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特表2024-521152センシング伝送におけるフレキシビリティに適応するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】センシング伝送におけるフレキシビリティに適応するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/18 20090101AFI20240521BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240521BHJP
【FI】
H04W28/18
H04W84/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572594
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 IB2022054924
(87)【国際公開番号】W WO2022249109
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/193,287
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】318010214
【氏名又は名称】コグニティヴ システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ベグ,クリス
(72)【発明者】
【氏名】オマル,モハマド
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD24
5K067LL11
(57)【要約】
センシング伝送におけるフレキシビリティに適応するためのシステム及び方法が提供される。Wi-Fiセンシングシステムは、無線周波数信号を介して通信するように構成されたセンシングデバイス及びリモートデバイスを含む。最初に、センシングデバイスは、センシング構成メッセージをリモートデバイスに伝送する。センシングデバイスは、センシング構成メッセージに応答してセンシング構成応答メッセージを受信する。一例では、センシング構成応答メッセージは、リモートデバイスに関連付けられた伝送能力指標を含み得る。伝送能力指標は、リモートデバイスがフレキシビリティをサポートするというフレキシビリティ指標を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Wi-Fiセンシングのための方法であって、
センシングイニシエータデバイスの少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ要求メッセージであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求メッセージを伝送することと、
前記センシングイニシエータデバイスの少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答メッセージを受信することと、を含み、
前記センシング測定セットアップ応答メッセージは、
センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び
配信されたセンシング測定パラメータ要素、のうちの1つ以上を含む、方法。
【請求項2】
前記要求されたセンシング測定パラメータ要素は、前記センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の要求された伝送パラメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記要求されたセンシング測定パラメータ要素は、前記複数の要求された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の要求された伝送パラメータは、
周波数帯域パラメータ、
帯域幅パラメータ、
チャネルパラメータ、
訓練フィールドパラメータ、
事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及び
ステアリング行列構成、のうちの1つ以上を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記配信されたセンシング測定パラメータ要素は、前記センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の配信された伝送パラメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記配信されたセンシング測定パラメータ要素は、前記複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整されていることを示す複数のフィールドを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記配信されたセンシング測定パラメータ要素は、前記複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の配信された伝送パラメータは、
周波数帯域パラメータ、
帯域幅パラメータ、
チャネルパラメータ、
訓練フィールドパラメータ、
タイミング構成、
事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及び
ステアリング行列構成、のうちの1つ以上を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記センシング測定セットアップ要求メッセージ及び前記センシング測定セットアップ応答メッセージのうちの1つ以上は、IEEE802.11アクションフレームとして実装される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
Wi-Fiセンシングのための方法であって、
センシングレスポンダデバイスの少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ要求メッセージであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求メッセージを受信することと、
前記センシングレスポンダデバイスの少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答メッセージを伝送することと、を含み、
前記センシング測定セットアップ応答メッセージは、
前記センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び
配信されたセンシング測定パラメータ要素、のうちの1つ以上を含む、方法。
【請求項11】
Wi-Fiセンシングのためのシステムであって、
少なくとも1つの伝送アンテナと、少なくとも1つの受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を有するセンシングイニシエータデバイスを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ要求メッセージであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求メッセージを伝送し、かつ
前記少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答メッセージを受信するように構成されており、
前記センシング測定セットアップ応答メッセージは、
センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び
配信されたセンシング測定パラメータ要素、のうちの1つ以上を含む、システム。
【請求項12】
前記要求されたセンシング測定パラメータ要素は、前記センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の要求された伝送パラメータを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記要求されたセンシング測定パラメータ要素は、前記複数の要求された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の要求された伝送パラメータは、
周波数帯域パラメータ、
帯域幅パラメータ、
チャネルパラメータ、
訓練フィールドパラメータ、
事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及び
ステアリング行列構成、のうちの1つ以上を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記配信されたセンシング測定パラメータ要素は、前記センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の配信された伝送パラメータを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記配信されたセンシング測定パラメータ要素は、前記複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整されていることを示す複数のフィールドを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記配信されたセンシング測定パラメータ要素は、前記複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の配信された伝送パラメータは、
周波数帯域パラメータ、
帯域幅パラメータ、
チャネルパラメータ、
訓練フィールドパラメータ、
タイミング構成、
事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及び
ステアリング行列構成、のうちの1つ以上を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記センシング測定セットアップ要求メッセージ及び前記センシング測定セットアップ応答メッセージのうちの1つ以上は、IEEE802.11アクションフレームとして実装される、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
Wi-Fiセンシングのためのシステムであって、
少なくとも1つの受信アンテナと、少なくとも1つの伝送アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を有するセンシングレスポンダデバイスを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ要求メッセージであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求メッセージを受信し、かつ
前記少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答メッセージを伝送するように構成されており、
前記センシング測定セットアップ応答メッセージは、
前記センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び
配信されたセンシング測定パラメータ要素、のうちの1つ以上を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法に関する。具体的には、本開示は、Wi-Fiセンシング中のセンシング伝送におけるフレキシビリティに適応するためのWi-Fiシステム及び方法を構成することに関する。
【背景技術】
【0002】
動き検出システムは、例えば、部屋又は屋外エリア内の物体の移動を検出するために使用されている。一部の例示的な動き検出システムでは、赤外線センサ又は光学センサが、センサの視野内の物体の移動を検出するために使用されている。動き検出システムは、セキュリティシステム、自動制御システム、及び他のタイプのシステムにおいて使用されている。
【0003】
Wi-Fiセンシングシステムは、動き検出システムに最近追加されたものの1つである。Wi-Fiセンシングシステムは、センシングデバイスとリモートデバイスとを含み得る。一例によれば、センシングデバイスは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)センシングセッションを開始することができ、リモートデバイスは、センシングデバイスによって開始されたWLANセンシングセッションに参加することができる。WLANセンシングセッションは、物理空間内の物体が探査され、検出され、及び/又は特徴付けられ得る期間を指すことがある。一例では、WLANセンシングセッション中に、センシングデバイスは、要求された伝送構成をリモートデバイスに通信することができる。要求された伝送構成は、Wi-Fiセンシングのための要件を記述することができる。Wi-Fiセンシングの要件を提供するために、リモートデバイスからのセンシング伝送では、提供された伝送構成が要求された伝送構成に一致することが必要とされる(すなわち、リモートデバイスは、センシング伝送が任意の既存のデータ伝送と組み合わせられるか否かにかかわらず、センシング伝送を行うときに要求されたセンシング構成のあらゆる態様に常に適応する必要がある)。
【0004】
特定のシナリオでは、要求された伝送構成は、既にスケジュールされた非センシングメッセージと互換性がない場合がある。例えば、必要最小限のデータ伝送構成と、センシング伝送のための要求された伝送構成とに互換性がない場合、これらの2つの伝送は、集約されない可能性があり、既存のデータ伝送が送信され、要求されたセンシング構成に従って行われる専用センシング伝送が次の機会に続く。フレーム集約可能でないため、チャネル帯域幅が非効率的になる可能性がある。また、センシングデバイスによって予期される時間にリモートデバイスから伝送構成を送信することが可能でない場合があるため、測定時間ジッタが生じる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、概して、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、Wi-Fiセンシング中のセンシング伝送におけるフレキシビリティに適応するためのWi-Fiシステム及び方法を構成することに関する。
【0006】
Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法が提供される。例示的な実施形態では、Wi-Fiセンシングのために構成された方法が説明される。本方法は、少なくとも1つの伝送アンテナと、少なくとも1つの受信アンテナとを含むセンシングイニシエータデバイスによって実行される。本方法は、少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ要求メッセージであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求メッセージを伝送することと、少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答メッセージを受信することと、を含む。一実施形態では、センシング測定セットアップ応答メッセージは、センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び配信されたセンシング測定パラメータ要素のうちの1つ以上を含む。
【0007】
一部の実装形態では、要求されたセンシング測定パラメータ要素は、センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の要求された伝送パラメータを含む。
【0008】
一部の実装形態では、要求されたセンシング測定パラメータ要素は、複数の要求された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む。
【0009】
一部の実装形態では、複数の要求された伝送パラメータは、周波数帯域パラメータ、帯域幅パラメータ、チャネルパラメータ、訓練フィールドパラメータ、事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及びステアリング行列構成のうちの1つ以上を含む。
【0010】
一部の実装形態では、配信されたセンシング測定パラメータ要素は、センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の配信された伝送パラメータを含む。
【0011】
一部の実装形態では、配信されたセンシング測定パラメータ要素は、複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整されていることを示す複数のフィールドを含む。
【0012】
一部の実装形態では、複数の配信された伝送パラメータは、周波数帯域パラメータ、帯域幅パラメータ、チャネルパラメータ、訓練フィールドパラメータ、タイミング構成、事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及びステアリング行列構成のうちの1つ以上を含む。
【0013】
一部の実装形態では、配信されたセンシング測定パラメータ要素は、要求されたセンシング測定パラメータ要素とは異なる。
【0014】
一部の実装形態では、センシング測定セットアップ要求メッセージ及びセンシング測定セットアップ応答メッセージのうちの1つ以上は、IEEE802.11アクションフレームとして実装される。
【0015】
別の例示的な実施形態では、Wi-Fiセンシングのために構成された方法が説明される。本方法は、少なくとも1つの伝送アンテナと、少なくとも1つの受信アンテナとを含むセンシングレスポンダデバイスによって実行される。本方法は、少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ要求メッセージであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求メッセージを伝送することと、少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答メッセージを伝送することと、を含む。一実施形態では、センシング測定セットアップ応答メッセージは、センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び配信されたセンシング測定パラメータ要素のうちの1つ以上を含む。
【0016】
別の実施形態では、Wi-Fiセンシングのためのシステムが提供される。本システムは、少なくとも1つの伝送アンテナと、少なくとも1つの受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサとを有するセンシングイニシエータデバイスを含み得、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ要求メッセージであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求メッセージを伝送し、かつ少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答メッセージを受信するように構成されており、センシング測定セットアップ応答メッセージは、センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び配信されたセンシング測定パラメータ要素のうちの1つ以上を含む。
【0017】
別の実施形態では、Wi-Fiセンシングのためのシステムが提供される。本システムは、少なくとも1つの受信アンテナと、少なくとも1つの伝送アンテナと、少なくとも1つのプロセッサとを有するセンシングレスポンダデバイスを含み得、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ要求メッセージであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求メッセージを受信し、かつ少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答メッセージを伝送するように構成されており、センシング測定セットアップ応答メッセージは、センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び配信されたセンシング測定パラメータ要素のうちの1つ以上を含む。
【0018】
本開示の他の態様及び利点は、本開示の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示の上記及び他の目的、態様、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって、より明らかになり、よりよく理解されるであろう。
【0020】
図1】例示的なワイヤレス通信システムを示す図である。
図2A-2B】ワイヤレス通信デバイス間で通信される例示的なワイヤレス信号を示す図である。
図3A-3B】図2A及び図2Bのワイヤレス通信デバイス間で通信されたワイヤレス信号から計算されたチャネル応答の例を示すプロットである。
図4A-4B】空間の別個の領域における物体の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を示す図である。
図4C-4D】空間内で動きが発生していないことに関連付けられた例示的なチャネル応答上にオーバーレイされた図4A及び図4Bの例示的なチャネル応答を示すプロットである。
図5】一部の実施形態による、Wi-Fiセンシングのためのシステムのアーキテクチャのうちの一部の実装形態を描示する。
図6】一部の実施形態による、メッセージを搬送する管理フレームを示す。
図7】一部の実施形態による、リモートデバイスと関連付けられた伝送能力指標を含む、センシング構成応答メッセージを受信するためのフローチャートを描示する。
図8】一部の実施形態による、要求された伝送構成を含む、センシング構成メッセージを生成するためのフローチャートを描示する。
図9】一部の実施形態による、リモートデバイスにセンシングトリガメッセージを伝送するためのフローチャートを描示する。
図10】一部の実施形態による、複数の事前定義されたステアリング行列構成を含むセンシング構成メッセージを生成するためのフローチャートを描示する。
図11】一部の実施形態による、配信された伝送構成を含むセンシング伝送を受信するためのフローチャートを描示する。
図12】一部の実施形態による、タイムスタンプをセンシング伝送に適用するためのフローチャートを描示する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
Wi-Fiセンシングシステム(ワイヤレスセンシングシステムとも称される)は、信号をリモートデバイスに伝送し、リモートデバイスから受信された応答を分析することによって、環境を測定することができる。Wi-Fiセンシングシステムは、環境及びその変化を分析するために繰り返し測定を実施することができる。Wi-Fiセンシングシステムは、既存の通信構成要素とともに動作することができ、定義されたプロトコルに基づいて複数のデバイス間のエアタイムリソース使用状況を調整するために使用され得る媒体アクセス制御(MAC)層エンティティを有することから利益を得ている。
【0022】
Wi-Fiセンシングシステムの関連する標準化目標のうちの1つは、802.11ネットワーク上にWi-Fiセンシング能力をオーバーレイすることがネットワークの通信機能を損なわないように、既存のWi-Fiネットワーク上の追加のオーバーヘッドを低減することである。現在、Wi-Fiセンシングシステムにおけるセンシングのために特に定義された既知のMACプロトコルは存在しない。Wi-Fiセンシングシステムにおけるセンシングの一態様は、リモートデバイスからのセンシング伝送の要請である。Wi-Fiセンシングエージェントが存在、ロケーション及び動きを検出することを可能にするように最適化される特性を有するリモートデバイスからのセンシング伝送の要請を可能にするためのMAC層に対する改善は、既存のシステム性能に大きな影響を及ぼす可能性がある。特に、センシングのために最適化されたリモートデバイス伝送(又はセンシング伝送)の要求又は要請は、リモートデバイスのアップリンクスケジューラに影響を及ぼす可能性がある。センシング伝送を伝送するようにリモートデバイスに要求又は要請するための既存のメカニズムが存在している。しかしながら、かかるメカニズムは、異なる目的のために設計されていた。その結果、これらのメカニズムは、効率的ではなく、制御にフレキシビリティを提供せず、異なるベンダの実装間で普遍的に一貫していない。更に、チャネルサウンディングプロトコルが、Wi-Fiセンシングをサポートするために考慮される場合がある。しかしながら、チャネルサウンディングプロトコルは現在、フレキシブルでないため、Wi-Fiセンシングをサポートするかかる機能は不可能である。
【0023】
Wi-Fiシステムのためのプロトコルは、センシング要件に対してデータ転送メカニズムに基づいて行われる決定を用いて設計される。その結果、Wi-Fiセンシングの態様は、一般的なWi-Fiシステム内では開発されないことが多い。Wi-Fiシステムにおけるアンテナビーム形成に関して、デジタル信号処理は、最適なデータ転送目的のために伝送機又は受信機の方向に高いアンテナ利得のビームを向けるが、その結果、アンテナパターンは、センシング要件をサポート又は強化しない可能性がある。
【0024】
本明細書で説明するものの一部の態様では、ワイヤレスセンシングシステムは、ワイヤレス通信デバイス間の空間を通して伝送されたワイヤレス信号(例えば、無線周波数信号)を処理することによって、種々のワイヤレスセンシングアプリケーションのために使用され得る。例示的なワイヤレスセンシングアプリケーションは、動き検出を含み、動き検出は、空間内の物体の動きの検出、動き追跡、呼吸検出、呼吸監視、存在検出、ジェスチャ検出、ジェスチャ認識、人間の検出(動いている人間の検出及び静止している人間の検出)、人間追跡、転倒検出、速度推定、侵入検出、歩行検出、歩数カウント、呼吸数検出、無呼吸推定、姿勢変化検出、活動認識、歩行率分類、ジェスチャ復号、手話認識、手の追跡、心拍数推定、呼吸数推定、部屋占有検出、人間ダイナミクス監視、及び他のタイプの動き検出アプリケーションを含み得る。ワイヤレスセンシングアプリケーションの他の例は、物体認識、発話認識、キーストローク検出及び認識、改竄検出、タッチ検出、攻撃検出、ユーザ認証、運転者疲労検出、交通監視、喫煙検出、学校暴力検出、人間計数、人間認識、自転車位置特定、人間キュー推定、Wi-Fiイメージング、及び他のタイプのワイヤレスセンシングアプリケーションを含む。例えば、ワイヤレスセンシングシステムは、Wi-Fi信号又は他のタイプのワイヤレス信号に基づいて動きの存在及びロケーションを検出するための動き検出システムとして動作してもよい。以下でより詳細に説明されるように、ワイヤレスセンシングシステムは、例えば、システム動作を改善するために、又は他の技術的利点を達成するために、測定レート、ワイヤレス接続及びデバイス参加を制御するように構成され得る。ワイヤレスセンシングシステムが動き検出のために使用されるときに達成されるシステム改善及び技術的利点は、ワイヤレスセンシングシステムが別のタイプのワイヤレスセンシングアプリケーションのために使用される例においても達成される。
【0025】
一部の例示的なワイヤレスセンシングシステムでは、ワイヤレス信号は、ワイヤレスデバイスがチャネル応答又は他のチャネル情報を推定するために使用され得る構成要素(例えば、Wi-Fi PHYフレーム中の同期プリアンブル、又は別のタイプの構成要素)を含み、ワイヤレスセンシングシステムは、経時的に収集されたチャネル情報の変化を分析することによって動き(又はワイヤレスセンシングアプリケーションに応じて別の特性)を検出することができる。一部の例では、ワイヤレスセンシングシステムは、Wi-Fiアクセスポイント(AP)が受信機の役割を担い、APに接続された各Wi-Fiデバイス(ステーション、ノード又はピア)が伝送機の役割を担う、バイスタティックレーダーシステムと同様に動作することができる。ワイヤレスセンシングシステムは、伝送を生成し、受信機デバイスにおいてチャネル応答測定値を生成するように、接続されたデバイスをトリガすることができる。このトリガプロセスは、一連の時変測定値を取得するために周期的に繰り返すことができる。ワイヤレスセンシングアルゴリズムは、次いで、(例えば、Wi-Fi受信機によって計算された)生成されたチャネル応答測定値の時系列を入力として受信することができ、次いで、相関又はフィルタ処理プロセスを通して、決定を行うことができる(例えば、例えば、チャネル推定における変化若しくはパターンに基づいて、チャネル応答によって表される環境内に動きがあるか、又は動きがないかを決定する)。ワイヤレスセンシングシステムが動きを検出する例では、複数のワイヤレスデバイスの間の動き検出結果に基づいて、環境内の動きのロケーションを識別することも可能であり得る。
【0026】
したがって、ワイヤレス通信ネットワーク中のワイヤレス通信デバイスの各々において受信されたワイヤレス信号は、ネットワーク中の(ワイヤレス通信デバイスのそれぞれのペア間の)様々な通信リンクについてのチャネル情報を決定するために分析され得る。チャネル情報は、空間を横断するワイヤレス信号に伝達関数を適用する物理媒体を表すことができる。一部の事例では、チャネル情報はチャネル応答を含む。チャネル応答は、物理的通信経路を特徴付けることができ、例えば、伝送機と受信機との間の空間内の散乱、フェーディング、及び電力減衰の組み合わされた影響を表す。一部の事例では、チャネル情報は、ビームフォーミングシステムによって提供されるビームフォーミング状態情報(例えば、フィードバック行列、ステアリング行列、チャネル状態情報(CSI)など)を含む。ビームフォーミングは、指向性信号伝送又は受信のためのマルチアンテナ(多入力/多出力(MIMO))無線システムにおいてしばしば使用される信号処理技術である。ビームフォーミングは、特定の角度における信号が強め合う干渉を経験し、他の信号が弱め合う干渉を経験するように、アンテナアレイ中の要素を動作させることによって達成され得る。
【0027】
通信リンクの各々についてのチャネル情報は、(例えば、ワイヤレス通信ネットワーク中のハブデバイス若しくは他のデバイス、又はネットワークに通信可能に結合されたリモートデバイスによって)分析されて、例えば、動きが空間内で発生したかどうかを検出するか、検出された動きの相対的なロケーションを決定するか、又はその両方を行うことができる。一部の態様では、通信リンクの各々についてのチャネル情報は、例えば、空間内で動きが検出されない場合、物体が存在するか不在であるかを検出するために分析され得る。
【0028】
場合によっては、ワイヤレスセンシングシステムは、ノード測定レートを制御することができる。例えば、Wi-Fi動きシステムは、現在のワイヤレスセンシングアプリケーション(例えば、動き検出)によって提供される基準に基づいて、可変測定レート(例えば、チャネル推定/環境測定/サンプリングレート)を構成してもよい。一部の実装形態では、例えば、ある時間期間にわたって動きが存在しないか又は検出されない場合、ワイヤレスセンシングシステムは、接続されたデバイスがあまり頻繁にトリガされないように、環境が測定されるレートを低減することができる。一部の実装形態では、例えば、動きが存在するとき、ワイヤレスセンシングシステムは、より細かい時間分解能を有する測定値の時系列を生成するために、トリガレートを増加させることができる。可変測定レートを制御することは、(デバイスのトリガリングを通して)エネルギー節約を可能にし、処理を低減し(相関又はフィルタリングするためのより少ないデータ)、規定された時間中の分解能を改善することができる。
【0029】
場合によっては、ワイヤレスセンシングシステムは、ワイヤレスネットワーク全体にわたってノードの帯域ステアリング又はクライアントステアリングを実施することができ、例えば、Wi-FiマルチAP又は拡張サービスセット(ESS)トポロジでは、複数の協調ワイヤレスアクセスポイント(AP)は各々、異なる周波数帯域を占有し、デバイスが1つの参加APから別の参加AP(例えば、メッシュ)に透過的に移動することを可能にし得る基本サービスセット(BSS)を提供する。例えば、ホームメッシュネットワーク内で、Wi-Fiデバイスは、APのいずれかに接続することができるが、典型的には、良好な信号強度を有するものを選択する。メッシュAPのカバレージフットプリントは概して重複しており、しばしば、各デバイスを通信範囲又は2つ以上のAP内に置く。APがマルチバンド(例えば、2.4GHz及び5GHz)をサポートする場合、ワイヤレスセンシングシステムは、デバイスを同じ物理APに接続されたままにするが、ワイヤレスセンシングアルゴリズム(例えば、動き検出アルゴリズム)の精度又は結果を改善するのを助けるために、より多様な情報を取得するために異なる周波数帯域を使用するように命令することができる。一部の実装形態では、ワイヤレスセンシングシステムは、デバイスを1つのメッシュAPに接続されている状態から別のメッシュAPに接続されている状態に変更することができる。かかるデバイスのステアリングは、検出カバレージを改善するために、又はエリア内の動きをより良く局所化するために、特定のエリアにおいて検出された基準に基づいて、例えば、ワイヤレスセンシング(例えば、動き検出)中に実施することができる。
【0030】
場合によっては、ビームフォーミングは、(例えば、受信機によって生成されたフィードバックプロパティを通して)通信チャネルの何らかの知識に基づいてワイヤレス通信デバイス間で実施することができ、これを使用して、特定の1つ以上の方向に伝送ビーム/信号を成形するために伝送機デバイスによって適用される1つ以上のステアリングプロパティ(例えば、ステアリング行列)を生成することができる。したがって、ビーム形成プロセスで使用されるステアリング特性又はフィードバックプロパティの変化は、ワイヤレス通信システムによってアクセスされる空間内の、移動物体によって引き起こされ得る変化を示す。例えば、動きは、ある時間期間にわたる、例えば、チャネル応答、又はステアリング若しくはフィードバックプロパティ、あるいはそれらの任意の組み合わせによって示されるような、通信チャネルの実質的な変化によって検出されてもよい。
【0031】
一部の実装形態では、例えば、ステアリング行列は、チャネルサウンディングに基づいて受信機デバイス(ビームフォーミー)によって提供されたフィードバック行列に基づいて伝送機デバイス(ビームフォーマ)において生成され得る。ステアリング行列及びフィードバック行列は、チャネルの伝搬特性に関連するため、これらの行列は、物体がチャネル内で移動するにつれて変化する。したがって、チャネル特性の変化は、これらの行列に反映され、行列を分析することによって、動きを検出することができ、検出された動きの異なる特性を決定することができる。一部の実装形態では、空間マップは、1つ以上のビームフォーミング行列に基づいて生成され得る。空間マップは、ワイヤレス通信デバイスに対する空間内の物体の一般的な方向を示すことができる。場合によっては、ワイヤレス通信デバイスに対して物体が位置し得る多数の方向を表すために、多くのビームフォーミング行列(例えば、フィードバック行列又はステアリング行列)が生成され得る。これらの多くのビーム形成行列を使用して、空間マップを生成することができる。空間マップを使用して、空間内の動きの存在を検出し、又は検出された動きのロケーションを検出することができる。
【0032】
一部の事例では、動き検出システムは、動き検出プロセスにおいて可変デバイス測定レートを制御することができる。例えば、マルチノードワイヤレス動き検出システムのためのフィードバック制御システムは、環境条件に基づいてサンプルレートを適応的に変更してもよい。場合によっては、かかる制御は、動き検出システムの動作を改善するか、又は他の技術的利点を提供することができる。例えば、測定レートは、広範囲の異なる環境及び異なる動き検出適用例に好適なエアタイム使用量対検出能力を最適化するか、又は別様で改善する様式で制御されてもよい。測定レートは、処理される冗長な測定データを低減し、それによってプロセッサ負荷/電力要件を低減するように制御され得る。場合によっては、測定レートは、適応的であるように制御され、例えば、適応サンプルは、各参加デバイスについて個々に制御され得る。適応サンプルレートは、異なる使用事例又はデバイス特性のためのチューニング制御ループとともに使用され得る。
【0033】
場合によっては、ワイヤレスセンシングシステムは、デバイスが、それらのワイヤレスセンシング能力又はワイヤレスセンシング意思をワイヤレスセンシングシステムに動的に示し、通信することを可能にし得る。例えば、APがチャネル測定値を生成することを可能にするワイヤレス信号を伝送するために、デバイスが周期的に中断又はトリガされることを望まない場合があり得る。例えば、デバイスがスリープしている場合、ワイヤレスセンシング信号を伝送又は受信するためにデバイスを頻繁に起動することは、リソースを消費する可能性がある(例えば、携帯電話バッテリをより速く放電させる)。これら及び他のイベントによって、デバイスがワイヤレスセンシングシステムの動作に参加する意思を持つか、又は持たない可能性がある。場合によっては、そのバッテリで動作している携帯電話は、参加することを望まない場合があるが、携帯電話が充電器にプラグ接続されているときには、参加する意思がある場合がある。したがって、携帯電話がプラグを抜かれている場合、携帯電話を参加から除外するようにワイヤレスセンシングシステムに示すことができ、一方、携帯電話がプラグを差し込まれている場合、携帯電話をワイヤレスセンシングシステムの動作に含めるようにワイヤレスセンシングシステムに示すことができる。場合によっては、デバイスが負荷を受けている(例えば、オーディオ又はビデオをストリーミングしているデバイス)か、又は一次機能を実施している最中である場合、デバイスは参加することを望まないことがあり、同じデバイスの負荷が低減され、参加することが一次機能に干渉しない場合、デバイスは、それが参加する意思があることをワイヤレスセンシングシステムに示すことができる。
【0034】
例示的なワイヤレスセンシングシステムは、動き検出(空間内の物体の動きの検出、動き追跡、呼吸検出、呼吸監視、存在検出、ジェスチャ検出、ジェスチャ認識、人間の検出(動いている人間の検出及び静止している人間の検出)、人間追跡、転倒検出、速度推定、侵入検出、歩行検出、歩数カウント、呼吸数検出、無呼吸推定、姿勢変化検出、活動認識、歩行率分類、ジェスチャ復号、手話認識、手の追跡、心拍数推定、呼吸数推定、部屋占有検出、人間ダイナミクス監視、及び他のタイプの動き検出アプリケーション)の文脈において以下に説明される。しかしながら、ワイヤレスセンシングシステムが動き検出システムとして動作しているときに達成される動作、システム改善、及び技術的利点は、ワイヤレスセンシングシステムが別のタイプのワイヤレスセンシングアプリケーションのために使用される例においても適用可能である。
【0035】
本明細書の実施形態で開示されるように、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)センシングプロシージャにより、ステーション(STA)は、WLANセンシングを実施することができる。WLANセンシングは、WLANセンシングセッションを含み得る。例では、WLANセンシングプロシージャ、WLANセンシング、及びWLANセンシングセッションは、ワイヤレスセンシングプロシージャ、ワイヤレスセンシング、及びワイヤレスセンシングセッション、Wi-Fiセンシングプロシージャ、Wi-Fiセンシング、及びWi-Fiセンシングセッション、又はセンシングプロシージャ、センシング、及びセンシングセッションと称されることがある。
【0036】
WLANセンシングは、STAが、2つ以上のSTA間のチャネル、及び/又はSTA若しくはアクセスポイント(AP)の受信アンテナと伝送アンテナとの間のチャネルのセンシング測定値を取得することを可能にするサービスである。WLANセンシングプロシージャは、センシングセッションセットアップ、センシング測定セットアップ、センシング測定インスタンス、センシング測定セットアップ終了、及びセンシングセッション終了のうちの1つ以上から構成され得る。
【0037】
本明細書で開示する例では、センシングセッションセットアップ及びセンシング測定セットアップは、センシング構成と称されることがあり、センシング構成メッセージによって達成され得、センシング構成応答メッセージによって確認され得る。センシング測定インスタンスは、個々のセンシング測定であり得、センシング伝送から導出することができる。例では、センシング構成メッセージは、センシング測定セットアップ要求と称されることがあり、センシング構成応答メッセージは、センシング測定セットアップ応答と称されることがある。
【0038】
WLANセンシングプロシージャは、複数のセンシング測定インスタンスを含み得る。例では、複数のセンシング測定インスタンスは、測定キャンペーンと称されることがある。
【0039】
センシングイニシエータは、WLANセンシングプロシージャを開始するSTA又はAPを指すことがある。センシングレスポンダは、センシングイニシエータによって開始されたWLANセンシングプロシージャに参加するSTA又はAPを指すことがある。センシング伝送機は、WLANセンシングプロシージャにおいてセンシング測定のために使用される物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を伝送するSTA又はAPを指すことがある。センシング受信機は、センシング伝送機によって送信されたPPDUを受信し、WLANセンシングプロシージャにおいてセンシング測定を実施するSTA又はAPを指すことがある。
【0040】
例では、センシング測定のために使用されるPPDUは、センシング伝送と称されることがある。
【0041】
センシングイニシエータとして機能するSTAは、センシング伝送機、センシング受信機、センシング伝送機及びセンシング受信機の両方、又はセンシング伝送機でもセンシング受信機でもないものとして、センシング測定インスタンスに参加することができる。センシングレスポンダとして機能するSTAは、センシング伝送機、センシング受信機、並びにセンシング伝送機及びセンシング受信機の両方としてセンシング測定インスタンスに参加することができる。
【0042】
一例では、センシングイニシエータは、WLANセンシングプロシージャ又は測定キャンペーンを制御するとみなすことができる。センシングイニシエータの役割は、センシングデバイス、リモートデバイス、又はセンシングアルゴリズム(例えば、センシングアルゴリズムマネージャ)を含む別個のデバイスによって引き継がれてもよい。
【0043】
例では、センシング伝送機は、リモートデバイスと称されることがあり、センシング受信機は、センシングデバイスと称されることがある。他の例では、センシングイニシエータは、センシングデバイス又はリモートデバイスの機能であってもよく、センシングレスポンダは、センシングデバイス又はリモートデバイスの機能であってもよい。
【0044】
IEEE P802.11-REVmd/D5.0は、STAを、規格によって定義された特徴をサポートすることが可能な物理(PHY)及び媒体アクセスコントローラ(MAC)エンティティであるとみなす。STAを含むデバイスは、Wi-Fiデバイスと称されることがある。(IEEE P802.11-REVmd/D5.0によって定義されるような)基本サービスセット(BSS)を管理するWi-Fiデバイスは、AP STAと称されることがある。BSS内のクライアントノードであるWi-Fiデバイスは、非AP STAと称されることがある。一部の例では、AP STAはAPと称されることがあり、非AP STAはSTAと称されることがある。
【0045】
本開示の様々な実施形態では、本明細書で使用される1つ以上の用語の非限定的な定義を以下に提供する。
【0046】
「測定キャンペーン」という用語は、一連のセンシング測定値が計算されることを可能にする、(ワイヤレスアクセスポイント、Wi-Fiアクセスポイント、アクセスポイント、センシングイニシエータ、又はセンシング受信機として概して知られている)センシングデバイスと(Wi-Fiデバイス、センシングレスポンダ、又はセンシング伝送機として概して知られている)リモートデバイスとの間の双方向の一連のセンシング伝送を指すことがある。
【0047】
「メッセージ」という用語は、測定キャンペーン中にセンシングデバイスからリモートデバイスに(又はその逆に)転送されるデータの任意のセットを指すことがある。メッセージはフレーム中で搬送され得、そのフレームは、媒体アクセス制御(MAC)層プロトコルデータユニット(MPDU)又は集約MPDU(A-MPDU)であり得る。MPDU又はA-MPDUの形態のフレームは、センシング伝送としてセンシングデバイスからリモートデバイスに(又はその逆に)転送され得る。一例では、伝送は、PHY層によって実行され得、PHY層プロトコルデータユニット(PPDU)の形態であり得る。
【0048】
「NullデータPPDU(NDP)」という用語は、データフィールドを含まないPPDUを指すことがある。一例では、NDPは、必要とされる情報を含むMACヘッダである場合、センシング伝送のために使用され得る。
【0049】
「クオリティオブサービス(QoS)アクセスカテゴリ」という用語は、フレームが必要とする伝送の優先度を分類するフレームの識別子を指すことがある。一例では、4つのQoSアクセスカテゴリ、すなわちAC_VI:ビデオ、AC_VO:音声、AC_BE:ベストエフォート及びAC_BK:バックグラウンドが定義される。更に、各QoSアクセスカテゴリは、そのために定義された異なる伝送機会パラメータを有し得る。
【0050】
「タイミング同期機能(TSF)」という用語は、関連するステーション、BSSのセット内の共通タイミング基準を指すことがある。一例では、TSFは、BSSの共有アクセスポイントから伝送されたビーコンメッセージによって同期された状態に保たれ得る。一例では、TSFのタイミング分解能は1ミリ秒であり得る。
【0051】
「訓練フィールド」という用語は、リモートデバイスによって知られており、含有PPDUのデータ部分の復調以外の目的でチャネルを測定するために受信時に使用される、センシングデバイスによって伝送されたビットのシーケンスを指すことがある。一例では、訓練フィールドは、伝送されたPPDUのプリアンブル内に含まれる。一部の例では、将来の訓練フィールドは、プリアンブル構造(レガシーサポートを有するカスケーディング訓練フィールド)内で定義され得るか、又は既存の訓練フィールド(非レガシーサポート)を置き換え得る。
【0052】
「伝送機会(TXOP)」という用語は、センシングデバイス又はリモートデバイスがワイヤレス媒体上へのフレーム交換を開始する権利を有し得る時間間隔を指すことがある。
【0053】
「伝送パラメータ」という用語は、特定のPHYに対応する伝送ベクトル(TXVECTOR)の一部として定義され、各PPDU伝送のために構成可能である、IEEE802.11 PHY伝送機構成パラメータのセットを指すことがある。
【0054】
「要求された伝送構成」という用語は、センシング伝送を送信するときに使用されるリモートデバイスの要求された伝送パラメータを指すことがある。一例では、要求された伝送構成は、IEEE802.11要素(IEEE P802.11-REVmd/D5.0、§9.4.2)など、1つ以上の構成要素を含み得る。
【0055】
「配信された伝送構成」という用語は、リモートデバイスによってセンシング伝送に適用される伝送パラメータを指すことがある。一例では、配信された伝送構成は、リモートデバイスによってサポートされる伝送パラメータを含み得る。
【0056】
「センシング伝送」という用語は、センシング測定を行うために使用され得る、リモートデバイスからセンシングデバイスに行われる任意の伝送を指すことがある。一例では、センシング伝送は、ワイヤレスセンシング信号又はワイヤレス信号と称されることもある。
【0057】
「測定時間ジッタ」という用語は、センシング測定の測定時間が不正確であるとき、又は測定時間が利用可能でないときのいずれかに導入される不正確さを指すことがある。
【0058】
「非センシングメッセージ」という用語は、Wi-Fiセンシングに関係しない任意のメッセージを指すことがある。一例では、非センシングメッセージは、データメッセージ、管理メッセージ、及び制御メッセージを含み得る。
【0059】
「要求されたタイミング構成」という用語は、例えば、測定キャンペーンのための、伝送をセンシングするためのタイミング要件のセットを指すことがある。一例では、タイミング要件は、周期的、半周期的、及び1回であり得る。
【0060】
「センシング構成メッセージ」という用語は、例えば、測定キャンペーンのために、リモートデバイスからセンシングデバイスへのセンシング伝送を事前構成するために使用され得る構成メッセージを指すことがある。例では、センシング構成メッセージは、センシング測定セットアップ要求と称されることがある。
【0061】
「センシング構成応答メッセージ」という用語は、どの構成オプションがリモートデバイスによってサポートされるか、例えば、リモートデバイスの伝送能力を示す、センシング構成メッセージに対する応答メッセージを指すことがある。一例では、センシング構成応答メッセージは、センシング構成メッセージに応答してリモートデバイスからセンシングデバイスに伝送され得る。例では、センシング構成応答メッセージは、センシング測定セットアップ応答と称されることがある。
【0062】
「センシング測定」という用語は、チャネルの状態の測定、すなわち、センシング伝送から導出されるリモートデバイスとセンシングデバイスとの間のCSI測定を指すことがある。一例では、センシング測定は、チャネル応答測定と称されることもある。
【0063】
「センシング応答メッセージ」という用語は、リモートデバイスからセンシングデバイスへのセンシング伝送内に含まれるメッセージを指すことがある。一例では、センシング応答メッセージを含むセンシング伝送は、センシング測定を実施するために使用され得る。
【0064】
「センシング応答告知」という用語は、1つのショートフレーム間間隔(SIFS)の後にセンシング応答NDPが続くことを告知する、リモートデバイスからセンシングデバイスへの伝送内に含まれるメッセージを指すことがある。SIFSの持続時間は、例えば、10μsであり得る。一例では、センシング応答NDPは、要求された伝送構成を使用して伝送され得る。例では、センシング応答告知という用語は、センシングNDP告知又はセンシングNDP告知フレームと称されることがある。
【0065】
「ステアリング行列構成」という用語は、各伝送信号について無線周波数(RF)伝送信号チェーンのアンテナを事前調整するために必要とされる実位相及び複素位相を表す複素値の行列を指すことがある。(例えば、空間マッパによる)ステアリング行列構成の適用は、ビームフォーミング及びビームステアリングを可能にする。
【0066】
「空間マッパ」という用語は、リモートデバイスでRF伝送信号チェーンに入力される信号の振幅及び位相を調整する信号処理要素を指すことがある。空間マッパは、各RF伝送信号チェーンへの信号を処理するための要素を含み得る。信号の振幅及び位相を調整するために実行される動作は、空間マッピングと称されることがある。空間マッパの出力は、1つ以上の空間ストリームである。
【0067】
「センシングトリガメッセージ」という用語は、センシング測定を実施するために使用され得る1つ以上のセンシング伝送をトリガするためにセンシングデバイスからリモートデバイスに送信されるメッセージを指すことがある。一例では、センシングトリガメッセージという用語は、センシングサウンディングトリガメッセージ又はセンシングサウンディングトリガフレームと称されることがある。
【0068】
「伝送能力」という用語は、リモートデバイスの伝送能力を示す1つ以上のパラメータを指すことがある。例えば、リモートデバイスのための伝送能力は、リモートデバイス中の伝送アンテナの数を示してもよい。
【0069】
「ブロードキャストメッセージ」という用語は、センシングデバイスによって、センシングデバイスに関連付けられる1つ以上のリモートデバイスに送信されるメッセージを指すことがある。一例では、ブロードキャストメッセージは、1つ以上のリモートデバイスによって受信され、復号され得る。
【0070】
「ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)センシングセッション」という用語は、物理空間内の物体が探査され、検出され、及び/又は特徴付けられ得る期間を指すことがある。一例では、WLANセンシングセッション中に、複数のデバイスが参加し、それによってセンシング測定値の生成に寄与する。
【0071】
以下の様々な実施形態の説明を読むために、本明細書のセクション及びそれらのそれぞれの内容の以下の説明が有用であり得る。
【0072】
セクションAでは、本明細書で説明する実施形態を実施するのに有用であり得るワイヤレス通信システム、ワイヤレス伝送、及びセンシング測定について説明する。
【0073】
セクションBでは、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法の実施形態を説明する。特に、セクションBは、Wi-Fiセンシング中のセンシング伝送におけるフレキシビリティに適応するためのWi-Fiシステム及び方法について説明する。
【0074】
A.ワイヤレス通信システム、ワイヤレス伝送、及びセンシング測定
図1は、ワイヤレス通信システム100を示している。ワイヤレス通信システム100は、3つのワイヤレス通信デバイス、すなわち、第1のワイヤレス通信デバイス102Aと、第2のワイヤレス通信デバイス102Bと、第3のワイヤレス通信デバイス102Cとを含む。ワイヤレス通信システム100は、追加のワイヤレス通信デバイス及び他の構成要素(例えば、追加のワイヤレス通信デバイス、1つ以上のネットワークサーバ、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ケーブル、又は他の通信リンクなど)を含み得る。
【0075】
ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、ワイヤレスネットワーク通信プロトコル又は別のタイプのワイヤレス規格に従って、ワイヤレスネットワークにおいて動作することができる。例えば、ワイヤレスネットワークは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、又は別のタイプのワイヤレスネットワークとして動作するように構成され得る。WLANの例は、IEEEによって開発された規格の802.11ファミリのうちの1つ以上に従って動作するように構成されたネットワーク(例えば、Wi-Fiネットワーク)などを含む。PANの例は、短距離通信規格(例えば、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、ZigBee)、ミリメートル波通信、及び他に従って動作するネットワークを含む。
【0076】
一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、携帯通信網規格に従って、携帯通信網で通信するように構成され得る。携帯通信網の例として、Global System for Mobile(GSM)及びEnhanced Data rate for GSM Evolution(EDGE)又はEGPRSなどの2G規格、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)などの3G規格、Long-Term Evolution(LTE)及びLTE-Advanced(LTE-A)などの4G規格、5G規格、及び他に従って構成されたネットワークを含む。
【0077】
図1に示す例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、標準的なワイヤレスネットワーク構成要素であり得るか、又はそれらを含み得る。例えば、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、WAPのモデム上に命令(例えば、ソフトウェア又はファームウェア)として埋め込まれた、本明細書で説明する1つ以上の動作を実施する市販のWi-Fiアクセスポイント又は別のタイプのワイヤレスアクセスポイント(WAP)であり得る。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、市販のメッシュネットワークシステム(例えば、Plume Wi-Fi、Google Wi-Fi、Qualcomm Wi-Fi SoNなど)など、ワイヤレスメッシュネットワークのノードであり得る。場合によっては、別のタイプの標準又は従来のWi-Fi伝送機デバイスが使用され得る。一部の事例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのうちの1つ以上は、メッシュネットワーク中のWAPとして実装され得るが、他のワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、WAPのうちの1つを通してメッシュネットワークにアクセスするリーフデバイス(例えば、モバイルデバイス、スマートデバイスなど)として実装される。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのうちの1つ以上は、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、ラップトップコンピュータなど)、ワイヤレス対応デバイス(例えば、スマートサーモスタット、Wi-Fi対応カメラ、スマートTV)、又はワイヤレスネットワーク中で通信する別のタイプのデバイスである。
【0078】
ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、Wi-Fi構成要素なしに実装することができ、例えば、他のタイプの標準又は非標準ワイヤレス通信が動き検出のために使用され得る。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、専用動き検出システムであり得るか、又はその一部であり得る。例えば、専用動き検出システムは、ハブデバイス及び1つ以上のビーコンデバイス(リモートセンサデバイスとして)を含むことができ、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、動き検出システム内のハブデバイス又はビーコンデバイスのいずれかであり得る。
【0079】
図1に示すように、ワイヤレス通信デバイス102Cは、モデム112と、プロセッサ114と、メモリ116と、電力ユニット118とを含み、ワイヤレス通信システム100中のワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのいずれも、同じ構成要素、追加の構成要素、又は異なる構成要素を含むことができ、構成要素は、図1に示すように又は別の様式で動作するように構成され得る。一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスのモデム112、プロセッサ114、メモリ116、及び電力ユニット118は、共通のハウジング又は他のアセンブリ内に一緒に収容される。一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスの構成要素のうちの1つ以上は、例えば、別個のハウジング又は他のアセンブリ内に別個に収容され得る。
【0080】
モデム112は、ワイヤレス信号を通信(受信、伝送、又は両方)することができる。例えば、モデム112は、ワイヤレス通信規格(例えば、Wi-Fi又はBluetooth)に従ってフォーマットされた無線周波数(RF)信号を通信するように構成され得る。モデム112は、図1に示されている例示的なワイヤレスネットワークモデム112として実装され得るか、又は別の様式で、例えば、他のタイプの構成要素又はサブシステムを用いて実装され得る。一部の実装形態では、モデム112は、無線サブシステムとベースバンドサブシステムとを含む。場合によっては、ベースバンドサブシステム及び無線サブシステムは、共通のチップ又はチップセット上に実装され得るか、あるいはそれらは、カード又は別のタイプの組み立てられたデバイス中に実装され得る。ベースバンドサブシステムは、例えば、リード、ピン、ワイヤ、又は他のタイプの接続によって、無線サブシステムに結合され得る。
【0081】
場合によっては、モデム112中の無線サブシステムは、1つ以上のアンテナと無線周波数回路とを含み得る。無線周波数回路は、例えば、アナログ信号をフィルタリング、増幅、又は他の方法で調整する回路、ベースバンド信号をRF信号にアップコンバートする回路、RF信号をベースバンド信号にダウンコンバートする回路などを含み得る。かかる回路は、例えば、フィルタ、増幅器、ミキサ、局部発振器などを含み得る。無線サブシステムは、ワイヤレス通信チャネル上で無線周波数ワイヤレス信号を通信するように構成され得る。一例として、無線サブシステムは、無線チップと、RFフロントエンドと、1つ以上のアンテナとを含み得る。無線サブシステムは、追加の構成要素又は異なる構成要素を含み得る。一部の実装形態では、無線サブシステムは、従来のモデムからの、例えば、Wi-Fiモデム、ピコ基地局モデムなどからの無線電子機器(例えば、RFフロントエンド、無線チップ、又は類似の構成要素)であるか、又はそれを含み得る。一部の実装形態では、アンテナは複数のアンテナを含む。
【0082】
場合によっては、モデム112内のベースバンドサブシステムは、例えば、デジタルベースバンドデータを処理するように構成されたデジタル電子機器を含み得る。一例として、ベースバンドサブシステムは、ベースバンドチップを含み得る。ベースバンドサブシステムは、追加の又は異なる構成要素を含み得る。場合によっては、ベースバンドサブシステムは、デジタル信号プロセッサ(DSP)デバイス又は別のタイプのプロセッサデバイスを含み得る。場合によっては、ベースバンドシステムは、無線サブシステムを動作させ、無線サブシステムを介してワイヤレスネットワークトラフィックを通信し、無線サブシステムを介して受信された動き検出信号に基づいて動きを検出し、又は他のタイプのプロセスを実施するためのデジタル処理論理を含む。例えば、ベースバンドサブシステムは、信号を符号化し、符号化された信号を伝送のために無線サブシステムに配信するか、又は(例えば、ワイヤレス通信規格に従って信号を復号することによって、動き検出プロセスに従って信号を処理することによって、又は他の方法で)無線サブシステムからの信号中の符号化されたデータを識別し、分析するように構成された1つ以上のチップ、チップセット、又は他のタイプのデバイスを含んでもよい。
【0083】
一部の事例では、モデム112中の無線サブシステムは、ベースバンドサブシステムからベースバンド信号を受信し、ベースバンド信号を周波数(無線周波数(RF)信号にアップコンバートし、(例えば、アンテナを通して)無線周波数信号をワイヤレス伝送する。一部の事例では、モデム112中の無線サブシステムは、(例えば、アンテナを通して)無線周波数信号をワイヤレスに受信し、無線周波数信号をベースバンド信号にダウンコンバートし、ベースバンド信号をベースバンドサブシステムに送信する。無線サブシステムとベースバンドサブシステムとの間で交換される信号は、デジタル信号又はアナログ信号であり得る。一部の例では、ベースバンドサブシステムは、変換回路(例えば、デジタル-アナログ変換器、アナログ-デジタル変換器)を含み、無線サブシステムとアナログ信号を交換する。一部の例では、無線サブシステムは、変換回路(例えば、デジタル/アナログ変換器、アナログ/デジタル変換器)を含み、ベースバンドサブシステムとデジタル信号を交換する。
【0084】
場合によっては、モデム112のベースバンドサブシステムは、1つ以上のネットワークトラフィックチャネル上で無線サブシステムを通してワイヤレス通信ネットワーク中でワイヤレスネットワークトラフィック(例えば、データパケット)を通信することができる。モデム112のベースバンドサブシステムはまた、専用ワイヤレス通信チャネル上で無線サブシステムを通して信号(例えば、動き探査信号又は動き検出信号)を伝送又は受信(又は両方)することができる。一部の事例では、ベースバンドサブシステムは、例えば、動きのための空間を探査するために、伝送のための動き探査信号を生成する。一部の事例では、ベースバンドサブシステムは、例えば、空間内の物体の動きを検出するために、受信された動き検出信号(空間を通して伝送された動き探査信号に基づく信号)を処理する。
【0085】
プロセッサ114は、例えば、データ入力に基づいて出力データを生成するための命令を実行することができる。命令は、メモリに記憶されたプログラム、コード、スクリプト、又は他のタイプのデータを含み得る。追加的又は代替的に、命令は、予めプログラムされた若しくは再プログラム可能な論理回路、論理ゲート、又は他のタイプのハードウェア若しくはファームウェア構成要素として符号化され得る。プロセッサ114は、専用コプロセッサ若しくは別のタイプのデータ処理装置としての汎用マイクロプロセッサであってもよく、又はそれを含んでもよい。場合によっては、プロセッサ114は、ワイヤレス通信デバイス102Cの高レベル動作を実施する。例えば、プロセッサ114は、メモリ116に記憶されたソフトウェア、スクリプト、プログラム、関数、実行可能ファイル、又は他の命令を実行若しくは解釈するように構成されてもよい。一部の実装形態では、プロセッサ114はモデム112中に含まれ得る。
【0086】
メモリ116は、コンピュータ可読記憶媒体、例えば、揮発性メモリデバイス、非揮発性メモリデバイス、又はその両方を含み得る。メモリ116は、1つ以上の読取り専用メモリデバイス、ランダムアクセスメモリデバイス、バッファメモリデバイス、又はこれら及び他のタイプのメモリデバイスの組み合わせを含み得る。一部の事例では、メモリの1つ以上の構成要素は、ワイヤレス通信デバイス102Cの別の構成要素と統合されるか、又は別様で関連付けられ得る。メモリ116は、プロセッサ114によって実行可能な命令を記憶することができる。例えば、命令は、図7図12のいずれかで説明した例示的なプロセスの動作のうちの1つ以上などを通して、干渉バッファと動き検出バッファとを使用して信号を時間整合させるための命令を含んでもよい。
【0087】
電源ユニット118は、ワイヤレス通信デバイス102Cの他の構成要素に電力を供給する。例えば、他の構成要素は、電圧バス又は他の接続を通して電力ユニット118によって提供される電力に基づいて動作してもよい。一部の実装形態では、電力ユニット118は、バッテリ又はバッテリシステム、例えば、再充電可能バッテリを含む。一部の実装形態では、電力ユニット118は、(外部ソースから)外部電力信号を受信し、外部電力信号をワイヤレス通信デバイス102Cの構成要素のために調整された内部電力信号に変換するアダプタ(例えば、ACアダプタ)を含む。電源ユニット118は、他の構成要素を含んでもよく、又は別の様式で動作してもよい。
【0088】
図1に示す例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、(例えば、ワイヤレスネットワーク規格、動き検出プロトコル、又は他の方法に従って)ワイヤレス信号を伝送する。例えば、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、ワイヤレス動き探査信号(例えば、基準信号、ビーコン信号、ステータス信号など)をブロードキャストしてもよく、又は、他のデバイス(例えば、ユーザ機器、クライアントデバイス、サーバなど)に宛てられたワイヤレス信号を送信し得、他のデバイス(図示せず)並びにワイヤレス通信デバイス102Cは、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bによって伝送されたワイヤレス信号を受信してもよい。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bによって伝送されるワイヤレス信号は、例えば、ワイヤレス通信規格に従って又は他の方法で、周期的に繰り返される。
【0089】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス102Cは、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bからのワイヤレス信号を処理して、ワイヤレス信号によってアクセスされる空間内の物体の動きを検出するか、検出された動きのロケーションを決定するか、又はその両方を行う。例えば、ワイヤレス通信デバイス102Cは、図7図12のいずれかに関して以下で説明する例示的なプロセスの1つ以上の動作、あるいは動きを検出するか又は検出された動きのロケーションを判定するための別のタイプのプロセスを実施してもよい。ワイヤレス信号によってアクセスされる空間は、例えば、1つ以上の完全に又は部分的に囲まれたエリア、囲いのないオープンエリアなどを含み得る屋内又は屋外空間であり得る。空間は、部屋、複数の部屋、建物などの内部であり得るか、又はそれを含み得る。場合によっては、ワイヤレス通信システム100は、例えば、ワイヤレス通信デバイス102Cがワイヤレス信号を伝送することができ、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bがワイヤレス通信デバイス102Cからのワイヤレス信号を処理して、動きを検出するか、又は検出された動きのロケーションを決定することができるように修正することができる。
【0090】
動き検出のために使用されるワイヤレス信号は、例えば、ビーコン信号(例えば、Bluetoothビーコン、Wi-Fiビーコン、他のワイヤレスビーコン信号)、ワイヤレスネットワーク規格に従って他の目的のために生成された別の規格信号、又は動き検出若しくは他の目的のために生成された非規格信号(例えば、ランダム信号、基準信号など)を含み得る。例では、動き検出は、ワイヤレス信号によって搬送される1つ以上の訓練フィールドを分析することによって、又は信号によって搬送される他のデータを分析することによって実施されてもよい。一部の例では、データは、動き検出の明示的な目的のために追加されるか、又は使用されるデータは、名目上、別の目的のためのものであり、動き検出のために再使用若しくは別の目的のために使用される。一部の例では、ワイヤレス信号は、移動物体と相互作用する前又は後に物体(例えば、壁)を通って伝搬し、これにより、移動物体と伝送又は受信ハードウェアとの間の光学的な見通し線がなくても、移動物体の移動を検出することが可能になる。受信信号に基づいて、ワイヤレス通信デバイス102Cは、動き検出データを生成することができる。一部の事例では、ワイヤレス通信デバイス102Cは、部屋、建物、屋外エリアなどの空間内の移動を監視するための制御センターを含み得るセキュリティシステムなどの別のデバイス又はシステムに動き検出データを通信することができる。
【0091】
一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、ワイヤレスネットワークトラフィック信号とは別個のワイヤレス通信チャネル(例えば、周波数チャネル又はコード化チャネル)上で(例えば、基準信号、ビーコン信号、又は動きについて空間を探査するために使用される別の信号を含み得る)動き探査信号を伝送するように修正することができる。例えば、動き探査信号のペイロードに適用される変調及びペイロード中のデータ又はデータ構造のタイプは、ワイヤレス通信デバイス102Cによって知られている場合があり、これにより、ワイヤレス通信デバイス102Cが動きセンシングのために実施する処理の量を低減することができる。ヘッダは、例えば、動きが通信システム100中の別のデバイスによって検出されたかどうかの指標、変調タイプの指標、信号を伝送するデバイスの識別情報など、追加の情報を含み得る。
【0092】
図1に示す例では、ワイヤレス通信システム100は、ワイヤレス通信デバイス102の各々の間にワイヤレス通信リンクを有するワイヤレスメッシュネットワークである。図示の例では、ワイヤレス通信デバイス102Cとワイヤレス通信デバイス102Aとの間のワイヤレス通信リンクは、動き検出フィールド110Aを探査するために使用され得、ワイヤレス通信デバイス102Cとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信リンクは、動き検出フィールド110Bを探査するために使用され得、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信リンクは、動き検出フィールド110Cを探査するために使用され得る。一部の事例では、各ワイヤレス通信デバイス102は、動き検出フィールド110を通してワイヤレス通信デバイス102によって伝送されたワイヤレス信号に基づく受信信号を処理することによって、そのデバイスによってアクセスされた動き検出フィールド110中の動きを検出する。例えば、図1に示す人物106が動き検出フィールド110A及び動き検出フィールド110C中で移動する場合、ワイヤレス通信デバイス102は、それぞれの動き検出フィールド110を通して伝送されたワイヤレス信号に基づく、それらが受信した信号に基づいて動きを検出することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス102Aは、動き検出フィールド110A、110C中の人物106の動きを検出することができ、ワイヤレス通信デバイス102Bは、動き検出フィールド110C中の人物106の動きを検出することができ、ワイヤレス通信デバイス102Cは、動き検出フィールド110A中の人物106の動きを検出することができる。
【0093】
一部の事例では、動き検出フィールド110は、例えば、ワイヤレス電磁信号が伝搬し得る空気、固体材料、液体、又は別の媒体を含み得る。図1に示す例では、動き検出フィールド110Aは、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Cとの間のワイヤレス通信チャネルを提供し、動き検出フィールド110Bは、ワイヤレス通信デバイス102Bとワイヤレス通信デバイス102Cとの間のワイヤレス通信チャネルを提供し、動き検出フィールド110Cは、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信チャネルを提供する。動作の一部の態様では、(ネットワークトラフィックのためのワイヤレス通信チャネルとは別個の又はそれと共有される)ワイヤレス通信チャネル上で伝送されるワイヤレス信号が、空間内の物体の移動を検出するために使用される。物体は、任意のタイプの静止物体又は可動物体であってもよく、生物又は無生物であってもよい。例えば、物体は、人間(例えば、図1に示される人物106)、動物、無機物体、又は別のデバイス、装置、若しくはアセンブリ)、空間の境界の全て若しくは一部を画定する物体(例えば、壁、ドア、窓など)、又は別のタイプの物体であってもよい。一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスからの動き情報は、検出された動きのロケーションを決定するために分析され得る。例えば、以下で更に説明するように、ワイヤレス通信デバイス102のうちの1つ(又はワイヤレス通信デバイス102に通信可能に結合された別のデバイス)は、検出された動きが特定のワイヤレス通信デバイスの近くにあると決定してもよい。
【0094】
図2A及び図2Bは、ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cの間で通信される例示的なワイヤレス信号を示す図である。ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cは、例えば、図1に示されているワイヤレス通信デバイス102A、102B、102C、又は他のタイプのワイヤレス通信デバイスであり得る。ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cは、空間200を介してワイヤレス信号を伝送する。空間200は、1つ以上の境界で完全に若しくは部分的に囲まれるか、又は開放され得る。一例では、空間200はセンシング空間であり得る。空間200は、1つの部屋、複数の部屋、建物、屋内エリア、屋外エリアなどの内部であり得、又はそれらを含み得る。第1の壁202A、第2の壁202B、及び第3の壁202Cは、図示の例では、空間200を少なくとも部分的に囲む。
【0095】
図2A及び図2Bに示す例では、ワイヤレス通信デバイス204Aは、ワイヤレス信号を繰り返し(例えば、周期的に、間欠的に、スケジュールされた間隔、スケジュールされていない間隔、又はランダムな間隔などで)伝送するように動作可能である。ワイヤレス通信デバイス204B、204Cは、ワイヤレス通信デバイス204Aによって伝送された信号に基づいて信号を受信するように動作可能である。ワイヤレス通信デバイス204B、204Cは各々、空間200中の物体の動きを検出するために受信信号を処理するように構成されたモデム(例えば、図1に示されているモデム112)を有する。
【0096】
図示のように、物体は、図2Aの第1の位置214Aにあり、物体は、図2Bの第2の位置214Bに移動している。図2A及び図2Bでは、空間200内の移動物体は人間として表されているが、移動物体は別のタイプの物体であってもよい。例えば、移動物体は、動物、無機物体(例えば、システム、デバイス、装置、又はアセンブリ)、空間200の境界の全て若しくは一部を画定する物体(例えば、壁、ドア、窓など)、又は別のタイプの物体であり得る。
【0097】
図2A及び図2Bに示すように、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されたワイヤレス信号の複数の例示的な経路が破線によって示されている。第1の信号経路216に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第1の壁202Aからワイヤレス通信デバイス204Bに向かって反射される。第2の信号経路218に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第2の壁202B及び第1の壁202Aからワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。第3の信号経路220に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第2の壁202Bからワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。第4の信号経路222に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第3の壁202Cからワイヤレス通信デバイス204Bに向かって反射される。
【0098】
図2Aでは、第5の信号経路224Aに沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第1の位置214Aにある物体からワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。図2A図2Bとの間で、物体の表面は、空間200内の第1の位置214Aから第2の位置214Bに(例えば、第1の位置214Aからある距離だけ離れて)移動する。図2Bでは、第6の信号経路224Bに沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第2の位置214Bにある物体からワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。図2Bに描示する第6の信号経路224Bは、第1の位置214Aから第2の位置214Bへの物体の移動のために、図2Aに描示する第5の信号経路224Aよりも長い。一部の例では、信号経路は、空間内の物体の移動に起因して、追加、除去、又は別様に修正することができる。
【0099】
図2A及び図2Bに示される例示的なワイヤレス信号は、それぞれの経路を通じて減衰、周波数シフト、位相シフト、又は他の影響を受けることがあり、例えば、第1の壁202A、第2の壁202B、及び第3の壁202Cを通じて別の方向に伝搬する部分を有することがある。一部の例では、ワイヤレス信号は無線周波数(RF)信号である。ワイヤレス信号は、他のタイプの信号を含み得る。
【0100】
図2A及び図2Bに示す例では、ワイヤレス通信デバイス204Aは、ワイヤレス信号を繰り返し伝送することができる。特に、図2Aは、第1の時間にワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されているワイヤレス信号を示し、図2Bは、第2の、後の時間にワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されている同じワイヤレス信号を示している。伝送信号は、連続的に、周期的に、ランダム若しくは断続的な時間などで、又はそれらの組み合わせで伝送され得る。伝送信号は、周波数帯域幅内に複数の周波数成分を有することができる。伝送信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから、無指向性で、指向性で、又は別様で伝送され得る。図示の例では、ワイヤレス信号は、空間200中の複数のそれぞれの経路を横断し、各経路に沿った信号は、経路損失、散乱、反射などにより減衰され得、位相又は周波数オフセットを有し得る。
【0101】
図2A及び図2Bに示すように、第1~第6の経路216、218、220、222、224A、及び224Bからの信号は、ワイヤレス通信デバイス204C及びワイヤレス通信デバイス204Bにおいて合成されて、受信信号を形成する。伝送信号に対する空間200中の複数の経路の影響のために、空間200は、伝送信号が入力され、受信信号が出力される伝達関数(例えば、フィルタ)として表され得る。物体が空間200内を移動すると、信号経路内の信号に影響を及ぼす減衰又は位相オフセットが変化する可能性があり、したがって、空間200の伝達関数が変化する可能性がある。同じワイヤレス信号がワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されると仮定すると、空間200の伝達関数が変化する場合、その伝達関数の出力(受信信号)も変化することになる。受信信号の変化を使用して、物体の移動を検出することができる。
【0102】
数学的に、第1のワイヤレス通信デバイス204Aから伝送された伝送信号f(t)は、式(1)に従って記述され得る。
【数1】
【0103】
式中、ωは伝送信号のn番目の周波数成分の周波数を表し、cはn番目の周波数成分の複素係数を表し、tは時間を表す。第1のワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されている伝送信号f(t)を用いて、経路kからの出力信号r(t)は、式(2)に従って記述され得る。
【数2】
【0104】
式中、αn,kは、経路kに沿ったn番目の周波数成分に対する減衰率(又は、例えば、散乱、反射、及び経路損失によるチャネル応答)を表し、φn,kは、経路kに沿ったn番目の周波数成分に対する信号の位相を表す。次いで、ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rは、式(3)に示される、ワイヤレス通信デバイスへの全ての経路からの全ての出力信号r(t)の和として記述され得る。
【数3】
【0105】
式(2)を式(3)に代入すると、以下の式(4)が得られる。
【数4】
【0106】
次いで、ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rが分析され得る。ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rは、例えば、高速フーリエ変換(FFT)又は別のタイプのアルゴリズムを使用して、周波数領域に変換され得る。変換された信号は、(n個の周波数ωにおける)それぞれの周波数成分の各々について1つずつ、一連のn個の複素値として受信信号Rを表すことができる。周波数ωにおける周波数成分に対して、複素数値Hは、式(5)において次のように表され得る。
【数5】
【0107】
所与の周波数成分ωに対する複素値Hは、その周波数成分ωにおける受信信号の相対的な大きさ及び位相オフセットを示す。物体が空間を移動すると、空間のチャネル応答αn,kが変化することにより、複素値Hが変化する。したがって、チャネル応答において検出された変化は、通信チャネル内の物体の移動を示すことができる。一部の事例では、雑音、干渉、又は他の現象が、受信機によって検出されるチャネル応答に影響を及ぼす可能性があり、動き検出システムは、かかる影響を低減又は分離して、動き検出能力の精度及び品質を改善することができる。一部の実装形態では、全体的なチャネル応答は、式(6)において次のように表され得る。
【数6】
【0108】
一部の事例では、空間に対するチャネル応答hchは、例えば、数学的な推定理論に基づいて決定することができる。例えば、基準信号Refは、候補チャネル応答(hch)を用いて修正することができ、その後、受信信号(Rcvd)に対して最良の一致を提供する候補チャネルを選択するために、最尤アプローチを使用することができる。場合によっては、推定受信信号
【数7】

は、基準信号(Ref)と候補チャネル応答(hch)との畳み込みから取得され、次いで、チャネル応答(hch)のチャネル係数は、推定受信信号
【数8】

の二乗誤差を最小にするように変更される。これは、以下の式(7)のように数学的に示すことができる:
【数9】
【0109】
最適化基準は
【数10】

を有する。
【0110】
最小化又は最適化プロセスは、最小平均二乗(LMS)、再帰的最小二乗(RLS)、バッチ最小二乗(BLS)などの適応フィルタリング技術を利用することができる。チャネル応答は、有限インパルス応答(FIR)フィルタ、無限インパルス応答(IIR)フィルタなどであり得る。上記の式に示すように、受信信号は、基準信号とチャネル応答との畳み込みとみなすことができる。畳み込み演算は、チャネル係数が基準信号の遅延されたレプリカの各々とある程度の相関を有することを意味する。したがって、上記の式に示される畳み込み演算は、受信信号が異なる遅延点に現れ、各遅延レプリカがチャネル係数によって重み付けされることを示す。
【0111】
図3A及び図3Bは、図2A及び図2Bにおけるワイヤレス通信デバイス204A、204B、204C間で通信されるワイヤレス信号から計算されたチャネル応答360及びチャネル応答370の例を示すプロットである。図3A及び図3Bはまた、ワイヤレス通信デバイス204Aによって伝送された初期ワイヤレス信号の周波数領域表現350を示している。図示の例では、図3A中のチャネル応答360は、空間200中に動きがない場合にワイヤレス通信デバイス204Bによって受信された信号を表し、図3B中のチャネル応答370は、物体が空間200中で移動した後に図2B中のワイヤレス通信デバイス204Bによって受信された信号を表す。
【0112】
図3A及び図3Bに示す例では、説明のために、ワイヤレス通信デバイス204Aは、周波数領域表現350に示すように、平坦な周波数プロファイル(各周波数成分f、f、及びfの大きさは同じである)を有する信号を伝送する。信号と空間200(及びその中の物体)との相互作用により、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信された信号に基づくワイヤレス通信デバイス204Bにおいて受信された信号は、伝送信号とは異なる。伝送信号が平坦な周波数プロファイルを有するこの例では、受信信号は、空間200のチャネル応答を表す。図3A及び図3Bに示すように、チャネル応答360チャネル応答370は、伝送信号の周波数領域表現350とは異なる。空間200内で動きが発生すると、チャネル応答の変動も発生する。例えば、図3Bに示すように、空間200内の物体の動きに関連付けられたチャネル応答370は、空間200内の動きがないことに関連付けられたチャネル応答360とは異なる。
【0113】
更に、物体が空間200内で移動するにつれて、チャネル応答はチャネル応答370から変動する可能性がある。場合によっては、空間200は、別個の領域に分割され得、各領域に関連付けられたチャネル応答は、以下で説明するように、1つ以上の特性(例えば、形状)を共有することができる。したがって、異なる別個の領域内の物体の動きを区別することができ、チャネル応答の分析に基づいて、検出された動きのロケーションを決定することができる。
【0114】
図4A及び図4Bは、空間400の別個の領域、第1の領域408及び第3の領域412における物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答401及びチャネル応答403を示す図である。図示の例では、空間400は建物であり、空間400は、複数の別個の領域、すなわち第1の領域408、第2の領域410、第3の領域412、第4の領域414、及び第5の領域416に分割される。空間400は、一部の事例では、追加の又はより少ない領域を含み得る。図4A及び図4Bに示されるように、空間400内の領域は、部屋間の壁によって画定され得る。加えて、領域は、建物のフロア間の天井によって画定され得る。例えば、空間400は、追加の部屋を有する追加のフロアを含んでもよい。加えて、一部の事例では、空間の複数の領域は、高層建築物内の複数のフロア、建築物内の複数の部屋、若しくは建築物の特定のフロアの複数の部屋であるか、又はそれを含み得る。図4Aに示される例では、第1の領域408に位置する物体は人物406として表されるが、移動物体は、動物又は無機物体などの別のタイプの物体であってもよい。
【0115】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402Aは、空間400の第4の領域414に位置し、ワイヤレス通信デバイス402Bは、空間400の第2の領域410に位置し、ワイヤレス通信デバイス402Cは、空間400の第5の領域416に位置する。ワイヤレス通信デバイス402は、図1のワイヤレス通信デバイス102と同じ又は同様の様式で動作することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス402は、ワイヤレス信号を伝送及び受信し、受信信号に基づいて空間400中で動きが発生したかどうかを検出するように構成されてもよい。一例として、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400を通して動き探査信号を周期的に又は繰り返し伝送し、動き探査信号に基づいて信号を受信することができる。ワイヤレス通信デバイス402は、例えば、受信信号に基づいて空間400に関連付けられたチャネル応答を分析することなどによって、物体が空間400内で移動したかどうかを検出するために、受信信号を分析することができる。加えて、一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400内の検出された動きのロケーションを識別するために、受信信号を分析することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス402は、チャネル応答の特性を分析して、チャネル応答が、空間400の第1~第5の領域408、410、412、414、416に関連付けられていることが知られているチャネル応答と同じ又は類似の特性を共有するかどうかを決定することができる。
【0116】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402のうちの1つ(又は複数)は、空間400を通して動き探査信号(例えば、基準信号)を繰り返し伝送する。動き探査信号は、一部の事例では、平坦な周波数プロファイルを有してもよく、f、f、及びfの大きさは、同一又はほぼ同一である。例えば、動き探査信号は、図3A図3Bに示す周波数領域表現350と同様の周波数応答を有してもよい。動き探査信号は、一部の事例では異なる周波数プロファイルを有し得る。基準信号と空間400(及びその中の物体)との相互作用により、他のワイヤレス通信デバイス402から伝送された動き探査信号に基づく別のワイヤレス通信デバイス402において受信された信号は、伝送された基準信号とは異なる。
【0117】
受信信号に基づいて、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400についてのチャネル応答を決定することができる。動きが空間内の別個の領域で発生するとき、チャネル応答において別個の特性が見られる場合がある。例えば、チャネル応答は、空間400の同じ領域内の動きについてわずかに異なり得るが、別個の領域中の動きに関連付けられたチャネル応答は、概して、同じ形状又は他の特性を共有する場合がある。例えば、図4Aのチャネル応答401は、空間400の第1の領域408中の物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を表し、図4Bのチャネル応答403は、空間400の第3の領域412中の物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を表す。チャネル応答401及びチャネル応答403は、空間400中の同じワイヤレス通信デバイス402によって受信された信号に関連付けられている。
【0118】
図4C及び図4Dは、図4A及び図4Bのチャネル応答401及びチャネル応答403を、空間400内で動きが発生していないことに関連付けられたチャネル応答460に重ね合わせて示すプロットである。図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402は、周波数領域表現450に示されるような平坦な周波数プロファイルを有する動き探査信号を伝送する。空間400内で動きが発生すると、動きのない場合のチャネル応答460に対してチャネル応答の変動が発生し、したがって、チャネル応答の変動を分析することによって、空間400内の物体の動きを検出することができる。加えて、空間400内の検出された動きの相対的なロケーションを識別することができる。例えば、動きに関連付けられたチャネル応答の形状を、(例えば、訓練されたAIモデルを使用して)参照情報と比較して、動きを空間400の別個の領域内で発生したものとして分類することができる。
【0119】
空間400中に動きがない場合(例えば、物体406が存在しない場合)、ワイヤレス通信デバイス402は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460を計算することができる。複数の要因により、チャネル応答にわずかな変動が生じ得るが、異なる時間期間に関連付けられた複数のチャネル応答460は、1つ以上の特性を共有することができる。図示の例では、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460は、減少する周波数プロファイルを有する(各周波数成分f、f、及びfの大きさは、前の周波数成分よりも小さい)。チャネル応答460のプロファイルは、(例えば、ワイヤレス通信デバイス402の異なる部屋レイアウト又は配置に基づいて)一部の事例では異なり得る。
【0120】
空間400内で動きが発生すると、チャネル応答の変動が発生する。例えば、図4C及び図4Dに示す例では、第1の領域408中の物体406の動きに関連付けられたチャネル応答401は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460とは異なり、第3の領域412中の物体406の動きに関連付けられたチャネル応答403は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460とは異なる。チャネル応答401は、凹型放物線周波数プロファイルを有し(中間周波数成分fの大きさは、外側周波数成分f及びfよりも小さい)、チャネル応答403は、凸型漸近周波数プロファイルを有する(中間周波数成分fの大きさは、外側周波数成分f及びfよりも大きい)。チャネル応答401、403のプロファイルは、一部の事例では(例えば、ワイヤレス通信デバイス402の異なる部屋レイアウト又は配置に基づいて)異なり得る。
【0121】
チャネル応答を分析することは、デジタルフィルタを分析することと同様であるとみなすことができる。チャネル応答は、空間内の物体の反射、並びに動いている又は静止している人間によって作成された反射を通して形成され得る。反射体(例えば、人間)が移動すると、チャネル応答が変化する。これは、極及びゼロを有するとみなされ得るデジタルフィルタの等価タップの変化に変換され得る(極は、チャネル応答の周波数成分を増幅し、応答中のピーク又は高い点として現れるが、ゼロは、チャネル応答の周波数成分を減衰させ、応答中のトラフ、低い点又はヌルとして現れる)。変化するデジタルフィルタは、そのピーク及びトラフのロケーションによって特徴付けることができ、チャネル応答も同様に、そのピーク及びトラフによって特徴付けることができる。例えば、一部の実装形態では、(例えば、周波数軸上のそれらのロケーションとそれらの大きさとをマークすることによって)チャネル応答の周波数成分中のヌルとピークとを分析して、動きを検出することができる。
【0122】
一部の実装形態では、時系列集約を使用して、動きを検出することができる。時系列集約は、移動ウィンドウにわたってチャネル応答の特徴を観測し、統計的尺度(例えば、平均、分散、主成分など)を使用することによってウィンドウ処理された結果を集約することによって実施することができる。動きのインスタンス中、特徴的なデジタルフィルタ特徴は、散乱シーンの連続的な変化に起因して、一部の値の間で、ロケーション及びフリップフロップの点で変位される。すなわち、等価デジタルフィルタは、(動きによる)そのピーク及びヌルの値の範囲を示す。この値の範囲を見ることによって、空間内の別個の領域について一意のプロファイル(例では、プロファイルはシグネチャと称されることもある)を識別することができる。
【0123】
一部の実装形態では、人工知能(AI)モデルを使用して、データを処理することができる。AIモデルは、種々のタイプのもの、例えば、線形回帰モデル、ロジスティック回帰モデル、線形判別分析モデル、決定木モデル、単純ベイズモデル、K最近傍モデル、学習ベクトル量子化モデル、サポートベクターマシン、バギング及びランダムフォレストモデル、並びにディープニューラルネットワークであり得る。概して、全てのAIモデルは、入力値と出力値との間の最も正確な相関を提供する関数を学習することを目的とし、相関することが知られている入力及び出力の履歴セットを使用して訓練される。例では、人口知能は、機械学習と称されることもある。
【0124】
一部の実装形態では、空間400の別個の領域における動きに関連付けられたチャネル応答のプロファイルが学習され得る。例えば、機械学習を使用して、空間の別個の領域内の物体の動きを用いてチャネル応答特性をカテゴリ分類することができる。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス402に関連付けられたユーザ(例えば、空間400の所有者又は他の占有者)が学習プロセスを支援することができる。例えば、図4A及び図4Bに示される例を参照すると、ユーザは、学習段階中に第1~第5の領域408、410、412、414、416の各々の中で移動することができ、ユーザが空間400内の特定の領域のうちの1つの中で移動していることを(例えば、モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースを通して)示すことができる。例えば、ユーザが(例えば、図4Aに示されるように)第1の領域408を通って移動している間、ユーザは、自身が第1の領域408内にいることをモバイルコンピューティングデバイス上で示すことができる(また、必要に応じて、領域を「寝室」、「リビングルーム」、「キッチン」、又は建物の別のタイプの部屋と名付けることができる)。チャネル応答は、ユーザが領域を通って移動するにつれて取得され得、チャネル応答は、ユーザの示されたロケーション(領域)で「タグ付け」され得る。ユーザは、空間400の他の領域について同じプロセスを繰り返すことができる。本明細書で使用される「タグ付け」されたという用語は、ユーザの示されたロケーション又は任意の他の情報を用いてチャネル応答をマークし、識別することを指すことがある。
【0125】
タグ付けされたチャネル応答は、次いで、(例えば、機械学習ソフトウェアによって)処理されて、別個の領域内の動きに関連付けられたチャネル応答の一意の特性を識別することができる。識別されると、識別された一意の特性を使用して、新たに計算されたチャネル応答について検出された動きのロケーションを決定することができる。例えば、AIモデルは、タグ付けされたチャネル応答を使用して訓練され得、訓練されると、新たに計算されたチャネル応答がAIモデルに入力され得、AIモデルは、検出された動きのロケーションを出力することができる。例えば、場合によっては、平均値、範囲、及び絶対値がAIモデルに入力される。一部の事例では、複素チャネル応答自体の大きさ及び位相も入力され得る。これらの値は、AIモデルが任意のフロントエンドフィルタを設計して、空間の異なる領域における動きに関して正確な予測を行うことに最も関連する特徴をピックアップすることを可能にする。一部の実装形態では、AIモデルは、確率的勾配降下を実施することによって訓練される。例えば、特定のゾーン中に最もアクティブであるチャネル応答変動が訓練中に監視されてもよく、(それらの形状、傾向などと相関するように第1の層中の重みを訓練し、適応させることによって)特定のチャネル変動が重く重み付けされてもよい。重み付けされたチャネル変動を使用して、ユーザが特定の領域内に存在するときにアクティブ化するメトリックを作成することができる。
【0126】
チャネル応答ヌル及びピークのような抽出された特徴について、(ヌル/ピークの)時系列は、移動ウィンドウ内の集約を使用し、過去及び現在の一部の特徴のスナップショットをとり、その集約された値をネットワークへの入力として使用して、作成することができる。したがって、ネットワークは、その重みを適応させながら、それらをクラスタ化するために、特定の領域内の値を集約しようとし、これは、ロジスティック分類器ベースの決定表面を作成することによって行うことができる。決定表面は、異なるクラスタを分割し、後続の層は、単一のクラスタ又はクラスタの組み合わせに基づいてカテゴリを形成することができる。
【0127】
一部の実装形態では、AIモデルは、推論の2つ以上の層を含む。第1の層は、異なる濃度の値を別個のクラスタに分割することができるロジスティック分類器として働き、第2の層は、これらのクラスタのうちの一部を一緒に組み合わせて、別個の領域のカテゴリを作成する。追加の後続の層は、クラスタの2つを超えるカテゴリにわたって別個の領域を拡張するのに役立ち得る。例えば、完全に接続された入力層モデルは、追跡された特徴の数に対応するAIと、(選択間の反復を通して)有効なクラスタの数に対応する中間層と、異なる領域に対応する最終層とを含み得る。完全なチャネル応答情報がAIモデルに入力される場合、第1の層は、特定の形状を相関させることができる形状フィルタとして機能し得る。したがって、第1の層は、特定の形状にロックすることができ、第2の層は、それらの形状において発生する変動の尺度を生成することができ、第3の層及び後続の層は、それらの変動の組み合わせを作成し、空間内の異なる領域にマッピングすることができる。異なる層の出力は、次いで、融合層を通して組み合わせることができる。
【0128】
B.センシング伝送におけるフレキシビリティに適応するためのシステム及び方法
本開示は、概して、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、Wi-Fiセンシング中のセンシング伝送におけるフレキシビリティに適応するためのWi-Fiシステム及び方法を構成することに関する。
【0129】
本システム及び方法は、センシング伝送がデータ伝送と集約され、センシング伝送の影響がより低くなり得るように、結果として生じるセンシング伝送における定義されたレベルのフレキシビリティを可能にするセンシング伝送の構成及びトリガが行われ得るソリューションを提供する。一例では、完全なフレキシビリティが許容され、集約を介した任意の非センシングメッセージからのセンシング伝送が効果的に可能となる。
【0130】
本開示のシステム及び方法は、測定キャンペーンを制御するように構成され得るセンシングデバイスを活用する。一実装形態では、システム及び方法はまた、1つ以上のリモートデバイスを活用する。1つ以上のリモートデバイスは、センシング伝送を行うように構成され得、センシングデバイスは、センシング伝送に基づいてセンシング測定値を計算するように構成され得る。一実装形態では、センシング測定値は、測定キャンペーンの目的を達成するために更に処理することができる。
【0131】
一実装形態によれば、センシングデバイスは、WLANセンシングセッションを開始することができ、1つ以上のリモートデバイスは、センシングデバイスによって開始されたWLANセンシングセッションに参加することができる。一部の実装形態では、1つ以上のリモートデバイスは、WLANセンシングセッションにおいてセンシング測定のために使用されるPPDUを伝送することができる。一実装形態では、センシングデバイスは、WLANセンシングセッションにおいてPPDUを受信し、PPDUをセンシング測定値へと処理することができる。
【0132】
図5は、一部の実施形態による、Wi-Fiセンシングのためのシステム500の実装形態のアーキテクチャの一部の実装形態を描示している。
【0133】
システム500(代替的にWi-Fiセンシングシステム500と称される)は、センシングデバイス502、複数のリモートデバイス504-(1-N)、及び情報交換のためにシステム構成要素間の通信を可能にするネットワーク560を含むことができる。システム500は、ワイヤレス通信システム100の例又はインスタンスであり得、ネットワーク560は、ワイヤレスネットワーク又は携帯通信網接続の例若しくはインスタンスであり得、それらの詳細は、図1及びそれに付随する説明を参照して提供される。
【0134】
一部の実施形態によれば、センシングデバイス502は、センシング伝送を受信し、Wi-Fiセンシングに有用な1つ以上の測定(例えば、CSI)を実施するように構成され得る。これらの測定値は、センシング測定値として知られ得る。一実施形態では、センシングデバイス502はアクセスポイント(AP)であり得る。一部の実施形態では、センシングデバイス502は、例えば、メッシュネットワークシナリオにおけるステーション(STA)であってもよい。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、図1に示されたワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、センシングデバイス502は、図2A及び図2Bに示すワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。センシングデバイス502は、図4A及び図4Bに示されるワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一実装形態では、センシングデバイス502は、複数のリモートデバイス504-(1-N)間の通信を調整及び制御することができる。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、必要なセンシング伝送が必要な時間に行われることを保証し、センシング測定の正確な決定を保証するために、測定キャンペーンを制御することができる。一部の実施形態では、センシングデバイス502は、センシング測定値を処理することができる。センシング測定値は、システム500のセンシング目標を達成するために処理され得る。
【0135】
再び図5を参照すると、一部の実施形態では、リモートデバイス504-1は、センシング伝送をセンシングデバイス502に送信するように構成され得、それに基づいて、1つ以上のセンシング測定(例えば、CSI)がWi-Fiセンシングのために実施され得る。一実施形態では、リモートデバイス504-1はSTAであり得る。一部の実施形態では、リモートデバイス504-1は、例えば、センシングデバイス502がSTAとして動作するシナリオにおいて、Wi-FiセンシングのためのAPであってもよい。一実装形態によれば、リモートデバイス504-1は、図1に示すワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、リモートデバイス504-1は、図2A及び図2Bに示すワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。更に、リモートデバイス504-1は、図4A及び図4Bに示されているワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、センシングデバイス502とリモートデバイス504-1との間の通信は、ステーション管理エンティティ(SME)及びMAC層管理エンティティ(MLME)プロトコルを介して制御され得る。一実施形態によれば、複数のリモートデバイス504-(1-N)の各々は、センシングデバイス502にセンシング伝送を送信するように構成され得る。
【0136】
図5をより詳細に参照すると、センシングデバイス502は、プロセッサ508及びメモリ510を含み得る。例えば、センシングデバイス502のプロセッサ508及びメモリ510は、図1に示すように、それぞれプロセッサ114及びメモリ116であってもよい。一実施形態では、センシングデバイス502は、伝送アンテナ512、受信アンテナ514、及びセンシングエージェント516を更に含み得る。一部の実施形態では、アンテナを使用して、半二重フォーマットで信号を伝送及び受信の両方を行うことができる。アンテナが伝送を行っているとき、該アンテナは伝送アンテナ512と称されることがあり、アンテナが受信を行っているとき、該アンテナは受信アンテナ514と称されることがある、同じアンテナが、一部の事例では伝送アンテナ512であり、他の事例では受信アンテナ514であり得ることが、当業者によって理解される。アンテナアレイの場合、1つ以上のアンテナ要素が、例えば、ビームフォーミング環境において、信号を伝送又は受信するために使用され得る。一部の例では、複合信号を伝送するために使用されるアンテナ要素のグループは伝送アンテナ512と称されることがあり、複合信号を受信するために使用されるアンテナ要素のグループは受信アンテナ514と称されることがある。一部の例では、各アンテナは、それ自体の伝送経路及び受信経路を備え、それらは、アンテナが伝送アンテナ512として動作しているか、又は受信アンテナ514として動作しているかに応じて、アンテナに接続するように交互に切り替えられ得る。
【0137】
一実装形態では、センシングエージェント516は、Wi-Fiセンシングのために、センシング伝送及び関連する伝送パラメータを受信することと、センシング測定値を計算することと、センシング測定値を処理することとを担当し得る。一部の実装形態では、センシング伝送及び関連する伝送パラメータを受信することと、センシング測定値を計算することとは、センシングデバイス502の媒体アクセス制御(MAC)層中で動作するアルゴリズムによって実行され得、Wi-Fiセンシングの目的でセンシング測定値を処理することは、センシングデバイス502のアプリケーション層中で動作するアルゴリズムによって実行され得る。例では、センシングデバイス502のアプリケーション層で実行されるアルゴリズムは、Wi-Fiセンシングエージェント、センシングアプリケーション、又はセンシングアルゴリズムとして知られている。一部の実装形態では、センシングデバイス502のMAC層内で起動するアルゴリズム及びセンシングデバイス502のアプリケーション層内で起動するアルゴリズムは、プロセッサ508上で別個に起動してもよい。一実装形態では、センシングエージェント516は、物理層パラメータ(例えば、CSIなど)をセンシングデバイス502のMAC層からセンシングデバイス502のアプリケーション層にパスすることができる。一例では、アプリケーション層は、物理層パラメータ上で動作し、エンドユーザに提示され得るサービス又は特徴を形成し得る。一実装形態によれば、センシングデバイス502のMAC層と他の層又は構成要素との間の通信は、MLMEインターフェース及びデータインターフェースなどの通信インターフェースに基づいて行われ得る。一部の実装形態によれば、センシングエージェント516は、センシングアルゴリズムを含む/実行することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、センシングアルゴリズムを使用してセンシング測定値を処理及び分析することができる。一例では、センシングエージェント516は、Wi-Fiセンシングの目的で、センシング伝送及びセンシング測定値の数及びタイミングを決定するように構成され得る。
【0138】
一実装形態では、センシングエージェント516は、伝送アンテナ512のうちの少なくとも1つの伝送アンテナにメッセージをリモートデバイス504-1に伝送させるように構成され得る。一例では、センシングエージェント516は、受信アンテナ514のうちの少なくとも1つの受信アンテナを介して、リモートデバイス504-1からメッセージを受信するように構成され得る。一例では、センシングエージェント516は、リモートデバイス504-1から受信されたセンシング伝送に基づいてセンシング測定を行うように構成され得る。
【0139】
一部の実施形態では、センシングデバイス502は、センシング構成メッセージストレージ518及びセンシングトリガメッセージストレージ520を含み得る。センシング構成メッセージストレージ518は、センシングデバイス502によってリモートデバイス504-1に伝送されたセンシング構成メッセージを記憶することができる。センシングトリガメッセージストレージ520は、センシングデバイス502によってリモートデバイス504-1に伝送されたセンシングトリガメッセージを記憶することができる。センシング構成メッセージストレージ518に記憶されたセンシング構成メッセージに関する情報及びセンシングトリガメッセージストレージ520に記憶されたセンシングトリガメッセージに関する情報は、必要に応じて周期的又は動的に更新されてもよい。一実装形態では、センシング構成メッセージストレージ518及びセンシングトリガメッセージストレージ520は、データベース若しくはファイルシステムなどの、又はメモリ510に結合された、任意のタイプ若しくは形態のストレージを含み得る。
【0140】
再び図5を参照すると、リモートデバイス504-1は、プロセッサ528-1及びメモリ530-1を含み得る。例えば、リモートデバイス504-1のプロセッサ528-1及びメモリ530-1は、図1に示すように、それぞれプロセッサ114及びメモリ116であってもよい。一実施形態では、リモートデバイス504-1は、伝送アンテナ532-1、受信アンテナ534-1、センシングエージェント536-1、及びスケジューラ538-1を更に含み得る。一実装形態では、センシングエージェント536-1は、リモートデバイス504-1のMACとの間で物理層パラメータをアプリケーション層プログラムに渡すブロックであり得る。センシングエージェント536-1は、伝送アンテナ532-1のうちの少なくとも1つの伝送アンテナ及び受信アンテナ534-1のうちの少なくとも1つの受信アンテナに、センシングデバイス502とメッセージを交換させるように構成され得る。一部の実施形態では、アンテナを使用して、半二重フォーマットで伝送及び受信の両方を行うことができる。アンテナが伝送を行っているとき、該アンテナは伝送アンテナ532-1と称されることがあり、アンテナが受信を行っているとき、該アンテナは受信アンテナ534-1と称されることがある。同じアンテナが、一部の事例では伝送アンテナ532-1であり、他の事例では受信アンテナ534-1であり得ることが、当業者によって理解される。アンテナアレイの場合、1つ以上のアンテナ要素が、例えば、ビームフォーミング環境において、信号を伝送又は受信するために使用され得る。一部の例では、複合信号を伝送するために使用されるアンテナ要素のグループは伝送アンテナ532-1と称されることがあり、複合信号を受信するために使用されるアンテナ要素のグループは受信アンテナ534-1と称されることがある。一部の例では、各アンテナは、それ自体の伝送経路及び受信経路を備え、それらは、アンテナが伝送アンテナ532-1として動作しているか、又は受信アンテナ534-1として動作しているかに応じて、アンテナに接続するように交互に切り替えられ得る。
【0141】
一実装形態では、スケジューラ538-1は、プロセッサ528-1及びメモリ530-1に結合され得る。一部の実施形態では、スケジューラ538-1は、他のユニットの中でもとりわけ、特定のタスクを実施するか、又は特定の抽象データタイプを実装し得るルーチン、プログラム、物体、構成要素、データ構造などを含み得る。スケジューラ538-1はまた、信号プロセッサ、状態機械、論理回路、及び/又は動作命令に基づいて信号を操作する任意の他のデバイス若しくは構成要素として実装され得る。
【0142】
一部の実施形態では、スケジューラ538-1は、ハードウェア、処理ユニットによって実行される命令、又はそれらの組み合わせで実装され得る。処理ユニットは、コンピュータ、プロセッサ、状態機械、論理アレイ、又は命令を処理することが可能な任意の他の好適なデバイスを備え得る。処理ユニットは、汎用プロセッサに必要なタスクを実行させるための命令を実行する汎用プロセッサであってもよく、又は処理ユニットは、必要な機能を実施するために専用であってもよい。一部の実施形態では、スケジューラ538-1は、プロセッサ/処理ユニットによって実行されると、所望の機能のいずれかを実施する機械可読命令であり得る。機械可読命令は、電子メモリデバイス、ハードディスク、光ディスク、又は他の機械可読記憶媒体若しくは非一時的媒体上に記憶され得る。一実装形態では、機械可読命令はまた、ネットワーク接続を介して記憶媒体にダウンロードされ得る。一例では、機械可読命令がメモリ530-1に記憶され得る。一実装形態では、スケジューラ538-1は、メッセージがいつどのようにセンシングデバイス502と交換されるかを判定するように構成され得る。
【0143】
一部の実施形態では、リモートデバイス504-1は、伝送構成ストレージ540-1及びステアリング行列構成ストレージ542-1を含み得る。伝送構成ストレージ540-1は、センシングデバイス502によってリモートデバイス504-1に配信される要求された伝送構成、又はリモートデバイス504-1によってセンシングデバイス502に配信される配信された伝送構成を記憶することができる。ステアリング行列構成ストレージ542-1は、1つ以上の事前定義されたステアリング行列構成を記憶することができる。伝送構成ストレージ540-1に記憶された伝送構成に関する情報、及びステアリング行列構成ストレージ542-1に記憶された1つ以上の事前定義されたステアリング行列構成に関する情報は、必要に応じて周期的又は動的に更新され得る。一実装形態では、伝送構成ストレージ540-1及びステアリング行列構成ストレージ542-1は、データベース若しくはファイルシステムなどの任意のタイプ若しくは形態のストレージを含むか、又はメモリ530-1に結合され得る。
【0144】
1つ以上の実装形態によれば、ネットワーク560における通信は、IEEEによって開発された規格の802.11ファミリのうちの1つ以上によって管理され得る。一部の例示的なIEEE標準は、IEEE P802.11-REVmd/D5.0、IEEE P802.11ax/D7.0、及びIEEE P802.11be/D0.1を含み得る。一部の実装形態では、通信は、他の規格(他の若しくは追加のIEEE規格又は他のタイプの規格)によって管理され得る。一部の実施形態では、システム500が802.11ファミリの標準のうちの1つ以上によって管理されることを必要としないネットワーク560の部分は、ワイヤレスネットワーク又は携帯通信網を含む任意のタイプのネットワークのインスタンスによって実装され得る。
【0145】
1つ以上の実装形態によれば、Wi-Fiセンシングの目的で、センシングデバイス502は、測定キャンペーンを開始することができる。測定キャンペーンでは、センシングデバイス502とリモートデバイス504-1との間の伝送の交換が行われ得る。一例では、これらの伝送の制御は、IEEE802.11スタックのMAC(媒体アクセス制御)層によるものであり得る。一実装形態では、リモートデバイス504-1は、センシングデバイス502に知られていないことがある。したがって、センシングデバイス502は、リモートデバイス504-1が測定キャンペーンのためにサポートすることができる伝送パラメータに関する伝送能力について、リモートデバイス504-1に問い合わせることができる。別の例では、センシングデバイス502は、いかなる事前構成情報も提供することなく、リモートデバイス504-1が測定キャンペーンのためにサポートできる伝送パラメータに関する伝送能力について、リモートデバイス504-1に問い合わせることができる。
【0146】
一実装形態によれば、リモートデバイス504-1の認証及びネットワーク560との関連付けに続いて、センシングエージェント516は、リモートデバイス504-1及びリモートデバイス504-1の伝送(又はセンシング)能力を発見することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、リモートデバイス504-1の伝送能力を問い合わせるために、伝送アンテナ512を介してリモートデバイス504-1にメッセージを伝送することができる。一例では、センシングエージェント516は、伝送アンテナ512を介してセンシング構成メッセージをリモートデバイス504-1に伝送することによって、リモートデバイス504-1の伝送能力を問い合わせることができる。
【0147】
一実装形態では、センシング構成メッセージは、データ要素を含み得る。一例では、センシング構成メッセージは、構成クエリ指標を含み得る。構成クエリ指標は、リモートデバイス504-1の伝送能力についての要求又はクエリを示すことができる。一部の例では、センシング構成メッセージは、測定キャンペーン(又はセンシング伝送)の要件に対応する要求された伝送構成を含み得る。例えば、センシング構成メッセージは、センシング伝送において要求される複数の要求された伝送パラメータに対応する要求された伝送構成と、複数の要求された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドとを含み得る。複数のフィールドの中のフィールドは、許容される調整のタイプ又は程度を示すことができる。一例では、伝送パラメータに関連付けられたフィールドは、リモートデバイス504-1が、必要とされ得る伝送パラメータに対する任意の調整を行い得ることを示すことができる。例えば、フィールドは、リモートデバイス504-1が伝送パラメータに対してどの程度の調整を行い得るかについての指標を与えてもよい。複数のフィールドは、センシング伝送を既存のキューイングされた非センシングメッセージと集約させるための様々な方式を決定しながら、複数の要求された伝送パラメータの中からどの要求された伝送パラメータがリモートデバイス504-1によって変更又は調整され得るかを示すことができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、リモートデバイス504-1に伝送されたセンシング構成メッセージをセンシング構成メッセージストレージ518に記憶することができる。
【0148】
一実装形態によれば、センシングエージェント536-1は、受信アンテナ534-1を介してセンシングデバイス502からセンシング構成メッセージを受信することができる。一実装形態では、構成クエリ指標を含むセンシング構成メッセージを受信したことに応答して、センシングエージェント536-1は、構成クエリ指標を分析し、センシング構成応答メッセージを作成することができる。センシング構成応答メッセージは、配信された伝送構成を含み得る。一例では、配信された伝送構成は、リモートデバイス504-1に関連付けられた伝送能力指標を含み得る。伝送能力指標は、リモートデバイス504-1がフレキシビリティをサポートするというフレキシビリティ指標を含み得る。一例では、フレキシビリティ指標は、センシング伝送のタイミングにおいてフレキシビリティがサポートされることを示すことができる。例えば、センシングエージェント536-1は、スケジューラ538-1がセンシング伝送のタイミングのフレキシビリティをサポートすることを報告してもよい。一部の例では、フレキシビリティ指標は、フレキシビリティが1つ以上の伝送パラメータにおいてサポートされることを示すことができる。1つ以上の伝送パラメータの例は、センシング周波数帯域パラメータ、センシング帯域幅パラメータ、センシングチャネルパラメータ、センシング訓練フィールドパラメータ、ステアリング行列構成のテーブルへのインデックス、及びステアリング行列構成を含む。伝送パラメータの詳細は、表1、表5、及び他の参照される表に提供される。
【表1-1】

【表1-2】

【表1-3】

【表2】
【0149】
一例では、フレキシビリティ(5..8)を表す値のうちの1つの使用は、選択された値よりも周波数が低い任意の帯域が使用され得ることを示す。例えば、「6GHzフレキシブル」は、2.4GHz又は5GHz帯域が好適であるとリモートデバイス504-1が判定した場合、それが使用され得ることを示す。ここに示されていないフレキシビリティパラメータの他の例も定義され得る。更に、「任意の帯域がフレキシブル」は、リモートデバイス504-1が任意の帯域においてセンシング伝送(例えば、センシング構成応答メッセージ)で応答し得ることを示す。
【表3】
【0150】
一例では、フレキシビリティ(6..10)を表す値のうちの1つの使用は、選択された値よりも小さい任意の帯域幅が使用され得ることを示す。例えば、「80MHzフレキシブル」は、20MHz又は40MHz帯域幅が好適であるとリモートデバイス504-1が判定した場合、それが使用され得ることを示す。ここに示されていないフレキシビリティパラメータの他の例も定義され得る。更に、「任意の帯域幅がフレキシブル」は、リモートデバイス504-1が任意の帯域幅においてセンシング伝送(例えば、センシング構成応答メッセージ)で応答し得ることを示す。
【表4】

【表5-1】

【表5-2】
【0151】
一例では、表1~表5に提供されるデータは、センシングデバイス502とリモートデバイス504-1との間、又はその逆のセンシングメッセージに含めるために、IEEE P802.11に記載されるように要素に符号化されてもよく、その逆も同様である。複数のリモートデバイス(例えば、複数のリモートデバイス504-(1-N))を伴う測定キャンペーンでは、これらの伝送パラメータは、全てのリモートデバイス504-(1-N)について(すなわち、リモートデバイスごとに)定義され得る。一例では、センシングデバイス502からリモートデバイス504-1に伝送されるとき、これらの伝送パラメータは、リモートデバイスセンシング伝送を構成することができ、リモートデバイス504-1からセンシングデバイス502に伝送されるとき、これらの伝送パラメータは、センシング伝送のためにリモートデバイス504-1によって使用される構成を報告することができる。一実装形態では、センシングエージェント536-1は、配信された伝送構成を含むセンシング構成応答メッセージを、伝送アンテナ532-1を介してセンシングデバイス502に伝送することができる。一例では、センシングエージェント536-1は、配信された伝送構成を伝送構成ストレージ540-1に記憶することができる。
【0152】
一実装形態によれば、リモートデバイス504-1とセンシングデバイス502との最初の関連付け時に、リモートデバイス504-1の伝送能力を決定したときに、又は任意の他のときに、センシングエージェント516は、複数の事前定義されたステアリング行列構成と、複数の事前定義されたステアリング行列構成の各々のプリファレンスランキングの指標とを含むセンシング構成メッセージを伝送することができる。一例では、複数の事前定義されたステアリング行列構成の各々は、伝送アンテナカウント、最小伝送アンテナカウント、及びセンシングアンテナステアリングベクトルのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0153】
例示的な実装形態では、センシングエージェント516は、n個のステアリング行列構成を事前構成することができる。センシングエージェント516は、n個のステアリング行列構成の各々のうちの1つ以上にプリファレンスランキングを割り当てることができる。一例では、センシングエージェント516は、第1のプリファレンスランキング、第2のプリファレンスランキング、及び任意選択でn番目までのプリファレンスランキングをステアリング行列構成に割り当てることができる。一例によれば、複数の事前定義されたステアリング行列構成は、インデックスによって識別可能であり得る。一例では、センシングエージェント516は、複数の事前定義されたステアリング行列構成を、例えば、ルックアップテーブルとして記憶することができ、インデックスは、リモートデバイス504-1が単一の選択された事前定義されたステアリング行列構成にアクセスすることを可能にすることができる。
【0154】
一部の実装形態によれば、ステアリング行列構成のルックアップテーブルのためのステアリングベクトル構成要素が表6に記載されている。
【表6-1】

【表6-2】
【0155】
一例では、表6において提供されるデータは、センシングデバイス502とリモートデバイス504-1との間のメッセージに含めるために、IEEE P802.11によって説明されるような要素に符号化され得る。複数のリモートデバイス(例えば、複数のリモートデバイス504-(1-N))を伴う測定キャンペーンでは、ステアリング行列構成は、全てのリモートデバイスについて定義され得る。センシングデバイス502からリモートデバイス504-1に伝送されると、ステアリング行列構成は、(インデックスを介してアクセスされ得る)ルックアップテーブルを埋める。
【0156】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、複数の事前定義されたステアリング行列構成と、複数の事前定義されたステアリング行列構成の各々のプリファレンスランキングの指標とを含むセンシング構成メッセージを、伝送アンテナ512を介してリモートデバイス504-1に伝送することができる。一例では、センシングエージェント516は、ブロードキャストメッセージを使用してセンシング構成メッセージをリモートデバイス504-1に伝送することができる。
【0157】
一実装形態では、センシングエージェント536-1は、受信アンテナ534-1を介してセンシングデバイス502から複数の事前定義されたステアリング行列構成を含むセンシング構成メッセージを受信することができる。一例では、センシングエージェント536-1は、ブロードキャストメッセージとしてセンシング構成メッセージを受信することができる。次いで、センシングエージェント536-1は、センシング構成メッセージを復号して、複数の事前定義されたステアリング行列構成と、複数の事前定義されたステアリング行列構成の各々のプリファレンスランキングの指標とを決定することができる。複数の事前定義されたステアリング行列構成と、複数の事前定義されたステアリング行列構成の各々のプリファレンスランキングの指標とを含むセンシング構成メッセージを受信したことに応答して、センシングエージェント536-1は、センシング構成応答メッセージを作成することができる。センシング構成応答メッセージは、複数の事前定義されたステアリング行列構成の中からの選択されたステアリング行列構成を含み得る。一例では、選択されたステアリング行列構成は、最も高いプリファレンスランキングを有し得、既存のキューイングされた非センシングメッセージとのセンシング伝送の集約を可能にし得る。例えば、センシングエージェント536-1は、センシングデバイス502によって第1のプリファレンスランキングが割り当てられたステアリング行列構成を選択することができる。一実装形態では、センシングエージェント536-1は、伝送アンテナ532-1を介してセンシング構成応答メッセージをセンシングデバイス502に伝送することができる。一実装形態では、センシングエージェント536-1は、複数の事前定義されたステアリング行列構成をステアリング行列構成ストレージ542-1に記憶することができる。
【0158】
1つ以上の実装形態によれば、センシングエージェント516は、センシングデバイス502がリモートデバイス504-1に使用することを要求するステアリング行列構成の指定を用いてセンシング伝送を開始することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、ステアリング行列構成の仕様が含まれたセンシングトリガメッセージを生成することができる。一実装形態では、センシングトリガメッセージは、ステアリング行列構成の使用が任意選択であるという指標を含み得る。一部の実装形態では、センシングトリガメッセージは、前のセンシング構成メッセージを介して与えられたステアリング行列構成の使用が必要とされ得るという指標を含み得る。一部の実装形態では、センシングトリガメッセージは、任意のステアリング行列構成が使用され得ること、又はユニティステアリング行列構成が使用され得ることの指標を含み得る。
【0159】
一部の実装形態では、センシングエージェント516は、センシングデバイス502がリモートデバイス504-1に使用を要求する要求された伝送構成を含むセンシングトリガメッセージを生成することができる。例では、センシングトリガメッセージ内の要求された伝送構成は、センシングデバイス502によって以前に行われ、リモートデバイス504-1によって肯定応答された構成をオーバーライドし、要求された伝送構成内の任意のパラメータ及び任意のパラメータと関連付けられた任意のフレキシビリティ指標を変更してもよい。一例では、センシングトリガメッセージにおいてセンシングデバイス502によって提供される要求された伝送構成は、センシング伝送のための伝送パラメータを変更するためのより大きいフレキシビリティをリモートデバイス504-1に与えることができ、リモートデバイス504-1がセンシング伝送を非センシングメッセージと集約しなければならない機会を改善することができる。
【0160】
一部の実装形態では、センシングエージェント516は、要求されたタイミング構成を含むセンシングトリガメッセージを生成することができる。要求されたタイミング構成は、リモートデバイス504-1からセンシングデバイス502への一連のセンシング伝送を含む測定キャンペーンのためのタイミング要件を示すことができる。一例では、センシングエージェント516は、センシングトリガメッセージを介して周期的な一連のセンシング伝送を開始することができる。したがって、単一のセンシングトリガメッセージが、リモートデバイス504-1による2つ以上のセンシング伝送をトリガすることができる。一部の例では、センシングエージェント516は、センシングトリガメッセージを介して半周期的な一連のセンシング伝送を開始することができる。要求されたタイミング構成は、センシング測定タイプ、センシング伝送間の時間、時間フレキシビリティウィンドウ、及び測定キャンペーンのセンシング伝送の数のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0161】
例えば、リモートデバイス504-1からセンシングデバイス502への周期的又は半周期的センシング伝送のための測定キャンペーンの一部として定義されるパラメータの例が、表7に提供される。
【表7】

【表8】
【0162】
一例では、表7及び8で定義されたパラメータは、センシングデバイス502とリモートデバイス504-1との間のセンシングメッセージに含めるために、IEEE P802.11によって説明されるような要素に符号化される。一実装形態によれば、複数のリモートデバイス(例えば、複数のリモートデバイス504-(1-N))を伴う測定キャンペーンの場合、これらのパラメータは、全てのリモートデバイスについて定義され得る。
【0163】
一部の例では、第1のセンシング伝送の時間は、タイミング構成要素において指定され得る。好適な共通時間基準の一例は、TSFである。例では、将来の時間を表すTSFの値は、要求されたタイミング構成の一部として指定され得、リモートデバイス504-1によって行われた第1のセンシング伝送は、指定された時間にスケジューラ538-1によって配信される。一例では、TSFの分解能は、最初のセンシング伝送の時間を指定するために転送されなければならないデータのビットの数を低減するために低減され得る。
【0164】
一実装形態では、要求されたタイミング構成は、要求されたタイミング構成がフレキシブルであるというフレキシビリティ指標を含み得る。一例では、フレキシビリティ指標は、要求されたタイミング構成に対して許容される調整の程度を示すことができる。一部の例では、フレキシビリティ指標は、その中でセンシング伝送が伝送され得る特定の時間に関する拡張された時間ウィンドウを示すことができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、要求されたタイミング構成を含むセンシングトリガメッセージを、伝送アンテナ512を介してリモートデバイス504-1に伝送することができる。
【0165】
1つ以上の実装形態によれば、センシングエージェント536-1は、受信アンテナ534-1を介してセンシングデバイス502から、複数の要求された伝送パラメータに対応する要求された伝送構成を含むセンシングトリガメッセージを受信することができる。1つ以上の実装形態によれば、センシングエージェント536-1は、センシングトリガメッセージに応答して、センシング応答メッセージをセンシング伝送として生成することができる。一例では、センシング応答メッセージは、配信された伝送構成を含み得る。一例では、配信された伝送構成は、複数の適用される伝送パラメータを示すことができる。例えば、配信された伝送構成は、フレキシブルである伝送パラメータの適用によって配信された伝送パラメータを記述することができる。一部の例では、配信された伝送構成は、複数の要求された伝送パラメータに対して行われた調整を示すことができる。配信された伝送構成はまた、複数の要求された伝送パラメータがそれによって調整されている方法を記述することができる。例では、センシングエージェント536-1は、リモートデバイス504-1がセンシング応答メッセージを既存の非センシングメッセージと集約することを可能にする、配信された伝送パラメータを決定することができる。
【0166】
1つ以上の実装形態によれば、センシングエージェント536-1は、受信アンテナ534-1を介してセンシングデバイス502から、要求されたタイミング構成を含むセンシングトリガメッセージを受信することができる。センシングトリガメッセージを受信したことに応答して、センシングエージェント536-1は、1つ以上のセンシング伝送を生成することができる。
【0167】
一部の実装形態では、例えば、センシングデバイス502からセンシングトリガメッセージを受信したことに応答して、リモートデバイス504-1からのセンシング伝送が必要とされるとき、スケジューラ538-1は、センシング伝送の要求された時間に伝送されるようにスケジュールされた、センシングデバイス502に伝送されるようにキューイングされた非センシングメッセージがあるかどうかを判定することができる。キューイングされた非センシングメッセージが存在すると判定すると、スケジューラ538-1は、センシング伝送をキューイングされた非センシングメッセージに組み込み、集約メッセージを作成することができる。一実装形態では、センシングエージェント536-1は、伝送アンテナ532-1を介してセンシングデバイス502にセンシング伝送を伝送することができる。一実装形態では、センシングエージェント536-1は、ステアリング行列構成ストレージ542-1内の複数の事前定義されたステアリング行列構成からの最高ランクのステアリング行列構成を使用してセンシングデバイス502にセンシング伝送を伝送することができ、これにより、スケジューラ538-1は、キューイングされた非センシングメッセージにセンシング伝送を組み込んで集約メッセージを作成することができる。一実装形態によれば、センシング伝送はキューイングされた非センシングメッセージと集約されるため、リモートデバイス504-1が生成する必要があり得る専用のセンシング応答メッセージ及びセンシング応答告知は、著しく低減される。
【0168】
一実装形態では、センシングエージェント516は、受信アンテナ514を介してリモートデバイス504-1からセンシング伝送を受信することができる。センシング伝送を受信したことに応答して、センシングエージェント516は、タイムスタンプをセンシング伝送に適用することができる。
【0169】
一実装形態では、センシングデバイス502及びリモートデバイス504-1は、BSSの一部を形成することができる。IEEE802.11規格によれば、BSS内の各個々のデバイスのTSFタイマー(システムクロックとも称される)は、同期ビーコンフレームとともにTSFを使用して、事前定義された許容値内に同期される。一例では、事前定義された許容値は±100ppmである。一実装形態では、センシングデバイス502及びリモートデバイス504-1のTSFタイマーの値は、TSFの事前定義された許容値内で同一であり得る。一例によれば、TSFタイマーの値は、協定世界時(UTC)、全地球測位システム(GPS)時間、又はネットワーク時間プロトコル(NTP)サーバから導出されたネットワーク時間など、リアルタイムでの基準時間に関連付けられ得る。
【0170】
一実装形態では、センシングエージェント516は、センシング伝送に関連付けられるタイムスタンプを生成することができる。一例では、センシングエージェント516は、センシング伝送がTSFタイマーの時間値から有効であったとき、すなわち、タイミング指標の識別中に決定されたときを示すタイミング指標に従って、タイムスタンプを生成することができる。説明されていないタイムスタンプの生成の他の例が、本明細書で企図される。次いで、センシングエージェント516は、タイムスタンプをセンシング伝送に適用することができる。一実装形態によれば、システム500は、測定時間ジッタを補償/除去することを可能にし、センシング伝送へのタイムスタンプの適用は、センシング伝送の時間の変動のはるかに大きいフレキシビリティを可能にすることができる。
【0171】
前述のように、本開示の一部の実施形態は、Wi-Fiセンシングのための4つのセンシングメッセージタイプ、すなわち、センシング構成メッセージ、センシング構成応答メッセージ、センシングトリガメッセージ、及びセンシング応答メッセージを定義する。一例では、全てのメッセージタイプは、IEEE802.11に記載されたタイプの管理フレーム600への新しい拡張において搬送される。図6は、メッセージを搬送する管理フレーム600を示している。一例では、システム500は、肯定応答フレームとともに動作することができ、センシングメッセージを搬送する管理フレームは、アクションフレームとして実装され、別の例では、システム500は、肯定応答フレームなしに動作することができ、センシングメッセージを搬送する管理フレームは、Action No Ackフレームとして実装される。一部の例では、全てのメッセージタイプは、IEEE 802.11制御フレームへの新しい拡張において搬送される。一部の例では、管理フレームと制御フレームの組み合わせが、これらのセンシングメッセージタイプを実現するために使用され得る。
【0172】
一部の例では、図6で説明したような、要求された伝送構成及び配信された伝送構成の形態の伝送構成と、要求されたタイミング構成の形態のタイミング構成と、ステアリング行列構成とが、IEEE802.11要素として実装される。1つ以上の実施形態では、一部の実施形態によれば、センシングメッセージタイプは、メッセージタイプフィールドによって識別することができ、各センシングメッセージタイプは、他の識別された要素を搬送してもしなくてもよい。センシングメッセージタイプ及び構成要素の例を表9に示す。一例では、管理フレーム600に含まれる1つ以上の構成要素は、センシング測定パラメータ要素と称されることがある。
【表9-1】

【表9-2】

【表9-3】

【表9-4】
【0173】
本開示の態様によれば、センシング伝送の構成及びトリガリング(すなわち、センシングトリガメッセージ中に含まれる要求された伝送構成)は、センシング伝送がより頻繁にデータ伝送(すなわち、非センシングメッセージ)と集約され得、IEEE802.11データネットワーク上でのセンシング伝送のより低い影響を生じるように、得られたセンシング伝送における定義されたレベルのフレキシビリティ(すなわち、センシング伝送の配信された伝送構成がセンシング伝送の要求された伝送構成からどのくらいの変動を有し得るか)を可能にするように行われ得る。上記で説明したように、フレキシビリティを受け得るセンシング伝送の態様は、伝送の帯域(表2に記載されているようなSensingFrequencyBand)と、チャネル帯域幅(表3に記載されているようなSensingBandwidth)と、アンテナステアリング行列(表5に記載されているようなSensingSpatialConfSteeringMatrix)と、タイミング(表7に記載されているような要求されたタイミング構成)とを含む。
【0174】
図7は、一部の実施形態による、リモートデバイスと関連付けられた伝送能力指標を含むセンシング構成応答メッセージを受信するためのフローチャート700を描示している。
【0175】
フローチャート700の実装形態の概要では、ステップ702において、センシング構成メッセージがリモートデバイスに伝送される。ステップ704では、リモートデバイスに関連付けられた伝送能力指標を含むセンシング構成応答メッセージが、リモートデバイスから受信される。伝送能力指標は、リモートデバイスがフレキシビリティをサポートするというフレキシビリティ指標を含む。
【0176】
ステップ702は、センシング構成メッセージをリモートデバイスに伝送することを含む。センシング構成応答メッセージは、要求された伝送構成を含み得る。一実装形態では、センシングデバイス502は、センシング構成メッセージをリモートデバイス504-1に伝送することができる。
【0177】
ステップ704は、リモートデバイスに関連付けられた伝送能力指標を含むセンシング構成応答メッセージを受信することを含む。伝送能力指標は、リモートデバイスがフレキシビリティをサポートするというフレキシビリティ指標を含み得る。一例では、フレキシビリティ指標は、1つ以上の伝送パラメータにおいてフレキシビリティがサポートされることを示すことができる。1つ以上の伝送パラメータは、センシング周波数帯域パラメータ、センシング帯域幅パラメータ、センシングチャネルパラメータ、センシング訓練フィールドパラメータ、ステアリング行列構成のテーブルへのインデックス、及びステアリング行列構成のうちの1つ以上を含み得る。一部の例では、フレキシビリティ指標は、センシング伝送のタイミングにおいてフレキシビリティがサポートされることを示すことができる。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、リモートデバイス504-1に関連付けられた伝送能力指標を含むセンシング構成応答メッセージを受信することができる。
【0178】
図8は、一部の実施形態による、要求された伝送構成を含むセンシング構成メッセージを生成するためのフローチャート800を描示している。
【0179】
フローチャート800の実装形態の概要では、ステップ802において、センシング構成メッセージが生成される。センシング構成メッセージは、要求された伝送構成と、要求された伝送構成のフレキシビリティ指標とを含む。ステップ804において、センシング構成メッセージがリモートデバイスに伝送される。ステップ806において、センシング構成応答メッセージがリモートデバイスから受信される。センシング構成応答メッセージは、複数の適用された伝送パラメータを示す配信された伝送構成を含む。
【0180】
ステップ802は、センシング伝送において要求される複数の要求された伝送パラメータに対応する要求された伝送構成と、複数の要求された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドとを含むセンシング構成メッセージを生成することを含む。複数のフィールドの中のフィールドは、許容される調整のタイプ又は程度を示すことができる。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、センシング構成メッセージを生成することができる。
【0181】
ステップ804は、センシング構成メッセージをリモートデバイスに伝送することを含む。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、センシング構成メッセージをリモートデバイス504-1に伝送することができる。
【0182】
ステップ806は、リモートデバイスからセンシング構成応答メッセージを受信することを含む。センシング構成応答メッセージは、複数の適用された伝送パラメータを示す配信された伝送構成を含み得る。一実装形態では、センシングデバイス502は、リモートデバイス504-1からセンシング構成応答メッセージを受信することができる。
【0183】
図9は、一部の実施形態による、センシングトリガメッセージをリモートデバイスに伝送するためのフローチャート900を描示している。
【0184】
フローチャート900の実装形態の概要では、ステップ902において、センシングトリガメッセージがリモートデバイスに伝送される。ステップ904において、センシングトリガメッセージに応答して伝送されたセンシング応答メッセージが受信される。センシング応答メッセージは、複数の適用された伝送パラメータを示す配信された伝送構成を含む。
【0185】
ステップ902は、センシングトリガメッセージをリモートデバイスに伝送することを含む。一例では、センシングトリガメッセージは、要求された伝送構成を含み得る。一実装形態では、センシングデバイス502は、センシングトリガメッセージをリモートデバイス504-1に伝送することができる。
【0186】
ステップ904は、センシングトリガメッセージに応答して伝送されたセンシング応答メッセージを受信することを含む。一例では、センシング応答メッセージは、複数の適用された伝送パラメータを示す配信された伝送構成を含み得る。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、センシングトリガメッセージに応答して伝送されたリモートデバイス504-1からのセンシング応答メッセージを受信することができる。
【0187】
図10は、一部の実施形態による、複数の事前定義されたステアリング行列構成を含むセンシング構成メッセージを生成するためのフローチャート1000を描示している。
【0188】
フローチャート1000の実装形態の概要では、ステップ1002において、センシング構成メッセージが生成される。センシング構成メッセージは、複数の事前定義されたステアリング行列構成と、複数の事前定義されたステアリング行列構成のプリファレンスランキングの指標とを含む。ステップ1004において、センシング構成メッセージがリモートデバイスに伝送される。ステップ1006において、センシング構成応答メッセージがリモートデバイスから受信される。センシング構成応答メッセージは、選択されたステアリング行列構成を含む。選択されたステアリング行列構成は、既存の非センシングメッセージとのセンシング伝送の集約を可能にする複数の事前定義されたステアリング行列構成の中で最も高いプリファレンスランキングを有する。
【0189】
ステップ1002は、複数の事前定義されたステアリング行列構成と、複数の事前定義されたステアリング行列構成のプリファレンスランキングの指標とを含むセンシング構成メッセージを生成することを含む。一例では、複数の事前定義されたステアリング行列構成の各々は、伝送アンテナカウント、最小伝送アンテナカウント、及びセンシングアンテナステアリングベクトルのうちの少なくとも1つを含み得る。一実装形態では、センシングデバイス502は、複数の事前定義されたステアリング行列構成と、複数の事前定義されたステアリング行列構成のプリファレンスランキングの指標とを含むセンシング構成メッセージを生成することができる。
【0190】
ステップ1004は、センシング構成メッセージをリモートデバイスに伝送することを含む。一実装形態では、センシングデバイス502は、センシング構成メッセージをリモートデバイス504-1に伝送することができる。一部の実装形態では、センシングデバイス502は、事前定義されたステアリング行列構成の使用が任意選択であるという指標を含むセンシングトリガメッセージをリモートデバイス504-1に伝送することができる。
【0191】
ステップ1006は、リモートデバイスからセンシング構成応答メッセージを受信することを含む。センシング構成応答メッセージは、選択されたステアリング行列構成を含み得る。選択されたステアリング行列構成は、既存の非センシングメッセージとのセンシング伝送の集約を可能にする複数の事前定義されたステアリング行列構成の中で最も高いプリファレンスランキングを有する。一部の実装形態では、センシングデバイス502は、リモートデバイス504-1からセンシング構成応答メッセージを受信することができる。
【0192】
図11は、一部の実施形態による、フレキシブルなタイミング構成を可能にするセンシング伝送を受信するためのフローチャート1100を描示している。
【0193】
フローチャート1100の実装形態の概要では、ステップ1102において、センシング構成メッセージがリモートデバイスに伝送される。センシングトリガメッセージは、要求されたタイミング構成を含む。要求されたタイミング構成は、要求されたタイミング構成がフレキシブルであるというフレキシビリティ指標を含む。ステップ1104において、センシングトリガメッセージに応答して伝送されたセンシング伝送が受信される。センシング伝送は、配信された伝送構成を含む。
【0194】
ステップ1102は、要求されたタイミング構成を含むセンシングトリガメッセージを伝送することを含む。要求されたタイミング構成は、要求されたタイミング構成がフレキシブルであるというフレキシビリティ指標を含み得る。一例では、要求されたタイミング構成は、リモートデバイスからセンシングデバイスへの一連のセンシング伝送を含む測定キャンペーンのためのタイミング要件を示すことができる。一例では、要求されたタイミング構成は、センシング測定タイプ、センシング伝送間の時間、時間フレキシビリティウィンドウ、及び測定キャンペーンのセンシング伝送の数のうちの少なくとも1つを含み得る。一例では、フレキシビリティ指標は、要求されたタイミング構成に対して許容される調整の程度を示すことができる。一部の例では、フレキシビリティ指標は、センシング伝送が伝送され得る拡張された時間ウィンドウを示す。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、要求されたタイミング構成を含むセンシングトリガメッセージをリモートデバイス504-1に伝送することができる。
【0195】
ステップ1104は、センシングトリガメッセージに応答して伝送されたセンシング伝送を受信することを含む。センシング伝送は、配信された伝送構成を含み得る。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、センシングトリガメッセージに応答して伝送されたリモートデバイス504-1からのセンシング伝送を受信することができる。
【0196】
図12は、一部の実施形態による、タイムスタンプをセンシング伝送に適用するためのフローチャート1200を描示している。
【0197】
フローチャート1200の一実装形態を要約すると、ステップ1202において、要求されたタイミング構成を含むセンシングトリガメッセージが伝送される。要求されたタイミング構成は、要求されたタイミング構成がフレキシブルであるというフレキシビリティ指標を含む。ステップ1204において、センシングトリガメッセージに応答して伝送されたセンシング伝送が受信される。センシング伝送は、配信された伝送構成を含む。ステップ1206において、タイムスタンプがセンシング伝送に適用される。
【0198】
ステップ1202は、要求されたタイミング構成を含むセンシングトリガメッセージを伝送することを含む。要求されたタイミング構成は、要求されたタイミング構成がフレキシブルであるというフレキシビリティ指標を含み得る。一例では、要求されたタイミング構成は、リモートデバイスからセンシングデバイスへの一連のセンシング伝送を含む測定キャンペーンのためのタイミング要件を示すことができる。一例では、要求されたタイミング構成は、センシング測定タイプ、センシング伝送間の時間、時間フレキシビリティウィンドウ、及び測定キャンペーンのセンシング伝送の数のうちの少なくとも1つを含み得る。一例では、フレキシビリティ指標は、要求されたタイミング構成に対して許容される調整の程度を示すことができる。一部の例では、フレキシビリティ指標は、センシング伝送が伝送され得る拡張された時間ウィンドウを示す。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、要求されたタイミング構成を含むセンシングトリガメッセージをリモートデバイス504-1に伝送することができる。
【0199】
ステップ1204は、センシングトリガメッセージに応答して伝送されたセンシング伝送を受信することを含む。センシング伝送は、配信された伝送構成を含み得る。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、センシングトリガメッセージに応答して伝送されたリモートデバイス504-1からのセンシング伝送を受信することができる。
【0200】
ステップ1206は、タイムスタンプをセンシング伝送に適用することを含む。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、タイムスタンプをセンシング伝送に適用することができる。
【0201】
更なる特定の実施形態として、以下が挙げられる。
【0202】
実施形態1は、Wi-Fiセンシングのためのシステムであり、システムは、伝送アンテナを有するセンシングデバイスと、受信アンテナと、センシングデバイスの伝送アンテナを介して、センシング構成メッセージを伝送し、センシングデバイスの受信アンテナを介して、リモートデバイスに関連付けられた伝送能力指標を含むセンシング構成応答メッセージを受信するための命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを備え、伝送能力指標は、リモートデバイスがフレキシビリティをサポートするというフレキシビリティ指標を含む。
【0203】
実施形態2は、フレキシビリティ指標が、フレキシビリティが1つ以上の伝送パラメータにおいてサポートされることを示す、実施形態1のシステムである。
【0204】
実施形態3は、1つ以上の伝送パラメータが、センシング周波数帯域パラメータ、センシング帯域幅パラメータ、センシングチャネルパラメータ、センシング訓練フィールドパラメータ、ステアリング行列構成のテーブルへのインデックス、及びステアリング行列構成のうちの1つ以上を含む、実施形態2のシステムである。
【0205】
実施形態4は、フレキシビリティ指標が、フレキシビリティがセンシング伝送のタイミングにおいてサポートされることを示す、実施形態1~実施形態3のうちのいずれかのシステムである。
【0206】
実施形態5は、センシング構成メッセージが、センシング伝送において要求された複数の要求伝送パラメータに対応する要求伝送構成と、複数の要求伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドとを含む、実施形態1~実施形態4のうちのいずれかのシステムである。
【0207】
実施形態6は、複数のフィールドのうちの1つのフィールドが、許容される調整のタイプ又は程度を示す、実施形態5のシステムである。
【0208】
実施形態7は、センシング構成応答メッセージが、複数の適用される伝送パラメータを示す配信された伝送構成を含む、実施形態1~実施形態6のうちのいずれかのシステムである。
【0209】
実施形態8は、プロセッサが、伝送アンテナによって、センシングトリガメッセージを伝送し、受信アンテナを介して、センシングトリガメッセージに応答して伝送されたセンシング応答メッセージを受信するための命令を実行するように更に構成され、センシング応答メッセージが、複数の適用された伝送パラメータを示す配信された伝送構成を含む、実施形態1~実施形態7のうちのいずれかのシステムである。
【0210】
実施形態9は、配信された伝送構成が、要求された伝送パラメータにおいて行われた調整を示す、実施形態1~実施形態8のうちのいずれかのシステムである。
【0211】
実施形態10は、センシング構成メッセージが、複数の事前定義されたステアリング行列構成と、複数の事前定義されたステアリング行列構成のプリファレンスランキングの指標とを含む、実施形態1~実施形態9のうちのいずれかのシステムである。
【0212】
実施形態11は、複数の事前定義されたステアリング行列構成のうちの1つが、伝送アンテナカウント、最小伝送アンテナカウント、及びセンシングアンテナステアリングベクトルのうちの少なくとも1つを含む、実施形態10のシステムである。
【0213】
実施形態12は、センシング構成応答メッセージが、選択されたステアリング行列構成を含み、選択されたステアリング行列構成が、既存の非センシングメッセージとのセンシング伝送の集約を可能にする複数の事前定義されたステアリング行列構成のうちの最も高いプリファレンスランキングを有する、実施形態1~実施形態11のうちのいずれかのシステムである。
【0214】
実施形態13は、センシング構成メッセージが、事前定義されたステアリング行列構成を含み、プロセッサが、伝送アンテナによって、事前定義されたステアリング行列構成の使用が任意選択であるという指標を含むセンシングトリガメッセージを伝送するための命令を実行するように更に構成されている、実施形態1~実施形態12のうちのいずれかのシステムである。
【0215】
実施形態14は、指標が、任意のステアリング行列構成が使用され得ること、又はユニティステアリング行列構成が使用され得ることを示す、実施形態13のシステムである。
【0216】
実施形態15は、伝送アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサとを有するセンシングデバイスを備えるWi-Fiセンシングのためのシステムであり、少なくとも1つのプロセッサは、伝送アンテナを介して、要求されたタイミング構成であって、要求されたタイミング構成がフレキシブルであるというフレキシビリティ指標を含む、要求されたタイミング構成を含むセンシングトリガメッセージを伝送し、かつ受信アンテナを介して、センシングトリガメッセージに応答して伝送されたセンシング伝送を受信するための命令を実行するように構成されており、センシング伝送は、配信された伝送構成を含む。
【0217】
実施形態16は、フレキシビリティ指標が、要求されたタイミング構成に対して許容される調整の程度を示す、実施形態15のシステムである。
【0218】
実施形態17は、フレキシビリティ指標が、センシング伝送が伝送され得る延長された時間ウィンドウを示す、実施形態15又は実施形態16のシステムである。
【0219】
実施形態18は、要求されたタイミング構成が、リモートデバイスからセンシングデバイスへの一連のセンシング伝送を含む測定キャンペーンのタイミング要件を示す、実施形態15~実施形態17のうちのいずれかのシステムである。
【0220】
実施形態19は、プロセッサが、タイムスタンプをセンシング伝送に適用するための命令を実行するように更に構成されている、実施形態15~実施形態18のうちのいずれかのシステムである。
【0221】
実施形態20は、要求されたタイミング構成が、センシング測定タイプ、センシング伝送間の時間、時間フレキシビリティウィンドウ、及び測定キャンペーンのセンシング伝送の数のうちの少なくとも1つを含む、実施形態15~実施形態19のうちのいずれかのシステムである。
【0222】
実施形態21は、Wi-Fiセンシングのための方法であり、センシングイニシエータデバイスの少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ要求メッセージであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求メッセージを伝送することと、センシングイニシエータデバイスの少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答メッセージを受信することと、を含み、センシング測定セットアップ応答メッセージが、センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び配信されたセンシング測定パラメータ要素のうちの1つ以上を含む。
【0223】
実施形態22は、要求されたセンシング測定パラメータ要素が、センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の要求された伝送パラメータを含む、実施形態21の方法である。
【0224】
実施形態23は、要求されたセンシング測定パラメータ要素が、複数の要求された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む、実施形態22の方法である。
【0225】
実施形態24は、複数の要求された伝送パラメータが、周波数帯域パラメータ、帯域幅パラメータ、チャネルパラメータ、訓練フィールドパラメータ、事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及びステアリング行列構成のうちの1つ以上を含む、実施形態22又は23の方法である。
【0226】
実施形態25は、配信されたセンシング測定パラメータ要素が、センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の配信された伝送パラメータを含む、実施形態21~24のうちのいずれかの方法である。
【0227】
実施形態26は、配信されたセンシング測定パラメータ要素が、複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが、例えば、複数の要求された伝送パラメータに対して調整されていることを示す複数のフィールドを含む、実施形態25の方法である。
【0228】
実施形態27は、配信されたセンシング測定パラメータ要素が、複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む、実施形態25の方法である。
【0229】
実施形態28は、複数の配信された伝送パラメータが、周波数帯域パラメータ、帯域幅パラメータ、チャネルパラメータ、訓練フィールドパラメータ、タイミング構成、事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及びステアリング行列構成のうちの1つ以上を含む、実施形態25の方法である。
【0230】
実施形態29は、配信されたセンシング測定パラメータ要素が、要求されたセンシング測定パラメータ要素とは異なる、実施形態21~28のうちのいずれかの方法である。
【0231】
実施形態30は、センシング測定セットアップ要求メッセージ及びセンシング測定セットアップ応答メッセージのうちの1つ以上が、IEEE802.11アクションフレームとして実装される、実施形態21~29のうちのいずれかの方法である。
【0232】
実施形態31は、Wi-Fiセンシングのための方法であり、センシングレスポンダデバイスの少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ要求メッセージであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求メッセージを受信することと、センシングレスポンダデバイスの少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答メッセージを伝送することと、を含み、センシング測定セットアップ応答メッセージは、センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び配信されたセンシング測定パラメータ要素のうちの1つ以上を含む。
【0233】
実施形態32は、Wi-Fiセンシングのためのシステムであり、少なくとも1つの伝送アンテナと、少なくとも1つの受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサとを有するセンシングイニシエータデバイスを備え、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ要求メッセージであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求メッセージを伝送し、かつ少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答メッセージを受信するように構成されており、センシング測定セットアップ応答メッセージは、センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び配信されたセンシング測定パラメータ要素のうちの1つ以上を含む。
【0234】
実施形態33は、要求されたセンシング測定パラメータ要素が、センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の要求された伝送パラメータを含む、実施形態32のシステムである。
【0235】
実施形態34は、要求されたセンシング測定パラメータ要素が、複数の要求された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む、実施形態33のシステムである。
【0236】
実施形態35は、複数の要求された伝送パラメータが、周波数帯域パラメータ、帯域幅パラメータ、チャネルパラメータ、訓練フィールドパラメータ、事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及びステアリング行列構成のうちの1つ以上を含む、実施形態33のシステムである。
【0237】
実施形態36は、配信されたセンシング測定パラメータ要素が、センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の配信された伝送パラメータを含む、実施形態32~35のいずれかのシステムである。
【0238】
実施形態37は、配信されたセンシング測定パラメータ要素が、複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが、例えば、複数の要求された伝送パラメータに対して調整されていることを示す複数のフィールドを含む、実施形態36のシステムである。
【0239】
実施形態38は、配信されたセンシング測定パラメータ要素が、複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む、実施形態36のシステムである。
【0240】
実施形態39は、複数の配信された伝送パラメータが、周波数帯域パラメータ、帯域幅パラメータ、チャネルパラメータ、訓練フィールドパラメータ、タイミング構成、事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及びステアリング行列構成のうちの1つ以上を含む、実施形態36のシステムである。
【0241】
実施形態40は、配信されたセンシング測定パラメータ要素が、要求されたセンシング測定パラメータ要素とは異なる、実施形態32~39のうちのいずれかのシステムである。
【0242】
実施形態41は、センシング測定セットアップ要求メッセージ及びセンシング測定セットアップ応答メッセージのうちの1つ以上が、IEEE802.11アクションフレームとして実装される、実施形態32~40のうちのいずれかのシステムである。
【0243】
実施形態42は、Wi-Fiセンシングのためのシステムであり、少なくとも1つの受信アンテナと、少なくとも1つの伝送アンテナと、少なくとも1つのプロセッサとを有するセンシングレスポンダデバイスを備え、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ要求メッセージであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求メッセージを受信し、かつ少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答メッセージを伝送するように構成されており、センシング測定セットアップ応答メッセージは、センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び配信されたセンシング測定パラメータ要素のうちの1つ以上を含む。
【0244】
方法及びシステムの様々な実施形態について説明してきたが、これらの実施形態は例示的なものであり、説明した方法又はシステムの範囲を決して限定するものではない。当業者は、記載された方法及びシステムの最も広い範囲から逸脱することなく、記載された方法及びシステムの形態及び詳細に変更を加えることができる。したがって、本明細書で説明される方法及びシステムの範囲は、例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従って定義されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Wi-Fiセンシングのための方法であって、
センシングイニシエータデバイスの少なくとも1つの伝送アンテナを介して、WLANセンシングプロシージャの対応するセンシング測定インスタンスにおいてセンシング測定セットアップが使用されることを要求するセンシング測定セットアップ要求フレームであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求フレーム、センシングレスポンダデバイスに伝送することと、
前記センシングイニシエータデバイスの少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答フレームを受信することと、を含み、
前記センシング測定セットアップ応答フレームは、
前記センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び
配信されたセンシング測定パラメータ要素、のうちの1つ以上を含む、方法。
【請求項2】
前記要求されたセンシング測定パラメータ要素は、前記センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の要求された伝送パラメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記要求されたセンシング測定パラメータ要素は、前記複数の要求された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の要求された伝送パラメータは、
周波数帯域パラメータ、
帯域幅パラメータ、
チャネルパラメータ、
訓練フィールドパラメータ、
事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及び
ステアリング行列構成、のうちの1つ以上を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記事前定義されたステアリング行列構成を識別する前記インデックスは、対応するセンシング測定インスタンスに対して前記センシングレスポンダデバイスによって適用される空間ストリームを構成する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記配信されたセンシング測定パラメータ要素は、前記センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の配信された伝送パラメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記配信されたセンシング測定パラメータ要素は、前記複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整されていることを示す複数のフィールドを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記配信されたセンシング測定パラメータ要素は、前記複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の配信された伝送パラメータは、
周波数帯域パラメータ、
帯域幅パラメータ、
チャネルパラメータ、
訓練フィールドパラメータ、
タイミング構成、
事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及び
ステアリング行列構成、のうちの1つ以上を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記事前定義されたステアリング行列構成を識別する前記インデックスは、対応するセンシング測定インスタンスに対して前記センシングレスポンダデバイスによって適用される空間ストリームを構成する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記センシング測定セットアップ要求フレーム及び前記センシング測定セットアップ応答フレームのうちの1つ以上は、IEEE802.11アクションフレームとして実装される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
Wi-Fiセンシングのための方法であって、
センシングレスポンダデバイスの少なくとも1つの受信アンテナを介して、WALNセンシングプロシージャの対応するセンシング測定インスタンスにおいてセンシング測定セットアップが使用されることを要求するセンシング測定セットアップ要求フレームであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求フレームを受信することと、
前記センシングレスポンダデバイスの少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答フレームを伝送することと、を含み、
前記センシング測定セットアップ応答フレームは、
前記センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び
配信されたセンシング測定パラメータ要素、のうちの1つ以上を含む、方法。
【請求項13】
Wi-Fiセンシングのためのシステムであって、
少なくとも1つの伝送アンテナと、少なくとも1つの受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を有するセンシングイニシエータデバイスを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記少なくとも1つの伝送アンテナを介して、WLANセンシングプロシージャの対応するセンシング測定インスタンスにおいてセンシング測定セットアップが使用されることを要求するセンシング測定セットアップ要求フレームであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求フレーム、センシングレスポンダデバイスに伝送し、かつ
前記少なくとも1つの受信アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答フレームを受信するように構成されており、
前記センシング測定セットアップ応答フレームは、
前記センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び
配信されたセンシング測定パラメータ要素、のうちの1つ以上を含む、システム。
【請求項14】
前記要求されたセンシング測定パラメータ要素は、前記センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の要求された伝送パラメータを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記要求されたセンシング測定パラメータ要素は、前記複数の要求された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の要求された伝送パラメータは、
周波数帯域パラメータ、
帯域幅パラメータ、
チャネルパラメータ、
訓練フィールドパラメータ、
事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及び
ステアリング行列構成、のうちの1つ以上を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記事前定義されたステアリング行列構成を識別する前記インデックスは、対応するセンシング測定インスタンスに対して前記センシングレスポンダデバイスによって適用される空間ストリームを構成する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記配信されたセンシング測定パラメータ要素は、前記センシングレスポンダデバイスからの1つ以上のセンシング伝送のために使用される複数の配信された伝送パラメータを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記配信されたセンシング測定パラメータ要素は、前記複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整されていることを示す複数のフィールドを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記配信されたセンシング測定パラメータ要素は、前記複数の配信された伝送パラメータのそれぞれの伝送パラメータが調整され得ることを示す複数のフィールドを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数の配信された伝送パラメータは、
周波数帯域パラメータ、
帯域幅パラメータ、
チャネルパラメータ、
訓練フィールドパラメータ、
タイミング構成、
事前定義されたステアリング行列構成を識別するインデックス、及び
ステアリング行列構成、のうちの1つ以上を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記事前定義されたステアリング行列構成を識別する前記インデックスは、対応するセンシング測定インスタンスに対して前記センシングレスポンダデバイスによって適用される空間ストリームを構成する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記センシング測定セットアップ要求フレーム及び前記センシング測定セットアップ応答フレームのうちの1つ以上は、IEEE802.11アクションフレームとして実装される、請求項13に記載のシステム。
【請求項24】
Wi-Fiセンシングのためのシステムであって、
少なくとも1つの受信アンテナと、少なくとも1つの伝送アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を有するセンシングレスポンダデバイスを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記少なくとも1つの受信アンテナを介して、WALNセンシングプロシージャの対応するセンシング測定インスタンスにおいてセンシング測定セットアップが使用されることを要求するセンシング測定セットアップ要求フレームであって、要求されたセンシング測定パラメータ要素を含む、センシング測定セットアップ要求フレームを受信し、かつ
前記少なくとも1つの伝送アンテナを介して、センシング測定セットアップ応答フレームを伝送するように構成されており、
前記センシング測定セットアップ応答フレームは、
前記センシングレスポンダデバイスに関連付けられた伝送能力指標、及び
配信されたセンシング測定パラメータ要素、のうちの1つ以上を含む、システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0148】
一実装形態によれば、センシングエージェント536-1は、受信アンテナ534-1を介してセンシングデバイス502からセンシング構成メッセージを受信することができる。一実装形態では、構成クエリ指標を含むセンシング構成メッセージを受信したことに応答して、センシングエージェント536-1は、構成クエリ指標を分析し、センシング構成応答メッセージを作成することができる。センシング構成応答メッセージは、配信された伝送構成を含み得る。一例では、配信された伝送構成は、リモートデバイス504-1に関連付けられた伝送能力指標を含み得る。伝送能力指標は、リモートデバイス504-1がフレキシビリティをサポートするというフレキシビリティ指標を含み得る。一例では、フレキシビリティ指標は、センシング伝送のタイミングにおいてフレキシビリティがサポートされることを示すことができる。例えば、センシングエージェント536-1は、スケジューラ538-1がセンシング伝送のタイミングのフレキシビリティをサポートすることを報告してもよい。一部の例では、フレキシビリティ指標は、フレキシビリティが1つ以上の伝送パラメータにおいてサポートされることを示すことができる。1つ以上の伝送パラメータの例は、センシング周波数帯域パラメータ、センシング帯域幅パラメータ、センシングチャネルパラメータ、センシング訓練フィールドパラメータ、ステアリング行列構成のテーブルへのインデックス、及びステアリング行列構成を含む。伝送パラメータの詳細は、表1、表5、及び他の参照される表に提供される。
【表1-1】

【表1-2】

【表1-3】

【表2】
【国際調査報告】