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特表2024-521233自動物品保管システムのための上昇装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】自動物品保管システムのための上昇装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517190
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2022064718
(87)【国際公開番号】W WO2022253812
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】2105722
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524003013
【氏名又は名称】フィブ・エクセラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ,オーレリアン
(72)【発明者】
【氏名】ルイ・レジス,レナイク
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022FF01
3F022JJ13
3F022LL16
(57)【要約】
本発明は自動物品保管システムに関し、自動物品保管システムは、第1のフック手段を有する自動案内キャリッジと、複数の保管レベルおよび垂直移動コラムを備えるラックと、を備え、前記垂直移動コラムは、第1の自動案内キャリッジ(4A、4B)を垂直に移動させるように構成された第1の可動リフト手段(31、32、33)と、第1の自動案内キャリッジ(4A、4B)の動きとは無関係に、第2の自動案内キャリッジ(4A、4B)を垂直に移動させるように構成された、第1のリフト手段(31、32、33)に隣接する第2の可動リフト手段(31、32、33)と、を備え、第1のリフト手段(31、32、33)および/または第2のリフト手段(31、32、33)は、フックが上昇または下降のために係合するように第1のフック手段と協働するように構成された第2のフック手段を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動物品保管システムであって、
各々が物品(A)を搬送することができる複数の自動案内キャリッジ(4)と、
複数の重ね合わされた保管レベル(2;20)を備えるラック(1;10)であって、保管レベル(2;20)の各々は、自動案内キャリッジ(4)が循環することができる通路と、垂直移動コラム(3;30)であって、保管レベル(2;20)を接続し、物品(A)の入口/出口レベルと保管レベル(2;20)のうちの1つとの間、または2つの保管レベル(2;20)の間で垂直移動コラムに沿って自動案内キャリッジ(4)の移動を可能にするこのコラム(3;30)と、を備えるラック(1;10)と、
を備え、
前記垂直移動コラム(3;30)は、
第1の自動案内キャリッジ(4、4A、4B、4C)を垂直に移動させるように構成された第1の可動リフト手段(31、32、33;310、320、330)と、
第2の可動リフト手段(31、32、33;310、320、330)であって、第1のリフト手段(31、32、33;310、320、330)に隣接し、第1の自動案内キャリッジ(4、4A、4B、4C)の動きとは独立して第2の自動案内キャリッジ(4、4A、4B、4C)を垂直に移動させるように構成された第2の可動リフト手段(31、32、33;310、320、330)と、を備え、
自動案内キャリッジ(4、4A、4B、4C)は、第1のフック手段(43)を備え、
第1のリフト手段(31、32、33;310、320、330)および/または第2のリフト手段(31、32、33;310、320、330)は第2のフック手段(31B;310B)を備え、第2のフック手段(31B;310B)は、第1のフック手段(43)と協働して、キャリッジ(4、4A、4B、4C)を持ち上げるかまたは下降させるためのフック掛けを実行し、次いで、フックを外して解放するように構成される、
自動物品保管システム。
【請求項2】
前記第1のリフト手段(31、32、33;310、320、330)および第2のリフト手段(31、32、33;310、320、330)は、各第1のリフト手段(31、32、33;310、320、330)がそれぞれの第2のリフト手段(31、32、33;310、320、330)に隣接するようにコラム内に配置される、請求項1に記載の自動物品保管システム。
【請求項3】
第1のリフト手段(31、32、33;310、320、330)および/または第2のリフト手段(31、32、33;310、320、330)は、第2のフック手段を運ぶチェーン、ケーブル、またはベルト(31A;310A)を備える、請求項1または2に記載の自動物品保管システム。
【請求項4】
第1のリフト手段(31、32、33;310、320、330)および/または第2のリフト手段(31、32、33;310、320、330)は、ベルト(31A;310A)を備え、
第1のフック手段(43)は、後方位置と前方位置との間で各々移動可能なスピンドルを備え、
第2のフック手段(31B;310B)は、ベルト(31A;310A)と一体であるか、またはベルトに組み込まれ、前方位置にあるときに可動スピンドルを受け入れるように各々構成されたハウジングを備える、請求項1~3に記載の自動物品保管システム。
【請求項5】
第1のリフト手段(31、32、33)および/または第2のリフト手段(31、32、33)は、
2つのプーリ(P)の間に配置された無端ベルト(31A)と、
ベルト(31A)と一体の複数の第2のフック手段(31B)と、
を備える、請求項4に記載の自動物品保管システム。
【請求項6】
第1のリフト手段(310、320、330)および/または第2のリフト手段(310、320、330)は、ハウジング(311)を備えるフック片(310B)によって接続された2つのベルト部分(310A)を備える、請求項4に記載の自動物品保管システム。
【請求項7】
前記フック片(310B)は、2つのガイド直立部(310C)の間に配置され、上昇または下降するときにガイド直立部に沿って摺動する、請求項6に記載の自動物品保管システム。
【請求項8】
垂直移動コラム(3)は、ラック(1)の保管レベル(2)を接続するシャフト内に配置される、請求項1~7のいずれか一項に記載の自動物品保管システム。
【請求項9】
垂直移動コラムは、ラック(10)の2つの平行な部分(101)の間に配置される、請求項1~7のいずれか一項に記載の自動物品保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流の分野に関し、自動物品保管システム、例えば倉庫を対象とする。このシステムでは、物品は、自動的に案内される搬送キャリッジによって特定の保管位置に搬送され、特定の時間長にわたって保管され、その後に、例えば顧客への配送のために外部に輸送するためにシステムによって回収される。
【背景技術】
【0002】
この分野では、物品を載置または取り出すためにラックの周りを移動するために自動案内キャリッジを使用する保管システムが知られている。
【0003】
自動案内キャリッジの垂直移動を可能にするために、ラックの互いに向かい合う直立部に固定された歯付ラックまたはチェーンと噛み合うピニオンを、キャリッジの互いに反対側の両側に設けることが知られている。キャリッジがラックまたはチェーンの間に配置されると、キャリッジのモータがラックのピニオンと係合してピニオンを回転させ、キャリッジをある保管レベルから別の保管レベルに上昇または下降させることができる。
【0004】
このタイプのシステムの欠点は、各キャリッジが4つのモータ駆動ピニオン、ピニオン駆動手段およびピニオン出入手段を備えなければならないことである。結果として、キャリッジは複雑な構造を有する。そのような保管システムは多数のキャリッジを備えるため、キャリッジのコストがシステムを高価にしすぎる可能性がある。
【0005】
さらに、これらのシステムの欠点は、4つのピニオンがラック/チェーンと位置合わせされなければならないという事実から生じ得る噛み合いの困難さを含む。
【0006】
別の欠点は、ラックがしばしば各保管区画を接続する直立部を必要とすることである。したがって、ラックは、多数の直立部および関連する上昇手段を必要とし、ラックコストも増加する。
【0007】
また、例えばケーブルによって引っ張られて各保管レベルで停止する、シャフト内に可動ベースを有する単純なリフトを有する保管システムも知られている。これらのシステムの欠点は、正しいキャリッジ移動速度を達成するために、ラックのリフトの数を増やす必要があることである。その結果、保管スペースが減り、設備コストが上昇する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、上述の解決策の問題を解決する自動保管システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明は自動物品保管システムに関し、自動物品保管システムは、
各々が物品を搬送することができる複数の自動案内キャリッジと、
複数の重ね合わされた保管レベルを具備するラックであって、複数の重ね合わされた保管レベルの各々は、自動案内キャリッジが循環することができる通路と、垂直移動コラムであって、保管レベルを接続し、物品入口/出口レベルと保管レベルのうちの1つとの間、または2つの保管レベルの間の垂直移動コラムに沿った自動案内キャリッジの移動を可能にするこのコラムと、を備える、ラックと、を備える。
【0010】
前記垂直移動コラムは、
第1の自動案内キャリッジを垂直に移動させるように構成された第1の可動リフト手段と、
第1の自動案内キャリッジの移動とは独立して第2の自動案内キャリッジを垂直に移動させるように構成された、第1のリフト手段に隣接する第2の可動リフト手段と、を備える。
【0011】
第1のリフト手段および第2のリフト手段はそれぞれ、自動案内キャリッジが垂直に移動することを可能にする。その結果、コラムの可動式リフト手段が移動を提供するので、キャリッジはピニオンおよび駆動手段を必要としない。したがって、キャリッジは単純な構造であり、より安価である。
【0012】
第1および第2のリフト手段が言及されている場合でも、コラムは明らかに、第3のリフト手段、第4のリフト手段なども有することができる。
【0013】
さらに、自動案内キャリッジの垂直移動は、コラムを形成する限られた領域内で行われるので、ラックは標準的であり、上昇手段を備えた多数の直立部を必要としない。その結果、ラックも単純で安価な構造である。
【0014】
さらに、複数のキャリッジが同じ垂直移動コラム内で同時に移動されることができるという事実は、キャリッジの移動速度を増加させ、システムは、垂直移動のために用意された多数の領域を必要としない。実際、本発明によるコラムは、最新技術の解決策における複数の垂直移動シャフトと同じ移動速度を達成することができる。
【0015】
本明細書では、本発明の目的のために、以下を意味する。
【0016】
「リフト手段」とは、複数のリフト手段、例えば2つ、3つ、または4つの手段を意味する。読者の理解を容易にするために、「手段」という用語は時として「一組の手段」に置き換えられる。
【0017】
「自動案内キャリッジ」とは、例えば保管されたまたは保管される対象物を搬送できるように倉庫内だけでなくラック内のある地点から別の地点へ移動するために、地上で自動的に案内される任意の運搬手段(またはシャトル、またはロボットまたはAGV)を意味する。自動案内ロボットは、一般にAMR(Automated Mobile Robot)と呼ばれる。
【0018】
「コラム」とは、自動案内キャリッジの垂直移動のために用意された、制限された領域を意味する。例えば、或る実施形態では、垂直移動コラムは、ラック内の保管レベルを接続するシャフトに対応する。実施形態の或る例では、垂直移動コラムは、ラックの2つの平行な部分の間に配置される。
【0019】
上記の例の両方において、コラムの寸法は近くてもよい。コラムの寸法は、例えば、一度に単一の自動案内キャリッジ(またはAMR)の通過を可能にするように選択することができる。この場合、一方が第1の手段によって取り付けられ、他方が第2の手段によって取り付けられた2つの連続する自動案内キャリッジは、互いに追従することができるが、互いに交差することはできない。
【0020】
有利には、第1のリフト手段および第2のリフト手段は、各第1のリフト手段がそれぞれの第2のリフト手段に隣接するように、コラム内に配置されることができる。
【0021】
各第1の手段をそれぞれの第2のリフト手段に隣接して配置することによって、第1および第2のリフト手段をコラム内に配置することにより、2つの連続する自動案内キャリッジを垂直に移動させるために必要な空間を減らすことができる。実際、第1および第2の手段をコラム内に配置することにより、連続するキャリッジを上下に、非常に近い垂直移動軸線に沿って移動させることができる。
【0022】
結果として、複数の手段(すなわち、一組の手段)を同じシャフト内に配置して、垂直移動コラムの寸法を縮小したままで複数のキャリッジを同時に移動させることを可能にすることが可能になる。
【0023】
実施形態によれば、
自動案内キャリッジは、第1の、好ましくは横方向のフック手段を備えてもよく、
第1のリフト手段および/または第2のリフト手段は、第2の、好ましくは横方向のフック手段を備えてもよく、第2のフック手段は、例えば通路内または地面上で、第1のフック手段と協働して、持ち上げのためのフック掛けを実行し、次いで、キャリッジを解放するためのフック解除を実行するように構成される。
【0024】
自動案内キャリッジ(AMR)をリフト手段にフック掛けして、保管レベルの通路または地上を移動するためにのみキャリッジを上昇または下降させ、次いでキャリッジを解放することによって、コラムは、第1の手段または第2の手段によって新しいキャリッジを移動させるために直ちに利用可能になる。さらに、第1の垂直移動手段によって移動される自動案内キャリッジは、第2の垂直移動手段によって移動されるキャリッジの移動を妨げず、逆もまた同様である。例えば、第1の手段が第2の保管レベルにキャリッジを移動させるとき、第2の手段は、このレベルの通路内を移動するために解放され、第2の手段による上位レベルへの別のキャリッジの移動を妨げない。したがって、保管レベルまで移動した各キャリッジが、コラムを出るときに通路を解放するので、コラム内の移動のためだけにフック掛けを実行することによって、キャリッジがブロックされることなく高い移動能力がある。これはまた、コラム内のキャリッジ移動の管理にかなりの柔軟性を与える。
【0025】
実施形態によれば、自動案内キャリッジに属する第1のフック手段は、引き込み可能である。
【0026】
有利には、第2のフック手段は、第1のフック手段が伸長位置にあるときに第1のフック手段を受け入れるように構成される。
【0027】
有利には、第1のリフト手段は、横方向に配置された複数の第1の手段を備えてもよく、少なくとも2つの第1の手段が互いに対向している。
【0028】
第2のリフト手段は、横方向に配置された複数の第2の手段を備えてもよく、少なくとも2つの第2の手段が互いに対向している。
【0029】
第1および/または第2のリフト手段を垂直移動コラム内で横方向に配置することによって、第1のリフト手段および/または第2のリフト手段の間の空間は、自動案内キャリッジのために確保される。キャリッジは、第1および/または第2のリフト手段の間に到達し、第1のフック手段を作動させて、第2のフック手段と協働してキャリッジを垂直に移動させる。
【0030】
有利には、垂直移動コラムの第1の側面と第2の側面との間の空間は、自動案内キャリッジの移動のために排他的に確保される。第1の側面と第2の側面との間の空間を確保することによって、
有利には、第1のリフト手段および/または第2のリフト手段は、第2のフック手段を担持するチェーン、ケーブルまたはベルトを備えてもよい。
【0031】
これらのリフト手段は、使用時に堅牢で信頼性がある。ベルトは、ノイズを低減して迅速な移動を可能にし、メンテナンスをほとんど必要としないという追加の利点を有する。鎖は、フック手段を追加することを容易にするという利点を有する。
【0032】
実施形態によれば、第2のフック手段は、ベルト、チェーンまたはケーブルと一体である。有利には、第1のリフト手段および/または第2のリフト手段は、ベルトを備える。
第1のフック手段はスピンドルを備えてもよく、スピンドルのそれぞれは後方位置と前方位置との間で可動であり、
第2のフック手段は、ベルトと一体のフック片を備えてもよく、各フック片は、移動スピンドルが前進位置にあるときに移動スピンドルを受け入れるように構成されてもよい。
【0033】
そのような手段の利点は、それらが単純であり、設置が容易であり、全体的なサイズが小さいことである。それらはまた、キャリッジがコラム内を移動するときに、キャリッジに良好な安定性を提供し、その結果、キャリッジが事故のリスクなしに迅速に移動することを可能にする。
【0034】
或る実施形態では、第1のリフト手段および/または第2のリフト手段は、
2つのプーリの間に配置された無端ベルトと、
ベルトと一体の、複数の第2のフック手段と、
を備えてもよい。
【0035】
この場合、同じ組のリフト手段(例えば、第1の手段)を用いて、複数の連続するキャリッジを同じ方向(上昇または下降)に移動させることが可能となり、したがって、キャリッジの移動速度をさらに増加させることが可能となる。
【0036】
任意選択的に、フック手段は、2つの保管レベル間の垂直距離の倍数に対応するピッチだけ離間される。
【0037】
或る実施形態では、第1のリフト手段および/または第2のリフト手段は、ハウジングを具備するフック片によって接続された2つのベルト部分を備えることができる。
【0038】
これは、良好な信頼性を維持しながら、低コストの垂直移動手段を提供するという利点を有する。フック片は、ベルトとは別に製造されるため、キャリッジを昇降させるときに良好な堅牢性および重量に対する耐性を有する。さらに、前記片はプーリを通過しないので、このタイプのリフト手段は、良好な耐摩耗性を有し、したがって、動作コストを低減する。
【0039】
有利には、フック片は、2つのガイド直立部の間に配置されることができ、ガイド直立部に沿って上昇および下降するときにスライドすることができる。これにより、キャリッジの垂直移動中の安定性が向上する。
【0040】
或る実施形態では、第1のリフト手段の数および/または第2のリフト手段の数は、2~4であってもよい。他の実施形態では、この数は4より大きくてもよい。
【0041】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例として与えられる添付の図面に関連する以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明によるラックの第1の例を示す図である。
図2】実施形態の第1の例による垂直移動コラムの上面図である。
図3】本発明によるラックの第2の例を示す図である。
図4】実施形態の第2の例による垂直移動コラムの上面図である。
図5】垂直移動コラムの部分等角図である。
図6図5の垂直移動コラムの部分側面図である。
図7】キャリッジとリフト手段との間のフックの一例を示すズーム図である。
図8】別の実施形態によるキャリッジとリフト手段との間のフックを示すズーム図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
説明の残りの部分では、同一の構造または同様の機能を有する要素は、同じ符号によって参照される。
【0044】
図1は、本発明による保管システムの第1の簡略化された例を概略的に示す。この例の保管システムは、3次元ラック1によって形成されたストックと、複数の自動案内キャリッジ4と、を備える。
【0045】
ラック1は、複数の保管レベル2を備え、各保管レベル2は、例えば棚21の形態で物品を保管するための場所を備えてもよい。各保管レベル2は、キャリッジ4が物品Aを荷下ろしまたはピックアップするために循環することができる通路22を備えてもよい。図示されていない実施形態の例では、保管レベル2は、自動案内キャリッジ4を循環させるための複数の通路を備えてもよい。
【0046】
ラック1は、1つまたは複数のコラム3(シャフトの形態)をさらに備えてもよく、コラム3は、複数の保管レベル2を接続し、自動案内キャリッジ4が1つのレベル2から別のレベルに、または保管レベル2と入口/出口レベルとの間で移動することを可能にする。例えば、図1では、入口/出口レベルは、(地上レベルの)最低レベルであってもよいが、最高レベル(屋根)であってもよい。図示されていない例では、最低レベルは入口(または出口)であり、最高レベルは出口(または入口)であってもよい。
【0047】
本発明による自動案内キャリッジ4は、単純化された構造のものであり、それらは、それらが単独でシャフト3を上昇させることを可能にするためのモータ駆動手段(例えば、ピニオン)を備えていない。キャリッジ4の垂直移動を可能にするために、コラム3は、キャリッジ4をシャフトに沿って移動させることを可能にするモータ駆動のリフト手段を備える。
【0048】
図2は、シャフトの形態の垂直移動コラム3の一例の上面図を示す。コラム3は、図1の実施形態の例と関連付けられることができる。この例では、シャフト3は、第1の組のリフト手段31、例えば4つの無端ベルトを備える。これらの第1のリフト手段は、第1のキャリッジ4Aを垂直方向に移動させるように構成されている。コラム3は、第2の組のリフト手段310、例えば交互の昇降運動を行うように構成されたベルトを備える。第2の手段310は、第2のキャリッジ4Bを同一コラムで上下に移動させるように構成されている。
【0049】
図3は、実施形態の第2の例による保管システムの正面図である。この例では、ストックは、通路102によって分離された保管行101の対からなる代替的なラック10を備える。自動案内キャリッジ4は、保管レベル20の棚202に保管される物品Aを荷下ろしするために、通路102内を水平に循環することができる。
【0050】
キャリッジ4はまた、保管された物品Aを拾い上げて、それをラック10の内側または外側に移動させることができる。例えば、キャリッジ4は、例えば、注文を出した顧客への配送の一部として、物品Aをある保管レベル20から別の保管レベルへ、または保管されている保管レベル20から移動させて外部に取り出すことができる。上述した例においても同様である。
【0051】
図4は、図3のシステムと共に使用されることができる例示的な垂直移動コラム30を示す。この例では、第1のリフト手段310、第2のリフト手段320、第3のリフト手段330および第4のリフト手段340は、それぞれの自動案内キャリッジ4を垂直に搬送することができる。簡単にするために、手段320によって移動される1つのキャリッジ4のみが示されている。4組の垂直移動手段310~340は、各々が一台または複数の自動案内キャリッジを同時に搬送してもよいが、これは必須ではない。
【0052】
実施形態のこの例によれば、各第1の手段310は、第2の手段320、第3の手段330および第4の手段340に隣接している。
【0053】
この例では、第1の手段310、第2の手段320、第3の手段330および第4の手段340の組の各々は、4つのベルトを備えてもよい。
【0054】
図示されていない例では、図4のコラムは、図1によるシステムと共に使用することもできる。
【0055】
図示されていない他の例では、図2のコラムは、図3によるシステムと共に使用されてもよい。
【0056】
図5および図6は、垂直移動コラムの概略部分を、それぞれ等角図および側面図で示す。この例では、コラム3は、一組の第1の手段31と、一組の第2の手段32と、一組の第3の手段33と、を備える。手段31、32、33の各組は、上側プーリPと下側プーリ(図示せず)との間に把持された無端ベルトとし得る4つの手段を備える。ベルト31は、図6に示すように、第1のキャリッジ4Aを垂直方向、例えば上昇方向に移動させることができる。ベルト32および33は、第2のキャリッジ4Bおよび第3のキャリッジ4Cをそれぞれ移動可能である。
【0057】
図5および図6の手段の各々は、図7に示すように、ベルト31Aおよびフック片31Bを備えてもよい。
【0058】
有利には、ベルトは、ベルト(31A)と一体であり、2つの保管レベル(2)間の垂直距離の倍数に対応するピッチだけ離間した複数のフック手段(31B)を備えることができる。
【0059】
フック片31Bは、ベルト31Aと一体であってもよいし、ベルト31Aに組み込まれていてもよい。この例では、フック片は、キャリッジ4をフック掛けするための手段を受け入れることができるハウジング31Cを備え、これは、図7に示すように、後方位置(図示せず)と前方位置との間で移動可能なスピンドル43とすることができる。
【0060】
図8は、第1のリフト手段310がフック片310Bによって接続された2つのベルト部分310Aを備える代案を示す。
【0061】
有利には、この例では、フック片3108は、上昇および下降するときにそれに沿って摺動する2つのガイド直立部310Cの間に配置される。
【0062】
また、この例では、フック片は、図8に示すように、後方位置(図示せず)と前方位置との間で移動可能なスピンドル43の形態で、キャリッジ4をフック掛けするための手段を受け入れることができるハウジング311を備える。
【0063】
上述の図面を参照して記載されたフック手段は、本発明の非限定的な例のみを表す。
【0064】
当業者であれば、本発明から逸脱することなく、異なるフック手段が、キャリッジの側にあるものでもリフト手段の側にあるものでも企図されてもよい。
【0065】
例えば、可動スピンドルの代わりに、キャリッジのフック手段は、歯付ベルトにクランプして引っ掛かるクランプの形態であってもよい。
【0066】
さらに、ベルトの向きは異なっていてもよく、例えば、図に示す例に対して90°回転されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】