(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】さまざまなパネル能力によるマルチパネルUEの動作の容易化
(51)【国際特許分類】
H04W 8/24 20090101AFI20240521BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240521BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20240521BHJP
【FI】
H04W8/24
H04W16/28
H04W24/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573164
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 FI2022050358
(87)【国際公開番号】W WO2022254088
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハコラ,サミ-ユッカ
(72)【発明者】
【氏名】カルヤライネン,ユーハ・ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】カポラル・デル・バリオ,サマンサ
(72)【発明者】
【氏名】エネスクー,ミハイ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
5K067KK03
(57)【要約】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ユーザ機器(UE)は、複数のアンテナパネルと;少なくとも第1の機能の第1の能力セットを生成することを含むコンピュータ実行可能命令を記憶するメモリとを含み、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示し、第1の能力セットを無線通信システムに含まれる次世代ノードB(gNB)に送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ユーザ機器(UE)であって、
複数のアンテナパネルと、
コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリと、
コンピュータ実行可能命令を実行するように構成されたプロセッサと
を含み、コンピュータ実行可能命令は、
少なくとも第1の機能の第1の能力セットを生成することであって、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示す、ことと、
第1の能力セットを無線通信システムに含まれる次世代ノードB(gNB)に送信することと
を含む、UE。
【請求項2】
第1の能力セットに含まれる複数の能力情報項目が、複数の能力インデックスの中からの、それぞれ第1および第2のインデックスによってインデックス付けされる少なくとも第1および第2の能力情報項目を含み、
第1の能力情報が、第1の機能に関する、複数のアンテナパネルの中からの第1のパネルの能力情報を示し、
第2の能力情報項目が、第1の機能に関する、複数のアンテナパネルの中からの第2のパネルの能力情報を示し、
第2のパネルが第1のパネルとは異なる、
請求項1に記載のUE。
【請求項3】
第1の能力セットに含まれる複数の能力情報項目が、複数の能力インデックスの中からの、それぞれ第1および第2のインデックスによってインデックス付けされる少なくとも第1および第2の能力情報項目を含み、
第1の能力情報項目が、第1の機能および第1のDLおよび/またはULチャネル条件に関する、複数のアンテナパネルの中からの第1のパネルの能力情報を示し、
第2の能力情報項目が、第1の機能および第2のDLおよび/またはULチャネル条件に関する、第1のパネルの能力情報を示し、
第2のDLおよび/またはULチャネル条件が、第1のDLおよび/またはULチャネル条件とは異なる、請求項1に記載のUE。
【請求項4】
第1の機能が、Rxビームの最大数、ポートの数、アクティブ化遅延グループ情報、選択遅延グループ情報、または最大の達成可能な等価等方放射電力(EIRP)のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のUE。
【請求項5】
コンピュータ実行可能命令が、
gNBからのダウンリンク(DL)参照信号(RS)を受信および測定することと、
DL参照信号を測定した後にタイマを開始することと、
第1の能力セットに含まれる複数の能力インデックスの中からの、各能力インデックスに対して、受信されたDL RSの中から1つ以上の最良のDL RSを決定することと、
受信されたDL RSの中からフォールバック動作のために1つ以上のフォールバックRSを決定することと、
各能力インデックスを、各能力インデックスに対して決定された1つ以上の最良のDL RSとともにgNBに報告することと、
1つ以上のフォールバックRSをgNBに報告することと、
複数の能力インデックスの中からの能力インデックスに対して決定された1つ以上の最良のDL RSに基づいて、DL信号を受信するためのRxビームおよび/またはUL信号を送信するためのTxビームを決定することと、
タイマが期限切れになったかどうかを決定することと、
タイマが期限切れになったと決定したことに応答して、フォールバック動作を行うこととをさらに含み、フォールバック動作が、
1つ以上のフォールバックRSに基づいて、DL信号を受信するための新しいRxビームおよび/またはUL信号を送信するための新しいTxビームを決定することを含む、請求項1に記載のUE。
【請求項6】
ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ネットワーク要素であって、
コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリと、
コンピュータ実行可能命令を実行するように構成されたプロセッサと
を含み、コンピュータ実行可能命令は、
ユーザ機器(UE)にダウンリンク(DL)参照信号(RS)を送信することと、
UEから、少なくとも第1の機能の第1の能力セットを受信することとを含み、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、UEの複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示す、ネットワーク要素。
【請求項7】
第1の機能が、Rxビームの最大数、ポートの数、アクティブ化遅延グループ情報、選択遅延グループ情報、または最大の達成可能な等価等方放射電力(EIRP)のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のネットワーク要素。
【請求項8】
ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ユーザ機器(UE)を動作させる方法であって、UEは複数のアンテナパネルを含み、方法は、
少なくとも第1の機能の第1の能力セットを生成することであって、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示す、ことと、
第1の能力セットを無線通信システムに含まれる次世代ノードB(gNB)に送信することと
を含む、方法。
【請求項9】
第1の能力セットに含まれる複数の能力情報項目が、複数の能力インデックスの中からの、それぞれ第1および第2のインデックスによってインデックス付けされる少なくとも第1および第2の能力情報項目を含み、
第1の能力情報が、第1の機能に関する、複数のアンテナパネルの中からの第1のパネルの能力情報を示し、
第2の能力情報項目が、第1の機能に関する、複数のアンテナパネルの中からの第2のパネルの能力情報を示し、
第2のパネルが第1のパネルとは異なる、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第1の能力セットに含まれる複数の能力情報項目が、複数の能力インデックスの中からの、それぞれ第1および第2のインデックスによってインデックス付けされる少なくとも第1および第2の能力情報項目を含み、
第1の能力情報項目が、第1の機能および第1のDLおよび/またはULチャネル条件に関する、複数のアンテナパネルの中からの第1のパネルの能力情報を示し、
第2の能力情報項目が、第1の機能および第2のDLおよび/またはULチャネル条件に関する、第1のパネルの能力情報を示し、
第2のDLおよび/またはULチャネル条件が、第1のDLおよび/またはULチャネル条件とは異なる、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第1の機能が、パネルのRxビームの最大数、パネルのポートの数、パネルのアクティブ化遅延グループ情報、パネルの選択遅延グループ情報、またはパネルの最大の達成可能な等価等方放射電力(EIRP)のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
gNBからのダウンリンク(DL)参照信号(RS)を受信および測定することと、
DL参照信号を測定した後にタイマを開始することと、
能力セット内の複数の能力インデックスの中からの、各能力インデックスに対して、受信されたDL RSの中から1つ以上の最良のDL RSを決定することと、
受信されたDL RSの中からフォールバック動作のために1つ以上のフォールバックRSを決定することと、
各能力インデックスを、各能力インデックスに対して決定された1つ以上の最良のDL RSとともにgNBに報告することと、
1つ以上のフォールバックRSをgNBに報告することと、
複数の能力インデックスの中からの能力インデックスに対して決定された1つ以上の最良のDL RSに基づいて、DL信号を受信するためのRxビームおよび/またはUL信号を送信するためのTxビームを決定することと、
時間が期限切れになったかどうかを決定することと、
タイマが期限切れになったと決定したことに応答して、フォールバック動作を行うことと
をさらに含み、フォールバック動作が、
1つ以上のフォールバックRSに基づいて、DL信号を受信するための新しいRxビームおよび/またはUL信号を送信するための新しいTxビームを決定することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ネットワーク要素を動作させる方法であって、
ユーザ機器(UE)にダウンリンク(DL)参照信号(RS)を送信することと、
UEから、少なくとも第1の機能の第1の能力セットを受信することとを含み、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、UEの複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示す、方法。
【請求項14】
第1の機能が、Rxビームの最大数、ポートの数、アクティブ化遅延グループ情報、選択遅延グループ情報、または最大の達成可能な等価等方放射電力(EIRP)のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ユーザ機器(UE)であって、
少なくとも第1の機能の第1の能力セットを生成するための生成手段であって、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、UEの複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示す、生成手段と、
無線通信システムに含まれる次世代ノードB(gNB)に第1の能力セットを送信するための送信手段とを含む、ユーザ機器(UE)。
【請求項16】
ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ネットワーク要素であって、
ユーザ機器(UE)にダウンリンク(DL)参照信号(RS)を送信するための送信手段と、
少なくとも第1の機能の第1の能力セットをUEから受信するための受信手段とを含み、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、UEの複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示す、ネットワーク要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1つ以上の例示的な実施形態は、一般に無線通信に関し、より詳細には、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)第5世代(5G)新無線(NR)ネットワークにおけるポジショニングの容易化に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代(5G)無線通信ネットワークは、次世代の移動通信ネットワークである。5G通信ネットワークの標準は、現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって開発されている。これらの標準は、3GPP New Radio(NR)標準として知られている。3GPP New Radio(NR)技術の開発分野の1つは、UEと次世代NodeB(gNB)との間のビーム管理である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(reference signal)(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ユーザ機器(UE)は、複数のアンテナパネルと;コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリと;コンピュータ実行可能命令を実行するように構成されたプロセッサとを含み、コンピュータ実行可能命令は、少なくとも第1の機能の第1の能力セットを生成することであって、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示す、ことと、第1の能力セットを無線通信システムに含まれる次世代ノードB(gNB)に送信することとを含む。
【0004】
第1の能力セットに含まれる複数の能力情報項目は、複数の能力インデックスの中からの、それぞれ第1および第2のインデックスによってインデックス付けされる少なくとも第1および第2の能力情報項目を含み得、第1の能力情報項目は、第1の機能に関する、複数のアンテナパネルの中からの第1のパネルの能力情報を示し、第2の能力情報項目は、第1の機能に関する、複数のアンテナパネルの中からの第2のパネルの能力情報を示し、第2のパネルは第1のパネルとは異なる。
【0005】
第1の能力セットに含まれる複数の能力情報項目は、複数の能力インデックスの中からの、それぞれ第1および第2のインデックスによってインデックス付けされる少なくとも第1および第2の能力情報項目を含み得、第1の能力情報項目は、第1の機能および第1のDLおよび/またはULチャネル条件に関する、複数のアンテナパネルの中からの第1のパネルの能力情報を示し、第2の能力情報項目は、第1の機能および第2のDLおよび/またはULチャネル条件に関する、第1のパネルの能力情報を示し、第2のDLおよび/またはULチャネル条件は、第1のDLおよび/またはULチャネル条件とは異なる。
【0006】
第1の機能は、Rxビームの最大数、ポートの数、アクティブ化遅延グループ情報、選択遅延グループ情報、または最大の達成可能な等価等方放射電力(EIRP)のうちの少なくとも1つであり得る。
【0007】
コンピュータ実行可能命令は、gNBからダウンリンク(DL)参照信号(RS)を受信および測定することと;DL参照信号を測定した後にタイマを開始することと;第1の能力セットに含まれる複数の能力インデックスの中からの、各能力インデックスに対して、受信されたDL RSの中から1つ以上の最良のDL RSを決定することと、受信されたDL RSの中からフォールバック動作のために1つ以上のフォールバックRSを決定することと;各能力インデックスを、各能力インデックスに対して決定された1つ以上の最良のDL RSとともにgNBに報告することと;1つ以上のフォールバックRSをgNBに報告することと;複数の能力インデックスの中からの能力インデックスに対して決定された1つ以上の最良のDL RSに基づいて、DL信号を受信するためのRxビームおよび/またはUL信号を送信するためのTxビームを決定することと;タイマが期限切れになったかどうかを決定することと;タイマが期限切れになったと決定したことに応答して、フォールバック動作を行うことをさらに含んでよく、フォールバック動作は、1つ以上のフォールバックRSに基づいて、DL信号を受信するための新しいRxビームおよび/またはUL信号を送信するための新しいTxビームを決定することを含む。
【0008】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ネットワーク要素は、コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリと;コンピュータ実行可能命令を実行するように構成されたプロセッサとを含み、コンピュータ実行可能命令は、ユーザ機器(UE)へのダウンリンク(DL)参照信号(RS)を送信することと;UEから、少なくとも第1の機能の第1の能力セットを受信することとを含み、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、UEの複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示す。
【0009】
7.第1の機能は、Rxビームの最大数、ポートの数、アクティブ化遅延グループ情報、選択遅延グループ情報、または最大の達成可能な等価等方放射電力(EIRP)のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0010】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ユーザ機器(UE)を動作させる方法であって、UEは複数のアンテナパネルを含み、方法は、少なくとも第1の機能の第1の能力セットを生成することであって、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示す、ことと、第1の能力セットを無線通信システムに含まれる次世代ノードB(gNB)に送信することとを含む。
【0011】
第1の能力セットに含まれる複数の能力情報項目は、複数の能力インデックスの中からの、それぞれ第1および第2のインデックスによってインデックス付けされる少なくとも第1および第2の能力情報項目を含み得、第1の能力情報項目は、第1の機能に関する、複数のアンテナパネルの中からの第1のパネルの能力情報を示し、第2の能力情報項目は、第1の機能に関する、複数のアンテナパネルの中からの第2のパネルの能力情報を示し、第1のパネルは第2のパネルとは異なる。
【0012】
第1の能力セットに含まれる複数の能力情報項目は、複数の能力インデックスの中からの、それぞれ第1および第2のインデックスによってインデックス付けされる少なくとも第1および第2の能力情報項目を含み得、第1の能力情報項目は、第1の機能および第1のDLおよび/またはULチャネル条件に関する、複数のアンテナパネルの中からの第1のパネルの能力情報を示し、第2の能力情報項目は、第1の機能および第2のDLおよび/またはULチャネル条件に関する、第1のパネルの能力情報を示し、第2のDLおよび/またはULチャネル条件は、第1のDLおよび/またはULチャネル条件とは異なる。
【0013】
第1の機能は、パネルのRxビームの最大数、パネルのポートの数、パネルのアクティブ化遅延グループ情報、パネルの選択遅延グループ情報、またはパネルの最大の達成可能な等価等方放射電力(EIRP)のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0014】
この方法は、gNBからダウンリンク(DL)参照信号(RS)を受信および測定することと;DL参照信号を測定した後にタイマを開始することと;能力セット内の複数の能力インデックスの中からの、各能力インデックスに対して、受信されたDL RSの中から1つ以上の最良のDL RSを決定することと;受信されたDL RSの中からフォールバック動作のために1つ以上のフォールバックRSを決定することと;各能力インデックスを、各能力インデックスに対して決定された1つ以上の最良のDL RSとともにgNBに報告することと;1つ以上のフォールバックRSをgNBに報告することと;複数の能力インデックスの中からの能力インデックスに対して決定された1つ以上の最良のDL RSに基づいて、DL信号を受信するためのRxビームおよび/またはUL信号を送信するためのTxビームを決定することと;時間が期限切れになったかどうかを決定することと;タイマが期限切れになったと決定したことに応答して、フォールバック動作を行うこととをさらに含んでもよく、フォールバック動作は、1つ以上のフォールバックRSに基づいて、DL信号を受信するための新しいRxビームおよび/またはUL信号を送信するための新しいTxビームを決定することを含む。
【0015】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ネットワーク要素を動作させる方法は、ユーザ機器(UE)にダウンリンク(DL)参照信号(RS)を送信することと;UEから、少なくとも第1の機能の第1の能力セットを受信することとを含み、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、UEの複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示す。
【0016】
第1の機能は、Rxビームの最大数、ポートの数、アクティブ化遅延グループ情報、選択遅延グループ情報、または最大の達成可能な等価等方放射電力(EIRP)のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0017】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ユーザ機器(UE)は、少なくとも第1の機能の第1の能力セットを生成するための生成手段であって、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、UEの複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示す、生成手段と、無線通信システムに含まれる次世代ノードB(gNB)に第1の能力セットを送信するための送信手段とを含む。
【0018】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)のビーム選択のための、ビーム管理測定および報告のために構成された参照信号(RS)と、少なくとも1つの機能の能力セットの半静的に構成された能力インデックスとの間の動的な関連付けを容易にするための、無線通信システムの、ネットワーク要素は、ユーザ機器(UE)にダウンリンク(DL)参照信号(RS)を送信するための送信手段と;少なくとも第1の機能の第1の能力セットをUEから受信するための受信手段とを含み、第1の能力セットは、複数の対応する能力インデックスによってそれぞれインデックス付けされた複数の能力情報項目を含み、各能力情報項目は、UEの複数のアンテナパネルの中からの能力情報項目に対応するパネルについて、第1の機能に関する対応するパネルの能力情報を示す。
【0019】
例示的な実施形態は、本明細書の以下の詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろうが、同様の要素は同様の参照番号で表されており、これらは例示のみを目的として与えられており、したがって本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】少なくともいくつかの例示的な実施形態による無線通信システムの一部を示す図である。
【
図2】少なくともいくつかの例示的な実施形態によるネットワーク要素を示す図である。
【
図3】少なくともいくつかの例示的な実施形態による、MP-UEのビーム管理を容易にするための方法を示す図である。
【
図4A】少なくともいくつかの例示的な実施形態による能力セットの例を示す図である。
【
図4B】少なくともいくつかの例示的な実施形態によるダウンリンク(DL)参照信号(RS)セットの一例を示す図である。
【
図5】少なくともいくつかの例示的な実施形態による、例示的なタイマリセットトリガを説明するための図である。
【
図6A】少なくともいくつかの例示的な実施形態による、タイマリセットトリガを説明するための図である。
【
図6B】少なくともいくつかの例示的な実施形態による、タイマリセットトリガを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
これらの図は、特定の例示的な実施形態で利用される方法、構造、および/または材料の一般的な特徴を示し、以下に提供される書面による説明を補足することを意図していることに留意されたい。しかし、これらの図面は縮尺通りではなく、特定の実施形態の正確な構造特性または性能特性を正確に反映していない可能性があり、例示的な実施形態に包含される値または特性の範囲を定義または限定するものとして解釈されるべきではない。さまざまな図面における類似または同一の参照番号の使用は、類似または同一の要素または特徴の存在を示すことを意図している。
【0022】
ここで、いくつかの例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照して、さまざまな例示的な実施形態をより詳細に説明する。
【0023】
詳細な例示的な実施形態が本明細書に開示される。しかし、本明細書に開示される特定の構造および機能の詳細は、例示的な実施形態を説明する目的で単に代表的なものにすぎない。しかし、例示的な実施形態は多くの代替形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態のみに限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0024】
例示的な実施形態を開示された特定の形態に限定する意図はないことを理解されたい。逆に、例示的な実施形態は、本開示の範囲内に含まれるすべての修正、等価物、および代替物を網羅するものとする。図面の説明全体を通じて、同様の番号は同様の要素を指す。
【0025】
1.NRビーム管理の概要
現在の3GPPリリース17(Rel-17)およびレガシーNRリリースは、ビーム管理手順を定義する。重要な側面の1つは、UEがビーム管理動作を行えることであり、これらは通常、疑似コロケーション(quasi-co-location)(QCL)や、時折、UEによってUEの能力として報告される時間オフセットなどのさまざまなルールによって管理される。ビーム管理は、送信機と受信機の間の送信(Tx)および受信(Rx)ビームアライメントをイネーブル化、維持、改善する手順のセットと機能で構成される。送信機と受信機の間に確立されたビームペアリンクは、送信ビームと受信ビームのペアを含む。次世代ノードB(gNB)とユーザ機器(UE)との間のビームペアリンクは、ダウンリンク(DL)とアップリンク(UL)で同じであっても、異なっていてもよい。DLに関して、gNBは、QCL-TypeD参照信号(RS)をUEに提供し、UEがQCL-TypeD参照信号(RS)に基づきUEの受信ビームを設定することができる参照。ULに関して、gNBはUEに空間関係情報を提供し、これに基づいてUEはその送信ビームをさらに設定することができる。
【0026】
2つのアンテナポートの疑似コロケーションは、それらのアンテナポートから送信されるシンボルのチャネル条件が類似しており、一方から他方へ推測できることを意味する。チャネル条件の特性のセットに応じて、3GPP技術仕様(TS)38.214では、以下のQCLタイプ:QCL-TypeA、QCL-TypeB、QCL-TypeC、QCL-TypeDが定義されている。QCL-TypeDでは、空間Rxパラメータを採用してチャネル条件を定義し、空間Rxパラメータを使用してビームフォーミングをサポートする。
【0027】
QCLは、UE受信機における2つの参照信号間の関係を定義する。実際には、gNBは、2つの参照信号が同じ送受信ポイント(TRP)から送信される場合にのみ、2つの参照信号の特性が類似していることを保証できる可能性がある。NRは一般に、任意の参照信号の送信が任意のTRPから行われ得ると考えている。
【0028】
QCL-TypeDの定義に関して、3GPPリリース15(Rel-15)の時点で、空間パラメータに関して、例えば以下を含む多くの提案がなされた。
・平均到来角(AoA)、AoAの電力角スペクトル(PAS)、平均出発角(AoD)、AoDのPAS、送信/受信チャネル相関、送信/受信ビームフォーミングなどを使用する。(3GPP技術仕様グループ(TSG)RAN会議貢献文書(TDoc)R1-170694)。
・受信機で観測されるRSアンテナポートの空間チャネル特性を記述するために設定されたQCLパラメータにおいてAoAをキャプチャする。(3GPP TSG RAN TDoc R1-1707134)
・平均AoAとAoAスプレッドを使用する。(3GPP TSG RAN TDoc R1-1707369)
・空間QCLパラメータとして、到着時の角度ドメインパラメータ、例えば、平均AoA/到着の天頂角(zenith angle of arrival)(ZoA)および/または到着時角度スプレッド(angle spread at arrival)(ASA)/到着時天頂角スプレッド(zenith angle spread at arrival)(ZSA)を考慮する。(3GPP TSG RAN TDoc R1-1708601)
・空間チャネル相関。(3GPP TSG RAN TDoc R1-1708710)
・一般用語「空間パラメータ」を使用し、この特性の実際の機能利用の性能テスティングは3GPP TSG RAN作業グループ4(RAN4)に委ねられる。(3GPP TSG RAN TDoc R1-1708929)
【0029】
アプローチという一般用語は、3GPP技術仕様(TS)38.214、セクション5.1.5で使用される:
各DL RSに対応する疑似コロケーションタイプは、QCL-Infoのより上位レイヤパラメータqcl-Typeによって与えられ、次のいずれかの値を取ることができる:
- ‘typeA’:{ドップラーシフト、ドップラースプレッド、平均遅延、遅延スプレッド}
- ‘typeB’:{ドップラーシフト、ドップラースプレッド}
- ‘typeC’:{ドップラーシフト、平均遅延}
- ‘typeD’:{空間Rxパラメータ}
【0030】
QCL-TypeD RS空間ソースは、同期信号ブロック(SSB)またはチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)であり得る。受信されるターゲット信号のビームインディケーション(例えば、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のDM-RS、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)のDM-RS、CSI-RS)において、UEにはTCI状態(コンテナ)が提供され、それはQCL-TypeD RSのインディケーションを含む。UEは、送信調整インディケーション(transmission coordination indication)(TCI)状態で所与のQCL-TypeDソースRS(SSBまたはCSI-RSリソース)を受信するために使用されるのと同じ受信(Rx)ビームを、ターゲット信号の受信に適用する。UEは、最大64個または128個(UEの能力が可能にする場合)のTCI状態を設定できる。TCI状態コンテナは、3GPPTS38.331のTCI状態情報要素(IE)によって次のように定義される:
【表1】
【0031】
ULでは、UEには空間ソースRSが提供される。それは、SSB、CSI-RS、またはサウンディング参照信号(SRS)であり得る。SSBまたはCSI-RSが空間ソースとして提供されるとき、UEは、ターゲット信号(例えば、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、SRS)を送信するためのTxビームの空間関係として、所与のSSBまたはCSI-RSリソースを受信するために使用されるRxビームを使用する。SRSが空間ソースとして提供されるとき、UEは、ターゲット信号を送信するためのTxビームとして、特定のSRSリソースを送信するために使用されるのと同じTxビームを使用する。SRSの空間関係情報は、TS 3GPP38.331のSRS-COnfig IEによって次のように定義される:
【表2】
【0032】
ビーム管理における主な手順と機能は次のとおりである:
- ダウンリンクおよびアップリンクにおける送信ビームと受信ビームのペアを決定するためのソースとして機能できる候補参照信号の測定と報告。
o 一般的な想定は、DL RSがDLとULの両方のビームインディケーションに使用されることである。
・TX/RXビームの対応はUEにおいて想定され得る。
o UEは、レイヤ1(L1)基準信号受信電力(RSRP)測定および報告(CSI-RSフレームワーク)のために、SSBおよび/またはCSI-RSリソースを使用して明示的に構成され得る。
・UEは、各セット内に最大64個のリソースを有する最大16個のCSI-RSリソースセットに対するCSI-RSリソースセッティングを用いて構成され得る。すべてのリソースセットにわたる異なるCSI-RSリソースの合計数は128以下であり得る。
o UEは、報告構成ごとに、{1、2、3、または4}個の最良のSSBまたはCSI-RSのL1-RSRPを報告する。
・報告には、リソースインデックスとL1-RSRP値が含まれる。
【0033】
- ビームインディケーション/ビーム切り替え
o DLでは、UEにはターゲット信号のTCI状態が提供され、それに基づいてUEはターゲット信号を受信できる。TCI状態は:
・周期的なチャネル状態情報参照信号(periodic channel state information reference signal)(P-CSI-RS)(全放射感度(TRS)を含む)の無線リソース制御(RRC)構成;
・媒体アクセス制御(MAC)-PDCCH用の制御要素(CE)(制御リソースセットごとに1つのアクティブなTCI状態(CORESET))、半永続的なチャネル状態情報参照信号(semi-persistent channel state information reference signal)(SP-CSI-RS)、非周期的なチャネル状態情報参照信号(aperiodic channel state information reference signal)(AP-CSI-RS)、PDSCH(PDCCHに続くとき);または
・PDSCH(明示的なインディケーションが使用されているとき)およびAP-CSI-RS(特定のCSI-RSリソースセットのトリガリング)のダウンリンク制御インディケーター(DCI)
を提供される。
o ULでは、UEはターゲット信号の空間関係を提供され、それに基づいてUEはTxビームを形成する。空間関係のプロビジョニングは:
・RRCベース(P-SRS用);
・MAC-CEベース(SP-SRS、AP-SRS、PUCCH、PUSCH(リソースID=0のPUCCHが続くとき));または
・DCIベース(間接的にPUSCH用(DCIは、UEが所与のSRSを送信したのと同じビームでPUSCHを送信するように参照SRSを示す))
である。
o また、Rel15/Rel16では、次のようなデフォルトのビーム想定がいくつか定義されており、例えば以下を含む:
・PDSCH:
・スケジューリングオフセット<timeDurationForQCLの場合:TCI状態は、UEによって監視されている最新のスロット内の最低のCORESET IDの1つである。
・スケジューリングオフセット>=timeDurationForQCLの場合:TCI状態がDCIで提供されない場合、またはPDSCH受信がDCIで提供されたTCI状態に基づく場合、TCI状態はスケジューリングPDCCHのCORESETの1つである。
・AP-CSI-RS:
・スケジューリングオフセット<beamSwitchTimingの場合:UEは、重複する他の信号TCI状態とTCI状態を調整するか、UEが監視している最新スロットの最低のCORESET IDのTCI状態を適用できる。
・PUCCH/SRS:
・空間関係が構成されていない場合は、周波数範囲2(FR2)で次のように空間関係を決定する:
o CORESETがCC上に構成されているとき、TCI状態/QCL想定は最低のIDを持つCORESETの1つに従う、または
o CC上にCORESETが構成されていないとき、最低のIDを持つアクティブ化されたTCI状態が、CCのアクティブDL帯域幅部分(DL-BWP)のPDSCHに適用可能である。
・DCIフォーマット0_0によってスケジュールされたPUSCH:
・FR2およびRRC接続モードでアクティブなUL BWP CCに構成されたPUCCHリソースがないとき:
o デフォルトの空間関係は、最低のIDを持つCORESETのTCI状態/QCL想定である。
・マルチTRPシナリオでは、TCIコードポイントには2つのTCI状態が含まれ得、デフォルトのビームケースとして、UEは最低のIDを持つ2つのTCI状態を持つTCIコードポイントのTCI状態を想定する(例えば、PDSCHの場合)。
【0034】
2.マルチパネルUE(MP-UE)のNRビーム管理に関する問題
MP-UEに関して生じ得るNRビーム管理に関する1つの問題は、現在の仕様、例えば、NRの3GPPリリース15(Rel-15)および3GPPリリース16(Rel-16)バージョンが、UEの個々のパネルが持つ可能性のある異なる能力に対処していないことである。このような異なる能力の例は次のようなものを含むが、これらに限定されない:
- パネル間のアンテナ要素の異なる数、これは、例えば、パネルが特定の空間アパーチャを最大ゲイン、または代わりに所望のレベルのゲインで満たすために必要な受信(Rx)ビームと送信(Tx)ビームの数に影響する;
- パネル間のアンテナポートの異なる数、これは、例えば、コードブックベースのPUSCHのSRSリソース構成に影響する;および
- 異なるパネルのUL送信に対する異なる等価等方放射電力(EIRP)能力。
【0035】
異なるビームフォーミング能力を有する異なるUEパネルに起因して、gNBは、例えばRxビームトレーニングのために、いくつかのCSI-RSリソースを用いてUEを適切に構成できない可能性がある。従来の技術によれば、UEは、受信ビームの最大数maxNumberRxBeamという単一の能力のみを提供する。しかし、gNBは、提供されたmaxNumberRxBeam値が、それぞれUEのすべてのパネルに関連付けられたRxビームのすべての数の中からの、パネルに関連付けられたRxビームの最大値であるか、またはUEがすべてのパネルでサポートするRxビームの合計数であるか知らない。したがって、UEの現在のサービングパネルについての、gNBにおけるパネル固有の知識の欠如は、例えば、UEとgNBとの間で実行されるRxビームフォーミング手順に関して問題となる可能性がある。
【0036】
MP-UEに関して生じ得るNRビーム管理に関する別の問題は、コードブックベースのPUSCHに関する。例えば、UEがアンテナパネルごとに異なる数のアンテナポートを含むアンテナパネル構成を具備しているとき、1つ以上のビームによるコードブックベースのPUSCH送信は、txConfigを「コードブック」に設定し、ULFPTxModesを「Mode2」に設定してPUSCHを構成することによりイネーブルされる。さらに、UL SRSセットは、リソースごとに異なるアンテナポート数を有する最大4つのSRSリソースを有する「コードブック」として構成され、そこではリソースは最大2つの異なる空間関係を持つことができると想定される。
【0037】
UL SRSリソースごとの異なるUL送信能力、つまりアンテナポートの異なる数に起因して、gNBにおけるパネルごとの能力情報の欠如は、SRSセット内、または潜在的には異なるSRSセットにわたる、異なるUL SRSリソースの空間ソースとして異なるDL RS/信号リソースの構成に悪影響を及ぼす。現在、Rel-15/Rel-16仕様(例えば、3GPP TS 38.214)は、ネットワーク(例えば、gNB)が各SRSリソースに対してどのDL RS/信号が実現可能であるかに関する認識を取得できるようにする機構を提供していない。したがって、gNBは、SRSリソースごと、したがってUEアンテナパネルごとに、実現不可能または望ましくない空間ソースを構成/アクティブ化し得る。例えば、gNBは、DL RS#AがSRSリソース#1(UEのアンテナパネル#1に相当)には実現可能だがSRSリソース#0には実現できない場合でも、SRSリソース#0の空間ソース(UEのアンテナパネル#0に相当)としてDL RS#Aを構成することができる。一般に、上記の問題は、UEパネルに依存しない(UE panel agnostic)DLおよびULビーム選択に対する現在のDL RS報告に起因して生じる。しかし、SRSリソース構成(ポート数)などに異なるパネル能力を反映させると、パネルを認識した報告が必要になり、これは望ましくない可能性がある。
【0038】
明示的なパネル識別を必要とせず、パネルごとに異なる可能性があるパネル固有の機能を考慮することによって、UEのマルチパネル動作を容易にすることができる解決策は有利である。例えば、UEのパネル実装を抽象化する解決策を開発することが望ましい場合がある。
【0039】
以下でさらに詳しく説明するが、少なくともいくつかの例示的な実施形態による、MP-UEのビーム管理を容易にするための方法は、パネルごとに基づくネットワーク(例えば、gNB)へのUEの能力情報の報告をサポートするためにインデックスを使用することを含む。
【0040】
少なくともいくつかの例示的な実施形態による、無線通信ネットワークのアーキテクチャおよびネットワーク要素の構造の例について、
図1と
図2を参照して以下に説明する。
【0041】
3.無線通信システムのアーキテクチャおよびそのネットワーク要素の例示的な構造。
図1は、例示的な実施形態をより詳細に説明するための、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の新無線(NR)アクセスデプロイメントの一部の簡略図を示す。
【0042】
図1を参照すると、無線通信システム100は、送受信ポイント(TRP)102A、102B、102Cを有するgNB102を含む3GPP NR無線アクセスデプロイメントの一例である。各TRP102A、102B、102Cは、例えば、リモートラジオヘッド(remote radio head)(RRH)またはリモートラジオユニット(remote radio unit)(RRU)であってもよく、これには、地理的エリア内でデータを送受信するための、少なくとも、例えば、一つの無線周波数(RF)アンテナ(または複数のアンテナ)またはアンテナパネル、および無線トランシーバが含まれる。この点に関して、TRP102A、102B、102Cは、地理的カバレッジエリア内のユーザ機器(UE)(例えば、UE106)にセルラーリソースを提供する。場合によっては、ベースバンド処理は、第5世代(5G)セル内のTRP102A、102B、102CとgNB102との間で分割されてもよい。あるいは、ベースバンド処理は、gNB102で行われてもよい。
図1に示す例では、TRP102A、102B、102Cは、1つ以上の送信(TX)/受信(RX)ビームペアを介してUE106と通信するように構成される。gNB102は、3GPP NRではニューコアまたは5Gコア(5GC)と呼ばれるコアネットワーク(CN)130と通信する。
【0043】
TRP102A、102B、102Cは独立したスケジューラを有してもよく、またはgNB102がTRP102A、102B、102C間で共同スケジューリングを行ってもよい。
【0044】
図1には単一のUE106のみが示されているが、gNB102およびTRP102A、102B、102Cは、TRP102A、102B、102Cのカバレッジエリア内の比較的多数のUEに通信サービスを提供することができる。例示的な実施形態を明確にするために、通信サービス(無線信号の送信および受信を含む)は、gNB102とUE106との間のものとして説明される。しかし、信号はUE106とTRP102A、102B、102Cのうちの1つ以上との間で送信され得ることを理解されたい。
【0045】
UE106は、ULおよびDL上でgNB102へデータを送信する、およびgNB102からデータを受信するための複数のパネル1062、1064、1066および1068を含む。
図1には4つのアンテナパネルのみが示されているが、例示的な実施形態はこの例に限定されるべきではない。UE106の例示的な機能および動作については、以下でより詳細に説明する。UE106の例には、以下に限定されないが、モバイルデバイス、タブレット、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルデバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、5GNR通信規格および/または他の無線通信規格に従って動作できるデスクトップコンピュータおよび/またはその他のタイプの据え置き型または携帯型デバイスが含まれる。
図1に示す例では、UE106はモバイルデバイスである。
【0046】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、無線通信システム100は、
図1に示される要素に限定されず、無線通信システム100は、
図1に示す構成要素とは異なる数の構成要素を含んでもよい。例えば、無線通信システム100は、任意の数のUEデバイス、任意の数のgNBなどを含むことができる。
【0047】
さらに、図示されていないが、CN130は、いくつかの5GCネットワーク要素を含むことができる。例えば、gNB102は、ロケーション管理機能(location management function)(LMF)、アクセスおよびモビリティ管理機能(access and mobility management function)(AMF)要素、および/またはセッション管理機能(session management function)(SMF)要素に接続され得る。さらに、図示されていないが、無線通信システム100は、gNB102に接続されるロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク要素をさらに含むことができる。このようなLTE要素の例には、進化型(evolved)ノードB(eNB)などのLTE無線アクセス技術(RAT)ネットワーク要素(例えば、進化型ユニバーサル移動通信システム(UMTS)地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)ネットワーク要素)、モビリティ管理エンティティ(MME)などのLTEコアネットワーク要素(例えば、進化型パケットコア(EPC)ネットワーク要素)が含まれるが、これらに限定されない。無線通信システム100の1つ以上の無線ネットワーク要素(例えば、gNB、UEなど)を具現化するために使用され得る例示的な構造について、
図2に関して以下に説明する。
【0048】
図2は、ネットワーク要素の例示的な実施形態を示す。
図2を参照すると、ネットワーク要素200は;互いに接続されたメモリ740、プロセッサ720、およびさまざまな通信インターフェース760;およびさまざまな通信インターフェース760に接続された1つ以上のアンテナまたはアンテナパネル765を含む。さまざまなインターフェース760およびアンテナ765は、複数の無線ビームのうちの1つ以上を介して、UE、gNB、CNノード、CN要素、および/または別の無線ネットワーク要素へ/からデータを送信/受信するためのトランシーバを構成することができる。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、無線通信をサポートするためのインターフェースを含むことに加えて、または代わりに、さまざまなインターフェース760は、有線通信をサポートするためのインターフェースを含み得る。
【0049】
理解されるように、ネットワーク要素200の実装に応じて、ネットワーク要素200は、ネットワーク要素200によって具現化される無線通信システム100の特定の要素の機能(例えば、1つ以上の例示的な実施形態によるUE、CN要素、gNBなどの機能)を提供するために
図2に示されるものよりも多くのコンポーネントを含むことができる。しかし、例示的な実施形態を開示するために、これらの一般に従来のコンポーネントのすべてを示す必要はない。
【0050】
メモリ740は、一般に、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、および/またはディスクドライブなどのパーマネント大容量記憶デバイスを含むコンピュータ可読記憶媒体であってよい。メモリ740はまた、ネットワーク要素200(例えば、1つ以上の例示的な実施形態による、UE、CN要素および/またはノード、gNBなどの機能)によって具現化される無線通信システム100の特定の要素の機能を提供するために、プロセッサ720によって実行されるオペレーティングシステムおよび任意の他のルーチン/モジュール/アプリケーションを記憶する。これらのソフトウェアコンポーネントは、ドライブ機構(図示せず)を使用して、別個のコンピュータ可読記憶媒体からメモリ740にロードされることもできる。このような別個のコンピュータ可読記憶媒体には、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ、メモリカード、または他の同様のコンピュータ可読記憶媒体(図示せず)が含まれ得る。いくつかの例示的な実施形態では、ソフトウェアコンポーネントは、コンピュータ可読記憶媒体を介するのではなく、さまざまなインターフェース760のうちの1つを介してメモリ740にロードされ得る。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、メモリ740は、
図1-
図3を参照して説明したいずれかまたはすべてのステップに対応するコンピュータ実行可能命令を記憶することができる。
【0051】
プロセッサ720は、システムの算術演算、論理演算、および入出力演算を行うことによってコンピュータプログラムの命令を実行するように構成され得る。命令は、メモリ740によってプロセッサ720に提供され得る。
【0052】
さまざまなインターフェース760は、プロセッサ720と1つ以上のアンテナ765、または他の入出力コンポーネントとをインターフェースするコンポーネントを含み得る。理解されるように、ネットワーク要素200の特殊目的機能を説明するためにメモリ740に記憶されるさまざまなインターフェース760およびプログラムは、ネットワーク要素200によって具現化される無線通信システム100の特定の要素に応じて変わることになる。
【0053】
さまざまなインターフェース760は、1つ以上のユーザ入力デバイス(例えば、キーボード、キーパッド、マウスなど)およびユーザ出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカなど)を含むこともできる。
【0054】
MP-UEのビーム管理を容易にするための例示的な方法について、
図1-
図3を参照して以下に説明する。
【0055】
4.MP-UEのビーム管理を容易にするための例示的な方法
少なくともいくつかの例示的な実施形態によるMP-UEのビーム管理を容易にするための方法は、例えば:
- パネル能力認識(panel capability aware)UE受信ビームトレーニング;
- パネル能力認識コードブック(CB)ベースのPUSCH送信;および
- パネル能力認識SRSベースのULビームサーチと選択
のうちのいずれかまたはすべてをサポートすることができる。
【0056】
図3は、少なくともいくつかの例示的な実施形態による、MP-UEのビーム管理を容易にするための方法を示す。
図3は、
図1に示される無線通信システム100のUE106およびgNB102を参照して説明される。説明を容易にするために、
図3は、UE106が少なくとも5つのUEパネル:パネル_1-パネル_5を含む例示的なシナリオを参照して説明される。
図3を参照すると、少なくともいくつかの例示的な実施形態によるMP-UEのビーム管理を容易にするための方法は、例えば、以下の動作を含むことができる:
【0057】
1.UE106は、特定の機能に対応するTxおよび/またはRx能力(したがって、DL受信およびUL送信)のセットをgNB102に提供することができる。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、Txおよび/またはRx能力のセットは、インデックスを備えた、半統計的に構成された能力セットにカプセル化され得る。
【0058】
そのような能力の例には、maxNumberRxBeam、nrOfPorts、activationDelayGroup、selectionDelayGroup、インデックス付きmaximumAchievableEIRPが含まれるが、これらに限定されない。
【0059】
例えば、
図4Aは、少なくともいくつかの例示的な実施形態による能力セットの例を示す。
図4Aを参照すると、能力セット410は、複数の能力情報項目414にそれぞれ対応する複数の能力インデックス412を含む。
図4Aにも示されているように、複数の能力インデックスは、UEの複数のパネル416にそれぞれ対応する。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、UE106は、能力セット410をgNB102に提供することができる。
【0060】
図4Aに示す例では、能力セット410が対応する機能は、UEパネルのRxビームの最大数(すなわち、MaxNumberOfRxBeams)である。したがって、
図4Aに示す例では、複数の能力情報項目414のうちの各能力情報項目は、能力情報項目が対応する能力インデックスに対応するUEパネルの、Rxビームの最大数MaxNumberOfRxBeamsの値を識別する。一例として、能力セット410のインデックス#1の場合、MaxNumberOfRxBeams=3である。さらに、
図4Aに示すように、インデックス#1が対応するUEパネルはPanel_2である。したがって、
図4に示す例では、UEパネルPanel_2の場合、MaxNumberOfRxBeams=3である。
【0061】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、2つ以上の能力インデックスは、それぞれ、2つ以上の異なるUEパネルに対応し得る。例えば、
図4Aにおいて、能力インデックス#1および#2は、それぞれ、UEパネルPanel_1およびUEパネルPanel_2に対応する。
【0062】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、2つ以上の能力インデックスは、同じUEパネルが経験する2つ以上の異なるチャネル条件にそれぞれ対応し得る。例えば、
図4Aにおいて、能力インデックス#2は、チャネル条件condition_Aに関してUEパネルPanel_3に対応し、能力インデックス#3は、チャネル条件condition_Bに関してUEパネルPanel_3に対応する。
【0063】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、UEパネルが経験するチャネル条件に関係なく、2つ以上の能力インデックスが同じUEパネルに対応することができる。例えば、
図4Aにおいて、能力インデックス#4および#5は両方ともUEパネルPanel_4に対応し、UEパネルPanel_4が経験する可能性のあるそれぞれ異なるチャネル条件にマッピングされていない。
【0064】
対応するパネル416が、各能力インデックスに対して、能力インデックスが対応するUEパネルを示す目的で
図4に示されている。しかし、少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、インデックス412自体は、能力セット410内でインデックスが対応するUEパネルを識別し、したがって、能力セット410は、対応するUEパネル416を含まない。
【0065】
2.UE106は、ダウンリンクおよびアップリンクビーム選択のための実現可能なビームペアリンクを測定するために、ダウンリンクRSの構成を受信することができる。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、このプロセスは、結合DLおよびULであってもよく、または別個のDLおよびULであってもよい。
【0066】
3.UE106は、受信した構成に基づいてDL RSを測定し、構成された基準に従って最良のM個のDL RSリソースを決定し、特定の機能の能力インデックスごとにDL RSを関連付けることができ、ここでMは正の整数である。(S310)
【0067】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、最良のM個のDL RSを決定するための基準は、次の少なくとも1つであり得る;L1-基準信号受信電力(RSRP)、L1-信号対干渉雑音比(SINR)、電力ヘッドルーム、または、MPEイベントとその重大度のインディケーション(例えば、サービングビームの電力ヘッドルーム報告(PHR)で報告された電力管理最大電力低減(power management maximum power reduction)(P-MPR)、または候補ビームの仮想PHRで推定されたP-MPR)および/または時間スパン;またはそれらの組み合わせ。
【0068】
4.UE106はタイマを開始してもよい。例えば、少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、UE106は、受信した構成に基づいてDL RSの測定を行った時点から時間を開始することができる。(S320)
【0069】
5.UE106は、最良のM個のDL RSを各能力インデックスに関連付けることができ、その結果、各能力インデックスに対して、能力インデックスに関連付けられたM個のDL RSが、UE106のUEパネル1062-1068の中からの、能力インデックスに対応するUEパネルで測定できるものとなる。
【0070】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、UE側では、対応するUEパネルは、UE106の1つ以上の物理アンテナパネルであってもよい。
【0071】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、UE106は、デフォルト動作のためのDL RS、すなわち、いかなる能力インデックスにも関連付けられていないフォールバックDL RSを決定することもできる。
【0072】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、フォールバックDL RSは、例えばCORESET#0のQCLソースとして使用されるSSBインデックスからまたは、最低のCORESETインデックス、その他の0のアクティブTCI状態のDL RSから暗黙的に定義される。
【0073】
6.UE106は、特定の機能の関連する能力インデックスごとに最良のDL RSをgNB102に報告することができる(S330)。例えば、
図4Bは、少なくともいくつかの例示的な実施形態によるダウンリンク(DL)参照信号(RS)セット420の例を示す。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、ステップS330において、UE106は、DL RSセット420をgNB102に報告することができる。
【0074】
DL RSセット420は、複数の能力インデックス412および複数のDL RS418を含み得る。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、DL RSセットは、複数の能力インデックス412の中の各能力インデックスに対して、能力インデックスが対応するUEパネルにとって最良であると決定されたM個のDL RSを含むことができる(例えば、ステップS310において)。説明を容易にするために、
図4Bに示される例では、M=1である。したがって、各インデックスに対して、DL RSセットは1つのDL RSを含む。しかし、Mは1より大きい整数であり得る。したがって、DL RSセット420は、複数の能力インデックス412の中からの同じ能力インデックスに対応する複数のDL RSを含むことができる。
【0075】
対応するUEパネル416は、各能力インデックスに対して、能力インデックスが対応するUEパネルを示す目的で
図4Bに示されている。しかし、少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、インデックス412自体は、DL RSセット420内でインデックスが対応するUEパネルを識別し、したがって、DL RSセット420は、対応するUEパネル416を含まない。
【0076】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、UE106は、アクティブ化されたUL/DLまたは結合ULおよびDL TCI状態のセットならびにそれらのそれぞれの関連する能力インデックスのための、空間ソースとして使用されるUL/DL RSリソースのみを測定/追跡し、報告するように構成され得る。あるいは、少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、UE106は、UL SRSまたはDL CSI-RSの非周期トリガリング内のUL/DLリソースおよびリソースセットの空間ソースとして使用されるUL/DL RSリソースのみを測定/追跡し、報告するように構成されることができる。あるいは、少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、UE106は、所与の能力インデックスに対応するRSリソースのみを測定/追跡し、報告するように構成され得る。
【0077】
7.UE106は、報告されたDL RSの、それぞれDLおよび/またはULリソースのRxビームおよび/またはTxビーム想定へのマッピングを受信することができる。(S340)
【0078】
8.UE106は、提供されたRxビーム想定に基づいてDL信号/チャネルを受信する、および/または提供されたTxビーム想定に基づいてUL信号/チャネルを送信することができる。(S350)
【0079】
9.UE106は、(例えば、ステップS320で)UE106によって開始されたタイマが期限切れになったかどうかを決定することができる(S360)。UE106がタイマが期限切れになっていないと決定した場合、UE106は、最良のM個のDL RSリソースの受信した構成および決定に基づいてDL RSの測定を繰り返すことができる(例えば、ステップS310)。
【0080】
10.UE106がタイマが期限切れになったと決定した場合、UE106は、タイマをリセットし、受信したマッピング(例えば、ステップS340で受信したマッピング)を破棄し、DLおよび/またはULリソースのRxビームおよび/またはTxビーム想定にフォールバックRSを適用することができる。(S370)
【0081】
11.次に、UE106は、適用されたフォールバックRxビーム想定に基づいてDL信号/チャネル、および/または適用されたフォールバックTxビーム想定に基づいてTx UL信号/チャネルを受信することができる。(S380)
【0082】
次に、UE106は、最良のM個のDL RSリソースの受信した構成および決定に基づいて、DL RSの測定を繰り返すことができる(例えば、ステップS310)。
【0083】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、タイマがまだ期限切れになっていない場合でも、UE106(またはgNB102)にタイマをリセットさせ、ステップS370およびS380(例えば、ステップS360)を行わせる、1つ以上のタイマリセットトリガがあってもよい。例えば、
図5、
図6A、および
図6Bは、少なくともいくつかの例示的な実施形態による例示的なタイマリセットトリガを説明するための図である。
図5、
図6A、および
図6Bはそれぞれ、
図1の無線通信システム100の第1のTRP102AおよびUE106を示す。
図1に関して上述したように、第1のTRP102AはgNB102のTRPである。タイマリセットトリガの例については、以下でさらに詳しく説明する。3つの例示的なタイマリセットトリガを以下に説明するが、少なくともいくつかの例示的な実施形態は、以下に説明する3つの例示的なタイマリセットトリガに限定されない。例えば、以下に提供される例以外の例示的なタイマリセットトリガが実装されてもよい。
【0084】
例示的なタイマリセットトリガ#1
例示的なタイマリセットトリガ#1では、UE106の空間方向が変化し、したがって、どのDL RSがgNB102から(例えば、TRP102A-102Cのうちの1つ以上を介して)UE106の1つ以上のパネルのそれぞれによって受信されるかを潜在的に変更する。
【0085】
図5に示すように、第1のTRP102Aは、同期信号ブロック(SSB)を送信することができる。また、
図5に示す例では、UEはそれ自体を中心として反時計回り方向に回転する。したがって、第1のUEパネル1062によって以前に受信されたサービングgNBビーム(DL RS)は、現在、第3のUEパネル1068によって受信され得る。第1パネル1062と第3パネル1068が異なる能力を持っている場合(例えば、それぞれNumberOfRxBeams[1]=8およびNumberOfRxBeams[2]=2、能力インデックス#1は第1パネル1062に対応し、能力インデックス#2は第3パネル1068に対応する)、同じDL RSは最初にNumberOfRxBeams[1]=8に関連付けられ、次にNumberOfRxBeams[2]=2に関連付けられる。さらに、最初に第1のパネル1062によって受信されたDL RSは、8のNumberOfRxBeamsを有するパネルにとって望ましいものであった可能性があるが、第1のパネル1062によって最初に受信されたDL RSは、2のNumberOfRxBeamsを有するパネル(すなわち、第3のパネル1068)にとっては望ましくない可能性がある。したがって、少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、方向の変化(例えば、
図5に示される回転など、どのDL RSがどのUEパネルによって受信されるかを変更し得る方向の変化)を検出すると:UE106は、タイマをリセットし;UE106のRxビームおよび/またはTxビームへのフォールバックRSの適用に切り替え(S370);適用されたフォールバックRSに基づいて、DL信号を受信し、および/またはTx信号を送信し(S380);例えば、UE106の新しい方向に関して、DL RSの測定と、能力インデックスごとのM個の最良のDL RSの決定とを繰り返す(S310)ようトリガしてもよい。
【0086】
例示的なタイマリセットトリガ#2
例示的なタイマリセットトリガ#2では、UE106の少なくとも1つのパネルが経験するチャネル条件は、半静的な状態から非常に動的な状態に変化し得る。
【0087】
例えば、
図6Aおよび
図6Bに示す例では、UE106の第1のパネル1062は、8つのビームを有する1×4アレイであってもよい。
図6Aは、第1のUEパネル1062が経験するチャネル条件に関する半静的環境の例を示し、
図6Bは、第1のUEパネル1062が経験するチャネル条件に関して非常に動的な環境の例を示す。
図6Aおよび
図6Bに示すように、第1のUEパネル1062は、半静的環境では8つのRxビーム610を使用し、非常に動的な環境では2つのRxビーム620のみを使用することができる。
【0088】
具体的には、
図6Aを参照すると、半静的環境では、第1のUEパネル1062がその8つのビーム610のすべてを連続的に測定し、最良のビームと調整できるので、UE106はNumberOfRXBeams[1]=8を報告することができる。しかし、
図6Bを参照すると、非常に動的な環境では、同じUEパネル1062は複数のクラスタの電力が急速に変化するのを知り得る。遅延電力プロファイル評価から、UE106は、チャネルの現在のコヒーレンス推定において狭いビームを調整できないことを知ることができる。したがって、UE106は、非常に動的なチャネル条件にとって2つのビームが望ましいビーム数であると決定するので、例えばNumberOfRXBeams[2]=2を報告することができる。したがって、UE106の第1のUパネル1062は、非常に動的な環境において2つのRxビーム620を介してDL信号を受信することができる。
【0089】
例示的なタイマリセットトリガ#3
例示的なタイマリセットトリガ#3では、タイマのリセッティングはgNB102によって開始され得る。例えば、タイマは、例えばマルチクラスタ動的環境から生じる、閾値よりも高い差異(例えば報告されたRSRP/SINR)を示す連続報告に応じて、gNB102によってリセットされ得る。
【0090】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、UE106とgNB102の両方がタイマを含む。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、UE106のタイマがリセットされたとき(すなわち、期限切れ、あるいは、代わりにタイマリセットトリガイベントにより):UE106は、現在のDL RSの使用を停止し、フォールバックRSの使用を開始し(S370);フォールバックRSを使用してDL信号を受信し(S380);各能力インデックスに対してM個の最良のDL RSを再決定し(S310);再びタイマを開始し(S320);例えば、能力セット410をgNB102に送ることによって、各能力インデックスの新たに決定されたM個の最良のDL RSをgNB102に報告する(S330)。
【0091】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、gNB102のタイマがリセットされたとき(すなわち、期限切れ、あるいは、代わりにタイマリセットトリガイベントにより)、gNB102は、UE106がその各能力インデックスの現在のM個の最良のDL RSをgNB102に報告するための要求を、UE106に送信し、あるいは、代わりに、UE106が各能力インデックスに対して新たなM個の最良のDL RSを決定し、各能力インデックスに対して新たに決定されたM個の最良のDL RSをgNB102に報告するための要求を、UE106に送信することができる。例えば、gNBは、UE106に、上述のステップS370、S380、S310、S320、およびS330のうちの1つ以上を行わせる要求を送信することができる。
【0092】
以下のセクション4a-4eでは、少なくともいくつかの例示的な実施形態による、MP-UEのビーム管理を容易にするための方法のいくつかの異なる特定の実装例が説明される。
【0093】
4a.UE Rxビームトレーニング(別名P3手順)の実装例:
1.UEは、gNBに次のようなP3機能の能力のセットを提供する。
o maxNumberRxBeam0(インデックス#0):=4
o maxNumberRxBeam1(インデックス#1):=8
o maxNumberRxBeam2(インデックス#2):=2
【0094】
2.gNBは、L1-RSRP/L1-SINR測定および報告のためにDL RS(SSBおよび/またはCSI-RS)を使用してUEを構成する。
【0095】
3.UEは、ステップ1でインデックスごとのDL RSリソースを測定し、インデックスはUEパネルエンティティ(論理エンティティ)に関連付けることができる。
- UEは、DL RSと能力インデックスとの間の関連付けの有効性についてタイマを開始する。
【0096】
4.UEは、能力インデックス(ステップ1で提供される)ごとに最良のM個のDL RSを決定し、UEは、DL RSを報告する(この例では、Mは2であると想定される)。
- 能力インデックスごとに最良のDL RSを決定するための基準は、例えば、能力インデックスに関連付けられた受信パネルを使用してUEが測定した参照信号受信電力(dBm)であり得る。
- 報告は次のようになり得る:
インデックス#0:DL RS#b、DL RS#t
インデックス#1:DL RS#d、DL RS#g
インデックス#2:DL RS#e、DL RS#h
・1つのオプションでは、UEはフォールバック動作のDL RSも報告する。
・別のオプションでは、タイマの期限切れ後にDL RSの第1のセットがフォールバックRSとして機能するように、UEが対応するRSを用いて能力インデックスを順番付けする。
【0097】
5.gNBは、実現可能なDL RSの能力インデックスごとに認識し、繰り返し「ON」で構成されたCSI-RSリソースセットごとに、能力インデックスごとに報告されたM個のRSのうちの1つをQCLソースとして選択することができる。
- gNBは、報告に基づいて、特定のリソースセットのQCLソースを新しいDL RSで更新してもよい。
【0098】
6.タイマが(UEの条件に基づいてUEによって、または報告に基づいてgNBによって)リセットされた場合、または能力インデックスに関連付けられた報告されたDL RSに関連して期限切れになった場合、gNBとUEはフォールバック動作を想定する。
- フォールバック動作では、DL RSと能力インデックスとの間の関連付けは有効ではなく、UEはフォールバックRSを適用して、ダウンリンク信号受信用のRXビームおよび/またはアップリンク信号送信用のTXビームを決定する。
【0099】
4b.コードブックベースのPUSCH送信の実装例:
1.UEは、SRSリソースごとにサポートするポートの数に関して能力セットを提供する:
- nrOfPorts0(インデックス#0):=1
- nrOfPorts1(インデックス#1):=2
【0100】
2.構成されると、UEはL1-RSRP測定を行い、使用法が以下に基づく「コードブック」に設定されたSRSリソースセットの構成への条件である最良のDL RSを報告する:
- 測定時に、UEはDL RSと能力インデックスとの間の関連付けを検証するためのタイマを開始する。
- UEは、SRSリソースセット内の特定のSRSリソースの実現可能な空間ソースとなる最良のM個のDL RSを報告する。
o Mは{1,2,3,4}の可能性がある
o 条件付き条件は、UEは、使用法が「コードブック」に設定された設定済みのSRSリソースセットの、SRSリソース#0に対して実現可能な空間ソースである/能力インデックス0に関連付けられる、個別にSRSリソース#1に対して実現可能な空間ソースである/能力インデックス1に関連付けられる、などのDL RSを個別に報告することになることを意味する。
o UEは、その後、DL RSの複数のセットを報告することができ、各セットは、特定のSRSリソースに対応する/SRSリソースセット内の能力インデックスに関連付けられる。
o 能力インデックスごとに最良のDL RSを決定するための基準は、例えば、仮想電力ヘッドルームまたは推定されたUL RSRP値であり得る。つまり、潜在的なアップリンク送信電力能力を考慮に入れることである。例えば、MPEの問題により、UEはDL RSRP測定のみに基づいて要求される送信電力を使用できなくなる可能性がある。一般に、選択されたDL RSは、UEがUL送信に十分な送信電力を使用できるようにするものになる。
- UEはフォールバックRSを報告することもできる。これらは、例えばMPEの観点から、選択されたRSに基づいて、UEがTXビームを使用して十分に高い送信電力を使用できるようにも選択されるであろう。
- gNBは、UEが特定のSRSリソース送信にも使用するアンテナパネルを使用して、報告されたDL RSを測定すると想定できる。
- この報告は、DL TXビーム選択のための最良のDL RSのL1-RSRP(測定および)報告とは異なる別個の報告とすることができる。
【0101】
3.UEはSRSリソースセットのトリガリングを受信し、それに応じて送信を行う。
【0102】
4.タイマが(UEの条件に基づいてUEによって、または報告に基づいてgNBによって)リセットされたか、期限切れになった場合、UEとgNBは、フォールバック動作に移行し、異なるポート数を有するSRSリソースが有効ではないか、またはポート数が同じ(例えば、UEが提供する複数の値の最小値)に構成され、フォールバックRSが各SRSリソースのTXビームを決定するために使用される。
【0103】
4c.結合DL/UL、または個別のDLまたはUL TCI状態(以下では単にTCI状態)のアクティブ化の実装例
1.UEは、アクティブ化遅延に関して設定された能力を提供する:
a.activateDelayGroup0(インデックス#0):=X
b.activateDelayGroup1(インデックス#1):=Y(Y>X)
【0104】
2.UEは、TCI状態で実現可能な空間ソースとなる測定されたDL RSをグループにグループ化し、各グループ内のDL RSがactivationDelayGroup0に関連付けられ、異なるグループのDL RSがactivationDelayGroup1に関連付けられる。
a.後者は、現在アクティブなUL TCI状態のDL RSとは異なるグループからのDL RSを有するTCI状態をアクティブにする、またはTCI状態に切り替えるには時間Yが必要になることを意味する。アクティブ化されるTCI状態のDL RSが、現在アクティブなTCI状態のDL RSと同じグループからである場合、アクティブ化には時間Xがかかる。
b.測定時に、UEはDL RSと能力インデックスとの間の関連付けを検証するためのタイマを開始する。
【0105】
3.UEは、上記のステップで説明したように形成されたグループを報告する。
【0106】
4.UEとgNBは、TCIベースのアクティブ化の適用時間について共通の理解を有する。
a.UEが、QCL/空間ソースとしてのDL RSが現在アクティブなTCI状態のDL RSと同じグループにあると報告されているTCI状態のアクティブ化を受信した場合、適用時間はXである。
b.それ以外の場合、適用時間はYである。
【0107】
5.タイマが(UEの条件に基づいてUEによって、または報告に基づいてgNBによって)リセットされたか、期限切れになった場合、UEとgNBはフォールバック動作に移行し、適用時間はYになる。
【0108】
4d.結合DL/UL、または個別のDLまたはUL TCI状態(以下では単にTCI状態)の選択の実装例
1.UEは、TCI状態選択遅延に関して設定された能力を提供する:
a.selectionDelayGroup0(インデックス#0):=W(W<X)
b.selectionDelayGroup1(インデックス#1):=Z(Z>W;Z<X)
【0109】
2.UEは、TCI状態で実現可能な空間ソースとなる測定されたDL RSをグループにグループ化し、各グループ内のDL RSがselectionDelayGroup0に関連付けられ、異なるグループのDL RSがselectionDelayGroup1に関連付けられる。
a.後者は、現在選択されているTCI状態のDL RSとは異なるグループからのDL RSを持つTCI状態を選択するには時間Zがかかることを意味する。選択されるTCI状態のDL RSが、現在選択されているTCI状態のDL RSと同じグループからである場合、選択には時間Wがかかる。
b.ここで、グループは、上記のアクティブ化機能で定義されたグループ内のサブグループであり得る。
i.例えば、アクティブ化機能では、グループサイズは4である可能性があり、ここでUEはサイズ2の2つのサブグループを報告し得る。各サブグループのDL RSはselectionDelayGroup0に関連付けられ、異なるサブグループのDL RSはselectionDelayGroup1に関連付けられる。
c.測定時に、UEはDL RSと能力インデックスとの間の関連付けを検証するためのタイマを開始する。
【0110】
3.UEは、上記のステップで説明したように形成されたグループを報告する。
【0111】
4.UEとgNBは、TCIベースの選択の適用時間について共通の理解を有する。
a.UEが、QCL/空間ソースとしてのDL RSが現在選択されているTCI状態のDL RSと同じグループにあると報告されているTCI状態の選択インディケーションを受信した場合、適用時間はWである。
b.それ以外の場合、適用時間はZである。
【0112】
5.タイマが(UEの条件に基づいてUEによって、または報告に基づいてgNBによって)リセットされたか、期限切れになった場合、UEとgNBはフォールバック動作に移行し、適用時間はZになる。
【0113】
4e.最大の達成可能なEIRP(これは絶対値ではなく、UE上のさまざまなパネルに対する相対値になる)の実装例
1.UEは、最大の達成可能なEIRPのための能力のセットを次のようにgNBに提供する
o maximumEIRP0(インデックス#0):=0
o maximumEIRP1(インデックス#1):=3
o maximumEIRP2(インデックス#2):=6
ここで、値はdBm値を反映するのではなく、アンテナアレイ間のdB単位の相対値を反映する。例えば、1つのパネルは単一要素で構築されているため、maximumEIRP0のみが提示される;別のパネルには1x2アンテナアレイが構築されており、最大3dB高いゲイン、つまり最大EIRP1のビームを提示できる。最後に、1x4アンテナアレイは、単一要素パネルよりも6dB高いゲインを持つビームを提示し、maximumEIRP2に関連付けることができる。
【0114】
2.gNBは、L1-RSRP/L1-SINR測定および報告のためにDL RS(SSBおよび/またはCSI-RS)を使用してUEを構成する。
【0115】
3.UEは、DL RSリソースを測定し、報告されたDL RSごとにステップ1でインデックスを関連付ける。
【0116】
4.測定時に、UEはDL RSと能力インデックスとの間の関連付けを検証するためのタイマを開始する。
【0117】
5.gNBは、実現可能なDL RSの能力インデックスごとに認識し、繰り返し「ON」で構成されたCSI-RSリソースセットごとに、能力インデックスごとに報告されたM個のRSのうちの1つをQCLソースとして選択することができる。
o gNBは、報告に基づいて、新しいDL RSを使用して特定のリソースセットのQCLソースを更新することができる。
【0118】
6.タイマが(UEの条件に基づいてUEによって、または報告に基づいてgNBによって)リセットされたか、期限切れになった場合、UEとgNBはフォールバック動作に移行し、最大EIRPが未知または最小値になる。
【0119】
本明細書では、第1、第2などの用語を使用してさまざまな要素を説明することができるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用される場合、用語「および/または」には、関連するリストされた項目の1つ以上のあらゆる組み合わせが含まれる。
【0120】
要素が別の要素に「接続されている」または「結合されている」と称されるとき、他の要素に直接接続または結合することも、介在要素が存在することもできる。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続されている」または「直接結合されている」と称されるとき、介在する要素は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の単語も同様に解釈する必要がある(例えば、「間」と「直接の間」、「隣接」と「直接隣接」など)。
【0121】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図したものではない。本明細書で使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形も含むものとする。「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含んでいる(including)」という用語は、本明細書で使用されるとき、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を指定するが、1つ以上の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されるだろう。
【0122】
いくつかの代替実装では、記載された機能/動作が、図に記載された順序から外れて発生し得ることにも留意されたい。例えば、連続して示される2つの図は、実際には、関連する機能/動作に応じて、実質的に同時に実行されることもあれば、逆の順序で実行されることもある。
【0123】
例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、特定の詳細が上に提供されている。しかし、当業者であれば、これらの特定の詳細がなくても例示的な実施形態を実施できることが理解されよう。例えば、システムは、不必要な詳細で例示的な実施形態を曖昧にしないように、ブロック図で示されてもよい。他の例では、例示的な実施形態を曖昧にすることを避けるために、知られているプロセス、構造、および技術が不必要な詳細を省略して示され得る。
【0124】
本明細書で説明するように、例示的な実施形態は、(例えば、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、ブロック図などの形式の)作動および動作のシンボル的表現を参照して説明され、特定のタスクを行うか、特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む、プログラムモジュールまたは機能プロセスとして実装され得、および、例えば、既存のUE、基地局、eNB、RRH、gNB、フェムト基地局、ネットワークコントローラ、コンピュータ、セントラルユニット(CU)、ng-eNB、他の無線アクセスまたはバックホールネットワーク要素などの既存のハードウェアを使用して実装されてもよい。このような既存のハードウェアは、1つ以上のプロセッサ、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、1つ以上のコントローラ、1つ以上の算術論理演算ユニット(ALU)、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、1つ以上のマイクロコンピュータ、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ以上のシステムオンチップ(SoC)、1つ以上のプログラマブル論理ユニット(PLU)、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、または定義された方法で命令に応答して命令を実行できるその他の(1つ又は複数の)デバイスなどの処理回路または制御回路であり得るが、これらに限定されない。
【0125】
フローチャートは動作を逐次プロセスとして説明することができるが、動作の多くは並列して、並行して、または同時に行うことができる。さらに、動作の順序は並べ替えられてもよい。プロセスは、その動作が完了すると終了し得るが、図には含まれていない追加のステップがある場合もある。プロセスは、方法、機能、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。プロセスが機能に対応するとき、その終了は、呼び出し関数またはメイン関数への関数の復帰に対応し得る。
【0126】
本明細書で開示される「記憶媒体」、「コンピュータ可読記憶媒体」、または「非一時的なコンピュータ可読記憶媒体」という用語は、データを記憶するための1つ以上のデバイスを表し得、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、および/または情報を記憶するためのその他の有形の機械可読媒体を含む。「コンピュータ可読媒体」という用語には、携帯型または固定型の記憶デバイス、光記憶デバイス、および命令および/またはデータを記憶、収容、または搬送することができる他のさまざまな媒体が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0127】
さらに、例示的な実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組み合わせによって実装され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実装されるとき、必要なタスクを行うためのプログラムコードまたはコードセグメントは、コンピュータ可読記憶媒体などの機械またはコンピュータ可読媒体に記憶され得る。ソフトウェアに実装されるとき、1つ以上のプロセッサが必要なタスクを行う。例えば、上述したように、1つ以上の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つのメモリは、コンピュータプログラムコードを含むか、または記憶することができ、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ネットワーク要素またはネットワークデバイスに必要なタスクを行わせるように構成され得る。さらに、コンピュータプログラムコードとして符号化されたプロセッサ、メモリ、および例示的なアルゴリズムは、本明細書で説明される動作を行うことを提供するための、または行わせるための手段として機能する。
【0128】
コンピュータプログラムコードのコードセグメントは、手順、機能、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、または命令、データ構造もしくはプログラムステートメントの任意の組み合わせを表すことができる。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリ内容を渡すおよび/または受け取ることによって、別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合することができる。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージ受け渡し、トークン受け渡し、ネットワーク送信などの適切な技術を介して受け渡し、転送、または送信できる。
【0129】
本明細書で使用される「含んでいる(including)」および/または「有している(having)」という用語は、含んでいる(すなわち、オープンランゲージ)と定義される。本明細書で使用される「結合された」という専門用語は、必ずしも直接的ではなく、また必ずしも機械的にではないが、接続されていると定義される。「示す」という言葉から派生した用語(例えば、「示している」や「インディケーション」)は、示されているオブジェクト/情報を通信または参照するために利用できるさまざまな技術をすべて包含することを意図している。示されているオブジェクト/情報の通信または参照に利用できる技術の例(すべてではない)の一部は、示されているオブジェクト/情報の伝達、示されているオブジェクト/情報の識別子の伝達、示されているオブジェクト/情報を生成するために使用される情報の伝達、示されているオブジェクト/情報のいくつかの部分または一部の伝達、示されているオブジェクト/情報の何らかの派生物の伝達、および、示されているオブジェクト/情報を表す何らかのシンボルの伝達を含む。
【0130】
例示的な実施形態によれば、UE、基地局、eNB、RRH、gNB、フェムト基地局、ネットワークコントローラ、コンピュータ、セントラルユニット(CU)、ng-eNB、その他の無線アクセスまたはバックホールネットワーク要素などは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアを実行するハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい(またはそれらを含む)。このようなハードウェアには、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のCPU、1つ以上のコントローラ、1つ以上のALU、1つ以上のDSP、1つ以上のマイクロコンピュータ、1つ以上のFPGA、1つ以上のSoC、1つ以上のPLU、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のASIC、または定義された方法で命令に応答して命令を実行できるその他の1つ又は複数のデバイスなどの処理または制御回路が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0131】
利益、他の利点、および問題の解決策は、本発明の特定の実施形態に関して上で説明された。しかし、利益、利点、問題の解決策、および、そのような利益、利点、または解決策を引き起こす、または結果として生じ得る(1つ又は複数の)要素、あるいは、そのような利益、利点、または解決策がより顕著になるようにさせる要素は、請求項の一部またはすべての重要な、必要な、または必須の特徴または要素として解釈されるべきではない。
【国際調査報告】