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特表2024-521019交通状況をシミュレーションするための自動運転プラットフォーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】交通状況をシミュレーションするための自動運転プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
G01M17/007 P
G01M17/007 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566971
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2021087589
(87)【国際公開番号】W WO2022228710
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】A60126/2021
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515345366
【氏名又は名称】4アクティブシステムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ハフェルナー、ラインハルト
(57)【要約】
本発明は、交通状況をシミュレーションするためのダミー用プラットフォーム(100)に関する。プラットフォーム(100)は、底面(102)と底面(102)に対向して形成された表面(103)とを有する本体(101)と、底面(102)に配置された、少なくとも一つのローラ要素(104)とを有し、ローラ要素(104)は、本体(101)がローラ要素(104)によって床に沿って走行可能であるように形成されており、本体(101)は、固定領域(106)と設置領域(105)とを有する。固定領域(106)の固定表面上(103)には、前記ダミーを固定するための固定装置(201)が形成されており、設置領域(105)には各機能要素が設置可能である。本体(101)は、衝突車両が本体(101)上を損傷なく走行可能であるように薄く形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通状況をシミュレーションするためのダミー用プラットフォームであって、
床面と前記床面に対向して形成された表面とを有する本体と、
前記床面に配置された、少なくとも一つのローラ要素と
を有し、
前記ローラ要素は、前記本体が前記ローラ要素によって床に沿って走行可能であるように形成されており、前記本体は、固定領域と設置領域とを有し、
前記固定領域の固定表面上には、ダミーを固定するための固定装置が形成されており、前記設置領域には各機能要素が設置可能であり、前記本体は、衝突車両が本体上を損傷なく走行可能であるように薄く形成されている、
プラットフォーム。
【請求項2】
前記本体は、特に前記固定領域における前記床面と前記表面との間の特に30mm、25mm、20mm、15mm、10mmまたは5mmである固定厚みは、前記設置領域における前記床面と前記表面との間の設置厚みよりも小さいように段状に形成されている、請求項1に記載のプラットフォーム。
【請求項3】
前記固定厚みは、40mm未満であり、特に35mm未満であり、30mm未満であり、25mm未満であり、20mm未満であり、15mm未満であり、10mm未満であり、さらに/あるいは
前記設置厚みは、60mm未満であり、55mm未満であり、特に50mm未満であり、45mm未満であり、40mm未満であり、35mm未満であり、30mm未満であり、25mm未満であり、20mm未満であり、15mm未満であり、10mm未満であり、さらに/あるいは
前記床上の前記ローラ要素の設置部と前記表面、特に前記設置領域との間におけるプラットフォームの設置領域の最大厚みは、60mm未満、55mm未満、特に50mm、45mm、40mmまたは35mm未満である、
請求項2に記載のプラットフォーム。
【請求項4】
前記固定領域は、前記本体の前記表面の30%を超え、特に40%、50%または70%を超える、請求項1から3のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項5】
前記設置領域と前記固定領域との間において移行領域が形成されており、
前記移行領域における前記表面は、前記設置領域および/または前記固定領域の前記表面に対して5度から45度の間、特に5度から15度の間の角度(α)を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項6】
前記本体は、前記固定領域および/または前記設置領域を囲む各外縁領域を有し、前記各外縁領域は、楔形に形成されており、少なくとも一つの外縁領域が30度未満、特に25度未満の開口角を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項7】
前記各外縁領域は、放射を吸収する、特にレーダ波を吸収する表面を有する、請求項6に記載のプラットフォーム。
【請求項8】
前記各外縁領域の前記表面は、灰色のコーティング、特にRAL7005またはRAL7035を有する、請求項7に記載のプラットフォーム。
【請求項9】
前記表面は、前記ローラ要素の領域においてドーム型のカバー要素を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項10】
駆動ユニットを有する駆動列をさらに有し、
前記ローラ要素は、駆動トルクを伝達するために前記駆動ユニットに対して連結されており、
前記駆動列と前記ローラ要素とは、前記駆動列が前記ローラ要素とともに少なくとも部分的に前記本体の前記床面における受容開口部にあるように軸方向に沿って連続して連結されており、
前記駆動列は、前記ローラ要素とともに前記受容開口部内に出入りするように旋回可能に配置されている、
請求項1から9のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項11】
前記駆動ユニットは、駆動軸を有し、前記ローラ要素は、回転軸を有し、
前記駆動ユニットと前記ローラ要素とは、前記駆動軸と前記回転軸とが軸方向に対して平行に延伸するように配置される、
請求項10に記載のプラットフォーム。
【請求項12】
前記駆動ユニットと前記ローラ要素とは、前記駆動軸と前記回転軸とが同軸状に延伸するように配置される、請求項11に記載のプラットフォーム。
【請求項13】
前記駆動列は、ギアユニット、特に遊星ギアを有し、当該ギアユニットは、前記駆動軸と前記回転軸との間において前記駆動軸の駆動トルクが前記回転軸にデコードされて伝達可能であるように配置されている、請求項11または12に記載のプラットフォーム。
【請求項14】
前記駆動列は、別の駆動ユニットを有し、前記別の駆動ユニットは、前記駆動軸から前記回転軸に別の駆動トルクがデコードされて伝達可能であるように前記ギアユニットに連結されている、請求項13に記載のプラットフォーム。
【請求項15】
前記ギアユニットは、少なくとも一つの第一の遊星歯車と第二の遊星歯車を有する遊星ギアを有し、前記駆動ユニットは、前記第一の遊星歯車、また前記別の駆動ユニットは、前記第二の遊星歯車に対して連結されている、請求項14に記載のプラットフォーム。
【請求項16】
前記駆動列は、特に軸端において旋回軸を形成する回転ピンを有し、前記回転ピンは、前記本体と連結されており、前記旋回軸は、前記駆動列の軸方向に直交する方向に延伸する、請求項10から15の何れか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項17】
前記駆動列は、軸端において電気プラグを連結するための電気連結部を有する、請求項16に記載のプラットフォーム。
【請求項18】
前記電気プラグは、特に接着接続および/または収縮チューブによって前記電気連結部と防水接続されている、請求項17に記載のプラットフォーム。
【請求項19】
旋回ばねをさらに有し、当該旋回ばねは、前記駆動列と前記本体との間において前記駆動列の前記本体に対する旋回運動を規定どおりに減衰可能であるように配置されている、請求項10から18のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項20】
前記旋回ばねは、前記駆動列が前記受容開口部内に撓むほどにばね力を減少させる漸減的なばね特性を有する、請求項19に記載のプラットフォーム。
【請求項21】
前記旋回ばねは、特にコイルばねとしてばね力方向に沿ってばね力を生成し、
前記旋回ばねは、ばね力が20度と70度の間、特に40度と50度の間の角度(γ)を有するように前記本体と前記駆動列との間に配置されている、
請求項19または20に記載のプラットフォーム。
【請求項22】
前記駆動列は、ローラ固定ユニットを有し、当該ローラ固定ユニットに対して前記ローラ要素が交換可能に固定可能であり、
前記ローラ固定ユニットは、軸方向を中心に回転可能である、請求項10から21の何れか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項23】
前記ローラ要素は、一つの、特に一つだけの固定ねじによって前記ローラ固定ユニットに対して取り外し可能に固定可能であり、
前記固定ねじの螺合方向は、特に軸方向に対して平行に形成されている、
請求項22に記載のプラットフォーム。
【請求項24】
前記ローラ要素は、第一の接触面を、また前記ローラ固定ユニットは、第二の接触面を有し、前記第一の接触面と前記第二の接触面とは、互いに対応する各歯部要素を有して相補係合接続を設ける、請求項22または23に記載のプラットフォーム。
【請求項25】
前記対応する各歯部要素は、鋸歯形が設けられ得るように形成されている、請求項24に記載のプラットフォーム。
【請求項26】
前記対応する各歯部要素は、半球状の各凸部と相応して対応する半球状の各凹部として形成されている、請求項24に記載のプラットフォーム。
【請求項27】
前記本体、特に前記設置領域に配置されている電力基板と、
少なくとも一つの電池セル(701)とをさらに有し、当該電池セルは、前記電力基板が前記電池セル(701)の充電と当該電池セルから電力を得ることとを可能にするように前記電力基板に対して連結されている、
請求項1から26のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項28】
少なくとも二つの電池セルをさらに有し、
前記電池セル(701、702)の各々は、並列接続されている、
請求項27に記載のプラットフォーム。
【請求項29】
前記電池セル(701、702)の各々の個々の電圧は、高度に変調可能である、請求項28に記載のプラットフォーム。
【請求項30】
前記プラットフォームは、10を超える、特に16を超える電池セル(701、702)を有する、請求項28または29に記載のプラットフォーム。
【請求項31】
前記電池セル(701、702)の各々のうち少なくとも一つは、1.2Vと3Vの間、特に2.4Vの公称電圧を有するリチウムチタン電池として形成されている、請求項27から30のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項32】
前記電池セル(701、702)の各々のうち少なくとも一つは、正方形の周辺と22mm未満、特に14mm未満の厚みとを有する扁平電池として形成されている、請求項27から31のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項33】
前記電池セル(701、702)の各々のうち少なくとも一つは、第一のコンタクトピンが形成された第一の端子と、第二のコンタクトピンが形成された第二の端子とを有し、
前記第一のコンタクトピンと前記第二のコンタクトピンは、前記電力基板の相応する各受容ブッシングと連結されている、
請求項27から32のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項34】
前記第一のコンタクトピンと前記第二のコンタクトピンとは、異なる長さを有する、請求項33に記載のプラットフォーム。
【請求項35】
前記本体は、前記プラットフォームの外部から自由にアクセス可能である、少なくとも二つの電気接触面を有し、前記電気接触面の各々は、前記電力基板と導電性を有するように接続されており、
前記二つの電気接触面は、特に据え付けの充電器の各接点との各摺動接点が設けられ得るように形成されている、
請求項27から34のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項36】
少なくとも一つのアンテナモジュール、特にWLANまたはGPSアンテナモジュールをさらに有し、
前記本体は、前記表面において受容開口部を有し、当該受容開口部中に前記アンテナモジュールが配置されている、
請求項1から35のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項37】
前記アンテナモジュールは、前記アンテナモジュールが前記表面と同一表面になるように前記受容開口部内に配置されている、または
前記アンテナモジュールの表面が前記本体の前記表面から前記受容開口部の内部に向かって6mm、特に3mmまたは1mmオフセットされている、
請求項36に記載のプラットフォーム。
【請求項38】
前記アンテナモジュールは、平面アンテナとして形成されており、
前記アンテナモジュールは、特に90mmから50mm、特に70mmの直径を有する円筒形を有する、
請求項36または37に記載のプラットフォーム。
【請求項39】
前記アンテナモジュールは、前記プラットフォームが前記床に設置されている場合に実質的に水平面内にある、少なくとも一つのメインローブを有する放射特性を有する、請求項36から38のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項40】
前記受容開口部は、前記本体の前記表面と前記床面との間の貫通開口部を構成する、請求項36から39のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項41】
前記アンテナモジュールは、ハウジングと前記ハウジング内に固定されているアンテナ電子機器とを有し、
前記本体の前記表面と同一平面上にある、あるいは前記表面から周辺方向に突出している前記ハウジングの表面と前記アンテナ電子機器との間には隙間容積があり、
前記ハウジングの表面は、前記隙間容積内への弾性変形が可能であるように弾性的に変形可能に形成されている、
請求項36から40のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項42】
前記受容開口部内において前記本体と前記アンテナモジュールとの間に前記アンテナモジュールの前記受容開口部内への取り外し可能なクランプ固定が設けられ得るように弾性クランプ要素の各々が設けられている、請求項36から41のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項43】
前記アンテナモジュールは、周面において前記弾性クランプ要素を固定するための受容部を有する、請求項42に記載のプラットフォーム。
【請求項44】
前記アンテナモジュールは、前記本体の前記表面の領域において信号連結部を有し、前記信号連結部からアンテナ信号が非接触型で前記ダミーの別の信号連結部に対して伝達可能であるようにする、請求項36から43のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項45】
前記ローラ要素は、ローラ軸を有し、
前記ローラ要素は、前記ローラ軸を中心に回転可能であり、
前記本体は、前記床面において前記ローラ軸を受容するためのローラ受容部を有し、
前記ローラ受容部には弾性クランプ要素が前記ローラ受容部と前記ローラ要素との間のクランプ固定が設けられ得るように配置されている、
請求項1から44のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項46】
前記弾性クランプ要素の各々の弾性は、前記ローラ要素の重量力よりも大きい取り外し力が生じて初めて前記ローラ受容部から前記ローラ要素が取り外し可能となるように形成されている、請求項45に記載のプラットフォーム。
【請求項47】
前記ローラ受容部は、前記本体において回転軸を中心に回転可能であるように配置されており、
前記ローラ要素は、前記ローラ受容部において偏心して前記回転軸から距離をおいて固定されている、
請求項45または46に記載のプラットフォーム。
【請求項48】
前記本体に配置されている、少なくとも一つの電子モジュールをさらに有し、
前記電子モジュールは、電子部品、特に基板を有し、
前記電子モジュールは、平面状の粘弾性減衰要素、特に円筒状の減衰要素を有し、当該減衰要素に対して前記電子部品が固定されており、
前記電子モジュールは、担持構造を有し、当該担持構造に対して前記粘弾性減衰要素が固定されているため、前記本体から前記電子部品に作用する振動が前記粘弾性減衰要素によって減衰可能である、
請求項1から47のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項49】
前記粘弾性減衰要素は、自身の法線が床平面の法線に対して平行である減衰平面内において前記減衰要素が前記床平面の法線に対して平行である変形よりも前記床平面の法線に対して垂直である変形に対して堅固であるように延伸するため、前記粘弾性減衰要素によって前記床平面の法線に対して平行に延伸する各垂直力が前記床平面の法線に対して垂直に延伸する各水平力よりも強く減衰可能である、請求項48に記載のプラットフォーム。
【請求項50】
前記粘弾性減衰要素は、固定ねじによって前記担持構造に固定されており、
前記固定ねじは、特に前記床平面の法線に対して平行である螺合方向を有する、
請求項49に記載のプラットフォーム。
【請求項51】
前記表面は、特に熱放射に関して少なくとも部分的に反射するように形成されており、
前記表面の反射する各領域は、特にRa≧0.1μmからRa≧12.5μmの間の平均表面粗さRaを有する、
請求項1から50のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項52】
前記反射する表面は、80%を超える、特に90%を超えるまたは95%を超える反射率を有する、請求項51に記載のプラットフォーム。
【請求項53】
放射、特に熱放射を反射するための反射要素をさらに有し、
前記反射要素は、前記本体の前記表面に沿って断路を空けて延伸し、
特に前記断路には空気または熱断熱のための断熱材が充填されている、
請求項1から52のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【請求項54】
前記本体内に配置されている、少なくとも一つの第一の機能モジュールと第二の電子機能モジュールと
前記第一の機能モジュールおよび前記第二の電子機能モジュールと前記本体の前記表面との間に配置されている接続基板とをさらに有し、
前記第一の機能モジュールおよび前記第二の電子機能モジュールは、それぞれ前記本体の前記表面に向けられた側において少なくとも一つの接触プラグを有し、
前記接続基板は、前記第一の機能モジュールおよび前記第二の電子機能モジュールの間の前記表面に沿って延伸し、前記第一の機能モジュールおよび前記第二の電子機能モジュールの前記接触プラグの各々を受容するための相応する各接点を有するため、前記第一の機能モジュールおよび前記第二の電子機能モジュールの各々を前記接続基板上に垂直に挿入することが可能である、
請求項1から53のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通状況をシミュレーションするためのダミー用プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
車両には特定の交通状況において車両の運転手を積極的に支援して交通事故の危険性を減らすために運転アシストシステムが搭載されることがますます増えている。例えば最新の運転アシストシステムは、車両の制動機能または操舵に影響を及ぼすことが可能である。
【0003】
さらに最近の交通区域においては自律式車両が導入され、当該自律式車両においては、運転手が車両の運転挙動に積極的に参加することなく、車両が完全自動で所定の交通区域内の往来の中を進む。
【0004】
運転アシストシステムを搭載した車両の検査あるいは自律式車両の検査のためには複数の道路利用者を用いた複雑な各交通シナリオをシミュレーションする必要がある。
【0005】
ここで例えば車両または人体などの所望するダミーを固定することが可能である走行可能なプラットフォームが公知である。それでも運転アシストシステムが故障した場合、検査の間に衝突が意図せず、あるいは意図的に誘発される可能があるため、検査対象の車両がプラットフォーム上を走行する。検査対象の車両がプラットフォーム上を走行する際に当該車両は可能な限り無傷に保持されてプラットフォームもまた今後の検査のために利用可能となるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、走行プラットフォームを提供することにあり、当該プラットフォーム上にダミーを固定可能であり、プラットフォームは、衝突車両が損傷なくプラットフォーム上を走行可能であるように形成されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
当該課題は、独立クレームの主題によって解消される。
【0008】
本発明の第一のアスペクトによると交通状況をシミュレーションするためのダミー用のプラットフォームが説明されている。プラットフォームは、底面と底面に対向して形成された表面とを有する本体と、底面に配置された少なくとも一つのローラ要素とを有し、ローラ要素は、本体がローラ要素によって底に沿って走行可能であるように形成されており、本体は、固定領域と設置領域とを有する。固定領域の固定表面上にはダミーを固定するための固定装置が形成されており、設置領域には各機能要素が設置可能である。本体は、衝突車両が本体上を損傷なく走行可能であるように薄く形成されている。
【0009】
別のアスペクトによると上述のプラットフォームの駆動方法と上述のプラットフォームの製造方法とが説明されている。
【0010】
検査対象の車両(衝突車両)は、例えば自家用車、トラック、バスまたは自転車などの例えば車両など、例えば自走式である対象物を表すことが可能である。
【0011】
プラットフォーム上に固定されているダミーは、例えば人間のようなダミーであり得、当該ダミーは、プラットフォーム上に立った、横たわった、あるいは座った形で固定される。さらにダミーは、車両のダミーまたは自転車のダミーを構成することが可能である。
【0012】
プラットフォームは、プレート状の形を有する本体を有する。このことは床平面内における自身の延伸が例えば垂直方向における自身の厚みよりも著しく大きいことを意味する。本体は、床面と対向する表面とを有する。本体は、自身の底面において床上に設置される。この場合床面は、床または床平面に対して平行である。床面において少なくとも一つのローラ要素が回転可能に配置されており、当該ローラ要素は、少なくとも部分的に本体から突出していることで本体と床との間における間隔を設ける。表面上には固定装置が形成されている。固定装置は、ダミーを固定するように形成されている。さらに固定装置は、検査対象物を選択的に、例えば衝突状況の直前に開放することで本体と検査対象物との間の固定が解除されるように制御可能であるように形成され得る。
【0013】
基準系としては以下において床平面(水平面)を使用し、プラットフォームが床上に設置されている場合、床面は、床平面に対して平行に形成されている。よって床平面は、x軸(例えばプラットフォームの走行方向)とY軸とによって定義される。よってx軸とY軸とは床平面内にある。床平面に対して垂直、よって床平面の法線に対して平行にz軸(垂直)が延伸している。
【0014】
プラットフォームは、特に設置領域を有し、当該設置領域内においてプラットフォームの全ての機能要素、例えば各駆動ユニットまたは各通信ユニットが配置されている。固定領域において固定表面上にダミーが固定される。プラットフォームは、床平面に沿って固定領域と設置領域とに分割されている。
【0015】
固定装置は、例えばフック機構からなり、当該フック機構内にダミーを掛けることが可能である。さらに固定装置は、磁気による保持力によってダミーを表面に固定するために磁石、特に制御可能な電磁石を有することが可能である。
【0016】
床面において少なくとも一つのローラ要素が配置されている。好ましい実施形態において本体において三つまたは四つのローラ要素が互いに間隔をおいて床面に配置されていることが可能である。これにより高いローラ安定性とプラットフォームの良好な制御性が得られる。ローラ要素は、例えばゴムローラ、硬質プラスチックローラまたはプラスチックローラからなるものであり得る。
【0017】
プラットフォームは、少なくとも一つのローラ要素によって床に沿って走行可能である。プラットフォームを床上で引っ張るために本体に対して例えば牽引ロープや牽引バーなどの牽引機構が固定され得る。さらに本体は、ガイドレール上に固定されていてもよく、本体は、ローラ要素を用いてガイドレールに沿って走行可能である。プラットフォームは、さらに以下に詳述されるようにローラ要素自体が駆動されることによって自由に走行可能であるように形成されていることも可能である。
【0018】
本発明によるとプラットフォームは、衝突車両が本体上を損傷なく走行可能であるように薄く形成されている。これに関しては以下に各好ましい実施形態が説明され、当該各実施形態例は、全体で本発明によるプラットフォームの薄く頑丈な構成に貢献する。
【0019】
第一の例示的な実施形態によると本体は、特に固定領域における床面と表面との間の特に30mm、25mm、20mm、15mm、10mmまたは5mmである固定厚みが設置領域における床面と表面との間の設置厚みよりも小さいように段状に形成されている。段状構成における設置厚みと固定厚みとの間の最小差は、例えば少なくとも1mmから2mmである。
【0020】
別の例示的な実施形態によると固定厚みは、40mm未満であり、特に35mm未満であり、30mm未満であり、25mm未満であり、20mm未満であり、15mm未満であり、10mm未満である。設置厚みは、60mm未満であり、55mm未満であり、特に50mm未満であり、45mm未満であり、40mm未満であり、35mm未満であり、30mm未満であり、25mm未満であり、20mm未満であり、15mm未満であり、10mm未満であり得る。床上のローラ要素の設置部(すなわちプラットフォームが負荷なく床の上に設置されている場合にプラットフォームの表面から最も遠く離れたローラ要素の領域)と特に設置領域の表面との間におけるプラットフォームの最大厚みは、60mm未満、55mm未満、特に50mm、45mm、40mmまたは35mm未満である。もっとも均質で段のないプラットフォームの場合、最大厚みが固定領域にあってもよい。換言するとプラットフォームの段のない実施形態においては固定厚みと設置厚みとが同一であってもよい。
【0021】
よってプラットフォームは、二つの異なる厚みを有する領域を有する。より厚い設置領域には、通常より大きな厚みを必要とする各機能要素が収容される。ダミーが固定される固定領域には例えばもっぱら駆動力のない各ローラ要素が設けられるため、さらなるより厚みの大きい各機能要素を設置する必要がない。よって固定領域は、設置領域よりも薄く形成され得る。よって必要とされる厚みは、もっぱら各機能要素のために使用され、その他の各領域、特に固定領域においては最大限可能である最薄の設計が可能となる。特に極めて薄い固定領域を提供可能であることによりその上に固定されるダミーが床よりもぎりぎり上に配置されるようにすることが有利である。このことが運転アシストシステムにおける各センサの誤計測の減少につながるのは、例えばダミーの床がほぼ床と同一平面上にあり、プラットフォームの薄い設置領域のみがその間に設けられるからである。よって例えば歩行者のような床上を走行する実際のダミーを現実に近い状態でシミュレーションすることが可能となる。
【0022】
別の例示的な実施形態によると固定領域は、本体の表面の30%を超え、特に40%、50%または70%を超える。特に薄い固定領域は、プラットフォームの床平面内における面の半分以上を占めることが可能であり、これにより設置領域のより小さい部分のみが各機能要素のためのより高い厚みを有する必要があるようにする。
【0023】
別の例示的な実施形態によると設置領域と固定領域との間において移行領域が形成されており、移行領域における表面は、設置領域および/または固定領域の表面に対して5度から45度の間、特に5度から15度の間の角度を有する。角度は、特に移行領域がある平面(または当該平面の法線)と床平面(または当該床平面の法線)との間において計測される。特に移行領域を勾配があり、傾斜するように形成する場合、例えばレーダ波のような各センサ放射の直接的な戻り反射が防止され得る。特に各レーダ波が直接戻るように反射される段状の移行部(角度=90度)と比べて移行領域における角度、特に上述のより小さい各角度領域によって各レーダ波が特に空(垂直)に向かって放射されるため誤計測の原因とならない。
【0024】
本発明の別のアスペクトによると本体は、固定領域および/または設置領域を囲む各外縁領域を有し、各外縁領域は、楔形に形成されて、少なくとも一つの外縁領域が約25度未満の開口角を有する。よって楔形の各外縁領域は、ランプを形成し、当該ランプを超えて衝突車両が注意深くプラットフォームのカバー面または表面上に到達することが可能でありプラットフォーム全体の上を走行することが可能である。開口角は、特に床平面(または当該床平面の法線)と楔形の各外縁領域の表面が延伸する平面(または当該平面の法線)との間において計測される。同様に楔形の各外縁領域によってセンサ放射の反射が垂直成分によって戻るように反射されるため誤計測の危険性が減少する。
【0025】
別の例示的な実施形態によると各外縁領域は、放射を吸収する、特にレーダ波を吸収する表面を有する。表面は、例えば各IR/RAMコーティング(赤外線IR、レーダ波吸収性素材RAM)を有する。このような各コーティングは、関連する各赤外線波長領域において低照射である各レーダ吸収特性を有する。この際、例えば各誘電体IRコーティングを用いることが可能である。このような各素材は、IR表層とその下にあるRAMまたはRAMとIR素材からなる準均質である混合物、例えばカミング・マイクロウェーブ社のCRamペイント(U、S、E)HPまたはCRamペイント(U、S、E)VHP(技術広報340-1)とからなる。このようなコーティングは、例えば8~18GHzの周波数帯域において約-30dBの吸収率を達成する。
【0026】
別の例示的な実施形態によると表面は、灰色のコーティング、特にRAL7005またはRAL7035を有する。
【0027】
よって各外縁領域の表面の放射吸収性、特にレーダ波吸収性である吸収特性によって誤計測を減らすことが可能である。
【0028】
別の例示的な実施形態によると表面は、ローラ要素の領域においてドーム型のカバー要素を有する。よって設置領域が狭いにも関わらずより大きなローラ半径を有する各ローラ要素を使用することが可能となる。このために必要な設置空間は、ドーム型の各カバー要素によって形成され得る。加えてドーム型であるがゆえに各センサ放射が直接ではなく垂直成分によって戻るように反射されるため誤計測を減らすことが可能である。ドーム型の各カバー要素もまた信号吸収性の色、例えば灰色(例えばRAL7005またはRAL7035)でコーティングされ得る。
【0029】
別の例示的な実施形態によるとプラットフォームは、さらに駆動ユニットを有する駆動列を有し、ローラ要素は、駆動トルクを伝達するために駆動ユニットに対して連結されている。駆動列とローラ要素とは、駆動列がローラ要素とともに少なくとも部分的に本体の床面における受容開口部にあるように軸方向に沿って連続して連結されており、駆動列は、ローラ要素とともに受容開口部内に出入りするように旋回可能に配置されている。
【0030】
プラットフォームの駆動列という用語は、プラットフォームにおいて駆動用の動力を生成してローラ要素または床まで伝達する、全ての構成要素であると理解される。相応して駆動列は、駆動ユニット、特にモータを有し、当該駆動ユニットは、駆動軸を介してローラ要素の回転軸へと相応する駆動トルクを伝達することで当該ローラ要素を駆動する。
【0031】
駆動列は、例えばハウジングまたは担持構造を有することが可能であり、例えば駆動ユニットまたは各軸のための各軸受などの全ての機能上の機械的構成要素がその内部に配置される。本発明によると駆動列は、本体に対して旋回可能に配置されているため、垂直方向への負荷、特に衝突車両が走行することによる重量力がかかった場合に駆動列がローラ要素とともにプラットフォームの方向に旋回されることで負荷応力を減衰させて場合によってはローラ要素を駆動列とともに受容領域、例えば設置ボックス内において安全に保持するため、衝突車両のさらなる重量力が駆動列とローラ要素とに伝達されないようにする。特にこのことは、駆動列とローラ要素がプラットフォームまたは本体の受容領域内に旋回した状態においてプラットフォームと走行する衝突車両の全ての重量力がもはやローラ要素を介してではなく本体を介して床に導入される場合に可能である。よって重い衝突車両(例えば重荷重トラック)に対して極めて頑丈である薄いプラットフォームを設けることが可能となる。
【0032】
別の例示的な実施形態によると駆動ユニットは、駆動軸を、またローラ要素は、回転軸を有し、駆動ユニットとローラ要素とは、駆動軸と回転軸とが軸方向に対して平行に延伸するように配置される。
【0033】
別の例示的な実施形態によると駆動ユニットとローラ要素とは、駆動軸と回転軸とが同軸状に延伸するように配置される。
【0034】
別の例示的な実施形態によると駆動列は、ギアユニット、特に遊星ギアを有し、当該ギアユニットは、駆動軸と回転軸との間において駆動軸の駆動トルクが回転軸にデコードされて伝達可能であるように配置されている。よって例えばより低出力である各駆動ユニット(モータ)を用いてもローラ要素にとって十分な駆動トルクを生成することが可能となる。逆に言えば当該より低出力である各駆動ユニットは、ここでもより薄く形成することが可能であるため、このことがプラットフォームの総厚みをさらに減少させる。
【0035】
別の例示的な実施形態によると駆動列は、別の駆動ユニット(例えば別のモータ)を有し、この別の駆動ユニットは、駆動軸から回転軸に別の駆動トルクがデコードされて伝達可能であるようにギアユニットに連結されている。特に駆動ユニットと別の駆動ユニットとは、直列接続されることにより共通の軸方向に沿って駆動トルクを駆動軸上に生成することが可能である。あるいは駆動ユニットと別の駆動ユニットとを並列接続することで例えば以下に説明するように遊星ギアを介して隣接して相応する駆動トルクを駆動軸へ伝達することも可能である。
【0036】
別の例示的な実施形態によるとギアユニットは、少なくとも一つの第一と第二の遊星歯車を有する遊星ギアを有し、駆動ユニットは、第一の遊星歯車、また別の駆動ユニットは、第二の遊星歯車に対して連結されている。回転軸は、例えば回転輪歯車であり、当該回転輪歯車の内側上を各遊星歯車が回転する。
【0037】
別の例示的な実施形態によると駆動列は、特に軸端において旋回軸を形成する回転ピンを有し、回転ピンは、本体と連結されている。旋回軸は、駆動列の軸方向に直交する方向に延伸する。特に回転ピンは、滑り軸受によって本体と連結される。あるいは、さらに玉軸受または転がり軸受を使用することが可能である。
【0038】
別の例示的な実施形態によると駆動列は、軸端において電気プラグを連結するための電気連結部を有する。特に連結部は、旋回軸の領域に形成されるため、駆動列が旋回した場合に連結部、ひいては電気プラグの相対運動がほとんど生じない。これによりプラグ接続の保持と摩耗とを削減する。さらに当該連結部を簡単な各材料で高密度に形成することが可能である。
【0039】
別の例示的な実施形態によると電気プラグは、特に接着接続および/または収縮チューブによって連結部と防水接続されている。
【0040】
別の例示的な実施形態によるとプラットフォームは、旋回ばねを有し、当該旋回ばねは、駆動列と本体との間において駆動列の本体に対する旋回運動を規定どおりに減衰可能であるように配置されている。よってプラットフォームが床の上を移動する際の振動を減衰することが可能である。さらに負荷がかかった場合の旋回速度を低減することが可能である。旋回ばねは、例えば板ばねまたはコイルばねによって形成され得る。
【0041】
別の例示的な実施形態によると旋回ばねは、駆動列が受容開口部内に撓むほどにばね力を減少させる漸減的なばね特性を有する。
【0042】
別の例示的な実施形態によると旋回ばねは、特にコイルばねとしてばね力方向に沿ってばね力を生成し、旋回ばねは、ばね力が20度と70度の間、特に40度と50度の間の角度を有するように本体と駆動列との間に配置されている。旋回方向は、旋回軸を中心に周方向に接線方向に延伸する。実質的に旋回方向は、垂直成分を有するように、特に垂直に延伸する。さらに旋回方向は、各y-z軸によって形成され、x軸に対して平行である法線nDを有する減衰平面内を延伸する。プラットフォーム100と走行する衝突車両との重量力は、垂直、床平面の法線に対して平行に延伸する。旋回ばねは、旋回ばねのばね力とこれに相応して旋回ばねの延伸方向とが旋回方向に対して平行でなくまた重量力に対して平行ではなく、同様に所定の角度において延伸するように床平面の法線に対して傾斜して配置されている。これにより駆動列が旋回方向に撓んだ場合に旋回ばねが圧縮されて重量力の負荷により旋回ばねが規定どおりに屈曲することになる。この屈曲によってばね力が減少し、より高いばねピッチの場合に相応して屈曲によってより低いばね力が設定される。これにより相応して漸減的なばね特性が得られる。
【0043】
別の例示的な実施形態によると駆動列は、ローラ固定ユニットを有し、当該ローラ固定ユニットに対してローラ要素が交換可能に固定可能であり、ローラ固定ユニットは、軸方向を中心に回転可能である。ローラ固定ユニットは、例えば駆動軸に対して回転不動であるように連結されているため、駆動軸が回転するとローラ固定ユニットも回転する。ローラ固定ユニットには例えば固定要素のための各取り受け穴が設けられて、当該固定要素を用いてローラ要素をローラ固定ユニットに対して回転不動に固定する。
【0044】
別の例示的な実施形態によるとローラ要素は、一つの、特に一つだけの固定ねじによってローラ固定ユニットに対して取り外し可能に固定可能であり、固定ねじの螺合方向は、特に(回転軸と駆動軸との)軸方向に対して平行に形成されている。特に駆動軸と回転軸とは、同軸状であり、共通の軸方向を有し得る。ローラ固定ユニットは、特に自身の中心または中心点において軸方向に延伸する取り付け穴を有する。ローラ要素は、中心点において貫通開口部を有し、当該貫通開口部を通って固定ねじが挿入されてローラ固定ユニットの取り付け穴内に固定される。
【0045】
別の例示的な実施形態によるとローラ要素は、第一の接触面を、またローラ固定ユニットは、第二の接触面を有し、第一の接触面と第二の接触面とは、互いに対応する各歯部要素を有して相補係合連結を設ける。相補係合連結によりローラ要素は、ローラ固定ユニットに対して回転不動に固定される。よって固定ねじは、ローラ要素を軸方向にローラ固定ユニットに対して押圧し、各歯部要素によってローラ要素がローラ固定ユニットに対して回転しないようにする。
【0046】
別の例示的な実施形態によると対応する各歯部要素は、鋸歯形が設けられ得るように形成されている。鋸歯形は、相補係合接続を形成する。スプライン結合の各歯部(各凸部)および各凹部は、互いに堅固に噛合して重なるように転がらないため、各歯部は、互いに対して静的且つ平面的に設置される。各歯部および各凹部は、半径方向に配置されて円錐状であるため、ローラ要素をローラ固定ユニットに対してセンタリングする。
【0047】
別の例示的な実施形態によると対応する各歯部要素は、半球状の各凸部と相応して対応する半球状の各凹部として形成されている。各凸部と各凹部とが互いに係止すると、半球状の構成によって相補係合接続が得られ、さらにセンタリング効果が得られる。よって簡単な方法でローラ要素を迅速に着脱することが可能である。
【0048】
別の例示的な実施形態によるとプラットフォームは、さらに本体、特に設置領域に配置されている電力基板を有する。プラットフォームは、さらに少なくとも一つの電池セルを有し、当該電池セルは、電力基板が電池セルの充電と当該電池セルから電力を得ることとを可能にするように電力基板に対して連結されている。特に複数の電池セルを電力基板に対して連結することが可能である。この際、当該各電池セルを論理回路によって電力基板において一緒に、あるいは別々に充電し、また電池セルから同じ、あるいは異なる動力を取り出すことが可能である。各電池セルは、特にハウジング、内部電池容量および関連する外部接続端子を有する各単電池である。各電池セルは、本体から個々に取り外したり当該本体に対して固定したりすることが可能である。各電池セルは、特に複数の電池セルが同一のハウジング内において一体化されて個々に取り外しすることができない蓄電池ではない。
【0049】
別の例示的な実施形態によるとプラットフォームは、少なくとも二つの電池セルを有し、各電池セルは、並列接続されている。
【0050】
別の例示的な実施形態によると各電池セルの個々の電圧は、高度に変調可能である。換言すると所望する総電力を生成するために例えば個々の電池セルの各電圧を一緒に変調する、いわば合計することが可能である。電力基板は、特に知的または論理的な電力制御手段を有し、電力要求に応じて個々の電池セルから所望する公称電圧を得ることが可能である。特に各電池セルから異なる公称電圧を得ることも可能であるし、全ての電池セルからそれぞれ同じ公称電圧を得ることも可能である。
【0051】
別の例示的な実施形態によるとプラットフォームは10を超える、特に16を超える電池セルを有する。
【0052】
別の例示的な実施形態によると各電池セルのうち少なくとも一つは、1.2Vと3Vの間、特に2.4Vの公称電圧を有するリチウムチタン電池として形成されている。
【0053】
別の例示的な実施形態によると各電池セルのうち少なくとも一つは、正方形の周辺と22mm未満、特に14mm未満の厚みとを有する扁平電池として形成されている。よって複数の扁平電池または電池セルを床平面に沿って隣接して配置することが可能であるため、プラットフォームの平らな高さを得ることが可能である。
【0054】
別の例示的な実施形態によると各電池セルのうち少なくとも一つは、第一のコンタクトピンが形成された第一の端子と、第二のコンタクトピンが形成された第二の端子とを有する。第一のコンタクトピンと第二のコンタクトピンは、電力基板の相応する各受容ブッシングと連結されている。
【0055】
別の例示的な実施形態によると第一のコンタクトピンと第二のコンタクトピンとは、異なる長さを有する。よって電池セルを電力基板から切り離す際には意図的にまずは相応する短いコンタクトピンにおける正極または負極のいずれかを解消し、後にしか長い方のコンタクトピンの正極または負極を解消しないようにすることが可能である。よって電池セルの交換時に短絡が生じることを防止することが可能である。
【0056】
別の例示的な実施形態によると本体は、プラットフォームの外部から自由にアクセス可能である、少なくとも二つの電気接触面を有する。各接触面は、電力基板と導電性を有するように接続されており、二つの電気接触面は、特に据え付けの充電器の各接点との各摺動接点が設けられ得るように形成されている。例えばプラットフォームは、充電器内に移動して所定の充電位置においてプラットフォームの摺動接点と充電器の摺動接点との間における電気接触を構築することが可能である。
【0057】
さらにプラットフォームの表面の下あるいは床面の付近に配置されていて外部からは自由にアクセスできない各電気接触面を形成することも可能である。プラットフォームは、例えば非接触型充電器内の充電位置に移動することが可能である。よって非接触型充電によってプラットフォームの各電池セルを充電することが可能である。
【0058】
別の例示的な実施形態によるとプラットフォームは、さらに少なくとも一つのアンテナモジュール、特にWLANまたはGPSアンテナモジュールを有し、本体は、表面において受容開口部を有し、当該受容開口部中にアンテナモジュールが配置されている。
【0059】
別の例示的な実施形態によるとアンテナモジュールは、アンテナモジュールが表面と同一表面になるように受容開口部内に配置される。あるいは、アンテナモジュールの表面を本体の表面から受容開口部の内部に向かって6mm、特に3mmまたは1mmオフセットすることが可能である。よって衝突車両がプラットフォーム上を走行している場合であってもアンテナモジュールの破損の危険性を減少することが可能である。
【0060】
別の例示的な実施形態によるとアンテナモジュールは、平面アンテナとして形成されており、アンテナモジュールは、特に90mmから50mm、特に70mmの直径を有する円筒形を有する。相応してアンテナモジュールも円筒形に形成してプラットフォームにおける相応して丸い取り付け穴内に一体化することが可能である。
【0061】
別の例示的な実施形態によるとアンテナモジュールは、プラットフォームが床に設置されている場合に実質的に(床平面以来)水平面内にある、少なくとも一つのメインローブを有する放射特性を有する。アンテナにおける放射方向は、典型的には垂直方向であるように設計される。プラットフォームの場合には各送受信ユニットが同様に床の近くに配置されるため、典型的な実施形態例によると本発明のアンテナモジュールは、放射源のメインローブが実質的に水平であるように形成される。よってわずかな放射電力で頑丈な信号伝達が設けられ得る。
【0062】
別の例示的な実施形態によると受容開口部は、本体の表面と床面との間の貫通開口部を構成する。よって例えば受容開口部側から手または道具を挿入してアンテナモジュールを反対側から外に押し出すことによりアンテナモジュールをより容易に取り外すことが可能となる。
【0063】
別の例示的な実施形態によるとアンテナモジュールは、ハウジングとハウジング内に固定されているアンテナ電子機器とを有する。本体の表面と同一平面上にある、あるいは表面から周辺方向に突出しているハウジングの表面とアンテナ電子機器との間には隙間容積がある。ハウジングの表面は、隙間容積内への弾性変形が設けられ得るように弾性的に変形可能に形成されている。よって隙間容積が緩衝部と減衰要素とを構成することが可能であるため、アンテナモジュール上を走行する衝突車両の重量力が減衰されることでアンテナモジュールにおける損傷が防止される。
【0064】
別の例示的な実施形態によると受容開口部内において本体とアンテナモジュールとの間にアンテナモジュールの受容開口部内における取り外し可能なクランプ固定が設けられ得るように各弾性クランプ要素が設けられている。各弾性クランプ要素を例えばゴム状の各要素で構成することが可能である。各弾性クランプ要素は、例えば本体とアンテナモジュールとの間における隙間に配置される。クランプ要素の弾性と大きさとに応じて所望するクランプ力を設定することが可能である。クランプ力は、特に自身の自重と垂直方向またはz軸方向への規定どおりの衝撃運動とによってアンテナモジュールが受容開口部外へ外れないように形成される。同時に手動または道具を用いて付与される垂直方向への押す力または引っ張る力がアンテナモジュールを外すのに十分である。よってアンテナモジュールの簡単な取り付けおよび取り外しが設けられ得る。
【0065】
別の例示的な実施形態によるとアンテナモジュールは、周面においてクランプ要素を固定するための受容部を有する。クランプ要素は、特に円筒形に形成されている、あるいは円筒柱を形成し得る。相応して受容部は、円形の底部を有する円筒形を形成し得る。あるいは、クランプ要素は、角のある、特に四角形の底面を有し、これに対応するように受容部を形成することが可能である。
【0066】
別の例示的な実施形態によるとアンテナモジュールは、本体の表面の領域において信号連結部を有し、信号連結部からアンテナ信号が非接触型でダミーの別の信号連結部に対して伝達可能であるようにする。ダミーは、例えばプラットフォームから離れたアンテナを有し得るため、より適切な各アンテナ信号を発することが可能である。
【0067】
別の例示的な実施形態によるとローラ要素は、ローラ軸を有し、ローラ要素は、ローラ軸を中心に回転可能である。本体は、床面においてローラ軸を受容するためのローラ受容部を有し、ローラ受容部には弾性クランプ要素がローラ受容部とローラ要素との間のクランプ固定が設けられ得るように配置されている。
【0068】
クランプ要素は、特に円筒形に形成されている、あるいは円筒柱を形成し得る。相応して受容部は、円形の底部を有する円筒形を形成し得る。あるいはクランプ要素は、角のある、特に四角形の底面を有し、これに対応するように受容部を形成することが可能である。
【0069】
上述したアンテナモジュールのクランプ要素に類似してローラ要素のクランプ要素は、受容部とローラ要素との間における隙間に配置され得る。
【0070】
別の例示的な実施形態によると各クランプ要素の弾性および/または大きさは、ローラ要素の重量力よりも大きい取り外し力が生じて初めてローラ受容部からローラ要素が取り外せるように形成されている。
【0071】
各クランプ要素の弾性と大きさとに応じて所望するクランプ力を設定することが可能である。クランプ力は、特に自身の自重と垂直方向またはz軸方向への規定どおりの衝撃運動とによってローラ要素がローラ受容部外へ外れないように形成される。同時にローラ要素をローラ受容部から取り外すにはわずかな力を使うだけで十分であるため、例えばプラグイン工程において簡単な取り付けおよび取り外しが可能となる。
【0072】
ローラ受容部は、例えば受容フォークとして形成されているため、ローラ要素のローラ軸がクランプ要素によって受容部内にクランプされる。別の例示的な実施形態によるとその場合にローラ要素は、ローラ要素がクランプされたローラ軸を中心に回転するように形成される。
【0073】
別の例示的な実施形態によるとローラ受容部は、本体において回転軸を中心に回転可能であるように配置されており、ローラ要素は、ローラ受容部において偏心して回転軸から距離をおいて固定されている。よってプラットフォームの走行方向が変更された場合、ローラ要素が迅速且つ抵抗なく新しい走行方向に沿って転動することが可能となる。
【0074】
別の例示的な実施形態によるとプラットフォームは、さらに本体に配置されている、少なくとも一つの電子モジュールを有し、電子モジュールは、電子部品、特に基板を有する。電子モジュールは、平面状の粘弾性減衰要素、特に円筒状の減衰要素を有し、当該減衰要素に対して電子部品が固定されている。電子モジュールは、担持構造を有し、当該担持構造に対して粘弾性減衰要素が固定されているため、本体から電子部品に作用する振動が粘弾性減衰要素によって減衰可能である。
【0075】
減衰要素は、例えば円筒形を有し、当該減衰要素の底面または表面上に基板または電子部品が設置されて固定され得る。プラットフォームが地面に配置されると減衰要素の底面は、床面または水平平面に対して平行である。減衰要素は、床平面においてより大きな断面二次モーメントを有するため、減衰要素は、床平面、すなわちy方向またはx方向に比べてz方向または垂直方向には弾性的に変形しやすい。
【0076】
別の例示的な実施形態によると粘弾性減衰要素は、自身の法線が床平面の法線に対して平行である減衰平面内において減衰要素が床平面の法線に対して平行である変形よりも床平面の法線に対して垂直である変形に対して堅固であるように延伸するため、粘弾性減衰要素によって床平面の法線に対して平行に延伸する各垂直力が床平面の法線に対して垂直に延伸する各水平力よりも強く減衰可能である。
【0077】
減衰要素によってほとんど減衰が生じないため、相応して例えば電子部品としての各センサは、プラットフォームの各衝撃運動を正確に計測することが可能である。一方、計測技術上では問題となる垂直方向の各衝撃運動は、減衰要素によって減衰され、そのため電子部品は、より注意深く固定される。
【0078】
別の例示的な実施形態によると粘弾性減衰要素は、固定ねじによって担持構造に固定されており、固定ねじは、特に床平面の法線に対して平行である螺合方向を有する。減衰要素は、例えば円筒形であり、自身の中心軸に沿って貫通開口部を有し、当該貫通開口部を通って固定ねじが相応して導入され得る。
【0079】
別の例示的な実施形態によるとプラットフォームの表面は、特に熱放射に関して少なくとも部分的に反射するように形成されている。表面は、例えば研磨された金属、特に鋼鉄またはアルミニウムからなるか、場合によってはマットまたは軽度に鏡状である素材を用いて形成され得る。表面は、反射し、より大きな平均表面粗さにおいてマット反射する表面を得るために例えばサンドブラスト加工または酸エッチングされ得る。
【0080】
反射する表面は、Ra≧0.1μmからRa≧12.5μmの間の平均表面粗さRa[μm(マイクロメートル)]を有し得る。反射する表面は、Ra≧0.1μm、特にRa≧0.2、Ra≧1.6μm、またはRa≧12.5μmの平均表面粗さRaを有し得る。特により高い平均表面粗さRa(例えばRa=1.6μmとRa=12.5μmの間あるいは、それ以上)の場合、光はまだ反射されるものの散乱光として反射されるため、例えば太陽の熱放射は、概ね反射され、例えばレーダ波などのその他の放射は、少なくとも部分的に吸収される。反射される各領域における表面は、軽度にマットであるため、検査対象の車両の特に各光センサがマット反射する表面を例えばアスファルトに類似した表面として認識するため、誤計測を防止することが可能である。
【0081】
よって特に太陽によって生成された熱放射を反射することが可能であるため、プラットフォームの内部が加熱されず、よって改良された熱管理が可能となる。
【0082】
例示的な実施形態によると反射する表面は、80%を超える、特に90%を超えるまたは95%を超える反射率を有する。反射率とは、表面に到達する100%の放射のうち80%を超える、特に90%を超えるまたは95%を超える放射が表面から戻るように放射または反射されてプラットフォームに入射または吸収されないことを意味する。
【0083】
例示的な実施形態によるとプラットフォームは、さらに放射、特に熱放射を反射するための反射要素(例えば反射板)を有する。反射要素は、少なくとも部分的に本体の表面に沿って断路を空けて延伸し、特に断路には空気または熱断熱のための断熱材が充填されている。遮蔽要素自体は、より低い熱伝導率を有する素材からなる要素であり得る。断路は、例えば1mmから5mmを有する。
【0084】
例示的な実施形態によるとプラットフォームは、さらに箔として形成され、例えば接着接続によってプラットフォームの表面に接着されている反射要素を有する。
【0085】
相応して箔を摩耗または損傷した場合に交換することが可能である。箔は、上述の放射、特に熱放射を反射する反射要素に相応して反射するように形成されている(例えば金属箔またはミラー箔として)。
【0086】
さらに特に反射する表面と各放射吸収性外縁領域との組み合わせを用いてプラットフォームを設けることも可能である。一般的にプラットフォームの例示的な実施形態は、床平面に対して平行に配置されている全ての面が特に熱放射を反射する一方、例えば移行領域の表面および各外縁領域など、床平面に対して角度をなす全ての面は、放射吸収性表面を有するように形成され得る。水平な反射する各面は、各波が垂直的または垂直に反射されることでセンサユニットに戻るように導かれないため、計測精度をほとんど乱さない。同時に垂直方向から入射する熱放射を反射することが可能であるため、計測精度を生成することなく熱管理が改善される。よって上述の反射性および吸収性を有する各面の組み合わせを有するプラットフォームは、計測精度と熱管理に関して高効率である。
【0087】
プラットフォームは、さらに本体内に配置されている、少なくとも一つの第一の機能モジュールと第二の電子機能モジュールとを有する。プラットフォームは、さらに第一および第二の電子機能モジュールと本体の表面との間に配置されている接続基板を有し、第一および第二の電子機能モジュールは、それぞれ本体の表面に向けられた側において少なくとも一つの接触プラグを有する。接続基板は、第一および第二の電子機能モジュールの間の表面に沿って延伸し、第一および第二の電子機能モジュールの各接触プラグを受容するための相応する各接点を有するため、各機能モジュールを接続基板上に垂直に挿入することが可能である。
【0088】
機能モジュールまたは各機能要素は、例えば各駆動ユニット、各電池モジュールまたは各通信ユニットのように各信号と電力とを送受する、例えば能動電子部品のことを指すものであり得る。各機能モジュールは、例えば受容開口部を通りプラットフォームの表面または底面を通過して所望する位置に取り付け可能である。各機能モジュールは、特に信号交換および電力交換のために互いに対して連結されている。このことは例示的な本実施形態では接続基板によって実施される。
【0089】
接続基板は、特に例えばFR4からなる基材を用いて製造される。基材上に各導体路が例えば印刷によって形成されて、二つの機能モジュール間に所定の経路を形成する。接続基板は、特に能動スイッチング要素がなく各導体路のみを有する。
【0090】
接続基板は、プラットフォームの受領開口部を通って特に垂直であるプラグイン方向において到達可能である各接点を有する。各機能モジュールは、同様に垂直方向にアクセス可能である相応する各接触プラグを有する。換言すると接続基板は、各接点が形成されている、二つの対向する主表面を有する。接続基板の各導体路は、電力と電気信号とを交換するために各接点が接続されているように形成されている。よって各機能モジュールがプリント回路基板に対してプラグインされた状態において当該各導体路は、プリント回路基板を介して電子的に接続されている。各機能モジュール間に別の自由な電線接続部は、不要である。よって例えば接続基板に対して電力基板がプラットフォームの一箇所に、通信モジュールまたは駆動ユニットが別の箇所に接続されていることが可能であるため、電線接続部がなくとも各導体路によって接続基板内において各機能モジュールが互いに接続されている。よって各機能モジュールは、垂直であるプラグイン方向において簡単に接続基板の予め決められた箇所にプラグインされ得、相応して簡単に交換され得る。よって電線接続部の摩耗を可能な限り避けることが可能である。接続基板は、例えば床平面において例えば特に設置領域の50%を超えて、特に全設置領域に亘って延伸する。
【0091】
以下、前述のプラットフォームと関連して、あるいは、それとは別にプラットフォームの薄型構成を可能にするいくつかのアスペクトについて説明する。以下に説明する全てのアスペクトは、上述の例示的な各実施形態と組み合わせることが可能である。
【0092】
別のアスペクトによると交通状況をシミュレーションするためのダミー用のプラットフォームが説明されている。プラットフォームは、底面と底面に対向して形成された表面とを有する本体と、底面に配置された少なくとも一つのローラ要素とを有し、ローラ要素は、本体がローラ要素によって底に沿って走行可能であるように形成されている。プラットフォームは、さらに駆動ユニットを有する駆動列を有し、ローラ要素は、駆動トルクを伝達するために駆動ユニットに対して連結されている。駆動列とローラ要素とは、駆動列がローラ要素とともに少なくとも部分的に本体の床面における受容開口部にあるように軸方向に沿って連続して連結されており、駆動列は、ローラ要素とともに受容開口部内に出入りするように旋回可能に配置されている。
【0093】
別のアスペクトによると交通状況をシミュレーションするためのダミー用のプラットフォームが説明されている。プラットフォームは、底面と底面に対向して形成された表面とを有する本体と、底面に配置された少なくとも一つのローラ要素とを有し、ローラ要素は、本体がローラ要素によって底に沿って走行可能であるように形成されている。プラットフォームは、さらに本体、特に設置領域に配置されている電力基板と少なくとも一つの電池セルとを有し、当該電池セルは、電力基板が電池セルの充電と当該電池セルから電力を得ることとを可能にするように電力基板に対して連結されている。
【0094】
別のアスペクトによると交通状況をシミュレーションするためのダミー用のプラットフォームが説明されている。プラットフォームは、底面と底面に対向して形成された表面とを有する本体と、底面に配置された少なくとも一つのローラ要素とを有し、ローラ要素は、本体がローラ要素によって底に沿って走行可能であるように形成されている。プラットフォームは、さらに少なくとも一つのアンテナモジュール、特にWLANまたはGPSアンテナモジュールを有し、本体は、表面において受容開口部を有し、当該受容開口部中にアンテナモジュールが配置されている。
【0095】
別のアスペクトによると交通状況をシミュレーションするためのダミー用のプラットフォームが説明されている。プラットフォームは、底面と底面に対向して形成された表面とを有する本体と、底面に配置された少なくとも一つのローラ要素とを有し、ローラ要素は、本体がローラ要素によって底に沿って走行可能であるように形成されている。ローラ要素は、ローラ軸を有し、ローラ要素は、ローラ軸を中心に回転可能である。本体は、床面においてローラ軸を受容するためのローラ受容部を有し、ローラ受容部には弾性クランプ要素がローラ受容部とローラ要素との間のクランプ固定が設けられ得るように配置されている。
【0096】
別のアスペクトによると交通状況をシミュレーションするためのダミー用のプラットフォームが説明されている。プラットフォームは、底面と底面に対向して形成された表面とを有する本体と、底面に配置された少なくとも一つのローラ要素とを有し、ローラ要素は、本体がローラ要素によって底に沿って走行可能であるように形成されている。プラットフォームは、さらに本体に配置されている、少なくとも一つの電子モジュールを有し、電子モジュールは電子部品、特に基板を有する。電子モジュールは、平面状の粘弾性減衰要素、特に円筒状の減衰要素を有し、当該減衰要素に対して電子部品が固定されている。電子モジュールは、担持構造を有し、当該担持構造に対して粘弾性減衰要素が固定されているため、本体から電子部品に作用する振動が粘弾性減衰要素によって減衰可能である。
【0097】
別のアスペクトによると交通状況をシミュレーションするためのダミー用のプラットフォームが説明されている。プラットフォームは、底面と底面に対向して形成された表面とを有する本体と、底面に配置された少なくとも一つのローラ要素とを有し、ローラ要素は、本体がローラ要素によって底に沿って走行可能であるように形成されている。プラットフォームの表面は、特に熱放射に関して少なくとも部分的に反射するように形成されている。
【0098】
別のアスペクトによると交通状況をシミュレーションするためのダミー用のプラットフォームが説明されている。プラットフォームは、底面と底面に対向して形成された表面とを有する本体と、底面に配置された少なくとも一つのローラ要素とを有し、ローラ要素は、本体がローラ要素によって底に沿って走行可能であるように形成されている。プラットフォームは、さらに本体内に配置されている、少なくとも一つの第一の機能モジュールと第二の電子機能モジュールとを有する。プラットフォームは、さらに第一および第二の電子機能モジュールと本体の表面との間に配置されている接続基板を有し、第一および第二の電子機能モジュールは、それぞれ本体の表面に向けられた側において少なくとも一つの接触プラグを有する。接続基板は、第一および第二の電子機能モジュールの間の表面に沿って延伸し、第一および第二の電子機能モジュールの各接触プラグを受容するための相応する各接点を有するため、各機能モジュールを接続基板上に垂直に挿入することが可能である。
【0099】
なお、ここに説明された各実施形態は、本発明の可能である各実施変形例の限定された選択にすぎないことに注意されたい。よって個々の実施形態の各特徴を適切な方法で互いに組み合わせることが可能であるため、本書における明示された各実施変形例によって当業者には数多くの異なる実施形態が明らかに開示されたものとみなされる。特に本発明のいくつかの実施形態が装置に関する各請求項、また本発明のその他の各実施形態が方法に関する各請求項を用いて説明されている。しかしながら本出願を読むと当業者にとっては別段明示的な記載がない限り、本発明の主題の一種類に属する各特徴の組み合わせに加えて本発明の主題の別の種類に属する各特徴の任意の組み合わせも可能であることは直ちに明らかとなるものである。
【0100】
以下、本発明のさらなる説明とより良い理解のために添付の図面を参照して実施形態の例をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0101】
図1】例示的な実施形態による走行可能なプラットフォームの側面図の概略図である。
図2図1のプラットフォームの上面図の概略図である。
図3】例示的な実施形態による旋回可能な駆動列の概略図である。
図4】例示的な実施形態による旋回ばねを有する旋回可能な駆動列の概略図である。
図5】例示的な実施形態によるローラ要素の駆動列に対する連結の概略図である。
図6】例示的な実施形態による各クランプ要素によるローラ要素のローラ固定ユニットに対する固定の概略図である。
図7】例示的な実施形態による各電池セルを有する電力基板の概略図である。
図8】例示的な実施形態による各アンテナモジュールのプラットフォーム内の固定の概略図である。
図9】例示的な実施形態によるアンテナモジュールの放射特性の概略図である。
図10】本発明の例示的な実施形態によるアンテナモジュールの概略図である。
図11】例示的な実施形態による、本体に設置されている接続基板の概略図である。
図12】例示的な実施形態による、減衰機構を有する電子モジュールの概略図である。
図13】例示的な実施形態による、ローラ要素の基板の本体に対する固定の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0102】
異なる図面における同一または類似した各構成要素には同じ符号を付している。各図における各描写は、概略的である。
【0103】
図1は、例示的な実施形態による走行可能なプラットフォーム100の側面の概略図である。図2は、図1のプラットフォーム100の上面図の概略図である。プラットフォーム100は、床面102と床面102に対向して形成された表面103とを有する本体101と、床面102に配置された少なくとも一つのローラ要素104とを有し、ローラ要素104は、本体101がローラ要素104によって底130に沿って走行可能であるように形成されており、本体101は、固定領域106と設置領域105とを有する。固定領域106の固定表面上には、ダミーを固定するための固定装置201が形成されており、設置領域105には各機能要素が設置可能である。本体101は、衝突車両が本体101上を損傷なく走行可能であるように薄く形成されている。
【0104】
本体101は、床面102と対向する表面103とを有する。本体101は、自身の床面102において床130の上に配置される。この場合、床面102は、床130または床平面に対して平行である。床面102において少なくとも一つのローラ要素104は、回転可能に配置されており、当該ローラ要素は、少なくとも部分的に本体101から突出していることで本体101と床130との間における間隔を設ける。表面103上には固定装置201が形成されている。固定装置201は、ダミーを固定するように形成されている。さらに固定装置201は、検査対象物を選択的に、例えば衝突状況の直前に開放することで本体101と検査対象物との間の固定が解除されるように制御可能であるように形成され得る。床平面は、x軸(例えばプラットフォーム100の走行方向)とY軸とによって定義される。よってx軸とY軸とは床平面内にある。床平面に対して垂直、よって床平面の法線に対して平行にz軸(垂直)が延伸している。
【0105】
プラットフォーム100は、特に設置領域105を有し、当該設置領域内においてプラットフォーム100の全ての機能要素または各機能モジュール、例えば各駆動ユニットまたは各通信ユニットが配置されている。固定領域106において固定表面上にダミーが固定される。プラットフォーム100は、床平面に沿って固定領域106と設置領域105とに分割されている。
【0106】
本体101は、設置領域105における床面102と表面103との間の設置厚み107が固定領域106における床面102と表面103との間の固定厚み108よりも大きいように段状に形成されている。
【0107】
よってプラットフォーム100は、二つの異なる厚み領域を有する。より厚い設置領域105には、通常より大きな厚みを必要とする各機能要素が収容される。ダミーが固定される固定領域106には例えばもっぱら駆動力のない各ローラ要素104が設けられるため、さらなるより厚みの大きい各機能要素を設置する必要がない。よって固定領域106は、設置領域105よりも薄く形成され得る。
【0108】
設置領域105と固定領域106との間において移行領域109が形成されており、移行領域109における表面103は、設置領域105および/または固定領域106の表面103に対して5度から45度の間、特に5度から15度の間の角度αを有する。角度αは、特に移行領域109がある平面(または当該平面の法線)と床平面(または当該床平面の法線)との間において計測される。特に移行領域109を勾配があり、傾斜するように形成する場合、例えばレーダ波のような各センサ放射の直接的なもどり反射が防止され得る。
【0109】
本体101は、固定領域106および/または設置領域105を囲む各外縁領域110を有し、各外縁領域110は、楔形に形成されて、少なくとも一つの楔形の外縁領域110が約25度未満の開口角βを有する。よって楔形の各外縁領域110は、ランプを形成し、当該ランプを超えて衝突車両が注意深くプラットフォーム100のカバー面または表面103上に到達することが可能でありプラットフォーム100全体の上を走行することが可能である。開口角βは、特に床平面(または当該床平面の法線)と楔形の各外縁領域110の表面103が延伸する平面(または当該平面の法線)との間において計測される。同様に楔形の各外縁領域110によってセンサ放射の反射が垂直成分によって戻るように反射されるため誤計測の危険性が減少する。各外縁領域110は、放射を吸収する、特にレーダ波を吸収する、特にRAL7005またはRAL7035の色調を有する表面103を有する。
【0110】
表面103は、ローラ要素104の領域においてドーム型のカバー要素を有する。よって設置領域105が狭いにも関わらずより大きなローラ半径を有する各ローラ要素104を使用することが可能となる。このために必要な設置空間は、ドーム型の各カバー要素によって形成され得る。加えてドーム型であるがゆえに各センサ放射が直接ではなく垂直成分によって戻るように反射されるため誤計測を減らすことが可能である。
【0111】
プラットフォーム100の表面103は、特に熱放射に関して少なくとも部分的に反射するように形成されている。表面103は、例えば研磨された金属からなるか、場合によっては鏡状素材を用いて形成され得る。よって特に太陽によって生成された熱放射を反射することが可能であるため、プラットフォーム100の内部が加熱されず、よって改良された熱管理が可能となる。プラットフォーム100は、床平面に対して平行に配置されている全ての面が特に熱放射を反射する一方、例えば移行領域109の表面103および各外縁領域110などの床平面に対して角度をなす全ての面は、放射吸収性表面103を有するように形成され得る。
【0112】
別の例示的な実施形態によると本体101は、プラットフォーム100の外部から自由にアクセス可能である、少なくとも二つの電気接触面112を有する。各接触面112は、電力基板700(図7を参照のこと)と導電性を有するように接続されており、二つの電気接触面112は、特に据え付けの充電器の各接点との各摺動接点が設けられ得るように形成されている。例えばプラットフォーム100は、充電器内に移動して所定の充電位置においてプラットフォーム100の摺動接点と充電器の摺動接点との間における電気接触を構築することが可能である。
【0113】
プラットフォーム100は、さらに少なくとも一つのアンテナモジュール113、特にWLANまたはGPSアンテナモジュール113を有し、本体101は表面103において受容開口部114を有し、当該受容開口部中にアンテナモジュール113が配置されている。
【0114】
図3は、例示的な実施形態による旋回可能な駆動列300の概略図である。プラットフォーム100は、さらに駆動ユニット301を有する駆動列300を有し、ローラ要素104は、駆動トルクを伝達するために駆動ユニット301に対して連結されている。駆動列300とローラ要素104とは、駆動列300がローラ要素104とともに少なくとも部分的に本体101の床面102における受容開口部401にあるように軸方向aに沿って連続して連結されており、駆動列300は、ローラ要素104とともに受容開口部401内(図4を参照のこと)に出入りするように旋回可能に配置されている。
【0115】
駆動列300は、例えばハウジングまたは担持構造を有することが可能であり、例えば駆動ユニット301または各軸のための各軸受などの全ての機能上の機械的構成要素がその内部に配置される。本発明によると駆動列300は、本体101に対して旋回可能に配置されているため、垂直方向への負荷、特に衝突車両が走行することによる重量力がかかった場合に駆動列300がローラ要素104とともにプラットフォーム100の方向に旋回されることで負荷応力を減衰させて場合によってはローラ要素104を駆動列300とともに受容領域、例えば設置ボックス内において安全に保持するため、衝突車両のさらなる重量力が駆動列300とローラ要素104とに伝達されないようにする。特にこのことは、駆動列300とローラ要素104がプラットフォーム100または本体101の受容領域内に旋回した状態においてプラットフォーム100と走行する衝突車両の全ての重量力がもはやローラ要素104を介してではなく本体101を介して床130に導入される場合に可能である。よって重い衝突車両(例えば重荷重トラック)に対して極めて頑丈である薄いプラットフォーム100を設けることが可能となる。
【0116】
駆動ユニット301は、駆動軸303を、またローラ要素104は、回転軸302を有し、駆動ユニット301とローラ要素104とは、駆動軸303と回転軸302とが軸方向aに対して平行に延伸するように配置される。駆動ユニット301とローラ要素104とは、駆動軸303と回転軸302とが同軸状に延伸するように配置される。
【0117】
駆動列300は、ギアユニット304、特に遊星ギアを有し、当該ギアユニットは、駆動軸303と回転軸302との間において駆動軸303の駆動トルクが回転軸302にデコードされて伝達可能であるように配置されている。よって例えばより低出力である各駆動ユニット301、305(モータ)を用いてもローラ要素104にとって十分な駆動トルクを生成することが可能となる。
【0118】
駆動列300は、別の駆動ユニット305(例えば別のモータ)を有し、この別の駆動ユニット305は、駆動軸303から回転軸302に別の駆動トルクがデコードされて伝達可能であるようにギアユニット304に連結されている。特に駆動ユニット301と別の駆動ユニット305とは、直列接続されることにより共通の軸方向aに沿って駆動トルクを駆動軸303上に生成することが可能である。あるいは駆動ユニット301と別の駆動ユニット305とを並列接続することで例えば以下に説明するように遊星ギアを介して隣接して相応する駆動トルクを駆動軸303へ伝達することも可能である。
【0119】
ギアユニット304は、少なくとも一つの第一と第二の遊星歯車312を有する遊星ギアを有し、駆動ユニット301は、第一の遊星歯車312、また別の駆動ユニット305は、第二の遊星歯車312に対して連結されている(図3における破線を参照のこと)。回転軸302は、例えば回転輪歯車であり、当該回転輪歯車の内側上を各遊星歯車312が回転する。
【0120】
駆動列300は、特に軸端において旋回軸307を形成する回転ピン306を有し、回転ピン306は、本体101と連結されている。旋回軸307は、駆動列300の軸方向aに直交する方向に延伸する。特に回転ピン306は、滑り軸受によって本体101と連結される。あるいは、さらに玉軸受または転がり軸受を使用することが可能である。
【0121】
駆動列300は、軸端において電気プラグ310を連結するための電気連結部309を有する。特に連結部309は、旋回軸307の領域に形成されるため、駆動列300が旋回した場合に連結部309、ひいては電気プラグの相対運動がほとんど生じない。
【0122】
旋回ばね311は、駆動列300と本体101との間において駆動列300の本体101に対する旋回運動を規定どおりに減衰可能であるように配置されている。
【0123】
図4は、例示的な実施形態による旋回ばね311を有する旋回可能な駆動列300の概略図である。
【0124】
各旋回ばね311は、駆動列300が受容開口部401内に撓むほどにばね力を減少させる漸減的なばね特性を有する。旋回ばね311は、特にコイルばねとしてばね力方向に沿ってばね力Fを生成し、旋回ばね311は、ばね力が20度と70度の間、特に40度と50度の間の角度γを有するように本体101と駆動列300との間に配置されている。
【0125】
旋回方向は、旋回軸307を中心に周方向に接線方向に延伸する。実質的に旋回方向は、垂直成分を有するように、特に垂直に延伸する。さらに旋回方向は、各y-z軸によって形成され、x軸に対して平行である法線nSを有する減衰平面内を延伸する。プラットフォーム100と走行する衝突車両との重量力は、垂直、床平面の法線に対して平行に延伸する。旋回ばね311は、旋回ばね311のばね力とこれに相応して旋回ばね311の延伸方向とが旋回方向または法線nSに対して平行でなくまた重量力に対して平行ではなく、同様に所定の角度γにおいて延伸するように床平面の法線に対して傾斜して配置されている。これにより駆動列300が旋回ばね311の旋回方向に撓んだ場合に旋回ばね311が圧縮されて重量力の負荷により旋回ばね311が規定どおりに屈曲することになる。この屈曲によってばね力が減少し、より高いばねピッチの場合に相応して屈曲によってより低いばね力が設定される。これにより相応して漸減的なばね特性が得られる。
【0126】
図5は、例示的な実施形態によるローラ要素104の駆動列300に対する連結の概略図である。
【0127】
駆動列300は、ローラ固定ユニット501を有し、当該ローラ固定ユニットに対してローラ要素104が交換可能に固定可能であり、ローラ固定ユニット501は、軸方向aを中心に回転可能である。ローラ固定ユニット501は、例えば駆動軸303に対して回転不動であるように連結されているため、駆動軸303が回転するとローラ固定ユニット501も回転する。ローラ固定ユニット501には例えば固定要素のための各取り受け穴が設けられて、当該固定要素を用いてローラ要素104をローラ固定ユニット501に対して回転不動に固定する。
【0128】
ローラ要素104は、一つの、特に一つだけの固定ねじ313によってローラ固定ユニット501に対して取り外し可能に固定可能であり、固定ねじ313の螺合方向は、特に(回転軸302と駆動軸303との)軸方向aに対して平行に形成されている。特に駆動軸303と回転軸とは同軸状であり、共通の軸方向aを有し得る。ローラ固定ユニット501は、特に自身の中心または中心点において軸方向aに延伸する取り付け穴を有する。ローラ要素104は、中心点において貫通開口部を有し、当該貫通開口部を通って固定ねじ313が挿入されてローラ固定ユニット501の取り付け穴内に固定される。
【0129】
ローラ要素104は、第一の接触面314を、またローラ固定ユニット501は、第二の接触面315を有し、第一の接触面314と第二の接触面315とは、互いに対応する各歯部要素を有して相補係合接続を設ける。相補係合接続によりローラ要素104は、ローラ固定ユニット501に対して回転不動に固定される。よって固定ねじは、ローラ要素104を軸方向にローラ固定ユニット501に対して押圧し、各歯部要素によってローラ要素104がローラ固定ユニット501に対して回転しないようにする。対応する各歯部要素は、半球状の凸部316の各々と相応して対応する半球状の凹部317の各々として形成されている。各凸部316と各凹部317とが互いに係止すると、半球状の構成によって相補係合接続が得られ、さらにセンタリング効果が得られる。よって簡単な方法でローラ要素104を迅速に着脱することが可能である。
【0130】
ローラ固定ユニット501において回転軸302を固定するためにローラ固定ユニット501とローラ要素104との間のクランプ固定が得られるように弾性クランプ要素502が配置されている。
【0131】
図6は、例示的な実施形態による各クランプ要素によるローラ要素104のローラ固定ユニット501に対する固定の概略図である。特に駆動列300に向けられた回転軸302の前面の上面図が図示されている。回転軸302の周囲には四つ以上の半球状の凸部316または凹部317が配置されている。回転軸302の各外側面には各受容部601、例えば各受容溝が形成されている。クランプ要素502は、特に円筒形に形成されている、あるいは円筒柱を形成し得る。相応してクランプ要素の受容部601は、円形の底部を有する円筒形を形成し得る。あるいはクランプ要素502は、角のある、特に四角形の底面を有し、受容部601を対応するように形成することが可能である。回転軸302は、ローラ固定ユニット501内に押圧されることで各弾性クランプ要素502が変形し、回転軸302をローラ固定ユニット501内に固定するクランプ力が生じる。
【0132】
図7は、例示的な実施形態による各電池セル701、702を有する電力基板700の概略図である。プラットフォーム100は、さらに本体101、特に設置領域105に配置されている電力基板700を有する。プラットフォーム100は、さらに各電池セル701、702を有し、当該各電池セルは、電力基板700が各電池セル701、702の充電と当該各電池セルから電力を得ることとを可能にするように電力基板700に対して連結されている。各電池セル701、702は、並列接続されている。各電池セル701、702は、正方形の周辺と薄い厚みとを有する扁平電池として形成されている。
【0133】
各電池セル701、702は、第一のコンタクトピン703が形成された第一の端子と、第二のコンタクトピン704が形成された第二の端子とを有する。第一のコンタクトピン703と第二のコンタクトピン704は、電力基板700の対応する各受容ブッシング705と連結されている。第一のコンタクトピン703と第二のコンタクトピン704とは、異なる長さを有する。
【0134】
図8は、例示的な実施形態による各アンテナモジュールのプラットフォーム100内の固定の概略図である。アンテナモジュール113は、アンテナモジュール113が表面103と同一表面になるように受容開口部114内に配置される。よって衝突車両がプラットフォーム100上を走行している場合であってもアンテナモジュール113の破損の危険性を減少することが可能である。
【0135】
アンテナモジュール113は、平面アンテナとして形成されており、アンテナモジュール113は、特に円筒形に形成されており、プラットフォーム100における相応して丸い取り付け穴114内に一体化される。受容開口部114は、本体101の表面103と床面102との間の貫通開口部を構成する。よって例えば受容開口部114側から手または道具を挿入してアンテナモジュール113を反対側から外に押し出すことによりアンテナモジュール113をより容易に取り外すことが可能となる。
【0136】
受容開口部114内において本体101とアンテナモジュール113との間にアンテナモジュール113の受容開口部114における取り外し可能なクランプ固定が設けられ得るであるように各弾性クランプ要素502が設けられている。各弾性クランプ要素502を例えばゴム状の各要素で構成することが可能である。各弾性クランプ要素502は、例えば本体101とアンテナモジュール113との間における隙間に配置される。各クランプ要素502の弾性と大きさとに応じて所望するクランプ力を設定することが可能である。クランプ力は、特に自身の自重と垂直方向またはz軸方向への規定どおりの衝撃運動とによってアンテナモジュール113が受容開口部115外へ外れないように形成される。
【0137】
図9は、例示的な実施形態によるアンテナモジュール113の放射特性900の概略図である。アンテナモジュール113は、周面においてクランプ要素502を固定するための受容部901(受容溝)を有する。クランプ要素502は、特に円筒形に形成されている、あるいは円筒柱を形成し得る。相応してクランプ要素の受容部901は、円形の底部を有する円筒形を形成し得る。あるいはクランプ要素502は、角のある、特に四角形の底面を有し、受容部901を対応するように形成することが可能である。
【0138】
アンテナモジュール113は、少なくとも一つのメインローブを有する放射特性900を有し、プラットフォーム100が床130に設置されている場合にメインローブが実質的に(床平面以来)水平面内にあるように配置されている。アンテナにおける放射方向は、典型的には垂直方向であるように設計される。
【0139】
図10は、本発明の例示的な実施形態によるアンテナモジュール113の概略図である。アンテナモジュール113は、ハウジング1001とハウジング1001内に固定されているアンテナ電子機器1002とを有する。本体101の表面103と同一平面上にある、あるいは表面103から周辺方向に突出しているハウジング1001の表面とアンテナ電子機器1002との間には隙間容積1003がある。ハウジング1001の表面は、隙間容積1003内への弾性変形が設けられ得るように弾性的に変形可能に形成されている。よって隙間容積1003が緩衝部と減衰要素とを構成することが可能であるため、アンテナモジュール113上を走行する衝突車両の重量力が減衰されることでアンテナモジュール113における損傷が防止される。
【0140】
図11は、例示的な実施形態による、本体101に設置されている接続基板1103の概略図である。
【0141】
プラットフォーム100は、さらに本体101内に配置されている、少なくとも一つの第一の機能モジュール1101と第二の電子機能モジュール1102とを有する。プラットフォーム100は、さらに第一および第二の電子機能モジュール1101、1102と本体101の表面103との間に配置されている接続基板1103を有し、第一および第二の電子機能モジュール1101、1102は、それぞれ本体101の表面103に向けられた側において少なくとも一つの接触プラグ1104を有する。接続基板1103は、第一および第二の電子機能モジュール1101、1102の間の表面103に沿って延伸し、第一および第二の電子機能モジュール1101、1102の各接触プラグ1104を受容するための相応する各接点1105を有するため、各機能モジュール1101、1102を接続基板1103上に垂直に挿入することが可能である。
【0142】
機能モジュール1101、1102または各機能要素は、例えば各駆動ユニット301、各電池モジュールまたは各通信ユニットのように各信号と電力とを送受する、例えば能動電子部品のことを指すことが可能である。各機能モジュール1101、1102は、例えば受容開口部114を通ってプラットフォーム100の表面103または床面102を通過して所望する位置に取り付け可能である。各機能モジュール1101、1102は、特に信号交換および電力交換のために互いに対して連結されている。このことは例示的な本実施形態では接続基板1103によって実施される。
【0143】
接続基板1103は、プラットフォーム100の受領開口部を通って特に垂直であるプラグイン方向において到達可能である各接点1105を有する。各機能モジュール1101、1102は、同様に垂直方向にアクセス可能である相応する各接触プラグ1104を有する。換言すると接続基板1103は、各接点1105が形成されている、二つの対向する主表面を有する。接続基板1103の各導体路は、電力と各電気信号とを交換するために各接点1105が接続されているように形成されている。よって各機能モジュール1101、1102が接続基板1103に対してプラグインされた状態において当該各導体路は、接続基板1103を介して電子的に接続されている。各機能モジュール1101、1102間に別の自由な電線接続部は、不要である。よって例えば接続基板1103に対して電力基板700がプラットフォーム100の一箇所に、通信モジュールまたは駆動ユニット301が別の箇所に接続されていることが可能であるため、電線接続部がなくとも各導体路によって接続基板1103内において各機能モジュール1101、1102が互いに接続されている。よって各機能モジュール1101、1102は、垂直であるプラグイン方向において簡単に接続基板1103の予め決められた箇所にプラグインされ得、相応して簡単に交換され得る。
【0144】
図12は、例示的な実施形態による、減衰機構を有する電子モジュール1201の概略図である。
【0145】
プラットフォーム100は、さらに本体101に配置されている、少なくとも一つの電子モジュール1201を有し、電子モジュール1201は、電子部品1202、特に基板を有する。電子モジュール1201は、平面状の粘弾性減衰要素1203、特に円筒状の減衰要素1203を有し、当該減衰要素に対して電子部品1202が固定されている。電子モジュール1201は、担持構造1205を有し、当該担持構造に対して粘弾性減衰要素1203が例えば固定ねじのような固定要素1204によって固定されているため、本体101から電子部品1202に作用する振動が粘弾性減衰要素によって減衰可能である。
【0146】
減衰要素1203は、例えば円筒形を有し、当該減衰要素の底面または表面上に基板または電子部品1202が設置されて固定され得る。プラットフォーム100が地面130に配置されると減衰要素1203の底面は、床面102または水平平面に対して平行である。減衰要素1203は、床平面においてより大きな断面二次モーメントを有するため、減衰要素1203は、床平面、すなわちy方向またはx方向に比べてz方向または垂直方向には弾性的に変形しやすい。
【0147】
粘弾性減衰要素1203は、自身の法線ndが床平面の法線に対して平行である減衰平面内において減衰要素1203が床平面の法線に対して平行である変形よりも床平面の法線に対して垂直である変形に対して堅固であるように延伸するため、粘弾性減衰要素1203によって床平面の法線に対して平行に延伸する各垂直力が床平面の法線に対して垂直に延伸する各水平力よりも強く減衰可能である。
【0148】
減衰要素1203によるほとんど減衰が生じないため、相応して例えば電子部品としての各センサは、プラットフォーム100の各衝撃運動を正確に計測することが可能である。一方、計測技術上では問題となる垂直方向の各衝撃運動は、減衰要素1203によって減衰され、そのため電子部品1202は、より注意深く固定される。
【0149】
側方運動または床平面の硬さを高めるために例えば各固定ねじなどの各固定要素1204間を水平に、すなわちx-y平面上を延伸する平面状の各接続小板1207が設けられる。各減衰要素1203は、各接続小板1207を部分的に囲む、Z方向に垂直である各凸部1206を有し得る。よって各凸部1206は、各接続小板1207のための台座を形成する。
【0150】
粘弾性減衰要素1203は、固定要素1204または固定ねじによって担持構造1205に固定されており、固定ねじ1204は、床平面の法線または減衰平面の法線nDに対して平行である螺合方向を有する。減衰要素1203は、例えば円筒形であり、自身の中心軸に沿って貫通開口部を有し、当該貫通開口部を通って固定ねじ1204が相応して導入され得る。
【0151】
図13は、例示的な実施形態による、ローラ要素104の基板の本体101に対する固定の概略図である。
【0152】
ローラ要素104は、ローラ軸1301を有し、ローラ要素104は、ローラ軸1301を中心に回転可能である。本体101は、床面102においてローラ軸1301を受容するためのローラ受容部1302を有し、ローラ受容部1302には弾性クランプ要素502がローラ受容部1302とローラ要素104との間のクランプ固定が設けられ得るように配置されている。クランプ要素502の弾性および/または大きさは、ローラ要素104の重量力よりも大きい取り外し力が生じて初めてローラ受容部1302からローラ要素104が取り外し可能となるように形成されている。
【0153】
ローラ受容部1302は、例えば受容フォークとして形成されているため、ローラ要素104のローラ軸1301がクランプ要素502によって受容部1302内にクランプされる。その場合にローラ要素104は、ローラ要素104がクランプされたローラ軸1301を中心に回転するように形成される。ローラ受容部1302は、さらにローラ受容部の回転軸1303に対して垂直でx-y平面内に延伸するローラ受容部の旋回軸1304を中心に旋回可能であるように担持構造1304に対して固定され得るため、ローラ受容部1302がローラ要素104とともにプラットフォーム100に対して出入りするように旋回することが可能である。旋回ばね311は、ローラ受容部1302と担持構造1304との間において担持構造1304に対するローラ受容部1302の旋回運動が規定どおりに減衰可能であるように配置されている。各旋回ばね311は、例えばローラ受容部1302が担持構造1304に向かって撓むほどにばね力を減少させる漸減的なばね特性を有する。
【0154】
ローラ受容部1302は、本体101または相応する担持構造1304において回転軸1303を中心に回転するように配置されており、ローラ要素104は、ローラ受容部1302において偏心して回転軸1303から距離をおいて固定されている。よってプラットフォーム100の走行方向が変更された場合、ローラ要素104が迅速且つ抵抗なく新しい走行方向に沿って転動することが可能となる。
【0155】
加えて「含んでなる」とは、他の要素またはステップを排除するものではなく、「一つ」は、複数を排除するものではない。さらに上述の各実施形態の一つを参照して説明した各特徴または各ステップは、上述のその他の実施形態の他の各特徴または各ステップと組み合わせて使用することも可能であることに留意されたい。各請求項における参照符号は、限定とみなされるべきではない。
【符号の説明】
【0156】
100 プラットフォーム、101 本体、102 床面、103 表面、104 ローラ要素、105 設置領域、106 固定領域、107 設置厚み、108 固定厚み、109 移行領域、110 外縁領域、111 連結領域、112 電気接触面、113 アンテナモジュール、114 受容開口部、130 床
201 固定装置
300 駆動列、301 駆動ユニット、302 回転軸、303 駆動軸、304 ギアユニット、305 別の駆動ユニット、306 回転ピン、307 旋回軸、308 回転軸、309 連結部、310 電気プラグ、311 旋回ばね、312 遊星歯車、313 固定ねじ、314 第一の接触面、315 第二の接触面、316 半球状の凸部、317 半球状の凹部
401 受容開口部
501 ローラ固定ユニット、502 弾性クランプ要素
601 クランプ要素の受容部
700 電力基板、701 電池セル、702 電池セル、703 第一のコンタクトピン、704 第二のコンタクトピン、705 受容ブッシング
900 放射特性、901 クランプ要素の受容部
1001 ハウジング、1002 アンテナ電子機器、1003 隙間容積
1101 第一の機能モジュール、1102 第二の電子機能モジュール、1103 接続基板、1104 接触プラグ、1105 接点
1201 電子モジュール、1202 電子部品、1203 減衰要素、1204 固定要素、1205 担持構造、1206 凸部、1207 接続小板
1301 ローラ軸、1302 ローラ受容部、1303 ローラ受容部の回転軸、1304 ローラ受容部の旋回軸
α 移行領域の角度、β 外縁領域の角度、γ 旋回ばねの角度、a 軸方向、nD 減衰平面の法線、nS 旋回平面の法線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】