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特表2024-521334マイクロ波を用いたプラズマ発生のシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】マイクロ波を用いたプラズマ発生のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/30 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
H05H1/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573575
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 US2022031962
(87)【国際公開番号】W WO2022256528
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】63/195,946
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523448978
【氏名又は名称】リメレ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒル,ガレット
【テーマコード(参考)】
2G084
【Fターム(参考)】
2G084AA18
2G084CC13
2G084CC14
2G084CC19
2G084CC23
2G084DD03
2G084DD05
2G084DD15
2G084DD44
2G084HH12
2G084HH52
(57)【要約】
プラズマ発生器及びプラズマを発生させる方法が、開示されている。反応ゾーン内の電極は、電極から電気的に絶縁された高電圧電源によって通電される。第1の導体アレイ、好ましくはコイルは、電源に電気的に結合され、電極から電気的に絶縁されている。第2の導体アレイ、好ましくは、第1の導体アレイ内に入れ子にされた同軸コイルは、電極に電気的に結合されている。第1の導体アレイと第2の導体アレイとの間の電磁誘導は、電極に通電し、反応ゾーン内でプラズマを発生させるために使用される。1つ以上のマイクロ波が、プラズマに更に方向付けされて、並列又は直列のいずれかでマイクロ波プラズマを形成する。そのようなプラズマは、炭化水素原料を低C炭化水素、炭素、又は水素に改質するために使用される。誘導プラズマを、連続マイクロ波プラズマと組み合わせるプラズマ発生器が、更に企図される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料を生成物に改質するためのプラズマ発生器であって、
前記原料を受け取り、第1の電極を備える第1の反応ゾーンであって、前記第1の電極が、磁気誘導によって前記第1の反応ゾーン内でプラズマを発生させるように構成されている、第1の反応ゾーンと、
前記第1の反応ゾーンの下流の第2の反応ゾーンに方向付けされた第1のマイクロ波導波管と、を備える、プラズマ発生器。
【請求項2】
前記第1のマイクロ波導波管が、前記プラズマにエネルギー供給し、それを前記第2の反応ゾーンに伝播する、請求項1に記載の発生器。
【請求項3】
前記第2の反応ゾーンの下流の第3の反応ゾーンの周りの誘導コイルを更に備える、請求項1又は2に記載の発生器。
【請求項4】
前記誘導コイルが、前記プラズマにエネルギー供給し、それを前記第2の反応ゾーンから前記第3の反応ゾーンに伝播する、請求項3に記載の発生器。
【請求項5】
前記誘導コイルが、前記第3の反応ゾーンから絶縁されている、請求項3又は4に記載の発生器。
【請求項6】
前記第2の反応ゾーンの下流の第3の反応ゾーンに方向付けされた第2のマイクロ波導波管を更に備え、前記第2のマイクロ波導波管が、前記プラズマにエネルギー供給し、それを前記第3の反応ゾーンに伝播する、請求項2~5のいずれか一項に記載の発生器。
【請求項7】
前記第3の反応ゾーンの下流の第4の反応ゾーンの周りの誘導コイルを更に備える、請求項6に記載の発生器。
【請求項8】
前記誘導コイルが、前記プラズマにエネルギー供給し、それを前記第3の反応ゾーンから前記第4の反応ゾーンに伝播する、請求項6又は7に記載の発生器。
【請求項9】
前記誘導コイルが、前記第4の反応ゾーンから絶縁されている、請求項6~8のいずれか一項に記載の発生器。
【請求項10】
前記第1の反応ゾーンを半径方向に囲み、内部に前記磁気誘導を引き起こすように構成された一対のコイルを更に備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のプラズマ発生器。
【請求項11】
前記一対のコイルが、
前記第1の反応ゾーンの半径方向外側にあるローターンコイルと、
前記ローターンコイルによって半径方向に囲まれており、前記第1の電極に電気的に結合されたハイターンコイルであって、前記ハイターンコイルが、前記ローターンコイルよりも高いターン数を有する、ハイターンコイルと、を備える、請求項10に記載のプラズマ発生器。
【請求項12】
前記ローターンコイルが、前記第1の電極から電気的に絶縁されている、請求項11に記載の発生器。
【請求項13】
前記ローターンコイルが、高電圧電源に電気的に結合されている、請求項11又は12に記載の発生器。
【請求項14】
前記ハイターンコイルが、前記反応ゾーンの外側に配設されている、請求項11~13のいずれか一項に記載の発生器。
【請求項15】
前記ローターンコイル及び前記ハイターンコイルが、同軸であり、共通軸に沿って延在する、請求項11~14のいずれか一項に記載の発生器。
【請求項16】
前記第1の反応ゾーン内に配設され、かつ前記ハイターンコイルによって通電される第2の電極を更に備え、前記第1及び第2の電極が、前記プラズマを発生させる、請求項11~15のいずれか一項に記載の発生器。
【請求項17】
前記第1の電極及び第2の電極が、入れ子にされており、共通軸に沿って延在する、請求項16に記載の発生器。
【請求項18】
前記原料が、5C未満の炭化水素であり、前記生成物が、水素である、請求項1~17のいずれか一項に記載の発生器。
【請求項19】
原料を生成物に改質するためのプラズマ発生器であって、
前記原料を受け取る第1の反応ゾーン内のプラズマに方向付けされた第1のマイクロ波導波管と、
前記第1の反応ゾーンの下流の第2の反応ゾーンの周りの誘導コイルと、を備え、
前記マイクロ波導波管が、前記第1の反応ゾーン内の前記プラズマにエネルギー供給し、前記誘導コイルが、前記プラズマにエネルギー供給し、それを前記第2の反応ゾーンに伝播する、プラズマ発生器。
【請求項20】
前記誘導コイルが、前記第2の反応ゾーンから絶縁されている、請求項19に記載の発生器。
【請求項21】
前記第1の反応ゾーンの上流の反応ゾーン内の前記プラズマに方向付けされた第2のマイクロ波導波管を更に備える、請求項19又は20に記載の発生器。
【請求項22】
前記第2のマイクロ波導波管が、前記プラズマにエネルギー供給し、それを上流の前記反応ゾーンから前記第1の反応ゾーンに伝播する、請求項21に記載の発生器。
【請求項23】
前記第1の反応ゾーンと前記第2の反応ゾーンとの間の反応ゾーン内の前記プラズマに方向付けされた第2のマイクロ波導波管を更に備える、請求項19~22のいずれか一項に記載の発生器。
【請求項24】
前記第2のマイクロ波導波管が、前記プラズマにエネルギー供給し、それを前記第1の反応ゾーンから前記第2の反応ゾーンに伝播する、請求項23に記載の発生器。
【請求項25】
前記第2の反応ゾーンの下流の反応ゾーン内の前記プラズマに方向付けされた第2のマイクロ波導波管を更に備える、請求項19~24のいずれか一項に記載の発生器。
【請求項26】
前記原料と連通する電極を更に備える、請求項19~25のいずれか一項に記載の発生器。
【請求項27】
前記電極が、前記第1の反応ゾーンの上流に配設されている、請求項26に記載の発生器。
【請求項28】
磁気誘導を引き起こすように構成された、前記第1の反応ゾーンの上流にある一対のコイルを更に備える、請求項26又は27に記載の発生器。
【請求項29】
前記一対のコイルが、
ローターンコイルと、
前記ローターンコイルによって半径方向に囲まれており、前記電極に電気的に結合されたハイターンコイルであって、前記ハイターンコイルが、前記ローターンコイルよりも高いターン数を有する、ハイターンコイルと、を備える、請求項28に記載の発生器。
【請求項30】
前記ローターンコイルが、前記電極から電気的に絶縁されている、請求項29に記載の発生器。
【請求項31】
前記ローターンコイルが、高電圧電源に電気的に結合されている、請求項29又は30に記載の発生器。
【請求項32】
前記電極が、第1の電極であり、前記第1の反応ゾーンの上流の前記原料と連通しており、前記ハイターンコイルによって通電される第2の電極を更に備え、前記第1及び第2の電極が、前記プラズマを発生させる、請求項29~31のいずれか一項に記載の発生器。
【請求項33】
前記第1の電極及び第2の電極が、入れ子にされており、共通軸に沿って延在する、請求項32に記載の発生器。
【請求項34】
プラズマ発生器であって、
炭化水素ガスを含む原料流の供給源と結合するように構成された入口と、
前記入口の下流に配設された反応ゾーンであって、前記反応ゾーンが、前記原料の通過のための容積を取り囲み、前記反応ゾーンが、第1の電極を備える、反応ゾーンと、
前記第1の電極に電力を供給する電源と、
更なる処理のために、水素又は炭素を含む反応種を出力するための、前記反応ゾーンの下流に配設された出口と、
前記第1の電極に対応する前記反応ゾーンの場所と前記出口との間の前記反応ゾーンに方向付けされたマイクロ波エミッタと、を備える、プラズマ発生器。
【請求項35】
前記反応ゾーンが、
前記入口から前記原料流を受け取る第1のセグメントと、
前記原料流と反応して前記反応種を生成する、前記第1のセグメント内のプラズマと、を備え、
前記第1のセグメントが、前記反応種を前記反応ゾーンの第2のセグメントに搬送するように構成されており、
前記マイクロ波エミッタによって放出されたエネルギーが、前記第2のセグメントに方向付けされる、請求項34に記載の発生器。
【請求項36】
前記反応ゾーンが、前記第2のセグメントと前記出口との間に配設された追加のセグメントを備える、請求項35に記載の発生器。
【請求項37】
前記反応ゾーンの前記セグメントのうちの1つに沿って配設されたローターンコイルと、前記ローターンコイル内のハイターンコイルとを更に備え、前記ハイターンコイルが、前記ローターンコイルよりも高いターン数を有する、請求項35又は36に記載の発生器。
【請求項38】
前記ハイターンコイルが、前記第2のセグメントの上流の前記第1のセグメントに沿って配設されている、請求項37に記載の発生器。
【請求項39】
前記ハイターンコイルが、前記反応ゾーンの前記容積内に配設されている、請求項37又は38に記載の発生器。
【請求項40】
電源を更に備え、前記電源、前記ローターンコイル、及び前記ハイターンコイルが、1,000ガウス~100,000ガウスの強度を有する磁場を発生させるように構成されている、請求項37~39のいずれかに記載の発生器。
【請求項41】
前記マイクロ波エミッタが、第1のマイクロ波エミッタであり、第2のマイクロ波エミッタを更に備える、請求項34~40のいずれかに記載の発生器。
【請求項42】
前記第2のマイクロ波エミッタが、前記第1のマイクロ波エミッタと直列に配置されている、請求項34~41に記載の発生器。
【請求項43】
前記第2のマイクロ波エミッタが、前記第1のマイクロ波エミッタと並列に配置されている、請求項41に記載の発生器。
【請求項44】
前記第2のマイクロ波エミッタが、前記第1のマイクロ波エミッタの下流に配設されている、請求項41又は42に記載の発生器。
【請求項45】
前記反応種と相互作用するように配設された濾過構造を更に備える、請求項34~44のいずれかに記載の発生器。
【請求項46】
前記濾過構造が、多孔質基材、透過性層、半透過性層、選択的透過性層、又は勾配を含む、請求項45に記載の発生器。
【請求項47】
前記反応種と相互作用するように配設された方向付け構造を更に備える、請求項34~46のいずれかに記載の発生器。
【請求項48】
前記方向付け構造が、回転子、毛細管、又は空洞を備える、請求項47に記載の発生器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年6月2日に出願された米国特許仮出願第63/195946号の優先権の利益を主張する。本明細書で参照される、本明細書及び他の全ての外部参照は、それらの全体が参照により組み込まれる。
【0002】
本発明の分野は、プラズマシステムである。
【背景技術】
【0003】
背景説明は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書に提供される情報のいずれかが先行技術であること、若しくは現在特許請求されている発明に関連するものであること、又は具体的に若しくは暗黙的に参照される任意の刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【0004】
本明細書における全ての刊行物は、個々の刊行物又は特許出願がそれぞれ参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、参照により組み込まれる。組み込まれた参照における用語の定義又は使用が、本明細書に提供されるその用語の定義と一貫性がない、又は齟齬が生じる場合、本明細書に提供されるその用語の定義を適用し、参照におけるその用語の定義は適用しない。
【0005】
プラズマを使用して流体、気体、それらの内容物を処理又は改質することがますます望ましくなっている。例えば、プラズマを炭化水素原料に適用して、より軽い炭化水素、炭素、又は水素を有利に発生させることができる。そのようなシステムは、1つ以上のプラズマ、又は複数のタイプのプラズマを使用することができる。これらの高エネルギーシステムは、システムの一部又は1つ以上の電源を損傷する可能性のある電気フィードバック又は干渉の不利な影響を受けやすい。そのような有害なフィードバック若しくは干渉を防ぐための経済的、堅牢、又は商業的に実用的なソリューションが存在するようには見えない。
【0006】
したがって、流体又は気体を改質するためのプラズマデバイスの耐久性又は性能を改善するシステム及び方法に対するニーズが依然としてある。
【発明の概要】
【0007】
プラズマ発生器が、開示される。反応ゾーンは、第1の電極と、反応ゾーンの外側のローターンコイルとを有する。ハイターンコイルが、ローターンコイル内に配設されており、第1の電極に電気的に結合される。ハイターンコイルは、典型的には、ローターンコイルよりも高いターン数を有する。マイクロ波エミッタが、反応ゾーンに更に方向付けされている。
【0008】
本発明の主題の誘導システム又は構成要素は、米国仮特許出願第62/942,986号及び国際出願第PCT/US2020/063088号に記載されており、その両方は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0009】
いくつかの実施形態では、ローターンコイルは、例えば、誘電体材料によって、第1の電極から電気的に絶縁されている。好ましくは、ローターンコイルは、高電圧電源に電気的に結合される。
【0010】
ハイターンコイルは、反応ゾーンの外側に配設されており、いくつかの実施形態では、壁によって反応ゾーンから分離されるが、ハイターンコイルは、反応ゾーン内に配設することもできる。例えば、ハイターンコイルは、高絶縁耐力絶縁材料を含む閉じた容器にカプセル封入することができる。そのような高絶縁耐力絶縁物質には、ガラス、石英、変圧器油、絶縁磁性粒子、強誘電体粒子、又はタールが含まれる。いくつかの実施形態では、ハイターンコイルは、内側チャンバ内に突出する導電フィードスルーによって第1の電極に電気的に結合される。
【0011】
好ましい実施形態では、ローターンコイル及びハイターンコイルは、同軸であり、共通軸に沿って延在する。第2の電極を、第1及び第2の電極が反応ゾーン内でプラズマを発生させるように、反応ゾーン内に更に配設することができる。第1及び第2の電極は、好ましくは、ローターンコイルから電気的に絶縁される。電源が、ローターンコイルに更に電気的に結合され、いくつかの実施形態では、第1の電極から電気的に絶縁される。マイクロ波エミッタが、典型的には、反応ゾーン内のプラズマに方向付けされる。
【0012】
更なるプラズマ発生器が、企図される。反応ゾーンは、第1の電極を含み、一次導体アレイが、反応ゾーンの外側に配設されている。一次導体アレイは、好ましくは、第1の電極から電気的に絶縁される。二次導体アレイは、第1の電極に電気的に結合され、マイクロ波エミッタは、反応ゾーンに、又は反応ゾーンに向かって方向付けされている。第1の電極は、典型的には、二次導体アレイと電気的に結合され、いくつかの実施形態では、二次導体アレイ、又は少なくともその一部である。
【0013】
一次導体アレイは、典型的には、パターン、例えば、螺旋、コイル、同心円、楕円形、三角形、四角形、高次多角形、不規則な形状、又はそれらの組み合わせで配置され、半径方向又は同軸方向に延在又は伝播することができる。二次導体アレイは、好ましくは、一次導体アレイのパターンを反映する又は近似するパターンで配置される。いくつかの実施形態では、二次導体アレイは、一次導体アレイのパターンよりも密度の高いパターンで配置され、例えば、一次導体アレイと比較して、アレイの各部分の間のスペースが少ない。一次導体アレイを通過する電流は、二次導体アレイ内の電流を誘導することが企図されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、一次導体アレイは、第1のコイルを含み、二次導体アレイは、第2のコイルを含み、好ましくは、その結果、第2のコイルは、第1のコイルよりも大きいターン数を有する。有利には、第1のコイル及び第2のコイルは、同軸であり、共通軸に沿って延在する。第2の電極は、第1及び第2の電極が、個々に又は組み合わせのいずれかでプラズマを発生させるように、反応ゾーンに更に配設することができる。第1及び第2の電極は、好ましくは、一次導体アレイから電気的に絶縁される。電源は、一次導体アレイに更に電気的に結合され、第1の電極から電気的に絶縁される。
【0015】
更なるプラズマ発生器が、企図される。反応ゾーンは、第1の電極を有し、波エミッタは、反応ゾーンに方向付けされている。電源は、第1の電極に通電するが、第1の電極から電気的に絶縁されている。第1の電極は、典型的には接地される。
【0016】
いくつかの実施形態では、電源は、第1の導体アレイと第2の導体アレイとの間の電磁誘導を介して第1の電極に通電することが企図され、第1の導体アレイは、電源に電気的に結合され、第2の導体アレイは、第1の電極に電気的に結合される。好ましい実施形態では、第2の導体アレイ、若しくは少なくとも第1の電極、又はその両方は、電源から電気的に絶縁されている。第1の導体アレイは、電源に電気的に結合され、第1の電極から電気的に絶縁されることが更に企図されている。第2の電極は、第1及び第2の電極がプラズマを発生させるように、反応ゾーンに更に配設することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の電極は、電源から電気的に絶縁されている。
【0017】
波エミッタは、好ましくは反応ゾーン又はプラズマに方向付けされた音波、ガンマ波、X線、UV波、赤外線波、マイクロ波、又は電波のうちの1つを発生させる。
【0018】
電気的過負荷、流入、又は干渉を防止するために、電磁誘導を使用して電極をその電源からデカップリングすることが好ましいが、そのようなデカップリングを実施する、又はそうでなければ電源を損傷から保護するために代替又は追加の方法が使用され得ることも企図される。例えば、チョークコイルを電極に取り付けて、電源に戻って伝播する無線周波数(RF)を減衰させることができる。そのような方法は、依然として、直流(DC)及び低周波数波が通過することを可能にする。フェライトロッドを、チョークコイルの中央に設置することができ、別の同心コイルが、チョークがRFを減衰させているかどうかをリアルタイムで感知する方法として、フェライトロッドの相互インダクタンスを使用することができる。
【0019】
プラズマを発生させる方法が、更に企図される。電源は、第1の電極に通電するために使用されるが、第1の電極は、好ましくは、電源から電気的に絶縁される。通電された第1の電極は、次いで、プラズマを発生させるために使用される。次いで、波が、プラズマに方向付けされる。波は、音波、ガンマ線、X線、UV波、赤外線波、マイクロ波、若しくは電波のうちの1つ、又はそれらの組み合わせであり得る。波は、波エミッタを向けることによって、又は反応ゾーン又はプラズマに波を方向付けするために導波管を使用することによって、方向付けされ得る。
【0020】
第2の電極は、プラズマを発生させるために更に使用され得る。好ましくは、第2の電極は、電源から電気的に絶縁されているが、電源は、第2の電極に通電する。例えば、第1の電極に通電することは、第1の導体アレイと第2の導体アレイとの間の電磁誘導を用い、第1の導体アレイは、電源に電気的に結合され、第2の導体アレイは、第1の電極に電気的に結合され、好ましくは互いに絶縁される。
【0021】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様、及び利点は、同様の数字が同様の構成要素を表す添付の図面とともに、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】いくつかの実施形態の例示的な誘導フィードスルーシステムを図示する。
【0023】
図1B】いくつかの実施形態の誘導フィードスルーシステムの上面斜視図を示す。
【0024】
図1C】いくつかの実施形態の誘導フィードスルーシステムの別の上面斜視断面図を示す。
【0025】
図1D】いくつかの実施形態の誘導フィードスルーシステムの側面断面図を示す。
【0026】
図2A】いくつかの実施形態の代替的な誘導フィードスルーシステムを図示する。
【0027】
図2B】いくつかの実施形態の代替的な誘導フィードスルーシステムの側面断面図を示す。
【0028】
図2C】いくつかの実施形態の代替的な誘導フィードスルーシステムの上面斜視図を示す。
【0029】
図3A】別の誘導フィードスルーシステムを図示する。
【0030】
図3B図3Aのフィードスルーシステムの側面断面図を示す。
【0031】
図4】本発明の主題の誘導システムを図示する。
【0032】
図5】本発明の主題の別の誘導システムを図示する。
【0033】
図6】本発明の主題のプラズマ発生器を図示する。
【0034】
図7】本発明の主題の導波管を図示する。
【0035】
図8】本発明の主題の更なる導波管を図示する。
【0036】
図9】本発明の主題の別のプラズマ発生器を図示する。
【0037】
図10A】本発明の主題の様々なプラズマ発生器のダイヤグラムを示す。
図10B】本発明の主題の様々なプラズマ発生器のダイヤグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書に提供される情報のいずれかが先行技術であること、若しくは現在特許請求されている発明に関連するものであること、又は具体的に若しくは暗黙的に参照される任意の刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【0039】
本発明の主題は、誘導フィードスルーを介してプラズマ発生デバイスに高電圧電力を送達するための装置、システム、及び方法を提供する。例えば、昇圧変圧器、高絶縁耐力材料、静電又は電磁ピックアップ、流体流動形態、及び電気負荷は、本発明の主題によって使用される。いくつかの実施形態では、ローターン一次コイルは、絶縁材料の周りに巻かれ、高電圧電源に接続される。二次ハイターンコイルは、励起されている媒体(固体、液体、気体、プラズマ、及び/又は混合物)内に配設されており、電極アセンブリに直接接続され、又は高絶縁耐力絶縁物質(ガラス、石英、変圧器油、絶縁磁性粒子、強誘電体粒子、及び/又はタールなど)を包含する閉じた容器にカプセル封入され、短い導電フィードスルーによって電極アセンブリに接続され得、例えば、絶縁容器から励起されている媒体内に突出する。電極アセンブリ(非熱的又は熱的)によって作成されたプラズマは、好ましくは、プラズマから発生した電磁場及び静電場が、一次及び二次コイル上に広いスペクトルの周波数を誘導するように、一次及び二次コイルによって囲まれており、これは次いで、電気フィルタリング及び/又は追加の回路にかかわらず、プラズマ電極アセンブリへの直接フィードバックを形成する。
【0040】
このような誘導フィードスルーシステムは、多くの方法で適用することができる。例えば、それは、複雑さの低い機器を使用して、複雑な材料(例えば、液体、固体、気体、若しくはプラズマ相、又はそれらの組み合わせの燃料流、空気流、排気流、混合流、炭化水素流、等)を処理することに適用することができ、例えば、炭化水素、天然ガス、又はメタンの流れを、炭素及び水素に改質し、そのような水素は、好ましくは燃料電池において貯蔵又は使用される。特定の高速化学プロセスは、複雑なフィードバックプロセスを必要とする。有利なことに、本発明の主題の誘導フィードスルーシステムは、当技術分野で既知の複雑なフィードバックプロセスで達成されるよりも、直接フィードバックを使用してより速くその影響場を変化させる。本発明の主題はまた、変圧器、送電線、又はフィードスルーのコロナ損失又は電圧破壊を抑制するために、エネルギー伝送システムに適用することができる。別の観点から見ると、変圧器、送電線、及びフィードスルーは、本発明の主題によって単一のデバイスに統合され、複雑さの低減、電力効率の向上、及びフィードバック応答の改善をもたらす。
【0041】
いくつかの実施形態では、誘導システムを使用して、反応ゾーン内の電極を電源からデカップリング又は絶縁することができる。これは、電極での電気的フィードバック又は干渉が、電源又はシステムの他の部分を損傷するのを防ぐのに特に有用であり、効果的である。例えば、そのようなデカップリングは、電極又は電極の近くに方向付けされたマイクロ波エネルギー又は他の無線周波数エネルギーが、電源又はシステムの他の部分を損傷することを防ぐのに有効である。
【0042】
本発明の主題はまた、エネルギー生産にも適用することができる。誘導フィードスルーシステムの直接フィードバック機能は、プラズマの運動及びポテンシャルエネルギーを自己調整し、電源、デバイス、及び負荷間の力率を最適化する。性能係数は、閉じた電場、磁場、及び光子場を、近場及び遠場の開いた電場、磁場、及び光子場と結合することを介して増加する。
【0043】
それはまた、推進、例えば宇宙船推進にも適用することができる。誘導フィードスルーシステムは、直接電気流体力学(EHD)及び磁気流体力学(MHD)フィードバックを介して媒体の増加した流体力学的制御を可能にする。粒子-粒子相互作用間の微小圧力差は、より大きなイオン音響変位に凝集され、プラズマ内に圧縮され、複雑化された波を発生させ、誘導フィードスルーシステムによる高エネルギー及び中性粒子の影響を加速するために使用される。
【0044】
いくつかの実施形態では、電極アセンブリは、反応チャンバの内側チャンバ内に配設されている。電極アセンブリは、ローターンコイルに接続され、ハイターンコイル上の第1の電極は、接地に更に接続される。ハイターンコイル上の第2の電極は、接地から絶縁されている。いくつかの実施形態では、第1の電極及び第2の電極は同じではない。アセンブリは、典型的には、第1又は第2の電極の上流に位置付けられた、ローターンコイルに接続された第3の電極を含むことができる。好ましい実施形態では、ローターンコイルは、反応チャンバの外壁の周りに配設されており、ハイターンコイルは、内側チャンバの外壁の周りに配設されている。いくつかの実施形態では、ハイターンコイルは、内側チャンバの内壁の周りに配設されている。
【0045】
本発明の主題は、原料(例えば、炭化水素、低C(<5)炭化水素、天然ガス、メタン、等)を生成物(例えば、水素、炭素、原料よりもCが低い炭化水素、等)に改質するプラズマ発生器のための方法、システム、及びデバイスを更に企図する。第1の反応ゾーンが、原料を受け取り、第1の電極を備え、第1の電極は、磁気誘導(例えば、電極は、対の誘導コイルを介して通電される)によって、第1の反応ゾーン内でプラズマ(例えば、DBDプラズマ、アークプラズマ、グライドアークプラズマ、等)を発生させるように構成されている。第1のマイクロ波導波管(又はエミッタ)が、第1の反応ゾーンの下流の第2の反応ゾーンに方向付けされている。好ましくは、第1のマイクロ波導波管は、プラズマにエネルギー供給し、それを第2の反応ゾーンに伝播する(それが、伝播する、拡散する、延在する、等を可能にする)。
【0046】
いくつかの実施形態は、第2の反応ゾーンの下流の第3の反応ゾーンの周りの誘導コイルを含む。誘導コイルは、プラズマにエネルギー供給し、それを第2の反応ゾーンから第3の反応ゾーンに伝播し、誘導コイルは、第3の反応ゾーンから絶縁されている。
【0047】
第2のマイクロ波導波管は、任意選択で、第2の反応ゾーンの下流の第3の反応ゾーンに方向付けされ、それにより、第2のマイクロ波導波管が、プラズマにエネルギー供給し、それを第3の反応ゾーンに伝播する。そのような場合、誘導コイルは、第3の反応ゾーンの下流の第4の反応ゾーンの周りに更に配設されている。誘導コイルは、プラズマにエネルギー供給し、それを第3の反応ゾーンから第4の反応ゾーンに伝播する。好ましくは、誘導コイルは、第4の反応ゾーンから絶縁されている。
【0048】
実施形態は、第1の反応ゾーンを半径方向に囲み、内部に磁気誘導を引き起こし、例えば、第1の電極に通電するように構成された、一対のコイルを更に含む。一対のコイルは、典型的には、第1の反応ゾーンの半径方向外側のローターンコイルと、ローターンコイルによって半径方向に囲まれたハイターンコイルとを含み、ハイターンコイルは、第1の電極に電気的に結合されている。概して、ハイターンコイルは、ローターンコイルよりも高いターン数を有する。ローターンコイルは、第1の電極から電気的に絶縁され、高電圧電源に電気的に結合されている。ハイターンコイルは、反応ゾーンの外側に配設されている。ローターンコイル及びハイターンコイルは、概して同軸であり、部分的に共通軸に沿って延在しており、一部重なり合っている。
【0049】
第2の電極が、第1の反応ゾーン内に更に配設され、ハイターンコイルによって通電され得、それにより、第1及び第2の電極が、プラズマを発生させる。第1の電極及び第2の電極は、典型的には入れ子にされており、共通軸に沿って延在しており、一部重なり合っている。
【0050】
原料を生成物に改質するプラズマ発生器のための更なるシステム、方法、及びデバイスが企図される。第1のマイクロ波導波管が、原料を受け取る第1の反応ゾーン内のプラズマに方向付けされる。誘導コイルが、第1の反応ゾーンの下流の第2の反応ゾーンの周りに配設されている。マイクロ波導波管は、第1の反応ゾーン内のプラズマにエネルギー供給し、誘導コイルは、プラズマに少なくとも部分的にエネルギー供給し、それを第2の反応ゾーンに伝播する(例えば、延在、拡散、有効化、等)。誘導コイルは、第2の反応ゾーンから絶縁されている。好ましくは、電極は、第2の反応ゾーン内の原料又はプラズマと直接連通していない。
【0051】
いくつかの実施形態では、第2のマイクロ波導波管は、第1の反応ゾーンの上流の反応ゾーン内のプラズマに方向付けされている。第2のマイクロ波導波管は、プラズマにエネルギー供給し、それを上流の反応ゾーンから第1の反応ゾーンに伝播する。代替的に、又は組み合わせて、第2の(又は追加の)マイクロ波導波管が、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとの間の反応ゾーン内のプラズマに方向付けされ、それにより、第2のマイクロ波導波管がプラズマにエネルギー供給し、それを第1の反応ゾーンから第2の反応ゾーンに伝播する。更に、第2の(又は追加の)マイクロ波導波管が、追加的に、又は代替として、第2の反応ゾーンの下流の反応ゾーン内のプラズマに方向付けされ得る。
【0052】
電極は、更に、例えば、第1の反応ゾーンの上流で、原料と連通して配設され得る。一対のコイルがまた、第1の反応ゾーンの上流に配設され得、磁気誘導を引き起こす(例えば、電極に通電する、誘導プラズマを発生させる、等)ように構成される。一対のコイルは、典型的には、ローターンコイル及びハイターンコイルを含み、ハイターンコイルは、ローターンコイルによって半径方向に囲まれており、電極に電気的に結合され、ハイターンコイルは、ローターンコイルよりも高いターン数を有する。好ましくは、ローターンコイルは、電極から電気的に絶縁され、高電圧電源に結合される。
【0053】
いくつかの実施形態では、電極は、2つ以上の電極のうちの第1の電極であり、例えば、第2の電極が、第1の反応ゾーンの上流の原料と連通し、ハイターンコイルによって通電されると、それにより、第1及び第2の電極がプラズマを発生させる。そのような場合、第1の電極及び第2の電極は、入れ子にされており、共通軸に沿って延在し、少なくとも部分的に重なっている。
【0054】
プラズマ発生器のための更なるシステム、方法、及びデバイスが、企図される。入口が、炭化水素ガスを含む原料流の供給源と結合するように構成されている。第1の電極を有する反応ゾーンが、入口の下流に配設されており、原料の通過のための容積を取り囲む。電源は、第1の電極に電力を供給する。出口が、更なる処理のために、水素若しくは炭素、又はその両方を含む反応種を出力するために、反応ゾーンの下流に配設されている。マイクロ波エミッタが、第1の電極と出口との間の反応ゾーンに方向付けされている。
【0055】
いくつかの実施形態では、反応ゾーンは、入口から原料流を受け取る第1のセグメントを含む。第1のセグメント内のプラズマが、原料流と反応して、反応種を生成する。第1のセグメントは、典型的には、反応種を反応ゾーンの第2のセグメントに搬送するように構成されており、一方、マイクロ波エミッタによって放出されたエネルギーは、第2のセグメントに方向付けされる。反応ゾーンは、第2のセグメントと出口との間に配設された追加のセグメントを含むことができる。同様に、ローターンコイルは、ローターンコイル内のハイターンコイルとともに(少なくとも部分的に)、反応ゾーンのセグメントのうちの1つに沿って配設することができる。ハイターンコイルは、典型的には、ローターンコイルよりも高いターン数を有する。いくつかの実施形態では、ハイターンコイルは、第2のセグメントの上流の第1のセグメントに沿って配設されており、代替的に又は組み合わせて、反応ゾーンの容積内に配設され得る。
【0056】
電源が、更に含まれ得、それにより、電源、ローターンコイル、及びハイターンコイルが、1,000ガウス~100,000ガウスの強度を有する磁場を発生させるように構成されている。
【0057】
マイクロ波エミッタは、第2の又はそれ以上のマイクロ波エミッタが含まれる場合、第1のマイクロ波エミッタなどのいくつかのエミッタのうちの1つであり得る。第2のマイクロ波エミッタは、第1のマイクロ波エミッタと直列又は並列に配置することができ、第1のマイクロ波エミッタの下流(又は上流)に配設することができる。
【0058】
例えば、多孔質基材、透過性層、半透過性層、選択的透過性層、若しくは勾配、又はそれらの組み合わせのうちの1つである、濾過構造が、反応種と相互作用するように更に配設され得る。同様に、例えば、回転子、毛細管、若しくは空洞、又はそれらの組み合わせである、方向付け構造が、反応種と相互作用するように配設され得る。
【0059】
図1Aは、誘導フィードスルーシステム100の例を図示する。誘導フィードスルーシステム100は、外側チャンバ105及び内側チャンバ110を含む。示されるように、内側チャンバ110は、外側チャンバ105内に少なくとも部分的に配設されている。好ましくは、全内側チャンバ110は、外側チャンバ105内に配設されている。いくつかの実施形態では、外側チャンバ105は、ガラス、石英、等などの絶縁材料で大部分作られている。いくつかの実施形態では、内側チャンバ110はまた、大部分がガラス、石英、等などの絶縁材料で作られている。
【0060】
誘導フィードスルーシステム100はまた、一次コイル115及び二次コイル120を含む。一次コイル115及び二次コイル120の両方は、大多数の高導電性材料を含む。一次コイル115及び二次コイル120として使用することができるコイルの例としては、銅線、リソグラフィによって堆積された導体、導電性媒体を有する管、等が挙げられる。いくつかの実施形態では、一次コイル115は、外側チャンバ105の外壁の周りに巻かれている。一次コイル115はまた、高電圧電源125に接続されている。いくつかの実施形態では、二次コイル120は、内側チャンバ110の外壁の周りに巻かれている。示されるように、二次コイル120は、一次コイル115よりも高いターン数を有し、それにより、互いに近接して設置された場合、一次コイル115及び二次コイル120は、一緒に働いて、昇圧変圧器を形成する。
【0061】
好ましくは、二次コイル120は、一次コイル115よりも実質的により多くのターン数(例えば、2倍、3倍、4倍、等)を有する。一次コイル115及び二次コイル120は、互いに物理的に接続されていない。いくつかの実施形態では、二次コイル120は、高絶縁耐力絶縁物質(ガラス、石英、変圧器油、絶縁磁性粒子、強誘電体粒子、及び/又はタールなど)を含む閉じた容器内にカプセル封入されており、閉じた容器は、内側チャンバ110の外壁の周りに配設されている。
【0062】
好ましくは、電源125は、500ボルト(V)~50,000Vの範囲内の電圧を一次コイル115に供給する。一次コイル115及び二次コイル120の昇圧変圧態様を通じて、二次コイル120は、500V~1メガボルトの範囲内のより高い電圧を伝えるように誘導される。この電力の入出力を用いて、コイル構成は、1,000ガウス~100,000ガウスの強度を有する磁場を発生させることができる。利点の1つは、このシステムが、電力漏洩を回避するために電力線を通してそのような高電圧を伝送することなく、電極に非常に高い電圧を供給することができることである。
【0063】
いくつかの実施形態では、誘導フィードスルーシステム100はまた、電極アセンブリ130を含む。電極アセンブリ130は、好ましくは、内側チャンバ110内に配設されている。電極アセンブリ130は、二次コイル120が電極アセンブリ130に電力供給するために使用され得るように、二次コイル120に接続されている。これらの実施形態のいくつかでは、誘導フィードスルーシステム100は、閉じたカプセル封入を通過して、二次コイル120を電極アセンブリ130に直接接続する短い導電フィードスルーを含む。電極アセンブリ130は、内側チャンバ110内で電磁エネルギーを放出するように構成された少なくとも1つの電極を含む。
【0064】
図1Aの実施形態は、内側チャンバ110内に配設された電極アセンブリ130を描写するが、チャンバ110内に配設され得る電極はないことが理解されるべきである。そのような用途では、一次及び二次コイル115及び120は、励起ゾーン135内のプラズマ、例えば、励起ゾーンの上流からのプラズマ(例えば、グライドアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、等)にエネルギー供給し、又はそれを伝播させるために使用される。そのような実施形態では、一次コイル115と二次コイル120との間の誘導は、励起ゾーン内の流れからの汚染物質又は副産物の蓄積又は堆積を好ましく回避しながら、そのようなプラズマにフィードバックを延在若しくは修正するか、又はそうでなければ提供することができる。
【0065】
内側チャンバ110はまた、電極アセンブリ130によって生成された電磁エネルギーによって励起される物質が内側チャンバ110の励起ゾーン145を通過できるように、入口135及び出口140を含む。励起ゾーン145を通過することができる物質は、固体、液体、気体、プラズマ、又はこれらの物質(例えば、空気、水/水蒸気、工業用流体、及び内燃機関排気ガス)のいずれかの混合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、励起ゾーン145は空である(励起される物質を除く)が、励起ゾーンは、物質又はその一部(例えば、多孔質基材、透過性層、半透過性層、選択的透過性層、回転子、毛細管、空洞、等)を保持、チャネリング、濾過、又は方向付けるための充填材料を更に含むことができる。
【0066】
物質は、矢印によって示された方向に従って、誘導フィードスルーシステム100の内側チャンバ110を通過し得る。外側チャンバ105及び内側チャンバ110のハウジングは、一次コイル115を二次コイル120から絶縁し、また両方のコイルを励起ゾーン145から絶縁する。この構成の下で、誘導フィードスルーシステム100は、励起ゾーン145内のプラズマ(熱又は非熱のいずれか)を放出して、励起ゾーン145を通過する物質を励起する。プラズマ及び励起された物質から発生した電磁場及び静電場は、フィードバックとして一次コイル115及び二次コイル120に戻る広いスペクトルの周波数(振動)を誘導し得る。
【0067】
一次コイル115及び二次コイル120上のフィードバックは、電気駆動波形として検出することができ、これは、(1)励起ゾーン145内部で励起されている物質のタイプを確認すること、(2)電極アセンブリ130によって発生したプラズマのエネルギー密度を確認すること、(3)プラズマ発生性能の係数を増加させること、(4)プラズマプロセスの化学選択性を増加させること、及び(5)プラズマアンテナを介して情報を送受信する電力を変調することに使用することができる。本発明の主題は、任意の追加の回路又は複雑なフィードバックシステムを使用することなく、この検出を可能にする。
【0068】
いくつかの実施形態では、誘導フィードスルーシステム100はまた、励起ゾーン145内を流れる荷電粒子の移動からエネルギーを収穫するように構成された磁気流体力学セル(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、磁気流体力学セルは、励起ゾーン145の内部又は励起ゾーン145の下流に配設されている。いくつかの実施形態の磁気流体力学セルは、荷電媒体内に配設されている2つの電極で構成することができる。電極は、電動電極アセンブリ並びに同じ励起ゾーン145内に配設された別の電極アセンブリであり得る。励起ゾーン145を通って移動する荷電粒子は、二次コイル120及び一次コイル115上に電圧を誘導し得る。いくつかの実施形態の磁気流体力学セルは、プラズマ内の荷電粒子の移動を直接電力に変換し、同時にプラズマ内の不安定性を確立及び/又は調節するような方法で、プラズマの電磁、静電、音響、熱イオン、及び光子放出を集中する、相補的な磁気、電気、音響、熱イオン、及び/又は光子部材を有する。
【0069】
場合によっては、励起ゾーン145内の励起物質から放出される電磁放射は、励起物質へと方向転換して戻されるか、又はアセンブリによって吸収される。電極アセンブリ130、外側チャンバ110で使用される絶縁材料、及び電磁コイル115及び120は、プラズマから放射された電磁スペクトルの一部をプラズマに本質的に反射する。プラズマ上に発出され、反射されるこの電磁放射線は、電極アセンブリ上に反射する紫外線を通して電極の仕事関数を低下させることによって、媒体のイオン化を支援し、プラズマ上に反射される光子は、プラズマの選択的領域で発生する他の光イオン化プロセス、並びにプラズマ前後の非イオン化ガスについてプラズマに通知する。
【0070】
いくつかの実施形態では、誘導フィードスルーシステム100はまた、容量性/静電誘導結合を含む。導電性プレートが、外側チャンバ105及び内側チャンバ110の絶縁ハウジングの内側及び外側に収容されて、高電圧DCを電極に送達し、同時にプラズマに対する直接容量性フィードバックとなる。いくつかの実施形態では、誘導フィードスルーシステム100は、2つの内部導電性プレートを含み、各々が電極端子に接続されている。
【0071】
いくつかの実施形態では、誘導フィードスルーシステム100はまた、誘導結合を含む。誘導結合は、測定を行い、影響を与え、又は二次コイル120及び/又は一次コイル115に対して直接フィードバックを提供するために、イオン化媒体の近く又はその内部(励起ゾーン145内)に配設されたフィードバック電磁コイルとして実装することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、誘導フィードスルーシステム100はまた、負の抵抗結合を含む。イオン化可能な媒体(例えば、気体、液体、固体、プラズマ、又はそれらの混合物)を包含する誘電体容器であって、それは、測定を行い、影響を与え、又は二次コイル120及び/又は一次コイル115に直接フィードバックを提供するために使用され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、誘導フィードスルーシステム100はまた、磁気流体力学的/電気流体力学的結合を含む。プラズマストリーム内に配設された電極は、一次コイル115及び二次コイル120、DC永久磁場又は他の外部磁場源から発生した磁場によって囲まれている。磁気流体力学的/電気流体力学的結合は、一次コイル115及び/又は二次コイル120のためのフィードバック機構として使用することができ、又は荷電粒子の移動の電荷分離から直接電力を生成するために使用することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、誘導フィードスルーシステム100はまた、電極アセンブリ、絶縁チャンバ、及び電磁コイルに、プラズマから放射された放射電磁スペクトルの一部をプラズマ上に再帰反射させることによって、フォトニックフィードバックを提供する。誘導フィードスルーシステム100はまた、化学反応、電気的フィードバック、及び熱シグネチャを決定するためのプラズマからの化学光学放射を測定することができる半導電センサを含むことができる。
【0075】
図1Bは、誘導フィードスルーシステム100の上面斜視図を示す。一次コイル115は、外側チャンバの外壁の周りに巻き付けられてはっきりと見える。誘電体媒体ポート150及び155もまた、より明確に視覚化されている。様々な誘電体媒体(及び相)は、本発明の主題における使用に適合するが、好ましい実施形態では、誘電体媒体は、液体誘電体である。誘電体媒体ポート150及び155は、誘電体媒体が外側チャンバ105を液体誘電体で満たすことを可能にする。
【0076】
図1Cは、誘導フィードスルーシステム100の別の上面斜視断面図を示す。この図では、絶縁層160、165、170、及び175がより明確に描写されている。この実施形態では、一次コイル115は、絶縁層160の周りを巻き付け、一方、絶縁層165は、外側チャンバ105を画定する壁の一部を構成する。絶縁層170は、外側チャンバ105の別の壁を構成し、その周りに二次コイル120が巻き付けられている。絶縁層175は、励起ゾーン145を画定する壁の一部を構成する。
【0077】
図1Dは、誘導フィードスルーシステム100の側面断面図を示す。
【0078】
図1A図1Dは、二次コイルが誘導フィードスルーシステムの内側チャンバの外壁の周りを巻き付ける、本発明の主題の一実施形態を図示する。しかしながら、いくつかの実施形態では、二次コイルは、物質が励起ゾーンを通過するとき、物質が二次コイルを囲むように、内側チャンバ内に配設することができる。
【0079】
図2Aは、そのような誘導フィードスルーシステム200の例を図示する。誘導フィードスルーシステム200は、物質がチャンバ205に入ることを可能にするように構成された入口210と、物質がチャンバ205を出ることを可能にするように構成された出口215とを有するチャンバ205を含む。誘導フィードスルーシステム200はまた、一次コイル220及び二次コイル225を含む。一次コイル220は、チャンバ205の外壁上に配設されており、一方、二次コイル225は、チャンバ205内に配設されている。
【0080】
誘導フィードスルーシステム100と同様に、二次コイル225は、好ましくは、一次コイル220よりも実質的により多くのターン数(例えば、2倍、3倍、4倍、等)を有する。一次コイル220及び二次コイル225は、互いに物理的に接続されていない。いくつかの実施形態では、二次コイル225は、高絶縁耐力絶縁物質(ガラス、石英、変圧器油、絶縁磁性粒子、強誘電体粒子、及び/又はタールなど)を含む閉じた容器内にカプセル封入されており、閉じた容器は、チャンバ205内に配設されている。
【0081】
いくつかの実施形態では、誘導フィードスルーシステム200は、任意選択で、電極アセンブリを含む。電極アセンブリは、チャンバ205の励起ゾーン235内で電磁エネルギーを放出するように構成された少なくとも1つの電極を含む。電極アセンブリは、好ましくは、チャンバ205内に配設されている。誘導フィードスルーシステム100とは異なり、誘導フィードスルーシステム200の二次コイル225は、電極アセンブリ230内に配設されており、任意選択で電極アセンブリと直接接続されている。
【0082】
図2Bは、誘導フィードスルーシステム200の側面断面図を示す。
【0083】
図2Cは、誘導フィードスルーシステム200の上面斜視図を示す。
【0084】
図3Aは、宇宙船スラスタ300の側面プロファイル図を描写する。宇宙船スラスタ300は、本発明の主題の誘導フィードスルーシステムを使用して宇宙船を推進する。スラスタ300は、外壁305及び内壁310を含み、各々は、好ましくは絶縁体である。一次コイル315は、外壁305の一部の周りに巻かれており、二次コイル320は、内壁310の一部の周りに巻かれている。前述したように、一次コイル315は、ローターンコイルであり、二次コイル320は、ハイターンコイルである。高電圧コネクタ325は、高電圧源を用いて一次コイル315に通電するために使用される。電極アセンブリ330は、内壁310の内面上に配設されている。
【0085】
図3Bは、スラスタ300の側面断面図を描写する。この透視図では、一次コイル315に通電する高電圧コネクタ36も見ることができる。電極アセンブリ330は、一次コイル315に接続されたローターンコイル電極332、及び二次コイル320に接続されたハイターンコイル電極334を含む。いくつかの実施形態では、電極334のうちの1つは、接地されている。反応ゾーン350がまた、内壁310内に描写されている。入口340及び出口345は、推進剤(例えば、気体、流体、質量、等)が反応ゾーン350を通過し、推力を発生させることを可能にする。
【0086】
図4は、本発明の主題の誘導システム400を描写する。重要なことに、電源410は、電極420に物理的に結合されていない。むしろ、電源は、一次コイル430のセットを通じて電流を送り、これは次いで、最終的にプラズマを発生させるために電極420に通電する二次コイル440のセット内の電流を駆動する。コイル440の二次セットは、好ましくは、一次コイル430よりも高いターン数を有し、コイル440の二次セットが電極420への増加した電圧を駆動することを可能にする。また、二次コイル及び/又は電極は、接地450によって接地され、それは、任意の電気的フィードバック又は干渉を、一次コイル430又は電源410に渡すのではなく、接地に駆動し、システム400への損傷を防ぐことに留意されたい。
【0087】
図5は、図4と同様の誘導システム500を描写する。ここで、電源510は、一次電流530に電流を駆動し、それは同様に、二次コイル540内の電流を誘導する。誘導電流は、容量的に結合された電極520電極に通電して、プラズマを発生させる。
【0088】
図6は、本発明の主題のプラズマ発生器600を描写する。ローターンコイル620のセットは、電源(図示せず)によって通電される。次いで、ローターンコイル620は、電磁誘導を介して、入れ子にされたハイターンコイル630のセットに電流を付与する。ハイターンコイル630は、外側電極650及び外側電極650内に入れ子にされた内側電極640に電気的に結合される。通電されると、2つの電極は、ゾーン660内にプラズマ、例えば、誘電体バリア放電プラズマ、グライドアークプラズマ、又は回転グライドアークプラズマ、等を発生させる。原料(例えば、12C未満の炭化水素、6C未満の炭素、4、3、又は2C未満の炭素、天然ガス、メタン、等)は、入口610でシステムに供給され、外側電極650又は内側電極640に向かって、又はゾーン660内でそこから発生したプラズマに向かって駆動される。
【0089】
導波管、例えばマイクロ波ガイド670は、プラズマがゾーン680に延在するようにプラズマに方向付けされ、ゾーン680内にマイクロ波プラズマを発生させるために、マイクロ波をプラズマに向かって駆動するために使用される。プラズマ及びマイクロ波プラズマは、原料にエネルギー供給し、原料をその構成部分、例えば、炭素及び水素、又は低C(例えば、6、5、4、3、又は2未満)の炭化水素に改質する。次いで、反応種(例えば、原料、炭素、水素、等の成分)は、出口690を通過し、それらは、更に処理され、分離され、精製され、収集され、又は使用される(例えば、電気を発生させるために燃料電池によって使用される水素)。描写されるように、コイル620又は630、又は電極640及び650に接触するシステムの部分に誘電体材料を使用することが好ましい。
【0090】
図7は、本発明の主題のシステム700を描写する。入口710は、原料(例えば、低C炭化水素、天然ガス、等)に結合されて、原料をシステムに送達する。原料は、最初に処理及び点火システム720において処理される。処理及び点火システム720は、1つ以上のプラズマ(例えば、DBDプラズマ、グライドアーク、等)を発生させるために、本明細書に開示される1つ以上の電極を含むことができる。原料及びプラズマは、反応ゾーン750及び770と交差する反応器管730に沿って下流に方向付けされる。導波管スプリッタ740は、プラズマを反応ゾーン750内にかつそれを通ってエネルギー供給及び伝播する(例えば、拡散する、延在する、拡大する、等)ように、マイクロ波作用反応ゾーン750を方向付けする。導波管スプリッタ740は更に、プラズマを反応ゾーン760内にかつそれを通ってエネルギー供給及び伝播する(例えば、拡散する、延在する、拡大する、等)ように、反応ゾーン760にマイクロ波を方向付けする。
【0091】
原料が、反応管730(及び反応ゾーン750及び760)を通過すると、それは、反応管730に沿ったプラズマ(例えば、連続プラズマ、各ゾーン内の別個のプラズマ、それらの組み合わせ、等)によって、水素、炭素、又は原料よりも低Cの炭化水素に改質される。次いで、処理された原料及び改質された生成物は、出口770へと通過し、それらは、(i)原料又は生成物を改質するために全体に延在するプラズマ(例えば、更なるマイクロ波プラズマ、誘導プラズマ、それらの組み合わせ、等)を有する追加の反応チャンバに、又は(ii)構成生成物の分離、選別、又は精製(例えば、炭素選別、水素圧縮/貯蔵、低C炭化水素の更なる改質、等)のために、更に方向付けされる。
【0092】
図8は、本発明の主題のシステム800を描写し、これは、システム700と類似しており、反応管内のプラズマ及び原料に方向付けされた第3のマイクロ波導波管の追加を有する。入口810は、原料(例えば、低C炭化水素、天然ガス、等)に結合されて、原料をシステムに送達する。反応管830は、入口810から出口820まで延在しており、反応ゾーン850、860、及び870と交差する。
【0093】
原料は、最初に処理及び点火システム840において処理される。処理及び点火システム840は、1つ以上のプラズマ(例えば、DBDプラズマ、グライドアーク、等)を発生させるために、本明細書に開示される1つ以上の電極を含むことができる。原料及びプラズマは、反応器管830に沿って下流に方向付けされる。導波管エミッタ852は、840からのプラズマを反応ゾーン850内にかつそれを通ってエネルギー供給及び伝播する(例えば、拡散する、延在する、拡大する、等)ように、マイクロ波作用反応ゾーン850を方向付けする。導波管エミッタ862は更に、プラズマを反応ゾーン860内にかつそれを通ってエネルギー供給及び伝播する(例えば、拡散する、延在する、拡大する、等)ように、反応ゾーン860にマイクロ波を方向付けする。導波管エミッタ872は更に、プラズマを反応ゾーン870内にかつそれを通ってエネルギー供給及び伝播する(例えば、拡散する、延在する、拡大する、等)ように、反応ゾーン870にマイクロ波を方向付けする。
【0094】
原料が、反応管830(及び反応ゾーン850、860、及び870)を通過すると、それは、反応管830に沿ったプラズマ(例えば、連続プラズマ、各ゾーン内の別個のプラズマ、それらの組み合わせなど)によって、水素、炭素、又は原料よりも低Cの炭化水素に改質される。次いで、処理された原料及び改質された生成物は、出口820へと通過し、それらは、(i)原料又は生成物を改質するために全体に延在する(又は、各ゾーンに個別に存在する)プラズマ(例えば、更なるマイクロ波プラズマ、誘導プラズマ、それらの組み合わせ、等)を有する追加の反応チャンバに、又は(ii)構成生成物の分離、選別、又は精製(例えば、炭素選別、水素圧縮/貯蔵、低C炭化水素の更なる改質、等)のために、更に方向付けされる。
【0095】
図9は、本発明の主題のシステム900を描写する。原料入口910は、原料を原料源から反応管920に供給し、反応管920は、出口930まで延在し、反応ゾーン940及び950と交差する。いくつかの実施形態では、原料入口は、上流で処理された(例えば、炭素、水素、低C炭化水素、等に部分的に改質された)原料、又はプラズマ(例えば、DBDプラズマ、グライドアークプラズマ、誘導プラズマ、マイクロ波プラズマ、等)、又はその両方を受け取る。導波管942は、マイクロ波を反応ゾーン940に方向付けして、マイクロ波プラズマを形成するか(例えば、点火器を用いて、又は上流からゾーン940内に延在するプラズマにエネルギー供給する/プラズマを伝播させることによって)、さもなければプラズマにエネルギー供給する。
【0096】
原料は、ゾーン940から反応ゾーン950に流れる。いくつかの実施形態では、ゾーン940内のプラズマは、そこに存在するが、好ましくは、ゾーン940からのプラズマは、反応ゾーン950に延在するか、そうでなければ伝播する。誘導コイル952は、反応ゾーン950の周りに配設されており、原料及びプラズマから絶縁されている(すなわち、電極は、ゾーン950内の原料又はプラズマに曝露されない)。誘導コイル952は、ゾーン940からのプラズマにエネルギー供給し、プラズマと誘導結合して、プラズマシステムからのフィードバックを提供し、さもなければゾーン950内のプラズマを制御又は操作する。
【0097】
原料は、反応管920を通過すると改質され、主に反応ゾーン940及び950のプラズマ(好ましい場合には連続プラズマ)によって改質される。好ましくは、水素及び炭素を含む反応種又は生成物が、更なる処理、選別、若しくは分離、又はそれらの組み合わせのために出口930を出る。いくつかの実施形態では、更なるマイクロ波又は誘導コイルが、出口930の下流に配設されて、任意の残りの原料又は低C炭化水素を、所望の生成物の水素又は炭素に更に処理及び改質する。
【0098】
図10Aは、本発明の主題のシステムのダイヤグラム1000Aを描写する。
原料入口1010Aは、原料(例えば、天然ガス)を点火器1020Aに供給する。点火器1020Aは、本明細書に開示されるように、点火器1020A内のプラズマ(例えば、DBDプラズマ、グライドアークプラズマ、それらの組み合わせ、等)を発生させるための1つ以上の電極を含む。次いで、点火器1020A及び原料からのプラズマは、反応ゾーン1030Aへと通過し、ここで、誘導コイルが、プラズマにエネルギー供給し、ゾーン1030A内で誘導プラズマを形成するために使用される。
【0099】
原料並びに生成物(例えば、水素、炭素、低C炭化水素)、及びプラズマが、好ましくは、反応ゾーン1040Aに入り、マイクロ波がゾーンに方向付けされてプラズマにエネルギー供給し、ゾーン内にマイクロ波プラズマを形成する。原料並びに生成物(例えば、水素、炭素、低C炭化水素)、及びプラズマが、好ましくは、反応ゾーン1050Aに入り、マイクロ波がゾーンに更に方向付けされてプラズマにエネルギー供給し、ゾーン内にマイクロ波プラズマを形成する。次いで、原料並びに生成物は、ゾーン1060Aに入り、フィルタが、生成物を互いに及び任意の残りの原料から濾過するか、又は方向付け構造が、更なる処理のために原料又は生成物を別個のチャネルに更に迂回させる。次いで、所望の生成物は、収集、精製、又は保管のために出口1070Aを出るが、残りの原料は、入口1010Aに循環して戻るか、又は更なる反応ゾーンへと下流に循環することによって、更なる処理のために方向転換される。
【0100】
図10Bは、本発明の主題によって企図されるマイクロ波及び誘導プラズマの多様な配置を実証するダイヤグラム1000Bを描写する。1010Bは、原料をシステムに提供する。ゾーン1020B、1030B、1040B、1050B、又は1060Bのいずれか1つ、若しくは大部分、又は全ては、誘導プラズマ(例えば、誘導コイルを介する)又はマイクロ波プラズマ(例えば、マイクロ波を介する)を有するゾーンであり得、これらは、各ゾーン内に別々に存在し得、又はゾーン間に連続的に延在し得る。好ましくは、ゾーン1020Bは、プラズマ(例えば、DBD、グライドアーク、等)を生成するための1つ以上の電極を含み、一方、ゾーン1060Bは、所望の生成物(水素、炭素)を残りの原料から分離するためのフィルタを含む。
【0101】
本明細書の説明及び以下の特許請求の範囲全体で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」の意味は、文脈が明示的に別段に指示しない限り、複数参照を含む。また、本明細書の説明で使用される場合、「in」の意味は、文脈が明示的に別段に指示しない限り、「in」及び「on」を含む。
【0102】
本明細書で使用される場合、及び文脈が別段に指示しない限り、「に結合される」という用語は、直接結合(互いに結合される2つの要素が互いに接触する)及び間接結合(少なくとも1つの追加の要素が2つの要素の間に位置する)の両方を含むことが意図される。したがって、「に結合される」及び「と結合される」という用語は、同義的に使用される。
【0103】
文脈が反対を指示しない限り、本明細書に記載される全ての範囲は、それらのエンドポイントを含むと解釈されるべきであり、無制限の範囲は、商業的に実用的な値を含むと解釈されるべきである。同様に、文脈が反対を指示しない限り、値の全てのリストは、中間値を含むとみなされるべきである。
【0104】
本明細書における値の範囲の列挙は、単に、範囲内にある各個別の値を個別に参照する簡略化された方法として機能することを意図している。本明細書において別段に指示されない限り、各個々の値は、本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段に指示がない限り、又は別段に文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行され得る。本明細書の特定の実施形態に関して提供される任意の及び全ての例、又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をより良く明らかにすることを意図しており、他の方法で特許請求される本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書のいかなる文言も、本発明の実施に不可欠な特許請求の範囲に記載されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0105】
本明細書に開示される本発明の代替的な要素又は実施形態のグループ化は、限定として解釈されるべきではない。各グループメンバーは、個別に、又はグループの他のメンバー若しくは本明細書に見出される他の要素との任意の組み合わせで参照され、請求され得る。グループの1つ以上のメンバーは、利便性及び/又は特許性の理由から、グループに含まれるか、又はグループから削除され得る。任意のそのような包含又は削除が生じるとき、本明細書は、本明細書において、添付の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュ群の書面による説明を満たすように修正された群を含むとみなされる。
【0106】
以下の説明は、本発明の主題の多くの例示的な実施形態を提供する。各実施形態は、本発明の要素の単一の組み合わせを表すが、本発明の主題は、開示された要素の全ての可能な組み合わせを含むとみなされる。したがって、一実施形態が要素A、B、及びCを含み、第2の実施形態が要素B及びDを含む場合、明示的に開示されていなくても、本発明の主題はまた、A、B、C、又はDの他の残りの組み合わせを含むとみなされる。
【0107】
本明細書の発明の概念から逸脱することなく、既に記載されているもの以外に、より多くの修正が可能であることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲内であることを除いて限定されるべきではない。更に、明細書及び特許請求の範囲の両方を解釈する際に、全ての用語は、文脈と一致する可能な限り広範な様態で解釈されるべきである。特に、用語「備える(comprises)」及び「備える(comprising)」は、参照される要素、構成要素、又はステップが、明示的に参照されない他の要素、構成要素、又はステップに存在し得るか、利用され得るか、又は組み合わせられ得ることを示す、非排他的な様態で要素、構成要素、又はステップを指すものとして解釈されるべきである。本明細書の特許請求の範囲が、A、B、C…及びNからなる群から選択されるもののうちの少なくとも1つを指す場合、テキストは、A+N、又はB+N、等ではなく、群から1つの要素のみを必要とするものとして解釈されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
【国際調査報告】