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特表2024-521022歯科用スプリントをトリミングする装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】歯科用スプリントをトリミングする装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/03 20060101AFI20240521BHJP
   A61C 3/02 20060101ALI20240521BHJP
   B23Q 17/22 20060101ALI20240521BHJP
   B23Q 17/24 20060101ALI20240521BHJP
   B23K 26/361 20140101ALI20240521BHJP
   B23K 26/02 20140101ALI20240521BHJP
   B23K 26/08 20140101ALI20240521BHJP
   A61C 7/08 20060101ALN20240521BHJP
【FI】
B23K26/03
A61C3/02 R
B23Q17/22 A
B23Q17/24 C
B23K26/361
B23K26/02 A
B23K26/10
A61C7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567008
(86)(22)【出願日】2022-04-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 AT2022060118
(87)【国際公開番号】W WO2022232853
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】A50342/2021
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523383668
【氏名又は名称】デンタル・マニュファクチャリング・ユニット・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】フーバー・マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルマー-アイクミュラー・アルフォンス
【テーマコード(参考)】
3C029
4C052
4E168
【Fターム(参考)】
3C029AA01
3C029AA40
4C052AA06
4C052DD10
4C052JJ10
4C052LL08
4C052NN03
4C052NN15
4E168AD03
4E168CA06
4E168CB01
4E168CB22
4E168FC01
4E168HA01
4E168HA08
4E168JA01
(57)【要約】
空間的に変位可能な、歯科用スプリント(1)用のホルダ(2)と、吸引装置(3)と、レーザ(4)と、演算ユニット(5)と、を備える、歯科用スプリント(1)をトリミングする装置が記載される。通常の部品の使用にもかかわらず、ユーザに対する最小の制御に掛かる労力及び準備で歯科用スプリントの精密なトリミングが可能となるように、冒頭で述べた装置を構成するために、レーザ(4)は、定位置であり、歯科用スプリント(1)の位置を特定するためのカメラ(6)が設けられていて、ホルダ(2)は、深絞り用金型から離型した歯科用スプリント(1)を力接続式に遊びなく収容するための、少なくとも部分的に熱安定性のプラットフォーム(7)とストッパ(8)とを有することが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間的に変位可能な、歯科用スプリント(1)用のホルダ(2)と、吸引装置(3)と、レーザ(4)と、演算ユニット(5)と、を備える、歯科用スプリント(1)をトリミングする装置において、
前記レーザ(4)は、定位置であり、歯科用スプリント(1)の位置を特定するためのカメラ(6)が設けられていて、前記ホルダ(2)は、深絞り用金型から離型した歯科用スプリント(1)を力接続式に遊びなく収容するための、少なくとも部分的に熱安定性のプラットフォーム(7)とストッパ(8)とを有することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記カメラ(6)は、前記レーザ(4)の領域に、前記歯科用スプリント(1)が検出位置で前記カメラ(6)の光学軸に対して横向きに配向されるように、配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プラットフォーム(7)は、少なくとも1つの貫通孔(9)を有し、前記貫通孔(9)は、前記プラットフォーム(7)の、前記レーザ(4)とは反対の側に装着された前記吸引装置(3)の入口(10)に流体連通していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記プラットフォーム(7)は、少なくとも部分的に、5つの空間方向に変位可能であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ストッパ(8)は、環状であって、前記プラットフォーム(7)と共に前記歯科用スプリント(1)の自由な深絞り縁(11)に対する収容部(12)を形成することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ホルダ(2)は、クロススライド(13)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ホルダ(2)は、回転台(14)を有し、前記回転台(14)に、少なくとも部分的に熱安定性の前記プラットフォーム(7)が割り当てられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間的に変位可能な、歯科用スプリント用のホルダと、吸引装置と、レーザと、演算ユニットと、を備える、歯科用スプリントをトリミングする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、深絞り法を用いて深絞り用シートから製造される歯科用スプリントが公知である。その際、深絞り用シートに歯列の模型にわたって絞り加工が施された後で歯科用スプリントをトリミングしなければならない。その際、露出した自由な深絞り縁、すなわち模型によって成形されずに歯科用スプリントの一部を形成しない深絞り用シートの部分は、歯科用スプリントから分離され、生じるカットラインでバリ取りが行われる。
【0003】
欧州特許第2101674号明細書は、歯科用スプリントが、空間的に運動可能なプラットフォーム上に位置する3つの柱に支持された装置を開示する。この場合、歯科用スプリントは、負圧を用いて柱に固定され、これにより、歯科用スプリントは、続いてレーザでトリミングできる。そのために、演算ユニットが、歯科用スプリントのCAD模型に基づいて、レーザの必要なカットラインを演算し、プラットフォームと可動のレーザとを、レーザがカットラインに追従するように制御する。
【0004】
しかし、従来技術の欠点によれば、歯科用スプリントをトリミングするために、常に対応するCAD模型を作成し、演算ユニットに読み込まなければならない。加えて、例えばビームの強度又は空間的な方向性などのレーザの変数と歯科用スプリントの位置との両方を正確に知って、精密に互いに合わせて調整しなければならない。付加的に、深絞り縁の、切断工程によって既に切断された部分が突然垂下し、歯科用スプリントの滑落が起こり得る問題が生じる。その結果切断エラーが生じる。というのも、歯科用スプリントの実際の位置が、CAD模型で決定された目標位置とは異なるからである。
【0005】
歯科用スプリントをプラットフォーム上に収容し、その結果、歯科用スプリントが、自由な深絞り縁でもって、大きな面積にわたって載置し、歯列の模型によって支持されることが既に提案されていた(欧州特許第2760624号明細書)が、しかし、これにより、レーザの強さの依然として複雑な動的制御が要求される。というのも、強度を、持続的に深絞り用シートの局所的な厚さに合わせて調整しなければならず、ひいては歯列の模型が、誤って設定されたレーザ強度によって深絞り用シートに溶接されない、又は装置がレーザによって損傷されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第2101674号明細書
【特許文献2】欧州特許第2760624号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の基礎をなす課題は、通常の部品の使用にもかかわらず、ユーザに対する最小の制御に掛かる労力及び準備で、歯科用スプリントの精密なトリミングを可能にする装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、設定された課題を、レーザが、定位置であり、歯科用スプリントの位置を特定するためのカメラが設けられていて、ホルダは、深絞り用金型から離型した歯科用スプリントを力接続式に遊びなく収容するための、少なくとも部分的に熱安定性のプラットフォームとストッパとを有することによって解決する。歯列の模型から分離された歯科用スプリントは、トリミング前にプラットフォーム上に収容されるので、自由な深絞り縁は、ほぼ平坦にプラットフォームに載置する。ストッパは、歯科用スプリントを、その自由な深絞り縁にわたって、力接続式にかつ遊びなく固定するので、歯科用スプリントとプラットフォームとの相対運動は、ホルダの変位にもかかわらず防止される。カメラは、プラットフォーム上に収容された歯科用スプリントの姿勢及び形状と、歯科用スプリントと自由な深絞り縁との間の空間内の境界範囲を捕捉する。このような空間的なデータから、演算ユニットは、自由な深絞り縁から歯科用スプリントを分離するためのカットラインを決定し、これに従って、レーザビームがカットラインに追従するのにどのようにホルダを変位させなければならないか決定する。この場合、カットラインの決定は、トリミングの間でも常時カメラによる位置データの新たな取得を含んで再度繰り返してよく、適合されたカットラインを決定できる。付加的に、カメラの使用によって、従来技術で必要とされる歯科用スプリント上の位置マーキングが省かれる。レーザは定位置であるので、レーザがカットラインに追従できるようにするにはホルダを変位させるだけでよい。これにより、位置の不精度が減り、制御が容易になる。レーザ強度は、トリミングに際して制御されないまま維持してよい。というのも、レーザの余剰のエネルギが、熱安定性のプラットフォームによって吸収されるからである。レーザ強度及びプラットフォームの材料は、レーザ強度が通常の歯科用スプリントをトリミングするのに十分であるが、プラットフォームを損傷するには低すぎるように、工場において互いに調整されてよい。歯科用スプリントの必要なカットラインは本質的に常にプラットフォームの同じ部分にわたってしか延在しないので、プラットフォームは、この部分範囲でのみ熱安定性に構成すればよい。歯科用スプリントは、歯列の模型なしでトリミングされ、これにより、模型を保護するためにレーザの強さを適合させなくてもよい。この場合、予想を超えて、歯科用スプリントから自由な深絞り縁が完全に分離されても、歯科用スプリントは、引き続き分離された自由な深絞り縁に対する摩擦接続によって安定して収容されていることが判明した。好適な一形態では、プラットフォームは、熱安定性を有するだけでなく熱伝導性も有するので、余剰のレーザエネルギを歯科用スプリントから導出でき、プラットフォームに、歯科用スプリントを加熱する熱溜めが形成されない。そのために、プラットフォームは、例えば陽極酸化アルミニウムから形成されてよい。カメラのデータから歯科用スプリントの位置及び必要なカットラインを決定するために、演算ユニットは、自己学習アルゴリズム又はニューラルネットワークを実装してよい。演算ユニットは、特に、歯科用スプリント、自由な深絞り縁及びそれらの間の境界範囲の空間的な姿勢だけを取得し、その他の詳細な画像情報は処理しないようにトレーニングされてよい。位置を決定するために、ホルダを、歯科用スプリントと共に、カメラが歯科用スプリントの像を記録する取得位置に変位させてよい。この取得位置は、カメラに対するホルダの相対位置に関して、使用されるカメラが、可能な限りオートフォーカスなく又は他の技術的補助手段なく、歯科用スプリント及び周囲の深絞り縁部の高品質の画像を記録できるように選択されるので、この画像は、演算ユニットによって容易に処理できる。ゆえに、歯科用スプリントは、例えば取得位置で、カメラの光軸に対してほぼ横向きに配向されてよい。演算ユニットによる画像の処理ステップには、断片化、正規化及びセグメント化が含まれてよいので、演算ユニットは、処理された画像から必要なカットラインの経過を決定できる。画像が取得位置で正規化された後で、周辺の深絞り縁は、その画素値を介して演算ユニットによって認識され、歯科用スプリントとは区別され、そうして必要なカットラインを求めることができる。任意選択的に、演算ユニットは、取得され処理された画像を歯科用スプリントのコンピュータ模型と比較してよい。検出位置で基準点を決定してもよく、基準点に基づいて、ホルダの変位後でも歯科用スプリントの相対位置を依然として認識できる。
【0009】
カメラがレーザの領域に配置されていると、必要なカットラインを決定するための演算に掛かる手間を減らせ、ホルダの制御を容易化できる。カメラがレーザにより近く配置されているほど、レーザの光路とカメラの光路とがより近付くので、演算ユニットは、カメラのデータを、ホルダを変位させるための命令に変換するための複雑な変換ステップを実行しなくてよい。演算ユニットがニューラルネットワークを使用するとき、これにより、演算ユニット自体のトレーニングも容易化する。というのも、トレーニング画像にも複雑な変換ステップが不要であり、これにより、トレーニング時間が短縮されるからである。好適な一形態では、カメラは、RGBカメラである。というのも、そのようなカメラの画質は、低コストにもかかわらず、演算ユニットにおけるさらなる処理のための確実な画像データを生成するのに十分に高いからである。
【0010】
プラットフォームが、少なくとも1つの貫通孔を有し、貫通孔は、プラットフォームの、レーザとは反対の側に装着された吸引装置の入口に流体連通していると、歯科用スプリントは、別の手段なしに、プラットフォーム上にさらに強く固定できる。これらの措置に基づいて、吸引装置は、トリミング時に生じる粒子及び/又は蒸気を吸引するだけでなく、少なくとも1つの貫通孔を介して歯科用スプリントに負圧を供与する。負圧は、プラットフォーム上の歯科用スプリントの付着を促進する。歯科用スプリントの必要なカットラインは、本質的に常にプラットフォームの同一の部分領域にわたってしか延在しないので、好適な一形態では、複数の貫通部が、この部分領域に配置されていて、これにより、粒子及び/又は蒸気は、これらが生じて歯科用スプリントがその切断された縁で負圧によって付加的に固定される箇所で吸引される。レーザビームが同様にプラットフォームの貫通孔を通過し、その下に位置するホルダの一部に入射し得るので、ホルダの熱的に不安定な部分はビーム路の外に配置しなければならない、及び/又はレーザビームによって到達可能な部分は同様に熱安定性に構成しなければならない。プラットフォームは、その変位性に基づいて、レーザに対する様々な相対位置を占めてよいが、本発明の観点では、歯科用スプリントを加工するときにレーザとは反対の側の、プラットフォームの側を意図している。トリミング時の局所的な高い精度に加えて、歯科用スプリントのバリ取りを簡単にするためにも、プラットフォームが少なくとも部分的に5つの空間方向に変位可能であることが提案される。ゆえに、ホルダひいては歯科用スプリントは、3つの並進運動の他に2軸を中心とする回転を行うこともでき、これにより、レーザの切断角を変更できる。これにより、歯科用スプリントの切断縁を後加工又は除去でき、したがって歯科用スプリントのより良好なバリ取りを行える。
【0011】
深絞りに際して、歯科用スプリントの自由な深絞り縁が変形し得、これにより、プラットフォーム上の歯科用スプリントの固定が困難になることがある。そうなると、歯科用スプリントがあらゆる方向で力接続式にプラットフォーム上に収容できるようにはならない。というのも、歯科用スプリントは、力接続の確立に際して、自由な深絞り縁の変形を歯科用スプリントへ伝達し、これにより、場合によっては誤ったカットラインが形成されるからである。そのような変形にもかかわらずカットラインの正確な決定を可能にするために、ストッパは、環状であってよく、プラットフォームと共に歯科用スプリントの自由な深絞り縁に対する収容部を形成できる。力接続は、この措置の結果として、自由な深絞り縁部の全体に沿って形成され、任意選択的には形状接続によって補足される。すなわち、歯科用スプリントは、その自由な深絞りシートが平坦にプラットフォーム上に載置する場合には、自由な深絞りシートにわたって、歯科用スプリントの配向にかかわらずプラットフォーム上に収容できる。これにより、自由な深絞り縁に多くの場合に発生する波状の変形を平らに押し付けることができる。好適な一形態では、ストッパは、ヒンジを介してホルダに結合されていて、トリミング前に下方旋回し、係止できる。
【0012】
ホルダがクロススライドを有する場合、ホルダは、容易にかつ正確に変位できる。クロススライドは、その簡単な動作原理に基づいて、調整スピンドルを介して容易に操作でき、較正を要しない。さらに、ホルダは、クロススライドガイドの1つ又は複数のガイドを介して回転もできる。
【0013】
コンパクトな構成状態を作り出すために、ホルダは、回転台を有し、回転台には、少なくとも部分的に熱安定性のプラットフォームが割り当てられている。これにより、歯科用スプリントは、レーザに対するアクセスを制限することなく、プラットフォームと共に、簡単にかつ省スペースに変位できる。回転台がクロススライドに配置されると、特に好適な構成状態が得られる。
【0014】
図面には、本発明の対象が例示されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る装置の正面図を示す。
図2図1のII-II線に沿った断面図を示す。
図3】さらに拡大した縮尺で本発明に係る装置のホルダの平面図を示す。
図4図3のIV-IV線に沿った断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
歯科用スプリント1(概略的にしか示していない)をトリミングする本発明に係る装置は、歯科用スプリント1のための変位可能なホルダ2と、ホルダ2に装着された、トリミング工程によって生じた粒子及び蒸気を吸引する吸引装置3とを備える。装置は、レーザ4と、図示された実施形態ではレーザ4のハウジングに実装された演算ユニット5と、カメラ6とをさらに備える。ホルダ2は、少なくとも部分的に熱安定性のプラットフォーム7を有し、プラットフォーム7上に歯科用スプリント1を収容できる。歯科用スプリント1は、トリミングのために、その歯科用スプリント1に付属する深絞り模型なしにプラットフォーム7上に収容されるので、熱安定性のプラットフォーム7は、レーザ4のレーザビームの余剰のエネルギを損傷なく吸収し、好適な形で導出できなければならない。レーザ4は、定位置に構成されていて、ゆえにプラットフォーム2は、レーザ4を用いるトリミング工程を実行できるようにするために、複数の空間方向に、好適な実施形態では5つの空間方向に変位可能に構成しなければならない。それゆえ、あらゆる姿勢でホルダ2のプラットフォーム7上での歯科用スプリント1の確実な収容を保証するために、ホルダ2は、歯科用スプリント1に対するストッパ8を有し、ストッパ8によって、歯科用スプリント1は、力接続式に収容できる。あらゆる姿勢でレーザ4による精密加工を実行可能にするために、歯科用スプリント1の収容は、遊びなく実行しなければならない。
【0017】
カメラ6は、必要な画像データを送信する。画像データに基づいて、演算ユニット5が、歯科用スプリント1のトリミングに必要なカットラインを決定し、ホルダ2を、レーザビームがこの必要なカットラインに追従できるように変位させる。その際、カメラ6は、レーザ4の領域に配置されているので、これにより、カメラ6の光軸もレーザ4の光軸も同一の領域に位置し、これにより、演算ユニット5によって、トリミングに必要なホルダ2の位置変化をより簡単に求めることができる。
【0018】
特に図3から看取できるように、プラットフォーム7は、1つ又は複数の貫通孔9を有し、吸引装置3は、プラットフォーム7の、歯科用スプリント1とは反対の側で、入口10を介してホルダ2に接続されてよい。これにより、入口10と少なくとも1つの貫通孔9との間の流体連通を確立でき、流体連通によって、レーザ4によるトリミング工程に際して直接歯科用スプリント1の周りに生じる、吸引されるべき蒸気を、プラットフォーム7の、歯科用スプリント1とは反対の側で吸引することが可能となる。これにより、ホルダ2の運動自由度が増大し、入口10と歯科用スプリント1との間の距離の短縮が可能となる。その上、これにより、吸引装置3による負圧の発生が容易になる。負圧の発生により、プラットフォーム7上の歯科用スプリント1の収容が促進される。
【0019】
プラットフォーム7のストッパ8が環状に構成されていると、歯科用スプリント1は、周側で、その自由な深絞り縁11にわたって、プラットフォーム7上に収容でき、これにより、ホルダ2の位置変化に依存しない歯科用スプリント1の遊びのない力接続式の収容を実現できる。この場合、プラットフォーム7は、ストッパ8と共に、歯科用スプリント1の自由な深絞り縁11に対する収容部12を形成する。
【0020】
ホルダ2が、クロススライド13と回転台14とを有し、回転台14には少なくとも部分的に熱安定性のプラットフォーム7が割り当てられていると、ホルダ2は、容易に制御可能で、省スペースでそして低コストに変位できる。
【0021】
運動の5つの自由度が、図2において記入された座標系で表されている。3つの並進自由度に加えて、プラットフォーム7は、少なくとも部分的に回転可能である。このことは、例えば回転台14を介して実現できる。さらなる回転自由度は、例えば、クロススライド13のスライドが軸支持体として機能し、軸支持体によって、プラットフォーム7の縦軸がガイドされてていることによって実現できる。これにより、プラットフォーム7は、軸方向にスライド可能であるとともに軸線を中心に回転自在に支持されている。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】