(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】3D印刷用押出
(51)【国際特許分類】
B22F 12/82 20210101AFI20240521BHJP
B29C 64/118 20170101ALI20240521BHJP
B29C 64/209 20170101ALI20240521BHJP
B29C 64/295 20170101ALI20240521BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20240521BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240521BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240521BHJP
B22F 10/18 20210101ALI20240521BHJP
【FI】
B22F12/82
B29C64/118
B29C64/209
B29C64/295
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B22F10/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566946
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2022061479
(87)【国際公開番号】W WO2022229385
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523409142
【氏名又は名称】バルクン ビーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ガレ,ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】デ ポウ,ヤン
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AC02
4F213AP07
4F213AR06
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL27
4F213WL32
4F213WL74
4F213WL85
4K018AA03
4K018AA14
4K018BA02
4K018BA08
(57)【要約】
3D印刷用押出機は、押出された材料を提供するための出口と、押出機に材料を受容するためであり、当該材料を冷却するための冷却手段を含む、原料入口ピースと、を含む。リザーバは、出口に接続され、チャネルを介して原料入口ピースと接続する。チャネル幅は、リザーバ幅よりも狭い。押出機は、リザーバ内の材料を溶解するための少なくとも1つのヒータ、具体的には、リザーバ部分内の材料を溶解するためのヒータと、出口に近く、熱断絶材によって第1のリザーバ部分から分離された第2のリザーバ部分内に溶融材料を保持するためのヒータと、チャネルを通して材料の温度勾配を制御するためのコントローラと、を更に備える。コントローラは、押出中に、少なくともリザーバとチャネルとの間の接合部で、又はチャネルに沿って、溶融材料のレベルを維持するように構成されている。これは、原料入口ピースを通して導入された材料による押出を提供することと、リザーバ内の溶融材料を押すことと、を可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出された材料(202)を提供するための出口(102)と、押出機に材料を受容するための原料入口ピース(1)と、を備える、3D印刷用押出機(100)であって、
-前記原料入口ピース(1)が、前記材料を冷却するための冷却手段と、
-材料を溶解するためのリザーバ(103)であって、リザーバ幅を有し、前記出口(102)に接続されている、リザーバ(103)と、
-チャネル幅を有し、前記原料入口ピース(1)を前記リザーバ(103)と接続し、前記材料を前記リザーバに導入するためのチャネル(104)であって、前記チャネル幅が、前記リザーバ幅よりも狭い、チャネル(104)と、を含み、
前記押出機(100)が、
-前記チャネルに近い前記リザーバ(103)の第1のリザーバ部分(113)内の材料を溶解するための第1のヒータ(4)と、
-前記出口(102)への前記リザーバの接続部に近い第2のヒータ(7)であって、前記出口(102)に近い前記リザーバの第2のリザーバ部分(112)内の溶融材料を、前記第1のリザーバ部分(113)内の前記材料と同じ温度又はそれより高い温度で維持するための第2のヒータ(7)と、
-前記チャネル(104)を通して前記材料の温度勾配を制御するためのコントローラ(107、117)であって、前記コントローラが、押出中に前記リザーバ(103)と前記チャネル(104)との間の少なくとも接合部で又は前記チャネル(104)に沿って溶融材料のレベルを維持し、前記原料入口ピースを通して導入された材料による押出を提供し、前記リザーバ(103)内の前記溶融材料を押すように構成された、コントローラと、を更に備え、
前記第1のヒータが、前記チャネル(104)に近い前記第1のリザーバ部分(113)及び前記出口(102)に近い前記第2のリザーバ部分(112)内の前記リザーバを分離する熱断絶材(5)によって前記第2のヒータ(7)から離れていることを特徴とする、押出機(100)。
【請求項2】
前記コントローラ(107、117)が、前記ヒータを制御するように構成され、かつ/又は前記冷却手段が、アクティブクーラ(109)を含み、前記コントローラ(117)が、前記アクティブクーラ(109)を制御して前記材料の前記冷却速度を制御するように構成されている、請求項1に記載の押出機。
【請求項3】
前記原料入口ピース(1)に材料を送給するための材料送給機(108、500)を更に備え、前記コントローラ(117)が、送給速度を制御するために前記材料送給機(108、500)を制御するように更に構成されている、請求項1及び2のいずれか一項に記載の押出機。
【請求項4】
前記材料送給機(108)が、ワイヤ(201)を送給するためのワイヤ送給機(108)であり、前記ワイヤ(201)上の押出力を測定するように、前記ワイヤ送給機(108)と原料入口ピース(1)との間にロードセル(400)を更に備える、請求項3に記載の押出機。
【請求項5】
前記熱断絶材(5)が、前記リザーバの前記第2の部分(113)から前記第1の部分(112)を熱的に絶縁するように適合された更なるチャネル(106)を提供する、請求項1~4のいずれか一項に記載の押出機。
【請求項6】
前記出口(102)が、前記出口で前記押出された材料(202)の前記温度を制御するための更なるヒータ(9)を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の押出機。
【請求項7】
前記原料入口ピース(1)を前記リザーバ(103)から熱的に絶縁するように、前記チャネル(104)の少なくとも一部分を含む絶縁ピース(2)を更に備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の押出機。
【請求項8】
前記押出機と3Dプリンタのビルドプレートとの間に電圧を印加するように構成された電極を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の押出機。
【請求項9】
材料を押出するための方法であって、
-原料入口ピースを通して、押出機に材料を導入すること(S01)と、
-前記原料入口ピースを通した材料の加熱を防止しながら、溶融材料のレベルを得るためのリザーバの第1の部分において材料を加熱し、前記リザーバの第2の部分における第2の加熱を前記リザーバを離れる材料に適用することであって、前記第1の部分が、熱断絶材(5)によって前記第2の部分によって分離されている、加熱すること(S030)と、
-チャネルを通して前記リザーバに材料を送給することであって、前記チャネルが、チャネル幅を有し、前記リザーバが、リザーバ幅を有し、前記チャネル幅が、前記リザーバ幅よりも狭い、送給すること(S02)と、
-押出中に前記リザーバと前記チャネルとの間の接合部で、又は前記チャネルに沿って、溶融材料のレベルを維持するために、前記チャネルに沿った温度勾配を制御すること(S03)と、含み、
それによって、前記リザーバに更なる固体材料を導入することが、前記リザーバに接続された出口を通って前記リザーバに前記溶融材料を押し込み、したがって、押出された材料を形成する(S04)、方法。
【請求項10】
前記材料の送給速度を制御することを更に含み、かつ/又は前記材料を冷却することが、前記冷却速度を制御することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
アルミニウム、アルミニウム合金、又は銅を押出するための、請求項9又は10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D印刷の分野に関する。より具体的には、連続押出のための押出方法及び押出機に関する。
【背景技術】
【0002】
3D印刷及び他の付加製造技術は、設計及びプロトタイピングの大幅な自由を可能にする。試験段階だけのために産業製造プロセス全体を設定する必要がある場合よりも低コストで、製品が、設計の直後に製造及び試験することができるため、設計プロセスと製造からの飛躍を低減することができる。
【0003】
十分に確立された技術には、融解フィラメント製造(FFF)などのワイヤベースの3D印刷が含まれる。これらの技術は、通常、押出成形によって、堆積され、かつプレート又は他の既に堆積されたワイヤに取り付けられ、3Dオブジェクトを形成する、連続ワイヤを提供することを含む。これらの材料は、典型的には、ポリマー及び金属、又はそれらの混合物であり、取り付けは、接着剤として作用するポリマー又はセラミックで、時には焼結若しくは硬化によって、又はワイヤ間の熱融合によって、行うことができる。
【0004】
しかしながら、押出成形は通常、堆積時に溶融し得るように材料を加熱する必要がある。粘度、熱伝導率などに起因して、ポリマーの押出は、低速である。これらの影響を補償するために利用可能な温度範囲は、化学分解に起因して制限されている。一方、金属の押出は、溶解を必要とし、液体金属は、制御された方法で押出することが困難である。溶融金属の粘度は水に匹敵するため、FFFで行われるように液体プールに送給された材料を導入することは、送給された材料の方向に対して液体の量が変位させ、結果として目詰まりを伴う。押出機からの溶融金属の滴下及び浸出もまた、材料特性に起因する問題となり、ポリマーに対して行われるものと同じ方法で(例えば、送給された材料を格納すること又は送給速度を低減させることによって)処理することはできない。これらの問題を回避するために、金属ワイヤを提供することは、粉末金属と樹脂などの結合剤との混合、及びこの混合物を押出することによって行うことができる。しかしながら、この技術は、結合剤を除去し、堆積材料の層の完全性及び接着性を確保するための後処理を必要とし、これは、プロセスの更なるステップを生み出し、応力、収縮、又は更にはひび割れなどの問題をもたらし、設計の複雑性及び柔軟性を制限する。
【0005】
溶解温度を制御することに加えて、金属の場合、周囲との酸化及び金属間結合などの化学反応を制御し、場合によっては回避する必要がある。熱伝導も金属の問題となるため、送給された材料に熱が広がるにつれて溶解を制御することは困難であり、押出機の外側でさえ熱くなることがあり、座屈が起こりやすく、危険でさえあるため、プロセスを妨げる可能性がある。
【0006】
押出力は、摩擦、酸化などに非常に敏感な流量に大きく影響される。圧力駆動の押出であっても、信頼性の高い一貫した押出を得ることは困難である。文書US2018/345573A1は、押出される金属の通過に対する押出チューブの抵抗を克服するために加圧ガス源を必要とする付加製造システムを開示している。
【0007】
材料の種類に関係なく、制御可能な押出速度及び押出速度の高い範囲で、浸出を回避し、信頼性の高い押出を得ることが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0008】
本発明の実施形態の目的は、更なる圧力システムを必要とせずに、単純な送給システム構成において、高速を含む制御可能な速度で金属又はポリマーの信頼性の高い押出を提供できる、融解フィラメント製造(FFF)による3D印刷のための装置及び方法を提供することである。
【0009】
第1の態様では、本発明は、押出された材料を提供するための出口と、押出機に材料を受容するための原料入口ピースとを含む、3D印刷用の押出機を提供する。
【0010】
原料入口ピースは、押出機に入る当該材料を冷却するための冷却手段を含む押出機部品又はピースである。原料入口ピースは、押出機への材料の進入を可能にする入口を含む。
【0011】
リザーバは、材料を溶解し、溶融材料を保持するために含まれ、リザーバ幅を有する。リザーバは出口に接続されている。
【0012】
チャネル幅を有するチャネルは、原料入口ピースをリザーバと接続し、材料をリザーバに導入するために配置される。チャネル幅は、リザーバ幅より狭い。
【0013】
押出機は、リザーバ内の材料を溶解するための少なくとも1つのヒータと、チャネルを通して材料の温度勾配を制御するためのコントローラとを更に備える。コントローラは、押出中にリザーバとチャネルとの間の少なくとも接合部で又はチャネルに沿って溶融材料のレベルを維持し、原料入口ピースを通して導入された材料による押出を提供し、リザーバ内の溶融材料を押すように構成されている。具体的には、液体状態と固体状態との間で遷移している材料のマッシー領域は、原料入口ピースよりもリザーバに近い、チャネル内に存在する。これは、温度勾配によって制御され、したがって、例えばCPUに接続されたコントローラで加熱/冷却及び/又は送給パラメータを制御することによって制御される。マッシー領域及び原料材料は、プランジャとして機能する。
【0014】
リザーバからのチャネル内に存在するマッシーゾーン、又はリザーバを充填する溶融材料がリザーバを密封するため、本発明の実施形態の利点は、押出機が、送給速度に依存する制御可能な押出速度で提供され得ることである。密封はまた、上向きに行く液体量を減少させる。より広いリザーバの存在は、ワイヤと押出機の壁との間の摩擦を低減するため、送給力を低減することができ、したがって、ワイヤ送給の場合の曲げ又は座屈の可能性を低減する。密封のおかげで、金属押出であっても、浸出及び滴下を低減又は除去することができることは、更なる利点である。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラは、ヒータを制御するように構成されている。いくつかの実施形態では、更に、冷却手段が、冷却速度の制御を可能にするアクティブクーラを含む。コントローラは、押出機への進入時に材料の冷却速度を制御するためにアクティブクーラを制御するように構成されている。
【0016】
本発明の実施形態の利点は、温度勾配の制御を改善することによって、安定した制御可能な押出を得ることができ、したがって、リザーバ内の材料の温度を低下させる必要性が少ないか、又は低下させる必要性なしで、マッシーゾーンの形成の局在化を改善することができることである。ワイヤ送給では、チャネルよりも広いリザーバの存在と、高温に起因してワイヤが弱くなる部分を制限する温度勾配制御のおかげで、曲がる可能性が更に低減される。マッシー領域の位置は、好ましくは固定される。リザーバは高い熱質量を有し、変化にゆっくりと反応するため、滴下が気づかれない温度を見つけることによって、マッシー領域の位置を較正することができる。しかしながら、実験から、最適な加熱がその送給速度に(わずかに)依存する場合があることがわかった。性能を最適化するために、設定点温度は送給速度の関数として変更され得る。
【0017】
代替的又は追加的に、押出機は、コントローラによって制御することができる原料入口ピースに材料を送給するための材料送給機を更に備え、コントローラは、送給速度を制御するために材料送給機を制御するように更に構成されている。
【0018】
異なる送給速度で安定した制御可能な押出を得ることができることが、本発明の実施形態の利点である。パッシブ冷却及び/又は固定加熱速度のために、温度勾配及びマッシー領域又はゾーンの位置を制御できることが更なる利点である。
【0019】
特定の実施形態では、材料送給機は、ワイヤを送給するためのワイヤ送給機である。押出機は、ワイヤ送給機と原料入口ピースとの間にロードセルを更に備え、ワイヤ上の押出力を測定する。
【0020】
曲げ又はワイヤスリップを早期に察知し予防できるのが利点である。
【0021】
ヒータは、チャネルに近いリザーバの第1のリザーバ部分内の材料を溶解するための第1のヒータを含む。ヒータは、出口へのリザーバの接続部に近い第2のヒータであって、出口に近いリザーバの第2のリザーバ部分内の溶融材料を、第1のリザーバ部分内の材料と同じ温度又はそれより高い温度で維持するための第2のヒータを更に備える。
【0022】
本発明の実施形態の利点は、異なる材料に対して安定した制御可能な押出を得ることができ、第1のリザーバは、ピストンシールを提供するために使用され得、第2のリザーバは、押出温度の高い制御を提供するために使用され得る。
【0023】
具体的には、第1のヒータが、チャネルに近い第1のリザーバ部分及び出口に近い第2のリザーバ部分内のリザーバを分離する熱断絶材によって第2のヒータから離れている。一方の部品から他方の部品への熱損失が少なく、特に異なる温度に保つ場合、両方の部品の温度を個別に正確に制御できることが利点である。特定の実施形態では、熱断絶材が、リザーバの第2の部分から第1の部分を熱的に絶縁するように適合された更なるチャネルを提供する。押出された材料の高温制御が提供され、保証されることが本発明の実施形態の利点である。
【0024】
本発明の実施形態では、出口が、出口で押出された材料の温度を制御するための更なるヒータを備える。
【0025】
熱損失、例えば、出口の押出ノズルによる熱抽出を補償できることが、本発明の実施形態の利点である。押出された材料の熱質量が小さいとき、加熱応答が速いため、プロセス制御を改善できることが更なる利点である。
【0026】
本発明の実施形態では、原料入口ピースをリザーバから熱的に絶縁するように、チャネルの少なくとも一部分を含む絶縁ピースが含まれる。詰まりを避けるためにチャネルに沿っているがリザーバの近くに、リザーバの外側に、及びヒータと冷却手段との間に、マッシーゾーンを形成することを可能にすることが、実施形態の利点である。更なる利点は、原料入口ピースの冷却手段とヒータとの間により制御可能な温度及び急な勾配を提供し、効率を最大化できることである(急な温度勾配を発生させるためには、一方の側面を集中的に冷却し、他方の側面を加熱する必要があるため)。
【0027】
本発明の実施形態では、電極が存在し、押出機と3Dプリンタのビルドプレートとの間に電圧を印加するように構成されている。ビルドプレートを局所的に加熱することによって接着性を改善できることが実施形態の利点である。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態では、出口は、押出ノズル、任意選択で交換可能なノズルを備える。
【0029】
本発明の第2の態様では、材料を押出するための方法が提供される。本方法は、
-原料入口ピースを通して、押出機に材料を導入することと、
-原料入口ピースを通した材料の加熱を防止しながら、溶融材料レベルを得るためのリザーバにおいて材料を加熱することと、
-チャネルを通してリザーバに材料を送給することであって、チャネルが、チャネル幅を有し、リザーバが、リザーバ幅を有し、チャネル幅が、リザーバ幅よりも狭い、送給することと、
-押出中にリザーバとチャネルとの間の接合部で、又はチャネルに沿って、溶融材料のレベルを維持するために、チャネルに沿った温度勾配を制御することと、含み、
それによって、リザーバに更なる固体材料を導入することが、リザーバに接続された出口を通ってリザーバに溶融材料を押し込み、したがって、押出された材料を形成する。
【0030】
本発明の実施形態の利点は、送給速度を制御することによって、チャネル内に存在するマッシー領域又はゾーンがリザーバから押出機を密封するため、液体が上向きに行くことなくより高い送給速度を可能にするため、押出速度を制御できることである。密封のおかげで、低粘度の溶融材料であっても、金属押出における浸出及び滴下を低減又は除去できることは、更なる利点である。摩擦が主にチャネルに沿って発生し、リザーバがチャネルよりも広くなることによって緩和されるため、押出機に沿った摩擦が低減されることは、ワイヤ送給の場合に曲がり又は座屈を低減することが更なる有利である。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態では、方法は、材料の送給速度を制御することを含む。追加的又は代替的に、材料を冷却することは、冷却速度を制御することを含む。本発明の実施形態の利点は、温度勾配の制御を改善することによって、安定した制御可能な押出を得ることができ、したがって、リザーバ内の材料の温度を低下させる必要性なしで、マッシーゾーンの形成の局在化を改善することができることである。ワイヤ送給では、リザーバの存在が押出機とのワイヤ摩擦を低減するため、曲がる可能性が更に低下する。異なる送給速度に対して安定した制御可能な押出を得ることができることが、更なる利点である。
【0032】
いくつかの実施形態では、この方法は、アルミニウム、アルミニウム合金、又は銅を押出するための方法である。
【0033】
本発明の特定の態様及び好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載される。従属請求項からの特徴は、単に請求項に明示的に記載されているものではなく、必要に応じて、独立請求項の特徴と、他の従属請求項の特徴と組み合わせてもよい。
【0034】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態を参照して明らかであり、説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】リザーバ内の材料を溶解するための制御されたヒータを有する単純な例を示す。
【
図2】入口に近い材料への熱伝導を低減するために、リザーバ内の材料を加熱するための2つのヒータと、入口にあるアクティブクーラとを有する実施形態を示す。
【
図3】2つのヒータと、異なるヒータによって加熱されるリザーバ内のネッキング又はチャネル分離ゾーンとを含む実施形態を示す。
【
図5】送給ねじを含む送給機構を有する実施形態を示す。
【
図6】異なる接合片の代わりに、リザーバを含む押出機の領域を形成する材料ブロックを有する一実施形態を示す。この特定の例では、ヒータが材料に埋め込まれているオプションも示されている。
【
図7】ヒータの代替的な構成を有する実施形態を示す。
【
図8】本発明に従う方法ステップを有するチャートである。
【
図9】材料が、いわゆる低送給速度で、リザーバの前のチャネル内で相転移を受けるマッシー領域を示す。
【
図10】いわゆる高送給速度で、リザーバ内の溶融状態への遷移を示し、送給された材料とチャネルの壁との間の間隙が、マッシー材料で満たされている。
【0036】
図面は、概略的に過ぎず、非限定的である。図面において、要素のうちのいくつかのサイズは、例示目的のために誇張されている場合があり、同じ縮尺で描画されていない場合がある。
【0037】
特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定すると解釈されないものとする。
【0038】
異なる図面では、同じ参照符号は、同じ又は類似の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、特定の実施形態に関して、及び特定の図面を参照して説明されるが、本発明はそれに限定されるものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。寸法及び相対寸法は、本発明の実践に対する実際の減少に対応しない。
【0040】
更に、説明及び特許請求の範囲における第1、第2などの用語は、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも、時間的、空間的、ランク付け、又は任意の他の方法のいずれかで配列を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で入れ替え可能であり、本明細書に記載される本発明の実施形態は、本明細書に記載又は図示されるものとは異なる配列で動作することが可能であることを理解されたい。
【0041】
更に、説明及び特許請求の範囲における「上」、「下」などの用語は、説明目的で使用され、必ずしも相対位置を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で入れ替え可能であり、本明細書に記載される本発明の実施形態は、本明細書に記載又は図示されるものとは異なる配向で動作することが可能であることを理解されたい。
【0042】
特許請求の範囲内で使用される「含む(comprising)」という用語は、その前に列挙される手段に限定されるものとして解釈されるべきではなく、他の要素又はステップを排除するものではないことに留意されたい。したがって、言及された特徴、整数、ステップ、又は構成要素の存在を指定するものと解釈されるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、若しくは構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。したがって、「含む」という用語は、記載された特徴のみが存在する状況、及びこれらの特徴及び1つ以上の他の特徴が存在する状況を包含する。したがって、「手段A及びBを含む装置」という表現の範囲は、構成要素A及びBのみからなる装置に限定されるものと解釈されるべきではない。これは、本発明に関して、装置の唯一の関連する構成要素がA及びBであることを意味する。
【0043】
本明細書全体の「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における「一実施形態において」又は「実施形態において」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではないが、指す場合もある。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態では、本開示から当業者に明らかであろうように、任意の適切な方法で組み合わせられ得る。
【0044】
同様に、本発明の例示的な実施形態の説明では、本発明の様々な特徴が、本開示を合理化し、様々な本発明の態様のうちの1つ以上の理解を助ける目的で、単一の実施形態、図、又はその説明で一緒にグループ化されることがあることを理解されたい。しかしながら、本開示の方法は、特許請求される発明が各請求項に明示的に記載されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、単一の前述の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない。このため、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、この詳細な説明に明示的に組み込まれ、各特許請求の範囲は、本発明の別個の実施形態として自立している。
【0045】
本明細書に提供される説明において、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実践され得ることが理解される。他の例では、よく知られている方法、構造、及び技術は、この説明の理解を不明瞭にしないために詳細には示されていない。
【0046】
本発明の実施形態で「マッシーゾーン」について言及する場合、その液相とその固相との間で、溶解が行われる固体の領域について言及している。「固体」では、その相図の固体領域内にある条件(温度)で、粉末、ペレット、ワイヤなどの形態であり得る、その固体相の材料が理解される。押出用の好適な材料としては、金属、合金、ポリマーなどが挙げられる。高分子材料はまた、それらを容易に押出可能な粘性状態に軟化させるために加熱を必要とし、これは溶融状態と見なすことができ、ポリマーの場合にはガラス転移温度で開始し、これらの未溶融状態と溶融状態との間の遷移領域は、単純化のために「マッシーゾーン」とも呼ばれ得る。
【0047】
本発明は、融解フィラメント製造(FFF)のような3D印刷方法に関し、具体的には、連続的に押出されたワイヤが形成され、堆積されるワイヤベースの3D印刷に関する。押出量と下層材料へのワイヤの接着度は重要なパラメータである。良好な接着のために、要件のうちの1つは、ワイヤの十分な温度を有することである。
【0048】
押出のための材料の軟化及び溶解は、高温(例えば、材料の溶解温度を超える温度)を必要とするが、溶融材料は、主に低粘度及び高熱伝導率のために、3D印刷に典型的に使用されるポリマー及び金属の両方を取り扱うことが困難である。軟化した(溶融した)材料は、ワイヤ、通常はノズルを形成できるように成形された出口を通るように力が加えられる。この力は、同時に材料を溶融したままで供給される必要がある。
【0049】
圧力駆動押出システムは、摩擦、摩耗、酸化などの力に依存する。これらの力は不安定であり、容易に変化する可能性がある。高圧システムを使用すると、より高い摩擦とより良い制御が可能になるが、場合によってはシステムの複雑性が増す。
【0050】
この問題を解決するために、体積押出が導入され、理想的には押出機に導入される材料の体積は押出された材料の体積と同じであり、必要な力とは無関係である。体積押出は、ポリマー印刷(FFF技術)に非常に類似した、例えば顆粒用の送給ワイヤ又は押出ねじなどの送給材料の押し込み/変位によって達成することができる。しかし、未溶融材料が押出機に導入され、溶融材料とともに領域に入ると、溶融材料の体積は、抵抗が最も小さい空間に向かって変位する。これは通常、(特に液体金属の場合)未溶融材料が導入される入口に向かって溶融材料の上向き流れを引き起こし、事故を引き起こし、送給を妨げ、連続的な押出を阻止する。
【0051】
追加的に、ポリマー及び金属は、異なる押出問題を呈する。
【0052】
ポリマーの低伝導率は、金属の場合と比較して、ヒータからポリマーへの熱伝達を低減する。ポリマーの使用可能な最高温度は、分解を防止するために制限される。
【0053】
溶融ポリマーは高粘度である。これは、高い押出力を必要とし、押出中に高い摩擦を与えるため、溶融ポリマーが押出される速度は粘度に依存し、低い熱伝導率とともに押出速度を制限する。一方、金属は、高い熱伝導性及び潜熱を示すため、溶解するために高温を必要とし、押出が異なる堆積段階の間で一時停止されるとき、送給機の目詰まり及び押出機からの滴下/浸出などの問題を呈する。
【0054】
本発明は、ポリマー(>100mPa.s)及び金属(<100mPa.s)を含む広範囲の粘度を有する異なる材料のために、及び広範囲の堆積速度のために、固体状態で装置に入り、溶融状態で出る材料の押出機及び押出方法を提供する。
【0055】
いくつかの実施形態では、本発明は、標準的なノズル穴(最大約1mm)について、1l/hに近い、又は更に速い堆積速度を可能にする。より大きいノズル直径(例えば、5mm)は、層の厚さ及び加熱力に応じて、最大15l/hのより高い堆積速度を可能にする。
【0056】
本発明は、溶融材料で満たされた押出機内の容積、又は「リザーバ」を提供する。チャネルは、このリザーバに材料を送給するために使用され、リザーバに接続された出口は、押出された材料を提供する。押出機は、材料がチャネルを上向きに流れないように構成されている。このため、押出機は、送給される材料が押出機の入口で溶解温度まで加熱されないように設計されており、一方、リザーバ内の材料は、溶融材料がリザーバを満たすように加熱される。リザーバはチャネルよりも広いため、リザーバとチャネルとの間のボトルネックにより抵抗が増加するため、上向きの流れが制限される。
【0057】
この構成のおかげで、チャネルを介してリザーバに入る材料は、「消耗品ピストン」として機能し、リザーバを密封し、材料が溶解している間、溶融材料に対してリザーバ及び押出機の出口内への圧力を作用させる(「押し込む」)。したがって、押出速度は、例えば、材料が送給される速度又は送給速度を変更することによって、材料の送給によって制御することができる。上向きに流れる材料の量は、チャネル及びリザーバの構成によってだけでなく、温度勾配を制御することによっても減少又は除去され、マッシーゾーンの位置がリザーバに近いことを確実にする。しかしながら、材料が「マッシー」である正確な位置は、例えば、使用される材料、消費電力、押出された材料の特性、送給速度、及び動作温度に基づいて、設計の結果である。
【0058】
言い換えると、リザーバの前のチャネルを通過する送給された材料にわたる温度勾配が必要とされるため、少なくともリザーバ内、任意選択でリザーバ及びチャネルの一部に溶融材料が存在するため、マッシーゾーンがチャネルに沿って存在する。このマッシーゾーンは十分に短くてもよいため、チャネルの目詰まりがなく、リザーバとチャネルとの間の幅の差とともに、上方向の流れを低減するのを助ける。ワイヤ送給された材料の場合、勾配は弱化ゾーンを短く保つことを可能にし、リザーバによって提供される摩擦の低減とともに、バッキングの可能性を低減する。材料の温度は、リザーバから上流で低下するので、材料は、入口に近いときに固体のままである。材料は、入口に近い高温のために弱化に達しないことが好ましい。例えば、アルミニウムの場合、弱化は約250℃で始まり、更に低い温度で座屈が生じ得るため、典型的には、入口の上流の温度は100℃を超えてはならず、好ましくは更に低く、例えば50℃を超えてはならない。高い送給速度で材料を送給する場合、任意の上方向に流れている溶融材料は、リザーバ/チャネル直径構成及び温度勾配のおかげで少なくとも部分的に固化する。この挙動により、高い送給速度でのマッシーゾーンの形成が可能になり、チャネルが密封され、「ピストン」効果がもたらされる。目詰まり又は詰まりを低減又は回避するために、温度勾配及び/又は送給速度加速度を調整することができるため、材料の上方向の流れは、制限が入口よりもリザーバに近い制限ゾーンに保たれる。温度勾配は、入口の近くに、制御可能な冷却システム、又は「アクティブ冷却」を追加することによって改善することができるが、本発明はそれに限定されず、ヒートシンクなどのパッシブ冷却システムは、いわゆる原料入口ピースにおいて、押出機の入口の近くに配置することができる。例えば、マッシーゾーンの限界(例えば、高送給速度での上方向の流れの限界)は、冷却された原料入口ピースよりもリザーバに近いことが好ましい。入口チャネルの上部に近い領域とリザーバの加熱領域との間のチャネルに沿って熱断絶が存在し得る。冷却の種類は、押出される材料に応じて適合させることができる。
【0059】
追加的に、溶融金属は、押出機に材料が送給されていない場合でも、押出機から浸出する可能性のある液体として振る舞う。本発明では、周囲ガス(例えば、溶融金属の酸化を防止するための空気又は不活性ガスなど)が押出機に入り込んでリザーバ内の液体を置き換えることができず、上記の問題を引き起こすため、バルブ又は圧力システムを必要とせずにチャネル及び入口を密封する消耗品ピストンの作用により、浸出及び滴下が防止される。低密度の流体が押出機に入るのを防ぐ挙動を強化する他の要因には、溶融材料の高い表面張力、小さいノズル直径、高粘度の溶融材料中の外側流体の低い拡散率(言い換えれば、例えば、周囲ガスが溶融材料に拡散する傾向が低い)が含まれる。更に、例えばノズルを横切るなど、出口を通る圧力差は、滴下を防ぐのに役立つ。
【0060】
この挙動のおかげで、液体(金属)が押出されているときにプリントヘッドが基板から離れるか、又はプリントされた部分から離れるとき、先端の材料(例えば、アルミニウム)は有利に破壊又は剪断することができる。例えば、急速冷却を促進することによって(例えば、任意の高速応答ノズル先端ヒータ又はガス、ミスト又は流体蒸発の冷却ジェットをオン/オフすることによって)、この挙動を強化するために他の要素を含むことができる。これにより、固化範囲内、又はソリダス温度に近い、又はわずかに低い温度でも材料が冷却されるため、プリントヘッドは、ノズル、プリントヘッド、又は印刷された部分を損傷することなく、ノズルと基板との間の固体接続を容易に切り離すことができる。
【0061】
第1の態様では、本発明は、押出装置、又は押出片、又は押出機に関する。押出機は、チャネル及びリザーバを介して接続された原料入口ピース及び出口を含む。押出機は、リザーバ内の材料を溶解するための少なくとも1つのヒータを有する。コントローラ、例えばプロセッサ、電子回路に実装された閉ループ制御システムでさえも、リザーバは溶融材料で満たすようにプロセスの制御を提供するため、マッシーゾーンは、入口とリザーバとの間のチャネルに沿って、入口よりもリザーバに近く、例えば原料入口ピースに沿って保たれる。コントローラは、例えば、ヒータ及び/又はクーラの電力を制御することによって、又はこれらを固定し、送給速度を制御することによって、材料の温度勾配を制御し得る。したがって、勾配制御は、加熱速度、冷却速度、送給速度、又はこれらのパラメータの組み合わせの制御によって行うことができる。
【0062】
図1は、原料入口ピース1を含む押出機100を示し、原料入口ピース1は、材料を押出機に導入することができる入口101を含むピースである。原料入口ピース1は、冷却システムを含み、これはまた、材料、更には金属ワイヤの冷却に利益をもたらし、入口での材料の弱化を更に防止する。
図1に示される冷却システムは、任意選択でフィンなどの放熱構造を含む、熱を放散するための適切な材料を含むパッシブ冷却システム、例えばヒートシンクである。チャネル104は、入口101と溶融材料のリザーバ103との間に延在する。このチャネルは、リザーバより狭い。特定の材料(及び異なる設計送給速度)について、固体送給された材料(例えば、ワイヤ)とリザーバの壁との間に液膜が存在するような寸法にする必要がある。これは、ヒータから固体ワイヤへの熱伝達の結果である。更に、ワイヤの場合、その液体と送給ワイヤとの間の結果として生じる摩擦は、必要な力がワイヤの座屈力よりも大きくないようにする必要がある。チャネルの直径は、例えば、リザーバとの接続部で1.2mm、1.3mmのワイヤのために、原料材料に応じて選択することができるが、リザーバは、数mmの幅又は直径を有し得るが、それとの接続部でのチャネルの直径、例えば、約10、例えば、8mmよりも大きい。リザーバの長さは、熱伝達などを考慮して、所与の加熱力に対して達成される最大送給速度に従って提供され得る。
【0063】
チャネル104は、絶縁ピース2、例えば、熱的に絶縁された材料(例えば、絶縁セラミック)を含む、又はそれから作られた部分を横断するので、リザーバ103内の熱は、入口101のレベルで材料を弱化せず、ゾーン1によって抽出される熱は、エネルギー効率を改善するために制限される。
【0064】
チャネル104の直径は一定でなくてもなく、例えば、絶縁を最適化し、座屈又は摩擦を低減し、材料入口を容易にするように適合され得ることに留意されたい。例えば、原料入口ピース1を通るチャネル104の直径は、例えば、絶縁ピース2を通る直径よりも大きくてもよく、例えば、それぞれ2mm及び1.3mmでもよい。
【0065】
リザーバ103は、押出された材料202(例えば、堆積のためのワイヤ、例えば、ホットワイヤ)を提供する出口102に接続される。出口102は、押出力、例えば、ノズル3を提供するように構成されてもよい。1つのヒータ4は、リザーバの領域に設けられ、リザーバに入る材料を溶解する。ヒータ4は、誘導加熱又は抵抗加熱、液体/ガス加熱などの任意の知られている適切なシステムを含んでもよい。ヒータは、押出機の外側部分にあるか、チャンバ材料に組み込まれているか、又は溶融材料と接触することもできる。
【0066】
本発明は、座屈を伴わずに、最大100mm/s2の加速度で、高い送給速度を可能にする。
【0067】
押出機は、溶融材料が入口に向かって流れるのを防ぐように構成されている。具体的には、チャネル104は、リザーバ103よりも狭く、チャネルに沿って温度勾配も提供されるため、チャネルに沿って大量のマッシー材料が形成され、これは容易に変形し、チャネルの形状をとり、チャネルを密封する。したがって、リザーバ内に導入される材料は、プランジャとして機能し、溶融材料を押出機に向かって押出す。チャネルに沿ってマッシー材料が存在するように勾配を提供し、入口を空気又はガスの侵入又は液体の流出から遮断するために、ヒータ4及び原料入口ピース1の冷却システムは、それぞれの高温及び低温をチャネル104の反対側の極端に、例えば、リザーバ103又はリザーバ103の近く、及び冷却システムの底部の周りにそれぞれ維持するように構成される。送給速度は、勾配を制御するために加熱及び/又は冷却を提供するときに考慮され得る。
-材料の熱伝導率が非常に高く、及び/又は送給速度が低い場合、熱は入口に向かって移動し、例えば、原料入口ピースの底部とリザーバとの間のチャネルの長さの半分まで、例えば、絶縁ピース2の上半分までの原料入口ピース1におけるチャネルの一部分を含むチャネル部分1041内で詰まり、弱まり、及び溶解を開始させる可能性がある。これは、勾配を制御することによって回避され、例えば、絶縁ピース2を横切るチャネルの部分1042、例えば、絶縁ピースの半分からリザーバまでの長さにおいて、マッシーゾーン及び溶解がリザーバ103の近くで発生する。
-送給速度が熱が上方に移動するのを防ぐのに十分な高さの場合、部分的又は完全に固体の材料がリザーバに入り、そこで溶ける。これにより、溶融材料が上方に押出されるため、温度勾配は、この材料が冷却を開始し、リザーバの近くにマッシーゾーンを形成し、上記のようにチャネルを密封するようにする必要がある。
【0068】
一般に、マッシーゾーンは、入口に近いより低温の領域よりも比較的小さく、リザーバに近いことが好ましい。マッシーゾーンが、(冷却された)原料入口ピースの近くのチャネル内で高すぎる場合、マッシー材料が固化し、目詰まりを引き起こす。また、より高い押出力を必要とし、座屈の可能性を高める。一方、加熱及び冷却は、勾配が比較的高いが、電力消費を有利に制限するためにワイヤにおいてのみであるようなものであってもよい。絶縁ピース2は、冷却システムによってリザーバから過度の熱を吸収することを防止する。小さな温度勾配は、マッシーゾーンの位置及び長さを可変送給速度に対してより敏感にし、その限界は、原料入口ピース1により近い位置に延在する傾向がある。リザーバの前のチャネルの長さが大きいと、温度勾配が更に減少し、マッシーゾーンの長さが増加する。このゾーンの長さが大きいと、摩擦力が増加し、座屈及び目詰まりの可能性を高める。
【0069】
材料の特性の違いにより、各材料の送給速度、温度、及び寸法を最適化できる。アルミニウム押出の場合、1.2mmのワイヤに対して、これらの値は、例示的なパラメータとして使用され得る。
入口チャネル104、例えば、絶縁ピース2の部分の長さ:5mm~12mm。
入口チャネル直径104(絶縁ピース2):1.3mm~1.5mm
温度勾配:最大100℃/mm
マッシーゾーンの長さ:1mm~4mm
底部マッシーゾーンとリザーバとの間の長さ:0~4mm
冷却された原料入口ピース1の長さ:5mm~100mm
【0070】
勾配は、コントローラ107によって制御されるため、リザーバから原料入口ピース1の底部への溶融材料の上向きの流れをブロックするマッシー領域が存在する。
図1の特定の例では、制御ユニット又はコントローラ107が、ヒータ4によって送給される熱の量を制御する。送給速度、送給される材料とチャネルの壁との間の間隙、材料の粘度及び熱伝導率、原料入口ピース1における冷却システムの冷却速度、チャネル104の長さ、及び/又は材料の溶解温度などの要因に応じて、コントローラ107は、より大きな又はより小さい加熱を提供してもよく、それによってチャネルが部分的に溶融した材料(又はマッシーゾーン)で密封されて上方向の流れを防止し、したがってチャネルを通って送給される材料は「プランジャ」として振る舞う。
【0071】
図1に示されるようないくつかの実施形態では、押出された材料及び/又は押出速度範囲に応じて、押出及び必要な勾配を提供するために、1つのリザーバ、加熱要素及び/又は温度設定のみが必要である。しかしながら、アクティブ冷却並びに複数のヒータ及び/又は温度設定値(
図2)を提供することは、柔軟性を高めることができ、例えば、異なる押出速度を提供することができる。
【0072】
図2は、原料入口ピース1にアクティブ冷却が提供されている本発明の実施形態を示す。アクティブ冷却は、任意の形態の制御可能な液体又はガス(例えば、強制空気)、熱電又はヒートパイプによって提供されてもよい。例えば、原料入口ピース1は、アクティブクーラ109を含んでもよく、これは、流体(ガス、水などの液体)を冷却するためのパイプの回路を含んでもよい。このアクティブ冷却システムは、特定の用途に応じて冷却速度を増加又は減少させるように制御することができる。これは、例えば、
-異なる送給速度での送給された材料(例えば、金属ワイヤ)の熱伝導率を補償して、それによって、大きな弱化ゾーンを低減すること、
-押出機の所定のゾーン内に、好ましくは入口よりもリザーバに近いマッシーゾーンを生成するための温度勾配を提供することと、
-異なる送給速度のために、チャネルを通しての送給された材料の温度勾配を制御することとのために有益である。
【0073】
アクティブ冷却は、単一のヒータと組み合わせることができるが、本発明のいくつかの実施形態は、マッシーゾーンの制御の温度が必要な押出温度と異なることができるため、
図2に示されるように、複数のヒータを含む。これは単なる特定の例であり、
図1に示されるもののように、複数のヒータはまた、原料入口ピースでパッシブ冷却された押出機に適用され得る。いくつかのヒータを有することは、リザーバ内の材料が異なるゾーン、例えば、出口よりもチャネルに近い1つのゾーン、及びチャネルよりも出口に近い別の重複していないゾーンで加熱されることを可能にする。
【0074】
ヒータは、同じ温度で材料を加熱することができる。これは、ポリマーに対して行うことができ、マッシーゾーンと、出口に近い、例えば押出ゾーンでの温度の制御を可能にする。その2つのゾーンの熱抽出は異なる場合があるため、同じ温度設定値が必要であっても、2つのゾーンの温度を(独立して)制御する2つの異なるヒータを使用することが有利である。これは、例えば、現在のFFF設計よりも有利である。代替的な実施形態では、チャネル104に近いヒータは、チャネルから更に離れたヒータよりも低い温度で材料を加熱し得る。これは、第1のリザーバ部分113のヒータをヒータの残りの部分から切り離すことを可能にし、例えば、加熱のためにヒータを切り離して、加熱のためにヒータから温度勾配を提供して、良好で連続的な押出を提供するため、(金属のように)大きな熱伝導率を有する材料において有利である。言い換えれば、送給された材料のピストン効果を提供するために必要な温度は、第1のヒータによって制御することができ、一方、固液遷移の温度よりもはるかに高い押出のための最適な温度は、(例えば、チャネルよりも出口に近くで)最適な押出温度で材料を加熱する第2のヒータによって提供することができる。限定されないいくつかの例では、金属の場合、第2のリザーバでは100℃~500℃高温であってもよく、ポリマーの場合、それらの低伝導率のために、最大約50℃高温まで、いかなる差もない場合がある。これは、リザーバ103内の2つのゾーン、すなわち、材料が第1のヒータ4によって加熱される第1のリザーバ部分113、及び材料が第2のヒータ7によって加熱される第2のリザーバ部分112をもたらす。温度勾配の生成に専用の第1のリザーバ部113、及び最適な押出熱の生成に専用の第2のリザーバ部112の存在は、異なる加熱速度での押出プロセスのより良い制御を可能にする。
【0075】
ヒータ4、7は、同じ又は異なるタイプであってもよく、例えば、それらは、意図された温度範囲に対して最適化されてもよい。設計、プロセス、及び押出材料がそれを可能にする場合、それは、
図1に示されるのと同じヒータであっても、又は事前に定義された電力分布を有するヒータであってもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、送給された材料の温度勾配、例えば、チャネルでの勾配は、コントローラ117によって冷却速度を制御することによって、チャネルに最も近いヒータ4の加熱速度を制御することによって、又はアクティブクーラ109の冷却速度とチャネルに最も近いヒータ4の加熱速度の両方を制御することによって提供することができる。更に、コントローラ117は、第2のヒータの制御を提供することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のヒータは、少なくとも熱断絶材5によって互いに熱的に絶縁されているため、それらの加熱速度を正確に設定又は制御することができる。この熱断絶材5は、リザーバの温度範囲内の温度で熱流束を絶縁するように最適化されているが、絶縁ピース2と同様であってもよい。
【0078】
図3は、第1のリザーバ部113及び第2のリザーバ部112が、リザーバ103の残りの部分よりも小さい直径を有する第2のチャネル106又はネッキングを提供する熱断絶材5によって連結されている本発明の実施形態を示す。この直径は、送給チャネル直径よりも大きく、等しく、又は小さくすることができる。直径が小さいほど、液体を通過できる熱が少なくなるため、絶縁性が高くなるが、摩擦を考慮し、材料、粘度などに応じてバランスをとる必要がある。チャネル106の存在は、液体金属などの、高い熱伝導率及び低い粘度を有する材料に関連する。したがって、ポリマーの場合、低伝導性及び高粘度のために、直径は、例えば、リザーバの残りの部分と同じくらい大きくなることが好ましい場合がある(実際には、
図2に示されるように、ネッキングを除去する)。
【0079】
本発明の実施形態では、更なるヒータ9を出口に追加してもよい。例えば、出力における押出ノズルは、ワークピース/印刷部品及び周囲による熱抽出を補償するために、ノズル先端ヒータ9を含み得る。ヒータは、液化材料の小さい熱質量部分と接触するため、加熱応答が高く、最適なプロセス制御を可能にする。例えば、ヒータをオフにすることで、先端の高速冷却及び固化を可能にし、プロセス制御を改善し、滴下などを低減することができる。
【0080】
更なるヒータ9は、温度勾配を制御する同じコントローラ(例えば、ヒータ、又はアクティブ冷却システム、又はその両方を制御するコントローラ127)によって制御することができる。
【0081】
しかしながら、そのようなノズルヒータ9は、一部の材料、例えば、低い溶解温度、及び/又は低い熱伝導率を有する材料には必要とされない場合がある。
【0082】
図4は、
図3のような2つのリザーバ部分及び更なるチャネル106を備える実施形態を示す。
図4はまた、本発明が、温度勾配を提供するように構成されたコントローラ137(例えば、アクティブクーラ109、又は第1のリザーバ部113用のヒータ4、又はその両方を少なくとも制御することによって)、及び押出温度を制御するために専用の第2のコントローラ147、例えば、第2のリザーバ部112のヒータ及び更なるヒータ9、例えば、先端ヒータを含み得ることを示す。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態では、送給機構108、例えば、原料及び/又は駆動システムを含むことができ、送給された材料の体積変位を提供し、完全に液体状態で押出を行うのに十分な圧力を提供する。これらのシステムは、使用される材料の種類に依存する。例えば、ワイヤの場合、原料及び駆動システムは、送給輪を含み得る。顆粒又はペレットが送給材料として使用される場合、原料は、ホッパー及び駆動システム、例えば押出ねじを備え得る。
【0084】
この送給機構108は、ボーデン送給原理として知られる構成で、押出機から所定の距離の位置に、例えば、プリンタのフレーム上に位置決めすることができる。又は、送給機構を直接上部に設置し、押出機と整列させて、プリントヘッドの一部とすることができる。しかしながら、押出機で管理される高温の影響を受けないように十分に離れており、例えば、50℃以下の温度の領域に配置され得るため、押出機と比較して低温な場合があるため、機構の可動部品、シール、及び他の部品は、熱損傷のリスクが低い。
【0085】
送給機構は、例えば、異なる送給速度を提供するために制御することができ、これは、本発明の実施形態では異なる押出速度をもたらす。温度勾配を制御するために使用されるコントローラ137は、追加的又は代替的に、例えば中央処理装置を含む、送給機構108とコントローラ137との間の適切なアルゴリズム及び接続を設定することによって、送給速度、圧力などを制御するために使用することができる。したがって、チャネルに沿った温度勾配の正確な制御のために、送給速度を考慮し、制御することができる。例えば、送給材料が非常に高い伝導率を有するワイヤである場合、マッシーゾーンがチャネルに沿って最適な位置にあることを確実にするために、ワイヤの弱化が曲がりなどを引き起こさないように、加熱力及び温度勾配を適切に選択することができる。好ましい実施形態では、送給速度は所定であり、温度勾配はそれに応じて制御及び設定される。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、送給速度を調整することもできる。伝導率がワイヤに沿って比較的速く広がるので、速度はポリマーワイヤの場合よりも高くなり得る。このために、コントローラは、冷却速度(アクティブ冷却109が存在する場合には、制御することもできる)及び/又はリザーバ内のヒータの加熱速度、例えば、リザーバの第1の部分又は上部の加熱速度を考慮に入れることができる。
【0086】
送給機構108は、本発明の押出機の一部として、例えば、
図2~
図3に示される実施形態に限定されないが、含まれ得ることに留意されたい。任意のコントローラは、例えば、温度勾配を制御するコントローラ107、117、127、137、又は押出温度での加熱に専用のヒータを制御するコントローラ147など、送給機構108を制御するために使用され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、ヒータは、所定の電力分布を提供してもよく、クーラはまた、固定又はパッシブ冷却を有してもよいので、チャネル内の材料の温度勾配は、例えば、送給速度を制御することによって、押出機における進入から、それがリザーバ近く又はリザーバ内で溶解するまでの時間を制御することによって制御することができる。
【0088】
一般に、各ヒータ、フィードバック機構、及び任意選択でアクティブクーラは、専用のコントローラで制御され得るが、すべてのコントローラは、例えば、すべてのプロセスを制御するコンピュータ内の中央処理装置に接続され得る。
【0089】
いくつかの実施形態(限定されないが、例えば
図4の実施形態)では、ワイヤを送給材料として使用する実施形態の場合、ワイヤ上の押出力を測定するためにロードセル400を提供することができる。例えば、ロードセルは、送給機構108及びプリントヘッドに接続され、押出力を測定する。これは、マッシーゾーンを押すワイヤの反力の情報を提供する。送給機がワイヤを押すと、ワイヤのマッシーゾーンへの反力により、送給機及びプリントヘッドが離れて移動する傾向があり、ロードセル400によって検出される。ロードセルは、フィードバックのために、センサ入力としてコントローラ/CPUに接続され得る。例えば、センサが、例えば、ワイヤに加えられる力の望ましくない変化を検出した場合、コントローラは、温度勾配、又は機構に接続されている場合の送給速度を調整でき、これは、曲げ、座屈、及び詰まりを低減するのに有用である。追加的に、エンコーダホイールは、送給機構のスリップを測定するために実装され得る。ワイヤスリップが検出された場合、ワイヤが詰まっている可能性が高く、送給プロセスを停止する必要がある。
【0090】
本発明の実施形態では、圧力駆動押出は必要ではないため、複雑な圧力システムは必要ではない。しかしながら、例えばリザーバ上の押出機に過圧を加えるためのシステム300が使用されてもよい。過圧システム300は、酸素及び他の反応性ガスを押出機から排出するか、又はそれらのガスが入るのを防止するのに十分な、例えば、100mbar未満の不活性ガス(アルミニウムの場合)の小さな過圧を加えるように構成されてもよい。このシステムは、押出を駆動するのに十分な高圧を加えるように構成されていないが、反応性溶融材料(例えば、溶融金属)を保護し、酸化などの不要な反応を低減するのに十分であり得る。
【0091】
送給機構は、ワイヤ送給に限定されない場合がある。任意の適切な送給システムが使用され得る。いくつかの実施形態では、
図5に示されるように、送給機構500は、高温に耐える必要のないねじとして多くの異なる材料を使用することを可能にする、完全にコールドゾーンに取り付けられたねじ501を含み得る。ただし、これは限定的なものではなく、ねじは押出機及びチャネル内でリザーバに向かって延在し得る。押出ねじ501は、顆粒又は粉末の形態で材料を駆動するように構成されている。それは、剪断及び摩擦に起因するペレットの体積変位及び任意選択で(少なくとも部分的に)溶解の両方を可能にし、これは、ポリマーの溶解において有利である。ヒータ4によって追加の熱が加えられる。本発明のいくつかの実施形態では、例えば、FFFポリマー印刷に関連して、駆動機構は動きを提供するだけであり、加熱は別々に行われ、例えば、それらは、異なる手段、例えば、異なるコントローラによって制御され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ及び任意選択のセンサはすべて、適切な温度勾配を提供するために、正確な加熱、送給速度及び/又は冷却を提供するためにCPUに接続される。いくつかの実施形態では、ノズル3は、交換可能なノズルである。いくつかの実施形態では、押出機は、押出機内の材料と3Dプリンタのビルドプレートとの間に電圧を提供するために、電圧送給源への接続を含んでもよい。
【0092】
一般に、押出機には異なる構成を適用することができる。例えば、
図2、
図3、及び
図4は、ヒータ4、7に取り付けられ、熱断絶材5を提供する絶縁ピースによって分離されたいくつかのピースを備える押出機を示す。代替的に、熱断絶材5は、チャネル直径が小さい、外径が小さい、フィンが存在するなどの幾何学的設計によって実現することができる。したがって、熱断絶材を形成する部分は、
図6に示すように、リザーバの成形部分であってもよい。
図6は、リザーバを囲む材料の単一ブロックを示す。いくつかの実施形態では、ヒータは、押出機の一体部分であり得る。
【0093】
必要な押出速度範囲及び押出材料の材料特性に応じて、追加のヒータを含むことができる。
【0094】
図7は、第1のリザーバ部113と第2のリザーバ部112との間の断絶材5内の追加のヒータ71を示す。これにより、より高い範囲の押出速度が可能になる。低速では、その領域における固化を防止するために、追加の加熱が必要な場合がある。高速では、出口に最も近いヒータ7が押出温度に達するのを助けるために、追加の加熱が必要な場合がある。追加的に、各領域のヒータは、複数の加熱ユニット、例えば、個々に電力を供給及び/又は制御され得る複数の加熱抵抗器又は複数のインダクタを含んでもよい。
【0095】
更なる態様では、本発明は、3D印刷中に使用することができる材料の押出方法を提供する。この方法は、高圧システムを必要とせず、低滴下/浸出を伴うか、又は伴わず、かつ速くかつ高い範囲の堆積速度を伴う金属又はポリマーの体積押出を可能にする。
【0096】
本方法は、本発明の第1の態様の押出機などのリザーバを備えた押出機を使用して実行される。
図8は、本方法のステップを含むチャートである。本方法は、例えば、ヒータを使用してリザーバ内の溶解材料を加熱することS030によって、リザーバを溶融材料で充填することを含む。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態では、最初の充填手順は、以下のステップを含む。
-押出機の内部で利用可能な容積を知っていると、押出前に充填する必要がある量が(おおよそ)わかる。
-ヒータ、例えば、リザーバの第1の部分のヒータは、所望の温度、例えば、プロセス温度に設定される。残りのヒータは、十分な粘度を維持し、早すぎる滴下を防ぐために、リザーバが充填されるまで、実際のプロセス温度よりも低い温度に設定することができる。
-充填が開始され、充填長さが監視される。押出が予想される量よりも前に発生する場合、いくつかの実施形態では、ヒータ9は、加熱速度を低減することができ、それによって先端が(部分的に)固化して早期押出を防止する。
-リザーバが充填されるまで送給が継続される。これは、例えば、送給システム108内の送給力センサ、又は必要に応じて送給システムのスリップ、又はロードセル400によって監視されることができる。
-すべてのプロセス温度が設定され、リザーバの第1の部分113の温度(マッシーゾーン位置を決定するため)が、連続押出が達成されるように設定される。これは、液滴が溶融した材料が落ちると、送給を続けるとすぐに次の液滴が再び形成され始めることを意味する。これが当てはまらない限り、マッシーゾーンは正しい位置(リザーバ内のどこか)にあり、材料は形成された液滴と重力とによって引き出される。この最後の較正は、新しいシステムを初めて使用する場合、又は異なる押出材を使用して実験する場合に主に必要である。
【0098】
材料は、導入されるS01か、又は原料入口ピースを通って送給され、チャネルを通ってリザーバに送られるS02。そこで、材料は加熱されるS030。チャネルは、リザーバよりも狭く、追加的に、原料入口ピース1の底部とリザーバ103との間、すなわち、チャネルを通って、温度勾配が形成され、制御されるS03ため、マッシーゾーンは、好ましくは絶縁ピース、好ましくは入口101よりもリザーバに近いチャネルの領域に保持される。言い換えると、この勾配は、第1の例では、溶融材料をチャネルとリザーバとの間の接合部に保持し、上向きの流れが入口に到達するのを防ぐことを可能にする。例えば、温度勾配は、少なくとも部分的に溶融した材料がチャネル内に存在するように配置され得る。入口を通ってチャネル内に更なる材料を導入すると、リザーバ内に圧力が生じ、溶融材料がリザーバ内に押し込まれる。マッシーゾーン又は消耗品ピストンが形成されるため、逆流が防止され、材料は、リザーバに接続された出口を通って、例えば、押出ノズルを通って、強制的に通される。
【0099】
本発明の方法は、安定した印刷、低滴下又は無滴下及び浸出で、ポリマー及び金属材料の両方のための送給された材料の押し込み/変位による体積押出を可能にする。言い換えると、この方法は、送給された材料をリザーバの溶融材料に押し込むことによって、材料を押出するS04ことを可能にする。
【0100】
温度勾配は、チャネルの反対側、例えば、原料入口ピース及びリザーバでの熱流の制御によって提供することができる。これは、例えば、リザーバでヒータの加熱速度を制御すること、及び/又は入口の領域、例えば、原料入口ピース内でクーラの冷却速度を制御することによって行うことができる。制御は、コントローラ、プロセッサなどの電子部品によって提供される制御信号、フィードバックループなどによって提供され得る。コントローラは、例えば、リザーバ側で加熱力を変更する、又は入口側で冷却力を変更する、及び/又は送給速度を適合させることによって、熱流を変更するための信号を提供してもよい。
【0101】
材料を導入することS01は、金属を導入することを含み得る。いくつかの実施形態では、それは、樹脂と混合されることなく、金属材料又は合金のみを導入することを含む。例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金、銀、金、マグネシウム、又は銅を提供することができる。金属は、例えば、金属ワイヤの形態で提供され得る。
【0102】
代替的に、本方法は、PLA、ABS、PP、PEEK、ナイロン、PCなどのポリマーを、例えば、ワイヤ、又はペレット又は顆粒の形態で提供することを含み得、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0103】
材料特性及び温度レベルの違いにもかかわらず、金属とポリマーとの間の押出物理的性質には大きな違いはない。ワイヤが押出機に送給されるとき、送給されたワイヤが押出力を提供することを確実にすることが有利である。これは、高粘度のため、低送給速度でポリマーを提供することが比較的容易である。本発明は、溶融ポリマーのチャネル上方への動きに対する追加の摩擦を提供し、リザーバとチャネルとの間の幅の差のおかげで、ワイヤ溶解ゾーンに対して(より高い送給速度で)より長い長さを可能にする。ワイヤを上昇させる熱を回避するために、ヒートシンクなどの冷却領域を使用することもでき、任意選択でヒートブレークを使用することもできる。例えば、送給された材料は、入口、任意選択で冷却された入口からチャネルを通って、絶縁ピースによって提供されるヒートブレークを通ってリザーバに駆動することができる(S02)。
【0104】
本発明は、長い弱いゾーンを引き起こす可能性がある金属の必要な高溶解温度とともに(特に、金属などの高い伝導性を有する材料において)、高熱伝導(多くの場合、ポリマーよりも2桁又は3桁高い)などの特性の違いにもかかわらず、同じアーキテクチャを有する金属又はポリマーを使用することを可能にし(ただし、設計、使用される材料、及び寸法は、押出用の材料によって異なる場合がある)。
【0105】
アルミニウム合金(例えば、4043アルミニウム合金)の場合、溶解は573℃(ソリダス温度)~632℃(リキダス温度)で開始するが、溶解するための多くのエネルギー(潜熱)が含まれている。溶解は、(ソリダス温度において)マッシーゾーンで開始する。しかしながら、アルミニウム合金の場合には、200~250℃から573℃における溶解開始まで生じる弱化温度が存在する。したがって、この弱化は、長いワイヤ長まで拡大し得る。この長い弱いゾーンは、ワイヤの座屈と大きな摩擦を引き起こし、潜在的に目詰まりを引き起こす。追加的に、溶融金属の低粘度(水に匹敵する)は、液体浴を容易に押すときに液体をワイヤに沿って上昇させる可能性がある。類似の手順は、480℃のソリダス温度及び630℃のリキダス温度を有する7075アルミニウム合金に適用することができる。
【0106】
一方、金属は比較的速く押出することができる。ポリマーは、その高粘度及び印加可能な限られた最大熱に起因して、高い速度で押出することが困難である。高い送給速度又は速度の場合、長い弱いゾーン/溶解ゾーンは、ポリマー及び金属押出の両方にとって問題となる。押出機上のワイヤの背圧が大きいと、送給システム内のワイヤのスリップ(非体積押出)又は座屈が生じる。
【0107】
チャネル及びリザーバの特定の構成、並びに温度勾配制御は、長い弱化ゾーンを低減又は防止し、チャネルで、又はチャネルとリザーバとの間に密封効果を更に提供することを可能にし、したがって、溶融材料がチャネルの上方向に流れることはなく、送給された材料自体がリザーバの溶融材料に圧力を生成し、それによって押出を実現する。したがって、本方法は、送給速度を制御することによって押出プロセスの制御を可能にする。
【0108】
本方法は、入口及びチャネルに送給材料を提供することを含み、この材料は、固体材料とチャネルとの間に間隙を形成できるように選択される。例えば、送給ワイヤの直径の幅は、チャネル幅に応じて選択することができる。例えば、アルミニウムの場合、例えば1.2mmのワイヤ直径の場合、1.25mm~1.5mmのチャネル直径が機能することが証明されている。しかしながら、これらの値は一例に過ぎず、使用される材料特性、間隙の大きさ、及び温度勾配に応じて他の値を適用することができる。
【0109】
本方法は、送給された材料を消耗品ピストンに回すことを可能にするため、送給された材料は、バッファリザーバのおかげで、固体状態から溶融状態に遷移しながら溶融材料を押す。入口の温度は、例えば冷却器のおかげで、同じままであり得る。リザーバの温度は、ヒータのおかげで、一定であり得る。より高い送給速度で、及び/又はリザーバの容積が比較的小さい場合、チャネルとの接続部でのリザーバ内の材料の局所温度は、リザーバの残りの部分よりも低い場合がある。これを考慮し、温度設定値を上げることができる。
【0110】
低いワイヤ送給速度の場合、熱伝導の影響は大きく、熱はリザーバからの入口に向かって上向きに移動することができる。これは、特に金属上のワイヤ送給された材料での重要な問題である。送給された材料に沿った勾配は、固体材料が溶融するマッシーゾーンがチャネルに沿って、好ましくはリザーバに近い、例えば絶縁ピース2に沿って発生するように制御される。これを
図9に示す。
【0111】
高いワイヤ送給速度の場合、熱は送給された材料を通って入口に向かって上向きに流れる時間がない。未溶融又は部分的に溶融した材料は、バッファリザーバ内を移動することができる。例えば、ワイヤのマッシーゾーンは、リザーバのどこかである。これを
図10に示す。バッファリザーバが送給チャネルよりも広いため、原料とリザーバ壁との間の液膜に起因して、リザーバがない場合と比較して生成される摩擦が少なくなり、目詰まりが低減又は回避される。材料(例えば、ワイヤ)がバッファリザーバに入ると、これはノズル開口部と比較して抵抗が最も小さい経路である可能性が高いため、送給チャネル内の一部の液体を上方に押し上げる。しかしながら、温度勾配に起因して、溶融材料は部分的に固化し、チャネルに沿ったリザーバの上部にマッシーゾーンを形成するが、チャネル104の小さい長さ又は部分1042に限定されるため、材料のピストン効果が復元される。材料とチャネルとの間の間隙を慎重に設計することで、ピストン効果も向上する。
【0112】
低い送給速度では、温度勾配の制御は、溶解プロセスの制御(例えば、マッシーゾーンの位置)を確実にするために重要であり、ワイヤ送給された材料の場合、摩擦、座屈、及び目詰まりの可能性を低減するために、弱化ゾーンの短い長さが重要である。高い送給速度では、緩衝液は、勾配が少なくとも部分的に溶融した材料によるリザーバの密封を可能にする限り、余分な摩擦をもたらすことなく、又はマッシー/ピストンゾーンの異なる位置を制御することなく、より長い溶解長さを可能にする。要約すると、送給速度は、その伝導率に応じて高くなるか低くなるかであり、それは、溶融がリザーバで起こるか、又はチャネルに沿って起こるかを決定する。本発明は、いずれかの方法で、チャネルに沿ったマッシーゾーンの存在を制御及び維持することを可能にする。
【0113】
材料が押出機に積極的に送給されない場合、チャネル内の残りの材料は依然としてピストンとして機能し、リザーバ内への空気の進入を可能にしないため、出口を通る溶融材料の滴下が減少又は回避される。
【0114】
任意選択で、第1の加熱とは異なる第2の加熱を、出口に残すリザーバ内の材料に適用することができる。このようにして、温度勾配を提供するための加熱材料は、押出のために材料を加熱することとは独立して行うことができる。例えば、第1のヒータは、第2のヒータから独立して制御されてもよい。押出される材料がポリマーである場合、両方のヒータが同じ溶融温度で材料を加熱し得る。これらの温度は、材料によって異なり、PLAの場合、典型的には185℃~約205℃、ABSの場合、典型的には200℃~250℃、PEEKの場合、340℃~575℃である。材料が金属又は合金である場合、材料は、チャネルに近い第1のヒータによって加熱された第1のリザーバ部分の金属溶解温度で加熱され得るが、材料は、出口に近い第2のリザーバ部分において、以前の層との安定した連続押出及び融合に適したはるかに高い温度で加熱され得る。追加的に、押出された材料は、例えば押出ノズルで、例えば、出口での追加ヒータによって、押出中に更に加熱され得る。材料の量がノズルに沿って少ないため、加熱及び冷却は非常に高速にすることができ、例えば、堆積サイクルの終了時の速い固化を容易にするか、又はサイクルの開始時の速い溶融を可能にする。
【0115】
温度勾配を制御するためのヒータの制御、最適な押出温度を提供するためのヒータの制御、温度勾配を制御するためのクーラの制御、及び/又は送給速度の制御(例えば、送給機構による)は、1つ以上のコントローラによって行うことができる。好ましくは、温度勾配を提供するための加熱及び/又は冷却の制御は、送給速度の制御とは独立して行われる。いくつかの実施形態では、送給速度は、温度勾配制御を最適化するための入力データとして使用され得る。ワイヤ送給された材料の場合、押出機にワイヤを送給しながら、固体ワイヤへの力を測定することによって、制御を更に改善することができる。
【0116】
本方法は、酸化を低減するために不活性ガスの軽い過圧を適用することを含み得、これは、金属印刷の場合に特に有利である。この過圧は、押出を生成するほど高くない場合があるため、ガスシステムは小さく、大きな電力を必要としない場合がある。
【0117】
本方法は、熱伝導率(通常、通常のポリマーよりも金属では2~3桁高い)、異なる溶解温度、及び化学的相互作用などの問題を考慮して、ポリマーと金属の両方に使用することができる。
【0118】
ポリマー印刷では、低い溶解温度及び熱伝導率に起因して押出の温度のみを制御することで十分である。金属の場合、少なくとも2つの温度、すなわち固体から液体への遷移、及び押出温度を有利に制御して、目詰まりを防ぐことができる。上記で説明されたように、出口にヒータ(例えば、ノズル先端ヒータ9)を任意選択で含む、リザーバの異なる領域を加熱するための2つのヒータを、有利には、金属押出に使用することができる。ヒータの数はより高くてもよく、例えば、リザーバの各部分は、2つ以上のヒータによって加熱されてもよく、したがって、より多くの制御帯域幅を提供することができ、有利には、利用可能な送給速度の範囲を増加させる。
【0119】
本方法は、顆粒又はペレットの形態の原料材料とともに使用することができる。いくつかの実施形態では、材料を導入することは、ポリマー又は金属の顆粒を押出機に駆動することを含む。非溶融粒子用の押出ねじ又はポンプは、顆粒をリザーバの入口に送給する。駆動力は顆粒を圧縮するが、塑性変形は必要なく、顆粒の間に空気ポケットが存在し得る。射出成形ねじと比較して、ねじ/送給機構は、完全に低温ゾーンにあり、有利には、設計及び材料選択の(熱)機械的要件を満たすことができる。
【0120】
低い送給速度では、顆粒が弱化し始め、マッシーゾーンが形成されるチャネル104に沿って溶融状態に遷移する。
【0121】
高い送給速度では、顆粒は、リザーバに入る前に溶解する時間がない。ワイヤの場合も、この場合も、変位された体積は、溶融材料をノズルを通して押出す。一定量の材料がチャネルを上向きに流れてもよい。この量は、リザーバとチャネルとの間の狭窄、及び材料が(少なくとも部分的に)固化され、ピストンとして機能するマッシーゾーンを形成するチャネル104を通る温度勾配によって制限される。
【0122】
図9及び
図10は、低送給速度と高送給速度との間の動作の差を示す。伝導率は、材料の挙動を決定する材料の挿入速度と同様に重要な要因であることに留意されたい。固体原料は、これらの例ではワイヤであるが、同じことが他の形態の材料に適用され得る。
【0123】
図9は、低送給速度での挙動を示しており、絶縁ピース2の部分1042のマッシーゾーンは、リザーバにより近い(例えば、ピースの半分は、リザーバにより近い、又は更に近い)。材料201は、消耗品ピストンとして機能し、溶解のプロセスは、リザーバ及びマッシー材料が変形してチャネルの形状をとる前に開始し、入口に到達する制御されていない上向きの流れを回避する。温度勾配は、加熱、及び/又は冷却、及びその速度の制御によって、この部分1042で高く保たれる。
【0124】
図10は、高送給速度での挙動を示し、ワイヤ201のマッシーゾーン203が、材料が溶解するリザーバ内にある。送給された材料は、リザーバ内の溶融材料を押し、出口に向かって押す。また、溶融材料がリザーバから入口に向かって上向きに移動することもある。材料は、冷却に起因して溶融状態から固体状態に遷移し始め、ワイヤ(粉末などの異なる形態が使用される場合も同じ)とチャネルの内壁との間の空間を満たす。しかしながら、この移動及びその範囲は、温度勾配を制御することによって制御されるため、流れは、絶縁ピース2に沿ってチャネル104の部分1042に留まる。前述のように、温度勾配は、(ヒータ4を用いて)加熱すること、任意選択で又は追加的に(原料入口ピース1でクーラを用いて)冷却すること、及びその速度を制御することによって、この部分1042で高い温度勾配を維持する。
【0125】
プロセスは連続的であり、温度勾配、任意選択で押出温度及び送給速度を制御することによって、それ自体を連続的に安定化することができる。
【0126】
本方法及び装置は、多種多様な送給速度での体積押出を可能にする。また、ワイヤ原料に限定されず、浸出や滴下を防ぎながら、完全な液体状態での金属押出を可能にする。ポリマー、更には食品を含む多種多様な粘度を有する材料を押出するために使用することができるため、金属に限定されない。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出された材料(202)を提供するための出口(102)と、押出機に材料を受容するための原料入口ピース(1)と、を備える、3D印刷用押出機(100)であって、
-前記原料入口ピース(1)が、前記材料を冷却するための冷却手段と、
-材料を溶解するためのリザーバ(103)であって、リザーバ幅を有し、前記出口(102)に接続されている、リザーバ(103)と、
-チャネル幅を有し、前記原料入口ピース(1)を前記リザーバ(103)と接続し、前記材料を前記リザーバに導入するためのチャネル(104)であって、前記チャネル幅が、前記リザーバ幅よりも狭い、チャネル(104)と、を含み、
前記押出機(100)が、
-前記チャネルに近い前記リザーバ(103)の第1のリザーバ部分(113)内の材料を溶解するための第1のヒータ(4)と、
-前記出口(102)への前記リザーバの接続部に近い第2のヒータ(7)であって、前記出口(102)に近い前記リザーバの第2のリザーバ部分(112)内の溶融材料を、前記第1のリザーバ部分(113)内の前記材料と同じ温度又はそれより高い温度で維持するための第2のヒータ(7)と、
-前記チャネル(104)を通して前記材料の温度勾配を制御するためのコントローラ(107、117)であって、前記コントローラが、押出中に前記リザーバ(103)と前記チャネル(104)との間の少なくとも接合部で又は前記チャネル(104)に沿って溶融材料のレベルを維持し、前記原料入口ピースを通して導入された材料による押出を提供し、前記リザーバ(103)内の前記溶融材料を押すように構成された、コントローラと、を更に備え、
前記第1のヒータが、前記チャネル(104)に近い前記第1のリザーバ部分(113)及び前記出口(102)に近い前記第2のリザーバ部分(112)内の前記リザーバを分離する熱断絶材(5)によって前記第2のヒータ(7)から離れていることを特徴とする、押出機(100)。
【請求項2】
前記コントローラ(107、117)が、前記ヒータを制御するように構成され、かつ/又は前記冷却手段が、アクティブクーラ(109)を含み、前記コントローラ(117)が、前記アクティブクーラ(109)を制御して前記材料の前記冷却速度を制御するように構成されている、請求項1に記載の押出機。
【請求項3】
前記原料入口ピース(1)に材料を送給するための材料送給機(108、500)を更に備え、前記コントローラ(117)が、送給速度を制御するために前記材料送給機(108、500)を制御するように更に構成されている、請求項
1に記載の押出機。
【請求項4】
前記材料送給機(108)が、ワイヤ(201)を送給するためのワイヤ送給機(108)であり、前記ワイヤ(201)上の押出力を測定するように、前記ワイヤ送給機(108)と原料入口ピース(1)との間にロードセル(400)を更に備える、請求項3に記載の押出機。
【請求項5】
前記熱断絶材(5)が、前記リザーバの前記第2の部分(113)から前記第1の部分(112)を熱的に絶縁するように適合された更なるチャネル(106)を提供する、請求項
1に記載の押出機。
【請求項6】
前記出口(102)が、前記出口で前記押出された材料(202)の前記温度を制御するための更なるヒータ(9)を備える、請求項
1に記載の押出機。
【請求項7】
前記原料入口ピース(1)を前記リザーバ(103)から熱的に絶縁するように、前記チャネル(104)の少なくとも一部分を含む絶縁ピース(2)を更に備える、請求項
1に記載の押出機。
【請求項8】
前記押出機と3Dプリンタのビルドプレートとの間に電圧を印加するように構成された電極を更に備える、請求項
1に記載の押出機。
【請求項9】
材料を押出するための方法であって、
-原料入口ピースを通して、押出機に材料を導入すること(S01)と、
-前記原料入口ピースを通した材料の加熱を防止しながら、溶融材料のレベルを得るためのリザーバの第1の部分において材料を加熱し、前記リザーバの第2の部分における第2の加熱を前記リザーバを離れる材料に適用することであって、前記第1の部分が、熱断絶材(5)によって前記第2の部分によって分離されている、加熱すること(S030)と、
-チャネルを通して前記リザーバに材料を送給することであって、前記チャネルが、チャネル幅を有し、前記リザーバが、リザーバ幅を有し、前記チャネル幅が、前記リザーバ幅よりも狭い、送給すること(S02)と、
-押出中に前記リザーバと前記チャネルとの間の接合部で、又は前記チャネルに沿って、溶融材料のレベルを維持するために、前記チャネルに沿った温度勾配を制御すること(S03)と、含み、
それによって、前記リザーバに更なる固体材料を導入することが、前記リザーバに接続された出口を通って前記リザーバに前記溶融材料を押し込み、したがって、押出された材料を形成する(S04)、方法。
【請求項10】
前記材料の送給速度を制御することを更に含み、かつ/又は前記材料を冷却することが、前記冷却速度を制御することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
アルミニウム、アルミニウム合金、又は銅を押出するための、請求項9又は10に記載の方法。
【国際調査報告】