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特表2024-521146データ誤り訂正回路およびデータ伝送回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】データ誤り訂正回路およびデータ伝送回路
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/00 20060101AFI20240521BHJP
   G06F 11/10 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H04L1/00 B
G06F11/10 648
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572247
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2022087984
(87)【国際公開番号】W WO2023159736
(87)【国際公開日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】202210173543.8
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ジー カンリン
【テーマコード(参考)】
5K014
【Fターム(参考)】
5K014BA05
5K014EA01
(57)【要約】
データ誤り訂正回路およびデータ伝送回路を提供し、前記データ誤り訂正回路は、入力端子がデータバスに接続され、第1データと前記第1データのチェックコードを受信し、前記チェックコードに基づいて前記第1データの誤り訂正コードを出力するように構成される、復号化モジュールと、第1入力端子が前記データバスに接続され、第2入力端子が前記復号化モジュールの出力端子に接続され、前記誤り訂正コードに対応する前記第1データをラッチし、前記誤り訂正コードおよび対応する前記第1データに基づいて、第2データを生成して出力するように構成される、誤り訂正ラッチモジュールと、を備える。本発明の実施例では、1つのデータ誤り訂正回路によって、交互に伝送される奇数データと偶数データに対して検証および誤り訂正を実行することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ誤り訂正回路であって、
入力端子がデータバスに接続され、第1データと前記第1データのチェックコードを受信し、前記チェックコードに基づいて前記第1データの誤り訂正コードを出力するように構成される、復号化モジュールと、
第1入力端子が前記データバスに接続され、第2入力端子が前記復号化モジュールの出力端子に接続され、前記誤り訂正コードに対応する前記第1データをラッチし、前記誤り訂正コードおよび対応する前記第1データに基づいて、第2データを生成して出力するように構成される、誤り訂正ラッチモジュールと、を備える、データ誤り訂正回路。
【請求項2】
前記誤り訂正ラッチモジュールは、
入力端子が前記データバスに接続され、前記第1データをラッチするように構成される、第1ラッチユニットと、
前記第1ラッチユニットの出力端子と前記復号化モジュールの出力端子に接続され、前記誤り訂正コードに基づいて、対応する前記第1データに対して誤り訂正を実行し、誤り訂正された前記第2データを出力するように構成される、誤り訂正ユニットと、
入力端子が前記誤り訂正ユニットの出力端子に接続され、前記第2データをラッチし出力するように構成される、第2ラッチユニットと、を備える、
請求項1に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項3】
前記第1データは、Mビットのデータを含み、前記第1ラッチユニットは、N個のLビットラッチ(N*L=M、N≧1)を含む、
請求項2に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項4】
N=1、L=Mであり、前記第1ラッチユニットは、シリアル出力であり、前記復号化モジュールは、シリアル出力であり、前記誤り訂正ユニットは、1つの誤り訂正器を含み、前記誤り訂正器の入力端子は、前記第1ラッチユニットの出力端子に接続され、前記誤り訂正ユニットのイネーブル端子は、前記復号化モジュールの出力端子に接続され、前記誤り訂正コードの出力タイミングは、前記第1ラッチユニットのデータ出力タイミングと同じである、
請求項3に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項5】
前記第1ラッチユニットは、パラレル出力であり且つM個の出力端子を含み、前記復号化モジュールは、パラレル出力であり且つM個の出力端子を含み、前記誤り訂正ユニットは、M個の誤り訂正器を含み、各前記誤り訂正器のイネーブル端子は、前記復号化モジュールの1つの出力端子に接続され、各前記誤り訂正ユニットの入力端子は、前記第1ラッチユニットの1つの出力端子に接続される、
請求項3に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項6】
前記第2ラッチユニットは、1つのMビットシフトレジスタを含み、前記第2ラッチユニットは、シリアル入力である、
請求項4に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項7】
前記第2ラッチユニットは、S個(S≧1)のKビットシフトレジスタ(S*K=M)を含み、前記第2ラッチユニットは、パラレル入力である、
請求項5に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項8】
前記第1ラッチユニットは、第1制御ユニットに接続され、前記第2ラッチユニットは、第2制御ユニットに接続され、前記第1制御ユニットは、前記第1ラッチユニットがn+mtの時点でラッチを開始するように制御するように構成され、nは相対遅延時間であり、前記相対遅延時間の開始時点は、前記第1データが前記復号化モジュールに伝送される時間であり、mは、自然数であり、tは、前記第1データの伝送間隔であり、nは、0より大きくtより小さく、前記第2制御ユニットは、前記第2ラッチユニットがn+mtとn+(m+1)tとの間でラッチを開始するように制御するように構成される、
請求項2ないし7のいずれか一項に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項9】
前記誤り訂正器は、並列に接続されたインバータと伝送管とを備え、前記インバータと前記伝送管の入力端子は、前記誤り訂正器の入力端子として接続され、前記インバータと前記伝送管の出力端子は、前記誤り訂正器の出力端子として接続され、前記インバータと前記伝送管のイネーブル端子は両方とも、前記復号化モジュールの出力端子に接続される、
請求項4または5に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項10】
前記第1ラッチユニットは、シリアル入力またはパラレル入力である、
請求項2に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項11】
前記第2ラッチユニットは、シリアル出力またはパラレル出力である、
請求項2または10に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項12】
前記第2制御ユニットの入力端子は、前記第1制御ユニットの出力端子に接続される、
請求項8に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項13】
データ伝送回路であって、
奇数データを伝送するための奇数データ信号線と、
偶数データを伝送するための偶数データ信号線であって、前記偶数データと前記奇数データは、時間間隔を置いて交互に伝送され、前記偶数データの到着時間と前記奇数データの到着時間との間に第1時間間隔がある、偶数データ信号線と、
入力端子が前記奇数データ信号線と前記偶数データ信号線に接続され、出力端子が出力バスに接続された、請求項1~12のいずれか一項に記載のデータ誤り訂正回路と、を備え、前記出力バスは、記憶ブロックに電気的に接続され、
前記データ誤り訂正回路は、前記奇数データまたは前記偶数データが前記記憶ブロックに書き込まれるときに、前記奇数データまたは前記偶数データに対して誤り訂正を実行するように構成される、データ伝送回路。
【請求項14】
前記データ誤り訂正回路は、復号化モジュールと誤り訂正ラッチモジュールとを備え、前記奇数データまたは前記偶数データは、第1時点で前記復号化モジュールに入り、前記誤り訂正ラッチモジュールは、第2時点で誤り訂正されたデータを出力し、前記第1時点と前記第2時点との間の間隔は、前記第1時間間隔より大きい、
請求項13に記載のデータ伝送回路。
【請求項15】
データ伝送回路であって、
奇数データと偶数データを伝送するための第1データ信号線であって、前記偶数データと前記奇数データは、時間間隔を置いて交互に伝送され、前記偶数データの到着時間と前記奇数データの到着時間との間に第1時間間隔がある、第1データ信号線と、
入力端子が前記奇数データ信号線と前記偶数データ信号線に接続され、出力端子が出力バスに接続された、請求項1~12のいずれか一項に記載のデータ誤り訂正回路と、を備え、前記出力バスは、記憶ブロックに電気的に接続され、
前記データ誤り訂正回路は、前記奇数データまたは前記偶数データが前記記憶ブロックに書き込まれるときに、前記奇数データまたは前記偶数データに対して誤り訂正を実行するように構成される、データ伝送回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2022年2月24日に中国特許局に提出された、出願番号が202210173543.8であり、発明の名称が「データ誤り訂正回路およびデータ伝送回路」である中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が参照によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、電子回路の技術分野に関し、具体的には、効率的なデータ処理を実行することができる、データ誤り訂正回路およびデータ伝送回路に関する。
【背景技術】
【0003】
データ誤り訂正コード(ECC:Error Correcting Code)回路とは、データの誤り検査と訂正を実現できる技術である。ターゲットデータと一緒に伝送されるECCチェックコードを用いてターゲットデータをチェックすることにより、最小1ビット(bit)のデータ伝送の誤りを訂正することができる。データ誤り訂正回路は、メモリなど、正確なデータ伝送を維持する必要のある回路に広く使用されている。
メモリでは通常、伝送されるデータを奇数データと偶数データに分けて交互に伝送する。奇数データは、奇数クロックでサンプリングされ、奇数データ信号線を介して伝送され、偶数データは、偶数クロックでサンプリングされ、偶数データ信号線を介して伝送される。奇数データ信号線と偶数データ信号線は、並列に配置され、奇数データと偶数データは、交互に伝送され、それにより、信号線間のクロストークを回避し、データ伝送の信頼性を向上させることができる。
【0004】
いくつかの実施例において、データ誤り訂正回路を用いて伝送待ちデータに対してチェックと誤り訂正を実行する必要がある場合、データ誤り訂正回路の処理時間が長いため、奇数データが到着する前に偶数データのチェックまたは誤り訂正を完了することができず、または、偶数データが到着する前に奇数データのチェックまたは誤り訂正を完了することができない場合があり、したがって、奇数データ信号線と偶数データ信号線にそれぞれデータ誤り訂正回路を設ける必要がある。しかしながら、データ誤り訂正回路はレイアウト時に比較的大きな面積を占有するため、レイアウト時に、データ伝送回路全体が占有する面積も大きくなる。
【0005】
なお、上記の背景技術部分に開示された情報は、本発明の背景の理解を深めるためにのみ使用されるものであるため、当業者にとって既知の先行技術に該当しない情報を含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、データ伝送回路のレイアウト面積が大きいという問題を少なくともある程度克服するために、レイアウト面積を節約することができるデータ伝送回路および当該データ伝送回路に適用されるデータ伝送方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、先行技術における制限と欠点により、1つのデータ誤り訂正回路が、交互に伝送される奇数データと偶数データを処理できないという問題を少なくともある程度克服するための、データ誤り訂正回路およびデータ伝送回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様によれば、データ誤り訂正回路を提供し、前記データ誤り訂正回路は、入力端子がデータバスに接続され、第1データと前記第1データのチェックコードを受信し、前記チェックコードに基づいて前記第1データの誤り訂正コードを出力するように構成される、復号化モジュールと、第1入力端子が前記データバスに接続され、第2入力端子が前記復号化モジュールの出力端子に接続され、前記誤り訂正コードに対応する前記第1データをラッチし、前記誤り訂正コードおよび対応する前記第1データに基づいて、第2データを生成して出力するように構成される、誤り訂正ラッチモジュールと、を備える。
【0009】
本発明の1つの例示的な実施例において、前記誤り訂正ラッチモジュールは、入力端子が前記データバスに接続され、前記第1データをラッチするように構成される、第1ラッチユニットと、前記第1ラッチユニットの出力端子と前記復号化モジュールの出力端子に接続され、前記誤り訂正コードに基づいて、対応する前記第1データに対して誤り訂正を実行し、誤り訂正された前記第2データを出力するように構成される、誤り訂正ユニットと、入力端子は前記誤り訂正ユニットの出力端子に接続され、前記第2データをラッチし出力するように構成される、第2ラッチユニットと、を備える。
【0010】
本発明の1つの例示的な実施例において、前記第1データは、Mビットのデータを含み、前記第1ラッチユニットは、N個のLビットラッチ(N*L=M、N≧1)を含む。
【0011】
本発明の1つの例示的な実施例において、N=1、L=Mであり、前記第1ラッチユニットは、シリアル出力であり、前記復号化モジュールは、シリアル出力であり、前記誤り訂正ユニットは、1つの誤り訂正器を含み、前記誤り訂正器の入力端子は、前記第1ラッチユニットの出力端子に接続され、前記誤り訂正ユニットのイネーブル端子は、前記復号化モジュールの出力端子に接続され、前記誤り訂正コードの出力タイミングは、前記第1ラッチユニットのデータ出力タイミングと同じである。
【0012】
本発明の1つの例示的な実施例において、前記第1ラッチユニットは、パラレル出力であり且つM個の出力端子を含み、前記復号化モジュールは、パラレル出力であり且つM個の出力端子を含み、前記誤り訂正ユニットは、M個の誤り訂正器を含み、各前記誤り訂正器のイネーブル端子は、前記復号化モジュールの1つの出力端子に接続され、各前記誤り訂正ユニットの入力端子は、前記第1ラッチユニットの1つの出力端子に接続される。
【0013】
本発明の1つの例示的な実施例において、前記第2ラッチユニットは、1つのMビットシフトレジスタを含み、前記第2ラッチユニットは、シリアル入力である。
【0014】
本発明の1つの例示的な実施例において、前記第2ラッチユニットは、S個(S≧1)のKビットシフトレジスタ(S*K=M)を含み、前記第2ラッチユニットは、パラレル入力である。
【0015】
本発明の1つの例示的な実施例において、前記第1ラッチユニットは、第1制御ユニットに接続され、前記第2ラッチユニットは、第2制御ユニットに接続され、前記第1制御ユニットは、前記第1ラッチユニットがn+mtの時点でラッチを開始するように制御するように構成され、nは相対遅延時間であり、前記相対遅延時間の開始時点は、前記第1データが前記復号化モジュールに伝送される時間であり、mは、自然数であり、tは、前記第1データの伝送間隔であり、nは、0より大きくtより小さく、前記第2制御ユニットは、前記第2ラッチユニットがn+mtとn+(m+1)tとの間でラッチを開始するように制御するように構成される。
【0016】
本発明の1つの例示的な実施例において、前記誤り訂正器は、並列に接続されたインバータと伝送管とを備え、前記インバータと前記伝送管の入力端子は、前記誤り訂正器の入力端子として接続され、前記インバータと前記伝送管の出力端子は、前記誤り訂正器の出力端子として接続され、前記インバータと前記伝送管のイネーブル端子は両方とも、前記復号化モジュールの出力端子に接続される。
【0017】
本発明の1つの例示的な実施例において、前記第1ラッチユニットは、シリアル入力またはパラレル入力である。
【0018】
本発明の1つの例示的な実施例において、前記第2ラッチユニットは、シリアル出力またはパラレル出力である。
【0019】
本発明の1つの例示的な実施例において、前記第2制御ユニットの入力端子は、前記第1制御ユニットの出力端子に接続される。
【0020】
本発明の第2態様によれば、データ伝送回路を提供し、前記データ伝送回路は、奇数データを伝送するための奇数データ信号線と、偶数データを伝送するための偶数データ信号線であって、前記偶数データと前記奇数データは、時間間隔を置いて交互に伝送され、前記偶数データの到着時間と前記奇数データの到着時間との間に第1時間間隔がある、偶数データ信号線と、入力端子が前記奇数データ信号線と前記偶数データ信号線に接続され、出力端子が出力バスに接続された、上記の任意の態様におけるデータ誤り訂正回路と、を備え、前記出力バスは、記憶ブロックに電気的に接続され、ここで、前記データ誤り訂正回路は、前記奇数データまたは前記偶数データが前記記憶ブロックに書き込まれるときに、前記奇数データまたは前記偶数データに対して誤り訂正を実行するように構成される。
【0021】
本発明の1つの例示的な実施例において、前記データ誤り訂正回路は、復号化モジュールと誤り訂正ラッチモジュールとを備え、前記奇数データまたは前記偶数データは、第1時点で前記復号化モジュールに入り、前記誤り訂正ラッチモジュールは、第2時点で誤り訂正されたデータを出力し、前記第1時点と前記第2時点との間の間隔は、前記第1時間間隔より大きい。
【0022】
本発明の第3態様によれば、データ伝送回路を提供し、前記データ伝送回路は、奇数データと偶数データを伝送するための第1データ信号線であって、前記偶数データと前記奇数データは、時間間隔を置いて交互に伝送され、前記偶数データの到着時間と前記奇数データの到着時間との間に第1時間間隔がある、第1データ信号線と、入力端子が前記奇数データ信号線と前記偶数データ信号線に接続され、出力端子が出力バスに接続された、上記の任意の態様におけるデータ誤り訂正回路と、を備え、前記出力バスは、記憶ブロックに電気的に接続され、ここで、前記データ誤り訂正回路は、前記奇数データまたは前記偶数データが前記記憶ブロックに書き込まれるときに、前記奇数データまたは前記偶数データに対して誤り訂正を実行するように構成される。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施例によれば、データ誤り訂正回路を復号化モジュールと誤り訂正ラッチモジュールの2つの部分に分けることにより、データのチェックと誤り訂正のプロセスを復号化と誤り訂正の2つの部分に分けることができ、これにより、次のデータが到着する前に、復号化モジュールを用いて現在のデータを復号化することができ、次のデータが間もなく到着するとき、処理プロセスを誤り訂正ラッチモジュールに引き渡すことができ、これにより、次のデータの到着により、現在のデータの処理プロセスが中断されるか、次のデータが失われることを回避することができる。このように、本発明の実施例は、1つのデータ誤り訂正回路によって、交互に伝送される奇数データと偶数データの逐次処理を実現し、データ伝送回路を設計する際に、1チャネルのデータ誤り訂正回路を省き、データ伝送回路が占有するレイアウト面積を削減し、データ伝送回路全体の消費電力を削減することができる。
【0024】
上記した一般的な説明および後述する詳細な説明は、単なる例示および説明に過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】先行技術におけるデータ誤り訂正回路の接続関係の概略図である。
図1B図1Aに示すデータ誤り訂正回路のデータ処理のタイミング図である。
図2】本発明の例示的な実施例におけるデータ誤り訂正回路の構造の概略図である。
図3】本発明の1つの実施例における誤り訂正ラッチモジュールのブロック図である。
図4】本発明の1つの実施例における誤り訂正ラッチモジュールの回路図である。
図5】本発明の別の実施例における誤り訂正ラッチモジュールの回路図である。
図6】本発明の1つの実施例におけるデータラッチのタイミング図である。
図7】本発明の1つの実施例における第1制御ユニットと第2制御ユニットの概略図である。
図8】本発明の1つの実施例におけるデータ伝送回路の概略図である。
図9】本発明の別の実施例におけるデータ伝送回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
上記の図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本願に準拠する実施例を示し、本明細書とともに本願の原理を説明するために使用される。明らかに、上記の図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力なしに、これらの図面に従って他の図面を得ることもできる。
【0027】
次に、例示的な実施形態について、図面を参照してより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、様々な形態で実施することができ、ここで記載された例に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態を提供することにより、本発明がより包括的かつ完全なものとなり、例示的な実施形態の概念を当業者に十分に伝えることができる。説明された特徴、構造または特性は、1つのまたは複数の実施形態において任意の適切な方式で組み合わせることができる。以下の説明では、本発明の実施形態を十分に理解させるために、多くの具体的な詳細が提供される。しかしながら、当業者であれば、本発明の技術的解決策は、記載された1つまたは複数の特定の詳細なしにも実施できること、または他の方法、構成要素、装置、ステップなどを採用できることを理解するであろう。他の場合には、本発明の各態様を曖昧にすることを回避するために、周知の技術的解決策については詳細に示されず、説明されない。
【0028】
さらに、図面は、本発明の概略図に過ぎず、図面において同じ符号は、同じまたは類似する部分を示すため、これらについての繰り返しの説明は省略する。図面に示すいくつかのブロック図は、機能エンティティであり、必ずしも物理的または論理的に独立したエンティティに対応するとは限らない。これらの機能エンティティは、ソフトウェアの形で実装されてもよいし、1つのまたは複数のハードウェアモジュールまたは集積回路で実装されてもよいし、異なるネットワークおよび/またはプロセッサ装置および/またはマイクロコントローラ装置で実装されてもよい。
【0029】
以下では、図面を参照して、本発明の例示的な実施形態について詳細に説明する。
【0030】
図1Aは、先行技術におけるデータ誤り訂正回路の接続関係の概略図であり、図1Bは、図1Aに示すデータ誤り訂正回路のデータ処理のタイミング図である。
【0031】
図1Aを参照すると、先行技術において、奇数データ信号線で奇数データEvenData<127:0>および奇数データのECCチェックコードEvenParity<8:0>が伝送され、奇数データ信号線に配置された奇数データ誤り訂正ユニット11によって誤り訂正を実行し、誤り訂正データEvenDataWr<127:0>を出力し、偶数データ信号線で偶数データOddData<127:0>および偶数データのECCチェックコードOddParity<8:0>が伝送され、偶数データ信号線に配置された偶数データ誤り訂正ユニット12によって誤り訂正を実行し、誤り訂正データOddDataWr<127:0>を出力する。これは、タイミング(図1Bを参照)において、奇数データEvenData<127:0>と偶数データOddData<127:0>の伝送周期が両方ともTであり、両者は交互に伝送され、伝送間隔がT/2であるためである。しかし、奇数データ誤り訂正ユニット11または偶数データ誤り訂正ユニット12の誤り訂正処理時間が両方ともTeccであり、Tecc>T/2であるため、1つの誤り訂正ユニットは、T/2時間内に交互に到着する奇数データと偶数データを処理できず、奇数データと偶数データをそれぞれ処理するために2つの誤り訂正ユニットを配置する必要がある。
【0032】
図2は、本発明の例示的な実施例におけるデータ誤り訂正回路の構造の概略図である。
【0033】
図2を参照すると、データ誤り訂正回路200は、
入力端子がデータバスに接続され、第1データと第1データのチェックコードを受信し、チェックコードに基づいて第1データの誤り訂正コードを出力するように構成される、復号化モジュール21と、
第1入力端子がデータバスに接続され、第2入力端子が復号化モジュール21の出力端子に接続され、誤り訂正コードに対応する第1データをラッチし、誤り訂正コードと、対応する第1データに基づいて、第2データを生成して出力するように構成される、誤り訂正ラッチモジュール22と、を備えることができる。
【0034】
本発明の1つの実施例において、第1データは、例えば、128ビット(Bit)であり、Data<127:0>と表記される。それに対応して、第1データのチェックコードは、ECCチェックコードであってもよい。第1データが128ビットである場合、第1データのECCチェックコードは、Parity<8:0>と表記されることができ、ECCチェックコードの各ビットはそれぞれ、第1データの異なる行データのXOR結果(即ち、行チェック値)であるか、または、第1データの異なる列データのXOR結果(即ち、列チェック値)である。復号化モジュール21は、ECCチェックロジックに従って、第1データの対応する行チェック値および列チェック値を生成し、生成された行チェック値と列チェック値を、ECCチェックコードに記録された行チェック値と列チェック値と対照し、対照結果が不一致となったチェックコード位置に基づいて、異常が発生した第1データのデータビット(bit)を判断し、第1データの誤り訂正コードを出力する。
【0035】
本発明の実施例において、第1データが128ビットである場合、第1データの誤り訂正コードは128ビット(bit)のデータであり、誤り訂正コード内の各ビットは、第1データ内の対応するビットが誤っているか否かを指示する。例えば、第1データのbit6が誤っている場合、誤り訂正コード内のbit6の値は1であり、第1データのbit0が正しい場合、誤り訂正コード内のbit0の値は0である。この場合、第1データのチェック結果がECCチェックコードと一致する場合、第1データの誤り訂正コードは全て0となり、第1データのチェック結果がECCチェックコードと一致しない場合、第1データの誤り訂正コードの対応するビットは1に設定され、誤り訂正コードは、誤りが発生した位置に応じて異なる値を取る。本発明の他の実施例において、第1データ内の対応するビットの値が1である場合、当該ビットが正しいことを示し、第1データの対応するビットの値が0である場合、当該ビットが誤っていることを示すように設定することができ、本発明は、これに対して特に限定しない。
【0036】
誤り訂正ラッチモジュール22は、第1データをラッチし、第1データの誤り訂正コードに基づいて、第1データに対して誤り訂正を実行するように構成される。なお、第1データは、第1データに対応する伝送周期内で循環送信され、したがって、第1データが復号化モジュール21に入り、復号化モジュール21によってチェックおよび計算されるとき、誤り訂正ラッチモジュール22が第1データの伝送周期においてある一回の伝送における第1データをラッチできることを保証できれば、誤り訂正ラッチモジュール22は、第1データへのラッチを遅延して実行し、現在処理中のデータに対して誤り訂正を実行し続けることができる。
【0037】
上記の内容からわかるように、データ誤り訂正における誤り訂正コードの生成ステップ(チェックステップ)と誤り訂正ステップを分離することにより、誤り訂正ラッチモジュール22が先行データ(奇数データまたは偶数データの一方)に対して誤り訂正処理を実行するとき、復号化モジュール21は、後続データ(奇数データまたは偶数データの他方)に対するチェックおよび復号化を同時に実行することができ、このようにして、後続データが到着するとき、誤り訂正ラッチモジュール22は、先行データに対する誤り訂正処理を継続することができる一方、復号化モジュール21は、後続データを適時に処理することができ、これにより、先行データのチェックおよび誤り訂正全体にかかる時間が長いことにより、後続データが失われたり、現在データ(先行データ)の処理が中断されたりすることを回避することができる。
【0038】
図3は、本発明の1つの実施例における誤り訂正ラッチモジュールのブロック図である。
【0039】
図3を参照すると、1つの実施例において、誤り訂正ラッチモジュール22は、
入力端子がデータバスに接続され、第1データをラッチするように構成される、第1ラッチユニット221と、
第1ラッチユニット221の出力端子と復号化モジュール21の出力端子に接続され、誤り訂正コードに基づいて、対応する第1データに対して誤り訂正を実行し、誤り訂正された第2データを出力するように構成される、誤り訂正ユニット222と、
入力端子が誤り訂正ユニット222の出力端子に接続され、第2データをラッチし出力するように構成される、第2ラッチユニット223と、を備えることができる。
【0040】
1つの実施例において、第1データは、Mビットのデータを含み、第1ラッチユニット221は、N個のLビットラッチ(N*L=M、N≧1)を含む。ここで、Mはビット(bit)数であり、128ビットの第1データの場合、M=128である。
【0041】
第1ラッチユニット221は、1つまたは複数のラッチまたはシフトレジスタによって実現されることができる。
【0042】
図4は、本発明の1つの実施例における誤り訂正ラッチモジュールの回路図である。
【0043】
図4を参照すると、1つの実施例において、N=1、L=Mであり、第1ラッチユニット221は、1つのMビットのシフトレジスタによって実現される。例えば、第1データが128ビットのデータである場合、M=128であり、第1ラッチユニット221は、128ビットのシフトレジスタである。この場合、第1ラッチユニット221は、シリアル入力である。
【0044】
第1ラッチユニット221がシリアル出力である場合、1つの出力端子を有し、誤り訂正ユニット222のデータ入力端子は1つの入力端子であり、誤り訂正ユニット222はシリアル入力であり、復号化モジュール21はシリアル出力であり、誤り訂正ユニット222は、1つの誤り訂正器2221によって実現され、誤り訂正器2221の入力端子は、第1ラッチユニット221の出力端子に接続され、誤り訂正ユニット222のイネーブル端子は、復号化モジュール21の出力端子に接続され、誤り訂正コードCorrect<127:0>が各ビット(bit)データを出力する時点は、第1ラッチユニット221がデータDataPre<127:0>内の各ビット(bit)のデータを出力する時点と一致する。なお、1組の誤り訂正コードCorrect<127:0>は、伝送周期t(第1データの伝送周期tに等しい)内に何度も繰り返し伝送されることができ、第1ラッチユニット221がデータDataPre<127:0>を出力する時点が、それに対応する第1データのある組の誤り訂正コードの伝送時点と一致すればよい。
【0045】
図4に示す実施例において、誤り訂正器2221は、並列に接続されたインバータINVと伝送管SRとを備え、インバータINVの入力端子と伝送管SRの入力端子は、誤り訂正器2221の入力端子として接続され、インバータINVの出力端子と伝送管SRの出力端子は、誤り訂正器2221の出力端子として接続され、インバータINVのイネーブル端子と伝送管SRのイネーブル端子は両方とも、復号化モジュール21の出力端子に接続される。
【0046】
第1ラッチユニット221によって出力されるDataPre<127:0>内の各ビットデータは、誤り訂正コードCorrect<127:0>の対応するビットに対応する。誤り訂正コードCorrect<127:0>の第xビットのデータが0である場合、インバータINVはオフ、伝送管SRはオンとなり、誤り訂正器2221の出力データDataPost<127:0>の第xビットは、DataPre<127:0>内の第xビットに等しく、誤り訂正は実行されず、誤り訂正コードCorrect<127:0>の第yビットのデータが0である場合、インバータINVはオン、伝送管SRはオフとなり、誤り訂正器2221の出力データDataPost<127:0>の第yビットは、DataPre<127:0>内の第yビットの反転データに等しく、それにより、DataPre<127:0>、即ち第1データData<127:0>のビット単位の誤り訂正を実現し、ここで、x、yはいずれも自然数である。上記のデータビット数は例示的なものに過ぎず、実際の適用において、データビット数は、処理要求に応じて設定される。
【0047】
したがって、誤り訂正ユニット222が、1つの誤り訂正器2221によって実現され且つ1つの出力端子を有する場合、第2ラッチユニット223は、1つのMビットシフトレジスタを含み、第2ラッチユニット223は、シリアル入力である。第2ラッチユニット223は、外部回路の要求に応じて、シリアル出力であってもよいし、パラレル出力であってもよい。
【0048】
1つの実施例において、第1ラッチユニット221は第1制御ユニット224に接続され、第2ラッチユニット223は第2制御ユニット225に接続され、第1制御ユニット224は、第1制御信号を出力して、第1ラッチユニット221のラッチを制御し、第2制御ユニット225は、第2制御信号を出力して、第2ラッチユニット223のラッチを制御する。
【0049】
図5は、本発明の別の実施例における誤り訂正ラッチモジュールの回路図である。
【0050】
図5を参照すると、他の実施例において、第1ラッチユニット221は、パラレル出力であってもよく、M個の出力端子を含み、それに対応して、復号化モジュール21は、パラレル出力であり、M個の出力端子を含み、誤り訂正ユニット222は、M個の誤り訂正器2221を備え、各誤り訂正器2221のイネーブル端子は、復号化モジュール21の1つの出力端子に接続され、各誤り訂正器2221の入力端子は、第1ラッチユニット221の1つの出力端子に接続される。さらに、第2ラッチユニット223は、パラレル入力であり、M個の入力端子を有する。第2ラッチユニット223は、S個のKビットシフトレジスタによって実現されることができ、S*K=M、S≧1である。誤り訂正器2221は、例えば、図4に示すとおりである。
【0051】
さらに、第1ラッチユニット221は、シリアル入力であってもよいし、パラレル入力であってもよい。第2ラッチユニット2231は、シリアル出力であってもよいし、パラレル出力であってもよい。
【0052】
図4に示す実施例と同様に、第1ラッチユニット221は、第1制御ユニット224によって出力される第1制御信号によって制御され、ラッチを開始し、第2ラッチユニット223は、第2制御ユニット225によって出力された第2制御信号によって制御され、ラッチを開始する。
【0053】
図6は、本発明の1つの実施例におけるデータラッチのタイミング図である。
【0054】
図6を参照すると、1つの実施例において、第1データData<127:0>は、交互に伝送される奇数データまたは偶数データであり、奇数データと偶数データの伝送間隔はtであり、伝送間隔t内に、第1データData<127:0>の伝送が完了する。理解できるように、伝送間隔tは、図1Bに示す奇数データまたは偶数データの伝送周期Tの半分に等しい。
【0055】
第1制御ユニット224は、第1ラッチユニット221が第1時点T1で第1データのラッチを開始するように制御するように構成され、T1=n+mtであり、nは、相対遅延時間であり、相対遅延時間の開始時点は、第1データが復号化モジュール21に伝送される時点T0であり、0<n<tであり、mは、自然数である。第2制御ユニット225は、第2ラッチユニット223が第1時点T1と次の第1時点T1’との間のある時点でラッチを開始するように制御するように構成され、次の第1時点T1’は、T1’=n+(m+1)tである。図6に示す実施例において、m=1である。
【0056】
第2ラッチユニット223は、第2時点T2から誤り訂正された第2データDataWr<127:0>を受信して出力する。第1データData<127:0>が復号化モジュール21に入力される時点T0から、第2データDataWr<127:0>が出力される第2時点T2までの時間は、第1データに対してチェックおよび誤り訂正を実行するための時間長Teccであり、Teccは、第1データの伝送周期tより大きい。図6を参照すると、第2時点T2の前、第1データ61が復号化モジュール21に到着してからt時間経過した後、即ち、第3時点T3に達すると、次の第1データ62は、復号化モジュール21に入り、復号化モジュール21は、次の第1データ62の計算を開始するが、この時点(第3時点T3)では、第1ラッチユニット221は依然として第1データ61をラッチし(DataPre<127:0>を出力する)、t時間経過して次の第3時点T3’に達すると、第1ラッチユニット221は、次の第1データ62をラッチする。誤り訂正ユニット222と第2ラッチユニット223がシリアル入力出力である場合、より多くのデータ処理時間が必要であり、よって、第1ラッチユニット221が第1データ61をラッチする時間をtに制御することにより、次の第1データ62を処理できることを確保するという前提下で、誤り訂正ユニット222に十分なデータ処理時間を与えることができる。
【0057】
なお、復号化モジュール21が誤り訂正コードを出力する時間は、第1時点T1の後、第1データの伝送が完了する第3時点T3の前であるべきであり(T0からT3までの時間はtである)、つまり、復号化モジュール21がチェックおよび復号化を実行する時間は、各第1データがチェックおよび復号化処理を受けることができることを保証するために、最大でもtを超えない。
【0058】
1つの実施例において、第1制御信号によって、第1ラッチユニット221が第1データのラッチを開始する第1時点T1が、第1データの第1ビットデータと位置合わせるように制御することができ、第1ラッチユニット221がシリアル出力である場合、第1ラッチユニット221がデータDataPre<127:0>を出力するタイミングが、復号化モジュール21が誤り訂正コードを出力するタイミング(各bitを出力する時点)と同じになるように制御することができる。一方、第2制御信号によって、第2ラッチユニット223がラッチを開始する第2時点T2が、復号化モジュール21が誤り訂正コードを出力した後になるように制御し、極端な場合には、第2時点T2が、誤り訂正ユニット222がデータDataPost<127:0>の出力を開始する時間と等しくなるように制御することができる。第2ラッチユニット223がシリアル出力である場合、さらに、第2ラッチユニット223がラッチを開始する時点を、復号化モジュール21が誤り訂正コードの出力を開始する時点よりも遅くする必要があり、これは、誤り訂正ユニット222が誤り訂正コードを受信してからDataPost<127:0>内のあるビットを出力するまでの間に一定の遅延があるためである。
【0059】
図7は、本発明の1つの実施例における第1制御ユニットと第2制御ユニットの概略図である。
【0060】
図7を参照すると、1つの実施例において、第2制御ユニット225の入力端子は、第1制御ユニット224の出力端子に接続されることができ、第1制御ユニット225の入力端子は、ラッチ信号Catchを受信するように構成され、第1制御ユニット224は、ラッチ信号Catchに基づいて第1制御信号を生成するように構成され、第2制御ユニット225は、第1制御信号に基づいて第2制御信号を生成するように構成され、第1制御信号は、第1ラッチユニット221がラッチを開始するように制御するために使用され、第2制御信号は、第2ラッチユニット223がラッチを開始するように制御するために使用される。第1制御信号および第2制御信号の励起により、第1ラッチユニット221は、第1時点T1でラッチを開始し、第2ラッチユニット223は、第1時点T1と次の第1時点T1’との間でラッチを開始する。具体的には、第1制御ユニット224と第2制御ユニット225は、入力信号を遅延させて対応する出力信号を得るように構成され、第1制御ユニット224と第2制御ユニット225の遅延を調整することにより、第1ラッチユニット221のデータ出力タイミング(各bitを出力する時点)が、復号化モジュール21が誤り訂正コードを出力するタイミング(各bitを出力する時点)と同じになるように制御し、第2ラッチユニット223のラッチタイミングが、誤り訂正ユニット222がデータDataPost<127:0>を出力するタイミングと同じになるように制御することができる。つまり、制御信号Catchと第1データが同時に入力されるとき、第1制御ユニット224の遅延時間は、復号化モジュール21の復号化時間に等しくてもよく、第2制御ユニット225の遅延時間は、誤り訂正ユニット222の処理時間、即ち、誤り訂正ユニット222のデータ入力とデータ出力との時間差に等しくもよい。
【0061】
本発明の実施例によるデータ誤り訂正回路は、演算時間がTeccであるECC演算全体をより小さな時間間隔に分割して、伝送間隔がt(t<Tecc)であるデータに対してチェックと誤り訂正を実行し、それにより、1つのデータ誤り訂正回路を用いて、交互に伝送される奇数データと偶数データに対するチェックと誤り訂正を実現し、データ伝送回路の1チャネルのデータ誤り訂正回路の設定を削減することができる。
【0062】
図8は、本発明の1つの実施例におけるデータ伝送回路の概略図である。
【0063】
図8を参照すると、1つの実施例において、データ伝送回路800は、
奇数データを伝送するための奇数データ信号線81と、
偶数データを伝送するための偶数データ信号線82であって、偶数データと奇数データは、時間間隔を置いて交互に伝送され、偶数データの到着時間と奇数データの到着時間との間に第1時間間隔がある、偶数データ信号線82と、
入力端子が奇数データ信号線と偶数データ信号線に接続され、出力端子が出力バス84に接続された、上記の実施例におけるデータ誤り訂正回路83と、を備えることができ、出力バスは、記憶ブロック85に電気的に接続され、
ここで、データ誤り訂正回路83は、奇数データまたは偶数データが記憶ブロック85に書き込まれるときに、奇数データまたは偶数データに対して誤り訂正を実行するように構成される。
【0064】
1つの実施例において、データ誤り訂正回路83は、復号化モジュール831と誤り訂正ラッチモジュール832とを備え、奇数データまたは偶数データは、第1時点で復号化モジュール831に入り、誤り訂正ラッチモジュール832は、第2時点で誤り訂正されたデータを出力し、第1時点と第2時点との間の間隔は、第1時間間隔より大きい。
【0065】
図9は、本発明の別の実施例におけるデータ伝送回路の概略図である。
【0066】
図9を参照すると、別の実施例において、データ伝送回路900は、
奇数データと偶数データを伝送するための第1データ信号線91であって、偶数データと奇数データは、時間間隔を置いて交互に伝送され、偶数データの到着時間と奇数データの到着時間との間に第1時間間隔がある、第1データ信号線91と、
入力端子が第1データ信号線91に接続され、出力端子が出力バス93に接続された、上記の実施例におけるデータ誤り訂正回路92と、を備えることができ、出力バス93は、記憶ブロック94に電気的に接続され、
ここで、データ誤り訂正回路92は、奇数データまたは偶数データが記憶ブロック94に書き込まれるときに、奇数データまたは偶数データに対して誤り訂正を実行するように構成される。
【0067】
データ誤り訂正回路92は、復号化モジュール921と誤り訂正ラッチモジュール922とを備え、奇数データまたは偶数データは、第1時点で復号化モジュール921に入り、誤り訂正ラッチモジュール922は、第2時点で誤り訂正されたデータを出力し、第1時点と第2時点との間の間隔は、第1時間間隔より大きい。
【0068】
上記の詳細な説明では、動作実行のための機器のいくつかのモジュールまたはユニットについて説明したが、このような分割は、必須ではないことに留意されたい。実際には、本発明の実施形態によれば、上記の2つまたは複数のモジュールまたはユニットの特徴および機能は、1つのモジュールまたはユニットによって実装できる。逆に、上記の1つのモジュールまたはユニットの特徴および機能をさらに分割して、複数のモジュールまたはユニットによって実装できる。
【0069】
当業者は、本明細書を検討し、本明細書に開示される発明を実施した後、本願の他の実施形態を容易に考えることができる。本願は、本開示のあらゆる変形、応用または適応的変更を網羅することを意図しており、これらの変形、応用または適応的変更は、本開示の一般原理に準拠し、本開示で開示されていない当技術分野における公知常識または従来の技術手段を含む。本明細書および実施例は、単なる例示的なものであり、本発明の真の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲で指摘される。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の実施例によれば、データ誤り訂正回路を復号化モジュールと誤り訂正ラッチモジュールの2つの部分に分けることにより、データのチェックと誤り訂正のプロセスを復号化と誤り訂正の2つの部分に分けることができ、これにより、次のデータが到着する前に、復号化モジュールを用いて現在のデータを復号化することができ、次のデータが間もなく到着するとき、処理プロセスを誤り訂正ラッチモジュールに引き渡すことができ、これにより、次のデータの到着により、現在のデータの処理プロセスが中断されるか、次のデータが失われることを回避することができる。このように、本発明の実施例は、1つのデータ誤り訂正回路によって、交互に伝送される奇数データと偶数データの逐次処理を実現し、データ伝送回路を設計する際に、1チャネルのデータ誤り訂正回路を省き、データ伝送回路が占有するレイアウト面積を削減し、データ伝送回路全体の消費電力を削減することができる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ誤り訂正回路であって、
入力端子がデータバスに接続され、第1データと前記第1データのチェックコードを受信し、前記チェックコードに基づいて前記第1データの誤り訂正コードを出力するように構成される、復号化モジュールと、
第1入力端子が前記データバスに接続され、第2入力端子が前記復号化モジュールの出力端子に接続され、前記誤り訂正コードに対応する前記第1データをラッチし、前記誤り訂正コードおよび対応する前記第1データに基づいて、第2データを生成して出力するように構成される、誤り訂正ラッチモジュールと、を備える、データ誤り訂正回路。
【請求項2】
前記誤り訂正ラッチモジュールは、
入力端子が前記データバスに接続され、前記第1データをラッチするように構成される、第1ラッチユニットと、
前記第1ラッチユニットの出力端子と前記復号化モジュールの出力端子に接続され、前記誤り訂正コードに基づいて、対応する前記第1データに対して誤り訂正を実行し、誤り訂正された前記第2データを出力するように構成される、誤り訂正ユニットと、
入力端子が前記誤り訂正ユニットの出力端子に接続され、前記第2データをラッチし出力するように構成される、第2ラッチユニットと、を備える、
請求項1に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項3】
前記第1データは、Mビットのデータを含み、前記第1ラッチユニットは、N個のLビットラッチ(N*L=M、N≧1)を含む、
請求項2に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項4】
N=1、L=Mであり、前記第1ラッチユニットは、シリアル出力であり、前記復号化モジュールは、シリアル出力であり、前記誤り訂正ユニットは、1つの誤り訂正器を含み、前記誤り訂正器の入力端子は、前記第1ラッチユニットの出力端子に接続され、前記誤り訂正ユニットのイネーブル端子は、前記復号化モジュールの出力端子に接続され、前記誤り訂正コードの出力タイミングは、前記第1ラッチユニットのデータ出力タイミングと同じである、
請求項3に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項5】
前記第1ラッチユニットは、パラレル出力であり且つM個の出力端子を含み、前記復号化モジュールは、パラレル出力であり且つM個の出力端子を含み、前記誤り訂正ユニットは、M個の誤り訂正器を含み、各前記誤り訂正器のイネーブル端子は、前記復号化モジュールの1つの出力端子に接続され、各前記誤り訂正ユニットの入力端子は、前記第1ラッチユニットの1つの出力端子に接続される、
請求項3に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項6】
前記第2ラッチユニットは、1つのMビットシフトレジスタを含み、前記第2ラッチユニットは、シリアル入力である、
請求項4に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項7】
前記第2ラッチユニットは、S個(S≧1)のKビットシフトレジスタ(S*K=M)を含み、前記第2ラッチユニットは、パラレル入力である、
請求項5に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項8】
前記第1ラッチユニットは、第1制御ユニットに接続され、前記第2ラッチユニットは、第2制御ユニットに接続され、前記第1制御ユニットは、前記第1ラッチユニットがn+mtの時点でラッチを開始するように制御するように構成され、nは相対遅延時間であり、前記相対遅延時間の開始時点は、前記第1データが前記復号化モジュールに伝送される時間であり、mは、自然数であり、tは、前記第1データの伝送間隔であり、nは、0より大きくtより小さく、前記第2制御ユニットは、前記第2ラッチユニットがn+mtとn+(m+1)tとの間でラッチを開始するように制御するように構成される、
請求項2ないし7のいずれか一項に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項9】
前記誤り訂正器は、並列に接続されたインバータと伝送管とを備え、前記インバータと前記伝送管の入力端子は、前記誤り訂正器の入力端子として接続され、前記インバータと前記伝送管の出力端子は、前記誤り訂正器の出力端子として接続され、前記インバータと前記伝送管のイネーブル端子は両方とも、前記復号化モジュールの出力端子に接続される、
請求項4または5に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項10】
前記第1ラッチユニットは、シリアル入力またはパラレル入力である、
請求項2に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項11】
前記第2ラッチユニットは、シリアル出力またはパラレル出力である、
請求項2または10に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項12】
前記第2制御ユニットの入力端子は、前記第1制御ユニットの出力端子に接続される、
請求項8に記載のデータ誤り訂正回路。
【請求項13】
データ伝送回路であって、
奇数データを伝送するための奇数データ信号線と、
偶数データを伝送するための偶数データ信号線であって、前記偶数データと前記奇数データは、時間間隔を置いて交互に伝送され、前記偶数データの到着時間と前記奇数データの到着時間との間に第1時間間隔がある、偶数データ信号線と、
入力端子が前記奇数データ信号線と前記偶数データ信号線に接続され、出力端子が出力バスに接続された、請求項1~7、10のいずれか一項に記載のデータ誤り訂正回路と、を備え、前記出力バスは、記憶ブロックに電気的に接続され、
前記データ誤り訂正回路は、前記奇数データまたは前記偶数データが前記記憶ブロックに書き込まれるときに、前記奇数データまたは前記偶数データに対して誤り訂正を実行するように構成される、データ伝送回路。
【請求項14】
前記データ誤り訂正回路は、復号化モジュールと誤り訂正ラッチモジュールとを備え、前記奇数データまたは前記偶数データは、第1時点で前記復号化モジュールに入り、前記誤り訂正ラッチモジュールは、第2時点で誤り訂正されたデータを出力し、前記第1時点と前記第2時点との間の間隔は、前記第1時間間隔より大きい、
請求項13に記載のデータ伝送回路。
【請求項15】
データ伝送回路であって、
奇数データと偶数データを伝送するための第1データ信号線であって、前記偶数データと前記奇数データは、時間間隔を置いて交互に伝送され、前記偶数データの到着時間と前記奇数データの到着時間との間に第1時間間隔がある、第1データ信号線と、
入力端子が前記奇数データ信号線と前記偶数データ信号線に接続され、出力端子が出力バスに接続された、請求項1~7、10のいずれか一項に記載のデータ誤り訂正回路と、を備え、前記出力バスは、記憶ブロックに電気的に接続され、
前記データ誤り訂正回路は、前記奇数データまたは前記偶数データが前記記憶ブロックに書き込まれるときに、前記奇数データまたは前記偶数データに対して誤り訂正を実行するように構成される、データ伝送回路。
【国際調査報告】