(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-29
(54)【発明の名称】分散型光ファイバセンシングを用いた配電変圧器の位置特定と監視
(51)【国際特許分類】
G01M 99/00 20110101AFI20240522BHJP
G01H 9/00 20060101ALI20240522BHJP
G01R 31/00 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
G01H9/00 E
G01R31/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562844
(86)(22)【出願日】2022-04-14
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022024920
(87)【国際公開番号】W WO2022221595
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504080663
【氏名又は名称】エヌイーシー ラボラトリーズ アメリカ インク
【氏名又は名称原語表記】NEC Laboratories America, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ディン、 ヤンミン
(72)【発明者】
【氏名】オズハハー、 サーパー
(72)【発明者】
【氏名】ティアン、 ユエ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ティン
【テーマコード(参考)】
2G024
2G036
2G064
【Fターム(参考)】
2G024AD01
2G024BA27
2G024CA13
2G024FA04
2G036AA19
2G036BA03
2G036BB20
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB22
2G064BA02
2G064BC12
2G064BD02
2G064CC02
2G064CC41
2G064CC43
(57)【要約】
配電変圧器を監視し、変圧器の動作の保全性を示すハミング信号から故障している/故障した/誤動作している変圧器の位置を特定し、DFOS機構を介して有利に検出/分析するためのDFOSシステムおよび方法。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電変圧器の位置特定および監視の方法であって、
分散型光ファイバセンシングシステム(DFOS)を提供するステップであって、該システムは、
複数の電柱から吊り下げられた空中光センサファイバと、
前記光ファイバと光通信するDFOSインタロゲータおよび解析装置と、を含み、
前記複数の電柱のうちの1つ以上が、前記空中光センサファイバに加えて、配電変圧器を吊り下げる、ステップと、
前記DFOSシステムを動作させ、動作中に受信したDFOS信号から検出した変圧器のハミング信号から配電変圧器を吊り下げている前記複数の電柱の個々の電柱を特定するステップと、
前記DFOSシステムを連続的に動作させ、以前に検出されたハミング信号と比較して、ハミング信号から誤動作している配電変圧器を検出/特定するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記電柱のGPS位置と吊り下げられた誤動作している配電変圧器とを決定するステップを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記誤動作している配電変圧器の位置に修理/保守作業を送るステップを、さらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記修理/保守作業を送るステップは、前記誤動作している配電変圧器の前記検出/特定に応答して監視/報告システムのグラフィカルユーザインターフェースによって提供される指標に応答して実行される、請求項3に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、分散型光ファイバセンシング(DFOS)システム、方法および構造に関する。より詳細には、本開示は、配電変圧器の位置特定と監視のためのDFOSシステムおよび方法を説明する。
【背景技術】
【0002】
当業者であれば容易に理解できるように、分散型光ファイバセンシングシステムおよび方法は、温度、振動、歪みなどを含む様々な物理的パラメータをセンシングするなど、様々な有用なサービスを提供し、それによって、インフラストラクチャ監視の新しい時代を可能にする、非常に有用なものであることが示されている。
【0003】
電柱は現代社会で周知であり、認識されており、一般的に電気通信設備、電力設備、および配電変圧器を含む他のインフラストラクチャ設備の停止を連想させる。知られているように、配電変圧器が故障すると、電力供給が中断し、場合によっては火災およびその結果として生じる危険を伴う。現代社会におけるそれらの重要性を考えると、配電変圧器を監視し、故障している/故障した配電変圧器を迅速に位置特定するための便利な方法は、当技術分野にとって歓迎すべきものである。
【発明の概要】
【0004】
当技術分野における進歩は、配電変圧器を監視し、変圧器の動作の保全性を示すハミング信号から故障している/故障した/誤動作している変圧器の位置を特定し、DFOS機構を介して有利に検出/分析するためのDFOSシステムおよび方法を対象とする本開示の態様によってなされる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示のより完全な理解は、添付図面を参照することによって実現され得る。
【0006】
【
図1】本開示の態様による、例示的な分散型光ファイバセンシングシステムの概略図である。
【0007】
【
図2】本開示の態様による、DFOSセンサファイバ(電気通信ファイバ/ケーブル)および配電変圧器を吊り下げる一連の電柱を示す概略図である。
【0008】
【
図3】本開示の態様による配電変圧器の動作原理を示す概略図である。
【0009】
【
図4】本開示の態様による、変圧器の状態および関連する振動パターンを示す図である。
【0010】
【
図5】本開示の態様による、高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを用いた配電変圧器の信号(120Hz)の識別を示すプロットである。
【0011】
【
図6】本開示の態様による全体的なプロセスを示す概略フロー図である。
【0012】
【
図7】本開示の態様による処理を示すフロー図である。
【0013】
【
図8】本開示の態様による特徴を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示的な実施形態は、図面および詳細な説明によってより完全に説明される。しかしながら、本開示による実施形態は様々な形態で実施することができ、図面および詳細な説明に記載された特定のまたは例示的な実施形態に限定されない。
【0015】
以下は、単に本開示の原理を例示するものである。したがって、当業者は本明細書に明示的に記載または図示されていないが、本開示の原理を具現化し、その精神および範囲内に含まれる様々な構成を考案することができることが理解されよう。
【0016】
さらに、本明細書に記載されているすべての実施例および条件付き用語は、本開示の原理および技術を促進するために発明者によって寄与された概念を読者が理解するのを助けるための教育目的のためだけのものであることを意図しており、そのような具体的に列挙された実施例および条件に限定されないと解釈されるべきである。
【0017】
さらに、本開示の原理、態様、および実施形態を記載する本明細書のすべての記述、ならびにその具体例は、その構造的および機能的等価物の両方を包含することを意図している。さらに、そのような等価物は、現在知られている等価物と、将来開発される等価物、すなわち、構造に関係なく同じ機能を実行する開発された要素との両方を含むことが意図されている。
【0018】
したがって、たとえば、本明細書の任意のブロック図が、本開示の原理を実施する例示的な回路の概念図を表すことは、当業者には理解されるであろう。
【0019】
本明細書で特に明記しない限り、図面を構成する図は、縮尺通りに描かれていない。
【0020】
いくつかの追加の背景として、分散型光ファイバセンシングシステムは、光電子インテグレータを光ファイバ(またはケーブル)に相互接続し、ファイバをファイバの長さに沿って分散されたセンサの配列に変換することに留意する。実際には、ファイバはセンサになり、インタロゲータはファイバ内にレーザ光エネルギーを生成/注入し、ファイバ長に沿った事象を感知/検出する。
【0021】
当業者が理解し、認識するように、DFOS技術は、車両の動き、人間の往来、掘削活動、地震活動、温度、構造的完全性、液体および気体の漏れ、ならびにその他多くの条件および活動を連続的に監視するために展開することができる。これは、発電所、通信ネットワーク、鉄道、道路、橋、国境、重要なインフラ、地上および海底の電力およびパイプライン、ならびに、石油、ガスおよび強化された地熱発電におけるダウンホール用途を監視するために世界中で使用されている。有利には、分散型光ファイバセンシングは、見通し線(line of sight)または遠隔電力アクセスによって制約されることがなく、システム構成によっては、30マイルを超える連続的な長さで展開することができ、その長さに沿ったすべてのポイントで感知/検出が可能である。したがって、長距離にわたるセンシングポイント当たりのコストは、通常、競合する技術とは比較にならない。
【0022】
光ファイバセンシングは、センシングファイバが振動、歪み、または温度変化の事象に遭遇したときに、光センシングファイバで発生する光の「後方散乱」の変化を測定する。上述のように、センシングファイバは全長にわたってセンサとして機能し、物理的/環境的な周囲の状況、およびファイバの保全/セキュリティに関するリアルタイム情報を提供する。さらに、分散型光ファイバセンシングデータは、センシングファイバまたはその近傍で発生する事象および状態の正確な位置を特定する。
【0023】
図1には、人工知能分析およびクラウドストレージ/サービスを含む分散型光ファイバセンシングシステムの一般化された構成および動作を示す概略図が示されている。
図1を参照すると、インタロゲータに接続された光センシングファイバを観察することができる。知られているように、現代のインタロゲータは、ファイバへの入力信号を生成し、反射/散乱された後に受信された信号を検出/分析するシステムである。信号が分析され、ファイバに沿って遭遇する環境条件を示す出力が生成される。このように受信された信号は、ラマン後方散乱、レイリー後方散乱、およびブリリオン後方散乱などのファイバ内の反射から生じ得る。また、複数のモードの速度差を利用した順方向の信号であってもよい。一般性を失うことなく、以下の説明では、反射信号を想定しているが、同じアプローチを転送信号にも適用することができる。
【0024】
理解されるように、現代のDFOSシステムは、周期的に光パルス(または任意の符号化信号)を生成し、それらを光ファイバに注入するインタロゲータを含む。注入された光パルス信号は、光ファイバに沿って伝送される。
【0025】
ファイバに沿った位置では、信号のごく一部が散乱/反射され、インタロゲータに戻される。散乱/反射信号は、インタロゲータが検出するために使用する情報、例えば、機械的な振動を示す電力レベルの変化を伝送する。
【0026】
反射信号は、電気領域に変換され、インタロゲータの内部で処理される。パルス注入時間と信号が検出された時間とに基づいて、インタロゲータは信号がファイバに沿ったどの位置から来ているかを決定し、したがって、ファイバに沿った各位置の活動を感知することができる。
【0027】
分散型音響センシング(DAS)/分散型振動センシング(DVS)システムは、振動を検出し、光センシングファイバに沿って音響エネルギーを捕捉する。有利には、既存の、トラフィックを運ぶ光ファイバネットワークを利用して、分散型音響センサに変換し、実時間データを捕捉することができる。さらに、分類アルゴリズムを使用して、漏洩、ケーブル障害、侵入活動、または音響および/または振動の両方を含む他の異常な事象などの事象を検出および位置特定することができる。
【0028】
現在、様々なDAS/DVS技術が使用されており、最も一般的なものはコヒーレント光時間領域反射率測定(C-OTDR)に基づくものである。C-OTDRは、レイリー後方散乱を利用し、音響周波数信号を長距離にわたって検出することができる。インタロゲータは、光センサファイバ(ケーブル)に沿ってコヒーレントレーザパルスを送信する。ファイバ内の散乱サイトにより、ファイバはパルス長と同じゲージ長(例えば、10メートル)を有する分散型干渉計として機能する。センサファイバに作用する音響擾乱(Acoustic Disturbance)は、ファイバの微視的な伸び又は圧縮(微小歪み)を発生させ、その結果、ファイバ内を通る光パルスの位相関係及び/又は振幅の変化を引き起こす。
【0029】
次のレーザパルスが送信される前に、前のパルスがセンシングファイバの全長を移動し、その散乱/反射が戻る時間がなければならない。よって、最大パルスレートはファイバの長さによって決定される。したがって、通常はパルスレートの半分であるナイキスト周波数までの周波数で変化する音響信号を測定することができる。より高い周波数は非常に速く減衰するため、事象の検出と分類に関連する周波数のほとんどは、2kHzの範囲の低い範囲にある。
【0030】
図2は、本開示の態様による、電柱によって空中に吊り下げられ/支持された電線/ケーブルを示す概略図である。この図から分かるように、電柱は、一般に、電話およびケーブルTVの電線/ケーブル、電力線、および関連する配電変圧器を含むことができる空中電気通信ケーブルを含む。
【0031】
知られているように、分散型光ファイバセンシングシステムは、既存の電気通信光ファイバケーブルを分散型センサとして使用して、機械的振動から生じる光ケーブルの応答を捕捉することができる。本開示では、DFOSシステムおよび方法を使用して、配電変圧器のベースライン/異常振動を検出し、爆発/火災および結果として生じる危険のような壊滅的な故障の前に発生する可能性のある故障している/故障した変圧器を決定する。
【0032】
当業者には理解されるように、配電変圧器は、電圧を昇圧または降圧するために使用することができる受動デバイスである。基本的な変圧器は、電源に接続する一次巻線と、(通常はより低い電圧で)負荷に接続する二次巻線との2組の巻線を含む。交流(AC)の極性と大きさが変化するにつれて、変圧器の結果として生じる磁場が連続的に変化する。また、変圧器のコアは、鉄と積層板でできているため、磁束の変化が生じると、鉄心の形状が変化する。
【0033】
この変圧器のコアの形状の変化により振動が発生し、最終的には、ノイズ/音(sound)、すなわち「ハミング」が発生する。変圧器におけるハミングノイズは、AC電源の周波数に依存する。一般に、ハミング音の周波数は、動作電源周波数の2倍である。例えば、米国では、動作電源周波数は60Hzであり、ハミング周波数は120Hzになる。
【0034】
ハミング音は、コアの積層にも依存する。積層が適切に行われていなかったり、その他の欠陥があったりすると、変圧器はよりハミングノイズを発生させるため、クランプが緩かったり、積層が不十分だったりすると、ハミングノイズが増加する。当業者であれば、変圧器の負荷がハミング音にも影響を及ぼすことを理解し、認識するであろう。より具体的には、変圧器が大きな負荷を供給している場合(例えば、夜間により多くの電力供給が要求される)、変圧器は大きな電流を流すことになる。このような大電流により磁束が増加し、ハミング音がさらに増加する。
【0035】
研究により、整数高調波を有する配電変圧器のハミング周波数は、
図4に提示されているように示される変圧器の状態に関連付けられることが示されている。
図4は、本開示の態様による、変圧器の状態および関連する振動パターンを示す図である。
【0036】
例えば、より新しい変圧器は、600Hzを超える高調波周波数を発生しないが、変圧器が古くなるにつれて、より高い高調波周波数が現れる。しかしながら、現在の慣行では、変圧器が機能していない状態は、主に、住宅所有者または歩行者などのエンドユーザの顧客によって報告される。変圧器が耐用年数を迎え、構造的な劣化が生じる前に、変圧器の保全性と状態を連続的に監視する既存の技術は存在しない。
【0037】
このような監視は、通常、同じ経路に沿って監視する変圧器の数が多すぎ、個々の変圧器を検査するのは時間と労力がかかる作業であるため、さらに困難である。よって、本開示による連続監視システムおよび方法は、時間、資本支出、および保守時間を有利に節約するとともに削減することができる。したがって、連続監視方法を採用することで、時間および資本支出を節約することができるだけでなく、特定の配電経路にある多数の変圧器に関するデータを収集することに伴う誤差を低減することができる。
【0038】
したがって、本開示の態様によるシステムおよび方法は、分散型光ファイバセンシングおよび信号処理技法を使用して、配電変圧器の連続監視を提供する。上述のように、配電変圧器の高調波および整数高調波は、変圧器の保全性に関連付けることができ、異常なハミング音または高調波を検出/監視/評価することによって、変圧器の状態を有利に監視することができる。
【0039】
本開示の態様によれば、分散型光ファイバセンシングインタロゲータは、分散型センサとして既存の電気通信光ファイバ/ケーブルを利用し、これにより、追加のセンサの設置を必要とすることなく、リアルタイムの連続データの収集/監視および転送が可能となる。DFOSデータがDFOSインタロゲータ/アナライザによって収集され、クラウドデータベースにローカルに記憶されると、データ分析のために様々な信号処理技術が使用され、これにより、変圧器信号の自動識別、高調波抽出、およびファイバセンサ経路に沿った変圧器の状態報告が可能になる。
【0040】
データ収集
【0041】
本開示の態様によれば、分散型光ファイバセンシング技術は、リアルタイムのデータ取得および前処理のために使用される。分散型光ファイバセンシングインタロゲータは、通信トラフィックが光ファイバセンサのファイバ/ケーブルを通過している間でも、ファイバ経路全体に沿った全ての変圧器を同時に監視することができる。
【0042】
信号処理技術
【0043】
変圧器の特定
【0044】
信号のノイズ除去にローリングウィンドウ平均を使用する。生のDFOSデータは、ウィンドウ処理、フィルタリング、およびノイズ除去などの様々な信号処理技術を使用して前処理および処理される。
【0045】
図5は、本開示の態様による、高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを用いた配電変圧器の信号(120Hz)の識別を示すプロットである。同図に示すように、全長2kmのファイバ経路から変圧器のハミング信号(120Hz)を検出する。図のグラフを作成したこの例示的な経路では、3つの異なる電柱に3つの変圧器が取り付けられている。理解されるように、収集された生のデータは非常にノイズが多い場合があり、これは高調波がノイズに埋もれてしまうことを示す。この場合、ノイズ除去アルゴリズムが生のデータに適用されるとともに、ローリングウィンドウ平均が生のデータに適用される。120Hzの高調波の振動レベルとノイズレベルを比較することにより、変圧器を用いて電柱を特定することができる。
【0046】
不確実性の定量化
【0047】
当業者であれば、街路灯のような他の電力グリッド源/機器から発生するハミングが信号に結合され、したがって、変圧器のハミング信号を誤って識別する可能性があることを理解し、認識するであろう。上記の例では、他の機器からの誤った信号が強調表示される。そのため、予備的な結果に不確実性の定量化法を適用する必要がある。
【0048】
変圧器の負荷状態の監視は、変圧器のある電柱が特定され、位置が特定されると、変圧器の状態を、異なる負荷レベル、高調波の数、異常な振動レベルなどの異なるシナリオの下で連続的に監視することができる。変圧器の信号強度を異なる負荷状態で検出し、プロットすることで、そのような影響を容易に可視化することができる。
【0049】
図6は、本開示の態様による全体的なプロセスを示す概略フロー図である。
本発明の手順には、変圧器の動作状態に関する瞬時のフィードバックを提供し、性能/保全性の問題を有する変圧器の迅速な位置特定を提供するために、カスタマイズされたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を有利に含めることができる。動作上、本発明のシステムの機能的動作は、変圧器の健全性状態の評価、異常な構造的挙動/発生の時間の記録の提供、変圧器の物理的位置の表示、および修理/保守チケットの発行などを含むことができる。
【0050】
図7は、本開示の態様による処理を示すフロー図である。この図を参照すると、ステップ1は、分散型光ファイバセンシングインタロゲータ/センサのセットアップと、それに続く、センサファイバに近接する複数の電柱に吊り下げられた多数の変圧器を有するターゲットの光ファイバセンサ経路へのインタロゲータの動作接続とを提供することに留意されたい。
【0051】
ステップ2では、データ取得と、セグメンテーション、フィルタリング、ダウンサンプリングなどを含む生のDFOSデータの前処理とを提供する。
【0052】
ステップ3では、ステップ2からのデータを後処理して、変圧器のハミング信号(120Hz)を自動識別する。このステップでは、ローリング平均、畳み込み、機械学習モデルなどのノイズ除去アルゴリズムを適用して、ハミング信号(120Hz)を識別することができる。
【0053】
ステップ4では、変圧器の信号が識別されると、不確実性の定量化方法が最終検証のための予備結果に適用され、影響を受ける電柱のGPS位置が適切かつ/または便利に、クラウドまたはローカルデータベースから検索される。
【0054】
ステップ5では、ステップ4からの結果を、オペレータ/ユーザによる評価のためのGUIに転送し、これによって、オペレータ/ユーザは、ターゲット/監視/感知された経路に沿った変圧器の現在のステータスを受け取る。
【0055】
ステップ6では、結果を報告し、オペレータ/ユーザには、即時または将来の参照および分析のために、ローカルストレージおよび/またはクラウドストレージを含むデータ/結果のストレージオプションが提供される。
【0056】
図8は、本開示の態様によるシステム/方法の動作特徴を示す概略図である。
【0057】
この時点で、いくつかの具体例を使用して本開示を提示したが、当業者は本教示がそのように限定されないことを認識するのであろう。したがって、本開示は、本明細書に添付される特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】