(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】マンモグラフィ画像を取得するための機械学習ベースの最適露出技術予測のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240521BHJP
A61B 6/02 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
A61B6/00 520M
A61B6/02 500F
A61B6/00 560
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571321
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 US2022028901
(87)【国際公開番号】W WO2022245619
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501214292
【氏名又は名称】ホロジック, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hologic, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 Campus Drive, 01752 Marlborough, MA,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クシルサガール, アシュウィニ
(72)【発明者】
【氏名】レン, バオルイ
(72)【発明者】
【氏名】スミス, アンドリュー ピー.
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA08
4C093CA34
4C093DA06
4C093FA18
(57)【要約】
本開示の例は、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するために機械学習(ML)を使用するためのシステムおよび方法を説明する。態様では、訓練データは、1つ以上のデータソースから収集され得る。訓練データは、患者属性データのサンプルデータ、およびサンプル画像属性データ、画像メタデータ、画像ピクセルデータ、および/または露出技術パラメータを含み得る。訓練データは、患者のマンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術パラメータを決定するためにMLモデルを訓練するために使用され得る。MLモデルが訓練された後、患者訪問中に患者から収集された患者データが、MLモデルへの入力として提供され得る。MLモデルは、患者のための最適な露出技術パラメータをリアルタイムで出力し得る。MLモデルのリアルタイム出力を使用して、患者の1つ以上のマンモグラフィ画像が生成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、前記システムは、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリであって、前記メモリは、コンピュータ実行可能命令を含み、前記コンピュータ実行可能命令は、実行されると、
患者の患者固有データを含む第1のデータセットを受信することと、
機器固有の情報を含む第2のデータセットを受信することであって、前記機器固有の情報は、撮像デバイスの属性または付属品を示す、ことと、
前記患者の以前の画像データを含む第3のデータセットを受信することと、
前記第1のデータセット、前記第2のデータセット、および前記第3のデータセットを機械学習モデルへの入力として提供することと、
前記機械学習モデルからの出力として露出技術パラメータのセットを受信することであって、前記露出技術パラメータのセットは、キロ電圧ピーク(kVp)値、ミリアンペア秒(mAs)値、またはX線フィルタの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、ことと、
前記露出技術パラメータのセットに基づいて前記患者の画像を取得することと
を含む方法を実行する、メモリと
を備える、システム。
【請求項2】
前記画像の取得に先立って、ユーザが、前記機械学習モデルを呼び出す、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記患者固有データは、異物インジケータを含み、前記異物インジケータは、患者の乳房に異物が埋め込まれているかどうかを示す、請求項1から2のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
ヘルスケア専門家が、前記機械学習モデルを訓練するために使用されるコンピューティングデバイスに前記第1のデータセットを提供し、
医療デバイスが、前記コンピューティングデバイスに前記第2のデータセットを提供し、
データストアが、前記コンピューティングデバイスに前記第3のデータセットを提供する、
請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のデータセットは、乳房の厚さ、乳房の密度、または患者の位置決め情報のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
撮像デバイスの属性は、圧迫パドルのサイズ、圧迫パドルの形状、または圧迫パドルのタイプのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
撮像デバイスの属性は、撮像モード、アノード材料、または撮像フィルタタイプのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のデータセットおよび前記第2のデータセットは、ヘルスケア施設への現在の患者訪問中に収集される、請求項1から7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記以前の画像データは、前記患者の1つ以上のマンモグラム画像を含み、前記1つ以上のマンモグラム画像は、以前の患者訪問中に収集される、請求項1から8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記第3のデータセットは、乳房の厚さまたは乳房の密度の少なくとも一方をさらに含む、請求項1から9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記機械学習モデルは、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するように訓練される、請求項1から10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
露出技術パラメータのセットは、前記患者に固有であり、前記患者が撮像される前に決定される、請求項1から11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
露出技術パラメータのセットは、焦点情報、ソース-画像間レセプタ距離値、オブジェクト-画像間レセプタ距離値、散乱グリッド情報、またはビーム制限情報のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1から12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
方法であって、前記方法は、
コンピューティングデバイスにおいて、患者の患者固有データを含む第1のデータセットを受信することと、
前記コンピューティングデバイスにおいて、機器固有の情報を含む第2のデータセットを受信することであって、前記機器固有の情報は、撮像デバイスの属性または付属品を示す、ことと、
前記コンピューティングデバイスにおいて、前記患者の以前の画像データを含む第3のデータセットを受信することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記第1のデータセット、前記第2のデータセット、および前記第3のデータセットを機械学習モデルへの入力として提供することと、
前記機械学習モデルからの出力として露出技術パラメータのセットを受信することであって、前記露出技術パラメータのセットは、キロ電圧ピーク(kVp)値、ミリアンペア秒(mAs)値、またはX線フィルタの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、ことと、
前記露出技術パラメータのセットに基づいて前記患者の1つ以上のマンモグラム画像を生成することであって、前記1つ以上のマンモグラム画像は、前記撮像デバイスによって生成される、ことと
を含む、方法。
【請求項15】
前記撮像デバイスは、前記コンピューティングデバイスに通信可能に結合可能であり、
前記撮像デバイスは、前記撮像デバイスと前記コンピューティングデバイスとが通信可能に結合されている場合、前記コンピューティングデバイスに前記第2のデータセットを提供する、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上のマンモグラム画像は、光学濃度、信号対雑音比、コントラスト対雑音比、平均二乗誤差、コントラスト改善比のうちの少なくとも1つに基づく最適な画質のものである、請求項14から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記コンピューティングデバイスの機械学習コンポーネントを使用して前記露出技術パラメータのセットを評価することであって、前記評価は、前記露出技術パラメータのセットを従来の自動露出制御(AEC)方法のパラメータのセットと比較することを含む、こと
をさらに含む、請求項14から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記比較することは、露出技術パラメータの組み合わせセットを生成するために、前記露出技術パラメータのセットと前記従来のAEC方法のパラメータのセットとを組み合わせることを含み、
前記方法は、
前記患者のマンモグラム画像のセットを生成するために前記露出技術パラメータの組み合わせセットを使用すること
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記比較することは、前記従来のAEC方法の前記パラメータのセットを使用して、前記露出技術パラメータのセット内の統計的に外れた値を識別することを含む、
請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、PCT国際特許出願として2022年5月11日に出願されており、2021年5月18日に出願された米国仮特許出願第63/189,953号の利益および優先権を主張し、この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景
最適な自動露出制御(AEC)を達成することは、撮像対象(例えば、患者)への過剰な放射線露出なしに適切なコントラスト対ノイズ比を有するマンモグラフィ画像を生成するために不可欠である。マンモグラフィのための現在のAEC技術は、最も密度の高い領域を識別するために患者の乳房をサンプリングすることを含む。多くの場合、サンプリングは、最も密度の高い乳房領域を正確に識別しない。結果として、識別された領域に対して計算されたAEC技術は、患者に過剰な放射線被曝(「露出過多」)または不十分な放射線被曝(「露出過小」)を経験させる可能性がある。
【0003】
これらおよび他の一般的な考慮事項に関して、本明細書に開示された態様がなされている。また、比較的特定の問題が議論され得るが、例は、背景または本開示の他の箇所で特定された特定の問題を解決することに限定されるべきではないことを理解されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示の例は、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するために機械学習(ML)を使用するためのシステムおよび方法を説明する。態様では、患者データおよび/または撮像データに関連する訓練データのデータセットは、1つ以上のデータソースから収集され得る。訓練データのデータセットは、患者のセットに対する患者属性データのサンプルデータ、ならびに画像のセットに対するサンプル画像属性データ、画像メタデータ、画像ピクセルデータ、および/または露出技術パラメータを含み得る。訓練データのデータセットは、患者のマンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術パラメータを決定するためにMLモデルを訓練するために使用され得る。MLモデルが訓練された後、患者訪問中に患者から収集された非訓練患者データのデータセットが、MLモデルへの入力として提供され得る。患者データを使用して、MLモデルは、患者のための最適な露出技術パラメータをリアルタイムで出力し得る。次いで、MLモデルのリアルタイム出力を使用して、患者の1つ以上のマンモグラフィ画像が生成され得る。
【0005】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。例の追加の態様、特徴、および/または利点は、一部は以下の説明に記載され、一部は説明から明らかになるか、または本開示の実施によって習得され得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の図を参照して、非限定的かつ非網羅的な例を説明する。
【0007】
【
図1】
図1は、本明細書で説明するように、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するためにMLを使用するための例示的なシステムの概要を示す。
【0008】
【
図2】
図2は、本明細書で説明されるように、取得のための最適な露出技術を予測するためにMLを使用するための例示的なプロセスフローの図である。
【0009】
【
図3】
図3は、本明細書に記載の、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するためのMLモデルを訓練するための例示的な方法を示す。
【0010】
【
図4】
図4は、本明細書で説明するように、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するためにMLを使用する例示的な方法を示す。
【0011】
【
図5】
図5は、本実施形態の1つ以上が実装され得る適切な動作環境の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
医療撮像は、人体内の癌または他の状態などの異常を識別および診断するための広く使用されるツールになっている。マンモグラフィおよびトモシンセシスなどの医療撮像プロセスは、乳房内の癌または他の病変をスクリーニングまたは診断するために乳房を撮像するための特に有用なツールである。トモシンセシスシステムは、限定された角度のトモシンセシスに基づく高解像度乳房撮像を可能にするマンモグラフィシステムである。トモシンセシスは、一般に、その厚さ全体にわたって乳房の個々の層またはスライスの各々である複数のX線画像を生成する。従来の二次元(2D)マンモグラフィシステムとは対照的に、トモシンセシスシステムは、一連のX線投影画像を取得し、各投影画像は、X線源が乳房上の円弧などの経路に沿って移動するときに異なる角度変位で得られる。従来のコンピュータ断層撮影(CT)とは対照的に、トモシンセシスは、典型的には、乳房の周りのX線源の限られた角度変位で得られた投影画像に基づく。トモシンセシスは、2Dマンモグラフィ撮像に存在する組織の重なりおよび構造ノイズによって引き起こされる問題を低減または排除する。
【0013】
自動露出制御(AEC)は、マンモグラフィおよび放射線撮像システムに組み込まれる機能である。AEC方法は、組織の密度および厚さ、ならびにユーザのスキルレベルの変動にかかわらず、一貫して最適な画像露出を可能にするように機能する。最適なAECを達成することは、患者の露出過多を防止し、一貫した光学密度/信号対雑音比を提供するマンモグラフィ画像を生成するために不可欠である。マンモグラフィにおいてAECを実行するための従来の方法は、患者の乳房をサンプリングし、乳房の最も密度の高い領域を検索することに依存している。この技術はほとんど信頼性があるが、この技術の性能は、患者の位置決め、患者固有の異常(例えば、インプラントまたは他の異物の存在)、ならびに乳房圧迫ハードウェアおよび手順の一貫性などの要因に基づく。例えば、AEC検索領域が患者の乳房の非常に厚い領域(胸筋など)を含むように、患者が不適切に位置決めされる可能性がある。AEC露出技術は、厚い領域に対して計算され得る。結果として、患者は、患者を不必要に露出過多にする厚い領域と一致する量の放射線被曝を受ける可能性がある。別の例として、AEC検索領域が患者の乳房の最も密度の高い領域を含まないように、患者が不適切に位置決めされる可能性がある。AEC露出技術は、乳房の低密度領域に対して計算され得る。その結果、患者は露出過小になる可能性があり、画質が低下する(または使用できない)可能性がある。
【0014】
さらに、マンモグラフィにおいてAECを実行するための従来の方法は、患者の乳房のスカウト画像を撮影することを必要とする。スカウト画像は、マンモグラフィ検査に必要な放射線被曝量を識別するために使用される初期被曝である。スカウト画像のAEC検索領域は、スカウト画像全体を包含してもよく、またはスカウト画像全体のサブセットであってもよく、例えば、露出中の乳房の向きに応じて変化してもよい。多くの場合、スカウト画像は、総放射線被曝量の約5~10%であり得、最終画像の生成に使用されない場合さえある。
【0015】
AECを実行するための従来の方法に関するこのような問題に対処するために、本開示は、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するために機械学習(ML)を使用するためのシステムおよび方法を説明する。態様では、訓練データ(またはサンプルデータ)は、イメージリポジトリおよび/または患者記録などの1つ以上のデータソースから収集され得る。訓練データの収集は、手動で、または自動化されたプロセスを使用して実行され得る。訓練データは、患者のセットの患者データ(例えば、乳房の厚さ、乳房の密度、乳房の大きさ、インプラント/異物の識別子)、画像のセットの撮像データ(例えば、画素データ、撮像モード、パドルタイプ)、および/または画像のセットの露出技術パラメータ(例えば、キロ電圧ピーク(kVp)、ミリアンペア秒(mAs)、X線フィルタの組み合わせ)を含んでもよい。訓練データは、例えば、テキストインジケータ、数値、強調表示、囲み(および/または他の種類のコンテンツ囲み)、矢印もしくはポインタ、フォントもしくはスタイルの変更、または他の形式の注釈を使用して、ラベルなしおよび/またはラベルありとしてもよい。
【0016】
訓練データは、人工知能(AI)モデルまたはMLモデルを訓練するために使用され得る。例えば、訓練データは、MLモデルまたはMLモデリングコンポーネントへの1つ以上の入力パラメータとして提供されてもよい。本明細書で使用されるモデルは、1つ以上の文字列、クラス、オブジェクト、結果セットまたはイベントにわたる確率分布を決定するために、および/または1つ以上の予測子からの応答値を予測するために使用され得る予測的または統計的ユーティリティまたはプログラムを指す場合がある。モデルは、1つ以上のルールセット、AI/ML、ニューラルネットワークなどに基づくか、または組み込むことができる。モデルが訓練された後、訓練済みモデルは、患者データのセット(例えば、非訓練データ)に基づいて患者のマンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術パラメータを決定することが可能であり得る。患者データのセットは、訓練データと種類および/または値が類似しているデータを含んでもよい。例えば、患者データのセットは、少なくとも患者の患者データおよび撮像データを含み得る。患者データのセットの少なくとも一部は、現在の患者訪問中に患者から収集されてもよい。
【0017】
患者データのセットを使用して、MLモデルは、患者のための最適な露出技術パラメータをリアルタイムで出力し得る。次いで、AIモデルによって出力された最適な露出技術パラメータを使用して、患者の1つ以上のマンモグラフィ画像がリアルタイムで生成され得る。例えば、現在の患者訪問中に、MLモデルは、患者データのセットを受信し、露出技術パラメータを出力してもよい。露出技術パラメータを使用して、患者訪問中にマンモグラフィ画像を生成してもよい。いくつかの態様では、MLモデルの出力は、AECを実行するための従来の方法のパラメータと比較されてもよい。次いで、マンモグラフィ撮像中に実施される出力露出技術パラメータに関する決定を、MLモデルの出力、従来のAEC方法を実行するためのパラメータ、またはそれらの組み合わせに基づいて行ってもよい。
【0018】
したがって、本開示は、限定はしないが、とりわけ、医療撮像中の患者への放射線の露出過多の最小化、医療撮像中の露出過小の発生の低減、医療画像の画質の最適化、患者固有の露出技術予測の提供、医療撮像中のスカウト画像の必要性の排除、および従来のAEC方法のパラメータを使用したMLベースの露出技術パラメータの評価を含む、複数の技術的利点を提供する。
【0019】
図1は、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するためにMLを使用するための例示的なシステムの概要を示す。提示されている例示的なシステム100は、相互作用して統合システムを形成する相互依存コンポーネントの組み合わせである。システム100は、ハードウェアコンポーネント上に実装された、および/またはハードウェアコンポーネントによって実行される、ハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアコンポーネントを含み得る。システム100は、システム100の動作制約、リソース、および機能に従って実行するソフトウェアコンポーネントのための1つ以上の動作環境を提供し得る。いくつかの例では、動作環境および/またはソフトウェアコンポーネントは、
図6に示すように、単一の処理デバイスによって提供されてもよい。他の例では、動作環境およびソフトウェアコンポーネントは、複数のデバイスにわたって分散されてもよい。例えば、入力は、ユーザデバイス上で入力されてもよく、情報は、1つ以上のネットワークデバイスおよび/またはサーバデバイスなど、ネットワーク内の他のデバイスを使用して処理またはアクセスされてもよい。
【0020】
態様では、システム100は、例えば、ヘルスケア施設、ヘルスケア患者、および/またはヘルスケア職員に関連する機密または個人情報を含むコンピューティング環境を表し得る。ヘルスケア環境への具体的な言及が本明細書に記載されているが、本開示の技術は他の環境で実施されてもよいことが企図されている。例えば、システム100は、機密または私的な医療情報を含まないソフトウェア開発環境または代替環境を表してもよい。
【0021】
図1では、システムは、コンピューティングデバイス105、MLコンポーネント110、データストア115、および医療デバイス120を備える。システム100などのシステムの規模は様々であり得、
図1に記載されたものよりも多いまたは少ない構成要素を含み得ることが当業者には理解されよう。一例として、コンピューティングデバイス105の機能および/または1つ以上の構成要素は、医療デバイス115に統合することができる。別の例として、インテリジェンスコンポーネント110の機能および/または1つ以上の構成要素は、コンピューティングデバイス105に統合されてもよい。
【0022】
コンピューティングデバイス105は、1以上のユーザまたは1つ以上のデバイスから入力を受信または収集するように構成され得る。コンピューティングデバイス105は、入力を受信または収集するためのセンサ、アプリケーション、および/またはサービスを含んでもよい。例示的なセンサは、マイクロフォン、タッチベースのセンサ、キーボード、ポインティング/選択ツール、光学/磁気スキャナ、加速度計、磁力計、ジャイロスコープなどを含む。収集された入力は、例えば、音声入力、タッチ入力、テキストベースの入力、ジェスチャ入力、ビデオ入力、および/または画像入力を含み得る。例えば、コンピューティングデバイス105は、ヘルスケア専門家などのユーザが医療データ(例えば、患者記録、医療および治療履歴情報、患者の健康データ、ヘルスケア専門家の注記および文書、医療画像、医療処置パラメータ、医療機器情報)を入力するおよび/または取り出すことを可能にし得る。コンピューティングデバイス105によって取り出される医療データは、データストア115などの1つ以上のデータストアから取り出され、および/またはそこに記憶させることができる。コンピューティングデバイス105はまた、1つ以上の予測もしくは統計モデルまたはアルゴリズムを記憶、実行、送信および/または提供するように構成されてもよい。例えば、コンピューティングデバイス105は、患者のマンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術パラメータを決定するためのMLモデルへのアクセスを提供し得る。コンピューティングデバイス105の例には、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバデバイス、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、携帯情報端末(PDA))、およびウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートアイウェア、フィットネストラッカー、スマート衣類、身体装着型デバイス)が含まれるが、これらに限定されない。
【0023】
MLコンポーネント110は、1つ以上の予測もしくは統計モデルまたはアルゴリズムを訓練するように構成され得る。態様では、MLコンポーネント110は、モデルを訓練するための、または訓練済みモデルを提供するための要求を受信し得る。要求は、患者属性データ、画像メタデータ、画像ピクセルデータ、露出技術パラメータなどの訓練データを含んでもよい。あるいは、要求は、識別子、記述、キーワード、要求されたタスクなどのモデル選択情報を含んでもよい。要求を受信すると、MLコンポーネント110は、要求に適合するモデルまたはモデルテンプレートを選択してもよい。モデルまたはモデルテンプレートは、1つ以上のモデルテンプレートおよび/または訓練済みモデルを格納する、モデルリポジトリ(図示せず)から選択されてもよい。あるいは、MLコンポーネント110は、要求に適合するモデルまたはモデルテンプレートを生成してもよい。次いで、MLコンポーネント110は、要求で定義されたモデルまたはモデルテンプレートを訓練してもよい。具体的な例として、MLコンポーネント110は、患者のマンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術パラメータを決定するために、モデルテンプレートを訓練し得る。
【0024】
例では、MLコンポーネント110は、コンピューティングデバイス、コンピューティングデバイスのソフトウェアコンポーネント、または複数のコンピューティングデバイスにわたって分散された複数のソフトウェアコンポーネントを表し得る。いくつかの例では、MLコンポーネント110およびコンピューティングデバイス105は、同じコンピューティング環境に実装されてもよい。例えば、MLコンポーネント110およびコンピューティングデバイス105は、機密医療データを含むヘルスケアコンピューティング環境に配置されてもよい。いくつかの例では、MLコンポーネント110およびコンピューティングデバイス105は、別々のコンピューティング環境で実装されてもよい。例えば、コンピューティングデバイス105は、ヘルスケアコンピューティング環境に配置されてもよく、MLコンポーネント110は、ヘルスケアコンピューティング環境から地理的および/または論理的に分離されたソフトウェア開発環境に配置されてもよい。
【0025】
データストア115は、医療データならびに/または他のタイプのデータおよび情報を記憶するように構成され得る。例えば、データストア115は、患者データ(例えば、乳房の厚さ、乳房の密度、乳房のサイズ、インプラント/異物の識別子、患者のバイタル統計、患者の治療履歴、および他の患者関連情報)、撮像データ(例えば、患者の画像、参照画像、ピクセルデータ、DICOM情報、撮像モードオプション、パドルタイプ)、および/または、1つ以上の画像または撮像モダリティ(例えば、キロ電圧ピーク(kVp)、ミリアンペア秒(mAs)、X線フィルタの組み合わせ、焦点情報、ソース-画像間レセプタ距離、物体-画像間レセプタ距離、散乱グリッド情報、ビーム制限情報)のための露出技術パラメータを含んでもよい。データストア115はまた、その1つ以上のモデル、アルゴリズム、またはテンプレートを備えてもよい。例えば、MLコンポーネント110によって提供されるモデルまたはアルゴリズムは、データストア115に記憶されてもよい。データストア115の例には、データベース、ファイルシステム、ディレクトリ、フラットファイル、および電子メール記憶システムが含まれるが、これらに限定されない。態様では、データストア115は、システム100の1つ以上のコンポーネントにアクセス可能であり得る。例えば、1つ以上のデータストア115は、コンピューティングデバイス105および/またはMLコンポーネント110のコンピューティング環境に配置されるか、またはそこからアクセス可能であり得る。
【0026】
医療デバイス120は、患者の画像および/または身体属性データを生成または収集するように構成され得る。態様では、医療デバイス120は、画像センサ、深度センサ、追跡センサ、近接センサ、ステレオ/HDカメラ、および赤外線カメラなどの、1つ以上のセンサコンポーネントを備え得る。センサコンポーネントは、乳房のサイズ、乳房の厚さ、乳房の体積、および/または乳房の形状など、患者の物理的属性に関するデータおよび/または画像を収集するために使用され得る。マンモグラフィへの具体的な言及が本明細書に記載されているが、本開示の技術は、代替のタイプの撮像で実施することができると考えられる。医療デバイス120の例は、超音波デバイス、CTデバイス、X線デバイス、磁気共鳴撮像(MRI)デバイス、および陽電子放出断層撮影(PET)デバイスを含むが、これらに限定されない。
【0027】
医療デバイス120は、1つ以上のモデルを記憶および/または実行するようにさらに構成され得る。例えば、医療デバイス120は、MLコンポーネント110またはコンピューティングデバイス105から訓練済みモデルを受信してもよい。医療デバイス120は、訓練済みモデルをローカルに記憶し、および/または訓練済みモデルを1つ以上の他のデバイスに送信してもよい。医療デバイス120は、1つ以上のイベントに応答して、訓練済みモデルを実行し(または訓練済みモデルを別のデバイスによって実行させ)てもよい。一例として、患者の訪問中、ヘルスケア専門家は、患者を医療デバイス120の上/中に配置し得る。医療デバイス120は、患者に関連する患者データ(例えば、乳房の厚さ、乳房の密度、乳房の大きさ、インプラント/異物の識別子)および/または患者に対して実行される撮像手順に関連する撮像データ(例えば、画素データ、撮像モード、パドルタイプ)を受信/収集してもよい。受信/収集された患者データおよび/または撮像データに基づいて、医療デバイス120は訓練済みモデルを実行してもよい。例えば、医療デバイス120は、患者データおよび/または撮像データを訓練済みモデルへの入力パラメータとして提供してもよい。訓練済みモデルは、患者のマンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術の予測を出力し得る。次いで、医療デバイス120は、訓練済みモデルによって出力された最適な露出技術に基づいて、患者に対して撮像手順を実行し得る。
【0028】
図2は、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するためにMLを使用するための例示的なプロセスフローの図である。提示されているように、プロセスフロー200は、環境201および251を含む。例では、環境201は、ソフトウェア開発環境または第三者環境を表し得る。環境201は、ウェブベース、クラウドベースであってもよく、または環境251から遠隔に実装されてもよい。環境201は、公的にまたは選択的にアクセス可能であってもよく、環境251の安全なアクセスを可能にするためのセキュリティ手順を実装してもよい。一般に、環境201は、環境251に含まれる機密または個人情報を格納またはアクセスすることができない。環境251は、病院、撮像および放射線センター、緊急治療施設、メディカルクリニックまたはメディカルオフィス、外来手術施設、身体リハビリテーションセンターなどのヘルスケア施設を表し得る。環境251は、ヘルスケア施設、ヘルスケア患者、および/またはヘルスケア職員に関連する機密または個人情報を含み得る。環境201および251は、物理的および/または論理的に分離され得る。さらに、環境201および251は、環境251に含まれる機密医療情報の安全な取り扱いを保証するファイアウォールおよび認証プロトコルによって分離されてもよい。環境201および251に関連する環境および/またはコンポーネントの数および種類は、
図2に記載されたものとは異なり得ることが当業者には理解されよう。
【0029】
例では、環境201は、訓練デバイス205、データストア210、およびMLコンポーネント215を含み得る。訓練デバイス205は、1人以上のユーザまたは1つ以上のデバイスからデータおよび/または命令を受信するように構成され得る。例えば、ソフトウェア開発者またはヘルスケア専門家などのユーザが、環境201から訓練デバイス205に直接アクセスしてもよい。あるいは、ユーザは、環境201以外のコンピューティング環境から訓練デバイス205に遠隔でアクセスしてもよい。訓練デバイス205によって受信されたデータ/命令は、モデルを訓練するための、または訓練済みモデルを提供するための要求に対応し得る。一例では、要求は、患者属性データ、画像メタデータ、画像ピクセルデータ、露出技術パラメータなどの訓練データを含んでもよい。別の例では、要求は、訓練データの位置を識別するための情報を含んでもよい。さらに別の例では、要求は、識別子、記述、キーワード、要求されたタスクなど、モデルまたはモデルタイプを選択するための情報を含んでもよい。訓練デバイス205は、受信したデータ/命令を使用して、関連する訓練データについてデータストア210などの1つ以上のデータストアを検索し得る。
【0030】
データストア210は、少なくともマンモグラム画像220、機器データ225、患者データ230、および露出技術パラメータ235を含み得る。マンモグラム画像220は、最適な画質(例えば、最適な光学密度、信号対雑音比、コントラスト対雑音比、平均二乗誤差、コントラスト改善比)であると判定された画像を表し得る。画質の分類(例えば、高品質、中程度の品質、低品質)は、手動判定、自動判定、またはそれらの何らかの組み合わせであってもよい。例えば、ユーザは、画像のセットを手動でレビューし、それぞれの画像の画質を分類し、および/または画質を示す注釈を提供してもよい。あるいは、1つ以上の教師付きおよび/または教師なしML技術を使用して、画像のセットをレビュー、分類、および/または注釈付けしてもよい。
【0031】
機器データ225は、医療撮像中に使用される機器に関連するデータおよびパラメータ設定を表し得る。例えば、機器データ225は、とりわけ、撮像デバイスの種類(例えば、X線デバイス、CTデバイス、MRIデバイス、超音波デバイス)、圧迫パドルの種類(例えば、パドルサイズ、パドル形状、パドル可撓性、パドルパディング、パドルタイプ)、撮像モード(例えば、2D、3D、断層撮影)、アノード材料(例えば、タングステン、ロジウム、モリブデン)、および撮像フィルタの種類(例えば、ロジウム、銀、アルミニウム)に関する情報を含み得る。患者データ230は、患者属性情報を表し得る。例えば、患者データ230は、とりわけ、患者特性(例えば、乳房のサイズ、乳房の厚さ、乳房の密度)、異物識別(例えば、乳房インプラント、生検マーカー、ペースメーカー)、および一般医療情報(例えば、患者の識別、バイタル、状態、治療)を含み得る。露出技術パラメータ235は、撮像中に使用される様々な露出技術パラメータを表し得る。例えば、露出技術パラメータ235は、kVp、mAs、X線フィルタの組み合わせ、焦点情報、ソース-画像間レセプタ距離、オブジェクト-画像間レセプタ距離、散乱グリッド情報、ビーム制限情報を含み得る。
【0032】
例では、データストア210内のデータは、機器データ225、患者データ230、および露出技術パラメータ235がそれぞれのマンモグラム画像220に相関するように記憶され得る。一例として、データ構造(例えば、データベース、表、スプレッドシート)を使用して、マンモグラフィ画像に関連する機器データ、患者データ、および/または露出技術を相関させてもよい。あるいは、各マンモグラム画像は、そのマンモグラフィ画像の作成に関連する対応する機器データ、患者データ、および/または露出技術パラメータを含むか、またはそれらで注釈を付けられてもよい。例えば、機器データ、患者データ、および/または露出技術パラメータは、マンモグラフィ画像のDICOMヘッダ(または他の領域)に記憶されてもよい。
【0033】
態様では、訓練デバイス205は、データストア210から受信した訓練データをMLコンポーネント215に提供し得る。MLコンポーネント215は、訓練データを使用して、1つ以上の予測もしくは統計モデルまたはアルゴリズムを訓練してもよい。例えば、マンモグラム画像220、機器データ225、患者データ230、および露出技術パラメータ235の1つ以上の部分を、MLコンポーネント215への入力として提供してもよい。入力に基づいて、MLコンポーネント215は、最適な画質に関連する露出技術パラメータ、患者属性、および機器パラメータを識別し得る。MLコンポーネント215は、入力を目標値として使用して、様々な患者のマンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術パラメータを決定するためのモデルを訓練し得る。MLコンポーネント215は、訓練済みモデルを訓練デバイス205、データストア、および/または1つ以上のモデルテンプレートおよび/もしくは訓練済みモデルを格納するモデルリポジトリ(図示せず)に提供してもよい。次いで、訓練デバイス205またはMLコンポーネント215は、訓練済みモデルを、ネットワーク240を介して環境251に送信してもよい。ネットワーク204の例は、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、およびワイドエリアネットワーク(WAN)を含むが、これらに限定されない。
【0034】
例では、環境251は、コンピューティングデバイス255、医療デバイス260、ヘルスケア専門家265、およびデータストア270を含み得る。コンピューティングデバイス255は、環境201から訓練済みモデルを受信し得る。コンピューティングデバイス255は、
図1のコンピューティングデバイス105に関して説明したように構成されてもよい。コンピューティングデバイス255は、訓練済みモデルをローカルに記憶し、および/または訓練済みモデルを医療デバイス260などの1つ以上の医療デバイスに送信し得る。医療デバイス260は、訓練済みモデルをローカルに記憶し得る。医療デバイス260は、
図1の医療デバイス120に関して説明したように構成され得る。
【0035】
態様では、訓練済みモデルは、患者または患者データと関連付けられた対話中に呼び出されてもよい。一具体例として、環境251への患者訪問中に、ヘルスケア専門家265などのヘルスケア専門家は、コンピューティングデバイス255を使用して、露出を実行するためのセットアッププロセスを開始してもよい。ヘルスケア専門家265は、例えば、放射線科医、外科医もしくは他の医師、技術者、施術者、またはそれらの指示で行動する人を表し得る。セットアッププロセス中に、ヘルスケア専門家265は、使用する露出方法を選択してもよい。例えば、ヘルスケア専門家265は、従来のAEC方法を使用するか、訓練済みモデルを使用するかを選択してもよい。あるいは、利用可能な医療デバイス、医療デバイス内/医療デバイス上の患者の存在、患者データなどの1つ以上の要因に基づいて、決定が自動的に行われてもよい。
【0036】
患者データは、露出方法が選択された後、ヘルスケア専門家265によって患者から収集されてもよい。例えば、ヘルスケア専門家265は、一般的な医療情報および埋め込まれた異物に関する情報を患者から求めてもよい。患者データはまた、医療デバイス260によって患者から収集されてもよい。例えば、セットアッププロセス中(またはその前)に、ヘルスケア専門家265は、患者を医療デバイス260の上/中に配置し得る。患者が医療デバイス260の上/中に配置されている間に、医療デバイス260を使用して、乳房の厚さまたは乳房の密度などの患者の特性を患者から収集するための処置を実行してもよい。ヘルスケア専門家265および/または医療デバイス260は、患者データをコンピューティングデバイス255に提供してもよい。医療デバイス260はまた、医療デバイス260の機器データをコンピューティングデバイス255に提供してもよい。
【0037】
患者データおよび/または機器データを受信すると、コンピューティングデバイス255は、患者データおよび/または機器データ内の検索情報(例えば、キーワード、タイムスタンプ、または患者に関する他の情報)を識別するために、1つ以上の解析および/またはパターンマッチング技術を使用してもよい。検索情報は、データストア270などの1つ以上のデータストアを検索するために使用され得る。データストア270は、少なくとも画像データ275を含み得る。例では、データストア270は、画像保管通信システム(PACS)または放射線情報システム(RIS)などの医療撮像技術を表し得る。マンモグラム画像275は、1人以上の患者の画像および画像データを表し得る。態様では、患者に関連する画像データは、データストア270から収集され得る。例えば、コンピューティングデバイス255は、データストア270から患者について以前に収集されたマンモグラフィ画像を収集してもよい。
【0038】
コンピューティングデバイス255は、患者データ、機器データ、および/または患者に関連する画像データを訓練済みモデルへの入力として提供してもよい。入力に基づいて、訓練済みモデルは、患者に固有の予測された最適露出技術パラメータを出力し得る。例えば、訓練済みモデルは、最適な画質のマンモグラフィ画像を取得するためのkVp、mA、およびX線フィルタの組み合わせパラメータを提供し得る。次いで、予測された最適露出技術パラメータを使用して、露出を実行し、患者のマンモグラフィ画像を取得し得る。
【0039】
いくつかの態様では、露出を実行する前に、予測された最適露出技術パラメータを、AECを実行するための従来の方法(例えば、患者の乳房をサンプリングし、乳房の最も密度の高い領域を検索する)のパラメータと比較してもよい。比較は、コンピューティングデバイス255のMLコンポーネント(図示せず)またはコンピューティングデバイスにアクセス可能なMLコンポーネントを使用して行ってもよい。MLコンポーネントは、例えば、決定木、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン(SVM)、k近傍法(KNN)アルゴリズム、ニューラルネットワーク、ナイーブベイズ分類器、線形回帰、k平均クラスタリングなどを実装してもよい。一例では、MLコンポーネントは、訓練済みモデルを使用して予測したパラメータと、従来のAEC方法のパラメータとを組み合わせて、単一のパラメータセットにしてもよい。例えば、パラメータの2つのセットを平均化してもよい。あるいは、各パラメータセット内の1つ以上の値に重みを適用してもよく、値を組み合わせてもよい(例えば、加算、乗算、ドット積によって)。
【0040】
別の例では、MLコンポーネントは、パラメータのセットの一方を使用して、パラメータの他方のセットから統計的に外れた値を識別および除去してもよい。例えば、訓練済みモデルを使用して予測されたパラメータを、従来のAEC方法のパラメータと比較してもよい。訓練済みモデルを使用して予測されたパラメータの値が、従来のAEC方法のパラメータの対応する値から所定の割合(例えば、±20%)を超えて離れている場合、従来のAEC方法のパラメータの値を除去または置換してもよい。態様では、訓練済みモデルを使用して予測されたパラメータと従来のAEC方法のパラメータとの比較から得られるパラメータのセットを使用して、患者のマンモグラフィ画像の露出を行い、取得してもよい。比較から生じるパラメータのセットは、最適な画質を有するマンモグラフィ画像の取得を可能にし、および/または最適な放射線量を患者に送達することを可能にし得る。
【0041】
本明細書に開示された技術を使用し得るシステムおよびプロセスフローを説明してきたが、ここで本開示は、本開示の様々な態様によって実行され得る1つ以上の方法を説明する。態様では、方法300および400は、
図1のシステム100などのシステムによって実行され得る。しかしながら、方法300および400はそのような例に限定されない。他の態様では、方法300および400は、複数のコンピューティング環境を備える単一のデバイスによって実行され得る。少なくとも一態様では、方法300および400は、ウェブサービス/分散ネットワークサービス(例えば、クラウドサービス)などの分散ネットワークの1つ以上の構成要素によって実行され得る。
【0042】
図3は、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するためのMLモデルを訓練するための例示的な方法を示す。例示的な方法300は、環境201などのコンピューティング環境において、ソフトウェア開発者などのユーザによって実行されてもよい。例示的な方法300は、1つ以上のデータストアからデータセットが受信される動作302で開始する。態様では、訓練デバイス205などのコンピューティングデバイスを使用して、データストア210などのデータストアにアクセスし得る。コンピューティングデバイスは、データストアから受信または収集されるデータセットであってもよい。具体例として、コンピューティングデバイスは、ユーザによってアクセス可能なユーザインターフェースを備え得る。ユーザは、「露出技術パラメータモデル」などの検索クエリをユーザインターフェースに入力してもよい。ユーザはまた、ユーザインターフェースによって提供される1つ以上のメニューオプションを選択して、選択されたデータセットを改良し、所望のデータセット範囲を達成してもよい。例えば、メニューオプションは、ユーザが、乳房のタイプ、圧迫パドルのタイプ、異物の存在、異物の種類、撮像モード、X線フィルタの組み合わせなどの特定のパラメータを選択することを可能にしてもよい。検索クエリおよび検索クエリパラメータを使用して、データストアから対応するデータセットを収集してもよい。
【0043】
データストアから受信したデータセットは、マンモグラフィ画像、機器データ、患者データ、および/または患者のセットの露出技術パラメータを含み得る。マンモグラフィ画像は、最適または高画質の画像を表し得る。各マンモグラフィ画像は、機器データ、患者データ、および/または露出技術パラメータの対応するセットに相関付けられてもよい。例えば、マンモグラフィ画像のDICOMヘッダは、そのマンモグラフィ画像に関連する機器データ、患者データ、および/または露出技術パラメータの少なくとも一部を含み得る。例では、データセットは、例えば、テキストインジケータ、数値、強調表示、囲み(および/または他の種類のコンテンツ囲み)、矢印もしくはポインタ、フォントもしくはスタイルの変更、または他の形式の注釈を使用したラベルなしおよび/またはラベルありの訓練データを含んでもよい。
【0044】
動作304において、データセットは、MLモデルを訓練するために使用される。態様では、データセットは、MLコンポーネント215などのML機構への入力として提供され得る。ML機構は、データセットを使用して、1つ以上の予測もしくは統計モデルまたはアルゴリズムを訓練し得る。例えば、データセットに基づいて、ML機構は、1人以上の患者のマンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術パラメータ(例えば、mAs、kVp、X線フィルタの組み合わせ)を決定するための予測モデルを訓練してもよい。訓練は、データセット内の1つ以上のパラメータにスコアおよび/または重みを割り当てることを含んでもよい。例では、より高いスコア/重みをデータセット内のパラメータまたはパラメータの種類に割り当てて、パラメータ/パラメータの種類がモデルによって出力される露出技術パラメータに対してより大きな影響を有することを示してもよい。予測モデルの訓練中に、予測モデルが所定の範囲内にあるか、または1つ以上の所定の目標値に関連する予測露出技術パラメータを出力するまで、スコア/重みを調整してもよい。所定の範囲または目標値は、十分な画質が得られ、過剰な放射線被曝が発生しない放射線被曝範囲に対応し得る。
【0045】
動作306において、MLモデルは、1つ以上のデバイスに展開される。態様では、訓練済みMLモデルは、1つ以上の格納場所に格納され得る。例えば、訓練済みMLモデルは、コンピューティングデバイス、データストア内、または1つ以上のモデルテンプレートおよび/もしくは訓練済みモデルを格納するモデルリポジトリ内に格納されてもよい。格納場所の1つ以上は、環境251などの公共および/または開発環境に配置されてもよい。いくつかの態様では、訓練済みMLモデルはまた(または代替として)、環境201などの機密または個人情報を含む環境内の1つ以上のデバイスに展開され得る。例えば、訓練済みMLモデルは、コンピューティングデバイス255などの医療ワークステーション、または医療デバイス260などの医療機器に展開されてもよい。
【0046】
図4は、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するためにMLを使用する例示的な方法を示す。例示的な方法400は、環境251などのコンピューティング環境において、ヘルスケア提供者などのユーザによって実行されてもよい。例では、例示的な方法400は、ヘルスケア施設への患者訪問中に、撮像手順の一部としてヘルスケア専門家によって開始され得る。しかしながら、例示的な方法400はそのような例に限定されない。
【0047】
例示的な方法400は、動作402で開始し、第1のデータのセットが受信される。態様では、コンピューティングデバイス255などのコンピューティングデバイスは、1つ以上のソースから第1のデータのセットを受信してもよい。第1のデータのセットは患者の患者データ、例えば、患者の乳房属性(例えば、厚さ、密度、サイズなど)、患者の位置決め情報(例えば、両側頭尾(CC)図、内外斜位(MLO)図、true lateral view)、一般的な医療情報、患者内の異物に関する情報(例えば、乳房インプラント、生検マーカー、ペースメーカー)、および他のタイプの患者関連情報などを含み得る。乳房インプラント、生検マーカー、およびペースメーカーなどの存在は、患者を露出過多にすることなく高品質の画像を得るために必要な最適な露出量に影響を及ぼし得るので、撮像されている特定の患者のこの患者特有のデータを収集することは、露出技術パラメータを決定することに関連し得る。理解され得るように、異なる材料で作られたインプラントおよび異なるタイプのインプラントの存在は、異なる量の露出を必要とし得る。例えば、ヘルスケア専門家265などのヘルスケア専門家は、患者から求められた患者データをコンピューティングデバイスに入力してもよい。あるいは、患者または患者のユーザデバイスが、患者データをコンピューティングデバイスに入力または提供してもよい。例えば、患者のウェアラブルデバイスは、患者がコンピューティングデバイスまたはヘルスケア施設の特定の範囲内に来ると、患者データをコンピューティングデバイスに自動的にアップロードしてもよい。
【0048】
動作404において、第2のデータのセットが受信される。態様では、医療デバイス260などの医療機器は、第2のデータのセットをコンピューティングデバイスに提供し得る。第2のデータのセットはまた、乳房の厚さおよび/または乳房の密度などの患者の患者データを含み得る。例えば、患者は、マンモグラフィユニットなどの医療機器の上/中に配置されてもよい。マンモグラフィユニットは、コンピューティングデバイスに通信可能に結合(または結合可能に)され得る。マンモグラフィユニットは、撮像手順中および/または撮像手順前に患者の乳房を圧迫するための、圧迫アームおよび/または圧迫パドルなどの圧迫コンポーネントを備え得る。圧迫コンポーネントは、乳房の厚さ値を決定するために患者の乳房に圧迫を加えてもよい。マンモグラフィユニットは、厚さ値をコンピューティングデバイスに提供してもよい。撮像されている特定の患者の乳房の厚さ、密度データ、および/または患者の位置決め情報を収集することは、患者を露出過多にすることなく高品質の画像を得るのに必要な最適な露出量を決定することに関連し得る。例えば、乳房の厚さや密度が高い場合には、より多くの露出量が必要となり、乳房の厚さや密度が低い場合には、より少ない露出量が必要となる場合がある。
【0049】
第2のデータのセットはまた、医療機器の機器データ、例えば撮像デバイス属性(例えば、撮像デバイスの種類、モデル、能力)、圧迫コンポーネント属性(例えば、圧迫パドルのサイズ、形状、可撓性、パディング、タイプ)、撮像モード(例えば、2D、3D、断層撮影)、アノード材料(例えば、タングステン、ロジウム、モリブデン)、および撮像フィルタタイプ(例えば、ロジウム、銀、アルミニウム)などを含み得る。異なる厚さ、サイズ、および形状、ならびに撮像モード、およびフィルタタイプを有する異なるパドルの使用は、患者を露出過多にすることなく高品質の画像を得るために必要な最適な露出量に影響を与える可能性があるため、特定の検査に使用される医療機器データを収集することは、露出技術パラメータを決定することに関連し得る。例えば、いくつかのパドルは、より厚い材料で作られている場合があり、より薄い材料で作られた他のパドルよりも追加の露出を必要とする可能性がある。同様に、異なる撮像モードは異なる露出量を必要とする。さらに、異なるマンモグラフィデバイスまたはモデルは、異なる量の露出を必要とする場合がある。機器の種類に最適に必要とされる露出量は、特定の機器の種類に関連するルックアップテーブルに記憶されてもよい。
【0050】
動作406において、第3のデータのセットが受信される。態様では、コンピューティングデバイスは、データストア270などの1つ以上のデータストアから、第3のデータのセットを受信し得る。第3のデータのセットは患者の以前の画像データ、例えば、以前に収集された医療画像(例えば、マンモグラム画像)、ピクセルデータ、露出技術パラメータ、DICOMヘッダ情報、および医療画像に関連するデータ(例えば、乳房密度値、乳房厚さ値、生検インプラントフラグ)などを含んでもよい。例えば、第1のデータのセットおよび/または第2のデータのセットの受信に応答して、コンピューティングデバイスは、以前の患者訪問中に患者から収集された1つ以上のマンモグラム画像を収集することができる。以前に収集されたマンモグラム画像は、患者名または識別子などの第1のデータのセットおよび/または第2のデータのセット内の患者識別情報を、マンモグラム画像のDICOMヘッダ内の患者情報と照合することによって識別され得る。特定の患者についてこの以前の撮像データを収集することは、露出技術パラメータを決定することに関連し得る。例えば、乳房密度値または乳房厚さ値に関するデータは、受信された第1のデータのセットにない場合があるが、露出技術パラメータの決定に影響を及ぼし得る。患者の以前の撮像データを考慮に入れることによって、患者を露出過多にすることなく高品質の画像を得るために必要な最適な露出量が決定され得る。上述し、理解され得るように、乳房厚さ値および/または乳房密度値と必要な露出量との間に数学的関係があり得る。
【0051】
動作408において、第1のデータのセット、第2のデータのセット、および第3のデータのセットは、MLコンポーネント215などのMLモデルに提供される。態様では、コンピューティングデバイスおよび/または医療機器は、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するように訓練されたMLモデルにアクセスし得る。MLモデルは、コンピューティングデバイス、医療機器、データストア内、または1つ以上のモデルテンプレートおよび/もしくは訓練済みモデルを格納するモデルリポジトリ内に格納されてもよい。MLモデルの格納場所は、公共および/または開発環境(例えば、環境251)、機密または個人情報を含む環境(例えば、環境201)、またはそれらの組み合わせであってもよい。ヘルスケア専門家は、例えば、マンモグラフィシステムに関連するユーザインターフェース上の設定またはボタンを選択することによって、コンピューティングデバイスを使用してMLモデルを呼び出すことができる。そのような一例では、ヘルスケア専門家は、患者の位置決め後であるが患者の撮像前に、MLモデル特徴を選択することができる。入力は上記のようにシステムで受信される。あるいは、MLモデルは、1つ以上のイベントの発生時に自動的に呼び出されてもよい。具体的な例として、MLは、第1のデータのセットがコンピューティングデバイスによって受信されたとき、患者が医療機器に配置されたとき、第2のデータのセットがコンピューティングデバイスによって受信されたとき、または第3のデータのセットがコンピューティングデバイスによって受信されたときに、自動的に呼び出されてもよい。呼び出されると、第1のデータのセット、第2のデータのセット、および/または第3のデータのセットの1つ以上の部分が、MLモデルへの入力として提供され得る。
【0052】
動作410において、MLモデルから露出技術パラメータのセットが受信され得る。態様では、MLモデルは、kVp値、mAs値、X線フィルタ組み合わせ情報、焦点情報、ソース-画像間レセプタ距離値、オブジェクト-画像間レセプタ距離値、散乱グリッド情報、およびビーム制限情報などの、患者に固有の露出技術パラメータのセットを出力し得る。露出技術パラメータのセットは、露出技術パラメータに影響を及ぼすことが知られている患者固有の要因に基づいて患者のマンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術パラメータを表し得る。露出技術パラメータのセットは、コンピューティングデバイスおよび/または医療機器に提供され得る。露出技術パラメータのセットはまた、データストア270などの1つ以上のデータストアに記憶されてもよい。
【0053】
任意選択の動作412において、露出技術パラメータのセットは、決定論理コンポーネントによって評価されてもよい。態様では、露出技術パラメータのセットは、
図2に関して説明したMLコンポーネントなどの決定論理コンポーネントに提供され(またはアクセス可能にされ)得る。決定論理コンポーネントは、露出技術パラメータのセットを露出技術パラメータの別個のセットと比較してもよい。例えば、露出技術パラメータのセットを、AECを実行するための従来の方法のパラメータのセット(「従来のAECパラメータ」)と比較することができる。従来のAECパラメータは、ヘルスケア専門家によって提供されてもよく、または異なるソースから受信/収集されてもよい。決定論理コンポーネントは、各パラメータセット内のパラメータに1つ以上のスコア/重みを適用してもよく、および/またはスコア/重み付きパラメータセットを結合して、露出技術パラメータの単一の結合されたセットにしてもよい。あるいは、決定論理コンポーネントは、パラメータのセットの一方を使用して、パラメータの他方のセットから統計的に外れた値を識別および除去してもよい。例えば、決定論理コンポーネントは、従来のAECパラメータを使用して、露出技術パラメータのセットの値の予想される/許容可能な範囲を定義することができる。露出技術パラメータのセットから統計的に外れた値を除去することは、露出技術パラメータの修正されたセットをもたらし得る。
【0054】
動作414において、患者の1つ以上のマンモグラム画像が得られる。態様では、露出技術パラメータのセットは、リアルタイムで(例えば、患者訪問中に)、患者に対して行われる撮像手順のための入力パラメータとして使用されてもよい。撮像手順は、医療機器および/または他の医療デバイスによって実行されてもよい。撮像手順は、患者の1つ以上のマンモグラム画像および/または他のタイプの医療画像を生成してもよい。撮像手順中の患者の放射線被曝は、露出技術パラメータのセットによって定義され得る。露出技術パラメータのセットは、患者の最適なマンモグラフィ画像を取得するために必要な患者への最小露出を表し得る。本明細書で決定された露出技術パラメータを使用することにより、スカウト画像の必要性および患者への関連する露出が排除され得る。
【0055】
図5は、
図1に記載の臨床ワークフロー決定技術を自動化するための例示的な適切な動作環境を示す。その最も基本的な構成では、動作環境500は、通常、少なくとも1つの処理ユニット502およびメモリ504を含む。コンピューティングデバイスの正確な構成およびタイプに応じて、メモリ504(本明細書に開示された技術を実行するための命令を格納する)は、揮発性(RAMなど)、不揮発性(例えば、ROM、フラッシュメモリなど)、またはこれら2つの何らかの組み合わせであってもよい。この最も基本的な構成は、
図5に破線506によって示されている。さらに、環境500はまた、磁気もしくは光ディスクまたはテープを含むがこれらに限定されないストレージデバイス(取り外し可能、508、および/または取り外し不可能、510)を含み得る。同様に、環境500は、キーボード、マウス、ペン、音声入力などの入力デバイス514、および/またはディスプレイ、スピーカ、プリンタなどの出力デバイス516を有してもよい。LAN、WAN、ポイントツーポイントなどの1つ以上の通信接続512も環境に含まれ得る。実施形態では、接続は、ポイントツーポイント通信、コネクション型通信、コネクションレス型通信などを実現するように動作可能であり得る。
【0056】
動作環境500は、典型的には、少なくともいくつかの形態のコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、処理ユニット502または動作環境を含む他のデバイスによってアクセスされることができる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含み得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術において実装された揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または所望の情報を記憶するために使用されることができる任意の他の非一時的媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は通信媒体を含まない。
【0057】
通信媒体は、搬送波または他の伝送機構などの変調データ信号内のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを具現化し、任意の情報配信媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、信号内の情報を符号化するように設定または変更されたその特性の1つ以上を有する信号を意味する。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、ならびに音響、RF、赤外線、マイクロ波、および他の無線媒体などの無線媒体を含む。上記のいずれかの組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0058】
動作環境500は、1つ以上のリモートコンピュータへの論理的接続を使用してネットワーク環境において動作する単一のコンピュータであり得る。リモートコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、または他の一般的なネットワークノードであり得、通常、上記の要素の多くまたは全て、ならびにそのように言及されていない他の要素を含む。論理的接続は、利用可能な通信媒体によってサポートされる任意の方法を含み得る。そのようなネットワーキング環境は、オフィス、企業規模のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいて一般的である。
【0059】
本明細書に記載された実施形態は、本明細書に開示されたシステムおよび方法を実装および実行するために、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせを使用して採用され得る。本開示を通して、特定の機能を実行するものとして特定のデバイスが列挙されているが、当業者であれば、これらのデバイスは例示目的で提供され、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示された機能を実行するために他のデバイスを使用してもよいことを理解するであろう。
【実施例】
【0060】
例:
【0061】
本明細書に記載のシステムおよび方法の例示的な例が以下に提供される。本明細書に記載のシステムまたは方法の実施形態は、以下に記載された項のうちの任意の1つ以上、および任意の組み合わせを含み得る:
【0062】
項1.システムであって、システムは、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリであって、メモリは、コンピュータ実行可能命令を含み、コンピュータ実行可能命令は、実行されると、患者の患者固有データを含む第1のデータセットを受信することと、機器固有の情報を含む第2のデータセットを受信することであって、機器固有の情報は、撮像デバイスの属性または付属品を示す、ことと、患者の以前の画像データを含む第3のデータセットを受信することと、第1のデータセット、第2のデータセット、および第3のデータセットを機械学習モデルへの入力として提供することと、機械学習モデルからの出力として露出技術パラメータのセットを受信することであって、露出技術パラメータのセットは、キロ電圧ピーク(kVp)値、ミリアンペア秒(mAs)値、またはX線フィルタの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、ことと、露出技術パラメータのセットに基づいて患者の画像を取得することとを含む方法を実行する、メモリとを備えるシステム。
【0063】
項2.画像の取得に先立って、ユーザが、機械学習モデルを呼び出す、項1に記載のシステム。
【0064】
項3.患者固有データは、異物インジケータを含み、異物インジケータは、患者の乳房に異物が埋め込まれているかどうかを示す、項1から2のいずれかに記載のシステム。
【0065】
項4.ヘルスケア専門家が、機械学習モデルを訓練するために使用されるコンピューティングデバイスに第1のデータセットを提供し、医療デバイスが、コンピューティングデバイスに第2のデータセットを提供し、データストアが、コンピューティングデバイスに第3のデータセットを提供する、項1から3のいずれかに記載のシステム。
【0066】
項5.第1のデータセットは、乳房の厚さ、乳房の密度、または患者の位置決め情報のうちの少なくとも1つをさらに含む、項1から4のいずれかに記載のシステム。
【0067】
項6.撮像デバイスの属性は、圧迫パドルのサイズ、圧迫パドルの形状、または圧迫パドルのタイプのうちの少なくとも1つを含む、項1から5のいずれかに記載のシステム。
【0068】
項7.撮像デバイスの属性は、撮像モード、アノード材料、または撮像フィルタタイプのうちの少なくとも1つを含む、項1から6のいずれかに記載のシステム。
【0069】
項8.第1のデータセットおよび第2のデータセットは、ヘルスケア施設への現在の患者訪問中に収集される、項1から7のいずれかに記載のシステム。
【0070】
項9.以前の画像データは、患者の1つ以上のマンモグラム画像を含み、1つ以上のマンモグラム画像は、以前の患者訪問中に収集される、項1から8のいずれかに記載のシステム。
【0071】
項10.第3のデータセットは、乳房の厚さまたは乳房の密度の少なくとも一方をさらに含む、項1から9のいずれかに記載のシステム。
【0072】
項11.機械学習モデルは、マンモグラフィ画像を取得するための最適な露出技術を予測するように訓練される、項1から10のいずれかに記載のシステム。
【0073】
項12.露出技術パラメータのセットは、患者に固有であり、患者が撮像される前に決定される、項1から11のいずれかに記載のシステム。
【0074】
項13.露出技術パラメータのセットは、焦点情報、ソース-画像間レセプタ距離値、オブジェクト-画像間レセプタ距離値、散乱グリッド情報、またはビーム制限情報のうちの少なくとも1つをさらに含む、項1から12のいずれかに記載のシステム。
【0075】
項14.方法であって、方法は、コンピューティングデバイスにおいて、患者の患者固有データを含む第1のデータセットを受信することと、コンピューティングデバイスにおいて、機器固有の情報を含む第2のデータセットを受信することであって、機器固有の情報は、撮像デバイスの属性または付属品を示す、ことと、コンピューティングデバイスにおいて、患者の以前の画像データを含む第3のデータセットを受信することと、コンピューティングデバイスによって、第1のデータセット、第2のデータセット、および第3のデータセットを機械学習モデルへの入力として提供することと、機械学習モデルからの出力として露出技術パラメータのセットを受信することであって、露出技術パラメータのセットは、キロ電圧ピーク(kVp)値、ミリアンペア秒(mAs)値、またはX線フィルタの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、ことと、露出技術パラメータのセットに基づいて患者の1つ以上のマンモグラム画像を生成することであって、1つ以上のマンモグラム画像は、撮像デバイスによって生成される、こととを含む方法。
【0076】
項15.撮像デバイスは、コンピューティングデバイスに通信可能に結合可能であり、撮像デバイスは、撮像デバイスとコンピューティングデバイスとが通信可能に結合されている場合、コンピューティングデバイスに第2のデータセットを提供する、項14に記載の方法。
【0077】
項16.1つ以上のマンモグラム画像は、光学濃度、信号対雑音比、コントラスト対雑音比、平均二乗誤差、コントラスト改善比のうちの少なくとも1つに基づく最適な画質のものである、項14から15のいずれかに記載の方法。
【0078】
項17.方法は、コンピューティングデバイスの機械学習コンポーネントを使用して露出技術パラメータのセットを評価することであって、評価は、露出技術パラメータのセットを従来の自動露出制御(AEC)方法のパラメータのセットと比較することを含む、ことをさらに含む、項14から16のいずれかに記載の方法。
【0079】
項18.比較することは、露出技術パラメータの組み合わせセットを生成するために、露出技術パラメータのセットと従来のAEC方法のパラメータのセットとを組み合わせることを含み、方法は、患者のマンモグラム画像のセットを生成するために露出技術パラメータの組み合わせセットを使用することをさらに含む、項17に記載の方法。
【0080】
項19.比較することは、従来のAEC方法のパラメータのセットを使用して、露出技術パラメータのセット内の統計的に外れた値を識別することを含む、項17に記載の方法。
【0081】
項20.コンピューティングデバイスにおいて、患者の患者固有データと、機器固有の情報であって、機器固有の情報が撮像デバイスの属性または付属品を示す、機器固有の情報と、患者の以前の画像データとを含むデータセットを受信することと、コンピューティングデバイスによって、データセットを機械学習モデルへの入力として提供することと、機械学習モデルからの出力として露出技術パラメータのセットを受信することであって、露出技術パラメータのセットが、キロ電圧ピーク(kVp)値、ミリアンペア秒(mAs)値、またはX線フィルタの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、ことと、露出技術パラメータのセットに基づいて患者の画像を取得することとを含む方法。
【0082】
本開示は、添付の図面を参照して本技術のいくつかの実施形態を説明したが、可能な実施形態のいくつかが示されたに過ぎない。しかしながら、他の態様は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、可能な実施形態の範囲を当業者に完全に伝えるように提供された。
【0083】
本明細書では特定の実施形態が記載されたが、本技術の範囲は、これらの特定の実施形態に限定されない。当業者は、本技術の範囲および精神の範囲内にある他の実施形態または改良を認識するであろう。したがって、特定の構造、動作、または媒体は、例示的な実施形態としてのみ開示されている。本技術の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【国際調査報告】