(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】昇圧整流回路
(51)【国際特許分類】
H02M 7/12 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
H02M7/12 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572870
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2022025246
(87)【国際公開番号】W WO2022253462
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー、テンギュ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ホアチャン
(72)【発明者】
【氏名】リー、シャオリン
(72)【発明者】
【氏名】レイ、ベリー
【テーマコード(参考)】
5H006
【Fターム(参考)】
5H006CA07
5H006CB01
5H006DA02
5H006DA04
5H006DB01
5H006DC02
5H006DC05
(57)【要約】
装置は、バスを介して電気的に接続されたエネルギー貯蔵システムであって、第1のエネルギー貯蔵要素と、第2のエネルギー貯蔵要素であって、第1のエネルギー貯蔵要素と第2のエネルギー貯蔵要素との間にあるエネルギーノードにおいて第1のエネルギー貯蔵要素に電気的に接続されている、第2のエネルギー貯蔵要素と、を含む、エネルギー貯蔵システムと、エネルギーノードに電気的に接続されたエネルギーフィルタシステムと、を含む。エネルギーフィルタシステムは、多相交流(AC)電力システムの1つの相に電気的に接続するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスを介して電気的に接続されたエネルギー貯蔵システムであって、第1のエネルギー貯蔵要素と、第2のエネルギー貯蔵要素であって、前記第1のエネルギー貯蔵要素と前記第2のエネルギー貯蔵要素との間にあるエネルギーノードにおいて前記第1のエネルギー貯蔵要素に電気的に接続されている、第2のエネルギー貯蔵要素と、を含む、エネルギー貯蔵システムと、
前記エネルギーノードに電気的に接続されたエネルギーフィルタシステムであって、前記エネルギーフィルタシステムは、多相交流(AC)電力システムの1つの相に電気的に接続するように構成されている、エネルギーフィルタシステムと、を含む、装置。
【請求項2】
前記エネルギーフィルタシステムが、前記エネルギー貯蔵システムに流れる電流をフィルタリングするように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のエネルギー貯蔵要素が第1のコンデンサを含み、前記第2のエネルギー要素が第2のコンデンサを含み、前記エネルギーフィルタシステムがインダクタを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記インダクタが、前記AC電力システムの第3の相に電気的に接続するように構成されており、前記装置が、
前記エネルギー貯蔵システムに電気的に接続された第1のスイッチングモジュールであって、前記第1のスイッチングモジュールが、前記AC電力システムの第1の相に電気的に接続するように構成されている第1の入力ノードを含む、第1のスイッチングモジュールと、
前記エネルギー貯蔵システムに電気的に接続された第2のスイッチングモジュールであって、前記第2のスイッチングモジュールが、前記AC電力システムの第2の相に電気的に接続するように構成されている第2の入力ノードを含む、第2のスイッチングモジュールと、を更に含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記エネルギーフィルタシステムは、前記第1のスイッチングモジュール及び前記第2のスイッチングモジュールの中を流れる電流が実質的に同じになるように、前記エネルギー貯蔵システムに流れる電流をフィルタリングするように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のスイッチングモジュールが、前記第1の入力ノードにおいて第3のスイッチに電気的に接続された第1のスイッチを含み、
前記第2のスイッチングモジュールが、前記第2の入力ノードにおいて第4のスイッチに電気的に接続された第2のスイッチを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチの各々が、アノード及びカソードを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のスイッチのアノードが、前記第3のスイッチのカソードに電気的に接続されており、前記第2のスイッチのアノードが、前記第4のスイッチのカソードに電気的に接続されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のスイッチが第1のダイオードを含み、前記第2のスイッチが第2のダイオードを含み、前記第3のスイッチが第3のダイオードを含み、前記第4のスイッチが第4のダイオードを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
負荷に接続するように構成されたバスであって、第1の側及び第2の側を含む、バスと、
前記バスに電気的に接続された第1のスイッチングモジュールであって、
前記第1の側に電気的に接続された第1のスイッチング要素と、
前記第2の側に及び前記第1のスイッチング要素に電気的に接続された第3のスイッチング要素であって、前記第1のスイッチング要素は、前記第1のスイッチング要素と前記第3のスイッチング要素との間にある第1の入力ノードにおいて前記第3のスイッチング要素に電気的に接続されている、第3のスイッチング要素と、を含む、第1のスイッチングモジュールと、
前記バスに電気的に接続された第2のスイッチングモジュールであって、
前記第1の側に電気的に接続された第2のスイッチング要素と、
前記第2の側及び前記第2のスイッチング要素に電気的に接続された第4のスイッチング要素であって、前記第2のスイッチング要素は、前記第2のスイッチング要素と前記第4のスイッチング要素との間にある第2の入力ノードにおいて前記第4のスイッチング要素に電気的に接続されている、第4のスイッチング要素と、を含む、第2のスイッチングモジュールと、
前記負荷と並列に接続されるように構成されたエネルギー貯蔵システムであって、前記エネルギー貯蔵システムは、
前記第1の側に電気的に接続された第1のエネルギー貯蔵要素と、
前記第2の側に及び前記第1のエネルギー貯蔵要素に電気的に接続された第2のエネルギー貯蔵要素であって、前記第1のエネルギー貯蔵要素は、前記第1のエネルギー貯蔵要素と前記第2のエネルギー貯蔵要素との間にあるエネルギーノードにおいて前記第2のエネルギー貯蔵要素に電気的に接続されている、第2のエネルギー貯蔵要素と、を含む、エネルギー貯蔵システムと、
前記エネルギーノードに電気的に接続されたエネルギーフィルタシステムと、を含み、
前記第1の入力ノードは、交流(AC)電力システムの第1の相に電気的に接続するように構成されており、前記第2の入力ノードは、前記AC電力システムの第2の相に電気的に接続するように構成されており、前記エネルギーフィルタシステムは、前記AC電力システムの第3の相に電気的に接続するように構成されている、整流システム。
【請求項11】
前記第1のスイッチング要素が第1のダイオードを含み、前記第2のスイッチング要素が第2のダイオードを含み、前記第3のスイッチング要素が第3のダイオードを含み、及び前記第4のスイッチング要素が第4のダイオードを含み、
前記第1のエネルギー貯蔵要素が第1のコンデンサを含み、及び前記第2のエネルギー貯蔵要素が第2のコンデンサを含み、並びに
前記エネルギーフィルタシステムがインダクタを含む、請求項10に記載の整流システム。
【請求項12】
前記第1の入力ノードが、前記第1のダイオードのアノードに及び前記第3のダイオードのカソードに電気的に接続されており、
前記第2の入力ノードが、前記第2のダイオードのアノードに及び前記第4のダイオードのカソードに電気的に接続されており、
前記第1のコンデンサが、前記第1のダイオードのカソードに及び前記第2のダイオードのカソードに電気的に接続されており、
前記第2のコンデンサが、前記第3のダイオードのアノードに及び前記第4のダイオードのアノードに電気的に接続されている、請求項11に記載の整流システム。
【請求項13】
前記第1の入力ノードが、前記第1のダイオードのカソードに及び前記第3のダイオードのアノードに電気的に接続されており、
前記第2の入力ノードが、前記第2のダイオードのカソードに及び前記第4のダイオードのアノードに電気的に接続されており、
前記第1のコンデンサが、前記第1のダイオードのアノードに及び前記第2のダイオードのアノードに電気的に接続されており、
前記第2のコンデンサが、前記第3のダイオードのカソードに及び前記第4のダイオードのカソードに電気的に接続されている、請求項11に記載の整流システム。
【請求項14】
前記第1のコンデンサ及び前記第2のコンデンサが、同じ容量値を有する、請求項11に記載の整流システム。
【請求項15】
前記エネルギー貯蔵システムの両端の電圧が、線間入力電圧よりも少なくとも2倍大きく、前記線間入力電圧が、前記AC電力システムの前記3つの相のうちの任意の2つの間の電圧である、請求項10に記載の整流システム。
【請求項16】
動作使用中に、第1の相入力電流が前記第1の入力ノードにおいて流れ、第2の相入力電流が前記第2の入力ノードにおいて流れ、及び第3の相入力電流が前記エネルギーフィルタシステムにおいて流れ、並びに、
前記エネルギーフィルタシステムが、前記第1の相入力電流のRMS値と、前記第2の相入力電流のRMS値と、前記第3の相入力電流のRMS値との間の差を低減するように構成されている、請求項10に記載の整流システム。
【請求項17】
動作使用中に、AC電流が、単一の電力サイクル中に前記第1のスイッチング要素、前記第2のスイッチング要素、前記第3のスイッチング要素、及び前記第4のスイッチング要素の各々に流れ、
前記エネルギーフィルタシステムは、実質的に同じ量のRMS電流が前記単一の電力サイクル中に前記第1のスイッチング要素、前記第2のスイッチング要素、前記第3のスイッチング要素、及び前記第4のスイッチング要素の各々に流れるように構成されている、請求項10に記載の整流システム。
【請求項18】
整流回路のためのインダクタの最終インダクタンス値を決定する方法であって、前記方法は、
前記インダクタの初期インダクタンス値にアクセスすることと、
第1の時間におけるコンデンサの両端の第1の電圧を決定することであって、前記コンデンサは、前記インダクタに、及び交流(AC)電力システムの相に電気的に接続されるようにそれぞれ構成されている複数のスイッチングモジュールに、電気的に接続されている、ことと、
第2の時間における前記コンデンサの両端の第2の電圧を決定することであって、前記第2の時間は前記第1の時間の後に生じる、ことと、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との差を決定することと、を含み、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との前記差が所定の範囲外である場合、前記方法は、
前記第1の電圧を低減することと、
前記第1の電圧を低減した後の2つの追加電圧間の差を決定することと、を更に含み、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との前記差が前記所定の範囲内にある場合、前記方法は、各スイッチングモジュールにおける電流を他のスイッチングモジュールにおける電流と比較することと、
前記スイッチングモジュールにおける二乗平均平方根(RMS)電流が閾値差内で類似している場合、前記初期インダクタンス値を前記最終インダクタンス値として提供することと、
前記スイッチングモジュールにおける前記RMS電流が前記閾値差内で類似していない場合、前記スイッチングモジュールにおける前記RMS電流が前記閾値差内で類似するまで前記初期インダクタンス値を低減することと、を更に含む、方法。
【請求項19】
前記所定の範囲が、0より小さい第1の数と0より大きい第2の数との間の値の範囲であり、前記閾値差が、0でない数である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記所定の範囲が0のみを含み、前記閾値差が0である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の電圧が、前記AC電力システムの電力サイクルの開始時における前記コンデンサの両端の電圧であり、前記第2の電圧が、前記AC電力システムの前記電力サイクルの終了時における前記コンデンサの両端の電圧である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記2つの追加電圧が、前記低減された第1の電圧、前記第2の電圧の別のインスタンスを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年6月1日に出願された「VOLTAGE BOOSTING RECTIFIER CIRCUIT」と題する米国特許仮出願第63/195,317号の利益を主張し、この仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、昇圧整流回路に関する。
【背景技術】
【0003】
整流回路は、周期的に方向が反転する、交流(AC)を、一方向のみに流れる、直流(DC)に変換する。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、装置は、バスを介して電気的に接続されたエネルギー貯蔵システムであって、第1のエネルギー貯蔵要素と、第2のエネルギー貯蔵要素であって、第1のエネルギー貯蔵要素と第2のエネルギー貯蔵要素との間にあるエネルギーノードにおいて第1のエネルギー貯蔵要素に電気的に接続されている、第2のエネルギー貯蔵要素と、を含む、エネルギー貯蔵システムと、エネルギーノードに電気的に接続されたエネルギーフィルタシステムと、を含む。エネルギーフィルタシステムは、多相交流(AC)電力システムの1つの相に電気的に接続するように構成されている。
【0005】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0006】
エネルギーフィルタシステムは、エネルギー貯蔵システムに流れる電流をフィルタリングするように構成され得る。
【0007】
第1のエネルギー貯蔵要素は第1のコンデンサであり得、第2のエネルギー要素は第2のコンデンサであり得、エネルギーフィルタシステムはインダクタであり得る。インダクタは、AC電力システムの第3の相に電気的に接続するように構成され得、装置はまた、エネルギー貯蔵システムに電気的に接続された第1のスイッチングモジュールと、エネルギー貯蔵システムに電気的に接続された第2のスイッチングモジュールとを含み得る。第1のスイッチングモジュールは、AC電力システムの第1の相に電気的に接続するように構成されている第1の入力ノードを含み得、第2のスイッチングモジュールは、AC電力システムの第2の相に電気的に接続するように構成されている第2の入力ノードを含み得る。エネルギーフィルタシステムは、第1のスイッチングモジュール及び第2のスイッチングモジュールの中を流れる電流が実質的に同じになるように、エネルギー貯蔵システムに流れる電流をフィルタリングするように構成され得る。第1のスイッチングモジュールは、第1の入力ノードにおいて第3のスイッチに電気的に接続された第1のスイッチを含み得、第2のスイッチングモジュールは、第2の入力ノードにおいて第4のスイッチに電気的に接続された第2のスイッチを含み得る。第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ、及び第4のスイッチの各々は、アノード及びカソードを含み得る。第1のスイッチのアノードは、第3のスイッチのカソードに電気的に接続され得、第2のスイッチのアノードは、第4のスイッチのカソードに電気的に接続され得る。第1のスイッチは第1のダイオードであり得、第2のスイッチは第2のダイオードであり得、第3のスイッチは第3のダイオードであり得、第4のスイッチは第4のダイオードであり得る。
【0008】
別の態様では、整流システムは、負荷に接続するように構成されたバスと、バスに電気的に接続された第1のスイッチングモジュールであって、バスの第1の側に電気的に接続された第1のスイッチング要素と、バスの第2の側に及び第1のスイッチング要素に電気的に接続された第3のスイッチング要素と、を含む、第1のスイッチングモジュールと、を含む。第1のスイッチング要素は、第1のスイッチング要素と第3のスイッチング要素との間にある第1の入力ノードにおいて第3のスイッチング要素に電気的に接続されている。システムはまた、バスに電気的に接続された第2のスイッチングモジュールであって、バスの第1の側に電気的に接続された第2のスイッチング要素と、バスの第2の側に及び第2のスイッチング要素に電気的に接続された第4のスイッチング要素と、を含む、第2のスイッチングモジュールと、を含む。第2のスイッチング要素は、第2のスイッチング要素と第4のスイッチング要素との間にある第2の入力ノードにおいて第4のスイッチング要素に電気的に接続されている。システムはまた、負荷と並列に接続されるように構成されたエネルギー貯蔵システムを含む。エネルギー貯蔵システムは、バスの第1の側に電気的に接続された第1のエネルギー貯蔵要素と、バスの第2の側に及び第1のエネルギー貯蔵要素に電気的に接続された第2のエネルギー貯蔵要素とを含む。第1のエネルギー貯蔵要素は、第1のエネルギー貯蔵要素と第2のエネルギー貯蔵要素との間にあるエネルギーノードにおいて第2のエネルギー貯蔵要素に電気的に接続されている。エネルギー貯蔵システムはまた、エネルギーノードに電気的に接続されたエネルギーフィルタシステムを含む。第1の入力ノードは、交流(AC)電力システムの第1の相に電気的に接続するように構成されており、第2の入力ノードは、AC電力システムの第2の相に電気的に接続するように構成されており、エネルギーフィルタシステムは、AC電力システムの第3の相に電気的に接続するように構成されている。
【0009】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0010】
第1のスイッチング要素は第1のダイオードを含み得、第2のスイッチング要素は第2のダイオードを含み得、第3のスイッチング要素は第3のダイオードを含み得、及び第4のスイッチング要素は第4のダイオードを含み得、第1のエネルギー貯蔵要素は第1のコンデンサを含み得、及び第2のエネルギー要素は第2のコンデンサを含み得、並びにエネルギーフィルタシステムはインダクタを含み得る。いくつかの実装形態では、第1の入力ノードは、第1のダイオードのアノードに及び第3のダイオードのカソードに電気的に接続されており、第2の入力ノードは、第2のダイオードのアノードに及び第4のダイオードのカソードに電気的に接続されており、第1のコンデンサは、第1のダイオードのカソードに及び第2のダイオードのカソードに電気的に接続されており、第2のコンデンサは、第3のダイオードのアノードに及び第4のダイオードのアノードに電気的に接続されている。第1の入力ノードは、第1のダイオードのカソードに及び第3のダイオードのアノードに電気的に接続され得、第2の入力ノードは、第2のダイオードのカソードに及び第4のダイオードのアノードに電気的に接続され得、第1のコンデンサは、第1のダイオードのアノードに及び第2のダイオードのアノードに電気的に接続され得、第2のコンデンサは、第3のダイオードのカソードに及び第4のダイオードのカソードに電気的に接続され得る。第1のコンデンサ及び第2のコンデンサは、同じ容量値を有し得る。
【0011】
いくつかの実装形態では、エネルギー貯蔵システムの両端の電圧は、線間入力電圧よりも少なくとも2倍大きく、線間入力電圧は、AC電力システムの3つの相のうちの任意の2つの間の電圧である。
【0012】
いくつかの実装形態では、動作使用中に、第1の相入力電流は第1の入力ノードにおいて流れ、第2の相入力電流は第2の入力ノードにおいて流れ、及び第3の相入力電流はエネルギーフィルタシステムにおいて流れ、並びにエネルギーフィルタシステムは、第1の相入力電流のRMS値、第2の相入力電流のRMS値、及び第3の相入力電流のRMS値の間の差を低減するように構成されている。
【0013】
更に、いくつかの実装形態では、動作使用中に、AC電流は、単一の電力サイクル中に第1のスイッチング要素、第2のスイッチング要素、第3のスイッチング要素、及び第4のスイッチング要素の各々に流れ、エネルギーフィルタシステムは、実質的に同じ量のRMS電流が単一の電力サイクル中に第1のスイッチング要素、第2のスイッチング要素、第3のスイッチング要素、及び第4のスイッチング要素の各々に流れるように構成されている。
【0014】
別の態様では、整流回路のためのインダクタの最終インダクタンス値を決定する方法は、インダクタの初期インダクタンス値にアクセスすることと、第1の時間におけるコンデンサの両端の第1の電圧を決定することと、を含む。コンデンサは、インダクタに、及び交流(AC)電力システムの相に電気的に接続されるようにそれぞれ構成されている複数のスイッチングモジュールに、電気的に接続されている。方法はまた、第1の時間の後に生じる第2の時間におけるコンデンサの両端の第2の電圧を決定することと、第1の電圧と第2の電圧との差を決定することと、を含む。第1の電圧と第2の電圧との差が所定の範囲外である場合、方法は、第1の電圧を低減することと、第1の電圧を低減した後の2つの追加電圧間の差を決定することと、を更に含む。第1の電圧と第2の電圧との差が所定の範囲内にある場合、方法は、各スイッチングモジュールにおける電流を他のスイッチングモジュールにおける電流と比較することを更に含む。スイッチングモジュールにおける二乗平均平方根(RMS)電流が閾値差内で類似している場合、初期インダクタンス値が最終インダクタンス値として提供され、スイッチングモジュールにおけるRMS電流が閾値差内で類似していない場合、初期インダクタンス値は、スイッチングモジュールにおけるRMS電流が閾値差内で類似するまで低減される。
【0015】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。所定の範囲は、0より小さい第1の数と0より大きい第2の数との間の値の範囲であり得、閾値差は、0でない数であり得る。いくつかの実装形態では、所定の範囲は0のみを含み、閾値差は0である。
【0016】
第1の電圧は、AC電力システムの電力サイクルの開始時におけるコンデンサの両端の電圧であり得、第2の電圧は、AC電力システムの電力サイクルの終了時におけるコンデンサの両端の電圧であり得る。
【0017】
2つの追加電圧は、低減された第1の電圧、第2の電圧の別のインスタンスであり得る。
【0018】
本明細書で説明される技法のいずれかの実装形態は、装置、デバイス、システム、及び/又は方法を含み得る。1つ以上の実装形態の詳細が、添付の図面及び以下の説明に記載される。他の特徴は、説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】平衡型整流回路の一例を含むシステムのブロック図である。
【
図2】不平衡型整流回路の一例を含むシステムのブロック図である。
【
図3A】時間の関数としての線間入力電圧の一例である。
【
図3B】時間の関数としての不平衡型整流回路におけるコンデンサの両端の電圧の一例である。
【
図3C】時間の関数としての不平衡型整流回路の出力電圧の一例である。
【
図3D】時間の関数としての不平衡型整流回路のダイオード内を流れる電流の一例である。
【
図4A】平衡型整流回路の一例を含むシステムのブロック図である。
【
図5】平衡型整流回路におけるインダクタのインダクタンス値を決定するためのプロセスの一例のフローチャートである。
【
図6】平衡型整流回路におけるインダクタのインダクタンス値を決定するために使用され得る計算システムのブロック図である。
【
図7A】時間の関数としての線間入力電圧の一例である。
【
図7B】時間の関数としての平衡型整流回路におけるコンデンサの両端の電圧の一例である。
【
図7C】時間の関数としての平衡型整流回路の出力電圧の一例である。
【
図7D】時間の関数としての平衡型整流回路のダイオード内を流れる電流の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、システム100のブロック図である。システム100は、装置120、第1のスイッチングモジュール130、及び第2のスイッチングモジュール140を含む、整流回路110を含む。装置120は、ラベル付けのために破線の境界によって囲まれて示されている。破線の境界は、必ずしも物理的な特徴を表すわけではない。装置120は、バス150を介して電気的に接続されているエネルギー貯蔵システム122と、エネルギーフィルタシステム124とを含む。エネルギー貯蔵システム122は、第1のエネルギー貯蔵要素123a及び第2のエネルギー貯蔵要素123bを含む。整流回路110は、出力112においてブースト電圧Voを生成する。出力112は負荷103に接続されている。負荷103は、例えば、整流回路110のDC出力を、モータ(図示せず)に供給されるACモータ駆動信号に変換するインバータであり得る。以下に説明するように、装置120の構成は、従来のフルブリッジ整流回路で可能なものよりも大きなブースト電圧Voをもたらす。このようにして、装置120は、システム100の性能を改善する。
【0021】
システム100はまた、三相交流(AC)電力システム101を含む。AC電力システム101の3つの相は相1、相2、及び相3と称する。動作使用中に、整流回路110は、AC電力システム101に電気的に接続されている。具体的には、第1のスイッチングモジュール130は相1に電気的に接続されており、第2のスイッチングモジュール140は相2に電気的に接続されており、装置120のエネルギーフィルタシステム124は相3に電気的に接続されている。AC電力システム101は、多相電力を供給することができる任意のタイプのデバイス又はシステムである。AC電源は、例えば、基本周波数が、例えば、50又は60ヘルツ(Hz)であるAC電力を配送し、最大690Vの動作電圧を有するAC配電網など、高電圧配電システムであり得る。別の例では、AC電力システム101は発電機である。
【0022】
三相電力入力(AC電力システム101など)のための従来のフルブリッジ整流回路は、6つのダイオードを含み、AC電力入力の線間電圧よりも約1.4倍大きい出力電圧を生成する。多相電力入力の線間電圧は、AC電力入力の任意の2つの相間の電圧である。従来のフルブリッジ整流器の出力電圧を増加させるために、6つのダイオードの代わりに6つの制御可能なスイッチ(6つの絶縁ゲートトランジスタ又はIGBTなど)が使用され得る。しかしながら、制御可能なスイッチは、駆動及び/又は制御回路を必要とし、複雑さ及びコストを増加させる。従来のフルブリッジ整流器の出力電圧を増加させるための他の選択肢としては、単一スイッチのブースト及びのブーストのみの回路が挙げられ、それらの両方は、制御可能なスイッチを含み、概して、低電力用途に限定される。
【0023】
一方、整流回路110は、出力112におけるブースト電圧Voが従来のフルブリッジ整流器で達成されるであろうものよりも大きい、単純で低コストの解決策を提供する。例えば、ブースト電圧Voは、AC電力システム101の線間電圧よりも約2.8倍大きくなり得る。言い換えれば、ブースト電圧Voは、相1、2、及び3のうちの任意の2つの間の電圧よりも約2.8倍大きくなり得る。したがって、整流回路110は、従来のフルブリッジ整流器よりも大きな出力電圧の増加を提供する。ブースト電圧Vo(出力112における電圧)を増加させることは望ましい。例えば、いくつかの産業用途では、電磁干渉(EMI)フィルタ及び/又はACリアクトルなどの追加のデバイスが整流回路110の入力に接続されており、整流回路110の入力は、長いケーブルを介してAC電力システム101に電気的に接続され得る。上述したように、整流回路110の出力112は、整流回路110のDC出力をモータ(図示せず)に供給されるACモータ駆動信号に変換するインバータ(図示せず)に接続され得る。負荷リアクトル及び/又はフィルタ(正弦波又はdv/dtフィルタなど)は、インバータの出力とモータとの間に電気的に接続され得る。長いケーブル、負荷リアクトル、及び/又はフィルタは、負荷103に対して電圧降下を引き起こす可能性がある追加の要素の例であり、これらの電圧降下は、エンドユーザの用途に有害であることがある。例えば、負荷103は、AC信号をモータに提供するインバータであり得る。この例では、インバータの電圧降下は、モータが定格周波数で界磁弱め領域に入ることをもたらし、これは、モータの精密制御の完全な又は部分的な喪失を引き起こし得る。出力112においてより大きな電圧Voを提供することによって、整流回路110は、負荷103における電圧降下を軽減又は回避する。
【0024】
更に、整流回路110は、単純で低コストの構成要素を含む。例えば、各エネルギー貯蔵要素123a及び123bはコンデンサであり得、エネルギーフィルタシステム124はインダクタであり得、スイッチングモジュール130及び140の各々は2つのダイオードを含み得る。したがって、整流回路110は、従来のフルブリッジ整流器よりも大きな電圧増加を提供するが、必ずしも複雑な、制御可能な構成要素を含まない。したがって、整流回路110は、多相AC電力入力(電力システム101など)とともに使用するための安価で、比較的単純で、信頼性の高い整流回路を提供する。以下で更に説明するように、整流回路110がAC電力システム101に及び負荷103に電気的に接続されているとき、エネルギーフィルタシステム124は、第1のスイッチングモジュール130内を流れる電流が第2のスイッチングモジュール140内を流れる電流と同じになるように、エネルギー貯蔵システム122に流れる電流をフィルタリングする。このようにして、エネルギーフィルタシステム124は、スイッチングモジュール130及び140内を流れる電流を平衡させる。
【0025】
整流回路110及びエネルギーフィルタシステム124の構成及び性能を更に説明するために、不平衡型整流回路280が
図2及び
図3A~
図3Dに関して説明される。
図2は、不平衡型整流回路280を含むシステム200のブロック図である。不平衡型整流回路280は、エネルギーフィルタシステム124を含まない。
【0026】
不平衡型整流回路280は、4つのダイオードD1、D2、D3、及びD4を含み、それらの各々は、アノード及びカソードを含む。ダイオードD1、D2、D3、及びD4の各々は、そのダイオードのアノードにおける電圧がそのダイオードのカソードの電圧よりも閾値電圧量だけ大きいときに電流を伝導するが、そうでなければ、感知できるほどの量の電流を伝導しない。閾値電圧量は、ダイオードの特性及び構造に依存し、例えば、0~0.7ボルト(V)であり得る。
【0027】
ダイオードD1のカソード及びダイオードD3のカソードは、バス250の第1の側250aに電気的に接続されている。ダイオードD2のカソードは、第1のノード214においてダイオードD1のアノードに電気的に接続されている。ダイオードD4のカソードは、第2のノード215においてダイオードD3のアノードに電気的に接続されている。ダイオードD2のアノード及びアノードD4は、バス250の第2の側250bに電気的に接続されている。コンデンサ223aは、バス250の第1の側250aに、及びエネルギーノード225においてコンデンサ223bに、電気的に接続されている。コンデンサ223bは、コンデンサ223aに、及びバス250の第2の側250bに、電気的に接続されている。
【0028】
不平衡型整流回路280は、AC電力システム101に接続されて示されている。次に、不平衡型整流回路280の動作について、各電力周波数サイクルで発生する4つの別個の状態S1、S2、S3、及びS4を参照しながら説明する。電力周波数サイクルは、入力線間電圧信号(例えば、V13又はV23)の2つの隣接するピーク間の時間中に発生する。この時間は、入力線間電圧信号の周期とも呼ばれる。状態S1、S2、S3、及びS4は、
図3A~
図3Dに示されている。
図3Aは、線間電圧V13(実線)及びV23(破線)を時間の関数として示す。線間電圧V13は、相1と相3との間の電圧である。線間電圧V23は、相2と相3との間の電圧である。x軸は、時間の単位、例えば、秒である。時間t1とt5との間の時間は、線間電圧V13の周期に相当する。t1とt5との間の時間の量は、入力電圧の周波数に依存する。例えば、入力電圧が50Hzの周波数を有するとき、周期(及びt1とt5との間の時間)は0.02sである。入力電圧が60Hzの周波数を有するとき、周期は0.0167sである。y軸は、電圧V13及びV23の振幅を表す。電圧の振幅は、ユーティリティ電圧に依存する。ピークユーティリティ電圧は、例えば、各相に対して115V又は各相に対して230Vであり得る。
【0029】
図3Bは、不平衡型整流回路280についてコンデンサ223a(実線)及びコンデンサ223b(破線)の両端の電圧を時間の関数として示す。
図3Cは、不平衡型整流回路280についての時間の関数としての出力電圧Voである。
図3B及び
図3Cに示される電圧の値は、不平衡型整流回路280の構成要素の特性に依存するが、コンデンサ223a及び223bの各々のピーク両端電圧は、ピーク出力電圧Voよりも小さい。
図3Dは、不平衡型整流回路280について電流id1、id2、id3、及びid4の大きさを時間の関数として示す。電流id1、id2、id3、id4の単位は、例えば、アンペアであり得る。電流id1、id2、id3、id4の値は、不平衡型整流回路280の構成要素及び電力システム101の特性に依存する。電流id1、id2、id3、及びid4は、それぞれダイオードD1、D2、D3、及びD4内を流れる電流である。具体的には、
図2に示される構成では、電流id1は、ノード214、ダイオードD1、コンデンサ225a、及びノード225を通って流れる。電流id2は、ノード225、コンデンサ223b、ダイオードD2、及びノード214を通って流れる。電流id3は、ノード215、ダイオードD3、コンデンサ223a、及びノード225を通って流れる。電流id4は、ノード225、コンデンサ223b、ダイオードD4、及びノード215を通って流れる。x軸は、
図3A~
図3Dの各々において同じである。
【0030】
状態S1では、V13>V23>0であり、ダイオードD1は電流を伝導し、コンデンサ223aはダイオードD1を介してV13によって充電される。状態S2では、V23>V13>0であり、ダイオードD3は電流を伝導し、コンデンサ223aはダイオードD3を介してV23によって充電される。状態S3では、0>V23>V13であり、ダイオードD2は電流を伝導し、コンデンサ223bはダイオードD2を介してV13によって充電される。状態S4では、0>V13>V23であり、ダイオードD4は電流を伝導し、コンデンサ223bはダイオードD4を介してV23によって充電される。
【0031】
したがって、単一サイクルにおいて、各コンデンサ223a及び223bは、V13及びV23によって充電される。
図3A~
図3Dの例では、相1、相2、及び相3の隣接するピーク波の位相角は120°であり、線間電圧V13及び線間電圧V23の隣接するピーク波の位相角は60°であり、コンデンサ223a及び223bを充電及び放電するプロセスは非対称である。具体的には、V13(状態S1及び状態S3)の充電電流は、V23(状態S2及び状態S4)の充電電流よりも大きい。この結果、電流id1、id2、id3、id4は、異なる振幅及び異なるRMS値を有する。例えば、電流id1及びid3のピーク値は約140Aであり得るが、電流id2及びid4のピーク値は約50Aであり得る。
【0032】
一方、
図4Aを参照すると、整流回路410は、V13及びV23の充電電流を平衡させるインダクタ424を含む。
図4Aは、整流回路410及びAC電力システム101を含むシステム400のブロック図である。整流回路410は、整流回路110(
図1)の実装形態の一例である。整流回路410は、不平衡型整流回路280の全ての構成要素を含むが、整流回路410はまた、インダクタ424も含む。インダクタ424は、エネルギーノード225と電力システム101の相3との間に電気的に接続されている。インダクタ424は、ダイオードD1、D2、D3、D4のうちの1つを通って流れる電流が増加しているときにエネルギーを蓄積する。インダクタ424は、ダイオードD1、D2、D3、D4のうちの1つの中を流れる電流が減少しているときにエネルギーをコンデンサ223a及び223bに放出する。このようにして、インダクタ424は、それぞれのダイオードD1、D2、D3、及びD4の中を流れる電流id1、id2、id3、及びid4が同じ又はほぼ同じになるように、V13及びV23の充電電流間の不一致を平衡させる。平衡を達成するインダクタ424のインダクタンスの量は、以下で説明されるプロセス500を使用して決定され得る。
【0033】
整流回路410の動作は、各電力周波数サイクルにおいて発生する4つの別個の状態S1、S2、S3、及びS4を参照すると、以下のとおりである。状態S1では、V13>V23>0であり、ダイオードD1は電流を伝導し、コンデンサ223aはダイオードD1及びインダクタ424を介してV13によって充電される。状態S2では、V23>V13>0であり、ダイオードD3は電流を伝導し、コンデンサ223aはインダクタ424及びダイオードD3を介してV23によって充電される。状態S3では、0>V23>V13であり、ダイオードD2は電流を伝導し、コンデンサ223bはダイオードD2及びインダクタ424を介してV13によって充電される。状態S4では、0>V13>V23であり、ダイオードD4は電流を伝導し、コンデンサ223bはインダクタ424及びダイオードD4を介してV23によって充電される。したがって、コンデンサ223a及び223bは、V13及びV23によって充電され、それと同時に、整流回路410において電流id1、id2、id3、及びid4が平衡させられるように、エネルギーがインダクタ424に蓄積される。整流回路410の出力電圧(Vo)は、電力システム101の線間入力電圧よりも約2.8倍大きい。
【0034】
図4B~
図4Dは、入力電圧が230Vac、入力周波数が50Hz、負荷が98オームであったときの、単一の電力サイクルに対する時間の関数としての整流回路410内のシミュレートされた電流の一例を示す。x軸及びy軸は、
図4B~
図4Dの各々に対して同じである。例えば、
図4B~
図4DにおいてAとラベル付けされた変数は、30アンペアであり得る。
図4Bは、電流id1、id2、id3、id4を時間の関数として示し、
図4Cは、相1及び相2の入力電流を時間の関数として示す。
図4Dは、相3の入力電流を時間の関数として示す。上述したように、インダクタ424は、電流id1、id2、id3、id4を平衡させるために使用される。相1の入力電流は、ダイオードD1及びD2内を流れる電流である。相2の入力電流は、ダイオードD3及びD4内を流れる電流である。相3の入力電流は、相1の入力電流と相2の入力電流の和である。この例では、id1及びid2の二乗平均平方根(RMS)電流は8.14620アンペアであった。id3及びid4のRMS電流は8.14759アンペアである。RMS電流id1、id2、id3、id4はほぼ同じであり、平衡していると考えられる。RMS相1入力電流は、RMS相2入力電流と同じであった。相1及び相2の入力電流の各々は、この例では11.5206アンペアであった。相3の入力電流は16.4303アンペアであった(相1及び2の入力電流よりも約1.4倍大きい)。
【0035】
相3の入力電流は、相1又は相2の入力電流とは異なるRMS値を有するが、整流回路410(インダクタ424を含む)の構成は、整流器210(インダクタ424を欠く)で可能であるものよりも互いに類似している3つの相入力電流をもたらす。これは、電流id1、id2、id3、及びid4のRMS値が、インダクタ424によってもたらされる平衡により同じ又はほぼ同じになるからである。結果として、3つの相入力電流波形は、整流器410においてより平衡化され、これは、インダクタ424を欠く構成と比較して改善された性能をもたらす。
【0036】
図5は、プロセス500のフローチャートである。プロセス500は、インダクタ424(
図4A)の最終インダクタンス値を決定するために使用される。プロセス500は、整流回路410をAC電力システムに接続する前、並びに整流回路410を製造及び/又は組み立てる前に実行され得る。プロセス500は、整流回路410がAC電力システム101に接続されるように設計される例を提供する。具体的には、プロセス500はシステム600(
図6)に関して説明され、このシステムは、整流回路410がAC電力システム101及び負荷103に接続されるシナリオに対するインダクタ424のインダクタンス値を決定する計算システム650を含む。プロセス500の様々な要素をより詳細に説明する前に、反復計算の導入及びシステム600の概要を説明する。
【0037】
電力システム101の相1、2、及び3の相電圧の数学的表現は、式(1)~(3)に示される。
【0038】
【数1】
式中、V
Mは電力システム101における電圧の大きさである。例えば、230V(RMS)の電力システムでは、V
Mは325Vである。線間電圧V13及びV23の数学的表現は、式(4)及び(5)に示される。
【0039】
【0040】
整流回路410の電圧出力(Vo)の数学的表現は、式(6)によって与えられる。
【0041】
【0042】
充電プロセス中(コンデンサ223aに電流が流れ込むとき)、整流回路410の出力電圧Voは、式(7)に示されるように数学的に表される。
【0043】
【数4】
式中、Lはインダクタ424のインダクタンス値、C
223aはコンデンサ223aの容量、V
C_223aはコンデンサ223aの両端の電圧、Rloadは負荷103の抵抗の0.5倍である。放電プロセス中、コンデンサ223aの両端の電圧は、式(8)に示されるように数学的に表現される。
【0044】
【数5】
式中、Rloadは、負荷103(又は整流回路410が接続される他の負荷)の抵抗の0.5倍である。電力サイクルの開始時に、コンデンサ223aの両端の電圧(V
C_223a)が線間電圧(V13又はV23)に等しいと仮定すると、同じ電力サイクルの終了時のV
C_223aの値は、式(7)及び(8)から決定される。整流回路410が安定状態にあるとき、電力サイクルの開始時におけるV
C_223aの値は、電力サイクルの終了時におけるV
C_223aの値と同じである。電力サイクルの開始時のV
C_223aの値が電力サイクルの終了時の値と同じになるまでV
C_223aを反復的に低減することによって、整流回路410の安定状態は決定される。プロセス500は、以下で説明するように、そのような反復プロセスを含む。
【0045】
コンデンサ223aとインダクタ424との平衡周波数は、電力システム101の基本周波数よりも小さい。したがって、インダクタ424の最大インダクタンス値(L_max)は、式(9)によって与えられる。
【0046】
【数6】
式中、f
inputは、ヘルツ(Hz)単位の入力電力システムの基本周波数である。この例では、入力電力システムはAC電力システム101であるが、しかしながら、入力電力システムは、整流回路410が接続される任意のAC電力システムであってもよい。反復計算(プロセス500におけるものなど)を用いると、インダクタ424のインダクタンス値は、L_maxで開始し、id1及びid3の二乗平均平方根(RMS)値が同じになるまでインダクタンス値を減少させることによって決定される。式(7)、(8)、及び(9)には、コンデンサ223aの容量値(C_223a)及びコンデンサ223aの両端の電圧(V
C_223a)が含まれているが、コンデンサ223bの容量値及びコンデンサ223bの両端の電圧が式(7)、(8)、及び(9)において代わりに使用されてもよい。プロセス500は、上記の説明を実施する。プロセス500を説明する前に、プロセス500を実行するように構成されている計算システム650の一例を含む、システム600について説明する。
【0047】
図6も参照すると、システム600は、整流回路410と、電力システム101と、負荷103と、計算システム650とを含む。計算システム650は、電子処理モジュール652、電子記憶装置654、及び入力/出力(I/O)インターフェース656を含むコンピューティングデバイスである。
【0048】
電子処理モジュール652は、1つ以上の電子プロセッサを含む。モジュール652の電子プロセッサは、任意のタイプの電子プロセッサであり得、汎用中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでも含まなくてもよい。
【0049】
電子記憶装置654は、コンピュータプログラム又はソフトウェアの形態でデータ及び命令を記憶することができる任意のタイプの電子メモリであり、電子記憶装置654は、揮発性及び/又は不揮発性構成要素を含み得る。電子記憶装置654及び処理モジュール652は、処理モジュール652が電子記憶装置654にアクセス又はデータを読み書きすることができるように結合されている。
【0050】
電子記憶装置654は、実行されると、電子処理モジュール652に、データを分析させ、計算を実行させ、及び/又は情報を検索若しくは提供させる命令を記憶する。電子記憶装置654は、プロセス500を実施するために使用される命令を、例えば、コンピュータプログラムの形態で、記憶し得る。電子記憶装置654はまた、整流回路410、負荷103、及び/又は電力システム101の構成要素に関する情報も記憶し得る。例えば、電子記憶装置654は、コンデンサ223a及び223bの容量値、電力システム101の基本周波数、電力システム101の電圧の振幅、並びに負荷103のインピーダンスを記憶し得る。電力システム101、整流回路410、及び負荷103に関する情報は、整流回路410を組み立てる前、及び整流回路410を設置する前に、インダクタ424のインダクタンス値が計算され得るように、これらの要素の数学的なモデル又は表現を提供する。更に、電力システム101及び負荷103は例として提供されており、電子記憶装置654は、整流回路410が接続され得る他の電力システム及び/又は他の負荷に関する情報を記憶し得る。電子記憶装置654はまた、インダクタ424の最大インダクタンス値(L_max)を記憶し、及び/又は式(9)を実施してL_maxの値を計算する命令を記憶する。
【0051】
I/Oインターフェース656は、人間のオペレータ及び/又は自律プロセスが計算システム650と対話することを可能にする任意のインターフェースであり得る。I/Oインターフェース656は、例えば、ディスプレイ(液晶ディスプレイ(LCD)など)、キーボード、オーディオ入力及び/若しくは出力(スピーカ及び/又はマイクロフォンなど)、ディスプレイに加えて若しくはディスプレイの代わりにある視覚出力(ライト、発光ダイオード(LED)など)、シリアル若しくはパラレルポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、並びに/又は、例えば、イーサネットなど、任意のタイプのネットワークインターフェースを含み得る。I/Oインターフェース656はまた、例えば、IEEE 802.11、Bluetooth、又は近距離通信(NFC)接続を介する、物理的接触を伴わない通信を可能にし得る。計算システム650は、例えば、I/Oインターフェース656を介して操作され、構成され、修正され、又は更新され得る。例えば、オペレータは、I/Oインターフェース656を介して整流回路410の様々な構成要素の値を入力し得る。別の例では、オペレータは、整流回路410が接続される電力システム及び/又は負荷に関する情報を入力し得る。
図6に示す例では、整流回路410は、AC電力システム101及び負荷103に接続される。
【0052】
I/Oインターフェース656はまた、システム600が、システム600の外部の遠隔にあるシステムと通信することを可能にし得る。例えば、I/Oインターフェース656は、計算システム650と遠隔ステーション(図示せず)との間、又は計算システム650と別個の計算装置との間の通信を可能にする通信インターフェースを含み得る。遠隔ステーション又は計算装置は、オペレータが、計算システム650と物理的に接触することなく計算システム650と通信することができる、任意のタイプのステーションであり得る。例えば、遠隔ステーションは、サービスプロトコルを介して計算システム650に接続するコンピュータベースのワークステーション、スマートフォン、タブレット、若しくはラップトップコンピュータ、又は無線周波数信号を介して計算システム650に接続する遠隔制御であり得る。
【0053】
計算システム650は一例として提供されており、電子プロセッサを含む他のコンピュータ、ワークステーション、又は機械が使用され得る。
【0054】
図5に戻ると、プロセス500は、電子処理モジュール652内の1つ以上のプロセッサによって、又は別のコンピューティングデバイスによって実行され得る。プロセス500は、オペレータがインダクタ424のインダクタンス値を決定することを望むときに開始する(505)。プロセス500は、整流回路410を組み立てる前にインダクタ424の値を決定するために、整流回路410を生産する製造施設又は工業施設において実行され得る。
【0055】
インダクタ424の最大値にアクセスする(510)。インダクタ424の最大値(L_max)は、式(9)に従って決定される。
【0056】
整流回路410のコンデンサの両端の第1の電圧を決定する(515)。コンデンサは、コンデンサ223a又はコンデンサ223bであり得る。この例では、コンデンサ223bが説明のために使用される。コンデンサ223bの両端の第1のピーク電圧は、AC電力システム101の線間入力電圧に2の平方根(1.414)を乗算することによって決定される。
【0057】
図7A~
図7Dも参照すると、電力システム101の基本周波数が
図3A~
図3Dの電力システム101の基本周波数と同じである例に対する整流回路410に関連したデータが示されている。例えば、基本周波数は、50Hz又は60Hzであり得る。
図7Aは、時間の関数としてのV13(実線)及びV23(破線)である。
図7Bは、コンデンサ223a(実線)及びコンデンサ223b(破線)の両端の電圧である。
図7Cは、時間の関数としての出力電圧Voである。
図7Dは、id1、id2、id3、id4の大きさを時間の関数として示す。
図7A~
図7Dは、約1電力サイクルを示す。
図7A~
図7Dは、それぞれ、
図3A~
図3Dと同じx軸を有し、
図7A及び
図7Dは、それぞれ、
図3A及び
図3Dと同じy軸を有する。(515)において決定された第1のピーク電圧は、
図7Bにおいて721としてラベル付けされている。
図7B及び
図7Cのy軸は電圧を表す。
図7Bにおいてラベル付けされた電圧Vは、例えば、300ボルトであり得る。
図7Cにおいてラベル付けされた電圧2Vは、電圧Vの2倍である。電圧Vが300ボルトである例を続けると、電圧2Vは600ボルトである。したがって、出力電圧Vo(
図7Cに示す)は、コンデンサ223a及び223bの両端の電圧(
図7Bに示す)よりも大きい。出力電圧(Vo)はまた、線間入力電圧よりも大きい。例えば、線間入力電圧が230Vである実装形態では、出力電圧Voは621Vであり、これは線間入力電圧よりも約2.7倍大きい。
【0058】
図5に戻ると、コンデンサの両端の第2の電圧を決定する(520)。第2の電圧は、第1の電圧の後に生じる。例えば、第2の電圧は、同じ電力サイクルの終了時の電圧であり得る。別の例では、第1及び第2の電圧は、必ずしも特定の電力サイクルの開始時及び終了時とはならないが、コンデンサの両端電圧の隣接するピークとなる電圧であり得る。上記の例を続けると、第2の電圧は、電力サイクルの終了時におけるコンデンサ223bの両端の電圧である。第2の電圧は、
図7Bにおいて722とラベル付けされている。
【0059】
第1の電圧と第2の電圧との差を決定する(525)。上述したように、整流回路410は、コンデンサ223a又はコンデンサ223bの両端の電圧が電力サイクルの開始時と電力サイクルの終了時とで同じであるとき、安定状態にある。
【0060】
(525)で決定された差を所定の値の範囲と比較する(530)。所定の値の範囲は、電子記憶装置654に記憶され得る。所定の値の範囲は、例えば、0を含む値の範囲(0.01~-0.01など)を含み得る。いくつかの実装形態では、値の範囲は0の値のみを含み、これは、第1の電圧と第2の電圧とが同じでない限り、差が所定の値の範囲外であると見なされることを示す。値の範囲は、他の方法で表現され得る。例えば、値の範囲は、-1%~1%のパーセンテージ変化など、許容可能なパーセンテージ変化の範囲として表現され得る。これらの範囲は例として提供されており、他の値の範囲が使用されてもよい。
【0061】
(525)で決定された電圧の差が値の範囲外である場合、コンデンサ223a又はコンデンサ223bの両端の第1の電圧を低減し(535)、(520)で第2の電圧を再び決定し、(525)で差を決定し、再び差を値の範囲と比較する(530)。第1の電圧が低減される量は、設計精度に基づいて決定され得る。第1の電圧は、(525)で決定された第1の電圧と第2の電圧との差が値の範囲内になるまで、(535)において低減される。
【0062】
(530)に戻ると、差が所定の値の範囲内である場合、プロセス500は、電流id1、id2、id3、及びid4のRMS値が同じであるか否かを判定する。電流id1、id2、id3、及びid4のRMS値が同じであれば、電流は平衡している。電流id1、id2、id3、id4が平衡しているかどうかを判定するために、電流のRMS値が互いに比較される。例えば、電流id1とid3との差、及び電流id2とid4との差が決定され、閾値と比較され得る。閾値は、例えば、0であり得、これは、電流id1、id2、id3、及びid4が全く同じであることを意味する。いくつかの実装形態では、閾値はパーセンテージ範囲として表現され、例えば、-1%~1%であり得、これは、電流id1、id2、id3、id4のRMS値が互いに+/-1%ほど異なり得るが、それでも実質的に同じであると見なされ得ることを意味する。整流器410が使用される特定の用途の必要性に応じて、他の閾値が使用されてもよい。
図4Bに示す例では、電流id1及びid3のRMS値は約0.13%異なり、平衡している又は実質的に同じであると見なされる。更に、パーセンテージではなく一定値(例えば、0.01又は0.001)が閾値として使用され得る。閾値は、電子記憶装置654に記憶され得る。いずれかの差の大きさが閾値を超える場合、電流は平衡していると見なされない。電流id1、id2、id3、及びid4が平衡している場合、プロセス500は終了する(550)。
【0063】
電流id1、id2、id3、及びid4が平衡していない場合、インダクタ424のインダクタンス値は低減される(545)。インダクタンス値が低減される量は、電子記憶装置654に記憶された情報に基づき得る。例えば、インダクタンス値は、電子記憶装置654に記憶されている一定増分量だけ低減され得る。いくつかの実装形態では、インダクタンス値は、現在のインダクタンス量のパーセンテージで低減され、低減パーセンテージは、例えば、設計精度に基づく。
【0064】
上記の実装形態及び他の実装形態は、特許請求の範囲内にある。例えば、整流回路410は、
図4Aに示されるものとは反対の極性で構成されてもよい。反対の極性構成では、ダイオードD1のアノード及びダイオードD3のアノードは第1の側250aに電気的に接続され、ダイオードD2のカソード及びダイオードD4のカソードは第2の側250bに電気的に接続される。ダイオードD1のカソードは、ダイオードD2のアノードに電気的に接続される。ダイオードD3のカソードは、ダイオードD4のアノードに電気的に接続される。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスを介して電気的に接続されたエネルギー貯蔵システムであって、第1のエネルギー貯蔵要素と、第2のエネルギー貯蔵要素であって、前記第1のエネルギー貯蔵要素と前記第2のエネルギー貯蔵要素との間にあるエネルギーノードにおいて前記第1のエネルギー貯蔵要素に電気的に接続されている、第2のエネルギー貯蔵要素と、を含む、エネルギー貯蔵システムと、
前記エネルギーノードに電気的に接続されたエネルギーフィルタシステムであって、前記エネルギーフィルタシステムは、多相交流(AC)電力システムの1つの相に電気的に接続するように構成されている、エネルギーフィルタシステムと、を含む、装置。
【請求項2】
前記エネルギーフィルタシステムが、前記エネルギー貯蔵システムに流れる電流をフィルタリングするように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のエネルギー貯蔵要素が第1のコンデンサを含み、前記第2のエネルギー要素が第2のコンデンサを含み、前記エネルギーフィルタシステムがインダクタを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記インダクタが、前記AC電力システムの第3の相に電気的に接続するように構成されており、前記装置が、
前記エネルギー貯蔵システムに電気的に接続された第1のスイッチングモジュールであって、前記第1のスイッチングモジュールが、前記AC電力システムの第1の相に電気的に接続するように構成されている第1の入力ノードを含む、第1のスイッチングモジュールと、
前記エネルギー貯蔵システムに電気的に接続された第2のスイッチングモジュールであって、前記第2のスイッチングモジュールが、前記AC電力システムの第2の相に電気的に接続するように構成されている第2の入力ノードを含む、第2のスイッチングモジュールと、を更に含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記エネルギーフィルタシステムは、前記第1のスイッチングモジュール及び前記第2のスイッチングモジュールの中を流れる電流が実質的に同じになるように、前記エネルギー貯蔵システムに流れる電流をフィルタリングするように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のスイッチングモジュールが、前記第1の入力ノードにおいて第3のスイッチに電気的に接続された第1のスイッチを含み、
前記第2のスイッチングモジュールが、前記第2の入力ノードにおいて第4のスイッチに電気的に接続された第2のスイッチを含み、
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチの各々が、アノード及びカソードを含み、
前記第1のスイッチのアノードが、前記第3のスイッチのカソードに電気的に接続されており、前記第2のスイッチのアノードが、前記第4のスイッチのカソードに電気的に接続されており、
前記第1のスイッチが第1のダイオードを含み、前記第2のスイッチが第2のダイオードを含み、前記第3のスイッチが第3のダイオードを含み、前記第4のスイッチが第4のダイオードを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
負荷に接続するように構成されたバスであって、第1の側及び第2の側を含む、バスと、
前記バスに電気的に接続された第1のスイッチングモジュールであって、
前記第1の側に電気的に接続された第1のスイッチング要素と、
前記第2の側に及び前記第1のスイッチング要素に電気的に接続された第3のスイッチング要素であって、前記第1のスイッチング要素は、前記第1のスイッチング要素と前記第3のスイッチング要素との間にある第1の入力ノードにおいて前記第3のスイッチング要素に電気的に接続されている、第3のスイッチング要素と、を含む、第1のスイッチングモジュールと、
前記バスに電気的に接続された第2のスイッチングモジュールであって、
前記第1の側に電気的に接続された第2のスイッチング要素と、
前記第2の側及び前記第2のスイッチング要素に電気的に接続された第4のスイッチング要素であって、前記第2のスイッチング要素は、前記第2のスイッチング要素と前記第4のスイッチング要素との間にある第2の入力ノードにおいて前記第4のスイッチング要素に電気的に接続されている、第4のスイッチング要素と、を含む、第2のスイッチングモジュールと、
前記負荷と並列に接続されるように構成されたエネルギー貯蔵システムであって、前記エネルギー貯蔵システムは、
前記第1の側に電気的に接続された第1のエネルギー貯蔵要素と、
前記第2の側に及び前記第1のエネルギー貯蔵要素に電気的に接続された第2のエネルギー貯蔵要素であって、前記第1のエネルギー貯蔵要素は、前記第1のエネルギー貯蔵要素と前記第2のエネルギー貯蔵要素との間にあるエネルギーノードにおいて前記第2のエネルギー貯蔵要素に電気的に接続されている、第2のエネルギー貯蔵要素と、を含む、エネルギー貯蔵システムと、
前記エネルギーノードに電気的に接続されたエネルギーフィルタシステムと、を含み、
前記第1の入力ノードは、交流(AC)電力システムの第1の相に電気的に接続するように構成されており、前記第2の入力ノードは、前記AC電力システムの第2の相に電気的に接続するように構成されており、前記エネルギーフィルタシステムは、前記AC電力システムの第3の相に電気的に接続するように構成されている、整流システム。
【請求項8】
前記第1のスイッチング要素が第1のダイオードを含み、前記第2のスイッチング要素が第2のダイオードを含み、前記第3のスイッチング要素が第3のダイオードを含み、及び前記第4のスイッチング要素が第4のダイオードを含み、
前記第1のエネルギー貯蔵要素が第1のコンデンサを含み、及び前記第2のエネルギー貯蔵要素が第2のコンデンサを含み、並びに
前記エネルギーフィルタシステムがインダクタを含む、請求項7に記載の整流システム。
【請求項9】
前記第1の入力ノードが、前記第1のダイオードのアノードに及び前記第3のダイオードのカソードに電気的に接続されており、
前記第2の入力ノードが、前記第2のダイオードのアノードに及び前記第4のダイオードのカソードに電気的に接続されており、
前記第1のコンデンサが、前記第1のダイオードのカソードに及び前記第2のダイオードのカソードに電気的に接続されており、
前記第2のコンデンサが、前記第3のダイオードのアノードに及び前記第4のダイオードのアノードに電気的に接続されている、請求項8に記載の整流システム。
【請求項10】
前記第1の入力ノードが、前記第1のダイオードのカソードに及び前記第3のダイオードのアノードに電気的に接続されており、
前記第2の入力ノードが、前記第2のダイオードのカソードに及び前記第4のダイオードのアノードに電気的に接続されており、
前記第1のコンデンサが、前記第1のダイオードのアノードに及び前記第2のダイオードのアノードに電気的に接続されており、
前記第2のコンデンサが、前記第3のダイオードのカソードに及び前記第4のダイオードのカソードに電気的に接続されている、請求項8に記載の整流システム。
【請求項11】
前記第1のコンデンサ及び前記第2のコンデンサが、同じ容量値を有する、請求項8に記載の整流システム。
【請求項12】
前記エネルギー貯蔵システムの両端の電圧が、線間入力電圧よりも少なくとも2倍大きく、前記線間入力電圧が、前記AC電力システムの前記3つの相のうちの任意の2つの間の電圧である、請求項7に記載の整流システム。
【請求項13】
動作使用中に、第1の相入力電流が前記第1の入力ノードにおいて流れ、第2の相入力電流が前記第2の入力ノードにおいて流れ、及び第3の相入力電流が前記エネルギーフィルタシステムにおいて流れ、並びに、
前記エネルギーフィルタシステムが、前記第1の相入力電流のRMS値と、前記第2の相入力電流のRMS値と、前記第3の相入力電流のRMS値との間の差を低減するように構成されている、請求項7に記載の整流システム。
【請求項14】
動作使用中に、AC電流が、単一の電力サイクル中に前記第1のスイッチング要素、前記第2のスイッチング要素、前記第3のスイッチング要素、及び前記第4のスイッチング要素の各々に流れ、
前記エネルギーフィルタシステムは、実質的に同じ量のRMS電流が前記単一の電力サイクル中に前記第1のスイッチング要素、前記第2のスイッチング要素、前記第3のスイッチング要素、及び前記第4のスイッチング要素の各々に流れるように構成されている、請求項7に記載の整流システム。
【請求項15】
整流回路のためのインダクタの最終インダクタンス値を決定する方法であって、前記方法は、
前記インダクタの初期インダクタンス値にアクセスすることと、
第1の時間におけるコンデンサの両端の第1の電圧を決定することであって、前記コンデンサは、前記インダクタに、及び交流(AC)電力システムの相に電気的に接続されるようにそれぞれ構成されている複数のスイッチングモジュールに、電気的に接続されている、ことと、
第2の時間における前記コンデンサの両端の第2の電圧を決定することであって、前記第2の時間は前記第1の時間の後に生じる、ことと、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との差を決定することと、を含み、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との前記差が所定の範囲外である場合、前記方法は、
前記第1の電圧を低減することと、
前記第1の電圧を低減した後の2つの追加電圧間の差を決定することと、を更に含み、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との前記差が前記所定の範囲内にある場合、前記方法は、各スイッチングモジュールにおける電流を他のスイッチングモジュールにおける電流と比較することと、
前記スイッチングモジュールにおける二乗平均平方根(RMS)電流が閾値差内で類似している場合、前記初期インダクタンス値を前記最終インダクタンス値として提供することと、
前記スイッチングモジュールにおける前記RMS電流が前記閾値差内で類似していない場合、前記スイッチングモジュールにおける前記RMS電流が前記閾値差内で類似するまで前記初期インダクタンス値を低減することと、を更に含む、方法。
【国際調査報告】