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特表2024-521199ピリミジン及びピリジンアミン化合物並びに疾患治療におけるその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】ピリミジン及びピリジンアミン化合物並びに疾患治療におけるその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 403/04 20060101AFI20240521BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240521BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20240521BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240521BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
C07D403/04 CSP
A61P25/00
A61P3/10
A61P1/16
A61P43/00 111
C07D401/04
C07D405/14
C07D403/14
A61K31/506
A61K31/4439
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573487
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 US2022022933
(87)【国際公開番号】W WO2022256075
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】17/334,921
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
(71)【出願人】
【識別番号】515255973
【氏名又は名称】エピゲン バイオサイエンシズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】EPIGEN BIOSCIENCES,INC.
【住所又は居所原語表記】10255 Barnes Canyon Road,Suite 104A,San Diego,CA 92121,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ビートン,グラハム
(72)【発明者】
【氏名】ラヴラ,サティーシュ,ビー.
(72)【発明者】
【氏名】トゥッチ,ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】リー,スーク,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】シャー,チャンドラヴァダン,アール.
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC36
4C086BC42
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA75
4C086ZC20
4C086ZC35
(57)【要約】
限定されないが、癌、線維性障害、代謝障害及び特定の神経障害を含むS6K依存性又はS6K媒介性疾患及び病態の治療に有用な酵素p70S6K阻害剤であるピリミジン及びピリジンアミン含有化合物が本明細書に記載される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造:
【化1】

(式中、Xは、=N-又は置換若しくは非置換である炭素原子であり;
は、-H、-CN、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、-C(O)R又は-SOであり;
A’は、-H、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル又は-C(O)Rであり;
は、置換フェニル又はC~Cヘテロアリール(Ar若しくはHetAr)であり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され;
は、結合又はC~C非分枝鎖状アルキレン、C~Cシクロアルキレン若しくは3~6員ヘテロシクロアルキレンであり、これらのいずれか1つは、非置換であるか、又は互いに独立して1つ若しくは2つのRによって置換され、及び/又は-O-、-NH-若しくは-CO-によって独立して置換されるその-CH-基の1つ、2つ若しくは3つを有するか、又はLは、C~C分枝鎖状アルキレンであり、前記C~C分枝鎖状アルキレンは、非置換であるか、又は互いに独立して1つ若しくは2つのRによって置換され、及び/又は-O-、-NH-若しくは-CO-によって独立して置換されるその-CH-基の1つ、2つ若しくは3つを有し、及び/又は-N-によって置換されるその-CH-基の1つを有し;
は、C若しくはC10アリール又はC~C10ヘテロアリールであり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され、
環Aは、
【化2】

の構造を有するピラゾール部分であり、式中、一方の破線は、存在する場合、Lへの共有結合を示すか、又はLが存在しない場合にはRを示し、及び他方の破線は、6員窒素含有複素環への共有結合を示し;
前記ピラゾール部分は、非置換であるか、又はその芳香族炭素原子において1つ若しくは2つのR置換基で置換され、各Rは、存在する場合、独立して、一価のC結合された部分、-OH、-CN、C~Cアルコキシ、-OC~Cフルオロアルキル、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
は、-H、又は非置換若しくは置換C~Cアルキル、又はアミノ酸部分であり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択されるか、又は一緒になって置換若しくは非置換C~C炭素環若しくは複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH、-NMe、-CONH、-CONHMe、-CONMe、-COOH、-CH及び-CFからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択されるか、又は一緒になって置換若しくは非置換C~C炭素環若しくは複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
式Iのピリミジン又はピリジン環の残りの芳香族炭素原子は、非置換であるか、又はRによって独立して置換され;
各Rは、存在する場合、独立して、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)及び-CNからなる群から選択されるか、又はC~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、-CN、-NH及び-OHからなる群から選択される)
を有する式Iの化合物又はその塩。
【請求項2】
前記ピラゾール部分は、非置換である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は、-Hであり、Xは、=N-又は=CH-である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
は、置換フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
中のRは、存在しないか、又はRの1つ若しくは2つは、存在し、及び独立してハロゲン及びC~Cアルコキシからなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
中のRの1つのみは、存在し、及び-Clである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
中のRの2つは、存在し、及び独立して-F及び-OCHからなる群から選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
は、置換又は非置換フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
中のRは、存在し、及び-ハロゲン又はC~Cフルオロアルキルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
は、-CFである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
は、-CH(R)-である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
は、-Hによって置換されるか、又は-CHNHである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
式VIII:
【化3】

(式中、
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン及びC~Cアルコキシからなる群から選択され;
下付き文字nは、0、1又は2であり;
は、-Hによって置換されるか、又は-CHNHであり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン及びC~Cフルオロアルキルからなる群から選択され;及び
下付き文字mは、0、1又は2である)
の構造を有する、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項14】
式IX:
【化4】

(式中、Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン及びC~Cアルコキシからなる群から選択され;
下付き文字nは、0、1又は2であり;
は、水素によって置換されるか、又は-CHNHであり、
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン及びC~Cフルオロアルキルからなる群から選択され;及び
下付き文字mは、0、1又は2である)
の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
表1又はその塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、(R,S)-5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、(R,S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-フェニルエタノール、(R,S)-6-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(1-フェニルエテニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、(R,S)-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}フェニルアセトアミド、(R,S)-N,N-ジメチル{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}フェニルアセトアミド、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(o-トリル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(m-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(m-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-クロロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[o-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-トリフルオロメトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(o-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、{1-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-4-イル}フェニルメタノン、6-(4-ベンジル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-フルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-[p-(メチルスルホニル)フェニル]-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3,4-ジクロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(4-クロロ-3-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-トリフルオロメトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(2,2-ジフルオロ-2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、5-クロロ-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、3-(p-メトキシフェニル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、3-(p-クロロフェニル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、5-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、N-[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アセトアミド、N-アセチル-N-[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アセトアミド、(メチルスルホニル)[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン、N,N-ジメチル[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン、N-メチル[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[3-(トリフルオロメチル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(3-フルオロ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(3,5-ジメチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(3-メチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、6-{1-[(1H-1,3-ベンズイミダゾール-2-イル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、p-({4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}メチル)ベンゾニトリル、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(1H-1,2,7-トリアザインデン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-1H-1,3-ベンズイミダゾール-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-メトキシフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[m-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-クメニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(2-ナフチル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(m-メトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン又はその塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
対象におけるS6K依存性又はS6K媒介性疾患又は病態を治療する方法であって、有効量の、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項18】
前記化合物は、表1又はその薬学的に許容される塩から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物は、6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、(R,S)-5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、(R,S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-フェニルエタノール、(R,S)-6-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(1-フェニルエテニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、(R,S)-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}フェニルアセトアミド、(R,S)-N,N-ジメチル{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}フェニルアセトアミド、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(o-トリル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(m-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(m-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-クロロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[o-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-トリフルオロメトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(o-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、{1-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-4-イル}フェニルメタノン、6-(4-ベンジル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-フルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-[p-(メチルスルホニル)フェニル]-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3,4-ジクロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(4-クロロ-3-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-トリフルオロメトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(2,2-ジフルオロ-2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、5-クロロ-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、3-(p-メトキシフェニル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、3-(p-クロロフェニル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、5-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、N-[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アセトアミド、N-アセチル-N-[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アセトアミド、(メチルスルホニル)[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン、N,N-ジメチル[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン、N-メチル[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[3-(トリフルオロメチル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(3-フルオロ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(3,5-ジメチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(3-メチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、6-{1-[(1H-1,3-ベンズイミダゾール-2-イル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、p-({4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}メチル)ベンゾニトリル、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(1H-1,2,7-トリアザインデン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-1H-1,3-ベンズイミダゾール-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-メトキシフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[m-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-クメニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(2-ナフチル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(m-メトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン又はその薬学的に許容される塩である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記S6K依存性疾患又は病態は、糖尿病及び糖尿病性合併症、臓器線維症、肝疾患及び自閉症スペクトラム障害からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記S6K媒介性疾患又は病態は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)又は脆弱性X症候群である、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的に許容される製剤。
【請求項23】
前記化合物は、表1又はその薬学的に許容される塩から選択される、請求項22に記載の薬学的に許容される製剤。
【請求項24】
前記化合物は、6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、(R,S)-5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、(R,S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-フェニルエタノール、(R,S)-6-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(1-フェニルエテニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、(R,S)-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}フェニルアセトアミド、(R,S)-N,N-ジメチル{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}フェニルアセトアミド、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(o-トリル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(m-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(m-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-クロロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[o-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-トリフルオロメトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(o-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、{1-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-4-イル}フェニルメタノン、6-(4-ベンジル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-フルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-[p-(メチルスルホニル)フェニル]-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3,4-ジクロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(4-クロロ-3-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-トリフルオロメトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(2,2-ジフルオロ-2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、5-クロロ-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、3-(p-メトキシフェニル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、3-(p-クロロフェニル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、5-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、N-[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アセトアミド、N-アセチル-N-[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アセトアミド、(メチルスルホニル)[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン、N,N-ジメチル[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン、N-メチル[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[3-(トリフルオロメチル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(3-フルオロ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(3,5-ジメチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(3-メチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、6-{1-[(1H-1,3-ベンズイミダゾール-2-イル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、p-({4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}メチル)ベンゾニトリル、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(1H-1,2,7-トリアザインデン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-1H-1,3-ベンズイミダゾール-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-メトキシフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[m-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-クメニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(2-ナフチル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(m-メトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン又はその薬学的に許容される塩である、請求項22に記載の薬学的に許容される製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月31日に出願された米国特許出願公開第17/334,921号に対する優先権の利益を主張するものであり、この特許出願の内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
政府の利益についての陳述
本発明は、米国国立衛生研究所によって認可された助成金番号CA183195及びMH115529の下で政府の支援によってなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0003】
発明の分野
本発明は、哺乳動物における癌、線維性障害、代謝障害及び特定の神経障害などの疾患の治療に有用な一連の複素環式ピリミジン及びピリジンアミン化合物に関する。哺乳動物、特にヒトにおける疾患の治療におけるこのような化合物の使用及びこのような化合物を含有する医薬組成物も本発明によって包含される。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
プロテインキナーゼは、細胞内の多様なシグナル伝達プロセスの制御に関与する、構造的に関連する酵素の大きいファミリーを構成する[Hardie (1995)]。キナーゼは、限定されないが、増殖、分化、アポトーシス、運動性、転写、翻訳及び他のシグナル伝達プロセスを含む多くの様々な細胞プロセスを調節する。タンパク質リン酸化の制御の欠陥による機能不全のシグナル伝達は、例えば、炎症、癌、アレルギー/喘息、免疫系の疾患及び病態、中枢神経系の疾患及び病態並びに血管新生を含む多くの疾患に関与している。酵素p70S6Kは、S6リボソームタンパク質のリン酸化によってタンパク質合成を調節する。p70S6K(S6K)活性化は、細胞周期制御、神経細胞分化、細胞運動性の調節並びに腫瘍転移、免疫応答及び組織修復において重要な細胞応答に関与している。
【0005】
腫瘍細胞増殖及びアポトーシスからの細胞の保護にS6Kが果たす役割は、腫瘍組織における成長因子受容体シグナル伝達、過剰発現及び活性化へのその関与に基づいて裏付けられる。[Magnuson (2012)]。S6K活性化は、乳癌及び卵巣癌細胞の指向性転移にさらに関与する[Khotskaya (2014)、Akar (2010)、Ip (2011)]。したがって、S6Kの阻害剤は、癌の治療に有用である。
【0006】
線維症によって引き起こされる組織瘢痕化は、健康上の合併症をもたらす増殖状態である。特発性肺線維症(IPF)は、肺組織が瘢痕化して、息切れをもたらす疾患であり、利用可能な治療がほとんどない。S6Kは、肺線維症の複数の側面に関与しており[Madala (2016)]、これは、S6K阻害剤がIPFにおいて有用であることを示す。
【0007】
S6Kの非存在は、インスリン感受性を高めながら加齢及び食事誘発性肥満を防ぐ。S6K阻害は、代謝性疾患及び障害、例えば、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム、インスリン抵抗性、高血糖、高アミノ酸血症及び脂質異常症に有用であり、これらの知見に基づいて裏付けられる。これらの知見に関連して、S6K阻害は、肝臓におけるこの経路の機能不全を治療し、したがって肝線維症、肝臓癌及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む病態を治療するための治療手法として特定されている[Hwahng (2009)、Gabele (2005)、Bae (2012)]。
【0008】
S6Kに関連付けられる異常なニューロン翻訳は、脆弱性X症候群[Bhattacharya (2012)、Bhattacharya (2015)]を含む自閉症スペクトラム障害として知られているいくつかの精神神経疾患[Ehninger (2011)]において明らかである。S6K活性化は、これらの病態における重要な因子として報告されており、これは、S6K阻害剤がこのような疾患の治療に有用であろうことを示唆している。
【0009】
そのシグナル伝達経路を介して(すなわち競合若しくは非競合阻害又は逆作動薬若しくは活性化因子又はアロステリック増強剤若しくは阻害剤として作用することによって)シグナル伝達を変化させるようにS6Kを調節する薬剤は、本明細書に記載される疾患の発現を低下させる。S6K阻害に好適であると記載される化合物は、国際公開第03/064397号、国際公開第04/092154号、国際公開第05/054237号、国際公開第05/056014号、国際公開第05/033086号、国際公開第05/117909号、国際公開第05/039506号、国際公開第06/120573号、国際公開第06/136821号、国際公開第06/071819号、国際公開第06/131835号、国際公開第08/140947号、国際公開第10/093419号、国際公開第10/056563号、国際公開第12/013282号、国際公開第12/016001号及び国際公開第12/069146号に開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
複素環式化合物、それらの調製方法並びに癌、線維性障害、代謝障害及び特定の神経障害などの疾患の治療におけるその使用が本明細書に開示される。
【0011】
本発明の複素環式化合物は、構造:
【化1】

を有する式Iの化合物又はその塩(薬学的に許容される塩を含む)若しくはプロドラッグを含み、式中、Xは、=N-又は置換若しくは非置換である芳香族炭素原子であり;
は、-H、-CN、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、-C(O)R、-SOであり;
A’は、-H、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル又は-C(O)Rであり;
は、置換フェニル又はC~Cヘテロアリール(Ar若しくはHetAr)であり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され;
は、結合又はC~C非分枝鎖状アルキレン、C~Cシクロアルキレン若しくは3~6員ヘテロシクロアルキレンであり、これらのいずれか1つは、非置換であるか、又は互いに独立して1つ若しくは2つのRによって置換され、及び/又は-O-、-NH-若しくは-CO-によって独立して置換されるその-CH-基の1つ、2つ若しくは3つを有するか、又はLは、C~C分枝鎖状アルキレンであり、C~C分枝鎖状アルキレンは、非置換であるか、又は互いに独立して1つ若しくは2つのRによって置換され、及び/又は-O-、-NH-若しくは-CO-によって独立して置換されるその-CH-基の1つ、2つ若しくは3つを有し、及び/又は-N-によって置換されるその-CH-基の1つを有し;
は、C若しくはC10アリール又はC~C10ヘテロアリールであり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され、
環Aは、
【化2】

の構造を有するピラゾール部分であり、式中、一方の破線は、存在する場合、Lへの共有結合を示すか、又はLが存在しない場合にはRを示し、及び他方の破線は、6員窒素含有複素環への共有結合を示し、
ピラゾール部分は、非置換であるか、又はその芳香族炭素原子において1つ若しくは2つのR置換基で置換され、各Rは、存在する場合、独立して、一価のC結合された部分、-OH、-CN、C~Cアルコキシ、-OC~Cフルオロアルキル、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
は、-H、又は非置換若しくは置換C~Cアルキル、又はアミノ酸部分であり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH、-NMe、-CONH、-CONHMe、-CONMe、-COOH、-CH及び-CFからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
式Iのピリミジン又はピリジン環の残りの芳香族炭素原子は、非置換であるか、又はRによって独立して置換され;
各Rは、存在する場合、独立して、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)及び-CNからなる群から選択されるか、又はC~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、-CN、-NH及び-OHからなる群から選択される。
【0012】
本発明の他の化合物は、番号付けされた実施形態及び特許請求の範囲に記載される構造を有する。
【0013】
S6K依存性疾患又は病態の対象を治療するための、式1の化合物を含む薬剤が、前記S6K依存性又はS6K媒介性疾患又は病態を治療する方法と一緒にさらに開示される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明
定義
本明細書において使用される際及び特に記載しない限り又は文脈により示唆されない限り、本明細書において使用される用語は、以下に定義される意味を有する。例えば、これらの定義中に及び本明細書全体を通して相互に排他的な要素又は選択肢を含むことにより、特に禁止も示唆もされない限り、「1つの(a)」及び「1つの(an)」という用語は、1つ以上を意味し、「又は」という用語は、文脈上認められる場合、及び/又はを意味する。したがって、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される際、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、文脈上特に明記されない限り、複数形の指示対象を含む。
【0015】
本開示の様々な箇所において、例えば、任意の開示される実施形態又は特許請求の範囲において、1つ以上の特定の構成要素、要素又は工程「を含む」化合物、組成物又は方法が言及される。本発明の実施形態は、それらの特定の構成要素、要素又は工程であるか又はそれからなるか又はそれから本質的になる化合物、組成物又は方法も特に含む。「含む」、「からなる」及び「から本質的になる」という用語は、特に具体的に記載されない限り、米国特許法の下でそれらの通常認められる意味を有する。「構成される」という用語は、「含む」という用語と同義的に使用され、同義語として記載される。例えば、構成要素又は工程「を含む」開示される組成物、デバイス、製品又は方法は、非限定的であり、それらは、それらの組成物又は方法に加えて、本明細書に開示される組成物又は方法の使用に悪影響を与えない又は無効にしないさらなる構成要素又は工程を含むか又はそのように読める。同様に、構成要素又は工程「からなる」開示される組成物、デバイス、製品又は方法は、限定的であり、それらは、かなりの量のさらなる構成要素又はさらなる工程を含む組成物又は方法を含まないか又はそのように読めない。さらに、「包含している」という用語並びに「包含する(include)」、「包含する(includes)」及び「包含される」などの他の形態の使用は、限定的ではない。本明細書において使用される項見出しは、構成のためのものに過ぎず、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。特に示されない限り、質量分析、NMR、HPLC、タンパク質化学、細胞生物学、生化学、薬理学、組み換えDNA技術及び細胞培養の従来の方法が用いられる。
【0016】
本明細書において使用される際の「結合」又は「単結合」は、2つの原子間又は結合によって連結される原子がより大きい部分構造の一部であるとみなされる場合には2つの部分間の化学結合を意味する。明確に記載されるか、又は文脈により示唆される際、本明細書に記載される基が結合である場合、言及される基は存在せず、それにより残りの特定される基間に結合が形成されることが可能である。
【0017】
本明細書において使用される際の「員環」は、任意の環状構造を意味する。「員」という用語は、環を構成する骨格原子の数を表すことが意図される。したがって、例として、以下に限定されないが、それらの員環としては、6員環であるシクロヘキシル、ピリジニル、ピラニル及びチオピラニル並びに5員環であるシクロペンチル、ピロリル、フラニル及びチエニルが挙げられる。
【0018】
本明細書において使用される際の「部分」は、分子又は化合物の特定の部分、断片又は官能基を意味する。化学部分は、分子若しくは化合物中に埋め込まれるか又は分子若しくは化合物に付加された化学部分(すなわち置換基又可変基)として示されることがある。
【0019】
本明細書において使用される際の「アルキル」は、メチルであるか、或いはラジカルsp炭素中心を有するノルマル、第二級、第三級若しくは環状配置、すなわち直鎖状、分枝鎖状若しくは環状配置(すなわちシクロアルキル)又はそれらのある組合せで一緒に共有結合される(すなわち連続した)炭素原子の群である。より大きい構造又は部分へのアルキル置換基は、メチルであるか、或いはアルキル置換基のラジカルsp炭素を介してそれが会合される構造又は部分に共有結合される連続した炭素原子の群である。したがって、本明細書において使用される際のアルキル置換基は、少なくとも1つの飽和部分又は基を含有し、特に明確に記載されない限り又は文脈上他の意味に解すべき場合を除き、さらなる不飽和アルキル部分又は基を有するものを含み、連続した飽和アルキル部分若しくは基の基内の又はメチルにおける水素原子の1つ以上は、独立して選択される不飽和アルキル部分又は基によって置換され、すなわち、アルキル置換基は、炭素原子及び1つ、2つ、3つ又はそれを超える、独立して選択される不飽和アルキル部分又は基の単一の又は連続した基であり、アルキル置換基内のこのような部分又は基が存在する場合、特に明確に記載されない限り又は文脈上他の意味に解すべき場合を除き、1つ、2つ、3つ又はそれを超える、独立して選択される二重結合若しくは三重結合又はそれらの組合せ、典型的にはアルキル置換基内のこのような不飽和が存在する場合、1つの二重結合又は1つの三重結合を含有する又はさらに含有するものを含む。
【0020】
飽和アルキル又はシクロアルキル置換基は、sp炭素原子及び非芳香族、sp又はsp炭素原子を含有する。不飽和アルキル置換基、部分又は基は、アルケニル、シクロアルケニル及びアルキニル部分について後述されるとおりであり、少なくとも1つのsp炭素原子をさらに含有する。典型的には、飽和アルキル又はシクロアルキルは、アルカン又はシクロアルカンのそのsp炭素原子の1つからの水素原子は、ラジカル中心を提供するように除去された親アルカン又はシクロアルカンに関連している。
【0021】
飽和又は不飽和アルキル置換基、部分又は基における炭素原子の数は、変化することがあり、特に規定されない限り、典型的には1~約50、例えば1~30、1~20又は1~10、より典型的には1~8又は1~6であり、例えば、C1~8アルキル又はC1~C8アルキルは、1、2、3、4、5、6、7又は8つの炭素原子を含有するアルキル置換基、部分又は基を意味し、炭素原子の1つ以上がsp炭素であり、C1~6アルキル又はC1~C6は、1、2、3、4、5又は6つの炭素原子を含有するアルキル置換基、部分又は基を意味し、炭素原子の1つ以上がsp炭素原子である。アルキル置換基、部分又は基が規定される場合、化学種は、飽和アルキル部分、例えば、メチル、エチル、1-プロピル(n-プロピル)、2-プロピル(イソ-プロピル、-CH(CH)、1-ブチル(n-ブチル)、2-メチル-1-プロピル(イソ-ブチル、-CHCH(CH)、2-ブチル(sec-ブチル、-CH(CH)CHCH)、2-メチル-2-プロピル(t-ブチル、-C(CH)、アミル、イソアミル、sec-アミル及び他の直鎖状、環状及び分枝鎖状飽和アルキル部分を含む。特に規定されない限り、アルキル基は、非置換であるか、又は他の場合、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、(ヘテロ)アリール、アルキル(ヘテロ)アリール基などについて後述される環状飽和種及び/又は不飽和種及び基によって置換される。
【0022】
本明細書において使用される際の「シクロアルキル」は、ラジカル中心を有する単環式、二環式、三環式又は多環式環系であり、炭素原子のみから構成され、少なくとも1つの炭素原子が飽和している。「シクロアルキル」という用語は、単環式、二環式、三環式又は多環式脂肪族部分を包含し、環を形成する原子(すなわち骨格原子)のそれぞれが炭素原子である。より大きい構造又は部分へのシクロアルキル置換基は、環状環系のラジカル炭素を介してそれが会合される構造又は部分に共有結合される環状炭素原子の群である。典型的には、シクロアルキルは、その環炭素原子の1つからの水素原子は、ラジカル中心を提供するように除去された親シクロアルカン又はシクロアルケンに関連している。
【0023】
シクロアルキル置換基、部分又は基における炭素原子の数は、変化することがあり、特に規定されない限り、典型的には3~約50、例えば3~30、3~20又は3~10、より典型的には3~8又は3~6であり、例えば、C3~8シクロアルキル又はC3~C8シクロアルキルは、環状配置で3、4、5、6、7又は8つの炭素原子を含有するシクロアルキル置換基、部分又は基を意味し、C3~6シクロアルキル又はC3~C6シクロアルキルは、環状配置で3、4、5又は6つの炭素原子を含有するシクロアルキル置換基、部分又は基を意味する。シクロアルキル置換基、部分又は基は、典型的には、ある態様において、環外若しくは環内二重結合又は環内三重結合又は両方の組合せを含む環状配置で3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の炭素原子を有し、環内二重若しくは三重結合又は両方の組合せは、4n+2個の電子の環状共役系を形成しない(すなわち芳香族でない)。二環式環系は、1つ(すなわちスピロ環系)又は2つの炭素原子を共有するものを含み、三環式環系は、合計で2、3又は4つの炭素原子、典型的には2又は3つを共有するものを含む。特に規定されない限り、シクロアルキル置換基、部分又は基は、非置換であるか、又は他の場合、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリールなどについて記載される飽和及び/又は不飽和部分及び基によって置換され、1つ以上の他のシクロアルキル部分を含有し得る。したがって、シクロアルキルは、飽和又は部分的に不飽和を含む。シクロアルキルは、芳香環と縮合されたものを含むか又はさらに含み、芳香環への結合は、シクロアルキル置換基、部分又は基の2つの炭素原子を介した、芳香環の2つの隣接する炭素原子への結合である(すなわち、2つの芳香族炭素原子は、シクロアルキル環を含む)。3~10の炭素原子を有するシクロアルキル置換基、部分又は基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルを含み、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル及びシクロオクチルをさらに含む。シクロアルキル基は、置換又は非置換である。置換基構造に応じて、シクロアルキル置換基は、モノラジカル又はジラジカルのいずれか(すなわちカルボシクロとも呼ばれるシクロアルキレン)、例えば、限定されないが、シクロプロパン-1,1-ジイル、シクロブタン-1,1-ジイル、シクロペンタン-1,1-ジイル、シクロヘキサン-1,1-ジイル、シクロヘキサン-1,4-ジイル、シクロヘプタン-1,1-ジイルなど)である。
【0024】
本明細書において使用される際の「アルキルアミン」は、ラジカル窒素中心を有する-N(C~C20アルキル)基、部分又は置換基を意味し、x及びyは、x=1;y=1又はx=2;y=0である。アルキルアミンは、-N(アルキル)基を含み、x=2及びy=0であり、アルキル基は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、環状環系を形成する(すなわち、環状環系は、窒素含有複素環である)。典型的には、アルキルアミンは、その炭素ラジカル中心が窒素ラジカル中心によって置換された親アルキル又はシクロアルキルに関連している。
【0025】
本明細書において使用される際の「ヘテロアルキル」は、アルキル部分のラジカル中心以外の骨格炭素原子がヘテロ原子又は原子群によって置換されたアルキル基、部分又は置換基を意味し、基における原子の少なくとも1つは、骨格炭素原子を置換するヘテロ原子である(例えば、本明細書に定義されるLs)。それらの原子又は原子群としては、例として、以下に限定されないが、酸素、窒素、硫黄、リン又はそれらの組合せが挙げられる。ヘテロアルキルは、例示的なC~C20ヘテロアルキルであるRN-(C~C20アルキル)-などのアミノアルキル部分を含み、R及びRは、独立して、水素又はC~C20アルキル、典型的にはC~Cアルキル、C~Cアルキル若しくはC~Cアルキルから選択されるか、又はそれらが結合される窒素ヘテロ原子と一緒になって、ヘテロシクロアルキルを規定し、典型的にはRN-(C~Cアルキル)-、RN-(C~Cアルキル)-又はRN-(C~Cアルキル)-である。
【0026】
本明細書において使用される際の「ヘテロアルキレン」は、アルキレン部分の1つ以上の骨格炭素原子が炭素若しくは水素以外の1つの原子(又は複数の原子)によって置換されたか又は原子群によって置換されたアルキレン(すなわちアルカンジイル)基、部分又は置換基を意味し、基における原子の少なくとも1つは、炭素又は水素以外である(例えば、本明細書に定義されるLs)。それらの原子又は原子群としては、例として、以下に限定されないが、酸素、窒素、硫黄、リン又はそれらの組合せが挙げられる。ヘテロアルキレンは、C~C20ヘテロアルキレンを含み、典型的にはC~Cヘテロアルキレン、C~Cヘテロアルキレン又はC~Cヘテロアルキレンである。例示的なヘテロアルキレンとしては、限定されないが、-OCH-、-OCH(CH)-、-OC(CH-、-OCHCH-、-CHO-、-CH(CH)O-、-C(CHO-、-CHCHO-、-CHOCH-、-CHOCHCH-、-CHCHOCH-、-SCH-、-SCH(CH)-、-SC(CH-、-SCHCH-、-CHS-、-CH(CH)S-、-C(CHS-、-CHCHS-、-CHSCH-,-CHSCHCH-、-CHCHSCH-、-SOCH-、-SOCH(CH)-、-SOC(CH-、-SOCHCH-、-CHSO-、-CH(CH)SO-、-C(CHSO-、-CHCHSO-、-CHSOCH-、-CHSOCHCH-、-CHCHSOCH-、-NHCH-、-NHCH(CH)-、-NHC(CH-、-NHCHCH-、-CHNH-、CH(CH)NH-、-C(CHNH-、-CHCHNH-、-CHNHCH-、-CHNHCHCH-、-CHCHNHCH-などが挙げられる。
【0027】
本明細書において使用される際の「カルボン酸生物学的等価体」は、カルボン酸部分と同様の物理的、生物学的及び/又は化学的特性を示す官能基、部分又は置換基を意味する。例として、以下に限定されないが、カルボン酸生物学的等価体としては、以下のものが挙げられる。
【化3】
【0028】
本明細書において使用される際の「プロドラッグ」は、生物学的切断により、生物活性物質を得ることが可能な部分、置換基又は基を指す。多くのこのような基は、“Design of Prodrugs”, Hans Bundgaard (Elsevier, N.Y., 1985, ISBN 0-444-80675-X) (Bundgaard)に記載されており、本明細書に詳述されない。特に、Bundgaardは、1~92頁に、いくつかの官能基タイプについてのプロドラッグ及びそれらの生物学的切断反応を記載し、その開示内容は、参照により本明細書に援用される。カルボキシル及びヒドロキシル基についてのプロドラッグは、Bundgaardにおいて3~10頁、アミド、イミド及び他のNH-酸性化合物について10~27頁、アミンについて27~43頁及び環状プロドラッグについて62~70頁に詳述され、その開示内容も、参照により本明細書に援用される。プロドラッグは、ある場合には、本明細書に記載される保護基によってさらに例示される。
【0029】
本明細書において使用される際の「アルケニル」は、ラジカル中心を有する置換基、部分又は基を意味し、1つ以上の二重結合官能基(例えば、-CH=CH-又は=CH-のように)、例えば1、2、3、4、5、6つ又はそれを超える、典型的には1、2又は3つの二重結合官能基を含み、アルケニル部分がビニル(-CH=CH)でない限り、結合されたノルマル、第二級、第三級又は環状sp炭素原子、すなわち直鎖状、分枝鎖状、環状又はそれらの任意の組合せをさらに含む。複数の二重結合を有するアルケニル部分、基又は置換基は、二重結合の環状の隣接する配置が、4n+2個の電子の環状に共役した系を形成しない(すなわち芳香族でない)限り、1つ以上の介在する飽和炭素原子又はその組合せと隣接して配置されるか(すなわち1,3-ブタジエニル部分)又は隣接せずに配置される二重結合官能基を有するであろう。
【0030】
アルケニル置換基、基又は部分における炭素原子の数は、変化することがあり、特に規定されない限り、典型的には1~50、例えば2~30、2~20又は2~10、より典型的には2~8、2~6又は2~4であり、例えば、C2~8アルケニル又はC2~8アルケニルは、2、3、4、5、6、7又は8つの炭素原子を含有するアルケニル置換基、部分又は基を意味し、少なくとも1つがsp炭素であり、C2~6アルケニル又はC2~6アルケニルは、2、3、4、5又は6つの炭素原子を含有するアルケニル置換基、部分又は基を意味し、少なくとも1つがsp炭素である。アルケニル置換基、部分又は基は、典型的には、1つのsp炭素原子又は2つの隣接するsp炭素原子を有する、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、18又は20の炭素原子を有するであろう。
【0031】
アルケニル部分、基又は置換基が規定される場合、化学種は、例として、以下に限定されないが、1つ以上の二重結合を有する本明細書に記載されるアルキル又はシクロアルキル、基、部分又は置換基のいずれかを含み、メチレン(=CH)をさらに含み、これは、C-アルキレン、メチルメチレン(=CH-CH)、エチルメチレン(=CH-CH-CH)、=CH-CH-CH-CH、ビニル(-CH=CH)、アリル、1-メチルビニル、ブテニル、イソ-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、シクロペンテニル、1-メチル-シクロペンテニル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニル、シクロヘキセニル並びに少なくとも1つの二重結合官能基を含有する他の直鎖状、環状及び分枝鎖状の全ての炭素含有部分である。
【0032】
アルケニルがより大きい構造又は部分への置換基として使用される場合、アルケニルは、特に規定されない限り、アルケニル官能基のsp炭素を介してそれが会合される構造又は部分に単結合又は二重結合される。ある態様では、アルケニル置換基は、そのsp炭素の1つからの水素原子の除去によって親アルケンに関連している。他の態様では、アルケニルは、そのsp炭素原子の1つをsp炭素で置換するか、又は2つの隣接するsp炭素原子を2つの隣接するsp炭素原子で置換することにより(1つがラジカル中心を提供する)、親アルカンに関連している。
【0033】
本明細書において使用される際の「アルキニル」は、1つ以上の三重結合(-C≡C-)、例えば1、2、3、4、5、6つ又はそれを超える、典型的には1又は2つの三重結合を含み、任意選択的に1、2、3、4、5、6つ又はそれを超える二重結合を含み、残りの結合(存在する場合)が単結合であり、アルキニル部分がエチニルでない限り、結合されたノルマル、第二級、第三級又は環状炭素原子、すなわち直鎖状、分枝鎖状、環状又はそれらの任意の組合せを含む、置換基、部分又は基を意味する。アルキニル部分又は基における炭素原子の数は、変化することがあり、特に規定されない限り、典型的には2~50、例えば2~30、2~20又は2~10、より典型的には2~8、2~6又は2~4であり、例えば、C2~8アルキニル又はC2~8アルキニルは、2、3、4、5、6、7又は8つの炭素原子を含有するアルキニル置換基、部分又は基を意味し、少なくとも2つの隣接する炭素原子がsp炭素原子である。アルキニル置換基、部分又は基は、典型的には、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の炭素原子を有し、2つの隣接する炭素原子がsp炭素原子である。アルキニル置換基、部分又は基が規定される場合、化学種は、例として、以下に限定されないが、1つ以上の三重結合を含有する本明細書に記載されるアルキル部分、基又は置換基のいずれかを含み、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソ-ブチニル、3-メチル-2-ブチニル、1-ペンチニル、シクロペンチニル、1-メチル-シクロペンチニル、1-ヘキシニル、3-ヘキシニル、シクロヘキシニル並びに少なくとも1つの三重結合を含有する他の直鎖状、環状及び分枝鎖状の全ての炭素含有部分をさらに含む。アルキニルがより大きい構造又は部分への置換基として使用される場合、アルキニルは、アルキニル官能基の不飽和炭素原子(すなわちsp炭素原子)の1つを介してそれが会合される構造又は部分に単結合される。ある態様では、アルキニル置換基は、その末端sp炭素からの水素原子がラジカル中心を提供するように除去された親末端アルキンに関連している。
【0034】
本明細書において使用される際の「芳香族」は、4n+2個のπ電子を含有する非局在化π電子系を有する平面環を指し、ここで、nが整数である。芳香環は、典型的には、5、6、7、8、9、10又は11以上の原子から形成される。芳香族は、任意選択的に置換される。「芳香族」という用語は、カルボン酸アリール(「アリール」、例えば、フェニル)及び複素環式アリール(又は「ヘテロアリール」又は「複素環式芳香族」)基(例えば、ピリジン)の両方を含む。この用語は、単環式又は縮合環多環式(すなわち芳香族炭素原子の隣接する対を共有する環)基を含む。
【0035】
本明細書において使用される際の「アリール」は、1、2、3又は4~6つの環、典型的には1~3つの環を含む環ヘテロ原子を有さない芳香環系又は縮合環系を意味し、芳香族炭素原子の1つがラジカル中心を提供し;環は、炭素原子のみから構成され;4n+2個の電子(ヒュッケル則)、典型的には6、10又は14の電子の環状に共役した系を指し、電子のいくつかが環外共役にさらに関与する[交差共役(例えば、キノン)]。アリール置換基、部分又は基は、典型的には、6、10又は11以上の炭素原子、例えばC~C24アリール、C~C14アリール及びC~C10アリールによって形成される。アリール置換基、部分又は基は、任意選択的に置換される。任意選択的に置換されるアリールとしては、1つ以上のハロゲン、典型的には-F又はCl、O-結合された置換基、典型的には-OH若しくは-OCH又はそれらのいくつかの組合せによって置換されたアリールが挙げられる。例示的なアリールとしては、C、C10及びC14アリール、例えば、フェニル、ナフタレニル及びフェナントリルが挙げられる。構造に応じて、アリール部分又は基は、モノラジカル又はジラジカルのいずれか(すなわちアレーンジイルとも呼ばれるアリーレン基)である。例示的なアリーレンとしては、限定されないが、フェニル-1,2-エン、フェニル-1,3-エン及びフェニル-1,4-エンが挙げられる。アリールがより大きい構造又は部分への置換基として使用される場合、アリールは、アリール基のラジカル芳香族炭素中心を介してそれが会合される構造又は部分に単結合される。典型的には、アリールは、水素原子がその芳香環系の芳香族炭素原子の1つから除去された親アレーンに関連し、アリーレンは、典型的には、異なる芳香族炭素からの別の水素原子の除去を介したアリール部分に関連している。
【0036】
本明細書において使用される際の「アリールアルキレン」は、アリール部分がアルキレン部分に結合された置換基、部分又は基、すなわち-アルキレン-アリールを意味し、アルキレン及びアリール基は、上述されるとおりである。アリーレンアルキルは、-C~C20アルキレン-(C~C24アリール)、-C~Cアルキレン-(C~C14アリール)、-C~Cアルキレン-(C~C10アリール)又は-C~Cアルキレン-(C~C10アリール)、例えば、-CH-C又は-CHCH(CH)-Cを含む。アリールアルキレンがより大きい構造又は部分への置換基として使用される場合、アリールアルキルのアルキレン部分は、アルキレン部分のラジカルsp炭素を介してそれが会合される構造又は部分に単結合される。ヘテロアリールアルキレン、アリールヘテロアルキレン及びヘテロアリールヘテロアルキレンは、他の箇所で定義されるヘテロアリール及びヘテロアルキレンの定義によって同様に示され、特に示されない限り又は文脈により示唆されない限り、アリールアルキレンの定義に含まれる。
【0037】
本明細書において使用される際の「アルキルアリーレン」は、アルキル部分がアリーレン部分に結合された置換基、部分又は基、すなわち-アリーレン-アルキルを意味し、アリーレン及びアルキル基は、上述されるとおりである。アルキルアリーレンは、-C~C24アリーレン-(C~C20アルキル)、-C~C14アリーレン-(C~Cアルキル)、-C~C10アリーレン-(C~Cアルキル)又は-C~C10アリーレン-(C~Cアルキル)、例えば、-C-CH又は-C-CHCH(CHを含む。アルキルアリーレンがより大きい構造又は部分への置換基として使用される場合、アルキルアリールのアリーレン部分は、アリーレン部分の芳香族ラジカル炭素を介してそれが会合される構造又は部分に結合される。ヘテロアルキルアリーレン、アルキルヘテロアリーレン及びヘテロアルキルヘテロアリーレンは、他の箇所で定義されるヘテロアリーレン及びヘテロアルキルの定義によって示され、特に示されない限り又は文脈により示唆されない限り、アルキルアリーレンの定義に含まれる。
【0038】
本明細書において使用される際の「置換アルキル」、「置換シクロアルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」、置換アルキルアリーレン」、「置換アリールアルキレン」、「置換複素環」、「置換アリール」、置換ヘテロアリールなどは、典型的には、C~C20アルキル、C又はC~C20アルケニル、C~C20アルキニル、(C~C20アルキル)-C~C24アリーレン-、(C~C24アリール)-C~C20アルキレン-、C~C24複素環、C~C24アリール、C~C24ヘテロアリール或いは水素原子を置換する部分若しくは基を有するか、又は本明細書において定義若しくは開示されるアルキル又はアルキル含有基若しくは部分の炭素原子鎖を中断するヘテロ原子若しくは非炭素原子の群(例えば、本明細書に定義されるLs)を有する、本明細書において定義若しくは開示される他の置換基、基若しくは部分を意味する。より大きい構造又は部分への置換基であるアルケニル及びアルキニル部分は、二重若しくは三重結合官能基から除去される1つ以上の炭素原子である炭素原子の置換により、又は存在する場合、そのアルケン若しくはアルキン官能基のsp炭素若しくはsp炭素原子の水素原子の置換により、又はアルケニル若しくはアルキニル部分の炭素鎖における他の箇所の水素原子の置換により任意選択的に置換される。
【0039】
本明細書において使用される際の「任意選択的に置換されるアルキル」、「任意選択的に置換されるアルケニル」、「任意選択的に置換されるアルキニル」、「任意選択的に置換されるアルキルアリーレン」、「任意選択的に置換されるアリールアルキレン」、「任意選択的に置換される複素環」、「任意選択的に置換されるアリール」、「任意選択的に置換されるヘテロアリール」、「任意選択的に置換されるアルキルヘテロアリーレン」、「任意選択的に置換されるヘテロアリールアルキレン」などは、典型的には、C~C20アルキル、C又はC~C20アルケニル、C~C20アルキニル、(C~C20アルキル)-C~C24アリーレン-、(C~C24アリール)-C~C20アルキレン-、C~C24複素環、C~C24アリール、C~C24ヘテロアリール、(C~C20アルキル)-C~C24ヘテロアリーレン、(C~C24ヘテロアリール)-C~C20アルキレン-或いは水素原子を任意選択的に置換する部分又は基を有するか、又はアルキル若しくはアルキル含有部分若しくは基については、本明細書において定義若しくは開示されるアルキル又はアルキル含有部分又は基の炭素原子鎖を中断する任意選択的な非炭素原子若しくは非炭素原子の群(例えば、本明細書に定義されるLs)を有する(すなわち、任意選択的な非炭素原子又は非炭素原子の群は、アルキル又はアルキル含有部分又は基のsp炭素原子の1つ又はいくつかを置換する)、本明細書において定義若しくは開示される他の置換基、部分若しくは基を意味する。フェニル又はフェニレン部分の場合、芳香環上に存在するいずれか2つの置換基の配置は、互いにオルト(o)、メタ(m)又はパラ(p)のいずれかである。任意選択的に置換されるフルオロアルキルは、1つ以上の水素原子がフッ素によって置換された、アルキル又はシクロアルキル部分、典型的には直鎖状アルキルであり、ある態様では炭素及びフッ素以外の他の原子でさらに置換され、及び/又はそれを含有する。
【0040】
置換された又は任意選択的に置換される基、部分又は置換基は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、シアノ、ハロ、ニトロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ及びアミノ(一置換及び二置換アミノ基を含む)並びにそれらの保護された誘導体からなる群から独立して選択されるその水素原子を置換する1つ以上のさらなる基を有するものを含む。例として、以下に限定されないが、任意選択的な置換基は、保護基、ハロゲン化物、-CN、-NO又はLsRsからなる群から選択され、各Lsは、独立して、結合、-O-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-、-NH-、-NHC(=O)-、-C(=O)NH-、-S(=O)NH-、-NHS(=O)-、-OC(=O)NH-、-NHC(=O)O-又は-(C~C20アルキレン)-から選択され;各Rsは、-H、C~C20アルキル、C~C20フルオロアルキル、C~C20ヘテロアルキル、C~C20シクロアルキル、C~C24アリール、C~C24ヘテロアリール及びC~C20ヘテロシクロアルキルから選択される。
【0041】
上記の置換基の保護誘導体を形成する保護基は、例えば、上記のGreene and Wutsなどの概説において見られるものである。他の任意選択的な置換基としては、ハロゲン、-CN、-NH、-OH、-N(CH、C~C20アルキル、C~C20フルオロアルキル、C~C20ヘテロアルキル、C~C20シクロアルキル、C~C20ヘテロシクロアルキル、C~C24アリール、C~C24ヘテロアリール、C~C20アルコキシ、C~C24アリールオキシ、C~C20アルキルチオ、C~C24アリールチオ、C~C20アルキルスルホキシド、C~C24アリールスルホキシド、C~C20アルキルスルホン及びC~C24アリールスルホンからなる群から選択されるもの、ハロゲン、-CN、-NH、-OH、-NH(CH)、-N(CH、-COH、-CO(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)、-C(=O)N(C~Cアルキル)、-S(=O)NH、-S(=O)NH(C~Cアルキル)、-S(=O)N(C~Cアルキル)、C~Cアルキル、C~C10シクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~C10ヘテロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cフルオロアルコキシ、-S-(C~Cアルキル)及び-S(=O)(C~Cアルキル)からなる群から選択されるもの(ここで、C~C20アルキル又はC~Cアルキルは、独立して選択される)又はハロゲン、-CN、-NH、-OH、-NH(CH)、-N(CH、-CH、-CHCH、-CF、-OCH及び-OCFからなる群から選択されるものが挙げられる。
【0042】
典型的には、任意選択的に置換される置換基、部分又は基は、上記の基の1つ若しくは2つ又はより典型的には上記の基の1つによって置換される。脂肪族炭素原子(芳香族炭素原子を除く、非環状若しくは環状又は飽和若しくは不飽和炭素原子)における任意選択的な置換基は、オキソ(=O)及びそのケタール及びチオケタール保護基をさらに含む。
【0043】
本明細書において使用される際の「複素環」又は「複素環式」は、シクロアルキル又はアリール環系を有する置換基、部分又は基を意味し、環系からなる炭素原子の1つ以上、典型的には1、2又は3つであるが、全てではない炭素原子は、N、O、S、Se、B、Si、P、典型的にはN、O又はSを含むヘテロ原子によって置換され、2つ以上のヘテロ原子は、存在する場合、互いに隣接しているか、又は1つ以上の炭素原子、典型的には1~17の炭素原子、1~7つ若しくは1~3つの炭素原子によって隔てられている。複素環は、環中に1~4つのヘテロ原子を含有する複素芳香環(ヘテロアリールとしても知られている)及びヘテロシクロアルキル環(ヘテロ脂環式としても知られている)を含み、環中の各ヘテロ原子は、典型的には、O、S及びNから選択され、各複素環式基は、典型的には、ヘテロシクロアルキル環系について複素環系中に合計で3~10の原子を有し、複素芳香環系について合計で5~10の原子を有する。典型的には、複素環の複素環系は、2つの隣接するO又はS原子を含有しない。複素環は、非芳香族複素環についてC~C20、C~C14、C~C10、C~C、C~C又はC~C複素環(ここで、数字の表示は、炭素原子及びヘテロ原子を含む非芳香族複素環系中の原子の総数である)を含み、芳香族複素環(すなわちヘテロアリール)についてC~C24、C~C14、C~C12、C~C10、C~C又はC~C複素環(ここで、数字の表示は、炭素原子及びヘテロ原子を含む芳香族複素環系中の原子の総数である)をさらに含む。
【0044】
非芳香族複素環式置換基、部分又は基(ヘテロシクロアルキルとしても知られている)は、それらの環系中に少なくとも3つの原子を有し、少なくとも1つの原子がヘテロ原子であり、少なくとも1つの原子が炭素原子であり、炭素原子及びヘテロ原子は、芳香環系を形成せず、芳香族複素環式基は、それらの環系中に少なくとも5つの原子を有し(ここで、少なくとも1つの原子は、ヘテロ原子であり、少なくとも1つの原子は、炭素原子であり、炭素原子及びヘテロ原子は、芳香環系を形成する)、ベンゾ縮合複素芳香環系を含む。3、4、5、6及び10の原子を有する複素環式置換基、部分又は基としてはそれぞれ、例として、以下に限定されないが、アジリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、ピリジル及びキノリニルが挙げられる。
【0045】
非芳香族複素環式置換基、部分又は基としては、例として、以下に限定されないが、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、オキサゾリジノニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオキサニル、ピペラジニル、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、ピロリン-2-イル、ピロリン-3-イル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H-インドリル及びキノリジニルが挙げられる。非芳香族複素環は、非置換であるか、又は例えばピロリジン-2-オンを含む1つ若しくは2つのオキソ(=O)部分によって置換される。
【0046】
芳香族複素環(すなわちヘテロアリール)としては、例として、以下に限定されないが、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾ-チオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル及びフロピリジニルが挙げられる。
【0047】
複素環がより大きい構造又は部分への置換基として使用される場合、複素環は、複素環の炭素原子又はヘテロ原子を介してそれが会合される構造又は部分に結合され、このような結合は、該当する炭素又はヘテロ原子の不安定な又は認められないホルマール酸化状態を生じない。C結合された複素環は、複素環の炭素原子を介して構造又は別の部分若しくは基に結合され、-C<複素環として示される部分を含み、C<は、複素環中の炭素原子を表す。N結合された複素環は、窒素が存在する複素環の窒素に結合された窒素含有複素環であり、-N<複素環(ここで、N<は、複素環の窒素を表す)として表されることがある。したがって、窒素含有複素環式置換基は、それが会合される構造又は部分にC結合又はN結合され、例として、以下に限定されないが、ピロール置換基、例えばピロール-1-イル(N結合された)又はピロール-3-イル(C結合された)、イミダゾール置換基、例えばイミダゾール-1-イル又はイミダゾール-3-イル(両方ともN結合された)又はイミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イル又はイミダゾール-5-イル(全てC結合された)を含む。典型的には、複素環は、C3~20非芳香族複素環又はC~C24芳香族複素環(すなわちヘテロアリール)であり、数字の表示は、該当する原子が炭素原子であるか又はヘテロ原子であるかにかかわらず複素環の原子の全てを含む。
【0048】
本明細書において使用される際の「ヘテロアリール」は、1つ以上、典型的にはアリール環系を含む炭素原子の1、2又は3つであるが、全てではない炭素原子は、N、O、S、Se、B、Si、P、典型的には硫黄(-S-)、酸素(-O-)又は窒素若しくは窒素含有部分(例えば、-NX-、ここで、Xは、-H、保護基又はC1~6任意選択的に置換されるアルキル、アリール又はC結合された複素環である)を含む、炭素以外の原子であるヘテロ原子によって置換されたアリール環系を意味し、ヘテロ原子は、環系中の隣接する原子とのπ結合を介して又はヘテロ原子における電子の孤立電子対を介して共役系に関与し、非置換であるか、又は環状に共役した系を保持するように、1つ以上の炭素原子若しくはヘテロ原子又は両方の組合せにおいて置換される。
【0049】
複素環及びヘテロアリールとしては、例として、以下に限定されないが、Paquette, Leo A.; “Principles of Modern Heterocyclic Chemistry”(W. A. Benjamin, New York, 1968)、特に第1、3、4、6、7及び9章;“The Chemistry of Heterocyclic Compounds, A series of Monographs”(John Wiley & Sons, New York, 1950 to present)、特に第13、14、16、19及び28巻;及びJ. Am. Chem. Soc. 1960, 82: 5545-5473、特にpp5566-5573、これは、参照により本明細書に援用される)に記載される複素環及びヘテロアリールが挙げられる。構造に応じて、複素環又はヘテロアリール部分又は基は、モノラジカル又はジラジカルのいずれか(すなわちヘテロシクロ又はヘテロアリーレン)である。典型的には、C結合された複素環は、ヘテロシクロアルカン又はヘテロアレーンを含む環式環系の炭素原子からの水素原子の除去によって親ヘテロシクロアルカン又はヘテロアレーンに関連し、N結合された複素環は、典型的には、それが含まれるその窒素含有環系の窒素ヘテロ原子からの水素原子又は電子の除去によって親の窒素含有ヘテロシクロアルカン又はヘテロアレーンに関連している。ヘテロシクロ又はヘテロアリーレンは、典型的には、別の原子、典型的には複素環又はヘテロアリールを含む同じか又は異なる環系からの炭素原子からの水素原子の除去により、親のC結合された又はN結合された複素環又はヘテロアリールに関連している。ヘテロアリールの例としては、例として、以下に限定されないが、ピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、プリニル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾチオピラン、ベンゾトリアジン、イソオキサゾリル、ピラゾロピリミジニル、キノキサリニル、チアジアゾリル、トリアゾリルなどが挙げられる。ヘテロアリールでない複素環としては、例として、以下に限定されないが、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、インドリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、2-ピロリドニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、2H-ピロリル、3H-インドリル、4H-キノリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニルなどが挙げられる。
【0050】
他のヘテロアリールとしては、例として、以下に限定されないが、以下の部分が挙げられる。
【化4】
【0051】
単環式ヘテロアリールとしては、例として、以下に限定されないが、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル及びフラザニルが挙げられる。ヘテロアリールは、0~3つのN原子、1~3つのN原子又は0~3つのN原子、0~1つのO原子及び0~1つのS原子を含有する置換基、部分又は基を含む。ある態様では、ヘテロアリールは、単環式又は二環式である。ヘテロアリール環の環系は、典型的には、1~9つの炭素を含有する。単環式ヘテロアリールは、典型的には、限定されないが、その芳香環系中の原子の5~6の総数を有するヘテロアリール(ここで、少なくとも1つが炭素原子である)、すなわちC又はCヘテロアリールであり、5員又は6員ヘテロアリールと呼ばれることがある。二環式ヘテロアリールは、典型的には、限定されないが、C~C10ヘテロアリールである。構造に応じて、ヘテロアリール基又は部分は、ある態様では、モノラジカル又はジラジカル(すなわちヘテロアレーンジイルとも呼ばれるヘテロアリーレン基)である。
【0052】
本明細書において使用される際の「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロ脂環式」は、シクロアルキル鎖の少なくとも炭素において、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子によって置換されたシクロアルキル基、部分又は置換基を意味する。ある態様では、ヘテロシクロアルキルは、アリール又はヘテロアリールと縮合される。非芳香族複素環とも呼ばれるヘテロシクロアルキルとしては、例として、以下に限定されないが、ラジカル中心が環式環系の炭素原子又は窒素ヘテロ原子上に存在する、以下の構造を有するものが挙げられる。
【化5】
【0053】
ヘテロシクロアルキルは、例として、以下に限定されないが、オキサゾリジノニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル及びインドリニルをさらに含む。ヘテロ脂環式は、限定されないが、単糖、二糖及びオリゴ糖を含む、炭水化物の全ての環形態をさらに含む。典型的には、ヘテロシクロアルキルは、C~C20ヘテロシクロアルキルであり、C~C14又はC~C10ヘテロシクロアルキルを含み、数字は、その環系中の、炭素原子か又はヘテロ原子かにかかわらず、原子の総数を示す。ヘテロシクロアルキルは、少なくとも1つのヘテロ原子及び少なくとも1つの炭素原子を含有し、典型的には0~2つのN原子、0~2つのO原子若しくは0~1つのS原子又はそれらの組合せを含有する。
【0054】
本明細書において使用される際の「ヘテロアリールアルキレン」は、ヘテロアリール部分がアルキレン部分に結合された置換基、部分又は基、すなわち-アルキレン-ヘテロアリールを意味し、アルキレン及びヘテロアリール基は、上述されるとおりである。ヘテロアリールアルキレンが構造への置換基として使用される場合、ヘテロアリールアルキルのアルキレン部分は、アルキレン部分のspラジカル炭素を介してそれが会合される構造に結合され、-C~C20アルキレン-(C~C24ヘテロアリール)、-C~Cアルキレン-(C~C14ヘテロアリール)、-C~Cアルキレン-(C~C10ヘテロアリール)又は-C~Cアルキレン-(C~C10ヘテロアリール)置換基、部分又は基、例えば-(CH-C~C10ヘテロアリールを含み、nは、1、2、3、4、5又は6である。
【0055】
本明細書において使用される際の「アルキルヘテロアリーレン」は、ヘテロアリーレン部分がアルキル部分に結合された置換基、部分又は基、すなわち-ヘテロアリーレン-アルキルを意味し、ヘテロアリーレン及びアルキル基は、上述されるとおりである。アルキル-ヘテロアリーレンが構造への置換基として使用される場合、アルキルヘテロアリーレンのヘテロアリール部分は、ヘテロアリーレン部分のラジカル芳香族炭素又はヘテロ原子を介してそれが会合される構造に結合され、-C~C24ヘテロアリーレン-(C~C20アルキル)、-C~C14ヘテロアリーレン-(C~Cアルキル)、-C~C10ヘテロアリーレン-(C~Cアルキル)又は-C~C10ヘテロアリーレン-(C~Cアルキル)を含む。
【0056】
本明細書において使用される際の「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味し、典型的にはフッ素、塩素又は臭素、より典型的にはフッ素又は塩素を含む。
【0057】
本明細書において使用される際の「ハロアルキル」は、その水素原子の1つ以上が1つ以上の独立して選択されるハロゲン化物原子によって置換されたアルキル置換基部分又は基を意味する。ハロアルキルとしては、C~C20ハロアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cハロアルキルが挙げられ、数字は、アルキル部分中の炭素原子の数を示す。例示的であるが、非限定的なC~Cハロアルキルは、-CHCl、CHBr、-CHI、-CHBrCl、-CHCl-CHCl及び-CHCl-CHIである。
【0058】
本明細書において使用される際の「ハロアルキレン」は、その水素原子の1つ以上が1つ以上のハロゲン化物原子によって置換されたアルキレン置換基、部分又は基を意味する。ハロアルキレンは、C~C20ハロアルキレン、C~Cハロアルキレン、C~Cハロアルキレン又はC~Cハロアルキレンを含む。
【0059】
本明細書において使用される際の「フルオロアルキル」は、その水素原子の1つ以上がフッ素原子によって置換されたアルキルを意味する。フルオロアルキルは、C~C20フルオロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cフルオロアルキル又はC~Cフルオロアルキルを含む。例示的であるが、非限定的なフルオロアルキルは、-CHF、-CH及び-CF及びパーフルオロアルキルを含む。
【0060】
本明細書において使用される際の「フルオロアルキレン」は、アルキレンの1つ以上の水素原子がフッ素原子によって置換されたアルキレン置換基、部分又は基を意味する。例示的であるが、非限定的なフルオロアルキレンは、C~C20フルオロアルキレン、C~Cフルオロアルキレン、C~Cフルオロアルキレン又はC~Cフルオロアルキレンを含む。
【0061】
本明細書において使用される際の「O結合された部分」、「O結合された基」及び類似の用語は、酸素ベースの基、部分又は置換基の酸素原子を介して直接別の有機部分又は構造に結合された酸素ベースの基、部分又は置換基を指す。ある態様では、O結合された基は、限定されないが、-OH、エステル、例えば、アセトキシ、すなわち-O-C(=O)-CH又はアシルオキシ、すなわち-O-C(=O)-Rなどの部分を含む一価のO結合された部分であり、Rは、-H、任意選択的に置換されるC~C20アルキル、任意選択的に置換されるC~C20シクロアルキル、任意選択的に置換されるC~C20アルケニル、任意選択的に置換されるC~C20アルキニル、任意選択的に置換されるC~C24アリール、任意選択的に置換されるC~C20ヘテロアリール又は本明細書に定義される任意選択的に置換されるC結合されたC~C20複素環である。O結合された部分がより大きい構造又は部分への置換基として使用される場合、O結合された部分の酸素原子は、それが会合される構造又は部分に直接結合される。
【0062】
一価のO結合された部分は、エーテル及びシリルエーテル部分、例えば、C~C20アルキルオキシ、C~C24アリールオキシ(アリール-O-)、フェノキシ(Ph-O-)、ベンジルオキシ(Bn-O-)、C~C24ヘテロアリールオキシ(Het-O-)及びシリルオキシをさらに含むか、又はR’O-によって表され、R’は、任意選択的に置換されるC~C20アルキル、C~C24アリール、フェニル、ベンジル(-CHPh)、C~C24ヘテロアリール又はシリル、すなわち(R),Si-であり、各Rは、独立して、任意選択的に置換される、C~C20アルキル又はC~C24アリールである。他の一価のO結合された部分は、構造-O-C(=O)N(R)を有するカルバメート(ここで、各Rは、独立して、-H、任意選択的に置換されるC~C20アルキル、任意選択的に置換されるC~C20シクロアルキル、任意選択的に置換されるC~C20アルケニル、任意選択的に置換されるC~C20アルキニル若しくは本明細書に定義される別の一価のC結合された部分である)又は構造-O-C(=O)ORを有するカルバメート(ここで、Rは、任意選択的に置換されるC~C20アルキル若しくは別の一価のC結合された部分である)及び-ORRP(ここで、RRPは、保護基である)であるか、又はO結合された部分は、ある態様では、二価、すなわち本明細書に定義されるように=O又は-OCHCHO-である。
【0063】
二価のO結合された部分は、=Oを含むか、又は環状ケタールを含む部分である。典型的には、環状ケタール及び環状チオケタールは、ケタールの2つのヘテロ原子を連結する約2~20の炭素原子、典型的には2~3つ及びヘテロ原子が結合された別の有機部分の炭素を含有し、それによってスピロ環系が規定される、任意選択的に置換されるアルキレン部分を含む。典型的には、アルキル部分は、-CHC(CH),-、-CHCH(CH)-、-CH-CH-、-[CH2、3-、-CH-[C-(C~Cアルキル)1、2、3-、-CH(C~Cアルキル)-[CH(C~Cアルキル)]1、2、3-及び-C(C~Cアルキル)-[CH(C~Cアルキル)]1、2、3-などの構造を含む、任意選択的に置換される、直鎖状C~Cアルキレン(すなわち-(CH2~6-)又は分枝鎖状C~Cアルキレンであり、C~Cアルキルは、独立して選択される。
【0064】
環状ケタールを含む二価のO結合された部分は、典型的には、構造-O-C(R)-C(R)-O-を有し、-C(R)-C(R)-は、既に定義される任意選択的に置換されるC2~6アルキレンであり、各Rは、独立して、-H若しくはC~Cアルキルであるか、又はRの2つ及びそれらが結合される炭素は、C~Cシクロアルキル部分を含み、残りのRは、独立して、-H若しくはC~Cアルキルであるか、又はRの2つは、隣接する炭素原子と一緒に、o-カテコールを形成し、残りのRは、任意選択的に置換されるアリーレンの二重結合によって置換される。
【0065】
本明細書において使用される際の「C結合された部分」、「C結合された基」及び類似の用語は、C結合された部分、基又は置換基の炭素原子を介して直接別の有機部分に結合された置換基、部分又は基を指す。C結合された部分は、限定されないが、基、例えばアシル、すなわち-C(=O)-R(ここで、Rは、-H、任意選択的に置換されるC~C20アルキル、任意選択的に置換されるC~C20シクロアルキル、任意選択的に置換されるC~C20アルケニル、任意選択的に置換されるC~C20アルキニル、任意選択的に置換されるC~C24アリール、任意選択的に置換されるC~C24ヘテロアリール又は任意選択的に置換されるC~C20又はC~C24C結合された複素環又はカルボキシレートである)、すなわち-C(=O)-OR(ここで、Rは、-Hである)又は-C(=O)-Oによって表されるその対応する塩を含め、一価であり得るか、又はエステル(ここで、Rは、C~C20アルキル、C~C24アリール、C結合されたC~C24ヘテロアリール又はC結合されたC~C20複素環を含む)について既に定義されているとおりであるか、又は二価、すなわち=C(Rであり得、各Rは、独立して、-H、C~C24アリール、C~C20複素環、C~C24ヘテロアリール、任意選択的に置換されるC~C20アルキル、任意選択的に置換されるC~C20シクロアルキル、任意選択的に置換されるC~C20アルケニル、任意選択的に置換されるC~C20アルキニル又は-OH、-ORPR、O結合されたエステル、エーテル、カーボネート及びO結合されたカルバメートを含む一価のO結合された部分である。C結合された部分が構造への置換基として使用される場合、C結合された部分の炭素原子は、C結合された部分のsp、sp、sp又は芳香族炭素を介してそれが会合される構造に直接結合される。場合によっては、アシルは、「一価のC結合された置換基」として特に除外される。このような場合、「一価のC結合された部分」という用語は、アシル以外の、本明細書に定義される一価のC結合された部分として理解されるべきである。
【0066】
本明細書において使用される際の「N結合された部分」、「N結合された基」及び類似の用語は、窒素ベースの基、部分又は置換基の窒素原子を介して直接別の有機部分に結合された窒素ベースの基、部分又は置換基を指す。N結合された部分は、限定されないが、-NO 、-NO、-NR、-N(R)C(=O)R及び-N(R)C(=O)-NHRなどの基を含み、R、R及びRは、独立して、-H又は任意選択的に置換されるC~C20アルキル、-N(R)C(=O)-O-R、-N(R)S(=O)-R及び-N(R)S(=O)-Rから選択され、Rは、-H又は任意選択的に置換されるC~C20アルキルであり、Rは、任意選択的に置換されるC~C20アルキルである。
【0067】
本明細書において使用される際の「S結合された部分」、「S結合された基」及び類似の用語は、硫黄ベースの基、部分又は置換基の硫黄原子を介して直接別の有機部分に結合された硫黄ベースの基、部分又は置換基を指す。S結合された部分又は基は、限定されないが、-SH、-SO 2-、-S(O)、-S(=O)N(R及び-S(=O)N(Rを含み、qは、0、1又は2であり、各Rは、OH又は任意選択的に置換されるC~C20アルキルであり、各Rは、独立して、-H又はC~C20アルキルである。
【0068】
本明細書において使用される際の「保護基」は、それが結合される原子若しくは官能基が好ましくない反応に関与するのを防止するか、又はそのような能力を低下させる部分又は基を意味する。非限定的な例の保護基は、-ORPRを含み、RPRは、ヒドロキシル中に見られる酸素原子の保護基である一方、-C(=O)-ORPRについて、RPRは、カルボン酸保護基であり;-SRPRについて、RPRは、チオール中の硫黄の保護基であり;-NHRPR又は-N(RPR-について、RPRの少なくとも1つは、第一級又は第二級アミンの窒素原子保護基である。ヒドロキシル、アミン、ケトン及び他の反応性基は、分子中の他の箇所で起こる反応からの保護を必要とすることがある。酸素、硫黄又は窒素原子の保護基は、通常、アシル化剤などの求電子化合物との好ましくない反応を軽減又は防止するのに使用される。本明細書に記載されるケタール部分は、ある態様では、ケトンの保護基として働き、これは、典型的には、化学合成方法によって除去される。典型的には、ケタール保護基は、環状ケタールであり、これは、典型的には、この二価の部分のヘテロ原子が結合される炭素とともにスピロ環(すなわち環状ケタール)を形成する-O-CH-CH-CH-O-又は-O-CH-CH-O-の構造を有する、二価のO結合された部分である。=Oの保護基は、通常、求核性化合物との好ましくない反応を軽減又は防止するのに使用される。原子又は官能基の典型的な保護基は、Greene (1999),“Protective groups in organic synthesis, 3rded.”, Wiley Interscienceに示されている。
【0069】
本明細書において使用される際の「エステル」は、-C(=O)-O-構造(すなわちエステル官能基)を含む置換基、部分又は基を意味し、該当する構造の炭素原子は、別のヘテロ原子に直接結合されず、-H又は別の炭素原子に直接結合される。典型的には、エステルは、1~50の炭素原子、1~20の炭素原子、1~8つの炭素原子又は1~6つの炭素原子及び0~10の、独立して選択されるヘテロ原子(例えば、O、S、N、P、Si)、典型的には0~2つを含有する有機部分を含むか又はそれからなり、有機部分は、-C(=O)-O-構造を介して結合された炭素であり、有機部分-C(=O)-O-及び-C(=O)-O-有機部分などのエステル部分を含む。有機部分は、通常、本明細書に記載される有機基のいずれかの1つ以上、例えば、C~C20アルキル部分、C~C20アルケニル部分、C~C20アルキニル部分、C~C24アリール部分、C~C20複素環又は例えば1、2、3、4つ若しくはそれを超える置換基を含むこれらのいずれかの置換誘導体を含み、各置換基は、独立して選択されるか、又は水素である。これらの有機基における水素原子又は炭素原子の例示的な非限定的な置換は、置換C~C20アルキル及び他の置換部分について上述されるとおりであり、独立して選択される。置換は、典型的には、本明細書に記載されるアルキル又はアルキル含有部分の1つ以上の炭素原子を置換するのに使用されるものであり、(すなわち、sp炭素は、本明細書に定義されるLsなどの非炭素原子又は非炭素原子の群によって置換される)及び/又は典型的にはハロゲン、-NH、-OH又は=Oなどの非炭素原子によって置換される1つ以上の水素原子を有する。
【0070】
例示的なエステルとしては、例として、以下に限定されないが、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、イソプロピオン酸エステル、イソ酪酸エステル、酪酸エステル、吉草酸エステル、イソ吉草酸エステル、カプロン酸エステル、イソカプロン酸エステル、ヘキサン酸エステル、ヘプタン酸エステル、オクタン酸エステル、フェニル酢酸エステル又は安息香酸エステルが挙げられる。エステルがより大きい構造又は部分の置換基として使用される場合、エステル官能基の単結合された酸素は、それが会合される構造又は部分に単結合され(すなわち、エステル置換基は、有機部分-C(=O)O-又は-OC(=O)Rの構造を有し、Rは、O結合された部分の置換基として定義されるとおりであるか又は水素である。Rは、水素又はC~C19アルキルである場合、カルボニル炭素は、その数の識別に計数される。したがって、Cエステルは、-OC(=O)-Hであり、Cエステルは、-OC(=O)CHであり、C~C20アルキルエステルは、-OC(=O)-(C~C19アルキル)である。エステルは、ある態様では、化学合成方法によって除去可能であり、これらの態様のいくつかにおいて、化合物のプロドラッグを形成するのに役立ち、それにより細胞又は生体液における代謝が自然加水分解又は酵素作用によってエステル官能基を除去することが可能である。
【0071】
本明細書において使用される際の「アセタール」、「チオアセタール」、「ケタール」、「チオケタール」などは、同じか又は異なるヘテロ原子の2つに結合された炭素を含むか又はそれからなる部分、基又は置換基を意味し、ヘテロ原子は、独立して選択されるS及びOであり、本明細書の他の箇所に記載される二価のO結合された部分の定義に含まれる。アセタールの場合、アセタール官能基の炭素は、2つの単結合された酸素原子、水素原子及び有機部分の単結合された炭素を有する。ケタールの場合、ケタール官能基の炭素は、2つの酸素原子への2つの単結合及び2つの、独立して選択される有機部分への2つの単結合を有し、有機部分は、アルキル又は任意選択的に置換されるアルキル基について本明細書に記載されるとおりであるか、又はケタール官能基の炭素は、環式環系の炭素である。チオアセタール及びチオケタールの場合、アセタール又はケタールのそれぞれの中の酸素原子の一方又は両方が硫黄によって置換される。ケタール及びチオケタール中の酸素又は硫黄原子は、任意選択的に置換されるアルキル部分によって結合されることがある。典型的には、アルキル部分は、-C(CH-、-CH(CH)-、-CH-、-CH-CH-、-C[(C~Cアルキル)1、2、3-又は-[CH(C~Cアルキル)]1、2、3-などの任意選択的に置換されるC~C20アルキル又は分枝鎖状アルキル構造である。それらの部分のいくつかは、アルデヒド又はケトンの保護基として働くことができ、例として、以下に限定されないが、カルボニル炭素原子と環式環を形成するように、-O-CH-CH-CH-O-又は-O-CH-CH-O-部分を含む、アルデヒドの場合にはアセタール及びケトンの場合にはケタールを含む。アセタール、チオアセタール、ケタール又はチオケタールの場合、ある態様では、化学合成方法によって除去可能であり、これらの態様のいくつかにおいて、化合物のプロドラッグを形成するのに役立ち、それにより細胞又は生体液における代謝が酵素的酸化によってアセタール、チオアセタール、ケタール又はチオケタール官能基を分解又は除去することが可能である。
【0072】
本明細書において使用される際の「エーテル」は、1、2、3、4つ又はそれを超える-O-部分、通常、1又は2つを含むか又はそれからなる有機部分、基又は置換基を意味し、2つの-O-部分が互いに直接隣接していない(すなわち過酸化物を形成するように互いに直接結合されていない)。典型的には、エーテルは、1~50の炭素原子、1~20の炭素原子、1~8つの炭素原子又は1~6つの炭素原子及び0~10の、独立して選択されるヘテロ原子(例えば、O、S、N、P、Si)、典型的には0~2つを含有する有機部分を含む。エーテル部分、基又は置換基は、有機部分-O-を含み、有機部分は、任意選択的に置換されるC~C20アルキル基について本明細書に記載されるとおりである。エーテルがより大きい構造又は部分の置換基として使用される場合、エーテル官能基の酸素は、それが会合される構造又は部分に単結合される。そのような状況において、置換基は、「アルコキシ」として表されることがある。アルコキシは、例として、以下に限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ-プロポキシ及びブトキシなどのC~Cエーテル置換基を含み、番号付けは、エーテルのアルキル部分中の炭素原子の数を示す。エーテルは、1つ(ケタールを除く)又は複数の-OCHCHO-、連続した部分(すなわちポリエチレン又はPEG部分)を含有する置換基、部分又は基をさらに含む。エーテル置換基は、ある態様では、化学合成方法によって除去可能であり、これらの態様のいくつかにおいて、化合物のプロドラッグを形成するのに役立ち、それにより細胞又は生体液における代謝が酵素的酸化によって又はある場合には消化器系の酸性条件下での加水分解によってエーテル官能基を分解又は除去することが可能である。
【0073】
本明細書において使用される際の「カーボネート」は、-O-C(=O)-O-構造(すなわちカーボネート官能基)を含有する置換基、部分又は基を意味する。典型的には、本明細書において使用される際のカーボネート基は、-O-C(=O)-O-構造、例えば、有機部分-O-C(=O)-O-を介して結合される、1~50の炭素原子、1~20の炭素原子、1~8つの炭素原子又は1~6つの炭素原子及び0~10の、独立して選択されるヘテロ原子(例えば、O、S、N、P、Si)、典型的には0~2つを含有する有機部分を含むか又はそれからなる。カーボネートが構造の置換基として使用される場合、カーボネート官能基の単結合された酸素原子の一方は、それが会合される構造に単結合される一方、他方の酸素原子は、別の有機部分に単結合される。カーボネート置換基は、ある態様では、化学合成方法によって除去可能であり、それらの態様のいくつかにおいて、化合物のプロドラッグを形成し、それにより細胞又は生体液における代謝が自然加水分解又は酵素加水分解によってカーボネート官能基を分解又は除去することが可能である。
【0074】
本明細書において使用される際の「カルバメート」又は「ウレタン」は、-O-C(=O)N(RPR)-、-O-C(=O)N(RPR、-O-C(=O)NH(任意選択的に置換されるC~C20アルキル)又は-C(=O)N(任意選択的に置換されるC~C20アルキル)構造(すなわちカルバメート官能基)を含有する置換基、部分又は基を意味し、各RPR及び任意選択的に置換されるC~C20アルキルは、独立して選択され、RPRは、独立して、-H、保護基、エステルについて本明細書に記載される有機部分、置換アルキル及び任意選択的に置換されるアルキルからなる群から選択される。典型的には、本明細書において使用される際のカルバメート基は、-O-C(=O)-NRPR-構造、例えば、有機部分-O-C(=O)-N(RPR又は-O-C(=O)-NRPR-有機部分を介して単結合される、1~50の炭素原子、1~20の炭素原子、1~8つの炭素原子又は1~6つの炭素原子及び0~10の、独立して選択されるヘテロ原子(例えば、O、S、N、P、Si)、典型的には0~2つを含有する有機部分を含むか又はそれからなる。カルバメートが構造への置換基として使用される場合、カルバメート官能基の単結合された酸素(O結合された)又は窒素(N結合された)は、それが会合される構造に単結合される。カルバメート置換基の結合は、明記されるか(N結合又はO結合された)又はこの置換基が言及される文脈において暗示される。カルバメート置換基は、ある態様では、化学合成方法によって除去可能であり、これらの態様のいくつかにおいて、化合物のプロドラッグを形成するのに役立ち、それにより細胞又は生体液における代謝が酵素加水分解によってカルバメート官能基を分解又は除去することが可能である。
【0075】
所与の範囲の炭素原子によって表される任意の置換基、基又は部分について、表示される範囲は、炭素原子の任意の個々の数が記載されることを意味する。したがって、例えば、「C~Cの任意選択的に置換されるアルキル」、「C~Cの任意選択的に置換されるアルケニル」又は「C~Cの任意選択的に置換される複素環」への言及は、本明細書に定義されるアルキル部分の1、2、3若しくは4つの任意選択的に置換される炭素原子が存在するか、又は本明細書に定義されるアルケニル部分の2、3、4、5若しくは6つの任意選択的に置換される炭素原子が存在するか、又は本明細書に定義される複素環を含む合計で3、4、5、6、7若しくは8つの炭素原子及びヘテロ原子を含有する環式環系が存在することを特に意味する。全てのこのような表示は、個々の炭素原子基の全てを開示することが明らかに意図されており、したがって、「C~Cの任意選択的に置換されるアルキル」は、例えば、置換若しくは非置換2炭素アルキル、置換若しくは非置換3炭素アルキル及び置換若しくは非置換4炭素アルキル(全ての位置異性体を含む)などを含み、開示され、明確に示されるか又は指定されることがある。所与の範囲の炭素原子によって規定されるエステル、カーボネート及びカルバメートについて、表示される範囲は、それぞれの官能基のカルボニル炭素を含む。したがって、Cエステルは、ギ酸エステルを指し、Cエステルは、酢酸エステルを指す。本明細書に記載される有機置換基、部分及び基並びに本明細書に記載される他の任意の他の部分は、通常、不安定な部分が、本明細書に記載される用途の1つ以上のために十分な化学安定性を有する化合物を作製するのに使用することができる過渡種である場合を除き、不安定な部分を除外する。五価の炭素を有するものをもたらす本明細書の定義の操作による置換基、部分又は基は、特に除外される。
【0076】
本明細書において使用される際の「S6K依存性」、「S6K媒介性」又は類似の用語は、病因、進行又は持続が、例として、以下に限定されないが、S6K1を含む1つ以上のS6Kサブタイプを介したシグナル伝達によって全体的に又は部分的に影響を受ける疾患、障害又は病態を意味する。S6K依存性又はS6K媒介性疾患及び病態としては、限定されないが、癌などの増殖性疾患又は病態及び脆弱性X症候群などの神経系疾患が挙げられる。さらなるS6K依存性及びS6K媒介性疾患としては、糖尿病などの代謝に関連する末梢疾患並びに肺線維症及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの非生産的細胞内リモデリングが挙げられる。
【0077】
本明細書において使用される際の「S6K選択的薬剤」、S6K選択的化合物」及び類似の用語は、他のキナーゼに優先して、S6Kと相互作用する薬剤又は化合物を意味する。典型的には、その優先は、実験により測定されるように、他のキナーゼと比較して10倍強い、S6Kに対する薬剤の結合親和性に現れる。
【0078】
本明細書において使用される際の「薬学的に許容される製剤」は、1つ以上の薬学的に許容されるレシピエントに加えて、式I~IXで表される化合物などの医薬品有効成分を含む組成物を意味するか、又は医薬品有効成分及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤から調製される組成物を指し、組成物は、それを必要としているヒト又は動物などの対象への投与に好適である。薬学的に許容される製剤がヒトへの投与に好適であるために、製剤は、本明細書に開示される疾患若しくは病態を治療若しくは予防するための生物学的活性を有さなければならないか、又は製剤が疾患若しくは病態「を治療する目的」に向けた所望の活性を有し得るという予想が存在しなければならない。典型的には、疾患又は病態「を治療する目的」は、S6K媒介性病態又は疾患である。より典型的には、治療又は予防される疾患又は病態は、S6K媒介性疾患又は病態である。動物(すなわち非ヒト哺乳動物)への投与に好適な薬学的に許容される製剤は、疾患又は病態を治療又は予防するために生物学的活性を必ずしも必要とせず、典型的には式I~IXの化合物の潜在的な薬理学的又は生物学的活性を評価するために動物に投与される。したがって、それらの製剤は、それを必要としている動物における本明細書に開示される疾患若しくは病態を治療若しくは予防するのに好適でなければならないか、又は式I~IXの化合物の薬理学的若しくは生物学的活性を評価するのに好適である。インビトロアッセイにおける使用のみに好適であるか又は薬剤製品中で許容されない量のビヒクル、成分又はレシピエントを含有する組成物は、薬学的に許容される製剤の定義から特に除外される。
【0079】
薬学的に許容される製剤は、典型的には、1つ、2つ以上の式I~IXの化合物、典型的には1つ又は2つと、1つ以上の薬学的に許容されるレシピエントとを含むか又はそれから調製される。より典型的には、製剤は、単一の式I~IXの化合物及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤から本質的になるか又はそれからなるであろう。
【0080】
本明細書において使用される際の「固体製剤」は、固体形態における、少なくとも1つの式I~IXの化合物と、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的に許容される製剤を指し、製剤は、固体の投与に好適な単位剤形である。投与単位としては、錠剤、カプセル剤、カプレット、ジェルキャップ、懸濁液及び典型的には固体の非経口又は腸内(経口)投与に関連する他の投与単位が挙げられる。
【0081】
本明細書において使用される際の「液体製剤」は、少なくとも1つの式I~IXの化合物が1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と混合又は接触されており、賦形剤の少なくとも1つが液体製剤に必要な割合で非固体形態であり、すなわち式I~IXの化合物の質量の大部分が非固体賦形剤に溶解されるようになっている薬学的に許容される製剤を指す。液体製剤を含有する投与単位としては、液体形態における、シロップ、ジェル、軟膏及び典型的にはそれを必要としている対象への医薬製剤の非経口又は腸内投与に関連する他の投与単位が挙げられる。
【0082】
本明細書において使用される際の「懸濁液製剤」は、少なくとも1つの式I~IXの化合物が2つ以上の薬学的に許容される賦形剤と混合又は接触されており、賦形剤の少なくとも1つが液体であり、別のものが懸濁液製剤に必要な割合の表面活性剤であり、すなわち式I~IXの化合物の質量の大部分が液体賦形剤中で懸濁された固体形態になっている薬学的に許容される製剤を指す。液体製剤を含有する投与単位としては、懸濁液形態における、シロップ、ジェル、軟膏及び典型的にはそれを必要としている対象への医薬製剤の非経口又は腸内投与に関連する他の投与単位が挙げられる。
【0083】
本明細書において使用される際の「予防する」、「予防すること」及び類似の用語は、医学の技術分野におけるその通常及び慣例的な意味で解釈され、したがって、この用語が言及されるそれぞれの場合が確実に回避される必要はない。
【0084】
番号付けされた実施形態
以下の実施形態は、本発明を例示し、決して本発明を限定することは意図されていない。特定の実施形態において、本明細書に示される化合物は、1つ以上の立体中心を有し、各中心は、独立して、R又はS立体配置のいずれかで存在する。本明細書に記載される方法及び製剤は、式(I~IX)の1つの構造を有する化合物の塩、特に薬学的に許容される塩並びに親化合物と比べて同様の生理学的活性を有するこれらの化合物の活性代謝物の使用を含む。ある実施形態において、化合物は、互変異性体として存在する。したがって、それらの互変異性体の全ては、本明細書に示される化合物の範囲内に含まれる。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容される塩を含む塩として存在するであろう。塩形態は、F、Cl、Br、I及び硫酸塩などの無機付加塩並びにメシル酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩及びマロン酸塩などの有機付加塩を含む。
【0085】
1.構造:
【化6】

(式中、Xは、=N-又は置換若しくは非置換である炭素原子であり;
は、-H、-CN、C~Cアルキル、-C(O)R、-SOであり;
A’は、-H、C~Cアルキル又は-C(O)Rであり;
は、置換フェニル又はC~Cヘテロアリール(Ar若しくはHetAr)であり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され;
は、結合又はC~C非分枝鎖状アルキレン、C~Cシクロアルキレン若しくは3~6員ヘテロシクロアルキレンであり、これらのいずれか1つは、非置換であるか、又は互いに独立して1つ若しくは2つのRによって置換され、及び/又は-O-、-NH-若しくは-CO-によって独立して置換されるその-CH-基の1つ、2つ若しくは3つを有するか、又はLは、C~C分枝鎖状アルキレンであり、C~C分枝鎖状アルキレンは、非置換であるか、又は互いに独立して1つ若しくは2つのRによって置換され、及び/又は-O-、-NH-若しくは-CO-によって独立して置換されるその-CH-基の1つ、2つ若しくは3つを有し、及び/又は-N-によって置換されるその-CH-基の1つを有し;
は、C若しくはC10アリール又はC~C10ヘテロアリールであり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され;
環Aは、
【化7】

の構造を有するピラゾール部分であり、式中、一方の破線は、存在する場合、Lへの共有結合を示すか、又はLが存在しない場合にはRを示し、及び他方の破線は、6員窒素含有複素環への共有結合を示し、
ピラゾール部分は、非置換であるか、又はその芳香族炭素原子において1つ若しくは2つのR置換基で置換され、各Rは、存在する場合、独立して、一価のC結合された部分、-OH、-CN、C~Cアルコキシ、-OC~Cフルオロアルキル、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
は、-H、又は非置換若しくは置換C~Cアルキル、又はアミノ酸部分であり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH、-NMe、-CONH、-CONHMe、-CONMe、-COOH、-CH及び-CFからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
式Iのピリミジン又はピリジン環の残りの芳香族炭素原子は、非置換であるか、又はRによって独立して置換され;
各Rは、存在する場合、独立して、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)及び-CNからなる群から選択されるか、又はC~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、-CN、-NH及び-OHからなる群から選択される)
を有する式Iの化合物又はその塩(薬学的に許容される塩を含む)若しくはプロドラッグ。
【0086】
式Iの特定の実施形態において、Xが=N-又は置換若しくは非置換の炭素であり、Rが-Hであり、Rが置換アリールである。
【0087】
式Iの好ましい実施形態において、Rが-Hであり、Rが置換フェニルであり、Rが非置換若しくは置換フェニルであり、環Aが非置換ピラゾリルであり、Lが-CH-又は-CHCHNH-である。Rが存在しない。
【0088】
2.環Aが非置換である、実施形態1に記載の化合物。
【0089】
3.Rが-Hであり、Xが=N-又は=CH-である、実施形態1又は2に記載の化合物。
【0090】
4.Rが置換フェニルである、実施形態1、2又は3に記載の化合物。
【0091】
5.R中のRが存在しないか、又はRの1つ若しくは2つが存在し、ハロゲン又はC~Cアルコキシである、実施形態4に記載の化合物。
【0092】
6.R中のRの1つのみが存在し、及び-Clである、実施形態5に記載の化合物。
【0093】
7.R中のRの2つが存在し、及び独立して-F又は-OCHである、実施形態6に記載の化合物。
【0094】
8.Rが置換フェニルである、実施形態1~7のいずれか1つに記載の化合物。
【0095】
9.R中のRが-H又はC~Cフルオロアルキルである、実施形態8に記載の化合物。
【0096】
10.Rが-CFである、実施形態9に記載の化合物。
【0097】
11.Lが-CH(R)-である、実施形態1~10のいずれか1つに記載の化合物。
【0098】
12.Rが-Hによって置換されるか、又は-CHNHである、実施形態11に記載の化合物。
【0099】
13.構造:
【化8】

(式中、Xは、=N-又は置換若しくは非置換である炭素原子であり;
は、置換フェニル又はC~Cヘテロアリール(Ar若しくはHetAr)であり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され;
は、結合又はC~C非分枝鎖状アルキレン、C~Cシクロアルキレン若しくは3~6員ヘテロシクロアルキレンであり、これらのいずれか1つは、非置換であるか、又は互いに独立して1つ若しくは2つのRによって置換され、及び/又は-O-、-NH-若しくは-CO-によって独立して置換されるその-CH-基の1つ、2つ若しくは3つを有するか、又はLは、C~C分枝鎖状アルキレンであり、C~C分枝鎖状アルキレンは、非置換であるか、又は互いに独立して1つ若しくは2つのRによって置換され、及び/又は-O-、-NH-若しくは-CO-によって独立して置換されるその-CH-基の1つ、2つ若しくは3つを有し、及び/又は-N-によって置換されるその-CH-基の1つを有し;
は、C若しくはC10アリール又はC~C10ヘテロアリールであり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され、
環Aは、
【化9】

の構造を有するピラゾール部分であり、式中、一方の破線は、存在する場合、Lへの共有結合を示すか、又はLが存在しない場合にはRを示し、及び他方の破線は、6員窒素含有複素環への共有結合を示し、
ピラゾール部分は、非置換であるか、又はその芳香族炭素原子において1つ若しくは2つのR置換基で置換され、各Rは、存在する場合、独立して、一価のC結合された部分、-OH、-CN、C~Cアルコキシ、-OC~Cフルオロアルキル、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH、-NMe、-CONH、-CONHMe、-CONMe、-COOH、-CH及び-CFからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される)
を有する式IIの化合物又はその塩(薬学的に許容される塩を含む)若しくはプロドラッグ。
【0100】
式IIの特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
式IIのピリミジン又はピリジン環の残りの芳香族炭素原子は、非置換であるか、又はRによって独立して置換され;
各Rは、存在する場合、独立して、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)及び-CNからなる群から選択されるか、又はC~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、-CN、-NH及び-OHからなる群から選択される。
【0101】
式IIの特定の実施形態において、Rは、置換アリールである。
【0102】
式IIの好ましい実施形態において、Xが=N-又は=CH-であり、Rが置換フェニルであり、Rが非置換若しくは置換フェニルであり、環Aが非置換ピラゾリルであり、Lが-CH又は-CHCHNHである。Rが存在しない。
【0103】
14.構造:
【化10】

(式中、Rは、置換フェニル又はC~Cヘテロアリール(Ar若しくはHetAr)であり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され;
は、結合又はC~C非分枝鎖状アルキレン、C~Cシクロアルキレン若しくは3~6員ヘテロシクロアルキレンであり、これらのいずれか1つは、非置換であるか、又は互いに独立して1つ若しくは2つのRによって置換され、及び/又は-O-、-NH-若しくは-CO-によって独立して置換されるその-CH-基の1つ、2つ若しくは3つを有するか、又はLは、C~C分枝鎖状アルキレンであり、C~C分枝鎖状アルキレンは、非置換であるか、又は互いに独立して1つ若しくは2つのRによって置換され、及び/又は-O-、-NH-若しくは-CO-によって独立して置換されるその-CH-基の1つ、2つ若しくは3つを有し、及び/又は-N-によって置換されるその-CH-基の1つを有し;
は、C若しくはC10アリール又はC~C10ヘテロアリールであり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され、
環Aは、
【化11】

の構造を有するピラゾール部分であり、式中、一方の破線は、存在する場合、Lへの共有結合を示すか、又はLが存在しない場合にはRを示し、及び他方の破線は、6員窒素含有複素環への共有結合を示し、
ピラゾール部分は、非置換であるか、又はその芳香族炭素原子において1つ若しくは2つのR置換基で置換され、各Rは、存在する場合、独立して、一価のC結合された部分、-OH、-CN、C~Cアルコキシ、-OC~Cフルオロアルキル、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH、-NMe、-CONH、-CONHMe、-CONMe、-COOH、-CH及び-CFからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
式IIIのピリミジン又はピリジン環の残りの芳香族炭素原子は、非置換であるか、又はRによって独立して置換され;
各Rは、存在する場合、独立して、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)及び-CNからなる群から選択されるか、又はC~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、-CN、-NH及び-OHからなる群から選択される)
を有する式IIIの化合物又はその塩(薬学的に許容される塩を含む)若しくはプロドラッグ。
【0104】
式IIIの特定の実施形態において、Rは、置換アリールである。
【0105】
式IIIの好ましい実施形態において、Rが置換フェニルであり、Rが非置換若しくは置換フェニルであり、環Aが非置換ピラゾリルであり、Lが-CH又は-CHCHNHであり、Rが存在しない。
【0106】
15.構造
【化12】

(式中、Rは、置換フェニル又はC~Cヘテロアリール(Ar若しくはHetAr)であり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され;
は、結合又はC~C非分枝鎖状アルキレン、C~Cシクロアルキレン若しくは3~6員ヘテロシクロアルキレンであり、これらのいずれか1つは、非置換であるか、又は互いに独立して1つ若しくは2つのRによって置換され、及び/又は-O-、-NH-若しくは-CO-によって独立して置換されるその-CH-基の1つ、2つ若しくは3つを有するか、又はLは、C~C分枝鎖状アルキレンであり、C~C分枝鎖状アルキレンは、非置換であるか、又は互いに独立して1つ若しくは2つのRによって置換され、及び/又は-O-、-NH-若しくは-CO-によって独立して置換されるその-CH-基の1つ、2つ若しくは3つを有し、及び/又は-N-によって置換されるその-CH-基の1つを有し;
は、C若しくはC10アリール又はC~C10ヘテロアリールであり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され;
環Aは、
【化13】

の構造を有するピラゾール部分であり、式中、一方の破線は、存在する場合、Lへの共有結合を示すか、又はLが存在しない場合にはRを示し、及び他方の破線は、6員窒素含有複素環への共有結合を示し、
ピラゾール部分は、非置換であるか、又はその芳香族炭素原子において1つ若しくは2つのR置換基で置換され、各Rは、存在する場合、独立して、一価のC結合された部分、-OH、-CN、C~Cアルコキシ、-OC~Cフルオロアルキル、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される)
を有する式IVの化合物又はその塩(薬学的に許容される塩を含む)若しくはプロドラッグ。
【0107】
特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH、-NMe、-CONH、-CONHMe、-CONMe、-COOH、-CH及び-CFからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
式IVのピリミジン又はピリジン環の残りの芳香族炭素原子は、非置換であるか、又はRによって独立して置換され;
各Rは、存在する場合、独立して、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)及び-CNからなる群から選択されるか、又はC~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、-CN、-NH及び-OHからなる群から選択される。
【0108】
式IVの特定の実施形態において、Rは、置換アリールである。
【0109】
式IVの好ましい実施形態において、Rが置換フェニルであり、Rが置換フェニルであり、環Aが非置換ピラゾリルであり、Lが-CH又は-CHCHNHであり、Rが存在しない。
【0110】
16.構造:
【化14】

(式中、Xは、=N-又は置換若しくは非置換である炭素原子であり;
は、置換フェニル又はC~Cヘテロアリール(Ar若しくはHetAr)であり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され;
環Aは、
【化15】

の構造を有するピラゾール部分であり、式中、一方の破線は、可変の基Rが結合される炭素原子への共有結合を示し、及び他方の破線は、6員窒素含有複素環への共有結合を示し、
ピラゾール部分は、非置換であるか、又はその芳香族炭素原子において1つ若しくは2つのR置換基で置換され、各Rは、存在する場合、独立して、一価のC結合された部分、-OH、-CN、C~Cアルコキシ、-OC~Cフルオロアルキル、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH、-NMe、-CONH、-CONHMe、-CONMe、-COOH、-CH及び-CFからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
下付き文字mは、1、2又は3であり;
式Vのピリミジン又はピリジン環の残りの芳香族炭素原子は、非置換であるか、又はRによって独立して置換され;
各Rは、存在する場合、独立して、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)及び-CNからなる群から選択されるか、又はC~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、-CN、-NH及び-OHからなる群から選択される)
を有する式Vの化合物又はその塩(薬学的に許容される塩を含む)若しくはプロドラッグ。
【0111】
式Vの特定の実施形態において、Rは、置換アリールである。
【0112】
式Vの好ましい実施形態において、Xが=N-又は=CH-であり、Rが置換フェニルであり、環Aが非置換ピラゾリルであり、Rが-Hによって置換されるか、又は-CHNHであり、Rが存在しないか、又はハロゲン若しくはC~Cフルオロアルキルであり;Rが存在しない。
【0113】
17.構造:
【化16】

(式中、Xは、=N-又は置換若しくは非置換である炭素原子であり;
は、置換フェニル又はC~Cヘテロアリール(Ar若しくはHetAr)であり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され;
環Aは、
【化17】

の構造を有するピラゾール部分であり、式中、一方の破線は、式VIの構造のベンジル炭素原子への共有結合を示し、及び他方の破線は、6員窒素含有複素環への共有結合を示し、
ピラゾール部分は、非置換であるか、又はその芳香族炭素原子において1つ若しくは2つのR置換基で置換され、各Rは、存在する場合、独立して、一価のC結合された部分、-OH、-CN、C~Cアルコキシ、-OC~Cフルオロアルキル、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
下付き文字mは、1、2又は3であり;
式VIのピリミジン又はピリジン環の残りの芳香族炭素原子は、非置換であるか、又はRによって独立して置換され;
各Rは、存在する場合、独立して、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)及び-CNからなる群から選択されるか、又はC~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、-CN、-NH及び-OHからなる群から選択される)
を有する式VIの化合物又はその塩(薬学的に許容される塩を含む)若しくはプロドラッグ。
【0114】
式VIの特定の実施形態において、Rは、置換アリールである。
【0115】
式VIの好ましい実施形態において、Xが=N-又は=CH-であり、Rが置換フェニルであり、環Aが非置換ピラゾリルであり、Rが存在しないか、又はハロゲン若しくはC~Cフルオロアルキルであり、Rが存在しない。
【0116】
18.構造:
【化18】

(式中、Xは、=N-又は置換若しくは非置換である炭素原子であり;
は、置換フェニル又はC~Cヘテロアリール(Ar若しくはHetAr)であり、これらのいずれかは、非置換であるか、又は互いに独立して最大で3つのRによって置換され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH、-NMe、-CONH、-CONHMe、-CONMe、-COOH、-CH及び-CFからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
下付き文字mは、1、2又は3であり;
ピラゾール部分は、非置換であるか、又はその芳香族炭素原子において1つ若しくは2つのR置換基で置換され、各Rは、存在する場合、独立して、一価のC結合された部分、-OH、-CN、C~Cアルコキシ、-OC~Cフルオロアルキル、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
式VIIのピリミジン又はピリジン環の残りの芳香族炭素原子は、非置換であるか、又はRによって独立して置換され;
各Rは、存在する場合、独立して、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)及び-CNからなる群から選択されるか、又はC~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、-CN、-NH及び-OHからなる群から選択される)
を有する式VIIの化合物又はその塩(薬学的に許容される塩を含む)若しくはプロドラッグ。
【0117】
式VIIの特定の実施形態において、Rは、置換アリールである。
【0118】
式VIIの好ましい実施形態において、Xが=N-又は=CH-であり、Rが置換フェニルであり、Rが-Hによって置換されるか、又は-CHNHであり、下付き文字mが1であり、Rが存在しないか、又は-Cl若しくは-CFであり、R及びRが存在しない。
【0119】
19.構造:
【化19】

(式中、各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
下付き文字nは、1、2又は3であり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH、-NMe、-CONH、-CONHMe、-CONMe、-COOH、-CH及び-CFからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
下付き文字mは、1、2又は3であり;
ピラゾール部分は、非置換であるか、又はその芳香族炭素原子において1つ若しくは2つのR置換基で置換され、各Rは、存在する場合、独立して、一価のC結合された部分、-OH、-CN、C~Cアルコキシ、-OC~Cフルオロアルキル、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
式VIIIのピリミジン環の残りの芳香族炭素原子は、非置換であるか、又はRによって独立して置換され;
各Rは、存在する場合、独立して、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)及び-CNからなる群から選択されるか、又はC~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、-CN、-NH及び-OHからなる群から選択される)
を有する式VIIIの化合物又はその塩(薬学的に許容される塩を含む)若しくはプロドラッグ。
【0120】
式VIIIの好ましい実施形態において、下付き文字nが1又は2であり、Rが独立してハロゲン又は-OCHであり、Rが-Hによって置換されるか、又は-CHNHであり、下付き文字mが1であり、Rが存在しないか、又は-Cl若しくは-CFであり;R及びRが存在しない。
【0121】
20.構造:
【化20】

(式中、各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
下付き文字nは、1、2又は3であり;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NH、-NMe、-CONH、-CONHMe、-CONMe、-COOH、-CH及び-CFからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-NO、-CN、-OCN、-COOH、-COO(C~Cアルキル)、-CONH、-CONH(C~Cアルキル)、-CON(C~Cアルキル)、-NHCO(C~Cアルキル)、-NHCONH(C~Cアルキル)、-NHCONH、-CHO及び-CO(C~Cアルキル)からなる群から選択されるか、又は独立してハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、-CNからなる群から選択される。特定の実施形態において、一緒になって置換又は非置換C~C炭素環又は複素環を規定する、少なくとも2つの隣接するRが存在し、及び残りのRは、存在する場合、既に定義されているとおりであり;
下付き文字mは、1、2又は3であり;
ピラゾール部分は、非置換であるか、又はその芳香族炭素原子において1つ若しくは2つのR置換基で置換され、各Rは、存在する場合、独立して、一価のC結合された部分、-OH、-CN、C~Cアルコキシ、-OC~Cフルオロアルキル、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
式IXのピリジン環の残りの芳香族炭素原子は、非置換であるか、又はRによって独立して置換され;
各Rは、存在する場合、独立して、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル、-OH、-SH、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキルオキシ、-SC~Cアルキル、-S(O)C~Cアルキル、-SO~Cアルキル、-NH、-NHC~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)及び-CNからなる群から選択されるか、又はC~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、-CN、-NH及び-OHからなる群から選択され;
各Rは、存在する場合、一価のC結合された部分、-OH、-CN、C~Cアルコキシ、-OC~Cフルオロアルキル、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cフルオロアルキル及びハロゲンからなる群から選択される)
を有する式IXの化合物又はその塩(薬学的に許容される塩を含む)若しくはプロドラッグ。
【0122】
式Xの好ましい実施形態において、下付き文字nが1であり、Rが-Clであり、Rが-Hによって置換され、下付き文字mが1であり、Rが-CFであり、R及びRが存在しない。
【0123】
21.式I~IXの1つ以上の化合物又はその塩、好ましくは1、2又は3つと、少なくとも1つの賦形剤とを含むか、それから本質的になるか又はそれからなる組成物。
【0124】
好ましい実施形態において、組成物は、式I~IXの化合物と、少なくとも1つの賦形剤とを含むか、それから本質的になるか又はそれからなる。
【0125】
より好ましい実施形態において、組成物は、式I~IXの1つのみの化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤とを含むか、それから本質的になるか又はそれからなる薬学的に許容される製剤である。
【0126】
ある好ましい実施形態において、組成物は、式Iの1つの化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤とを含むか、それから本質的になるか又はそれからなる薬学的に許容される製剤である。
【0127】
22.S6Kに対する化合物の活性が約100μM~約1pM以下である(ただし、0超である)、式I~IXの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ。
【0128】
23.選択的S6K阻害剤である、実施形態22に記載の化合物。
【0129】
24.選択的S6K阻害剤である、式I~IXの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ。
【0130】
25.化合物又はその薬学的に許容される塩が選択的S6K阻害剤であり、S6K阻害剤化合物の活性(すなわちIC50)が約10μM~1pM以下である(ただし、0超である)、実施形態22、23又は24のいずれか1つに記載の化合物。
【0131】
26.6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、(R,S)-5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、(R,S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-フェニルエタノール、(R,S)-6-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(1-フェニルエテニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、(R,S)-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}フェニルアセトアミド、(R,S)-N,N-ジメチル{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}フェニルアセトアミド、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(o-トリル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(m-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(m-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-クロロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[o-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-トリフルオロメトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(o-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、{1-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-4-イル}フェニルメタノン、6-(4-ベンジル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-フルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-[p-(メチルスルホニル)フェニル]-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3,4-ジクロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(4-クロロ-3-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-トリフルオロメトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(2,2-ジフルオロ-2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、5-クロロ-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、3-(p-メトキシフェニル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、3-(p-クロロフェニル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、5-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、N-[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アセトアミド、N-アセチル-N-[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アセトアミド、(メチルスルホニル)[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン、N,N-ジメチル[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン、N-メチル[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン、5-(p-クロロフェニル)-6-[3-(トリフルオロメチル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(3-フルオロ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(3,5-ジメチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(3-メチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、6-{1-[(1H-1,3-ベンズイミダゾール-2-イル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、p-({4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}メチル)ベンゾニトリル、5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(1H-1,2,7-トリアザインデン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-1H-1,3-ベンズイミダゾール-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-メトキシフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[m-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-クメニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(2-ナフチル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン、5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(m-メトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン又はその塩である、実施形態21~25のいずれか1つに記載の化合物。
【0132】
27.6-(1-ベンジル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、6-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン、6-(1-{2-アミノ-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン、4-(1-ベンジル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジルアミン、3-(p-クロロフェニル)-4-(3-メチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、4-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジンアミン、4-(1-{2-アミノ-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジンアミン、6-(1-ベンジル-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、6-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン、6-(1-{2-アミノ-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン、4-(1-ベンジル-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジルアミン、3-(p-クロロフェニル)-4-(3,5-ジメチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、4-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル]-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジンアミン、4-(1-{2-アミノ-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジンアミン、{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル}メタノール、{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-3-イル}メタノール、{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル}メタノール、{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1-{2-アミノ-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-3-イル}メタノール、{4-[2-アミノ-3-(p-クロロフェニル)-4-ピリジル]-1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル}メタノール、{4-[2-アミノ-3-(p-クロロフェニル)-4-ピリジル]-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-3-イル}メタノール、{4-[2-アミノ-3-(p-クロロフェニル)-4-ピリジル]-1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル}メタノール、{4-[2-アミノ-3-(p-クロロフェニル)-4-ピリジル]-1-{2-アミノ-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-3-イル}メタノール、6-(1-ベンジル-3-フルオロ-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、6-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-3-フルオロ-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン、6-(1-{2-アミノ-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-3-フルオロ-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン、4-(1-ベンジル-3-フルオロ-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジルアミン、3-(p-クロロフェニル)-4-(3-フルオロ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、4-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-3-フルオロ-1H-ピラゾール-4-イル]-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジンアミン、4-(1-{2-アミノ-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-3-フルオロ-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジンアミン、6-[1-ベンジル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン、6-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン、6-(1-{2-アミノ-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン、4-[1-ベンジル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジルアミン、3-(p-クロロフェニル)-4-[3-(トリフルオロメチル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル]-2-ピリジルアミン、4-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジンアミン、4-(1-{2-アミノ-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジンアミン又はその塩である、実施形態21~25のいずれか1つに記載の化合物。
【0133】
28.(2S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-フェニルエタノール、(2R)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-フェニルエタノール、(2S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノール、(2R)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノール、(2S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-フェニルエタンアミン、(2R)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-フェニルエタンアミン、(2S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エタンアミン、(2R)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エタンアミン、(2S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-1-(ジメチルアミノ)-2-フェニルエタン、(2R)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-1-(ジメチルアミノ)-2-フェニルエタン、(2S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-1-(ジメチルアミノ)-2-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エタン、(2R)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-1-(ジメチルアミノ)-2-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エタン、(2S)-2-{4-[6-アミノ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-1-(ジメチルアミノ)-2-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エタン、(R)-2-{4-[6-アミノ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-1-(ジメチルアミノ)-2-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エタン、(2S)-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}[p-(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸、(2R)-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}[p-(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸、(2S)-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}[p-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、(2R)-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}[p-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、3-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン、(S)-2-{4-[2-アミノ-3-(p-クロロフェニル)-4-ピリジル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノール、(R)-2-{4-[2-アミノ-3-(p-クロロフェニル)-4-ピリジル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノール、4-(1-{(S)-2-アミノ-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジンアミン、4-(1-{(R)-2-アミノ-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジンアミン、4-(1-{(S)-2-(ジメチルアミノ)-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジンアミン、4-(1-{(R)-2-(ジメチルアミノ)-1-[p-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジンアミン、(S)-{4-[2-アミノ-3-(p-クロロフェニル)-4-ピリジル]-1H-ピラゾール-1-イル}[p-(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸、(R)-{4-[2-アミノ-3-(p-クロロフェニル)-4-ピリジル]-1H-ピラゾール-1-イル}[p-(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸、(S)-{4-[2-アミノ-3-(p-クロロフェニル)-4-ピリジル]-1H-ピラゾール-1-イル}[p-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、(R)-{4-[2-アミノ-3-(p-クロロフェニル)-4-ピリジル]-1H-ピラゾール-1-イル}[p-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド又はその塩である、実施形態21~25のいずれか1つに記載の化合物。
【0134】
29.表1の化合物又はその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤とを含むか、それから本質的になるか又はそれからなる薬学的に許容される製剤。
【0135】
30.S6K依存性又はS6K媒介性疾患又は病態を有する、有効量の式I~IXの化合物を投与することを含む方法。
【0136】
31.化合物が表1又はその塩から選択される、実施形態30に記載の方法。
【0137】
32.有効量の式I~IXの化合物又はその薬学的に許容される塩を、S6K媒介性疾患又は病態を有する対象に投与することを含む方法であって、化合物が実施形態31に記載のものである、方法。
【0138】
33.S6K依存性又はS6K媒介性疾患又は病態が癌である、実施形態30~32のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
34.癌が卵巣癌、乳癌又はトリプルネガティブ乳癌である、実施形態33に記載の方法。
【0140】
35.S6K依存性又はS6K媒介性疾患又は病態が、特発性線維症(IPF)を含む線維症又は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である、実施形態30~32のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
36.S6K依存性又はS6K媒介性疾患又は病態が、糖尿病及び糖尿病性合併症からなる群から選択される、実施形態30~32のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
37.S6K依存性又はS6K媒介性疾患又は病態が自閉症スペクトラム障害である、実施形態30~32のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
38.S6K依存性又はS6K媒介性疾患又は病態が脆弱性X症候群である、実施形態30~32のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
39.対象がヒトである、実施形態30~38のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
40.S6K依存性疾患又は病態を治療するための薬剤の調製における、実施形態1~28のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【0146】
41.S6K依存性疾患又は病態を有する、必要としている対象を治療するための薬剤であって、実施形態1~39のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、薬剤。
【0147】
表1の化合物は、本発明の例示であるが、限定的なものではなく、化合物64~129は、化合物1~63の調製のための実施例の適切に修正された手順に従って調製される。
【0148】
【表1】
【0149】
【表2】
【0150】
【表3】
【0151】
【表4】
【0152】
【表5】
【0153】
【表6】
【0154】
【表7】
【0155】
【表8】
【0156】
【表9】
【0157】
【表10】
【0158】
化合物64~129は、S6K阻害活性及び代謝の検討事項について試験される又は試験された化合物1~63についての構造活性関係に基づいて該当する活性を有すると予測される。すなわち、本発明の1つ以上の態様についてS6K阻害活性を有さない又は不十分なS6K阻害活性を有する化合物は、生体内での代謝プロセスの作用を受けると該当する活性を取得する。これらのプロセスは、組合せ又は1つ以上の第I相代謝プロセス、例えば、1つ以上のフラビンモノオキシダーゼ、シトクロムP40酵素による酸化、1つ以上のオキシドレダクターゼ酵素による還元若しくは酸化又は非特異的加水分解又は1つ以上のエステラーゼ、プロテアーゼ若しくはリパーゼ酵素によって媒介される加水分解プロセス又は第II相代謝プロセス、例えば、グルクロン酸化若しくは硫酸化或いは第I相及び第II相プロセスの組合せを含む。
【実施例
【0159】
実施例
HPLC方法
合成される実施例のHPLCトレースを、Agilent 1100シリーズオートサンプラを備えた、Shimadzu又はAgilent HPLCポンプ、デガッサ及びUV検出器からなるHPLCを用いて記録した。MS検出器(APCI)PE Sciex API 150 EXを、質量スペクトルデータを記録するために組み込んだ。2つのクロマトグラフィー方法の1つを用いて、HPLC/質量トレースを得た:
方法1:カラムSunFire(商標)(Waters)C18、サイズ2.1mm×50mm;
溶媒A:水中0.05%のTFA、溶媒B:アセトニトリル中0.05%のTFA;
流量 - 0.8mL/分;勾配:2.4分間で10%のBから90%のB、1.25分間にわたって90%のBで保持及び0.25分間で90%のBから10%のB、1.5分間にわたって10%のBで保持。;UV検出器-チャネル1=220nm、チャネル2=254nm。
【0160】
方法2:カラムAquasil(商標)(Thermo)C18、サイズ2.1mm×50mm;粒径5μ。
溶媒A:水中0.05%のTFA、溶媒B:アセトニトリル中0.05%のTFA;
流量 - 0.3mL/分;勾配:2.4分間で10%のBから95%のB、6.25分間にわたって95%のBで保持及び0.2分間で95%のBから10%のB、1.5分間にわたって10%のBで保持。;UV検出器-チャネル1=220nm、チャネル2=254nm。
【0161】
実施例1.6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(1)
工程1:ジメチル(p-クロロフェニル)マロネート
炭酸ジメチル(45.00g、500mmol)を撹拌しながら及びNの不活性雰囲気下でTHF(100mL)に溶解させ、NaH(8.00gの、油中60%の分散体、200mmol)で少しずつ処理した。得られた懸濁液を室温で1時間撹拌した。THF(80mL)に溶解されたメチル(p-クロロフェニル)アセテート(18.46g、100mmol)を、30分間にわたって滴下漏斗を介して混合物に加えた。次に、得られた混合物を2.5時間にわたって加熱還流させた。反応物を室温に冷却し、飽和NHCl水溶液(50mL)の滴下添加、続いて水(200mL)の添加によって慎重にクエンチした。生成物をEtOAc(2×300mL)で抽出した。組み合わされた有機層を塩水で洗浄し、無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物が黄色の油として得られ、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。収量=24.26g(100mmol、定量的)。
【0162】
工程2:5-(p-クロロフェニル)-4,6-ピリミジンジオール
磁気撹拌、滴下漏斗及び不活性雰囲気入口を備えた丸底フラスコに、NaOMe(65mLの、MeOH中30%w/vの溶液、350mmol)を充填し、0℃に冷却した。MeOH(500mL)中のジメチル(p-クロロフェニル)マロネート(実施例1、工程1、24.26g、100mmol)の溶液を30分間にわたってゆっくりと加えた。次に、反応混合物を2時間にわたって室温に到達させ、その後、ホルムアミジン酢酸塩(13.60g、130mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、全ての溶媒を減圧下で除去した。残っている固体をHO(100mL)中で懸濁させ、0℃に冷却した。混合物を2MのHCl水溶液(300mL)で処理した。得られた懸濁液を十分な2NのNaOH水溶液で処理して、溶液のpHを約4にした。沈殿物をろ過し、HOですすぎ、空気乾燥させた。生成物がオフホワイトの固体として得られた。収量=16.90g(76mmol、76%)。HPLC/MS(ESI)m/z 222.9-225.4(M+H)。方法1保持時間=0.4分。
【0163】
工程3:4,6-ジクロロ-5-(p-クロロフェニル)ピリミジン
5-(p-クロロフェニル)-4,6-ピリミジンジオール(実施例1、工程2、16.80g、75.7mmol)をPOCl(84.7mL、908.4mmol)で処理した後、N,N-ジメチルアニリン(21.1mL、171.1mmol)を慎重に加えた。得られた混合物を3時間にわたって130℃に加熱し、室温に冷却し、次に撹拌しながら氷/水にゆっくりと注いだ。全ての氷が融解した後、固体をろ過によって取り出し、HOですすぎ、空気乾燥させた。生成物が褐色の固体として得られた。収量=17.34g(67mmol、89%)。HPLC/MS(ESI)m/z 258.8、261.0、263.2(M+H)。方法1保持時間=3.20分。
【0164】
工程4:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン
1,4-ジオキサン(140mL)及びNHOH水溶液(70mL)中の4,6-ジクロロ-5-(p-クロロフェニル)ピリミジン(実施例1、工程3、17.20g、66.7mmol)を含有する混合物を圧力容器中で4時間にわたって80℃に加熱した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応物を室温に冷却し、次に分液漏斗に移した。生成物をEtOAc(3×150mL)で抽出し、組み合わされた有機層をHO及び塩水で洗浄し、無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗生成物を、沸騰しているEtOH(155mL)中で結晶化させ、それを冷却すると、純粋な生成物が白色の結晶として得られた。収量=12.69g(53.4mmol、79%)。HPLC/MS(ESI)m/z 240.0、242.0、243.9(M+H)。方法1保持時間=2.62分。
【0165】
工程5:6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(1)
6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、50mg、0.21mmol)及び(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)ボロン酸(64mg、0.32mmol)をトルエン/EtOHの2:1v/vの混合物(2.1mL)に溶解させ、2MのNaCO水溶液(0.7mL)で処理した。得られた混合物を10分間にわたってN下で脱気した。Pd[PhP](12mg、0.011mmol)を加え、得られた混合物を90℃で16時間撹拌した。冷却した後、反応物を分液漏斗に移し、EtOAc(50mL)で抽出し、HO及び塩水で洗浄した。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗残渣を、ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。生成物が白色の固体として得られた。収量=17mg(0.047mmol、22%)。HPLC/MS(ESI)m/z 362.4(M+H)。方法1保持時間=2.55分。
【0166】
実施例2.5-(p-クロロフェニル)-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(2)。
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、24mg、0.1mmol)、1-メチル-1H-ピラゾール-4-ボロン酸ピナコールエステル(20mg、0.15mmol)、1,4-ジオキサン(0.5mL)、水(0.03mL)、KPO(64mg、0.3mmol)、Pd[PhP](5mg、0.004mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。アセトン/CHCl(3:7v/v)で溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによる精製。生成物は、白色の固体である。収量=10mg(0.035mmol、35%)。HPLC/MS(ESI)m/z 286.3(M+H)。方法1保持時間=1.88分。
【0167】
実施例3.(R,S)-5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(3)
工程1:(R,S)-4-ブロモ-1-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール
4-ブロモ-1H-ピラゾール(639mg、4.35mmol)、DMF(10mL)及びCsCO(1.42g、4.35mmol)の撹拌混合物をm-(1-ブロモエチル)-(トリフルオロメチル)-ベンゼン(1.00g、3.95mmol)で処理した。反応物を室温で48時間撹拌した。反応物をHO(100mL)で処理し、生成物をEtOAc(100mL)で抽出した。有機層をHO、1MのHCl水溶液及び塩水で洗浄し、無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。生成物が無色油として得られた。収量=1.31g(4.11mmol、定量的)。HPLC/MS(ESI)m/z 319.1(M+H)。方法1保持時間=3.29分。
【0168】
工程2:(R,S)-4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン
(R,S)-4-ブロモ-1-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール(1.31g、4.11mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.58g、6.18mmol)、KOAc(1.22g、12.4mmol)及び1,4-ジオキサン(11mL)の混合物を室温で10分間にわたってN下で脱気した。Pd(dppf)Cl・CHCl(337mg、0.41mmol)を加え、混合物を16時間にわたって90℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、CELITEのパッドに通してろ過し、EtOAcですすいだ。ろ液をHO、0.1MのHCl水溶液及び塩水で洗浄し、無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。残渣を、ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。純粋な生成物が無色油として得られた。収量=450mg(1.23mmol、30%)。HPLC/MS(ESI)m/z 367.2(M+H)。方法1保持時間=3.17分。
【0169】
工程3:(R,S)-5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(3)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、91mg、0.38mmol)、(R,S)-4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例3、工程2、210mg、0.57mmol)、トルエン/EtOHの2:1v/vの混合物(15mL)、2MのNaCO水溶液(5mL)及びPd[PhP](22mg、0.019mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を白色の固体として得た。収量=83mg(0.19mmol、49%)。HPLC/MS(ESI)m/z 444.5(M+H)。方法1保持時間=2.70分。
【0170】
実施例4.5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(4)
工程1:4-ブロモ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-1H-ピラゾール(1.47g、10.0mmol)、DMF(20mL)、CsCO(3.26g、10.0mmol)及び4-(トリフルオロメチル)-ベンジルブロミド(2.18g、9.1mmol)を用いて、実施例3、工程1について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を白色の固体として得た。収量=1.89g(6.2mmol、68%)。HPLC/MS(ESI)m/z 305.2(M+H)。方法1保持時間=3.11分。
【0171】
工程2:4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール(1.73g、5.70mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.20g、8.55mmol)、KOAc(1.68g、17.10mmol)、1,4-ジオキサン(15mL)及びPd(dppf)Cl・CHCl(466mg、0.57mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を白色の固体として得た。収量=497mg(1.41mmol、25%)。HPLC/MS(ESI)m/z 353.4(M+H)。方法1保持時間=3.07分。
【0172】
工程3:5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(4)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、91mg、0.38mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例4、工程2、203mg、0.57mmol)、トルエン/EtOHの2:1v/vの混合物(15mL)、2MのNaCO水溶液(5mL)及びPd[PhP](22mg、0.019mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。CHCl/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を白色の固体として得た。収量=58mg(0.14mmol、36%)。HPLC/MS(ESI)m/z 430.1(M+H)。方法1保持時間=2.66分。
【0173】
実施例5.(R,S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-フェニルエタノール(5)
工程1:(R,S)-2-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)-2-フェニルエタノール
スチレンオキシド(12.9g、10.7mmol)、4-ブロモ-1H-ピラゾール(15.7g、10.7mmol)及びY(NO・6HO(0.102g、0.268mmol)の混合物を23℃で20時間撹拌した。粗生成物を、5%~30%のEtOAcで、ヘキサン/EtOAc混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を無色油(2.46g、9.21mmol、86%)として得た。HPLC/MS(ESI)m/z 269.1(M+H)。方法1保持時間=2.71分。
【0174】
工程2:(R,S)-2-フェニル-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノール
この化合物を、以下の試薬:(R,S)-2-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)-2-フェニルエタノール(実施例5、工程1、0.534g、2.00mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.52g、6.00mmol)、KOAc(0.589g、6.00mmol)、1,4-ジオキサン(10mL)及びPd(dppf)Cl・CHCl(0.163g、0.200mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を淡黄色の油として得た。収量=0.441g(1.40mmol、70%)。HPLC/MS(ESI)m/z 315.5(M+H)。方法1保持時間=2.56分。
【0175】
工程3:(R,S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-フェニルエタノール(5)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、0.288g、1.20mmol)、(R,S)-2-フェニル-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノール(実施例5、工程2、0.441g、1.40mmol)、1,4-ジオキサン(3.5mL)、2MのNaCO水溶液(3.60mmol、1.80mL)及びPd[PhP](0.138g、0.120mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。逆相カラムクロマトグラフィー(C-18、CHCN:HO、25%~90%のCHCN、TFAで調整された)勾配による精製により、純粋な生成物を無色油として得た。収量=0.397g(1.01mmol、72%)。HPLC/MS(ESI)m/z 392.3(M+H)。方法1保持時間=2.45分。
【0176】
実施例6.(R,S)-6-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン(6)
工程1:(R,S)-5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[2-(メチルスルホニルオキシ)-1-フェニルエチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン
CHCl(2.5mL)中の(R,S)-2-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-2-フェニルエタノール(実施例5、100mg、0.25mmol)の溶液をN下においEtN(38mg、0.37mmol)で処理し、この混合物を氷/水浴で0℃に冷却した。CHCl(1mL)中の塩化メタンスルホニル(39mg、0.34mmol)の溶液を滴下して加え、得られた混合物を2時間撹拌し、次に室温に温め、さらに2時間撹拌した。反応物をHOでクエンチし、生成物をCHClで抽出した。有機物を無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗生成物が白色の半固体として得られ、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。収量=123mg(0.26mmol、およそ定量的)。
【0177】
工程2:(R,S)-6-[1-(2-アジド-1-フェニルエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン
(R,S)-5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[2-(メチルスルホニルオキシ)-1-フェニルエチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(実施例6、工程1、77mg、0.163mmol)、NaN(32mg、0.489mmol)及びDMF(3mL)を含有する混合物を室温で1時間撹拌し、次に5時間にわたって80℃に加熱した。室温に冷却した後、反応物をHOでクエンチし、生成物をCHClで抽出した。有機物を無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗生成物が黄色の半固体として得られ、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。収量=64mg(0.154mmol、94%)。
【0178】
工程3:(R,S)-6-[1-(2-アミノ-1-フェニルエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジンアミン(6)
THF(2mL)中の(R,S)-6-[1-(2-アジド-1-フェニルエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例6、工程2、64mg、0.154mmol)の溶液をPhP(81mg、0.307mmol)で処理し、得られた混合物をN下で3時間にわたって室温で撹拌した。HO(0.4mL)を加え、混合物をさらに24時間にわたって撹拌した。反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18、CHCN:HO、15%~75%のCHCN、TFAで調整された)勾配によって直接精製して、純粋な生成物を無色油として得た。収量=12mg(0.03mmol、19%)。HPLC/MS(ESI)m/z 391.1(M+H)。方法1保持時間=2.30分。
【0179】
実施例7.5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(1-フェニルエテニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン(7)
DMF(2.5mL)中の(R,S)-5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[2-(メチルスルホニルオキシ)-1-フェニルエチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(実施例6、工程1、46mg、0.1mmol)、ジメチルアミン塩酸塩(10mg、0.125mmol)及びKCO(35mg、0.250mml)を含有する混合物をN雰囲気下で2時間にわたって80℃で撹拌した。次に、反応混合物を室温に冷却し、16時間撹拌した。反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C-18、CHCN:HO、15%~75%のCHCN、TFAで調整された)勾配によって直接精製して、純粋な生成物を白色の固体として得た。収量=15mg(0.04mmol、40%)。HPLC/MS(ESI)m/z 374.1(M+H)。方法1保持時間=2.69分。
【0180】
実施例8.(R,S)-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}フェニルアセトアミド(8)
工程1:(R,S)-エチル(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアセテート
DMF(20mL)中の4-ブロモ-1H-ピラゾール(1.62g、11.0mmol)、(R,S)-エチルクロロフェニルアセテート(1,72mL、10.0mmol)を含有する溶液をCsCO(3.58g、11.0mmol)で処理し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応物をHO(100mL)で希釈し、生成物をEtOAc(100mL)で抽出した。有機層を1NのHCl水溶液及び塩水で洗浄し、無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を白色の固体(2.46g、7.96mmol、80%)として得た。
【0181】
工程2:(R,S)-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル酢酸
(R,S)-エチル(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアセテート(実施例8、工程1、400mg、1.29mmol)をTHF(6.5mL)に溶解させ、1MのLiOH水溶液(6.5mL)で処理した。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応物を1NのHCl水溶液でクエンチし、生成物をEtOAcで抽出した。有機物を無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。生成物が白色の固体として得られた。収量=362mg(1.29mmol、定量的)。
【0182】
工程3:(R,S)-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアセトアミド
DMF(3mL)中の(R,S)-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル酢酸(実施例8、工程2、169mg、0.6mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(430mL、2.4mmol)を含有する溶液をNHCl(64mg、1.2mmol)及びHATU(297mg、0.78mmol)で処理した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。翌朝、反応物をEtOAcで希釈し、HO、飽和NaHCO水溶液及び塩水で洗浄した。有機物を無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗材料をCHClで研和した。生成物が白色の固体として得られた。収量=146mg(0.52mmol、87%)。
【0183】
工程4:(R,S)-フェニル[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセトアミド
この化合物を、以下の試薬:(R,S)-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアセトアミド(実施例8、工程3、146mg、0.52mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(330mg、1.30mmol)、KOAc(115mg、1.17mmol)、1,4-ジオキサン(5.2mL)及びPd(dppf)Cl(20mg、0.026mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を褐色の油として得た。収量=200mg(0.52mmol、およそ定量的)。
【0184】
工程5:(R,S)-{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}フェニルアセトアミド(8)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、120mg、0.5mmol)、(R,S)-フェニル[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセトアミド(実施例8、工程4、170mg、0.52mmol)、2:1v/vのトルエン/EtOH混合物(5mL)、2MのNaCO水溶液(1.6mL)、Pd[PhP](30mg、0.025mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。EtOAc/MeOH(95:5v/v)で溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによる精製。生成物は、白色の固体である。収量=20mg(0.05mmol、10%)。HPLC/MS(ESI)m/z 405.4(M+H)。方法1保持時間=2.21分。
【0185】
実施例9.(R,S)-N,N-ジメチル{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}フェニルアセトアミド(9)
工程1:(R,S)-N,N-ジメチル(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアセトアミド
この化合物を、以下の試薬:(R,S)-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル酢酸(実施例8、工程2、169mg、0.6mmol)、ジメチルアミン塩酸塩(98mg、1.2mmol)、DMF(3mL)、ジイソプロピルエチルアミン(430mL、2.4mmol)及びHATU(297mg、0.78mmol)を用いて、実施例8、工程3について報告される方法に従って調製した。生成物が黄色の固体として得られた。収量=185mg(0.6mmol、定量的)。HPLC/MS(ESI)m/z 310.5(M+H)。方法1保持時間=2.81分。
【0186】
工程2:(R,S)-N,N-ジメチルフェニル[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセトアミド
この化合物を、以下の試薬:(R,S)-N,N-ジメチル(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアセトアミド(実施例9、工程1、232mg、0.75mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(478mg、1.88mmol)、KOAc(166mg、1.69mmol)、1,4-ジオキサン(7mL)及びPd(dppf)Cl・CHCl(31mg、0.038mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を黄色の油として得た。収量=138mg(0.39mmol、52%)。HPLC/MS(ESI)m/z 356.6(M+H)。方法1保持時間=2.80分。
【0187】
工程3:(R,S)-N,N-ジメチル{4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}フェニルアセトアミド(9)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、93mg、0.389mmol)、(R,S)-N,N-ジメチルフェニル[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセトアミド(実施例9、工程2、138mg、0.389mmol)、2:1v/vのトルエン/EtOH混合物(4mL)、2MのNaCO水溶液(1.3mL)、Pd[PhP](22mg、0.0195mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。EtOAcで溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによる精製。生成物は、白色の固体である。収量=9mg(0.02mmol、5%)。HPLC/MS(ESI)m/z 433.1(M+H)。方法1保持時間=2.38分。
【0188】
実施例10.5-(p-クロロフェニル)-6-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(10)
工程1:4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-1-フェニル-1H-ピラゾール(1.0g、4.48mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.85g、11.20mmol)、KOAc(1.1g、11.20mmol)、1,4-ジオキサン(8.8mL)及びPd(dppf)Cl・CHCl(36mg、0.045mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を油として得た。収量=550mg(2.04mmol、45%)。
【0189】
工程2:5-(p-クロロフェニル)-6-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(10)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、100mg、0.416mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例10、工程1、146mg、0.541mmol)、1,4-ジオキサン(4mL)、NaCO(132mg、1.25mmol)、HO(4mL)、Pd(dppf)Cl・CHCl(34mg、0.041mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。CHCl/MeOH(94:6v/v)混合物で溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによる精製。生成物は、白色の固体である。収量=25mg(0.072mmol、17%)。HPLC/MS(ESI)m/z 348.2(M+H)。方法1保持時間=2.53分。
【0190】
実施例11.5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(o-トリル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン(11)
工程1:4,4,5,5-テトラメチル-2-[1-(o-トリル)-1H-ピラゾール-4-イル]-1,3,2-ジオキサボロラン
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-1-(o-トリル)-1H-ピラゾール(1.0g、4.22mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.67g、10.54mmol)、KOAc(1.03g、10.33mmol)、1,4-ジオキサン(8.4mL)及びPd(dppf)Cl・CHCl(34mg、0.042mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を油として得た。収量=579mg(2.04mmol、48%)。
【0191】
工程2:5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(o-トリル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン(11)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、100mg、0.416mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-[1-(o-トリル)-1H-ピラゾール-4-イル]-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例11、工程1、153mg、0.541mmol)、1,4-ジオキサン(4mL)、NaCO(132mg、1.25mmol)、HO(4mL)、Pd(dppf)Cl・CHCl(34mg、0.041mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。CHCl/MeOH(94:6v/v)混合物で溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによる精製。生成物は、白色の固体である。収量=30mg(0.083mmol、20%)。HPLC/MS(ESI)m/z 362.2(M+H)。方法1保持時間=2.53分。
【0192】
実施例12.5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(m-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン(12)
工程1:2-[1-(m-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-1-(m-クロロフェニル)-1H-ピラゾール(1.0g、3.88mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.46g、9.71mmol)、KOAc(951mg、9.71mmol)、1,4-ジオキサン(8mL)及びPd(dppf)Cl・CHCl(32mg、0.038mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を油として得た。収量=620mg(2.04mmol、53%)。
【0193】
工程2:5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(m-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン(12)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、100mg、0.416mmol)、2-[1-(m-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例12、工程1、164mg、0.541mmol)、1,4-ジオキサン(4mL)、NaCO(132mg、1.25mmol)、HO(4mL)、Pd(dppf)Cl・CHCl(34mg、0.041mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。CHCl/MeOH(94:6v/v)混合物で溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによる精製。生成物は、白色の固体である。収量=79mg(0.21mmol、50%)。HPLC/MS(ESI)m/z 382.4(M+H)。方法1保持時間=2.82分。
【0194】
実施例13.5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(13)
工程1:4,4,5,5-テトラメチル-2-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル}-1,3,2-ジオキサボロラン
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール(1.0g、3.44mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.18g、8.59mmol)、KOAc(841mg、8.59mmol)、1,4-ジオキサン(8mL)及びPd(dppf)Cl・CHCl(28mg、0.034mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を油として得た。収量=889mg(2.63mmol、76%)。
【0195】
工程2:5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(13)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、100mg、0.416mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-{1-[m-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル}-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例13、工程1、182mg、0.541mmol)、1,4-ジオキサン(4mL)、NaCO(132mg、1.25mmol)、HO(4mL)、Pd(dppf)Cl・CHCl(34mg、0.041mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。CHCl/MeOH(94:6v/v)混合物で溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによる精製。生成物は、白色の固体である。収量=43mg(0.104mmol、25%)。HPLC/MS(ESI)m/z 416.6(M+H)。方法1保持時間=2.82分。
【0196】
実施例14.5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン(14)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、821mg、3.42mmol)、1-(2-テトラヒドロピラニル)-1H-ピラゾール-4-ボロン酸、ピナコールエステル(1.11g、4.00mmol)、1,4-ジオキサン(11mL)、2MのNaCO水溶液(5.2mL)、Pd[PhP](395mg、0.342mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製。生成物は、淡黄色の固体である。収量=800mg(2.25mmol、65%)。HPLC/MS(ESI)m/z 356.6(M+H)。方法1保持時間=2.08分。
【0197】
実施例15.5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(m-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(15)
工程1:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン
CHCl(11mL)中の5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン(実施例14、771mg、2.16mmol)の溶液を室温においてトリフルオロ酢酸(11mL)で処理した。一晩撹拌した後、揮発性物質を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAC(50mL)に溶解させ、飽和NaHCO水溶液及び塩水で洗浄した。有機物を無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗生成物が黄色の発泡体として得られ、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。収量=828mg(>100%)。HPLC/MS(ESI)m/z 272.4(M+H)。方法1保持時間=1.32分。
【0198】
工程2:5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(m-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(15)
DMF(2.5mL)中の5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、68mg、0.25mg)及びKCO(104mg、0.75mmol)を含有する撹拌懸濁液を3-フルオロベンジルブロミド(57mg、0.30mmol)で処理した。得られた混合物を1時間にわたって室温に保持し、次に2時間にわたって70℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、HOで処理し、分液漏斗に移した。有機層を分離し、1NのHCl水溶液及び塩水で洗浄した。有機物を無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。EtOAcで溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによる精製。収量=8mg(0.02mmol、8%)。HPLC/MS(ESI)m/z 380.4(M+H)。方法1保持時間=2.23分。
【0199】
実施例16.5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-クロロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(16)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、101mg、0.37mg)、KCO(153mg、1.11mmol)、DMF(3.7mL)、4-クロロベンジルブロミド(115mg、0.56mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=11mg(0.028mmol、8%)。HPLC/MS(ESI)m/z 396.4(M+H)。方法1保持時間=2.41分。
【0200】
実施例17.5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[o-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(17)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、101mg、0.37mg)、KCO(153mg、1.11mmol)、DMF(3.7mL)、2-トリフルオロメチルベンジルブロミド(134mg、0.56mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=35mg(0.081mmol、22%)。HPLC/MS(ESI)m/z 430.4(M+H)。方法1保持時間=2.44分。
【0201】
実施例18.5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(18)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、101mg、0.37mg)、KCO(153mg、1.11mmol)、DMF(3.7mL)、4-フルオロベンジルブロミド(70mL、0.56mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=22mg(0.058mmol、16%)。HPLC/MS(ESI)m/z 380.5(M+H)。方法1保持時間=2.56分。
【0202】
実施例19.5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(19)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、101mg、0.37mg)、KCO(153mg、1.11mmol)、DMF(3.7mL)、2,4-ジフルオロベンジルブロミド(77mL、0.56mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=22mg(0.055mmol、15%)。HPLC/MS(ESI)m/z 398.5(M+H)。方法1保持時間=2.34分。
【0203】
実施例20.5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-トリフルオロメトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(20)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、101mg、0.37mg)、KCO(153mg、1.11mmol)、DMF(3.7mL)、4-メトキシベンジルブロミド(90mL、0.56mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=23mg(0.052mmol、14%)。HPLC/MS(ESI)m/z 446.6(M+H)。方法1保持時間=2.52分。
【0204】
実施例21.5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(o-フルオロフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(21)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、101mg、0.37mg)、KCO(153mg、1.11mmol)、DMF(3.7mL)、2-フルオロベンジルブロミド(67mL、0.56mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=17mg(0.045mmol、12%)。HPLC/MS(ESI)m/z 380.5(M+H)。方法1保持時間=2.49分。
【0205】
実施例22.{1-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-4-イル}フェニルメタノン(22)
工程1:フェニル(1H-ピラゾール-4-イル)メタノン
下で無水THF(52mL)中の4-ブロモ-1H-ピラゾール(1.91g、13.0mmol)の溶液を撹拌しながら-78℃に冷却した。n-BuLi(14.6mLの、ヘキサン中2.0Mの溶液、29.3mmol)を、シリンジを介して滴下して加えた。得られた混合物を-78℃で1時間撹拌し、次に室温に温め、2時間撹拌した。反応混合物を-78℃に冷却し、安息香酸エチル(2.44g、16.2mmol)で滴下して処理した。この混合物を一晩撹拌し、室温に到達させた。反応物を慎重にNHCl水溶液の添加によってクエンチした。生成物をEtOAcで抽出し、有機層を分離し、1NのHCl水溶液及び塩水で洗浄した。有機物を無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗生成物が淡黄色の半固体として得られた。収量=3.4g。この材料をさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0206】
工程2:{1-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-4-イル}フェニルメタノン(22)
6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、690mg、2.90mmol)及びフェニル(1H-ピラゾール-4-イル)メタノン(実施例22、工程1、500mg、2.90mmol)をNMP(7mL)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(750mg、5.8mmol)で処理した。得られた溶液を撹拌しながら16時間にわたって130℃に加熱した。反応物を冷却し、逆相カラムクロマトグラフィー(C-18、CHCN:HO、15%~75%のCHCN、TFAで調整された)勾配によって直接精製して、純粋な生成物を淡黄色の固体として得た。収量=13mg(0.035mmol、1%)。HPLC/MS(ESI)m/z 376.1(M+H)。方法1保持時間=2.65分。
【0207】
実施例23.6-(4-ベンジル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(23)
工程1:6-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン
6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、1.2g、5.0mmol)及び4-ブロモ-1H-ピラゾール(735mg、5.0mmol)をDMF(15mL)に溶解させ、CsCO(3.25mg、10.0mmol)で処理した。得られた溶液を撹拌しながら16時間にわたって80℃に加熱した。反応物を飽和NHCl水溶液の添加によってクエンチした。生成物をEtOAcで抽出し、有機層を分離し、1NのHCl水溶液及び塩水で洗浄した。有機物を無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗生成物がオレンジ色の固体として得られた。収量=4.0g。この材料をさらに精製せずに次の工程に使用した。HPLC/MS(ESI)m/z 352.3(M+H)。方法1保持時間=2.57分。
【0208】
工程2:6-(4-ベンジル-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(23)
この化合物を、以下の試薬:6-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例23、工程1、350mg、1.0mmol)、2-ベンジル-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(327mg、1.5mmol)、1,4-ジオキサン(5mL)、2MのNaCO水溶液(1.8mL)、Pd(dppf)Cl・CHCl(41mg、0.05mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。逆相カラムクロマトグラフィー(C-18、CHCN:HO、15%~75%のCHCN、TFAで調整された)勾配による精製により、純粋な生成物を白色の固体として得た。収量=24mg(0.066mmol、7%)。HPLC/MS(ESI)m/z 362.1(M+H)。方法1保持時間=2.80分。
【0209】
実施例24.5-(p-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(24)
工程1:4-(5-ブロモ-6-クロロ-4-ピリミジニル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(273mg、1.2mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例4、工程2、352mg、1.0mmol)、1,4-ジオキサン(3.3mL)、2MのNaCO水溶液(1.5mL)及びPd[PhP](116mg、0.1mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を黄色の油として得た。収量=142mg(0.34mmol、34%)。HPLC/MS(ESI)m/z 417.2、419.4(M+H)。方法1保持時間=3.27分。
【0210】
工程2:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン
iPrOH(1.7mL)中の4-(5-ブロモ-6-クロロ-4-ピリミジニル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール(実施例24、工程1、142mg、0.34mmol)の溶液をNHOH水溶液(1.7mL)で処理し、得られた混合物を2時間にわたって100℃に加熱した。反応混合物を冷却し、HOで希釈し、生成物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、1NのHCl水溶液及び塩水で洗浄し、無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。生成物が白色の固体として得られ、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。収量=123mg(0.31mmol、91%)。HPLC/MS(ESI)m/z 400.2(M+H)。方法1保持時間=2.44分。
【0211】
工程3:5-(p-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(24)
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例24、工程2、60mg、0.152mmol)、4-メトキシフェニルボロン酸(35mg、0.228mmol)、1,4-ジオキサン(1.5mL)、2MのNaCO水溶液(0.3mL)及びPd[PhP](18mg、0.0152mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。EtOAcで溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによる精製。収量=13mg(0.03mmol、20%)。HPLC/MS(ESI)m/z 426.5(M+H)。方法1保持時間=2.41分。
【0212】
実施例25.5-(p-フルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(25)
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例24、工程2、60mg、0.152mmol)、4-フルオロフェニルボロン酸(32mg、0.228mmol)、1,4-ジオキサン(1.5mL)、2MのNaCO水溶液(0.3mL)及びPd[PhP](18mg、0.0152mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。EtOAcで溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによる精製。収量=18mg(0.044mmol、29%)。HPLC/MS(ESI)m/z 414.6(M+H)。方法1保持時間=2.41分。
【0213】
実施例26.5-[p-(メチルスルホニル)フェニル]-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(26)
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例24、工程2、100mg、0.253mmol)、4-メチルスルホニルフェニルボロン酸(76mg、0.38mmol)、1,4-ジオキサン(1.3mL)、2MのNaCO水溶液(0.44mL)及びPd[PhP](15mg、0.0127mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=25mg(0.053mmol、21%)。HPLC/MS(ESI)m/z 474.4(M+H)。方法1保持時間=2.26分。
【0214】
実施例27.5-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(27)
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例24、工程2、100mg、0.253mmol)、3-フルオロ-4-クロロフェニルボロン酸(66mg、0.38mmol)、1,4-ジオキサン(1.3mL)、2MのNaCO水溶液(0.44mL)及びPd[PhP](15mg、0.0127mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=33mg(0.074mmol、29%)。HPLC/MS(ESI)m/z 448.3(M+H)。方法1保持時間=2.38分。
【0215】
実施例28.5-(3,4-ジクロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(28)
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例24、工程2、100mg、0.253mmol)、3,4-ジクロロフェニルボロン酸(73mg、0.38mmol)、1,4-ジオキサン(1.3mL)、2MのNaCO水溶液(0.44mL)及びPd[PhP](15mg、0.0127mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=38mg(0.082mmol、32%)。HPLC/MS(ESI)m/z 464.3(M+H)。方法1保持時間=2.43分。
【0216】
実施例29.5-(4-クロロ-3-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(29)
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例24、工程2、100mg、0.253mmol)、3-メトキシ-4-クロロフェニルボロン酸(71mg、0.38mmol)、1,4-ジオキサン(1.3mL)、2MのNaCO水溶液(0.44mL)及びPd[PhP](15mg、0.0127mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=72mg(0.157mmol、62%)。HPLC/MS(ESI)m/z 460.5(M+H)。方法1保持時間=2.37分。
【0217】
実施例30.5-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(30)
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例24、工程2、100mg、0.253mmol)、4-メトキシ-3-クロロフェニルボロン酸(71mg、0.38mmol)、1,4-ジオキサン(1.3mL)、2MのNaCO水溶液(0.44mL)及びPd[PhP](15mg、0.0127mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=42mg(0.092mmol、36%)。HPLC/MS(ESI)m/z 460.4(M+H)。方法1保持時間=2.31分。
【0218】
実施例31.5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(31)
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例24、工程2、100mg、0.253mmol)、3,4-ジフルオロフェニルボロン酸(60mg、0.38mmol)、1,4-ジオキサン(1.3mL)、2MのNaCO水溶液(0.44mL)及びPd[PhP](15mg、0.0127mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=65mg(0.151mmol、60%)。HPLC/MS(ESI)m/z 432.4(M+H)。方法1保持時間=2.28分。
【0219】
実施例32.5-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(32)
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例24、工程2、100mg、0.253mmol)、4-メトキシ-3-フルオロフェニルボロン酸(65mg、0.38mmol)、1,4-ジオキサン(1.3mL)、2MのNaCO水溶液(0.44mL)及びPd[PhP](15mg、0.0127mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=39mg(0.088mmol、35%)。HPLC/MS(ESI)m/z 444.7(M+H)。方法1保持時間=2.23分。
【0220】
実施例33.5-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(33)
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例24、工程2、100mg、0.253mmol)、4-フルオロ-3-メトキシフェニルボロン酸(65mg、0.38mmol)、1,4-ジオキサン(1.3mL)、2MのNaCO水溶液(0.44mL)及びPd[PhP](15mg、0.0127mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=38mg(0.086mmol、34%)。HPLC/MS(ESI)m/z 444.5(M+H)。方法1保持時間=2.28分。
【0221】
実施例34.5-(p-トリフルオロメトキシフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(34)
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例24、工程2、100mg、0.253mmol)、4-トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(78mg、0.38mmol)、1,4-ジオキサン(1.3mL)、2MのNaCO水溶液(0.44mL)及びPd[PhP](15mg、0.0127mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=59mg(0.123mmol、49%)。HPLC/MS(ESI)m/z 480.2(M+H)。方法1保持時間=2.46分。
【0222】
実施例35.5-(2,2-ジフルオロ-2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(35)
工程1:2-(2,2-ジフルオロ-2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-2,2-ジフルオロ-2H-1,3-ベンゾジオキソール(236mg、1.0mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(762mg、3.0mmol)、KOAc(294mg、3.0mmol)、1,4-ジオキサン(5mL)、Pd(dppf)Cl・CHCl(82mg、0.1mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を黄色の油として得た。収量=260mg(0.92mmol、92%)。HPLC/MS(ESI)m/z 285.5(M+H)。方法1保持時間=3.32分。
【0223】
工程2:この化合物を、以下の試薬:5-ブロモ-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例24、工程2、100mg、0.253mmol)、2-(2,2-ジフルオロ-2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例35、工程1、108mg、0.38mmol)、1,4-ジオキサン(1.3mL)、2MのNaCO水溶液(0.44mL)及びPd[PhP](15mg、0.0127mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=66mg(0.139mmol、55%)。HPLC/MS(ESI)m/z 476.3(M+H)。方法1保持時間=2.41分。
【0224】
実施例36.4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン(36)
この化合物を、以下の試薬:4-クロロ-2-ピリジルアミン(129mg、1.0mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例4、工程2、528mg、1.5mmol)、1,4-ジオキサン(5mL)、2MのNaCO水溶液(1.75mL)及びPd[PhP](58mg、0.05mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=43mg(0.137mmol、14%)。HPLC/MS(ESI)m/z 319.3(M+H)。方法1保持時間=2.12分。
【0225】
実施例37.5-クロロ-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン(37)
この化合物を、以下の試薬:4,5-ジクロロ-2-ピリジルアミン(815mg、5.0mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例4、工程2、2.64g、7.5mmol)、1,4-ジオキサン(25mL)、2MのNaCO水溶液(8.8mL)及びPd[PhP](289mg、0.25mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物をベージュ色の固体として得た。収量=1.13g(3.21mmol、64%)。HPLC/MS(ESI)m/z 353.3(M+H)。方法1保持時間=2.21分。
【0226】
実施例38.3-(p-メトキシフェニル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン(38)
工程1:4-クロロ-3-(p-メトキシフェニル)-2-ピリジルアミン
この化合物を、以下の試薬:3-ブロモ-4-クロロ-2-ピリジルアミン(208mg、1.0mmol)、4-メトキシフェニルボロン酸(167mg、1.1mmol)、1,4-ジオキサン(5mL)、2MのNaCO水溶液(1.75mL)及びPd[PhP](58mg、0.05mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=176mg(0.75mmol、75%)。HPLC/MS(ESI)m/z 235.3(M+H)。方法1保持時間=1.74分。
【0227】
工程2:-(p-メトキシフェニル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン(38)
この化合物を、以下の試薬:4-クロロ-3-(p-メトキシフェニル)-2-ピリジルアミン(実施例38、工程1、70mg、0.3mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例4、工程2、158mg、0.45mmol)、1,4-ジオキサン(1.5mL)、2MのNaCO水溶液(0.53mL)及びPd[PhP](17mg、0.015mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物をフィルムとして得た。収量=11mg(0.026mmol、9%)。HPLC/MS(ESI)m/z 425.3(M+H)。方法1保持時間=2.30分。
【0228】
実施例39.3-(p-クロロフェニル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン(39)
工程1:4-クロロ-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジルアミン
この化合物を、以下の試薬:3-ブロモ-4-クロロ-2-ピリジルアミン(208mg、1.0mmol)、4-クロロフェニルボロン酸(172mg、1.1mmol)、1,4-ジオキサン(5mL)、2MのNaCO水溶液(1.75mL)及びPd[PhP](58mg、0.05mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=167mg(0.70mmol、70%)。HPLC/MS(ESI)m/z 239.2(M+H)。方法1保持時間=1.93分。
【0229】
工程2:3-(p-クロロフェニル)-4-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジルアミン(39)
この化合物を、以下の試薬:4-クロロ-3-(p-クロロフェニル)-2-ピリジルアミン(実施例39、工程1、167mg、0.7mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例4、工程2、370mg、1.05mmol)、1,4-ジオキサン(3.5mL)、2MのNaCO水溶液(1.23mL)及びPd[PhP](40mg、0.035mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を白色の固体として得た。収量=21mg(0.049mmol、7%)。HPLC/MS(ESI)m/z 429.2(M+H)。方法1保持時間=2.37分。
【0230】
実施例40.5-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(40)
工程1:6-クロロ-5-ヨード-4-ピリミジニルアミン
EtOH(15mL)中の4,6-ジクロロ-5-ヨードピリミジン1(1.28g、4.67mmol)及びアンモニア溶液(1.92mLの、MeOH中7Nの溶液、13.4mmol)の混合物を60℃で24時間撹拌した。粗混合物を室温に冷却し、減圧下で蒸発させた。得られた黄色の固体をMeOH(6.0mL)で処理し、沈殿物をろ過して、対応する生成物(1.09g、4.27mmol、91%)を淡黄色の固体として得た。HPLC/MS(ESI)m/z 256.4(M+H)。方法1保持時間=1.84分。
【0231】
工程2:6-クロロ-5-(2H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン
1,4-ジオキサン(6.00mL)中の6-クロロ-5-ヨード-4-ピリミジニルアミン(実施例40、工程1、510mg、2.00mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(2H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(495mg、2.55mmol)、PdCl(PPh(70mg、0.10mmol、5.0mol%)及び2MのNaCO水溶液(3.5mL、7.00mmol)の混合物を窒素雰囲気下において80℃で22時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、次にEtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得た。生成物をC-18、逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN:HO;1分間にわたって3%のCHCN、20分間にわたって3%から10%、5分間にわたって10%)によって精製して、対応する生成物(163mg、0.83mmol、42%)を白色の固体として得た。HPLC/MS(ESI)m/z 196.6(M+H)。方法1保持時間=0.31分。
【0232】
工程3:4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン
DMF(25mL)中の4,4,5,5-テトラメチル-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(2.6g、13.4mmol)、p-(ブロモメチル)(トリフルオロメチル)ベンゼン(3.2g、13.4mmol)及びKCO(4.63g、33.5mmol)の混合物を23℃で20時間撹拌した。粗混合物をろ過して、無機物を除去した。ろ液をHOで処理し、次にEtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮して、対応する生成物(4.70g、13.3mmol、99%)を淡黄色の油として得た。この材料をさらに精製せずに次の反応に使用した。HPLC/MS(ESI)m/z 353.4(M+H)。方法1保持時間=2.78分。
【0233】
工程4:5-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(40)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(2H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例42、工程2、163mg、0.83mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例42、工程3、352mg、1.00mmol)、1,4-ジオキサン(4.0mL)、2MのNaCO水溶液(2.25mL)及びPd[PhP](48mg、0.04mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。生成物による精製をC-18逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN:HO;1分間にわたって10%のCHCN、30分間にわたって10%から50%)によって精製して、対応する生成物(140mg、0.36mmol、43%)を白色の固体として得た。HPLC/MS(ESI)m/z 386.3(M+H)。方法2保持時間=2.06分。
【0234】
実施例41及び42.N-[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アセトアミド(41)及びN-アセチル-N-[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アセトアミド(42)
CH2Cl2(2mL)中の5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例4、150mg、0.35mmol)の撹拌懸濁液をN2の不活性雰囲気下においてジイソプロピルエチルアミン(188μL、1.05mmol)及び(4-ジメチルアミノ)ピリジン(4mg、0.035mmol)で処理した。無水酢酸(72μL、0.77mol)を加え、得られた混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルで溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによって直接精製した。早く展開するスポットは、実施例42(113mg、0.22mmol、63%)に対応し、遅く展開するスポットは、実施例41(18mg、0.04mmol、11%)に対応する。実施例41:HPLC/MS(ESI)m/z 472.5(M++H+)。方法1保持時間=2.73分。実施例42:HPLC/MS(ESI)m/z 514.6(M++H+)。方法1保持時間=2.85分。
【0235】
実施例43.(メチルスルホニル)[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン(43)
N2の不活性雰囲気下において、THF(1.8mL)中の5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例4、150mg、0.35mmol)の撹拌溶液を水素化ナトリウム(56mgの、油中60%の分散体、1.40mmol)で処理し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。塩化メタンスルホニル(41μL、0.53mmol)を、シリンジを介して加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を氷/水に慎重に注ぎ、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を1NのHCl水溶液及び塩水で洗浄し、無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を白色の固体(63mg、0.124mmol、35%)として得た。HPLC/MS(ESI)m/z 508.3(M++H+)。方法1保持時間=2.70分。
【0236】
実施例44及び45.N,N-ジメチル[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン(44)及びN-メチル[5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニル]アミン(45)
N2の不活性雰囲気下でTHF(1.8mL)中の5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例4、150mg、0.35mmol)の撹拌溶液を水素化ナトリウム(56mgの、油中60%の分散体、1.40mmol)で処理し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。ヨウ化メチル(26μL、0.42mmol)を、シリンジを介して加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を氷/水に慎重に注ぎ、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を1NのHCl水溶液及び塩水で洗浄し、無水MgSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。早く展開するスポットは、実施例44(115mg、0.25mmol、72%)に対応し、遅く展開するスポットは、実施例45(12mg、0.03mmol、8%)に対応する。実施例44:HPLC/MS(ESI)m/z 458.3(M++H+)。方法1保持時間=2.64分。実施例45:HPLC/MS(ESI)m/z 444.6(M++H+)。方法1保持時間=2.58分。
【0237】
実施例46.5-(p-クロロフェニル)-6-[3-(トリフルオロメチル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン(46)
工程1:4-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール(2.15g、10.0mmol)、p-(ブロモメチル)(トリフルオロメチル)ベンゼン(2.39g、10.0mmol)、DMF(23mL)及びCsCO(3.58g、11.0mmol)を用いて、実施例3、工程1について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を無色油として得た。収量=2.99g(8.0mmol、80%)。HPLC/MS(ESI)m/z 372.9(M+H)。方法1保持時間=3.08分。
【0238】
工程2:4,4,5,5-テトラメチル-2-[3-(トリフルオロメチル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル]-1,3,2-ジオキサボロラン
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール(実施例46、工程1、1.10g、2.95mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.50g、5.90mmol)、KOAc(867mg、8.85mmol)、1,4-ジオキサン(10mL)及びPd(dppf)Cl・CHCl(241mg、0.30mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、少量のビス(ピナコラト)ジボロンで汚染された茶色の油として生成物を得た。収量=1.80g(2.95mmol、>100%)。HPLC/MS(ESI)m/z 421.5(M+H)。方法1保持時間=3.22分。
【0239】
工程3:5-(p-クロロフェニル)-6-[3-(トリフルオロメチル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン(46)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、240mg、1.0mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-[3-(トリフルオロメチル)-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル]-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例46、工程2、630mg、1.5mmol)、1,4-ジオキサン(5mL)、2MのNaCO水溶液(3mL)及びPd[PhP](58mg、0.05mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。生成物をC-18逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN:HO;1分間にわたって10%のCHCN、30分間にわたって10%から50%)によって最初に精製した後、酢酸エチルで溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによる精製により、純粋な生成物を白色の固体として得た。収量=45mg(0.09mmol、9%)。HPLC/MS(ESI)m/z 498.6(M+H)。方法1保持時間=2.64分。
【0240】
実施例47.5-(p-クロロフェニル)-6-(3-フルオロ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(47)
工程1:4-ブロモ-3-フルオロ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-3-フルオロ-1H-ピラゾール(250mg、1.52mmol)、p-(ブロモメチル)(トリフルオロメチル)ベンゼン(363mg、1.52mmol)、DMF(3.4mL)及びCsCO(545mg、1.67mmol)を用いて、実施例3、工程1について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を無色油として得た。収量=430mg(1.33mmol、88%)。HPLC/MS(ESI)m/z 323.2(M+H)。方法1保持時間=2.85分。
【0241】
工程2:2-(3-フルオロ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-3-フルオロ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール(実施例47、工程1、430mg、1.33mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(676mg、2.66mmol)、KOAc(391mg、3.99mmol)、1,4-ジオキサン(4.4mL)及びPd(dppf)Cl・CHCl(109mg、0.133mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物を無色油として得た。収量=333mg(0.9mmol、68%)。HPLC/MS(ESI)m/z 371.2(M+H)。方法1保持時間=3.06分。
【0242】
工程3:5-(p-クロロフェニル)-6-(3-フルオロ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(47)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、144mg、0.6mmol)、2-(3-フルオロ-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例47、工程2、333mg、0.9mmol)、1,4-ジオキサン(3mL)、2MのNaCO水溶液(1.8mL)及びPd[PhP](35mg、0.03mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。生成物をC-18逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN:HO;1分間にわたって10%のCHCN、30分間にわたって10%から50%)によって最初に精製した後、酢酸エチルで溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによる精製により、純粋な生成物を白色の固体として得た。収量=20mg(0.04mmol、7%)。HPLC/MS(ESI)m/z 448.2(M+H)。方法1保持時間=2.56分。
【0243】
実施例48.5-(p-クロロフェニル)-6-(3,5-ジメチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(48)
工程1:4-ブロモ-3,5-ジメチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール(1.0g、5.71mmol)、p-(ブロモメチル)(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.64g、6.85mmol)、DMF(10mL)及びKCO(2.37g、17.1mmol)を用いて、実施例3、工程1について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を無色油として得た。収量=1.86g(5.59mmol、98%)。HPLC/MS(ESI)m/z 335.5(M+H)。方法1保持時間=2.91分。
【0244】
工程2:2-(3,5-ジメチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-3,5-ジメチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール(実施例48、工程1、1.86g、5.59mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.13g、8.37mmol)、KOAc(1.64g、16.7mmol)、1,4-ジオキサン(20mL)及びPd(dppf)Cl・CHCl(204mg、0.28mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物の脱臭素化によってわずかに汚染された黄色の油として生成物を得た。収量=660mg(1.74mmol、31%)。HPLC/MS(ESI)m/z 381.5(M+H)。方法1保持時間=3.04分。
【0245】
工程3:5-(p-クロロフェニル)-6-(3,5-ジメチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(48)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、415mg、1.73mmol)、2-(3,5-ジメチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例48、工程2、660mg、1.73mmol)、1,4-ジオキサン(5mL)、2MのNaCO水溶液(1.8mL)及びPd[PhP](100mg、0.09mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。生成物をC-18逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN:HO;1分間にわたって10%のCHCN、30分間にわたって10%から50%)によって精製して、純粋な生成物を無色の固体として得た。収量=182mg(0.32mmol、18%)。HPLC/MS(ESI)m/z 458.2(M+H)。方法1保持時間=2.52分。
【0246】
実施例49.5-(p-クロロフェニル)-6-(3-メチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(49)
工程1:4-ブロモ-3-メチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-3-メチル-1H-ピラゾール(920mg、5.71mmol)、p-(ブロモメチル)(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.64g、6.85mmol)、DMF(10mL)及びKCO(2.37g、17.1mmol)を用いて、実施例3、工程1について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な生成物を無色油として得た。収量=1.80g(4.92mmol、86%)。HPLC/MS(ESI)m/z 321.1(M+H)。方法1保持時間=2.82分。
【0247】
工程2:4,4,5,5-テトラメチル-2-(3-メチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン
この化合物を、以下の試薬:4-ブロモ-3-メチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール(実施例49、工程1、1.80g、5.64mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.15g、8.46mmol)、KOAc(1.66g、16.9mmol)、1,4-ジオキサン(22mL)及びPd(dppf)Cl・CHCl(206mg、0.282mmol)を用いて、実施例3、工程2について報告される方法に従って調製した。ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、生成物の脱臭素化によってわずかに汚染された黄色の油として生成物を得た。収量=1.56g(4.26mmol、76%)。HPLC/MS(ESI)m/z 367.5(M+H)。方法1保持時間=2.92分。
【0248】
工程3:5-(p-クロロフェニル)-6-(3-メチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(49)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、240mg、1.0mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(3-メチル-1-{[p-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例49、工程2、915mg、2.5mmol)、1,4-ジオキサン(5mL)、2MのNaCO水溶液(1.8mL)及びPd[PhP](58mg、0.05mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。生成物をC-18逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN:HO;1分間にわたって10%のCHCN、30分間にわたって10%から50%)によって精製して、純粋な生成物を無色の固体として得た。収量=389mg(0.70mmol、70%)。HPLC/MS(ESI)m/z 444.2(M+H)。方法1保持時間=2.46分。
【0249】
実施例50.6-{1-[(1H-1,3-ベンズイミダゾール-2-イル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(50)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、54mg、0.2mmol)、KCO(55mg、0.4mmol)、DMF(2mL)、2-(クロロメチル)-1H-1,3-ベンズイミダゾール(33mg、0.2mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=24mg(0.06mmol、30%)。HPLC/MS(ESI)m/z 402.3(M+H)。方法1保持時間=2.15分。
【0250】
実施例51.p-({4-[6-アミノ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニル]-1H-ピラゾール-1-イル}メチル)ベンゾニトリル(51)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、136mg、0.5mmol)、KCO(207mg、1.5mmol)、DMF(2.5mL)、p-(ブロモメチル)ベンゾニトリル(147mg、0.75mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=205mg(0.53mmol、100%)。HPLC/MS(ESI)m/z 387.2(M+H)。方法1保持時間=2.34分。
【0251】
実施例52.5-(p-クロロフェニル)-6-[1-(1H-1,2,7-トリアザインデン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-4-ピリミジニルアミン(52)
DMF(1.4mL)中の5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、378mg、1.39mmol)、tert-ブチル3-ヨード-1H-1,2,7-トリアザインデン-1-カルボキシレート(554mg、1.61mmol)、ヨウ化銅(13mg、0.07mmol)、KCO(403mg、2.92mmol)及びN,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(20mg、0.14mmol)の撹拌混合物をN雰囲気下で20時間にわたって100℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、CELITEのパッドに通してろ過した。生成物をC-18逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN:HO;1分間にわたって10%のCHCN、30分間にわたって10%から50%)によって精製して、純粋な生成物を淡黄色の固体として得た。収量=20mg(0.04mmol、3%)。HPLC/MS(ESI)m/z 389.2(M+H)。方法1保持時間=2.60分。
【0252】
実施例53.5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-1H-1,3-ベンズイミダゾール-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(53)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、81mg、0.3mmol)、KCO(83mg、0.6mmol)、DMF(3mL)、2-(クロロメチル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-1,3-ベンズイミダゾール(70mg、0.3mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=25mg(0.053mmol、18%)。HPLC/MS(ESI)m/z 470.5(M+H)。方法1保持時間=2.47分。
【0253】
実施例54.5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(54)
工程1:4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン
この化合物を、以下の試薬:4,4,5,5-テトラメチル-2-(1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(232mg、1.2mmol)、KCO(415mg、3.0mmol)、CHCN(3.5mL)、5-(ブロモメチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(320mg、1.33mmol)を用いて、実施例42、工程3について報告される方法に従って調製した。収量=325mg(0.92mmol、77%)。HPLC/MS(ESI)m/z 354.6(M+H)。方法1保持時間=2.68分。
【0254】
工程2:5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(54)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-クロロフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例1、工程4、146mg、0.61mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例55、工程1、325mg、0.92mmol)、1,4-ジオキサン(3.0mL)、2MのNaCO水溶液(1.5mL)及びPd[PhP](35mg、0.03mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。生成物による精製をC-18逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN:HO;1分間にわたって10%のCHCN、30分間にわたって10%から50%)によって精製して、対応する生成物(148mg、0.27mmol、45%)を白色の固体として得た。HPLC/MS(ESI)m/z 431.1(M+H)。方法1保持時間=2.41分。
【0255】
実施例55.5-(1H-ピラゾール-4-イル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(55)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(2H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例40、工程2、97mg、0.5mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例55、工程1、265mg、0.75mmol)、1,4-ジオキサン(2.5mL)、2MのNaCO水溶液(1.5mL)及びPd[PhP](29mg、0.025mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。生成物をC-18逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN:HO;1分間にわたって10%のCHCN、30分間にわたって10%から50%)によって最初に精製し、その後、CHCl/MeOH/NHOHの400:50:2v/vの混合物で溶離する、シリカゲル(20×20cm)における分取TLCプレートによって再精製して、対応する生成物(29mg、0.075mmol、15%)を白色の固体として得た。HPLC/MS(ESI)m/z 387.4(M+H)。方法1保持時間=2.47分。
【0256】
実施例56.5-(p-メトキシフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(56)
工程1:6-クロロ-5-(p-メトキシフェニル)-4-ピリミジニルアミン
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-ヨード-4-ピリミジニルアミン(実施例40、工程1、767mg、3.0mmol)、4-メトキシフェニルボロン酸(684mg、4.5mmol)、1,4-ジオキサン(15mL)、2MのNaCO水溶液(9mL)及びPd[PhP](173mg、0.15mmol)を用いて、実施例40、工程2について報告される方法に従って調製した。生成物による精製を、ヘキサン/EtOAc勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、対応する生成物(469mg、1.99mmol、66%)を白色の固体として得た。HPLC/MS(ESI)m/z 236.4(M+H)。方法1保持時間=3.08分。
【0257】
工程2:5-(p-メトキシフェニル)-6-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(56)
この化合物を、以下の試薬:6-クロロ-5-(p-メトキシフェニル)-4-ピリミジニルアミン(実施例57、工程1、236mg、1.0mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例55、工程1、424mg、1.2mmol)、1,4-ジオキサン(5mL)、2MのNaCO水溶液(3mL)及びPd[PhP](58mg、0.05mmol)を用いて、実施例1、工程5について報告される方法に従って調製した。C-18逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN:HO;1分間にわたって10%のCHCN、30分間にわたって10%から50%)による精製、続いて飽和NaHCO水溶液による洗浄によるTFA塩の中和及びジオキサン中4NのHClによる塩酸塩の形成により、対応するHCl塩を白色の固体としての白色の固体(182mg、0.43mmol、43%)として得た。HPLC/MS(ESI)m/z 427.4(M+H)。方法1保持時間=3.10分。
【0258】
実施例57.5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(57)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、159mg、0.58mmol)、KCO(280mg、2.03mmol)、CHCN(3mL)、2-(ブロモメチル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン(100mg、0.42mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=5mg(0.012mmol、3%)。HPLC/MS(ESI)m/z 431.1(M+H)。方法1保持時間=3.39分。
【0259】
実施例58.5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[m-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(58)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、82mg、0.30mmol)、KCO(104mg、0.75mmol)、CHCN(1.5mL)、m-(ブロモメチル)(トリフルオロメチル)ベンゼン(86mg、0.36mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=86mg(0.20mmol、67%)。HPLC/MS(ESI)m/z 430.3(M+H)。方法1保持時間=3.72分。
【0260】
実施例59.5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(p-クメニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(59)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、82mg、0.30mmol)、KCO(104mg、0.75mmol)、CHCN(1.5mL)、p-(ブロモメチル)クメン(77mg、0.36mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=32mg(0.078mmol、26%)。HPLC/MS(ESI)m/z 404.4(M+H)。方法1保持時間=3.77分。
【0261】
実施例60.5-(p-クロロフェニル)-6-(1-{[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(60)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、82mg、0.30mmol)、KCO(104mg、0.75mmol)、CHCN(1.5mL)、4-(ブロモメチル)-2-フルオロ-1-(トリフルオロメチル)ベンゼン(93mg、0.36mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=80mg(0.18mmol、60%)。HPLC/MS(ESI)m/z 448.3(M+H)。方法1保持時間=3.69分。
【0262】
実施例61.5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(61)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、82mg、0.30mmol)、KCO(104mg、0.75mmol)、CHCN(1.5mL)、4-(クロロメチル)-2-フルオロ-1-メトキシベンゼン(63mg、0.36mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=20mg(0.05mmol、16%)。HPLC/MS(ESI)m/z 410.4(M+H)。方法1保持時間=3.86分。
【0263】
実施例62.5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(2-ナフチル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(62)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、82mg、0.30mmol)、KCO(104mg、0.75mmol)、CHCN(1.5mL)、2-(ブロモメチル)ナフタレン(80mg、0.36mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=50mg(0.12mmol、41%)。HPLC/MS(ESI)m/z 412.1(M+H)。方法1保持時間=3.90分。
【0264】
実施例63.5-(p-クロロフェニル)-6-{1-[(m-メトキシフェニル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-4-ピリミジニルアミン(63)
この化合物を、以下の試薬:5-(p-クロロフェニル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-4-ピリミジニルアミン(実施例15、工程1、82mg、0.30mmol)、KCO(104mg、0.75mmol)、CHCN(1.5mL)、m-(クロロメチル)メトキシベンゼン(49mg、0.36mmol)を用いて、実施例15、工程2について報告される方法に従って調製した。収量=55mg(0.14mmol、47%)。HPLC/MS(ESI)m/z 392.3(M+H)。方法1保持時間=3.96分。
【0265】
実施例64.S6K酵素阻害アッセイ:
酵素活性を、市販のHotSpotキナーゼアッセイを用いて決定した。組み換えヒトp70S6KキナーゼをThermoFisher Scientific(カタログ番号PV3815)から購入した。基質S6K/RSK2ペプチド2をGenscript[Piscataway, NJ]において合成した。簡潔に述べると、基質を反応緩衝液[20mMのHepes(pH7.5)、10mMのMgCl、1mMのEGTA、0.02%のBrij35、0.02mg/mLのBSA、0.1mMのNaVO、2mMのDTT、1%のDMSO]中で調製した。試験化合物を100%のDMSOに溶解させ、連続希釈をDMSO中で行った。3nMの最終濃度におけるキナーゼを基質溶液中に加え、穏やかに混合した。試験化合物を適切な濃度でEcho550によってキナーゼ反応混合物中に送達し、室温で20分間インキュベートした。33P-ATP(比活性度10μCi/μL)を反応混合物中に加えて、反応を開始させた。アッセイプレートを室温で2時間インキュベートした。放射能をフィルタ結合法によって検出した。キナーゼ活性データは、ビヒクル(DMSO)反応と比較した試験試料中の残りのキナーゼ活性パーセントとして表される。IC50曲線をプロットし、IC50値を、シグモイド用量反応式に基づいてGraphPad Prism 4プログラムを用いて計算した。
【0266】
実施例65.細胞ベースのS6K阻害アッセイ:
化合物の機能活性を、p70S6Kが構成的に活性化される細胞株において決定した。被験物質をDMSOに溶解させて、10μMのストックを作製した。PathScan(登録商標)Phospho-S6リボソームタンパク質(Ser235/236)Sandwich ELISA KitをCell Signaling Technologyから購入した。A549肺癌細胞株を米国培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection)から購入した。A549細胞を、10%のFBSが補充されたF-12K培地中で増殖させた。100μg/mLのペニシリン及び100μg/mLのストレプトマイシンを培養培地に加えた。培養物を5%のCO及び95%の空気の加湿雰囲気中で37℃に維持した。2.0×10個の細胞を一晩、12ウェル組織培養プレートの各ウェルに播種した。細胞を3時間にわたってDMSO又は被験物質(100μMから開始する、3倍希釈で10回用量)で処理した。細胞を氷冷PBSで1回洗浄し、1倍細胞溶解緩衝液により溶解させた。細胞溶解物を収集し、試料をELISAプレートの適切なウェルに加えた。プレートを4℃で一晩インキュベートした。100μLの再構成されたPhospho-S6リボソームタンパク質(Ser235/236)検出抗体を各ウェルに加え、プレートを37℃で1時間インキュベートした。ウェルを洗浄し、100μlの再構成されたHRP結合された二次抗体を各ウェルに加えた。プレートを37℃で30分間インキュベートした。洗浄手順を繰り返し、100μLのTMB基質を各ウェルに加えた。プレートを37℃で10分間インキュベートした。100μLの停止液を各ウェルに加え、吸光度を、Envision 2104 Multilabel Reader(PerkinElmer, Santa Clara, CA)を用いて460nmにおいて読み取った。IC50曲線をプロットし、IC50値を、シグモイド用量反応式に基づいてGraphPad Prism 4プログラムを用いて計算した。
【0267】
【表11】
【0268】
引用
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【国際調査報告】