(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】ニアアイディスプレイの剛直なフレームの双眼アライメント
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240524BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572586
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 US2022032989
(87)【国際公開番号】W WO2022261424
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516201548
【氏名又は名称】ビュージックス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Vuzix Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110003340
【氏名又は名称】弁理士法人湧泉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ, ロバート, ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2H199
2H249
【Fターム(参考)】
2H199CA12
2H199CA38
2H199CA45
2H199CA48
2H199CA50
2H199CA53
2H199CA67
2H199CA68
2H199CA94
2H249AA50
2H249AA60
2H249AA62
2H249AA68
(57)【要約】
ニアアイ双眼表示システムにおける画像のアライメント方法であって、二つ以上の平面導波路を受けるように動作可能な実質的に剛直な双眼フレームを提供することを含み、二つ以上の平面導波路の各々が、画像源から導波路の中へと画像担持光ビームを回折するように動作可能なインカップリング回折光学素子と、導波路からアイボックスに向かって画像担持光ビームを回折するように動作可能なアウトカップリング回折光学素子と、を含む、方法。インカップリング回折光学素子は、第一の方向から入射する光をインカップリングするように動作可能であり、アウトカップリング回折光学素子は、光を第一の方向にアウトカップリングするように動作可能である。双眼フレームを固定アライメントマウントに固定することと、フレームの右側に第一のプロジェクターを位置付けて第一の画像を投影することと、一つ以上の平面導波路が定位置にない画面上に第一の画像を投影すること。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニアアイ双眼表示システムにおける画像のアライメントのための方法であって、
二つ以上の導波路を支持するように動作可能な実質的に剛直な双眼フレームを提供することであって、前記二つ以上の導波路がそれぞれ、
画像源から前記導波路内へ画像担持光ビームを回折するように動作可能なインカップリング回折光学素子と、
前記画像担持光ビームを前記導波路からアイボックスに向かって回折するように動作可能なアウトカップリング回折光学素子と、を含み、
前記インカップリング回折光学素子が、第一の方向から入射する光をインカップリングするように動作可能であり、前記アウトカップリング回折光学素子が、前記第一の方向に光をアウトカップリングするように動作可能である、提供することと、
前記双眼フレームを固定アライメントマウントに固定することと、
第一の画像を投影するために、第一のプロジェクターを前記フレームの右側に位置付けることと、
前記第一の画像を、前記一つ以上の導波路を定位置に有さない画面上に投影することと、
第二の画像を投影するために、第二のプロジェクターを前記フレームの左側に位置付けることと、
前記第二の画像を、前記一つ以上の導波路を定位置に有さない前記画面上に投影することと、
前記第一の画像および前記第二の画像をそれぞれのターゲットと比較することと、
少なくとも前記第一のプロジェクターまたは前記第二のプロジェクターの前記位置決めを調整して、前記第一の画像および前記第二の画像を前記それぞれのターゲットとアライメントさせることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第一のプロジェクターから前記第一の画像を、および前記第二のプロジェクターから前記第二の画像を受信し、前記画面上で前記画像の焦点を合わせるように動作可能な中間調整要素を提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画面上で前記第一の画像および前記第二の画像の焦点を再び合わせることと、前記焦点を再び合わせた画像を前記それぞれのターゲットと比較して、前記第一のプロジェクターおよび前記第二のプロジェクターがアライメントしていることを確認することと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記中間調整要素が対物レンズである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記画面が、前記剛直なフレームから1メートル超4メートル未満に位置付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記フレームが、導波路の取り外し可能な挿入のために適合された導波路交換ポートを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
導波路を前記導波路交換ポート内に取り外し可能に挿入することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第一のプロジェクターを、前記画面と反対の方向に画像担持光を放射するように位置付けることと、前記画像担持光を前記画面に向かって方向付ける光学素子を提供することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記画面が、画像特性を測定するように動作可能な光検出器を備え、前記方法が、
前記第一の画像の画像特性を前記画面で測定し、前記測定された画像特性を所望の画像特性と比較することと、
前記第二の画像の画像特性を前記画面で測定し、前記測定された画像特性を前記所望の画像特性と比較することと、
前記第一の画像および前記第二の画像からの前記測定された画像特性を比較して、前記第一のプロジェクターおよび前記第二のプロジェクターがアライメントしていることを確認することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記画面が、前記第一の画像および前記第二の画像のミスアライメントを検出するように動作可能である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記剛直な双眼フレーム内に一つ以上の導波路を設置することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ニアアイ双眼表示システムにおける虚像のアライメントのためのシステムであって、
実質的に剛直なフレームと、
前記フレームを固定するように動作可能な固定アライメントマウントと、
較正画像の特性を測定するように動作可能な光検出器を有する画面であって、前記画面が、一つ以上の較正画像の画素方向を比較するように動作可能である、画面と、
前記フレームの右側に接続された第一のプロジェクターであって、前記第一のプロジェクターが第一の画像を投影するように動作可能である、第一のプロジェクターと、
前記フレームの左側に接続された第二のプロジェクターであって、前記第二のプロジェクターが第二の画像を投影するように動作可能である、第二のプロジェクターと、
前記第一の画像を無限焦点で受信し、前記性能画面上の較正画像として前記無限焦点画像の焦点を再び合わせるように動作可能な一つ以上の対物レンズと、を備える、システム。
【請求項13】
前記一つ以上の対物レンズが、無限焦点で前記第二の画像を受信し、前記性能画面上の第二の較正画像として前記無限焦点画像の焦点を再び合わせるように動作可能である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記画面が、前記第一の画像の位置を前記第二の画像の位置と比較するように動作可能である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記画面が、前記較正画像の画素方向を基準画素または工場出荷時設定のアライメントスキームと比較するように動作可能である、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記フレームが、導波路の取り外し可能な挿入のために適合された導波路交換ポートを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記固定アライメントマウント、前記画面、および前記一つ以上の対物レンズがプラットフォームに結合され、前記プラットフォームが、前記第一のプロジェクターおよび前記第二のプロジェクターのみがアライメント中に移動可能であるように、固定アライメントマウント、前記画面、および前記一つ以上の対物レンズの相対位置を維持するように動作可能である、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記画面が、前記第一の画像の画素方向を基準画素と比較するように動作可能な画素グリッドを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記第一の画像および前記第二の画像を一つ以上の基準画素とアライメントさせるように動作可能な前記フレームに取り付けられた機械的アライメント要素をさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記フレームに取り付けられた機械的アライメント要素をさらに備え、前記機械的アライメント要素が前記第一のプロジェクターを移動させるように動作可能である、請求項12に記載のシステム。
【請求項21】
前記機械的アライメント要素が、前記第一のプロジェクターのロール、ピッチ、およびヨーを調整するように動作可能な調整ねじを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
導波路のアライメントとは無関係に、ヘッドマウントディスプレイシステムにおいて剛直なフレームとプロジェクターをアライメントさせる方法であって、
概して剛直な双眼フレームを固定アライメントマウントに固定することであって、前記双眼フレームが導波路を支持するように動作可能である、固定することと、
第一のプロジェクターを前記フレームの右側に近位に位置付けることであって、前記第一のプロジェクターが、導波路が定位置にない、空間内の第一の位置に右画像を投影するように動作可能である、位置付けることと、
第二のプロジェクターを前記フレームの左側に近位に位置付けることであって、前記第二のプロジェクターが、導波路が定位置にない、空間内の第二の位置に左画像を投影するように動作可能である、位置付けることと、
前記フレームに対して前記第一の位置および前記第二の位置に画面を位置付けることであって、前記画面が、前記左画像および前記右画像の特性を受信および測定するように動作可能な光検出器を有する、位置付けることと、
前記左画像と前記右画像の前記測定された画像特性を比較することと、
少なくとも前記第一のプロジェクターまたは前記第二のプロジェクターの前記位置決めを調整することと、を含む、方法。
【請求項23】
前記画面が、前記左画像および前記右画像の画素方向を比較する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記画面が、前記左画像の画素方向を、基準画素または工場出荷時設定のアライメントスキームと比較する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第一のプロジェクターから前記右画像を、および前記第二のプロジェクターから前記左画像を受信し、前記画面上で前記右画像および左画像の焦点を再び合わせるように動作可能な中間調整要素を提供することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記画面上で前記左画像および前記右画像の焦点を再び合わせることと、前記再び焦点を合わせた画像を比較して、前記第一のプロジェクターおよび前記第二のプロジェクターがアライメントしていることを確認することと、をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記フレーム内に導波路を配置することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記測定された画像特性を比較することが、前記フレーム内に導波路を配置する前に完了される、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、左眼および右眼の虚像を形成するためにビューアによって着用される電子表示装置に関し、より具体的には、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)における双眼アライメントに関する。
【発明の背景】
【0002】
HMDは、軍事、商業、産業、消防、及びエンターテイメント用途を含む、幅広い用途範囲のために開発されている。これらの用途の多くでは、HMDユーザーの視野内の眼内に形成される現実世界の画像の上に視覚的に重ね合わせることのできる虚像を形成することに特に価値がある。画像光ガイドは、透過性導波路に沿って、ビューアの視野の外側にある位置から、導波路を通した環境のビューアの視界を保持しながら、ビューアの瞳孔と整列した位置まで、画像担持光を伝達する。
【0003】
いくつかの画像光ガイドでは、コリメートされ、相対角度をコードした、画像源からの光ビームは、インカップリング回折光学素子などの入力カップリングによってプレート形の導波路内にカップリングされ、これはプレート形の導波路の表面上に取り付けるか、形成することができ、又は導波路内に埋植させることができる。こうした回折光学素子は、回折格子、ホログラフィック光学素子として、又は他の既知の方法で形成され得る。導波路に沿って伝搬した後、回折光は、類似の出力格子によって、導波路の外に再び向けることができ、これは虚像の少なくとも一つの次元に沿って瞳孔拡張を提供するように配置され得る。さらに、ターニング回折光学素子は、入力格子と出力格子の間の導波路に沿って位置付けられ、虚像の第二の直交寸法で、瞳孔拡張を提供することができる。瞳孔拡張の二次元は、光ガイドによって伝達される虚像を見るために、その中にビューアの瞳孔が位置付けられ得る拡張されたアイボックスを画定する。
【0004】
画像光ガイドおよび回折光学素子は、コリメートされた光の角度をコードした光ビームをビューアのアイボックスに伝達することによって、光学的無限遠に焦点を合わせた虚像を形成し得る。しかしながら、虚像は、例えば、1m~1.5mの範囲など、いくらかより近い距離に焦点を合わせてもよい。近距離集中型ソリューションを使用することで、例えば、製造および倉庫業務用途などの、現実世界の情景コンテンツをより近い距離に有することが有用である用途において、ビューアが拡張現実イメージングの利点を有することが可能になり得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、ニアアイディスプレイシステムにおいて、適切にアライメント(整列)された虚像の立体提示を一貫して生成するためのシステムおよび方法を提供する。虚像のミスアライメント、ならびに不正確な配色、ぼやけ、および光学雑音などの望ましくない光学効果を低減または除去することは、例えば、眼疲労(すなわち、眼精疲労)を軽減し得る。
【0006】
第一の例示的な実施形態では、本開示は、ニアアイ双眼表示システムにおける画像のアライメント方法を提供し、二つ以上の平面導波路を受けるように動作可能な実質的に剛直な双眼フレームを提供することを含み、二つ以上の平面導波路の各々は、画像源から導波路の中へと画像担持光ビームを回折するように動作可能なインカップリング回折光学素子と、導波路からアイボックスに向かって画像担持光ビームを回折するように動作可能なアウトカップリング回折光学素子と、を含む。インカップリング回折光学素子は、第一の方向から入射する光をインカップリングするように動作可能であり、前記アウトカップリング回折光学素子は、光を第一の方向にアウトカップリングするように動作可能である。双眼フレームを固定アライメントマウントに固定し、第一のプロジェクターをフレームの右側に位置付けて第一の画像を投影し、一つ以上の平面導波路が定位置にない画面上に第一の画像を投影する。第二のプロジェクターをフレームの左側に位置付けて第二の画像を投影し、一つ以上の平面導波路が定位置にない画面上に第二の画像を投影する。第一の画像および第二の画像をそれぞれのターゲットと比較し、第一のプロジェクターおよび/または第二のプロジェクターの位置決めを調整して、第一の画像および第二の画像をそれぞれのターゲットとアライメントさせる。
【0007】
第二の例示的な実施形態では、本開示は、実質的に剛直なフレーム、フレームを固定するように動作可能な固定アライメントマウント、および較正画像の特性を測定するように動作可能な光検出器を有する画面を含む、ニアアイ双眼表示システムにおける虚像のアライメントのためのシステムを提供する。システムは、フレームの右側に接続された第一のプロジェクターであって、第一の画像を投影するように動作可能である第一のプロジェクターと、フレームの左側に接続された第二のプロジェクターであって、第二の画像を投影するように動作可能である第二のプロジェクターと、をさらに含む。システムは、無限焦点で第一の画像を受信し、無限焦点画像を性能画面上で較正画像として焦点を再び合わせるように動作可能な一つ以上の対物レンズをさらに含み、画面は、一つ以上の較正画像の画素方向を比較するように動作可能である。
【0008】
第三の例示的な実施形態では、本開示は、導波路アライメントとは無関係に、ヘッドマウントディスプレイシステム内の剛直なフレームとプロジェクターをアライメントさせる方法を提供し、概して剛直な双眼フレームを固定アライメントマウントに固定することであって、双眼フレームが導波路を支持するように動作可能である、固定することと、第一のプロジェクターをフレームの右側に近位に位置付けることであって、第一のプロジェクターが、導波路が定位置になく、空間内の第一の位置に右画像を投影するように動作可能である、位置付けることと、第二のプロジェクターをフレームの左側に近位に位置付けることであって、第二のプロジェクターが導波路が定位置になく、空間内の第二の位置に左画像を投影するように動作可能である、位置付けることと、画面をフレームに対して第一および第二の位置に位置付けることであって、画面が左画像および右画像の特性を受信および測定するように動作可能な光検出器を有する、位置付けることと、左画像と右画像の測定された画像特性を比較することと、少なくとも第一のプロジェクターまたは第二のプロジェクターの位置決めを調整することと、を含む。
【0009】
本発明の特定の実施形態では、アライメントは、導波路の導入前に工場設定で達成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付図面は、本明細書の一部として本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される図面は、本開示の主題の実施形態を例示し、本開示の選択された原理、及び教示を例示するものである。しかしながら、図面は、本開示の主題のすべての可能な実施を例示するものではなく、本開示の範囲をいかなる方法でも制限することを意図するものではない。
【0011】
【
図1A】
図1Aは、本開示の主題の例示的な実施形態による、アイボックスの一方向を拡張するための伝搬方向に沿った画像担持ビームの複製を示す、画像光ガイドの簡略断面図である。
【
図1B】
図1Bは、本開示の主題の例示的な実施形態による、インカップリング光線ベクトルと、アウトカップリング回折光学素子によって放射された光線との間の一貫した角度関係を示す、画像光ガイドの概略側面図である。
【
図1C】
図1Cは、インカップリング光線に対して非垂直角度に位置付けられた画像光ガイドの概略側面図であり、インカップリング光線ベクトルと、アウトカップリング回折光学素子によって放射された光線との間の一貫した角度関係を示す。
【
図2A】
図2Aは、インカップリング光線ベクトルと、アウトカップリング回折光学素子によって放射された光線との間の一貫した角度関係を示す、双眼画像光ガイドの概略上面図である。
【
図2B】
図2Bは、インカップリング光線ベクトルと、アウトカップリング回折光学素子によって放射された光線との間の一貫した角度関係を示す、双眼画像光ガイドの概略上面図である。
【
図3A】
図3Aは、本開示の実施形態による、ビューアの視野内で無限遠に見られる虚像を伝達する、後方を向くプロジェクターを有する画像光ガイドの上面立面斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、本開示の実施形態による、ビューアの視野内で無限遠に見られる虚像を伝達する、前方を向くプロジェクターを有する画像光ガイドの上面立面斜視図である。
【
図4】
図4は、アウトカップリングされた光をビューアの視野に伝達するヘッドマウントディスプレイ装置の簡略上面概略図である。
【
図5】
図5は、ビューアによって着用される、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムを示す。
【
図6A】
図6Aは、ビューアから多少の距離を置いて画面上に画像を形成するプロジェクターの上面立面斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、後方を向くプロジェクターからの光を画面上に投影するヘッドマウントディスプレイ装置の簡略上面概略図である。
【
図6C】
図6Cは、ミスアライメントした後方を向くプロジェクターからの光を二つの画面上に投影するヘッドマウントディスプレイ装置の簡略上面概略図である。
【
図6D】
図6Dは、後方を向くプロジェクターがアライメントされた、
図6Cによるヘッドマウントディスプレイ装置の簡略上面概略図である。
【
図7】
図7は、ある距離に位置付けられた別の画面上で画像の焦点を再び合わせるように動作可能な中間調整要素上に画像を形成する画像プロジェクターの上面立面斜視図である。
【
図8】
図8は、ある距離に位置付けられたアライメント画面上で中間調整要素から焦点を再び合わせる立体画像を形成する一対の画像プロジェクターの上面立面斜視図である。
【
図9】
図9は、後方を向くプロジェクターが二つのカメラ上に光を放射する、双眼画像光ガイドの概略上面図である。
【
図10】
図10は、プロジェクター較正手順を説明するプロセス図である。
【
図11A】
図11Aは、本開示の主題の例示的な実施形態による導波路スタックモジュールである。
【
図12】
図12は、本開示の主題の例示的な実施形態による導波路スタックの分解図を示す。
【
図13】
図13は、本開示の主題の例示的な実施形態による較正装置の概略側面図である。
【
図14】
図14は、本開示の主題の例示的な実施形態による較正装置の概略斜視図である。
【
図15】
図15は、本開示の主題の別の例示的な実施形態による較正装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、相反する内容が明示的に特定されない限り、様々な代替的な配向、及びステップ配列を想定しうることが、理解されるべきである。添付図面に図示され、以下の明細書に記述される、特定のアセンブリ及びシステムは、本明細書に定義される発明概念についての単なる例示的な実施形態であることも、理解されるべきである。したがって、開示された実施形態に関連する、特定の次元、方向、又はその他の物理的特徴は、別途明示的に記載されない限り、限定するものとはみなされない。また、当てはまらない場合もあるが、本明細書に記載する様々な実施形態における同様の要素は、本明細書の本項内で同様の参照番号を用いて一般的に言及されてもよい。
【0013】
本明細書で使用される場合、「第一の」、「第二の」などの用語は、必ずしも、任意の順序関係、連続的関係、又は優先順位関係を示すものではなく、別段の指定がない限り、単に一つの要素又は要素の集合を別の要素とより明確に区別するために使用される。
【0014】
本明細書で使用される場合、「ビューア」、「オペレータ」、「オブザーバ」、及び「ユーザー」という用語は、等価とみなされ、ニアアイディスプレイ装置を着用する、及び/又はニアアイディスプレイ装置を使用して画像を見る、人物又は機械を指す。
【0015】
本明細書で使用される場合、光学の文脈における「結合」、「結合器」という用語は、光が一つの光媒体または装置から別の光媒体または装置へと移動する接続を指す。
【0016】
本明細書で使用される場合、値に適用される「約」という用語は、値を生成するために使用される装置の許容範囲内を意味することが意図され、または一部の実施例では、別段の明示的な指定がない限り、±10%、または±5%、または±1%を意味することが意図される。
【0017】
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、値を生成するために使用される装置の許容範囲内を意味することが意図され、または一部の実施例では、別段の明示的な指定がない限り、±10%、または±5%、または±1%を意味することが意図される。
【0018】
本明細書で使用される場合、「光学的無限遠」および「無限遠」という用語は、カメラおよび撮像技術における従来の使用に対応し、焦点距離が少なくとも約4メートル(4m)を超えるように、実質的にコリメートされた光を使用した画像形成を示す。
【0019】
本明細書で使用される場合、「ビーム拡張」という用語は、一つ以上の方向に射出瞳拡張を提供するために、光学素子との複数の遭遇を介してビームの複製を意味することが意図される。同様に、本明細書で使用される場合、ビームまたはビームの一部分を「拡張する」ことは、一つ以上の方向に射出瞳拡張を提供するために、光学素子との複数の遭遇を介してビームの複製を意味することが意図される。
【0020】
HMDなどの光学システムは、虚像の表示を生成することができる。実像を形成する方法とは異なり、虚像は表示面上には形成されない。すなわち、表示面が虚像の知覚される位置に位置付けられた場合、いかなる画像もその表面上には形成されない。虚像の表示には、拡張現実の提示において、特有の多数の利点がある。例えば、虚像の見かけのサイズは、表示面のサイズ、又は位置によって制限されない。さらに、虚像のソースオブジェクトは小さくてもよく、例えば、拡大鏡がオブジェクトの虚像を提供する。実像を投影するシステムと比較して、ある程度離れた距離にあるように見える虚像を形成することによって、より現実的な視聴体験を提供することができる。虚像を提供することは、実像を投影する際に必要となる場合がある画面アーチファクトを補正する必要性も排除する。
【0021】
画像光ガイドは、プロジェクターなどの光源からの画像担持光を利用して、虚像を表示してもよい。例えば、コリメートされた、相対角度をコードした、プロジェクターからの光ビームは、インカップリング回折光学素子などの入力カップリングによって平面導波路内にカップリングされ、これは平面導波路の面上に取り付けるか、形成することができ、又は導波路内に埋植させることができる。こうした回折光学素子は、回折格子、ホログラフィック光学素子(HOE)として、又は他の既知の方法で形成され得る。例えば、回折格子は、表面レリーフによって形成され得る。導波路に沿って伝搬した後、回折光は、アウトカップリング回折光学素子などの類似の出力カップリングによって、導波路の外に再び向けることができ、これは虚像の少なくとも一つの方向に沿って瞳孔拡張を提供するように配置され得る。さらに、ターニング格子は、導波路上/内に位置付けられ、虚像の直交方向に、瞳孔拡張を提供することができる。導波路から出力される画像担持光は、ビューアに対し、拡張されたアイボックスを提供する。
【0022】
図1Aは、画像光ガイドシステム10の一つの従来の構成の簡略断面図を示す概略図である。画像光ガイドシステム10は、平面画像光ガイド12、インカップリング回折光学素子IDO、およびアウトカップリング回折光学素子ODOを含む。画像光ガイド12は、例えば、面平行な前面14および背面16を有する、光学ガラスまたはプラスチックから作製され得る、透明な基体Sを含む。この例では、インカップリング回折光学素子IDOは、画像光ガイド12の前面14上、前面14内に配置された、または別の方法で係合した透過型回折格子として示されている。しかしながら、インカップリング回折光学素子IDOは、別の方法としては、入射画像担持光ビームWIを画像光ガイド12内へと回折する、反射型回折格子またはその他のタイプの回折光学素子(ボリュームホログラム、若しくは他のホログラフィック回折素子など)であり得る。インカップリング回折光学素子IDOは、画像光ガイド12の前面14または背面16上または前面14または背面16内に位置する、または別の方法で前面14または背面16と係合し、画像担持光ビームWIが画像光ガイド12に接近することが意図される方向に依存して、透過型または反射型の組み合わせであってもよい。
【0023】
ニアアイディスプレイシステムまたはヘッドマウントディスプレイの一部として使用される場合、従来の画像光ガイドシステム10のインカップリング回折光学素子IDOは、実像、虚像またはハイブリッド画像の画像源50からの画像担持光ビームWIを、画像光ガイド12の基体S内へと結合する。画像源50により形成される任意の実像又は画像の次元は、最初に、インカップリング回折光学素子IDOへの提示のために、虚像内の異なる位置をコードする、重なり合う角度関連のコリメートされたビームのアレイに変換される。典型的には、角度関連ビームの一つを形成する各束内の光線は平行に延在するが、角度関連ビームは、画像の線寸法に対応する二つの角度寸法によって画定され得る角度を通して、互いに比較的傾斜している。
【0024】
角度関連ビームがインカップリング回折光学素子IDOと係合すると、画像担持光ビームWIの少なくとも一部分が回折され(一般には第一の回折次数によって)、それによって、平面平行の前面14と背面16との間の全内部反射(TIR)による画像光ガイド12の長さ寸法xに沿ったさらなる伝搬のために、角度をコードした画像担持光ビームWGとして、インカップリング回折光学素子IDOによって、平面画像光ガイド12内へと再方向付けされる。TIRによって設定された境界に沿って角度関連ビームの異なる組み合わせへと回折されるが、画像担持光ビームWGは、インカップリング回折光学素子IDOのパラメータから導出可能な角度をコードした形態で画像情報を保存する。アウトカップリング回折光学素子ODOは、コードされた画像担持光ビームWGを受信し、画像担持光ビームWGの少なくとも一部を、画像光ガイド12から、画像担持光ビームWOとして、アイボックスEと呼ばれる近くの空間領域に向かって(一般的に第一の回折次数によっても)回折し、その中において、ビューアの眼またはその他の光学構成要素によって伝送された虚像を見ることができる。アウトカップリング回折光学素子ODOは、画像担持光ビームWOの出力された角度関連ビーム間から、画像担持光ビームWIの元の角度関係を復元するために、インカップリング回折光学素子IDOに対して対称的に設計され得る。さらに、アウトカップリング回折光学素子ODOは、元の視野点の位置の角度関係を修正して、有限の集束距離で出力虚像を生成することができる。
【0025】
しかしながら、(虚像を見ることができる領域のサイズを定義する)アイボックスEに投入される角度関連ビーム間の重なり合いの一つの次元を増大させるために、アウトカップリング回折光学素子ODOは、画像光ガイド12の限定された厚さTと共に配置されて、画像担持光ビームWGに複数回遭遇し、それぞれの遭遇において画像担持光ビームWGの一部分のみを回折する。アウトカップリング回折光学素子ODOの長さ(例えば、第一の方向)に沿った複数の遭遇は、画像担持光ビームWGを複製し、複製されたビームが重なり合うアイボックスEの少なくとも一つの次元を拡大または拡張する効果を有する。拡張されたアイボックスEは、虚像を見るためのビューアの眼5の、位置に対する感度を低下させる。
【0026】
アウトカップリング回折光学素子ODOは、画像光ガイド12の前面14上に配置または固定された、透過型回折格子として示されている。しかしながら、インカップリング回折光学素子IDOと同様に、アウトカップリング回折光学素子ODOは、画像光ガイド12の前面14または背面16上、または前面14または背面16内に位置する、または別の方法で前面14または背面16と係合し、画像担持光ビームWGが画像光ガイド12を出ることが意図される方向に依存して、透過型または反射型の組み合わせであってもよい。加えて、アウトカップリング回折光学素子ODOは、ボリュームホログラムまたは他のホログラフィック回折素子などの別のタイプの回折光学素子として形成されてもよく、これは、画像光ガイド12から伝搬する画像担持光ビームWGを、アイボックスEに向かって伝搬する画像担持光ビームWOとして回折する。
【0027】
画像源50が、画像担持光ビームWOが伝達される前面14に対向する位置から画像光ガイド12に向かって画像担持光ビームWIを放射するように配置されるとき、つまり、角度に関連する画像担持光ビームWIのアプローチを表面16に向けるとき、画像担持光ビームWOは、入射角と等しいベクトルで、表面14上のアウトカップリング回折光学素子ODOを通して放射され、画像担持光ビームWIおよび画像担持光ビームWOを角度空間内で平行にレンダリングする。
図1Aは、表面16に対して垂直な入射角30で表面16上に入射する画像担持光ビームWIが、表面14に対して垂直な射出角32で表面14から放射される画像担持光ビームWOを生成することを示す。
図1Aに示すように、入射角30および射出角32は、表面16および表面14に対して等しい。
【0028】
図1Bは、入射角34を有する非垂直の入射画像担持光ビームWI、および非垂直の射出角36で表面14から放射される画像担持光ビームWOを示す。出射ビームWOの射出角36は、入射角34と等しい。
【0029】
一実施形態では、
図1Cに示すように、画像担持光ビームWIの入射角34および画像担持光ビームWOの射出角40は変更されるが、入射角34と射出角40の関係は維持される。入射角34および射出角40は、導波路12、12aのロール、ピッチ、およびヨーと等しく、かつ独立している。入射角34と射出角40の関係は、アイボックスEの反対側の導波路12からインカップリング回折光学素子IDO上に入射している画像担持光ビームWIの関数である。画像担持光ビームWIが、アイボックスEと同じ側の導波路12からインカップリング回折光学素子IDO上に入射する場合、入射角34と射出角40の関係は、導波路12のピッチ、ロール、およびヨーから独立していない。本明細書で詳細に説明するように、この角度関係は、本明細書に開示される剛直なフレーム双眼システムにおいてプロジェクターのアライメントおよび較正を行うための方法を可能にする。
【0030】
図2Aおよび2Bは、それぞれのプロジェクター50、50aのうちの一つ以上に対する導波路12、12aのうちの一つ以上のアライメントが変更されても、入射角34と射出角40の関係が維持される(画像担持光ビームWIが、アイボックスEの反対側の導波路22からインカップリング回折光学素子IDOに入射する場合)ことを示す。言い換えれば、プロジェクター50、50aに対する導波路12、12aのアライメントは、光学的無限遠でのアライメント虚像Vに影響を与えない。
【0031】
図3Aの斜視図は、導波路12が角度空間に固定された虚像Vをビューア60に提示するように最適化された状態で、予め構成された入射角で投影された画像担持光ビームWIを回折するように配置された導波路12を示す。後方を向くプロジェクター50は、画像担持光ビームWIをインカップリング回折光学素子IDOに伝送するように動作可能であり、導波路12と機械的に接触することなく伝送してもよい。眼鏡レンズフレーム、ヘルメットの取付け、導波路ケースまたはその他の取付けなどの取付け装置を利用して、プロジェクター50および/または導波路12を固定してもよい。
【0032】
図3Bに示すように、例示的な実施形態では、プロジェクター50は、ビューア60に対して正面/前方を向いて位置付けられる。画像担持光ビームWIと画像担持光ビームWOとの間の角度適合を達成するために、ミラー、ドーブプリズム、折り曲げプリズム、ペンタプリズムまたはこれに類するものの組み合わせを含むがこれらに限定されない光学素子54が、アイボックスEとは反対の(後方を向く)必要とされる方向から、画像担持光ビームWIを、画像担持光ビームWI2として、インカップリング回折光学素子IDOに向かって方向付けるように配置される。取付け装置は、導波路12の存在または配向とは無関係に、光学素子54およびプロジェクター50を互いとの関係において固定するように配置されてもよい。
【0033】
図4は、山形を有する、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム80の実施形態を示す。別の実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム80は、ラップフレーム、スポーツ用ゴーグルおよび水泳用ゴーグル、従来の眼鏡フレーム、および防護眼鏡を含むがこれらに限定されない、様々な形状を有してもよい。ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム80は、アームヒンジ76、76a、ならびにノーズブリッジ72、テンプルフレーム74、74a、およびレンズフレーム70を含む、複数の屈曲点を含んでもよい。導波路12、12aのプロジェクター50、50aからの分離を維持するために、レンズフレーム70は、後方を向くプロジェクター50、50aのマウントとして機能するように動作可能である。この構成は、いくつかの利点を提供する。ビューアの眼62、62aの位置に対する入射ビームWIに等しい角度で導波路12、12aを出る角度をコードした出射ビームWOの特性に関して、レンズフレーム70は、プロジェクター50、50aを取り付けるために動作可能な最も安定した位置を提供する。レンズフレーム70に利用可能な一般的な剛性および限定された屈曲を考慮すると、出射ビームWOの立体輻輳がより確実に達成され得る。導波路12は、固定して取り付けられたプロジェクター50、50aの工場で較正されたアライメントに影響を与えることなく、かつ
図3Bで言及した虚像Vの提示に影響を与えることなく、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム80内で位置が移動する、またはミスアライメントするようになるように動作可能である。
図4に戻ると、導波路交換ポート78、78aは、導波路12、12aを、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム80から取り外し、固定して取り付けられたプロジェクター50、50aの工場で較正されたアライメントに影響を与えることなく交換することを可能にする。
【0034】
一実施形態では、導波路12、12aは、
図5に示すように、レンズフレーム70の側面の導波路交換ポート78、78aを通して所定位置内に摺動することによって簡単にアクセス可能な入力機構によって、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム80と接続する。導波路交換ポート78は、ゴムシール、プラスチック製クリップ、または小ねじ84を用いて、設置された導波路12、12aを固定してもよい。別の実施形態では、導波路交換ポート78は、レンズフレーム70の上部または底部の上に、または上部または底部の中に位置してもよい。導波路12は、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム80に対する導波路交換ポート78の配向に応じて、アウトカップリング回折光学素子ODOを有する導波路12の側面を最初に、またはインカップリング回折光学素子IDOを有する側面を最初に、または上部側または底部側を挿入することによって、導波路交換ポート78への挿入のために動作可能である。挿入されると、導波路12、12aは、ばね式圧力クリップ、スナップクランプ、ばねクリップ、またはこれに類するものを通して係合することができる張力機構によって、所定位置にロックされる。
【0035】
交換されると、導波路12、12aは、挿入された後にその位置の微調整を必要としない。むしろ、制御された焦点の輻輳は、プロジェクター50、50aの工場でのアライメントによって達成される。ここで
図6Aを参照すると、プロジェクター50は、画像内の個々の画素に対応する、無限焦点での画像および画像担持光ビーム90のフルセットを生成するように動作可能である。
図6Aに示すように、一実施形態では、後方を向く/投影するプロジェクター50、50aのアライメント中に、プロジェクター50、50aは、導波路12、12aが定位置になく、レンズフレーム70に取り付けられる。画像担持光ビーム90のセットは、画像担持光をデコードするために導波路12、12aを必要とせずに、表示され得る画像Mを生成する。プロジェクター50、50aによって伝送される画像担持光ビーム90は、導波路12の存在なしに、性能画面96などの表面上に意図される画像Mを生成するように動作可能である。一実施形態では、性能画面96は、較正画像の様々な特性を受信および測定するように動作可能なコントローラ97と通信する光検出器を備えるデジタルセンサアレイを含む。例えば、デジタルセンサアレイは、領域電荷結合装置(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、および/またはフォトダイオードを含んでもよい。別の実施形態では、性能画面96は、デジタルセンサアレイのない概して平面を含む。
【0036】
図6Bは、画像較正スキームの実施形態の概してトップダウン斜視図を示す。レンズフレーム70に取り付けられると、左側プロジェクター50および右側プロジェクター50aは、所定の距離で設定された性能画面96上に画像担持光ビーム90を投影するように動作可能である。画像担持光ビーム90は、実像Mを生成する。左側プロジェクター50および右側プロジェクター50aの両方が利用される場合、二つの画像Mが性能画面96上で生成される。画像Mは、以下に記載されるプロジェクターのアライメント方法に従ってさらに調整されてもよい。プロジェクターのアライメント方法は、製造環境内で実施されてもよい。
【0037】
一実施形態では、プロジェクターのアライメントは、人間のオペレータによって手動で実施される。例えば、オペレータは、各プロジェクター50、50aからプロジェクター画面96上に画像担持光ビーム90を投影し、プロジェクターのアライメントをもたらすために、眼によって画像Mを性能画面96上でアライメントさせてもよい。
【0038】
図6Cおよび6Dに示すように、一実施形態では、プロジェクター50、50aの較正中に性能画面96が利用される。別の実施形態では、プロジェクター50、50aの各々につき一つの、二つの性能画面96が較正中に利用されてもよい。
図6Cに示すように、プロジェクター50aは、非垂直の入射ビームWIが性能画面96上で入射角34Aを有するようにミスアライメントしており、したがって、虚像Vの歪みを引き起こす(虚像Vは、参照のために示されているが、導波路12、12aなしでは生成されない)。
図6Dでは、プロジェクター50aは、非垂直の入射ビームWIが性能画面96上で入射角34Bを有し、導波路12、12aが設置されたときに生成される立体虚像Vがアライメントされるように整列される。一実施形態では、性能画面96は、画像担持光ビーム90がアライメントされるターゲットTを含む。性能画面96がセンサアレイを利用しない場合、ターゲットTは、レチクルなどの画像であってもよい。性能画面96がセンサアレイを利用する時、ターゲットTは画素の選択であってもよい。
【0039】
ここで
図7を参照すると、一実施形態では、無限焦点で画像担持光ビーム90を伝送するプロジェクター50を収容するために、中間調整要素を利用して、性能画面96への焦点を達成する。一実施形態では、中間調整要素は、画像担持光ビーム90を無限焦点で受信し、較正画像M2として性能画面96上で無限焦点画像M1の焦点を合わせるように動作可能な、対物レンズ94または類似の光学システム(例えば、視度補正レンズ)である。一実施形態では、中間調整要素94は、性能画面上の無限焦点画像M1を較正画像M2として拡大するように動作可能である。
【0040】
一実施形態では、性能画面96は、較正画像M2の様々な特性を受信および測定するように動作可能なコントローラ97と通信する光検出装置を含む。タイミング精度およびパルス周波数、スペクトル領域、ルーメンまたは光強度、ならびに画素方向に応答して光検出器を用いて構築された性能画面96は、プロジェクター50の光出力が所望のまたは予め設定された要件を満たすことを確実にするための方法を可能にする。一実施形態では、性能画面96はまた、較正画像M2の画素方向を基準画素または工場出荷時設定のアライメントスキームと比較するように動作可能な、画素グリッド100を含む。一実施形態では、基準画素は、較正画像M2の中心に表示される。別の実施形態では、基準画素は、画像の様々な領域に位置する。例えば、画素アライメントは、装置上に画素密度1インチ当たり96ドット(「96dpi」)および0.0213度の視角を有する一つの画素の視角として定義されてもよく、許容誤差は0.005度である。
【0041】
一実施形態では、性能画面96は、画像M2に見られる色収差および他の波長依存の光学的歪みを含め、対物レンズ94によって引き起こされる、画像担持光ビーム90に対する望ましくない効果を説明するように動作可能である。特定の態様では、こうした望ましくない効果は、対物レンズ94に存在することが知られている異常および/または歪みである。周囲画素アライメント、色調整、およびそれに類するものなどを修正するためのプロジェクター50のより微細な較正の方法は、画像処理アルゴリズムを実装するアライメントシステムソフトウェアの使用を含む。ソフトウェアアライメントは、
図10の例に記載するように、コースアライメントの前後に発生する場合がある。
【0042】
一実施形態では、アライメントマウントおよび取付けブラケット56(
図7、8、および13~15に示す)は、X軸、Y軸、およびZ軸の周りで画像M1の投影をアライメントさせるための機械的手段を提供するように動作可能である。プロジェクター50、50aは、手動でおよび/または電子的にアライメントされてもよい。一実施形態では、取付けブラケット56は、プロジェクター50、50aのロール、ピッチ、およびヨーを調整するように動作可能な調整ねじ57を含む。
【0043】
図8に示すように、一実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム80の右側プロジェクター50および左側プロジェクター50aは、導波路12、12aを設置することなくアライメントされる。この構成は、ビューア60に立体視的な視体験を送達するように動作可能な第二のプロジェクターであるプロジェクター50aを含む。プロジェクター50は、基準画素のアライメントスキームを介した初期の粗アライメント、および性能画面96を用いた画像領域M2の工場較正のために動作可能である。プロジェクター50が画像表示の品質および精度仕様を達成すると、第二のプロジェクター50aも同様にアライメントされて、第二のプロジェクター50aによって伝送される画像担持光ビーム90が、プロジェクター50によって伝送される画像担持光ビーム90と収束することを確実に達成してもよい。
【0044】
図9に示すように、一実施形態では、プロジェクターのアライメントは、導波路12、12aが設置された状態で実施されてもよい。この実施形態では、カメラ500、500Aは、アイボックスE内に位置する。カメラ500、500Aによって捕捉された実像は、次いで、プロジェクター50、50aのアライメントを較正するために利用される。
【0045】
ここで
図13および14を参照すると、一実施形態では、プロジェクター50、50aの較正は、較正装置600を利用して実施される。一実施形態では、較正装置600は、ニアアイディスプレイシステム80を一定の位置に保持するように動作可能なスタンド602を含む。スタンド602はまた、本明細書では固定アライメントマウントとも呼ばれることもある。例えば、スタンド602は、クランプ機構604を含んでもよい。クランプ604は、上部フィンガー606および下部フィンガー608を有する。下部フィンガー608は、締付ねじ610を介してスタンド602上で上下に移動して、ノーズブリッジ72上で開閉するように動作可能であってもよい。一実施形態では、較正装置600は、対物レンズ94および性能画面96を含む。
図13および14に示すように、一実施形態では、スタンド602、対物レンズ94、および性能画面96は、プラットフォーム620に取り付けられる。プラットフォーム620は、較正中に調整される唯一の要素がプロジェクター50、50aであるように、スタンド602、対物レンズ94、および性能画面96の相対位置を維持する。
【0046】
図15に示すように、一実施形態では、較正装置は、導波路12、12aが
図9に記載されるように設置されるとき、プロジェクター50、50aの較正のためのカメラ500、500Aを含む。
【0047】
図10は、剛直なフレーム双眼システム内のプロジェクターのアライメントおよび較正を行うための方法200を示す流れ図である。工程210では、オペレータはニアアイディスプレイシステム80の電源を入れる。次の工程220では、ニアアイディスプレイシステム80は、WiFiネットワークなどのローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)に接続され、システム更新を受信するように動作可能なスタンバイ状態に移行してもよい。別の実施形態では、ニアアイディスプレイシステム80は、ネットワークとの接続をバイパスしてもよい。工程230では、オペレータは、ニアアイディスプレイシステムソフトウェアが、最新の(すなわち、最も最近更新された)オペレーティングシステム(「OS」)および較正ソフトウェアで動作していることを検証してもよい。オペレータは、必要に応じてシステム更新を開始する。検証された後、オペレータは、工程240で一般的な試験準備手順を開始する。工程240は、試験ラボの状態および機器のニーズに応じて、いくつかのアクションを含んでもよい。
【0048】
一実施形態では、試験準備手順アクションは、剛直なフレーム双眼システム内でのプロジェクターのアライメントおよび較正を行うための方法の残り部分に進む前に、順番に実施されてもよい。別の実施形態では、試験準備手順アクションのいずれかは、個別に、順序外で、任意の回数反復してもよく、または省略されてもよい。工程240の一般的な試験準備手順アクションには、LEDライト、タッチパッド入力センサ、およびプロジェクターなどの基本的な構成要素機能が動作することを確認する機能チェックが含まれるが、これらに限定されない。さらに、オペレータは、テンプルアーム74、74aの反り、公差問題、またはニアアイディスプレイシステム内の物理的不一致の検出などのアライメント試験に影響を与える機械的欠陥を確認してもよい。こうした欠陥の存在は、手元のニアアイディスプレイシステムのレビューおよび較正プロセスの停止を必要とすることになる。オペレータは、最適な条件について周囲温度範囲を確認し、空中浮遊清浄度の仕様が、米国連邦規格209cの微粒子汚染物質規格で指定されるクラス100またはISO規格で指定されるクラス5を満たしていることを検証してもよい。さらに、対物レンズ94およびプロジェクター50、50aの表面清浄度は、連邦規格209c粒子汚染物質定格で指定されるクラス100またはISO規格で指定されるクラス5も満たすものとして検証されてもよい。別の実施形態では、微粒子汚染物質規格は、ISO規格でクラス6以上を可能にし得る。工程240に含まれるさらなる確認は、プロジェクターのアライメントのために動作可能な画像基準画素の画面センサ確認および位置決めを含む、性能画面96の動作可能性を決定してもよい。
【0049】
工程250に移動すると、オペレータは、ニアアイディスプレイシステム80を試験環境内に位置する固定取付けシステムに固定する。工程260では、オペレータまたは機械的アームは、第一のプロジェクター50の位置の微調整を行ってもよい。一実施形態では、第一のプロジェクター50は、プロジェクター較正スキームの目的上、一度に一つのプロジェクターのみがアライメントされる、右側テンプルプロジェクターのみを指す。一実施形態では、左側テンプルプロジェクターは、第一のプロジェクターであってもよい。別の実施形態では、両方のプロジェクター50、50aは、直列に較正されてもよい。電子調整ソフトウェアを使用して、プロジェクター位置決めをさらに較正してもよい。工程270では、取り付けられたニアアイディスプレイシステムは、その第一のプロジェクター50を使用して、性能画面96上に画像を投影する。工程280では、画像値が性能画面96によって捕捉され、較正ソフトウェアによって測定される。一実施形態では、性能画面96は感光性であり、較正画像の様々な特性を測定するように動作可能な光検出装置を有する。特定の実施形態では、この工程は、上述のように、基準画素または工場出荷時設定のアライメントスキームに関する較正を含んでもよい。
【0050】
工程290では、システムおよび/または試験オペレータは、上述の例示的な精度仕様などの精度仕様に対して画像データを評価する。仕様が満たされていない場合、ニアアイディスプレイシステムのアライメント方法は、性能データに基づくさらなる機械的および/または電子的な調整のために工程260に戻る。仕様が満たされる場合、較正プロセスは、工程300に進み、ここで、オペレータ、または機械的アームまたはフレームに取り付けられた類似の機械的要素は、第一のプロジェクター50による調整の前に、第二のプロジェクター50aの位置の微調整を実施してもよい。電子調整ソフトウェアを使用して、プロジェクター50aの位置決めをさらに較正してもよい。第一のプロジェクター50の性能画面試験を通して受信されたデータが、第二のプロジェクター50aの較正を通知するために追加的に使用されてもよい。
【0051】
工程310では、取り付けられたニアアイディスプレイシステム80は、その第二のプロジェクター50aを使用して、性能画面96上に画像を投影する。工程320では、画像値が性能画面96によって捕捉され、上述のように較正ソフトウェアによって測定される。工程330では、システムおよび/または試験オペレータは、精度仕様に対して画像データを評価して、プロジェクター50、50aが互いに適切にアライメントしていることを確認する。仕様が満たされていない場合、ニアアイディスプレイシステムアライメント方法は、性能データに基づく第二のプロジェクター50aのさらなる機械的および/または電子的な調整のために工程300に戻る。仕様が満たされる場合、ペアリングシーケンスが開始され、工程340のシステム値の一部として各プロジェクター50、50aの位置を固定し記録する。システム値は、将来、内部システムアライメント手順に使用されてもよい。工程350では、ニアアイディスプレイシステム80のプロジェクターのアライメントの成功が、較正証明書で記録される。導波路は、方法の前述の実施形態が完了した後にフレームに追加されてもよいが、アライメントプロセスにおいてより早期に追加または挿入されてもよい。
【0052】
図11A~
図12に示すように、一実施形態では、導波路12、12aは導波路スタックモジュール400に含まれる。導波路スタックモジュール400は、導波路スタックモジュール400をレンズフレーム70に接続することによって、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム80で利用されてもよい。導波路スタックモジュール400は、水分、汚れ、および任意の他の粒子が導波路スタックモジュール400の内部に入るのを防止するために、環境的に封止されてもよい。一実施形態では、導波路スタックモジュール400は、導波路ハウジング402、黒化材料404、導波路組立品406、外側カバー408、および内側カバー410を含む。
【0053】
一実施形態では、外側カバー408とハウジング402との間に全周シールがあり、囲まれたシステムに破片が入るのを防止する。さらに、外側カバー408は、望ましくない反射を低減するために、その上に反射防止コーティングを含んでもよい。内側カバー410はまた、その上に反射防止コーティングおよび/または「汚れ」防止コーティングを含んでもよい。外側カバー408、内側カバー410、および導波路ハウジング402は、導波路スタックモジュール400内に導波路組立品406を封止する。
【0054】
導波路組立品406は、一つ以上の導波路12、22a(本明細書に記載の通り)を含む。
図12に示すように、一実施形態では、導波路組立品406は第二の導波路422も含む。導波路12、12aおよび第二の導波路422は、光学性能に適した平行性を維持しながら、UV光活性材料412によって分離されてもよい。
【0055】
本明細書に記載される実施形態の一つ以上の特徴を組み合わせて、図示されていない追加の実施形態を作製してもよい。様々な実施形態を上記で詳細に説明しているが、それらは、限定的なものではなく例示目的で提示されていると、理解されるべきである。その範囲、精神、又は本質的な特徴から逸脱することなく、本開示の主題が、他の特定の形態、変形、及び修正によって具現化され得ることが、関連技術の当業者には明らかであろう。したがって、上述した実施形態は、すべての点において例示として考慮されるべきであり、限定的なものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、その均等物の意味及び範囲内にあるすべての変更がその中に包含されることが意図される。
【国際調査報告】