ブランクから形成されている、請求項1に記載の保管コンテナ。
【請求項3】
前記金属コンテナ本体は、前記箱のような構造の前記開放端の周縁の少なくとも一部分の周りに延在するリム部分(834,798)を備え、前記リム部分は、積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスとの係合のための1つ以上の開口部又は窪み(838,811)を備える、請求項1又は2に記載の保管コンテナ。
【請求項4】
前記リム部分(834,798)は、スタック中の上方の隣接する保管コンテナの前記コンテナ底壁を支持するための、前記上部側壁部分及び前記上部端壁部分(836,795)から内向き又は外向きに向けられた突出リップ(849,816)を備
え、任意選択で、前記リム部分(834,798,799)は、前記上部側壁部分及び/又は前記上部端壁部分(836,794,795)に別個に接続されている、請求項3に記載の保管コンテナ。
【請求項5】
前記金属コンテナ本体の各コーナーは、複数の重なり合う層を備える、請求項1
又は2に記載の保管コンテナ。
【請求項6】
前記上部側壁部分(794)は、前記上部端壁部分(795)に別個に固定されている、請求項1
又は2に記載の保管コンテナ。
【請求項7】
前記上部側壁部分(794)及び/又は前記上部端壁部分(795)は各々、前記上部側壁部分を前記上部端壁部分に固定して接続するための少なくとも1つのフランジ(806,807)を備える、請求項
6に記載の保管コンテナ。
【請求項8】
各フランジ(806,807)は、隣接するフランジの上に置かれるか、又は下に置かれるかのうちのいずれかが行われるように構成されている、請求項
7に記載の保管コンテナ。
【請求項9】
前記保管コンテナは、前記積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスの位置合わせ用のガイド(796)を前記保管コンテナの各コーナーに更に
備え、任意選択で、前記ガイド(796)は、前記上部側壁部分及び/又は前記上部端壁部分の前記フランジ(807)中の細長い垂直窪みによって形成されている、請求項7に記載の保管コンテナ。
【請求項10】
前記基部(820)は、前記コンテナ底壁内にエンボス加工された1つ以上のパターンを備える、請求項1
又は2に記載の保管コンテナ。
【請求項11】
前記保管コンテナは、食品グレードの材料から形成されたライナ(1420,1422)を備える、請求項1
又は2に記載の保管コンテナ。
【請求項12】
前記ライナは、食品グレードのプラスチック材料及び/又はセルロースベースの材料を備え
、任意選択で、前記セルロースベースの材料は、ろう材料でコーティング又は含浸されている、請求項1
1に記載の保管コンテナ。
【請求項13】
前記ライナは、使い捨てである、請求項
11に記載の保管コンテナ。
【請求項14】
前記ライナは、浅い基部又はトレイである、請求項
11に記載の保管コンテナ。
【請求項15】
前記ライナは、防漏コンテナであ
り、任意選択で、前記防漏コンテナは、一体型の熱成形されたコンテナである、請求項11に記載の保管コンテナ。
【請求項16】
請求項1に記載の保管コンテナを組み立てるためのキットであって、前記キットは、
i)単一の単体として形成され、トレイを画定するためのコンテナ底壁並びに上向きに直立する基部側壁部分及び基部端壁部分(841)を有する基部(830)と、
ii)上部側壁部分(832)及び上部端壁部分(836)を備える別個の上部と
を備える、キット。
【請求項17】
前記キットは、
iii)前記上部側壁部分(
832)及び/又は前記上部端壁部分(836,795)に別個に接続可能な2つ以上のリム部分(837,798,799)を更に備える、請求項
16に記載のキット。
【請求項18】
トラックシステムと、保管コンテナの複数のスタックと、複数の積み荷取り扱いデバイスと、を備える保管及び取り出しシステムであって、
前記トラックシステムは、複数のグリッド空間又はグリッドセルを備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内で前記平行なレール又はトラックの第1のセットに対して横方向に走る平行なレール又はトラックの第2のセットとを備え、
前記複数のスタックは、前記トラックシステムの下に位置しており、保管コンテナの前記複数のスタックの各スタックは、単一のグリッド空間又はグリッドセルを占有し、前記複数のスタックは、金属コンテナ本体を備える複数の保管コンテナを備え、前記金属コンテナ本体は、単一の単体として形成され、トレイを画定するためのコンテナ底壁並びに上向きに直立する基部側壁部分及び基部端壁部分を有する基部と、箱のような構造内に1つ以上のアイテムを受け入れるための開放端を有する前記箱のような構造を形成するために、前記基部のそれぞれの前記基部側壁部分及び前記基部端壁部分から上向きに延在し、それらに接続される上部側壁部分及び上部端壁部分を有する別個の上部と、を備え、
前記積み荷取り扱いデバイスは、複数の前記平行なレールにより支持され、案内され、前記積み荷取り扱いデバイスの各々は、コンテナ受け入れ空間と持ち上げ機構を備え、前記持ち上げ機構は、少なくとも1つの保管コンテナを、前記保管コンテナの複数のスタックから前記コンテナ受け入れ空間に持ち上げるように構成されている、保管及び取り出しシステム。
【請求項19】
前記複数のスタックは、プラスチック保管コンテナを更に備える、請求項18に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項20】
前記保管及び取り出しシステムは、金属保管コンテナの複数のスタックを備える1つ以上の耐炎性障壁を更に備える、請求項18又は19に記載の保管及び取り出しシステム。
【請求項21】
前記1つ以上の耐炎性障壁は、プラスチック保管コンテナの複数のスタックを囲む、請求項20に記載の保管及び取り出しシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0107】
条項12:防漏コンテナは、一体型の熱成形されたコンテナである、条項11に記載の保管コンテナ。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] トラックシステムと保管コンテナの複数のスタックとを備える保管及び取り出しシステムにおいて、1つ以上のアイテムを保管するための保管コンテナ(828)であって、
前記トラックシステムは、複数のグリッド空間又はグリッドセルを備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内で前記平行なレール又はトラックの第1のセットに対して横方向に走る平行なレール又はトラックの第2のセットとを備え、
前記複数のスタックは、前記トラックシステムの下に位置しており、
保管コンテナの前記複数のスタックの各スタックは、単一のグリッド空間又はグリッドセルを占有し、前記保管コンテナは、金属コンテナ本体(829)であって、単一の単体として形成され、トレイを画定するためのコンテナ底壁(814)並びに上向きに直立する基部側壁部分及び基部端壁部分(841)を有する基部(830)と、箱のような構造内に前記1つ以上のアイテムを受け入れるための開放端を有する前記箱のような構造を形成するために、前記基部のそれぞれの前記基部側壁部分及び前記基部端壁部分(841)から上向きに延在し、それらに接続される上部側壁部分及び上部端壁部分(832,836)を有する別個の上部と、を備える金属コンテナ本体(829)を備える、保管コンテナ。
[2] 前記金属コンテナ本体の前記基部(830)は、深絞り板金ブランクから形成されている、[1]に記載の保管コンテナ。
[3] 前記金属コンテナ本体は、前記箱のような構造の前記開放端の周縁の少なくとも一部分の周りに延在するリム部分(834,798)を備え、前記リム部分は、積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスとの係合のための1つ以上の開口部又は窪み(838,811)を備える、[1]又は[2]に記載の保管コンテナ。
[4] 前記リム部分(834,798)は、スタック中の上方の隣接する保管コンテナの前記コンテナ底壁を支持するための、前記上部側壁部分及び前記上部端壁部分(836,795)から内向き又は外向きに向けられた突出リップ(849,816)を備える、[3]に記載の保管コンテナ。
[5] 前記リム部分(834,798,799)は、前記上部側壁部分及び/又は前記上部端壁部分(836,794,795)に別個に接続されている、[3]又は[4]に記載の保管コンテナ。
[6] 前記上部側壁部分及び/又は前記上部端壁部分(832,836)は、リブ又はビーク(835)を備える、[1]~[5]のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
[7] 前記金属コンテナ本体の各コーナーは、複数の重なり合う層を備える、[1]~[6]のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
[8] 前記上部側壁部分(794)は、前記上部端壁部分(795)に別個に固定されている、[1]~[7]のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
[9] 前記上部側壁部分(794)及び/又は前記上部端壁部分(795)は各々、前記上部側壁部分を前記上部端壁部分に固定して接続するための少なくとも1つのフランジ(806,807)を備える、[8]に記載の保管コンテナ。
[10] 各フランジ(806,807)は、隣接するフランジの上に置かれるか、又は下に置かれるかのうちのいずれかが行われるように構成されている、[9]に記載の保管コンテナ。
[11] 前記上部側壁部分及び/又は前記上部端壁部分(794,795)の前記フランジ(806,807)は、機械的クリンチング加工によって共に締結されている、[9]又は[10]に記載の保管コンテナ。
[12] 前記上部側壁部分のうちの少なくとも1つは、スナップ嵌め接合部及び/又はトグルラッチ(760)によって前記上部端壁部分のうちの少なくとも1つに解放可能に接続されている、[1]~[6]のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
[13] 前記保管コンテナは、前記積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスの位置合わせ用のガイド(796)を前記保管コンテナの各コーナーに更に備える、[9]~[11]のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
[14] 前記ガイド(796)は、前記上部側壁部分及び/又は前記上部端壁部分の前記フランジ(807)中の細長い垂直窪みによって形成されている、[13]に記載の保管コンテナ。
[15] 前記保管コンテナの前記金属コンテナ本体は、スタック中の隣接する保管コンテナの前記コンテナ底壁を支持するための止め部(128)であって、前記保管コンテナの口部中に内向きに突出し、前記保管コンテナの対角線上の対向するコーナーに位置する複数の止め部(128)を備え、前記複数の止め部は、前記スタック中の上方の隣接する保管コンテナの前記コンテナ底壁によって前記保管コンテナ中の1つ以上のアイテムを汚すことを防止するために、前記コンテナ底壁の上方に離間している、[1]~[14]のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
[16] 前記基部(820)は、前記コンテナ底壁内にエンボス加工された1つ以上のパターンを備える、[1]~[15]のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
[17] 前記保管コンテナは、食品グレードの材料から形成されたライナ(1420,1422)を備える、[1]~[16]のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
[18] 前記ライナは、食品グレードのプラスチック材料及び/又はセルロースベースの材料を備える、[17]に記載の保管コンテナ。
[19] 前記セルロースベースの材料は、ろう材料でコーティング又は含浸されている、[18]に記載の保管コンテナ。
[20] 前記セルロースベースの材料は、紙又は厚紙である、[19]に記載の保管コンテナ。
[21] 前記ライナは、折り曲げられた紙又は厚紙ブランクから形成されている、[20]に記載の保管コンテナ。
[22] 前記ライナは、使い捨てである、[17]~[21]のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
[23] 前記ライナは、浅い基部又はトレイである、[17]~[22]のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
[24] 前記ライナは、防漏コンテナである、[17]~[23]のいずれか一項に記載の保管コンテナ。
[25] 前記防漏コンテナは、一体型の熱成形されたコンテナである、[24]に記載の保管コンテナ。
[26] [1]に記載の保管コンテナを組み立てるためのキットであって、前記キットは、
i)単一の単体として形成され、トレイを画定するためのコンテナ底壁並びに上向きに直立する基部側壁部分及び基部端壁部分(841)を有する基部(830)と、
ii)上部側壁部分(832)及び上部端壁部分(836)を備える別個の上部と
を備える、キット。
[27] 前記キットは、
iii)前記上部側壁部分(794)及び/又は前記上部端壁部分(836,795)に別個に接続可能な2つ以上のリム部分(837,798,799)を更に備える、[26]に記載のキット。
【国際調査報告】