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特表2024-521027コンテナ内の液体の充填レベルを決定するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】コンテナ内の液体の充填レベルを決定するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/00 20220101AFI20240521BHJP
   G01F 23/80 20220101ALI20240521BHJP
   B65D 88/12 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
G01F23/00 F
G01F23/80
B65D88/12 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568266
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2022060697
(87)【国際公開番号】W WO2022233596
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】21171864.8
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
(71)【出願人】
【識別番号】390008981
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings GmbH
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D-48165 Muenster,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】カウペ,フィクトール
(72)【発明者】
【氏名】シドロ,フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】プレトリウス,マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ブルクバッハー,ウルリヒ
【テーマコード(参考)】
2F014
3E170
【Fターム(参考)】
2F014AB01
2F014CB01
2F014GA01
2F014GA05
3E170AA03
3E170AA21
3E170AA24
3E170AB01
3E170AB09
3E170CB04
3E170CC02
3E170DA01
3E170DA07
3E170VA16
3E170VA20
(57)【要約】
本明細書に記載される態様は、一般に、コンテナ内の充填レベルを非侵襲的に決定するための方法及びシステムに関する。より具体的には、本明細書に記載される態様は、コンテナの外側に取り付けられたセンサ装置を使用して、オーディオ信号を生成及び検出し、検出されたオーディオ信号をコンテナ固有の情報及びデータ駆動モデルと組み合わせて使用して、コンテナ内の充填レベルを決定することに関する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ内の液体の充填レベルを決定する方法であって、前記方法は以下のステップ:
(i) センサ装置をコンテナに取り付けるステップと;
(ii) 通信インターフェースを介してコンピュータプロセッサにコンテナのデジタル表現を提供するステップと;
(iii) 前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成するために、前記センサ装置によって前記コンテナを音響的に刺激するステップと;
(iv) 前記生成されたオーディオ信号を検出し、任意に検出されたオーディオ信号を処理するステップと;
(v) 前記通信インターフェースを介して、前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す検出又は処理されたオーディオ信号を、前記コンピュータプロセッサに提供するステップと;
(vi) 前記通信インターフェースを介して、過去のオーディオ信号、過去のコンテナ内の液体の充填レベル、及び過去のコンテナのデジタル表現でパラメータ化された少なくとも1つのデータ駆動モデルを、前記コンピュータプロセッサに提供するステップと;
(vii) 前記コンピュータプロセッサを使用して、前記提供されたコンテナのデジタル表現、前記提供されたオーディオ信号、及び前記提供されたデータ駆動モデルに基づいて、前記コンテナ内の液体の充填レベルを決定するステップと;
(viii) 前記通信インターフェースを介して、前記決定されたコンテナ内の液体の充填レベルを提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記コンテナ内の液体の充填レベルは、コンテナが空であること、又はコンテナが空ではないことに対応する分類子である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンテナのデジタル表現は、コンテナのサイズに関するデータ、特にコンテナの充填量に関するデータ、コンテナの内容物に関するデータ、初期充填レベルに関するデータ、充填日、コンテナの位置に関するデータ、コンテナの使用年数に関するデータ、コンテナの使用サイクルに関するデータ、コンテナのメンテナンスインターバルに関するデータ、コンテナの最大寿命時間に関するデータ、コンテナの内容物の有効期限、及びそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンテナのデジタル表現を提供するステップは:
- 前記コンテナに識別タグを取り付けるステップと、
- 前記取り付けられたタグに保存されたコンテナのデジタル表現を取得するか、又は前記取り付けられたタグに保存された情報に基づいてコンテナのデジタル表現を取得する、ステップと、
- 前記取得されたコンテナのデジタル表現を、前記通信インターフェースを介して前記コンピュータプロセッサに提供するステップと、
を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記コンテナを音響的に刺激して、前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成することは、前記センサ装置のアクチュエータによって前記コンテナの外壁をビーティングして、前記少なくとも1つのオーディオ信号を誘導することを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの生成されたオーディオ信号は、前記センサ装置の少なくとも1つのマイクロホンによって検出される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記検出されたオーディオ信号を処理することは、前記コンテナの音響刺激の結果として、前記センサ装置の少なくとも1つのマイクロホンによって検出された前記オーディオ信号を、前記コンピュータプロセッサによって、デジタルサンプリングすることを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
オーディオサンプルは、前記コンピュータプロセッサによって、任意で前記オーディオサンプルを整列させ、前記検出された又は整列されたオーディオサンプルのフーリエスペクトルを計算し、任意で前記フーリエスペクトルから少なくとも1つの予め定義された特徴を抽出し、任意で前記抽出された特徴を組み合わせることによって、さらに処理される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記予め定義された特徴は、エネルギーが最も高い周波数、(正規化された)平均周波数、(正規化された)中央周波数、周波数分布の標準偏差、周波数分布の歪み、異なるL空間における平均周波数又は中央周波数からの周波数分布の偏差、スペクトル平坦度、(正規化された)二乗平均平方根、充填レベル固有のオーディオ係数、yinアルゴリズムによって計算された基本周波数、2つの連続するフレーム間の(正規化された)スペクトルフラックス、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記データ駆動モデルは、トレーニングされた機械学習アルゴリズムから導出される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記機械学習アルゴリズムは、前記機械学習アルゴリズムの内部構造を定義するために入力及び出力を選択すること、前記機械学習アルゴリズムをトレーニングするために入力及び出力のデータサンプルのコレクションを適用すること、既知の充填レベルの入力データサンプルを適用して生成された出力値を期待される出力値と比較することによって前記機械学習アルゴリズムの精度を検証すること、受信した出力値が前記既知の充填レベルに対応しない場合に最適化アルゴリズムを使用して前記機械学習アルゴリズムのパラメータを修正することによってトレーニングされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記通信インターフェースを介して前記コンテナ内の液体の決定された充填レベルを提供することは、ディスプレイ装置の画面上に前記コンテナの液体の決定された充填レベルを表示することを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
コンテナ内の液体の充填レベルを決定するためのシステムであって、前記システムは:
- コンテナと;
- 前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成、検出、任意に処理するためのセンサ装置と;
- 過去のオーディオ信号、過去のコンテナ内の液体の充填レベル、及び過去のコンテナのデジタル表現でパラメータ化された少なくとも1つのデータ駆動モデルを保存するデータ記憶媒体と;
- 前記コンテナのデジタル表現、前記検出又は処理されたオーディオ信号、及び前記少なくとも1つのデータ駆動モデルを、コンピュータプロセッサに提供するための通信インターフェースと;
- 前記通信インターフェース及び前記データ記憶媒体と通信するコンピュータプロセッサ(CP)であって、
a. 前記通信インターフェースを介して、前記コンテナのデジタル表現、前記検出又は処理されたオーディオ信号、及び前記少なくとも1つのデータ駆動モデルを受信し;
b. 任意で、受信された、検出されたオーディオ信号を処理し;
c. 受信された前記コンテナのデジタル表現、受信された検出又は処理された前記オーディオ信号及び受信された前記データ駆動モデルに基づいて、前記コンテナ内の液体の充填レベルを決定し、及び、
d. 前記通信インターフェースを介して、決定された前記コンテナ内の液体の充填レベルを提供する、
ようにプログラムされたコンピュータプロセッサと、
を備えるシステム。
【請求項14】
- コンテナのメンテナンスインターバルを最適化し、及び/又は
- 空のコンテナ及び/又は満杯コンテナの輸送を統合することにより、循環するコンテナの総量を削減し、及び/又は
- 製品サイクルを短縮し、及び/又は
- 新しいコンテナを注文し、及び/又は
- 古いコンテナの使用を停止する、
ための請求項1~12のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項15】
液体の充填レベルが、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法より決定される、液体の充填レベルを含むコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される態様は、一般に、コンテナ内の液体の充填レベルを非侵襲的に決定するための方法及びシステムに関する。より具体的には、本明細書に記載される態様は、コンテナ内の液体の充填レベルを決定するために、コンテナの外側に取り付けられたセンサ装置を使用して、オーディオ信号を生成及び検出し、検出されたオーディオ信号をコンテナ固有の情報及びデータ駆動モデルと組み合わせて使用し、コンテナ内の液体の充填レベルを決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
食品、原料、飲料、化学品、薬剤、化粧品などの液体及び固体の化合物は、一般的に工業グレードの再利用可能な中間バルクコンテナ(以下IBCと呼ぶ)を使用して、保管及び輸送される。設計及び構造に応じて、IBCの容積は500リットルから最大3000リットルである。IBCはフォークリフト又はパレットトラックによって移動されることができ、その設計により積み重ねることができるため、さらなる使用のために輸送することを目的として液体及び固体化合物の保管に特に適している。
【0003】
IBCは、複合IBC(K-IBCとも呼ばれる)、プラスチックIBC、フレキシブルIBC、折り畳み式IBC、金属製IBCなど、様々な形状で市販されている。最も一般的なIBCは、プラスチックタンクを備えたパレットと、プラスチックタンクの周りの単純なメッシュケージ又は管状フレームからなる複合IBCである。あまり一般的でないIBCは、プラスチックタンクからなる硬質プラスチックIBCで、形状は直方体でもあるが、金属製の外側コンテナはない。こちらの容器(bladder)は自立しているため、質量はかなり重く、壁も厚い。フレキシブルIBC(FIBIC又はビッグバッグとも呼ばれる)は、固形だが流動性のある製品、例えば粉末又は顆粒の輸送に使用され、任意にコンテナ内に配置されるポリエチレン製のインライナー(フィルムバッグ)を含む縫製されたポリプロピレン織物からなる。硬質IBCとは対照的に、フレキシブルIBCは折り畳み可能であり、空のIBCの輸送コストは硬質IBCよりもはるかに低い。折り畳み式IBCにより、果実濃縮物、果実調製物、乳製品、及びその他の液体粘性製品、さらに最近では顆粒又は錠剤などの固形のコスト効率が高い輸送と保管が可能になる。それらは、折り畳み式プラスチックコンテナと、無菌バルブ付きの滅菌済みプラスチック袋(インライナー)をベースにしている。インライナーはコンテナ内にあり、液体を充填することができる。積載可能で、折り畳みが容易で、メンテナンスの手間がかからないため、折り畳み式IBCは、特にコスト効率が高い。金属製IBCは、化学、製薬、化粧品、食品及び飲料、貿易、商業分野のほぼすべての産業分野で、商品の合理的な取り扱いのために使用されている。金属製IBCは通常、1.4301又は1.4571などのステンレス鋼製、又はアルミニウム製である。それらは頑丈なフレームで構成され、その中に直方体又は円筒形のコンテナが収められている。この設計のIBCは、2年半ごとに定期検査を実施することを条件に、危険物用として恒久的に承認されている。円筒形及び角形のタンクは、製品の頻繁な交換を伴う作業に特に適している。ステンレス鋼は残留物を残さずに洗浄するのが非常に簡単なので、これらのIBCは無菌食品コンテナとしても使用される。複合材料製又はプラスチック製のIBCとは異なり、ステンレス製コンテナでは、IBCに保管された物質が拡散する危険性はない。
【0004】
金属製IBCの使用期間(耐用年数)は事実上無制限であり、しばしば20年以上に達する。これとは対照的に、危険物運送のためのプラスチック製ドラム缶及びジェリカン、硬質プラスチック製IBC、プラスチック製の内コンテナを備えた複合IBCの許容使用期間は、通常、製造日から5年である。例えば、プラスチック製IBCは、危険物コンテナとして使用された5年後に流通から撤収されなければならない。しかし、プラスチック製IBCのリサイクルは、特にそのコンテナが前に危険物コンテナとして使用されていた場合、有害物質がプラスチック内に拡散する潜在的なリスクがあるため、非常に問題となる可能性がある。対照的に、金属製IBCのリサイクルは何の問題もなく可能である。
【0005】
特殊なタイプのIBC、例えば、防腐剤入りIBC、静電気放電(ESD)又は帯電防止IBC、爆発物用ATEX適合IBC、例えば洗浄プロセスを避けるため又は衛生要件をサポートするためのインレイを含むIBC、コーティングIBCなどが、特定の輸送ケースの又は受け取り環境の課題を管理するため開発されている。
【0006】
ほとんどのIBCは、使用後に洗浄できるため、数回再利用できるという利点がある。したがって、IBCの製造者(以下、IBC製造者と呼ぶ)、IBCに収容された商品(液体又は固体材料など)を販売する企業(以下、OEMとも呼ぶ)、IBC内の商品を消費する企業(以下、顧客とも呼ぶ)を含む、様々な関係者がIBCの寿命期間中にIBCを取り扱う可能性がある。例えば、液体IBCのライフサイクルは以下の段階を含み得る:
- 第1段階:IBC製造業者がIBCを製造するか、使用済みのIBCを準備して、OEMに提供する、段階
- 第2段階:OEMはIBCを準備し、これにはIBCの修理と洗浄が含まれる場合があり、準備されたIBCに液体又は固体の化合物を充填し、充填されたIBCを顧客に輸送する、段階
- 第3段階:顧客は、液体又は固体の化合物を、例えば1つ以上のステップで取り出す、段階
- 第4段階:IBCは寿命(EoLとも呼ばれる)に達して廃棄されるか、IBCはIBC製造業者に戻され、IBC製造業者が洗浄及び修理などのサービスを行うか、IBCはIBCを準備するOEMに戻される(つまり、上記の第2段階を繰り返す)、段階。
【0007】
ライフサイクル中のIBCを追跡するために、モニタリング技術が開発されてきた。現在使用されているこのような技術には、IBCの充填レベルを検出するためのセンサ、IBCの地理的位置を検出するためのセルラー・マシン・ツー・マシン(M2Mモデム)及びGPS技術、IBC及びその内容物を識別するためのRFIDタグが含まれる。充填レベルの検出は、コンテナに取り付けられたセンサ装置を使用することによって行われることができる。IBCは、残留する汚れを除去し、内部の残留物が新しい充填物と混ざり合って新しい充填物の品質が低下するのを防ぐために、外側と内側から徹底的に洗浄される必要があるため、このようなセンサ装置は、洗浄プロセスに耐えられるか、又は、洗浄プロセスによるセンサ装置の破壊を防ぐために、洗浄前に取り外され、洗浄プロセス後に再び取り付けられる必要がある。センサ装置をコンテナに恒久的に取り付けることは、コンテナの新たな認証が必要になる場合があるため、取り外し可能なセンサ装置をIBCと組み合わせて使用し、様々な技術を用いて充填レベルを測定してきた。1つの技術として、カメラによる充填レベルの光学的検出がある。しかし、これはコンテナが透明である場合にのみ可能である。別の技術には、コンテナの内容物とコンテナ内のガス/空気との温度差を検出することがある。しかし、この技術は、コンテナから内容物を取り出したときに温度変化が誘発される場合にのみ適用可能である。さらに別の技術では、定義された周波数を有する共振器、超音波装置、又はアクチュエータを使用することによって、コンテナの外側を音響刺激すること、及び、例えばトレーニングされた機械学習アルゴリズムを使用することによる検出信号の分析が含まれる。しかし、前述のセンサ装置は消費電力が大きいため、バッテリの寿命が短くなり、したがってメンテナンスインターバルを増やすことになる。さらに、センサ装置は、高精度で信号を検出するためにコンテナの外側に直接接触する必要があるため、センサ装置の設計を各コンテナの設計に適合させる必要がある。さらに、このようなアルゴリズムを使用する充填レベルの決定精度はまだ満足できるものではないため、コンテナが空であって、再充填のために回収できるかどうかについて信頼できる結果を得ることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の欠点に鑑み、コンテナ、特にIBCの充填レベルを決定する方法を提供することが望ましく、この方法は、充填レベルに関する信頼できる結果をもたらし、IBCのメンテナンスインターバルを最適化し、空のIBC又は満杯のIBCのアイドル時間を短縮することを可能し、空のIBC及び/又は満杯のIBCの輸送を統合し、自動的に新しいIBCを注文し、古いIBCを使用停止にし、その結果、顧客への商品輸送に必要なIBCの総数が減少し、製品サイクルが短縮され、ひいては最終的にコストが削減される。さらに、この方法は、IBCを再認証することなく、既存のIBCと組み合わせて実装することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
「デジタル表現」とは、コンピュータ可読形式でのコンテナの表現を指し得る。特に、コンテナのデジタル表現は、例えば、コンテナのサイズに関するデータ、特にコンテナの充填量に関するデータ、コンテナの内容物に関するデータ、初期充填レベルに関するデータ、充填日、コンテナの位置に関するデータ、コンテナの製造日に関するデータ、コンテナの使用サイクル数に関するデータ、コンテナのメンテナンスインターバルに関するデータ、コンテナの最大寿命時間に関するデータ、コンテナの内容物の有効期限、及びそれらの任意の組み合わせであってよい。
【0010】
「液体」とは、コンテナ内に存在する条件下で液体凝集状態を有する化合物を指す。コンテナ内は、コンテナ内に存在する化合物の液体凝集状態を保証するために、加熱又は冷却されることができる。
【0011】
「通信インターフェース」は、信号又はデータの転送又は交換などの通信を確立するためのソフトウェア及び/又はハードウェアインターフェースを指し得る。ソフトウェアインターフェースは、例えば、関数呼び出し、APIであり得る。通信インターフェースは、トランシーバ及び/又はレシーバを備えることができる。通信は有線でも無線でもよい。通信インターフェースは、1つ以上の通信プロトコルに基づくか、又はそれをサポートしていてよい。通信プロトコルは、無線プロトコル、例えば、Bluetooth(登録商標)もしくはWIFIなどの近距離通信プロトコル、又は、例えば、第2世代セルラーネットワーク(「2G」)、3G、4G、Long-Term Evolution(「LTE」)、もしくは5Gなどのセルラー又はモバイルネットワークなどの長距離通信プロトコルであってよい。代替的に、又は追加的に、通信インターフェースは、専用の短距離又は長距離プロトコルに基づいていてよい。通信インターフェースは、任意の1つ以上の標準プロトコル及び/又は専用プロトコルをサポートすることができる。
【0012】
「コンピュータロセッサ」とは、コンピュータ又はシステムの基本動作を実行するように構成された任意の論理回路、及び/又は、一般に、計算又は論理演算を実行するように構成された装置を指す。特に、処理手段又はコンピュータプロセッサは、コンピュータ又はシステムを駆動する基本命令を処理するように構成されることができる。一例として、処理手段又はコンピュータプロセッサは、少なくとも1つの算術論理コンピューティングデバイス(「ALU」)、数学コプロセッサ又は数値コプロセッサなどの少なくとも1つの浮動小数点ユニット(「FPU」)、複数のレジスタ、特に、オペランドをALUに供給し、演算結果を保存するように構成されたレジスタ、及びL1キャッシュメモリ及びL2キャッシュメモリなどのメモリを備えることができる。特に、処理手段、又はコンピュータプロセッサは、マルチコアプロセッサであってよい。具体的には、処理手段、又はコンピュータプロセッサは、中央処理装置(「CPU」)であってよく、又は中央処理装置を備えていてよい。処理手段又はコンピュータプロセッサは、(「CISC」)複雑命令セットコンピュータマイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(「RISC」)マイクロプロセッサ、超長命令語(「VLIW」)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであってよい。処理手段はまた、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、複合プログラマブルロジックデバイス(「CPLD」)、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、ネットワークプロセッサ又はその類似物などの1つ以上の特殊用途処理装置であってよい。本明細書で説明される方法、システム、及び装置は、DSP、マイクロコントローラ、又はその他のサイドプロセッサ内のソフトウェアとして、あるいはASIC、CPLD、又はFPGA内のハードウェア回路として実装されることができる。処理手段又はプロセッサという用語は、複数のコンピュータシステム(例えばクラウドコンピューティング)にまたがって配置された処理装置の分散システムなど、1つ以上の処理装置を指し得、特に指定がない限り、単一の装置に限定されないことを理解されたい。
【0013】
「オーディオ信号」とは、6~20.000Hzの可聴範囲において脈動する直接電圧を指し得る。
【0014】
「データ駆動モデル」とは、少なくとも部分的にデータから導出されるモデルを指し得る。データ駆動モデルの使用は、物理化学法則ではモデル化できない関係を記述することを可能にする。データ駆動モデルの使用は、物理化学法則からの方程式を解くことなく関係を記述することを可能にする。このことは、計算能力を削減し、速度を向上させることができる。データ駆動モデルは、統計学(統計第4版、デービッド フリードマンら、W.W.ノートン&カンパニー株式会社、2004年(Statistics 4th edition, David Freedman et al., W. W. Norton & Company Inc.,2004))から導出され得る。データ駆動モデルは、機械学習(大規模データマイニングのための機械学習とディープラーニングフレームワークとライブラリ: 調査、人工知能レビュー52、77~124(2019)、シュスプリンガー(Machine Learning and Deep Learning frameworks and libraries for large-scale data mining: a survey, Artificial Intelligence Review 52, 77-124(2019),Springer))から導出され得る。データ駆動モデルは、経験的モデル又はいわゆる「ブラックボックスモデル」を含み得る。経験的モデル又は「ブラックボックス」モデルは、機械学習、ディープラーニング、ニューラルネットワーク、又は他の形態の人工知能のうちの1つ以上を使用することによって構築されるモデルを指し得る。経験的モデル又は「ブラックボックス」モデルは、トレーニングデータとテストデータとの間の良好な適合をもたらす任意のモデルであってよい。あるいは、データ駆動モデルは、厳密モデル又は「ホワイトボックス」モデルを含んでよい。厳密モデル又は「ホワイトボックス」モデルとは、物理化学法則に基づくモデルを指す。物理化学法則は、第一原理から導出され得る。物理化学的法則は、化学反応速度論、質量保存則、運動量及びエネルギー保存則、任意の次元の粒子集団、物理的関係及び/又は化学的関係の1つ以上を含む。厳密モデル又は「ホワイトボックス」モデルは、それぞれの問題を支配する物理化学法則に従って選択されることができる。データ駆動モデルは、ハイブリッドモデルを含むことができる。「ハイブリッドモデル」とは、ホワイトボックスモデルとブラックボックスモデルを含むモデルを指し、例えば、Von Stochらのレビュー論文、2014、コンピュータと化学工学、60、86~101頁(review paper of Von Stoch et al.,2014,Computers & Chemical Engineering,60,Pages 86 to 101)を参照されたい。
【0015】
「データ記憶媒体」とは、コンピュータ実行可能な命令及び/又はデータ構造を担持又は保存するための物理的媒体及びその他のコンピュータ可読媒体を指し得る。このようなコンピュータ可読媒体は、汎用又は特殊目的のコンピュータシステムによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ実行可能命令及び/又はデータ構造を保存する物理的記憶媒体を含むことができる。物理的記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、ソリッドステートドライブ(「SSD」)、フラッシュメモリ、相変化メモリ(「PCM」)、光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージ装置などのコンピュータハードウェア、あるいは、本発明の開示された機能を実装するために、汎用又は特殊目的のコンピュータシステムによってアクセス及び実行されることができるコンピュータ実行可能命令又はデータ構造の形態でプログラムコードを保存するために使用され得る任意の他のハードウェアストレージ装置が含まれる。
【0016】
「データベース」は、検索及び取得が可能な関連情報の集合体を指し得る。データベースは、検索可能な電子数値、英数字、又はテキスト文書;検索可能なPDF文書;マイクロソフト(Microsoft Excel)(登録商標)スプレッドシート、又は最新技術において一般的に知られているデータベースであり得る。データベースは、検索及び取得が可能なコンピュータ可読記憶媒体に存在する電子文書、写真、画像、図、データ、又は図面のセットであり得る。データベースは、単一のデータベース、関連するデータベースのセット、又は関連しないデータベースの集合であってよい。「関連するデータベース」とは、そのようなデータベースを関連付けるために使用され得る関連するデータベースに少なくとも1つの共通の情報要素が存在することを意味する。
【0017】
「クライアント装置」とは、その動作の一部として、別のプログラムへリクエストを送信することに依存するコンピュータ又はプログラム、あるいはサーバによって提供されるサービスにアクセスするコンピュータのハードウェア又はソフトウェアを指し得る。サーバは、別のコンピュータ上にある場合もあれば、ない場合もある。
【0018】
概要
以上のような観点の問題を解決するために、以下が提案される:
コンテナ内の液体の充填レベルを決定する方法であって、以下のステップ:
(i) センサ装置をコンテナに取り付けるステップと;
(ii) 通信インターフェースを介してコンピュータプロセッサにコンテナのデジタル表現を提供するステップと;
(iii) コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成するために、センサ装置によってコンテナを音響的に刺激するステップと;
(iv) 生成されたオーディオ信号を検出し、任意に検出されたオーディオ信号を処理するステップと;
(v) 通信インターフェースを介して、コンテナ内の液体の充填レベルを示す検出又は処理されたオーディオ信号をコンピュータプロセッサに提供するステップと;
(vi) 通信インターフェースを介して、過去のオーディオ信号、過去のコンテナ内の液体の充填レベル、及び過去のコンテナのデジタル表現でパラメータ化された少なくとも1つのデータ駆動モデルを、コンピュータプロセッサに提供するステップと;
(vii) コンピュータプロセッサを使用して、提供されたコンテナのデジタル表現、提供されたオーディオ信号、及び提供されたデータ駆動モデルに基づいて、コンテナ内の液体の充填レベルを決定するステップと;
(viii) 通信インターフェースを介して、決定されたコンテナ内の液体の充填レベルを提供するステップと、
を含む。
【0019】
本発明による方法の本質的な利点は、柔軟で信頼性が高く、効率的かつ包括的な方法でIBCのライフサイクルを遠隔で追跡できることである。このセンサは、コンテナマスターデータと製品マスターデータ間のリンクをリアルタイムで作成することにより、デジタルツインアプローチを可能にする。このリンクにより、品質管理の観点から、コンテナ内の液体の起源、コンテナ内の液体のライフサイクル、及びコンテナのライフサイクルに関する結論を導き出すことができる。コンテナのデジタル表現は、好ましくは、過酷な洗浄環境に耐え、その結果、洗浄前の識別タグの取り外しが不要になるIBC上に存在する識別タグを介して提供される。センサ装置は、取り外し可能な取付手段を用いてコンテナに取り付けられることができ、洗浄プロセスの前に取り外すことができ、したがって、既存のIBCの再認証を不要にし、洗浄作業中のセンサ装置の破壊を回避することができる。コンテナを刺激するためにアクチュエータを使用することで、オーディオ信号を簡単に生成することができる。オーディオ信号を処理すること、特に、前記処理された信号をデータ駆動モデルに提供する前の、サンプリング、フーリエスペクトルの計算、及びフーリエスペクトルら予め定義された特徴の任意抽出と前記抽出された特徴の組み合わせは、データ駆動モデルによる充填レベルの決定の精度を大幅に向上させる。決定精度をさらに高めるために、IBCの異なる充填量に対して異なるデータ駆動モデルを使用することができる。
【0020】
さらに開示されているのは:
本明細書で開示される方法の使用であって、
- コンテナのメンテナンスインターバルを最適化し、及び/又は
- 空のコンテナ及び/又は満杯コンテナの輸送を統合することにより、循環コンテナの総量を削減し、及び/又は
- 製品サイクルを短縮し、及び/又は
- 新しいコンテナを注文し、及び/又は
- 古いコンテナの使用を停止する、
ための方法の使用である。
【0021】
本発明の方法は、各顧客に電話して実際の充填レベルを要求することなく、コンテナ内の液体の充填レベルを簡単かつ正確に検出することを可能にし、その結果、コンテナのライフサイクルを遠隔で管理する可能性を提供し、空のコンテナの輸送を統合することができる。決定された充填レベルとコンテナのデジタル表現を組み合わせることで、コンテナの循環時間を予測することができ、その結果、コンテナのアイドル時間を短縮し、2回の充填の間にかかる時間を短縮することができる。アイドル時間が短縮されることで、製品サイクルが短縮され、製造計画とメンテナンスインターバルが最適化される。
【0022】
さらに開示されているのは
コンテナ内の液体の充填レベルを決定するためのシステムであって、該システムは:
- コンテナと;
- コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成、検出、任意に処理するためのセンサ装置と;
- 過去のオーディオ信号、過去のコンテナ内の液体の充填レベル、及び過去のコンテナのデジタル表現でパラメータ化された少なくとも1つのデータ駆動モデルを記憶するデータ記憶媒体と;
- コンテナのデジタル表現、検出又は処理されたオーディオ信号、及び少なくとも1つのデータ駆動モデルを、コンピュータプロセッサに提供するための通信インターフェースと;
- 通信インターフェース及びデータ記憶媒体と通信するコンピュータプロセッサ(CP)であって、
a. 通信インターフェースを介して、コンテナのデジタル表現、検出又は処理されたオーディオ信号、及び少なくとも1つのデータ駆動モデルを受信し;
b. 任意で、受信された、検出されたオーディオ信号を処理し;
c. 受信されたコンテナのデジタル表現、受信された検出又は処理されたオーディオ信号及び受信されたデータ駆動モデルに基づいて、コンテナ内の液体の充填レベルを決定し、及び、
d. 通信インターフェースを介して、決定されたコンテナ内の液体の充填レベルを提供する、
ようにプログラムされたコンピュータプロセッサと、
を備える。
【0023】
本発明によるシステムの本質的な利点は、コンテナがセンサ装置の取り付けによって恒久的に変更されず、したがって、センサ装置又はセンサ装置をコンテナの外側に取り付けるための取付手段を備えるコンテナの再認証を不要にすることである。センサ装置のコンポーネントを耐候性の筐体内に収容することができるため、センサコンポーネントを過酷な環境条件から保護し、センサ装置の破壊を防止することができる。センサ装置の電源供給は、業界標準のバッテリを使用して行うことができるため、外部電源の取り付け又は特別な電源の使用を避けることができる。さらに、センサ装置は防爆規制に準拠しているため、静電気放電(ESD)又は帯電防止IBCと組み合わせての使用、及び防爆の規制を満たす必要がある場所での使用が可能である。最後に、センサ装置は、センサ装置によって取得されたすべてのデータのキャッシュとして機能することができるため、取得されたデータが、データ取得後に直接、さらなる処理及び/又は保存のために他の装置に送信できない場合のデータ損失を回避することができる。
【0024】
さらに開示されているのは:
液体の充填レベルを含むコンテナであって、液体の充填レベルが本明細書に開示される方法に従って決定される、コンテナである。
【0025】
本開示は、本明細書のシステム、方法、及び方法の使用に同様に適用される。方法に関連して開示されたすべての特徴は、本明細書に開示されたシステム及び方法の使用に等しく関連する。
【0026】
さらに、サーバ装置でコンテナ内の液体の充填レベルの決定を開始する要求を生成するためのクライアント装置が開示されており、
- クライアント装置は、コンテナ内の液体の充填レベルを示す検出又は処理されたオーディオ信号、及びコンテナのデジタル表現をサーバ装置に提供するように構成され、又は、
- クライアント装置は、センサ装置によってコンテナの音響刺激を開始するように構成され、センサ装置は、コンテナ内の液体の充填レベルを示す検出又は処理されたオーディオ信号、及びコンテナのデジタル表現をサーバ装置に提供するように構成される。
【0027】
実施形態
本発明の方法の実施形態:
一態様では、液体は化学組成物である。一例では、化学組成物は液体コーティング組成物又は液体コーティング組成物の成分である。DIN EN971-1:1996-09によれば、コーティング組成物は、液体、ペースト又は固体製品であり、基材に塗布されると、保護装飾性及び/又は他の特定の特性を有するコーティングを生成する。コーティング組成物は、以下のような異なる基準、
- コーティング組成物中に存在する主なバインダー(すなわち、エポキシコーティング組成物、ポリウレタンコーティング組成物など)、
- コーティング組成物中に存在する主溶媒(すなわち、溶剤型コーティング組成物、水性コーティング組成物)
- タイプ(すなわち、粉体コーティング組成物、高固形分コーティング組成物など)
- コーティング組成物を塗布するために使用される塗布手順(すなわち、スプレーコーティング組成物、浸漬コーティング組成物など)
- 膜形成のタイプ(すなわち、1Kコーティング組成物、2Kコーティング組成物、ベーキングコーティング組成物など)
- エフェクトの種類(すなわち、効果コーティング組成物)
- 多層コーティング内の機能(すなわち、電着コーティング組成物、プライマーコーティング組成物、プライマーサーフェーサーコーティング組成物、ベースコート組成物、クリアコート組成物)
- コーティングされる物体のタイプ(すなわち、自動車用コーティング組成物など)、
に従ってさらに分類されることができる。
【0028】
「コーティング組成物の成分」とは、例えば材料を混合することによって、コーティング組成物を得るために必要な材料を指し得る。多成分コーティング組成物、すなわち少なくとも2つの成分を混合することによって調製されるコーティング組成物の場合、そのような成分は、例えばベースワニス及び硬化剤成分であり得る。液体コーティング組成物及びコーティング組成物の液体成分の例としては、液体電着コーティング組成物、液体プライマーコーティング組成物、液体プライマーサーフェーサーコーティング組成物、液体ベースコート組成物、液体クリアコート組成物、ベースワニス、又は硬化剤成分が含まれる。
【0029】
別の例では、化学組成物は化粧品組成物を含む。
【0030】
ある態様では、コンテナはプラスチック、ガラス、又は金属コンテナである。一例では、コンテナは中間バルクコンテナ(IBC)である。本明細書で使用される「中間バルクコンテナ」又は「IBC」という用語には、IBC、輸送タンク、バルクコンテナ、固体材料コンテナ、EcoBulk(登録商標)シュッツブランドコンテナ、RecoBulk(登録商標)シュッツブランドコンテナ、又は前述の任意の適切な変形又は組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、コンテナは、1つ以上の層を有する1つ以上のライナーで内張りされていてよい。このような実施形態では、コンテナは、例えば、超音波溶接を使用して、1つ以上のライナーに物理的に連結されていてよく、センサ装置は、コンテナの充填レベル及び他の特性を決定する際に、1つ以上のライナーを考慮するように構成されていてよい。別の例では、コンテナは、IBCではないドラム缶又はプラスチック又はガラスのコンテナである。さらに別の例では、コンテナはガラス繊維コンテナである。特に好ましくは、コンテナは金属製のIBC、特に単壁のステンレス製又はアルミニウム製のIBCである。
【0031】
ある態様では、コンテナ内の液体の充填レベルは、コンテナが空であること、又はコンテナが空でないことに対応する分類子である。この分類子を使用すると、洗浄と再充填のためにコンテナの回収を開始(トリガ)することができる。さらに、この分類子を使用すると、充填レベルの測定が減り、したがってセンサ装置のバッテリの寿命が大幅に延びる。別の態様では、コンテナ内の液体の充填レベルは、実際の充填レベルに対応し、元の充填量に基づいて%で、又は実際の量例えばリットルで示され得る。
【0032】
ステップ(i)では、センサ装置はコンテナに取り付けられる。一態様では、センサ装置はコンテナの外側に恒久的又は取り外し可能に物理的に連結され、特にコンテナの外側に取り外し可能に物理的に連結される。コンテナの外側にセンサ装置を取り外し可能に連結することにより、例えばセンサ装置又はセンサ装置の取付手段をコンテナに恒久的に取り付けることによって、コンテナが恒久的に変更された場合に必要となるコンテナの再認証を防止することができる。センサ装置の取り外しが簡単なことにより、洗浄プロセスの前にセンサ装置を簡単に取り外すことができるため、再充填前の空のコンテナの洗浄プロセスを容易にすることができ、したがって洗浄作業中のセンサ装置の損傷を避けることができる。
【0033】
ステップ(ii)では、コンテナのデジタル表現が、通信インターフェースを介してコンピュータプロセッサに提供される。ある態様では、コンテナのデジタル表現は、コンテナのサイズに関するデータ、特にコンテナの充填量に関するデータ、コンテナの内容物に関するデータ、初期充填レベルに関するデータ、充填日、コンテナの位置に関するデータ、コンテナの使用年数に関するデータ、コンテナの使用サイクルに関するデータ、コンテナのメンテナンスインターバルに関するデータ、コンテナの最大寿命時間に関するデータ、コンテナの内容物の有効期限、及びそれらの任意の組み合わせを含む。
【0034】
コンテナの位置に関するデータは、無線通信インターフェース、特にWiFiを介して、及び/又は衛星ベースの測位システム、特にグローバルナビゲーション衛星システム、及び/又はISM技術を介して、センサ装置によってコンテナの位置を特定することによって得られ得る。一例では、センサ装置は、少なくとも1つのセルラーID、Wi-FiネットワークID、ISMロケーション、及び/又はGPSロケーションで予めプログラムされていてよく、センサ装置のコンピュータプロセッサは、センサ装置に存在する通信インターフェースを介してこれらのパラメータ値の1つが検出されたときに決定することができる。別の例では、センサ装置は、検出された衛星に基づいてその位置を決定することができる。さらに別の例では、コンテナの位置に関するデータは、位置に関連する周波数を含むデータベースと組み合わせて、センサ装置によって検出されたWiFi又はISM周波数に基づいて決定されてよい。好ましくは、センサ装置は、少なくとも2つの異なる技術を使用して、コンテナの位置に関するデータを決定し、位置に関するデータが屋外だけでなく屋内でも取得され得ることを保証する。
【0035】
一態様では、コンテナのデジタル表現を提供するステップは:
- コンテナに識別タグを取り付けるステップと、
- 前記取り付けられたタグに保存されたコンテナのデジタル表現を取得するか、又は前記取り付けられたタグに保存された情報に基づいてコンテナのデジタル表現を取得する、ステップと、
- 取得されたコンテナのデジタル表現を、通信インターフェースを介してコンピュータプロセッサに提供するステップと、
を含む。
【0036】
一例では、識別タグはコンテナに恒久的に取り付けられる。この場合、タグはコンテナの再充填前に使用される洗浄環境に耐えるものでなければならない。恒久的に取り付けられた識別タグを使用することにより、洗浄前のタグの取り外し、及び洗浄プロセス後のタグの再取り付けが不要になる。別の例では、識別タグは、洗浄プロセスの前に取り外すことができ、洗浄プロセス後にコンテナに取り付けることができるように、取り外し可能である。洗浄前に取り外すことにより、洗浄プロセス中にタグが損傷する危険性が低減され、その結果、デジタル表現が何の問題もなくプロセッサに提供されることが保証される。
【0037】
識別タグはRFIDタグであってよい。好ましくは、識別タグはNFCタグ、特にパッシブNFCタグである。パッシブNFCタグを使用すると、防爆エリアで本発明の方法を実行することができる。
【0038】
識別タグに保存されたコンテナのデジタル表現は、センサ装置によって取得されることができる。これにより、さらなる走査装置などのさらなる装置を必要とすることなく、充填レベルを決定するために使用されるコンピュータプロセッサにデジタル表現を迅速に提供することができる。
【0039】
一例として、コンテナのデジタル表現はタグに保存される。この場合、前記デジタル表現は、センサ装置が識別タグに近接しているときに、例えばセンサ装置をコンテナに連結した後に、センサ装置で検索されることができる。
【0040】
別の例では、コンテナのデジタル表現は、タグに保存された情報に基づいて得られる。タグに保存された情報には、例えば、コンテナのIDが含まれる。前記取り付けられたタグに保存された情報に基づいてコンテナのデジタル表現を取得することは、センサ装置によって前記取り付けられたタグに保存された情報を取得することと、前記取り付けられたタグに保存された情報に基づいてデータ記憶媒体から、特にデータベースからコンテナのデジタル表現を取得することを含むことができる。このことは、識別タグに保存された情報を変更することなく、デジタル表現を容易に更新することができるため、好ましい。データ記憶媒体は、タグに保存されたコンテナのIDに関連付けられたコンテナのデジタル表現を含むデータベースを含むことができる。データ記憶媒体は、センサ装置内に存在してよく、又は別の装置、例えばさらなるコンピューティングデバイス内に存在していてもよい。データ記憶媒体が別の装置内に存在する場合、センサ装置は、通信インターフェースを介して、さらなる装置に存在するデータ記憶媒体に保存されたコンテナのデジタル表現を取得することができる。
【0041】
得られたデジタル表現は、さらなる処理のために、通信インターフェースを介してコンピュータプロセッサに前記デジタル表現を提供する前に、データ記憶媒体、特にセンサ装置に存在するデータ記憶媒体に保存されることができる。この場合、センサ装置はキャッシュとして機能し、通信インターフェースを介したセンサ装置とコンピュータプロセッサ間の接続が一時的に中断されても、取得されたデジタル表現がコンピュータプロセッサに提供されることを保証する。
【0042】
コンテナのデジタル表現は、予め定義された時点にコンピュータプロセッサに提供されてよく、又は、該提供が、予め定義されたイベントで、例えばコンテナのデジタル表現の更新時、又はコンテナ内の液体の充填レベルを決定する前に、開始されてもよい。この手順により、コンテナに関連するすべての利用可能な情報を処理に使用できることが保証される。
【0043】
ステップ(iii)では、コンテナはセンサ装置によって音響的に刺激され、コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成する。一態様では、センサ装置は、アクチュエータ、少なくとも1つのマイクロホン、コンピュータプロセッサ、特にマイクロプロセッサ、データ記憶媒体、コンテナ内の液体の充填レベル以外のコンテナの少なくとも1つの特性を検出する少なくとも1つのさらなるセンサ、及び少なくとも1つの電源を備える。「マイクロプロセッサ」とは、プロセッサと周辺機能を含む半導体チップを指す。多くの場合、作業メモリとプログラムメモリも部分的又は完全に同じチップ上に配置される。特に好ましくは、センサ装置は、業界で一般的に使用されている少なくとも1つのバッテリによって電力供給される。センサ装置に電力を供給するために少なくとも1つのバッテリを使用することは、センサ装置の外部電源を不要にし、センサ装置をコンテナから簡単に取り外すことを可能にする。センサ装置に関連するメンテナンスの手間を省くため、バッテリの寿命は少なくとも3年である必要がある。コンテナに物理的に連結した後のセンサ装置の損傷を防止するために、センサ装置のコンポーネントは、屋外での使用に対して物理的に強固になるように設計されたハウジング内に存在することができる。ハウジングはプラスチック製であってよく、シリコーンを含まず、容易に洗浄可能である必要がある。特に好ましくは、センサ装置は、防爆に関する特別な措置が必要な地域にあるコンテナと組み合わせて使用できるように、ATEXに準拠している必要がある。センサ装置のコンポーネントの少なくとも一部は、例えばプリント回路基板(PCB)上に一体化(integrated)されていてよい。
【0044】
アクチュエータは、ソレノイド又は振動発生器であってよく、特に振動発生器であってよい。
【0045】
一例では、センサ装置は正確に1つのマイクロホンを備える。別の例では、センサ装置は少なくとも2つのマイクを備えることができる。少なくとも2つのマイクロホンを使用すると、マイクロホンによって検出される干渉ノイズの量を減らすことができる。少なくとも1つのマイクロホンは、静電容量型マイクロホン又は微小電気機械システム(MEMS)マイクロホンであってよく、特に微小電気機械システム(MEMS)マイクロホンであってよい。MEMSマイクロホンは比較的小型で、必要なエネルギー量が比較的少ないため、センサ装置のコンパクトな設計が可能になり、センサ装置内に存在するバッテリのバッテリ寿命が長くなる。特に好ましくは、MEMSマイクロホンは、不要な干渉を低減するために、指向性があり、防音されている。
【0046】
少なくとも1つのさらなるセンサは、気候センサ、動きセンサ、周囲光センサ、位置センサ、電源レベルを検出するセンサ、又はそれらの組み合わせであってよい。気候センサは、センサ装置の変化又は気候条件、例えば、センサ装置のハウジング内部、又はセンサ装置を取り囲む気候条件を測定するように構成されてよい。このような気候条件には、温度、空気湿度、気圧、その他の気候条件、又はそれらの適切な組み合わせが含まれ得る。センサ装置を取り囲む気候条件は、例えば、センサ装置に存在する気候圧力均等化ガスケットによって決定されてよい。動きセンサ、例えば加速度計又はジャイロメトリックインクリメンタルモーションエンコーダ(IME)などは、二次元又は三次元(例えば、2軸又は3軸に対して)の動きを検出及び測定するように構成されることができる。つまり、動きセンサは、好ましくは位置センサによって検出される地理的位置のより一般的な変化とは対照的に、例えば急加速の結果としての相対的な急激な動きを検出するように構成されることができる。このような動きは、例えば、コンテナが輸送車両から移動される結果、空にするために輸送される結果、輸送中の移動の結果などとして発生する可能性がある。動きセンサは、以下に説明するように、センサ装置をスリープモードからアクティブモード又はその逆に移行させるために使用されることができる。スリープモードの使用は、センサ装置に電力を供給するために使用されるバッテリの寿命を延ばし、したがって、センサ装置のメンテナンスインターバルを延ばすことができる。例えば、センサ装置のプロセッサは、動きセンサによる動きの検出時にセンサ装置のアクティブモードを実行する割り込み機能、又は動きセンサによる動きの検出が定義された期間中にない場合にスリープモードを実行する割り込み機能を有することができる。位置センサは、センサ装置が取り付けられたコンテナの位置を決定するために使用され、WiFi技術、ISM技術、グローバル衛星ナビゲーションシステム技術、又はそれらの組み合わせを含むことができる。位置センサは、動きセンサによる動きを検出するとオンにされるか、又は、例えば、センサ装置の近隣のWiFi装置とセンサ装置のWiFi接続を開始することによって、及び/又は、グローバルナビゲーション衛星システムを使用してセンサ装置の位置を決定することによって、予め定義された時点で位置を決定するようにプログラムされてよい。周囲光センサは、機械的な塵や水の検出を行うことを含め、ハウジング及び/又は電子機器の完全性を確保する役割を果たすことができる。センサは、改ざんの証拠及び潜在的な損傷の検出を可能にし、センサ装置の電子機器を保護するための損傷制御を提供することができる。
【0047】
一例では、センサ装置は、決定された充填レベル及び/又はさらなるセンサによって取得されたデータ及び/又はバッテリレベルが表示され得るようなディスプレイをさらに備えてよい。別の例では、センサ装置は、装置の複雑さを軽減し、ATEX規制を準拠するために、ディスプレイを備えないことがあってよい。この場合、決定された充填レベルとさらなるセンサデータ及び/又はバッテリレベルは、通信インターフェースを介して表示のためにさらなる装置に提供される。
【0048】
一態様では、コンテナを音響的に刺激して、コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成することは、センサ装置のアクチュエータによってコンテナの外壁をビーティングさせて(叩いて)、少なくとも1つのオーディオ信号を誘導することを含む。ビーティングエネルギーは重要ではなく、コンテナの十分な音響刺激を得るために必要なエネルギーとセンサ装置のバッテリ寿命とのバランスがとれるように選択されることができる。さらに、ビーティングエネルギーは、防爆エリアに関する規制などの規制に依存し得る。一例では、ビーティングは、3.4ニュートンメートルまで、好ましくは0.3~0.7ニュートンメートル、特に0.5ニュートンメートルのエネルギーで行われる。センサ装置を防爆エリアで使用する場合は、3.4ニュートンメートルまでのエネルギーが好ましい。別の例では、ビーティングエネルギーは3.4ニュートンメートルより高い。これは、センサ装置が防爆エリアで操作されず、コンテナに十分な音響刺激を与えるために高いビーティングエネルギーが必要な場合に好ましい。センサ装置は、例えば、x時間ごとに1回、x分ごとに1回、x秒ごとに1回、1秒未満など、予め定義された速度(例えば、ビーティング頻度)でビーティングを実行するように構成されてよく、ビーティング頻度は、1日のうちの時間帯、又は週、月、年の日によって異なってよい。特に好ましくは、ビーティングは、コンテナ内の液体の充填レベルの決定の精度を高めるために、周囲の騒音、例えばコンテナ内の液体の攪拌、コンテナの移動、コンテナの周囲で行われる動作から生じるノイズなどのバックグラウンドノイズが存在しない時点か最少のレベルの時点で行うことができる。この目的のために、ビーティングは、例えば夜間又はコンテナから液体を部分的に取り出した後の規定の時間帯など、最小限のバックグラウンドノイズを有する所定の時間点に行うことができる。
【0049】
一態様では、ステップ(iii)は、コンテナの音響刺激の前又後に、センサ装置の少なくとも1つのセンサを用いて、充填レベル以外のコンテナの少なくとも1つのさらなる特性、特にコンテナの位置及び/又は温度及び/又はセンサ装置のバッテリレベルを検出することをさらに含むことができる。さらなる特性の検出は、例えば動きセンサによる動きの検出時に開始されるか、センサ装置によるコンテナの音響刺激によってトリガされるか、又は予め定義された時点に実行されるかのいずれかであり得る。一例では、位置の変化(これは動きセンサによる動きの検出によってトリガされた可能性がある)を決定することが、コンテナの音響刺激を開始することになり得る。例えば、センサ装置は、内部メモリに予め定義されたエンプティーイングステーションと保管場所の位置を保存しており、エンプティーイングステーションからのコンテナの動きを検出すると、前述のように位置の決定を開始することができる。決定されたコンテナの位置が、保存された保管場所の情報と一致する場合、センサ装置は、コンテナをエンプティーイングステーションから保管ステーションに戻した後に残っている液体の充填レベルを決定するために、コンテナの音響刺激を開始するようにプログラムされることができる。別の例では、音響刺激のトリガは、音響刺激及び生成されたオーディオ信号の検出/処理のための十分な電力が利用可能であることを保証するために、バッテリレベルが予め定義された閾値を超えていることがセンサ装置のプロセッサによって決定された後に、実行され得る。さらに別の例では、音響刺激のトリガは、温度センサによって決定された温度が予め定義された値より下回っているか上回っているかに依存し得る。
【0050】
ステップ(iv)では、生成されたオーディオ信号が検出され、任意で処理される。一態様では、少なくとも1つの生成されたオーディオ信号は、センサ装置の少なくとも1つのマイクロホンによって検出される。センサ装置が複数のマイクロホンを含む場合、センサ装置の少なくとも1つのマイクロホンが、生成されたオーディオ信号を検出するために使用される。一例では、センサ装置のすべてのマイクロホンが、生成されたオーディオ信号を検出するために使用される。別の例では、センサ装置のマイクロホンの一部のみが生成されたオーディオ信号を検出するために使用され、センサ装置の残りのマイクロホンは周囲ノイズ又はバックグラウンドノイズを検出するために使用される。検出された周囲ノイズ又はバックグラウンドノイズは、次いで、検出されたオーディオ信号の処理中に、検出されたオーディオ信号から周囲ノイズ又はバックグラウンドノイズを減算するために使用されることができる。
【0051】
ある態様では、オーディオ信号は、センサ装置によるコンテナの音響刺激の0.1~1秒後、特に0.3~0.5秒後に検出される。センサ装置によるコンテナの音響刺激後のオーディオ信号の時間シフト検出は、すべての周波数が音響刺激の直後に等しく刺激され、充填レベルを示すオーディオ信号が音響刺激に対して時間シフトして生成されるため、有益である可能性がある。
【0052】
ある態様では、オーディオ信号は、センサ装置によるコンテナの音響刺激後、2秒までの間、特に1.6秒までの間検出される。オーディオ信号の減衰はかなり強いため、限られた時間だけオーディオ信号を検出することは、エネルギーを節約し、センサ装置内に存在するバッテリの寿命を延ばすため有益である。
【0053】
一態様では、検出されたオーディオ信号を処理することは、コンテナの音響刺激の結果としてセンサ装置の少なくとも1つのマイクロホンによって検出されたオーディオ信号を、(コンピュータプロセッサで)デジタルサンプリングすることを含む。コンピュータプロセッサによるデジタルサンプリングは、パルス符号変調(PCM)又はパルス密度変調(PDM)を用いて行うことができる。パルス符号変調(PCM)は、サンプリングされたアナログオーディオ信号をデジタル的に表現するために使用される方法である。PCMストリームでは、アナログ信号の振幅が一定の間隔で定期的にサンプリングされ、各サンプルはデジタルステップの範囲内で最も近い値に量子化される。一例として、PCMに使用されるサンプリング周波数は16kHzである。パルス密度変調(PDM)は、アナログオーディオ信号をバイナリ信号で表現するために使用される変調形式である。PDM信号では、特定の振幅値は、異なる重さのパルスのコードワードに符号化されるのではなく(パルス符号変調(PCM)ではそうであるが)、むしろ、パルスの相対密度がアナログ信号の振幅に対応する。1ビットDAC(デジタル・アナログ・コンバータ)の出力は、信号のPDMエンコードと同じである。
【0054】
オーディオサンプルは、検出されたオーディオサンプルのフーリエスペクトルを計算し、任意で、計算されたフーリエスペクトルから少なくとも1つの予め定義された特徴を抽出し、さらに任意で、抽出された特徴を組み合わせることによって、(コンピュータプロセッサによって)さらに処理されてよい。フーリエスペクトルを計算する前に、検出されたオーディオサンプルを整列し、整列されたオーディオサンプルからフーリエスペクトルを計算してよい。オーディオサンプルの整列は、アクチュエータでコンテナの外側をビーティングさせることから生じるコンテナの音響刺激のオンセット(onset)を検出することを含み得る。オンセットは、適応閾値アルゴリズムなどの閾値アルゴリズムによって決定され得、次いで、オーディオサンプルは、検出されたオンセットに整列され得る。オーディオサンプルの整列により、充填レベルを示す信号が測定状況とは無関係に得られ、したがって、(充填レベルを示す)検出された信号の時間的経過が比較可能になることが保証される。フーリエスペクトル(以下、スペクトログラムとも呼ばれる)は、短時間フーリエ変換(STFTとも呼ばれる)を使用することによって、検出されたオーディオサンプル又は整列されたオーディオサンプルから、特に整列されたオーディオサンプルから計算される。STFTは、短い重複するウィンドウにわたって離散フーリエ変換(DFT)を計算することにより、時間周波数領域で信号を表す。フーリエスペクトルの計算に使用されるオーディオ信号のオーディオフレームの長さは、少なくとも5ms、長くても3秒である。一例では、STFTは、検出又は整列されたオーディオサンプルを、予め定義されたサイズに従って、重複するウィンドウのセットに分割し、ウィンドウからフレームを作成し、各フレームでDFTを実行することによって実行される。適切な予め定義されたサイズは、2~4096の範囲、例えば2、4、8、16、64、128、1024、2084、4096などを含む。結果は複素数マトリックスであり、そこでは各行は周波数の大きさと位相を有する重複するウィンドウを表す。以下に説明するように少なくとも1つの予め定義された特徴を抽出する前に、複素数z=x+yl(ここで、xは実数部、yは虚数部である)の大きさ(又は係数)rは、
【数1】
に従って計算され得る。これにより、周波数の大きさ及び位相が得られ、STFTの結果又は前記STFTの結果から抽出された予め定義された特徴を、後述する勾配ブースティングマシン(GBM)又は勾配ブースティング回帰ツリー(GBRT)などのアンサンブルアルゴリズムから選択されるデータ駆動モデルと組み合わせて使用することができる。
【0055】
次に、予め定義された特徴は、スペクトログラム又は計算された周波数の大きさ及び周波数の位相を使用して、各オーディオフレームについて計算されることができる。「予め定義された特徴」は、充填レベルを示す特徴を指し得、以下の:エネルギーが最も高い周波数、(正規化された)平均周波数、(正規化された)中央周波数、周波数分布の標準偏差、周波数分布の歪み、異なるL空間における平均周波数又は中央周波数からの周波数分布の偏差、スペクトル平坦度、(正規化された)二乗平均平方根、充填レベル固有のオーディオ係数、yinアルゴリズムによって計算された基本周波数、2つの連続するフレーム間の(正規化された)スペクトルフラックス、及びそれらの任意の組み合わせ、を含み得る。スペクトル平坦度は、S.Dubnov,「非ガウス線形プロセスのスペクトル平坦度測定の一般化(Generalization of spectral flatness measure for non-Gaussian linear processes)」;IEEE 信号処理レター(IEEE Signal Processing Letters);11巻698~701頁2004年に開示されているように、スペクトログラムから計算されることができる。充填レベル固有のオーディオ係数は、以下のステップ:
- 充填レベル及びコンテナ固有の周波数を他の周波数よりも高く重み付けする関数によって、スペクトログラムの振幅をスケーリングするステップであって、このような関数は、例えばJeongら「液体で満たされた円筒形シェルの流体弾性振動(Hydroelastic vibration of a liquid-filled circular cylindrical shell)」コンピュータと構造(Computers & structures),66巻2-3,1998年173~185頁に記載されているように、シミュレーション又は実験によって得ることができる、ステップと、
- スケーリングされた振幅から対数パワースペクトルを計算するステップと、
- 対数パワースペクトルの離散コサイン変換を計算し、離散コサイン変換の振幅を充填レベル固有のオーディオ係数として使用するステップ、
によって得られることができる。
【0056】
予め定義された特徴は、各オーディオフレームのスペクトログラムから、又は計算された周波数の大きさと位相から、又は一般的に知られている方法を用いて対数パワードメインで計算されることができる。
【0057】
予め定義された特徴を使用して異常検出して、充填レベル決定の精度を向上させるために、破損したオーディオサンプル、例えばコンテナ又はコンテナ内の液体の移動中に記録されたオーディオサンプル、又は高いバックグラウンドノイズを有するオーディオサンプルなどを除外することができる。この目的のために、トレーニングされたアルゴリズム、例えばSVM-マシン、オートエンコーダ、分離フォレスト、LSTM-、GRU-又はトランスフォーマー分類子などを使用することができる。トレーニングは、破損したオーディオサンプルと破損していないオーディオサンプルから抽出された特徴を含む、ラベル付けされたトレーニングデータを使用して実行される。異常が検出された場合、ステップ(iii)は、例えばセンサ装置のプロセッサにそれぞれの命令を提供することにより、予め定義された時間後に繰り返され得る。
【0058】
一例では、抽出された特徴は、前述の特徴を計算が機械学習にはデータが大きすぎる可能性があるため、最新の技術水準で知られている主成分分析(PCA)などのアルゴリズムを使用して、予め定義された特徴の次元を減らすことによって、組み合わされる。特に、機械学習を実行する前に、特徴の数を50未満に減らすことができる。結合特徴として、最も高い固有値を有するPCAの成分を使用することができる。別の例では、予め定義された特徴は、抽出された特徴の集約によって組み合わされる。畳み込みニューラルネットワーク(CNN)及びリカレントニューラルネットワーク(RNN)などの、ディープラーニングに基づく分類アルゴリズム以外の機械学習アルゴリズムが使用される場合、予め定義された特徴の抽出及び組み合わせは、データ駆動モデル及びコンテナのデジタル表現を使用した充填レベルの決定の精度の向上をもたらし、特に、コンテナが空である場合と、コンテナにまだ液体が含まれている場合との間の境界線ケースにおける精度が向上する。したがって、ディープラーニングに基づく分類アルゴリズム以外の機械学習アルゴリズムが使用される場合、予め定義された特徴の抽出及び抽出された予め定義された特徴の組み合わせが好ましい。畳み込みニューラルネットワーク(CNN)及びリカレントニューラルネットワーク(RNN)などのディープラーニングに基づく分類アルゴリズムが使用される場合、計算されたスペクトログラムは、前記アルゴリズムが特徴の抽出及び組み合わせを実行することなく必要な精度をもたらすため、前述の特徴分析を実行することなく、充填レベルの決定に使用されることができる。
【0059】
一例では、検出されたオーディオ信号の処理は、センサ装置のコンピュータプロセッサを使用して実行される。このことは、プロセッサの計算能力が十分に高く、センサモジュールに存在するバッテリのバッテリ寿命を著しく低下させるような大量のエネルギーを消費することなく、妥当な処理時間を実現できる場合には好ましい。エネルギー消費に関する妥当な処理時間は、例えば、最大10秒であり得る。
【0060】
別の例では、検出されたオーディオ信号の処理は、センサ装置のコンピュータプロセッサとは異なるコンピュータプロセッサを使用して実行される。センサ装置のコンピュータプロセッサとは異なるコンピュータプロセッサは、検出されたオーディオ信号の処理がクラウドコンピューティング環境で実行されるように、サーバ上に配置されることができる。この場合、センサ装置はクライアント装置として機能し、インターネット又はモバイル通信などのネットワークを介してサーバに接続される。サーバは、モバイル通信技術を介してアクセスされることができる。モバイル通信ベースのシステムは、センサ装置の計算能力が、検出されたオーディオ信号の処理を妥当な時間内に実行するのに十分でない場合、又はセンサ装置によるオーディオ信号の処理が、センサ装置のバッテリのバッテリ寿命を許容できないほど低下させる場合に、特に有用である。
【0061】
一態様では、ステップ(iv)は、検出又は処理されたオーディオ信号を通信インターフェースを介してコンピュータプロセッサに提供する前に、検出又は処理されたオーディオ信号をデータ記憶媒体に保存することをさらに含む。検出又は処理されたオーディオ信号を保存することは、通信インターフェースを介したコンピュータプロセッサへの通信が一定時間中断された場合、又は通信インターフェースを介したコンピュータプロセッサへのデータ提供中に中断された場合のデータ損失を防止する。この場合、保存された検出又は処理されたオーディオ信号は、中断が解消された後に、再送信されることができる。データ記憶媒体は、センサ装置の内部に存在するか、又は先に説明したような、センサ装置とは別のコンピューティングデバイスに存在してよい。
【0062】
ステップ(iii)で少なくとも1つのさらなる特性が検出される場合、ステップ(iv)は、充填レベル以外のコンテナの検出された少なくとも1つのさらなる特性、特にコンテナの位置及び/又は温度及び/又はセンサ装置のバッテリレベルを、通信インターフェースを介してコンピュータプロセッサに提供することを、さらに含むことができる。検出された特性を提供する前に、前述のように取得されたセンサデータをデータ記憶媒体に保存することが有益であり得る。
【0063】
一態様では、ステップ(iii)及び(iv)は、少なくとも1回、好ましくは2~10回、特に5回繰り返される。ステップ(iii)から(iv)の繰り返しは、充填レベルの決定の精度を高める。したがって、コンテナ内の液体の充填レベルの決定の精度を高めるために、ステップ(iii)及び(iv)を少なくとも1回繰り返すことが好ましい場合がある。しかしながら、多数の繰り返しは、決定の精度をそれ以上著しく向上させることなく、センサ装置のバッテリのバッテリ寿命をも低下させる。したがって、センサ装置内に存在するバッテリのバッテリ寿命を過度に低下させることなく、決定の精度を高めるために、ステップ(iii)~(iv)を5回繰り返すことが特に好ましい。
【0064】
ステップ(v)では、コンテナ内の液体の充填レベルを示す検出又は処理されたオーディオ信号が、通信インターフェースを介してコンピュータプロセッサに提供される。通信インターフェースは、前述したように、無線又は有線、特に無線であってよい。
【0065】
ステップ(vi)では、過去のオーディオ信号、過去の液体の充填レベル、及び過去のコンテナのデジタル表現でパラメータ化された少なくとも1つのデータ駆動モデルが、通信インターフェースを介して、コンピュータプロセッサに提供される。データ駆動モデルは、コンテナ内の液体の充填レベルと、検出又は処理されたオーディオ信号との間の関係を提供し、過去のオーディオ信号、過去のコンテナ内の液体の充填レベル、及び過去のコンテナのデジタル表現から導出される。過去のコンテナのデジタル表現は、好ましくは、コンテナのサイズに関するデータ、特にコンテナの充填量に関するデータ、コンテナの内容物に関するデータ、初期充填レベルに関するデータ、コンテナの使用年数に関するデータ、コンテナの使用サイクルに関するデータ、及びそれらの任意の組み合わせを含む。
【0066】
一態様では、ステップ(vi)は、通信インターフェースを介して、少なくとも2つのデータ駆動モデルを、コンピュータプロセッサに提供することを含む。これはさらに、提供されたコンテナのデジタル表現に基づいて、特に提供されたコンテナの充填量に基づいて、提供されたデータ駆動モデルから、データ駆動モデルを(コンピュータプロセッサを使用して)選択することを含む。コンテナの充填量に特化したデータ駆動モデルの使用は、最高精度の決定を提供するデータ駆動モデルを選択することによって、コンテナ内の液体の充填レベルの決定の精度を高めることができる。一例では、提供された充填量に対して複数のデータ駆動モデルが存在し得る。この場合、1つのデータ駆動モデルが選択されてもよく、又は利用可能なモデルの一部又はすべてを使用して充填量が決定されてもよく、結果は、精度を向上させるために、以下に説明するように積み重ねられてよい。
【0067】
ある態様では、各データ駆動モデルは、トレーニングされた機械学習アルゴリズムから導出される。「機械学習」とは、経験を通じて改善され、しばしばトレーニングデータと表現されるサンプルデータに基づいて、教師あり、教師なし、又は半教師ありの機械学習技術を利用してモデル上に構築されるコンピュータアルゴリズムを指し得る。教師あり学習は、既知のラベル又は結果を有するトレーニングデータを使用し、予測することが要求され、その予測が間違っていた場合に修正されるトレーニングプロセスを通じてモデルを準備することを含む。トレーニングプロセスは、モデルがトレーニングデータに対して望ましいレベルの精度を達成するまで続けられる。半教師あり学習は、ラベル付けされた入力データとラベル付けされていない入力データの混合を使用し、モデルが予測だけでなくデータを整理する構造を学習する必要があるトレーニングプロセスを通じてモデルを準備することを含む。教師なし学習には、既知の結果を有しないラベル付けされていない入力データを使用し、入力データに存在する一般的な規則、類似性などの構造を推定することによってモデルを準備することを含む。
【0068】
一例では、機械学習アルゴリズムは、機械学習アルゴリズムの内部構造を定義するために入力及び出力を選択すること、機械学習アルゴリズムをトレーニングするために入力及び出力のデータサンプルのコレクションを適用すること、既知の充填レベルの入力データサンプルを適用し、生成された出力値を期待される出力値と比較することによって機械学習アルゴリズムの精度を検証すること、及び、受信した出力値が既知の充填レベルに対応しない場合に、最適化アルゴリズムを使用して機械学習アルゴリズムのパラメータを修正すること、によってトレーニングされる。入力として、検出又は整列されたオーディオサンプルのフーリエ変換によって得られた前述のスペクトログラム、又は前述のように得られた組み合わせられた予め定義された特徴が、任意でセンサ装置のさらなるセンサによって取得されたデータと組み合わされて使用されることができる。入力データはランダムに選択されるが、トレーニングデータには充填レベルの完全なスペクトルが含まれることを条件とする。出力は、「空」又は「空でない」のような分類子、又は正確な充填レベル、例えば開始充填レベルに対する%のいずれかであり得る。
【0069】
原則として、適切な機械学習モデル又はアルゴリズムは、前処理、解集合の存在、回帰(regression)問題と分類問題の区別、計算負荷、及びその他の要因を考慮して、当業者によって選択されることができる。この目的のために、機械学習アルゴリズムのチートシートを使用することができる(P.Sivasothyら:「概念実証:バルク固体サイロの充填レベル推定に基づく機械学習(Proof of concept :Machine Learning based filling level estimation for bulk solid silos)」;Proc.Mtgs.Acoust.;35巻;055002;2018を参照されたい)。充填レベルが正確に予測される必要がある場合には、回帰アルゴリズムを選択する必要があり、一方、充填レベルが「空」又は「空でない」などの分類子である必要がある場合には、分類アルゴリズムが使用され得る。本発明において、機械学習アルゴリズムは、(i)ディープラーニングアルゴリズム、例えば長・短期記憶(LSTM)アルゴリズム、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)アルゴリズム又はパーセプトロンアルゴリズム、(ii)インスタンスベースアルゴリズム、例えばサポートベクターマシン(SVM)、(iii)回帰アルゴリズム、例えば線形回帰アルゴリズム、又は(iv)アンサンブルアルゴリズム、例えば勾配ブースティングマシン(GBM)、勾配ブースティング回帰ツリー(GBRT)、ランダムフォレスト、又はそれらの組み合わせ、特にアンサンブルアルゴリズムであり得る。「ディープラーニング」は、制限されたサイズの無制限の数の層を有する人工ニューラルネットワーク(ANN)に基づく方法を指し得、これは、穏やかな条件下での理論的普遍性を保持しながら、実用的な適用と最適化された実装を可能にする。ディープラーニングアルゴリズムを実装するディープラーニングアーキテクチャには、ディープニューラルネットワーク、ディープビリーフネットワーク(DBN)、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)が含まれ得る。アンサンブル学習では、アンサンブル平均(集合平均)を生成するためにアンサンブル(予測子の集合体)が形成される。予測子は、異なるk値と次元の重みを持つ複数のk最近傍分類子など、異なるパラメータを有する同一のアルゴリズムであってよく、又はすべて同じ問題でトレーニングされた異なるアルゴリズムであってよい。予測では、すべての分類子が同等に扱われるか、異なる重みづけがなされる。アンサンブルルールに従って、すべての分類子の結果は、分類の場合は多数決により、回帰の場合は主に平均化により、又は(スタッキングの場合)別のリグレッサにより、集約される。アンサンブルのアルゴリズムの組み合わせは、次の種類のメタアルゴリズム:バギング、ブースティング、スタッキングによって実行される。バギングは、同種の弱い学習器(つまり同じアルゴリズム)を考慮し、それらを並行して互いに独立に学習し、ある種の決定的平均化プロセスに従ってそれらを組み合わせる。一例では、トレーニングデータセットは完全に分割され、つまり完全なトレーニングデータセットが分割されてトレーニングに使用されるか、あるいはランダムにのみ使用され、つまりいくつかのデータは複数回使用されるが、他のデータは全く使用されない。別の例(貼り付けとも呼ばれる)では、データの分割は重複してはならない。したがって、各分類子は特定のトレーニングデータでトレーニングされる、つまり他の分類子から独立してトレーニングされる。ブースティングは多くの場合、同種の弱い学習器を考慮し、非常に適応的な方法でそれらを順次学習し(すなわち、重みは複数回の実行中に調整される)、決定論的戦略に従ってそれらを組み合わせる。重みは予測誤差の方向に調整され、つまり、誤って予測されたデータセットは次の実行でより高く重み付けされるか、又は予測誤差の逆方向で調整される(勾配ブースティングとも知られている)。トレーニング中に学習アルゴリズムのパラメータを操作するのに適した最適化アルゴリズムは、当技術分野で知られており、例えば、勾配降下法、モーメンタム、RMSProp、ニュートンベースのオプティマイザ、adam、BFGS又はモデル固有の方法などを含む。これらの最適化アルゴリズムは、機械学習アルゴリズムのトレーニング中に、反復回数や精度などの予め定義された終了基準が得られるまで、機械学習アルゴリズムの出力と期待される出力との差が減少するように、各トレーニングステップでパラメータを修正するために使用される。
【0070】
ステップ(vii)では、コンテナ内の液体の充填レベルは、提供されたコンテナのデジタル表現、提供されたオーディオ信号、及び提供されたデータ駆動モデルに基づいて、コンピュータプロセッサで決定される。一例では、より高い精度を得るために、異なるアルゴリズムとオーディオサンプルからの分類子又はリグレッサをスタッキングする。スタッキングは、より高いレベル(ブレンドレベル)でアンサンブル学習アルゴリズムを拡張したもので、単一の結果の最適な集約を学習する。スタッキングの最上位には、(少なくとも)1つ以上の分類子又はリグレッサがある。スタッキングは、個々のアルゴリズムの結果が大きく変化するときに特に有用であり、これはいくつかのクラスではなく連続値が出力されるため、回帰ではほとんど常に当てはまる。適切なスタッキングアルゴリズムは、当技術分野で知られており、当業者がその知識に基づいて選択することができる。
【0071】
ある態様では、充填レベル以外の検出されたコンテナの少なくとも1つのさらなる特性、特にコンテナの位置及び/又は温度が、コンテナ内の液体の充填レベルの決定中に考慮される。
【0072】
一態様では、コンテナ内の液体の充填レベルは、センサ装置のコンピュータプロセッサを用いてステップ(vii)で決定される。これは、センサ装置の計算能力が、データ駆動モデル、提供されたコンテナのデジタル表現、及び提供された検出又は処理されたオーディオ信号を使用して、妥当な時間内で、すなわち最大10秒以内に、大量のエネルギーを消費することなくコンテナ内の液体の充填レベルを決定するために十分に高い場合に好ましい。
【0073】
代替的な態様では、コンテナ内の液体の充填レベルは、センサ装置のコンピュータプロセッサとは異なるコンピュータプロセッサを用いてステップ(vii)で決定される。一例では、センサ装置のコンピュータプロセッサとは異なるコンピュータプロセッサは、検出されたオーディオ信号の処理が前述のようにクラウドコンピューティング環境で実行されるように、サーバ上に配置されることができる。別の例では、コンピュータプロセッサは、センサデバイスのコンピュータプロセッサとは異なる。これは、センサ装置のコンピュータプロセッサの計算能力が、コンテナ内の液体の充填レベルを妥当な時間内に決定するのに不十分である場合、又はコンテナ内の液体の充填レベルを決定するためにセンサ装置のコンピュータプロセッサを使用することが、著しい電力消費に関連し、したがって、センサ装置のバッテリのバッテリ寿命を著しく減少させ、センサ装置のメンテナンスインターバルを多くする場合に特に好ましい。検出又は処理されたオーディオ信号及びコンテナのデジタル表現は、ステップ(vii)で実行される決定の前に、無線通信ワイドエリアネットワークプロトコル、特に低電力ワイドエリアネットワークプロトコルを介して、さらなるコンピューティングデバイスのコンピュータプロセッサに提供されてよい。低電力ワイドエリアネットワークプロトコルを使用すると、エネルギー消費量が少なくなり、センサ装置のバッテリの寿命が延び、バッテリ交換に伴うメンテナンスインターバルも延びる。
【0074】
ステップ(viii)では、コンテナ内の液体の決定された充填レベルは、通信インターフェースを介して提供される。ある態様では、通信インターフェースを介してコンテナ内の液体の決定された充填レベルを提供するステップは、通信インターフェースを介してコンテナ内の液体の決定された充填レベルを提供する前に、決定された充填レベルを、それぞれがコンテナ内の液体の充填レベルを示す数値変数又は記述的出力に変換することを含む。数値変数は、2つの端点間の任意の値を取り得る単一の連続変数であり得る。例として、0から1までの実数のセットがある。さらなる例として、数値変数は、例えば、検出又は処理されたオーディオ信号及びデータ駆動モデルの出力など、データに固有の不確実性を考慮することができる。例えば、0から1の範囲であり、ここで、1は結果に不確実性がないことを示す。出力は、液体の充填レベルを示す記述的出力に変換することもできる。特に、記述的出力は、空/空でない形式又は元の充填量に基づく%値を含むことができる。
【0075】
一態様では、通信インターフェースを介してコンテナ内の液体の決定された充填レベルを提供することは、ディスプレイ装置の画面上にコンテナの液体の決定された充填レベルを表示することを含む。ディスプレイ装置は、ユーザの快適性を高めるためにGUIを備えていてよい。決定された充填レベルに加えて、ディスプレイ装置は、デジタル表現に含まれるデータ、オーディオ信号の処理に関連するデータ、決定に使用されるデータ駆動モデル、さらなるセンサによって取得されたデータ、音響刺激の時間、及びそれらの任意の組み合わせなど、表示された充填レベルを決定するために使用されたデータを表示することもできる。
【0076】
一態様では、通信インターフェースを介してコンテナ内の液体の決定された充填レベルを提供することは、提供されたコンテナ内の液体の充填レベルをデータ記憶媒体、特にデータベースに保存することを含む。決定された充填レベルをデータ記憶媒体に保存することにより、測定頻度及び関連する充填レベルを分析することによって、ステップ(iii)及び(iv)の繰り返しを最適化するために使用され得るデータを生成することができる。さらに、このデータは、例えば、コンテナが空になる時点の予測、メンテナンスインターバルのスケジュールの予測のためなど、予測目的に使用されることができる。
【0077】
一態様では、ステップ(iii)、(iv)、(v)、(vii)及び任意にステップ(viii)を繰り返す。一例では、前述のステップを繰り返すことは、コンピュータプロセッサによって実行されるルーチンによって、予め定義された時点でトリガされ得る。これにより、前述のステップを理想的な測定条件下、すなわちバックグラウンドノイズが抑制された状態で実行することができる。別の例では、センサ装置によってコンテナのデジタル表現を取得することによって、反復をトリガすることができる。前述したように、コンテナは、コンテナIDなどの、情報を保存した識別タグを備えていてよく、識別タグは、データベースからコンテナのデジタル表現を取得するために、センサ装置によって使用されることができる。デジタル表現は、コンテナから液体が取り出された日及び/又は時刻に関する情報を含むことができ、前述のステップをトリガするために使用されることができる。さらに別の例では、前述のステップは、動きを検出する動きセンサによって、又は動き検出がないことによってトリガされ得る。さらに別の例では、前述のステップは、位置の変化によって、又は予め定義された位置を決定することによってトリガされ得る。予め定義された時点又は予め定義された条件によって繰り返しをトリガすることにより、測定回数を減らすことができ、したがってセンサ装置の消費電力も減らすことができ、このようにして、センサ装置のバッテリのバッテリ寿命を延ばすことができる。トリガはまた、2つの測定間の時間スパンが十分に小さいことを保証するため、空になり、洗浄と再充填のためにピックアップする準備ができたコンテナが迅速に検出され、したがって空のコンテナのアイドル時間が短縮され、したがってコンテナのライフサイクルの効率が向上する。
【0078】
一態様では、本方法は、提供されたコンテナ内の液体の充填レベル及び提供されたデジタル表現に基づいて、コンテナに対してとるべきアクションを決定し、任意に、決定されたアクションをとることを制御するステップをさらに含む。一例では、アクションは、プログラムされたルーチンに従って、センサ装置のコンピュータプロセッサによって決定され、制御され得る。別の例では、アクションは、センサ装置のコンピュータプロセッサによって決定され、センサ装置とは別の、例えばさらなる処理装置に存在するさらなるコンピュータプロセッサによって制御される。この目的のために、センサ装置は、通信インターフェースを介して、決定されたアクションをさらなるコンピュータプロセッサに転送することができる。さらに別の例では、アクションは、提供されたコンテナ内の液体の充填レベル及びデジタル表現に基づいて、前述のように、さらなるコンピュータプロセッサによって決定され、制御され得る。アクションを決定することにおいて、コンピュータプロセッサは、(決定/提供された充填レベル及びデジタル表現とは別に)センサ装置のさらなるセンサによって収集されたセンサデータ、例えば、動きデータ、気候データ、位置データ及びそれらの組み合わせを考慮することができる。アクションは、予め定義されていてよく、コンテナの異なる状態/位置、1日の時間、日又は週、月又は年、コンテナ管理ネットワークから受信したパラメータ値、ユーザ入力、その他の条件、又はそれらの適切な組み合わせに対して異なってよい。アクションには、例えば、コンテナの輸送、清掃、空にすること、充填、移動、廃棄、又はメンテナンスのスケジュール設定、新しいコンテナの注文、コンテナの位置の変化、センサ装置の電力を下げること、電力を上げること、又は動作の調整、アラーム(例えば、視覚、音、又はノイズ)の作動、その他のアクション、又は前述の任意の適切な組み合わせが含まれ得る。前述したように、異なるアクションが、現在の状態/位置及び/又は他の条件に基づいて、同じ決定された特性に対して取られる可能性があることを理解されたい。
【0079】
ある態様では、本方法は、提供されたコンテナ内の液体の充填レベルと提供されたコンテナのデジタル表現に基づいて、最適化されたメンテナンスインターバルを(コンピュータプロセッサによって)決定することをさらに含む。提供された充填レベルに関するデータは、コンテナのデジタル表現と関連付けられることができ、コンテナが空になり、メンテナンスのために再び輸送されることができる時点を予測するために使用されることができる。この予測は、したがって、コンテナが再び輸送し戻されるまで待つことなく、まだ使用中のコンテナのメンテナンスインターバルをスケジュールすることを可能にし、したがって、予測に基づいてメンテナンスインターバルを最適化することを可能にする。
【0080】
ある態様では、本方法は、提供されたコンテナ内の液体の充填レベル及び提供されたコンテナのデジタル表現に基づいて、空のコンテナの混載輸送を(コンピュータプロセッサで)決定するステップをさらに含む。排出量と輸送コストを削減するために、決定されたコンテナの充填レベルに基づいて混載運送を計算することは、当該技術分野においてよく知られている(例えば、J.Ferrerら;「BIN-CT: コンテナ充填レベルの予測に基づく都市廃棄物収集(BIN-CT:Urban waste collection based on predicting the container fill level)」;BioSystems;186巻;2019;103962を参照)。
【0081】
要約すると、決定された充填レベルは、センサ装置によって収集されたさらなるセンサデータ及びコンテナのデジタル表現と共に、効率的かつ信頼性の高い方法でコンテナのライフサイクルを管理するために使用されることができる。この方法は、サプライヤーが顧客の在庫及び需要データにアクセスできるため、サプライチェーンのパフォーマンスを向上させる物流手段であるベンダー管理在庫(VMI)(サプライヤー管理在庫又はサプライヤー管理在庫(SMI)としても知られている)に使用されることができる。
【0082】
本発明コンテナの実施形態:
一態様では、コンテナは、センサ装置、特に、コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成し、検出し、任意に処理するためのセンサ装置を備える。センサ装置は、好ましくは、本発明の方法に関連して説明したセンサ装置である。
【0083】
本発明のシステムの実施形態:
本明細書で説明されるセンサ装置は、クライアントによってアクセスされ得る、遠隔に位置するサーバなどのさらなるコンピューティングデバイスと通信可能に連結されることができる、モノのインターネット(IoT)デバイスの一種と考えることができる。したがって、本発明のシステムは、以下の図9に関連して説明するように、コンテナ管理ネットワークとして作動されることができる。
【0084】
一態様では、コンピュータプロセッサ(CP)はサーバ、特にクラウドサーバに配置される。この場合、コンテナ内の液体の充填レベルは、センサ装置によって生成され、充填レベルを示すオーディオ信号に基づいて、サーバに配置されたコンピュータプロセッサによって決定される。
【0085】
別の態様では、コンピュータプロセッサ(CP)はセンサ装置のプロセッサに対応する。この場合、コンテナ内の液体の充填レベルは、センサ装置によって生成され、充填レベルを示すオーディオ信号に基づいて、センサ装置のコンピュータプロセッサによって決定される。
【0086】
ある態様では、センサ装置はコンテナに恒久的に取り付けられるか、又は取り外し可能であり、特に取り外し可能である。センサ装置の取り外し可能な構成は、前述したようにコンテナの再認証を防止し、したがって、既に認証されている既存のコンテナへの大規模な認証プロセスを必要とせずに、センサ装置を取り付けることを可能にする。さらに、取り外し可能な構成により、洗浄プロセスの前にセンサ装置を容易に取り外すことができ、その結果、洗浄中の装置の破壊を防ぐことができる。
【0087】
センサ装置は、バーによってコンテナの外側に物理的に連結されることができる。このバーは、例えば、コンテナを囲むフレームにバーをクランプすることによって、コンテナに取り外し可能に取り付けることができる。これにより、再認証の原因となるコンテナの恒久的な改造が回避し、バー及び任意に取り付けられたセンサ装置を有する各コンテナを再認証することなく、センサ装置を既存のコンテナと組み合わせて使用することができる。
【0088】
バーは、通信インターフェースを介してコンテナのデジタル表現又はコンテナのデジタル表現に関連する情報を、コンピュータプロセッサ(CP)に提供するように構成された識別タグ、好ましくはRFIDタグ、特にパッシブNFCタグを備えていてよい。バーにセンサ装置を取り付けたときに、センサ装置は、タグ上に保存されたコンテナのデジタル表現又はタグ上に保存されたコンテナのデジタル表現に関連する情報を取得するためのカップリングプロシージャを開始することができる。
【0089】
クライアント装置の実施形態:
サーバ装置は、少なくとも1つのデータ駆動モデルを含む少なくとも1つのデータ記憶媒体を含むことができ、前記モデルは、コンテナ内の液体の充填レベルを決定するために使用される。
【0090】
さらなる実施形態又は態様は、以下の番号付きの項に記載されている:
【0091】
1.コンテナ内の液体の充填レベルを決定する方法であって、前記方法は以下のステップ:
(i) センサ装置をコンテナに取り付けるステップと;
(ii) 通信インターフェースを介してコンピュータプロセッサにコンテナのデジタル表現を提供するステップと;
(iii) 前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成するために、センサ装置によってコンテナを音響的に刺激するステップと;
(iv) 前記生成されたオーディオ信号を検出し、任意に検出されたオーディオ信号を処理するステップと;
(v) 前記通信インターフェースを介して、前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す検出又は処理されたオーディオ信号をコンピュータプロセッサに提供するステップと;
(vi) 前記通信インターフェースを介して、過去のオーディオ信号、過去のコンテナ内の液体の充填レベル、及び過去のコンテナのデジタル表現でパラメータ化された少なくとも1つのデータ駆動モデルを、コンピュータプロセッサに提供するステップと;
(vii) 前記コンピュータプロセッサを使用して、前記提供されたコンテナのデジタル表現、前記提供されたオーディオ信号、及び前記提供されたデータ駆動モデルに基づいて、前記コンテナ内の液体の充填レベルを決定するステップと;
(viii) 前記通信インターフェースを介して、前記決定されたコンテナ内の液体の充填レベルを提供するステップと、
を含む、方法。
【0092】
2.前記液体が化学組成物、特に液体コーティング組成物又は液体コーティング組成物の成分である、項1に記載の方法。
【0093】
3.前記コンテナは、プラスチック、ガラス、又は金属のコンテナ、好ましくはプラスチックインライナーを任意に含む金属の中間バルクコンテナ(IBC)、特に単壁のステンレス製又はアルミニウム製の中間バルクコンテナ(IBC)である、項1又は項2に記載の方法。
【0094】
4.前記コンテナ内の液体の充填レベルは、コンテナが空であること、又はコンテナが空ではないことに対応する分類子である、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0095】
5.前記センサ装置は前記コンテナの外側に恒久的又は取り外し可能に物理的に連結され、特に前記コンテナの外側に取り外し可能に物理的に連結される、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0096】
6.前記コンテナのデジタル表現は、コンテナのサイズに関するデータ、特にコンテナの充填量に関するデータ、コンテナの内容物に関するデータ、初期充填レベルに関するデータ、充填日、コンテナの位置に関するデータ、コンテナの使用年数に関するデータ、コンテナの使用サイクルに関するデータ、コンテナのメンテナンスインターバルに関するデータ、コンテナの最大寿命時間に関するデータ、コンテナの内容物の有効期限、及びそれらの任意の組み合わせを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0097】
7.前記コンテナの位置に関するデータは、無線通信インターフェース、特にWiFiを介して、及び/又は衛星ベースの測位システム、特にグローバルナビゲーション衛星システムを介して、センサ装置によって前記コンテナの位置を特定することによって得られる、項6に記載の方法。
【0098】
8.前記コンテナのデジタル表現を提供するステップは:
- 前記コンテナに識別タグを取り付けるステップと、
- 前記取り付けられたタグに保存されたコンテナのデジタル表現を取得するか、又は前記取り付けられたタグに保存された情報に基づいてコンテナのデジタル表現を取得する、ステップと、
- 前記取得されたコンテナのデジタル表現を、前記通信インターフェースを介して前記コンピュータプロセッサに提供するステップと、
を含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0099】
9.前記識別タグは前記コンテナに恒久的に取り付けられるか、又は取り外し可能である、項7に記載の方法。
【0100】
10.前記識別タグはRFIDタグ、好ましくはNFCタグ、特にパッシブNFCタグである、項7又は8に記載の方法。
【0101】
11.前記識別タグに保存された前記コンテナのデジタル表現は、前記センサ装置によって取得される、項7~9のいずれか1項に記載の方法。
【0102】
12.前記取り付けられたタグに記憶された情報に基づいて前記コンテナのデジタル表現を取得することは、前記センサ装置によって前記取り付けられたタグに記憶された情報を取得することと、前記取り付けられたタグに記憶された情報に基づいてデータ記憶媒体から、特にデータベースから前記コンテナのデジタル表現を取得することとしてさらに定義される、項7~10のいずれか1項に記載の方法。
【0103】
13.前記得られたデジタル表現は、前記通信インターフェースを介して前記コンピュータプロセッサに前記デジタル表現を提供する前に、データ記憶媒体、特に前記センサ装置に存在するデータ記憶媒体に保存される、項7~11のいずれか1項に記載の方法。
【0104】
14.前記センサ装置は、アクチュエータ、少なくとも1つのマイクロホン、コンピュータプロセッサ、特にマイクロプロセッサ、データ記憶媒体、前記コンテナ内の液体の充填レベル以外の前記コンテナの少なくとも1つの特性を検出する少なくとも1つのさらなるセンサ、及び少なくとも1つの電源を備える、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0105】
15.前記アクチュエータは、ソレノイド又は振動発生器であり、特に振動発生器である、項14に記載の方法。
【0106】
16.前記少なくとも1つのマイクロホンは、静電容量型マイクロホン又は微小電気機械システム(MEMS)マイクロホンであり、特に微小電気機械システム(MEMS)マイクロホンである、項14又は15に記載の方法。
【0107】
17.前記少なくとも1つのさらなるセンサは、気候センサ、動きセンサ、周囲光センサ、位置センサ、電源レベルを検出するセンサ、又はそれらの組み合わせである、項14~16のいずれか1項に記載の方法。
【0108】
18.前記コンテナを音響的に刺激して、前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成することは、前記センサ装置のアクチュエータによって前記コンテナの外壁をビーティングさせて、前記少なくとも1つのオーディオ信号を誘導することを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0109】
19.ビーティングは、3.4ニュートンメートルまで、好ましくは0.3~0.7ニュートンメートル、特に0.5ニュートンメートルのエネルギーで行われる、項18に記載の方法。
【0110】
20.前記少なくとも1つの生成されたオーディオ信号は、前記センサ装置の少なくとも1つのマイクロホンで検出される、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0111】
21.前記オーディオ信号は、前記センサ装置による前記コンテナの音響刺激の0.1~1秒後、特に0.3~0.5秒後に検出される、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0112】
22.前記オーディオ信号は、前記センサ装置による前記コンテナの音響刺激後、2秒までの間、特に1.6秒までの間検出される、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0113】
23.ステップ(iii)は、前記コンテナの音響刺激の前又後に、前記センサ装置の少なくとも1つのセンサを用いて、充填レベル以外の前記コンテナの少なくとも1つのさらなる特性、特に前記コンテナの位置及び/又は温度及び/又は前記センサ装置のバッテリレベルを検出することをさらに含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0114】
24.前記検出されたオーディオ信号を処理することは、前記コンテナの音響刺激の結果として、前記センサ装置の少なくとも1つのマイクロホンによって検出された前記オーディオ信号を、コンピュータプロセッサで、デジタルサンプリングすることを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0115】
25.デジタルサンプリングは、パルス符号変調(PCM)又はパルス密度変調(PDM)を用いて行われる、項23に記載の方法。
【0116】
26.前記オーディオサンプルは、前記コンピュータプロセッサによって、任意で、前記オーディオサンプルを整列し、前記検出された又は整列されたオーディオサンプルのフーリエスペクトルを計算し、任意で、前記計算されたフーリエスペクトルから少なくとも1つの予め定義された特徴を抽出し、任意で、前記抽出された特徴を組み合わせることによって、さらに処理される、項23又は24に記載の方法。
【0117】
27.前記オーディオサンプルの整列は、特に閾値アルゴリズムによって、前記アクチュエータによって前記コンテナの外側をビーティングさせることから生じる前記コンテナの音響刺激のオンセットを検出することを含む、項26に記載の方法。
【0118】
28.前記フーリエスペクトルは短時間フーリエ変換を使用して計算される、項26又は27に記載の方法。
【0119】
29.前記短時間フーリエ変換の結果得られる複素数マトリックスに含まれる複素数の大きさrが計算される、項28に記載の方法。
【0120】
30.前記予め定義された特徴は、エネルギーが最も高い周波数、(正規化された)平均周波数、(正規化された)中央周波数、周波数分布の標準偏差、周波数分布の歪み、異なるL空間における平均周波数又は中央周波数からの周波数分布の偏差、スペクトル平坦度、(正規化された)二乗平均平方根、充填レベル固有のオーディオ係数、yinアルゴリズムによって計算された基本周波数、2つの連続するフレーム間の(正規化された)スペクトルフラックス、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、項26~29のいずれか1項に記載の方法。
【0121】
31.充填レベル固有のオーディオ係数は次のステップ:
- 充填レベル及びコンテナ固有の周波数を他の周波数よりも高く重み付けする関数によって、スペクトログラムの振幅をスケーリングするステップであって、このような関数は、シミュレーション又は実験によって得ることができる、ステップと、
- 前記スケーリングされた振幅から対数パワースペクトルを計算するステップと、
- 前記対数パワースペクトルの離散コサイン変換を計算し、前記離散コサイン変換の振幅を充填レベル固有のオーディオ係数として使用するステップ、
によって得られる、項30に記載の方法。
【0122】
32.前記抽出された予め定義された特徴を組み合わせることは、アルゴリズムによって、特に主成分分析(PCA)によって、前記抽出された予め定義された特徴の次元を減らすことを含む、項26~31のいずれか1項に記載の方法。
【0123】
33.前記検出されたオーディオ信号の処理が、前記センサ装置のコンピュータプロセッサを使用して実行される、項23~32のいずれか1項に記載の方法。
【0124】
34.前記検出されたオーディオ信号の処理が、前記センサ装置のコンピュータプロセッサとは異なるコンピュータプロセッサを使用して実行される、項23~33のいずれか1項に記載の方法。
【0125】
35.ステップ(iv)は、前記検出又は処理されたオーディオ信号を前記通信インターフェースを介して前記コンピュータプロセッサに提供する前に、前記検出又は処理されたオーディオ信号をデータ記憶媒体に保存することをさらに含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0126】
36.ステップ(iv)は、充填レベル以外の前記コンテナの検出された少なくとも1つのさらなる特性、特に前記コンテナの位置及び/又は温度及び/又はセンサ装置のバッテリレベルを、前記通信インターフェースを介して前記コンピュータプロセッサに提供することをさらに含む、項23~35のいずれか1項に記載の方法。
【0127】
37.ステップ(iii)及び(iv)は少なくとも1回、好ましくは2~10回、特に5回繰り返される、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0128】
38.ステップ(vi)は、前記通信インターフェースを介して少なくとも2つのデータ駆動モデルを前記コンピュータプロセッサに提供することを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0129】
39.ステップ(vi)は、前記提供されたコンテナのデジタル表現に基づいて、特に提供された前記コンテナの充填量に基づいて、前記提供されたデータ駆動モデルから、データ駆動モデルを、前記コンピュータプロセッサを使用して選択することを含む、項38に記載の方法。
【0130】
40.各データ駆動モデルは、トレーニングされた機械学習アルゴリズムから導出される、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0131】
41.前記機械学習アルゴリズムは、前記機械学習アルゴリズムの内部構造を定義するために入力及び出力を選択し、前記機械学習アルゴリズムをトレーニングするために入力及び出力のデータサンプルのコレクションを適用し、既知の充填レベルの入力データサンプルを適用して生成された出力値を期待される出力値と比較することによって前記機械学習アルゴリズムの精度を検証し、受信した出力値が前記既知の充填レベルに対応しない場合に最適化アルゴリズムを使用して前記機械学習アルゴリズムのパラメータを修正することによってトレーニングされる、項40に記載の方法。
【0132】
42.前記機械学習アルゴリズムは、(i)長・短期記憶(LSTM)アルゴリズム、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)アルゴリズム又はパーセプトロンアルゴリズムなどのディープラーニングアルゴリズム、(ii)サポートベクターマシン(SVM)などのインスタンスベースアルゴリズム、(iii)線形回帰アルゴリズムなどの回帰アルゴリズム、又は(iv)勾配ブースティングマシン(GBM)、勾配ブースティング回帰ツリー(GBRT)、ランダムフォレスト、又はそれらの組み合わせなどのアンサンブルアルゴリズムであって、特にアンサンブルアルゴリズムである、項40又は41に記載の方法。
【0133】
43.前記検出された充填レベル以外のコンテナの少なくとも1つのさらなる特性、特に前記コンテナの位置及び/又は温度が、前記コンテナ内の液体の充填レベルを決定するために使用される、項23~42のいずれか1項に記載の方法。
【0134】
44.前記コンテナ内の液体の充填レベルは、前記センサ装置のコンピュータプロセッサによってステップ(vii)で決定される、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0135】
45.前記コンテナ内の液体の充填レベルは、前記センサ装置のコンピュータプロセッサとは異なるコンピュータプロセッサによってステップ(vii)で決定される、項1~44のいずれか1項に記載の方法。
【0136】
46.前記検出又は処理されたオーディオ信号及び前記コンテナのデジタル表現は、ステップ(vii)で実行される決定の前に、無線通信ワイドエリアネットワークプロトコル、特に低電力ワイドエリアネットワークプロトコルを介して、前記コンピュータプロセッサに提供される、項45に記載の方法。
【0137】
47.前記通信インターフェースを介して前記コンテナ内の液体の決定された充填レベルを提供するステップは、前記通信インターフェースを介して前記コンテナ内の液体の決定された充填レベルを提供する前に、前記決定された充填レベルを、それぞれがコンテナ内の液体の充填レベルを示す数値変数又は記述的出力に変換することを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0138】
48.前記通信インターフェースを介して前記コンテナ内の液体の決定された充填レベルを提供することは、ディスプレイ装置の画面上に前記コンテナの液体の決定された充填レベルを表示することを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0139】
49.前記通信インターフェースを介して前記コンテナ内の液体の決定された充填レベルを提供することは、前記提供されたコンテナ内の液体の充填レベルをデータ記憶媒体、特にデータベースに保存することを含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0140】
50.ステップ(iii)、(iv)、(v)、(vii)及び任意にステップ(viii)を繰り返すことをさらに含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0141】
51.前記提供されたコンテナ内の液体の充填レベル及び前記提供されたデジタル表現に基づいて、前記コンテナに対してとるべきアクションを決定し、任意に、前記決定されたアクションをとることを制御するステップをさらに含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0142】
52.前記アクションは、コンテナの輸送、清掃、空にすること、充填、移動、廃棄又はメンテナンスのスケジュール設定、新しいコンテナの注文、前記コンテナの位置の変更、前記センサ装置の電力を上げること、電力を下げること、又は動作の調整、アラームの作動、その他のアクション、又はそれらの組み合わせから選択される、項51に記載の方法。
【0143】
53.前記提供されたコンテナ内の液体の充填レベル及び前記提供されたコンテナのデジタル表現に基づいて、最適化されたメンテナンスインターバルをコンピュータプロセッサで決定することをさらに含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0144】
54.前記提供されたコンテナ内の液体の充填レベル及び前記提供されたコンテナのデジタル表現に基づいて、空のコンテナの混載輸送をコンピュータプロセッサで決定するステップをさらに含む、先行する項のいずれか1項に記載の方法。
【0145】
55. コンテナ内の液体の充填レベルを決定するためのシステムであって、前記システムは:
- コンテナと;
- 前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成、検出、任意に処理するためのセンサ装置と;
- 過去のオーディオ信号、過去のコンテナ内の液体の充填レベル、及び過去のコンテナのデジタル表現でパラメータ化された少なくとも1つのデータ駆動モデルを保存するデータ記憶媒体と;
- 前記コンテナのデジタル表現、前記検出又は処理されたオーディオ信号、及び少なくとも1つのデータ駆動モデルを、コンピュータプロセッサに提供するための通信インターフェースと;
- 前記通信インターフェース及び前記データ記憶媒体と通信するコンピュータプロセッサ(CP)であって、
a. 前記通信インターフェースを介して、前記コンテナのデジタル表現、前記検出又は処理されたオーディオ信号、及び前記少なくとも1つのデータ駆動モデルを受信し;
b. 任意で、受信された、検出されたオーディオ信号を処理し;
c. 前記受信されたコンテナのデジタル表現、受信された検出又は処理されたオーディオ信号及び前記受信されたデータ駆動モデルに基づいて、前記コンテナ内の液体の充填レベルを決定し、及び、
d. 前記通信インターフェースを介して、前記決定されたコンテナ内の液体の充填レベルを提供する、
ようにプログラムされたコンピュータプロセッサ(CP)と、
を備えるシステム。
【0146】
56.前記コンピュータプロセッサ(CP)はサーバ、特にクラウドサーバに配置される、項55に記載のシステム。
【0147】
57.前記コンピュータプロセッサ(CP)は前記センサ装置のプロセッサに対応する、項56に記載のシステム。
【0148】
58.前記センサ装置は前記コンテナに恒久的に取り付けられるか、又は取り外し可能であり、特に取り外し可能である、項55~57のいずれか1項に記載のシステム。
【0149】
59.前記センサ装置は、バーによって前記コンテナの外側に物理的に連結される、項55~58のいずれか1項に記載のシステム。
【0150】
60.前記バーは、前記コンテナに取り外し可能に取り付けられる、項59に記載のシステム。
【0151】
61.前記バーは、前記通信インターフェースを介して前記コンテナのデジタル表現又は前記コンテナのデジタル表現に関連する情報を、前記コンピュータプロセッサ(CP)に提供するように構成された、識別タグ、好ましくはRFIDタグ、特にパッシブNFCタグを備える、項59又は60に記載のシステム。
【0152】
62.
- コンテナのメンテナンスインターバルを最適化し、及び/又は
- 空のコンテナ及び/又は満杯コンテナの輸送を統合することにより、循環コンテナの総量を削減し、及び/又は
- 製品サイクルを短縮し、及び/又は
- 新しいコンテナを注文し、及び/又は
- 古いコンテナの使用を停止する、
項1~54のいずれか1項に記載の方法の使用。
【0153】
63.液体の充填レベルが、項1~54のいずれか1項に記載の方法より決定される、液体の充填レベルを含むコンテナ。
【0154】
64.サーバ装置でのコンテナ内の液体の充填レベルの決定を開始する要求を生成するためのクライアント装置であって、前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す検出又は処理されたオーディオ信号及び前記コンテナのデジタル表現を、サーバ装置に提供するように構成されている、クライアント装置。
【0155】
65.サーバ装置でのコンテナ内の液体の充填レベルの決定を開始する要求を生成するためのクライアント装置であって、前記クライアント装置は、センサ装置によって前記コンテナの音響刺激を開始するように構成され、前記センサ装置は、前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す検出又は処理されたオーディオ信号及び前記コンテナのデジタル表現を、前記サーバ装置に提供するように構成されている、クライアント装置。
【0156】
66.前記サーバ装置は、少なくとも1つのデータ駆動モデルを含む少なくとも1つのデータ記憶媒体を備え、前記モデルは、前記コンテナ内の液体の充填レベルを決定するために使用される、項64又は65に記載のクライアント装置。
【図面の簡単な説明】
【0157】
本発明のこれらの特徴及び他の特徴は、本発明の例示的な実施形態に関する以下の説明においてより完全に説明される。任意の特定の要素又は動作の議論を容易に識別するために、参照番号の最上位桁又は数字は、その要素が最初に導入される図番号を指す。この説明は、添付図面を参照して提示される:
図1】本明細書に記載の方法の実施形態による、コンテナのライフサイクルの複数の定義された状態の一例を示す状態図である。
図2】本明細書に記載の方法とシステムの実施形態による、例示的なセンサ装置の分解図である。
図3】本明細書に記載の方法及びシステムの実施形態による、センサ装置の異なるモードを実施する方法の一例を示すフローチャートである。
図4a】本明細書に記載の方法及びシステムの実施形態による、センサ装置をコンテナに物理的に連結するための取付手段を含むコンテナの一例を示す図である。
図4b】本明細書に記載の方法及びシステムの実施形態による、コンテナとセンサ装置の物理的な連結の一例を示す図である。
図5図5aおよびbは、本明細書に記載の本発明による、コンテナ内の充填レベルを決定するための方法のブロック図である。
図6】本明細書に記載の本発明の好ましい実施形態のブロック図である。
図7】本開示による機械学習アルゴリズム決定方法の例示的実施形態のプロセス図である。
図8】本明細書に記載の本発明によるシステムの一例である。
図9】本明細書に記載のシステムの実施形態による、コンテナを遠隔監視及び管理するシステムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0158】
詳細な説明
以下に述べる詳細な説明は、本主題の様々な態様の説明として意図したものであり、本主題が実施され得る唯一の構成を表すことを意図したものではない。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、詳細な説明の一部を構成する。詳細な説明は、本主題を完全に理解させることを目的として具体的な詳細を含む。しかしながら、本主題は、これらの具体的な詳細がなくても実施され得ることは当業者には明らかであろう。
【0159】
図1は、本明細書に記載の方法及びシステムの実施形態による、コンテナ製造者、OEM(すなわち、コンテナに含まれる商品を販売する企業)、及び顧客(すなわち、コンテナに含まれる商品を消費する企業)が関与するコンテナライフサイクルの一例を示す状態図である。状態102、106、108、110、112、114、118及び120は、本明細書ではアクティブ状態と呼ばれ、状態116は、本明細書ではパッシブ状態と呼ばれる。図1の状態間の各矢印線は状態移行を示し、矢印の方向は移行の方向を示す。コンテナ又は複数のコンテナの好ましいライフサイクルは、コンテナ又はコンテナ群のライフサイクルを管理する際に消費されるリソース(例えば、コンピューティング、ネットワーキング及び/又はストレージリソース)の量を削減するために、OEM及び顧客のみが関与する。
【0160】
アイドル状態104では、コンテナは、例えば、製造、準備、洗浄、充填、輸送、空、又は廃棄など、取り扱われない。したがって、アイドル状態104では、センサデータの取得を要求しないか、又は予め定義されたタイムスロットで選択されたセンサデータの取得を要求するだけである。センサ装置の電力消費を最小限に抑えるために、前記装置は、コンテナのアイドル状態104においてスリープモードに移行してよく、コンテナのアクティブ状態への通過時にアクティブ化されてよい(すなわち、アクティブモードに移行するように構成されてよい)。「スリープモード」は、センサ装置がセンサデータを取得しない、データを送信しない、又はデータを計算しない間の、センサ装置の動作モードを指し得る。対照的に、「アクティブモード」は、センサ装置がセンサデータを取得する間のセンサ装置の動作モードを指し得る。アクティブモードからスリープモードへのセンサ装置の移行は、以下のような様々な予め定義された条件:さらなる装置、ネットワーク(例えばコンテナ管理ネットワーク)、又はデータベースから通信インターフェースを介して受信された指示又はデータ;いかなるアクティブも行われなく(例えば、センサ装置によって取得されたデータに変化がない)、又は1つ以上の予め定義された特性(例えば、位置、移動/振動、充填レベル)に変化がないまま、所定時間の経過を決定すること;日の予め定義された時間(例えば、x時間の動作後)及び/又は週の曜日(例えば、週末)、月又は年(例えば、休日)を決定すること、などに応じて発生する可能性がある。スリープモードへの移行は、センサ装置をウェイクアップするのに必要でないセンサ装置のすべてのコンポーネントをオフにすることによって実行されることができる。ウェイクアップに必要なコンポーネントには、コンピュータプロセッサ、選択されたさらなるセンサ(例えば、動きセンサ)、及びタイマーコンポーネントが含まれ得る。商用通信ネットワーク(例えば、携帯電話ネットワーク)が使用されている場合、商用(例えば、携帯電話)料金の量は、センサ装置の通信インターフェースをオフにする結果、通信サービスの使用を減らすことにより、削減することができる。保存/節約される電力及び/又は料金の量は、最新のコンテナ状態情報を得たいという希望又は必要性とのバランスをとる必要がある。スリープモードからアクティブモードへのセンサ装置の移行は、ウェイクアップタイマー又は動き割り込みの設定などの、様々な予め定義されたルーチンに応答して発生する可能性がある。ウェイクアップタイマーは、予め定義された時間が経過した後にセンサ装置のコンピュータプロセッサに割り込むようにタイマーコンポーネントを構成することによって設定されることができる。タイマーコンポーネントは、予め定義された構成を有していてよく、又はコンテナ管理ネットワークなどのネットワーク又はデータベースからのデータに基づいて通信インターフェースを介して構成されてよい。動き割り込みは、例えば、企業内又は他の企業へのコンテナの輸送中に、動きを検出したことに応答してコンピュータプロセッサに割り込むように、動きセンサに設定されてよい。
【0161】
コンテナ製造状態102では、コンテナ製造者がコンテナを製造(例えば生産)する。コンテナ準備状態106では、コンテナ製造者は、使用済みコンテナ、例えば状態122で顧客からコンテナ製造者に輸送された空のコンテナの準備(例えば、修理、洗浄、及び/又は試験)を行う。コンテナ製造状態102又はコンテナ準備状態106の後、コンテナは準備状態108の前にアイドル状態104に移行することができる。準備状態108では、OEMがコンテナを準備し、これにはコンテナの修理、洗浄、及び/又は試験が含まれ得る。一例として、センサ装置のコンテナへの物理的な連結は、状態102又は106の間に、例えば図4a及び図4bに関連して説明したように、実行され得る。好ましくは、センサ装置の連結は、準備状態106の前か、又は準備状態106の直後か、又はコンテナ製造状態102中のいずれかで行われる。コンテナ製造状態102におけるセンサ装置の取り付けは、センサ装置を使用して、例えば、必要な品質を有する過去のコンテナのオーディオ信号から、製造されたコンテナのオーディオ信号の逸脱を検出するために、例えば開示された方法のステップ(iii)~(viii)を実行ことにより、及び、空のコンテナでトレーニングさせたデータ駆動モデルを使用することにより品質管理測定を実行することができる。これにより、人手を介することなく、また高価なX線検査を行うことなく、製造プロセス中にコンテナが破損したかどうかを容易に判断することができる。
【0162】
準備状態106の前にセンサ装置を取り付けることは、センサ装置が準備状態106で実行される動作によって損傷しない場合に好ましく、例えば、温度及び洗浄期間を監視することによって、準備プロセスを監視し、任意に制御するために、使用されることができる。記録されたデータに基づいて、洗浄の品質が導出され得るか、又はセンサ装置が、特定の閾値、例えば特定の予め定義された温度の閾値に達した場合に、通知及び/又はアラームを提供するか、又は洗浄プロセスを停止するように構成され得る。OEMによって実行される準備状態108が強力な洗浄剤の使用を必要とする場合、センサ装置は準備状態108を実行する前に取り外され、準備状態108が完了した後に再び取り付けられてよい。別の例では、コンテナへのセンサ装置の物理的な連結は状態108の間に行われ得る。これは、コンテナ製造状態102又はコンテナ準備状態106の間にコンテナがセンサ装置を備えていない場合に好ましい。準備状態108の後、コンテナは、コンテナ充填状態110に入る前にアイドル状態104に移行してよい。
【0163】
コンテナ充填状態110では、OEMはコンテナに液体内容物、例えば前述の液体コーティング組成物を充填する。センサ装置は、位置の変化に基づいて、又は指示を受信することによって、移行を決定することができる。位置の変化は、他で説明したようにセンサ装置によって決定されてもよく、さらに使用するために、通信インターフェースを介して、コンテナ管理ネットワークなどのネットワーク、又はデータベースに提供されてよい。指示は、センサ装置と接続されたコンテナ管理ネットワークなどのネットワークを介して、ユーザから受信されてよい。一例では、センサ装置は、例えば、コンテナ充填状態110の間に、コンテナの製品識別子、センサ装置自体の識別子、コンテナが充填されている内容物に関する情報、前述のいずれかの製品仕様、意図する顧客の住所又は他の位置ID、他の情報、又は前述のいずれかの適切な組み合わせを保存するように構成されてよい。このような情報は、センサ装置の不揮発性メモリに保存することができ、このような情報の一部は、通信インターフェースを介して取得されることができる。別の例では、先に述べた情報をコンテナIDと関連付け、データベースに保存し、先に開示したようにコンテナIDの検出時にセンサ装置によって取得されることができる。これにより、センサ装置の内部データストレージの容量を削減することができ、センサ装置のコストを削減することができる。さらに、センサ装置に更新情報を提供する必要がないため、情報の更新をより容易に行うことができる。
【0164】
コンテナ充填状態110の後、コンテナは、顧客に輸送される前にアイドル状態104に移行する可能性がある。顧客への輸送状態112では、コンテナはOEMから顧客施設(顧客に代わって施設を含む)に輸送される。センサ装置は、コンテナ充填状態110に関する位置の変化を決定することに応答して、アイドル状態104のスリープモードから、顧客への輸送状態112の間にアクティブモードに移行するように構成され得る。コンテナ充填状態110に関する位置の変化は、例えば、GPS位置の変化又は1つ以上のWi-Fiネットワーク間の移行を検出することによって、本明細書の他の箇所に記載されているネットワーキング技術を使用して決定されることができる。例えば、センサ装置は、充填位置のWi-FiネットワークID及び/又はGPS位置を記録することができ、センサ装置のコンピュータプロセッサは、現在の位置に関するこれらのパラメータのうちの1つの決定された値が記録された値と一致しなくなったときを決定することができる。センサ装置は、顧客への輸送中にスリープモードとアクティブモードとの間を繰り返すように構成されてよい。エネルギーを節約するために、センサ装置は、スリープモードで費やされる時間に対して非常にわずかな割合の時間だけ、顧客への輸送状態112中にアクティブモードに留まることができる。顧客への輸送状態112の間、センサ装置のさらなるセンサから検出された情報は、コンテナ又はコンテナ内の液体の品質に損傷又は他の劣化があったかどうかを決定するために分析され得る。例えば、動きセンサによって検出された動きに応答して、センサ装置がスリープから解除されることができる。検出された動きの程度により、輸送中にコンテナ又は内容物に損傷が生じたかどうかを導き出すことができる。収集され分析され得る他のセンサデータには、気温、湿度、圧力が含まれる。これらのデータは、「使用期限」又は「消費期限」、有効期限などを推定するために使用されることができる。これと同じ分析は、コンテナが他の状態、例えばコンテナ充填状態108及びコンテナ内容物の消費状態114にある間にも実施されることができる。
【0165】
顧客への輸送状態112の後、コンテナは、顧客に使用される前、すなわち、顧客によってコンテナから液体が取り出される前に、アイドル状態104に移行することができる。コンテナ内容物の消費状態114では、コンテナの内容物は、例えば、1回以上の繰り返しで顧客によって消費される。この間、コンテナ内の液体の充填レベルは、そこに記載されている方法及びシステムを使用して監視される。充填レベル決定の起動は、コンテナが顧客のサイトに到着したことを決定することに応答して行われてよく、この決定は、顧客のサイトについて予め定義されたパラメータを使用して、前述したネットワーキング技術の1つ以上を使用して決定されてよい。コンテナの内容物の消費状態114では、コンテナの内容物は、一度にすべて消費される(すなわち、空になる)こともあり、又は時間をかけて何度も繰り返して消費されることもある。一度に空にすること、及び空にすることの各反復を、本明細書では「空にするイベント」と呼ぶことがある。空にするイベントは、多くの場合、定義された位置へのコンテナの動き、チューブ、パイプ、ポンプなどへのコネクタの連結/連結解除(例えば、ねじ込み/ねじ外し)、及び空にする間の振動(例えば、液体の均質な組成を確保するために、空にする前/空にする間に攪拌装置を使用することによる)を含む。センサ装置は、バックグラウンドノイズの程度が低減されるように、空になるイベントの前後に充填レベルの決定を開始するように構成されてもよく、その結果、充填レベルの決定の精度が向上する。センサ装置は、コンテナ管理ネットワークなどのネットワークから通信インターフェースを介して空にするイベントに関する情報を得ることができ、これは、計画された空にするイベントに関するデータ又は発生した空にするイベントに関するデータをセンサ装置に転送するか、又は前述のように位置の変化を検出することによって転送することができる。コンテナ内容物の消費状態114は、コンテナがOEMに戻る輸送状態118でOEMに輸送されるか、顧客によって廃棄されるか(すなわち、エンドオブライフ(EOL)状態116になる)、又はコンテナ製造者に戻る輸送状態120でコンテナ製造者に輸送される前に、アイドル状態104に移行する可能性がある。
【0166】
OEMに戻る輸送状態118では、コンテナはOEMに戻って輸送され、コンテナ準備状態108の前にアイドル状態104に移行する。コンテナ製造者に戻る輸送状態120では、コンテナはコンテナ製造者に輸送し戻され、コンテナ準備状態106の前にアイドル状態104に移行することがある。センサ装置は、前述したように、顧客サイトに関する位置の変化を決定することに応答して、OEMに戻る輸送状態118又はコンテナ製造者に戻る輸送120の中に、アイドル状態104のスリープモードからスリープモードとアクティブモードとの間のサイクルに移行するように構成されてよい。
【0167】
アクティブ状態の間にセンサ装置によって取得されたデータは、コンテナ管理ネットワーク内で使用され、コンテナのライフサイクル内のコンテナのアイドル状態104を大幅に削減することができ、これは、取得されたデータは、ライフサイクルの次の状態をスケジュールするため、又は次の段階にほぼ到達する時点を予測するために使用されることができ、したがって、コンテナのライフサイクルを最適化し、したがって、コンテナのアイドル状態104に関連するコストを削減することができるからである。
【0168】
図2は、ハウジング202と、センサ装置200のハウジング202を覆うカバー216とを備える、例示的なセンサ装置200の分解図である。ハウジング202は、前述したMEMSマイクロホンなどのマイクロホン204と、NFCリーダボード206を備える。センサ装置200のNFCリーダボード206は、図4a及び図4bに関連して説明したように、コンテナのフレームに取り付けられたバー上に存在するNFCタグなどの識別タグ上に保存されたコンテナIDなどの情報を取得するために使用される。
【0169】
センサ装置200は、プリント回路基板(PCB)などのメインボード208をさらに備える。メインボード208は、マイクロプロセッサなどのコンピュータプロセッサと、通信モジュールと、加速度計、ジャイロスコープ、及び任意で地磁気計と気候センサの組み合わせを使用して、センサ装置の特定の力、角速度、及び向きを決定するための慣性測定ユニット(IMU)などのセンサと、ランダムアクセスメモリ及び/又は不揮発性メモリ(例えばフラッシュ)などのメモリと、任意でタイマーコンポーネント及び/又はトラステッドプラットフォームモジュール(TPM)とを備える。
【0170】
プロセッサは、ARM CPU又は他のタイプのCPUであってよく、本明細書で説明するセンサ装置に存在する他のコンポーネントに必要な処理能力及びインターフェース、ならびにタイマーコンポーネント及びIMUによって割り込まれる能力のうちの1つ以上で構成されてよい。この目的のために、センサ装置200のコンポーネントは、メインボード208上に存在するプロセッサとデジタル及び/又はアナログインターフェースを介して接続される。一例では、センサ装置200のマイクロプロセッサは、アクチュエータ214によるコンテナの音響刺激後に、マイクロホン204及び/又は212によって検出されたオーディオ信号を処理するために使用される。別の例では、処理は、センサ装置200(図示せず)の内部に存在しないさらなるプロセッサで行われ、検出されたオーディオ信号は、センサ装置200のメインボード208に存在する通信モジュールのいずれか1つを使用して、通信インターフェースを介してさらなるプロセッサに提供される。さらなるプロセッサは、サーバなどの処理装置内に存在してよく、図8及び図9に関連して説明したようなコンテナ管理ネットワークなどのクラウドコンピューティング環境内に存在してよい。「クラウドコンピューティング環境」とは、ユーザによる直接的なアクティブ管理なしに、コンピュータシステムリソース、特にデータストレージ(クラウドストレージ)及びコンピューティングパワーをオンデマンドで利用できることを指し得、以下のサービスモジュール:サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、サービスとしてのモバイル「バックエンド」(MBaaS)、及びサービスとしての機能(FaaS)の少なくとも1つを含み得る。コンテナ内の液体の充填レベルは、図5に関連して説明したように、センサ装置200のマイクロプロセッサで、又はさらなるコンピューティングデバイスで決定されてよい。充填レベルがさらなるコンピューティングデバイスで決定される場合、センサ装置200は、本明細書の他の箇所で説明されるように、充填レベルを決定する前に、検出又は処理されたオーディオ信号を、通信インターフェースを介してさらなるプロセッサに提供する。センサ装置のメインボード208上のデータ記憶媒体は、検出、分析、又は処理されたデータを保存し、センサ装置とシステムのさらなる装置との間の通信がデータ転送中に中断された場合に、データ損失を防止するために使用されることができる。
【0171】
通信インターフェースは、セルラーネットワークとの通信を可能にする少なくとも1つのセルラー通信インターフェースを含み、例えば、Long-term Evolution(LTE)及びLTEナローバンド(5G)及びLTE FDD/TDD(4G)のようなその派生製品、HSPA(UMTS、3G)、EDGE/GSM(2G)、CDMA又はLPWAN技術のような技術で構成され得る。セルラー通信は、図8及び図9に関連して説明したシステムのようなコンテナ管理ネットワークの1つ以上の他の装置とセンサ装置が通信できるようにするためのものである。一例では、セルラーネットワークとの通信は、セルラーネットワークのあるセルから別のセルへの位置の変化、セル内のコンテナの相対的な位置、例えば携帯電話基地局からの半径方向の距離などを検出することを含む、センサ装置200をそこに連結したコンテナの地理的な位置の検出に使用される。別の例では、セルラーネットワークとの通信は、センサ装置によって取得及び/又は処理されたデータを、サーバなどのさらなるコンピューティングデバイスに送信するために使用される(例えば図8参照)。さらに別の例では、セルラーネットワークとの通信は、先に説明したように、位置の変化を検出してデータを送信するために使用される。少なくとも1つのセルラー通信インターフェースは、セルラーモデムであってよく、セルラーモデムを含んでいてよく、又はセルラーモデムの一部であってよい。通信インターフェースはさらに、例えば1つ以上の802.11規格に準拠したWi-Fi技術を実装するように構成され、屋内でコンテナの位置又はそれに取り付けられたセンサ装置を備えるコンテナの位置の変化の決定を可能にする。Wi-Fi技術は、図1に関連して説明したコンテナライフサイクルの様々な位置で及び様々な状態の間、ホットスポットと接続するために使用されることができ、例えば、セルラー通信経路の代替として、又はセルラー通信経路に加えて、さらなる装置又はコンテナ管理ネットワーク(図9参照)内で通信経路を確立するためのオプションとして機能することができる。センサ装置200は、先に説明した通信技術の1つ以上に対応する1つ以上のアンテナを備えることができる。各アンテナは、適切であれば、メインボード208内に統合されてよく、又はメインボード208及び/又はセンサ装置200のハウジング202及び/又はカバー216に物理的に接続されてよい。通信インターフェースはさらに、屋外でセンサ装置200に取り付けられたコンテナを決定できるように、GNSS技術を実装するように構成される。
【0172】
慣性計測ユニット(IMU)は、加速度計、ジャイロスコープ、及び任意で地磁気計の組み合わせを使用して、センサ装置200の特定の力、角速度、及び向きを決定することによって、センサ装置200をそこに取り付けたコンテナの動きを決定するために使用される。気候センサは、センサ装置200の気候条件(例えば、センサ装置200のハウジング内部)を測定するように構成される。このような気候条件には、温度、空気湿度、気圧、その他の気候条件、又はそれらの適切な組み合わせのいずれか、特に温度が含まれる。気候センサは、メインボード208の一部として図示されているが、1つ以上の追加の気候センサは、メインボード208の外部、センサ装置200の内部、又はその外部にあってよい。メインボード208の外部に配置された気候センサは、1つ以上のM12.8コネクタなどのデジタル及び/又はアナログインターフェースを介してリンクされてよく、コンテナ、その内容物(例えば、液体、空気)及び/又はコンテナの外部の周囲空気の、温度、湿度及び圧力又は他の気候条件を含むがこれらに限定されない、様々な気候条件のいずれかを測定してよい。
【0173】
タイマーコンポーネントは、メインボード208のプロセッサに対して、例えば32KHz以下の様々な周波数のいずれかでクロックを提供することができる。クロックの周波数は、例えば、財政コスト、リソース消費(電力消費を含む)、及び最も高い所望の動作周波数を含む様々な要因のバランスをとるように選択され得る。
【0174】
トラステッド・プラットフォーム・モジュール(TPM)は、データを暗号化し、整合性のあるコンピュータプロセッサを保護するために使用されることができる。TPMは、様々な機能、例えば、1つ以上のネットワーク(例えば、本明細書で説明されるネットワークのいずれか)との通信のためのデータの作成、及び認証情報と秘密を保護;TPMの外部の不揮発性メモリに保存され、TPMを介してのみ復号化できる特別な暗号化データである、TPMオブジェクトの作成;取引記録(例えば、ブロックチェーン記録)又はレジスタの一部として通信及び保存されるデータの作成、サービス、例えば本明細書に記載されているサービスの完全性及び真正性を確保するためのファイルの署名;センサ装置200のファームウェア、ソフトウェア、パラメータのOver-the-Air(OtA)アップデートなどの機能の有効化;その他の機能;及び任意の前述の適切な組み合わせのいずれにも使用され得る。
【0175】
センサ装置200はさらに、エネルギー源210、例えば産業界で一般的に使用されている2つのバッテリを備えている。バッテリは、M12.8コネクタを介して充電することができ、空になったら交換することもできる。プロセッサは、バッテリレベルをプロセッサによって監視できるように、デジタル及び/又はアナログインターフェースを介してバッテリと接続され得る。プロセッサは、電力不足によるセンサ装置200の誤動作を回避するために、バッテリレベルが予め定義された値に達した場合に通知/アラームを提供するように構成され得る。プロセッサはまた、履歴及び/又は実際の電力消費に基づいてバッテリ寿命を予測し、その予測を通信インターフェースを介してさらなる装置に提供することができる。
【0176】
センサ装置200は、前述のMEMSマイクロホンなどのマイクロホン212と、前述の振動モーターなどのアクチュエータ214とを備える。センサ装置をコンテナの外側に物理的に連結すると(例えば図4b参照)、センサ装置のアクチュエータがコンテナを音響的に刺激することができ、その結果生じるオーディオ信号がマイクロホン212及び/又は204で検出される。この目的のために、カバー216には、アクチュエータとマイク用の開口部が設けられている。アクチュエータは、そのプログラミングに従ってセンサ装置200のメインボード208上のマイクロプロセッサにより制御される。カバーの開口部への埃の侵入を防ぐため、カバー216はシールリップ218を備える。この例では、カバー216の上端と下端に2組のシールリップ218を備えている。別の例では、シールリップはカバーの周囲に円周方向に整列していてよい。
【0177】
図3は、図2に関連して説明したセンサ装置200などのセンサ装置の異なるモードを実施する方法300の一例を示すフローチャートである。ステップ302において、スリープモードが開始される。スリープモードは、図1で説明したように、コンテナのアイドル状態で開始され、センサ装置の電力消費を削減し、センサ装置のバッテリの寿命を延ばす。これにより、メンテナンスインターバルを増やすことができ、センサ装置の動作に関連する全体的なコストを増やすことができる。センサ装置のアクティブモードからスリープモードへの移行は、前述したように、様々な予め定義された条件に応じて発生する可能性がある。
【0178】
スリープモードを開始した後、ステップ304において、センサ装置のウェイクアップに必要でないセンサ装置の全コンポーネントがオフにされる。例えば、図2のセンサ装置200を参照すると、IMU、タイマーコンポーネント、及びプロセッサを除くすべてのコンポーネントは、メインボード208に存在するすべての通信インターフェース、センサ、マイク204、212、及びアクチュエータ214を含め、電源がオフになる可能性がある。ウェイクアップに必要のないセンサ装置のコンポーネントの電源をオフにすることによって、電力を節約することができ、センサ装置のバッテリの寿命を延ばすことができるため、センサ装置の動作に関連する全体的なコストを削減することができる。
【0179】
センサ装置のウェイクアップを可能にするために、ステップ306で割り込みイベントが設定される。割り込みイベントは、予め定義された時間及び/又は間隔でのタイマーコンポーネントからのウェイクアップ信号、及び/又は動きセンサによる動きの検出を含むことができる。一例では、ウェイクアップタイマーが設定されてよい。ウェイクアップタイマーは、予め定義された時間が経過した後にセンサ装置のコンピュータプロセッサに割り込むようにタイマーコンポーネントを構成することによって設定されてよい。タイマーコンポーネントは、予め定義された構成を有していてよく、又はコンテナ管理ネットワークなどのネットワーク又はデータベースから受信したデータに基づいて、通信インターフェースを介して構成されてよい。一例では、センサ装置のウェイクアップタイマーは、図8及び図9に関連して説明したように、センサ装置が通信インターフェースを介してさらなる装置にデータを送信することがスケジュールされているタイムスロットのスケジュールと一致するように構成されることができる。動き割り込みは、例えば、企業内又は別の企業へのコンテナの輸送中に、動きを検出したことに応答してコンピュータプロセッサを割り込むように、動きセンサに設定されてよい。
【0180】
ステップ308では、センサ装置の状態をスリープモードに変更する。
【0181】
ステップ310では、タイマーコンポーネントからのウェイクアップ信号又は動作など、少なくとも1つの割り込みイベントが検出される。
【0182】
ステップ312では、センサ装置の定義された状態がステップ310で割り込みイベントを検出したことに応答して、アクティブモードに変更される。
【0183】
ステップ314では、例えば、割り込みイベントの検出に応答した気候センサ及びそのインターフェース、及び通信インターフェースなど、図2に関連して説明したもののいずれかを含む、センサ装置のコンポーネントの1つ以上が電源をオンされる可能性がある。どのコンポーネントをオンにするかは、少なくとも部分的には、センサ装置が構成された機能及びパラメータ値に依存し得る。スリープモードからアクティブモードへのセンサ装置の移行は、ウェイクアップタイマー又は動き割り込みの設定など、様々な予め定義されたルーチンに応答して発生する可能性がある。ステップ312と314は、集合的にセンサ装置をアクティブにすることとみなされてよく、少なくとも部分的に同時に実行されてもよく、又は図3に表示された順序とは逆の順序で同時に実行されてよい。
【0184】
ステップ316では、センサ装置は、センサ装置がアクティブモードにあるときにプログラムされている少なくとも1つのアクションを実行する。このようなアクションには、温度を決定すること、センサ装置の位置を決定すること、アクチュエータによってコンテナを音響的に刺激すること、音響刺激又はバックグラウンドノイズから生成されたオーディオ信号を検出すること、及びそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。アクションは、センサ装置のプログラミングに応じて変化し、任意でコンテナの状態も考慮される(図1参照)。一例では、位置の決定は、IMUを備えたセンサ装置が取り付けられたコンテナの動きを検出することによってトリガされ得る。別の例では、アクチュエータによってコンテナを音響刺激し、音響刺激から生成されたオーディオ信号又はバックグラウンドノイズから生成されたオーディオ信号を検出することは、予め定義された又は予め決定された時点に達したためにトリガされる可能性がある。検出されたセンサデータは、現在時刻とともにセンサ装置のメモリに保存され得る。現在時刻は、センサデータ、位置データ、オーディオ信号などのデータが検出され、情報が決定されたときにいつでも決定され得、そのような現在時刻が、検出又は決定されたデータに関連する情報とともに記録及び/又は送信され得ることを理解されたい。
【0185】
ステップ318では、検出されたオーディオ信号がセンサ装置のプロセッサによって処理されるべきか、遠隔、すなわちさらなる装置によって処理されるべきかが決定され得る。決定は、図5に関連して説明したように、センサ装置のプログラミングに従ってセンサ装置のプロセッサによって行われることができる。
【0186】
ステップ318では、検出されたオーディオ信号がセンサ装置のプロセッサによって処理されるべきであると決定された場合、ステップ320では、センサ装置のプロセッサは、図5に関連して説明されるような処理を実行することができる。処理されたオーディオ信号は、後述するようなさらなる処理の前に、センサ装置のメモリに保存されてよい。ステップ322では、充填レベルがセンサ装置のプロセッサによって決定されるか、遠隔、すなわちさらなる装置によって決定されるかが決定され得る。決定は、図5に関連して説明したように、センサ装置のプログラミングに従ってセンサ装置のプロセッサによって行われることができる。ステップ322では、充填レベルがセンサ装置のプロセッサによって決定されると決定された場合、ステップ324では、センサ装置のプロセッサは、図5に関連して説明されるように決定を実行することができる。充填レベルが決定された後、方法300はステップ326に進む。ステップ322では、充填レベルがセンサ装置のプロセッサによって決定されないことが決定された場合、方法300はステップ326に進む。
【0187】
ステップ318では、検出されたオーディオ信号がセンサ装置のプロセッサによって処理されないと決定された場合、次いで、方法はステップ326に進み、そこで、図8及び図9に説明したようなシステムのゲートウェイ又はサーバなどの、さらなる装置又はサーバ環境への接続があるかどうかが決定される。決定は、メインボード208の通信インターフェース、例えば、そのWi-Fi及び/又は携帯電話インターフェースを用いて行うことができる。ステップ326では、ネットワーク接続があると決定された場合、次いで、ステップ328では、データ(例えば、ステップ318又は320に関連して上述した情報のいずれか)が、さらなる装置又はサーバ環境に送信されてよい。ステップ318においてネットワーク接続がないと決定された場合、次いで、方法300はステップ332に進み、センサ装置はメインボード208上に存在するメモリにデータを保存し、予め定義された時点の後にステップ326に戻る。
【0188】
ステップ328でデータが送信された後、方法はステップ330に進む。ステップ330では、例えば、さらなる装置又はサーバ環境から受信されたデータに基づいて、又はそのプログラミングに従って、センサ装置にウェイク状態を維持させるかどうかが決定され得る。ウェイク状態を維持しないと決定された場合、次いで、方法300は、ステップ302に進み、センサ装置がスリープモードを開始することができる。ウェイク状態を維持すると決定された場合、次いで、方法300はステップ316に進み、前述のアクションを実行することができる。
【0189】
図4aは、センサ装置をコンテナに物理的に連結するための取付手段を備えるコンテナの例を示す。この例では、コンテナ400は、充填及び空にするプロセスのための開口部404を有する金属製コンテナ402を備える金属製中間バルクコンテナ(IBC)である。別のでは、コンテナはプラスチック製IBC、複合IBC、又は前述の他のコンテナであってよい。金属製コンテナ402は、金属製IBCの輸送及び積み重ねを容易にするために、金属製フレームワーク406内に固定されている。コンテナは、センサ装置(図示せず、例えば図4b参照)をコンテナの外側に物理的に連結するための取付手段408を備える。この例では、取付手段408は、コンテナの金属製フレームワーク406に取り外し可能にクランプできる金属バーである。取り外し可能な取付手段408を使用することにより、コンテナが恒久的に変更された場合に実施しなければならないコンテナの再認証を回避することができる。取付手段は、コンテナ関連情報を保存するための識別タグ410を備える。この例では、識別タグ410はコンテナIDを含むパッシブNFCタグである。識別タグ410は、取付手段408に恒久的に取り付けてよく、又は洗浄プロセス中に識別タグ410が破壊されるのを防ぐために洗浄前に取り外すことができるように、取り外し可能であり得る。
【0190】
図4bは、コンテナへのセンサ装置の物理的な連結の一例を示している。この例では、コンテナ402は、充填及び空にするプロセスのための開口部414を有する金属コンテナ412を備える金属製中間バルクコンテナ(IBC)である。別の例では、コンテナはプラスチック製IBC、複合IBC、又は前述の他のコンテナであってよい。金属製コンテナ412は、金属製IBCの容易な輸送と積み重ねを可能にするために、金属製フレームワーク416内に固定されている。コンテナは、センサ装置422(図2に関連して説明したセンサ装置200など)をコンテナの外側に物理的に連結するための、バーなどの取付手段418を備える。この例では、取付手段418は、前述したような再認証を避けるために、金属製フレームワーク416に取り外し可能にクランプされている。センサ装置420は、センサ装置420がコンテナ401の外部と接触していることを保証するために使用することもできるねじによって、取付手段に取り付けられている。センサ装置420は、ねじを緩めることによって取付手段418から取り外すことができ、したがって、例えば、センサ装置420の破壊を避けるために洗浄プロセス中にセンサ装置420の取り付け及び取り外しが容易になる。取付手段418はまた、図4aに関連して説明したように、識別タグ420も備える。センサ装置420は、図2に関連して説明したように、前記タグに保存された情報を取得するために使用されることができる。
【0191】
図5は、本明細書に記載の実施形態による、コンテナ内の液体の充填レベルを決定するための方法500の一例を示すフローチャートである。方法500は、液体で充填され、センサ装置(例えば、図2に記載のセンサ装置200)がそれに物理的に連結されたコンテナに実施される。この例では、コンテナは、自動車産業で使用するための液体ベースコート組成物などの液体コーティング組成物で充填されている、図4a及び図4bに関連して説明したような金属製IBCコンテナである。方法500は、コンテナの現在の状態(例えば図1を参照)と、センサ装置で検出された1つ以上の特性(例えば、本明細書で説明されるもののいずれか)とを考慮することを含み得る。
【0192】
ステップ502では、例えば図4bに関連して説明したように、コンテナの金属製フレームワークにクランプされるバーによって、装置をコンテナに物理的に連結することにより、センサ装置をコンテナに取り付ける。バーには、パッシブNFCタグなどの識別タグを備え、そこにはコンテナIDが保存されており、センサ装置をバーに取り付けた後、ネジによってセンサ装置をコンテナに物理的に連結することができる。
【0193】
センサ装置をコンテナに取り付けた後、センサはステップ504で初期化され、これは、ソフトウェア(ファームウェアを含む)及びソフトウェアパラメータのロード、センサ装置の特定の機能の起動、又はコンテナの初期状態(例えば図1に関連して説明したような状態)の定義が含まれ得る。コンテナの初期状態、例えばアイドル状態104は、ソフトウェアのロードの一部としてセンサ装置に設定されることができる。ソフトウェア及びソフトウェアパラメータは、本明細書で説明するセンサ装置及び/又はそのコンポーネントの機能の1つ以上の態様を定義することができる。例えば、1つ以上のアルゴリズムが、そのようなソフトウェアによって指定され得る。アルゴリズムは、コンテナのライフサイクルのすべての定義された状態に対して汎用的であってよく、1つ以上の定義された状態に固有であってよく、あるいは特定の予め定義された状態内の特定のモードもしくはイベントに固有であってよい。センサ装置の機能(すなわち、動作)、例えば、その上に保存された1つ以上のアルゴリズムは、特定の用途、産業、又はコンテナ内に収容される内容物(例えば、コーティング組成物、化粧品などの液体製品のタイプ)、及び内容物に関わる意図された用途(例えば、商業プロセス)を考慮したコンテナの予想されるライフサイクルに特有であるように定義されることができる。
【0194】
ステップ506では、コンテナのデジタル表現がセンサ装置のプロセッサに提供される。この例では、コンテナIDを使用してデジタル表現が提供される。この目的のため、バーの識別タグに保存されたコンテナIDは、センサ装置に存在するNFCリーダボードを介してセンサ装置によって取得される。次いで、このコンテナIDは、コンテナのデジタル表現に関連付けられたコンテナIDをそこに保存したデータベースからコンテナのデジタル表現を取得するために使用される。この目的を達成するために、センサ装置は、以前に取得したコンテナIDを使用して、データベースから通信インターフェースを介してコンテナのデジタル表現を取得する。この例では、コンテナのデジタル表現は、コンテナのサイズに関するデータ、特にコンテナの充填量に関するデータ、コンテナの内容物に関するデータ、初期充填レベルに関するデータ、充填日、前記コンテナの位置に関するデータ、前記コンテナの使用年数に関するデータ、前記コンテナの使用サイクルに関するデータ、前記コンテナのメンテナンスインターバルに関するデータ、前記コンテナの最大寿命時間に関するデータ、コンテナの、計画された空にするイベント、及びそれらの任意の組み合わせを含む。データベースに保存されたコンテナのデジタル表現は、例えば、図1に関連して説明したように、コンテナの状態が変化した後など、頻繁に更新されてよく、デジタル表現の更新は、前述のように、識別タグに保存されたコンテナIDを介して、センサ装置によるコンテナの更新されたデジタル表現の取得を開始してよい。例えば、センサ装置のプロセッサは、コンテナIDを読み取り、コンテナIDを使用してデータベースからデジタル表現を取得する指示を、通信インターフェースを介して受信することができる。コンテナのデジタル表現は、例えば、提供されたデジタル表現に基づいてバックグラウンドノイズが最小限に低減される時点を決定するセンサ装置のコンピュータプロセッサにアルゴリズムを実装することによって、センサ装置によるコンテナの音響刺激を制御するために使用されることができ、そして決定された時点で音響刺激を開始する。これにより、検出されたオーディオ信号にバックグラウンドノイズが重ならないため、充填レベル決定の精度を向上させることができ、処理ステップをより困難にすることができる。別の例では、コンテナのデジタル表現は識別タグに保存され、前述のようにセンサ装置を使用してタグから直接取得される。
【0195】
ステップ508では、センサ装置によってコンテナに音響刺激を与える。適切なセンサ装置については、図2に関連して説明されている。この目的のために、センサ装置のアクチュエータ、特に振動発生器は、0.3~0.5ニュートンメートルのビーティングエネルギーでコンテナの外側をビーティングさせる。このビーティングエネルギーは、充填レベルを示すオーディオ信号を発生させるのに十分である。センサ装置が防爆エリアで使用される場合、アクチュエータはコンテナの金属外壁をビーティングさせる際に火花を発生させない材料を備える。ビーティングは、センサ装置のプログラミングに従ってセンサ装置のプロセッサによって制御されることができる。一例では、ビーティングは、コンテナのデジタル表現を介して、又はさらなるデータベースを介してプロセッサに提供され得るか、又はコンテナのデジタル表現又はセンサ装置のさらなるセンサによって取得されたデータなどの提供されたデータに基づいてプロセッサによって決定され得る、予め定義された時点で実行される。検出されたオーディオ信号には、検出されたオーディオ信号から充填レベルを示すオーディオ信号の識別を複雑にするバックグラウンドノイズが大きく重ならないため、バックグラウンドノイズが低減され充填レベル決定の精度を向上するように、予め定義された時点が選択されてよい。別の例では、ビーティングはランダムな時点で行われてよい。さらに別の例では、ビーティングは、さらなるコンピューティングデバイスなどの外部装置を介して、ユーザ入力によってトリガされてよい。これは、充填レベルに関する現在の情報が必要であり、最後の充填レベル決定がしばらく前に行われた場合に好ましい。各音響刺激とそれに続く充填レベルの決定はエネルギー消費につながるため、音響刺激と充填レベルの決定は、センサ装置のバッテリのバッテリ寿命とのバランスをとる必要がある。そのため、コンテナの空になるイベントを考慮できる予め定義された時点で、充填レベル決定を実行することが好ましい場合がある。このステップはまた、充填レベルに対応しない少なくとも1つのさらなる特性、例えば温度、位置、又はバッテリレベルを決定することを含むことができる。取得されたデータは、センサ装置のメモリに現在時刻とともに保存され、センサ装置のプロセッサによって分析されて、後述するように音響刺激の時点を決定することができる。この決定は、音響刺激の前に行ってよく、又は音響刺激の後に行ってもよい。音響刺激の前に決定が実行される場合、音響刺激は、上述のように、センサ装置のさらなるセンサの、取得され、任意に分析されたセンサデータに基づいてトリガされ得る。
【0196】
ステップ510では、音響刺激から生じるオーディオ信号が、少なくとも1つのマイクロホン、特に少なくとも1つの防音性のある指向性MEMSマイクロホンによって記録され、通信インターフェースを介してセンサ装置のプロセッサに提供される。検出されたオーディオ信号には、例えば、音響刺激がバックグラウンドノイズのある時間帯に実行された場合、バックグラウンドノイズが含まれる可能性がある。バックグラウンドノイズを識別するために、センサ装置は、検出されたバックグラウンドノイズが音響刺激から生じる検出されたオーディオ信号から差し引かれることができるように、そのようなノイズを検出するために使用される第2のマイクロホンを含むことができる。これにより、充填レベル決定の精度を向上させることができ、バックグラウンドノイズがある時点においてステップ508を実行することが可能になるため、測定時に存在するバックグラウンドノイズに関係なく、任意の所望の時点において充填レベルを正確に決定することが可能になる。充填レベルを示すオーディオ信号は、刺激に対して時間シフトして生成され得るため、生成されたオーディオ信号は、刺激後の予め定義された時点から第1のマイクロホンで検出される可能性がある。この例では、生成されたオーディオ信号は、センサ装置のアクチュエータによってコンテナを音響刺激してから0.3~0.5秒後に検出されることができる。音響刺激中に存在するバックグラウンドノイズを識別するために、第2のマイクロホンは、音響刺激前及び音響刺激後の予め定義された時点中におけるノイズを検出することができる。生成されたオーディオ信号の減衰はかなり強いため、生成されたオーディオ信号は、処理する必要のあるデータ量を減らすために、予め定義された時点まで検出されることができる。この例では、生成されたオーディオ信号は音響刺激後1.6秒間、第1のマイクロホンで検出される。
【0197】
ステップ508と510は、充填レベル決定の精度を高めるために数回繰り返されることができる。繰り返し回数は、精度の向上とバッテリ寿命の低下とのバランスをとる必要がある。一例では、ステップ508と510は5回繰り返される。5回を超えて繰り返しても、もはや精度は大きく向上しない。したがって、ステップ508と510が5回を超えて繰り返えされても、精度の向上の点でさらなる利益を得ることなく、センサ装置のバッテリ寿命に悪影響を及ぼすため、あまり好ましくない。
【0198】
ステップ512では、検出されたオーディオ信号がセンサ装置のプロセッサによって処理されるかどうかが決定される。この決定は、センサ装置のプログラミングに従ってセンサ装置のプロセッサによって行われる。一例では、センサ装置による検出されたオーディオ信号の処理は、検出されたオーディオ信号の完全な処理を含む。別の例では、センサ装置による検出されたオーディオ信号の処理は、検出されたオーディオ信号の部分的な処理と、部分的に処理されたオーディオ信号をさらなる処理のためにさらなる装置に転送すること(ステップ518参照)とを含む。「完全処理」には、少なくとも次のステップ:デジタルサンプリング、オーディオサンプルの整列、整列されたオーディオサンプルのフーリエスペクトルの計算が含まれる。完全処理は、計算されたフーリエスペクトルから予め定義された特徴を抽出すること、及び抽出された特徴を組み合わせることをさらに含み得る。「部分処理」は、完全処理よりも少ない、少なくとも1つのステップを含む。センサ装置の消費電力を低減するために、外部装置を使用してオーディオ信号の処理を実行することが有益であり得る。
【0199】
ステップ512では、検出されたオーディオ信号が、さらなる装置のプロセッサによって完全又は部分的に処理されると決定された場合、本方法はステップ518に進む。さらなる装置は、例えば、図8及び図9に関連して説明したような、サーバ、固定又はモバイルコンピューティングデバイスなどのコンピューティングデバイスであってよい。センサ装置のプロセッサは、検出された、又は部分的に処理されたオーディオ信号と、温度、位置、バッテリレベルなど、さらなるセンサによって取得されたデータを、モバイル通信インターフェースなどの通信インターフェースを介して、さらなる装置に送信する。データ損失を避けるため、検出されたオーディオ信号又は部分的に処理されたオーディオ信号は、データ送信前にセンサ装置のメモリに保存され得る。一例では、データはLPWAN通信を介してさらなる装置に送信される。LPWANは、長距離及び困難な条件下での信頼性の高いデータ送信を可能にし、データ伝送に必要な消費電力を低く抑える。これにより、センサ装置に近接していないさらなる装置を使用することが可能になり、データ処理を集中化し、様々な位置から複数のセンサ装置から受信したデータの処理に単一のさらなる装置を使用することが可能になる。さらに、LPWANを使用すると、低消費電力でのデータ送信が可能となり、バッテリ交換のためのセンサ装置のメンテナンスインターバルを短縮することができる。データ送信前に、センサ装置のプロセッサはバッテリレベルを決定し、バッテリレベルがデータ送信に十分かどうかを推定することができる。バッテリレベルが十分でない場合、プロセッサは、バッテリレベルが少ないことをユーザに知らせるために、通信インターフェースを介してアラーム/通知をさらなる装置に提供することができる。データ送信は、データの損失を避けるために、バッテリが交換されるまで遅れる可能性がある。センサ装置のプロセッサは、データが完全に送信されたかどうかを判断するためにデータ送信をさらに監視してよく、又はデータが完全に送信されたかどうかを判断するためにさらなる装置によって使用できるファイルサイズなどの表示をさらなる装置に提供してよい。データが完全に送信されていない場合、センサ装置のプロセッサはデータ送信を再開することができる。データ送信の時点、及びデータ送信に関する情報(例えば期間、成功、接続パラメータなど)は、センサ装置のメモリに保存され、データ評価のために後の時点で前述の通信インターフェースを介してさらなる装置に提供されることができる。
【0200】
センサ装置から受信したデータは、ステップ518では、ステップ514に関連して説明したように、さらなる装置によって処理される。検出された又は部分的に処理されたオーディオ信号を処理するためのさらなる装置の使用は、センサ装置の計算能力が合理的な時間枠で処理を実行するのに十分でない場合、又は処理が大量のエネルギーを必要とし、センサ装置のバッテリの寿命を3年未満などの許容できない期間に短縮する場合に有益であり得る。
【0201】
ステップ516及び520では、充填レベルがセンサ装置のプロセッサで決定されるべきか、又はさらなる装置によって決定されるべきかが決定される。この決定は、それぞれの装置のプログラミングに従ってそれぞれの装置のプロセッサによって行われる。センサ装置の消費電力を低減するために、外部装置を使用して充填レベルを決定することが有益である場合がある。
【0202】
ステップ516では、充填レベルがセンサ装置のプロセッサによって決定されるべきであると決定された場合(図5の変形例Aに対応)、データ駆動モデル及び任意で処理されたオーディオ信号-オーディオ信号がセンサ装置によって部分的にしか処理されなかった場合-がステップ522及び524でセンサ装置のプロセッサに提供される。過去のオーディオ信号、過去の液体の充填レベル、及び過去のコンテナのデジタル表現でパラメータ化されたデータ駆動モデルは、通信インターフェースを介してコンピュータプロセッサに提供される。データ駆動モデルは、コンテナ内の液体の充填レベルと、検出又は処理されたオーディオ信号との間の関係を提供し、過去のオーディオ信号、過去のコンテナ内の液体の充填レベル、及び過去のコンテナのデジタル表現から導出される。コンテナの過去のデジタル表現は、好ましくは、コンテナのサイズに関するデータ、特にコンテナの充填量に関するデータ、コンテナの内容物に関するデータ、初期充填レベルに関するデータ、コンテナの使用年数に関するデータ、コンテナの使用サイクルに関するデータ、及びそれらの任意の組み合わせを含む。決定の精度を高めるために、複数のデータ駆動モデルが存在してよく、それらはコンテナサイズなどの異なるパラメータでトレーニングされていてよい。この場合、センサ装置のプロセッサによって、デジタル表現、特にコンテナサイズに基づいて適切なモデルが選択される。別の例では、複数の適切なデータ駆動モデルが存在し、充填レベルは、適切なデータ駆動モデルの一部又はすべてを用いて決定され得る。この場合、決定の精度を高めるために、異なるモデルから得られた分類子が積み重ねられる。
【0203】
一例では、データ駆動モデルはセンサ装置のメモリに保存され、前述したようにコンテナのデジタル表現に基づいて任意にプロセッサによって取得される。別の例では、データ駆動モデルはデータベースなどの外部データ記憶媒体に保存され、通信インターフェースを介してセンサ装置のプロセッサによって外部データ記憶媒体から前述のように(任意にコンテナのデジタル表現に基づいて)取得される。
【0204】
この例では、データ駆動モデルは、トレーニングされた機械学習アルゴリズム、特に、アンサンブルアルゴリズム、例えば勾配ブースティングマシン(GBM)、勾配ブースティング回帰ツリー(GBRT)、ランダムフォレストである。機械学習アルゴリズムのトレーニングは、図7に関連して説明したように実行されることができる。
【0205】
コンテナ内の液体の充填レベルは、コンテナのデジタル表現、処理されたオーディオ信号、及び任意で温度及び/又は位置などのセンサ装置のさらなるセンサによって取得されたデータに基づいて選択されたデータ駆動モデルを使用して、センサ装置のプロセッサによって次いで決定される。一例では、データ駆動モデルは、決定の精度を向上させるために、空にするイベントに関するデータ、コンテナの充填後の充填レベルに関するデータなどのデジタル表現に含まれるデータ、及び温度データなどのセンサ装置の気候センサによって取得されたデータを使用する。この例では、充填レベルは「空」又は「空でない」という分類子であり、すなわち実際の充填レベルは決定されない。この分類子を使用すると、コンテナ内の液体が消費され、充填レベルが「空」であるという決定に関してのみ精度が必要とされるため、決定のエラーレベルと同様に、トレーニングデータの複雑さを低減することができる。別の例では、決定された充填レベルは、コンテナ内の液体の実際の充填レベルに対応する。
【0206】
ステップ528では、センサ装置のプロセッサで決定された充填レベルが、例えば通信インターフェースを介して提供される。決定された充填レベルを提供することは、決定された充填レベルを、センサ装置に通信インターフェースを介して接続された、コンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートフォンなどを含むモバイル又は固定ディスプレイ装置などのディスプレイ装置に表示すること、及び/又は決定された充填レベルをデータベース又はメモリなどのデータ記憶媒体に保存することを含み得る。ディスプレイ装置は、ユーザの快適性を高めるためにGUIを備えることができ、充填レベルは、グラフィカルに、又はテキストを使用して表示されてよい。さらに、充填レベルが「空」であると決定された場合には、着色を使用してよい。データ記憶媒体は、ディスプレイ装置のメモリであってよく、又はディスプレイ装置の外部、例えばサーバ上、又は図8及び図9に関連して説明したシステム内に存在してよい。決定された充填レベルを、外部装置への送信前にディスプレイ装置のメモリに保存しておくことで、データ転送中に通信インターフェースが中断された場合のデータ損失を回避することができる。一例では、決定された充填レベルは、通信インターフェースを介してコンテナ内の液体の決定された充填レベルを提供する前に、それぞれがコンテナ内の液体の充填レベルを示す数値変数又は記述的出力に変換される。数値変数は、2つの端点間の任意の値を取り得る単一の連続変数であり得る。例として、0から1までの実数のセットがある。さらなる例として、数値変数は、例えば、検出又は処理されたオーディオ信号及びデータ駆動モデルの出力など、データに固有の不確実性を考慮することができる。例えば、0から1の範囲であり、1は結果に不確実性がないことを示す。出力は、液体の充填レベルを示す記述的出力に変換することもできる。特に、記述的出力は、空/空でない形式を含むことができる。
【0207】
ステップ516では、充填レベルが遠隔的に、すなわちさらなる装置(図5の変形例Bに対応)で決定されると決定され、ステップ530から538が実行される。
【0208】
ステップ530では、ステップ506で得られたデジタル表現が、センサ装置によって通信インターフェースを介してさらなる装置に提供される。データ転送は、ステップ518に関連して説明したように達成されることができる。
【0209】
ステップ532では、完全に処理されたオーディオ信号と、センサ装置のさらなるセンサによって取得されたデータが、通信インターフェースを介してセンサ装置によってさらなる装置に提供される。データ転送は、ステップ518に関連して説明したように達成されることができる。
【0210】
ステップ534では、ステップ524に関連して説明したように、データ駆動モデルがさらなる装置のプロセッサに提供される。データ駆動モデルは、データベースに保存されてよく、ステップ530で提供されたコンテナのデジタル表現に基づいて、さらなる装置のプロセッサによって取得されてよい。
【0211】
ステップ536では、ステップ526に関連して説明したように、充填レベルがさらなる装置のコンピュータプロセッサで決定される。
【0212】
ステップ538では、ステップ528に関連して説明したように、決定された充填レベルが提供される。
【0213】
ステップ520では、充填レベルが遠隔的に決定されるべきではない、すなわちセンサ装置で決定されるべきと決定されると(図5の変形例Aに対応)、ステップ522から528が実行される。ステップ522では、ステップ518に関連して説明したように、完全に又は部分的に処理されたオーディオ信号が、通信インターフェースを介してセンサ装置に提供される。通信インターフェースは、ステップ518に関連して説明したものと同じであってよい。オーディオ信号がセンサ装置のコンピュータプロセッサに提供された後、ステップ524からステップ528が前述のように実行される。
【0214】
ステップ520では、充填レベルが遠隔的に決定されるべきである、すなわちさらなる装置で決定されるべきと決定されると(図5の変形例Cに対応)、ステップ540から546が実行される。ステップ540から546は、前述のステップ530及び534から538と同じである。
【0215】
一例では、方法500は、ステップ506又は508から始まるすべてのステップを繰り返すことを含んでよい。繰り返しは、予め定義された時点で実行されてよく、又はセンサ装置によって受信されたデータによってトリガされてもよい。そのようなデータには、コンテナのデジタル表現の更新をセンサ装置に通知するデータ、空にするイベントに関するデータ、動きセンサによって検出された動き、位置の変化、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。センサ装置のバッテリの寿命を延ばすために、センサ装置の不必要な電力消費を避けるために、必要な場合にのみこれらのステップを繰り返すことが好ましい場合がある。
【0216】
図6は、本方法の好ましい実施形態のブロック図である。方法600は、図5に関連して説明したすべてのステップと、さらなるステップ604から608とを含む。参照を容易にするために、図5に記載された方法のステップ528、538又は546は、図6ではステップ602として記載されている。
【0217】
ステップ604では、アクションが決定される。一例では、決定は、センサ装置のプログラミングに従ってセンサ装置のプロセッサによって行われ得る。これは、充填レベルがセンサ装置のプロセッサによっても決定されている場合に好ましい。別の例では、アクションはさらなる装置で決定されてよい。アクションには、輸送日、洗浄日又は充填日、コンテナの廃棄又はメンテナンス、新しいコンテナの注文、コンテナの廃棄、コンテナの位置の変化、センサ装置の電力を下げること、電力を上げること、又は動作の調整、アラームの作動、その他のアクション、又はそれらの組み合わせアラーム(例えば、視覚、音又はノイズ)の作動、メンテナンスインターバルの最適化、又は前述の任意の適切な組み合わせが含まれる。動作を決定する際、プロセッサは、-決定された充填レベルとは別に-コンテナのデジタル表現と、センサ装置のセンサによって収集されたセンサデータ(例えば、動きデータ、気候データ、位置データ、及びそれらの組み合わせなど)を考慮することができる。空又は充填コンテナの輸送のスケジューリングは、輸送コストを節約するために、前述のように混載輸送を決定することを含んでよい。スケジューリングは、決定された充填レベル及びセンサ装置から受信されたさらなるデータに基づいて、自動的に、すなわち人間の介入なしに実行されることができる。メンテナンスインターバルの最適化は、決定された充填レベルに基づいて空のコンテナが返却される時点の予測に基づいてよい。予測は、予測の精度を高めるために、それぞれの位置/顧客の過去の充填レベルを含んでよい。
【0218】
ステップ606では、決定されたアクションが開始される。開始には、センサ装置、さらなる装置、又はユーザへの指示/データ/アラームの送信が含まれ得る。例えば、混載輸送が決定されると、それぞれの輸送注文が輸送会社に送られる。企業固有の要件の履行を保証するために、それぞれの注文を送信する前に、ユーザによって決定された連結輸送を承認することが好ましい場合がある。開始は、承認プロセス、又は他のタイプのアクションなど、ユーザによって必要なさらなるアクションを含むことができる。
【0219】
ステップ608では、開始されたアクションが制御される。これにより、実行されるべきアクションが本当に実際に実行されることが保証される。制御は、例えば、承認プロセス又はチェック手順内で、コンピューティングデバイス又はユーザによって実行され得る。この目的のために、ユーザは、決定に使用されるすべてのデータ、開始されたアクション、及びアクションの開始後に取得されたデータを提供され得る。アクションが誤りに気づいた時点で修正されることができ、又はアクションが決定に使用されたパラメータの変更時に変更されることができると、有益な場合がある。修正又は変更は、ユーザによって手動で実行されてよく、又は開始されたアクションの実行中に取得されたデータの受信時にコンピューティングデバイスによって開始されてもよい。
【0220】
ステップ604から608は、決定された充填レベル及び任意でさらなるセンサデータが予め定義された値を満たすと、予め定義されたアクションが開始されることを保証するために繰り返され得る。
【0221】
図7は、コンテナ内の液体の充填レベルを決定するためのアルゴリズムをトレーニングするために機械学習を使用する方法500の1つの例示的な実施形態において、機械学習アルゴリズム、より具体的には、アンサンブル学習アルゴリズム、例えば勾配ブースティングマシン(GBM)、勾配ブースティング回帰ツリー(GBRT)、ランダムフォレスト、又はそれらの組み合わせなどを実装する例示的なプロセス700を示す。アルゴリズムは、検出又は処理されたオーディオ信号、及び任意でさらなるセンサによって検出されたデータを使用して、充填レベルを決定し、出力することができる。
【0222】
アルゴリズムは、センサ装置、リモートサーバ、又はクラウド、又はその他のサーバによってホストされることができる。有利なことに、アルゴリズムをリモートサーバ又はクラウドサーバ上に配置することにより、追加メモリ及び/又はより複雑なプロセッサのコスト、及び充填レベルを決定するためにアルゴリズムを使用する際の関連するバッテリの使用を、各センサ装置に対して回避することができる。さらに、アルゴリズムの継続的、又は定期的な改善は、集中化されたサーバ上でより簡単に行うことができ、データコスト、バッテリ使用、及びアルゴリズムのファームウェアアップデートを各センサ装置にプッシュアウトするリスクを回避することができる。リモートサーバは、既存のアルゴリズムのトレーニング及び開発に使用されるために、様々なセンサ装置から送信されたトレーニングデータ及び/又は操作データのコレクションを保存する中央リポジトリの役割を果たすこともできる。例えば、増加するデータリポジトリを使用して、既存のシステム上のアルゴリズムを更新及び改善し、将来の使用のために改善されたアルゴリズムを提供することができる。プロセス7000を実装するための例示的な利用可能ソフトウェアは、Windows、macOS(登録商標)、及びLinux(登録商標)上で動作するオープンソースの機械学習ライブラリである、サイキット・ラーン(scikit-learn)(インターネット上、https://scikit-learn.orgで入手可能)、又はWindows、macOS、及びLinux上で動作するオープンソースの機械学習ライブラリである、XGBoostである。市販のソフトウェアの別の例としては、MATHLAB(インターネット上、mattworks.comで入手可能)があり、Statistics and Machine Learning Toolboxで分類アンサンブルを提供している。ANNモデルに利用可能なソフトウェアの例としては、Keras(インターネット上、Keras.ioで入手可能)があり、これは必要な計算エンジンを提供する、TensorFlow(登録商標)又はTheanoの上で動作するオープンソースのANNモデルライブラリである。TENS ORFLOW(カリフォルニア州マウンテンビューのGoogleの未登録商標)は、カリフォルニア州マウンテンビューのGoogleによって独自に開発されたオープンソースソフトウェアライブラリで、インターネットリソースとしてwww.tensorflow.orgで入手可能である。Theanoは、カナダのケベック州モントリオールにあるモントリオール大学のLisa Labによって開発されたオープンソフトウェアライブラリであり、インターネットリソースとしてdeeplearning.net/software/theano/で入手可能である。
【0223】
ステップ702では、入力及び出力が選択される。人工ニューラルネットワーク(ANN)が使用される場合、入力及び出力は、ANNモデルにおいて1つ以上のニューロン層によって分離される入力層及び出力層の各々におけるデータ点の数を指す。任意の数の入力及び出力のデータ点を利用することができる。一例では、生成されたオーディオ信号を処理した後に得られる各オーディオ信号のスペクトログラム、又は前述のように組み合わされた特徴など、多数のデータ入力と、コンテナ内の液体の充填レベルに対するパーセンテージなど、1つのデータ出力、又は「空」又は「空でない」という分類子など、2つのデータ出力があり得る。一例では、入力は、少なくとも15、特に少なくとも20の各オーディオ信号のスペクトログラム、又は9000未満、特に300未満、又は50未満の組み合わされた特徴と、温度などの測定された環境変数を表すように構成されることができる。この例では、次の特徴:(正規化された)平均周波数、(正規化された)中央周波数、周波数分布の標準偏差、周波数分布の歪みを抽出することにより、周波数の大きさと周波数の位相(すなわち、図5に関連して説明した生の特徴)から組み合わされた特徴が得られる。別の例では、組み合わされた特徴は、各オーディオ信号のスペクトログラムから、次の特徴:エネルギーが最も高い周波数、(正規化された)平均周波数、(正規化された)中央周波数、異なるL空間における平均周波数又は中央周波数からの周波数分布の偏差、スペクトル平坦度、(正規化された)二乗平均平方根、充填レベル固有のオーディオ係数、yinアルゴリズムによって計算された基本周波数、2つの連続するフレーム間の(正規化された)スペクトルフラックス、のうち少なくとも1つ、特にすべてを抽出することにより得られる。次に、抽出された特徴は、前述のように主成分分析(PCA)アルゴリズムを使用して組み合わされ、最も高い固有値を有するPCAの成分が組み合わされた特徴として使用される。機械学習アルゴリズムは、多かれ少なかれ入力応答サンプル及び/又は環境サンプルを利用できるように構成されることができる。
【0224】
ステップ704では、カスタマイズされたアルゴリズムが必要か否かが決定される。特定の設置、コンテナモデル、又は他の様々な条件など、特定の条件のためにトレーニングされたカスタマイズされたアルゴリズムを使用すると、決定の精度が向上し得る。例えば、2つの異なるコンテナが機械的な設計及び構成において大きく異なる場合、コンテナの種類ごとに別個のトレーニングデータセットと別個のアルゴリズムを開発する必要がある可能性が高い。例えば、容積が異なるコンテナ、又は単壁もしくは二重壁のコンテナについては、ステップ700によって異なるトレーニングデータセット、及び場合によってはアルゴリズムを開発する必要があるであろう。ステップ704で、カスタマイズされたアルゴリズムが必要であると決定された場合、各アルゴリズムのトレーニングセット、妥当性確認セット(validation set)、及び検証セット(verification set)をステップ706で開発する必要がある。そうでない場合は、ステップ708で一般的なトレーニングセット、妥当性確認セット、及び検証セットを使用することができる。
【0225】
ステップ708では、アルゴリズム学習データセットが現在の機械学習アプリケーションで使用されるための開発及び/又は収集される。一般的に受け入れられているプラクティスは、モデルのトレーニングデータセットを3つの部分:トレーニングセット、妥当性確認セット、及び検証(又は「テスト」)セットに分割することである。ANNを使用する場合、トレーニングセットはニューラルネットワークの隠れ層の内部重み付けアルゴリズムと関数を調整するために使用され、ニューラルネットワークが入力データのパターンを正しく認識し分類する方法を繰り返し「学習」する。しかし、妥当性確認セットは主に過学習(overfitting)を最小化するために使用される。妥当性確認セットは通常、トレーニングセットのようにニューラルネットワークの内部重み付けアルゴリズムを調整するのではなく、トレーニングデータセットに対する精度の向上が、以前にニューラルネットワークに適用されていないデータセット、又は少なくともネットワークがまだトレーニングされていないデータセット(すなわち妥当性確認データセット)に対する精度の向上をもたらすことを検証する。トレーニングデータセットに対する精度が向上しても、妥当性確認データセットに対する精度が変わらないか低下する場合、そのプロセスはニューラルネットワークの「過学習」と呼ばれることが多く、トレーニングを中止する必要がある。最後に、ニューラルネットワークの実際の予測能力を確認するために、検証セットは最終ソリューションをテストするために使用される。
【0226】
一例では、開発又は収集されたデータモデルセットの約70%がモデルトレーニングに使用され、15%がモデル妥当性確認に使用され、15%がモデル検証に使用される。これらのおおよその分割は、望ましい結果を得るために必要に応じて変更できる。トレーニングデータセットのサイズ及び精度は、プロセス700によって開発されるアルゴリズムの精度にとって非常に重要であり得る。例えば、方法500の例示的な実施形態では、約40.000セットのデータが収集されることができ、各セットは、前述したようなオーディオフレームのスペクトログラム又は組み合わされた特徴、環境データサンプル、及び充填穴の上方に固定された超音波センサの使用、飛行時間センサの使用、又はコンテナへの液体の定義された添加もしくはコンテナからの液体の定義された取り出しなど、一般的に知られている方法による充填レベルの正確な決定を含む。トレーニングデータセットには、予想される充填レベル並びに環境条件及びその他の周囲条件の全範囲にわたるサンプルを含めることができる。
【0227】
さらに、ステップ706に示すように、既知又は比較的既知の特性(例えば、特定のコンテナモデル、スタイル、寸法、及び/又は用途)を有するコンテナに対して、個別に調整されたデータセットを収集して、充填レベル決定がより正確になるようにニューラルネットワーク又はアルゴリズムの内部重みがより適切にトレーニングされることを保証することができる。例えば、データは多数のコンテナから収集され、収集されたコンテナのモデルに基づいて分類される。次に分類されたデータを使用して、同じ又は異なるアルゴリズムをトレーニングして精度を向上させる。次に、このデータセットで特別にトレーニングされたアルゴリズムが、提供されたコンテナのデジタル表現に基づいて、充填レベルを決定するために選択される。リモートサーバは、コンテナの種類と固有の充填レベルアプリケーションの膨大なデータベースから収集されたこのデータを保存及び分類する中央リポジトリとして機能し、既存又は将来の充填レベル表示システム又は関連アプリケーションのアルゴリズムをローカル又はリモートで開発、トレーニング、又は再トレーニングするために使用することができる。
【0228】
ステップ710では、アンサンブル学習アルゴリズム、例えば勾配ブースティングマシン(GBM)、勾配ブースティング回帰ツリー(GBRT)、ランダムフォレスト、又はそれらの組み合わせが選択される。任意に、プロセス700は、精度を比較し、任意の特定のコンテナ又は関連アプリケーションに好ましいアルゴリズムを選択するために、選択された数のアルゴリズムタイプ及び/又は次元に対して調整されることができる。当業者に既知のガイドライン、及び/又は特定のアルゴリズムソフトウェアに関連するガイドラインは、モデルタイプ及び次元の初期選択に役に立つことができる。
【0229】
ステップ712で、アルゴリズムは、トレーニングデータセットのトレーニング部分と妥当性確認部分を示す。トレーニングは、-ANNの場合-ANNモデルニューロン間の内部重み、又は重み付けアルゴリズムを設定する反復プロセスであり、各層の各ニューロンは各隣接層の各ニューロンに接続され、さらに各接続は重み付けアルゴリズムによって表される。重みを調整するためのトレーニングデータの反復ごとに、妥当性確認データがANNモデルで実行され、精度の1つ以上の尺度が充填レベルのモデル出力と、トレーニングデータで収集された充填レベルの実測値との比較によって決定される。例えば、一般的に、出力の標準偏差と平均誤差は、反復ごとに妥当性確認データに対して改善され、その後、続く反復で標準偏差と平均誤差が増加し始める。標準偏差と平均誤差が最小になる反復は、そのトレーニングデータセットに対するANNモデルの最も正確な重みのセットである。アンサンブル学習アルゴリズムの場合、トレーニングは、前述のようにバギング又はブースティングを使用して各アルゴリズムのパラメータを修正することによって、又はアンサンブル内の各分類子/リグレッサの重み付けを修正することによって実行される。
【0230】
ステップ714では、アルゴリズムは検証データセットと、データの収集による実際の充填レベル測定値と比較したときに、アルゴリズムの出力が十分に正確であるかどうかの決定を示す。精度が十分でない場合、プロセス700は、ステップ716、又は追加のトレーニングモデルが必要な場合はステップ722で継続することができる。プロセス700は、アルゴリズム検証が不満足であった場合、ステップ722で継続され、アルゴリズム精度を改善するために、より大きい及び/又はより正確なトレーニングデータセットを収集するためにステップ706又は708に戻ることが望ましい場合がある。異なるタイプ及び/又は次元のアルゴリズムを選択することにより、現在のトレーニングデータセットを使用してアルゴリズム精度の向上を試みることが望ましい場合、プロセスはステップ710に継続される。
【0231】
アルゴリズムが選択され、十分な精度までトレーニングされると、アルゴリズムはステップ716で実行される。例えば、例示的な実施形態では、アルゴリズムは、リモートサーバによってソフトウェア形態でホストされる。あるいは、アルゴリズムは、必要に応じてローカルにホストされたアルゴリズムの更新又は修正を受信するために、任意にリモートサーバへの無線データ接続で、ハードウェア形態でホストされ、及び/又は、センサ装置によってホストされることができる。
【0232】
任意に、アルゴリズムは、追加データを用いて経時的に改善することができる。例えば、ステップ718では、運用データ(例えば、スペクトログラム又は組み合わされた特徴のコレクション、環境、及び実際の充填レベルデータ)を個々のコンテナから収集し、ステップ720では、特定のコンテナ又はアプリケーションのアルゴリズムをさらにトレーニング及び改善するために使用し、基本的に時間の経過とともに集合トレーニングデータセットを増やすことができる。この運用データは、コンテナ自体が生成した履歴データ、又は同様の環境で使用されたコンテナからの履歴データを含む、多くのソースからコンパイルされることができる。このトレーニング方法は、アルゴリズムが、具体的には、サービスを提供されるコンテナによって、又は同様に配置されたコンテナから生成されたデータを受信するため、アルゴリズムの精度を微調整する。
【0233】
この運用データを収集する1つの例示的な方法は、コンテナに存在する液体を消費する顧客から収集することである。コンテナが100%の容量まで満たされると、正確なデータセットが得られ、タンクのレベルを監視することができる。コンテナが空になるたびに、別の正確なデータを取得することができ、収集したデータを分析して、アルゴリズム出力の読み取り値とコンテナが本当に空かどうかを確認することができる。複数のコンテナの再充填を通してこのプロセスを繰り返した後、その特定のタイプのコンテナにサービスを提供するアルゴリズムは、アルゴリズムをさらにトレーニングするために使用するのに十分な検証済みデータを収集し、各例で機械学習が進むにつれて、より賢くなる。そのため、アルゴリズムが最も正確な測定値を提供する方法を学習したら、より低頻度(例えば、1日に1回又は2回)でコンテナ充填の読み取りを開始することが有利であることが分かる。
【0234】
図8は、本明細書に記載されているシステムの実施形態による、コンテナ内の液体の充填レベルを決定するためのシステムの一例である。システム800は、金属製フレームワーク804内に存在する金属製単壁IBCコンテナ802を備える。一例では、コンテナは、液体ベースコート組成物などの液体コーティング組成物で充填される。別の例では、コンテナは液体化粧品組成物又は液体食品組成物で充填される。システムはさらに、図4a及び図4bに関連して説明したバーなどの取付手段806を含み、この取付手段は、センサ装置810をコンテナ802の外側に物理的に連結するために使用される。適切なセンサ装置は、例えば、図2に関連して説明されている。取付手段は、図4aと図4bに関連して説明したように、コンテナのデジタル表現、又はコンテナIDなどの表示を示す情報をそこに保存した識別タグ808を備える。システム800はさらに、少なくとも1つのさらなるコンピューティングデバイス818、例えばクラウドベースのサーバのような地理的に離れたサーバを備える。一例では、さらなるコンピューティングデバイス818は、通信インターフェース826及び828を介してセンサ装置から送信されたデータに基づいて、充填レベル(例えば図5参照)及び任意に以下に説明するようなアクションを決定するために使用される。この目的のために、さらなるコンピューティングデバイス818は、例えば図7に関連して前述したように、トレーニングされた機械学習アルゴリズムを備えることができる。
【0235】
さらなるコンピューティングデバイス818は、移動無線タワー816を利用するセルラー通信インターフェース826、828を介してセンサ装置と接続される。一例では、セルラー通信インターフェース826は、前述したようなLPWAN技術であってよい。一例では、セルラーベースの通信インターフェース826及び/又は828は、900MHz通信システムのカバレッジ能力を超え、WiFiネットワーク又は他のLANとの統合、及び、例えば、ファイアウォール、パスワードの変更、又は異なるSSIDなどの関連する問題が不要になる。さらなるコンピューティングデバイスは、通信インターフェース830を介して、ラップトップ、スマートフォン、タブレット、又はパーソナルコンピュータを含むモバイル又は固定コンピューティングデバイスなどのクライアント820.1から820.3と接続される。一例では、クライアント820.1から820.3を介したさらなるコンピューティングデバイス818へのアクセスは、シングルサインオンなどの一般的に知られた認証手順を使用して制限されてよい。さらなるコンピューティングデバイス818は、図6に関連して説明されるようなアクションを開始及び制御するなど、送信され決定されたデータのさらなる分析を実行してよい。データ、関連する分析、及び開始されたアクションは、クライアント820.1から820.3を使用して、例えばウェブブラウザを介してアクセス及び閲覧され得、したがって、専用のコンピューティングデバイスが不要になる。さらなるコンピューティングデバイス818は、情報がユーザのコンピューティングデバイス(クライアント820.1から820.3など)に直接送信されるように、又はベンダーが管理する在庫システムで使用されるデータベースに存在する情報がさらなるコンピューティングデバイス818によって自動的に更新されるように、エンタープライズリソースプランニング又はベンダー管理の在庫システムとインターフェースすることもでき、その後、ユーザのコンピューティングデバイスによってアクセスされることができる。コンテナの位置を決定するために、センサ装置810は、前述したように、通信インターフェース822を介してWiFiホットスポット812と、及び/又は通信インターフェース824を介してグローバルナビゲーション衛星システム814と通信することができる。決定された位置に関するデータは、-温度などのセンサ装置のさらなるセンサによって決定されたデータとともに-前述のように、通信インターフェース826、828を介してさらなる処理装置818に送信され得る。
【0236】
一例では、システム800は、センサ装置810.1から810.nが取り付けられた複数のコンテナ802.1から802.nを備える。一例では、各センサ装置810.1~810.nは、通信インターフェース826、828を介してデータをさらなるコンピューティングデバイス818に送信し、次いでさらなるコンピューティングデバイス818は、センサ装置から受信したすべてのデータを処理する。別の例では、センサ装置810.1から810.nからのデータは、異なるコンピューティングデバイス818.1から818.nに送信され、これらのコンピューティングデバイスによってさらに処理される。次に、コンピューティングデバイス818.1から818.nは、処理されたデータを別のコンピューティングデバイスに送信することができ、これはクライアント820.1から820.nによってされ得る。あるいは、クライアント装置820.1から820.nは、センサ装置からの関連データを処理するそれぞれのコンピューティングデバイス818.1から818.nにアクセスすることができる。
【0237】
図9は、本明細書に記載の方法及びシステムの実施形態による、コンテナを遠隔監視及び管理するためのシステム900の一例を示す図である。システム900は、複数のセンサ装置918、922、926、930及びクライアント912、914が連結されたクラウド902を含む。クラウド902は、例えば図8に関連して説明したコンピューティングデバイス818などの、1つ以上のサーバを含むことができる。センサ装置918、922、926、930は、例えば図4bに関連して説明したように、コンテナ916、920、924、928に物理的に取り付けられている。センサ装置918、922、926、930の各々は、図2に関連して説明されたセンサ装置200として実装されてよい。
【0238】
センサ装置918、922、926、930及びクライアント912、914のそれぞれは、通信インターフェース932、934、936、938、940、942を介してクラウド902に連結される。一例では、通信インターフェース932、934、936、938、940、942の少なくとも一部がゲートウェイを表してよい。この例では、少なくとも2つのセンサ装置が1つのゲートウェイを介してクラウド902(図示せず)に連結され得る。別の例では、センサ装置はクラウド902に直接連結される。この場合、センサ装置は、本明細書で説明するゲートウェイ機能及びコンポーネントのいずれかを用いて構成され、少なくともいくつかの点で、クラウド902によってゲートウェイのように扱われる。各ゲートウェイは、ゲートウェイがセンサ装置と遠隔通信し、センサ装置を監視し、管理することができるように、センサ装置200に関連して本明細書で説明されるネットワーク通信技術のいずれかを実装するように構成されてよい。各ゲートウェイは、当技術分野で知られているように、ゲートウェイ及び/又はコントローラの1つ以上の機能を有するように構成されてよく、本明細書において定義されるゲートウェイ機能を実行するように構成される複数のタイプの装置のいずれであってよい。送信されるデータのセキュリティを確保するために、各ゲートウェイは、図2に関連して説明したように、(例えばコントローラのハードウェア層に)TPMを含むことができる。TPMは、例えば、センサ装置との間の、ゲートウェイとの間の通信の一部を暗号化するため、暗号化されていないゲートウェイで受信されたそのような情報の一部を暗号化するため、又はクラウド902、ゲートウェイ932、934、936、938、940、942、センサ装置918、922、926、930及びクライアント装置912、914間の安全な通信を提供するために使用され得る。例えば、システム900のTPM又は他のコンポーネントは、HTTPS通信用のトランスポート・レイヤー・セキュリティ(TLS)及び/又はデータグラムベースのアプリケーション用のデータグラム・トランスポート・レイヤー・セキュリティ(DTLS)を実装するように構成され得る。さらに、前述のデータセキュリティ操作のいずれかに関連する1つ以上のセキュリティ認証情報をTPMに保存することができる。TPMは、例えば製造中に、クラウド902内のゲートウェイ、センサ装置又はサーバのいずれかに実装されてよく、ゲートウェイ又はセンサ装置をパーソナライズするために使用されてよい。このようなゲートウェイ、センサ装置、及び/又はサーバは、鍵及び認証情報の管理のための公開鍵インフラストラクチャ(PKI)など、当技術分野で知られている暗号技術を実装するように(例えば、製造中又はその後に)構成されてよい。
【0239】
一例では、センサ装置918、922、926、930をクラウド902に接続する各ゲートウェイ、又はセンサ装置918、922、926、930内に存在する各ゲートウェイは、図5及び本明細書の他の箇所に関連してより詳細に説明されるように、センサ装置によって生成又は受信された可能性のあるデータを分析すること、及びセンサ装置に指示を提供することを含む、センサ装置から受信されたデータを処理するように構成されてよい。加えて、各ゲートウェイは、図6に関連してより詳細に説明されるように、試運転、充填、洗浄、入荷検査、及び認証(例えば、2年後)、消費、及びコンテナの他の処理に関連する1つ以上の機能を提供するように構成され得る。この目的のために、各ゲートウェイは、そのような能力をカプセル化したソフトウェアで構成されることができる。別の例では、通信インターフェースを介してクラウド902に直接接続されたセンサ装置は、データを処理し、上述のさらなる機能を実行するように構成されてよい。この目的のために、それぞれのセンサ装置は、そのような能力をカプセル化したソフトウェアで構成されることができる。クラウド902内の1つ以上のサーバ上のより集中的な方法とは対照的に、このような処理を1つ以上のゲートウェイ、及び/又はセンサ装置自体で実行することによって、システム900は、より分散されたエッジコンピューティング技術の利点を実装し、享受することができる。
【0240】
この例では、クラウド902は2つの層、すなわち、1つ以上のアプリケーション904を含むアプリケーション層906と、1つ以上のデータベース908を含むサービス層910とを含む。アプリケーション及びサービス層910はそれぞれ、クラウド902内の1つ以上のサーバを使用して実装されることができる。別の例では、クラウド902はより多くの層又はより少ない層を含む。サービス層910は、例えば、以下のデータベース908:トランザクションデータベース、コンテナデータベース、コンテナ内容物データベース、ライフサイクル管理データベースを含むことができる。
【0241】
トランザクションデータベースは、システム900によって管理されるコンテナに関係する1つ以上のトランザクション記録を含むことができる。例えば、トランザクション記録はブロックチェーン技術を含むことができ、ブロックチェーンはシステム900の安全なトランザクションレジスタとして機能することができる。トランザクションは、管理されたコンテナの1つを含むあらゆる商取引、又は商取引に関連しない他のステータス情報を含み得る。さらに、サービス層910内の他の各データベース908のそれぞれに保存されたデータは、1つ以上のトランザクション記録として保存され、コンテナ管理システム900のトランザクションレジスタの一部であってもよい。
【0242】
コンテナデータベースは、例えば、機械的仕様、形状、作成日、メンテナンスインターバル、最終検査、材料組成、その他の情報など、システム900によって管理されるコンテナに関する情報を含むことができる。
【0243】
コンテナ内容物データベースは、管理されているコンテナの内容物(例えば、液体、バルク固体、粉末)に関する情報、例えば、成分、化学組成、分類(例えば、医薬品、飲料、食品)、コンテナの内容物又は意図された内容物のATEX分類、規制関連情報、コンテナの特性及び経時的に収集されたその他の情報、及び内容物に関するその他の情報を含むことができる。コンテナの特性には、例えば、気候条件、位置、質量、充填レベル、コンテナの最大充填レベルなどのコンテナに関連する物理的特性、ならびに他の特性が含まれ得る。所定のコンテナについて、コンテナデータベース及び/又はコンテナ内容物データベースに保存される情報は、コンテナ自体に保存される情報と同じ情報を含む場合があり、コンテナ自体に関する情報と組み合わせて、コンテナのデジタル表現、例えばデジタルツインとみなすことができる。
【0244】
ライフサイクル管理データベースは、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、ライフサイクルの段階を通じてコンテナを管理するために使用され得る状態、ルール、アルゴリズム、手順などに関する情報を保存することができる。
【0245】
コンテナデータベース及び/又はコンテナ内容物データベースに保存された情報は、センサ装置918、922、926、930のコンテナへの物理的な連結時に、通信インターフェース934、936、938、940を介してセンサ装置918、922、926、930によって取得され得る(図4a及び4bを参照)。物理的な連結後、取付手段に存在するNFCタグに保存されたコンテナIDが、センサ装置918、922、926、930によって取得され、コンテナIDに関連付けられたコンテナデータベース及び/又はコンテナ内容物データベースに保存された情報を得るために使用される。
【0246】
変換層906は、サービス層910から利用可能になった情報及びサービスのいずれかを含む、コンテナ管理に関連する情報及びサービスを利用する様々なアプリケーションのいずれかを含むことができる。変換層906は、在庫アプリケーション、注文管理アプリケーション、さらなるアプリケーション、又は前述の任意の適切な組み合わせを含むことができる。
【0247】
在庫アプリケーションは、システム(例えば、システム900)内で管理されるコンテナの在庫を提供することができ、システム内の各コンテナ、及びその内容物に関するプロパティ(例えば、特性)を含み、ライフサイクル内のコンテナの現在の状態、コンテナの充填レベル、現在の位置(例えば、携帯電話ネットワーク、Wi-Fiネットワーク、ISMネットワーク、又はその他の1つ以上のネットワーク識別子)、及び本明細書で説明するコンテナに対応するその他のプロパティを含む。コンテナの在庫は、OEMなどのエンティティによって所有、リース、制御、管理、及び/又は使用されるコンテナのグループ(例えば「フリート」)であってよい。
【0248】
注文管理アプリケーションは、例えば、OEMなどのエンティティのすべての顧客などの、顧客のコンテナ注文、及び/又は、例えば新しいコンテナの注文などのOEMの注文を管理することができる。注文管理アプリケーションは、企業又はOEMの顧客のすべての過去及び現在のコンテナ注文に関する情報を維持し、そのような注文を処理することができる。注文管理アプリケーションは、(例えば、1つ以上のゲートウェイを介して、又はセンサ装置自体から直接)コンテナに物理的に連結されたセンサ装置から受信したコンテナステータス情報に基づいて、エンティティ(例えば、顧客又はOEM)のコンテナを自動的に注文するように構成されてよい。例えば、アプリケーションは、例えば、空のコンテナ、破損したコンテナ、コンテナの充填レベルなどの1つ以上の予め定義されたしきい値を有することができ、(例えば、充填レベルを下回り及び/又は空でない及び破損していないコンテナの数が)そのしきい値に達した後、又はそれを超えた後、追加のコンテナが注文され得る。アプリケーションは、互いを含むアプリケーション層906内の他のアプリケーションと相互作用するようにインターフェースを介するように構成されてよい。これらのアプリケーション又はその一部は、同様にコンテナ管理ネットワークのゲートウェイ及び/又はセンサ装置にプログラムされてよい。
【0249】
コンテナ情報は、センサ装置、ゲートウェイ、及びクラウド902のコンポーネントを含むシステム900のコンポーネント間で、様々な方法のいずれかで通信され得る。そのような技術は、例えばブロックチェーン技術を使用したトランザクション記録におけるコンテナ情報の送信を含むことができる。そのようなトランザクション記録は、公開情報と個人情報とを含むことができ、公開情報は、より一般的に関係者が利用できるようにすることができ、より機密性の高い情報は、より選択的に、例えば、特定のコンテナ製造者、OEM及び/又は顧客のみが利用できるようにした個人情報として扱うことができる。例えば、トランザクション記録内の情報は、コンテナ及び/又はセンサ装置に固有の秘密鍵を用いて暗号化された個人データを含むことがあり、及び暗号化されていない公開データを含むことがある。公開データは、このデータの価値を保護し、例えばスマートコントラクトの一部としてデータの取引を可能にするために、暗号化されることもできる。公開データと個人データの区別は、データとデータの用途に応じて行われることができる。
【0250】
システム900のコンポーネント間の通信回数を最小限に抑えることができ、これは、いくつかの実施形態では、予め定義されたスケジュールに従って、クラウド902内のサーバにトランザクション(例えば、コンテナステータス情報)を通信することを含むことができ、ゲートウェイは、1つ以上のサーバとの間でトランザクションを送信(例えば、センサ装置からクラウド902へのデータ送信、又はクラウド902からセンサ装置への指示の送信)する時間サイクル内のスロットを割り当てられる。データは、所定の期間にわたって収集され、送信前に単一のトランザクション記録にグループ化され得る。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ内の液体の充填レベルを決定する方法であって、前記方法は以下のステップ:
(i) センサ装置をコンテナに取り付けるステップと;
(ii) 通信インターフェースを介してコンピュータプロセッサにコンテナのデジタル表現を提供するステップと;
(iii) 前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成するために、前記センサ装置によって前記コンテナを音響的に刺激するステップと;
(iv) 前記生成されたオーディオ信号を検出し、任意に検出されたオーディオ信号を処理するステップと;
(v) 前記通信インターフェースを介して、前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す検出又は処理されたオーディオ信号を、前記コンピュータプロセッサに提供するステップと;
(vi) 前記通信インターフェースを介して、過去のオーディオ信号、過去のコンテナ内の液体の充填レベル、及び過去のコンテナのデジタル表現でパラメータ化された少なくとも1つのデータ駆動モデルを、前記コンピュータプロセッサに提供するステップと;
(vii) 前記コンピュータプロセッサを使用して、前記提供されたコンテナのデジタル表現、前記提供されたオーディオ信号、及び前記提供されたデータ駆動モデルに基づいて、前記コンテナ内の液体の充填レベルを決定するステップと;
(viii) 前記通信インターフェースを介して、前記決定されたコンテナ内の液体の充填レベルを提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記コンテナ内の液体の充填レベルは、コンテナが空であること、又はコンテナが空ではないことに対応する分類子である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンテナのデジタル表現は、コンテナのサイズに関するデータ、特にコンテナの充填量に関するデータ、コンテナの内容物に関するデータ、初期充填レベルに関するデータ、充填日、コンテナの位置に関するデータ、コンテナの使用年数に関するデータ、コンテナの使用サイクルに関するデータ、コンテナのメンテナンスインターバルに関するデータ、コンテナの最大寿命時間に関するデータ、コンテナの内容物の有効期限、及びそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンテナのデジタル表現を提供するステップは:
- 前記コンテナに識別タグを取り付けるステップと、
- 前記取り付けられたタグに保存されたコンテナのデジタル表現を取得するか、又は前記取り付けられたタグに保存された情報に基づいてコンテナのデジタル表現を取得する、ステップと、
- 前記取得されたコンテナのデジタル表現を、前記通信インターフェースを介して前記コンピュータプロセッサに提供するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コンテナを音響的に刺激して、前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成することは、前記センサ装置のアクチュエータによって前記コンテナの外壁をビーティングして、前記少なくとも1つのオーディオ信号を誘導することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの生成されたオーディオ信号は、前記センサ装置の少なくとも1つのマイクロホンによって検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記検出されたオーディオ信号を処理することは、前記コンテナの音響刺激の結果として、前記センサ装置の少なくとも1つのマイクロホンによって検出された前記オーディオ信号を、前記コンピュータプロセッサによって、デジタルサンプリングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
オーディオサンプルは、前記コンピュータプロセッサによって、任意で前記オーディオサンプルを整列させ、前記検出された又は整列されたオーディオサンプルのフーリエスペクトルを計算し、任意で前記フーリエスペクトルから少なくとも1つの予め定義された特徴を抽出し、任意で前記抽出された特徴を組み合わせることによって、さらに処理される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記予め定義された特徴は、エネルギーが最も高い周波数、(正規化された)平均周波数、(正規化された)中央周波数、周波数分布の標準偏差、周波数分布の歪み、異なるL空間における平均周波数又は中央周波数からの周波数分布の偏差、スペクトル平坦度、(正規化された)二乗平均平方根、充填レベル固有のオーディオ係数、yinアルゴリズムによって計算された基本周波数、2つの連続するフレーム間の(正規化された)スペクトルフラックス、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記データ駆動モデルは、トレーニングされた機械学習アルゴリズムから導出される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記機械学習アルゴリズムは、前記機械学習アルゴリズムの内部構造を定義するために入力及び出力を選択すること、前記機械学習アルゴリズムをトレーニングするために入力及び出力のデータサンプルのコレクションを適用すること、既知の充填レベルの入力データサンプルを適用して生成された出力値を期待される出力値と比較することによって前記機械学習アルゴリズムの精度を検証すること、受信した出力値が前記既知の充填レベルに対応しない場合に最適化アルゴリズムを使用して前記機械学習アルゴリズムのパラメータを修正することによってトレーニングされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記通信インターフェースを介して前記コンテナ内の液体の決定された充填レベルを提供することは、ディスプレイ装置の画面上に前記コンテナの液体の決定された充填レベルを表示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
コンテナ内の液体の充填レベルを決定するためのシステムであって、前記システムは:
- コンテナと;
- 前記コンテナ内の液体の充填レベルを示す少なくとも1つのオーディオ信号を生成、検出、任意に処理するためのセンサ装置と;
- 過去のオーディオ信号、過去のコンテナ内の液体の充填レベル、及び過去のコンテナのデジタル表現でパラメータ化された少なくとも1つのデータ駆動モデルを保存するデータ記憶媒体と;
- 前記コンテナのデジタル表現、前記検出又は処理されたオーディオ信号、及び前記少なくとも1つのデータ駆動モデルを、コンピュータプロセッサに提供するための通信インターフェースと;
- 前記通信インターフェース及び前記データ記憶媒体と通信するコンピュータプロセッサ(CP)であって、
a. 前記通信インターフェースを介して、前記コンテナのデジタル表現、前記検出又は処理されたオーディオ信号、及び前記少なくとも1つのデータ駆動モデルを受信し;
b. 任意で、受信された、検出されたオーディオ信号を処理し;
c. 受信された前記コンテナのデジタル表現、受信された検出又は処理された前記オーディオ信号及び受信された前記データ駆動モデルに基づいて、前記コンテナ内の液体の充填レベルを決定し、及び、
d. 前記通信インターフェースを介して、決定された前記コンテナ内の液体の充填レベルを提供する、
ようにプログラムされたコンピュータプロセッサと、
を備えるシステム。
【請求項14】
- コンテナのメンテナンスインターバルを最適化し、及び/又は
- 空のコンテナ及び/又は満杯コンテナの輸送を統合することにより、循環するコンテナの総量を削減し、及び/又は
- 製品サイクルを短縮し、及び/又は
- 新しいコンテナを注文し、及び/又は
- 古いコンテナの使用を停止する、
ための請求項1に記載の方法の使用。
【請求項15】
液体の充填レベルが、請求項1に記載の方法より決定される、液体の充填レベルを含むコンテナ。
【国際調査報告】