(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】局所的な治療的処置のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 31/00 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
A61M31/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571896
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 US2022030221
(87)【国際公開番号】W WO2022246174
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519392030
【氏名又は名称】バイオナット ラブス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、スヒョン
(72)【発明者】
【氏名】クロス、フローレント
(72)【発明者】
【氏名】キセリョフ、アレックス
(72)【発明者】
【氏名】シュピゲルマッハー、マイケル
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA01
4C066BB05
4C066CC06
4C066DD11
4C066QQ48
4C066QQ54
(57)【要約】
触媒エネルギーの送達などの局所的な治療効果を誘導するために送達するために、かつ/又はプロドラッグを薬学的に活性な薬物に変換するために、患者内をその場所にナビゲートするように構成されたシステム及び超小型デバイスが提供される。そのようなシステム及びデバイスを使用した様々な処置方法が更に提供される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者内の標的部位の処置を容易にするように構成されたシステムであって、
外部非接触力による操作の下で前記標的部位に操作されるように構成された少なくとも1つの超小型デバイスであって、外部からトリガされるエネルギー供給部を備える、少なくとも1つの超小型デバイスと、
前記患者内を移動するように前記超小型デバイスを操作するための前記外部非接触力を作り出すように構成された駆動装置と、
前記エネルギー供給部を遠隔でトリガして、前記標的部位で治療効果を誘発するための触媒用量のエネルギーを生成するように構成されたトリガ装置と、を備える、システム。
【請求項2】
治療剤による前記処置を容易にするように構成されており、
前記治療剤が、前記触媒用量のエネルギーの存在下で前記治療効果を生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記治療剤が、光活性化されるように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記治療剤が、光感作剤、光開裂性部分、並びに/又は光への曝露時に活性コンフォメーション、集合、凝集、及び/若しくは修飾を想定する分子を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記触媒用量のエネルギーが、前記治療効果を容易にする前記患者内の生理学的プロセスをトリガする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記生理学的プロセスが、強化された局所薬物動態、吸収、生理学的バリアの破裂、分布、透過性、増殖、分化、接着、運動性、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記超小型デバイスが、前記エネルギー供給部に固定され、前記外部非接触力と相互作用して、操作をもたらすように構成された駆動部分を更に備え、
前記駆動部分が、前記エネルギー供給部から分離するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記トリガ及び/又は駆動装置が、前記超小型デバイスの前記駆動部分と前記エネルギー供給部との前記分離を指示するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記駆動部分が、所定の条件下で破壊されるように構成されている接着剤材料によって、前記エネルギー供給部に固定され、それによってキャリア部分を前記駆動部分から分離する、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記所定の条件が、溶融、溶媒中の溶解、化学的に誘発されたマトリックス破裂、電波及び/又は超音波への曝露、並びに近赤外線周波数への曝露からなる群から選択される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
治療剤を更に含み、前記接着剤材料の破壊により、前記治療剤が放出される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記接着剤材料が、前記治療剤と混合されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記接着剤材料が、前記接着剤材料の前記破壊を遅延させるように構成された生体侵食性材料によって環境から絶縁されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記超小型デバイスが、前記標的部位に隣接する前記エネルギー供給部をアンカするように構成された1つ以上のアンカを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記超小型デバイスが、プロドラッグの治療剤への変換を容易にするために、プロドラッグ活性化剤を担持する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
触媒用量のエネルギーの存在下で前記治療効果を生成するように更に構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記プロドラッグ活性化剤が、ウイルスベクターを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記超小型デバイスが、1つ以上の所定の条件下で、前記標的部位で少なくとも部分的に消散し、それによって、前記プロドラッグ活性化剤を放出するように構成されたコーティングを更に含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
プロドラッグの変換によって形成された治療剤による患者内の標的部位の処置を容易にするように構成されたシステムであって、
外部非接触力による操作の下で前記標的部位に操作されるように構成された少なくとも1つの超小型デバイスであって、前記プロドラッグを前記治療剤に変換する活性化剤を担持する、少なくとも1つの超小型デバイスと、
前記患者内を移動するように前記超小型デバイスを操作するための前記外部非接触力を作り出すように構成された駆動装置と、を備える、システム。
【請求項20】
前記活性化剤が、前記プロドラッグと直接相互作用することによって、前記プロドラッグを前記治療剤に変換する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記活性化剤が、酵素及び/又は酵素活性オリゴヌクレオチドを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記活性化剤が、補助活性化剤をコードし、前記補助活性化剤が、前記プロドラッグと直接相互作用することによって、前記プロドラッグを前記治療剤に変換する、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
細胞外、細胞内、及び/又は核内プロセスは、前記活性化剤によってコードされる前記補助活性化剤を発現する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記活性化剤が、酵素前駆体、オリゴヌクレオチド前駆体、及び/又はプロテアーゼ前駆体を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記活性化剤の細胞送達のために構成されたベクターを更に含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記ベクターが、アデノ随伴ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトパピローマウイルス配列、1つ以上の小分子、1つ以上の脂質、ペプチド配列、及び認識配列を含む群から選択される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記活性化剤が、キナーゼ、ホスファターゼ、ペプチダーゼ、リガーゼ、リアーゼ、ヒドロラーゼ、プロテアーゼ、デアセチラーゼ、ホスホジエステラーゼ、エステラーゼ、アミダーゼ、レダクターゼ、ホスホリパーゼ、若しくはシトクロムから選択される1つ以上の酵素であり、かつ/又はそれらをコードする、請求項19に記載のシステム。
【請求項28】
前記活性化剤が、前記超小型デバイスの外面上で担持される、請求項19に記載のシステム。
【請求項29】
前記超小型デバイスが、1つ以上の所定の条件下で、前記標的部位で少なくとも部分的に消散し、それによって、前記活性化剤を放出するように構成されたコーティングを更に含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項30】
前記コーティングが、前記活性化剤を取り囲む、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記活性化剤が、前記コーティングの材料と混合される、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記所定の条件のうちの少なくとも1つが、溶解、分散、分解、代謝、pHの変化、酸化還元反応、又は1つ以上の酵素の存在から選択される、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
前記超小型デバイスが、前記活性化剤を制御可能に放出するように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項34】
患者内の標的部位での局所的な処置を提供するための方法であって、
請求項1~18のいずれか一項に記載のシステムを提供するステップと、
前記システムの前記超小型デバイスを注射部位で前記患者に導入するステップと、
前記システムの前記駆動装置を動作させて、前記超小型デバイスを前記標的部位にナビゲートするステップと、
前記トリガ装置を動作させて、前記超小型デバイスをトリガして、前記標的部位で治療効果を誘発するための触媒用量のエネルギーを生成するステップと、を含む、方法。
【請求項35】
前記患者に治療剤を投与するステップを更に含み、
前記治療剤が、前記触媒用量のエネルギーの存在下で前記治療効果を生成する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
患者内の標的部位での局所的な処置を提供するための方法であって、
請求項19~33のいずれか一項に記載のシステムを提供するステップと、
前記システムの前記超小型デバイスを注射部位で前記患者に導入するステップと、
前記システムの前記駆動装置を動作させて、前記超小型デバイスを前記標的部位にナビゲートするステップと、
前記患者にプロドラッグを投与するステップであって、前記プロドラッグが、前記活性化剤によって前記治療剤に変換され、前記標的部位で前記処置をもたらす、ステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、触媒エネルギーの送達などの局所的な治療効果を誘導するために、かつ/又はプロドラッグを薬学的に活性な薬物に変換するために、患者内をその場所にナビゲートするように構成されたシステム及び超小型デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
治療薬及び診断薬は、伝統的に、経口、経鼻、静脈内、皮下、筋肉内、シリンジの使用、錠剤、軟膏、スプレー、溶液などを含む様々な経路を介して患者に投与されてきた。患者の体にアクセスするためのこれらの従来の経路及び手段は、様々ないくつかの主要な欠点を有する。
【0003】
第一に、治療薬の全般的な投与は、常に望ましいわけではない。多くの場合、有害な副作用のリスクのために、腫瘍などの所望の標的にのみ治療薬を送達することが好ましいであろう。更に、いくつかの治療薬は、非常に高価であり、高価な治療薬を、患者の体内で必要とされる場所にのみ標的化することは、貴重な資源のより効率的な使用であろう。
【0004】
人体内を移動する医療デバイスの遠隔制御は、治療用ペイロードの送達、診断、又は外科的手技を含む様々な目的に有用であり得る。多くの医療用途において、生体内を移動するためにモバイル医療デバイスを使用することが有用であろう。例えば、内部デバイスを、組織を通して、特定の所望の解剖学的場所まで移動させて、薬剤を活性化することが望ましい場合がある。そのようなデバイスは、マイクロスケール又はナノスケールのロボット、医療ツール、「スマートピル」などを含み得る。
【0005】
そのようなデバイスは、自己推進又は外部推進機構のいずれかを介して、体内で移動することができる場合がある。そのようなデバイスの正確な場所及び追跡は、正しい解剖学的場所でのそれらの適切な機能、より具体的には、治療用ペイロード及び/又は診断用物質の正確な送達を確実にするために必要とされ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の主題の一態様によれば、患者内の標的部位での処置を容易にするように構成されたシステムであって、
●外部非接触力による操作の下で標的部位に操作されるように構成された少なくとも1つの超小型デバイスであって、超小型デバイスが、外部トリガされたエネルギー供給部を備える、少なくとも1つの超小型デバイスと、
●患者内を移動するように超小型デバイスを操作するための外部非接触力を作り出すように構成された駆動装置と、を備える、システムが提供される。
【0007】
いくつかの実施形態では、システムは、触媒用量のエネルギーを生成するためにエネルギー供給部を遠隔でトリガするように構成されたトリガ装置を更に備え、エネルギー供給部は、標的部位で治療効果を誘発するために触媒用量のエネルギーを生成するように構成されており、それによって処置を容易にする。
【0008】
いくつかの実施形態では、超小型デバイスは、プロドラッグ活性化剤を担持し、プロドラッグの治療剤への変換を容易にし、それによって処置を容易にするように構成されている。したがって、活性化剤は、処置を容易にするための触媒として機能し得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、システムは、触媒用量のエネルギーを生成するためにエネルギー供給部を遠隔でトリガするように構成されたトリガ装置を備え、超小型デバイスはまた、プロドラッグの治療剤への変換を容易にし、それによって処置を容易にするプロドラッグ活性化剤を担持する。
【0010】
本開示の主題の別の態様によれば、患者内の標的部位での治療剤による処置を容易にするように構成されたシステムであって、当該治療剤が、プロドラッグの変換によって形成され、
●外部非接触力による操作の下で標的部位に操作されるように構成された少なくとも1つの超小型デバイスであって、超小型デバイスが、プロドラッグを治療剤に変換する活性化剤を担持する、少なくとも1つの超小型デバイスと、
●患者内を移動するように超小型デバイスを操作するための外部非接触力を作り出すように構成された駆動装置と、を備える、システムが提供される。
【0011】
いくつかの実施形態では、駆動装置は、超小型デバイスを操作して、患者内の経路に沿って1つ以上のガイド物質及び/又は認識物質を選択的に放出するように更に構成されており、認識物質は、ガイド物質に対して高い親和性を有する。いくつかのそのような実施形態では、システムは、各々が治療剤及び認識物質を含む1つ以上の送達ユニットを更に備える。いくつかの実施形態では、超小型デバイスは、所定のプログラムに従ってガイド物質を放出するように構成されている。いくつかの実施形態では、超小型デバイスは、経路に沿って放出されたガイド物質の密度を選択的に変化させるように構成されている。例えば、超小型デバイスは、それが標的部位に近づくにつれて放出されるガイド物質の密度を増加させるように構成されている。
【0012】
駆動装置が、超小型デバイスを操作して、1つ以上のガイド物質及び/又は認識物質を選択的に放出するように構成されているそのような実施形態では、ガイド及び認識物質のうちの一方は、ストレプトアビジンを含み、ガイド及び認識物質のうちの他方は、ビオチンを含む。ガイド及び認識物質のうちの1つは、ケモカインリガンド2(CCL2)を含み得、ガイド及び認識物質のうちの他方は、ケモカイン受容体2型(CCR2)を含み得る。ガイド及び/又は認識物質は、それを発現するように構成されているという意味で化学物質を含み得ることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、認識物質は、切断型リンカーを介して、治療剤に接続されている。切断型リンカーは、内因性刺激を介して切断されやすい不安定な化学結合であり得る。内因性刺激は、酸性環境、還元酸化反応、及び酵素から選択され得る。切断型リンカーは、外部刺激を介して切断されやすい不安定な化学結合であり得る。外部刺激は、超音波信号、光信号、及び電気信号から選択され得る。認識物質は、非切断型リンカーを介して、治療剤に接続され得る。治療剤は、認識物質を構成するか、又は含み得る。各送達ユニットは、例えば、認識物質が細胞を含む実施例に従って、1つ以上の外因性又は内因性刺激に応答して治療剤を放出するように構成され得る。治療剤は、小分子、ペプチド、ペプトイド、オリゴヌクレオチド配列、核酸、腫瘍溶解性ウイルス、内因性細胞、及び/又は操作された細胞から選択される少なくとも1つを含み得る。認識物質は、分子及び細胞から選択され得る。
【0013】
システムは、触媒用量のエネルギーの存在下で治療効果を生成するように構成された治療剤による処置を容易にするように構成され得る。例えば、治療剤は、光活性化されるように構成されており、光感作剤であり、かつ/又は光開裂性部分を有する。代替的に、治療剤は、光への曝露時に活性コンフォメーション、集合、凝集、及び/又は修飾を想定する1つ以上の分子を含む。
【0014】
システムは、治療剤を含み得る。
【0015】
触媒用量のエネルギーは、患者内の生理学的プロセスをトリガするように構成され得、生理学的プロセスは、治療効果を容易にする。例えば、プロセスは、強化された局所薬物動態、吸収、生理学的バリアの破裂、分布、透過性、増殖、分化、接着、運動性、及びそれらの組み合わせから選択され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、触媒用量のエネルギーは、光エネルギーである。いくつかの実施形態では、トリガ装置は、生成されたエネルギーレベルを変化させるようにエネルギー供給部を指示するように構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、超小型デバイスは、エネルギー供給部に固定され、外部非接触力と相互作用して、操作をもたらすように構成された駆動部分を更に備え、駆動部分は、エネルギー供給部から分離するように構成されている。トリガ又は駆動装置は、駆動部分とエネルギー供給部との分離を指示するように構成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、システムは、プロドラッグを更に含み得る。
【0019】
プロドラッグ活性化剤は、プロドラッグと直接相互作用することによって、プロドラッグの治療剤への変換を容易にし得る。活性化剤は、酵素及び/又は酵素活性オリゴヌクレオチドを含み得る。
【0020】
活性化剤は、補助活性化剤をコードし得、補助活性化剤は、プロドラッグと直接相互作用して、その治療剤への変換を容易にするように構成されている。細胞外、細胞内、及び/又は核内プロセスは、活性化剤によってコードされる補助活性化剤を発現し得る。活性化剤は、酵素前駆体、オリゴヌクレオチド前駆体、及び/又はプロテアーゼ前駆体を含み得る。
【0021】
システムはまた、活性化剤の細胞送達のために構成されたベクターを含み得る。
【0022】
ベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトパピローマウイルス配列、1つ以上の小分子、1つ以上の脂質、ペプチド配列、及び認識配列から選択され得る。
【0023】
活性化剤は、内因性又は非内因性ヒト酵素、プロ酵素、活性酵素をコードする構築物、及び細胞/核送達配列(例えば、小分子、脂質、特異的受容体親和性配列、AAVベースの送達ベクター)から選択され得る。
【0024】
活性化剤は、キナーゼ、ホスファターゼ、ペプチダーゼ、リガーゼ、リアーゼ、ヒドロラーゼ、プロテアーゼ、デアセチラーゼ、ホスホジエステラーゼ、エステラーゼ、アミダーゼ、レダクターゼ、ホスホリパーゼ、若しくはシトクロムであり得、かつ/又はこれらをコードし得る。
【0025】
活性化剤は、超小型デバイスの外面上で担持され得る。
【0026】
超小型デバイスは、1つ以上の所定の条件下で、標的部位で少なくとも部分的に消散し、それによって活性化剤を放出するように構成されたコーティングを含み得る。所定の条件のうちの少なくとも1つは、磁気、超音波、高周波(RF)、光学、電気、及びそれらの1つ以上の組み合わせから選択され得、システムは、標的部位で所定の条件を確立するように構成された破壊装置を更に備える。
【0027】
所定の条件のうちの少なくとも1つは、溶解、分散、分解、代謝、pH変化、酸化還元反応、及び1つ以上の酵素の存在から選択され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、コーティングは、活性化剤を取り囲み得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、活性剤は、コーティングの材料と混合され得る。
【0030】
超小型デバイスは、活性化剤を制御可能に放出するように構成され得る。
【0031】
本開示の主題の他の態様によれば、患者内の標的部位での処置を容易にするためのシステムであって、標的部位に対して、例えば、外部非接触力による操作の下で操作可能であるように構成された超小型デバイスを備え、超小型デバイスが、標的部位で治療効果を誘導するように構成された少なくとも1つの要素を備える、システムが提供される。
【0032】
要素は、患者に投与される物質(例えば、治療薬又は他の薬剤)によって治療効果を誘導するように構成され得、そのように誘導されない場合には不活性である。
【0033】
要素は、本明細書に説明されるように、標的部位でプロドラッグの治療剤への変換を容易にするように構成された活性化剤を含み得る。
【0034】
要素は、例えば、治療剤を活性化することによって、かつ/又は標的部位で患者内の生理学的プロセスをトリガすることによって、標的部位で治療効果を誘導するための触媒用量のエネルギーを生成するように構成されたエネルギー源を含み得る。
【0035】
本開示の主題の他の態様によれば、上記のシステムを使用して、患者内の標的部位に局所的な処置を提供するための方法が提供される。
【0036】
駆動部分は、接着材料によって、エネルギー供給部に固定され得る。接着剤材料は、所定の条件下で破壊されるように構成され得、それによって、キャリア部分を駆動部分から分離する。所定の条件は、溶融、溶媒中の溶解、化学的に誘発されたマトリックス破裂、電波及び/又は超音波への曝露、並びに近赤外線周波数への曝露から選択され得る。
【0037】
超小型デバイスは、治療剤を含み得、接着剤材料を破壊することは、治療剤を放出する。接着剤材料は、治療剤と混合され得る。
【0038】
接着剤材料は、接着剤材料の破壊を遅延させるように構成された生体侵食性材料によって環境から絶縁され得る。
【0039】
超小型デバイス、例えば、そのエネルギー供給部は、標的部位に隣接してエネルギー供給部をアンカするように構成された1つ以上のアンカを備え得る。
【0040】
非接触力は、磁気、電磁、超音波、高周波、光学、及びそれらの1つ以上の組み合わせを含む群から選択され得る。
【0041】
本開示の主題の別の態様によれば、患者内の標的部位に局所的な処置を提供するための方法であって、
●本明細書に説明されるシステムを提供することと、
●システムの超小型デバイスを注射部位で患者に導入することと、
●システムの駆動装置を動作させて、超小型デバイスを標的部位にナビゲートすることと、
●患者にプロドラッグを投与することであって、プロドラッグが、超小型デバイスによって担持される活性化剤によって、かつ/又は超小型デバイスからの触媒用量のエネルギーによって治療剤に変換され、それによって標的部位での処置をもたらす、投与することと、を含む、方法が、提供される。
【0042】
本開示の主題の別の態様によれば、患者の標的部位に局所的な処置を提供するための方法であって、
●上記のようなシステムを提供することと、
●システムの超小型デバイスを注射部位で患者に導入することと、
●システムの駆動装置を動作させて、超小型デバイスを標的部位にナビゲートすることと、
●トリガ装置を動作させて、超小型デバイスをトリガして、標的部位で治療効果を誘発するための触媒用量のエネルギーを生成することと、を含む、方法が、提供される。
【0043】
方法は、触媒用量のエネルギーの存在下で治療効果を生成するように構成されている治療剤を患者に投与することを更に含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本明細書に開示される主題をよりよく理解し、それが実際にどのように実施され得るかを示すために、ここで、添付の図面を参照して、非限定的な実施例として、実施形態を説明する。
【0045】
【
図1A】本明細書に説明されるシステムの実施形態を概略的に示す。
図1Aは、システムが触媒エネルギーを送達する実施形態を示す。
【
図1B】本明細書に説明されるシステムの実施形態を概略的に示す。
図1Bは、システムがプロドラッグ活性化剤を送達する実施形態を示す。
【
図2】
図1Aのシステムの超小型デバイスのトリガ回路を概略的に示す。
【
図3】
図1Aのシステムの超小型デバイスのハーベスト回路を概略的に示す。
【
図4】
図1Aに示されるシステムの超小型デバイスの実施例を示す。
【
図5A】
図1Bに例解されるシステムの超小型デバイスの実施例である。
図5A~5Bは、コーティングを有する実施形態を示す。
【
図5B】
図1Bに例解されるシステムの超小型デバイスの実施例である。
図5A~5Bは、コーティングを有する実施形態を示す。
【
図5C】
図1Bに例解されるシステムの超小型デバイスの実施例である。
図5Cは、内部にペイロードを含む内部チャンバを有する実施形態を示す。
【
図6A】
図1に例解されるシステムを使用した、患者内の標的部位における患者の局所的な処置の方法を示すブロック図である。
図6Aは、
図1Aに例解されるようなシステムを使用した局所的な処置の方法を示す。
【
図6B】
図1に例解されるシステムを使用した、患者内の標的部位における患者の局所的な処置の方法を示すブロック図である。
図6Bは、
図1Bに例解されるようなシステムを使用した局所的な処置の方法を示す。
【
図7】
図1A~1Bに例解されるシステムの修正例を示す。
【
図8A】以下の実施例に説明されるように処置されたマウスからの写真生物発光データを示す。
図8Aは、陰性対照を示す。
【
図8B】以下の実施例に説明されるように処置されたマウスからの写真生物発光データを示す。
図8B、8C、及び8Dは、右脳半球に投与された3つの実験マウス試料を示す。
【
図8C】以下の実施例に説明されるように処置されたマウスからの写真生物発光データを示す。
図8B、8C、及び8Dは、右脳半球に投与された3つの実験マウス試料を示す。
【
図8D】以下の実施例に説明されるように処置されたマウスからの写真生物発光データを示す。
図8B、8C、及び8Dは、右脳半球に投与された3つの実験マウス試料を示す。
【
図9A】以下の実施例に説明されるように処置されたマウスからの写真生物発光データを示す。
図9A及び9Cは、同じ個々の陰性対照マウス試料を示す。
【
図9B】以下の実施例に説明されるように処置されたマウスからの写真生物発光データを示す。
図9B及び9Dは、11日間の処置における同じ個々の実験マウス試料を示す。
図9Bは、マウスの左脳半球における第1の標的の生物発光を示す。
【
図9C】以下の実施例に説明されるように処置されたマウスからの写真生物発光データを示す。
図9A及び9Cは、同じ個々の陰性対照マウス試料を示す。
【
図9D】以下の実施例に説明されるように処置されたマウスからの写真生物発光データを示す。
図9B及び9Dは、11日間の処置における同じ個々の実験マウス試料を示す。
図9Dは、マウスの右脳半球における第2の標的の生物発光を示す。
【
図10A】60日間の処置における、
図9B、9Dと同じマウス試料からの写真生物発光データを示す。
図10Aは、左半球における第1の標的の生物発光を示す。
【
図10B】60日間の処置における、
図9B、9Dと同じマウス試料からの写真生物発光データを示す。
図10Bは、右半球における第2の標的の生物発光を示す。
【
図10C】60日間の処置における、
図9B、9Dと同じマウス試料からの写真生物発光データを示す。
図10Cは、
図10A及び10Bの生物発光データを反映した層状複合画像を示す。
【
図11】
図1Bのシステムの実施形態を使用して処置された実験マウスからの2つの異なる生物発光出力の三次元空間表現を示す。
【
図12】ガイド物質を有するシステムの実施形態を示す。
【
図13】本明細書で説明されるシステムの超小型デバイスの一実施形態を示す、超小型デバイスは、ペイロードを担持し得る内部チャンバを有する。
【
図14】ガイド物質とともにシステムを使用する方法のブロック図を示す。
【
図15】超小型デバイスの例示的な経路を例解し、超小型デバイスは、患者の脳内の標的部位に1つ以上の治療剤を送達する。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1A~1Bに例解されるように、例えば、患者内の標的部位での(例えば、その近傍;「近傍(vicinity)」を構成するものの範囲は、ユーザによって決定され得る)治療剤による患者の処置のための、概して10で示されるシステムが提供される。治療剤は、例えば、薬学的、診断的、評価的、及び/又は治療的関連性の1つ以上の化学化合物を含み得、具体的には、そのような治療剤は、外部の所定の用量のエネルギーへの曝露によって活性化されることによって特徴付けられ得、かつ/又は活性化剤によって活性化され得るプロドラッグであり得る。
【0047】
本明細書で使用される「用量(dose)」という用語は、エネルギーが、例えば、エネルギーの形態、振幅、持続時間、方向、レジメン(例えば、連続的、脈動的、周期的など)などを含むがこれらに限定されない1つ以上の所定のパラメータに適合することを表現することを理解されたい。治療剤が、所定の用量のエネルギーへの曝露の前、かつ/又は曝露の非存在下で、不活性であるか、又は著しく活性が低いことが更に理解されるであろう。
【0048】
システムの1つ以上の構成要素は、WO2019/213368、WO2019/213362、WO2019/213389、WO2020/014420、WO2020/092781、WO2020/092750、WO2018/204687、WO2018/222339、WO2018/222340、WO2019/212594、WO2019/213368、WO2019/005293、WO2020/096855、WO2020/252033、WO2021/021800、WO2021/092076、並びにPCT/US2020/65207並びに米国仮特許第63/012,358号、同第63/120,529号、同第63/191,454号、同第63/191,418号、同第63/191,515号、及び同第63/191,497号のうちのいずれか1つ又以上に説明されるように準用して提供され得、これらの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
システム10は、超小型デバイス100、駆動装置200、及びトリガ装置300を備える。いくつかの実施例によれば、駆動装置200及びトリガ装置300は、単一のデバイスによって具現化されるが、開示のために、それらは、本明細書では、2つの別個のデバイスとして扱われる。同様に、駆動装置200及びトリガ装置300は、開示のために、
図1A~1B及び
図12に2つの異なる記号で概略的に例解されているが、以下で考察されるように、それらは同じ技術で実装され得る。
【0050】
駆動装置200は、例えば、変化する磁場を発生させることによって、それによって、すなわち、患者の体の外側の場所から遠隔に、体内の超小型デバイス100の動きを制御することによって、超小型デバイスを操作して患者内で移動させる(すなわち、その動力を提供するだけでなく、それを操縦する)ための非接触力を作り出すように構成されている。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、例えば、限定されないが、距離、方向性、強度、勾配、時間依存性/独立性などを含む、磁場の特性は、超小型デバイス100の動きを遠隔制御するために、ユーザによって制御され得る。
【0052】
以下の説明は、磁気誘導装置によって制御される超小型デバイスを指すが、これは例としてのみであり、限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるであろう。ここで開示される主題はまた、超小型デバイスが患者の外部の装置によって、具体的には、無線で遠隔に制御又は操作されるシステムにも適用される。
【0053】
本明細書における本明細書及び添付の特許請求の範囲の参照は、治療剤に行われるが、実際には、システム10は、2つ以上の種類の治療剤を送達するように構成され得ることが更に理解されるであろう。「治療剤(therapeutic agent)」という用語は、本明細書では、開示の単純化のために単数形で使用され、本明細書に開示又は列挙される実施例及び/又は実施形態のいずれかを、準用される単一の治療剤に限定するものと解釈されるべきではない。
【0054】
図1Aに示されるようないくつかの実施形態によれば、超小型デバイス100は、磁性材料の一部又は全部から構成されている駆動部分102と、それに接続されるエネルギー供給部104と、を備える。駆動部分102は、磁気誘導装置200(駆動装置200)によって発生した磁場と相互作用するように構成されており、それによって、磁場を選択的に変更することによって、超小型デバイスの制御を容易にする。エネルギー供給部104は、標的部位で治療効果を誘導するための触媒用量のエネルギーを生成し、それによって処置を容易にするように構成されている。エネルギーは、用量が生成されるまで、エネルギー供給部104によって、例えば、異なる形態で格納され得、かつ/又は外部から供給されたエネルギーを、例えば、異なる形態で用量に変換するように構成され得る。
【0055】
治療剤が外部の所定の用量のエネルギーへの曝露によって活性化される実施例によれば、エネルギー供給部104は、そのようなエネルギー用量を生成するように構成され得る。
【0056】
いくつかの実施例によれば、エネルギー供給部は、光源106、例えば、発光ダイオード(LED)を備える。したがって、治療剤は、光活性化され得る。他の実施例によれば、光感作剤であり得、光開裂性部分を含み得、かつ/又は光への曝露時に活性コンフォメーション、集合、凝集、及び/若しくは修飾を想定する1つ以上の分子を含み得る。
【0057】
トリガ装置300は、触媒用量のエネルギーを生成するためにエネルギー供給部104を遠隔でトリガするように構成され得る。これは、任意の好適な手段によって達成され得る。いくつかの実施例によれば、トリガ装置300は、駆動装置200によって作り出されるものとは異なるタイプの非接触力に基づいて、無線信号を生成するように構成されており、例えば、駆動装置が超小型デバイス100を操作するための磁力を作り出す場合、トリガ装置は、エネルギー供給部が超小型デバイスを操作して移動させることを意図した信号によってトリガされるのを防ぐために、無線周波数信号を生成することによって、エネルギー供給部104をトリガするように動作し得、逆もまた同様である。
【0058】
図1Bに示されるようないくつかの実施形態では、超小型デバイスは、プロドラッグ活性化剤の送達を実施するように構成され得る。そのような実施形態では、超小型デバイス100は、磁性材料の一部又は全部からなる駆動部分602を備え、プロドラッグ活性化剤、すなわち、プロドラッグの治療剤への変換を容易にするように構成された分子、化学物質、又は他の好適な物質を含むペイロード604を担持する。活性化剤は、直接的に、すなわち、プロドラッグと相互作用することによって、又は間接的に、例えば、プロドラッグと直接相互作用する薬剤の生成を容易にして、それを治療剤に変換することによって、変換を容易にし得る。ペイロード604は、超小型デバイス100の外部に付着されるように
図1Bに例解されているが、これは例解としてのみであり、限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。超小型デバイス100は、任意の好適な様式で活性化剤を担持し得る。
【0059】
いくつかの実施例によれば、活性化剤は、例えば、共有結合的又は非共有結合的に、超小型デバイスに付着している。任意選択的に、コーティング606は、超小型デバイス100の少なくとも一部を取り囲むように提供され得る。
図5Aに示されるようないくつかの実施例によれば、コーティング606は、ペイロード604を取り囲み得る。
図5Bに示されるような他の実施例によれば、ペイロード604は、例えば、超小型デバイス100に直接適用され得るコーティング606の材料と混合され得る。コーティング606は、例えば、特定の温度、pH、塩分などの1つ以上の所定の条件下で、少なくとも部分的に消散するように構成され得る。したがって、活性化剤の放出、したがって、プロドラッグの治療剤への変換は、選択的に制御され得る。所定の条件の他の実施例は、磁気条件(例えば、磁気信号の存在)、超音波条件(例えば、超音波信号の存在)、高周波条件(例えば、RF信号の存在)、光学条件(例えば、光学信号の存在)、電気条件(例えば、電気信号の存在)、及びそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。トリガ装置300は、標的部位で所定の条件を確立するように構成され得る。代替的に、所定の条件は、例えば、標的部位に存在する1つ以上の内因性(すなわち、環境)因子であり得、これには、溶解、分散、分解、代謝、pHの変化(例えば、標的部位のpHは、コーティングの材料の等電点を上回る)、酸化還元反応、及び標的部位における1つ以上の酵素の存在又は非存在が含まれるが、これらに限定されない。
【0060】
他の実施例によれば、例えば
図5Cに示されるように、超小型デバイス100は、その中にペイロード604を含む内部チャンバ608を備え得る。内部チャンバ608は、例えば、任意の好適な方法に従って、例えば、外部に印加された信号に応答して、1つ以上の環境要因などに応答して、選択的に開かれ得る。
【0061】
活性化剤は、プロドラッグの治療剤への変換を直接容易にし得、例えば、酵素又は酵素活性オリゴヌクレオチドを含み得る。代替的に、活性化剤は、プロドラッグの治療剤への変換を間接的に容易にし得る。
【0062】
例えば、活性化剤は、それ自体がプロドラッグと直接相互作用して、治療剤への変換を容易にするように構成されているか、又はそれ自体がプロドラッグの変換を間接的に容易にする補助活性化剤をコードし得る。活性化剤は、細胞内及び/又は核内プロセスに、活性化剤によってコードされる補助活性化剤の発現を促し得る。プロドラッグの治療剤への変換を間接的に容易にする活性化剤の実施例としては、酵素前駆体、オリゴヌクレオチド前駆体、及びプロテアーゼ前駆体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
ペイロード604は、プロドラッグの治療剤への変換を間接的に容易にするように構成された活性化剤と、活性化剤の細胞送達のために構成された1つ以上のベクターと、を含み得る。このようなベクターの実施例としては、アデノ随伴ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトパピローマウイルス配列、1つ以上の小分子、1つ以上の脂質、ペプチド配列、及び認識配列が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
活性化剤及び/又は補助活性化剤の実施例としては、キナーゼ、ホスファターゼ、ペプチダーゼ、リガーゼ、リアーゼ、ヒドロラーゼ、プロテアーゼ、デアセチラーゼ、ホスホジエステラーゼ、エステラーゼ、アミダーゼ、レダクターゼ、ホスホリパーゼ、又はシトクロムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
トリガ装置300は、コーティング606を消散させ、それによって活性化剤を含むペイロード604を放出することによって、ペイロードの放出を遠隔で容易にするように構成され得る。これは、任意の好適な手段によって達成され得る。いくつかの実施例によれば、破壊装置300(トリガ装置300)は、駆動装置200によって作り出されるものとは異なるタイプの非接触力に基づいて、無線信号を生成するように構成されており、例えば、駆動装置が超小型デバイス100を操作するための磁力を作り出す場合、破壊装置は、超小型デバイスを操作して移動させることを意図した信号によって消散が引き起こされる状況を防止するために、無線周波数信号を生成することによって、コーティング606の消散を引き起こすように動作し得、逆もまた同様である。
【0066】
いくつかの実施例によれば、トリガ装置300は、生成される非接触力のレベル(例えば、強度)を変化させるように更に構成されている。したがって、単一の超小型デバイス100を使用して、例えば、標的部位での異なる処置を容易にすること、治療効果の強度を変化させることなどのために、所定の速度で活性化剤のペイロード604を選択的に放出し得る。
【0067】
トリガ装置300は、コーティング606を消散させ、それによって活性化剤を含むペイロード604を放出することによって、ペイロードの放出を遠隔で容易にするように構成され得る。これは、任意の好適な手段によって達成され得る。いくつかの実施例によれば、トリガ装置300は、駆動装置200によって作り出されるものとは異なるタイプの非接触力に基づいて、無線信号を生成するように構成されており、例えば、駆動装置が超小型デバイス100を操作するための磁力を作り出す場合、破壊装置は、超小型デバイスを操作して移動させることを意図した信号によって消散が引き起こされる状況を防止するために、無線周波数信号を生成することによって、コーティング606の消散を引き起こすように動作し得、逆もまた同様である。
【0068】
他の実施例によれば、駆動装置200及びトリガ装置300は、同じタイプの非接触力を使用して動作するように構成されている。したがって、超小型デバイス100は、例えば、周波数、符号化された信号などに基づいて、異なるタイプの信号を区別して、エネルギー供給部104が超小型デバイスを操作して移動させることを意図した信号によってトリガされるのを防ぐように構成され得、逆もまた同様である。
【0069】
図2に示されるように、
図1Aに示されるような実施形態では、エネルギー供給部104は、エネルギー供給部のトリガを容易にして、エネルギー用量を生成するように構成されたトリガ回路108を備え得る。いくつかの実施例によれば、トリガ回路108は、コンデンサ112と、インダクタ114と、整流器116と、トランジスタ118と、エネルギー源120と、LED122と、を備える、タンク回路110を備え得る。当技術分野で周知のように、タンク回路110の共振周波数は
【0070】
【数1】
によって与えられ、ここで、Lは、Henriesのインダクタ114のインダクタンスであり、Cは、Faradsのコンデンサ112のコンデンサンスであり、周波数は、ヘルツで表される。
【0071】
動作中、RF信号などの信号は、タンク回路110の共振周波数で装置300をトリガすることによって生成される。これは、タンク回路110内に電流を生成し、これは、トランジスタ118をオンにする整流器116によって整流される。その「オン」状態では、トランジスタは、エネルギー源120からLED122へのエネルギー供給を可能にし、これは、必要な用量のエネルギーを生成する。
【0072】
いくつかの実施例によれば、エネルギー供給部104は、例えば、トリガ装置300によって供給されるエネルギーをハーベストし、例えば、供給されるエネルギーとは異なる形態のエネルギーである必要なエネルギー用量を生成するように構成されている。
図3に示されるように、エネルギー供給部104は、ダイオード128に接続されたダイポールアンテナ126を備え、LED130が横切って接続されたハーベスト回路124を含み得る。そのようなハーベスト回路124は、トリガ回路とは独立して、例えば、
図2を参照して上で説明されるように、及び
図2に例解されるように、かつ/又はそれと独立して使用され得る。
【0073】
図2及び3を参照して上述し、各々に示されるトリガ回路108及びハーベスト回路124は、非限定的な実施例として開示され、任意の好適な回路が、準用して提供され得ることが理解されるであろう。また、トリガ回路108及び/又はハーベスト回路124は、それをトリガするために使用されるエネルギー形態、それによって生成されるエネルギー形態などに基づいて、修正され得ることが理解されるであろう。
【0074】
いくつかの実施例によれば、トリガ装置300は、エネルギー供給部104によって生成されるエネルギーレベル(例えば、強度)を変化させるようにエネルギー供給部に指示するように更に構成されている。したがって、単一の超小型デバイス100を使用して、例えば、標的部位での異なる処置を容易にすること、治療効果の強度を変化させることなどのために、異なるエネルギー用量を選択的に生成し得る。
【0075】
いくつかの実施例によれば、駆動部分102及びエネルギー供給部104は、モノリシックユニットとして形成され、すなわち、患者の中に一緒に残るように構成されている。
【0076】
他の実施例によれば、駆動部分102は、例えば、駆動装置200及び/又はトリガ装置300の方向の下で、エネルギー供給部104から分離するように構成されている。
【0077】
駆動部分102は、任意の好適な方法でエネルギー供給部104に接続され得る。いくつかの実施形態では、例えば、
図4に示されるように、駆動部分102は、接着剤材料132を使用して、エネルギー供給部104に付着される。接着剤材料132は、1つ以上の所定の条件下で破壊されるように構成されている。所定の条件は、溶融、溶媒中の溶解、化学的に誘発されたマトリックス破裂、電波超音波への曝露、近赤外線周波数への曝露、又はそれらの組み合わせであり得る。接着剤材料132は、生体侵食性材料によって環境から絶縁され得、それによって接着剤材料の破壊を遅延させる。
【0078】
いくつかの実施例では、エネルギー供給部104は、それ自体で、又は駆動部分102とともに、標的部位に隣接してアンカされるように構成されている。したがって、超小型デバイス100、例えば、エネルギー供給部104は、例えば、選択的に、患者内の組織又は他の好適な物質を把持するように構成された1つ以上のアンカ134を備え得る。駆動部分102がエネルギー供給部104から分離するように構成された実施例では、超小型デバイス100は、好適な位置に操作され得、アンカ134は、患者の組織を把持し得、それによって、エネルギー供給部を標的部位に隣接する好適な位置にアンカし、駆動部分及びエネルギー供給部は分離し、エネルギー供給部が標的部位に隣接したままである間、駆動部分102を他の場所で操作する(例えば、ユーザによって回収される)ことを可能にする。これは、例えば、上記のようにエネルギー供給部104が展開された後に、触媒用量のエネルギーが、例えば、数時間、数日、数週間、数ヶ月など、送達される長期的な処置を容易にするために使用され得る。
【0079】
「隣接する(adjacent)」という用語は、いくつかの要因に依存し得る相対的な用語であるが、その本使用において、標的部位に標的とされるエネルギー用量を提供し得る距離を指すことが理解されるであろう。したがって、「隣接する」という用語は、標的部位に近いだけでなく、標的部位にも含まれ得る。
【0080】
駆動装置200は、本明細書では、超小型デバイス100の駆動部分102を操作するための磁力を作り出すとして説明されるが、これは単なる例であり、異なる非接触力が操作のために使用されるシステムが、準用され得ることが理解されるであろう。そのような非接触力の例としては、磁気、電磁、超音波、高周波、光学、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
システム10は、治療剤の活性化を参照して説明されているが、システム10は、そのような薬剤なしで、例えば、治療効果を容易にする細胞、組織などによって、患者内の生理学的プロセス(すなわち、生理学的応答)をトリガするように構成された用量のエネルギーを提供することによって、使用され得ることが更に理解されるであろう。プロセスは、強化された局所薬物動態、吸収、生理学的バリア(例えば、脂質二重層、臓器の多層ライニング、臓器エンベロープ、血液脳関門、血液腫瘍バリア)の破裂、分布、透過性、増殖、分化、接着、運動性、又はそれらの組み合わせであり得るが、それに限定されない。
【0082】
いくつかの実施例によれば、遺伝子療法の細胞内及び/又は核内バイオアベイラビリティの増強は、エネルギー用量への曝露によって達成され得る。遺伝子療法は、オリゴヌクレオチド配列(例えば、ASO、RNAi、siRNA、miRNA、shRNA、CRISPR-Cas9成分又は類似体、ウイルス送達ベースの薬剤、及び/又は腫瘍溶解性ウイルス)を含むものを含み得るが、これらに限定されない。
【0083】
したがって、例えば、
図6A~6Bに例解されるように、方法400は、例えば、
図1A~1B、2、3、4、5A~5C、12、及び13を参照して上で説明されるように、かつ
図1A~1B、2、3、4、5A~5C、12、及び13に例解されるように、患者内の標的部位における患者の局所的な処置のために、システム10を使用するために提供され得る。
【0084】
図6A、方法400のステップ410に提供されるブロック図では、超小型デバイス100が、標的部位から離れた注射部位で患者に導入される。注射部位は、例えば、脊椎の腰部領域、小脳に隣接する大槽、又は別の好適な場所にあり得る。次に、ユーザは、例えば、当技術分野で知られているように、駆動装置200を、超小型デバイス100を患者内の標的部位に操縦する。標的部位は、例えば、中脳、基底核、又は任意の他の好適な場所であり得る。
【0085】
いくつかの実施例では、超小型デバイス100は、駆動装置200を使用して、標的部位を維持し得る。他の実施例によれば、アンカ134は、好適な場所にエネルギー供給部104を維持するように展開され得る。駆動部分102及びエネルギー供給部104が互いに分離可能であるとき、駆動部分102は、駆動装置200を使用して患者外で操作され得る。
【0086】
図6Aに示される方法400のステップ420では、治療剤が患者に投与される。治療剤は、任意の好適な方法、例えば、局所的又は全身的に、例えば、経口的に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、鼻腔内に、頬下に、髄腔内に、脳内になどに投与され得る。治療剤は、例えば、上で説明されるように、所定のエネルギー用量への曝露によって活性化されるように構成されており、所定のエネルギー用量への曝露まで不活性(例えば、休止状態、不活性、非毒性、生体利用可能ではないなど)のままである。
【0087】
例えば、エネルギー用量が、治療効果ステップ420を容易にするために患者におけるプロセスをトリガするように構成されている場合、ステップ420は、任意選択的であることが理解されるであろう。
【0088】
方法400のステップ430では、トリガ装置300は、好適なエネルギー用量を生成するために、超小型デバイス100のエネルギー供給部104を遠隔でトリガするように動作される。治療剤が患者に導入される実施例によれば、エネルギー供給部の近傍にある治療剤の部分のみが活性化され、それによって局所的な処置が提供される。治療剤の残り、すなわち、活性化されていないものは、患者によって自然に排除される。
【0089】
エネルギー用量が患者内のプロセスをトリガして治療効果を容易にする実施例では、エネルギー供給部の近傍の組織のみが活性化され、したがって局所的な処置が提供される。
【0090】
方法400のステップは、提示される順序で完全に実行される必要はなく、またそれらは、互いの短い時間内に実行される必要もないことが理解されるであろう。例えば、治療剤が標的部位に到達するのに必要な時間の量に応じて、ステップ420(薬剤の投与)は、ステップ410(超小型デバイス100の標的部位への送達)の前に実行され得る。他の実施例によれば、超小型デバイス100、具体的には、エネルギー供給部104は、治療剤の導入及び/又は将来の1つ以上の点で行われるエネルギー用量の生成を伴って、処置のかなり前に標的部位に送達され得る。
【0091】
図4Bに例解される別の実施例について、方法400は、例えば、
図1B、5A~5Cを参照して上で説明されるように、かつ
図1B、5A~5Cに例解されるように、システム10を使用して、患者内の標的部位における患者の局所的な処置のために提供され得る。
【0092】
方法400のステップ410では、超小型デバイス100が、標的部位から離れた注射部位で患者に導入される。注射部位は、例えば、脊椎の腰部領域、小脳に隣接する大槽、又は別の好適な場所にあり得る。次いで、ユーザは、例えば当技術分野で知られているように、駆動装置200を、超小型デバイス100を標的部位に操縦する。標的部位は、例えば、中脳、基底核、又は任意の他の好適な場所であり得る。
【0093】
方法400のステップ425では、プロドラッグが患者に投与される。プロドラッグは、任意の好適な方法、例えば、局所的に又は全身的に、例えば、経口的に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、鼻腔内に、頬下に、髄腔内に、脳静脈内になど投与され得る。治療剤は、活性化剤によって、標的部位で治療剤に直接的に又は間接的に変換され、それによって生成される活性化剤及び/又は補助活性化剤への曝露まで、不活性又は部分的に不活性(例えば、休止状態、不活性、非毒性、生体利用可能でない)のままである。
【0094】
方法400の任意選択的なステップ435では、破壊装置300(トリガ装置300)は、コーティング606を消散させ、それによって活性化剤を放出させる、標的部位での状態を作り出すように動作される。トリガ装置300の動作は、活性化剤が所定の速度で放出され、それによって治療効果のレベルを制御するようなものであり得る。
【0095】
本方法のステップ445において、活性化剤は、上記のように、プロドラッグの治療剤への変換を直接的に又は間接的に引き起こす。(ステップ445は、好適な条件が確立されると、典型的には外部の介入なしで発生し得るが、それは完全性のための方法のステップとして本明細書に提示される。)標的部位でのみ活性化剤が送達されるため、活性化剤の近傍にあるプロドラッグの部分のみが治療剤に変換され、それによって局所的な処置が提供される。プロドラッグの残り、すなわち、活性化されていないものは、患者によって自然に排除される。
【0096】
方法400のステップは、提示される順序で完全に実行される必要はなく、またそれらは、互いの短い時間内に実行される必要もないことが理解されるであろう。例えば、治療剤が標的部位に到達するのに必要な時間の量に応じて、ステップ425(プロドラッグの投与)は、ステップ410(超小型デバイス100の標的部位への送達)の前に実行される。他の実施例によれば、超小型デバイス100は、処置のかなり前に標的部位に送達され、プロドラッグの導入は、将来の1つ以上の点で行われる。
【0097】
本明細書における本明細書及び添付の特許請求の範囲の参照は、治療剤に行われるが、実際には、システム10は、例えば、同時の2つ以上の種類の治療剤による処置を容易にするように構成され得ることが更に理解されるであろう。「治療剤(therapeutic agent)」、「活性化剤(activating agent)」、「プロドラッグ(prodrug)」などという用語は、本明細書では、開示の単純化のために単数形で使用され、本明細書に開示又は列挙される実施例及び/又は実施形態のいずれかを、準用される単一の治療剤に限定するものと解釈されるべきではない。
【0098】
図7に例解されるように、エネルギー供給部500が標的部位又はそれに隣接して外科的に移植される、
図1A~1B、2、3、4、5A~5Cを参照して上で説明されるシステム10の修正例が提供される。エネルギー供給部500は、任意の好適な手段を使用して、所定の位置にアンカされ得る。
【0099】
いくつかの実施例によれば、
図1A~
図1B、2、3、4、5A~
図5Cに関連して上で説明されるものと同様のトリガ装置は、触媒エネルギー用量を生成するためにエネルギー供給部500を遠隔でトリガするように提供される。いくつかの修正例によれば、インターフェース502は、ユーザにアクセス可能な場所、例えば、皮膚において、患者に移植され、1つ以上のワイヤ504によってエネルギー供給部500に接続され、電力を提供し、かつ/又はエネルギー供給部500のトリガを容易にする。
【0100】
図7を参照して上で説明され、かつ
図7に例解される、修正されたシステムを使用して、患者内の標的部位での局所的な処置方法は、
図4A~4Bを参照して上で説明され、かつ
図4A~4Bに例解される準用される方法と同様であり得る。
【0101】
本明細書で説明される実施例、実施形態、修正例、選択肢などは、包括的かつ非限定的、すなわち、本明細書で別々に説明される2つ以上の実施例などとして解釈されるべきであることが認識されるであろうが、これらが明示的に記載されており、かつ/又は他の方法で明確でない限り、互いに排他的である、又は任意の他の方法で限定的であると解釈されるべきではない。本発明が属する技術分野の当業者は、多くの変更、変形、及び修正が、現在開示されている主題の範囲から逸脱することなく行われ得ることを容易に理解するであろう。
【実施例】
【0102】
本開示のシステムの例示がマウスで実施され、ミニチュア送達デバイスは、ペイロード組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)構築物ベクターを右半球又は左半球脳のいずれかの遺伝子座に送達した。
【0103】
動物を陰性対照(ベクターなし)にグループ化し、処置した。第1の実験では、ホタルルシフェラーゼベクターAAV1-CAG-LUCRをミニチュア送達デバイス(すなわち、本開示のペイロード604)上に配置した。デバイスを約1×109vp/μLの密度で溶液中に懸濁し、次いでマウスに注射した。ユーザは、デバイスを動物の右半球に操縦した。
【0104】
マウスに1μL以下のAAV-CAG-Luc(f)を毎日投与し、発現レベルを、処置後7日目、11日目、20日目、及び60日目の生物発光によってマッピングした。
図8Aは、生物発光を有しない陰性対照マウスを示す。
図8B~8Dは、処置後7日目の右半球に局所的な生物発光を描示し、ホタルルシフェラーゼの発現を示す。
【0105】
別の実験では、マウスに、2つの異なるルシフェラーゼホモログを有する2つの別個の構築物を注入して、局在化有効性を実証した。脳右半球を対象としたのは、AAV1-LUC(Renilla)のペイロード604を装填した
図1Bのシステムなどの超小型デバイスであり、脳左半球を対象としたのは、AAV1-LUCR(Firefly)のペイロード604を装填した超小型デバイスであった。デバイスを約1×10
9vp/μLの密度で溶液中に懸濁し、次いでマウスに注射した。ユーザは、AAV1-LUC(Renilla)を装填したデバイスを右半球に操縦し、次いで、AAV1-LUCR(Firefly)を装填したデバイスを左半球に操縦した。
【0106】
次いで、マウスに1μL以下のAAV-CAG-Luc(f)を毎日投与し、処置後7日目、11日目、20日目、及び60日目の生物発光によって発現レベルをマッピングした。
図9A及び9Cは、処置後11日目のRenillaルシフェラーゼ(
図9A)及びホタルルシフェラーゼ(
図9C)について撮像した同じ陰性対照動物を示す。
図9Bは、Renillaルシフェリン発光のイメージングを示し、これは、頭部の左側の周りに局在することが見られる。
図9Dは、ホタルルシフェリン発光のイメージングを示し、これは、頭部の右側の周りに局在することが見られる。
【0107】
図10A~10Cは、Renillaルシフェリン及びホタルルシフェリン注射の1時間以内の60日目に撮像された、
図9B、9Dと同じ個々の試料を示す。
図10Cは、それぞれの局所化を示すオーバーレイ複合体である。
図11は、Renilla発光及びホタル発光の三次元空間分離を示すX線である。
【0108】
上記の様々な実施形態を組み合わせて、更なる実施形態を提供することができる。本明細書で言及され、かつ/又は出願データシートに列記されている米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、及び非特許公開の全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。必要に応じて、様々な特許、出願及び刊行物の概念を採用して更に更なる実施形態を提供するために、実施形態の態様を修正することができる。上記の詳細な説明に照らして、これら及び他の変更を実施形態に加えることができる。
【0109】
概して、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を本明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に限定すると解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
【国際調査報告】