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特表2024-521039装置のメンテナンスを最適化する方法及び関連するシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】装置のメンテナンスを最適化する方法及び関連するシステム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568603
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 US2022028936
(87)【国際公開番号】W WO2022241086
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/188,059
(32)【優先日】2021-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520435429
【氏名又は名称】インフィコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チエン ジェフ チーフェン
(72)【発明者】
【氏名】ウィゼルマン デイヴィッド アーロン
【テーマコード(参考)】
3C100
【Fターム(参考)】
3C100AA03
3C100AA18
3C100AA29
3C100AA36
3C100AA63
3C100BB13
3C100BB17
3C100BB19
(57)【要約】
工場における製造装置のメンテナンスの最適化方法であって、期間を設定し、設定された期間において各製造装置に対して行うメンテナンスタスクを決定することを含む。それぞれのメンテナンスタスクに要求される技術者のスキルを決定する。設定された期間における各技術者の手配可能性、及び証明を決定する。各メンテナンスタスクに要求される部品及び部品の在庫を決定する。設定された期間における製造スケジュールを決定する。決定されたメンテナンスタスク、技術者の手配可能性及び証明、及び部品の手配可能性に基づいて、設定された期間の間における製造への影響を最小限にする推奨メンテナンススケジュールを生成する。推奨メンテナンススケジュールは各メンテナンスタスクを行うための推奨時間と各メンテナンスタスクを行うための推奨技術者を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場における製造装置のメンテナンススケジュールを最適化する方法であって、
期間を設定し、
設定された前記期間において各製造装置に対して行うメンテナンスタスクを決定し、
決定された前記メンテナンスタスクそれぞれにかかる時間を推定し、
それぞれのメンテナンスタスクに要求される技術者のスキルを決定し、
設定された前記期間における各技術者の手配可能性、及び手配可能な技術者それぞれの証明を決定し、
各メンテナンスタスクに要求される部品及び部品の在庫を決定し、
設定された前記期間における製造スケジュールを決定し、
決定された前記メンテナンスタスク、技術者の手配可能性及び証明、及び部品の手配可能性に基づいて、設定された前記期間における製造への影響を最小限にする推奨メンテナンススケジュールを生成する、
ことを含む方法であって、
前記推奨メンテナンススケジュールは、各メンテナンスタスクを行うための推奨時間と、各メンテナンスタスクを行うための推奨技術者とを含む、方法。
【請求項2】
グラフィカルユーザインタフェース上において、カレンダー形式で前記推奨メンテナンススケジュールを表示することをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記方法は各メンテナンスタスクを行うのにどのツールが必要なのかを決定することをさらに含み、
前記推奨メンテナンススケジュールは各メンテナンスタスクを行うのに要求されるツールの手配可能性を考慮する、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記推奨メンテナンススケジュールを承認することをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
承認された前記推奨メンテナンススケジュールを前記手配可能な技術者に送信することをさらに含む、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記推奨メンテナンススケジュールの生成に最初に使用した、1以上の決定された情報における実際の時間変化に基づいて前記推奨メンテナンススケジュールを調整することをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
ユーザ入力インターフェース及び出力インターフェースを有するスケジューラデバイスと、
前記スケジューラデバイスと電気通信を行う複数の外部情報ハブと、
を含むメンテナンススケジューリングシステムであって、
前記スケジューラデバイスは、
期間の設定を可能にし、
設定された前記期間において各製造装置に対して行うメンテナンスタスクを決定し、
前記複数の外部情報ハブのうちの1つから、1人以上の技術者の情報を取得し、
前記複数の外部情報ハブのうちの別の1つから、各メンテナンスタスクに要求される部品及び部品の在庫に関する情報を取得し、
前記複数の外部情報ハブのうちの1つから、設定された前記期間の製造スケジュールを取得し、
取得した前記情報に基づいて、設定された前記期間における製造への影響を最小限にする推奨メンテナンススケジュールを生成するように構成され、
前記推奨メンテナンススケジュールは、各メンテナンスタスクを行うための推奨時間と、各メンテナンスタスクを行うための推奨技術者と、を含む、
メンテナンススケジューリングシステム。
【請求項8】
前記推奨メンテナンススケジュールは、前記出力インターフェース上においてカレンダー形式で表示される、
請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記スケジューラデバイスは、複数の外部情報ソースのうちの別の1つから、各メンテナンスタスクに要求されるツールに関する情報を取得するようにさらに構成される、
請求項7記載のシステム。
【請求項10】
前記スケジューラデバイスは、手配可能な前記技術者に対して前記推奨メンテナンススケジュールを送信するように構成される、
請求項7記載のシステム。
【請求項11】
前記スケジューラデバイスは、前記推奨メンテナンススケジュールの生成に最初に使用した、1以上の取得された前記情報における実際の時間変化に基づいて前記推奨メンテナンススケジュールを調整するようにさらに構成される、
請求項7記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年5月13日に出願された「MAINTENANCE OPTIMIZER」という名称の米国仮特許出願第63/188,059号の利益及びそれに対する優先権を主張し、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
上記の開示は、装置のメンテナンスを最適化する方法に関する。特に、この方法は、対象の装置のメンテナンス中の期間における操業スケジュールへの影響を最小限にする装置のメンテナンススケジュールを決定するために、人員情報、必要な部品の手配可能性に関する情報、装置稼働スケジュールに関する情報等の様々な種類の情報を用いる。この開示はさらに、通信ネットワーク上の1以上の情報ハブと通信するスケジューラを含む、製造装置のメンテナンスを最適化するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体は、多くの種類の消費者向け製品や工業製品の製造に用いられる重要な構成要素である。例えば、半導体は集積回路(マイクロチップ)及び光起電デバイスの製造に用いられる。そして集積回路は携帯電話等のポータブル電子機器から地球の周りを周回する人工衛星までにわたる何千もの他の製品に組み込まれる。光起電デバイスは太陽光を電力に変換するために用いられる太陽電池の製造に用いられる。これらの製品に対する世界的な需要に応えるため、半導体メーカーは、半導体ウェハを製造するために、数百の製造装置を備えた巨大な工場を毎日終日稼働させている。半導体製造会社の全体的な成功は、完成品のウェハの出力次第であり、半導体製造装置が可能な限り長期的に効率よく動作するかどうか次第である。半導体製造装置が効率よく動作するためには、スケジュールに従い予防として適切にメンテナンス(保全)が行われなければならない。このような予防保全がきちんと行われないと、必ず装置の故障に繋がる。装置が故障すると、メーカーは装置の修理や交換に多大な費用を費やすことになり、装置が長期間停止することによって収益が減少する。しかし、このような予防保全ではメンテナンスが完了するまで装置は停止されなければならないため、半導体の製造が遅れることになる。
【0004】
現在使用されているメンテナンススケジューリング方法やシステムは手動の場合が多く、ミスが多い。また、これらの方法は、操業全体、特に半導体製造工場の操業への影響を正確に考慮していない。
【0005】
上記は、メーカーが装置のメンテナンスのスケジューリング及び実行の際に直面する欠点のうちの一部である。
【発明の概要】
【0006】
以下の開示は、操業(operation)への影響を最小限にするように、製造装置(生産設備。manufacturing equipment)のメンテナンスをスケジューリングする方法に関する。この方法は、そのようなメンテナンスを実施するために手配可能な(対応可能な。在庫がある。利用可能な。available)技術者と、各技術者の証明(証明書。certification)、操業スケジュール、予定されたメンテナンスに要求される部品及び/又はツールの手配可能性(availability)を含むいくつかの要素を考慮に入れる。この開示はさらに、通信ネットワーク上の1以上の情報ハブと通信するスケジューラ又はスケジューリングデバイスを含む、装置のメンテナンスのスケジューリングを行うシステムに関する。
【0007】
製造装置のメンテナンスタスクのスケジューリング方法の一の実施形態はメンテナンスタスクを実行する期間を設定し、設定することを含む。各製造装置に対して設定された期間内で行われるメンテナンスタスクを決定する(特定する。determine)。それぞれのメンテナンスタスクに要求される技術者のスキルを決定し、設定された期間における各技術者の手配可能性、及び各技術者の証明を決定する。メンテナンスに要求される部品を決定し、在庫の部品と照合する。設定された期間において製造スケジュールを決定する。この製造スケジュールとは、顧客の注文に基づく現在の仕掛品(work-in-progress)と予想される仕掛品の関数である。そして、可能な限り多くのメンテナンスタスクを完了しつつ設定された期間における製造への影響を最小限にするために、設定された上記すべての情報を考慮して、推奨メンテナンススケジュールを生成する。
【0008】
ある実施形態において、上記方法は、グラフィカルユーザインタフェース上においてカレンダー形式で上記推奨メンテナンススケジュールを表示することを含む。他の実施形態において、上記方法は、各メンテナンスタスクを行うのにどのツールが必要なのかを決定することを含む。ある実施形態において、上記方法は、上記推奨メンテナンススケジュールを承認することを含む。ある実施形態において、上記方法は、上記承認された推奨メンテナンススケジュールを手配可能な技術者に送信することを含む。他の実施形態において、上記推奨メンテナンススケジュールの生成に最初に(当初に。originally)使用した、決定された情報における実際の時間(リアルタイム)の変化に基づいて上記推奨メンテナンススケジュールを調整することをさらに含む。
【0009】
装置のメンテナンスを最適化するシステムの一実施形態は、ユーザ入力インターフェースとユーザ出力インターフェースを有するスケジューリングデバイス又はスケジューラを含む。スケジューラは、ユーザインタフェースにおいてユーザから入力情報を受信するように構成される。上記ユーザからの情報に加え、スケジューラは1以上の外部情報ソースから情報を受信するように構成される。ある実施形態において、上記1以上の外部情報ソースは、部品在庫データベース、人材データベース、及び製造スケジュールを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
上記で簡単に要約した本発明についてのより具体的な説明を、実施形態を参照しながら行う。実施形態のいくつかは添付の図面に示す。しかし、本発明は他の等しく効果的な実施形態も許容しうるため、添付の図面は本発明の典型的な実施形態のみを示し、したがって本発明の範囲を限定するものとみなすべきではないことに留意されたい。したがって、本発明の本質及び目的をさらに理解するために、以下の詳細な説明を参照し、図面と関連付けながら読み取ることができる。
【0011】
図1A】装置のメンテナンスを最適化する方法の一実施形態を図示する。
図1B図1Aの続きを図示する。
図2】装置のメンテナンスを最適化する方法の他の実施形態を図示する。
図3】ネットワーク上の複数の外部情報ソースとの電気通信におけるスケジューラの一実施形態を概略的に図示する。
図4】GUI上においてスケジューラによって生成されたメンテナンスカレンダーの一実施形態を図示する。
図5】GUI上においてスケジューラによって生成されたメンテナンスカレンダーの一実施形態を図示する。
図6図5に示したカレンダーの最適化バージョンの一実施形態を図示する。
図7】個別の製造装置に関する図6に示したカレンダーの一実施形態を図示する。
図8】個別の技術者に関する図6に示したカレンダーの一実施形態を図示する。
図9】全てのメンテナンスタスク、割り当てられた技術者、及び各タスクに要求されるツールを表示する、図6に示したカレンダーの一実施形態を図示する。
【0012】
添付の図面は説明のためのものであり、必ずしも正確な縮尺ではない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明は、装置のメンテナンスを最適化する方法の様々な実施形態に関する。本明細書において説明される態様は、ここに詳述されるように、特定の発明概念を具体的に表現する例であることが理解されるであろう。そのため、他の変更や修正も、十分な技術を有する者にとっては容易に理解され得る。
【0014】
ここで図1A及び図1Bのフローチャートを参照して方法100の一実施形態を説明する。まず、ステップ102においてメンテナンスタスクを行う期間を決定する。ステップ104において、上記期間において各製造装置に対して行うメンテナンスタスクを決定する。そして、ステップ106において、これらのタスクと上記期間において手配可能な技術者とのマッチングが行われる。ステップ108において、上記マッチングは技術者のスキルと証明を考慮する。そして、ステップ110において各メンテナンスタスクに要求される部品(パーツ)を決定し、ステップ112において各メンテナンスタスクに要求される部品を現在の在庫と照合する。最後に、ステップ114において、上記期間における製造スケジュールが決定される。この製造スケジュールとは、顧客の注文に基づく現在の仕掛品と予想される仕掛品の関数である。そして、ステップ116において、メンテナンススケジュール案が生成される。このメンテナンススケジュール案において、技術者と各メンテナンスタスクとのマッチングがなされ、全ての必要な部品の割り当てが行われる。このメンテナンススケジュール案は、製造全般に対するこのメンテナンスの影響を最小限にしつつ、手配可能な労働力を最適化する。この推奨メンテナンススケジュールはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)に出力され得る。このGUIは印刷又は他者との電子的な共有が可能である。
【0015】
図2を参照して、方法200の他の実施形態について説明する。他の実施形態において、ステップ202においてユーザがキーパッドやキーボード等のユーザインタフェースを介して、又は生体認証ログインを介して上記スケジューラを起動し、上記スケジューラにログインすることによって上記方法が開始される。ユーザがログインすると、ステップ204において、リファレンス(参照。保証。推薦)情報及び/又は現在及び/又は過去のメンテナンススケジュールに関する情報がユーザに対して提示される。そして、ステップ206において、リファレンス情報に対するアクセスが行われる。このリファレンス情報は、各製造装置の予防保全スケジュールを含み得る。これは、定期的に手動で入力されるか、推奨メーカー保全に準じて定期的に自動でアップロードされる。例えば、特定の製造装置の予防保全スケジュールは、3か月ごとの較正と、6ヵ月ごとのセンサーの交換と、4ヵ月ごとの全体クリーニングを含み得る。これらのメンテナンスタスクは、オンデマンドで利用できるようにスケジューラにアップロード又は入力される。各メンテナンスタスクにはさらに、推定完了時間が割り当てられる(assign)。推定完了時間は、メンテナンスタスクの遂行に割り当てられた技術者のスキルレベルによって変化する。
【0016】
ログイン後、ステップ208においてユーザは例えば1か月間又は5月などの特定の月等の期間を選択することができる。上記予防保全タスクに加え、追加のメンテナンスタスクがユーザにより要求され得る。その後スケジューラは設定された期間における各技術者の人員(personnel)情報の決定又はアクセスを行う。この人員情報は、ステップ210で取得され得る、技術者の手配可能性、技術者のスキルレベル、及び/又は証明を含む。そして、ステップ212において、スケジューラは推奨メンテナンススケジュールを決定する。これは、上記人材が手配可能な前記選択された期間における最大タスク完了スケジュールである。ステップ214においてこのスケジュールがメモリコンポーネントに保存され、その後ステップ216において上記推奨スケジュールがディスプレイに出力される。
【0017】
一実施形態において、推奨スケジュールを生成する前に、スケジューラはさらに各メンテナンスタスクに要求される装置の部品の手配可能性を決定する。そして、スケジューラはさらに上記選択された期間における製造装置の製造スケジュールを決定する。そして、スケジューラは製造スケジュール全体への影響が最小限になるように、スケジューリング期間において最大ジョブ完了を決定する。つまり、スケジューラは、手配可能な技術者のスキル、必要な部品の手配可能性、各メンテナンスタスクの実行に要求される推定時間、及び全体的な製造スケジュールを考慮して、選択した期間の推奨メンテナンススケジュールを生成する。したがって、上記生成される推奨メンテナンススケジュールでは、製造スケジュールへの影響を最小限に抑えながら、選択した期間中にほとんどのメンテナンスタスクが実行される。
【0018】
図3では上記で開示した方法100、200を行うためのシステム300を概略的に示す。図示されるように、システム300はGUI等のユーザ入力インターフェース312及びユーザ出力インターフェースを有するスケジューラ(スケジューリングデバイス)310を含む。スケジューラ310はさらに1以上のプロセッサ、トランスミッタ、アンテナ、及びメモリコンポーネントを含み得る。スケジューラ310は通信ネットワーク317上の1以上の外部情報ハブ又は他のデバイスと通信を行う。通信ネットワーク317上の1以上の他のデバイスは、各メンテナンス雇用メンテナンス技術者の資格、及び各技術者の休暇及び病欠/有給休暇スケジュールに関する人材情報320を保持するよう構築される。スケジューラ310はさらに、製造装置の新規又は予備部品の在庫を管理する倉庫情報ハブ又は倉庫管理装置330との通信を行い得る。スケジューラ310はまた、セールスデータベース及び/又は製造スケジュールデータベース340との通信を行い得る。さらに、スケジューラ310は以下に記載するように、ツールスケジューラ350との通信を行い得る。一実施形態において、(そのようなスケジュールをスケジューラ310がまだ有していないか、又はインポートされていなければ、)選択された期間において実行される予定のメンテナンスタスクのリストを取得するため、スケジューラ310は追加情報ハブに対するアクセスを行う。したがって、スケジューラ310は、メンテナンススケジュール案を生成する際に、これら複数の外部情報ハブ320、330、340、350から情報を取得し、これらの情報を考慮するように構成される。このようにして、スケジューラ310によって生成される推奨メンテナンススケジュールは、全体的な出力を最適化しつつ、所望の期間において可能な限り多くのメンテナンスタスクを行うための最も効率的な方法で手配可能な人材及び在庫が利用されるような最適なメンテナンススケジュールとなる。
【0019】
ユーザは、ユーザ出力インターフェース314に表示される指示に応じて、ユーザ入力インターフェース312を介してスケジューラ310に情報を入力し得る。例えば、ユーザはメンテナンススケジュール案と被る(カバーする)所望の期間を示すように指示され得る。したがって、ユーザはさらに、このスケジュールに含まれない日程や時間を示すことによって、所望の期間を短縮するように指示され得る。例えば、ユーザは火曜及び/又は祝日及び/又は午後6時以降及び/又は午前6時以前にはメンテナンスを行わないことを示すことができる。
【0020】
図4に示すように、このメンテナンス(maintenance)スケジュール案は、何日の何時から何時までの間にメンテナンスを行うのか、誰がメンテナンスを行うのか、どの部品が必要なのかをカレンダー形式で表示することができる。図5に示すように、スケジューラ310(図3参照)は行われる予定のすべてのメンテナンスタスク410を表示することができる。カレンダーの右側には、各メンテナンスタスクに要求される技術者のスキル412がリストアップされている。図6には、最適化方法を実行後のカレンダーを示す。図6に示すように、図5のカレンダーに対し、週末にはメンテナンスタスクは予定されておらず、月曜日と水曜日のメンテナンスタスクが減らされている。これは、予定されているメンテナンスタスクのリストと、手配可能な技術者のスキルレベルを組み合わせた結果得られる。
【0021】
このカレンダー表示は、ユーザが表示したい情報に基づいて調整することができる。例えば、図7に示すように、特定の製造装置(CMP202)に関するカレンダーを生成することができる。また、図8に示すように、特定の技術者によって行われるメンテナンスタスクのスケジュールを生成することもできる。最後に、図9に示すように、各タスクに割り当てられた技術者、各メンテナンスタスクに要求されるツールを含む、すべてのメンテナンスタスクを示すカレンダーを出力することもできる。
【0022】
一実施形態において、様々なツールの使用をスケジューリングするために使用されるツールスケジューラ350(図3参照)からの追加情報を上記スケジューリング方法に組み込むことができる。例えば、ツールAがメンテナンスタスクA及びBに必要なのに、3つのメンテナンスタスクA及び2つのメンテナンスタスクBを含むメンテナンススケジュールに関してツールAが2つしかない場合、方法100、200又はスケジューラ310は、上記メンテナンススケジュール案を生成する際に、この追加変数を考慮する。
【0023】
上記に開示された方法100、200は、同じレベルの最適化が行われる所望の期間に関して複数のメンテナンススケジュール案を生成することが可能である。一実施形態において、ユーザは、メンテナンススケジュール案を承認するか拒否するかの選択権を有し得る。メンテナンススケジュール案が拒否された場合、ユーザは追加の情報又は基準を入力する選択肢が与えられ得る。他の実施形態において、メンテナンススケジュール案を拒否すると、方法100、200が再び実行され、以前に提案されたスケジュール案と同等又はそれ以下の最適さを有する、異なるメンテナンススケジュール案を生成する。
【0024】
生成されたメンテナンススケジュールが承認された場合、当該スケジュールの一部又は全部を他の個人と電子的に共有することができる。これは、技術者、装置オペレータ、倉庫担当者及び/又はユーザによって認証された誰かに自動的に送信されることを含む。一実施形態において、上記に開示された方法100、200は、外部情報ソースによって提供されたリアルタイム情報を使用することができる。例えば、予期せずに技術者から病欠の連絡を受けたり又は技術者が解雇された場合、又は急ぎの製品の注文を受けた場合、このような外部情報の変更は承認されたスケジュールに自動的に組み込まれ、このスケジュールに対して当該情報を考慮した変更が行われる。別の実施形態において、ユーザは、承認されたスケジュールに追加の情報やリソースを手動で追加することができる。例えば、ユーザは1以上の追加部品をメンテナンスタスクに加えたり、トレーニング等の目的で、追加の技術者をメンテナンスタスクに加えることができる。そして、上記追加のリソースはさらなるメンテナンススケジュール案の生成時に用いられる。
【0025】
上記のスケジューラ310(図3参照)は、上記に開示された方法100、200を行うように構成された任意のデバイスであり得る。
【0026】
本発明は、本明細書で説明した態様の組み合わせを含むものである。「実施形態」等への言及は、本発明の態様の少なくとも1つに存在する特徴を指す。「一実施形態」又は「特定の態様」などと分けて言及することは、必ずしも同じ態様に関しての言及を意味するわけではない。しかし、このような態様は、そのように明示されるか、又は当業者にとって容易に明らかである場合を除き、相互に排他的ではない。特に明記しない限り、「又は」という単語は、本開示において非限定的な意味で使用される。
【0027】
本発明は、本発明の特定の好適な態様を特に参照して詳細に説明されたが、当業者は、本発明の思想及び本発明の範囲内の変更、組み合わせ及び修正が可能であることは理解されるであろう。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場における製造装置のメンテナンスを最適化する方法であって、
期間を設定し、
設定された前記期間において各製造装置に対して行うメンテナンスタスクを決定し
れぞれのメンテナンスタスクに要求される技術者のスキルを決定し、
設定された前記期間における各技術者の手配可能性、及び手配可能な技術者それぞれの証明を決定し、
各メンテナンスタスクに要求される部品及び部品の在庫の照合を決定し、
設定された前記期間における製造スケジュールを決定し、
決定された前記メンテナンスタスク、技術者の手配可能性及び証明、及び部品の手配可能性に基づいて、設定された前記期間における製造への影響を最小限にする推奨メンテナンススケジュールを生成する、
ことを含む方法であって、
前記推奨メンテナンススケジュールは、各メンテナンスタスクを行うための推奨時間と、各メンテナンスタスクを行うための推奨技術者とを含む、方法。
【請求項2】
グラフィカルユーザインタフェース上において、カレンダー形式で前記推奨メンテナンススケジュールを表示することをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記方法は各メンテナンスタスクを行うのにどのツールが必要なのかを決定することをさらに含む、
求項1記載の方法。
【請求項4】
前記推奨メンテナンススケジュールを承認することをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
承認された前記推奨メンテナンススケジュールを前記手配可能な技術者に送信することをさらに含む、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記推奨メンテナンススケジュールの生成に最初に使用した、1以上の決定された情報における実際の時間変化に基づいて前記推奨メンテナンススケジュールを調整することをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
ユーザ入力インターフェース及び出力インターフェースを有するスケジューラデバイスと、
前記スケジューラデバイスと電気通信を行う複数の外部情報ソースと、
を含むメンテナンススケジューリングシステムであって、
前記スケジューラデバイスは、
期間の設定を可能にし、
設定された前記期間において各製造装置に対して行うメンテナンスタスクを決定し、
前記複数の外部情報ソースのうちの1つから、1人以上の技術者の情報を取得し、
前記複数の外部情報ソースのうちの1つから、各メンテナンスタスクに要求される部品及び部品の在庫の照合に関する情報を取得し、
前記複数の外部情報ソースのうちの1つから、設定された前記期間の製造スケジュールを取得し、
取得した前記情報に基づいて、設定された前記期間における製造への影響を最小限にする推奨メンテナンススケジュールを生成するように構成され、
前記推奨メンテナンススケジュールは、各メンテナンスタスクを行うための推奨時間と、各メンテナンスタスクを行うための推奨技術者と、を含む、
メンテナンススケジューリングシステム。
【請求項8】
前記推奨メンテナンススケジュールは、グラフィカルユーザインターフェース上においてカレンダー形式で表示される、
請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記スケジューラデバイスは、複数の外部情報ソースのうちの別の1つから、各メンテナンスタスクに要求されるツールに関する情報を取得するようにさらに構成される、
請求項7記載のシステム。
【請求項10】
前記スケジューラデバイスは、手配可能な前記技術者に対して前記推奨メンテナンススケジュールを送信するように構成される、
請求項7記載のシステム。
【請求項11】
前記スケジューラデバイスは、前記推奨メンテナンススケジュールの生成に最初に使用した、1以上の取得された前記情報における実際の時間変化に基づいて前記推奨メンテナンススケジュールを調整するようにさらに構成される、
請求項7記載のシステム
【請求項12】
前記複数の外部情報ソースのうちの1つは、部品の在庫を管理するように構成される倉庫管理装置を含む、
請求項7記載のシステム。
【請求項13】
前記スケジューラデバイスは、前記複数の外部情報ソースのうちの別の1つから、各メンテナンスタスク及びツールの手配可能性に要求されるツールに関する情報を取得するようにさらに構成される、
請求項7記載のシステム。
【請求項14】
前記推奨メンテナンススケジュールを拒否すると、異なる推奨メンテナンススケジュールを生成することをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【国際調査報告】