(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】ディスプレイパネル、印刷装置及びディスプレイパネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240524BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/00 338
G09F9/30 337
G09F9/30 308Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548558
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2022-08-09
(86)【国際出願番号】 CN2022096324
(87)【国際公開番号】W WO2023221171
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】202210553830.1
(32)【優先日】2022-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 紅照
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA25
5C094DA01
5C094DA05
5C094DB03
5C094EA10
5C094FA01
5C094FB01
5C094FB12
5C094FB20
5C094GB10
5G435AA17
5G435BB04
5G435HH12
5G435HH20
5G435KK05
5G435KK10
(57)【要約】
本発明は、ディスプレイパネル、印刷装置、及びディスプレイパネルの製造方法に関する。本発明は、印刷装置とディスプレイパネルとの組合せにより、第1導体と第2導体の幅を増加させ、第1導体及び第1ボンディング端子、第2導体及び第2ボンディング端子の遮断リスクを低下させることができる。本発明は、第1導体と第2導体とが同一の平面に位置しないことにより、第1導体及び第2導体の短絡のリスクを低下させることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面と前記第1表面に垂直な側方印刷面とを含む、基板と、
互いに平行し、かつ前記基板の第1表面に間隔を開けて設けられた複数のボンディング端子であって、交互に設けられた第1ボンディング端子と第2ボンディング端子とを含む、複数のボンディング端子と、
前記基板の側方印刷面に間隔を開けて設けられ、前記第1ボンディング端子に1対1で対応する複数の第1ノッチであって、任意の二つの隣接する前記第1ノッチの間に一つの第1凸起が形成される、複数の第1ノッチと、
前記第1ノッチの底面における前記基板に設けられ、前記第1ノッチに1対1で対応し、かつ前記第1ボンディング端子に1対1で対応して接続されている、複数の第1導体と、
前記第1凸起の上面に位置する前記基板に設けられ、前記第1凸起に1対1で対応し、かつ前記第2ボンディング端子に1対1で対応して接続されている、複数の第2導体と、を含み、
任意の前記第1導体と任意の前記第2導体とは、互いに導通しない、
ディスプレイパネル。
【請求項2】
前記第1導体の材質と前記第2導体の材質とが同じである、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
任意の二つの前記第1ノッチの形状及びサイズが同じである、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
任意の二つの前記第1凸起の幅が同じである、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
請求項1に記載のディスプレイパネルを製造するための印刷装置であって、
本体と、
前記本体の片側の表面に間隔を開けて設けられた複数の第2ノッチであって、任意の二つの隣接する前記第2ノッチの間に一つの第2凸起が形成される、複数の第2ノッチと、
前記第2凸起の上面における前記本体に取り付けられ、前記第2凸起に1対1で対応する、複数の第1印刷ヘッドと、
前記第2ノッチの底面における前記本体に取り付けられ、前記第2ノッチに1対1で対応する、複数の第2印刷ヘッドと、を含む、印刷装置。
【請求項6】
任意の二つの前記第2ノッチの形状及びサイズが同じである、請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
任意の二つの前記第2凸起の幅が同じである、請求項5に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第2ノッチそれぞれの二つの側壁に設けられた複数の疎水疎油層をさらに含む、
請求項5に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記疎水疎油層の材質は、金属リン酸塩、金属ポリリン酸塩化合物、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリエチレンのうちの一種又は複数種を含む、請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
任意の前記第2ノッチにおける二つの前記疎水疎油層の間の距離は、前記第1凸起の幅以上である、請求項8に記載の印刷装置。
【請求項11】
任意の前記第2凸起の二つの側壁における前記疎水疎油層の間の距離は、前記第1ノッチの幅以下である、請求項8に記載の印刷装置。
【請求項12】
第1表面と前記第1表面に垂直な側方印刷面とを含む基板を提供するステップと、
前記基板の第1表面において、互いに平行し、かつ間隔を開けた複数のボンディング端子であって、交互に設けられた第1ボンディング端子と第2ボンディング端子とを含む複数のボンディング端子を製造するステップと、
前記基板の側方印刷面に、前記第1ボンディング端子に1対1で対応する複数の第1ノッチを間隔を開けて設け、任意の二つの隣接する前記第1ノッチの間に一つの第1凸起を形成するステップと、
印刷装置によって前記第1ノッチの底面における前記基板に第1導体を形成し、前記第1凸起の上面における前記基板に第2導体を形成するステップであって、前記第1導体は、前記第1ノッチに1対1で対応し、前記第1ボンディング端子に1対1で対応して接続され、前記第2導体は、前記第1凸起に1対1で対応し、前記第2ボンディング端子に1対1で対応して接続され、任意の前記第1導体と任意の前記第2導体とが互いに導通しないようにするステップと、を含む、ディスプレイパネルの製造方法であって、
前記印刷装置は、
本体と、
前記本体の片側の表面に間隔を開けて設けられた複数の第2ノッチであって、任意の二つの隣接する前記第2ノッチの間に一つの第2凸起が形成される、複数の第2ノッチと、
前記第2凸起の上面における前記本体に取り付けられ、前記第2凸起に1対1で対応する、複数の第1印刷ヘッドと、
前記第2ノッチの底面における前記本体に取り付けられ、前記第2ノッチに1対1で対応する、複数の第2印刷ヘッドと、を含む、
ディスプレイパネルの製造方法。
【請求項13】
任意の二つの前記第2ノッチの形状及びサイズが同じである、請求項12に記載のディスプレイパネルの製造方法。
【請求項14】
任意の二つの前記第2凸起の幅が同じである、請求項12に記載のディスプレイパネルの製造方法。
【請求項15】
前記第1ノッチの底面における前記基板に第1導体を形成し、前記第1凸起の上面における前記基板に第2導体を形成するステップは、
まず、前記第2ノッチそれぞれの二つの側壁に疎水疎油層を設け、次に、前記印刷装置に導電液を付着させ、前記第1印刷ヘッドと前記第1ノッチとを位置合わせし、前記本体を押し付け、前記第1印刷ヘッドに付着させた前記導電液を前記第1ノッチの底面における前記基板に印刷して前記第1導体を形成し、前記第2印刷ヘッドに付着させた前記導電液を前記第1凸起の上面における前記基板に印刷して前記第2導体を形成することをさらに含む、請求項12に記載のディスプレイパネルの製造方法。
【請求項16】
前記疎水疎油層の材質は、金属リン酸塩、金属ポリリン酸塩化合物、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリエチレンのうちの一種又は複数種を含む、請求項15に記載のディスプレイパネルの製造方法。
【請求項17】
レーザーカット、ウォータージェット切断、ドライエッチング及びウェットエッチングのうちの一種を採用して前記基板の側方印刷面に複数の第1ノッチを間隔を開けて設ける、請求項12に記載のディスプレイパネルの製造方法。
【請求項18】
任意の前記第2ノッチ内における二つの前記疎水疎油層の間の距離は、前記第1凸起の幅以上である、請求項15に記載のディスプレイパネルの製造方法。
【請求項19】
任意の前記第2凸起の二つの側壁における前記疎水疎油層の間の距離は、前記第1ノッチの幅以下である、請求項18に記載のディスプレイパネルの製造方法。
【請求項20】
前記本体を押し付けると、前記第1凸起が前記第2ノッチ内に嵌合され、前記第2凸起と前記第2印刷ヘッドが前記第1ノッチ内に嵌合される、請求項19に記載のディスプレイパネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスプレイの技術分野に関し、具体的にはディスプレイパネル、印刷装置及びディスプレイパネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、新型ディスプレイの分野の発展は速く、オールスクリーンや超大スクリーンに対する需要がだんだん高まっている。MLEDは、サブミリ発光ダイオード(英語:Mini LED)とマイクロ発光ダイオード(英語:Micro LED)との総称であり、反応が速く、色域が広く、PPIが高く、エネルギー消費が低い等の優越性を有し、既に未来のディスプレイ技術のトレンドになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
今までのMini LED及びMicro LEDの技術は複雑であり、かつ難点が多い。そのうち、側面印刷プロセスは、ディスプレイパネルの歩留まりに対する影響が大きい。
図1、
図2に示されるように、従来技術におけるディスプレイパネル100の側方印刷面1001が平面である。
図3に示されるように、従来技術における印刷装置200の印刷ヘッド2002は、本体2001からの突出高さが同じである。従来技術における印刷装置200に導電液1002を付着させ、ディスプレイパネル100の側方印刷面1001に押し付ける側方印刷プロセスに存在する難点は、主に二つに分けられ、一つは導電液1002の遮断であり、もう一つは複数回の側方印刷による導電液1002の短絡である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、従来の側方印刷プロセスに存在する導電液の遮断及び短絡問題や、それによるディスプレイパネルの歩留まり低下等の問題を解決できる、ディスプレイパネル、印刷装置及びディスプレイパネルの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は、第1表面と前記第1表面に垂直な側方印刷面とを含む、基板と、互いに平行し、かつ前記基板の第1表面に間隔を開けて設けられた複数のボンディング端子であって、交互に設けられた第1ボンディング端子と第2ボンディング端子とを含む、複数のボンディング端子と、前記基板の側方印刷面に間隔を開けて設けられ、前記第1ボンディング端子に1対1で対応する複数の第1ノッチであって、任意の二つの隣接する前記第1ノッチの間に一つの第1凸起が形成される、複数の第1ノッチと、前記第1ノッチの底面における前記基板に設けられ、前記第1ノッチに1対1で対応し、かつ前記第1ボンディング端子に1対1で対応して接続されている、複数の第1導体と、前記第1凸起の上面に位置する前記基板に設けられ、前記第1凸起に1対1で対応し、かつ前記第2ボンディング端子に1対1で対応して接続されている、複数の第2導体と、を含み、任意の前記第1導体と任意の前記第2導体とは、互いに導通しない、ディスプレイパネルを提供する。
【0006】
さらに、前記第1導体の材質と前記第2導体の材質とが同じである。
【0007】
さらに、任意の二つの前記第1ノッチの形状及びサイズが同じである。
【0008】
さらに、任意の二つの前記第1凸起の幅が同じである。
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は、本発明に係るディスプレイパネルを製造するための印刷装置であって、本体と、前記本体の片側の表面に間隔を開けて設けられた複数の第2ノッチであって、任意の二つの隣接する前記第2ノッチの間に一つの第2凸起が形成される、複数の第2ノッチと、前記第2凸起の上面における前記本体に取り付けられ、前記第2凸起に1対1で対応する、複数の第1印刷ヘッドと、前記第2ノッチの底面における前記本体に取り付けられ、前記第2ノッチに1対1で対応する、複数の第2印刷ヘッドと、を含む、印刷装置をさらに提供する。
【0010】
さらに、任意の二つの前記第2ノッチの形状及びサイズが同じである。
【0011】
さらに、任意の二つの前記第2凸起の幅が同じである。
【0012】
さらに、前記印刷装置は、前記第2ノッチそれぞれの二つの側壁に設けられた複数の疎水疎油層をさらに含む。
【0013】
さらに、前記疎水疎油層の材質は、金属リン酸塩、金属ポリリン酸塩化合物、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリエチレンのうちの一種又は複数種を含む。
【0014】
さらに、任意の前記第2ノッチにおける二つの前記疎水疎油層の間の距離は、前記第1凸起の幅以上である。
【0015】
さらに、任意の前記第2凸起の二つの側壁における前記疎水疎油層の間の距離は、前記第1ノッチの幅以下である。
【0016】
前記課題を解決するために、本発明は、第1表面と前記第1表面に垂直な側方印刷面とを含む基板を提供するステップと、前記基板の第1表面に、互いに平行し、かつ間隔を開けた複数のボンディング端子であって、交互に設けられた第1ボンディング端子と第2ボンディング端子とを含む複数のボンディング端子を製造するステップと、前記基板の側方印刷面に、前記第1ボンディング端子に1対1で対応する複数の第1ノッチを間隔を開けて設け、任意の二つの隣接する前記第1ノッチの間に一つの第1凸起を形成するステップと、本発明に係る印刷装置によって前記第1ノッチの底面における前記基板に第1導体を形成し、前記第1凸起の上面における前記基板に第2導体を形成するステップであって、前記第1導体は、前記第1ノッチに1対1で対応し、前記第1ボンディング端子に1対1で対応して接続され、前記第2導体は、前記第1凸起に1対1で対応し、前記第2ボンディング端子に1対1で対応して接続され、任意の前記第1導体と任意の前記第2導体とが互いに導通しないようにするステップと、を含む、ディスプレイパネルの製造方法をさらに提供する。
【0017】
さらに、前記第1ノッチの底面における前記基板に第1導体を形成し、前記第1凸起の上面における前記基板に第2導体を形成するステップは、まず、前記第2ノッチそれぞれの二つの側壁に疎水疎油層を設け、次に、前記印刷装置に導電液を付着させ、前記第1印刷ヘッドと前記第1ノッチとを位置合わせし、前記本体を押し付け、前記第1印刷ヘッドに付着させた前記導電液を前記第1ノッチの底面における前記基板に印刷して前記第1導体を形成し、前記第2印刷ヘッドに付着させた前記導電液を前記第1凸起の上面における前記基板に印刷して前記第2導体を形成することをさらに含む。
【0018】
さらに、レーザーカット、ウォータージェット切断、ドライエッチング及びウェットエッチングのうちの一種を採用して前記基板の側方印刷面に複数の第1ノッチを間隔を開けて設ける。
【0019】
さらに、任意の前記第2ノッチ内における二つの前記疎水疎油層の間の距離は、前記第1凸起の幅以上である。
【0020】
さらに、任意の前記第2凸起の二つの側壁における前記疎水疎油層の間の距離は、前記第1ノッチの幅以下である。
【0021】
さらに、前記本体を押し付けると、前記第1凸起が前記第2ノッチ内に嵌合され、前記第2凸起と前記第2印刷ヘッドが前記第1ノッチ内に嵌合される。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、印刷装置とディスプレイパネルとの組合せにより、第1導体と第2導体の幅を増加させ、第1導体及び第1ボンディング端子、第2導体及び第2ボンディング端子の遮断リスクを低下させることができる。本発明は、第1導体と第2導体とが同一の平面に位置しないことにより、第1導体及び第2導体の短絡のリスクを低下させることができる。本発明において、前記第2ノッチそれぞれの二つの側壁に疎水疎油層を製造し、印刷装置に導電液を付着させる時、第2ノッチの二つの側壁に導電液が付着しないので、第1ノッチの二つの側壁における基板が導電液によって覆われず、第1導体と第2導体との間に短絡現象が発生することをさらに防止する。本発明は、プロセスが簡単であり、印刷装置への汎用性が強い。本発明のディスプレイパネルによって組み立てる場合、組立継ぎ目が凹凸線になり、ユーザは、凹凸線の輪郭に対する感受性が直線に対する感受性よりも低く、それに、ユーザが左から右へ、上から下へと目を動かして観察する傾向にあり、組立継ぎ目を観察する方が、時間が長くなり、情報量が多くなるので、組立継ぎ目に気付くまでの時間がより長い。したがって、本発明のディスプレイパネルで組み立てる場合、組立継ぎ目が目立たない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本願の実施例における技術方案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に用いられる図面を簡単に紹介する。勿論、以下の説明における図面は、本願の一部の実施例に過ぎず、本分野の技術者にとって、特段の創造的な作業をせずともこれらの図面により他の図面をさらに得ることができる。
【0024】
【
図1】従来技術におけるディスプレイパネルの側方印刷前の平面図である。
【
図2】従来技術におけるディスプレイパネルの側方印刷後の平面図である。
【
図4】本発明のディスプレイパネルの側方印刷後の平面図である。
【
図6】本発明のディスプレイパネルの製造ステップ図である。
【
図7】本発明のディスプレイパネルの側方印刷前の平面図である。
【
図8】本発明の組立ディスプレイ装置の平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、明細書の図面を組み合わせて本発明の好ましい実施例を詳細に説明することにより、本分野における技術者に本発明の技術内容を完全に紹介し、例を挙げることで本発明が実施できることを証明し、これにより、本発明に開示する技術内容がより明らかになり、本分野の技術者が本発明を如何に実施するかをより容易に理解するようになる。ただし、本発明は、たくさんの異なる形の実施例により具体化することができ、本発明の保護範囲は、本明細書において記載された実施例のみに限定されるものではなく、以下の実施例の説明は、本発明の範囲を限制するためのものではない。
【0026】
図面において、構造が同じである部材は、同一の番号で示され、各箇所において構造又は機能が類似する構成要素は、類似する番号で示される。また、理解と記載の便宜上、図面に示される構成要素それぞれのサイズ及び厚みは、任意に示されるものであり、本発明において、構成要素毎のサイズ及び厚みが限定されていない。
【0027】
実施例1
本実施例は、ディスプレイパネル1を提供する。本実施例では、前記ディスプレイパネルはMini LEDである。他の実施例では、ディスプレイパネル1は液晶ディスプレイ(英語:Liquid Crystal Display;LCDと略称する)、Micro LED等であってもよい。
【0028】
図4に示されるように、ディスプレイパネル1は、基板11と、複数のボンディング端子12と、複数の第1ノッチ13と、複数の第1導体14と、複数の第2導体15とを含む。
【0029】
基板11は、ガラス板、印刷回路板、BT樹脂板、及びアルミパネルのうちの一種を含む。本実施例では、前記基板11はガラス板である。
【0030】
基板11は、第1表面111と、前記第1表面111に垂直な側方印刷面112とを含む。
【0031】
実際に、本実施例のディスプレイパネル1は、駆動層をさらに含み、前記駆動層は薄膜トランジスタデバイスを含む。他の実施例では、駆動層は、駆動チップ、例えば、Micro IC、PM driver ICをさらに含んでもよい。
【0032】
ボンディング端子12は、互いに平行し、かつ前記基板11の第1表面111に間隔を開けて設けられている。これにより、隣接するボンディング端子12が互いに接触して短絡することを回避できる。本実施例では、ボンディング端子12の一端は、前記ディスプレイパネル1の駆動層における薄膜トランジスタデバイスに電気的に接続されている。
【0033】
ボンディング端子12は、交互に設けられた第1ボンディング端子121と第2ボンディング端子122とを含む。本実施例では、前記第1ボンディング端子121と第2ボンディング端子122の材質は同じである。本実施例では、第1ボンディング端子121と第2ボンディング端子122とは、いずれも一本の導線により形成され、他の実施例では、第1ボンディング端子121は、複数本の導線により製造されてもよく、第2ボンディング端子122も、複数本の導線により製造されてよい。
【0034】
第1ノッチ13は、前記基板11の側方印刷面112に間隔を開けて設けられている。前記第1ノッチ13は、前記第1ボンディング端子121に1対1で対応する。即ち、前記第1ノッチのそれぞれは、一つの前記第1ボンディング端子121に対応する。任意の二つの隣接する前記第1ノッチ13の間には、一つの第1凸起16が形成される。第1ノッチ13の二つの側壁は、ぞれぞれ当該第1ノッチ13に隣接する二つの第1凸起16の側壁として兼用される。
【0035】
第1ノッチ13は、レーザーカット、ウォータージェット切断、ドライエッチングやウェットエッチング等の方法により製作することができる。
【0036】
任意の二つの前記第1ノッチ13の形状及びサイズは同じであり、任意の二つの前記第1凸起16の幅Lは同じである。これにより、第1ノッチ13の製造プロセスの難易度を低下させることができる。
【0037】
第1導体14は、前記第1ノッチ13の底面に位置する前記基板11に設けられている。前記第1導体14は、前記第1ノッチ13に1対1で対応し、かつ前記第1ボンディング端子121に1対1で対応して接続されている。即ち、第1導体14、第1ノッチ13、及び第1ボンディング端子121は、互いに1対1で対応する関係にある。本実施例では、第1導体14の材質は銀ペーストであるが、他の実施例では、第1導体14は他の材質を採用した導電液であってもよい。
【0038】
第2導体15は、前記第1凸起16の上面の前記基板11に設けられ、前記第1凸起16に1対1で対応し、かつ前記第2ボンディング端子122にぞれぞれ対応して接続されている。本実施例の第2導体15の材質と第1導体14の材質とが同じであることにより、印刷装置は、第1導体14と第2導体15を同時に製造することができ、印刷効率が向上し、製造コストが低下する。本発明の第1導体14と第2導体15とが同一の平面に位置しないことにより、第1導体14及び第2導体15の短絡のリスクを低下させることができる。
【0039】
任意の前記第1導体14と任意の前記第2導体15とは、互いに導通しない。これにより、第1導体14と第2導体15との間に短絡現象が発生することを防止する。
【0040】
図5に示されるように、本実施例は、本発明に係るディスプレイパネル1を製造するための印刷装置2を提供する。前記印刷装置2は、本体21、第2ノッチ22、第1印刷ヘッド23、第2印刷ヘッド24、疎水疎油層25、及び第2凸起26を含む。
【0041】
複数の第2ノッチ22は、前記本体21の片側の表面に間隔を開けて設けられ、任意の二つの隣接する前記第2ノッチ22の間に一つの第2凸起26が形成される。第2ノッチ22の二つの側壁は、ぞれぞれ当該第2ノッチ22に隣接する二つの第2凸起26の側壁として兼用される。
【0042】
任意の二つの前記第2ノッチ22の形状及びサイズは同じであり、任意の二つの前記第2凸起26の幅は同じである。これにより、第2ノッチ22の製造プロセスの難易度を低下させることができる。
【0043】
複数の第1印刷ヘッド23は、前記第2凸起26の上面における前記本体21に取り付けられ、前記第2凸起26に1対1で対応する。
【0044】
複数の第2印刷ヘッド24は、前記第2ノッチ22の底面の前記本体21に取り付けられ、前記第2ノッチ22に1対1で対応する。
【0045】
複数の疎水疎油層25は、前記第2ノッチ22それぞれの二つの側壁に設けられている。疎水疎油層25は、主に第2ノッチ22の二つの側壁に導電液が付着することにより、形成された第1導体14と第2導体15との間に短絡現象が発生することを防止するためのものである。疎水疎油層25の材質は、前記導電液の材質によって決められる。本実施例では、前記導電液は油性の銀ペーストであり、油性銀ペーストが親油性を示し、このような銀ペーストについて、疎水疎油層25の材質は、金属リン酸塩、金属ポリリン酸塩化合物等であってもよい。他の実施例では、前記導電液は水性の銀ペーストであってもよく、水性の銀ペーストが親水性を示し、このような銀ペーストについて、疎水疎油層25の材質は、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリエチレン等であってもよい。
【0046】
任意の前記第2ノッチ22における二つの前記疎水疎油層25の間の距離は、前記第1凸起16の幅以上である。本実施例では、任意の前記第2ノッチ22における二つの前記疎水疎油層25の間の距離と前記第1凸起16の幅を等しくすることにより、前記第1凸起16を前記第2ノッチ22内に嵌合可能にすることができる。
【0047】
任意の前記第2凸起26の二つの側壁における前記疎水疎油層25の間の距離は、前記第1ノッチ13の幅以下である。本実施例では、任意の前記第2凸起26の二つの側壁における前記疎水疎油層25の間の距離と前記第1ノッチ13の幅を等しくすることにより、前記第2凸起26を前記第1ノッチ13内に嵌合可能にすることができる。
【0048】
図6、
図7に示されるように、本発明は、第1表面111と前記第1表面111に垂直な側方印刷面112とを含む基板11を提供するステップS10と、前記基板11の第1表面111に、互いに平行し、かつ間隔を開けた複数の前記ボンディング端子12であって、交互に設けられた第1ボンディング端子121と第2ボンディング端子122とを含む複数の前記ボンディング端子12を製造するステップS20と、前記基板11の側方印刷面112に、前記第1ボンディング端子121に1対1で対応する複数の第1ノッチ13を間隔を開けて設け、任意の二つの隣接する前記第1ノッチ13の間に一つの第1凸起16を形成するステップS30と、本発明に係る印刷装置2によって、前記第1ノッチ13の底面における前記基板11に、前記第1ノッチ13に1対1で対応し、前記第1ボンディング端子121に1対1で対応して接続される第1導体14を形成し、前記第1凸起16の上面に位置する前記基板11に、前記第1凸起16に1対1で対応し、前記第2ボンディング端子122に1対1で対応して接続される第2導体15を形成し、任意の前記第1導体と任意の前記第2導体とが互いに導通しないようにするステップS40と、を含む、ディスプレイパネル1の製造方法をさらに提供する。
【0049】
本発明は、印刷装置2とディスプレイパネル1との組合せにより、第1導体14と第2導体15の幅を増加させ、第1導体14及び第1ボンディング端子121、第2導体15及び第2ボンディング端子122の遮断リスクを低下させることができる。本発明の第1導体14と第2導体15とが同一の平面に位置しないことにより、第1導体14及び第2導体15の短絡のリスクを低下させることができる。本発明は、プロセスが簡単であり、印刷装置2への汎用性が高い。
【0050】
ステップS40は、まず、前記第2ノッチ22それぞれの二つの側壁に疎水疎油層25を設け、次に、前記印刷装置2に導電液を付着させ、前記第1印刷ヘッド23と前記第1ノッチ13とを位置合わせし、前記本体21を押し付け、前記第1印刷ヘッド23に付着させた前記導電液を前記第1ノッチ13の底面に位置する前記基板11に印刷して前記第1導体14を形成し、前記第2印刷ヘッド24に付着させた前記導電液を第1凸起16の上面の前記基板11に印刷して前記第2導体15を形成することをさらに含む。
【0051】
ステップS40において、前記本体21を押し付ける時に、任意の前記第2ノッチ22における二つの前記疎水疎油層25の間の距離は、前記第1凸起16の幅に等しく、前記第1凸起16は前記第2ノッチ22内に嵌合され、任意の前記第2凸起26の二つの側壁における前記疎水疎油層25の間の距離は、前記第1ノッチ13の幅に等しく、前記第2凸起26と第2印刷ヘッド24は前記第1ノッチ13内に嵌合される。
【0052】
図8に示されるように、本実施例は、複数の本実施例のディスプレイパネル1により組み立てられた組立てディスプレイ装置3をさらに提供する。組立ディスプレイ装置3は、隣接する二つのディスプレイパネルの間に位置する組立継ぎ目31を含む。
【0053】
図8に示されるように、本実施例の組立継ぎ目31が凹凸線になる。ユーザは、凹凸線の輪郭に対する感受性が直線に対する感受性よりも低く、それに、ユーザが左から右へ、上から下へと目を動かして観察する傾向にあり、本実施例の組立継ぎ目31を観察する方が、時間が長くなり、情報量が多くなるので、組立継ぎ目31に気付くまでの時間がより長い。したがって、本発明のディスプレイパネル1によって組み立てる場合、組立継ぎ目31が目立たなくなり、組立ディスプレイ装置3のユーザの使用感を向上させることに寄与する。
【0054】
以上の通り、本願で提供するディスプレイパネル、印刷装置、及びディスプレイパネルの製造方法を詳細に紹介した。本明細書において、具体例によって本願の原理及び実施の形態を説明したが、以上の実施例の説明は、本願の方法及びその核心思想への理解に寄与するためのものに過ぎない。それと同時に、本分野の技術者にとって、本願の技術的思想に基づき、具体的な実施の形態及び適用範囲の双方において変更することができる。よって、本明細書の内容は本願発明に対する限定として理解されるべきではない。
【符号の説明】
【0055】
1…ディスプレイパネル、2…印刷装置、11…基板、12…ボンディング端子、13…第1ノッチ、14…第1導体、15…第2導体、16…第1凸起、111…第1表面、112…側方印刷面、121…第1ボンディング端子、122…第2ボンディング端子、21…本体、22…第2ノッチ、23…第1印刷ヘッド、24…第2印刷ヘッド、25…疎水疎油層、26…第2凸起
【国際調査報告】