(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】弾頭
(51)【国際特許分類】
F42B 12/80 20060101AFI20240521BHJP
F42B 12/24 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
F42B12/80
F42B12/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571544
(86)(22)【出願日】2022-04-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 SE2022050418
(87)【国際公開番号】W WO2022245264
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518357852
【氏名又は名称】ベーアーエー・システムズ・ボフォース・アクチエボラグ
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS BOFORS AB
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】トゥーマン,クリステル
(72)【発明者】
【氏名】ハムダン,ハムザー
(72)【発明者】
【氏名】トゥヴァンデル,フレドリク
(72)【発明者】
【氏名】マルムクヴィスト,オスカル
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン,ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】バルク,アレクサンデル
(57)【要約】
本発明は、内殻を有する弾頭部品を製造する方法に関し、当該方法は、以下のステップを有する。i.)熱可塑性の第1のケーシングが、前記内殻を囲むように配置され、ii.)予備成形された発射体が、熱可塑性の第1のケーシングと内殻との間に配置され、iii.)第1のケーシングを熱処理してすることで収縮させて、予備成形された発射体を内殻に固定する。本発明は、さらに、弾頭、発射体、および爆弾に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内殻(1)を有する弾頭のための部品の製造方法であって、該方法は以下のステップを含み、
i.)熱可塑性の第1のケーシング(10,10’)は、内殻を囲むように配置され、
ii.)予備成形された発射体は、前記第1のケーシング(10,10’)と前記内殻(1)との間に配置され、
iii.)前記第1ケーシング(10,10’)を熱処理することで収縮させて、前記予備成形された発射体を前記内殻(1)に固定する、方法。
【請求項2】
前記第1のケーシング(10)には、前記予備成形された発射体を配置できる開口部(12)が備えられている、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予備成形された発射体が前記第1のケーシング(10)と前記内殻(1)との間に配置された後、前記開口部(12)を備えた前記第1のケーシング(10)の上に第2のケーシング(20)が配置される、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記内殻(1)は、シェル本体フレームである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
金属ケーシングは、前記第1のケーシング(10,10’)、および場合によっては前記第2のケーシング(20)を含む前記接続部品上に配置され、前記内殻(1)に対して前記予備成形された発射体を取り囲んでいる、
請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
金属粉末は、熱間等方圧加圧法によって、第1のケーシング(10,10’)、場合によっては第2のケーシング(20)を有する共通の弾頭部品に配置され、前記予備成形された発射体を前記内殻(1)に取付け、それによって前記第1のケーシング(10,10’)、および場合によっては前記第2のケーシング(20)は、熱間等方圧加圧法の過程で蒸発させられる、
請求項3まはた4に記載の方法。
【請求項7】
前記内殻(1)のマントル表面には、バレットボウルの形の凹部(4)が配置されている
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法によって製造された弾頭。
【請求項9】
請求項8に記載の弾頭を組み込んだ発射体。
【請求項10】
請求項8に記載の弾頭を組み込んだ爆弾。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾頭の構成要素の製造方法、弾頭を備えた発射体、および弾頭を備えた爆弾に関する。
【背景技術】
【0002】
弾頭に予備成形された破片/榴弾/発射体が装備されているという事実は、専門家によって長い間知られていた。使用する予備成形された発射体を選択することで、弾頭の効果を目的に合わせることができる。関与する対象の種類によって、予備成形された発射体の数、予備成形された発射体の規模、予備成形された発射体の素材、予備成形された発射体の形状を決めることができる。弾頭が分解すると、予備成形された発射体と予備成形された破片は、あらかじめ決められた大きさ、速度、質量で飛散する。また、予備成形された発射体の位置や配置によって分散方向に影響を与えることも可能である。
【0003】
専門家によると、予備成形された発射体の配置以外に、所定のサイズと質量の発射体を製造するもう1つの方法は、弾頭の制御された破片を製造することである。これは通常、弾頭材料/シェルに溝を加工するなどして弾頭内に脆弱部を配置することにより達成され、破砕/爆発時に前記脆弱部の位置に応じて弾頭の分割が行われる。溝は、機械加工によって弾頭に追加することもできるし、製造中に、例えば鋳造、積層造形、または他の製造方法によって直接追加することもできる。
【0004】
予備成形された発射体の配置と単一弾頭の制御された破片を組み合わせることも一般的である。
【0005】
予備成形された発射体を配置するために、製造工程の一部でゴム製の固定具が使用されることがよくある。ゴム製固定具自体の製造には比較的コストがかかり、労働集約的である。新しい形状や幾何学形状には新しいゴム成形ツールが必要となるため、新製品の開発や既存製品の適応/修正の柔軟性も制限されており、その結果リードタイムや開発時間が長くなり、コストが高くなる。同様に、弾頭材料に溝をフライス加工して制御された破砕を達成することは、多くの場合困難であり、多大な労力を要する。
【0006】
予備成形された発射体を有する弾頭の製造方法の例は、米国特許明細書第3,815,504号に含まれており、この特許明細書は、弾頭/発射体の製造方法を示すものであり、2つの管状体を互いに同軸上に配置し、2つの管状体の間に配置された構成要素/破片/弾丸の直径に対応する距離をおいて製造された弾頭/発射体についても開示されている。装置が外部抵抗を伴って配置されると、内部圧力によって砕片/破片/弾薬の周囲の管状本体が形成される。
【0007】
予備成形された発射体を備えた弾頭の製造方法の別の例は、米国特許明細書第4,032,335号に記載されており、これは、金属粉末と破片/予備成形された発射体を金属構造物に対して一緒に配置して構成される複合材料を製造するプロセスを示している。複合材に静水圧圧縮をかけることで、金属粉末は周囲の金属に埋め込まれる。
【0008】
予備成形された発射体を有する弾頭を製造する代替方法のさらなる例は、米国特許出願公開第2009/0211484号明細書に記載されており、この明細書は、反応性材料またはポリマーのような不活性材料に埋め込まれた個々の予備成形片を有するワークピース部品を製造するための部品および方法を示している。
【0009】
上記公知技術に共通する側面は、予備成形された発射体の配置は、時間がかかり、技術的に難しく、コストがかかり、および/または同じ出力で繰り返すことが難しいという事実である。さらに、既知の技術には、労働安全衛生の問題に関連する製造上の問題が含まれる。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、予備成形された発射体および/または管理された分裂片を備えた、弾頭部品を製造する、より単純で、より迅速で、より費用対効果の高い手段、これにより、弾頭を製造する、より単純で、より迅速で、より費用対効果の高い手段を提供することである。さらに、この新しい方法は、弾頭部品を製造するための既知の方法と比較して、改善された作業環境を提供する。
【0011】
本発明は、内殻を有する弾頭部品を製造する方法に関し、該方法は以下のステップを含む。
i.)熱可塑性の第1のケーシングは、内殻を囲むように配置され、
ii.)予備成形された発射体は、第1の熱可塑性のケーシングと内殻の間に配置され、
iii.)第1のケーシングを熱処理することで収縮させて、予備成形された発射体を内殻に固定する。
【0012】
弾頭部品の取り付けを調整するための方法の追加の態様によれば、以下が適用される。
第1のケーシングには、予備成形された発射体を配置できる開口部が備えられている。
前記予備成形された発射体が、第1のケーシングと内殻との間に配置された後、開口部を備えた第1のケーシングの上に第2のケーシングが配置される。
内殻は、シェル本体フレームである。
金属ケーシングは、第1のケーシング、および場合によっては第2のケーシングを含む接続部品上に配置され、内殻に対して予備成形された発射体を取り囲んでいる。
金属粉末は、熱間等方圧加圧法によって、第1のケーシング、場合によっては第2のケーシングを有する共通の弾頭部品上に配置され、予備成形された発射体を内殻に対して取付け、それによって第1のケーシング、および場合によっては第2のケーシングは、熱間等方圧加圧法の過程で蒸発させられる。
内殻のマントル表面(mantle surface)には、バレットボウル(bullet bowls)の形の凹部が配置されている。
【0013】
本発明はさらに、上述の方法によって製造された弾頭を有する。
【0014】
本発明はさらに、弾頭を含む発射体を有する。
【0015】
本発明はさらに、戦闘用部品を有する爆弾である。
【発明の効果】
【0016】
実証された方法に従って、弾頭/発射体部品および/または発射体を予備成形された発射体を製造することにより、従来知られていた製造方法よりも、より速く、より安く、より簡単に、作業環境に関する問題を少なくして発射体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、図を参照して本発明を説明する。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による弾頭用のシェル本体の透視図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による第1のケーシングを囲むように配置された弾頭用のシェル本体の透視図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による第1のケーシングを囲むと共に第2のケーシングを囲むように配置された弾頭用のシェル本体の透視図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による第1のケーシングの透視図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態による第2のケーシングの透視図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の別の実施形態による第1のケーシングを囲むように配置された弾頭用のシェル本体の透視図を示す。
【
図7】
図7は、本発明の別の実施形態による、第1のケーシングを囲むように配置された弾頭用のシェル本体の透視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、発射体や手榴弾と同様に、弾頭/信管の製造方法に関する多くの実施形態を示す。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施形態による弾頭の内殻1を示す。弾頭の本体である内殻1は、弾頭が信管またはシェル本体とも呼ばれる場合、例えば、旋盤加工などの切削加工、または積層造形によって製造されるが、例えば、鋳造、プレス、または絞り加工によって製造することもできる。内殻1は、発射体の製造における部品として使用できるスペーサー材料で作ることもでき、その場合、内殻は、弾頭/信管を製造する製造工程の一段階として、弾頭フレーム内に配置できる。弾頭は、目標との戦闘に適合した装置であり、信管とも呼ばれ、手榴弾のような発射体から構成される場合もあれば、手榴弾や子弾のような発射体の構成要素である場合もある。内殻1は中空で、そこに爆発物を入れることができる。内殻1はまた、前部2と後部3にそれぞれノーズセクションとアフトセクションが受け入れられるように設計されている。ノーズセクション(nose section)とスターンセクション(stern section)は、弾頭の所望の特性に応じて、例えば、異なる信管の形態のノーズセクションや、例えば、カートリッジに適合させたスターンセクションや、発射体に適した他のスターンセクションなど、様々な設計を施すことができる。内殻1は、専門家がその目的に適していると認める何らかの材料で作られていることが好ましく、通常は金属材料であるが、プラスチックや複合材料であってもよく、材料の様々な例は工学の分野ですでに知られている。内殻1には、バレットボウル(bullet bowls)とも呼ばれる凹部4を配置でき、その中に予備成形された発射体を配置できる。内殻は、凹部4内に配置された予備成形された発射体の駆動ミラー(driving mirror)として機能し、信管を爆発させるときの予備成形された発射体の弾道軌道に影響を与える。
【0020】
図2は、内殻を示しており、好ましくは、例えば従来の旋削によって機械加工された金属で作られているか、または積層造形法によって製造されている。各発射体の凹部4は、図示の実施形態の内殻1に設けられている。内殻1の周囲には、囲われた第1のケース10が配置され、第1のケーシング10にはスロットである出口12が配置されている。第1のケーシング10は、内殻1の周囲に配置され、すなわち内殻1の外径の周囲で、図にも示すように、内殻の軸方向の延長に沿って半径方向に内殻を取り囲むことを意味する。
【0021】
図2には、囲いケーシング10の下の凹部4の位置を示す開口部を備えた囲いケーシングが示されている。予備成形された発射体は、一部が凹部4内に配置されるように出口12を介して配置される。図示の実施形態では、弾丸型の発射体が使用されているため、凹部はバレットボウル、すなわち弾丸に適合したボウル型の設計である。一実施形態では、球状の発射体は、すべての凹部4に球状の発射体が配置されるように出口12を通って配置され、その後、凹部4の次の列が出口12に見えるように内殻1が回転され、その後、次の列に球状の発射体が配置され、その後、内殻1が再び回転されて、出口12に凹部4の次の列が露出する。この工程は、すべての凹部4に球状の発射体が配置されるまで繰り返される。好ましくは、出口12は、重力によって凹部4に装着されたボールが保持されるように、開口部を上向きにして垂直に配置される。内殻1を回転させると、すでに取り付けられている球状の発射体は第1のケーシング10によって保持される。予備成形された発射体は、破片および/または榴弾と呼ばれることもある。
図2に示す実施形態では、予備成形された発射体は弾丸型/球形であるが、適用分野に応じて変えることができる。
【0022】
図3は、本発明による弾頭の製造工程を示す。第2のケーシング20が第1のケーシング10の上に配置されている。第1のケーシング10と第2のケーシング20の両方は、内殻1の一部または全部に沿って軸方向に延びているが、好ましい実施形態では、前部2および後部3の端部は、それぞれノーズ部分およびスターン部分に接続するために自由な状態になっている。第2のケーシング20には開口部12が設けられていないため、第2のケーシング20は第1のケーシング10を囲み、内殻1と第1のケーシング10との間に配置された予備成形された発射体がそれぞれの凹部4から脱落したり、分離したり、ずれたりすることを防止している。第1のケーシング10および第2のケーシング20の製造材料は、好ましくは、材料が熱特性/融点、強度、後続の製造工程に影響を与えない能力などの特性を有するように選択されたポリマーである。
【0023】
図4は、第1のケーシング10に開口部12を設けた状態を示している。第1のケーシングは、熱可塑性プラスチック、例えば熱可塑性ポリエステルなど、プラスチックとも呼ばれるポリマーでできているのが好ましい。適切な材料の例としては、PETとしても知られるポリエチレンテレフタレートや、HDPE(高密度ポリエチレン)などの高分子量の熱可塑性ポリマーが挙げられる。第1のケーシングは、予備成形された発射体が配置された内殻にフィットするように設計されている。すなわち、第1のケーシング10の内側の半径によって、内殻1上に配置できる。予備成形された破片を内殻に配置し、第1のケーシング10によって保持できるように、すなわち、内殻1と第1のケーシング10の間に配置できるように設計されている。
【0024】
図5は第2のケーシング20を示している。第2のケーシングはまた、熱可塑性プラスチック、例えば熱可塑性ポリエステルなど、プラスチックとも呼ばれるポリマーでできていることが好ましい。適切な材料の例としては、PETやHDPEがある。第2のケーシング20は第1のケーシング10の上にフィットするように設計されている。
【0025】
第1のケーシング10と第2のケーシング20の製造中に、プラスチックは内殻1に配置するのに適した形状に拡張された状態に引き延ばされる。プラスチックは、熱成形、押出成形、ブロー成形で希望の形状にできる。ブロー成形では、例えば押出成形されたポリマーチューブの形の原料を、所望の形状を持つチャンバ内に入れることができる。ポリマーチューブが金型に配置されると、チャンバは完全に閉じられ、加熱されながらポリマーチューブにガスが流入する。ガスはポリマーチューブを満たし、ポリマーチューブの一端に配置されたねじ継手に取り付けられ、チャンバの形状に従って落ち着くようにポリマーチューブを圧迫する。その後、金型を冷却し、製品を取り出す。第1のケーシング10や第2のケーシング20のようなケーシングを製造する場合、ケーシングはボトルの形で製造され、その後、上部および下部を除去してケーシングの形に機械加工されてもよい。ブロー成形(shape-blown)で、引き伸ばされた第1のケーシング10および/または第2のケーシング20が熱にさらされると、第1のケーシング10および/または第2のケーシング20はポリマーチューブの形状に戻ろうとする。言い換えれば、第1のケーシング10および/または第2のケーシング20は縮小する。覆われた部品は、温度がガラス転移温度を超えてもプラスチックの融点以下であれば、元の形状に戻る。
【0026】
代替実施形態では、
図6に示すように、出口なしに配置された第1のケーシング10’が内殻1上に配置され、これにより第1のケーシング10’と内殻1との間に距離が生じ、その間に、例えば弾薬などの予備成形された発射体を充填できる。第1のケーシング10’の間を例えば弾薬30の形で予備成形された発射体を充填する場合、第1のケーシング10’を内殻1に対して収縮するように熱処理し、それによって予備成形された発射体である弾薬30を内殻1に対して保持固定できる。熱処理は、熱風、オーブン、IRヒーターで行うことができる。予備成形された発射体の充填を容易にするために、第1のケーシング10’に漏斗状の開口部14を設け、その中に予備成形された発射体を配置してもよい。漏斗状の開口部は、第1のケーシング10’と内殻1との間に予備成形された発射体を配置した後に除去できる。
図6に示す発射体、ひいては内殻1は、後端部40と、プライマー管を配置するためのねじ部50を備えている。予備成形された発射体30が第1のケーシング10’と内殻1の間に配置される場合、予備成形された発射体30が内殻1の内部で終端するのを避けるために、プラグ52をねじ部50の中または上に配置してもよい。第1のケーシング10’の材料の選択は、好ましくは熱可塑性プラスチック、例えば熱可塑性ポリエステルである。適切な材料の例としては、PETやHDPEがある。
【0027】
図7は、完全な信管/弾頭を製造する工程の一部として、弾頭用部品がさらなる取り扱いに備えて準備されている代替実施形態を示す。第1のケーシング10’は、予備成形された発射体が固定されるように縮められ、第1のケーシングは、
図6に示す漏斗14のようなケーシングの一部が取り除かれるように加工される。例えば、弾頭部品から不要な部分をナイフ、ヒートナイフ、ワイヤーカッター/ヒートワイヤーで切断したり、その他の方法で除去したりできる。
【0028】
信管部品には第1のケーシングが含まれており、場合によっては予備成形された発射体を内殻に固定する第2のケーシングなどの追加のケースも含まれる。信管部品が製造されると、例えば鋼鉄またはアルミニウムの外側ケーシングを適用するか、熱間等方圧加圧法のHIPによって金属粉末を信管部品に適用することによって、追加の材料を適用して完全な信管/発射体を製造できる。HIPを使用して信管部品に材料を塗布すると、第1のケーシング10のポリマー、場合によっては第2のケーシング20のポリマーが熱分解によって蒸発する。蒸留とも呼ばれる熱分解は、酸素のない環境で物質を高温に加熱し、燃焼させずに分解するプロセスである。熱分解中、揮発性物質がガス状で放出されるが、固体または液体の残留物が残る。内殻1、場合によっては内殻に装着された工具、予備成形された発射体、第1のケーシング10、10’、場合によっては第2のケーシング20が、HIPコンテナ内に一緒に配置されている。HIPコンテナは、高温高圧下で粉末をHIPPAD体に成形できるように配置した装置である。フレームが、予備成形された発射体および第1のケーシング10、10’、場合によっては第2のケーシング20とともに、HIPコンテナに配置された後、粉末がHIPコンテナに配置される。粉末材料をHIPコンテナに配置した後、HIPコンテナを真空にし、振動させ、密閉して粉末をHIPコンテナに均一に分散させる。次にHIPが実施される。すなわち、HIPコンテナに取り付けられた接続装置にガスを供給して、HIPコンテナ内に等静水圧を発生させる。ガスをHIPコンテナに適用する前に、HIPコンテナを真空ポンプで排気するか、空気または排気前にHIPコンテナ内に配置された充填ガス/流体を使用して排気できる。同時に、HIPコンテナ全体が加熱される。このプロセスの後、複合体とHIPコンテナが作成され、余分な材料が処理される。HIPの対象となる本体を機械加工した後、工具がフレームから取り外されてもよい。フレームの加工および除去が完了した後、本体は熱処理を受けることができる。これは、結合された本体が加熱されることを意味する。熱処理後の材料は、切削などの機械加工に適している。工具を取り外した後、HIP処理されたフレームの硬化が起こり得る。
【0029】
さらに、完全な発射体を製造するために、内殻1にエネルギー物質が充填されてもよく、信管は信管部品のノーズに取り付けられてもよく、スターン部が内殻1の一部でない場合には、スターン部または後部が信管部品に取り付けられてもよい。
【0030】
[別の実施形態]
本発明は、具体的に示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の枠内で様々に変形できる。
【0031】
例えば、予備成形された発射体の数、材料の選択、ポリマーや幾何学的形状の選択、含まれる要素や細部は、個々のケースで適用される1つまたはいくつかの兵器システム、プラットフォーム、その他の関連する構造の特性に適合させることは明らかである。
【0032】
さらに、本発明は、手榴弾、高火薬弾、爆弾、ミサイル、ロケット弾を含む、あらゆる種類の弾頭、信管、発射体を包含する。また、手榴弾やさまざまな種類の地雷など、その他の弾頭も含まれる。
【国際調査報告】