(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】鎮痛パッチ
(51)【国際特許分類】
A61K 9/70 20060101AFI20240521BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20240521BHJP
A61K 31/05 20060101ALI20240521BHJP
A61K 31/352 20060101ALI20240521BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240521BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240521BHJP
【FI】
A61K9/70 401
A61P25/04
A61K31/05
A61K31/352
A61K47/32
A61K47/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572204
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-17
(86)【国際出願番号】 EP2022064268
(87)【国際公開番号】W WO2022248583
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523466710
【氏名又は名称】ロンシー メディカ (ハイナン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリクセン, ローネ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA72
4C076BB31
4C076CC01
4C076EE09A
4C076EE53
4C076FF68
4C076GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA08
4C086GA15
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA32
4C086MA63
4C086NA10
4C086ZA08
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA19
4C206KA01
4C206KA16
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA52
4C206MA83
4C206NA10
4C206ZA08
(57)【要約】
本発明は、裏打ち層(10)、接着剤層(20)、および任意に剥離ライナー(30)を含む、皮膚用パッチ、例えば皮膚鎮痛パッチおよび/または経皮鎮痛パッチであって、その接着剤層(20)が、0.1~20%の量で存在する1つまたは複数のカンナビノイド、0.2~6%の量のアルニカ抽出物および/またはショウノウ、0.2~6%、例えば0.5~5%、または1.0~3%(重量で)の量のメントール、ならびに少なくとも60、70、80、または90%(重量で)の量のアクリレーツコポリマーを含む、パッチに関する。更に、そのような皮膚用パッチの製造方法、ならびにそのような皮膚用パッチの様々な使用および/または適用が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏打ち層(10)、接着剤層(20)、および任意に剥離ライナー(30)を含む、皮膚用パッチ、例えば皮膚パッチおよび/または経皮パッチであって、前記接着剤層(20)が、
0.1~20%、例えば0.1~10%、もしくは0.2~5%(重量で)の量で存在する1つまたは複数のカンナビノイド、
0.2~6%、例えば0.5~5%、もしくは1.0~3%(重量で)の量のアルニカ抽出物および/またはショウノウ、
0.2~6%、例えば0.5~5%、または1.0~3%(重量で)の量のメントール、
少なくとも60、70、80、または90%(重量で)の量のアクリレーツコポリマーを含む、パッチ。
【請求項2】
前記パッチが鎮痛パッチである、請求項1に記載のパッチ。
【請求項3】
前記カンナビノイドがカンナビジオール(CBD)を含む、請求項1または2に記載のパッチ。
【請求項4】
前記カンナビノイドがカンナビゲロール(CBG)、および/またはカンナビノール(CBN)を含む、請求項1または2に記載のパッチ。
【請求項5】
前記カンナビノイドがCBDとCBG、またはCBDとCBNを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項6】
CBDの量が重量でCBGまたはCBNの量を上回る、請求項4または5に記載のパッチ。
【請求項7】
CBD:CBGまたはCBD:CBNの比が重量で10:1~5:1、5:1~4:1、4:1~3:1、3:1~2:1、2:1~1.5:1、1.5:1~1.2:1、1.2:1~1.1:1または1.1:1~1.01~1の範囲内である、請求項4~6のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項8】
CBD:CBGまたはCBD:CBNの比が重量で少なくとも1.01:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1:5:1、2:1、3:1、4:1、5:1または10:1である、請求項4~7のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項9】
前記1つまたは複数のカンナビノイドが結晶形態および/または純粋な形態で供給される、請求項1~8のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項10】
前記1つまたは複数のカンナビノイドが油、例えば大麻油に溶解されて供給される、請求項1~9のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項11】
前記1つまたは複数のカンナビノイドが油、例えば大麻油に溶解されて供給されない、請求項1~9のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項12】
前記カンナビノイドが1.0%、0.5%、0.2%、もしくは0.1%(重量で)未満のテトラヒドロカンナビノール(THC)、および/またはいずれかの他の精神活性カンナビノイドを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項13】
4~12%(重量で)の量のCBD、
1~3%(重量で)の量のアルニカ抽出物および/またはショウノウ、
1~3%(重量で)の量のメントール、
少なくとも80、または90%(重量で)の量のアクリレーツコポリマーを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項14】
0.5~4%(重量で)の量のCBG、および/または
0.5~4%(重量で)の量のCBNを更に含む、請求項13に記載のパッチ。
【請求項15】
グリコサミノグリカンおよび/またはその許容可能な塩を含まない、請求項1~14のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項16】
1つまたは複数のC8~C22脂肪酸を含まない、請求項1~15のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項17】
スルホキシドを含まない、請求項1~16のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項18】
前記パッチが約0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm
2または約0.6もしくは0.57mg/cm
2のCBD、CBG、および/またはCBNを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項19】
前記パッチが、
a.約0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm
2もしくは約0.6mg/cm
2、例えば0.57mg/cm
2のCBD、
b.約0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm
2もしくは約0.6mg/cm
2、例えば0.57mg/cm
2のCBDとCBG、例えば0.43mg/cm
2のCBDと0.14mg/cm
2のCBG、および/または
c.約0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm
2もしくは約0.6mg/cm
2、例えば0.57mg/cm
2のCBDとCBN、例えば0.43mg/cm
2のCBDと0.14mg/cm
2のCBNを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項20】
前記パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm
2のアルニカ抽出物を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項21】
前記パッチが0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm
2のショウノウを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項22】
前記パッチが0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm
2のメントールを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項23】
パッチの大きさが約5~10、10~20、20~40、または40~100cm
2である、請求項1~22のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項24】
前記接着剤層が重量/cm
2で1~100、2~50、5~25、8~12、または約9もしくは10mg/cm
2の接着剤層である、請求項1~23のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項25】
前記裏打ち層がキネシオテープであるかまたはキネシオテープの機能に匹敵する、請求項1~24のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項26】
請求項1~25のいずれか一項に記載の裏打ち層および接着剤パッチを含む皮膚用パッチを供給する方法であって、
a.CBD、CBG、および/またはCBNを供給する行為または工程、
b.アルニカ抽出物および/またはショウノウを供給する行為または工程、
c.メントールを供給する行為または工程、
d.成分(a)、(b)および(c)を合わせて混合し、活性成分混合物を得る行為または工程、
e.溶剤を含むアクリレーツコポリマーを供給する行為または工程、
f.工程(d)の活性成分混合物を工程(e)のアクリレーツコポリマーと合わせて混合し、粗接着剤混合物を得る行為または工程、
g.工程(f)の粗接着剤混合物からなる層を裏打ち層材料または剥離ライナー材料上に配置する行為または工程、
h.適度な熱(例えば40~120℃、または40~100℃、または40~80℃、例えば室温より高く、好ましくは80、70、60、50または45℃より低い温度)および/または真空により配置した粗接着剤混合物から溶剤を除去する行為または工程を含む、方法。
【請求項27】
i.前記裏打ち層をパンチングして個々のパッチを得る行為または工程を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
j.前記接着剤層の露出面に剥離ライナーまたは裏打ち層を配置する行為または工程を更に含む、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
k.例えば包装により保護的封入を供給する行為または工程を更に含む、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
請求項26~29のいずれか一項に記載の方法により供給されたパッチ。
【請求項31】
請求項1~25または30のいずれか一項に記載のパッチを含む容器。
【請求項32】
前記容器が保護的封入を供給する、請求項31に記載の容器。
【請求項33】
請求項1~25もしくは30に記載の1つもしくは複数のパッチ、または請求項31もしくは32に記載の容器を含むキット。
【請求項34】
使用説明書を含む、請求項33に記載のキット。
【請求項35】
多数のパッチを含む、請求項33または34に記載のキット。
【請求項36】
前記パッチには個々の保護的封入が供給される、請求項33~35のいずれか一項に記載のキット。
【請求項37】
前記封入が前記パッチを大気、酸化、分解、物理的損傷、光、UV、または汚染、ならびにそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数から保護する、請求項33~36のいずれか一項に記載のキット。
【請求項38】
請求項1~25または30のいずれか一項に記載のパッチの適用を含む、疼痛および/もしくは不快感の治療または疼痛管理の方法。
【請求項39】
前記疼痛および/または不快感が、筋肉、関節、腱、軟骨、神経および/もしくは皮膚のうちの1つまたは複数に関するものであり、例えば、例えば急性疼痛、炎症、痛風、打撲、捻挫、腰痛、動かない肩、慢性痛、関節炎、関節、例えば手首、肘、肩関節、脊柱、腰部、膝、足首、手指、足指の疼痛、生理痛、例えば運動後の筋肉(例えばふくらはぎの筋肉、大腿筋、上背および下背、鞘の筋肉、三角筋、上腕三頭筋、上腕二頭筋、広背筋、前鋸筋、ハムストリング筋、外腹斜筋、ヒラメ筋、ふくらはぎの二頭筋、すねの筋肉、大腿四頭筋、大胸筋)の苦痛および/もしくは疼痛、(例えば悪い姿勢による)背部筋肉の疼痛、腰痛、頸部疼痛(悪い姿勢)および/もしくは頸痛、およびそれらのあらゆる組み合わせに関連するおよび/もしくは関する、疼痛、痛み、ならびに/または疾患である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
患部につき24時間当たり1個、2個、または3個のパッチが適用される、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
前記パッチが約0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm
2または約0.6もしくは0.57mg/cm
2のCBD、CBG、および/またはCBN、例えば
a.0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm
2もしくは約0.6mg/cm
2、例えば0.57mg/cm
2のCBD、
b.0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm
2もしくは約0.6mg/cm
2、例えば0.57mg/cm
2のCBDとCBG、例えば0.43mg/cm
2のCBDと0.14mg/cm
2のCBG、および/または
c.0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm
2もしくは約0.6mg、例えば0.57mgのCBDとCBN、例えば0.43mg/cm
2のCBDと0.14mg/cm
2のCBNを含む、請求項38~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm
2のアルニカ抽出物を含む、請求項38~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm
2のショウノウを含む、請求項38~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm
2のメントールを含む、請求項38~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記パッチの大きさが約5~10、10~20、20~40、もしくは40~100cm
2、または約5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100cm
2である、請求項38~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記接着剤層には30~200、50~150、80~100、または約90g/m
2の接着剤層が供給される、請求項38~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
例えば疼痛および/または不快感の治療において、薬剤および/または治療薬として用いるための、請求項1~25または30のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項48】
前記疼痛および/または不快感が、筋肉、関節、腱、軟骨、神経および/もしくは皮膚のうちの1つまたは複数に関するものであり、例えば、例えば急性疼痛、炎症、痛風、打撲、捻挫、腰痛、動かない肩、慢性痛、関節炎、関節、例えば手首、肘、肩関節、脊柱、腰部、膝、足首、手指、足指の疼痛、生理痛、例えば運動後の筋肉(例えばふくらはぎの筋肉、大腿筋、上背および下背、鞘の筋肉、三角筋、上腕三頭筋、上腕二頭筋、広背筋、前鋸筋、ハムストリング筋、外腹斜筋、ヒラメ筋、ふくらはぎの二頭筋、すねの筋肉、大腿四頭筋、大胸筋)の苦痛および/もしくは疼痛、(例えば悪い姿勢による)背部筋肉の疼痛、腰痛、頸部疼痛(悪い姿勢)および/もしくは頸痛、およびそれらのあらゆる組み合わせに関連するおよび/もしくは関する、疼痛、痛み、ならびに/または疾患である、請求項47に記載のパッチ。
【請求項49】
前記治療が、患部につき24時間当たり1個、2個、または3個の鎮痛パッチの適用を含む、請求項47または48に記載のパッチ。
【請求項50】
前記パッチが約0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm
2または約0.6もしくは0.57mg/cm
2のCBD、CBG、および/またはCBN、例えば
a.0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2もしくは約0.6mg/cm
2、例えば0.57mg/cm
2のCBD、
b.0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2もしくは約0.6mg/cm
2、例えば0.57mg/cm
2のCBDとCBG、例えば0.43mg/cm
2のCBDと0.14mg/cm
2のCBG、および/または
c.0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm
2もしくは約0.6mg/cm
2、例えば0.57mg/cm
2のCBDとCBN、例えば0.43mg/cm
2のCBDと0.14mg/cm
2のCBNを含む、請求項47~49のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項51】
前記パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm
2のアルニカ抽出物を含む、請求項47~50のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項52】
前記パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm
2のショウノウを含む、請求項47~51のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項53】
前記パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm
2のメントールを含む、請求項47~52のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項54】
前記パッチの大きさが約5~10、10~20、20~40、もしくは40~100cm
2、または約5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100cm
2である、請求項47~53のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項55】
前記接着剤層には30~200、50~150、80~100、または約90g/m
2の接着剤層が供給される、請求項47~54のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項56】
CBD含有組成物、例えば請求項1~25、30または47~55のいずれか一項に記載の皮膚用パッチ。
【請求項57】
前記皮膚用パッチの供給に用いられるCBDが結晶性である、請求項56に記載の皮膚用パッチ。
【請求項58】
前記皮膚用パッチの製剤に用いられるCBD結晶が針状結晶、例えば
図9に示す結晶である、請求項56または57に記載の皮膚用パッチ。
【請求項59】
前記皮膚用パッチの製剤に用いられるCBD結晶が塊型または束型の結晶、例えば
図10に示す結晶と同様の結晶ではない、請求項56~58のいずれか一項に記載の皮膚用パッチ。
【請求項60】
前記CBD結晶が臨界CO
2抽出を含む抽出方法により供給されない、請求項56~59のいずれか一項に記載の皮膚用パッチ。
【請求項61】
前記CBD結晶が、C
3~C
4アルコール、例えばイソプロパノールによる抽出、およびC
6~C
8アルコール、例えばヘプタンによる1回または複数回の結晶化工程を含む方法により供給される、請求項56~60のいずれか一項に記載の皮膚用パッチ。
【請求項62】
前記CBD結晶が、臨界CO
2抽出およびC
6~C
8アルカン、例えばヘプタンによる1回または複数回の結晶化工程を含む方法により供給される、請求項56~61のいずれか一項に記載の皮膚用パッチ。
【請求項63】
前記C
3~C
4アルコールがイソプロパノールであり、前記C
6~C
8アルカンがヘプタンである、請求項61または62に記載の皮膚用パッチ。
【請求項64】
前記結晶性CBDが、有意な量のテルペンを含まない、例えばテルペンの量が0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.02重量%未満、0.01重量%未満、0.005重量%未満、0.002重量%未満、0.001重量%未満である、請求項56~63のいずれか一項に記載の皮膚用パッチ。
【請求項65】
前記結晶性CBDが、有意な量のテルペノイドを含まない、例えばテルペノイドの量が0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.02重量%未満、0.01重量%未満、0.005重量%未満、0.002重量%未満、0.001重量%未満である、請求項56~64のいずれか一項に記載の皮膚用パッチ。
【請求項66】
前記CBDが針様結晶、例えば
図9に示す結晶を形成可能なCBD配座を有する、請求項56~65のいずれか一項に記載の皮膚用パッチ。
【請求項67】
前記CBDが「A型CBD」であり、かつ/または「B型CBD」ではない、請求項56~66のいずれか一項に記載の皮膚用パッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚用パッチの形態の医療機器、例えば疼痛および痛みの治療ならびに/または軽減に用いるための皮膚パッチおよび/または経皮パッチに関する。疼痛治療は、カンナビノイド含有組成物を含むパッチの、対象における患部、例えば痛む筋肉、関節、腱、軟骨等の皮膚への適用を含む。いくつかの実施形態では、カンナビノイドがカンナビジオール(CBD)、カンナビゲロール(CBG)、および/もしくはカンナビノール(CBN)のうちの1つまたは複数から選択される。更なる活性成分は、アルニカ抽出物、ショウノウ、および/もしくはメントールのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【背景技術】
【0002】
カンナビノイド、例えばカンナビジオール(CBD;CAS番号3956-29-1)は、創傷治癒効果、鎮痛効果および抗炎症効果と関連している。
【0003】
効率的な疼痛管理のための組成物または製剤が求められている。
【0004】
WO2020024056は、カンナビノイドおよび吸収性材料を含む組成物、ならびにそれらの使用を開示している。
【0005】
WO2015161165は、経皮カンナビノイドパッチに関する。
【0006】
US20200138737は、鎮痛のためのカンナビノイドを含む組成物に関する。
【0007】
WO2020136593は、植物薬の豊富なカンナビノイド組成物および治療方法に関する。
【0008】
US20200282062は、発作、不眠症、または不安の治療のためのCBDまたはCBGおよび植物油を投与するための機器に関する。
【0009】
US202034657は、より優れた有効性および望ましい対象の体験のために、促進されたカンナビノイドの吸収、ならびに血管系および/またはリンパ系へのより制御された放出を提供する、様々な化粧品送達システムとして提供された、多用途のカンナビノイドストックを含む経皮カンナビノイド製剤に関していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2020024056
【特許文献2】WO2015161165
【特許文献3】US20200138737
【特許文献4】WO2020136593
【特許文献5】US20200282062
【特許文献6】US202034657
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
鎮痛剤は、通常は100%効果的ではなく、20~70%の範囲の数が報告されている。一般的な疼痛治療は、通常は痛み止め、例えばパラセタモール、またはNSAID(非ステロイド性抗炎症薬、例えばアスピリン、イブプロフェンまたはジクロフェナク)の経口摂取による、鎮痛剤の腸内投与を含む。
【0012】
より具体的な非全身性の投与経路、例えば本明細書で開示された皮膚パッチによる活性成分の局所投与を介したものが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書において示されたように、驚くべきことに、かつ/または予想外なことに、そして広範囲の成分候補および濃度範囲から、本発明者らは、以下の組成物が疼痛管理および/または疼痛治療に関して効果的であり、例えば皮膚パッチおよび/または経皮パッチとして製剤化された皮膚用パッチによる投与に適合することを見出した。
【0014】
第1の態様では、本発明は、カンナビノイドを含む皮膚パッチおよび/または経皮パッチに関する。そのようなパッチは、例えば、鎮痛パッチであって、そのパッチが裏打ち層、接着剤層、および任意に剥離ライナー(30)を含み、その接着剤層が、
少なくとも60、70、80、または90%の量のアクリレーツコポリマー、
0.1~20%、例えば0.1~10%、もしくは0.2~5%の量で存在する1つまたは複数のカンナビノイド、例えばカンナビジオール(CBD)、カンナビゲロール(CBG)、および/もしくはカンナビノール(CBN)、
0.2~6%、例えば0.5~5%、もしくは1.0~3%の量のアルニカ抽出物および/またはショウノウ、ならびに
0.2~6%、例えば0.5~5%、または1.0~3%の量のメントールを(重量で)含む、パッチとして製剤化することができる。
【0015】
第2の態様では、本発明は、皮膚パッチおよび/または経皮パッチ、例えば第1の態様の鎮痛パッチを供給する方法に関する。
【0016】
第3の態様では、本発明は、第2の態様の方法により供給された皮膚パッチおよび/または経皮パッチに関する。
【0017】
第4の態様では、本発明は、第1、第3、第7、または第8の態様の皮膚パッチおよび/または経皮パッチを含む容器に関する。
【0018】
第5の態様では、本発明は、第4の態様の容器を含み、任意に使用説明書を含むキットに関する。
【0019】
第6の態様では、本発明は、第1、第3、第7、または第8の態様の皮膚パッチおよび/または経皮パッチの適用を含む疼痛管理または疼痛治療の方法に関する。
【0020】
第7の態様では、本発明は、薬剤および/または治療薬として用いるための、第1、第3、または第8の態様のパッチに関する。
【0021】
第8の態様では、本発明は、製剤に用いられるCBDが結晶性である、CBD含有パッチ、例えば本明細書で開示された鎮痛パッチに関する。いくつかの実施形態では、CBDがA型(針状結晶)であるか、および/または針状結晶を形成可能である。
【0022】
第9の態様では、本発明は、パッチ、例えば鎮痛パッチ、特に本明細書で開示されたCBD含有パッチを投与することを含む投与レジメンに関する。いくつかの実施形態では、CBDが「A型」であるか、および/または針状結晶を形成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】疼痛を説明する0~10の範囲の視覚的アナログ尺度を示す図である。
【
図2】裏打ち層10、通常は不浸透性の、活性成分を含む接着剤層20、および剥離ライナー30を含む、皮膚パッチおよび/または経皮パッチ100の概略図である。
【
図3A】例えば剥離ライナーとして適切な、SiO2含有ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム材料の安全性データシートを開示する。
【
図3B】例えば剥離ライナーとして適切な、SiO2含有ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム材料の安全性データシートを開示する。
【
図3C】例えば剥離ライナーとして適切な、SiO2含有ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム材料の安全性データシートを開示する。
【
図4】例えば裏打ち層として適切な、110μmポリエステル(PE)の技術データシートを開示する。
【
図5】本明細書で開示された接着剤層20を供給するのに適切な、自己硬化性アクリル溶液であるDURO-TAK 380-3954に関する詳細を開示する。
【
図6A】本明細書で開示された接着剤層20を供給するのに適切な、自己硬化性アクリル溶液であるDURO-TAK 380-3954に関する詳細を開示する。
【
図6B】本明細書で開示された接着剤層20を供給するのに適切な、自己硬化性アクリル溶液であるDURO-TAK 380-3954に関する詳細を開示する。
【
図7】例えば裏打ち層として適切な、50g/sqmの水流絡合された不織布白色クロスウェブである熱固定PES(ポリエステル)材料の技術データシートを開示する。
【
図8】例えば裏打ち層または本発明の裏打ち層の剥離ライナーとして適切な、12μmポリエステル(PE)の技術データシートを開示する。
【
図9】針状結晶を形成しているカンナビノール(CBD)の顕微鏡写真である。CBD結晶はwww.enecta.comより供給された。
【
図10】塊状または束状結晶を形成しているカンナビノール(CBD)の顕微鏡写真である。CBD結晶はwww.pharma-hemp.comより供給された。
【発明を実施するための形態】
【0024】
定義
本発明に照らせば、単語の単数形は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形を含むことができ、逆もまた同様である。従って、「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」との言及は、通常、それぞれの用語の複数形を含む。例えば、「成分(an ingredient)」または「方法(a method)」との言及は、複数のそのような「成分(ingredients)」または「方法(methods)」を含むことができる。
【0025】
同様に、単語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含む(comprising)」は、排他的というよりも包括的に解釈される。本開示により提供された実施形態は、本明細書で明確に開示されていないあらゆる要素を欠くことができる。従って、用語「含む(comprising)」を用いて規定された実施形態の開示はまた、「基本的になる」および「開示された構成要素からなる」実施形態の開示である。従って、用語「含む(comprising)」は、通常、述べられた部品、工程、特徴、または構成要素の存在を規定するものと解釈されるが、1つまたは複数の更なる部品、工程、特徴、または構成要素の存在を排除しない。例えば、化合物を含む組成物は、従って、更なる化合物を含むことができる。
【0026】
通常、本明細書で開示された組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、安定剤等を含むことができる。
【0027】
本明細書で用いられる場合、「例えば(for example)」、「例えば(e.g.)」、または「例えば(such as)」のような用語は、特にその後に用語のリストが続く場合、単に例となる説明のためのものにすぎず、排他的または包括的であると見なされるべきではない。本明細書で開示されたあらゆる実施形態は、本明細書で開示されたあらゆる他の実施形態と組み合わせることができる。
【0028】
別に表されなければ、本明細書で表されたすべてのパーセンテージは、組成物の合計重量のうちの重量による。従って、別に示されなければ、「%」は「%重量/重量(w/w)」を示し、「重量%(weight %)」または「重量%(% by weight)」とも呼ばれる。
【0029】
本発明に照らせば、用語「約(about)」、「約(around)」、「約(approximately)」または記号「約(~)」は、交換可能に用いることができ、当該分野において通常許容される変動および/または不確かさを含むこと、例えば分析誤差等を含むことが意味される。従って、「約(about)」はまた、当該分野で一般的に経験される測定の不確かさを示すことができ、これは、例えば+/-1、2、5、10、または20パーセント(%)までもの大きさほどになりうる。更に、「約(about)」は、数字の範囲での数に言及すると理解することができ、例えば、言及された数の+/-20、+/-15、+/-10、+/-5、+/-2、+/-1、+/-0.5、+/-0.1%の範囲である。更に、本明細書におけるすべての数値範囲は、範囲内の全体または一部のすべての整数を含むことが理解されるべきである。
【0030】
本明細書で用いられる場合、用語「いくつかの実施形態では」は、「1つの実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、および「1つまたは複数の実施形態では」を含むことが意味される。
【0031】
本発明に照らせば、用語「対象」または「患者」は、交換可能に用いることができ、ヒト、動物および/または哺乳動物を含むことが意味される。特に、ヒトの対象は、例えば、女性、男性、老人、成人、青年、小児、または幼児のうちの1つまたは複数から選択することができる。動物の対象は、例えば、ペット、畜産、哺乳動物、爬虫類、鳥、および/または動物園の動物から選択することができる。
【0032】
通常、本明細書で開示された組成物、特にパッチ、例えば鎮痛パッチは、1つまたは複数の薬学的に許容可能なアジュバント、例えば薬学的に許容可能な担体、賦形剤、安定剤、塩および/または緩衝剤等を含むことができる。
【0033】
本発明に照らせば、用語「治療」は、対象におけるあらゆる症状、疾患、もしくは病気を軽減、減少、改善および/または治癒することを目的とする行為として意味される。治療の効能はまた、疼痛および/または不快感の減少を含むことができる。治療はまた、コントロールと比べてより速い回復および/または治癒をもたらすことができる。治療の更なる効能はまた、コントロールと比べて合併症の少ない回復/治癒を含むことができる。コントロールは、例えば、治療なし、またはプラセボによる治療でありうる。通常、本文脈における「治療」は、本明細書で更に説明されるように、通常は鎮痛パッチとして製剤化された、皮膚用パッチの局所適用を含む。
【0034】
「疼痛」は、激しいまたは損傷を与える刺激によって多くの場合引き起こされる、つらい感覚として記載することができる。国際疼痛学会は、疼痛を「実際のもしくは潜在的な組織損傷と関連する、またはそれらと関連するのに類似する、不快な感覚及び感情的な体験」として定義する。医療診断では、疼痛は基礎疾患の症状と見なされる。
【0035】
「痛み」は、身体の一部における疼痛の連続した感覚、例えば頭痛または筋肉痛を記載する場合に用いることができる。用語「痛み」および「疼痛」は、本明細書において交換可能に用いることができる。
【0036】
疼痛は、対象に対して損傷する状況を取り止め、損傷した身体の部分を治療しながら保護し、および/または将来、同様の経験を避ける動機を与えうる。侵害刺激が取り除かれ、身体が治療されると、ほとんどの疼痛は解決するが、刺激の除去および身体の明らかな回復にもかかわらず、それは持続しうる。疼痛はまた、いずれの検出可能な刺激、損傷または病気なしでも現れうる。疼痛は、ほとんどの先進国における医師の相談の最も一般的な理由である。それは多くの医学的状態における主な症状であり、人間のクオリティオブライフおよび通常の機能を妨げうる。
【0037】
疼痛は、例えば、疼痛および鎮痛の評価における一般的で再現性のあるツールと見なされる、
図1に示したような視覚的アナログ尺度により測定することができる。別の方法では、視覚的アナログ尺度はまた、言葉の記述子でつながれた連続した直線であることができ、それぞれの1つが痛みの極みであり、より高い尺度がより大きな疼痛の強度を示す。それは、通常、長さが10cmであり、中間の記述子があってもよく、好ましい数値の周辺の尺度のマーキングを避けるために中間の記述子がなくてもよい。疼痛の記述子として付与される場合、これらのアンカーは「疼痛なし」および「想像できる最も悪い疼痛」であることが多い。疼痛なし(0~4mm)、軽度の疼痛(5~44mm)、適度な疼痛(45~74mm)および深刻な疼痛(75~100mm)の疼痛分類のカットオフが推奨されている。
【0038】
本発明に照らせば、本明細書で開示された皮膚用パッチは、例えば以下の症状、疾患、組織および/もしくは身体の部分、例えば筋肉、関節、腱、軟骨、神経および/もしくは皮膚:急性疼痛、炎症、痛風、打撲、捻挫、腰痛、動かない肩、慢性痛、関節炎、関節、例えば手首、肘、肩関節、脊柱、腰部、膝、足首、手指、足指の疼痛、生理痛、例えば運動後の筋肉(例えばふくらはぎの筋肉、大腿筋、上背および下背、鞘の筋肉、三角筋、上腕三頭筋、上腕二頭筋、広背筋、前鋸筋、ハムストリング筋、外腹斜筋、ヒラメ筋、ふくらはぎの二頭筋、すねの筋肉、大腿四頭筋、大胸筋)の苦痛および/もしくは疼痛、(例えば悪い姿勢による)背部筋肉の疼痛、腰痛、頸部疼痛(悪い姿勢)および/もしくは頸痛に関連するおよび/もしくは関する、疼痛、痛み、ならびに/または疾患の治療ならびに/または改善に有用でありうる。
【0039】
本発明の皮膚用パッチの使用は、以下の効能、
疼痛の減少、
筋肉の弛緩、
冷却効果、
薬剤、例えばNSAIDの必要性の低減、
(肝臓による)初回通過効果がないこと、
薬物相互作用がないかもしくは限定されること、
可動性の上昇、および/または
生活の質の向上、ならびにそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数をもたらすことができる。
初回通過代謝または全身循環前代謝としても知られている初回通過効果がないことは、薬物代謝の一般的に望ましくない現象であり、それにより薬物の濃度が、特に経口投与された場合に体循環に到達する前に大きく低減される。
【0040】
薬物相互作用がない(もしくは限定される)ことは、活性成分が血流および内部臓器、例えば肝臓に入らない(または限定された量のみ入る)局所治療の利点に関するものである。
【0041】
「皮膚パッチ」は、1つまたは複数の活性成分を皮膚におよび/または皮膚中に送達するために皮膚に配置される、「皮膚用パッチ」とも呼ばれる接着剤パッチである。
【0042】
「経皮パッチ」は、1つまたは複数の活性成分を皮膚を通って血流に送達するために皮膚に配置される、接着剤パッチまたは皮膚用パッチである。
【0043】
鎮痛および/または心地よさを提供するために製剤化された皮膚用パッチは、本明細書において「鎮痛パッチ」と呼ばれる。それは皮膚パッチまたは経皮パッチとして製剤化することができる。
【0044】
本発明に照らせば、皮膚用パッチ、例えば皮膚パッチおよび/または経皮パッチ100は、例えば
図2に説明されるように、裏打ち層10、接着剤層20、および任意に剥離ライナー30を含むことができる。
【0045】
裏打ち層10は、通常は柔軟でいくらかの動きを可能にする、不織布支持体でありうる。いくつかの実施形態では、裏打ち層がキネシオテープであるか、または例えばスポーツに関連する傷害の治療に一般的に用いられるキネシオテープの機能に匹敵する。裏打ち層は、パッチにより覆われた筋肉または関節の部位の保護を提供する。裏打ち層の異なる強度および/または柔軟性は、意図された用途に応じて、異なる効能のパッチを提供する(例えばキネシオテープ効果か否か)。裏打ち層の適切な材料は、例えば、コットン、伸縮性コットン、伸縮性ビスコース、および/またはポリエステルを含むことができる。
【0046】
接着剤層20は活性成分を含み、皮膚に接着し、パッチの適用に際して成分が皮膚に接触するのを可能にする。接着剤層は、そこに適切な環境、例えばpHおよび湿度を提供する。接着剤層は、生体適合性のある方法で製剤化することができる。通常、接着剤層は天然抽出物を含む。成分の注意深い選択により、接着剤マトリクスに含まれる関連する活性成分、例えばCBDおよびアルニカが放出され、一方で皮膚に軟化効果、保湿効果および/または抗酸化効果を提供する。更に、接着剤層の製剤化は、不快感および/または軟膏の除去の際の炎症の危険性を低減することを目的とする。一方、接着強度は、適用後にはパッチの適切なフィットを確保し、皮膚および/または筋肉の十分な動きを可能にして不快感を最低限に抑えるのに十分である必要がある。
【0047】
更に、接着剤層は、十分な強度および/または裏打ち層への接着性を有するように製剤化され、パッチは、使用後に裏打ち層を扱うことにより皮膚に接着剤層を残すことなく剥離することができる。
【0048】
剥離ライナー30は、接着剤層を損傷から、例えば汚染、および/または物理的損傷から保護する。剥離ライナーの適切な材料は、シリコーンで覆ったポリエチレンテレフタレート(PET)またはシリコーンで覆った紙を含むことができる。
【0049】
剥離ライナーまたは裏打ち層の適切な材料の例は、例えば
図3、4、7および8により詳細に開示される。
【0050】
第1の態様では、本発明は、任意に鎮痛パッチとして製剤化された、皮膚用パッチ、例えば皮膚パッチおよび/または経皮パッチであって、そのパッチが裏打ち層、接着剤層、および任意に剥離ライナー(30)を含み、その接着剤層が、
少なくとも60、70、80、または90%の量のアクリレーツコポリマー、
0.1~20%、例えば0.1~10%、もしくは0.2~5%の量で存在する1つまたは複数のカンナビノイド、
0.2~6%、例えば0.5~5%、もしくは1.0~3%の量のアルニカ抽出物および/またはショウノウ、
0.2~6%、例えば0.5~5%、または1.0~3%の量のメントールを(重量で)含む、パッチに関し、
接着剤層中のアルニカ抽出物またはショウノウの存在に応じて、そのようなパッチはまた本明細書において「アルニカ抽出物パッチ」または「ショウノウパッチ」と呼ぶことができる。
【0051】
アルニカ抽出物パッチは、ショウノウの存在が望ましくない適用、例えばショウノウの冷却効果(下記参照)が望ましくない場合に用いられる。ショウノウパッチは、アルニカ抽出物の存在が望ましくない適用、例えばそのような植物抽出物へのアレルギーおよび/または過敏症に用いられる。ショウノウの存在は、例えば冷却効果により、皮膚において疼痛センサーから温度センサーへと知覚を「移動させる」ことにより疼痛知覚を低減できる、望ましい効果を提供すると考えられる。いくつかの実施形態では、アルニカとショウノウの両方が「組み合わせパッチ」に存在し、それにより複合効果が得られる。いくつかの実施形態では、この複合効果が、両方の成分の単純な組み合わせから予測できたものよりも驚くほど強力な効果を提供する。
【0052】
通常、接着剤層において例えば水および/または油は必要とされない。しかしながら、いくつかの実施形態では、水を接着剤層組成物の合計重量の100%まで供給することができる。いくつかの実施形態では、油を接着剤層組成物の合計重量の100%まで供給することができる。いくつかの実施形態では、水と油を接着剤層組成物の合計重量の100%まで供給することができる。
【0053】
通常、油および/または脂質の存在は、対象の皮膚に適用されるように製剤化された組成物に照らせば、カンナビノイド含有パッチ、特にCBD、CBN、および/またはCBG含有パッチにおいて望ましくない。いくつかの実施形態では、接着剤層組成物が水中油型エマルションまたは油中水型エマルションとして製剤化されていない。従って、いくつかの実施形態では、組成物がわずかな量、例えば1.0、0.5もしくは0.1%(w/w)未満の油、例えば食用油、脱水油、および/もしくは脱水食用油を含むか、またはそれらを含まない。これは、油/脂質は一般的に皮膚を軟らかく滑らかに保つために用いられることから、直感に反したことのようでありうる。しかしながら、本発明では、脂質/油を含まない創傷治療製剤の潜在的な不都合な点は、現在のカンナビノイド含有レシピが大きく上回ることが考えられる。いずれの理論によっても縛られることは望まないが、CBD、CBN、および/またはCBGが疎水性であり、油/脂質が皮膚に一種のバリアおよび/または層を形成し、それにより関連する活性化合物が治癒および/または鎮痛プロセスに積極的に参加できることを妨げることから、そのような脂質および/または油の存在が製剤の効き目に関してマイナスに寄与することが考えられる。更に、油および/または脂質は、接着剤層の特性にマイナスの影響、例えば接着性の低下を及ぼしさえしうる。
【0054】
結果として、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されたCBD含有組成物は微量の油および/または脂質のみを含むか、またはそれらを含まない。いくつかの実施形態では、組成物が1.0、0.5、0.1%未満の油および/または脂質を含む。いくつかの実施形態では、組成物が(i)油、例えば食用油、(ii)脂質、例えば食用脂のうちの1つまたは複数を含まない。通常、本明細書で開示された組成物は水中油型エマルションまたは油中水型エマルションを含まない。いくつかの実施形態では、皮膚用パッチが追加の油および/または脂質を含まない。「追加の油および/または脂質」は、皮膚用パッチの主成分、即ちアクリレーツコポリマー、カンナビノイド、アルニカ抽出物、ショウノウ、およびメントールにより供給されない油および/または脂質として理解される。
【0055】
いくつかの実施形態では、接着剤層が、規定されたpHが与えられるように製剤化される。通常、中性、中性近く、および/または弱酸性のpH、例えば皮膚のpHに似たpH、例えば、約6.0~6.8、または約6.5、例えば6.5±0.20、6.25±0.25、または6.0±0.25のpHが好ましいことが多い。いくつかの実施形態では、接着剤組成物は、5~7、5~6、5.5~6.5、または約6のpHで製剤化することができる。いくつかの実施形態では、pHが約5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0である。いくつかの実施形態では、pHが約5.2~5.8、5.6~5.7または約5.5でありうる。いくつかの実施形態では、pHが約6~6.5である。いくつかの実施形態では、pHが5.0以下である。いくつかの実施形態では、pHが7.0以上である。
【0056】
規定されたpHの付与は、1つまたは複数の酸、塩基、その酸および/もしくは塩基の塩、緩衝剤ならびに/またはpH安定剤、ならびにそれらのあらゆる組み合わせの添加を含む、当該分野で知られている方法を用いて達成することができる。いくつかの実施形態では、クエン酸、特にクエン酸一水和物がこの文脈において用いられる。いくつかの実施形態では、他の薬学的に許容可能な酸または塩基ならびにそれらの塩を用いることができる。いくつかの実施形態では、トリエタノールアミンおよび/またはクエン酸塩/クエン酸が、望ましいpHの付与および/または維持に用いられる。いくつかの実施形態では、アルカノールアミン、例えばアミノメチルプロパノール(AMP)が緩衝剤として用いられる。しかしながら、いくつかの実施形態では、例えば水を含まない、および/または遊離水を含まない皮膚用パッチに、pH調整剤が存在しない。pHの測定は、皮膚用パッチの接着剤層を蒸留水で保湿することを含みうる。
【0057】
しかしながら、皮膚用パッチを供給する一般的な製造方法は、アクリレーツコポリマーに存在する溶剤を除去するために真空および/または熱、通常は適度な熱の適用を含むことから、得られる皮膚用パッチは、通常、いずれの遊離水も含まない。
【0058】
接着剤層の圧倒的に主要な構成要素は、アクリレーツコポリマーである。「アクリレーツコポリマー」は、アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの単純エステルのうちの1つからなる2つまたはそれ以上のモノマーからなるコポリマーについての一般的な用語である。アクリル酸および他のモノマーからなる他のコポリマー(アンモニウムアクリレーツコポリマー、アンモニウムVA/アクリレーツコポリマー、アクリル酸ナトリウムコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/アクリル酸カルシウムコポリマー、エチレン/アクリル酸マグネシウムコポリマー、エチレン/アクリル酸ナトリウムコポリマー、エチレン/アクリル酸亜鉛コポリマー、エチレン/アクリル酸/VAコポリマー、アクリレーツ/VPコポリマー、アクリレーツ/VAコポリマー、Steareth-10アリルエーテル/アクリレーツコポリマー、アクリレーツ/Steareth-50アクリレーツコポリマー、アクリレーツ/Steareth-20メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/メタクリル酸アンモニウムコポリマー、スチレン/アクリレーツコポリマー、スチレン/アクリレーツ/メタクリル酸アンモニウムコポリマー、アンモニウムスチレン/アクリレーツコポリマー、ナトリウムスチレン/アクリレーツコポリマー、アクリレーツ/ヒドロキシエステルアクリレーツコポリマー、メタクリロイルエチルベタイン/アクリレーツコポリマー、アクリル酸ラウリル/VAコポリマー、VA/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、エチレン/メタクリレートコポリマー、ビニルカプロラクタム/VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、アクリル酸ナトリウム/アクロレインコポリマー、VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、AMP-アクリレーツコポリマー)は、化粧品およびパーソナルケア製品におけるそれらの機能においてアクリレーツコポリマーと同様である。アクリル酸およびその塩からなるポリマー(ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸アルミニウムカリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸ナトリウム)もまた同様の特性および機能を有し、いくつかの実施形態において代わりに用いることができる。化粧品およびパーソナルケア製品において、アクリレーツコポリマーならびに関連するコポリマーおよびポリマーは、広範な製品の種類において用いられる。
【0059】
アクリレーツコポリマーは当該分野で知られており、望ましい特性、例えば安定性、皮膚への優しさおよび/または皮膚への適合性、裏打ち層への接着性/付着性、例えばショウノウおよび/またはアルニカ抽出物バッチの更なる成分との適合性、皮膚への接着性/付着性、接着剤層が皮膚よりも裏打ち層により接着することにより皮膚から確実に剥離できることを有する接着剤層を供給するために用いることができる。
【0060】
通常、アクリレーツコポリマーは、接着剤層の少なくとも70、80、または90%(重量で)の量で存在することが多くなる。いくつかの実施形態では、それはまた70重量%未満でありうるが、通常、少なくとも60%である。いくつかの実施形態では、アクリレーツコポリマーが、接着剤層の成分(component)/成分(ingredient)/構成要素の合わせた重量に関して「100%まで」供給される。
【0061】
1つまたは複数のカンナビノイド、例えばCBD、CBG、および/またはCBNは、通常、0.1~20%、例えば0.1~10%、または0.2~5%の量で存在する。
【0062】
カンナビジオール(CBD)、CAS番号3956-29-1は非精神活性カンナビノイドである。それは様々な純度で供給することができ、通常、当該分野で知られた方法によりCannabis sativaから抽出される。本発明に照らせば、高い純度を有するCBD、例えば、油も更なるカンナビノイド、例えば精神活性カンナビノイドまたは非精神活性カンナビノイドも有意な量で含まない「結晶性」CBDが通常は好ましい。
【0063】
特に、油および/または脂質が存在しないことが望ましい場合、CBDの一般的な供給源、例えばCBD含有油は望ましくない。従って、いくつかの実施形態では、CBDが基本的に純粋な形態、例えば結晶形態もしくは粉末形態で、および/または95%、98%、99%、99.5%、99.8%もしくは99.8%を超える純度で供給される。いずれの理論によっても縛られることは望まないが、結晶のCBDの使用が前向きな方法で更に寄与できること、例えば粗CBD調製物と比べてより少ないCBDが同様の効能を得るために必要とされることが考えられる。これは、そのような粗CBD調製物に存在する更なるカンナビノイドが相乗的な効能を提供すると考えられている一般的な意見に従えば、驚くべきことである。
【0064】
いくつかの実施形態では、CBDが1.0、0.5、0.2、または0.1%未満のいずれかの更なるカンナビノイドを含む。好ましくは、CBDがいずれの精神活性カンナビノイド、例えばTHCも含まない。いくつかの実施形態では、CBDが0.2または0.1未満の精神活性カンナビノイド、例えばTHCを含む。
【0065】
カンナビノール(CBN)、CAS番号521-35-7は、大麻に微量のみ見出された軽度の精神活性カンナビノイドと考えられている。CBNは、テトラヒドロカンナビノール(THC)から供給することができる。
【0066】
特に、油および/または脂質が存在しないことが望ましい場合、CBNの一般的な供給源、例えばCBN含有油は望ましくない。従って、いくつかの実施形態では、CBNが基本的に純粋な形態、例えば結晶形態もしくは粉末形態で、および/または95%、98%、99%、99.5%、99.8%もしくは99.8%を超える純度で供給される。いずれの理論によっても縛られることは望まないが、結晶のCBNの使用が前向きな方法で更に寄与できること、例えば粗CBN調製物と比べてより少ないCBNが同様の効能を得るために必要とされることが考えられる。これは、そのような粗CBN調製物に存在する更なるカンナビノイドが相乗的な効能を提供すると考えられている一般的な意見に従えば、驚くべきことである。
【0067】
いくつかの実施形態では、CBNが1.0、0.5、0.2、または0.1%未満のいずれかの更なるカンナビノイドを含む。好ましくは、CBNがいずれの、またはいずれの更なる精神活性カンナビノイド、例えばTHCも含まない。いくつかの実施形態では、CBNが0.2または0.1未満の精神活性カンナビノイド、例えばTHCを含む。
【0068】
カンナビゲロール(CBG)、CAS番号25654-31-3は、精神活性カンナビノイドであるとは考えられていない。CBGは大麻の微量構成要素である。植物の生長の間に、ほとんどのカンナビゲロールが植物中に約1%のカンナビゲロールを残して他のカンナビノイド、主にテトラヒドロカンナビノール(THC)またはカンナビジオール(CBD)に変換される。
【0069】
特に、油および/または脂質が存在しないことが望ましい場合、CBGの一般的な供給源、例えばCBG含有油は望ましくない。従って、いくつかの実施形態では、CBGが基本的に純粋な形態、例えば結晶形態もしくは粉末形態で、および/または95%、98%、99%、99.5%、99.8%もしくは99.8%を超える純度で供給される。いずれの理論によっても縛られることは望まないが、結晶のCBGの使用が前向きな方法で更に寄与できること、例えば粗CBG調製物と比べてより少ないCBGが同様の効能を得るために必要とされることが考えられる。これは、そのような粗CBG調製物に存在する更なるカンナビノイドが相乗的な効能を提供すると考えられている一般的な意見に従えば、驚くべきことである。
【0070】
いくつかの実施形態では、CBNが1.0、0.5、0.2、または0.1%未満のいずれかの更なるカンナビノイドを含む。好ましくは、CBNがいずれの精神活性カンナビノイド、例えばTHCも含まない。いくつかの実施形態では、CBNが0.2または0.1未満の精神活性カンナビノイド、例えばTHCを含む。一般的に、CBD、CBN、および/またはCBGは、本発明の皮膚用パッチにおいて4~12%(重量で)の量で供給される。CBD、CBN、および/またはCBGは、好ましくは、純粋な形態で供給され、例えば0.25%もしくは0.5%の周辺またはそれらを下回るCBDV、0.25%もしくは0.5%の周辺またはそれらを下回るCBDA、0.025%もしくは0.1%の周辺またはそれらを下回るTHCにより特徴付けられる。CBDについては、CBNおよび/またはCBGがそれぞれ0.1%または0.5%の周辺からそれらを下回る。CBNについては、CBDおよび/またはCBGがそれぞれ0.1%または0.5%の周辺からそれらを下回る。CBGについては、CBDおよび/またはCBNがそれぞれ0.1%または0.5%の周辺からそれらを下回る。
【0071】
適切な純度のCBD、CBNまたはCBGの製剤が市販されており、例えば、www.enecta.comより供給されうる。
【0072】
アルニカ抽出物、CAS番号68990-11-4、EC番号273-579-2は、Arnica montanaから得られた植物抽出物である。アルニカ抽出物は、例えば、CO2抽出または当該分野で知られている他の抽出方法により供給することができる。いくつかの実施形態では、アルニカ抽出物が粉末である。いくつかの実施形態では、アルニカ抽出物は、流体、例えば溶剤および/または抽出剤を含む液体でありうる。アメリカ食品医薬品局は、その毒性のために、Arnica montanaを安全ではないハーブに分類した。それは、経口摂取または吸収が起こりうる傷ついた皮膚に適用されるべきではない。アルニカは粘膜を刺激し、腹痛、下痢および嘔吐を引き起こしうる。更に、それは皮膚に適用された場合に接触性皮膚炎を生じうる。
【0073】
一般的に、アルニカ抽出物は、本発明の皮膚用パッチにおいて1~3%(重量で)の量で供給される。
【0074】
ショウノウは、強い香りのあるワックス状で可燃性の透明固体である。ショウノウは、nAChRの非競合的ニコチンアンタゴニストとして働く副交感神経遮断薬であると考えられる。それは、いくつかの植物、例えばクスノキ(Cinnamomum camphora)および関連する木において見出されたテルペノイドである。また、ローズマリーの葉(Rosmarinus officinalis)は0.05~0.5%のショウノウを含み、一方でカンファ-ウィード(Heterotheca)は5%程度を含む。アジアにおけるショウノウの主な供給源はショウノウバジルである。天然のショウノウは、例えばCinnamomum camphoraの葉および皮を蒸留することにより抽出することができる。ショウノウはまた、テレピン油から合成的に製造することもできる。分子は2つの可能なエナンチオマーである、天然に存在する(+)-ショウノウ((1R,4R)-ボルナン-2-オン)、CAS番号464-49-3、および(-)-ショウノウ((1S,4S)-ボルナン-2-オン)、CAS番号464-48-2を有する。ラセミ体の(+/-)ショウノウは、CAS番号76-22-2を有する。通常、本発明に照らせば、天然のショウノウが好ましく、従って、いくつかの実施形態では、ショウノウが(+)エナンチオマーとして天然源から供給される。しかしながら、いくつかの実施形態では、ショウノウは合成的に供給することができ、(+)配座にある。いくつかの実施形態では、ショウノウが合成的に供給され、ラセミ体の配座にある。いくつかの実施形態では、ショウノウが合成的に供給され、(-)配座にある。
【0075】
いくつかの実施形態では、ショウノウが固形物形態の天然のショウノウとして供給される。いくつかの実施形態では、ショウノウが、真空下での抽気および精留ならびに加圧ろ過により供給することのできるショウノウ油として、天然のショウノウとして供給される。それは色付きでありうる。白色ショウノウ油は例えばCAS番号8008-51-3を有する。
【0076】
一般的に、ショウノウは、本発明の皮膚用パッチにおいて1~3%(重量で)の量で供給される。
【0077】
メントールは、コーンミント、ペパーミント、または他のミントの油から得ることのできる有機化合物である。それはまた合成することもできる。それはワックス状結晶性物質であり、色が透明または白色であり、室温で固体であるが室温をわずかに上回ると溶融する。
【0078】
天然に存在するメントールの主な形態は(-)メントールであり、これはL-メントールとも呼ばれ、割り当てられた(1R,2S,5R)配座を有し、CAS番号2216-51-5およびEC番号218-690-9を有する。メントールは局所麻酔および反対刺激の性質を有し、少しの喉の炎症を軽減するために広範に用いられる。メントールはまた、κ-オピオイド受容体アゴニストとしても働く。
【0079】
メントールは、特にリウマチの病状に対して、皮膚にいわゆる「反対刺激効果」をもたらすと考えられる。メントールによるこの「反対刺激」は、局所刺激、この場合には寒冷刺激を引き起こし、疼痛を身体の1つの部分から反対刺激の場所へとそらすために、医療機器の適用の部位で用いられる。メントールは、気分をすっきりさせたり新しい活力を与えたりすることに役立つことから、頭痛のための冷却パッチであろうと、または太陽への露出過多、かゆみおよび炎症を治療するための鎮静スキンローションであろうと、多数の方法で用いることができる。それは、摂取、吸入、または皮膚に局所適用することができる。局所的には、それは疼痛および炎症のために用いられる。メントールは、その部位でのいずれの実際の温度低下もなしに、TRPM8を活性化することで冷却の感覚を与える。これはその部位で炎症を軽減する。当然、それは、氷で損傷を冷却することも同様に効き目がある理由である。メントールは皮膚に適用されると冷却感覚をもたらし、皮膚の下の組織の疼痛を軽減するのに役立つ。(皮膚に用いるための)局所的なメントールは、少しの関節痛、腰痛、筋肉もしくは関節の疼痛、または疼痛を伴う打撲の一時的な緩和をもたらすために用いられる。
【0080】
一般的に、メントールは、本発明の皮膚用パッチにおいて1~3%(重量で)の量で供給される。
【0081】
いくつかの実施形態では、皮膚用パッチ、例えば、皮膚パッチおよび/または経皮パッチが裏打ち層(10)、接着剤層(20)、および任意に剥離ライナー(30)を含み、その接着剤層(20)が、
0.1~20%、例えば0.1~10%、もしくは0.2~5%(重量で)の量で存在する1つまたは複数のカンナビノイド、
0.2~6%、例えば0.5~5%、もしくは1.0~3%(重量で)の量のアルニカ抽出物および/またはショウノウ、
0.2~6%、例えば0.5~5%、または1.0~3%(重量で)の量のメントール、ならびに
少なくとも60、70、80、または90%(重量で)の量のアクリレーツコポリマーを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、アルニカ抽出物を含むがショウノウは含まない「アルニカ皮膚用パッチ」が供給される。
【0083】
いくつかの実施形態では、ショウノウを含むがアルニカ抽出物は含まない「ショウノウ皮膚用パッチ」が供給される。
【0084】
いくつかの実施形態では、皮膚用パッチがアルニカ抽出物とショウノウを例えば、0.2~6%、例えば0.5~5%、または1.0~3%(重量で)の合計量で含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、アルニカ抽出物とショウノウの比が重量で約1:1、例えば1.5:1~1:1.5の範囲である。いくつかの実施形態では、アルニカ抽出物とショウノウの比が約10:1~5:1、5:1~3:1、3:1~2:1、2:1~1:1である。いくつかの実施形態では、ショウノウとアルニカ抽出物の比が約10:1~5:1、5:1~3:1、3:1~2:1、2:1~1:1である。
【0086】
いくつかの実施形態では、パッチが鎮痛パッチであるか、および/または鎮痛パッチとして製剤化される。
【0087】
いくつかの実施形態では、カンナビノイドがカンナビジオール(CBD)であるかまたはそれらを含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、カンナビノイドがカンナビゲロール(CBG)、および/またはカンナビノール(CBN)であるかまたはそれらを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、カンナビノイドがCBDとCBG、またはCBDとCBNであるかまたはそれらを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、CBDの量または濃度(重量で)がCBGまたはCBNの量または濃度(重量で)を上回る。
【0091】
いくつかの実施形態では、CBD:CBGまたはCBD:CBNの比が重量で10:1~5:1、5:1~4:1、4:1~3:1、3:1~2:1、2:1~1.5:1、1.5:1~1.2:1、1.2:1~1.1:1または1.1:1~1.01~1の範囲内である。
【0092】
いくつかの実施形態では、CBD:CBGまたはCBD:CBNの比が重量で少なくとも1.01:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1:5:1、2:1、3:1、4:1、5:1または10:1である。
【0093】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のカンナビノイドが結晶形態および/または純粋な形態で供給される。
【0094】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のカンナビノイドが油、例えば大麻油に溶解されて供給される。
【0095】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のカンナビノイドが油、例えば大麻油に溶解されて供給されない。
【0096】
いくつかの実施形態では、カンナビノイドが1.0%、0.5%、0.2%、もしくは0.1%(重量で)未満のテトラヒドロカンナビノール(THC)、および/またはいずれかの他の精神活性カンナビノイドを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、4~12%(重量で)の量のCBD、1~3%(重量で)の量のアルニカ抽出物、1~3%(重量で)の量のメントール、ならびに少なくとも80、または90%(重量で)の量のアクリレーツコポリマーを含むパッチが提供される。
【0098】
いくつかの実施形態では、4~12%(重量で)の量のCBD、1~3%(重量で)の量のショウノウ、1~3%(重量で)の量のメントール、ならびに少なくとも80、または90%(重量で)の量のアクリレーツコポリマーを含むパッチが提供される。
【0099】
いくつかの実施形態では、4~12%(重量で)の量のCBD、1~3%(重量で)の合わせた量のアルニカ抽出物とショウノウ、1~3%(重量で)の量のメントール、ならびに少なくとも80、または90%(重量で)の量のアクリレーツコポリマーを含むパッチが提供される。
【0100】
いくつかの実施形態では、そのようなパッチが0.5~4%(重量で)の量のCBG、および/または0.5~4%(重量で)の量のCBNを更に含むことができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、グリコサミノグリカンおよび/またはその許容可能な塩を含まないパッチが提供される。
【0102】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のC8~C22脂肪酸を含まないパッチが提供される。
【0103】
いくつかの実施形態では、スルホキシドを含まないパッチが提供される。
【0104】
いくつかの実施形態では、パッチが約0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65または約0.6mg/cm2のカンナビノイド、例えばCBD、CBG、および/またはCBNを含む。いくつかの実施形態では、パッチが0.57mg/cm2のカンナビノイドを含む。いくつかの実施形態では、パッチが0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2または約0.6mg、例えば0.57mgのCBDを含む。いくつかの実施形態では、パッチが0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2または約0.6mg、例えば0.57mgのCBDとCBG、例えば0.43mgのCBDと0.14mgのCBGを含む。いくつかの実施形態では、パッチが0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2または約0.6mg、例えば0.57mgのCBDとCBN、例えば0.43mgのCBDと0.14mgのCBNを含む。いくつかの実施形態では、CBD:CBGまたはCBD:CBNの比が重量で10:1~5:1、5:1~4:1、4:1~3:1、3:1~2:1、2:1~1.5:1、1.5:1~1.2:1、1.2:1~1.1:1または1.1:1~1.01~1の範囲内である。
【0105】
いくつかの実施形態では、パッチが0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm2のアルニカ抽出物を含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、パッチが0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm2のショウノウを含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、パッチが0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm2のメントールを含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、パッチの大きさが約5~10、10~20、20~40、または40~100cm2である。いくつかの実施形態では、パッチの大きさが約5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100cm2である。
【0109】
いくつかの実施形態では、接着剤層には約30~200、50~150、80~100、または約90g/m2の接着剤層の厚みまたは量が供給される。いくつかの実施形態では、接着剤層が重量/cm2で約1~100、2~50、5~25、8~12、または約9もしくは10mg/cm2の接着剤層である。
【0110】
いくつかの実施形態では、パッチ、例えば鎮痛パッチの供給に用いられるCBDが結晶性、例えば本明細書で開示された「A型CBD」である。いくつかの実施形態では、そのCBDが針状結晶として供給されるかまたは針状結晶を形成可能である。
【0111】
いくつかの実施形態では、第1の態様のCBD含有組成物が、更なるカンナビノイド、例えば、THC(テトラヒドロカンナビノール)、THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)、CBDA(カンナビジオール酸)、CBN(カンナビノール)、CBG(カンナビゲロール)、CBC(カンナビクロメン)、CBL(カンナビシクロール)、CBV(カンナビバリン)、THCC(テトラヒドロカンナビオルコール)、THCV(テトラヒドロカンナビバリン)、THCP(テトラヒドロカンナビホロール)、CBDV(カンナビジバリン)、CBCV(カンナビクロメバリン)、CBGV(カンナビゲロバリン)、CBGM(カンナビゲロールモノメチルエーテル)、CBE(カンナビエルソイン)、CBT(カンナビシトラン)、および以下の型、CBG型、CBC型、「CBD以外のCBD型」、THC型、CBN型、CBE型、iso-THC型、CBL型、CBT型のうちの1つもしくは複数のカンナビノイド、ならびにそれらのあらゆる組み合わせから選択される1つまたは複数のカンナビノイドを含むことができる。そのような更なるカンナビノイドは、幻覚を起こさせるカンナビノイドおよび/または幻覚を起こさせないカンナビノイドを含むことができる。通常、そのような化合物を含む組成物による使用または治療に際して、特にそれらが生理学的に活性な量で存在する場合、望ましくない副作用を防ぐためには、幻覚を起こさせないカンナビノイドが好ましい。
【0112】
更に、適切な濃度および/または濃度範囲を本明細書において開示することができる。
【0113】
CBD含有組成物、例えば本明細書で開示された皮膚用パッチの接着剤層の調製または製剤に用いられるCBDに関して、いくつかの実施形態では、組成物の供給に用いられるCBDが結晶性である。
【0114】
いくつかの実施形態では、上記に開示された組成物を供給するために用いられるCBDは、1つまたは複数の特徴、例えば結晶構造、種類および/または配座により特徴付けられる。例えば実施例6を参照すると、針状結晶構造(=結晶構造A、
図9参照)を有するCBDが、驚くべきことに、かつ予想外なことに、異なる結晶構造である、本明細書において「束状」または「塊状」とも呼ばれる非針状構造(=結晶構造B、
図10参照)を有するCBDより著しく効能があると思われることが本発明者らにより観察された。
【0115】
いくつかの実施形態では、CBDが、結晶性である場合、針状結晶構造を有するかまたは針状結晶構造を形成可能である。いくつかの実施形態では、結晶構造Aの(または針状結晶を形成可能な)CBDが、結晶構造Bの(または塊状/束状結晶を形成可能な)CBDよりも重量/重量に基づいて少なくとも1.2、1.5、2、3、4、5、7.5、10、15または20倍「効能がある」または「活性化する」。多くの場合、「A型」CBDが、「B型」CBDよりも重量/重量に基づいて少なくとも2.5、5、7.5、または10倍「効能がある」。
【0116】
「A型」CBDの「効能」および/または「活性」は、例えば、用いたCBDの型および/または量を除いて基本的に同一の組成物を用いて効果を比較することにより決定することができる。その効能、活性およびまたは効果は、例えば、プラセボを「B型」CBDを含む製剤で置き換えることにより基本的に実施例に開示されたように決定することができる。別の方法では、効能は、同じ効果、例えば鎮痛を与えるのに必要なCBDの量で決定することができる。いくつかの実施形態では、より効能のあるCBDの使用が、鎮痛および/または疼痛の減少の増大をもたらす。いくつかの実施形態では、より効能のあるCBDの使用が、鎮痛の匹敵する効果を保証するために皮膚用パッチの製剤に用いられるCBDの量の低減を可能にする。いくつかの実施形態では、より効能のあるCBDの使用が、匹敵する効果、例えば鎮痛および/または疼痛の減少を与えるのに必要な製剤の量の低減を可能にする。
【0117】
結晶構造AのCBD、または針状結晶を形成可能なCBDはまた、本明細書において「A型CBD」と呼ばれ、一方で結晶構造BのCBD、または「束状」もしくは「塊状」結晶を形成可能なCBDは「B型CBD」と呼ばれる。いくつかの実施形態では、CBDが「A型CBD」である。多くの場合、「B型CBD」とは対照的に「A型CBD」が好ましい。
【0118】
例えば局所製剤、例えば本明細書で開示された皮膚用パッチにおいて、対象への投与の際に活性であるために、CBDが、活性型であるそのような1つまたは複数の特定の配座である必要があるかどうかを推測することができる。活性または有効性の欠如はまた、より低い取り込み率および/または皮膚の透過の困難性によって引き起こされうる。
【0119】
いずれの理論によっても縛られることは望まないが、結晶構造の違いが、異なる分子構造、例えば異なる配座により引き起こされうることが考えられる。これは、例えば、対象の身体が「間違った」CBD配座等を認識できないことに起因しうる。CBD結晶構造の違いは異なる抽出法により引き起こされると考えられる。特に、
図1に開示されたCBDは、イソプロパノールによる抽出、ヘプタンによる蒸留および結晶化を含む抽出法により提供され、一方で
図2に開示されたCBDは、臨界CO
2抽出により提供された。
【0120】
通常、結晶性CBDは、当該分野で知られている方法および技術、例えばUS10413845および/またはUS10414709に開示されている方法により供給することができる。
【0121】
要するに、結晶性CBDは、
- 麻繊維または大麻を例えばイソプロパノールにより抽出して、カンナビノイド、THC、CBDおよびテルペンの豊富な抽出物を生成する工程、
- 抽出物の溶剤部分をエバポレーションして、実質的に溶剤を含まない抽出物を生成する工程、
- 実質的に溶剤を含まない抽出物を蒸留して、CBDを単離する工程、ならびに
- 蒸留され、単離されたCBDを結晶化して、結晶化され、単離されたCBDを生成する工程、および必要に応じて適切な有機溶剤、例えばアルカン、例えばヘプタンの使用による1回または複数回の再結晶、一般的にはその後の
- 揮発性残存物を除去するための、例えば真空乾燥による溶剤除去から基本的になる方法により、麻繊維または大麻(Cannabis sativa)から供給することができる。
【0122】
従って、いくつかの実施形態では、局所組成物、例えば皮膚用パッチ組成物、例えば鎮痛パッチの製剤に用いられるCBD結晶が針状結晶、例えば
図9に示す結晶である。同様に、いくつかの実施形態では、局所組成物の製剤に用いられるCBD結晶が塊型または束型の結晶、例えば
図10に示す結晶と同様の結晶ではない。
【0123】
いくつかの実施形態では、局所組成物の製剤に用いられるCBD結晶が臨界CO2抽出を含む抽出方法により供給されない。
【0124】
いくつかの実施形態では、局所組成物の製剤に用いられるCBD結晶が、C3~C4アルコール、例えばイソプロパノールによる抽出、およびC6~C8アルカン、例えばヘプタンによる1回または複数回の結晶化工程を含む方法により供給される。いくつかの実施形態では、C3~C4アルコールがイソプロパノールである。いくつかの実施形態では、C6~C8アルカンがヘプタンである。いくつかの実施形態では、C3~C4アルコールがイソプロパノールであり、C6~C8アルカンがヘプタンである。この組み合わせは、満足のいく品質、例えば阻害物質が存在しないかもしくは低減されること、および/または望ましいCBD配座のCBD結晶を供給すると考えられる。
【0125】
いくつかの実施形態では、適切なCBD生成物は、CBD結晶が臨界CO2抽出およびC6~C8アルカン、例えばヘプタンによる1回または複数回の結晶化工程を含む方法により供給される場合に得ることができる。
【0126】
表1に見られるように、A型CBDおよびB型CBDのカンナビノイドプロファイルはかなり同様となりうることが分かる。
【0127】
【0128】
しかしながら、結晶構造の違いは異なる抽出法に関し、異なる抽出法により引き起こされうるとも考えられる。異なる結晶構造はまた、異なる濃度の「CBD阻害物質」、および/または異なる濃度の「CBD促進物質」を示しうる。いくつかの実施形態では、テルペン、例えば天然に存在するテルペン、特に植物、例えばCannabis sativaに見られるテルペンがCBD阻害物質として働き、望ましくない。
【0129】
従って、いくつかの実施形態では、結晶構造BのCBD、別名「B型CBD」は、有機抽出工程および/または再結晶工程により、結晶構造AのCBD、別名「A型CBD」(および/または結晶構造Aを形成可能なCBD)に変換することができる。そのような実施形態では、結晶構造の変化が、更なる抽出工程および/または結晶化工程において有意に低減される阻害物質の存在に関連すると考えられる。別の方法では、有機抽出工程はCBDの配座の変化を提供することができ、やはりそれをより活性にする。いくつかの実施形態では、ヘプタンによる再結晶がB型CBDをA型CBDに変化させることができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、結晶構造BのCBDが臨界CO2抽出により供給され、例えばwww.pharma-hemp.comおよび/または続くその製造業者としての同様の抽出プロトコールから供給されるCBD結晶である。
【0131】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されたCBD含有局所組成物におけるテルペンおよび/またはテルペノイド、特にCannabis sativaテルペンの存在が、1つまたは複数の望ましくない効能、例えば、効率もしくは有効性の低減、CBDを認識する能力がないかもしくは能力の低減、同様の効能を得るためのより高度なCBD製剤の必要性、製剤における非CBDカンナビノイドの増加のうちの1つまたは複数を提供する。いくつかの実施形態では、その組成物が0.0001%以下、0.001%以下、0.01%以下、または0.1%以下のテルペン、特にCannabis sativaテルペンを重量で含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、結晶性CBDが、有意な量のテルペンを含まない、例えばテルペンの量が0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.02重量%未満、0.01重量%未満、0.005重量%未満、0.002重量%未満、0.001重量%未満である。
【0133】
他の植物成分、例えばテルペノイドが阻害物質として働きうることも考えられる。いくつかの実施形態では、テルペノイド、例えばCannabis sativaテルペノイドの存在は望ましくないものでありうる。いくつかの実施形態では、結晶性CBDが、有意な量のテルペノイドを含まない、例えばテルペノイドの量が0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.02重量%未満、0.01重量%未満、0.005重量%未満、0.002重量%未満、0.001重量%未満である。
【0134】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されたCBD含有組成物における
図9に示すような結晶構造Aの結晶を有するかまたは供給可能なCBDの使用は、プラスの効能、例えば、効率の向上、製剤においてCBDの合計量を減らす可能性、同じ効能を得るために対象がより少ない局所組成物、例えば皮膚用パッチ製剤を必要とすること、対象の身体による、認識および/もしくはCBDの取り込みの改善、製剤における非CBDカンナビノイドおよび/もしくは他の不純物の減少のうちの1つまたは複数を提供する。
【0135】
通常、第1の態様の組成物は、当該分野で知られている方法、手順および/または単位操作を用いて供給することができる。いくつかの実施形態では、第1の態様の組成物は、本明細書において例えば第2の態様に示すように供給することができる。
【0136】
第2の態様では、本発明は、皮膚用パッチ、例えば皮膚パッチおよび/または経皮パッチ、例えば第1の態様の鎮痛パッチを供給する方法に関する。
そのような方法は、
CBD、CBG、および/またはCBNを供給する行為または工程、
アルニカ抽出物および/またはショウノウを供給する行為または工程、
メントールを供給する行為または工程、
成分(a)、(b)および(c)を合わせて混合し、活性成分混合物を得る行為または工程、
溶剤を含むアクリレーツコポリマーを供給する行為または工程、
工程(d)の活性成分混合物を工程(e)のアクリレーツコポリマーと合わせて混合し、粗接着剤混合物を得る行為または工程、
工程(f)の粗接着剤混合物からなる層を裏打ち層材料または剥離ライナー材料上に配置する行為または工程、
適度な熱(例えば40~120℃、または40~100℃、または40~80℃、例えば室温より高く、好ましくは80、70、60、50または45℃より低い温度)および/または真空により配置した粗接着剤混合物から溶剤を除去する行為または工程を含むことができる。
いくつかの実施形態では、その方法が、裏打ち層をパンチングして個々のパッチを得る行為を更に含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、その方法が、接着剤層の露出面に剥離ライナーを配置する行為を更に含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、その方法が、例えば包装により保護的封入を供給する行為を更に含む。
【0139】
活性成分である(i)カンナビノイド、(ii)アルニカ抽出物および/またはショウノウ、ならびに(iii)メントールの重さが量られて混合され、活性成分混合物が得られる。
【0140】
カンナビノイド(CBD、CBN、および/またはCBN)がアルニカ抽出物および/またはショウノウと混合される。
【0141】
いくつかの実施形態では、CBDが結晶性CBDである。いくつかの実施形態では、CBDが「A型CBD」である。多くの場合、「B型CBD」または他の型のCBDとは対照的に「A型CBD」の使用が好ましい。
【0142】
適切な量のアクリレーツコポリマー、例えば有機溶剤を含むアクリレーツコポリマーの混合物が供給される。
【0143】
溶剤を含むアクリレーツコポリマー、例えば、以下の特性、固形分(60分150℃)、溶剤は約48%の酢酸エチル、約26%のEtOH、約25%のヘプタンおよび約0.5%のペンタンジオンを有するFastmed Italiaより供給されたFMD 2027の重さが量られて活性成分混合物と合わせられ、粗接着剤層混合物が得られる。
【0144】
いくつかの実施形態では、接着剤層が、自己硬化性アクリレート組成物であるDURO-TAK、例えばDURO-TAK 380-3954(詳細については、例えば
図5および6を参照)を用いて供給される。
【0145】
いくつかの実施形態では、活性成分混合物がアクリレーツコポリマー混合物槽に添加され、槽中で垂直混合器により15分間混合される。
【0146】
いくつかの実施形態では、アクリレーツコポリマーおよび活性成分を含む粗マトリクスがポンプにより集められ、リールが機械に取り付けられた剥離ライナー上に、配置される。コーティングの厚みは、調整可能なドクターブレードにより達成される。コーティングされた剥離ライナーシートは、次いで、オーブンを通過し、機械の端で裏打ち層シートと積層され、リール(親リール)に巻き戻される。アクリレーツコポリマーおよび活性成分からなる接着剤マトリクスは、次いで、剥離ライナーシートがシリコーンで覆われているという事実のために裏打ち層シートに接着する。
【0147】
通常、パッチを用いるために剥離ライナーが除去される際、接着剤マトリクスは裏打ち層に接着したままとなる。
【0148】
粗接着剤混合物は、当該分野の慣習に従った機器を用いて剥離ライナー(別の方法では、裏打ち層)上に配置される。通常、このプロセスは、アクリレーツコポリマーの溶剤に主に由来する、粗接着剤層混合物中に存在する溶剤を除去する手段を含む。
【0149】
皮膚用パッチを供給する一般的な製造方法は、アクリレーツコポリマーに存在する溶剤を除去するために、真空および/または熱、通常は適度な熱、例えば40~120℃、または40~100℃、または40~80℃、好ましくは80、70、60または50℃より低い熱の適用を含む。溶剤の蒸発は冷却をもたらしうることから、当業者は、活性成分だけでなく裏打ち層および/または剥離ライナーも損傷および/または劣化から保護する条件を提供するために、プロセスパラメーターを調整することができる。そのような臨界温度は、用いられる材料に応じて、例えば50または60℃でありうる。
【0150】
適切なパッチの大きさは例えば5×7cmでありうるが、本明細書で開示されたようにそれらはまたより大きくても小さくてもよい。多くの場合、裏打ち層の面積が接着剤層の面積よりわずかに大きい。
【0151】
例えば十分な時間の適度な温度の適用により溶剤を除去することにより、皮膚用パッチが得られる。そのような皮膚用パッチは90g/m2が与えられうる。皮膚用パッチの接着剤層を損傷、汚染および/または他の望ましくない環境的影響から保護するために、剥離ライナー、または逆に用いられる方法に応じて裏打ち層を、接着剤層の露出面に配置することができる。
【0152】
いくつかの実施形態では、親リールが、次いで、最終的なパッチ剥離ライナーの大きさに応じていくつかのより小さな(小さな幅の)リールに機械的に切断される。最後に、小さなリールが、パッチを形成する打抜き機械に取り付けられる。
【0153】
いくつかの実施形態では、剥離ライナーおよび/または裏打ち層がシリコーンで覆われている。
【0154】
いくつかの実施形態では、剥離ライナーおよび/または裏打ち層が、
図3、4、7もしくは8のうちの1つまたは複数に開示されたような材料を含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、包装が例えば密封されたPET/alu/PEバッグ中に手動でまたは自動的に行われる。いくつかの実施形態では、当該分野で知られている方法、材料および装置を用いて包装が行われる。
【0156】
第3の態様では、本発明は、第2の態様の方法により供給された皮膚パッチおよび/または経皮パッチに関する。
【0157】
第4の態様では、本発明は、皮膚用パッチ、例えば第1、第3、または第7の態様の皮膚パッチおよび/または経皮パッチを含む容器に関する。
【0158】
いくつかの実施形態では、皮膚用パッチが封入、例えば密封されたPET/alu/PEバッグまたはポーチ中で供給される。パッチは、個々に密封されても、例えば2個、4個またはそれ以上のパッチの群で密封されてもよい。いくつかの実施形態では、容器がそのような密封されたバッグまたはポーチである。いくつかの実施形態では、その容器が1つまたは複数のバッグ/ポーチを含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、容器における容器が保護的封入を供給する。
【0160】
いくつかの実施形態では、容器が1個より多い皮膚パッチ、例えば2個、4個、5個、7個または10個のパッチを含む。
【0161】
第5の態様では、本発明は、1つもしくは複数の第1、第3、もしくは第7の態様のいずれか1つのパッチ、および/または1つもしくは複数の第4の態様の容器、ならびに任意に使用説明書を含むキットに関する。
【0162】
いくつかの実施形態では、そのようなキットが使用説明書を含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、キットが多数のパッチ、例えば2個、4個、5個、7個または10個のパッチを含むことができる。いくつかの実施形態では、そのようなキットが10個より多いパッチを含むことができる。
【0164】
いくつかの実施形態では、そのパッチには個々の保護的封入/容器が供給される。
【0165】
いくつかの実施形態では、その封入がそのパッチを大気、酸化、分解、物理的損傷、光、UV、または汚染、ならびにそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数から保護する。
【0166】
第6の態様では、本発明は、皮膚用パッチ、例えば第1、第3、または第7の態様の皮膚パッチおよび/または経皮パッチの適用を含む疼痛管理または疼痛治療の方法に関する。
【0167】
いくつかの実施形態では、その疼痛および/または不快感が、筋肉、関節、腱、軟骨、神経および/もしくは皮膚のうちの1つまたは複数に関する。
【0168】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示された皮膚用パッチは、例えば急性疼痛、炎症、痛風、打撲、捻挫、腰痛、動かない肩、慢性痛、関節炎、関節、例えば手首、肘、肩関節、脊柱、腰部、膝、足首、手指、足指の疼痛、生理痛、例えば運動後の筋肉(例えばふくらはぎの筋肉、大腿筋、上背および下背、鞘の筋肉、三角筋、上腕三頭筋、上腕二頭筋、広背筋、前鋸筋、ハムストリング筋、外腹斜筋、ヒラメ筋、ふくらはぎの二頭筋、すねの筋肉、大腿四頭筋、大胸筋)の苦痛および/もしくは疼痛、(例えば悪い姿勢による)背部筋肉の疼痛、腰痛、頸部疼痛(悪い姿勢)および/もしくは頸痛に関連するおよび/もしくは関する、疼痛、痛み、ならびに/または疾患の治療ならびに/または改善に用いることができる。
【0169】
いくつかの実施形態では、疼痛、疾患、および/または不快感が、急性疼痛、炎症、痛風、打撲、捻挫、腰痛、動かない肩、慢性痛、関節炎、関節、例えば手首、肘、肩関節、脊柱、腰部、膝、足首、手指、足指の疼痛、生理痛、例えば運動後の筋肉(例えばふくらはぎの筋肉、大腿筋、上背および下背、鞘の筋肉、三角筋、上腕三頭筋、上腕二頭筋、広背筋、前鋸筋、ハムストリング筋、外腹斜筋、ヒラメ筋、ふくらはぎの二頭筋、すねの筋肉、大腿四頭筋、大胸筋)の苦痛および/もしくは疼痛、(例えば悪い姿勢による)背部筋肉の疼痛、腰痛、頸部疼痛(悪い姿勢)ならびに/または頸痛から選択される。
【0170】
いくつかの実施形態では、患部につき24時間当たり1個、2個、または3個のパッチが適用される。
【0171】
いくつかの実施形態では、パッチが約0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2または約0.6もしくは0.57mg/cm2のCBD、CBG、および/またはCBN、例えば
0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2もしくは約0.6mg/cm2、例えば0.57mg/cm2のCBD、
0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2もしくは約0.6mg/cm2、例えば0.57mg/cm2のCBDとCBG、例えば0.43mg/cm2のCBDと0.14mg/cm2のCBG、および/または
0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2もしくは約0.6mg/cm2、例えば0.57mg/cm2のCBDとCBN、例えば0.43mg/cm2のCBDと0.14mg/cm2のCBNを含む。
いくつかの実施形態では、CBD:CBGまたはCBD:CBNの比が重量で10:1~5:1、5:1~4:1、4:1~3:1、3:1~2:1、2:1~1.5:1、1.5:1~1.2:1、1.2:1~1.1:1または1.1:1~1.01~1の範囲内である。
【0172】
いくつかの実施形態では、パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm2のアルニカ抽出物を含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm2のショウノウを含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.1.0~0.15、または約0.14mg/cm2のメントールを含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、パッチの大きさが約5~10、10~20、20~40、または40~100cm2である。
【0176】
いくつかの実施形態では、接着剤層には30~200、50~150、80~100、または約90g/m2の接着剤層が供給される。
【0177】
第7の態様では、本発明は、例えば疼痛の治療、疼痛管理および/または不快感において、薬剤および/または治療薬として用いるための、第1、第3、または第8の態様のパッチに関する。
【0178】
いくつかの実施形態では、その疼痛および/または不快感が、筋肉、関節、腱、軟骨、神経および/もしくは皮膚のうちの1つまたは複数に関する。
【0179】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示された皮膚用パッチは、例えば急性疼痛、炎症、痛風、打撲、捻挫、腰痛、動かない肩、慢性痛、関節炎、関節、例えば手首、肘、肩関節、脊柱、腰部、膝、足首、手指、足指の疼痛、生理痛、例えば運動後の筋肉(例えばふくらはぎの筋肉、大腿筋、上背および下背、鞘の筋肉、三角筋、上腕三頭筋、上腕二頭筋、広背筋、前鋸筋、ハムストリング筋、外腹斜筋、ヒラメ筋、ふくらはぎの二頭筋、すねの筋肉、大腿四頭筋、大胸筋)の苦痛および/もしくは疼痛、(例えば悪い姿勢による)背部筋肉の疼痛、腰痛、頸部疼痛(悪い姿勢)および/もしくは頸痛に関連するおよび/もしくは関する、疼痛、痛み、ならびに/または疾患の治療ならびに/または改善に用いることができる。
【0180】
いくつかの実施形態では、患部につき24時間当たり1個、2個、または3個のパッチが適用される。
【0181】
いくつかの実施形態では、パッチが約0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2、または約0.6mg/cm2、例えば0.57mg/cm2のCBD、CBG、および/またはCBNの濃度のCBD、CBG、および/またはCBNを含む。いくつかの実施形態では、パッチが例えば
0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2もしくは約0.6mg/cm2、例えば0.57mg/cm2のCBD、
0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2もしくは約0.6mg/cm2、例えば0.57mg/cm2のCBDとCBG、例えば0.43mg/cm2のCBDと0.14mg/cm2のCBG、および/または
0.2~2.0、0.3~1.0、0.4~0.8、0.5~0.65mg/cm2もしくは約0.6mg/cm2、例えば0.57mg/cm2のCBDとCBN、例えば0.43mg/cm2のCBDと0.14mg/cm2のCBNを含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、CBD:CBGまたはCBD:CBNの比が重量で10:1~5:1、5:1~4:1、4:1~3:1、3:1~2:1、2:1~1.5:1、1.5:1~1.2:1、1.2:1~1.1:1または1.1:1~1.01~1の範囲内である。
【0183】
いくつかの実施形態では、パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm2のアルニカ抽出物を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm2のショウノウを含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、パッチが約0.01~1.0、0.02~0.5、0.05~0.25、0.10~0.15、または約0.14mg/cm2のメントールを含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、パッチの大きさが約5~10、10~20、20~40、または40~100cm2である。
【0187】
いくつかの実施形態では、接着剤層には30~200、50~150、80~100、または約90g/m2の接着剤層が供給される。
【0188】
いくつかの実施形態では、本発明の皮膚用パッチが、以下の効能、
疼痛の減少、
筋肉の弛緩、
冷却効果、
薬剤、例えばNSAIDの必要性の低減、
(肝臓による)初回通過効果がないこと、
薬物相互作用がないかもしくは限定されること、
可動性の上昇、および/または
生活の質の向上、ならびにそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数を提供する。
【0189】
第8の態様では、本発明は、製剤に用いられるCBDが結晶性および/または「A型」である、CBD含有組成物、例えば先行する態様のいずれか1つのパッチに関する。いくつかの実施形態では、その組成物が、本明細書で開示された局所組成物、例えば、例えば第1または第3の態様の疼痛/不快感の軽減のために製剤化された皮膚用パッチである。いくつかの実施形態では、例えば第1の態様および/または実施例において本明細書で開示されたように、CBDがA型(針状結晶)であるかまたは針状結晶を形成可能である。
【0190】
第9の態様では、本発明は、局所組成物、特にCBD、CBNおよび/またはCBG含有局所組成物、例えば本明細書で開示された皮膚用パッチを投与することを含む投与レジメンに関する。いくつかの実施形態では、CBDが「A型」である。
【0191】
本発明は、以下の欄で更に実例が示される。しかしながら、これらの実施例は本発明を限定するものと解釈されない。
【実施例】
【0192】
通常、パーセンテージは重量%である。保管場所が別に示されなければ、結晶性CBDはEnectaより供給される。
【0193】
当該分野の慣習に従った方法、単位操作、プロトコールおよび/またはノウハウを用いてカンナビノイド含有組成物、例えば本発明のCBD含有組成物を少なくとも一部は供給することができる。これは、例えば、本明細書で開示されたように、例えば本発明の第3の態様および/または特に以下の実施例に従って実施することができる。
【0194】
実施例1-皮膚用パッチの供給
CBD、CBG、および/またはCBNを供給する工程、
アルニカ抽出物および/またはショウノウを供給する工程、
メントールを供給する工程、
成分(a)、(b)および(c)を合わせて混合し、活性成分混合物を得る工程、
溶剤を含むアクリレーツコポリマーを供給する工程、
工程(d)の活性成分混合物を工程(e)のアクリレーツコポリマーと合わせて混合し、粗接着剤混合物を得る工程、
工程(f)の粗接着剤混合物からなる層を剥離ライナー材料上に配置する工程、
適度な熱(例えば40~120℃、または40~100℃、または40~80℃、例えば室温より高く、好ましくは80、70、60、50または45℃より低い温度)および/または真空により配置した粗接着剤混合物から溶剤を除去する工程、
裏打ち層をパンチングして個々のパッチを得る工程、
接着剤層の露出面に裏打ち層材料を配置する工程、ならびに例えば包装により保護的封入を供給する工程を含む方法に従い、本発明の第2の態様に開示されたように皮膚用パッチを供給する。
【0195】
以下に開示されたような様々な量のCBD、CBN、CBG、ショウノウおよび/またはアルニカ抽出物(アルニカ)を含み、濃度が約5×7cmを測定した35cm2のパッチ当たりの適切な濃度である、異なる接着剤層組成物を含むいくつかの皮膚用パッチを供給する。
A.15mgCBD+5mgCBN+5mgアルニカ+5mgメントール
B.15mgCBD+5mgCBN+5mショウノウ+5mgメントール
C.15mgCBD+5mgCBG+5mgアルニカ+5mgメントール
D.15mgCBD+5mgCBG+5mgショウノウ+5mgメントール
E.20mgCBD+5mgアルニカ+5mgメントール
一般的なレシピはアクリレートコポリマー組成における溶剤の量(通常40~60%)を考慮に入れない。
【0196】
【0197】
F.20mgCBD+5mgメントール
G.プラセボ(アクリレートコポリマーのみ)
上記組成では、15または20mgのCBDが、それぞれ接着剤層中の約4.36%または6.04の純粋なCBDに関する。残りのカンナビノイドについては、5mgのCBGまたはCBNが、接着剤層中の約1.68%の純粋なCBGまたはCBNに対応する。最後に、5mgのアルニカ抽出物またはメントールが、1.68、または1.64%の純粋な抽出物または製品に対応する。アクリレートポリマーを「100%まで」、例えば約90.4、92.1または100%まで添加する。すべてのパーセンテージは重量による。
異なる成分(component)/成分(ingredient)の純度は、上記に示されたようにわずかに高いことも低いこともある。
【0198】
実施例2-皮膚用パッチの適用/使用
使用説明
小袋を開け、パッチのうちの1つを取り出し、剥離ライナーを除去する。パッチの接着剤層を治療される部位に十分に接着するまで接着させる。少なくとも8時間、必要に応じて最大24時間までそのままにしておき、次いで、新しいものに置き換える。
【0199】
パッチは単回使用である。パッチは使い捨てである。外用のみである。傷のないところにのみ適用し、皮膚をきれいにして乾燥させる。子どもの手の届かないところに置く。刺激または製品への過敏性の明らかな兆しがある場合には治療をやめる。製品の機能性および安全性はバッグの完全性により保証される。
【0200】
実施例3-疼痛研究の採用基準および除外基準
採用基準
いずれかの性別の対象
年齢18~65歳(両方含める)
関節(膝、足首、肘または肩)または筋肉(運動、生理痛、背、頸部、肩、上腕または前腕、ふくらはぎの筋肉、大腿筋)における疼痛の少なくとも1つまたは複数の徴候および症状を有する対象
10cmの直線視覚的アナログ尺度(
図1参照)における少なくとも4cmの疼痛尺度
研究員の見解において研究結果を妨げるかまたは有害事象の危険性を高める、いずれの全身性疾患または皮膚疾患もない
研究期間に治療部位の紫外線放射(天然または人工)への長期の曝露を避ける意思がある
治療期間に治療部位へのあらゆるローション、ゲル、バーム、モイスチャライザー、洗浄剤、化粧品またはクリームの使用を控える意思がある
妊娠可能な女性の場合、研究期間に許容可能な形態の避妊を行う強い意思がある
本研究期間にいずれの他の介入臨床試験への参加も避ける意思がある
【0201】
除外基準
研究期間に妊娠している、授乳している、または妊娠を計画している
関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、乾癬性関節炎、痛風性関節炎の患者
病気および治療を妨げる、偽痛風、膝の自然発生する骨壊死、ベーカー嚢胞破裂、滑液包炎、鵞足包炎(膝)のような変形性関節症(OA)の合併症
深刻な胃の感染
酷い精神的ショックを受けるおよび/または非常に深刻なまたは粘膜の炎症
へんとう周囲膿瘍
抗炎症薬の長期間の使用(無作為化の最後の月前までの週当たり≧3回の、または無作為化の最後3ヵ月前までの規則的な摂取)-無作為化の24時間前までの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えばピロキシカムまたはナプロキセン)を含むいずれかの持続性または徐放性鎮痛剤の摂取
無作為化の12時間前までの全身性経路によるいずれかの抗炎症薬の摂取
無作為化の6時間前までのいずれかのパラセタモール摂取
無作為化の6時間前までのいずれかの風邪薬(鼻詰まり薬、抗ヒスタミン薬、去痰薬、咳き止め薬)
ヘビースモーカー(>10本のたばこ/日)
治療部位に開いた傷口または開放病巣を有する
研究員の見解において尋常性乾癬の安全性および/または有効性の評価を複雑にする、いずれかの疾患を有する
事前の30日にいずれかの介入臨床試験に参加した
試験製品の構成要素のいずれかに対する過敏症が分かっている
経口または非経口コルチコステロイドを含む、免疫抑制薬または免疫調節薬(即ち生物製剤)を使用したか、使用しているか、または使用する予定がある
過去2年にアルコールもしくは違法薬物/違法物質への依存、またはアルコールもしくは違法薬物/違法物質への依存の疑いの病歴を有する
【0202】
実施例4-試験結果
【0203】
【0204】
【0205】
【0206】
【0207】
【0208】
【0209】
【0210】
実施例5-アルコール抽出、蒸留および結晶化によるCBDの供給
結晶性CBDは、当該分野で知られている方法および技術、例えばUS10413845および/またはUS10414709に開示されている方法により供給することができる。
【0211】
要するに、結晶性CBDは、
麻繊維または大麻をプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、およびオクタノールからなる群より選択される溶剤により抽出して、テトラヒドロカンナビノール、テルペン、またはカンナビジオールから基本的になる抽出された麻繊維または大麻から基本的になる抽出物を生成する工程、
抽出物の溶剤部分をエバポレーションして、CBDを含む実質的に溶剤を含まない抽出物を生成する工程、
実質的に溶剤を含まない抽出物を蒸留して、CBDを単離する工程、ならびに
蒸留され、単離されたCBDを結晶化して、結晶化され、単離されたCBDを生成する工程から基本的になる方法により、麻繊維または大麻(Cannabis sativa)から供給することができる。
【0212】
多くの場合、必要に応じて、結晶化され、単離されたCBDは真空乾燥に供されて、揮発性残存物、特に結晶化または再結晶化に用いた溶剤が除去される。
【0213】
特に、イソプロパノールによる抽出およびヘプタンの使用による結晶化を含み、1回または複数回の任意の再結晶工程、その後の真空乾燥を含む方法は、結晶構造A、即ち、針状結晶を有するCBDを供給することができる。更に、そのようなCBDは、望ましくない化合物、例えばテルペンが非常に少ないものでありうる。
【0214】
プロセスをモニタリングする、例えば所望の生成物の高収率および/または高純度を確かめるために、GCクロマトグラフィーまたは当該分野で知られている他の分析法を用いることができる。
【0215】
原料に関して、例えば2~3%のCBDを含む麻繊維を乾燥および粉砕し、その後イソプロパノール、例えば食品等級のイソプロパノールにより抽出する。
【0216】
異なる化合物の沸点または沸点範囲に基づいた適切な反応を選択するための助言は、例えばここに見出すことができる:www.nwsci.com/customer/docs/SKUDocs/RMR/Technical%20Data_Extractions_03.28.18.pdf。
【0217】
結晶構造Aを有するCBDを例えばwww.enecta.com、ならびに/または続くその製造業者としての同様の抽出および/もしくは精製プロトコールから供給することができる。
【0218】
実施例6-異なる結晶性CBDを用いて製剤化された組成物の比較
2つの異なる組の皮膚用パッチを、実施例1の例えば製剤AまたはFに従って供給し、相違点は、製剤に用いた結晶性CBDがA型(針状結晶、
図9)またはB型(束状/塊状、
図10)のいずれかであることのみである。
【0219】
A型の結晶性CBDはEnectaより供給され、一方でB型のCBDはPharma Hempより供給される。
【0220】
両方の組成物を試験したところ、驚くべきことに、かつ予想外なことに、「A型」のCBDにより供給された皮膚用パッチが「B型」のCBDを備える同等の皮膚用パッチよりも有意に活性であることが分かり、かつ/またはそのように結論付けることができる。そのような試験は、例えば、実施例1~4に従って、変更すべきところは変更して行うことができる。
【国際調査報告】