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特表2024-521315加工木材接着剤及びそれからの加工木材製品
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  • 特表-加工木材接着剤及びそれからの加工木材製品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】加工木材接着剤及びそれからの加工木材製品
(51)【国際特許分類】
   B32B 21/04 20060101AFI20240524BHJP
   B27D 1/04 20060101ALI20240524BHJP
   C09J 189/00 20060101ALI20240524BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20240524BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20240524BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20240524BHJP
   B32B 9/02 20060101ALI20240524BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20240524BHJP
   B32B 9/00 20060101ALI20240524BHJP
   E04F 15/02 20060101ALI20240524BHJP
   B27K 5/00 20060101ALN20240524BHJP
【FI】
B32B21/04
B27D1/04 A
B27D1/04 K
C09J189/00
C09J11/06
C09J11/04
C09J11/08
B32B9/02
B32B27/18 Z
B32B9/00 A
E04F15/02 A
B27K5/00 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572590
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 US2021065101
(87)【国際公開番号】W WO2022250734
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】PCT/US2021/034906
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397058666
【氏名又は名称】カーギル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガーリー、デヴィッド エドワード
(72)【発明者】
【氏名】マークランド、ジュニア、フレーブ ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、シャン
【テーマコード(参考)】
2B200
2B230
2E220
4F100
4J040
【Fターム(参考)】
2B200AA01
2B200BB06
2B200BB07
2B200CA11
2B200EA04
2B200EE22
2B200EF11
2B230AA21
2B230BA03
2B230CC11
2B230EA08
2B230EA21
2B230EB03
2B230EB05
2E220AA25
2E220BA01
2E220FA02
2E220GB43X
4F100AA02A
4F100AA02B
4F100AA02C
4F100AC00A
4F100AC00B
4F100AC00C
4F100AH02A
4F100AH02B
4F100AH02C
4F100AH05C
4F100AJ02A
4F100AJ02B
4F100AJ02C
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4F100AK53C
4F100AP00A
4F100AP00B
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4F100JB05C
4F100JB12A
4F100JB12B
4F100JB12C
4F100JC00
4F100JD15
4F100JK01
4F100JK06
4F100JK07
4F100JL11
4F100JL16
4F100YY00
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
4J040BA151
4J040HA146
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4J040LA01
4J040LA03
4J040MA08
4J040NA12
(57)【要約】
本開示の様々な態様によれば、多層加工木材製品は、第1の表面層と、第2の表面層と、第1の表面層と第2の表面層との間に配置されたコア層と、を含み得る。第1の表面層、第2の表面層、及びコア層のうちの少なくとも1つは、複数の木材成分と、複数の木材成分の周りに分散された結合剤反応混合物の反応生成物と、を含む。木材成分と結合剤反応混合物との混合物は、9重量%~20重量%の範囲の含水量を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層加工木材製品であって、
第1の表面層と、
第2の表面層と、
前記第1の表面層と前記第2の表面層との間に配置されたコア層と、を含み、
前記第1の表面層、前記第2の表面層、及び前記コア層のうちの少なくとも1つが、複数の木材成分と、前記複数の木材成分の周りに分散された結合剤反応混合物の反応生成物と、を含み、結合剤反応物が、前記複数の木材成分の乾燥重量100部当たり3部~25部の範囲で添加され、前記木材成分及び前記結合剤反応混合物の混合物の含水量が、9重量%~20重量%の範囲であり、前記結合剤反応混合物が、
前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて5重量%~65重量%又は5重量%~50重量%の範囲で添加されるポリオール成分を含む水性部分であって、前記ポリオール成分が、
グリセロール、
グリセロールのオリゴマー、
任意選択的に、単糖、
任意選択的に、スクロース、又は
任意選択的に、これらの混合物を含む、水性部分と、
前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて20重量%~85重量%の範囲で添加されるポリペプチド含有成分であって、前記ポリペプチド含有成分が、植物性タンパク質を含む、ポリペプチド含有成分と、
前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて1~15重量%の範囲の塩基と、
任意選択的に、前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて0.001~1.5重量%の範囲の粘着付与剤と、
任意選択的に、前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて0.1重量%~10重量%の範囲のトリメタリン酸ナトリウムと、
任意選択的に、前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて0.5重量%~10重量%の範囲の亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物と、
任意選択的に、前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて1重量%~15重量%の範囲のホウ砂と、を含む、多層加工木材製品。
【請求項2】
前記第1の表面層及び前記第2の表面層が、前記複数の木材成分の周りに分散された前記結合剤反応混合物の反応生成物を含み、前記コア層が、前記複数の木材成分の周りに分散された前記結合剤反応混合物を含まない、請求項1に記載の多層加工木材製品。
【請求項3】
前記第1の表面層及び前記第2の表面層が、前記結合剤反応混合物を含み、前記第1の表面層の前記木材成分及び結合剤反応混合物の混合物、並びに前記第2の表面層の前記木材成分及び結合剤反応混合物の混合物が、同様の化学組成を含み、任意選択的に互いに1%未満の含水量を含む、請求項2に記載の多層加工木材製品。
【請求項4】
前記第1の表面層及び前記第2の表面層が、前記結合剤反応混合物を含み、前記第1の表面層の前記木材成分及び結合剤反応混合物の混合物、並びに前記第2の表面層の前記木材成分及び結合剤反応混合物の混合物が、異なる化学組成を含み、任意選択的に互いに1%未満の含水量を含む、請求項1に記載の多層加工木材製品。
【請求項5】
前記コア層が、前記結合剤反応混合物の反応生成物を含まず、尿素-ホルムアルデヒド結合剤、又はメチレンジフェニルジイソシアネート結合剤、又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項6】
前記第1の表面層、前記第2の表面層、及び前記コア層が、前記複数の木材成分の周りに分散された前記結合剤反応混合物の反応生成物を含む、請求項1に記載の多層加工木材製品。
【請求項7】
前記コア層が、前記複数の木材成分の周りに分散された前記結合剤反応混合物の反応生成物を含み、前記第1の表面層、前記第2の表面層、又はその両方が、前記結合剤反応混合物を含まない、請求項1に記載の多層加工木材製品。
【請求項8】
前記ポリペプチド含有成分が、大豆粉、大豆ミール、エンドウマメタンパク質、大豆タンパク質、又はこれらの混合物を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項9】
前記第1の表面層の前記木材成分及び結合剤反応混合物の混合物、前記第2の表面層の前記木材成分及び結合剤反応混合物の混合物、並びに前記コア層の前記木材成分及び結合剤反応混合物の混合物のうちの少なくとも2つが、異なる化学組成を含み、任意選択的に異なる含水量(例えば、1%より大きな差)を含む、請求項6に記載の多層加工木材製品。
【請求項10】
前記第1の表面層の前記木材成分及び結合剤反応混合物の混合物、前記第2の表面層の前記木材成分及び結合剤反応混合物の混合物、並びに前記コア層の前記木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の各々が、異なる化学組成を含み、任意選択的に異なる含水量(例えば、1%より大きな差)を含む、請求項6及び8~9のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項11】
前記木材成分及び結合剤反応混合物の前記混合物の含水量が、9.0重量%~16重量%又は9.5重量%~16重量%の範囲である、請求項1~10のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項12】
前記水性部分が、前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、1重量%~12重量%の前記塩基を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項13】
前記水性部分のpHが、9より大きい(例えば、9~14、10~14、11~14)である、請求項1~12のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項14】
前記水性部分のpHが、9~13.5である、請求項1~13のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項15】
前記水性部分のpHが、10~13(例えば、11~13)である、請求項1~14のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項16】
前記ポリオール成分が、前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、20重量%~65重量%、10重量%~50重量%、又は20重量%~50重量%の範囲である、請求項1~15のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項17】
前記ポリオール成分が、前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、20重量%~40重量%又は20重量%~30重量%の範囲である、請求項1~16のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項18】
前記亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物が、前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、0.5重量%~10重量%の範囲である、請求項1~17のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項19】
前記結合剤反応混合物が、5重量%未満の尿素-ホルムアルデヒド、メチレンジフェニルジイソシアネート、又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤、又はこれらの混合物を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項20】
前記結合剤反応混合物が、尿素-ホルムアルデヒド、メチレンジフェニルジイソシアネート、又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤、又はこれらの混合物を実質的に含まない(例えば、1重量%未満を含む)、請求項1~19のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項21】
各個々の層の前記結合剤反応混合物が、前記第1の表面層、前記第2の表面層、前記コア層、又はこれらの組み合わせの各々の前記複数の木材成分の乾燥重量100部当たり5部~20部の範囲で添加される、請求項1~20のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項22】
各個々の層の前記結合剤反応混合物が、前記第1の表面層、前記第2の表面層、前記コア層、又はこれらの組み合わせの各々の前記複数の木材成分の乾燥重量100部当たり6部~17部又は8部~17部の範囲で添加される、請求項1~21のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項23】
前記ホウ砂が、前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて3重量%~6重量%の範囲である、請求項1~22のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項24】
前記多層加工木材製品の破断係数が、10N/mm~20N/mmの範囲である、請求項1~23のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項25】
前記多層加工木材製品の破断係数が、12N/mm~17N/mmの範囲である、請求項1~24のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項26】
前記多層加工木材製品を水中に2時間浸漬した後に測定された前記多層加工木材製品の厚さ膨潤%が、5%~45%の範囲である、請求項1~25のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項27】
前記多層加工木材製品を水中に2時間浸漬した後に測定された前記多層加工木材製品の厚さ膨潤%が、5%~40%(例えば、5%~35%、又は10%~30%)の範囲である、請求項1~26のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項28】
前記多層加工木材製品の弾性率が、1,378N/mm~2,413N/mmの範囲である、請求項1~27のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項29】
前記多層加工木材製品の弾性率が、1,930N/mm~2,137N/mm(例えば、1,965N/mm~2,033N/mm)の範囲である、請求項1~28のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項30】
前記多層加工木材製品の内部結合強度が、0.1N/mm~0.83N/mmの範囲である、請求項1~29のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項31】
前記多層加工木材製品の内部結合強度が、0.2N/mm~0.5N/mmの範囲である、請求項1~30のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項32】
前記第1の表面層、前記第2の表面層、及び前記コア層の各々の前記結合剤反応混合物の各々の水分層が、9重量%~20重量%の範囲である、請求項1~31のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項33】
前記第1の表面層、前記第2の表面層、及び前記コア層の各々の前記結合剤反応混合物の各々の水分層が、9.0重量%~16重量%の範囲9.5重量%~16重量%の範囲である、請求項1~32のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項34】
前記第1の表面層、前記第2の表面層、及び前記コア層の各々の前記結合剤反応混合物の各々の水分層が、9.5重量%~11重量%の範囲である、請求項1~33のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項35】
前記多層加工木材製品の密度が、0.2g/cm~0.8g/cm又は0.60g/cm~0.75g/cmの範囲である、請求項1~34のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項36】
前記結合剤反応混合物の反応生成物が、前記複数の木材成分の周りに均一に分布している、請求項32~35のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項37】
前記トリメタリン酸ナトリウムが、前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて0.4重量%~0.9重量%の範囲である、請求項1~37のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項38】
前記トリメタリン酸ナトリウムが、前記結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて0.6重量%~0.8重量%の範囲である、請求項1~37のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項39】
多層加工木材製品を製造する方法であって、前記方法が、
(a)
ポリオール成分であって、
グリセロール、
グリセロールのオリゴマー、
単糖、
スクロース、又は
これらの混合物を含む、ポリオールと、
水と、
塩基と、
任意選択的に、粘着付与剤と、
任意選択的に、トリメタリン酸ナトリウムと、
任意選択的に、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、若しくはこれらの混合物と、
任意選択的に、ホウ砂とを混合して、
第1の混合物を生成することと、
(b)(a)で生成された前記第1の混合物を複数の木材成分と混合して、第2の混合物を得ること、又は(a)で生成された前記第1の混合物を、植物性タンパク質を含むポリペプチド含有成分と混合して、第3の混合物を得ることと、
(c)(b)で生成された前記第2の混合物を、植物性タンパク質を含むポリペプチド含有成分と混合して、第4の混合物を形成すること、又は(b)で生成された前記第3の混合物を、複数の木材成分と混合して、第5の混合物を形成し、第1の多層加工木材前駆体を形成することと、
(d)(a)~(c)を少なくとも1回繰り返して、第2の多層加工木材前駆体を形成することと、
(e)前記第1の多層加工木材前駆体及び前記第2の多層加工木材前駆体を、第3の多層加工木材前駆体と積み重ねることであって、前記第3の多層加工木材前駆体が、任意選択的に、(a)~(c)に従って形成される、積み重ねることと、
(f)前記第1の多層加工木材前駆体、前記第2の多層加工木材前駆体、及び前記第3の多層加工木材前駆体を硬化させることと、を含む、方法。
【請求項40】
多層加工木材製品を製造する方法であって、前記方法が、
(a)
ポリオール成分であって、
グリセロール、
グリセロールのオリゴマー、
単糖、
スクロース、又は
これらの混合物を含む、ポリオールと、
水と、
塩基と、
任意選択的に、粘着付与剤と、
任意選択的に、トリメタリン酸ナトリウムと、
任意選択的に、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、若しくはこれらの混合物と、
任意選択的に、ホウ砂とを混合して、
第1の混合物を生成することと、
(b)(a)で生成された前記第1の混合物を複数の木材成分と混合して、第2の混合物を得ること、又は前記複数の木材成分を、植物性タンパク質を含むポリペプチド含有成分と混合して、第3の混合物を得ることと、
(c)(b)で生成された前記第2の混合物を、植物性タンパク質を含むポリペプチド含有成分と混合して、第4の混合物を形成すること、又は(b)で生成された前記第3の混合物を、(a)で生成された前記第1の混合物と混合して、第5の混合物を形成し、第1の多層加工木材前駆体を形成することと、
(d)(a)~(c)を少なくとも1回繰り返して、第2の多層加工木材前駆体を形成することと、
(e)前記第1の多層加工木材前駆体及び前記第2の多層加工木材前駆体を、第3の多層加工木材前駆体と積み重ねることであって、前記第3の多層加工木材前駆体が、任意選択的に、(a)~(c)に従って形成される、積み重ねることと、
(f)前記第1の多層加工木材前駆体、前記第2の多層加工木材前駆体、及び前記第3の多層加工木材前駆体を硬化させることと、を含む、方法。
【請求項41】
前記複数の木材成分を、膨潤遅延成分と混合することを更に含む、請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
前記ポリオール成分が、前記第1の混合物の乾燥重量に基づいて、5重量%~50重量%の範囲である、請求項39~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
(b)の前記混合することが、前記第1の混合物を前記複数の木材成分上に噴霧することを含む、請求項39~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
(c)の前記ポリペプチド含有成分が、粉末形態である、請求項39~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
(a)、(b)、(c)、又はこれらの組み合わせで亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、若しくはこれらの混合物を混合することを更に含む、請求項39~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
(a)で生成された前記第1の混合物が、水性であり、前記ポリオール成分が、前記第1の混合物の乾燥重量に基づいて、20重量%~50重量%の範囲である、請求項39~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
(a)で生成された前記第1の混合物が、水性であり、前記ポリオール成分が、前記第1の混合物の乾燥重量に基づいて、20重量%~30重量%の範囲である、請求項39~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
(a)で生成された前記第1の混合物が、水性であり、前記第1の混合物の乾燥重量に基づいて1重量%~15重量%の前記塩基を含み、(b)で生成された前記第2の混合物又は前記第3の混合物のpHが、10より大きい、請求項39~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記ポリペプチド含有成分が、大豆粉、大豆ミール、大豆タンパク質、エンドウマメタンパク質、小麦グルテン、トウモロコシタンパク質単離物、又はこれらの混合物を含み、前記第1の混合物の乾燥重量に基づいて20重量%~85重量%の範囲である、請求項39~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記ポリペプチド含有成分が、大豆粉、小麦グルテン、トウモロコシタンパク質単離物、又はこれらの混合物を含み、前記第1の混合物に基づいて30重量%~80重量%の範囲である、請求項39~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記ポリペプチド含有成分が、大豆粉を含み、前記大豆粉が、添加される全大豆粉に基づいて40重量%~65重量%のタンパク質である、請求項39~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記ポリペプチド含有成分が、大豆粉を含み、前記第1の混合物の乾燥重量に基づいて、20重量%~85重量%の範囲である、請求項39~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
(a)、(b)、(c)、又はこれらの組み合わせで生成された前記混合物が、尿素-ホルムアルデヒド、メチレンジフェニルジイソシアネート、若しくはポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤、又はこれらの混合物を実質的に含まない(例えば、1重量%未満)、請求項39~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
(a)、(b)、(c)、又はこれらの組み合わせで生成された前記混合物が、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物を更に含む、請求項39~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
(a)、(b)、(c)、又はこれらの組み合わせで生成された前記混合物が、ホウ砂、例えば、四ホウ酸ナトリウム十水和物(又は四ホウ酸ナトリウム八水和物)、四ホウ酸ナトリウム五水和物、及び/又は無水四ホウ酸ナトリウムを更に含む、請求項39~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記ホウ砂が、前記第1の混合物の乾燥重量に基づいて1重量%~15重量%の範囲である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記ホウ砂が、前記第1の混合物の乾燥重量に基づいて、3重量%~6重量%の範囲である、請求項55又は56に記載の方法。
【請求項58】
(f)で硬化させることが、100℃~250℃(例えば、少なくとも198℃、少なくとも204℃、少なくとも246℃で、198℃~232℃、204℃~226℃、210℃~221℃の範囲で、315℃未満、又は好ましくは230℃未満で、又は例えば、204℃~248℃、210℃~243℃、210℃~226℃の範囲で、少なくとも215℃、又は少なくとも251℃)の温度で行われる、請求項39~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記トリメタリン酸ナトリウムが、前記第1の混合物の乾燥重量に基づいて、0.1重量%~10重量%の範囲である、請求項39~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記トリメタリン酸ナトリウムが、前記第1の混合物の乾燥重量に基づいて、0.6重量%~0.8重量%の範囲である、請求項39~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記トリメタリン酸ナトリウムが、前記第1の混合物の乾燥重量に基づいて、0.1重量%~1重量%の範囲である、請求項39~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記塩基が、NaOH、KOH、酸化マグネシウム、又はこれらの混合物を含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記塩基がNaOHを含む、請求項1~38及び62のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記粘着付与剤が、スクロース、松脂、デンプンを含む、請求項1~38及び62~63のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記ポリペプチド含有成分が、植物タンパク質、大豆粉、リンシード粉、フラックスシード粉、綿実粉、キャノーラ粉、ヒマワリ粉、ピーナッツ粉、ルパン粉、エンドウマメ粉、トウモロコシタンパク質、及びこれらの混合物を含む、請求項1~38及び62~64のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記ポリペプチド含有成分が、大豆粉を含む、請求項1~38及び62~65のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記ポリペプチド含有成分が、大豆粉を含み、前記大豆粉が、添加される全大豆粉に基づいて40重量%~65重量%のタンパク質を含む、請求項1~38及び62~66のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記ポリペプチド含有成分が、大豆粉を含み、前記大豆粉が、その乾燥重量に基づいて前記結合剤反応混合物の20重量%~85重量%である、請求項67に記載の多層加工木材製品又は方法。
【請求項69】
前記大豆粉が、前記結合剤反応混合物の乾燥重量の30重量%~80重量%である、請求項1~38及び62~68のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記大豆粉が、少なくとも60のタンパク質分散性指数(PDI)を有する、請求項1~38及び62~69のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記大豆粉が、70~95の範囲のタンパク質分散性指数(Protein Dispersibility Index、PDI)、例えば80~90のPDIを有する、請求項1~38及び62~70のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記ポリペプチド含有成分が、スクリーンサイズ100メッシュスクリーン~635メッシュスクリーンを通過することができる、請求項1~38及び62~71のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記ポリペプチド含有成分が、スクリーンサイズ100メッシュスクリーン~400メッシュスクリーン、例えば、150~325のスクリーンサイズを通過することができる、請求項1~38及び62~72のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記複数の木材成分が、1つ以上のストランド、1つ以上の粒子、1つ以上の繊維、又はこれらの混合物を含む、請求項1~38及び62~73のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記ポリオール成分が、グルコースシロップ、高フルクトースコーンシロップ、又はこれらの混合物を含む、請求項1~38及び62~74のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記コア層の前記木材成分及び前記結合剤反応混合物の混合物が、少なくとも9重量%の含水量を有し、前記第1の表面層及び前記第2の表面の前記木材成分及び前記結合剤反応混合物の混合物の含水量が、各々、前記コア層の前記木材成分及び前記結合剤反応混合物の混合物の含水量よりも大きい、請求項1~38及び62~75のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記コア層の前記木材成分及び前記結合剤反応混合物の混合物が、少なくとも9重量%の含水量を有し、前記第1の表面層及び前記第2の表面の前記木材成分及び前記結合剤反応混合物の混合物の含水量が、各々、前記コア層の前記木材成分及び前記結合剤反応混合物の混合物の含水量よりも小さい、請求項1~38及び62~76のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記ポリオール成分が、フルクトース、スクロース、若しくはグルコース、又はこれらの混合物を含む、請求項1~38及び62~77のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記多層加工木材製品が、パーティクルボード、中密度繊維板、高密度繊維板、配向性ストランドボード、多層加工木材フローリング、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1~38及び62~78のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記多層加工木材製品が、パーティクルボードを含む、請求項1~38及び62~79のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、又は請求項39~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
25℃での前記水性部分の粘度が、5cP~1000cPの範囲である、請求項1~38及び62~80のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項82】
25℃での前記水性部分の粘度が、10cP~500cP又は10cP~100cPの範囲である、請求項1~38及び62~81のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項83】
25℃での前記第1の混合物の粘度が、5cP~1000cPの範囲である、請求項39~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
25℃での前記第1の混合物の粘度が、10cP~500cP又は10cP~100cPの範囲である、請求項39~79及び82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記第1の表面層、前記第2の表面層、又は両方の木材粒子の平均粒径が、前記コア層の木材粒子の平均粒径よりも小さい、請求項1~38及び62~81のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項86】
前記第1の表面層、前記第2の表面層、又は両方の密度が、前記コア層の密度よりも大きい、請求項1~38及び62~81のいずれか一項に記載の多層加工木材製品。
【請求項87】
硬化させることが、少なくとも204℃(例えば、204℃~226℃又は204℃~248℃)の温度で行われる、請求項1~38及び62~81のいずれか一項に記載の加工木材。
【請求項88】
前記グリセロール成分が、乾燥重量基準で少なくとも80重量%(例えば、乾燥重量基準で少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%)のグリセロールを含む、請求項1~87のいずれか一項に記載の多層加工木材製品、方法、又は加工木材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている2021年5月28日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2021/034906号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
最も一般的に使用される木材接着剤は、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂(Phenol-Formaldehyde resin、PF)及び尿素-ホルムアルデヒド樹脂(Urea-Formaldehyde resin、UF)である。PF樹脂及びUF樹脂には、少なくとも2つの懸念がある。第1に、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compound、VOC)が、リグノセルロース系複合材料の製造及び使用中に生成される。放出性VOC、特にホルムアルデヒドのヒトの健康に対する影響についての関心の高まりは、より環境的に許容される接着剤の必要性を促している。第2に、PF及びUF樹脂は、石油化学製品(例えば、石油由来の製品又は天然ガス由来の製品)から作られる。石油の埋蔵量は、当然限られている。木材複合材料産業は、再生可能な天然資源から製造されるホルムアルデヒドを含まない接着剤の開発から大きな利益を得るであろう。
【発明の概要】
【0003】
本開示の様々な態様によれば、多層加工木材製品は、第1の表面層と、第2の表面層と、第1の表面層と第2の表面層との間に配置されたコア層と、を含み得る。第1の表面層、第2の表面層、及びコア層のうちの少なくとも1つは、複数の木材成分と、複数の木材成分の周りに分散された結合剤反応混合物の反応生成物と、を含む。結合剤反応物は、複数の木材成分の乾燥重量100部当たり3部~25部の範囲で添加される。木材成分と結合剤反応混合物との混合物は、9重量%~20重量%の範囲の含水量を有する。結合剤反応混合物は、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて5重量%~65重量%又は5重量%~50重量%の範囲で添加されるポリオール成分を含む水性部分を含む。ポリオール成分は、グリセロール、グリセロールのオリゴマー、任意選択的に単糖、任意選択的にスクロース、ソルビトール、又はこれらの混合物を含む。結合剤反応混合物は、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて20重量%~85重量%の範囲で添加されるポリペプチド含有成分を更に含む。ポリペプチド含有成分は、植物性タンパク質を含む。結合剤反応混合物は、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて0.5重量%~15重量%の範囲の塩基を更に含む。任意選択的に、結合剤反応混合物は、結合剤反応混合物の0.001重量%~1.5重量%の範囲の粘着付与剤を含む。任意選択的に、結合剤反応混合物は、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて0.5重量%~10重量%の範囲の亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物を含む。任意選択的に、結合剤反応混合物は、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて1重量%~15重量%の範囲のホウ砂を含む。
【0004】
本開示の更なる態様によれば、多層加工木材製品を製造する方法は、(a)ポリオール成分、水、塩基、任意選択的に粘着付与剤、任意選択的に亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物、及び任意選択的にホウ砂を混合して、第1の混合物を生成することを含む。ポリオール成分は、グリセロール、グリセロールのオリゴマー、任意選択的に単糖、任意選択的にスクロース、ソルビトール、又はこれらの混合物を含む。本方法は更に、(b)(a)で生成された第1の混合物を複数の木材成分と混合して、第2の混合物を得ること、又は(a)で生成された第1の混合物を、植物性タンパク質を含むポリペプチド含有成分と混合して、第3の混合物を得ることを含む。本方法は更に、(c)(b)で生成された第2の混合物を、植物性タンパク質を含むポリペプチド含有成分と混合して、第4の混合物を形成すること、又は(b)で生成された第3の混合物を、複数の木材成分と混合して、第5の混合物を形成し、第1の加工木材前駆体を形成することを含む。本方法は更に、(d)(a)~(c)を少なくとも1回繰り返して、第2の加工木材前駆体を形成することを含む。本方法は更に、(e)第1の加工木材前駆体及び第2の加工木材前駆体を、第3の加工木材前駆体と積み重ねることであって、第3の加工木材前駆体が、任意選択的に、(a)~(c)に従って形成される、積み重ねることを含む。本方法は更に、(f)第1の加工木材前駆体、第2の加工木材前駆体、及び第3の加工木材前駆体を硬化させることを含む。
【0005】
本開示の更なる態様によれば、多層加工木材製品を製造する方法は、(a)ポリオール成分、水、塩基、任意選択的に粘着付与剤、任意選択的に亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物、及び任意選択的にホウ砂を混合して、第1の混合物を生成することを含む。ポリオール成分は、グリセロール、グリセロールのオリゴマー、任意選択的に単糖、任意選択的にスクロース、又はこれらの混合物を含む。本発明は更に、(b)(a)で生成された第1の混合物を複数の木材成分と混合して、第2の混合物を得ること、又は複数の木材成分を、植物性タンパク質を含むポリペプチド含有成分と混合して、第3の混合物を得ることを含む。本方法は更に、(c)(b)で生成された第2の混合物を、植物性タンパク質を含むポリペプチド含有成分と混合して、第4の混合物を形成すること、又は(b)で生成された第3の混合物を、(a)で生成された第1の混合物と混合して、第5の混合物を形成し、第1の加工木材前駆体を形成することを含む。本方法は更に、(d)(a)~(c)を少なくとも1回繰り返して、第2の加工木材前駆体を形成することを含む。本方法は更に、(e)第1の加工木材前駆体及び第2の加工木材前駆体を、第3の加工木材前駆体と積み重ねることであって、第3の加工木材前駆体が、任意選択的に、(a)~(c)に従って形成される、積み重ねることを含む。本方法は更に、(f)第1の加工木材前駆体、第2の加工木材前駆体、及び第3の加工木材前駆体を硬化させることを含む。
【0006】
典型的には、硬化中に、プラテンを、少なくとも100℃、例えば、少なくとも120℃、又は少なくとも187℃、100℃~250℃の範囲、180℃~220℃の範囲、又は120℃~190℃の範囲の温度まで加熱する。いくつかの例では、プラテンを加熱して、少なくとも198℃、少なくとも204℃、少なくとも246℃、198℃~232℃、204℃~226℃、210℃~221℃の範囲、315℃未満、又は好ましくは230℃未満の硬化温度を達成する。典型的には、プラテンを加熱して、204℃~248℃、210℃~243℃、210℃~226℃の範囲、少なくとも215℃、又は少なくとも251℃の硬化温度を達成する。
【0007】
本明細書で使用される場合、「混合すること」は、成分を互いに合わせるか、又は添加して組み合わせることを意味する。例えば、「混合すること」は、少なくとも1つの成分を別の成分に噴霧することを含み得る。例えば、「混合すること」は、複数の成分を撹拌することを含み得る。
【0008】
本明細書で使用される場合、「混合物」は、2つ以上の化学物質を含む物質の一部分を意味する。
表面層に使用される木材粒子は、典型的には、コア層に使用される木材粒子よりも低い平均アスペクト比を有する。加えて、表面層102及び104に使用される木材粒子は、コア層106に使用される木材粒子よりも小さい平均粒径を有する。表面層内の木材粒子が小さいほど、コア層より大きな密度を有する表面層が得られる。第1の表面層、第2の表面層、又は両方の密度が、コア層の密度よりも大きいことが予想される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面は、全般的には限定されるものではないが、一例として、本発明の様々な実施形態を説明する。
図1】本特許出願の様々な態様による多層加工木材製品の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、開示される主題の特定の実施形態について詳細に言及する。開示される主題は、列挙される特許請求の範囲と共に説明されるが、例示される主題は、特許請求の範囲を開示される主題に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。
【0011】
本文書では、「a」、「an」、又は「the」という用語は、文脈が別段明確に指示しない限り、1つ又は1つより多くのものを含むために使用される。「又は」という用語は、別段示されない限り、非排他的な「又は」を指すために使用される。「A及びBのうちの少なくとも1つ」という表記は、「A、B、又はA及びB」と同じ意味を有する。更に、本明細書に用いられ、別途定義されていない語法又は用語法は、あくまで説明を目的としたものであり、限定を目的としたものではないことを理解されたい。セクションの見出しの任意の使用は、文書の読解を支援するように意図されており、限定として解釈されるべきではない。セクション見出しに関連する情報は、その特定のセクション内に存在する場合もあり、当該セクション外に存在する場合もある。
【0012】
本明細書に使用される場合、「実質的に」という用語は、少なくとも約90%、95%、99.5%、又は100%のような大部分又はほとんどの部分を指す。本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、存在する材料の量が、その材料を含む組成物の材料特性に影響を及ぼさないか、又はわずかな影響を有することを意味することができ、その結果、組成物の約0重量%~約5重量%が、その材料であるか、又は約0重量%~約1重量%、又は約5重量%以下、又は約0重量%である。
【0013】
本開示の様々な態様によれば、多層加工木材製品が記載される。多層加工木材製品は、典型的には、パーティクルボード、中密度繊維板、高密度繊維板、配向性ストランドボード、多層加工木材フローリング、及びこれらの組み合わせの形態をとることができる。多層加工木材製品は、典型的には、任意の好適な寸法を有するようにサイジングされる。例えば、多層加工木材製品は、典型的には、幅1.2メートル及び長さ2.6メートル、又は幅1.3メートル及び長さ2.1メートルにサイジングされる。多層加工木材製品の厚さは、典型的には、1.5cm~2.5cm又は1.8cm~2.1cmの範囲である。これらの寸法は単に例であることを意味しており、典型的に製造される多層加工木材製品のサイズを限定するものではない。
【0014】
本開示の様々な態様によれば、多層加工木材製品の密度は、典型的には、0.2g/cm~0.8g/cm、0.60g/cm~0.75g/cm、0.65g/cm~0.75g/cm、又は0.65g/cm~0.70g/cmの範囲である。
【0015】
図1は、本特許出願の様々な態様による多層加工木材製品100の側面断面図である。図1に示すように、多層加工木材製品100は、第1の表面層102及び第2の表面層104を含み、これらの間にコア層106が結合されている。層102、104、及び106の各々の厚さは、典型的には同じであるか、又は異なる。いくつかの態様では、コア層106は、多層加工木材製品100の厚さ全体の50%~80%又は50%~75%、又は多層加工木材製品100の60%~70%を占める。いくつかの態様では、第1の表面層102及び第2の表面層104は、独立して、多層加工木材製品100の厚さ全体の10%~25%、12.5%~25%、又は15%~20%を占める。3つの層が示されているが、多層加工木材製品100は、追加の層を有することが可能である。したがって、第1の表面層102、第2の表面層104、及びコア層106に関する教示は、本明細書に具体的に記載されていない任意の追加の層に適用することができる。
【0016】
第1の表面層102、第2の表面層104、及びコア層106は、典型的には、様々な構成成分を含むことができる。例えば、第1の表面層102、第2の表面層104、及びコア層106は、典型的には、結合剤によって互いに結合された複数の木材成分を個々に含むことができる。様々な例によれば、少なくとも1つの個々の層(例えば、層102、104、及び106)の結合剤は、結合剤反応混合物の周りに分布した少なくとも部分的に溶解していないポリペプチド成分を含む結合剤反応混合物の反応生成物である。他の例では、コア層106のみが、結合剤反応混合物の周りに分布した少なくとも部分的に溶解していないポリペプチド成分を含む結合剤反応混合物の反応生成物である結合剤を含む(第1の表面層102及び第2の表面層104は、代替の結合剤を含み得る)。他の例では、コア層106は、結合剤反応混合物の周りに分布した少なくとも部分的に溶解していないポリペプチド成分を含む結合剤反応混合物の反応生成物である結合剤を含まなくてもよく、第1の表面層102、第2の表面層104、又はその両方は、結合剤反応混合物の周りに分布した少なくとも部分的に溶解していないポリペプチド成分を含む結合剤反応混合物の反応生成物である結合剤を含んでいてもよい。
【0017】
表面層102及び104に使用される木材粒子は、典型的には、コア層106に使用される木材粒子よりも低い平均アスペクト比を有する。加えて、表面層102及び104に使用される木材粒子は、コア層106に使用される木材粒子よりも小さい平均粒径を有する。表面層内の木材粒子が小さいほど、コア層より大きな密度を有する表面層が得られる。第1の表面層、第2の表面層、又は両方の密度が、コア層の密度よりも大きいことが予想される。なんらかの理論によって束縛されることを意図しないが、コア層に対して、表面層の密度が高いほど、加工木材製品の物理特性の全体的なバランスを改善し得ると考えられる。
【0018】
多層加工木材製品において、結合剤反応混合物の反応生成物である結合剤は、典型的には、層102、104、及び106のいずれかに、個々に、それぞれの層の木材成分の乾燥重量100部当たり3部~25部の範囲で、例えば、それぞれの層の木材成分の乾燥重量100部当たり4.5部~23.5部、3部~20部、又は6部~17部又は8部~17部の範囲で添加されてもよい。これらの範囲のレベルの結合剤を有することが、それぞれの層の複数の木材成分を結合するのに必要な結合剤の量を効果的に最小限に抑えつつ、好ましいか、又は望ましい物理的特性を有する多層加工木材製品に寄与することができる。いくつかの態様では、層102、104、及び106の各々の化学組成(例えば、結合剤反応混合物の成分、並びに木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量)は、典型的には同様である(例えば、互いに1%以内)。あるいは、層102、104、及び106のうちのいずれか1つ以上の化学組成(例えば、結合剤組成物の成分、並びに木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量)は、典型的には異なる(例えば、互いに1%より大きい)。結合剤は、典型的には、バイオポリマーとして特徴付けられる。
【0019】
多層加工木材製品の望ましい物理的特性の例としては、製品の破断係数(modulus of rupture、MOR)、弾性率(Modulus of Elasticity、MOE)、厚さ膨潤率(厚さ膨潤%)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。多層加工木材製品の破断係数は、多層加工木材製品の破断を引き起こすのに必要な力の量を測定する。破断係数は、典型的には、例えば、ASTM D 1037-06aに従って測定される。破断係数値は、多層加工木材製品の密度、長さ、幅、厚さ、又はこれらの組み合わせを含む様々な因子に依存し得るが、破断係数は、一般に、10N/mm~25N/mm、又は12N/mm~20N/mm、又は13N/mm~18N/mmの範囲であり得る。
【0020】
弾性率は、応力が加えられたときに弾性的に(例えば、非永久的に)変形される多層加工木材製品の耐性を測定する量である。弾性率は、典型的には、例えば、ASTM D 1037-06aに従って測定される。弾性率値は、典型的には、多層加工木材製品の密度、長さ、幅、厚さ、又はこれらの組み合わせを含む様々な因子に依存するが、弾性率は、典型的には、1,378N/mm~2,413N/mm、又は1,930N/mm~2,137N/mm(例えば、1,965N/mm~2,033N/mm)の範囲である。
【0021】
厚さ膨潤%は、多層加工木材製品の水浸透に対する耐性を測定する量である。値が大きいほど、浸透した水の量が多い。これにより、多層加工木材製品の膨潤又は他の変形が起こる場合がある。例えば、多層加工木材製品は、所望の量を超えて膨張し得る。このことは、多層加工木材製品が、別の製品上の対応する特徴と正確に嵌合するように設計されたボアホール、フランジ、溝などの正確な特徴を有する場合、典型的には望ましくない。厚さ膨潤%値は、典型的には、例えば、ASTM D 1037-06aに従って測定される。いくつかの態様によれば、多層加工木材を水中に2時間浸漬した後の厚さ膨潤%は、典型的には0程度に低い。しかしながら、他の許容可能な値としては、多層加工木材製品を水中に2時間浸漬した後に測定される、5%~50%、5%~45%、又は20%~40%の範囲の値が挙げられる。
【0022】
内部結合強度は、物品の表面に垂直な方向の破断に抵抗する物品の強度を測定する量である。内部結合強度は、典型的には、例えば、ASTM D 1037-06aによって測定される。いくつかの態様によれば、多層加工木材製品の内部結合強度は、典型的には、0.1N/mm~0.83N/mm、又は0.2N/mm~0.7N/mm、又は0.3N/mm~0.6N/mmの範囲である。
【0023】
本明細書に記載される材料及び方法を使用して形成される多層加工木材製品を使用する利点は、多層加工木材製品の特性が、典型的には、尿素-ホルムアルデヒド(UF)結合剤を排他的に使用する点で異なる対応する多層加工木材製品の特性にほぼ匹敵することである。尿素-ホルムアルデヒド樹脂は、ホルムアルデヒド(メタンから生成されるガス)と尿素(アンモニアから生成される固体結晶)との化学的結合によって生成される合成樹脂である。尿素-ホルムアルデヒド樹脂は、主に合板、パーティクルボード、及び他の木材製品を接着するために使用される。尿素-ホルムアルデヒド樹脂は、重合して永久的に相互連結された網目構造となり、これは硬化した接着剤の強度に影響を及ぼす。固定及び硬化の後、尿素-ホルムアルデヒド樹脂は、不溶性の三次元網目構造を形成し、溶融又は熱成形することができない。
【0024】
しかしながら、尿素-ホルムアルデヒドを使用することに関連する多くの欠点がある。例えば、高温で水を添加すると、硬化した尿素-ホルムアルデヒドが加水分解してホルムアルデヒドを放出する可能性があり、これが接着剤の結合を弱め、有毒になる可能性がある。更に、尿素-ホルムアルデヒドは、未硬化樹脂が刺激性であり、毒性であり得るので、十分に換気された領域において使用されなければならない。加えて、尿素-ホルムアルデヒド接着剤は、一般に貯蔵寿命が限られている。しかしながら、いくつかの態様によれば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂は、多層加工木材製品100の層に含まれ得る。例えば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂又はメチレンジフェニルジイソシアネート結合剤(例えば、典型的には「PMDI」と呼ばれる予備重合されたメチレンジフェニルジイソシアネート)又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤(典型的にはタンパク質を含む)を、コア層106又は第1の表面層102及び/又は第2の表面層104に配置することができる。
【0025】
本明細書に記載の材料は、これらの欠点の少なくともいくつかに対処することができ、特に、実質的に任意のホルムアルデヒドの気体放出を防止することができる。更に、様々な態様によれば、多層加工木材の破断係数、厚さ膨潤%、弾性率、又はこれらの組み合わせは、反応生成物が尿素-ホルムアルデヒド又はメチレンジフェニルジイソシアネート結合剤又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤を排他的に使用する点で異なる対応する多層加工木材の弾性率、破断係数、厚さ膨潤%、又はこれらの組み合わせと実質的に同様であり得る。より具体的には、多層加工木材の厚さ膨潤%、弾性率、破断係数、又はこれらの組み合わせは、典型的には、対応する多層加工木材製品の弾性率、破断係数、厚さ膨潤%、又はこれらの組み合わせの1%~10%、1%~5%以内であるか、又は実質的に同一である。しかしながら、更なる態様では、弾性率、破断係数、厚さ膨潤%、又はこれらの組み合わせは、典型的には、対応する多層加工木材製品の50%~150%以内である。
【0026】
本明細書に記載の多層加工木材製品の特性は、典型的には、例えば、複数の木材複数の木材成分の周りに実質的に均一に分布するように結合剤を分布させることによって更に達成又は増強される。厚さ膨潤%などの他の特性は、典型的には、多層加工木材製品の周りに分散されるように膨潤遅延剤を添加することによって達成又は増強することができる。膨潤遅延剤は、10より大きい高pH環境を維持する(例えば、安定したままにする)ことができるワックスエマルションを含み得る。存在する場合、膨潤遅延剤は、典型的には、多層加工木材製品の0.1重量%~1重量%又は0.5重量%~0.7重量%である。
【0027】
本明細書に記載の多層加工木材製品は、多層加工木材前駆体混合物から形成される。多層加工木材前駆体混合物は、少なくとも複数の木材成分、結合剤反応混合物の水性部分、及び結合剤反応混合物の周りに分布したポリペプチド含有成分を含む。複数の木材成分は、1つ以上の木材粒子、1つ以上の木材成分、又は1つ以上の木材ストランドを含み得る。木材成分は、マツ、アメリカツガ、トウヒ、アスペン、カバノキ、カエデ、又はこれらの混合物などの木材材料を含み得る。
【0028】
結合剤組成物の水性部分は、25℃で、5センチポアズ(cP)~1,000cP、10cP~500cP、50cP~300cPの初期粘度(硬化前)を有し、低粘度が特に有益である場合には、25℃で10cP~100cPの初期粘度を有する。粘度は、Brookfield Ametekから入手可能なBrookfield DV1粘度計を使用して測定される。
【0029】
本明細書で上述したように、第1の表面層102、第2の表面層104、又はコア層106のいずれかに存在する場合、結合剤反応混合物は、典型的には、それぞれの層の木材成分の乾燥重量100部当たり3~25部の範囲で添加することができる。結合剤組成物は、典型的には、ポリオール成分及び塩基材料を含み得る。更に、ポリペプチド含有成分は、典型的には、ポリオール成分、塩基、及び木材成分が混合された後に、結合剤反応混合物の周りに分布される。ポリペプチド含有成分は、典型的には、実質的に非溶解であり得る。
【0030】
ポリペプチド含有成分は、固体(例えば、粉末)の形態をとっていてもよく、又はスラリー若しくは懸濁液の形態であってもよい(例えば、固相及び液相を両方とも含有する)。
【0031】
ポリオール成分は、典型的には、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて5重量%~65重量%若しくは5重量%~50重量%、又は10重量%~50重量%、20重量%~50重量%、20重量%~40重量%、若しくは20重量%~30重量%の範囲の水性形態である。ポリオール成分は、グリセロール、グリセロールのオリゴマー、単糖、スクロース、又はこれらの混合物を含み得る。グリセロール又はグリセロールのオリゴマーは、純粋なグリセロール又はグリセロールのオリゴマーを含み得る。グリセロール成分は、典型的には、乾燥重量基準で少なくとも80重量%(例えば、乾燥重量基準で少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%)のグリセロールを含む。いくつかの態様では、グリセロール又はグリセロールのオリゴマーは、希釈される。例えば、いくつかの態様では、グリセロール成分は、粗グリセロールを含み得る。粗グリセロールは、30重量%~95重量%のグリセロール又は55重量%~95重量%のグリセロールを含み得る。粗グリセロールの例示的な例は、10~20重量%の水(例えば15重量%)、3重量%~7重量%のNaCl(例えば4重量%~5重量%)及び80重量%~92重量%のグリセロール(例えば87.5重量%)を含む混合物である。粗グリセロールは、当業者に公知の追加の材料を含み得る。いくつかの態様では、グリセロールは、高濃度のグリセロール及び1重量%未満のメタノール、0.5重量%未満のメタノール、又は0.1重量%未満のメタノール及び1重量%未満のNaCl、0.5重量%未満のNaCl、又は0.1重量%未満のNaClを含む工業用グリセロールであり得る。
【0032】
好適な単糖の例としては、グルコースシロップ、高フルクトースコーンシロップ、又はこれらの混合物が挙げられる。ポリオール成分中。いくつかの態様では、ポリオール成分は、グルコースシロップ、高フルクトースコーンシロップ、又はこれらの混合物を含む。いくつかの態様では、グルコースシロップは、少なくとも60、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、又は少なくとも95のデキストロース当量(dextrose equivalent、DE)を有し得る。本明細書で理解されるように、デキストロース当量は、糖生成物中に存在する還元糖の量の尺度であり、デキストロースに対する乾燥基準の百分率として表される。本明細書で使用される場合、高フルクトースコーンシロップは、少なくとも90重量%のフルクトース及びグルコースを含む。いくつかの態様では、高フルクトースコーンシロップは、少なくとも94重量%のフルクトース及びグルコースを含み得る。いくつかの態様では、高フルクトースコーンシロップは、30重量%~70重量%のグルコース又は35重量%~65重量%のグルコースを含む。いくつかの態様では、結合剤反応混合物は、ポリオール成分に加えて、フルクトース、スクロース、又はグルコース(又はこれらの混合物)を含み得る。添加される場合、フルクトース、スクロース、又はグルコース(又はこれらの混合物)は、典型的には、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、1重量%~30重量%、5重量%~20重量%、又は好ましくは5重量%~10重量%である。
【0033】
塩基は、典型的には、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、1重量%~15重量%、1重量%~12重量%又は3重量%~10重量%の範囲で結合剤反応混合物中に添加することができる。塩基は、典型的には、結合剤反応混合物の水性部分のpHが10を超えるが14未満であるような程度まで添加することができる。したがって、pHは、典型的には10~14又は11~14の範囲である。典型的には、塩基は、NaOH、KOH、酸化マグネシウム、又はこれらの混合物を含む。いくつかの態様では、塩基は、別の強塩基(例えば、Ca(OH)若しくは溶液中に完全に溶解する別の塩基)、又は炭酸ナトリウムを含み得る。いくつかの態様では、アンモニウム又は水酸化アンモニウムを塩基として使用することができるが、それらの気体状アンモニアを生成する傾向のために、それらは好ましくない。いくつかの態様では、塩基は、NaOHのみを含む。これらのpH値を達成するために塩基を使用することは、特に、得られる多層加工木材製品の厚さ膨潤%、破断係数、及び弾性係数の改善をもたらすことが見出された。
【0034】
いかなる理論にも限定されることを意図するものではないが、塩基は、開示された濃度で、ポリオール成分、ポリペプチド含有成分、及び木材成分の間の反応を増強して、木材成分を包むバイオポリマー網目構造を形成する高pH環境をもたらすと考えられる。例えば、塩基は、個々の木材成分の少なくとも一部を溶解するのを補助することができると考えられる。これにより、結合剤前駆体溶液が個々の木材成分の内部に少なくとも部分的に浸透することが可能になる。したがって、結合剤前駆体が硬化に供される場合、結合剤と個々の木材成分との間のより大きな程度の連結が典型的に達成される。本明細書に記載の比較的高いpH値は、米国特許第8,501,838号には記載されない。
【0035】
前駆体は、ポリオール成分及び木材成分の周りに分布したポリペプチド含有成分を更に含む。様々な態様によれば、ポリペプチド含有成分は、典型的には部分的に非溶解である。ポリペプチド含有成分の濃度は、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて測定される。ポリペプチド含有成分の濃度は、典型的には、20重量%~85重量%、30重量%~80重量%、又は40重量%~65重量%の範囲であり得る。
【0036】
ポリペプチド含有成分は、典型的には、植物由来のタンパク質を含み得る。例えば、タンパク質は、典型的には、大豆粉、大豆ミール、大豆タンパク質、エンドウマメタンパク質、小麦グルテン、トウモロコシタンパク質単離物、又はこれらの混合物である。いくつかの態様では、ポリペプチド含有成分は、大豆粉に由来するタンパク質を含む。大豆粉は、典型的には、添加される全大豆粉に基づいて40重量%~65重量%又は50重量%~60重量%のタンパク質である。ポリペプチド含有成分が小麦粉などの混合物である場合、それは炭水化物などの非タンパク質構成成分を含むことが可能である。これらの例では、結合剤前駆体又はその反応生成物中の炭水化物の開示された濃度は、ポリオール成分から添加される任意の炭水化物の量とは無関係である。驚くべきことに、かつ予想外に、大豆粉を含む混合物が、より高い割合のタンパク質を有する構成成分で形成された対応する多層加工木材製品よりも良好な特性を有する多層加工木材製品を生成することが見出された。
【0037】
特定の態様では、ポリペプチド含有成分が大豆粉を含む場合、大豆粉は、少なくとも60のタンパク質分散性指数を有し得る。例えば、大豆粉のタンパク質分散性指数は、典型的には70~95の範囲であり、例えばPDIは80~90である。ポリペプチド含有成分をサイズによってスクリーニングすることが望ましい場合、成分は、典型的には、スクリーンサイズ100メッシュスクリーン~635メッシュスクリーン又は100メッシュスクリーン~400メッシュスクリーンを通過するものから選択され、例えば、スクリーンサイズは、典型的には150~325である。
【0038】
特定の態様では、多層加工木材前駆体混合物は、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物を含み得る。添加される場合、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物は、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、1重量%~10重量%又は1重量%~5重量%の範囲である。亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物を含むことは、得られる多層加工木材製品の強度を増加させるのに役立ち得る。例えば、それらは、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物を含まない対応する多層加工木材製品と比較して、多層加工木材製品の破断係数、弾性率、又はその両方を増加させるのに役立ち得る。しかしながら、特定の態様では、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物を含むことは、多層加工木材製品の硫黄含有量を増加させる可能性があり、これは特定の用途に有害な場合がある。
【0039】
様々な態様によれば、水性部分は、ホウ砂を更に含み得る。ホウ砂という用語は、その結晶水含量が異なる多くの密接に関連した鉱物又は化学化合物に対してしばしば使用される。好適なホウ砂化合物の例としては、四ホウ酸ナトリウム十水和物(又は四ホウ酸ナトリウム八水和物)、四ホウ酸ナトリウム五水和物、無水四ホウ酸ナトリウム、及びこれらの混合物が挙げられる。添加される場合、ホウ砂は、典型的には、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて1重量%~15重量%又は3重量%~6重量%の範囲である。
【0040】
様々な態様によれば、結合剤反応混合物は、トリメタリン酸ナトリウムを更に含んでもよく、これは、典型的には、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、0.1重量%~10重量%、又は0.4重量%~0.9重量%、又は更に0.6重量%~0.8重量%の範囲で結合剤反応混合物に添加される。いくつかの態様では、好ましい範囲は、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、0.7重量%~0.9重量%である。いかなる理論にも限定されるものではないが、トリメタリン酸ナトリウムを含むことは、より高いレベルの炭水化物を結合剤反応混合物に添加することを可能にするのに役立ち得ることが理解される。加えて、トリメタリン酸ナトリウムを含むことは、典型的には、結合剤反応混合物を使用して製造される加工木材における少なくとも内部結合強度を増加させるのに有用であると考えられる。また、トリメタリン酸ナトリウムを含むことは、典型的には、結合剤反応混合物を使用する加工木材の厚さ膨潤%値を改善するのに有用であると考えられる。
【0041】
前述したように、結合剤は、尿素-ホルムアルデヒド結合剤又はメチレンジフェニルジイソシアネート結合剤又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤を実質的に含まない。したがって、本明細書に記載される前駆体は、尿素-ホルムアルデヒド結合剤又はメチレンジフェニルジイソシアネート結合剤又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤も含まない。例えば、混合物は、典型的には、5重量%未満の尿素-ホルムアルデヒド又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤を含んでいてもよく、又は尿素-ホルムアルデヒド又はメチレンジフェニルジイソシアネート又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤を実質的に含まなくて(例えば、1重量%未満を含んで)もよい。
【0042】
第1の表面層102、第2の表面層104、及びコア層106のそれぞれを形成するために使用される、硬化前の結合剤反応混合物及び複数の木材成分の混合物の含水量は、典型的には注意深く制御される。例えば、層102、104、及び106のそれぞれにおける木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量は、典型的には、少なくとも9重量%、又は9重量%~20重量%、又は9.5重量%~16重量%、又は10重量%~15重量%の範囲であり、好ましくは、各層における木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量は、少なくとも9重量%、少なくとも9.5重量%、少なくとも11重量%、及び16重量%未満、又は15重量%未満である。いくつかの例では、コア層106の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量は少なくとも9重量%であり、第1の表面層102及び第2の表面層104の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物のそれぞれの含水量は、コア層106の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量よりも個々に大きい。いくつかの更なる例では、コア層106の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量は、少なくとも9重量%であり、第1の表面層102及び第2の表面層104のそれぞれの含水量よりも多い。いくつかの更なる例では、第1の表面層102、第2の表面層104、及びコア層106のそれぞれの木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量は、互いに5重量%以内、互いに3重量%以内、互いに1重量%以内、又は同様、又は更には同じである。含水量は、木材成分の周りに結合剤反応混合物の成分を分散させる能力に影響を及ぼす可能性がある。含水量は、典型的には、例えば、結合剤反応混合物中の含水量を増加又は減少させることによって調整される。例えば、木材中の含水量が低い場合、結合剤反応混合物中の含水量は、典型的には、結合剤反応混合物及び複数の木材成分の混合物の総含水量を所望のレベルにするために増加される。いくつかの態様では、水分は、典型的には、木材成分上に分布した結合剤反応混合物に水を噴霧することによって、木材成分及び結合剤反応混合物の混合物に添加される。しかしながら、特定の態様では、水は、ポリオール成分が木材成分に適用される前に、ポリオール成分に単に添加され得る。これは、結合剤反応混合物及び木材成分の混合物全体に水分のより良好な分布を与えることができる。
【0043】
本明細書で使用される場合、含水量は、木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の総含水量(重量パーセントによる)を意味する。これは、本明細書の例では、「W」と称される。あるいは、木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量は、「マット含水量」と称される。更なる代替例として、木材成分及び結合剤反応混合物の総含水量は、「複数の木材成分に適用される結合剤反応混合物の含水量」と称される。
【0044】
いくつかの例では、第1の表面層102、第2の表面層104、又はコア層106のいずれかは、粘着付与剤を個々に含み得る。好適な粘着付与剤の例としては、スクロース、松脂、デンプン、糖蜜、又はこれらの混合物を挙げることができる。添加される場合、粘着付与剤は、個々に、第1の表面層102、第2の表面層104、又はコア層106の結合剤反応混合物の1重量%~10重量%、2重量%~8重量%、又は5重量%~7重量%の範囲であり得る。ポリオール成分がグリセロール又はグリセロールのオリゴマーを含む場合、粘着付与剤を含めることは、結合剤反応混合物の粘着性を改善するのに役立つことができ、これにより、グリセロールによって提供される好ましい厚さ膨潤特性を補完することができる。ポリオールがフルクトース、スクロース、又はグルコース(又はこれらの混合物)を含む場合、結合剤反応混合物の粘着性は十分であり、追加の粘着付与剤を必要としない場合がある。
【0045】
本明細書に記載される多層加工木材製品は、典型的には、多くの好適な方法に従って作製又は製造される。一例として、方法は、(a)ポリオール成分、水、及び塩基、及び任意選択的に粘着付与剤、任意選択的にホウ砂、任意選択的に亜硫酸ナトリウム、任意選択的に重亜硫酸ナトリウム、任意選択的にメタ重亜硫酸ナトリウム又はこれらの任意選択的な混合物を混合して、第1の混合物を生成することを含み得る。
【0046】
(a)の第1の混合物が形成された後、本方法は、(b)(a)で生成された第1の混合物を複数の木材成分と混合して第2の混合物を得ることを更に含み得る。均一なブレンドを達成するのを助けるために、(b)における混合は、典型的には、ポリオール成分及び塩基を複数の木材成分に噴霧することによって行われる。噴霧及び混合は、典型的には、1分~60分又は1分~10分の範囲の時間で行うことができる。
【0047】
(b)での混合が行われた後、本方法は、(c)(b)で生成された混合物をポリペプチド含有成分と混合して第3の混合物を形成することを更に含む。この段階でのポリペプチド含有成分は、典型的には粉末形態である。得られた多層加工木材製品の特性(例えば、破断係数、弾性率、厚さ膨潤%、又はこれらの組み合わせ)は、ポリペプチド含有成分が分散形態とは対照的に粉末形態である場合に、より良好であることが見出された。
【0048】
フルクトース、スクロース、又はグルコース(又はこれらの混合物)(例えば、高フルクトースコーンシロップ)を含む例では、工程(b)を実施する前に、(a)で得られた第1の混合物は、典型的には直ちに使用される。しかしながら、(a)で得られた第1の混合物は、例えば少なくとも1時間、又は少なくとも12時間熟成させることもできる。そして驚くべきことに、また、予期せぬことに、(a)で得られた混合物は、(b)を行う前に26時間以上熟成された場合に有効に使用され得ることが見出され、例えば、第1の混合物は、典型的には、(c)を行う前に、少なくとも50時間、少なくとも120時間、少なくとも360時間、少なくとも1400時間、少なくとも2000時間、26時間~1400時間、又は50時間~360時間熟成される。これらの時間は、典型的には、混合物を加熱することによって短縮される。(c)での工程は、典型的には、少なくとも1分間、例えば1分~60分又は1分~10分の範囲で行われる。
【0049】
工程(c)の間に形成される第3の混合物は、代替の結合剤系(例えば、尿素-ホルムアルデヒド結合剤又はメチレンジフェニルジイソシアネート結合剤若しくはポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤を使用するもの、又はより低い含水量を含むもの)に匹敵するか又はそれに対して改善された粘着特性を示す。粘着性は、結合される材料に、穏やかな圧力で一緒に軽く粘着する能力を与える接着特性である。粘着性は、典型的には、パーティクルボード製造プロセスを通して初期形成中にマット内の木質繊維の形状及び分布を維持するための重要な特性である。工程(b)の間に結合剤反応混合物の水性部分のポリオール成分部分を増加させることは、得られる結合剤反応混合物の粘着性を視覚的に改善するようである。粘着付与剤を添加することはまた、粘着特性を増加させるのに役立ち得る。
【0050】
工程(a)~(c)は、第1の表面層102、第2の表面層104、又はコア層106のうちの1つのグリーン構造(樹脂加工された完成物)を作成する。工程(a)~(c)は、典型的には、所望な場合に、第2の表面層104及びコア層106のグリーン構造を生成するために繰り返される。いくつかの態様では、少なくとも1つの層は、前述の結合剤を含まなくてもよく、代わりに尿素-ホルムアルデヒド樹脂結合剤又はメチレンジフェニルジイソシアネート結合剤又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤を含み得る。各々の一連の工程(a)~(c)から形成されたグリーン構造体は、積み重ねられる。グリーン構造の粘着強度は、グリーン構造が積み重ねられたときに比較的無傷のままであることを可能にするのに役立つ。スタック(マット)が形成されると、次いでスタックは硬化される。硬化は、スタックをホットプレスすることを含み得る。ホットプレスは、少なくとも0.34N/mmであり3.44N/mm以下、0.34N/mm~3.1 0.34N/mm、又は0.20N/mm~2.75N/mmの圧力で行われる。典型的に使用される圧力は、少なくとも部分的には、多層加工木材製品の特定の厚さを達成するように選択される。圧力に加えて、ホットプレスに使用されるプレスのプラテンは、少なくとも100℃の範囲、例えば、少なくとも120℃、又は少なくとも200℃、100℃~250℃の範囲、又は120℃~200℃の範囲、又は120℃~190℃の範囲、又は100℃~250℃の範囲、120℃~225℃の範囲、又は少なくとも187℃の温度に加熱される。いくつかの例では、プラテンは、315℃未満、好ましくは230℃未満、225℃未満、200℃未満、190未満、又は180℃未満に加熱される。
【0051】
典型的には、プラテンを、少なくとも100℃、例えば、少なくとも120℃、又は少なくとも187℃、100℃~250℃の範囲、180℃~220℃の範囲、又は120℃~190℃の範囲の温度まで加熱する。いくつかの例では、プラテンを加熱して、少なくとも198℃、少なくとも204℃、少なくとも246℃、198℃~232℃、204℃~226℃、210℃~221℃の範囲、315℃未満、又は好ましくは230℃未満の硬化温度を達成する。典型的には、プラテンを加熱して、204℃~248℃、210℃~243℃、210℃~226℃の範囲、少なくとも215℃、又は少なくとも251℃の硬化温度を達成する。
【0052】
本方法は、ホットプレスの前又は後に行うことができる「コールドプレス」工程を更に含み得る。コールドプレスは、周囲温度で行うことができる。
【0053】
100℃を超えて加熱すると、水が蒸気に変換され、これが製品内の内部気体圧を作り出し、最終的に、木材製品が構造健全性を維持することができなくなる(例えば、破壊する)可能性がある。この問題は、尿素-ホルムアルデヒド系結合剤が使用される場合には、特に存在する。驚くべきことに、かつ予想できないことに、本明細書に開示される結合剤を使用すると、製品を破壊することなく、高温(プラテンを高温まで加熱することによる)及び高いマット含水量(本明細書に記載のそれぞれの範囲内の両方)で加工木材製品を硬化させることができる。
【0054】
本明細書に記載される膨潤遅延成分のいずれかは、典型的には、工程(a)、(b)、(c)、又はこれらの組み合わせにおける方法の間の任意の時点で木材成分に添加される。同様に、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム又はこれらの混合物は、典型的には、工程(a)、(b)、(c)又はこれらの組み合わせで本方法に添加される。同様に、トリメタリン酸ナトリウムは、典型的には、工程(a)、(b)、(c)又はこれらの組み合わせで本方法に添加される。
【0055】
木材成分は、典型的には、工程(a)、(b)、及び(c)に概説されるように、木材成分がポリペプチド成分と混合される前に、水性部分と混合されて第1の混合物を形成する。あるいは、木材成分は、典型的には、水性部分の構成成分のいずれかと混合される前にポリペプチド成分と混合される。しかしながら、少なくとも工程(a)、(b)及び(c)を連続した順序で行うことは、多層加工木材製品における特性を改善することが見出された。具体的には、得られた多層加工木材製品の破断係数、弾性率、及び厚さ膨潤%は、異なる順序で形成された対応する多層加工木材製品と比較して、改善される。いかなる理論にも束縛されることを意図するものではないが、これらの工程を順番に行うことは、木材成分上へのポリオール成分の均一な拡散を達成するのに役立つと考えられる。更に、ポリオール成分は、木材成分中に開口部を形成する塩基によって木材成分中に少なくとも部分的に埋め込まれる。したがって、ポリペプチド含有成分がポリオール成分と接触するとき、その2者間の反応は均一である。ポリペプチド含有成分を、木材成分、塩基、(及び任意選択的にホウ砂、任意選択的に亜硫酸ナトリウム、任意選択的に重亜硫酸ナトリウム、任意選択的にメタ重亜硫酸ナトリウム又はこれらの任意選択的な混合物)及びポリオール成分と共に一工程で含むことにより、得られる多層加工木材製品の厚さ膨潤%、破断係数、及び弾性率が減少することが見出された。
【0056】
作業例
本開示の様々な態様は、例示として提供される以下の作業例を参照することによって、よりよく理解され得る。本開示は、本明細書に与えられる作業例に限定されない。矛盾する内容が示されない限り、例で使用される木材成分と結合剤反応混合物との混合物は、9重量パーセント(9重量%)~17重量パーセント(17重量%)、好ましくは9重量パーセント~15重量パーセントの含水量(例えば、硬化前のマット含水量)を有していた。加えて、矛盾する内容が示されない限り、%NaOH、%Prolia 200/90、%粗グリセロール、%NaSO、%ホウ砂、%IsoClear 42、%MgOなどは、結合剤反応混合物の総乾燥重量に基づく、示された成分の乾燥重量%を指す。
【0057】
【表1】
【0058】
作業例1:結合剤の調製及び多層加工パーティクルボードの調製
予め秤量した量の水(W)とNaOH溶液などの50%アルカリ溶液とを混合して、NaOHを含む希釈アルカリ溶液を形成し、これを25~30℃に冷却する。存在する場合、IsoClear 42高フルクトースコーンシロップ溶液などのポリオール成分を、NaSO、MgO、及びホウ砂などの任意選択的な成分と共に希釈NaOH溶液にゆっくり添加して、水性部分を形成する。更なる態様では、NaSO及びホウ砂をまず合わせ、その後、グリセロール含有成分を添加し、最後にNaOHを添加して、水性部分を形成する。結合剤反応混合物の水性部分をシェーカー上に5分間置く。Wに関して、結合剤及び木材粒子(WP)の総含水量は、11%を目標とする。乾燥結合剤の乾燥木材粒子に対する比は、13.1:100(例えば、乾燥WP100部当たり13.1部)である。結合剤反応混合物の水性部分に添加される含水量は、第3の混合物の含水量、木材粒子の水分及び全結合剤の含水量に基づいて計算される。
【0059】
木材粒子及びポリペプチドの含水量は、Mettler Toledo水分バランスによって130℃で測定される。Wは、式1に従って決定される。
=W-WWP-WBF (式1)
:結合剤反応混合物の水性部分に添加される水
:第3の混合物の総水分
WP:木材粒子中の水
BF:ポリオール成分中の水、NaOH、任意選択的なホウ砂、任意選択的なIsoClear 42、任意選択的なMgO、任意選択的なNaSO、及びProlia 200/90を含む結合剤成分中の水
【0060】
プロトコル1Aに従って、水、ポリオール成分、NaOH、及び任意選択的なNaSO、及びホウ砂(樹脂1)をブレンドし、木材粒子(WP)に噴霧し、2~5分間又は5分間混合して十分に分散させる。これに続いて、粉末形態のポリペプチド含有成分(及び添加される場合、MgO)(樹脂2)を添加し、次いで、その混合物を0.2~2分間又は2分間ブレンドする。このプロセスを2回繰り返し、樹脂加工された表面及びコアの完成物を形成し、これらを積み重ね、マットを形成する。
【0061】
あるいは、プロトコル1Bに従って、最初に木材粒子を含むポリペプチド含有成分(及び添加される場合、MgO)(樹脂2)を0.2~2分間ブレンドする。これに続いて、ポリオール成分、NaOH、水、及び任意選択的なNaSO、並びにホウ砂(樹脂1)をブレンドし、次いでこれを木材粒子に噴霧し、これを樹脂2で前処理し、1分間又は0.2~2分間混合して十分に分散させる。次いで、2つの混合物を合わせ、2分間ブレンドする。このプロセスを2回繰り返し、樹脂加工された表面及びコアの完成物を形成し、次いで、これらを3層マットへと形成する。
【0062】
Pressman制御システムを利用する91.4cm×91.4cmのNordbergホットプレスを174℃に設定して、作業条件を150~177℃の範囲に維持する。典型的なプラテン温度は165℃である。B&P Littleford(Saginaw,MI)から入手可能なLittleford水平連続ミキサー又は同等の装置内で、上述の結合剤と木材粒子との組み合わせを2~10分間又は5~10分間均一に混合する。次に、樹脂加工された表面の完成物を成形ボックスに移し、これをポータブルテーブル上に置かれた剥離紙で裏打ちされたコールプレートの上に置く。次いで、完成物を、成形ボックスの底部にわたって均一に分布させた。同じ手順を繰り返して、コア層及び第2の表面層を形成する。次いで、3層完成物のマットを、所望の厚さになるまで成形ボックス内で均一に形成する。次に、76.2cm×76.2cmの金属カラーフレームを、成形ボックスの内側及びマットの上部に均一に配置する。次に、金属カバーを成形ボックス内に配置し、これを使用してカラーと木材小片を一緒に穏やかに押して、プレスされるマットを作製する。次に、成形ボックスを底部のコールプレートから持ち上げ、マット及びカバーを単独で残す。金属カバーを注意深く除去し、第2の剥離紙ライナーをマットの上に置き、続いて第2のコールプレートを置く。次に、これらの間に挟まれたマットを有する2つのコールプレートのアセンブリ全体が、ホットプレスに移される。
【0063】
温度及び加圧プローブをマットの中央に挿入して、プレスサイクルを通して内部条件を監視する。次いで、プレスプラテンを、1.8cm~2.16cmの範囲(1.91cmが所望の測定値である)のパーティクルボード厚さを維持するのに必要な所定の距離までゆっくりと閉じる。マットは、30~600秒、又は145~245秒、又は90~130秒の範囲の時間(例えば、「浸漬時間」)にわたって保持され、次いで、底部プラテンは、パーティクルボード内の圧力を解放するために240秒又は30秒以内にゆっくりと下げられる。次に、コールプレート及び完成したパーティクルボードを可動テーブル上に戻す。上部コールプレートを除去すると、多層加工パーティクルボードが現れ、次にこれを冷却ラックに入れる。多層加工パーティクルボードを取り出し、試験のための適切な要件で調整する。調整後、多層加工パーティクルボードを、破断係数(MOR)、弾性率(MOE)、厚さ膨潤%、及び内部結合強度(IB)を含む様々な特性について試験する。
【0064】
結合剤反応混合物の配合物を表1に示す。ボード処理パラメータを表2に示す。表2に記載されたボード1~12の各々は、2つの表面層と、これらの間に位置するコア層とを含んでいた。表面層はそれぞれ、硬化前のそれぞれのボードの総乾燥重量基準の20重量%を占める。コア層は、硬化前のそれぞれのボードの総乾燥重量基準の60重量%を占める。表2で使用されているように、各ボードの表面層に関するデータは、各ボードの第1及び第2の表面層を記載している。
【0065】
作業例2:破断係数(MOR)、弾性率(MOE)、厚さ膨潤%、及び内部結合強度(IB)の測定
破断係数、弾性率、厚さ膨潤%、及び内部結合強度は、修正ASTM D 1037-06aを使用して決定した。ASTM D 1037-06aは、使用した試験片を50%相対湿度及び21.1℃で調整したという点で修正した。多層加工パーティクルボードのそれぞれについて、破断係数、弾性率、厚さ膨潤%、及び内部結合強度を、それぞれ幅91.44cm×長さ91.44cm、厚さ2.08cmの寸法を有するそれぞれの多層加工パーティクルボードを採取し、最終的に多層加工パーティクルボードから1つ以上の試験片を作製することによって決定した。試験片の作製は、多層加工パーティクルボードを切断して、サンプルの多層加工パーティクルボードを作製することを含んでいた。サンプルの多層加工パーティクルボードを、幅76.20cm×長さ76.20cm、厚さ2.08cmの寸法を有するように切断した。
【0066】
破断係数、弾性率、厚さ膨潤%、及び内部結合強度を決定するために、サンプルの多層加工パーティクルボードからいくつかの試験片を作製した。いくつかの試験片を作成することは、異なる配向及び位置(エッジ効果を含む)における多層加工パーティクルボードの特性を説明するのに役立つ。破断係数及び弾性係数を決定するために、それぞれ長さ50.80cm(スパン長45.72cm)×幅7.62cm、厚さ2.08cmの寸法を有する9個の試験片を、サンプルの多層加工パーティクルボードから作製した。各試験片の破断係数及び弾性率を収集し、これらの値を平均して、多層加工パーティクルボードの破断係数及び弾性率を得た。内部結合強度を決定するために、それぞれ長さ5.08cm×幅5.08cm、厚さ2.08cmの寸法を有する21個の試験片を、サンプルの多層加工パーティクルボードから作製した。各試験片の内部結合強度を収集し、これらの値を平均して、多層加工パーティクルボードの内部結合強度を得た。厚さ膨潤%を決定するために、それぞれ長さ15.24cm×幅15.24cm、厚さ2.08cmの寸法を有する3個の試験片を、多層加工パーティクルボードから作製した。各試験片の内部結合強度を収集し、これらの値を平均して、多層加工パーティクルボードの厚さ膨潤%を得た。
【0067】
実施例3:結合剤配合物
3種類の結合剤配合物を調製し、表1に列挙した構成成分を含んでいた。全ての重量%値は、結合剤配合物の構成成分の乾燥重量に対するものである。
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
ボードは構造を維持できなかった
【0071】
結合剤反応混合物の配合物を表4に示す。加工木材製品のそれぞれが、2つの表面層と、その間に配置されたコア層とを含んでおり、各層は、それぞれの式から形成される。それぞれの加工木材製品を形成するための方法は、ボード1~12を生成するために使用されるものと同じである。表面層は、それぞれ、硬化前のそれぞれのボードの総乾燥重量基準の20重量%を占める。コア層は、硬化前のそれぞれのボードの総乾燥重量基準の60重量%を占める。それぞれの加工木材製品では、表面層の木材粒子が、コア層の木材粒子よりも小さな平均粒径を有するということを期待して、表面層及びコア層の組成は同じである(例えば、同じ特定された式を使用する)。加工木材製品の全体的な密度は、672.7kg/mである。しかしながら、表面層内の木材粒子が小さいほど、コア層より大きな密度を有する表面層が得られる。第1の表面層、第2の表面層、又は両方の密度が、コア層の密度よりも大きいことが予想される。
【0072】
【表5】
【0073】
実施例4。
【表6】
【0074】
実施例4は、加工木材パーティクルボードにおける増加した浸漬時間、増加したプレス温度、又はその両方が、改善された内部結合強度をもたらすことができることを示す。
【0075】
実施例5。
【表7】
【0076】
実施例5は、ポリペプチド含有成分のPDIの増加が、加工木材パーティクルボードの改善された内部結合強度特性をもたらすことを示す。
【0077】
実施例6。
【表8】
【0078】
実施例6は、使用されるポリペプチド含有成分の粒径(100メッシュ対200メッシュ)が、加工木材パーティクルボードの内部結合強度に有意に影響を与えないことを示す。
【0079】
実施例7。
【表9】
【0080】
実施例7は、結合剤の1回分の量の増加が、加工木材パーティクルボードにおける改善された内部結合強度をもたらすことを示す。実施例26はまた、より少ない結合剤の1回分の量(木材繊維の乾燥重量100部当たり7部)のプロトコル2Aが、加工木材パーティクルボードにおいて、よりよい内部結合強度を有する加工木材パーティクルボードを生成したことを示す。
【0081】
実施例8。
【表10】
【0082】
実施例8は、増加したGLY含有量(重量%)が、改善された内部結合強度を有する加工木材パーティクルボードをもたらすことを示す。
【0083】
実施例9。
【表11】
【0084】
実施例9は、GLYと共にIsoClear 42%を含むことで、許容される内部結合強度値を有する加工木材パーティクルボードを提供するが、IsoClear 42%を含まずに、許容される内部結合強度値を有する加工木材パーティクルボードを生成することができたことを示す。
【0085】
用いられている用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、かかる用語及び表現の使用において、示され、記載される特徴又はその一部分の任意の等価物を排除する意図はないが、本発明の実施形態の範囲内で様々な修正形が可能であることが認識される。したがって、本発明は、特定の実施形態及び任意選択的な特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示される概念の修正及び変形は、当業者によって行使することができ、そのような修正及び変形は、本発明の実施形態の範囲内にあると考えられることを理解されたい。
【0086】
例示的な実施形態。
以下の例示的な実施形態が提供され、その付番は、重要度のレベルを指定するものと解釈されるべきではない。
【0087】
実施形態1は、多層加工木材製品であって、
第1の表面層と、
第2の表面層と、
第1の表面層と第2の表面層との間に配置されたコア層と、を含み、
第1の表面層、第2の表面層、及びコア層のうちの少なくとも1つが、複数の木材成分と、複数の木材成分の周りに分散された結合剤反応混合物の反応生成物と、を含み、結合剤反応物が、複数の木材成分の乾燥重量100部当たり3部~25部の範囲で添加され、木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量が、9重量%~20重量%の範囲であり、結合剤反応混合物が、
結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて5重量%~65重量%又は5重量%~50重量%の範囲で添加されるポリオール成分を含む水性部分であって、ポリオール成分が、
グリセロール、
グリセロールのオリゴマー、
任意選択的に、単糖、
任意選択的に、スクロース、又は
任意選択的に、これらの混合物を含む、水性部分と、
結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて20重量%~85重量%の範囲で添加されるポリペプチド含有成分であって、ポリペプチド含有成分が、植物性タンパク質を含む、ポリペプチド含有成分と、
結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて1~15重量%の範囲の塩基と、
任意選択的に、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて0.001~1.5重量%の範囲の粘着付与剤と、
任意選択的に、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて0.1重量%~10重量%の範囲のトリメタリン酸ナトリウムと、
任意選択的に、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて0.5重量%~10重量%の範囲の亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物と、
任意選択的に、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて1重量%~15重量%の範囲のホウ砂と、を含む、多層加工木材製品を提供する。
【0088】
実施形態2は、第1の表面層及び第2の表面層が、複数の木材成分の周りに分散された結合剤反応混合物の反応生成物を含み、コア層が、複数の木材成分の周りに分散された結合剤反応混合物を含まない、実施形態1の多層加工木材製品を提供する。
【0089】
実施形態3は、第1の表面層及び第2の表面層が、結合剤反応混合物を含み、第1の表面層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物、並びに第2の表面層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物が、同様の化学組成を含み、任意選択的に互いに1%未満の含水量を含む、実施形態2の多層加工木材製品を提供する。
【0090】
実施形態4は、第1の表面層及び第2の表面層が、結合剤反応混合物を含み、第1の表面層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物、並びに第2の表面層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物が、異なる化学組成を含み、任意選択的に互いに1%未満の含水量を含む、実施形態1の多層加工木材製品を提供する。
【0091】
実施形態5は、コア層が、結合剤反応混合物の反応生成物を含まず、尿素-ホルムアルデヒド結合剤、又はメチレンジフェニルジイソシアネート結合剤、又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤を含む、実施形態1~4のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0092】
実施形態6は、第1の表面層、第2の表面層、及びコア層が、複数の木材成分の周りに分散された結合剤反応混合物の反応生成物を含む、実施形態1の多層加工木材製品を提供する。
【0093】
実施形態7は、コア層が、複数の木材成分の周りに分散された結合剤反応混合物の反応生成物を含み、第1の表面層、第2の表面層、又はその両方が、結合剤反応混合物を含まない、実施形態1の多層加工木材製品を提供する。
【0094】
実施形態8は、ポリペプチド含有成分が、大豆粉、大豆ミール、エンドウマメタンパク質、大豆タンパク質、又はこれらの混合物を含む、実施形態1~7のうちのいずれかの多層加工木材製品を提供する。
【0095】
実施形態9は、第1の表面層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物、第2の表面層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物、並びにコア層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物のうちの少なくとも2つが、異なる化学組成を含み、任意選択的に異なる含水量(例えば、1%より大きな差)を含む、実施形態6の多層加工木材製品を提供する。
【0096】
実施形態10は、第1の表面層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物、第2の表面層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物、並びにコア層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の各々が、異なる化学組成を含み、任意選択的に異なる含水量(例えば、1%より大きな差)を含む、実施形態6及び8~9のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0097】
実施形態11は、木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量が、9.0重量%~16重量%の範囲である、実施形態1~10のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0098】
実施形態12は、水性部分が、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、1重量%~12重量%の塩基を更に含む、実施形態1~11のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0099】
実施形態13は、水性部分のpHが、9より大きい(例えば、9~14)である、実施形態1~12の多層加工木材製品を提供する。
【0100】
実施形態14は、水性部分のpHが、9~13.5である、実施形態1~13のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0101】
実施形態15は、水性部分のpHが、10~13(例えば、11~13)である、実施形態1~14のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0102】
実施形態16は、ポリオール成分が、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、10重量%~50重量%(例えば、20重量%~50重量%)の範囲である、実施形態1~15のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0103】
実施形態17は、ポリオール成分が、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、20重量%~40重量%(例えば、20重量%~30重量%)の範囲である、実施形態1~16のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0104】
実施形態18は、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物が、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて、0.5重量%~10重量%の範囲である、実施形態1~17のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0105】
実施形態19は、結合剤反応混合物が、5重量%未満の尿素-ホルムアルデヒド、メチレンジフェニルジイソシアネート、又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤、又はこれらの混合物を含む、実施形態1~18のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0106】
実施形態20は、結合剤反応混合物が、尿素-ホルムアルデヒド、メチレンジフェニルジイソシアネート、又はポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤、又はこれらの混合物を実質的に含まない(例えば、1重量%未満を含む)、実施形態1~19のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0107】
実施形態21は、各個々の層の結合剤反応混合物が、第1の表面層、第2の表面層、コア層、又はこれらの組み合わせの各々の複数の木材成分の乾燥重量100部当たり5部~20部の範囲で添加される、実施形態1~20のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0108】
実施形態22は、各個々の層の結合剤反応混合物が、第1の表面層、第2の表面層、コア層、又はこれらの組み合わせの各々の複数の木材成分の乾燥重量100部当たり6部~17部又は8部~17部の範囲で添加される、実施形態1~21のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0109】
実施形態23は、ホウ砂が、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて3重量%~6重量%の範囲である、実施形態1~22のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0110】
実施形態24は、多層加工木材製品の破断係数が、10N/mm~20N/mmの範囲である、実施形態1~23のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0111】
実施形態25は、多層加工木材製品の破断係数が、12N/mm~17N/mmの範囲である、実施形態1~24のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0112】
実施形態26は、多層加工木材製品を水中に2時間浸漬した後に測定された多層加工木材製品の厚さ膨潤%が、5%~45%の範囲である、実施形態1~25のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0113】
実施形態27は、多層加工木材製品を水中に2時間浸漬した後に測定された多層加工木材製品の厚さ膨潤%が、5%~40%(例えば、5%~35%、又は10%~30%)の範囲である、実施形態1~26のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0114】
実施形態28は、多層加工木材製品の弾性率が、1,378N/mm~2,413N/mmの範囲である、実施形態1~27のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0115】
実施形態29は、多層加工木材製品の弾性率が、1,930N/mm~2,137N/mm(例えば、1,965N/mm~2,033N/mm)の範囲である、実施形態1~28のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0116】
実施形態30は、多層加工木材製品の内部結合強度が、0.1N/mm~0.83N/mmの範囲である、実施形態1~29のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0117】
実施形態31は、多層加工木材製品の内部結合強度が、0.2N/mm~0.5N/mmの範囲である、実施形態1~30のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0118】
実施形態32は、第1の表面層、第2の表面層、及びコア層の各々の結合剤反応混合物の各々の水分層が、9重量%~20重量%の範囲である、実施形態1~31のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0119】
実施形態33は、第1の表面層、第2の表面層、及びコア層の各々の結合剤反応混合物の各々の水分層が、9.5重量%~16重量%の範囲である、実施形態1~32のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0120】
実施形態34は、第1の表面層、第2の表面層、及びコア層の各々の結合剤反応混合物の各々の水分層が、9.5重量%~11重量%の範囲である、実施形態1~33のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0121】
実施形態35は、多層加工木材製品の密度が、0.2g/cm~0.8g/cm又は0.60g/cm~0.75g/cmの範囲である、実施形態1~34のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0122】
実施形態36は、結合剤反応混合物の反応生成物が、複数の木材成分の周りに均一に分布している、実施形態32~35のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0123】
実施形態37は、トリメタリン酸ナトリウムが、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて0.4重量%~0.9重量%の範囲である、実施形態1~37のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0124】
実施形態38は、トリメタリン酸ナトリウムが、結合剤反応混合物の乾燥重量に基づいて0.6重量%~0.8重量%の範囲である、実施形態1~37のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0125】
実施形態39は、多層加工木材製品を製造する方法であって、本方法が、
(a)
ポリオール成分であって、
グリセロール、
グリセロールのオリゴマー、
単糖、
スクロース、又は
これらの混合物を含む、ポリオールと、
水と、
塩基と、
任意選択的に、粘着付与剤と、
任意選択的に、トリメタリン酸ナトリウムと、
任意選択的に、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、若しくはこれらの混合物と、
任意選択的に、ホウ砂とを混合して、
第1の混合物を生成することと、
(b)(a)で生成された第1の混合物を複数の木材成分と混合して、第2の混合物を得ること、又は複数の木材成分を、植物性タンパク質を含むポリペプチド含有成分と混合して、第3の混合物を得ることと、
(c)(b)で生成された第2の混合物を、植物性タンパク質を含むポリペプチド含有成分と混合して、第4の混合物を形成すること、又は(b)で生成された第3の混合物を、(a)で生成された第1の混合物と混合して、第5の混合物を形成し、第1の多層加工木材前駆体を形成することと、
(d)(a)~(c)を少なくとも1回繰り返して、第2の多層加工木材前駆体を形成することと、
(e)第1の多層加工木材前駆体及び第2の多層加工木材前駆体を、第3の多層加工木材前駆体と積み重ねることであって、第3の多層加工木材前駆体が、任意選択的に、(a)~(c)に従って形成される、積み重ねることと、
(f)第1の多層加工木材前駆体、第2の多層加工木材前駆体、及び第3の多層加工木材前駆体を硬化させることと、を含む、方法を提供する。
【0126】
実施形態40は、複数の木材成分を、膨潤遅延成分と混合することを更に含む、実施形態39の方法を提供する。
【0127】
実施形態41は、ポリオール成分が、第1の混合物の乾燥重量に基づいて、5重量%~65重量%又は5重量%~50重量%の範囲である、実施形態39又は40のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0128】
実施形態42は、(b)の混合することが、第1の混合物を複数の木材成分上に噴霧することを含む、実施形態39~41のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0129】
実施形態43は、(c)のポリペプチド含有成分が、粉末形態である、実施形態39~42のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0130】
実施形態44は、(a)、(b)、(c)、又はこれらの組み合わせで亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、若しくはこれらの混合物を混合することを更に含む、実施形態39~43のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0131】
実施形態45は、(a)で生成された第1の混合物が、水性であり、ポリオール成分が、第1の混合物の乾燥重量に基づいて、20重量%~50重量%の範囲である、実施形態39~44のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0132】
実施形態46は、(a)で生成された第1の混合物が、水性であり、ポリオール成分が、第1の混合物の乾燥重量に基づいて、20重量%~30重量%の範囲である、実施形態39~45のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0133】
実施形態47は、(a)で生成された第1の混合物が、水性であり、第1の混合物の乾燥重量に基づいて1重量%~15重量%の塩基を含み、(b)で生成された第2の混合物又は第3の混合物のpHが、10より大きい、実施形態39~46のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0134】
実施形態48は、ポリペプチド含有成分が、大豆粉、大豆ミール、大豆タンパク質、エンドウマメタンパク質、小麦グルテン、トウモロコシタンパク質単離物、又はこれらの混合物を含み、第1の混合物の乾燥重量に基づいて20重量%~85重量%の範囲である、実施形態39~47のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0135】
実施形態49は、ポリペプチド含有成分が、大豆粉、小麦グルテン、トウモロコシタンパク質単離物、又はこれらの混合物を含み、第1の混合物に基づいて30重量%~80重量%の範囲である、実施形態39~48のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0136】
実施形態50は、ポリペプチド含有成分が、大豆粉を含み、大豆粉が、添加される全大豆粉に基づいて40重量%~65重量%のタンパク質である、実施形態39~49のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0137】
実施形態51は、ポリペプチド含有成分が、大豆粉を含み、第1の混合物の乾燥重量に基づいて、20重量%~85重量%の範囲である、実施形態39~50のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0138】
実施形態52は、(a)、(b)、(c)、又はこれらの組み合わせで生成された混合物が、尿素-ホルムアルデヒド、メチレンジフェニルジイソシアネート、若しくはポリアミド-エピクロロヒドリン系結合剤、又はこれらの混合物を実質的に含まない(例えば、1重量%未満)、実施形態39~51のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0139】
実施形態53は、(a)、(b)、(c)、又はこれらの組み合わせで生成された混合物が、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物を更に含む、実施形態39~52のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0140】
実施形態54は、(a)、(b)、(c)、又はこれらの組み合わせで生成された混合物が、ホウ砂、例えば、四ホウ酸ナトリウム十水和物(又は四ホウ酸ナトリウム八水和物)、四ホウ酸ナトリウム五水和物、及び/又は無水四ホウ酸ナトリウムを更に含む、実施形態39~53のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0141】
実施形態55は、ホウ砂が、第1の混合物の乾燥重量に基づいて1重量%~15重量%の範囲である、実施形態54の方法を提供する。
【0142】
実施形態56は、ホウ砂が、第1の混合物の乾燥重量に基づいて、3重量%~6重量%の範囲である、実施形態53又は54のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0143】
実施形態57は、(f)で硬化させることが、100℃~250℃(例えば、少なくとも198℃、少なくとも204℃、少なくとも246℃で、198℃~232℃、204℃~226℃、210℃~221℃の範囲で、315℃未満、又は好ましくは230℃未満で、又は例えば、204℃~248℃、210℃~243℃、210℃~226℃の範囲で、少なくとも215℃、又は少なくとも251℃)の温度で行われる、実施形態39~56のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0144】
実施形態58は、トリメタリン酸ナトリウムが、第1の混合物の乾燥重量に基づいて、0.1重量%~10重量%の範囲である、実施形態39~57のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0145】
実施形態59は、トリメタリン酸ナトリウムが、第1の混合物の乾燥重量に基づいて、0.6重量%~0.8重量%の範囲である、実施形態39~58のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0146】
実施形態60は、トリメタリン酸ナトリウムが、第1の混合物の乾燥重量に基づいて、0.1重量%~1重量%の範囲である、実施形態39~59のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0147】
実施形態61は、塩基が、NaOH、KOH、酸化マグネシウム、又はこれらの混合物を含む、実施形態1~38のうちのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~60のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0148】
実施形態62は、塩基がNaOHを含む、実施形態1~38及び61のうちのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~61のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0149】
実施形態63は、粘着付与剤が、スクロース、松脂、デンプンを含む、実施形態1~38及び61~62のうちのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~62のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0150】
実施形態64は、ポリペプチド含有成分が、植物タンパク質、大豆粉、リンシード粉、フラックスシード粉、綿実粉、キャノーラ粉、ヒマワリ粉、ピーナッツ粉、ルパン粉、エンドウマメ粉、トウモロコシタンパク質、及びこれらの混合物を含む、実施形態1~38及び61~63のうちのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~64のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0151】
実施形態65は、ポリペプチド含有成分が、大豆粉を含む、実施形態1~38及び61~64のうちのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~64のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0152】
実施形態66は、ポリペプチド含有成分が、大豆粉を含み、大豆粉が、添加される全大豆粉に基づいて40重量%~65重量%のタンパク質を含む、実施形態1~38及び61~65のうちのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~65のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0153】
実施形態67は、ポリペプチド含有成分が、大豆粉を含み、大豆粉が、その乾燥重量に基づいて結合剤反応混合物の20重量%~85重量%である、実施形態66の多層加工木材製品又は方法を提供する。
【0154】
実施形態68は、大豆粉が結合剤反応混合物の乾燥重量の30重量%~80重量%である、実施形態1~38及び61~67のうちのいずれか1つのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~67のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0155】
実施形態69は、大豆粉が、少なくとも60のタンパク質分散性指数(PDI)を有する、実施形態1~38及び61~69のうちのいずれか1つのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~63のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0156】
実施形態70は、大豆粉が、70~95の範囲のタンパク質分散性指数(PDI)、例えば80~90のPDIを有する、実施形態1~38及び61~69のうちのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~69のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0157】
実施形態71は、ポリペプチド含有成分が、スクリーンサイズ100メッシュスクリーン~635メッシュスクリーンを通過することができる、実施形態1~38及び61~70のうちのいずれか1つのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~70のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0158】
実施形態72は、ポリペプチド含有成分が、スクリーンサイズ100メッシュスクリーン~400メッシュスクリーン、例えば、150~325のスクリーンサイズを通過することができる、実施形態1~38及び61~41のうちのいずれか1つのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~71のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0159】
実施形態73は、複数の木材成分が、1つ以上のストランド、1つ以上の粒子、1つ以上の繊維、又はこれらの混合物を含む、実施形態1~38及び61~72のうちのいずれか1つのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~72のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0160】
実施形態74は、ポリオール成分が、グルコースシロップ、高フルクトースコーンシロップ、又はこれらの混合物を含む、実施形態1~38及び61~73のうちのいずれか1つのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~73のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0161】
実施形態75は、コア層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物が、少なくとも9重量%の含水量を有し、第1の表面層及び第2の表面の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量が、各々、コア層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量よりも小さい、実施形態1~38及び61~74のうちのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~74のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0162】
実施形態76は、コア層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物が、少なくとも9重量%の含水量を有し、第1の表面層及び第2の表面の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量が、各々、コア層の木材成分及び結合剤反応混合物の混合物の含水量よりも小さい、実施形態1~38及び61~74のうちのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~74のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0163】
実施形態77は、ポリオール成分が、フルクトース、スクロース、若しくはグルコース、又はこれらの混合物を含む、実施形態1~38及び61~76のうちのいずれか1つのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~76のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0164】
実施形態78は、多層加工木材製品が、パーティクルボード、中密度繊維板、高密度繊維板、配向性ストランドボード、多層加工木材フローリング、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1~38及び61~77のうちのいずれか1つのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~77のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0165】
実施形態79は、多層加工木材製品が、パーティクルボードを含む、実施形態1~38及び61~78のうちのいずれか1つのいずれか1つの多層加工木材製品、又は実施形態39~78のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0166】
実施形態80は、25℃での水性部分の粘度が、5cP~1000cPの範囲である、実施形態1~38及び61~79のうちのいずれか1つの多層加工木材製品を提供する。
【0167】
実施形態81は、25℃での水性部分の粘度が、10cP~500cP又は10cP~100cPの範囲である、実施形態1~38及び61~80のいずれか1つに記載の多層加工木材製品を提供する。
【0168】
実施形態82は、25℃での第1の混合物の粘度が、5cP~1000cPの範囲である、実施形態39~79のうちのいずれか1つの方法を提供する。
【0169】
実施形態83は、25℃での第1の混合物の粘度が、10cP~500cP又は10cP~100cPの範囲である、実施形態39~79及び82のうちのいずれか1つの方法を提供する。
図1
【国際調査報告】