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特表2024-521070地図状萎縮進行予測および差分勾配活性化マップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】地図状萎縮進行予測および差分勾配活性化マップ
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/00 20180101AFI20240521BHJP
【FI】
G16H50/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571163
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-04
(86)【国際出願番号】 US2022029699
(87)【国際公開番号】W WO2022245873
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/189,679
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アネゴンディ, ネハ ステークシュナ
(72)【発明者】
【氏名】カオ, シモン シャン
(72)【発明者】
【氏名】クルセルー, ジュリア ガブリエラ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】
地図状萎縮を評価するための方法である。網膜画像のセットが受信される。複数のモデルの各モデルは、網膜画像のセットを使用して、地図状萎縮(GA)病変に対する地図状萎縮(GA)進行パラメータのセットを予測するように訓練される。視覚化出力は、複数のモデルの各モデルについて生成される。複数のモデルの対応するモデルの視覚化出力は、対応するモデルがどのように網膜画像のセットを使用してGA進行パラメータのセットを予測するかに関する情報を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図状萎縮を評価するための方法であって、
網膜画像のセットを受信することと、
複数のモデルの各モデルを訓練して、前記網膜画像のセットを使用して、地図状萎縮(GA)病変に対する地図状萎縮(GA)進行パラメータのセットを予測することと、
前記複数のモデルの各モデルの視覚化出力を生成することであって、前記複数のモデルの対応するモデルの前記視覚化出力は、前記対応するモデルが前記網膜画像のセットをどのように使用して前記GA進行パラメータのセットを予測するかに関する情報を提供する、視覚化出力を生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記生成することが、
前記対応するモデルの前記網膜画像のセット内の対応する網膜画像の勾配活性化マップを生成することであって、前記勾配活性化マップが、前記GA病変の前記対応するモデルによって予測された前記GA進行パラメータのセットに寄与した前記対応する網膜画像内の領域のセットを示す、勾配活性化マップを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のモデルが深層学習モデルを含み、さらに、
前記深層学習モデルについて生成された前記視覚化出力を使用して前記深層学習モデルを検証することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のモデルが、第1の深層学習モデルおよび第2の深層学習モデルを含み、さらに、
前記第1の深層学習モデルについて生成された前記視覚化出力と前記第2の深層学習モデルについて生成された前記視覚化出力との比較を実行することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
さらに、
前記比較に基づいて前記GA進行パラメータのセットを予測するための最良のモデルとして前記第1の深層学習モデルまたは前記第2の深層学習モデルのいずれかを選択することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
さらに、
モデルの性能を改善するために、前記モデルについて生成された前記視覚化出力に基づいて新たなモデルを形成するように前記複数のモデルのうちのモデルを変更することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記GA進行パラメータのセットが、前記GA病変の成長速度または前記GA病変のベースライン病変面積のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記網膜画像のセットが、眼底自発蛍光(FAF)画像のセットまたは光干渉断層撮影(OCT)画像のセットのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記眼底自発蛍光(FAF)画像のセットがベースラインFAF画像のセットであり、前記光干渉断層撮影(OCT)画像のセットがベースラインOCT画像のセットである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
網膜における地図状萎縮を評価するための方法であって、
網膜画像のセットを受信することと、
前記網膜画像のセットおよび深層学習モデルを使用して、前記網膜における地図状萎縮(GA)病変に対する地図状萎縮(GA)進行パラメータのセットを予測することと、
前記深層学習モデルの前記網膜画像のセットに対応する勾配活性化マップのセットを生成することであって、前記網膜画像のセットの対応する網膜画像の前記勾配活性化マップのセット内の勾配活性化マップが、前記深層学習モデルによる前記GA進行パラメータのセットの予測に関連する前記対応する網膜画像内の領域のセットを特定する、勾配活性化マップのセットを生成することと、を含む、方法。
【請求項11】
さらに、
前記勾配活性化マップのセットに基づいて前記深層学習モデルの性能を改善するのに使用するための出力を生成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記GA進行パラメータのセットが、前記GA病変の成長速度または前記GA病変のベースライン病変面積のうちの少なくとも1つを含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記網膜画像のセットが、眼底自発蛍光(FAF)画像のセットまたは光干渉断層撮影(OCT)画像のセットのうちの少なくとも1つを含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
地図状萎縮を評価するためのシステムであって、
機械実行可能コードを含む機械可読媒体を含むメモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサであって、前記機械実行可能コードを実行して、前記プロセッサに、
網膜画像のセットを受信することと、
複数のモデルの各モデルを訓練して、前記網膜画像のセットを使用して、地図状萎縮(GA)病変に対する地図状萎縮(GA)進行パラメータのセットを予測することと、
前記複数のモデルの各モデルの視覚化出力を生成することであって、前記複数のモデルの対応するモデルの前記視覚化出力は、前記対応するモデルが前記網膜画像のセットをどのように使用して前記GA進行パラメータのセットを予測するかに関する情報を提供する、視覚化出力を生成することと、を行わせるように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【請求項15】
前記視覚化出力が、前記対応するモデルの前記網膜画像のセット内の対応する網膜画像の勾配活性化マップを含み、前記勾配活性化マップが、前記GA病変の前記対応するモデルによって予測された前記GA進行パラメータのセットに寄与した前記対応する網膜画像内の領域のセットを示す、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記対応するモデルが、対応する深層学習モデルであり、前記プロセッサが、前記機械実行可能コードを実行して、前記プロセッサに、前記対応する深層学習モデルについて生成された前記視覚化出力を使用して前記対応する深層学習モデルを検証させるように構成される、請求項14または15に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数のモデルが、第1の深層学習モデルおよび第2の深層学習モデルを含み、前記プロセッサが、前記機械実行可能コードを実行して、前記プロセッサに、
前記第1の深層学習モデルについて生成された前記視覚化出力と前記第2の深層学習モデルについて生成された前記視覚化出力との比較を実行することと、
前記比較に基づいて前記GA進行パラメータのセットを予測するための最良のモデルとして前記第1の深層学習モデルまたは前記第2の深層学習モデルのいずれかを選択することと、を行わせるように構成される、請求項14から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサが、前記機械実行可能コードを実行して、前記プロセッサに、モデルの性能を改善するために前記モデルについて生成された前記視覚化出力に基づいて新たなモデルを形成するように前記複数のモデルのうちのモデルを変更させるように構成される、請求項14から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記GA進行パラメータのセットが、前記GA病変の成長速度または前記GA病変のベースライン病変面積のうちの少なくとも1つを含む、請求項14から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記網膜画像のセットが、眼底自発蛍光(FAF)画像のセットまたは光干渉断層撮影(OCT)画像のセットのうちの少なくとも1つを含む、請求項14から19のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月17日に出願された「Geographic Atrophy Progression Prediction and Differential Gradient Activation Maps」と題する米国仮特許出願第63/189,679号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
この説明は、一般に、地図状萎縮進行の予測に関する。より具体的には、この説明は、様々なモデルおよびこれらのモデルに対して行われる分析(例えば、勾配活性化マップ分析、切除分析)を使用して地図状萎縮進行を予測するための方法およびシステムを提供する。
【背景技術】
【0003】
背景
加齢黄斑変性(AMD)は、50歳以上の患者における視力喪失の主な原因である。地図状萎縮(GA)は、AMDの2つの進行期のうちの1つであり、脈絡毛細管、網膜色素上皮(RPE)および光受容体の進行性および不可逆性の喪失を特徴とする。GAの進行は、患者によって異なり、現在、GAの進行を予防または減速するための広く受け入れられている治療法は存在しない。したがって、個々の患者におけるGAの進行を評価することは、GAを研究し、有効な治療法を開発するために重要であり得る。
【発明の概要】
【0004】
概要
1つまたは複数の実施形態では、地図状萎縮を評価する方法が提供される。網膜画像のセットが受信される。複数のモデルの各モデルは、網膜画像のセットを使用して、地図状萎縮(GA)病変に対する地図状萎縮(GA)進行パラメータのセットを予測するように訓練される。視覚化出力は、複数のモデルの各モデルについて生成される。複数のモデルの対応するモデルの視覚化出力は、対応するモデルが網膜画像のセットをどのように使用してGA進行パラメータのセットを予測するかに関する情報を提供する。
【0005】
1つまたは複数の実施形態では、網膜における地図状萎縮を評価する方法が提供される。網膜画像のセットが受信される。網膜における地図状萎縮(GA)病変に対する地図状萎縮(GA)進行パラメータのセットは、網膜画像のセットおよび深層学習モデルを使用して予測される。網膜画像のセットに対応する勾配活性化マップのセットが、深層学習モデルのために生成される。網膜画像のセットの対応する網膜画像の勾配活性化マップのセット内の勾配活性化マップは、深層学習モデルによるGA進行パラメータのセットの予測に関連する対応する網膜画像内の領域のセットを特定する。
【0006】
1つまたは複数の実施形態では、地図状萎縮の評価を管理するためのシステムは、機械実行可能コードを含む機械可読媒体を含むメモリと、メモリに結合されたプロセッサと、を備える。プロセッサは、機械実行可能コードを実行して、プロセッサに、網膜画像のセットを受信させ、網膜画像のセットを使用して地図状萎縮(GA)病変に対する地図状萎縮(GA)進行パラメータのセットを予測するために複数のモデルの各モデルを訓練させ、複数のモデルの各モデルについての視覚化出力を生成させるように構成される。複数のモデルの対応するモデルの視覚化出力は、対応するモデルが網膜画像のセットをどのように使用してGA進行パラメータのセットを予測するかに関する情報を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に開示された原理およびその利点のより完全な理解のために、ここで添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【0008】
図1】様々な実施形態にかかる病変評価システム100のブロック図である。
【0009】
図2】様々な実施形態にかかる地図状萎縮を評価するためのプロセスのフローチャートである。
【0010】
図3】様々な実施形態にかかる地図状萎縮を評価するためのプロセスのフローチャートである。
【0011】
図4】様々な実施形態にかかる、モデル性能を改善するためのプロセス400のフローチャートである。
【0012】
図5】1つまたは複数の実施形態にかかる、GA病変が単焦点病変である2つの深層学習モデルについて生成された勾配活性化マップを比較するチャートである。
【0013】
図6】1つまたは複数の実施形態にかかる、GA病変が多焦点病変である2つの深層学習モデルについて生成された勾配活性化マップを比較するチャートである。
【0014】
図7】1つまたは複数の実施形態にかかる例示的な切除画像を示すチャートである。
【0015】
図8】様々な実施形態にかかるコンピュータシステムのブロック図である。
【0016】
図は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、図内の物体は必ずしも互いに一定の縮尺で描かれているわけではないことを理解されたい。図は、本明細書に開示された装置、システム、および方法の様々な実施形態に明確さおよび理解をもたらすことを意図した描写である。可能な限り、同じまたは同様の部分を指すために図面全体を通して同じ参照符号が使用される。さらに、図面は、本教示の範囲を決して限定するものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0017】
I.概要
ベースライン評価に基づいて地図状萎縮(GA)の進行を正確に予測する能力は、多くの異なるシナリオで有用であり得る。GA進行に関連するパラメータは、病変成長速度およびベースライン病変面積を含む。ベースライン病変面積は、GA病変の総面積(例えば、mm単位)である。ベースライン病変面積は、GA進行の指標であることが示されており、これは、病変成長速度に基づいて評価され得る。病変成長速度は、本明細書ではGA病変成長速度または成長速度とも称され、ある期間にわたる病変面積の変化である。多くの場合、成長速度は年換算される(例えば、mm/年)。
【0018】
入力網膜画像およびモデル(例えば、深層学習モデル)を使用してベースライン病変面積、病変成長速度、またはその両方を自動的に予測することができることは、GA進行を遅らせることを目標とする臨床試験における患者のスクリーニング、濃縮、および/または層別化を改善するのに役立ち、それによって処置効果の改善された評価を可能にする場合がある。そのようなGA進行パラメータ(例えば、病変成長速度、ベースライン病変面積)の予測を改善することはまた、例えば、限定されるものではないが、分析中の共変量調整を可能にすることによって臨床試験の有効性を改善し得る。共変量調整は、臨床試験における処置効果推定値の分散を減少させ、臨床試験の力を増加させるために使用され得る。さらに、場合によっては、GA進行パラメータの予測が使用されて、遺伝子型シグネチャまたは表現型シグネチャとの相関を介して疾患病因を理解し得る。
【0019】
GA病変は、限定されるものではないが、眼底自発蛍光(FAF)および光干渉断層撮影(OCT)を含む様々な撮像モダリティによって撮像され得る。例えば、眼底自発蛍光(FAF)画像は、1つまたは複数のモデル(例えば、1つまたは複数の深層学習モデル)に入力されて、ベースライン病変面積、病変成長速度、またはその両方を予測し得る。FAF画像は、ベースライン時点で撮影されたベースラインFAF画像であってもよい。ベースライン時点は、臨床試験の開始、初期評価の時点、処置の最初の投与の直前の時点、処置の最初の投与と一致する時点、処置の最初の投与と同日、または他の何らかのベースライン時点であり得る。
【0020】
本明細書に記載の実施形態は、深層学習モデルが1つまたは複数のベースラインFAF画像をどのように使用して、病変成長速度、ベースライン病変面積、またはその両方を予測するかを理解することが望ましい場合があることを認識する。例えば、ベースラインFAF画像のどの領域または特徴が予測される病変成長速度に寄与するかを理解することが望ましい場合がある。病変成長速度の予測に関連する(または推進する)画像領域または特徴を特定することは、新たなバイオマーカーを特定または局在化し、GA病理への洞察を得て、深層学習モデルが偽または無関係の画像領域または特徴に焦点を当てていないという信頼を構築し、および/または深層学習モデルの性能を改善するのに役立ち得る。
【0021】
したがって、本明細書に記載の実施形態は、モデル(例えば、深層学習モデル)によるGA進行パラメータ(例えば、病変成長速度、ベースライン病変面積など)の予測に寄与する画像(例えば、FAF画像)の画像領域または特徴を評価するための方法およびシステムを提供する。1つまたは複数の実施形態では、そのようなモデルがどのようにそれらの入力を処理するかを理解するために、様々なタイプの視覚化が使用される。
【0022】
例えば、入力画像(例えば、FAF画像)のどの領域が深層学習モデルの最終出力に寄与するかを示すために、勾配活性化マップが使用され得る。勾配活性化マップは、モデルによって行われた予測(例えば、予測成長速度および/または予測病変面積)に関連した画像内の1つまたは複数の領域を(例えば、色、陰影、強調、パターンなどを介して)視覚的に特定し得る。そのような勾配活性化マップは、既知のまたは予想されるものに基づいて、モデルが画像の非偽の関連部分に焦点を当てているか否かを確認することによって深層学習モデルを検証するために使用され得る。さらに、異なるモデルについて生成された勾配活性化マップを比較することは、病変成長速度、病変面積、またはその両方を予測するのに使用するための最良のモデルを選択するのに役立ち得る。勾配活性化マップを生成し、これらの勾配活性化マップを使用して、どの画像領域が深層学習モデルによって行われた予測に関連したか(例えば、最も関連性が高い)を評価することは、そのような動作を実行するための他の方法と比較して計算上安価であり得る。このようにして、そのような動作を実行するために必要な全体の時間および/またはコンピューティングリソースが削減され得る。さらに、本明細書に記載の勾配活性化マップを使用することは、(例えば、ヒトまたは他のモデルによる)画像領域の注釈を必要とせず、それにより、プロセス全体をより効率的および/またはより正確にする。
【0023】
1つまたは複数の実施形態では、勾配活性化マップを使用して、深層学習モデルの性能を改善するために深層学習モデルに対して行うことができる変更を特定し得る。例えば、勾配活性化マップが使用されて、新たなバイオマーカーを特定するか、または既知のバイオマーカーを局在化し、それによって深層学習モデルの焦点をより狭く調整し得る。場合によっては、勾配活性化マップは、所望のレベルの予測精度を維持しながら、深層学習モデルの時間および計算リソースの消費を削減するために、深層学習モデルの焦点を狭めるために使用されてもよい。
【0024】
本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態は、切除分析を使用して、深層学習モデルによって予測された1つまたは複数のGA進行パラメータに寄与する網膜画像の部分を直接導出する。切除分析は、網膜画像のセグメンテーションを実行し、次いでセグメント化された領域の様々な組み合わせを切除(例えば、除去)することを含み得る。例えば、セグメンテーションアルゴリズムが使用されて、GA病変、GA病変の周囲の縁部(例えば、500μm幅のマージン)、および背景(例えば、GA病変または縁部として特定されない画像の任意の部分)をセグメント化(または別々に特定)し得る。GA病変、縁部、および背景の様々な組み合わせが網膜画像から切除され、その後に入力として深層学習モデルに供給される切除画像を形成し得る。異なるタイプの切除画像入力に基づくモデルの性能を比較することは、どの画像領域または特徴が深層学習モデルによって予測された1つまたは複数のGA進行パラメータに関連する(例えば、最も関連性が高い)かの決定を可能にする。
【0025】
切除分析によって提供される情報は、深層学習モデルを検証し、既知または予想されることに基づいて、深層学習モデルが網膜画像の非偽の関連部分に焦点を当てているか否かを確認するために使用され得る。1つまたは複数の実施形態では、切除分析が使用されて、深層学習モデルの性能を改善するのに使用するための出力を生成し得る。例えば、切除分析が使用されて、新たなバイオマーカーを特定するか、または既知のバイオマーカーを局在化し、それによって深層学習モデルの焦点をより狭く調整し得る。場合によっては、切除分析は、所望のレベルの予測精度を維持しながら、深層学習モデルの時間および計算リソースの消費を削減するために、深層学習モデルの焦点を狭めるために使用されてもよい。他の実施形態では、切除分析の結果を使用して、深層学習モデルの精度および/または信頼性を改善するために深層学習モデルに対して行うことができる変更を特定する出力を生成し得る。
【0026】
上述した改善を提供することができる方法論およびシステムの重要性および有用性を認識し、考慮に入れて、本明細書は、1つまたは複数のモデルを使用して1つまたは複数のGA進行パラメータを予測し、勾配活性化マップおよび/または切除分析を使用してこれらのモデルがそれらの予測をどのように行うかを評価することによってGA進行を評価するための様々な実施形態を記載する。例えば、本明細書に記載の様々な実施形態は、GA病変の成長速度を予測するためにこれらのモデル(例えば、深層学習モデル)が画像(例えば、FAF画像)の異なる部分をどのように使用するかをよりよく理解するために使用され得る視覚化出力(例えば、勾配活性化マップ)を生成するための方法およびシステムを提供する。さらに、本明細書に記載の様々な実施形態はまた、切除分析を使用してモデルを検証し、および/または成長速度の予測に関連する(例えば、最も関連性が高い)画像特徴を特定するための方法およびシステムを提供する。
【0027】
II.地図状萎縮(GA)進行予測のための例示的なシステム
図1は、様々な実施形態にかかる病変評価システム100のブロック図である。病変評価システム100は、被験者の網膜における地図状萎縮(GA)病変を評価するために使用される。病変評価システム100は、コンピューティングプラットフォーム102と、データストレージ104と、ディスプレイシステム106とを含む。コンピューティングプラットフォーム102は、様々な形態をとり得る。1つまたは複数の実施形態では、コンピューティングプラットフォーム102は、互いに通信する単一のコンピュータ(またはコンピュータシステム)または複数のコンピュータを含む。他の例では、コンピューティングプラットフォーム102は、クラウドコンピューティングプラットフォームの形態をとる。
【0028】
データストレージ104およびディスプレイシステム106は、それぞれ、コンピューティングプラットフォーム102と通信する。いくつかの例では、データストレージ104、ディスプレイシステム106、またはその両方は、コンピューティングプラットフォーム102の一部と見なされるか、そうでなければ統合されてもよい。したがって、いくつかの例では、コンピューティングプラットフォーム102、データストレージ104、およびディスプレイシステム106は、互いに通信する別個の構成要素であってもよいが、他の例では、これらの構成要素のいくつかの組み合わせが一緒に統合されてもよい。
【0029】
病変評価システム100は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせを使用して実装され得る画像プロセッサ108を含む。1つまたは複数の実施形態では、画像プロセッサ108は、コンピューティングプラットフォーム102に実装される。
【0030】
画像プロセッサ108は、処理のための画像入力109を受信する。画像入力109は、1つまたは複数の網膜画像を含む。1つまたは複数の実施形態では、画像入力109は、ベースラインまたは基準時点で生成される1つまたは複数の網膜画像を含む。いくつかの実施形態では、画像入力109は、ベースライン画像入力と称されることがある。1つまたは複数の実施形態では、画像入力109は、網膜画像のセット110を含む。網膜画像のセット110は、例えば、限定されるものではないが、眼底自発蛍光(FAF)画像のセット、光干渉断層撮影(OCT)画像のセット、またはその両方を含み得る。FAF画像のセットは、例えば、ベースラインFAF画像のセットであってもよい。OCT画像のセットは、例えば、ベースラインOCT画像のセットであってもよい。ベースライン画像(例えば、ベースラインFAFまたはOCT画像)は、ベースライン時点で撮像された画像である。ベースライン時点は、臨床試験の開始、最初の評価または最初の診療所もしくは臨床試験訪問の時点、処置の最初の投与の直前の時点、処置の最初の投与と一致する時点、処置の最初の投与と同じ日、または他の何らかのベースライン時点であり得る。他の実施形態では、網膜画像のセット110は、1つまたは複数の他のタイプの網膜画像(例えば、カラー眼底(CF)写真画像、近赤外(NIR)画像など)を含み得る。
【0031】
画像プロセッサ108は、複数のモデル112を使用して画像入力109(例えば、網膜画像のセット110)を処理して、地図状萎縮(GA)進行パラメータのセット114を予測する。GA進行パラメータは、GA病変のGA進行に関連する(示す、または示すために使用され得る)パラメータである。GA病変は、連続的または不連続的な病変であり得る。例えば、GA進行パラメータのセット114は、病変面積115、成長速度116、またはその両方を含み得る。病変面積115は、GA病変のベースライン病変面積であり得る。成長速度116(または病変成長速度)は、規定の期間にわたる病変面積の変化であり得る。成長速度116は、年換算されてもよい(例えば、mm/年)。
【0032】
モデル112のそれぞれは、例えば、限定されるものではないが、1つまたは複数の深層学習モデルを使用することを含む、いくつかの異なる方法のいずれかで実装され得る。モデル112は、例えば、第1のモデル117および第2のモデル118を含む。1つまたは複数の実施形態では、第1のモデル117および第2のモデル118のそれぞれは、深層学習モデルを含む。第1のモデル117、第2のモデル118、またはその両方の深層学習モデルは、例えば、限定されるものではないが、任意の数または組み合わせのニューラルネットワークを含み得る。1つまたは複数の実施形態では、深層学習モデルは、1つまたは複数のニューラルネットワークを含む畳み込みニューラルネットワーク(CNN)システムを含み得る。これら1つまたは複数のニューラルネットワークのそれぞれは、それ自体、畳み込みニューラルネットワークであってよい。場合によっては、深層学習モデルは、それぞれが1つまたは複数のニューラルネットワークを含む複数のサブシステムを含む。
【0033】
1つまたは複数の実施形態では、画像プロセッサ108は、モデル分析装置120を含む。モデル分析装置120が使用されて、モデル112のそれぞれの視覚化出力を生成し得る。例えば、モデル分析装置120は、第1のモデル117の第1の視覚化出力122および第2のモデル118の第2の視覚化出力123を生成し得る。
【0034】
第1の視覚化出力122は、網膜画像のセット110に対する視覚化のセットを含み得る。例えば、第1の視覚化出力122は、網膜画像のセット110の各画像の視覚化を含み得る。第1の視覚化出力122は、第1のモデル117がGA進行パラメータのセット114を予測するために網膜画像のセット110をどのように使用するかに関する情報を提供する。第2の視覚化出力123は、網膜画像のセット110に対する視覚化のセットを含み得る。例えば、第2の視覚化出力123は、網膜画像のセット110の各画像の視覚化を含み得る。第2の視覚化出力123は、第2のモデル118がGA進行パラメータのセット114を予測するために網膜画像のセット110をどのように使用するかに関する情報を提供する。
【0035】
1つまたは複数の実施形態では、第1の視覚化出力122は、網膜画像のセット110に対する勾配活性化マップのセット124を含み、第2の視覚化出力123は、網膜画像のセット110に対する勾配活性化マップのセット126を含む。第1のモデル117と関連付けられた勾配活性化マップのセット124および第2のモデル118と関連付けられた勾配活性化マップのセット126の各勾配活性化マップは、網膜画像のセット110の対応する画像のための勾配重み付け活性化マッピング技術を使用して生成され得る。各勾配活性化マップは、それぞれの関連するモデル(例えば、第1のモデル117または第2のモデル118)によって予測されたGA進行パラメータのセット114に寄与した対応する網膜画像内の領域のセットを示す。
【0036】
例えば、勾配活性化マップは、対応するモデルによるGA進行パラメータのセット114の予測に関連した画像内の1つまたは複数の領域を(例えば、色、陰影、強調、パターンなどを介して)視覚的に特定し得る。さらに、着色、陰影、強調表示、パターン、テキストおよび/または数値ラベル、他のタイプのインジケータ、またはそれらの組み合わせが使用されて、関連性の程度を示し得る。一例として、赤色、橙色、黄色、および緑色から青色の間の色の範囲が使用されて、モデルによるGA進行パラメータのセット114の予測およびそれらの関連性の程度に関連した画像内の1つまたは複数の領域を視覚的に特定し得る。例えば、赤色が使用されて、GA進行パラメータのセット114の予測に対する最も高い関連度を有する1つまたは複数の領域を特定し得て、青色が使用されて、最も低い関連度を有する1つまたは複数の領域を特定し得る。
【0037】
1つまたは複数の実施形態では、第1の視覚化出力122は、第1のモデル117を検証するために使用されてもよく、第2の視覚化出力123は、第2のモデル118を検証するために使用されてもよく、またはその両方であってもよい。例えば、第1の視覚化出力122は、第1のモデル117によるGA進行パラメータのセット114の予測に関連すると特定された画像の部分(例えば、画像の1つまたは複数の領域)が予想と一致するかどうかを評価するために使用されてもよい。同様に、第2の視覚化出力123は、第2のモデル118によるGA進行パラメータのセット114の予測に関連すると特定された画像の部分(例えば、画像の1つまたは複数の領域)が予想と一致するかどうかを評価するために使用されてもよい。
【0038】
1つまたは複数の実施形態では、第1の視覚化出力122および第2の視覚化出力123は、それぞれ、第1のモデル117および第2のモデル118に対して任意の調整が行われるべきかどうかを決定するために使用されてもよい。例えば、第1の視覚化出力122が、第1のモデル117によるGA進行パラメータのセット114の予測に最も関連する画像の領域が予想されるものとは異なることを特定した場合、モデル分析装置120は、第1のモデル117に対して調整が行われるべきであることを示す出力を生成してもよい。この調整は、例えば、限定されるものではないが、第1のモデル117を再訓練すること、第1のモデル117において使用される層を変更すること、第1のモデル117のアーキテクチャを変更すること、第1のモデル117を別のモデルと組み合わせること、またはそれらの組み合わせを含み得る。第2のモデル118は、第2の視覚化出力123を使用して同様に評価され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1のモデル117および第2のモデル118がGA進行パラメータのセット114をどのように予測するかの類似性および/または差を決定するために、第1のモデル117について生成された第1の視覚化出力122が第2のモデル118について生成された第2の視覚化出力123と比較され得る。例えば、勾配活性化マップのセット124および勾配活性化マップのセット126は、同じまたは異なる領域が第1のモデル117および第2のモデル118によって行われる予測に最も関連したかどうかを決定するために比較され得る。
【0040】
比較は、GA進行パラメータのセット114を予測する際に使用するための最良のモデルの選択を可能にし得る。例えば、モデル分析装置120は、第1のモデル117および第2のモデル118がそれぞれ、複数の訓練ベースラインFAF画像を含み得る網膜画像のセット110に基づいてGA進行パラメータのセット114の予測について訓練および試験された後に、第1の視覚化出力122および第2の視覚化出力123を生成するために使用され得る。これらの2つの視覚化出力が使用されて、一方のモデルが特定のタイプのGA病変に対して他方のモデルよりも適しているかどうか、モデルが同じタイプのGA病変に対して同様に機能するかどうかなどを決定し得る。次いで、これらの視覚化出力によって提供される情報が使用されて、特定の被験者または被験者の群のGA進行パラメータのセット114を予測する際に使用するためにどのモデルを選択するかを決定し得る。
【0041】
1つまたは複数の実施形態では、画像プロセッサ108は、画像改質装置128を含む。画像改質装置128は、画像入力109を処理して、入力としてモデル112のうちの1つまたは複数に供給される複数の切除画像130を生成する。これらの切除画像130を使用してモデル112の性能を分析することは、新たなバイオマーカーを特定または局在化し、GA病理に対する洞察を得て、モデル112が偽または無関係の画像領域または特徴に焦点を当てていない(例えば、背景のみに焦点を当てている)という信頼を得るのに役立ち得る。
【0042】
切除画像130は、様々な方法で生成され得る。例えば、1つまたは複数の選択された領域(例えば、GA病変、縁部、バックグラウンド)に対応するものとして特定された画素を黒色として割り当てることによって、切除画像が形成され得る。これらの選択された領域は、例えば、セグメンテーションアルゴリズムを使用して特定され得る。一例では、切除画像は、切除画像がGA病変のみの画像(すなわち、病変保持画像)であるように、縁部および背景の画素を黒く塗りつぶすことによって形成される。別の例では、切除画像が縁部のみの画像(例えば、縁部保持画像)であるように、GA病変および背景の画素を黒く塗りつぶすことによって、切除病変が形成される。さらに別の例では、切除画像が背景のみの画像(例えば、背景保持画像)であるように、GA病変および縁部の画素を黒く塗りつぶすことによって、切除病変が形成される。さらに別の例では、切除画像が縁部および背景の画像(例えば、縁部および背景保持画像)であるように、GA病変の画素を黒く塗りつぶすことによって、切除病変が形成される。
【0043】
切除画像の異なるグループ化が使用されて、例えば、第1のモデル117を訓練して、異なる訓練されたモデルを形成し得る。これらの異なる訓練済みモデルの性能は、例えば、モデル分析装置120を使用して評価され得る。モデル分析装置120は、精度、正確さ、信頼性、決定係数(r)、1つもしくは複数の他のメトリック、またはそれらの組み合わせに関して性能を評価し得る。どのようにこの訓練および評価が実行され得るかの例は、以下の図4に関してより詳細に説明される。これらの異なる訓練されたモデルの性能を評価することは、バイオマーカーを特定または局在化し、GA病理への洞察を得て、第1のモデル117が偽または無関係の画像領域または特徴に焦点を当てていないという信頼を構築し、および/または第1のモデル117の性能を改善するのに役立ち得る。
【0044】
1つまたは複数の実施形態では、モデル分析装置120は、上述した切除技術を使用して形成された異なる訓練モデルの性能の評価に基づいて、および/または第1の視覚化出力122および第2の視覚化出力123に基づいて、出力132を生成するために使用され得る。出力132は、例えば、モデル112のうちの1つまたは複数の焦点を狭めるのを助けるために使用することができる新たなバイオマーカーおよび/または局所的なバイオマーカーのセットを特定し得る。出力132は、例えば、GA病理への洞察を提供する情報を特定し得る。出力132は、例えば、モデル112のうちのモデルを検証することができるかどうかを示し得る。出力132は、例えば、モデル112のうちのモデルが非偽の関連する画像領域または特徴に焦点を当てているか否かを確認し得る。出力132は、例えば、モデルの性能を改善するためにモデル112のうちのモデルに対して行うことができる1つまたは複数の変更を特定し得る。
【0045】
III.GA病変を評価するための例示的な方法およびGA病変成長速度を予測するモデル
図2は、様々な実施形態にかかる地図状萎縮病変を評価するためのプロセス200のフローチャートである。様々な実施形態では、プロセス200は、図1に記載の病変評価システム100を使用して実装される。特に、プロセス200が使用されて、1つまたは複数のGA進行パラメータを予測し得る。
【0046】
ステップ202は、網膜画像のセットを受信することを含む。網膜画像のセットは、図1の網膜画像のセット110の実装の一例であり得る。網膜画像のセットは、FAF画像のセット、OCT画像のセット、またはその両方を含み得る。1つまたは複数の実施形態では、網膜画像のセットは、地図状萎縮、または場合によっては地図状萎縮の前駆期と診断された複数の被験者についてのベースラインFAF画像の集合を含む。
【0047】
ステップ204は、網膜画像のセットを使用して地図状萎縮(GA)病変に対する地図状萎縮(GA)進行パラメータのセットを予測するために、複数のモデルの各モデルを訓練することを含む。複数のモデルは、例えば、限定されるものではないが、複数の深層学習モデルを含み得る。ステップ204における複数のモデルは、図1のモデル112の実装の一例であり得る。一例として、複数のモデルは、1つまたは複数の畳み込みニューラルネットワークから構成される第1の深層学習モデルと、1つまたは複数の畳み込みニューラルネットワークから構成される第2の深層学習モデルとを含み得る。GA進行パラメータのセットは、図1のGA進行パラメータのセット114の実装の一例であり得る。GA進行パラメータのセットは、成長速度、ベースライン病変面積、またはその両方を含み得る。
【0048】
複数のモデルの各モデルの視覚化出力を生成するステップ206では、複数のモデルの対応するモデルの視覚化出力は、対応するモデルが網膜画像のセットをどのように使用してGA進行パラメータのセットを予測するかに関する情報を提供する。例えば、ステップ206は、対応するモデルの網膜画像のセット内の対応する網膜画像の勾配活性化マップを生成することを含み得る。勾配活性化マップは、GA病変の対応するモデルによって予測されたGA進行パラメータのセットに寄与した対応する網膜画像内の領域のセットを示す(例えば、視覚的に特定する)。例えば、勾配活性化マップは、GA進行パラメータのセットの予測に関連した(またはそれを推進した)網膜画像の1つまたは複数の領域を特定する。さらに、勾配活性化マップは、GA進行パラメータのセットの予測に対するこれらの1つまたは複数の領域の関連性の程度を視覚的に特定し得る。
【0049】
1つまたは複数の実施形態では、異なるモデルに対して生成された視覚化出力が使用されて、これらのモデルを検証し得る。例えば、複数のモデルのうちの1つは、深層学習モデルであり得る。この深層学習モデルについて生成された視覚化出力は、深層学習モデルを検証し、深層学習モデルがGA進行パラメータのセットを予測するために関連画像の非偽の関連部分に焦点を当てていることを確認するために使用され得る。場合によっては、異なるモデルに対して生成された異なる視覚化出力の比較が実行されて、GA進行パラメータのセットを予測するための最良のモデルを選択し得る。
【0050】
1つまたは複数の実施形態では、複数のモデルのうちの1つは、そのモデルに対して生成された視覚化出力に基づいて新たなモデルを形成するように変更され、それによってモデルの性能を改善し得る。モデルの性能は、精度、正確さ、信頼性、予測の生成に費やされる時間、予測の生成に利用される計算リソースの量、決定係数、またはそれらの組み合わせに関して測定され得る。
【0051】
図3は、様々な実施形態にかかる地図状萎縮病変を評価するためのプロセス300のフローチャートである。様々な実施形態では、プロセス300は、図1に記載の病変評価システム100を使用して実装される。特に、プロセス300が使用されて、1つまたは複数のGA進行パラメータを予測し得る。
【0052】
ステップ302は、網膜画像のセットを受信することを含む。網膜画像のセットは、図1の網膜画像のセット110の実装の一例であり得る。1つまたは複数の実施形態では、網膜画像のセットは、地図状萎縮、または場合によっては地図状萎縮の前駆期と診断された単一の被験者に属し得る。例えば、網膜画像のセットは、被験者の同じ網膜のベースラインFAF画像のセット、ベースラインOCT画像のセット、またはその両方を含み得る。これらのベースライン画像は、同じまたは実質的に同じ1つまたは複数の時点(例えば、同じ時間内、同じ日内、同じ1~3日内など)について撮像された画像を含み得る。
【0053】
ステップ304は、網膜画像のセットおよび深層学習モデルを使用して、網膜における地図状萎縮(GA)病変に対する地図状萎縮(GA)進行パラメータのセットを予測することを含む。GA進行パラメータのセットは、GA病変の成長速度またはGA病変のベースライン病変面積のうちの少なくとも1つを含む。
【0054】
ステップ306は、深層学習モデルの網膜画像のセットに対応する勾配活性化マップのセットを生成することを含み、網膜画像のセットの対応する網膜画像の勾配活性化マップのセット内の勾配活性化マップは、深層学習モデルによるGA進行パラメータのセットの予測に関連する対応する網膜画像内の領域のセットを特定する。勾配活性化マップは、例えば、着色、陰影、強調表示、パターン、テキストおよび/もしくは数値ラベル、他のタイプのインジケータ、またはそれらの組み合わせを使用して、網膜画像内の1つまたは複数の領域の関連性の程度を視覚的に特定し得る。
【0055】
プロセス300は、任意に、勾配活性化マップのセットに基づいて深層学習モデルの性能を改善するのに使用するための出力を生成するステップ308を含み得る。出力は、例えば、深層学習モデルの焦点を狭めるのを助けるために使用することができる新たなバイオマーカーおよび/または局所的なバイオマーカーのセットを特定し、GA病理に関する洞察を提供し、深層学習モデルを変更するために使用することができる情報を特定し、深層学習を検証することができるかどうかを示し、深層学習モデルが非偽の関連する画像領域または特徴に焦点を当てているかどうかを確認し、そのモデルの性能を改善するために深層学習モデルに行うことができる1つまたは複数の変更を特定し、またはそれらを組み合わせて行い得る。
【0056】
図4は、様々な実施形態にかかる、モデル性能を改善するためのプロセス400のフローチャートである。様々な実施形態では、プロセス400は、図1に記載の病変評価システム100を使用して実装される。
【0057】
ステップ402は、複数の被験者についての複数の網膜画像を受信することを含む。この複数の網膜画像は、図1の網膜画像のセット110の実装の一例であり得る。複数の網膜画像は、例えば、限定されるものではないが、被験者のベースラインFAF画像を含み得る。これらの被験者は、GAまたはGAの前駆期と診断され、GA進行情報(例えば、GA病変の成長速度)が既知である人であり得る。1つまたは複数の実施形態では、複数の網膜画像の各網膜画像は、対応する被験者の網膜内のGA病変を撮像する。
【0058】
ステップ404は、複数の切除画像群を形成するように複数の網膜画像を変更することを含み、複数の切除画像群の各切除画像群は、GA病変、GA病変の縁部、または背景(GA病変または縁部として特定されない画像の一部)のうちの少なくとも1つが切除された複数の網膜画像に対応する複数の切除画像を含む。縁部は、例えば、GA病変を取り囲む幅500μmの境界として定義され得る。他の例では、縁部は、250μmから750μmの間で選択された幅を有する周囲の境界として定義されてもよい。
【0059】
1つまたは複数の実施形態では、画像の選択された部分または領域を切除することは、切除された部分または領域に対応する画素を黒く塗りつぶすことによって実行される。例えば、ステップ404は、GA病変を表す画像の部分、GA病変の縁部を表す画像の部分、および各網膜画像の背景(GA病変または縁部として特定されない画像の部分)を特定するために、セグメンテーションアルゴリズムを使用して複数の網膜画像をセグメント化することを含み得る。画像の一部を切除することは、その部分を表すと特定された画素を黒の値(例えば、0の画素値)に割り当てることを含み得る。例えば、GA病変を表すものとしてセグメント化された画素を画素値0に割り当てることによって、GA病変の縁部が切除され得る。
【0060】
ステップ404において形成された複数の切除画像群は、網膜画像の1つまたは複数の異なる部分を切除することによって形成され得る。例えば、切除画像群は、元の網膜画像のGA病変のみが保持されるようにGA病変の縁部および背景が切除された複数の病変保持画像からなる病変保持画像群であり得る。切除画像群は、元の網膜画像のGA病変の縁部のみが保持されるようにGA病変および背景が切除された複数の縁部保持画像からなる病変縁部画像群であり得る。切除画像群は、元の網膜画像の背景のみが保持されるようにGA病変およびGA病変の縁部が切除される、保持された複数の背景からなる背景保持画像群であり得る。
【0061】
別の切除画像群は、GA病変の縁部および元の網膜画像の背景が保持されるようにGA病変が切除された複数の病変切除画像からなる病変切除画像群であり得る。さらに別の切除画像群は、GA病変および元の網膜画像の背景が保持されるようにGA病変の縁部が切除された複数の縁部切除画像からなる縁部切除画像群であり得る。さらに別の切除画像群は、元の網膜画像のGA病変およびGA病変の縁部が保持されるように背景が切除された複数の背景切除画像からなる背景切除画像群であり得る。このようにして、網膜画像の異なる部分または部分の組み合わせが切除されて、切除画像を形成し得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、ステップ404は、切除画像を形成するために元の網膜画像のどの部分が保持されても、その部分内の画素値をシャッフルすることをさらに含む。このシャッフルは、網膜画像の保持部分に含まれる画素間の画素値のランダムに実行される再配置であり得る。例えば、切除画像は、GA病変として特定された網膜画像の一部が保持され且つこの部分内の画素の画素値がシャッフルされた病変シャッフル画像であり得る。このシャッフルは、網膜画像のこの部分に関連する強度情報を保持するが、テクスチャ情報(例えば、この部分のどの領域が他の領域よりも明るいか)を除去する。切除画像は、GA病変の縁部として特定された網膜画像の一部がシャッフルされているこの部分の画素値によって保持されている、縁部シャッフル画像であり得る。切除画像は、背景として特定された網膜画像の一部がシャッフルされているこの部分の画素値によって保持されている、背景シャッフル画像であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、複数の切除画像群は、病変シャッフル画像群、縁部シャッフル画像群、背景シャッフル画像群、病変および縁部シャッフル画像群、病変および背景シャッフル画像群、縁部および背景シャッフル画像群、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0063】
ステップ406は、複数の訓練されたモデルを形成するために複数の切除画像群のそれぞれを使用してGA病変の成長速度を予測するために初期モデルを訓練することを含む。初期モデルは、例えば、深層学習モデルであってもよく、1つまたは複数のニューラルネットワークを含んでもよい。訓練されたモデルは、複数の切除画像群の各切除画像群に対して形成され得る。例えば、初期モデルは、複数の切除画像群のうちの第1の切除画像群を使用して訓練および試験され、第1の訓練モデルを形成し得る。別の例として、複数の切除画像群のうちの第2の切除画像群を使用して初期モデルが訓練および試験されて、第2の訓練モデルを形成してもよい。
【0064】
ステップ408は、複数の訓練されたモデルの性能を評価することを含む。例えば、限定されるものではないが、精度、正確さ、決定係数(r)、対応する元の網膜画像を分析するために初期モデルによって費やされた時間と比較して、成長速度を予測するために単一の切除画像を分析するために訓練されたモデルによって費やされた時間、対応する元の網膜画像を分析するために初期モデルによって費やされた計算リソースの量と比較して、成長速度を予測するために単一の切除画像を分析するために訓練されたモデルによって費やされた計算リソースの量、1つまたは複数の他のタイプのメトリック、またはそれらの組み合わせを含む、任意の数のメトリックに関して性能が分析され得る。
【0065】
ステップ410は、複数の訓練されたモデルの性能に基づいて初期モデルの性能を改善するのに使用するための出力を生成することを含む。ステップ410は、様々な方法で実行され得る。1つまたは複数の実施形態では、出力は、最良の性能を有する訓練されたモデルに対応する切除画像群の特定であり得る。例えば、縁部保持画像群に対応する訓練されたモデルは、最良の性能を有するものとして特定され得る。この例では、出力は、成長速度の予測に最も関連するものとしてGA病変の縁部を特定し得る。出力は、この縁部領域に関連する1つまたは複数のバイオマーカーをさらに特定し得て、これらの1つまたは複数のバイオマーカーに焦点を当てることにより、利用される速度およびコンピューティングリソースに関してモデル性能を改善し得ることを示す。このようにして、成長速度の予測に最も関連するものとしてGA病変の縁部を特定することは、目的のバイオマーカーの局在化に役立ち得る。
【0066】
プロセス400は、任意に、出力に基づいて初期モデルを調整して新たなモデルを形成することを含むステップ412を含み得る。1つまたは複数の実施形態では、初期モデルを調整することは、初期モデルによって分析されたバイオマーカーを、成長速度の予測に最も関連すると特定された網膜の領域(例えば、GA病変、GA病変の縁部、または背景)に関連するバイオマーカーに狭めることを含む。いくつかの実施形態では、初期モデルを調整することは、初期モデルの一部として補足モデル(それ自体が1つまたは複数のアルゴリズムまたはモデルを含み得る)を統合して新たなモデルを形成すること、または補足モデルを初期モデルと組み合わせて新たなモデルを形成することを含む。補足モデルは、例えば、入力網膜画像をセグメント化し、このセグメンテーションに基づいて切除画像を形成するために使用され得る。新たなモデルは、切除画像を使用して成長速度を予測し、これは、切除されていない網膜画像を使用して成長速度を予測するよりも速く、および/またはより少ないコンピューティングリソースを消費し得る。
【0067】
IV.例示的な視覚化出力および切除画像
A.2つの深層学習モデルについて生成された例示的な視覚化出力
2つの異なる深層学習モデルを訓練し、複数の被験者について網膜画像を使用して試験する実験を行った。これらの網膜画像は、ベースラインFAF画像であり、そのそれぞれは、単焦点GA病変または多焦点病変であり得るGA病変を撮像した。第1の深層学習モデルおよび第2の深層学習モデルの両方を使用して、GA病変の病変成長速度を予測した。これらの2つの深層学習モデルについて、視覚化出力を生成した。具体的には、勾配活性化マップを2つの深層学習モデルについて生成して、各網膜画像のどの部分が対応する深層学習モデルによって予測された成長速度に最終的に関連したかに関する情報を提供した。
【0068】
図5は、1つまたは複数の実施形態にかかる、2つの深層学習モデルについて生成された勾配活性化マップを比較するチャートである。図5では、第1の深層学習モデル(第1のDLモデル)について生成された勾配活性化マップの第1の群502は、図1の勾配活性化マップのセット124の少なくとも一部の実装の一例である。第2の深層学習モデル(第2のDLモデル)について生成された勾配活性化マップの第2の群504は、図1の勾配活性化マップのセット126の少なくとも一部の実装の一例である。
【0069】
勾配活性化マップの第1の群502における5つの勾配活性化マップおよび勾配活性化マップの第2の群504における5つの勾配活性化マップは、それぞれが単焦点GA病変を撮像した5つの網膜画像の同じ群について生成された。勾配活性化マップの第1の群502と勾配活性化マップの第2の群504とを比較すると、単焦点GA病変の網膜画像について、これらの網膜画像の異なる部分が第2の深層学習モデルと比較して第1の深層学習モデルに関連していたことが明らかになる。
【0070】
図6は、1つまたは複数の実施形態にかかる、2つの深層学習モデルについて生成された勾配活性化マップを比較するチャートである。図6では、第1の深層学習モデル(第1のDLモデル)について生成された勾配活性化マップの第1の群602は、図1の勾配活性化マップのセット124の少なくとも一部の実装の一例である。第2の深層学習モデル(第2のDLモデル)について生成された勾配活性化マップの第2の群604は、図1の勾配活性化マップのセット126の少なくとも一部の実装の一例である。
【0071】
勾配活性化マップの第1の群602における5つの勾配活性化マップおよび勾配活性化マップの第2の群604における5つの勾配活性化マップは、それぞれが多焦点GA病変を撮像した5つの網膜画像の同じ群について生成された。勾配活性化マップの第1の群602と勾配活性化マップの第2の群604とを比較すると、多焦点GA病変の網膜画像について、これらの網膜画像の類似部分が、第2の深層学習モデルと比較して第1の深層学習モデルの両方に関連していたことが明らかになる。
【0072】
B.切除分析のための例示的な切除画像
図7は、1つまたは複数の実施形態にかかる例示的な切除画像を示すチャートである。切除画像700のそれぞれは、図1の切除画像130の切除画像の実装の一例であり得る。切除画像700は、病変切除画像702、縁部切除画像704、背景切除画像706、病変保持画像708、縁部保持画像710、背景保持画像712、病変シャッフル画像714、縁部シャッフル画像716、および背景シャッフル画像718を含む。
【0073】
V.コンピュータ実装システム
図8は、様々な実施形態にかかるコンピュータシステムのブロック図である。コンピュータシステム800は、図1において上述したコンピューティングプラットフォーム102の一実装の例であり得る。1つまたは複数の例では、コンピュータシステム800は、情報を通信するためのバス802または他の通信機構と、情報を処理するためのバス802に結合されたプロセッサ804とを含むことができる。様々な実施形態では、コンピュータシステム800はまた、プロセッサ804によって実行される命令を決定するためにバス802に結合された、ランダムアクセスメモリ(RAM)806または他の動的記憶装置とすることができるメモリを含むことができる。メモリはまた、プロセッサ804によって実行される命令の実行中に一時変数または他の中間情報を記憶するために使用され得る。様々な実施形態では、コンピュータシステム800は、プロセッサ804のための静的情報および命令を記憶するためにバス802に結合された読み出し専用メモリ(ROM)808または他の静的記憶装置をさらに含むことができる。情報および命令を記憶するために、磁気ディスクまたは光ディスクなどの記憶装置810が設けられ、バス802に結合され得る。
【0074】
様々な実施形態では、コンピュータシステム800は、コンピュータユーザに情報を表示するために、バス802を介して、陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ812に結合され得る。英数字および他のキーを含む入力装置814は、情報およびコマンド選択をプロセッサ804に通信するためにバス802に結合され得る。別のタイプのユーザ入力装置は、プロセッサ804に方向情報およびコマンド選択を通信し、ディスプレイ812上のカーソル移動を制御するための、マウス、ジョイスティック、トラックボール、ジェスチャ入力装置、視線ベースの入力装置、またはカーソル方向キーなどのカーソル制御装置816である。この入力装置814は、典型的には、装置が平面内の位置を指定することを可能にする第1の軸(例えば、x)および第2の軸(例えば、y)の二軸の二自由度を有する。しかしながら、3次元(例えば、x、yおよびz)カーソル移動を可能にする入力装置814も本明細書において企図されることを理解されたい。
【0075】
本教示の特定の実装によれば、RAM806に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスのプロセッサ804による実行に応答して、結果がコンピュータシステム800によって提供され得る。そのような命令は、記憶装置810などの別のコンピュータ可読媒体またはコンピュータ可読記憶媒体からRAM806に読み込まれ得る。RAM806に含まれる命令シーケンスの実行は、プロセッサ804に本明細書に記載のプロセスを実行させることができる。あるいは、本教示を実装するために、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路が使用され得る。したがって、本教示の実装は、ハードウェア回路とソフトウェアとの特定の組み合わせに限定されない。
【0076】
本明細書において使用される「コンピュータ可読媒体」(例えば、データストア、記憶装置、データ記憶装置など)または「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ804に命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むがこれらに限定されるものではない多くの形態をとることができる。不揮発性媒体の例は、これらに限定されるものではないが、記憶装置810などの光学、固体、磁気ディスクを含むことができる。揮発性媒体の例は、これに限定されるものではないが、RAM806などのダイナミックメモリを含むことができる。伝送媒体の例は、これらに限定されるものではないが、バス802を備えるワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含むことができる。
【0077】
コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または他の任意の磁気媒体、CD-ROM、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有する他の任意の物理媒体、RAM、PROM、およびEPROM、フラッシュEPROM、他の任意のメモリチップまたはカートリッジ、またはコンピュータが読み出すことができる他の任意の有形媒体を含む。
【0078】
コンピュータ可読媒体に加えて、命令またはデータは、実行のためにコンピュータシステム800のプロセッサ804に1つまたは複数の命令のシーケンスを提供するために、通信装置またはシステムに含まれる伝送媒体上の信号として提供され得る。例えば、通信装置は、命令およびデータを示す信号を有するトランシーバを含み得る。命令およびデータは、1つまたは複数のプロセッサに、本明細書における開示に概説される機能を実装させるように構成されている。データ通信伝送接続の代表的な例は、これらに限定されるものではないが、電話モデム接続、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、赤外線データ接続、NFC接続、光通信接続などを含むことができる。
【0079】
本明細書に記載の方法論、フローチャート、図、および付随する開示は、コンピュータシステム800をスタンドアロン装置として使用して、またはクラウドコンピューティングネットワークなどの共有コンピュータ処理リソースの分散ネットワーク上で実装され得ることを理解されたい。
【0080】
本明細書に記載の方法論は、用途に応じて様々な手段によって実装され得る。例えば、これらの方法論は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装され得る。ハードウェア実装の場合、処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子装置、本明細書において説明される機能を実施するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組み合わせ内に実装され得る。
【0081】
様々な実施形態では、本教示の方法は、C、C++、Pythonなどのような従来のプログラミング言語で書かれたファームウェアおよび/またはソフトウェアプログラムおよびアプリケーションとして実装され得る。ファームウェアおよび/またはソフトウェアとして実装される場合、本明細書に記載される実施形態は、コンピュータに上述した方法を実行させるためのプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体上に実装され得る。本明細書に記載の様々なエンジンがコンピュータシステム800などのコンピュータシステム上に設けられ得、それによって、プロセッサ804は、メモリ構成要素RAM806、ROM808、または記憶装置810のいずれか1つ、またはそれらの組み合わせによって提供される命令、および入力装置814を介して提供されるユーザ入力にしたがって、これらのエンジンによって提供される分析および決定を実行することを理解されたい。
【0082】
VI.例示的な文脈および定義
本開示は、これら例示の実施形態および応用例に、または例示の実施形態および応用例が動作するまたは本明細書に記載されるやり方に限定されるものではない。さらに、図は、簡略化されたまたは部分的な図を示すことがあり、図の要素の寸法は、誇張されているか、または比例していないことがある。
【0083】
さらに、本明細書では、「の上にある(on)」、「に取り付けられている(attached to)」、「に接続されている(connected to)」、「に結合されている(coupled to)」という用語または同様の用語が使用される場合、一方の要素が他方の要素の上に直接あるか、他方の要素に直接取り付けられているか、他方の要素に接続されているか、または他方の要素に結合されているか、または一方の要素と他方の要素との間に1つまたは複数の介在要素が存在するかにかかわらず、一方の要素(例えば、構成要素、材料、層、基板など)は、他方の要素「の上にある」、「に取り付けられている」、「に接続されている」、または「に結合されている」であり得る。さらに、要素のリスト(例えば、要素a、b、c)が参照される場合、そのような参照は、それ自体で列挙された要素のいずれか1つ、列挙された要素の全てよりも少ない要素の任意の組み合わせ、および/または列挙された要素の全ての組み合わせを含むことが意図される。本明細書におけるセクションの区分は、単に検討を容易にするためのものであり、説明された要素の任意の組み合わせを限定するものではない。
【0084】
用語「被験者」は、臨床試験の被験者、処置を受けている人、抗癌療法を受けている人、寛解または回復について監視されている人、(例えば、その病歴に起因して)予防健康分析を受けている人、または目的のある任意の他の人もしくは患者を指し得る。様々な場合では、「被験者」および「患者」は、本明細書において交換可能に使用され得る。
【0085】
特に定義されない限り、本明細書に記載の本教示に関連して使用される科学用語および技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈が特に必要としない限り、単数形の用語は、複数形を含み、複数形の用語は、単数形を含むものとする。一般に、化学、生化学、分子生物学、薬理学および毒物学に関連して利用される命名法およびその技術は、本明細書に記載されており、当該技術分野において周知であり、一般的に使用されるものである。
【0086】
本明細書において使用される場合、「実質的に」は、意図された目的のために機能するのに十分であることを意味し得る。したがって、「実質的に」という用語は、当業者によって予想されるが、全体的な性能にそれほど影響しないような、絶対的または完全な状態、寸法、測定値、結果などからの微細な、僅かな変動を可能にする。数値、または数値として表されることのできるパラメータもしくは特性に関して使用される場合、「実質的に」とは、10パーセント以内を意味する。
【0087】
「複数」という用語は、2つ以上を意味する。
【0088】
本明細書において使用される場合、「複数」という用語は、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上とすることができる。
【0089】
本明細書において使用される場合、「のセット」という用語は、1つまたは複数を意味する。例えば、項目のセットは、1つまたは複数の項目を含む。
【0090】
本明細書において使用される場合、「少なくとも1つ」という語句は、項目のリストとともに使用される場合、列挙された項目のうちの1つまたは複数の異なる組み合わせが使用されてもよく、リスト内の項目のうちの1つのみが必要であってもよいことを意味し得る。項目は、特定の物体、物、ステップ、動作、プロセス、またはカテゴリであり得る。換言すれば、「のうちの少なくとも1つ」は、リストから項目の任意の組み合わせまたは任意の数の項目が使用され得るが、リスト内の項目の全てが必要とされるわけではないことを意味する。例えば、限定されるものではないが、「項目A、項目B、または項目Cのうちの少なくとも1つ」は、項目A、項目Aおよび項目B、項目B、項目A、項目B、および項目C、項目Bおよび項目C、または項目AおよびCを意味する。場合によっては、「項目A、項目B、または項目Cの少なくとも1つ」は、これらに限定されるものではないが、項目Aのうちの2つ、項目Bのうちの1つ、および項目Cのうちの10個、項目Bのうちの4個と項目Cのうちの7個、またはいくつかの他の適切な組み合わせを意味する。
【0091】
本明細書において使用される場合、「モデル」は、1つまたは複数のアルゴリズム、1つまたは複数の数学的技術、1つまたは複数の機械学習アルゴリズム、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0092】
本明細書において使用される場合、「機械学習」は、アルゴリズムを使用してデータを分析し、そこから学習し、次いで世界の何かについての決定または予測を行う実践であり得る。機械学習は、ルールベースのプログラミングに頼ることなくデータから学習することができるアルゴリズムを使用する。
【0093】
本明細書において使用される場合、「人工ニューラルネットワーク」または「ニューラルネットワーク」(NN)は、計算に対するコネクショニストアプローチに基づいて情報を処理する、人工ニューロンの相互接続された群を模倣する数学的アルゴリズムまたは計算モデルを指し得る。ニューラルネットと称される場合もあるニューラルネットワークは、非線形ユニットの1つまたは複数の層を用いて受信した入力に対する出力を予測することができる。いくつかのニューラルネットワークは、出力層に加えて1つまたは複数の隠れ層を含む。それぞれの隠れ層の出力は、ネットワークにおける次の層、すなわち、次の隠れ層または出力層への入力として使用される。ネットワークの各層は、各パラメータのセットの現在の値にしたがって、受信した入力から出力を生成する。様々な実施形態では、「ニューラルネットワーク」への言及は、1つまたは複数のニューラルネットワークへの言及であり得る。
【0094】
ニューラルネットワークは、2つの方法で情報を処理し得る。それが訓練されているとき、それは訓練モードにあり、それが学習したことを実際に実行するとき、それは推論(または予測)モードにある。ニューラルネットワークは、出力が訓練データの出力と一致するように、ネットワークが中間隠れ層内の個々のノードの重み係数を調整する(その挙動を変更する)ことを可能にするフィードバックプロセス(例えば、バックプロパゲーション)を通じて学習する。換言すれば、ニューラルネットワークは、訓練データ(学習例)を供給されることによって学習し、最終的には、新たな範囲または入力のセットが提示された場合であっても、正しい出力に到達する方法を学習する。ニューラルネットワークは、例えば、限定されるものではないが、フィードフォワードニューラルネットワーク(FNN)、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、モジュラーニューラルネットワーク(MNN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、残差ニューラルネットワーク(ResNet)、常微分方程式ニューラルネットワーク(ニューラル-ODE)、または別のタイプのニューラルネットワークのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0095】
本明細書において使用される場合、「病変」は、損傷または疾患を介して損傷を受けた臓器または組織の領域であり得る。この領域は、連続的または不連続的な領域であり得る。例えば、本明細書において使用される場合、病変は、複数の領域を含み得る。地図状萎縮(GA)病変は、慢性進行性変性を患っている網膜の領域であり得る。本明細書において使用される場合、GA病変は、1つの病変(例えば、1つの連続病変面積)または複数の病変(例えば、複数の別個の病変からなる不連続病変面積)を含み得る。
【0096】
本明細書において使用される場合、「病変面積」は、その病変が連続領域であるか不連続領域であるかにかかわらず、病変によって覆われる総面積を意味し得る。
【0097】
本明細書において使用される場合、「長期的」は、ある期間にわたることを意味し得る。期間は、日、週、月、年、または他の何らかの時間尺度であり得る。
【0098】
本明細書において使用される場合、GA病変に対応する「成長速度」は、GA病変の病変面積の長期的な変化を意味し得る。この成長速度は、GA成長速度とも称されることがある。
【0099】
VII.実施形態の記載
実施形態1.地図状萎縮を評価するための方法であって、網膜画像のセットを受信することと、複数のモデルの各モデルを訓練して、網膜画像のセットを使用して、地図状萎縮(GA)病変に対する地図状萎縮(GA)進行パラメータのセットを予測することと、複数のモデルの各モデルの視覚化出力を生成することであって、複数のモデルの対応するモデルの視覚化出力は、対応するモデルが網膜画像のセットをどのように使用してGA進行パラメータのセットを予測するかに関する情報を提供する、視覚化出力を生成することと、を含む、方法。
【0100】
実施形態2.生成することが、対応するモデルの網膜画像のセット内の対応する網膜画像の勾配活性化マップを生成することであって、勾配活性化マップが、GA病変の対応するモデルによって予測されたGA進行パラメータのセットに寄与した対応する網膜画像内の領域のセットを示す、勾配活性化マップを生成することを含む、実施形態1に記載の方法。
【0101】
実施形態3.複数のモデルが深層学習モデルを含み、さらに、深層学習モデルについて生成された視覚化出力を使用して深層学習モデルを検証することを含む、実施形態1または2に記載の方法。
【0102】
実施形態4.複数のモデルが、第1の深層学習モデルおよび第2の深層学習モデルを含み、さらに、第1の深層学習モデルについて生成された視覚化出力と第2の深層学習モデルについて生成された視覚化出力との比較を実行することを含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
実施形態5.さらに、比較に基づいてGA進行パラメータのセットを予測するための最良のモデルとして第1の深層学習モデルまたは第2の深層学習モデルのいずれかを選択することを含む、実施形態4に記載の方法。
【0104】
実施形態6.さらに、モデルの性能を改善するために、モデルについて生成された視覚化出力に基づいて新たなモデルを形成するように複数のモデルのうちのモデルを変更することを含む、実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
【0105】
実施形態7.GA進行パラメータのセットが、GA病変の成長速度またはGA病変のベースライン病変面積のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
実施形態8.網膜画像のセットが、眼底自発蛍光(FAF)画像のセットまたは光干渉断層撮影(OCT)画像のセットのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
実施形態9.眼底自発蛍光(FAF)画像のセットがベースラインFAF画像のセットであり、光干渉断層撮影(OCT)画像のセットがベースラインOCT画像のセットである、実施形態8に記載の方法。
【0108】
実施形態10.網膜における地図状萎縮を評価するための方法であって、網膜画像のセットを受信することと、網膜画像のセットおよび深層学習モデルを使用して、網膜における地図状萎縮(GA)病変に対する地図状萎縮(GA)進行パラメータのセットを予測することと、深層学習モデルの網膜画像のセットに対応する勾配活性化マップのセットを生成することであって、網膜画像のセットの対応する網膜画像の勾配活性化マップのセット内の勾配活性化マップが、深層学習モデルによるGA進行パラメータのセットの予測に関連する対応する網膜画像内の領域のセットを特定する、勾配活性化マップのセットを生成することと、を含む、方法。
【0109】
実施形態11.さらに、勾配活性化マップのセットに基づいて深層学習モデルの性能を改善するのに使用するための出力を生成することを含む、実施形態10に記載の方法。
【0110】
実施形態12.GA進行パラメータのセットが、GA病変の成長速度またはGA病変のベースライン病変面積のうちの少なくとも1つを含む、実施形態10または11に記載の方法。
【0111】
実施形態13.網膜画像のセットが、眼底自発蛍光(FAF)画像のセットまたは光干渉断層撮影(OCT)画像のセットのうちの少なくとも1つを含む、実施形態10から12のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
実施形態14.地図状萎縮を評価するためのシステムであって、機械実行可能コードを含む機械可読媒体を含むメモリと、メモリに結合されたプロセッサであって、機械実行可能コードを実行して、プロセッサプロセッサに、網膜画像のセットを受信することと、複数のモデルの各モデルを訓練して、網膜画像のセットを使用して、地図状萎縮(GA)病変に対する地図状萎縮(GA)進行パラメータのセットを予測することと、複数のモデルの各モデルの視覚化出力を生成することであって、複数のモデルの対応するモデルの視覚化出力は、対応するモデルが網膜画像のセットをどのように使用してGA進行パラメータのセットを予測するかに関する情報を提供する、視覚化出力を生成することと、を行わせるように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【0113】
実施形態15.視覚化出力が、対応するモデルの網膜画像のセット内の対応する網膜画像の勾配活性化マップを含み、勾配活性化マップが、GA病変の対応するモデルによって予測されたGA進行パラメータのセットに寄与した対応する網膜画像内の領域のセットを示す、実施形態14に記載のシステム。
【0114】
実施形態16.対応するモデルが、対応する深層学習モデルであり、プロセッサが、機械実行可能コードを実行して、プロセッサに、対応する深層学習モデルについて生成された視覚化出力を使用して対応する深層学習モデルを検証させるように構成される、実施形態14または15に記載のシステム。
【0115】
実施形態17.複数のモデルが、第1の深層学習モデルおよび第2の深層学習モデルを含み、プロセッサが、機械実行可能コードを実行して、プロセッサに、第1の深層学習モデルについて生成された視覚化出力と第2の深層学習モデルについて生成された視覚化出力との比較を実行することと、比較に基づいてGA進行パラメータのセットを予測するための最良のモデルとして第1の深層学習モデルまたは第2の深層学習モデルのいずれかを選択することと、を行わせるように構成される、実施形態14から16のいずれか1つに記載のシステム。
【0116】
実施形態18.プロセッサが、機械実行可能コードを実行して、プロセッサに、モデルの性能を改善するためにモデルについて生成された視覚化出力に基づいて新たなモデルを形成するように複数のモデルのうちのモデルを変更させるように構成される、実施形態14から17のいずれか1つに記載のシステム。
【0117】
実施形態19.GA進行パラメータのセットが、GA病変の成長速度またはGA病変のベースライン病変面積のうちの少なくとも1つを含む、実施形態14から18のいずれか1つに記載のシステム。
【0118】
実施形態20.網膜画像のセットが、眼底自発蛍光(FAF)画像のセットまたは光干渉断層撮影(OCT)画像のセットのうちの少なくとも1つを含む、実施形態14から19のいずれか1つに記載のシステム。
【0119】
VIII.さらなる考察
本文書のセクションおよびサブセクション間の見出しおよび小見出しは、読みやすさを改善するために含まれるに過ぎず、セクションおよびサブセクションをまたいで特徴を組み合わすことができないことを示唆するものではない。したがって、セクションおよびサブセクションは、別個の実施形態を説明するものではない。
【0120】
本開示のいくつかの実施形態は、1つまたは複数のデータプロセッサを含むシステムを含む。いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数のデータプロセッサ上で実行されると、1つまたは複数のデータプロセッサに、本明細書に開示された1つまたは複数の方法の一部または全部および/または1つまたは複数のプロセスの一部または全部を実行させる命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。本開示のいくつかの実施形態は、1つまたは複数のデータプロセッサに、本明細書に開示された1つまたは複数の方法の一部または全部および/または1つまたは複数のプロセスの一部または全部を実行させるように構成された命令を含む非一時的機械可読記憶媒体において、有形に具現化されたコンピュータプログラム製品を含む。
【0121】
使用された用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、そのような用語および表現の使用において、示されて説明された特徴の均等物またはその一部を除外する意図はないが、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明は、実施形態および任意の特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示された概念の変更および変形は、当業者によってあてにされてもよく、そのような変更および変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあると見なされることを理解されたい。
【0122】
本明細書に提供される説明は、好ましい例示的な実施形態のみを提供し、本開示の範囲、適用可能性または構成を限定することを意図しない。むしろ、好ましい例示的な実施形態の説明は、様々な実施形態を実装するための可能な説明を当業者に提供する。添付の特許請求の範囲に記載の趣旨および範囲から逸脱することなく、要素(例えば、ブロック図または概略図の要素、フロー図の要素など)の機能および配置に様々な変更が加えられ得ることが理解される。
【0123】
上記の説明では、実施形態の完全な理解を提供するために具体的な詳細が示されている。しかしながら、これらの具体的な詳細なしで実施形態が実施され得ることが理解されよう。例えば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、および他の構成要素は、実施形態を不必要に詳細に不明瞭にしないために、ブロック図形式の構成要素として示されてもよい。他の例では、実施形態を不明瞭にすることを避けるために、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技術が不必要な詳細なしに示されてもよい。
【0124】
本教示は、様々な実施形態に関連して説明されているが、本教示がそのような実施形態に限定されることは意図されていない。逆に、本教示は、当業者によって理解されるように、様々な代替、変更、および均等物を包含する。
【0125】
様々な実施形態を説明する際に、本明細書は、特定の一連のステップとして方法および/またはプロセスを提示している場合がある。しかしながら、方法またはプロセスが本明細書に記載される特定の順序のステップに依存していない範囲で、方法またはプロセスは、説明した特定の順序のステップに限定されるべきではなく、当業者が容易に理解することができるように、順序は変えられる場合があり、且つ依然として、様々な実施形態の趣旨および範囲内にとどまる場合がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】