(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-30
(54)【発明の名称】尿生成及びその他の尿関連パラメータの測定
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20240523BHJP
F04C 5/00 20060101ALI20240523BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240523BHJP
A61B 5/20 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
A61M1/00 131
F04C5/00 341N
A61B5/00 101M
A61B5/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563263
(86)(22)【出願日】2022-04-14
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 IB2022053520
(87)【国際公開番号】W WO2022219578
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523388847
【氏名又は名称】ファイズ メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】レヴァイン,ノアム
(72)【発明者】
【氏名】コロドニー,ユヴァル
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン,バールーフ イェフダ
【テーマコード(参考)】
4C038
4C077
4C117
【Fターム(参考)】
4C038DD05
4C077AA19
4C077BB10
4C077CC09
4C077DD26
4C077HH06
4C077HH15
4C077JJ08
4C077KK30
4C117XB01
4C117XD27
4C117XD40
4C117XE20
4C117XE23
4C117XE27
4C117XE36
4C117XE46
(57)【要約】
被験者の膀胱(122)から下流に尿を運ぶように構成された導管(371)と共に使用するための装置(129)は、導管(371)に可逆的に結合し、導管(371)に結合されたときに導管(371)に力を加えるように構成された1つ以上の力付与要素(22,350,352)を含む。装置(129)はさらに、力付与要素(22,350,352)が導管(371)に力を加え、それによって導管(371)から下流方向に尿を押し進めるように力付与要素(22,350,352)を制御し、力付与要素(22,350,352)の制御に基づいて押し進められた尿の量を計算するように構成されたコントローラ(125)を含む。他の実施形態についても説明する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の膀胱から下流に尿を運ぶように構成された導管と共に使用するための装置であって、前記装置は:
1つ以上の力付与要素であって:
前記導管に可逆的に結合し、
前記導管に結合されたときに前記導管に力を加える、
ように構成された、1つ以上の力付与要素と;
コントローラであって:
前記力付与要素が前記導管に力を加えるように前記力付与要素を制御し、前記導管から下流方向に前記尿を押し進め、
前記力付与要素の制御に基づいて、押し進められた前記尿の量を計算する、
ように構成されたコントローラと;
を有する、装置。
【請求項2】
前記導管をさらに有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記力付与要素は、前記導管に可逆的に結合し、前記力を流体充填チューブ内の流体を介して前記導管に加えるように構成されたアクチュエータを有する、
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記流体の流体圧を感知するように前記流体充填チューブに結合し、
前記コントローラに前記流体圧を示す信号を伝達する、
ように構成された圧力センサをさらに有し、
前記コントローラは、前記信号に応答して前記力付与要素を制御するように構成される、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記導管は、可動壁を含むチャンバを含み、前記力付与要素は、前記可動壁に前記力を加えるように構成される、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記力付与要素に結合されるケースをさらに有し、前記力付与要素は、前記ケースが前記導管に可逆的に結合することにより前記導管に可逆的に結合するように構成される、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記導管は、少なくとも部分的にカートリッジ内に収容され、前記ケースは、スロットを画定するように形成され、前記ケースは、前記カートリッジの前記スロットへの挿入を介して前記導管に可逆的に結合するように構成される、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記導管は、1つ以上のラッチに結合され、前記ケースは、前記ラッチが前記ケースにラッチすることによって前記導管に可逆的に結合するように構成される、
請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記ケースは、前記導管のハウジングにラッチするように構成された1つ以上のラッチを含み、それによって前記ケースを前記導管に可逆的に結合する、
請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記ケースは:
前記コントローラに接続され、前記コントローラがケーブルを介して電力供給されるように前記ケーブルに結合するように構成された電気インタフェース;及び
前記コントローラに接続され、前記ケーブルに結合するように構成された通信インタフェース;
を有し、
前記コントローラは、前記通信インタフェース及び前記ケーブルを介して、前記計算された量、又はそこから導出されたパラメータを通信するように構成される、
請求項6乃至9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記力付与要素は:
押圧要素;及び
前記押圧要素を前記導管に押し付けて前記導管に前記力を加えるように構成されたアクチュエータ;を有し、
前記コントローラは前記アクチュエータを制御するように構成される、
請求項1乃至2のいずれか1項又は請求項5乃至10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記導管は、チューブを含み、前記押圧要素は、前記チューブを押圧するように構成される、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記押圧要素は、前記チューブを押圧しながら回転するように構成されたロータを有する、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記アクチュエータは、前記押圧要素に前記導管によって加えられる相反力を測定するようにさらに構成され、前記コントローラは、前記相反力に応答して前記アクチュエータを制御するように構成される、
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記アクチュエータは、前記押圧要素の位置を検出するように構成されるエンコーダを有し、前記コントローラは、前記位置に応答して前記アクチュエータを制御するように構成される、
請求項11乃至14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記導管又は前記膀胱内の前記尿の量に応じて変化する信号を前記コントローラに伝達するように構成されたセンサをさらに有し、前記コントローラは、前記信号に応答して前記力付与要素を制御するように構成される、
請求項1乃至3のいずれか1項又は請求項5乃至15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記センサは、前記導管内の圧力を感知するように前記導管に結合するように構成された圧力センサを含み、前記信号は前記圧力を示す、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記導管は、膨張可能部分であって、前記尿が前記膨張可能部分に流れ込むにつれて膨張するように構成された膨張可能部分を含み、
前記センサは、前記膨張可能部分の膨張の程度を感知するように構成され、
前記信号は、前記膨張の程度を示す、
請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記膨張可能部分は、前記力が加えられる前記導管の部分から上流に配置されたリザーバを含む、
請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記膨張可能部分は、可動壁を含み、前記可動壁の移動を介して膨張するように構成され、前記力付与要素は、前記力を前記可動壁に加えるように構成される、
請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記センサは、前記膨張の程度に応じて変化する圧力を感知するように構成された圧力センサを含む、
請求項18乃至20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記センサは、前記膨張可能部分において光を放射することによって前記膨張の程度を感知するように構成された光学センサを含む、
請求項18乃至20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記導管は、前記センサに接続するように構成された第1の電気インタフェースに結合され、前記力付与要素は、前記コントローラに接続された第2の電気インタフェースに結合され、前記力付与要素が前記導管に結合されるとき、前記センサが、前記信号を前記第1の電気インタフェース及び前記第2の電気インタフェースを介して前記コントローラに伝達するように、前記第1の電気インタフェースに接触するように構成される、
請求項16乃至22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記導管に結合し、流体の流体圧が前記導管内の内圧によって変化するように前記流体を収容するように構成された圧力伝達チューブをさらに有し、
前記センサは、前記流体圧を感知するように前記圧力伝達チューブに結合するように構成された圧力センサを有する、
請求項16に記載の装置。
【請求項25】
前記尿の視覚パラメータを感知し、前記視覚パラメータを示す信号を前記コントローラに伝達するように構成された光学センサをさらに有する、
請求項1乃至21のいずれか1項又は請求項23乃至24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
被験者の膀胱から下流に尿を運ぶように構成された導管と共に使用するための方法であって、前記方法は:
前記導管に可逆的に結合された1つ以上の力付与要素を制御するステップであって、前記力付与要素が前記導管に力を加え、それによって前記導管から下流方向に前記尿を押し進めるようにする、ステップ;及び
前記力付与要素を制御するステップに基づいて、押し進められた前記尿の量を計算するステップ;を含む、
方法。
【請求項27】
前記力付与要素を制御するステップは、アクチュエータが流体充填チューブ内の流体を介して前記導管に力を加えるように前記アクチュエータを制御するステップを含む、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記アクチュエータを制御するステップは、前記流体の流体圧を示す信号に応答して前記アクチュエータを制御するステップを含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記力付与要素を制御するステップは、アクチュエータが押圧要素に前記導管を押圧させるように前記アクチュエータを制御するステップを含む、
請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記アクチュエータを制御するステップは、前記押圧要素に対して前記導管によって加えられる相反力に応答して前記アクチュエータを制御するステップを含む、
請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記アクチュエータは、前記押圧要素の位置を検出するように構成されたエンコーダを含み、前記アクチュエータを制御するステップは、前記位置に応答して前記アクチュエータを制御するステップを含む、
請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記力付与要素を制御するステップは、前記導管又は前記膀胱内の前記尿の量に応じて変化する信号に応答して前記力付与要素を制御するステップを含む、
請求項26乃至31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記信号は、前記導管内の圧力を示す、
請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記導管は、膨張可能部分であって、前記尿が前記膨張可能部分に流れ込むにつれて膨張するように構成された膨張可能部分を含み、
前記信号は、前記膨張可能部分の膨張の程度を示す、
請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記信号は、流体圧が前記導管内の内圧によって変化するように前記導管に結合された圧力伝達チューブ内の流体の前記流体圧を示す、
請求項32に記載の方法。
【請求項36】
1つ以上の力付与要素と共に使用するための装置であって、前記装置は:
少なくとも1つのチューブであって、被検者にカテーテル処置する尿道カテーテルを介して前記被検者の膀胱から下流に流れる尿を運ぶように構成された少なくとも1つのチューブ;及び
導管セクションであって、前記チューブと流体連通して前記チューブに結合し、力付与要素が前記導管セクションに力を加えることを容易にし、それによって前記尿を前記導管セクションから下流方向に押し進めるように前記力付与要素に可逆的に結合するように構成された導管セクション;
を有する、
装置。
【請求項37】
前記少なくとも1つのチューブは、前記導管セクションの上流端に接続された上流チューブを有し、前記装置は、さらに:
前記上流チューブに接続されたバイパスチューブ;及び
弁であって:
前記バイパスチューブ内の圧力が所定の閾値未満である場合に、前記バイパスチューブを通る前記尿の流れを防止し、
前記圧力が前記閾値を超えた場合に、前記尿が前記導管セクションをバイパスするように、前記流れを可能にする、
ように構成された弁;を有する、
請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記少なくとも1つのチューブは、前記導管セクションの下流端に接続された下流チューブをさらに有し、
前記装置は、前記下流チューブを尿収集バッグに接続するように構成されたコネクタをさらに有し、
前記バイパスチューブは、前記バイパスチューブが前記上流チューブと前記コネクタとの間を通過するように前記コネクタに接続される、
請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記弁は、前記コネクタに統合される、
請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記力付与要素は、ケースに結合され、前記導管セクションは、前記ケースに可逆的に結合することによって前記力付与要素に可逆的に結合するように構成される、
請求項36乃至39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項41】
前記導管セクションを収容するカートリッジをさらに有する、
請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記ケースは、スロットを画定するように形成され、
前記導管セクションは、前記スロットへのカートリッジの挿入を介して前記ケースに可逆的に結合するように構成される、
請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記導管セクションに結合され、前記ケースにラッチするように構成され、それによって前記導管セクションを前記ケースに可逆的に結合するように構成された1つ以上のラッチをさらに有する、
請求項40に記載の装置。
【請求項44】
前記導管セクションを収容するハウジングをさらに有し、
前記ケースは、前記ハウジングにラッチするように構成された1つ以上のラッチを含み、
前記導管セクションは、前記ラッチが前記ハウジングにラッチすることにより前記ケースに可逆的に結合するように構成される、
請求項40に記載の装置。
【請求項45】
前記力付与要素は、前記導管セクションを押圧することにより前記力を前記導管セクションに加えるように構成される押圧要素を含む、
請求項36乃至44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
前記導管セクションは、蠕動ポンプチューブを有し、前記導管セクションは、前記押圧要素が前記蠕動ポンプチューブを押圧することを容易にするように前記押圧要素に可逆的に結合するように構成される、
請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記導管セクションは、可動壁を含むチャンバを有し、前記導管セクションは、前記力付与要素が前記可動壁に前記力を加えることを容易にするように前記力付与要素に可逆的に結合するように構成される、
請求項36乃至45のいずれか1項に記載の装置。
【請求項48】
前記導管セクションから上流に配置されたリザーバをさらに有する、
請求項36乃至47のいずれか1項に記載の装置。
【請求項49】
前記リザーバは、前記尿が前記リザーバに流れ込むにつれて膨張するように構成される、
請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記リザーバ内の前記尿の量に応じて変化する信号を伝達するように構成されるセンサをさらに有する、
請求項48に記載の装置。
【請求項51】
前記導管セクション内の前記尿の量に応じて変化する信号を伝達するように構成されるセンサをさらに有する、
請求項36乃至49のいずれか1項に記載の装置。
【請求項52】
前記尿道カテーテルの出口における出口圧力を感知し、前記出口圧力を示す信号を伝達するように構成される圧力センサをさらに有する、
請求項36乃至51のいずれか1項に記載の装置。
【請求項53】
前記チューブ又は前記導管セクションに結合され、圧力センサが前記チューブ又は前記導管セクション内の内圧を感知するように前記圧力センサに結合するように構成された接続ポートをさらに有する、
請求項36乃至51のいずれか1項に記載の装置。
【請求項54】
前記チューブ又は前記導管セクションに結合され、圧力伝達チューブ内の流体圧が前記チューブ又は前記導管セクション内の内圧に応答して変化するように流体を含む前記圧力伝達チューブに結合するように構成された接続ポートをさらに有する、
請求項36乃至52のいずれか1項に記載の装置。
【請求項55】
前記圧力伝達チューブをさらに有する、
請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記導管に結合され、センサに接続するように構成された第1の電気インタフェースをさらに有し、前記力付与要素は、前記導管セクションが前記力付与要素に結合されるときに、前記センサが前記第1の電気インタフェース及び第2の電気インタフェースを介してコントローラに信号を伝達するように、前記コントローラに接続され、前記第1の電気インタフェースに接触するように構成された前記第2の電気インタフェースに結合される、
請求項36乃至49のいずれか1項又は請求項52乃至55のいずれか1項に記載の装置。
【請求項57】
ポンプ;及び
コントローラであって:
前記ポンプを制御することによって、被験者の膀胱から尿をポンピングし、
前記ポンピングに対する現在又は起こりそうな今後の途絶を示す警告を生成する、
ように構成されたコントローラ;を有する、
システム。
【請求項58】
前記途絶は、前記ポンプから下流の前記尿の阻害された流れを含む、
請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記コントローラは、前記ポンプによって消費される電力の量の増加に応答して前記警告を生成するように構成される、
請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記コントローラは、前記ポンプによってポンピングされた前記尿の量を計算するようにさらに構成され、
前記コントローラは、前記尿を収集バッグにポンピングするように構成され、
前記コントローラは、前記収集バッグの最大容量とポンピングされた前記尿の量との間の差が事前に定義された閾値未満であることに応答して前記警告を生成するように構成される、
請求項58に記載のシステム。
【請求項61】
前記途絶は、前記ポンプから上流の前記尿の阻害された流れを含む、
請求項57に記載のシステム。
【請求項62】
前記コントローラは、被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルに接続された導管を通して前記尿をポンピングするように構成され、前記阻害された流れは、前記ポンプから上流の前記導管又は前記尿道カテーテル内の閉塞に起因する、
請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記導管は、リザーバを含み、
前記閉塞は、前記リザーバの下流にあり、
前記コントローラは、前記リザーバから流れた前記尿の量が前記ポンプのポンピング量より少ないことを示す信号に応答して前記警告を生成するように構成される、
請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
圧力センサが圧力を感知するように前記導管に結合され、
前記閉塞は、前記圧力センサから下流にあり、
前記コントローラは、前記圧力の変化に応答して前記警告を生成するように構成される、
請求項62に記載のシステム。
【請求項65】
前記導管は、リザーバを含み、
前記閉塞は、前記リザーバから上流にあり、
前記コントローラは、前記リザーバ内の前記尿の量の増加が事前に定義された閾値未満であることを示す信号に応答して前記警告を生成するように構成される、
請求項62に記載のシステム。
【請求項66】
圧力センサが、圧力を感知するように前記導管に結合され、
前記閉塞は、前記圧力センサから上流にあり、
前記コントローラは、前記圧力の増加が事前に定義された閾値未満であること応答して前記警告を生成するように構成される、
請求項62に記載のシステム。
【請求項67】
ポンプを制御することにより、被験者の膀胱から尿をポンピングするステップ;及び
前記ポンピングに対する現在の又は起こりそうな今後の途絶を示す警告を生成するステップ;
を含む、方法。
【請求項68】
前記途絶は、前記ポンプから下流の前記尿の阻害された流れを含む、
請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記警告を生成するステップは、前記ポンプによって消費される電力の増加した量に応答して前記警告を生成するステップを含む、
請求項68に記載の方法。
【請求項70】
ポンピングされた前記尿の量を計算するステップをさらに含み、
前記尿をポンピングするステップは、前記尿を収集バッグにポンピングするステップを含み、
前記警告を生成するステップは、前記収集バッグの最大容量とポンピングされた前記尿の前記量との間の差が事前に定義された閾値未満であることに応答して前記警告を生成するステップを含む、
請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記途絶は、前記ポンプから上流の前記尿の阻害された流れを含む、
請求項67に記載の方法。
【請求項72】
前記尿をポンピングするステップは、前記被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルに接続された導管を通して前記尿をポンピングするステップを含み、前記阻害された流れは、前記ポンプから上流の前記導管又は前記尿道カテーテルにおける閉塞に起因する、
請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記導管は、リザーバを含み、
前記閉塞は、リザーバから下流にあり、
前記警告を生成するステップは、前記リザーバから流れた前記尿の量が前記ポンプのポンピング量未満であることを示す信号に応答して前記警告を生成するステップを含む、
請求項72に記載の方法。
【請求項74】
圧力センサが、圧力を感知するように前記導管に結合され、
前記閉塞は前記圧力センサから下流にあり、
前記警告を生成するステップは、前記圧力の変化に応答して前記警告を生成するステップを含む、
請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記導管は、リザーバを含み、
前記閉塞は、前記リザーバから上流にあり、
前記警告を生成するステップは、前記リザーバにおける前記尿の量の増加が事前に定義された閾値未満であることを示す信号に応答して前記警告を生成するステップを含む、
請求項72に記載の方法。
【請求項76】
圧力センサが、圧力を感知するように前記導管に結合され、
前記閉塞は前記圧力センサから上流にあり、
前記警告を生成するステップは、前記圧力の増加が事前に定義された閾値未満であることに応答して前記警告を生成するステップを含む、
請求項72に記載の方法。
【請求項77】
ポンプ;及び
コントローラであって:
被検者の膀胱内又は前記被検者をカテーテル処置する尿道カテーテルに接続された導管内の尿の量に応じて変化する信号を継続的に受信し、
前記信号に応答して、前記ポンプを使用して、前記膀胱内の前記尿の量を20mlの範囲内に維持するように前記導管を通して前記尿をポンピングする、
ように構成された、コントローラ;
を有する、
システム。
【請求項78】
前記コントローラは、前記膀胱内の前記尿の量が20ml未満にとどまるように前記導管を通して前記尿をポンピングするように構成される、
請求項77に記載のシステム。
【請求項79】
前記コントローラは、前記導管内の圧力を大気圧未満に保つように前記導管を通して前記尿をポンピングするように構成される、
請求項77又は78に記載のシステム。
【請求項80】
前記信号は、前記導管内の圧力を示す、
請求項77乃至79のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項81】
前記信号は、前記導管に結合されたチューブ内に含まれる流体の流体圧を示す、
請求項77乃至79のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項82】
前記導管は、膨張可能部分であって、前記尿が前記膨張可能部分に流れ込むにつれて膨張するように構成された膨張可能部分を含み、前記信号は、前記膨張可能部分の膨張の程度を示す、
請求項77乃至79のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項83】
前記コントローラは、事前に定義された閾値を超える前記信号に応答して前記ポンプを作動させるように構成される、
請求項77乃至82のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項84】
前記コントローラは、前記事前に定義された閾値を第1の方向に超える前記信号に応答して前記ポンプを作動させるように構成され、前記コントローラは、前記信号が、前記事前に定義された閾値を前記第1の方向とは反対の第2の方向に超えることに応答して前記ポンプを停止するようにさらに構成される、
請求項83に記載のシステム。
【請求項85】
前記事前に定義された閾値は、第1の事前に定義された閾値であり、
前記コントローラは、前記信号が、前記第1の事前に定義された閾値を前記第2の方向に超えた後、第2の事前に定義された閾値を前記第2の方向に超えることに応答して前記ポンプを停止するように構成される、
請求項84に記載のシステム。
【請求項86】
前記コントローラは、前記ポンプが事前に定義された量の前記尿をポンピングしたことに応答して前記ポンプを停止するようにさらに構成される、
請求項83に記載のシステム。
【請求項87】
被験者の膀胱内又は前記被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルに接続された導管内の尿の量に応じて変化する信号を継続的に受信するステップ;及び
前記信号に反応して、ポンプを使用して、前記膀胱内の前記尿の量を20mlの範囲内に保つように前記導管を通して前記尿をポンピングするステップ;
を含む、
方法。
【請求項88】
前記導管を通して前記尿をポンピングするステップは、前記膀胱内の前記尿の量が20ml未満にとどまるように前記導管を通して前記尿をポンピングするステップを含む、
請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記導管を通して前記尿をポンピングするステップは、前記導管内の圧力を大気圧未満に保つように前記導管を通して前記尿をポンピングするステップを含む、
請求項87又は88に記載の方法。
【請求項90】
前記信号は、前記導管内の圧力を示す、
請求項87乃至89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記信号は、前記導管に結合されたチューブ内に含まれる流体の流体圧を示す、
請求項87乃至89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
前記導管は、前記尿が膨張可能部分に流れ込むにつれて膨張するように構成された前記膨張可能部分を含み、前記信号は、前記膨張可能部分の膨張の程度を示す、
請求項87乃至89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
前記尿をポンピングするステップは、事前に定義された閾値を超える前記信号に応答して前記ポンプを作動させるステップを含む、
請求項87乃至92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記ポンプを作動させるステップは、前記事前に定義された閾値を第1の方向に超える前記信号に応答して前記ポンプを作動させるステップを含み、前記尿をポンピングするステップは、前記信号が、前記事前に定義された閾値を前記第1の方向とは反対の第2の方向に超えることに応答して前記ポンプを停止するステップをさらに含む、
請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記事前に定義された閾値は、第1の事前に定義された閾値であり、
前記ポンプを停止するステップは、前記信号が、前記第2の方向に前記第1の事前に定義された閾値を超えた後、前記第2の方向に第2の事前に定義された閾値を超えることに応答して前記ポンプを停止するステップを含む、
請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記尿をポンピングするステップは、前記ポンプが事前に定義された量の前記尿をポンピングしたことに応答して前記ポンプを停止するステップをさらに含む、
請求項93に記載の方法。
【請求項97】
ディスプレイ;及び
プロセッサであって:
時間に応じた被験者の腎臓による尿生成の速度を表すノイズを含む信号を取得し、
クリーンな信号を取得するために前記ノイズを含む信号からノイズをフィルタリングし、
少なくとも12時間にわたる前記クリーンな信号の代表的な変化率を計算し、
前記代表的な変化率を示す出力を前記ディスプレイに表示する、
ように構成されたプロセッサ;
を有する、システム。
【請求項98】
前記出力は、グラフィック出力を含む、
請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
前記プロセッサは、事前に定義された閾値を超える前記代表的な変化率の大きさに応答して警告を生成するようにさらに構成される、
請求項97又は98に記載のシステム。
【請求項100】
時間に応じた被験者の腎臓による尿生成速度を表すノイズを含む信号を取得するステップ;
クリーンな信号を取得するために前記ノイズを含む信号からノイズをフィルタリングするステップ;
少なくとも12時間にわたる前記クリーンな信号の代表的な変化率を計算するステップ;及び
前記代表的な変化率を示す出力を生成するステップ;
を含む、方法。
【請求項101】
前記出力は、グラフィック出力を含む、
請求項100に記載の方法。
【請求項102】
事前に定義された閾値を超える前記代表的な変化率の大きさに応答して警告を生成するステップをさらに含む、
請求項100又は101に記載の方法。
【請求項103】
被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルに接続するように構成された導管;及び
コントローラであって:
尿が前記被験者の膀胱から前記導管を通って下流に流れることを少なくとも部分的に停止したことを確認し、
前記の確認することに応じて前記導管内の圧力を高める、
ように構成されたコントローラ;
を有する、システム。
【請求項104】
前記コントローラは、前記尿を前記膀胱に向かって上流に流すことによって前記圧力を増加させるように構成される、
請求項103に記載のシステム。
【請求項105】
前記コントローラは、前記導管を押すことによって前記圧力を増加させるように構成される、
請求項103又は104に記載のシステム。
【請求項106】
プランジャをさらに有し、前記コントローラは、前記プランジャを用いて前記導管を押すように構成される、
請求項105に記載のシステム。
【請求項107】
前記コントローラはさらに:
前記尿が前記膀胱からの流れることを再開したことを確認し、
前記尿が前記膀胱から流れることを再開したことを確認することに応答して、前記圧力を増加させることを停止する、
ように構成される、
請求項103乃至106のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項108】
ポンプをさらに有し、前記コントローラはさらに:
前記ポンプを使用して、前記尿を下流にポンピングすることにより、前記尿を下流に流すようにし、
前記の確認することに応答して、前記尿を下流にポンピングすることを停止する、
ように構成される、
請求項103乃至107のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項109】
前記コントローラは、前記ポンプを上流ポンピング方向に動作させることによって前記圧力を増加させるように構成される、
請求項108に記載のシステム。
【請求項110】
前記コントローラはさらに、前記尿が前記膀胱から流れることを再開したことを確認することに応答して、前記尿を下流にポンピングすることを再開するように構成される、
請求項108又は109に記載のシステム。
【請求項111】
尿が被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルに接続された導管を通って前記被験者の膀胱から下流に流れることを少なくとも部分的に停止したことを確認するステップ;及び
前記確認するステップに応答して、前記導管内の圧力を増加させるステップ;
を含む、方法。
【請求項112】
前記圧力を増加させるステップは、前記尿を前記膀胱に向かって上流に流すようにすることによって前記圧力を増加させることを含む、
請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記圧力を増加させるステップは、前記導管を押すことによって前記圧力を増加させることを含む、
請求項111又は112に記載の方法。
【請求項114】
前記導管を押すことは、プランジャを用いて前記導管を押すことを含む、
請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記尿が前記膀胱から流れることを再開したことを確認するステップ;及び
前記尿が前記膀胱から流れることを再開したことを確認するステップに応答して、前記圧力を高めることを停止するステップ;
をさらに含む、
請求項111乃至114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
ポンプを使用して、前記尿を下流にポンピングすることにより、前記尿を下流に流すステップ;及び
前記確認するステップに応答して、前記尿を下流にポンピングすることを停止するステップ;
をさらに含む、
請求項111乃至115のいずれか1項に記載の方法。
【請求項117】
前記圧力を増加させるステップは、前記ポンプを上流ポンピング方向に動作させることによって前記圧力を増加させることを含む、
請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記尿が前記膀胱からの流れることを再開したことを確認することに応答して、前記尿を下流にポンピングすることを再開するステップをさらに含む、
請求項116又は117に記載の方法。
【請求項119】
ディスプレイ;及び
コントローラであって:
被験者の膀胱を、前記膀胱から尿をポンピングすることによって空にし、
前記膀胱を空にしてから事前に定義された量が前記膀胱に流れ込むのに必要な推定時間を計算し、
前記膀胱を空にしてから前記推定時間の後、前記膀胱内の圧力に応じて変化する信号を受信し、
前記信号に基づいて前記膀胱内の前記圧力を確認し、
前記膀胱内の前記圧力が前記被験者の腹腔内圧であることを示す出力をディスプレイに表示する、
ように構成された、コントローラ;
を有する、システム。
【請求項120】
前記コントローラは、前記被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルを介して前記尿をポンピングするように構成され、前記信号は、前記尿道カテーテルに結合された圧力センサによって生成される、
請求項119に記載のシステム。
【請求項121】
前記コントローラは、前の期間中にポンピングされた前記尿の量に基づいて前記推定時間を計算するように構成される、
請求項119又は120に記載のシステム。
【請求項122】
前記コントローラはさらに、前記膀胱内の前記圧力が前記腹腔内圧であることを:
前記膀胱を再度空にすること、及び
前記再度空にする間に前記膀胱からポンピングされた前記尿の量が、前記事前に定義された量から事前に定義された閾値未満逸脱していることを確認すること、
によって検証するように構成され、
前記コントローラは、前記検証することに応答して前記出力を表示するように構成される、
請求項119乃至121のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項123】
被験者の膀胱を、前記膀胱から尿をポンピングすることによって、空にするステップ;
事前に定義された量が前記膀胱に流れ込むのに必要な前記膀胱を空にしてからの推定時間を計算するステップ;
前記膀胱の空にしてからの前記推定時間の後、前記膀胱内の圧力に応じて変化する信号を受信するステップ;
前記信号に基づいて、前記膀胱内の圧力を確認するステップ;及び
前記膀胱内の前記圧力が前記被験者の腹腔内圧力であることを示す出力を生成するステップ;
を含む、方法。
【請求項124】
前記尿をポンピングすることは、前記被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルを介して前記尿をポンピングすることを含み、前記信号は、前記尿道カテーテルに結合された圧力センサによって生成される、
請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記推定時間を計算するステップは、前の期間中にポンピングされた前記尿の量に基づいて前記推定時間を計算することを含む、
請求項123又は124に記載の方法。
【請求項126】
前記膀胱を再度空にするステップ、及び
前記再度空にするステップの間に前記膀胱からポンピングされた前記尿の量が前記事前に定義された量から事前に定義された閾値未満逸脱していることを確認するステップ、
によって、前記膀胱内の前記圧力が腹腔内圧であることを検証するステップをさらに含み、
前記出力を生成するステップは、前記検証に応答して前記出力を生成することを含む、
請求項123乃至125のいずれか1項に記載の方法。
【請求項127】
第1のチューブであって、被験者の膀胱から下流に尿を運ぶように構成され、前記第1のチューブ内の圧力が低下するにつれて、前記第1のチューブが閉じられるまで、前記第1のチューブ内に潰れるように構成された1つ以上の可撓性壁を有する、第1のチューブ;及び
前記第1のチューブに結合され、前記第1のチューブから下流に尿を運ぶように構成された第2のチューブ;
を有する、流体導管。
【請求項128】
前記可撓性壁は:
第1の面を含む第1の壁;及び
前記第1の面の対向するエッジで前記第1の面に結合された第2の面を含む第2の壁であって、前記圧力が低下するにつれて、前記第1の壁と前記第2の壁が、前記第1の面と前記第2の面が前記エッジの間で互いに完全に接触するまで、互いに向かって潰れるようにされる、第2の壁;
を有する、
請求項127に記載の流体導管。
【請求項129】
前記可撓性壁の上流部分は、前記可撓性壁の下流部分よりも柔軟である、
請求項127又は128に記載の流体導管。
【請求項130】
流体収集のためのキットであって、前記キットは:
被検者によって排出された流体を受けるための上流端を有し、下流端を有するチューブ;及び
前記流体の流出を防止するために前記チューブの前記下流端に固定され、流体収集バッグに結合された相手コネクタに接続するように構成されたノンスピルコネクタであって、前記相手コネクタの前記ノンスピルコネクタへの挿入は、前記ノンスピルコネクタを開き、前記流体が前記コネクタ及び前記相手コネクタを通って前記チューブから前記流体収集バッグに流れ出る、ノンスピルコネクタ;
を有する、キット。
【請求項131】
前記チューブの前記上流端は、尿道カテーテルから尿を受け取るように構成される、
請求項130に記載のキット。
【請求項132】
前記ノンスピルコネクタは、前記ノンスピルコネクタを横切って互いに閉じる複数の可撓性リーフを有する、
請求項130又は131に記載のキット。
【請求項133】
前記複数の可撓性リーフは、前記ノンスピルコネクタを横切って延びるポリマーダイヤフラムのセクションを含む、
請求項132に記載のキット。
【請求項134】
前記相手コネクタ及び前記流体収集バッグを有し、前記流体収集バッグは、前記チューブから流出する前記流体を受けて格納するように、前記相手コネクタに結合される、
請求項130乃至133のいずれか1項に記載のキット。
【請求項135】
流体収集装置であって:
尿道カテーテルに接続するための上流端を有し、下流端を有するコネクタ;
前記カテーテルを流れる尿を受けるように前記コネクタの前記下流端に結合されたチューブ;及び
前記コネクタに流れる前記尿の温度を推定するように構成された温度センサ;
を有する、流体収集装置。
【請求項136】
前記温度センサは、前記コネクタに機能的に関連付けられる、
請求項135に記載の装置。
【請求項137】
前記温度センサは、前記尿の前記温度を示す電気信号を出力するように構成され、前記装置は、前記電気信号を測定回路に伝達するように前記温度センサに接続されたワイヤを有する、
請求項135又は136に記載の装置。
【請求項138】
前記温度センサは、前記尿の前記温度を示す圧力を出力するように構成され、前記装置は、キャピラリーチューブを有し、前記キャピラリーチューブは、前記キャピラリーチューブの上流端で前記温度センサに接続され、その下流端で前記キャピラリーチューブ内の圧力に応答して前記温度を推定する圧力測定装置に接続される、
請求項135又は136に記載の装置。
【請求項139】
前記装置は、前記尿の流れを制御する手段を含む、
請求項135乃至138のいずれか1項に記載の装置。
【請求項140】
前記尿の流れは事前に定義された時間停止され、前記温度は前記時間の終了において推定される、
請求項139に記載の装置。
【請求項141】
前記事前に定義された時間は、前記尿の流れを停止する前の事前に定義された期間中に前記コネクタを通って流れる前記尿の量に基づいて計算される、
請求項140に記載の装置。
【請求項142】
チューブを通して流体を推進するように構成されたポンピング機構;及び
前記チューブが接続されている流体回路の異常の指示を受信し、前記指示に応答して前記チューブから前記流体を解放するように結合された解放機構;
を含む、ポンプ。
【請求項143】
前記異常の前記指示は、前記ポンプの上流の位置における前記チューブ内の圧力増加を含む、
請求項142に記載のポンプ。
【請求項144】
前記チューブの一部は可撓性であり、前記ポンピング機構は、前記チューブの可撓性の部分に対してロールして押圧するように構成された複数のローラを有し、前記ポンプは、前記ローラが前記チューブを圧縮するように前記チューブの前記可撓性の部分を前記ポンピング機構に対して押圧するように構成されたクランプを有し、前記指示に応答して、前記解放機構は、前記クランプを前記チューブの前記可撓性の部分から解放するように構成される、
請求項142又は143に記載のポンプ。
【請求項145】
前記解放機構は、前記チューブの前記可撓性の部分と接触する第1の端部を有する可動ロッドを有し、前記異常の前記指示は、前記クランプを解放する前記ロッドの移動を引き起こす、
請求項144に記載のポンプ。
【請求項146】
前記クランプを前記チューブの前記可撓性の部分に押圧するように前記クランプに圧縮を加えるように接続されたバネを有し、前記解放機構は、前記指示に応答して前記バネの圧縮を解放するように構成される、
請求項144に記載のポンプ。
【請求項147】
前記解放機構は、前記異常を示す電気信号に応答して前記流体を解放するように構成される電気機械要素を有する、
請求項142に記載のポンプ。
【請求項148】
蠕動ポンプであって:
流体源から流体を受け取るように構成された可撓性チューブ;
前記可撓性チューブの一部を連続的に押圧するように構成された複数の押圧要素;
前記押圧要素が前記チューブを圧縮するように、前記可撓性チューブの前記一部を前記押圧要素に対して押圧するように構成されたクランプ;及び
前記ポンプのコンポーネントの機械的特性の変動に関係なく、力が実質的に一定に維持されるように、前記押圧要素が前記可撓性チューブの前記一部に前記力を加えるように、前記押圧要素と前記クランプとの間に圧縮を加えるように結合された1つ以上のバネ;
を有する、蠕動ポンプ。
【請求項149】
前記1つ以上のバネは、線形バネを含む、
請求項148に記載のポンプ。
【請求項150】
前記1つ以上のバネは、コイルバネを含む、
請求項148に記載のポンプ。
【請求項151】
前記1つ以上のバネは、前記クランプに機能的に関連付けられる、
請求項148乃至150のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項152】
前記1つ以上のバネは、前記押圧要素を前記クランプに向かって移動させるように結合される、
請求項148乃至150のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項153】
回転ドラムを含むロータを有し、前記押圧要素は、前記ドラムに取り付けられたローラを有し、前記1つ以上のバネは、前記ローラを前記ドラム内で半径方向外側に移動させるように結合される、
請求項148乃至150のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項154】
前記ローラは、前記ドラム上のそれぞれの軸の周りを旋回するように構成されたそれぞれのロッドに取り付けられ、前記1つ以上のバネは、前記それぞれの軸の周りに前記ロッドに回転力を与えるように結合される、
請求項153に記載のポンプ。
【請求項155】
前記1つ以上のバネは、前記ロッドに取り付けられる、
請求項154に記載のポンプ。
【請求項156】
前記1つ以上のバネは、前記ローラに取り付けられる、
請求項154に記載のポンプ。
【請求項157】
前記ローラは、前記ドラム内のそれぞれの半径方向スロット内に、前記1つ以上のバネによって加えられる圧縮が前記ローラを前記半径方向スロット内で半径方向に移動させるように、取り付けられる、
請求項153に記載のポンプ。
【請求項158】
前記ローラは、前記ローラのそれぞれの端部に配置され、前記スロット内で半径方向にスライドするように構成された回転ベアリングを有する、
請求項157に記載のポンプ。
【請求項159】
前記1つ以上のバネは、前記ロータを前記クランプに向かって押圧するように結合される、
請求項153に記載のポンプ。
【請求項160】
前記可撓性チューブを前記ポンプに挿入すると、前記1つ以上のバネが前記押圧要素を前記クランプに向かって前記押圧要素が前記可撓性チューブに対して実質的に一定の前記力を加える位置に駆動することを可能にし、次いで、前記ポンプの動作中に前記押圧要素を前記位置にロックするように構成されるロックを有する、
請求項148乃至150のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項161】
前記可撓性チューブを前記ポンプに挿入すると、前記1つ以上のバネが前記クランプを前記押圧要素に向かって、前記押圧要素が前記可撓性チューブに対して実質的に一定の前記力を加える位置に駆動することを可能にし、次いで、前記ポンプの動作中に前記クランプを前記位置にロックするように構成されるロックを有する、
請求項148乃至150のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項162】
ハンガーであって、流体バッグが前記ハンガーから吊り下げられるように、前記流体バッグが被験者の身体から排出された流体を受け取る又は流体を身体に灌流する間、前記流体バッグを保持するように構成されたハンガー;及び
前記ハンガーに結合され、前記流体バッグ内の前記流体の量を感知するように構成されたセンサ;
を有する、流体収集又は送達装置。
【請求項163】
前記流体バッグは、尿道カテーテルから尿を受け取るように結合される、
請求項162に記載の装置。
【請求項164】
前記センサは、前記流体バッグ内の前記流体の重量を測定するように構成される、
請求項162又は163に記載の装置。
【請求項165】
前記センサは、前記流体バッグ内の前記流体のレベルを測定するように構成される、
請求項162又は163に記載の装置。
【請求項166】
前記流体の量が事前に定義された限界に達したときにアラームを発するように構成されたコントローラを有する、
請求項162乃至165のいずれか1項に記載の装置。
【請求項167】
前記流体の感知された量の指示を受信機に伝達するように結合された通信リンクを有する、
請求項162乃至166のいずれか1項に記載の装置。
【請求項168】
前記感知された量の前記指示を受信し、経時的な前記被験者による前記流体の排出又は前記被験者への流体送達に関する情報を計算及び表示するように構成された監視システムを有する、
請求項167に記載の装置。
【請求項169】
前記監視システムは、前記被験者の身体に投入された又はそこから排出された1つ以上のさらなる流体に関するデータを表示するように構成される、
請求項168に記載の装置。
【請求項170】
前記監視システムは、複数の被験者に関するデータを同時に表示するように構成される、
請求項168に記載の装置。
【請求項171】
ディスプレイを有する、
請求項162乃至167のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年4月14日に出願された米国仮特許出願63/201,125の利益を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、医療機器の分野、特に、尿道カテーテルに接続された被検者の診断及び/又は治療を容易にするシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
Levineに共同譲渡された米国特許第9,752,914号(特許文献1)は、排泄物収集アセンブリ内の排泄物ストリームの流量を決定するための方法、装置、及びシステムを記載している。いくつかの実施形態では、収集アセンブリのコンポーネントの1つは、電気的及び/又は電気機械的コンポーネントを含むセンシングモジュールを含む。
【0004】
Levineに共同譲渡された米国特許第10,240,590号(特許文献2)には、1つ以上のポンピングストロークタイプのポンピングストロークで流体を移動させるように構成された流体ポンプを有する流体流量計が記載されており、1つ以上のストロークタイプの各々は、既知の体積の流体を移動させる。流体流量計は、さらに、流体リザーバに機能的に関連付けられ、流体リザーバ内の流体ポンピング状態を示す信号を生成するように構成されたセンサであって、流体リザーバは、ポンプと一体であるか又は機能的に関連付けられる、センサと、センサからの信号に応答してポンプの1つのストローク又は一連のストロークをトリガするように構成された回路を含む。
【0005】
国際特許出願公開WO/2019/106674(特許文献3)には、ポンプのコンポーネントを保持するハウジングと、自由に移動するダイヤフラムによって2つの流体的に分離された容積に分割された内部キャビティを持つピストンとを有し、2つの容積のうちの1つは、圧力源からのドライバ圧力を含むピストンとハウジングとの間の容積に流体的に接続されているデュアルアクティブ弁正変位ポンプが記載されている。ピストンは、正又は負のドライバ圧力の下でハウジング内を往復移動可能である。ドライバ圧力によって作動可能なアクティブ入口弁は、ドライバ圧力がポンプ入口ポートの最大圧力よりも大きいときに作動する。ドライバ圧力によって作動可能なアクティブ出口弁は、ドライバ圧力がポンプ出口ポートの最小圧力よりも小さいときに作動する。ダイヤフラムは、ピストンキャビティ内でダイヤフラムを移動するために使用される作動流体からポンピングされた流体を分離し、入口弁が開いているときは入口ポートで圧力を伝達し、出口弁が開いているときは出口ポートで圧力を伝達する。
【0006】
国際特許出願公開WO/2019/106675(特許文献4)には、カテーテル、圧力変換器、及び生成された尿の量を測定する手段を有する被検者の尿の生成の速度(rate)を測定するための装置が記載されている。膀胱からの尿の流れは、膀胱内が所定の圧力に達するまで阻止される。その後、尿の流れが可能にされ、膀胱圧と膀胱から出る尿の堆積が測定される。膀胱圧が第2のより低い所定の圧力に達すると、再び尿の流れが妨げられる。尿の流れの間に測定された圧力と膀胱から出る尿の量から、腹腔内圧と尿生成速度を測定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第9,752,914号
【特許文献2】米国特許第10,240,590号
【特許文献3】WO2019/106674
【特許文献4】WO2019/106675
【発明の概要】
【0008】
本発明のいくつかの実施形態に従って、被験者の膀胱から下流に尿を運ぶように構成された導管と共に使用する装置が提供される。装置は、導管に可逆的に結合し、導管に結合されたときに導管に力を加えるように構成された1つ以上の力付与要素を含む。装置は、さらに、力付与要素が導管に力を加えるように力付与要素を制御し、それによって導管から下流方向に尿を押し進め、力付与要素の制御に基づいて押し進められた尿の量を計算するように構成されたコントローラを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、装置はさらに導管を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、力付与要素は、導管に可逆的に結合し、流体充填チューブ内の流体を介して導管に力を加えるように構成されたアクチュエータを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、装置はさらに:
流体の流体圧を感知するように流体充填チューブに結合し、
コントローラに流体圧を示す信号を伝達する、
ように構成された、圧力センサを含み、
コントローラは、信号に応答して力付与要素を制御するように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、導管は可動壁を含むチャンバを含み、力付与要素は可動壁に力を加えるように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、装置はさらに、力付与要素に結合されたケースを含み、力付与要素は、ケースが導管に可逆的に結合することにより、導管に可逆的に結合するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、導管は、少なくとも部分的にカートリッジに収容され、ケースは、スロットを画定するように形成され、ケースは、スロットへのカートリッジの挿入を介して導管に可逆的に結合するように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、導管は、1つ以上のラッチに結合され、ケースは、ラッチがケースにラッチする(latching(掛ける))ことによって、導管に可逆的に結合するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、ケースは、導管のハウジングにラッチするように構成された1つ以上のラッチを含み、それにより、ケースを導管に可逆的に結合する。
【0017】
いくつかの実施形態では、ケースは:
コントローラに接続され、コントローラがケーブルを介して電力供給されるようにケーブルに結合するように構成された電気インタフェース;及び
コントローラに接続され、ケーブルに結合するように構成された通信インタフェース;
を含み、
コントローラは、通信インタフェース及びケーブルを介して、計算された量、又はそこから導出されたパラメータを通信するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、力付与要素は:
押圧(pressing)要素;及び
押圧要素を導管に押し付けて導管に力を加えるように構成されたアクチュエータ;を含み、
コントローラはアクチュエータを制御するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、導管はチューブを含み、押圧要素はチューブを押圧するように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、押圧要素は、チューブを押圧しながら回転するように構成されたロータを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、アクチュエータは、押圧要素に導管によって加えられる相反(reciprocal(逆))力を測定するようにさらに構成され、コントローラは、相反力に応答してアクチュエータを制御するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、アクチュエータは、押圧要素の位置を検出するように構成されたエンコーダを含み、コントローラは、位置に応答してアクチュエータを制御するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、装置は、導管又は膀胱内の尿の量に応じて(as a function of(関数として))変化する信号をコントローラに伝達するように構成されたセンサをさらに含み、コントローラは、信号に応答して力付与要素を制御するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、センサは、導管内の圧力を感知するように導管に結合するように構成された圧力センサを含み、信号は圧力を示す。
【0025】
いくつかの実施形態では、
導管は、尿が膨張可能部分に流れ込むにつれて膨張するように構成された膨張可能部分を含み、
センサは、膨張可能部分の膨張の程度を感知するように構成され、
信号は膨張の程度を示す。
【0026】
いくつかの実施形態では、膨張可能部分は、力が加えられる導管の部分から上流に配置されたリザーバを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、膨張可能部分は、可動壁を含み、可動壁の移動を介して膨張するように構成され、力付与要素は、可動壁に力を加えるように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、センサは、膨張の程度に応じて変化する圧力を感知するように構成された圧力センサを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、センサは、膨張可能部分において光を放射することによって膨張の程度を感知するように構成された光学センサを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、導管は、センサに接続するように構成された第1の電気インタフェースに結合され、力付与要素は、コントローラに接続された第2の電気インタフェースに結合され、力付与要素が導管に結合されるとき、センサが第1の電気インタフェース及び第2の電気インタフェースを介してコントローラに信号を伝達するように、第1の電気インタフェースに接触するように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、装置は、さらに、導管に結合し、流体の流体圧が導管内の内圧によって変化するように流体を収容するように構成された圧力伝達チューブを含み、
センサは、流体圧を感知するように圧力伝達チューブに結合するように構成された圧力センサを含み、
信号は流体圧を示す。
【0032】
いくつかの実施形態では、装置はさらに、尿の視覚パラメータを感知し、視覚パラメータを示す信号をコントローラに伝達するように構成された光学センサを含む。
【0033】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、被験者の膀胱から下流に尿を運ぶように構成された導管と共に使用する方法が提供される。この方法は、導管に可逆的に結合された1つ以上の力付与要素を制御することであって、力付与要素が導管に力を加え、それによって導管から下流方向に尿を押し進めるようにする、制御すること、及び、力付与要素を制御することに基づいて押し進められた尿の量を計算することを含む。
【0034】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、1つ以上の力付与要素と共に使用する装置が提供される。この装置は、被験者にカテーテル処置する尿道カテーテルを介して被験者の膀胱から下流に流れる尿を運ぶように構成された少なくとも1つのチューブを含む。この装置はさらに、チューブと流体連通してチューブに結合し、力付与要素が導管セクションに力を加えることを容易にし、それによって尿を導管セクションから下流方向に押し進めるように力付与要素に可逆的に結合するように構成された導管セクションを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのチューブは、導管セクションの上流端に接続された上流チューブを含み、この装置はさらに:
上流チューブに接続されたバイパスチューブ;及び
弁であって:
バイパスチューブ内の圧力が所定の閾値未満である場合に、バイパスチューブを通る尿の流れを防止し、
圧力が閾値を超えた場合に、尿が導管セクションをバイパスするように、流れを可能にする、
ように構成された弁;を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、
少なくとも1つのチューブは、導管セクションの下流端に接続された下流チューブをさらに含み、
装置は、下流チューブを尿収集バッグに接続するように構成されたコネクタをさらに含み、
バイパスチューブは、バイパスチューブが上流チューブとコネクタとの間を通過するように、コネクタに接続される。
【0037】
いくつかの実施形態では、弁はコネクタに統合される。
【0038】
いくつかの実施形態では、力付与要素はケースに結合され、導管セクションは、ケースに可逆的に結合することによって力付与要素に可逆的に結合するように構成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、装置は、導管セクションを収容する(containing)カートリッジをさらに含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、
ケースはスロットを画定するように形成され、
導管セクションは、スロットへのカートリッジの挿入を介してケースに可逆的に結合するように構成される。
【0041】
いくつかの実施形態では、装置は、さらに、導管セクションに結合され、ケースにラッチするように構成され、それによって、導管セクションをケースに可逆的に結合する、1つ以上のラッチを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、装置は、さらに、導管セクションを収容するハウジングを含み、
ケースは、ハウジングにラッチするように構成された1つ以上のラッチを含み、
導管セクションは、ラッチがハウジングにラッチすることによりケースに可逆的に結合するように構成される。
【0043】
いくつかの実施形態では、力付与要素は、導管セクションを押圧することにより力を導管セクションに加えるように構成された押圧要素を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、導管セクションは、蠕動ポンプ(peristaltic pump)チューブを含み、導管セクションは、押圧要素が蠕動ポンプチューブを押圧することを容易にするように、押圧要素に可逆的に結合するように構成される。
【0045】
いくつかの実施形態では、導管セクションは、可動壁を含むチャンバを含み、導管セクションは、力付与要素が可動壁に力を加えることを容易にするように、力付与要素に可逆的に結合するように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態では、装置は、導管セクションから上流に配置されたリザーバをさらに含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、リザーバは、尿がリザーバに流れ込むにつれて膨張するように構成される。
【0048】
いくつかの実施形態では、装置は、リザーバ内の尿の量に応じて変化する信号を伝達するように構成されたセンサをさらに含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、装置は、導管セクション内の尿の量に応じて変化する信号を伝達するように構成されたセンサをさらに含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、装置は、尿道カテーテルの出口における出口圧力を感知し、出口圧力を示す信号を伝達するように構成された圧力センサをさらに含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、装置は、チューブ又は導管セクションに結合され、圧力センサがチューブ又は導管セクション内の内圧を感知するように圧力センサに結合するように構成された接続ポートをさらに含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、装置は、チューブ又は導管セクションに結合され、圧力伝達チューブ(pressure-conveying tube)内の流体圧がチューブ又は導管セクション内の内圧に応答して変化するように流体を含む圧力伝達チューブに結合するように構成された接続ポートをさらに含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、装置は、圧力伝達チューブをさらに含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、装置は、導管に結合され、センサに接続するように構成された第1の電気インタフェースをさらに含み、力付与要素は、導管セクションが力付与要素に結合されたときに、センサが第1の電気インタフェース及び第2の電気インタフェースを介してコントローラに信号を伝達するように、コントローラに接続され、第1の電気インタフェースに接触するように構成された第2の電気インタフェースに結合されるように構成される。
【0055】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、ポンプ及びコントローラを含むシステムが提供される。コントローラは、ポンプを制御することにより、被験者の膀胱から尿をポンピングし、ポンピングに対する現在又は起こりそうな今後の(likely upcoming)途絶(disruption)を示す警告を生成するように構成される。
【0056】
いくつかの実施形態では、途絶は、ポンプから下流の尿の阻害された流れを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、コントローラは、ポンプによって消費される電力の量の増加に応答して警告を生成するように構成される。
【0058】
いくつかの実施形態では、
コントローラは、ポンプによってポンピングされた尿の量を計算するようにさらに構成され、
コントローラは、尿を収集バッグにポンピングするように構成され、
コントローラは、収集バッグの最大容量とポンピングされた尿の量との間の差が事前に定義された閾値未満であることに応答して警告を生成するように構成される。
【0059】
いくつかの実施形態では、途絶は、ポンプから上流の尿の阻害された流れを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、コントローラは、被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルに接続された導管を介して尿をポンピングするように構成され、阻害された流れは、ポンプから上流の導管又は尿道カテーテルにおける閉塞に起因する。
【0061】
いくつかの実施形態では、
導管はリザーバを含み、
閉塞はリザーバの下流にあり、
コントローラは、リザーバから流れた尿の量がポンプのポンピング量よりも少ないことを示す信号に応答して警告を生成するように構成される。
【0062】
いくつかの実施形態では、
圧力センサが、圧力を感知するように導管に結合され、
閉塞は圧力センサから下流にあり、
コントローラは圧力の変化に応じて警告を生成するように構成される。
【0063】
いくつかの実施形態では、
導管はリザーバを含み、
閉塞はリザーバから上流にあり、
コントローラは、リザーバ内の尿の量の増加が事前に定義された閾値未満であることを示す信号に応答して警告を生成するように構成される。
【0064】
いくつかの実施形態では、
圧力センサが、圧力を感知するように導管に結合され、
閉塞は圧力センサから上流にあり、
コントローラは、圧力の増加が事前に定義された閾値未満であることに応答して警告を生成するように構成される。
【0065】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、ポンプを制御することによって被験者の膀胱から尿をポンピングすること、及び、ポンピングに対する現在又は起こりそうな今後の途絶を示す警告を生成する方法が提供される。
【0066】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、ポンプ及びコントローラを含むシステムが提供される。コントローラは、被験者の膀胱内又は被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルに接続された導管内の尿の量に応じて変化する信号を継続的に受信し、信号に応答して、ポンプを使用して、膀胱内の尿の量を20mlの範囲内に維持するように導管を介して尿をポンピングするように構成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、コントローラは、膀胱内の尿の量が20ml未満にとどまるように導管を介して尿をポンピングするように構成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、コントローラは、導管内の圧力を大気圧未満に保つように導管を介して尿をポンピングするように構成される。
【0069】
いくつかの実施形態では、信号は導管内の圧力を示す。
【0070】
いくつかの実施形態では、信号は、導管に結合されたチューブ内に含まれる流体の流体圧を示す。
【0071】
いくつかの実施形態では、導管は、尿が膨張可能部分に流れ込むにつれて膨張するように構成された膨張可能部分を含み、信号は、膨張可能部分の膨張の程度を示す。
【0072】
いくつかの実施形態では、コントローラは、事前に定義された閾値を超える信号に応答してポンプを作動させるように構成される。
【0073】
いくつかの実施形態では、コントローラは、第1の方向で事前に定義された閾値を超える信号に応答してポンプを作動させるように構成され、コントローラは、第1の方向とは反対の第2の方向で事前に定義された閾値を超える信号に応答してポンプを停止するようにさらに構成される。
【0074】
いくつかの実施形態では、
事前に定義された閾値は、第1の事前に定義された閾値であり、
コントローラは、信号が、第2の方向に第1の事前に定義された閾値を超えた後、第2の方向に第2の事前に定義された閾値を超えることに応答してポンプを停止するように構成される。
【0075】
いくつかの実施形態では、コントローラは、ポンプが事前に定義された量の尿をポンピングしたことに応答してポンプを停止するようにさらに構成される。
【0076】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、被験者の膀胱内又は被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルに接続された導管内の尿の量に応じて変化する信号を継続的に受信すること、その信号に応答して、ポンプを使用して、膀胱内の尿の量を20mlの範囲内に保つように導管を通して尿をポンピングすることを含む方法が提供される。
【0077】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、ディスプレイ及びプロセッサを含むシステムが提供される。プロセッサは、時間に応じた被験者の腎臓による尿生成の速度(rate of urine production)を表すノイズを含む信号(noisy signal)を取得し、クリーンな信号を取得ためにノイズを含む信号からノイズをフィルタリングし、少なくとも12時間にわたるクリーンな信号の代表的な変化率を計算し、代表的な変化率を示す出力をディスプレイに表示するように構成される。
【0078】
いくつかの実施形態では、出力はグラフィカル出力を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、事前に定義された閾値を超える代表的な変化率の大きさに応答して警告を生成するようにさらに構成される。
【0080】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、時間に応じた被験者の腎臓による尿生成の速度を表すノイズを含む信号を取得すること、クリーンな信号を取得するためにノイズを含む信号からノイズをフィルタリングすること、少なくとも12時間にわたるクリーンな信号の代表的な変化率を計算すること、及び代表的な変化率を示す出力を生成することを含む方法が提供される。
【0081】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルに接続するように構成された導管と、コントローラとを含むシステムが提供される。コントローラは、尿が導管を介して被験者の膀胱から下流への流れが少なくとも部分的に停止したことを確認し、確認に応答して導管内の圧力を増加させるように構成される。
【0082】
いくつかの実施形態では、コントローラは、尿を膀胱に向かって上流に流すようにすることによって圧力を増加させるように構成される。
【0083】
いくつかの実施形態では、コントローラは、導管を押すことによって圧力を増加させるように構成される。
【0084】
いくつかの実施形態では、システムは、さらにプランジャを含み、コントローラは、プランジャを使用して導管を押すように構成される。
【0085】
いくつかの実施形態では、コントローラは、さらに:
膀胱からの尿の流れが再開したことを確認し、
膀胱からの尿の流れが再開したことを確認したら、圧力を増加させることを停止する、
ように構成される。
【0086】
いくつかの実施形態では、システムはさらにポンプを含み、コントローラはさらに:
ポンプを使用して、尿を下流にポンピングすることにより、尿を下流に流し、
確認に応じて、下流に尿をポンピングするのを停止する、
ように構成される。
【0087】
いくつかの実施形態では、コントローラは、ポンプを上流のポンピング方向に動作させることによって圧力を増加させるように構成される。
【0088】
いくつかの実施形態では、コントローラは、尿が膀胱からの流れを再開したことを確認することに応答して、尿を下流にポンピングすることを再開するようにさらに構成される。
【0089】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、尿が被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルに接続された導管を通って被験者の膀胱から下流への流れることを少なくとも部分的に停止したことを確認すること、及び確認に応答して導管内の圧力を増加させることを含む方法が提供される。
【0090】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、ディスプレイ及びコントローラを含むシステムが提供される。コントローラは、膀胱から尿をポンピングすることにより被験者の膀胱を空にし、膀胱が空にしてから事前に定義された量が膀胱に流れ込むのに必要な推定時間(estimated amount of time)を計算し、膀胱が空にしてから推定時間の後に膀胱内の圧力に応じて変化する信号を受信し、その信号に基づいて膀胱内の圧力を確認し、膀胱内の圧力が被験者の腹腔内圧であることを示す出力をディスプレイに表示するように構成される。
【0091】
いくつかの実施形態では、コントローラは、被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルを介して尿をポンピングするように構成され、信号は、尿道カテーテルに結合された圧力センサによって生成される。
【0092】
いくつかの実施形態では、コントローラは、前の期間中にポンピングされた尿の量に基づいて推定時間を計算するように構成される。
【0093】
いくつかの実施形態では、コントローラは、さらに:
膀胱を再度空にすること(re-emptying)、及び
再び空にする間に膀胱からポンピングされた尿の量が事前に定義された体積から事前に定義された閾値未満逸脱していることを確認すること、
によって、膀胱内の圧力が腹腔内圧であることを検証するようにさらに構成され、
コントローラは検証に応答して出力を表示するように構成される。
【0094】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、膀胱から尿をポンピングすることによって被験者の膀胱を空にすること、膀胱が空になってからの推定される時間の後に、所定の体積が膀胱に流れ込むのに必要な膀胱が空になってからの推定される時間を計算すること、その信号に基づいて膀胱内の圧力に応じて変化する信号を受信すること、膀胱内の圧力を確認すること、及び膀胱内の圧力が被験者の腹腔内圧力であることを示す出力を生成することを含む方法が提供される。
【0095】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、被験者の膀胱から下流に尿を搬送するように構成された第1のチューブを含み、第1のチューブ内の圧力が低下するにつれて、第1のチューブが閉じられるまで、第1のチューブ内に潰れる(collapse)ように構成された1つ以上の可撓性壁(flexible walls)を含む流体導管と、第1のチューブに結合され、第1のチューブから下流に尿を搬送するように構成された第2のチューブとが提供される。
【0096】
いくつかの実施形態では、可撓性壁は:
第1の面を含む第1の壁;及び
第2の壁であって、圧力が低下するにつれて、第1の壁と第2の壁が、第1の面と第2の面がエッジ間で互いに完全に接触するまで互いに向かって潰れるように、第1の面の対向するエッジで第1の面に結合された第2の面を含む第2の壁、を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、可撓性壁の上流部分は、可撓性壁の下流部分よりも柔軟である。
【0098】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、流体収集のためのキットが提供される。キットは、被験者によって排出された(output)流体を受けるための上流端を有し、下流端を有するチューブと、流体の流出を防止するためにチューブの下流端に固定され、流体収集バッグに結合された相手コネクタ(mating connector)に接続するように構成されたノンスピルコネクタ(non-spill connector)とを含み、相手コネクタのノンスピルコネクタへの挿入はノンスピルコネクタを開き、それによって流体がコネクタ及び相手コネクタを通ってチューブから流体収集バッグに流れ出る。
【0099】
いくつかの実施形態では、チューブの上流端は、尿道カテーテルから尿を受け取るように構成される。
【0100】
いくつかの実施形態では、ノンスピルコネクタは、複数の可撓性のリーフ(leaves)を含み、それらは、ノンスピルコネクタを横切って互いに閉じる。
【0101】
いくつかの実施形態では、複数の可撓性のリーフは、ノンスピルコネクタを横切って延びるポリマーダイヤフラムのセクションを含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、キットは、さらに、相手コネクタと流体収集バッグとを含み、流体収集バッグは、チューブから流出する流体を受けて格納するように相手コネクタに結合される。
【0103】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、尿道カテーテルに接続するための上流端を有し、下流端を有するコネクタと、カテーテルを流れる尿を受けるようにコネクタの下流端に結合されたチューブと、コネクタに流れる尿の温度を推定するように構成された温度センサとを含む流体収集装置が提供される。
【0104】
いくつかの実施形態では、温度センサはコネクタに機能的に関連付けられる。
【0105】
いくつかの実施形態では、温度センサは、尿の温度を示す電気信号を出力するように構成され、装置は、電気信号を測定回路に伝達するように温度センサに接続されるワイヤを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、温度センサは、尿の温度を示す圧力を出力するように構成され、装置は、キャピラリーチューブを含み、キャピラリーチューブは、キャピラリーチューブの上流端で温度センサに接続され、キャピラリーチューブ内の圧力に応答して温度を推定する圧力測定装置にその下流端で接続される。
【0107】
いくつかの実施形態では、装置は、尿の流れを制御するための手段を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、尿の流れは、事前に定義された時間停止され、温度は、その時間の終了時に推定される。
【0109】
いくつかの実施形態では、所定の時間は、尿の流れを停止する前の所定の期間中にコネクタを流れる尿量に基づいて計算される。
【0110】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、チューブを通して流体を推進するように構成されたポンピング機構と、チューブが接続されている流体回路における異常の指示を受信し、その指示に応答してチューブから流体を解放するように結合された解放機構とを含むポンプが提供される。
【0111】
いくつかの実施形態では、異常の指示は、ポンプの上流の位置におけるチューブ内の圧力増加を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、チューブの一部は可撓性(flexible(柔軟))であり、ポンピング機構は複数のローラを含み、複数のローラは、チューブの可撓性の部分に対してロールしてそこを押圧するように構成され、ポンプはクランプを含み、クランプは、ローラがチューブを圧縮するように、チューブの可撓性の部分をポンピング機構に押圧するように構成され、指示に応答して、解放機構はクランプをチューブの可撓性の部分から解放するように構成される。
【0113】
いくつかの実施形態では、解放機構は、チューブの可撓性の部分と接触する第1の端部を有する可動ロッドを含み、異常の指示はロッドの移動を引き起こし、これはクランプを解放する。
【0114】
いくつかの実施形態では、ポンプは、クランプをチューブの可撓性の部分に押圧するようにクランプに対して圧縮を加えるように接続されたバネをさらに含み、解放機構は、指示に応答してバネの圧縮を解放するように構成される。
【0115】
いくつかの実施形態では、解放機構は、異常を示す電気信号に応答して流体を解放するように構成される電気機械要素を含む。
【0116】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、流体源から流体を受け取るように構成される可撓性チューブ、可撓性チューブの一部を連続的に押圧するように構成される複数の押圧要素、押圧要素がチューブを圧縮するように可撓性チューブの一部を押圧要素に対して押圧するように構成されるクランプ、及びポンプのコンポーネントの機械的特性の変動に関係なく力が実質的に一定に維持されるように押圧要素が可撓性チューブの一部に対して力を加えるように押圧要素とクランプとの間に圧縮を加えるように結合される1つ以上のバネを含む蠕動ポンプが提供される。
【0117】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバネは線形バネを含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバネはコイルバネを含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバネはクランプに機能的に関連付けられる。
【0120】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバネは、押圧要素をクランプに向かって移動させる(shift)ように結合される。
【0121】
いくつかの実施形態では、ポンプは、回転ドラムを含むロータをさらに含み、押圧要素は、ドラムに取り付けられたローラを含み、1つ以上のバネは、ローラをドラム内で半径方向外側に移動させるように結合される。
【0122】
いくつかの実施形態では、ローラは、ドラム上のそれぞれの軸の周りを旋回するように構成されたそれぞれのロッドに取り付けられ、1つ以上のバネは、それぞれの軸の周りにロッドに回転力を与えるように結合される。
【0123】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバネは、ロッドに取り付けられる。
【0124】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバネは、ローラに取り付けられる。
【0125】
いくつかの実施形態では、ローラは、1つ以上のバネによって加えられる圧縮がローラを半径方向スロット内で半径方向に移動させるように、ドラム内のそれぞれの半径方向スロット内に取り付けられ、。
【0126】
いくつかの実施形態では、ローラは、ローラのそれぞれの端部に配置され、スロット内で半径方向にスライドするように構成される回転ベアリングを含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバネは、ロータをクランプに向かって押圧するように結合される。
【0128】
いくつかの実施形態では、ポンプは、可撓性チューブをポンプに挿入すると、1つ以上のバネが押圧要素をクランプに向かって押圧要素が可撓性チューブに対して実質的に一定の力を加える位置に駆動することを可能にし、次いで、ポンプの動作中に、押圧要素をその位置にロックするように構成されるロックをさらに含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、ポンプは、可撓性チューブをポンプに挿入すると、押圧要素が可撓性チューブに対して実質的に一定の力を加える位置に1つ以上のバネがクランプを押圧要素に向かって駆動することを可能にし、次いで、ポンプの動作中に、クランプをその位置にロックするように構成されるロックをさらに含む。
【0130】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に従って、流体収集又は送達装置が提供される。装置は、流体バッグがハンガーから吊り下げられるように、流体バッグが被験者の身体から排出された流体を受け取る又は流体を身体に灌流する(perfuses)間、流体バッグを保持するように構成されたハンガーと、ハンガーに結合され、流体バッグ内の流体の量を感知するように構成されたセンサとを含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、流体バッグは、尿道カテーテルから尿を受け取るように結合される。
【0132】
いくつかの実施形態では、センサは、流体バッグ内の流体の重量を測定するように構成される。
【0133】
いくつかの実施形態では、センサは、流体バッグ内の流体のレベル(level(高さ))を測定するように構成される。
【0134】
いくつかの実施形態では、装置は、流体の量が事前に定義された限界に達したときにアラームを発するように構成されたコントローラをさらに含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、装置は、流体の感知された量の指示を受信機に伝達するように結合された通信リンクをさらに含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、装置は、感知された量の指示を受信し、経時的な被験者による流体の排出又は被験者への流体送達に関する情報を計算及び表示するように構成された監視システムをさらに含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、監視システムは、被験者の身体に投入される又はそこから排出される1つ以上のさらなる流体に関するデータを表示するように構成される。
【0138】
いくつかの実施形態では、監視システムは、複数の被験者に関するデータを同時に表示するように構成される。
【0139】
いくつかの実施形態では、装置は、さらにディスプレイを含む。
【0140】
本発明は、図面と併せて、その実施形態の以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【
図1A】本発明のいくつかの実施形態による蠕動ポンプの概略図である。
【
図1B】本発明のいくつかの実施形態による蠕動ポンプチューブの概略図である。
【
図1C】本発明のいくつかの実施形態による、蠕動ポンプチューブに機械的に結合された蠕動ポンプの概略図である。
【
図2】蠕動ポンプチューブの老化グラフの例を示すプロットである。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態による、異なるそれぞれの状態の尿リザーバの概略図である。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態による、異なるそれぞれの状態の尿リザーバの概略図である。
【
図3C】本発明のいくつかの実施形態による、異なるそれぞれの状態の尿リザーバの概略図である。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態による尿リザーバの概略図である。
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態による尿リザーバの概略図である。
【
図4C】本発明のいくつかの実施形態による尿リザーバの概略図である。
【
図5A】本発明のいくつかの実施形態による、異なるそれぞれの状態における
図4A~Cの尿リザーバの模式図である。
【
図5B】本発明のいくつかの実施形態による、異なるそれぞれの状態における
図4A~Cの尿リザーバの模式図である。
【
図5C】本発明のいくつかの実施形態による、異なるそれぞれの状態における
図4A~Cの尿リザーバの模式図である。
【
図6A】本発明のいくつかの実施形態による、異なるそれぞれの状態における尿リザーバを通る長手方向断面の概略図である。
【
図6B】本発明のいくつかの実施形態による、異なるそれぞれの状態における尿リザーバを通る長手方向断面の概略図である。
【
図6C】本発明のいくつかの実施形態による、異なるそれぞれの状態における尿リザーバを通る長手方向断面の概略図である。
【
図7A】本発明の様々な異なる実施形態による、尿リザーバに機能的に結合された光学センサの概略図である。
【
図7B】本発明の様々な異なる実施形態による、尿リザーバに機能的に結合された光学センサの概略図である。
【
図7C】本発明の様々な異なる実施形態による、尿リザーバに機能的に結合された光学センサの概略図である。
【
図8A】本発明の様々な異なる実施形態による、尿リザーバに機能的に結合された光学センサの概略図である。
【
図8B】本発明の様々な異なる実施形態による、尿リザーバに機能的に結合された光学センサの概略図である。
【
図8C】本発明の様々な異なる実施形態による、尿リザーバに機能的に結合された光学センサの概略図である。
【
図9】本発明の様々な異なる実施形態による、尿リザーバに機能的に結合された光学センサの概略図である。
【
図10A】本発明の様々な異なる実施形態による、尿リザーバに機能的に結合された光学センサの概略図である。
【
図10B】本発明の様々な異なる実施形態による、尿リザーバに機能的に結合された光学センサの概略図である。
【
図10C】本発明の様々な異なる実施形態による、尿リザーバに機能的に結合された光学センサの概略図である。
【
図11A】本発明のいくつかの実施形態による、尿リザーバに機能的に結合された接触センサの概略図である。
【
図11B】本発明のいくつかの実施形態による、尿リザーバに機能的に結合された接触センサの概略図である。
【
図12A】本発明の様々な異なる実施形態による、使い捨てキットの概略図である。
【
図12B】本発明の様々な異なる実施形態による、使い捨てキットの概略図である。
【
図13】本発明の様々な異なる実施形態による、使い捨てキットの概略図である。
【
図14】本発明のいくつかの実施形態による、カテーテルコネクタの概略図である。
【
図15】本発明のいくつかの実施形態による、デュアルルーメンチューブ(dual-lumen tube)の概略図である。
【
図16】本発明のいくつかの実施形態による、尿ポンピングシステムの動作の概略図である。
【
図17】本発明のいくつかの実施形態による、
図16による尿ポンピングシステムの動作のためのフロー図を示す。
【
図18】本発明のいくつかの実施形態による、コントローラによって実行される制御アルゴリズムのためのフロー図を示す。
【
図19】本発明のいくつかの実施形態による、時間の応じたセンサ信号の例示的プロットである。
【
図20】本発明のいくつかの実施形態による、尿ポンピングシステムの概略図である。
【
図21】本発明のいくつかの実施形態による、
図20による使い捨てキットの概略図である。
【
図22】本発明のいくつかの実施形態による、尿ポンピングシステムの概略図である。
【
図23】本発明のいくつかの実施形態による、
図22による使い捨てキットの概略図である。
【
図24A】本発明のいくつかの実施形態による、圧力弁の概略図である。
【
図24B】本発明のいくつかの実施形態による、圧力弁の概略図である。
【
図24C】本発明のいくつかの実施形態による、圧力弁の概略図である。
【
図24D】膨張及び収縮状態における従来技術のチューブを通る横断面の概略図である。
【
図24E】本発明のいくつかの実施形態による、圧力弁チューブを通る横断面の概略図である。
【
図25】本発明の異なるそれぞれの実施形態による、尿ポンピングシステムの概略図である。
【
図26】本発明の異なるそれぞれの実施形態による、尿ポンピングシステムの概略図である。
【
図27】本発明のいくつかの実施形態による、吸引リリーフの例示的な性能を概略図で示す。
【
図28】本発明のいくつかの実施形態による、尿ポンピングシステムの概略図である。
【
図29】本発明のいくつかの実施形態による、腹腔内圧を測定するアルゴリズムのフロー図を示す。
【
図30】本発明のいくつかの実施形態による、尿ポンピングシステムの概略図である。
【
図31】本発明のいくつかの実施形態による、尿ポンピングシステムのいくつかのコンポーネントのブロック図を示す。
【
図32】本発明のいくつかの実施形態による、コントローラによって実行される制御及び警告アルゴリズムのフロー図を示す。
【
図33】本発明のいくつかの実施形態による、リザーバ体積を経時的に追跡するプロットを示す。
【
図34A】本発明のいくつかの実施形態による、ノンスピル(こぼれ防止)コネクタを備えた交換可能な流体バッグの概略側面図である。
【
図35】本発明のいくつかの実施形態による、表示出力例の概略図である。
【
図36A】本発明のいくつかの実施形態による、通常の構成のバネ式安全リリース(spring-loaded safety release)を備えた蠕動ポンプの概略側面図である。
【
図36B】本発明のいくつかの実施形態による、解放された構成のバネ式安全リリースを備えた蠕動ポンプの概略側面図である。
【
図37】本発明のいくつかの実施形態による、圧力調整バイパスチューブを有する使い捨てキットの概略図である。
【
図38】本発明のいくつかの実施形態による、蠕動ポンプのクランプによって加えられる圧力を制御するために使用されるバネの概略側面図である。
【
図39A】本発明の実施形態による、バネ式圧力クランプを備えた蠕動ポンプの概略側面図である。
【
図39B】本発明の実施形態による、バネ式圧力クランプを備えた蠕動ポンプの概略側面図である。
【
図39C】本発明の実施形態による、バネ式圧力クランプを備えた蠕動ポンプの概略側面図である。
【
図40】本発明のいくつかの実施形態による、一体型温度センサを備えたカテーテルチューブコネクタの概略側面図である。
【
図41】本発明のいくつかの実施形態による、蠕動ポンプのバネ式(spring-loaded)ローラの概略側面図である。
【
図42】本発明の別の実施形態による、蠕動ポンプのバネ式ローラの概略画像図である。
【
図43】本発明のさらに別の実施形態による、蠕動ポンプのバネ式ローラの概略側面図である。
【
図44A】本発明のいくつかの実施形態による、バネ式回転軸受を備えた蠕動ポンプのローラの概略詳細図である。
【
図44B】本発明のさらなる実施形態による、蠕動ポンプのバネ式ローラの概略透視図である。
【
図45A】本発明のさらに別の実施形態による、バネ式ローラを備えた蠕動ポンプの概略図である。
【
図45B】本発明のさらに別の実施形態による、バネ式ローラを備えた蠕動ポンプの側面図である。
【
図46A】本発明のいくつかの実施形態による、カートリッジをポンプに取り付ける前の交換可能なカートリッジを備えた蠕動ポンプの概略側面図である。
【
図46B】本発明のいくつかの実施形態による、カートリッジをポンプに取り付けた後の交換可能なカートリッジを備えた蠕動ポンプの概略側面図である。
【
図47A】本発明のいくつかの実施形態による、尿収集バッグの吊り秤(hanging scale)の概略側面図である。
【
図48】本発明のいくつかの実施形態による、流体管理ダッシュボードを示す表示画面の概略図である。
【
図49】本発明のいくつかの実施形態による、尿生成パラメータを表示するシステムの概略図である。
【
図50】本発明の異なる実施形態による、尿ポンピングシステムの概略図である。
【
図51】本発明の異なる実施形態による、尿ポンピングシステムの概略図である。
【
図52A】本発明の異なる実施形態による、導管セクションの概略図である。
【
図52B】本発明の異なる実施形態による、導管セクションの概略図である。
【
図53】本発明の異なる実施形態による、制御ユニットの概略図である。
【
図54】本発明の異なる実施形態による、制御ユニットの概略図である。
【
図55】本発明のいくつかの実施形態による、電源ボックスに接続された制御ユニットの概略図である。
【
図56】本発明のいくつかの実施形態による、表示出力の概略図である。
【
図57】本発明のいくつかの実施形態による、制御ユニットの概略図である。
【
図58】本発明のいくつかの実施形態による、尿ポンピングシステムの概略図である。
【
図59】本発明の異なる実施形態による、制御ユニットの概略図である。
【
図60】本発明の異なる実施形態による、制御ユニットの概略図である。
【
図61】本発明のいくつかの実施形態による、尿ポンピングシステムの概略図である。
【
図62】本発明のいくつかの実施形態による、制御ユニットの概略図である。
【
図63A】本発明の種々の異なる実施形態による、往復動ポンプと導管セクションの概略図である。
【
図63B】本発明の種々の異なる実施形態による、往復動ポンプと導管セクションの概略図である。
【
図64A】本発明の種々の異なる実施形態による、往復動ポンプと導管セクションの概略図である。
【
図64B】本発明の種々の異なる実施形態による、往復動ポンプと導管セクションの概略図である。
【
図65】本発明のいくつかの実施形態による、尿ポンピングシステムの概略図である。
【
図66A】本発明のいくつかの実施形態による、尿排出量(output)及び/又は生成量(production)の測定を容易にするための使い捨てキットの概略図である。
【
図66B】本発明のいくつかの実施形態による、尿排出量及び/又は生成量を測定するためのシステムの概略図である。
【
図67】本発明のいくつかの実施形態による、往復動ポンプと導管セクションの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0142】
概要
本発明の実施形態は、被験者の尿排出量、すなわち被験者の膀胱から排泄される尿の量、及び/又は尿生成量、すなわち被験者の腎臓によって生成される尿の量を正確かつリアルタイムに測定するシステム及び方法を含む。本発明の実施形態は、さらに、尿排出量若しくは尿生成量、又は尿生成の時間変動速度(time-varying rate)など、そこから導出される関連パラメータを伝達及び/又は表示するシステム及び方法を含む。本発明の実施形態は、さらに、腹腔内圧(IAP)、深部体温、及び不透明度などの尿光学パラメータなどの他のパラメータを測定するシステム及び方法を含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、尿ポンピングシステムは、被験者の尿排出量及び/又は生成量を測定するように構成される。尿ポンピングシステムは、本明細書で「キット」と称する使い捨て装置と、非使い捨て尿ポンピング装置とを有する。使い捨てキットは、1回使用のためのものであり、被験者の膀胱をカテーテル処置する尿道カテーテル(例えば、フォーリーカテーテル)を尿収集バッグに接続するように構成された尿導管を有する。尿ポンピング装置は、典型的には膀胱が実質的に尿のない状態を保つように、容積型ポンプを使用して導管を通じて尿をポンピングするように構成されたコントローラ(すなわち、制御回路)を有する。ポンピングに基づいて、コントローラは、被験者の尿排出量及び/又は尿生成量、及び典型的には被験者の尿生成の速度を計算する。オプションで、コントローラは、尿生成の速度(及び/又は他の関連パラメータ)を表示し得る、及び/又は速度(及び/又は他の関連パラメータ)を患者モニタ、ナースステーションモニタ、又は電子カルテ(EMR)などの1つ以上の他の装置又はシステムに伝達し得る。
【0144】
一般に、任意のタイプの容積型ポンプが使用され得る。典型的には、容積型ポンプは、導管に力を加えるように構成された1つ以上の力付与要素を含み、それによって導管を通して尿をポンピングする。これらの要素の少なくともいくつかは、非使い捨て尿ポンピング装置に属し得る。そのような実施形態では、ポンプの非使い捨て力付与要素は較正され得、較正パラメータは装置内の不揮発性メモリに記憶され得る。代替的に又は追加的に、ポンプ要素の少なくともいくつかは使い捨てキットに属してもよい。
【0145】
典型的には、力付与要素はアクチュエータを含む。特許請求の範囲を含む本出願の文脈において、用語「アクチュエータ」は、他の要素の動きを引き起こすようにアクチュエータに供給されるパワー(例えば、電力、機械的力、空気圧力、又は油圧力)を使用する任意の装置を含み得る。
【0146】
例えば、
図50-51、58、及び61は、アクチュエータが導管に可逆的に結合し、チューブに含まれる流体(すなわち、気体又は液体)を介して導管に力を加える実施形態を示す。これらの実施形態では、アクチュエータは、供給されたパワーを空気圧又は油圧に変換し、次に、導管の可動壁(
図50-51)の移動又はシャフト(
図58及び61)の移動を引き起こす。
【0147】
代替的には、アクチュエータは、アクチュエータによって作動されるときに(導管と接触しながら)導管を押圧するように構成された押圧要素に結合されてもよい。そのような実施形態では、アクチュエータは、押圧要素を動かすために供給されたパワーを使用する。
【0148】
例えば、いくつかの実施形態では、導管は、蠕動ポンプチューブを含み、押圧要素は、アクチュエータによって作動されたときに、蠕動ポンプチューブから所望の方向に尿を絞るように構成されたロータ又はリニア並進要素(linear translational elements)のアレイを含む。いくつかのそのような実施形態では、尿の流量のより正確な計算を容易にするために、システムは、システムの1つ以上のコンポーネントにおける製造公差、及び/又は経時的な摩耗から独立して、蠕動ポンプチューブに加えられるポンピング力を与える1つ以上の追加のコンポーネント(例えば、バネ)を有する。そのようなコンポーネントは、チューブ、チューブを押圧要素にクランプするクランプ、及び/又は押圧要素を含み得る、
【0149】
別の例として、
図63A-B及び64A-Bに示すように、導管は、可動壁(例えば、ダイヤフラム又はピストン)を有するポンプチャンバを有し得、押圧要素は、アクチュエータによって作動されたときに可動壁を押圧し、それによってポンプチャンバから所望の方向に尿を押し出すように構成されたプランジャを含み得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、システムは、ポンプの制御を容易にするためのセンサをさらに有する。特に、センサは、導管又は被験者の膀胱内の尿の量に応じて変化する信号をコントローラに伝達するように構成され、コントローラは、信号に応答してポンプの力付与要素を制御するように構成される。センサは、例えば、圧力センサ、体積センサ、光学センサ(
図7-10)、容量センサ、抵抗センサ、誘導センサ、超音波センサ、及び/又は接触センサ(
図11A-B)を含み得る。センサは、ダイヤフラム、膨張可能なリザーバ壁、又は導管の他の膨張可能な部分の壁の変位を感知し得る。変位は、光学的に、抵抗的に、容量的に、誘導的に、超音波によって、接触によって、磁気的に、又は任意の他の適当な方法で感知され得る。
【0151】
容量センサは、いくつかの方法で実施され得る。例えば、壁又はダイヤフラムは、コンデンサの1つのプレートとして機能する導電性材料でコーティングされ得、別のプレートは、第1のプレートの近くに固定され得、両方のプレートは、容量を測定する回路に電気的に接続され得る。壁又はダイヤフラムが変位すると、プレート間の距離、ひいては容量が変化し、容量が変位を示すようになる。
【0152】
いくつかの実施形態では、キャパシタは発振器に属するので、発振器の周波数はキャパシタの容量に依存する。発振器の周波数を測定することにより(例えば、所与の期間ごとのサイクルの数をカウントすることにより)、キャパシタの容量が確認され得る。
【0153】
抵抗センサもまた、いくつかの方法で実装され得る。例えば、壁又はダイヤフラムは、壁又はダイヤフラムが回路内の抵抗器として機能するように、抵抗材料で被覆され得かつ電気回路に2つの反対側のエッジで電気的に接続され得る。抵抗器の抵抗は、容量性センサについて上述したものと同様の方法で決定され得る(例えば、発振器の周波数を決定することによって)。壁又はダイヤフラムが変位すると、壁又はダイヤフラムが伸長するため、2つの反対側の接点間の抵抗が変化する。したがって、抵抗の変化は壁又はダイヤフラムの変位を示している。
【0154】
誘導センサはいくつかの方法で実装され得る。例えば、壁又はダイヤフラムは、強磁性材料でコーティングされ得、電気回路に属し得るコイルの脊に配置され得る。壁又はダイヤフラムが変位すると、コイルのインダクタンスが変化するため、インダクタンスは壁又はダイヤフラムの変位を示す。コイルのインダクタンスは、容量性センサについて前述したものと同様の方法で決定され得る(例えば、発振器の周波数を決定することによって)。
【0155】
いくつかの実施形態では、センサは、壁又はダイヤフラムの近くに配置された超音波トランスデューサを有する。超音波信号(波)の往復遅延が、トランスデューサから壁又はダイヤフラムの距離を決定するために測定され得る。
【0156】
磁気センサは磁力計を有し得、壁又はダイヤフラムは金属材料でコーティングされ得る。壁又はダイヤフラムの変位は、磁力計によって測定された磁場の強度から確認され得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、導管は、尿が膨張可能部分に流れ込むにつれて膨張するように構成された膨張可能部分を含む。センサは、膨張可能部分の膨張の程度を感知し、膨張の程度を示す信号をコントローラに伝達するように構成される。例えば、圧力センサが、膨張可能部分又は膨張可能部分の近くの導管の一部から、可撓性ダイヤフラムによって分離された流体充填チューブ又はチャンバ内の圧力のような、膨張の程度によって変化する圧力を感知し得る。別の例として、光学センサが、膨張可能部分から反射される光の量を感知し得、この量は膨張の程度によって変化する。膨張の程度に応じて、コントローラは、ポンプの力付与要素を制御する。
【0158】
いくつかのそのような実施形態では、膨張可能部分は、力付与要素によって力が加えられる導管の部分から上流に配置された尿リザーバを有する。リザーバは、少なくとも1つの可動(例えば、可撓性の)壁を有し得、その位置及び/又は形状は、リザーバ内の尿の量によって変化する。オプションで、リザーバ及びポンプは、単一の一体型使い捨てユニットの一部として一緒に製造され得る。
【0159】
他のそのような実施形態(例えば、
図50-51、52A-B、63A-B及び64A-Bに示すように)では、膨張可能部分は、ダイヤフラム又はピストンのような可動壁を含むポンプチャンバを有し、この可動壁に力付与要素によって力が加えられる。ポンプチャンバは、尿がポンプチャンバに流れ込むにつれて、可動壁の移動によって膨張するように構成される。
【0160】
典型的には、コントローラは、被験者のベッドサイドに都合よく結合され得る制御ユニットに含まれる。尿ポンピング装置の他のコンポーネントは、制御ユニットに収容され得るか、又はそこから離れて収容され得る。
【0161】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、ポンプ押圧要素も有する。そのような実施形態では、導管の一部は、導管が押圧要素に結合されるように、制御ユニットに結合(例えば、挿入)され得る。オプションで、導管の結合された(例えば、挿入された)部分は、リザーバを有し得、制御ユニットは、リザーバを監視するように構成されたセンサを有し得る。
【0162】
他の実施形態では、制御ユニットは、ポンプのためのアクチュエータを含むが、押圧要素は、制御ユニットの外部にある。代替的には、アクチュエータが導管に空気圧力又は油圧力を加えることによって尿をポンピングし得る点で、ポンプは、押圧要素を欠いてもよい。そのような実施形態では、アクチュエータは、ワイヤ及び/又はチューブを介して押圧要素又は導管に結合され得る。
【0163】
例えば、ポンピング力は、流体充填チューブを介して導管に加えられ得る。オプションで、制御ユニットは、チューブに接続された圧力センサをさらに有し得、コントローラは、ポンピング力が加えられていないときに圧力センサによって感知された圧力に応答してポンピング力を制御し得る。従って、有利には、単一のチューブが感知とポンピングの両方に(交互に)使用され得る。
【0164】
さらに他の実施形態では、アクチュエータは、制御ユニットの外部にあり、制御ユニットから出る電気配線を介して電力供給される。
【0165】
一般に、ポンプは、電気的に、油圧若しくは空気圧力によって、又は機械的な力によって作動し得る。ポンプアクチュエータは、例えば、モータ(例えば、電気モータ、油圧モータ、又は空気圧モータ)、ソレノイド、又は油圧又は空気圧ピストンを有し得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、上記のようなリザーバの代わりに、導管は、ポンプチャンバの入口に結合された薄い膜(本明細書では「ダイヤフラム」とも呼ばれる)を有し、この膜は、尿がポンプチャンバに出入りするときにたわむ(deflected)。そのような実施形態では、圧力センサは、膜がたわむときに変化する流体圧、すなわち、空気圧又は油圧を測定し得る。代替的には、光学センサが、膜で光を放射することによって膜のたわみを感知することができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、尿ポンピング装置及び/又は使い捨てキットは、ポンプの入口に結合されたセンサ(例えば、圧力センサ)、及び/又はポンプの出口に結合されたセンサ(例えば、圧力センサ)をさらに有する。そのような実施形態では、コントローラは、これらのセンサのいずれかからの信号に応答してポンプを制御し得る。
【0168】
いくつかの実施形態では、使い捨てキットは、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、揮発性メモリ、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、又は電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM))、無線周波数識別(RFID)タグ、フラッシュメモリ、及び/又は機械可読印刷又は彫刻のような機械可読データ記憶媒体を有する。データ記憶媒体は、ポンプチューブ特性、較正パラメータ、セキュリティパラメータ、被験者固有パラメータ(例えば、被験者のID)、又は測定値のような種々のパラメータを記憶し得る。これらのパラメータのいくつか(例えば、ポンプチューブ特性)は、使い捨てキットの製造中に記憶、印刷、又は刻印され得る。
【0169】
いくつかの実施形態では、コントローラは、例えば、
図32を参照して後述するように、警告を生成するように構成される。例えば、コントローラは、ポンプから上流又は下流への尿の流れが阻害されていることを示す警告、尿収集バッグがほぼ満杯であることを示す警告、又はポンプの故障を示す警告を生成し得る。
【0170】
いくつかの実施形態では、システムは、膀胱組織が尿道カテーテルに吸引される原因となる過剰な吸引力から膀胱を解放するように構成された吸引リリーフ機構(suction-relief mechanism)を有する。いくつかのそのような実施形態では、吸引リリーフ機構は、ポンプから上流の導管の一部を絞るように構成されたプランジャのような押圧要素を有する。この絞ることを容易にするために、導管のこの部分は、例えば、より薄い壁を有することにより、導管の他の部分よりも柔軟であり得る。
【0171】
他の実施形態では、吸引リリーフは、ポンプを逆(上流)のポンピング方向に作動させることによって実行される。
【0172】
いくつかの実施形態では、尿ポンピング装置は、1つ以上の電池を含む。充電式又は非充電式であり得る電池は、制御ユニットが主電源から切断されたとき、例えば、被験者が別のベッドに移動されたとき又は体内画像を撮影するときに、制御ユニットに電力を供給し得る。
【0173】
バッテリが充電可能である実施形態の場合、システムは、制御ユニットが主電源に接続されたときにバッテリを充電するように構成されたバッテリ充電回路を有し得る。バッテリ充電回路はまた、バッテリ充電レベルを確認し、バッテリ温度を監視し、温度が高すぎる場合にはそれに応じて充電を調整し得る。代替的に又は追加的に、バッテリ充電器は、バッテリの状態を監視し、バッテリの交換が必要な場合にコントローラに信号を送信し得る。
【0174】
代替的に又は追加的に、尿ポンピング装置は、すべてのシステムコンポーネントに電力を供給するための電源を有し得る。いくつかのそのような実施形態では、電源は制御ユニットと一体である。他のそのような実施形態では、電源は制御ユニットから分離され、電気ケーブルによって制御ユニットに接続される。例えば、電源は、壁に結合するように構成されたボックス内にあってもよい。オプションで、電源ボックスは、通信回路及び/又は通信ポートを含んでもよく、ケーブルは、電源ワイヤに加えて通信ワイヤを含んでもよい。通信回路及び/又はポートが制御ユニットではなく電源ボックスに属することの利点は、単一のケーブルのみが制御ユニットに接続されていることを考えると、ベッドを移動するとき又は制御ユニットを交換するときに、制御ユニットを接続又は切り離すことが比較的簡単であることである。
【0175】
一般に、コントローラは様々なタスクを実行するように構成され得る。例えば、コントローラは、ポンプの上流又は下流のセンサと通信し、センサを較正し、及び/又はセンサを制御するように構成され得る。代替的に又は追加的に、コントローラは、ポンプアクチュエータ、吸引リリーフ機構、及び/又はバッテリ充電器を制御し得る。代替的に又は追加的に、コントローラは、ディスプレイを制御し、ディスプレイにデータを表示し、タッチスクリーンを制御し、及び/又はタッチスクリーンからコマンドを受信し得る。代替的に又は追加的に、コントローラは、患者モニタ、EMR、又は被験者の医師のデバイス(例えば、携帯電話やタブレット)などの1つ又は複数の外部デバイス又はシステムと通信し得る。
【0176】
より具体的には、いくつかの実施形態では、コントローラは、ポンピングアルゴリズムを実行するように構成され、それに従って、コントローラは、ポンプをいつ作動させるか、及びオプションで、各作動中にどのくらいの尿をポンピングするかを決定する。コントローラは、さらに、各作動中にポンピングされたストロークの数を記録し、作動中にポンピングされたストロークの数、導管に以前にポンピングされたストロークの数、ストローク間の経過時間、ストロークの総持続時間、周囲温度、尿の温度、ポンプ入口圧力、ポンプ出口圧力、較正パラメータ、及び/又は導管の製造パラメータなどの様々なパラメータに基づいて、ポンピングされた尿の量を計算するように構成される。例えば、回転蠕動ポンプの場合、ポンピングされた体積は、ポンプロータの回転数(分数回転(fractional rotations)を含む)及び回転中にポンピングされたそれぞれの体積に基づいて計算され得る。リニア蠕動ポンプの場合、ポンピングされた体積は、ポンプの並進要素がポンプチューブに押し付けられた回数に基づいて計算され得る。コントローラは、ポンピングされた体積を前回のポンプ作動からの経過時間で割ることによって、瞬間的な尿の流量(これは、膀胱内の容積が比較的一定に保たれていると仮定すると、すなわち、比較的小さな範囲内にあると仮定すると、一般に瞬間的な尿生成速度と等しい)をさらに計算し得る。
【0177】
代替的には、コントローラは、基本的なポンピング情報(例えば、実行されたストロークの数及び/又は回数及び/又はストローク量(stroke volume))を別のコンピュータプロセッサに通信し得、後者のプロセッサは、総尿生成、尿生成速度、及び/又は他の関連パラメータを計算し得る。
【0178】
いくつかの実施形態では、コントローラは、ポンピング閾値に達したことをセンサからの信号に基づいて確認することに応答してポンプを作動させる。例えば、センサ信号に基づいて、コントローラは、リザーバ内の尿体積又は導管内の尿圧が所定の値を超えることを確認し得る。
【0179】
オプションで、ポンプの作動後、コントローラは、センサ信号に基づいて、停止閾値に達したことを確認することに応答してポンプを停止し得る。例えば、コントローラは、センサ信号に基づいて、リザーバ内の尿体積又は尿圧が所定の値を下回っていることを確認し得る。代替的には、コントローラは、ストロークが実行された後にポンプが停止するように、ポンプに所定の数のストロークを実行させ得る。(ストローク数は、例えば、直近のストロークからの経過時間に基づき得る。)
【0180】
さらに他の実施形態では、コントローラは、リザーバ内の体積又は導管内の圧力のようなパラメータを所定の値に可能な限り近づけるようにポンプを動作させる。これは、例えば、比例積分微分(PID)アルゴリズムを使用して行われ得る。そのような実施形態では、ポンプ容積は、上述したパラメータ(例えば、ストローク数及び各ストロークのそれぞれのボリューム)のいずれかに基づいて、又はポンプロータの回転数及び回転速度に基づいて計算され得る。
【0181】
一連の複数のストロークが実行される場合、ストロークは同じ動きプロファイルを共有し得;例えば、蠕動ポンプの場合、各ストローク中にロータが加速し得、一定の速度で維持され、その後減速し得る。代替的には、いくつかのストロークは、より連続的なポンピングを達成するために、異なるそれぞれの動きプロファイルを有し得る;例えば、蠕動ポンプの場合、ロータは、最初のストロークの開始時に加速し得、一定の速度(又は、例えばPIDアルゴリズムに従って、可変速度)で回転し得、最後のストロークの終了時に減速し得る。
【0182】
いくつかの実施形態では、コントローラは、吸引リリーフアルゴリズムを実行するようにさらに構成され、それに従って、コントローラは、吸引リリーフをいつ、どのように実行するかを決定し、吸引リリーフを実行する。いくつかの実施形態では、吸引リリーフは、ポンプから上流の圧力センサが所定時間の間、圧力上昇を示さず、カテーテルを通る尿の流出が、例えば、膀胱組織によってブロックされている可能性が高いことを示すときに実行される。
【0183】
いくつかの実施形態では、コントローラは、使い捨てキットからデータを読み取るようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、これらのデータは、コントローラが尿の流量の体積を計算するために使用し得る導管の物理的パラメータを含む。例えば、コントローラは、蠕動ポンプチューブの内径及び外径並びに硬さに基づいてストローク量を計算し得る。代替的に又は追加的に、これらのデータは、コントローラが使い捨てキットを特定の被験者に関連付けるために使用し得る使い捨てキット識別子(例えば、シリアル番号)を含み得る。したがって、使い捨てキットが制御ユニットから切り離され、後で再接続されたとしても、コントローラは、尿が汲み上げられている被験者を識別し得る。さらに、病院内の制御ユニットが、関連する尿流量データをEMR又は他の集中型情報管理システムに通信するように構成されている場合、第2の制御ユニットが使い捨てキット識別子を使用して、第1の制御ユニットによって計算された尿流量データをEMRから取得し得ることを考えると、被験者は、被験者の使い捨てキットとともに、第1の制御ユニットから第2の制御ユニットに移動され得る。
【0184】
いくつかの実施形態では、コントローラは、例えば
図29を参照して説明されるように、IAP測定アルゴリズムを実行するようにさらに構成される。
【0185】
いくつかの実施形態では、コントローラは、例えば
図49を参照して説明されるように、尿背性信号からのノイズをフィルタリングするためのフィルタリングアルゴリズムを実行し、それによってクリーンな尿生成信号を生成するようにさらに構成される。
【0186】
代替的に又は追加的にポンピングの制御を容易にするために、センサを使用して被験者のIAPを推定し得る。代替的に又は追加的に、ポンプ上流の圧力センサ及び/又はポンプ下流の圧力センサからの圧力読み取り値が、ポンプ上流及び/又はポンプ下流の導管内の圧力がポンプストローク量に影響を及ぼす可能性があることを考慮して、尿流量の計算に使用され得る。代替的に又は追加的に、センサ読み取り値を使用して、例えば導管又は尿道カテーテルの閉塞、又は尿収集バッグが満杯になることによる、ポンプ上流又は下流の尿の流れの障害を特定し得る。
【0187】
センサを使用する代わりに、ポンプ下流の圧力は、電流量が下流の圧力とともに増加するので、ポンピング中にポンプアクチュエータによって消費される電流を測定することによって推定され得る。
【0188】
いくつかの実施形態では、導管は、尿の流れのための単一の管腔を有する管を含む。他の実施形態では、管は、2つの管腔を有し、1つは尿の流れ用であり、もう1つは、制御ユニットと圧力センサ、温度センサ、又はポンプアクチュエータのような他のコンポーネントとの間で電力及び/又は信号を伝達する電線用である。代替的には、第2のチューブ腔は、圧力又は温度を感知するための、及び/又は空気圧力又は油圧力を加えるためのガス又は液体(例えば、オイル)を含み得る。代替的には、第2のチューブ腔は、ポンプを作動させるための機械的力を加えるためのワイヤ又は糸を含み得る。
【0189】
別の代替として、チューブは3つの管腔を有し得る:1つは尿のため、もう1つは電力及び/又は信号を伝達するため又は力を加えるため(上述のように)、そして第3の管腔は圧力又は温度感知のための流体(すなわち、気体又は液体)を含む。
【0190】
さらに別の代替として、チューブは4つの管腔を有し得る:1つは尿のため、もう1つは電力及び/又は信号を伝達するため、もう1つは力を加えるための流体を含み、そして第4は圧力感知のための流体を含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、使い捨てキットは、さらに、尿道カテーテル、尿道カテーテルを導管に接続するためのカテーテルコネクタ、温度センサ、尿サンプリングポート、及び尿収集バッグのうちのいずれか1つ以上を含む。尿収集バッグは、バッグを交換する必要がないように、バッグを空にするための底部弁を有し得る。代替的に又は追加的に、収集バッグは、バッグが相補的なチューブコネクタ(すぐ後述する)から切り離され、それによってバッグの交換を容易にする入口コネクタを有し得る。いくつかの実施形態では、尿収集バッグは、バッグからの尿のこぼれを抑制する一方向入口弁をさらに有する。
【0192】
いくつかの実施形態では、使い捨てキットは、尿が尿収集バッグに流れるチューブセグメントを有する。チューブセグメントは、尿収集バッグに恒久的に接続され得る。代替的には、チューブセグメントは、その端部にチューブコネクタを有し得、チューブコネクタは、尿収集バッグの前述の入口コネクタと接続するように構成され得る。いくつかの実施形態では、チューブコネクタは、チューブセグメントがバッグに接続されていないときに尿のこぼれを抑制するノンスピルコネクタを有し得る。
【0193】
一般に、使い捨てキットは、尿に接触しないコンポーネントであっても、本明細書に記載されたシステムコンポーネントのいずれかを有し得ることに留意されたい。例えば、使い捨てキットは、クランプ26(
図1A)及び/又はチューブアンカー34(
図1B)と共に蠕動ポンプチューブを有し得る。代替的に又は追加的に、ロータ及び/又はローラのような蠕動ポンプ自体の部分は、使い捨てキットに属し得る。代替的に又は追加的に、任意のタイプのポンプについて、ポンプのアクチュエータは使い捨てキットに属し得る。
【0194】
上記で説明した特徴の各々は、図を参照して以下に説明する実施形態のいずれか1つで実施することができることに留意されたい。
【0195】
特許請求の範囲を含む本出願の文脈において、2つのアイテムの相互の「可逆的結合」は、いかなるツールも使用せずに(かつ、いかなるアイテムも破壊することなく)元に戻すことができる任意の結合を意味する。
【0196】
本発明の実施形態のいくつかの利点は、以下を含む:
【0197】
1. 尿がポンピングされることを考えると、膀胱からの尿の流れは重力に依存しない。したがって、制御ユニットおよび尿収集バッグは任意の高さに置くことができる。(対照的に、重力に基づくシステムでは、収集バッグを汚染される可能性のある床に置く必要があるかもしれない。)例えば、制御ユニットは、一般的に使いやすい高さにある被験者のベッドの手すりに結合され得、尿収集バッグは床から持ち上げられ得る。
【0198】
2. 上述のように重力に依存しないことを考慮すると、導管は任意の長さを有し得る。(対照的に、重力に基づくシステムでは、膀胱を排出するチューブの長さを制限する必要がある場合がある。)したがって、例えば、制御ユニットは被験者のベッドの後方又は足元に配置され得、導管は尿道カテーテルから制御ユニットに通され得る。この点に関して、制御ユニットをベッドの後方又は足元に配置することにはいくつかの利点があることに留意されたい。例えば、制御ユニットは、被験者のベッドが移動されたときに、物体(例えば、ドアポスト)に衝突する可能性が低い。さらに、導管の長さが長いため、導管が絡まることなく、被験者は治療され得る又はひっくり返され得る。
【0199】
3. 膀胱から排出される尿の量が腎臓によるリアルタイムの尿生成の正確な代理として機能するように、膀胱はポンプによって絶えず空にされ得る。対照的に、重力に基づくシステムでは、膀胱は平均~約100mlの尿のようにかなりの量の尿を保持することがあり、この量は時間とともに変化することがある。したがって、重力に基づくシステムでは、膀胱からの尿排出は、腎臓によるリアルタイムの尿生成の正確な代理としては機能しない可能性がある。さらに、残尿はカテーテル関連尿路感染症のリスクを増大させる。
【0200】
4. 本明細書に記載される尿ポンピングシステムは、導管の閉塞及び/又は膀胱の尿道カテーテルのアイレットへの吸引を含む、膀胱からの尿の放出を阻害する可能性のある特定の因子を克服するように構成され得る。
【0201】
システム説明
まず、本発明のいくつかの実施形態による、尿排出量及び/又は尿生成量の測定を容易にするための使い捨てキット370の概略図である
図66Aを参照する。また、本発明のいくつかの実施形態による、尿排出量及び/又は尿生成量を測定するためのシステム96(本明細書では「尿ポンピングシステム」と称する)の概略図である、
図66Bを参照する。
【0202】
システム96は、非使い捨て尿ポンピング装置129と共にキット370を有する。キット370は、そこを通る尿の流れのために構成された流体導管371を有する。導管371は、少なくとも1つのチューブを含み、このチューブは、被験者をカテーテル処置する尿道カテーテル(例えば、フォーリーカテーテル)を介して被験者の膀胱から下流に流れる尿を運ぶように構成される。導管371は、チューブと流体連通してチューブに結合される導管セクション31をさらに有する。いくつかの実施形態では、キット370は、さらにカートリッジ374(これは「カセット」とも呼ばれ得る)、又は導管セクション31を含む別のタイプのハウジングを有する。
【0203】
装置129は、1つ以上の力付与要素を含む。力付与要素は、導管371に(特に、導管セクション31に)可逆的に結合し、導管に結合されたときに導管に(特に、導管セクション31に)力を加えるように構成される。力が加えられると、尿は導管セクションから下流方向、すなわち被験者の膀胱から離れる方向に押し出される。
【0204】
いくつかの実施形態では、尿ポンピング装置の力付与要素は、押圧要素、すなわち、導管セクションを押圧することによって導管セクション31に力を加えるように構成された要素と、押圧要素を作動させるように構成されたアクチュエータとを含む。例えば、導管セクション31は、蠕動ポンプチューブ33を有し得、尿ポンピング装置は、蠕動ポンプチューブ33を押圧するように構成されたロータ又は1つ以上のリニア並進要素を含む蠕動ポンプ20を有し得る。代替的には、導管セクション31は、可動壁(例えば、ダイヤフラム壁又はピストン壁)を有するポンプチャンバを有し得、尿ポンピング装置は、例えば、
図63A-B及び64A-Bを参照して後述するように、可動壁を押圧するように構成されたプランジャを有し得る。
【0205】
他の実施形態では、力付与要素は、流体充填チューブを介して導管セクションに空気圧力又は油圧力を加えるように構成されたアクチュエータを有する。そのような実施形態では、導管セクションは、可動壁を有するポンプチャンバを有し得、力は可動壁に加えられ得る。例えば、
図50-51及び52A-Bを参照して以下に説明するように、導管セクションは、チューブ内の流体を介して力が加えられるダイヤフラム壁又はピストン壁を有し得る。
【0206】
いくつかの実施形態では、
図66Aに示すように、導管371は、導管セクション31の上流端に接続され、したがって導管セクションに尿を運ぶ上流チューブ28と、導管セクションの下流端に接続され、したがって導管セクションから尿を運ぶ下流チューブ29(以下、「出口チューブ」ともいう)の両方を有する。(従って、導管371は、互いに流体連通する少なくとも3つのチューブ:上流チューブ28、蠕動ポンプチューブ33及び出口チューブ29を有し得る。)出口チューブ29の下流端は、キット370にも属し得る尿収集バッグ78(例えば、
図65に示す)に接続される。
【0207】
他の実施形態(例えば、
図50-51及び
図65に示すように)では、導管371は上流チューブ28を有していない。
【0208】
装置129はさらに、導管を介した尿のポンピングを制御し、本明細書に記載された他の機能を実行するように構成されたコントローラ125(「プロセッサ」とも呼ばれることがある)を有する。
【0209】
いくつかの実施形態では、導管371はさらに、尿が膨張可能な部分に流れるにつれて膨張するように構成された膨張可能な部分を有する。キット370又は尿ポンピング装置に属し得るセンサ50は、膨張可能な部分の膨張の程度を感知し、膨張の程度を示す信号を生成するように構成される。信号はコントローラに伝達され、コントローラ125は、以下の「ポンプ制御」と題するセクションで詳述されるように、信号に応答して、またオプションで、他のパラメータに応答して、導管を通じて尿をポンピングする。
【0210】
例えば、導管371は、導管セクション31の上流に配置された膨張可能なリザーバ40を有し得る。例えば、リザーバ40は、尿がリザーバからチューブ28に流れるように、チューブ28の上流端に結合され得る。そのような実施形態では、センサ50は、リザーバ内の尿の量に応じて変化する信号をコントローラに伝達するように構成され得る。オプションで、リザーバ及びセンサは、ハウジング74に収容され得る。
【0211】
代替的には、導管セクション31自体が膨張可能であり得、導管セクションは、尿が導管セクションに流れるにつれて外側に膨張する可動壁を含み得る。例えば、可動壁は、尿が導管セクションに流れるにつれてそのデフォルト(又は「弛緩」)位置から外側に膨張し得、その後、尿がポンプで送り出されるにつれてそのデフォルト位置に潰れて(collapse)戻り得る。代替的には、可動壁は、尿がポンプで送り出されるにつれてそのデフォルト位置から内側に潰れ、その後、尿が流れ込むにつれてそのデフォルト位置に膨張し得る。そのような実施形態では、センサは、導管セクション内の尿の量に応じて変化する信号をコントローラに伝達するように構成され得る。
【0212】
他の実施形態では、導管371は膨張しないリザーバを含み、センサ50はリザーバ内の尿の量を感知する。
【0213】
いくつかの実施形態では、
図30を参照して後述するように、キット370は、尿道カテーテルの出口で圧力を感知し、圧力を示す信号をコントローラに伝達するように構成された圧力センサを有する。代替的に、圧力センサは、カテーテルコネクタ又はカテーテルの近くの導管371の他の部分又はその下流に接続され得る。このような実施形態では、キット370はリザーバ40及びセンサ50を有し得るが、コントローラが圧力センサからの信号に応答して尿のポンピングを制御し得ることを考えると、キットは必ずしもこれらのコンポーネントを含む必要はない。(実際には、膀胱はリザーバとして機能しており、膀胱カテーテルの出口の圧力は膀胱内の尿の量に応じて増加する。)
【0214】
代替的には、尿が生成されるにつれて導管セクション内の尿の量が増加する実施形態(例えば、導管セクションが、尿がチャンバ内に流れ込むにつれて外側に膨張する可動壁を有するチャンバを有する実施形態の場合)では、キット370は、導管セクション内の尿の量に応じて変化する信号を伝達するように構成されたセンサ(例えば、圧力センサ)を有し得る。そのような実施形態においても、導管371は、必ずしもリザーバ40又はセンサ50を有する必要はない。(実際には、導管セクションはリザーバとして機能する。)そのような実施形態は、例えば、
図67を参照して以下に説明される。
【0215】
代替的には、キット370ではなく、(非使い捨て)尿ポンピング装置は、圧力センサを有し得る。そのような実施形態では、キット370は、チューブ28又は導管セクション31に結合され、流体の圧力がチューブ又は導管セクション内の圧力に応答して変化するように流体を含むチューブに結合するように構成された接続ポートをさらに有し得る。(オプションで、キット370は、流体充填チューブをさらに有し得る。)したがって、尿ポンピング装置に属する圧力センサは流体圧を感知し得、コントローラは流体圧に応答して尿のポンピングを制御し得る。このような実施形態を例えば
図58、61及び67を参照して以下に説明する。
【0216】
いくつかの実施形態では、キット370は、カテーテルの尿管腔とコネクタ72の管腔との間の流体連通を確立するように、その上流端で尿道カテーテル(オプションで、
図30に示すように別のコネクタを介して)に結合するように構成されたカテーテルコネクタ72をさらに有する。カテーテルコネクタ72の下流端は、カテーテルコネクタの管腔がリザーバと流体連通するようにリザーバ40に結合し得る。代替的には、リザーバが省略される又はカテーテルコネクタ(例えば、
図14によると)と一体である実施形態では、カテーテルコネクタ72の下流端は、チューブ28(
図28のように)又は導管セクション31(
図50-51及び65のように)に結合し得る。
【0217】
いくつかの実施形態では、カテーテルコネクタ72は、尿のサンプルがカテーテルコネクタの管腔から抽出され得るサンプリングポート372を画定するように形成される。代替的に、サンプリングポート372は、チューブ28内又は導管に沿った任意の他の適当な位置に配置され得る。
【0218】
他の実施形態では、カテーテルコネクタ72は省略され、尿道カテーテルは、リザーバ40、チューブ28又は導管セクション31に直接結合される。
【0219】
いくつかの実施形態では、導管371は、尿道カテーテルをさらに含み、オプションで、尿の温度を感知するように構成された温度センサを有し得る。
【0220】
上述したように、コントローラ125は、力付与要素が導管に圧力を加え、それによって導管から下流に尿を絞るように、力付与要素を制御するように構成される。コントローラは、さらに、力付与要素の制御に基づいて、絞られた尿の量を計算するように構成される。例えば、回転蠕動ポンプ20は、コントローラは、ポンプによって実行される回転数又は分数回転及び回転数又は分数回転の間にポンピングされるそれぞれの量に基づいて、ポンピングされた尿の量を計算することができるように、任意の所与の回転又は分数回転について知られている尿の量をポンピングするように構成され得る。このような計算の詳細については、以下の「ポンピングされる量の計算」のセクションで説明する。
【0221】
一般に、力付与要素が尿ポンピング装置に属する実施形態では、導管371(特に、導管セクション31)及び力付与要素は、任意の適切な機構を介して相互に可逆的に結合され得る。
【0222】
例えば、尿ポンピング装置129は、力付与要素に結合されたケースを有し得、力付与要素は、ケースが導管に可逆的に結合することにより、導管に可逆的に結合され得る。導管に可逆的に結合され得るケースの一例は、コントローラ125を含む制御ユニット130である。
【0223】
例えば、導管(又は少なくとも導管セクション31)は、少なくとも部分的にカートリッジ374に含まれ得、ケースはスロット376を画定するように形成され得、ケースは、スロットへのカートリッジの挿入を介して導管に可逆的に結合され得る。例えば、ポンプ20がロータを有し、導管セクション31が蠕動ポンプチューブ33を有する実施形態では、カートリッジ374は、ロータが蠕動ポンプチューブに接触するようにスロット376に挿入され得る。ケースから導管を分離するために(例えば、尿ポンピング装置129を他の被験者に移す場合)、カートリッジは、オプションで解放機構の実行後に、スロットから単にスライドされ得る。
【0224】
別の例として、
図63A-B及び64A-Bを参照して以下にさらに説明するように、導管は1つ以上のラッチに結合され得、ケースは、ラッチがケースにラッチすることにより、導管に可逆的に結合し得る。代替的には、ケースは、導管のハウジングにラッチするように構成された1つ以上のラッチを有し得、それにより、ケースを導管に可逆的に結合する。
【0225】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、開始/停止ボタン298を有する。代替的に又は追加的に、制御ユニットは、導管をケースに結合するとき、及び導管をケースから外す前に押される挿入/取り出しボタン300を有し得る。(カートリッジを結合解除する前にボタン300を押すことは、前述の解放機構を実行し得る。)
【0226】
いくつかの実施形態では、制御ユニット130は、典型的にはタッチスクリーンを有する、ディスプレイ(又は「モニタ」)378をさらに有し得る。そのような実施形態では、コントローラ125は、ディスプレイ378を介して関連する出力を表示し、及び/又は関連する入力を受信するように構成される。代替的に又は追加的に、コントローラは、制御ユニットに有線又は無線で接続された別の周辺装置(患者モニタ、ディスプレイ、キーボード、マウスなど)又は別のコンピュータを介して、関連する出力を表示し、及び/又は関連する入力を受信するように構成され得る。
【0227】
いくつかの実施形態では、制御ユニット130は、例えば1つ以上のクランプ又はフックを有する結合機構380を有する。結合機構380を使用して、制御ユニットは、被験者のベッドの手すり又は任意の他の適切な構造に結合され得る。
【0228】
以下に詳細に説明するように、システム96の多くの変形は、本発明の範囲内にある。例えば、圧力センサ、リザーバ、及び/又は圧力レギュレータは、カテーテルコネクタ72、ハウジング74、又はカテーテル自体に接続又は統合され得る。(リザーバは圧力安全弁を有し得る又は圧力安全弁として機能し得る。)代替的に又は追加的に、キット370は、チューブ29の下流端において、尿収集バッグに接続するように構成されたバッグコネクタを有し得る。代替的に又は追加的に、キットは、尿収集バッグを有し得る。オプションで、バッグは、そこから尿を排出するための排出弁を有し得る。代替的に又は追加的に、バッグは、バッグ入口に一方向弁を有し得る。代替的に又は追加的に、キットは、例えば、被験者ID番号、シリアル番号、製造ロット番号、有効期限、キット較正パラメータ、セキュリティコード、キットタイプ、又は被験者に関連する測定パラメータを含むデータを格納するためのデータ記憶媒体(例えば、QRコード(登録商標)及び/又はメモリ)を有し得る。代替的に又は追加的に、キットは、上流圧力を増加させるための吸引リリーフチューブを有し得る。代替的に又は追加的に、カートリッジ374は、後述するクランプのようなポンプ20とインタフェース接続する(interface with)追加部品を含むことができる。
【0229】
一般に、コントローラ125は、本明細書に記載される他のプロセッサの各々に加えて、単一のプロセッサとして、又は協調的にネットワーク化された又はクラスタ化されたプロセッサのセットとして具現化され得る。コントローラ125の機能、及び/又は本明細書に記載される他のプロセッサのいずれかの機能は、例えば、1つ以上の固定機能又は汎用集積回路、特定用途集積回路(ASIC)、及び/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を用いて、ハードウェアのみで実装され得る。代替的には、この機能は、少なくとも部分的にソフトウェアで実装され得る。例えば、コントローラ125及び/又は本明細書に記載される他のプロセッサのいずれかは、例えば、中央処理装置(CPU)及び/又はグラフィックス処理装置(GPU)を含むプログラムされたプロセッサとして実施され得る。ソフトウェアプログラムを含むプログラムコード及び/又はデータは、CPU及び/又はGPUによる実行及び処理のためにロードされ得る。プログラムコード及び/又はデータは、例えば、ネットワークを介して、電子形式でコントローラ又はプロセッサにダウンロードされ得る。代替的に又は追加的に、プログラムコード及び/又はデータは、磁気、光学、又は電子メモリのような非一時的有形媒体に提供及び/又は記憶され得る。そのようなプログラムコード及び/又はデータは、コントローラ又はプロセッサに提供されると、本明細書に記載されたタスクを実行するように構成された機械又は特殊用途コンピュータを生成する。
【0230】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、システム96の概略図である
図65を参照する。
【0231】
いくつかの実施形態では、システム96は、少なくともいくつかの力付与要素(例えば、ポンプロータ)に結合され、制御ユニット130から分離されたケース336を含む。典型的には、ケース336は、制御ユニットから上流の導管セクション31に結合する。
【0232】
そのような実施形態では、ケース336は、任意の適切な接続媒体によって制御ユニット130(したがって、その中に含まれているコントローラに)に可逆的又は非可逆的に接続し得る。例えば、ポンプアクチュエータがケース336に結合される実施形態では、コントローラは、電気配線366を介してアクチュエータに接続され得、配線366を介して供給される電力の電圧、電流、デューティサイクル及び/又は周波数を制御することによってアクチュエータを制御し得る。代替的には、コントローラは、光ファイバを介してアクチュエータに接続され得、ファイバを介して供給される光の強度及び/又は波長を制御することによってアクチュエータを制御し得る。代替的には、コントローラは、チューブ内のワイヤ又はストリングを介してアクチュエータに接続され得、ワイヤ又はストリングに供給される(直線的又は半径方向の)機械力を制御することによってアクチュエータを制御し得る。同様に、アクチュエータが制御ユニット130内にある実施形態では、アクチュエータは、チューブ内のワイヤ又はストリングを介して上流ポンプコンポーネントを作動させ得る。
【0233】
代替的に又は追加的に、空気圧又は油圧感知及び/又はポンプ作動を含む実施形態では、制御ユニットは、1つ以上のチューブ368を介してケースに接続され得る。空気圧又は油圧作動を制御するために、コントローラは、例えば、空気圧縮機及び/又は1つ以上の弁を制御することによって、適切なチューブ368内の圧力を制御し得る。空気圧又は油圧感知のために、制御ユニットは、適切なチューブ368内の圧力を感知するように構成された圧力センサを有し得る。
【0234】
同様に、センサがケース336に結合される実施形態では、センサからの信号は、電気配線366、チューブ368、又は任意の他の接続媒体を介して制御ユニットに伝達され得る。センサは、例えば、リザーバ壁又はダイヤフラム430(
図67)の光学センサに向かう又は光学センサから離れるたわみを検出するように構成された光学センサを有し得る。
【0235】
一般に、前述の接続媒体は、制御ユニット130に恒久的に接続されてもよく、又は整合コネクタを介して可逆的に接続されてもよい。
【0236】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、システム96のいくつかのコンポーネントのブロック図を示す
図31を参照する。
【0237】
いくつかの実施形態では、
図1Aを参照して以下にさらに説明するように、蠕動ポンプ20は、1つ以上のローラ24を含むロータ22を有する。いくつかの実施形態では、ロータ22の回転は、本明細書で「ストローク」と呼ばれる分数回転に量子化される。典型的には、360度回転におけるストロークの数は、ローラ24の数と等しい;例えば、4つのローラでは、各回転は4つのストロークを含む。(より一般的には、任意のタイプのポンプについて、用語「ストローク」は、本明細書では、ポンプによって実行される単一のポンピング動作を指すために使用される。)
【0238】
典型的には、コントローラ125は制御論理モジュール184を実行し、この制御論理モジュールは、「リザーバ及びポンプ制御のためのセンサ」と題するセクションでさらに以下に説明するように、リザーバを監視するセンサ50、及び/又は1つ以上の他のセンサ(例えば、圧力センサ)からの出力に応答してポンプ20を制御する。ポンプが動作すると、制御論理モジュール184はポンプの活動に関するデータ(例えば、各ストロークの時間及び/又は連続するストローク間の時間)を計算論理モジュール186に伝達し、この計算論理モジュールもコントローラによって実行される。これらのデータに基づいて、計算論理モジュール186は、時間に応じた、ポンピングされた尿の量、ひいては尿排出及び/又は生成の速度を計算する。いくつかの実施形態では、「ノイズのフィルタリング及び表示」と題するセクションで以下にさらに説明されるように、計算論理モジュールはまた、計算に影響を及ぼす可能性のあるあらゆるノイズをフィルタリングする。そのようなノイズは、機械的又は生物学的要因に起因する可能性がある。
【0239】
上記のポンプ活動データに加えて、計算論理モジュールは、過去のストロークの経過数、経過時間(例えば、前回のストローク又は動作開始からの経過時間)、周囲温度、尿温度、ポンプ入口圧力、ポンプ出口圧力、較正パラメータ、又はポンプ速度などの任意の他の関連データに基づいて、各ストロークの体積を計算し得る。
【0240】
典型的には、制御ユニット130は、患者モニタ、専用ディスプレイ(例えば、ディスプレイ378(
図66B))、コンピュータネットワーク、ゲートウェイ、ナースステーションモニタ、携帯電話、タブレット、EMR、別のコンピュータ、及び/又は別のデバイス(例えば、静脈内ポンプ)に有線又は無線で接続される。(典型的には、
図55を参照して以下に説明するように、任意の有線接続はケーブルを通過する。)コントローラ125は、尿の生成に関連する計算されたパラメータなどの関連出力をこれらのエンティティのいずれかに通信する通信論理モジュール194をさらに実行し得る。オプションで、通信論理モジュール194は、被験者データ(例えば、被験者のID又は体重)又は警告閾値などの関連入力をこれらのエンティティのいずれかから受信し得る。
【0241】
典型的には、制御ユニット130は、前述のモジュールのソフトウェアコードを格納し得る、プログラムメモリ(例えば、フラッシュメモリ)188を有する。いくつかの実施形態では、制御ユニットはさらに、較正パラメータ、測定データ、被験者データ、又は警告閾値のようなデータを記憶し得る不揮発性メモリ(NVM)190を含む。代替的に又は追加的に、制御ユニットは、上述のモジュールを実行するためのランダムアクセスメモリ(RAM)192を有し得る。
【0242】
いくつかの実施形態では、システム96は、
図55を参照して以下にさらに説明されるように、コントローラ、ポンプ(特に、ポンプアクチュエータ)、及びセンサ50のようなシステムのコンポーネントに電力を供給するように構成される電源ボックス314をさらに有する。システム96は、制御ユニットが電源ボックスから切り離されたとき又は電源ボックスがコンセント(mains)から切り離されたときに、前述のコンポーネントに電力を供給するように構成される、1つ以上のバッテリ196をさらに有し得る。バッテリ196は、充電可能であり、電源ボックス314によって充電され得る。代替的には、システムは、電源ボックス314なしでバッテリ196を有し得る。
【0243】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、電源ボックス314に接続された制御ユニット130の概略図である
図55を参照する。
【0244】
いくつかの実施形態では、制御ユニット130は、電力と通信の両方に使用される単一のケーブル312に接続される。そのような実施形態では、制御ユニットが被験者のベッドに結合されていても、単一のケーブルだけを抜く必要があることを考えると、ベッドを移動することは比較的容易である。
【0245】
そのような実施形態では、制御ユニット130は、コントローラ125に接続され、コントローラがケーブル312を介して電力供給されるようにケーブル312に結合するように構成された電気インタフェース311を有する。(ポンプアクチュエータ及び/又はセンサのような尿ポンピング装置129の1つ以上の他のコンポーネントも、ケーブルを介して電力供給され得る。)制御ユニットは、コントローラに接続され、ケーブルに結合するように構成されたイーサネット(登録商標)ネットワーキングインタフェースのような通信インタフェース313をさらに有する。(オプションで、
図55に示すように、電気インタフェース311及び通信インタフェース313は、ユニバーサルシリアルバス(USB)タイプCコネクタのような単一のユニットに含まれてもよい。)
【0246】
コントローラは、通信インタフェース及びケーブルを介して関連する通信を交換するように構成される。例えば、通信インタフェース及びケーブルを介して、コントローラは、ポンピングされた尿の計算された体積、前述の体積から導出されたパラメータ(例えば、
図56を参照して後述するように、尿生成速度又はこの尿生成速度の代表的な変化率)、又は腹腔内圧(IAP)を出力し得る。代替的に又は追加的に、通信インタフェース及びケーブルを介して、コントローラは、操作コマンド(例えば、スタート又はストップコマンド)、被験者ID又は体重、又は警告閾値などの入力を受信し得る。
【0247】
典型的には、尿ポンピング装置129は、電力及び通信の交換を容易にする電源ボックス314をさらに有する。有利には、電源ボックスが静止していることを考慮すると、EMRは、電源ボックスからの通信に基づいて被験者を位置特定し得る。
【0248】
電源ボックス314は、病院の交流(AC)コンセント使用電源に接続するための主電源コネクタ316を有する。電源ボックスはさらに、1つ以上の通信ポート318を有し、各ポートは、患者モニタ、病院ネットワーク、EMR、又は他の適切な装置又はシステムに接続され得る。電源ボックスはさらに、サージプロテクタ、電磁干渉(EMI)フィルタ、無線周波数干渉(RFI)フィルタ、又はアイソレータなどの通信回線に関連する1つ以上の電子部品を有し得る。代替的に又は追加的に、電源ボックスは、コントローラと、通信ポートが接続されている装置又はシステムとの間の通信を仲介するための回路を有し得る。
【0249】
いくつかの実施形態では、電源ボックスは、被験者のID及び/又は生理学的パラメータのような、被験者に関連する情報を格納するように構成された不揮発性メモリをさらに有する。電源ボックスにこれらのデータを格納する利点は、制御ユニットが交換されても、データが電源ボックスから復元され得ることである。
【0250】
いくつかの実施形態では、被験者のベッドの移動をさらに容易にするために、制御ユニットは、ケーブル312の端部で分離コネクタと接合するように構成された分離コネクタを含む。分離コネクタは、分離コネクタを互いに引き離す力が、2つのコネクタを一緒に保持する力を超えたときに、互いに分離するように構成される。例えば、分離コネクタは、磁石、バネ、コネクタの壁間の摩擦、又はバキューム力によって相互に結合され得る。
【0251】
代替実施形態では、外部電源ボックスの代わりに、制御ユニットは、統合された電源を有し、上述した電源ボックス314のコンポーネントは、制御ユニットに統合される。
【0252】
システム96の様々な態様が、本明細書でさらに詳細に説明される。
【0253】
ポンプ
【0254】
I.押圧要素を備えたポンプ
【0255】
(a)蠕動ポンプ
【0256】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、蠕動ポンプ20の概略図である
図1Aを参照する。
【0257】
図66A-Bを参照して上述したように、いくつかの実施形態では、導管に力を加え、それによって尿を下流に押し込む力付与要素は、押圧要素とアクチュエータを有し、このアクチュエータはコントローラ125によって制御される。
【0258】
例えば、尿ポンピング装置は、蠕動ポンプ20を有し得る。いくつかの実施形態では、蠕動ポンプは、複数の(例えば、4つの)ローラ24を有するロータ22を有する。ロータ22は、アクチュエータによって加えられたトルクに応答して、蠕動ポンプチューブ33(
図66A)を押しながら回転するように構成され、それによって、チューブからの尿をロータの回転方向に対応する方向に動かす。アクチュエータは、直流(DC)モータ、ステッパーモータ、ブラシレスモータ、空気若しくは油圧モータ、又は空気若しくは油圧ピストンを有し得る。
【0259】
典型的には、ポンプ20は、この動作を容易にするために、蠕動ポンプチューブをロータ22にクランプするように構成されたクランプ26をさらに有する。いくつかの実施形態では、
図36A-B及び39A-Cを参照して以下に説明するように、クランプ26はバネに結合され、このバネはクランプをロータに押し付ける。代替的に又は追加的に、
図41-46を参照して以下に説明するように、1つ以上のバネがロータに結合され得る。
【0260】
典型的には、ロータ22は、ポンプベース36に結合された軸32に取り付けられ、軸の周りに回転する。いくつかの実施形態では、ポンプベース36は、その機能がすぐ下に記述される一対のソケット30を画定するように形成される。ポンプベース36は、例えば、制御ユニット130(
図66B)内に収容され得る。
【0261】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による蠕動ポンプチューブ33の概略図である
図1B、及び本発明のいくつかの実施形態による蠕動ポンプチューブに機械的に結合されたポンプ20の概略図である
図1Cをさらに参照する。
【0262】
いくつかの実施形態では、U形状であり得る一対のチューブアンカー34が、例えば、チューブがチューブアンカーによってベースに対して保持されるようにソケット30に収納されることによって、蠕動ポンプチューブをクランプ26の上流及び下流の両方のベース36に固定する。有利には、チューブアンカーは、チューブアンカー間のチューブ33の部分が引き伸ばされる又は圧縮されるのを抑制し、それによって、ポンプ20によってチューブから移動される尿の量のより正確な計算を容易にする。そのような実施形態では、カートリッジ374(
図66A)は、カートリッジが(ポンプベースを含む)制御ユニットに挿入されると、チューブアンカーがソケットに入るように、チューブアンカー34を有し得る。
【0263】
他の実施形態では、チューブアンカー34は(永久的に)チューブ33をカートリッジに固定し、ソケット30は省略される。
【0264】
図1Cは、チューブ33をロータ22に押し付け、それによってチューブをロータに機械的に結合するクランプ26を示す。クランプのシルエット38は、機械的結合の前のクランプの初期位置を示す。
【0265】
「リザーバ及びポンプ制御のためのセンサ」と題するセクションで後述するように、蠕動ポンプ20は、様々なタイプのセンサ信号に応答して制御され得る。
【0266】
(b)往復動ポンプ
【0267】
本発明のいくつかの実施形態による往復動ポンプ20aと導管セクション31の概略図である
図63A-Bを参照する。
【0268】
いくつかの実施形態では、尿ポンピング装置129(
図66B)は、プランジャ350(又は他のタイプの押圧要素)及びアクチュエータ352を有する往復動ポンプ20aを有する。コントローラからの制御信号に応答して、アクチュエータは、プランジャが導管セクションを繰り返し押圧するようにプランジャ350を前進及び後退させ、それによって導管セクションから尿を移動させる。典型的には、プランジャ及びアクチュエータは、例えば制御ユニット内で制御ユニット130(
図66B)に結合され得るケース348に結合される。(
図66Bを参照して上述したように、制御ユニット自体を「ケース」と呼ぶこともできる。)
【0269】
このような実施形態では、典型的には、導管セクション31は、ポンプチャンバ276を囲むチャンバハウジング342を有する。ポンプ20aに面しているチャンバハウジング342の前壁は、可動壁343によって占められる(filled)開口部を画定するように形成されている。導管セクション31及びポンプ20aは、プランジャが前進すると、プランジャが可動壁343を押すように、互いに結合するように構成される。
【0270】
導管セクション31は、入口弁274によってポンプチャンバ276から分離される入口ポート338をさらに有する。入口ポート338は、被験者の腎臓によって尿が生成されると、尿が入口ポート338及び入口弁274を介してポンプチャンバに流入するように、尿道カテーテル(必要に応じて、カテーテルコネクタ72及び/又はチューブ28(
図66A)を介して)に結合するように構成される。
【0271】
導管セクション31は、出口弁284によってポンプチャンバ276から分離される出口ポート340をさらに有する。出口弁284は、バイアスバネ286によって閉じた状態に保持され得る。プランジャが可動壁343を押すと、ポンプチャンバの容積が減少し、尿が出口弁284を通って出口ポート340に押し込まれるように、可動壁は内側に移動する。出口ポート340は、出口チューブ29(
図66A)に結合される又は尿収集バッグに直接結合される。
【0272】
導管セクション31及びポンプ20aは、任意の適切な機構を用いて互いに結合し得る。例えば、導管セクションは、
図66Bを参照して上述したように制御ユニット130に挿入され得るカートリッジ374に収容され得る。代替的には、例えば、ハウジング342は、ケース348にラッチする1つ以上のラッチ346に結合され得る。例えば、ケース348の側壁は、導管セクション31に面するケース348の前面開口の中央に向かって内側に突出するそれぞれの前面突出部354を有し得る。ラッチ346は、
図63Bに示されるように、前面突出部を通過すると、ラッチが外側に(すなわち、横向き)スナップし、前面突出部にラッチされるように、前面開口を通って前面突出部354の間に挿入され得る。代替的には、前面突出部354は外側を向いていてもよく、ラッチは内側にスナップし、前面突出部にラッチしてもよい。
【0273】
いくつかの実施形態では、可動壁343はダイヤフラム344を有する。各ポンプストロークの間、プランジャがダイヤフラム344をその弛緩位置356からチャンバ276内に押し込み、それによって出口弁284及び出口ポート340を通して尿を押し込むように、アクチュエータ352はプランジャ350を前進させる。いくつかの実施形態では、プランジャの前進は、ストロークの開始時に実行される。前進に続いて、ダイヤフラムが弛緩位置356に戻り、尿が入口ポート338から入口弁274を通ってチャンバ内に引き込まれるように、プランジャが後退される。他の実施形態では、各ポンプストローク中に、アクチュエータは、最初にプランジャを後退させ、それによって尿をチャンバ内に引き込み、次にプランジャを前進させ、それによって尿をチャンバから押し出す。
【0274】
アクチュエータ352は、電気アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、又は油圧アクチュエータを含み得る。例えば、アクチュエータは、電気ソレノイド、リニアモータ、リードネジ付きモータ、ボールネジ付きモータ、ローラネジ付きモータ、又は移動ナット付きモータを含み得る。代替的には、アクチュエータは、DCモータ、ステッパーモータ、ブラシレスモータ、空気圧モータ又は油圧モータ、又は空気圧ピストン又は油圧ピストンを含み、これらのいずれかは、リニア作動のためにカムシャフトに結合されてもよい。アクチュエータは、制御線(図示せず)によってコントローラに接続される。
【0275】
次に本発明の他の実施形態による往復動ポンプ20aと導管セクション31の概略図である
図64A-Bを参照する。
【0276】
いくつかの実施形態では、ハウジング342は、シリンダを有し、シリンダ360は、チャンバ内に開口する(したがって、チャンバ276と流体連通する)。可動壁343は、シリンダ360内に配置されたピストン358を有する。各ポンプストロークの間、アクチュエータ352は、プランジャがピストン358を押すようにプランジャ350を前進させ、それによって出口弁284を通して尿を押し出す。プランジャは、
図63A-Bについて上述したように、各ストロークの開始又は終了時に前進させられ得る。
【0277】
いくつかの実施形態では、ピストン358は、プランジャ350のプランジャヘッド364を嵌合して受け入れるように構成されるソケット362を画定するように形成される。したがって、プランジャが後退すると、プランジャはピストンを一緒に引っ張る。
【0278】
後述の「リザーバ及びポンプ制御のためのセンサ」と題するセクションで説明するように、往復動ポンプ20aは、種々のタイプのセンサ信号に応答して制御され得る。
【0279】
II.力を加えるための流体充填チューブを備えたポンプ
【0280】
いくつかの実施形態では、押圧要素で導管を押圧する代わりに、ポンピング力が、チューブ内に含まれる流体、すなわち、ガス又は液体を介して導管に加えられる。流体の圧力が増加すると、流体は導管の可動壁を移動させる。
【0281】
この点に関して、本発明のいくつかの実施形態によるシステム96の概略図である
図50を参照する。
【0282】
図50の実施形態は、ピストン358の動きがポンプチャンバ276を通って尿を流れるようにする
図64A-Bの実施形態と同様である。しかし、
図50では、ピストン358は空気圧力又は油圧力によって動かされる。特に、シリンダ360は、流体充填チューブに結合するように構成された(又は永久的に結合された)接続ポート282で終端する。典型的には制御ユニット130内に配置されるアクチュエータ352が流体の圧力を変化させると、ピストン358はポンプチャンバの対向壁に向かって前進又は後退する。
【0283】
いくつかの実施形態では、導管セクション31は3つの別々のチューブに結合される。特に、出口ポート340は出口チューブ29に結合され(
図66A)、接続ポート282は流体充填チューブ291に結合され(
図58)、別の接続ポート86は(流体充填)圧力伝達チューブ406に結合され(
図58)、これは後述の「リザーバ及びポンプ制御のためのセンサ」と題するセクションでさらに説明されるようにセンシングに使用される。このような実施形態では、流体充填チューブ291及び406は(非使い捨て)尿ポンピング装置に属し得る。代替的には、流体充填チューブ291及び406は、導管セクションに恒久的に結合され、したがって使い捨てキットに属し得る。
【0284】
他の実施形態では、接続ポート282及び接続ポート86は、導管セクション31が合計で2つのチューブに結合されるように、単一チューブの異なるそれぞれの流体充填管腔に結合される。また、そのような実施形態では、流体充填チューブは、尿ポンピング装置又は使い捨てキットに属し得る。
【0285】
さらに他の実施形態では、出口ポート340及び2つの接続ポートは、使い捨てキットに属するマルチルーメンチューブ294の異なるそれぞれの管腔に結合される。特に、接続ポート86は圧力測定管腔288に結合され、接続ポート282は圧力付与管腔290に結合され、出口ポート340は尿管腔292に結合され、この尿管腔は尿収集バッグ78につながる。
【0286】
アクチュエータ352は、マルチルーメンチューブ294、又は別個の流体充填チューブを、接続ポート282及び/又はアクチュエータに可逆的に結合することにより、導管セクション31に可逆的に結合され得る。この結合には、当技術分野で公知の任意の適切なチューブコネクタが使用され得る。
【0287】
いくつかの実施形態では、入口ポート338の上流端部262は、カテーテルコネクタ72に結合される又は尿道カテーテル124に直接結合される。他の実施形態では、上流端部262は、尿道カテーテルから尿を搬送するチューブに結合される。
【0288】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による導管セクション31の概略図である
図52Aを参照する。
【0289】
図52Aでは、導管セクション31は、導管セクション31がピストン358の代わりにダイヤフラム344を含むことを除いて、
図50に示されるとおりである。ダイヤフラム344のエッジは、シリンダ360の壁に固定される。シリンダ360内の圧力が変化すると、ダイヤフラムは、ポンプチャンバの対向する壁に向かって又はそこから離れて膨張する。
【0290】
ここで、本発明の異なるそれぞれの実施形態による制御ユニット130の概略図である
図53及び59を参照する。
【0291】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ352は、作動コンポーネント302、作動コンポーネント302に結合されたネジ304、及びネジ304の端部に結合されたピストン306を有する。ピストン306は、チャンバ308内に配置され、そのコンパートメント310は圧力付与管腔290(又は別個の流体充填チューブ)と流体連通している。いくつかの実施形態では、作動コンポーネント302は、DCモータ、ブラシレスモータ、又はステッパーモータなどのモータを有する。
【0292】
圧力付与管腔290内(したがって、シリンダ360内(
図50))の圧力を増加させるために、コントローラ125は、ピストン306がコンパートメント310内に前進するように作動コンポーネント302を駆動してネジを回転させ、それによって圧力付与管腔290内の流体を圧縮する。逆に、圧力付与管腔内の圧力を減少させるために、コントローラは、作動コンポーネントを駆動してネジを反対方向に回転させる。いくつかの実施形態では、コントローラは、コンパートメント310内の圧力を感知する圧力センサからの信号に応答して作動コンポーネントを制御する。
【0293】
他の実施形態では、ネジ304は省略され、作動コンポーネント302は、ピストン306に直接結合されたリニア作動ソレノイドを有する。
【0294】
以下の「リザーバ及びポンプ制御のためのセンサ」と題するセクションでさらに説明されるように、圧力センサ88は、圧力測定管腔288(又は別の流体充填チューブの管腔)に結合され、管腔内の圧力を示す信号をコントローラに伝達するように構成され得る。
【0295】
いくつかの実施形態では、
図53に示されるように、圧力測定管腔288が圧力センサ88と流体連通し、圧力付与管腔290がチャンバ308と流体連通するように、マルチルーメンチューブが制御ユニット130に挿入される(又は別の流体充填チューブが挿入される)。他の実施形態では、
図59に示されるように、制御ユニットはコネクタ382を介してチューブ(複数可)に接続される。(
図59はまた、例えば、生成された尿の量又は速度を示し得るコントローラからの出力信号384を示す。)
【0296】
次に、本発明の他の実施形態による制御ユニット130の概略図である
図57を参照する。
【0297】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ352は、ガス(例えば、空気)を、入口弁388を通ってチャンバ308内に送り込むように構成されたポンプ386を有する。出口弁390は、チャンバ308から圧力付与管腔290(
図50)又は別個のガス充填チューブへのガスの流れを調節し、第3の弁(図示せず)は、圧力付与管腔からのガスの放出を調節する。ガスは、周囲の環境又はチャンバ308に類似した別のチャンバに放出され、ポンプ386に類似した別のポンプによって大気圧以下に維持される。
【0298】
圧力付与管腔の圧力を増加させるために、コントローラ125は、出口弁390を開く。逆に、圧力付与管腔の圧力を減少させるために、コントローラは、圧力付与管腔からガスが放出されるように、第3の弁を開く。
【0299】
コントローラ125はまた、出口弁が開かれるたびに、圧力付与管腔の圧力を所望の目標値に上昇させるのに十分な量のガスでチャンバ308が満たされた状態を保つように、ポンプ386を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラは、チャンバ308内の圧力を感知する圧力センサからの信号に応答してポンプを制御する。
【0300】
さらに、上述のようにガスが他のチャンバ内に放出される場合、コントローラは、第3の弁が開かれるたびに、所望の目標値に達するまでガスが他のチャンバ内に吸引されるように、他のチャンバ内の圧力を十分に低く保つように他のポンプを制御する。いくつかの実施形態では、コントローラは、他のチャンバ内の圧力を感知する圧力センサからの信号に応答して他のポンプを制御する。
【0301】
図53、57、及び59の実施形態は、ここでは例としてのみ提示され、任意の適切なアクチュエータが導管セクションに空気圧力又は油圧力を加えるために使用され得ることが強調される。このようなアクチュエータは、一方が可動壁を一方向に移動させるためのものであり、他方が可動壁を反対方向に移動させるためのものである2つの出力を有し得る。第2の出力に適応させるために、マルチルーメンチューブ294(
図51)は、追加の流体充填管腔を画定するように形成され得る。
【0302】
次に、本発明のいくつかの実施形態によるシステム96の概略図である
図58を参照する。
【0303】
いくつかの実施形態では、システム96の力付与要素は、2つのコンポーネント:(例えば、
図57又は
図59を参照して上述したように)流体充填チューブ291内の圧力を変化させるアクチュエータ352、及び圧力に応答してシャフト398を移動させる別のアクチュエータ396を有する複合アクチュエータを有する。代替的には、第1のアクチュエータは、チューブを通るケーブルに直線的又は半径方向の力を付与し得、アクチュエータ396は、力に応答してシャフト398を移動させ得る。
【0304】
このような実施形態では、システム96は、任意の適切な容積型ポンプ394を有し得る。例えば、ポンプ394は、蠕動ポンプ20(
図66B)を有し得、シャフト398は、ロータ又はポンプのリニア並進要素に結合され得る。代替的には、例えば、ポンプ394は、往復動ポンプ20a(
図63A-B及び64A-B)を有し得、シャフト398は、プランジャ350に結合され得る又はプランジャ350を有し得る。
【0305】
さらに
図58に示すように、流体充填チューブ291がアクチュエータと流体連通し、圧力伝達チューブ406が圧力センサ88と流体連通するように、流体充填チューブ291及び圧力伝達チューブ406(その機能は、次のセクションで後述する)は、それぞれのコネクタ400を介してコネクタ382に結合され得る(
図57)。同様に、ケーブルキャリングチューブが圧力伝達チューブ406の代わりとなる実施形態では、制御ユニット内のアクチュエータがケーブルに力を加えることができるように、ケーブルキャリングチューブはコネクタ400を介して結合され得る。
【0306】
リザーバ及びポンプ制御のためのセンサ
【0307】
ここで本発明のいくつかの実施形態による使い捨てキット370の概略図である
図12A-Bを参照する。
【0308】
図66Aを参照して上述したように、キット370の導管371は、ポンプから上流のリザーバ40を有し得る。リザーバ40は、センサ50とともに、ハウジング74又はカテーテルコネクタ72に収容され得る。典型的には、リザーバ40は、尿がチューブ75に流れ込むにつれて膨張するように構成された膨張可能なチューブ75を有する。例えば、膨張可能なチューブ75は、尿が膨張可能なチューブに流れ込むにつれて、そのデフォルト(又は「弛緩」)状態から外側に膨張し、その後、尿がポンプで送り出されるにつれて、そのデフォルト状態に潰れて戻り得る。代替的には、膨張可能なチューブは、尿がポンプで送り出されるにつれて、そのデフォルト状態から内側に潰れ得、その後、尿が流れ込むにつれて、そのデフォルト状態に再び膨張し得る。
【0309】
センサ50は、リザーバ内の尿の量を示すパラメータを監視し、パラメータの値を示す信号をコントローラに伝達するように構成される。いくつかの実施形態では、例えば、
図67を参照して後述するように、ワイヤ又は光ファイバのような信号伝送要素76が、信号をコントローラに搬送する。(信号伝送要素76は、チューブ28に沿って、又はチューブ28の管腔内を延び得る。)他の実施形態では、センサ50は、信号を無線で送信するように構成された無線送信機を有する。
【0310】
図66A及び
図1B-Cを参照して上述したように、導管371は、出口チューブ29を介して尿収集バッグ78に接続される蠕動ポンプチューブ33をさらに有し得る。(
図1Cを参照して上述したように、蠕動ポンプチューブ33は、
図12A-Bにおいて破線で示されるように、ポンプベース36に可逆的に結合するように構成される。)代替的には、例えば、
図63A-B及び64A-Bを参照して上述したように、導管371は、ポンプチャンバ276を有し得、出口ポート340は、出口チューブ29を介して尿収集バッグ78に接続され得る。
【0311】
(同様に、
図12A-Bに示されるようなリザーバ40及びセンサ50が、任意の適切なタイプの導管セクション及びポンプと組み合わせることができるのと同じように、
図13及び
図67のような他の図を参照して以下に説明する実施形態は、これらの図に示される特定の導管セクション又はポンプにかかわらず、任意の適切なタイプの導管セクション又はポンプと組み合わせることができることに留意されたい。)
【0312】
いくつかの実施形態では、
図12Aに示されるように、リザーバ40は、その上流端でカテーテルコネクタ72に(又は尿道カテーテルに直接)、その下流端でチューブ28に結合される(例えば、ハウジング74及び/又は介在チューブを介して)。他の実施形態では、
図12Bに示されるように、リザーバ40は、チューブ28内の横方向開口部77を介してチューブ28と流体連通している。
【0313】
図12A-Bについてのセンサ50の例示的な実施形態は、「例示的なリザーバ及びセンサ」のセクションで説明する。
【0314】
次に、本発明のいくつかの実施形態による使い捨てキット370の概略図である
図13を参照する。
【0315】
いくつかの実施形態では、流体充填毛細管管腔84(本明細書では「圧力伝達チューブ」とも呼ばれる)を画定するように形成された圧力伝達チューブ82は、その上流端部でハウジング74に結合され、その結果、圧力伝達管腔84は、膨張可能チューブ75とハウジングの壁との間でハウジング74の容積80と流体連通している。(代替的には、カテーテルコネクタ72(
図12A-B)がチューブ75を有する実施形態では、圧力伝達チューブ82をカテーテルコネクタに直接結合され得る。)容積80及び管腔84は、空気又は他のガスで充填される。
【0316】
このような実施形態では、センサ50(通常、使い捨てキットではなく尿ポンピング装置に属する)は、圧力センサ88を含む。圧力伝達チューブ82は、その下流端で接続ポート86に結合されており、接続ポートは、圧力センサが管腔84及び容積80内の内圧を感知するように、圧力センサ88に接続するように構成される。リザーバ40が膨張し(又は「膨らみ」)、収縮する(又は「しぼむ」)と、管腔84及び容積80内の内圧が変化する。したがって、内圧はリザーバ内の尿の量を示す。
【0317】
いくつかの実施形態では、キット370は、チューブ82の管腔と同様に機能する圧力伝達チューブを画定するように形成されたマルチルーメンチューブと、(チューブ28の管腔と同様に)尿を運ぶ又は他の機能を果たし得る少なくとも1つの他の管腔とを有する。
【0318】
次に、本発明のいくつかの実施形態によるカテーテルコネクタ72の概略図である
図14を参照する。
【0319】
図14は、リザーバ40がカテーテルコネクタ72内に配置される
図13の変形例を示す。このような実施形態では、チューブ28は、チューブ28がリザーバ40の内部容積と流体連通するように、カテーテルコネクタの第1ポート90aに結合され、チューブ82は、毛細管管腔84が容積80と流体連通するように、カテーテルコネクタの第2ポート90bに結合され得る。代替的には、マルチルーメンチューブの異なるそれぞれのルーメンは、第1ポート90a及び第2ポート90bに結合され得る。
【0320】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、デュアルルーメンチューブ92の概略図である
図15を参照する。
【0321】
いくつかの実施形態では、導管371は、2つの管腔:リザーバ40から尿を運ぶためのより広い管腔27、及び圧力伝達のための毛細管管腔84を画定するように形成されたデュアルルーメンチューブ92を含む。
【0322】
そのような実施形態では、リザーバ40(例えば、膨張可能なチューブ75を有する)と容積80は、チューブ92に統合され得る。特に、(i)チューブ92の外壁及び(ii)管腔84を管腔27から隔てる内壁よりも薄い(したがってより柔軟である)リザーバの壁94は、壁94がリザーバ内部の圧力の変化の結果として膨張又は収縮すると、区画容積80及び管腔84の内の圧力が変化するように、チューブ92の区画を通過し得る(事実上、そのような実施形態では)
【0323】
次に、本発明のいくつかの実施形態によるシステム96の概略図である
図20を参照する。さらに、本発明のいくつかの実施形態による
図20による使い捨てキット370の概略図である
図21を参照する。(換言すれば、
図21は、
図20の使い捨てコンポーネントを示す。)
【0324】
いくつかの実施形態では、使い捨てキット370は、リザーバ40及び導管セクション31の両方が制御ユニット130内に配置されるように、尿ポンピング装置129に結合するように構成される。例えば、リザーバ及び導管セクションが両方制御ユニットに結合され得るように、リザーバはチューブ28の下流、導管セクション31の近くに配置され得る。(例えば、リザーバ部及び導管セクションは両方カートリッジ374内に配置され得、カートリッジは制御ユニットのスロット376(
図66B)に挿入され得る。)チューブ28の上流端は、被験者の膀胱122をカテーテル処置する尿道カテーテル124(例えば、フォーリーカテーテル)に接続され得る(例えば、カテーテルコネクタ72を介して)。
【0325】
いくつかのそのような実施形態では、制御ユニット130は、リザーバが制御ユニットに結合される位置の近く、例えば、制御ユニットのスロットの近くに配置されるセンサ50を有する。他のそのような実施形態では、センサはキット370に属する;例えば、センサは、カートリッジ374(
図66B)内に、リザーバの近くに配置され得る。いずれの場合も、
図12A-Bを参照して上述したように、コントローラ125は、センサ50から信号を受信し、それに応答してポンプ20を制御する。
【0326】
センサがキットに属する実施形態では、
図67を参照して以下に説明するように、信号伝送要素76は、第1の電気インタフェースで終端し得る。キットが尿ポンピング装置に結合されると(例えば、カートリッジがスロットに挿入されると)、第1の電気インタフェースは、センサからの信号がコントローラに到達するように、コントローラに接続された第2の電気インタフェースと結合し得る。
【0327】
コントローラ125は、さらに、患者モニタ、ディスプレイ378(
図66B)及び/又は外部ディスプレイ(例えば、医者の部屋のディスプレイ)、電子カルテ(EMR)、及び/又は、医師の携帯電話又はタブレットに属するプロセッサのような別のコンピュータプロセッサ127に、有線又は無線で出力を通信し得る。オプションで、コントローラから別のデバイスへのすべての通信は、ゲートウェイ、サーバ、又はクラウドを介して配信され得る。
【0328】
いくつかの実施形態では、システム96は、さらに、尿収集バッグ78をドレナージチューブ128に排出するためのドレナージ弁126を有する。
【0329】
次に、本発明のいくつかの実施形態によるシステム96の概略図である
図22を参照する。さらに、本発明のいくつかの実施形態による
図22による使い捨てキット370の概略図である
図23を参照する。(換言すれば、
図23は、
図22の使い捨てコンポーネントを示す。)
【0330】
図20とは対照的に、
図22では、リザーバ40はチューブ28から上流にある(例えば、
図12A-Bのように)。また、
図22は、出口チューブ29の下流端が、接続チューブ135を介してバッグ78に接続されたバッグコネクタ136に結合するように構成されたノンスピルコネクタ134に結合されるという点で、
図20と異なる。バッグコネクタ136は、以下の「交換可能な流体バッグのためのバッグコネクタ」と題するセクションで説明される。
【0331】
(上記にもかかわらず、
図22のようにコネクタを用いてもよいし、
図20のようにドレナージ弁を用いてもよい。)
【0332】
図23に示されるように、信号伝送要素76は、コントローラに接続するための電気及び/又は光コネクタ138で終端し得る。コネクタ138は、例えば、電気インタフェース428a(
図67)を有し得る。
【0333】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、導管セクション31と共に往復動ポンプ20aの概略図である
図67を参照する。
【0334】
図67は、尿ポンピング装置が導管セクションに結合されている場合に、(例えば、ケース348に結合されることによって)尿ポンピング装置に属する(非使い捨て)センサが、導管セクション又はリザーバのような導管の上流部分における尿の量によって変化するパラメータを感知し得るいくつかの技術を示す。(典型的には、これらの技術のうちの1つのみが、与えられた実施形態において実装される。)
図12A-Bを参照して上述したように、
図67は往復動ポンプ20aを示すが、これらの技術のいくつかは、蠕動ポンプのような別のタイプのポンプで実装され得る。
【0335】
そのような技術の1つによれば、圧力伝達管腔84は、
図13-15を参照して上述したように、上流リザーバ内の尿の量に応じて変化する流体圧を伝達する。圧力センサ88は、圧力伝達チューブ406に接続される。尿ポンピング装置が導管セクションに結合されると、チューブ406は接続ポート86に結合し(例えば、接続ポートをスライドすることによって)、それによって圧力センサが管腔84内の流体圧を感知するように圧力伝達チューブ84を効果的に延ばす。
【0336】
代替的には、圧力センサは、導管セクション自体に結合された圧力伝達チューブを介して流体圧を感知し得る。
【0337】
例えば、圧力測定チューブ410は、チャンバ276の入口ポート338(又は、蠕動ポンプ又は他の容積型ポンプの場合には、チューブ28の下流部分)に接続され得る。接続ポート86は、圧力測定チューブ410の端部に配置され得、ダイヤフラム430が、圧力測定チューブに沿った任意の点で(例えば、圧力測定チューブの端部で、圧力測定チューブと入口ポートの間で)、接続ポート86の後方に配置され得る。導管セクションが尿ポンピング装置に結合されると、圧力伝達チューブ406は、接続ポート86に結合される。したがって、ポンプチャンバ276内、上流リザーバ内、及び/又は膀胱内の尿の量の変化に起因する導管内の圧力の変化は、ダイヤフラム430をチューブに向かって又はチューブ406から遠ざけて膨張させ、それによってチューブ406内の流体圧を変化させる。これらの変化は、圧力センサ88によって感知される。
【0338】
代替的には、接続ポート86は、例えば、ダイヤフラム344に隣接して、チャンバハウジング342の前面壁(すなわち、ポンプ20aに面した壁)に結合されてもよく、ダイヤフラム430は、接続ポートの背後に配置されてもよい。接続ポート86を通るチューブ406のスライドに続いて、ポンプチャンバ内の尿の量の変化は、ダイヤフラム430をチューブに向かって又はチューブ406から遠ざけて膨張させ、それによってチューブ406内の流体圧を変化させる。これらの変化は、圧力センサ88によって感知される。
【0339】
代替的には、リザーバ40は入口ポート338(又は、蠕動ポンプ又は他の容積型ポンプの場合には、チューブ28の下流部分)に配置され得、センサ50は、例えば、下記の「例示的なリザーバ及びセンサ」と題するセクションで説明するように、リザーバを監視し得る。
【0340】
さらに別の代替として、アクチュエータ352はセンサとして機能し得る。
【0341】
例えば、アクチュエータは、導管内の圧力に応じて変化する、導管によって押圧要素(例えば、プランジャ350)に加えられる力を測定し得、コントローラは、力に応答してアクチュエータを制御し得る。例えば、アクチュエータ352がソレノイドを有する実施形態の場合、ソレノイドは、プランジャ350に加えられる変化する力に起因する磁場の変化を感知し得る。代替的には、プランジャを動かすのに十分でない少量の電流が印加されてもよく、電流の変化が測定されてもよい。
【0342】
別の例として、アクチュエータは、導管内の圧力及び/又は体積に応じて変化する押圧要素(例えば、プランジャ350)の位置を検出するように構成されたエンコーダを有し得、コントローラは、位置に応答してアクチュエータを制御し得る。
【0343】
【0344】
図50及び58では、
図67に示される一実施形態のように、圧力測定チューブ410がポンプの入口に接続され、ダイヤフラム430が圧力測定チューブと入口の間(
図50)又は圧力測定チューブ内(
図58)に配置される。圧力測定管腔288(
図50)又は圧力伝達チューブ406の管腔(
図58)のような流体充填管腔が接続ポート86に結合され、圧力センサ(例えば、制御ユニット130内)が導管内の内圧によって変化する流体の圧力を感知するために流体充填管腔に結合される。
【0345】
膀胱内に尿が蓄積すると、ポンプ入口における圧力の増加がダイヤフラム430を入口から遠ざけてたわませ、その結果、圧力測定管腔288又は圧力伝達チューブ406内の圧力が増加する。コントローラは圧力センサからの出力信号に基づいてこの増加を検出する。所定の閾値に達する圧力に応答して、コントローラは1つ以上のポンピングストロークを実行し得る。
【0346】
【0347】
各ストロークは、初期位置のダイヤフラム430、初期圧力の圧力測定チューブ410及び圧力測定管腔288から始まる。
【0348】
いくつかの実施形態では、各ストロークにおいて、コントローラは、ピストン358が後退され(すなわち、ポンプチャンバが膨張し)、尿が入口弁274を通って膀胱からポンプチャンバ内に吸引されるように、最初にアクチュエータ352を駆動してシリンダ360内の圧力を低下させる。(場合によっては、膀胱から尿を吸引することで膀胱が空になる。)その後、コントローラは、ピストンが前進するように、アクチュエータを駆動して圧力を上昇させる。ポンプチャンバ内の圧力が上昇するため、入口弁274は閉じ、出口弁284は開き、尿は出口ポート340から尿管腔292を通って尿収集バッグ78に流れ出る。
【0349】
尿のポンピングは膀胱内の圧力を低下させる。この圧力低下の結果、ダイヤフラム430はその初期位置から入口ポートに向かって膨張し、したがって、圧力測定チューブ410及び圧力測定管腔288内の容積が増加する。この容積増加の結果、圧力測定チューブ410及び圧力測定管腔288内の圧力は初期値から減少する。
【0350】
ポンピングに続いて、膀胱は腎臓によって生成された尿で補充され始め、その結果、入口ポート338の圧力が上昇し、ダイヤフラム430は初期位置に戻り、圧力測定チューブ410及び圧力測定管腔288は初期圧力に戻る。初期圧力に戻ることに応答して、コントローラは、1つ以上のストロークの別のセットを開始する。
【0351】
他の実施形態では、各ストロークにおいて、コントローラは、最初にピストンを前進させ、それによって、上述したように、ポンプチャンバから尿を送り出す。続いて、コントローラは、シリンダ360内の圧力を低下させることによってピストンを後退させ、それによって、より多くの尿をポンプチャンバに吸引する。
【0352】
いくつかの実施形態では、ストロークの数は事前に定義されている。他の実施形態では、コントローラは、圧力測定チューブ410及び圧力測定管腔288内の圧力が別の事前に定義された閾値に達するまで、一連の1つ以上のストロークを実行する。
【0353】
いくつかの実施形態では、ダイヤフラム430は弾性である。そのような実施形態では、各ストロークに続いて、ダイヤフラムは、有利には、ポンプがアイドル状態であっても膀胱から尿が引き出されるように、膀胱に吸引力を及ぼす。他の実施形態では、ダイヤフラム430は弾性ではない。しかしながら、そのような実施形態でも、圧力測定チューブ410及び圧力測定管腔288内の負圧は、有利には、ポンプがアイドル状態であっても膀胱から尿が引き出されるように、膀胱に吸引力を及ぼす。
【0354】
次に、本発明のいくつかの実施形態によるシステム96の概略図である
図51を参照する。さらに、本発明のいくつかの実施形態による導管セクション31の概略図である
図52Bを参照する。また、
図51及び52Bの実施形態による制御ユニット130の概略図である
図54、
図60及び
図62を参照する。
【0355】
図51と52Bは、可動壁343(ピストン358又はダイヤフラム344を含む)が空気圧力又は油圧力によって動かされる点でそれぞれ
図50と52Aに類似している。しかしながら、
図51及び52Bでは、導管セクション31はダイヤフラム430又は圧力測定チューブ410を有していない。代わりに、圧力センサ88が、空気圧力又は油圧力が供給されるチューブ294の圧力付与管腔290のような同じ流体充填管腔に結合される。(したがって、チューブ294は、3つの管腔ルーメンではなく、2つの管腔のみを画定するように形成され得る。)圧力センサは、(導管内の内圧によって変化する)流体充填管腔の圧力を感知し、圧力を示す信号をコントローラに伝達する。これに応答して、コントローラは
図50を参照して上述したようにアクチュエータを制御する。
【0356】
特に、膀胱に尿が蓄積されると、入口ポート338の圧力の上昇は入口弁274を開かせ、その結果ポンプチャンバ276の圧力も上昇する。この上昇した圧力は可動壁を外側に押し(すなわち、ポンプチャンバを膨張させる)ので、シリンダ360、接続ポート282及び管腔290の圧力が上昇する。この圧力は圧力センサによって感知され、上昇した圧力に応答して、コントローラは
図50を参照して上述したように1つ以上のポンプストロークを実行する。最終ストロークの後、所定の圧力に達するまでセンサからのフィードバックに応答してアクチュエータを作動させることによって、シリンダ360は所定の圧力で固定される。その後、尿がポンプチャンバに流れ込むと、シリンダ内、したがって管腔290内の圧力は所定の圧力から上昇し、その上昇の大きさ(圧力センサによって測定される)は流れ込む尿の量を示す。
【0357】
いくつかの実施形態では、ポンプチャンバ276内の圧力は、ストロークの開始(すなわち、直前)と終了(すなわち、直後)の両方で大気圧より下である。代替的には、圧力は、ストロークの開始時には大気圧より上であってもよいが、ストロークの終了時には大気圧より下であってもよい。代替的には、圧力は、ストロークの開始時と終了時の両方で大気圧より上であってもよい。
【0358】
(圧力センサ88及びアクチュエータ352が例えば単一コネクタ382を介して単一の流体充填管腔に接続されている点を除いて、
図54は
図53に類似しており、
図60は
図57に類似しており、
図62は
図59に類似している。)
【0359】
図50、51及び52A-Bに示す例示的な実施形態の代わりに、システム96は、圧力付与管腔290及び/又は1つ以上の他の管腔を介してアクチュエータ352から駆動力を受け取る他の任意の適切な空気作動又は油圧作動の往復動ポンプを有し得る。
【0360】
次に、本発明のいくつかの実施形態によるシステム96の概略図である
図61を参照する。
【0361】
図61は、システム96が複合アクチュエータを有するという点で、
図58と類似している。しかしながら、
図61では、圧力伝達チューブ406が省略されており、代わりに、接続ポート86が、接続チューブ402を介して流体充填チューブ291に結合されている。流体充填チューブ291は、例えば、
図54、
図60又は
図62に示されるように、圧力センサ88及びアクチュエータ352の両方に結合されている。したがって、チューブ291内の圧力が導管内の内圧によって変化すると、圧力のこれらの変化は圧力センサによって感知される。
【0362】
他の実施形態では、流体充填管腔を介して流体圧を感知する代わりに、典型的には使い捨てである圧力センサ88が、導管内の内圧又は尿道カテーテルの出口の圧力を感知するために、導管又は尿道カテーテルに結合する。これを容易にするために、接続ポート86は、導管又は導管セクション31に属するチューブのいずれかのような導管の任意の部分に結合し得、圧力センサが導管の部分の内圧を感知するように圧力センサに結合し得る。このような実施形態では、圧力センサは、圧力を示す信号をコントローラに伝達するように構成され、コントローラは、信号に応答して尿のポンピングを制御するように構成される。
【0363】
この点に関して、本発明のいくつかの実施形態によるシステム96の概略図である
図30を参照する。
【0364】
いくつかの実施形態では、圧力センサ88は、(例えば、
図30に示すように、カテーテルの出口をカテーテルコネクタに接続するTコネクタを介して)尿道カテーテル124の出口における圧力を感知し、圧力を示す信号をコントローラ125に伝達する。コントローラは、信号に応答してポンプ(蠕動ポンプ20又は他の任意のタイプの容積型ポンプを含み得る)を制御する。例えば、膀胱内の尿の蓄積により所定の閾値に圧力が達すると、コントローラは、ポンプに1回以上のストロークを実行させ得る。(事実上、このような実施形態では、膀胱自体が上流リザーバとして機能する。)
【0365】
他の実施形態では、圧力センサ88は、導管内の圧力を感知するように導管に結合し、この圧力を示す信号をコントローラ125に伝達する。例えば、圧力センサは、チューブ28に、例えば、制御ユニット130内のチューブ28の下流に結合され得る。
【0366】
図50-51、53-54及び57-62に示された例示的な実施形態の代わりに、システム96は、駆動力を導管セクション31に又は1つ以上の管腔を介してアクチュエータ396に伝達する他の任意の適切な空気圧又は油圧アクチュエータを有し得る。
【0367】
図67は、再び参照されるが、信号伝送要素76(
図12A)がコントローラに接続され得る技術も示している。特に、いくつかの実施形態では、第1の電気インタフェース428aは、導管、例えば、導管セクション31に接続され、(信号伝送要素76を介して)リザーバ又は圧力センサ88を監視する上流センサ50のようなセンサに接続するように構成される。プランジャ350及びアクチュエータ352のような尿ポンピング装置の力付与要素は、コントローラに接続された第2の電気インタフェース428bに(例えば、ケース348を介して)接続される。(コントローラへの接続は
図67に示されていない。)第2の電気インタフェース428bは、導管セクション31が力付与要素に接続されるとき、センサが第1の電気インタフェース及び第2の電気インタフェースを介してコントローラに信号を伝達するように、第1の電気インタフェース428aに接触するように構成される。換言すれば、導管セクションが尿ポンピング装置に接続されると、センサ信号がコントローラに伝達され得るように、電気インタフェース428aと電気インタフェース428bとの間の電気的接続が確立される。
【0368】
インタフェース428a及び/又はインタフェース428bは、柔軟性及び/又は弾力性がある。いくつかの実施形態では、インタフェースの1つは、バネ式(「ポゴピン」)コネクタを含み、他のインタフェースは、電気接点を含む。
【0369】
例示的なリザーバ及びセンサ
【0370】
本発明のいくつかの実施形態による、異なるそれぞれの状態のリザーバ40の概略図である
図3A-Cを参照する。第1流量インジケータ42aはリザーバへの尿の流れを示し、第2流量インジケータ42bはリザーバからの尿の流れを示す。
【0371】
図12A-Bを参照して上述したように、いくつかの実施形態では、リザーバ40は、膨張可能なチューブ75を含む。いくつかの実施形態では、チューブ75の膨張性は、使い捨てキットに属する他のチューブ(例えば、チューブ28)に対してより大きな弾性を有するチューブの少なくとも一部に起因する。例えば、チューブ75の壁44の少なくとも一部は、他のチューブのそれよりも薄くてもよい。
【0372】
図3Aは、チューブがチューブ内の内圧が大気圧に等しい場合を仮定する休止状態のチューブ75を示す。
図3Bは、チューブが、例えば、チューブ内に蓄積された尿のために、内圧が大気圧よりも大きい場合を仮定する、膨張(又は「膨らんだ」)状態のチューブを示す。
図3Cは、チューブが、内圧が大気圧よりも小さいときを仮定する、収縮状態のチューブを示す。
【0373】
次に本発明のいくつかの実施形態によるリザーバ40の概略図である
図4A-Cを参照する。
【0374】
いくつかの実施形態では、壁44は、必ずしもより大きな弾性を有するとは限らない。むしろ、壁44は、開口部46(
図4A)を画定するように形成され、チューブ75は、さらに、可撓性(弾性)ダイヤフラム48(
図4B)を有する。ダイヤフラム48は、開口部46(
図4C)を介して壁44に結合するように構成され、その結果、チューブ75は、ダイヤフラムの可撓性により膨張可能である。
【0375】
この点に関して、本発明のいくつかの実施形態による、異なるそれぞれの状態の
図4A-Cに示すようなリザーバ40の概略図である
図5A-Cをさらに参照する。
【0376】
図5Aは、内圧が大気圧よりも大きいためにダイヤフラム48が外側に膨張した状態のリザーバを示す。
図5Bは、ダイヤフラムがその弛緩状態にあるリザーバを示し、ダイヤフラムは、内圧が大気圧と等しいときを仮定する。
図5Cは、ダイヤフラムが大気圧より小さいために内側に潰れた状態のリザーバを示す。
【0377】
次に本発明のいくつかの実施形態による、異なるそれぞれの状態のリザーバ40を通る縦断面の概略図である
図6A-Cを参照する。
【0378】
いくつかの実施形態では、壁44は、弾性ではなく、むしろ折り目をつけられた(creased)ナイロンのような材料45を含み、チューブ75は、材料45によって膨張可能である。
【0379】
特に、リザーバ40が少量の尿を含む場合、
図6Aに示されるように、材料45は内側に潰れる。一方、リザーバが大量の尿を含む場合、
図6Cに示されるように、材料45は外側に膨張する。リザーバ40が中間量の尿を含む場合、
図6Bに示されるように、材料45は最大の折り目をつけられ、内側にも外側にも膨らまない。
【0380】
(
図3A-C及び
図4A-Cの実施形態では、チューブ壁又はダイヤフラム48の弾性により、リザーバ40は膀胱に正及び/又は負の圧力を加え得る。一方、
図6A-Cの実施形態では、リザーバは膀胱に圧力を加えない。)
【0381】
導管が膨張可能なリザーバ又はポンプチャンバのような膨張可能な部分を含む実施形態では、システムは、膨張可能な部分の膨張の程度、すなわち、膨張可能な部分の最も圧縮された状態に対して膨張可能な部分が膨張する程度を感知するように構成されたセンサ50を有し得る。特に、センサは、膨張可能な部分の壁の位置のような、膨張の程度と相関する(従ってそれを示す)パラメータを感知する。
【0382】
いくつかの実施形態では、センサ50は、膨張可能な部分で光を放射することによって膨張可能な部分の膨張の程度を感知するように構成された光学センサを含む。この点に関して、
図7A-C、8A-C、9及び10A-Cを参照する。例として、これらの図のそれぞれは、光学センサが膨張可能チューブ75を含むリザーバ40に機能的に結合されていると仮定する。
【0383】
いくつかの実施形態では、
図7A-Cに示すように、センサ50は、光がリザーバによって反射されるようにリザーバ40で光56を放射するように構成された光源52を含む。(オプションで、
図8A-8Cに示すように、センサ50は、光56が放射されるレンズなどの少なくとも1つの光学部品60をさらに有し得る。)センサ50は、反射光58を検出し、それに応答して信号を生成するように構成された光検出器54をさらに有する。
【0384】
光源52と光検出器54は、光検出器によって検出される反射光58の量が、リザーバが膨張又は潰れる程度に応じて変化するように、互いに相対的に配置される。そのような配置の1つでは、光源52は光検出器54を囲む。
【0385】
したがって、
図7Aのようにリザーバがその緩和状態にあるとき、ベースライン量の光が検出される。
図7Bのようにリザーバが膨張すると、リザーバの凸性のためにより多くの光が光検出器から離れて反射される。したがって、検出される光の量はベースライン量よりも少ない。逆に、
図7Cのようにリザーバが潰れている場合は、リザーバの凹みのためにより多くの光が光検出器に向かって反射される。したがって、検出される光の量はベースラインの量よりも多い。したがって、検出される光の量はリザーバ内の尿の量によって変化する。
【0386】
図7A-Cと同様に、
図8A-Cは、センサ50がリザーバで光を放射し、検出された光の量を示す信号を生成する実施形態を示す。
図8A-Cは
図7A-Cと異なるが、光源52と光検出器54は、光検出器がリザーバによって反射されない光を検出するように、リザーバの反対側に配置されている。
【0387】
図8Bのようにリザーバが弛緩状態のとき、光検出器はベースライン量の光を検出する。
図8Cのようにリザーバが膨張しているとき、光検出器はベースライン量より少ない光を検出する。逆に、
図8Aのようにリザーバが潰れているとき、光検出器はベースライン量より多い光を検出する。したがって、検出される光の量はリザーバ内の尿の量によって変化する。
【0388】
他の実施形態では、
図9に示されるように、センサ50は、光源52(
図8A-C)によってコア62を通って放出された光56が部分的にリザーバの近壁44aによって反射され、部分的にリザーバの遠壁44bによって反射されるように、リザーバ40に垂直に配向された光ファイバコア62を有する。光検出器54(
図8A-C)によって検出される2つの反射間の位相差dpは、リザーバが膨張又は潰れる程度、したがってリザーバ内の尿の量を示す。
【0389】
図7A-Cと同様に、
図10A-Cは、光検出器によって検出される反射光の量がリザーバ内の尿の量によって変化するように、光源52及び光検出器54がリザーバ40の同じ側に配置される実施形態を示す。しかしながら、
図10A-Cでは、光源と光検出器は、光源52によって照らされた領域と光が光検出器54に反射される領域との間のオーバーラップ64が、リザーバが膨張する程度に応じて変化するように、互いに離間し且つリザーバに対して斜めに配置される。
【0390】
特に、
図10Aに示されるように、オーバーラップ64は、センサ50とリザーバとの間の距離d0の増加関数であり、これは、リザーバが膨張する程度に依存する。したがって、例えば、リザーバが潰れているとき(
図10B)のオーバーラップ64aは、リザーバがその静止状態にあるとき(
図10C)のオーバーラップ64bよりも大きい。
【0391】
センサ50が光学センサを含む実施形態では、光学センサは、尿の視覚パラメータ(例えば、色、不透明度及び/又は透明度)を感知し、視覚パラメータを示す信号をコントローラに伝達するようにさらに構成され得る。代替的には、別個の光学センサが視覚パラメータを感知し得る。
【0392】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、膨張可能なチューブ75を有するリザーバ40に機能的に結合された接触センサ50の概略図である
図11A-Bを参照する。(代替的には、接触センサ50は、導管の他の膨張可能な部分に機能的に結合されてもよい。)
【0393】
いくつかの実施形態では、センサ50は、リザーバ40に結合された導電要素66と、2つの電気接点68とを有する。導電要素66と電気接点68は、バイナリスイッチとして機能し、その状態は、リザーバが膨張しているかどうかを示す。特に、
図11Aに示すようにリザーバ40が膨張すると、スイッチは閉じられ、電流が導電要素66を介して電気接点68の間を流れ得る。一方、
図11Bに示すようにリザーバ40が膨張しない場合、スイッチは開いている。(上記の観点から、センサ50のこの実施形態は、以下では「スイッチ」とも呼ばれる。)
【0394】
他の実施形態では、センサ50は、例えば、
図13-15のいずれかに従って、リザーバ外部の流体充填体積内の圧力を感知するように構成された圧力センサを含む。
【0395】
代替的には、センサ50は、超音波、容量性、誘導性、抵抗性、又は電磁のような他の任意の適切なタイプであってもよい。
【0396】
オプションで、上述したセンサ50のいずれかの実施形態について、センサの1つ以上のコンポーネント(例えば、センサ全体)は使い捨てであってもよい。
【0397】
ポンプ制御
【0398】
コントローラは、被験者の膀胱内又は被験者をカテーテル処置する尿道カテーテルに接続された導管内の尿の量に応じて変化する信号を継続的に受信する。上記のように、信号は、光学センサ、圧力センサ、又はその他の適切な種類のセンサから受信され得る。信号は、導管内(又は導管に結合された流体充填チューブ内)の圧力、導管の膨張可能な部分の膨張の程度、又は尿の量に応じて変化するその他のパラメータを示し得る。
【0399】
さらに上述したように、信号に応答して(また、オプションで、1つ以上の他の入力に応答して)、コントローラは、典型的には、容積型ポンプ(例えば、蠕動ポンプ又は往復動ポンプ)を含むポンプを制御する、すなわち、ポンプを使用して、導管を通して尿をポンピングする。いくつかの実施形態では、コントローラは、導管内の圧力が大気圧よりも小さいままであるようにポンプを制御する。
【0400】
例えば、ポンプを使用して、コントローラは、膀胱内の尿の量を比較的一定に、例えば、20mlの範囲内、例えば、10mlの範囲内で保ち得る。尿の量を比較的一定に保つことの利点の1つは、被験者の尿生成(すなわち、腎臓で作られる尿の量)がリアルタイムでより厳密に追跡され得ることである。
【0401】
具体的な例として、コントローラは、膀胱内の尿の量が20ml未満、例えば10ml未満のままになるように、導管を通じて尿をポンピングし(送り出し)得る。膀胱を比較的空に保つことは、後述の「腹腔内圧(IAP)の測定」のセクションで詳述するように、被験者の腹腔内圧の測定を容易にする。
【0402】
本発明の範囲には、膀胱内の尿の量を比較的一定に保つために、必ずしも容積式ポンプではなく、任意のポンプを使用することが含まれることに留意されたい。したがって、例えば、容積式ポンプではないポンプを使用して、膀胱内の尿の量を比較的一定に保つことができ、被験者の尿排出量(膀胱内の比較的一定の量のために、被験者の尿生成量とほぼ同じであり得る)は、例えば、尿収集バッグ又は目盛り付きシリンダのような別の容器の充填レベルを記録することによって、手動で測定され得る。
【0403】
この点に関して、本発明のいくつかの実施形態によるシステム96の動作の概略図である
図16を参照する。一例として、
図16は、使い捨てキットがリザーバ40及びバイナリスイッチ50を有し、尿ポンピング装置が蠕動ポンプ20を有する実施形態を示す。説明を簡単かつ容易にするために、システム96のいくつかのコンポーネントは
図16から省略され、代わりに、システム96は、リザーバ40及びセンサ50を有する上流モジュール98u、及びポンプ20及び蠕動ポンプチューブ33を有する下流モジュール98dを有するものとして示される。尿は、上流モジュール98uからチューブ28を介して下流モジュール98dに流れる(
図66A)。
【0404】
動作のステージAでは、リザーバ40は尿で充填される。リザーバの充填は、それまで低(0)であったスイッチ50からの信号を高(1)にジャンプさせ、したがって事前に定義された閾値(例えば、0.5)を超える。事前に定義された閾値を超える信号に応答して、コントローラはポンプを作動させる。
【0405】
例えば、回転蠕動ポンプの場合、コントローラは、ローラ24aが蠕動ポンプチューブ33から既知の量の尿をさらに下流の尿収集バッグに向かって押すように、ロータ22(例えば、反時計回り)を回転させることにより、ポンピングストロークを実行し得る。(図示の例では、ポンプ20は、コントローラがロータ22の1/4回転を実行するように、4つのローラを有する。)尿が蠕動ポンプチューブ33から押されると、同量の尿がリザーバ40から下流に流れる。
【0406】
動作のステージBでは、ポンピングストロークが終了した。したがって、リザーバ40は、尿がリザーバからポンピングされたために潰れ、スイッチ50は開いている。
【0407】
ステージCでは、リザーバ40は、リザーバへの尿の流れのために、再び満たされ始めている。最終的に、スイッチ50は再び閉じられ、動作はステージAに戻る。
【0408】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、
図16によるシステム96の動作のためのフロー
図100を示す
図17を参照する。
【0409】
第1のステップ102において、コントローラはポンプを作動させる、すなわちポンピングストロークを開始する。第2のステップ104において、ポンプはストロークを実行し、それによってリザーバから既知の量の尿を引き出す。第1のステップ102及び第2のステップ104は、
図16のステージA及びBに対応する。
【0410】
第3のステップ106において、
図16のステージCを参照して上述したように、尿がリザーバに流入する。次いで、システムの動作は第1のステップ102に戻る。
【0411】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、コントローラによって実行される制御アルゴリズム108のフロー図を示す
図18を参照する。アルゴリズム108は、
図16-17を参照して上述した制御原理を一般化している。
【0412】
信号サンプリングステップ110において、コントローラはセンサから受信した信号をサンプリングする。続いて、評価ステップ112において、コントローラは信号が事前に定義された閾値を超えたかどうかを評価する。例えば、
図16のようなバイナリスイッチの場合、コントローラは信号が高又は低であるかを評価し得る。膨張可能なリザーバを監視する光学センサの場合、コントローラは、検出された光の量が閾値を超えているかどうかを評価し得る。圧力センサの場合、コントローラは、感知された圧力が閾値を超えているかどうかを評価し得る。
【0413】
そうでない場合、コントローラは信号サンプリングステップ110に戻る(オプションで、事前に定義された待機期間に続く)。そうでない場合、コントローラは、ポンプ起動ステップ114において、ポンプがポンピングを開始するように、ポンプを起動する。続いて、チェックステップ115において、コントローラは、例えば、
図19を参照して後述するように、ポンプを停止するための所定の条件が満たされているかどうかをチェックする。満たされていない場合、コントローラは、チェックステップ115を繰り返す。そうでなければ、コントローラは、ポンプを停止し、記録ステップ116において前のストロークからの経過時間を記録する。この経過時間は、ポンピング量及び/又は被験者の尿生成速度を計算するために使用され得る。(コントローラは、以下の「ポンピング量を計算する」と題するセクションで説明するように、これらの計算に使用される他のパラメータを記録することもできる。)コントローラは、次にサンプリングステップ110に戻る。
【0414】
他の実施形態では、コントローラは単にポンプに事前に定義されたストローク数(例えば、
図16に示すような単一のストローク)を実行させる。このような実施形態では、チェックステップ115において、コントローラは事前に定義されたストローク数が実行されたかどうかをチェックし得る。
【0415】
システム96の動作に関するさらなる詳細については、本発明のいくつかの実施形態による時間に応じた(の関数としての)センサ信号118(例えば、リザーバ内の尿の量又は尿道カテーテルの出口の圧力を示す)の例示的プロットである
図19を参照する。
【0416】
信号118の第1の部分118aは、膀胱又は導管の一部(例えば、リザーバ又はポンプチャンバ)を被験者によって生成された尿で徐々に満たすことに対応する。信号が第1の所定の閾値120を超えると、コントローラは、信号の第2の部分118bによって示されるように、ポンプが導管を通して尿をポンピングし始めるようにポンプを作動させる。
【0417】
いくつかの実施形態では、
図19に示されるように、コントローラは、ポンプに事前に定義されたストローク数をポンピングさせる。事前に定義されたストローク数に続いて、ポンプが再びトリガされるまで、尿は再び蓄積する。
【0418】
他の実施形態では、コントローラは、反対方向の第1の閾値120を超える信号に応答してポンプを停止する。例えば、第1の閾値を超える信号に応答してポンプが起動した場合、第1の閾値を下回る信号に応答してポンプは停止され得る。(このような実施形態では、信号118は、第1の閾値120にまたがる狭い範囲内にとどまる。)
【0419】
代替的には、コントローラは、第2の方向で第1の閾値120を超えた後、第2の方向で第2の事前に定義された閾値121を超える信号に応答してポンプを停止し得る。例えば、第1の閾値を超える信号に応答してポンプが起動した場合、第1の閾値120を下回った後、第2の閾値121を下回る信号に応答してポンプは停止され得る。
【0420】
代替的には、コントローラは、ポンプが事前に定義された量の尿をポンピングしたことに応答してポンプを停止し得る。
【0421】
いくつかの実施形態では、コントローラは、例えば、膀胱を比較的空に保つ目的(例えば、尿の量が20ml未満で)と膀胱組織が尿道カテーテルを詰まらせないようにする目的とのバランスをとるように、第1の閾値120及び/又は第2の閾値121を動的に再定義する。例えば、膀胱組織がカテーテルに吸引されたことをコントローラが確認した場合(例えば、以下の「圧力及び流量調節及び吸引リリーフ」のセクションに記載されているように)、コントローラは、第1の閾値120及び/又は第2の閾値121を上げ得る。
【0422】
ポンピング量を計算する
【0423】
典型的には、ポンプは事前に較正され、較正の結果は、例えばNVM190(
図31)に保存される。これらの較正結果を使用して、コントローラは、ポンピングされた尿の量を正確に計算し得る。
【0424】
典型的には、較正結果は、1つ以上のパラメータをポンピングされた尿の量にマッピングする関数又はルックアップテーブルを含む。パラメータは、(i)蠕動ポンプのロータが回転した角度、(ii)ポンプチャンバの可動壁に対してプランジャが前進した距離、又は(iii)可動壁を押す空気圧又は油圧が増加した量など、ストロークの「サイズ」を含み得る。パラメータはまた、周囲温度、ポンプから上流の圧力、ポンプから下流の圧力、前回のストロークからの経過時間、尿温度、尿組成、及び尿粘度の1つ以上を含み得る。
【0425】
周囲温度は、制御ユニット内の温度センサによって決定され得る。尿温度は、導管371(
図66A)内、例えば、
図40のカテーテルコネクタ内に配置された、又は導管の外部に固定された温度センサによって決定され得る。
【0426】
ポンプから上流及び/又は下流の圧力を決定するために、ポンプの入口及び/又は出口は薄い壁を有し得、ひずみゲージが圧力の関数である薄い壁の変形を測定し得る。代替的には、変形は、他の方法、例えば、本発明の範囲に含まれる種々のセンサについて上述したように測定され得る。代替的には、下流圧力は、各ポンプストローク中にポンプアクチュエータによって消費される電流量に基づいて計算され得る。(高い電流は、大きい抵抗、したがって高い下流圧力を示す。)
【0427】
前のストロークからの経過時間は、動作中にコントローラによって追跡及び記録され得る。
【0428】
尿組成は、分光及び/又は顕微鏡によって測定され得る。尿粘度は、ポンプストローク中及びその後にポンプから上流のカメラによって撮影された尿の画像を処理することによって測定され得る。(このような処理は、コントローラによって、又は別のプロセッサによって行われ得る。)特に、画像に基づいて、流れプロファイルが計算され得、流れの速度と持続時間に基づいて粘度が計算され得る。(粘性の低い流体は短い時間でより速く流れ、粘性の高い流体は長い時間でより遅く流れる。)代替的に又は追加的に、ストローク中及びその直後の圧力変化プロファイルに基づいて粘度が計算されてもよい。(粘性の低い流体は圧力変化が速く、粘性の高い流体は圧力変化が遅くなる。)
【0429】
蠕動ポンプの場合、パラメータは、蠕動ポンプチューブの物理的寸法及びショア硬さ、チューブがポンプ内で搾られたままであった時間、及びチューブが経験した以前のストローク数をさらに含み得る。チューブの物理的寸法及びショア硬さは、製造時に決定され得、カートリッジ374(
図66A)の中又は上などの使い捨てキットに格納され得る。記憶媒体は、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、刻印又は印刷された文字列、不揮発性メモリ(例えば、読み取り専用メモリ(ROM))、又は無線周波数識別(RFID)タグを含み得る。制御ユニットは、記憶媒体からこの情報を読み取るように構成されたリーダを有し得る。チューブが搾られたままであった時間、及びチューブが経験した以前のストローク数は、動作中にコントローラによって追跡及び記録され得る。
【0430】
同様に、ダイヤフラムに押し付けるように構成された往復動ポンプ(例えば、
図63A-Bによれば)の場合、パラメータは、ダイヤフラムの物理的寸法及びショア硬さ、ダイヤフラムが押されたままであった時間、及びダイヤフラムが経験した以前のストローク数をさらに含み得る。これらのパラメータは、上述のように決定され、保存され得る。
【0431】
【0432】
いくつかの実施形態では、尿サンプルが必要な場合、看護師(又は他のユーザ)は、サンプルの意図された量を示す入力をコントローラに(例えば、ディスプレイ378及び/又はキーボードを介して)送信する。これに応答して、コントローラは、現在の尿生成速度に基づいて、指定された尿の量が膀胱に蓄積するのに必要な時間の量を計算する。この時間ポンプを停止した後、コントローラは、看護師に(例えば、ディスプレイ378を介して)、サンプリングポート372を介してサンプルを取ることができることを通知する。看護師が検体を採取したことを確認した後、通常のポンプ動作を再開する。その後、尿生成量を計算するとき、コントローラはサンプル量を総ポンプ量に加算する。
【0433】
他の実施形態では、看護師は、尿サンプルを抽出する看護師の意図を示す入力をオプションで入力し得るが、看護師は意図されたサンプル量を示す必要はない。代わりに、尿が抽出されると、コントローラは、ポンプに上流に尿をポンピングさせ、それによって抽出された尿を補償する。例えば、コントローラは、上流の圧力が所定の閾値(例えば、閾値121(
図19))未満に低下することに応答して上流ポンピングを開始し、圧力を閾値より上に維持するように上流ポンピングを継続し得る。
【0434】
圧力及び流量調節及び吸引リリーフ
【0435】
次に、本発明のいくつかの実施形態によるシステム96の概略図である
図25を参照する。
【0436】
場合によっては、膀胱122の壁がカテーテル124に吸引されることがあり、それによって、膀胱壁をカテーテルから分離するように十分な尿(それゆえに圧力が)が膀胱に蓄積するまで膀胱からの尿流出を阻害することがある。この課題に対処するために、本発明のいくつかの実施形態は、膀胱への吸引力を低減するように構成された圧力弁142を提供する。圧力弁142は、典型的には、カテーテルコネクタ72の下流端に、例えば、カテーテルコネクタとチューブ28との間に、結合される。代替的には、圧力弁は、カテーテルコネクタと一体であってもよい。
【0437】
圧力弁142は、尿が膀胱からポンピングされる又は(重力を介して)排出されるか否かにかかわらず、実装され得ることに留意されたい。(尿を排出するとき、膀胱の吸引圧は特に高く、例えば100mbarになり得る。したがって、膀胱壁のカテーテルへの吸引は、尿の流れを妨げるだけでなく、膀胱に害を及ぼす可能性がある。)
【0438】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による圧力弁142の概略図である
図24A-Cを追加参照する。
【0439】
いくつかの実施形態では、導管371は、被験者の膀胱から下流に尿を運ぶように構成された第1のチューブ145と、第1のチューブ145に結合され、第1のチューブから下流に尿を運ぶように構成された第2のチューブとを有する。例えば、
図25に示されるように、第2のチューブは、リザーバ又はポンプに尿を下流に運ぶように構成されたチューブ28を有し得る。代替的には、チューブ28が省略された実施形態では、第2のチューブは、第1のチューブに(ポンプを介して)結合され、尿収集バッグに尿を下流に運ぶように構成された出口チューブ29(又は尿管腔を有するマルチルーメンチューブ)を有し得る。同様に、尿が排出される実施形態では、第2のチューブは、尿収集バッグに尿を下流に運ぶように構成され得る。
【0440】
第1のチューブ145は、圧力弁142として機能し、第1のチューブは、第1のチューブ内の圧力が低下すると、第1のチューブが閉じられるまで、第1のチューブに潰れるように構成された1つ以上の可撓性壁148を有する。第1のチューブを閉じることは、チューブの上流側(US)を下流側(DS)から分離し、それによって上流側を吸引圧から解放する(またチューブを通る尿の流れも停止する)。
【0441】
例えば、
図24Aでは、圧力弁内の内圧が比較的高く(すなわち、膀胱の吸引圧が比較的低い)、その結果圧力弁がほとんど開いている。一方、
図24Bでは、内圧が低く(すなわち、膀胱の吸引圧が高い)、その結果、圧力弁が閉じているため、弁の上流側と下流側が分離されている。
【0442】
いくつかの実施形態では、
図24Cに示されるように、可撓性壁148の上流部分は、例えば、可撓性壁が下流よりも上流の方が薄いことにより、可撓性壁148の下流部分よりも柔軟である。したがって、弁が閉じていても、尿の生成による上流側の圧力の比較的小さな増加は、弁をわずかに再び開かせしたがって、多少の尿が下流側に流れることを可能にする。尿が下流側に流れることに続いて、上流側の圧力が低下するため、弁は再び閉じられる。このプロセスは、下流側の圧力が十分に上昇して弁を開いたままにするまで、何度でも繰り返され得る。
【0443】
次に、膨張及びしぼんだ状態における従来技術のチューブ144を通る横断面の概略図である
図24Dを参照する。さらに、本発明のいくつかの実施形態による第1のチューブ145を通る横断面の概略図である
図24Eを参照する。
【0444】
図24Dの右側は、比較的高い内圧における開放(弛緩)状態の従来技術のチューブ144を示し、一方、
図24Dの左側は、より低い内圧(より高い吸引)における潰れた状態の従来技術のチューブ144を示す。チューブ144が潰れても側部チャネル146は残るため、チューブ144は圧力弁として使用するには不適切である。
【0445】
一方、第1のチューブ145は従来技術のチューブ144とは異なる構造であり、第1のチューブは開いた側部チャネル146を残すことなく潰れるように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性壁148は、第1の面149aを有する第1の壁148aと、第2の面149bを有する第2の壁148bとを有する。第2の面149bは、
図24Eの左側に示されるように、第1の壁148aと第2の壁148bとの間の圧力が減少すると、第1の面と第2の面がエッジ間で完全に互いに接触するまで、壁が互いに向かって潰れるように、第1の面の対向するエッジで第1の面149aに結合される。この潰れた状態では、第1のチューブ145は、上流側USを下流側DSから完全に分離する。
【0446】
いくつかの実施形態では、第1のチューブ145は、第1のチューブに尿が流れると第1のチューブが膨張し得るという点で、リザーバとしても機能する。そのような実施形態では、センサ50は第1のチューブ145に隣接して配置され得、
図25に示される別個のリザーバ40を省略され得る。
【0447】
次に、本発明のいくつかの実施形態によるシステム96の概略図である
図26を参照する。
【0448】
いくつかの実施形態では、システム96は、吸引リリーフチューブ152、プランジャ154、及び対圧固定具156を有する吸引リリーフ機構150を有する。吸引リリーフチューブ152は、例えば、チューブ28とポンプとの間のチューブ28の下流端に接続され得る。典型的には、吸引リリーフチューブ152は、例えば、より薄い壁を有することにより、チューブ28よりも柔軟である。吸引リリーフ機構150は、尿が膀胱からポンピングされる又は(重力を介して)排出されるかに関係なく実装され得ることに留意されたい。
【0449】
場合によっては、コントローラは、尿が導管371を通って膀胱122から下流に流れることを少なくとも部分的に停止したことを確認し得る(例えば、センサ50から受信した信号に基づいて)。流れの停止は、膀胱の組織が尿道カテーテルに吸引されたことを示し得る。
【0450】
そのような実施形態では、コントローラは、流れの停止を識別することに応答して、尿をポンピングすることを停止し得る。さらに、尿が膀胱からポンピングされるか単に排出されるかにかかわらず、コントローラは、膀胱組織をカテーテルから解放するように導管内の圧力を増加させ得る。
【0451】
例えば、コントローラは、導管を押すことによって圧力を増加させ得る。例えば、コントローラは、吸引リリーフチューブがプランジャと対圧固定具156との間で絞られるように、吸引リリーフチューブ152に対してプランジャ154を駆動し得る。吸引リリーフチューブが絞られると、尿は膀胱に向かって上流に流れ得る。
【0452】
チューブを押した後、コントローラは、膀胱からの尿の流れが再開したことを確認する(例えば、センサ信号に基づいて)。それに応じて、コントローラは、例えば、プランジャを前進させることを停止することにより、圧力を増加させることを停止し得る。次に、コントローラは、プランジャを徐々に引き出し、したがって、吸引リリーフチューブが再膨張することを可能にし得る。例えば、コントローラは、リザーバ40への尿の流量に比例する速度でプランジャを引き出し得る。尿がポンピングされる実施形態では、コントローラは、尿が膀胱から流れることを再開したことを確認するのに応答して、例えば、プランジャの引き出しに続いて、下流への尿のポンピングを再開し得る。
【0453】
尿がポンピングされる実施形態では、コントローラは、ポンプを逆方向、すなわち、上流ポンピング方向に動作させることにより、ポンプから上流の導管内の圧力を、吸引リリーフ機構150を使用することに代えて又は追加して、増加させ得る。ポンプを逆方向に動作させることにより、コントローラは、尿を上流に流し得る。
【0454】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による吸引リリーフの例示的な性能を模式的に示す
図27をさらに参照する。
【0455】
図27は、リザーバ容積を経時的に追跡する下部プロット158と、プランジャ154(プランジャが導管内の圧力を増加させるために使用される実施形態の場合)又はポンプ(ポンプを反転させることによって圧力を増加させる実施形態の場合)の位置を追跡する上部プロット160とを示す。
【0456】
プロット158に示されるように、期間Aにおいて、リザーバの容積が閾値Bに達するまでリザーバは充填される。容積が閾値に達することに応答して、コントローラは、リザーバが初期容積に戻るまで、ポンプに1回以上の(前進)ストロークをポンピングさせる。その後、ポンピングストロークによって生じた吸引の結果として、膀胱組織は、期間Cの間に、尿がリザーバに流れ込まないように、尿道カテーテルをブロックする。流れの停止を検出することに応答して、コントローラは、時点1から時点2まで、プランジャを吸引リリーフチューブ又はポンプに対して逆方向に駆動し、したがってリザーバを、閾値容積Bを超えて膨張させる。この時間の間、コントローラは、リザーバ体積をプランジャの位置又はポンプの位置に応じて(関数として)登録する。リザーバ容積がプランジャ又はポンプによって上流に押し出された尿の量より多く増加することに応答して、コントローラは、吸引リリーフが成功したことを確認し得る。
【0457】
吸引リリーフが成功したことを確認し、時間点2の直後にリザーバがもはや膨張していないことを確認することに応答して、コントローラは、時間点3までプランジャ又はポンプを所定の位置に保持する。その後、コントローラはプランジャの引き出すこと又は前方にポンピングすることを開始する。最初の時点4より前では、リザーバから引き出された尿は膀胱からの同等量に置き換えられるため、リザーバの量は一定のままである。その後の時点4では膀胱は空であり、そのためリザーバの量は減少する。
【0458】
時点5において、膀胱組織は再び尿道カテーテルに吸引される。その結果、リザーバ容積は減少することを停止する。これに応答して、時点6において、コントローラは再びプランジャを前進させること又はポンプを逆行させることを開始する。時点7において、コントローラは、プランジャ又はポンプは時点8で初期位置に到達するまで、プランジャを引き出す又は前進方向にポンピングすることを開始する。その後、コントローラは通常どおりポンプを動作させる。
【0459】
示されるように、時点8で、リザーバ容積Dは閾値Bより大きい。したがって、ポンプストローク(複数可)は、期間Cの間の容積より大きい容積Eまでリザーバを空にする。しかし、期間Fの後、容積は閾値Bに達し、ポンプは、容積が期間Cの容積に減少するまでリザーバを空にする。
【0460】
次に、本発明のいくつかの実施形態による圧力調整バイパスチューブ240を有する使い捨てキット370の概略図である
図37を参照する。
【0461】
いくつかの実施形態では、使い捨てキット370はバイパスチューブ240を有する。バイパスチューブ240の上流端は、接合部242でチューブ28(導管セクション31の上流)に接続される。バイパスチューブの下流端は、コネクタ134、出口チューブ29、又は尿収集バッグ78のような導管セクションから下流のキットの一部に接続され得る。代替的には、バイパスチューブの下流端は、別個の尿収集容器に接続され得る。
【0462】
このような実施形態では、使い捨てキット370は、バイパスチューブ内の圧力が所定の閾値未満である場合にはバイパスチューブを通る尿の流れを防止し、圧力が閾値を超えた場合には、尿が導管セクションをバイパスするように、流れを許容するように構成された圧力逃がし弁244をさらに有する。
【0463】
したがって、圧力が十分に低い限り、弁244は、尿が導管を通ってポンピングされ得るように、閉じたままである。一方、ポンプが尿をポンピングするのを停止した場合(例えば、ポンプの機械的故障、コントローラの故障、又は接合部242から下流の導管の閉塞による)、尿の蓄積は圧力リリーフ弁入口で圧力の上昇を引き起こす。圧力が閾値を通過すると、圧力リリーフ弁は開き、それによってバイパスチューブ240を通る尿の下流の流れを可能にする。
【0464】
バイパスチューブがチューブ28とコネクタとの間を通過するように、バイパスチューブがコネクタ134に接続される実施形態では、弁244はコネクタに統合されてもよい。代替的には、バイパスチューブがコネクタ134に接続されているか否かにかかわらず、弁244はバイパスチューブの任意の部分、例えば接合部242におけるバイパスチューブの上流端に結合されてもよい。
【0465】
腹腔内圧(IAP)を測定する
【0466】
次に、本発明のいくつかの実施形態によるシステム96の概略図である
図28を参照する。
【0467】
導入として、被験者のIAPは、膀胱が事前に定義された体積(volume(量))の流体を含む場合に、呼気終了時の被験者の膀胱内圧を測定することによって測定され得ることに留意されたい。典型的には、この体積は被験者の体重に依存する;例えば、平均体重の成人被験者の場合、体積は約20-25mlである。
【0468】
いくつかの実施形態では、コントローラ125は、ユーザからの指示に応答して被験者のIAPを測定するように構成される。指示は、ディスプレイ378(
図66B)に属するタッチスクリーン又はキーボードなど、コントローラが接続されている任意の適切なユーザインタフェースを介して受信され得る。ユーザは、IAPを一度だけ、又はユーザによって定義された速度で定期的に測定するようにコントローラに指示し得る。
【0469】
そのような実施形態では、コントローラは、膀胱から尿をポンピングすることによって、最初に膀胱122を空にする。(上記の指示を受ける前に膀胱を空にしてもよい。)例えば、コントローラは、上記の「ポンプ制御」と題するセクションで説明したように、圧力センサ88又はセンサ50からの信号に基づいて膀胱を空にし得る。コントローラはさらに、被験者の尿生成速度に基づいて、事前に定義された量の尿が被験者の腎臓から膀胱に流れ込むのに必要な膀胱を空にすることからの推定時間を計算する。
【0470】
(実際には、膀胱のすべての尿を文字通り空にすることは不可能かもしれないので、請求項を含む本出願の文脈において、膀胱を「空にする」ためにポンプを使用することは、膀胱から可能な限り多くの尿をポンピングすることを意味し、例えば、膀胱からポンピングすることができない残った尿の量が10ml未満のように20ml未満になるようにすることを理解すべきである。)
【0471】
膀胱を空にした後、コントローラは、推定される時間(以下「待機時間」ともいう)の間、尿をポンピングすることを控え、それによって尿が膀胱に、導管371がリザーバ40を含む実施形態では、リザーバ40に蓄積することを可能にする。
【0472】
推定される時間が経過した後、コントローラは、膀胱内の圧力に応じて変化する信号を受信する。信号に基づいて、コントローラは膀胱内の圧力を確認する。
【0473】
例えば、圧力センサ88は、圧力センサがカテーテルの出口における圧力を感知するように、
図30を参照して上述したように、尿道カテーテルに結合され得る。圧力センサが、出口圧力と膀胱内圧力との間の差が知られるように事前に定義された高さにある場合、コントローラは、信号の値に基づいて膀胱内の圧力を確認し得る。
【0474】
代替的には、圧力センサ88は、例えば、
図13、50-51、58、61及び67のいずれかに従って、圧力が膀胱内の圧力の関数として変化する流体充填チューブに結合され得る。このような実施形態では、コントローラは、センサ信号の値に関数を適用することによって、膀胱内の圧力を確認し得る。関数は、事前に較正され、メモリ、例えば、NVM190(
図31)に格納され得る。
【0475】
さらに別の代替として、コントローラは、例えば
図12A-B、20及び22のいずれかに従って、リザーバを監視するセンサから信号を受信し得る。リザーバが膀胱内の圧力の関数として膨張することを考えると、コントローラはセンサ信号の値に関数を適用することによって膀胱内の圧力を確認し得る。関数は事前に較正され、メモリ、例えばNVM190(
図31)に格納され得る。
【0476】
信号を受信した後、コントローラは、信号によって示される膀胱内の圧力が被験者のIAPであることを示す出力を生成し得る。次に、コントローラは、ディスプレイ378(
図66B)又は任意の他の適切なディスプレイに出力を表示し得る。代替的に又は追加的に、コントローラは、患者モニタ、EMR、ゲートウェイ、又は医師のデスクトップコンピュータ、携帯電話、又はタブレットコンピュータなどの他のデバイス又はシステムにIAPを通信し得る。
【0477】
例えば、出力は、「IAP」又は任意の他の適切な説明文字列と共に圧力の数値を含み得る。IAPが定期的に測定される場合、出力は、経時的なIAPのプロットを含み得る。
【0478】
典型的には、被験者の呼吸は膀胱内圧の変動をもたらす。上述したように、IAPは、圧力が極小値に達したときの呼気終末で測定される。したがって、コントローラは、例えば毎秒10回の速度で、定期的に信号をサンプリングし得る。(コントローラは、待機時間が経過する前であっても、信号のサンプリングを開始し得る。)サンプリングされた圧力値に基づいて(例えば、サンプルの周波数スペクトルに基づいて)、コントローラは、被験者の呼吸速度を推定し得る。推定された呼吸速度に基づいて、コントローラは、待機時間に続いて、呼気が終了する時間t0を推定し得る。次に、コントローラは、事前に定義された期間t0の範囲内で、圧力の最初の極小値をIAPとして選択し得る。
【0479】
有利なことに、IAP測定のためのこの技術は、従来の技術で必要とされる膀胱への生理食塩水の注入を必要としない。(生理食塩水の注入自体に伴う手間と不快感は別として、注入はIAPを測定する前に被験者の排尿筋が弛緩するまで30-60秒待つ必要があることに留意されたい。)
【0480】
典型的には、コントローラがポンプの通常の動作中に膀胱を比較的空の状態に維持する実施形態では、コントローラは、先行期間中にポンピングされた尿の量に基づいて待機時間を計算する。例えば、長さTの先行期間中に尿の量Wがポンピングされた場合、コントローラは、被験者の尿生成速度をW/Tとして計算し得る。IAP測定のための目標量をVとして表すと、コントローラは、待機時間をV*T/Wとして計算し得る。
【0481】
いくつかの実施形態では、出力を生成する前に、コントローラは、測定された圧力が実際に腹腔内圧力であることを検証する。コントローラは、検証に応答して出力を生成する。
【0482】
検証を実行するために、コントローラは最初にポンプを使用して膀胱を再び空にする。次に、コントローラは、再び空にする間に膀胱からポンピングされた尿の量が、事前に定義された量Vから事前に定義された閾値未満逸脱していることを確認する。いくつかの実施形態では、事前に定義された閾値はVのあるパーセンテージである。
【0483】
いくつかの実施形態では、コントローラは、IAPを測定しなくても、膀胱内圧信号に基づいて被験者の呼吸速度を推定する(上述のように)。代替的に又は追加的に、膀胱内圧が被験者の心臓周期に伴って変動することを考えると、コントローラは、膀胱内圧サンプルに基づいて(例えば、サンプルの周波数スペクトルに基づいて)被験者の心拍数を推定し得る。呼吸数及び/又は心拍数は、IAPについて上述したように表示及び/又は通信され得る。
【0484】
IAP測定に関するさらなる詳細については、本発明のいくつかの実施形態によるIAPを測定するためのアルゴリズム164のフロー図を示す
図29を参照する。
【0485】
アルゴリズム164は、速度決定ステップ166から始まり、ここで、コントローラは、先行する期間にわたる尿生成の速度Xを、例えば、ml/hの単位で計算する。膀胱を空にした後、コントローラは、ポンプ停止ステップ168においてポンプを停止する。
【0486】
上述したように、IAP測定のために、膀胱内の尿の量は、所定の体積Vに達するように許容されなければならず、これは、上述したように、いくつかの被験者に対して20から25mlの間であり得る。したがって、コントローラは、待機ステップ170の間、V/X時間待機する-すなわち、ポンプを停止したままに保つ。例えば、Xがml/hの単位であり、Vがmlの単位である場合、コントローラは、60*V/X分待機し得る。続いて、圧力測定ステップ172において、被験者の呼気終了における圧力がIAPとして取得される。
【0487】
続いて、再開ステップ174において、ポンプの動作が再開される。別の待機ステップ176において、コントローラは、ポンプが停止するのを待つ、すなわち、コントローラは、膀胱からすべての尿がポンピングされるまで待つ。続いて、計算ステップ178において、コントローラは、待機ステップ176の間に膀胱からポンピングされた尿の量を計算する。次に、コントローラは、チェックステップ180において、計算された量がV-αとV+αとの間にあるかどうかをチェックし、αは、例えば、Vの所定のパーセンテージ(例えば25%)である。計算された量がこれらの境界内にある場合、コントローラは、表示ステップ182において、IAPを表示する。そうでない場合、コントローラは、停止ステップ168に戻り、測定を繰り返す。
【0488】
他の実施形態では、コントローラは、例えば、追加の5-15mlが膀胱に蓄積するように、計算された待機時間よりもわずかに長くポンプを停止する。その後、コントローラは、膀胱内圧を測定しながら膀胱から尿をポンピングする。膀胱を空にした後、コントローラは、各ストロークの間にポンピングされた既知の尿の量に基づいて、膀胱内の尿の量がVであった期間を特定する。次に、コントローラは、被験者が呼気終末にあったこの期間の間の膀胱内圧をIAPとして特定する。
【0489】
さらに他の実施形態では、計算された待機時間が経過するのを待つのではなく、コントローラは単にポンプを停止し、圧力の上昇が止まるまで膀胱内圧をサンプリングする。圧力の上昇が止まったことを確認するのに応答して、コントローラは、次の終了呼気イベントにおける圧力をIAPとして特定する。
【0490】
さらに他の実施形態では、膀胱が空になった後、コントローラはポンプに容積Vを膀胱にポンピングさせる。被験者の排尿筋が弛緩するのに必要な30-60秒後、コントローラは次の呼気終末イベントにおける圧力をIAPとして特定する。
【0491】
警告
【0492】
本出願全体に記載されているように、いくつかの実施形態では、コントローラは、ポンプを制御することによって被験者の膀胱から尿をポンピングするように構成される。そのような実施形態では、コントローラは、ポンピングに対する現在又は今後の中断を示す警告を生成するように構成され得、これは、ポンプから上流又は下流への尿の阻害された流れを含み得る。警告は、視覚的警告(例えば、コンピュータモニタに表示される及び/又は携帯電話に配信されるメッセージ)及び/又は音声警告(例、ビープ音)を含み得る。
【0493】
例えば、コントローラは、ポンプによって消費される電力量の増加に応答して警告を生成し得、これは、例えば、収集バッグ78(
図30)が満杯であることに起因する又は出口チューブ29(
図30)の閉塞に起因する、ポンプから下流の尿の流れに対する抵抗の増加を示す。(特許請求の範囲を含む本出願の文脈において、特定の導管における閉塞は、例えば、チューブのよじれ又は導管に詰まった血栓又は腎結石のような固形物を含み得る。)
【0494】
換言すれば、ポンプが作動している間、コントローラは、例えば、消費電流を経時的に積分することによって、ポンプによって(特に、ポンプのアクチュエータによって)消費される電力量を監視し得る。コントローラは、さらに、この電力量をベースライン電力量と比較し得る。(ベースラインは、例えば蠕動チューブの摩耗に起因して、経時的に変化することがある。)使用量がベースラインを超える場合、コントローラは警告を生成し得る。
【0495】
別の例として、コントローラは、収集バッグがほぼいっぱいになったことに応答して、すなわち、収集バッグの最大容量Cと(コントローラによって計算された)ポンピングされた尿の量Aとの差が事前に定義された閾値T未満であることに応答して、警告を生成し得る。(コントローラは必ずしもC-Aを明示的に計算し、この差をTと比較する必要はないことが留意される。むしろ、コントローラは、AとC-Tを単純に比較し、AがC-Tを超えた場合に警告を生成する。)
【0496】
場合によっては、ポンプの上流の導管又は尿道カテーテルの閉塞が、ポンプへの尿の流れを阻害することがある。このような閉塞には、例えば、ねじれ又は、血栓若しくは腎結石などの固形物を含み得る。後述するように、コントローラは、様々な技術を用いてこのような閉塞の存在を識別し、それに応じて警告を生成し得る。
【0497】
例えば、ポンプがポンプチャンバ(例えば、
図67のように)を有する実施形態では、コントローラは、(例えば、プランジャ350の位置に基づいて)ポンプチャンバに流れる尿の量を監視し得る。コントローラは、ポンプの動作及び予想される尿の生成を考慮して、ポンプチャンバに流れると予想される最小量をさらに計算し得る。流入量がこの推定量を下回る場合、コントローラは警告を生成し得る。
【0498】
代替的には、導管がリザーバ(例えば、
図23のように)を含む場合、コントローラはリザーバに流入又はリザーバから流出する尿の量に基づいて閉塞警告を生成し得る。
【0499】
特に、閉塞がリザーバから下流にある場合、コントローラは、リザーバから流れた尿の量(すなわち、リザーバ内の尿の量の正味の変化よりも大きい場合がある、総流出量)がポンプのポンピング量、すなわち、導管を通る流れが抑制されていない場合にポンプがポンピングしたであろう量よりも少ないことを示す信号に応答して警告を生成し得る。(ポンピング量は、上記の「ポンピング量を計算する」のセクションで説明したように計算され得る。)例えば、リザーバが膨張可能であり、センサ50(
図23)がリザーバの相対的な膨張又は収縮を検出する実施形態の場合、コントローラは、ポンプの作動及び予想される尿の生成を考慮して、リザーバが収縮すると予想される最小量を計算し得る。センサ50からの信号が、リザーバがこの推定値よりも小さく収縮することを示す場合、コントローラは警告を生成し得る。
【0500】
一方、閉塞がリザーバから上流である場合、コントローラは、リザーバ内の尿の量の増加が事前に定義された閾値未満であることを示す信号に応答して警告を生成し得る。例えば、コントローラは、最近の尿生成速度に基づいて、リザーバ内の尿の量が一定期間にわたって増加すると予想される最小量を計算し得る。(ポンプが典型的にはアイドル状態である)一定期間にわたって、増加がこの推定量を下回る場合、コントローラは警告を生成し得る。
【0501】
代替的には、圧力センサが、導管内の圧力又は導管内の圧力に応答して変化する流体圧(例えば、
図58のように)を感知するように導管に結合されている場合、コントローラは圧力に基づいて閉塞警告を生成し得る。
【0502】
特に、閉塞が圧力センサの下流にある場合、コントローラは圧力の変化に応答して警告を生成し得る。例えば、コントローラは、ポンプの動作と予想される尿の生成を考慮して、圧力が低下すると予想される最小量を計算し得る。圧力の低下がこの推定値を下回る場合、コントローラは警告を生成し得る。
【0503】
一方、閉塞が圧力センサの上流にある場合、コントローラは圧力の上昇が事前に定義された閾値を下回ることに応答して警告を生成し得る。例えば、コントローラは、最近の尿生成速度に基づいて、一定期間にわたって圧力が上昇すると予想される最小量を計算し得る。一定期間(その間ポンプは典型的にはアイドル状態である)にわたって、上昇がこの推定値を下回る場合、コントローラは警告を生成し得る。
【0504】
この点に関して、本発明のいくつかの実施形態による、コントローラによって実行される制御及び警告アルゴリズム200のフロー図を示す
図32を参照する。制御及び警告アルゴリズム200は、
図18を参照してアルゴリズム108について上述したように、サンプリングステップ110、評価ステップ112、及びポンプ起動ステップ114を含む。さらに、アルゴリズム200に従って、コントローラは、ポンプ起動ステップ114に続いて、いくつかの一連のステップを互いに並列に実行する。特に:
【0505】
(i)第1の一連のステップでは、コントローラはポンプの上流の障害物をチェックし、そのような障害物についてユーザに警告する。
【0506】
最初に、コントローラはサンプリングステップ110において再びセンサをサンプリングする。次に、コントローラは、チェックステップ202において、センサ出力が、リザーバがポンプストロークに応答したことを示しているかどうか、すなわち、リザーバからの流出がポンプのポンピング量の事前に定義された(小さい)偏差内にあるかどうかをチェックする。流出を推定するために、コントローラは、直近のポンプ起動後に生成された尿の量を推定し、この推定量からリザーバ容積の正味変化(負の数であり得る)を差し引き得る。
【0507】
リザーバがポンプストロークに応答しなかった場合、リザーバとポンプの間を通過するチューブ28(
図66A)によじれ(又は別の障害)がある可能性が高い。したがって、コントローラは、警告ステップ204においてチューブよじれ警告(又はより一般的な閉塞警告)を表示する。さもなければ、コントローラは、別のチェックステップ206において、期待された量の尿がリザーバに流れ込んだかどうかをチェックする。イエスの場合、コントローラは初期サンプリングステップ110に戻る。そうでなければ、尿道カテーテル(又はリザーバから上流の導管)が詰まっている可能性が高い。したがって、コントローラは、別の警告ステップ208においてカテーテル詰まり警告(又はより一般的な閉塞警告)を表示する。オプションで、警告を生成する前に、コントローラは、例えば
図26を参照して上述したように、流れの停止が膀胱に作用する吸引に起因する場合に、ポンプから上流の導管内の圧力を上昇させ得る。その後流れが再開する場合、警告は省略され得る。
【0508】
(ii)第2の一連のステップでは、コントローラはさまざまなフローパラメータを計算し、尿収集バッグがほぼ満杯になっているかどうかもチェックする。
【0509】
最初に、コントローラは、
図18を参照して上述したように、記録ステップ116を実行する。続いて、計算ステップ210において、コントローラは、収集バッグ内の蓄積された尿の量とともに、ポンプを通って流れた尿の量と流速を計算する。次に、コントローラは、表示ステップ212において、これらのパラメータの1つ以上を表示する。さらに、コントローラは、別のチェックステップ214において、収集バッグがほぼ満杯であるかどうかをチェックする。イエスの場合、コントローラは、別の警告ステップ216において適切な警告を表示する。
【0510】
(iii)第3の一連のステップにおいて、コントローラは、別のチェックステップ218において、ポンプを駆動する電流の振幅をチェックする。振幅が所定の閾値よりも高い場合、尿収集バッグが満杯である可能性が高く、その結果、ポンプはより大きな抵抗に遭遇している。したがって、コントローラは、別の警告ステップ220において適切な警告を表示する。
【0511】
次に、本発明のいくつかの実施形態に従って、リザーバ容積を経時的に追跡するプロット222を示す
図33を参照する。
【0512】
プロット222は、ポンプストロークが開始される時点を示すという点で、
図19のプロットと類似している。しかしながら、プロット222は、
図32を参照して上述したように問題が検出される可能性のある2つのケースも示している:第1のケースでは、チューブによじれがあり、リザーバから尿がポンピングされず、リザーバが充填され続ける。第2のケースでは、カテーテルが詰まっており、その結果リザーバは補充されない。
【0513】
ノイズフィルタリングと出力の表示
【0514】
次に、本発明のいくつかの実施形態による尿生成パラメータを表示するためのシステム246の概略図である
図49を参照する。
【0515】
システム246は、経時的に被験者によって生成される尿の量を測定し、時間に応じた尿が生成される速度を計算するように構成された尿生成測定システム248を有する。いくつかの実施形態では、尿生成測定システム248は、尿道カテーテル124、チューブ28及びコネクタ72を有する、又はチューブ28及びコネクタ72を介して尿道カテーテル124に接続される。いくつかの実施形態では、尿生成測定システム248は、ポンプ20及び/又はコントローラ125(
図66B)のようなシステム96の1つ以上のコンポーネントを有する。
【0516】
一般に、尿生成測定は、多くの要因により歪められる可能性がある。このような要因には、例えば、被験者の心臓及び呼吸活動、腸運動、身体運動、及びカテーテル124の閉塞(例えば、膀胱の組織による)が含まれ得る。したがって、尿生成測定システム248の出力は、時間に応じた(as a function of time(時間の関数としての))尿生成の真の速度を表すクリーンな信号、及び加算ノイズの重畳である。換言すれば、尿生成測定システムによって計算される、時間に応じた被験者の腎臓による尿生成速度を表す信号は、ノイズの多い信号である。
【0517】
この課題に対処するために、システム246は、さらに、フィルタリングモジュール250を有し、このモジュールは、尿生成測定システムからのノイズの多い出力信号を受信し、クリーンな信号を得るためにノイズの多い信号からノイズをフィルタリングするように構成される。いくつかの実施形態では、ノイズが一般にクリーンな信号よりも高い周波数であることを考えると、フィルタリングモジュール250の実行は、ノイズの多い信号へのローパスフィルタの適用を含む。代替的に又は追加的に、フィルタリングモジュール250は、ノイズをフィルタリングするように訓練されたニューラルネットワークを含み得る。
【0518】
いくつかの実施形態では、フィルタリングモジュールは、尿生成測定システム、例えば、コントローラ125(
図66B)によって実行される。他の実施形態では、
図49及び以下で想定されるように、フィルタリングモジュール250は、プロセッサ127(
図20)のような尿生成測定システム248の外部のプロセッサによって実行される。
【0519】
図56を参照して後述するように、信号をフィルタリングした後、フィルタリングモジュール、又はプロセッサによって実行される別のモジュールは、少なくとも12時間にわたるクリーンな信号の代表的な変化率を計算し得る。その後、プロセッサは、代表的な変化率を示す、例えばグラフィック出力を含む出力を生成し得る。(典型的には、
図56を参照して後述するように、プロセッサは、クリーンな信号のプロットを表示し、このプロット上の代表的な変化率をマークする。)その後、プロセッサは、患者モニタ252及び/又は他のディスプレイ254(例えば、ディスプレイ378(
図66B))に出力を表示し得る、及び/又はEMR256、ゲートウェイ、ナースステーションモニタ、及び/又は携帯電話又はタブレットのようなデバイスに出力を通信し得る。
【0520】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による表示出力320の概略図である
図56をさらに参照する。
【0521】
一般に、尿生成速度は様々な要因(例えば、薬物又は液体の投与に関連する)によって変動する可能性があることを考慮すると、速度の傾向を手動で特定することは困難である。この課題に対処するために、フィルタリングモジュール(又は別のモジュール)は、例えば、速度を表すクリーンな信号に線形回帰又は訓練されたニューラルネットワークを適用することによって、速度の代表的な変化率を計算し得る。
【0522】
例として、
図56は、数日間にわたる被験者の尿生成速度のプロット322を示す。4日目から8日目にかけて、尿生成の低下傾向があり、これは手動で特定することは困難である可能性がある。例えば、5日目の点326は4日目の点324よりも高く、6日目の点328は点324とほぼ同じ値であり、数時間後の点330は点324よりも高い。ただし、プロセッサによって計算及び表示される傾向線332は、約-50ml/h/日の負の代表的な変化率を明確に示している。
【0523】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、事前に定義された閾値を超える代表的な変化率の大きさ(すなわち、絶対値)に応答して警告を生成するようにさらに構成される。例えば、プロセッサは、代表的な変化率がR1 ml/h/hより大きい又は-R2 ml/h/hより小さいことに応答して警告を生成し得、ここで、R1及びR2は正であり、オプションで互いに等しい。
【0524】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、コントローラによってディスプレイ378(
図66B)及び/又は他のディスプレイ(患者モニタ、携帯電話又はタブレットディスプレイなど)に表示され得る例示的な出力224の概略図である
図35を参照する。
【0525】
この例では、バー226は、適切なタブ228をクリックすることによってユーザによって選択され得る前の期間の尿生成の毎時量を示す。(右端のバー226rは、現在の時間の開始から生成された量を示す。)例えば、6時間(6H)タブを選択すると、ユーザは、過去6時間の毎時量を見ることができる。代替的には、ユーザは、過去1時間(1H)、12時間(12H)、24時間(24H)、又は現在のシフトの開始からの期間を選択し得る。いくつかの実施形態では、選択された過去の期間が1時間以下である場合、量は5分の解像度で表示される。すなわち、各バーは5分の尿生成の量を示す。
【0526】
オプションで、出力224は、例えば看護師によって入力され得る被験者の体重のインジケータ230をさらに含み得る。代替的に又は追加的に、ディスプレイは、例えば
図40を参照して後述するように測定され得る被験者の深部体温のインジケータ232を含み得る。代替的に又は追加的に、選択された過去の期間について、出力224は、平均の体重当たりの尿生成速度234(例えば、ml/kg/h単位)、平均の尿生成速度236、及び/又は総尿生成量238を含み得る。いくつかの実施形態では、出力224は、選択されたタブに関係なく、過去60分間の総尿生成量を含む。
【0527】
交換可能な流体バッグ用のバッグコネクタ
【0528】
図22を参照して上述したように、いくつかの実施形態では、出口チューブ29は、コネクタ134、バッグコネクタ136、及び接続チューブ135を介して尿収集バッグ78に接続される。そのような実施形態では、尿収集バッグ78がいっぱいになると、使い捨てキット全体を交換する必要がなしに且つバッグを空にする必要なしに、新しいバッグと交換することができる。
【0529】
より一般的には、このタイプの接続は、任意の交換可能な流体バッグとともに使用され得る。したがって、以下では、より一般的な用語「流体バッグ」又は「交換可能な流体バッグ」を「尿収集バッグ」の代わりに使用する。
【0530】
この点に関して、本発明のいくつかの実施形態による、ノンスピルコネクタ134を備えた交換可能な流体バッグ78の概略側面図である
図34Aを参照する。さらに、
図34Aのノンスピルコネクタの概略詳細図である
図34Bを参照する。さらに、それぞれ閉じた構成及び開いた構成におけるノンスピルコネクタ134の概略正面図である
図34C及び34Dを参照する。
【0531】
この実施形態におけるコネクタ134は、出口チューブ29の下流端に固定されたノンスピル雌コネクタであり、出口チューブは、その上流端を通じて被検者による流体出力(尿など)を受ける。コネクタ134は、
図34Cに示すように、流体の流出を防止するためにコネクタを横切って互いに閉じる複数の可撓性のリーフ500を有する。リーフ500は、コネクタ134を横切って延びるゴム又はシリコーンから作られるポリマーダイヤフラムのセクション(例えば、四分円)を有する。バッグコネクタ136は雄コネクタであり、コネクタ134に挿入され、したがって、
図34Dに示されるように、リーフを内側に押し込むことによって可撓性のリーフを開く。次いで、流体は、出口チューブ29から、接続チューブ135を通って流体バッグ78に流れることができ、この流体バッグは、出口チューブから流出する流体を受けて貯蔵するようにバッグコネクタ136に(接続チューブ135を介して)固定される。
【0532】
他の実施形態では、コネクタ134は雄であり、コネクタ136は雌である。
【0533】
さらに他の実施形態では、コネクタ134及びコネクタ136は性別がない。例えば、例えばスナップを含むロックが、コネクタを一緒にロックし得る。オプションで、このような実施形態では、コネクタは、Oリングシールを介して互いにシールされ得る。
【0534】
いくつかの実施形態では、コネクタは、一方のコネクタを他方に向かって押すことによって、互いに結合される。他の実施形態では、コネクタは、一方のコネクタを他方に対して(例えば、1/4回転だけ)回転させることによって、互いに結合される。
【0535】
別の実施形態では、コネクタ134は、ノンスピルコネクタではない。
【0536】
温度センサを備えたカテーテルチューブコネクタ
【0537】
図40は、本発明のいくつかの実施形態による、一体型温度センサ505を備えたカテーテルコネクタ72の概略側面図である。
【0538】
コネクタ72は、尿道カテーテルに接続するための上流端502を有する。チューブ504は、カテーテルを通って流れる尿を受けるように、コネクタ72の下流端に接続される。(チューブ504の一例は、
図30のチューブ28である。)温度センサ505が、コネクタ72に機能的に関連付けられる。例えば、
図40に示すように、温度センサ505はコネクタと一体であり得る。代替的には、温度センサは、例えば、コネクタに結合されたサンプリングポートと一体であることにより、又は、コネクタに直接又は短いチューブを介して結合された別個のハウジング内に配置されることにより、コネクタの近くにあってもよい。
【0539】
温度センサ505は、チューブ504に流入する尿の温度を感知する。図示の実施形態では、温度センサ505は、コネクタ72内に収容され、尿の温度を示す電気信号を出力する熱電対のような電気センサを含む。代替的には、他のタイプの温度センサを使用してもよく、温度センサは、コネクタ内又はコネクタ外のいずれかの位置にあってもよい。
【0540】
ワイヤ506は、温度センサ505に接続され、チューブ504に沿って延び、電気信号を測定回路、例えば、モニタ又は被験者の温度を表示及び/又は記録するための他の装置(この図には示されていない)に伝達する。ワイヤ506は、例えば、チューブの壁又はチューブの管腔を通り、チューブの下流端で終端することにより、チューブ504と一体であってもよい。
【0541】
カテーテルコネクタ72の上流端502は、フォーリーカテーテルのような尿道カテーテル124(
図37)に差し込む。コネクタ72は、尿サンプルを採取するためのサンプリングポート372を有し得る。センサ505は、上述のように熱電対、又は代替的にサーミスタ若しくは他の抵抗温度検出器(RTD)、又は温度測定のための他の手段を含み得る。
【0542】
本発明のいくつかの実施形態では、チューブ504の端部は、ワイヤ506と共に、尿の流れを測定する尿生成測定システム248(
図49)に接続され得る。測定システムはまた、コネクタ72内の温度センサ505によって感知された温度を推定する回路を有し得る。測定システムは、温度を表示し得る、及び/又はそれを病院の電子カルテ(EMR)、患者モニタ、ナースステーションモニタ、及び/又はゲートウェイに送信し得る。測定システムは、各瞬間の尿の流量を知っているので、流量が一定の割合(rate)を超えているときに温度センサをサンプリングすることができ、したがって、膀胱から出た尿がセンサに到達する前に冷えていないことを確認することができる。測定システムが流量を制御する手段(本発明のいくつかの実施形態のように、例えば、尿がポンピングされる実施形態のような)と関連している場合、被験者の尿生成が非常に低いとき、測定システムは、膀胱に尿が蓄積されるように、膀胱からの尿の流れを(例えば、ポンプを停止することによって)短時間停止することができ、次いで、尿を高い速度で流出させ、膀胱からの暖かい尿がコネクタ72に到達したときに温度センサをサンプリングすることができる。
【0543】
別の実施形態では、温度センサは、チューブ504に沿って延び、チューブの下流端で圧力測定装置に接続される毛細管を有する。毛細管内の圧力は、温度によって変化する;したがって、圧力測定装置は、毛細管内の圧力を測定することによって、間接的に温度を測定(又は「推定」)し得る。したがって、温度を非電気的な方法で測定することもできる。この実施形態は、デュアルルーメンチューブ(例えば
図15に示すように)を使用して実施することができ、一方の管腔は尿用であり、他方の管腔は温度変化によって生じる圧力変化用である。次に、圧力はチューブの下流端で測定され、温度に変換され、この温度はモニタ及び/又は他の測定又は表示装置に表示及び/又は登録される。圧力に基づく温度推定は、例えば、温度に応答して膨張又は収縮するガス又は液体で満たされた毛管要素とともに密閉されたベローズ又は弁を使用して実行することができる。
【0544】
蠕動ポンプのバネ式安全リリース
【0545】
図36A及び36Bは、本発明のいくつかの実施形態による、それぞれ通常及びリリースされた構成のバネ式安全リリースを有する蠕動ポンプ20の概略側面図である。ポンプ20は、蠕動ポンプチューブ33の可撓性部分を通して流体を推進するローラ24を有するロータ22のようなポンピング機構を有する。(典型的には、ポンプチューブ33の全長は、必ずではないが、可撓性である。)代替的には、この実施形態の原理は、他の種類のポンピング機構及びチューブ構成と組み合わせて適用することができる。
【0546】
図36A及び36Bは、ポンプチューブ33上のポンプ20のグリップを解放する機構の一例を示す。通常の動作では、ローラ24は、転がり、ポンプチューブ33の一部を押し、一方クランプ26は、ポンプチューブの一部をローラに押し付けるので、ローラがポンプチューブを圧迫する。しかし、ロータ22を回転できなくする何らかのシステム障害(例えば、ポンプアクチュエータの故障、ソフトウェアのバグ、又は電源の故障)がある場合、ポンプ20のクランプ26はポンプチューブ33をロータ22のローラ24に押し付け続けるので、尿の流れはブロックされる。したがって、ポンプ20は、ポンプチューブ33が接続されている流体回路の故障の指示を受け、その指示に応答してクランプ26を解放し、尿がポンプチューブを自由に流れることができるようにする解放機構を有する。
【0547】
本例では、故障の指示は、ポンプ20の上流の位置におけるポンプチューブ33のセクション518における圧力の増加を含む。解放機構は、ポンプチューブ33のセクション518と接触する一端を有する可動ロッド516を有し、圧力の増加がチューブを膨張させロッドを移動させ、クランプ26を解放する。通常の動作では、バネ511は、クランプをポンプチューブ33に押し付けるように、クランプ26に対して圧縮を加える。解放機構は、故障指示に応答してバネ511の圧縮を解放する。
【0548】
より具体的には、ロッド512がバネ511を押し、このバネはクランプ26をポンプチューブ33に押し付ける。ロッド512は通常、ロッド513によって所定の位置に保持され、このロッド513は、バネ521を押し、ロッド516によって所定の位置に保持される。ロッド516は、バネ515によってポンプチューブ33に接して保持される。ポンプチューブ33のセクション518は、チューブの残りの部分よりも薄い壁を有する。故障が発生すると、尿バックアップはポンプチューブ33内の圧力を増加させ、セクション518は膨張を開始し、ロッド513がバネ521によってノッチ522に後退するまで、ロッド516をバネ515に押し付ける。ロッド513の後退はロッド512の保持を解放し、ロッド512はバネ511の伸張によって押し戻され、それによってクランプ26にポンプチューブ33上の圧力を解放させ、尿がチューブを通って自由に流れることを可能にする。
【0549】
追加的に又は代替的に、ソレノイド517などの電気機械スイッチを、故障を示す電気信号に応答してクランプ26を解放するために使用することができる。ソレノイド517は、ソフトウェア、手動コマンド、停電、又は安全センサの動作によって作動させることができる。ソレノイド517のプランジャは、
図36Aに示すようにソレノイドに電力が印加されない限り、
図36Bに示すように出ている。ポンプ20の通常動作中、ソレノイド517に電力が印加され、これによりプランジャを中に引く。故障があると、ソレノイドへの電力が遮断され、これによりプランジャがロッド516を押し、その後、上述のようにロッド512を解放する。
【0550】
蠕動ポンプ内のバネ式(spring-loaded(バネ荷重))コンポーネントを用いた圧力制御
【0551】
図2は、蠕動ポンプチューブ33(
図1B-C)の経年変化グラフの一例を示す図である。このグラフは、ポンプ内のポンプチューブに加えられたストローク数の関数に応じた蠕動ポンプのストローク量の変化を示す。グラフからわかるように、ストローク量はポンプチューブが摩耗するにつれて増加する傾向がある。
【0552】
図38A及び38Bは、本発明のいくつかの実施形態による、蠕動ポンプ内のクランプ(ポンプ20内のクランプ26など)によって加えられる圧力を制御する際に使用されるバネ526及び524の概略側面図である。バネ526はバネ定数k1を有し、バネ524はバネ定数k2を有する。バネは、弛緩状態(圧縮されていない)でそれぞれ526a及び524aとラベルが付けられ、所与のベースライン527から距離X圧縮される場合に526b及び524bとラベルが付けられる。
【0553】
バネによって加えられる力は、フックの法則に従ってF=k*Xとして計算され、ここで、Fは力、kはバネの特性(バネ定数)、Xはバネのエッジの変位である。異なる特性を持つバネ524及び526が、同じ距離Xを変位したときに同じ力を及ぼすために、弱いバネは、バイアスをかけられる(弛緩状態から事前に圧縮される)必要がある。バネ526のこの種のバイアス状態は、Dのバイアスオフセットで526cとラベル付けされる。この場合、F1=k1*(D+X)、及びF2=k2*X。F1=F2を満たすためには、k1*(D+X)=k2*Xになるようにオフセットを選択する必要がある。D>>Xのとき、この条件はk2>>k1について満たされる。
【0554】
両方のバネがその圧縮状態524b及び526bから追加の距離ΔXだけ圧縮された場合、各バネによって加えられる追加の力はk*ΔXとなる。バネ526の場合、追加の力はk1*ΔXとなり、バネ524の場合、追加の力はk2*ΔXとなる。k1<<k2であるため、追加の動きΔXの結果としてバネ526によって加えられる追加の力は、同じ追加の動きΔXの結果としてバネ524によって加えられる追加の力よりもはるかに小さくなる。言い換えれば、小さいkを持つバネがある追加の量だけバネを圧縮した結果として加えられる力の変化は、同じ追加の量にだけ圧縮される大きいkを持つバネの力の変化よりもはるかに小さくなる。小さいkを持つ長いバネを使用することによって、バネによって加えられる力は、バネの小さな変位に対してほぼ一定に保たれる。
【0555】
図39A、39B及び39Cは、本発明の実施形態による、バネ式圧力クランプ26を備えた蠕動ポンプ20の概略側面図である。各ポンプ20は、ローラ(例えば、4つのローラ)の形の複数の押圧要素を有するロータ22を有し、ローラは、ロールして(roll(転がり))柔軟なポンプチューブ33の一部を押圧し、この部分を介して、尿道カテーテルのような流体源から流体が流れる。1つ以上のバネ524,526,528は、ローラ24とクランプ26との間に圧縮(すなわち、圧縮力)を加えるので、ローラがポンプチューブ33に対して、チューブの硬さ又は厚さの変化に関係なく実質的に一定の力を加えるようにする。(この実施形態の文脈及び特許請求の範囲において、「実質的に一定」という用語は、力がその初期値の±5%以内にとどまることを意味する。)
【0556】
具体的には、
図39A-Cに示す実施形態では、バネ524,526及び528はクランプ26に取り付けられる。(代替的には、以下の実施形態では、バネはローラ又はロータに結合される。)バネ524及び526は線形バネであり、上述のように、それぞれ高い及び低いバネ定数を持つ。バネ528はコイルバネ、すなわち螺旋巻きトーションバネである(ロータバネとも呼ばれる)。このタイプのバネの利点は、外形寸法が小さいが非常に長くできることである。
【0557】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ポンプチューブ33は使い捨てである;例えば、ポンプチューブは使い捨てキット370(
図66A)に属し得る。さらに、クランプ26は使い捨てであってもよい。したがって、ポンプは、複数の異なるポンプチューブ及びオプションで複数の異なるクランプと共に使用される。製造時にこれらの要素の寸法に許容差がある場合があるため、ポンプチューブ及び/又はクランプ寸法の変動によりバネが異なる量で押されるため、ポンプチューブにクランプによって加えられる力が異なる場合がある。
【0558】
ポンプのストローク量の変動につながるこの力の変動を回避するために、ある変位の範囲にわたって実質的に一定の力を発揮するようにバネを選択する必要がある。例えば、バネ526のような低いバネ定数を持つ長いバネ、又はバネ528のような螺旋状のバネは、それぞれがバイアスされており、すなわち、作業変位に対して著しく圧縮されており、この目的のために使用することができる。結果として、クランプとポンプチューブの形状のわずかな違いは、これらの違いの結果としてのバネ変位の変動がバイアス変位よりもはるかに小さいため(
図38を参照して説明されているように)、バネによって印加される力に実質的に影響しない。同様に、ポンプチューブにバネによって印加される力は、ポンプチューブが摩耗してもほとんど変化しないため、均一なストローク量を維持し、ポンプチューブの寿命を延長する。
【0559】
以下に説明する実施形態は、ポンプチューブを通して流体を推進するために、ローラ24が、可撓性ポンプチューブの一部を押して圧縮する回転蠕動ポンプに関連している。これらの実施形態では、1つ以上のバネが、押圧要素、すなわちローラ24を有するロータ22とクランプ26との間に圧縮を加えるので、押圧要素は、その力が例えばポンプチューブの摩耗によるポンプのコンポーネントの機械的特性の変化に関係なく実質的に一定に維持されるように、可撓性ポンプチューブの一部に対して力を印加する。代替的には、これらの実施形態の原理は、他の種類の押し当て要素を持つ他のタイプの蠕動ポンプに、必要な変更を加えて、適用され得る。例えば、これらの原理は、リニア蠕動ポンプの性能を向上させる際に適用され得、この場合、押圧要素は、可撓性ポンプチューブを連続的に押すリニア並進要素(「フィンガー」)を有する。
【0560】
図41及び42は、本発明の実施形態による、バネ式ローラ24を有する蠕動ポンプのロータ22を概略的に示す。
図41は側面図であり、
図42は絵画的図である。これらの両実施形態では、ロータ22は回転ドラム530を有し、その中にローラ24が取り付けられる。バネ535は、ドラム530内でローラを半径方向外側に移動させるように結合され、したがって、ローラとポンプチューブ33(これらの図には示されていない)との間で実質的に一定の力を維持する。具体的には、ローラ24は、ドラム530上のそれぞれの軸534の周りを旋回するそれぞれのロッド533に取り付けられる。バネ535は、ロッド533に取り付けられ、それぞれの軸の周りにロッドに回転力を及ぼす。
【0561】
図示の例では、バネ535は、軸534の周りで反時計回りに伸ばされ、ロッド533を軸の周りに時計回りに押し、したがって、ロータ22の中心で、ローラ24を軸32に対して外側に押し出す。バネ535が加える力は、ローラ24にポンプチューブ33をクランプ26に対して押し付けさせる。バネ535は、フックの法則に従って、変位とともに増加する力を加えるように設計されてもよく、又は、製造公差を克服するために、上述したように、実質的に一定の力を及ぼすように設計されてもよい。代替的には、バネは、ポンプコンポーネント(クランプ、ポンプチューブ、ロータなど)の公差に対する感度を低減するように、フックの法則バネの力を調整するための一定力バネを有し得る。
【0562】
図41において、ピン536は、ポンプ内にポンプチューブがなく、ローラ24がポンプチューブを押圧していないときに、ロッド533の動きを制限するストッパーとして機能する。
【0563】
図42において、ローラ24は、ドラム530内のそれぞれのラジアルスロット537内に取り付けられる。バネ535によって加えられる張力は、ローラをラジアルスロット内で半径方向に移動させるが、スロットの境界はローラの動きを制限する。
【0564】
図41及び42の実施形態において、ドラム530は、ローラ24が配置される円538の直径よりも大きい直径を有する。この直径の差は、バネ535及びロッド533が円538の半径の外側に配置されるためにドラム530上の余地を残す。
【0565】
図43は、本発明のさらに別の実施形態による、バネ式ローラ24を有する蠕動ポンプのロータ22の概略側面図である。この実施形態は、本実施形態では、バネ540がローラ24に取り付けられていることを除いて、
図41及び42の実施形態と同様である。ローラ24は、前述の実施形態と同様にロッド533の端部に取り付けられているが、バネ540は、ロッドを押すのではなく、ローラを直接押す。従って、ロッド533は、移動中のローラを保持し、案内する役割のみを果たす。この配置は、より小さな力が必要であるため、より小さなバネを使用できるという点で有利である。
【0566】
ここで、本発明の更なる実施形態による、バネ式ローラ24を有する蠕動ポンプのロータ22を概略的に示す
図44A及び44Bを参照する。
図44Aは、バネ式回転軸受541を有するローラ24の1つの概略詳細図であり、
図44Bは、ロータ22全体の概略図である。
【0567】
この例では、ローラ24は、ローラの端部に接続され、ローラの運動を制限するドラム542内のラジアルスロット547内で半径方向にスライドする回転軸受541を有する。バネ545は、ローラを半径方向に外側に押す。前の実施形態と同様に、バネ545は、フックの法則に従って、変位とともに増加する力を加えるように設計されてもよいし、実質的に一定の力を及ぼすように設計されてもよいし、フックの法則バネの力を調整するための一定力バネを有してもよい。軸受541は、ローラがポンプチューブに対して滑らかに転がるように摩擦を低減し、したがってポンプチューブの摩耗を低減するのに有用である。この例では、ドラム542の直径は、対向する2つのローラの遠端間の距離よりわずかに大きいだけである。
【0568】
図45A及び45Bは、それぞれ、本発明のさらに別の実施形態による蠕動ポンプのバネ式ローラ24の概略図及び側面図である。前の実施形態と同様に、ローラ24は、スロット547内で半径方向に移動するように取り付けられる。各軸548に取り付けられたバネ545は、可撓性ポンプチューブに対して半径方向外側にローラを駆動する力を加える。この実施形態では、ドラム542は、より長いバネを収容するために、前の実施形態よりも大きな直径を有する。
【0569】
図46A及び46Bは、本発明のいくつかの実施形態による、カートリッジをポンプに取り付ける前後の、交換可能な(すなわち使い捨ての)カートリッジ374を備えた蠕動ポンプの概略側面図である。カートリッジ374は、ポンプチューブ33、クランプ26、及びカートリッジがポンプに挿入されるときにカートリッジを所定の位置に保持するためのラッチ552を含む。バネ557及び558は、ロータ22をクランプ26に向かって押圧するように結合される。
【0570】
カートリッジ374は交換可能であり、製造公差を有するので、ポンプは特定のカートリッジに対して事前に較正することができず、したがって、高精度のポンピング量を達成するためにこれらの公差を許容することができる機構が必要である。さらに、ロータ、ローラ、ベアリング及びクランプのようなポンプコンポーネントは、動作中に摩耗し、高精度を維持するためにこの摩耗に対応する必要がある。
【0571】
この例では、ロータ22は、ロータを右に押すバネ557にストラット556によって取り付けられている。バネ557は、ロッド553を介して一定力バネ558によって押される。カートリッジ374が最初にポンプに差し込まれると、ロータ22は事前に定義された位置(例えば、これらの図に示されている位置)に回転する。カートリッジ374は左に向かって押され、バネ557がバネ558の力に達するまで圧縮される。この時点で、バネ558は圧縮を開始し、バネ557はバネ558によって加えられるほぼ一定の力を考慮してそれ以上圧縮しない。
【0572】
カートリッジ374が完全に挿入されると(左に移動すると)、ラッチ552はストッパー551に対して所定の位置にスナップする。この位置では、バネ557がバネ558の一定の力で圧縮され、ソレノイド554はプランジャ559をロッド553に対して押し、ロッドをストッパー560に対して所定の位置に保持する。したがって、ソレノイド554及びプランジャ559はロックとして機能し、これは、バネ557及び558がロータ22をクランプ26に向かってローラ24が可撓性ポンプチューブ33に対して所望の一定の力を加える位置に駆動することを可能にするために、カートリッジ374をポンプに挿入する間に開く。そして、ソレノイド554及びプランジャ559は、ポンプの作動中、ロータから遠いバネ557の端部をこの位置にロックする。ポンプが作動を開始し、ロータ22が回転すると、バネ557はその左側のロッド553によって固定され、ロータ22を押してポンプチューブ33をその右側のクランプ26に押し付ける。
【0573】
この機構は、カートリッジの挿入時に、例えばバネ557がポンプの本体に単に固定されている場合のように、クランプ26又はポンプチューブの厚さの関数である力ではなく、実質的に一定であるバネ558の力でバネ557が圧縮されるので、カートリッジ374の寸法の公差に対するポンプの感度を低下させる。代替実施形態では、同様のバネの配置を使用して、ロータが固定位置に保持されている間に、ロータに向かってカートリッジを押すことができる。さらに別の実施形態では、カートリッジとロータは固定され、ロータのローラは、ロック付きバネのこの種の組み合わせによって押される。
【0574】
これらのすべての実施形態では、カートリッジがポンプに挿入されるとき、ロータ又はカートリッジ又はローラは、既知の事前に定義された位置に運ばれる。一定力バネ558は、カートリッジが挿入されている間、カートリッジの寸法に関係なくバネ557が同じ力を及ぼすように、カートリッジのコンポーネント及びクランプの寸法の任意の公差を補償するために役割を果たす。カートリッジが挿入されると、ソレノイド554はバネ557の位置を所定の位置にロックする。したがって、バネ557は、クランプ及びカートリッジコンポーネントの寸法の寸法変化にかかわらず、ローラ24及びクランプ26にポンプチューブ33に同じ力を加えさせる。バネ557はフックの法則に従って動作するので、この配置は、ポンプチューブ33への初期力が機械的公差にかかわらず固定されることを確実にするが、例えば、ポンプチューブが摩耗するにつれて変化する。
【0575】
別の実施形態では、バネ557及びソレノイド554は省略され、バネ558のみがロータ22又はクランプ26に力を加える。この配置でも、ポンプチューブ33に加えられる力は、機械的公差及び摩耗に関係なく一定である。
【0576】
流体バッグ用吊り秤
【0577】
ここで本発明のいくつかの実施形態による、尿収集バッグ78のような被験者の身体から排泄された流体を受け入れる流体バッグのための吊り秤561を概略的に示す
図47A-Dを参照する。
図47Aは吊り秤561及びバッグ78の側面図であり、
図47Bは秤561の詳細図である。
図47Cは吊り秤561に統合されたコントローラ564の詳細図であり、
図47Dはコントローラ564内の回路566を模式的に示すブロック図である。秤561は、尿収集バッグ78が吊り下げられるフック563を有するハンガー562を有する。ハンガー562は、点滴ポール、被験者のベッド、輸液ポンプ、尿生成測定システム248(
図49)、又は壁のような支持部に、吊り秤561を吊り下げる又は別の方法で取り付けるためのフックを有する。センサ572は、バッグ78内の流体の量を感知し、これは被験者によって排泄された流体の量を示す。
【0578】
図47A-Dに示すものと同様の配置は、静脈内注入バッグのような他の種類の流体バッグの中の流体の量を吊り下げて測定するために使用することができる。この場合、センサ572は、被験者に送達される流体の量を感知するために使用される。
【0579】
吊り秤561は、バッグの充填レベルを検出するためのセンサ572を含む電子回路566を有するコントローラ564を含む。いくつかの実施形態では、センサ572はバッグ78内の流体の重量を測定する。この目的のために、センサ572は、例えば、ひずみゲージ、ロードセル、又はポテンショメータ、光検出器、可変コンデンサ、又は可変インダクタのような検出器と組み合わされたバネを有し得る。追加的に又は代替的に、センサ572は、バッグ78内の流体のレベルを、例えば、液体表面レベルを検出するために超音波又は光検出器を使用して、測定する。別のオプションとして、センサ572は、バッグ内の流体の量を決定するために、バッグ78の膨張及び収縮を検出し得る。このアプローチは、バッグ自体の重量及び重量測定に影響を及ぼす可能性のあるチューブの歪みによって影響を受けないという点で有利である。コントローラ564は、上記の方法のいずれかを個別に又は組み合わせて使用して、また、本説明を読んだ後に当業者に明らかな他の方法を使用して、バッグ78内の流体の量を測定し得る。
【0580】
コントローラ564は、バッグ78内の流体の量が事前に定義されたリミットに達すると(例えば、バッグ78がほぼ満杯であるか、場合によってはほぼ空である場合)、アラームを発する。この目的のために、コントローラ564は、可聴アラーム567及び/又はライト568を含み得る。コントローラ564の機能は、メモリ574を備えたプロセッサ573によって調整される。充電可能又は非充電可能であるバッテリ577が、回路566のこれら及び他の要素に電力を供給する。代替的に又は追加的に、回路566は、コンセントから電力を受け取ることができる。プロセッサ573は、通信、センサ572の較正及びゼロ調整の制御、センサからの読み取り値の受信、バッグ内の流体の量が閾値に達したかどうかの計算及び決定、及び可聴及び視覚アラームの動作などの機能を処理する。メモリ574は、例えば、プログラムコード、データ、設定データ及び履歴データを格納する。
【0581】
図示の実施形態では、コントローラ564は、無線送信機又はトランシーバ569又は有線リンク570のような通信リンクを有し、流体の感知された量の指示を受信機に伝える。無線送信機又はトランシーバは、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)又はNFCのような任意の適切な標準又は独自のプロトコルに従って動作し得る。通信リンクは、バッグ78内の流体の量が事前に定義されたリミットに達したときにアラームメッセージを送信するために使用することができる。通信リンクは、アラーム設定及び閾値レベルを設定することによってなど、コントローラ564を設定するためにも使用され得る。各閾値が異なる重大度レベルのアラームをトリガするように、いくつかの閾値レベルが設定され得る。その他の設定可能なパラメータは、例えば、アラームの音量、オーディオタイプ、及びビジュアルタイプ(点滅速度や強度など)を含み得る。
【0582】
通信リンクは、要求時又は定期的に履歴データを送信するためにも使用され得る。このような履歴データは、例えば、交換されたバッグの数、各バッグが交換された時間、アラームからバッグ交換までの時間、及びバッグが交換されたときの充填レベルを含み得る。追加的に又は代替的に、通信リンクは、バッテリ577が低下しており、再充電又は交換が必要であることを警告するために使用され得る。
【0583】
データは、吊り秤561からゲートウェイなどの受信機に送信され、受信機は、この種の他の吊り秤とも通信し得る。データは、ゲートウェイを介して、又は吊り秤から直接、監視システム(例えば、患者モニタ及び/又はナースステーションモニタを含む)及び/又はEMRに通信され得る。代替的に又は追加的に、データは、システム248に、バッグの充填レベル及び/又は充填レベルが閾値に達したことを示すように、尿生成測定システム248(
図49)に送信され得る。これらのいずれの場合においても、ゲートウェイ、監視システム又は測定システムは、バッグ78内の流体の感知された量及び/又は充填レベルが閾値に達したことの指示を吊り秤561から受信し、したがって、被験者による経時的な尿の排泄に関する情報を計算及び表示し、及び/又はバッグがほぼ満杯であることを警告することができる。代替的には、吊り秤が輸液バッグを吊り下げるために使用される場合、コントローラ564は、輸液ポンプ、ゲートウェイ、監視システム、及び/又はEMRに、バッグの充填レベル及び/又はバッグが所定の閾値まで空になったことを示す信号を送信し得る。したがって、輸液ポンプ、ゲートウェイ、監視システム、及び/又はEMRは、被験者への流体投与に関する情報を経時的に計算及び表示することができる。
【0584】
監視システムは、有線又は無線リンクのいずれかを介して吊り秤561からデータを受信し得る。監視システムは、スピーカ、ブザー及び/又はランプのような視覚及び/又は音声アラームによって医療スタッフに警告する手段を有し得る。監視システムはまた、アラーム閾値のような吊り秤561の構成パラメータを設定するために、キーボードのようなデータを入力する手段を有し得る。監視システムは、交換されたバッグの数、充填された(例えば、静脈内注入の場合)又は空にされた(例えば尿排泄の場合)バッグの総量のような履歴データ、及びバッグ流体レベルのようなリアルタイム情報を表示するためのディスプレイのようなデータを出力する手段を有し得る。したがって、監視システムは、被験者による流体の排泄及び経時的な被験者の身体への流体の入力の両方に関する情報を表示することができる。これらの種類のデータは、複数の被験者に関して同時に表示することができる。
【0585】
吊り秤561によって測定された流体の重量は、バッグ78の揺れ及びバッグ又はバッグに接続されたチューブのひずみなど、いくつかの理由で安定しない可能性がある。この不安定性は、本明細書では「ノイズ」と呼ばれる。
【0586】
いくつかの実施形態では、吊り秤からの流体量の表示を受け取る装置は、実際の重量を推定するために、ノイズ(例えば、
図49を参照して説明したように)を除去し得る。代替的には、吊り秤の回路566のプロセッサ573は、ノイズを除去し得る。監視システム、尿生成測定システム、又は輸液ポンプは、バッグの現在の重量及び/又は現在の流量(すなわち、バッグの充填率又は空率)をリアルタイムで表示し得、流量が所定のリミットを超えるか下回る場合及び/又はバッグの充填レベルが閾値に達した場合に警告を与え得る。
【0587】
図48は、本発明のいくつかの実施形態による流体管理ダッシュボード580を示す表示画面の概略図である。ダッシュボード580は、監視システムのような受信装置によって表示され、いくつかの被験者の各々に接続された複数のバッグ(輸液バッグ及び尿収集バッグの両方を含む)に関する情報を提示する。
【0588】
本例では、ダッシュボード580は、3人の異なる被験者に接続された8つのバッグに関する情報を提示する。ブロック581,582及び583は、被験者1の3つのバッグに関する情報を表示する。ブロック584及び585は、被験者2の2つのバッグに関する情報を表示する。ブロック586,587及び588は、被験者3の3つのバッグに関する情報を表示する。ブロック581は、被験者1に接続され、被験者1の近くの吊り秤(
図47A-Dに示すような)にぶら下がっているIV生理食塩水バッグに関する情報を表示する。ブロック581によると、4番目のバッグが7:38PMに交換され、60%満たされている。ブロック582は、被験者1に接続され、被験者1の近くの別の吊り秤にぶら下がっている経腸栄養バッグに関する情報を表示する。最初の経腸栄養バッグが8:00PMに開始され、10%満たされ、バッグがほぼ空であるという警告が表示されている。ブロック583は、被験者1に接続され、被験者1の近くの別の吊り秤にぶら下がっている尿バッグに関する情報を表示する。ブロック583は、過去4時間の毎時尿排出量を表示する。このリストはスクロールして、より多くの履歴データを表示することができる。
【0589】
被験者2に関して、ブロック584は、被験者2に接続され、被験者2の近くの吊り秤からぶら下がっているIV生理食塩水バッグに関する情報を表示する。ブロック584によると、12番目のバッグは1:22PMに交換され、25%満たされている。ブロック585は、被験者2に接続され、被験者2の近くの吊り秤にぶら下がっている尿バッグに関する情報を表示する。表示される情報には、過去4時間の毎時尿排出量が含まれており、リストをスクロールしてより多くの履歴データを表示することができる。
【0590】
被験者3に関して、ブロック586は、被験者3に接続され、被験者3の近くの吊り秤にぶら下がっているIV血液バッグに関する情報を表示する。ブロック586は、最初のバッグが4:00PMに開始され、20%満たされていることを示す。ブロック587は、被験者3に接続され、被験者3の近くの吊り秤からぶら下がっているIV生理食塩水バッグに関する情報を表示する。ブロック587は、2番目のバッグが7:00AMに交換され、空であることを示し、空のバッグの交換を求めるアラームを表示する。ブロック588は、被験者3に接続され、被験者3の近くの吊り秤にぶら下がっている尿バッグに関する情報を表示する。表示される情報には、過去4時間の毎時尿排出量が含まれており、リストをスクロールしてより多くの履歴データを表示することができる。
【0591】
上記の各ブロックをタップすると、追加情報の表示や設定のためのウィンドウを開くことができる。設定制御589を使用して、以下のようなパラメータを設定することができる:
・ バッグのタイプ(尿、生理食塩水、血液など)。
・ 視覚アラーム又は警告が表示される空又は充填閾値レベル。
・ 音声アラーム又は警告が鳴る空又は充填レベル。
・ 視覚アラーム又は警告が表示される上又は下の充填又は空の割合(rate(速度))。
・ 音声アラーム又は警告が鳴る上又は下の充填又は空の割合。
・ 視覚アラーム又は聴覚アラームを有効又は無効にすること。
・ アラームの音量、オーディオタイプ、及び視覚タイプを設定すること。
【0592】
表示され得る追加情報には、各バッグが交換された時刻及びアラームからバッグの交換までの時間などの履歴データが含まれ得る。その他の情報には、バッテリ残量が含まれ得る。
【0593】
当業者には、本発明が上記で特に示され説明されたものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記で説明された種々の特徴の組合せ及び部分組合せ、並びに先行技術にないそれらの変形及び変形の両方を含み、これらは、上記の説明を読むと当業者に思い浮かぶであろう。
【国際調査報告】