(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】バッテリ監視を有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/53 20200101AFI20240524BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20240524BHJP
A24F 40/95 20200101ALI20240524BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240524BHJP
A24F 40/30 20200101ALI20240524BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/60
A24F40/95
A24F40/20
A24F40/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565987
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 EP2022066585
(87)【国際公開番号】W WO2022263645
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピラトヴィチ, グジェゴジ アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC33
4B162AC37
4B162AC44
4B162AC47
4B162AD41
(57)【要約】
エアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するように構成されるエアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、ヒータに電力流を提供するように構成されるバッテリ(104)と、バッテリの電圧レベルを決定するように構成されるコントローラ(102)とを備える。バッテリの電圧レベルは、バッテリへの充電電力流が阻止された後の経過時間が時間閾値以上であるとき、バッテリの測定電圧として決定される。バッテリの電圧レベルは、経過時間が時間閾値未満であるとき、補償係数による調整後のバッテリの測定電圧として決定される。コントローラは、決定された電圧レベルに基づいて、バッテリによって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を示すようにインジケータ(108)を制御するようにさらに構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するように構成されるエアロゾル発生装置であって、前記エアロゾル発生装置は、
ヒータに電力流を提供するように構成されるバッテリと、
前記バッテリの電圧レベルを決定するように構成されるコントローラであって、前記バッテリの前記電圧レベルは、前記バッテリへの充電電力流が阻止された後の経過時間が時間閾値以上であるとき、前記バッテリの測定電圧として決定され、前記バッテリの前記電圧レベルは、前記経過時間が前記時間閾値未満であるとき、補償係数による調整後の前記バッテリの前記測定電圧として決定される、コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、決定された前記電圧レベルに基づいて、前記バッテリによって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を示すようにインジケータを制御するようにさらに構成される、
エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記装置は、ハンドピースと、前記ハンドピースへ接続可能な充電ケースとを備え、前記ハンドピースは、前記バッテリ及び前記コントローラを備え、前記エアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するように構成され、前記充電ケースは、前記ハンドピースが前記充電ケースへ接続されているときに前記ハンドピースの前記バッテリを充電するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記ハンドピースが前記充電ケースから切り離された後の経過時間に基づいて、前記充電電力流が阻止された後の前記経過時間を決定するように構成される、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記インジケータは、前記バッテリの前記電圧レベルが第1の電圧閾値以上であると前記コントローラが判定したときに、残りのエアロゾル化セッションの第1の数を示すように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記インジケータは、前記バッテリの前記電圧レベルが第2の電圧閾値未満であると前記コントローラが判定したときに、残りのエアロゾル化セッションの第2の数を示すように構成され、前記第2の電圧閾値は、前記第1の電圧閾値よりも低く、残りのエアロゾル化セッションの前記第2の数は、残りのエアロゾル化セッションの前記第1の数よりも少ない、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記インジケータは、前記バッテリの前記電圧レベルが前記第1の電圧閾値未満且つ前記第2の電圧閾値以上であると前記コントローラが判定したときに、残りのエアロゾル化セッションの第3の数を示すように構成され、残りのエアロゾル化セッションの前記第3の数は、エアロゾル化セッションの前記第1の数よりも少なく、エアロゾル化セッションの前記第2の数よりも大きい、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記バッテリの前記電圧レベルを、
前記バッテリが少なくとも部分的に放電された後の第2の経過時間が第2の時間閾値以上であるとき、前記バッテリの測定電圧として決定し、
前記第2の経過時間が前記第2の時間閾値未満であるとき、第2の補償係数による調整後の前記バッテリの前記測定電圧として決定する
ように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記バッテリが満充電されたかどうかを判定し、前記バッテリが満充電されたと判定されたとき、残りのエアロゾル化セッションの前記第1の数を前記インジケータによって示すようにさらに構成される、請求項4~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記コントローラは、制御パラメータが満充電を示す状態に設定されていることを判定することによって、前記バッテリが満充電されたことを判定するように構成される、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記バッテリは、リン酸鉄リチウムバッテリである、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記エアロゾル発生装置が前記エアロゾル発生消耗品をエアロゾル化することをトリガする第1の方式と、コントローラが前記バッテリの前記電圧レベルを決定し、及び、決定された前記電圧レベルに基づいて前記バッテリによって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの前記数を示すように前記インジケータを制御することをトリガする第2の方式と、で操作可能なユーザ入力手段を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記コントローラへ接続されたパルス幅変調モジュールをさらに備え、前記パルス幅変調モジュールは、前記バッテリから前記ヒータへの前記電力流をパルス幅変調された電力流へ変換するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記エアロゾル発生消耗品は、タバコロッドであり、前記エアロゾル発生装置は、エアロゾル化セッションにおいて、前記タバコロッドを燃やさずに加熱してエアロゾルを生成するように構成される、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
エアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するように構成されるエアロゾル発生装置を動作させる方法であって、前記エアロゾル発生装置は、ヒータに電力流を提供するように構成されるバッテリを備え、前記方法は、
前記バッテリへの充電電力流が阻止されてからの経過時間を決定することと、
前記バッテリの電圧レベルを決定することであって、
バッテリの前記電圧レベルを決定することは、前記バッテリへの充電電力流が阻止された後の前記経過時間が時間閾値以上であるとき、前記バッテリの前記電圧レベルを前記バッテリの測定電圧として決定することを含み、
バッテリの前記電圧レベルを決定することは、前記経過時間が前記時間閾値未満であるとき、前記バッテリの前記電圧レベルを補償係数による調整後の前記バッテリの前記測定電圧として決定することを含む、ことと、
決定された前記電圧レベルに基づいて、前記バッテリによって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を示すようにインジケータを制御することと、
を含む方法。
【請求項15】
非一時的なコンピュータ読取可能な媒体であって、エアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するように構成されるエアロゾル発生装置であって、ヒータに電力流を提供するように構成されるバッテリを備える当該エアロゾル発生装置での動作のために構成されるコントローラの1つ以上のプロセッサによって実行された場合に、前記1つ以上のプロセッサに:
タイマを用いて、前記バッテリへの充電電力流が阻止されてからの経過時間を決定するステップと、
前記エアロゾル発生装置の電圧センサを使用して前記バッテリの電圧レベルを決定するステップであって、
バッテリの前記電圧レベルを決定することは、前記バッテリへの前記充電電力流が阻止された後の前記経過時間が時間閾値以上であるとき、前記バッテリの前記電圧レベルを前記バッテリの測定電圧として決定することを含み、
バッテリの前記電圧レベルを決定することは、前記経過時間が前記時間閾値未満であるとき、前記バッテリの前記電圧レベルを補償係数による調整後の前記バッテリの前記測定電圧として決定することを含む、ステップと、
決定された前記電圧レベルに基づいて、前記バッテリによって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を示すように前記エアロゾル発生装置のインジケータを制御するステップと、
を行わせる命令群、を記憶する非一時的なコンピュータ読取可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置に関し、より具体的には、エアロゾル発生装置の電力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及び他のエアロゾル吸入器又は気化装置などのエアロゾル発生装置は、消費者向け製品としてますます人気が高まっている。
【0003】
気化又はエアロゾル化のための加熱装置は、当技術分野において既知である。このような装置は、典型的には、加熱チャンバ及びヒータを含む。動作中に、操作者は、エアロゾル化又は気化させる製品を加熱チャンバに挿入する。製品は、次いで、電子ヒータによって加熱されて、操作者が吸入するように製品の成分を気化させる。いくつかの例では、製品は、従来の紙巻きタバコと同様のタバコ製品である。このような装置は、製品を燃焼させることなくエアロゾル化する時点まで加熱するという点で、「加熱非燃焼式」装置と呼ばれる場合がある。
【0004】
このようなエアロゾル発生装置が直面する問題には、電力システムの充電レベルの正確な指示を提供することが含まれる。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様において、エアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するように構成されるエアロゾル発生装置が提供され、当該エアロゾル発生装置は、
ヒータに電力流を提供するように構成されるバッテリと、
バッテリの電圧レベルを決定するように構成されるコントローラであって、バッテリの電圧レベルは、バッテリへの充電電力流が阻止された後の経過時間が時間閾値以上であるとき、バッテリの測定電圧として決定され、バッテリの電圧レベルは、経過時間が時間閾値未満であるとき、補償係数による調整後のバッテリの測定電圧として決定される、コントローラと、
を備え、
コントローラは、決定された電圧レベルに基づいて、バッテリによって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を示すようにインジケータを制御するようにさらに構成される。
【0006】
このようにして、バッテリが電力を供給することが可能な残りのエアロゾル化セッションの数の正確で計算効率のよい決定が達成される。測定されたバッテリ電圧は、バッテリへの充電電力流が阻止されてから間もなくは、休止状態のときよりも高くなる可能性があり、休止状態と比較して、補償係数を用いて充電後の測定電圧に対するオフセットを算入することにより、残りのエアロゾル化セッションの数の決定の精度が向上する。これにより、装置を充電した直後とバッテリが休止状態にあるときの両方で一貫して、残りのエアロゾル化セッションの数を正確で計算効率よく決定することができる。
【0007】
バッテリの測定電圧を調節することは、バッテリの測定電圧における電圧超過分を補償して、所望の平衡化されたバッテリ電圧(すなわち、決定された電圧レベル)を決定することを含むことができる。加熱負荷又は充電負荷が除去された後に測定されるバッテリ電圧(UBATT)は、UBATT=UEQUILIBRATED+URELAXATIONと定義することができる。URELAXATIONは、電圧超過分である(放電の場合は負、充電の場合は正)。コントローラは、時間の関数としてURELAXATIONを推定し、これを差し引いてUEQUILIBRATEDを決定することができる。次いで、UEQUILIBRATED(すなわち、決定された電圧レベル)をコントローラにより使用して、測定されたバッテリ電圧UBATTに基づいて給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を決定するためにバッテリのエネルギー含量を評価することができる。
【0008】
好ましくは、装置は、ハンドピースと、ハンドピースへ接続可能な充電ケースとを備え、ハンドピースは、バッテリ及びコントローラを備え、エアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するように構成され、充電ケースは、ハンドピースが充電ケースへ接続されているときにハンドピースのバッテリを充電するように構成される。
【0009】
このような2部品構成のエアロゾル発生装置は、ハンドピースが別個の充電ケースへ接続可能であることによって、給電可能なエアロゾル化セッションの数を損なうことなく、ハンドピースをより小さくすることができるので、消費者体験を有利に向上させる。
【0010】
好ましくは、コントローラは、ハンドピースが充電ケースから切り離された後の経過時間に基づいて、充電電力流が阻止された後の経過時間を決定するように構成される。
【0011】
このようにして、コントローラは、ハンドピースが充電ケースから切り離されたときに充電が終了したと判定するため、測定されたバッテリ電圧への影響を考慮することができる。
【0012】
好ましくは、インジケータは、バッテリの電圧レベルが第1の電圧閾値以上であるとコントローラが判定したときに、残りのエアロゾル化セッションの第1の数を示すように構成される。
【0013】
好ましくは、インジケータは、バッテリの電圧レベルが第2の電圧閾値未満であるとコントローラが判定したときに、残りのエアロゾル化セッションの第2の数を示すように構成され、第2の電圧閾値は、第1の電圧閾値よりも低く、残りのエアロゾル化セッションの第2の数は、残りのエアロゾル化セッションの第1の数よりも少ない。
【0014】
好ましくは、インジケータは、バッテリの電圧レベルが第1の電圧閾値未満且つ第2の電圧閾値以上であるとコントローラが判定したときに、残りのエアロゾル化セッションの第3の数を示すように構成され、残りのエアロゾル化セッションの第3の数は、エアロゾル化セッションの第1の数よりも少なく、エアロゾル化セッションの第2の数よりも大きい。
【0015】
このようにして、電圧閾値を使用することにより、バッテリによって給電可能なエアロゾル化セッションの残数を決定するときに、コストのかかる電流測定及び他の追加構成要素の要件が不要になる。さらに、このアプローチは、実際のバッテリのSOC(state-of-charge)を考慮に入れており、ロバスト且つ効果的である。また、これにより、例えばエアロゾル化セッションが何回作動したかを数えるよりも、バッテリにより給電可能なエアロゾル化セッションの回数をより正確に決定することができる。
【0016】
好ましくは、コントローラは、バッテリの電圧レベルを、
バッテリが少なくとも部分的に放電された後の第2の経過時間が第2の時間閾値以上であるとき、バッテリの測定電圧として決定し、
第2の経過時間が第2の時間閾値未満であるとき、第2の補償係数による調整後のバッテリの測定電圧として決定する、
ように構成される。
【0017】
測定されたバッテリ電圧は、バッテリからの放電電力流(例えば、ヒータへの電力流)が阻止されてから間もなくは、休止状態のときよりも低くなる可能性がある。そのため、休止状態と比較して、バッテリに加熱負荷が印可された後の測定電圧に対して第2の補償係数を用いてオフセットを算入することにより、残りのエアロゾル化セッションの数の決定の精度がさらに向上する。これにより、バッテリがヒータに電力を供給した直後とバッテリが休止状態にあるときの両方で一貫して、残りのエアロゾル化セッションの数を正確で計算効率よく決定することができる。
【0018】
好ましくは、コントローラは、バッテリが満充電されたかどうかを判定し、バッテリが満充電されたと判定されたとき、残りのエアロゾル化セッションの第1の数をインジケータによって示すようにさらに構成される。
【0019】
このようにして、コントローラにおける処理オーバヘッドを低減することができ、なぜなら、バッテリが満充電されているときにコントローラがバッテリ電圧を決定する必要がないためである。
【0020】
好ましくは、コントローラは、バッテリが充電ケースによって満充電されたかどうかを判定するようにさらに構成される。
【0021】
好ましくは、コントローラは、制御パラメータが満充電を示す状態に設定されていることを判定することによって、バッテリが満充電されたことを判定するように構成される。
【0022】
好ましくは、バッテリはリン酸鉄リチウムバッテリである。
【0023】
リン酸鉄リチウムは、その高出力能力、長いサイクル寿命、高レベルの安全性、熱力学的安定性、及び何も補償技術を使用する必要なく広範囲の充電状態にわたって一定の電力を供給することを可能にする平坦な電圧曲線により、エアロゾル発生装置で使用するために有益なバッテリ技術である。
【0024】
好ましくは、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置がエアロゾル発生消耗品をエアロゾル化することをトリガする第1の方式と、コントローラがバッテリの電圧レベルを決定し、及び、決定された電圧レベルに基づいてバッテリによって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を示すようにインジケータを制御することをトリガする第2の方式と、で操作可能なユーザ入力手段を備える。
【0025】
このようにして、給電可能なエアロゾル化セッションの残数を決定することと、エアロゾル化セッションをトリガすることの両方に、単一のユーザ入力手段を利用することができる。これにより、よりコンパクトで簡略化された装置配置が可能になり、それにより装置の全体的な設計が向上する。
【0026】
好ましくは、エアロゾル発生装置は、コントローラへ接続されたパルス幅変調モジュールをさらに備え、パルス幅変調モジュールは、バッテリからヒータへの電力流をパルス幅変調された電力流へ変換するように構成される。
【0027】
このようにして、固定的な電力レベルをバッテリから出力することができ、次いで、ヒータに供給する前に調節することができる。
【0028】
好ましくは、エアロゾル発生消耗品は、タバコロッドであり、エアロゾル発生装置は、エアロゾル化セッションにおいて、タバコロッドを燃やさずに加熱してエアロゾルを生成するように構成される。
【0029】
第2の態様において、エアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するように構成されるエアロゾル発生装置を動作させる方法が提供され、エアロゾル発生装置は、ヒータに電力流を提供するように構成されるバッテリを備え、本方法は、
バッテリへの充電電力流が阻止されてからの経過時間を決定することと、
バッテリの電圧レベルを決定することであって、
バッテリの電圧レベルを決定することは、バッテリへの充電電力流が阻止された後の経過時間が時間閾値以上であるとき、バッテリの電圧レベルをバッテリの測定電圧として決定することを含み、
バッテリの電圧レベルを決定することは、経過時間が時間閾値未満であるとき、バッテリの電圧レベルを補償係数による調整後のバッテリの測定電圧として決定することを含む、ことと、
決定された電圧レベルに基づいて、バッテリによって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を示すようにインジケータを制御することと、
を含む。
【0030】
第3の態様において、エアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するように構成されるエアロゾル発生装置であって、ヒータに電力流を提供するように構成されるバッテリを備える当該エアロゾル発生装置での動作のために構成されるコントローラの1つ以上のプロセッサによって実行された場合に、当該1つ以上のプロセッサに:
タイマを用いて、バッテリへの充電電力流が阻止されてからの経過時間を決定するステップと、
エアロゾル発生装置の電圧センサを使用してバッテリの電圧レベルを決定するステップであって、
バッテリの電圧レベルを決定することは、バッテリへの充電電力流が阻止された後の経過時間が時間閾値以上であるとき、バッテリの電圧レベルをバッテリの測定電圧として決定することを含み、
バッテリの電圧レベルを決定することは、経過時間が時間閾値未満であるとき、バッテリの電圧レベルを補償係数による調整後のバッテリの測定電圧として決定することを含む、ステップと、
決定された電圧レベルに基づいて、バッテリによって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を示すようにエアロゾル発生装置のインジケータを制御するステップと、
を行わせる命令群を記憶する非一時的なコンピュータ読取可能な媒体が提供される。
【0031】
第2の態様の方法及び第3の態様の非一時的なコンピュータ読取可能な媒体は、第1の態様の好ましい特徴と適宜組み合わせることができる。
【0032】
ここで、図面を参照して本発明の実施形態を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1A】ハンドピース及び充電ケースを有する2部品構成のエアロゾル化装置の斜視図であり、ハンドピースは充電ケース内に格納されている。
【
図1B】ハンドピースが充電ケースから部分的に分離された、2部品構成のエアロゾル化装置の斜視図である。
【
図2】2部品構成のエアロゾル化装置のブロック図である。
【
図3】2部品構成のエアロゾル化装置のハンドピース電子機器の回路図である。
【
図4】2回のエアロゾル化セッションのためにエアロゾル発生装置に電力を供給するのに十分なエネルギーを貯蔵するように構成されるLFPバッテリの充電サイクル及び放電サイクルの開回路電圧に対する充電状態のプロットである。
【
図5】エアロゾル発生装置のコントローラによって行われる処理ステップのプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1A及び
図1Bは、ハンドピース100及び充電ケース200を有する2部品構成のエアロゾル化装置の斜視図を示している。エアロゾル発生装置は、蒸気発生装置又は電子タバコとも呼ばれることがあり、本開示の目的上、エアロゾル及び蒸気という用語は互換可能であることが理解されよう。
【0035】
図1Aでは、ハンドピース100は充電ケース200内に格納されており、
図1Bでは、ハンドピースは充電ケースから部分的に取り外されている。
図2は、分離された配置のハンドピース100及び充電ケース200のブロック図を示している。
【0036】
ハンドピース100は、エアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するように構成される。ハンドピース100は、バッテリ104と、コントローラ102と、エアロゾル発生消耗品150受け入れ、加熱してエアロゾルを発生させることができるチャンバ106とを備える。
【0037】
一例では、ヒータをチャンバ106内に配置することができる。チャンバ106は、ハンドピース100の開口部を通ってアクセスされる。チャンバ106は関連するエアロゾル発生消耗品150を受け入れるように配置される。
【0038】
エアロゾル発生消耗品150は、タバコを含有するタバコロッドなどのエアロゾル発生材料を含有することができる。タバコロッドは、従来の紙巻きタバコと同様であってよい。チャンバは、エアロゾル発生消耗品の断面とほぼ等しい断面と、関連するエアロゾル発生消耗品がチャンバに挿入されたときに、エアロゾル発生消耗品の第1の端部がチャンバの底部(すなわち、チャンバ開口部から遠位の端部)に到達し、第1の端部より遠位のエアロゾル発生消耗品の第2の端部がチャンバから外側に延びるような深さとを有する。このようにして、消費者は、エアロゾル発生消耗品がハンドピースに挿入されたときに、それを吸入することができる。
【0039】
ヒータは、エアロゾル発生消耗品150がチャンバ106に挿入されたときにヒータと係合するように、チャンバ106内に配置されることができる。ヒータは、エアロゾル発生消耗品150の第1の端部がチャンバに挿入されたときにヒータがチャンバ106内のエアロゾル発生消耗品150の部分を実質的に又は完全に取り囲むように、チャンバ内に管として配置されることができる。ヒータは、コイル状ワイヤヒータなどのワイヤ、又はセラミックヒータ、又はその他の好適な種類のヒータとすることができる。ヒータは、チャンバの軸方向長さに沿って連続的に配置された複数の加熱要素を備えることができ、これらの加熱要素は、順番に独立して作動させる(すなわち電源投入する)ことができる。
【0040】
代替的に、ヒータは、エアロゾル発生消耗品150がチャンバに挿入されたときに、ヒータがエアロゾル発生消耗品150を貫通してエアロゾル発生材料と係合することができるように、チャンバ内に細長い穿孔部材(針、ロッド、又はブレードの形態など)として配置されることができる。
【0041】
代替的に、ヒータは誘導ヒータの形態であってもよい。加熱要素(すなわち、サセプタ)を消耗品150内に設けることができ、加熱要素は、消耗品がチャンバに挿入されたときに、チャンバ内の誘導素子(すなわち、誘導コイル)に誘導結合される。そして、誘導ヒータが誘導によって加熱要素を加熱する。
【0042】
ヒータを、エアロゾル化セッションにおいてエアロゾル発生消耗品150を所定の温度まで加熱してエアロゾルを生成するように配置することができる。エアロゾル化セッションとは、エアロゾル発生消耗品からエアロゾルを生成するために装置が作動している時であると見なすことができる。エアロゾル発生消耗品150がタバコロッドである例(
図2の例など)では、エアロゾル発生消耗品はタバコを含む。ヒータは、タバコを燃やさずに、タバコを加熱してエアロゾルを発生させるように配置される。すなわち、ヒータは、タバコベースのエアロゾルが発生するように、タバコの燃焼点未満の所定の温度でタバコを加熱する。当業者であれば、エアロゾル発生消耗品は必ずしもタバコを含む必要はなく、特に物質を燃やさずに加熱することによるエアロゾル化(又は気化)に適したその他の物質をタバコの代わりに使用できることを容易に理解するであろう。
【0043】
代替例では、エアロゾル発生消耗品は気化可能な液体であってもよい。気化可能な液体は、ハンドピース内に受け入れ可能なカートリッジに収容されてもよく、ハンドピース内に直接貯留されてもよい。
【0044】
ハンドピース100内のバッテリ104は、いくつかのエアロゾル化セッションに電力を供給するのに適した充電容量を有することができる。例えば、ハンドピースバッテリ104は、満充電状態にあるとき、エアロゾル化セッション(2本のタバコロッドをエアロゾル化するためなど)に電力を供給するのに十分な充電容量を有し得る。一例では、ハンドピースバッテリは、リン酸鉄リチウム(LFP)バッテリとすることができる。リン酸鉄リチウムは、その高出力能力、長いサイクル寿命、高レベルの安全性熱力学的安定性、及び何も補償技術を使用する必要なく広範囲の充電状態にわたって一定の電力を供給することを可能にする平坦な電圧曲線により、ハンドピース100で使用するのに有益なバッテリ技術である。
【0045】
ハンドピース100は、バッテリ104の決定された電圧レベルに基づいて、ハンドピースバッテリ104によって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を示すように配置されるインジケータ108を備えることができる。一例では、インジケータ108は、複数の光源(LEDなど)を備えてもよく、点灯されるLEDの数が、ハンドピースバッテリ104によって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数に対応する。別の例では、インジケータ108は、ハンドピースバッテリ104によって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数をテキスト又は視覚的な方式で提示する表示画面であってもよい。
【0046】
ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104からヒータへの電力流を含む、ハンドピース100の動作を制御するように構成される。ハンドピースコントローラ102は、動作モードを実行すると共に電力流を制御するための命令群を含む、ハンドピース100を動作させるための命令群が記憶されたメモリと、それら命令群を実行するように構成される1つ又はプロセッサと、を備える少なくとも1つのマイクロコントローラユニットとすることができる。
【0047】
充電ケース200は、ハンドピース100へ接続可能であり、ハンドピース100が充電ケース200に接続されているときに、ハンドピースバッテリ104を充電するように構成される。充電ケース200は、ハンドピース100が接続される受け入れ領域220を有する。
【0048】
充電ケース200は、充電ケースバッテリ204を備える。通常、充電ケース200内のバッテリ204は、ハンドピース100内のハンドピースバッテリ104よりも容量が大きい。このようにして、ハンドピースバッテリ104が消耗したときに、充電ケース200によって再充電することができる。例えば、ハンドピースバッテリ104は、2回のエアロゾル化セッションに十分な電荷を蓄えることができ、充電ケースバッテリ204は、ハンドピースバッテリ104を10回完全に再充電するのに十分な電荷を蓄えることができ、その結果、全体的なエアロゾル発生装置(ハンドピース100及び充電ケース200)は、20回のエアロゾル化セッションを行うことが可能である。充電ケースバッテリ204を、壁アダプタ、パワーバンク、又はUSBコネクタなどの外部電源から再充電することができる。
【0049】
充電ケース200は、充電ケースバッテリ204からハンドピースバッテリ104への電力流を管理するように構成される充電ケースコントローラ202を備えることもできる。
【0050】
ハンドピース100は、電力及び/又はデータ用の第1のコネクタ110を有することができ、充電ケース200は、電力及び/又はデータ用の第2のコネクタ210を有することができる。第1のコネクタ110及び第2のコネクタ210は、ハンドピース100が受け入れ領域220内に保持されたときに、充電ケースバッテリ204からハンドピースバッテリ104を充電するために、充電ケース200からハンドピース100に電力が流れることができるように協働している。
【0051】
使用時、操作者は、ハンドピース100を充電ケース200から取り外し、エアロゾル発生消耗品150をチャンバ106に挿入する。操作者は、次いで、ユーザ入力手段を操作して、エアロゾル化セッションを開始することができる。これに応答して、ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104からヒータへの電力流を制御して、ヒータを所定のエアロゾル化温度に予熱する。ハンドピースコントローラ102は、次いで、エアロゾル化セッションの間、ヒータ及びエアロゾル化温度を維持するために電力流を制御する。操作者は、エアロゾル発生材料150の端を利用して、発生したエアロゾルを吸入する。一例では、エアロゾル化セッションは所定の期間継続し、その後、ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104からヒータへの電力流を阻止する。この所定の期間は、1つの消耗品150(例えば、1本のタバコロッド)をエアロゾル化するのに通常かかる時間量に対応することができる。エアロゾル化セッションを完了した後、操作者は、ハンドピース100を充電ケース200内の受け入れ場所220に置き、次のエアロゾル化セッションのためにハンドピースバッテリ104を再充電するために、充電ケースバッテリ204からハンドピースバッテリ104への電力流が開始される。いくつかの例では、ハンドピースバッテリ104は、再充電する前に複数のエアロゾル化セッション(例えば、2回のエアロゾル化セッション)に給電可能であってよい。このようにして、操作者は、各エアロゾル化セッションの間にハンドピース100を充電ケース200に再接続する必要がない。
【0052】
図3は、ハンドピース電子機器の例示的な回路図を示している。ハンドピース電子機器は、ハンドピースバッテリ104、ハンドピースコントローラ102、及びヒータ部品114を備える。ハンドピース電子機器は、ハンドピースコントローラ102によって制御されるパルス幅変調(PWM)モジュール112をさらに備えることができる。PWMモジュール112は、ハンドピースバッテリ104からヒータ部品114への電力流にパルス幅変調を適用するように構成される。ハンドピースコントローラ102は、ヒータに印加される電力を制御するために、パルス幅変調のデューティサイクルを制御することができる。例えば、予熱するときに、高いデューティサイクルを適用してヒータを急速に加熱することができる。ヒータがエアロゾル化温度に維持されているとき、より低いデューティサイクルを適用することができる。PWMモジュールは、各PWM周期の「オン状態」と「オフ状態」を切り替えるためにハンドピースコントローラ102によって制御される、トランジスタなどのスイッチを備えることができる。
【0053】
ヒータ温度を監視するために、温度センサ120をヒータ又はチャンバ106内に配置することができる。ヒータ温度は、ハンドピースコントローラ102にフィードバックされる。ヒータ温度がエアロゾル化温度を上回ったとハンドピースコントローラ102が判定すると、ヒータに印加される電力レベルが減少され得る(例えば、PWMデューティサイクルを低減することによって)。同様に、ヒータ温度がエアロゾル化温度を下回ったとハンドピースコントローラ102が判定すると、ヒータに印加される電力レベルが増加され得る(例えば、PWMデューティサイクルを増加させることによって)。
【0054】
電圧センサ又は電圧感知回路118は、ハンドピースバッテリ104に接続して電圧計として機能することができ、バッテリ電圧をハンドピースコントローラ102にフィードバックすることができるため、ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104の電圧レベルを決定することによって、ハンドピースバッテリ104の充電状態を監視することができる。
【0055】
図3では、ハンドピースコントローラ102と、電圧センサ118、PWMモジュール112及び温度センサ114との間のそれぞれの接続は、簡明さのために矢印で表されている。しかしながら、当業者であれば、コントローラとこれらの構成要素との間の典型的な電気的接続を使用できることを理解するであろう。
【0056】
ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104の電圧レベルを決定し、決定された電圧レベルに基づいて、ハンドピースバッテリ104によって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を示すようにインジケータ108を制御するように構成される。
【0057】
ハンドピースバッテリ104の電圧レベルは、ハンドピースバッテリ104によって給電可能なエアロゾル化セッションの数に対応する。
【0058】
ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104の決定された電圧レベルを1つ以上の電圧閾値と比較することによって、ハンドピースバッテリ104によって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を決定することができ、各電圧閾値は、いくつかのエアロゾル化セッションに電力を供給するためにハンドピースバッテリ104で必要な最小バッテリ電圧レベルに対応するように較正される。これらの電圧閾値は、予め決定され、ハンドピースコントローラ102に関連付けられるストレージに記憶され、この記憶装置からアクセスされることができる。
【0059】
一例では、ハンドピースバッテリ104は、満充電されたとき、2回のエアロゾル化セッションに給電可能となる。ハンドピースバッテリ104の決定された電圧レベルが第1の閾値以上であるとき、ハンドピースバッテリ104の充電レベルは2回のエアロゾル化セッションに電力を供給するのに十分であるとみなすことができる(すなわち、ハンドピースバッテリ104によって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの回数は2回である)。ハンドピースバッテリ104の決定された電圧レベルが、第1の閾値よりも低い第2の閾値未満であるとき、ハンドピースバッテリ104の充電レベルはエアロゾル化セッションに電力を供給するのに不十分であるとみなすことができる(すなわち、ハンドピースバッテリ104によって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの回数はゼロである)。ハンドピースバッテリ104の決定された電圧レベルが第1の電圧閾値未満且つ第2の電圧閾値以上(すなわち、2つの閾値の間)であるとき、ハンドピースバッテリ104の充電レベルは1回のエアロゾル化セッションに電力を供給するのに十分であるとみなすことができる(すなわち、ハンドピースバッテリ104によって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの回数は1回である)。
【0060】
上では2回のエアロゾル化セッションに給電可能なハンドピースバッテリ104の例を使用しているが、当業者であれば、エアロゾル化セッションの回数が2回に限定される必要はないことを理解するであろう。例えば、ハンドピースバッテリ104は、3回のエアロゾル化セッションに電力を供給することもでき、バッテリ電圧レベルが閾値を満たすか、又は超えることに基づいて、いくつのセッションを完了することができるかを区分する3つの所定の閾値を有することもできる。より一般的には、N回のエアロゾル化セッションに給電可能なハンドピースバッテリ104は、バッテリ電圧レベルに基づいて、N回のセッションのうちのいくつを完了することができるかを区分するN個の所定の閾値を有することができる。
【0061】
換言すれば、ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104の電圧レベルが第1の電圧閾値以上であるとハンドピースコントローラ102が判定したとき、第1の数の残りのエアロゾル化セッション(例えば、2回のエアロゾル化セッション)にハンドピースバッテリ104によって給電可能であると判定することができる。インジケータ108は、ハンドピースバッテリ104の電圧レベルが第1の電圧閾値以上であるとハンドピースコントローラ102が判定したときに、残りのエアロゾル化セッションの第1の数を示すように構成される。ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104の電圧レベルが第2の電圧閾値未満であるとハンドピースコントローラ102が判定したとき、第2の数の残りのエアロゾル化セッション(例えば、ゼロ回のエアロゾル化セッション)にハンドピースバッテリ102によって給電可能であると判定することができ、第2の電圧閾値は、第1の電圧閾値よりも低く、残りのエアロゾル化セッションの第2の数は、残りのエアロゾル化セッションの第1の数よりも少ない。インジケータ108は、ハンドピースバッテリ104の電圧レベルが第2の電圧閾値未満であるとハンドピースコントローラ102が判定したときに、残りのエアロゾル化セッションの第2の数を示すように構成される。ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104の電圧レベルが第1の電圧閾値未満且つ第2の電圧閾値以上であるとハンドピースコントローラ102が判定したとき、第3の数の残りのエアロゾル化セッション(例えば、1回のエアロゾル化セッション)にハンドピースバッテリ104によって給電可能であると判定することができ、残りのエアロゾル化セッションの第3の数は、エアロゾル化セッションの第1の数よりも少なく、エアロゾル化セッションの第2の数よりも大きい。インジケータ108は、ハンドピースバッテリ104の電圧レベルが第1の電圧閾値未満且つ第2の電圧閾値以上であるとハンドピースコントローラ102が判定したときに、残りのエアロゾル化セッションの第3の数を示すように構成される。
【0062】
図4は、2回のエアロゾル化セッションのためにエアロゾル発生装置に電力を供給するのに十分なエネルギーを貯蔵することができるハンドピースバッテリ104として構成されるLFPバッテリの具体例について、充電サイクル406及び放電サイクル408の開回路電圧(V)404に対するSOC402の例示的なプロットを示している。
【0063】
図4から分かるように、LFPバッテリは平坦な電圧曲線を有しており、それは、LFPバッテリの前述の利点を活用するために問題をもたらし得るものであり、その問題とは、大きな誤差を回避するために正確で高価な電圧測定ソリューションが使用されかねないことを意味する。例えばこれらは、クーロン計数法を実施するために電流測定を適用することを含み得るが、それには測定シャント又は他のセンサの実装が必要となり、これによりコスト、複雑さ、及び装置サイズの増加が加わる。別の例では、これは、特注のバッテリ残量計(fuel gauge)の集積回路を使用することを含み得るが、これによってもコスト及び複雑さが加わり、装置サイズが増加する。LFPバッテリは、ヒステリシス効果によっても特徴付けられ、これにより、充電又は放電の短期履歴があったかどうかに応じて、同じSOCでも電圧レベルが異なる可能性がある。このため、バッテリ電圧と充電レベルとの間に簡単な関係を構築することができない。
【0064】
本開示に記載したように、測定電圧を所定の電圧閾値と比較して、バッテリが給電可能なエアロゾル化セッションの数を決定することは、これらの問題を克服する。本開示で説明しているように、測定電圧を所定の電圧閾値と比較して、バッテリが給電可能なエアロゾル化セッションの数を決定することの利点は、LFPバッテリだけでなく、他のバッテリ技術にも適用して、ハンドピースバッテリが電力を供給することが可能な残りのエアロゾル化セッションの数の正確で計算効率のよい決定を達成することができる。
【0065】
この例のバッテリの場合、3.25Vの開回路電圧が、2回のエアロゾル化セッションに電力を供給するために必要な最小電圧として予め決定され、3.19Vの開回路電圧が、1回のエアロゾル化セッションに電力を供給するために必要な最小電圧として予め決定される。そのため、この例では、第1の閾値電圧410は3.25Vであり、第2の閾値電圧412は3.19Vである。このバッテリの場合、バッテリの電圧レベルが3.25V(すなわち、第1の電圧閾値)以上であるとハンドピースコントローラ102が判定したとき、ハンドピースコントローラ102は、バッテリが2回のエアロゾル化セッションに電力を供給するのに十分な電荷を有すると判定する。バッテリの電圧レベルが3.19V(すなわち、第2の電圧閾値)未満であるとハンドピースコントローラ102が判定したとき、ハンドピースコントローラ102は、バッテリがそれ以上エアロゾル化セッションに電力を供給することができない(すなわち、バッテリがゼロ回のエアロゾル化セッションに電力を供給するのに十分な電荷を有する)と判定する。バッテリの電圧レベルが3.25V(すなわち、第1の電圧閾値)未満且つ3.19V(すなわち、第2の電圧閾値)以上であるとハンドピースコントローラ102が判定したとき、ハンドピースコントローラ102は、バッテリが1回のエアロゾル化セッションに電力を供給するのに十分な電荷を有すると判定する。
【0066】
また、LFPバッテリの使用と関連付けられた前述の問題に対処することに加えて、本開示の電圧閾値技術は、コストのかかる電流測定を必要とせず、いかなる追加的な構成要素も必要としない。さらに、それはロバストで効果的であり、実際のバッテリ充電状態を考慮に入れている。これにより、例えばエアロゾル化セッションが何回作動したかを数えるよりも、ハンドピースバッテリが給電可能なエアロゾル化セッションの数をより正確に決定することができる。
【0067】
所定の電圧閾値は、工場での較正段階において、予め決定され、ハンドピースコントローラ102と関連付けられ、ハンドピースコントローラ102によってアクセス可能なストレージに記憶され得る。いくつかの例では、電圧閾値は、同じ種類の複数のバッテリについて決定された平均値に基づいてもよい。他の例では、電圧閾値は、バッテリごとに独自に決定されてもよい。
【0068】
説明したように、ハンドピース100は、ユーザ入力に応答して残りのエアロゾル化セッションの回数の標識を表示するように構成されることができる。ユーザは、例えばボタンを押すことによって、ハンドピースバッテリ102によって給電可能なエアロゾル化セッションの残数を決定するようにハンドピースコントローラ102をトリガすることができる。ユーザ入力に応答して、ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104によって給電可能なエアロゾル化セッションの残数を決定するために、電圧センサ118を使用してバッテリ電圧を決定し、それを所定の電圧閾値と比較することができる。ハンドピースコントローラ102は、次いで、残りのエアロゾル化セッションの数を操作者に表示するようにインジケータ108を制御する。
【0069】
いくつかの例では、ユーザ入力手段はボタンであり得る。例えば、ユーザ入力手段は、ハンドピースバッテリ104の充電状態を監視するための専用ボタンであってもよい。別の例では、ハンドピース100は、異なる方式(例えば、ボタンを半押し又は全押し)で押されたときに異なる機能をトリガするボタンを有してもよい。ハンドピース100は、エアロゾル化セッションの開始をトリガするヒータ点火ボタンを有することができる。ボタンが第1の方式(例えば、半押し、又は短押し)で操作されたとき、それにより、ハンドピースコントローラ102は、バッテリ電圧を決定し、ハンドピースバッテリ104が給電可能なエアロゾル化セッションの残数を表示する。ボタンが第2の方式(例えば、全押し、又は長押し)で操作されとき、それによりハンドピースコントローラ102がトリガされて、エアロゾル化セッションを開始するように装置を制御する。
【0070】
充電負荷(例えば、ハンドピースバッテリ104が充電されるとき)又は放電負荷(例えば、ハンドピースバッテリ104がヒータに電力を供給しているとき)がハンドピースバッテリ104に印加された後、ハンドピースコントローラ102によって電圧センサ118を用いてハンドピースバッテリ104の両端間で測定される電圧レベルは、給電可能なセッションの数の真の表現を提供しない場合がある。充電負荷(すなわち、ハンドピースバッテリ104が充電されている場合)がハンドピースバッテリ104に印加された後のある期間、測定電圧は、休止バッテリの測定電圧よりも高くなる(すなわち、測定されるバッテリ電圧に正の電圧超過分が存在している)。充電負荷が除去された後、時間が経過するにつれて、電圧レベルは休止バッテリ状態まで低下する。同様に、放電負荷(すなわち、ヒータに電力を供給しているときの加熱負荷)がハンドピースバッテリ104に印加された後のある期間、測定電圧は、休止バッテリの測定電圧よりも低くなる(すなわち、測定されるバッテリ電圧に負の電圧超過分が存在している)。すなわち、測定されるバッテリ電圧は、平衡化されたバッテリ電圧又は休止期間の後の回復するバッテリ電圧よりも低い。放電負荷が除去された後、時間が経過するにつれて、電圧レベルは休止バッテリ状態まで上昇する。
【0071】
結果として、ハンドピースバッテリ104が充電された直後、決定される電圧レベルは、休止状態よりも高くなる可能性があり、それにより、実際に利用可能な充電量よりも多くのエアロゾル化セッションに給電可能であることを示唆する虞がある。同様に、ハンドピースバッテリ104がヒータに電力を印加した直後、決定される電圧レベルは、休止状態よりも低くなる可能性があり、それにより、実際に利用可能な充電量よりも少ない数のエアロゾル化セッションに給電可能であることを示唆する虞がある。ハンドピースコントローラ102は、測定電圧レベルに補償係数を適用してこれらの不一致を考慮することができるため、利用可能なエアロゾル化セッションの数の正確で一貫した標識を、ハンドピースバッテリ104の充電及び/又は放電の直後、並びに休止状態において提供することができる。
【0072】
ハンドピースバッテリ104への充電電力流が阻止された後(すなわち、ハンドピース100が充電ケース200から取り外されたとき、又は充電ケースバッテリ204からハンドピースバッテリ104への電力流が阻止されたとき)、ハンドピースコントローラ104は、充電電力流が除去された後の経過時間が第1の時間閾値未満であるとき、測定されたハンドピースバッテリ電圧を第1の補償係数(又は充電後補償係数)によって調節することができる。この経過時間は、第1の経過時間、又は充電後時間と考えることができ、第1の時間閾値は、充電後時間閾値と考えることができる。第1の補償係数は、測定されたバッテリ電圧を休止状態のバッテリ電圧を表すように調節するために、充電後の期間に測定されたバッテリ電圧に適用される較正係数と考えることができる。
【0073】
ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104への充電流が阻止されたことを検出した後、充電後タイマを開始して、充電後時間を監視することができる。また、ハンドピースコントローラ102がハンドピースバッテリ104の電圧レベルを決定するときに、ハンドピースコントローラ102は、経過した充電後時間を充電後時間閾値と比較する。
【0074】
充電後時間が充電後時間閾値以上であるとハンドピースコントローラ102が判定すると、バッテリは充電後に十分な休止時間があったことになるので、測定されるバッテリ電圧は、休止バッテリ状態を表し、第1の補償係数は適用されない。充電後時間が充電後時間閾値未満であるとハンドピースコントローラ102が判定すると、ハンドピースコントローラ102は、測定されるバッテリ電圧を第1の補償係数によって調節する。第1の補償係数は、予め決定され、ハンドピースコントローラ102と関連付けられ、ハンドピースコントローラ102によってアクセス可能なメモリに記憶され得る。
【0075】
第1の補償係数は、経過した充電後時間の関数として可変であってもよい。すなわち、経過時間が長くなるほど、ハンドピースバッテリ104は休止状態に近づくので補償係数は小さくなる。例えば、ハンドピースコントローラ102は、経過した様々な充電後時間に対する補償係数のルックアップにアクセスし、経過時間に対する補償係数を決定して適用することができる。このようにして、測定電圧レベルを正確に調節することができる。代替例では、第1の補償係数は、時間的に変化するのではなく、固定値であってもよい。これにより、時間的に変化する補償係数を決定する場合と比較して、処理負担を軽減することができる。
【0076】
言い換えれば、第1の補償係数を測定されるバッテリ電圧から差し引いて、充電が阻止された後の電圧が休止状態よりも高いことを考慮に入れて調節されたバッテリ電圧を提供することができる。一例では、充電が阻止された後の第1の時間閾値を、30分とすることができる。
【0077】
加熱負荷がハンドピースバッテリ104から除去された後(すなわち、バッテリがヒータに電力を供給することを止めたとき)、ハンドピースコントローラ102は、加熱負荷が除去された後の経過時間が第2の時間閾値未満であるとき、測定されるバッテリ電圧を第2の補償係数(又は加熱後補償係数)によって調節することができる。この経過時間は、第2の経過時間、又は加熱後時間と考えることができ、第2の時間閾値は、加熱後時間閾値と考えることができる。第2の補償係数は、測定されるバッテリ電圧を休止状態のバッテリ電圧を表すように調節するために、加熱後の期間に測定されるバッテリ電圧に適用される較正係数と考えることができる。
【0078】
ハンドピースコントローラ102は、加熱負荷がハンドピースバッテリ104から除去されたことを検出した後、加熱後タイマを開始して、加熱後時間を監視することができる。また、ハンドピースコントローラ102がハンドピースバッテリ104の電圧レベルを決定するときに、ハンドピースコントローラ102は、経過した加熱後時間を加熱後時間閾値と比較する。
【0079】
加熱後時間が加熱後時間閾値以上であるとハンドピースコントローラ102が判定すると、ハンドピースバッテリ104は加熱負荷が印加された後に十分な休止時間があったことになるので、測定されるバッテリ電圧は、休止バッテリ状態を表し、第2の補償係数は適用されない。加熱後時間が加熱後時間閾値未満であるとハンドピースコントローラ102が判定すると、ハンドピースコントローラ102は、測定されるバッテリ電圧を第2の補償係数によって調節する。第2の補償係数は、予め決定され、ハンドピースコントローラ102と関連付けられ、ハンドピースコントローラ102によってアクセス可能なメモリに記憶され得る。
【0080】
第2の補償係数は、経過した加熱後時間の関数として可変であってもよい。すなわち、経過時間が長くなるほど、ハンドピースバッテリ104は休止状態に近づくので補償係数は小さくなる。例えば、ハンドピースコントローラ102は、経過した様々な加熱後時間に対する補償係数のルックアップにアクセスし、経過時間に対する補償係数を決定して適用することができる。このようにして、測定電圧レベルを正確に調節することができる。代替例では、第2の補償係数は、時間的に変化するのではなく、固定値であってもよい。これにより、時間的に変化する補償係数を決定する場合と比較して、処理負担を軽減することができる。
【0081】
言い換えれば、第2の補償係数を測定されたバッテリ電圧に加算して、加熱負荷が除去された後の電圧が休止状態よりも低いことを考慮に入れて調節されたバッテリ電圧を提供することができる。一例では、加熱負荷がハンドピースバッテリから除去された後の第2の時間閾値を、30分とすることができる。
【0082】
ハンドピースバッテリ104が充電ケース200によって満充電されたとき、ハンドピースコントローラ102における充電状態制御パラメータを「満充電」という状態に設定することができる。例えば、ハンドピースコントローラ102のファームウェアは、ハンドピースバッテリ104が満充電されているとき(「満充電」状態)、論理状態1に設定され、ハンドピースバッテリ104が満充電されていないとき(「満充電でない」状態)、論理状態0に設定されるパラメータを有することができる。
【0083】
充電プロセスの期間中に、充電ケースバッテリ204は、ハンドピース100と充電ケース200との間の電力/データコネクタ110及び210の電力コネクタによって、ハンドピースバッテリ104に充電を提供する。充電ケースコントローラ202は、ハンドピースバッテリ104が満充電されていると判定したとき、充電ケースバッテリ204からハンドピースバッテリ104への電力流を阻止する。充電ケースコントローラ202は、次いで、電力/データコネクタ110及び210のデータコネクタを使用して、ハンドピースコントローラ102における充電状態制御パラメータを「満充電」状態に設定することもできる。代替的に、ハンドピースコントローラ102が、ハンドピースバッテリ104が満充電されたことを検出し、充電状態制御パラメータを「満充電」状態に設定することができる。
【0084】
ハンドピースバッテリ104がその後(少なくとも部分的に)放電されたとき、例えば、ヒータに加熱負荷を印加したとき、ハンドピースコントローラ102は、パラメータを「満充電でない」状態に切り替えることができる。
【0085】
ハンドピースコントローラ102が、ハンドピースバッテリ104によって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を決定するために電圧レベルを決定するようにトリガされると、ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ電圧レベルを決定する前に、最初に充電状態制御パラメータをチェックし得る。充電状態制御パラメータが、ハンドピースバッテリが満充電されていることを示すように設定されていない(すなわち、充電状態制御パラメータが「満充電でない」状態にある)とき、ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104によって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を決定するために、(例えば、電圧センサ118を使用した)ハンドピースバッテリ104の電圧レベルの決定を続行する。充電状態制御パラメータが、ハンドピースバッテリ104が満充電されていることを示すように設定されている(すなわち、充電状態制御パラメータが「満充電」状態にある)とき、ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104の電圧レベルを決定しない。その代わりに、ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104が満充電されており、まだ放電又は部分的に放電されていないことを充電状態制御パラメータが示すので、ハンドピースバッテリ104が最大数のエアロゾル化セッション(前述のLFPバッテリ例では2回)に電力を供給するのに十分なエネルギーを有すると判定する。このようにして、バッテリが満充電されているときにハンドピースコントローラ102がバッテリ電圧を決定しないことで、ハンドピースコントローラ102における処理オーバヘッドを低減することができる。
【0086】
前述の説明を踏まえて、ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104が電力を供給するのに十分な充電レベルを有するエアロゾル化セッションの数を、いくつかの基準に基づいて決定することができることが分かる。
【0087】
ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースコントローラ102が以下のうちの少なくとも1つを判定した場合に、ハンドピースバッテリ104が第1の数のエアロゾル化セッション(例えば、最大数のエアロゾル化セッション、又は最大2回のセッションに給電可能なLFPバッテリの先の例では2回のエアロゾル化セッション)に電力を供給するのに十分な充電レベルを有すると判定することができる:
-充電状態制御パラメータが、ハンドピースバッテリ104が満充電されていることを示すように設定されている(すなわち、充電状態制御パラメータが「満充電」状態にある)。
-経過した充電後時間が充電後時間閾値以上であり、測定されたバッテリ電圧レベルが第1の電圧閾値以上である。
-経過した充電後時間が充電後時間閾値未満であり、充電後補償係数を用いて調節されたバッテリ電圧レベルが第1の電圧閾値以上である。
-経過した加熱後時間が加熱後時間閾値以上であり、測定されたバッテリ電圧レベルが第1の電圧閾値以上である。
-経過した加熱後時間が加熱後時間閾値未満であり、加熱後補償係数を用いて調節されたバッテリ電圧レベルが第1の電圧閾値以上である。
【0088】
ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースコントローラ102が以下のうちの少なくとも1つを判定した場合に、ハンドピースバッテリ104が第2の数のエアロゾル化セッション(例えば、ゼロ回のエアロゾル化セッション)に電力を供給するのに十分な充電レベルを有すると判定することができる。
-経過した充電後時間が充電後時間閾値以上であり、測定されたバッテリ電圧レベルが第2の電圧閾値未満である。
-経過した充電後時間が充電後時間閾値未満であり、充電後補償係数を用いて調節されたバッテリ電圧レベルが第2の電圧閾値未満である。
-経過した加熱後時間が加熱後時間閾値以上であり、測定されたバッテリ電圧レベルが第2の電圧閾値未満である。
-経過した加熱後時間が加熱後時間閾値未満であり、加熱後補償係数を用いて調節されたバッテリ電圧レベルが第2の電圧閾値未満である。
【0089】
ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースコントローラ102が以下のうちの少なくとも1つを判定した場合に、ハンドピースバッテリ104が第3の数のエアロゾル化セッション(例えば、第1及び第2の数の間の中間数のエアロゾル化セッション、又は最大2回のセッションに給電可能なLFPバッテリの先の例では2回のエアロゾル化セッション)に電力を供給するのに十分な充電レベルを有すると判定することができる。
-経過した充電後時間が充電後時間閾値以上であり、測定されたバッテリ電圧レベルが第1の電圧閾値未満且つ第2の電圧閾値以上である。
-経過した充電後時間が充電後時間閾値未満であり、充電後補償係数を用いて調節されたバッテリ電圧レベルが第1の電圧閾値未満且つ第2の電圧閾値以上である。
-経過した加熱後時間が加熱後時間閾値以上であり、測定されたバッテリ電圧レベルが第1の電圧閾値未満且つ第2の電圧閾値以上である。又は
-経過した加熱後時間が加熱後時間閾値未満であり、加熱後補償係数を用いて調節されたバッテリ電圧レベルが第1の電圧閾値未満且つ第2の電圧閾値以上である。
【0090】
図5は、前述の説明に従ってハンドピースコントローラ102によって行われるステップの例示的なプロセスフローを示している。
【0091】
ステップ503において、ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104への充電電力流が阻止されてからの経過時間(すなわち、第1の経過時間)を決定する。任意選択で、ステップ504において、ハンドピースコントローラ102は、ハンドピースバッテリ104が少なくとも部分的に放電されてからの第2の経過時間(例えば、バッテリからヒータへの電力流が終了してからの経過時間)を決定する。
【0092】
ステップ505において、ハンドピースコントローラ102は、バッテリの測定電圧レベルを決定する。ステップ506において、ハンドピースコントローラ102は、経過時間が時間閾値(すなわち、第1の時間閾値)未満であるとき、測定電圧レベルを補償係数(すなわち、第1の補償係数)によって調節する。経過時間が時間閾値以上であるとき、測定電圧レベルは補償係数によって調節されない。
【0093】
任意選択でステップ507において、ハンドピースコントローラ102は、第2の経過時間が第2の時間閾値未満であるとき、測定電圧レベルを第2の補償係数によって調節する。第2の経過時間が第2の時間閾値以上であるとき、測定電圧レベルは第2の補償係数によって調節されない。
【0094】
換言すれば、ハンドピースコントローラ102は、測定されたバッテリ電圧における電圧超過分を補償して、所望の平衡化されたバッテリ電圧を決定することができる。加熱負荷又は充電負荷が除去された後に測定されるバッテリ電圧(UBATT)は、UBATT=UEQUILIBRATED+URELAXATIONと定義することができる。URELAXATIONは、電圧超過分である(放電の場合は負、充電の場合は正)。コントローラは、次いで、時間の関数としてURELAXATIONを推定し、これを差し引いてUEQUILIBRATEDを決定することができる。すると、UEQUILIBRATEDを、測定されたバッテリ電圧UBATTに基づいてバッテリのエネルギー含量を評価するために使用することができる。
【0095】
ハンドピースコントローラ102が、第1の経過時間が第1の時間閾値(充電後)未満であり、且つ第2の経過時間が第2の時間閾値(加熱後)未満であると判定した場合、ハンドピースコントローラ102は、第1の補償係数と第2の補償係数の両方によって測定電圧レベルを調節することができる。
【0096】
ステップ508において、ハンドピースコントローラ102は、決定された電圧レベルに基づいて、バッテリによって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数を示すようにインジケータ108を制御する。
【0097】
任意選択で、ステップ503の前に、ハンドピースコントローラ102は、制御パラメータが満充電を示す状態に設定されているかどうかを判定することによって、ハンドピースバッテリ104が満充電されているかどうかを判定することができる。制御パラメータが満充電を示す状態に設定されているとき、プロセスは任意選択のステップ502に進むことができ、ステップ502において、ハンドピースコントローラ104は、ハンドピースバッテリ104によって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの最大数を示すようにインジケータを制御する。制御パラメータが満充電を示す状態に設定されていないとき、プロセスはステップ503に進むことができる。
【0098】
当業者であれば、
図5を参照して説明したプロセスステップは、任意の好適な順序で遂行され得ることを容易に理解するであろう。
図5のプロセスフローと同様の代替的なプロセスフローでは、ハンドピースコントローラ102は、ステップ504及び507を行うように構成することができ、ステップ503及び506は任意選択である。
図5のプロセスフローと同様の別の代替的なプロセスフローでは、ハンドピースコントローラ102は、ステップ501及び502を行うように構成することができ、ステップ503~507は任意選択である。
【0099】
前述の説明では、ハンドピースコントローラ102が、ハンドピースバッテリ104によって給電可能な残りのエアロゾル化セッションの数の決定を行うことを説明しているが、これらの処理ステップは、代替的に、充電ケース200とハンドピース100との間のデータコネクタ110及び210を通してハンドピース100と通信する充電ケースコントローラ202によって行われることもあり得る。このような代替例では、充電ケース200に、残りのエアロゾル化セッションの数を示すインジケータ108を組み込むこともできる。
【0100】
前述の説明では、エアロゾル発生装置をハンドピース100及び充電ケース200を備える2部品構成のシステムとして説明しているが、代替例では、エアロゾル発生装置はハンドピースのみを備える1部品構成のシステムとすることができる。このような代替例では、ハンドピースは、パワーバンク又は主電源アダプタなどの外部電源から充電されることができ、第1の経過時間は、ハンドピースが外部電源から切り離されてからの期間に基づくことができる。このような代替例において、バッテリが満充電されたと判定されたときに、ハンドピースコントローラによって充電状態制御パラメータを設定することができる。このような代替のいくつかの例では、ハンドピースは、バッテリが満充電されているときに、2回よりも多くのエアロゾル化セッションに電力を供給するように構成することができる。
【0101】
前述の説明では、コントローラは、説明した方式でエアロゾル発生装置及び電力システムを制御するための命令群を記憶することができる。当業者であれば、コントローラは、前述の方式のいずれかを適宜相互に組み合わせて実行するように構成することができることを容易に理解するであろう。コントローラによって遂行される本明細書に記載の処理ステップは、コントローラと関連付けられた非一時的なコンピュータ読取可能な媒体、又は記憶装置に記憶されることができる。コンピュータ読取可能な媒体は、不揮発性媒体及び揮発性媒体を含んでいてよい。揮発性媒体は特に、半導体メモリ及びダイナミックメモリを含んでいてよい。不揮発性媒体は特に、光ディスク及び磁気ディスクを含んでいてよい。
【0102】
当業者には、前述の説明における先行する実施形態は限定的でなく、各実施形態の特徴が適宜他の実施形態に組み込まれてもよいことが容易に理解されよう。
【国際調査報告】