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特表2024-521214マルチユーザ多入力多出力検出方法および装置、電子デバイス、媒体
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  • 特表-マルチユーザ多入力多出力検出方法および装置、電子デバイス、媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】マルチユーザ多入力多出力検出方法および装置、電子デバイス、媒体
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0452 20170101AFI20240521BHJP
【FI】
H04B7/0452
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574287
(86)(22)【出願日】2022-03-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 CN2022081930
(87)【国際公開番号】W WO2022252760
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110606044.9
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516010548
【氏名又は名称】セインチップス テクノロジー カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】▲ウー▼鋼
(72)【発明者】
【氏名】張駿凌
(57)【要約】
本願は、マルチユーザ多入力多出力検出方法および装置、電子デバイス、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、当該方法は、受信されたデータに前記第1のユーザデバイスのデータおよび少なくとも1つの第2のユーザデバイスのデータが含まれていると判断した場合、前記第1のユーザデバイスの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定するステップと、前記第1の検出方法を用いて、前記受信されたデータに対してマルチユーザ連携検出を行うステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信されたデータに第1のユーザデバイスのデータおよび少なくとも1つの第2のユーザデバイスのデータが含まれていると判断された場合、前記第1のユーザデバイスの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定するステップと、
前記第1の検出方法を用いて、前記受信されたデータに対してマルチユーザ連携検出を行うステップと、を含む
第1のユーザデバイスに応用されるマルチユーザ多入力多出力検出方法。
【請求項2】
前記受信されたデータに前記第1のユーザデバイスのデータのみが含まれていると判断した場合、第2の検出方法を用いて前記受信されたデータにおける前記第1のユーザデバイスのデータに対してシングルユーザ検出を行うステップをさらに含む、
請求項1に記載のマルチユーザ多入力多出力検出方法。
【請求項3】
第1の目標比が第1のプリセット閾値以下であると判断し、前記第1の目標比は、前記第1のユーザデバイスの基準信号受信電力と少なくとも1つの前記第2のユーザデバイスの基準信号受信電力との和の比であるという条件を、前記受信されたデータに前記第1のユーザデバイスのデータおよび少なくとも1つの第2のユーザデバイスのデータが含まれると判断する根拠とする、
請求項1または2に記載のマルチユーザ多入力多出力検出方法。
【請求項4】
前記第1の目標比が前記第1のプリセット閾値以下であるか否かを判断する前に、
チャネル相関性が検出可能である場合、前記チャネル相関性を検出するステップと、
検出されたチャネル相関性に基づいて前記第1のプリセット閾値を確定するステップとを、さらに含む、
請求項3に記載のマルチユーザ多入力多出力検出方法。
【請求項5】
前記検出されたチャネル相関性に基づいて前記第1のプリセット閾値を確定することは、
予め設定されたチャネル相関性と第1のプリセット閾値との間の第1の対応関係に基づいて、前記検出されたチャネル相関性に対応する第1のプリセット閾値を確定するステップを、含む、
請求項4に記載のマルチユーザ多入力多出力検出方法。
【請求項6】
前記第1の目標比が前記第1のプリセット閾値以下であるか否かを判断する前に、
チャネル相関性が検出できない場合、異なるチャネル相関性にそれぞれ対応する第2のプリセット閾値を取得するステップと、
前記異なるチャネル相関性にそれぞれ対応する第2のプリセット閾値に基づいて前記第1のプリセット閾値を確定するステップとを、さらに含む、
請求項3に記載のマルチユーザ多入力多出力検出方法。
【請求項7】
前記異なるチャネル相関性にそれぞれ対応する第2のプリセット閾値に基づいて前記第1のプリセット閾値を確定することは、
第1のプリセット閾値は、前記異なるチャネル相関性にそれぞれ対応する第2のプリセット閾値の平均値であると確定するステップを含む、
請求項6に記載のマルチユーザ多入力多出力検出方法。
【請求項8】
第2の目標比が第3のプリセット閾値以上であると判断し、前記第2の目標比は、少なくとも1つの前記第2のユーザデバイスの基準信号受信電力と前記第1のユーザデバイスの基準信号受信電力との比であるという条件を、受信されたデータに前記第1のユーザデバイスのデータと少なくとも1つの第2のユーザデバイスのデータが含まれると判断する根拠とする、
請求項1に記載のマルチユーザ多入力多出力検出方法。
【請求項9】
前記第1のユーザデバイスの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定することは、
前記第1のユーザデバイスの変調方式が低変調方式である場合、前記第1の検出方法が球形復号化-低変調方式検出方法であると確定することを含み、
前記第1の検出方法を用いて、前記受信されたデータに対してマルチユーザ連携検出を行う過程において、前記第2のユーザデバイスの変調方式を前記第1のユーザデバイスの変調方式と同じに設定し、
前記低変調方式は、変調次数が第4のプリセット閾値以下である変調方式である、
請求項1~8のいずれか1項に記載のマルチユーザ多入力多出力検出方法。
【請求項10】
前記第1のユーザデバイスの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定することは、
前記第1のユーザデバイスの変調方式が高変調方式である場合、前記第1の検出方法が最小平均二乗誤差検出方法であると確定することを含み、
前記高変調方式は、変調次数が第4プリセット閾値より大きい変調方式である、
請求項1~8のいずれか1項に記載のマルチユーザ多入力多出力検出方法。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプログラムが記憶され、前記少なくとも1つのプログラムが前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、請求項1~10のいずれか1項に記載のマルチユーザ多入力多出力検出方法を実現するメモリとを含む、
電子デバイス。
【請求項12】
コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~10のいずれか1項に記載のマルチユーザ多入力多出力検出方法を実現する
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
受信されたデータに第1のユーザデバイスのデータおよび少なくとも1つの第2のユーザデバイスのデータが含まれると判断された場合、前記第1のユーザデバイスの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定するように構成される確定モジュールと、
前記第1の検出方法を用いて、前記受信されたデータに対してマルチユーザ連携検出を行うように構成される検出モジュールと、を含む、
マルチユーザ多入力多出力検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年5月31日に提出された中国特許出願CN202110606044.9号の優先権を主張し、当該出願の内容を引用をもってここに援用する。
【0002】
本願は、通信技術分野に関し、特に、マルチユーザ多入力多出力(MIMO、Multiplex Input Multiple Output)検出方法および装置、電子デバイス、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
MIMO技術は、無線通信システムにおいて高い周波数スペクトル効率を実現してシステム容量を向上させる重要な技術の1つであり、第5世代移動通信技術(5G、5thGeneration Mobile Communication Technology)新無線アクセス技術(NR、New Radio)システムの重要な特性でもある。国際電気通信連合-高度国際移動通信(ITU IMT-Advanced)のシステムに対する高い周波数スペクトル効率要求を満たすために、5G NRは、シングルユーザMIMOを用いて周波数スペクトル効率を向上させると同時に、マルチユーザMIMO技術を採用し、即ち、同じ時間周波数リソースで複数の並行するデータストリームを異なるユーザデバイス(UE、User Equipment)に送信し、または異なるUEは同じ時間周波数リソースを用いてデータをgNBに送信する。マルチユーザMIMOにおけるユーザ間の距離は、シングルユーザMIMOにおけるアンテナ間の距離よりも大きく、マルチストリームを用いて並列伝送を行うことがより容易で、スペクトル効率をさらに向上させる。それに応じて、5G NRに対するマルチユーザMIMO検出技術は、5G NR受信機の性能を確定する重要な技術の1つとなる。
【0004】
従来のMIMO検出技術には、最小平均二乗誤差(MMSE:Minimum Mean Square Error)検出技術および球状復号化(SD、Sphere Decoding)検出技術がある。SD検出技術は、性能上、最適な性能、即ち、最尤(ML、Maximum Likelihood)アルゴリズムの性能に迫るものだが、複雑度はMLアルゴリズムより遥かに低いため、シングルユーザMIMO検出技術が選択されることが多い。SD検出技術はQR分解前処理と検索本体の2つの部分を含み、後者の検索は各パラレルデータストリームの変調方式に対応するコンステレーション点符号に基づいてメトリックを計算することで比較する。また、MMSE検出技術の複雑度もSD検出技術より遥かに低く、あるシーンにおいて性能はSD検出技術とレベルにおいて変わりはなく、依然として適用可能な空間があり、MMSE検出技術はパラレルデータストリームの変調方式を取得する必要がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シングルユーザMIMOにおけるマルチアンテナパラレルデータストリームの変調方式は、本ユーザに対して設定された変調方式であり、SD検出技術は、各データストリームを検出することができる。しかしながら、5G NRのダウンリンクマルチユーザMIMOにおいて、本ユーザは、他のユーザの変調方式を取得することができないため、本ユーザは、SD検出を行う際に、シングルユーザMIMOのように、各データストリーム配置に基づく変調方式に基づいて検出することができない。関連技術は、送信端末の処理プロセスを変更する必要があり、即ち、ブロック対角アルゴリズムを用いてプリコーディングを行い、ユーザ間の干渉を解消し、その後、受信端末にMMSEアルゴリズムを採用する、即ち、送信端末と受信端末とが共同で処理を行う必要があり、実現が複雑である。
【0006】
本願実施例は、マルチユーザMIMO検出方法および装置、電子デバイス、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、本願実施例は、第1のユーザデバイスに適用されるマルチユーザMIMO検出方法を提供し、当該方法は、受信されたデータに前記第1のユーザデバイスのデータおよび少なくとも1つの第2のユーザデバイスのデータが含まれると判断された場合、前記第1のユーザデバイスの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定するステップと、前記第1の検出方法を用いて、前記受信されたデータに対してマルチユーザ連携検出を行うステップと、を含む。
【0008】
第2の態様によれば、本願実施例は、電子デバイスを提供し、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプログラムが記憶されており、前記少なくとも1つのプログラムが前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、上記のいずれか1つのマルチユーザMIMO検出方法を実現するメモリとを含む。
【0009】
第3の態様によれば、本願実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記のいずれか1つのマルチユーザMIMO検出方法を実現する。
【0010】
第4の態様によれば、本願実施例は、マルチユーザMIMO検出装置を提供し、受信されたデータに前記第1のユーザデバイスのデータおよび少なくとも1つの第2のユーザデバイスのデータが含まれると判断された場合、前記第1のユーザデバイスの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定するように構成される確定モジュールと、前記第1の検出方法を用いて、前記受信されたデータに対してマルチユーザ連携検出を行うように構成される検出モジュールと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本願の実施例に係るマルチユーザMIMO検出方法によれば、受信されたデータに第1のユーザデバイスのデータおよび少なくとも1つの第2のユーザデバイスのデータが含まれている場合、第1のユーザデバイスの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定し、第1の検出方法を用いて、受信されたデータに対してマルチユーザ連携検出を行い、検出過程全体において第2のユーザデバイスの変調方式を取得する必要がなく、送信端末の処理フローを変更する必要もなく、受信データの検出を簡単に実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本願の一実施例が提供するマルチユーザMIMO検出方法のフローチャートである。
図2】本願の実施例が提供する異なるチャネル相関に対応する異なる検出方法に対応する検出性能パラメータの、第1の目標比に対する変化曲線の模式図である。
図3】本願の一実施例が提供するSDパス検索の概略図である。
図4】本願の別の実施例が提供するマルチユーザMIMO検出装置の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本願が提供するマルチユーザMIMO検出方法および装置、電子デバイス、媒体について、図面を組み合わせて詳細に説明する。
【0014】
下文では、図面を参照しながら例示的な実施例についてより詳しく説明するが、前述の例示的な実施例は、異なる態様により体現することができるものであって、本明細書で述べる実施例に限定されると解釈してはならない。これらの実施例を提供する目的は、本願を詳らかにかつ完全なものとし、当業者が本願の範囲を十分理解できるようにすることである。
【0015】
矛盾することがなければ、本願における各実施例および実施例における特徴は互いに任意に組み合わせることができる。
【0016】
本明細書で用いる「および/または」という用語は、1つまたは複数の関連して列挙される項目の任意のおよびすべての組み合わせを含む。
【0017】
本明細書で用いる用語は特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、本願を制限することを意図しない。本明細書において、文脈上明らかでない限り、単数形の「1つ」および「当該」は複数形も含むことを意図している。また、本明細書において「含む」および/または「……からなる」という用語を使用する際は、特定の特徴、全体、ステップ、操作、素子および/または構成要素が存在することを示すが、少なくとも1つのその他の特徴、全体、ステップ、操作、素子、構成要素および/またはそのグループが存在すること、またはそれらが追加されることを排除するものではない。また、本文において閾値に触れる場合、閾値と等しい状況を閾値より大きい(または小さい)判断結果に区分する可能性があるが、当業者は、閾値と等しい状況をそれとは反対の判断結果に区分してもよく、これも本願の請求範囲内に入る。
【0018】
特に限定されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術および科学用語を含む)の意味は、当業者によって一般的に理解される意味と同じである。通常の辞書において定義されたそれらの用語は、関連技術および本願の背景における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書において明らかに限定されない限り、理想化または過剰な形式を有すると解釈されない。
【0019】
本願実施例のマルチユーザMIMO検出方法は、5G NRの下りマルチユーザMIMOシナリオに基づいて提出されたものであるが、本願実施例のマルチユーザMIMO検出方法は、5G NRの下りマルチユーザMIMOシナリオだけでなく、マルチユーザMIMO技術を用いてデータ伝送を行う任意のシナリオに適用することができる。
【0020】
本願実施例のマルチユーザMIMO検出方法は主にダウンリンクデータの検出についてのものであるが、これはアップリンクデータの検出にUEの変調方式を取得できない問題がないためである。
【0021】
図1は、本願の一実施例が提供するマルチユーザMIMO検出方法のフローチャートである。
【0022】
図1を参照して、本願の一実施例は、第1のUEに適用されるマルチユーザMIMO検出方法を提供し、当該方法は、下記ステップ100およびステップ101を含む。
【0023】
ステップ100において、受信されたデータに第1のUEのデータおよび少なくとも1つの第2のUEのデータが含まれていると判断した場合、第1のUEの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定する。
【0024】
本願の実施例において、受信されたデータは2層または2層以上のデータを含み、各層のデータは1つのデータストリームに対応し、1つのデータストリームは少なくとも1つのアンテナを介して伝送されてもよい。各UEは、2層または2層以上のデータのうちの少なくとも1層のデータを占有してもよい。
【0025】
本願の実施例において、1つのUEのデータとは、当該UEが所定の受信対象とするデータ、または、当該UEにとって有用なデータである。また、第2のUEは、第1のUE以外のUEを指し、第2のUEの数は1つまたは複数であってもよい。
【0026】
本願の実施例において、受信されたデータが、第1のUEのデータおよび少なくとも1つの第2のUEのデータを含むか、または第1のUEのデータのみを含むかを判断するために、以下の2つの方法のうちの任意の方法を使用することができる。
【0027】
方法1:第1の目標比と第1のプリセット閾値との大小関係を判断し、第1の目標比が第1のプリセット閾値以下であると判断した場合、受信されたデータに第1のUEのデータと少なくとも1つの第2のUEのデータが含まれていると確定し、第1の目標比が第1のプリセット閾値より大きいと判断した場合、受信されたデータに第1のUEのデータのみが含まれていると確定する。
【0028】
【0029】
方法2:第2の目標比と第3のプリセット閾値との大小関係を判断し、第2の目標比が第3のプリセット閾値以上であると判断した場合、受信されたデータに第1のUEのデータと少なくとも1つの第2のUEのデータが含まれていると確定し、第2の目標比が第3のプリセット閾値より小さいと判断した場合、受信されたデータに第1のUEのデータのみが含まれていると確定する。
【0030】
【0031】
また、本願実施例において、第1のUEのデータのみを含む場合、受信されたデータにおける他のUEのデータを干渉およびノイズとして示すことができる。
【0032】
以下、第1のプリセット閾値および第3のプリセット閾値の確定方法について説明する。
【0033】
チャネル相関性が検出可能である場合とチャネル相関性が検出できない場合とについて、第1のプリセット閾値と第3のプリセット閾値との確定方法は同じではない。
【0034】
(1)第1のプリセット閾値の確定方法
いくつかの例示的な実施例において、第1の目標比が第1のプリセット閾値以下であるか否かを判断する前に、当該マルチユーザMIMO検出方法は、チャネル相関性が検出可能である場合、チャネル相関性を検出することと、検出されたチャネル相関性に基づいて第1のプリセット閾値を確定することとをさらに含む。
【0035】
いくつかの例示的な実施例において、チャネル相関性は、チャネル相関性が正確に検出されてもよく、または、チャネル相関性の正確度に関わらず、チャネル相関性が検出されてもよい。
【0036】
いくつかの例示的な実施例において、当業者に周知の検出方法を用いてチャネル相関を検出することができる。例えば、一定の時間周波数範囲において、チャネル行列Hの自己相関行列HHを平均して行列Cを取得し、Cの非主対角線要素のモジュラスの2乗の和と主対角線要素のモジュラスの2乗との和の比に基づいてチャネル相関性を確定する。しかし、実際のチャネルには時間周波数変化が存在し、この比はチャネル変化が遅い場合に比較的正確な検出チャネル相関性を検出することができ、チャネル変化が激しい場合にはチャネル相関性をうまく検出できない。
【0037】
いくつかの例示的な実施例において、検出されたチャネル相関性に基づいて第1のプリセット閾値を確定することは、予め設定されたチャネル相関と第1のプリセット閾値との間の第1対応関係に基づいて、検出されたチャネル相関性に対応する第1のプリセット閾値を確定することを含む。例えば、第1の対応関係において検出されたチャネル相関性が検索できた場合、検出されたチャネル相関性に対応する第1のプリセット閾値を直接検索し、第1の対応関係において検出されたチャネル相関性が見つからなかった場合、第1の対応関係に対して補間計算を行い、検出されたチャネル相関性に対応する第1のプリセット閾値を得る。
【0038】
いくつかの例示的な実施例において、チャネル相関性とは、2つまたは2つ以上のチャネルのチャネル推定の相関性を指し、2つまたは2つ以上のチャネルのチャネル推定を用いて相関計算式を用いて計算して得ることができる。
【0039】
いくつかの例示的な実施例において、第1の対応関係におけるチャネル相関性の種類は実際のニーズに応じて予め設定されてもよく、本願の実施例は具体的な区分方式を限定しない。例えば、チャネル相関性を高いチャネル相関性と低いチャネル相関性とに分けることができ、高いチャネル相関性とは、チャネル相関性が第5のプリセット閾値以上であることを意味し、低いチャネル相関性とは、チャネル相関性が第5のプリセット閾値未満であることを意味する。また、例えば、取り得る値範囲に基づいてチャネル相関性の区間区分を行い、各区間に対応する第1のプリセット閾値は同じであると考えてもよい。
【0040】
いくつかの例示的な実施例において、第1の対応関係におけるチャネル相関性に対応する第1のプリセット閾値は、シミュレーションによって取得されてもよく、即ち、チャネル相関性および検出方法を設定する前提で、受信データの検出性能パラメータをシミュレートして、検出方法に対応する検出性能パラメータの第1の目標比に対する変化曲線を取得してもよく、異なる検出方法は、それぞれ対応する変化曲線を取得し、同一のチャネル相関性に対応する全ての検出方法に対応する変化曲線の交点の第1の目標比を当該チャネル相関性に対応する第1のプリセット閾値とする。例えば、第1の検出方法は1つの変化曲線に対応し、第2の検出方法は1つの変化曲線に対応し、第1の検出方法に対応する変化曲線と第2の検出方法に対応する変化曲線との交点の第1の目標比を当該チャネル相関性に対応する第1のプリセット閾値とする。これにより、第2の検出方法が固定されたままである場合、異なる第1の検出方法に対応する第1のプリセット閾値も異なる。第1の検出方法が固定されたままである場合、異なる第2検出方法に対応する第1のプリセット閾値も異なる。
【0041】
つまり、第1のプリセット閾値に対応する異なる検出方法の検出性能パラメータの差の絶対値は、第6のプリセット閾値以下である。
【0042】
いくつかの例示的な実施例において、検出性能パラメータは、スループットまたはビット誤り率などであってもよい。
【0043】
例えば、図2は、本願の実施例が提供する異なるチャネル相関性に対応する異なる検出方法に対応する検出性能パラメータの第1の目標比に対する変化曲線の模式図である。図2に示すように、UEの受信機の通信パラメータを表1に示すパラメータに従って設定した後、それぞれ異なる検出方法を用いて受信されたデータを検出し、対応する検出性能パラメータを取得する。データの送信電力を変更することにより、データのRSRPを変更し、さらに第1の目標比を変更し、受信されたデータを再び検出し、一連の第1の目標比に対応する検出性能パラメータを取得し、この一連の第1の目標比に対応する検出性能パラメータを変化曲線に描画する。
【0044】
チャネル相関性を維持したまま、検出方法を変化させて改めて検出し、異なる検出方法に対応する変化曲線を取得し、図2に示すように、それぞれ高いチャネル相関性における2種の検出方法に対応する変化曲線、および低いチャネル相関性における2種の検出方法に対応する変化曲線を取得する。図2から分かるように、高いチャネル相関性における2種類の検出方法に対応する変化曲線は、1点(図2における点1に示す)で交差し、交差する点1に対応する第1の目標比(図2において、10デシベル(dB))は、高いチャネル相関性に対応する第1のプリセット閾値であり、低いチャネル相関性における2種類の検出方法に対応する変化曲線も、1点(図2における点2に示す)で交差し、交差する点2に対応する第1の目標比(図2において、5)は、低いチャネル相関性に対応する第1のプリセット閾値である。
【0045】
【0046】
いくつかの例示的な実施例において、第1の目標比が第1のプリセット閾値以下であるか否かを判断する前に、当該マルチユーザMIMO方法は、チャネル相関性が検出できない場合、異なるチャネル相関性に対応する第2のプリセット閾値を取得するステップと、異なるチャネル相関性にそれぞれ対応する第2のプリセット閾値に基づいて前記第1のプリセット閾値を確定するステップを、さらに含む。
【0047】
いくつかの例示的な実施例において、チャネル相関性が検出できないとは、チャネル相関性が正確に検出できないこと、またはチャネル相関性を検出できないことを指す。
【0048】
いくつかの例示的な実施例において、異なるチャネル相関性に対応する第2のプリセット閾値は、シミュレーションによって取得されてもよく、即ち、チャネル相関性および検出方法を設定する前提で、受信データの検出性能パラメータをシミュレートし、検出方法に対応する検出性能パラメータの第1の目標比に対する変化曲線を取得してもよく、異なる検出方法は、それぞれ対応する変化曲線を取得し、同一のチャネル相関性に対応する全ての検出方法に対応する変化曲線の交点の第1の目標比を当該チャネル相関性に対応する第2のプリセット閾値とする。例えば、第1の検出方法は1つの変化曲線に対応し、第2の検出方法は1つの変化曲線に対応し、第1の検出方法に対応する変化曲線と第2の検出方法に対応する変化曲線との交点の第1の目標比を当該チャネル相関性に対応する第2のプリセット閾値とする。このように、第2の検出方法が固定されたままである場合、異なる第1の検出方法に対応する第2のプリセット閾値も異なる。第1の検出方法が固定されたままである場合、異なる第2検出方法に対応する第2のプリセット閾値も異なる。
【0049】
つまり、第2のプリセット閾値に対応する異なる検出方法の検出性能パラメータの差の絶対値は、第6プリセット閾値以下である。
【0050】
いくつかの例示的な実施例において、異なるチャネル相関性にそれぞれ対応する第2のプリセット閾値に基づいて第1のプリセット閾値を確定することは、第1のプリセット閾値は、異なるチャネル相関性に対応する第2のプリセット閾値の平均値であると確定するステップことを含む。
【0051】
例えば、図2に示すように、同一の第1の検出方法および第2の検出方法に対して、高いチャネル相関性に対応する第2のプリセット閾値が10dBであり、低いチャネル相関性に対応する第2のプリセット閾値が5dBであると仮定すると、第1のプリセット閾値は7.5dBに設定されてもよい。
【0052】
別の例として、第1の検出方法がMMSE検出方法であり、第2の検出方法がSD-IRC検出方法であり、第1のUEの変調方式が256-QAMである場合、表2に示すように、高いチャネル相関性に対応する第2のプリセット閾値は33dBであり、表3に示すように、低いチャネル相関性に対応する第2のプリセット閾値が28dBである場合、第1のプリセット閾値は30.5dBに設定されてもよい。
【0053】
【0054】
【0055】
(2)第3のプリセット閾値の確定方法
いくつかの例示的な実施例において、第2目標比が第3のプリセット閾値以上であるか否かを判断する前に、当該マルチユーザMIMO検出方法は、チャネル相関性が検出可能である場合、チャネル相関性を検出するステップと、検出されたチャネル相関性に基づいて第3のプリセット閾値を確定するステップと、をさらに含む。
【0056】
いくつかの例示的な実施例において、検出されたチャネル相関性に基づいて第3のプリセット閾値を確定することは、予め設定されたチャネル相関性と第3のプリセット閾値との間の第2対応関係に基づいて、検出されたチャネル相関性に対応する第3のプリセット閾値を確定するステップを含む。
【0057】
いくつかの例示的な実施例において、第2の対応関係におけるチャネル相関性の種類は実際のニーズに応じて予め設定されてもよく、本願の実施例は具体的な区分方式について限定しない。例えば、チャネル相関性を高いチャネル相関性と低いチャネル相関性とに区分し、高いチャネル相関性とは、チャネル相関性が第5のプリセット閾値以上であることを意味し、低いチャネル相関性とは、チャネル相関性が第5のプリセット閾値未満であることを意味する。また、例えば、チャネル相関性を取り得る値範囲に基づいて区間区分を行い、各区間に対応する第1のプリセット閾値は同じであると考えてもよい。
【0058】
いくつかの例示的な実施例において、第2の対応関係におけるチャネル相関性に対応する第3のプリセット閾値は、シミュレーションによって取得されてもよく、即ち、チャネル相関性および検出方法を設定する前提で、受信データの検出性能パラメータをシミュレートして、検出方法に対応する検出性能パラメータの第2の目標比に対する変化曲線を取得してもよく、異なる検出方法は、それぞれ対応する変化曲線を取得し、同一のチャネル相関に対応する全ての検出方法に対応する変化曲線の交点の第2の目標比を当該チャネル相関に対応する第3のプリセット閾値とする。例えば、第1の検出方法は1つの変化曲線に対応し、第2の検出方法は1つの変化曲線に対応し、第1の検出方法に対応する変化曲線と第2の検出方法に対応する変化曲線との交点の第2の目標比を当該チャネル相関性に対応する第3のプリセット閾値とする。このように、第2の検出方法が固定されたままである場合、異なる第1の検出方法に対応する第3のプリセット閾値も異なる。第1の検出方法が固定されたままである場合、異なる第2検出方法に対応する第3のプリセット閾値も異なる。
【0059】
つまり、第3のプリセット閾値に対応する異なる検出方法の検出性能パラメータの差の絶対値は、第6のプリセット閾値以下である。
【0060】
いくつかの例示的な実施例において、第2の目標比が第3のプリセット閾値以上であるか否かを判断する前に、当該方法は、チャネル相関性が検出できない場合、異なるチャネル相関性に対応する第5のプリセット閾値を取得するステップと、異なるチャネル相関性に対応する第5のプリセット閾値に基づいて第3のプリセット閾値を確定するステップと、をさらに含む。
【0061】
いくつかの例示的な実施例において、異なるチャネル相関性に対応する第5のプリセット閾値は、シミュレーションによって取得されてもよく、即ち、チャネル相関性および検出方法を設定する前提で、受信データの検出性能パラメータをシミュレーションして、検出方法に対応する検出性能パラメータの第2の目標比に対する変化曲線を取得してもよく、異なる検出方法は、それぞれ対応する変化曲線を取得し、同一のチャネル相関性に対応する全ての検出方法に対応する変化曲線の交点の第2の目標比を当該チャネル相関に対応する第5のプリセット閾値とする。例えば、第1の検出方法は1つの変化曲線に対応し、第2の検出方法は1つの変化曲線に対応し、第1の検出方法に対応する変化曲線と第2の検出方法に対応する変化曲線との交点の第2の目標比を当該チャネル相関性に対応する第5のプリセット閾値とする。このように、第2の検出方法が固定されたままである場合、異なる第1の検出方法に対応する第5のプリセット閾値も異なる。第1の検出方法が固定されたままである場合、異なる第2の検出方法に対応する第5プリセット閾値も異なる。
【0062】
つまり、第5のプリセット閾値に対応する異なる検出方法の検出性能パラメータの差の絶対値は、第6のプリセット閾値以下である。
【0063】
いくつかの例示的な実施例において、異なるチャネル相関性にそれぞれ対応する第5のプリセット閾値に基づいて第3のプリセット閾値を確定することは、第3のプリセット閾値が異なるチャネル相関性にそれぞれ対応する第5のプリセット閾値の平均値であると確定するステップを含む。
【0064】
いくつかの例示的な実施例において、第1のUEの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定することは、第1のUEの変調方式に基づいて検出性能が最適である検出方法を第1の検出方法であることを確定するステップを含む。
【0065】
いくつかの例示的な実施例において、第1のUEの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定することは、第1のUEの変調方式が低変調方式である場合、第1の検出方法が球状復号化-低変調方式検出方法であることを確定することを含み、ここで、第1の検出方法を用いて受信されたデータに対してマルチユーザ共同検出(以下で詳述する)を行う過程において、第2のUEの変調方式を第1のユーザデバイスの変調方式と同じに設定し、且つ、低変調方式は、変調次数が第4のプリセット閾値以下である変調方式であり、例えば、低変調方式は、QPSKまたは2相位相偏移変調(BPSK、Binary Phase Shift Keying)などであってもよい。
【0066】
つまり、第1のUEの変調方式が低変調方式である場合、球状復号化-低変調方式検出方法の検出性能は、MMSE検出方法であり、即ち検出性能に優れた検出方法である。
【0067】
本願実施例において、球形復号化-低変調方式検出方法は、本質的に、球形復号化検出方法を用いて検出する。第1のUEは、第2のUEの変調方式を取得できないため、第2のUEの変調方式を第1のUEの低変調方式と同じ変調方式に統一的に設定した後、シングルユーザ検出であると見なすことができ、即ち、本質的には球形復号化検出方法を用いてシングルユーザ検出を行う。
【0068】
以下、球状復号化検出方法の検出過程を簡単に説明する。
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
いくつかの例示的な実施例において、第1のUEの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定することは、第1のUEの変調方式が高変調方式である場合、第1の検出方法がMMSE検出方法であると確定することを含み、ここで、高変調方式は、変調次数が第4のプリセット閾値より大きい変調方式、例えば、64-QAM、128-QAM、256-QAMなどである。
【0075】
つまり、第1のUEの変調方式が高変調方式である場合、MMSE検出方法の検出性能は、球形復号化-低変調方式、即ち検出性能に優れた検出方法より優れている。
【0076】
以下、MMSE検出方法の検出過程を簡単に説明する。
【0077】
【0078】
ステップ101において、第1の検出方法を用いて、受信されたデータに対してマルチユーザ連携検出を行う。
【0079】
いくつかの例示的な実施例において、受信されたデータに第1のUEのデータのみが含まれていると判断した場合、当該方法は、第2の検出方法を用いて、受信されたデータにおける第1のUEのデータに対してシングルユーザ検出を行うステップをさらに含む。
【0080】
本願実施例において、マルチユーザ連携検出とは、受信したすべてのデータをUEに送信したデータと見なして検出し、シングルユーザ検出とは、第1のUEのデータのみをUEに送信したデータであると見なし、他のデータは干渉信号と見なして検出することを指す。
【0081】
いくつかの例示的な実施例において、第2の検出方法は、球形復号-干渉抑制マージ(SD-IRC,Sphere Decoding-Interference Rejection Combination)検出方法などであってもよい。
【0082】
以下、SD-IRC検出方法の検出プロセスを簡単に説明する。
【0083】
SD-IRC検出方法とは、第1のUEが第2のUEと連携して球形復号化検出を行わず、第1のUEのシングルユーザ検出のみを実行し、球形復号化検出を実行する前に、第2のUEが干渉とノイズとして合併してIRCを行うことを指す。
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
本願実施例において、図2に示すように、図2における第1種の検出方法が球状復号化-低変調方式検出方法であり、第2種の検出方法がSD-IRC検出方法であると仮定すると、図2から見て取れるように、高いチャネル相関性において、第1の目標比が第1のプリセット閾値以下である場合、第1種の検出方法に対応する変化曲線は第2種の検出方法に対応する変化曲線の上にあり、つまり、第1種の検出方法に対応する検出性能パラメータは第2種の検出方法に対応する検出性能パラメータよりも大きく、これにより、第1種の検出方法の検出性能がより優れていること、即ち、球状復号化-低変調方式検出方法の検出性能がより優れていることが得られ、第1の目標比が第1のプリセット閾値より大きい場合、第2種の検出方法に対応する変化曲線は、第1種の検出方法に対応する変化曲線の上にあり、つまり、第2種の検出方法に対応する検出性能パラメータは第1種の検出方法に対応する検出性能パラメータよりも大きく、これにより、第2種の検出方法の検出性能がより優れていること、つまり、SD-IRC検出方法の検出性能がより優れていることが得られ、低チャネル相関性において、第1の目標比が第1のプリセット閾値以下である場合、第1種の検出方法に対応する変化曲線は第2種の検出方法に対応する変化曲線の上にあり、即ち、第1種の検出方法に対応する検出性能パラメータは第2種の検出方法に対応する検出性能パラメータよりも大きく、それにより、第1種の検出方法の検出性能がより優れていること、即ち、球状復号化-低変調方式検出方法の検出性能がより優れていることが得られ、第1の目標比が第1のプリセット閾値より大きい場合、第2種の検出方法に対応する変化曲線は、第1種の検出方法に対応する変化曲線の上にあり、即ち、第2種の検出方法に対応する検出性能パラメータは、第1種の検出方法に対応する検出性能パラメータよりも大きく、これにより、第2種の検出方法の検出性能がより優れていること、つまり、SD-IRC検出方法の検出性能がより優れていることが得られる。
【0089】
本願実施例に係るマルチユーザMIMO検出方法によれば、受信されたデータに第1のユーザデバイスのデータおよび少なくとも1つの第2のユーザデバイスのデータが含まれる場合に対して、第1のユーザデバイスの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定し、第1の検出方法を用いて、受信されたデータに対してマルチユーザ連携検出を行い、検出過程全体において第2のユーザデバイスの変調方式を取得する必要がなく、送信端末の処理手順を変更する必要もなく、受信データの検出を簡単に実現する。
【0090】
本願の別の実施例は、少なくとも1つのプロセッサと、メモリを備え、メモリには、少なくとも1つのプログラムが記憶され、少なくとも1つのプログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、上述のいずれか1つのマルチユーザ多入力多出力検出方法を実現する、電子デバイスを提供する。
【0091】
プロセッサはデータ処理能力を有する素子であり、これには中央処理装置(CPU)などが含まれるがこれに限定されない。メモリはデータ記憶能力を有する素子であり、これにはランダムアクセスメモリ(RAM、より具体的にはSDRAM、DDRなど)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(FLASH)が含まれるがこれらに限定されない。
【0092】
いくつかの実施例において、プロセッサ、メモリ、インターフェースは、バスによって相互接続され、さらに計算デバイスのその他の構成要素に接続される。
【0093】
本願のさらに別の実施例は、コンピュータプログラムが記憶され、コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記のいずれか1つのマルチユーザMIMO検出方法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0094】
図4は、当該実施例が提供するマルチユーザMIMO検出装置の構成ブロック図である。
【0095】
図4を参照して、当該実施例は、マルチユーザMIMO検出装置を提供し、当該装置は、第1のUEに設けられてもよく、当該装置は、受信されたデータに第1のユーザデバイスのデータおよび少なくとも1つの第2のユーザデバイスのデータが含まれると判断された場合、第1のユーザデバイスの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定するように構成される確定モジュール401と、第1の検出方法を用いて、受信されたデータに対してマルチユーザ連携検出を行うように構成される検出モジュール402と、を含む。
【0096】
いくつかの例示的な実施例において、検出モジュール402は、受信されたデータに第1のユーザデバイスのデータのみが含まれていると判断した場合、第2の検出方法を用いて、受信されたデータにおける第1のユーザデバイスのデータに対してシングルユーザ検出を行うようにさらに構成される。
【0097】
いくつかの例示的な実施例において、確定モジュール401は、第1の目標比が第1のプリセット閾値以下であると判断することにより、受信されたデータに第1のユーザデバイスのデータおよび少なくとも1つの第2のユーザデバイスのデータが含まれると判断し、ここで、第1の目標比は、第1のユーザデバイスの基準信号受信電力と少なくとも1つの第2のユーザデバイスの基準信号受信電力との和に対する比であるように構成される。
【0098】
いくつかの例示的な実施例において、確定モジュール401は、チャネル相関性が検出できる場合、チャネル相関性を検出し、検出されたチャネル相関性に基づいて第1のプリセット閾値を確定するようにさらに構成される。
【0099】
いくつかの例示的な実施例において、確定モジュール401は、予め設定されたチャネル相関性と第1のプリセット閾値との間の第1の対応関係に基づいて、検出されたチャネル相関性に対応する第1のプリセット閾値を確定することにより、検出されたチャネル相関性に基づいて第1のプリセット閾値を確定するようにさらに構成される。
【0100】
いくつかの例示的な実施例において、確定モジュール401は、チャネル相関性が検出できない場合、異なるチャネル相関性にそれぞれ対応する第2のプリセット閾値を取得し、異なるチャネル相関性に対応する第2のプリセット閾値にそれぞれ基づいて第1のプリセット閾値を確定するようにさらに構成される。
【0101】
いくつかの例示的な実施例において、確定モジュール401は、第1のプリセット閾値が異なるチャネル相関性にそれぞれ対応する第2のプリセット閾値の平均値であると確定することにより、異なるチャネル相関性にそれぞれ対応する第2のプリセット閾値に基づいて第1のプリセット閾値を確定するようにさらに構成される。
【0102】
いくつかの例示的な実施例において、確定モジュール401は、第2の目標比が第3のプリセット閾値以上であると判断し、前記第2の目標比は、少なくとも1つの前記第2のユーザデバイスの基準信号受信電力の和と前記第1のユーザデバイスの基準信号受信電力との比であるようにすることにより、受信されたデータに前記第1のユーザデバイスのデータおよび少なくとも1つの第2のユーザデバイスのデータが含まれると判断するようにさらに構成される。
【0103】
いくつかの例示的な実施例において、確定モジュール401は、第1のユーザデバイスの変調方式が低変調方式である場合、第1の検出方法が球形復号化-低変調方式検出方法であると確定し、第1の検出方法を用いて受信されたデータに対してマルチユーザ連携検出を行う過程において、第2のユーザデバイスの変調方式を第1のユーザデバイスの変調方式と同じに設定し、低変調方式は、変調次数が第4のプリセット閾値以下である変調方式であるという方法で、第1のユーザデバイスの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定するようにさらに構成される。
【0104】
いくつかの例示的な実施例において、確定モジュール401は、第1のユーザデバイスの変調方式が高変調方式である場合、第1の検出方法が最小平均二乗誤差検出方法であると確定し、高変調方式は、変調次数が第4プリセット閾値より大きい変調方式であるという方法で、第1のユーザデバイスの変調方式に基づいて第1の検出方法を確定するようにさらに構成される。
【0105】
本願実施例のマルチユーザMIMO検出装置の具体的な実現過程は、前記実施例のマルチユーザMIMO検出方法の具体的な実現過程と同じであるが、ここでは詳しく説明しない。
【0106】
当業者は、以上で公開されている方法におけるステップ、システム、装置における機能モジュール/ユニットの全てまたは一部が、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、およびそれらの適切な組み合わせとして実施され得ることを理解するであろう。ハードウェアによる実施形態において、上記の説明で言及した機能モジュール/ユニット間の区分は、必ずしも物理的コンポーネントの区分に対応しない。例えば、1つの物理的コンポーネントは複数の機能を有してもよく、あるいは1つの機能またはステップは幾つかの物理的コンポーネントが連携して実行されてもよい。一部または全ての物理的コンポーネントは、処理装置(例えば、中央処理装置、デジタル信号プロセッサまたはマイクロプロセッサ)によって実行されるソフトウェアとして実施されてもよく、ハードウェアとして、または専用集積回路などの集積回路として実施されてもよい。このようなソフトウェアはコンピュータ読み取り可能な媒体上に配置されてもよく、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体(または非一時的媒体)および通信媒体(または一時的媒体)を含んでもよい。当業者によく知られているように、コンピュータ記憶媒体という用語は、コンピュータ読み取り可能なコマンド、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実施される揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージ装置、または所望の情報を記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。また、通信媒体は通常コンピュータ読み取り可能なコマンド、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波もしくは他の搬送機構などの変調データ信号内の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含み得ることが当業者に知られている。
【0107】
本明細書では例示的な実施例を公開し、具体的な用語を用いたが、それらは一般的な説明に用いたものに過ぎず、またそのように解釈されるべきであり、限定を目的としたものではない。別途明確に指摘しない限り、一部の実施例においては、特定の実施例と組み合わせて説明した特徴、特性および/もしくは素子を単独で使用することも、またはその他の実施例と組み合わせて説明した特徴、特性および/もしくは素子と組み合わせて使用することもできることは当業者にとって自明である。したがって、添付の請求項によって示される本願の範囲から逸脱しなければ、様々な形態および詳細において変更が可能であると当業者は理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】