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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】セイル駆動移動体
(51)【国際特許分類】
   B63H 9/061 20200101AFI20240524BHJP
   B63H 9/08 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
B63H9/061
B63H9/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573402
(86)(22)【出願日】2022-05-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-17
(86)【国際出願番号】 FR2022051020
(87)【国際公開番号】W WO2022248814
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】2105611
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】エッシンガー オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】マーニュ ピエール-アラン
(72)【発明者】
【氏名】サヴィオ セドリック
(72)【発明者】
【氏名】フラニエル ブルーノ
(57)【要約】
本発明は、全体的又は部分的なセイル推進を備えた移動体に関し、移動体は、ハル(j)と、膨張式又は非膨張式の少なくとも1つのセイルと、垂直軸を有する少なくとも1つの自立式マスト(l)と、を備え、マストは、ハルの高さに配置された固定部(o)と、垂直軸の周りで移動可能な可動部(p)とを備える。移動体は、マスト(l)が、固定部(o)において、推力、ドリフト力、セイルの差圧に関するデジタルデータを提供するための物理的パラメータを測定するセンサ、又は、可動部(p)において、セイルの軸方向に射影された空気力学的推進力、セイルに直角な軸方向に射影された空気力学的推進力、セイルの差圧に関するデジタルデータを提供するための物理的パラメータを測定するセンサを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体的又は部分的なセイル推進を有する移動体であって、
ハル(j)と、
膨張式又は非膨張式の少なくとも1つのセイルと、
垂直軸を有する少なくとも1つの自立式マスト(l)と、
を備え、
前記マストは、
前記ハルの高さに配置された固定部(o)と、
垂直軸の周りで移動可能な可動部(p)と、
を備え、前記マストは、
a.前記固定部(o)において、推進力、ドリフト力、膨張式セイルのための前記セイルの差圧などに関するデジタルデータを提供するための物理的パラメータを測定するセンサ、又は、
b.前記可動部(p)において、前記セイルの軸に投影される空気力学的推進力、前記セイルに直角な軸に射影される空気力学的推進力、前記膨張式セイルのための前記セイルの差圧に関するデジタルデータを提供するための物理的パラメータを測定するセンサ、
を備える、移動体。
【請求項2】
デジタルデータ計算アルゴリズムを備えたコンピュータが、クローズドループ制御システムに従って、前記デジタルデータに基づいて、空気力学的推進力を最適化又は調整するために船の動作をリアルタイムで修正するために、前記セイルから前記ハルに伝達される力を計算する、請求項1に記載の移動体。
【請求項3】
前記デジタルデータ計算アルゴリズムを備えたコンピュータは、クローズドループ制御システムを補完するものとして、オープンループ制御システムに従って、前記デジタルデータに基づいて、空気力学的推進力を最適化するために船の動作をリアルタイムで修正するために、前記セイルから前記ハルに伝達される力を計算する、請求項2に記載の移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セイル推進を用いる移動体に関し、セイル推進又はハイブリッドセイル推進の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
以下で使用されるいくつかの定義を次に概説する。
-リギング:セイルタイプのボートの固定及び可動部品のセットであり、風の力による推進及び操縦を可能にする。
-リーン:外的又は非外的な現象によって引き起こされる船の横方向の傾き。
-流体力学的抗力:ボートと水との間の摩擦力。抗力が大きいほど船は減速する。
-空気力学的抗力:流体中を移動する物体が受ける力のうち、移動方向と反対方向に作用する成分。本発明によれば、セイルは空気力学的抗力を発生させる。
-空気力学的揚力:流体中を移動する物体が受ける力のうち、移動方向に対して直角方向に作用する力の成分。本発明によれば、セイルは空気力学的揚力を発生させる。
-相対風又は見かけの風:ボートの固有速度と風の実際の速度によって生じる風のベクトル和。
-空気力学的合力:空気力学的揚力と空気力学的抗力のベクトル和。
-極座標曲線:ボートの速度を風の向きと風の力の関数として表した図形。極座標曲線によって、航行シナリオを立てることができる。場合によっては、セイル(セイルが膨張式であり、セイル内の圧力が所定値である場合、ウイングとも呼ばれる)の膨張圧力の差の関数とすることもできる。
-風入射角:セイル(セイルが膨張式であり、セイル内の圧力が所定値である場合、ウイング)のプロフィールの平面と相対的な風向きとの間の角度。
-オープンループ制御システム(戻りなしシステムとも呼ばれる):オープンループシステムでは、所望の出力は制御動作に依存しない;システムの出力は入力から自由である;規則では、オープンループ制御システムはシステムの応答を考慮しない制御形式である。
-クローズドループ制御システム(戻りありシステムとも呼ばれる):クローズドループシステムでは、所望の出力はシステムの制御動作に、従って入力に依存する。より複雑ではあるが、クローズドループ制御システムは、より信頼性が高く、正確で安定している;出力値の測定値及び設定値との比較によって、出力で期待される結果を最適化することができる;規則では、クローズドループ制御システムは、このシステムの応答を組み込んだシステムである。
-リーフィング:風の強さに合わせてセイルの表面積を適合させるために、セイルを部分的に底からファーリングして、表面積を小さくすること。リーフィングは手動又は自動で行われる。
-リーフィングバンド:補強部分の水平ゾーンで、例えばアイレット又はプーリーでリーフィング用のリターンを固定することができる。これらのリーフィングバンドは、リーフィングが企図される高さごとのリブ高さでセイル上に配置される。セイル面積を低減する可能性の数だけリーフィングバンドがある。
-ブーム:マストの基部近くに連結された水平スパーであり、これはいくつかのセイルを保持して方向付けするのを可能にする。ブームは、セイルが下げられた場合にセイルを受け取ることもできる。
-ラフィング:ラフィングしているセイルは、セイルの針路変更(haul)が不十分で、部分的にしぼんでいる。しっかりと設定されたセイルはラフィングの限界に達している必要がある。膨張したセイルではラフィングは起こらず、これは風に対向したままにするのを可能にする。
-ヘッド:膨張式セイルの上部の輪郭をたどるセイルの上端。
-ロアリング:セイルを降下させること。
-ホイスティング:セイルを上昇させること。
-セイルレセプタクル:降下されたセイルを受け取ることに加えて、セイルから供給される張力に対応する、又はセイルの動作に使われる他のアクチュエータ、エネルギー貯蔵センサ、コントロールモジュールなどを収納する他の機能を組み込むことができる。
【0003】
熱機関による船舶推進はすでに知られており、燃料消費量を測定し、そこから排出される炭素ガス量を推測することは容易である。
【0004】
セイル推進船上でのこのような測定は、複雑で比較的ランダムであるため、より困難である。
【0005】
中国公開番号107878720号には、対称プロファイルで柔軟性があり、畳むことができるセイルボートのセイルが開示されている。このようなセイルボートは、相対風の角度及び力を測定するための油圧装置を備えている。これらのデータは、風の角度及び風力に対するセイルの挙動を調整するために、オープンループ制御システムに従ってデータを計算するアルゴリズムを備えたコンピュータによって恒久的に取得される。
【0006】
残念ながら、オープンループシステムのみに従って動作するこのような装置は、空気力学的推進力の値に影響を与える全ての要因を考慮していない。詳細には、このモデルは、海面状態、強風変動、ウイング(極座標曲線)のモデリングの不完全性、又はセイルの性能レベルの時間的劣化の関数として変化する極座標を組み込んでいない。
【0007】
さらに、このようなシステでは、ウイングが船に与える力のセンサを含んでいないので、推進力、出力、又はセイル推進によって供給されるエネルギーを測定することは依然として困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国公開番号107878720号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、燃料を節約し結果的に炭素ガスの排出を削減するため、セイル推進力を最適化するために、また、少なくとも1つのセイルを備える、場合によってはハイブリッドシステムの船のハルにセイルから伝達される空気力学的推進力を、正確に、確実に、直接的に定量化することを可能にするために、セイル推進力を調整することができるシステムを有するニーズが依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の主題は、全体的又は部分的なセイル推進を有する移動体であって、この移動体は、ハルと、少なくとも1つの膨張式セイル(又はウイング)又は非膨張式セイルであって、支線付きでないマストによって支持されるウイングと、垂直軸を有する少なくとも1つの自立式マストと、を備え、マストは、ハルの高さに配置された固定部と、垂直軸の周りで移動可能な可動部とを備える。
【0011】
本発明による移動体は、上記マストが、固定部において、ボートの軸方向の推進力、ボートのドラフト力、膨張式セイルのセイル差圧(又は膨張式垂直ウイングのウイングの差圧)に関するデジタルデータを供給するための物理的パラメータを測定するセンサを備えるか、又は、可動部において、セイルの軸(又はウイングの軸)に射影される空気力学的推進力、ウイング(又はセイル)に直角な軸に射影される空気力学的推進力、膨張式セイル(ウイング)のセイル差圧に関するデジタルデータを供給するための物理的パラメータを測定するセンサを備える。
【0012】
本発明の解決手段は、膨張式又は非膨張式セイルを含むセイル推進を有する移動体、ピンと張ったセイル、マストによって支線なしで支持された剛性セイル、又は自立式マストに取り付けられたセイルに適用することができる。
【0013】
本発明によれば、ボートの基準フレームに対して固定部に組み込まれたセンサ、例えばマストを回転させるための要素を受ける固定部に組み込まれたセンサにより、ボートに伝達される力を確実かつ直接的に測定し、ボートの軸方向の力(推進に使用される力)及びボートの軸に対して直角方向の力(ボートの傾きを引き起こす力)を直接的に知ることができる。このために、例えば、マストの基部を受け入れる軸受(マストの支持及び回転案内用と理解される)の1つにひずみゲージを装備することが可能であり、これにより、力の直接的な測定が可能になる。マストが伸縮式である場合、マストの基部チューブの支持及び回転案内を保証する軸受の1つにひずみゲージを装備することが優先される。
【0014】
固定部上にない場合、計測システムは、例えばひずみゲージを接着結合することで、マストに固定された計測センサを含むことができ、これにより、セイル(又は膨張式セイルの場合はウイング)の軸にかかる力と、それに垂直な力を知ることができる。この場合、ボートの軸に対するウイングの角度(推進に使われる力)と、ボートに垂直な力(ボートの傾きを引き起こす力)を正確に測定する必要がある。
【0015】
力の直接的な測定(ボート基準フレーム)又は間接的な測定(ウイング基準フレーム)から得られた値により、すでにセイル推進システムで得られる利益を正確に評価することができる。
【0016】
また、測定値は、オープンループ制御及び/又はクローズドループ制御を使用することによって、船の動作を修正する可能性を提供する。
【0017】
従って、オープンループモードでは、力の測定値は、測定された力の予め設定された限界値を超えないように、ボートの動きを監視するために使用される。
【0018】
好ましくは、デジタルデータ計算アルゴリズムを備えたコンピュータが、オープンループ制御システムに従って、風速及び風向などの上記デジタルデータに基づいて、所望の差圧、入射角及びウイング表面積の設定値などの設定値を計算する。このオープンループ動作モードにおいて、入射角、ウイング表面積、及び圧力の設定値が、予め設定された限界を超える過剰な力につながる場合、システムは、これらの力を低減するように働くことができるように、力センサに由来する警告を受け取る。
【0019】
好ましくは、デジタルデータ計算アルゴリズムを備えたコンピュータが、クローズドループ制御システムに従って、デジタルデータに基づいて、セイルからハルに伝達される力を計算し、その空気力学的推進力を最適化又は微調整するために、船の動作をリアルタイムで修正する。コンピュータは、測定された推力値を使用して、推力の調整(最大推力を下回る選択値への調整)又は最適化(最大推力の探索)を試み、結果としてエネルギー節約を最大にする。
【0020】
このようにして、推進力の最大化、従ってゲインの最大化に直接作用するクローズドループ制御に基づいて、セイル推進システムによって船に伝達される最大推進力の最適化を行うことができる。
【0021】
本発明による移動体は、システムの変化、結果として初期値に対する変動を容易かつリアルタイムで観察することができ、推力の最適化においてこの変化を考慮することができ、従って保守作業のプログラミングを可能にし、最終的に、例えば膨張式セイル(例えば国際公開第2017/221117号のもの)の場合のように、膨張システムの所与の動作に対するその圧力の変化を視覚化することができ、従ってその透過性の変化を観察することができるという利点を提供する。実際、クローズドループモードでは、システムは最大力又は設定力を追跡し、極座標曲線のモデリング誤差を克服することができる。同じ条件の風及び同じ膨張圧で、クローズドループ調整システムが見つけた作動点(入射角)が経時的に変化するとすれば、それはシステムが変化したためである。システムは確実に劣化しており、メンテナンス介入を計画することができる。
【0022】
本発明のセイル推進を備える移動体の調整システムは、全てが動作可能な場合、オープンループとクローズドループの両方のループを組み合わせて動作させることができる。オープンループは、モデリングテーブルに基づいて入射角、ウイング表面積、差圧を設定することにより、所望の力を発生するようにウイングを事前に配置することができる。クローズドループは、推力の測定に基づいて(フィードバックモードで)推力を最適化するためにこれらの設定値を改良する。
【0023】
しかしながら、発生した故障の後、システムは、2つの調整ループ(オープンループ又はクローズドループ)のうちの1つのみで劣化モードで動作することができる。
【0024】
本発明による移動体は、セイル推進システムで得られるゲインを特定することを可能にする。
【0025】
本発明による移動体は、ボートの軸におけるセイル推進力を正確かつ測定可能に定量化することを可能にし、これはボート速度と組み合わされ、供給されるkWh、消費されるkWh、及びCO2ゲインを提供することになる。
【0026】
本発明によるハイブリッド推進移動体は、例えば、電気モータ又は燃焼エンジンによって駆動されるプロペラによる推進、エネルギー貯蔵として、バッテリー、水素(燃料電池を使用)、天然ガス又は燃料を使用した推進など、他の推進源と結合したセイル推進を意味すると理解される。
【0027】
セイル推進移動体は、例えば、セイルと移動体との間の結合が、自立式マストシステムを用いて支線付きではない様式である限りにおいて、砂上ヨット、氷上ヨット、自動車、ボートを意味すると理解される。
【0028】
本発明は、概略的でありかつ必ずしも縮尺通りではない、例示のために与えられた以下の図面を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】例えばエンジンを備えたセイルタイプの船に加えられる様々な物理的力、特に、結果として生じる空気力学的力の射影の説明図である。
図2】セイルが膨張している場合の本発明による船のアルゴリズムで使用されるクローズドループモードで推進力を制御するシステムの概略図である。
図3】セイルが膨張している場合の本発明による船のアルゴリズムで使用されるオープンループ制御システムの概略図である。
図4】セイルが膨張している場合の本発明による船のアルゴリズムで使用されるオープンループ制御システムと組み合わせたクローズドループ制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
セイル推進に関する流体力学的及び空気力学的定義の説明を以下に示す。
【0031】
セイル推進を有する移動体(以下、セイルボート又は船と呼ぶ)は、空気及び水と接触している。物理面では、支配要因は、ハル、セイル、及び付属物(ラダー、キール、舵)、プロペラに作用する流体力学的力及び空気力学的力である。
【0032】
図1に示すように、空気力学的力(又はセイル推進力)は、少なくとも1つのセイルによって空気が偏向された結果である。空気力学的力はセイルの位置及び表面積、及び相対風の位置及び強さに関連する。抗力は、相対風の方向にあり、揚力は、相対風に垂直な方向にあって、常にセイルに垂直であるとは限らない。例えば、0°では、空気が、上面及び下面上で厳密に同じ距離を進むので、対称プロファイルは揚力を発生しない。この時点では、抗力のみが発生する。
【0033】
また、セイルによって発生する空気力学的力は、セイルの基準フレームではなく、ボートの基準フレームで分解することができ、セイル推進力(ボートの前進軸にある)と、傾き(風などの外的現象によって引き起こされるボートの横方向の傾斜)を引き起こすドリフト力(ボートの軸に対して直角にある)から構成される。
【0034】
流体力学的力は、ハル及びラダー又はキール及び様々な水中付属物に対する水の摩擦の合力である。その方向は、対抗する空気力学的力、ハイブリッドモードでの推進力、海面状態及び海流に依存する。長手方向成分は流体力学的抗力と呼ばれ、横方向成分はラダー揚力、アンチドリフト力又は流体力学的揚力と呼ばれる。流体力学的力の方向及び強さは、空気力学的力のみに依存するわけではない。ハイブリッドモード(風力及び別のエネルギー源)で航行する船舶(ボート)の場合、流体力学的力は、例えば熱機関又は電気推進によって発生する船速、海面状態及び海流に大きく依存することになる。
【0035】
セイルの力が流体力学的力よりも大きい場合、ボートは加速する。セイルの力が流体力学的力より小さい場合、ボートは減速する。さらに、空気力学的力が大きいがボートの後方に向いている場合、ボートは減速することになる。流体力学的力がボートの進行方向にある場合(流れが強いので)、ボート(セールボート)は加速することになる。
【0036】
セイルの設定を最適化することで、ボート(セイルボート)は進行方向へのセイルの推進力という点で最大の性能を発揮することになる。実際には、相対風及びボートの進行方向に対するセイルの角度の最適化、並びにセイルの表面積の設定により、ボートは、ボートの軸に沿った最大のセイル推進を達成することができる。セイルの内圧に作用することに関して、追加の設定パラメータが存在し得る。これにより、ボートの速度を上昇させること、又は、それどころか、セイル推進を採用して他のエネルギーの消費を減らしながら同じ速度を維持することが可能になる。
【0037】
図1は、上記の各表記を再度使用し、それに固有の参照が以下に列挙される。
a:揚力
b:抗力
c:空気力学的合力
d:空気力学的推進力(船の軸に沿った)
e:空気力学的ドリフト力
f:相対風
g:ウイング及びボート軸の相対角度(例えば15°)
h:相対風とボート軸の角度(例えば30°)
i:プロペラ推進力
j:ハル
k:セイル
l:マスト
m:空気力学的推進力の中心
n:プロペラ
o:固定部分のセンサ(ハル基準フレーム)
p:可動部のセンサ(セイル基準フレーム)
図1で与えられた情報により、ハル基準フレームのデータのセンサからセイル基準フレームのデータのセンサへの移行、及びその逆が可能となる。
【0038】
図2に示すように、本発明の主題で使用されるクローズドループ制御システムは、測定された入力データに基づいて計算する様々なステップを含む。本発明に従って使用される制御システムの目的は、例えばスロットル制御に対応して、達成可能であれば推進力の設定値を達成するか、又は船の軸における推進力の最大値に到達することである。
【0039】
この制御システムは、マスト上の許容可能な最大力、膨張したセイルに許容可能な最大圧力差、あるいは、例えば許容可能な最大傾斜角のような船に関連する制約のような、システムに内在する制約を考慮する必要もある。
【0040】
ハルの基準フレームにセンサを直接配置した、クローズドループ制御システムの使用は、推定値に基づく計算によって取得する必要なしに、調整値(value set)、すなわち船の軸における推進力を直接測定する。他の解決策は、セイルの基準フレーム、つまりセイルの軸とセイルに直角な軸の推進力を測定することである。その場合、セイルの軸及びセイルに直角な軸(セイルの基準フレーム)の力を、船の基準フレームの推進力及びドリフト力に変換するために、船に対するセイルの角度を知る必要がある。セイルの外側と内側の間の圧力差の調整に関しては、膨張式セイルの場合、この圧力差は差圧センサによって測定して、設定された圧力差設定値によって設定することができる、すなわち、例えば、風の強さと方向、風の強さと方向の変動(最大値と最小値の比)、海の状態などを考慮してサーボ制御することもできる。膨張システムは、例えばファンを用いて実装することができる。ファンは、ウイングの内側と外側との間の設定圧力差を達成するために調整される。
【0041】
クローズドループ制御又は調整システムを使用することにより、力を最適化することができ、力センサから供給される値を使用して、CO2排出低減利得を定量化することができる。
【0042】
図3に示すように、本発明による船が備える計算アルゴリズムは、例えば所望の推進力値に対する変換テーブルに基づいて、オープンループ制御システムに従って、ウイング(又は膨張式セイル)の入射角の設定点、ウイング(又は膨張式セイル)の表面積の設定点、及びウイング(又は膨張式セイル)の差圧の設定点を計算することができる。これらの設定値(ウイングの入射角の設定点、ウイングの表面積の設定点、ウイングの差圧の設定点)は、例えばウイングが裂けても又は損傷しても、結果の測定を伴わないので同じままである。
【0043】
オープンループ制御システムでは、例えば膨張式セイルの場合、セイルの内側と外側との間の圧力差に対して所定の圧力差(速度-圧力等価テーブル)に対応するファンの回転速度を調整することによって、圧力の調整に影響を与えることが可能である。ファンがプロペラなしで取り付けられている場合、圧力は良好ではなく、それは見ることができない。それにもかかわらず、この種の問題をチェックすることを可能にする他の手段、例えば、所定の速度に関連したモータ電流の監視などがある。
【0044】
オープンループ制御システムの利点は、ある推進力を得るためにシステムに設定すべき値を事前に知ることができることである。また、力測定センサを省略することも可能である。対照的に、推進力調整の精度が低く、初期推定が不十分な場合、それを知ることができず、同様に、例えば、力センサを通したシステムの物理的反応がないため、性能レベルが時間と共に低下してもそれを知ることができない。
【0045】
オープンループ制御のみを使用する場合、変換テーブル(極座標曲線)を更新することができず、おそらく近似誤差を伴うが、それでも動作は可能である。
【0046】
しかしながら、図4に示すように、本発明による船のコンピュータが使用するアルゴリズムは、クローズドループ制御システムとオープンループ制御システムを組み合わせることができる。
【0047】
2つの制御システムを使用することにより、クローズドループの測定値を使用してオープンループの推定値のテーブルを更新することが可能になる。この変換テーブル(極座標曲線)の変化から、セイルの性能の変化(上回る(慣らし)、下回る(損耗))を知ることができる。これは予防メンテナンスに非常に役立つ可能性がある。この2つのシステムは、計測レベルでは完全に独立することができる。アクチュエータに関して、これは、安全性、信頼性、有用性の観点から特に興味深い可能性がある。
【0048】
最後に、風速と風向を計測するための風向計が故障した場合、ハル(マスト支持部)の計測センサだけを使用する調整は、以下の方法で自律的に動作することができる。
【0049】
最初に、セイルの回転をフリーにすることで、システムは相対風の方を向き、セイルを風向風速計として使用する。これは、マストと推進力中心のオフセット(風に対するウイングのセルフアライメント)により可能になる。
【0050】
次に、許容できる抗力値に対応する一定の高さまでセイルをホイスティングすることが可能である。セイルの抗力を測定することで、風の力を評価することができ、必要なセイル表面積を決定することができる。
【0051】
最後に、例えば最大傾き力など、システムの制限を考慮して、推進力最適値又は設定点を達成することができる。
【0052】
従って、クローズドループに必要な風向計が故障し、クローズドループが機能しなくなった場合でも、クローズドループ制御システムだけを使用することは完全に可能である。2つの独立したシステムを併用することで、得られる応答の信頼性、有用性、安全性を高めることができる。
【0053】
また、これらの制御システムの一方又は他方を交互に使用し、得られた応答の変化を測定することも可能である。
【0054】
これらの制御システムは次のように動作する。
【0055】
最初の段階では、セイルの極座標が計算に使用される。異なる風速と入射角、異なるセイルの表面積(合計又は1、2、又は3縮帆(reef)で縮小された)、場合によっては異なる差圧に関して、極座標がセイルの揚力及び抗力の値を提供する。これらのデータに基づいて空気力学的な合成力が計算される。
【0056】
揚力と空気抵抗力のベクトル和によって、空気力学的合力が得られる。
【0057】
次に、セイルの基準フレームから船の基準フレームに切り替えて、ボートの軸の空気力学的推進力と、ボートの軸に直角なドリフト力(これは船の傾きを引き起こす)を得る必要がある。一方の基準フレームから他方の基準フレームに切り替えるには、セイルの入射角及び船の軸に対するセイルの角度を知る必要がある。
【0058】
以下の説明では、通常モード及び故障を含むモードでのセイルの動作について詳述する。
【0059】
通常モードの例
【0060】
最初は、セイルはセイルレセプタクルに畳まれており、マストは、伸縮式の場合には畳まれた位置にある。セイルレセプタクルは、紫外線、湿気、風、塩分などからセイル生地を守るため、上部を自動的に又は手動で閉じることができる。セイルは回転を阻止され、船の軸に位置決めされる。電子制御は停止される。
【0061】
次に、電子制御装置は電源投入されて検査される。問題がなければ、セイルレセプタクルの上部が手動で又は自動的に開放される。また、セイルの回転は手動で又は自動的に解除される(パーキングモードから出る)。セイルは動作可能な状態になる。
【0062】
セイルのホイスティングは以下のように行われる。
【0063】
このホイスティング段階では、システムは、オープンループモードで正常に(故障なく)動作する。相対風の強さ及び方向、ボートに対するセイルの角度、セイル内部の圧力、その結果予想される推進力及びドリフト力は、事前に知られている。これらのデータにより、セイルに設定される設定値が事前に規定されることになる。従って、セイルは風の方向を向いて位置決めされてホイスティングされ、計算に照らして完全に又は縮帆(reef)を保ちながら展開され、目標入射角は、相対風の速度及び力、ボートに対するセイルの角度、セイル内部の圧力、目標推進力設定値の測定値に応じて更新されることになる。
【0064】
オープンループの要素が故障し、その作動が妨げられた場合、及び、上記で説明した風向計が故障した場合、ホイスティングは、劣化モードではあるが、クローズドループ調整を使用することによって実行することができる。セイルがホイスティングされると全てが明らかになる。最初のステップは、セイル面を相対風に設定することであり、これは、セイルのボートに対する入射角の制御を自由にすることで行うことができる。セイル又はセイルレセプタクルは、空気力学的推進力の中心がマストの軸に対してオフセットしているため、風向計として使用される。このシステムは、自動的に風向きにセットされ、そこから風向きが分かる。風の強さについては、風向きに戻るためのセイルの変位速度を観察することで、最初の評価を得ることができる。セイルを10°オフセットさせ、風向きに戻る速度を観察することだけが必要である。そうすることで、必要なセイルの表面積に関する最初の知識が得られる。また、セイルの抗力を測定することでもセイル面積を決定することができる。次に、セイルを風の方向を向けたままで、例えば、第3の縮帆に相当する最小の表面積にセイルを上げる必要がある。セイルを最大推進力にセットした状態で力が限界を超えない場合、追加の縮帆をフリーにすること、例えば第3の縮帆をフリーにすることができる。力が再び限界に達しない場合、セイルの表面積を再び増やすことが可能であり、セイルの全表面積を展開することができる。ホイスティング段階では、セイルは、風の方向を向いて位置決めされるように自由に回転する。角度が制御されることになる唯一の瞬間は、各々の新しい表面積(縮帆1、縮帆2など)を生じさせるときだけである。ホイスティング時、セイルの内圧及び上昇速度は、ウイングの経年変化(ラフィング)を最小限に抑えながら最適な操作を保証するために設定される。
【0065】
オープンループ及び/又はクローズドループモードでは、オープンループに基づいて設定値は事前に知られているが、予測値と測定値との整合性を継続的に検証し(クローズドループ)、計算モデルをリアルタイムで更新する。
【0066】
セイルは以下のように動作する。
【0067】
セイルの動作時、制限を考慮して要求される設定値に対応するように、あるいは制限を考慮して最大推進力を得るように、設定は、常に最適化又は調整される。
【0068】
この設定は、多くの場合、制限を考慮して推進力を最適化することを可能にするクローズドループ調整を使用することによって行われる。しかしながら、極座標曲線に基づくオープンループの事前設定は、ウイングを最適に近い位置に配置することを可能とし、クローズドループ調整器は、所望の推進力又は最大推進力を達成するために動作点を微調整することができる。また、風向きが急激に変化した場合(風の切り替わり、北風から南風への移行)、クローズドループ調整は一時的に停止させて、ウイングを新しい最適な位置に素早く再配置し、その後、クローズドループ調整を再開させることができる。測定値だけでなく、風予報、あるいはビーコン又は他のボートで測定された値を使用して、事前に設定することも可能である。航行段階では、推進力は最適化されるが、ドリフトなど他の値も、課せられた制限を超えないように観察される。これらの値を超えた場合、入射角を調整することで又はセイルの表面積を小さくする(リーフィングを参照)ことで制限することができる。逆に値が低すぎて、さらに1又は2以上の縮帆を自由にする必要がある場合、これはスラスト力及びドリフト力の監視を続けながら行う必要がある。
【0069】
異なる設定でも所定の推進力が得られることを理解することが重要である。例えば、セイルの入射角を変えること又はセイルの表面積を小さくすることでより低い推進力を得ることができる。
【0070】
角度を変えることの利点は、エネルギーをほとんど必要としない高速な操作である。例えば風が変化している場合、この操作を利用する。
【0071】
また、同時にセイルの表面積を低減しかつ空気力学的推進力の中心の高さを下げるように、リーフィングによってセイルの表面積を低減することも非常に好都合である。この操作は、一旦リーフィングされると、許容できるドリフト値の範囲内にとどまるようにドリフト力を低減することを可能にし、必要であれば再度リーフィングすること又はウイング(又はセール)を完全に下げることもできる。
【0072】
セイルを下げるには、リーフィングと同じ操作を利用する。
【0073】
セイルが下げられると、手動で又は自動的にセイルの回転をロックするために、セイルをボートの軸に位置付けることができる。その後、手動で又は自動的にセイルレセプタクルの上部を閉じることで、外部からの攻撃からセイルを保護する必要がある。その後、電子制御システム及び電源システムを停止することができる。
【0074】
故障の際、様々な状況が発生する可能性がある。そのいくつかを以下に説明する。
【0075】
セイル動作時の電源の完全カット;この場合、セイル操舵モータ(入射)は自由に回転できるように設定され、セイルは、風に向かってフェザーリングすることになる。ファンは停止するが、動的空気取り入れ口は、セイルに十分な圧力を供給し続け、これはウイングのラフィングを防ぐ。従って、セイルは、セイル面を所定の位置に保ち、セイルは風に向かって恒久的にフェザーリングしたままとなる(力の最小化)。
【0076】
オープン調整ループのセンサ(基本的に風速及び風向)の故障:クローズド調整ループがそのまま引き継ぐ。
【0077】
クローズド調整ループのセンサの故障:オープン調整ループがそのまま引き継ぐ。
【0078】
両方の調整ループの故障:セイルが風の方向を向くようにし、セイルにかかる力を最小限にする。これは、ファンを安全に作動させることができない限り、セイルの電力供給を完全にカットするのと同じである。ファンとは別の非常用電源を使用することができる。
【0079】
アクチュエータの喪失
【0080】
ファンの喪失:複数のファンがあるため、その全てを喪失することがないよう、個別に電源を供給することが可能であるべきである。しかしながら、それにもかかわらずこのような事態は起こる可能性がある。この場合、セイルの動的な膨張は、そのラフィングを防ぎ、ファンが修理されるまでの間、リスクなしでセイルを下げることができる。
【0081】
セイルをホイスティング又はロアリングするのに使用するアクチュエータの喪失:ホイスティングはできないが、ロアリングはできる場合は問題ない。安全にするためには、ウイングをロアリングすれば十分である。
【0082】
逆に、ロアリングができない場合は、何がブロックされているかによる。例えば、セイル案内ラインが動作していない場合、ロアリングは可能であるが、ウイングを正しく収納するために手作業を必要とすることになる。リーフィングが動作しなくなった場合も同様である。しかし、マストが下がらなくなった場合は、モータを作動させる手動による解決策がある。対照的に、パイプが固着している場合は、1又は2の要素がもはや引っ込まない可能性がある。その場合、許容できる高さでブロックされた要素に介入するために、他の全ての要素を引き込むことができる。
【0083】
完全に展開したときにマストが実際にブロックされたままであれば、力を最小限にするために、セイル面を風の方向に向けておくことが可能である。
【0084】
セイルの角度を設定するアクチュエータの喪失:マストの角度を設定するアクチュエータの制御の喪失時、入射システムは自動的にフリーモードに設定され、セイルの風の方向に向いているフェザーリングが引き起こされる。しかしながら、アクチュエータがブロックされ、セイルが固定された角度に位置付けられる可能性もあり、これは風の状態によっては危険な場合がある。セイルが風の方向を向くような角度にボートを進めることができれば、セイルを下げることができる。その場合、従来のセイルを備えた全てのセイルボートに当てはまり、大きなセイルは風の方向を向いたままホイスティング又はロアリングする必要がある、船を航路から迂回させることが不可能であるか又は望ましくない場合の他の解決策としては、手動による分離システムを有すること、あるいは力伝達チェーンに可融性(fusible)要素を設けることができ、セイルを風の方向に向かって自由にすることができる。
【実施例1】
【0085】
CO2ゲインは、(NEOLINEのような完全なセイル推進モードへの切り替えがある場合の)船の消費量の100%から、風が真正面にあり、揚力がなく、加えて、さもなければ抗力が発生するためセイルを下げる必要がある場合の0%に変化する可能性がある。これは、畳むことができず、減速することになるローター解決策よりは依然として良好である。状況はマイナスになる。平均的なゲイン値は、航路に応じて10から15%が見込まれることになる。
【実施例2】
【0086】
以下の寸法、
-ボート長:16メートル
-セイル高さ:38メートル
-ハル及びセイルの高さ:41.5メートル
-ハル高さ:3.5メートル
の船の場合、以下の結果が得られる。
【0087】
ボートの軸方向の風の推進力は、特に、実際の風の力及び方向、ボートの速度、ウイングの入射角、セイルの数、セイルのプロファイル、セイルの表面積によって変化することになる。
大きさの順番を決めるために、15ノットの風がボートに対して直角に吹いていると仮定する。セイルは約500m2のシングルセイルとする。
セイルの入射角は8°とする。
ボート自体の速度も大きく影響し、ボートの速度が20ノットの場合の推進力が観察される。
上記の条件では、ボート速度20ノット、風速15ノット、セイルの入射角約8°、500m2のシングルウイングに対するボート軸方向の推進力は27kN、すなわち約280kWとなる。この条件で4枚のセイルを使えば、供給されるパワーはMWを超える。
ドリフト推進力値については、選択したペース(pace)によって、ボートの軸方向の推進力の0から約75%の範囲で桁が変わる。
【符号の説明】
【0088】
a:揚力
b:抗力
c:空気力学的合力
d:空気力学的推進力(船の軸に沿った)
e:空気力学的ドリフト力
f:相対風
g:ウイング及びボート軸の相対角度(例えば15°)
h:相対風とボート軸の角度(例えば30°)
i:プロペラ推進力
j:ハル
k:セイル
l:マスト
m:空気力学的推進力の中心
n:プロペラ
o:固定部分のセンサ(ハル基準フレーム)
p:可動部のセンサ(セイル基準フレーム)
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】