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特表2024-521082アミロイド障害を処置するための抗体-ペプチド融合タンパク質
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】アミロイド障害を処置するための抗体-ペプチド融合タンパク質
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20240521BHJP
   C07K 16/18 20060101ALI20240521BHJP
   C07K 14/435 20060101ALI20240521BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240521BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240521BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240521BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240521BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240521BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 38/10 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 51/10 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
C07K19/00 ZNA
C07K16/18
C07K14/435
C12N15/62
C12N15/63 Z
C12N15/13
C12N15/12
C12N5/10
A61K47/68
A61K38/16
A61K38/10
A61K51/10
A61K49/00
A61P25/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571517
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 US2022072413
(87)【国際公開番号】W WO2022246433
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/190,191
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504326686
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファウンデーション
(71)【出願人】
【識別番号】522189850
【氏名又は名称】アトララス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・エス・ウォール
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エス・フォスター
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー・ガスリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーム・ポンズ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・エル・クライン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA25
4C076AA95
4C076CC01
4C076CC41
4C076EE59
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA18
4C084BA19
4C084CA53
4C084NA13
4C084ZA15
4C084ZA16
4C085HH03
4C085HH11
4C085KA03
4C085KB07
4C085KB09
4C085KB18
4C085KB82
4C085LL13
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA70
4H045BA71
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA23
(57)【要約】
本明細書では、抗体に連結されたアミロイド反応性ペプチドを含む抗体-ペプチド融合タンパク質が提供される。また、本明細書では、抗体-ペプチド融合タンパク質を投与することによってアミロイドベースの疾患を処置する方法が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体-ペプチド融合タンパク質であって、
アミロイド反応性ペプチド、及び
貪食を誘導し、オプソニンとして機能することが可能な抗体を含み、前記抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含み、前記アミロイド反応性ペプチド及び前記抗体は、前記重鎖または前記軽鎖のN末端またはC末端で連結されており、
前記アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている、前記抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項2】
前記軽鎖は、軽鎖定常領域を含み、前記重鎖は、重鎖定常領域を含む、請求項1に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項3】
前記アミロイド反応性ペプチド及び前記抗体は、前記軽鎖の前記C末端で連結されている、請求項1または2に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項4】
前記スペーサーは、配列番号83及び配列番号86からなる群から選択される、請求項1または2に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項5】
前記アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13として示されるアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項6】
前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、2つの重鎖及び2つの軽鎖を含み、各軽鎖は、前記C末端で前記アミロイド反応性ペプチドに連結されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項7】
前記抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体である、請求項1~6のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項8】
前記抗体は、ヒトアミロイドフィブリルに結合する、請求項1~7のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項9】
a)前記VLは、配列番号64~70に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号18に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、
b)前記VLは、配列番号20に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、または
c)前記VLは、配列番号64~70に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む
、請求項1~8のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項10】
前記VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項11】
a)前記VLは、配列番号34に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号48に示されるアミノ酸配列を含む、
b)前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む、
c)前記VLは、配列番号36に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号55に示されるアミノ酸配列を含む、
d)前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号52に示されるアミノ酸配列を含む、
e)前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号50に示されるアミノ酸配列を含む、または
f)前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号49に示されるアミノ酸配列を含む、
請求項1~8のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項12】
前記VLは、配列番号36に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号55に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項13】
前記抗体は、全長抗体である、請求項1~12のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項14】
前記Fc領域は、IgG1アイソタイプのものである、請求項13に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項15】
抗体-ペプチド融合タンパク質であって、
アミロイドフィブリルに結合する抗体であって、前記抗体の軽鎖をそれぞれ含む第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド、及び前記抗体の重鎖をそれぞれ含む第3及び第4のポリペプチドを含む、前記抗体、ならびに
前記軽鎖または前記重鎖のN末端またはC末端に連結されたアミロイド反応性ペプチド
を含み、
a)前記第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号87に示されるアミノ酸を含み、前記第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む、
b)前記第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号88に示されるアミノ酸を含み、前記第3及び第4のポリペプチドは、配列番号92に示されるアミノ酸配列を含む、
c)前記第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号89に示されるアミノ酸を含み、前記第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む、または
d)前記第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号90に示されるアミノ酸を含み、前記第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む、
前記抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項16】
抗体-ペプチド融合タンパク質であって、
配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチド、及び
ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含み、前記抗体は、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含み、前記VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、前記軽鎖のC末端で連結されており、
前記アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して前記抗体に連結されている、前記抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項17】
抗体-ペプチド融合タンパク質であって、
配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチド、及び
ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含み、前記抗体は、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含み、前記VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、前記軽鎖のC末端で連結されており、
前記アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して前記抗体に連結されている、前記抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項18】
前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド基質について1.5nM未満のEC50を示す、請求項1~17のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項19】
前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識にコンジュゲートされており、前記検出可能な標識は、蛍光標識または放射性標識を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項20】
前記放射性標識は、I-123、I-124、F-18、ZR-89、またはTc-99mである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、参照IgG抗体と比較して改善された生体内分布、汎アミロイド反応性、及び向上した貪食から選択される1つ以上のin vivo特徴を示す、請求項1~20のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項22】
前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、rVλ6Wil、Aβ、Aβ(1-40)、IAAP、ALκ4、Alλ1、ATTR、α-シヌクレイン、またはタウ441フィブリルに結合する、請求項1~21のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項23】
組成物であって、
抗体-ペプチド融合タンパク質であって、
i)アミロイド反応性ペプチド、及び
ii)貪食を誘導し、オプソニンとして機能することが可能な抗体を含み、前記抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含み、前記アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、前記重鎖または前記軽鎖のN末端またはC末端で連結されており、前記アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに前記抗体に連結されている、前記抗体-ペプチド融合タンパク質を含み、
前記抗体-ペプチド融合タンパク質の少なくとも90%は、インタクトである、前記組成物。
【請求項24】
前記インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、請求項1~22のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質を含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物は、10%以下の切断生成物を含み、前記切断生成物は、配列番号89によって示されるアミノ酸配列と比較してN末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖または配列番号91に示されるアミノ酸配列と比較してN末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、1つ以上のアミロイド基質についてEC50結合親和性を示し、前記EC50結合親和性は、1.5nM未満である、請求項23~25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
薬学的に許容可能な担体をさらに含む、請求項23~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
請求項1~22のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項29】
請求項28に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項30】
請求項29に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項31】
前記宿主細胞は、哺乳動物細胞、任意にチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項30に記載の宿主細胞。
【請求項32】
抗体-ペプチド融合タンパク質を生成する方法であって、
a)前記抗体-ペプチド融合タンパク質の発現に好適なかん流細胞培養条件下で抗体-ペプチド融合タンパク質をコードするベクターを含む宿主細胞を培養すること、及び
b)約12~36時間毎に前記抗体-ペプチド融合タンパク質を回収すること
を含み、前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、
i)アミロイド反応性ペプチド、及び
ii)貪食を誘導し、オプソニンとして機能することが可能な抗体を含み、前記抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含み、前記アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、前記軽鎖のC末端で連結されており、前記アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに前記抗体に連結されている、前記方法。
【請求項33】
工程b)において回収された抗体-ペプチド融合体を陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用すること及び前記陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから前記抗体-ペプチド融合タンパク質を溶出させることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、切断型抗体-ペプチド融合タンパク質とは別々に溶出される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、請求項1~22のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質を含む、請求項32~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記宿主細胞は、CHO細胞である、請求項32~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記抗体-ペプチド融合タンパク質の純度を決定することをさらに含み、前記抗体-ペプチド融合タンパク質の前記純度は、ドデシル硫酸ナトリウムキャピラリー電気泳動(CE-SDS)、液体クロマトグラフィー(LC)、質量分析(MS)、またはそれらの組み合わせを含む1つ以上の分析方法を使用して決定される、請求項32~36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、少なくとも90%のインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質まで精製される、請求項32~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
請求項32~38のいずれかに記載の方法によって生成された抗体-ペプチド融合タンパク質。
【請求項40】
アミロイド沈着物を含むアミロイド関連障害を有する対象を処置する方法であって、治療的有効量の請求項1~22及び39のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質または請求項23~27のいずれか1項に記載の組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項41】
前記アミロイド関連障害は、全身性または局在化アミロイドーシスである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記アミロイド関連障害は、AL、AH、Aβ2M、ATTR、トランスチレチン、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、ALEct2、AFib、ACys、ACal、AMed、AIAPP、APro、AIns、APrP、パーキンソン病、アルツハイマー病、またはAβアミロイドーシスからなる群から選択される、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記アミロイド沈着物は、前記抗体-ペプチド融合タンパク質によってオプソニン化される、請求項40~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記対象を前記抗体-ペプチド融合タンパク質で処置することは、前記アミロイド沈着物の貪食を引き起こす、請求項40~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
アミロイドベースの疾患を有するまたはアミロイドベースの疾患を有することが疑われる対象を処置する方法であって、
a)前記対象が、
i)請求項1~22及び39のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質または請求項23~27のいずれか1項に記載の組成物を前記対象に投与することであって、前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含む、前記投与すること、及び
ii)前記検出可能な標識に関連するシグナルが前記対象から検出され得るかどうかを決定すること
によってアミロイド沈着物を有するかどうかを決定すること、及び
b)前記シグナルが検出された場合、前記対象にアミロイドーシス処置を適用すること
を含む、前記方法。
【請求項46】
シグナルが検出されない場合、アミロイド沈着物の後の成長について前記対象をモニタリングする、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記シグナルの強度を決定すること及び前記シグナルを閾値と比較することをさらに含み、前記閾値を超える場合、前記対象は、アミロイド沈着物を保有すると決定される、請求項45または46に記載の方法。
【請求項48】
前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、SPECT/CTイメージング、PET/CTイメージング、ガンマシンチグラフィー、または光学的イメージングによって検出される、請求項45~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記アミロイドーシス処置は、請求項1~22及び39のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質または請求項23~27のいずれか1項に記載の組成物を前記対象に投与することを含む、請求項45~48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
対象におけるアミロイド沈着物を同定する方法であって、請求項1~22及び39のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質または請求項23~27のいずれか1項に記載の組成物を前記対象に投与することであって、前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含む、前記投与すること、及び前記抗体ペプチド融合タンパク質からのシグナルを検出することを含む、前記方法。
【請求項51】
対象におけるアミロイドクリアランスをモニタリングする方法であって、
前記対象におけるアミロイド基質を請求項1~22及び39のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質または請求項23~27のいずれか1項に記載の組成物と接触させることであって、前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含み、前記抗体-ペプチド融合タンパク質の前記ペプチドは、アミロイド基質についての結合親和性を有する、前記接触させること、及び
前記検出可能な標識からのシグナルを決定し、それにより前記アミロイドクリアランスを検出すること
を含む、前記方法。
【請求項52】
前記対象は、ヒトである、請求項40~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
請求項40~52のいずれか1項に記載の方法において使用するための、請求項1~22及び39のいずれか1項に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質または請求項23~27のいずれか1項に記載の組成物を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月18日に出願された米国仮出願番号63/190,191の優先権を主張し、その内容は、それらの全体が参照により組み込まれる。
【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出物の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる:コンピュータ可読形式(CRF)の配列表(ファイル名:165992000640SEQLIST.TXT、記録日:2022年5月18日、サイズ:69,104バイト)。
【0003】
本出願は、ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体-ペプチド融合タンパク質、及びそれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
アミロイドーシスは、不可欠な器官及び組織におけるタンパク質フィブリル及びヘパラン硫酸プロテオグリカンの凝集及び沈着によって特性化される致命的タンパク質フォールディング障害である(Merlini,G.et al.(2003)N.Engl.J.Med.349,583-596;Merlini,G.et al.(2004)J.Intern.Med.255,159-178;De Lorenzi,E.et al.(2004)Curr.Med.Chem.11,1065-1084;Merlini,G.(2004)Neth.J.Med.62,104-105)。アミロイドの頑固な蓄積は、器官機能不全及び重度の罹患率または死亡率に必ずつながる。沈着物は、アルツハイマー病、ハンチントン病またはプリオン病を有する患者のように脳性であり得、または軽鎖関連(AL)アミロイドーシス、トランスチレチン関連(ATTR)アミロイドーシス、及び2型糖尿病を有する患者に見られるように末梢性であり得る。局在性または全身性へのさらなるサブグループ化は、前駆体タンパク質が、局所的に(沈着の部位で)生成されるか、または血流において循環し、それぞれ、遠位の解剖学的部位で沈着するかどうかを示す(Westermark,P.et al.(2007)Amyloid.14,179-183)。アミロイドは、任意の器官または組織に影響を及ぼし得るが、腎臓、膵臓、肝臓、脾臓、神経組織及び心臓は、家族性または散発性型の全身性アミロイドーシスを有する患者において沈着の主要な部位を構成する。アルツハイマー病は現在、4百万人超のアメリカ人を罹患させ、この数は、2050年までに1600万人超まで増加すると推定される。それは、一般に希少障害とみなされるアミロイドーシスの中で最も一般的な形態であるが、米国において200,000症例を超える推定を伴って広く過小診断されている。
【0005】
これらのうち、主要な末梢アミロイドーシスは、トランスチレチン関連(ATTR)アミロイドーシス、続いて軽鎖関連(AL)アミロイドーシスである。前者は、野生型(散発性)またはバリアントトランスチレチン(遺伝性)の沈着に起因し、臨床的に、主に末梢神経及び心臓に現れる;しかしながら筋骨格障害が共通し、数十年器官沈着に先行し得る。後者は、免疫グロブリン軽鎖タンパク質から構成されるフィブリルの沈着をもたらす散発性単クローン性血漿細胞悪液質である。ALは、すべての末梢アミロイドの症例のおよそ3分の2を占め、米国において1年当たり100,000人当たり約1.4人の計算された発生頻度を有し、これは急性リンパ球性及び慢性骨髄性白血病のものに匹敵する(Group,U.S.C.S.W.(2007)United States Cancer Statistics:1999-2003 Incidence and Mortality Web-Based Report,U.S.Department of Health and Human Services Centers for Disease Control and Prevention National Cancer Institute,Atlanta)。ALは、関連する血漿細胞悪液質多発性骨髄腫の5分の1程度の頻度であるが、器官破壊の急速進行性特質、有効な抗アミロイド治療剤の欠如及び器官不全が生じる前に疾患を有効に診断することが不可能であることに部分的に起因して、13.2ヶ月のみの生存中央値を伴ってほぼ間違いなくより壊滅的である。すべてのAL患者の5%未満は、診断時から10年以上生存する(Comenzo,R.L.et al.(2002)Blood 99,4276-4282)。その上、心臓ALアミロイドーシスを有する患者において、生存中央値は、5ヶ月未満である。
【0006】
ATTRは、全身性アミロイドーシスの一形態である。ATTRアミロイドーシスを有する患者の25%は、診断の24ヶ月以内に死亡する。(Gertz and Dispenzieri JAMA 324(1)79-89(2002))。現行の療法は、器官損傷を予防しない。ATTRアミロイドーシスは、トランスサイレチン(TTR)フィブリルによって引き起こされる。トランスチレチンは、血液において甲状腺ホルモン及びビタミンAの運搬を補助する肝臓によって生成されるタンパク質である。通常、TTRは、4つの一本鎖単量体から構成される四量体である。遺伝性ATTRアミロイドーシスでは、TTR遺伝子変異は、タンパク質を不安定化し、アミロイドフィブリルに凝集する単量体への四量体解離を引き起こすと考えられている。野生型ATTRアミロイドーシスでは、正常なTTRタンパク質は、不安定になり、ミスフォールディングし、アミロイドフィブリルを形成する。
【0007】
次いでこれらのアミロイドフィブリルは、全身にわたる複数の器官、例えば、手首において、例えば、手根管と呼ばれる狭い経路において蓄積する。これは、手及び腕のしびれ及びうずきを引き起こす手根管症候群を引き起こし得る。脊柱の狭窄(脊椎狭窄)を引き起こし得る脊柱管。心不全及び/または不規則な心臓リズム(心房細動と呼ばれる)を引き起こし得る心臓。
【0008】
米国における末梢アミロイドーシスの別の広まっている形態は、炎症関連(AA)アミロイドーシスであり、これは、慢性炎症性障害、例えば、関節炎、結核及び家族性地中海熱に関連する。AAの発生頻度は、欧州の所定の地域で最も高く、頻度は民族間で様々である(Buck,F.S.et al.(1989)Mod.Pathol.2,372-377)。家族性地中海熱が広まっており、処置されていない地域では、AAの発生頻度は、100%であり得る。欧州において、発生頻度は、デンマークで実施された剖検研究に基づいて、0.86%と推定されている(Lofberg,H.et al.(1987)Acta pathologica,microbiologica,et immunologica Scandinavica 95,297-302);しかしながら、リウマチまたは乾癬性関節炎を有する患者では、AAの発生は、26%ほどの高さであり得る。そのような高い蔓延率は、疾患をより早く検出するためのスクリーニングプログラムを必要にし得る。アミロイドの沈着は、アミロイドフィブリルの前駆体である血清アミロイドタンパク質A(sAA)の血漿濃度の持続した増加に関連する(Rocken,C.et al.(2002)Virchows Arch.440,111-122)。AAは、沈着する前駆体タンパク質のタイプがALとは異なるが、いずれともフィブリル形成及び沈着に関連する共通のメカニズム的特徴を共有する(Rocken,C.et al.(2006)J.Pathol.210,478-487;Rocken,C.et al.(2001)Am.J.Pathol.158,1029-1038)。
【0009】
アミロイドの病因論が十分に確立された障害に加えて、アミロイドの構造的及び着色的特性を有するフィブリル状沈着物が他の症候群で同定されているが、疾患状態に対するそれらの関連性は、まだ確立されていない。例えば、2型糖尿病では、膵島アミロイド前駆体タンパク質(IAPP)は、ランゲルハンス島においてアミロイドとして沈着する(Jaikaran,E.T.et al.(2001)Biochim.Biophys.Acta 1537,179-203)。IAPPの凝集は、膵臓細胞に対して毒性であるオリゴマー構造をもたらす(Lin,C.Y.et al.(2007)Diabetes 56,1324-1332)。よって、1型糖尿病患者におけるIAPPアミロイドの形成は、β細胞破壊に寄与し、インスリン依存性への移行をもたらすことを示唆される(Jaikaran,E.T.et al.(2001)Biochim.Biophys.Acta 1537,179-203)。別の例では、アポリポタンパク質A-Iから構成されるアミロイドフィブリルを含有する斑は、アテローム性動脈硬化性頸動脈を有する患者の半数以上において同定された(Westermark,P.et al.(1995)Am.J.Pathol.147,1186-1192;Mucchiano,G.I.et al.(2001)J.Pathol.193,270-275)。これらのフィブリルの沈着は、高齢患者においてより一般的であるが、アポA-Iは、疑いなく斑成長において早期に存在する(Vollmer,E.et al.(1991)Virchows Arch.A.Pathol.Anat.Histopathol.419,79-88)。最後の例として、アポ-A-Iアミロイドもまた、膝代替手術を有する患者から得られた関節半月板において同定され、関節の物理的劣化に寄与し得る(Solomon,A.et al.(2006)Arthritis Rheum.54,3545-3550)。
【0010】
合計で、29種を超えるタンパク質が、アミロイド沈着物におけるフィブリルの構成成分として化学的または血清学的に同定されている。それは、疾患を識別し、処置を決定し、予後を確立するこれらのタンパク質の特質である。アミロイドフィブリルは、臨床的に異種の群の疾患に関連し、構造的に区別され、かつ機能的に多様な前駆体タンパク質から形成し得るが、沈着物自体は、フィブリル構造、フィブリルエピトープならびにヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)を含む同様の付随分子の発生を含む多数の極めて同様な特徴を共有する。アミロイドは、フィブリルに加えて、グリコサミノグリカン(GAG)及び特にパールカンHSPGを含む異種複合体である(Ancsin,J.B.(2003)Amyloid 10,67-79;Ailles,L.et al.(1993)Lab.Invest.69,443-448;Kisilevsky,R.(1994)Mol.Neurobiol.9,23-24;Kisilevsky,R.(1990)Lab.Invest.63,589-591;Snow,A.D.et al.(1987)Lab.Invest.56,120-123;Li,J.P.et al.(2005)Proc.Natl.Acad.Sci.U S A 102,6473-6477)。
【0011】
現在まで、器官機能の回復を促進し、改善された予後をもたらし得る、アミロイド沈着物を除去するための最も有効な治療的介入は、免疫療法の手段としてアミロイド反応性抗体の使用を伴う。ALアミロイドーシスの処置のためのモノクローナル抗体11-1F4、ALアミロイドーシスを有する患者のためのNEOD001、アミロイドーシスのためのGSK2398852(抗SAPモノクローナル抗体)、アルツハイマー病のためのソラネズマブ、アルツハイマー病のための静脈内IgG(IVIG)、及びアルツハイマー病のためのバピネウズマブ、ならびにアルツハイマー病のためのアデュカムマブを含むいくつかの免疫療法(抗体)がアミロイド関連疾患のために開発されてきた。これらのアプローチの各々は、制限を有し、または後期段階の臨床試験(第2/3相)において主要アウトカムを満たさなかった。
【0012】
したがって、アミロイドーシス及びアミロイド関連疾患のための有効な処置が必要とされている。
【発明の概要】
【0013】
本明細書では、抗体に連結されたアミロイド反応性ペプチドを含む抗体-ペプチド融合タンパク質、ならびにそれを作製する方法及び使用する方法が提供される。
【0014】
一態様では、本明細書では、アミロイド反応性ペプチド;及びアミロイドフィブリルに結合する抗体を含む抗体-ペプチド融合タンパク質であって、抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含み、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、重鎖または軽鎖のN末端またはC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている、抗体-ペプチド融合タンパク質が提供される。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒトアミロイドフィブリルに結合する。
【0015】
いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83及び配列番号86からなる群から選択される。
【0017】
いくつかの実施形態では、軽鎖は、軽鎖定常領域をさらに含み、重鎖は、重鎖定常領域を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13として示されるアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、2つの重鎖及び2つの軽鎖を含み、各軽鎖は、そのC末端でアミロイド反応性ペプチドと連結されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体である。
【0021】
いくつかの実施形態では、VLは、配列番号64~70に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号18に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。いくつかの実施形態では、VLは、配列番号20に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。いくつかの実施形態では、VLは、配列番号64~70に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、VLは、配列番号34に示されるアミノ酸配列を含み、VHは、配列番号48に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、VHは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLは、配列番号36に示されるアミノ酸配列を含み、VHは、配列番号55に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、VHは、配列番号52に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、VHは、配列番号50に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、VHは、配列番号49に示されるアミノ酸配列を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、VLは、配列番号36に示されるアミノ酸配列を含み、VHは、配列番号55に示されるアミノ酸配列を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、Fc領域は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプのものである。いくつかの実施形態では抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0026】
別の態様では、本明細書では、抗体-ペプチド融合タンパク質であって、アミロイドフィブリルに結合する抗体であって、抗体の軽鎖をそれぞれ含む第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド、及び抗体の重鎖をそれぞれ含む第3及び第4のポリペプチドを含む、抗体、ならびに軽鎖または重鎖のN末端またはC末端に連結されたアミロイド反応性ペプチドを含み、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号87に示されるアミノ酸を含み、第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む、抗体-ペプチド融合タンパク質が提供される。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号88に示されるアミノ酸を含み、第3及び第4のポリペプチドは、配列番号92に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号89に示されるアミノ酸を含み、第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号90に示されるアミノ酸を含み、第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む。
【0027】
別の態様では、本明細書では、抗体-ペプチド融合タンパク質であって、配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチド;及びヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含み、抗体は、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)を含み、VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含み、VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み;アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている、抗体-ペプチド融合タンパク質が提供される。
【0028】
別の態様では、本明細書では、抗体-ペプチド融合タンパク質であって、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチド;及びヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含み、抗体は、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)を含み、VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含み、VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み;アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83からなるに示されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている、抗体-ペプチド融合タンパク質が提供される。
【0029】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド基質について1.5nM未満のEC50を示す。
【0030】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識にコンジュゲートされており、検出可能な標識は、蛍光標識または放射性標識を含む。いくつかの実施形態では、放射性標識は、I-123、I-124、F-18、ZR-89、またはTc-99mである。
【0031】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、参照IgG抗体と比較して改善された生体内分布、汎アミロイド反応性、及び向上した貪食から選択される1つ以上のin vivo特徴を示す。
【0032】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、rVλ6Wil、Aβ、Aβ(1-40)、IAAP、ALκ4、Alλ1、ATTR、α-シヌクレイン、またはタウ441フィブリルに結合する。
【0033】
別の態様では、本明細書では、組成物であって、抗体-ペプチド融合タンパク質であって、i)アミロイド反応性ペプチド;及びii)抗体を含み、抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含み、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている、抗体-ペプチド融合タンパク質を含み;抗体-ペプチド融合タンパク質の少なくとも90%は、インタクトである、組成物が提供される。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体である。
【0034】
いくつかの実施形態では、組成物は、10%以下の切断生成物を含み、切断生成物は、配列番号89によって示されるアミノ酸配列と比較してN末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠くVH及び配列番号91に示されるアミノ酸配列と比較してN末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠くVLを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、1つ以上のアミロイド基質についてEC50結合親和性を示し、EC50結合親和性は、1.5nM未満である。
【0036】
いくつかの実施形態では、組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む。
【0037】
別の態様では、本明細書では、抗体-ペプチド融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが提供される。別の態様では、本明細書では、ポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。別の態様では、本明細書では、ベクターを含む宿主細胞が提供される。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、哺乳動物細胞、任意にチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
【0038】
別の態様では、本明細書では、抗体-ペプチド融合タンパク質を生成する方法であって、a)抗体-ペプチド融合タンパク質の発現に好適なかん流細胞培養条件下で抗体-ペプチド融合タンパク質をコードするベクターを含む宿主細胞を培養すること;及びb)約12~36時間毎に抗体-ペプチド融合タンパク質を回収することを含み;抗体-ペプチド融合タンパク質は、i)アミロイド反応性ペプチド;及びii)抗体を含み、抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含み、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている、方法が提供される。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、抗体軽鎖の定常ドメインのC末端に連結されている。
【0039】
いくつかの実施形態では、方法は、工程b)において回収された抗体-ペプチド融合体を陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用すること及び陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから抗体-ペプチド融合タンパク質を溶出させることをさらに含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、切断型抗体-ペプチド融合タンパク質とは別々に溶出される。
【0041】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、CHO細胞である。
【0042】
いくつかの実施形態では、方法は、抗体-ペプチド融合タンパク質の純度を決定することをさらに含み、抗体-ペプチド融合タンパク質の純度は、ドデシル硫酸ナトリウムキャピラリー電気泳動(CE-SDS)、液体クロマトグラフィー(LC)、質量分析(MS)、またはそれらの組み合わせを含む1つ以上の分析方法を使用して決定される。
【0043】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、少なくとも90%のインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質からの精製される。
【0044】
別の態様では、本明細書では、本明細書に記載の方法によって生成された抗体-ペプチド融合タンパク質が提供される。
【0045】
いくつかの態様では、本明細書では、アミロイド沈着物を含むアミロイド関連障害を有する対象を処置する方法であって、治療的有効量の抗体-ペプチド融合タンパク質を対象に投与することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、アミロイド関連障害は、全身性または局在化アミロイドーシスである。いくつかの実施形態では、アミロイド関連障害は、AL、AH、Aβ2M、ATTR、トランスチレチン、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、ALEct2、AFib、ACys、ACal、AMed、AIAPP、APro、AIns、APrP、パーキンソン病、アルツハイマー病、またはAβアミロイドーシスからなる群から選択される。
【0046】
いくつかの実施形態では、アミロイド沈着物は、抗体-ペプチド融合タンパク質によってオプソニン化される。いくつかの実施形態では、対象を抗体-ペプチド融合タンパク質で処置することは、アミロイド沈着物の貪食を引き起こす。いくつかの実施形態では、対象を抗体-ペプチド融合タンパク質で処置することは、下肢の腫れ、重度疲労、重度衰弱、息切れ、呼吸困難、しびれ、手、手首、または足における疼痛、下痢、便秘、意図的でない体重減少、舌肥大、皮膚の変化、不整脈、嚥下困難を含む群から選択される1つ以上の臨床的特徴の改善をもたらす。
【0047】
別の態様では、本明細書では、アミロイドベースの疾患を有する、または有すると疑われる対象を処置する方法であって、a)対象が、i)抗体-ペプチド融合タンパク質を対象に投与することであって、抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含む、投与すること、及びii)検出可能な標識に関連するシグナルが対象から検出され得るかどうかを決定することによってアミロイド沈着物を有するかどうかを決定すること;及びb)シグナルが検出された場合、対象にアミロイドーシス処置を適用することを含む、方法が提供される。
【0048】
いくつかの実施形態では、シグナルが検出されない場合、アミロイド沈着物の後の成長について対象をモニタリングする。いくつかの実施形態では、方法は、シグナルの強度を決定すること及びシグナルを閾値と比較することをさらに含み、閾値を超える場合、対象は、アミロイド沈着物を保有することが決定される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、SPECT/CTイメージング、PET/CTイメージング、ガンマシンチグラフィー、または光学的イメージングによって検出される。
【0049】
いくつかの実施形態では、アミロイドーシス処置は、抗体-ペプチド融合タンパク質を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質の投与は、対象におけるアミロイド沈着物の貪食を引き起こす。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質の投与は、対象におけるアミロイド沈着物のクリアランスをもたらす。
【0050】
別の態様では、本明細書では、対象におけるアミロイド沈着物を同定する方法であって、抗体-ペプチド融合タンパク質を対象に投与することであって、抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含む、投与すること、及び抗体ペプチド融合タンパク質からのシグナルを検出することを含む、方法が提供される。
【0051】
別の態様では、本明細書では、対象におけるアミロイドクリアランスをモニタリングする方法であって、対象におけるアミロイド基質を抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることであって、抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含み、抗体-ペプチド融合タンパク質のペプチドは、アミロイド基質に対する結合親和性を有する、接触させること;及び検出可能な標識からのシグナルを決定し、それによりアミロイドクリアランスを検出することを含む、方法が提供される。
【0052】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0053】
別の態様では、本明細書では、本明細書で提供される方法において使用するための、抗体-ペプチド融合タンパク質を含むキットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】短い硬質スペーサーを介して軽鎖のN末端に融合されたペプチドを有する抗体-ペプチド融合タンパク質の概略図を示している。
図2】短い硬質スペーサーを介して重鎖のC末端に融合されたペプチドを有する抗体-ペプチド融合タンパク質の概略図を示している。
図3】短い硬質スペーサーを介して軽鎖のC末端に融合されたペプチドを有する抗体-ペプチド融合タンパク質の概略図を示している。
図4】長い軟質スペーサーを介して軽鎖のC末端に融合されたペプチドを有する抗体-ペプチド融合タンパク質の概略図を示している。
図5A】合成rVλ6Wil軽鎖アミロイド様フィブリルへのキメラ(c)11-1F4、及びヒト化バリアント、VH10/VL4、VH9/VL4、VH8/VL4、VH7/VL4、またはVH6/VL3の結合を測定するユーロピウム結合免疫吸着アッセイ(EuLISA)からのデータを示している。
図5B】rVλ6WilフィブリルへのVH6/VL3-p5(6-3-p5)、VH6/VL3-p5R(6-3-p5R)、c11-1F4、またはVH6/VL3の結合を測定するEuLISAからのデータを示している。
図5C】rVλ6Wilフィブリル、Per125 wtATTR抽出物、Ken ATTR抽出物、SHI ALλ肝臓抽出物、またはTAL ALκ肝臓抽出物へのVH9/VL/4-p5Rの結合を測定するEuLISAからのデータを示している。
図5D】rVλ6Wilフィブリル、Per125 wtATTR抽出物、Ken ATTR抽出物、SHI ALλ肝臓抽出物、またはTAL ALκ肝臓抽出物へのVH9/VL/4-p5の結合を測定するEuLISAからのデータを示している。
図5E】rVλ6Wilフィブリルへのc11-1F4、m11-1F4、またはVH9/VL4の結合を測定するEuLISAからのデータを示している。
図5F】Sno ATTR抽出物(暗灰色の丸)またはKen ATTR抽出物(明灰色の丸)へのVH6/VL3-p5の結合、及びSno ATTR抽出物(黒色の四角)へのc11-1F4結合を測定するEuLISAからのデータを示している。
図5G】Per125 wtATTR(灰色の丸、標識を参照されたい)、Sno ATTR抽出物(暗灰色の丸)、またはKen ATTR抽出物(明灰色の丸)へのVH6/VL3-p5Rの結合、及びSno ATTR抽出物(黒色の四角)へのc11-1F4結合を測定するEuLISAからのデータを示している。モノクローナル抗体の対数変換されたモル濃度(-log(M))がx軸に示されており、結合のレベル(フェムトモルのユーロピウム)がy軸に示されている。
図6】プルダウンアッセイにおいて組織から得られたrVλ6Wilアミロイド様フィブリル及びヒトアミロイド抽出物への125I-mIgp5結合の結果を示している。y軸は、結合した125I-mIgG-p5のパーセンテージを示しており、各サンプルについての結合したパーセンテージは、ヒストグラムのバーの上に示されている。x軸は、rVλ6Wilフィブリル、SNO遺伝性(h)ATTR、KEN hATTR、Per125 wtATTR、Per253野生型(wt)ATTR、ALκ HIG抽出物、ALκ TAL抽出物、ALλ SHI抽出物、及びALλ TYL抽出物を含む試験されたアミロイド抽出物のタイプを示している。エラーバーは、標準偏差を表す。
図7A】x軸上で左から右に示されているように、ヒトTHP-1マクロファージ単独、またはヒト(h)IgG対照、ch11-1F4、muIgp5(expiHEK293細胞株で生成された)、VH6/VL3-p5、またはVH6/VL3-p5Rの存在下でのpHrodoレッド標識rVλ6Wilフィブリルの取り込みを示している。y軸は、rVλ6Wilフィブリル取り込み(蛍光単位で測定される)のレベルを示しており、エラーバーは、標準偏差を表す。
図7B】x軸上で左から右まで示されるように、THP-1単独の存在下でまたはTHP-1とhIgG対照、c11-1F4、mIgp5、VH9/VL4-p5、またはVH9/VL4-p5Rとの存在下でのマクロファージによるpHrodoレッド標識されたrVλ6Wilフィブリルの貪食を示している。y軸は、貪食のレベルを示しており(蛍光単位)、エラーバーは、標準偏差を表す。
図7C】x軸上で左から右まで示されるように、5μgのリツキサン(陰性対照としてのキメラmAb)、5μgのc11-1F4、5μgのVH6/VL3、5μgのVH9/VL4、VH6/VL3-p5R、またはVH6/VL3-p5の存在下でのマクロファージによるpHrodoレッド標識されたrVλ6Wilフィブリルの貪食を示している。y軸は、貪食のレベルを示しており(pHrodo蛍光)、エラーバーは、標準偏差を表す。
図8A】インタクトVH9-D54E/VL4-N33S-VSPSV-p5Rを生成するために使用された流加及びかん流ワークフローを示している。純度(%インタクト融合タンパク質)が各生成方法について示されている。
図8B】rVλWILに対する流加精製されたFB.1及びかん流精製されたPF.1の親和性を試験する結合実験の結果を示している。左のy軸スケールは、流加精製されたFB.1のために使用されており、右のy軸スケールは、かん流精製されたPF.1のために使用されている。
図9A】放射性標識された(125I)抗体hIgG1対照と比較した、放射性標識された(125I)PF.1抗体-ペプチド融合タンパク質のゲル分析を示している。還元された(還元)及び還元されていない(NR)サンプルが示されており、各タンパク質についてのIgG、IgH、及びIgLの位置が示されている。遊離放射性ヨウ素(125I)も表示されている。
図9B】PF.1または125I-hIgG1のいずれかの注射から24時間後の全身性AAアミロイドーシスマウスの単一光子放射コンピューター断層撮影(SPECT)及びコンピューター断層撮影(CT)イメージングを示している。
図9C】注射から24時間後のAAマウスにおける異なる組織間の125I-PF.1及び125I-hIgG1の生体内分布を示している。
図9D】AAマウスの125I-PF.1または125I-hIgG1での注射から24時間後の肝臓(左)、脾臓(中央)、及び心臓(右)組織のミクロオートラジオグラフィーを示している。
図10A】ビオチン化PF.1及びコンゴーレッドでのATTR、AL、ALETC2またはAβアミロイドを含有する異なるヒト組織(心臓、腎臓、脾臓、及び脳)の免疫組織化学染色を示している。黒色の矢印は、組織サンプルに結合したビオチン化PF.1を強調しており、白色の矢印は、組織サンプルにおけるアミロイドの存在を強調している(コンゴーレッド染色)。
図10B】ビオチン化PF.1及びコンゴーレッドでのATTR、AL、ALETC2またはAβアミロイドを含有する異なるヒト組織(心臓、腎臓、脾臓、及び脳)の免疫組織化学染色を示している。黒色の矢印は、組織サンプルに結合したビオチン化PF.1を強調しており、白色の矢印は、組織サンプルにおけるアミロイドの存在を強調している(コンゴーレッド染色)。
図10C】ビオチン化PF.1及びコンゴーレッドでのATTR、AL、ALETC2またはAβアミロイドを含有する異なるヒト組織(心臓、腎臓、脾臓、及び脳)の免疫組織化学染色を示している。黒色の矢印は、組織サンプルに結合したビオチン化PF.1を強調しており、白色の矢印は、組織サンプルにおけるアミロイドの存在を強調している(コンゴーレッド染色)。
図10D】ビオチン化PF.1及びコンゴーレッドでのATTR、AL、ALETC2またはAβアミロイドを含有する異なるヒト組織(心臓、腎臓、脾臓、及び脳)の免疫組織化学染色を示している。黒色の矢印は、組織サンプルに結合したビオチン化PF.1を強調しており、白色の矢印は、組織サンプルにおけるアミロイドの存在を強調している(コンゴーレッド染色)。
図10E】ビオチン化PF.1及びコンゴーレッドでのATTR、AL、ALETC2またはAβアミロイドを含有する異なるヒト組織(心臓、腎臓、脾臓、及び脳)の免疫組織化学染色を示している。黒色の矢印は、組織サンプルに結合したビオチン化PF.1を強調しており、白色の矢印は、組織サンプルにおけるアミロイドの存在を強調している(コンゴーレッド染色)。
図11】Aは、pHrodoレッド標識アミロイドの注射後のマウスにおけるpHrodoレッドからの定量蛍光放出を示しており、注射されたアミロイドは、PF.1とまたは単独でプレインキュベートされた。増加した蛍光放出は、アミロイド貪食を示す。Bは、注射から12日後のPF.1で処置された及び対照で処置されたマウスの蛍光放出を示している。
図12】A~Dは、ALκ、ALλ、ATTRv、及びATTRwtアミロイド抽出物に対するPF.1及びヒトIgG1(hIgG1)対照を用いて実施されたex vivo貪食アッセイの結果を示している。貪食は、pH感受性色素スクシンイミジル-pHrodoレッドフルオロフォアでの標識によって検出され、蛍光放出の増加は、向上した貪食を示す。ATTRwtは、野生型トランスチレチン関連アミロイドーシスである。ATTRvは、バリアントトランスチレチン関連アミロイドーシスである。
図13】Aは、rVλWIL Aβ(1-40)、ATTRwt、ATTRV、ALλ、及びALκアミロイド抽出物に対するPF.1の親和性を試験する結合実験の結果を示している。ATTRwtは、野生型トランスチレチン関連アミロイドーシスである。ATTRvは、バリアントトランスチレチン関連アミロイドーシスである。Bは、図12Aにおいて使用された同じアミロイド抽出物パネルについてのヒトIgG1対照の親和性を試験する結合実験の結果を示している。
図14】合成アミロイド様フィブリルα-シヌクレイン、タウ441、及びAβ(1-40)に対するPF.7の親和性を試験する結合実験の結果を示している。PF.7は、かん流培養の7日後に収集されたVH9-D54E/VL4-N33S-VSPSV-p5R抗体-ペプチド融合タンパク質である。
図15】ヒト補体源としての20%ヒト血清の存在または非存在下でrVλWIL(WIL)及びALκ(TAL)フィブリルに対してPF.1で実施されたex vivo貪食アッセイの結果を示している。+Cは、ヒト血清補体の存在を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本明細書では、アミロイドを結合させる抗体-ペプチド融合タンパク質が提供される。
【0056】
I.定義
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明らかに示さない限り、単数及び複数の両方を指す。略語「例えば(e.g.)」は、ラテン語exempli gratiaに由来し、非限定的な例を示すために本明細書で使用される。よって、略語「例えば(e.g.)」は、用語「例えば(for example)」と同義である。本明細書で使用される場合、用語「含む」は、「含まれる」を意味する。
【0057】
範囲は、「およそ」1つの特定の値、及び/または「およそ」別の特定の値として本明細書で表され得る。そのような範囲が表される場合、別の態様には、その範囲の1つの特定の値及び/またはその範囲の他の特定の値が含まれる。範囲の各々の端点は、他の端点に関連して、また、他の端点に独立して重要であることがさらに理解される。同様に、値が近似値として表される場合、先行詞「約」の使用によって、特定の値が別の態様を形成することが理解される。所定の例示的な実施形態では、用語「約」は、当該技術分野における正常な許容の範囲内、例えば、平均の2標準偏差内として理解される。約は、記述された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%以内として理解され得る。別途文脈から明らかでない限り、本明細書で提供されるすべての数値は、約という用語によって修飾され得る。さらに、「例」、「例示的な」、または「例示された」等の本明細書で使用される用語は、好ましいことを示すことを意味しておらず、むしろ、その後に論述される態様が、示された態様の1つの例にすぎないことを説明することを意味している。
【0058】
核酸またはポリペプチドについて与えられたすべての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、及びすべての分子量または分子質量値は、おおよそであり、説明のために提供されることをさらに理解されたい。本明細書に記載のものと同様のまたは同等の方法及び物質が、本開示の実施または試験において使用され得るが、好適な方法及び物質が以下に記載される。矛盾する場合、用語の説明を含む本明細書が優先するであろう。また、物質、方法、及び例は、例示にすぎず、限定することは意図されていない。
【0059】
本開示の様々な実施形態のレビューを容易化するために、特定の用語の以下の説明が提供される:
【0060】
アミロイド、アミロイド沈着物、アミロイドフィブリル、及びアミロイド線維という用語は、特定の構造的形質を共有する不溶性線維性タンパク質凝集体を指す。そのタンパク質凝集体は、例えば、いくつかの異なるタンパク質のいずれかの凝集によって形成され、線維軸に対して垂直に積層されたβシートの秩序のある配置からなる三次構造を有する。Sunde et al.,J.Mol.Biol.(1997)273:729-39を参照されたい。器官におけるアミロイドの異常な蓄積は、アミロイドーシスをもたらし得る。それらは、それらの発生が多様であるが、すべてのアミロイドは、それらが特定の色素、例えば、コンゴーレッドで染色し、染色後に偏光で特徴的な赤緑色の複屈折外観を有するという共通のモルフォロジー的特性を有する。アミロイドはまた、共通の超微形態的特徴ならびに共通のX線回折及び赤外線スペクトルを共有する。
【0061】
アミロイドーシスは、アミロイドの存在、例えば、アミロイド沈着物の存在によって特性化される病理学的病態または疾患を指す。「アミロイド疾患」または「アミロイドーシス」は、アミロイドフィブリルの形成、沈着、蓄積または持続性に関連する疾患である。そのような疾患には、アルツハイマー病、ダウン症候群、Dutch型のアミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、及び脳ベータ-アミロイド血管症が含まれるがこれらに限定されない。他のアミロイド疾患、例えば、全身性AAアミロイドーシス、ALアミロイドーシス、ATTRアミロイドーシス、ALect2アミロイドーシス、及びII型糖尿病のIAPPアミロイドーシスもまた、アミロイド疾患である。
【0062】
アミロイド形成性は、アミロイド沈着物を生成することまたは生成する傾向があることを指す。例えば、所定の可溶性単量体タンパク質は、よく秩序化された非分岐状の8~10nmの幅のフィブリルへのそれらの凝集をもたらす広範なフォーメーション的変化を受け得、これはアミロイド凝集体の形成をもたらす。30種を超えるタンパク質が、例えば、ヒトにおいてアミロイド沈着物(またはアミロイド)を形成することが見出されている。免疫グロブリン軽鎖等の、多様なタンパク質のクラス内のすべてのタンパク質がアミロイドを形成することが可能であるわけではない。すなわち、いくつかのタンパク質は、それらがアミロイドを形成する傾向がないことを意味する非アミロイド形成性である。しかしながら、そのクラスの他のタンパク質は、アミロイド沈着物を形成し得、よって、アミロイド形成性である。さらに、軽鎖タンパク質のクラス内で、一部は、それらがアミロイドフィブリルを形成する容易性に基づいて他のものよりも「アミロイド形成性」であるとみなされ得る。所定の軽鎖タンパク質は、患者においてまたはin vitroでアミロイドフィブリルを容易に形成するそれらの不能性により、非アミロイド形成性またはアミロイド形成性がより低いとみなされる。
【0063】
動物:例えば、哺乳動物及び鳥類を含むカテゴリである、生存多細胞脊椎動物生物。哺乳動物という用語には、ヒト及び非ヒト哺乳動物の両方が含まれる。同様に、用語「対象」には、ヒト及び獣医学的対象の両方が含まれる。いくつかの例では、対象は、対象、例えば、アミロイド疾患に罹患している対象である。
【0064】
クリアランス:用語「消失させる」または「クリアランス」は、測定可能な程度低減または除去することを指す。例えば、本明細書に記載されるアミロイド沈着物のクリアランスは、沈着物を測定可能なまたは識別可能な程度まで低減または除去することに関する。クリアランスは、100%の除去をもたらし得るが、それまで必要とされない。むしろ、クリアランスは、100%未満の除去、例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%またはそれを超える除去をもたらし得る。
【0065】
コンジュゲート:本明細書で使用される場合、用語「コンジュゲート」は、2つ以上の物質のカップリングまたは接続生成物を指し、得られる生成物は、少なくとも2つの区別される要素、例えば、少なくとも2つのドメインを有する。カップリングされた物質は、同じであり、または異なり得る。そのようなカップリングは、1つ以上の連結基を介するものであり得る。「タンパク質コンジュゲート」は、例えば、2つ以上のアミノ酸配列のカップリングに起因する。2つのタンパク質のコンジュゲートは、例えば、個々に接続されたタンパク質の各々に対応するドメインを有する単一のタンパク質をもたらす。
【0066】
本明細書における用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、具体的にはモノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)、及び所望の生物学的活性を示す限り抗体断片を包含する。
【0067】
「単離された」抗体は、その天然環境の成分から同定、分離、及び/または回収されたものである。その天然環境の混入成分は、抗体の研究的、診断的、または治療的使用を妨害するであろう材料であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含み得る。いくつかの実施形態では、抗体は、(1)抗体が、例えば、ローリー法によって決定された場合、95重量%超、いくつかの実施形態では、99重量%超の抗体になるまで、(2)例えば、スピニングカップ配列決定装置の使用によって、少なくとも15残基のN末端または内部アミノ酸配列を得るために十分な程度まで、または(3)例えば、クマシーブルーまたはシルバー染色を使用して、還元または非還元条件下でのSDS-PAGEによる均質性まで精製される。単離された抗体には、抗体の天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないので、組換え細胞内のin situの抗体が含まれる。通常、しかしながら、単離された抗体、少なくとも1つの精製工程によって調製されるであろう。
【0068】
「ネイティブ抗体」は通常、2つの同一の軽(L)鎖及び2つの同一の重(H)鎖から構成される約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖に連結されているが、ジスルフィド連結の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で異なる。各重鎖及び軽鎖はまた、規則的に間隔を空けて鎖内ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一方の端に可変ドメイン(VH)を有し、いくつかの定常ドメインが続く。各軽鎖は、一方の端に可変ドメイン(VL)を有し、その他方の端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと整列しており、軽鎖の可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと整列している。特定のアミノ酸残基が軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間に界面を形成すると考えられている。
【0069】
用語「定常領域」は、免疫グロブリンの他の部分である抗原結合部位を含有する可変領域と比べてより保存されたアミノ酸配列を有する免疫グロブリン分子の一部分を指す。定常領域は、重鎖のCR1、CR2及びCR3ドメイン(CH1、CH2、及びCH3とも称される;まとめてCH)及び軽鎖のCHL(またはCLもしくはCL1)ドメインを含有する。
【0070】
抗体の「可変領域」または「可変ドメイン」は、抗体の重鎖または軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖の可変ドメインは、「VH」と称され得る。軽鎖の可変ドメインは、「VL」と称され得る。これらのドメインは通常、抗体の最も可変性の高い部分であり、抗原結合部位を含有する。
【0071】
用語「可変」は、可変ドメインの所定の部分の配列が抗体間で大きく異なり、各特定の抗体のその特定の抗原に対する結合及び特異性において使用されるという事実を指す。しかしながら、可変性は、抗体の可変ドメイン全体にわたって均等には分布していない。それは、軽鎖及び重鎖の可変ドメインの両方において、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。ネイティブ重鎖及び軽鎖の可変ドメインはそれぞれ、ベータ-シート構造を接続し、いくつかの場合では、ベータ-シート構造の一部を形成するループを形成する3つのCDRによって接続されたベータ-シート構成を大いに採用する4つのFR領域を含む。各鎖におけるCDRは、FR領域によって近接して一緒に保持され、他の鎖からCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,National Institute of Health,Bethesda,Md,(1991)を参照されたい)。定常ドメインは、抗原への抗体の結合に直接的に関与しないが、例えば、抗体依存性細胞毒性における抗体の関与等の様々なエフェクター機能を示す。
【0072】
任意の哺乳動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(「κ」)及びラムダ(「λ」)と呼ばれる、2つの明確に異なるタイプのうちの1つに割り当てられ得る。
【0073】
用語IgG「アイソタイプ」または「サブクラス」は、本明細書で使用される場合、それらの定常領域の化学的及び抗原的特徴によって定義される免疫グロブリンのサブクラスのいずれかを意味する。
【0074】
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、抗体(免疫グロブリン)は、異なるクラスに割り当てられ得る。5つの主要なクラスの免疫グロブリン:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMが存在し、これらの一部は、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2にさらに分けられ得る。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインはそれぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構成及び三次元立体配置はよく知られており、概して、例えば、Abbas et al.Cellular and Mol.Immunology,4th ed.(W.B.Saunders,Co.,2000)に記載されている。抗体は、抗体と1つ以上の他のタンパク質またはペプチドとの共有結合的または非共有結合的会合によって形成される、より大きな融合分子の一部であり得る。
【0075】
用語「全長抗体」、「インタクト抗体」及び「完全抗体」は、以下に定義される抗体-断片ではなく、その実質的にインタクト形態の抗体を指すために本明細書で互換的に使用される。その用語は特に、Fc領域を含有する重鎖を有する抗体を指す。
【0076】
本明細書における目的のための「むき出しの抗体」は、細胞傷害性部位または放射性標識にコンジュゲートされていない抗体である。
【0077】
「抗体断片」は、インタクト抗体の一部分(好ましくはその抗原結合領域を含む)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体断片は、抗原結合断片である。抗体断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFv断片;ダイアボディ;線状抗体;一本鎖抗体分子;及び抗体断片から形成された多重特異的抗体が含まれる。
【0078】
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片(各々が単一の抗原-結合部位を有する)、及び残りの「Fc」断片(その名称は、容易に結晶化するその能力を反映する)を生成する。ペプシン処置は、2つの抗原結合部位を有し、かつ依然として抗原を架橋させることが可能であるF(ab’)断片を生成する。
【0079】
「Fv」は、完全な抗原結合部位を含有する最小抗体断片である。一実施形態では、2鎖Fv種は、緊密な非共有結合性会合で1重鎖及び1軽鎖可変ドメインの二量体からなる。一本鎖Fv(scFv)種において、1つの重鎖可変ドメイン及び1つの軽鎖可変ドメインは、軽鎖及び重鎖が2鎖Fv種におけるものと類似する「二量体」構造において関連し得るように軟質ペプチドリンカーによって共有結合的に連結され得る。この構成では、各可変ドメインの3つのCDRは、VH-VL二量体の表面上で抗原-結合部位を画定するように相互作用する。まとめると、6つのCDRは、抗原-結合特異性を抗体に付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのみのCDRを含むFvの半分)でさえも、全結合部位よりも低い親和性ではあるが、抗原を認識し、それに結合する能力を有する。
【0080】
Fab断片は、軽鎖及び重鎖可変ドメインを含有し、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CHI.)も含有する。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域からの1つ以上のシステインを含む重鎖CHIドメインのカルボキシ末端での数個の残基の付加によりFab断片とは異なる。Fab’-SHは、本明細書において、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離のチオール基を保有するFab’のための呼称である。F(ab’)抗体断片は元々、Fab’断片の間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として生成された。抗体断片の他の化学的カップリングも知られている。
【0081】
「一本鎖Fv」または「scFv」抗体断片は、抗体のVH及びVLドメインを含み、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖に存在する。通常、scFvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含み、これにより、scFvは、抗原結合のための所望の構造を形成することが可能となる。scFvのレビューについては、例えば、Pluckfhun,in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,(Springer- Verlag,New York,1994),pp.269-315を参照されたい。
【0082】
用語「モノクローナル抗体」は、本明細書で使用される場合、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体を指し、例えば、集団を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る可能性のある変異、例えば、天然に存在する変異を除いて同一である。よって、「モノクローナル」という修飾語は、別個の抗体の混合物ではないという抗体の特徴を示す。所定の実施形態では、そのようなモノクローナル抗体は、典型的には、標的を結合させるポリペプチド配列を含む抗体を含み、標的結合ポリペプチド配列は、複数のポリペプチド配列からの単一の標的結合ポリペプチド配列の選択を含むプロセスによって得られたものである。例えば、選択プロセスは、ハイブリドーマクローン、ファージクローン、または組換えDNAクローンのプール等の複数のクローンからの独自のクローンの選択であり得る。選択された標的結合配列は、例えば、標的への親和性の改善、標的結合配列のヒト化、細胞培養中でのその生成の改善、in vivoでのその免疫原性の低減、多重特異性抗体の作製等を行うようにさらに改変され得ること、及び改変された標的結合配列を含む抗体も本発明のモノクローナル抗体であることが理解されるべきである。異なる決定基(エピトープ)に対して仕向けられた異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して仕向けられている。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体調製物は、それらには通常、他の免疫グロブリンが混在していないという点で有利である。
【0083】
「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体の集団から得られるという抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の生成を必要とするものとして解釈されないものとする。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler and Milstein,Nature,256:495-97(1975);Hongo et al,Hybridoma,.1.4(3):253-260(.1995),Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988);Hammerling et al,in:Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas 563-681(Elsevier,N.Y.,1981 ))、リコンビナントDNA法(例えば、米国特許番号4,8.16,567を参照されたい)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clackson et al,Nature,352:624-628(1991);Marks et al,J.Mol.Biol.222:581-597(1992);Sidhu et al,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004);Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004);Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004);及びLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)を参照されたい)、及びヒト免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子座または遺伝子の一部または全部を有する動物においてヒトまたはヒト様抗体を生成するための技術(例えば、WO1998/24893;WO1996/34096;WO1996/33735;WO1991/10741;Jakobovits 11 et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2551(1993);Jakobovits et al,Nature 362:255-258(1993);Bruggemann et al,Year in Immunol 7:33(1993);米国特許番号5,545,807;5,545,806;5,569,825;5,625,126;5,633,425及び5,661,016;Marks et al,Bio/Technology 10:779-783(1992);Lonberg et al,Nature 368:856-859(1994);Morrison,Nature 368:812-813(1994);Fishwild et al,Nature Biotechnol.14:845-851(1996);Neuberger,Nature Biotechnol 14:826(1996);ならびにLonberg and Huszar,Intern.Rev.Immunol 13:65-93(1995)を参照されたい)を含む多様な技術によって生成され得る。
【0084】
モノクローナル抗体には、本明細書では具体的に、「キメラ」抗体であって、重鎖及び/または軽鎖の一部分は、特定の種に由来するまたは特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同であるのに対し、鎖(複数可)の残部は、別の種に由来するまたは別の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である、「キメラ」抗体、ならびに所望の生物学的活性を示す限りそのような抗体の断片が含まれる(例えば、米国特許第4,816,567号;及びMorrison et al,Proc.Natl Acad.Sci.USA 81:6851-6855(1984)を参照されたい)。キメラ抗体には、抗体の抗原結合領域が、例えば、マカクサルを対象となる抗原で免疫することによって生成される抗体に由来する霊長類化抗体が含まれる。
【0085】
非ヒト(例えば、ネズミ)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有するキメラ抗体である。一実施形態では、ヒト化抗体は、レシピエントのCDRからの残基が、所望の特異性、親和性及び/または能力を有するマウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類等の非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基で置き換えられている、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの例では、ヒト免疫グロブリンのFR残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体で、またはドナー抗体では見られない残基を含み得る。これらの修飾は、抗体性能をさらに改良するために行われ得る。通常、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含むことになり、その場合、超可変ループのすべてまたは実質的にすべては、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FRのすべてまたは実質的にすべては、ヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分、典型的にはヒト免疫グロブリンのものを任意に含むことになる。さらなる詳細については、例えば、Jones et al,Nature 321:522-525(1986);Riechmann et al,Nature 332:323-329(1988);及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol 2:593-596(1992)を参照されたい。例えば、Vaswani and Hamilton,Ann.Allergy,Asthma & Immunol.1 :105-115(1998);Harris,Biochem.Soc.Transactions 23:1035-1038(1995);Hurle and Gross,Curr.Op.Biotech.5:428-433(1994):及び米国特許番号6,982,321及び7,087,409も参照されたい。
【0086】
「ヒト抗体」は、ヒトによって生成された抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体、及び/または本明細書に開示されるヒト抗体を作製する技術のいずれかを使用して作製されたものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除外する。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリーを含む、当該技術分野において知られている様々な技術を使用して生成され得る。Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marks et al,J.Mol.Biol.,222:581(1991)。ヒトモノクローナル抗体の調製のために、Cole et al,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);Boerner et al,J.Immunol.,147(l):86-95(1991)に記載の方法も利用可能である。van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.,5:368-74(2001)も参照されたい。ヒト抗体は、抗原負荷に応答してそのような抗体を生成するように改変されているが、その内因性遺伝子座が無効化されているトランスジェニック動物、例えば、免疫化異種マウスに抗原を投与することにより調製され得る(例えば、XENOMOUSE(商標)技術に関する米国特許番号6,075,181及び6,150,584を参照されたい)。例えば、Li et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)regarding human antibodies generated via a human B-cell hybridoma technologyも参照されたい。
【0087】
用語「相補性決定領域」または「CDR」は、本明細書で使用される場合、エピトープ、例えば、ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体-可変ドメインの領域を指す。一般に、抗体は、6つのCDRを含み、3つがVH(H1、H2、H3)にあり、3つがVL(L1、L2、L3)にある。ネイティブ抗体では、H3及びL3は、6つのCDRのうちで最も高い多様性を示し、H3は特に、優れた特異性を抗体に与える上で独自の役割を果たすと考えられている。例えば、Xu et al.,Immunity 13:37-45(2000);Johnson and Wu in Methods in Molecular Biology 248:1-25(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003))を参照されたい。実際、重鎖のみからなる天然に存在するラクダ科動物抗体は、軽鎖の非存在下で機能的かつ安定である。例えば、Hamers-Casterman et al.,Nature 363:446-448(1993)and Sheriff et al.,Nature Struct.Biol.3:733-736(1996)を参照されたい。
【0088】
多数のCDR描写が本明細書で使用され、本明細書に包含される。いくつかの実施形態では、CDRは、KabatCDRであり得、これは配列可変性に基づき、最も一般的に使用されている(Kabat et al.(上掲))。いくつかの実施形態では、CDRは、Chothia CDRであり得る。Chothiaは、むしろ、構造的ループの位置に言及する(Chothia and Lesk J.Mol.Biol.196:901-917(1987))。いくつかの実施形態では、CDRは、AbM CDRであり得る。AbM CDRは、Kabat CDRとChothia構造的ループとの間の妥協案を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって使用されている。いくつかの実施形態では、CDRは、「contact」CDRであり得る。「contact」CDRは、利用可能な複合体結晶構造の分析に基づく。これらのCDRの各々からの残基が以下に記述されている。
【表1】
【0089】
CDRは、以下のように「伸長CDR」を含み得る:VL中、24~36または24~34(L1)、46~56または50~56(L2)及び89~97または89~96(L3)、ならびにVH中、26~35(H1)、50~65または49~65(好ましい実施形態)(H2)及び93~102、94~102または95~102(H3)。可変ドメイン残基は、これらの伸長CDR定義の各々について、Kabat et al.(上掲)に従って付番される。
【0090】
「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書に定義されるCDR残基以外のそれらの可変ドメイン残基である。
【0091】
本明細書で使用される場合、用語「に特異的に認識する」または「に特異的である」は、生物学的分子を含む分子の異種集団の存在下で標的の存在を決定する、標的と抗体との間の結合等の測定可能な及び再生可能な相互作用を指す。例えば、標的(エピトープであり得る)に特異的に結合する抗体は、他の分子に結合する場合よりもより高い親和性、アビディティで、より容易に、及び/またはより長い継続期間でこの標的を結合させる抗体である。一実施形態では、関連しない標的への抗体の結合の程度は、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定された場合、標的への抗体の結合の約10%未満である。所定の実施形態では、標的に特異的に結合する抗体は、<1Μ、<100μM、<10nM、<1nM、または<0.1nMの解離定数(Kd)を有する。所定の実施形態では、抗体は、異なる種からのタンパク質間で保存されたタンパク質上のエピトープに特異的に結合する。別の実施形態では、特異的結合には、排他的結合が含まれ得るが、それを必要としない。
【0092】
有効量または治療的有効量:障害または疾患のいずれかの症状及び/または根底にある原因を防止、処置(予防を含む)、低減及び/または改善するために、例えば、アミロイドーシスを防止及び/または阻害するために十分な薬剤の量。いくつかの実施形態では、「有効量」は、疾患の症状を低減または排除するために十分である。有効量は、1回以上投与され得る。例えば、ペプチドの有効量は、アミロイドを結合させために十分な量である。ペプチドは、体重1kg当たり約1μg超から約30mg/kgまでの量で非経口で投与される場合、有効であり得る。
【0093】
阻害する:測定可能な程度低減すること。阻害は、例えば、機能の完全な喪失または測定されている態様の完全な休止を必要としない。例えば、斑形成を阻害することは、斑のさらなる成長を停止させること、斑のさらなる成長を減速させること、または斑のサイズを低減することを意味し得る。
【0094】
疾患を阻害することまたは処置すること:疾患または病態の完全な発症を阻害すること、例えば、アミロイドーシスを阻害すること。「処置」は、発症し始めた後に疾患または病理学的病態の兆候または症状を改善する治療的介入を指す。疾患または病理学的状態に関する用語「改善すること」は、処置の任意の観察可能な有益な効果を指す。有益な効果は、罹患しやすい対象における疾患の臨床的症状の遅延した発症、疾患のいくつかのまたはすべての臨床的症状の重症度の低減、疾患の進行を減速させること、対象の健康全般または健全性の改善によって、または特定の疾患に特異的な当該技術分野でよく知られている他のパラメータによって明らかにされ得る。「予防」処置は、病理を発症するリスクを低下させる目的で疾患の兆候を示さないまたは早期徴候のみを示さない対象に投与される処置である。
【0095】
アミロイド沈着物形成に関して、「阻害」は、例えば、対照と比較した場合、アミロイド沈着物の形成の低減の防止を指す。例えば、阻害は、対照と比較してアミロイド沈着物の約10%、20%、30%、40%、50%、60%またはそれを超える低減をもたらし得る。
【0096】
標識は、別の分子の検出を容易化するためにその分子に直接的にまたは間接的にコンジュゲートされた任意の検出可能な化合物または組成物を指す。標識の具体的な非限定的な例には、蛍光タグ、化学発光タグ、ハプテン、酵素連結物、及び放射性同位体が含まれる。「検出可能に標識された」タンパク質は、例えば、タンパク質の存在が、タンパク質に関連する標識によって決定され得ることを意味する。
【0097】
単離された:「単離された」生物学的成分、例えば、ペプチド(例えば、本明細書に開示されるペプチドの1つ以上)、細胞、核酸、または血清サンプルは、その成分が天然に発生する生物の細胞における他の生物学的成分、例えば、他の染色体及び染色体外DNA及びRNA、及びタンパク質から実質的に分離され、それから離れるように生成され、またはそれから離れるように精製されている。「単離された」核酸、ペプチド及びタンパク質には、標準的な精製方法によって精製された核酸及びタンパク質が含まれる。その用語はまた、細胞における組換え発現によって調製された核酸、ペプチド及びタンパク質ならびに化学的に合成されたペプチド及び核酸を包含する。用語「単離された」または「精製された」は、絶対的な純粋性を必要としない;むしろ、それは、相対的な用語として意図される。よって、例えば、単離されたペプチド調製物は、ペプチドまたはタンパク質がそのペプチドまたはタンパク質が細胞内のその天然環境にある場合よりも濃縮されているものである。好ましくは、調製物は、タンパク質またはペプチドが、調製物の総ペプチドまたはタンパク質含有量の少なくとも50%、例えば、ペプチドまたはタンパク質濃度の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはさらに少なくとも99%を表すように精製される。
【0098】
接続する:本明細書で使用される場合、用語「接続する」、「接続された」、「連結する」、または「連結された」は、タンパク質及び/またはタンパク質ドメインを機能的に接続させるための当該技術分野で知られている任意の方法を指す。例えば、あるタンパク質ドメインは、例えば、組換え融合タンパク質において、介在配列またはドメインを伴ってまたは伴わずに、共有結合を介して別のタンパク質ドメインに連結され得る。接続にはまた、例えば、配列が共に発現するように同じ核酸鎖に2つの核酸配列を共に配置すること等、2つの配列を共に統合することが含まれる。
【0099】
核酸:ホスホジエステル結合を介して連結されたヌクレオチド単位(リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、関連する天然に存在する構造的バリアント、及び合成の天然に存在しないそれらのアナログ)から構成されるポリマー、関連する天然に存在する構造的バリアント、及び合成の天然に存在しないそれらのアナログ。よって、その用語には、ヌクレオチド及びそれらの間の連結が天然に存在しない合成アナログ、例えば及び限定されないが、ホスホロチオエート、ホスホルアミデート、メチルホスホネート、キラル-メチルホスホネート、2-O-メチルリボヌクレオチド、ペプチド-核酸(PNA)等を含むヌクレオチドポリマーが含まれる。そのようなポリヌクレオチドは、例えば、自動化DNA合成機を使用して、合成され得る。用語「オリゴヌクレオチド」は、典型的には、通常は約50ヌクレオチド以下の短いポリヌクレオチドを指す。ヌクレオチド配列がDNA配列(すなわち、A、T、G、C)によって表される場合、これにはまた、「U」が「T」に置き換わるRNA配列(すなわち、A、U、G、C)が含まれることが理解される。
【0100】
ヌクレオチドには、糖に連結された塩基、例えば、ピリミジン、プリンまたはその合成アナログ、またはペプチド核酸(PNA)のようにアミノ酸に連結された塩基を含むモノマーを含むがこれらに限定されない。ヌクレオチドは、ポリヌクレオチドにおける1つのモノマーである。ヌクレオチド配列は、ポリヌクレオチドにおける塩基の配列を指す。
【0101】
ヌクレオチド配列を記載するために従来の表記が本明細書で使用される:一本鎖ヌクレオチド配列の左側の末端は、5’末端である;二本鎖ヌクレオチド配列の左側方向は、5’方向と称される。生成中のRNA転写産物へのヌクレオチドの5’から3’への付加の方向は、転写方向と称される。mRNAと同じ配列を有するDNA鎖は、「コード鎖」と称される;そのDNAから転写されたmRNAと同じ配列を有するDNA鎖上にあり、かつRNA転写産物の5’末端に対して5’に位置する配列は、「上流配列」と称される;RNAと同じ配列を有するDNA鎖上にあり、かつコードRNA転写産物の3’末端に対して3’にある配列は、「下流配列」と称される。
【0102】
「cDNA」は、一本鎖または二本鎖形態のいずれかのmRNAと相補的または同一であるDNAを指す。
【0103】
コードするは、ヌクレオチド(例えば、rRNA、tRNA及びmRNA)の定義された配列またはアミノ酸の定義された配列のいずれかを有する生物学的プロセスにおける他のポリマー及びマクロ分子の合成のための鋳型として機能するための、ポリヌクレオチド、例えば、遺伝子、cDNA、またはmRNAにおけるヌクレオチドの特定の配列の内在する特性またはそれに起因する生物学的特性を指す。よって、遺伝子は、その遺伝子によって生成されるmRNAの転写及び翻訳が細胞または他の生物学的システムにおいてタンパク質を生成する場合、タンパク質をコードする。コード鎖(そのヌクレオチド配列は、mRNA配列と同一であり、通常は配列表に提供される)、及び遺伝子またはcDNAの転写のための鋳型として使用される非コード鎖はいずれとも、その遺伝子またはcDNAのタンパク質または他の生成物をコードすると称され得る。別途特定されない限り、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」には、互いのバージョンを変性させ、同じアミノ酸配列をコードするすべてのヌクレオチド配列が含まれる。タンパク質及びRNAをコードするヌクレオチド配列には、イントロンが含まれ得る。
【0104】
薬学的に許容可能な担体:使用される薬学的に許容可能な担体は、従来のものである。Remington’s Pharmaceutical Sciences,by E.W.Martin,Mack Publishing Co.,Easton,PA,19th Edition(1995)は、本明細書に開示される融合タンパク質の薬学的送達に好適な組成物及び製剤を記載している。
【0105】
通常、担体の特質は、用いられている特定の投与様式に依存する。例えば、非経口製剤は通常、ビヒクルとして薬学的に及び生理的に許容可能な流体、例えば、水、生理食塩水、平衡化塩溶液、水性デキストロース、グリセロール等を含む注射可能な流体を含む。固体組成物(例えば、粉末、丸剤、錠剤、またはカプセル形態)の場合、従来の非毒性固体担体には、例えば、薬学的グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムが含まれ得る。生物学的に中性の担体に加えて、投与される薬学的組成物は、少量の非毒性補助物質、例えば、浸潤または乳化剤、防腐剤、及びpH緩衝剤等、例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含有し得る。
【0106】
ポリペプチド:モノマーがアミド結合を介して互いに接続されたアミノ酸残基であるポリマー。アミノ酸がアルファ-アミノ酸である場合、L-光学的異性体またはD-光学的異性体のいずれかが使用され得、L-異性体が好ましい。用語「ポリペプチド」または「タンパク質」は、本明細書で使用される場合、任意のアミノ酸配列を包含することが意図され、それには、修飾された配列、例えば、糖タンパク質が含まれる。用語「ポリペプチド」は、天然に存在するタンパク質、ならびに組換え的にまたは合成的に生成されたものを包含することが具体的に意図されている。いくつかの例では、ペプチドは、本明細書に開示されるペプチドの1つ以上である。
【0107】
精製された:用語「精製された」は、絶対純度を必要としない;むしろ、それは、相対的用語として意図される。よって、例えば、精製されたタンパク質調製物は、言及されるタンパク質が、細胞内または生成反応チャンバー内(適切な場合)のその天然環境におけるタンパク質よりも純粋であるものである。
【0108】
組換え:組換え核酸は、天然に存在しない配列を有する、または2つの別途分離された配列のセグメントの人工的組み合わせによって作製された配列を有するものである。この人工的組み合わせは、しばしば、化学的合成によってまたは、より一般的には、核酸の単離されたセグメントの人工操作によって、例えば、遺伝子操作技術によって達成され得る。
【0109】
配列同一性:2つの核酸配列、または2つのアミノ酸配列間の類似性は、別途配列同一性と称される、配列間の類似性の観点から表される。配列同一性は、同一(または類似もしくは相同)パーセンテージの観点から頻繁に測定される;パーセンテージが高いほど、2つの配列が類似する。
【0110】
比較のための配列のアライメントの方法は、当該技術分野でよく知られている。様々なプログラム及びアライメントアルゴリズムが Smith & Waterman Adv.Appl.Math.2:482,1981;Needleman & Wunsch J.Mol.Biol.48:443,1970;Pearson & Lipman Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444,1988;Higgins & Sharp Gene 73:237-244,1988;Higgins & Sharp CABIOS 5:151-153,1989;Corpet et al.Nuc.Acids Res.16,10881-90,1988;Huang et al.Computer Appls.In the Biosciences 8,155-65,1992;及びPearson et al.Meth.Mol.Bio.24,307-31,1994に記載されている。Altschul et al.(J.Mol.Biol.215:403-410,1990)は、配列アライメント方法及び相同性計算の詳細な考慮事項を提示している。
【0111】
NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)(Altschul et al.J.Mol.Biol.215:403-410,1990)は、配列分析プログラムblastp、blastn、blastx、tblastn及びtblastxと組み合わせて使用するために、National Center for Biotechnology Information(NCBI,Bethesda,MD)を含むいくつかのソースから及びインターネット上で利用可能である。
【0112】
機能的に連結された:第1の核酸配列は、第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的に関連して配置されている場合、第2の核酸配列と機能的に連結されている。例えば、プロモーターは、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響を与える場合、機能的に連結されている。通常、機能的に連結されたDNA配列は、連続しており、2つのタンパク質コード領域を接続するために必要な場合、同じリーディングフレームにある。
【0113】
薬学的薬剤:対象または細胞に適切に投与された場合に所望の治療的または予防的効果を誘導することが可能な化学的化合物または組成物。
【0114】
ベクター:宿主細胞に導入され、それにより形質転換された宿主細胞を生成する核酸分子。組換えDNAベクターは、組換えDNAを有するベクターである。ベクターには、宿主細胞において複製を可能とする核酸配列、例えば、複製起点が含まれ得る。ベクターにはまた、1つ以上の選択マーカー遺伝子及び当該技術分野で知られている他の遺伝子的要素が含まれ得る。ウイルスベクターは、1つ以上のウイルスに由来する少なくともいくつかの核酸配列を有する組換えDNAベクターである。ベクターという用語には、プラスミド、線状核酸分子、ならびに至る所で記載されるように、アデノウイルスベクター及びアデノウイルスが含まれる。
【0115】
対象または個体は、哺乳動物、例えば、ヒトを指す。対象は、ヒト患者であり得る。対象は、疾患または病態に罹患している、または罹患していると疑われる患者であり得、処置または診断を必要とし得、または疾患または病態の進行のモニタリングを必要とし得る。患者はまた、有効性についてモニタリングすることが必要な処置療法を受けている場合がある。いくつかの例示的な実施形態では、対象には、アミロイドーシス、例えば、アルツハイマー病、ハンチントンもしくはプリオン病、または軽鎖(AL)アミロイドーシス及び2型糖尿病を有する患者に見られるような末梢アミロイドーシスに罹患している個体が含まれる。
【0116】
好ましくは、同一ではない残基位置は、保存的アミノ酸置換によって異なる。用語「保存的アミノ酸置換」は、同様の側鎖を有する残基の互換性を指す。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸の群は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンであり;脂肪族-ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸の群は、セリン及びトレオニンであり;アミド含有側鎖を有するアミノ酸の群は、アスパラギン及びグルタミンであり;芳香族側鎖を有するアミノ酸の群は、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンであり;塩基性側鎖を有するアミノ酸の群は、リジン、アルギニン、及びヒスチジンであり;硫黄含有側鎖を有するアミノ酸の群は、システイン及びメチオニンである。好ましい保存的アミノ酸置換の群は、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニンバリン、グルタミン酸-アスパラギン酸、及びアスパラギン-グルタミンである。
【0117】
本明細書で論述されるように、抗体または免疫グロブリン分子のアミノ酸配列における小さなバリエーションは、本発明によって包含されるものとして企図され、アミノ酸配列におけるバリエーションが少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、90%、95%、及び最も好ましくは99%を維持することを提供する。特に、保存的アミノ酸置き換えが企図される。保存的置き換えは、それらの側鎖において関連するアミノ酸のファミリー内で生じるものである。遺伝子的にコードされたアミノ酸は通常、次のファミリーに分けられる:(1)酸性アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸であり、(2)塩基性アミノ酸は、リジン、アルギニン、ヒスチジンであり、(3)非極性アミノ酸は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファンであり、(4)非荷電極性アミノ酸は、グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシンである。親水性アミノ酸には、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、セリン、及びトレオニンが含まれる。疎水性アミノ酸には、アラニン、システイン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、チロシン及びバリンが含まれる。アミノ酸の他のファミリーには、(i)脂肪族ヒドロキシファミリーであるセリン及びトレオニン、(ii)アミド含有ファミリーであるアスパラギン及びグルタミン、(iii)脂肪族ファミリーであるアラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシン、及び(iv)芳香族ファミリーであるフェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンが含まれる。例えば、ロイシンとイソロイシンまたはバリンとの、アスパラギン酸とグルタミン酸との、トレオニンとセリンの独立した置き換え、またはアミノ酸と構造的に関連するアミノ酸との同様との置き換えは、特に置き換えがフレームワーク部位内のアミノ酸に関与しない場合、得られる分子の結合または特性に対する主要な効果を有しないであろうということを予測することが妥当である。アミノ酸変化が機能的ペプチドをもたらすかどうかは、ポリペプチド誘導体の特定の活性をアッセイすることによって決定され得、アッセイは、本明細書に詳細に記載されている。抗体または免疫グロブリン分子の断片またはアナログは、当業者によって容易に調製され得る。断片またはアナログの好ましいアミノ及びカルボキシ末端は、機能的ドメインの境界の近くで生じる。構造的及び機能的ドメインは、公共または私有の配列データベースに対するヌクレオチド及び/またはアミノ酸配列データの比較によって同定され得る。好ましくは、既知の構造及び/または機能の他のタンパク質で生じる配列モチーフまたは予測されたタンパク質コンフォメーションドメインを同定するためにコンピューター化された比較方法が使用される。既知の三次元構造にフォールディングするタンパク質配列を同定するための方法は、知られている。(Bowie et al.Science 253:164(1991)。よって、前述の例は、当業者が、本発明に従って構造的及び機能的ドメインを定義するために使用され得る配列モチーフ及び構造的コンフォメーションを認識し得ることを実証する。
【0118】
好ましいアミノ酸置換は、(1)タンパク質分解に対する感受性を低減する、(2)酸化に対する感受性を低減する、(3)タンパク質複合体を形成するための結合親和性を改変する、(4)結合親和性を改変する、及び(4)そのようなアナログの他の物理化学的または機能的特性を付与または修飾するものである。アナログには、天然に存在するペプチド配列以外の配列の様々な変異タンパク質が含まれ得る。例えば、単一のまたは複数のアミノ酸置換(好ましくは保存的アミノ酸置換)は、天然に存在する配列(好ましくは分子間接触を形成するドメイン(複数可)外のポリペプチドの一部分)において行われ得る。保存的アミノ酸置換は、親配列の構造的特徴を実質的に変化させるべきではない(例えば、置き換えアミノ酸は、親配列で生じるヘリックスを破断する傾向がないべきであり、または親配列を特性化する二次構造の他のタイプを破壊するべきではない)。当該技術分野で認識されているポリペプチド二次及び三次構造の例は、Proteins,Structures and Molecular Principles(Creighton,Ed.,W.H.Freeman and Company,New York(1984));Introduction to Protein Structure(C.Branden and J.Tooze,eds.,Garland Publishing,New York,N.Y.(1991));及びThornton et al.Nature 354:105(1991)に記載されている。
【0119】
VHにおけるCDR1を除き、CDRは通常、超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。CDRはまた、抗原を接触させる残基である「特異性決定残基」または「SDR」を含む。SDRは、短縮CDR、またはa-CDRと呼ばれるCDRの領域内に含まれる。例示的なa-CDR(a-CDR-Ll、a-CDR-L2、a-CDR-L3、a-CDR-Hl、a-CDR-H2、及びa-CDR-H3)は、LIの31~34、L2の50~55、L3の89~96、HIの31-35B、H2の50~58、及びH3の95~102のアミノ酸残基で生じる。(Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照されたい)。
【0120】
II.抗体-ペプチド融合タンパク質
本明細書では、アミロイドを標的とする抗体-ペプチド融合タンパク質が提供される。そのような抗体-ペプチド融合タンパク質には、例えば、抗体、その断片、抗原結合(Fab)領域のN末端またはC末端軽鎖タンパク質の伸長により、または抗体の重鎖のN末端またはC末端を介して抗体に連結され、それによりペプチド-抗体融合体を形成するアミロイド反応性ペプチドが含まれ、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。抗体-ペプチド融合タンパク質は、例えば、抗体-ペプチド融合タンパク質を対象に投与することによって、アミロイドーシスを有するまたはアミロイドーシスを有することが疑われる対象を処置するために使用され得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、本明細書では、アミロイド反応性ペプチド;及び貪食を誘導する、またはオプソニンとして作用する抗体を含む抗体-ペプチド融合タンパク質が提供される。いくつかの実施形態では、オプソニンは、標的に結合し、その標的の貪食を誘導するタンパク質である。いくつかの実施形態では、オプソニンは、抗体または抗体-ペプチド融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイドに結合し、アミロイドの貪食を促進することによってオプソニンとして作用する。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のN及び/またはC末端及び/または重鎖のN及び/またはC末端で連結されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、抗体に連結された複数のアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、ペプチドスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のN末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のN末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、重鎖のC末端で連結されている。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体である。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、以下の表1に示されるアミノ酸配列を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド抗体融合体は、NからC末端方向でアミロイド反応性ペプチド、スペーサー、VH、CH1、CH2、及びCH3を順序正しく含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド抗体融合体は、NからC末端方向でVH、CH1、CH2、CH3、スペーサー、及びアミロイド反応性ペプチドを順序正しく含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド抗体融合体は、NからC末端方向でアミロイド反応性ペプチド、スペーサー、VL、及びCLを順序正しく含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド抗体融合体は、NからC末端方向でVL、及びCL、スペーサー、及びアミロイド反応性ペプチドを順序正しく含む軽鎖を含む。
【表2】
【0123】
いかなる特定の理論にも縛られることなく、抗体-ペプチド融合タンパクのアミロイド反応性ペプチドは、対象に投与された場合、抗体-ペプチド融合タンパク質をアミロイド沈着物に標的化すると考えられる。次いでFcドメインがアミロイドの部位で免疫反応を誘発させ、それにより例えば、オプソニン化によってアミロイドの除去をもたらす。また、抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド反応性ペプチド単独よりも長い半減期を有すると考えられる。例えば、ヒトにおけるIgGの循環半減期は、およそ21日である一方で、ヒトにおけるアミロイド反応性ペプチド単独の半減期は、およそ11時間である。よって、Igは、循環における抗体-ペプチド融合タンパク質の半減期を延長させる。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質の半減期は、アミロイド反応性ペプチド単独と比較して約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%またはそれ以上増加する。このように、抗体-ペプチド融合タンパク質は、対象に投与された場合、アミロイド沈着物の部位でより長くその免疫刺激効果を発揮し得、それによりアミロイド沈着物の部位で免疫反応を増加させる。
【0124】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質のアミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13のいずれか1つとして示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%またはそれ以上同一である、例えば、配列番号1~13のいずれか1つとして示されるアミノ酸配列と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、抗体またはその機能的断片に連結されたアミロイド反応性ペプチドは、約10~約55アミノ酸を含み、またはそれからなり得る。本発明のアミロイド反応性ペプチドは、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、または55アミノ酸を含み、またはそれからなり得る。そのようなペプチドは、例えば、国際特許出願WO2016032949及びWall et al.(PLoS One.2013 Jun 4;8(6):e66181)(それらの全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13として示されるアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、95%またはそれを超える配列同一性配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13として示されるアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、95%またはそれを超える配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、1つ以上のアミノ酸置換を含む配列番号1~13として示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号13に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む。
【0125】
抗体またはその断片に結合したアミロイド反応性ペプチドのすべてまたは一部を形成するアミノ酸は、天然に存在するアミノ酸の立体異性体及び修飾物、天然に存在しないアミノ酸、翻訳後に修飾されたアミノ酸、酵素的に合成されたアミノ酸、誘導体化アミノ酸、アミノ酸を模倣するために設計されたコンストラクトまたは構造等であり得る。本発明のペプチドを形成するアミノ酸は、天然に存在するタンパク質に見られる20種の一般的なアミノ酸の1つ以上、または修飾されたアミノ酸及び非通常アミノ酸の1つ以上であり得る。抗体-ペプチド融合タンパク質は、標準的な分子生物学的技術を使用して化学的合成または組換え手段を含む、当業者に知られている任意の技術によって作製され得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、抗体は、表2に示される抗体の1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む。
【表3】
【0127】
特定の実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、抗体を含み、抗体は、(a)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含み、抗体は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0128】
特定の実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、抗体を含み、抗体は、(a)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-Ll、(b)配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLを含み、抗体は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結されている。
【0129】
一実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号16のアミノ酸配列を含むVL及び配列番号15のアミノ酸配列を含むVHを含む抗体を含み、抗体は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。配列番号15及び配列番号16のアミノ酸配列が以下に提供される。
m11-1F4 VH 配列番号15
QVQLKESGPGLVAPSQSLSITCTVSGFSLSSYGVSWVRQPPGKGLEWLGVIWGDGSTNYHPNLMSRLSISKDISKSQVLFKLNSLQTDDTATYYCVTLDYWGQGTSVTVSS
m11-1F4 VL 配列番号16
DVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVHRNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGLYFCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
【0130】
別の態様では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、抗体を含み、抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVH、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-Ll、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVLを含み、抗体は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、表1に列挙されるアミノ酸配列のいずれかを含むアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号1~13のいずれか1つのアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。
【0131】
別の態様では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、抗体を含み、抗体は、配列番号15に示される配列を有するVHのVH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3ならびに配列番号16に示される配列を有するVLのVL CDR1、VL CDR2、及びVLを含み、抗体は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、表1に列挙されるアミノ酸配列のいずれかを含むアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号1~13のいずれかのアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列を含むVHを含む重鎖及び配列番号16のアミノ酸配列を含むVLを含む軽鎖を含む抗体を含み、軽鎖は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、C末端リジン残基を有しない配列番号15のアミノ酸配列を含むVHを含む重鎖、及び配列番号16のアミノ酸配列を含むVLを含み、抗体は、アミロイド反応性ペプチドに連結されている。
【0133】
別の態様では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、表1に列挙されるアミノ酸配列のいずれかを含むアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号1~13のいずれかのアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、抗体軽鎖のN末端もしくはC末端または重鎖のNもしくはC末端に連結されている。いくつかの実施形態では、抗体はまた、アミロイド反応性ペプチドと抗体軽鎖のN末端もしくはC末端または重鎖のNもしくはC末端との間にスペーサーアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、ペプチドスペーサーである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、軟質または硬質である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83及び配列番号86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、軽鎖のC末端に連結されている。いくつかの実施形態では、配列番号2に示されるアミロイド反応性ペプチドは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して軽鎖のC末端に連結されている。
【0134】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列を含むVHを含む重鎖を含む抗体を含み、重鎖は、表1のアミノ酸配列のいずれかを含むアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列を含むVHを含む重鎖を含む抗体を含み、重鎖は、配列番号1のアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列を含むVHを含む重鎖を含む抗体を含み、重鎖は、配列番号2のアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列を含むVHを含む重鎖を含む抗体を含み、重鎖は、配列番号1~13のいずれかのアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0135】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号16のアミノ酸配列を含むVLを含む軽鎖を含む抗体を含み、軽鎖は、表1のアミノ酸配列のいずれかを含むアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号16のアミノ酸配列を含むVLを含む軽鎖を含む抗体を含み、軽鎖は、配列番号1のアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号16のアミノ酸配列を含むVLを含む軽鎖を含む抗体を含み、軽鎖は、配列番号2のアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号16のアミノ酸配列を含むVLを含む軽鎖を含む抗体を含み、軽鎖は、配列番号1~13のいずれかのアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0136】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列を含むVHを含む重鎖及び配列番号16のアミノ酸配列を含むVLを含む軽鎖を含む抗体を含み、軽鎖は、表1のアミノ酸配列のいずれかを含むアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0137】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列を含むVHを含む重鎖及び配列番号16のアミノ酸配列を含むVLを含む軽鎖を含む抗体を含み、軽鎖は、配列番号1のアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、N末端で軽鎖に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、C末端で軽鎖に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0138】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列を含むVHを含む重鎖及び配列番号16のアミノ酸配列を含むVLを含む軽鎖を含む抗体を含み、軽鎖は、配列番号2のアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、N末端で軽鎖に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、C末端で軽鎖に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0139】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列を含むVHを含む重鎖及び配列番号16のアミノ酸配列を含むVLを含む軽鎖を含む抗体を含み、軽鎖は、配列番号1~13のいずれかのアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドに連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、N末端で軽鎖に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、C末端で軽鎖に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0140】
また、本明細書では、アミロイド反応性ペプチドに融合されたヒトアミロイドフィブリルに結合するヒト化抗体を含む抗体-ペプチド融合タンパク質が提供される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、本明細書に記載されるヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、m11-1F4に由来するヒト化VH及び/またはVL配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、国際出願番号PCT/US2020/060596(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるヒト化抗体を含む。ヒト化VH及びVL領域の例示的なアミノ酸配列が以下の表3~4に提供される。表3~4では、CDR配列は、下線が引かれており、逆変異残基ならびにヒト化バリアントVL4及びVH9に導入されたさらなる変異は、太字かつイタリック体である。VL4及びVH9に導入されたさらなる変異が表3~4のIgG欄に列挙されている;これらの変異は、VLまたはVHのN末端に対して付番されている。修飾されたCDRを有するVL4及びVH9のバリアントについてのCDRアミノ酸配列は、以下のVL4及びVH9と比較して表5及び表6に提示されている。

【表4】

【表5-1】
【表5-2】
【表6】
【表7】
【0141】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、軽鎖可変領域(VL)及び重鎖可変領域(VH)を含むヒト化抗体を含み、VLは、配列番号20に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号18に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、表2に示される抗体の1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、配列番号15に示される配列を有するVHのCDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3、ならびに配列番号16に示される配列を有するVLのCDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0142】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、軽鎖可変領域(VL)及び重鎖可変領域(VH)を含むヒト化抗体を含み、VLは、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号20に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、VHは、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号18に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する、表2に示される抗体の1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号15に示される配列を有するVHのCDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3、ならびに1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号16に示される配列を有するVLのCDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0143】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64~70に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号18に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒト化抗体を含み、ヒト化抗体は、配列番号20に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0144】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64~70からなる群から選択されるアミノ酸配列アミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0145】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64~70からなる群から選択されるアミノ酸配列アミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号72に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0146】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64~70からなる群から選択されるアミノ酸配列アミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0147】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64~70からなる群から選択されるアミノ酸配列アミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号74に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0148】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64~70からなる群から選択されるアミノ酸配列アミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号75に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0149】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64~70からなる群から選択されるアミノ酸配列アミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号76に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0150】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64~70からなる群から選択されるアミノ酸配列アミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号77に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0151】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64~70からなる群から選択されるアミノ酸配列アミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号78に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0152】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64~70からなる群から選択されるアミノ酸配列アミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号79に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0153】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64~70からなる群から選択されるアミノ酸配列アミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号80に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0154】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64~70からなる群から選択されるアミノ酸配列アミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号81に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0155】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0156】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号65に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0157】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号66に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0158】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号67に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0159】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号68に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0160】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0161】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号70に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0162】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含むVL、ならびに配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83及び配列番号86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して配列番号2に示されるアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、全長抗体である。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、IgG1アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、抗体ペプチド融合タンパク質は、NからC末端までVL、CL、スペーサー、及びアミロイド反応性ペプチドを順序正しく含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して軽鎖のC末端に融合されている。
【0163】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、表3に示されるVLのアミノ酸配列を含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒト化抗体を含み、ヒト化抗体は、表3に示されるVL2、VL3、VL4、VL4-N33S、VL4-N33Q、VL4-N33E、VL4-N33A、VL4-N33H、VL4-G34A、またはVL4-G34Vからなる群から選択されるVLを含む。いくつかの実施形態では、VLは、配列番号32~42からなる群に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0164】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、表4に示されるVHのアミノ酸配列を含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒト化抗体を含み、ヒト化抗体は、表4に示されるように、VH2、VH3、VH4、VH5、VH6、VH7、VH8、VH9、VH10、VH9-D54S、VH9-D54Q、VH9-D54E、VH9-D54A、VH9-D54H、VH9-G55A、VH9-G55V、VH9-M64V、VH9-M64I、VH9-M64L、またはVH9-M64Aからなる群から選択されるVHを含む。いくつかの実施形態では、VHは、配列番号43~63からなる群に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号43~63からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号33に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号43~63からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号34に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号43~63からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号43~63からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号36に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号43~63からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号37に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号43~63からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号38に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号43~63からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号39に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号43~63からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号40に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号43~63からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号43~63からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号42に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号43~63からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号43に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号44に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号45に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号46に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0180】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号47に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号48に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号49に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号50に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号51に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号52に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号53に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号54に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号55に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0189】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号56に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号57に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号58に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0192】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号59に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号60に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0194】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号61に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号62に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0196】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号32~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号63に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0197】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号34に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号48に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号51に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0199】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号52に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0200】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号50に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号49に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0202】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号36に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号55に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、スペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して軽鎖のC末端に融合されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83及び配列番号86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して配列番号2に示されるアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。
【0203】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、表3に示されるVL4のVL、及び表4に示されるVH9のVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号51に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、表3に示されるVL4-N33SのVL、及び表4に示されるVH9-D54EのVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号36に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号55に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、表3に示されるVL3のVL、及び表4に示されるVH6のVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号34に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号48に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0206】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、表3に示されるVL4のVL、及び表4に示されるVH10のVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号52に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、表3に示されるVL4のVL、及び表4に示されるVH8のVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号50に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、表3に示されるVL4のVL、及び表4に示されるVH7のVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むVL、及び配列番号69に示されるアミノ酸配列を含むVHを含むヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗体を含む抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、表1に示されるペプチドのうちの1つ以上を含む。所定のいくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒト化抗体を含み、ヒト化抗体は、軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、軽鎖のN末端に融合されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、軽鎖のC末端に融合されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒト化抗体を含み、ヒト化抗体は、軽鎖を含み、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーによって軽鎖のN末端に融合されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒト化抗体を含み、ヒト化抗体は、軽鎖を含み、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーによって軽鎖のC末端に融合されている。いくつかの実施形態では、スペーサーは、ペプチドスペーサーである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、軟質スペーサーである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、グリシン及びセリン残基を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、アミノ酸配列GGGYSを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号27に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、硬質スペーサーである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、非荷電である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83~86に示されるアミノ酸配列を含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒト化抗体を含み、ヒト化抗体は、軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、重鎖のN末端に融合されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、重鎖のC末端に融合されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒト化抗体を含み、ヒト化抗体は、重鎖を含み、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーによって重鎖のN末端に融合されている。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒト化抗体を含み、ヒト化抗体は、重鎖を含み、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーによって重鎖のC末端に融合されている。いくつかの実施形態では、スペーサーは、ペプチドスペーサーである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、軟質スペーサーである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、硬質スペーサーである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、非荷電である。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。
【0210】
所定の実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質には、軽鎖のCまたはN末端または重鎖のCまたはN末端とアミロイド反応性ペプチドとの間にアミノ酸のスペーサー配列が含まれ得る。所定の実施形態では、ペプチド-Igコンジュゲートには、ペプチドのN末端と、試薬を発現する細胞からのIg-ペプチドの分泌のために必要とされるリーダー配列との間にアミノ酸のスペーサー配列が含まれ得る。いくつかの実施形態では、スペーサーは、軟質スペーサーである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、硬質スペーサーペプチドである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、非荷電である。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、約3~約55アミノ酸を含み、またはそれからり得る。本発明のスペーサーペプチドは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、または55アミノ酸を含み、またはそれからなり得る。本明細書で使用される場合、核酸配列またはアミノ酸配列は、そのような核酸配列またはアミノ酸配列が配列において互いに近接している場合、別の核酸配列またはアミノ酸配列と「隣接」している。例えば、2つの核酸配列は、本明細書に記載されるように互いに隣接し得るが、依然として介在スペーサー配列を含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、以下の表9に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83~86に示されるアミノ酸配列を含む。

【表8】
【0211】
いくつかの実施形態では、表1に示されるペプチドの1つ以上は、軽鎖タンパク質のCまたはN末端または重鎖のCまたはN末端を介してヒト化抗体またはその機能的断片に連結され得、それにより、ヒト化抗体を含む抗体-ペプチド融合タンパク質を形成する。すなわち、以下の表1に特定される配列のいずれかは、抗体-ペプチド融合タンパク質を形成するために、独立してまたは同時にヒト化抗体またはその機能的断片の重鎖または軽鎖に連結され得る。例えば、アミロイド反応性ペプチドの2つは、例えば、アミロイド反応性ペプチドアミノ酸配列をヒト化抗体軽鎖のN末端に連結させること、またはアミロイド反応性ペプチドアミノ酸配列をヒト化抗体軽鎖のC末端に接続させることによって単一の抗体と連結され得る。
【0212】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、軽鎖定常領域(例えば、CL1を含む)をさらに含む軽鎖を含み、重鎖定常領域(例えば、CH1、CH2、及びCH3を含む)を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、2つの軽鎖及び2つの重鎖を含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、アミロイド反応性ペプチド及び軽鎖を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖は、NからC末端まで、VL及びCL1を含む。いくつかの実施形態では、VLは、本明細書に記載のVLのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、VHは、本明細書に記載のVHのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、N末端からC末端方向で、アミロイド反応性ペプチド、スペーサー、可変軽鎖領域、及び定常軽鎖領域を含む第1及び第2の軽鎖、ならびに、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む第1及び第2の重鎖を含み、第1及び第2の重鎖のCH2及びCH3は、二量体を形成する。
【0214】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、軽鎖及びアミロイド反応性ペプチドを含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖は、NからC末端まで、VL及びCL1を含む。いくつかの実施形態では、VLは、本明細書に記載のVLのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、VHは、本明細書に記載のVHのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、N末端からC末端方向で、可変軽鎖領域、定常軽鎖領域、スペーサー、及びアミロイド反応性ペプチドを含む第1及び第2の軽鎖、ならびに、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む第1及び第2の重鎖を含み、第1及び第2の重鎖のCH2及びCH3は、二量体を形成する。
【0215】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、アミロイド反応性ペプチド、スペーサーペプチド、及び軽鎖を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、配列番号27のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、配列番号83~86のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖は、NからC末端まで、VL及びCL1を含む。いくつかの実施形態では、VLは、本明細書に記載のVLのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、VHは、本明細書に記載のVHのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、アミロイド反応性ペプチド、スペーサー、VL、及びCL1を含む第1及び第2の軽鎖、ならびに、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む第1及び第2の重鎖を含み、第1及び第2の重鎖のCH2及びCH3は、二量体を形成する。
【0216】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、軽鎖、スペーサーペプチド、及びアミロイド反応性ペプチドを含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、配列番号27のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、配列番号83~86のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖は、NからC末端まで、VL及びCL1を含む。いくつかの実施形態では、VLは、本明細書に記載のVLのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、VHは、本明細書に記載のVHのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VL、CL1、スペーサー、及びアミロイド反応性ペプチドを含む第1及び第2の軽鎖、ならびに、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む第1及び第2の重鎖を含み、第1及び第2の重鎖のCH2及びCH3は、二量体を形成する。
【0217】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、分泌リーダーペプチド、第1のスペーサーペプチド、アミロイド反応性ペプチド、第2のスペーサーペプチド、及び軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、第1のスペーサーペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のスペーサーペプチドは、配列番号27のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第2のスペーサーペプチドは、配列番号24のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2のスペーサーペプチドは、配列番号83~86のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖は、NからC末端まで、VL及びCL1を含む。いくつかの実施形態では、VLは、本明細書に記載のVLのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、VHは、本明細書に記載のVHのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、VHは、本明細書に記載のVHのいずれか1つである。
【0218】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、分泌リーダーペプチド、第1のスペーサーペプチド、軽鎖、第2のスペーサーペプチド、及びアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、第1のスペーサーペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のスペーサーペプチドは、配列番号27のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第2のスペーサーペプチドは、配列番号24のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2のスペーサーペプチドは、配列番号83~86のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖は、NからC末端まで、VL及びCL1を含む。いくつかの実施形態では、VLは、本明細書に記載のVLのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、VHは、本明細書に記載のVHのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、VHは、本明細書に記載のVHのいずれか1つである。
【0219】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VL及びCL1を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、VLは、本明細書に記載のVLのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、アミロイド反応性ペプチド、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、VHは、本明細書に記載のVHのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VL、及びCL1を含む第1及び第2の軽鎖、ならびに、NからC末端まで、アミロイド反応性ペプチド、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む第1及び第2の重鎖を含み、第1及び第2の重鎖のCH2及びCH3は、二量体を形成する。
【0220】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VL及びCL1を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、VLは、本明細書に記載のVLのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、CH3、及びアミロイド反応性ペプチドを含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、VHは、本明細書に記載のVHのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VL、及びCL1を含む第1及び第2の軽鎖、ならびに、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、CH3、及びアミロイド反応性ペプチドを含む第1及び第2の重鎖を含み、第1及び第2の重鎖のCH2及びCH3は、二量体を形成する。
【0221】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VL及びCL1を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、VLは、本明細書に記載のVLのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、アミロイド反応性ペプチド、スペーサーペプチド、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、配列番号27のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、配列番号83~86のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHは、本明細書に記載のVHのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VL、及びCL1を含む第1及び第2の軽鎖、ならびに、NからC末端まで、アミロイド反応性ペプチド、スペーサー、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む第1及び第2の重鎖を含み、第1及び第2の重鎖のCH2及びCH3は、二量体を形成する。
【0222】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VL及びCL1を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、VLは、本明細書に記載のVLのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、CH3、スペーサーペプチド、及びアミロイド反応性ペプチドを含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、配列番号27のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーペプチドは、配列番号83~86のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHは、本明細書に記載のVHのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VL、及びCL1を含む第1及び第2の軽鎖、ならびに、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、CH3、スペーサー、及びアミロイド反応性ペプチドを含む第1及び第2の重鎖を含み、第1及び第2の重鎖のCH2及びCH3は、二量体を形成する。
【0223】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、アミロイド反応性ペプチド、スペーサーペプチド、及び軽鎖を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖は、配列番号36のアミノ酸配列を含むVLを含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、VH、CH1、CH2、及びCH3を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、重鎖は、配列番号55のアミノ酸配列を含むVHを含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号87に示されるアミノ酸を含む軽鎖、及び配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の軽鎖のN末端に連結されたアミロイド反応性ペプチドを含む第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド、ならびにヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の重鎖を含む第3及び第4のポリペプチドを含み、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号87に示されるアミノ酸を含み、第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、図1に示される構造を含む。
【0224】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、重鎖、スペーサーペプチド、及びアミロイド反応性ペプチドを含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖は、配列番号36のアミノ酸配列を含むVLを含む。いくつかの実施形態では、重鎖は、配列番号55のアミノ酸配列を含むVHを含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号88に示されるアミノ酸を含む軽鎖、及び配列番号92に示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の軽鎖を含む第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド、ならびにヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の重鎖のC末端に連結されたアミロイド反応性ペプチドを含む第3及び第4のポリペプチドを含み、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号88に示されるアミノ酸を含み、第3及び第4のポリペプチドは、配列番号92に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、図2に示される構造を含む。
【0225】
いくつかの実施形態では、抗体ペプチド融合体は、N末端からC末端方向で可変軽鎖領域、定常軽鎖領域、スペーサー、及びアミロイド反応性ペプチドを含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖は、配列番号36のアミノ酸配列を含むVLを含む。いくつかの実施形態では、重鎖は、配列番号55のアミノ酸配列を含むVHを含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号89に示されるアミノ酸を含む軽鎖、及び配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の軽鎖のC末端に連結されたアミロイド反応性ペプチドを含む第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド、ならびにヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の重鎖を含む第3及び第4のポリペプチドを含み、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号89に示されるアミノ酸を含み、第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、図3に示される構造を含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、NからC末端まで、軽鎖、スペーサーペプチド、及びアミロイド反応性ペプチドを含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号86のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖は、配列番号36のアミノ酸配列を含むVLを含む。いくつかの実施形態では、重鎖は、配列番号55のアミノ酸配列を含むVHを含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号90に示されるアミノ酸を含む軽鎖、及び配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の軽鎖のC末端に連結されたアミロイド反応性ペプチドを含む第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド、ならびにヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の重鎖を含む第3及び第4のポリペプチドを含み、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号90に示されるアミノ酸を含み、第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、図4に示される構造を含む。
【0227】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイドフィブリルに結合する抗体であって、抗体の軽鎖をそれぞれ含む第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド、ならびに抗体の重鎖をそれぞれ含む第3及び第4のポリペプチドを含む、抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、軽鎖または重鎖のN末端またはC末端に連結されたアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号87に示されるアミノ酸を含み、第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号88に示されるアミノ酸を含み、第3及び第4のポリペプチドは、配列番号92に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号89に示されるアミノ酸を含み、第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号90に示されるアミノ酸を含み、第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介してアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して配列番号2に示されるアミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)を含み、VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含み、VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、抗体ペプチド融合体は、N末端からC末端方向で可変軽鎖領域、定常軽鎖領域、スペーサー、及びアミロイド反応性ペプチドを含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む。
【0229】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド沈着物またはフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイドにおける1つ以上のアミロイド形成ペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質が結合するアミロイドは、アミロイド形成λ6可変ドメインタンパク質(Vλ6Wil)またはアミロイド形成免疫グロブリン軽鎖(AL)、Aβ(1-40)アミロイド様フィブリルまたはアミロイド形成Aβ前駆体タンパク質、または血清アミロイドタンパク質A(AA)を含む。他の実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質が結合するアミロイドは、アミロイド形成形態の免疫グロブリン重鎖(AH)、β-ミクログロブリン(AβM)、トランスチレチンバリアント(ATTR)、アポリポタンパク質AI(AApoAI)、アポリポタンパク質AII(AApoAII)、ゲルソリン(AGel)、リゾチーム(ALys)、白血球化学走化性因子(ALect2)、フィブリノゲンバリアント(AFib)、シスタチンバリアント(ACys)、カルシトニン(ACal)、ラクトアドヘリン(AMed)、膵島アミロイドポリペプチド(AIAPP)、プロラクチン(APro)、インスリン(AIns)、プリオンタンパク質(APrP);α-シヌクレイン(AαSyn)、タウ(ATau)、心房性ナトリウム利尿因子(AANF)、またはIAAP、ALκ4、ALλ1他のアミロイド形成ペプチドを含む。抗体-ペプチド融合タンパク質が結合するアミロイド形成ペプチドは、タンパク質、タンパク質断片、またはタンパク質ドメインであり得る。いくつかの実施形態では、アミロイド沈着物またはアミロイドフィブリルは、組換えアミロイド形成タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アミロイドは、疾患の病理の一部である。
【0230】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、アミロイド軽鎖フィブリルに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、様々なアミロイドフィブリル、例えば、アミロイド形成λ6可変ドメインタンパク質(Vλ6Wil)またはアミロイド形成免疫グロブリン軽鎖(AL)、Aβ(1-40)アミロイド様フィブリルまたはアミロイド形成Aβ前駆体タンパク質、または血清アミロイドタンパク質A(AA)に結合する。他の実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質が結合するアミロイドは、アミロイド形成形態の免疫グロブリン重鎖(AH)、β-ミクログロブリン(AβM)、トランスチレチンバリアント(ATTR)、アポリポタンパク質AI(AApoAI)、アポリポタンパク質AII(AApoAII)、ゲルソリン(AGel)、リゾチーム(ALys)、白血球化学走化性因子(ALect2)、フィブリノゲンバリアント(AFib)、シスタチンバリアント(ACys)、カルシトニン(ACal)、ラクトアドヘリン(AMed)、膵島アミロイドポリペプチド(AIAPP)、プロラクチン(APro)、インスリン(AIns)、プリオンタンパク質(APrP);α-シヌクレイン(AαSyn)、タウ(ATau)、心房性ナトリウム利尿因子(AANF)、またはIAAP、ALκ4、ALλ1他のアミロイド形成ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、ヘパラン硫酸グリコサミノグリカンに結合する。
【0231】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド沈着物またはフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、アミロイド沈着物またはフィブリルは、1つ以上の器官に位置する。いくつかの実施形態では、アミロイド沈着物は、1つ以上の組織タイプに位置する。いくつかの実施形態では、アミロイド沈着物またはフィブリルは、肝臓、脾臓、心臓、腎臓、脳、筋肉、膵臓、胃、上部腸、下部腸、及び血液のうちの1つ以上に位置する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の器官または組織タイプに位置するアミロイド沈着物またはフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、汎アミロイド反応性を示す。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、肝臓、脾臓、心臓、腎臓、脳、筋肉、膵臓、胃、上部腸、下部腸、及び/または血液に位置するアミロイド沈着物またはフィブリルに対する反応性を示す。
【0232】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、抗体ペプチド融合体は、N末端からC末端方向で可変軽鎖領域、定常軽鎖領域、スペーサー、及びアミロイド反応性ペプチドを含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)を含み、VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含み、VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、汎アミロイド反応性を示す。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、肝臓、脾臓、心臓、腎臓、脳、筋肉、膵臓、胃、上部腸、下部腸、及び/または血液に位置するアミロイド沈着物またはフィブリルに対する反応性を示す。
【0233】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質は、高い結合親和性でアミロイド沈着物またはフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質は、高い結合親和性でアミロイド基質に結合する。いくつかの実施形態では、結合親和性は、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、50nM、40nM、30nM、20nM、10nM、5nM、4nM、3nM、2nM、または1.5nM未満である。いくつかの実施形態では、結合親和性は、500nM未満である。いくつかの実施形態では、結合親和性は、100nM未満である。いくつかの実施形態では、結合親和性は、10nM未満である。いくつかの実施形態では、結合親和性は、1.5nM未満である。いくつかの実施形態では、結合親和性は、0.05nM~100nM、0.1nM~50nM、0.2nM~25nM、0.3nM~10nM、0.4nM~5nM、0.5nM~2nM、0.6nM~1nM、または0.2nM~1.5nMである。いくつかの実施形態では、結合親和性は、異なるアミロイド基質について同じまたは異なる。いくつかの実施形態では、結合親和性は、ヒトアミロイド基質について同じまたは異なる。いくつかの実施形態では、結合親和性は、合成アミロイド基質について同じまたは異なる。
【0234】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)を含み、VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含み、VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質は、EC50結合親和性によって表される結合親和性でアミロイド沈着物またはフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質は、EC50結合親和性によって表される結合親和性でアミロイド基質に結合する。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、50nM、40nM、30nM、20nM、10nM、5nM、4nM、3nM、2nM、または1.5nM未満である。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、10nM未満である。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、1.5nM未満である。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、異なるアミロイド基質について同じまたは異なる。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、ヒトアミロイド基質について同じまたは異なる。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、合成アミロイド基質について同じまたは異なる。
【0235】
当業者が理解するように、断片抗原結合(またはFab領域)は、標的抗原と自然に相互作用する抗体の頭部である。Fab領域の成分により、例えば、抗体は、特定のリガンドに結合し、その相互作用を介して、免疫系をさらに活性化することが可能となる。IgG、IgA、IgD、IgE、及びIgM抗体アイソタイプの場合、Igは、2つの重鎖及び2つの軽鎖を含むインタクトIgを形成するために対で相互作用する2つのタンパク質、すなわち、重鎖及び軽鎖から構成される。重鎖及び軽鎖の両方は、可変ドメイン及び定常ドメイン(Fab機能性領域を含む軽及び重可変ドメインならびに細胞受容体及び補体と相互作用するフラグメント結晶化可能(Fc)ドメインを形成する重鎖)にさらに分けられる。IgのFc領域は、高度に保存されたN-グリコシル化部位を保有する。
【0236】
所定の例示的な実施形態では、以下の表1に示されるペプチドの1つ以上が、軽鎖タンパク質のCまたはN末端または重鎖のCまたはN末端を介して抗体またはその機能的断片に連結され得、それにより抗体-ペプチド融合タンパク質を形成する。すなわち、表1において以下に特定される配列のいずれかが、抗体またはその機能的断片の重鎖または軽鎖に独立して、または同時に連結されてペプチド-抗体コンジュゲートが形成され得る。例えば、そのアミロイド反応性ペプチドのうちの2つが、アミロイド反応性ペプチドアミノ酸配列をIg軽鎖タンパク質のN末端に接続させること等によって、単一の抗体と連結され得る。
【0237】
所定の例示的な実施形態では、組換えDNA技術が用いられ得、その場合、本発明のペプチドをコードするヌクレオチド配列がクローニングされ、発現ベクター内にIg軽鎖に融合され、適切な宿主細胞に形質転換またはトランスフェクションされ、発現のために好適な条件下で培養される。次いでペプチド-Ig軽鎖融合体が単離される。有利には、また、当業者が本開示の観点から理解するように、本明細書に記載の方法は、任意のペプチド配列を抗体に接続するために使用され得る。すなわち、アミロイド反応性ペプチドは、抗体に連結されたペプチドの例として使用されるが、ペプチドを抗体(例えば、軽鎖タンパク質のN及び/またはC末端及び/またはIg重鎖タンパク質のN及び/またはC末端)に連結させる方法は、多様な異なるペプチドを抗体に接続するために使用され得る。
【0238】
所定の例示的な実施形態では、複数の同じまたは異なるペプチドが、単一の抗体またはその機能的断片に連結され得る。例えば、第1の発現ベクターには、ペプチドAが軽鎖タンパク質のN末端に連結されたものとして発現するように、ベクター内に位置するペプチドAのための核酸配列と共に、ペプチドAをコードする核酸配列と統合された軽鎖核酸配列が含まれ得る。さらに、第2の発現ベクターには、ペプチドBが軽鎖タンパク質のN末端に連結されたものとして発現するように、ベクター内に位置するペプチドBのための核酸配列と共に、ペプチドBをコードする核酸配列と統合された重鎖核酸配列が含まれ得る。
【0239】
そのような例示的な実施形態では、両方の発現ベクターが同じ細胞内で発現する場合、得られるIgタンパク質は、各軽鎖のN末端上に1つのペプチドA配列(合計で2つのペプチドA)及び重鎖のN末端上にペプチドBを有し得る。所定の例示的な実施形態では、ベクターには、C末端上にペプチドCが含まれ得、それにより2つのペプチドA配列(各軽鎖上に1つ)、重鎖のN末端上にペプチドB配列、及び重鎖のC末端に連結されたペプチドC配列を有する抗体をもたらす。このように、また、当業者が本開示に基づいて理解するように、発現ベクターは、タンパク質の同じまたは異なる組み合わせを有するように免疫グロブリンを修飾するために調整され得る。アミロイド反応性ペプチドを使用する特定の例として、抗体-ペプチド融合タンパク質には、2つのp5タンパク質配列(配列番号1)(すなわち、各軽鎖N末端上に1つ)が含まれ得る。他の例示的な実施形態では、免疫グロブリンに連結されたペプチドは、リガンドに対する親和性を有し得、これによりリガンドを検出するために使用され得る。
【0240】
いくつかの実施形態では、本開示のヒト化抗体を含む抗体-ペプチド融合タンパク質は、Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、Fcは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプのものである。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体を含む抗体-ペプチド融合タンパク質は、Fc媒介抗体エフェクター機能を促進する。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体を含む抗体-ペプチド融合タンパク質は、抗体依存性細胞貪食を促進する。
【0241】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約100、10、1、0.1、0.01μM未満である解離定数(Kd)でヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、75、または100μM(これらの値の間の任意の値または範囲を含む)であるKdでヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、500、100、10、または1nM未満であるKdでヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、250、500、750、1000、2000、または2200nM未満であるKdでヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、250、500、750、1000、2000、または2200nM(これらの値の間の任意の値または範囲を含む)であるKdでヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約40~50nMであるKdでヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、40~50nMであるKdでヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、50nM未満であるKdでヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒトアミロイドフィブリルに結合するc11-1F4のKd未満であるKdでヒトアミロイドフィブリルに結合する。
【0242】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約0.01、0.1、または1μM未満である抗体の濃度(EC50)で半数最大結合でヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約0.001、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10μM(これらの値の間の任意の値または範囲を含む)である抗体の濃度(EC50)で半数最大結合でヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約1、10、100、または1000nM未満である抗体の濃度(EC50)で半数最大結合でヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、100、250、500、750、または1000nM(これらの値の間の任意の値または範囲を含む)である抗体の濃度(EC50)で半数最大結合でヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約17nM、7nM、16nM、75nM、または95nMである抗体の濃度(EC50)で半数最大結合でヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約10nM、20nM、80nM、または100nM未満である抗体の濃度(EC50)で半数最大結合でヒトアミロイドフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒトアミロイドフィブリルに結合するc11-1F4のEC50未満である抗体の濃度(EC50)で半数最大結合でヒトアミロイドフィブリルに結合する。
【0243】
解離定数及びEC50を計算するための方法は、当該技術分野で知られており、例えば、表面プラズモン共鳴及びユーロピウム結合免疫吸着アッセイ(EuLISA)を含む。いくつかの実施形態では、解離定数は、例えば、表面プラズモン共鳴を使用して、Len(1-22)モノマーペプチドへの結合を測定することによって決定される。いくつかの実施形態では、EC50は、EuLISAを使用して決定される。いくつかの実施形態では、EC50は、rVλ6Wilフィブリル、Per125 wtATTR抽出物、Ken ATTR抽出物、SHI ALλ肝臓抽出物、またはTAL ALκ肝臓抽出物への結合のレベルを測定するためにEuLISAを使用して決定される。
【0244】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識にコンジュゲートされている。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、放射性核種(例えば、I-125、I-123、I-124、I-131、Zr-89、Tc-99m、Cu-64、Br-76、F-18);酵素(ホースラディッシュペルオキシダーゼ);ビオチン;及びフルオロフォア等からなる群から選択される。タンパク質を検出可能に標識するために当該技術分野で知られている任意の手段が使用され、及び/または本明細書に記載の方法と共に使用するために適応され得る。例えば、抗体-ペプチド融合タンパク質は、放射性同位体で放射性標識され、または蛍光タグまたは化学発光タグで標識され得る。例示的な放射性同位体には、例えば、18F、111In、99mTc、及び123I、及び125Iが含まれる。これらの及び他の放射性同位体は、例えば、抗体-ペプチド融合タンパク質の軽鎖タンパク質に共有結合的に連結されたDTPAまたはDOTA等のキレート剤の使用を伴う場合があり、または伴わない場合があるよく知られている化学を使用して抗体-ペプチド融合タンパク質に結合され得る。例示的な蛍光または化学発光タグには、リジン、システイン、グルタミン酸、及びアスパラギン酸側鎖との反応によって抗体-ペプチド融合タンパク質にコンジュゲートされ得るフルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、Alexa色素、及びルシフェラーゼが含まれる。1つの例示的な実施形態では、標識は、使用されるタグのために適切な励起及び放出波長を使用して、蛍光マイクロプレートリーダー、または蛍光光度計を使用して検出される。放射性標識は、例えば、放射性放出のタイプに応じてガンマまたはシンチレーションカウンターを使用して、また、特定の放射性核種の正確な検出のために好適なエネルギーウインドウを使用することによって検出され得る。しかしながら、放射性同位体の検出のための任意の他の好適な技術もまた、標識を検出するために使用され得る。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、125Iである。
【0245】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、rVλ6Wilフィブリル、Per125 wtATTR抽出物、KEN hATTR抽出物、SHI ALλ肝臓抽出物、及び/またはTAL ALκ肝臓抽出物に結合する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド沈着物またはフィブリルに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイドにおける1つ以上のアミロイド形成ペプチドに結合する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質が結合するアミロイドは、アミロイド形成λ6可変ドメインタンパク質(Vλ6Wil)またはアミロイド形成免疫グロブリン軽鎖(AL)、Aβ(1-40)アミロイド様フィブリルまたはアミロイド形成Aβ前駆体タンパク質、または血清アミロイドタンパク質A(AA)を含む。他の実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質が結合するアミロイドは、アミロイド形成形態の免疫グロブリン重鎖(AH)、β-ミクログロブリン(AβM)、トランスチレチンバリアント(ATTR)、アポリポタンパク質AI(AApoAI)、アポリポタンパク質AII(AApoAII)、ゲルソリン(AGel)、リゾチーム(ALys)、白血球化学走化性因子(ALect2)、フィブリノゲンバリアント(AFib)、シスタチンバリアント(ACys)、カルシトニン((ACal)、ラクトアドヘリン(AMed)、膵島アミロイドポリペプチド(AIAPP)、プロラクチン(APro)、インスリン(AIns)、プリオンタンパク質(APrP);α-シヌクレイン(AαSyn)、タウ(ATau)、心房性ナトリウム利尿因子(AANF)、またはIAAP、ALκ4、Alλ1他のアミロイド形成ペプチドを含む。抗体-ペプチド融合タンパク質が結合するアミロイド形成ペプチドは、タンパク質、タンパク質断片、またはタンパク質ドメインであり得る。いくつかの実施形態では、アミロイド沈着物またはアミロイドフィブリルは、組換えアミロイド形成タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アミロイドは、疾患の病理の一部である。
【0246】
いくつかの実施形態では、ヒトアミロイドへの抗体-ペプチド融合タンパク質の結合は、ヒトアミロイドフィブリルの貪食を促進する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒトアミロイドフィブリルをオプソニン化する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、rVλ6Wilフィブリルをオプソニン化する。いくつかの実施形態では、マクロファージの存在下でヒトアミロイドフィブリルを本開示の抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることは、マクロファージによるヒトアミロイドフィブリルの取り込みを促進する。いくつかの実施形態では、マクロファージの存在下でヒトアミロイドフィブリルを本開示の抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることは、ヒトアミロイドフィブリルのオプソニン化を促進する。いくつかの実施形態では、ヒトアミロイドフィブリルへの抗体-ペプチド融合タンパク質の結合は、ヒトアミロイドの貪食を、対照抗体(例えば、hIgG及び/またはc11-1F4)と同等またはそれよりも高い程度まで促進する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、抗体依存性細胞貪食を促進する。
【0247】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、参照抗体と比較して改善された生体内分布、汎アミロイド反応性、及び向上した貪食から選択される1つ以上のin vivo特徴を示す。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、参照抗体と比較して改善された生体内分布を示し、抗体-ペプチド融合タンパク質は、身体にわたって器官において検出可能である。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、改善された生体内分布を示し、抗体-ペプチド融合タンパク質は、肝臓、脾臓、心臓、腎臓、脳、筋肉、膵臓、胃、上部腸、下部腸、及び血液のうちの1つ以上において検出可能である。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、参照抗体と比較して汎アミロイド反応性を示し、抗体-ペプチド融合タンパク質は、in vivoで1つ以上の異なるアミロイド基質に対する反応性を示す。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、肝臓、脾臓、心臓、腎臓、脳、筋肉、膵臓、胃、上部腸、下部腸、及び血液におけるアミロイド基質に対して反応性である。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、参照抗体と比較して向上した貪食を示し、in vivoでアミロイド基質を抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることは、増加したレベルの貪食をもたらす。いくつかの実施形態では、in vivoでアミロイド基質を抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることは、アミロイド基質のクリアランスをもたらす。いくつかの実施形態では、in vivoでアミロイド基質を抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることは、アミロイド基質の向上した貪食及びクリアランスをもたらす。いくつかの実施形態では、in vivoでアミロイド基質を抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることは、アミロイド関連障害を有する個体のための治療的利益をもたらす。いくつかの実施形態では、参照抗体は、アミロイド基質を結合させるように操作されていない。いくつかの実施形態では、参照抗体は、アミロイド反応性ペプチドを含まない。いくつかの実施形態では、参照抗体は、アミロイド反応性ペプチドに融合されていない。いくつかの実施形態では、参照抗体は、陰性対照として機能する。いくつかの実施形態では、参照抗体は、IgG抗体である。いくつかの実施形態では、参照抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプである。いくつかの実施形態では、参照抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0248】
また、本明細書では、アミロイド反応性ペプチド及びヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含む抗体-ペプチド融合タンパク質を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、重鎖のN末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、重鎖のC末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のN末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、組成物は、抗体-ペプチド融合タンパク質を含み、抗体-ペプチド融合タンパク質の少なくとも80%は、インタクトである。いくつかの実施形態では、組成物は、抗体-ペプチド融合タンパク質を含み、抗体-ペプチド融合タンパク質の少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%は、インタクトである。いくつかの実施形態では、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、タンパク質分解に供されていないものである。いくつかの実施形態では、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、全長抗体-ペプチド融合タンパク質からなる。いくつかの実施形態では、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号87~92からなる群から選択される全長アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体である。
【0249】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物に存在するインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質の量によって定義される純度を有する。いくつかの実施形態では、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、タンパク質分解に供されていないものである。いくつかの実施形態では、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、全長抗体-ペプチド融合タンパク質からなる。いくつかの実施形態では、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号87~92からなる群から選択される全長アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも80%の純度を有する。例えば、80%の純度を有する組成物は、80%のインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%の純度を有する。いくつかの実施形態では、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、全長抗体-ペプチド融合タンパク質からなる。いくつかの実施形態では、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号87~92からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0250】
いくつかの実施形態では、組成物は、アミロイド反応性ペプチド及びヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含む抗体-ペプチド融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、重鎖のN末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、重鎖のC末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のN末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている。
【0251】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、20%以下の切断生成物を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、N末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む。いくつかの実施形態では切断生成物は、N末端からC末端方向で可変軽鎖領域、定常軽鎖領域、スペーサー、及びアミロイド反応性ペプチドを含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、C末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠くアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、アミロイド反応性ペプチドに連結された抗体を含み、抗体またはアミロイド反応性ペプチドは、NまたはC末端で1つ以上の残基を欠く。いくつかの実施形態では切断生成物は、N末端からC末端方向でアミロイド反応性ペプチド、スペーサー、可変軽鎖領域、及び定常軽鎖領域を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、N末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠くアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、N末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、20%、15%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%以下の切断生成物を含む。
【0252】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、20%以下の切断生成物を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号87~90によって示されるアミノ酸配列と比較してN末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号87によって示されるアミノ酸配列と比較してN末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠くアミロイド反応性ペプチドを含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号87~90によって示されるアミノ酸配列と比較してC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号89~90によって示されるアミノ酸配列と比較してC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠くアミロイド反応性ペプチドを含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号91~92によって示されるアミノ酸配列と比較してN末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号91~92によって示されるアミノ酸配列と比較してC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号92によって示されるアミノ酸配列と比較してC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠くアミロイド反応性ペプチドを含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、N末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠くアミロイド反応性ペプチドを含む軽鎖または重鎖を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、20%、15%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%以下の切断生成物を含む。
【0253】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、20%以下の切断生成物を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号89によって示されるアミノ酸配列と比較してN末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号89によって示されるアミノ酸配列と比較してC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、C末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠くアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、アミロイド反応性ペプチドに融合された抗体を含み、アミロイド反応性ペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または15アミノ酸切断されている。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号91に示されるアミノ酸配列と比較してN末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、インタクト融合タンパク質と比較してNまたはC末端で少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または15アミノ酸を欠く。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号91に示されるアミノ酸配列と比較してC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、20%、15%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%以下の切断生成物を含む。
【0254】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、20%以下の切断生成物を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号87によって示されるアミノ酸配列と比較してN末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、N末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠くアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号87によって示されるアミノ酸配列と比較してC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号91に示されるアミノ酸配列と比較してN末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号91に示されるアミノ酸配列と比較してC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、20%、15%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%以下の切断生成物を含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、20%以下の切断生成物を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号88によって示されるアミノ酸配列と比較してN末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号88によって示されるアミノ酸配列と比較してC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号92に示されるアミノ酸配列と比較してN末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号92に示されるアミノ酸配列と比較してC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、C末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠くアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、20%、15%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%以下の切断生成物を含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、20%以下の切断生成物を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号90によって示されるアミノ酸配列と比較してN末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号90によって示されるアミノ酸配列と比較してC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、C末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠くアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号91に示されるアミノ酸配列と比較してN末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、配列番号91に示されるアミノ酸配列と比較してC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、20%、15%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%以下の切断生成物を含む。
【0257】
いくつかの実施形態では、組成物は、抗体-ペプチド融合タンパク質を含み、抗体-ペプチド融合タンパク質は、1つ以上のアミロイド基質に対するEC50結合親和性を示す。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、50nM、40nM、30nM、20nM、10nM、5nM、4nM、3nM、2nM、または1.5nM未満である。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、約100nMまたは100nM未満である。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、約10nMまたは10nM未満である。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、約1.5nMまたは1.5nM未満である。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、異なるアミロイド基質について同じまたは異なる。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、ヒトアミロイド基質について同じまたは異なる。いくつかの実施形態では、EC50結合親和性は、合成アミロイド基質について同じまたは異なる。
【0258】
いくつかの実施形態では、組成物は、抗体-ペプチド融合タンパク質を含み、抗体-ペプチド融合タンパク質は、参照抗体と比較して改善された生体内分布、汎アミロイド反応性、及び向上した貪食から選択される1つ以上のin vivo特徴を示す。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、参照抗体と比較して改善された生体内分布を示し、抗体-ペプチド融合タンパク質は、身体にわたって器官において検出可能である。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、改善された生体内分布を示し、抗体-ペプチド融合タンパク質は、肝臓、脾臓、心臓、腎臓、脳、筋肉、膵臓、胃、上部腸、下部腸、及び血液のうちの1つ以上において検出可能である。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、参照抗体と比較して汎アミロイド反応性を示し、抗体-ペプチド融合タンパク質は、in vivoで1つ以上の異なるアミロイド基質に対する反応性を示す。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、肝臓、脾臓、心臓、腎臓、脳、筋肉、膵臓、胃、上部腸、下部腸、及び血液におけるアミロイド基質に対して反応性である。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、参照抗体と比較して向上した貪食を示し、in vivoでアミロイド基質を抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることは、増加したレベルの貪食をもたらす。いくつかの実施形態では、in vivoでアミロイド基質を抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることは、アミロイド基質のクリアランスをもたらす。いくつかの実施形態では、in vivoでアミロイド基質を抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることは、アミロイド基質の向上した貪食及びクリアランスをもたらす。いくつかの実施形態では、in vivoでアミロイド基質を抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることは、アミロイド関連障害を有する個体のための治療的利益をもたらす。いくつかの実施形態では、参照抗体は、アミロイド基質を結合させない。いくつかの実施形態では、参照抗体は、アミロイド反応性ペプチドを含まない。いくつかの実施形態では、参照抗体は、IgG抗体である。いくつかの実施形態では、参照抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプである。いくつかの実施形態では、参照抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0259】
いくつかの実施形態では、組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な担体は、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、もしくは封入物質、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0260】
様々な実施形態では、本開示による組成物は、任意の投与経路を介する送達のために製剤化され得る。これには、例えば、エアロゾル、鼻、経口、経粘膜、経皮、非経口または経腸が含まれ得る。いくつかの実施形態では、投与は、静脈内または皮下である。
【0261】
抗体-ペプチド融合タンパク質抗体を含む薬学的製剤が提供される。薬学的組成物及び製剤には通常、1つ以上の任意の薬学的に許容可能な担体または賦形剤が含まれる。いくつかの実施形態では、組成物には、少なくとも1つの追加の治療剤が含まれる。
【0262】
用語「薬学的製剤」は、調製物であって、それに含有される活性成分の生物学的活性が有効になるような形態にあり、かつ製剤が投与されるであろう対象にとって許容できないほどに有毒である追加の成分を含有しない、調製物を指す。
【0263】
「薬学的に許容可能な担体」は、対象に対して非毒性である、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容可能な担体には、緩衝液、賦形剤、安定化剤、または防腐剤が含まれるがこれらに限定されない。
【0264】
緩衝剤は、いくつかの態様では、組成物に含まれる。好適な緩衝剤には、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、及び様々な他の酸及び塩が含まれる。いくつかの態様では、2つ以上の緩衝剤の混合物が使用される。緩衝剤またはそれらの混合物は、典型的には、組成物全体の約0.001重量%~約4重量%の量で存在する。投与可能な薬学的組成物を調製するための方法は、知られている。例示的な方法は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott Williams & Wilkins;21st ed.(May 1,2005)においてより詳細に記載されている。
【0265】
また、本明細書では、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質のいずれかを含む薬学的組成物が提供される。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む。
【0266】
所定の例示的な実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、単離または精製によって得られ得る。タンパク質精製技術は、あるレベルで、ペプチド及び非ペプチド画分への細胞、組織、または器官の均一化及び粗分画を伴う。他のタンパク質精製技術には、例えば、硫酸アンモニウム、ポリエチレングリコール(PEG)、抗体等を用いた、または熱変性による沈殿と、それに続く:遠心分離;クロマトグラフィー工程、例えば、イオン交換、ゲル濾過、逆相、ヒドロキシルアパタイト及びアフィニティークロマトグラフィー;等電点電気泳動;ゲル電気泳動、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動;ならびにこれらの及び他の技術の組み合わせが含まれる。
【0267】
様々なクロマトグラフィー技術には、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル排除クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、イムノアフィニティークロマトグラフィー、及び逆相クロマトグラフィーが含まれるがこれらに限定されない。ペプチドを精製するための特に効率的な方法は、迅速性能液体クロマトグラフィー(FPLC)またはさらに高速液体クロマトグラフィー(HPLC)である。所定の例示的な実施形態では、Fcドメインは、GGGYSリンカー配列(配列番号27)を介してアミロイド反応性ペプチドに連結され得る。
【0268】
III.診断及び検出方法
また、本明細書では、対象におけるアミロイド沈着物を同定する方法が提供される。
【0269】
いくつかの実施形態では、本明細書では、対象におけるアミロイド沈着物を同定する方法であって、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質のいずれか1つを対象に投与することであって、抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含む、投与すること、及び抗体ペプチド融合タンパク質からのシグナルを検出することを含む、方法が提供される。本明細書に記載の検出可能に標識された抗体-ペプチド融合タンパク質のいずれか1つが使用され得る。いくつかの実施形態では、対象は、アミロイドを含まない、または意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)、多発性骨髄腫(MM)、もしくは1つ以上の関連する血漿細胞疾患に罹患していると決定される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)を含み、VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含み、VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のN末端またはC末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、重鎖のN末端またはC末端で連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体である。
【0270】
いくつかの実施形態では、本明細書では、リガンドを検出する方法であって、リガンドを本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質のいずれか1つと接触させることであって、抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含み、抗体-ペプチド融合タンパク質のペプチドは、リガンドに対する結合親和性を有する、接触させること、及び検出可能な標識からのシグナルを決定し、それによりリガンドを検出することを含む、方法が提供される。本明細書に記載の検出可能に標識された抗体-ペプチド融合タンパク質のいずれか1つが使用され得る。
【0271】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、例えば、融合ペプチドが精製された後に、in vivo及びin vitroアッセイでそれらの検出を可能とするために様々な薬剤で標識され得る。限定されないが、これには、放射性核種(例えば、I-125、I-123、I-131、Zr-89、Tc-99m、Cu-64、Br-76、F-18);酵素(ホースラディッシュペルオキシダーゼ);ビオチン;フルオロフォア等が含まれ得る。タンパク質を検出可能に標識するための当該技術分野で知られている任意の手段が使用され、及び/または本明細書に記載の方法で使用するために適応され得る。例えば、抗体またはその断片、及び/またはアミロイド反応性ペプチドは、放射性同位体で放射性標識され、または蛍光タグもしくは化学発光タグで標識され得る。例示的な放射性同位体には、例えば、18F、111In、99mTc、及び123I、及び125Iが含まれる。これらの及び他の放射性同位体は、例えば、抗体の軽鎖タンパク質に共有結合的に連結されたDTPAまたはDOTA等のキレート剤の使用を伴う場合があり、または伴わない場合があるよく知られている化学を使用して単離された免疫グロブリン軽鎖に結合され得る。例示的な蛍光または化学発光タグには、リジン、システイン、グルタミン酸、及びアスパラギン酸側鎖との反応によってタンパク質にコンジュゲートされ得るフルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、Alexa色素、及びルシフェラーゼが含まれる。1つの例示的な実施形態では、標識は、使用されるタグのために適切な励起及び放出波長を使用して、蛍光マイクロプレートリーダー、または蛍光光度計を使用して検出される。放射性標識は、例えば、放射性放出のタイプに応じて及び特定の放射性核種の正確な検出に好適なエネルギーウィンドウを使用することによって、ガンマまたはシンチレーションカウンターを使用して検出され得る。しかしながら、放射性同位体の検出のための任意の他の好適な技術もまた、標識を検出するために使用され得る。
【0272】
アミロイドーシスに関して、そのような標識は、例えば、アミロイドの存在を診断するために、アミロイドタンパク質負荷を決定するために、抗体-ペプチド融合タンパク質が特定の対象におけるアミロイドを結合させる能力をモニタリングするために、アミロイドーシスの進行をモニタリングするために、及び/またはアミロイド処置(対象への抗体-ペプチド融合タンパク質の投与に関連する処置を含む)に対する対象の反応をモニタリングするために使用され得る。例えば、抗体-ペプチド融合タンパク質は、本明細書に記載される検出可能な標識で標識され、その後アミロイドベースの疾患(例えば、アミロイドーシス、意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)、多発性骨髄腫(MM)、または関連する血漿細胞疾患)に罹患している、または罹患していると疑われる対象に投与される。その後、対象は、例えば、抗体-ペプチド融合タンパク質の存在を検出するために画像化され得る。
【0273】
所定の例示的な実施形態では、検出可能に標識された抗体-ペプチド融合タンパク質からのシグナルが定量され得、それにより対象におけるアミロイド沈着物のレベルの指標を提供する。例えば、シグナル強度は、標準シグナル閾値と比較され得、閾値を超える場合、アミロイドーシスが存在するが、閾値を下回る場合、アミロイドーシスが存在しないまたは低いレベルにある。対象は、アミロイドを有すると診断され得、その場合、化学療法、コルチコステロイド薬(レナリドミドまたはサリドマイド)及び/またはボルテゾミブ(Velcade)等の処置が投与され得る。追加的にまたは代替的に、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質は、本明細書に記載される対象を処置する努力の中で対象に投与され得る。所定の例示的な実施形態では、対象は、1つ以上の群、例えば、低アミロイド負荷、中アミロイド負荷、または高アミロイド負荷に層別化され、次いでそれに応じて処置され得る。処置進行をモニタリングするために、対象は、抗体-ペプチド融合タンパク質が再投与され、これによりそれらのアミロイド負荷について再評価され得る。
【0274】
IV.処置方法
また、本明細書では、アミロイド関連障害を有する対象を処置する方法であって、有効量の本開示の抗体-ペプチド融合タンパク質を対象に投与することを含む、方法が提供される。
【0275】
いくつかの実施形態では、アミロイド疾患(例えば、アミロイドーシス)を処置する方法であって、治療的有効量の本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質のいずれか1つをそれを必要とする対象に投与することを含む、方法が提供される。
【0276】
他の実施形態では、アミロイドーシスは、全身性アミロイドーシスである。いくつかの実施形態では、アミロイドーシスは、家族性アミロイドーシスである。他の実施形態では、アミロイドーシスは、散発性アミロイドーシスである。いくつかの実施形態では、アミロイドーシスまたはアミロイド関連疾患は、AAアミロイドーシス、ALアミロイドーシス、AHアミロイドーシス、Aβアミロイドーシス、ATTRアミロイドーシス、hATTRアミロイドーシス、ALect2アミロイドーシス、及びII型糖尿病のIAPPアミロイドーシス、アルツハイマー病、ダウン症候群、Dutch型のアミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳ベータ-アミロイド血管症、海綿状脳症、甲状腺腫瘍、パーキンソン病、レビー小体型認知症、タウオパチー、ハンチントン病、老人性全身性アミロイドーシス、家族性血液透析、老人性全身性加齢、加齢下垂体障害、医原性症候群、海綿状脳症、反応性慢性炎症、甲状腺腫瘍、骨髄腫または他の形態のがんである。いくつかの実施形態では、アミロイド関連疾患は、AL、AH、Aβ2M、ATTR、トランスチレチン、AA、AApoAI、AApoAII、AApoAIV、AApoCII、AApoCII、AGel、ALys、ALEct2、AFib、ACys、ACal、AMed、AIAPP、APro、AIns、APrP、ASPC、AGal7、ACor、Aker、ALac、AOAPP、ASem1、AEnf、またはAβアミロイドーシスからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質での処置は、アミロイドのクリアランスをもたらす。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、正常な加齢に関連するアミロイドに結合する。他の実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、対象におけるアミロイドーシスまたはアミロイド関連疾患の診断、処置、または予後において使用される。
【0277】
いくつかの実施形態では、アミロイド関連疾患は、局在化アミロイドーシスである。
【0278】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、皮内、皮下、筋肉内、心臓内、血管内、静脈内、眼内、動脈内、硬膜外、髄腔内、体外、髄腔内、腹腔内、胸膜内、管腔内、硝子体内、海綿体内、脳室内、骨内、関節内、細胞内、または肺経路を介して投与される。
【0279】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、免疫系の細胞(例えば、マクロファージ)によるアミロイドの貪食を誘導するために十分な量で投与される。
【0280】
いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物、例えば、霊長類、ウシ、げっ歯類、またはブタである。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0281】
また、本明細書では、クリアランスのためにアミロイド沈着物を標的化する方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、アミロイド沈着物を本開示の抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることを含む。
【0282】
いくつかの実施形態では、アミロイド沈着物は、疾患の病理に寄与し得る。他の実施形態では、アミロイド沈着物は、対象におけるアミロイドーシスまたはアミロイド関連疾患を示し得る。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイドーシスを有する対象におけるアミロイドに結合する。いくつかの実施形態では、アミロイドーシスは、特定の組織または器官系、例えば、肝臓、心臓、または中枢神経系に局在化される。
【0283】
いくつかの実施形態では、アミロイド沈着物は、除去される。いくつかの実施形態では、アミロイド沈着物は、消失される。いくつかの実施形態では、アミロイド沈着物は、抗体-ペプチド融合タンパク質によってオプソニン化される。いくつかの実施形態では、ヒトアミロイドフィブリルへの抗体-ペプチド融合タンパク質の結合は、ヒトアミロイドフィブリルの貪食及びアミロイド沈着物の除去を促進する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、ヒトアミロイドフィブリルをオプソニン化し、それによりアミロイド沈着物を除去する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、rVλ6Wilフィブリルをオプソニン化する。いくつかの実施形態では、ヒトアミロイドフィブリルへの抗体-ペプチド融合タンパク質の結合は、ヒトアミロイドフィブリルの貪食及び/またはオプソニン化を、対照抗体(例えば、mIgp5及び/またはc11-1F4)と同等またはそれよりも高い程度まで促進する。
【0284】
いくつかの実施形態では、本明細書では、アミロイド関連障害を処置する方法であって、検出可能な標識にコンジュゲートされた抗体-ペプチド融合タンパク質を投与すること、標識を検出すること、及びシグナルが検出された場合にアミロイドーシス処置を対象に適用することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、放射性標識である。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、I125、Tc99標識である。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、蛍光標識である。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、酵素標識である。いくつかの実施形態では、標識は、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼである。標識には、特定の関連する検出可能な部位、例えば、標識されたアビジンへの結合を介して検出され得るビオチン等の化学的部位がさらに含まれる。いくつかの実施形態では、アミロイド沈着物は、対象の肝臓、脾臓、または血液において同定される。いくつかの実施形態では、アミロイドーシス処置は、本明細書で提供される抗体-ペプチド融合タンパク質を含む。
【0285】
また、本明細書では、対象におけるアミロイド沈着物を同定する方法であって、抗体-ペプチド融合タンパク質を投与することを含み、抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識にコンジュゲートされている、方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、抗体-ペプチド融合タンパク質からのシグナルを検出することを含む。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、放射性標識である。いくつかの実施形態では検出可能な標識は、I125、Tc99標識である。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、蛍光標識である。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、酵素標識である。いくつかの実施形態では、標識は、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼである。標識には、特定の関連する検出可能な部位、例えば、標識されたアビジンへの結合を介して検出され得るビオチン等の化学的部位がさらに含まれる。いくつかの実施形態では、アミロイド沈着物は、対象の肝臓、脾臓、または血液において同定される。
【0286】
いくつかの実施形態では、本明細書では、リガンドを検出する方法であって、リガンドを検出可能な標識にコンジュゲートされた抗体-ペプチド融合と接触させること、及び検出可能な標識からのシグナルを決定することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、放射性標識である。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、I125、Tc99標識である。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、蛍光標識である。いくつかの実施形態では検出可能な標識は、酵素標識である。いくつかの実施形態では、標識は、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼである。標識には、特定の関連する検出可能な部位、例えば、標識されたアビジンへの結合を介して検出され得るビオチン等の化学的部位がさらに含まれる。いくつかの実施形態では、検出は、in vitroである。いくつかの実施形態では、検出は、in vivoである。
【0287】
V.核酸、ベクター、宿主細胞、及びペプチド-抗体融合タンパク質を作製する方法
また、本明細書では、本開示の抗体-ペプチド融合タンパク質をコードする核酸(複数可)が提供される。抗体-ペプチド融合タンパク質は、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質のいずれかであり得る。
【0288】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される核酸は、1つ以上のベクターにある。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書では、抗体の重鎖及び軽鎖を含むベクターであって、軽鎖は、ペプチドに連結されている、ベクターが提供される。いくつかの実施形態では、ペプチドに連結された重鎖及び軽鎖は、異なるベクターにある。
【0289】
いくつかの実施形態では、ベクターは、本開示の抗体-ペプチド融合タンパク質をコードする核酸(複数可)を含む。
【0290】
抗体生成のため、ペプチド発現ベクターに連結された重鎖及び軽鎖は、当該技術分野で知られている適切な生成細胞株に導入され得る。発現ベクターの導入は、エレクトロポレーションまたは当該技術分野で利用可能な任意の他の好適な形質転換技術を介して共トランスフェクションによって達成され得る。次いで抗体生成細胞株が選択され、増殖させられ、抗体が精製される。次いで精製された抗体は、標準的な技術、例えば、SDS-PAGEによって分析され得る。
【0291】
また、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質のいずれかをコードする核酸を含む宿主細胞が提供される。抗体をコードするベクターのクローニングまたは発現のための好適な宿主細胞には、本明細書に記載の原核細胞または真核細胞が含まれる。例えば、抗体-ペプチド融合タンパク質は、特にグリコシル化及びFcエフェクター機能が必要とされない場合、細菌において生成され得る。細菌における抗体断片及びポリペプチドの発現については、例えば、米国特許番号5,648,237、5,789,199、及び5,840,523を参照されたい。(E.coliの抗体断片の発現を記載しているCharlton,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ,2003),pp.245-254も参照されたい)。発現後、ペプチドに連結された抗体は、可溶性画分中の細菌細胞ペーストから単離され得、さらに精製され得る。
【0292】
いくつかの実施形態では、本開示の抗体-ペプチド融合タンパク質をコードする核酸(複数可)を含むベクターを含む宿主細胞。
【0293】
グリコシル化抗体の発現のための好適な宿主細胞はまた、多細胞生物(無脊椎動物及び脊椎動物)に由来する。無脊椎動物細胞の例には、植物及び昆虫細胞が含まれる。特に、Spodoptera frugiperda細胞のトランスフェクションのために、昆虫細胞と併せて使用され得る多数のバキュロウイルス株が同定されている。
【0294】
植物細胞培養物も宿主として利用され得る。例えば、米国特許番号5,959,177、6,040,498、6,420,548、7,125,978、及び6,417,429(トランスジェニック植物において抗体を生成するためのPLANTIBODIES(商標)技術について記載している)を参照されたい。
【0295】
脊椎動物細胞も宿主として使用され得る。例えば、懸濁液中で成長するように適応された哺乳類細胞株が有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CVl株(COS-7);ヒト胚性腎臓株(293細胞または、例えば、Graham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977)に記載される293細胞);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK);マウスセルトリ細胞(例えば、Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980)に記載されるTM4細胞);サル腎臓細胞(CVl);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76);ヒト子宮頸癌細胞(HELA);イヌ腎臓細胞(MDCK;バッファローラット肝細胞(BRL 3A);ヒト肺細胞(W138);ヒト肝臓細胞(Hep G2);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562);例えば、Mather et al.,Annals N Y.Acad.Sci.383:44-68(1982)に記載されるTRI細胞;MRC5細胞;及びFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株には、DHFR-CHO細胞(Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞;ならびにY0,NS0及びSp2/0等の骨髄腫細胞株が含まれる。抗体生成のために好適な所定の哺乳動物宿主細胞株の総説については、例えば、Yazaki and Wu,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ),pp.255-268(2003)を参照されたい。
【0296】
VI.精製方法
また、本明細書では、本開示の抗体-ペプチド融合タンパク質を生成する方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、抗体-ペプチド融合タンパク質をコードするベクターの発現に好適な条件下で本開示の宿主細胞を培養すること及び抗体-ペプチド融合タンパク質を回収することを含む。
【0297】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質を生成する方法は、i)抗体-ペプチド融合タンパク質の発現に好適なかん流細胞培養条件下で抗体-ペプチド融合タンパク質をコードするベクターを含む宿主細胞を培養すること;及びii)約12~36時間毎に抗体-ペプチド融合タンパク質を回収することを含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド反応性ペプチド及びヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含み、抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のN末端またはC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、重鎖のN末端またはC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体である。
【0298】
いくつかの実施形態では、方法は、流加培養法を使用して宿主細胞を培養することを含む。流加培養は、細胞を培養する方法であって、細胞培養物に新たな培地が補充される、すなわち、細胞に新たな培地が「供給」されるが、消費された培地が除去されない、方法を指す。典型的には、「流加」培養プロセスは、バイオリアクター内で実施され、追加の成分(例えば、栄養補充剤)が培養プロセスの開始後のいくつかの時点で培養物に添加される。栄養素の制御添加は、培養物の成長速度に直接的に影響を及ぼし、オーバーフロー代謝産物の構築の回避を可能とする(例えば、Wlaschin,K.F.et al.,“Fedbatch culture and dynamic nutrient feeding,”Cell Culture Engineering,101 :43-74(2006)and Lee,J.et al.,“Control of fed-batch fermentations,”Biotechnol.Adv.,17:29-48(1999)を参照されたい)。流加培養は、典型的には、いくつかの点で停止させられ、培地中の細胞及び/または成分は、回収され、任意に精製される。
【0299】
いくつかの実施形態では、方法は、かん流培養法を使用して宿主細胞を培養することを含む。かん流は、細胞を培養する方法であって、追加の新たな培地が培養物に提供され、使用済培地が培養物から除去される、方法を指す。かん流は、培養物が播種された後に開始させられ、継続的または間欠的に、所望により、ある期間にわたって行われ得る。かん流中に添加された新たな培地は、典型的には、培養プロセス中に枯渇した細胞のための栄養補充剤を提供する。かん流はまた、細胞培養物からの細胞消費生成物及び毒性副生成物の除去を可能とする。かん流は、細胞の成長段階中に実施され、細胞が流加細胞培養に移された後にも継続され得る。
【0300】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質を生成する方法は、抗体-ペプチド融合タンパク質の発現に好適なかん流細胞培養条件下で抗体-ペプチド融合タンパク質をコードするベクターを含む宿主細胞を培養することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、抗体-ペプチド融合タンパク質の生成のために流加培養法を使用することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、抗体-ペプチド融合タンパク質の生成のためにかん流培養法を使用することを含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド反応性ペプチド及びヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含み、抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のN末端またはC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、重鎖のN末端またはC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体である。
【0301】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質を生成する方法は、連続細胞培養法をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、かん流条件下で細胞を培養することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約12~36時間毎に抗体-ペプチド融合タンパク質を回収することを含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約12~24時間毎に回収され、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間毎に回収される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約24~36時間毎に回収され、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、または36時間毎に回収される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約12~16時間、14~18時間、16~20時間、16~24時間、20~32時間、18~36時間、24~32時間、または16~28時間毎に回収される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、12、16、20、24、28、32、または36時間以下の後に回収される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、およそ毎日回収される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約1、2、3、4、5、6、または7日毎に回収される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、約1~4日、2~5日、3~6日、1~5日、3~7日、または1~7日毎に回収される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、1、2、3、4、5、6、または7日以下の後に回収される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド反応性ペプチド及びヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含み、抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のN末端またはC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、重鎖のN末端またはC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、軽鎖のC末端で連結されており、アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに抗体に連結されている。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体である。
【0302】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質を生成する方法は、回収工程において回収された抗体-ペプチド融合体を陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用することをさらに含む。いくつかの実施形態では、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムは、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質を単離するために使用される。いくつかの実施形態では、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムは、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質から切断型抗体-ペプチド融合タンパク質を分離するために使用される。いくつかの実施形態では、回収された抗体-ペプチド融合体は、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用される。いくつかの実施形態では、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムは、溶解した塩を含む1つ以上の緩衝液で洗浄される。いくつかの実施形態では、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムは、低塩緩衝液で洗浄される。いくつかの実施形態では、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムは、高塩緩衝液で洗浄される。いくつかの実施形態では、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムは、まず低塩緩衝液で洗浄され、続いて高塩緩衝溶出緩衝液が適用される。いくつかの実施形態では、低塩緩衝液は、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから切断型抗体-ペプチド融合タンパク質を溶出させる。いくつかの実施形態では、高塩緩衝液は、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムからインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質を溶出させる。いくつかの実施形態では、方法は、抗体-ペプチド融合タンパク質を陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用すること、次いでカラムを低塩濃度を含有する第1の緩衝液で洗浄すること、次いでインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質を高塩濃度を含有する第2の緩衝液で溶出させることを含む。いくつかの実施形態では、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、切断型抗体-ペプチド融合タンパク質とは別々に溶出される。いくつかの実施形態では、方法は、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質の濃縮をもたらす。いくつかの実施形態では、方法は、単離されたインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質からの切断型抗体-ペプチド融合タンパク質の除去をもたらす。いくつかの実施形態では、方法は、抗体-ペプチド融合タンパク質を陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用すること、次いでカラムを低塩濃度を含有する第1の緩衝液で洗浄することを含み、次いで高塩濃度を含有する第2の緩衝液を適用することは、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質の単離をもたらす。
【0303】
いくつかの実施形態では、方法は、抗体-ペプチド融合タンパク質を陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用すること、次いでカラムを低塩濃度を含有する第1の緩衝液で洗浄することを含み、次いで高塩濃度を含有する第2の緩衝液で洗浄することは、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質の単離をもたらす。いくつかの実施形態では、カラムを低塩濃度を含有する第1の緩衝液で洗浄することは、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから切断型抗体-ペプチド融合タンパク質を溶出させる。いくつかの実施形態では、低塩濃度を含む第1の緩衝液は、200mM、210mM、220mM、230mM、240mM、250mM、260mM、270mM、280mM、290mM、または300mM以下の塩の濃度を含む。いくつかの実施形態では、低塩濃度を含む第1の緩衝液は、200mM~300mM、210mM~280mM、220mM~260mM、210mM~290mM、240mM~270mM、または230mM~260mMの塩の濃度を含む。いくつかの実施形態では、低塩濃度を含む第1の緩衝液は、約220mM、240mM、260mM、もしくは280mMまたはこれらの値の間の任意の範囲である塩の濃度を含む。いくつかの実施形態では、第1の緩衝液は、約200mM~約300mM、または約220mM~約280mMの塩の濃度を含む。いくつかの実施形態では、低塩濃度を含む第1の緩衝液は、約260mMである塩の濃度を含む。いくつかの実施形態では、カラムを低塩濃度を含有する第1の緩衝液で洗浄した後にカラムを高塩濃度を含有する第2の緩衝液で洗浄することは、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムからインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質を溶出させる。いくつかの実施形態では、高塩濃度を含む第2の緩衝液は、350mM、360mM、370mM、380mM、390mM、400mM、410mM、420mM、430mM、440mM、または450mM以上の塩の濃度を含む。いくつかの実施形態では、高塩濃度を含む第2の緩衝液は、350mM~450mM、360mM~430mM、370mM~410mM、360mM~440mM、390mM~420mM、もしくは380mM~410mMまたはこれらの点の間の任意の範囲の塩の濃度を含む。いくつかの実施形態では、第2の緩衝液は、350mM~450mMまたは380mM~420mMの塩の濃度を含む。いくつかの実施形態では、低塩濃度を含む第1の緩衝液は、約380mM、400mM、420mM、または440mMである塩の濃度を含む。いくつかの実施形態では、低塩濃度を含む第1の緩衝液は、約400mMである塩の濃度を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝液のpHは、4.5~6.5、4.7~6.3、5.1~5.7、4.7~6.1、5.5~5.9、または5.3~5.7である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝液のpHは、約5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、または6.0である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝液のpHは、約5.5である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝液のpHは、同じである。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝液のpHは、異なる。
【0304】
いくつかの実施形態では、生成する方法は、抗体-ペプチド融合タンパク質を陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用すること、次いでカラムを低塩濃度を含有する第1の緩衝液で洗浄することを含み、次いで高塩濃度を含有する第2の緩衝液で溶出させることは、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質の単離をもたらす。いくつかの実施形態では、方法は、抗体-ペプチド融合タンパク質を、ある負荷密度で陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用することを含み、負荷密度は、1リットルの樹脂(g/L)当たりの抗体-ペプチド融合タンパク質のグラムとして定義される。いくつかの実施形態では、負荷密度は、20、25、30、35、40、45、50、または55g/L以下、これらの点の間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、負荷密度は、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、または50g/Lである。いくつかの実施形態では、負荷密度は、15~55、20~45、25~50、20~35、30~40、35~50、または20~50g/Lである。いくつかの実施形態では、負荷密度は、50g/Lである。
【0305】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質を生成する方法は、宿主細胞を培養することを含み、宿主細胞は、哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、CHO細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、本明細書に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質のいずれかを含む、抗体-ペプチド融合タンパク質をコードするベクターを含む。
【0306】
いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質を生成する方法は、抗体-ペプチド融合タンパク質の純度を決定することをさらに含む。例えば、ドデシル硫酸ナトリウムキャピラリー電気泳動(CE-SDS)は、モノクローナル抗体の定量的分析を含む、タンパク質の純度を評価するために使用される分析方法である。抗体サンプルは、交換可能なSDS-ゲル緩衝液と混合され、次いでSDS-ゲル充填キャピラリーを介して電気泳動される。サンプルは、高電圧を使用してキャピラリー口に注入される。分離マトリックスを介するタンパク質移行は、陽極方向で生じ、定量的検出は、UV吸光検出システムを使用してキャピラリーの遠位末端の近くで生じる。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質の純度は、ドデシル硫酸ナトリウムキャピラリー電気泳動(CE-SDS)、液体クロマトグラフィー(LC)、質量分析(MS)、またはそれらの組み合わせを含む1つ以上の分析方法を使用して決定される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質の純度は、ドデシル硫酸ナトリウムキャピラリー電気泳動(CE-SDS)を使用して決定される。
【0307】
いくつかの実施形態では、方法は、純度を決定することをさらに含み、抗体-ペプチド融合タンパク質は、少なくとも80%のインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質まで精製される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、存在するインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質の量によって定義される純度を有する。いくつかの実施形態では、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、全長抗体-ペプチド融合体からなる。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、少なくとも80%の純度を有する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%の純度を有する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、80%~100%、82%~96%、85%~90%、84%~92%、80%~88%、90%~98%、または95%~100%の純度を有する。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質純度は、アミロイド基質結合と正に相関する。
【0308】
いくつかの実施形態では、方法は、純度を決定することをさらに含み、抗体-ペプチド融合タンパク質は、少なくとも80%のインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質まで精製される。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、存在するインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質の量によって定義される純度を有する。いくつかの実施形態では、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、全長抗体-ペプチド融合体からなる。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、20%以下の切断生成物を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、N末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、切断生成物は、N末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、20%、15%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%以下の切断生成物を含む。いくつかの実施形態では、抗体-ペプチド融合タンパク質は、20%~0%、15%~2%、12%~4%、15%~8%、10%~1%、5%~2%、または2%~0%の切断生成物を含む。
【0309】
VII.キット
本開示はまた、本開示の抗体-ペプチド融合タンパク質を含有するキットを提供する。本開示のキットには、精製された抗体-ペプチド融合タンパク質を含む1つ以上の容器が含まれ得る。いくつかの実施形態では、キットは、本開示の方法に従って使用するための指示書をさらに含む。いくつかの実施形態では、これらの指示書は、本開示の任意の方法に従って、アミロイド疾患を処置するための本明細書に記載される抗体-ペプチド融合タンパク質の投与の説明を含む。
【0310】
いくつかの実施形態では、指示書は、例えば、対象において、組織サンプルにおいて、または細胞において、アミロイド沈着物を検出する仕方の説明を含む。キットは、個体が本明細書に記載されるアミロイド疾患を有するかどうかを同定することに基づいて処置に好適なその個体を選択する説明をさらに含み得る。
【0311】
ラベルまたはパッケージ挿入物は、組成物が、例えば、本開示の疾患を処置するために使用されることを示す。指示書は、本明細書に記載の方法のいずれかを実施するために提供され得る。
VIII.
【実施例
【0312】
以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、どのようにもその範囲を限定するものとしてとして解釈されるべきではない。本開示及び当該技術分野における通常の技術レベルの観点から、当業者は、以下の実施例が例示的にすぎないことが意図されていること及び多数の変更、修飾、及び変化が本開示の主題の範囲から逸脱することなく用いられ得ることを理解するであろう。添付の図は、本開示の明細書及び説明の不可分の一部として考慮されることを意味する。
【0313】
実施例1.抗体-ペプチド融合タンパク質の設計
以下の例は、例示的なアミロイド反応性ペプチド-抗体融合タンパク質コンストラクトの設計を記載する。例示的なコンストラクトの構造が図1~4に提供される。コンストラクトのアミノ酸配列が以下の表E1及び表E2に提供される。表E1~E2において、アミロイド反応性ペプチドp5Rのアミノ酸配列は、太字で示されており、スペーサー配列は、下線が引かれており、イタリック体である。
【表9】

【表10-1】
【表10-2】
【0314】
実施例2.Len(1-22)モノマーペプチドへのヒト化抗アミロイド抗体の結合親和性
ヒト化抗アミロイド抗体の結合親和性は、例えば、国際出願番号PCT/US2020/060596に記載されているように決定された。以下の表E3は、Len(1-22)モノマーペプチドへのヒト化抗アミロイド抗体の結合を測定する表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイの結果を提供する。具体的には、ヒト化VH9及びVL4配列を、表E3の「リガンド」欄に示されるように、追加のアミノ酸置換を伴ってまたは伴わずに試験した。

【表11】
【0315】
実施例3.rVλ6Wilフィブリルへのヒト化抗アミロイド抗体の結合親和性
ヒト化抗アミロイド抗体がrVλ6Wilフィブリルを結合させる能力を、キメラ抗体c11-1F4と比較して、例えば、ユーロピウム結合免疫吸着アッセイ(EuLISA)によって、試験した(図5A)。図5Aに示されるそのデータに基づいて、c11-1F4は約72nMのEC50値で結合し、VH10/VL4は17nMのEC50値で結合し、VH9/VL4は7nMのEC50値で結合し、VH8/VL4は16nMのEC50値で結合し、VH7/VL4は75nMのEC50値で結合し、VH6/VL3は95nMのEC50値で結合した。VH9/VL4は、c11-1F4と比べて増加した結合を示した(図5A)。VH9/VL4抗体は、VH6/VL3よりも高い程度までアミロイドフィブリルを結合させた(図5A)。
【0316】
PCT/US2020/060596(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)にさらに記載されるように、ペプチドp5及びp5RをVH9/VL4及びVH6/VL3を有するヒト化抗体の軽鎖N末端に付加した。図5Bに示されているように、VH6/VL3の軽鎖のN末端へのペプチドp5及びp5Rの付加は、rVλ6Wilフィブリルへの結合を約30倍向上させた(EC50に基づく)。図5Bに示されるそのデータに基づいて、VH6/VL3-p5は3nMのEC50値で結合し、VH6/VL3-p5Rは3nMのEC50値で結合し、c11-1F4は約100nMのEC50値で結合し、VH6/VL3は95nMのEC50値で結合した。
【0317】
概して、p5のアルギニンバリアントを有するバリアント(p5R)は、p5バリアントよりも優れていた(図5C及び図5D)。
【0318】
図5Eに示されているように、VH9/VL4は、ネズミ親と同じrVλ6Wilフィブリルに対する反応性を有していた。
【0319】
図5E及び図5Fに示されているように、VH6/VL3-p5及びVH6/VL3-p5Rの両方が、hATTRアミロイド抽出物への結合を示す。図5E及び図5Fにおけるデータに基づいて、VH6/VL3-p5は50nMのEC50値でSno hATTR抽出物に、及び90nMのEC50値でKen ATTR抽出物に結合し、VH6/VL3-p5Rは47nMのEC50値でSno ATTR抽出物に、70nMのEC50値でKen ATTR抽出物に、及び85nMのEC50値でPer125 wtATTRに結合した。
【0320】
以下の表E4は、mIgp5、hIgG1、c11-1F4、m11-1F4、VH6/VL3-p5、VH9/VL4-p5、及びVH9/VL4-p5RがrVλ6Wilフィブリル、Per125 wtATTR抽出物、KEN hATTR抽出物、SHI ALλ肝臓抽出物、及びTAL ALκ肝臓抽出物を結合させる能力を測定するEuLISAの結果を提供する。抗体及び基質の各組み合わせについて、対数変換されたEC50、EC50、及びアッセイにおける結合の最大レベルが示されている。「na」と表示された条件は試験されなかった。表E4に示されているように、p5またはp5Rに融合されたヒト化抗アミロイド抗体は、様々なアミロイドフィブリル及びアミロイド抽出物に結合することができた。VH6/VL3-p5、VH9/VL4-p5、及びVH9/VL4-p5Rは、m11-1F4及びすべての他の対照抗体よりも高い親和性で試験されたすべてのフィブリル及び抽出物を結合させた(EC50測定に基づく)。VH9/VL4-p5Rは概して、VH9/VL4-p5よりも低いEC50を示し、VH9/VL4-p5は概して、VH6/VL3-p5よりも低いEC50を示した。
【表12-1】
【表12-2】
【0321】
実施例4.ヒト化抗アミロイド抗体によってプルダウンされるWilフィブリル基質
抗アミロイド抗体が基質をプルダウンする能力をPCT/US2020/060596に記載されているように試験した。mIgG-p5は、プルダウンアッセイにおいてWilフィブリル及びアミロイド抽出物への優れた結合をもたらした(図6)。基質をプルダウンするVH9/VL4親及びバリアントの能力は、以下の表E5に示されているようにmIgp5と比べて有意に低下した。表E5において、示される値は結合率であり、データのないセルは、試験されなかった抗体/基質の組み合わせを表す。

【表13】
【0322】
ヒト化抗アミロイド抗体がアミロイドフィブリルのためのオプソニンとして作用する(すなわち、アミロイドフィブリルの貪食を促進する)能力をPCT/US2020/060596に記載されているように試験した。VH9/VL4-p5及びVH9/VL4-p5Rは、VH6/VL3-p5及びVH6/VL3-p5Rよりも良好にrVλ6Wilフィブリル取り込みを促進し、これは、上述したELISA結合データにおける差と一貫していた(図7A及び図7Bを参照されたい)。図7Cに示されているように、ペプチドを有しないVH9/VL4は、p5またはp5Rが結合したVH6/VL3とおよそ同じくらい良好であり、ペプチドを有しないVH6/Vl3より何倍も良好であった。VH9/VL4は単独で、c11-1F4よりも良好なオプソニンであった(図7B)。VH6/VL3-p5及びVH6/VL3-p5Rは、mIgp5と同等のレベルのフィブリル取り込みを促進し、c11-1F4よりも良好に機能した(図7A)。VH9/VL4-p5及びVH9/VL4-p5Rはまた、mIgp5と同等のレベルのフィブリル取り込みを促進し、c11-1F4よりも良好に機能した(図7B)。驚くべきことに、p5またはp5Rペプチドにコンジュゲートされたヒト化抗アミロイド抗体は、c11-1F4よりも有意に良好にオプソニン化を提供した。
【0323】
実施例5.VH9-D54E/VL4-N33S-p5Rの流加及びかん流生成;アミロイド基質の結合
流加及び他の半連続的培養法は、しばしば、それらの高い培養密度、高い生成物収率、及びフレキシブルな生産性用途のため、組換えタンパク質及び抗体の生成のために使用される。しかしながら、高い密度の培養物は、全体的な生成収率またはストラテジーに有害であり得る阻害性酵素及び毒素の活性に影響を及ぼし得る。哺乳動物細胞による早期抗体-ペプチド融合タンパク質コンストラクトの発現の評価は、融合タンパク質が、おそらく宿主細胞由来プロテアーゼによって、切断に対して非常に感受性であることを示していた。かん流は、高密度培養法(例えば、流加)に関連する問題を回避する連続的培養法の一種であるが、かん流は、より低い生成収率及び増加した複雑性を問題としている。この例では、VH9-D54E/VL4-N33S-p5R(VSPSVスペーサーを有する)を、図8Aに概説される例示的な流加及びかん流様式の培養法を使用して単離し、純度(インタクト融合タンパク質率)について評価した。流加及びかん流様式の培養法を使用して生成された抗体-ペプチド融合タンパク質の結合親和性を試験し、基質は、アミロイド様フィブリルrVλ6WILであった(図8B)。
【0324】
チャイニーズハムスター卵巣細胞を、流加様式及びかん流様式の培養法によるタンパク質生成のために使用した。細胞を、120RPMで旋回させながら新たな培地(化学的に定義、タンパク質非含有)を伴って0.1~2x10細胞/mLの密度で3~15cmのプレートに播種し、37℃(5%CO)でインキュベートした。VH9-D54E/VL4-N33S-VSPSV-p5Rの生成のため、VH9-D54Eを含む抗体重鎖をコードするプラスミド及びVL4-N33S-VSPSV-p5Rを含む抗体軽鎖をコードする別のプラスミドでのトランスフェクションの前日に50~200x10細胞を1x10細胞/mLで新たな培地中で継代した。細胞を洗浄し、流加様式の培養またはかん流様式の培養のいずれかのための新たな培地に移した。分泌された抗体-ペプチド融合タンパク質(VH9-D54E/VL4-N33S-VSPSV-p5R)を約7日後に流加培養から収集した。次いで収集された抗体ペプチド融合タンパク質をプロテインAクロマトグラフィーカラム、続いて陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用した。陰イオン交換カラムからの溶出液を収集し、この流加培養法からの単離された抗体-ペプチド融合タンパク質をFB.1(流加1)と指定した。
【0325】
表E6は、代替的流加培養法を使用した抗体-ペプチド融合タンパク質の質量分析純度分析を示している。
【表14】
【0326】
流加細胞培養中に観察された切断を是正するために、かん流細胞培養を評価した。かん流細胞をバイオリアクター内で成長させ、ここで、細胞培養物を膜カートリッジに通過させ、膜カートリッジは、細胞を保持したが、タンパク質を細胞及び細胞デブリから離れるように通過させた。分泌された抗体-ペプチド融合タンパク質(VH9-D54E/VL4-N33S-VSPSV-p5R)を1または7日後に収集し、サンプル処理に直ちに移行した。次いで分泌された抗体ペプチド融合タンパク質をプロテインAクロマトグラフィーカラム、続いて陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用した。陰イオン交換カラムからの溶出液を収集し、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィーにさらに供し、ここで、サンプルを20.0~50.0g/L樹脂の負荷密度で負荷し、260mMのNaClを含む洗浄緩衝液(pH5.5)で洗浄し、次いで400mMのNaCLを含む溶出緩衝液(pH5.5)で溶出させた。CEXカラムへの抗体-ペプチド融合タンパク質の適用により、インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質の抗体-ペプチド融合タンパク質の切断型の分離が可能となった。抗体-ペプチド融合タンパク質の切断型を洗浄工程中に洗浄緩衝液で除去した。インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質を溶出緩衝液で溶出させた。CEXカラムからの溶出液を収集し、ドデシル硫酸ナトリウムキャピラリー電気泳動(CE-SDS)を分析して、単離された抗体-ペプチド融合タンパク質の純度を決定した。CEXカラムクロマトグラフィーを用いてかん流法を使用して99%超の純度が達成された(表E7)。この溶出液をPF.1(かん流1)と指定し、アミロイド基質結合分析のために調製した。
【表15】
【0327】
抗体-ペプチド融合タンパク質純度の機能的帰結を評価するために、流加またはかん流様式の生成スキームを介して得るために、FB.1及びPF.1抗体-ペプチド融合タンパク質をアミロイド基質結合分析のために調製した。アミロイド様フィブリルrVλ6WILを、FB.1またはPF.1の結合親和性を調査するために基質として使用した。FB.1抗体-ペプチド融合タンパク質を100nMで開始する2倍段階希釈でウェルに添加し、PF.1抗体-ペプチド融合タンパク質を5nMで開始する2倍段階希釈でウェルに添加した。結合したFB.1またはPF.1の検出を、ビオチン化ヤギ抗ヒトFc-反応性二次抗体及びストレプトアビジン-ユーロピウムコンジュゲートの添加後に、時間分解蛍光を測定することによって評価した。3回の反復の平均及び標準偏差(SD)を計算し、効力(EC50)を、対数x軸を用いてシグモイド4パラメーターロジスティック(4PL)方程式(Prism)でフィッティングした後に決定した(図8B)。
【0328】
rVλ6WILへのFB.1の結合についての推定効力(EC50)値は13.4nMであったのに対し、rVλ6WILへのPF.1の結合についてのEC50値は0.15nMであった。これらのデータは、かん流様式の培養及び陽イオン交換クロマトグラフィー法を使用して生成された非常に純粋なインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質(PF.1)が、流加培養法を使用して生成された抗体-ペプチド融合タンパク質(FB.1)よりも有意に高いrVλ6WILアミロイド基質に対する結合親和性を有することを実証する。後のすべての例について、抗体-ペプチド融合タンパク質は、この例に記載のかん流培養及び陽イオン交換クロマトグラフィー法を使用して生成した。
【0329】
実施例6.マウスにおけるPF.1(VH9-D54E/VL4-N33S-p5R)の生体内分布
この研究のため、PF.1(VSPSVスペーサーを有するVH9-D54E/VL4-N33S-p5R)を安定的にトランスフェクションされたCHO細胞によって発現させ、かん流組織培養法によって1日間生成した。PF.1抗体-ペプチド融合体を実施例5に記載されているようにプロテインA及び陽イオン交換クロマトグラフィーによって精製した。PF.1抗体-ペプチド融合体及び対照hIgG1を、チロシン側鎖への酸化的組み込みによってヨウ素-125で放射性標識した。遊離放射性ヨウ素をサイズ排除クロマトグラフィーによって分離し、放射性純度をSDS-PAGE及びオートラジオグラフィーによって評価した(図9A)。試薬の重鎖及び軽鎖タンパク質の両方を放射性標識し、遊離放射性ヨウ素の証拠はなかった。PF.1の軽鎖は、均一(単一の種)であり、p5Rペプチドの存在により、対照IgG1と比較して明白に高い分子量を有していた。
【0330】
およそ100μCi(10μgの試薬)を、主に肝臓及び脾臓に関与する全身性AAアミロイドーシスを有するマウスの側部尾静脈に静脈内(IV)注射した。注射から24時間後、マウス(1群当たりn=3)をイソフルラン過剰投薬によって安楽死させ、SPECT/CT画像を取得した(図9B)。125I-PF.1画像は、AAマウスの肝臓、脾臓及びGI管における放射能の低減を明らかにし、これは、注射から24時間後のAAマウスにおける125I-hIgG1の画像と対照的であった。また、対照試薬と比較して、125I-PF.1が投与された動物におけるマウス心臓の心房領域において明白により多い放射能が存在し、これは、このマウスモデルにおいてより高い血液プール放射能及び乏しい心臓アミロイド沈着物を示し得る。
【0331】
その後直ちに、サンプルまたは器官及び血液を器官における試薬の生体内分布の指標としての組織関連放射能の測定のために収集し、ここで、生体内分布を、組織1グラム当たりで測定された注射された用量のパーセンテージとして定義した。1群当たり3匹のマウスを試験し、標準偏差(SD)を伴って平均生体内分布を計算した。器官分析は、筋肉、肝臓、膵臓、脾臓、左腎臓、右腎臓、胃、上部腸、下部腸、心臓、肺、及び血液を含んでいた。この分析は、肝臓、脾臓、腎臓、及び胃において対照hIgG1と比較して125I-PF.1の有意に高い保持を明らかにした(図9C)。これは、PF.1試薬がこれらの器官においてアミロイドによって選択的に保持されることを示唆している。
【0332】
次いでマウス器官における放射性標識された試薬の分布をミクロオートラジオグラフィーを使用して評価した。簡潔には、組織のサンプルを10%緩衝ホルマリン中で24時間固定し、パラフィンブロック内に包埋し、組織の6μm厚の切片をガラススライド上に調製した。スライドを写真乳剤に3日間曝露し、次いでヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色で対比染色した。組織における放射能の存在が、黒銀粒の沈着によって明らかとなった。評価されたすべての器官において、125I-PF.1の結合は、組織におけるアミロイド沈着物に関連して観察され、肝臓、脾臓及び心臓の代表的な切片を示す病理への特異的結合を示している(図9D)(棒=500μm)。対照的に、125I-hIgG1対照の保持は見られなかった。
【0333】
実施例7.ヒト組織におけるアミロイドへのPF.1の結合
ホルマリン固定パラフィン包埋切片を、ATTR(図10A)、AL(図10B及び10C)、またはALETC2(図10D)アミロイドを含有するいくつかのヒト組織から調製した。アルツハイマー病を有する患者から脳組織の追加のサンプルも評価した(図10E)。組織を標準的な免疫組織化学法を使用してVSPSVスペーサーを有するビオチン化PF.1(VH9-D54E/VL4-N33S-p5R;PBS中に2μg/mL)で染色し、ジアミノベンジジンの添加後に可視化した(黒色の矢印)。同じ組織からのスライドにおけるアミロイドの存在を、アルカリ性コンゴーレッドの溶液での組織の染色後にコンゴーレッド蛍光によって可視化した(白色の矢印)。
【0334】
PF.1は、ATTRvアミロイドーシスの2つのサンプル(T60A KEN及びT60A SNO)(図10A)及びALアミロイドーシスの2つのサンプル(ALκTAL及びALκBAB)(図10B)において心筋細胞の周囲の心臓アミロイド沈着物に特異的に結合した。同様に、アミロイドとの特異的結合が、腎臓におけるALアミロイド沈着物(ALκHUN及びALκJON)で観察された(図10C)。ALECT2アミロイドへのPF.1の特異的結合が腎臓及び脾臓組織サンプルにおいて観察された(図10D)。最後に、アルツハイマー病を有する患者の脳におけるAβアミロイドから構成される広範性及びコア斑は、PF.1で陽性染色された(図10E)。
【0335】
これらのデータは、PF.1と、多様な組織における様々なタイプの組織アミロイド沈着物との特異的反応性を実証する。よって、p5Rペプチドによって媒介されるPF.1の汎アミロイド反応性は、アミロイド関連疾患の4つの最も一般的な形態からの組織を使用して免疫組織化学染色によって明らかである。
【0336】
実施例8.in vivoでのPF.1によるヒトALアミロイド抽出物の貪食
ヒトAL(BAL)アミロイド抽出物のサンプルをpH感受性色素スクシンイミジル-pHrodoレッドフルオロフォアで標識した。pHrodoレッドは、pH7.5で弱い蛍光を示すが、貪食後にマクロファージのファゴリソソームに見られるように、pHがより酸性になるにつれて増強する。ヒトAL(BAL)アミロイド抽出物(約10%w/wのpHrodoレッド標識物質)を、PF.1(VSPSVスペーサーを有するVH9-D54E/VL4-N33S-p5R;2mgのAL抽出物当たり500μgのPF.1)と約30分間プレインキュベートした。対照として、AL抽出物をPF.1を有しない同様の体積のPBS中でインキュベートした。免疫不全(NU/NU)マウス(1群当たりn=4)に2mgのPF.1被覆AL抽出物を背中の皮下に投与した。pHrodoレッド標識アミロイドからの蛍光放出を、イソフルラン(空気中に1~2%)麻酔下でマウスの光学的イメージングによって検出した。マウスをアミロイドの注射から1日、5日、7日、10日、及び12日後に画像化し、蛍光放出を定量した。
【0337】
アミロイドとPF.1とのプレインキュベートは、pHrodoレッド蛍光放出の増加によって明らかにされるように、注射後12日にわたってアミロイドの貪食の急速かつ持続的な増加をもたらした(図11A)。対照的に、アミロイド抽出物単独(対照)からの蛍光放出は、有意に低かった(図11A)。注射から12日後においてPF.1処置群と対照群との間の蛍光放出の差は、処置群(代表的なマウスが図11Bに示されている)において明白に向上した。
【0338】
これらのデータは、アミロイド結合PF.1が、in vivoで食細胞、主にマクロファージによるアミロイドの貪食を増強し得ることを実証する。
【0339】
実施例9.in vitroでのPF.1によるヒトALアミロイド抽出物の貪食
ヒトAL抽出物(ALκまたはALλ)及びヒトATTR(vまたはwt)アミロイド抽出物を、ex vivo貪食アッセイにおいて使用するために、pH感受性色素スクシンイミジル-pHrodoレッドフルオロフォアで標識した。ヒトTHP-1細胞をホルボールミリステートアセテート(PMA)の添加によって活性化し、24ウェル組織培養プレートのウェルに播種した。20μgの質量のアミロイド抽出物を増加量のPF.1(VSPSVスペーサーを有するVH9-D54E/VL4-N33S-p5R)または対照hIgG1抗体(6nM、20nM、60nM、及び200nM)と共にウェルに添加し、プレートを1時間37℃でインキュベートした。ウェルを倒立蛍光顕微鏡(Keyance BZ X800)を使用して観察し、4つのデジタル画像(4x対物レンズ)を各ウェルについて捕捉した。各画像における蛍光をスペクトルセグメント化を使用して定量し、4つの画像の平均及び標準偏差(SD)を決定した(図12A~12D)。
【0340】
結果は、PF.1は、ALκ抽出物(図12A)、ALλ抽出物(図12B)、ATTRv抽出物(図12C)、及びATTRwt抽出物(図12D)についておよそ60nMのPF.1で観察されたこれらのアッセイ条件において最大の効果を伴って、活性化ヒトTHP-1マクロファージによって用量依存的に多様なアミロイド抽出物の貪食を向上させたことを実証する。アミロイド基質の増加した貪食による蛍光放出の向上は、すべての例において対照hIgG1よりも有意に高かった。
【0341】
これらのデータは、PF.1によるヒトアミロイドのオプソニン化が、ヒトマクロファージによる物質の有意な貪食をもたらすことを実証する。
【0342】
実施例10.PF.1による多様なアミロイド基質の強力な結合
合成アミロイド様フィブリル(rVλ6WIL及びAβ(1-40))ならびにヒトAL抽出物(ALλまたはALκ)及びヒトATTRV及びATTRwtアミロイド抽出物をPF.1の結合親和性を調べるための基質として使用した。抗体-ペプチドコンジュゲートを100nMで開始する2倍段階希釈でウェルに添加した。rVλ6WILを含有するウェルについて、抗体-ペプチドコンジュゲートを5nMで開始する2倍段階希釈でウェルに添加した。結合したPF.1(VSPSVスペーサーを有するVH9-D54E/VL4-N33S-p5R)の検出を、ビオチン化ヤギ抗ヒトFc-反応性二次抗体及びストレプトアビジン-ユーロピウムコンジュゲートの添加後に、時間分解蛍光を測定することによって評価した。3回の反復の平均及び標準偏差(SD)を計算し、効力(EC50)を、対数x軸を用いてシグモイド4パラメーターロジスティック(4PL)方程式(Prism)でフィッティングした後に決定した(図13A)。非反応性hIgG1を並行アッセイにおいて陰性対照として使用した(図13B)。
【0343】
アミロイド基質へのPF.1の結合の推定効力(EC50)値は、合成フィブリルの場合の0.15nMからALκ(GRA)アミロイド抽出物の場合の0.6nMまで様々であった(表E8)。これらのデータは、合成フィブリルならびにヒトAL及びATTRアミロイド抽出物に対するPF.1の高い親和性の結合を実証する。
【表16】
【0344】
実施例11.in vitroでのPF.7による合成アミロイド基質の結合
この研究のため、PF.1について記載されたものと同様の方法を使用して、VH9-D54E/VL4-N33S-p5R(VSPSVスペーサーを有する)をCHO細胞によって発現させ、かん流組織培養法によって7日間生成した。抗体-ペプチド融合体をプロテインA及び陽イオン交換クロマトグラフィーによって精製し、単離された物質をPF.7と指定した。合成アミロイド様フィブリル(タウ441、α-シヌクレイン、及びAβ(1-40))をPF.7結合分析のための基質として使用した。PF.7を100nMで開始する2倍段階希釈でウェルに添加した。結合したPF.7の検出を、ビオチン化ヤギ抗ヒトFc-反応性二次抗体及びストレプトアビジン-ユーロピウムコンジュゲートの添加後に、時間分解蛍光を測定することによって評価した。3回の反復の平均及び標準偏差(SD)を計算し、効力(EC50)を、対数x軸を用いてシグモイド4パラメーターロジスティック(4PL)方程式(Prism)でフィッティングした後に決定した(図14)。非反応性hIgG1を並行アッセイにおいて陰性対照として使用した(図13B)。
【0345】
異なるフィブリル基質へのPF.7の結合についての推定効力(EC50)値は、α-シヌクレイン、タウ441、及びAβ(1-40)について127nM、1.3uM、及び0.4nMであった(表E9)。
【表17】
【0346】
実施例12.in vitroでのPF.1によるヒトALアミロイド抽出物の貪食は、ヒト血清によって向上する。
合成rVλ6WIL(Wil)フィブリル及びヒトALκ(TAL)アミロイド抽出物をex vivo貪食アッセイにおいて使用するために、pH感受性色素スクシンイミジル-pHrodoレッドフルオロフォアで標識した。ヒトTHP-1細胞をホルボールミリステートアセテート(PMA)の添加によって活性化し、24ウェル組織培養プレートのウェルに播種した。20μgの質量のアミロイド抽出物を補体源としての20%ヒト血清の存在または非存在下で60nMのPF.1(VSPSVスペーサーを有するVH9-D54E/VL4-N33S-p5R)を有するウェルに添加した。プレートを1時間37℃でインキュベートした。ウェルを倒立蛍光顕微鏡(Keyance BZ X800)を使用して観察し、4つのデジタル画像(4x対物レンズ)を各ウェルについて捕捉した。各画像における蛍光をスペクトルセグメント化を使用して定量し、4つの画像の平均及び標準偏差(SD)を決定した(図15)。
【0347】
結果は、補体源としてのヒト血清が、活性化ヒトTHP-1マクロファージによるPF.1によるオプソニン化後のアミロイド基質の貪食を有意に向上させたことを実証する。
【0348】
これらのデータは、PF.1によるヒトアミロイドのオプソニン化及びヒトマクロファージによる貪食が、補体源としてのヒト血清によって有意に向上し得ることを実証する。
【0349】
IX.例示的な実施形態
1.アミロイド反応性ペプチド;及びヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含む抗体-ペプチド融合タンパク質であって、抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含み、アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに軽鎖のC末端で連結されている、前記抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0350】
2.前記アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して前記軽鎖の前記C末端に連結されている、実施形態1に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0351】
3.前記スペーサーは、ペプチドスペーサーである、実施形態1または実施形態2に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0352】
4.前記軽鎖は、軽鎖定常領域をさらに含み、前記重鎖は、重鎖定常領域を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0353】
5.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、2つの軽鎖及び2つの重鎖を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0354】
6.前記スペーサーは、配列番号23~24、27、及び83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0355】
7.アミロイド反応性ペプチド;及びアミロイドフィブリルに結合する抗体を含む抗体-ペプチド融合タンパク質であって、前記抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含み、前記アミロイド反応性ペプチド及び前記抗体は、前記軽鎖のN及び/またはC末端及び/または前記重鎖のN及び/またはC末端で連結されており、前記アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して前記抗体に連結されており、前記スペーサーは、配列番号83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、前記抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0356】
8.前記アミロイド反応性ペプチド及び前記抗体は、前記軽鎖の前記N末端または前記重鎖の前記N末端で連結されている、実施形態7に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0357】
9.前記アミロイド反応性ペプチド及び前記抗体は、前記軽鎖の前記C末端または前記重鎖の前記C末端で連結されている、実施形態7に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0358】
10.前記軽鎖は、軽鎖定常領域をさらに含み、前記重鎖は、重鎖定常領域を含む、実施形態7~9のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0359】
11.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、2つの軽鎖及び2つの重鎖を含む、実施形態7~10のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0360】
12.前記アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13として示されるアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0361】
13.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、少なくとも2つのアミロイド反応性ペプチドを含み、前記アミロイド反応性ペプチドは、同じペプチドまたは異なるペプチドを含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0362】
14.前記VLは、配列番号20に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号18に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0363】
15.前記抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体である、先行実施形態のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0364】
16.a)前記VLは、配列番号64~70に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号18に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む;b)前記VLは、配列番号20に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む;またはc)前記VLは、配列番号64~70に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、実施形態1~13及び15に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0365】
17.前記VLは、配列番号32~42からなる群に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態14~16のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0366】
18.前記VHは、配列番号43~63からなる群に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態14~17のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0367】
19.a)前記VLは、配列番号34に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号48に示されるアミノ酸配列を含む;b)前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む;c)前記VLは、配列番号36に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号55に示されるアミノ酸配列を含む;d)前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号52に示されるアミノ酸配列を含む;e)前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号50に示されるアミノ酸配列を含む;またはf)前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態14~18のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0368】
20.前記VLは、配列番号34に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号48に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態14~19のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0369】
21.前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態14~19のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0370】
22.前記VLは、配列番号36に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号55に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態14~19のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0371】
23.前記抗体は、全長抗体、Fab断片、またはscFvである、先行実施形態のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0372】
24.前記抗体は、Fc領域を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0373】
25.前記Fc領域は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプのものである、実施形態24に記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0374】
26.抗体-ペプチド融合タンパク質であって、a)ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の軽鎖のN末端に連結されたアミロイド反応性ペプチドを含む第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド、ならびにヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の重鎖を含む第3及び第4のポリペプチドを含み、前記第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号87に示されるアミノ酸を含み、前記第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む、b)ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の軽鎖を含む第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド、ならびにヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の重鎖のC末端に連結されたアミロイド反応性ペプチドを含む第3及び第4のポリペプチドを含み、前記第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号88に示されるアミノ酸を含み、前記第3及び第4のポリペプチドは、配列番号92に示されるアミノ酸配列を含む、c)ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の軽鎖のC末端に連結されたアミロイド反応性ペプチドを含む第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド、ならびにヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の重鎖を含む第3及び第4のポリペプチドを含み、前記第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号89に示されるアミノ酸を含み、前記第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む、またはd)ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の軽鎖のC末端に連結されたアミロイド反応性ペプチドを含む第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド、ならびにヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体の重鎖を含む第3及び第4のポリペプチドを含み、前記第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号90に示されるアミノ酸を含み、前記第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む、前記抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0375】
27.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識にコンジュゲートされている、先行実施形態のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0376】
28.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、rVλ6Wil、Aβ、Aβ(1-40)、IAAP、ALκ4、Alλ1、またはATTRフィブリルに結合する、先行実施形態のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0377】
29.実施形態1~28のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質を含む薬学的組成物。
【0378】
30.実施形態1~28のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質をコードする核酸(複数可)。
【0379】
31.実施形態30に記載の核酸(複数可)を含むベクター。
【0380】
32.実施形態31に記載のベクター宿主細胞。
【0381】
33.前記宿主細胞は、哺乳動物細胞、任意にチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、実施形態32に記載の宿主細胞。
【0382】
34.抗体-ペプチド融合タンパク質を作製する方法であって、前記抗体-ペプチド融合タンパク質をコードする前記ベクターの発現に好適な条件下で実施形態32または実施形態33に記載の宿主細胞を培養することを含む、前記方法。
【0383】
35.前記方法は、前記抗体-ペプチド融合タンパク質を回収することをさらに含む、実施形態34に記載の方法。
【0384】
36.アミロイド関連障害を有する対象を処置する方法であって、治療的有効量の実施形態1~28のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【0385】
37.前記アミロイド関連障害は、全身性または局在化アミロイドーシスである、実施形態36に記載の方法。
【0386】
38.前記アミロイド関連障害は、AL、AH、Aβ2M、ATTR、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、ALECT2、AFib、ACys、ACal、AMed、AIAPP、APro、AIns、APrP、またはAβアミロイドーシスからなる群から選択される、実施形態36に記載の方法。
【0387】
39.前記抗体-ペプチド融合タンパク質での処置は、アミロイドのクリアランスをもたらす、実施形態36~38のいずれか1つに記載の方法。
【0388】
40.前記対象は、ヒトである、実施形態36~39のいずれか1つに記載の方法。
【0389】
41.クリアランスのためにアミロイド沈着物を標的化する方法であって、アミロイド沈着物を実施形態1~28のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることを含む、前記方法。
【0390】
42.前記アミロイド沈着物は、除去される、実施形態41に記載の方法。
【0391】
43.前記アミロイド沈着物は、前記抗体-ペプチド融合タンパク質によってオプソニン化される、実施形態41または42に記載の方法。
【0392】
44.アミロイドベースの疾患に罹患している、または罹患していると疑われる対象を処置する方法であって、a)前記対象が、i)実施形態1~28のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質を前記対象に投与することであって、前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含む、前記投与すること、及びii)前記検出可能な標識に関連するシグナルが前記対象から検出され得るかどうかを決定することによってアミロイド沈着物を有するかどうかを決定すること、及びb)前記シグナルが検出された場合、前記対象にアミロイドーシス処置を適用することを含む、前記方法。
【0393】
45.シグナルが検出されない場合、アミロイド沈着物の後の成長について前記対象をモニタリングする、実施形態44に記載の方法。
【0394】
46.前記シグナルの強度を決定すること及び前記シグナルを閾値と比較することをさらに含み、前記閾値を超える場合、前記対象は、アミロイド沈着物を保有すると決定される、実施形態45に記載の方法。
【0395】
47.前記アミロイドーシス処置は、実施形態1~28のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質を前記対象に投与することを含む、実施形態44~46のいずれかに記載の方法。
【0396】
48.前記抗体-ペプチド融合タンパク質の投与は、前記対象における前記アミロイド沈着物のクリアランスをもたらす、実施形態47に記載の方法。
【0397】
49.対象におけるアミロイド沈着物を同定する方法であって、実施形態1~28のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質を前記対象に投与することであって、前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含む、前記投与すること、及び前記抗体ペプチド融合タンパク質からのシグナルを検出することを含む、前記方法。
【0398】
50.前記対象は、アミロイドを含まない、または意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)、多発性骨髄腫(MM)、もしくは1つ以上の関連する血漿細胞疾患に罹患していると決定される、実施形態44~49のいずれかに記載の方法。
【0399】
51.リガンドを検出する方法であって、前記リガンドを実施形態1~28のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質と接触させることであって、前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含み、前記抗体-ペプチド融合タンパク質の前記ペプチドは、前記リガンドに対する結合親和性を有する、前記接触させること、及び前記検出可能な標識からのシグナルを決定し、それにより前記リガンドを検出することを含む、前記方法。
【0400】
52.実施形態36~51のいずれか1つに記載の方法において使用するための、実施形態1~28のいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質を含むキット。
【0401】
1A.抗体-ペプチド融合タンパク質であって、
アミロイド反応性ペプチド、及び
貪食を誘導し、オプソニンとして機能することが可能な抗体を含み、前記抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含み、前記アミロイド反応性ペプチド及び前記抗体は、前記重鎖または前記軽鎖のN末端またはC末端で連結されており、
前記アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して前記抗体に連結されている、前記抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0402】
2A.前記軽鎖は、軽鎖定常領域を含み、前記重鎖は、重鎖定常領域を含む、実施形態1Aに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0403】
3A.前記アミロイド反応性ペプチド及び前記抗体は、前記軽鎖の前記C末端で連結されている、実施形態1Aまたは2Aに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0404】
4A.前記スペーサーは、配列番号83及び配列番号86からなる群から選択される、実施形態1Aまたは2Aに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0405】
5A.前記アミロイド反応性ペプチドは、配列番号1~13として示されるアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1A~4Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0406】
6A.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、2つの重鎖及び2つの軽鎖を含み、各軽鎖は、前記C末端で前記アミロイド反応性ペプチドに連結されている、実施形態1A~5Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0407】
7A.前記抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体である、実施形態1A~6Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0408】
8A.前記抗体は、ヒトアミロイドフィブリルに結合する、実施形態1A~7Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0409】
9A.
a)前記VLは、配列番号64~70に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号18に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、
b)前記VLは、配列番号20に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、または
c)前記VLは、配列番号64~70に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号71~81に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む
、実施形態1A~8Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0410】
10A.前記VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、実施形態1A~8Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0411】
11A.
a)前記VLは、配列番号34に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号48に示されるアミノ酸配列を含む、
b)前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む、
c)前記VLは、配列番号36に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号55に示されるアミノ酸配列を含む、
d)前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号52に示されるアミノ酸配列を含む、
e)前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号50に示されるアミノ酸配列を含む、または
f)前記VLは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号49に示されるアミノ酸配列を含む
、実施形態1A~8Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0412】
12A.前記VLは、配列番号36に示されるアミノ酸配列を含み、前記VHは、配列番号55に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1A~11Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0413】
13A.前記抗体は、全長抗体である、実施形態1A~12Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0414】
14A.前記Fc領域は、IgG1アイソタイプのものである、実施形態13Aに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0415】
15A.抗体-ペプチド融合タンパク質であって、
アミロイドフィブリルに結合する抗体であって、前記抗体の軽鎖をそれぞれ含む第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド、及び前記抗体の重鎖をそれぞれ含む第3及び第4のポリペプチドを含む、前記抗体、ならびに
前記軽鎖または前記重鎖のN末端またはC末端に連結されたアミロイド反応性ペプチド
を含み、
a)前記第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号87に示されるアミノ酸を含み、前記第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む、
b)前記第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号88に示されるアミノ酸を含み、前記第3及び第4のポリペプチドは、配列番号92に示されるアミノ酸配列を含む、
c)前記第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号89に示されるアミノ酸を含み、前記第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む、または
d)前記第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、配列番号90に示されるアミノ酸を含み、前記第3及び第4のポリペプチドは、配列番号91に示されるアミノ酸配列を含む
、前記抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0416】
16A.抗体-ペプチド融合タンパク質であって、
配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチド、及び
ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含み、前記抗体は、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含み、前記VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、前記軽鎖のC末端で連結されており、
前記アミロイド反応性ペプチドは、配列番号23~24、27、83~86からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して前記抗体に連結されている、前記抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0417】
17A.抗体-ペプチド融合タンパク質であって、
配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むアミロイド反応性ペプチド、及び
ヒトアミロイドフィブリルに結合する抗体を含み、前記抗体は、可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)を含み、前記VHは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び配列番号19に示されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含み、前記VLは、配列番号64に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、配列番号21に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含み、前記アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、前記軽鎖のC末端で連結されており、
前記アミロイド反応性ペプチドは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含むスペーサーを介して前記抗体に連結されている、前記抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0418】
18A.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、アミロイド基質について1.5nM未満のEC50を示す、実施形態1A~17Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0419】
19A.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識にコンジュゲートされており、前記検出可能な標識は、蛍光標識または放射性標識を含む、実施形態1A~18Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0420】
20A.前記放射性標識は、I-123、I-124、F-18、ZR-89、またはTc-99mである、実施形態19Aに記載の方法。
【0421】
21A.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、参照IgG抗体と比較して改善された生体内分布、汎アミロイド反応性、及び向上した貪食から選択される1つ以上のin vivo特徴を示す、実施形態1A~20Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0422】
22A.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、rVλ6Wil、Aβ、Aβ(1-40)、IAAP、ALκ4、Alλ1、ATTR、α-シヌクレイン、またはタウ441フィブリルに結合する、実施形態1A~21Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0423】
23A.組成物であって、
抗体-ペプチド融合タンパク質であって、
i)アミロイド反応性ペプチド、及び
ii)貪食を誘導し、オプソニンとして機能することが可能な抗体を含み、前記抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含み、前記アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、前記重鎖または前記軽鎖のN末端またはC末端で連結されており、前記アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに前記抗体に連結されている、前記抗体-ペプチド融合タンパク質、
前記抗体-ペプチド融合タンパク質の少なくとも90%は、インタクトである、前記組成物。
【0424】
24A.前記インタクト抗体-ペプチド融合タンパク質は、実施形態1A~22Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質を含む、実施形態23Aに記載の組成物。
【0425】
25A.前記組成物は、10%以下の切断生成物を含み、前記切断生成物は、配列番号89によって示されるアミノ酸配列と比較してN末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く重鎖または配列番号91に示されるアミノ酸配列と比較してN末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸残基を欠く軽鎖を含む、実施形態23Aに記載の組成物。
【0426】
26A.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、1つ以上のアミロイド基質についてEC50結合親和性を示し、前記EC50結合親和性は、1.5nM未満である、実施形態23A~25Aのいずれか1つに記載の組成物。
【0427】
27A.薬学的に許容可能な担体をさらに含む、実施形態23A~26Aのいずれか1つに記載の組成物。
【0428】
28A.実施形態1A~22Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【0429】
29A.実施形態28Aに記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【0430】
30A.実施形態29Aに記載のベクターを含む宿主細胞。
【0431】
31A.前記宿主細胞は、哺乳動物細胞、任意にチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、実施形態30Aに記載の宿主細胞。
【0432】
32A.抗体-ペプチド融合タンパク質を生成する方法であって、
a)前記抗体-ペプチド融合タンパク質の発現に好適なかん流細胞培養条件下で抗体-ペプチド融合タンパク質をコードするベクターを含む宿主細胞を培養すること、及び
b)約12~36時間毎に前記抗体-ペプチド融合タンパク質を回収すること
を含み、前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、
i)アミロイド反応性ペプチド、及び
ii)貪食を誘導し、オプソニンとして機能することが可能な抗体を含み、前記抗体は、重鎖可変領域(VH)を含む重鎖及び軽鎖可変領域(VL)を含む軽鎖を含み、前記アミロイド反応性ペプチド及び抗体は、前記軽鎖のC末端で連結されており、前記アミロイド反応性ペプチドは、スペーサーを介して、またはスペーサーを伴わずに前記抗体に連結されている、前記方法。
【0433】
33A.工程b)において回収された抗体-ペプチド融合体を陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用すること及び前記陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから前記抗体-ペプチド融合タンパク質を溶出させることをさらに含む、実施形態32Aに記載の方法。
【0434】
34A.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、切断型抗体-ペプチド融合タンパク質とは別々に溶出される、実施形態33Aに記載の方法。
【0435】
35A.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、実施形態1A~22Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質を含む、実施形態32A~34Aのいずれか1つに記載の方法。
【0436】
36A.前記宿主細胞は、CHO細胞である、実施形態32A~35Aのいずれか1つに記載の方法。
【0437】
37A.前記抗体-ペプチド融合タンパク質の純度を決定することをさらに含み、前記抗体-ペプチド融合タンパク質の前記純度は、ドデシル硫酸ナトリウムキャピラリー電気泳動(CE-SDS)、液体クロマトグラフィー(LC)、質量分析(MS)、またはそれらの組み合わせを含む1つ以上の分析方法を使用して決定される、実施形態32A~36Aのいずれかに記載の方法。
【0438】
38A.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、少なくとも90%のインタクト抗体-ペプチド融合タンパク質まで精製される、実施形態32A~37Aのいずれか1つに記載の方法。
【0439】
39A.実施形態32A~38Aのいずれかに記載の方法によって生成された抗体-ペプチド融合タンパク質。
【0440】
40A.アミロイド沈着物を含むアミロイド関連障害を有する対象を処置する方法であって、治療的有効量の実施形態1A~22A及び39Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質または実施形態23A~27Aのいずれか1つに記載の組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【0441】
41A.前記アミロイド関連障害は、全身性または局在化アミロイドーシスである、実施形態40Aに記載の方法。
【0442】
42A.前記アミロイド関連障害は、AL、AH、Aβ2M、ATTR、トランスチレチン、AA、AApoAI、AApoAII、AGel、ALys、ALEct2、AFib、ACys、ACal、AMed、AIAPP、APro、AIns、APrP、パーキンソン病、アルツハイマー病、またはAβアミロイドーシスからなる群から選択される、実施形態40Aまたは41Aに記載の方法。
【0443】
43A.前記アミロイド沈着物は、前記抗体-ペプチド融合タンパク質によってオプソニン化される、実施形態40A~42Aのいずれか1つに記載の方法。
【0444】
44A.前記対象を前記抗体-ペプチド融合タンパク質で処置することは、前記アミロイド沈着物の貪食を引き起こす、実施形態40A~43Aのいずれか1つに記載の方法。
【0445】
45A.アミロイドベースの疾患を有するまたはアミロイドベースの疾患を有することが疑われる対象を処置する方法であって、
a)前記対象が、
i)実施形態1A~22A及び39Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質または実施形態23A~27Aのいずれか1つに記載の組成物を前記対象に投与することであって、前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含む、前記投与すること、及び
ii)前記検出可能な標識に関連するシグナルが前記対象から検出され得るかどうかを決定すること
によってアミロイド沈着物を有するかどうかを決定すること、及び
b)前記シグナルが検出された場合、前記対象にアミロイドーシス処置を適用すること
を含む、前記方法。
【0446】
46A.シグナルが検出されない場合、アミロイド沈着物の後の成長について前記対象をモニタリングする、実施形態45Aに記載の方法。
【0447】
47A.前記シグナルの強度を決定すること及び前記シグナルを閾値と比較することをさらに含み、前記閾値を超える場合、前記対象は、アミロイド沈着物を保有すると決定される、実施形態45Aまたは46Aに記載の方法。
【0448】
48A.前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、SPECT/CTイメージング、PET/CTイメージング、ガンマシンチグラフィー、または光学的イメージングによって検出される、実施形態45A~47Aのいずれか1つに記載の方法。
【0449】
49A.前記アミロイドーシス処置は、実施形態1A~22A及び39Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質または実施形態23A~27Aのいずれか1つに記載の組成物を前記対象に投与することを含む、実施形態45A~48Aのいずれかに記載の方法。
【0450】
50A.対象におけるアミロイド沈着物を同定する方法であって、実施形態1A~22A及び39Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質または実施形態23A~27Aのいずれか1つに記載の組成物を前記対象に投与することであって、前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含む、前記投与すること、及び前記抗体ペプチド融合タンパク質からのシグナルを検出することを含む、前記方法。
【0451】
51A.対象におけるアミロイドクリアランスをモニタリングする方法であって、
前記対象におけるアミロイド基質を実施形態1A~22A及び39Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質または実施形態23A~27Aのいずれか1つに記載の組成物と接触させることであって、前記抗体-ペプチド融合タンパク質は、検出可能な標識を含み、前記抗体-ペプチド融合タンパク質の前記ペプチドは、アミロイド基質についての結合親和性を有する、前記接触させること、及び
前記検出可能な標識からのシグナルを決定し、それにより前記アミロイドクリアランスを検出すること
を含む、前記方法。
【0452】
52A.前記対象は、ヒトである、実施形態40A~51Aのいずれか1つに記載の方法。
【0453】
53A.実施形態40A~52Aのいずれか1つに記載の方法において使用するための、実施形態1A~22A及び39Aのいずれか1つに記載の抗体-ペプチド融合タンパク質または実施形態23A~27Aのいずれか1つに記載の組成物を含むキット。
【0454】
例示的な配列
すべてのポリヌクレオチド配列は、5’→3方向で示されている。すべてのポリペプチド配列は、N末端からC末端方向で示されている。
【化1】

11-1F4 CDR-H1配列(配列番号17)
GFSLSSYGVS
11-1F4 CDR-H2配列(配列番号18)
VIWGDGSTNYHPNLMS
11-1F4 CDR-H3配列(配列番号19)
LDY
11-1F4 CDR-L1配列(配列番号20)
RSSQSLVHRNGNTYLH
11-1F4 CDR-L2配列(配列番号21)
KVSNRFS
11-1F4 CDR-L3配列(配列番号22)
FQTTYVPNT
5’スペーサー配列(配列番号23)
AQAGQAGQAQGGGYS
3’スペーサー配列(配列番号24)
VTPTV
Igp5軽鎖コンストラクト(配列番号25)
AQAGQAGQAQGGGYSKAQKAQAKQAKQAQKAQKAQAKQAKQVTPTVDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVHRNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGLYFCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
p5-3’スペーサー-11-1F4 VL配列(配列番号26)
KAQKAQAKQAKQAQKAQKAQAKQAKQVTPTVDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVHRNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGLYFCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
リンカー配列(配列番号27)
GGGYS
IGKV2-30*02-ヒト生殖系列配列(配列番号28)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLNWFQQRPGQSPRRLIYKVSNRDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQGTHWPP
ヒトVLアクセプター配列(配列番号29)DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLNWFQQRPGQSPRRLIYKVSNRDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
IGHV4-4*08-ヒト生殖系列配列(配列番号30)
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSISSYYWSWIRQPPGKGLEWIGYIYTSGSTNYNPSLKSRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCAR
ヒトVLアクセプター配列(配列番号31)
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSISSYYWSWIRQPPGKGLEWIGYIYTSGSTNYNPSLKSRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARLDYWGQGTSVTVSS
VL1(配列番号32)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHRNGNTYLHWFQQRPGQSPRRLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
VL2(配列番号33)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHRNGNTYLHWYLQRPGQSPRRLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
VL3(配列番号34)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHRNGNTYLHWYLQRPGQSPRLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGLYFCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
VL4(配列番号35)DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHRNGNTYLHWFQQRPGQSPRLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYFCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
VL4-N33S(配列番号36)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHRSGNTYLHWFQQRPGQSPRLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYFCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
VL4-N33Q(配列番号37)
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VL4-N33E(配列番号38)
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VL4-N33A(配列番号39)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHRAGNTYLHWFQQRPGQSPRLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYFCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
VL4-N33H(配列番号40)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHRHGNTYLHWFQQRPGQSPRLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYFCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
VL4-G34A(配列番号41)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHRAGNTYLHWFQQRPGQSPRLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYFCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
VL4-G34V(配列番号42)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHRVGNTYLHWFQQRPGQSPRLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYFCFQTTYVPNTFGGGTKLEIK
VH1(配列番号43)
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VH2(配列番号44)
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VH3(配列番号45)
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VH4(配列番号46)
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VH5(配列番号47)
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VH6(配列番号48)
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VH7(配列番号49)
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VH8(配列番号50)
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VH9(配列番号51)
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VH10(配列番号52)
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VH9-D54S(配列番号53)
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VH9-D54Q(配列番号54)
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VH9-D54E(配列番号55)
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VH9-D54A(配列番号56)
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VH9-D54H(配列番号57)
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLSSYGVSWIRQPPGKGLEWLGVIWGHGSTNYHPNLMSRVTISVDTSKSQVLFKLSSVTAADTAVYYCATLDYWGQGTSVTVSS
VH9-G55A(配列番号58)
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLSSYGVSWIRQPPGKGLEWLGVIWGDASTNYHPNLMSRVTISVDTSKSQVLFKLSSVTAADTAVYYCATLDYWGQGTSVTVSS
VH9-G55V(配列番号59)
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLSSYGVSWIRQPPGKGLEWLGVIWGDVSTNYHPNLMSRVTISVDTSKSQVLFKLSSVTAADTAVYYCATLDYWGQGTSVTVSS
VH9-M64V(配列番号60)
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLSSYGVSWIRQPPGKGLEWLGVIWGDGSTNYHPNLVSRVTISVDTSKSQVLFKLSSVTAADTAVYYCATLDYWGQGTSVTVSS
VH9-M64I(配列番号61)
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLSSYGVSWIRQPPGKGLEWLGVIWGDGSTNYHPNLISRVTISVDTSKSQVLFKLSSVTAADTAVYYCATLDYWGQGTSVTVSS
VH9-M64L(配列番号62)
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLSSYGVSWIRQPPGKGLEWLGVIWGDGSTNYHPNLLSRVTISVDTSKSQVLFKLSSVTAADTAVYYCATLDYWGQGTSVTVSS
VH9-M64A(配列番号63)
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLSSYGVSWIRQPPGKGLEWLGVIWGDGSTNYHPNLASRVTISVDTSKSQVLFKLSSVTAADTAVYYCATLDYWGQGTSVTVSS
VL4-N33S CDR-L1(配列番号64)
RSSQSLVHRSGNTYLH
VL4-N33Q CDR-L1(配列番号65)
RSSQSLVHRQGNTYLH
VL4-N33E CDR-L1(配列番号66)
RSSQSLVHREGNTYLH
VL4-N33A CDR-L1(配列番号67)
RSSQSLVHRAGNTYLH
VL4-N33H CDR-L1(配列番号68)
RSSQSLVHRHGNTYLH
VL4-G34A CDR-L1(配列番号69)
RSSQSLVHRNANTYLH
VL4-G34V CDR-L1(配列番号70)
RSSQSLVHRNVNTYLH
VH9-D54S CDR-H2(配列番号71)
VIWGSGSTNYHPNLMS
VH9-D54Q CDR-H2(配列番号72)
VIWGQGSTNYHPNLMS
VH9-D54E CDR-H2(配列番号73)
VIWGEGSTNYHPNLMS
VH9-D54A CDR-H2(配列番号74)
VIWGAGSTNYHPNLMS
VH9-D54H CDR-H2(配列番号75)
VIWGHGSTNYHPNLMS
VH9-G55A CDR-H2(配列番号76)
VIWGDASTNYHPNLMS
VH9-G55V CDR-H2(配列番号77)
VIWGDVSTNYHPNLMS
VH9-M64V CDR-H2(配列番号78)
VIWGDGSTNYHPNLVS
VH9-M64I CDR-H2(配列番号79)
VIWGDGSTNYHPNLIS
VH9-M64L CDR-H2(配列番号80)
VIWGDGSTNYHPNLLS
VH9-M64A CDR-H2(配列番号81)
VIWGDGSTNYHPNLAS
Ig軽鎖のN末端(配列番号82)
DVVMTQTP
短い硬質スペーサー(配列番号83)
VSPSV
長い硬質スペーサー(配列番号84)
VSPSVVSPSV
短い軟質スペーサー(配列番号85)
GGSGG
長い軟質スペーサー(配列番号86)
GGGGSGGGGS
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12
図13
図14
図15
【配列表】
2024521082000001.app
【国際調査報告】