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特表2024-521216がんの化学増感剤としてのBZD-1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】がんの化学増感剤としてのBZD-1
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/5513 20060101AFI20240521BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 31/395 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
A61K31/5513
A61P35/00
A61P11/00
A61P17/00
A61P1/16
A61P1/18
A61P1/04
A61P15/00
A61P13/08
A61P25/00
A61P43/00 105
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K31/395
A61K31/337
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574387
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 US2022032163
(87)【国際公開番号】W WO2022256656
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】63/196,459
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/208,246
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513182776
【氏名又は名称】ユニバーシティ・オブ・シンシナティ
(71)【出願人】
【識別番号】515076769
【氏名又は名称】ユーダブリューエム・リサーチ・ファウンデーション,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100187540
【弁理士】
【氏名又は名称】國枝 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】クラメル,ダニエル・ポメランツ
(72)【発明者】
【氏名】セングプタ,ソマ
(72)【発明者】
【氏名】クック,ジェームズ・エム
(72)【発明者】
【氏名】アフメド,タウキル
(72)【発明者】
【氏名】カーブ,アニルッダ
(72)【発明者】
【氏名】カーライ,ローラ
(72)【発明者】
【氏名】デサイ,パンカジ
(72)【発明者】
【氏名】バッタチャリャ,デバンジャン
(72)【発明者】
【氏名】トゥーカム,ドナティエン・カムデム
(72)【発明者】
【氏名】バリル,リッカルド
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA011
4C084ZA591
4C084ZA661
4C084ZA751
4C084ZB071
4C084ZB211
4C084ZB261
4C084ZB351
4C084ZC201
4C084ZC211
4C084ZC411
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA02
4C086BC56
4C086CB05
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZC75
(57)【要約】
本明細書において、がんと診断された被験体において抗がん剤の効果を増強する方法であって、有効量の7-エチニル-5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オン(BZD-1)、および抗がん剤を含む併用治療薬を被験体に投与する工程を含む、方法が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がんと診断された被験体において抗がん剤の効果を増強する方法であって、被験体に、
有効量の7-エチニル-5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オン(BZD-1)またはその塩と、
抗がん剤と
を共投与する工程を含む、方法。
【請求項2】
前記がんが、肺がん、黒色腫、肝臓がん、乳がん、膵臓がん、結腸直腸がん、卵巣がん、甲状腺がん、前立腺がん、膠芽腫、髄芽腫、および神経芽細胞腫からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記肺がんが、非小細胞肺がん(NSCLC)、腺癌、大細胞肺癌(LCLC)、および扁平上皮癌からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記抗がん剤が、化学療法剤、免疫療法剤、標的治療剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記化学療法剤が、アルキル化剤、抗菌剤、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞毒性抗生物質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記抗がん剤が、テモゾロミド、ドセタキセル、シクロホスファミド、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、ビノレルビン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン、ムスチン、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾロン、エトポシド、シスプラチン、エピルビシン、カペシタビン、フォリン酸、オキサリプラチン、ゲムシタビン、イホスファミド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される化学療法剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記化学療法剤が、テモゾロミドである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記がんが、膠芽腫である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記化学療法剤が、ドセタキセルである、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記がんが、肺がんである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
BZD-1および抗がん剤が、同時投与または逐次投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
膠芽腫の処置を必要とする被験体において膠芽腫を処置する方法であって、
有効量の7-エチニル-5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オン(BZD-1)またはその塩と、
テモゾロミドと
を含む併用治療薬を被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項13】
BZD-1およびテモゾロミドが、同時投与または逐次投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
BZD-1が、膠芽腫のMGMTメチル化状態にかかわらず、テモゾロミドを増強する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
テモゾロミドが、単独化学療法剤として投与される場合のテモゾロミドの有効量より低い用量で投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
肺がんの処置を必要とする被験体において肺がんを処置する方法であって、
有効量の7-エチニル-5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オン(BZD-1)またはその塩と、
ドセタキセルと
を含む併用治療薬を被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項17】
BZD-1およびドセタキセルが、同時投与または逐次投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記肺がんが、非小細胞肺がん(NSCLC)、腺癌、大細胞肺癌(LCLC)、および扁平上皮癌からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記肺がんが、非小細胞肺がん(NSCLC)である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ドセタキセルが、単独化学療法剤として投与される場合のドセタキセルの有効量より低い用量で投与される、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2021年6月3日に出願された米国仮特許出願第第63/196,459号および2021年6月8日に出願された米国仮特許出願第第63/208,246号の優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示はがん治療の分野に関する。具体的には、本開示は、ベンゾジアゼピンアナログ化合物BZD-1を共投与することによって抗がん治療薬を増強する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]GABA受容体(GABAR)は、最も一般的にはGABR遺伝子GABRA、GABRB、およびGABRGによりそれぞれコードされる2つのα、2つのβ、およびγサブユニットから構成される5量体のクロライド(Cl)チャネルを形成する。GABARは中枢神経系における興奮/抑制のバランスを決定する基本的な役割を担っている。Cl流束を媒介する受容体として、GABARは、リガンドであるGABAの結合後、神経細胞を過分極させる機能を主に有する(図1を参照)。
【0004】
[0004]GABARは、1960年代にベンゾジアゼピンが臨床導入されて以来、重要な治療標的となってきた。ベンゾジアゼピンは、GABARのγ-αインターフェースに結合し、GABAの有効性を増加させ、Cl流束を増加させる(図1)。FDAが承認したベンゾジアゼピンは、ジアゼパム(Valium(登録商標))などの、ジアゼピン環とベンゼン環が縮合したもの(1,4-ベンゾジアゼピン)とフェノール環(5-フェニル-1H-ベンゾ[e])から最も一般的には構成される。
【0005】
[0005]ベンゾジアゼピンは伝統的に、不安、不眠症、発作性障害、痙攣性障害、およびアルコール離脱症などの神経系疾患の処置に使用されてきた。現在では、GABARは中枢神経系のがんだけでなく、全身のがんにも発現していることが判明している。
【0006】
[0006]多くのがんは処置が非常に困難であり、かつ/または一次処置終了後に脳への転移を含む局所再発および/または遠隔再発をもたらす。さらに、第一選択の抗がん処置の多くは、一定期間使用するうちに効果がなくなったり、または患者の忍容性が悪くなったりする。副作用を軽減しながら、腫瘍の制御を強化し、転移を阻害し、生存期間を改善するための改良された治療法が必要である。
【発明の概要】
【0007】
[0007]したがって、本明細書では、ベンゾジアゼピンアナログ化合物BZD-1を共投与することによって抗がん治療薬を増強する方法が提供される。
[0008]一実施形態では、がんと診断された被験体において抗がん剤の効果を増強する方法であって、有効量の7-エチニル-5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オン(BZD-1)またはその塩と;抗がん剤とを含む併用治療薬を被験体に投与する工程を含む、方法が提供される。
【0008】
[0009]別の実施形態では、膠芽腫の処置を必要とする被験体において膠芽腫を処置する方法であって、有効量のBZD-1またはその塩と;テモゾロミドとを含む併用治療薬を被験体に投与する工程を含む、方法が提供される。
【0009】
[0010]別の実施形態では、肺がんの処置を必要とする被験体において肺がんを処置する方法であって、有効量のBZD-1またはその塩と;ドセタキセルとを含む併用治療薬を被験体に投与する工程を含む、方法が提供される。
【0010】
[0011]これらおよび他の目的、特徴、実施形態、および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を読めば、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0012]GABARの塩化物イオン透過孔を示す図である。塩化物イオン透過孔を見下ろし、α、β、およびγサブユニットの構造を示すGABARの図(左);2つのGABAリガンドが結合するとチャネルが開き、ベンゾジアゼピンが結合すると塩化物イオン流束が高まる図(中央、GABARの孔の閉鎖、開放、透過の促進を示す);古典的なベンゾジアゼピンであるジアゼパム(Valium(登録商標))およびBZD-1の構造を図示している。
図2】[0013]BZD-1+テモゾロミド(TMZ)で処理した膠芽腫細胞株の細胞毒性反応を示す表である。
図3】[0014]図3Aは非メチル化GBM細胞株BT142-GFPをTMZ、BZD-1、BZD-1+TMZ、または対照で処理したスフェロイドの画像である。[0015]図3Bは非メチル化GBM細胞株G43をTMZ、BZD-1、BZD-1+TMZ、または対照で処理したスフェロイドの画像である。
図4】[0016]BZD-1がインビトロでH1792ヒト肺がん細胞の増殖を阻害することを示す図である。H1792細胞を用いたMTSアッセイでは、4.5~6μMのBZD-1のIC50が得られる。
図5】[0017]BZD-1がドセタキセルを介する細胞毒性を増強し、H1792細胞の増殖を阻害することを示す図である。
図6】[0018]BZD-1とドセタキセルが相乗的にH1792細胞の増殖を阻害することを示す図である。BZD-1とDTXの併用療法は、併用指数(CI)値0.6を算出することで解析され、インビトロでのH1792細胞増殖を阻害する両薬剤の活性の相乗効果を示し、DTXの用量反応グラフが左にシフトすることで具体化された。
図7】[0019]BZD-1単独または0.5nMのドセタキセル(DTX)との併用で処置したH1792細胞を示す図である。
図8】[0020]BZD-1がインビボでH1792腫瘍細胞の増殖を阻害することを示す図である。
図9】[0021]BZD-1がインビボでH1792腫瘍細胞の増殖を阻害することを示す図である。
図10】[0022]BZD-1がインビボでH1792腫瘍細胞の増殖を阻害することを示す図である。BZD-1処置は、NOD-SCIDマウスにおけるH1792異種移植片の腫瘍増殖を阻害した。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0023]現在開示されている主題の実施形態の詳細は、本書に記載されている。本書に記載された実施形態の変更、およびその他の実施形態は、本書に提示された情報の検討後に、当業者には明らかになるであろう。
【0013】
[0024]以下の用語は当技術分野においてよく理解されていると考えられるが、現在開示されている主題の説明を容易にするために定義を示す。特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、現在開示されている主題が属する技術分野において当業者によって一般的に理解される用語と同じ意味を有する。
【0014】
[0025]別段の指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される、成分の量、反応条件などの特性などを表すすべての数値は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されていると理解される。したがって、反対の指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲に記載された数値パラメータは近似値であり、現在開示されている主題によって得ようとする所望の特性に応じて変化することができる。
【0015】
[0026]本明細書で使用される場合、質量、重量、時間、体積、濃度もしくはパーセンテージの値または量に言及する場合の用語「約」は、開示される方法を実施するのに適切なそのような変動として、指定された量から、いくつかの実施形態では±20%、いくつかの実施形態では±10%、いくつかの実施形態では±5%、いくつかの実施形態では±1%、いくつかの実施形態では±0.5%、およびいくつかの実施形態では±0.1%の変動を包含することを意味する。
【0016】
[0027]本明細書を通じて与えられるすべての最大の数値限定は、そのようなより低い数値限定が本明細書に明示的に書かれているかのように、すべてのより低い数値限定を含むことを理解すべきである。本明細書を通じて与えられるすべての最小の数値限定は、そのようなより高い数値限定が本明細書に明示的に書かれているかのように、すべてのより高い数値限定を含む。本明細書を通じて与えられるすべての数値範囲は、そのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示されているかのように、そのようなより広い数値範囲に含まれるすべてのより狭い数値範囲を含む。
【0017】
[0028]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、内容が明確に指示しない限り、複数形の参照を含む。
[0029]「薬学的に許容され得る塩」とは、任意の酸性(例えば、ヒドロキサム酸またはカルボン酸)基で形成されるカチオン性塩、または任意の塩基性(例えば、アミノ)基で形成されるアニオン性塩である。このような塩の多くは、1987年9月11日に公開されたJohnstonらによるWO87/05297に記載されているように、当技術分野で知られている。具体的なカチオン性塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウムおよびカリウムなど)、アルカリ土類金属塩(マグネシウムおよびカルシウムなど)、および有機塩が挙げられる。具体的なアニオン性塩としては、ハロゲン化物(塩化物塩など)、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩などが挙げられる。
【0018】
[0030]「被験体」という用語は、本明細書で使用される場合、ヒトを含むあらゆる哺乳類の被験体を意味する。特定の実施形態では、被験体は、がん、腫瘍、脳腫瘍、または脳転移と診断される。
【0019】
[0031]「処置する」、「処置」、および「処置すること」という用語は、本明細書で使用される場合、疾患、障害、および/またはその症状を緩和または消失させる方法を指す。
【0020】
[0032]「有効量」とは、本明細書で使用される場合、所望の生物学的反応を誘発する物質(例えば、治療用化合物および/または組成物)の量を指す。いくつかの実施形態では、物質の有効量は、疾患、障害、および/または状態に罹患しているか、または罹患しやすい被験体に投与された場合に、疾患、障害、および/または状態の1つまたは複数の症状を処置、診断、予防、ならびに/または遅延および/もしくは緩和するのに十分な量である。当業者には認識されるように、物質の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達される物質、標的細胞または組織などのような因子に応じて変化し得る。例えば、疾患、障害、および/または状態を処置するための組成物の有効量は、疾患、障害、および/または状態の1つまたは複数の症状または特徴を緩和、改善、軽減、阻害、予防、発症の遅延;重症度の軽減、および/または発生率の軽減をする量である。さらに、有効量は、処置計画内での単回用量または多回用量を介して投与することができる。いくつかの実施形態では、個々の用量または組成物は、処置計画の文脈において用量として有効量を含む場合に、有効量を含むとみなされる。当業者であれば、患者の集団に投与された場合に統計学的に有意な有効性を示すことが実証されているまたは実証された場合、用量または量が有効であると考えられ;本明細書に記載されるように量が有効であると考えられるためには、特定の個々の患者において特定の結果が達成される必要はないことを理解するであろう。
【0021】
[0033]多形膠芽腫(GBM)は悪性度の高い(グレードIV)原発性脳腫瘍である。GBMの標準治療としては、放射線療法にDNAアルキル化剤であるテモゾロミド(TMZ)を併用投与する方法が挙げられる。この手法は、MGMTプロモータが十分にメチル化されたGBM細胞(GBM腫瘍の約50%)であれば、ある程度の有効性を示し、これは、MGMTタンパク質の減少が、TMZ誘発DNA損傷を逆転させる能力の低下につながるからである。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は、TMZの有効性を改善するために最近使用されるようになったが、残念ながら、持続的な奏効に寄与することなく骨髄毒性をもたらす。TMZもまた、白血球減少症など、衰弱させ生命を脅かすそれ自体の副作用がないわけではない。悲劇的なことに、この処置計画では生存期間はわずか12~15カ月しかない。MGMTメチル化GBMに対するTMZの有効性を高め、MGMT非メチル化GBMに対する有効な処置手法を特定し、TMZの副作用を軽減することが早急に必要とされている。
【0022】
[0034]GBMは最も致命的なヒトのがんのひとつであり、処置は非常に困難である。GBM腫瘍細胞は、複雑な微小環境において多様な細胞と相互作用する。さらに、血液脳関門(BBB)は薬剤のバイオアベイラビリティを制限し、免疫回避を促進するように作用する。残念ながら、GBM細胞は頻繁に脳血管組織の生理的機能を破壊し、がん組織を薬剤ならびに全身性免疫から守ることのできる効果的な血液腫瘍バリア(BTB)にBBBを変えてしまう。GBM腫瘍の発生および増殖の根底にある遺伝的およびエピジェネティックな変化に関する知見が増えつつあるにもかかわらず、GBMの予後は依然として不良である。
【0023】
[0035]TMZはすべてのGBMの処置に使用される。しかしながら、TMZはMGMTメチル化されたGBMのわずか半分程度にしか効果を示さない。本開示は、GBMのメチル化状態に関係なく、TMZを相乗的に増強する脳浸透性ベンゾジアゼピンアナログを提供する。
【0024】
[0036]非毒性の脳浸透性低分子を用いてGBMのユニークな電気化学的脆弱性を標的とすることにより、GBM腫瘍細胞は、MGMTのメチル化状態に関係なくTMZに感作され得る。理論に拘束されることは望まないが、GBM細胞、ならびに小児脳腫瘍の髄芽腫および黒色腫の患者のサブグループからの腫瘍細胞は、機能的なGABARを有しており、BZD-1を標的としてイオン動態を変化させ、アポトーシスを誘導することができると考えられている。このデータは、BZD-1とTMZの共投与が、MGMTのメチル化状態にかかわらず、TMZの抗がん作用を増強することを示している。観察された効果は劇的で相乗的である。
【0025】
[0037]BZD-1はGABARを介したClアニオン輸送を促進し、それによってイオン動態を変化させ、薬剤排出トランスポーターであるP-糖タンパク質を阻害し、アポトーシス反応を誘導する。BZD-1が誘発するがん細胞の電気化学的変化は、GBM細胞のMGMT状態にかかわらず、TMZを有意かつ相乗的に増強する。
【0026】
[0038]非小細胞肺がん(NSCLC)は肺がんの症例の大部分(80%~85%)を占める。最も一般的なNSCLCの組織亜型(40~50%)は肺腺癌である。疾患の進行期のNSCLC患者の大多数は、一次処置終了後の最初の2年間に、脳への転移を含む局所再発および/または遠隔再発に直面する。
【0027】
[0039]GABAR発現は、肺腺癌および扁平上皮癌の両亜型に存在する。本明細書に開示されているように、BZD-1処置は患者由来の腺癌細胞にアポトーシスを誘導する。さらに、BZD-1は、単独で投与された場合、治療レベルを下回る用量でも化学療法薬であるドセタキセルを相乗的に増強する。患者由来の腺癌細胞を使用した脇腹異種移植マウスモデルを使用して、BZD-1が、効力を保持しながらドセタキセルの毒性プロファイルを低下させるように、腫瘍細胞をドセタキセルに感作させる能力を評価した。
【0028】
[0040]BZD-1は以下の構造によるベンゾジアゼピンアナログ:
【0029】
【化1】
【0030】
7-エチニル-5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オンである。
[0041]一実施形態では、がんと診断された被験体において抗がん剤の効果を増強する方法であって、有効量の7-エチニル-5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オン(BZD-1)またはその塩と;抗がん剤とを被験体に共投与する工程を含む、方法が提供される。
【0031】
[0042]いくつかの実施形態では、BZD-1と抗がん剤は共投与される。「共投与」とは、本明細書で使用される場合、BZD-1と抗がん剤の投与であって、両剤が同時に、例えば、レシピエント被験体において生理学的効果を得ることができるような投与を指す。しかしながら、この2剤を同時に投与する必要はない。特定の実施形態では、一方の薬剤の投与は他方の薬剤の投与に先行することができる。いくつかの実施形態では、共投与は通常、両薬剤が同時に被験体中に存在することになる。したがって、いくつかの実施形態では、BZD-1および抗がん剤は同時または逐次的に投与することができる。
【0032】
[0043]逐次投与に関しては、BZD-1および抗がん剤は、互いに1時間以内、2時間以内、4時間以内、8時間以内、24時間以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、または1週間以内に投与することができる。いくつかの実施形態では、BZD-1が最初に投与され、続いて抗がん剤が投与される。いくつかの実施形態では、抗がん剤が最初に投与され、続いてBZD-1が投与される。
【0033】
[0044]いくつかの実施形態では、処置されるがんは、肺がん、黒色腫、肝臓がん、乳がん、膵臓がん、結腸直腸がん、卵巣がん、甲状腺がん、前立腺がん、膠芽腫、髄芽腫、および神経芽細胞腫からなる群から選択される。
【0034】
[0045]具体的な実施形態では、がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、腺癌、大細胞肺癌(LCLC)、および扁平上皮癌からなる群から選択される肺がんである。
[0046]別の具体的な実施形態では、がんは、膠芽腫、髄芽腫、および神経芽細胞腫からなる群から選択される中枢神経系がんである。
【0035】
[0047]本方法においてBZD-1との併用での使用に様々な抗がん剤が適している。いくつかの実施形態では、抗がん剤は、化学療法剤、免疫療法剤、標的治療剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0036】
[0048]具体的な実施形態では、化学療法剤は、アルキル化剤、抗菌剤、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞毒性抗生物質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0037】
[0049]具体的な実施形態では、抗がん剤は、テモゾロミド、ドセタキセル、シクロホスファミド、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、ビノレルビン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン、ムスチン、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾロン、エトポシド、シスプラチン、エピルビシン、カペシタビン、フォリン酸、オキサリプラチン、ゲムシタビン、イホスファミド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される化学療法剤である。
【0038】
[0050]具体的な実施形態では、化学療法剤はTMZであり、がんは膠芽腫である。
[0051]別の具体的な実施形態では、化学療法剤はドセタキセルであり、がんは肺がんである。
【0039】
[0052]別の実施形態では、膠芽腫の処置を必要とする被験体において膠芽腫を処置する方法であって、有効量の7-エチニル-5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オン(BZD-1)またはその塩と;テモゾロミド(TMZ)とを含む併用治療薬を被験体に投与する工程を含む、方法が提供される。BZD-1およびテモゾロミドは同時投与でも逐次投与でもよい。
【0040】
[0053]いくつかの実施形態では、BZD-1は、膠芽腫のMGMTメチル化状態にかかわらず、TMZを増強する。さらなる実施形態では、BZD-1と共投与されるTMZの用量は、膠芽腫の処置に単独療法として有効なTMZの用量よりも低い。
【0041】
[0054]別の実施形態では、肺がんの処置を必要とする被験体において肺がんを処置する方法であって、有効量の7-エチニル-5-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オン(BZD-1)またはその塩と;ドセタキセルとを含む併用治療薬を被験体に投与する工程を含む、方法が提供される。BZD-1およびドセタキセルは同時投与でも逐次投与でもよい。
【0042】
[0055]いくつかの実施形態では、肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、腺癌、大細胞肺癌(LCLC)、および扁平上皮癌からなる群から選択される。具体的な実施形態では、肺がんはNSCLCである。
【0043】
[0056]いくつかの実施形態では、BZD-1と共投与されるドセタキセルの用量は、肺がんの処置に単独療法として有効なドセタキセルの用量よりも低い。
[0057]以下の実施例は例示であり、本開示の範囲を限定するものではない。
【実施例
【0044】
実施例1.BZD-1はMGMTメチル化状態にかかわらず、テモゾロミド(TMZ)を増強する
[0058]BZD-1およびTMZの単剤または併用で処理したメチル化および非メチル化GBM細胞のインビトロ細胞毒性試験により、この併用療法は非メチル化GBM細胞株におけるTMZ耐性を克服し、メチル化の状態にかかわらず、GBM細胞を死滅させる上でTMZ単独療法よりも有意に強力であることが示された(図2)。Chou-Talay併用指数式を使用して2剤併用における相乗効果を定量的に求めたところ、BZD-1とTMZは相乗的に作用することが見出された。
【0045】
[0059]2つの非メチル化GBM株であるBT142-GFP(図3A)およびG43(図3B)を使用してスフェロイドアッセイを行い、BZD-1+TMZの効果を定性的に評価した。このアッセイにより、併用療法に反応して有意に凝集が解体されることが明らかになり、腫瘍形成活性が破壊されたことが示唆された。
【0046】
実施例2.製剤化されたBZD-1は代謝的に安定であり、速やかに脳内に浸透および蓄積する
[0060]BZD-1を製剤化するための様々な手法が検討されてきた。共溶媒ベースの注射用製剤(ベンゾジアゼピンについてすでに米国FDA認可済み)が満足のいくものであることが確認されている。この共溶媒製剤では、BZD-1は溶解性が高く(10mg/mL)、室温で最大6カ月間安定であり、ラットに単回用量を腹腔内投与して12時間後に目に見える副作用は認められなかった。また、ヒト肝ミクロソームを使用した代謝安定性試験も実施し、FDAが承認したベンゾジアゼピンであるミダゾラムとは対照的に、1時間以内に分解生成物は認められなかった。BZD-1の薬物動態は、脳への速やかな浸透(約5分以内)および脳細胞外液へのBZD-1の有意な蓄積(161.3ng/mL)を示した。
【0047】
実施例3.BZD-1はインビトロでH1792ヒト肺がん細胞の増殖を阻害する。
[0061]10個/ウェルのH1792細胞を96ウェルプレート中の100uLの培地に播種し、24時間接着させた。翌日、BZD-1(ストック、DMSO中40mM)を最初に新鮮な細胞培養培地で40μMに希釈し、次いで2倍連続希釈した。次いで、細胞上の培地を注意深く吸引し、100μLのビヒクル(DMSO)/薬剤含有培地と交換し、各対照/薬剤希釈液について5回反復した。細胞をインキュベータに48時間戻した。
【0048】
[0062]MTSアッセイでは、培地を注意深く吸引し、100μLのフェノールレッドを含まない培地と交換した。次いで、20μLのMTS試薬(Cell Titer 96 Aqueous Non-Radioactive Cell Proliferation Assay reagent-Promega)を各ウェルに添加した。プレートをインキュベータに1時間戻し、次いでプレートリーダで490nmのODを取得した。次いで、OD値を分析し、GraphPad Prismを使用してグラフを得た。
【0049】
[0063]結果を図4に示し、BZD-1がインビトロでH1792ヒト肺がん細胞の増殖を阻害することを示している。
【0050】
実施例4.BZD-1はドセタキセルを介する細胞毒性を増強し、H1792細胞の増殖を阻害する
[0064]10個/ウェルのH1792細胞を96ウェルプレート中の100μLの培地に播種し、24時間接着させた。翌日、2.5μM BZD-1を含む大量の新鮮な培地を、DMSO中の40mM BZD-1ストックから調製した。ドセタキセル(DTX)の希釈には、DTXのみには新鮮な培地を、DTX+2.5μM BZD-1処理には2.5μM BZD-1含有培地を使用した。次いで、細胞上の培地を吸引し、100μLのビヒクル(DMSO)/薬剤含有培地と交換し、各対照/薬剤希釈液について5回反復した。細胞をインキュベータに48時間戻した。
【0051】
[0065]MTSアッセイでは、培地を吸引し、100μLのフェノールレッドを含まない培地と交換した。次いで、20μLのMTS試薬(Cell Titer 96 Aqueous Non-Radioactive Cell Proliferation Assay reagent-Promega)を各ウェルに添加した。プレートをインキュベータに1時間戻し、次いでプレートリーダで490nmのODを取得した。次いで、OD値を分析し、GraphPad Prismを使用してグラフを得た。
【0052】
[0066]結果を図5に示し、BZD-1がインビトロでH1792ヒト肺がん細胞に対するドセタキセルの細胞毒性効果を増強することを示している。
【0053】
実施例5.BZD-1とドセタキセルは、相乗的にH1792細胞の増殖を阻害する
[0067]10個/ウェルのH1792細胞を96ウェルプレート中の100μLの培地に播種し、24時間接着させた。翌日、2.5μM BZD-1を含む大量の新鮮な培地を、DMSO中の40mM BZD-1ストックから調製した。単一薬剤の希釈には、新鮮な培地を使用した。DTX+2.5μM BZD-1には、2.5μM BZD-1含有培地を使用した。次いで、細胞上の培地を吸引し、100μLのビヒクル(DMSO)/薬剤含有培地と交換し、各対照/薬剤希釈液について5回反復した。細胞をインキュベータに48時間戻した。
【0054】
[0068]MTSアッセイでは、培地を吸引し、100μLのフェノールレッドを含まない培地と交換した。次いで、20μLのMTS試薬(Cell Titer 96 Aqueous Non-Radioactive Cell Proliferation Assay reagent-Promega)を各ウェルに添加した。プレートをインキュベータに1時間戻し、次いでプレートリーダで490nmのODを取得した。次いで、OD値を分析し、GraphPad Prismを使用してグラフを得た。
【0055】
[0069]結果を図6に示し、BZD-1とドセタキセルがインビトロでH1792肺がん細胞の増殖を相乗的に阻害することを示している。
【0056】
実施例6.BZD-1とドセタキセルが相乗的にH1792細胞の増殖を阻害することを示すクローン形成アッセイ
[0070]300個/ウェルのH1792細胞を6ウェルプレート中の3mLの培地に播種し、36時間接着させた。0.5nMドセタキセル(DTX)を含む大量の新鮮な培地を、DMSO中の1mMストックから調製した。BZD-1の希釈には、新鮮な培地または+0.5nM DTX含有培地のいずれかを使用した。次いで、細胞上の培地を吸引し、3mLのビヒクル(DMSO)/薬剤含有培地と交換し、各対照/薬剤希釈液について3回反復した。細胞をインキュベータに12日間戻した。染色のために、培地を吸引し、細胞をPBSで1回洗浄し、室温で15分間メタノールで固定した。次いでメタノールを除去し、クリスタルバイオレット染色液を細胞に添加し、室温で30分間インキュベートした。次いで、プレートを水道水で徹底的に洗浄し、乾燥させて写真に収めた。
【0057】
[0071]結果を図7に示し、BZD-1とドセタキセルの併用がインビトロでH1792肺がん細胞の増殖を相乗的に阻害することを示している。
【0058】
実施例6.インビボ用量反応実験
[0072]NOD-SCIDマウス(3匹/群)の両脇腹に10個のH1792細胞を皮下移植した。腫瘍が触知可能になった時点で(移植後11日目)、処置を開始し、ビヒクル(DMSO)またはDMSOに溶解したBZD-1薬剤を7日間毎日腹腔内注射した。腫瘍の大きさはノギスを使用して1日おきに測定した。腫瘍体積は以下のように計算した。
【0059】
[0073]体積=(L×W)/2
[0074]腫瘍移植後46日目に、施設IACUCの手順に従ってマウスを安楽死させた。両脇腹の腫瘍を切除し、重量を測定し、各群の平均腫瘍質量を算出し、プロットし、写真撮影した。
【0060】
[0075]図8図9および図10に示すように、BZD-1はビヒクルと比較して腫瘍体積を減少させた。BZD-1は臨床的に適切な用量である2.5mg/kgで最も効果的である。より高用量では、BZD-1は動物モデルで鎮静作用を示す。
【0061】
[0076]引用されたすべての文書は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、いかなる文書の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを認めるものとして解釈されるものではない。
【0062】
[0077]さらに、様々な実施形態の説明において、「含むこと(comprising)」、および/または「含むこと(including)」という用語が使用されている場合、当業者であれば、いくつかの具体例において、実施形態は、「から実質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」という言語を使用して代替的に説明され得ることを理解するであろう。
【0063】
[0078]前述の説明は、本発明の特定の実施形態を例示するものであるが、その実施を制限することを意味するものではない。特定の実施形態を図示および説明したが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の様々な変更および修正を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲では、本発明の範囲内にあるこのような変更および修正をすべてカバーすることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】