(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-30
(54)【発明の名称】洗濯物を洗濯物の山から引き離す把持装置の動作方法
(51)【国際特許分類】
D06F 67/04 20060101AFI20240523BHJP
D06F 93/00 20060101ALI20240523BHJP
D06F 35/00 20060101ALI20240523BHJP
B65H 3/08 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
D06F67/04
D06F93/00
D06F35/00 Z
B65H3/08 340
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023571128
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 DE2022100392
(87)【国際公開番号】W WO2022242808
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】102021113345.9
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523430858
【氏名又は名称】ティーレン オートメーション ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ティーレン ベルント
【テーマコード(参考)】
3B168
3F343
【Fターム(参考)】
3B168AE04
3B168JM01
3B168JM02
3B168JM03
3F343FA08
3F343FB15
3F343FC01
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3F343GB01
3F343GC02
3F343GD04
3F343JB03
3F343JB17
3F343JB27
3F343KB05
3F343LA16
(57)【要約】
本発明は、洗濯物を洗濯物の山(5)から引き離す把持装置(1)の動作方法に関する。把持装置(1)は、洗濯物の山(5)上の洗濯物を吸い上げる吸引ノズルユニット(2)を有する。吸引ノズルユニット(2)は、少なくとも1つのノズルからなるノズルアセンブリを有する。吸引ノズルユニット(2)は、吸引ノズルユニット(2)の開口部(6)に真空を発生させる装置を有する。把持装置(1)は、把持要素(3、4)を有し、把持要素(3、4)が閉じた状態で洗濯物を把持するように協働して閉じられる。本発明では、洗濯物の吸引が開始するとき、吸引ノズルユニット(2)の開口部(6)から洗濯物の山(5)までの距離(X)(201)は、「0」より大きい。吸引ノズルユニット(2)の開口部(6)が洗濯物によって覆われるように、洗濯物が吸引ノズルユニット(2)によって吸い上げられると、把持要素(3、4)が閉じる。把持要素(3、4)が閉じると、洗濯物は、洗濯物の山(5)から部分的にのみ持ち上げられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を洗濯物の山(5)から引き離す把持装置(1)の動作方法であって、
前記把持装置(1)は、前記洗濯物の山(5)上の洗濯物を吸い上げる吸引ノズルユニット(2)を有し、
前記吸引ノズルユニット(2)は、少なくとも1つのノズルからなるノズルアセンブリを有し、
前記吸引ノズルユニット(2)は、前記吸引ノズルユニット(2)の開口部(6)に真空を発生させる装置を有し、
前記把持装置(1)は、複数の把持要素(3、4)を有し、前記把持要素(3、4)が閉じた状態で洗濯物を把持するように協働して閉じられる、把持装置(1)の動作方法において、
洗濯物の吸引が開始するとき、前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)から前記洗濯物の山(5)までの距離(X)は、「0」より大きく、
前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)が洗濯物によって覆われるように、前記洗濯物が前記吸引ノズルユニット(2)によって吸い上げられると、前記把持要素(3、4)を閉じ、
前記把持要素(3、4)を閉じると、前記洗濯物を前記洗濯物の山(5)から部分的にのみ持ち上げる、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
洗濯物の吸い上げが識別されずに前記吸引ノズルユニット内に真空が発生する場合、洗濯物の吸い上げが識別されるまで、
前記距離(X)は短縮するか、及び/又は
より強力な真空が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
洗濯物が吸い上げられないことを識別すると、
前記洗濯物の山(5)の上部を把持するように前記把持要素(3、4)を閉じ、
次に、前記洗濯物の山(5)の前記上部を把持した後に前記把持要素(3、4)を持ち上げ、
その後、前記把持要素(3、4)を持ち上げ位置で開くことにより、前記洗濯物の山(5)の持ち上げられた上部を前記洗濯物の山の上に落下させる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
1つの洗濯物が前記吸引ノズルユニット(2)によって吸い上げられた後、複数の洗濯物が前記把持要素によって把持されることを識別すると、
前記把持要素(3、4)を、把持された前記洗濯物が前記洗濯物の山から持ち上げられる位置まで持ち上げ、
前記把持要素(3、4)をこの持ち上げ位置で開くことにより、把持された前記洗濯物を前記洗濯物の山(5)上に落下させる、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記吸引ノズルユニット(2)と前記把持要素(3、4)は、互いに移動できることにより、前記吸引ノズルユニット(2)から前記洗濯物の山(5)までの前記距離(X)が前記把持要素(3、4)から前記洗濯物の山(5)までの距離に対して第1位置から第2位置まで変化することができ、
前記第1位置では、前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)から前記洗濯物の山(5)までの前記距離(X)は、前記把持要素(3、4)から前記洗濯物の山(5)までの距離より短く、
前記第2位置では、前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)から前記洗濯物の山(5)までの前記距離は、前記把持要素(3、4)から前記洗濯物の山までの前記距離より長く、
把持プロセスは、
前記第1位置で、前記吸引ノズルユニット(2)内に真空を発生させ、前記把持要素(3、4)を開く第1ステップと
洗濯物を吸い上げた後、前記第2位置に移行する第2ステップであって、前記第2位置では、前記把持装置(1)内の前記吸引ノズルユニット(2)が前記把持要素(3、4)に対して前記洗濯物の山(5)から離れるように移動する、第2ステップと、
前記把持要素(3、4)を閉じる第3ステップと、により実行される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
回転運動の回転中心(401)から始まる前記把持要素(3、4)の長さは、前記把持要素(3、4)の前記回転運動の回転中心(401)から始まる前記吸引ノズルユニット(2)の長さより長く、
洗濯物が前記吸引ノズルユニット(2)によって吸い上げられた後、前記把持要素(3、4)は、回転運動(401)によって閉じられる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記装置をオンに切り替えて真空を発生させた後、前記装置を第1電力レベル(201)で動作させ、
洗濯物が吸い上げられたことを識別した後、前記装置を第2電力レベル(204)で動作させ、
前記第2電力レベルは、前記第1電力レベルより低い、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
真空を発生させる前記装置の駆動部の速度変化、
真空を発生させる前記装置の前記駆動部の消費電力、
前記装置をオンに切り替える時の空気流量の変化、
前記吸引ノズルユニット(2)内の圧力変化、及び
目視評価
という変数のうちの1つ以上を評価することによって、吸い上げられている洗濯物を識別する(202)、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記吸引ノズルユニット(2)内に真空を発生させる前記装置が動作する電力レベルは、前記洗濯物の山(5)内の前記洗濯物の繊維製品のタイプの識別に依存する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記把持要素(3、4)が閉じられると(206)、真空を発生させる前記装置をオフに切り替える、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記洗濯物の山(5)の形状及び位置を検出し、
前記洗濯物の山(5)の前記形状及び前記位置によって、前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)の所望の位置を決定することにより、この所望の位置に到達した時に前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)が前記洗濯物の山(5)から距離(X)離れ、
前記把持装置(1)をこの目標位置に移動させて、前記第1ステップを実行する、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に従って、洗濯物を洗濯物の山から引き離す把持装置の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような方法は、欧州特許出願公開第771746A1号明細書から知られている。
【0003】
洗濯物を洗濯物の山から引き離す場合、プロセスの信頼性の観点から、複数の洗濯物を同時に把持することをほとんど回避することが重要である。別の重要な態様は、把持動作の実行に必要なサイクル時間である。これは特に、商業洗濯物が全体的に処理される工業的な洗濯施設に当てはまる。この処理は、特に洗浄プロセスを含む。洗濯物仕分けプロセスでは、洗濯物を個別に評価できるために、プロセス内で洗濯物を引き離すことは重要である。
【0004】
公知の把持装置は、洗濯物の山上の洗濯物を吸い上げる吸引ノズルユニットを有する。吸引ノズルユニットは、少なくとも1つのノズルからなるノズルアセンブリを有する。吸引ノズルユニットは、ノズルユニットの開口部に真空を発生させる装置を有する。
【0005】
把持装置は、複数の把持要素を有し、当該把持要素は、閉じた状態で洗濯物を把持するように協働して閉じられる。
【0006】
欧州特許出願公開第771746A1号明細書の主題では、吸引ノズルユニットは、把持装置内の把持要素に対して移動できることにより、吸引ノズルユニットから洗濯物の山までの距離が、把持要素から洗濯物の山までの距離に対して第1位置から第2位置まで変化することができ、
第1位置では、吸引ノズルユニットから洗濯物の山までの距離が、把持要素から洗濯物の山までの距離より短く、
第2位置では、吸引ノズルユニットから洗濯物の山までの距離が、把持要素から洗濯物の山までの距離より長い。
【0007】
把持プロセスは、
吸引ノズルユニットが真空を発生させ、把持要素を開く第1位置から開始する第1ステップと、
第2位置に移行する第2ステップと、
把持要素を閉じる第3ステップと、の順序により実行される。
【0008】
公知の把持装置は、吸引ノズルユニットが洗濯物の山に接触するように吸引ノズルユニットを洗濯物の山上に降ろすことによって、公知の解決手段に従って動作する。真空は、この位置で発生し、吸引ノズルユニットは、把持要素に対して洗濯物の山から離れるように移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第771746A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、洗濯物の山からの洗濯物の引き離しを改善する方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために、請求項1に記載の方法は、以下のステップを含む。洗濯物を洗濯物の山から引き離す把持装置を動作させるために、把持装置は、洗濯物の山上の洗濯物を吸い上げる吸引ノズルユニットを有する。吸引ノズルユニットは、少なくとも1つのノズルからなるノズルアセンブリを有する。吸引ノズルユニットは、吸引ノズルユニットの開口部に真空を発生させる装置を有する。把持装置は、複数の把持要素を有し、当該把持要素は、閉じた状態で洗濯物を把持するように協働して閉じることができる。
【0012】
本発明では、洗濯物の吸引が開始するとき、吸引ノズルユニットの開口部から洗濯物の山までの距離(X)は、「0」より大きい。吸引ノズルユニットの開口部が洗濯物によって覆われるように、洗濯物が吸引ノズルユニットによって吸い上げられると、把持要素は閉じる。把持要素が閉じると、洗濯物は洗濯物の山から部分的にのみ持ち上げられる。
【0013】
距離Xは、数センチメートルの範囲、例えば、1センチメートル~20センチメートル、好ましくは、1センチメートル~10センチメートル、特に好ましくは、1センチメートル~5センチメートル、特に好ましくは、1センチメートル~4センチメートルの範囲であり得る。
【0014】
吸引ノズルユニットの開口部から洗濯物の山までの距離Xを第1の位置に維持し、これにより第1のステップにおいても維持することによって、プロセスの信頼性が向上することが示されている。したがって、意図せずに複数の洗濯物を把持することは、あまり発生しない。
【0015】
この利点は、吸引ノズルユニットの真空及び吸引流が洗濯物の山に作用すると、吸引ノズルユニットが洗濯物の山に直接接触する場合と比較して、洗濯物の山の上部の洗濯物のみがより確実に持ち上げられるという事実によって説明することができる。
【0016】
これは、次のように説明できる。まず、空気が吸い込まれる。上部の洗濯物は、ノズルに到達するまで持ち上げられる。下部の洗濯物は、「洗濯物スタックの中」にある。洗濯物が持ち上げられると、洗濯物の上部の圧力は、洗濯物の下部の圧力より低くなる。洗濯物スタックの上に真空があるため、これは、上部の洗濯物に機能する。これは、次の洗濯物のみに対して限られた範囲で機能する。「上部」にない洗濯物の山内の洗濯物の上の圧力は、空気が上部の洗濯物の繊維製品を通っても流れるはずであるため、吸引ノズルによってわずかに低減されるだけである。
【0017】
吸引ノズルを洗濯物スタックの上に一定の距離Xで位置決めすることは、(吸引ノズルが「上部に置かれた」ときに複数の洗濯物を持ち上げるのと比較して)ほとんどの場合、1つの洗濯物のみが確実に持ち上げられることを意味する。
【0018】
また、洗濯物がまだ洗濯物の山から完全に持ち上げられていない場合、洗濯物が既に把持要素によって把持されたことが有利であることも明らかになっている。洗濯物が洗濯物の山の他の洗濯物の下に部分的にある場合、発生した真空のみによって吸引ノズルユニットが持ち上げられると、真空は、洗濯物を洗濯物の山から引き離すのに十分ではない可能性がある。したがって、洗濯物が把持要素によって把持され、把持要素が持ち上げられた場合に、洗濯物は、洗濯物の山から持ち上げられると有利であることが明らかになっている。
【0019】
有利には、吸引ノズルユニットのみを使用して、吸引後に洗濯物を最初に少し持ち上げることができる。これにより、(持ち上げられる物に加えて)誤って吸い込まれた洗濯物が、把持要素が閉じる前に再び落下することが保証される。説明したように、把持要素は、洗濯物が洗濯物の山から完全に持ち上げられる前に、閉じる。
【0020】
請求項2に係る実施形態では、吸引ノズルユニットが洗濯物の山から距離X離れた状態で真空を発生させた後、洗濯物が吸い上げられていないと識別された場合に、エラー処理ルーチンが実行される。このエラールーチンの過程で、距離(X)が短縮されるか、及び/又はより強力な真空が形成される。これは、洗濯物の吸い上げが識別されるまで発生する。
【0021】
これは、例えば、洗濯物の山内の洗濯物が(最初に)洗濯物の山から持ち上げられないように互いに絡まっている場合に、プロセスのパラメータを調整するのに有利である。別の理由としては、洗濯物の山には比重の高い繊維製品で作られた(少なくとも一部の)洗濯物が含まれていることも考えられる。このような洗濯物を(部分的に)持ち上げるには、より強力な真空も必要である。
【0022】
この強力な真空は、吸引ノズルユニット内により強力な真空を発生させることにより実現できる。吸引ノズルユニットの開口部と洗濯物の山との距離(X)を短縮することもできる。
【0023】
代替的又は追加的に、請求項3に記載の更なるエラールーチンは、洗濯物が吸い上げられていないことを識別すると、把持要素が洗濯物の山の上部を把持するように閉じられるように設計されてもよい。その後、真空をオフに切り替えることができる。必要に応じて、閉じる時に把持要素が洗濯物の山の上部を把持するように、閉じる前に把持要素を下げる必要がある。把持要素を閉じた後、把持要素を、洗濯物の山の上部を把持するとともに持ち上げる。その後、把持要素を持ち上げ位置で開くことにより、洗濯物の山の持ち上げられた上部を洗濯物の山の上に落下させる。
【0024】
これにより、洗濯物の山をほぐすことにより、後で洗濯物を引き離す場合に、以前に洗濯物の山の中で絡まった洗濯物を再び吸い上げる可能性がある。
【0025】
必要に応じて、持ち上げられた洗濯物の解放を促進するために、開く前に把持要素が持ち上げ位置で振動運動を実行することができる。
【0026】
請求項4は、1つの洗濯物が吸引ノズルユニットによって吸い上げられた後、複数の洗濯物が把持要素によって把持されることを識別すると、以下のステップを実行する当該方法の実施形態に関する。まず、把持要素を、把持された洗濯物が洗濯物の山から持ち上げられる位置まで持ち上げる。この持ち上げ位置で、把持された洗濯物が洗濯物の山の上に落下するように、把持要素を開く。
【0027】
有利には、この手順は、絡まった洗濯物を後続の把持プロセスで個別に把持することができるように、これらの洗濯物を互いに分離させるためにも使用できる。
【0028】
請求項5に記載の当該方法の実施形態では、吸引ノズルユニットと把持要素は、互いに移動できることにより、吸引ノズルユニットから洗濯物の山までの距離(X)が、把持要素から洗濯物の山までの距離に対して変化することができる。この変化は、第1位置から第2位置まで発生することができ、当該第1位置では、吸引ノズルユニットの開口部から洗濯物の山までの距離が、把持要素から洗濯物の山までの距離より短く、当該第2位置では、吸引ノズルユニットの開口部から洗濯物の山までの距離が、把持要素から洗濯物の山までの距離より長い。把持プロセスは、
第1位置で、吸引ノズルユニット内に真空を発生させ、把持要素を開く第1ステップと、
洗濯物を吸い上げた後、第2位置に移行する第2ステップであって、第2位置では、把持装置内の吸引ノズルユニットが把持要素に対して洗濯物の山から離れるように移動する、第2ステップと、
把持要素を閉じる第3ステップと、により実行される。
【0029】
請求項6に記載の当該方法の実施形態では、回転運動の回転中心から始まる把持要素の長さは、把持要素の回転運動の回転中心から始まる吸引ノズルユニットの長さより長い。洗濯物が吸引ノズルユニットによって吸い上げられた後、把持要素は、回転運動によって閉じられる。
【0030】
請求項6に記載の実施形態では、把持要素は、閉じたときに、吸引ノズルユニットの開口部の「下」で吸引ノズルユニットによって吸い上げられた洗濯物を把持するのに十分な長さを有する。有利には、吸引ノズルユニットがもはや把持装置内の把持要素に対して移動可能である必要がないため、請求項5に記載の実施形態と比較して、把持装置の設計を簡素化することができる。請求項6に記載の実施形態では、必要に応じて、把持要素が閉じる前に、把持装置全体が洗濯物の山から持ち上げられることにより、把持要素が洗濯物の山の上で閉じる。把持要素が吸引ノズルユニットによって吸い上げられた洗濯物を把持するだけであるため、把持装置が持ち上げられると、洗濯物は、洗濯物の山から持ち上げられる。
【0031】
請求項7に記載の実施形態では、装置をオンに切り替えて真空を発生させた後、装置を第1電力レベルで動作させる。洗濯物が吸い上げられたことを識別した後、装置を第2の電力レベルで動作させ、第2の電力レベルは、第1の電力レベルより低い。
【0032】
これの利点は、第1(より高い)電力レベルで洗濯物を持ち上げることができることである。洗濯物が吸引ノズルユニットの開口部を覆うように洗濯物が吸い上げられたことを識別すると、電力レベルが有利に低減される。装置の動作中のこの低い電力レベルは、洗濯物が吸引ノズルユニットの開口部を覆う位置に洗濯物を保持するのに十分であることが示されている。
【0033】
電力レベルを低下させることにより、個別に把持されるべき上部の洗濯物の下に位置する洗濯物が吸い上げられることが有利に防止される。
【0034】
別の洗濯物が既に誤って吸い上げられた場合、真空を発生させる装置の電力レベルを下げると、その洗濯物が再び落下するのを保証するのに有利である可能性がある。
【0035】
真空を発生させる装置が電動モータを有する場合、その電動モータによって吸収される電力は、電動モータの端子に印加される電圧と、電動モータの運動に対抗する機械的負荷とによって規定される。この場合、電力レベルは、電動モータの端子に印加される電圧を低減することによって低下する。
【0036】
請求項8に記載の実施形態では、
真空を発生させる装置の駆動部の速度変化、
真空を発生させる装置の駆動部の消費電力、
装置をオンに切り替える時の空気流量の変化、
ノズルユニット内の圧力変化、及び
目視評価
という変数のうちの1つ以上を評価することによって、吸い上げられている洗濯物を識別する。
【0037】
真空を発生させる装置の駆動部の速度変化の評価は、吸引ノズルユニットの開口部が覆われるように洗濯物を吸い上げる時に空気流量が低下する限りにおいて有用である。これは、真空を発生させる装置の速度の低下につながる。この速度の低下を評価することができる。
【0038】
吸引ノズルユニットの開口部が洗濯物で覆われると、真空を発生させる装置の消費電力が増加する。このような急激な消費電力の増加が検出されると、洗濯物が吸い上げられたことも推定することができる。
【0039】
真空を発生させる装置が電動モータを有すると、記載された2つの影響が発生する。通過する空気がより高い流れ抵抗によって対抗されるため、空気流量が低下すると、電動モータの速度は低下する。このため、電動モータの端子に一定の電圧が印加されると、電動モータのより高い消費電力が引き起こされる。
【0040】
装置をオンに切り替える時の空気流量の変化を分析することも可能である。この空気流量の変化は、洗濯物が吸引ノズルの開口部を覆うことに直接関連して発生する。
【0041】
吸引ノズルユニット内の圧力変化を評価することも可能である。これは、吸引ノズルユニットの開口部が洗濯物で覆われるかどうかかを検出するために使用することもできる。
【0042】
これら全ての測定変数の評価は、吸引ノズルユニットの開口部が洗濯物の山の上にある時に、真空を発生させる装置のスイッチがオンに切り替えられる場合、請求項3の意味における真空を発生させる装置の電力レベルの調整がより良く機能することを示す。それぞれの測定変数の急激な変化は、真空を発生させる装置をオンに切り替えた直後には吸引ノズルユニットの開口部がまだ空いており、対応する量の空気が吸引ノズルユニットの開口部を通って流れるという事実によるものである。洗濯物が吸い上げられて吸引ノズルユニットの開口部を覆うと、それぞれの変数の急激な変化が引き起こされる。この急激な変化は、高い確実性、及び短い時間遅れで識別することができる。
【0043】
目視評価を行うことも可能である。この目視評価は、吸引ノズルユニットの下、又は吸引ノズルユニットの開口部近くの、吸引ノズルユニットの内部に位置する光バリアで構成することができる。目視評価は、カメラで領域全体を撮影することにより、画像評価によって洗濯物が吸引ノズルユニットの開口部を覆うかどうかを識別できることで構成することもできる。
【0044】
請求項9に記載の実施形態では、吸引ノズルユニット内に真空を発生させる装置が動作する電力レベルは、洗濯物の山内の洗濯物の繊維製品のタイプの識別に依存する。
【0045】
比重の高い繊維製品の場合、比重の低い繊維製品の場合より電力レベルを高く設定することができる。
【0046】
繊維製品のタイプは、洗濯物の山にある洗濯物にRFIDチップでタグを付けることにより識別することができる。他のデータに加えてRFIDチップを分析することにより、繊維製品の比重が高いか又は低いかを識別することが可能である。また、繊維製品がかなり緻密であるかどうか、又は空気が通過できる穴があるかどうかを識別するために使用することもできる。
【0047】
カメラを設けて洗濯物の山を評価することにより繊維製品のタイプを識別することも可能である。
【0048】
請求項10に記載の実施形態では、把持要素が閉じられると、真空を発生させる装置はオフに切り替えられる。
【0049】
これは、個別の洗濯物が把持要素によって引き離された状態に保たれるため、当然のことである。次に、この洗濯物を、洗濯物の山から更に離れた位置まで持ち上げることができる。この場合には、吸引ノズルユニットによる真空の発生は不要となる。
【0050】
請求項11に記載の当該方法の実施形態では、洗濯物の山の形状及び位置を検出する。洗濯物の山の形状及び位置によって、吸引ノズルユニットの開口部の所望の位置を決定することにより、この所望の位置に到達した時に吸引ノズルユニットの開口部が洗濯物の山から距離(X)離れる。把持装置は、この目標位置に移動して、第1ステップを実行する。
【0051】
この方法を実行するには、洗濯物の山の最高点より上に把持装置を位置決めすることが有用であることが明らかになっている。上部の洗濯物は、洗濯物の山の他の洗濯物より部分的に他の洗濯物の下にある可能性が低くなる。これにより、引き離しが実行されると、洗濯物が洗濯物の山から吸い上げられてから、持ち上げられることが容易になる。
【0052】
洗濯物の山の形状及び位置が検出されると、洗濯物の山の最高点の上に距離X離れた位置にある目標位置を規定することもできる。
【0053】
吸引ノズルユニットの開口部のこのような目標位置を特定することは、サイクル頻度を高めることに対して大きな利点を有する。洗濯物が把持されて引き離されると、洗濯物の山から離れるように把持装置を移動させることによって、この洗濯物は洗濯物の山から持ち上げられる。この洗濯物が置かれると、把持装置は、次の洗濯物を引き離して把持することができるように、洗濯物の山に対して再び位置決めされなければならない。吸引ノズルの開口部の位置が洗濯物の山から距離X離れた位置にあるべきであるため、この位置決めは、洗濯物の山に当たるまで把持装置を洗濯物の山に向かって移動させるだけでは達成できない。目標位置が決定されたら、吸引ノズルユニットの開口部の現在位置に基づいて、目標位置に到達する最適な運動手順の軌道を決定することができる。同様に、この軌道に沿った速度プロファイルは、把持装置が可能な限り最高速度で軌道に沿って移動し、目標点に到達する前に適切なタイミングで同時に制動されることにより、目標位置に到達すると吸引ノズルユニットの開口部が制動されて停止するように、規定することができる。
【0054】
本発明の例示的な実施形態は、図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】一例の位置及び動作状態における、洗濯物の山の上にある吸引ノズルユニット及び把持要素を含む把持装置の表現を示す。
【
図2】一例の位置及び動作状態における、洗濯物の山の上にある吸引ノズルユニット及び把持要素を含む把持装置の表現を示す。
【
図3】一例の位置及び動作状態における、洗濯物の山の上にある吸引ノズルユニット及び把持要素を含む把持装置の表現を示す。
【
図4】一例の位置及び動作状態における、洗濯物の山の上にある吸引ノズルユニット及び把持要素を含む把持装置の表現を示す。
【
図5】本発明に係る方法の手順を表すブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1~
図4は、異なる位置及び動作状態における、洗濯物の山5の上にある、吸引ノズルユニット2及び把持要素3、4を有する把持装置1の表現を示す。
【0057】
図1は、洗濯物の山5の上に配置された把持装置1を示す。吸引ノズルユニット2の開口部6と洗濯物の山5との距離Xは、「0」よりも大きいことが分かる。
【0058】
図1の表現では、空気は、吸引ノズルユニット2の開口部6から流入し、吸引ノズルユニット2の側面から吸い上げられ、吸引ノズルユニット2の開口部6と洗濯物の山5との間を流れることが分かる。
【0059】
把持要素3、4が開かれることが分かる。
【0060】
図1の表現では、吸引ノズルユニット2内に真空を発生させる装置は、動作している。これにより、空気は、吸い上げられて、洗濯物の山5と吸引ノズルユニット2の開口部6との間を流れて吸引ノズルユニット2の開口部6に流入する。したがって、真空が発生する。
【0061】
この第1位置では、吸引ノズルユニット2の開口部6は、把持要素3、4よりも洗濯物の山5の上に近い。図示の例示的な実施形態では、これは、既に2つの把持要素3、4が開かれ、かつ吸引ノズルユニット2の開口部6の上の上部位置で横方向に突出しているという事実によるものである。
【0062】
図2は、
図1と同様の状況を示すが、真空の結果、洗濯物の山5の上部の洗濯物が吸引ノズルユニット2の開口部6を覆うまで吸い上げられている点が異なる。
【0063】
図1~
図4に示す把持装置1は、把持装置1内の吸引ノズルユニット2が把持要素3、4に対して垂直方向に移動できる実施形態に関する。これは、
図3の矢印301で表される。
【0064】
把持装置1の吸引ノズルユニット2を持ち上げることにより、吸い上げられた洗濯物は、洗濯物の山から更に離れて持ち上げられる。
【0065】
2つの矢印302、303は、閉じる時の2つの把持要素3、4の回転運動を指す。2つの把持要素3、4が洗濯物の山5の上で閉じられることが分かる。吸引ノズルユニット2が把持要素3、4に対して上向きに移動することにより、吸い上げられた洗濯物が、把持要素3、4が閉じる前にそれらの間に位置することもまた有利である。
【0066】
更に、把持装置1内の把持要素3、4に対する吸引ノズルユニット2の相対運動により、把持要素3、4が吸引ノズルユニット2の開口部6の下で閉じることを保証する。
【0067】
図4は、把持装置1内の吸引ノズルユニット2が把持要素3、4に対して上向きに移動し、把持要素3、4が閉じられるため、洗濯物を把持する位置にある把持装置1を示す。真空を発生させる装置がオフに切り替えられることが分かる。洗濯物は、閉じた把持要素3、4のみによって保持される。
【0068】
図3及び
図4を参照すると、本発明の実施には、把持装置1内の吸引ノズルユニット2が把持要素3、4に対して上向きに移動できることが絶対に必要というわけではない(即ち、矢印301に対応する運動が絶対に必要というわけではない)ことを説明することができる。
図4に示すように、把持要素3、4の回転中心401への吸引ノズルユニット2の位置の割り当ては、静的に実行することもできる。したがって、把持要素3、4は、吸引ノズルユニット2の開口部6の下で閉じる。開かれている時に2つの把持要素3、4が
図1及び
図2に示す位置まで回転すると、
図4に示すように、吸引ノズルユニット2が把持装置1の内側のはるか上方まで(静的に)位置決めされる場合でも、2つの把持要素3、4は、吸引ノズルユニット2の開口部6の上に位置する。このような実施形態により、吸引ノズルユニット2の開口部6を洗濯物の山5の上に距離X離れて位置決めすることも可能であり、それにもかかわらず、把持要素3、4は、吸引ノズルユニット2の開口部6よりも洗濯物の山5から遠く離れている。この実施形態は、第2ステップを実施する請求項1に記載の第2代替的な実施形態に対応する。
【0069】
図5は、本発明に係る方法の手順を表すブロック図を示す。
【0070】
この方法のサイクルは、機能ブロック501で開始する。吸引ノズルユニットは、洗濯物の山の上部から一定の距離X離れた位置にある。真空を発生させる装置をオンに切り替える。
【0071】
機能ブロック502において、一定時間が経過した後に洗濯物が吸引ノズルユニットの開口部を覆うように吸い上げられているかどうかをチェックする。このサイクルは、請求項3に関連して記載された変数の1つを評価することによって実行することができる。
【0072】
一定時間が経過しても洗濯物が吸い上げられていないことが識別された場合に、機能ブロック503の表現に従って、吸引ノズルユニットを洗濯物の山に近づけて位置決めすることができ(距離Xを短縮する)、及び/又は真空を発生させる装置の電力を増加させることができる。
【0073】
洗濯物が吸い上げられた場合、機能ブロック504に従って、真空を発生させる装置の電力を低下させることができる。
【0074】
機能ブロック505に従って、吸引ノズルユニットを把持要素に対して後退させる。第2ステップの第2の代替的な実施形態における請求項1の記載による把持要素の長さが吸引ノズルユニットの長さに比べて十分に長い場合、機能ブロック506の後続のステップにおいて把持要素が洗濯物の山の上で閉じるように、把持装置全体を洗濯物の山から持ち上げることもできる。
【0075】
機能ブロック506によれば、把持要素を閉じ、真空を発生させるための駆動部をオフに切り替える。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を洗濯物の山(5)から引き離す把持装置(1)の動作方法であって、
前記把持装置(1)は、前記洗濯物の山(5)上の洗濯物を吸い上げる吸引ノズルユニット(2)を有し、
前記吸引ノズルユニット(2)は、少なくとも1つのノズルからなるノズルアセンブリを有し、
前記吸引ノズルユニット(2)は、前記吸引ノズルユニット(2)の開口部(6)に真空を発生させる装置を有し、
前記把持装置(1)は、複数の把持要素(3、4)を有し、前記把持要素(3、4)が閉じた状態で洗濯物を把持するように協働して閉じられる、把持装置(1)の動作方法において、
洗濯物の吸引が開始するとき、前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)から前記洗濯物の山(5)までの距離(X)は、「0」より大きく、
前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)が洗濯物によって覆われるように、前記洗濯物が前記吸引ノズルユニット(2)によって吸い上げられると、前記把持要素(3、4)を閉じ、
前記把持要素(3、4)を閉じると、前記洗濯物を前記洗濯物の山(5)から部分的にのみ持ち上げる、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
洗濯物の吸い上げが識別されずに前記吸引ノズルユニット内に真空が発生する場合、洗濯物の吸い上げが識別されるまで、
前記距離(X)は短縮するか、及び/又は
より強力な真空が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
洗濯物が吸い上げられないことを識別すると、
前記洗濯物の山(5)の上部を把持するように前記把持要素(3、4)を閉じ、
次に、前記洗濯物の山(5)の前記上部を把持した後に前記把持要素(3、4)を持ち上げ、
その後、前記把持要素(3、4)を持ち上げ位置で開くことにより、前記洗濯物の山(5)の持ち上げられた上部を前記洗濯物の山の上に落下させる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
1つの洗濯物が前記吸引ノズルユニット(2)によって吸い上げられた後、複数の洗濯物が前記把持要素によって把持されることを識別すると、
前記把持要素(3、4)を、把持された前記洗濯物が前記洗濯物の山から持ち上げられる位置まで持ち上げ、
前記把持要素(3、4)をこの持ち上げ位置で開くことにより、把持された前記洗濯物を前記洗濯物の山(5)上に落下させる、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記吸引ノズルユニット(2)と前記把持要素(3、4)は、互いに移動できることにより、前記吸引ノズルユニット(2)から前記洗濯物の山(5)までの前記距離(X)が前記把持要素(3、4)から前記洗濯物の山(5)までの距離に対して第1位置から第2位置まで変化することができ、
前記第1位置では、前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)から前記洗濯物の山(5)までの前記距離(X)は、前記把持要素(3、4)から前記洗濯物の山(5)までの距離より短く、
前記第2位置では、前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)から前記洗濯物の山(5)までの前記距離は、前記把持要素(3、4)から前記洗濯物の山までの前記距離より長く、
把持プロセスは、
前記第1位置で、前記吸引ノズルユニット(2)内に真空を発生させ、前記把持要素(3、4)を開く第1ステップと
洗濯物を吸い上げた後、前記第2位置に移行する第2ステップであって、前記第2位置では、前記把持装置(1)内の前記吸引ノズルユニット(2)が前記把持要素(3、4)に対して前記洗濯物の山(5)から離れるように移動する、第2ステップと、
前記把持要素(3、4)を閉じる第3ステップと、により実行される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記把持要素は、回転中心(401)の周りの回転によって閉じ、
回転運動の回転中心(401)から始まる前記把持要素(3、4)の長さは、前記把持要素(3、4)の前記回転運動の回転中心(401)から始まる前記吸引ノズルユニット(2)の長さより長く、
洗濯物が前記吸引ノズルユニット(2)によって吸い上げられた後、前記把持要素(3、4)は、回転運動(401)によって閉じられる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記装置をオンに切り替えて真空を発生させた後、前記装置を第1電力レベル(201)で動作させ、
洗濯物が吸い上げられたことを識別した後、前記装置を第2電力レベル(204)で動作させ、
前記第2電力レベルは、前記第1電力レベルより低い、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
真空を発生させる前記装置の駆動部の速度変化、
真空を発生させる前記装置の前記駆動部の消費電力、
前記装置をオンに切り替える時の空気流量の変化、
前記吸引ノズルユニット(2)内の圧力変化、及び
目視評価
という変数のうちの1つ以上を評価することによって、吸い上げられている洗濯物を識別する(202)、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記吸引ノズルユニット(2)内に真空を発生させる前記装置が動作する電力レベルは、前記洗濯物の山(5)内の前記洗濯物の繊維製品のタイプの識別に依存する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記把持要素(3、4)が閉じられると(206)、真空を発生させる前記装置をオフに切り替える、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記洗濯物の山(5)の形状及び位置を検出し、
前記洗濯物の山(5)の前記形状及び前記位置によって、前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)の所望の位置を決定することにより、この所望の位置に到達した時に前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)が前記洗濯物の山(5)から距離(X)離れ、
前記把持装置(1)をこの目標位置に移動させて、前記第1ステップを実行する、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
公知の把持装置は、吸引ノズルユニットが洗濯物の山に接触するように吸引ノズルユニットを洗濯物の山上に降ろすことによって、公知の解決手段に従って動作する。真空は、この位置で発生し、吸引ノズルユニットは、把持要素に対して洗濯物の山から離れるように移動する。
このような手順は、米国特許第3092263A号明細書も記載している。この文献でも、吸引ノズルユニットは、洗濯物の山の上に下げられることにより、この洗濯物の山に接触する。真空が発生されることにより、洗濯物が吸引ノズルユニットの開口部と接触すると吸い上げられることが記載されている。吸引ノズルユニットが持ち上げられると、この洗濯物は洗濯物の山から持ち上げられるということがさらに記載されている。洗濯物が洗濯物の山から完全に持ち上げられ自由にぶら下がる場合、洗濯物は、持ち上げられると、光バリア(light barrier)を通過する。光バリアが完全に通過された直後に、把持装置がこの光バリアの上で閉じ、洗濯物を機械的に保持する。これは、洗濯物(それはタオルである)が把持装置によって1つの隅部の規定の位置で保持されるということを意図している。無秩序な洗濯物の山であるため、タオルの表面上の吸引ノズルユニットの位置は吸引プロセスのあいだ統計的に分布する。吸引ノズルユニットの位置がタオルの表面に関する中心に存在しない場合、タオルは吸引ノズルユニットからぶら下がることになり、1つの隅部は他の隅部よりも低くぶら下がる。この(最も低くぶら下がる)隅部が光バリアを通過したときに、上記光バリアはようやく再び解放される。この瞬間に把持装置を閉じることにより、把持装置が、その時点で最も低くぶら下がる1つの隅部のみを把持することを確保することが可能である。タオルが下向きに「対称的」にぶら下がる場合、把持装置を閉じないで真空をオフに切り替えるという選択肢がある。その場合、タオルは洗濯物の山の上に落下し、新しい把持プロセスが実施されることが可能になる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第771746A1号明細書
【特許文献2】米国特許第3092263A号明細書
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
請求項6に記載の当該方法の実施形態では、把持要素は、回転中心の周りの回転によって閉じる。回転運動の回転中心から始まる把持要素の長さは、把持要素の回転運動の回転中心から始まる吸引ノズルユニットの長さより長い。洗濯物が吸引ノズルユニットによって吸い上げられた後、把持要素は、回転運動によって閉じられる。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を洗濯物の山(5)から引き離す把持装置(1)の動作方法であって、
前記把持装置(1)は、前記洗濯物の山(5)上の洗濯物を吸い上げる吸引ノズルユニット(2)を有し、
前記吸引ノズルユニット(2)は、少なくとも1つのノズルからなるノズルアセンブリを有し、
前記吸引ノズルユニット(2)は、前記吸引ノズルユニット(2)の開口部(6)に真空を発生させる装置を有し、
前記把持装置(1)は、複数の把持要素(3、4)を有し、前記把持要素(3、4)が閉じた状態で洗濯物を把持するように協働して閉じられる、把持装置(1)の動作方法において、
洗濯物の吸引が開始するとき、前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)から前記洗濯物の山(5)までの距離(X)は、「0」より大きく、
前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)が洗濯物によって覆われるように、前記洗濯物が前記吸引ノズルユニット(2)によって吸い上げられると、前記把持要素(3、4)を閉じ、
前記把持要素(3、4)を閉じると、前記洗濯物を前記洗濯物の山(5)から部分的にのみ持ち上げる、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
洗濯物の吸い上げが識別されずに前記吸引ノズルユニット内に真空が発生する場合、洗濯物の吸い上げが識別されるまで、
前記距離(X)は短縮するか、及び/又は
より強力な真空が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
洗濯物が吸い上げられないことを識別すると、
前記洗濯物の山(5)の上部を把持するように前記把持要素(3、4)を閉じ、
次に、前記洗濯物の山(5)の前記上部を把持した後に前記把持要素(3、4)を持ち上げ、
その後、前記把持要素(3、4)を持ち上げ位置で開くことにより、前記洗濯物の山(5)の持ち上げられた上部を前記洗濯物の山の上に落下させる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
1つの洗濯物が前記吸引ノズルユニット(2)によって吸い上げられた後、複数の洗濯物が前記把持要素によって把持されることを識別すると、
前記把持要素(3、4)を、把持された前記洗濯物が前記洗濯物の山から持ち上げられる位置まで持ち上げ、
前記把持要素(3、4)をこの持ち上げ位置で開くことにより、把持された前記洗濯物を前記洗濯物の山(5)上に落下させる、ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記吸引ノズルユニット(2)と前記把持要素(3、4)は、互いに移動できることにより、前記吸引ノズルユニット(2)から前記洗濯物の山(5)までの前記距離(X)が前記把持要素(3、4)から前記洗濯物の山(5)までの距離に対して第1位置から第2位置まで変化することができ、
前記第1位置では、前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)から前記洗濯物の山(5)までの前記距離(X)は、前記把持要素(3、4)から前記洗濯物の山(5)までの距離より短く、
前記第2位置では、前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)から前記洗濯物の山(5)までの前記距離は、前記把持要素(3、4)から前記洗濯物の山までの前記距離より長く、
把持プロセスは、
前記第1位置で、前記吸引ノズルユニット(2)内に真空を発生させ、前記把持要素(3、4)を開く第1ステップと
洗濯物を吸い上げた後、前記第2位置に移行する第2ステップであって、前記第2位置では、前記把持装置(1)内の前記吸引ノズルユニット(2)が前記把持要素(3、4)に対して前記洗濯物の山(5)から離れるように移動する、第2ステップと、
前記把持要素(3、4)を閉じる第3ステップと、により実行される、ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記把持要素は、回転中心(401)の周りの回転によって閉じ、
回転運動の回転中心(401)から始まる前記把持要素(3、4)の長さは、前記把持要素(3、4)の前記回転運動の回転中心(401)から始まる前記吸引ノズルユニット(2)の長さより長く、
洗濯物が前記吸引ノズルユニット(2)によって吸い上げられた後、前記把持要素(3、4)は、回転運動(401)によって閉じられる、ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記装置をオンに切り替えて真空を発生させた後、前記装置を第1電力レベル(201)で動作させ、
洗濯物が吸い上げられたことを識別した後、前記装置を第2電力レベル(204)で動作させ、
前記第2電力レベルは、前記第1電力レベルより低い、ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項8】
真空を発生させる前記装置の駆動部の速度変化、
真空を発生させる前記装置の前記駆動部の消費電力、
前記装置をオンに切り替える時の空気流量の変化、
前記吸引ノズルユニット(2)内の圧力変化、及び
目視評価
という変数のうちの1つ以上を評価することによって、吸い上げられている洗濯物を識別する(202)、ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記吸引ノズルユニット(2)内に真空を発生させる前記装置が動作する電力レベルは、前記洗濯物の山(5)内の前記洗濯物の繊維製品のタイプの識別に依存する、ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記把持要素(3、4)が閉じられると(206)、真空を発生させる前記装置をオフに切り替える、ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項11】
前記洗濯物の山(5)の形状及び位置を検出し、
前記洗濯物の山(5)の前記形状及び前記位置によって、前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)の所望の位置を決定することにより、この所望の位置に到達した時に前記吸引ノズルユニット(2)の前記開口部(6)が前記洗濯物の山(5)から距離(X)離れ、
前記把持装置(1)をこの目標位置に移動させて、前記第1ステップを実行する、ことを特徴とする請求項
5に記載の方法。
【国際調査報告】